中央環境審議会地球環境部会(第10回)議事録

1.日 時

平成15年11月12日(水) 10:00~12:30

2.場 所

虎ノ門パストラル6階 アジュール

3.出席委員

(部会長) 浅野 直人 
(委員)  清水 誠  鈴木 基之
   桝井 成夫 
   青木 保之 浅岡 美恵
 飯田 哲也  飯田 浩史
 浦野 紘平  大塚  直
 久保田 泰雄  小林 悦夫
 瀬田 重敏  大聖 泰弘
 永田 勝也  西岡 秀三
 林  貞行  福川 伸次
 三橋 規宏  甕    滋
 安原  正  山口 公生
(会長)  森嶌 昭夫  
 

4.議題

(1) 地球温暖化に関する国際的対応等について
(2) その他

5.配布資料

資料1 気候変動問題に関する今後の国際的な対応の基本的な考え方について(案)
参考資料 1-1 各委員から提出された意見
参考資料 1-2 次期約束のあり方に関する主な論文・報告書の内容
参考資料 1-3 米国上院のマケイン=リーバーマン法案採決について
参考資料 1-4 米国12州の米国政府に対する訴訟(気候変動関連)

 

6.議 事

午前10時03分開会

○浅野部会長 それでは、まだ開会になっておりませんが、資料の確認を先に事務局にさせます。

○事務局 資料の確認をさせていただきます。
 (資料確認)

○石野総務課長 現時点で、40名中21名の委員が出席されましたので、ただいまから中央環境審議会第10回地球環境部会を開催いたします。
 先日、所用で欠席をいたしました小島地球環境局長から一言ごあいさつを申し上げます。

○小島地球環境局長 地球環境局長の小島でございます。朝早くから委員の方々においでいただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、議題が1点のみでございまして、地球温暖化に関する国際的な対応についてご審議をお願いしたいと思います。資料にございますように、最近の動向としてアメリカの動向、それからヨーロッパの動向、2つの資料をつけております。アメリカにおきまして、マケイン=リーバーマン法というキャップ・アンド・トレードの法案が上院で採決をされました。10月30日でございます。55対43ということで否決をされましたが、京都会議の直前のバードヘーゲル決議は95対0ということであったことを考慮いたしますと、若干の変化というものが伺えるのかなと思っております。
 また、10月23日にニューヨーク州、カリフォルニア州などの12州が連邦の環境保護庁に対しまして訴訟を提起しております。アメリカにつきましては、依然として京都議定書不参加の立場を変えておりませんが、いろいろな動きがありますのでそのような動きも今後よく見てまいりたいと思います。
 ヨーロッパの方でございますが、10月23日にフランス、ドイツ、イギリスの環境担当大臣による共同声明が出されております。ロシアに京都議定書の批准を求めるということや、ビヨンド2012年と、こう書いてありますが、次期枠組みの対応についても触れておりますし、COP9にどう対応するかということも書かれておりますので参考になるかと思います。
 本日でございますけれども、9月25日、10月31日の審議会に引き続きまして、アメリカ、途上国を含む、もちろん日本やEUも当然でございますが、すべての国が参加する共通のルールをつくるための将来枠組み、これにつきましてご審議をお願いをしておりますが、この中間取りまとめの案をおまとめいただきましたならば国内外にパブリックコメントを行ってまいります。事柄自体が国際的な内容を扱っておりますだけに、12月にイタリアで開かれますCOP9において、世界各国からの政策担当者や専門家などの意見もお聞きしたいと思っております。次期枠組みについては、既に世界のいろいろなシンクタンクが調査研究をしております。そこからもご意見をいただきたいと思っております。そのような意見をいただくことで最終的な中間取りまとめがより効果のあるものになるのではないかと、そういう材料を提供させていただきたいと思っております。
 国際的には次期枠組みについて、途上国の参加ということを議題にするかどうかという入り口のところで先進国と途上国の間で議論がまだ行われているところでありますけれども、その議論のための共通の土俵をどうやって築いていけるかということが大きな課題となっておりまして、COP9では先進国途上国の信頼がさらに深まることを期待しております。
 本日は、前回の地球環境部会以降に書面等でいただきましたご意見を踏まえて報告書案を準備させていただいております。ご審議の方をよろしくお願いを申し上げます。

