中央環境審議会地球環境部会(第19回)議事録

1.日時

平成16年6月4日 10:00~13:25

2.場所

三田共用会議所3階大会議室

3.出席委員

  
(部会長)  浅野 直人  
(委員)  清水 誠  鈴木 基之
   桝井 成夫  桝本 晃章
   和気 洋子  
(臨時委員)  青木 保之  武内 和彦
 浅岡 美恵  永里 善彦
 天野 明弘  永田 勝也
 飯田 浩史  西岡 秀三
 浦野 紘平  福川 伸次
 及川 武久  佐和 隆光
 大塚  直  松野 太郎
 久保田 泰雄  三橋 規宏
 小林 悦夫  安原  正
   塩田 澄夫  山口 公正
   須藤 隆一  平田  賢
   大聖 泰弘  
 

4.議題


(1) 地球温暖化対策推進本部について
(2) 運輸部門の対策・施策の見直しについて
(3) 家庭部門、業務部門の対策・施策の見直しについて

5.配布資料


資料 1 地球温暖化対策推進本部資料
資料 2 運輸部門、家庭部門、業務部門の対策・施策の見直しの考え方について
資料 3-1 運輸部門の対策・施策の見直しについて
資料 3-2 家庭部門、業務部門の対策・施策の見直しについて
資料 4 運輸部門、家庭部門、業務部門の追加的な対策・施策の例
<参考資料>
参考資料 1 2002年度(平成14年度)の温室効果ガス排出量増減の要因について
参考資料 2 地方公共団体における計画策定・排出量公表制度の状況
参考資料 3 事業者による温室効果ガス排出抑制計画の策定・排出量の公表の状況
参考資料 4 地方公共団体における地球温暖化対策推進法施行状況調査結果


 

6.議事

午前10時00分開会

○石野総務課長 それでは定刻となりました。ただいま21名の委員の先生方お見えでございますので過半数に達しております。本部会は成立をいたしております。それでは始めたいと思います。浅野部会長よろしくお願いいたします。

○浅野部会長 それでは、ただいまから19回目の地球環境部会を開催いたします。環境省ではすでに6月から軽装ということになっております。本日は開催通知に軽装という御案内を入れ忘れておりまして、大変申し訳ございませんでした。次回からそのことも通知に入れたいと思います。それからここに来まして気がついたんですが、この会議所は財務省が管轄らしいのですが、政府の率先垂範が全然できていなくてですね、この部屋は室温が24度に固定してあるのだそうです。ひょっとすると軽装だと風邪をひく可能性があるんですが、一応私は部会長の立場上、パフォーマンスとしても断固として風邪をひくことも覚悟の上で軽装でやりたいと思いますが、三田会議所については環境大臣から財務大臣に是非、ちゃんと28度という方針を守るようにという要請をしていただくようにお願いをしたいと思わないでもありません。
 本日の議事でございますが、まず地球温暖化対策推進本部の会合が開かれましたので、それについての御報告を申し上げます。それから運輸部門の対策・施策の見直し。家庭部門、業務、その他部門の対策・施策の見直しということで、本日から前回まで行いました点検・評価に続いて、ではどうするかという話に移りたいと思います。どうぞよろしくご審議をお願いいたします。
 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。

○事務局 資料でございますが、1枚目が本会合の議事次第、続きまして座席表、それから地球環境部会の委員名簿、それから資料一覧、資料1が5月18日の温暖化対策推進本部の資料。資料2が運輸部門、家庭部門、業務部門の対策・施策の見直しの考え方について。資料3-1が運輸部門の対策・施策の見直しについて。資料3-2が家庭部門、業務部門の対策・施策の見直しについて。資料4が資料3-1と3-2に掲げられております各部門の追加的な対策・施策の例を主体別に再整理したものでございます。
 参考資料1が、2002年度の温室効果ガス排出増減の要因について。参考資料2が、地方公共団体における計画策定・排出量公表制度の状況。参考資料3が、事業者による温室効果ガス排出抑制計画の策定・排出量の公表の状況。参考資料4が、地方公共団体における温暖化対策推進法施行状況調査結果。それから浅岡委員から、企業の各事業所の温室効果ガス排出の実態について。日本経済団体連合会様から環境・エネルギー政策に関する考え方について。電気事業連合会様から第18回目の地球環境部会会合資料に対する御意見をいただいております。
 それからビラでございますが、6月5日から公開予定の『ディ・アフター・トゥモロー』という映画のチラシ、温暖化による海洋大循環の崩壊で災害が起こることを描いた映画のチラシを入れさせていただいています。それから、環境省の「環のくらし」応援団のメンバーでありますモーニング娘。の主演の『HELP!!熱っちい地球を冷ますんだっ。』というミュージカル、6月13日まで中野サンプラザで開催されるということでございます。それから冊子でございますが、地球温暖化対策推進本部の資料であります大綱の15年度の施策の進捗状況の冊子を委員のお手元にお届けしております。
 以上でございます。

○浅野部会長 それでは今回も環境にやさしくなく大量に資料がございますが、お許しをいただきたいと思います。
 それでは最初の議題でございますが、「地球温暖化対策推進本部について」ということでございます。5月18日に開催されました地球温暖化対策推進の内容について、事務局から報告をさせますが、本部に先立ちまして、この5月18日の午前中に「地球環境問題への国内対策に関する関係審議会合同会議」が開催されまして、中央環境審議会からは森嶌会長と私が審議会を代表して参加をいたしましたので、その様子について御報告を申し上げます。
 この合同会議には中央環境審議会をはじめ、産業構造審議会、総合資源エネルギー調査会、社会資本整備審議会、佐和委員が部会長をしていらっしゃいます交通政策審議会、林政審議会、国民生活審議会、情報通信審議会の合計8審議会から16名の委員が集まりました。まず、関係各省から各審議会での審議状況の概要の報告がありまして、そのあと自由討議で各委員からの御発言がありました。私は中央環境審議会の立場から、現行の対策では削減量が不足いたしますので、追加対策の検討が必要であること。排出形態別、部門別という区分だけでなく、主体に応じた効果的な連携策が必要であること。データの整備、共有化、公開、国民への情報提供を積極的に推進すべきこと。政府・地方公共団体が率先垂範、積極的に取り組むべきこと。といったようなことを発言をいたしましたが、残念ながら財務省の三田共用会議所の冷房については依然として24度であります。
 続いて参加されました各審議会の委員からの御意見でございますけれども、産業空洞化を招くので環境税には反対するという御意見もございました一方では、産業構造が転換された結果、空洞化が生ずるのは必然的なことであり、税によって空洞化するわけではない。という反論の御意見もございました。住宅の断熱に関しまして、これを法的な規制によって行うべきであるという御意見がありましたが、他方では断熱水準が上がりますと、暖房水準も上がるというリバウンド効果がありますので、慎重な検討が必要であり、各省の連携も必要だという御意見がございました。
 大綱の評価・見直しについては数字合わせではいけないという御意見、企業の消費者に対する情報提供が不十分であるという御意見、消費者の役割をより重視すべきである。産業、国民、国といった各主体の責任分担の明確化が必要である。3.9%の吸収源を確保するためには森林整備に対する国民の関心を高め、担い手を養成するとともに財源確保の必要がある。それから大綱が現行ではコスト、産業構造が大きく変わるということについて見込んでいないなら、これを見込んだ大綱に改める必要があるのではないか。省庁間の縦割りによる個別政策のばらばらなものではよくなくて、トータルな政策を実施する必要がある。といったような御意見がございました。
 では、続きましてその後開かれました政府の、本部の検討結果についての御報告をいただきます。

○石野総務課長 それでは、資料の1を御覧ください。5月18日に開かれました「地球温暖化対策推進本部」の概要につきまして簡単に御説明申し上げます。
 この本部におきましては5つの報告及び決定がされておりまして、最初が平成14年度、2002年度の温室効果ガスの排出量でございます。1ページを御覧いただきたいと思いますが、2002年度の温室効果ガスの総排出量は13億3,100万トンでございました。前年度に比べて2.2%の増加、京都議定書の基準年であります90年に比べても7.6%の増加ということでございます。この主たる要因は、東京電力の原発点検不正をめぐる問題が起因いたしまして、多くの原子力発電所が半年余にわたって停止をし、火力発電所が稼動したということでございます。それ以外に鉱工業生産活動が回復をした、あるいはややその前年に比べますと冬が寒くて、平年並みでございますけれども灯油の消費が若干増加したというようなさまざまな要因がございます。
 このうちCO2、二酸化炭素につきまして9割部分についての部門別数字が書いてございますが、産業部門につきましては90年度比でいいますと1.7%、これは前年がマイナス5.1でございましたから上がっております。グラフの方を御覧いただきますと、前年比が3.6%伸びたという数字を示してございます。運輸部門につきましては、90年度比で20.4%の増加、グラフの方を御覧いただきますと、前年比では1.9%の減少ということでございます。業務・その他部門につきましては、90年度比で36.7%の増加で前年比では4.4%、それから家庭部門につきましては、90年比で28.8%の増加、前年比で7.9%の増加となっております。特にこの業務、家庭の伸びが大きくなっておりますが、これは先ほどの火力発電所の稼動が増えたということで、いわゆる電力の排出係数が上がったということが原因になっております。家庭部門で申し上げますと、電力の約6割を占めております関係でこういった形の数字になって表れているということでございます。
 その他のガスにつきましてページを少し先の5ページを御覧いただきますが、メタン、一酸化二窒素、それからフロン類等につきましては減少の傾向がしっかり定着をしているということでございます。以上が第1番目の温室効果ガスの排出量の報告でございます。
 資料の1-2を御覧いただきます。2点目で地球温暖化対策推進大綱の進捗状況というものを報告いたしております。これは平成14年3月に決まりました大綱につきまして毎年、具体的措置はどういうふうなことをやったかということを点検をし、報告をするというものでございます。大綱に掲げられた200を超える施策についてそれぞれ15年度にこういった施策を点検して、現状と課題の分析を行っております。裏に概略でございますけれども、省エネ対策、エネルギー供給面の対策等々につきましていくつかのポイントだけを挙げてございますが、こういった形で点検をいたしております。
 施策それぞれに進展がみられますけれども、なお、一層取組が必要な施策あるいは効果が表れるまでに時間を要する施策等がございまして、6%削減約束の達成のためには引き続き施策を実施し、効果を表せる必要があるというふうな評価をいたしております。本年度は第2ステップに向けて、まさに評価・見直しの措置ということでそういうことも報告をいたしております。
 資料1-3でございます。3番目のポイントは地球環境保全に関する総合推進計画というものを決定いたしております。これは各省庁それぞれで地球環境保全に関して調査研究、観測・監視、それから技術開発についての予算の裏付けを持ったさまざまな計画につきまして、まとめて報告、決定をするというものでございます。数字が掲げられてございますが、前年とほぼ同額の予算額をもって調査研究を進めるということが決定をされております。
 資料1-4は、昨年度15年度の同様な計画につきまして執行ベースの数字を、これは報告をいたしておりますけれども、ほぼ当初予定どおりの額を執行したというふうな報告をいたしております。
 最後に資料の1-5でございますが、京都メカニズムの個別プロジェクトの承認結果ということでございます。昨年の本部は8月に開かれまして、それ以後に新しく政府が承認をした個別プロジェクトということで、ベトナムでの油田随伴ガスの回収・有効利用のプロジェクトを京都メカニズムに基づくプロジェクトとして認定をしたということでございます。これでこれまで我が国において承認をされた案件は6件ございます。最後のページに参考として6件の表を載せてございますが、こういった形でCDMを、あるいはJIを進めておるということを報告いたしました。
 以上でございます。

○浅野部会長 それでは、ただいまの点につきましては御報告をお聞き頂いたということで終わらせていただきたいと存じます。
 次は、運輸部門についての見直しに関してでございます。清水課長から御説明申し上げます。

