地球環境部会(第133回) 議事録

日時

平成28年7月29日(金)10時00分~

場所

TKPガーデンシティ永田町 バンケットホール1A

東京都千代田区平河町2-13-12 東京平河町ビル1階

議事録

午前10時00分 開会

○低炭素社会推進室長

それでは、定刻2分ほど前でございますけれども、委員の皆様おそろいになったと思いますので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会を開催いたします。

私は事務局の環境省の名倉と申します。よろしくお願いいたします。

本日の審議は公開とさせていただきます。

現在、委員総数23名のうち、過半数の委員にご出席いただいておりまして、定足数の要件を満たし、部会として成立していることをご報告いたします。

まず、浅野部会長よりご挨拶をいただきたいと思います。

○浅野部会長

おはようございます。ただいまから部会を開きたいと思います。

前回に引き続きまして、第四次環境基本計画の点検の作業が今日の中心でございます。前回、事務局から出されました、これまでの取組状況についての報告をもとに意見を交換いたしまして、それをもとに本日は課題の部分を事務局が整理した案が出ております。これに基づいてご議論いただき、まとまりましたところで総合政策部会に報告することになると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○低炭素社会推進室長

ありがとうございます。

新しく参加された委員をご紹介させていただきます。

日本公認会計士協会常務理事の岸上委員です。

続きまして、環境省地球環境局長の鎌形より、一言挨拶をさせていただきます。

○地球環境局長

おはようございます。環境省の地球環境局長、鎌形でございます。

本日はお忙しいところ、ご参集を賜りまして、どうもありがとうございます。

先ほど部会長からもお話ございました、今日の議題は、第四次環境基本計画における地球温暖化に関する取組の部分についての点検ということでございます。前回、点検報告書(案)につきましてご意見賜りました。ご意見を踏まえて修正するとともに、今後の課題という部分をまとめさせていただいて、提示させていただきたいと考えております。今回の点検を次期の環境基本計画の策定にしっかり生かしていきたい、このように考えてございます。

地球温暖化対策を前進させるような、そういった改定につながるように忌憚のないご意見を賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

また、後ほどご報告させていただきたいと思いますが、既に皆様のご了承をいただきまして、この部会に長期低炭素ビジョン小委員会を設置したところでございます。本日、午後にその第1回の会合を開催するという運びになってございます。

長期の戦略につきましては、パリ協定で各国に提出が求められております。そして、G7のサミットでも、2020年といった期限に十分先立って策定するということにコミットしているというところでございます。小委員会では、こうした政府の長期戦略の策定につなげていく、こういうように2050年、そして、それ以降の低炭素社会に向けた長期的なビジョンについてご審議をいただくこととしてございます。後ほど、委員会の設置についてはご報告させていただきたいと思います。

本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

○低炭素社会推進室長

カメラはここで退席をお願いいたします。

次に、配付資料の確認をさせていただきます。

議事次第、1枚めくっていただきましたところに配付資料一覧がございます。資料1は委員名簿でございます。資料2が議事の(1)になりますけれども、「地球温暖化に関する取組」に係る関係府省の自主的点検結果というのがございます。資料3が、議事次第でいきますと、その他のところの一つ目でございますけれども、平成26年度における政府実行計画の実施状況でございます。また、資料4がモントリオール議定書第3回特別締約国会合の結果についてでございます。資料5が、「ペータースベルク気候対話」の結果についてというのがございます。また、資料6が、長期低炭素ビジョン小委員会の設置についてというのがございます。また、参考資料といたしまして、関係府省の自主点検結果の調査票、参考資料の2といたしまして、第四次のときの点検についてで、参考資料3が第四次環境基本計画の重点分野、参考資料4が第四次環境基本計画の第2回点検結果報告書の抜粋になっております。また、参考資料5につきましては、委員からのご意見として、本日ご欠席の中村委員から意見をいただいておりますので、それを添付しております。

資料の不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。

それでは、以降の議事進行は浅野部会長にお願いいたします。

○浅野部会長

それでは、始めたいと思いますが、先ほどの配付資料一覧は、前のものの訂正ができないままにそのまま使われているらしくて、資料2のタイトルは違いますね。点検報告(案)であります。前回はこのような自主点検結果だったんですね。

それでは、これは、どうでもいいことですが、早速、この点検報告の案について、前回から修正された部分及び、後にあります今後の課題の部分についてご説明いただきたいと思います。

事務局からお願いいたします。

○低炭素社会推進室長

では、資料2に基づきまして、前回からの修正部分、それから今後の課題についてご説明させていただきます。

修正部分につきましては、まず初めに出てきますのが、6ページのところでございますけれども、「見通し」というのを「見直し」に変えているという部分がございます。

それから、7ページに行きまして、上のほうで若干修正をさせていただいております。

また、中ほどのところで、ビル、工場に対するEMSの導入促進を図っていること。また、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)ですとか、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)についての取組というのをかなり具体的に書いております。

それから、ページをめくっていただきまして、8ページのところでございますけれども、中ほどのところで、上下水道やデータセンター等の社会システムにおける施策について、具体的に書いております。

また、ページをめくっていただきまして、10ページ目のところでございますけれども、家庭用燃料電池の普及促進についての事業の中身を書いております。

また、コージェネレーションの導入促進等についても記載をしております。

また、その下のところでは、関係省庁を追加するとともに、一番下のところで、EV等に搭載する電池の研究開発等々について書いております。

また、11ページ目の3分の2ぐらいのところでございますけれども、鉄道やバスへの普及促進施策について書いております。

ページをめくっていただきまして、13ページ目のところでございますけれども、再生可能エネルギーの発電のところに「地球温暖化対策計画を踏まえ」というのを入れております。

また、13ページ目の、再生可能エネルギー熱のところで、熱供給設備の導入支援等の取組について、具体的に書いております。

また、めくっていただきまして、14ページ目についても少し文言の修正をさせていただいておりますし、15ページ目についても幾つか細かいところですけれども、修正をさせていただいております。

また、16ページ目でございますけれども、ここも若干修正をさせていただいております。

また、ページを何ページかめくっていただきまして、20ページのところですけれども、衛星「いぶき」(GOSAT)のところにつきまして、平成27年12月に初めて400ppmを超過したといったようなことを載せております。

めくっていただきまして、22ページ目のところでございますけれども、メタンの排出抑制のところですけれども、下のほうで、優良産業廃棄物処理事業者認定制度について記載をしております。

ページをめくっていただきまして、24ページ目でございますけれども、一般廃棄物焼却施設のところで、一酸化二窒素についての記載を充実させております。

また、中ほどのところで、施肥量のところで、適正施肥の推進等々について記載をしております。

25ページのところでは、「地球温暖化対策計画」について、関係省庁を追加しております。

削減対策については以上でございます。

○研究調査室長

続きまして、3の適応に関する取組の追記事項をご説明します。38ページ、科学的知見の充実につきましては、環境省以外の施策についても盛り込むようご意見がございましたので、ここでは文部科学省、国土交通省の施策を追加しております。

文部科学省につきましては、例えば5行目に気候変動リスク情報創生プログラム、平成24年度から実施されまして、IPCCあるいは中央環境審議会の気候変動影響評価の報告書に引用され、適応計画に反映された旨が記載されております。また、27年度からは気候変動適応技術社会実装プログラム、20行目辺りに書かれておりますけれども、これを実施していると。

また、国土交通省、これは気象庁でございますけれども、27行目以降、下から5行目に記載をしております。「異常気象レポート」、また「気候変動監視レポート」を公表していると、こういった内容の記載を追加しております。

以上です。

○低炭素社会推進室長

41ページ目以降のところでございますけれども、今後の課題ということで、この部分、前回のご意見を踏まえて、今回新たに追加しているところでございます。この部分について、全て新たに追加しているところでございますけれども、全部を赤字にすると煩雑になりますので、全て黒字で書いております。

上から見ていただきますと、関係府省において、環境基本計画を踏まえて、本分野に対する施策が講じられていることを確認したということが書かれております。

もともと地球温暖化対策、京都議定書で定められたものについて閣議決定された京都議定書目標達成計画に基づいて進められていたということがございまして、第一約束期間の5カ年平均の総排出量、12億7,800万トンであったということで、基準年度比で1.4%の増加となっております。ここに森林吸収源と京都メカニズムクレジットを加味いたしまして、京都議定書の目標、基準年度比で6%減を達成することとなったとしております。

また、この目標達成計画に掲げられた個々の対策・施策について、平成26年7月に地球温暖化対策推進本部におきまして進捗状況等の点検を行いまして、各対策・施策の排出削減量、それから対策評価指標につきまして、計画策定時の見込みに照らした実績のトレンド等を評価したということでございます。

その中で、実績のトレンドが見込みを上回っているものとしまして108件、実績のトレンドが概ね見込みどおりというのが11件、実績のトレンドが計画策定時の見込みと比べて低いというのが51件、その他(定量的なデータが得られないものなど)が18件ということでございます。

今後につきましては、昨年7月に提出した約束草案、COP21で採択されたパリ協定を踏まえた地球温暖化対策計画に基づいて、まずは平成42年度(2030年度)において、平成25年度(2013年度)比26%減、2005年度比25.4%減の水準にするとの中期目標の達成に向けて、着実に達成に取り組む必要があると。

また、今回の進捗点検においては、中央環境審議会で挙げられた、今後、対策を推進する上で個別の課題は以下のとおりであるといたしまして、それぞれの課題について丸として挙げておるところでございます。

一つ目としまして、パリ協定の採択を受け、今後は、協定の早期の発効及び各国による『貢献』の着実な実施が重要であるとしておりまして、そのために、国際的な詳細ルールづくりと途上国の能力向上支援にも積極的に関与していくべきであるというふうにしております。

また、二つ目の丸でございますけれども、長期目標について、地球温暖化対策計画におきまして、ここから地球温暖化対策計画の引用でございますけれども、「長期的な目標を見据えた戦略的取組」として「我が国は」云々ということで書かれていっております。

その引用が、その次のページの冒頭まで続いておりまして、そう記載されているということで、まずは2030年度目標に向けて全力で取り組むべきであって、その先の長期目標については、地球温暖化対策と経済成長との両立が前提であること等々を踏まえて、ということを念頭に置いた検討が必要であるというようなこと。その次の、次期環境基本計画においては、その実現可能性、具体的な道筋を考えた上で再検討するべきであるというような意見があったということを記載しております。

また、パリ協定の中でも、21世紀後半に向けて、ゼロ・エミッションに向かっていかなければならないとされていることを踏まえて、平成62年(2050年)までに80%の温室効果ガスの排出削減に向かって検討していくべきであって、次期環境基本計画においても明確に位置づけることという意見がある、というようなことを書いております。

