中央環境審議会地球環境部会(第15回)議事録

1.日時

平成16年3月22日(月)15:00~18:03

2.場所

経済産業省別館1028号会議室

3.出席委員

  
(部会長)  浅野 直人  
(委員)  清水  誠  鈴木 基之
   桝井 成夫  和気 洋子
   青木 保之  浅岡 美恵
 天野 明弘  飯田 哲也
 飯田 浩史  及川 武久
 太田 勝敏  大塚  直
 久保田 泰雄  小林 悦夫
 佐和 隆光  塩田 澄夫
 高橋 一生  富永  健
 永里 善彦  永田 勝也
 西岡 秀三  平尾  隆
 福川 伸次  三橋 規宏
   安原  正  
     
   

4.議題


(1) 家庭部門、国民各界各層の更なる地球温暖化防止活動の推進に関する対策・施策の評価について
(2) 非エネルギー起源二酸化炭素、メタン及び一酸化二窒素の排出抑制対策の推進に関する対策・施策の評価について
(3) 京都メカニズムの活用に関する対策・施策の評価について

5.配布資料


資料 1-1-1 現大綱におけるエネルギー起源CO2に関する家庭部門の対策の概要
資料 1-1-2 現大綱における国民各界各層の更なる地球温暖化防止活動の推進の対策の概要
資料 1-2 エネルギー起源CO2に関する家庭部門の現在までの排出量及び関連データについて
資料 1-3-1 現大綱におけるエネルギー起源CO2に関する家庭部門の対策の進捗状況について(暫定評価)
資料 1-3-2 現大綱における国民各界各層の更なる地球温暖化防止活動の推進の対策の進捗状況について(暫定評価)
資料 1-4-1 現大綱におけるエネルギー起源CO2に関する家庭部門の施策の進捗状況について(暫定評価)
資料 1-4-2 現大綱における国民各界各層の更なる地球温暖化防止活動の推進の施策の進捗状況について(暫定評価)
資料 2-1 現大綱における非エネルギー起源CO2、CH4(メタン)及びN2O(一酸化二窒素)の対策の概要
資料 2-2 エネルギー起源以外のCO2、CH4(メタン)及びN2O(一酸化二窒素)の現在までの排出量及び関連データについて
資料 2-3 現大綱におけるエネルギー起源以外のCO2、CH4(メタン)及びN2O(一酸化二窒素)における対策の進捗状況について(暫定評価)
資料 2-4 現大綱におけるエネルギー起源以外のCO2、CH4(メタン)及びN2O(一酸化二窒素)における施策の進捗状況について(暫定評価)
資料 3-1 現大綱における京都メカニズムの活用に関する対策・施策の概要
資料 3-2 京都メカニズムの仕組み
資料 3-3 現大綱における京都メカニズムの活用に関する対策の進捗状況について(暫定評価)
資料 3-4 現大綱における京都メカニズムの活用に関する施策の進捗状況について(暫定評価)
<参考資料>
参考資料 1 委員提出書面意見
参考資料 2 普及啓発に関する取組について
参考資料 3 CDM/JIに関するアンケート調査結果の概要(速報版)
参考資料 4 諸外国におけるCDM/JIクレジット調達のための制度・基金
 

 

6.議事

午後3時00分開会

○浅野部会長 それでは、定刻になりましたが、まだ実はもうお一方おいでにならないと成立いたしません。しかし時間になりましたので、まず、配付資料の説明を事務局からいたさせます。

○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 まず座席表、それから本日の出席次第、委員名簿、その後に資料一覧がございます。
 資料1-1-1でございますが、現大綱におけるエネルギー起源CO2に関する家庭部門の対策の概要、これが1ページから6ページ、左上でとめてございまして、7ページからは、現大綱における国民各界各層の更なる地球温暖化防止活動の推進に関する対策の概要がございます。こちらにつきましては、家庭部門並びに業務部門や運輸部門も含む対策でございますが、関係の深いということで、便宜上あわせて説明させていただきます。続きまして、資料1-2が、横長でございますが、エネルギー起源CO2に関する家庭部門の現在までの排出量及び関連データについて、資料1-3-1でございますが、現大綱における家庭部門の対策の進捗状況(暫定評価)、こちらが1ページから10ページまでございまして、続きまして、11ページから、資料1-3-2として、大綱における国民各界各層の更なる地球温暖化防止活動の推進の対策の進捗状況について(暫定評価)をあわせて配付させていただいております。続きまして、資料1-4-1でございますが、大綱におけるエネルギー起源CO2に関する家庭部門の施策の進捗状況(暫定評価)、こちらは32ページまでございまして、それ以降、引き続きまして、資料1-4-2として国民各界各層の更なる地球温暖化防止活動の推進施策の進捗状況(暫定評価)を配らせていただいております。
 それから、委員の先生方のお手元には、委員限り資料といたしまして、家庭部門の対策効果の見通し(暫定値)という横長の紙を配付させていただいております。こちらにつきましては、現時点において入手可能である資料やデータに基づき検討した暫定的なものであり、今後新しい資料、データなどを踏まえて変わり得る性格である、暫定的な措置ということにかんがみまして、部会委員限りというふうに配付させていただいております。
 その紙の次のページには、国民各界各層の更なる温暖化防止活動の推進の対策・効果の見通しを配付させていただいております。
 続きまして、資料2-1といたしまして、現大綱における非エネルギー起源CO2、メタン、一酸化二窒素対策の概要、資料2-2といたしまして、同じくエネルギー起源CO2、メタン、一酸化二窒素の排出量及び関連データ、資料2-3といたしまして、これらの対策の進捗状況についての暫定評価、資料2-4として、それらに係る施策の進捗状況の暫定評価、それから、同じく委員限りといたしまして、非エネルギーCO2、メタン等の対策・効果の見通しについて、同じく委員限り資料として配付させていただいております。
 資料3-1が、京都メカニズム対策・施策の概要、資料3-2が京都メカニズムの仕組みについて、資料3-3が京都メカニズムに関する対策の進捗状況の暫定評価、資料3-4が、現大綱における京都メカニズムの活用に関する施策の進捗状況の暫定評価。
 参考資料の1が、浅岡先生、それから桝本先生、それから須藤先生からいただいております書面意見でございます。参考資料の2が、普及啓発に関する取組についての資料でございます。参考資料の3が、CDM/JIの活用に関するアンケート調査結果の概要(速報版)、参考資料の4が、諸外国におけるCDM/JIクレジット調達のための制度・基金でございます。
 以上でございます。過不足等がございましたら手を挙げて教えていただければと思います。

