地球環境部会(第127回)・産業構造審議会環境部会地球環境小委員会合同会合(第43回) 議事録

○服部環境経済室長  定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会・産業構造審議会

産業技術環境分科会地球環境小委員会合同会合を開催いたします。

 ご多忙のところを恐縮ですが、先ほどの合同会合に引き続いてよろしくお願いいたします。

 本日の審議は公開とさせていただきます。

 また、産業構造審議会地球環境小委員会及び中央環境審議会地球環境部会の委員に交代がございました。大

変失礼とは存じますが、時間の都合により、名簿の配布をもってご紹介に代えさせていただきます。

 冒頭、経済産業省大臣官房審議官の三又より一言ご挨拶させていただきます。

〇三又経済産業省大臣官房審議官  皆さん、おはようございます。経済産業省の三又と申します。本日は大

変ご多忙の中、お集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。

 それから、浅野部会長、山地委員長、両先生には昨年に引き続きまして、この会合をお取りまとめいただき

まして、大変感謝を申し上げる次第でございます。

 この合同会合は約束草案の検討状況を報告させていただきました1月の開催以来の開催ということになりま

すので、その間の状況につきまして簡単にご紹介をさせていただきたいと思います。

 まずご案内のとおり、前回の会合のときに話題になりました約束草案でございますけれども、今年7月の政

府の地球温暖化対策推進本部におきまして2030年度に2013年度比で26%の温室効果ガスの削減を目標とす

る内容の約束草案を決定いたしまして、これを国連に提出をいたしました。この目標はエネルギーミックスと

も整合的なものとなるよう裏付けのある対策・施策、技術の積み上げによりまして実現可能なものということ

で策定をしたものでございます。同時に、この目標は国際的に見て遜色のない目標であります。石油ショック

後と同レベルの大幅な省エネや再生可能エネルギー、原子力といった非化石エネルギーの最大限の導入を見込

んだ非常にチャレンジングな目標となっており、たゆまぬフォローアップ、PDCAサイクルをしっかり回して

いくことが不可欠であると考えております。今月末からはCOP21がスタートをいたします。各国が、これま

でに150ヵ国以上が約束草案を既に提出をしておりますが、その約束草案のトータルの、提出した国の世界の

排出量に占めるカバレッジは9割に達するなど地球規模で対策に取り組む大きな機運が生じているところでご

ざいます。これは京都議定書のもとでの削減義務を負った国のカバレッジと比べますと大幅に上回るものであ

りまして、我が国としてはこの交渉に臨むに当たってすべての国が参加する公平かつ実効的な国際枠組みを構

築する必要があるということを常々日本の基本ポジションにしておりますけれども、そういった国際枠組みに

向けて大きく前進をしているところだというふうに思っておりますし、このいわゆるプレッジ・アンド・

レビュー方式という形になる流れになっておりますけれども、こういったものがこういう実効性を高める枠

組みづくりの上で非常に大きな寄与をしているというふうに認識をしておりまして、引き続き、いずれにしま

しても今後の交渉に向けて政府一丸となって当たってまいりたいと考えております。

 他方、この約束草案、これまで提出された約束草案の積み上げでは2030年の地球全体の総排出量を570億

トンまで抑えられるものの、ここから2050年までにいわゆる2度目標を最小限のコストで達成できるような

シナリオとの間ではギャップがありまして、その2050年までの間にそのギャップを埋めるには300億トン超

の追加削減が必要だというような指摘もなされているところでございます。COP21の後も見据えて中長期的

な観点から抜本的な排出削減を可能とするような環境エネルギー技術のイノベーションを一層強化していく必

要があるというふうに私ども考えております。

 先月、東京で先進国、途上国を含めた地球温暖化対策技術のイノベーションを促進するプラットフォームと

してのICEF(Innovation for Cool Earth Forum)という国際カンファレンスを開催いたしました。ここに

はアメリカやCOP21の議長国であるフランスの政府高官であるとか、世界の産学官のリーダーが集まったわ

けでございますけれども、これらの海外の要人からも技術面での日本のリーダーシップに対して高い期待が寄

せられております。官民の英知を結集し、世界大での排出削減に資するイノベーションを生み出すということ

は科学技術立国である日本らしい貢献でありまして、環境と経済を両立していく鍵であると考えている次第で

ございます。

 結びに、先ほども申し上げたとおり、この約束草案、これから2030年に向けて実施の段階に入っていくわ

けですけれども、対策、施策のフォローアップの重要性というのが非常に鍵でございます。そういう意味で本

日の会合におきましてその次の一手につなげるためにも委員の皆様方の忌憚のないご意見を賜れればと考えて

いる次第でございます。

 私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。

○服部環境経済室長  続きまして、産業構造審議会地球環境小委員会の山地委員長、中央環境審議会地球環

境部会の浅野部会長の順にご挨拶をお願いいたします。

〇山地産業構造審議会地球環境小委員会委員長  産構審地球環境小委員会の委員長を務めております山地で

ございます。座ったままで挨拶させていただきます。

 ただいまの三又審議官の話に特に付け加えることはございませんけれども、私の個人的な意見を申し上げさ

せていただくと、地球温暖化対策は長期的、かつグローバルな視点から対応していくということが重要だと考

えています。長期的という視点からみると、リスクですね、この問題に関する不確実性を伴うリスクがたくさ

んございます。温暖化そのものもリスクでありますし、それに対応することに伴う経済的なリスクもある、国

際政治上のリスクもある。これをどう見ていくか、そのリスクを長期的にマネジメントしてきちんと取り組む

、これが1つ。もう一つはグローバルな視点。我が国の温室効果ガス排出の世界シェアというのは多分、今

は3%ぐらいですけれども、今後それはさらに低くなっていくわけで、国内対策はもちろん重要なのですが、

それと同じか、それ以上に国際貢献が重要になっていくと思います。これは今までも何度も繰り返し申し上げ

てきました。それは製品やサービスを通した貢献であり、技術、あるいは人材を通した貢献でありまして、イ

ノベーションを通した貢献。そういうグローバルで長期的な視点から対応していく、その中の具体策をぜひこ

の審議の中から生み出していきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。

〇浅野中央環境審議会地球環境部会部会長  この会合は前回1月に開いてからもう11月です。この間は何

をやっていたのだろうなと思いますね。審議会、全然開かれていない、何がどうなっているのかさっぱりわか

らないともいいたくなるような状況でもあるわけですが、国内対策は我が国の温室効果ガスの排出量が世界で

いえば3%の割合にすぎないから何もしなくていいというわけではないわけです。とにかく2012年が終わっ

た段階で京都議定書のしばりは解けたので、目標達成計画は終了したけれども引き続きこれまで同様の努力を

いたしますと言うことは政府によって決定されていますが、しかし2013年の温室効果ガス排出量の数字をみ

ると前年よりさらに大きく増えているわけです。そのように排出量自体は増えている状況でありながら、一方

では約束草案によって2030年のかなり高い目標が出されてきている。その間のギャップをどう考えるのだと

いうことは結構まじめに考えるべき問題であると思います。ですから、もちろん海外協力、日本の国際貢献と

いう点は私も前から強く指摘してきていたことですからそれ自体には何の異論もありませんけれども、国内の

問題についてもしっかりみんなで議論をしなければいけないと思いますので、よろしくお願いいたします。

○服部環境経済室長  ありがとうございました。

 ここで配布資料の確認をさせていただきます。お手元の資料を1枚めくっていただきまして、資料1が中環

審の委員名簿、資料2が産構審の委員名簿、資料3が「京都議定書目標達成計画に掲げられた対策・施策

の2013年度の進捗状況の点検について」、資料4-1が経産省分の資料でございます。資料4-2が環境省分の資

料でございます。資料5「COP21に向けた国際交渉の状況について」、資料6「日本の約束草案について」

、資料7が「Innovation for Cool Earth Forum(ICEF:アイセフ)第2回年次総会の結果概要」でござい

ます。資料の不足等がございましたら事務局までお申し付けください。よろしいでしょうか。

 それでは、以降の議事進行は中央環境審議会地球環境部会の浅野部会長にお願い申し上げます。

〇浅野部会長  それでは、第一部から引き続いて座っておられる委員の方には大変お疲れ様でございます。

先ほどは自主行動計画、低炭素社会実行計画を中心にどんな取り組みがあったかという点のお話を聞いてきた

わけですが、改めて今度は国全体の取り組みがどうであったかという点を経済産業省及び環境省に関連する施

策についてのご説明を伺って、先ほどの話と総合しながらこれからどうするかということを考えていかなけれ

ばいけないと思います。それからさらに、パリでのCOP21の会議が近いわけですが、現在、どういう準備状

況になっているのかということについてのご説明をいただきたいと思います。そのほか、約束草案について、

かなりもう古くなりましたが、ご報告いただき、先ほど経産省の審議官からお話がありましたICEFについて

のご報告もいただきます。これらのご報告につきましてはそれを全部一括して伺った上でまとめて質疑を進め

たいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、順番に事務局からご説明いただきます。

〇関谷低炭素社会推進室長  それでは、最初に資料3につきましてご説明を申し上げます。資料3は今日お

願いしております2013年度の進捗状況の点検に関しての趣旨についての紙でございます。

 これまで2012年度までは京都議定書目標達成計画に掲げられた対策・施策について進捗状況の点検をお願

いをしてまいりました。これにつきましては、2012年度で計画期間が終了しておりますけれども、温暖化対

策を切れ目なく推進する必要があるということで、平成25年に当面の地球温暖化対策に関する方針というも

のが地球温暖化対策推進本部で決定をされてございます。その中に、新たな地球温暖化対策計画の策定に至る

までの間においても地方公共団体、事業者、国民にはそれぞれの取り組み状況を踏まえ、京都議定書目標達成

計画に掲げられたものと同等以上の取り組みを推進することを求めるということが記載されてございます。こ

れを踏まえまして、今回の点検につきましては、2013年度における対策・施策の取組状況を点検するという

ことで、これまで目標達成計画に照らしてやってきました方法を踏まえまして、この環境省、経産省の対策・

施策についてご審議をお願いするという次第でございます。

 資料3につきましては以上でございます。

○服部環境経済室長  続きまして、資料4-1につきましてご説明申し上げます。資料4-1ですけれども、2

つの別冊になってございます。京都議定書目標達成計画をレファレンスとした場合に、2013年度に講じられ

た対策の進捗状況をご報告申し上げたいと思います。詳細版ではなく簡略版というか、総括表になっているほ

うでご説明申し上げますけれども、経済産業省全体で今、28の対策を講じているところでございます。この

うち目標の達成または実績のトレンドが見込みを上回っている9つの対策に「◎」をつけさせていただいてお

ります。9つの対策に「◎」、また実績のトレンドが概ね見込みどおりに推移している3つの対策に「○」、

実績のトレンドが計画策定時の見込みと比べて低い4つの対策に「△」マーク、そのほか定量的なデータが得

られない11の対策に「-」と自己評価をさせていただきました。前回の評価と比べますと「◎」が4つふえ

てございます。また「△」マークが4つ減少しております。京都議定書の目標達成期間が過ぎた後も対策の手

を緩めることなく進展が見られたところでございます。本日は時間の制約もございますので、この総括表のう

ち「△」の対策につきましてご説明申し上げたいと思います。

 1枚めくっていただいて、その後はA3の紙になってございますけれども、A3資料の4ページをご覧いただ

ければと思います。4ページ、上から2つ目の「中小企業の排出削減対策の推進(国内クレジット制度)」で

ございます。2008年から中小企業が講じた対策で削減されたCOや適切な森林管理から生じたCO吸収量を

国がクレジットとして認証し、取引できる制度を設けております。以前は経産省と環境省が別々の制度で運用

しておりましたが、2013年度、まさにこのレビューを行った年に2つの制度を発展的に統合して再スタート

を切ったところでございます。この2013年度は新制度の初年度ということで、クレジットの創出量が2.5

万t-COにとどまってしまい、この評価としては「△」とさせていただきました。しかしながら先走って申し

上げれば、2014年度は2013年が2.5万t-COに対して2014年度は62.4万t-COのクレジットが創出される

など、現在は施策が軌道に乗りつつあるところでございます。

 続きまして5ページでございますけれども、上から2つ目の「住宅の省エネ性能の向上」でございます。新

築住宅の省エネ基準適合率は2008年度の18%から2013年度は52%まで大幅に向上しておりますが、2010年

時点の削減見込み量、これは930万t-COと見込んでおりましたけれども、2013年度の実績が870万t-CO

まだやや届いていないところでございます。2013年度におきましては、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス

