地球環境部会(第134回) 議事録

日時

平成28年12月21日(水)10時00分~12時00分

場所

TKPガーデンシティ永田町 バンケットホール1A

東京都千代田区平河町2-13-12 東京平河町ビル1階

議事録

前10時00分 開会

○総務課長
おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会を開催いたします。
私は、事務局を務めております、環境省の角倉と申します。どうかよろしくお願いいたします。
本日の審議は公開とさせていただきます。
現在、委員総数23名のうち、過半数の委員の先生方にご出席をいただいており、定足数の要件を満たし、部会として成立していることをご報告申し上げます。
まず、浅野部会長よりご挨拶をいただきたいと存じます。
よろしくお願いいたします。

○浅野部会長
おはようございます。久しぶりに本部会を開かせていただきます。
この部会に関連するできごとが前回部会以降いろいろにございましたが、もう皆さんよくご存じだろうと思います。意外と知られていないと思われることは、11月25日に、第四次環境基本計画の第4回点検報告を閣議に報告をいたしました。これが第四次環境基本計画の点検報告としては最後のものになるだろうと思います。来年度は、第五次環境基本計画の策定の準備にかからなければならない、こういう状況であるわけですが、第四次の最後の点検報告書では、2014年に、竹内会長のもとで、三社会、すなわち低炭素社会、循環型社会、生物共生社会の統合的実現をさらに強化しなくてはいけない、そのためには環境政策の各領域の統合のみならず、他の政策との統合ということも考えなくてはいけないという意見具申を出しましたが、そのことを再度強調いたしました上で、さらに、昨年の国連で決まりましたSDGsが、今後の我が国の環境政策の中でもちゃんと位置づけられなきゃならないこと。また、パリ協定が、とりわけ、今世紀後半には人為的な排出量と吸収源による除去量との均衡を達成することまで目指している、このことを確認いたしまして、このことが多分、第五次環境基本計画ではきちっと位置づけられていかなければならないだろう、こんなことを点検報告の中でまとめているわけでございます。
第五次の環境基本計画の各論編の策定検討に際しては、この部会にもご協力をいただかなければならないと思いますけれども、それ以前に、まず、本当に低炭素社会とこれまで言っておりましたが、今後は、脱炭素社会にまで向かっていかなきゃいけないという大きな方向が示されましたので、これに合わせて、この国の姿形をどう変えていくかということを本気で考えなければならない、こんな思いを持ちながら点検報告を出したような次第でございます。
今日は、報告事項ばかりでございますけれども、小委員会の報告につきましては、ほとんどの方が小委員会に属しておられませんので、忌憚のないご意見を伺おうと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○総務課長
続きまして、環境省地球環境局長の鎌形より、一言ご挨拶申し上げます。

○地球環境局長
おはようございます。環境省の鎌形でございます。
本日は、年末のお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
昨年に引き続いて、今年も気候変動関係では、非常に世界が大きく動いた年だというふうに思っております。10月にはモントリオール議定書のHFCに関する改正があったということ、そして11月にはパリ協定が発効いたしました。我が国も118日にパリ協定の締結をしたということでございます。100を超える国のもとで、実施、ルールづくりが進められているということであります。11月にはCOP22がモロッコのマラケシュで開催されまして、世界が一致団結して、後戻りすることなく進めていこうと、こういったことが共通の認識となったということであります。
世界は、脱炭素社会に向けて舵を切ったということで、この潮流はもはや変わらないというふうに考えているところでございます。こういった国際的な動きもしっかりと踏まえながら、国内での取組をしっかりと進めていきたい、このように考えております。
今日は、報告事項がたくさんございます。一つは、今申し上げましたCOPについてですが、COP22、そしてパリ協定の第1回締約国会合の報告をさせていただきます。それから、先ほど座長からもお話がございましたが、長期低炭素ビジョン、今、小委員会で議論を進めてございますけども、これまでヒアリングを重ねてきて、先般、13日ですが、ヒアリングのこんな意見が出たというような取りまとめをさせていただいた段階でございます。そうした審議の経過、あるいはヒアリングで出てきた意見についてご報告させていただき、ご議論をいただき、ご意見を賜りたいというふうに考えてございます。
こういった長期戦略ということに関しましては、既にアメリカ、ドイツなどが国連に戦略を提出すると、こういうような状況でございまして、日本といたしましても、今、ご議論いただいている小委員会での議論、そして、踏まえまして、日本としての長期戦略の策定に向けて取り組んでいきたい、そういった土台となる役割を、今、小委員会で議論をしていただいていると、こういうことでございます。
それから、あと報告事項は、そのほか、いわゆる緩和のみならず、適応に関することについてもさせていただきたいと思います。
昨年、気候変動の影響への適応計画、閣議決定をさせていただいてございますけども、現在、気候変動影響評価等小委員会において、さらに検討を進めているということでございます。これについても、検討状況の報告をさせていただきたいと思います。
また、先ほども申しましたフロンの関係でございますけども、モントリオール議定書の改正についてのご報告、そして、さらに、フロン類対策の施策の向上、あるいは、モントリオール議定書の改正の対応ということのために、検討をするために、検討会を設置して動かし始めてございます。これについてもご報告させていただきたいと思います。
また、以上の国内対策のほか、国際対策といたしましての二国間クレジットの状況についても報告させていただきます。この二国間クレジット(JCM)に関しましては、先般、政府全体の行政事業のレビューの対象としても掲げられたわけでございますが、こういった中では、行政事業レビューでは、それぞれの事業に対して厳しい評価がなされるというのが通例でございますけども、JCMに関しましては、事業の必要性ということに関しては、共通の認識となった上で、今後、効率的な対応をしていくべし、こういうような対応もされている、評価もされているということでございます。こういったJCM事業の状況についてもご報告をさせていただきたいと思います。
非常に盛りだくさんの内容でございますけども、活発なご議論をいただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○総務課長
カメラはここで退席をお願いいたします。
次に配布資料の確認をさせていただきます。
お手元の資料、議事次第の紙が1枚目ございますが、その2枚目に、配布資料一覧の1枚紙をつけてございます。資料の不足等ございましたら、事務局までお申しつけいただければと存じます。
それでは、以降の議事進行につきましては、浅野部会長にお願いいたします。
よろしくお願いいたします。

○浅野部会長
それでは、今日は報告事項がたくさんございますが、まず、(1)と(2)につきまして、それぞれご説明をいただき、これについてはそれぞれ個別に質疑応答をしたいと思います。その後、(3)から(6)までは、これはまとめてご報告をいただいて、一括して質疑という進め方にいたします。
では、まず(1)について、国連気候変動枠組条約第22回締約国会議の結果について、事務局からご説明をいただきます。

○国際地球温暖化対策室長
それでは、資料2-1に沿いまして、まず、COP22の結果についてご報告させていただきます。
日程は、先月、11月7日~18日まで2週間行われまして、第2週目の閣僚級会議には、臨時国会の真っ最中でありましたが、国会の許しを得て、山本環境大臣もご出席いただきました。場所は、マラケシュです。
1枚目に、主な成果ということで、4点挙げておりますけれども、そこに触れる前に、ます特徴、意義ということをご紹介させていただきたいと思います。
昨年のCOP21においては、長年の枠組み交渉を経まして、パリ協定という形で今後の国際的な仕組みができたと。その合意自体が非常にハイライトされたCOPでした。今回のCOP22ですけれども、パリ協定を受けまして、温暖化行動の実施、あるいは、パリ協定に基づく行動というところにフェーズが進んだという位置づけになります。そして、交渉という意味では、パリ協定の実施指針という、実効を持たすためのルールづくりの交渉、これが新たに始まったという特徴かと思ってございます。
そして、意義ですけれども、パリ協定によって生み出された機運、国際的な機運をさらに高め、各国が連携して行動をとることを示すという意味で、重要な会合であったと捉えております。
資料に戻りまして、4点、ご紹介します。
まず1点目、「パリ協定の発効」というところです。先ほど、局長のご挨拶がありましたけれども、114日にパリ協定が発効するということで、昨年の採択から1年たたないうちに、こうした大きな環境に関わる国際枠組条約協定が発効するということで、これは非常に画期的なことでした。
それに伴いまして、第1回のパリ協定締約国会合、CMA1と呼ばれるものですけれども、それがCOP22の機会に開催されてございます。今回は、山本環境大臣を初め、各国の首脳・閣僚が、パリ協定発効、この節目を祝うと、国際的に祝うということがまず一つございました。また、COPの第1週目の期間中でしたけれども、アメリカの大統領選挙の結果が出まして、温暖化対策に後ろ向きと言われておりますトランプ候補が勝つということがございました。その流れも受けまして、より一致団結して、国際的に各国が一致団結して、後戻りすることなく、パリ協定実施にしっかりと取り組むという意思が強調されたということも、特徴というか、大きな成果だったと思ってございます。
2番目、パリ協定実施指針の交渉の進展ということです。今後、冒頭で述べましたとおり、パリ協定で決まった枠組みを実効するための詳細なルール、指針をつくっていくということが必要になります。これに関しましては、パリ協定の発効時に、日本の締結手続が間に合わないということで、こうしたルールづくりの交渉の場において、日本が不利な立場になるのではないかといったようなご心配をおかけしておりましたけれども、その点に関しましては事務局がもともとアナウンスしていたとおり、締約国であるかないかにかかわらず、COPのもとに設置された作業部会で、全ての国が参加する形でルールづくりをすると。これはもともとパリ協定の全ての国が参加して、全ての国が実施するものをしっかりつくるという精神のもとで、それが貫かれて、交渉が行われております。
今回の成果ですけども、全ての国の参加の下で交渉を行うということは、今後も継続するということと、遅くとも2018年、2年後までに必要な指針をつくるというフレームワークが合意されております。加えて、次回交渉までに、どういった形で具体的な作業を進めるかといった作業計画も決定したということが今回の成果です。
3点目、途上国支援でありますけれども、全ての国が参加する枠組みということの裏返しとして、途上国支援、途上国についてもしっかりと実施可能な体制をつくるということが重要になってございます。これについて、我が国からは、「気候変動対策支援イニシアティブ」というものを発表して、日本としての技術、あるいは経験に基づく支援をしっかりしていくということを発表させていただきました。これについて、各国からも評価を得ているところです。これについては、後ほど、別のスライドでもう少し触れたいと思います。
4点目です。企業・自治体等による行動の後押しということになります。これまでのCOPは、どちらかというと、国・政府レベルでの交渉というところが、実際、中心であり、ハイライトされてまいりましたが、冒頭で述べたとおり、これからは実施、行動をどうするかという具体的なアクションがクローズアップされてきます。そういった意味で、今回のCOPにおいて、多くのサイドイベントという形……