○浅野部会長 それでは、資料に不足がございましたら、どうぞ事務局までお申しつけをいただきたいと思います。
 本日の議事でございますが、まず議題の1は、家庭部門、国民各界各層の更なる地球温暖化防止活動の推進に関する対策・施策の評価についてでございます。議題の2は、非エネルギー起源二酸化炭素、メタン及び一酸化二窒素の排出抑制対策の推進に関する対策・施策の評価について、議題の3は、京都メカニズムの活用に関する対策・施策の評価についてとなっております。既に定足数を満たしておりますので、部会は成立しておりますが、ただいまから18時まで3時間、この3つの議題を取り扱いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局から御紹介がございましたように、参考資料として、前回御審議をいただきました業務部門や産業部門の対策・施策の評価について浅岡委員から、それから、本日御欠席の桝本委員、須藤委員からは、本日の議題である家庭部門、国民各界各層の更なる地球温暖化防止活動の推進に関する対策・施策の評価について、京都メカニズムの活用に関する対策・施策の評価について書面で意見をいただいております。本日は、時間の関係もございまして御説明いただくことはできませんが、今後の審議の参考にさせていただきたいと思いますので、委員におかれましてもお目通しをよろしくお願い申し上げます。
 本日は長時間にわたりますので、途中で5分間の休憩を挟みたいと考えております。
 それでは、最初の議題は、家庭部門、国民各界各層の更なる地球温暖化防止活動の推進に関する対策・施策の評価についてでございます。これについて、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○清水地球温暖化対策課長 地球温暖化対策課長の清水です。よろしくお願いいたします。座って説明させていただきます。
 まず、資料1-1-1を御覧いただければと思います。
 これは、家庭部門の対策の概要ということであります。これは民生部門の対策ということになりますので、前回の業務部門でやった対策とほぼ同じ並びで、1番目が機器の効率改善、これは家電製品の省エネ化などであります。それから、2番目が住宅関連の省エネ性能の向上、これは断熱などの議論であります。それから、3番目にエネルギー需要マネジメント、いわゆるエネルギー管理という、こういう3つの対策の柱立てとなっております。
 ちょっとすみませんが、ぱらぱらめくっていただきまして7ページまでめくっていただくと、ここに国民各界各層の更なる地球温暖化防止活動の推進の対策の概要というのがありますので、これもあわせて御説明いたします。
 7ページ目になりますが、まず、対策の体系を見ますと、1番目が空調設定温度の変更、それから、2番目が機器の買換えなどの推進等、これは省エネ法以外の対象となる製品であります。それから、ページをめくっていただきまして、3番目がライフスタイル・ワークスタイルの変更、それから、4番目が自動車の利用に関する取組、アイドリングストップ、エコドライブなどが入っております。運輸部門でアイドリングストップを取り上げましたが、運輸部門で取り上げましたアイドリングストップは、機械類、ハードによるものでありまして、ここで取り上げますアイドリングストップは行動によるもの、ライフスタイル・ワークスタイルの変化によるものという、そういう区分であります。それから、5番目が、国・地方公共団体による取組、6番目にサマータイム、これを取り上げております。
 それでは、次の資料の1-2を使いまして、対策のバックグラウンドについて御説明したいと思います。
 資料1-2、1ページ目をめくっていただきますと、1の(1)、我が国の2001年度の部門別CO2排出量とございます。この中で、左の上に家庭、13%出しております。今回議論いただく対策は、この13%を主な内容とするものであります。マイカーなどについて、家庭部門では除かれております。ただ、国民各界各層の取組は全般にわたる部分が入ってくるという、そういう整理です。
 それから、次の3ページ目の家庭部門の概況に移りたいと思います。家庭部門の概況、3ページ目の表を見ていただきますと、CO2排出量を供給サイド、どういう燃料種、あるいは電力などを含めて排出があったかという資料でありますけれども、右上の方を見ていただきますと、家庭、+19.4%というふうになっております。1990年に比べて2000年度、排出量が2割弱も伸びている、そういうことであります。それぞれの燃料種別に書いてありますが、それぞれ増えております。特に電力がこの中で6割を占めておりまして、その伸びが23.3%と大幅な伸びを示しているということであります。家庭における省エネ対策、あるいはエネルギーサイドの対策も、家庭の排出量を下げるために大きな役割を果たすということが分かると思いますが、供給サイドの議論は次回以降にやらせていただきたいと思います。
 それから、次の4ページにまいりますと、これは電力・熱配分前の姿であります。つまり、前の図から電力を入れない図ということであります。電力を入れないと、家庭全体で14.6%の伸びということであります。かなり毎年でこぼこがございますが、これは暖房の需要がそれぞれの年によりまして温度差で出るというようなことがあるということで出しております。
 次の5ページ目にまいりまして、これはCO2の排出量を需要サイド、どういう用途で使っているかという分類で見たものであります。右側に書いてあります19.4%の伸びというのは同じ形になっております。内容を見ますと、動力・照明その他、動力というのは、いわゆる家電製品で用いられているところから来ているということです。それから厨房、給湯、冷房、暖房というようなことになっております。厨房などが減っておりますが、これは、例えば外食とか惣菜などを買っているのが増えているのではないかというような議論もあります。それから、冷房、暖房については年ごとの差が大きいので、後でここについては議論したいと思います。
 次の6ページにまいりたいと思います。年変動の大きい冷暖房を除いた形です。冷暖房を除いて排出量の伸びを見ますと、全体としてなだらかに増加しているという姿が見える形になっております。
 それでは、7ページ目にまいりまして、暖房と冷房の関係がどういう形できいているかということです。7ページの図は「だんぼうどにち」というふうに読むようですが、右下の方に暖房度日というのがどういう概念かということをあらわしております。14度を下回る日の平均気温と14度の差を合計しているものであります。ですから、平均気温が0度の日であれば14をカウントするという、そういう形で1年間の度日をカウントした累計と、それから、暖房からのCO2排出を棒線グラフで示しております。この両方のグラフを見ますと、やはり暖房の使用に伴うCO2排出量の推移は、暖房度日とおおむね同様の傾向を示しているということが明らかになっております。
 それから、次の8ページ目、冷房の方でありますが、冷房の方も同じように冷房度日という、そういう概念があるようでありまして、冷房度日と冷房からのCO2排出については、おおむね同じような傾向を示しているということであります。
 次の9ページにまいりまして、冷暖房からのCO2、年ごとによってかなり大きく変化しますので、これを5年平均を用いて比較しますと、かなりなだらかなラインになってくる。これで見ますと、冷房につきましても13.2%、暖房につきましても12.4%ということで、かなり大幅な伸びをやはり示しているということが分かるわけでございます。
 それから、次の10ページにまいります。これは、電力の消費が家庭の中のCO2における割合が多いものですから、電力がどういうふうに使われているかを見たものです。左側が家庭における電力消費を、これは12月における変化を0時から23時まで、24時間の変化で見たものです。これで見ますと、9時ぐらいに少しピークがありますが、むしろ20時、午後の8時、9時、10時とか、夜の方に家庭のピークが来るということがわかります。
 右側の方の線のグラフは、これは全体の累計での電力の使われ方であります。普通、昼に電力の使われ方が多いというのがパターンというふうに認識されていると思いますが、家庭における電力消費はそれとやや違ったパターンで動いている。全体のピークは企業とか事業所の活動に起因するのではないかと、そういう図表でございます。
 それから、11ページにまいりまして、CO2排出量の推移を家電製品ごとに見たものであります。これを見ますと、冷蔵庫、照明、エアコン、テレビなどが多いということが分かるわけでございます。
 それから、次の12ページにまいりまして、家庭の機器そのものではなくて、むしろ家屋の構造自体がかなり温暖化対策に関係しますので、その断熱の状況を見たものであります。熱損失で見ますと、冬の暖房の場合、開口部、窓とか扉ですが、これから逃げていく熱が38%ということで最も多い。したがいまして、断熱をするときはこういうことも配慮しながら対策をとればいいという、そういう資料であります。
 それから、13ページ以降が、これはCO2の増減要因についての資料になっております。
 13ページは世帯数の増加をあらわしております。人口につきましては3%しか伸びておりませんが、世帯数が1990年から2000年の間に16.4%伸びている。CO2の排出の増が、先ほど言いましたように19.4%ですので、大変これに近いような値になっているところでございます。
 次の14ページを見ますと、家庭の中で家電製品が増えているということであります。14ページは出荷台数ということで、フローです。毎年売られる販売量も、特にエアコンなど含めて伸びが激しいわけであります。
 それを受けまして、15ページ、これは家電製品の世帯当たりの保有台数になりますが、これは100世帯当たりの台数になっております。単独世帯以外の一般世帯の表になっておりますが、テレビとかエアコンは200のレベルを超えています。これは100世帯当たりの台数ですので、その200を超えるというのは、一家に2台テレビ、エアコンが普及しているような、そんな状況になっているということを示しております。それから、パソコンとか温水洗浄便座の伸び率が最近非常に激しいということが、500%、200%を超えるような伸び率が出ているというのも大変気になるところです。
 それから、次の16ページにまいりまして、家電製品の大型化というのが排出量の増加要因になっているということであります。カラーテレビで見ますと、29インチ未満、29インチ以上で分けてありますが、29インチ未満は増えておりませんが、29インチ以上が増加している。その結果テレビの保有台数が増えているという、そういうことが言えるわけであります。
 次のページ、これはページが振ってありませんが、すみません。2の(5)ですね。これまでは増加の要因を見てきましたけれども、CO2の減少の要因という意味では、1台当たりのエネルギー消費効率が上がってきているということがあります。エアコン、テレビ、それから冷蔵庫など、特に著しい改善を示しているということであります。
 それから、次の18ページにまいりまして(6)ですが、省エネ製品が出てくれば、それが何年どの程度で代替していくのかというのが大変重要なことになっておりますので、エアコン、テレビ、冷蔵庫について何年ぐらいで代替していくかということであります。平均して見ますと、エアコンが大体7年程度、テレビ、冷蔵庫は8年程度で買いかわる。今後、買換え促進を議論するときの大変重要な数字だというふうに理解しております。
 それから、19ページにまいりまして、住宅関係の数値であります。少しデータとして古いんですが、ストック関係を示すものとして示しました。現在、住宅の戸数が大体4,500万戸だというふうに言われておりますが、この表では1998年以前ですので、大体4,000万戸ぐらいで見ております。持ち家が60%、貸し家が40%という、そういうような全体の割合でありますが、建てた年代別に見ていきますと、かなり持ち家におきましては古い年代の住宅がまだ残っているということであります。旧基準、新基準、次世代基準と書いてありますが、これは省エネ法の住宅に関する基準の導入の時期であります。これを見ますと、まだまだ古い基準の住宅がいっぱい残っている。それから、年間に大体住宅の新築件数が100万戸から120万戸ということが言われておりますので、ストックに比べまして40分の1から50分の1の割合である。したがいまして、この割合でいきますと、全部が入れかわるのに40年から50年かかるということになりますので、端的にフロー対策、新対策だけでなくてストックの対策、例えばリフォームとか、そういったストックの対策が重要になるということを、この図は示しているということだと思います。
 それから、20ページにまいりますと、住宅ストックの推移であります。これは、最近鉄筋コンクリートの住宅が増えており、かつ共同住宅が増えているということを示しております。いわゆるマンションが増えているというような、そういう形かなというふうに思っております。
 それから、次の3のCO2の排出構造というところにいきたいと思います。前回、業務のところで、ビルのオーナー、テナント関係で、その建物の主と、それから使う人が違うということで問題が出ているとお話ししましたが、それと同様に、住宅でも40%が貸し家というような先ほどのデータもございますので、こういった同じ構造を考えなければならない。住宅の断熱などについては建物を建築する人が決定するけれども、実際、それを使うのは居住者が使う。間にメーカーの技術開発などが関わるということであります。
 それから、次の22ページは、将来の動向であります。将来の動向を見ますと、人口のピークが2006年に来るということが予想されておりますが、世帯数はその後も伸び続け、2015年をピークにするという形で伸び続けることが予想されております。
 この理由といたしましては、次の23ページの表になりますけれども、やはり子供が独立する、あるいは夫婦が死別するなどの理由で、単独世帯数が非常に大きな伸びを示すということが大きな原因というふうに考えられます。1990年では夫婦と子供世帯が一番多い類型でありますが、2012年では単独世帯が最も多い状態になってくる、そういう状態です。
 それでは、次の資料1-3-1ということで、家庭部門の進捗状況の暫定評価に入りたいというふうに思います。
 まず、1ページ目でありますけれども、あくまでこの資料は暫定的なものであり、今後変わり得る性格ということで留意していただければというふうに思います。
 1番目が機器の効率改善対策、家電の省エネ対策などであります。
 [1]が機器の効率改善ということで、機器の効率改善とトップランナー適用機器の拡大、両方を含んでおります。家電製品のトップランナーということでありますが、この表でエアコン、テレビ、VTR、蛍光灯など、幾つかのものを掲げております。
 次のページにまいりまして、現在までの対策の進捗状況でありますが、2003年度におきましてエアコン、冷蔵庫、テレビ、蛍光灯などは既に達成しております。今後の見通しのところでありますが、裏づけのある対策でありますので、目標年次まで順調に基準の達成が図られるのではないか。さらに、冷蔵庫などで大幅に基準を上回る性能のものが発売されているということを考えますと、さらに削減量を稼げる可能性もあると、そういう評価をしております。
 それから、3ページ目が高効率給湯器の普及促進ということであります。これは、潜熱回収給湯器、それからCO2冷媒ヒートポンプ給湯器ということで、これはガスではなくてヒートポンプなどを使いながらお湯を温めるという、90度ぐらいまで温度も上昇可能という大変すぐれたものであります。エコキュートなどというような名前で今宣伝されております製品でもあります。これが販売されまして、2002年の販売が3万4,000台ということで、大変売れ行きが好調でありますが、2010年に400万台の普及というのが大綱上の想定であります。今後の見通しを考えますと、販売台数は伸びているわけでありますが、2010年度の目標を達成するためには、その普及をさらに加速化する必要があるのではないか。そういう意味では不確実性がまだあるという、そういうことであります。
 それから、4ページ目にまいりまして、待機時消費電力の削減ということでございます。これも110万トンCO2ぐらいの対策になりますが、現在、各業界の御努力により、待機電力の必要な製品については1ワット以下にする。それから、それ以外のものについてはゼロにするという形で取組が進んでおります。ただ、現在の状況を見ますと、この表に書いてありますように、平成11年と14年を比べまして待機消費電力量が増えている。それから、その割合も増えているというような状況があります。
 5ページ目にまいりまして、今後の見通しでありますけれども、1つは、こういう家電製品の機能向上により消費電力が増すと、待機電力が増すという部分もあります。それから、大綱の策定時に想定されていなかったような家電製品、例えば地上波デジタルとか、あるいはADSLのモデムとか、そういうものが入ってくると、さらに電力が増加してしまうような可能性もあるということでありまして、不確実性はそこの部分についてはあるという評価にしております。
 それから、6ページ、これは前回、業務分野で御説明しましたが、LED(発光ダイオード)による対策ということでございます。これは前回もお話ししましたとおり、2007年度からの普及でありますが、ある程度見込めるのではないかというふうに考えております。ただし、前回の議論のときにまだ商品化されていない製品について、もう少し不確実性について言及した方がいいということがありましたので、評価に当たっては不確実性についても言及しております。
 それから、7ページ目から住宅の対策に入ってまいります。住宅の省エネ性能向上ということで、これは建築物とあわせた形の内数という形になります。現在、省エネ法に基づきまして、建物主の判断の基準、あるいは指針などが定められております。大綱上は2008年度までに11年基準を新築住宅の5割が達成ということを目指して対策を打っております。ここにデータを示しておりますのは、住宅金融公庫融資の中における割合であります。このグラフの中の右下の方に白抜きで4.7、8.3、13.1というふうに書いてあります。ここが平成11年度基準の適合割合であります。これを見ますと、年率5%程度の形で伸びておりますので、このデータから見ると、今後7年ぐらいありますので、半分ぐらい達成という可能性はあるということを考えております。
 ただ、これは住宅金融公庫のデータでありますので、住宅金融公庫自体は、次のページを見ていただきますと、折れ線グラフが住宅金融公庫のカバー率ということであります。一時6割以上を超えるようなカバーで住宅金融公庫から借りていたわけですが、今は下がっているということもありまして、そのほかの部分のデータなど、まだ少し残り8割のデータを入手できていない状況であります。こういったところに少し不確実性があるのかなということを考えております。したがいまして、今後の見通しのところにおきましては、平成11年度基準適合の割合は上昇しておりますが、現在得られているデータのみでは確実に評価することは困難であるという形にしております。
 それから、次の9ページ、エネルギー需要マネジメントの強化ということです。前回、業務の関係でBEMS、ビルのエナジーマネジメントシステムを御紹介しましたが、これの家庭版、ホームエナジーマネジメントシステム、いわゆるHEMSといわれるものであります。大綱上は2010年までに全世帯の30%の普及を想定しておりますが、現時点においてまだ実証の段階であって、商品展開されていないということであります。今後の見通しに書いてありますように、直ちに商品化されて大綱の目標に向けて進む場合、毎年200万戸というような急速な導入が必要になるという対策でありますので、不確実性の大きい対策ということで検討が必要です。
 それから、続きまして資料1-3-2です。めくっていただきますと11ページが資料1-3-2になっておりますが、国民各界各層の更なる地球温暖化防止活動の推進についての評価に入っていきたいというふうに思っております。
 四角の中に書いてありますように、これは家庭だけのみならず、事業者の対策も入っておりますが、家庭で行われる対策とほぼ同じメニューですので、今回、同じように評価をしたいというふうに思っております。
 まず、冷暖房温度の28度への引き上げ、それから暖房温度の20度への引き下げということです。これは大綱におきましては、進捗状況に書いてありますように、冷暖房温度の調整を30%の家庭及び40%の事業者が行う。これは追加的に行うということかなというふうに考えております。アンケート調査の方のデータもあるんですが、アンケート調査を行いますと、かなり皆さん、やったというのが出てくるので、むしろ私どもが言っています温暖化対策診断モデル事業で、実際に家庭に入り込みまして、家庭で何度に設定しているかというのを見たデータがあります。これで見ますと、冷暖房温度とも3割程度の家庭においては既に行われているということがありますが、ただ、この診断を行った結果、どういう形で対策の効果があらわれ、全体として評価できるかというのが、現在事業の結果を見る必要があるのではないかというふうに考えております。
 それから、12ページにまいりますが、本対策による省エネ効果、これは結果として燃料とか電力の削減量をもって示されるわけでありますけれども、同様の効果が機器の効率改善などの省エネ対策によっても出るわけでありますので、そういった対策とこれをどう分離していくかというのが大変難しい問題だというふうに考えております。既に実行している家庭がある程度存在しますけれども、この対策自体、意識とか行動にかかっておりまして、関連するデータが限られておりますので、不確実性が大きいというふうに評価しております。
 それから、13ページ、これは省エネ法で定められた特定機器以外の機器についての買換えということであります。ここでは、電球型蛍光灯、省エネレンジ、食器洗い機、節水シャワーヘッドなどを想定しておりますが、データで見ますと、特に食器洗い機に注目しております。近年、このグラフにありますように、出荷量、それから普及率とも急速に伸びております。このような普及率からいいますと、かなりいい線までいくのではないかなということを思っております。
 それから、電球型蛍光灯です。データにつきまして14ページのところに書いてありますが、白熱電球がかなり大幅に減っているというようなデータもあり、ここではちょっとデータでお示しできませんでしたが、電球型蛍光灯においては、現在販売量の1割程度のシェアを占めているのではないかということで、毎年かなりの伸びが見込まれている、そういうものでありますので、ある程度期待できるというふうに考えております。この食器洗い機と電球型蛍光灯についての、ある程度の対策を見込むことができるということでございます。
 それから、15ページ、脱温暖化型のライフスタイル、それからワークスタイルの確立ということであります。この内容は、現在までの対策の進捗状況に書いてありますように、30%の家庭で、例えば家族が同じ部屋で団らんをし、暖房・照明の利用を2割削減する、あるいは1日1時間テレビ利用を減らすなどなど、その中には買い物袋を持ち歩く、これはレジ袋を辞退して、その化石燃料によるCO2を減らすという対策、あるいはエコクッキングなどなどが含まれております。現在、これらについてのデータが大変私どもも苦労しておりまして、例えばテレビの視聴時間について、NHKの調査によって1995年と2000年を比較しておりますが、2000年以降のデータがどうなっているかというようなことについて、なかなかないということであります。
 それから、買い物袋促進の取組などにつきましては、次のページ、16ページにいきますと、各社店頭でのレジ袋辞退率など、A社、B社、C社、D社という形でありますが、各社とも毎年伸びているということがあります。杉並とか所沢などの辞退率が高いんだというデータも載っております。それから、東京ガスが開催している「エコクッキング」の開催の実績を見ましても、参加人数が大幅に増えているということから、こういったものについて関心が集まっているというふうに理解しています。
 ただ、17ページで今後の見通しのところに書いてありますけれども、この対策による省エネ効果というものが、結局は機器類の効率改善と合わさって発現するようなものであるということから、なかなかこの部分だけ省エネ効果を分離することは困難であるということです。それから、データが限られているというようなことから、不確実性は多いと評価せざるを得ないというふうに考えております。
 それから、18ページにまいりまして、駐停車時のアイドリングストップ、それからエコドライブの実践であります。これは、今までの対策の進捗状況に書いてありますが、大綱におきましては20%から40%のドライバーが次のようなことをやるということで、アイドリングストップをしたり、急発進、急加速をしないなどのことであります。これも環境省におきまして「IT技術利用エコドライブ診断事業」という事業を行っております。これは電気機器メーカーの御協力も得ながら、車にデータを送信するような機械を取り付け、それを電波で飛ばしてサーバーで処理し、インターネットを通じましてドライバーに対してフィードバックするということで、具体的に機器類などを利用しながらエコドライブ推進を行いました。この結果、平均5.8%のCO2排出削減が見られたということがありますので、こういったものが普及をすれば、かなり効果が見込めるんではないかというふうに思っております。ただ、今後の見通しの方に書いてありますが、こういったエコドライブ診断システムが長期的に効果が持続するかどうか、そこなどの検証も含めて対策を考えていく必要があるということであります。
 それから、19ページ、これは大規模排出者としての行政自らの率先対策を行うというものであります。これは国、都道府県、市町村でありますけれども、国におきましては事務事業に伴う排出を抑制するための計画をつくりまして、2000年、2001年度を基準にしまして2006年度目標-7%に向けて、関係省庁一丸となって努力をしているところであります。2002年は残念ながらちょっと微増してしまいましたが、さらに対策を推進するということで考えております。それから、都道府県、市町村レベルにおきましても、実行計画をきちんとつくって、その計画に基づいて削減していただくということです。都道府県については、すべての都道府県でできておりますが、市町村においてはまだ3分の1程度でありますので、さらにこれを推進していくということでございます。環境省も、微力ではありますが、推進のための取組なども用意して対策を行っております。
 それから、最後、20ページになりますが、サマータイムの導入ということであります。現在までサマータイムは導入されていないわけでありますが、さまざまな動きがあります。民間におきまして「生活構造改善フォーラム」というような団体が推進したり、あるいは国会におきましても議連をつくろうというような動きがありますので、大変こういったものでサマータイムの実現が期待されるということであります。ただし、まだ制度化のめどというのはついておりませんので、今の段階では不確実性が多いというふうに評価しているわけでございます。
 それから、資料1-4は説明を省略いたします。
 その次、委員限りという形で資料が入っております。
 先ほどから説明したことのまとめということでありますが、機器の効率改善などについてはある程度対策がとられている。それから、高効率の給湯器とか待機電力技術開発など、それなりの削減見直しを得ております。ただ、住宅関係と、それから家庭のエネルギーマネジメントにつきましては、現時点では算定できないとしております。
 それから、1ページめくっていただきまして、国民各界各層のさらなる努力の面でいきますと、省エネ法で定められた特定機器以外の機器の部分です。これは食器洗い機と電球型蛍光灯についての対策をカウントしております。
 あと、それから、参考資料の2というのがございますので、それをあわせてこの機会に御説明させていただきたいと思います。
 後ろの方に参考資料2ということで、普及啓発に関する取組ということであります。実は、環境省もいろいろな取組をしておりまして、最初を開けていただきますと、モーニング娘。の対策が書いてあります。ちょっと、こういうものもやっているんだということで御承知おきいただければと思っておりますが、モーニング娘。が「愛・地球博」なども踏まえまして、「HELP!!熱っちぃ地球を冷ますんだっ。」というミュージカルを、今年の5月から6月にかけて中野サンプラザで行う。それに当たりまして、環境省の「環のくらし応援団」に参加することになったということであります。
 それから、3ページ以降、地方における普及啓発事業をつけておりますが、例えば10ページ目ぐらいをめくっていただきますと、「ダメだっちゃ温暖化 脱・二酸化炭素連邦みやぎ」とか、あるいは、次のページをめくりますと、これは多治見市におけるエコライフの対策です。その後ろの方を見ますと、例えばウルトラマンショーで温暖化対策をやったりとか、各地方公共団体などを含めまして、非常にさまざまな工夫を凝らした温暖化の普及啓発が行われているということをここで紹介しておきたいと思います。
 長くなりましたが、以上です。

○浅野部会長 どうもありがとうございました。
 本日のテーマのこの部分は、考えてみると家庭部門ですから、全部自分の家のことを考えてみると、どれだけやっているのかなというようなところが正直ありますから、発言をすると、何となく天に向かってつばきをするような感じがしないわけでもありませんけれども、それにしても、一覧表で出てきますとどうも寂しい限りで、算定できないとか不確実性が高いとかというのばかり出てくるので、どういうことになるんだろうといささかおろおろする面もあるわけです。しかし、現時点で与えられているデータで事務局で検討した限りは、どうもこういう言い方しかできないということのようでございます。
 例によって、どなたからでも、どの部分についてでも結構でございます。御発言がありましたらお受けしたいと思いますので、お願いいたします。
 では、三橋委員、どうぞ。