や高性能建材の普及支援、断熱材、窓などの建築材料のトップランナー制度への追加など住宅の省エネ性能の

向上に係る施策を実施したところでございます。また今後、国土交通省とも協力して住宅の省エネ性能の向上

を図っていきたいと考えております。

 同じく5ページ目、一番下の欄、「原子力の推進等による電力分野における二酸化炭素排出原単位の低減」

でございます。熱効率が60%に達する最新鋭のLNGコンバインドサイクルやIGCC(石炭ガス化複合発電)の

運転開始など、火力発電の熱効率の改善が進む反面で、ご案内のとおり震災に伴う原子力発電事故の影響や京

都クレジットによる排出原単位の改善効果がなくなったことで電力の排出原単位自体は悪化しております。今

年7月には電力業界がエネルギーミックスと整合的な電力分野の自主的枠組みを公表したところでございます

。今後はこの枠組みのさらなる実効性確保の促進などを通じて対策を進めていきたいと考えております。

 最後に7ページ最上段の「冷媒として機器に充填されたHFCの法律に基づく回収等」でございます。2013

年度の排出削減量496万t-COは2012年度の見込みである680万t-COを下回っており、いまだ十分な水準に

達しているとは言えない状況でございます。この要因としては、業務用の冷凍空調機器からのHFCの回収率が

いまひとつ伸びていないというところが要因の1つとなってございます。2013年度には改正フロン回収・破

壊法が成立し、法対象をこれまでのフロンの回収・破壊行為から製造、使用時も含めたライフサイクル全体に

拡大し、強化を図っているところでございます。今後、本法律の適正な運用を通じて対策のさらなる推進を図

っていきたいと存じます。

 以上です。

〇関谷低炭素社会推進室長  引き続きまして、環境省の関連施策についてご説明申し上げます。資料4-2で

ございます。こちらにつきましても2部の資料に分かれておりまして、概要の横置きの資料と、それから分厚

いそれぞれの個別の資料となっております。ご説明のほうはこの横置きのパワーポイントの資料でさせていた

だきます。

 ページをおめくりいただきまして、1ページ目は、これはご参考でございますけれども、我が国の全体の温

室効果ガス排出量、2013年度の値でございます。前年度から1.2%の増加の14億800万トンというところで

ございます。

 2ページ目以降が環境省の対策に関しての状況になってございます。経産省の資料と同様に対策ごとに目標

達成計画で掲げた見込みに照らした実績について「◎」、「〇」、「△」という形で評価を行ってございます

。今回、2013年度につきましては合計で11の対策についてこの段階で評価を行っておりますが、「◎」が

4つ、そして「〇」印が3つ、「△」が3つということになってございます。本日はこのうちの「△」の部分

について少し個別のご説明をさせていただきます。

 最初に自主行動計画の関係でございます。11ページをごらんいただきたいと思います。これにつきまして

は第1部のほうでも少し関連したご報告もありましたので、産構審の皆様には少し重複になる部分もあります

けれども、ご了承ください。環境省所管につきましては、全国産業廃棄物連合会、日本新聞協会、全国ペット

協会の3つの業界団体について今回、取りまとめてございます。これらについてはそれぞれ自主行動計画のも

とで目標を掲げておりましたので、今回、それに照らして2013年度の実績を評価しようとしたものでござい

ます。ただ、新聞協会、それからペット協会につきましては現在、2013年度以降についての低炭素社会実行

計画においては自主行動計画とは異なる目標指標を掲げておるというような状況がございますことから、今回

はこの自主行動計画で掲げた目標に照らした評価というものは行わないことといたしました。したがいまして

、今回は全国産業廃棄物連合会についてのみの評価を行ってございます。これにつきましては、2013年度に

おきまして基準年度でありました2000年度に比べて+2%ということで、目標水準であります±0%より排

出量が多くなってしまっているというような状況でございます。これにつきましては、この産業廃棄物の処理

量自体がふえたという状況の中での数字というふうに承知をしてございます。

 続きまして19ページでございます。「省エネ機器の買い替え促進」のところでございます。これにつきま

しては、昨年度、点検をさせていただいた2012年度まででも同様の状況でございましたので同じようなご説

明にならざるを得ないのですけれども、対象としておりました電気ポット、食器洗い機、電球型蛍光灯等々に

つきまして、実績が対策ケースまで届いてはいないというような状況でございます。この背景には、19ペー

ジの青い囲みの中にございますけれども、景気減速等の影響、あるいは代替製品、技術の普及、例えばLED照

明といったものの普及などが考えられるところでございます。また節水シャワーヘッド等につきましては、ま

だ目標よりは下回っておりますけれども、徐々に増加しているという傾向があるというところでございます。

 それからもう一つ、ページをめくっていただきまして29ページになります。環境省関連施策には廃棄物処

理に伴う対策が幾つかございます。そのうち、この29ページにつきましては「一般廃棄物焼却施設における

燃焼の高度化」というものにより、一酸化二窒素の排出削減を進めるというものでございます。施策としては

焼却施設そのものを排出量が少ない連続炉に転換をしていくというものでございまして、こちらについては細

かい表になっておりますけれども、着実に進展をしておったところでございます。他方で、一般廃棄物の焼却

量そのものについては減少傾向にあるのですけれども、想定ほどの削減が進んでおりませんで、これに伴って

排出削減量が対策の見込みに届いていないというようなことでございます。これについては災害廃棄物の影響

、あるいは再生利用の進展の停滞といったところがあると考えてございます。

 以上でございます。

〇中野気候変動対策課長  続きまして、COP21に向けた国際交渉の状況についてご説明させていただき

ます。外務省気候変動対策課長の中野でございます。よろしくお願いいたします。

 資料5に沿ってご説明させていただきます。交渉の現状ということで、最近ありました2つの大きな会議に

ついて簡単にご説明させていただきます。1つ目は10月の19日から23日にボンでありました「強化された行

動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会」ということで、これがCOP21におけるこのセッショ