○浅野部会長
すみません、報告事項がたくさんあるので簡潔にしてください。

○国際地球温暖化対策室長
わかりました――形が取り上げられまして、そこがハイライトされたというのがもう一つの特徴、あるいは成果ということであります。
一つ挙げるとすれば、国も長期戦略をつくってまいりますけども、自治体、あるいは企業でも、2050年に向けた道筋をつくっていくという形のイニシアティブが採択されたということがございます。
次のスライドに移ってください。
ここでは、山本環境大臣にご対応いただいたところを幾つか紹介していますけども、1番目のステートメント、これは日本の締結ということと、あと、パリ協定の目標に向かって、日本が役割をしっかりと果たしていくということを述べていただいております。詳しくは参考資料をつけておりますので、ご確認ください。
あと、二つ目で、ケリー国務長官が来られました。主催のフォーラムを開かれましたが、そこで大臣からもアメリカに対して、ある意味、釘を刺すような、「パリ協定が京都議定書になってはいけない」と、「共通の財産になるようにしてほしい」ということを述べていただいて、ケリー長官からも、パリ協定自体、一部の国の動向により大きな影響を受けるものではないということで答えていただいております。
あと、JCMのパートナー国会議とか、閣僚級のバイ会談等をやっていただいております。
次、めくっていただきまして、今後のスケジュールを簡単に触れております。来年、COP23、再来年、COP24が開かれます。先ほどの交渉ルールですけれども、2年後、18年までに策定するということになっておりますので、COP24の機会に開かれるCMA1、ここで実施指針が合意されるということになっております。それに向けて、あと2年間の間での手続が進むということになります。
次のスライドを見ていただきますと、先ほど触れました気候変動対策支援イニシアティブ、日本が発表したものでございますけれども、概要をつけております。山本大臣も、日本が今後も中心的な役割を果たしていくということの一つに、途上国の支援をしっかりするということがございます。
主な内容として四つつけておりますけれども、JCMを通じたような緩和対策、あと、後ほども触れますけれども、アジア太平洋地域にも視野を広げた適応に関する実施支援のためのプラットフォーム作成、あるいは透明性、今後のレポーティングなどを支援する人材育成等々についてご紹介したという内容になってございます。
私からの紹介は以上です。

○総務課長
続きまして、資料2-2に基づきまして、COP22を踏まえた国内対策の強化について、ご報告申し上げたいと思います。
これは、COP22帰国後、山本環境大臣から閣僚記者会見の場で、1129日にご発表をいただいたものでございます。
大きく四つの柱がございます。まず最初、一つ目が、脱炭素技術がけん引する経済活性化でございます。中長期に大幅削減するとともに、我が国経済を活性化し、産業の国際競争力を高めていく上で我が国の強みである優れた脱炭素技術を発掘・選定し、発信していくための具体策を検討する、というものでございます。
2番目が、上流から下流までのフロン対策の強化でございます。これにつきましては、また、本日の議題(5)で改めて詳しくご報告申し上げたいと思います。
3点目が、本格的カーボンプライシングの検討でございます。一番下のほうでございますが、これまで事務的に検討を進めてきたところでございますが、今後の中長期的なCO2排出の大幅削減と新たな経済成長のための有効な手段の一つとして、有識者を交え開かれた場での検討を開始したいと、こういうものでございます。
続きまして、4点目、幅広いステークホルダーとの連携強化による国民運動の展開でございます。幅広いステークホルダーとの意見交換を行い、長期低炭素ビジョンの年度内取りまとめに向けた検討を加速化し、今後の日本としての長期戦略の速やかな策定につなげていくと、こういうものでございます。
以上でございます。

○浅野部会長
それでは、ただいまのご報告につきまして、ご質問、ご意見がございましたら、名札をお立てください。いかがでございましょうか。
それでは下田委員、どうぞ。
ほかにいらっしゃいますか。札をお立ておきください。

○下田委員

このマラケシュのサミットに関して、国内におりまして、その報道を見ておりますと、かなり海外のNGOの方からの評判が悪いというのがあって、少し気にしております。ここに、資料2-2とか2-1にも書かれておりますように、市民社会との共同というのが非常に大事なポイントになる中で、もちろん、ご意見を真摯に受け止めないといけない部分があるということと、それからもう一つは、日本の取組がそんなに悪いものではないとも思っておりまして、そこはやはり先方の理解不足のところもあるように思うんですけれども、その2点について、どういうふうにお考えになっておられるのかということを、ちょっと教えていただきのですが。

○浅野部会長
ありがとうございました。
質問をまとめてお願いします。
末吉委員、どうぞ。

○末吉委員
どうもありがとうございます。
私は、パリ協定とCOP22の動きのインプリケーションをどう受け止めるかということが重要だと思っております。ですから、そういった意味でいけば、資料2-2の前文で、世界は舵を切った、日本はリードする必要がある、これはこれで正しいと思いますけども、その前に、日本は世界に遅れ始めているという危機感を持つ必要がある。その危機感の共有が重要だと思っております。
それから、1.のところで、脱炭素技術がけん引する経済活性化とありますけども、これももちろん間違いではないんですけども、今起きていることは、国や社会の在り方やビジネスモデルですね、あるいは経済モデル、あるいは個人の消費スタイルも含めたライフスタイルの見直しとか、あらゆる意味で大きなトランスフォーメーションをすると、そういう時代が始まっているような気がするんですね。ですから、あまり脱炭素技術や環境技術がこうだああだというだけではなくて、無論それは柱にはなるんですけれども、それを使いながら、どういう経済や、社会や、国にしていくのか、そういった認識が私は非常に重要な気がします。
それから、もう一つ、そういったことは、少し狭めた意味で言いますと、ビジネスのルールを変えていくという話でもありますよね。ですから、例えばアップルがサプライチェーンで再生可能エネルギーを100%に近づけたいと、こうしていることは、それに協力できないサプライヤーはアップルとビジネスができなくなる、そういったような、ビジネスができるのか、できないのか、例えばダイベストメントも、この1年間で倍に増えて、350.ORGの発表によれば、76カ国で約700の機関がダイベストメントをもう決めたという話をしております。
あるいは、この会、ビジョンのほうでしたか、でお話のあったTCFDですね、気候変動に関する情報開示のタスクフォースチームのレコメンデーションズが先週出ましたですよね。私は、この中で一番重要だと思っておりますのが、気候変動に関するリスクやオポチュニティーに関する情報を、既存の財務報告の中に組み入れていくという話ですよね。これは、こういった気候変動に関する情報を、メインストリーム化するという話だと思うんです。今ある義務として出さなきゃいけない財務報告書に、気候変動関連の情報を組み込めと、そういうレコメンデーションです。
このことが実際に来年から始まりますと、私は、企業行動の在り方を非常に縛っていく、あるいは、どこかにリードしていく、そうしたようなことが始まると思いますので、ぜひ、そういった視点も持ちながら今後の議論を進めていただければと思っております。

○浅野部会長
ありがとうございました。
長辻委員、どうぞ。

○長辻委員
先ほどのお話の中で、COP22の時点でトランプ政権の誕生という、そういうニュースが出てきたわけですけれど、それに対して、ほかの国々が一致団結して、より結束が強まったという趣旨のご発言がありました。しかし、これはそんなに簡単な問題ではないでしょう。アメリカの次期政権の閣僚人事が発表されていますが、環境保護局の長官、それからDOEのエネルギー省長官、このお二方とも温暖化防止対策に対して、ご承知のように非常にネガティブな方々です。ということは、これはアメリカは対策を本気ではやらないよというメッセージを発信しているという、そういうふうに受け止めるべきだと思うんですね。
それから、中国の場合は、2030年のピークアウトということを前々から言っております。ピークアウトですから、可能性としては、最悪の場合、2030年まで排出量が減らずに増えるということが考えられるわけです。それでも2030年になってアウトしてくれればいいんだけれど、台地の、プラトーの状態になってしまうと非常に困る。その可能性もあるわけですから、やはり、合わせて40%近くのCO2、温室効果ガスを排出しているアメリカと中国の動向に対しては、非常に敏感に、また精力的に情報を集めていく努力が必要でしょう。こうしていかないと、日本のとるべき方策、打つべき手もなかなか的確なものにならないんじゃないかという、そういう危惧がありますので、この点を、どうぞよろしくお願いいたします。

○浅野部会長
ありがとうございました。
それでは、藤井委員。どうぞ

○藤井委員
すみません、後出しで申し訳ないです。
一つは意見というか。パリ協定が発効したということですが、発効までに日本の動きが非常に遅れて、結局、CMA1にもオブザーバーでの出席になってしまった。結果的には、もちろん批准したわけですけれども、この過程が、国民の視点から見ても、どうせ批准するなら、なぜ、こんな土壇場までかかって遅れるのかとの懸念があったと思います。
これは、温暖化問題だけではなくて、日本の外交全体に絡んでくる話ですので、間に合ってよかったということだけじゃなくて、なぜ、すんなりとできなかったのかということを、ぜひ、政府の中では反省していただきたいと思います。日本が、中心的リーダーシップをとるというならば、先行してやれるような態勢をとるようにしていただきたいという、これはお願いです。
もう1点は、質問というか。パリ協定が発効しても、2℃目標を達成するには、各国の約束草案の削減目標だけでは不十分であるということは、巷間、言われているわけです。かつ、現状は、署名国全部が批准しているわけではありません。ちょっと記憶が定かでないですが、ロシアはまだしていないと思いますね。現状において、批准していない国がどれぐらいあって、2℃目標の全体の目標に対して、全てが署名した場合にはどれぐらいのギャップが出るのか、今現在において署名している国にとどまった場合にはどれぐらいのギャップが出るのか、そして、先ほど長辻委員からご意見がありました、アメリカが抜けたらどうなるのか、どれぐらいギャップが開くのか。つまり、発効した協定を守っていくためには、そういう要件が変わったときに、批准した国々が追加の負担をしなきゃいけないという議論が出てきますので、その辺の試算を事務局から、後ほどで結構ですので、ぜひ出していただきたい。
そういう具体的なデータがないと、「頑張ります、頑張ります、日本は世界に最たる技術があります」と言っているだけでは済まなくて、日本の負担も大きく増えてくるリスクがあります。ぜひ、その辺のデータを出してください。よろしくお願いします。

○浅野部会長
ありがとうございました。
それでは、下田委員の後半のご質問にお答えいただいて、藤井委員の今のご質問と言われた部分については、もし何か説明があれば、説明してください。簡潔にお願いします。

○国際地球温暖化対策室長
下田委員のご質問です。

○浅野部会長
要するに日本の取組について、十分に国民が理解できていないんではないかという点についてです。

○国際地球温暖化対策室長
わかりました。一つ、NGO等から批判を受けたのが、やはり石炭火力に対する姿勢でございまして、これについては、環境省としては、抑制的に進めていくという立場で引き続き対応をとっていきたいと思います。また、日本の取組の理解を進めるために当たって、COPでは、一つは、日本の行動イニシアティブという形で明確にしていくことと、あと、日本パビリオンというパビリオンで対策、支援をPRする場を設けました。これは非常に盛況でして、引き続き、そういった努力は続けたいと思います。
あと、藤井委員のパリ協定発効の状況ですけども、手元にあるのが12月9日現在の数値ですが、今まで、115カ国が締結しております。していない主な国は、ロシアと、あとEU28カ国中10カ国がまだされておりませんで、という状況です。
あと、排出量等の分析については、後ほどまとめて提出させていただきたいと思います。

