中央環境審議会地球環境部会(第31回)議事録

1.日時

平成17年8月22日(水) 午後1時30分~午後3時58分

2.場所

虎ノ門パストラル本館1階「葵」

3.出席委員

(部会長) 須藤 隆一
(部会長代理) 浅野 直人
(委員) 浅岡 美恵 佐和 隆光
鈴木 基之 武内 和彦
服部 拓也 和気 洋子
(臨時委員) 青木 保之 天野 明弘
石坂 匡身 浦野 紘平
及川 武久 太田 勝敏
久保田 泰雄 小林 悦夫
清水 誠 住 明正
富永 健 永里 善彦
馬場 久萬男 三橋 規宏
森嶌 昭夫 横山 裕道
(専門委員) 原沢 英夫 平田 賢

4.議事次第

  1. 今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方について
  2. その他

5.配付資料

座席表
委員名簿
資料1-1 フロン類等の排出抑制対策の現状と課題について
資料1-2 今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方について
資料1-3 中央環境審議会における今後の審議について(案)
資料2-1 G8グレンイ-グルズサミットの結果概要
資料2-2 温暖化防止国民運動「チーム・マイナス6%」の実施状況について
資料2-3 環境省がその事務及び事業に関し温室効果ガスの排出削減等のため実行すべき措置について定める実施計画
資料2-4 第三次環境基本計画の策定について
参考資料1-1 フロン類等の排出抑制対策の体系図
参考資料1-2 平成16年度オゾン層等の監視結果に関する年次報告書について
参考資料1-3 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律の概要
参考資料1-4 フロン回収破壊法のシステム及び施行状況
参考資料1-5 オゾン層破壊物質と温室効果ガスの関係
参考資料1-6 京都議定書目標達成計画
参考資料1-7 フロン回収推進方策検討会報告書の概要
参考資料1-8 業務用冷凍空調機器フロン類回収システム検討調査の概要
(経済産業省報告書)

6.議事

午後 1時30分 開会

○清水総務課長 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会の地球環境部会、第31回会合を開催いたします。
本日の会合は今の段階で全委員40名中21名が出席しております。過半数に達しておりますので、部会として成立しております。
それでは、会議に先立ちまして、事務局環境省に人事異動がございましたので、新任の幹部を紹介させていただきたいと思います。
地球環境審議官、小島でありますが、別の公務の関係で後からまいります。
それから、地球環境省局長の小林光でございます。

○小林地球環境局長 小林でございます。

○清水総務課長 それから、地球環境局担当の審議官に笹谷が就任いたしましたが、これも後から駆けつけてまいります。
それから、環境保全対策課長に小川晃範。

○小川環境保全対策課長 小川でございます。よろしくお願いします。

○清水総務課長 それから地球温暖化対策課長の梶原成元。

○梶原地球温暖化対策課長 梶原でございます。よろしくお願いします。

○清水総務課長 それから総務課調査官の奥田直久。

○奥田調査官 奥田でございます。よろしくお願いします。

○清水総務課長 研究調査室長の塚本直也。

○塚本研究調査室長 塚本でございます。よろしくお願い申し上げます。

○清水総務課長 それからフロン等対策推進室長の榑林茂夫。

○榑林フロン等対策推進室長 榑林です。よろしくお願いします。

○清水総務課長 それから地球温暖化対策課調整官の山本昌宏でございます。

○山本調整官 山本でございます。よろしくお願いいたします。

○清水総務課長 申しおくれましたが、私は地球温暖化対策課長から、この度、総務課長の方に異動しました清水でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、この後の進行は須藤部会長、よろしくお願いいたします。

○須藤部会長 かしこまりました。
皆さん、こんにちは。本日は大変残暑厳しい中を、またお忙しい中を第31回中央環境審議会地球環境部会のためにお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。また、本日も大勢の傍聴の方々がお見えでございます。感謝申し上げます。
それでは、まずは、新任の小林局長からご挨拶をいただきたいと思います。小林局長、どうぞよろしくお願いいたします。

○小林地球環境局長 今、ご紹介にあずかりました地球環境局長の小林でございます。先月20日付で地球環境局の方へ、環境管理局から異動してまいりました。環境管理局長時代におきましても、こちらの地球環境部会にはちょくちょくお邪魔をさせていただきましたけれども、引き続きではございますが、よろしくお願いいたします。
 また、委員の皆様方におかれましては、特にうっとうしい暑さが続く中、お運びを賜りましてありがとうございます。審議事項、山積をしております。引き続き、この地球環境保全のためにご指導賜りますよう、お願い申し上げたいと思います。
 たまたま、私は1997年の地球温暖化防止京都会議COP3当時、担当の課長でしたし、他にも補佐であった者等々、この場に多く揃っております。今回、京都議定書が発効いたしまして、その実施局面になったということでございまして、巡り合わせということだと思いますけれども、いよいよ実行に頑張らなければいけないというふうに、今回異動もございましたけれども、職員一同思っている次第でございます。ご指導賜りたいと思います。
 京都議定書の目標達成は、地球温暖化防止のための最初の一歩でございます。今後の枠組づくり、途上国の巻き込み等々やらなければいけないことがたくさんあると承知をしておりまして、こちらの審議会ではたくさんご指導いただいております。本当にありがとうございます。引き続きよろしいくお願いをいたしたいと思いますし、私どもとしても、こういった途上国対策等々含めまして、新しい課題や、また大事な課題に取り組んでまいりたいと思っております。
 本日はそうした山積する課題の中で、フロン類の対策を中心にご議論いただくということでございます。先週金曜日、19日付で、小池環境大臣から当審議会に対しまして諮問がなされております。「今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方について」ということでございます。これが地球環境部会に付議をされております。後ほど事務局の方から詳しくご説明させていただきたいと思っておりますけれども、このフロン類などのオゾン層破壊物質の放出が原因となりまして、成層圏のオゾン層は、依然として脆弱な状態が続いています。人の健康や生態系への悪影響が心配をされておりますし、それに加えまして、オゾン層破壊物質のうちの代替物質、代替フロンガス、HFC等々によります地球温暖化への影響も、近年大変重要な問題となっております。この代替フロンを温暖化対策の観点から減らしていこうということは、この4月28日に閣議決定されております京都議定書目標達成計画におきましても位置づけられたところでございます。
 しかしながら、そういう目で見ますと、HFC等々の破壊といいますか放出の削減ということに関しますと、必ずしも回収率がよくないというのが正直なところでございまして、例えば業務用の冷凍空調機器というようなことを見てみますと、これがなかなか回収されて、破壊されるということになっていないわけでございます。こういった回収・破壊を一層徹底する方策についも検討する必要がある、というふうに考えております。
 課題山積の中、またお忙しい中、また暑い中、お集まりいただきまして大変恐縮でございますけれども、ぜひご指導を引き続き得たいと存じております。よろしくお願いいたします。

○須藤部会長 小林局長、どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、資料の確認を事務局からお願いいたします。

○事務局(鈴木) 恐縮でございます。そうしましたら、お手元の配付資料のご確認をさせていただきたいと思います。
 1枚目が議事次第、資料等が書かれてございます1枚紙でございます。次に本部会の座席表、その後ろに部会の名簿をつけてございます。
 資料1-1、フロン類等の排出抑制対策の現状と課題について。
 次に資料1-2でございますが、今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方について。
 次が資料1-3、中央環境審議会における今後の審議について。
 次が資料2-1でございます。G8グレンイ-グルズサミットの結果概要。
 続きまして資料2-2でございます。温暖化防止国民運動「チーム・マイナス6%」の実施状況について。
 次が資料2-3でございます。環境省がその事務及び事業に関し温室効果ガスの排出削減等のため実行すべき措置について定める実施計画。
 次が資料2-4、第三次環境基本計画の策定について。
 次が参考資料として参考資料1-1から1-8まで左ホチキスどめをしております。
 1枚めくっていただきまして参考資料1-1、1ページでございます。フロン類等の排出抑制対策の体系図。
 次が3ページ、参考資料1-2でございます。平成16年度オゾン層等の監視結果に関する年次報告書について。
 次が11ページに飛びますが、参考資料1-3、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律。
 次が参考資料1-4、13ページでございます。フロン回収破壊法のシステム及び施行状況。
 次が15ページ、参考資料1-5でございます。オゾン層破壊物質と温室効果ガスの関係。
 次が19ページでございますが、参考資料1-6、京都議定書目標達成計画でございます。
 次が31ページに飛びますが、参考資料1-7、フロン回収推進方策検討会報告書の概要でございます。
 それと、37ページ、最後の1枚でございますが、参考資料1-8、業務用冷凍空調機器フロン類回収システム検討調査の概要でございます。
 最後に中央環境審議会議事運営規則を添付しております。漏れなどがございましたら事務局までお知らせいただければと思います。
 以上でございます。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。委員の先生方、資料はおそろいでございましょうか。
 それでは、最初に本日の議題について紹介をさせていただきます。本日の議題は、「今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方について」であります。8月19日に環境大臣から中央環境審議会に対して、今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方について、ということが諮問がなされ、鈴木会長から当部会にこの諮問が付議されたものでございます。まずはこの議題について事務局から説明をお願いし、その後に質問をいただいたり、あるいは意見をおっしゃっていただく時間を設けたいと思っております。その後、事務局からその他の報告事項が幾つかございますので、それについて説明をいただきたいと思います。時間は約2時間30分、16時までを予定しておりますので、議事進行につきましては、どうぞよろしくご協力をお願いいたします。
 それでは、今ご紹介いたしましたように、最初の議題、今後のフロン類等の排出抑制対策について、であります。事務局からご説明をお願いいたします。榑林室長、どうぞ。