○清水地球温暖化対策課長 それでは、運輸部門に関する見直しということでありますけれども、資料2から見ていただきたいと思います。この資料2は運輸部門、家庭部門、業務部門、3部門合わせて見直しの考え方について、まず説明し、それから資料3-1ということで運輸部門の対策・施策の見直し、この2つの資料。それからあとで資料4ということも含めて、まず運輸部門に関する説明をしたいと思います。
 まず資料2であります。これまで1月から4月までの部会におきまして、対策・施策の評価を行ってきたところでありますけれども、この結果、最初のマルにありますように、現在の大綱の対策・施策のままでは2010年に6%削減約束の達成は困難であるということが明らかになったと理解しております。そこで今後、削減量が不足するということを埋めるための追加的な対策・施策の検討ということに入ってくる。見直しのプロセスに入ってくるわけでありますけれども、この追加対策・施策の検討にあたって、次のような考え方に立ってみてはどうかということで、この資料1ページ目で4つ考え方をお示ししております。
 第1には、まずいろんな対策の分類が考えられるわけでありますが、第1には[1]で書いてありますのは、いわゆる確実な対策ということであります。現段階で既に2010年の目標を達成済み、あるいは現在のペースで推移した場合に2010年の目標達成が見込めるような、こういった確実性の高い対策についてでありますが、こういった対策についてはそういった状況に甘んじることなく、さらに対策の強化を検討していったらどうであろうかとういうことが第1点です。
 第2点目でありますけれども、これは削減効果が定量的に評価でき、対策をやれば確実に削減が出てくるものの、現在の進捗状況を見ますと目標に照らして十分ではない。あるいは目標を達成するかどうかわからないというような対策です。1つは実施量が不足するような対策あるいは本格導入までは至っていないような対策がここに入るわけでありますが、こういった対策につきましては、目標達成の確実性を高めるために必要な追加対策を検討するというような形で検討を進めればどうであろうかということであります。
 それから3番目に、いろいろこれまで評価してきた中に確実性が非常に低かった対策があったわけであります。2つほどポツが書いてありますが、1つは対策の実績データが不足していて現時点あるいは2010年における対策進捗を定量的に評価することが難しいような対策がありました。それからもう1つのポツに書いてありますように、対策は実施できるわけですが、その削減効果の部分において不確実性が高いような、そんな対策もあったということであります。こういった対策については、排出削減効果の確実性を高めるために必要な追加対策を検討する。あるいは削減効果を定量的に評価するための評価手法、データの整備といったところから検討を進めるということが必要なのではないだろうかということです。
 それから[4]に書かれておりますように、現在の大綱には掲げられていない対策、そういった対策であっても対策効果を定量的に評価できる。それから実効性が高いというような対策であれば、大綱に追加することを検討することで、これは新しい追加対策の検討という、こういう4つぐらいの分類に分けて対策・施策を検討していくというのが適当ではないだろうかという、そういうペーパーになっております。
 ちょっと1ページ飛ばしていただいて4ページに参考という形で、今お話しした4つの分類の対策の一覧というような形になっております。これまで運輸、家庭、業務、それから国民各界各層の分野について見てきたわけでありますけれども、そういった対策について一応の分類を試みると、[4]は追加対策ですのでこのページにはありませんが、[1]から[3]について分類してみると、こんな形になるのではないだろうかということで一覧を示しております。
 それでは前のページ、2ページに戻っていただきまして、こういった分類をした上でどういう形でさらに検討を進めていったらいいだろうかということでありますけれども、まず、今回議論してみますと、大綱の分類による排出の主体とそれから対策の主体というのが必ずしも一致していないようなことがあったわけです。例えばビルのテナント関係などは典型的でありましたけれども。こういった問題がありますので、対策の実効性を高めるためには行政機関、事業者、消費者、NGOといった各主体が担うべき役割を明らかにして、それらの主体の連携対策というものを検討していくということが必要ではないだろうかと。特に誰がどういう対策を講ずるべきかという、その誰がというところを明確にしないとなかなか対策が進まないということで、これは後ほど資料4の中でさらに詳しく御説明したいと思います。
 それから、時間軸というのがございます。対策の実施の効果が表れる時期とのタイムラグということを考えますと、やっぱりリードタイムが残されている第2ステップのうちに、計画的に追加対策・施策を導入するということが大変有効ではないだろうかということです。
 それから、2番目のマルに書いてありますように、今後世界的、世界全体の削減ということを考えていかなければならないわけでありますけれども、特に先進国は途上国のモデルとなるような形で経済発展を遂げながら、かつCO2を削減するような、そういう脱温暖化社会に向けた構築ということが重要なのではないだろうか。そういうことを考えますと大綱見直しということも、当然京都議定書の6%削減というのが一つの目安でありますけれども、その後においてもさらに大幅な削減効果を発揮するような対策を長期的な視点で見ていく必要があるのではないだろうかということです。
 それから、削減の見込み量ということであります。現在、大綱に書かれている施策の中に排出削減見込み量の算定方法が、必ずしも明らかでないような対策が含まれておりましたし、また、いろいろ何万トン削減ということを書いてありますが、他の対策と相まって効果が出たりする、対策もあるわけですので、削減の見込み量というものを、3ページ、次のページに書いてありますが、より合理的、透明性の高い方法で目標を記述していくようなことが必要になるのではないかということです。
 最後のマルに書いておりますが、排出量というのが概念的には「活動量×エネルギー原単位×CO2排出原単位」というような形でも把握できることがありますので、こういった数字の変化を把握していけば要因分析・評価ということで補足的に役立つのではないだろうかということを、一つの論点として挙げております。
 引き続きまして資料の3-1ということで、運輸部門の具体的な対策の見直しについて御説明して、資料2も合わせて御議論をいただきたいと思います。
 資料3-1の最初に書いてございますが、この資料自体は、まず追加対策・施策のオプションについて幅広く方向性を示すというものでありますので、政策オプションを示してあるということが一つポイントです。今後、見直しの結果、6%削減というのを全体として達成していかなければならないわけでありますけれども、その中で運輸部門がどれだけの削減量を見込むかというのは、これは他の分野の対策・施策と合わせて全体のパッケージとして調整する必要がありますので、むしろそれぞれの分野の対策を全部御議論したあと、全体として後日の地球環境部会で示すということにしたいと思いますので、今回はパーツの議論ということで御了解いただきたいと思います。
 それからこの資料3-1の中に書いてある取組を整理すると、資料4ということで横長の資料になりますが、これに整理されますので、これをちょっと横に置きながら見ていただくと少しわかりやすいのかなという気がいたします。
 それでは具体的に運輸部門の対策の内容に入ってまいります。1枚めくっていただきまして3ページということです。少し時間の関係上、はしょりながら説明になることをお許しいただきたいと思います。
 まず、「自動車燃費の更なる向上」ということです。右側に[1]という数字が付してありますが、これは先ほどの分類の[1]、[2]、[3]、[4]の分類ということですので、この[1]は現時点で既に十分な効果が見込める対策という、そういう趣旨でありました。
 現在、大綱におきまして「自動車の燃費改善の強化措置」、それから「トップランナー基準達成の加速的導入」という2つ対策が挙げられておりましたが、2005年度におきましても90%以上が基準達成車となるような見込みでありますので、2010年の目標をかなり前倒しで達成ということになります。ここで議論しておりますのは、実は現時点で既に2010年の燃費基準をさらに5%超過達成した車が市場に投入されておりますので、むしろ、この5%超過達成というところまで考えれば、さらに現在の2010年燃費基準達成の普及に比べて、さらに5%の向上というのが考えられるのではないかというのが、ここで言っている対策です。
 3ページの下の方に「導入に向け考えられる施策例」ということを書いてありますが、既にグリーン税制の導入ということがあります。次の4ページの第1行目に書いてありますが、既に平成16年度から2010年燃費基準を5%超過達成した自動車への税制優遇というのが始まっております。ですから、この5%超過達成制度というのをさらに有効に活用すれば、さらに5%超過達成に向けて、対策を進めることができるのではないだろうかというのがここのページで言っていることであります。
 それから次の5ページ目にまいりまして、「クリーンエネルギー自動車の普及促進」ということで、これは[2]ということであります。すなわち、目標達成に比べて少しまだ進捗状況が遅いという分類に入るかと思います。この大綱上の目標は2010年時点において350万台の普及ということでありました。前回評価いたしましたときに、特にハイブリッド自動車の進捗が伸びておりますが、10万台を超えたレベルということなので、まだまだ目標に比べてかなり乖離が大きいということでありました。
 今回、ここで新しい追加的な施策ということで議論しておりますのは、5ページの下の方を見ていただきますと、特にクリーンエネルギー自動車のうちハイブリッド自動車、このハイブリッド自動車につきましては新たな燃料供給インフラの整備が必要ない。それから供給側の自動車メーカーにおきましても2005年度の販売計画は30万台というような形でかなり膨らんでいる。かつ、消費者の関心も高いというようなことがありますので、特にハイブリッド自動車に焦点をおいた普及拡大というのを加速化していけばどうであろうかというのが、今回のペーパーの中で提案している事項であります。
 具体的には6ページ、次のページにまいりまして、ハイブリッド自動車や低燃費自動車によるカーシェアリングビジネスという形で促進をしていけばどうであろうかというのが一つの大きな対策のオプションであります。真ん中あたりに[1]カーシェアリング事業者に対する支援策というふうに書いてありますが、現在、環境省におきましてカーシェアリングビジネスを対象とした16年度からの先導的な事業化を行う事業者に対する助成措置ということを実施しようとしております。それから国土交通省におきましても構造改革特別区域法に基づいて、カーシェアリングの特区制度というのを創設しております。こういったことを利用しながらカーシェアリングということを一つの起爆剤にしながらハイブリッド自動車の拡大を進めていくということが考えられます。
 このため7ページの上の方にありますカーシェアリングビジネスを拡大するための環境整備というのも同時に行っていくようなことというのが重要なのではないだろうかと。公共機関との相互利用とかあるいはカーシェアリングビジネス間の相互乗り入れなど、さまざまな考え方が出てくるということです。
 それから7ページの真ん中あたりにもう1つのハイブリッド車の促進策として、これは技術開発要素にはなりますが、マンガン系のリチウム電池というものの実用化のための技術開発を進めたらどうだろうということです。特にハイブリッド車において二次電池の技術開発というのが非常に重要な要素となっております。現在、ニッケル水素電池が主流になっておりますが、これをマンガン系のリチウム電池に置き換えることによって、さらにエネルギー効率の拡大も考えられるということでありますので、こういった要素技術の技術開発も進めながらハイブリッド車の効率を改善していくというのが、一つの方向性ではないだろうかということをここで提案しております。
 それから8ページにまいりまして、海運へのモーダルシフトの推進ということであります。大綱の中では内航海運の輸送分担率を44%まで上げるという対策であったわけでありますが、実際のところ、輸送分担率が41%程度で低迷しているという、そんな状況であります。対策としてスーパーエコシップの開発というのが一つ大きな柱として、これは国土交通省でも実施しているわけでありますが、こういったことによって輸送分担率を上げるということができれば、かなり対策効果が出てくるということであります。
 9ページの方にスーパーエコシップに向けての周辺環境整備というようなことで、いくつか政策が大きく挙がっております。実証試験とともに新技術を用いて経済的に船舶を造船していく。あるいは荷主とそれから運送主との間の連携策というような検討ということで、サードパーティロジスティックスなど、あるいは物流の最適化を図る中でこういった海運というものをどう位置づけていくかというのが大きな方向性かと思っております。  それから次に10ページ、鉄道貨物輸送ということであります。これも鉄道コンテナ輸送の分担率を3.6%向上させるというような対策であります。この対策についてもなかなか鉄道の競争力が十分でないということから、まだ導入に向けての課題があったわけでありますが、ここの部分の導入に向け考えられる施策例も内航海運のところとほぼ一致しておりますが、荷主と運送業者の連携策というような観点から荷主に対するインセンティブ付与などの仕組み、あるいはサードパーティロジスティックス、物流最適化などの施策が有効なのではないかということです。
 それから11ページにまいりますが、アイドリングストップということであります。アイドリングストップにつきましては、営業用自動車などにつきましてはこれまでアイドリング装置が搭載されていたわけですが、一般の家庭用については車種として非常に少なかったわけであります。導入に向け考えられる施策例として、1つは、自動車メーカーに対してアイドリングストップ搭載を義務づけというようなことも考え得る一つの選択肢になるのではないか。あるいは現在実施されているようなアイドリングストップ搭載車両の購入時の補助制度を推進するというのも、一つのオプションであろうということでここには書いてあります。

○浅野部会長 ちょっと申し訳ないのですが、ちょっと説明を中断させます。佐和委員が10時40分に御退席ということで、交通政策審議会の環境部会長をしておられますので、内容はもう熟知しておられると思いますので、佐和先生、もし必要でしたら御発言を。

○佐和委員 いや、まだ大丈夫です。

○浅野部会長 大丈夫ですか。それでは。

○清水地球温暖化対策課長 すみません、ちょっと説明が長くなって申し訳ありません。
 それからエコドライブの推進というのが13ページに書いてあります。エコドライブは国民各界各層の対策の中の施策として位置づけられてきたわけであります。エコドライブは単純にドライバーの行動選択という形で行うということであれば、これはかなり不確実性の高い対策ということでありますが、平成15年度に環境省が「IT技術活用エコドライブ診断事業」ということで、エコドライブ診断システムというハード的な装置を車に搭載しながら対策を行ったことがあります。ITエコドライブ診断システムでありますと平均5.8%程度の燃費改善は見込めたということであります。
 それからもう1つは、燃費計ということがあります。燃費計というのは比較的安価なシステムとしてエコドライブを推進するような補助的な装置になるのではないかということであります。したがいまして14ページに今後の施策例ということでありますが、自動車への燃費計の搭載促進というのがポイントになってくるのではないだろうかと。自動車メーカーに対して新しいモデル車への燃費計を標準搭載するというようなことは考えられないだろうか。それから実際、ディーラーとかカー用品店ということで販売する者に対して、燃費計に対する情報提供をさらに強化する。それからさらに進んで、エコドライブ診断システムによるモデル事業ということを、各地で実施するというようなことが施策事例として考えられます。
 それから15ページにまいりますが、バイオエタノール混合ガソリンというのが、これは[4]でありますので、まったく新しい施策例として今回出てきております。バイオエタノールを3%混合したE3といわれるガソリン、これを普及することによって、これは現在走っている車すべてに適応可能ですので、削減効果のところに書いてありますように250万トンというようなかなり大きな削減効果の見込まれる対策になるのではないだろうかということであります。導入に向かっての課題ということでいくつか書いてありますが、年間180万キロリットル程度のバイオエタノールをどこから供給するかというのが、一つ大きな課題になってくるので、これは国内で調達するかあるいは海外で調達するかということでありますが、国内におけるポテンシャルもある程度あるということであります。
 導入に向けた施策例として16ページ以降ありますけれども、まずは地域的な実証事業ということで、まず地域的に石油流通ということにおける品質確保も含めて国民の理解を増した上で、その上で全国レベルの普及をめざすという二段階のステージで対策を進めていくというのが考えられるということであります。いろいろ書いてありますが、ここは省略させていただきます。
 それから19ページにまいりまして、超低硫黄軽油、超低硫黄ガソリンの普及促進ということです。軽油の超低硫黄化は平成19年から、あるいはガソリンの超低硫黄化は平成20年からということを予定されておりましたが、石油会社でこれは前倒し実施ということで16年からもう販売ということになりますので、これが出てきますと、これは大気汚染対策が主なものでありますけれども、非常に燃費向上ということでCO2削減にも役立つ対策であります。ここに書いてありますように、新車の80%が燃費向上ということの技術が搭載されたものであるという考え方に立ちますと、300万トンというような大きな削減効果が現われます。それからガソリンも直噴・リーンバーンというような形になってきますと、160万トンということで、かなり大きな対策であります。ただ、一方、超低硫黄化するために製油ところでのCO2排出が増えるというところがございます。ですから、トータルのバランスとして見た場合に、全体としては削減の方向に向かうわけでありますけれども、製油所の排出というものをどうするかというのも、一つ大きなポイントになってこようかということであります。
 20ページで「導入に向け考えられる施策例」を書いてありますが、1つは、こういった低硫黄型に対応した車の買換え促進ということでの税制優遇による支援策、それから製油所における設備投資に対する支援。特に環境省の方でも製油所からのCO2増加というのは大変懸念しておりまして、そういったところに対する省エネ施設の導入支援なども考えておりますので、こういったことも含めて全体として効果を上げるような形で対策をもっていったらどうかということであります。
 以上御説明したのが大体資料4にまとめてあります。資料4でまず1ページ目が運輸部門の追加的な対策の例として、それぞれ燃料対策、機器対策、輸送対策ということが左側にありますが、それぞれメーカーサイドの製造段階、販売段階、それから消費・使用段階という3つに分け、それぞれの主体ですね、例えば燃料の製造でありますならば石油会社、こういった主体がそれぞれどういう対策を行うかというのを一覧にまとめた、そういう形の表にしております。ちょっと長くなりましたが、以上です。

○浅野部会長 それでは佐和委員どうぞ。

○佐和委員 まず、最初に印象といたしましては、各項目にすべて推進とか向上とか、最も多いのは普及促進ということが書いてあるわけですけれども、確かにそういうものが普及促進されればCO2の排出削減につながることは、これはもう言われなくても分かっているようなことなんですが、問題はいかにして普及促進させるかということについて何も書かれていないというのが問題だと思います。
 かつてといいますか、3年ほど前に旧運輸省とそれから環境省が、環境庁ですか、協力して自動車の保有税を燃費効率に応じて負荷軽減するという提案がなされかけたわけですが、自動車工業会の強い反対があって実現しなかったわけですが、当然建設省も反対していたわけですね。道路財源ですから、保有税が、特に重量税が。したがって、その建設省と運輸省が一緒になって国土交通省になったわけですから、この際、私は自動車の保有税を完全燃費比例型にすれば、当然重量税とかそういうようなのも当然加味したものになるはずですよね。そういうふうな対策をここで講じることが必要だと思います。
 それで何と申しましてもCO2の排出総量の約20%を運輸部門、自動車が占めるわけですから、仮に燃費効率が平均して30%向上すれば6%削減率ということにもなるわけですね。それからもう1つ、モーダルシフトということも随所で書かれているわけでございますが、なかなか貨物の輸送のモーダルシフトというのは難しいといいますのは、これはつまりトラックに比べて時間がかかるわけですね。ですから、そこのところでどういうインセンティブをつけて船舶とか鉄道に貨物輸送をシフトさせるかということは、これは相当な手練手管といったら変ですけれども、なかなか難しい問題ですけれども、それも是非、どういう対策を講じることによって、それを普及させるかということをお考えいただければ。
 ところが旅客に関しましては、幸いにも例えば首都高速道路が2車線しかつくらなかったという、これが幸いしてそれで東京ではあれだけ満員電車で皆さま方、私は京都で楽をしておりますけれども、東京の方は通勤しているわけですね。ですから、あれが日本人の一人当たりのCO2の排出量がアメリカの約半分であるということの、一つの大きな理由は、あれだけの満員電車で皆が通勤していらっしゃるという、それでおそらく一人当たりのCO2排出量というのは、almost zeroだと思うんですね。それもやっぱり時間が早いからなんですね。ですから貨物の輸送に関してもやっぱり時間が問題になるわけですから、そこのところで何らかの工夫を講じていただきたいというふうに思います。
 それからもう1つはやはり、これも建設省と運輸省が一緒になったことから、あり得る対策としてですね、いわゆるLRTと呼ばれるいわゆる新しい型の路面電車ですね。それは道路財源というのが線路を引くのに使えるわけですよね。ですから、そういう意味でLRTを各都市に、路面電車を復活させるというようなことをお考えいただきたいと。特に私が住んでおります京都なんかいいですね、路面電車を復活させればこれは非常にシンボリックな意味を持つのではないかというふうに思います。
 それからもう1つ、最後1点申し上げたいのは、例えばハイブリッドカーを普及させましょうといっても、やっぱり高いわけですね。そのコストをだれがどのようにして負担するかと。そのためには先ほど申し上げましたように、保有税を燃費効率に比例させるというようなことをすれば、それによって保有税が断然安いということになれば、仮にそろばん勘定が合わなくてもハイブリッドカーを購入するインセンティブは非常に高まるというふうに思います。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。それでは、ほかの委員の方々も御意見、御質問がありましたらお受けしたいと思いますので。どうぞいつものように名札をお立ていただきたいと思います。
 もうよろしゅうございますか。それでは、福川委員から順次御発言をお願いいたします。

○福川委員 詳細な御説明ありがとうございました。資料2のところで[1]、[2]、[3]、[4]と書いてございますが、まず1つは、この[2]で「目標に照らして十分でない、不確実性が大きい対策については、目標達成の確実性を高めるために必要な追加策検討」と書いてありますが、これいったい、なぜこの目標達成ができなかったかという、その要因分析をまずしてみていただくという必要があるように思います。それを一つ、是非お願いをしたいと思います。
 それからあとは[3]で「対策を定量的に評価するための評価手法・データの整備について検討を進める。」これはもう是非、していただきたいわけですけれども、これがどういうやり方によってこれが可能になっていくか。少しその方法論についてどういうお考えがあるか、それをお伺いしたいと思います。
 それから運輸部門についていくつかの対策が指摘されておりまして、まず、機械というか自動車そのものについての改革というのは、これは第一義的に重要ですから、これはどんどん進めてトップランナー方式でしていくということが非常に必要だというふうに思いますが、そのほかいろいろ、その行動様式についてどういうふうに改革をしていくか。例えばエコドライブをどういうふうにしているかとか、そういうような問題は、これはもう少し個別のベースで診断をもっとやっていただくというのが必要ではあるんですけれども。
 例えば大量輸送機関について、例えばバスだとかトラック事業者とか、こういうものについてもう少し情報を提供して、これがどういう地位になるのだということを、この全体から見た評価を、例えばバス会社に対しては、今あなたのバス会社はどういうことになっているか。場合によってはランキングというかそういうような形でもう少し手法を競わせるという方向ができないものか。そういう気がいたします。
 また、先ほどの佐和委員が指摘された自動車のインセンティブをどういうふうにするかということですけれども、これも私も佐和委員の御意見に賛成ですが、このインセンティブとディスインセンティブは、やっぱり相当傾斜をつける政策を考えていくということが必要ではないかという気がいたします。そのほかクリーンエネルギー自動車の普及の遅れ等々ですが、これも理由をもう少し考えて原因を掘り下げてみていく必要があるというふうに思っております。
 バイオエタノールは非常に重要な施策で欧米ではかなり進んでいるという御説明でしたけれども、このバイオエタノールの混合ガソリン、これは相当まだ余地があるように思いますので、これについても施策の強化が必要かと思います。とりあえず以上です。ありがとうございました。

