中央環境審議会 地球環境部会産業構造審議会 産業技術環境分科会 地球環境小委員会合同会合(第37回)議事録

○小見山環境経済室長  定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会、産業構造審議会地球環境小委員会の合同会合を開催いたします。
 私は、事務局の経済産業省環境経済室長の小見山と申します。よろしくお願いいたします。
 後お一人到着されれば委員総数の過半数の御出席を賜る状況でございますが、まもなく到着の御予定ということで、このまま進めさせていただきたいと思います。
 また、本日の審議は公開とさせていただきます。
 最初に、中央環境審議会地球環境部会の委員に交代がありましたので、ご報告申し上げます。市村氏が辞任され、和貝日本公認会計士協会常務理事が新たに就任されました。
 続いて、前回会合の際に、経済産業省、環境省両省幹部の交代についてご報告させていただきましたが、出張のため欠席でございました幹部について、この場を借りて改めてご紹介させていただきます。まず、経済産業省でございますが、産業技術環境局長に片瀬が着任しておりますが、公務対応のため、遅れて出席する予定でございます。次に、環境省でございますが、地球環境局担当の大臣官房審議官に田中が着任しております。
 次に、配付資料の確認をさせていただきます。議事次第の1枚後ろの配付資料一覧に従って確認させていただきたいと思います。まず、中央環境審議会地球環境部会の委員名簿でございます。その次に、産業構造審議会の委員名簿でございます。資料1として、代替フロン等4ガスに係る今後の対策について、資料2、農林水産分野における地球温暖化対策・施策、資料3、廃棄物分野における地球温暖化対策について、資料4、今後の開催予定、1枚紙でございます。資料5、前回合同会合までにいただいた主なご意見でございます。あと参考資料1、2、3、4は、配付資料の目次にあるとおりでございます。資料の不足等ございましたら、後でも結構でございますので、事務局までお申しつけいただければと思います。
 それでは、プレスの方は退席をよろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に移りたいと思います。以降の議事進行は、産業構造審議会地球環境小委員会の山地委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山地委員長  お隣の浅野先生と私とで交代で司会をしておりますが、今回は私、山地の番でございますので、進行役を務めさせていただきます。
 議事に入りますけれども、前回までは温暖化対策を取り巻く現状の確認を主に自由な議論をしていただきましたが、今回からは関係省庁の説明を受けまして、より具体的な対策、施策の検討を進めていきたいと考えております。
 本日の議題は、議事次第に書いてあるとおりでありまして、地球温暖化対策の推進に向けた具体的対策・施策についてということで、1つは代替フロン等4ガス対策、農林水産分野における地球温暖化対策、3番目に廃棄物分野における地球温暖化対策、それから、その他となっております。先ほど配付資料の説明がありまして、資料5は、前回までの皆様のご発言をまとめたものですが、改めての説明は割愛させていただきまして、今回から始めます具体的な対策、施策に対する資料1から3を連続して関係省庁より説明していただき、その後、ご発言をご希望される委員からご質問とかコメントをいただきたいと思います。
 それでは、最初に環境省から、資料1の代替フロン等4ガス対策について説明をお願いいたします。

○熊倉地球温暖化対策課フロン等対策官  環境省地球環境局フロン対策室長の熊倉でございます。
 フロン対策につきまして、経済産業省と共同で実施してございますけれども、本日、資料の説明は私からさせていただきます。資料は資料1でございます。代替フロン等4ガスに係る今後の対策について、をご覧ください。
 冒頭ございますように、代替フロン等3ガスの2011年度排出量は 2,510万 t-CO2ということでございまして、基準年95年と比較いたしまして、約半減している状況でございます。これは洗浄剤使用における物質代替などいろいろな対策が進みまして、このような減少が進んできてございます。
 一方、HFCにつきましては、エアコン等の冷媒がオゾン層破壊物質であるHCFCから転換しているということに伴いまして、むしろ排出が増加している状況でありまして、今後も引き続き排出量が増加すると見込まれてございます。
 こういった状況を受けまして、審議会のほうでもご議論いただきましたが、新たなフロン対策を検討いたしまして、本年6月に従来のフロン回収破壊法を改正いたしまして、回収破壊という下流の部分だけの施策だったのを、メーカーの部分、ユーザーの部分といった上流から下流までライフサイクル全体の対策を進めるということで、法律の名称もフロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律ということで、新たな体制になったところでございます。
 対策の大きな目標でございますけれども、第3段落の中盤にございます。審議会でも報告書を出していただいてございまして、代替フロン等3ガスについては、低GWP冷媒の導入や代替物質の開発、代替物質のない分野における排出抑制の徹底により、排出がほぼゼロになっていることが2050年における将来像として想定というところで、このあたりを長期的な目標に見据えて対策を進めてまいりたいと思います。
 進めさせていただきまして、次のページでございます。個別の対策について記述してございます。
 まず1番目は、最上流でありますガスメーカーの取り組みということで、フロン類の実施的フェーズダウンでございます。ガスメーカーの取り組みといたしまして、取り扱うフロン類の低GWP化、それから製造量の削減、こういったものを含むフロン類以外への代替、再生といった取り組みを促すことが有効と考えてございます。先ほどのフロン類法に基づきまして、国が今後目標を設定いたしまして、一定期間ごとに一定の指標の計画的な低減を求めるということにしてございます。
 さらに、製造量の削減に資する再生行為の確保ということでございまして、これについては本日、再生業の許可基準を省令で公布したところでございます。
 続きまして、フロン類使用製品のノンフロン・低GWP化促進ということで、これは機器・製品メーカーの取り組みでございます。とりわけ冷凍空調機器につきまして、製造事業者、輸入事業者に対しまして、ノンフロン、低GWP化を後押しするために以下の措置を講じるというところでございます。
 ①は、同じくフロン類法に基づきまして、製品の適切な区分ごとに一定の目標年度における基準値の達成を求めることを考えてございます。②、そういった低GWP製品の導入を啓発するという観点から、フロン類使用製品への表示の充実を図ることにしてございます。さらに技術開発、技術導入施策、人材の育成、普及啓発といった取り組みを進めてまいりたいと思います。
 なお、冷媒転換を促進するに当たって、安全性の観点から、高圧ガス保安規制上の位置づけのあり方を検討することとしてございます。
 続きまして、業務用冷凍空調機器の使用時におけるフロン類の漏えい防止。これは使用者の取り組みでございます。業務用冷凍空調機器の使用時におけるフロン類の漏えいを防止する必要がございまして、次のページにまいりますけれども、一層の適正な管理を求める必要があると考えてございます。
 これにつきましてもフロン類法に規定がございまして、使用に際して取り組むべき措置、判断基準を定めることにしてございます。さらにフロン類の漏えい量について報告をしていただく制度、さらにフロン類の充填について基準を定めて、充填業を登録する制度を新たに設けてございます。
 さらにこういった機器のメンテナンスをする設備業者の取り組みも非常に重要でございまして、今後、現場施工の技術水準の向上、人材育成の推進を図ってまいりたいと思います。
 それから、回収・破壊につきましては、従前からある制度でございますけれども、引き続き回収業者の技術力の確保、向上といったものに政府としても支援をしてまいりたいと思います。
 それから、最後の段落ですけれども、家庭用エアコンにつきましては、リサイクル法の仕組みがございますので、使用済み機器に含まれる冷媒の回収をさらに促進ということを考えてございます。
 さらに他の施策でございますけれども、経済的手法、フロン税などが考えられますが、そういった新しい政策手法についても、今後さまざまな課題も踏まえつつ検討を進めてまいりたいと思います。
 最後のページでございますけれども、これまでの取り組みというのは、産業界による自主的な取り組みということで自主行動計画に基づく対策がされてまいりました。これについては非常に効果を上げていると考えてございます。今後、低炭素社会実行計画ということになりましたので、この計画についてフロン類等対策につきましても評価、検証を政府としてもしっかり行ってまいりたいと思いますし、排出抑制に資する設備導入補助など、事業者の取り組み支援をやってまいりたいと思います。早速、来年度の予算要求におきましても、こういった設備補助についての要求を行っているところでございます。
 さらに、京都議定書において新たに対象となったNF3等の対策についても検討してまいりたいと思います。
 あとは参考資料がずっと付いてございます。資料1(別添1)は、先ほど申し上げたCFC、HCFCからHFCへの転換が進んでいるということで、むしろ排出量が増えていくというものを示したグラフでございます。
 資料1(別添2)につきましては、改正フロン法の概要でございまして、後ろのほうにポンチ絵も付いてございます。
 そこは飛ばしまして、別添3をご覧いただきたいと思います。改正フロン法の今後の検討スケジュールということで、法改正はできているわけでございますけれども、具体的な規制の中身につきましては、これから1年強かけて検討していくことになってございます。平成27年4月1日の施行を目指しまして、まず第1弾として、先ほど申し上げた再生業許可に係る省令公布というのが本日されました。そして、来年春頃、全体の具体的な考え方を示す指針を公布いたしまして、さらに先ほど申し上げた管理者の判断基準、ガスメーカー、製品関係メーカーの判断基準を順次作っていきたいと考えてございます。
 次、別添4でございます。具体的な排出削減の目標、目安について、でございますけれども、これは過去、審議会で試算結果としてお出ししているものでございます。このペーパーでは2010年の排出量が 1,713万トンとなってございますけれども、自然体BAUで 4,020万トンになるところを、今回のフロン法改正等の対策を強化することによりまして、 970万トン~ 1,560万トンの削減が見込めるのではないかという試算でございます。この数字は2012年の総排出量と比べますと、約1%相当の数字になりまして、フロン対策としてそれ相当の目標に対する貢献ができるかと考えてございます。これは試算でございますので、今後の技術開発の状況を見据えまして、さらなる上積みを検討してまいりたいと思います。
 フロン対策については以上でございます。

○山地委員長  どうもありがとうございました。
 それでは、続いて農林水産省及び林野庁から、資料2の農林水産分野における地球温暖化対策について説明をお願いいたします。