その次の丸でございますけれども、パリ協定・COP21決定を踏まえて、2020年までに、5年ごとに各国が通報・更新することとなっている『貢献』(削減目標)について、長期目標への道筋をつけたものとすべきであって、その取組の方向性、強度についても長期目標と整合性がとれたものであるということが重要であるというふうに記載をしております。

また、次の丸でございますけれども、G7の伊勢志摩首脳宣言では、長期戦略の策定・通報にコミットすることとされておること、また、G7の富山環境大臣会合において、戦略を率先して提出することが、その強いシグナルを送ることになるということが確認されたということも踏まえて、我が国として長期温室効果ガス低排出発展戦略を早期に策定し、通報するべきであるということを記載しております。

また、次の丸でございますけれども、電力分野における二酸化炭素排出原単位の低減に向けて、省エネ法、エネルギー供給構造高度化法、また電力業界の自主的取組によって取組を進めておりますけれども、環境省と経済産業省の大臣間の合意に基づいて、2030年の目標(0.37kg-CO2/kWh)に向けて十分に機能しているか、透明性の高い形で進捗管理を行うべきであること、また、目的を達成できない蓋然性が高いと判断された場合は、新たな手法を検討する必要があるというようなことを書いております。

また、次の丸でございますけれども、再生可能エネルギーの導入、特に固定価格買取制度については、再生可能エネルギー間のバランスのとれた最大限の利用拡大と国民負担の抑制の両立の観点、それから、中長期的な電源自立化の観点から、必要に応じて制度の適切な見直しを行うことも必要だというようなことを書いております。

また、次の丸につきましては、再生可能エネルギー熱について、熱供給設備の導入支援を図るだけではなくて、様々な地域において熱エネルギーを有効利用するモデルの実証・構築を行うことなど、導入拡大に向けてシステムの開発を進めることも必要だということが書いてあります。

また、42ページ目の一番下の丸でございますけれども、近年、財務面のみならず、非財務面も考慮したESG投資が世界的に拡大しているということもあり、この流れの中で、民生部門において、非財務的な価値が注目されるような取組を進めることの重要性について触れております。

また、43ページ目の上の丸でございますけれども、民生部門における取組を進めるために、地方公共団体が策定する実行計画が非常に重要だというようなことで、実行計画の策定率の向上も含めて、地域の実情に配慮した実効性の高いものとなるよう、また進捗管理もできるように、国としてソフト及びハードの両面から支援が必要だということを書いております。

また、その次の丸につきましては、地域地球温暖化防止活動推進センターが、地域の地球温暖化対策の推進を図る地元団体の活動を助けることで地域の架け橋となるような環境整備を図るべきだということを書いております。

また、次の丸でございますけれども、COOL CHOICEの国民への浸透につきまして、家庭部門の排出削減、4割削減に深く関わってくるということで、「COOL CHOICE」を旗印にしまして、環境大臣のリーダーシップのもと関係府省庁が一枚岩となって、PDCAをしっかり回しながら国民運動を推進していくことというのが書かれております。

また、次の丸でございますけれども、国内排出量取引制度、炭素税等の炭素に価格をつける「カーボン・プライシング」の導入につきまして、特に国内排出量取引制度については地球温暖化対策計画の中で、その次の括弧で4行ほど引いておりまして、と記載されていることを踏まえて、カーボン・プライシングについては、事業者に非常に大きなインパクトがあって、経済成長と地球温暖化対策の両立の観点から、インパクトを広い視点からきちんと分析すべきであるという意見、その排出量取引や地球温暖化対策税とは違う税率でインセンティブを与えていくような、新しい税を考えていく必要が出てくるのではないかというような意見があるというふうなことを書いております。

また、国内排出量取引制度については、イノベーション等に割くべき資源を奪うなどの懸念事項があるということ。それから、「意見や」というところ、ちょっと「や」が重複しておりますけれども、削減対策をしている企業が経済的メリットを受ける制度であって、経済合理的な対策を進めていこうとするものであるといったような意見があるということを書いております。

また、次の丸でございますけれども、民間資金を環境分野へ誘引する観点から、金融機能を活用して、環境負荷低減のための事業への投融資の促進、それから、企業活動に環境配慮を組み込もうとする経済主体を金融面で評価・支援することの重要性、また、金融のグリーン化を通じて低炭素化に向けた取組が促進されるよう適切に施策を講じていくことの必要性について触れております。

43ページ目の一番下の丸でございますけれども、フロン対策について、代替フロン等4ガスの排出量、特にHCFの排出量が近年増加傾向にあることに留意して、取組を強化することが必要であると。また、途上国での排出抑制について、二国間・多国間の協調で対応することが必要であるとしております。

めくっていただきまして、44ページ目でございますけれども、一つ目の丸、JCMについてでございますけれども、地球温暖化対策計画に記載をしております内容を、その括弧書きで抜いておりまして、着実に実施するために、さらなるプロジェクト形成に努めるとともに、より費用効率的な運用にも検討しつつ、着実に進めるべきであるというようなことを書いております。

また、次の丸ですけれども、平成27年(2015年)に国連で採択されました持続可能な開発のための2030アジェンダの中核をなす持続可能な開発目標(SDGs)について、気候変動を初め、様々な環境問題に関連して、その実施がこれら環境問題の解決に資するものであることから、SDGsの実施を進めて、それと統合的に取組を進めることが、次期の計画において明確に位置づけられることの必要性について触れております。

また、下から二つ目の丸でございますけれども、気候変動の影響への適応について、「気候変動の影響への適応計画」の進捗管理方法の構築、適応策の法制化を含めて、政府や地方公共団体が継続的、計画的に取組を進めるための仕組みづくりが必要であるとしております。

また、最後の丸でございますけれども、地球温暖化対策において着実に目標達成するに当たりまして、PDCAサイクルが重要であることを認識しまして、次期環境基本計画の進捗点検においては、効果的なPDCAサイクルが実施できるよう、適切な目標・指標等を設定し、次の「行動:Action」につながる点検・評価を行うことというふうにしております。

点検報告の案につきまして、以上でございます。

○浅野部会長

はい。それでは、ただいま説明をいただきましたが、この内容について、ご質問、ご意見を伺いたいと思います。

ご発言ご希望の方は、恐らく全員だろうと思いますが、名札をお立ていただけますでしょうか。

それでは、高村委員から、中途退席の申し出を受けておりますので、高村委員からお願いいたします。

○高村委員

途中ですみません、退席をさせていただきますので。

3点申し上げたいと思っております。一つは、私、前回うっかりしていたように思っておりまして大変反省しておるんですが、今回、本体といいましょうか、ページのところ、先ほどご紹介いただきましたように、例えば6ページ目あるいは7ページ目のところでご紹介いただいているように、恐らくここ一年、二年でしょうか、非常に重要な前進というのが、特に省エネの分野で起きているというふうに思っております。それはもうさっき言いました6ページ、7ページ目のところで追加してくださっているゼロ・エミッション・ハウスなり、あるいはゼロ・エミッション・ビルディング、これはいわゆる再生可能エネルギー、省エネ、あらゆるゼロ・エミッション、ゼロ・エネルギーに向けたエネルギー収支のゼロに向けた取組は、やはりこれは民間も非常に協力的に、そして、政府も非常に明確な目標提示をされて進められている、非常にいい事例だというふうに思っております。これは、もちろん経産省さんのご努力もありますし、それから、国交省さんのところの建築物省エネ法は、これは下田先生とご一緒している大阪府の審議会でも議論になったんですけど、やはり非常に建物、つまり都市、とりわけ都市ですが、都市の排出削減に非常に重要な役割を果たすことが期待される法令整備が行われたというふうに思ってまして、ぜひ、この省エネの前進と、それから、これはさらに、やはりこれから実際に施行されていく、建築物省エネ法などはそうですけれども、これをきちんと実施を着実にしていくということを、やはり明記をしていただくのがよいのではないかというふうに思います。今回、本体にも書き加えていただいておりますので、ぜひ、私自身の希望としては、もう1項目丸をつくっていただけるといいなというふうに思っております。

それから、二つ目でありますけれども、長期目標について、二つのご意見もあるということで紹介があるんですが、私個人的には、既に温対計画をつくった段階で、この文言で、この間の、これは産構審の委員会も含めて議論は反映をされているというふうに思っておりまして、特に意見を付す必要があるのかというふうには思っておりますけれども、他方で、ご意見のところを拝見して幾つかちょっと申し上げようかと思っております。

一つは、これどなたかの意見にもありましたけれども、やはり今回こういう議論が出てきていること自身が50年80という数字が出てきたから起きているというふうに私は思っております。それをどう実施し、どうそこに至るのかという懸念についてご意見があるのは重々承知をしておりまして、まさに恐らくこれが午後の委員会のところで議論を始めていくところなんだと思うんですが、やはり具体的な、明確なその目標というのが一つ出てきたからこそ、今この議論ができているというふうに思っております。その意味で、これはもう、ですから3月のときにもう議論をした内容でありますけれども、これは産構審の委員の中からもあったと思いますが、やはりどこに向かうのか、クリアなビジョンを持つということが、まさにこの政策の議論をしていく上で非常に重要であるという意味での50年の目標の意味。それから、これは確か荻本先生がおっしゃったというふうに記憶しているんですが、村上先生もそうだったかもしれませんが、特にエネルギー、建築物、交通といったインフラは30年を超える時限の耐久性を持っているので、今の政策決定というのがどっちに向かうべきかというビジョンが明確になる必要があるというふうに思っております。もちろん日本がこの問題について、国際協調の観点から、もうあらゆる場面で長期目標を言及してきたということも外交的には非常に重要だと思いますが、仮にそれを右に置いても、国内的には、その2点は非常に重要だと思っております。

もう一つ申し上げると、これも既に温対計画のところで議論、申し上げたところでもありますけれども、既にパリに向けて、あるいはパリ以降、大規模な排出削減、場合によってはゼロ・エミッションに向けた取組を、特にグローバル企業、日本を代表するような企業がもうそれを先進的に行ってらっしゃると。むしろ、やはり政府としてはここを推進する、あるいはそれに対応するインフラを一緒につくっていくという方向性を示す上でも、その方向性を明確にする必要があるというふうに思っております。

私自身は、この両論の併記ではあまり、そういう意味では温対計画の言及でもう十分反映されていると思っておりますけれども、もしどうしても両論といいますか、二つのいろんな意見があるということをお示しになるとすれば、今の意見を反映していただきたいなというふうに思っております。

最後は、本当に細かなところでございまして、42ページのところで、再生可能エネルギーの導入の話が下から三つ目の丸ポツでありますが、2行目のところですね、これ「電源間のバランスの取れた最大限の導入」だと思います。これは経産省さんの委員会、あるいは本体のほうも、これは「利用」ではなくて、「導入」になっていると思いますので、これは誤記だと思うので直していただければと思います。