○浅野部会長 ありがとうございました。西岡委員。

○西岡委員 資料2についてでございますけれども、全体の考え方、全体にこの分類については非常にいいのではないかと思っております。そのうち1ページの、今福川委員も強調なさいました[3]のところについては、ちょっと元に戻って検討していただきたい、私もちょっとお手伝いした経験からいいますと、当初の目標設定のときに出されたいくつかのオプションにつきましては、なぜそういう数字が出てきたかということが十分、さかのぼって今点検してみると元へ戻れないというのがあります。すなわち、当初のデータ等、仮定等がはっきりしていない。これについて明らかにし、あるいはつかみでやったのだったらそういうことでやっぱりやり直すといった、目標設定に戻った作業が要るのではないかと思います。これはまた各省庁から提案されておりますので、各省庁の方が責任をもって、その点を明らかにしていただきたく存じます。それが第1点。
 それから第2点は、次のページの主体間の役割分担の連携についてでございます。清水課長からもお話がありましたように、ビルのテナントの例、つくった人とそれから使う人が違うというのが典型的な例でございます。こういう空白域がだいぶある。それがお互いに押しつけあっているという感じがありますので、この辺についても精査していただきたい。
 もう1つ、最後でございますけれども、この2ページの真ん中以降に長期的な問題について書いてあります。脱温暖化社会ということでございますけれども、この点を非常に強調したい。この施策が単に短期なものではなく非常に長期なものをにらんだものにしていただきたい。私は地球環境研究総合推進プログラムのもとで長期の脱温暖化のシナリオというのをやっております。せんだってヨーロッパの話を聞いてきたんですけれども、ヨーロッパの国はいずれも、2050年に45%乃至80%の削減をめざすという非常に長期の目標をまずつくると。そういう社会がこれから普通になっていくであろうという前提ですね。しかもその前提についてわりと政府の方も本気である。私もこんなことできるのかなと思って疑いをもって聞いてきたんですけれども、かなり自信と信念をもってやっている。そういう中では今後のこの施策あるいは技術、あるいはエネルギーのあり方というのは大きく変わってくるのではないかなという具合に思います。
 ですから、京都ターゲットということですが、我々がやらねばならぬことはもっともっと厳しい状況にある。また単に環境の問題ということでなくて、エネルギーのセキュリティー、それから技術の競争力と評価といった面でヨーロッパの国は捉えております。さらに新しい社会をつくるリーダーシップの点から考えているわけでありまして、そういう長期を見込んだ、かつ環境だけではなく、ほかの施策も十分にらんだ形の政策を打つんだということを大前提において、個別の対策の評価についても考えていっていただきたいという具合に考える次第です。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。今の西岡委員の御発言のうち、[3]についてもう一回元に戻って見直せというお話についてはそのとおりだと思うんですが、戻っても全然分からないものが実はあるだろう。あるいはもともと元の立て方自体がむちゃだというのがあるんじゃないか。例えば典型的にいうと、冷房運動の28度とか暖房温度の20度というのは地域性を無視していますね。そういう事情は全然考慮されていない。もちろん人口のほとんど3分の1以上が首都圏に集まっているのだから、それでいいのかもしれませんけれども、極めて非現実的なことが出ているとこういうような点についてことは、いくら元に戻したって戻らないんじゃないかと、思われます。
 いずれにせよ、ここで事務局が言っていますのは、できるものはやるけれども、できないものはできないというのが本音ではないかと、私は思っております。ですから、こう書いてあるから全部オーバーオールにすべてをちゃんと点検して定量的に評価することにたどりつくかということについては、もうちょっとこの審議会でも御議論いただきたいと思っているところです。
 永里委員、どうぞ。

○永里委員 資料2の[3]、1ページなんですが、[3]のところにつきまして「対策効果を定量的に評価するための評価手法・データの整備について検討を進める。」ということについて、この場合に各省庁間で調整の上、無駄のないように、だぶらないようにお願いしたいと思います。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。武内委員。

○武内委員 バイオエタノール混合ガソリンの可能性については、私もこれは相当真剣に検討していい課題じゃないかと思うんですが、今日の御説明だと国内でいうと廃材とか農業の残渣とかこういうものが中心で、試算の方を見てみますと海外の安いやつを買ってくるというふうなあたりのことが出ているんですけれども、私は国内でもうちょっと根本的な考え方というのができるのではないかなというふうに思っていまして、それはエネルギー作物の栽培という観点ですね。
 例えばここでブラジルでサトウキビと、こういうふうに出ていますけれども、温帯地域で光合成効率のいい作物をかなり粗放な環境で栽培するというふうなことを考えるということは、一方で今現在、農業農村政策の中で耕作放棄地の問題、それから管理の担い手不足の問題、その結果として地域の荒廃の問題と。こういう問題がありますので、その2つをむしろ組み合わせて、いずれに対しても効果が上がるというふうなことになっていくのではないかというふうに思いますので、これについては何となく、いわゆるエネルギー側の問題だけでやっていますけれども、そういう生産の側の社会のあり方と合わせて、もうちょっと大きな枠組みづくりという観点で、特に農林水産省あたりと協議していただきながらやっていくと、かなり違う見方ができるのではないかなというふうに思いますので、その辺御検討いただければと思います。

○浅野部会長 ありがとうございました。大変示唆に富む御意見だと思います。  須藤委員どうぞ。

○須藤委員 一言コメント申し上げます。今の御説明については特に異議はございませんが、まず1点目といたしましては、いろいろだれがということを先ほど清水課長もおっしゃったんですが、地方公共団体の役割ということが非常に不明解だと思います。あとでお話が出ると思いますが、地方公共団体、特に市町村が実行計画すら持っていない市町村が半分以下だろうと思います。私は今埼玉県のお手伝いをいたしておりますが、埼玉県には90の市町村がありますが、実行計画を持っているのは38でございます。ということは、特に運輸部門などという部分については、まず自ら市町村にやっていただかなければいけないだろうということで、この辺を明快にしていただきたいと思います。  それからもう1点目は、温室効果ガスの排出は今までのいろんな議論で約8割は企業が持っているというお話を、今日は運輸部門ですけれども、産業部門、その他部門いろいろ合わせてどこかで、例えば今のマイナス6%でもよろしいのですが、全体として対策が推進するように、1部門1部門やっていくと、まあ、こんなものでよかろうになるんですけれども、全体としてどこか一番推進しやすいところをそれぞれの企業は考えていただきたいということを、2点目にお願いをいたします。
 それから3点目は、最後に清水課長もおっしゃっていたのですが、運輸の大気汚染の防止のために、埼玉県以外に首都圏全体としてディーゼルの規制を昨年の10月からやりました。詳しいデータは今手元にないのですが、SPMとして規制前と規制後で約10%濃度としては減少しているということなので、これは一般測定局も含めてでございますので、こういう規制は非常に効果があるということを申し上げておきます。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。2番目の御意見は、むしろ全体のまとめをするときに非常に重要な視点だと思いますので、運輸ということに限らず全体の中で位置づけるということが必要かと思います。
 塩田委員どうぞ。

○塩田委員 運輸部門について非常に総合的なアプローチを説明していただいて興味を持ちました。私は三点申し上げます。まず、資料2の追加対策の検討についての考え方[1]から[4]番までについて私は[1]から[3]までのこういう検討の結果の現状認識をまず十分にするということをお願いしたいと思います。
 それから[4]の実行可能性の高い追加対策や施策として、具体的にはカーシェアリング、その他について非常に興味ある提案をされておりますが、この点につきましては実行可能性があるかどうかということについて、十分にその裏付けのある検討をお願いをしたいと思います。
 第二点目ですが、運輸部門については先ほど来、御指摘がありますように自動車輸送のウエイトが非常に高い。しかもその中の半分以上が自家用車の問題だということに着目して対策を重点的に考えていくべきだと思います。項目はたくさんあるんですけれども、量的にあまり大きな効果が期待できないものの扱いをどうするかということについては、そういうものも項目がたくさんある方がいいんだというふうに考えてやっていくのか。あるいは大きな効果が期待される対策について、今この段階でさらに重点的に検討するのか、検討の手法としてどちらの方向でいくのかということを、審議会としては方向づけをすべきではないかというふうに思います。
 それから第3点目ですが、旅客輸送、貨物輸送に分けて申し上げますと、貨物輸送というのは荷主の注文に応じて非常に合理的に行われる面が強いということで、そういう意味では貨物輸送の輸送を担当する部門とそれから荷主のサイドとの適切な協力があれば、非常に合理的な結果が得られるという見方が一般的です。ですから、ここにはあまり特別な介入はいらないので、何か障害がある場合にそれを除去するということが要るのだと思います。それに対して旅客の部門は、バス・鉄道をもっと活用するというようにこれは政策的な誘導手法がかなり有効な場合が多いということだと思います。そういう意味で公共交通機関の整備及び利用の促進という面については、いろいろ打つ手はあると思います。この点についても具体的にどういう手法があって、どういう財源でそれをやるかというようなことについてコンセンサスを得る必要があると思います。
 以上です。

○浅野部会長 先ほどのメニューをあまり多くする必要がないのではないか。あるいはそれともたくさん並べるのがいいのかということに関して、問題提起という形で御発言があったんですが、塩田委員御自身のお立場はいずれでございましょう。

○塩田委員 私は前から何度も申し上げていますように、運輸部門に限らず、全体の温暖化対策の目的をいかに達成するかという観点から大きな効果を期待できる施策を重点的に実施して結果を精査すべきであるという立場です。数量的な効果は大きくなくても世の中の注目を集めるような項目というのはたくさんあるわけですが、実際問題として、実行可能性と数量的にどれだけの効果が期待できるのかということを、十分考えながら重点的にやっていった方が間違いがないんじゃないかと思います。

○浅野部会長 かねてからそのように承っておりますので、確認をさせていただきました。ありがとうございました。
 小林委員どうぞ。

○小林委員 それでは私の方から資料2の見直しの考え方の部分ですが、全体としての流れはこれでいいのではないかなと思いますが、何点か気になる点がございます。まず、2ページの「時間軸について」というところの2つ目のパラグラフの最後の3行、大綱の見直しに当たっての長期的視野。これは大変賛成なんですが、その前の5行の部分、これが本当に必要なのかという気がいたします。なぜかといいますと、1点は、日本においてこれからもGDPを上げるということを前提にものを考えるのかどうか。まだまだ先進国としてGDPを上げるということではなくて、安定させながらCO2対策をするというふうな視点が要るのではないか。そういう意味が1点。
 もう1点は、現在先進国が進めているCO2対策を途上国のこれからのモデルというふうに置き換えるのはいかがかという気がいたします。いわゆる時間軸というかベースがだいぶ違うのではないか。だから簡単に参考になるという記述はどうかなという気がいたします。そういう意味でここのところの文章についてはもう少し再考をお願いしたいと思います。
 それから2ページの一番最後の排出量削減見込みの部分ですが、ここのところについて、これは最後のトータルで議論するところで結構なんですが、3点気になる点があります。1点は、今までの部分について対策の部分で、その施策に具体的なものがないにもかかわらず、過大期待をしているものが結構あるのではないか。あとの参考のところの暫定評価のところにあるのですが、これの[2]-aに書いてある部分がそうなんですが、それほど施策がないにもかかわらず、期待を大きく持ち過ぎているという感じがいたします。
 それから2つ目は、先ほど永里委員の方から御指摘がありましたが、対策後の削減量の中に重複する部分が結構ある。後ろの暫定評価の[1]-aと[2]-b、これが結構重複しているんですが、ここの部分がだぶり評価をされているのではないかという気がいたします。そういう意味から対策による評価と施策による評価、これをはっきりと区別して明確化していく必要性があるのではないかという感じを持っています。
 それから運輸部門の対策の方、資料3-1の方ですが、これにつきましては5ページのクリーンエネルギー自動車の普及促進、ここの部分について先ほどちょっと申し上げましたように、クリーンエネルギー自動車の普及について過大期待をし過ぎているのではないかというのが1点。それからもう1点は、これはNOx対策の時もあったのですが、いわゆる電気自動車、EV車とかCNG車、LPG車に大変期待を持って推進すると言いながら、現実はメーカー側はハイブリッド自動車の方に話が進んでいってしまったという意味で、何か行政における施策と業界の施策にミスマッチがあったという感じがいたしております。そういう意味でその辺を十分突き合わせをしていただいた方がいいのではないかというのが1点。
 それから次の6ページでございますが、カーシェアリングビジネスの促進というのが施策例に書いてあるのですが、このカーシェアリングビジネスの促進というのを、このクリーンエネルギー自動車の普及促進の中の施策例に挙げるのはいかがかという気が、もちろん、これはいいかも分からないのですが、このカーシェアリングビジネスというのは、一つ大きな問題として自動車の所有から利用へという施策だと思うので、そういう意味ではこれは取り上げて一つの対策、施策にすべきではないかという感じがいたします。
 それから8ページの海運。次の自動車、貨物の輸送の推進、ここと両方同じなんですが、これについていわゆるユーザーに対するインセンティブのつけ方について、今の運輸業者というのは時間のサービスに重点をおいているわけですね。決められた時間に早く届けるというサービスに今大変重点がおかれているわけですが、それだけではなくて逆に時間はどうでもいいと。長くかかってもいいけれども安いサービスというふうな形をとれば、もっともっとこういう海運とか鉄道による輸送が進むのではないか。そういうふうな発想が要るのではないかなということがあります。
 それからバイオエタノール混合ガソリン、E3ですか。これについてはバイオマスエタノールの混合ガソリンの利用促進というのは大変重要であると考えます。そういう意味で是非進めていただきたいと思うわけですが、それについてはやはり、まず1点は石油会社の協力で供給施設を整備していただく。それから2番目が公共機関とか運輸業者が率先的にそれを利用していく。それから国内における供給源になるバイオマスからの供給対策の技術開発。それから燃料格差に対する税制措置。こういうことを十分対応することによって進められるのではないかと。
 そして中に自動車ユーザーに対するニーズというのが書いてあるのですが、自動車ユーザーについては値段さえ一緒であれば、別にエタノールが入っておろうと入っていなかろうとあまり気にはされないと思うので、是非ここのところは進めていただきたいということをお願いしたいと思います。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。最初の御発言の部分は言ってみれば考え方の問題でありますので、こういう考え方もあるということではあったと思いますが、確かに途上国モデルの部分に関しての書き方はややラフでありますし、おっしゃるような点があると思います。もうちょっと検討をして最終の中間とりまとめのような段階では適切な表現に変えさせたいと思います。
 それから、カーシェアリングビジネスに関して非常に重要な御指摘をいただいたと私も思います。もっと基本的なところで物を所有するということから共有にというか、あるいは利用ということに変えていくという社会システム全体の問題がそこにあるにも関わらず、それを単に施策レベルで取り上げているのはどうも不十分ではないかという御指摘なんですが、これは十分に理解できることですけれども、その辺をうまく考えながら整理をしなければいけないだろうということはよくわかりました。
 それでは次は、久保田委員いいですね。どうぞ。

○久保田委員 2つ御意見を申し上げたいと思いますが、資料2の2ページの主体間の役割分担と連携ということについては、非常に大事なことだと思っています。誰がどういう役割を担うかをはっきりさせる。逆にいえば、受け手からすれば自分はどういうことをすればいいのかということを、明確にするということが非常に大事だと思っています。そのときに例えば資料4の石油会社、メーカー等々、企業といいますか事業者あるいは販売者ということになりますが、それと消費者と書いている。この消費者が主体ということで言われているのかもしれませんが、こういう分け方あるいは区分の仕方では、今言った主体間の役割を明確にするという答えにはなっていないのではないかという感じがいたします。
 結局、その消費者一人ひとりがこういう行動をとるためにどういう仕掛けをするのか。政府とか地方自治体はどういうインセンティブの仕組みをするのか。またそれをどういう形で徹底していくのか。こういうことについて、やはりかなり細かくはっきりさせていかないことには、どこかでぼやけてしまう。特に消費者とか国民とか漠としたイメージで捉えどころがないだけに、かけ声倒れになっていくのではないかというふうに考えます。
また、消費者といってもそれは市民であり、住民であり、生活者であると同時に企業の社員でもあるという意味からしても、この分野においても企業の役割は少なくないと思います。国や地域やということだけではなくて、縦系列といったらおかしいんですが、産業や企業も自分のところの製品やその流通に対して責任を持つということだけではなくて、わが社の社員というメンバーがいるわけでして、その社員を例えば労使を含めて賢明な消費者という視点でどうやって意識改革をしていくのか。あるいはそういう率先垂範する運動を起していくのかみたいなやり方も、それぞれの企業や産業のやれる範囲の中で役割を果たしていく部分もあるのではないか。縦横のやり方を組み合わせていくような発想が要るのではないかと思います。
 さらに国民的運動というような面からすると、必ずしも排出削減の多いか少ないかという観点からだけではなくて、意識の問題とかインパクトの問題は重要だと思います。目に見える形でそのことについて興味と関心を持っていくという意味からすると、必ずしも削減量はそう大したことはないかもしれないけれども、こういう運動について取り組むことは大事だという観点はあるかもしれないと思っています。
 2つ目ですが、各省庁間の連携という意味において、心配をいたします。先ほど部会長の方から8審議会の意見集約ということがありましたが、是非、早め早めの段階で、基本的な考え方や方向については、やはりフェーズを合わせた上で細かい具体的作業に入っていくということが、どうしても必要ではないかというふうに思います。
 経済と環境の両立というキーワードを入れ込んだときにそれぞれのところで、本当にこれから作業を具体化していくときに齟齬がないのかどうか。多少危惧をしております。そういう意味で2ページ目のこの時間軸の捉え方にしても、「長期的視野で計画的に導入すべき」という言葉がありますが、それはここでいうように次はもっと大変なことをやらなければならないから、今からすぐやるべしと。したがって先送りすべしでないという考え方がここでは強調されているわけです。しかし逆に「長期的」という表現を使えば、いや、今焦ってギリギリと目の前のことを詰めるよりも、むしろ少し長期で考えていくべきだ。その間にむしろ革新的技術の開発をやればもっとコストをかけずに遠回りをしなくていい道があるのではないかという考え方も一方であるように感じます。
 同じような「長期的」、「計画的」という言葉でもまったく違うやり方、手法を具体化するということになっていくのではないかという心配をしておりますので、そういう意味で基本的なスタンスをどこに置き、具体的にこれをどうしていくのかということについての早め早めの推進本部、すなわち日本の国策としての方向性と戦略についてはある程度はっきりさせた上で具体化作業をしていかなければ大変時間とエネルギーの無駄になっていくのではないかという心配をいたします。
 以上です。