○三橋委員 ちょっと幾つか質問というか確認なんですけれども、簡単に言います。
 1つ、最近、これから桜等々があって夜間照明、ライトアップの問題がありますよね。あれなんかは、例えばどういうような位置づけで考えているのかということを、ちょっと伺っておきたいんですけれどもね。あれは要するに電気の無駄なのか、あるいは、景観維持と生活を楽しむためにあの程度は必要なんだというような解釈になるのかね。この辺が1点です。
 それともう一つは、先ほどの日本の住宅事情で、割と日本の場合には冷暖房なんかを個室に1台入れるような傾向がありますよね。それを例えば家全体とか地域全体とか、集合住宅の場合だったら集合住宅全体で入れた方が、長期的には省エネ・省資源になるのかどうかというあたりの、何か比較があれば伺いたいなというふうに思うんです。今でなくても結構ですけれども、日本の場合には各個室に入れるケースが非常に多いわけですよね。したがって、かなりエネルギーを食うんじゃないかなというような感じを持ちます。
 それと、第3番目は、いろいろな省エネ機器、家電製品が出ていますよね。それを普及させていくためのサポート手段というか方法、こういうようなものを具体的に考えているのかどうかと、この3点をとりあえず伺いたいと思います。

○浅野部会長 それでは、ちょっと環境省事務局に答えさせるには荷が重い質問が多かったと思いますが、とりあえずこれも暫定的に答えてください。

○清水地球温暖化対策課長 ライトアップにつきましては、国民各界各層の取組の中では、光害対策として夜間屋外照明の上方光束を50%削減ということで、照明につきましては、下にやって高効率的な照明をしようということを考えております。ただ、ライトアップにつきましては少し検討いたします。
 それから、集合住宅の全体と個別の御議論ですが、全館暖房をしてセントラルヒーティングにしたときと、個別の部屋を暖房したり冷房したりするということもありますので、ちょっとどちらがというのは少し宿題とさせていただければと思います。
 それから、省エネの家電製品の普及対策ということでありますけれども、これはまさに対策という議論でありますので、今は対策の評価でありますけれども、次回以降、将来の対策をするときに是非御議論いただければというふうに思います。

○浅野部会長 ということで、大分上手にはぐらかしたような気もしますが、どうぞ。
 すみません。天野委員が多分先に手を挙げられたのではないかと推測をいたしますので、天野委員、それから青木委員、大塚委員の順番でお願いいたします。

○天野委員 ありがとうございます。私は意見を述べさせていただきます。
 今日の御説明でもありましたけれども、住宅関係からの排出というのは趨勢的に増えていっているわけですね。いろいろな理由があると思うんですけれども、それに対して、先ほどの御指摘にもありましたが、必ずしもこれの十分な対策がとられてきているとは言いにくいような点もありまして、今日の評価のところでも、将来確実性が見込めずに、疑わしいというふうなケースも非常にたくさんあるわけです。
 省エネ法の改正というのが行われまして、建築物について一部厳しくなりましたけれども、それでも、やはり住宅というのは除かれているわけですね。建築物全般について見ましても、EUが2年前に建築物の省エネ指令というのをつくっていますけれども、それと比較をしてみますと、いろいろな点でEUの方が効果がありそうな指令になっているわけですね。まだ実際に動き出すのは少し先ですけれども、そういう点からいいまして、EUと現在の省エネ基準というのがどれぐらい違うのかというのを一度比較してみられたらいいんじゃないかと思うんですが、特に住宅がEUの場合には含まれているんですね。住宅を含む建築物全体についてエネルギーパフォーマンスの最低基準というのをまず決めましょうと。それから、1,000平米超。日本の場合には住宅は入りませんけれども、住宅以外は2,000平米超と倍ぐらい大きいんですが、向こうはその半分ぐらいの、住宅の新築分については最低基準を遵守するように義務づける。ですから、これはちゃんと規制をするわけです。ですから、基準をつくって、あとは守りなさいと言うだけではなくて、きちんと遵守の義務も課す。それから、既築の分についてもきちんと規制をしておりまして、1,000平米を超える分について、既築部分の大きな改修をする場合には、その部分について遵守を義務づける。
 それから、建築物に関して、省エネ基準をどの程度満たしていますかという証明書を発行して、それを住宅の売買のときにつけて行うというふうなやり方ですね。この場合には、そういう証明書の発行等で専門の人がたくさんいますので、そういう人を養成するような制度をつくる。こういう非常に効果の出そうなやり方をとっているわけですが、そういう意味からいいまして、私は、現在のこういう住宅を含めた建築からの温室効果ガスの排出については、まだまだやることがいっぱいあってという気がしております。特に先ほどの御説明にありましたけれども、築後30年以上たっている、非常にたくさんの古い住宅のストックがたまっているわけですね。こういうものは、どんどんこれから買換えだとか新築だとかいうふうに入ってくるわけですけれども、その入ってくるものをすべて緩い基準でしておりますと、そういうものが建ってしまった後に手立てを打とうとすると、また将来にわたってだとすると、50年ぐらいまたかかってしまう。ということは、今の段階で何かきちんと手を打っておかないと、半世紀先になっても同じような問題を抱えて悩んでいるような状態が続くということですので、私は、そういう意味では、きちんとした政策の見直しをする絶好の機会ですから、是非検討していただきたいというふうに思います。
 それから、先ほど申しました、EUのつくりました証明書制度というのは、これはなかなか私はうまい制度ではないかと思っているんです。つまり、証明書が売り手にとってもいいわけですし、買い手にとっても選択基準が分かるわけで、市場の売買を通して、やはり競争を通して建物の省エネを促進するような、そういう側面を持っています。それから、これもお役所がそういうものをきちんとするんじゃなくて、専門の人を養成して民間ベースでそういうことをやっていくということですから、私は、これなんかは大いに日本でも検討する価値のある制度ではないかなというふうに思っています。
 それから、先ほど住宅等で利用される機器類の話がありまして、これを促進したいんだけれども、普及啓発のいろいろな活動をしても、なかなかそれで浸透するかどうかわからないということで、方法ですね。政策手法をこれから検討するというふうなお答えがありましたので、そういった際には、是非経済的な手法、例えば税率の格差を設けて、トップランナーの製品は無税だけれども、それ以外のものには税金がかかるというふうな制度、こういうふうにしますと、別に助成金をどんどん出していただくこともありませんので、例えばですけれども、そういったきっちりとしたインセンティブの働くような制度、対策を考えていただきたいというふうに思います。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 青木委員、どうぞお願いいたします。

○青木委員 広報に関して若干意見を申し上げたいと思います。
 特にライフスタイルの変化、あるいは各界各層の関係の問題でございますけれども、この評価は、全般に現状では達成が難しいという評価になっておりますが、まさにそのとおりだろうと思います。非常に対策がとりにくい分野でございますけれども、すべての対策の基盤となる非常に重要な分野であるというふうに思います。
 ライフスタイルの変化をしていくためには、もちろんいろいろな機器の改善でございますとか、例えばここでは直接ありませんでしたけれども、公共交通機関に乗ってもらうとかいうような、ライフスタイルを変えていくためには、やはり一人一人の意識、行動を改革していかなければ、物を変えていっただけではなかなか達成できない。逆に、各一人ひとりがすべてのことを十分理解して行動に移してくれれば、相当の効果が期待できるわけでございます。大綱の策定をしたときに基礎となりました、平成14年2月の環境に優しいライフスタイルの実態調査を見てみたんですが、これは地球環境問題に関心のある人は78%ぐらい、ところが、情報を得ている方というのは25%にすぎないし、そのうち十分情報を持っているという人は1%にもすぎないという状態であったわけですけれども、これが今までの活動で解消されているとはとても思えないというふうに思います。
 また、今回の資料で、サマータイムの方の調査で首長の調査がございましたけれども、その中で最高65.2%がよく知らない。資料1-4-2の33ページか何かだと思うんですが、65%の方が知らない、首長さんで知らないという結果になっているわけですけれども、やはりまだまだよく周知されていない、大切さが周知されていないと思います。やはり基本は徹底した広報、あるいは情報の提供が必要だろうと思います。
 桝本委員が前回文書で提出され、今回も御意見をおっしゃっているようですけれども、私は、その御意見に賛成です。環境省も非常に努力されまして、広報キャンペーンや「環のくらし会議」など評価すべきものもありますし、モーニング娘。もいろいろ活用するということで、それは非常に賛成でございますけれども、世界的・長期的に一般無関心層の方を含めて全員の方がやっていかなければならない大きなイベントであると考えますと、広報活動はまだまだ不十分だろうと思います。
 私は、大阪の花の万博にいろいろ関係して、いろいろ考えておるわけでございますけれども、広報というのは非常に難しいと思います。テレビでいろいろなことを報道しましても、関心のない人は、当然見ているはずなんですけれども全然理解していない。また、いろいろの層でありますとか、都市とか地方とか地域でありますとか、男女の性でありますとか、年齢でも関心が全く異なりますし、媒体も、これもよく分かりますけれども、サラリーマンなどの方に情報を提供しようとすれば、スポーツ紙でありますとか車内の広告をしなければ、なかなか伝わっていかない。いろいろ多様なことを考えていかないと伝わっていかないと思います。今、環境省がやっていることは非常に大切だと思いますが、これは非常に関心のある方とか、ある程度関心のある方に普及していくには非常に有効な方法だと思いますけれども、さらにそういった方々も一般の方々に普及してもらうためには、バックアップしてくれる情報が一般に流されている必要もあると思います。そういう意味でいきますと、今後対策の際に議論したいと思いますけれども、政府も広報にはお金を使わないというようなことはおっしゃらずに、やはりお金も相当用意されて、民間も含めて全体の広報戦略をどうするかということをきちんと練っていく必要があるというふうに考えます。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員 4点ほど申し上げたいと思います。
 最初に住宅の件でございますが、資料の1-2の19ページで、先ほど課長の方から御説明がございましたけれども、これを全部入れかえると40年から50年かかるということでございますので、こういう時間がかかる対策というのは早目にとっておくことが必要だというふうに感じます。平成11年基準を直ちに義務づけることができるかどうかというのは、なかなか難しいかもしれませんが、他省庁の協力を得ながら、是非検討していただきたいと思います。
 それから、第2点ですけれども、今日はそんなに出てきていなかった気がしますが、この住宅の関係で、断熱の強化とか、あるいは太陽光パネルというようなものをつけた場合に、そういう温暖化対策をしたというエコハウスができた場合に、初期投資の費用が上がるために固定資産税も上がってしまうということが出てくるかと思います。これをこのままにしておくと、温暖化対策に協力をした人がばかを見るということになりかねないところでございますので、是非こういう場合の固定資産税の減税について検討していただきたいと思います。
 それから、第3点でございますが、サマータイム制についてのお話がございました。これは省エネの効果もございますし、諸外国で行っているということもありますので実現可能だと思いますし、シンボル的な意味もあると思いますので、是非やっていただきたいと思いますが、他方で、同時に、なかなか日本では反対も多いというところも残念ながらあって、現在のところはこれを見込んで数字を計算していくというわけにはなかなかいかないところもあるので、ほかの対策で代替するということも同時に考えておかなければ、残念ながらいかないということではないかと思います。
 それから、第4点としては、非常に一般的なお話ですけれども、こういう個々の対策を行っていくことは非常に重要だと思いますが、他方で、一部の意識が高い人だけに頼っている政策というのは、どうしても広がりが出てこないという問題が残念ながらございますので、温暖化対策税のような経済的なインセンティブを与えるということが、家庭部門への対策として非常に重要ではないかということを申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 それでは、平尾委員、お願いいたします。

○平尾委員 大分話も出ておりますが、2点、同じようなことになるかもわかりません。
 1つは、大口の機器の効率改善対策のところでございます。国と関連産業界挙げて、技術は相当進んでおるし、達成していることは非常にありがたい、結構なことだと思うんですが、この話は、いつも申し上げております普及でございます。そういう中で、資料の1-3-1の今後の見通しのところ、2ページ目にございますが、下2行で「こうした機器の普及・代替次第では、大綱に示された以上の」と、こういうふうに「普及・代替次第では」という、これが最もこの世界で大事なことでございます。したがいまして、これはどういうふうに普及させていくのかというシナリオを、それに対する補助金、あるいはインセンティブを含めて絵をかいていかなければ捕捉できないんではないか。これは産業の方の御批判もいろいろございますけれども、とらえてみますと、産業というのは、もう資産税、事業税を払って、ちゃんと登録しておりますから逃げ場がない。したがって、中をきちんと技術開発してCO2削減に取り組んでいくしかない。そういう状態に追い込まれてやっておるわけですが、この不特定多数の世界を対象にやるのは、どう普及していくかというのがポイントでございますので、揚げ足を取るわけじゃないんですけれども、この何とか次第ではというより、むしろこれが一番大事なことではないかというふうに思っております。
 それから、もう一つはサマータイムでございますが、それと同じようなことで、これまで国会議員さんが3分の2以上、それから地方の首長さんが3分の2以上御賛成になっているわけでございますけれども、これがまだどういうふうにいくか全くわからないということですから、これ、今後どういうふうなスケジュールで議論されていかれるのかということ。これは質問でございます。
 以上です。

○浅野部会長 それでは、久保田委員が先に手を挙げておられますので、久保田委員、それから佐和委員、福川委員、飯田委員と浅岡委員。ほかに永里委員、永田委員ですね。それでは、その順番でお願いいたします。

○久保田委員 ありがとうございます。
 労働組合の連合の立場で発言をさせていただきます。国民各界各層の取組というのは、1つの部門での取組ではありますけれども、やはりすべての土台になる、まさに大変重要なところだと思います。各企業が努力するのも、そういうことについてちゃんと評価をする消費者の目があってこそインセンティブが働いていくというふうに思いますので、実は最も大事なことだけれどもなかなか数量化しにくいと、こういう部類に入るのだろうと思います。連合の立場、あるいは労働組合という立場では、2つの側面をもっています。第1の側面は、各産業企業や職場でいかに商品や企業行動などさまざまなことを環境に易しいものにシフトさせていくかという活動です。もう一つの側面は、家庭に帰り、地域に帰り、一人ひとりの消費者、生活者としての草の根の行動にどう立ち上がるかという活動です。これまで労働組合なりに随分努力をしてきたつもりです。過去5年間ぐらい、エコライフ21運動というのをいろいろ取り上げてやっていますし、また、ライフスタイルの見直しを考える環境会議等も立ち上げ、その中の一員としていろいろなことを取り組んできているつもりです。また、連合は700万組合員と言われていますけれども、それぞれの産業別の組合、それから、その傘下のそれぞれの企業別組合の労使でも、あるいは労働組合独自でもまさにさまざまな運動・行動をやっているのですが、なかなかそれがはかりにくいという面がございます。
 例えば、かなりの産別でやっているのは、毎月送られてくる電力会社のちょうど前年同期比と比べた電力使用料と比べて、今、エコライフをこうやってやろうと。それぞれ家庭でテレビを1時間消したり冷暖房の設定温度を調整したり、こまめに証明や待機電源を切ったり、そういう行動によって自らの電力消費量が幾ら下がったかをチェックしてもらい運動を興していますが、その運動の裾野をどうやって広げるかどうやって持続をさせるかということは大変苦労するところではありますが、やはり大事です。
 労働組合だけではなくて、会社毎に労使でどうやって取り組むのか現実に取り組んでいるところもありますが、さらなる努力のよりは大いにあると思います。要は、そういう運動や行動に対しどうインセンティブを働かせてやるか。そしてちゃんとそれを評価して、しかも継続していくためにどういう仕掛けを作るか。こういう視点をあらゆるところでやっていくべきではないかと思いますし、環境省としても一体どういう支援ができるのか等の、何かもう少し知恵といいますか、あるいは資本投下といいますか、そういうことについても考えていただきたい。
 みんなの意識を高める為には、やはり広報戦略、あるいはキャンペーン戦略というのが非常に大事だと思います。先ほどありましたモーニング娘。のキャンペーン活動だとか、そういうことについても、私は賛成です。どうしても頭のかたい官庁の広報という側面から脱皮して、これからの時代は環境にやさしいライフスタイルがむしろ格好いい。しかめ面をして「やらねばならぬ」でやるんではなくて、そちらの方が格好いいということでどうやって誘引していくのかが大事だろうと思います。実は地殻変動はすでに始まっているんじゃないかという感じがいたしますのでそれをもっと大きなうねりにしていくチャンスではないかと思っています。
 それから、2つ目に、その際にもやはり日本の政府のリーダーシップをということをもっと強く出すべきではないか。私もこの会議に去年の10月から来まして「えっ。ちょっと、こんなところまで議論になっているの」とびっくりした感想を持っています。京都議定書をとりまとめたCOP3のときの環境問題への関心の高まりや意識に対して、今日本の政府としては一体どういうスタンスなのか。そのときに、小泉首相がこのことに対してどれだけ発言し、どういう理念や哲学をもっておられるのかが見えてこない。そういうところの突破力というか、そういうところのあれというのも非常に大事じゃないかと思いますので、トータルとしての日本の政府のこの問題に対する危機感とリーダーシップを、是非もう少し前に出すべきじゃないかと思います。
 長くなりましてすみません。最後に、サマータイムのことが言われています。実は、連合運動にとっても、このことについてはまだ十分議論できておりません。正直言いまして、賛成、反対、いろいろあると思います。随分前に1回労働運動でこのことを取り上げて議論したときに、1つは環境問題に本当にどこまで寄与するのか。環境を旗印に掲げたときの実効性という点では、かなり疑問が出された経過があります。それから、2つ目に、今、不払い残業の問題だとか、いわゆる日本のさまざまな労働基準法や最低限のルールがデフレ不況や雇用問題の深刻化の中で守られずに、じゃじゃ漏れ状態になっているという現実があります。そういう中でのサマータイム議論は時間外労働の増大や労働強化に繋がっていくのではないかという警戒論です。 80年代の1,800時間運動など総労働時間短縮運動が盛りあがったときとは、逆のトレンドが働いている時だけに、もし検討するにしても、本当にもう一度しっかりした国民的議論が要るのではないかと思います。
 むしろ連合としても軽々とは言えませんが一度こういう機会に新ためて真剣に議論してみるべきではないかというふうに思いますが、それだけに、中途半端な取組方では、私は失敗するんじゃないかと感じます。やるんであれば、本当に世の中を変え、暮らし方を変え、働き方を変えというところまで、やはり一貫した理念や考え方をもってとしてやるべきです。男女共同参画社会やエイジレス社会や、いろいろな意味の均等待遇の問題や、さまざまなことを含めて、社会の有り様やライフスタイルそのものをえていく、そのための一つのきっかけづくりとしてやってみようじゃないかというようなことで、本当に政労使がまとまるのか。そういう大きなテーマに挑戦していくことについて、政府全体として何か一つの方向性を打ち出していくべきじゃないかなというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 あと、御発言御希望の方が何人かいらっしゃるんですが、もうほかにいらっしゃいませんか。よろしゅうございますか。これでもう御発言は追加は打ち切らせていただきます。あしからず。
 それでは、福川委員から──佐和委員が先でしたか。失礼致しました。では佐和委員、福川委員。