ンの前の最後のいわゆる実質的な交渉の場であったということでございます。この会議に先立ちまして、共同

議長から共同議長提案文書というものがパリで合意される法的合意の案と、それからそこには盛り込まれない

もう少し細かいルールを決めたCOP21決定案は2つあるのですけれども、その共同議長の提案文書というも

のが公表されたということでございます。これをもとに交渉する予定だったのですけれども、特に開発途上国

のほうから、自分たちの立場がこの共同議長の文書には十分反映されていないということで、そもそもこの共

同議長のテキストをベースに交渉するということについて同意をしなかったということで、結果、途上国側が

主張する要素を入れたものを交渉のベースとして議論したいということで、最初、20数ページの短い共同議

長のテキストだったのですけれども、これがかなり途上国の案が入ることによって分量が相当ふえてしまった

ということでございます。この中で、それでもすごくいろいろな重複とかわかりにくい状況に提案が、いろい

ろなものが乱立してなっていましたので、それをもう少し明確に議論しやすい選択肢に再度整理したいという

ことで、まず整理することから議論をしまして、それは全員が集まるコンタクトグループ以外に個別のスピン

オフグループ、個別の分科会も開催されて作業が行われましたし、あとは自発的にいわゆる正式な交渉会合で

はないのですけれども、自発的に自分たちで、もう時間がないので早くやらなければいけないということで有

志国が集まってテキストの調整をしたのですけれども、残念ながらこの第11セッションにおいてはそんなに

大きな前進というのはなかった。端的にいうと共同議長のテキストに対する不満というものがありまして、そ

れでテキストが結果、長くなってしまったということで、このテキストをもとに今度のCOP21の交渉を開始

するということで、時間がない中でかなり効率よくやっていかなければいけないという状況にあります。

 この交渉会合のほかに、これは非公式の閣僚級会合というものが11月の初めにフランス・パリで行われま

して、これはいわゆる交渉会合そのものではないのですけれども、交渉でまとめなければいけない主要論点に

ついて議長国フランスが閣僚レベルで、大体どの辺が各国の共通のいわゆる妥結できるような落としどころか

ということを探るために非公式に会議を開いたというものでございます。日本からは平口環境副大臣をヘッド

に関係各省、関係者が出席したということでございます。ここで大きく野心、衡平性・差異化、2020年以降

の資金、2020年以前の行動支援について集中的に議論が行われまして、一定程度、もう時間の関係で細かく

申し上げませんけれども、例えば長期目標、2度目標、それから脆弱国にとっての1.5度目標の重要性を認識

するというところで共通の理解が得られているところというのはもちろんありますし、あと報道にもありまし

たけれども、定期的に提出したり、あるいは見直したりする仕組みが必要だということについては大枠合意が

得られたわけですけれども、ただ具体的にそれをどういうふうに細かく規定していくかということとか、あと

特に資金問題について先進国の義務になっている今の枠組み条約の規定を維持したいと考えている途上国に対

して、先進国は、2020年以降は先進国だけではなくて途上国にも、能力のある国には資金を提供するような

形にしたいということで、こういった論点については依然として大きな隔たりがあるという状況でございます。

 こういうまだ乖離があるのですけれども、各国ともパリで何とか合意をしなければいけないという意識は共

有しておりますので、残りわずかでありますけれども、パリで何とか妥結できるように、日本としてもこれま

で主張してきた立場に基づいて交渉に参画してまいりたいと思います。

 以上でございます。

〇関谷低炭素社会推進室長  続きまして、資料6をごらんいただきたいと思います。資料6は「日本の約束

草案について」でございます。既にご案内のとおり、日本の約束草案につきましては、今年7月に政府として

推進本部で決定をし、その後、国連に提出をしてございます。内容については詳しくは申し上げませんけれ

ども、1ページに書いてございますように、2030年度に2013年度比26%減、2005年度比25.4%減の水準に

していくということでございます。この草案につきましてはエネルギーミックスと整合的なものになるよう、

また技術的制約、コスト面の課題など十分に考慮した裏付けのある対策・施策、技術の積み上げによる実現可

能な目標ということで定めたものでございます。

 また2ページ目にはこの目標に関連しましてのGDP当たり、あるいは一人当たりの排出量についての今後

の30年度の推計値といいますか、値というものもあわせて示してございます。

 3ページ目にこれまでご審議をお願いしてまいりました策定プロセスについて書かせていただいております

けれども、上の囲みの白丸がございまして、4つ目にございますように、今後、COP21における新たな国際

枠組みに関する合意の状況を踏まえまして、地球温暖化対策計画をできるだけ速やかに策定していくこととし

てございます。

 5ページ目にパブリックコメントの概要というものを載せさせていただいてございます。今回、6月から7

月の頭にかけまして行いまして、意見総数1982件ございました。主な意見としましては、削減目標に関して

のご意見、あるいは対策・施策についてのご意見、またその他、例えば国際的な取り組みについてのご意見な

どがございました。これについてもその結果につきましては7月17日に公表させていただいたというところ

でございます。

 別紙として約束草案そのものの資料もつけさせていただいてございます。

 資料6については以上でございます。

〇三又大臣官房審議官  引き続きまして、事務局からの説明の最後でございますが、資料7、一番最後の資

料、ICEFの資料でございます。Innovation for Cool Earth Forum 第2回年次総会の結果につきまして、簡

単にご説明させていただきます。

 資料7の1ページ目の1.のところでございますけれども、地球温暖化問題を長期にわたって解決をする鍵

はイノベーションであるという認識のもとに、イノベーションを促進するための世界の産学官のリーダーが議

論する知のプラットフォームとして、毎年東京でこの会議を開いていくということ、これは安倍総理のイニシ

アティブで昨年からスタートをしてございます。この会議の運営については世界の多様な意見を反映させるた

めに、世界各国の有識者16名の方からなる運営委員会を設置して、そのガバナンスのもとで会議を運営して

おります。第1回の年次総会は昨年の10月に開催をいたしましたけれども、今年の第2回は昨年よりも大き

く規模をふやしまして、丸2日間で世界約70ヵ国から1000名を超える参加者にご参加いただきました。下の

ほうから次のページにかけてその内容が書かれておりますけれども、全体会合3コマに加えまして、今年は分

科会というものを全部で19行いました。地熱とか水素とか原子力、セメントといった技術分野別のセッショ

ンを14、それから分野横断的なセッションを5つ、あわせて19の分科会を行いまして、それぞれのところで

そのイノベーションの促進のあり方、これは革新的技術の開発もですけれども、それだけではなく、その世界

への普及というところも視野に入れた議論を行いました。

 あわせまして2ページ目でございますけれども、運営委員会が提言、ステートメントというものを出してお

ります。温室効果ガスの大幅な排出削減パスを実現するための3つの柱といたしまして、①として革新的技術

の開発・普及に係る民間の取り組みを促進するための政策、それから②といたしまして、共通の将来ビジョン

に基づく具体的なアクションプランの必要性、それから③番目に途上国における技術普及の促進という3つの

柱からなる提言が出されております。

 あわせまして、そのイノベーションの重要性の認知度を高めるという趣旨で、過去1年間に世界で発表され

た優れた新しい技術であるとか、基礎研究から実証、それから新しい技術の商用化というようなもの、あるい

は新しい政策、技術の標準化といったようなものも視野に入れた取り組みにつきまして、最終的にICEFの参

加者の投票によってランキングをするというトップ10イノベーションというものを行いました。選ばれたも

のは5つのカテゴリー別に1位になったものが下のほうに書いてございますとおりでございます。

 最後に5.のところでございますけれども、先ほどもありました世界の産学官の関係者での共通のビジョン

というようなものを目指して、そのイノベーションのロードマップというものをつくるということを今回、第

1回目の試みといたしまして、Rooftop Solarと蓄電というものを1つの分野として取り上げて、そのロー

ドマップをつくるための議論、これはコンカレントセッションでもやりましたし、最終的にはCOP21のサイ

ドイベントでファイナル版を発表する予定にしておりますけれども、こういった技術分野ごとのロードマップ

というものを来年以降、順次作成をしていきたいと思っております。来年、第3回は10月5日、6日に同じ

くホテル椿山荘東京で開く予定でございます。

 その後ろにすべての全体会合と19の分科会の議論の概略をつけさせていただきまして、最後に先ほどの運

営委員会のステートメントの全文を添付しておりますので、ご参考までに後ほどごらんいただければと思い

ます。

 以上でございます。

〇浅野部会長  それでは、ただいまご説明いただきました内容につきまして、皆様方からご質問やご意見を

賜りたいと思います。本日は代理の方もいらしていますが、恐縮でございますが、委員を優先に指名させてい

ただきまして、もし時間に余裕がありましたら代理の方のご発言をお願いするとこのように進めさせていただ

きますのでご了承ください。

 それでは、ご発言をご希望の方はどうぞ札をお立ていただけますでしょうか。よろしゅうございましょうか

。それでは、大体これぐらいの方がご発言ご希望であるということを皆さんごらんいただいて、よろしくお願

いいたします。2分などとはいいませんが、先ほども相当長く話された方と簡潔にご発言くださった方があり

まして、長い方にはちょっと困ったなと思っていました。ルールにしたがって産構審の委員の方から先に指名

させていただきますので、中環審委員のためにもぜひ時間を残してくださいますようお願いいたします。

 それでは、秋元委員、どうぞ。秋元委員の次は岩船委員、それから内山委員の順です。

〇秋元委員  どうもありがとうございます。時間が限られておりますので、約束草案に限ってコメントさせ

ていただきたいと思います。約束草案、先ほど話がありましたように90%ぐらいをカバーできるぐらいの国

が提出してきているということで、第一歩としては非常に成功になっているのではないかというふうに思って

おります。ただ、まだ提出していない、たしか主に中東の諸国が提出していないところが多かったと思います

ので、そういったところには引き続き提出を促していくということが必要だろうというふうに思います。先ほ

どの会合でも自主行動計画の中でカバー率を上げるということが重要だということを申し上げましたけれども

、国際的な文脈でも重要だろうというふうに思います。

 2つ目は排出削減努力の評価が非常に重要で、やはり出してきているいろいろな国を見ますと非常にその中

身が曖昧だったりするものがあります。しかもいろいろな指標で出している、総量目標というか、基準年比の

削減量であるとか、原単位目標であるとかBAU比の削減率であったりする。そういうものを同じような指標

で評価して排出削減努力がどういう形にあるのか、野心度とも言えるかと思いますけれども、それも評価して

いくことが重要で、そのレビューを通してピアプレッシャーを掛け合いながら削減を深掘りしていくことは重

要だというふうに思っております。そういう中で、例えばBAU比の削減率であるとか、GDP比の削減費用で

あるとか、もしくはGDP比の排出量のCO原単位であるとか、限界削減費用であるとか、そういう適切な指

標で、複数の指標で評価していくことが重要だと思っておりますけれども、我々の評価でもいろいろな指標で

評価していくと、日本はかなり多くの指標で優れた結果になっているというふうに評価しておりますので、た

だ非常に甘い目標であるというふうに評価される国もありますので、そういったところに関してプレッシャー

をかけて、将来的な引き上げを求めていくという必要があるかと思います。

 3番目、最後になりますけれども、よく2℃目標とのギャップということで言われて、全部今、積み上げた

ものを、世界排出量を積み上げても2度目標とギャップがあるという指摘が多くありますけれども、約束草案

のワーキンググループのところでも申し上げましたけれども、気候変動に関してはかなり不確実性があります

ので、そこのギャップがいろいろ不確実性によって考え方が変わってくる。あと目標達成率、確率をどう考え

るかによっても変わってきますので、そこをガチガチ詰めるよりもむしろその先、2030年以降の先を大きく

削減していくような技術のイノベーションとかそれの普及ということに日本は非常に注力して、そこをうまく

会議をまとめて、将来の大幅な削減につなげていくということが重要だと思います。そういう意味で、先ほど

ご紹介いただきましたICEFの取り組みというのは非常に重要なものだというふうに考えております。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 岩船委員、どうぞ。

〇岩船委員  岩船でございます。私は国内対策の資料4-1の「住宅の省エネ性能の向上」の「△」のついた

部分についてコメントさせていただきたいと思います。私が聞いておりますところ、資料の5ページにありま

すように、新築住宅の省エネ基準に関して、この義務化が早急に進められるべきだと思うのですけれども、実

はまだなかなか、集合住宅に関しては一定の義務化が義務づけられるようですが、戸建てに関してはまだ中小

の工務店対策ということもあって義務化という流れに至っていないというふうに聞いております。住宅に関

して、はっきり言って全体に効くような施策というのはほとんど残されておらず、躯体対策ぐらいともいえる

と思うのですけれども、この部分で義務化ができないというのは全く論外だと思っておりますので、ぜひここ

を国交省さんとご議論の上、積極的に進めていただきたいと思っております。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 内山委員、どうぞ。次は遠藤委員、大石委員の順番でございます。

〇内山委員  今後の温暖化対策の前提となりますエネルギーミックスについてコメントさせていただきます

。今回、政府から公表されましたエネルギーミックスは経済成長1.7%を前提にしていまして、徹底した省エ

ネと再生可能エネルギーの最大限の導入、火力発電の効率化等を進めつつ、原子力発電の依存度を可能な限り

低減していくといった目標が掲げられています。今回のエネルギーミックスには電力の需給面で2つの大きな

問題点があると思っております。まず経済成長年1.7%に対して電力需要を年0.1%以下にするということは

極めて現実離れした想定であります。電力需要の伸びがない経済成長とはどのような社会を想定すればよい

のか、高付加価値製品の製造と輸出で成り立っている日本経済の発展には電力消費は欠かせません。

 次に、電力需要の伸びがなければ既設電源だけで十分に供給でき、更新以外に新たな設備を建設する必要は

ないと考えられます。しかし、電力産業の完全自由化に向けて新電力の会社の数は急増しています。新しい石

炭火力やコージェネレーションがベース負荷電源として建設されています。固定価格買取制度による太陽光発

電が急増しています。それらのしわ寄せとしては既存の発電設備の稼働率を低下し、これまで以上の予備力を

増強しなければなりません。最終的には、その経済負担はすべて国民に負わせることになります。日本社会は

大きく変化しつつあります。今や日本のGDPと雇用の7割を占めているのは製造業ではなく、サービス産業

であります。少子高齢化の流れは、その比率をさらに高めつつあります。労働生産性をいかに高めるかが課題

となっています。こういった問題の解決が今後の課題となります。技術のイノベーションも重要ですが、別の

解決方法として、ローカルなコミュニティに基盤を置く活動を期待します。市場経済を地域のコミュニティ活

動と自然資源やエネルギーに委ねていく、地域の特性を生かし、福祉、環境、文化、まちづくり、農業や観光

などローカルな活動に人、物、金が循環する社会をつくれば、そこに雇用やコミュニティのつながりが生み出

されます。コミュニティのエネルギーにはできる限り再生可能エネルギーや分散型エネルギーを使えばエネ

ルギー問題の解決にもつながります。もちろん、コミュニティの経済活動で生み出される財やサービスは他の

地域にも販売されたり、海外に輸出されることも期待します。こういった地域の持続可能性を追求する活動は

既にいろいろなところで芽生え始めています。2030年に向けたエネルギービジョンにはぜひ地域の活力を前

面に打ち出してほしいと考えています。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 遠藤委員、どうぞ。