○浅野部会長 どうもありがとうございました。今の点に関してはこの文章は、今御懸念のようなこととはまったく逆のことを考えていて、先々に何とかなるだろうから今は何もしなくていいという意味ではなくて、今直ちに2010年に効果が上がるということばっかりを考えて、それだけでやっていたのではまずいので、今から十分していけばもうちょっとあとに効果があるようなことについてはちゃんとやらなければいけないという意味です。先まで放っとくということを言っている意図ではないので。

○久保田委員 ここの趣旨については賛成なんですよ。

○浅野部会長 はい。ですから、今言われたような考え方に基づいてこの文章が出ているわけではないということだけを申し上げておきたい。それから消費者のところはもういつもこの言葉を出すたびにもめるわけで、大変難しいなと思いながら今の御意見を聞いておりました。おそらくこういう紙の中に二次元のマトリックスをつくる限り永久にこの問題はつきまとうわけで、本当は四次元ぐらいにしなければいけないようなのを無理やりに絵にしているという面がありますから、さらに検討はさせますが、なかなか一挙には解決できない問題か、非常に解き難い問題であると思います。
 これは主体別と言っているわりには必ずしも主体別でないという御指摘もあるかと思います。その点もよく分かっていますが、とりあえず今までのようにベタッと並べないで、まず、少しは整理してみようというところで始めていますので、さらにこれをブラッシュアップできるならさせたいと思います。御指摘ありがとうございました。
 それでは、今予定の時刻では25分までこの議題を扱って5分間休憩ということにしているのですが、今名札が挙がっている方を試算いたしますとおそらくもう30分以上かかるだろうと思われます。なお本日は1時までということでありますが、この会場は1時を過ぎてもいいんだそうですが、お昼御飯を出す用意がまったくございませんので、部会員の生命、健康を守るためにその辺を御配慮いただいて。今日、是非次の議題もやってしまわないと今後のスケジュールが大変タイトになりますので、そのあたり是非御理解いただきたいと思います。
 では、引き続きお願いします。

○大塚委員 2点簡単に申し上げておきたいと思います。1つは資料の2の3ページのところでございます。排出削減見込み量につきましてこのマルが書いてあるところで、「活動量×エネルギー原単位×CO2原単位」というふうに表すということ自体については異存はございませんが、ここにまさに補足的に役立つというふうにお書きになっていただいているように大事なのはその総量の削減ですので、例えばエネルギー原単位とかCO2原単位だけが改善されればいいというものではないということは、特にここで確認をしておきたいと思います。先ほど部会長もおっしゃったように、例えば半袖を着て冷房を少し減らすとか、そういう活動量の改善というものも非常に重要ですので、その点は確認しておきたいということでございます。
 それから、第2点でございますが、資料の3-1の「自動車燃費の更なる向上」のところで税制優遇の点が非常に効いているのではないかということが書かれておりますが、まさにこれは先ほど佐和委員とかがおっしゃった、あるいは福川委員がおっしゃったところと関係するところでございますが、やはり税制に基づく経済的なインセンティブというのが非常に重要ではないかと。これは温室効果ガス税との関係でも経済的なインセンティブを与えるというのが非常に重要だということを指摘しておきたいと思います。
 以上でございます。

○浅野部会長 ありがとうございました。飯田委員どうぞ。

○飯田委員 私は昭和50年代からモーダルシフトの推進を提唱してきた者なので、それが一番印象に残ります。前回ですか平田さんから貨物のスーパーレールカーゴという新しい貨物ができた。こういうものをもっと普及させろというお話があったと思います。私もそれは大賛成です。そこで実際に見てきました。取材もしてきましたが、これはJR貨物と佐川急便が共同でやっているわけです。一日一往復、東京・大阪間だけですが、これで16両のコンテナ列車を引っ張っているのです。普通、貨物列車といいますと、大馬力の機関車がたくさんの貨車を引っ張っているのが普通なんですが、これを全部途中にすごく新しい山手線並みの省エネ電車が付く。それで馬力を分散している。
 そのために先ほど佐和さんがおっしゃったけれども、貨物列車は遅いという概念が変わりまして、トラック輸送よりも四、五十分早く大阪・東京間を走ります。しかもトラックの場合はスピードリミッターで速度を制限されていますし、しかも道路が混んだらさらに遅くなる。ところがスーパーレールカーゴだと非常に定時に着く。これをもっと、なぜ進めないんだと質問したら、まずレールのキャパシティがないんです。それからもう1つは、ターミナル駅がない。昔はヤードという貨物専用ヤードがあって、それが非能率でもあったんですが、そういう場所が全然ない。ターミナル駅がないとどうにもならない。だから今は東京・大阪間だけしかできない。
 これでどのくらいCO2の排出が減るんですかというと年間1万4,000トン減るそうです。これも計算上ですからわかりませんが、利用率はどうですかというと、いつも満杯なんですね、荷物は。要するに無駄がない。ですから、これはもっとどんどん進めるべきなんですが、実は政府のやり方というのはその逆で、新幹線をつくればその分在来線を潰すわけですよ。潰しちゃうわけにいきませんから第三セクターでやる。そうすると、これは赤字ですからレールの使用料が上がるんです。これはもう貨物業者としては耐えられない。貨物鉄道としては非常に大きな問題です。全国レベルで見ますと、トンキロ当たりのシェアは8%、慣らすと5%、だけども東京・東北・北海道まで走らせるとこのシェアがかなり上がっています。それにしてもレールが足らない。ターミナルが足らない。というので、現在が限度だということを言っていました。
 じゃあどうしたらいいんだと聞きますと、言いにくいけれどもやはり政府から助成をいただきたいと。本当にモーダルシフトをやる気があるなら助成してほしい。レールとターミナルですね。これはやっぱり、今までで初めて私の経験したモーダルシフトの具体化だと思うのです。今までかけ声は立派ですが、ほとんどモーダルシフトなんて何もされていません、50年代から今まで。ですから、これを早くやってほしいということを盛り込むべきではないかということです。
 それから順序が不同ですが、バイオエタノールの問題も、これも私が現場を見てきましたが、山形県の新庄市に早稲田大学理工学部のバイオエタノールの研究所があります。研究室というんですか、それは休耕田を借りて名前は忘れましたけれども草みたいな、アシみたいな非常に成長の早い植物をつくっている。そこからエタノールを取って自動車に入れてやっていました。一番困るのは連作が効かないんだそうです。土壌改良のために農薬を使うわけにもいかない。ですから、次の休耕田、次の休耕田と回って行くと。だから相当な面積が要るんだと。これもエタノールを採取する一つの隘路ではないかと思います。その問題ももうちょっと研究されなければと思います。
 それから車の車種についてのインセンティブですが、一時期先ほどもお話があったように、RV車全盛時代がありました。今皆さんもお気づきと思いますが、まちを走っている乗用車というのは全部ワゴン車なんです。これは大勢乗れますけれども、いつも大勢乗っているわけではない。一人で乗ってもあのワゴン車が走っている。もう普通の昔のセダンなんていうのはほとんどなくなっちゃっている。これはやっぱり燃費を考えればいいわけないんです。流線形の方が燃料はいいわけですからこれも税制で、うまくいくとは思えないです。というのは、車というのは一つのファッションなんですね。RV車のときもファッションですし、今の後ろに長いワゴン車もこれもファッションだと。私なんかあんなもんとても乗る気はしないですし、やっぱり昔の流線形の方がいいと思うけれども、やっぱりまちはほとんどがそうなっている。ですから、それもなかなか税によるインセンティブは働かないのではないかと思っています。
 それから、これはまったく個人的なんですが、アイドリングストップ。バスがアイドリングストップをしています。私のところは山の上ですので私鉄駅からバスに乗らないと冬は寒いし、夏は暑いし、ところがアイドリングストップすると冷房も暖房も効かないんです。蒸し暑いところあるいは寒いところでもバスが動くまで待っているわけです。その横を一人で乗った乗用車がスイスイと走って行く。行先は同じです。それはどう考えたっておかしいんです。一人でもって冷房も暖房もつけて走っている車と、それから大勢乗せたバスと、これを同じようにアイドリングストップさせるというのはおかしい。と、私は考えています。
 以上です。

○浅野部会長 天野委員どうぞ。

○天野委員 4つほど申し上げたいんですが、簡単に申します。全般的にこの資料2というのは、やはり佐和委員がおっしゃったように政策手段というのがあまり記述されていないという点がありまして、これは民間でどういうことをするか、政府がどういうことをするかということになると思うんですが、最近は企業の社会的責任ということがありまして、環境負荷を下げながら利益を下げないというやり方が普及しておりまして、ここでも紹介されておりましたけれども、カーシェアリングとかリース業ですね。こういうのは製品をサービス化して、製品の機能をよりよく提供する。それで環境負荷も同時に下がるという新しいビジネスモデルなんですが、おもしろいのはそれを運輸部門というサービス部門に適応したもので、サードパーティロジスティックスというちょっとわかりにくい表現ではありますけれども、要するに、従来提供していくサービスをまったく革新的なやり方で提供し直すことによって環境負荷も下がるし、利益も上がる。こういうビジネスモデルなんですが、こういうのが今後どんどん普及する必要があるのですけれども、我が国ではまったく民間任せになっているわけですね。ヨーロッパではこういう革新的なやり方を政府が本腰を入れてやるという、大きな政策目標に取り上げて調査をしたり、情報の共有をしたりしております。もちろん、それが温暖化対策にもなりますけれども、全般的な環境と経済の好循環にもなるわけですから、そういう取り上げ方をしていただければというふうに思います。そのためには情報の共有化とかあるいはこれはサプライチェーンに関連しておりまして、いろんな違った業種がお互いに手を結び合わないとできないことですので、日本の場合はそういう産業別にいろんな障害があって、制度的にそれを妨げているような要因がたくさんあるわけですから、そういうものを探し出して制限を外すというふうなことも必要になってこようかというふうに思います。
 それから政策手法なんですけれども、たくさんの方がおっしゃいましたように、価格差がはっきり目に見えると。これは生産者についても消費者についてもですね。そういう価格差が目に見える形というのは、やはり何らかの形で税制あるいは税制の優遇、あるいは格差課税、あるいは上流課税、下流補助金の組み合わせといったようにいろんな手法があるわけですね。そういう手法を逐一適用できるようなことをするためには政策手法として、環境政策の手法としてこういう差別税制のようなものあるいは上流課税、下流補助金のようなものを環境政策として使うのだという方針がないと大変困るわけです。ですから、もちろん最終的には財務省とかいろんなところの御意見があって、調整が進むわけですけれども、環境政策としてはこれが非常に費用効果的であり、効果も高いし、それから民間の負担も少ないしということを、是非環境省として主張していただきたいというふうに思うわけです。
 それから3番目の点ですが、こういうことをやろうとしますと、今日も出ておりましたけれども、データがないわけですね。ですから、かなりのデータ、それもマクロのデータではなくてミクロのデータをたくさん収集しなければいけませんが、統計行政の議論をしているときに、やはり日本はこういう環境に関連するようなミクロのデータを収集する制度が今できていないと。ですから、それを補う必要があるというふうなことがありまして、是非データの共有、特にエネルギー関係ですと日本の場合には省エネ法というのがあるんですけれども、あれでかなりデータ集まっていますが、工場だけではなくて運輸とか民生とかサービス部門とか、そういうところのデータも全部集めなければいけませんので、今そういう体制をやはり確立していただく必要があるのではないかということ。
 それから最後に、環境省はここ数年、環境と経済の好循環という旗印を上げております。私は今先ほど申し上げたように1、2、3すべてこういう視点で環境政策を実施するという視点を非常にクリアにしていただいて、特に環境と経済の好循環を生まないような施策は、できるだけ他の生むような施策に変えていくというふうな視点をとっていただくことが必要ではないかと。
 以上でございます。

○浅野部会長 ありがとうございました。それでは浅岡委員どうぞ。

○浅岡委員 税については確かに効果的だということが立証されまして、皆さんおっしゃいましたようにグリーン税制の中身について少し踏み込みなから議論をするということが、これから必要なのではないかと思います。
 それから本日、私どもが一昨日公表致しました省エネ法に基づく情報公開請求の結果の資料をお配りいただいていますけれども、こういうのをやってみますと、今天野先生がおっしゃられましたように実際の排出実態というものを見ることによって、随分考えの基礎ができると。本当に情報を持たずに議論していたんだなと痛感いたしました。それから運輸でも、佐和先生がおっしゃったように事業者間が競っていくという中で、よりいい政策というか事業者の取組ができるのではないかということもありましたが、やはりそれも知らされてのことだと思いますので、これらの運輸についても基礎情報を把握、公表し、皆さんが共有することが必要ではないかと思いました。
 合わせて5月11日に同じく記者発表いたしましたけれども、大綱の算定の基礎について情報公開請求いたしました結果についてでありますけれども、どのように算定したのかが示されないと。大綱を焼き直ししただけの返事しかなかったというところが結構ありました。冒頭にお話ありましたような、つかみで出てきたものなのか。中身はあるけれども出してもなかなか第三者が理解し、共感するといいましょうか、納得していただけないようなものだというので書かなかったのか。そこはよく分かりませんけれども、出されなかったもの、あるいは出していただいたもののフォローができない、再検証ができない、基礎の数字がないとかで結論にたどり着けないというようなものが相当あったわけです。さらに、どうしてそういう数字になるのか、最後の政策部門がまったく説明がないものですから、飛躍した結論が書かれているもの。ふるい分けいたしますと、そうしたものがありました。
 今日、[1]、[2]、[3]と書いていただいたのも、同じような思いで書いていただいていることなんだろうなと思って拝見をいたしました。それぞれの実情に応じて対応が必要で、例えば公共交通システムへの転換というのは、500万トン以上の見込みをしているのですけれども何も政策がない。次の大綱では佐和先生おっしゃるように、LRTを入れるとかいうことなしに、こんなことは掲げないということを考えていただかないといけないし、どうしてこういう計算になるのか公表ができないようなもの、公表していただいても納得されないものは入れない。もし、入れるのであればちゃんとした仕組みを説明していただけるようにする。
 そうしたときに、先ほどから議論に出ているいろいろな算定の手法等をもっと整備しなければいけない部分があるのだろうと思います。もし次の大綱に掲げようというのであれば、今回の見直し作業に間に合うようにしていただかなければいけないので、これからこの夏、遅くとも秋にかけてはしっかり各省庁間で調整いただいて、きちっと評価手法と確認できたものは入れたらよろしいと思いますけれども、そうじゃないものは入れないと。そういうメリハリをつけていただきたいと思います。

○浅野部会長 ありがとうございました。今おっしゃったように本当のところはやっぱりいくら調べてもわからないというのがあるということが、むしろ明らかになったというのは非常に今回の点検作業の重要な成果だろうと思っています。ですから、いくらやってもだめなものについては、いくらやってもしようがない。ある意味ではもう割り切って開き直らなければしようがないという気もするんですね。ですから、今までのものにあまり執拗にこだわって、ああだこうだといっていても答えが出てこないものについては、もうサッと捨てると。どうしてもそれで効果があるんだという人がいれば、そちらの方がむしろ立証責任があるわけで、こちらの方が最後まで挙証責任を負わされることはないだろうというのが私の見解ですから、浅岡委員のおっしゃった点については私もかなりの部分同感できる面があります。
 青木委員どうぞ。

○青木委員 2つばかりお願いしたいと思います。今、浅岡委員のおっしゃったことと方向的には同じだろうと思いますけれども、資料2の5ページの[3]でございますが、かなり道路関係の施策が上がっております。私もこういうふうに達成見込みに応じて分類するのは賛成でありますし、CO2排出削減に効果を上げるために数字根拠を明確にしていくということは賛成であります。ただ、各省もいろいろな方策を通じて削減に努力していくということでありますし、CO2削減ということを一つの施策目標に掲げて例えば道路整備なども、ここにはちょっと道路整備は入っていないようですけれども、道路整備などもCO2削減ということも一つの施策目標に掲げております。
 最近のトピック的な話では横浜のベイブリッジの下に国道が通過したことによって、本牧埠頭から大黒埠頭に行く大型貨物が市内から非常に減ったというようなこともございますが、それもやはりCO2削減ということも道路管理者は一つの施策目標に掲げてやっているということがございます。やっぱり大綱に掲げることによって、各省のいろいろな施策が進み、それがまたかなりCO2の削減にも効いてくるということもございますので、そういう各省あるいは各主体の施策を、できるだけ大勢の人が大綱を実施していくという意味で、できるものはやはり位置づけていただきたい。もちろん、浅岡委員もおっしゃったように棒にも箸にもかからないものを記述しろということではございませんけれども、その辺を十分各省庁とも調整して、しっかりしたものにしていっていただきたいというのが1つでございます。
 もう1つは、佐和委員のおっしゃったことに関連して、感想的なことでございますが、路面電車の復活ということは私も賛成でございます。ただ、整備については例えば地下鉄とかモノレールとか、今でも道路財源がかなり入っておりますので、これは佐和委員も十分御存じで発言されておられることでございますけれども。むしろあとは維持とか管理の経費でございますとか、路面電車化しても例えば商業用のいろいろな荷下ろしでございますとか廃棄物の処理でございますとか、どうしても自動車に頼らなければならないところもあるわけで、そういったところをどういうふうにしていくか。公共団体あるいは市民の方の意識の問題が最終的には問題になってくるのではないか。いうのが感想でございます。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。それでは桝本委員。