○木内環境政策課長  農林水産省環境政策課長の木内と申します。よろしくお願いいたします。
 資料2でございます。1ページめくっていただきますと、農林水産分野における温室効果ガス排出の現状及び地球温暖化対策・施策の概要というのが最初にございます。農林水産分野は、ご存知のとおり、食料を初めとする農林水産物の安定供給という大きな使命をもっておりまして、その中で環境と両立する持続的な農林水産業、農山漁村を目指しているわけです。
 そこで、一番初めに、農林水産分野の温室効果ガス排出の現状について改めて簡単にご説明申し上げますと、円グラフの右のほうをごらんください。これは2011年度の総排出量の確定値、約13億 t-CO2ですけれども、このうち農林水産関係でどれぐらい排出しているかというのを示したものでございます。
 上のほうに緑で囲んでございます農業で発生する N2Oとございます。この部分は、数字は入っておりませんが、全体でいいますと1%弱、約 1,000万トンでございます。それから、右のほうに回りますと、赤で書いてございます農林水産業で発生する CO2というのがございます。これも1%弱でございます。その下の食品製造業で発生する CO2は 1.3%ぐらいということです。それに加えて、左上のほうになりますけれども、青で囲んであります農業で発生するメタン( CH4)が 1.1%ぐらいございます。これらを合わせますと、円グラフの真ん中に書いてございますが、農林水産業、食品製造業の割合は約 4.1%でございます。
 その中で左側の円グラフ、食品製造業を除いた農林水産分野についての割合でございます。これをみますと、全体が13億トンのうち農林水産分野では 2.8%ぐらいに相当します。そのうちで何が多いかといいますと、 CO2と CH4と N2Oが大体3等分されるわけですけれども、農林業で発生する CO2、赤の部分で書いてございますが、これは施設園芸、あるいは水産業で発生する CO2、漁船で出てくるもの、これらが約3割を占めております。それから、下のほうにまいりますと青の部分でメタン( CH4)でございますが、家畜消化管内発酵、これは牛のゲップとかです。それに稲作、田んぼから出てくるメタン、それから家畜排せつ物のメタンなどが約4割を占めてございます。その上で左の残りでございますけれども、これは農地土壌から排出する、それから家畜排せつ物などの一酸化二窒素( N2O)が3割というような構成になっております。
 その中で、地球温暖化対策として農林水産業では、下の表にありますように、排出削減対策、農水の特徴でございます森林吸収源対策、それから農地土壌における炭素貯留、それに加えて国際協力、適応策ということで対応しております。
 次のページをごらんください。2ページ目でございますが、排出削減対策。先ほど申し上げました施設園芸からも随分化石燃料を使っているのですけれども、これについて左の絵にありますように、ヒートポンプや木質バイオマスを利用した加温施設の導入を進めております。
 それから、真ん中に環境保全型農業とありますが、これは肥料が多過ぎるのではないかとかという話もありまして、実際上、一酸化二窒素を余計に排出しているところもございます。施肥の適正化による一酸化二窒素の削減対策。土壌診断とか茶園の硝化抑制剤入りの肥料の施用とか、新しい技術も含めて対策を進めております。
 水産分野は、どうしても燃油がかかるわけなのですけれども、省エネ船外機、あるいはサンマの棒受け網漁は光を照らして集めるのですけれども、これにLEDを導入するなど、このような対策に取り組んでおります。
 下のほうでいいますと、畜産分野の部分では家畜の改良。一番左のほうにありますが、乳牛でいうと1頭当たりの泌乳量が多い、いい家畜をふやすと、同じ畜産物を少ない頭数で生産可能ということになります。家畜排せつ物のメタンガスを燃焼させて、熱利用や発電利用を進めている。あるいは低タンパク質飼料の利用を進めております。一番右のものは、アミノ酸、リジンとかというものですけれども、アミノ酸を加えることによって、タンパク質の少ない飼料でふん尿中の窒素の排出量を低下させるという新しい技術を取り入れております。
 次のページですけれども、同じく排出削減対策の中でバイオマスを利用しようという取り組みを進めております。上の囲みの中の2番目の丸に、今後5年間に約 100地区のバイオマス産業都市を目指すということで、ことし6月に8地域を一次選定いたしました。これは内閣府、総務省、文部科学省ほか各省連携をして進めているところです。
 右のバイオマス産業都市のイメージの下に第一次選定地域と書いてございますが、例えば北海道の十勝地域は酪農地帯ですので、19市町村が一緒になって家畜排せつ物を利用した発電や熱利用、あるいは廃食油を使ったBDF。それから北海道下川町では、柳やススキなどを利用した新しい燃料、あるいはそれをペレット化して材料に使うというようなこともやっております。ほかにも茨城県牛久市では、休耕地に菜種とかヒマワリを植えてバイオディーゼルをつくる取り組み。あるいは最後の香川県三豊市では、竹を使って竹チップ、あるいは建築廃材を合わせて高機能なパーティクルボードをつくったりとか、そのようなことも新たな取り組みとして進めております。これを 100地区にふやしていこうという取り組みが始まっております。
 次です。4ページ目ですが、排出削減対策の中で再生可能エネルギー、左の図のほう、帯グラフになっております。森林、約 2,500万ヘクタールございますけれども、未利用間伐材が年間約 2,000万立方メートル発生しております。これを使ってバイオマス発電、石炭とかを混ぜて燃やす、あるいはそれだけで使う、いろいろありますけれども、バイオマスの発電のほかに地熱発電とかという再生可能エネルギーのもとになるところがございます。そのほかにも農地、その他太陽光発電、陸上風力発電、あるいは小水力発電というものが可能性としてありますので、これに取り組む支援の取り組みを進めております。
 農地の問題でいいますと、農地の転用の話が必ず出てくるのですけれども、下の写真にありますように、農地の真ん中に支柱を立てて営農を継続する太陽光パネルというのも取り入れております。一時的に転用許可ができるように、営農上問題がない場合は、さらにずっと続けられるということで、農業と再生可能エネルギーを生み出すことが両方一緒にできるということも進めております。
 右のほうには導入促進のためのいろいろな取り組み、概算要求ですけれども、予算的な支援策を書いてございます。
 次の5ページ目からは森林吸収源対策でございます。これは2013年以降の国際ルールとしまして、囲みの中の丸の1番目に森林経営活動による森林吸収量の算入上限値、各国一律 3.5%、これは1990年を基準とした場合ですけれども、その排出量比ということに決まりました。
 これについては下の図の左のほうにありますけれども、算定量としては、森林吸収量の算定方法として、森林整備などを行った全森林が吸収した CO2量を全てカウントできる。第1約束期間と同じ我が国の主張が認められて、そのような算定方法となったわけです。
 それから、右のほうに新しいルールといいますか取り組みとして、伐採木材製品(HWP)というのが入ってきました。これまでは図の中にありますように国内の森林、家をつくったりとか木材製品をつくるために森林から搬出した時点で第1約束期間の場合は排出したとみなされていたのですけれども、伐採木材製品というルールができまして、長くもてばもつほどなのですけれども、最後に燃やしたり埋め立てて処分をした時点で排出に計上するルールになりましたので、これをできるだけ有効に利用して木材の利用につなげていきたいと考えております。
 次の6ページ目でございます。政府の対応方針について簡単に書いてございます。黄色の囲みで森林・林業基本法とございますけれども、これが地球温暖化防止を明記して、森林・林業基本計画をつくった上で整備を進めております。
 それから、真ん中ですけれども、ことし3月に地球温暖化対策推進本部でも決定されております。
 特に一番下の森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法というのがございます。これは第1約束期間の部分を対象としていたのですけれども、これを改正しまして、平成32年度までの間、間伐等を促進するための法的枠組みに変えたということで、森林吸収量 3.5%の確保に向けた年平均52万ヘクタールの間伐、主伐後の確実な再造林等を促進するということで、さまざまな支援措置がございます。例えば、市町村が間伐促進計画に沿った間伐をする場合、直接交付金を交付することができる。あるいは森林整備の地方負担を地方債の記載対象とするなど、こういう特例措置が特別措置法には含まれております。これを含めて進めていこうということにしております。
 7ページです。目標値はもう申し上げましたけれども、下のほうに書いてございます第1約束期間は 3.8%、間伐55万ヘクタールということでしたが、25年からの第2約束期間については 3.5%確保に向けた取り組みということで、間伐を52万ヘクタール、HWP、伐採木材のルールの適用、さらに将来的には、2020年にスタートするために再造林の着実な実施や成長にすぐれた苗木の母樹の増殖などを進めることにしております。
 8ページです。今までのお話をまとめて書いてあります。左側には森林吸収量の算入対象森林の維持・拡大ということで、森林所有者の自発的な施業の支援、あるいは条件不利地の公的整備への支援、保安林の保全などに取り組む。あるいは、その次の囲みにありますけれども、成長にすぐれた種苗の普及に向けた特定母樹の増殖、苗木の供給力の拡大に向けたいろいろ整備を進めております。右のほうをみますと、持続的な方法で行われる森林経営の確立、それから適応に向けた防災力強化、そのほかに途上国における協力、さらに多様な手法として森林吸収源対策の財源確保についての話を総合的に進めるということにしております。
 次の9ページですけれども、農地土壌の炭素貯留。農地管理をしますと、最近、農地に対する有機物の投入が少し減っているところもあるのですけれども、有機物、特に堆肥を入れますと物理性、あるいは補肥力が改善され、もちろん肥料の効果もあるのですが、作物を育てる上でのメリットがあるわけです。それに加えて、土壌にたまるような特性があります。ゆっくりゆっくり分解されるわけなのですけれども、この特性を利用しまして、農地に炭素を貯留する取り組みをやることにしております。これまでいろいろな科学的なデータ、あるいはモデル等を積み上げてきております。次から進めていくことにしております。
 10ページですけれども、国際協力の分野。農業分野は、どちらかというと適応といいますか、暑くなってきた場合に対する適応策というのも、最初のかんがい技術の普及、あるいは気候変動下での食料安全保障が脆弱な地域の可視化とかというのは適応に近いものがございますが、一番下の水稲栽培システムの開発については、水を余り使わなくても済む上にメタンの排出量を減らすことができるような仕組みを開発して協力しております。
 最後、11ページです。森林・林業分野の国際協力については、ご存じのとおり、REDDプラスという取り組みがございます。REDDプラスは、REDDの森林が減少するための伐採を回避するとか、あるいは森林を保護するのに加えて、積極的に植林をしたり森林経営をして、炭素量をふやしていくという取り組みです。これについてさまざまな支援をしております。
 下のほうに書いてございますが、衛星画像の活用による森林減少や劣化の監視モデルの開発や技術者の育成、あるいはいろいろなパートナーシップへの拠出、UN-REDDへの拠出を通じて途上国への協力をしております。
 以上でございます。

○山地委員長  どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして環境省から、資料3の廃棄物分野における地球温暖化対策について説明をお願いいたします。