○石野総務課長 それでは、浅野部会長、会議の進行をお願いいたします。

○浅野部会長 どうも、朝早くからお集まりいだきましてありがとうございます。
 本日は、地球温暖化に関する国際的対応等について、この議題のみでございます。まず、この議題につきまして前回大変多くのご意見をいただきましたが、皆さんからいただきましたご意見やその後に寄せられた書面等によるご意見を踏まえて事務局に案を作成させましたので、その説明をさせます。この説明を受けた後質疑応答の時間を設けますので、ご質問、ご意見がございましたらその際にお願いを申し上げます。
 本日は、いつもしり切れトンボでというご批判もありますので、12時30分まで会場を確保しております。それまで審議を十分にしていきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局、説明をお願いします。

○牧谷国際対策室長 国際対策室長をしております牧谷でございます。座って説明をさせていただきます。
 資料の1がこの基本的な考え方(案)でございますが、参考資料1-1におきまして、4名の委員から書面での提出をいただいております。資料の1-2でございますが、これは、前回出しました資料をさらに充実をさせて完成させたというものでございます。1-3の上院のマケイン=リーバーマン法案採決でございますが、冒頭のあいさつにもございましたように、10月30日にこの採決が僅差で否決をされたということでございます。これは、義務的なキャップ・アンド・トレード型の国内排出量取引制度を導入するための制度でございます。
 2番にその評価というものがございまして、Washington Postでは賛成側として43の賛成票を得たことは画期的という評価、それからNew York Timesでは過半数に迫るところにあると、それから「気候変動がもたらす長期的コストが、それを抑制するコストをはるかに上回る」という点を紹介しております。
 一方、反対側から、43票という数字は下院で可決の見通しがないことを前提にした、政治的コストをかけることなく得点を得るための賛成票ではないかということもございました。
 今後の予定として、マッケイン議員が今後も再度提出をするということを言っております。
 めくっていただきまして、下にアメリカの地図がございます。濃いハッチングを施してある部分が2人賛成した州でございまして、東部の州、それから西海岸の州に多くなっており、白いところは賛成ゼロですが、南部から中部、中西部にかけての州においてこの白いところが多いというおおよその傾向が見てとれるかと思います。
 次に、資料1-4は、米国12州による訴訟でございますが、これは8月に米国EPAが、大気浄化法に基づいて、温室効果ガスの排出を規制する権限がないという見解を示したことに対しまして12の州が裁判を起こしているということでございます。
 それから、仏独英の共同声明でございますが、ここにその3カ国環境大臣による共同声明がございますが、4番の3行目から4行目にかけて、「温室効果ガス濃度を安定化させるために、2012年以降さらに削減する努力を行う。」と、それから、同じくパラグラフ4の下から3行目あたりからでございますが、「世界的に温室効果ガス排出量を削減するため、新興諸国とともに努力する。」と、途上国等々だと思いますが、ともに努力をするというポジションが明確化されております。
 以上が参考資料でございまして、それでは本題の資料1でございます。
 これは、先般の審議会でいただいた意見、それから書面での意見を踏まえて修正をし、11月11日、昨日でございますが、一度委員にお送りをしております。さらにそれから若干の修正が加わって今日この資料となっております。
 目次でございますが、この2番の7つの考え方というのは変更ございません。
 お開きいただきまして1ページ、検討の趣旨のところでございますが、2つ目の○のIPCCの三次報告書に関する部分でございますけれども、ここは気候変動の深刻さをきちんと書くべきといった委員のご意見等を踏まえまして、三次報告書の引用を充実させております。
 2ページにまいりまして、最近のインド・ニューデリーでの閣僚宣言等を紹介する点、ここは特に変更ございません。
 3ページにまいりまして、特段変更はございませんが、一番下の○に今回の審議の趣旨を改めて書いております。ここも特段変更はございませんけれども、ここにありますように、今後の交渉においてはベルリンマンデートのように交渉の原則や範囲を決めて、それに基づいてより詳細な議論を進めるというプロセスが予想されるということから、今回は、今後我が国が国際交渉に臨む上での基本的な考え方の整理を行うと、より具体的な内容については今後の国際交渉の進展に応じて審議を行うという趣旨を書いております。
 次に、5ページでございます。
 (1)番で、京都議定書の発効、約束達成に向けた取組ということでありまして、1つ目の○でございますけれども、3行目に取組の第一歩であるということを書いております。
 2つ目の○でございますけれども、2行目から3行目にかけまして、「先進国による取組とともに何らかの形で途上国が」ということで、途上国のことのみを記述するとバランスを欠くのではないかという委員のご指摘を踏まえてこの表現を入れております。
 それから、下から2行目、気候変動が経済を活性化するとありますが、これは文言の字句修正を行っております。
 6ページにまいりまして、2つ目の○でございますが、「約束達成に向けて進捗が見られない国の説得力は相対的に低下する」としております。前回の審議会で、約束達成が進捗すれば交渉力が上がるというのはおかしいというご指摘を踏まえた修正を行っております。
 同じく2行目から3行目でございますが、「日本は優れた環境・省エネルギー技術等を有しており」ということを入れるべきであるというご意見、それから文末を「リードすべきである」とありますが、ここが「期待される」ということでありましたが「リードすべきである」とすべきだというご指摘を踏まえて修正をいたしました。
 次に、(2)番の「気候変動枠組条約の究極目的の達成に向けた絶え間ない前進」ということでございます。ここの1つ目の○の2行目から3行目にかけて、ここでは、条約に関してこのような国際的基盤ができ上がっているということを書いてありましたが、京都議定書にはロシアやアメリカが入っていないので、コンセンサスはいかがかというご指摘がございました。条約についての記述でございましたが、趣旨をより明確化するという意味でこのように「また」以下の修文を行いました。
 次に、7ページでございます。
 上から2つ目の○の3行目から4行目にかけて、温室効果ガスの濃度レベル、安定化レベルでございますが、これは国際合意は得られていないということでありますが、その数値設定については科学面に加え政策面での不確実性もあるという記述を入れております。