以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

それでは、末吉委員から順次ご発言をお願いいたします。

○末吉委員

ありがとうございます。3点ございます。まず、第1は、ESG投資とか金融機能の活用のところです。ここに書いてあることは決して間違いではないんですけれども、世界の潮流から見ると非常にあっさりし過ぎていると思います。なぜそう思うのかといいますと、世界は金融を力ずくで追い込めよう、変えようという動きが出ております。これはもう昨日も申し上げましたフランスのエネルギー候補でもそうですし、今議論が始まっているバーゼル3の規制の見直しもそうです。金融安定化委員会の環境情報を通じての企業と金融の対話もそうですし、アメリカで着々と進んでいるサステナビリティーをベースにする企業会計原則の見直し、つまり社会インフラを変えて、金融にグリーンへの投資を促す、そういう動きが出ているわけですね。そういったことを、やはり念頭に置いての施策を講じていかないと、こういったような、あんまりあっさりした表面的な表現で本当に変化が起きるのかということは大変懸念しております。

それから、その点でもう一つ申し上げておきたいのは、例のカーボンバブルへの懸念から、世界の様々な投資主体がダイベストメントを始めているわけですよね。これは、ただ唱えるというんじゃなくて、投資しているお金を引き上げる、そういうすごい行動を始めているわけですから、もう言葉じゃなくてアクションだと。この変化はやっぱり非常に大きな視点だと思います。

それから、2番目は、2050年80%の長期目標に関することですけれども、たしか先月末にイギリスのラッドエネルギー・気候変動大臣が、イギリスは2032年に57%のCO2排出削減の新たな目標を掲げると発表したと聞いております。これは例のEU離脱の混乱の中で、イギリスは長期目標を変えないぞと、そういう強い姿勢の現れだと思います。こういったことは、パリ協定の第4条が求める事実上の排出ゼロに向けて、世界が低炭素から脱炭素へ温暖化対策の基本設計の思想を変えたということを意味しているように僕には受け取れます。私は専門家ではありませんけれども、例えばカリフォルニア州がゼロ・エミッション・ビークル追求の結果、来年から売り出される2018年の新車の中のハイブリッドをもうエコカーとしては認めないんだというわけです。こういった変化が現実に起き始めております。私自身の理解では、これは何も2050年に突然80%とか排出ゼロが始まるのではなくて、先ほどもお話があったとおり、今日から既にその準備が始まるわけですよね。ですから、2050年までの35年間のリードタイムの中のロードマップの風景が非常に変わるというのが、私のこの基本設計、基本理念の変化だと思います。ですから、そういったことを考えないと、2030年で区切って、次に2050年やればいいじゃないかと、こういったような長期目標を区切るような話というのは、私は全く現実的でないと思います。

それから、経済の成長との両立の懸念がありましたけども、これは既にOECDが2011年、レポートを出しておりまして、今までの経済成長市場主義の経済モデルはもうだめだと。むしろ、その経済モデルを変えてやるほうがイノベーションとか効率性とか、経済への信頼性を生みながら成長ができるんだと、こういうことを言っておりますから、世界はその脱炭素化経済の入れ替えが始まっている、こういうことが必要だと思います。

それから、カーボン・プライシングについてでありますけれども、両論併記の中で、様々な懸念が述べられておりますけれども、私もそれを無視するつもりは全くありません。正しく対応しなければいけないんですけれども、ぜひ見失っていただきたくない視点は、世界の潮流はどこに向かっているかということであります。これはCOP21の前後で、既に世界は40カ国、地域でカーボン・プライシングが始まっていますよね。あるいはCOP21に向けて、様々なステークホルダーが参加するカーボン・プライシングのCollision、連携も始まっております。

さらに、今注目されるのは、来年から始まると言われている中国の全国版のキャップ・アンド・トレードです。さらに中国は、2020年ごろには、外国のマーケットとの国際リンケージも目指してるんだという話も聞きます。こうした流れを読めば、世界は明らかに一つのキャップ・アンド・トレードのマーケットをつくる方向に動き始めているというふうに読むのが私は非常に素直だと思います。もしそうだとすれば、日本が議論もしない、日本が対応もしないということになれば、明らかに日本という、この日本企業にとっての一番重要なマザーマーケットが世界のキャップ・アンド・トレードの仕組みの蚊帳の外に置かれるということになります。果たしてこのことが日本企業にとってフェアな、公正な国際競争を確保する手段になるんでしょうか。私は、むしろそういう議論や対応をしないことこそ、日本企業にとって非常に不公平な社会の仕組みになるんじゃないかと思っております。ぜひこの分野についても真っ当な議論を進めていただければと思っております。

以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

住委員、どうぞ。

○住委員

私も、まず、50年80%の話なんですが、やはり旗を掲げるということは非常に大事だと思います。よくも悪くも日本は、やっぱりどこかを真似しながらついてくるという、そういう習慣が非常に今まであったので、何も考えずにいる、ほかの真似をすればよかったという気がするんですが、これからの時代は新しい枠組みをつくるということで、それに向かって、やはり旗を掲げながら進んでいくという、そういう覚悟が大事だろうと、まず思っております。

それから、全般いろいろ書かれているんですが、やはり一つ基本的に、データとか、ある種の客観的なそういうものを確保した上でいろいろな物事を合理的に考えるということを、やはり強調しておいていただきたいなと思います。それは、例えばフラックスの観測だとか、インベントリだとか、そのカーボンのマネジメントに関して、やっぱり非常にいろんなところで基盤的なデータがございますので、そういうデータセットをきちんととることと、僕は、やっぱり日本もある意味ではグローバルも含めてそうですが、やはり自前で、自前主義というのは、財政当局でやりますと、誰かくれるものならみんなよそからもらってきて、自分たちで一銭も使わないほうがいいよみたいなことを言うところがあるんですが、やはりそれは違っていて、日本としてちゃんと基盤的なデータを持つことは非常に大事だろうというふうに思います。

それから、3番目にサイエンスの話なんですが、前のほうでいろいろ書かれてあります。現在、日本のサイエンスをめぐる状況も非常に大きく変わっていると思います。それから、地球温暖化をめぐるサイエンスのテクノロジーの状況も非常に変わっていると思います。それはどういうことかといいますと、最初のころの、まだ海のものとも山のものともわかってない温暖化現象がどうだろうというのは、明らかにサイエンスとしての非常に興味があったんですが、今、もうほとんどそれは確かになっていたら、もう具体的な出口側の問題だろうというふうに言われかねないところがありますので、出口のほうでいくと、それはどっか向こうでやってくれるからもらってくればいいねって、それで結局、間に落っこっちゃうような感じがあるんですね。やっぱりもう、今やそう、だから逆に言うと、具体的なアクションを伴うような時代に必要なサイエンスとかテクノロジーというものは、最初のころの萌芽的な時代のサイエンスのテクノロジーとちょっと違っていて、物すごく、消耗といいませんけど、やらねばならぬ仕事はいっぱいあるんですけど、一個一個はそう大したことは、何か仕事しているみたいだねというような分野が結構広くなるんですよ。そういう点で、やっぱり環境省を初めとする地球温暖化を業務というかな、その仕事としてやっているところが、それに必要な知識を出してくれるサイエンティストを十分サポートして抱え込んでおくような体制にしないと、いわゆる理学的な新しい知見を加えるね、そうしたら、それをiPSだとか、もっと惑星外生物だとか、そういうのが全然おもしろさというのがありますので、どうしてもそういうふうな部分がありますので、そういう点では、やはり地球温暖化対策、緩和とか適応に関連するようなサイエンス、科学、技術の部分をやっぱりもっと明確に支援するという方向にこれからしていただけるといいなと思っております。

以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

下田委員、お願いします。

○下田委員

ありがとうございます。私は2点申し上げたいと思いますけれども、まず、43ページの一番上のところの民生部門のところ、自治体のところでございまして、前回、意見を申し上げたものを取り上げていただきましてありがとうございます。ただ、その最後の下から2行目のところの「進捗管理もできるよう」というところで、最近、エネルギーの自由化で、市町村単位で電力やガスの消費量というのはこれから把握が難しくなってくることが予想されますので、その面での支援もぜひお願いしたいというふうに考えてございます。

それから、先ほどから幾つかご意見の出ております長期目標の件ですけれども、まず、その41ページのところからある長い文章と、それから、その次の二つが全体の文章としてあまり整合のとれていない文章になっているので、ここをしっかり書いていただきたい。両論併記するのであれば、特に一番初めの文章がもう少し論点を明確にしないといけないと思っておりまして、まず、技術的裏づけがない状況でというのは、多分エネルギー供給構成の話をされているのだと思いますけれども、先ほど高村先生からお話のありましたように、ZEB、ZEHの話ですとか、コンパクトシティーの低炭素まちづくりの話ですとか、イノベーションに関わる部分というのは長期に、もう今やることに関して合意のとれている事項ですから、そういうところとの仕分けをしっかり書いていただく必要があると思います。

それから、80%のポジティブな意見のほうも、パリ協定の中に書いてあるというだけではなくて、その科学的知見あるいは次世代への責任とか、あるいは適応策と緩和策のバランスとか、そういういろんな観点から議論すべきであって、両論併記であれば、その後で生産的な議論ができるような両論併記にしていただきたいというふうに思います。

以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

佐久間委員、お願いいたします。

○佐久間委員

ありがとうございます。私からは4点、まず、第1点目、この長期目標のところのくだりですけれども、今までも申し上げてますとおり、震災前に掲げた2050、80という数字、これについては、長期目標として設定するための十分な検討というのはなかったということだと思います。したがって、それが、その数字がそのまま現在では地球温暖化対策計画の中に使われているということは、やはり大きい問題があると考えています。今回、こういう形で、いずれにしてもその長期目標については、次期環境基本計画において再検討すると、こういう考えがここに書かれているということについては、評価は当然したいと思いますが、いずれにしても長期目標については、今後も引き続き検討すべき問題だというふうに考えております。

2点目としましては、同じ42ページの電力の排出係数目標0.37kgですけれども、これは当然2030年のエネルギーミックス、これは政府が算定した数字に基づいているわけでございます。ただ、足元で言えば、原発の稼働が進んでいないと、こういうことからすれば、今、やはり温暖化対策のためにやらなければいけないことは、安全性が確認された原発の一日でも早い再稼働と、このプロセスを加速していくということが必須だということだと思います。この点に関しては、やはり環境省としても、温暖化対策の観点から、原子力が極めて重要な電源、なおかつその原子力20から22%というエネルギーミックスの実現、これがまさに必須だと、温暖化対策のために必須だということをしっかりと訴えていくべきだと思います。それを前面に出すということだと思います。これはもうまさに第五次環境基本計画の非常に重要なポイントになるかと思います。