○廣木廃棄物・リサイクル対策部企画課長  私、環境省廃棄物・リサイクル対策部企画課長の廣木と申します。
 資料3に基づきまして、廃棄物分野における地球温暖化対策についてご説明したいと思います。ページをおめくりいただきまして、まず目次がございますが、それをさらにめくっていただきまして、廃棄物分野の概況を中心にお話ししたいと思います。
 4ページ目になります。まず、廃棄物分野における地球温暖化対策のアウトラインを先にご説明したいと考えております。
 大きく3つの柱がございますけれども、まず第1の柱としては3Rの推進ということでございます。ご承知のとおり、廃棄物につきましては、廃棄物の発生抑制、再利用、再生量、いわゆるリデュース、リユース、リサイクルという3Rを推進しておりますけれども、このこと自身が地球温暖化対策にも非常に効果があると考えておりまして、これまでも個別リサイクル法の整備等、さまざまな形で3Rの取り組みを進展させていただきました。その結果、廃棄物の排出量は減少傾向にあるということでございます。これによって廃棄物処理に伴う温室効果ガスの排出量が減少されてございまして、それを引き続き推進していくということが1つでございます。
 それから、廃棄物分野の温室効果ガスの排出量には計上されていないわけでございますけれども、例えばアルミ缶のリサイクル等々、製造過程でエネルギーを多く使うものがございます。そういったものの3Rが進むことによりまして、製造分野におけるエネルギーの利用量の減少にも寄与しているというところでございます。
 それから、2つ目の柱でございますけれども、エネルギー回収の推進でございます。ご承知のとおり、廃棄物は最終処分場の立地が難しいということもございます。また、有機物の場合、そのまま放っておくと腐敗して、メタン等のガスが発生することもございますので、そういった観点から、なるべく焼却等の中間処理をすることを進めているところでございますけれども、こうやって出てきました熱につきまして、高効率な熱回収施設を整備する。その他関連施策によりましてエネルギーの回収を推進しているところでございます。
 トータルに見ますと、エネルギー回収を伴う廃棄物焼却からの温室効果ガスの排出量は減っていないという面もあるわけですけれども、その分、こういった熱回収によりまして、新しい資源の利用料の減少に貢献しているという面がございます。
 それから、3つ目でございますけれども、今申し上げた話にも通じますが、最終処分での対策でございます。最終処分した廃棄物、特に有機物の場合はそのまま埋めてしまいますと、先ほど申し上げましたとおりメタン等のガスが発生するということもございますので、こういった有機物の直接埋め立ての原則禁止を進めているところでございます。最終処分量につきましては、今大きく減少しておりまして、それによって温室効果ガスの削減を進めているところでございます。この大きな3つの柱で進めているところでございます。
 以下、個別にご説明したいと思います。5ページにまいりたいと思います。廃棄物分野における地球温暖化対策の現状でございます。今、温室効果ガス総排出量における廃棄物分野の割合と言いますのが、全体の 2.6%でございます。廃棄物分野の温室効果ガス排出量は1990年度に比べると 2.8%減、減少量はそれほど多くないわけでございますけれども、エネルギー回収を進めてきた結果、その分野の温室効果ガスの排出量が多くなっているということがございます。こういったものを除くと1990年度比で20.8%減になっているところでございます。
 温暖化対策を進めるに当たって、排出側、処理側、様々な対策をとっているところでございますけれども、まず排出側としましては、例えば今、一般廃棄物につきましては、ごみの有料化を各自治体が一生懸命推進しているわけでございますが、こういったものを通じて発生抑制の取り組みを進めています。それから、分別排出を徹底して、リサイクルできるものはどんどんリサイクルすることを進めております。
 それから、処理する側におきましても3Rを一層推進するとともに、生分解性廃棄物の最終処分量を減らしている。それによるメタン等のガスの排出削減を進めている。一方で廃棄物発電を推進しているということがございます。
 また、再生可能エネルギー、新エネルギー対策ということでも廃棄物発電、バイオマス発電の利用等々様々な形で進めています。それによって低炭素社会、循環型社会の統合的実現を目指して取り組んでいるところでございます。
 次のページをご覧ください。これまでの廃棄物分野における温室効果ガスの排出量の比率等も含めました推移でございます。下の黒い部分と斜めの網掛けの部分が最終処分、それから排水処理に伴う温室効果ガスの排出量でございますけれども、これについては1990年から20年かけて順調に減少して、今、半分ぐらいに減っているところでございます。
 それから、その上の焼却の部分は、いわゆる単純焼却でございますけれども、熱利用されない単純焼却というのは、1990年代から2000年代初めにかけて大分増加したわけでございますけれども、これは今、順次減らしつつある状況でございまして、2000年のピーク時に比べると、今、単純焼却が大分減ってきているところでございます。
 一方で原燃料利用という、これは焼却処理をしている部分ですけれども、このエネルギーを回収している部分がここに相当します。この分というのは、今まで単純焼却している部分を随時ここに転換しているところがございまして、ここの部分は若干増えていることもありまして、1990年比で言いますと減少はそれほど大きくないところでございます。これにつきましても2000年のピーク時に比べますとかなり減少していることが見られると思います。
 次の7ページ目でございます。廃棄物処理法の中に「基本的な方針」を立てるという条項がございます。具体的には、「環境大臣は、廃棄物の排出の抑制、再生利用等による廃棄物の減量、その他適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針を定めなければならない」となってございます。そこにいろいろ書いてございますけれども、真ん中ぐらいから読みますと、「大量生産、大量消費、大量廃棄型の従来の社会のあり方や国民のライフスタイルを見直し、社会における物質循環を確保することにより、天然資源の消費が抑制され、環境負荷ができる限り低減される循環型社会への転換をさらに進めていく必要がある。その際、今日、地球温暖化対策の実施が喫緊の課題であることを踏まえ、低炭素社会との統合の観点にも配慮して取り組みを進めていく必要があり、そうすることで廃棄物をめぐる問題への対応は、環境と経済成長とが両立する社会づくりにより一層繋がるものとなる」ということで、こういった基本方針の中でも地球温暖化対策を掲げて行っているところでございます。
 次のページをご覧ください。、循環型社会形成推進基本法に基づいて循環基本計画を立てることになってございますけれども、この第三次計画が本年5月31日に閣議決定されたところでございます。ここにおきましては、いろいろな現状の課題を踏まえながら、資源生産性の向上、循環利用率の向上、最終処分量の減少という新たな目標を掲げて、より少ない資源の投入でより高い価値を生み出すようにしようということで進めているところでございます。
 この基本的な方向を様々書いてございます。例えば2Rを進めるとか、より高度なリサイクルを推進するとかいろいろございますけれども、その中で赤字で書いた部分、低炭素・自然共生社会との統合的取り組みを進める、それから地域循環圏の高度化を進めるということで、基本的な方向の中でも循環資源利用という部分で低炭素社会へ進めていこうとしているところでございます。
 具体的なところは9ページ目に書いてございます。循環型社会づくり、低炭素社会づくり、自然共生社会づくりを統合的に進める中で、特に循環資源、バイオマス資源のエネルギー源への活用を進めていこうと考えておりまして、具体的に言いますと、循環資源、バイオマス資源の熱回収をエネルギー供給源として果たす役割を増大していくということで、例えば高効率な廃棄物発電施設を早期整備することですとか、廃棄物発電における固定価格買取制度の活用可能性を高めるための環境整備を行う、あるいは中低温熱というものは今までなかなか有効利用されていなかったわけでございますけれども、これを地域冷暖房に活用していこうとか、バイオ燃料の生産拡大、生ごみのメタンガス化、間伐材の木質ペレット化等々を推進していくことによりまして、地球温暖化対策をより進めていきたいと考えているところでございます。
 ページをおめくりください。今年4月5日の地球温暖化対策推進本部におきまして、京都議定書目標達成計画の進捗状況が発表されたわけでございますけれども、その中でも廃棄物分野の地球温暖化対策についてのまとめをされておりますので、レビューしてみたいと思います。
 まず、エネルギー起源の二酸化炭素対策で言いますと、これまでの施策として循環交付金の国庫補助事業ですとか、廃棄物処理エネルギー導入・低炭素化促進事業、それから容器包装廃棄物の3R推進、パッカー車両へのバイオディーゼルの導入ということをやっていたわけです。それを踏まえまして、一般廃棄物処理における廃棄物発電の発電量目標は達成できていないということでございますけれども、一方で、高効率な発電施設の施設数ですとか、発電効率は順調に増加しているところでございます。
 また、廃棄物処理エネルギー導入・低炭素化促進事業といった補助ですとか、あるいは3年前の5月、廃棄物処理法の改正を行いましたけれども、そこで廃棄物熱回収施設設置者認定制度というものを作りました。そういった活用によって一定程度の施設整備が進捗している状況でございます。
 また、非エネルギー起源二酸化炭素対策、特に一酸化二窒素対策という面でございますけれども、まず、廃棄物焼却に由来するものに関しましては、特に一般廃棄物(プラスチック)の焼却量はリサイクルの進展によりまして着実に減少しているところでございます。他方、産業廃棄物焼却については、焼却目標をおおむね下回る値で推移しているところでございます。一般廃棄物焼却施設においては一酸化二窒素の発生量が少ない連続炉が着実に増加しているということでございます。他方で、一般廃棄物の焼却量については削減が進んでいないので、今後取り組みを推進していきたいと考えているところでございます。
 また、メタン対策ということでは様々な分別収集、有料化を進めていくとともに、有機物の最終処分場への埋め立て廃止に向けて努力した結果、有機性廃棄物の最終処分量は着実に減少しているところでございます。こういったものを踏まえまして、さらに推進していきたいと考えているところでございます。
 具体的な取り組みについては簡単に触れていきたいと思いますけれども、ページをおめくりいただきまして、まず、廃棄物処理部門における温室効果ガス排出抑制等指針でございます。これは定性的な努力義務が様々書いてございますけれども、定量的な目安の中では、例えば一般廃棄物焼却施設ごとの一般廃棄物処理量当たりの CO2排出量を一定の目安以下にしていこうということで目標を掲げてやっているところでございます。
 それから、下に行きまして、新たな廃棄物処理施設整備計画。これは先ほどご説明した第三次循環基本計画と同時、本年5月31日に閣議決定したところでございますが、昔、いわゆる廃棄物処理施設の5ヵ年計画と言っていたものでございます。これを25年度から29年度の5ヵ年の新たな計画ということで定めました。その中でも地球温暖化対策強化を目指して廃棄物処理システムの確保を進めるというように目標を掲げまして、重点目標としても排出抑制、最終処分量の削減を進めていくこと、それから、焼却時に高効率な発電を実施し、回収エネルギー量を確保していくことを掲げているところでございます。
 ページをおめくりいただきまして、具体的な方向性としてもいろいろ書いてございます。赤字に書いてございますとおり、様々な廃棄物処理システムの改善の中で、資源の有効利用や地球温暖化対策の観点から具体的な指標を求め、より優れたものを優先的に整備する、あるいは地球温暖化防止や省エネルギー、創エネルギーへの取り組みにも配慮した廃棄物処理施設を整備していく、廃棄物系バイオマスの利活用推進ということを掲げてやっているところでございます。
 それから、循環型社会形成推進交付金です。これは平成17年度、いわゆる三位一体改革のときに従来の補助金制度にかえて創設したものでございますけれども、この中でより広域的な処理、それから3Rの推進に資する事業を進めるという事業を対象に交付金を支給し、市町村をそういった政策に誘導していくということを行っているところでございます。その中で高効率なごみ発電施設を推進するなど様々な施策を行っているところでございます。
 ページをおめくりいただきまして、産業廃棄物処理に関しましては、産業廃棄物処理業を統括する団体でございます全国産業廃棄物連合会が環境自主行動計画を立ててこれまでやっておりました。2000年度から増加をさせないという目標を掲げておりましたけれども、2011年度実績では0%ということで推移しているところでございます。
 それから、各種リサイクル制度。ご承知のとおり、容器包装リサイクル法とか様々な各種リサイクル法に基づきましてこれまでリサイクルを進めてきて、その中でも3R推進を進めてきたところでございます。
 ページをおめくりいただきまして、アルミ缶のリサイクル率についてです。これはこの10年間で80%強だったものが2012年実績は94.7%と向上してきております。ご承知のとおり、アルミ缶は製造に電気を相当使うということでございますので、リサイクルが進むことによって CO2の削減に寄与しているところでございます。
 また、市町村の3R化ガイドラインというものがございますけれども、こういったものの中で焼却に由来する CO2排出削減対策を具体化しています。。例えば一般廃棄物会計基準の中ではFITを導入した際のコスト分析の具体化も進めているところでございます。
 ページをおめくりいただきまして、廃棄物発電の導入支援ということで、固定価格買取制度、ここに「廃棄物(木質以外)の燃料発電」とあります。そこにある調達価格により電気事業者が買取りを義務づけられておりますので、これに基づいて進めているところでございます。こういったものを活用して一層推進したいと考えているところでございます。
 また、廃棄物発電の高度化支援事業ということで、より高度なものの導入を進めているところでございます。
 さらにページをおめくりいただきまして、廃棄物処理エネルギー導入・低炭素促進事業ということでございます。これは民間の産業廃棄物の処理に関すること、それから、一般廃棄物処理に当たってのパッカー車を電動式にするとか、そういったことで低炭素化事業を進めているところでございます。
 それから、最後に、熱回収施設設置者認定制度です。これは平成22年の廃棄物処理法の改正に基づいて設けたものでございますけれども、これに基づいて一定の基準に適合しているものについては都道府県の認定を受けることができます。この認定を受けたものは意識の高い排出事業者ということでお墨つきを与えて、そういったものをより推進していこうということで、これまで14事業者がこの認定を受けているところでございます。
 取り急ぎの説明になりましたけれども、以上でご説明を終わりたいと思います。

○山地委員長  ご説明どうもありがとうございました。
 それでは、ここからは委員の皆様からコメント、ご質問、あるいはその他自由なご発言をいただきたいと思います。発言をご希望の方はお手元の名札を立てていただいて、それをみて私から指名いたしますので、順次ご発言いただきたいと思います。
 まず、住委員、大聖委員、冨田委員、長辻委員という順番で行きたいと思います。では、住委員、どうぞ。