○榑林フロン等対策推進室長 フロン等対策推進室長の榑林でございます。
 まず、お手元の資料1-1、1-2、1-3がフロン類の関係の資料でございます。まず、お手元の資料1-1、それから参考資料に基づきまして、諮問に至った経緯について簡単にご説明申し上げます。
 まず、資料1-1にございますように、フロン類等の排出抑制対策、現状の枠組みについてご説明させていただきたいと思います。参考資料の方も併せてごらんいただきたいと思います。1枚めくっていただけますでしょうか。横書きの図で、「フロン類等の排出抑制対策の体系図」とございます。フロン対策を考える場合は、1つはオゾン層の保護という観点、それから地球温暖化の防止といった観点がございます。オゾン層の保護の観点から申し上げますと、昭和60年に採択されたウィーン条約、それから、昭和62年に採択されたモントリオール議定書によりまして、オゾン層破壊物質の製造等の規制、先進国であれば平成8年までにCFC等は全廃、その後、HCFCは段階的に廃止。これらを受けまして、我が国の法律といたしましては、オゾン層保護法が昭和63年につくられております。同法に基づいて特定物質の製造等の規制、オゾン層及び特定物質の大気中濃度の監視といったものが行われております。その後、特定物質の排出抑制・使用合理化指針が昭和64年に告示され、また、1998年のモントリオール議定書第10回の締約国会議を受けまして、国家ハロンマネジメント戦略が平成12年、それから国家CFC管理戦略が平成13年といったぐあいに、オゾン層を守るための取り組みが進められてまいりました。
 平成13年になりまして、既に新たに製造されるフロン類だけではなくて、既に製造されて特定製品の中に含まれているものについても、その機器が廃棄されるときに大気中に出るだろう。それを防止するための対策として、フロン回収破壊法が制定され、ここでは第一種特定製品として業務用の空調冷凍機器、第二種特定機器としてカーエアコンからのフロンの回収・破壊といった対策がなされ、さらには附則の中で断熱材フロンの回収や破壊の調査等も推進しようとされております。このフロン回収破壊法の場合は、オゾン層の保護といった目的と同時に、オゾン層破壊物質の代替物質として利用されているような物質による地球温暖化の防止対策も併せて行うために、機器からの冷媒のフロンを回収しようといったものでございます。
 さらには、本年4月に閣議決定されました京都議定書の目標達成計画の中でも各種ある冷媒として機器に充填されているHFC等の回収を促進していきましょう、ということにされております。
 関連する制度といたしまして、家電リサイクル法で家庭用の冷蔵庫や空調機器からの冷媒回収、グリーン購入法に基づきましてオゾン層破壊物質を使用しない製品の調達の推進、自動車リサイクル法に基づいて、カーエアコンからの冷媒の回収、こういった枠組みがつくられてきているわけでございます。
 1枚おめくりいただきたいと思います。次にそれでは、こういった対策を受けて、オゾン層の現状についてでございます。オゾン層保護法に基づきまして、環境省は特定物質のオゾン層破壊物質の大気中濃度であるとか、オゾン層の状況、それから太陽紫外線の状況の監視結果を毎年取りまとめることとされております。
 1ページめくっていただいて、5ページをちょっとごらんいただきますと、本部会の委員でもあられる富永先生を座長とする成層圏オゾン層保護に関する検討会、それから国立水俣病総合研究センター顧問の滝澤先生を座長とする環境影響分科会、こういった両検討会におきまして検討された結果というのが、もとの1-1の1ページ目に示されている3点でございます。1つ、オゾン層の状況に関していうと、1980年以前に比べて少ない状況で続いており、特に高緯度地域において春季に著しく減少しております。新聞等で問題になります南極上空のオゾンホールに関しては、面積であるとか、オゾン欠損量について、過去10年の中では3番目に小規模ではあるものの、成層圏の急激な温度上昇などの気象条件によるものが考えられ、現時点でオゾンホールに縮小の兆しがあるとは判断できないといった状況というふうにされております。
 次にオゾン層破壊物質等の大気中濃度の現状です。これもCFC-12はほぼ横ばいで、CFC-11、CFC-113については減少している。一方で、これらの代替物質としても使われているHCFCやHFCの濃度は増加している、といったような状況にございます。
 太陽紫外線の状況につきましても、1年を通して参照値、1991年から2003年の月平均値と同程度か、それより大きくなったといったような状況であり、まだまだオゾン層の状況は予断を許さないような状況にあるといったことでございます。
 続いて、11ページ、参考資料1-3をごらんいただけますでしょうか。先ほど申し上げましたように、オゾン層保護法によって新たに製造されるフロン等のオゾン層破壊物質については規制がなされているわけでございます。一方で、例えば業務用の空調冷凍機器、こういったビルに使われております空調機器であるとか、コンビニのお弁当を冷やすような機器、それから小さなところではビルの冷水機といったようなもの、そういった空調冷凍機器のように、機器に使われているものにつきましては、過去に製造されて、現在は使用はされているんだけれども、フロンは大気中にはまだ出ていないといったようなものもございます。そういったものについても、きっちり回収していく必要があるだろうということで、平成13年につくられた法律でございます。
 ここで2の定義のところをごらんいただきますと、オゾン層破壊物質または地球温暖化の原因物質で、業務用のエアコンディショナー並びに冷凍機器及び冷蔵機器、冷凍機器でフロン類が充填されているものを第一種特定製品、それから自動車用カーエアコンを第二種特定製品といたしましております。こういったものからのフロン類の回収を円滑にし、回収したフロン類をきっちり破壊または再利用するための仕組みというのをつくっているのが、フロン回収破壊法でございます。
 それでは、フロン回収破壊法のシステム及び施行状況を参考資料1-4に基づきましてご説明いたします。フロン回収破壊法では、業務用冷凍空調機器からの冷媒をCFC、HCFC、HFCの回収及び破壊を目的としております。当初、カーエアコンからのフロン回収についても当該法律で行われておりましたが、平成17年1月1日からは自動車リサイクル法に移行され、現在は先ほど申し上げましたような業務用の冷凍空調機器からのフロンを、いかに回収して破壊または再利用していこうかといったものが、この法律の主な役割になっております。
 仕組みといたしましては、図の左側にございます業務用冷凍空調機器、例えば大きなところでは地域冷房を行っているような施設の遠心冷凍機、フロンが何100キロと入っているようなものから、パッケージエアコン、1,000万台ぐらいございますけれども、雑居ビルの壁なんかに取りついているようなもの、コンビニやスーパーなどのショーケース、これも350万台ぐらいございます。業務用の冷蔵庫200万台、それから自動販売機260万台、こういったものを合わせまして2,100万台が市中に出回っています。こういった業務用冷凍空調機器が役目を終えて廃棄に回ったときに、フロンをいかに回収できるかということで、2,100万台のうち、年間約200万台が廃棄に回るわけでございます。
 第一種特定機器の廃棄者というのは、ビルのオーナーである場合もありますし、コンビニのオーナーである場合もありますし、こういった業務用の冷凍空調機器を捨てるといった方々でございます。こういった方々は、真ん中にございます、都道府県の知事の登録を受けた第一種フロン類回収業者に渡さなければならない。ここの第一種フロン類回収業者は必要な機器を具備しており、それから、技能を有しているといった業者、この業者に直接引き渡すか、または委託して引き渡さなければならない。ここで、17年4月1日現在、登録業者が2万6,824業者おるわけでございますけれども、具体的には空調とか、エアコンの設備業者である場合もございますし、それからビルの解体業者を兼ねている場合もございます。
 回収されたフロンにつきましては、一部再利用でもとに戻るものもございますし、また、残りの多くの部分については、全国で79の、主務大臣である、環境大臣及び経済産業大臣が許可している業者が熱処理、化学処理等で破壊します。このような流れになっておりますが、今現在問題となっておりますのは、第一種特定製品廃棄者から、第一種フロン類回収業者への矢印、フロン回収量というのが1,889トンとございます。ここで推定回収率28%とございますが、今わかっている数字としては、年度ごとに業務用冷凍空調機器、どんな種類のものが何台ぐらい出荷されているかといったデータ、それから、1台平均、どのぐらいのフロンが封入されているかといったデータ、それから、それぞれの機器の寿命、何年後に何%の機器がまだ使われているか、そういったデータから、この年度に廃棄されるフロンの量はどのぐらいかというのを推定した量というのが、約6,800トンでございます。それに比して1,889トンというのは28%、全部理想的に回収できれば100%なんだけれども、28%というのが現状でございます。
 ちなみに、家庭用エアコン、同じ平成15年度で860トン、冷蔵庫からの回収287トン、カーエアコンからの回収638トンというわけでございますけれども、フロンの大気中への放出を少なくするためには、1,889トンをより大きくするといったのが、1つ大きな課題になってまいります。
 今までがオゾン層の破壊、それからフロン回収の実態について申し上げましたが次に、オゾン層破壊物質と温室効果ガスの関係、即ち地球温暖化の関係を参考資料1-5、参考資料の15ページから簡単にご説明申し上げます。ここでごらんいただきますように、図の上の方、左側、オゾン層破壊物質ということで実線で囲んでおります。土壌の殺菌などに使われる臭化メチル、それから冷媒や発泡剤に使われるCFC、HCFC、消火剤に使われるハロン、一般溶剤に使われる四塩化炭素、部品洗浄等に使われる1,1,1-トリクロロエタン、こういったものがモントリオール議定書対象物質、オゾン層破壊物質でございます。
 一方で、点線で囲ってある部分、CFC、ハロン、HCFC、四塩化炭素、1,1,1-トリクロロエタン、それからCO、メタン、NO、HFC、PFC、SF、こういったものが温室効果ガスとして知られているガスでございます。
 このうち、フロン回収破壊法の対象ガスと京都議定書の代替フロン等3ガスの関係について見たのが下の図でございまして、フロン回収破壊法の対象になっていますのがCFC、HCFC、HFC、それからフロン回収破壊法の対象になっていない代替フロン等3ガスが、PFC、SFでございます。
 1枚めくっていただきまして、ここら辺の関係をもう少し詳しくご説明させていただきたいと思います。表の中でオゾン層破壊物質及び代替フロン等について、物質、主な用途、オゾン層破壊係数、地球温暖化係数といった数値が示されております。CFC、HCFCに関しましては、冷蔵庫やエアコン、断熱材、洗浄剤といったものに使われており、オゾン層破壊係数だけでなく、地球温暖化係数も高い値になっています。ハロンに関しては、主に消火剤として使われているので、空調冷凍機に使われるというよりは、別の用途だといったものでございます。これもオゾン層破壊係数が大きな物質でございます。
 一方で、代替フロン等、ここではオゾン層破壊係数のところがいずれもゼロになっておりますが、一方で冷蔵庫、エアコン、断熱材、エアゾール等に、CFCやHCFCの代替として使われるようなHFCに関しましては、地球温暖化係数が140から1万1,700。PFC、SFは、洗浄剤、半導体製造、電気絶縁ガスやマグネシウムの鋳造とHFCとは用途が違いますけれども、これらも地球温暖化係数は大きい物質でございます。
 簡単に図示したものが同じページの下でございます。フロン類の中で、特定物質であるCFCにつきましては、モントリオール議定書で先進国では1996年全廃、それからHCFCについては、2020年全廃ということで、冷媒や発泡剤、溶剤、洗浄剤、エアゾールの噴射剤として利用されてきましたが、こういったものを、とにかく削減しなければならないということで、まずは代替フロン、HFC等に代替されてきたわけでございます。
 一方で、これらの物質、上の表にもございますように地球温暖化係数が大きいといったこともございまして、京都議定書地球温暖化防止の観点からノンフロン化が進んでいるといったのが現状でございます。
 続きまして、17ページ、次のページをごらんいただきますと、代替フロン等3ガスの排出量実績と、京都議定書目標達成計画における目標値でございます。左側の縦軸が100万CO、CO換算で、この3ガスがどのぐらいの排出量になっているかということ、それからパーセントで-2.1%、1.4%、0.1%と入っている数字でございますけれども、京都議定書の対象である温室効果ガス6ガス、COとか、NOも含めた全部の6ガスの基準年総排出量に対する増減割合でございます。
 1995年の基準年にCO換算で5,000万トンだったものが、例えば工場での副生成物として出てくるようなHFCの削減対策等によりまして、ぐっと2004年には2,300万トン、-2.1%になっております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、CFCや、HCFCの代替として、冷媒などで使われてきているものもございまして、だんだんそういったもの、つまりHFCの排出量というのが多くなることが予想されています。そのために京都議定書目標達成計画では、現状対策のままではプラス1.4%になる、6,700万トンになると予想されるものを5,100トン、プラス0.1%まで下げていこうといったことを目標にしております。
 そのあたりを、詳しく説明しているのが19ページからでございます。ここでは既に部会でも何回かごらんいただいている京都議定書目標達成計画でございますが、関連の部分を幾つか抜粋してあります。めくっていただいて、通しページで27ページをごらんいただけますでしょうか。代替フロン等3ガス、頭のところにございますように代替フロン等3ガスは、温室効果ガス排出量全体に占める割合は2.1%である。モントリオール議定書に基づく生産、消費の削減が進められているオゾン層破壊物質からの代替が進むことにより、HFCの排出量が増加することが予想されている等、幾つかの排出量の増加要因もあることから、増加を抑制していこうというのが京都議定書目標達成計画の中で書かれております。
 では、どういう対策を講ずるのかというのが、3つの「○」でございまして、産業界の計画的な取り組みの推進といったことで、業界による自主的な取り組み、それから、代替物質等の開発等及び代替製品の利用の促進で、フロン等3ガスの新規代替物質や、代替フロン等3ガスを使用しない技術及び回収破壊技術、製品の利用促進を図っていこうといったものです。それから3番目の「○」が法律に基づく冷媒として機器に充填されたHFCの回収等、ということでございます。家電リサイクル法や、それからフロン回収破壊法、自動車リサイクル法といったものをしっかり運用することによって、冷媒分野のHFCの回収破壊の徹底を図りましょうということです。それから、これらの機器のうち、特に業務冷凍空調機器については、使用冷媒についてHCFCからHFCの代替が進行している上に、廃棄時のフロン回収率が低い水準、先ほど申し上げました28%といったような水準にとどまっていることから、今後、HFCの排出から急増することが見込まれるため、業務用の冷凍空調機器からのフロン回収に関する制度面の抜本的見直しを含めた回収率向上対策を講ずる、というふうに位置づけられております。
 次の表をごらんいただきますと、代替フロン等3ガスに対する対策、施策の一覧ということで、ただいまご説明したようなものを、さらに詳しく書いてございます。左から具体的な対策、対策評価指標、各主体ごとの対策、国の施策といったことになっていますけれども、枠の一番左下の方をごらんいただきますと、法律に基づく冷媒として機器に充填されたHFCの回収等というのがございます。ここではカーエアコンの冷媒の回収率80%、業務用冷凍空調機器から冷媒の回収率、2008年度からの5年平均で60%、それから補充用冷媒の回収率、2008年度からの5年間平均30%ということで、各主体ごとの対策といたしましては、国民によるフロン類の確実な回収及び破壊への協力であり、国の施策としては、法律の適切な実施・運用、普及啓発に加え、業務用冷凍空調機器のフロン回収に関する制度面の抜本的な見直しを含めた回収率向上対策を検討していくべきである、ということが位置づけられてございます。
 では、こういった状況を踏まえて、環境省それから関係省庁が、これまでどういった取り組みをしてきたかを、簡単に資料1-7と1-8でご説明申し上げます。参考資料1-7でございますけれども、この報告というのは環境省が平成16年度の請負調査の検討結果をまとめたものでございます。
 検討の背景と目的にございますように、廃棄された業務用の空調冷凍機器の冷媒フロンの回収率3割と低い水準にとどまっております。
 2番目の「○」にございますように、廃棄の回収率を、当面2008年度以降の5年間における平均値として60%に引き上げるためには、どうしたらいいんだろうか、こういったことで、専門家からなる委員会を設けて、関係事業者からのヒアリング、それからアンケート、そういったもので問題点の洗い出しと、どういった対策がとり得るかというメニューの洗い出しといったことをしています。
 具体的にここで明らかになってきた課題、問題点に関しましては、まずは廃棄者がフロン類の引渡義務を実施していないことです。ビルのオーナーであるとか、コンビニの店主とか、そういったものが空調冷凍機器が不要となった際に、法律ではフロン回収業者にみずから、もしくは委託して引き渡さなければならないというふうになってますが、認識されていない、あるいは引渡義務が認識されていても、フロン回収をみずから発注していない、また発注したとしても適切でない場合があるといったことが問題の1つとして挙げられています。次に挙げられているのは、機器の廃棄からフロン類が回収されるまでの間に、機器の廃棄処理に関わっている取次業者に関する義務が明確化されていないということで、具体的にはビルを壊してしまうときの解体工事とともに、一式引き受けている場合だとか、整備業者、そういった中間に当たる機器を取り次ぐ業者の位置づけというのがはっきりしていないので、あいまいになっている部分があるのではないかということです。
 3番目は、機器の整備時のフロン回収が制度化されていないことです。現行のフロン回収破壊法におきましては、フロンが入っているような業務用の空調冷凍機器を廃棄するときに回収する、その量を記録、届け出るというようなことになっていまして、メンテナンスのときの扱いというのが弱い面がございます。
 こういった問題点を踏まえまして、必要とされる措置の考え方、幾つかの案が検討されております。そこでは、引渡義務違反に対する罰則であるとか、フロンの流れをはっきりと把握するためのマニフェストであるとか、あとは機器の廃棄処理において間を取り次ぐ者の扱い、そういったものが検討されてきているわけでございます。また費用負担方法についも各種のメリット、デメリットについての検討が進められているといったわけでございます。
 こういった下作業というか、いろいろな問題点の洗い出しということがされておりまして、「まとめ」のところでは、フロン類を回収するための方策について、現状の問題点の整理を行った。それに対応するような各種の施策をとり得るべきものを整理したとしています。
 何ページかめくっていただきまして、37ページをごらんいただきますと、同様に経済産業省の方でも、平成16年度に財団法人日本冷凍空調工業会に委託して、実際の業務用冷凍空調機器のフロン類回収システム検討調査をされております。ここでも、京都議定書目標達成計画における回収率60%に向上させるという目標について、それを達成するために現状の課題をアンケート調査等によって把握しております。
 同様に[1]、[2]、[3]とございますが、廃棄者がフロン類回収業者に適切にフロンを引き渡していないおそれがあるといったこと。[2]といたしまして、フロン類回収業者へフロン類を引き渡していないおそれである。[3]といたしまして、フロン類回収作業の依頼が仲介されるうちに、フロン類の回収が不明になっているおそれがある。こういったものから、廃棄者にフロン類回収の必要性を十分に認識してもらい、機器回収のフロン類回収が適切に行われることを確認できるようなことが重要であろうということで、対策を検討されているわけでございます。
 以上のような背景に基づきまして諮問がなされたわけでございます。お手元の資料1-2が諮問文そのものでございます。簡単にもう一回、背景を復習しつつ諮問についてご説明させていただきます。
 資料1-2にございますように、今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方についてということで、環境基本法の41条2項2号の規定に基づいて、今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方について貴審議会の意見を求めます、ということでございます。
 大きく4段落に分かれています、諮問理由が1段落目です。1つはオゾン層破壊物質によるオゾン層は依然として脆弱な状態が続いています。それからオゾン層破壊物質の代替物質による地球温暖化への影響というのも重要な課題になっているということ。第2段落目では、製造時及び消費の規制というのは対策が進んできているが、過去に生産され、現在も使用されているオゾン層破壊物質、ここではフロンのみならずハロンといったものもありますし、冷媒、それから断熱材として使われているようなものもございます。また、京都議定書の温室効果ガスでもあるHFCといった代替物質は、今後とも出てくる可能性がある。こういったものの排出を抑制しなければならないという、広い意味での対策を講じなければならない。次の段落では、特にその中でも業務用冷凍空調機器に関しては、フロン類回収破壊法で対策は講じられているが、回収率が低迷しているので、これを上げるような対策をしなければいけないといったことでございます。こういったことから、オゾン層の保護及び地球温暖化の防止に向けた今後のフロン類等の排出権取引抑制対策の在り方について、御意見を求めるということでございます。
 続きまして、資料1-3に基づきまして、今後の審議の進め方について事務局としての案、考え方を申し述べさせていただきます。審議会でご審議いただくに当たっては、平成13年7月にフロン類回収破壊法の施行に向け、政省令の検討に向けて、フロン類等対策小委員会が設けられておりますけれども、その委員会で検討していただきたいと思っております。
 もう一つは、フロン類回収破壊法が経済産業省との共管で法律を進めているということ、それから事業者側の対策も非常に重要であるといったことから、産業構造審議会化学・バイオ部会地球温暖化防止対策小委員会フロン回収・破壊ワーキンググループと合同で会議ができないだろうかといったことでございます。
 スケジュールにつきましては、8月19日に諮問、それから当部会に付議がなされておりまして、本日ご議論いただいています。できますれば、9月にでも第1回の合同小委員会を開催し、合同小委員会には経済産業省のみならず国土交通省、その他関係する省庁からも関係した委員をご推薦していただいて、それで審議を進め、また、現実に即して現場も把握するために、いろいろな事業者からのヒアリングなども行った上で、何回かにわたる審議をお願いし、11月にはパブリックコメントを実施し、広く国民の皆さんのご意見を伺った上で、12月には報告書を取りまとめ、本部会に報告の上、答申という予定にさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。