3点目としましては、国内排出取引制度、これに関しては、当然、問題については今まで申し上げてきました。いろいろな意見があるというのは、この会議の場でも事実だと思います。ただ、いずれにしても、これについてはやはり慎重な検討を行うということが極めて必要だというふうに考えています。

最後、4点目は、適応の問題でございます。これについては、今後、政府等が継続的・計画的に取組を進めるための仕組みづくりが必要であるというところにとどまっているんですが、当然その仕組みをつくっていく上での基本的な考え方というのは、この適応というのは、国が公共部門として行う責務であると。この問題に関しては、企業などの事業者、国民に、新たな法的義務を課すものではない。もちろん自発的に何かを行うことに対しての支援等々を国が講じるということはあってもいいわけですが、やはりこれは国の責務であるということを大前提とした仕組みづくりということが、やはりもう少しここに書かれるべきではないかと思います。

以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

岸上委員、どうぞ。

○岸上委員

ありがとうございます。私は、先日まで会計士協会で国際会計基準を担当しておりました。その際に、グローバルな基準に対しては意見発信と、それに対してしっかり対応し、対応状況を伝えていくことが大事であると痛感いたしました。会計基準については、政官民一体で取り組んでいる状況となります。

地球温暖化、環境問題に関しましては、今回世界中の国が参加してCOP21でパリ協定が採択されたのは非常に大きな出来事だと考えます。先ほど末吉委員がおっしゃられていましたし、また、先日の新聞報道にGPIFが投資先の選別にESG関連企業に特化した指標を作りに着手するとありましたが、海外はこの点について早く大きく動いてます。ダイベストメントですとか、ESG投資の拡大は今のところ、欧米を中心に世界で起きていることを、日本が追っかけているという状況ではないかと思っております。こちらが企業評価に反映されるようになってきますと、経済的にも大きな影響が出てくる可能性があると考えており、対応、-これは対応それ自体と、その対応に関する情報開示・情報発信、両方が含まれると私は思っておりますけれども-、それが大事ではないかと考えます。産業界におかれましては、ぜひそのような状況認識を、環境問題に対応される部署と、経営トップ、また、財務会計ご担当の部署と共通に持っていただき、対応と対応状況の情報開示ないし、情報発信に取り組んでいただきたいと考えております。

また、産業界の適切な経営判断に資するために、環境省、また政府におかれましては、長期的に80%減を目指して検討すると決めたわけですので、世界各国の後追いにならないように、税制面とか制度面の整備に取り組んでいただくとともに、その長期的なビジョン、方針を一貫して示していくことが大事なのではないかと思っております。そのような議論から、目的達成のために何が必要で何が現実的なのか、あるいはどのような経済的な影響が潜在的にあるのかということの洗い出しが可能になってくるのではないかと思います。

先ほど、対応には対応そのものと対応についての情報発信が含まれると認識していると申し上げました。環境省、政府におかれましては、各企業の情報開示を推進するような取組をしていただくとともに、日本の真面目な取組とか得意な分野について、ぜひ世界に対して積極的に情報を発信していっていただきたいと考えております。

なお、一つ質問があります。質問は、日本の特徴、得意分野をどのように考えていらっしゃるのか。また、情報発信・情報開示の状況について、簡単にお教えいただけるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

○浅野部会長

ありがとうございました。

それでは、河上委員。

○河上委員

ありがとうございます。何点かございますが、今後の課題のところでございまして、41ページにあります、パリ協定採択を受けた国内の締結手続でありますけれども、これにつきましては皆様ご存じのとおり、アメリカの大統領候補になっているトランプ氏については、パリ協定に批准にしない旨、表明しております。したがって、たとえ米国の参加を得てパリ協定が発効したとしても、仮にトランプ政権ということになれば、しっかりとした米国での国内対策がとられるかというところには疑問もあるところでございます。そうなってまいりますと、日本の基本ポジションであるところの全ての主要排出国が参加する、公平で実効的なものとなると、ここの点についてはちょっと不安があります。したがいまして、やはり国内締結手続につきましては、十分に国際社会の動向を踏まえていただきまして、最適なタイミングで進めていただきたいと、このように考えます。

それから、2点目は、42ページのところの長期目標のところでございます。先ほどからもたくさん意見が出ておりますが、2050年の80%の目標でありますけれども、次期環境基本計画の策定時におかれましては、やはりその革新的技術に関わるイノベーションの動向がどうであるかとか、それから、気候感度などの不確実性の解明に関わる議論、特に気候感度の場合、0.5度違いますと全く道筋が変わってくるわけでありまして、こういったものがどういう状況であるかというのをしっかりと見定めていただいた上で、慎重な検討をお願いいたします。

それから、その下にあります貢献の長期目標との整合の話、あるいはその下にありますところの長期戦略の話でありますが、これは上のパラグラフでもちょっと表現が入っておりますが、やはり長期目標は従来の取組の延長では実現が困難であるということで、革新的技術のイノベーションの道筋が見えていない段階での長期目標達成のための具体的な取組・施策の策定というのはすべきでないと考えております。したがいまして、長期目標との整合性の確認であるとか、あるいは長期戦略につきまして、やはり技術的裏づけのある取組が実施できる時点になってから具体的に検討されると、こういう前提でお進みいただきたいと思います。

最後、先ほどからダイベストメントの話の言及がございましたけれども、石炭火力、その対象になってまいると思いますが、やはり石炭火力につきましては、日本の国情も勘案された上で、エネルギー基本計画でもご存じのとおり重要なベース電源ということで一定の稼働が要るということになっておりますから、石炭火力に対するダイベストメントという話になりますと、エネルギー供給に関わる、いわゆるS+3Eのバランスを崩すことになって、経済にも大きな影響を与える、そういう可能性もありますので、何らか国は関与するということでありましたら、そこは慎重にご検討をお願いいたしたいと思います。

以上でございます。

○浅野部会長

ありがとうございました。

荻本委員ご発言をご希望ですね。どうぞ。

○荻本委員

それでは、一番最初に申し上げたいことは、まさにこれ点検報告だということなので、どう点検されたかというところを、まず申し上げたいんですが、これ、ぱらぱらぱらとめくっていきますと、「今後は」というような言葉が非常にたくさん出てきます。従来は、「今後は」という言葉の後の文章って2行ぐらいしかありませんでした。今回見ると、足されたところは、「今後は」の後が非常に増えている。気持ちはわからないわけではないんですけれども、点検をそこそこにしておいて今後の話がたくさん書いてある点検報告書というのは、まずあり得ないでしょうということで、やはりこれ、だんだんやっているうちに訳のわからない文章になってるんじゃないでしょうかということをまず申し上げたいです。ですから、やっぱり割合というのは見ておかしくない程度ではないと、まずいけないんではないでしょうか。

41ページに参ります。41ページに、今回、1から4のような件数というのを出していただきました。前回、私が申し上げた話は、これを見て、次にどうすればいいかというものがわかるようなものであってほしいと。これを見て、1から4がこうだというのを見て何かわかるかというと、恐らく何もわからなくて、108件の省庁・産の内訳とか、そういうものが全くないわけです。ということは、誰がというのがわからない以上、アクションを何とかしようというインセンティブはあまり働かない内容になっているという意味で、かなり点検内容は前進したが、いま一つかなという状況と思われます。これを何か改善していただくか、次につなげて糧にしていただくかはお任せします。

もう1点申し上げたいのは、1が何となくいいような感じがするのかもしれませんが、もし1が非常に多かったとすれば、考えようによっては目的が甘かった、非常に甘い計画を立てたので容易に目標を達成したという解釈が可能だとすると、1がとってもいいわけではない。私自身は、1から4にいろんな数字が分布していて、その実態を分かった人が次の計画を改善できるものだと思います。どうしても点検の報告書になると、何となくみな同じところに集まりがちなのはしようがないと思いますが、私自身は、少しずつチェックをしてアクションにつなげていくということができるような構造をぜひこの報告書の中では徐々に実現していただきたいというふうに思うわけです。

あと、すみません、個別のところをちょっと申し上げます。7ページのZEB、ZEHというような話ですね。今、海外では(電力システムの運用では)フレキシビリティーが非常に重要だということになっています。というのは、再生可能エネルギーが変動するので、変動についていくような需要が重要だと、駄じゃれではなくてですね。ZEB、ZEHというものが、家の外を全く見ないで自分がゼロになることを各々が目指したとすると、flexibilityと真逆のことが起こってしまって、非常に扱いにくい需要を金をかけてつくっていくことになります。なので、このままの文章で、このとおり実施されると、きっと大変なことになると思いますので、何らか修正をお考えいただきたいと思います。

実績、過去の話として重要なのは、この世界では、非常にたくさんのデータがとられたのですが、そのデータが自由に使えない、またはとってはみたものの意味のあるデータがとれなかった、そういうものが大量に見てくれ公開されているというような状況は非常に残念な状況です。国費を何百億円投入して、収集されたデータが実際には使えないということであったとすれば、やはり将来への糧として改善を考えていただきたいというふうに思います。

それから、10ページです。10ページに、コージェネというような言葉が出てまいります。ここ、「今後」がちょっと多いなと思わないわけではないのですが、中身として、コージェネは熱需要がなければ、性能の悪い発電機でしかありません。ですから、熱需要の必要性の条件なしでコージェネの導入・普及を推進すると書いてあるものは、きっと間違いだと思いますので、適切な表現にする必要があるんではないでしょうか。

その次に、13ページです。13ページに再生可能エネルギー熱が書いてあって、「今後も」の後に、「様々な熱エネルギーを地域において有効活用する」と書いてありますが、ここは間違わないように「再生可能エネルギー熱を」というふうに書いておかないといけないと思いますが、いかがでしょうか。

その次は、42ページまで飛びます。「電力分野における」というのが下から四つ目の丸に書いてございます。電力分野の排出原単位を低減するということ自体はポジティブな方向だとは思いますが、非常に重要な視点は、エネルギー全体で見て低炭素化ができることを考えることです。そのときに、電力の原単位をただ低くすればいいのかということは必ずしも最適ではありません。例えば、石炭火力の電気でEVを充電したとすれば、あまり悪くない結果になります。このようなことを考えると、ここだけを見ては非常にまずいということがだんだんわかってきて、海外では、電力需要は現状維持かもう少し伸びる。それはモビリティーと熱を電化することによって伸びるというようなことがあります。ぜひ部門縦割りでない検討をすることが重要ということをメッセージに入れないと、また、過去と同じ繰り返しになってしまうと思いますし、やはりその電力ということを考えると、「3E+S」というような言葉がございますので、そういう表現をぜひ入れていただくのがよいかなと思います。