○住委員  林業のところで、多様な政策手段の活用ということで財源確保の話が書かれています。簡潔に言われましたけれども、これは非常に重要で、どの程度現実的に考えられているかということと、政府としては、恐らく他の分野も含めて包括的に取り組むべきことのように思われるのですが、それが具体的にどういう形でこういうことに関する財源が進んでいるかという今の検討状況を教えていただければと思います。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございます。ご質問等については、事務局あるいは関係省庁からの回答は一括して行いたいと思います。それでは、大聖委員、お願いします。

○大聖委員  今回、3件のご説明をいただいたのですけれども、これらに共通していることを申し上げたいと思います。
 1つは、例えばバイオマスとか廃棄物というのは、地域とかその特定の場所に係わるようなことなのですけれども、いろいろな予算的な支援があって事業化したり進展があると思いますが、それが他地域でもきちんと展開できるようなポテンシャルをもっているかどうかということを予算使途の有効利用の観点からしっかりと厳しくチェックしていただきたいと思います。
 もう1つは、それが途上国とか新興国などでもうまく活用できるような可能性を探っていただきたいと思います。例えば温暖化係数の大きいエアコンの冷媒ですと、モータリゼーションが進んでいる国々では、ほとんど垂れ流し状態の可能性がありますけれども、その管理や処遇などに関する新しい技術を使ってもらうことで日本の低炭素化の国際貢献に繋がるようなことをやっていただきたい。また、これは廃棄物に関してもそういう点がありますので、ぜひその辺を積極的に推進していただきたいと思います。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。それでは、冨田委員、お願いします。

○冨田委員  何点かコメントです。
 まず、代替フロンのところですけれども、冷凍空調分野の取り組みはこれから重要だというご説明があったかと思います。膨大なストックを抱えている分野に対して効果のある取り組みをするのはなかなか大変なことだと思いますので、ぜひ実効性ある成果を上げていただきたいと考えております。冷凍空調分野でフロンを使わないやり方というのもありまして、比較的低温の廃熱が使える吸着式であるとか吸収式、そういったものも対策として考えられるのではないかと思いました。
 それから、森林吸収のところですけれども、今日は温暖化の観点から森林吸収はどれだけ価値があるかというお話ですが、温暖化のために森林整備をやっていくことを考えると、どこかの資料の中にもありましたけれども、できるだけ成長の早い木を植えていくという考え方になろうかと思うのですが、そういう考え方と多様な生態系を維持していくというのが必ずしも合致しない可能性があるのではないかと思いました。森林でしかできない対応もあるわけで、森林の適正な整備、あるいは保全を通じて温暖化にも貢献するのだというような考え方が適切ではないかと思いました。
 それから、3つの対策のみならず、今日はテーマではありませんけれども、エネルギー起源の CO2を含めて、温暖化の分野に関してはいろいろな分野での取り組みが求められているし、できるわけです。それぞれの分野においてできる限りのことをやるという姿勢は評価しつつも、費用対効果という面でバランスはとる必要があるだろうと思います。そのときには限界削減費用といった考え方で、トン当たり幾らぐらいまでの対策を進めていくのかというようなことが1つの目安になるのではないかと考えました。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございます。それでは、その後は長辻委員、中根委員、長谷川委員、原澤委員、藤井委員の順番でまいります。

○長辻委員  農林水産分野における温室効果ガスの排出についてお尋ねしたいと思います。
 この資料を拝見しますと、世界の温室効果ガスの排出量においては31%が農林業由来となっております。確かこれは農業と林業と半々ぐらいだったと思うのですが、林業というのは吸収する分野かと思っていたのですけれども、なぜこのように林業から二酸化炭素の排出が起きるのかということを知りたい。これは世界でだと思うのですが、日本でも同じような構造があるのかどうかを確認したいと思います。
 もう1つお尋ねしたいのが、確か2009年のCOP15だったと思うのですが、農業分野の温室効果ガスの研究ネットワークでGRAというものができておりました。確かこのGRAに中国と韓国は当初入っていなかったと思うのですが、現在においてもまだ中国、韓国は入っていないのかどうかを教えてください。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございます。それでは、中根委員、お願いします。

○中根委員  フロンについてご説明があったわけですけれども、非常に淡々とご説明されたわけですが、50.9%削減というのは非常に大きな成果で、ヨーロッパ、アメリカよりも大きな削減をやっているわけです。そういう意味で関連業界と政府の一体的な取り組みというのは非常に素晴らしいものだと思います。これを日本だけの成果にとどめずに、ぜひ世界での温室効果ガス削減に応用していって欲しいと思います。
 キーワードで言いますと、1つはピークカット、もう1つはバリアフリーということになるかと思うのです。世界で今何が起こっているかと言いますと、CFC、HCFCをHFCに転換する、さらに低GWPのHFCに転換する、またノンフロンにするということが起こっているわけです。その際、CFCやHCFC、それから高いGWPのHFCなどは全部大気中に放出されていて、年間20億 t-CO2相当のフロンが排出されている。途上国では、この内容はHCFCやCFCが中心で、これが2030年ぐらいまで続くということがあるわけです。ですから、単に京都ガスを減らせばいいということではなくて、温室効果そのものを減らさなければ気候は安定化しないわけですから、そういう意味で京都議定書とモントリオール議定書の狭間に陥って、すぐに手を打てる有効な温室効果ガス削減をやらないようなことにならないように、そういうことについて、ぜひとも日本政府は国際的に活躍してほしい。HFCをモントリオール議定書で扱ってはどうかという話が国際的な舞台の中、アメリカ等で提案されていますけれども、これについてはぜひポジティブに対応していただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、今、オーバーシュートとか、そうでなくても温室効果ガスが当面増えていくという中で、ティッピングポイントとかポジティブフィードバックという問題があるわけです。また異常気象も心配です。そういう中で、CFC、HCFC、HFCを日本だけではなくて途上国も含めてしっかり回収する、破壊するということのイニシアチブをとることは非常に大きな貢献になるのではないか。年間20億トンのうち、例えば15%減らすのに日本が貢献したとしても、それは3億トンになり、これはまさに日本の温室効果ガス排出量の25%に当たるわけなのです。これほど大きな気候安定化への貢献の可能性のある分野について、ぜひ注目して取り組みを強めていって欲しいと思います。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございます。京都ガス以外のフロン、CFCを中心としたものは一部の人にしか知られていないと思いますので、重要なご指摘かと思います。それでは、長谷川委員。

○長谷川委員  2点コメントさせていただきます。
 まず、フロンの関係でございますけれども、温室効果ガスの排出を可能な限り抑制するという観点からは、京都議定書で対象外とされておりますフロンへの対策を行うことも極めて重要な課題と受けとめております。この点、日本が有しますフロンの回収・破壊の技術やノウハウを活用して、これから新興国や途上国に協力していくことによりまして、今後の大気中への放出を未然に防いで、地球規模での温室効果ガスの排出削減が可能となるかと思いますので、政府におかれましては、途上国でのフロンの回収・破壊への取り組みを政策面でも後押ししていただくのがよろしいかと思います。
 2点目でございます。先ほど、森林吸収源の財源についてご質問をされた委員の方がおられましたけれども、お答えを聞く前に甚だ僭越でございますが、産業界といたしましては、かねてより技術革新の阻害要因となるような地球温暖化対策税につきましては、来年4月からの税率の引き上げの見直しのみならず、税そのものについて抜本的に見直していただきたいという提言をしてまいりました。
 つきましては、これからエネルギー価格の上昇がまだまだ見込まれる中で、今後の景気回復の足かせとなるような財源の確保策は避けてご対応いただきたいと思っているところでございます。
 以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございました。では、原澤委員、お願いします。

○原澤委員  農林水産分野についてコメントを1つと質問を1つ。
 資料2の7ページに森林吸収源として 3.5%を確実にやっていくべく対策を打っていくということで、これは非常に重要なことですので、 3.5%という目標を目指して対策をしっかりやっていただきたい。先ほど、委員の先生からもお話がありましたように、単に吸収源だけの話ではなくて、森林全体をうまくマネージしていくということで、特に8ページにございますような、例えば温暖化への適応としての山林の問題もあると思います。この数年、豪雨等で土砂崩壊等があったりする。それは山地防災力をこういった対策で強化できるということで、これも一種の適応策になるのではないかと思います。ぜひ目標を定めてしっかり進めていただきたい。
 各分野の対策につきましては、先ほどのフロンもそうですし、廃棄物もそうですし、やはり目標を立ててしっかりPDCAサイクルを回して対策を進めていくことが重要ではないかと思いますので、その総体としての国の中期目標も重要性は変わらないのではないかと思います。それがコメントであります。
 もう1つ、質問ですけれども、同じ資料の3ページにバイオマス産業都市ということで新たな指定があったわけなのですが、これに関して、従来はバイオマスタウンということで多くの都市が指定されたのではないかと思いますので、そちらとの関係をお聞きしたいのが1点。
また8ページに戻って恐縮ですけれども、国産材利用について、例えばデータを集めるにも非常に難しい面もあるのではないかと思いますけれども、国産材利用による木材製品等の関連施策として、順調に進んでいるかとは思いますが、状況を教えていただければと思います。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。次に藤井委員ですけれども、その後、村井委員、村上委員、大塚委員、進藤委員という順番でまいります。

○藤井委員  今の、原澤委員のご意見と多少繋がっているのですけれども、森林の伐採、木材製品のHWPは非常にいい制度だと思うのですが、実際には、利用者が利用しないと機能しないわけです。つまり、その利用者対策というか、利用者へのインセンティブ施策をどうしていくのかという点です。要するに、住宅を建てるときに木材を使う、それによってメリットを得るという場合、政策によって対応しないと進んでいかないので、その政策をどのように考えておられるのか。あるいはHWPの一定の目標のようなものがあるのかということをお聞きしたいと思います。
 もう一点、廃棄物のごみ焼却による CO2発生の問題なのですけれども、エネルギーを回収すると、当然FITの対象にもなっているわけですが、ご説明の中に、エネルギーを回収しているからいいのだというようなニュアンスが若干ありました。しかし、FITの対象とは言っても、実際にごみ焼却からGHGが出る仕組みなので、やはりここも CO2対策をやらなければいけないと思います。
 具体的には、例えばFITの価格にGHG削減分のコストををオンにするとか、あるいはFITの条件としてオフセットを使うとかの手法が考えられます。ごみ焼却発電は、事業者が意識的に廃棄物焼却をやるわけですから、それによって CO2を出すものについて何らかの回収策をセットで進めていかなければいけない。オフセットについては、新クレジットを今年から環境省、経産省合同でやっておられると思うのですけれども、そのクレジットの買い手として、まさにこういったごみ焼却発電の事業者はなり得ると思います。この点もバラバラで進めるのではなく、制度同士を繋げていかないといけないと思います。、リサイクルをやっているからいいではないか、ということにとどまっていると、GHGが追加的に出ることとの間で、政策の整合性に欠くのではないかと思います。この点についてのご意見をお聞きしたいと思います。