 それから、同じパラグラフの一番下の行でございますが、「森林、海洋などの役割含め科学的な知見を更に高める努力」とありますが、先の審議会で海洋の重要性や、さらに科学的知見を高める努力をすべきというご指摘をいただきましたことを踏まえての修正です。
 次の○の3行目あたりに予防的アプローチについて書いてありますが、予防的アプローチと予防的原則という言葉の使い方に注意すべきというご意見を踏まえて書いております。
 それから、4行目から「同時に、温室効果ガス排出量を中長期的に一層削減していくためには、国際的な協力を含めて、革新的な技術の開発及びそれら技術の普及を進めることが求められる。」という部分は、委員のご指摘を踏まえて新たに挿入しております。
 次に、(3)の「地球規模の参加」でございます。
 最初の3つの○はアメリカについて書いてありますが、そのうちの2つ目の○の1行目、米国の政府レベルでの取組として、科学研究・技術開発を重視した取組を挿入しております。
 3つ目の○でございますが、ここは全体として米国を引き込むということをもう少し強調すべきであって、具体的な対応策を書くべきだというご指摘をいただいておりました。それに対応する文言として、日米ハイレベル協議を現在進めておりますが、これまでに3回開催されておりまして、ここで中長期的な視点に立った革新的技術を含む科学技術の共同プロジェクトの実施ということが合意されております。そして、このハイレベル協議の下に、科学技術、市場メカニズム、途上国問題という3テーマについての事務レベル協議があるということを記述しております。
 次のページは途上国に関する記述でございますが、2行目から4行目にかけて、途上国の義務などを書く際に配慮すべきというご指摘を踏まえて、「先進国の具体的義務を具体化したものであり、途上国に対しては目標を設定していない」という表現を入れております。同じく7行目でございますが、「次期枠組みにおいては、先進国による取組とともに途上国も何らかの目標を設定すべき」としております。
 このページの一番下の行、下から2行目でございますけれども、技術移転の重要性ということが前回の審議会で多くの委員から指摘をいただきました。技術移転を進めていくことが途上国参加のために現実的かつ促進的な方法としております。
 10ページでは、インセンティブ、ディスインセンティブの議論がございました。ディスインセンティブというのは言葉としてもおかしいし、実際に難しいというご指摘を踏まえてディスインセンティブに関する記述は削除しております。
 次に、11ページでございます。
 (4)番、「共通だが差異のある責任の原則のもとでの衡平性の確保」ということで、2つ目の○、ここは先進国と途上国の間の衡平性を論じておりますけれども、ここの6行目から7行目にかけて、「途上国における気候変動対策の実行能力も十分とは言えない。途上国の責任については、このような事情を十分考慮」というのを入れております。
 それから、12ページの1つ目の○でございますが、途上国の中での衡平性を論じたところ、ここは少し説明を丁寧にいたしました。温室効果ガスの量が多い国、少ない国等々丁寧に書いたということでございます。
 それから次の○、「なお」から始まるところでございますけれども、排出総量というものも重要であるというご指摘を踏まえて記述を充実させております。
 次に、(5)番の「これまでの国際合意の上に立脚した交渉」でございます。ここに関しては多くのご意見をいただいております。タイトルにつきましても、「国際合意の上に立脚した交渉」に対して「国際合意との関係」としてはどうか等々のご意見をいただきました。
 ここで基本的な考え方のところでございますけれども、基本的には前回お出ししたものをより丁寧に説明をするという趣旨で書き換えております。ちょっとここは読み上げさせていただきますと、4行目までは同じでございます。「共通基盤が築かれつつある。」ということでございますが、そこからでございます。「こうした国際合意の上に立脚して、次期枠組みの交渉においては、究極目的の達成に向けた絶え間ない前進や地球規模の参加等の観点から、条約や議定書の基本的仕組をどのように発展・改善していくか、という視点からの議論が必要である。」ということでございます。
 以下、○が1つあって、ここは変更ございません。これまでの国際交渉の経緯に関する事実関係を書いております。
 13ページの2つ目と3つ目の○でございますけれども、2つ目の○では、条約、議定書や各種合意に基づき、京都メカニズム、各種報告審査制度などこれこれの基本的仕組みを発展させてきている、これらが共通基盤となりつつあるとしております。3つ目の○では、冒頭の四角で囲った表現をそのまま書いております。
 次に、(6)番でございますが、15ページ、ここは多様な主体の参加ということでありますが、一番下の行、「これらマルチステークホルダーの取組に対する支援」という部分を前回の審議会のご意見を受けて新たに挿入いたしました。
 次に、(7)番、「環境と経済の好循環を目指した変革」でございまして、ここに対しましても多くのご意見をいただきました。基本的にはこういった考えの重要性、それから既存技術、技術の普及の重要性、それを進めるための具体的な社会システムの改革についてのご意見でございました。これを踏まえまして四角の中での下から2行目、「また」以下、「市場が技術の開発や普及にインセンティブを与えるような社会システムの改革」を加えております。
 ○の方の2つ目ですが、3行目から4行目、気候変動対策と経済活性化策が両面性があることも、すなわち気候変動対策を進めれば経済がよくなり、経済が活性化すれば気候変動対策も進むと、両面あるという点を書いております。
 次に、17ページでは、こういった好循環を実現するために技術が重要であると指摘していまして、1つ目の○では、省エネ技術に強調し過ぎてそれだけ書いてある嫌いがあったので、省エネ技術のほかにも温室効果ガスの発生の少ないエネルギー源、代替材の開発・利用、温室効果ガスの吸収・固定、破壊技術ということも書いております。
 それから、このページの一番下の○でありますが、ここにも多くのご意見をいただきましたけれども、技術開発や普及の促進のためには何らかのインセンティブを市場が与えるような社会システムの変革が必要であるという観点を挿入いたしました。
 最後に「おわりに」でございますけれども、ここの2つ目のパラグラフ、「本文中に記したように」から始まるところの3行目、ここも予防アプローチに関する部分ですが、条約に費用対効果が大きいものとすべきことが書いてありますので、それを正確に入れております。
 主な修正点は以上でございます。