○須藤部会長 どうも、榑林室長、要領よくご説明いただきましてありがとうございました。
 ただい事務局から説明がございましたが、事務局の今後の進め方の提案は、資料1-3に示されておりますように、既に設置されておりますフロン類等対策小委員会で検討し、そして、その検討では産業構造審議会との合同会議でいろいろ審議をしていく、こういうことであります。後ほど委員の先生方からご質問やご意見をいただきますが、小委員会は既に設置をされておりますし、また多少、交代やら、あるいは増強しなければならないというふうに伺っておりますので、小委員会の人選につきましては、部会長であります私に、ぜひご一任をお願いしたいと思います。
 それでは、先ほどの榑林室長のご説明やら、今の提案のことも含めましてご質問、ご意見をお伺いしたいと思います。いつものとおり、人数の多い部会でございますので、名札をお立てください。余りございませんでしょうか。きょうは余りないですかね。
 それでは、余りございませんが、前回は、たしかこちらから、浅岡委員の方から行きましたので、本日は横山委員の方から参りましょうか。それでは、どうぞ、きょうは比較的時間のゆとりがありますので、余り制限はいたしませんので、どうぞお願いいたします。

○横山委員 少し基本的なことかもわかりませんが、今、説明を伺っていて、ちょっと疑問に思ったことがありますので、答えていただければと思います。
 CFCとHCFCがオゾン層を破壊するということで、代替物質ということでHFCというものが登場したと思うんです。その際は、国もHFCに変えなさいというような指導を行っていったと思います。しかし、その後でHFCが温暖化を促進するということがわかって、ある意味では、これはまずいぞということで、HFCから別の物質に変えようということになったと思うんですが、その辺の反省というものがどの程度あるのか、何でそのときに、オゾン層を破壊はしないけれども、温暖化は促進するぞ、という観点がなく、なぜHFCへの転換を言ったのか、その辺を教えていただけますか。
 ということは、今後、HFCの代替物質が出てくるときに、それがまた温暖化を促進するとか、あるいはオゾン層破壊、温暖化以外のわるさをするというようなこともあるわけで、そのHFCに転換を促進したときの反省がないと、今後の代替物質の開発とか、そういうことに影響があると思いますので、その辺のところを伺いたいと思います。
 以上です。

○須藤部会長 これはご質問でございますので、一つ一つお答えいただきましょう。今のHFCへの転換はどうしてか。

○榑林フロン等対策推進室長 当時の状況については、詳しいことを存じ上げませんが、ただ、現段階についてどういう意識でいるかというと、お手元の参考資料の16ページをごらんいただけますでしょうか。ここの下の図にございますように、フロン特定物質から代替フロンHFC、それからもう一回ノンフロン化に進んでいるということですが、例えば現在、HFCだとか、HCFC、いろいろ使われているものについては、順々にということではなくて、ノンフロン化が進められるようなものについては、一気にノンフロン化しようと。例えば断熱材の吹きつけ用途なんかでも、HFCを使わずにCOを使うようなもの、そういった動きを促進しようとしていますし、今、横山委員からご指摘があったように、モグラたたき的ではなく、少しトータルにみる、よりよい方向になるようにやっていきたいというのは、私ども思っているところでございまして、今後、検討に当たっては、そういったことを十分に配慮していきたいと思っております。

○須藤部会長 横山先生、今のお答えでよろしいですか。もう一言何かございますか。

○横山委員 確かに過去のことであれなんですが、その辺がないと、今後の代替物質、HFCよりもいいのが見つかったというときに、やろう、やろうといって、また数年たつと、これも悪い物質だということになるのではないかと思うので、ちょっと明確なことを教えていただければと思います。

○須藤部会長 この問題は過去の問題なので、どうぞ、フロン等対策推進室でも、今の問題、ちょっと調べていただいた方がいいかなという感じも……。では、先生から。

○浅野部会長代理 今のフロン破壊法ではなくて、もととなるオゾン層保護法、これは資料1-1をごらんいただくとわかりますように、昭和63年に法律ができています。つまり1988年だと思います。この法律を作るに至ったのは、ご存じのように国際条約がありますので、国内で施行するために法律をつくらなければいけないということで、これをやったわけですが、そのときに、橋本先生が座長で検討会をやりまして、どういう法律をつくったらいいかという議論をやったんですが、そのときにも、既に検討会の中では、本当はこの問題をオゾン層以上に温暖化の方により多くの問題があるね、だから、オゾン層の保護だけではなくて、このことをやることによる温暖化防止ということにも資するんだね、という議論は確かに委員会の中ではあったんですが、しかし、当面は条約があるので、ともかく条約責務を果たさなければいけないということに落ちつきました。いろいろ経過があるんですが、最終的には環境省の出した案よりも、もっと通産省が厳しいことをいいまして、完全に製造規制をキャップでかけてしまうといううよな法律になったわけなんですが、そのときに、残念ながら温暖化の問題については、委員会の中でも、その程度の議論しかしていませんでしたし、また、そんなに大きな問題になっていなかったものですから、代替フロンに置きかえるということについて、それが温暖化の問題が非常に深刻であるということは、ほとんど意識されなかったと理解しています。
 ですから、今のように温暖化も含めて、という議論になったのは、フロン破壊法の段階になってからでありまして、恐らく20年以上前のことであった。そのときの政策判断につては、まだまだそのときの状況であったということになると思います。

○須藤部会長 どうも浅野部会長代理、ご説明ありがとうございました。今後は、いろいろまたさらに代替の代替ということになってくるんでしょうから、いろいろそういう面での検討は必要だろうと思いますので、また今の問題、フロン等対策推進室で、いろいろ資料をまとめるのであれば、ぜひお願いをしておきたいと思います。
 それでは、三橋委員、どうぞ、お願いいたします。

○三橋委員 私も簡単な基本的なことを教えてもらいたいと思います。
 今回、フロン等排出抑制対策を打ち出した背景なんですけれども、これは例えば先進国の中で、特に日本の対策が遅れているために、今、この時点で始めたのかどうかという先進国の状況、それと、先進国では製造等々が、もう行われていないということですけれども、発展途上国では、必ずしもそうではないというような話も聞いていますけれども、発展途上国では、このフロンの問題をどういうような形で、今、取り扱っていて、現状がどうなのか。つまり、先進国、それから発展途上国の状況の中で、日本がこの問題は、今、こういうことが必要なんですよという、その世界的な背景を教えていただきたいなと思います。

○榑林フロン等対策推進室長 まず1点目です。日本がこの面に関して遅れているかというと、幾つかの国では既に製品中から回収しましょう、という枠組みがある国がございますけれども、決して日本の対策か遅れているとは思いません。ただし、国際的な責任を果たしていくためには、ほかの国はともあれ、とにかく頑張っていこうといった気持ちがひとつございます。
 それから、途上国の関係でございます。モントリオール議定書、ウィーン条約でも、途上国と先進国では目標となる全廃の年限に差異が設けられておりまして、途上国の方が後まで使えるようなことになっている。しかしながら、途上国における製造使用も削減していくためには、国際協力、海外協力として、私どももこういった問題の啓発についてするとともに、海外における使用も削減てきるような協力をしていきたいというふうに思っております。

○須藤部会長 では、続きまして……

○三橋委員 ちょっと関連なんだけれども。

○須藤部会長どうぞ。

○三橋委員 そうすると、要するに、先進国の中では決して日本の流通部門での対策も遅れていないということだと、要するに、例えばEUと比べて、日本が最先頭を走るために、これをやるのだというような、そういう決意なのか、そういうあたりが、今の説明だと、よくわからないですね。どうなんですか、日本が新しいフロン排出抑制の先進国のモデルづくり、最先端の対策をするために、この諮問が出てきたのか、そういうところの決意というか、基本的な考え方みたいなものを知りたいですね。

○榑林フロン等対策推進室長 ある意味で、おっしゃるように、日本としてほかの国をついていくというよりは、きっちりできることはやっていきましょうということでございまして、条約で決められたことを、当然守っていくのはそうですけれども、進んで、さらにできることはやっていこうといったところでございます。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、永里委員、どうぞお願いいたします。その後、富永委員、お願いいたします。