○佐和委員 本当は飯田さんの方が早かったんだけれども。
 今のサマータイムの問題で、あれ、もともと、昭和20年代の初めごろに2年間導入されたことがあって、なぜやめになったかというと、結局労働組合が、労働強化につながるというのが一番の反対理由で、それで廃止になったんです。そういう意味で、非常に奥歯に物が挟まったような言い方をなされたんだと思います。
 それから、さっき三橋委員とか天野委員からも御意見があったように、私、これを言うのは2度目ぐらいですけれども、もともとの温暖化対策推進大綱は、要するにこういうことをやればいい、何万トン削減できるとかいうことばかり書いてあって、そんなことの羅列になっているわけですね。だから、それが一体費用がどれだけかかるのかということと、だれがその費用を負担するのか。そして同時に誘導ですね。誘導策ということについて何ら触れていないということで、何といっても日本は市場経済の国ですから、いかにして誘導するかという、そこが一番重要なことだというふうに思います。
 例えば、資料の1-2の10ページのところに、家庭における電力消費量というのが棒グラフでかいてありますね。これは時間単位で書いていますから、キロワットでもキロワットアワーでも同じだと思うんですが、これで見ますと、要するに電力を節約するということは、何もトータルのキロワットアワーを少なくするということだけではなくて、ピークをカットするということが、やはり本当の意味での節約なんですね。そして、特に日本の場合、いわゆる電力供給のベースロードというのが石炭と原子力でやっていて、そして、例えば夜、急にこういうふうにピークが出てきたときには、天然ガス、石油などの負荷調整のしやすい電源で賄っているというようなのが現状ですよね。そういう意味では、ピークをカットするためにはどうすればいいか。
 そうすると、これはアメリカなんかで実際に、かつてといいますか、ちょうど第2次オイルショックの後ぐらいに社会実験をやっているんですね。ある地域に対してピークロードプライシングという、電力価格の変動といいますか、要するにピークのところを高くするというようなことで、できるだけ平準化するというようなことですね。例えばさっき、冷房とか暖房の設定温度を1度下げるとか上げればどうなると言っていましたけれども、例えばこれは12月ですよね。仮にエアコンで暖房している場合、その設定温度を1度上げるなんていうようなことは、やはりこれはそういうピークロードプライシングがあって初めて動機づけられるわけですよね。だから、やはりそういうインセンティブとかいうようなことをもっと意識されて、是非大綱づくりをやっていただきたいと思います。
 以上です。

○浅野部会長 福川委員、どうぞ。

○福川委員 これは大変捕捉が難しい分野をいろいろ調査されて、御苦労のほどがよく分かります。これをどういうふうにより効果あらしめるかということなんですが、私も今、佐和委員のおっしゃったことと同じようなことを考えておったわけです。これから、いろいろな対策をやる、それはそれなりに必要ではありますが、やはりある程度どこか狙いをつけて集中的にやるということも考えたらいいと思います。そうなると、やはり重要なのは住宅問題と、それから家電の問題。家電による電気の問題ということでしょうから、これについて少し徹底的に掘り下げてみる。その際に重要なのが、今、佐和委員も言われましたが、インセンティブとディスインセンティブをもっときちんと明確にしていく。いいことをしている人にはインセンティブを与える。しかし、かなりそれによる問題がある場合にはディスインセンティブをするというようなことも考えた方がいいのではないかと思います。
 それから、よく議論になるのが自動販売機の待機電力のようなことになるわけですが、これも確かに欧米に比べると、日本は確かには生活の便益上必要ということになりますが、生活の便益を落とせというわけにはもちろんいかないと思います。しかし、そういう便益を求める人に対しては負担を求めるということもあってもいいと思うし、今、あんなにたくさん自動販売機がなくてもいいんじゃないかとは思います。それは経済現象ですから、それをどこが良い、悪いと言えないと思いますが、しかし、それについては何かディスインセンティブを与えるということも考えていいのではないかと思います。
 それから、1つ、やはり節約に目立つことを大いにやってみたらいい。PRについて、いろいろ明確な論旨を展開したり、あるいは有名タレントに語らせたりというのも一つなんですが、やはり話題になることをきちんと目に見えるものとして、まずやってみるというのも一つだと思います。総理が出てしゃべるというお話がありましたが、例えば本当に国会の建物を見ていると、あれは非常にエネルギー効率が悪そうな建物ですし、悪いのはエネルギー効率だけじゃないのかもしれませんが、特にエネルギー効率は悪そうに見える。あれはやはりもっと徹底的に改善をしてみる必要があるように思うし、もっと国会議員が率先して省エネの何らかの運動をしてもらうというようなことも必要でしょう。環境省の人は全員電車で通うとか自転車で通うというのもあるかもしれませんが、とにかく話題性のあるものをつくるということを少し考えてみてはいかがかと思います。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 それでは、永田委員、永里委員、どうぞ。

○永里委員 それでは、永里からお話しします。
 供給サイドをチェックしてCO2削減を図るというのは、非常に重要なんですけれども、こういう今回の需要サイドの意識改革を図って削減していくということも非常に重要だと思います。
 そこで、教育、それから啓蒙の広報活動をやればいいということになるんですが、これは言うは非常にたやすいんですけれども、効果が非常に怪しいということになると思います。ですから、ここで今、皆さんがおっしゃっていますけれども、事業者とか生活者にとって非常にわかりやすい対策が求められるんだろうと思うんですね。例えば、非常に象徴的なことで分かりやすい対策をやれば、みんながはっと考えるんじゃないか。よく最近ではあるんですが、たばこをやめさせるために千代田区がポイ捨てに対して罰金を与えています。ああいうことは非常に皆さんも考えますので、そういう教育効果のある広報が必要なんじゃないかと思います。
 また、省エネ対策の住宅に関しましても、住宅金融公庫の割り増し融資に対する仕組みというのは、民間金融機関にも同じようなスキームをつくればいいんじゃないかなと、こういうことをお願いしたいと思います。

○永田委員 もう時間もないので、簡単に3点ほど申し上げさせていただきたいんですが、1つは、先ほども話が説明の中でもありましたけれども、ストックに対する対応策、確実な削減が見込める方法というのをもう少しきちんと探していかなくちゃいけないというふうに思いますし、また、それに対するインセンティブをつけていかなくちゃいけないんだろうと思います。リフォームの話、あるいは、桝本さんのお話なんかでも、何かストックに対してもうまく使えるようなものを開発していってもらう。そういう方向性というのも一つ期待してもいいのかなというふうに思いました。その辺はきちんとやっていただきたいなと思います。
 それから、もう一つは地方自治体なんですが、ここに挙げられているような住宅だとか、あるいは学校だとかということも含めて、かなり影響の及ぶ範囲でやれるところがあるんじゃないかなというふうに思っているんですが、余りそういうものが表立って出てこない。そういう意味では、ここの中に挙げられている中で、地方自治体が率先して取り組んでいくと、それが具体的な例として目に見えるような形、目立つような形で出てくるものがあるんではないか、あるいはそういうこともやっておられるんじゃないかというふうに思います。そういう意味では、もう少しそういう地方自治体の率先、あるいは国も含めてやっていただくような体制というのが必要なんだろうと思っていますし、それを公表して、我々も参考になるような形にしていただきたいなと思っています。
 それから、もう一つは、ユーザー対応、それからメーカー対応という話だけじゃなくて、その間に挟まるような人たちに対して情報提供とかインセンティブをどうつけていくかという話もあるんだろうというふうに思っています。例えば、ここでいうところの住宅の話だとすれば、それをつくる側の工務店の人とか、そういう人たちがきちんとした情報を持つこと、あるいは、何かそこに対するインセンティブというのがあれば、それをまたきかせるような方法論を展開していく。そういうことが普及促進なり効果の拡大なりには必要になっていくんじゃないかなと思いまして、以上の3点を申し上げたいと思います。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 それでは、飯田委員から順次マイクを回すことになりますので、順番にこちらにお願いいたします。安原委員が最後になります。

○飯田(哲)委員 手短かつポイントを絞って5点ほど。
 1点目は半分質問なんですけれども、この委員限りとして配付されたものの中の、機器の効率改善で、これは2010年、家庭部門の目標375万キロリットルを超えて382万キロリットル削減効果がありそうだという見通しなんですけれども、現実には、この資料1-2の3ページ目なんかで、電力は既に23.3%、約1,600万トン既に増えている趨勢で、本当に2010年にこれだけ減るのかどうか。これはもう増えるトレンドの中で、ストックが増えるベースで、増えるベース基準から減るという解釈なのか、ちょっとそこら辺が分かりにくいなと。むしろトップランナー基準がストック数の拡大を補えていないのではないかというような気がするんですけれども、そのあたりをちょっとはっきりさせてほしい。
 2点目については、施策の具体化。先ほど天野先生の方から欧州の住宅の御紹介がありましたので、私も機器の方を少し御紹介したいんですけれども、日本のトップランナー基準というのは非常に分かりにくくて、やはり欧州のようなラベリングの方が非常に分かりやすい。それに倣って、今、東京都と京都市が、もう少し分かりやすい自治体ラベルというのを今つくって、今年からハーモナイゼーションする。さらに、先ほどインセンティブという話がありましたけれども、例えばデンマークだと、AからFのうちのE以下は販売禁止と。そのかわりAについては、いわゆる省電力基金の中からAの機器に対して具体的に補助金を出すというような施策をしていますから、先ほど天野先生からは減税という話があったんですが、それこそ石特の機器補助を直接もうぶち込んだ方が早いのではないかというふうに私は思います。
 それから、3点目は、住宅はもう先ほど皆さんおっしゃったのであれなんですけれども、やはりもう、いわゆる努力義務では限界があるんではないか。なぜ断熱基準が義務化にならないのかというあたりの役所の論理的な限界というのは一体どこにあるのか。そもそも日本の基準というのは、デンマーク、ドイツなんかよりはるかに緩くて、次世代基準でも、まだまだせいぜいアメリカのツー・バイ・フォーがあれば満足できる程度の非常に緩やかな基準ですよね。それすら義務にならない。それも、さらにインセンティブをつけるとすれば、先ほど大塚委員から固定資産税という話があったんですけれども、固定資産税は地方自治体の財源なので、これを取るのは非常にしのびなくて、むしろ今、非常に大型の住宅減税を今までやっていて、なぜこの住宅減税と断熱基準なんかを組み合わせるような発想が出てこないのかというところが非常に不思議で、やるのであれば国税の方で対応した方がいいんではないか。
 それから、先ほど出た住宅のストックの対応については、出ましたので省略します。
 4点目は熱ですね。日本の電力は電力会社があって電力政策はあるんですけれども、熱という形で政策をとらえることが全くないので、これをきちんと政策体系をつくる必要があるんじゃないか。プライオリティーとして、断熱が一番まずプライオリティーが高くて、2番目に自然エネルギーの熱。3番目に廃熱、4番目がヒートポンプの熱というようなプライオリティーづけで、きちんと優遇策とか誘導策をつくっていくということが必要ではないか。ちなみに、私の住宅は断熱と、それからまきストーブですので、ほとんど暖房に関してはCO2を出しておりません。
 それから、5点目ですけれども、先ほどのいわゆる広報普及なんですが、清水課長が「モー娘。」を説明されるのもいいんですけれども、「モー娘。」をやるのも悪くはないんですが、もうちょっと科学的にできないのかなというふうに思うんですね。というのは、「モー娘。」が例えば言ったからといって、果たしてまず伝わるかどうかというものがあります。伝え方にもいろいろ、いろんな人のセグメンテーションがあって、どう伝わるかというのがありますし、次に、伝わったからといって行動するかどうかという話があります。行動するときに、行動しようとしてオプションがあるのか。そのときに、さらにインセンティブがあるか。すごく議論の幅というか、もっとサイエンス的にアプローチしないと、広報普及すれば何かできるというのは、ちょっと現代の一応環境省の施策を審議するこの審議会の場においては、若干もうちょっと質の高い議論が求められるんではないかというふうに思います。
 以上です。