あとは、その下も、「様々な熱エネルギーを地域において」と書いてありますが、これは「再生可能エネルギー熱」であろうと思いますので、しっかり書いていただいたほうがいいと思いますし、すみません、一つ戻りますが、「必要に応じて同制度の適切な見直しを行うことも必要である」と書いてありますが、「が必要」ではないかと思います。

それから、43ページの1行目、「非財務的な価値がより注目される」というのは、全く何のことがよくわからない。全然何のことかよくわからないことをやることになっているのは非常に、何か私にとっては不安なので、例を挙げるぐらいのことはしていただかないといけないと思います。

それから、その下のフレーズも、ちょっとワーディングにすぎませんけれども、「ソフト」「ハード」と書いてありますが、制度というものはソフトの中に入っているという解釈でよければ、制度というのも非常に重要であろうと思います。

最後に、44ページの最後の丸のところ、「適切な目標・指標等を設定し」とあります。ここの指標で重要なのは、「結果指標」は当然必要です。取り組みの結果としての目標がどうなったということなので、それは必要です。ところが、今から我々が長い時間かけて取り組んでいくためには、結果指標では手遅れです。ここで重要になるのはプロセス指標です。つまりそのプログラムがどのように運営されているのかということをリアルタイムで把握するというプロセス指標が非常に重要だということで、結果指標とプロセス指標、ここを厳然と分けたような記述がいただければよりよいかなと思います。

以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

大塚委員、どうぞ。

○大塚委員

はい。この点検は次期の環境基本計画に結びつくものですので、私自身としては、あまり「今後」というところが書いてあるのはそれほど気にはならないんですけども、それは私の個人的な意見でございます。

4点申し上げておきたいと思いますけれども、一つは、2050年80%削減の点でございますけれども、この数字はぶれずにぜひ維持していただきたいと思っています。企業にとっても、地方公共団体にとっても、消費者にとってもメッセージになっていると思われますし、これに向かって行動するということがございますので、ぶれずにこのまま維持していただけるとありがたいと思いますし、次期の環境基本計画においても、ぜひ堅持すべきだと考えております。

それで、ここについては、経済成長との両立ということがもちろんあるわけでございますが、これは経済成長とそのCO2等のGHGの増加をデカップリングするということが言われているということだと思いますが、そういう意味では、非常に重要な点を指摘していることだと思いますけれども、ある意味、当然の前提として考えていくべきことだと思っておりますので、ぜひこの動きを維持していただきたいと思います。

それから、二つ目でございますが、再生可能エネルギーのところは、42ページの下から三つ目の丸にございますけども、ぜひ、その系統の強化について言及していただけるとありがたいと思っています。自然変動電源に関して系統の強化が重要ですので、それ以外についても重要ですので、ぜひ明記していただけるとありがたいと思います。

それから、三つ目でございますが、カーボン・プライシングの点ですけれども、社会において炭素の価格づけをすると、炭素の価格が明確に出てくるということが社会全体でCO2を減らしていく、あるいはGHGを減らしていくというメッセージになりますので、そういうシグナルを出すという意味でカーボン・プライシングは非常に重要であると思います。その中の一つの方法としての排出量取引についても、EUの試み等について批判もないわけではありませんが、総量として毎年減っていっているということ自体が非常に大きな意味があるということだと思いますので、そういう道筋をつけているということは非常に重要な試みをしているということだと考えています。リーマンショック以降のCO2の経済の変動による減少ということがあったわけですけれども、これに対応することについては、リザーブをつけるとか、上限のキャップを強化するとかという方法はございますので、それは制度の仕組みの仕方によるものだというふうに考えています。日本では、ここ20年、省エネが、あるいはエネルギー原単位が横ばい状態というところが、あまり進んでいないという状況がございますので、ぜひカーボン・プライシングについては導入していく必要があると考えています。

それから、第4点でございますが、43ページの最後のところですけども、途上国との関係で、排出抑制というのは必ずしもノンフロン化ということだけではなくて、回収のところもぜひ含めて、二国間あるいは多国間での協調で対応していただけるとありがたいと思いますし、もし書いていただけるのであれば、そういう記述をしていただけるとありがたいと思います。

以上でございます。

○浅野部会長

ありがとうございました。

それでは、安井委員、どうぞ。

○安井委員

はい、ありがとうございます。1ページ目にパリ協定の話が出てまいりまして、このパリ協定の話、このぐらいのまとめでいいのかどうかというのはちょっと疑問かなと思っております。確かにINDCに基づきまして、日本が26%削減というのはそうなんですけど、主観的には、パリ協定というのは多分三つのターゲットについて言及をしているはずでございまして、その一つは、エルマウのサミットで言われたグローバルに40ないし70%削減の高いほう。これが、実を言いますと、先進国という立場を考えると、大体80%ぐらいになるのかなということで、ある意味、パリ協定によって今まで日本が持っていた2050年80%というのは何となく裏づけられたような、そんな感じがあるということが一つ。さらに、パリ協定では、これいつというのはなかなか難しいんですけど、最終的には今世紀中のどこかでネット・ゼロ・エミッションという格好になって、CO2をゼロにしなきゃいけないという、そういう話も書かれておりまして、その最終的には、やっぱり2080とか2100といったところでネット・ゼロ・エミッションしなきゃいけないということを考えて、そこにバックキャストを持ってくると、2050もやっぱりこんなものかなって、大体そういう雰囲気になるんだという、その合意がもう少し、何となくわかるような文章にしたほうがいいんじゃないかなというような気がいたします。それが一つでございます。

今のネット・ゼロ・エミッションにつきましては、今年3回目になりますけど、椿山荘で毎年10月にやっておりますICEFという国際会議でもネット・ゼロ・エミッションが一つの課題になって、中心課題になっておる次第でございます。この2050年80%というのは、気候感度云々で問題にされるんですけど、実を言いますと、そこで一番重要な話は何かと言うと、要するに2度Cという温度をどうやって大気中のCO2濃度に変化するかという話ですよね。それで、今回1.5度にもう十分配慮するみたいなことが書かれてますから、より慎重に対応するとなりますと、こういうリスク対応は気候感度が大き目になっちゃうんですよね。するしかないんですよ。もうそういうものであるということがあって、気候感度をとにかく問題にされるということは、それじゃあリスクは大きくてもいいのかということを主張されているんだとご理解をいただきたいと思う次第です。

以上です。

○浅野部会長

ありがとうございます。

それでは、村井委員どうぞ。

○村井委員

ありがとうございます。一つは、50年80%削減の件でございますけど、地方自治体、特に都道府県では実行計画に記述されある程度周知されておりますので、80%というのは次期基本計画でも位置づけるべきであります。

すみません、あと2点ほどあります。43ページ、前回の委員会で私も発言させていただきましたが、地方の実行計画ですけれども、小規模なところの策定率は16%ぐらいだったと思うんですけれども、いわゆる義務化されていないところですね、これがさらっと策定率の向上も含めてみたいな形で記されていますけど、深掘りといいますか、これは本当になぜできないのかというのが、やはり人的なものなのかとか、いろんな理由があると思います。特に小規模の自治体になりますと環境の職員が非常に少ない。というのは、日々の生活、関係での住民の対応におわれ、こういう計画というようなものに多くの職員を配置することは難しいと思います。したがいまして、実行計画の、実効性を高めることと策定というのは、分けてご議論いただくと非常にありがたいなというふうに思っております。

それと、その下の推進センターですけれども、先日ちょっとある小さな自治体の職員、環境の職員と話をしていましたら、温暖化センターというのをご存じなかったんです。非常にショックを受けました。都道府県では全て指定されておりますけれども、その他のところでは11市ぐらいだったと思います。、また、その活動状況というのは従来に比べ低下している状況にあると思っています。したがいまして、ここで環境整備を図るということを書いていただいておりますが、その辺の事情も含めて、今後ご検討いただけたらと思っております。どうぞよろしくお願いをいたします。

○浅野部会長

ありがとうございました。

三村委員、お願いいたします。

○三村委員

2点ほど申し上げたいのですけれども、一つは、この今後の課題のところです。前のほうの評価には、CO2の発生に関連する全ての活動がいろいろ取り上げられているんですけども、課題の中には十分書かれていない分野があると思います。一つは、社会のあり方といいますか、運輸とか、まちづくりとか、そういう問題について、明確な今後の課題を、ぜひ書き加えたらいいんじゃないか。高村委員が既におっしゃいましたけれども、建物の省エネ化の話とか、あるいは交通システム、さらに、まち全体としてのコンパクトシティーをどうするのかとか、そういうことも書くことが必要ではないか。特に2050年80%といった非常にドラスティックなCO2の排出削減をしようと思うと、個々の要素だけじゃなくて、社会のシステム全体をどういうふうに変えていくのかということも必要で、長いリードタイムをかけて、そこにすり合わせていかなきゃいけないということですので、そういう観点で書いていただきたいと思います。

もう1点は、44ページの最後から二つ目の丸、適応のところですが、書き方が非常にあっさりしているので、もうちょっと書いたらいいのではないか。先ほどもそういうご発言がありましたけれども、私もそう思います。社会的には、気候変動の影響がいろいろ出てきていて、具体的な対応をとらなきゃいけないという世論、あるいはいろんな動きが高まっていて、いろんなところから相談や研修の依頼が来るような状態になっています。先日は、東京にある世界銀行の東京防災ハブに世界銀行の本部から人が来て、その適応の話を一緒にやりましょうというようなことでシンポジウムなども行いました。それで、具体的な政府あるいは環境省としての支援の方向なんですけれども、個々の自治体や地域に行くほど、例えば影響の予測方法とか、どういう適応策をとったらいいかということに対するアドバイスを求めているように思います。ですから、そういう科学的、技術的な支援を提供するプラットフォームをつくることも重要だと思います。

この点では、先ほど住委員から、ベースとなるサイエンスをどう考えるかということが出ましたけれども、私も同じような気持ちを持っています。IPCCの第五次報告書の第2ワーキングの仕事をしたわけですけども、そのときにクリス・フィールド議長とか、全体が非常に意識をしていたのは、第2というのは影響、適応、脆弱性を対象にしているが、プロブレム・スペースの記述からソリューション・スペースの記述に今移る時期なんだと。つまり、これまで影響や将来こんなことが起こるという警告を発していた。それに対して、じゃあどういうふうに解決するのか、対応するのかというところまで踏み込んだ解決策を示すのがAR5の任務なんだということで、そういう方向のまとめ方をしたわけです。だから、最終的な第2ワーキングのメッセージは、人間社会が適応できる範囲に気候変動を抑制することが必要なんだということなんですね。そのソリューション・スペースについて言うと、緩和策によってCO2の排出削減をしっかりやるということを前提にして、それでも起きてくる影響に対して、予測する方法や、適応策のメニューを提供することが今重要なんじゃないかと思います。