○浅野部会長 よろしゅうございますか。
 それでは、前回の部会でいただきましたご意見のすべてを網羅的に取り入れるということは事の性質上難しゅうございますので、いただきましたご意見については項目ごとに整理して、どういうご意見をいただいたかということを事務局と丁寧に整理をし、それを拝見した上で、いま牧谷室長からご説明申し上げましたように案を取りまとめた次第でございます。
 なお、これ以外に参考資料として、さらに1-1に本日ご欠席の委員を含めて書面が出ておりますのでそれらもご覧いただきたいと思います。これらについてはぎりぎりに書面が出てきたということがありまして、これを全部完全に反映させているとはやや言い難い面があることは率直に認めざるを得ませんが、これまで出されてきたご意見については、いろいろと検討してこの中に入れたつもりでおります。
 それで、どうやって進めたらいいかちょっと実は迷いがございまして、項目ごとに1つずつやっていってご意見を伺うというやり方が本当は効率性が高いような気もするのですが、やはりご意見が全体にあちらこちらに連関することも多いだろうと思いますので、余りこの項目についてだけの意見を求めるというような形でやっていってもまずいのではないかと思いますので、前回同様いただいた資料1で事務局からご説明申し上げました案についてご質問なりご意見なりがありましたらお出しいただいて、もしそこで出されたご意見に対して自分はちょっと、違った意見があるという場合には、そこですぐ手を挙げていただいてご発言をいただくという形にしたいと思います。前回のように発言のご希望を予めおたずねするということは致しませんで、できるだけここできちっと議論ができるようにと考えております。
 然りながら、余り話が前後するのは望ましいことではないし、後で整理するのに大変でありますので、できましたら前半部分、後半部分ぐらいのところに分けてご発言いただけるとありがたいと思います。余り制限的には申しませんのでご意見がございましたらどうぞ手を挙げてください。いかがでございましょうか。
 はい、それでは小林委員、どうぞ。