○桝本委員 2点ばかりお聞きいただきたいと存じます。まず第1は2ページの一番上の「主体間の役割分担と連携」、これは考えとしてはこのとおりだと思い賛同するわけですが、このあとの民生にもきっとその部分は大変関係するわけで、今後情報を的確に必要なところに提供するとかあるいはPRをするとか、あるいは教育をするとかいう一種の国民参加、主体の参加の重要性がますます高まると思います。そうであればあるほど、是非最初にある行政機関、府省の御協力を一層しっかりやっていただきたい。
 先ほどからお話のあるように省エネ法に基づくエネルギーのデータは、同時にCO2の排出データでもあるわけで、その活用を含め、かつさまざまな対策が民生、運輸については環境省、国交省、文科省、経産省、総務省、内閣府とちょっと考えただけでも間違いなく大変多岐にわたります。是非お願いは、まさにここにおっしゃられるとおり、どの省庁が考え提案をしている。その主体はどこか。そしてその政策を実施、そして実施をされていることの全体を見る責任はどこにあるか。府省の間でも考え、提案の主体の実施並びに責任を持つ主体を明確にしながら、よく打合せをしてお進めいただきたいと存じます。
 3ページの最後ですが、「活動量×エネルギー原単位×CO2原単位」、これは若干政策施行的ではないように存じます。あとからフォローするにはよくわかることだと思いますが、私はむしろ、これはもっと立ち戻って例えば機械、設備というような意味での機械、設備、資本ストック。その資本ストックが稼動する稼動の率あるいは条件、そしてそこに投入されるエネルギーの種類、電気であるかガスであるか油であるか。こういう3つの要素を勘案してお考えいただくと、もうちょっと各省庁とも関係しながら政策施行型になり、かつストックの中には当然のことながら効率などの技術的な水準もビルトインされるわけですから、そうした把握が必要ではないかというふうに存じます。
 ちょっとここで付言しますと、例えば家電機器のいっぱいある住宅。家電機器は一つのストックでありますし、住宅もストックでありますが、家電機器の稼動は住宅の断熱性等に非常に大きく依存します。そしてその住宅がある自体、存在する街並み自体にも関係して住宅の中にある家電機器は稼動するわけでございますし、先ほどの28度という温度も関係してそういうことかと思います。それから投入されるエネルギー、こういうようなことでお考えいただくのも一法かというふうに存じます。
 そういう意味で申しますと、車は今日はまったくといっていいくらい主要な議論はございませんで、追加的ではないということかと思いますが、道路の整備あるいは車の緩和、こうしたことも本来の方策に入っていて追加的ではないということから、こういうふうになっているのだろうと思いますが、まだ余地があるのではないか。
 私、昨日だいぶ夜遅く銀座の街を久しぶりにうろうろいたしました。大変な渋滞です。要は周辺にある車の違法駐車を取り締まるだけで全然状況が変わります。高速道路を同じ100キロ走るときに1時間で行くか30分で行くか。30分は違反になりますか、3時間で行くか1時間で行くかでだいぶCO2の排出は違うということから、あるいは信号の合理的、的確な最適化の交通量の確保、こういうことまで考えればまだまだ私は道路の整備、車の動く場面の整備が検討されてしかるべきではないかと存じます。ありがとうございます。

○浅野部会長 では、鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員 若干これまでの御議論をなぞるような面もあるのですが、私は何かばかの一つ覚えみたいに申し上げておりますのは、やっぱり将来的なきちんとしたビジョンを確立、2050年ぐらいでいいと思いますが、きちんと作り上げた上でそこからバックキャストによって現在のとるべき施策をそれに対応して考えていっていただきたい。それから見ますとここで当面の問題はいろいろと上がっているわけですが、残念ながら本当に長期的にそれがどう反映されるのか。本当にサスティナブルなのかどうかというあたりの十分な検討が、やはり欠けているように思います。そういう意味で西岡先生が今長期ビジョンを考えておられるということのようですので、是非、そのプロジェクトを早めにいろいろと進めていただくというのも1つなのかなと。
 一番大事なのはやはり佐和委員もおっしゃっていましたが、運輸というのは今の桝本委員のお話とも絡むのですが、国土交通省ということで国土建設とやはり全体像をマッチさせて考えていかなければいけないわけで、いったい2050年にどういう国土を、国をつくっていくのか。あるいはどういう都市にしていくのか。そういうような感覚がないと、ただただ、車をどうする、何をどうするという話ではやはり大変困るのではないか。そういう意味では、公共輸送機関と個人が運転する車とを例えばマッチさせようとしますと、今は鉄道の駅の回りに十分な例えばパーキングロットがないわけでありますし、パークアンドライドなんて言われたってどうしようもない。カープールを優先するわけでもない。いったい本当にその全体像を将来としてどうしていくのか。エネルギーに関しても、バイオエネルギーをE3ぐらいでいいのか。E10にしたとしたらそこに必要となってくるバイオエタノールはいったいどこに求めるのか。
 そういう意味で国土設計と同時にアジア地域における日本の果たすべき役割みたいなものもきちんと位置づけなければいけないんじゃないか。石油を中東から買ってくることに代わって多分将来はアジア地域からエタノールを日本に定常的に供給するというようなことも必要になってくるかもしれない。いろいろそういう長期的な視野が検討された上で、その上でこの当面の対策みたいなものをそこに位置づけていくという、そういうようなことをしていただけるとありがたいと思います。
 そういう面からすると、これはもうまさに、今いろいろ議論になっていることをパッパッ、パーッと検討されたというようなことで、それを否定するつもりはありませんが、その裏にきちんとした長期的な哲学を持っていただければというのが私の希望です。

○浅野部会長 ありがとうございました。おっしゃるとおりでございます。ところが、何しろ毎日毎日、明日の部会をどうしようかということに追われている少数精鋭がぎりぎりで頑張っておりますので。大きなビジョンというようなものが本当に背景にないというご指摘は、おっしゃるとおりでありますし、でも、今回ちょっと小出しにということで少なくとも2010年の達成だけが至上命令で、それ以外は眼中になしというようなことにならないようにということは注意して、ちょっとだけ先を考えた提案を出させてみたのですが、基本的には先生おっしゃるとおりの問題が背景にあることはよくわかります。
 それではお三方、さらに名札をお立ての委員が追加されておりますので、三橋委員どうぞ。

○三橋委員 1つは、もう既に議論になっていることも合わせてなんですけれども、いろいろなこの対策ですね。例えばバイオエタノールの混合ガソリンの普及・促進を図りますと、例えば資料4ですね。そのあと説明としてやっぱり再三議論になっていたようなインセンティブとしては何がある、ディスインセンティブとしては何がある。こういうことをこの普及・促進について資料3-1なんかでいろいろ書いてありますね、そういったところにあまりくどくど書かないで、これをやるために普及・促進のためのインセンティブは何かと。税制なのかあるいはその補助金なのか、あるいは政府による低金利でいいのかとかね。いろいろなそういう具体策をいちいち書いていかないと普及・促進するということはわかっていても、それはどうやって実現するというようなことですよね。そういうことについてのアイデアがなかなか出てこない。
 例えば資料4の同じ表を見て、消費者と書いてある。バイオエタノール混合ガソリンと書いてありますよね、じゃあ、これを普及するためにどうするというような議論がありますよね。例えばスウェーデンなんかでは一つのインセンティブとして、バイオエタノール混合ガソリンの例えばタクシーは駅のステーションで、乗客が降りてくるところで一番拾いやすいところにパーキングしてもいいですよということですから、降りてきたお客様はまずバイオエタノールのタクシーに乗るわけです。例えばこれだってインセンティブなわけですよ。そういう形でそれぞれの普及・促進策についての中身について、やっぱりインセンティブはこういうようなやり方がありますというようなことを書かないと、何か精神論で終わっちゃうような感じが非常に強いんですね。
 私が今申し上げているのは、その書き方の問題なんだけれどもね。こういうことをやる場合にはこういうような形でやればインセンティブになりますと、あるいはディスインセンティブはこういうような形にすればいいですよと、税を重くしますとかね。そういうちょっと具体的な書き方というものを考えて、せめて最終的にはそういう書き方ができるかどうかわからないけれども、ここの審議会ではせめてそのくらいのやっぱり問題提起をしていかないと、議論が先に進まないような感じがしますね。そのことは私の注文としてちょっと出させていただきたいと思います。
 それからもう1つ、このバイオエタノールをここで挙げてあるわけで、まだバイオディーゼルですか、植物性の油、菜の花エコプロジェクトのグループがやっているようなね。あれ何かもこの中に入れて普及させていくために支援していくとか、そういうようなことも必要だと思うんですよね。おそらく油の吟味においてバイオエタノールの場合にはおそらくいろいろな問題をクリアしているんでしょうね。しかしまだバイオディーゼル、菜種油については、まだそこまでいっていないのかもわからないけれども、それを支援して使えるようにしていくとかね。ちょっと幅を広げていく必要があると思うんですね。そういうことも是非、この対策としては書いてほしいということです。つまり2点ですね。
 くどくど書くのではなくて、普及・促進する対象が決まったら、それを普及させるためのインセンティブはこうなんですと。場合によってはディスインセンティブはこうなんですと。そういうような書き方を説明の段階ではきちっと書いて、それで議論してほしいなということですね。それとバイオディーゼルもこのバイオエタノールと同列でやっぱり考えてほしいなということです。

○浅野部会長 度々、指摘されている点ではあるわけですよね。確かに現行大綱も対策・施策という書き分けをしていて、その施策のところを見ると、なかには規制が出てきたり、なかには単なる文言が出てきたりというところがあって、必ずしも今、三橋委員がおっしゃったようなことを書けないわけではない構造にはなっていると思われます。ただ、個々の対策・施策について、例えば運輸部門でこれをどうするんだというような議論になりますと、なかなか当審議会だけではこなしきれない部分があって、今日のところはとりあえずメニューを並べてみるという所に至っています。対策効果がどのくらいになるかということについては、もう一回積み上げをしたような議論をしようと思っていますので、最終的に中間とりまとめにどのように書き込むべきかはさらに検討させます。
 安原委員、お願いいたします。

○安原委員 私は今、三橋委員がおっしゃっていたこととまったく同じことを申し上げたいと思っていたのですが、簡単に申し上げます。
 ここに示されております運輸部門の具体的な対策・施策のメニューにつきましては全体として非常に結構ですし、是非強力に推進していっていただきたい。その場合、重要なのは、やはり実行性が上がると、成果が上がるということでございますので、それを可能にするのはやっぱり具体的なインセンティブがかかってくるということでないと、なかなか難しい面がありますから、是非有効なインセンティブ措置についても検討していただきたいということです。
 それからバイオエタノールをできるだけ活用していくのは非常に重要なことだと思います。それが可能になっているということでございますから、大いに推進していただきたいと思いますが、私もこれ拝見して、なぜバイオエタノールでバイオディーゼルがここに書かれていないのかなと不思議に思いまして事務局にうかがったんですが、そうしますと、エタノールについてはここの資料3の15ページにございますような法律があって、3%以下であればどんな仕様過程車でもガソリン自動車であれば混合して使えるという、そういうことだからこれを取り上げているんですという話で、バイオディーゼルの方は混合してもよろしいという基準がまだ決まっていないという話なんですね。
 それが非常に難しいのかどうかはよくわかりませんが、是非そういう検討をしていただいて、バイオエタノールと同様にディーゼルについても混合オイルが使えるように基準を決めて、需要が出るようにしていただきたい。需要が出れば、武内委員はもう帰られましたが、農業サイドでの転作作物としてどんどん活用することも可能になるでございましょうし、量的にそれが足らないのであれば途上国と組んで協力する形で供給を確保していくということだって可能でございますし、そしてまた、このディーゼルについては研究もかなり進んでいるやに聞いておりますので、是非そちらの方もやっていただきたい。ただ、今は菜種オイルの廃食油を地域によっては使っている例があるようでございますが、これはまったく own risk でやっていることらしいんですね。ですから、どうしても地域的な非常にわずかな活用にとどまってしまいますので、大々的に使えるような検討を可能であればやっていただきたいと思います。
 以上です。

○浅野部会長 平田委員どうぞ。

○平田委員 私、今この同じ環境省の地球温暖化対策技術検討会の座長という立場にございますので、なるべく皆さまの御意見をうかがって、その委員会の審議に反映させたいと考えております。今のバイオディーゼルの話も是非具体的に検討したいと思います。
 それから先ほど飯田委員から御指摘いただいたJRの夜間のレールを物流に利用する件ですが、早速取材をしてくださいましたことに本当に敬意を表する次第であります。JRだけでなく例えば地下鉄の夜間とか、もちろん夜間というのはメンテなど安全確保のためにうまくダイヤを組んで頂いて夜間を貨物輸送に使うということは是非検討して頂きたいと思うんですね。廃線を復活するとか、そういうことも考えていくべきだろうと思います。
 とにかく日本の鉄道というのは、日本の全エネルギー投入量のたった0.4%しか使っていないんですよね。新幹線もそれから私鉄も市内電車も全部含めてトータルが0.4%です。何でそんなに少ないエネルギーであれだけの輸送をしているかというと、非常に技術が進みまして、加速や山に登るときに使った電力は、坂を降りるときあるいはブレーキをかけるときに今までのモーターが発電機に変わりまして、架線を通して隣の電車が使っているんですよね。非常にうまくいっております。モーダルシフトというか鉄道をもっと貨物の輸送に使うべきだと思っている次第であります。
 2つ目は、先ほどの燃料の問題でございますけれども、ヨーロッパが今年の1月から始めたプロジェクトは、天然ガスの中に水素を混ぜて送る研究です。ヨーロッパは御存じのように80万キロぐらい天然ガスの幹線パイプラインを持っております。70気圧ぐらいの高圧国際幹線網ですが、これで天然ガスを送ってきたのです。それに30%ぐらいまで水素を混ぜて送る。到着したらそのまま燃やす。家庭用の燃焼器とかあるいは普通のボイラで燃やすあるいはメンブレンなどを用いて元の水素を天然ガスにわけて水素は燃料電池に、天然ガスは天然ガスとして使おうという実証試験を始めたわけであります。昔の都市ガスというのは40%以上水素が混じっていたわけで、昔に戻るだけだと彼らは言っています。日本でも是非、これを具体的に検討しなければいけないと思っているところであります。
 製鉄のプロセスで出てくる副生水素は膨大な量が出てくる。もちろん、製鉄業界はそれを燃料としてお使いでございますけれども、膨大な量の副成水素を送るインフラさえあればかなり利用可能です。水素は燃料電池ばかりではございませんで、ピストンエンジンで、つまり車を純粋水素で動かすということも考えられますし、あるいは天然ガスと混ぜたものを燃やすということも考えられるわけです。混ぜた場合には元の天然ガスよりも発熱量が少し減りますけれども、混ざった分だけ確実にCO2が減るわけでして、そういう意味でも混合して燃やすということは充分検討すべき技術だと思うんですね。ピストンエンジンで水素を燃やす普通の自動車はヨーロッパのメーカーが開発をしておりまして、日本も研究開発に取りかかればすぐにできると思います。そういう意味で水素をもっといろんな面で利用していくことを具体的に考えるべきだと思っております。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。須藤委員が中座されるということで、次の事務局の説明はまだですが、民生・家庭・業務部門について御発言を求められておりますので、御発言を承ったあと、ごくわずかですが休憩いたします。

○須藤委員 どうもありがとうございます。中座させていただくので一言、次の議題に言及する部分がございますので、ここでコメントをさせていただきます。
 それは何かといいますと、事業者による温室効果ガス排出量の算定をし、その排出量を公表する制度を是非導入していただきたいということでございます。公表いたしますが、まずはその前に自分たちがどのくらい出しているのか。自分の会社なら会社、事業体がどのくらい出しているのかということを、まず自覚をすることから始まります。それが基本的に大切でございますが、埼玉県の例でいきますと、生活環境保全条例で環境負荷低減計画というものの作成を義務付けまして、CO2の排出量の算定報告は現在行われております。
 条例施行後この1年間、2002年度でございますが、実際の量でいいますと、289の事業体でCO2の排出量は合計で11万4,000トンの削減があって、前年度比でマイナス1.2%ということでかなりの効果がございます。これはどのくらいのカバー率なのかといいますと、対象が350ほどの大規模工場・事業場ですので約8割は超えております。これをつくるときに、では反対があったのかといいますと、全く反対もございません。ということは、条例でやりますと意外にうまくいくということも、私はあるのかと思います。そういう意味で私は先ほど地方自治体の役割ということを申し上げたわけでございまして、是非この排出量の公表制度を構築するということが、これからの温暖化対策の基本になるだろうと思っておりますので、一言追加で申し上げさせていただきました。どうもありがとうございました。