○永里委員 横山委員のご質問に対して、榑林室長がお答えになったことについて、私の方で過去の経緯をある程度知っている者としてしゃべろうかと思ったんですが、浅野先生の方でお話しになったので、簡単に言いますと、要するに歴史的な過程があって、順序があって、最初にこっちの方ができたんだと、それはカナダのモントリオール議定書になっていまして、私も産業界のオブザーバーとして出ていまして、こっちの方で、まず決まっていて、後から地球温暖化問題の方が出てきたんだ、ということをご理解願いたいと思います。
 それから、フロンの技術というのは、日本は先進国の中で非常に進んでおりまして、したがって、日本の技術を途上国の方に移していこうということで、これは、こちら側の方の委員の方のお答えにもなると思うんですけれども、日本の優れた技術をどんどん、今、移転するようなことをやっていて、これもまた国連に対して日本は基金を出しているんですが、そのうちの20%分を日本の技術で使えるような、そういう仕組みができていますので、そういうことで行っています。詳しくは、時間の関係で省略しますが、また富永先生も同じようなことをおっしゃるかもしれません。

○須藤部会長 ご説明を変えていただきましてどうもありがとうございます。では、富永先生、どうぞお願いいたします。

○富永委員 先ほどから古い話が議論されていますが、私は20年以上前から、最初からオゾン層問題にかかわっていますので、一言申し上げます。多分、横山委員もご存じだと思いますが、オゾン層の問題と温暖化の問題には、大体十数年のギャップがあって、80年代にこの問題が出てきた段階では、フロンのオゾン層に対する影響という見地が主体になっていました。オゾン層保護法が成立したそもそものもとは、サイエンスの成果を踏まえてウィーン条約、モントリオール議定書という国際的な流れがあった。それに基づいて日本の国内法ができたわけですから、日本が、というよりも、むしろ世界的にオゾン層保護の潮流の中では、まず一段目にHFCに切りかえようという流れが出てきて、それから、つづいてノンフロン化があるわけです。やや遅れて、この温暖化の議論か出てきた。
 最初のオゾン層保護の話が出てきた段階では、サイエンスの方でも、まだフロン類の温室効果については、ごく一部のサイエンティストは知っていたものの、まだ地球環境問題という意味で具体化したわけではなかったので、したがって、国際的な動きとして、温暖化の問題がメインテーマとして取り上げられるまでにはギャップがあった。その間はオゾン層保護が主題となる形で進んできたわけです。しかし、92年に温暖化防止の条約が決まってから後の温暖化対策の中では、HFCも温室効果ガスということで、はっきり対象とすることが実際に具体的な、国際的な動きになったわけです。そういう流れがあったので、したがって、当然、日本のHFCの取り扱いについても、当初はオゾン層保護という観点から、HFCはニュートラルと評価されたものが、次に温暖化という立場になってくると、後からはモグラたたきといわれるかもしれませんが、これももちろん問題であるということになったのです。
 反省は、と言われると、むしろ行政がというよりも、サイエンスの側にもあったかもしれません。最初に指摘したサイエンティストたちが、20年前からオゾン層破壊と同時に温室効果の可能性について、もっと強く同時に主張していれば、このようなギャップは生まれなかったかもしれない。ですから、国際的に反省の半ばはサイエンス自身にあり、あとは政治の問題だと思いますが、そういう事情であったということをご理解いただく必要があると思います。
 そういう意味で、私どもは1つ教訓を得たわけです。地球環境問題への対応では、オゾン層保護とか、あるいは温室効果とか1つだけの見地から、良し悪しの判断をするのでは不十分である。今後は、総合的に、いろいろな立場から見て、これは環境に無害であるかどうかという、判断をしなければいけないということです。
 現在は、モントリオール議定書関係と、温暖化防止関係の国際的な機関の間で、両方のすり合わせが行われています。モントリオール議定書だけからすれば、HFCはオゾン層に対して一応無害なんですけれども、しかし、温室効果を考えると、これも何らかの規制の対象にしなければいけないという、その両方の立場で国際的なアグリーメントが既にできつつあって、日本もそれに沿った政策をとっていると解釈すべきであろうかと思います。

○須藤部会長 富永先生、これまでの経緯をご説明いただきまして、どうもありがとうございました。大変よく委員の皆さんもおわかりいただけたと思います。この問題は、これからの地球環境問題を考えていく上の1つの教訓である、まさしくそのとおりだと思います。
 それでは、浦野先生、続いてお願いします。

○浦野委員 幾つか申し上げたいんですが、まず、日本が進んでいたか、私、これはお答えするつもりはなかったんですけれども、ご質問がありましたので……。確かに、制度的には結構進んできたわけですけれども、先ほどご説明があったように、フロン回収破壊法、あるいは家電リサイクル法、自動車リサイクル法等でやってきたわけですけれども、残念ながら、フロンの回収率は非常に低いレベルで改善の見込が、このままではないということで、その反省に立って、改めて対策をとろうという形で、今回のものも提案されてきたというふうに、私は理解しています。
 そういう意味でいいますと、フロン回収破壊法の第一種という、いわゆる業務用中心で、今回議論が、多分進められると思うんですけれども、ほかのものについても全体的にフロン等の回収破壊等を進めていくということが大事だということで、まず最初にそのことを申し上げておきたいということと、それから、実際これから議論をする小委員会、あるいはここで議論する場合に非常に重要なことは、全体のマスフローをある程度きちっと把握できるシステムを構築しなければいけないということです。これは、例えば公表されている、環境省が出されているもの、あるいは業界で出されているものでも、分野ごとに回収率の考え方が違っておりまして、分母、分子を何にとって、どういうふうに考えているのかということも、きちっともう一度精査して統一させていかなければいけない。特に過去の生産量、使用量等、現在、社会的に蓄積されている量を考えますと、今、公表されている回収率よりも、実態はもっと回収率が低い。ですから、現在上がっていないといっている30%前後とか言われていますけれども、メーカーサイド、あるいはユーザーサイドから聞くと、本当はもっと廃棄量があるはずで、もっと実態は低いんじゃないかという意見が非常に多いということも、もう一度改めて確認する必要がある。
 それから、もう一つ、特に業務用冷凍空調機器については、こういう回収義務あるいは破壊義務があるということを知らなかったということが、まず非常に多いこと。それから、知っていても、そういう機器を持っていませんでした、あるいは廃棄するときには、もう解体工事等が始まっていて、そのときは既にありませんでした、ということが多いと関係業者さんはおっしゃっております。そういった実態をしっかり踏まえて、制度設計をしなければいけないというふうに思っております。
 それから、もう一つは、ここでフロン対策の非常に微妙なところは、回収再利用しているというものと、それから破壊に回ったものとが非常に混然としていて、破壊は破壊量でわかるんですが、回収というのは繰り返し繰り返し使われて、そのうち大気へいってしまうというものがたくさんあるわけで、回収というところに、あるいは回収再利用というところも、きちっと把握しておく必要がある。それと同時に、廃棄のときには回収破壊が法律上義務づけられているわけですけれども、フロンの取扱業者さんは、整備のとき、メンテナンスのときにも回収をしている場合がたくさんあるわけで、整備時に回収したフロンと、廃棄するときに引き取ったフロンは、業者さんからすると同じフロンですから、区別がしっかりできないわけです。ですから、廃棄のものを、再利用するか、整備のとき回収したものを再利用するかを、別に区別をしているわけじゃなくて、フロンであれば同じ扱いをしているわけで、その辺の廃棄時と、整備時とを同等に位置づけでいかないと、実際のマスフローが見えてこないということがございますので、その辺も、よい制度設計をしていかなければいけないのではないかというふうに思います。
 それから、もう一つ、機器を取り次ぐ業者さんというのがおられて、解体するときは解体業者さん、あるいは整備をするときにも直接設備業者に頼むのではなくて、ビルの総合メンテナンス会社に頼むというようなこともございますので、ここでいうと取次者という位置づけなんてしょうけれども、メンテナンスのときにも、それなりの取次者が存在し得るということで、その辺の位置づけもきちっとしないと、最終的にフロンの行方がわからなくなるということがあり得るのではないか。
 先ほどの説明の参考資料の表、35ページとか36ページに書いてあるところ、幾つか案が出ていましたから、これは必ずしも全部やるということではないようですけれども、直接発注するのか、取次者がいて取次者が扱うのかというあたり、それから、先ほども申し上げました廃棄時と整備時の位置づけ、この辺は非常に重要だと思っております。ぜひ、今後、小委員会もそうですが、事務局あるいは関係省庁で、全体が見えて、それが情報が外部の国民全体、あるいは我々も検証できるようなシステムを、ぜひ構築していただきたいというふうに思っております。

○須藤部会長 どうも、浦野委員、ありがとうございました。
 いろいろ制度をつくっていく上でのご注意をいただきましたが、事務局の方で、今の時点が何か、いいですか。それでは、今の先生のお考えを十分踏まえて検討するということにさせていただきます。では、天野委員、どうぞお願いいたします。

○天野委員 あんまり過去の経緯をよく知らない者が発言しているということになるかと思うんですが、1つお聞きしたいのは、きょうのご説明でもわかりますけれども、回収業者、あるいは破壊者、こういう人たちが回収をし、破壊をすることによって何か非常にメリットを得て、そういうインセンティブが強いからするというシステムがどこかにないと、義務づけられるだけでは、わからないように処理してしまえばいいといって、きちっと回収したり破壊したりするインセンティブが働かないんですね。ですから、きょうのお話では、例えば罰則をつくるとか、そういうことも少し入っておりますけれども、例えば経済的なインセンティブが強く働くようなシステムであれば、進んでそういうことをしようという動機が出てくるわけですが、どうもきょうのご説明を伺っている範囲では、すべて法律によって義務づけるという形で規制をしていって、対象になっている人たちが進んで何かやろうというインセンティブを、こういう規制をつくるときにお考えになったのかどうかです。あるいは考えたけれども、何か反対があってできなかったのか、全く考えなかったのか、あるいは今後、同じ委員会で制度をつくるときに、そういう問題を取り上げようするのかしないのか、そのあたりをちょっとお聞きしたいんです。
 例えば、フロンというのはずうっと破壊されるまで存在し続けるわけですから、普通の廃棄物なんかの考え方でいきますと、最初に製品を売った人が回収をするというのが、本来の廃棄物処理の考え方だと思うんです。自動車にしても、容器包装にしても、そういうふうなところが、どうも、これにはよく見えてこないというところがありますので、そういう制度づくりを今まで考えられなかったのか、あるいはなぜそういうことが入ってこなかったのかというあたりのご説明をお聞きできればと思います。

○須藤部会長 その問題はご質問でございますので、これからの検討になると思いますけれども、今、考えられる点をお示しください。

○榑林フロン等対策推進室長 今、天野委員からご指摘になったことにつきましては、参考資料1-7のフロン回収推進方策検討会、お手元の参考資料31ページからなんですけれども、ここでも、いろいろとご議論をいただいております。具体的に申しますと、関連の記述が32ページの「必要と考えられる措置の考え方」でございますけれども、1つ目の「○」の2行目、「目標達成をより確実にするためには、システムの見直しに加えて、廃棄時に破棄者が回収破壊費用を負担するという現行の費用負担の在り方を見直すことも必要との意見もあった」ということで、次の「○」にございます「フロン類の確実な回収を担保するシステムの内容として、廃棄者によるフロン類の回収業者への引渡義務に対する罰則……」で、3番目の「○」にございます「費用負担方法を見直すことについては、廃棄時負担を解消することにより回収率向上につながる可能性もあるなどとのメリットがあるものの、いずれのパターンにおいても、費用対効果がどうか、制度的・実態的に実施可能があるかどうか等、導入に向けては数多くの課題、困難が存在するということが指摘され、引き続き検討を加えることが必要とされた」というのが今までの検討の状況でございます。

○須藤部会長 天野委員、さらにつけ加えることがございますか。

○天野委員 今の資料は、16年に調査をされたときのご意見ですね。私がお聞きしたいのは、今までの回収破壊法をつくったときに、そういう議論があったのかどうかということです。

○須藤部会長 回収破壊法をつくったときに、これは担当者……。先生もそうですか。後で回ってきたときでいいですか。

○天野委員 過去のことですから、わからなければ結構ですが。といいますのは……。

○須藤部会長 では、小林委員、いいんですか。

○天野委員 ちょっと続けてよろしいですか。といいますのは、これからいろいろなことを計画されるにしても、義務づけとか、罰則規定を入れますと、ずうっと監視していかなければいかんわけです。ものすごい数の業者があって、ものがいろいろ錯綜しているときに、そういった監視の費用というのは、行政的なコストがものすごくかかると思うんです。そうすると、行政的なコストを下げようとすると、いきおい監視が緩やかになってしまって、また同じことが起こるのではないかという心配がありますので、そういう意味ではインセンティブづけというのは非常に重要なことですから、それをきちっと制度に入れないと、非常に制度づくりが難しくなるんじゃないかというふうに思います。

○須藤部会長 先生のご意見、よくわかりましたのですが、検討させるようにいたします。
 それでは、小林委員、関連事項でよろしいんですね。

○小林委員 はい。今の、以前にどう検討されたかということなんですけれども、そのときは、空調冷凍機器、ある程度規模の大きい施設であるということで、定常的に維持、管理をする必要があるということで、維持管理業者がきちっと決まっておるから、常に空調冷凍機器がどういう形で運転され、どういうふうにフロンが抜かれ、また補充されるかというのがチェックできるというふうに、その当時は議論されたんですね。ですから、それが処分されるときには、その維持管理業者がそれを処分されることが監視できる。監視できる段階で、ここでいいますと、一種の回収業者になるわけですが、回収業者としては、それをチェックすることによって、自分の営業行為として収益が上がってくるということで、自分の収益を上げることによる監視ができるというのが、そのときの考え方だったんです。
 この委員会では、業界の方々も入って議論されていましたので、十分そういうことが監視できるという前提のもとにやったというのが、当時の考え方だったんですよね。ところが、現実にやってみた段階で、ほとんどその維持管理がうまくいっていなくて、管理業者がそれを監視していなかったというのが、その当時の見込み違いだったということで、私たち、その後の委員会で業界の方々に、そこの部分はだまされたという言い方をしたんですが、ちょっとその辺の行き違いがあったということは確かですね。