〇遠藤委員  ありがとうございます。こちらの小委員会に初めて参加をさせていただきますので、少し細か

い話というか、全体的なお話をさせていただければと思います。私はエネルギー政策の研究をしているので、

エネルギー政策の側から見ておりますと、どうしてもエネルギー政策になると例えば産業の競争力とか企業の

競争力という、まあ業界競争力といったようなそういった話になるのですけれども、少し国民からは遠いので

すが、それが環境問題になったときというのは非常に国民の問題として、身近な問題として下りてくる。もち

ろん先ほどから、それは気候変動の問題で行けばGDPとの相関性もあるわけですから、そういう意味では国

民生活に極めてリンクする重要な問題だというふうに思っています。ところが、どうしても社会との接点が欠

落しているように思えてしょうがありません。もちろんチーム・マイナス6のときはクールビズみたいな形で

みえやすい環境、国民運動みたいなものが実施されていたのですけれども、その後、例えばクール何とかとか

、今ではクールチョイスですか、全く知られていないというふうな状況が残念ながら今あるのではないかとい

うふうに思っています。

 私、研究事業の中でエネルギーと環境についての女性会議というものを今、立ち上げております。こちらに

は宇宙飛行士の方がいらっしゃったり企業の幹部が入っておられたりしまして、どちらかというと働く女性が

中心になっています。彼女たちからすると、なぜ女性というふうに限るのかというふうな批判の声もあるので

すが、とりあえずやれることからやっていこうということで審議をしています。

 私たちが環境問題を考えるときにどういう問題点があるのかというふうなときに2つあるなというふうに思

いまして、今までの環境のアプローチ、温暖化、温室効果ガス削減のアプローチというとどうしても我慢ア

プローチで、企業も一生懸命我慢して絞り、国民もいろいろ我慢……。

〇浅野部会長  恐れ入りますが、一人に与えられた発言時間は余り長くないので、要点を絞ってご発言くだ

さい。

〇遠藤委員  済みません、急ぎます。ですので、そういう我慢の方向から積極的に前向きの方向でのアプロ

ーチに変えていく。もちろん自主行動計画という企業の積み上げの方式というのはすばらしいのですけれども

、もっと技術のレベルを短期的、長期的にあわせて積極的に攻めていくような国民運動の啓発というものを企

業と国民のレベルと両方でしていかなくてはならないのかなというふうに思います。秋元委員がおっしゃって

おられたようなICEFのほうはその企業の活動としては非常に意味のあるものだというふうに考えております

ので、国民のほうの啓発運動にぜひ力を注いでいけたらなというふうに思っています。ここでもいい議論があ

るといいなというふうに思います。

 以上です。

〇浅野部会長  ご協力、ありがとうございました。

 大石委員、どうぞ。

〇大石委員  ありがとうございます。論点、3つについてご意見を述べさせていただきたいと思います。ま

ず1点目ですが、前半からのご意見のなかで、カバー率を上げるということがとても重要だというお話が出て

いました。これから先の社会を考えたときに、先ほど内山委員もおっしゃいましたけれども、どうしても少子

高齢化が進む、それから人口が都市に集中する、とともにネット社会がさらに広がっていって流通面でのエネ

ルギー使用がふえることが予想されます。ですので、これらの面をある程度は想定しながら実行計画を立てて

いくということがとても重要なのではないかなと思います。そういう意味では、今まで余り出てこなかった医

療とか介護の面、それから教育・研究の面、こういう分野についてもやはりメスを入れていかなければいけな

いのではないかと思っています。

 それからもう一点、LCA的な評価が重要だというお話がありましたが、2016年、来年の4月からいよいよ

小口の電力の自由化が始まります。今まで私たちはエネルギーを使うときに、電気だったらCOを出ない

けど、石油やガスは使うとCO2が出るね、という認識してきたと思います。しかし、これから私たちは電気

を選べるようになる。ではその電気はどんな電源から作られているのか、そういうことも知ることができるよ

うになります。逆にいうと、そうやって電源から電気を選ぶこともできるということで選択してほしい。その

ためには、やはり電気が何からできているのかという情報の提供というのが国民にはとても必要ではないか

と思っております。省エネに加え、エネルギーを選ぶところから、国民が積極的に低炭素社会に関わっていく

ということがとても重要なのではないかなと思っております。

 資料4-1の経済産業省の対策一覧の「国民運動の実施(エネルギー供給事業者等による情報提供)」という

ところが横バーになっておりますけれども、このように情報提供することがきちんと書かれております。それ

から、環境省の資料の対策一覧の中にも、5番目のところに「国民運動の実施」、それから7番目に「新エネ

ルギー対策の推進」ということが書かれております。これらは全て2016年4月からの電力の自由化ととても

関わりがあることだと思っております。ぜひその面からの対策も考えていただきたいと思います。

 それからもう一点、先ほど住宅のお話があったのですけれども、確かに新規の住宅で行うということも重要

ですけれども、やはり私たち消費者にはハードルが高いので、既存の住宅で何が行えるかということも、もっ

と議論していただく必要があるなと思いました。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 亀山委員、どうぞ。

〇亀山委員  2013年度の対策施策の進捗状況の項目について少しコメントさせていただきます。前半で自

主行動計画が非常に進んでいる、この裏腹はやはり政府のほうがそれなりに支援対策をしている効果かと思っ

ておりまして、今回の一覧表は非常にわかりやすく、絶対量がどのぐらいあるかということもあったのですが

、説明が「△」でネガティブなところの説明だったものですから、私はこの「◎」のほうの委員を経産省と環

境省でやっておりまして、2014年、15年もある程度もうやっているトレンドを見ますとまだまだ予算が足り

ないということで、数値的にはこの絶対量だけではなくて、不採択という潜在的なポテンシャルがかなりある

のですね。だから、そこいら辺の数値も省内ではある程度検討して、採択が省エネの申請の6割しか上げられ

なかったというケースが結構ありまして、そうするとそこをやはり財政面で強化することによってより一層自

主行動計画にも、またCO削減効果にもつながるのではないかと思います。それから、「○」については、

新エネルギーについては、これからは恐らく「◎」になる可能性が非常にあると思いますので、そこいら辺も

ぜひ施策・対策をよろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 それでは木村委員、お願いいたします。

〇木村委員  ありがとうございます。私のほうから3点申し上げたいと思います。1点目は国民運動に関し

てでございます。これまで環境省を中心に国民運動に取り組んでまいりましたが、この20年を振り返ってみ

ますと家庭部門のCOの排出量は何と1.5倍に増加しているわけであります。1990年から2013年というこ

とで、1.31億トンから2億トンということで1.5倍ということであります。そういう意味で、残念ながら家庭

部門の対策は十分な成果が上がっていないというのが実態だと思っております。私ども産業部門は引き続き低

炭素社会実行計画を通じて努力してまいるわけでありますけれども、環境省におかれましては国民運動、クー

ルチョイスを強力に実行されているわけでありますけれども、これをさらに大きい運動にするという意味から

すると、総理を中心とする推進体制とか、そういうことをやるという必要があるのではないかなと、ほかの委

員からもそういう話があったと思います。そういう意味で、そういうことをやることによって着実に家庭部門

のPDCAサイクルを回していく、こういうことだと思っております。エネルギーミックス、今回の約束草案に

おいても省エネというのが大きい柱になっていると思いますので、これをしっかりやっていく必要があるので

はないか、こういうふうに思っております。

 2点目は横断的な対策、すなわちポリシーミックスに記載されております国内排出量取引制度についてでご

ざいます。排出量取引制度は私ども企業の国際競争力を削ぐわけでありますし、また産業の空洞化というこ

とで、炭素のリンケージということで外で炭素、COを排出するということを招くわけでありますし、また

コスト的にいうと研究開発の原資を私ども企業から奪う、いろいろな問題があるということでございます。そ

ういう意味で温暖化対策としての問題は多く、採用すべきではないというふうに考えております。経団連とい

たしましては、経済界の対策は低炭素社会実行計画を確実にやるということで、この実効性を高めるというこ

とに重点を置いていくべきと考えておりますし、また同じような理由からして、地球温暖化対策税についても

課税の廃止を強く求めているところでございます。

 3点目はCOP21についてでございます。これは既にほとんど議論されているかと思いますけれども、温室

効果ガスの削減は経済活動や国民生活に大きな影響を与えるということであります。COP21に向けてそれぞ

れの国が厳しい姿勢で臨むと考えられます。我が国政府におかれましては国益を十分踏まえて各国の合意が得

られるよう国際交渉に貢献していただきたいと思います。今回の国際枠組みにつきましては京都議定書の教訓

を踏まえ、すべての主要排出国の参加を得た上で実効あるレビュー、プレッジ・アンド・レビューを行ってい

くということが重要だということで、私ども経団連のほうとしましては、「京都からパリ、そして次世代の地

球へ」というタイトルをつけた提言を行っているところでございます。法定拘束力や長期目標の実現について

はまずはすべての主要排出国の参加を得るということが極めて重要だ、これを念頭に置いて対処すべきだと、

こういうふうに考えているところでございます。

 また、我が国の約束草案の算定手法につきましてはトップダウンではなく、目標につきましてボトムアップ

ということで目標を設定されるということで、高く私どもは評価しておるところでございます。特に、産業界

については低炭素社会実行計画を対策の一部に位置づけており、これを確実に実効していきたいと思っており

ます。一方省エネ水準、これは先ほど申し上げましたとおり極めてチャレンジングな内容となっております

ので、フォローアップし、実効可能性を十分に精査していく、国民運動につなげるということも必要ではない

かというふうに考えております。

 以上でございます。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 坂本委員、どうぞ。

〇坂本委員  済みません、私の今の立場は国の立場のようなものなので発言するつもりはなかったのですけ

れども、専門の建築物の省エネルギーについて岩船委員と大石委員から話題が出ましたので一言、今の現状を

皆様にご報告して、建築物関係の省エネ対策は着々と進んでいますよということをお知らせしたいと思います。

 今年の7月に建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律というものが国会を通過しまして、そこで建

築物の省エネルギー基準を2020年度までに、戸建て住宅も含めて、新築だけではございますけれども、義務

化するということをちゃんと明記しております。それに必要な措置として、建築確認等でそのこと、つまり

、ちゃんと基準が守られているかどうかということをチェックして、新築の許可が出るという体制に完全に切

り替えるということであります。この法律が制定されたということですので、今、告示や省令の準備をしてい

るところでございます。2017年度の4月から2000㎡以上のビルについてそれを適用していって、2020年の

4月になると思いますけれども、そのぐらいまでには新築の戸建て住宅も義務化する予定です。義務化に当た

っては、伝統木造の住宅が断熱などに反対しているということで非常に厳しい状況にはあるのですけれども、

それについても伝統木造の断熱のためのガイドラインをつくって、少し断熱基準は弱くなるのかもわかりませ

んけれども、何でもかんでも伝統木造だったら断熱しなくていいよ、省エネしなくていいよというようにはし

ないというつもりで今、作業を進めているところでございます。そういうことで着々と進んでいますので、い

ろいろご批判はあるのかもわかりませんけれども、今後とも見守っていってくださいということでございます。

 以上でございます。

〇浅野部会長  どうもありがとうございました。

 ここまで7人の方で25分、お一人3分半ぐらい、もっとも長くしゃべられた方はありますけれども、それ

であと産構審側が7人ご希望です。それから中環審側は10人希望しています。今までどおりに発言されます

と中環審は発言できなくなりますので、ご配慮をよろしくお願いします。

〇崎田委員  大事なご指摘、ありがとうございます。私は暮らしや地域の視点で環境やエネルギー学習や

コミュニケーションなどを広げていますが、そういう視点から行くと2点に絞ってお話をしたいのですけれ

ども、例えば地域の事業者さんや商店街などは本当にオフィスビルの経営もそうですが、インセンティブある

誘導政策がやはり必要というところがはっきりしています。もう一つ、家庭は住宅とかそういうところに話が

来ていますので、そこにもやはりそういう対象が必要ですし、もう一つ、きちんと暮らし方で取り組めば性能

をより生かせるというところもデータではっきり出ていますので、インセンティブのことと、ハード・アンド

・ソフトの連携で相乗効果を上げるということを大事にしてほしいと思っています。

 あともう一つなのですが、国民運動というキーワードがあります。これはきちんと私たち市民が何をしたら

いいかというところまで落とし込んだ情報をメーカーの方なども出していただくということと、それを実行す

ることが意味があるという自治体を動かす政策をちゃんとつくっていただきたいと思います。

 最後に、自治体がやはりそういう地域計画をつって社会全体を誘導するということが非常に大事ですので、

自治体にそういうところをきちんとしていただきたいし、それを誘導する国がそういう方向にしっかり向くと

いう、そういう全体像をつくっていただければありがたいというふうに思います。よろしくお願いします。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 佐藤委員、どうぞ。