○浅野部会長 ありがとうございます。それでは、12時10分から再開いたしますので、休憩をいたします。

午後零時07分休憩

午後零時15分再開

○浅野部会長 それでは再開をいたします。今日は特に議決事項がございませんので、既にこの会は成立しているということで審議を続けてさせていただきます。このあと、1時に終了ということになっておりますけれども、予定では事務局の説明が25分かかる予定になっておりますが、今日は既に新聞などにも早く報道されておりまして、これを決めないと新聞が誤報したことになりますので、ともかくこの部分については議論を今日済ませたいと思っておりますので、是非御協力をいただきたいと思います。
 では、事務局お願いします。

○清水地球温暖化対策課長 それではお時間もあまりないようですので、大変はしょった形の説明になろうかと思いますが、大変失礼いたします。資料3-2を御覧いただきたいと思います。1ページ目に書いてあることは資料3の冒頭とまったく同じですので省略させていただきます。
 それでは、具体的な対策の内容ということで3ページ目から説明を開始したいと思います。まず今回、ここの資料は家庭部門、それから業務部門の2つですが、まずは家庭部門ということで3ページから始まっております。3ページの一番最初の対策が家電製品等の省エネ性能の更なる向上ということで、これは[1]というふうに書いてありますので、既に現時点で達成が十分見込まれるという、そういう対策ということです。この対策の内容は中に書いてありますように、機器等の効率改善等の強化、それからトップランナー適用機器の拡大ということであります。
 内容といたしましては、既にトップランナー規制自体は達成可能でありますので、さらに現行基準よりも厳しいレベルでの達成を考えたらどうかということであります。それからもう1つは、プラズマテレビ、ハードディスクなどのように現在対象となっていない製品にも拡大していくという、その2つであります。削減効果の欄に書いてありますように、実は現在市場に出回っている製品のうち、もっとも省エネ性能に優れる製品の水準まで改善すれば、これはトップランナー規制をさらに上回っておりますので、ここに書いてあるような率までさらにトップランナー基準より深く削減が進むということで、230万トンというようなこともここに書いてございます。
 次のページにまいりまして、4ページでありますけれども、導入への課題のところに開発にはリードタイムがかかるなど、いくつかのことがありますが、導入に向け考えられる施策例ということのところにまいりますと、1つは、リードタイムをなるべく短くしてもらうという観点から、トップランナー規制の強化・新設をするにあたり、可能な限り期間を短くとっていただくというようなこと。さらに目標年次までの期間は、なるべく基準に適応しているものを買っていただくという意味では、店頭における省エネ性能の表示の強化などの対策、特に販売店などの役割もここで大変大きくなってくる。それから家庭に向けて買い換え促進ということが重要な要素になってきますが、これは後ほど別の項目で議論いたしたいと思っております。これが1番目です。
 次の5ページということですが、「新築住宅の省エネ性能の向上」、それから「既存住宅の改修による省エネ性能の向上」ということです。これは評価のときにありましたように、新築についてのいろんな施策は住宅金融公庫と性能表示がありますけれども、こういった施策のみで年間100万戸以上の新築住宅の5割というものを平成11年基準に適応するかどうかと、これは大変不確実ですので追加的な対策が必要ということであります。
 具体的な内容としましては6ページの方にまいりまして、導入に向け考えられる施策例のところでありますが、新築住宅と既存住宅をストックに分けて書いてあります。新築住宅につきましては、新築住宅の省エネ性能の最低基準というようなものについて考えてみたらどうか。それから省エネ性能の表示の議論ですね。それから現在、住宅金融公庫の融資対象が昭和55年というような非常に古い省エネ基準から対象となっておりますが、現在は4年基準、さらに11年基準というふうになっております。こういったところの基準の引上げということは当然考えられる。
 それから税制優遇措置、それから集合住宅における建築主に対する規制とかインセンティブの付与というのが考えられるのではないか。既存住宅につきましては、既存適格の問題もありますので、基準の義務づけの議論は書いておりませんが、そのほかの部分については同様に書いております。
 それでは次の8ページ、「高効率給湯器の普及促進」にまいりたいと思います。これはCO2冷媒ヒートポンプ給湯器、エコキュートなどあるいは潜熱回収型の給湯器、エコジョーズなどの機器拡大であります。これは目標が400万台という非常に高い目標だったわけでありますけれども、年間約5万台程度ということの販売量がありますから、かなりギャップがあり、普及を拡大していく必要があるということであります。施策例としまして9ページの方の上に書いてありますが、住宅メーカー、マンション販売業者あるいは工務店の関連業界に対して、こういった高効率の給湯器の新築住宅への標準的導入ということを考えていただいたらどうだろうと。それから省エネ、こういった高効率給湯器なども省エネ性能の要素の一つとして、情報提供事項とするというようなことも考えられる。さらにはリースというようなことも含めて考えたらどうだろうということを、ここでは書いております。
 それでは次の10ページへまいりまして、待機時の消費電力を削減していくということです。待機時の消費電力の削減についてはトップランナーの項目の中に入っておりますので、トップランナーに入っていない家電製品に注目する必要があると思っています。このページにおきましては特に衛星放送チューナー、それからインターネットなどのルーターが家庭などに入ってきているということがありますので、こういったところについて着目する必要があると。10ページの下の導入に向け考えられる施策例の中では、トップランナー基準の範囲を拡大してこういった機器を含めて、待機電力も含めて基準に組み込む。それからメーカーに対して新たな製品を開発する際の待機電力の上限などを定めるというような、こういう方法があり得るのではないかというふうに書いてあります。
 それから11ページ、「省エネ法以外の機器の利用促進」ということで、これは食器洗い機が対象になっております。食器洗い機は特に手洗いに比べて、真ん中に書いてありますが、1世帯当たり年間約62キログラム程度のCO2の削減が可能になっているということであります。こういった削減できる機械であるということについての消費者の理解を深めることが大変重要な課題ということでありますので、施策例のところにつきましては、さまざまなルートを通じた消費情報の提供、それから家電製品店などへの働きかけということが施策の中に書いてあります。
 それから次の12ページ、「家庭用エネルギーマネジメントシステム(HEMS)」です。ビルのBEMSが進展しているのに対して、HEMSにつきましてはあまり進展していないというのが評価の結果だったわけでありますが、HEMSはかなり効果がある対策、10%以上の効果がある対策でありますが、制御を行わずエネルギーの使用量とか料金の表示程度の簡易なHEMSでも、これは5%程度というような削減効果があるということでございます。
 13ページの方で導入に向け考えられる施策例ということでありますが、1つは低コスト化のための技術開発、それからHEMS普及のためのビジネスモデル開発の支援、それから特に電力の供給者としての電力会社に一定のサービスということの提供を求めるような、そういう施策の枠組みというのはないだろうかということをここでは書いております。さらに、地球温暖化対策地域協議会あるいは都道府県地球温暖化防止センターなどを活用した地域の取組の促進というのもこの中の一つの施策のメニューです。
 それから14ページにまいりまして、「省エネ家電の買い換え促進」ということです。特にここでは冷蔵庫、エアコンを例に出しておりますが、この数年間に省エネ化が進んでおり、冷蔵庫でも3分の1までの電力量の削減、それからエアコンにおいてもかなりの削減があり、それぞれ世帯当たり190キログラムとかあるいは180キログラムなどの削減効果の例が出ております。
 施策例としまして15ページの方にまいりますが、こういった省エネ製品に買い換えが促進されるように一定水準以上の高い省エネ性能を有するような製品の買い換えについて、経済的インセンティブ措置というのが考えられるのではないだろうか。それから製品情報の消費者への提供ということで、買い換えキャンペーンなどを行うことが考えられる。それから特に量販店など実際、消費者との接点で販売に責任を持つ。そういった主体を着目し、店頭表示とか販売時の説明を求めることなどを含めたこういった仕組みということが重要なのではないだろうかと。それから最後のところでは、リース方式による新しいビジネス方式の開発支援なども施策のメニューとしては考えられないかということを書いてあります。
 それから16ページで「住宅用電圧調整システムの普及」ということです。この対策の概要で下の方にグラフが出ておりますが、実は大部分の住宅で電圧は100Vかと申しますと、このグラフに掲げられているように調べますと、例えばこれは一つの例でありますけれども、103Vを超える世帯が約70%ということで、少し高い電圧で実際は供給されているということです。これは電力会社側のシステムとして末端まで含めて100Vということを保障するためには、大部分の家庭において100Vを超えてしまうということがシステムとして必然であるようでありますが、これは仮に100Vまで調整するというような電圧調整装置を置くということによって、1世帯当たり2.6%程度の電力消費量の削減が可能になる。そういった対策ということであります。
 導入に向けて考えられる施策例、17ページの方にまいりますけれども、1つは現在やっております地球温暖化対策地域協議会による集中導入というようなこと。それから信頼性を増すという意味からも性能の規格化あるいは住宅メーカー、マンション業者、工務店など含めて標準的導入を促すというようなことが考えられるのではないだろうかということであります。
 18ページへまいります。ここから「業務部門の対策強化」ということです。業務部門の新築建築物、その建築物の改修ということであります。この大綱上の対策といたしましては、2,000平米以上の新築建物の8割が平成11年度基準を達成するというのを目標に対策を行っているわけでありますが、評価の段階では建物に関するデータの不足というのが大変大きなポイントだったわけであります。
 今後はどういう形で導入していくかということでありますが、19ページの施策例というところを見ていただければと思いますが、これは先ほど家庭部門で新築住宅について施策例を御説明しましたが、ほぼそれと同等ということでありますが、まず一番最初の部分は、個々の建物の省エネ性能のデータの把握収集と。ここの部分は住宅の方にはありませんでした。それから次にそういった最低基準の義務づけについてどう考えるか。それから情報提供の仕組み、税制誘導、それから建築主・オーナーに対する規制やインセンティブということが一つポイントになってこようかと。  それから20ページについては、ほぼ今をなぞった形になっておりますが、特にこちらの方で新しいのがESCO事業というのをどう考えるかということで、ESCOによる省エネ改修を促進していくこと。それから最後のポツでありますが、既存の公官庁施設におけますグリーン診断・改修という形で、まず公的部門が率先してこういった建物についても、対策を行っていくということが大変大きいのではないかということであります。これが20ページです。
 次の21ページへまいりまして、技術開発その成果の普及の中でLED照明というのがあったわけであります。LED照明につきましては、現段階で信号機などへの普及はありますが、それをさらにオフィスビルなどに広げていく観点では技術開発要素があったわけであります。21ページの下の方に導入に向け考えられる施策例ということでありますが、まず、技術開発的な要素がありますのでそこの支援策を行うとともに、下の方のポツにありますように、信号機は今進んでいるわけですが、それと同じような形でまずは国、地方公共団体などの公共施設が率先してLEDを使っていく。それから22ページの方にありますように、初期需要の創設というようなことを考えますと、地域協議会などを利用しながら地域への集中導入というのを最初は立ち上がり支援ということで進めていき、量産効果によって低コスト化を進め、さらに広げていくというような対策があり得るのではないかということで書いてあります。
 それから23ページ、「業務用ボイラーにおけるバイオエタノールの利用」ということでありますが、ガソリンにバイオエタノールを利用したと同様に、ビルなどの暖房にバイオエタノールを利用することができるということで、混合して行う、ボイラーで混焼するやり方とそれからそもそも燃料として混合して焚く。その2つのやり方があるわけであります。これを推進するための対策としましては24ページに施策例ということがありますが、混焼ということは燃料の段階では混合されていませんので、新たにバーナーなどの追加設備がボイラー設置者側で必要になります。あるいは事前に混合する場合は、燃料供給サイドにおけるブレンドの施設というのが必要になります。こういった施設整備に対する補助というのが考えられます。それからこれはE3と同じなわけですが、バイオエタノールの製造に対する支援というのは、そこが一つのポイントになってこようかということであります。
 それから25ページで「業務用コージェネレーションシステム」ということです。工場とか産業用の大規模なコージェネレーションは進んでおりますが、今後はこういった業務、オフィスビルなどを含めて小規模な業務用のコージェネレーションというのを進めるというのが重要なポイントになってくるのではないかということで、導入に向け考えられる施策例のところでは設備整備に関する補助、あるいはそういった小型化、低コスト化、効率化などの技術支援というのがあります。
 それから26ページ、「小売店における省エネ機器の普及」ということです。特に中小規模の小売店などの省エネというのが法の対象になっていないということもあって、まだまだポテンシャルが大きいのではないだろうかと。特にコンビニとかスーパーとかファミリーレストランなどのチェーン展開をしているところに着目した対策が効果的なのではないだろうかということを考えております。27ページの方でどうしたらそういうところに省エネの機器類を導入できるかということでありますけれども、本部を通じてモデル性のある導入に対して補助を行い、それから水平展開を行うというようなことが考えられるのではないだろうかと。あるいは省エネ法の特定建物の対象範囲を拡大していくというような考え方もあるのではないだろうかということを大きな柱にしております。
 それから最後28ページになりますが、「事業者による温室効果ガス排出量の算定・報告・公表の制度化」ということであります。今回、業務の部門についての提案ということになりますが、これまでいろいろな形で排出量の算定について議論がなされており、環境省におきましても排出量の算定ガイドラインということを公表したりしております。29ページに経団連自主行動計画の対象のカバー率というのがありますが、産業部門、エネルギー転換部門については、例えば2002年を見ていただくと8割以上がカバーされているということでありますが、業務その他部門につきましては1割以下ということで大変少ない値になっております。また、業務その他部門で考えて省エネ法の対象としても3割程度ということでありますので、こうした制度を前提としつつも業務その他部門について、より広い範囲で排出量を算定・報告・公表というようなことを制度化するというのは、まず自ら排出量を把握していただいて、それから対策を考えるという意味でも大変基礎的な重要な対策になり得るのではないかということでここでは書いております。
 以上です。

○浅野部会長 それでは、先ほどと同様にこれについて御意見がありましたらお出しいただきたいのですが、どうぞ名札をお立ていただきたいと思います。順番に当てるというのが本来のやり方なんですが、大塚委員がいつも非常にまじめに時間厳守で御発言くださっていて、会議の進行に協力してくださっておられますので、まず大塚委員から発言をお願い致します。

○大塚委員 ありがとうございます。3点申し上げておきたいと思います。第1点は、先ほど須藤委員の方からもお話がありまして、今最後のところにお話がございましたけれども、事業者による温室効果ガス排出量の算定・報告・公表の制度化というのは、是非必要だというふうに私も考えております。
 既にいくつかの都道府県でこれについて制度化が進んでおりますので、それほど無理がない制度だと思いますし、先ほどお話があったように、経団連の自主行動計画のカバー率が低いということもございますので、何といっても最初にこういうものを出さないと、義務化をしないと、何をやるかということが自覚されないといけない。それから透明性が出てこないということがございますので、是非、この制度の義務化をしていただくとよろしいというふうに思っております。
 それから第2点でございますけれども、14ページ、15ページあたりの省エネ家電の買い換え促進のあたりと関連いたしますけれども、第一約束期間が2008年から始まるわけですけれども、それまでに今までの家電製品でかなり長期間使っているというようなものについて、15ページのところに書いてあるような経済的なインセンティブ、これは補助金ということになると思いますけれども、これを与えて、集中的に買い換えを促進するという制度が必要ではないかということを申し上げておきたいと思います。例えば冷蔵庫などで長い間使っているということ自体は廃棄物政策との関係では結構なことなんですけれども、温暖化等の関係では省エネの問題として非常にまずいということがございますので、2008年の前に集中的に買い換え促進をするため、ある程度の補助をするということが必要になってくるのではないかということを申し上げておきたいと思います。
 それから第3点でございますけれども、新築住宅の省エネ性能の向上あるいは既存住宅の改修による省エネ性能の向上、5ページ、6ページ、7ページあたりとの関係で申し上げておきたいと思います。「新築住宅の省エネ性能に関する最低基準適合の義務づけ」ということが書いてありまして、これも重要だと思いますけれども、さらに重要なのは既存住宅の改修のときの省エネ性能の向上でございます。リフォーム政策も国土交通省の方では進めることを考えているようですので、こちらとの関係で既存不適格の問題があるのでなかなか難しいんですけれども、既存住宅についても最低基準の適合の義務づけまでできるかどうかわかりませんけれども、新築住宅と同じようにインセンティブを与えていく、あるいは規制的なものを導入していくということが必要になってくるのではないかというふうに思っております。
 以上でございます。

○浅野部会長 ありがとうございました。確かに大塚委員のおっしゃるように買い換え促進というのは一方、廃・リ部の部会の方の観点や循環型の立場でいうと問題があるといえば問題があるわけで、なかなか環境省内でも意見が合わない面があるのは事実なんですが、しかし、やっぱり一律に買い換えを認めるというようなことではなくて、極めてLCA的に見てナンセンスだ。長寿命で使うことがかえってエネルギーの多消費であるというようなものはこれを、ある程度きちっと洗い出すことができるわけですから、これについてはインセンティブを与える。こっちの方は勝手に買い換えるのだからおまえのファッション性なんだから知らんというような、そういう細かい政策というのはできるはずなのに、なぜか一律に買い換えはけしからんというような議論が環境省の中でも行われていると聞きましたので、それはいかがなものかという気がするわけです。政策というのは細かく考えようと思えば考えることができるわけですし、国が直営で考え実現するのが難しいなら自治体にまかせていけばできるのではないかという気もするのですが、では小林委員どうぞ。