○浅野部会長

ありがとうございました。

藤井委員、どうぞ。

○藤井委員

ありがとうございます。幾つかあります。一つは、7ページのエネルギーマネジメント、省エネのところです。ここでは新築建築物等に書いています。これはこれで非常にいいのですが、既築についての言及がこの全体の中で非常に少ないと思います。9ページにちょっと触れているんですけれども、やはり今後の課題としてみれば、既築というか、要するに建物の対策というのは大事です。それはどこかにもう少し書いていただきたいなということです。

それから、順番にいきますと、41から42の長期目標についてです。今までにもご議論が出ておりますが、これはもう政治的に決まったことです。民主党政権でもそうですし、その前の自民党政権、それから、今現在の連立政権もそうです。政策的にはこの2050年80%というのは、サミットの度にも全てのサミット参加国で、つまりG7で合意しております。そして、それに基づいて温暖化対策を立てているわけです。ですから、これはもう政策の目標として外すわけにもいかないし、日本が途上国に転ずるならば外してもいいのですけれども、日本の現状としてみれば、これはもう引き続き掲げていくしかない。イギリスのように、これを法律化して、それに基づいて中期的な対策を毎年というか定期的に立てている国もあるわけです。反対意見があるときの表記の仕方として、常に両論併記なのかということも気になります。今回の場合は、もう政策として決まっているのです。違う推計があるので当然あれば、それはその旨を付記して書けばいいことです。それから、2050年の技術的裏づけがないとの指摘がありましたが2050年のことですから、それはそうでしょう。将来に不明確なことがあるのはある意味で当たり前のことです。今、政策ですでに決めていることはしっかり書いて、それに対する懸念なり、今後の課題について書くという書き方に変えたほうが国民には、わかりやすいのではないかなと思います。

それから、42ページの下の点です。これは前回もお聞きしたんですが、再エネのところです。この制度をこれから変えていこうということですが、同制度は2012年にできて、まだ実施期間はごくわずかしかない。実際に再エネの比率は数%も行ってないと思うんですね。まずは制度の効果を踏まえるということをやっていただきたい。何が課題かというと、単に現在の買い取り価格が高いだけなんだと思います。中国でのFITでは今15円ぐらいですね、1キロワット時当たり。それに対して日本は24円。この間引き下げても24円と非常に高い。高いから下げる必要性と同時に、その高値に張り付く構造の分析が必要です。なぜ買い取り価格が高くなっているのかというと、日本のビジネス環境の中に課題があるんじゃないかという風に思います。その点を点検していただきたい。それから、その再エネ源間のバランスをとると指摘されていますが、再エネの普及というのは、太陽光何%、風力何%、バイオマス何%というバランスをとるのが目的ではないはずなんですね。それぞれの新しい電力源の中で費用対効果のすぐれたものを推進していくことが目的のはずです。費用対効果の優れた再エネ発電の普及を政策的に支援するのが本来の政策目的ではないでしょうか。再エネ発電間の割合がこう平均的になればいいわけではないと私は思います。この辺の記述もどうなのかなと思います。

それから、先ほども出ました、42から43ページにかけての点です。これは質問です。ESGの下りはいいのですが、その次の、この流れの中で民生部門においても非財務的価値が注目されるような取組と書いていますが、これは何を意味しているのかよくわからない。民生部門と書いているので、家庭部門だけでもないし、業務部門も含めた議論のはずです。もしこれを書くなら、新しい政策を想定されているのかなと思いますうで、例えばこんなものが考えられるとか、オフィス間のクレジットの売買とか、そういうことなのか、あるいは格付みたいなことなのかですね、ちょっと触れていただかないとわかりません。

幾つも言って申し訳ないですが、カーボン・プライシングについてです。これも前回に言いましたけれども、この報告の41ページに、まず、その今後の課題のところで京都議定書の評価をしていただいています。結果的にこれを読めば明瞭なんですが、クレジットとシンクがなければ結果は90年比1.4%増だったということです。あの低いレベルの目標においてさえも、クレジットがなければ、我が国は国際的に達成できなかった。世界に向かってごめんなさいと言わなければいけなかったわけです。つまり、やはり、こういうものがあるからこそ、通常の経済的な対策だけではコストアップになる部分をならすことができるということです。我々、日本の経験の中でも、このクレジットの機能というものは、もう明らかに出ているということです。したがって、これをいかに合理的に定着させていくかです。企業にとっても、ここに書いておられるように、削減努力をしている企業、要するに先進的な技術を持っている企業が評価される仕組みとして、これを、わが国の経済社会のために実施することが大事だと思います。その結果が、国際的な整合性にもつながると思います。

以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

原澤委員、お願いします。

○原澤委員

はい。3点、コメントです。最初のコメントですけども、38ページ、先ほど環境省のほうからご説明ありましたけども、適応に関する科学的知見の充実ということで、かなり記載を増やしていただきました。これで現状の記載としては十分ではないかと思います。ただ、非常に丁寧に書いてあるものですから、これで研究はもうする必要はないかということではなくて、あくまでも現在その適応に関するいろんな研究が進んでいるということの記載だと思います。特に適応の関係ですと、やはり地域における影響評価ですとか適応策ということで、これに連携して、気候モデルも、かなり空間的に精度がいいものを使っていかなきゃいけないということで、まだまだ科学的な知見が必要だということがございます。先ほど三村委員からお話があった44ページの下から二つ目の適応に関する記載の中に、そういった科学的知見の充実といったような面も、特に記載をいただければと思います。それが1点目です。

2点目が、課題のほうの42ページの上から二つ目の丸の、いわゆる低排出発展戦略についてであります。今日の午後に長期低炭素ビジョン小委員会ができるということで、そちらでぜひしっかり議論していただいて、成果を取りまとめていただきたいということですけども、その際、まだ2050年80%の問題で科学的な知見の不確実性をかなり取り上げられる方もいらっしゃるということもあるものですから、パリ協定は、そういった科学的な知見を踏まえた上で合意されたという認識が十分伝わっていないとすると、このビジョン小委員会の中でも、そういった科学的な知見でどこまでわかってて、これはまだ不確実性の部分もあるかと思うんですけど、そういった面もまとめていただきたいということであります。また後でご説明があるかと思うんですが、年度内で取りまとめの方向だと聞いておりますけども、経産省も同様な検討をされるということで、名称は「長期地球温暖化対策プラットフォーム」だったと思いますけども、環境省と経産省が同じようなことを別々にやって、最後どうなるのかなというのが気になっていますので、これは質問なんですけども、これをいかにパリ協定で要求されている低排出発展戦略に結びつけるのか、今の段階で決まっていれば教えていただきたいというのがあります。

3番目は長期目標の話で、2050年80%、これは温暖化対策計画の際に議論した結果がまた蒸し返されている感じがするので、それはそれでいいんですけども、先ほどやはり下田委員からお話があったように、両論併記であるならば論点は何か。やはり前向きな議論ができるような、そういう表現にしていただいたほうがよろしいと思います。その際、やはり科学的な根拠の問題ですとか、いろいろ出てくるかと思いますけども、そちらについては、長期低炭素ビジョン小委員会等で議論された結果が反映されればいいと思います。それで、前回も発言したんですけども、次期の環境基本計画の中には、長期目標を掲載するのは当然ですけども、さらに長期低炭素ビジョン等の議論を踏まえた、そういった新しい知見も反映して、ぜひ作成していただきたいということです。

以上、3点です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

根本委員、どうぞ。

○根本委員

ありがとうございます。私からは、41ページ以降の今後の課題につきまして、2点、コメントさせていただきたいと思います。

温室効果ガスの削減目標をめぐりましては、大きく二つの議論があると理解しております。一つは、申し上げるまでもなく、2030年26%の議論でございます。もう一つが2050年どうするか、どうしようという議論だというふうに思っております。これはどちらが大事ということではなくて、どちらも大事にこれは当然決まっておるわけですが、今日もそうなんですけれども、若干2050年の話に軸足が行っているような印象を受けております。これは繰り返しでございますけど、2050年の話が大事ではないという話ではなくて、2030年の話が若干影が薄くなっていないかということを心配しております。と申しますのは、やはり2030年26%という数字でございますけれども、これがやはり前から申し上げていますように、かなり十分に野心的な数字だというふうに思っております。野心的ということは、すなわち大変ハードルが高いという受け止めでございます。この目標に対して、これが今、我々日本に立ちはだかっているわけですが、この26%に対して目処が立ったとは到底思えないというのが私の認識でございます。この26%につきましては、これは当然、国全体の数字でございますけれども、頑張って、みんなで26%やろうと言ってても、これ進む訳がありません。したがって、大きく分野別に分けて、それぞれの分野、過去の経緯を踏まえて、それぞれの目標を課されている、受け身に言うとそういうことになるわけですが、それぞれの分野がその目標を請け負っている、背負っている、そういう理解でございます。これは、それぞれがお互いにそれぞれ受けた目標を、責任を持って推進する、努力する、そして達成するという前提、言い方を変えますと、信頼の上に成り立っているというものだというふうに思います。その結果、それぞれが全て責任を果たして達成して、やっとその国全体の目標である26%が達成できるという、そういう危うい構造になっているという理解でございます。当然、我々、産業界あるいは経済界としましても、その一端を担っているという自覚は強く持っておりますので、最終的には経団連低炭素社会実行計画というものがございますので、これを中心に進めさせていただこうと思っておりますし、覚悟しております。しかし、一方、やはり同じような考え、同じような覚悟ということにつきましては、他の分野の方々にもぜひ背負っていただきたいと思っております。とりわけ、これは毎回恐縮でございます、申し上げにくいお話でございますけれども、家庭部門、その40%削減ということでございます。これは今なお心配しております。やはり十分な道筋が出てきた、見えてきたというのはなかなか言いにくい状況かというふうに思っております。大変記憶に新しいところかというふうに思いますけれども、京都議定書の達成計画のときでございますけれども、家庭部門の削減目標、これが引き下げられまして、その分といいましょうか、産業部門や運輸部門に積まれたという、我々からすると苦い経緯、記憶がございます。やはりこのようなことが二度と起きてはならないというふうに考えております。我々も含めてでございますけれども、各部門あるいは各分野が責任を持って、もっとストレートに言いますと、義務として受け取って、確実なフォロー、確実なPDCAの展開をしていく必要があるということ、繰り返しでございますけれども、申し上げさせていただきたいというふうに思います。以上が1点目でございます。