○天野委員 それは行き違いではなくて、管理業者が管理をする誘因がないんですよ。

○小林委員 管理業者は、そういう施設を、常にフロンが定常に、その当時の説明ですよ、冷凍空調機が定常に動いているかどうかについては、管理業者が常時管理をする、いわゆるメンテ業者というのがきちんといるんだという説明だったんですよね。

○天野委員 ですから、建前と実際は違っているわけですから、どうして違ったかというと、そういうことをきちっとやるインセンティブがなかったから、違いが起こったんじゃないですか。

○小林委員 そういうことですよ。ただ、その当時の業界の説明はそうであったということなんですね。それを委員のメンバーは信じたというところにずれがあったということがあるんですよね。

○須藤部会長 これからのいろいろな検討の中では、過去の経緯というのを十分解析をしていただいてやって……。
 今の問題ですか。浦野先生、どうぞ。

○浦野委員 私も大分以前からこの問題にかかわっているんですが、多分、天野先生のおっしゃったのと、小林委員がおっしゃったのとは若干ずれているんじゃないかなという気もするんですけれども、天野先生は、何かしら経済的インセンティブを与えることによって、より確実に回収率が上がるシステムづくりを、規制以外の方法も考えられないかというご議論だと思うんですが、経済的インセンティブというのは、よく出る言葉なんですけれども、だれかしらが利益を得るとか、業としてやる、回収業者なり、破壊業者なりが、それなりに収入があるかもしれない。しかし、だれかしらが、また経済負担をしなければいけないという事実があるわけで、それを家電リサイクル法や自動車リサイクル法はユーザーという形になっているわけですね。
 今回も、機器を持っている人が廃棄するときに負担をするということで、必ずだれかしら負担しなければいけない。それと同時に、それによってある程度業を成して利益を得る人がいる。これは両方があるわけで、全体が経済的に得をするというシステムにはならないわけです。そこの辺はちょっと混乱しないように議論をしなければいけないし、負担する人と、多少、業としてやっていける人の法的位置づけ、あるいは力関係というのは、小林委員がおっしゃったように必ずしも聞いた話のとおり行かない。それを何とか、今回、多少でも位置づけを明確にして、うまく回っていくようにしようということだと思います。
 家電リサイクルなんかの場合は、法律ができる前は、優良企業マークを与えて公表したり、そういう情報公開的なもので、多少メリットがあるインセンティブを与えるというような制度はあったわけですね。ただ、今回の場合に、破壊する機器を持っている人に、インセンティブをうまく与えられるかというと、なかなか難しいかな。情報公開その他の手はあるかと思うんですけれども、難しいのかなというふうに思っています。

○天野委員 それはいろいろ工夫する必要はある。

○浦野委員 ええ、議論は大いにするべきだと。

○須藤部会長 いろいろ過去のそういう問題の解析を、今後踏まえて、今の経済的インセンティブをどうとっていただくかということなども、検討の中に入れていただくということで、それでは、青木委員、続いてどうぞ。

○青木委員 小委員会で検討されるということでございますので、検討の結果を待って、また議論したいと思いますけれども、今までご説明を伺った段階で感じたことを、若干述べさせていただきたいと思いますが、一般のビルとか建築物などで考えてまいりますと、これから考えられておられる取次者というふうになる人というのは、請負の建築業者でありますとか、元請とか下請とか、解体業者もあるかもしれませんが、そういう方々が機器を取り次ぐ業者ということになって、この側に責任を持たせようということになろうかと思います。しかし、建築物の所有者も、建築業者、元請、下請、解体業者なども、どの機器にフロンが入っているのかとか、必ずしも熟知しているわけではないわけで、その辺がわかっていればやるでしょうけれども、わからないというのがかなり多いんだろうと思います。しかし、どこかでちゃんと責任をとってもらわなければいけないということになれば、取次者に責任を、単に渡せばいいということでなくて、機器を用いて利益を得ていた所有者が責任を持っているべきてはないか、という点がございますので、もともとの所有者の責任ということを、よく十分に考えて検討をお願いしたいというふうに思います。
 また、処分する場合には、当然費用がかかるわけでございますけれども、また費用は、もともとは所有者が持つべきものということになりますけれども、不動産業者あるいは所有者と解体業者なり、元請、下請というような人との力関係というものを考えていきますと、ここで考えられておられます取次者と、いろいろな力関係はありますけれども、一般的にいえば、所有者の方の力関係が大きくなってしまって、取次者のみの責任ということになりますと、取次者に過大な責任を負わせてしまう。
 要するに、もともとの所有者が十分費用負担しなければ、取次者の方が適正な処理をして回収業者に適正に渡すということができなくなる可能性もあるわけでございますので、そういった費用負担は、当然所有者が持つことになると思いますけれども、そういった費用負担の力関係というようなことも、よくお考えになって議論をしていただきたいというふうに思います。
 実際の解体の実態というのは、私もよくわかりませんけれども、相当いろいろ複雑なケースがあると思いますが、基本的には所有者に責任があるとしても、取次者にどのような責任があるのか、そのような責任関係をどのようにして回収業者まで、きちんと機器が届けられるか、そういうのが実態に合うように関係団体、省庁の意見も聞かれて、慎重にご検討をお願いいたしたいと思います。
 ビル関係機器のフロン処理の重大性、現実の処理の不十分さから考えますと、それぞれの関係者の法的な責任を明確にして、現在は関心も薄くて、ほとんど実態も承知していないと思われる所有者、取次者がこの問題に関心を持って、適正に、どこにフロンがあるのかを十分把握してもらって、適正な処理ができるようなご検討をお願いしたいと思います。
 以上です。

○須藤部会長 青木委員、どうもありがとうございました。ただいま、制度をつくっていく上での幾つな留意点をお話しいただきました。小委員会で十分に検討させていただきます。
 それでは、佐和委員、どうぞお願いいたします。

○佐和委員 まず、三橋さんがおっしゃったこととの関連ですけれども、先ほどから回収率が低い、それを高くするためにはどうすればいいかというような議論がなされているわけですが、諸外国での回収率はどうなっているのか。そして、仮に、それが非常に高い国があるとすれば、どういう対策が有効に働いてそうなっているのか、というようなことを、もしお調べでしたら教えていただきたい。
 それから、次に15ページですけれども、これも素朴な質問なんですけれども、フロン回収破壊法の対象に、なぜPFCがなっていないのかということです。
 それから、その次のページの16ページで、地球温暖化係数というのが随分HFCの場合なんかは、140から1万1,700というふうに、非常に幅が大きいです。この幅というのは、要するにHFCの中にもいろいろな種類があって、中には140程度のものもあるということなのか、あるいは、少なくとも、この幅の意味するところは何なのかということをお伺いしたい。
 それから、17ページの表で、基準年が95年となっていますが、代替フロンに関しては、基準年を95年にとるという、そういう習わしになっているんでしょうか。
 それから、これも素朴な質問なんですが、フロンというのは大気中の残存期間といのはどの程度なんでしょうか。
 それから、次に、先ほどから問題とされているインセンティブの問題なんですけれども、確かに罰則を科するといっても、監視のためのすごい行政コストがかかるから、余り賢明なやり方だとは思えない。そして、13ページの表に戻れば一番わかりいいんでしょうか、つまり、なぜ、ちゃんと回収業者に持っていかないのかということ、持っていくことのインセンティブではなくて、ディスインセンティブは何なのかというと、費用を負担するからだと思うんです。
 そうすると、1つの考え方としては、一番行政コストが安くて賢明なやり方というのは、要するに、冷凍空調機器を買うときに、例えば仮に回収業者に持っていって処理してもらうために必要な費用が10だとすれば、15ないし20ぐらいの金を預けておく。それを回収したときに返してもらうという制度にしておけは、よくそういう例がほかにもあると思うんですが、そういうふうにしておけば、コストもほとんどかからないし、コストというのは行政コストですが、行政コストもほとんどかからないし、回収率は俄然アップするのではないかというふうに思います。
 以上です。

○須藤部会長 どうも、佐和先生、ありがとうございました。諸外国の状況等、幾つかの点についてご質問いただきました。今の時点でわかります範囲を、室長の方からお答えください。

○榑林フロン等対策推進室長 すみません、順不同で恐縮です。
 基準年につきましては、代替フロン等3ガスについては、1995年でやることができるというふうになっております。
 続きまして、温暖化係数ですけれども、フロンのHFCの種類によって違いまして、自動車のカーエアコンなんかに使われているようなHFC134aというのが1,300、小さいものでは、140から大きなもので1万1,700ということで、炭素の数であるとか、フッ素、そういったものの数によって温暖化係数が異なってまいります。
 それから、大気中での寿命でございます。短いものでは数年から、長いものでは1,000年を超えるようなものもございます。これはフロンの種類によって違うといったことでございます。
 次に、デポジットみたいな金銭的なインセンティブのお話があったと思います。多分、佐和委員のご指摘になるのは、自動車リサイクル法のように前どりにして、さらに廃棄のときに、そのお金を、ということかと思いますけれども、機器によっても違いますけれども、10年以上機器が使われている期間があるということと、会社の存続みたいなものを考えますと、基金、お金を管理するような指定法人みたいな大がかりな仕組みをつくらなければいけない、といったこともありまして、いろいろ議論しなければいけない部分があるかなと思います。
 現段階でお答えできるのは、その程度のことでございます。

○佐和委員 PFCが、なぜフロン回収法の対象になっていないのか。

○榑林フロン等対策推進室長 フロン回収破壊法の用途、要するに、ここで規制されている物質というのが、主として広く市場で使われているようなもの、例えば冷媒であれば、空調冷凍機というのが全国で使われていますけれども、PFCというのが、用途が比較的限定的でございまして、例えば洗浄剤であるとか、半導体製造といったようなところで使われておりますので、使われていれば、その場で回収するような対策というのを、使われているごく限られた工場とか、そういったところで対策を講じるということで、フロン回収法の対象にはなっていないといったことかと思います。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。先ほど、三橋委員もおっしゃったし、今の佐和委員もおっしゃったんですが、諸外国の状況で、特にすごく回収率がいいとか、そういうのはどういうふうな状況であるのかというふうなご質問をいただいているので、後でお調べいただいて、特に外国の状況についてお調べいただいて、会議等は言わずに、資料等できましたら、委員の皆様にお配りいただければよろしいかと思います。それはお願いしておきます。
 それでは、浅岡委員、どうぞお願いします。

○浅岡委員 代替フロン類につきましては、大綱時代から目標達成計画にかけて、割り振りが大きく動いております。目標達成計画ではかなり低目に抑えられていましたけれども、もっと削減が可能なのではないかという意見もあったところですし、その確実な達成のための仕組みづくりを、今回しっかりやるというのは、非常に重要だと思います。
 この代替フロン類について、特にHFCについてですけれども、国際的な話が少しありましたが、CDMで、これで稼ごうという話があるわけですよね。先ほどからの話で、政策的に、今から見れば誤りがあったのではないか、適切でなかった面もあると言われるようなこと、今日、途上国でもう一度繰り返すようにならないようにということは、日本として気をつけなければいけないところがあると、気になっているところであります。
 1つ、教えていただきたいのですが、参考資料の3ページのところでありまして、オゾン層破壊等、この温暖化の関係、HFC等の関係のところですけれども、特に近年、2004年、オゾンホールの減少が見られた。「成層圏の急激な温度上昇によるなどの気象条件によるものである」とありまして、私の非常に雑駁な理解では、温暖化が進んで、逆に成層圏では温度が低くなって、それが温暖化の関係とオゾンホールの関係とが、ややこしくてよく理解できないんですけれども、そのように理解していたのですが、成層圏の急激な温度上昇というのは、一時的なことで、将来的にはオゾンホールが拡大してくるというふうに理解をしたらいいのか、教えていただければと思います。

○須藤部会長 富永先生、それでは、どうぞお願いいたします。

○富永委員 これは、長期的な傾向と、その年ごとの揺らぎとの2つの問題が混在しております。まず8ページの図2、これは気象庁のデータをもとにしたものですが、例えば一番上のオゾンホールの面積は、右上がりの傾向になっている。最近、やや頭打ちですけれども、例えば2002年、大きく下がっているように見えますが、その次の年は、また上がっているというように、年々上がり下がりがあります。右上がりのような傾向というのは、長期的な傾向で、これは、大気中に出たフロンが、成層圏ですっかり消えていないために、依然として、まだオゾンホールが縮小することになっていないということであります。これと温暖化の関連も、最近議論されていて、いわゆる温暖化で地表が暖まると、成層圏下部は、むしろ温度が下がり、南極上空で温度が下がるため、極域成層圏雲という氷の粒みたいなものがたくさんできて、それがオゾンホールを拡大する要因になる。したがって、温暖化が進むと、フロンの量が同じであっても、むしろオゾンホールは拡大するということですね。
 一方、浅岡委員の質問の、ある年の成層圏温度上昇のためオゾンホールが縮小というのは、このような長期的な成層圏の温度変化のことではありません。今の図でいうと、年によって上がったり下がったりしている揺らぎの原因は気象の方で説明されているところでは、地球上の気流の動き次第で、ある年は、ちょっと南極成層圏の温度が上がる。ちょうど、地表でも、ことしの夏は去年より暑かったとか涼しかったとかいうのは、長期的な温暖化と関係のない揺らぎですけれども、南極オゾンホールの場合も全く同じようなことで、ある年、気象的な原因でもって成層圏の温度が上がりますと、長期的な拡大傾向の中でも、その年だけは、それによってオゾンの状態が一時的に変わるということです。
 したがって、ここに書いてあるある年の成層圏の温度上昇というのは、長期的な温度上昇傾向、温暖化とは別な一時的な話です。よろしいでしょうか。