○小林委員 個人的というか私一つ感じたのは、この家庭部門の11ページ、食器洗い機なんですが、温水を出しっぱなしたままですすぎ、手洗いするのに比べて大変消費量が削減できるというふうに書いてあるのですが、これは温水を使わない家庭ではどうなのかという問題があると思うんですよね。現実にこれ、一般の消費者というか消費者協会の方々とお話をすると、その問題を提起されるんですよね。冷水を使って手洗いをしている方は多いではないかと。そこに食器洗い機を導入した場合どうなんだというようなことをいわれます。ですから、これ施策として出されるのであれば、その辺もきちっと整理をしていただければと思います。
 それから今、議論になっております情報公開の件なんですが、やっぱり率先行動計画による公表だけでは不十分で、やはり企業の皆さん方の算定、それから報告、公表については具体的にやはり出していただきたい。現在、私ども兵庫県だけでなくて東京都、埼玉県、横浜市等がやっておられますが、それほど作業が多くなっているわけでない。現実に大気汚染防止法とか水質汚濁防止法での届出が出てきていまして、大体のデータはあるわけでございます。それと今回のこの届出との総合チェック評価というのは大変うまくいっております。そういう意味で是非、出していただきたい、と言いながら現実に企業の皆さん方からこの届出を出してくださいとお願いをしている中で、率先行動計画ですべてやられているはずですから、すぐに数字が出てくるはずなのにもかかわらず結構問題点が出ております。ということは、率先行動計画で出されている数字はきちっと積み上げておられるのだろうかという疑問が現在ございます。そういう意味でこの届け出によって個別企業において削減努力が新たに生じているということもございますので、そういう意味で大変効果が出るのではないかということから、是非、これについては取り上げていただきたいということをお願いしたいと思います。

○浅野部会長 それでは永里委員どうぞ。

○永里委員 28ページの事業者による温室効果ガス排出量の算定・報告・公表の制度化については、大塚委員のほうからお話もありましたけれども、こういう制度をつくる場合には、各主体を明確にしてダブりのない、無駄のない制度にして欲しいと思います。
そのほかに一般論として家庭部門のことを今回話されているわけですが、各家庭の主婦がゲーム感覚でCO2削減に取り組めないかなと思います。
 例えば体重のコントロールには体重計を導入すれば非常に効果があるといわれていますし、血圧のコントロールは血圧計を使えばいいと。いつも測っているとコントロールができるということはよく実証されておりますが、この家庭の機器類、冷蔵庫でもテレビでも何でもこれからは全部アドレスがついてコントロールができますので、そういう意味でHEMSもできるのですが、何かゲーム感覚、ICタグみたいな感じなんですけれども、それを見て、あっ、今日はこれだけ減っているとか、これだけ使ったという非常に単純な、そういうゲーム感覚に訴えるようなものができたらいいなと。そうするとみんながそういうことに関心を持っていくんじゃないかなと、こう思います。

○浅野部会長 ありがとうございます。今、ECOワットなんていうのがあるんですけれども、なかなかゲーム感覚とは言い難い面があるので。今日は家電メーカーの方がだれもいらっしゃらないのですが、ギャラリーの方にいらっしゃるようでしたら、是非開発に努めていただければと思います。
 それでは、鈴木委員、お願い致します。

○鈴木委員 簡単なことだけお願いしたいんです。先ほど食器洗い機のお話も出ましたが、買い換え促進で要するに新しい製品をつくるために、消費されているエネルギーその他のライフサイクルコストといいますか、ライフサイクルカーボンエミッションですね、これをやはりきちんと評価していただかないと。例えば食器洗い機で62キログラム、1年間にCO2排出量が削減できるといわれたところで、これを製造するためにいったいどれくらいCO2が発生しているのか。かなり大きな、これは要するに5万円のものが何年で回収できるかというようなものに大体対応しちゃっているわけなんですが、それは評価できないことはないと思いますから、誤解のないように書いていただいた方がいいのかな。
 むしろ、消費者はCO2が削減できるからということで購入しているわけではなくて、快適だから買っているわけで、その快適分のロスというのはCO2にやはりかぶさっているんですね。ですから、必ず車とか船なんかの場合には製造の段階で発生するCO2はまったく問題にならないぐらい小さいんですが、こういうものの場合には私はかなり大きいと思うんですね。ですから、それをちょっと誤解のないように。ライフサイクルで評価するというような視点を入れて書いておいていただいた方がいいのかな。削減効果のところです。

○浅野部会長 ありがとうございます。これはなかなか厳しい御注文でありますが、事務局として最大限努力をしてやっていただきたいと思います。先ほど小林委員の発言にもありましたが、食器洗い機が何か大きく取り上げられてきてはいるんですけれども、確かに本当にそうかなというような疑問に対しての答えが十分出ていないということは、そのとおりだと思うんですね。
 桝井委員どうぞ。

○桝井委員 今日いろんな個別の個々の対策があって、こんなものも大事かなというふうに聞いていましたけれども、一番その中でも大事なのは何度か出ました事業所による例の排出ガスの算定・報告・公表であろうかと。これはすぐにこれでどれぐらい減るのかということは算定できないでしょうけれども、いわゆるこれからの対策の骨になるものであり、一番最後に書いてありますけれども非常に重要であるということを思います。
 そこで今日、気候ネットワークの方から出されている例のこの問題での推計値を見ますと、一つのイメージを与えてくれるので大変評価できるのではないかと思います。そこでこの問題で気候ネットワークのそれを読んでみますと、いわゆる省エネ法の情報開示でどれぐらいの排出量の個別事業所の状況というのを推測されているのですけれども、この中には経産省を含めて、特に大規模な事業所で数値を出さないあるいは黒塗りしているということがあるようです。そこで担当の方に伺いたいのは、これを挙げておられる以上、現実に経産省はどんなふうにこの問題に対応していて苦労があるのか。あるいは問題点、それをちょっとお伺いしたいということです。それから、この問題をいかにPRTR制度の中にCO2を入れるのか。あるいは対策法の中で入れていくのか。そこらもやっぱりある道筋を持つべきだと思います。
 それから最近、国会で成立しました環境配慮事業促進法というのが成立しましたけれども、これは独立行政法人だけに限定されたのは残念でしたけれども、環境報告書の書き方というものも、いずれ政令なり何なり決められると思いますけれども、その際、CO2のこの排出の問題というのを、ただそこに記載するだけではなくて効果的な形の要綱といいますか、入れていただけるものと期待しています。それから第三者報告機関で環境報告書を検討するわけですけれども、その場合にもこういう問題を考えていただけると思います。
そういう中でこの全体の、今ここに提示されたような制度化というものとミックスしながら考えていく方向性でお願いしたいと思います。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。新しい法律については佐野課長のところの所管ではなかったんですか。コメントあれば、今の御要望について。

○佐野環境経済課長 桝井委員が御指摘のとおり、この法律では直接に環境報告書の作成というものが本当に義務化をされますのは公的法人であるわけでございます。それともう1つは、本来はその法人がよって立つべきものとしてということでありますが、環境報告書に記載をすべき事項のいわばガイドライン、最低限記載すべき事項のガイドラインにあたるものを制定するということになっておりまして、これは関係の事業者等々の方々の御意見もよく伺ってということになっておりますので、今の御指摘の点も十分踏まえて進めてまいりたいと思います。

○浅野部会長 情報公開に関しては今日はちょっと経産省の方が出席しておられるわけではないので、環境省の担当者があれやこれやというのは適当でないと思いますから、今日は無理に事務局に答えていただくことはやめておこうと思います。
 それでは、桝本委員どうそ。

○桝本委員 いくつか申し上げたいと思います。まず、全体を拝見してですが、この資料3の運輸と民生・家庭、ここを見ますと、実に義務化という言葉あるいは義務化が必要だという表現が6カ所以上、私がパラパラと見たところでございます。こうした義務化をこれほどある意味でイージーに、安易に考えられてしまうところに非常に懸念を持ちます。
本来、日本の社会は企業、国民の創意工夫や自主的な考えを重視した仕組みをつくるべきでありまして、私はたとえ環境問題であっても、まず義務化から入るというやり方については、大変にこれからの日本の社会の有り様として異論がございます。大変にここが気になります。例えば車の場合には燃費計の取付けの義務化、それから今お話がございましたエネルギー供給事業者への省エネサービス提供義務化、こうしたことですね。いずれもこれは自主的、かつ創意工夫のもとで行われるべきものでありまして、総論としてそこが非常に気になります。
総論として第二に申し上げたいのは、情報の提供がそこそこにたくさん書かれていてこれは非常に大切なことでありますので、私は全面的に賛成です。是非、こういうふうに記述された情報提供について的確な実行実施のお願いを申し上げたい。あたかもパンフレットだけつくって配らない、活用しないというようなことがないようにしていただきたいというふうに思います。この情報提供が必要だという点は教育とも関係して非常に重要なことでありますので、大変に私としては高く評価をさせていただきます。
 それから資料の16ページ、17ページ、この電圧調整システムの普及。これは私も電気の技術者ではございませんので、技術的なことはわかりませんが、少なくも電気の技術者たちがこれの有効性に大変疑義を持っております。是非、科学技術的な解明をまずしっかりやっていただきたいことと、電気製品の型式認証等については経済産業省が担当されているわけで、そことの十分な調整をお願い申し上げたいというふうに思います。特に十何万円という高いお金を出すとしたら、その経済性なども十分考えてこうしたところに記述をされるべきではないかというふうに、私は思います。
 それから25ページに業務用のコージェネの記述がございます。これはここにありますとおり熱需要の大きなものについては非常に有効な施策であります。と同時に、家庭用で記述をいただきましたヒートポンプシステムもまた大変重要な、かつ有効な手段でございますので。この25ページの業務用コージェネレーションシステムの導入に並んでヒートポンプの業務用での活用ということにも記述を及ばしていただいた方がいいのではないかというふうに存じます。特に至近時点の経済産業省の総合資源エネルギー調査会の追加省エネ対策として、業務用でこのヒートポンプは認められ取り上げられました。この取り上げられたことで同時にこれは二酸化炭素の対策でもございますので、よろしく御検討をたまわりたいと思います。
 それから今、何人かの方から賛意が示されたデータの問題でございますが、私もしっかりは拝見しておりませんが、気候ネットワークの方から御提言にあるような要素かと思いますけれども、まずは省エネ法でエネルギーの数字がお役所、国に出ているということを踏まえていただきたいと存じます。CO2はエネルギーから逆算、換算するものです。したがって、この省エネ表で各事業者が出したものをまず活用すると。その拡大や何かはその後御検討いただければいいわけで、現在の省エネ法で出ている電気、そのほかの燃料等の数字を使って計算することは可能なわけでございます。
 百歩進めて省エネ法に提出するエネルギーの数字のところに換算表を入れていてCO2を計算するというようなことだってできるわけですから、これは両省庁がよくお打合せをいただいて、御検討たまわりたいと思います。ただ、一方的にCO2の把握を義務づけ、それを公表、義務づけるというのは私としては反対でございます。特に既に自主的にやっているところがこの気候ネットワークの中にもたくさん書かれておりますとおり、大変たくさんの事業者、事業所が公表しているわけで、そうした要素も十分評価をする必要があるのではないかというふうに私は思います。
 それからこれは個別の問題ですが、13ページ「エネルギー供給事業者への省エネサービス提供義務化」、これは先ほどもお話いたしましたが、既にESCO、ここの記述にもありますが、省エネのビジネスにするということも始めました。あるいはお客様の御相談に預かってコンサルトをするということもやっております。電力会社もガス会社も石油会社もみんなやっております。私はそれで十分なのであって、それをさらに義務化するというのには懸念を表明したいと存じます。
 それから15ページ、「家電メーカーに省エネ情報提供義務化」、これも同様な意味で大いにこれを活性化させる必要はありますが、義務化ということはいかがなものかと存じます。ありがとうございました。

○浅野部会長 ありがとうございました。どこか別の審議会ではまず自主的取組の次は規制だというのが出ているようです。その意味では義務化ということをあまり強くいうのはおかしいという御意見に大変興味深いものを感じるわけでありますが、ただ、省エネ法を改正するというのも一つのオプションではあると思うのです。現行省エネ法が万全かということについては必ずしも十分でないような気がいたします。
 例えば業務その他部門については3割程度しかカバーできていないという実情があるわけですから、もしそのオプションを選ぶのであれば、省エネ法についてもっと厳しくするというようなことも考えなければいけないでしょうし、少なくとも温暖化対策との関連を考えるのであれば、データが環境省の方には全然こないという仕組みは何とかしてもらわなければいけないということもありますから、そこも含めての御意見であるならばそれは十分検討に値するのではないかと思うのです。それから電圧調整の話については、私も専門ではないのでまったくわからないのですが、もし事務局で何かコメント、これについてつくられた方のコメントがあればお願いいたします。

○事務局 お手元の資料3-2の16ページに載っておりますグラフを御覧いただければと思います。課長からも説明ございましたが、やむを得ない事情があるかと思いますが、現在過剰な電圧供給が行われておりますので、これを少し削減することで一定の省エネ効果は考えられますので、今は技術としてはこの電圧調整システムというのが一部提供されておりますが、この過剰電圧を電力会社の方でもし制御できるのであれは、それによる省エネということも可能だと思いますので、いずれのやり方にせよ、この部分でCO2削減効果というのが家庭部門対策としてできるのではないかと、私共は考えております。

○桝本委員 くれぐれも標準偏差の真ん中は105、5%です。そういう意味で是非技術的あるいは電気的な専門家の意見をお聞きいただきたいと存じます。

○浅野部会長 この点については事務局でさらに検討させます。
 青木委員どうぞ。

○青木委員 簡単に申し上げます。2点です。資料3-2の6ページの新築住宅の省エネ性能の向上ですが、最低基準の義務づけにつきましては、もちろん、これが非常に有効な施策であるということはよくわかりますが、現在の建築基準法上でいえばやはり憲法との関係で、健康とか安全とか最低に規制をするという観点で基準法はできているということからいたしますと、一定の省エネ性能を持っていないと住宅を建たせないということになりますと、所得の少ない人で例えば私は普通の人よりもずっと冷房もつけませんとかテレビもあまり見ませんというような方もおられるわけですから、そういった方にもつくっちゃいけないよと、こういうことが言えるのかどう非常に難しい問題を含んでいるのではないかと思います。
 そういった意味では憲法上他の財産権への制約とのバランスとか、そういったことからとも絡めて慎重に判断をしていく必要があるだろうというふうに思います。他方、現状、例えばこういう基準の住宅をつくっていけば、例えば電気量がどのくらい節減になるとか、それだから将来的にはこの方がプラスだよということであるならば、そういうことをもっと建築する人によく理解してもらうというような努力が不足しているのではないかというふうに思います。したがって、もっとそういうような方法、努力なり現在の施策の徹底といったことを、まずやっていくべきだと。その上でできないということであれば、さらに考えていくべきだろうというふうな考えをしております。それから既存の建物に対していろいろ施策を強化していくことに対しては賛成でございます。
 それから第2点ですが、先ほどからの運輸部門、こういったものを含めまして従来から申し上げていることでございますけれども、やはり最後は人でありますとか個別の企業の行動になるわけでございますので、そういった方々にどういう情報を提供していくかということが、やっぱりどういうふうに変えていっていただくかということが一番大事になってくるわけで、意識が変わってくれば先ほどのモーダルシフトにいたしましても、公共交通機関への転換いたしましても、数パーセントの転換なんてすぐできるわけです。そういう意味で桝本委員が従来おっしゃっていることと、まったく同意見でございますが、霞が関には知恵も実力もある方はたくさんおられるわけですから、全体的に、これから長期間にわたって、どういうふうな広報戦略を立てていくかという議論を民間の方も含めて入っていただいて議論をしていっていただきたいというふうに思います。場合によれば地球温暖化対策本部に広報戦略会議といったものを設けて、そういったものを権威づけていくといったようなこともできるのではないかと思いますが、そういった国民の意識を変えていくのにどういうふうな、どういう理由で意識が高まらないのかという分析を含めて、広報戦略を総合的に立てていただきたいというふうに思います。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございます。広報戦略の問題はしばしば指摘されております。本当にできるのかどうかということについては自信はないんですが、本当にその広報戦略の効果測定というのが、今まったく何も定量的にはできていないんですね。このことについてはもうちょっと何か研究の余地があるのではないかなと気になっているわけです。現状では広報が全然効果と結びついていないという実情があって、新築住宅についても自主的にやってくださいというようなことを言ってはいるものの、ほとんど普及をしていないという状況の中でやむを得ない、それならば法的な規制にいかざるを得ないのかという議論が出てきていることは、私も理解できるつもりです。しかし今、青木委員がおっしゃったことが本来のあり方であることはそのとおりだと思うんですね。
 もっとも、それでもう既に現状でこれまでにさんざん言われてきているけれども、これくらいしか普及率がないという、その要因をいったいどう考えるかというところがもうちょっと考えなければいけないポイントなんだろうとも思います。いきなり規制がいいかどうかという問題はあるのだと思いますが、少なくとも例えば省エネ法は、私は規制法だと思っているんですが、経産省ではあれは自主的取組の法律だとおっしゃるんですね。だからどうもその辺にずれがあるところで住宅の場合には省エネ法だけでなくもっと強力な何かしなければ動かないのではないかというのが、この事務局の提案だと理解をしております。この点については今後省庁間の調整もまだありますし、御議論もあるだろうと思いますけれども、いったいどこまで効果が、これまで上がってきたのかということの積み上げとしてこれが出されているということは、是非御理解をいただきたいと思います。
 浅岡委員どうぞ。