○浅野部会長
官房審議官から。補足ですね。どうぞ。

○大臣官房審議官
下田委員から、NGOとの連携が大事ということのご指摘もございました。この点については、我々も非常に重要だと思っておりまして、COP22開催期間中、毎朝、政府代表団と、それからNGOの方、産業界の方、いずれもご参加をいただきまして、情報の共有と、それから意見交換をするという機会を、毎朝、これは設けてございます。
実際、実はCOP22のある会合の中で、NGOの方々に対する退室を求めた国がございまして、その際に、日本からは、それは不適当で、NGOの方がやっぱり出席されることが非常に重要だということを主張させていただいております。結果として退室ということにはなってしまったんですけれども、その翌日、NGOの代表の方から、その朝のミーティングの際に、日本政府に対しまして謝意が示されたということもございました。
長辻委員からご指摘のありました、アメリカ、あるいは中国をしっかり見ていかなきゃいけないと、これは、我々も本当に非常に重要な視点だというふうに思ってございます。
実は、アメリカにつきましては、先週、私、1週間、ワシントンD.C.に出張させていただきまして、11の団体、今後キーパーソンと思われるような方々と意見交換させていただいております。この中には、トランプ政権が、トランプ次期大統領が設置をしております、次期政権のための政権移行チームに深く関わりのある団体も幾つか含まれてございます。その中で感じてまいりましたのは、やはり今後パリ協定がどうなるか、あるいはUNFCC、枠組条約がどうなるか。あるいは、連邦政府の政策がどうなるかということで、非常に多様な意見があったということでございますけれども、まだ具体的な政策が固まっているわけではないという中で、今後、その取組をしっかり見ていく必要があるんですが、一番重要なのは、トランプ氏がどうお考えになるかということでございまして、これについては、1122日のニューヨークタイムズ紙のインタビューで、パリ協定についてはオープンマインドだというような言い方をされて、ちょっと選挙戦とは変わってきているような報道がなされております。
今回お話しした人からお話を聞いても、やはりトランプさんの考え方も少し変わってきているようで、大統領選後に、パリ協定のある意味での価値というものに気がついてきているという様子は見てとれるが、実際、それを受けて、トランプさんがどういう判断をされるのか、これはもう予測ができないことがあるというふうなお話でございました。
USEPAの長官の人事、あるいはDOEの長官の人事等もございますけれども、一方で、国務長官にエクソンモービルCEOのティラーソンさんが指名されておりますけれども、この方は、パリ協定、あるいはカーボンタックスの賛成派、支持派ということで知られておりまして、様々な見方もできるということではないかということが言われておりました。
アメリカの取組でございますけれども、非常に、アメリカ自身は重層的な取組を進めております。連邦政府だけではございません。州政府、あるいは地方都市、そういったところが今後も取組を続けていくだろう、強化していくだろうと。あるいは、産業界、あるいは金融界が、既に脱温暖化に向けて投資を始めているんで、大きな流れは変わらないということが、大きなご指摘でございました。
ちょっと追加させていただきますと、例えば規制緩和が仮にされたとしても、アメリカで、石炭火力発電に関して、新規の増設という計画が出てくるような状況ではないだろうと。これは、ビジネスの観点からいうと、既にLNG、シェールガスがあるというようなことで、価格競争力という観点で、そういうことはもうないんじゃないかというのが、大方のお考えということでございました。
再生可能エネルギーの取組などは、共和党、民主党、双方が合意して進めているというような政策でもございまして、こういったことについては、あまり後退はないのではないかと。そういったオブザベーションが得られたところでございますが、いずれにしても、しっかりとウォッチをして、アメリカとともにしっかり取り組んでいくというようなことにしていきたいというふうに思っております。

○浅野部会長
どうもありがとうございました。
まだご発言があるかもしれませんが、次のテーマとも関わりがありますので先に進めさせていただきます。
ご存じのように、長期低炭素ビジョン小委員会を開いて議論を進めてきておりますけれども、部会の委員の方のダブりがあまりございませんので、これまではずっとヒアリングを続けてまいりましたから、ヒアリングについて、どういうご意見が出たかということをまとめたものを、ただいまからご紹介申し上げたいと思います。
なお、第1回目の会合では、自由に皆さんからご意見をいただきましたので、ヒアリング以外に、第1回でのご発言についてもこの中に入れてございます。さらに、これに加えて、前回やりました小委員会では、これらのヒアリングを受けて、再度また自由にご意見を伺うということで、意見交換いたしましたが、それはちょっと残念ながら、本日まだ整理が間に合っておりませんので、前回の委員会での委員のご発言の分はまだここに入っていないということで、ご了承いただきたいと思います。
それでは、ちょっと時間がかかりますが、これまでの意見のまとめということでございますが、これを事務局からご紹介いただきたいと思います。

○低炭素社会推進室長
今、ご紹介いただきましたように、長期ビジョンにつきましては、国連に提出する長期戦略の土台になるものということで、小委員会でご議論いただいておるところでございまして、今、これもご紹介いただきましたように、この資料につきましては、12月13日の小委員会で事務局から出させていただいたもので、その際、また、その後もご意見をいただいているということにご留意ください。
初めに、一番最後の1枚、50ページ、51ページをご覧いただきますと、第2回目以降、この小委員会でヒアリングをしてきた状況について載せております。第2回目、830日から、51ページの第9回目、1129日まで、25名の方からヒアリングを進めてきたということでございまして、ヒアリングの対象者のご発言ですとか、委員の方のご発言、また、これまで事務局から出させていただいた資料等をまとめて再構成したというのがこの資料でございます。
一番表の横紙を見ていただきますと、とりあえずこういう形でまとめてございますけれども、一つ目として、気候変動問題、(1)として気候変動に関する動向、(2)としてパリ協定の意義というのを書いておりまして、二つ目として、世界の潮流ということ。それから右のほうに行きまして、その他の、我が国が抱える経済的・社会的課題ということで、国内外の主要課題ですとか、あと、今後、考慮するべき社会的な基盤要素についてまとめていると。また、4.として基本的考え方というようなことをまとめまして、5.で長期大幅削減の絵姿というのを、それぞれ分野をくくりましてまとめたと。また、その大幅削減に向けた政策の方向性というのをそれぞれまとめております。
それぞれについては、書いてあるページのところになりますけれども、ページを繰っていただきまして、1ページ目が、これを目次にしたものでございまして、2ページ目のところに、それぞれ、先頭部分に、ちょっとリードになるような形でキーワードを載せているというものでございます。
2ページ目、上のほうを見ていただきますと、(1)として気候変動に関する動向としまして、1としては、気候変動は社会の安定の脅威であるということで、生態系とか、安全保障とか、ビジネスリスクの観点で、それぞれの方のご発言をまとめております。
また、2としまして、2℃目標、パリ協定で気温上昇を2℃より十分低く保持するということを目的にしておりますので、それに関すること。それから、温室効果ガス実質ゼロというのは、今世紀後半には排出と吸収のバランスをとらないといけないというようなことでございまして、そのための科学的な知見とか、あと、気候感度というものに幅があるというようなこと。それから、生産ベース、消費ベースというのは、80%削減でも、生産ベースでなくて消費ベースで達成することが重要なんだといったご意見もあったというようなことを載せております。
また、カーボンバジェットというのは、2℃目標を達成するのに、世界中のCO2の容量が3tというようなものがございまして、現在までに、もう2tまで排出しているということで、残り1tしかないというようなことについての発言というのをまとめております。
また、パリ協定の意義につきまして、脱炭素とか、ゲームチェンジ、もう世界が大きく変わってきているということでゲームチェンジとか、あと、排出できる炭素がもうあまりないということで、化石燃料については座礁資産化していくんではないかというようなご意見がありましたので、まとめております。
次、7ページまで飛んでいただきまして、2.で、パリ協定を踏まえた世界の潮流というのを書いておりまして、各国の目標関係のこと。また、諸外国の方にもおいでいただいてヒアリングをしておりますので、例えば中国の方に来ていただいたときには、低炭素発展というのが企業や地方政府に収益をもたらすものという考え方に変わってきているとか、中国でも排出量取引を来年から始めるというようなご発言がございました。
また、ドイツの方からは、長期戦略の位置づけですとか、再エネの普及とか、系統とか、火力とか、省エネとか、また、市民参加によって、ドイツの長期戦略をつくってきたというようなお話がありましたので、そういう発言をまとめております。
また、フランスのところにカーボンバジェットと書いていますけれども、これは先ほどのものと、言葉としては同じなんですけれども、フランスなどでは、長期の目標を定めまして、途中段階で中間的な目標という、排出の目標をつくっていると。それをカーボンバジェットと呼んでおりますけれども、そういう状況ですとか、あと、排出量取引と炭素税、どっちも導入しているとか、あと、情報開示の在り方についての発言等々がございましたので、それをまとめております。
また、そのほかの国についても、その国の方というわけではなくて、ほかの方々からご発言等ありましたので、まとめております。
また、金融関係につきまして、先ほどの委員のご発言の中にもございました、TCFDですね、G20で気候関連の財務開示に関するタスクフォースというのがつくられていて、情報開示を求めていくということになっておりますけれども、そういう状況ですとか、あと、企業の取組として、RE100ということで、世界各国の企業で再生可能エネルギー100%に向けての取組が進んでいるといったような情報がございましたので、まとめております。
またちょっと飛んでいただきまして、17ページのところでございますけれども、経済・社会的課題としまして、2050年の国内外の主要課題と今後の方向性としまして、例えば人口減少とか、高齢社会とか、経済の低成長とか、地方の課題といったようなことが課題としてあるとか、あと、今後の方向性として、付加価値生産性を向上させていかないといけないんじゃないかとか、技術、ライフスタイル、社会構造のイノベーションが必要なんじゃないかとか、国際競争力への配慮とか、あと、長期に考慮すべき社会的基盤要素としまして、ICTの進展とか、国民の価値観の変化等々についてもご発言がございましたので、まとめております。
また少し飛んでいただきまして、21ページのところでございますけれども、基本的考え方としまして、こうした低炭素、脱炭素をめぐる状況、それから、国内外の経済・社会的課題を踏まえると、その脱炭素への取組が、経済・社会的課題の同時解決につながるんではないか。また、今、気候変動対策を行わないと、将来世代に対して負担がどんどん大きくなっていくといったようなことがありましたので、今から取り組む必要があるんじゃないかということ。
それを(1)から(3)(1)としましては経済成長。炭素制約がかかってくると、それに向けて新しいビジネスが必ず生まれてくると。それを「約束された市場」というふうに呼べるんではないかということでのご発言ですとか、あと、イノベーションについてのご発言。また、デカップリング、経済の成長と二酸化炭素排出の減少がだんだん分かれてきているというようなデカップリングについてとか、あと、飽和ということで、国土が有限なので人工物というのは飽和してくるんじゃないかと。で、我が国は、もう既にこの時代に突入しているんだというようなご発言がありましたので、まとめております。
また、地方創生のところでは、新しい地産地消のエネルギーとして再生可能エネルギーを進めていくことが、経済、エネルギー、人の循環の創生につながるんではないかといったようなことがありましたし、国際貢献として、省エネ型のライフスタイルを世界に向けて提案していくというのも国際貢献としてあるんではないかというような発言があったということでございます。
また、26ページに進んでいただきまして、長期大幅削減の絵姿ということで、2050年、80%削減を実現する社会というのがどういう社会であるかということ。また、様々な分野における大幅削減の社会像の例というのを、建築・暮らし、移動、産業・ビジネス活動、エネルギー供給、都市・地域というくくりでくくっておりますけれども、それぞれ、現状、進んでいる実例ですとか、今後進んでいく方向性として、こういうところに行くんではないかというような事例のご紹介等もありましたので、そういう発言をまとめております。
少し飛んでいただきまして、37ページのところでございますけれども、こういう絵姿を見据えて、長期大幅削減の実現に向けた政策の方向性として、主要な政策の方向性として、既存技術とかノウハウの普及とか、イノベーションの誘発・普及をしていかないといけない。そのために政策の在り方を見直していかないといけないのではないかとか、あと、個別の政策につきましては、例えばカーボンプライシング、炭素の価格づけというものでございますけれども、これが大切で、進めていくべきだとか、こういう変化を効果的・効率的に起こすためには、外部への炭素価格シグナルが必要になるんではないかというようなご発言もありましたし、一方で、排出量取引や炭素税などの規制的手法はイノベーションの原資を奪う効果しかないんではないかというようなご発言もございました。
また飛んでいただきまして、48ページのところ以降は、「その他」ということで、このビジョンの構成とか、議論の前提とか、議論の視点といったようなことについてのご発言、ご指摘がございましたので、それをまとめたということでございます。
こういうものも踏まえまして、今後また小委員会でご議論いただきたいと思っておるところでございます。
以上でございます。