○浅野部会長 ついいろいろコメントをしたくなってしまう発言が続くんですが、私は我慢をして、浅岡委員、どうぞ。

○浅岡委員 1つ、まず質問なんですが、1-2の11ページのところにありますその他動力というところに、最近大変広まっている深夜電力、夜給湯というのは入っているんでしょうか。住宅と機器等も関連するんですけれども、最近、土日になりますと、私のところでも新しいマンションのチラシが山と入るんですが、オール電化を売り物にしていて、床暖房も電気でやるんだと思いますけれども、もちろん給湯も電気が入っているわけですね。これらのことを今後どう見ていくのかというのを本気で考えないと、今考えていることと違う流れがどんどん進んでいくのではないか。電力会社と建築業界とが一体となってそれを進めるというふうにも報道されていますので、またしっかりした検討を持っていただきたいなと思っています。
 この民生の家庭に関する部分というのは、私たちが地域のNGOの人たちと協力しながらやっている一番大きな仕事の分野でありまして、確かに排出主体から見ると、日本全体では事業系が8割であると、家庭系が2割だといいますが、大方の地域で大きな工場のないところは、かなり家庭部門の排出が占める。京都なんかもそうなんですけれども、その割合はもっと大きいですね、家庭の部分の割合も。そういう意味で、地域の対策を考えるというときに、私たちはやはり家庭からに起因するものに注目をして、できることをいろいろやりたいと考えているわけです。やっていこうとするときに、何が一番やはり困ることかといいますと、確かに機器は効率改善している部分があるようだと。今日の資料もいろいろ詳しく出していただいたものが大変参考になりました。それらが分かりにくいと選択率が上がらない。そこをラベル等でこれからつながるようにしていかなきゃいけないという施策が1つ新たに必要になるだろう。さらに、それでも選択に任せるというよりは、もっとインセンティブの働く形でできるようにと、私たちがこのラベルを販売店と協力しながら、いかに消費者がそれを選んでくれるようにという普及啓発も一緒にやっているんですけれども、そういうことにとどまらないシステムというものをつくっていくべきじゃないかというのが、東京都とか京都の中での経験でより感じられているところであります。
 それから、この対象機器というのは事業部門でも同じなんですけれども、新しい機器とか新しいものは、複合型になっているものというのは外れているんですよね。対象になるのにしばらくかかる。というのは、事務業務で、私どものような事務所でもコピー機やファクス機を調達しようと思うと、今は複合機しかないし、多分新しくできるのはみんな複合機だと思いますけれども、全然そこらがこの機器に入っていないというのが現状であったりします。そういうものがやはり幾つもありますから、早く対象に加えていくということが一つ大事だと思いますが、現在入っているものは、かつての商品にある意味でなってしまったかもしれないものというのは、見通しですと、そもそも大綱の目標は、大綱の中で入れていった効率改善の目標は達成しそうだというような見通しがありますけれども、その目標自身が不十分だったのかもしれない。もっと本当は改善の余地があるんじゃないか。さらに深掘りするということは、資源開発の立場からいっても国際的な市場を考えても、決して損なことではないだろうと思いますから、これで2007年目標を達成したからもういいやというふうに考えるんじゃなくて、できるところをさらに深めるということもあわせて頑張っていただきたいなと思います。
 それから、ちょっと時間が長くなって恐縮ですが、住宅のところについて、やはり私がデータを欲しいと思うのは、1-2の19ページの、これでストック全体の配分状況が分かるんですけれども、このうちどこにどの程度新しい基準のものが入っているのかということを重ねることができないんですね。それが資料1-3-1の7ページとか8ページにグラフがありますが、これはみんなパーセンテージなんです。8ページの方の新設住宅着工戸数というものは100万戸から120万戸ぐらいというのが最近の傾向でありますけれども、あとはみんなパーセンテージでありまして、住宅金融公庫の融資部分というのがすごく減っていることが、いろいろな意味での、事業者機器の問題も含めて今後もそうでありましょうし、急速な低下でありますし、これに頼るのは難しいことと、現実に建築の人に聞きますと、これがすごくややこしいんだそうですね。それで、個人の住宅を建てているようなところで建築業者の人がこれを通そうと思うと、もうとても大変であきらめてしまうというか、それで大規模住宅のところだけで動いているというのも現状のように思います。だから、そういうものをもっと入れやすくするとともに、先ほどから指摘があるように、これは是非とも基準化を図らないと、新築の住宅の50%と、こういう目標に今の状況ではとても、いかに普及啓発広報をしようと、これは無理な話だと思います。住宅金融公庫が13%ですが、その13%のどれだけが入るかという点で考えると、もう本当に小さな数字になっちゃうというのが現状であります。
 先ほどから説明を申し上げたように、今やらないと何十年もの問題で、確かに日本の住宅に対する消費者の願望というのは、もうとてもまだ劣悪なものがありまして、欠陥住宅でないとか、家が傾かないとか雨漏りがしないとか、そこで規格の表示制度等も入れていったというところですけれども、やはりそこにこうした、もっといいものを入れていくということをしないと、国民の本当に前向きな意識というものもつくっていけないのではないかとつくづく思います。
 それから、もう一つ、一言だけすみません。ストック対策について、先ほどの資料1-2の19ページのところでして、本当にこれにうまく新基準のものを入れていければ、いかにストックが大きいかということが一見して見えると思いますけれども、ストックは幸い、私どももドイツなどでKLIBAというところがやっていることなどを学びながら、地域で今やろうと仕掛けています。地域でのそういう取組と、もう一つ、固定資産税の減税というのが1つ一番わかりやすい制度ですけれども、そういうものを何かバックをつけていってセットをして、そして具体的な地域の普及対策とセットにしてやることで考えていただく必要があるかと思います。

○浅野部会長 和気委員、お願いします。

○和気委員 簡単に、もう既に出てきている議論ですが、実は逆説的ですけれども、こういうグローバルな地球温暖化問題を議論する際に、それぞれの一人一人がどう意識し行動するかという、特に家庭部門、あるいは需要の側面から言うと、やはりかなりローカルな議論が必要になってくるというのが私の考えるところであります。特に今日の資料で随分いろいろなことが分かってまいりましたのですが、実はこのもとデータが、おそらく地方自治体を含め、あるいは省庁から出てくる地方データ、地方自治体のデータを積み上げて集計されたものだと思うんですが、実は、この集計することによる誤謬が起こっていて、国全体として対策をとるんだけれども、実は私たちが住宅や家電製品をつくったり使ったりする、いわゆる生活の視点が、どこかのコミュニティーに依存するという、所属しているという視点が私たちの中にあると思うんですね。そうすると、どのコミュニティーで私たちは過ごしていて、その過ごしているコミュニティーは環境にどのぐらいいいのか、地球環境にいいのかという、その両方が多分とても重要なんだと。したがって、広報活動も、あるいは対策も、ある意味でネーションワイドでやるのも重要ですが、ローカルな、あるいは地方自治体をベースにしたあるコミュニティーの中でのこういう排出量も含めた環境情報データが、きちんと国単位として共有できるというような情報システムを、やはりつくっておく必要があるだろうというふうに思っています。
 多分皆さんがおっしゃるところと大方かぶるんですが、そういう意味では地方自治体、あるいは地域のコミュニティーの情報が、何かちょっと隠れてしまっているんではないかというふうに感じております。その中で対策や、あるいはネーションワイドの温暖化対策税制も含めて議論、ポリシーミックスで考えていかなきゃならないんじゃないかというふうに思います。

○浅岡部会長 ありがとうございました。
 桝井委員。

○桝井委員 非常に短くいきたいと思います。
 この広報の問題、特に民生──民生というより家庭については非常に難しい問題があって、「モーニング娘。」もいいけれども、足の上げ下げまで言うようなことをいろいろやって言う議論をいつまでもしていてもしようがないと思います。この分野においては、大体言われましたように、住宅であるとか機器であるとか車とかが増えたと、大体のところを絞ってやればいいんじゃないかということが1つと、もう1つは、この民生分野につきましては、これまでも民生が増えている、運輸が増えているという形で、国民というか、皆さんから見ると、自分たちも増えていると思ったけれども、結局企業が8割、民生が2割じゃないかと。全体像の中で、やはりこれは広報ということ、あるいは減税対策も考えなきゃいけないというふうに思います。
 それから、この広報でいろいろ言うわけですけれども、細かいことを言えば切りがない話になってきますから、じゃ、どういう対策があるんだと、合理的な対策は何だということを言う人もかなり多かろうと思うんです。そのときは、いろいろ異論があるけれども、これは環境税だと。環境税というすべてにかかる税の中で、その中でインセンティブ、あるいはディスインセンティブという形のもので、非常に整合的な話になっていくんだという、その道筋ぐらいはちゃんと示してほしいなと、こういう意見もございました。千代田区でたばこを吸っていると罰金、これぐらいないと一般には分からんぞというような御意見もあったわけですけれども、全体を総合的に合理的に示す道筋、それがいいか悪いかということはないけれども、こういう道が一番合理的なんだということは広報としてどこかにあったっていいんじゃないかと思います。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 安原委員、お願いいたします。

○安原委員 家庭部門の取組というのは、なかなか容易ではない。いろいろな方策の積み上げということで、なかなか履行しがたいということではありますが、その中で、やはり政策的に取組を重点的に進めるというか、皆さんがやはりおっしゃるように、1つは住宅部門だと思うんです。努力義務にとどまっているのは、やはりどう考えても不十分ではないかなという気がいたします。インセンティブとしては、住宅公庫の割り増し融資の対象になるということですが、これが民間住宅ローンに切り替わっていくわけでございますが、そうなっても最低限、民間住宅ローンに切り替わっても、実質的な割り増し融資は受けられるように特に配慮はしていただきたいと思いますが、それではやはり不十分で、できれば、やはり皆様がおっしゃいますように、建築基準法における基準に何とか位置づけができないのかということだと思います。いろいろな問題があって、そこまでできていないとは思いますが、何とか知恵を絞って、それに近いような内容にしてもらいたい。検討をお願いしておきたいと思います。
 それから、もう一点は、資料1-3-2の19ページですか。国、地方公共団体の事務・事業に関する対策の実施ということで、実行計画の策定が法律で義務づけがされたということになっておりますが、市町村はなお32%の計画策定率にとどまっているということでございますので、これは是非市町村に、都道府県共々協力して働きかけをして、早期にタイムリミットを切って、100%に早くなるように一段の努力をしていただきたいと思います。そうすれば、地方公共団体も含めてパブリックセクターがグリーン購入の率先垂範をしていくというのが動き出すと思うんですね。グリーン購入をどんどん進めていく上でも、この種の対応は必要ではないかと。そして、市町村が全部こういうたぐいの計画を持っているのであれば、それがまたほかの分野に波及効果を持っていくと思うんですね。いろいろな市町村における民間部門への指導にも活用されると思いますので、ここは非常に重要な事柄だと思いますので、是非タイムリミットを切って、計画策定率が早く100%になるように努力をお願いしたいと思います。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 いろいろ御意見を多岐にわたっていただきまして、多くのものは環境省に対する激励なりおしかりなりというような中身であったような気がいたします。
 御質問の形で特に明示で出ておりますのは、平尾委員からサマータイムについて、今後のスケジュール、見通しはあるのかねという御質問がございましたが、この点に関しては久保田委員からもある種の御発言がございます。また、佐和委員から過去の経緯についてのコメントもありました。
 特にこんなところで私の立場で物を言ってしまうとまずいのかもしれませんが、九州にいる者にとっては、やはり東京にいる人とはかなり違うということがあるので、これはやはり地域の問題としてきちんと考えなきゃいけないんではないか。それから、例えば久保田委員がおっしゃったような、確かにサービス残業を増やしてしまうなんていう話があるんですけれども、例えばワークシェアリングのようなものときっちり結びつけるようなとか、いろいろなことが議論の種としてはあるので、ただ単にほんのちょっと温室効果ガス削減の効果があるからという目先の話と言っては申しわけないんですけれども、一つのシンボルとして、やれば何とかなるという、どうも一点突破の対象としてはそう賢いものではない。そこまで犠牲を払って大きな社会の変革をしようというなら、やはりそれがもっとほかのところにもさまざまな意味でいい効果を上げるということがないとまずいんではないか。もうちょっと単なるキャンペーンではない議論を、冷静に、しかも急いでやらなきゃいけない。何となくきちんと細かくつめた議論をしないで、しかし、やると決まると、ほとんどまともな議論もなしにダダダッといってしまうという、議論の仕方ではと、どうも余りうれしくないなという感じがします。ほかの委員会でも「環境政策では総理の顔が見えないね」という御発言があったんですが、これは今日の久保田委員の御発言は、確かにそうだろうと思います。大綱は最終的に政府が考えることですから、そこでしっかり政府としての姿勢を示せということが当審議会の強い意見であるということを、私も心に銘記しておきたいと思います。
 それから、あと、浅岡委員からの発言は簡単な技術的な御質問のように見えるものですが、しかし、これは先ほどのライトアップと同じように深い問題をはらんでいるものです、もし清水課長から御説明があればどうぞ。

○清水地球温暖化対策課長 電力の分野で深夜電力が入っているかどうかという御質問だったと思いますが、ちょっとこれは原典に当たってみなければわからない面がありますが、入っているものとして理解しております。

○浅野部会長 あと、こういう議論をするときに、何人もの委員からも御指摘があったことですが、やはり国の施策と地域の施策をどううまく結びつけるかが、大きな問題ではないか。和気委員がおっしゃったように、何かここでやっていると全国を通じての話になってしまうんですけれども、例えば象徴的に言えば、さっきの冷房日とか暖房日という話を全国平均で示されてみても、これは全体の傾向を明らかにするという意味はあるにしても、じゃ、そのことが直ちに施策につながるのかというと、必ずしもどうもいかないだろう。そこはやはり地域によって随分違うはずですが、全国の平均気温でやって、じゃ、それで何か物が言えるのかというとこになってしまう。その辺のところがどうしても、国の審議会の議論のもどかしさみたいなものがあって、地域ではどうするんだ。そこの地域での積み上げと国で考えることとの接点をどうするんだ。これが現在の推進法の中では地域協議会であるとか地域センターであるというような形でいろいろやられているんですけれども、そこも含めて対策のところではしっかり議論しなければいけないんではないかな思います。
 ちょっと時間がもう大分押してしまっているんですが、是非小林委員に一言発言をしていただきたいと思いますので、この点に関連しての御発言をいただければと思います。

○小林委員 急に振られましてびっくりしておりますが、関西ではエコスタイルキャンペーンというのをやっておりまして、今年でたしか7年目ぐらいになるんですよ。やはり官庁では一生懸命やっているんですが、民間の中ではなかなかついてきてくれないというのがございます。20度設定、28度設定も結構一生懸命やっておりますが、なかなか民間がやっていただけないというところがございます。特に関東サイドでなかなかやっていただけないというのが、今大きな問題になっておりまして、東京へ行くのには背広を着ていかなきゃいけない、どうしてなんだという議論がございます。関西の人間がサマーエコスタイルで東京に出てきて陳情すると、「そんな格好をして陳情に来るとは何事だ」と言われたことが何度もございます。この辺を是非東京サイドからも広げていただきたい。
 そういう意味で、結構関西では熱心にはやっております。実行計画でも太陽光パネル、一昨日ですか、完成したんですが、私ども兵庫県庁の窓全部に太陽光パネルを張りつけました。こういうことがこれからのPRのもとではないかな。それから、私ども、地方庁舎の一つは完全自立型の地方庁舎を立ち上げました。こういうことがこれからの民間に普及が進んでいくんではないかと、こう思っております。ただ、やはり一番の問題は、普及啓発がなかなかできておりません。その費用がほとんど組まれていなかったという点もございまして、石油特会のおかげでこれからそれが広がっていくのかなということを期待しております。
 それから、もう一点、一番問題点は、地球温暖化対策において地方自治体の役割というのが物すごく不明確でございます。ですから、県によってはほとんど予算がついていない県もございます。そういう意味で、やはり地方自治体がこの地球温暖化対策をどこまで役割を果たしていくのかということをもう少し明確にしていただいた方がいいんではないか。そういう意味で、各都道府県の環境部局というのは歯ぎしりをかんでいるというところがございます。よろしくお願いしたいと思います。

○浅野部会長 それでは、50分まで休憩を……。

○飯田(哲)委員 すみません。私が質問した質問について。

○浅野部会長 失礼致しました。飯田委員の御質問がありました。うっかりしていました。飯田委員から……

○飯田(哲)委員 382万キロリットルという見通しになっているんだけれども、それはストックのことが考慮されているのか。

○清水地球温暖化対策課長 ここに掲げております対策は対策削減量ですので、今の議論は全体のフレームがどう伸びるかという議論になりますので、これはフレームいかんによって対策の効果がキャンセルされたり、あるいは、余り対策が進んでいなくても、実はフレームの方で下がるというようなことがあるので、ここは分離した議論だということをお話ししておきたいと思います。

○飯田(哲)委員 くっついていないわけですね。
 あと、地域のことで1分だけいいですか。今の国と地域となると、いきなりふわっとした話になるんですけれども、それから、先ほど和気委員の方から合成の誤謬という話があったので、逆にエネルギーで分析すると、むしろナショナルな統計を地域にどう割り振るかというケースの方が逆に多いんです。そういった意味で、地域に関してもっと緻密な議論がやはり必要で、例えばエコノミストの室田泰弘さんのところでは、都道府県レベルで経済指標と、それからエネルギーバランス表の整備をされています。そういった分析をやはり今後していかないと、もちろん地域でやっていく運動論的な部分も大事なんですけれども、きちんと統計を積み上げていく部分で分析をしていくというところがある程度できるツールもそろそろそろいつつあるので、そういうところも是非やっていただきたい。

○浅野部会長 その点は本当に大事だと思っていますし、それから、もっと簡易な方法がないのかなと。余りにも重装備でやり過ぎていて、それを地域におろしていくときに、どうしてもまたずれが生じてしまう。もっと簡単に推計ができればいいがということで議論をしているところでございます。
 それでは、52分から再開をいたします。
(休 憩)

○浅野部会長 それでは、そろそろ再開をしたいと存じますので、恐れ入ります。委員の先生方は席にお戻りをいただきたいと思います。
 それでは、次の議題でございますけれども、非エネルギー起源二酸化炭素、メタン及び一酸化二窒素の排出抑制対策の推進に関する対策・施策の評価についてでございます。
 事務局の説明をお願いいたします。