〇佐藤委員  佐藤でございます。今回の目標は意欲的だというふうな評価でございますし、またこれが205

0年にも続いていくことだというふうに理解しております。そういう中で、この目標を達成する上で国がどう

いう施策をしていくかということについてもう少し明確な資料があるとよいと思います。例えば、例えば建築

物に対する法律等の新たな制度を作り、この制度によって3年間で何%削減するとか、あるいはこういう補助

金を用意し、この補助金の効果で何%、何年までに削減するというように、国としての規制の強化、又は規制

の緩和により、国として削減を実現していくというシュミレーションが必要ではないでしょうか。規制緩和も

可能だと思い貸す。例えば、運送では青ナンバー、白ナンバー、レンタカー、モーダルシフトなどで、車両を

有効に利用するというような規制緩和によって削減するという余地もあると思います。さらに、具体的な規制

等にかかる費用と効果を比較して公表し、費用対効果として国民の理解を得られるというようなしくみも必要

だとおもいます。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 田中委員、どうぞ。

〇田中委員  ありがとうございます。1部のコメントでも発言させていただいたことにも関係するのですが

、世界のCO排出量削減のためには技術の移転や協力といったものというのは日本の貢献度を上げていくた

めに不可欠だと考えています。現状は約束草案にも参考として海外での貢献について書かれていると思います

。その目標としてこれらを今後どう扱っていくのかというのは先の問題ではあるのですけれども、まずはこ

ういった足下の対策の考え方のところで技術の地球規模の普及を念頭に置いて、対策も視野に入れて組み入れ

ていくことが重要だと考えています。現状の対策に関する考え方は、ボトムアップ的な方法になっていて、細

分化されていて、それは行動に移す上でとても重要だということは承知しています。けれども、横断的な取り

組みの部分でも構いませんので、国際的な技術の普及のための仕組みを構築していく必要があると思います。

世界規模で普及する、他国へ導入するような技術を考えたときに、国内での対策のみを考えているときと違っ

て異なる技術開発戦略、技術開発戦略パッケージというものが「国内で」必要になります。そのためにもそ

ういった視点というのが重要だと考えています。

 また、ICEFの取り組みはこういった技術を開発し、普及していくといった点から、啓蒙からプロジェクト

の具現化といったところまで大変喜ばしい流れであるというふうに考えていますが、今後はより、いい方があ

れかもしれないのですけれども、例えば他省庁の管轄するようなプロジェクトですとか、専門家の方とかも広

く含めて日本として、オールジャパンとしてよりクオリティの高いものを目指していくといいのではないか

と思っています。

 以上です。

〇浅野部会長  豊田委員、どうぞ。

〇豊田委員  ありがとうございます。3点申し上げたいと思います。、1つは、国民運動の重要性というこ

とだと思います。環境省、経産省の資料は大変興味深いのですけれども、一言で言えばコストのかからないこ

とはしっかりやるけれども、コストのかかることはやらないというふうに読めると思います。、これは仕方が

ない部分もあるので、やはり財政的支援というのをしっかりやっていく必要があるのではないかという気がし

ます。それから、26%の大前提として原子力発電が動くことが重要ですが、まだ国民の間で十分な理解がな

されていないというふうに思います。むしろ原子力発電をしっかりやっている国々との国民同士の対話みたい

なものをやっていただく必要があるのではないかと思います。

 2つ目はレビュープロセスがこれからCOP21以降重要になっていくと思うのですけれども、そのときにIPC

Cの第5次レポートが正確に理解されていないということが問題だと思います。秋元委員がおっしゃったよ

うに、不確実性がいっぱいというふうにしっかり書いてあるわけですけれども、2℃、450ppmがひとり歩

きしている、日本政府としては正確な理解を国内的にも国際的にも普及していく必要があると思います。

 最後にICEFの重要性でございます。事務局からいいお話を伺いましたけれども、低コストでCOを減らす

技術が足らないのが事実なので、こういった技術革新をテーマとするICEFの努力は重要だと思います。1つ

の分野でロードマップができることになったようですけれども、恐らく1つでは足らなくて、来年には10分

野ぐらいのロードマップが進むよう、さらなるご努力を期待したいと思います。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 中上委員、どうぞ。

〇中上委員  ありがとうございます。パブリックコメントの中に削減目標が高すぎる、妥当、低すぎると、

どれが正しいのか、みんなどれも正しいのだろうと思います。私、省エネの数値をたたき出したときに皆さん

からご質問を受けたら私もこういう回答をいたしまして、高すぎるものもあるし、足りないところもあるとい

うふうにお答えしたわけでありますけれども、ただ、今置かれている状況は非常に微妙な時期でありまして、

来年、再来年から自由化が始まりますと各参入者はみんな電気代が安くなる、ガス代が安くなると、こういう

のを売りにしてくるわけですから、そうすると何が起こるかというと、必ずエネルギー消費はふえるわけで

すね。それをどうやって減らす方向にもっていくのか、しかも今までにないような非常に大胆な省エネ量を稼

ぎ出さなければいけないわけでありますから、政策的にも相当一ひねり、二ひねりした工夫が必要ではないだ

ろうかと思っております。

 それから、今国民運動のお話が出てまいりましたが、長期見通しの中には「国民運動」という言葉より、む

しろその付加的に「消費者行動の一層の活性化による」という言葉を付け加えていただきまして、「国民運動

」と聞くとどうも少しイメージが古い、手垢がついたようなイメージがあるので、ところが「消費者行動」と

いうと、同じことだと思いますけれども、やや違ったイメージからとらえていただけるのではないか。今、海

外に行きますと省エネの主な研究分野に、かなりの研究者がこの消費者行動と省エネということにかかりきり

でございます。これから消費者もまた少し変わってくるわけでありまして、自由化が起きますと消費者自身が

エネルギーを生み出して市場に売り出すなどということも出てくるわけですから、これを称してプロシュ

ーマー、プロダクトとコンシュームをする、プロシューマーという言い方になってきておりますから消費者自

体が変わってくるわけですので、今までの国民運動とは全く違った色合いになってくるということも頭に置い

ておかなければいけないと思います。

 少し評論家じみましたけれども、一点、この資料の中にサマータイムが書き込まれたので非常にうれしく思

ったのですが、それに対するコメントは何もなかったのですけれども、あれだけ20年近くやってきたことが

今どうなっているのか、事務局のほうでサマータイムについてのお考えがあればお聞きしたい、以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 野村委員、どうぞ。

〇野村委員  日本の約束草案に関しまして、2030年の温室効果ガスの排出削減目標というのは大分正常化

されたというふうに理解しておりますが、しかし、この35%のエネルギー効率改善というのは極めて高い目

標値でありまして、一方でそれは相当に高い経済成長率の想定のもとで初めて辻褄が合ったという、両者が相

殺するような形で辻褄が合ったような形で総量の目標ができたというふうに理解しております。そういう意

味で、総量そのものはいいと思いますので、資料とかあるいは主張の仕方として35%という変化分で主張す

るのはやはり危険ではないかなと思います。グロースではなくてレベルをターゲットにしたような議論に変え

ていかないといけない。ただ、一方でレベルの中でGDPのレベルにしてしまいますと、この資料にあります

けれども、0.16㎏/ドルというような強烈な数字であるというふうに理解されてしまうと思いますので、測量

できる範囲での代表的な多消費産業等におけるレベル比較を中心にして、日本の今までの努力と将来的に追加

的な努力はこうなのだということを主張されてはどうかと思います。そういう意味で、既存技術のもとでの省

エネというものの限界といいますか、限界カーブ、コストカーブで行きますと限界費用は逓増していくことは

明らかですので、それを所与としたもとでの日本の貢献としての普及という部分としては、先ほどもありまし

たけれども、資本財を中心としたプロダクトを通じた波及、及びその資本財に体化された技術の波及を通じて

日本の貢献を強調するようなそのストーリーを展開しておく。一方で、もう一つはやはりコストカーブそのも

のを長期的に下方へとシフトしていかないと、この問題に対するソリューションはないのだ、地球環境問題に

おける解がないのだ、という認識の中で、日本のできることという意味でのコストカーブのシフトに向けたイ

ノベーションの役割を強調する方向に主張されてはどうかと思います。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 それでは、廣江委員どうぞ。

〇廣江委員  ありがとうございます。おかげさまで九州電力の川内原子力発電所1、2号機、ようやく申請

から2年かかりまして再稼働にこぎつけることができました。ただ、その他のプラントにつきましては各社、

公表されている数字では1基当たり1000億円程度の資金を投入し、それよりも何よりも現場の従業員、それ

から協力会社の皆さん方のご協力を得て一生懸命頑張っておりますが、まだ力及ばずでございまして、全基停

止の状態になってしまっております。その結果といたしまして、もちろん需給面で大変ご心配をおかけしてい

ることもございますが、電気代は上がってしまいましたし、本合同委員会の観点から申しますとCOの排出

量が年間で1億トン、約8%ふやしてしまった、誠に申しわけないと思っております。

 今後でございますが、今回のエネルギーミックスに示されておりますように、すべて全方位で取り組むとい

うことが我々のやるべきことだろうと思っております。火力発電につきまして、先ほど高効率、それが60%

というのが資料の中にございました。これは多分関西電力の姫路第二発電所だと思いますが、実は世界最高効

率を狙いました結果、タービンのトラブルを起こしてしまいまして、現在は一部出力を抑えて運転をしている

はずでございます。これにくじけることなく、今後とも地道にしっかりと取り組んでいきたい。

 それから、再生可能エネルギーでございますが、FITが入りまして爆発的に増加をいたしました。多分、私

のうろ覚えといいますか、ラフな計算でいいますと現在、認可を受けております原子力発電所の出力の半分程

度がもう既にキロワットとしては入っているはずでございますが、残念ながら発電する電力量は利用率12%

程度でございますので、多分、川内1、2号機が発電する年間の発電量とさほど変わらない程度だろうと思い

ます。もちろんだからといって力を入れないということではなく今後ともエネルギーミックスで示された22

~24%を目指して行かないといけないと考えております。、国民負担の問題は、政策当局がお考えになるこ

とですが、系統に対する悪影響は私共が取り組むべき課題でございます。これを何とか避けられるようにでき

るだけ技術開発をして、大量に再生可能エネルギーを受けていけるよう努力したいと考えております。

 最後は原子力でございます。これには王道以外はございませんので、規制委員会等々の審査に真摯に対応し

まして、1基ずつ着実に再稼働を進めてまいりたいと、かように考えております。その結果としまして、ぜひ

次回は合格点をいただけるように頑張りたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 松尾委員、どうぞ。