○浅野部会長
それでは、ただいまご報告いただいたとおりでございます。なお、お断りしておきますと、第10回の委員会では、ただいまご紹介いたしました取りまとめのまとめ方についていろいろご意見が出ておりまして、こういう点もちゃんと入れておけとか、こういうご発言があったではないかというご指摘がありました。現在、議事録と照らし合わせながら精査中でございまして、これについては改訂を検討するということになっておりますので、その点はお含みおきをいただきたいと思います。
それでは、ただいまの取りまとめを中心に、このテーマに関して、ご意見をぜひ伺っておき今後、小委員会で議論を進めていく上での参考にさせていただきたいと思います。
それで、大変申し訳ないんですが、小委員会に加わっておられる方は発言のチャンスが幾らもございますので、できましたら、小委員会に入っておられない方から、全員、今日は、一言でも結構ですから、ご意見を承っておきますと、今後の小委員会の議論の役に立つだろうと思いますから、そのように進めたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
それでは、幸いにも真っ先に札が上がっておりますので、原澤委員からこちらに順番にお願いいたします。

○原澤委員
ありがとうございます。
三つ、質問になるかと思います。一つは、ゲームチェンジという言葉が最初に出てきまして、ちょっとこの意味が、まあ、わかっている人は、これを聞けばわかるんだと思うんですけど、ちょっとご説明いただきたいのが一つ。
2番目が、1.5℃の問題なんですけども、COP21で、1.5℃については、IPCC2年以内に報告書を出すということで、その活動がもう始まっているということで、私の承知している範囲では、この夏にスコーピング会合があって、総会で報告書の目次案が決まって、今、執筆者を探しながら、執筆を開始しようとしている段階だと思います。
日本の影響関係、あるいは緩和策関係の研究者も1.5℃の報告書に資するべく、急遽、研究を進めているという状況なんですけども、このビジョンの中でもそうなんですけど、その前のCOP22でも、この1.5℃の扱いというのが非常に、捉え方をやっぱりちょっと深刻にしておいたほうがいいんじゃないかなと、私個人は思ってはいるんですけども、そういう意味で、環境省として、この1.5℃の問題をどう捉えるかというのをちょっとお聞きしたいということで、それは結果としてこのビジョンの中に入っていくのかどうかというのも、あわせてお聞きしたいと思います。
つ目が、地球環境部会の議論の中でも、2030年までは比較的、技術とか、要するに対策面で確実性の高いものが入ってくるけども、2030年から2050年までの、いろいろなものがまだ不確実だろうということで、結果、それで2050年の80%が不確実というような、そういうような論調がちょっとあったように思いますので、2030年以降、2050年までの、特にイノベーションとか、そういったものの確実性みたいなものは、多分、議論をされていて、それが、先ほどご紹介のあった26ページですか、あったと思うんですけども、この辺が、いわゆる既存の技術の延長ではなくて、何か新しいものが入って、それで80%を達成して、その不確実性は下がっているというような状況なのかどうか。ちょっと、その議論の進捗状況の一端を知りたいということであります。
以上です。

○浅野部会長
ありがとうございました。
それでは、ちょっと幾つかまとめたところで事務局からお答えをいただきますが、長辻委員、どうぞ。

○長辻委員
今後の議論にあまり役に立つ発言ではないかとも思いますが、知りたいことがありますのでお尋ねします。
世界の潮流の中で、中国の動向、それからドイツについてですが、原子力に関して、ドイツの方は、現段階で原子力に未来はないと思っているという発言をなさっておられる。一方、中国の場合は、原子力発電所の新増設が物すごい勢いで進んでおりまして、たしか記憶だと、今年の初めには、動いていたのが30基だったと思いますが、今はおそらく36基になっているはずなんですね。猛烈な勢いで増えていて、そう遠くない将来に、アメリカを抜いて――アメリカは今100基ですけれども、さらにそれを上回る原子力発電設備を保有することになるだろうということが言われております。
しかし、この中で、低炭素発展とかの中で、「原子力」という言葉が、中国の方から一言もここでは記録されていないのですが、出てこなかったのかどうか。もし何かそういうコメントがあったのであれば、教えていただきたい。
それから、あと一つは気候変動問題の生態系に関して、これはサンゴ礁の話ですけれど、1.5℃の上昇で、サンゴ礁は地球全体の90%が死滅すると言われているということですが、これがいま一つ理解できません。
なぜかというと、水温が高くなり過ぎて、白化が起きて死滅するということですが、気温が高くなれば、北半球では分布域が北に上がっていき、南半球では分布域が南に下がっていきます。ですからこの90%という数値、減れば、新たな場所で増えるわけなので、90%というのはどういう意味なのか。現在、生育している場所では90%死滅するということなら意味はわかるけれど、ここのところは正確にしておかないと、世の中の方々に与える影響が非常に大きいので、念のため質問をいたしました。
以上です。

○浅野部会長
ありがとうございました。
末吉委員、ゲームチェンジの解説をいただけますか。

○末吉委員
単純にいけば、日本の柔道は、かつて、白い柔道着しかやっていませんでしたね。ところが、今は、みんな青いのを着ています。あるいは、日本の得意とした平泳ぎの潜水泳法で金メダルを取った途端ルールを変えられて、潜水はだめだという、これはちょっと単純なあれですけども、私は今、ゲームチェンジ、あるいはゲームチェンジャーと言われている最大の理由は、価値観が根底からひっくり返り始めたということだと思うんです。
それをこの温暖化で簡単に申し上げれば、CO2を出すことは、経済成長のためによかったね、必要悪だねといって許していたのが、経済成長に必要だといってもCO2は減らしていきましょう、できればゼロにしましょう、といったような話ですよね。ですから、CO2を出すことは悪いことになったんです。だから、その悪いことを減らすことはよいことです。ですから、ゼロエミッションに向かうということは、これからの社会は、価値観としてオーケーなんです。逆は、そうではない。例えば、こういったような見直しがあるんですね。
それから、例えば、今の経済の発展の在り方が、消費をあおるといいますか、消費をどんどん増やすことによって経済の成長が達せられる、そういうことで仮にやってきたとすれば、これからは、単純な物の消費をあおることではなくて、そういった消費を抑えながらも、経済が成長するような経済の在り方、あるいは、社会の幸せ感、幸福感を、どう追求していくのかというような話になってくるわけです。
私の金融の世界でいけば、投資は、お金にお金を生ませるのが投資です。今日の1,000円が、1年後に2,000円になるのか500円になるのかの話です。でも、今、投資の世界が始めていることは、お金のことをお金だけで考えることをやめるということを始めたわけです。お金以外にも、非常に重要な話があるでしょう。例えば、皆さんのよく使っている言葉で、ESGですよね、環境、社会的責任、ガバナンス。ですから、お金のことを、お金以外の重要になってきた社会の価値で、どう判断していこうと、そういうことが始まっていて、こういったことが私はゲームチェンジャーではないかと思います。

浅野部会長
ありがとうございました。
下田委員、どうぞ。

○下田委員
まず、これだけの多くの議論を短期間になされたということに敬意を表したいと思います。長期といいましても、もう、年が明ければ2017年で、あと33年。33年前というと、1984年で、私のようなものにとっては、つい昨日のことの様に思われることで、もう時間がないということをご認識いただければと思います。ぜひ、この議論をまとめられた後で、リードタイムというのを考えていただいて、転換シナリオを時間軸上に落としていくということを、ぜひ考えていただきたいと思います。
そうすると、社会像の中で、都市とか地域、それから建築なども、今、建っているものがほとんど2050年にもあるわけですから、もう待ったなしの状態であるということはおわかりいただけると思います。そこをまずやっていただきたいということと、これは繰り返しになりますけれども、私としては、特に民生部門と運輸部門については、カーボンマネジメントのシステムがないものですから、なかなか、目標に対してどうたどり着くかというシナリオが立てにくい。まず、エネルギー消費の実態把握を初めとして、いろんなセクターでカーボンマネジメントができるシステムをつくっていただきたいというふうに思います。
以上です。

○浅野部会長
ありがとうございました。
佐久間委員、今、長期ビジョンについてご意見をお伺いしているところです。

○佐久間委員
ありがとうございます。資料は読ませていただきました。

○浅野部会長
ありがとうございます。よろしくお願いします。

○佐久間委員
こういう形で、大変長期的な取組についてご議論いただき、まとめていただいたことを感謝申し上げたいと思います。
その上で、今後のことについて申し上げたいと思いますけれども、資料を読んだところでのいろいろなテーマについて意見の相違はやはり見られるということでございますので、最終的なビジョンの取りまとめに向けては、1月以降、しっかりと議論を行っていただきたいと思います。
また、取りまとめに当たりましては、意見が収斂、もし、しないとすれば、そのテーマについては、少数意見もしっかりと記述していただきたいと思います。
さらに、やはりエネルギー政策との関連についての議論が十分されていないような感じを受けました。ご案内のとおり、日本においては、エネルギー起源がほとんどでございますので、やはりエネルギーの需給構造、エネルギーコスト、エネルギー安全保障、いわゆる3E、この議論は避けては通れないということだと思いますので、ぜひ温暖化対策とエネルギー政策との連携をテーマに、一度じっくり議論していただきたいと思います。
先ほど、末吉委員が言われた、CO2を出すことが悪いことだということだとすれば、原子力はいいことずくめということになるのかどうかと、こういうことでもございますので、ぜひ、このエネルギー問題についてはご議論いただきたい。
さらに、長期目標で、この第5章にも書いてございます、205080%削減、これを実現する社会と、こういうことでございますが、やはりもう一度、なぜ205080%なのかということについて深めていただきたいと。
これはもう何度も申し上げていますように、この2050年80%というのは、東日本大震災前に出されたものでございまして、その後の我が国エネルギー事情等の変化を踏まえて、やはり慎重な検討が必要だと思っています。
これも何度も言っている三つの原則ですね、全ての主要国が参加する公平、かつ実効性ある国際枠組み、そして、主要国がその能力に応じた排出削減に取り組むこと、あと、経済成長との両立、この三つの条件というのが前提だということでございますので、ぜひ、こういう条件を踏まえた上でのコミットメントということを明確にしていただきたいと思います。
あと、もう、この中での規制的手法としては、排出権取引、炭素税ということが一つ念頭に置かれているかと思いますが、これはもうご案内のとおり、EUでも導入後10年、はっきり言ってしまえば、まだ成功した国・地域は存在はしていないと、こういうことではないかと思います。
また、これもかねがね申し上げていますとおり、排出権取引制度、炭素税といった規制的手法というのは、やはり経済活動を阻害する側面があり、また、イノベーションに必要な減少もあると、こういうことでございますので、やはり長期的な、つまりイノベーションが絶対必須である地球規模の温暖化対策には逆行する面があるということで、やはり経済界としてはネガティブだと、こういうことを申し上げたいと思います。
以上です。