○清水地球温暖化対策課長 それでは、資料の2以下に基づきまして御説明したいと思います。
 資料2が、非エネルギー起源CO2、メタン、一酸化二窒素対策の概要ということでありますが、3つほどランクがありまして、それぞれの対策がありますが、ページをめくっていただいて、どういったガスが出ているかというのをまず御紹介したいと思います。
 ポンチ絵になっておりますが、まず、非エネルギー起源CO2の排出実態ということであります。1つは廃棄物であります。廃棄物の中の焼却時におきまして、廃プラスチック及び廃油を焼却するところでCO2が出る。そのほかの紙などのバイオマス起源のCO2もありますが、これはカウントしないということになります。それから、工業プロセス、特にセメントでありますが、石灰石を熱しまして二酸化炭素を飛ばして生石灰をつくる、これがセメントの原料になるわけでありますが、こういう副産物として出てくる。
 それから、次のページにまいりましてメタン、CH4ですが、メタンがどういうところから出てくるかということでありますけれども、まず消化管内発酵ということで、家畜、牛などの特に反すう動物でありますが、これの消化管発酵で、いわゆる牛のゲップというようなものでメタンが出ます。それから燃料の漏出、天然ガス、あるいは石炭の採掘に伴う漏出、水田、埋め立て処分などであります。特に埋め立て処分で生ごみなどが分解することで出てくる。
 それから、次にN2O、一酸化二窒素です。これは麻酔などで笑気ガスにも使われるような、そういう物質でありますけれども、窒素の酸化過程で出てくるような、そういう物質であります。1つは家畜の排せつ物、排水処理、それから、右の方に書いてありますが、ナイロンの原料でありますアジピン酸をつくるときにN2Oが発生するということがあります。それから、肥料や飛行機の燃料の燃焼など、こういうところから出てきているわけであります。
 では、バックデータということで、資料2-2に移りたいと思います。
 資料2-2、1枚開けていただきますと2ページ目であります。3つのガスについてそれぞれ累計した形で出しておりますが、点線が横に引いてありますが、これが削減目標であります。この3つのガスを含めまして減少傾向にありまして、2001年段階でありますが、削減目標を達成しているという状況であります。
 3ページ目にまいりますと、非エネルギー起源CO2の排出量の内訳であります。セメントなどの工業物質からの排出は減っておりますが、廃棄物の焼却量が増えておりますので、そこの部分が増えており、全体として微増というような、そんな状況であります。
 それから4ページ目、メタンの関係であります。メタンの関係は、特に燃料の漏出などの部分、あるいは水田、消化管発酵などを含めまして削減が進んでおりまして、全体で2割弱の削減ということになっております。
 それから、5ページ目でN2O、一酸化二窒素でありますが、これにつきましては、特に工業プロセスにおける削減が非常に大きいわけであります。後で御説明しますが、1998年から99年にかけて非常に大きな削減となっております。これは、工業プロセスにおいてアジピン酸の処理の設備が稼働したということ、2000年で、その処理の装置が少し動かなかったという事態がありまして少し増えておりますが、2001年ではまた稼働しているというような意味で、この辺を含めて全体として12%のマイナスだということです。
 後ろの資料は増減要因であります。個別には説明いたしませんが、セメントの生産量が減っている、あるいは次のページで水田面積、牛の飼育頭数が減っている。最後のページで、廃棄物の焼却量が増えているというようなことが挙がっております。
 資料2-3にまいります。これも暫定的な資料でありまして、今後変わり得るということの性格は変わりません。
 1ページ目、非エネルギー起源CO2の排出削減対策のところでありますが、まず廃棄物の焼却であります。現在までの対策の進捗状況のところに書いてありますように、大綱では2010年度におきまして再生利用率、リサイクル率を一般廃棄物において24%、それから、産廃全体におきましても47%達成ということを目指しながら対策を進めております。現在まで、次のページ以降、表などがありますように、産廃、一般廃棄物ともにこういった目標に向けて対策が進んでいるという、そういう状況がございます。
 ただ、今後の見通しのところをちょっと見ていただきたいんですが、2ページ目の下の今後の見通しでありますけれども、一般廃棄物及び産業廃棄物全体のリサイクル率は伸びているわけですが、特に廃棄物のリサイクル率と、それから廃プラスチック類、それから廃油の再資源化というのが必ずしもリンクしていないというようなことがありまして、削減目標をさらに正確に評価するためには、廃プラスチック類、あるいは廃油類についてのリサイクルというのをさらに評価していかなければならない。そういう意味において不確実性が少し大きいということも感じております。
 それから、3ページ目にまいりまして、農地土壌における対策の推進というのが大綱には記載しております。この農地につきまして、実はちょっと複雑なんですが、マラケシュ合意の中で、農地について排出と吸収を見るという議論がありました。ただ、国におきましては、後で御説明するように、まだ国際的な議論になっている最中であります。ちょっとそういう前提をさて置きまして、施策としましては、農用地において緑肥、植物を育てたり、あるいは堆肥還元するという意味で、土壌中の有機成分、あるいは炭素成分を高めることによって、その分農地が排出になったときに削減量としてカウントするという、そういう対策であったわけであります。対策自体は進んでおりますが、今後の見通しの部分を見ていただくと、土壌からの排出・吸収というのがまだ排出量、吸収量のところにカウントされていないという実態がありまして、また、昨年12月のCOP9における国際的な議論などもありますので、こういった議論も踏まえながら、さらに検討していく必要があるということであります。対策としては行っていますが、カウント上、まだ決着がついていない対策という、そういうことであります。
 以上がCO2の関係であります。
 4ページにまいりまして、メタンの対策であります。メタンの対策の一番最初が廃棄物の最終処分量の削減ということであります。この大綱では、最終処分量を半減という形で対策を進めております。このグラフにありますように、目標に向かって埋立量の削減が浸透しているという、そういう状況でございます。
 4ページ目の下の今後の見通しのところを見ていただきますと、4ページから5ページにかけましてですが、最終処分量自体については大綱の目標は達成可能というふうに聞いております。ただ、次のページにまいりまして、大綱上のメタンの削減をさらに評価するため、特に廃棄物の埋め立ての中で有機性廃棄物の直接埋め立てのところをさらに見ていかないといけないというような状況があります。有機廃棄物の近年の傾向なども見ながら、このメタンの評価を行いますと、少し不確実な面があるのではないかということで評価しております。
 それから、6ページ目であります。一酸化二窒素の排出削減対策、先ほどグラフのところでもちょっと御紹介しましたが、アジピン酸製造過程におけるN2O分解装置の設置につきましては、自主的な取組により既に実施されているところでございます。経緯を申し上げますと、現在までの対策の進捗状況に書いてありますように、アジピン酸製造過程におけるN2O分解装置は、大綱策定時より前の1999年から稼働していたということであります。これを順調に動かしているということでありますが、今後の見通しのところにありますように、既に分解装置が順調に稼働しているということ、それから、今後、生産量の変化も余り見込まれないということから、2010年における削減目標の達成の確実性は高いということで出しております。
 それから、7ページ目で下水汚泥の焼却施設における燃焼の高度化ということです。下水汚泥を燃焼するときに、特に低温で燃焼するときにN2Oが出るわけなので、高温化を図っていかなきゃならないということであります。これは2段階の施策になっておりまして、第1段階目は高分子流動床炉というような形で施設を変えていく。その上で高温による燃焼を導入するという2段階の対策を考えておりますが、前段の流動床炉による焼却量は着実に増加しておりますが、さらに高温燃焼化の部分についてまだ普及が少ししていないと、そんな状況であります。今後の見通しということで、流動床炉による代替は進んでいるんですが、今後の高温燃焼の普及状況を勘案しまして、目標達成はこの部分については不確実性が大きいということです。
 それから、8ページ目になります。一般廃棄物焼却施設における燃焼の高度化ということであります。これは、廃棄物焼却炉の維持管理基準なり構造基準をきちんと設定しようということでございます。この対策につきましては、燃焼をバッチ方式から全連続炉方式、つまり、高温で連続して燃焼するということによって一酸化二窒素の削減が図られるということであります。他方、ここに書いてありますように、今、ダイオキシン対策ということで、非常に高い温度での連続的な燃焼ということが進んでおりますので、ちょうどこれがN2O削減にもぴったり合うということでございます。今後の見通しのところに書いてありますように、ダイオキシン対策ということで対策が進むであろうということから、また一方のN2Oの対策としても、大綱の削減目標の達成の確実性は高いということで評価しております。
 それから、下水道、合併処理浄化槽の普及ということで、水処理におきましてもN2Oが出るということで、これは下水道とか合併処理浄化槽によって合併処理の処理率を向上させることを大綱の目標にしております。下水道、合併処理浄化槽とも増加傾向にあるということでありますので、今後の見通し、特に汚水処理普及率については達成できるのではないか。ただ、現在、合併浄化槽関連も含めてなんですが、排出データについて評価を行っているところでありまして、その関係から、一部不確実性は出るかなという評価をしております。
 それから、最後、10ページ目になりますが、混合セメントの利用拡大ということであります。これはセメントに混合される高炉スラグとか製鉄スラグが含まれるということでありますが、現在までの対策について見ますと、ほぼ横ばいという状況であります。混合セメントの量が今後どういう形で増えていくかということでありますが、1つはコストの問題、それから、もう一つは生産量のうちのかなりの部分が入っているというようなこともありまして、混合セメントの利用拡大についての不確実性は大きいということで判断しております。
 以上、まとめまして、2-4については御説明を省略させていただきますが、その次に委員限りということで資料を配付しております。コメントを見ますと、非エネルギー起源CO2につきましては、焼却以外の対策のところにつきましては、先ほどお話ししたように焼却の後の廃プラスチックの問題がありますので、少し引きぎみになっております。それから、廃棄物の最終処分場のところのメタン関係ですが、現時点では有機廃棄物の問題もありますので、算定できないというふうにしております。それから、アジピン酸製造工程のところはほぼ達成、それから、下水道焼却、それから混合セメントのところは現時点では算定できないという形にしております。
 以上であります。

○浅野部会長 それでは、この部分について御意見、御質問がありましたら、御発言御希望の方は、恐れ入りますが、名札をお立ていただけませんでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、お3方ということに限らせていただきます。この後、ちょっとまた議論を呼ぶ議題をもう一つ用意しておりますので。それでは、鈴木委員、西岡委員、天野委員ということでお願いいたします。

○鈴木委員 2点、ちょっとコメントをさせていただきたいと思うんですが、まずCO2の関連では、先ほど家庭におけるCO2の排出につきましていろいろ御議論がございました。やはり省エネをするために新しい住宅を建てる、あるいは新しい設備を取りかえていくというようなことで、そこの段階で必ずスクラップ・アンド・ビルドということが必要になってくる。このスクラップをすると、こちら側の廃棄物につながってくるわけですね。それから、ビルドの段階では製造業のことが関わってくる。ですから、住宅のCO2を考えるときに、必ずしも新しい住宅に替えれば、それがトータルとしてのCO2削減につながるというわけではなくて、先ほど、お話がありましたように、例えば今までストックされている住宅を一体どういうふうに大事に使っていくのか。100年住宅をやはりどうやって使っていくのかということの方が、はるかに私は重要だと思います。
 私も実は3年ほど前にソーラーバッテリーを屋根につけました。非常に後ろめたい気持ちでつけている。それはどうしてかといいますと、エネルギー回収ができるのに10年以上かかるんですね、その当時で。ですから、結局趣味の問題でしかなくて、経済産業省から少し援助をいただいたんですが、いまだにまだ回収ができないというか、もちろん回収できないだろうとは思っているところなんですが、そんな状況にあるわけです。やはりどういうライフスタイル、将来どういう生き方をするかというようなことをきちんと環境省が提示をしていくというか、環境省というよりは、やはり国として、国民のコンセンサスとしてどういうライフスタイルを目指すのかということを考えないと、3カ月に一遍、あるいは6カ月に一遍、新しい冷蔵庫が出て、新しいものにかえれば、確かにそれは一時的な満足感が得られるかもしれませんけれども、スクラップ・アンド・ビルドに関するいわゆるLCA的な、ライフサイクル的なきちんとした解析をしない限り、先ほどの住宅からの排出に関しては、少なくとも省エネ的な発想でしか事が議論されていないのが非常に気がかりです。それが1つ。
 もう一つは、N2Oの方につきまして、下水道と、それから浄化槽を推進すればN2Oが減るというのは、私は合併処理浄化槽をつければN2Oが減っていくというのは、ちょっと非常に理解しにくいんです。やはり日本国全体として、今、窒素過剰の状態にあって、食料輸入、穀物を輸入しているということが一番大きな原因なわけですが、それに化学肥料も加え、国土全体が窒素に関しての富栄養化状態になっている。だから、こういうところから、農地からのN2Oであり、あるいは下水処理場からの窒素の問題であり、今、ほとんどは水に流していますから、あるいはうまくいっているところは硝化脱窒ということで高度処理による処理ができていますけれども、N2Oをきちんと下水道からの段階で大気中への放散を防ぐというのは、単に下水道、合併処理浄化槽等の普及というようなレベルではなくて、かなり大変なことじゃないかと私は思っております。この辺は、一体どういう根拠でそれが70万トンCO2につながっているのかというあたりが、ちょっと私は読み取れませんでした。
 要するに、国全体として食料の問題、食料輸入の問題なんかも含めて将来像をきちんと書いて、これは前回、繰り返し申し上げているんですが、将来のビジョンをきちんと書いて、そこからやはりバックキャストして進むべき道を環境省として、あるいは国として決めていただくというようなことを是非お願いしたいと思います。

○浅野部会長 どうもありがとうございました。循環基本計画でも同じような議論が出てきたり、あるいは水環境部会でも似たような議論が出ているんですが、その辺で出てきた議論がばらばらであるというのは大変残念な状況だと思うんですね。今の御指摘、どこまでどうやって大綱の中でということになると、なかなかつらい面もありますけれども、本質的な御指摘だったと思います。
 西岡委員、お願いいたします。

○西岡委員 この部分で非常に見通しが立っているというのは結構なことだと思います。しかしながら、世界的に見て、このCO2だけではなくて、いわゆるマルチガスアプローチであるとか、トータルガスアプローチと言っていますけれども、やはり安いところで減らしていこうという動きが特にアメリカなんかでもよくやられているわけですね。そういう観点からいきますと、この部門はまだまだ、例えばバイオマスとの組み合わせ等々で安くて減らせるところもあるかと思いますので、そういうコストベネフィットの面からも、もう少しこのあたりでも頑張ってもらいたいというふうに思っております。

○浅野部会長 天野委員。

○天野委員 今の西岡委員の意見とほとんど近いんですが、私ども、こういうデータをつくります際に、是非削減費用のデータを一緒にできれば出していただけないかなと思うわけですね。といいますのは、普通はエネルギー関連のCO2の排出削減については、かなりの程度皆さん、1トンだったらどれぐらいの費用がかかるかというのは頭に持っていられるわけですが、こういう分野については非常にはっきりしない面があって、個々に目標をつくって、数量目標をつくって、ここが達成できそうだということになると、それ以上しなくていいというふうな感じになっちゃうんですね。実はそうではなくて、もしその部分が非常に低いコストで削減できるんであれば、どんどん削減して利益を稼いでいただいたり、削減費用が非常に高い分野がたくさんあるわけですから、そこの分野で努力するよりは、こちらに助けていただいた方がいいということになりますので、そういう意味では、トータルでエネルギー起源の二酸化炭素も含めて、6つのガス全体でどうするかという設定をするには、是非とも費用のデータが必要だと思うんですね。ですから、エネルギー起源の方については、中央環境審議会で以前に西岡先生が委員長になっている小委員会があって、そこで非常に詳細なデータをおつくりいただいたのを覚えていますけれども、それに匹敵するようなことをやはりここでやっていただいて、縦割り方式で、どこどこの部門の大綱の目的が達成できたら、そこはもうそれ以上何もしないというたぐいの議論はなるべくしないでいただきたいというふうに思うわけです。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。御注意、よく理解できます。
 それでは、次の最後の議題でございますけれども、京都メカニズムの活用に関する対策・施策の評価についてということで、お願いいたします。
 よく分かっている人は分かっているんですが、当初は、ここで京都メカニズムの勉強をするために、少し丁寧に時間をかけて説明を、パワーポイントも用意してというようなことを考えていましたが、何しろ部屋が狭いものですから、それもあきらめまして、今日は紙の資料です。当初の計画どおりに情報を相当の時間をかけて理解した後に、御議論いただくというわけにまいりませんので、大変恐縮ですが、事務局には簡略に説明をお願いし、もしわからない点がありましたら、大事な議論の前提となることですから、御遠慮なく後で御質問をいただいて、さらに答えさせることにいたします。