○山地委員長  ありがとうございました。では、村井委員、お願いします。

○村井委員  私も原澤委員と藤井委員と同じようなことをお聞きしたいということで、今までは森林から出たところ、伐採した時点だということですけれども、今回、製品というのは純化したものなのか、あるいは物によっては合板的なものが出てくるでしょうし、その辺のルールというのはこれからお作りになるのでしょうか。それが1点です。
 それと、藤井委員とバッティングいたしますけれども、逆に言いますと、このメリットは誰にあるのか。それは加工業者にあるのか、エンドユーザーにあるのか。もしこれがエンドユーザーに何かあるのであれば、また別のお話ですけれども、3%のエタノールやバイオガソリンなどでもエンドユーザーにもっていくのか、あるいは場合によっては製油会社に与えてしまうというのもあるでしょうし、このHWPの持って行き方によってはまた別のところでも参考にならないだろうかと思って拝聴しておりました。その辺をよろしくお願いします。
 もう一点、私、猫の額ほどの農業をやっているのですけれども、堆肥とか緑肥ということで、ソルガムとかいろいろな麦を植えて、それを緑肥として利用しているのですが、今まで炭素を貯留するという発想が全くなかったのです。この辺はPRといいますか、農業関係者、農業団体もいらっしゃるかどうかわかりませんけれども、今後PRされていかないと、我々としては作物を作る観点からしかやっていない、私個人的にはそのように思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○山地委員長  ありがとうございました。村上委員、お願いします。

○村上委員  何人かの委員が既に発言されましたが、フロンのことで発言したいと思います。
 資料1の別添1にHFCの増加が出ていますけれども、2000年から大変に増えていまして、2000年というのは、日本国が国を挙げて低炭素化に取り組んだ時期なのに、一方でHFCが非常に増えているのは極めて奇異なことでございまして、HFCに限らず温暖化係数の高い物質は、どちらかと言いますと数値目標を上げて、禁止する方向の施策を進めていただきたいと思います。
 一方で、中根委員がおっしゃいましたけれども、非常に大きなストックがあるわけでございまして、この回収は大変に難しくて、日本でもそれほど高いとは言えないのですけれども、それでも日本人は生真面目ですから、海外の先進国に比べればかなりいいわけなのです。ですから、これは技術の問題よりもある種の社会システムを整備して海外に輸出する。そういう回収までをぜひ日本として整備していただきたいとお願いしたいと思います。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。大塚委員、お願いします。

○大塚委員  それぞれについて1点ずつお伺いしたいのですが、フロンに関しては、中根委員とか村上委員がおっしゃったとおりで、私もそのとおりに思います。前から発言していて、一部からは、途上国を中心としたフロン回収・破壊の大問題がかなり指摘されてきたのですが、経済産業省さんと環境省さんの対応が必ずしも早くなかったのかなと思っているところはあるのですけれども、二国間クレジットを含めて、この点はぜひご対応いただきたいところなので、現在の状況と今後の取り組み姿勢について教えていただければありがたいと思います。
 それから、農林水産分野に関しての地球温暖化対策についてです。これは簡単なことで恐縮ですが、4ページ左下のところについて先ほどご説明があったのですけれども、周辺の営農上問題がないような場合、あるいは営農上農地について問題がないような場合について、そもそも許可を必要とすることが適当かどうかという問題があるのではないかと思うのですけれども、何かそれが当然のようになっているので、再生可能エネルギー促進の観点からの規制緩和ということを考えると、許可を当然必要とすること自体がどうかという気もするので、ちょっとこの辺について教えていただければありがたいと思います。
 それから、廃棄物分野です。16ページあたりから出てきますけれども、全国産業廃棄物連合会さんが環境自主行動計画には参加されていましたが、低炭素社会の実行計画のほうにはご参加なさっていないので、環境省さんの問題ではないかもしれませんが、環境省さんの枠の中にいらっしゃると思うので、今後どのようになりそうかということを教えていただければと思います。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございます。次は進藤委員ですけれども、その後、菅家委員、野村委員、辰巳委員という順番で行きますので、よろしくお願いします。では、進藤委員。

○進藤委員  1点だけ申し上げさせて頂きます。先ほどから何人かの委員が言われています森林吸収源対策の財源についてであります。いわゆる環境税、実態は石油石炭税の上乗せ部分のところなのですが、これを財源にすることはぜひ避けていただきたいということです。資料には何も書いていませんが、もしそういうことをお考えであれば避けていただきたい。
 この環境税の導入のときには、議論がいろいろありまして、これを一般財源化して、森林吸収源、いわゆる森林の整備に使ってはどうかという議論があったわけです。我々産業界としては、環境税の意味合いというのは、価格を上げて化石燃料の使用を落とすという価格効果を狙うのであれば、相当上げなければいけないので、これはやるべきではないという議論をしていました。それでは薄くということで、3年かけて 2,400億ということだったのですけれども、ガソリンスタンドを電力をチャージするような形に直すための補助金に使うとか、そのような議論で、あくまでも「エネルギー特別会計」の中に位置付けるという議論で導入したわけなのです。そういう意味では、明確に森林吸収源対策に使うということは決めないでスタートしたと理解しています。
 いまや大震災の後、原発が停止して、化石燃料に全面的に頼らざるを得ない中で、税金がかなりそこにかかっている構造になっているわけですので、税収としてはふえているわけですけれども、だからといって、これを森林吸収源対策に使うということはぜひ避けていただきたい。結果として税収環境が変わったからといって、知らぬうちにロジックが変わってくるような議論になる心配をしておりますので、そうならないようぜひお願いしたいと思います。

○山地委員長  ありがとうございました。では、菅家委員、お願いします。

○菅家委員  意見書を出させていただいておりまして、本来ならば前回までに出して発言するべきだったところであります。
 ポイントは2つでございまして、1つは、2020年までの削減目標のあり方についてでございます。今、日本政府は90年比で25%削減目標を掲げているわけでありますけれども、この見直しは原発事故など不可避と考えておりますが、ただ、そうであっても、削減自体は数値目標を掲げなければならないと考えているところでございます。
 これは私が考えているということではなくて、カンクン合意によって求められている国全体の定量目標が世界全体の共通目標の達成に向けた各国の2020年地点での数値目標であって、行動計画などでは国際的な合意そのものに反すると考えているわけでございます。
 さらに申し上げますと、今申し上げたのはカンクン合意のことでございまして、今COPでは、さらに2020年からスタートすべく新たな法的枠組みの構築に向けた議論、そして2030年の数値目標によって努力していくといったようなことが今、まさに国際交渉で話し合われているわけであります。そういったことも考えますと、目標とその目標を達成するための計画の2つをセットで国際社会に示していく必要があるのではないかということでございます。
 なお、基準年のあり方について、この会議でもこの間議論されてきておりますけれども、基準年というのは、気候変動枠組条約によって定められている基準、すなわち90年比ベースでございまして、仮に違う基準を設けたとしましても、国際的な議論の中では90年比として扱われざるを得ないということだと思っておりますので、基準年を変えることにつきましては、目先を変える程度の意味しかないのではないかと考えているところでございます。
 2点目でありますけれども、今申し上げましたのは削減目標のあり方でありまして、具体的な目標の数値についてどう考えるかでございます。基本は、やはり環境基本計画において2050年、日本政府として、国全体の目標として80%削減していくのだという道筋について定めているわけでありまして、そこにどうやって到達するのかということを基本的な考えに置くべきだと考えております。
 昨年9月に革新的エネルギー・環境戦略が定められたわけでありまして、今、その見直しの議論を行っていることは承知しておりますけれども、私といたしましては、革新的エネルギー・環境戦略で掲げられた2030年の目標、おおむね2割削減というところに向かって、2020年については5ないし9%削減をするといった目標を掲げたわけでございます。今の我が国の状況を勘案すれば、この数値は国際的にも説明のつく十分達成可能な目標だと考えているところでございます。
 ちなみに2009年、麻生政権のときに目標が示されたわけでございまして、それは2005年比で2020年15%削減という目標であったわけでありますけれども、これを90年比に換算いたしますと8%という削減目標でございまして、革新的エネルギー・環境戦略で定めた5ないし9%削減という数値とおおむね合致しているのではないかと考えているところでございます。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。それでは、野村委員、植田委員、辰巳委員、杉山委員の順にお願いいたします。

○野村委員  トップランナーのような制度がコスト的に効率的であるためには、経済学的にかなり厳しい条件が必要なのではないかと思いますし、また一方では、例えば最初の政策はコスト効率的であったとしても、その次のアディショナルなものに関しては、一気にコストが高まるような実証的な分析もございます。
 フロンの今回の削減費用に関してなのですけれども、50.9%の実現、過去の実績はすばらしいと思うのですが、将来的な負担感というのが資料1の別添4にある試算ですが、1つの事例なのかもしれませんが、むしろコストはマイナスであるとなっています。つまりグリーンと成長を両立できるというようなシナリオになっているわけです。そうだとしますと、なぜ今、民間事業者がそこまで乗り出せないのかという当然の疑問が存在するわけですから、やはり隠れた費用があるか、あるいは何か経済的な市場の失敗のようなものが存在しているのだと考えられます。
 そうした折り重なった市場の失敗を、政府がたまねぎの薄皮をむいてあげるように一つずつ解決してあげることによって、これだけコスト効率的にフロンの削減ができる、将来に向けても実現可能なのだという姿をぜひみせていただければ望ましいと思いますし、もしそういう対策にはなりえないのであれば、今度は費用負担を国民に明示すべきです。それは生産者における負担になるのかもしれませんし、彼らの賃金の減少になるのかもしれませんし、あるいは価格にうまく転嫁された際には消費者の負担ということなのでしょうし、それが国際的な負担感からみてどれだけ乖離するのか試算を明示する必要があると思います。国際水準から乖離した日本のみの対策では、世界全体ではマイナスになってしまうかもしれません。
 また、日本の50.9%の実績という意味では、それが有効な政策手段であったのかさらなる検証が必要とは思いますが、世界へどれだけ展開していけるかということは一番重要な課題になろうと思います。将来の試算と国際的な展開について、より明確なシナリオを検討していくべきと思います。
 以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございます。それでは、植田委員。

○植田委員  1点目は、農林水産や廃棄物、いずれも似ているところがあると思うのです。それぞれの分野の当然なすべきことがあるのですけれども、それに加えて温暖化対策をする。最近はエネルギーも一緒に考えないといけないというようになって、目的が複数になってくるということがあると思います。
 それから、農林水産などは典型的ですけれども、地域によって課題が違う、そういうところがあります。ですので、大きな枠組みとしての政策とか方針という点ではこういう説明になるのかもしれませんが、私はどちらかというと、これからは成功事例みたいな、どうやったらうまくいくのか、誰がどのように進めたらうまくいったのかというようなもの、事例集のようになるかもしれないですけれども、成功のための一種のノウハウを地域で共有してもらわないといけないので、そういうやり方を普及しないと進んでいかないのだと思います。そういうものを集めていく、あるいは普及させていくようなプログラムをぜひ考えてほしい。これが1点目です。
 2つ目は質問みたいなことなのですが、廃棄物のバイオマス発電というお話があって、これは固定価格買い取りでということですが、バイオマス発電は、未利用木材とか未利用残材のようなものになりますと、集めてくるのに非常に費用がかかってなかなか難しいわけです。あるいは、今からそういうことを考えないといけないというようなことでしょうけれども、廃棄物発電は原燃料を集めるのがもうできているというようなことになるので、進んでもいいのではないかと思うのです。ですので、現状とどの程度進展しているかというようなことと、何か課題があるようでしたら、そこを整理してお伺いしたいということです。
 以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございました。それでは、辰巳委員、杉山委員、角田委員、秋元委員、村木委員の順にお願いします。それでは、辰巳委員。 