○浅野部会長
ありがとうございました。
岸上委員、どうぞ。

○岸上委員
ありがとうございます。私からは、先ほどの末吉委員のご意見と同趣旨ですけれども、情報開示ということに関連して、若干意見を申し上げさせていただきたいと思います。
一つは、先ほど、話が出ましたように、12月半ばに、地球温暖化の影響のリスク情報を企業に積極的に開示するように勧告する報告書を、金融安定理事会が15日までに公表したというような報道がございました。これは、財務情報にも地球温暖化の影響のリスク情報の開示を求めるように勧告してはどうかという内容なのかであります。それだけ投資家もこの情報を重視してきつつある状況と言えるのではないでしょうか。
それから、もう一点、気候温暖化ということよりは広い、ESGということと若干関係いたしますが、統合報告という考え方がございます。統合報告書を開示する企業は、日本でも非常に数が増えております。今年は300を超えてくるのではないかとも言われております。
また、国際的には12月初めに、ICGN、こちらは投資家中心の国際コーポレートガバナンスネットワークという組織で、コーポレートガバナンスコードですとか、スチュワードシップコードを策定したところですが、そことIIRC、すなわち、国際統合報告評議会が、初めて共同でカンファレンスをロンドンで開催いたしました。大変な盛況で、投資家の方も短期的な利益追求だけではなく、いろんな要素を組み込んだ情報開示を企業に求めていって、企業のほうも、どのような形で、持続可能な中長期的な価値創造これは、簡単に言えば、会社の場合には財務的な成長ということになろうかと思いますが、そういうことにつながる取組を行うとともにしっかり開示も目指していくべきだというような趣旨のカンファレンスが行われまして、非常に盛況だったということをご報告させていただきたいと思います。
日本は、どちらかというと、非常に慎ましいお国柄でございますので、プレゼンテーションというのは得意じゃない部分はあると思いますが、そのような状況をふまえ、国際的にしっかり議論に加わっていくべきではないかと思っております。そのようにしないと、先ほど少しお話が出ましたが、期せずしてダイベストメントになってしまうとか、せっかく取組をしていながら、そういうことを知らせていないために、投資家の方に理解していただけないというようなことが起きるのではないかというふうに懸念しております。そういう方面の議論も少し見ていっていただければと思っております。
また、そのカンファレンスの際、やはりアメリカのトランプさんがどういうスタンスをパリ協定に対してとってくるのかというのは、皆さん、不透明だねと話題に出ました。しかしながら、国際的な流れは、必ず何らかの反発を伴って、そうしながらも徐々に進んでいくものではないかと考えております。中国の動きですとか、アメリカの動き、足元では非常に大事な局面があろうかと思います。そういう局面の動きと、中長期的にどういう方向に国際社会が行こうとしているのか、両方に主眼を置いての対応をしっかりお願いしたいと思っております。
感想も含んだ形になり大変恐縮ですが、以上でございます。

○浅野部会長
ありがとうございました。
河上委員、どうぞ。

○河上委員
ありがとうございます。
まず1点目でございますけど、この取りまとめいただいた資料、大変ありがとうございます。ただ、やはり有識者の方々や、委員の先生方の発言を抜粋した形でまとめていただいているという編集の関係上、どうしても、その発言されました前後の経緯とか前提情報等の説明が不十分なところも少しありまして、場合によっては、ちょっと誤解を与えかねないようなところもありますので、既に、実は小委の電事連の委員からもコメントを発出させていただいております。もう既に部会長からもございましたけれども、ぜひ、このコメントをご参照いただきまして、反映のほうをお願いいたします。
いずれにしましても、今後、この結果、ヒアリング結果も参考にされて、検討を進めていただくということになると思いますけれども、長期ビジョンの実現に向けた、その技術的・経済的課題というところを十分に踏まえていただいて、議論を、今後、進めていただくようお願いいたします。
もう1点ございます。2050年の目標についてでございますが、先ほども不確実性の話がございましたけども、今後、イノベーションがどのように進展していくのかといったことや、あるいは、気候変動そのものにも、気候感度等の不確実性もございますし、先ほどありました、アメリカの政権が民主党か共和党かでころころ変わるみたいなのも一つの不確実性かと思いますが、こういうものが今後まだまだあるというところを踏まえますと、やはり2050年の長期の目標というのは、達成すべきターゲットというものではなくて、やはり目指すべきビジョンであるべきだという意味で、今回もそういうビジョンをおつくりになっていただいているというふうに認識しております。
また、そう考えますと、それに向けての道筋ということについては、当然、これからの不確実性をどう解決していくといいますか、明らかになっていくかといった、その状況の進展に合わせて、柔軟に対応していく必要があるということになりますので、当然、長期の目標からバックキャストするというのはとるべきものではないと思っております。
以前から申し上げておりますとおり、まずは地に足のついた技術開発というところが大事でございまして、その源泉ということになりますと、やはり安定した経済成長ということでございますので、これも以前から言っていますとおり、経済成長と温暖化対策の両立、これを前提としてご検討いただくようにお願いいたします。
以上です。

○浅野部会長
ありがとうございました。
飯田委員、どうぞ。

○飯田委員
ありがとうございました。
これから先、文系の文章で、数値なしで、こうあるべきという文章から、それぞれ、理系の文章である数値を入れたものに割り振っていく、それから時間軸についてもきちっと書き込んでいくと、そういう作業になろうかと思います。大変困難な作業ではありますが、それに向けて一丸となって、ご協力を皆さんと一緒にさせていただければ、そんなふうに思っております。
以上でございます。

○浅野部会長
ありがとうございました。
それでは、村上委員はお帰りになりましたね。では村井委員、どうぞ。

○村井委員
有難うございます。
数点ございます。一つは12ページのフランスの動向の中で、現在、原子力による発電比率が高いが、今後どんどん下げていく計画との記述がありますが、何かその背景を十分に理解しなければ、フランスで出来るのなら我が国でも出来るのではとならないか。フランスでは何故その様な発電構成計画になったのかという背景も少し記述しなければ、杞憂かもしれませんが、あらぬ誤解を招くのではと危惧しています。
2点目は、我が国の国民総生産額は、世界的にみても非常に高いですが、国民一人当たりの額でみますと、上の中ぐらいのところに位置していますが、社会経済が今後どういう形で変遷していくのかということも記述すべきではないでしょうか。
最後に、我が国は、先進国では未曾有の非常に早い人口増があって、スピードの速い高齢化社会に向かっています。それに伴い人口変動が大きいことや社会インフラ、例えば、橋脚、上下水道施設の老朽化の進行などを考えますと諸外国と同様、同レベルの議論ができるのかとの疑問もありますが削減に向け官民上げて努力を続けて行くべきだと思っています。
私の意見は以上でございます。

○浅野部会長
ありがとうございました。
藤井委員、どうぞ。

○藤井委員
ありがとうございます。
3点あります。一つは、先ほども議論になりました、アメリカについての表記が、少しありますけれども、ほんのわずか。これでは先行き、少なくとも、長期はともかくとして、短期的には、十分な議論できないのではないかなと思います。
先ほど、森下審議官から出張報告がありましたけれども、すごく楽観的に聞こえました。まあ、そういう見方もできますけれども、例えばティラーソンが温暖化対策に理解があるというのは、それはいろんな背景があって、訴訟問題を抱えていたり、そして、もちろん、彼が国務長官になるかどうかまだわかりませんけれども、彼に象徴されるアメリカの中の温暖化懐疑派の人たちが、EPAの長官とか、いろんな分野に就任が予定される中で、こうなった場合どうだ、ならなかった場合どうだ、あるいは、パリ協定から離脱しない場合どうだとか、いろんなシナリオが書けるわけですね。当然、政府中ではご議論されていると思うのですけれども、少なくともアメリカについて、一体これからどうなっていくのかというのを、しっかりどなたかにヒアリングを受けて、あるいは、訪米報告の要素を入れるかなどしていただかないと、中国もドイツもフランスも大事ですけど、アメリカは「その他の国」ではないですよね、その点が1点。
う一つ、TCFDは先ほどもご紹介がありましたように、先週、報告案が出ました。これはすごくおもしろい内容で、いろんな論点がありますけども、大事な論点は、これは産業界と政策と、これまでのいろんな綱引きの最大の点について、一つ、方向性を示していると私は思っています。つまり、全ての産業界を規制しようということではなくて、産業別にやりましょうということで、四つの産業分野に分けてやろうとしている。もちろん、全体のガイダンスと産業別の画ダンスの二つを出しています。今後、これは温暖化対策の経済合理性という点もそうですけれども、CO2の排出が多い産業セクターをどうしていくのか、しかも、そういった産業には、大事な企業がたくさんありますから、そういうところをどう守っていくのか。その削減技術の効率性をどうしていくのかなど、それぞれ産業によって条件が異なるわけですね。
TCFDの報告案には、その辺の視点が一つ出ている。それから、それを財務報告に載せるという方向性を示しているわけですけれども、これは、これまでの会計の世界でもなかなか簡単ではないわけです。そこの辺の手法を新たにどう開発していくのか。財務報告に、その総合報告としてポコンと載っかっていくのか。そうじゃなくて、財務報告書の中にそのまま入れていくのか。統合報告でやっていくのか。いろんな、これもまた選択肢があるわけです。
そういう議論がもう既に起きていて、これは来年の3月にはFSBの報告になるわけです。そういうところを、このヒアリングの段階では長村さんのコメントがありますが、これは途中段階の内容ですので、最新の情報をぜひ入れていただきたいということですね。
最後の1点は、いずれにしても、ヒアリングの意見というのは、何人かの特定の方にしか聞けないということです。ここで漏れ落ちている意見ももあると思います。まさにアメリカについての記述が漏れ落ちているようにです。アメリカのテーマ、あるいは中国のテーマとありますが、中国も、ヒアリングは一人だけに聞いているのですが、それでいいのですか、という感じがします。この方は中国の政府の人ですから、それは都合のいいことしか言わないわけですから。もう少し、直接聞いたことのほかに、ヒアリングで落ちているものは何かということも指摘してもらいたい。政策的に大事なものが落ちているのです。ヒアリングの内容を全部を載せる必要はないですけれども、事務局は、ヒアリングの成果プラスアルファの問題点の整理ということをした上で、報告書をつくっていただきたい、そのように思います。
以上です。