○清水地球温暖化対策課長 それでは、資料3の関係で説明したいと思います。
 まず3-1でありますけれども、現大綱における京都メカニズムの対策ということでありますが、対策の体系といたしましては、後で御説明しますが、共同実施(JI)、それからクリーン開発メカニズム(CDM)、排出量取引というような3つの対策があります。大綱には、これは当面必要となる措置ということで、事業承認体制を整備する、国別登録を整備する、それから、(2)としまして2008年以降の本格的な活用に向けた必要な制度のあり方の検討というようなことを考えております。
 それでは、資料3-2に従いまして、少しお話をしていきたいと思います。
 1ページ目を開けていただくと、まず概要ということで、皆さん御存じだと思いますが、少し細かい点も含めて御説明させていただきたいと思います。
 まず、3ページを開けていただきまして、「京都メカニズムとは」とありますが、京都メカニズムは、共同実施、JIというふうに呼んでおりますが、あとクリーン開発メカニズム(CDM)、それから国際的な排出量取引という3つであります。
 まず、一番最初の左のJIでありますが、これは先進国同士の対策ということで、附属書I国というような先進国同士の対策であります。例えば東欧ですとかロシアなどとの間で、先進国A、例えば日本が資金なり技術を供与して共同の削減プロジェクトを行う。そして、その削減量、クレジット、ここでERUというふうに出てきております。ちょっと後でこういうのがいろいろ出てきますので面倒くさいんですが、一応ERUというクレジットが発生する。これを先進国に持ってくる。JIで発生するクレジットがERUということです。
 それから、クリーン開発メカニズムにつきましては、途上国に対して対策を行います。途上国に対して同じように共同の削減プロジェクトをして、そこで出てくる削減量がCERというようなものです。
 それから、排出量取引は目標の削減枠の取引ですので、後で出てきますが、最初からの割り当て量でありますとAAUというようなクレジットになりますが、そのほか、いろいろなクレジットがこの対象になり得るということであります。
 4ページをちょっと御覧いただきたいと思います。京都メカニズムの中では、いろいろなクレジットを駆使しながら排出枠を組んでいるわけであります。まず、最初にAAUというふうにあります。これは各国に最初に割り当てられるような排出枠のことを言っております。ここで赤い枠の中で、日本は58億トン余りというふうに書いてありますが、そこの下にAAUというふうに書いてありますが、日本の基準年(1990年)の温室効果ガスの排出量は、大体CO2換算で12億3,500万トンということでありますので、これを5年分掛ける94%を掛けて、そうすると58億トンぐらい。これが5年間の最初の枠ということで、まず日本に来るわけであります。
 それから吸収源の対策、これは国内対策ということで、上限枠が3.9%となっておりますが、これはRMUです。RMUも、ちょっと書いてあるところを見ますと、吸収量としてはCOP7で合意されております炭素換算で1,300万トン、これは二酸化炭素換算だと、ここに書いてありますように4,700万トン余りになりますが、これを例えば5年間分でいきますと2億4,000万トンというような、そういう量が加えられます。
 さらにこれに加えて、JIのプロジェクトでいきますとERU、それからCDMのプロジェクトだとCERというようなものがある。これにさらに、もし排出量取引を行うなら、各国のAAUとかERUとかCERとかRMUというクレジットが加わってきて、これが日本として排出枠というふうになるわけです。この排出枠が実際の排出量よりも多くなければならないというのが、これが京都議定書の遵守ということにかかってくる問題になります。
 次のページを開けていただきまして、遵守の仕組みということでお話を進めていきたいと思います。
 2-1というところを見ていただきたいと思います。少し複雑な図になっておりますが、実は、この遵守の仕組みが、今言いましたいろいろなクレジット、4種類ありましたが、こういったクレジットを登録簿というところに持ってくる形で、日本の遵守基準値というのが措置されるというのがこの制度であります。ちょっと見にくいので下の方からいきます。
 例えば、下に事業者というふうに書いてあります。事業者から右の方に青い線でお金、円のマークが行っておりますが、例えば事業者が途上国の事業者に対してCDM事業をやるために資金を供給しようとします。そうしますと、途上国で事業者が対策を行い、そこで発生したクレジットがCDM理事会というところで認められれば、CDM理事会がCERというクレジットを発行する。これが上の方に行きまして、UNFCCC、条約の事務局の取引ログを通じて日本の登録簿にまた左に戻ってきます。それで法人用保有口座ということになります。これが、例えば事業者がCDMを行ってクレジットを獲得するという、そこまでの段階です。
 実は、日本の対策、京都議定書が守られているかどうかを判断するのは、ここの真ん中あたりに償却口座、AAU、CER、それから日本の実際の排出量(インベントリ)、マッチングというふうに書いてあります。実は、日本が排出量を守っているかどうか、これが、国別登録簿の中の特別な償却口座というところにどれだけクレジットが入ってくるか。そのクレジットの量と、それから日本の排出量を比べて、償却口座がきちんと排出量を満たしていれば、ここでもって日本が京都議定書を遵守したということが、これがカウントされるわけです。ところが、この政府の償却口座にクレジットを移すためには、AAU自体は左の政府保有口座というところに入ってきますから移せる。ところが、法人が保有している口座から政府の保有口座にクレジットを移すということには、ここは何らかの制度が必要でございます。ここは後で出てきますが、いろいろな形での排出量の枠をどうするか、あるいは、いろいろなある種の補償をもって取得するなどを含めて、ここは国内制度をどうつくるかということで、まさにここがどういう形で行われるかというのが今後の非常に大きな議論になってくるということであります。
 それから、次の2-2の排出枠の発行・移転・償却の流れを、順を追って説明したいと思います。
 今言いましたような国別登録簿というところに、口座にクレジットが流れ込んでくることによって枠という遵守が決まるわけですが、まず一番左の方に、2006年の下に、初期割り当て確定のための報告書というのがあります。いわゆる1990年レベルの排出量を確定しなければならない。そうなりますと、その次の段階で初期割り当て量が確定できます。つまり、日本の1990年のレベルに対して0.94を掛けて5年を掛けるということで、大体AAUの発行が58億トンというのが、これが2008年度からの国別登録簿に入ってきます。それから、CDM/JIなどの事業を実施すれば、この下の方に書いてありますが、ERU、CERというような名前のクレジットが日本の保有口座に入ってきます。
 それから、大体排出量・吸収量のインベントリというのは1年半遅れですので、まず2008年度の排出量・吸収量につきましては、真ん中あたりに4月15日まで2008年の排出量・吸収量の確定というふうに書いてあります。4月15日までに報告をして、ここで吸収量が確定すると、吸収量分のRMU、これが発行されるということです。これは1年分、まず2010年に発行されるわけですが、やり方は、毎年発行していくか、あるいは全部まとめて2014年ぐらいに発行するというようなやり方もありますが、こういう毎年の吸収量に従ってRMUという吸収量分のクレジットが出てくるということです。2012年まで約束期間があって、調整期間というのもありますが、その間も含めて下の方にAAU等の排出量取引とあります。
 こういうふうに見ていきますと、すなわち、この京都議定書というものは、国際的なキャップ・アンド・トレードの排出権取引が京都議定書の本質であるというのがよく分かるというふうに思います。
 それから、次の3、国内(域内)の排出量取引制度の例ということで、海外の例をちょっと紹介したいと思います。
 3-1でEUの排出量取引(EU-ETS)というものですが、これは2005年1月から開始されようとしております。これはEU内に専用の排出枠、EAUというふうにあります。さっきAAUという言葉で排出枠がありましたが、ヨーロピアン・アローアンス・ユニットということで、ヨーロッパの専用の通貨になってしまうということです。こういうものも利用しながらEUでは排出権取引を行う。後で出てきますけれども、このEAUに、EUの排出権取引特有の通貨、クレジットに変わるということで、一端中にクレジットが入っていくと、なかなか外に出てこない仕組みになっているということで、これが大変大きな問題になっております。
 それから、カナダにつきましても同じような排出源取引の制度を導入しました。カナダの場合、特徴的なのは、10ページに書いてありますが、大体EUと同じような仕組みではありますけれども、特に国内での削減、対象を大規模な排出事業者に限りまして、国内での排出プロジェクトから国内的な取引クレジットを用意するというのが、これが特徴的な部分であります。
 それから、次をめくっていただきまして、3-3で米国の排出量取引制度です。これは各州にいろいろな制度が今実際動きつつあります。それから、連邦レベルで、ちょっと下に注を書いておりますが、マケイン・リーバーマン法案というのが提案され、議論されているようなところでありますが、連邦レベルではまだ成立していないものも、各州レベルでは実際に動き出しているということであります。
 こういうことでありますが、特に海外の排出量取引制度と京都メカニズムが今リンクしつつありますので、それを御紹介したいと思います。
 13ページ、4-1ということで、EU-ETS、EUの排出権取引制度ですが、これがリンク指令ということが出てきております。現在のリンクの指令の概要ということで書いてありますけれども、昨年7月にリンク指令が出て、今議論され、まさにまとまろうとしているようなところであります。
 3ポツ目に「JI/CDMクレジットを遵守に使おうとする者は、JI/CDMクレジットを各国政府に提出し、代わりにEU-ETS専用の排出枠(EAU)の発行を受ける」と書いてあります。これは何かと申しますと、外のクレジットが一たんEUの中に入ってしまうとEU専用の通貨になってしまうという、そういう意味です。こういった制度をつくりましたので、リンク指令案による影響として2つあります。1番目の問題点は、赤字で書いてありますが、JI/CDMクレジットがEUシステムの中にどんどん流入してきて、一たん入ったものが外にはなかなか出てこないということです。それから、2番目の問題点としましては、中東欧でJIを我が国も含めやろうとしておりますが、この中東欧がEUに新規加盟したときに、これがEU-ETSの中に入ってしまって外に出てこない可能性があるというのが、今大変議論になっているところであります。
 14ページ目にその仕組みみたいなことを書いておりますけれども、今お話ししたように、14ページの図で見ますと、左下の方に、JI事業をやったクレジットがEUの中に入っていって、CDMをやったクレジットがEUの中に入ってくる。しかし、EUの中ではEAUというEU内の通貨で、外には出ていけない通貨になりますので、これになったときに非常に大きな影響が出るということです。
 次の4-3でありますが、中東欧諸国でのJI実施の制限という、ダブルカウント問題です。リンク指令の中の議論になるわけでありますけれども、この真ん中にEU-ETS対象施設(発電所等)というふうに書いてあります。例えば東欧でJIのプロジェクトを行い、それが実際の排出量というふうに書いてありますが、排出量が削減した部分、本来ならこれはJI事業として、ERUと右欄にありますが、JIのクレジットになることも可能なわけですが、今のEU指令では、一たんそれがEUの中に入ると、EAUというEUの中の通貨に変換されてしまうということになります。このダブルカウント問題、もし同じ削減量をERUとEAUという2つのものに同時に変換すれば、これはダブルカウント問題が出てしまうので、どちらか選択的にするか、しなければならないわけですが、今のリンク指令におきましては、ERUというJIにするのではなくて、むしろEAUという国内、EUの内部の通貨にしてしまおうという、そんな議論があるわけです。ここが非常に大きな影響を我が国に与える可能性があるところです。
 最後、16ページに書いてありますが、実は、EUの域内排出量取引制度につきましては、同じような排出量取引制度を実施する国においては、相互交換、相互認証して、お互いにリンクできる。EU内で通用しているEAUという通貨と相互認証した制度の国の中では相互変換が可能だということになっております。ですから、もしも仮に日本が制度を導入してリンクすれば、今言ったような問題は出ないわけでありますけれども、まだ議会の方はそういうようにはなっていない。
 お話ししたように、EUの排出量取引制度とカナダの排出量取引制度がこういうふうに出てくるわけで、これが相互にリンクすれば、日本を抜かした形で、こういう形で世界的に排出量取引制度がかなり動いてしまうというような、そんな議論もあります。我が国を取り巻く状況は大変な状況になりつつあるということでございます。
 では、そういうことを前提にしながら、資料3-3について御説明したいと思います。京都メカニズムの暫定評価ということで、今後、この資料も変わり得る性格のものだということで御理解いただきたいと思います。
 まず、1番目で書いておりますが、6%削減約束の達成に向けた京都メカニズムの位置づけということです。ページをめくっていただきまして2ページですけれども、表1を御覧いただければと思います。今、大綱の中で、大綱の分野別の削減目標、[1]から[5]までそれぞれの目標が掲げられております。実は、この目標を全部足すと4.4%ということで、全体のパーセント目標に対して1.6%ギャップがあるわけであります。ギャップがある部分につきまして、どういう表現になっているかというのが、この丸い四角の中に入っている部分であります。2番目の丸を読みますと、国としての京都議定書の約束達成義務及び京都メカニズムが国内対策に対して補足的であるとの原則を踏まえ、京都議定書の活用について検討すると書いてあるわけです。要するに、上の目標と6%の差の1.6%分ですね。これが明示されていないわけでありますが、国内の目標が超過達成されないときには京都メカニズムの活用が予定というふうに解釈されるわけであります。
 ここで論点を幾つか挙げておりますが、1点目は、国内対策について補足的であるということの論点です。これにつきましては、どんな解釈が可能であろうかということで、幾つか3ページ目に例を挙げていますが、例えば削減量との関係で補足性の解釈というのは1つ可能かなと。補足性というのを量的な側面から見ると、京都メカニズムによる削減量というのは、国内対策による削減量と比べまして、より少ない、あるいは量的な上限を課すべきという、そういう議論が当然あるわけであります。オランダの例を考えますと、例えば排出量の伸びのBAUと目標量の差の2分の1というような解釈に立って京都メカニズムの活用を図るとか、そのほか、いろいろな解釈の余地はあるというふうに思っております。
 それから、2番目で、対策の優先性というような御議論もあり得るかなと。補足性を対策の優先性との関係で見ると、国内対策による削減をまず優先させて、その上で国内対策による削減を見込むことができない部分は京都メカニズムでいこうというような考え方も当然あります。
 それから、補足性を政策の実施順序との関係で考えますと、ある程度国内対策による削減量が確定する段階まで京都メカニズムを使わないというような考え方もありますが、ただ、この場合は、後で申し上げますが、かなり大きな問題があり得るということです。
 それから、3ページでリスクということを書いておりますが、JI/CDM事業につきましては、3年から5年のリードタイムが必要になるというようなことで、こういう先行した対策の推進が必要なリスクというものがあります。
 それから、4ページにまいりまして、各国の国内排出量制度が動きつつありますので、ここのリスクですね。先ほど御説明したとおり、EUとかカナダにおける対策というのがあったときに、外部からアクセスできなくなるような、そういうリスクというものがある。それから、クレジットの制約と価格の不安定性ということで、対策が遅れれば遅れるほど、そういう価格なり量の問題が出てくる。それから、その他のリスクとして事業リスクとかカントリーリスクについて述べております。こういったことを踏まえて、大綱における京都メカニズム活用の位置づけということについて議論していく必要があるのではないかということです。
 それから、5ページにまいりますが、京都メカニズムの活用ということで、大綱の中には、承認体制を整備したり国別登録簿等を整備して、1.6%の分といいますか、これは確保していくという議論があります。
 現在までの進捗状況を5ページの下の方から書いてありますが、現在、日本政府が承認したCDM/JI関係が計6件あります。次の表2に掲げられているような案件であります。これらの案件の総クレジット獲得予定量を見ますと、大体400万トン程度ということになりますので、1.6%を換算しますと2,000万トンですので、その2割程度というような、そんな状況になっております。
 それから、こういった承認した案件につきましては、7ページ以降ですが、CDM理事会において実際に審査を受けて、これを通らなければならないということです。最初の段階ではベースラインという、要するに計算方法自体についての議論があるということです。現在9件、ベースライン設定方法が承認されておりますが、7ページの真ん中ぐらいですが、韓国の案件、タイの案件、チリの案件、この3件が日系の企業関係のものということで、着々と進んでいるという状況です。
 それから、8ページ以降、企業の対応状況などをグラフ化しております。現在、CDM/JIについての取組状況はどうかということですが、8ページにグラフがかいてありますが、8割の企業がまだ特に取り組んでいない。16%程度の企業が現在検討中ということであります。
 それから、9ページにまいりますと、JI/CDMに取り組む目的・動機の部分でありますけれども、例えば一番多いのが、将来国内において排出量取引の制度が導入されることがある、そういうリスクに備えるとか、あるいは、将来の業務ということを考えて現状を把握するというような、そういったものが上位を占めております。
 それから、10ページにまいりまして、現段階でなぜJI/CDM事業に着手できないかということを見ますと、情報不足というのが第1位でありますが、2番目に、排出枠を活用できるような国内制度が構築されるかどうかよく分からない。それから京都議定書が未発効、それから、販売できるか、あるいは政府が対価を払って取得するような制度が存在できるかどうか、こういった部分がまだまだ不安定なので、なかなか企業としても着手できないというようなことです。
 今後の見通しのところ、11ページでありますけれども、今後を見通す上で課題ということを幾つか挙げております。1つは、個別企業へのJI/CDM事業の動機づけが必要だということです。ちょっと内容は重複しますので省略しますが、それから、2番目が、国へCDM/JI事業を移転する方策についてどう考えるかということで、これはまさに先ほどの制度の問題であります。それから、最後に、そういうようなことを考えると、まだまだ課題がありますので、1.6%部分を今の時点で遵守に用いることができるかどうかというと、その評価はなかなか困難ではないかということであります。
 長くなりましたけれども、以上です。