○辰巳委員  まず1つ、3つを通じてなのですけれども、国の施策に対しての産業界の取り組みというようなイメージのご説明だったように私は受け取りまして、こういうところで生活者不在、消費者不在だということを常に感じるのですが、こういう施策においても、ご説明のポンチ絵にしても、やはりもう少し国民も巻き込むことがみえるようにしていただきたいと思いました。
 もう少し具体的に申しますと、例えば代替フロンの話なのですが、私、たまたま、ことし、ちょうど7年目に入るのですけれども、使っているエアコンが使えなくなりまして、業者を呼んだところ、冷媒が抜けていますといわれてしまって、私は普通に丁寧に使っていただけなのにそんな状況になっていて、誰が悪いのですかと聞いたら、メーカーが悪いのか、とりつけ業者が悪いのか、私は何ともいえませんと調べに来た方がおっしゃったのです。そのようなことがあって、そのとき私は大気に対してすごく悪いことをしたなと思ってしまったのですけれども、そのように使用中の漏れというのがいろいろなところであり得ると思うのです。
 それで、きょうのご説明の中では、大量にお使いになっている事業者に対してはいろいろチェックをするような義務がかかるとかなんか、そんなお話ですけれども、家庭でのところはどうにもならないのです。そういうことを家庭にいわれても家庭ではできませんもので、そういうところをどのようにしていくのか。漏れるのは仕方がない、機器を設置する事業者にちゃんと勉強してもらうということなのかなという気もするのですけれども、ことしはそういうことを非常に感じました。
 それで、結局、廃棄の話につながるのですけれども、家電リサイクルでエアコンというのは銅などの有価なものが多いために、なかなか家電リサイクルの正規ルートに回らないまま、市中で無料回収されてみえないフローに流れていくものがとても多いということで、そういうところに流れたもののフロンに対しての取り締まりができているとは私は決して思えませんもので、環境省、経産省の同じお役所のお仕事ですので、そのあたりをきちんともう少し連携してやっていただきたいと思っております。
 続いて、農水省のご説明のことなのですけれども、農水での産物等というのは全く私たちがいただくものであって、生活者と必ず太いパイプでつながっているはずなのに、よくみえないなと。先ほどから何度か皆さん方からもあった5ページでご説明いただいた伐採木材製品の取り扱いのお話も、まさにこれはとてもいいことだと思っているのですけれども、今、林野庁さんが国産木材の利用をエコポイントで進めておりますよね。そのようなお話も全然認知度が低いと思っておりまして、だから、やはりインセンティブ云々の話も、そのように取り組んでおられるのはまだまだ認知されていないし、先ほど申し上げた国民に伝わっていない。それから、さっきのお肉を育てるのにリジンを利用して云々のお話だって、そのようにして育てたものは低炭素と考えていいのかどうかわかりませんけれども、少なくとも私たちが選ぶときに、ほかのものよりかちょっと価値があるのだということをわかるようにしていただくとか、そういう消費者とうまくつなげていこうというお話が全然みえないのがすごく残念だなと思っています。
 あと、廃棄物のお話ですけれども、3Rは重要というお話があったのですが、リデュース、リユースがもっと重要だというお話が今回、環境省の中でも出ていましたよね。だから、そこのところをもっとアップしていってほしいと思っておりましたが、結局そうではなかったもので。やはり CO2削減も重要ですけれども、資源の削減もとても重要なお話で、先ほど植田先生もそのようなことをおっしゃったと思うのですけれども、そういうことでリデュースにすごく貢献しているもの、あるいはリユースも含めてでしょうけれども、そういうのを私たちに伝えてくださることによって選択につながり、社会の全体が変革していくというところをもう少しみせていただきたいと思った次第です。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。では、杉山委員、お願いします。

○杉山委員  私から事前に資料提出させていただいていまして、参考3で2番目の意見ということで、参考3の紙を2枚めくっていただきまして、「代替フロン、吸収源、バイオエネルギー対策について」ということで、これに沿って意見を申し述べさせていただきたいと思います。時間に限りがありますので傍線を引いたところを中心に、全部で5点あるのですけれども、お話しさせていただきます。
 1つ目ですけれども、先ほど冨田委員からもお話しありましたし、ご説明でもそうだったのですが、今回、冷凍空調部門の今後の規制についてのお話があったのと、過去、産業部門において代替フロンが減ってきたというお話があったと思います。
 過去、産業部門において代替フロンが減ってきたというところについてですけれども、これについてはまさに日本の産業界がやってきた自主的取り組みの非常にいい成功事例になっています。ここで取り上げているのは電力部門におけるSF6の削減、これは代替フロンの1つです。それから、半導体産業でも包括的に製造工程におけるフロンガスの排出削減に取り組みまして、どちらも非常に速やかに、ほかの国と比較してもはるかにすぐれた取り組みを実施してきております。これが自主的取り組みという枠組みの中で行われたということで、これは日本の自主的取り組みの成功事例であるという認識を共有していただいて、今後の施策の検討に反映していただきたいと思っています。
 もちろん、この取り組みは産業部門の取り組みですので、先ほど来ご説明のある冷凍空調分野のように機器があちこちにあるようなものとは政策手段は当然違っていいのですけれども、それはそれとして、この過去の成功事例はきちんとご理解いただきたいと思います。
 これについては、それぞれについてレポートを書きまして、本日の資料には参考資料と書いてあるのですけれども、これはこの委員会が終わった後に事務局さんにお願いして委員の皆様にごらんいただけるように、ホームページ等を通じてアクセスしていただけるようにしたいと思っています。
 次の2ページ目の下のほうをみていただいて、これから吸収源についての話を少しします。吸収源の議論というのは京都議定書のときは割と短期的な、10年後ぐらいの議論をして、今もそれの経緯を引きずっていると思うのです。ただ、温暖化問題の本質というのは、やはり50年、 100年たってどうかということである。そうすると、きょうご説明頂いた資料もそうなのですけれども、林業の一部、用材を生産することを前提にして組み立てていると、いつかその木は切るという話になってしまうので、実は CO2をどれだけ固定するかどうかということがよくわからなくなってしまう。本当に今、温暖化対策の観点で知りたいのは、これから50年後、 100年後に向かって日本の森林の炭素の蓄積量がどの程度ふえるのかということで、今、国際交渉の世界で短期的な算定量のルールにのっとってやるのは、そういう流れになっているのでそうだと思うのですけれども、ただ、本質を見失わないように検討しておく必要はあると思っています。
 その次の3ページのところですけれども、吸収源とバイオエネルギー、特に吸収源についてですが、たくさんの施策のご説明があって、ただ、これが温暖化対策としての是非はどうかといわれると、ちょっとよくわからなくなる。というのは、先ほど冨田委員からもご指摘ありましたけれども、森林にはいろいろな機能があります、地域の環境保全する機能があります。それから原澤委員は、防災といった機能がある、森林には多面的な機能があるということをおっしゃった。ほかにも用材を生産するという機能もあるでしょうし、そのいろいろな機能に比べると、 CO2の機能というのは実はごく一部にすぎないのではないか。もともと CO2がなくてもやっていた話でありますし、 CO2の対策としての是非で進めるというよりは、本来の森林の管理、利用の仕方の是非をまず問うべきで、それでゴーサインが出たときに CO2が固定されれば、もちろんそれはいいことですが、ただ、 CO2に寄与するからという理由だけで林業政策としてそれの是非というものはきちんといえない、判断できないと思っています。
 これに関連して、多面的機能というのはこれまでに政府試算があるのですけれども、率直に申し上げて、暫定的なものでちょっと粗いところもあるので、それについてはもっと徹底的に考え直す必要があると思っています。小生の提出資料にベースラインの設定と書いてありますが、例えば用材生産している森林の価値を考えるときに、はげ山と比較したときの価値と雑木林と比較したときの価値は全然違うはずなのですけれども、今のところの政府試算ではそれが明確には分類されていないと思っています。
 その次、ちょっと細かい話が続いて、5ページの下から2つ目のパラグラフで4とありますけれども、今申し上げましたような多面的な機能とか CO2の固定の役割、こういったものをよく考えないといけない。これもどなたかおっしゃいましたけれども、森林にはいろいろな機能があって、やり方によっては、例えば炭素固定を最大化するような森林の管理というのもあり得るかもしれないし、用材の生産をやってきちんと回すというやり方ももちろんあるかもしれないし、あるいは、財政負担を極力少なくして森林を維持するというようなやり方もあるかもしれない。これ全部を同時に達成するのは難しくて、トレードオフの関係が必ずありますので、そういった将来像を幾つか描いて、どれにするのですかという議論をするべきなのだろうと思っています。特に冒頭申し上げましたように、用材生産をするという話と炭素ストックをふやすという話はどこかでトレードオフがありますので、それは認識して検討しなければいけないと思っています。
 最後に、5点目のところですが、バイオエネルギーのバイオマス産業都市のご説明がありましたけれども、あのうちのプロジェクトの幾つかについては、私も資料を読ませていただいたりして勉強しています。そのとき思ったことは、実証試験をやってもこの先があるのだろうかと。経済性が改善して大規模に普及していくという見通しがどうも私にはみえない話が幾つかあったわけです。いろいろな形で政府補助が続くことを前提として事業を組み立てるような話があって、そういうことであれば、そういった実証試験をやるということよりは、もっと基礎に返って根本的に採算が合うようなやり方を考えなければいけない。例えばバイオテクノロジーのようなものにもっと重点的に投資するとか、そういったことが大事なのではないかと。
 これについて、いろいろな実証試験をやるという点では、前あったバイオマスニッポンとかの中でバイオタウンをどなたか研究しておられましたけれども、2011年の総務省の行政評価でかなり辛口の厳しい意見があったと思います。これについての反省を踏まえて今やっておられると思いますけれども、それについてもお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。それでは、角田委員、お願いします。

○角田委員  主婦連の角田でございます。
 最初にフロンの説明をいただきました。大変評価できる内容のお話をお聞きしまして、とてもうれしく思いました。産業界における自主的な取り組みというのはなかなか効果がみえないものですけれども、これが如実に出てきたということを伺って、しかも新しい法律とこれが相まったときに、もっと効果が出るのではないかと、これは強い思いでございますが、期待するわけでございます。
 今、フロンの問題は国際的にも規制の強化にあるということは誰もが知っていることでございますけれども、フロンは色がみえない、におわない。みんなに対してどう知ってもらうかということで、フロンのみえる化ということで私たちは表示をしてほしいという取り組みをしたり、それから、空気の汚れを調べるために二酸化窒素の測定をしたり、子供たちと一緒に取り組んでいるわけですけれども、このフロンの問題だけはなかなか難しくて、アンケートをとりましても余り理解がされていない。例えばフロンというのは、レジ袋を私たちは1枚でさえもお断りして地球環境にいい形の態度を示そうとするのですが、フロン1キログラムでレジ袋が10万枚ということなのです。それほど大きな影響をもつということを国民に十分知っていただくような形をとらなければならないのではないか。
 今、中古住宅がどんどん新しく建てかえたり改造したりされるときに、クーラーなどでも現場では知らない事業者が壊しているのです。大変なことをしているではないかという話をしましても、現場では知らない。先ほど自分の家のクーラーのガスが漏れていたという話を聞きましたけれども、この話はざらにあるわけなのです。だから、やはりこのことをもっと詳しく知らせるような形がなければ、民生、消費者側へのアピールが非常に少ないのではないかと思っております。
 それから、お願いしたいことは、製品の開発とか処理における事業者の教育をぜひしっかりとやっていただきたいのと、今まではバッシングが多いのですけれども、開発した、それからいいことをした、減少したというようなときには評価をする。経済産業省のあたりではぜひその部分を評価して、時には税のことも考えるような工夫も必要なのではないかと考えております。
 もう間もなく、7年後にはオリンピックということですけれども、そのときまでに日本はこんなすばらしい国なのだという、その1つが環境問題であるといえるような形にぜひしていただきたいと思っております。