○須藤部会長 どうも、富永委員、ご説明いただきありがとうございました。
 それでは、最後になりますが、浅野部会長代理、どうぞお願いいたします。

○浅野部会長代理 三橋委員からご指摘がありました点ですけれども、世界に率先してモデル的なことをやるということも、もちろんあるかもしれないんですが、今回のこの諮問について、私の理解は、先ほど浅岡委員が指摘されましたように、当初、大綱のときには、もっと代替フロンはふえるだろうと言われていて、それが目達計画のところでは0.1まで抑えられたというのは、かなりいろいろな意味で産業界の努力が大きいということが言えるわけです。そのための費用負担というのも、かなりなものがあるわけですが、それもほとんど見返りなしに努力をされたということは率直に認めざるを得ないわけです。
 そうなりますと、大気中に無造作に排出されてしまう、こういう大型冷凍機器のメンテや解体のときの問題を全く無視して、一方の方だけに負担をかけるというようなやり方は、公平性という点から見て問題があるんじゃないか。ウエイトがものすごく高いから、お前、しっかりやれ、低いんだから、そこはやらなくていいというのはおかしいので、こういうものについては法律があって、それが適正に執行されていないのであれば、きちっと執行できるような形に変えていくことが、公平の見地から見て適切ではないか、そんなことも一面では考えておかなければいけないと、私は考えているわけです。
 それで、先ほどのご意見の中では、青木委員のご指摘が、私も言おうと思っていたことを、そのとおりおっしゃっていただけたと思うんですけれども、例えば建設関係の法律をいろいろ見てみますと、建設リサイクル法もそうなんですが、どうも、建設業者とかそこら辺のところに全部責任を負わせてしまって、もともとの持ち主、発注者の責任というのは非常に弱いですね。責務規定ぐらいのところにとどまってしまう。そうすると、どうしても力関係がありますから、費用をまともに払いなさいと書いてあっても、何もそれ以上の担保がないものですから、お金をかけないでやってくれ、だけど、回収はお前の責任だよ、ということになりますと、不適正処理がまかり通ってしまうということになるのだろうと思います。
 ですから、ちょうど廃棄物の世界と同じように排出者責任というんでしょうか、一番もとのところの責任をはっきりさせるということは大事なことではないかと思っていまして、今回のこの提案の中でも、ちょっとその辺がまだ弱いという印象が強くて、一番たちが悪いのは、自分のところの機械は、回収しなければいけないガスを含んだ機械であることを知りながら黙っているとか、あるいは、まあいいよ、やっちまえ、やっちまえ、みたいなことを言われたときはどうにもならないわけです。それを解体に当たる業者の責任だと、そこだけに罰則を科するようなことをやりますと非常に不公平になります。
 ですから、こういうものを使っている機器であるということを、ちゃんとオーナーにきっちり知らせる仕組みを最初からつくっておいて、それがある以上は知らなかったと言わせないというようなところから始まって、最終的に所有者がきっちり責任を持つんだ、少なくとも逃げないように、ということを考えた制度設計が必要だと思っておりました。その点は、青木委員のご指摘、私、全く同感でございまして、その辺の配慮が必要ではないかと思われます。
 それから、天野委員がおっしゃったご趣旨は、私も昔、同じことを、1988年のときに聞かされたのは、当時はフロンはオレンジジュースよりも安いんですよ、と議論をしたときに言われました。だったらオレンジジュースの10倍の値段にすれば、もったいなくて、みんな回収するんじゃないですか、というようなことを1988年のころに言いましたが、だれも相手にしてくれませんでした。どうも、ちょっと早過ぎたのかもしれません。今になってみれば、そういう考え方もあるのかもしれないという気も、もう一度改めてするわけですけれども、ただ、制度設計ということになりますと、かなり難しい面もありますが、現実に、今でも、極めて短期的な話について言いますと、旧型の冷凍機器は、回収したフロンでなければ動かないらしいんですね。その手のものについては、十分に回収するメリットがあるものですから、十分に回収されているという話も聞きますから、だから、天野委員や、佐和委員がおっしゃるような考え方というのは、決して単なるお話ではなくて、十分に現実にはそのようなとがあるはずであります。ただ、現在のフロン破壊法の構造から言いますと、いきなり、そこのところを制度的に構築するというのは難しい面があろうかと思いますけれども、考え方としては、そのような考え方があっていいはずだろう。
 だから、費用負担をだれが持つかという話以前に、もう一つ手前のところがあるのではないかというのはご指摘のとおりだと思いますが、残念ながら今回の検討で、そこを制度的というか、政策的にうまく組み上げることができるかどうか、ちょっと自信がないんですが、十分に今後の課題としては考える余地があるのではないかということを思いますし、先ほど言いましたように、排出者責任ということと同時に、化学物質のトータルマネジメントという観点から言えば、製造者が最終的に全部引き取るというあり方は、ひとつの哲学としてあり得る考え方、それがこの分野だけ突出して、いきなり動くかどうかという問題があるわけですが、発想としてはあり得る考え方と思いますので、これはもっと化学物質全体の取り扱いも含めた大きな射程の中では考える余地があるという気がしております。
 いずれにしましても、当面、公平な観点から、これを放っておくわけにいかないし、60%回収を上げようというためにどうするかという喫緊の課題を解決する、ということから言いますと、今出されている方向に沿いながら、今日出されたいろいろなご意見を参考にしながら、さらに産業構造審議会との合同委員会ということもありますから、そちらとの調整も図り、やっていくということになるだろうと思います。
 しかし、繰り返しになりますけれども、青木委員がおっしゃった観点は、私も強く主張する必要があるだろう。余り一部のところだけにしわ寄せをする、弱い者いじめになるような仕組みというのは、よくないんじゃないかという気がしております。

○須藤部会長 森嶌先生、どうぞ。

○森嶌委員 同じ法律学者の浅野先生の御発言の最後の部分で、費用負担の前に経済的メリットを考える可能性があるのではないか、というお話でしたけれども、使い終わったものを所有者が回収しなければならないというような仕組みは、今の市場経済のもとではもともとないんですね。先ほどおっしゃった、旧型の冷凍機械で新しい冷媒は使えないが、これまでのタイプのフロンはもうつくっていないから、回収したものを使わなければ、自分のところの機械では、動かないという場合には、回収フロン自身に経済的価値がありますから、回収することにメリットがありますけれども、そうでなくて、使い終わってしまった廃棄物というものは、今の市場経済では市場価値がないわけですから、そこで廃棄物については、何らかの形で、事前に廃棄物を引き取るために要する費用をとっておくか、あるいは何らかの法的に規制をして、捨てたら罰則をかけるということでなければ、放っておけばみんな捨ててしまうわけです。捨ててしまうのが一番安上がりだからです。廃棄物については、もともと回収する経済的インセンティブがあるはずがないわけです。そこをちゃんと踏まえておかなければ、経済学者は何か経済的インセンティブがあるはずだとおっしゃいますけれども、経済的価値のないものに経済的なインセンティブはもともとありえないわけですから、今、浅野さんは費用負担を考える前に経済的メリットがありそうな話をされて経済学者に夢をいだかせましたけれども、政策を議論するときには、余りそういうことをおっしゃらないで、経済的な価値がないところには経済的なインセンティブはない、だから、法的な規制が必要なときもあることをはっきりさせるべきです。そして、もしも、経済的な価値のないところに経済的なインセンティブをつくる場合には、法によって予め費用負担者を定めて、その上で、経済的な仕組みの上に乗せていくほかないことを明らかにしておくべきです。私は、政策を考える場では、イリュージョンの上に政策議論をすることは望ましくないと思いますので、発言するつもりではなかったのですけれども、私と同じ法律学をやっておられる浅野さんが、リップサービスではないかと思われる発言をなさったので、この点だけ申し上げました。

○須藤部会長 森嶌先生、どうもありがとうございました。
 それでは、予定した時間にも近づいてきておりますが、天野委員と鈴木会長にご発言いただいて、この議論は終わりたいと思いますので、それでは順番にお願いいたします。

○天野委員 先ほど、佐和委員がデポジットとリファンド制度みたいな制度、そのものとは限りませんけれども、適用できるんじゃないかという話がありまして、デポジットとリファンド制度というのは、ここでご説明するまでもないと思いますけれども、空きびんそのものは余り価値はないんだけれども、最初に空きびんを使ったときに10円なり15円なり払っているわけです。ですから、その空きびんを持っていけば15円返ってくるわけです。ですから、全く用がないんですけれども、15円という価値が、法律か何かで最初につけるわけです。ですから、普通の市場経済では、もちろん15円なんていう値段はつきませんけれども、それがつくような制度をつくれば、みんなが拾って持っていく。子供が持っていっても15円もらえるという制度ですから、今の森嶌委員のご発言は、そういう制度を全く理解していないというご発言だと思います。

○森嶌委員 それをやるためには、法律で最初にちゃんと15円払わせるということを強制しておかないと、市場経済にまかせておけば、だれも自分から15円を払いません。

○天野委員 ですから、そういう制度をつくったらどうですか、という提案です。

○森嶌委員 私はそれを申し上げたわけです。

○須藤部会長 それは多分同じことではないかと思いますけれども、ここでこのままずっと、この問題を議論していきますと時間を経過してしまいますので、小委員会の中で、さらに継続審議をお願いするということで、最後に鈴木会長、お願いします。

○鈴木委員 いろいろこれまでのご意見と、重複する点もあるかと思うんですが、ここではフロン類の排出抑制対策ということで、特に、今、ほとんど製造されていない、あるいは具体的な使ったヒシガでもあるようなことはない。しかしながらかなり大量に、我々の生活空間の中に蓄積されているものから、どうやって、それを最終的に排出抑制管理をしていくか。これは非常に大きな問題だろうと思いますので、代替フロン、あるいはフロン類というようなことで小委員会で議論していただくということになるんだと思うんですが、ぜひ、視野としては化学物質全体をどういうふうに今後管理していくことが必要になるのか、特にPRTRなんかとの関連にもなると思うんですが、ここで非常に難しいのは、今、製造が行われていない物質が、一体、市場にストックとしてどれくらいきちんと、どういうところに蓄積されているのか、これをきちんと掘り起こして、これは非常に難しい、先ほど2,100万台というようなお話がありましたが、大きいものからでもいいんですが、ともかく赤ラベルでもどんどん張っていくような作業をしていただいて、一体何が問題かということを、少し一般的なパブリシティを高めるようなことも、ぜひお考えいただいたらどうかと思います。多分、こういう物質管理の問題は、将来的にPRTRのところで、いろいろな議論がなされたことも承知しておりますが、将来的にはもっともっと重要になってくることだろうと思いますので、私は小委員会でのご議論に大変期待をさせていただきたいと思います。

○須藤部会長 どうも、鈴木会長、ありがとうございました。まだもしかしたら、続きをやっていけば議論があろうかと思いますが、先ほど事務局の方から資料1-3ということで、今後の審議についてのスケジュールが提案されました。いろいろ委員の先生方からご注意をいただきました。そういうご注意やらご意見を踏まえまして、この審議を原案どおり進めていきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。特に、そのことについてはご意見ないと思いますので、賛成していただいたということで進めさせていただきます。
 ということで、地球環境部会の、もう、とおに設置されているフロン等対策小委員会というのが既にございますが、ここにおきまして、今後のフロン類等の排出抑制の在り方について、検討をいただき、その上で、また地球環境部会に報告をさせていただくということにさせていただきます。どうもご協力ありがとうございました。
 それでは、その他に移らせていただきます。続きまして、その他の事項では、事務局から4項目ご報告をお願いいたします。報告は続けて行っていただき、その後、まとめてご質問やらご意見をいただきたいと思います。事務局の水野室長、梶原室長、清水課長、順番にご担当の部分のご説明をお願いいたします。