2点目でございます。2050年の長期目標でございます。こちらにつきましては、もうしっかり書いていただいているというふうに思っておりますけれども、やはり、先ほど言いましたように、2030年の目標自体、これは相当ハードルが高いんだと私どもは認識しております。しかし、そのレベルよりも、さらに、あるいは、はるかに高いハードルになるんだろうと、2050年目標ですが、そう思っております。恐らくでございますけれども、今ある技術あるいは何とか見えつつあるなという技術、こういったものを幾ら足し上げても恐らく届かない、そういったレベルのものなんだろうと覚悟する必要があるんだろうなというふうに思っております。そういった大幅削減といいますか、もう抜本的な削減というレベルだと思いますけれども、そういったもののためには、やはりいろんなあの手この手は必要だろうと、そのための議論は必要だろうというふうに思っていますが、やはりど真ん中に来るべきテーマとしては、革新的技術開発というイノベーションの問題だというふうに思ってます。この議論は避けて通れないというふうに思ってますので、そのイノベーションをいかに起こすんだ、加速するんだという、その議論にこそ、エネルギーと時間を集中させるべきではないかというふうに考えております。

これ資料の42ページの、これは二つ目の丸でしょうか、こちらの末尾のところで、長期温室効果ガス低排出発展戦略は早期に策定するべきと、これは書いていただいております。何ら反論があるわけではないんですが、やはりスピード大事ということ、これは当然否定しておりません、我々も。ただ、スピードは大事なんですけれども、やはり実効性のない戦略が早くできたということでは何の意味もございませんので、やはり将来のエネルギーミックスですとか技術開発の動向などを十分に踏まえた上で、やはり一番の鍵であるイノベーションでどうやってつくるんだということに十分に議論していく必要があるんだろうなということだと思ってます。やはりスピード大事ということは繰り返しですが、否定しませんが、やはり問われるべきはスピードよりも実効性だろうというふうに思ってます。

以上でございます。

○浅野部会長

ありがとうございました。

南部委員、どうぞ。

○南部委員

ありがとうございます。3点ございます。まず、43ページの四つ目の丸です。国内排出量取引制度、炭素税に向け炭素に価格をつけるカーボン・プライシングについては、ここに様々なご意見が書かれているとおり、国内産業や、そこで働く労働者の雇用へ、相当程度の影響が想定されます。そしてまた、一部の国だけ制度を導入すると、国際的にも不公平な競争となる可能性も払拭できないと考えております。そこで、計画に記されていますように、慎重な検討をぜひお願いしたいというのが1点目でございます。

2点目では、44ページの二つ目の丸でございます。SDGsの特徴として、グローバルからローカルまで、多様な主体の連携によって実施すると言われております。日本においてもこれは必要であると考えておりますので、全てのステークホルダーの参加を想定し、「効果的な官民及び市民社会のパートナーシップの奨励・推進が必要である」ということをぜひ言及していただきたいと思っております。

三つ目でございます。気候変動の影響への適応についてです。これについては、法改正についても記載がございますけれども、全国一律でなく、地理的特性や社会的特性を踏まえ、「健康で快適に暮らせる持続可能なまちづくり」を地域全体で進めることが重要です。そこで、企業や住民に対しても地理的・社会的特性を勘案した具体的な適応策の普及啓発活動も同時に必要であるということも、ここに言及していただければと考えております。

以上でございます。

○浅野部会長

どうもありがとうございました。

それでは、以上、ご意見をいただきました。時間がかなり押しておりますので、ご質問として明示に出されたものが2点くらいはあるのですが、一つは、原澤委員のご発言については、後ほど説明をされる中で含めてお願いいたします。

それから、岸上委員からご質問があったのですが、事務局のどなたにお答えいただければよろしいでしょうか。

はい、それでは国際連携課長どうぞ。

○国際連携課長

岸上委員から、我が国の、国際的に見て、特徴あるいは得意分野というのは何か、また、それをどう発信しているかというご質問をいただいたと思っております。環境分野、私どもいろんな面で取組をしてますけども、強みということで言いますと、恐らく日本がこれまで環境対応していく中で持ってきた技術、また、あるいはそれを活用して、実際に汚染を減らしたり、温暖化対策を進めてきた制度、そういったものを我が国の民間企業や自治体が十分な経験として持っており、そういったものをパッケージで海外に展開していく、そこがある意味日本の強み、あるいは得意な分野というふうに言えるんじゃないかなと思っているところでございます。

そういった観点から、現在、アジアの各国を中心としまして、様々な取組を行っております。例えば一つにはJCMもその典型的な例かと思っておりますし、また、温暖化対策における都市の役割というところに着目をしまして、アジアの都市と我が国の都市の都市間連携の取組なども積極的に実施しているところでございます。

もちろん海外への発信という意味では、我が国の中の取組を発信していくことも重要だというふうに思っておりまして、例えば温暖化の分野でいきますと、削減目標を着実に実施するために温暖化対策計画あるいは適応の計画をつくったということについても、例えば気候変動のCOPですとか、あるいは国連の関連のイベント等で、総理大臣を含め、発信をしております。

また、最近では、フランスやドイツといった国とのバイの協力の中でも積極的にシンポジウムなどを行いまして、国内の取組の発信にも取り組んでいるところでございます。

いずれにしましても、こういった国内の取組あるいは我が国の強みを生かしました海外展開、そういったものについては、今後とも積極的に発信をしていきたいと思っております。我々、ツールとして幾つか持っておりますけれども……。

○浅野部会長

すみません、時間がないので簡潔に。

○国際連携課長

はい、申し訳ございません。以上でございます。

○浅野部会長

それでは、それ以外のご意見、随分たくさんありました。大変乱暴なんですが、しかし、これについて総合政策部会に報告を出さなきゃいけませんので、これを部会長にご一任くださいといつものようにお願いをするわけですが、ちょっと1点だけ、困ったなと思っていますのは、昨日、実は自然環境部会の報告をもらって物すごく分量が多かったんですね。それで、部会長に半分にしろと強くお願いいたしました。そうしたら、私が部会長の報告がまた自然環境部会報告を同じぐらいの分量があるんですね。困ったなと思ってます。おまけに今日皆さんのご意見は、足せというご意見が多くて、削れというようなご指摘はありませんでしたので、そうなりますと大変なことになってしまいます。この点検報告での今後の課題の部分の記載は、これまであんまりごたごたごたごたたくさん書かないで、ワンポイントメッセージぐらいで済ませるというやり方だったんですが、今日のお話を聞いている限りでは、どうもなかなかそうもまいるまいと思いまして、ちょっと自然部会長にごめんなさい、もうあのまんまでいいですよと言ってお詫びを入れて、こちらもこれで頑張るからと思っていますが、追加がどのぐらいできるかということについては、考えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、残りの時間、お約束の時間は12時までですが、これから、報告を15分ほど受けまして、それについてのご意見をまた伺うことになります。内容的には多くのご意見がありそうだと思いますので、とりあえず10分間ぐらいは延長になるということをご了承ください。事務局は今から報告四つ続けてお願いいたしますが、当初の予定の説明時間を一律10%減でお願いいたします。

それでは、どうぞ。

○地球温暖化対策課長

それでは、お手元の資料3、政府実行計画の実施状況、26年度についてご説明を差し上げたいと思います。

2ページをご覧ください。この5月に新たな政府実行計画が閣議決定されました。そこの中で三つ目の丸でございますけれども、新たに中央環境審議会の意見を事前に聞くこととし、より丁寧にPDCAを行うことと、このようにさせていただきました。26年度のこの実施状況につきましては、これいわゆる旧政府実行計画でございますが、今般の新たな政府実行計画の閣議決定を踏まえまして、今後のPDCAの強化に向けて、今回、簡潔でございますけれども、部会にご報告をさせていただいて、できれば今後のPDCA強化に向けてのご意見をお伺いできればというふうに考えております。

3ページ目、これが政府全体の温室効果ガス排出量の平成13年度から26年度までの推移でございます。自動車、それから施設の電気・燃料、それからそれ以外の燃料使用ということで、過去推移を出しております。点々が載ってます。これが目標値ということでございます。

次のページは、円グラフで政府全体の排出量の内訳の詳細を示してございます。公用車、施設の電力使用、それから施設の燃料使用、ここまでが、いわゆるビルでの我々の活動に伴うものでございます。それ以外に多くなっておりますのが、この円グラフで言いますと、29%というのが、この時間でいいますと9時から10時のところにございます。これ、すみません、「航空機」と書いてございますが、「船舶」でございますので、ご訂正をお願いいたします。この29%の船舶と航空機というのが、それ以外に大きな割合を占めているということでございます。

5ページは、その参考でございまして、今の船舶と航空機を除いた、いわゆる我々の庁舎の中での活動、それに付随するものがメーンになっておるものの推移を整理したのが5ページでございます。

それから、6ページでございますが、ここから下は全体の温室効果ガス排出量以外のちょっともう少しブレークダウンしました部門ごとの目標値との関係になっております。

まず、公用車でございます。棒グラフが公用車の燃料使用量でございまして、横に入っています点線がその燃料使用量に関する目標値でございます。それ以外に総台数ですとか、低公害車の台数、それから、一番下の赤い折れ線が、今度新しい定義で次世代自動車というものがございます。その台数の推移が載せてございます。

次のページでございます。施設の電気使用量及びその単位面積当たりの使用量ということで、左側の軸が施設の電気使用量の縦軸になってございます。これは棒グラフでその推移が出ています。折れ線グラフが単位面積当たりの電気使用量ということでございます。中長期的に低下していますけども、ここ最近は横ばいになっているという状況でございます。

次のページでございます。施設の燃料使用量、それから単位面積当たりの燃料使用量でございます。同じように、棒グラフが燃料使用量全体、それから、折れ線グラフが単位面積当たりのものでございます。

その次の9ページは参考でございますが、この電気と燃料使用量について、一次エネルギーベースでのエネルギー使用量、それから単位面積当たりをまとめたものでございます。同じように、棒グラフがエネルギー使用量全体、それから、折れ線が単位面積当たりで整理したものということでございます。

それから、その次が参考でございますが、今の一次エネルギーベースでの施設のエネルギー使用量、これを各省庁ごとに見たものがこの円グラフでございます。国土交通省ですとか法務省とか、現場を抱えている役所が排出量を行っております。国土交通省、航空機のレーダーですとか、飛行場のレーダーですとか、あるいは気象レーダーとか、そういった現場、法務省さんは行刑施設、そういった現場がございます。そういった事情がございます。

それから、11ページ、これは後ほどご覧いただけばと思いますが、現在行ってます要因分析、率直に申し上げまして、電気使用量と排出係数、それから燃料使用量と、こういう形で、あとは公用車という形で分解をして、増減を見ているというのが現状の分析状況でございます。