○山地委員長  どうもありがとうございました。それでは、お待たせしました。秋元委員。

○秋元委員  申しわけないのですが、重複になりますけれども、2点だけ。
 代替フロンの件に関しては、海外にどう展開するのかという日本の攻めの外交戦略の中で、やはり国内で成功した部分を海外にいかに展開していくかという戦略がきょうの資料には余りなかったと思いますので、その戦略を構築していくべきではないかというのが1点目です。
 2点目は農林水産のところですけれども、やはりこれも委員から既にたくさん意見がありましたが、コベネフィットが非常に大きいということはよく理解するものの、そうはいっても費用対効果がどうなのかということは農林水産の分野でもしっかりみていかないといけなくて、その中で妥当な対策をとっていくべきだと思いますので、ぜひその辺の検証をしながら対策をとっていってほしいと思います。
 以上、2点だけです。

○山地委員長  ありがとうございました。では、村木委員。

○村木委員  全然違う分野から、私、都市づくりをやっておりますので、その観点から一言だけ申し上げさせていただきたいのです。
 今日の農林水産分野におけるという資料ですが、例えば3ページにバイオマス産業都市のイメージというのがあります。こういう都市レベルでいろいろなことを考えていくといったときに、施設をどこに作って、それが地域にどんな恩恵があり、産業がどう回り、地域の活性化がいくかというときには、立地などというのは比較的多くの分野を超えて計画等をすることがあると思います。これはいいと思うのですけれども、都市づくりをやっているサイドからしますと、次のページに出てくる左下の農業と再生可能エネルギーの両立が図られている事例、これも確かに農地の中で太陽光パネル等の設置は2つの可能性を実現化することができるという観点ではいいと思うのです。しかしながら、優良農地は多くの場合、集団で存在していて、そういうところに土地の所有者が太陽光パネルを置きたいといったときに、いろいろな農地の中にばらばらに太陽光パネルが出てくる。この価値をどのように説明するかといったときに、2つのものができるというベネフィットと、それとも、その地域全体がもっている地域価値みたいなものがどのように存在していくのか、それをどのように評価していくのか、これは説明を求められたとしても非常にやりづらいのですが、その辺を検討するようなことも必要だと思います。
 これは欧米とか――アメリカは余りないかもしれませんが、ヨーロッパへ行くとどこにでも太陽光パネルがあるというわけでないのは、そういう地域価値を考えながら再エネの導入を検討しているからだと思いますので、その辺、少しご配慮いただけるといいのではないかと思いました。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございます。川戸委員。

○川戸委員  いろいろなご意見、アイデア、本当にこれが全部実現すればいいなと思って聞いておりましたけれども、そのためには財源が非常に必要でございます。そこら辺が本当にできるのかどうか。というのは、今、本当にお金がなくて、例えば復興だとか、それから国土強靱化に使いますよね。また、オリンピックがこれだけ盛り上がってくると、こちらのほうにお金が行ってしまうのではないかという心配もいたします。
 そのときに、やはりバックアップするのは世論の形成だと思うのです。1つは、先ほどもご指摘あったように、やはり消費者を巻き込んで、これが大切だということを皆さんに知らせること。それと同時に、私たちメディアからしますと、地球環境の整備、地球温暖化に対してどう対応するかというところがテーマとして非常に低くなっているような気がするのです。だから、ここら辺をどう盛り上げるか。例えば、今、気候変動で竜巻が起こったりとか、サンマがとれなくなったりとか、いろいろありますけれども、こういう身近な問題と関連して、もう少し世論を盛り上げる工夫をしていただきたいと思います。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。一応一巡したと思いますが、ご発言のご希望がありましたらいかがでしょう。では、豊田委員代理の工藤さん、お願いします。

○豊田委員(工藤代理)  ありがとうございます。簡単に。
 特に国内の視点の取り組みが多かったと思うのですけれども、そこで上げられる実績等は、国際的に戦略的な貢献、展開の可能性がかなりあるなと感じました。例えば空調機の市場は、今後アジアがコアになっていきます。日本の数倍規模の空調機市場が中国にあるという現実。そういうことを踏まえて将来的にどのように取り組んでいくのかという視点は、やはりフロントランナーとしていろいろ考えていくことが大事ではないかと思います。
 吸収源も実はポテンシャルという観点ではものすごく大きい。これは裏を返すと森林消失が進むとリスクが大きいということになって、その分野のマネジメントを今後どうしようかという途上国側の意識がかなり顕在しております。そういうものは、恐らく国境を越えた国際的な協力関係が非常に重要になると思っておりまして、国際基準をつくろうというようなさまざまな動きがあることを、今後国内での取組を進めながら、国際的な視点でみていくことが大事と感じた次第です。
 以上です。

○山地委員長  どうもありがとうございました。委員の皆様からコメントとともに幾つかご質問もいただきましたので、残りの時間で事務局及び関係省庁から回答をお願いしたいと思います。複数の省庁にまたがる部分もあるかと思いますけれども、一応今日ご説明いただいた順番にまずお答えいただいて、最後、事務局にと思います。したがって、最初はフロンに関して、これは環境省と経産省、両方かと思いますが、よろしくお願いします。

○熊倉地球温暖化対策課フロン等対策官  ご意見どうもありがとうございました。お答えできる部分はお答えしたいと思います。
 まず1点目、非常に多数の委員の先生方から、途上国のフロンが垂れ流しであって、日本の制度、システム、技術を国際的に展開し、海外貢献すべきだというご意見でございました。おっしゃるとおりと考えてございまして、この方向でぜひ検討したいと思います。
 現在行っている取り組みでございますけれども、従来より途上国でセミナーの開催等により日本の取り組み、制度、そういったものを発信いたしまして、現地のキャパシティービルディングというのをやってまいりました。最近、JCM、二国間クレジットの話もございましたけれども、省エネルギーになり、それから気候変動枠組条約の対象であるHFCを代替して自然冷媒でといった機器の設備導入補助を海外で展開するといったようなものについては、今年度から着手をしてございます。
 一方で、今日話題もございました回収・破壊という日本の優れたシステム技術があるわけですが、これが海外でどう展開できるか、ないしはJCMで活用できるのかなど、このあたりは課題でございまして、今年度、実現可能性調査ということで今研究しているところでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、二国間クレジット制度は気候変動枠組条約の世界でやっているものでありまして、今日ご議論ありましたモントリオール議定書との垣根を越えるというところになりますと、法的な整理が必要かと思います。ご指摘あったように、HFCについては、モントリオール議定書、それから気候変動枠組条約のCOPの世界でも議論が始まってございますので、前向きに対応したいとは思いますが、外務省、経済産業省とご相談の上、今後の対処方針を考えてまいりたいと思います。
 それから、野村先生から、これから排出削減のための規制等を積極的に進めていくということで、コストがどうなのかというご指摘がございました。これまで規制は回収・破壊の部分しかなかったわけで、今回の法改正でユーザーのところも法規制が入ったということで、必要性が認識されて、これまで余り考えていなかったところに腰を上げていただく良いきっかけになったのではないかと思います。
 ただ、設備というのは設備更新まで時間がかかるものですので、そういうタイミングでないとなかなか変えていただけないという事情もあるかと思いますけれども、今度の日本再興戦略でこういった設備投資を促進するさまざまな制度が導入されるというお話もありますので、そういったものも1つ後押しになろうかと思いますし、環境省、経産省でも補助制度の拡充を考えてございますので、こういった点での後押しをしてまいりたいと思います。
 それから、村木先生、角田先生から、家庭をどうするのか、そういったところの対策も必要ではないかというご指摘がありました。おっしゃるように、規制という意味では大規模な漏えいをするような事業者が規制の対象、点検をしっかりやりなさいということでございますが、家庭についても、まずはフロンの問題を知っていただくというのが大事かと思います。改正法の中では、GWP、温室効果、どういう冷媒を使っているのか、そのあたりを表示することを機器のメーカーにお願いするという制度がございますので、こういったところから始めまして、具体的に漏れないようにする点検とかその辺の普及啓発のやり方については、またよく検討してまいりたいと思います。
 それから、角田委員から、建物建てかえ時にクーラーがそのまま壊されて漏れているというようなお話もございました。これは審議会のフロン小委員会でも議論があったところでありまして、規制制度という意味で建設リサイクル法というのがございまして、建物の解体時、いろいろ自治体が監督する制度がございますので、こういった建設関係のところとうまく連携いたしまして、フロンが漏れないようにというところも合わせ技で取り組んでいきたいと今考えてございます。ちょうど来月、建設リサイクルの関係で建設解体のパトロール月間のようなものがありますので、フロンの関係も自治体の関係部署が一緒に回るというようなことでやってまいりたいと思ってございます。
 私からは以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございました。それでは、農林水産分野について、農水省さんからお願いします。