○浅野部会長
ありがとうございました。
根本委員、どうぞ。

○根本委員
ありがとうございます。
この意見のまとめにつきましては、非常にご高名な先生方のご意見ということで、興味深く読ませていただきました。様々なご意見があるということでございますので、当然、全てのご意見に対して賛同できるというものではございませんけども、総じて申し上げますと、私自身、大変勉強になりました。本当にありがとうございました。
3点、意見として述べさせていただきたいというふうに思います。
1点目でございますけれども、ライフサイクルという視点でございます。誰か一人が全体の責任をとるということは、これ、できませんので、当然、全体を分けて、何らかの区分をしていくということになろうかというふうに思います。全体を因数分解、あるいは分断して、そのパート、あるいはプロセスに対して誰かに責任をとってもらうというやり方になるかというふうに思います。その例えば一つということで、セクター別というような取組があるかというふうに思いますし、それは、当然、必要なことだろうというふうに思っております。
一方、ということになるんですけれども、これ、手前の話で恐縮なんですが、例えば車ということでございます。次世代車というものが、ご存じだと思いますけど、ございまして、ちょっとハイブリッドを入れるかどうかは別でございますけれども、プラグインハイブリッドですとか、あるいは電気自動車、さらには水素を使った燃料電池車と。いわゆる、お客様に走行いただくときにCO2が大幅に減る、あるいはゼロになると、こういった車でございます。また、ご存じかと思いますけれども、実は、こういった車は、残念ながら、我々、努力はしておるんですけども、製造だけ捉えてみると、実は排出量というのが、従来の車に比べて増えているんですね。ですが、我々はどう判断しているかといいますと、製造だけで見ちゃうと、今、申しましたように増えてしまうんですけれども、やっぱりライフサイクル全体で見るということが必要だろうと判断しておりまして、やはり全体で見て少ないんであれば、その製造という部分だけ取り出して、仮に増えていても、やっぱり推進すべきということで頑張って取り組んでおるというふうに思っております。
要は、分断したプロセスごとに見たとき、均質・均等に減るわけではないということに対しての理解は必要だろうなというふうに思っております。今、私が属していますのは車ということで申し上げましたけれども、実はこれは車だけではなくて、高付加価値製品をつくられている方々、皆、同じような悩みを抱えているんだろうなというふうに思います。したがいまして、部分から見るというのは、これは、当然、必要ですし、やらないといけないというふうに思いますけども、常に合わせて全体視点と、ライフサイクル視点ということを一緒に見ていく必要があるんだろうなというふうに思っております。
また、このライフサイクルという視点こそが、技術立国としての日本が全世界の削減に貢献するという考え方に大きく調和するんだろうなというふうに思っております。これが1点目でございます。
2点目でございます。先ほども一部の委員からちょうどご指摘があった点かというふうに思います。海外の施策の研究に当たってということでございます。
今回、世界の潮流ということで整理いただいておりますが、他国を研究するということは、これは、当然、必要な、有益なことだというふうに思っております。しかし、研究するときに、どこまで研究するのかという問題だというふうに思っております。形としての制度ということだけではなくて、やはり制度がよって立っております産業や経済の構造、さらには政治・社会・環境といったような、その国の置かれた文脈全体、ここまで研究していただく必要があるんじゃないのかなというふうに思っております。
また、こういった研究をされるときには、当然、日本への導入、あるいはその適応といったことを念頭に置いて研究されるというふうに思いますので、やはり各国の成果、効果の評価に当たりましては、プラスだけではなく、マイナス面もしっかり冷静に見ていただきたいなというふうに思います。これが2点目でございます。
最後、3点目でございます。これは、どちらかというと、小委員会に向けてというよりは、このビジョンの取りまとめに向けてのお願いということになります。もう、申し上げるまでもないシンプルな大原則ということでございます。
温暖化対策でございますけれども、世界全体で進めていくということになりますが、推進主体、これは様々でございます。しかし、推進主体がいずれでありましても、コストと呼ぶのか、投資と呼ぶのか、これは別にしましても、たくさんの資金が必要になってまいります。残念ながら、資金は空から降ってまいりません。したがいまして、企業であれば、その原資、国、自治体であれば、その財源といったものを、自ら手当てしなければならないということになります。
したがいまして、経済成長、正しくは持続的な経済成長、これが不可欠だというふうに思います。やはり温暖化対策を進めていく上で、この経済的成長は不可分一体であると。温暖化対策のためには、この経済成長を切り捨てることはできないんだという、当たり前のシンプルな大原則でございますが、大原則でございますので、やはり都度、必ず何らかの形で明記いただきたいなと思っております。
以上でございます。

○浅野部会長
ありがとうございました。
南部委員、どうぞ。

○南部委員
ありがとうございます。取りまとめ、本当にお疲れさまでした。
今後の全体の取りまとめについてのご意見ということで、二点、発言させていただきます。
一つ目ですが、2050年という長期を想定すると、イノベーションの進展や、少子高齢化など、経済・社会の世界全体の情勢の変数も多くございます。長期となれば、その変数による不確実性も高くなると考えております。国連への長期目標の登録を見据え、小委員会で議論がなされていると思いますが、不確実な部分があるとしても、経済成長と環境保護の両立を前提としつつ、2050年に到達すべき日本の絵姿を国民にわかりやすく示せるものにしていただければと思います。それをもとに、今後の国民のライフスタイルの変革につなげていくということが大事になるので、ぜひ、わかりやすい取りまとめをお願いしたいというのが1点目でございます。
二点目です。このヒアリングにおいてご意見がなかった点ですが、今後、一層の温暖化対策を進めることによって、特定の産業の衰退や失業が発生するということも考えられます。そういった事態を想定しまして、私たち労働組合では、「公正な移行」という言い方をしておりますが、産業、経済・社会のグリーン化などの温暖化対策を実施した結果、生じてしまう失業や労働条件の低下を最小限に防ぐ対策が必要であると考えております。
起こりうる労働移動に備え、きたるべきイノベーションを先読みした人材育成や職業訓練、学校における環境教育、2050年の低炭素社会を実現するための産業育成や、その産業への労働移動への準備などの人材への先行投資も加味していただけたらと思っております。
先日のCOP22に参加いたしまして、他国との意見交換をした中でのアフリカの事例がございました。物流のスピードアップという観点から、渋滞がひどく長時間を要したトラック輸送から鉄道輸送に切りかえたという事例です。物流の低炭素化にも効果があると言われておりましたが、物流を担っていたトラックの運転手の失業、転職対策がなされませんでした。もともと失業率が高い地域ということもあったのでしょうが、失業したトラックの運転手は、古い中古車を買って、無許可タクシー、いわゆる白タクの運転手に転業するケースが多かったため、温室効果ガスの削減効果も低減したと言われております。
したがって、温暖化対策の影響を見据えたグリーン産業の職業訓練の実施と同時に、グリーンな産業への労働移動が重要だというふうに考えておりますので、このような視点も含めて、今後、検討をいただきたいというふうに思います。
以上です。

○浅野部会長
ありがとうございました。
中村委員、どうぞ。

○中村委員
ありがとうございます。
まずは、このヒアリングを精力的に実施されました浅野小委員長をはじめ委員の皆様に対し敬意を表したいと思います。このヒアリングの纏めと今後の小委員会での議論、および個別のトピックスについて、意見を述べたいと思います。
まず、このヒアリングの纏めと今後の議論についてです。このヒアリングで得た知見を基に、さらに議論を深めて頂いたうえで長期ビジョンを策定してゆくと伺っています。このヒアリングの結果を拝見すると、著名な先生方の大所高所の視点に立ったご意見がきちんと入っていると思います。
一方、今後、地方でのヒアリングも実施すると聞いておりますが、私ども中小企業の立場からのお願いとして、例えばエネルギーを使用している地方の中小企業等、実際に事業を営んでいる現場の人たちの意見を吸い上げる機会を設けていただけないかと考えています。
これまでにヒアリングした中で地方の意見を述べられたのは、宮城県東松島市ぐらいだと思いますので、地方の特に中小企業の現場を把握するためのヒアリングの機会を設定していただくようお願いします。
今回拝見しているヒアリング結果のまとめですが、正直申しあげて、キャッチーなところが非常に強調されているような感覚を覚えます。まとめ方としてもう少し公平性が担保され説得力の持ったヒアリングのまとめにしていただけたらありがたいと思います。
また、資料をよく見ますと、気候変動長期戦略懇談会の結果も入れているようですが、これももう少し工夫し誰が見ても公平で説得力があるなというようなまとめ方にして頂くようお願いします。バランスの良いヒアリング結果を踏まえて、長期ビジョンを作成して頂きたいと思っております。
今後の進め方について1点、意見を申し述べます。長期的な視点に基づく地球温暖化対策という課題については、経産省でも議論が行われていると聞いています。環境省と経産省が個別に検討を行うことは良いことであると思いますが、環境省が長期ビジョンをまとめるに際して、経産省とどう対比しているのかという点についても整理していただいたほうが産業界としてはわかりやすいと思います。政府内で別々に議論を進めている環境省と経産省がどこを論点としており、どの部分が対比点なのかといった点についてもきちんと纏めて頂き、地球環境対策は主体間の連携が重要であるという視点も踏まえた上で、最終的には政府が一枚板になって進めていただきたいと思います。
また、長期低炭素ビジョンの最終取りまとめに際しては、今回のように地球環境部会に対してきちんとご説明をしていただくようお願いいたしま。
続いて、個別のトピックスについて2、3点、意見を申し上げます。
経済・社会的諸課題との同時解決というところについてです。この部分については、正直、非常に画一的な捉え方をされているなと感じました。先ほど、大所高所からの捉え方は、それはそれでよろしいと申しあげましたが、一方で、経済・社会は色々な主体で形成されています。業種、規模、特色、ターゲット、もちろん規模も異なります。大企業と中小企業ではそれを取り巻く状況や直面する課題、保有する経営資源等が異なるのが実態です。地球温暖化防止のための取組可能な対策も異なります。事業者として抱えている人的・物的リソースも違います。また、産業部門、家庭部門、業務部門も、もちろんそれぞれで高い目標はあるものの、取組の方法が違うのではないかと思います。
エネルギー事業に関わっている観点からすると、もちろんS+3Eのバランスの取り方は色々あろうかと思いますが、基本的には、エネルギー源の多様性を保ちながらエネルギーセキュリティーを担保していますので、今後、こういった経済・社会的課題との同時解決といったような議論をする場合は、やはりきめ細かな検討をきちんとしていただけたらと思います。もちろん、マクロな視点に基づくゲームチェンジといったマクロ視点も重要ですが、実際に行動するのは、一人一人の主体ですので、こういった観点からのきめ細かな検討をお願いいたします。
最後に「2050年80%削減」についてです。私どもとしては、ここに向かわなければならないゴールではなく、ビジョン、もしくは目指す方向性といった位置づけで、今後の議論を進めるべきと考えています。
地球温暖化対策と経済の両立についても、この経済の両立を目指すということを原則に据えていただき、今後の議論を進めるべきだと思います。そういう意味で、いわゆるカーボンプライシングにつきましては導入すべきではないと考えております。
以上です。