〇松尾委員  前半の第一部の議論で、自主行動計画はしっかり効果を上げてGHG削減は進んでいるとされ

、産業界としては今後もPDCAをしっかり回していくということでございますけれども、約束草案の削減目標

の達成のキーとなるのは、そういう意味ではやはり先ほどから話がありますように民生部門のGHG削減かと

思います。国民運動という話がありましたけれども、その目的というのか、その前段としてやはり国民意識を

変えていくということが必要ではないか。これは政府・自治体だけではなくて、我々産業界も一体となってど

うしたらいいかということだと思います。いろいろLCAの話がありましたが、これもやはり国民の皆さんに、

まず知っていただくことが必要ではないか。前半で車の話がありまして、自動車産業は自動車産業だけでエネ

ルギー削減しているのではなくて、車そのものが、ガソリン消費が少なくなる車になっているよという話であ

りました。これには、我々化学業界も、高機能の素材の提供という形で車体がかなり軽くなったということで

貢献しているわけですね。そういうふうな、LCA的に捉えたらどういうふうに効果があって、日本国内、ある

いは世界に貢献していくのだということを広めていく必要があるかと思います。LEDを使う場合、全部の照明

がLEDに変われば、これだけ日本でエネルギー削減になるのだ、世界だったらこのぐらいだというイメージを

ぜひ国民の皆さんに意識してもらうというようなことが必要だろう。そのためには、政府・自治体が率先し

てLED照明を官公庁に導入してアピールしていく、そういうふうなことも必要ではないかなというふうに思っ

ていますので、そんな取り組みを一体となって考えていく必要があるかなと思います。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 高村委員、どうぞ。

〇高村委員  3点発言したいと思います。1点目は佐藤委員がご指摘になったことと大変関係しております

けれども、これは冒頭に三又審議官、あるいは国際的文脈では秋元委員もおっしゃった点だと思いますが、や

はり対策、施策のフォローアップが非常に重要だという意味で、今回の2013年度の進捗の状況というのは重

要な議題だと思っております。今回、2013年度ということで制約があるのだと思うのですが、来年度といい

ましょうか、2014年度に関しては2020年、30年、それぞれの施策についてどれだけ削減効果があったかと

いうことを示していただきたいというふうに思っております。今回、定性的に「◎」、「△」、「○」といっ

たような形で書かれておりますが、これは苦労されているというのは了解しておりますけれども、しかし202

0年目標、あるいは30年目標の達成のための今、対策と施策のフォローアップをしているという位置づけから

考えますと、やはりそこをどういうふうにきちんと、どこに我々がいるのかを示すような情報というのが必要

だというふうに思います。その意味では自主行動計画、あるいは低炭素行動計画のフロー、第1部でも議論が

ありましたけれども、浅野部会長、大塚先生がおっしゃった点でありますが、海外での削減貢献というのはぜ

ひやっていただきたいと思いますし、その定量化というのも進めていただきたいわけですが、日本の削減目標

を実施する施策としてここでフォローアップが必要ですので、国内削減効果がやはりしっかりわかる形でデー

タを出していただく必要があると思っています。

 2点目でありますけれども、ICEFの取り組み、大変興味深く報告も含めて伺いました。何人かの委員の方

からございましたけれども、やはり技術を開発して普及する上でもどういう施策をとるかというのは非常に重

要だというご指摘は全くそのとおりだなというふうに思います。そういう意味では、事務局にお尋ねしたい点

でもあるのですが、温対法のもとでの計画の策定というのをやはり急いでやる必要があるというふうに思って

いるわけですが、どういうスケジュールでどういう形で行われるのかという点について事務局に質問でござい

ます。

 最後、3点目でありますけれども、自治体等のところで非常に苦労されているのが、やはり事業者さんを含

めた進捗の評価をどうするか、特に電力の排出係数がなかなか従来どおりではないものですから、それぞれの

主体の取り組みというのが排出量ベースで行くとなかなか評価しがたい。エネルギー消費量でやっている場面

、排出総量を出しながらエネルギー消費量ですとか、あるいは効率で出しているケースはございますけれども

、あるいは排出係数をある時点で固定してやっているというのもありますけれども、例えばエネルギー消費量

でやりますと、事業者さんの低炭素エネルギー導入の努力というのはなかなか評価しがたいといったようなこ

ともあって、少しこうした進捗評価の指標といいますか、考え方についてはぜひご検討いただけないか、ある

いは検討すべきではないかというふうに思っております。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 村上委員、お願いします。

〇村上委員  ありがとうございます。2点申し上げます。最初に4の資料で経産省と環境省さんから施策の

進捗状況のご報告、ありがとうございました。あれを伺っていますと、「◎」とか「〇」がたくさんあるので

すけれども、ところが最初に浅野委員長が指摘したように全体をみると2013年は10年よりも増えていると

いう、ですからああいう報告と実績とのギャップを感じるわけでございまして、あれがないようなご報告をし

ていただければありがたいと思います。これは随分、自治体とか、常にこれだけやりました、これだけやりま

したと、一見効果が上がっているようなのだけれども、全部合計すると実は増えているということがよくござ

いまして、1つの理由は、例えば民生で申しますとエネルギーの消費量は余り増えていないけれども、CO

の排出量はものすごく増えているという、その辺に僕は1つの原因もあるのではないかと思います。

 2つ目、先ほど何人かの委員から出ました住宅の義務化の問題でございます。一言、これ、申し上げたい

のは、余り過大な期待をするのは危険であると。なぜかと申しますと、そもそも暖房、冷房のエネルギーは全

体の1/4、25%ぐらいしか占めていないわけです。ですから、ここを頑張ってもそれほど目立った効果は得ら

れない。もう一つは、日本には膨大な住宅のストックがございます。義務化というのは新築だけが対象でござ

いますから、私有財産であるストック建築には適用のしようがないということで、実は義務化というと一見、

全部の家に義務化がかかるような錯覚を抱くのでございますが、これはとんでもない間違いで、何十年もかか

るのだということですね。ですから、申し上げたいのは、要するにストック建築に対してそういう何かの政策

が適用できるような、まさに国民運動を起こすことが重要だと、そういうことでございます。

 以上でございます。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 藤井委員、お願いいたします。

〇藤井委員  2つ申し上げたいと思います。1つは環境省のデータに出ていますが、自主行動計画の評価な

のですけれども、3業界しか出ていない。まあ、ペット協会も頑張っておられるのでしょうけれども、やはり

一番は排出量の多いところのデータ開示が必要です。これは当然ですね。排出量が多いところ、排出効果のあ

るところの実態がわからないと意味がない。ここに示されている3業界全体の問題では必ずしもないと思うの

ですね。

 それから自主行動計画ですが、これまで一定の成果を上げてこられると思いますけれども、今後、2030年

、あるいは50年を見据えれば果たしてこういった形だけで必要な削減ができるのかどうか。規制がなくて十

分な削減ができるのかということです。つまり、先にいいました排出量の多い産業、排出効果のあるところに

集中したような対策をとらずに、わが国の排出削減を勧められるのかどうかということは、今後、この両審議

会で検討、真剣に考えていかなければいけないと思います。

 もう一点は国際貢献です。JCMをやっておられて、これは非常にいい施策だと思いますし、成果も徐々に

上がっていると思うのですが、最大の欠陥は、これはクレジットについて市場でのトレードができない。キャ

ップアンドトレードについては先ほど否定的なご意見がありましたけれども、カーボンのトレードであっても

、大豆のトレードであっても、為替のトレードであってもすべて経済取引です。これを否定していると経済界

は成り立たないと思います。そういう議論、これ神学論争になるかもしれませんけれども、その一方で中国

は2017年に全国でキャップ・アンド・トレードを導入する。アメリカはオバマ政権が提案しているものがそ

のまま行けばアメリカでも石炭火力発電についてはトレードが起こる。ECは既にあるわけですが、少して

こずっておりますけれども、つまりグローバルなキャップ・アンド・トレードは2017年以降、できる可能性

が非常に強まっているわけです。それから、COP21においてもカーボンにプライスをつけてくれというエネ

ルギー業界からの声もたくさん出ております。こういうことを我々は真剣に考えていかないと、日本にとって

ふさわしい形のより効率的な、何が一番、このキャップ・アンド・トレードの利点かというと、それは効率性

です、経済効率性のためのトレードです。これをこれまでのように産業界が否定していると我が国経済はこの

分野でもビハインドしていくのではないかという懸念をもっております。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 それでは、原澤委員、どうぞ。

〇原澤委員  2点です。1点は今日の資料のご説明の中でも何回か、地球温暖化対策計画をできるだけ速や

かに策定ということで非常に頼もしく思ったのですけれども、京都議定書目標達成計画の全く焼き直しという

ことではないようにお願いしたいということがあります。というのは、今日ご説明の中でも、例えば省エネ機

器の買い替えということで、目標に比べて大分下がってきているという話もあって、これは電球型蛍光灯を対

象にしたからであって、LEDに代えればこれは一挙に進むのではないかと思います。また、約束草案の議論の

中でも積み上げという形で、再生可能エネルギーと原発についてはまだ踏み込みが足りないと思っていますけ

れども、省エネに関してはかなりしっかり議論して深掘りしていただいたので、そういったことが新しい対策

計画に入ればより削減が進むのではないかと思いますので、ぜひやっていただきたいと思います。

 それで1つ質問は、できるだけ速やかにというのはいつまでかをお聞きしたいというのが質問でございます。

 2点目が、今日は議題にも上がっていないのでコメントするのがいいかどうか気になるのですけれども、政

府はあわせて適応計画を策定し、COP21に提出するということで、今後の温暖化対策は緩和と適応、両方重

要であるし、そういう意味では温暖化対策の計画づくりが始まるとすれば、適応計画についてもしっかり反映

する、少なくとも統合的に対策をするような方向で行かないと全く別々なものになってしまってはいけないと

思いますので、その点、ぜひよろしくお願いします。

 簡単ですが、以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 根本委員、お願いいたします。

〇根本委員  ありがとうございます。私からは1点、国内排出量取引制度につきまして意見を述べさせてい

ただきます。この排出量取引制度につきましては先ほど木村委員からご発言がございましたように、やはり炭

素リーケージの問題、あるいは研究開発の開発原資の問題などございますので、むしろ温暖化対応として逆行

しかねないリスクがあるというふうに考えております。ただいま藤井先生のほうからもご指摘がございました

ので、やはり日本全体で引き続き考えていく必要はあろうかというふうに思っておりますが、今現在では産業

界の温暖化対策としましては、むしろ革新的技術の開発ですとか低炭素社会実行計画の確実な実行、推進、む

しろこちらにつきまして政府の対策の柱として位置づけていただきたいと考えておりますので、よろしくお願

いいたします。

 以上でございます。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 それでは、冨田委員お願いいたします。