○浅野部会長 いろいろ御発言、御希望の向きが多いんではないかと思います。しかしながら、残された時間があと16分30秒ということでございまして、なかなか厳しいものがございます。まず西岡委員から。

○西岡委員 まだ進捗状況について、これは後、これからですか。それとも先ほどで……。

○浅野部会長 3-4ですか。

○清水地球温暖化対策課長 3-4は説明を省略させていただきたいと思いますので、以上ですべて……。

○西岡委員 わかりました。それじゃ、意見を述べさせてもらいます。
 この京都メカニズムを利用したトータルシステムを、ともかく早くつくっていただきたい。特に、これは環境省が地球環境担当の省庁といたしまして是非リードして、政策的な基盤を早急に整備してもらいたいと思います。状況は今お話がありましたけれども、環境省でも京都メカニズム検討がありますが、これは全く開店休業といった状況であります。それから、エミッション・トレーディングに関しても委員会報告が出たけれども、その後どういう形になっているか。しかも、その2つをつなぐところがどうなっているかというのがはっきりしていない。
 CDMに関して言いますと、まずCDM自身はテクノロジートランスファーで、長期的に見ると非常にいい制度であると感じます。現在、CDMのキャパシティー・ビルディングというのをエネルギー特別会計のもとでやらせてもらっているんですけれども、アジアの国に出かけて話を聞きますと、必ずヨーロッパの国とぶつかってしまう。もう既にヨーロッパの国がやっているから、一緒にやってくださいよなんていう話になりまして、このままだと欧州勢のためにキャパシティー・ビルディングをやっているといった状況になっております。
 それから、このエミッション・トレーディングを国内で十分検討して、それを実施していく形を早くつくってもらいたいと思います。今お話がありましたように、ヨーロッパの方は着々と進めております。また、アメリカの方もこの前行いました対話会議等々でわかったことは、このマケイン・リーバーマン法案といったもののベースには、やはりそういった市場を世界でつくっていこうということがベースになっている。アメリカは京都議定書には参加しないにしましても、こういう炭素経済のベースを着々とつくっていくという状況にあるかと思います。後から参加したんじゃ、相当不利な状況になるんじゃないかと心配しております。
 また一方、今度は途上国の期待でございますけれども、アジアの国を回ってみますと非常に期待は高い。是非アジアの国を中心として成功させる必要があるんではないか。しかし、残念ながら、日本の企業のお話を聞きますと、先ほども60%の人がちゃんとしたシステムをつくってくれなきゃ怖くて仕事ができないということを言っているわけでありまして、腰が引けた状況で企業に出ていけと言っても、それはかなり無理なところがある。なぜそんなことになったかというと、原因は、多分三すくみにあります。1つは、エミッション・トレーディングに関しては産業からのキャップ・アンド・トレードに対する反対が多いということがあるかと思います。しかしながら、もともと、先ほどの話がありましたように、この制度自身が世界中でキャップ・アンド・トレードをやっていこうというところで、まさに自由経済の象徴みたいな仕掛けでございまして、是非国内でもやらないと、長期的に見ると国際競争に負けるおそれがある。
 もう一つ、三すくみの1つが補足性に関してかと思いますけれども、もちろんできる限り自分たちの技術を高めていくということは、長期的に非常に重要なことであると思います。しかしながら、国全体のポートフォリオとしましても、メカニズムを入れた体制をつくっておく必要があり、それが国としての経営改善にはなるかなという具合に思っております。
 3つめは、最後に国がそういうお金を出して買えるのか。これは多分財務省の話だと思います。こういう3省がどうも三すくみになって物が動かない。是非どなたか、首相かもしれませんけれども、リードしていってもらいたいと思います。京都メカニズムは京都議定書の知恵の一つでありまして、それを中心に利用するということ。
 それから、1.6%といいますのは、実は皆さんも御承知のように残差項でありまして、残差項ということは何が起こるかわからないという予備費的な話ですから、それに対する体制は十分つくっておく必要があるんではないかな。そういうことで、私は、早くこの統一的な日本のシステムをつくるように、環境省がリードしてやっていただきたいということを強く望むものであります。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 それでは、御発言を御希望の方が全部で6名いらっしゃいます。残りの時間も勘案の上で、是非御協力ください。
 お手をお挙げになった順番、大体記憶しているつもりですが、もう面倒なので、申しわけありませんが、平尾委員から順次こちらに回るということでお願いをいたします。多分和気委員も発言したくてうずうずしていらっしゃると、何となくそういうお気持ちが拝察できますが。

○平尾委員 京都メカニズム、1.6%だからということで、難しかろうということでこれを出すのではなくて、これは並行してきちんと進めていかなきゃいかんと思います。
 3種類ございますが、とりわけCDMにつきましては、地球全体からしますと、先進国の優れた技術をグローバルに展開していくという意味において非常に大事ではないかと、まずやるべき。それから、排出権取引につきましては、これは国際的にやろうとするのは非常に大事だと私は思っておるんですが、国内的には出発点からして、国情からいたしまして、やや慎重に議論をする必要があるんではないか。EUが東欧を巻き込んでいるという、供給サイドと需要サイドが非常にうまくマッチングするところでございますので、慎重に議論していきたいと思います。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 小林委員。

○小林委員 私どもの方で、このCDM事業、今年5年目、実験をやっておるわけでございますが、大変むなしい状況でございます。というのは、やっておりますが、国内制度が全然できませんので、これからどういう方向にこれを整理していくのかが見えていないということでございます。この中で、基本的には動機づけがないということがあるんですが、その中で、政府が対価を支払ってクレジットを取得する制度が創設されると書いてあるんですが、今お話があったように、それでは、そこのクレジットを取得するための財源はどこに求めるのか。これがない限りこの制度は動かないということでは問題があるので、やはり各民間企業が削減をしていく努力の中で、このクレジットを使うというのが必要ではないか。そのためには、やはり民間企業に対する排出枠を定めるということが、基本的にこのCDM事業を進めていくための動機づけになるんではないかというふうに考えております。是非そういう国内制度をきちんとつくる、排出枠を決めていくことが重要ではないかなと思っております。
 以上でございます。

○浅野部会長 大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員 2点意見と1点質問がございますが、簡単にいきます。
 先ほどの西岡委員の話と、私、基本的に同じ方向性を持っております。第1点は補足性の問題があるんですけれども、これについては1.6%ということが大綱にも案に入っているということで、現実的な判断としては、京都メカニズムでこれをやっていくということを期待せざるを得ないんだということを確認しておきたいと思います。
 第2点でございますが、先ほど清水課長の方からもお話があったところですけれども、現在、国際排出量取引がEUとかカナダで進んできていると。それによって、民間企業に対して本気でCDMとかJIの事業を行って、低コストの優良なJIとかCDMをどんどん活用されてしまうという状況が出てきているところが危惧を持たないといけないのではないかというふうに考えております。ですから、統制経済だという話をいつまでもしていると、それまでにどんどん取られていってしまうのではないかということを、ちょっと心配をしなければいけないのではないかというふうに考えております。
 それが民間企業に対する動機づけの問題ですけれども、もう一つは、政府がCDM/JIを取得して遵守に使うための方法というのを考えなくちゃいけないということがありまして、これは先ほどの御説明の資料の中にも出ておりましたけれども、1点押さえておかなきゃいかん。補償するということでありますが、さっき財務省という話も出てきましたけれども、この仕組みを早急につくる必要があるというふうに思います。ですから、民間に対する動機づけという観点で国内排出量取引制度というのも、これは制度の仕組みの仕方で、余力が足りなくなって、どうしようもなくなるというふうではない仕組みをつくった方がいいと私ももちろん思っていますけれども、それが1つと、もう1つは、移転の仕組みをつくるということが必要だということでございます。
 質問としては、先ほど資料の3-2で御説明がありましたけれども、EUのリンク指令について日本政府から意見が述べられているんですけれども、これに対してEUが何か対応する可能性があるどうかについて、もし事務局の方からお答えいただければ大変ありがたいと思います。

○浅野部会長 じゃ、その点についてどなたか、お答えをお願いします。

○清水地球温暖化対策課長 じゃ、ちょっと補佐の方から。

○事務局 中東欧でJIができる可能性につきましては、日本だけでなく、EUの中でもいろいろな、特に中東欧の国からも認めてくれというような意見、ドイツ、オランダからもそういう意見が出ておりまして、現在EUの中で、何らか一定の条件のもと、中東欧でJIができるような方向での検討がなされているというふうに聞いております。

○浅野部会長 では、及川委員、お願いいたします。

○及川委員 先ほど京都メカニズムの仕組みのお話がありましたけれども、私、専門が自然科学ということで、今までの皆さんのお話とはちょっと違う観点から、2点ばかり意見を述べさせていただきたいと思います。
 根本に地球温暖化を防止しなければならないということがありまして、それは人間活動で二酸化炭素に代表される温室効果ガスが増えていくからと言われる。そして、その結果として温暖化が進み、それは単に温暖になるだけではなくて、乾燥といったような複合した影響が、国際的な経済活動にも大きな影響が及ぶと、それが非常に大きく心配されているというふうに私は認識しております。例えばそういったときに、アメリカのコーンベルトですとかウクライナの穀倉地帯、そういったところで乾燥が非常に進みまして、穀物の生産が非常に落ちて、世界の食料問題に非常に大きな影響を与える。だから一国だけの問題ではなくて、国際的なグローバルな取組として、こういう京都議定書を実行していかなければならないということではないかと思っております。
 そういったときに、第1約束期間が迫っていまして、それぞれ先進国はそれの対応に追われているということで、本日もいろいろな論議がされているんだと思いますけれども、やはりそういうどういった社会経済的な影響がどんなふうに及んで、これを実行することによってどういうふうに軽減できるのかということをやはり示す、そういった方向が必要なんではないかなというのが1つ感じることでございます。
 それから、もう一つは、この第1約束期間でうまくみんな国際的にできたとしても、地球温暖化はこれで解決するわけではないんですね。まだまだこれから先の取組というのは必要なわけで、そういった長いタイムスパンを考えて、どういうふうに取り組んでいったらいいか。そのための第1ステップとしての第1約束期間であると、そういった観点をやはり忘れないで見ていく必要があるんではないかというのが私の意見でございます。
 以上です。

○浅野部会長 飯田委員、お願いいたします。

○飯田(哲)委員 できるだけ手短に2点申し上げます。
 1点目は、若干西岡さん、大塚さんに重なるところはあるんですけれども、先ほどの1.6%残差項という話です。今、我々、市民エネルギー調査会というところでエネルギーシナリオをつくっているところなんですが、2010年に関しては相当厳しいわけですよね。とりあえず達成できる数字を我々は出すつもりなんですけれども、恐らく相当厳しい対策をしても上ぶれの可能性がある。そうすると、残差項どころか、これはかなり主要項になってくる可能性もあって、そうすると、いわゆるコンティンジェーシープランとして、これが上ぶれしたときに、だれがどう費用負担するのかというようなことは、やはり発生する前に決めないととんでもないことになる。それはあらかじめ決めておけば、逆に言うと、じゃ、減らせばだれが得をするということになるわけですから、これを早く決めないことには、もう費用が発生してから、じゃ、だれが払うのかという話にやはりするべきではない。それは当然国と企業の話がありますし、それから企業間の話もあって、この話はやはり早目に、これは先ほどの国内排出枠の排出権の話とかなりリンクをしますけれども、とにかくこれは約束期間に入る前にやらないと大きな問題になる。これは上ぶれの可能性が高いがゆえに早くやらなきゃいけない。
 2点目は、そのときに外部の境界条件がいろいろ重なってきますから、1つは一番近いところでは温暖化対策税の話がありますし、これはここで言ってもあれなんですが、もう一つはRPSとかグリーン電力証書のような、クレジットとリンケージしているのか、していないのか、まだはっきりしないようなものが、もう既に先行して走ってきているわけですね。そういうものもありますので、やはりこれもとにかく、この大綱の見直しの議論の中で新しい制度の枠組みとして早目にカチッと決めていく。先ほど平尾委員の慎重論もあったんですが、新日鉄さんなんかは早目に入れておけば、非常に削減して、実はもうかったんじゃないかという話もあるぐらいで、やはりこういうのは市場原理主義の国が先にやっているぐらいですから、先ほどの大塚委員のおっしゃったように、全然市場と合うルールなので、早目にやらないといけないというふうに思います。
 以上でございます。

○浅野部会長 あと残りが1分しかございませんが、天野委員が早くお手をお挙げでございます。浅岡委員は、「時機に遅れた攻撃防御」という感じなので、訴訟指揮上、後日書面提出で勘弁いただけないかと思うんですが。次回、その書面についてのコメントをいただく時間を冒頭に差し上げますので、今日はよろしいでしょうか。次回、書面に基づいての御発言は許します。今日はちょっと勘弁してください。
 天野委員、どうぞ。

○天野委員 まず、2点ほど誤解があるような気がするんですが、1つは、先ほどの事業者向けのアンケートで、京都議定書の発効のように国際的な動向にかかわるもの、それが動かない限りは動かないという認識があるとすると、それは間違いだと思うんですね。既にEUは今年の3月に京都議定書と全く同じ義務をEU諸国に課すことを決めていますから、京都議定書が発効しなくても京都議定書と全く同じ遵守義務を持つことになって、それがEU取引制度と一緒に動いているわけですね。ですから、日本の政府がそういうことを決めれば、議定書が発効しなくても国内でそういうことができるわけで、ですから、発行を待たないとできないというのは、政府は何もしないだろうということを逆に言っているようなところがあると、それが1つ。
 それからもう一つは、自国企業がどうしてCDM事業に余り熱心でないかというのは、やっても国内制度で対応するものがないのでインセンティブがないわけですね。逆に言うと、そういう制度が国内でできれば、企業はインセンティブが働いて、どんどんCDMをやるようになるというわけですから、ちょうど順序が逆の議論をなさっているような気がします。
 じゃ、国内でどういうふうなつくり方ができるか。私は、つくり方と、その内容と2つあると思うんですが、例えばカナダとか英国のように、民間の産業団体と政府、カナダの場合は連邦政府ですが、合意をして、それで国内制度をつくるというやり方もあります。ですから、政府が一方的な導入をしてしまうしかつくり方がないということはないわけですね。これが1つ。それから、もう一つは、国内排出取引制度の内容は、必ずキャップ・アンド・トレードになるという、これも私はおかしいと思うんですね。普通言われている制度の中にはキャップ・アンド・トレードではなくて、民間の企業が自主的に自分でオークションに参加して決めた排出削減量がキャップになって、その残りの部分アラウアンスを受け取ることができると、こういう制度もあるわけですから、別につくり方によってキャップ・アンド・トレードが統制経済だから反対だという議論はできないと私は思います。
 先ほど及川委員がおっしゃったように、これは第1約束期間だけの話ではなくて、国内排出取引制度というのは、温暖化に対して国際的に取組ができる、私は唯一の国際規模の政策手段だと思うんですね。ですから、これをなしにして何かほかで国際的にやれるかというと、これはできないわけで、現在、アメリカ、オーストラリアは議定書には入っておりませんけれども、しかし、国際的な取引が活発化するような方向で国内取引制度を運用してくると私は思いますので、そういう意味では、この制度に対して日本がどれぐらいのリーダーシップをとれるかということが非常に重要な点で、EUがそれを意識してリーダーシップをとるためにああいう制度をつくったわけですから、国内制度ができないということは、日本が、この国際的に重要な制度に対していつまでたっても経験が積めない状況をつくり出している。ですから、そういうことをおっしゃらないようにしていただきたいと私は思うわけです。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 西岡委員、天野委員から御指摘のとおり、これは余り今まで当審議会でも、この部会としてはきちんと議論をしてこなかったことでありまして、本当はまだまだ時間をかけて議論をしなきゃいけないんですが、お約束の時間を過ぎてしまいましたので、本日は浅岡委員には大変恐縮ですが、書面をお願いいたします。
 次回でございますが、4月2日の15時から18時まで、ホテルフロラシオン青山で開催をいたします。ここは狭いところで大変申しわけございませんでしたが、次回は広い場所を用意いたしました。議題としては、エネルギー供給面の二酸化炭素削減対策の評価ということと、それから、経団連、東京都、気象ネットワークからのヒアリングを予定しておりますので、どうぞよろしく御出席くださいますようにお願い申し上げます。
 本日の議事録については、事務局の方で取りまとめた上、後日皆様に案を送付いたします。
 本日の部会はこれにて終了します。
 どうもありがとうございました。

午後6時03分閉会
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