○浅野部会長
ありがとうございました。
中根委員、どうぞ。

○中根委員
精力的にヒアリングをしていただき、資料をまとめていただきまして、本当にありがたく思っています。
この気候変動に対して世界で連携して気候変動に対処していくというのは、極めて知性的な作業であって、その成果がこのように出てきていると思います。今年の世界の大きな潮流として「反知性主義」というべきものが随分出てきたということで、これによって、こういう知性的な作業の成果が根底から覆されるようなことがないようにするということは、今後極めて大事だと思うわけです。そういう意味で、トランスフォーメーョンや、ライフスタイルの変化や、ビジネスルールの堅持ということの重要性が強調されていますけども、これが、こういう反知性主義的な潮流が大きくなってくることの基盤をなくすための努力ということとあわせてやっていく必要があるのではないか。具体的にどう具体化すべきかということは、これからの議論かと思いますけれども、すごく大事だと思います。
これに関係してですが、安井委員のご意見として、気候感度には不確実性があるが、リスク論で考えるならば、不確実性があるときは安全サイドにとるのが当たり前であると、これが知性的な、極めて真っ当な態度だと思うのですけれども、不確実性があるということでもって、そこまで対策をやらなくていいんではないかとか、アメリカの一部の論者のように、温暖化そのものが不確かなのではないかというような議論をするということは、やはりこれも反知性主義的なことではないかと思います。また、全ての国がやらないのなら、やるのは損だというのも、これも一種の反知性的な態度ではないかと思います。
トランプ大統領が、温暖化政策について選挙中に言ってきたことを再検討するという話がありますけども、再検討の内容というのはわからないわけですけども、少なくとも米国のビジネスにとって、この温暖化への対応をどうするのが有利かという検討を行うことは間違いないと思います。であるとすれば、末吉委員がおっしゃったようなビジネスルールのチェンジという国際的な流れを確固たるものにするための国際的な努力に、日本も積極的に加わっていくということが大事だと思います。他方、そういう米国のビジネスにとって有利かどうかということによって再検討されるということを考えて、我が国でも、技術、ビジネスの面でしっかり対応していくことが必要だと感じているところです。
それから、もう一つは、約束草案。今回、COP対応で約束草案をまとめるときには、まずエネルギー政策を決めて、それから温暖化対策を決めるというような形になったと思います。これは、2030年という目標に対して、当面、急いでやらなければいけないというところでやむを得なかったと思いますけれども、長期のビジョンを考えるときには、エネルギー政策、それから温暖化、このまま進めば海面上昇は確実に大きな問題になるわけですし、防災面でも大きな問題が出てくるわけですから、この温暖化対策とエネルギー政策の間の連携、キャッチボール、これをしっかりやりながら取りまとめていただくことが大事なのではないかと思います。
以上です。

○浅野部会長
ありがとうございました。
最初のところで、原澤委員からのご質問がございましたが、1点目はお答えいたしました。2点目以降は、ちょっと、私、お聞きしていまして、むしろコメント、ご意見というふうに考えましたので、今後の検討に生かさせていただきます。
時間的には、もうそろそろこの辺で次に行かなきゃいけないのですが、大塚委員と安井委員にも、一言ずつお願いいたします。

○大塚委員
長期ビジョンのほうにも出させていただいておりまして、意見の違いというのはもちろん出ているんですけども、今のご議論を聞いていながら、ちょっと感想的なことを二つほど申し上げておきますけども、一つは、アメリカの動きとの関係というのは、結構気にされている委員の方が結構出てきていると思いますけども、私の考えをちょっと申し上げておきますと、日本は3%の排出量を出しているので、3%の排出量を出しているなりの責任というのはきちんととっていく必要があるし、アメリカが、今、仮に対策が遅れるようなことがあったとしても、それは後できっちり責任をとってもらうように、国際的に圧力をかけるということが大事だというふうに思っておりまして、アメリカの分まで日本が直ちに対応するというような話は、ちょっとなかなか難しいかなというふうに思うんですけども、日本が3%分出していることとの関係で、その分の責任はきっちり果たすということが必要ではないかと思います。
2℃目標か1.5℃目標かというところについては、さらに検討が進んでいくと思いますので、それに合わせた、ある程度柔軟な対応というのが必要になってくるのではないかというふうに考えております。
それから、先ほどおっしゃっていただいた、ライフサイクル全体を考えるという産業界のご意見については、それはカーボンプライシングをやっていくときに考慮する必要があれば、中に取り込んでいく必要があるのではないかというふうにお伺いしておりました。
あと、経済成長と、最近のCO2の排出量との間のデカップリングが世界的に進んできていて、日本でもその傾向が、この間の最新の排出量について見ると、出てきているということはございますので、あまり経済成長と矛盾するというふうに、当然というふうにお考えにはなっていただかなくていいのかなというふうには思っているところでございます。
とりあえず、そのぐらいにさせていただきます。

○浅野部会長
ありがとうございました。
安井委員、どうぞ。

○安井委員
前回のときに発言を、前回の最終回なんですが、まだ議事録になっていない部分でございますけど、そこで発言をさせていただいたんですけど、ヨーロッパの先進的な事例などを言っていただいて、大変勉強にはなるんですけど、日本の国の成り立ちというのは、ユーラシア大陸の端っこにある島国なんですよね。しかも狭い。こういう国でできることと、ヨーロッパを非常に広く考えると、彼らは、アフリカのリビアの砂漠まで太陽電池に使おうなんて考えているわけです、最終的には。そういうようなものを考えたとき、一体、日本という国をもう少しちゃんとしっかり見ないと、ちゃんとしたことはできませんよねということを、この間は申し上げました。
ですから、まだこれで全部ができていると私も思っていないというのが現実でございます。
以上です。

○浅野部会長
どうもありがとうございました。
事務局から何かありますか。よろしいですか。
はい、どうぞ。簡単に。

○低炭素社会推進室長
原澤委員の発言の中で、不確実性の関係のご発言がございましたけれども、この小委員会の中で、不確実性ですね、主に4ページのところにありますように、気候感度についての不確実性というような観点で捉えられておりまして、その中では、亀山さんが第4回で言っておられた、気候感度に幅があるのは感度分析によるものだというような発言はございましたので、ご紹介いたします。
あと、長辻委員から、中国とドイツの原発の関係についてご発言がございましたけれども、特にドイツにつきましては、10ページ目の一番下のところにございますけれども、今回ヒアリングしたシェルンフーバーさんのご発言では、現段階で原発に未来はないというのは、その理由は、安全性ではなくてコストの問題だというふうにおっしゃっていたということでございます。
中国につきましては、原発についての個別の発言はございませんでしたけれども、2050年までに非化石燃料を主なエネルギーにしていく予定というようなご発言がございました。
また、サンゴ礁につきましては、今回、このサンゴ礁が具体的にどうなっていくのかというような詳細については、今回のヒアリングでは出ていなかったというふうに承知しております。
以上でございます。

○浅野部会長
ありがとうございました。
今日は全員からご発言をいただきました。大変参考になりましたので、さらにこれも含めて、小委員会での今後の議論をさせていただきたいと思います。
それでは、議題の3から6まで、事務局から続けてご説明いただきます。予定では15分、時間を差し上げておりましたが、ちょっと1分ずつ節約していただいて、4分ずつでお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

研究調査室長
それでは、資料4でご説明します。
5ページに飛んでください。気候変動影響評価等小委員会における議論と今後の取組です。この表は、右が適応計画の進行、左が小委員会の進行スケジュールを示しております。
青い矢印にございますように、27年3月に影響評価の報告書を中央環境審議会で意見具申いたしまして、これをベースに、政府の適応計画の閣議決定がなされております。ただ、この計画の中で、気候変動に関する知見を把握して充実していくということ、5年程度を目途に影響評価を再度実施して、必要に応じて本計画の見直しを行うということで、影響評価と、その企画立案を、そのサイクルで回していこうといった骨格が示されたと。
これを踏まえて、今年の10月から小委員会を再開しております。そして、3月を目途に、「気候変動影響の観測・監視、予測及び評価等に関する方針」を取りまとめる予定にしておりまして、最終的には、平成32年ごろの影響評価の実施に活用していくということを予定しております。
6ページが、主な論点、4点ございまして、まず、継続的な観測・監視、研究調査の推進ということでございまして、例えば気候変動リスクを構成する外力、脆弱性、暴露のうち、脆弱性や暴露に関する研究は、どのように実施すべきかという点が論点になっております。
2番目は、定期的な気候変動による影響の評価でございまして、例えば重大性、緊急性、確信度という、そういった観点から、前回は評価しておりますけれども、これについての課題改善点は何かと。
3番については、地方公共団体等の支援ということで、これは影響評価の観点からの支援ツールですとか普及啓発をどう考えるか。
最後、4番目は、海外における影響評価等の推進ということで、グローバルサプライチェーンが日本国内に及ぼす影響などについての論点がございます。
7ページ、8ページ、これはスケジュール詳細でございまして、これまで、7ページにありますように、ヒアリング等を中心に行ってきておりまして、8ページにございますように、来年、月1ペースで論点を整理し、方針を出していただきたいというふうに考えております。
9ページ、10ページでございますけれども、適応計画の重要な戦略、もう一つ、気候リスク情報の共有、提供ということがございます。これは、当然、科学的知見もベースとして、そういった情報を、地方公共団体や企業、事業者、あるいは国民の方々に提供していくということが極めて重要であると考えておりまして、そういった観点から、今年の8月に、国立環境研究所に気候変動適応情報プラットフォームを立ち上げて、運営をしております。例えば、左下半分にございますように、全国都道府県の将来の気候予測、あるいは影響予測情報を提供しておりますし、右側にございますように、地方公共団体の適応計画策定ガイドラインですとか、あるいは事業者の取組の紹介など、日々、充実をさせつつあるところでございます。
10ページ目は、こういったプラットフォーム、これは世界各国共通の課題でございます。特に日本としては、アジア太平洋地域にこういったプラットフォームを構築していきたいというふうに考えておりまして、COP22で、日本の気候変動対策支援イニシアティブとして、山本環境大臣から、2020年を目途に、こういったアジア太平洋の適応情報プラットフォームの構築を目指すということを発信したところでございます。
以上です。