〇冨田委員  ありがとうございます。私は対策・施策の進捗状況について1点申し上げたいと思います。今

回の資料でもわかるように、この進捗状況をチェックするのは大変膨大な労力がかかっているということで非

常に大変だったかと思いますが、今後の取り組みを検討する上で非常に大事なことであると思います。その観

点で、先ほど高村委員がおっしゃられた3点目のことなのですが、私もそこが一番気になりました。すなわち

、対策・施策の目標と、その取り組みを評価する指標が合っているかという点でございます。例えば、省エネ

型の電気ポットのところでは普及台数の経年変化が書かれていますが、それが最近落ち込んでいるという評価

があります。一方、電気ポット全体の出荷台数も落ちているということを考えれば、全体の出荷台数に占める

省エネ型の割合を目標にして、それを評価するという考え方のほうが適切ではないかということでございます。

 また、資料4-2スライド9の公的機関の排出削減のところですが、これは環境省さんのほうで「◎」がつい

ているものですが、ここの評価の中では、電気の使用に伴うCO排出量の増加の要因として電力排出係数が

増えたことが記載されています。また同時に、この排出係数の悪化をカバーする一層の対策強化が必要だとま

で書かれているのですが、この考え方を裏返せば、排出係数が小さくなれば自ら行う対策は少し緩めでもいい

のではないかということになると思えるわけです。何人かの方がおっしゃられたように、来年4月から電気の

小売の全面自由化が始まるわけですけれども、排出係数の小さい電気を購入することで温暖化対策に取り組も

うという考え方をとる方もいらっしゃるかと思います。しかし、その取り組みを評価する上で供給者の努力と

需要側の努力、これを分けて考える、需要側の努力というのは明らかに電力消費量の削減ということになるか

と思いますので、それを分けるという考え方が必要なのではないかなと思います。これから策定される温暖化

対策計画では、こうした今回のフォローローアップの経験というものをぜひ生かしていただければと思います。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 下田委員、お願いいたします。

〇下田委員  ありがとうございます。私は個々の対策というよりは全体のマネジメントシステムについてご

意見申し上げたいと思います。この約束草案の数字を守っていくためには、特に民生分野と運輸分野に関し

てPDCAサイクルをしっかり回していくためのマネジメントシステム、この強化とか多様化、これが大事だと

いうふうに考えてございます。本日拝見しております資料も2013年度のデータを2015年度の後半に議論して

いるということになっておりまして、これで政策を考えて予算を立てて市場に広めるということでいいますと

、数年ぐらいのサイクルになってしまっている。そうすると、2030年までの15年間というものも非常に短い

ものになってしまいます。そういう意味で、また今日お話がございましたように、プロダクトの普及率という

のもコンシューマのビヘイビアのようなものを考えれば、それがCOの排出量にそのままつながっていると

いうふうにも考えられないわけでございまして、例えば空間粒度の高いものをタイムリーに出していく、ある

いはエネルギー消費量の側面からもタイムリーなデータを出していくということが重要ではないかと思います

。例えば、地方公共団体の実行計画をしっかりバックアップできるようなシステムというものができないのか

。今、スマートコミュニティの時代でございますから、そういう新しいシステムをつくっていくことができる

のではないかというふうに考えておりますし、それ自体がやはり日本から出していく技術として世界に貢献で

きるのではないかというふうに思っております。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 それでは、三村委員、お願いいたします。

〇三村委員  資料の5ですね、COP21に向けた国際交渉の点について2点意見と、質問をしたいと思い

ます。1つはこの資料にあります野心というところに目標を定期的に提出・見直す仕組みが必要ということが

書いてあるのですけれども、これは非常に重要な観点ではないかと思います。国際的な枠組みが効果的で安定

的なものになるためには、気候変動、温暖化の進展自体にいろいろな意味での不確実性があるわけですから、

それの進展を見ながら目標をアジャストしていく、そういう仕組みが組み込まれれば、長期的にこの枠組みを

生かしていく上で非常に有効な仕組みになると思います。質問はこの点についてどの程度議論が進められてき

たのかという、あるいは今どこまで煮詰まっているのかということをお伺いしたいというのが1点です。

 2点目は、2020年以降の資金援助の問題なのですけれども、例えば1000億ドル程度のものを今準備すると

いうのが目標になっている。これに官民の資金を動員すると書いてありますが、この中に従来型というか、今

までのODAの資金も含めるという考え方ができるかどうかということです。私はそうしたほうがいいのでは

ないかと考えているのですが、エネルギー対策にしても、あるいは適用策にしても、途上国のインフラを整備

するという面があります。ですから、ODAはODA、温暖化対策は温暖化対策ということでやるとダブりが生

じたり、あるいは両方合わせたほうが効率的に進むという効果があると思うのですね。かつてはニュー・ア

ンド・アディショナルというような意見がありましたけれども、官民の資金を動員するという観点の中にOD

Aを活用するということが今議論されているか、あるいはどういう取扱いになっているか、その点もお伺いし

たいと思います。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 佐久間委員、お願いいたします。

〇佐久間委員  ありがとうございます。私からは、既に木村委員がマクロの視点から重要なご指摘をされま

したので、ややスペシフィックではありますけれども、重要な点ということで、資料4-2の32ページ、ここに

温対税のことが記載されてございます。ただ、この記載をみると、今回は2013年度の対策の進捗状況の

レビューと、こういうことでございますので、これらの税金が何に使われてどういう効果があったかについて

の記載がほとんどないということでございますので、それについて今後のことになるかと思いますけれども、

考慮していただきたいと思います。

 あとここの石油石炭税、これはもともと産業界、さらには国民に大きな負担を課している。さらにこの温対

税はそれに上乗せの負担を求めているというものでございます。ただ、この税金によりまして、当然個社のレ

ベルで言えばCOの排出量の削減努力は削がれている、つまりその資金が失われている、こういうことでご

ざいます。ご案内のとおり、個社は低炭素社会実行計画に基づいて2030年に向けて鋭意CO排出削減に取り

組んでいるわけですから、その努力を削ぐ、こういう効果があるということ。あともう一つは、国際競争力に

さらされているという点で、これはレベル・プレイング・フィールドをやはり害している、こういうことだと

思います。あとは先ほど廣江委員のほうからいいました今の原発の停止の状態からいえば、逆に石油、石炭の

使用が増え、この税収は当然増えているはず、その点が全く考慮されていない、こういうことではないかと思

います。

 そういうことからしまして、少なくとも来年4月に予定されている温対税の税率の引き上げの凍結、さらに

はこの温対税の廃止、これについてやはり真剣に検討していただきたい、こういうふうに考えております。ま

た今、政府の一部から出ておりますこの温対税を森林整備に使うといったようなさらに個々の企業の排出量削

減努力を削ぐ、つまり排出量削減対策に行く資源を、財源を減らす、こういう提案というのは大変問題だと思

っていますので、決してそういうことがないように、その点もあわせて検討をお願いしたいと思います。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 それでは、大塚委員、どうぞ。

〇大塚委員  ありがとうございます。国内のことと国際交渉のことで5点、ものすごく簡単にお話しします

。1つは、温暖化対策計画をぜひ早急につくっていただきたいということでございまして、これは皆さんも同

意見だと思いますが、しっかりお願いしたいということが1つでございます。

 それから2つ目ですけれども、高村委員と冨田委員が触れられた点ですが、先ほどの前半のところの会議で

も申し上げたことでもあるのですけれども、電力の排出係数についてどういうふうに扱うかという問題がござ

いまして、供給者の努力というのが基本だと思いますので、電力の枠組みのほうで0.37という数字が出てき

ていますので、これは供給者のほうでやっていただけることでございます。ただ、需要側についてもどの電力

を選択するかという問題がございますので、その点の努力についてのインセンティブも与えられるようなこと

をぜひ検討していくべきであると思っております。これは先ほどの低炭素社会実行計画のほうの話でもあるわ

けですけれども、そのような仕組みをぜひ考えていく必要があると私も考えております。

 それから3点目でございますが、資料4-1で、これはフロンのところですけれども、これは全く質問でござ

いますけれども、フロンの回収の量が出ていますが、これはもともと30%程度しかなくて結構批判されてい

た点だと思うのですけれども、新しく法律ができたこともあってご努力されていると思いますが、今回のもの

で何%ぐらいになっているかということがわかったら教えていただけるとありがたいと思います。

 それから国際交渉との関係ですけれども、質問としては、JCMは今回の交渉では多分議題に上らせている暇

がないのかもしれませんが、その辺の状況を伺いたいというのが1点。

 それから、これは本当に根本的に話でございますが、先ほど最初に審議官のほうからもお話しいただいたよ

うに、2050年に2度目標との関係では300億トン超の追加削減が必要となるというのは、これは多分2050に

生きている方とか、2100年の人類からすると、2015年の地球の人類は一体何をやってきたのかなというふう

に多分相当恨まれると思うのですけれども、将来世代との関係ということはちょっと考えて国際交渉をしてい

ただけるとありがたいと思います。日本としてはもちろん責任は3%なのですけれども、他方で、現在の主要

国がほとんど入るような状況をつくり出したのは、これは日本のある意味、行動の結果だったところはある

と思っていまして、いい面がとてもあると思っているのですけれども、他方で、現在の状況に対しての責任も

あるわけなので、ぜひ引き続きリーダーシップを発揮するというつもりで国際交渉に臨んでいただきたいと思

います。2度目標に関しては不確実性の問題はありますが、50%というふうに考えた場合にでも、飛行機に

乗るときに5割の確率で落ちる飛行機に乗るかどうかということを考えていただくと、不確実性の問題をどの

ぐらい重視すべきかということもわかるのではないかという感じがいたします。

 以上です。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 それでは、今日代理出席の方のご発言をお願いいたします。若林代理、どうぞ。

〇杉山委員(若林代理)  ありがとうございます。委員の方のご発言の中で排出量取引制度に関して、今、

中国やアメリカで制度導入の動きがあり、それをもとに国際的なリンクが必要だといったご発言がございまし

たので、1点だけコメントさせていただきたいと思います。特にアメリカで導入を予定されている制度に関し

てなのですが、あれはアメリカ国内の発電事業者に対して排出基準を設け、その達成手段の1つとして国内の

発電部門に限ったクレジットの市場取引が提案され、それを通して効率的な基準達成を目指そうというもの

であって、決して市場の国際リンクを意図しているものではないという点を指摘させていただきたいと思い

ます。

 あともう一点、国際的な取り組みというのはグローバルな形での排出削減を目指すという意味では非常に重

要だと思うのですけれども、それを促す仕組みとして必ずしも排出量取引である必要はなくて、要はそういっ

た国際的な活動をエンカレッジする仕組みをどうデザインするかという問題ですので、そういった適切なイン

センティブを設計できればいいのであって、そのための施策を今から限定する必要はないと考えます。

 以上です。

〇浅野部会長  もうお一方、代理でいらしていますが、よろしゅうございますか、特にご発言はございませ

んか。

〇伊勢委員(圓山代理)  はい。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 それでは、質問が幾つか出ております。まず環境省に幾つか質問がありましたので、簡潔に答えてください