○水野国際的対策室長 それでは、まず初めに、国際対策室長の水野でございますけれども、私の方から資料2-1に基づきまして、G8グレンイーグルズサミットの結果について簡単にご報告させていただきます。
 今回のグレンイーグルズサミット、G8サミットは、7月6日から8日にかけましてイギリスのグレンイーグルズで開催されました。今回のG8では、ご承知のように議長国であるイギリスのイニシアティブということで、主要テーマ2つのうちの1つに気候変動が位置づけられたということでございます。もう一つはアフリカの問題でございます。
 また、今回の会議に先立ちまして、イギリスでは、例えば2月1日から3日にかけてエクスターでの科学者会合、それから3月15日から15日にかけてのエネルギー環境閣僚円卓会合等々を開きまして、そうした一連の努力の中で成果を積み上げてきたということで、その流れの中に今回のG8サミットは位置づけられるものでございます。
 また今回の会議の1つの特徴といたしましては、G8各国のみならず、新興経済諸国と呼んでございますけれども、中国、インド、ブラジル、南アフリカ、メキシコの5カ国を呼びまして、この国々と一緒に議論する機会を設けたということがございます。
 今回の会議におきまして、気候変動問題に関しましては、特にイギリスでは、この最初のページの要旨というところの真ん中辺にありますように、3つの点を重視して議論を進めたいとしておりまして、1つは科学についての認識の共有、2つ目は具体的な行動についての前進、3つ目が、先ほど申しました新興経済諸国とのパートナーシップの強化であります。これら、それぞれにつきまして、具体的な進展が見られたということがございます。
 それから、我が国にいたしましては、気候変動問題への取り組みや、3Rイニシアティブの推進なども含めまして、あるいは違法伐採の問題も含めまして、日本政府の気候変動イニシアティブを発表することによって、リーダーシップを発揮したところでございます。
 この気候変動問題についての評価でございますが、それにつきましては3ページに簡単にまとめてございますので、3ページをごらんいただければと思います。まず1番目の、科学について、でございますけれども、この部分につきましては、この気候変動問題が深刻かつ長期的な課題であり、その主要な要因は人間活動であるということ、またそれの解決に向けて連携努力が必要であるということが、G8の首脳間で確認されたということが大きな成果であったかというふうに考えます。
 それから、2つ目の具体的な行動についての前進というところでございますけれども、これにつきましては、省エネの推進など、各セクター別の具体的な取り組みを盛り込んだグレンイーグルズ行動計画というものに合意されました、その推進を図ることになったということでございます。
 それから、3点目の新興経済諸国とのパートナーシップでございますけれども、これにつきましては、今後対話を続けていくということが合意されまして、今年も11月1日にイギリスが主催をいたしまして、そのキックオフの会議を開始するということが決まっております。また、その成果につきましては、2008年の日本で開催されるG8サミットで総括的な報告がなされるということも決まっております。
 それから、評価のところの(2)でございますが、これは先ほど申しましたように、日本も積極的なイニシアティブをとるということで、日本政府のイニシアティブを発表したところでございますし、それから、3Rイニシアティブについても、その成果を報告することができたということでございます。
 最後に、これらの全体的なまとめといたしましては、3ページの(3)にございますように、直ちに次期枠組み交渉につながるものではないということでありますけれども、こういったそれぞれの点で前進が見られたということで、気候変動問題について世界的な取り組みを前進させるという上では一歩前進があったのではないかな、というふうに理解をしておりまして、我が国といたしましては、引き続き前進に向けて貢献をしていきたいというように考えているところであります。
 簡単でございますが、以上でございます。

○須藤部会長 続いてどうぞ。

○梶原地球温暖化対策課長 温暖化対策課長の梶原でございます。資料2-2を用いまして「チーム・マイナス6%」の7月以降の実施状況ついてご説明申し上げたいと思います。
 8月18日現在で、参加者につきましては、個人6万4,000、団体にして2,728団体の参加をいただいているところでございます。
 また、1枚めくっていただきまして、最近の動きといたしましては、プロ野球のオールスターゲームの中で、第1戦、第2戦を通じまして、全選手がヘルメットに「チーム・マイナス6%」のロゴマークをつけてプレーをしていただいております。また7月の終わりの方から、丸の内・大手町・有楽町の再開発協議会すべてにご参加していただいて丸の内仲通り打ち水大作戦が、また11日はダイエーという形で、打ち水大作戦の呼びかけをさせていただいておるところでございます。
 また、マスメディアを通じたキャンペーンといたしましては、7月13日に全国紙に15段の全面広告ということで、「産業革命の次は環境革命です」といったキャンペーンをさせていただくとともに、また民放各社の協力で6月から2月まで、これりは毎月5日でございますが、それぞれ15秒のスポットCMを実施していただいております。現在は「冷房28度にしましょう」ということでございますけれども、今後、エコドライブとか、あるいはマイバッグ運動なんかについてもご協力いただけるというふうに聞いております。
 また、次のページでございますが、テレビでございます。小さいことからコツコツということで、西川きよしさんのスポットCMは政府の方でやらせていただいたんですが、そのほか、民放のキー局5局で競作をしていただきまして、全国92局で、ここにありますようなテレビスポットCMを流していただいております。
 また、本日の資料の最後の資料に、「ふたりで始める『環のくらし』」ということで、結婚情報誌の「ゼクシー」というものの中で、新婚を迎えられる方々、家電製品とか、いろいろなものを買いかえられるということで、これは第3弾でございますけれども、『環のくらし』を始めてほしいということで、「ゼクシー」のインテリアの10月号に入るということでございます。これはできたてホヤホヤのものでございます。
 続きまして、資料2-3を用いまして、環境省の実施計画についてご説明申し上げたいと思います。京都議定書の目標達成計画が4月28日、閣議決定しておりますが、同時に政府全体としての政府が行う、政府が実際に自分たちが電気を使ったりエネルギーを使いますので、自分たちとして行う実行計画を閣議決定しております。その閣議決定につきましては、特徴の1つが、政府全体として計画をつくるのみならず、政府の構成員であるところの各府省それぞれがみずからの実行計画をつくるべし、というのが1つの特徴になっておりまして、その実行計画に基づいて、環境省がつくっておるのが資料2-3の環境省の実施計画でございます。現時点におきましては、環境省のみならず、すべての府省において、このようなものがつくられております。
 概要をちょっと申し上げますと、目標年次が平成18年度で、基準年度の13年度比で7%の削減をするという目標でございますが、平成15年度段階におきまして、既に4.4%増加しておりますので、来年度末までに、平成15年から見れば11.4%を削減する必要があるということでございます。
 計画の中身を見ていただきますと、例えば3ページの「財やサービスの購入・使用に当たっての配慮」とありますとか、ずうっと続きまして、9ページの建物の建築管理等に当たっての配慮、あるいは12ページのその他の事務事業に当たっての温室効果ガス排出量の抑制等の配慮等々、いろいろなことが書いてございますけれども、特にご説明申し上げたいのは15ページでございます。先ほど申し上げましたように、平成15年度段階で、平成13年度比4.4%の増でございます。-7%の目標を達成するためには、より具体的に対策を積み上げるという形で計画をつくらせていただいておりまして、ここにございますように、本省、国民公園等の管理事務所、自然保護事務所、環境調査研究所、あるいは水俣病のセンターというところで、それぞれ対策を積み上げておりまして、また、具体的にはいろいろな施設を導入するということでございますので、来年度予算要求にも反映すべく、今、努力をしている段階でございます。
 以上でございます。

○須藤部会長 それでは、どうぞ続いてお願いします。

○清水総務課長 総務課長の清水です。それでは資料2-4に基づきまして環境基本計画につきまして、特にこの地球環境部会に関連する事項についての、今後の検討方向についてご説明したいと思っております。
 資料2-4の1というところで、現在、総合政策部会におきまして、環境基本計画の見直しについて議論がなされてきております。この7月に計画策定に向けた中間取りまとめが行われておりまして、その中間取りまとめの中でも、特に10個の重点分野が示されておりまして、その重点分野について具体的な取り組みを記述していこう、というような方向性が出ております。「※1」のところに「10個の重点分野」というふうに書いてございますが、特に地球環境部会に関連するものは、[1]の地球温暖化対策、それから[10]の国際的枠組みやルールの形成への貢献という、この2つの項目が地球環境部会に非常に関係する分野というふうに理解しております。
 それでは、2ページをあけていただきまして、そういう2つの分野をどういう形で、今後議論していくかということなんですが、2ページの上の方に、重点分野の検討方法について、総合政策部会の方でどういうふうに考えているかということなんですが、それぞれの重点分野ごとに、当該分野を主に担当する総合政策部会の委員を決めた上で、必要に応じ、他の部会の協力なども得て検討を行って、10月から11月を目途に総合政策部会に報告を行うという、そういう手順になっております。
 それで、先ほど述べました10の部会の中の地球温暖化対策と、それから国際的枠組みルールという2つの地球環境部会関連の分野ですが、これをどういう形で、今後議論するかという段取りが、2のところに書いてございます。
 現在、主に担当する総合政策部会委員につきまして、総合政策部会長のご指名によりまして、それぞれ決まってきております。2ページの(1)のところが地球温暖化対策ということでありますが、これは昨年かけまして大綱の評価見直し、あるいは今回の達成計画など議論しておりますので、こういったことを十分踏まえて検討しておく評価があるであろう。
 検討体制のところに書いてございますが、地球温暖化対策につきましては、主担当委員は鈴木総合政策部会長、それから浅野委員ということで示されております。
 それから、(2)の国際的枠組みやルールの形成への貢献、ということでありますが、これも特に当部会のもとの国際環境協力専門委員会におきまして議論をして答申を出されたところでありますので、それを十分踏まえた議論をしていこうということであります。
 3ページ目の方に書いてございますが、この分野につきましては、和気委員、それから浅野委員、さらに加藤和久専門委員という、3名が示されています。今後、こういうような検討体制で議論していくわけでありますけれども、今後、地球環境部会におきましては、3の今後のスケジュールのところでございますが、10月にこの部会を開催していただき、今の検討体制のもとで、それぞれの2つの分野について検討していただいた内容を報告していただこうと。また自由討議を行って、その結果を踏まえて、必要な修正を加えた上で、各主担当委員から総合政策部会に検討結果を報告するというような形で進めたいというふうに考えております。
 その後は、本年中に総合政策部会で絶対の原案を取りまとめて、来年1月以降、必要な手続きを経て答申となり、閣議決定に持っていくということと聞いております。
 以上であります。

○須藤部会長 簡潔にご説明いただきましてありがとうございました。ただいま、2-1から2-4についてご説明をいただいたわけでございます。
 ただいまの4件につきまして、何かご質問なり、あるいはご意見ございますでしょうか。どうぞ札をお立てください。それでは、武内委員、どうぞ。

○武内委員 環境基本計画のことについて、少し申し上げたいと思います。いただいた資料の2ページに、検討方針の中で「「地球温暖化対策」と「国際的枠組みやルールの形成への貢献」の2つの重点分野が地球環境部会と関連することとなるが、」というのは、私は大変誤った表現だと思います。つまり環境問題に関して10分野すべて、多かれ少なかれ地球環境問題と関係するので、そのうちで特に、この2つについては、この部会が中心になって推進するというふうな趣旨ではないかと思いますので、その点は、ぜひお考え直しいただきたいと思いますが、加えて私が申し上げたいのは、果たしてそれだけでいいのかということでございまして、例えば広域大気汚染です。オゾン層の問題ももちろん含まれると思いますし、また酸性雨の問題等、これはここでもいろいろと議論をして研究ネットワークの形成等も進んでいるわけでありますし、また黄砂の問題等も非常に深刻な影響をもたらす問題。つまり温暖化ばかりがこの地球環境部会の仕事ではないわけでございまして、したがいまして、グローバルなスケールと、それから国内におけるさまざまな問題との間にある、いわば東アジア的なところにフォーカスを置いたような領域に広げていくときに、それぞれ担当の、例えば大気の部所が、あるいはそれ以外の部所がかかわってやることだけではなくて、地球環境的な視野からもう一回考え直してみると、そこのところにどういうふうな新しい考え方が出るのだろうかということを提案することは非常に重要で、これはこの部会でやるということではなくて、少なくとも地球局の方が積極的にコミットしていくということが必要で、私はこのカテゴリーを見ますと、例えば広域大気汚染が抜けちゃって、都市の大気汚染の問題だけが重点分野で働いているというのは非常に大きな問題だと思いますし、ひとつの考え方としては温暖化といっているところを、温暖化を含めたさまざまな、いわゆる大気環境の問題というふうなものに、少し視野を広げるというのもひとつのやり方だと思います。
 それから、私自身が取りまとめの責任者になるというふうに言われておりますけれども、循環型社会形成でも、これもきょうの説明の中にありましたように、3Rイニシアティブというのがございまして、これは循環型社会計画部会の方で、少しその方向に視野を広げていこうということで、今、作業を進めるように私は考えておりますけれども、一方で、地球環境的な視野から越境のごみの問題、資源循環3Rのイニシアティブについての国際的な、特にサミットレベルの議論等々を踏まえるというようなことを考えれば、やはりそこにこの部会の意見が入るというふうな枠組みがあってもいいのではないか。いずれにしてもむだをなくすために、割と役割分担をしたということは、今回、環境基本計画のつくり方の枠組みとして、私は一応評価するんですけれども、余りにもきれいさっぱり分かれ過ぎちゃって、人のことにはほとんど口を聞かないというふうなことになっては非常に困るというふうに思いますので、その点、ぜひお考えいただきたいと思います。
 以上です。

○須藤部会長 どうもありがとうございました。余り縦割りになり過ぎちゃうというのは、当然こういうことをやるとあり得るので、特に地球の場合はすべてに関係しているので、清水課長、その辺のところは十分踏まえて進めてください。
 それでは、久保田委員、住委員と行きましょう。お願いします。