○フロン対策室長
引き続きまして、資料5と6でございますが、まず資料5でございます。
モントリオール議定書HFC改正ということで、これまで特定フロンの生産規制をしているモントリオール議定書でございますが、今年10月に、HFC、オゾン層を破壊はしないのですが、温暖化の効果があるという物質について、モントリオール議定書の対象に加わりました。
2ページ目をご覧いただきまして、具体的な削減スケジュールが書いてございまして、一番右が先進国。日本がここに入るわけでございますが、2036年に向けて段階的に85%削減まで行きます。あと、左側に、途上国第1、第2とございまして、下の注書きで、途上国第2のほうが限定列挙されておりまして、インド・パキスタン・イラン・イラク・湾岸諸国で、それ以外の途上国、中国を中心に第1ということで、それぞれ、やはり最終的には80%以上の削減ということでございます。
この議定書の発効時期でございますけれども、20カ国以上の締結を条件に、201911日以降に発効ということで、事実上、ほぼ間違いなく20カ国、締結しますので、2019年の11日に発効するということで、考えております。
これについての国内担保の仕組みを考えていく必要があるわけでございますが、あわせまして、5ページの右下のグラフをご覧いただきたいんでございますけれども、フロン類の回収率の推移という棒グラフがございます。これは、エアコンとか冷凍冷蔵庫を捨てるときに、フロンがどれだけちゃんと回収されているかという棒グラフでございまして、フロン回収破壊法が平成14年に施行されてから、ずっと横ばい、3割台でございまして、平成19年には、回収破壊法の規制強化がされ、さらに、京都議定書目達計画があり、さらに、一番右で、平成27年度、フロン排出抑制法が全面施行されたにもかかわらず、まだ38%。つまり、残りの62%は、建物の解体ですとか、冷凍冷蔵庫の廃棄の際に放出されているということでございます。こういう課題もございますので、先ほどのモントリオール議定書のHFC改正とあわせて、こういう課題も含めて検討をする必要がございます。
そういうことでございまして、次の資料6でございますけれども、「フロン類対策の今後の在り方に関する検討会」についてということで、この検討会において、議定書の対応だけではなくて、上流から下流まで、回収率の向上も含めて検討を行うということでございます。2.でございますけれども、検討スケジュールは、まずは年度内に報告書をまとめたいと考えておりまして、裏面に委員の名簿がついてございます。まずは、この検討会できちんと報告書をまとめた上で、来年度、中央環境審議会の、この地球部会の下のフロン小委において議論をいただくことになろうかと考えております。
以上でございます。

○市場メカニズム室長
続きまして、資料7、環境省における二国間クレジット制度(JCM)の取組状況について、ご説明申し上げます。
1ページおめくりいただきまして、二国間クレジット制度及び資金支援事業という資料でございます。真ん中辺りに、「JCM資金支援事業の意義」とございます。初期コストがネックで普及されていない低炭素技術について、資金支援により初期コストを低減することで途上国で普及を促進していくというものでございます。これによって世界全体の排出削減に貢献するとともに、実現されるCO2削減量のうち1/2以上を日本の削減目標達成に活用するというものでございます。これによって、民間企業の海外展開を実現し、さらに、日本にも大きく裨益するものというものでございます。
こういったことについては、COP21の首脳会合においても、安倍総理から明言していただいています。
続きまして、2ページの下のほうでございますけど、現在、JCMのプロジェクトは102件ございます。このうち94件が環境省事業、そのうちの大部分が設備補助事業で91件となっております。
この環境省の支援事業が、3ページに一覧として載っております。
さらに4ページは、JCM資金支援事業が、どういった分野で行われているかというもので、再エネが約3割、省エネが、生産設備と空調を合わせて約半分といった状況でございます。
このJCMの設備補助事業につきまして、先ほど冒頭で鎌形局長から申し上げましたように、行革のレビューがございました。そのときに話題になったのが費用対効果でございます。環境省事業の費用対効果について、かなり高額の金額が示されることがありますが、環境省の計算では、CO21t当たり3,500円となっております。この金額については、エネ特事業の中でも、かなり費用対効果はよいものと位置づけられているところでございます。
続きまして、6ページをご覧ください。このように比較的費用対効果が高いのがJCM事業ではございますが、他方で、2030年までの累積で5000万から1t、国際的な排出削減・吸収量を目指すというのが温対計画や日本再興戦略に目標として記載してございます。これを実現するためには、今のペースではまだまだ足りないため、先ほどの3,500円をさらに低くするべく、執行の効率化や、ほかの支援形態の活用などによって民間ベースの案件の促進を図るといったことが必要だと考えております。
こういった取組によって、2030年度までの累積削減量は、約5000tは見込めるだろうと考えております。さらに、1tを目指すために、公的ファイナンスなども活用した民間ベースの案件を組み合わせるといったことが必要だと考えております。
簡単でございますが、以上です。

○浅野部会長
それでは、ただいま3件まとめてご報告いただきましたが、これについてご質問ございましたら、どうぞ。
大塚委員、どうぞ。

○大塚委員
2点、質問をさせていただければと思います。
一つは、資料7の、今のJCMのことでございますけども、環境省、頑張っていただいていて、大変結構だと思っておりますが、経済産業省におきまして、日本の技術による途上国での削減量を貢献量として途上国に報告してもらうという考えが議論されているようでございますけども、これと、今のJCMはどういうふうに関係しているかということをお伺いしたいと思います。
それから、これはパリ協定のどこに位置づけられるかということも、必ずしもよくわかりませんので、教えていただければということが第1点でございます。
それから、第2点でございますけれども、資料4のほうの気候変動影響評価等小委員会の件でございますが、これに関連して、ちょっとお伺いしておきたいのですけども、気候変動の影響への適応計画が閣議決定されているわけですけども、長期ビジョンのほうの検討会でも、第1回目に、国交省の方に来ていただいて、国土形成計画についてお話しいただいたんですが、そこでは、適応との関係についてほとんどお話しにならず、あと、計画についても、計画の中に適応との関係が書いてないんじゃないかという、ほとんど書いてない、全くかもしれませんが、書いてないじゃないかというようなところがございました。これは、計画の間の調整があまりうまくとれてないんじゃないかという気もしたので、そこでも質問したかったんですけど、国交省からおいでになった方が長くお話しになったので、質問ができなかったんですけども、ちょっとここは、省庁間の問題だけではなくて、閣議決定の問題でもあるので、計画間の調整がうまくいってないんじゃないかということで、その国土形成計画との関係で国交省の事業をなさっているときに、適応との関係を十分に考慮した上でなさる必要があると思いますので、環境省からも注文をつけていただくとありがたいということです。
以上です。

○浅野部会長
後のほうの話は、多分、策定の時期が全然ずれていて、適応のほうが後から決まっているという事情があったと思いますね。
中根委員、どうぞ。

○中根委員
ありがとうございます。
モントリオール議定書改正ということで、HFCが入ったということなんですけども、これにつきまして、2005年のIPCC、それからモントリオール議定書のもとのTEAPの合同で作成しました特別報告書がありまして、それに基づき、2008年ごろから議論が始まった取組が実を結んだということで、日本の環境省、経産省、外務省からも非常に努力されたと聞いておりました。ありがとうございます。
同時に、フロンの回収破壊につきまして、日本から、モントリオール議定書締約国会合に提案してきたのが、今、パイロット事業として進んでいるということであります。
そういうことで、このモントリオール議定書と気候変動枠組条約の間の橋渡しができてきたという、こういう機会に、回収破壊についてもJCM等を使って、さらに進めていただくと大変よいのではないか。
それから、もう一つは、フロン排出抑制法を積極的にやっていくために、このキガリ改正というのをいい機会として、さらに対策を強めていく必要があるのではないか。2024年まではフロン排出抑制法で対応できますけども、29年の70%となりますと、国内的にもさらなる取組が必要だと考えられますので、よろしくお願いします。
以上です。

○浅野部会長
ほかにご質問がございますか。よろしゅうございましょうか。
それでは、それぞれ一つずつ質問がありましたので、どうぞ、順次お答えください。

○市場メカニズム室長
それでは、JCMについて、大塚先生のご質問に対してお答えいたします。
今から、私、申し上げますのは、外務省、経産省、それから環境省のJCMをやっております、3省庁共通の理解ということで申し上げたいというふうに思いますが、経済産業省で、今、確かにおっしゃるとおり、海外展開戦略タスクフォースのほうで、そういったご議論をされていらっしゃいますが、私どもとしては、これが、パリ協定のどの条文に基づくものかというのは、現段階では明確な根拠はないんじゃないかと、そんなふうに考えております。あくまでもタスクフォースのほうの一部の委員からアイデアとして示されている段階であろうというふうに承知しているところでございます。
他方で、JCMについては、先生ご承知のとおり、パリ協定の623に根拠があるものというものでございます。
それから、パリ協定の13条7の、締約国に対する情報提供の義務のところで読むというような考えもあるやに聞いておりますが、ただ、いずれにしても、まだパリ協定の、具体的にどういうふうに実施するかといった議論は始まったばかりでございますので、現段階で何か予断をもって、特にまだ途上国の考え方も明らかになっておりませんので、この部分で読めるのかどうかといったところは、よくよく検討をしていく必要があるというふうに考えております。
以上でございます。

○フロン対策室長
フロンの関係でございますが、まず、回収破壊をJCMを使ってという話がございますが、基本的に、JCMはエネルギー起源二酸化炭素の関係でございますが、今後は、そのフロン回収破壊も何とか位置づけていけないか、省内できちっと議論させていただきたいと思っております。
それから、キガリ改正で、今、世界的にHFC対策の機運が盛り上がっていますので、これを機に、フロン排出抑制法のほうもきちんと見直しをしていきたいと考えております。
以上でございます。

○研究調査室長
適応計画と他の行政計画との調整でございますが、先ほど、部会長からご案内がありましたように、策定時期が、確かに適応計画のほうが後ということでございます。いずれにいたしましても、今後しっかりと、国交省を初めとする関係省庁の計画との連携を図っていきたいというふうに考えております。
以上です。

○浅野部会長
適応については、本当に環境省が何かできるということは所詮限度があって、具体的な事業ベースの話になれば、個々の事業を持っている省庁がしっかりやっていただかない限り、動きようがない面がありますね。ですから、環境省はあくまでも情報をしっかり提供して、全体が矛盾のないように動いていただくということが多分役割だろうというふうに思っているのですが、既に農水省はかなり熱心に取り組んでおられますし、国交省も、特に河川関係については相当この問題について意識しておられるようでありますので、今後、連携が進んでいくものだろうと思っております。
ほかにご質問、ご意見がございますでしょうか。
よろしゅうございますか。全体を通じて、何か特にご発言、ご質問がございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
安井委員、サンゴ礁の話。

○安井委員
いやいや。

○浅野部会長
いいですか。はい。
それでは、本日はどうもありがとうございました。盛りだくさんの報告ではありましたが、いずれも、今後やらなきゃいけないことがまだ多数残っているということでございますので、どうぞ、この部会でのご審議、ご支援をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
本日の議事は以上で終了でございますが、事務局からの連絡事項をお願いいたします。

○総務課長
委員の皆様方におかれましては、本日は活発なご議論を賜り、本当にありがとうございました。本日の資料につきましては、郵送をご希望の方はそのまま席に置いていただければと思います。また、議事録につきましては、事務局で取りまとめを行い、委員の皆様へご確認いただきました後、ホームページに掲載をさせていただきたいと考えております。

○地球環境局長
最後に、一言だけちょっと申し上げさせていただきたいんですけども、皆様の委員の任期、来年早々、改選という形になります。そういう意味で、現在の委員のメンバーでの地球部会というのは、本日が最後になろうかというふうに思います。これまで本当に長いこと、いろいろと多岐にわたりご指導いただきました。御礼申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

○浅野部会長
ただいまの点につきましては、部会長としても、同様に、御礼を申し上げたいと思います。
次回は、2月の、任期が過ぎた後に開かれるということになっておりまして、少し委員の入れかえ等もあろうかと思いますが、残留される委員の方には、ぜひとも、大変な時期でございますので、今後ともよろしくご支援、ご審議をいただきますようにお願いいたします。
それでは、本日はこれで閉会いたします。どうもありがとうございました。

午前11時57分 閉会

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