。サマータイムの話、それから計画策定については、これは経産省と両方なのですが、あと幾つかありまし

たか、環境省が二、三ありました。それから、外務省の方にも今までのCOPの交渉の進捗状況についてのご

質問がありましたので、それについてお答えをいただければと思います。

 それでは、環境省から。

〇関谷低炭素社会推進室長  まず計画の策定状況は、これはまた経産省のほうからもし補足があればお願い

したいと思いますが、先ほど資料のご説明の中で申し上げましたが、今回、約束草案の提出をさせていただい

たことを踏まえまして、今後、COP21の合意の状況を踏まえまして速やかに策定をするということが今のと

ころ申し上げられることなのですけれども、先ほど委員の方からのご指摘もありましたとおり、2030年、時

間があるようでそれほどあるわけではないということもございますので、まさに速やかに行うことでそれに向

けての取り組みが少しでも早く開始できるように策定していきたいと考えております。

 それから国民運動、これはサマータイムとも少し関連しますけれども、国民運動についてのさらに取り組み

を強化すべきではないかというご指摘がございました。特に家庭部門、あるいは業務部門を含めたこれからの

大幅な削減という中でこの国民運動の位置づけ、我々も非常に重要なところだと思っております。これまで行

ってきた取り組みについて少し今回も資料の中に入れさせていただいておりますけれども、こういったものを

さらにどう進めていけばいいのか、先ほどご意見の中でも体制をしっかり組んでいくというような話もあった

と思いますけれども、そういうところも含めてもう一段強化していくための方策を考えていきたいというふう

に思います。

 サマータイムについては、申しわけございません、なかなか政府レベルでのご議論というのは多分ないと思

っておるのですけれども、ある意味、サマータイムも含めて暮らし方の部分でどうエネルギーの消費、あるい

はCOを下げていくかということだと思っておりますので、今の国民運動も含めた議論の中でどういった対

策を家庭や業務に向けてやっていくのかということを考えていきたいというふうに思っております。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 それでは、外務省から。

〇中野気候変動対策課長  まず気候変動の不確実性を勘案しつつ、今後の目標を調整していくというような

ことがきちんと議論されているのかということ、そういう質問でございますけれども、今の共同議長から出さ

れていて改定されているテキストの中でも、グローバル・ストックテイクというものを定期的にやっていこう

ということが書かれているわけですけれども、その際にBest Available Science、そのときどきのサイエンス

を勘案しながらそのグローバル・ストックテイクをしようというふうに書かれておりますので、そのときどき

の最新の科学的知見を活用してその目標の見直しというのは進んでいくのだろうというふうに考えておりま

すし、私たちのほうもそういうことを留意しながらやっていくということでございます。

 それから、2つ目に途上国支援についてODAを活用していくべきだというご指摘でございます。途上国の

中で先ほどご指摘があったとおり、途上国支援というのは通常の開発のODAではなくて、別の気候資金を使

うべきだという議論はあるのですけれども、実は、先進国のほうは日本を含めまして従来型のODAも気候変

動対策に資するものは組み入れて私たちは気候変動対策ということでやっておりますので、これは先進国側は

そういう立場でございますし、今後とも通常のODAで気候変動対策に資するものはきちんと入れた形で進め

ていきたいというふうに考えております。

 最後にJCMにつきましては、既に半数を超える各国から提出された約束草案が市場メカニズムの活用、また

はその可能性の検討を示しているということと、あとはJCM自体の名前が今のテキストに入っているわけでは

ありませんけれども、市場メカニズムの活用に関する文言が今テキストの中に入っておりますので、JCMを活

用する際のベースになるような文言が今案文としてございますので、それを我が国としてはJCMに活用できる

ような形で交渉をぜひまとめていきたいと考えております。

 以上でございます。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 それでは、JCMについて補足を環境省から。

○小笠原市場メカニズム室長  JCMの状況についてのご質問がありましたので、現在、インドネシア、モン

ゴル、バングラデシュ等を含めて15ヵ国と協定を結んで進めております。7つのプロジェクトが登録をされ

ております。登録簿の運用も先週の金曜日から始めておりまして、環境省、経済産業省、両方でフィージビ

リティスタディでやるとか、プロジェクトの支援とかを行っているところでございます。

〇浅野部会長  ありがとうございました。

 それでは、フロンについては経済産業省のフロン室からお答えいただきます。米野室長、どうぞ。

〇米野オゾン層保護等推進室長 経産省のオゾン層保護等推進室長をしております米野と申します。大塚委員

のご質問でございますが、伸び悩んでおる業務用冷凍冷蔵機器の直近の回収率はという話でございますが、少

し資料が多くて説明がされませんでしたが、経産省の資料4-1の詳細版、少し分厚い資料でございますが、そ

れの170ページでございます。先ほど委員のお話にもございましたように、3割程度という形で、170ページ

の2つ目のグラフでございます。30%強というので2013年も横ばいということで34%、ただ先ほど要約版で

説明されましたように、法律を2013年に変えてございますが、1年半ほど施行のための準備をいたしており

まして、この改正法が施行されたのが2015年、今年の4月からということで、これは先ほど説明がありまし

たようにライフサイクル全体を見直して、例えば回収されたものの再生をさらに促進していくといったような

効果が今後徐々に出てくることを今、期待しておるというところでございます。

〇浅野部会長  どうもありがとうございました。

 それでは、いろいろとご意見をいただきまして、ありがとうございました。参考になるご意見を多数いただ

きましたので、今後、事務局では議事録を精査して、参考になるご意見をご利用いただければと思います。

 それでは、産業構造審議会の山地委員長に一言お願いいたします。

〇山地委員長  ありがとうございます。冒頭の挨拶では、長期的かつグローバルな視点からということでリ

スク対応と国際貢献の重要性を申し上げましたが、決して国内対応を軽視しているわけではありませんので、

ここでは国内対応の話をさせていただきます。皆さん種々ご指摘のとおり、国内対応には非常に多くの課題が

あります。原子力や再生可能エネルギーのミックス目標の実現という課題もありますが、そのミックスを議論

する前提となる省エネが最も野心的な挑戦であるというのが私の認識です。しかも、1970年代、80年代には

大幅な省エネを実現したのですが、このときの主役は産業界だったわけです。それから、2000年前後、特に

今世紀に入ってから運輸部門の省エネも相当進みましたが、いわゆる民生、生活周りですね。業務、家庭とい

うところの省エネはなかなか進まなかったのが、今回のミックスの中では具体的に見てみるとわかるのですけ

れども、今回のエネルギーミックスのプランの中での省エネの主役は生活周り、民生部門であります。これを

どう達成するか、これが私は一番のキーだと思っていて、その中では今日も議論が出ましたが、やはり人に注

目して、その行動をどう変えていくか、国民運動という話もありましたけれども、中上委員からですかね、消

費者行動にどう影響を与えるか、これは情報の与え方とかいろいろなインセンティブの与え方がありますが、

ここが大事だと思います。それとともに人が行動する社会のインフラ、建物の話もありましたけれども、建物

以外の社会インフラはいっぱいあります。そこを効率化していく、そういう新しい省エネをねらっているのだ

ということが非常に重要で、一応プランの中には数値は書いてありますけれども、それをいかに実現するかと

いうところが課題だ、そういう認識でございます。ぜひこれにチャレンジしていく必要があると思っており

ます。

〇浅野部会長  ありがとうございました。私も今、山地委員長がいわれたことと余りそう違わないので繰り

返してもしょうがないと思います。ただ、先ほど委員の中から発言がありましたように、自治体がまるきり関

係ないような顔をしてもらっても困るわけで、特に国民の、もう一つ、先ほど中上委員から国民運動という言

葉より消費者行動何とかのほうがいいだろうといわれたのは私も大賛成でありまして、確かにそういうほうが

いいだろうと思うのですが、それにしても、それは国がやること、都道府県がやること、市町村がやること、

いろいろあると思うのですね。そこが今バラバラになってしまっている。特に都道府県や中核市以上の市が計

画をつくろうと思っても国が何もいってくれないから何もできないではありませんかみたいなことをいわれて

しまうのですが、そんなことはないはずなので、本当は身近なところからどれだけできるかというのは幾らで

も計算できるはずなのに、さっぱりやろうとしないわけですね。ですから、もう少し情報をしっかり流して風

通しをよくして、まずやはりこれは自治体が動いてくださって国民と直接に密接につながるところが動いてく

ださらないとどうにもなりませんという情報がまるきり流れていないような気がいたします。地方自治体は国

が何とかしてくれるのだろう、そんな感じで、2030年目標がこのぐらいになっているのでといわれても、あ

あそうですかというような印象しかもっていないのではないか。これは大いに心配されることでございます。

やはりもう少しこの審議会も活用していただきたいと思います。事務局は何をやっているのだと思うのですけ

れども、半年に1回、1年に1回開かれてもどうにもならないですね。確かにみんな嫌なことをいいますから

聞くのは嫌なのかもしれませんけれども、嫌がらずに聞いていただければもう少し知恵がわくかもしれません

。いずれにせよ早急に法律にもとづいて策定することになっている温暖化対策計画をつくっていただいて、そ

の計画をちゃんと動かすというその手立てまで考える。来年は、ですからちゃんとした計画にもとづいての点

検がこのような合同会議でできるようになることをぜひ期待したいと思っております。

 それでは、大変ありがとうございました。今日は5分遅れで始まりましたので本来、25分まで会議を開く

ことをお許しいただけるはずですが、この後、田中審議官の発言次第でどうなるか、というとことでござい

ます。田中審議官、どうぞよろしくお願いいたします。

〇田中大臣官房審議官  ありがとうございました。短くまとめたいと思います。本日は多岐にわたりまして

貴重なご意見をいただきまして、どうもありがとうございました。冒頭からいろいろ説明もありましたけれ

ども、いよいよ今月末といってももう再来週になりますが、パリで気候変動枠組条約締約国会議の第21回会

合が開催をされます。今回の会議におきましてすべての国が参加する公平でかつ実効性のある枠組みを構築し

ようということで、三又審議官なり外務省からのご説明にもありましたけれども、世界が今一致して何とか成

功させようということで最後の議論を始めようとしているところでございます。

 IPCCの報告書でももうこれはご存じのとおりでございますけれども、現行を上回る対策をとらなかった

場合、今世紀末までに最大で4.8度上昇する可能性があるというような予測もあります。INDCがかなり、9

割出てきていて、これが完全に実施されても、それでも2度を超えて、あるいはレポートによっては3度を超

えるような予測もされているという状況でございまして、技術も含めて長期的に削減を見通していく、そうい

う喫緊の要請に迫られているということでございます。

 気候変動は長期にわたる問題でございますけれども、周回先にあるというお話もありましたけれども、そ

ういった先進国だけではなくて、成長著しいそういった途上国も含めて国際社会全体で取り組みを一段、二段

、長期的に強化をしていくということが必要でございます。今、京都議定書に替わる新しい枠組みを何とか成

立させようということで議論しておりますけれども、今回のCOPにおける合意は大変重要なものであるとい

うふうに認識をしております。

 それから、原澤先生のほうから適用計画の話がありましたけれども、今回の合意は排出削減だけではありま

せん。特に途上国、脆弱な国からはもう既に起きている温暖化、あるいは温暖化への影響にどう対応していく

のかということ、それに対する国際協力を求める声も非常に強いものがございますので、まさしく緩和と適用

の両面にわたって新しいシステムをつくっていくということが今、必要になっているところでございます。

 2013年度の対策・施策の進捗状況につきましては前半の議論もございましたけれども、順調に進んだもの

、当初の想定どおりは進まなかったもの、いろいろあるわけでございますけれども、今日ご議論いただいたそ

の評価の結果も踏まえながら、今後、COPの結果も踏まえてできるだけ速やかに地球温暖化対策計画の策定

をして、その着実な実施につなげてまいりたいというふうに考えております。

 委員の皆様方におかれましては、浅野先生のお言葉にもありましたけれども、この地球温暖化問題をめぐる

諸課題につきまして今後ともご意見を賜りたいというふうに思っております。引き続き、大所高所からのご議

論をぜひお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○服部環境経済室長  委員の皆様におかれましては活発なご議論、ありがとうございました。

 議事録につきましては事務局で取りまとめを行い、委員の皆様へご確認いただきました後、ホームページに

掲載をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 それでは、本日はこれで閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。

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