○久保田委員 質問をしたいと思います。国民運動の件なんですが、国民運動をどういうふうに盛り上げていくかというのは非常に大きなテーマとして議論をしてきたと思います。夏場をクールビズを中心に非常に、非常に可視化するとかいう点では、いろいろ成果があったのではないかと思いますが、問題は、今後どうやって波状的にやっていくか。あるいは一時的なものに終わらせないか、尻切れトンボに終わらせないかというのは非常に大事だというふうに思っています。むしろ暖房といいますか、冬場の対策だとかいうことも大事ですし、それからもう一つ大きな柱にしておりましたサマータイム法案も、この国会の状況では、ああいう形になっています。今後どういうふうにするのかということを含めて、この国民運動の推進ということについて、どこかで少し総括をして、次はこういう節目でやっていくというようなことに含めて、一度報告をいただきながら、何か議論をする必要があるのではないかというふうに感じます。
 また、地域軸というのは非常に大事な、地方自治体を中心に地域でやっていこうというのは非常に大事な柱だったのではないかと思いますが、このスタートなり、それがどういうふうに進行しているかということも含めますと、ちょっとまだなかなか見えてきていない感じもいたします。いずれにしても大変、労多くして結果を出すのが非常に難しいことではありますけれども、さんざんここまでこの部会でも議論をしてきて、大まじめに汗をかいてやっていこうということを決めたという理解をしておりますだけに、今後、これをどういうふうに進めていくかということは大変大事だと思います。現時点で何か、今後の展開についてのお考えがあれば聞かせていただきたいというふうに思います。

○須藤部会長 どうもありがとうございます。久保田委員、おっしゃるとおりでございますので、その後の展開について、それでは、梶原課長から。

○梶原地球温暖化対策課長 先ほどちょっと時間の関係もございまして、はしょらせていただいたんですが、例えばこの「チーム・マイナス6%」の全体の国民運動の展開の中で非常に大きな要素を占めているものとしてクールビズの運動がございます。これはいろいろな情報データがございますが、例えば現在、これは民間の調査でございますが、認知度で97%ぐらいという数字もございます。また、商工会議所のお調べでは、実施企業が47%ぐらいあるとか、そういったような話もございます。また、ヤフーのホームページで「クールビズ」とたたきますと、約224万ページぐらい「クールビズ」という言葉を使った情報が世の中にある、ということになっております。そういう意味ではかなり、大きな柱であったクールビズというのは、大きな成果を出してきていると思っております。
 また、クールビズ、これは夏場の軽装ということでございますが、ことしの秋冬に向けても、例えば暖房の場合は、今度は余り暖くしないということで、例えば20度にしていただくということで、さらにその運動をどういうふうに進めるかということで、本日、大臣を交えて会議をやっておる次第でございます。
 また、地域的に、地域というものを軸にして進めていく。これは非常に重要なことだと思っておりまして、温暖化防止活動センターでございますとか、そういった組織を通じての広報とか、あるいは研修といったような活動も進めていきたいと思っておりますし、また、先だってはそういった地域のセンターとか、協議会といったものが、地元のマスメディアと一体となって広報をやっていただく、あるいは地域の方々に訴えていただくというものの提案についても募集したところでございます。いずれにしましても、久保田委員が言われたような形で、国民運動と、あと地域を中心としたものを進めていきたいと思っております。
 すみません、先ほど、秋冬に向けての新しい国民運動のクールビズに変わるテーマとしまして、本日は大臣を交えた会議を開いておったわけでございますが、冬向けの展開を「ウオームビズ」、暖いビズという形で名称を決定して、本日、記者発表をしておるということでございます。「ウオームビズ」ということで、ことしの冬に向けても、また国民運動を展開していきたいと思っております。失礼いたしました。

○久保田委員 サマータイムについては……。

○須藤部会長 サマータイムについてお答えになっていない。

○梶原地球温暖化対策課長 サマータイムにつきましては、残念ながら議員連盟の方で法案の方、準備していただいておったわけでございますが、ご承知のとおりのことになりまして、最終的には本国会では提案されないということになったところでございます。サマータイムにつきましても、極めて温暖化ということを理解していただくという意味では重要なものと思っております。私どもとしても、議員連盟の方々の方と連携をとりながら、進めさせていただきたいと思っております。

○須藤部会長 今の久保田委員の中でいろいろご注意やらがあったわけですが、国民運動についてはどこかで全体的に総括をしていただいておいて、公布いただければと、こういうふうに思います。お願いをいたします。それでは、住委員、どうぞ。

○住委員 資料2-1の「日本の政府の気候変動イニシアティブ」の中に書いてありますのをちょっとお聞きしたいんですが、「気候変動影響監視評価ネットワーク(仮称)の構築を提唱し」と書いてありますが、これは環境省がなされるということなんですか。それで、もし、そうでしたら、どういう構想で、具体的にやるのかということのお話をお聞きしたいと思うんですが。
 それから、何かこういうのがコロコロ、コロコロ出てくるんですが、数年たつと、ほとんど大体どこかへ消えていくような、どうも日本はそういうふうにあるように僕は思えていますし、似たようなのがいっぱい、できては消え、とは言いませんけれども、あるので、これだけ言うのでしたら、もう少し本当にロングタームでちゃんとやっていけるような、財源的なこととかやっていただければと思いますが、そのことについて……。

○須藤部会長 それでは、塚本室長、どうぞお願いします。

○塚本研究調査室長 ご指摘いただいた評価ネットワークでございますけれども、昨年12月に総合科学技術会議の方から意見具申をいただきまして、地球観測を全般的に推進していくべきと。それを踏まえまして、文部省それから気象庁、環境省、この三者で連絡調整を行いました結果、環境省と気象庁の2機関が協力をいたしまして、地球環境観測の連携拠点を新たに設置しようと。ここが中心になって東アジア地域、あるいは我が国における地球環境研究を統合的に、今後、行っていくことを進めていきましょうという合意をいたしました。これに基づきまして、それを実際に実施していくための組織体制として、現在、地球気候変動影響監視評価ネットワークの構築ということを検討しているところでございます。これはまだ検討中ということでございますので、来年度予算要求結果などを踏まえまして、結論が出ましたら、また部会の方にご報告をさせていただきたいと思います。
 また、ご指摘いただいた永続的にきちんとやるということにつきましても、しっかりと肝に銘じて準備を進めてまいりたいと思います。

○須藤部会長 どうもご説明ありがとうございました。それでは、横山委員お願いします。その後、原沢委員、続いてお願いします。

○横山委員 資料2-3の環境省が実施する排出削減実施計画、これについて1点だけ述べたいと思います。前に環境省の方にも伺ったことがあるんですが、環境省は日本全体の温暖化対策による、省全体としても一生懸命取り組んでいるけれども、省内でどうやって削減するかということは、みんな関心がなくて実は困っているんです、ということを伺いました。そういう意味からいうと、こういう実施計画が出てきて、やってみようというのは大変いいことだし、ぜひやってほしいと思います。
 ただ、これを見ると、例えば環境省がほかと違うんだというところが、どうもざっと見ている限り、ないんですね。私は特に車ということを重視したいと思うんです。数年前に、私、あるところで書いたことがあるんですが、地球環境部会の開かれている会場に黒塗りの車がいっぱいとまっている。よく見ると、環境省の幹部の方と、産業界からの委員の方だった。温暖化の問題を論議して、しかも地下鉄なんかかなり交通の便のいいところが会場なのに、こういうことではどうなんだということを書いたことがありました。その後、随分そういうところには環境省の局長クラスの人も、地下鉄で来るように改善はされたように私は思っているんですが、これをみる限り、他省庁と違って、一番温暖化問題で責任のある環境省が、車ではこんなことをやっているんですよ、あるいはほかの面では他省庁にない、こんなことをやっているんですよというのが、ほとんど見当たらないので、それがちょっと残念ですが、何でそういうことをやれないのか。多分、忙しくて、車の問題に限れば、こういう会場を移動するのに車が必要だということはよくわかるんですが、足元から固めるということで、もう少し独自性を出していただきたいなと思います。
 以上です。

○須藤部会長 ありがとうございます。これはお願いということなんですが、梶原課長、車のことは例なんでしょうけれど、何か独自の考え方はあるんでしょうか。

○梶原地球温暖化対策課長 独自のというと、ちょっと私はまだ勉強不足でなかなか、きょう、あれなんですが、ただ、申し上げたいのは、環境省の場合、ことしの6月にこれをつくりまして、初めてこういうことをやったということではなくて、例えば1つ例をとりますと、平成13年の段階で、実は今の私どもの環境省の建物の中で、私どものフロアだけが、蛍光灯を全部インバーター方式に変えて、高周波対応型の蛍光灯にしているとか、そういう意味では、各省に先駆けてやっておりますし、また燃料電池車とか、そういったものについても、各省に先駆けてやっているつもりでございます。そういう意味では、関係省庁の、まずできるだけ範になるように、ということで努めさせていただいているところでございます。ご指摘を踏まえまして、今後とも、おまえたちの足元は、というふうに言われないように努めさせていただければと思います。ありがとうございます。

○須藤部会長 どうもありがとうございます。幹部の皆さんも、きょうはご出席でございますので、関係省庁の率先垂範を図っていただきたいと、部会長としてお願いをしておきます。
 それでは、原沢委員、どうぞ。

○原沢委員 2つご質問なんですけれども、1つは資料2-1の3ページ、先ほどご紹介があった「科学についての認識の共有」ということで、この部会の下の国際戦略委員会の方では、2℃、550ppmなど安定化濃度の議論をして、一応報告として取りまとめたのですけれども、G8の中で、そういった安定化濃度の議論が出たのかどうか。出たとすると、どんな結論だったかというのをお聞きしたい。
 また、温室効果ガスの増加の主要因は人間活動であることをG8各国が承認したということで、アメリカのブッシュ大統領もこれについて賛同したという話を聞いているんですけれども、そこを確認したいと思います。
 2つ目が、先ほど国民運動の「チーム・マイナス6%」ですけれども、たまたまその数字が出ておりまして、個人が6万4,000人。これはちょっと、少ないなという感じがします。団体が入っているので、これに人数を掛ければ相当数になるのではないかと思いますけれども、多分1997年だったと思いますけれども、4つの温暖化防止行動のキャンペーンがあって、100万人達成しようということがあったと思います。今回の国民運動に関して、そういった目標があるのかどうかという話と、例えば個人の6万4,000人、これはホームページから登録ということで、以前ははがきでも応募できたと思うんですけれども、現時点で個人の人数的なところの位置づけをお聞きしたいのが2点目です。

○須藤部会長 では、1番目の問題を水野室長、2番目は梶原課長でよろしいですね。お願いします。

○水野国際対策室長 それではご質問にお答えさせていただきます。まず最初の具体的な安定化濃度等の議論でございますけれども、これは最終的な文章の中には一切出ておりませんし、議論の中にもそういったことがあるという報告は受けてございません。これはそもそも各国間で非常に問題認識に幅があるというようなこともあって、まずは問題が起こっている。それからそれが人間活動によるのだ、ということについての認識を共有するというところが、スタートポイントだということで、そこがまず重視されたのではないかなと、これは推察になりますが、そういうことだろうと思います。そこにつきましては、この評価のところにも書いてございますように、G8の首脳間で確認をされたということでして、これはもちろんブッシュ大統領も含めて、G8で、文章の中に盛り込まれて確認されたということでございますので、そういった意味で問題認識が共有されたという事実があったというふうに、私どもとしては理解をしているということです。

○須藤部会長 ありがとうございました。それでは、梶原課長、国民運動の達成目標。

○梶原地球温暖化対策課長 「チーム・マイナス6%」の、例えば個人、団体の数字を、1ページ目に掲げてございますが、それぞれに具体的にこの数値を達成しなくてはいけないといったような目標があるというふうには、すみません、私は勉強不足かもしれませんが、その目標があるとは理解しておりません。ただ、こういった形で繰り返し、繰り返し、国民運動という形で訴えかける、あるいはマスメディアの方々にもご協力いただいて訴えていただける、そしてまた、先ほど久保田委員の方からのお話もございましたけれども、地域の協議会とか、推進委員の方々に、続いてやっていただけることによって、例えば1ページ目の一番右側の、ちょっと見えにくいですけれども、例えば6つのアクションという形で、温度調節していただけるとか、水道の使い方を考えていただけるとか、自動車等の使い方を考えていただける、コンセントの話、あるいはマイバッグ買い物といったようなことも含めて、ご理解していただければいいと思っております。
 すみません、長々と言いましたけれども、数字の方については、ここが目標というよりは、できる限りこれを、いろいろな形でふやしていく。これだけではございませんし、我が家の環境大臣とか、そういうものを含めて、いろいろな形でふえていくことを目指してやっていくということでございます。

○須藤部会長 どうもご説明ありがとうございました。もしかしたら、まだいろいろご質問やらご意見あろうかと存じますが、大体予定した時間が近づいてまいりました。このあたりで本日の部会を終了させていただきたいと思います。
 本日の議事録につきましては、事務局の方で取りまとめた上、後日、委員の皆様に案を送付させていただきます。
 また、次回の日程につきましても、改めて事務局から連絡をさせていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。お疲れさまでございました。

午後 3時58分 閉会

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