○小坂森林整備部計画課首席森林計画官  林野庁計画課の小坂と申します。森林吸収源対策について多くのご質問、ご意見をいただきまして、どうもありがとうございます。私からご回答したいと思います。
 まず最初に、皆さんなかなかご警戒なところもあるみたいなのですけれども、住委員、長谷川委員、進藤委員から、安定的な財源、税の要望のご質問をいただいて、今どういう状況になっているのだ、どういう考え方なのだということだと思います。このことにつきましては、我々、第1約束期間 3.8%の吸収量を確保するということで、従来、吸収量を確保する上で人為性がないと森林のカウントができませんので、適切な間伐をしている山がカウントできるというルールの中で 3.8を確保するために、従来35万ヘクタールの間伐を毎年やっていたのを55万ヘクタールということで非常にペースアップして、いわゆるカウントできる森林を我々としては一生懸命ふやして、その結果、第1約束期間 3.8%の確保がおおむねできるような状況に今なっております。
 そういう意味では、従来に加えてかなりのペースアップで間伐なりをやってきたと。そのときに当然、財源が必要になってくるというのが我々の切実な状況でございます。そういう中、第1約束期間はどういうことをしてきたのかというのは、結局、毎年あるかわからない補正予算をうまく活用して、必要な財源の措置ができてきたということでございますので、我々としては、そういう対策を引き続き第2約束期間もやる上で、安定的な財源を用意しておかないと、特に現場で間伐をやる方々が継続して取り組んでいただく上でも、安定的に財源を確保するという姿勢を国としては示さなければいけないということで、実は第1約束期間のときからずっと環境税、安定的な財源という税制要望をさせていただいているところでございます。
 来年の税制要望の中でも、引き続きこういう状況でございますので、安定的な財源として例えば温対税の使途拡大、それについては進藤委員から経済界のご意見をいただきました。また、例えば新税であるとか、これはこれからの議論になるかと思いますけれども、そのような議論の中で税制要望していく、そんな状況になっておりますし、きょういただいた特に産業界のご意見は、当然我々も踏まえながら、これから要望なり検討をしていくということだと思っております。
 次に、冨田委員から、成長の早い苗木を植える、木ということもわかるのだけれども、要は生物多様性も含めて全体のバランスが重要ではないかというようなご指摘をいただきました。これは冨田委員のおっしゃるとおりでございます。まさに森林吸収源の考え方も、持続的に森林経営をやっていく。いうなれば、生物多様性を含めて、森林の多面的機能が持続的に将来も発揮できるような形で人為を加えていきましょうということが考え方のベースになっておりまして、1つの機能に特化した取り扱いはだめですという考え方になっております。
 こうしたことから、森林の取り扱いについては森林・林業基本法であるとか、山の取り扱いを定める全国森林計画であるとか、そういうところで公益的機能、多面的機能の調和、バランスがとれるような山の取り扱いとか、例えば伐採する量とか、そういうものをマクロ的にみながら進めているということでございますので、冨田委員のご指摘も踏まえて今後も適切にやっていきたいと考えております。
 次に、長辻委員から、農業の排出が31%で森林もかなりあるのはどういうことかというお話ですが、これは農林省の資料の一番最後に国際協力でREDDの話が出ていますけれども、世界的にみれば、林業というか、要は森林の減少、劣化が進んでおりまして、それによる排出が全体の排出の約2割に相当するのではないかということが問題となっております。このため、特にいわゆる途上国といわれる国々の森林の減少、劣化を食いとめるべく、REDDプラスという枠組みも今議論しているということでございます。
 次に、原澤委員からは、温暖化の対策、吸収源の対策の中で適応策が重要ではないかというご指摘をいただきまして、我々もそのとおりだと思っています。特にことしも日本各地でいわゆるゲリラ豪雨といわれる集中豪雨が降っております。最近、雨の降り方が昔と変わってきたというのは、データ的にもある程度示されているところでございます。そういうものにもきっちり対応できる山地防災力の強化を図るべく、いわゆる治山対策、治山事業を計画的に進めているところでございます。
 さらに、藤井委員、村井委員、辰巳委員も含めて、いわゆるHWPのお話をいただきました。HWPは我が国の森林・林業、木材産業を含めて非常に重要なルールだと思っています。木材のストックをどう図るかということでございますので、そのルールは簡単ではないという面がございます。今まさにIPCCのほうで今年度中に国際的なガイドラインをつくるということで作業が進められておりますので、そういうものを踏まえて我が国のHWPをどのように図っていくかということを林野庁としてもあわせて検討していきたいと思っています。
 さらに、木材利用に当たってはどんな施策をやっているのというお話もございました。辰巳委員の話の中でも、まさにことしから木材利用ポイントということで、住宅に木材を使っていただくとポイントを付与して、木材の利用を促進しようという施策もやってございます。辰巳委員から、消費者のほうがなかなかみえないというようなお話もありましたけれども、まさにそういうことを踏まえて国民の皆様、消費者の皆様に広くPRして、木材利用が吸収源というか地球温暖化のためにもなるし、山の整備にもなるということは進めていきたいと思っております。
 それから、杉山委員から参考の資料の中で林業のことをご指摘いただいて、非常に本質を突いたご指摘だと思っております。おっしゃるとおり、伐採しながら山を使っていくということになると、いつかはカーボンニュートラルというか平衡状態になります。我がほうが基本計画の中で見込んでいる世界でいうと、大体 100年後も生長量以上の木材を利用しませんので、引き続き我が国の森林は生長量というのですか、蓄積、ストックは下がりながらもふえていくと見込んでおります。特に、戦後一貫して我が国の森林は、いわゆる炭素のストックを増加してきております。でも、その増加のペースがこれから年々下がっていくという状況でございますので、そういうこともみながら対策。ですから、森林の若返り、例えば生長の早い木に植えかえるということを将来を見据えてやっていくことが1つ重要かなと思っています。
 それと、森林の多面的機能の試算とかB/Cの考え方ということは、我々は温暖化以外の世界でもいろいろ検討してやってきておりますし、温暖化という面で森林をどう捉えるかということも課題だと思いますので、そういうご指摘も踏まえてこれからも検討していきたいと思っています。
 ちょっと漏れがあるかもしれませんけれども、森林吸収源対策の関係は以上でございます。

○木内環境政策課長  森林吸収源以外のところでもご質問がありましたので、回答いたします。長辻委員から、グローバル・リサーチ・アライアンスに中国、韓国はどうかということなのですけれども、持ち合わせがないものですから、後ほど事務局を通じてご回答いたします。
 それから、原澤委員、杉山委員からも、バイオマスタウンと産業都市についてご質問がありました。バイオマスタウンというのがバイオマスの活用に重点を置いた構想だったのですけれども、今度の産業都市についてはこれから一歩進めて、原料の生産から収集、運搬、利用まで、経済性が確保されて産業創出につながるようなことを考えて、バイオマス産業を軸としたまちづくりという考え方で進めております。今までバイオマスタウンは市町村が基本単位だったのですけれども、複数の市町村、あるいは都道府県との共同、民間団体と一緒になった取り組みということに発展させております。経済性があるかどうかについては、まだこれからやらなければいけないところがいろいろあると思います。
 それから、大塚委員から、太陽光発電の土地をそもそも転用するということ自体についての疑問なのですけれども、もちろんご存じのとおり、農地自体は食料生産の場なので、優良農地については転用を規制しております。しかしながら、一部の部分については、今回の太陽光発電の場合は支柱部分、非常に面積が小さな部分ですけれども、そこの部分だけ、やはりこれは転用許可が要らないというわけにいかなくて、コンクリート、永久的に使えないような形になるということですが、一時転用で設置できるということをまず明確にしたということでございます。
 以上です。

○山地委員長  では、廃棄物につきまして環境省、お願いします。

○廣木廃棄物・リサイクル対策部企画課長  リサイクル対策部、廣木でございます。
それでは、大聖委員他何人かの委員から、廃棄物の温暖化対策技術の展開の話のご質問を受けましたけれども、これに対して特に途上国への展開に関しましては、我々もいわゆるコベネフィットのような形で途上国への展開を今度いろいろやろうとしているところでございます。いろいろフィージビリティースタディーなどもやりつつあるところでございます。そのところで大事なのは、やはり単なるハードをもっていくだけではなくて、ソフトであるとか、例えば収集をどうするかとか、廃棄物でもまた地域によって違いますので、そういったものを一体どのように展開していくかが非常に大事だと思っていますので、そういったものに留意しながら展開を進めていきたいと考えているところでございます。
 それから、藤井委員からございました、ごみ焼却の CO2、エネルギー回収しているからいいだろうという話なのではないか、というのは、まさにそのとおりでございまして、特にその中でも質が問われるような話だと考えております。そのためには、例えば熱回収の効率を上げるためにはより大規模化するなど、そのようなことが必要になってくるわけですけれども、これは今、自治体においてもそんな観点で進められるように、例えば広域化を図っているようなところもあります。ただ、そのようなことを進めるために循環交付金でも政策誘導を進めているわけなのですが、実際建てるとなると、これは植田委員の質問のところにも通じる話になるのですけれども、例えば新たに焼却施設を設ける、あるいは民間の産業廃棄物の処理施設もそうですし、またバイオマスの廃木材の発電施設もそうですけれども、新たな施設を設けようとすると、特に廃棄物処理施設ということになりますと、地域の合意を得るのが非常に大変であるというような実態がございます。我々もそこの点は何とか通したいと思っているわけでございますけれども、実際にはやはりそういうところがありますので、そこはいろいろ考えていかなければならないだろうと思っているわけでございます。
 それから、大塚委員から、全国産業廃棄物連合会の自主行動計画の後継計画の参加の話がございました。これに関していろいろな経緯は大塚委員ご承知のとおりだと思いますけれども、事業者が参加するに当たって排出削減努力がカウントされにくいということで、いろいろ主張している状況がございまして、合意に至っていないところでございます。これに関しては我々も粘り強く取り組んでいきたいと思いますけれども、廃棄物処理業者の方々は、体を張って、廃棄物という非常に皆が嫌がる部分に取り組んできたということで、我々が言ってそう簡単に、という話にならない部分もありますが、そこはしっかり取り組んでいければと思います。
 それから、辰巳委員からございました、なかなか国民に分かるようにならないし、また3Rの中でもリデュース、リユースをもっと強調すべきだというのはそのとおりだと思います。今回、廃棄物の CO2という観点からのプレゼンだったのでこのようになってしまいましたけれども、我々もその重要性、特に家庭における廃棄物の排出量は非常に重要だと思っています。その点は、例えば自治体等も含めて一生懸命取り組んでいるところは実際その成果も出ているわけでございますけれども、さらに取り組みを進めていきたいと思っているところでございます。
 以上です。

○山地委員長  どうもありがとうございました。それでは、事務局から何かありますでしょうか。――特によろしゅうございますでしょうか。
 それでは、本日の議論を踏まえまして、中央環境審議会の地球環境部会長としまして浅野先生から一言お願いします。

○浅野部会長 今日のご指摘で3点ほど重要な点があったと考えます。私たちは今、国内での対策の在り方ばかりを考えているように思われているのかもしれませんが、海外でどの程度の貢献ができるのかということをしっかり考えのうちに入れておかなければいけないわけでありまして、その点について、今日は多くの委員からご指摘がありました。この点を事務局でも十分に整理をしていただければと思います。
 それから、環境基本計画や循環型社会形成推進基本計画を扱っている審議会の立場から言えば当然の話なのですけれども、1つの政策が一つの目的だけのために動かすのではなくて、複数の目的を実現させるべきことがある、環境政策に関して言うと、低炭素、循環、生物共生という3つを同時に実現しなければいけないということは常々言われてきております。さらには環境と経済と社会の統合的向上をはかるべき、といったことを十分に踏まえた議論をやらなければいけないわけです。この部会では何となく温暖化のことだけを議論しているように見えるのですが、きょう複数の委員からご指摘がありましたように、やっていることは必ずどこかで他の目的にも繋がっていくということを十分に意識し評価していくことは重要なことだと思います。
 それから、植田委員、大聖委員、あるいは村木委員からもご指摘がありましたが、特に農水、廃棄物処理、あるいはバイオマス利用という今日のテーマに関していうと、地域性というキーワードが本当に重要なことであり、国が方針を決めれば、それで何でもがそのとおりに動くというわけにはいかないだろうと思います。このあたりをきめ細かく考えるべきではないか、という委員のご指摘はこれもまた重要な点だったと思います。
 なお、成功例についてもっときちんと調べるべきという植田委員のご指摘があったので申し上げますが、環境総合研究事業等でもこの分野に関する研究を随分費用をかけていろいろに取り組んでいるはずです。その成果をもっとしっかりと政策場面で生かす努力しなければいけませんので、これは環境省の研究所管の部局や関係府省の部局でよく情報を交換して、こういう部会の情報の整理にもそれらが生かせるようにしていただきたいと要望いたします。

○山地委員長  どうもありがとうございました。実は私も今の浅野部会長と全く同じ感想をもちました。これは非エネルギー分野だけではなくて、エネルギー分野もそうですけれども、やはり国際的な視点はすごく大事かと思います。
 もう1つは、これはある意味、きょうのフロンとか農林分野、あるいは廃棄物分野特有のことかもしれませんけれども、いわゆるコベネフィットといわれる状況がいっぱいあるわけです。ただ、コベネフィットの場合、それを定性的に使ってしまうと、むしろ評価が甘くなってしまうということもありますから、コベネフィットは一体どんなメリットがあるのか、そこもみきわめながら、コベネフィットのベネフィットをうまく使っていかなければいけないのだと感じました。
 きょうは、私、途中で楽観的になったのが災いしまして10分ほどオーバーしてしまいましたけれども、具体的な対策、施策に関して深い議論ができたのではないかと思います。
 では、時間も来ましたが、最後に事務局から連絡事項等をしていただいて議事を終了したいと思います。

○小見山環境経済室長  皆さん、どうもありがとうございました。議事録につきましては事務局でとりまとめを行い、ご確認いただきました後、ホームページに掲載させていただきたいと思います。
 今後の開催予定でございますが、資料4、一枚紙をお配りしてございますが、次回9月27日金曜日を予定しております。その次は10月を予定しておりますが、まだ日程がフィックスしておりません。今日もありましたとおり、定数ぎりぎりで、まずは前広に日にちを押さえさせてもらった以降に、個別交渉で定数を満たすというような作業をやっているものですから、今後も若干前広目に押さえさせていただきまして、それでリリースさせていただくというような運営になるかもしれませんが、ぜひご理解とご協力をいただければと思います。
 本日はどうもありがとうございました。

――了――