それから、あと二つだけご説明させていただきます。排出量の省庁間比較ということで、就業人数当たりで温室効果排出量を整理したのが12ページでございます。内閣官房、これ多くなっておりますのは、衛星の運用を行って、その情報解析をしているということで多くなっています。国土交通省は、ほとんどが海上保安庁の船舶・航空機で多くなっているということでございます。

次のページ、13ページでございます。これは面積当たりで整理をさせていただきました。農林水産省、同じように水産庁で船舶の事情がございまして多くなっていると、こういう状況でございます。

この資料については、あとの14ページ以下は説明を省略させていただきます。

私からは以上です。

○フロン対策室長

では、引き続きまして、資料4でございますが、モントリオール議定書のExMOPの結果でございます。

7月22、23、ウイーンで、関係3省庁が出ております。

結果概要でございますが、もともと四つの提案がありました。アメリカ提案、EU提案、インド提案、島嶼国提案というのがあったのですけれども、それについて議論がされました。

一番最初の黒丸ですが、閣僚級ラウンドテーブルということと、あと、ケリー国務長官もいらっしゃいまして、ステートメントが行われました。

三つ目のポツですが、協議の中で4提案をできるだけ一本化しようということで議論されたのですけれども、その途上国と先進国の溝が埋まらずに、結局、収斂するには至りませんでした。結果として、何がまとまったかというと、途上国について、六つの提案がまとまりました。先進国については一つにほぼまとまっております。

次回10月のMOP28、ルワンダにおきまして、採択を目指すということでございます。

以上でございます。

○国際地球温暖化対策室長

続きまして、資料5についてご説明いたします。今年で7回目になりますけれども、ドイツ政府が主催しておりますペータースベルク気候対話、こちらが今年4月に、次期COPの議長国であるモロッコと共催という形で開催されています。

今年ですけれども、パリ協定の採択を踏まえまして、それを実現していくための視点ということで設けられた四つの主要論点について議論が行われておりまして、前半でも議論があったような世界の潮流を示す議論の一端が伺えるかということで紹介させていただきます。時間の関係で、キーワードを幾つか拾うような形での紹介にしたいと思います。

一つ目が、パリ以降の主要議題ということで議論がありました。主に挙げられたのは二つでして、一つが、約束草案の着実な実施が重要であって、そのための具体的な施策策定が必要である、あるいは途上国を中心に、その実施を支援するための能力開発等の国際協力が必要ということでございます。二つ目が、パリ協定の早期発効の重要性ということと、あと、それを実施に向けるための作業の加速化の重要性、詳細なルールづくりの重要性ということが主に話題になってございます。

二つ目が、温室効果ガスの低排出型かつ気候に対して強靱な発展のための長期戦略でございます。まず最初、サウジアラビアについて紹介してます。産油国ということで非常に興味深いんですけども、サウジのほうからは、「ビジョン2030」に基づいて推進している再生可能エネルギー導入の加速化、経済の多角化、つまり石油に依存しない経済に向けて取り組んでいると、その方向にかじを切っているということの説明がございました。あと、主要排出国である米国、中国からも2050年に向けた長期戦略の早期策定に関する取組ということですとか、中国からは、2030年、あるいはそれより早期のピークアウトに向けて、中国全土での排出権取引制度を拡大していくということですとか、再生可能エネルギー導入の加速ということが紹介されております。

三つ目が、経済移行の加速化、低排出かつ強靱な発展のための資金の流れというテーマで議論がございました。まず、UNFCCCの事務局からSDGsとの対応の中で包括的に取り組むことで経済社会全体の低炭素化に向けた移行が重要であるということが示されております。

また、OECD事務総長のほうからは、低炭素で気候変動に強靱な資金の流れをつくることが重要と。つまり資金の量が不足というよりは、低炭素に向けた投資、そういう流れを今後世界でつくっていくことが重要ですということが示されております。その流れを受けまして、民間の投資会社であるCIOからですけれども、そのような資金のグリーン化のためには明確な価格シグナル、官民の連携、長期計画と確実性が必要ということが述べられております。その文脈の中で、炭素税ですとか排出量取引、化石燃料補助金の段階的廃止というような政府からの民間セクターに向けた明確なシグナルを送る施策が重要かといったやりとりもなされております。

四つ目の論点、COP22への期待ということです。これについては、多くの国が締約国のみならず、民間セクターですとか地方自治体等の非政府の幅広いステークホルダーの関与を推進するためのアクションアジェンダの強化が重要ですということが言及されています。また、パリ協定の実施に向けた詳細なルール交渉、指針の策定、これを着実に前進させるということが強調されております。

あと最後に、ドイツのメルケル首相と、次のCOPの議長であるモロッコのメズアール外務大臣から演説がありました。メルケル首相は、すみません、省略させていただきます。モロッコの外務大臣からは、先ほど触れましたが、非政府主体によるアクションアジェンダ、これを強化していくということ、また、COP22の成功に向けて包括的、公平、透明な形で議論を進めていきたいということが述べられております。

以上であります。

○低炭素社会推進室長

続いて、資料6について説明させていただきます。長期低炭素ビジョン小委員会の設置につきまして、地球環境部会の委員の先生方にお諮りをしまして、7月15日に地球環境部会決定をしたところでございます。

中身としましては、1から3ポツまでございますけれども、地球環境部会に長期低炭素ビジョン小委員会を置くということと、この小委員会では、パリ協定等で2020年までに、今世紀半ばの長期的な温室効果ガスの低排出型の発展のための戦略を提出することが招請されていること等から、2050年及びそれ以降の低炭素社会に向けた長期的なビジョンについて審議すると言っております。

また、この小委員会の決議は、部会長の同意を得て、部会の決議とすることができるとしております。

めくっていただきましたところに、小委員会の委員の名簿を載せておるところでございます。浅野先生に委員長になっていただくということでございます。

先ほど、委員の方からもご発言ございましたように、3ページ目のところでございますけれども、本日午後、14時から16時ということで、この近くの全国都市会館で開催をいたしまして、議事としては、この小委員会の進め方等についてということとなっております。

また、先ほど原澤委員のほうから、この政府全体の長期戦略との関係についてご質問ございましたけれども、この長期戦略の策定に向けましては、まず、様々な観点から多面的に議論が行われることが重要ということを考えておりまして、そうした成果を踏まえまして、2020年までのできるだけ早期に関係省庁と連携をしまして、政府の長期戦略として取りまとめていくというものと考えております。

以上でございます。

○浅野部会長

この長期ビジョンの小委員会の設置につきましては、通信の形でご意見を伺うという大変失礼なやり方をさせていただきました。申し訳ございませんでした。

多くの委員からご意見をいただきまして、特に3項目にあるように、小委員会ですから、私が同意すればそこでの決議を部会の決議にできるということになっているんですが、この点に関しては、十分に地球環境部会の意見を反映できるように配慮せよというご意見を賜りましたので、その点は十分に留意して、適時に議論の内容についてのご報告を申し上げるようには努力いたしますので、ご了承いただければと思います。

それでは、ただいま出されました報告につきまして、何かご質問、ご意見ございましたらお出しいただけませんでしょうか。

下田委員、どうぞ。

○下田委員

資料3の政府実行計画でございますが、着実にいろいろと成果を上げておられるというところについては評価をしたいと思いますが、今後は、これは民間の活動を牽引していくという位置づけもあると思いますので、民間の方が参照できるような形のデータの提示をお願いしたいと思います。例えば施設といいましてもオフィスや病院等のように用途別で出されると、民間の建物との比較ができるようになります。また、対策を実施されたものについてはその費用対効果のような情報も出てくると思いますので、そういう情報を今後出していただきたいというふうに思います。

以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。中環審で検討しなきゃいけないということになっていますので、早速、今出されたご意見は次回の点検の際に十分反映できるように、各省にも協力をお願いしてください。

大塚委員、どうぞ。

○大塚委員

資料4につきまして、先ほどご説明いただきましたけれども、モントリオール議定書の今後の見通しをちょっとお伺いしておきたいんですが、先ほどおっしゃっていただいたように、途上国からの六つ、先進国から一つ提案があるということでございますが、特に対立点を含めて簡単にお話しいただければありがたいと思います。

○フロン対策室長

はい。もともと4提案があったのですが、4提案を議論しようとしたところ、途上国はインド提案一つだったんですけど、それぞれ途上国からいろんな意見が出てきまして、結局六つになりました。大きな論点は、途上国の基準年生産量、削減スケジュールでございまして、要は、途上国はできるだけ規制開始を遅くしたいと。2025年とか2030年辺りに基準年生産量を設定して、そこから減らしたいというのが途上国。先進国は、逆に2017年から2019年辺りを基準年生産量にして、そこから減らすべきだというところが大きな差でございます。そこがなかなか歩み寄らずに終わったということでございます。

○浅野部会長

よろしゅうございますか。はい。

ほかに何かご質問、ご意見ございますか。よろしゅうございましょうか。

それでは、12時に終わることができそうでございます。どうもありがとうございます。

先ほどからのいろいろとご意見いただきましたことを、何とか整理をしたいと思っています。

荻本委員からのご発言について、ちょっと1点だけ私のコメントを申し上げたいと思いましたのは、前の京都議定書目標達成計画というのは6%削減の話で、しょせんは、ということでした。ですから、あんまりそこでやったことは、次の計画で、かなりの大きな数字を考えなきゃいけないときに、ダイレクトにそれを踏襲してとかというようなことにはならないだろうという気がしています。

もう1点は、この点検報告そのものは、中央環境審議会から国民に向けて報告するということではなくて、閣議に向かって報告をするということになっていまして、そういう意味では、あんまりこれを詳しく詳細に分厚いものをつくるということはこれまでもやってこなかったわけですね。ですから、京都議定書目標達成計画の点検に関しては、我々がやったわけじゃなくて政府がやってるんですけども、もう詳細な報告書が既に出ています。ですから、それはどこを見ればわかるかということをこれに書いておくことは必要だと思っておりますけれども、そこに書かれていることを全部ここに転載してしまうと、屋上屋を重ねるということになってしまいますから、先ほどご意見を伺いましたが、それをご要望どおりに全部受け入れることは難しいかなと思っております。

それでは、事務局から。

○低炭素社会推進室長

委員の皆様におかれましては、活発なご議論をありがとうございました。

本日の資料につきまして、郵送をご希望の方は、そのまま席に置いておいていただければと思います。

議事録につきましては、事務局で取りまとめを行い、委員の皆様へご確認いただきました後、ホームページに掲載させていただきます。

○浅野部会長

それでは、本日はこれで閉会いたします。どうもありがとうございました。

午後12時00分 閉会

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