○浅岡委員 まず最初に、少し話題にしていただきました今回の省エネ法に基づく……。

○浅野部会長 すみません、時間が既に1時を過ぎておりますが、先ほどの運輸問題大変御熱心な御討議をいただきましたので、ここは今日は追い出される心配がないと聞いておりますから、食事抜きでともかくやらせていただきます。どうぞ。

○浅岡委員 その関係での説明をしながら申し上げたいと思うんですけれども、私どもこういうことをしてみまして、本当に基礎データを得られていなかったということを実感いたしましたし、データの共有がいかに国民的理解を得るために必要かと思いました。もちろん、事業者の皆さまが自覚をし、次の取組をなさるためにも基本的なものであり、また側面的効果を持っているだろうと思いますが、今驚きましたのは浅野先生から「環境省はこんなもの得られないんですよ」と、こうおっしゃったわけです。私どもは得ているのか得ていないのか知りませんでしたけれども、そうであるとすれば、こうした議論をしていく基礎を欠いているということに驚きます。
 4,000事業者について3,400事業者の開示はされましたけれども、あと600ほどは第三者の意見を聞くというプロセスで当事者が開示を拒んだというので、開示されなかったと思います。これは法律上、情報公開法の運用上も非常におかしなことでありまして、こうしたものが営業上の秘密にあたり、非開示情報になるとは到底考えられませんので、行政訴訟を起こせば多分開示を命じられると私は思っております。そういう性質のものであるということを認識しながら、それを今省庁間で共有できないとすれば、本当に基本的問題でありますので、すみやかに改善することをまず認識していただきたいと思いますし、実行していただきたいと思います。
 先ほど浅野先生のお話がありましたように、省エネ法は民生の業務等について、3割程度しかカバーしてないことをみますと、基本的対策に及びません。産業部門は開示された上位100事業所で、日本全体の排出の3分の1、非開示の上位100事業所ではおよそ2割を占めると我々推定しております。合わせますと50%以上が上位200事業所で占めている状況から、どこに対策をとり、どのように責任を持ってやっていくべきかがみえてきます。国民側がコストの問題としても理解するための基礎になるだろうと思うわけです。
 業務も同じことでありまして、例えばA、B、Cのデパートで、こんな排出ですよと、効率改善がこのようになっていますよと、分かって、私どもNGOの立場から例えば単純なランキングはいたしませんけれども、こういう面でこんな努力、こういう面でこんな努力と評価をいたしまして、どのデパートで皆さん買い物しましょうかと情報提供をすることが考えられます。こういうことは事業者の自主的意欲を高めると思います。決して規制をするわけではありません。デパートとかホテルとか業務の部門では、これからNGOとかいろいろ主体との連携の中でも必要ですし、地方自治体等の取組の中でも非常に重要だと思いますので、やはり基礎的情報を自ら把握し、それを主務官庁に提供してお仕舞いというのではなくて、全体で共有する。もちろん、環境省が把握できるように地方自治体を経由してでも環境省が把握できるような仕組みというようなことを、お考えいただくことが必要だろうと思います。二重規制になるといいましても、もともとあるものをやられるところ、やっていないところはさらに少しサポートしながらやるということで、須藤先生のお話から、各事業所は負担と思っていないということのように思いました。
環境報告書に出されてもランダムでありますし、全部が把握できるわけではありませんし、サイトごと事業所ごとで出されているということは殆どないわけです。高島屋全部で出されても、どの高島屋として出されないと地域住民にとっては分からないわけですね。そういうことを今後是非とも考えていくことをお願いしたいと思います。
 もう1つ、情報としてお願いしたいところは、先ほどライフサイクルアセスメントも含めた情報というのは必要じゃないかとおっしゃられましたが、もう1つ、大綱の中には、この対策をしなかったらどんな排出かということについて何もないわけです。これが対策効果の評価をしていく上で非常にネックになっていることを感じます。お願いいたしたいと思います。
 それから住宅部門について青木先生から、既存住宅についての対策をいろいろするのはいいことだとおっしゃられたのですけれども、ストック情報が何もないわけです。これは国土交通省とか経産省にはあるのかもしれませんけれども、是非ともこれも開示していただくことが必要で、ではなくて、制度を導入することをお願いしたいと思います。
 既存住宅についてちょっと一言付け加えますと、まず公的部門で例えば公務所もそうなんですけれども、公的住宅というのを持っておられまして、それらのリフォームも結構やっていたりします。そういう中に先行的にモデルとして実施していただいて、モデルで住民がわかるようにしていただくと効果があるのかと。リフォーム事業というのは結構願望もあるわけですから、そこに活かされるのではないかと思います。
 それからもう1つ、既存住宅の流通の中で消費者が関与していくという場面は十分あり得ます。これは評価と表示にかかるわけですね。こうした住宅の評価をする手法も入れていきまして、それが転売をするときの価格に反映するという仕組みができましたら、事業ビルであっても個人所有の建物であっても、やっぱり維持管理をいろいろ努力するということにもつながるかと思いますので、これもやっぱりそれを表示する仕組みを、きちっと入れていくということをお考えいただきたいと思います。
 機器についてもそれは同じことでありまして、今私たちはそういうボランティア的に、エアコンと冷蔵庫についてやっています。その中でこれを広げていくことはいいことだと思いますが、どのような基準で、どんな視点でこれを評価するのかということについて、事業者の視点も重要ですけれども、やっぱり環境の視点、消費者の視点というものが必ず入るようなところで入れていっていただかないと、事業開発、製品開発の視点から評価することになっていくと問題が起こってくるかなと。最近プラズマと液晶TVとどうしたらいいのかと悩んでいる中で感じるところであります。
 そういう意味で、古い冷蔵庫を特にキャンペーン的に買い換え促進するということは、私は非常に必要なことと思ったりいたしました。
 もう1つ……。

○浅野部会長 すみません、あと3人御発言御希望の委員がありますので。

○浅岡委員 わかりました、1点だけ。新規の住宅の規準化については、是非ともやはりいれていただきたいと思います。消費者にとっては建築をするときにお金を用意し、そのお金の中でできることを考えるわけで、そこに優先順位としてやっぱり入れていっていただくということでないとなかなか入らないし、私は建設業者の方にも聞きましたけれども、彼らもそれが入っていたらちゃんとできるんだと言っておられますので、これは是非とも入れていただきたいと思います。

○浅野部会長 天野委員どうぞ。

○天野委員 4点ほど簡単に申します。まず第1点は、政策の手法で3-1と同じようなことを申しますが、ここに書いてありますのは直接規制とインセンティブと申しますか、助成ですね。設備機器の導入補助、技術開発への補助が圧倒的多くて、グリーン税制のような話はほんのちょっとしか入ってこない。私はこれで政策手段のフィージビリティーがあるのかどうかというのがちょっと疑問に感じるわけですね。全部を助成金でやるというのは、多分大変難しくて大きな制約がかかってきて、結局非常にちまちましたことしかできないということであれば、当然ほかの手法を考えなければいけないわけですから、もし本気で施策というのを考えるのであれば、どっか別のところで施策についてという大きなものを書くのではなくて、個々の問題について具体的な施策は何かという詰めた議論を、やっぱりすべきだと思います。これが第1点。
 それから第2点は、事業者による温室効果ガス排出の報告の義務化というのは、私も賛成です。といいますのは、これは現在でも制度があるという議論もあるのですけれども、目的が違うわけですね。省エネのためにつくって、事業者のエネルギーの使用を削減するというふうな目的と、それから温室効果ガスを国として着実に削減していくための必要なデータというのは当然目的が違うわけですから、私は両方、もちろん利用できるものがあれば利用すればいいんですけれども、両方必要であると。特にこの現在の手法というのは本当に必要とされていると思います。
 ただ、問題はどういう形で報告させるかということをきちっと考える必要があると思うのですが、ここでは事業者単位で書かれていらっしゃるんですね。私はこれでは情報が不足するのではないかと。必要なのは事業所というかファシリティベースのデータが必要なのであって、これはどうしてそういうことになるかと申しますと、EUなどが参考になるのですけれども、EUは排出量取引制度というのを導入したわけですね。その排出量取引制度を実施するには非常に細かい事業施設ベースのデータが必要になるということで、当面はCO2に限っていますけれども、将来は温室効果ガスに広げる。そして当面は4業種の中の大企業に限っていますけれども、これも徐々に広げていく。ですから、当面やりやすいところからやっていって、それは特に重要な、先ほど浅岡委員がおっしゃったけれども、重要な部分から始めて広げていくというやり方をしているわけです。ですから、省エネ法で使えるデータはもちろんその範囲で使うことは必要ですけれども、私はそういう先を見越した新しい制度として考えていくことは、是非必要であろうと。
 それから、これは日本がこういうやり方をとるかどうか分かりませんけれども、排出量取引制度というのは今後、温暖化対策の基幹的な政策手法として定着していくと思いますが、その取引に耐えられるようなデータを集めておく必要があるわけです。私は省エネ法のデータというのはそれに耐えられないと思いますし、カバーしている範囲も少ないということがありますので、そういう点で排出量取引制度もにらんでこういう制度をつくる必要があるというのが私の意見です。
 それから第3点は、小さい点ですが、いろんな新しい機器類、省エネとか温室効果ガスへの効果を考えた機器類の導入の際に、先ほどLCAのような視点が必要だという御意見がありましたが、私は同時にリバウンド効果も一緒に評価する必要がある。LCA量の考慮とリバウンド効果は違いますので。特に皿洗い器のような利便性、快適性を向上させるような機器が入りますと、需要がどっと増えるわけですね。ですから、そういうものがなければ増えなかった需要を逆に増やしてしまうという点がありますので、それをある程度数量的に評価しておく必要はあろうかと思います。
 それから第4点は、今まで効果という表題が出てきましたけれども、これは環境に対する効果の測定がなかなか難しいという話でしたが、私は逆に環境政策をとることによって、経済活動にどういうインパクトがあるかと。普通は環境政策をとるとマイナスのインパクトがあるという認識が多いのですけれども、ここで上がっているような施策をやりますと、逆に新しい産業ができたり新しい製品ができたり、需要を喚起するような要素があるわけですね。ですから、経済活動に対するプラスの影響がどれぐらいあるかということを一緒に考えておくということは、大変重要なことであろうかと思いますので、その点まったく配慮がないと困りますので是非お願いしたいと。こういうことです。

○浅野部会長 ありがとうございました。最後の点はしばしば導入コストという形での議論になってしまって、何となく費用がかかるということだけが出てくるのですが、当然その費用がかかる裏にはそれで収入を得る人がいるということが消えてしまって、何かこれやると大変な負担になるというような議論になってしまう。それは困ると私も思っておりまして、天野委員の御指摘は重要な御指摘ではなかったかと思います。
 西岡委員、山口委員の順番でお願いいたします。

○西岡委員 2点あります。1点は、全般的な話ですが、やることによって技術進歩がどんどん進むということを、是非入れていただきたい。先ほどの欧州の話しでも具体的な目標を設定すれば技術が伸びていく。Learing by doingだとかシルバーストーン曲線だとか、それから内生的技術発展ということを大前提としてやっております。このいい例としていつも向こうの人が話に出すのはトップランナーでして、日本政府は非常に目標設定する。そしてそこで競争をさせることによって非常にいい結果を得ている、ということを数カ所で聞きました。ですから、我々自信を持ってこの方向を進んでいけばいいんじゃないかと思います。
 例えば太陽電池等々につきましては、もう財務省の方から、もういいよということをおっしゃっているかもしれませんけれども、環境省の方でやったエコイスト大賞などでも全国の校舎にソーラー発電をやるとか、そういうことでさらにこれを進めることはできるのではないか。そういうことで全般的にはDOによる技術促進ということを、全体の基調にしてもらってもいいんじゃないか。これが第1点です。
 第2点が、今既にお話がありましたけれども、家庭用ESCOの拡大ということをお願いしたいと思います。うちの研究所でも省エネ目標がありまして、素人が一生懸命考えたんですけれども、結局はやっぱり限界がありましてESCOの人にお願いしてやることにしました。そうすると、この数年間にこれだけ省エネができますよ。それでお宅はいくら儲かりますよ。その分はお互いに折半しましょうよなんて、お互いに Win-Winの政策でいくということです。やはり専門家は大したものです。先ほどお話が出ていましたが、例えば電圧調整の話にしましても、あるいは建設時にどういう施設を入れるかにしましても、やはり専門家の意見を入れないとどうも家庭でも無理ではないかなと思います。
 ですから、今既に桝本委員の方から電力会社はいろいろやっているという話がございましたけれども、義務化というのは無理かもしれませんけれども、電話をしたら数カ月後にはちゃんと来て相談にのってもらえるといった形でやれば、桝本さんのおっしゃっている単なる広報以上のものがここで生まれてくるのではないか。電力会社やガス会社というのは別にキロワットやカロリーを売っているわけではなくてサービスを売っているわけですから、一番安いコストでいいサービスをするという会社に変質してもらう。是非家庭用ESCOのシステムを普及する。それを環境省とあるいはほかの省庁も応援してもらいたいという具合に思っているわけです。
 以上です。

○浅野部会長 山口委員どうぞ。

○山口委員 技術的なことはよく分かりませんけれども、この大きな捉え方をしたときに、私どもが守るべき最大のものは京都議定書を国際的コミットメントとして守るということだと思うのです。もし、この約束が守れないということになると、これから環境問題等で途上国へ話すらできないという状態になるわけでありまして、この前提で個々のいろんな施策を考えましたときに、今日いろいろ聞かせていただきましたが、この自由経済の下で各産業、運輸、業務、家庭部門でかなり実行性を持たせることは難しい面もあるのではないか。非常に努力はいたしますけれども超過達成までいくのはとても困難だなという感じを、私は受けました。超過達成どころじゃなくてこの目標すら達成できない可能性もあるのではないかと。そうなったときに、やっぱり残された手段は京都メカニズムしかないわけで、これが補足的な制度と位置づけられているのは、国内の努力をそれで阻害してはいけない、緩めてはいけないという趣旨だと思うんですけれども、現実に第1フェーズが終わって第2フェーズに入るときに、こういった状況でありますと分野別の努力を緩めない形で排出量取引を明確に位置づけていく必要があるのではないかと。1.6%が排出量取引の対策部分ですというようなものではなくて、全体のコミットメントを実現するための手段として考えなければいけない。そうしたときに、非常に難しい問題が生じるのは民間レベルの企業の取引もメカニズムの適用はあるんですが、国レベルでいくらかということが最終的に国のコミットメントの担保になるわけですから。
 そうすると、国レベルでもし、京メカの費用が、かなりこれは増えざるを得ないと。こういった努力にかかわらず結果的にやっぱり未達成部分が京メカに相当追加的な負担が及ぶというときには、これはやはり負担をだれがするかということになるわけです。そうすると、それはやはり各部門間あるいは各経済主体間での努力がどれくらいなされたかということにかかってくると。つまりやみくもに、それは国が負担すればいいじゃないか。という議論ではないと思うんです。では、国というのが一時的に出しますが、それは最終的にだれから税の形あるいは賦課金の形、課徴金の形で取るかとなると、どの部分がどれくらい努力をして、この目標に寄与したかということがやはり問われると思うのです。そうでなければ社会的な正義ではないわけで国全体の問題ですから、どの部分だけの問題ではないと。
 そうすると、この各部門、今日は運輸、業務、家庭ということで御説明いただきましたけれども、この対策、これからの対策がそういったメルクマールになるんだというような、つまりそれでもってこれを目標的に掲げたときに、それが一生懸命取り組まれるんだということでないと、あとでその議論があったときに何か、いや、あれは単なるモデルシミュレーションですから言ってみただけですよ。というふうになっては困ると思うんですね。そういった意味でこの各部門の対策もある程度、やはり国民に徹底させていただくと同時に、やはり厳しい意味の目標値だというふうにとらえざるを得ないんじゃないかというふうに思います。
 結論的にいうと、京メカの議論を本当に表に出して議論しながら、それに頼らないでいい形をどうするかということで、もう一回この各部門の努力にフィードバックしていくと。こういう手順になるんじゃないかというふうに思いますが。

○浅野部会長 ありがとうございました。基本的な視点についてのお話もいただいたような気がいたします。京メカについては次回の部会で取り上げて議論をしなければならないわけでございますが、頼ってしまうということについての抵抗感が強いということは事実です。しかし、合理的にものを考えると、やっぱり長期的に結果が出てくるようなことを今から取り組んでいても、それが直ちに効果を上げない。ただ、暫定的にこの部分はこれでというようなこともあり得るわけですね。だからまったくだめだというような議論をすることは、必ずしも適当ではないという山口委員の御指摘はそのとおりだと思いますし、他方、それに頼ってしまって、そこでやればもう他はやらなくていいというのも困る。
 それは背景に今おっしゃったように、誰がじゃあ、その費用を負担するんだ。そこの公平性はどうなるんだという議論が出てきますから、そうなるとやっぱり全体としての構造の中で公平性を維持しながら、だれが負担をするんだということをもう一回改めて議論しなければいけない。そうすると、まず規制だという考えが本当にいいかどうかという問題が出てくるわけですね。むしろ、経済的措置はリードタイムに時間がかかってもそれをやらなければいけないということが先かもしれない。この辺の議論はしっかり当審議会としてはやっていかなければいけないだろうと思います。
 それでは、大変申しわけございませんでした。本日は25分オーバーいたしましたが、滅多にこんなことはないんですけれども、大変皆さん御熱心に御議論をいただきましたので、途中で発言を封じないようにと努力をいたしました。では、次回は18日の15時から18時まで、経済産業省の別館944でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日はこれで終わります。

午後1時25分閉会
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