○小林委員 私の方から総論的なお話をちょっとさせていただきたいんですが、前回このペーパーが出てきて、これについて皆様がご議論をされているときに私自身大変違和感を感じたんですが、といいますのは、今なぜこの議論をしなければならないのかというのが大変不思議でございました。もう当然のように進めるべきことであって、今になってこれをなぜ再確認をするのかというのが大変不思議でございました。そういう意味で、この考え方はこのままで踏襲して是非進めていただきたいというのが第1点でございます。
 それから第2点は、(7)の環境と経済の好循環を目指した変革という文面でございますが、ここについて、国際的対応の基本的考え方の中になぜこれが入っているのかというのが実は不思議でございました。というのは、環境と経済の好循環とか、環境と経済の融合というのはヨーロッパ、アメリカでは当然のごとく進められている問題であって、ここの部分について理解がないのは国内の問題ではないかなという感じを持っていました。現実に私どもがいました兵庫県では、3年ほど前にこの文を環境基本計画の中に書き込んだときに相当の反論があったんですが、諸外国ではもう既に環境とそれから経済の主幹であるエネルギーというのは一体的に進められているのが当然でございまして、それが環境とエネルギーという問題を別に分けて、仕分けしてやっているのは日本ではないかと、そういう意味で、国内対策でこのことを書くのはいいんですが、海外に向けてこれを言うには何で今ごろ日本は何を言っているんだという感じを受けるんではないかという感じがいたします。そういう意味で、基本的な問題として、今この問題を再認識、再検討するレベルに日本があるということについては大変今寂しく感じるというのが本音でございます。もう総論でございますが。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 どうぞご意見がございましたらお出しください。瀬田委員、どうぞ。

○瀬田委員 それでは、ちょっと前回読んだものとなかなか組み合わせが難しいんですが、まず最初にこの新しいものでまいりますと、この5ページの基本的な考え方、今小林委員からこういったご意見もございましたけれども、やはりこの京都議定書についてはいろんな意味で問題点が今出てきていると思います。
 例えば、1つはこの中国とか米国とかインドとか、そういう排出量の多い国、あるいは今後発展途上国のような総体として排出量が多くなっている国のグループ、そういったものが参加していない、したがって、議定書がカバーするのはわずかに全体の3分の1にしか過ぎない、こういったようなことであるとか、それから、この日本がいろんな最初の段階からいろんな交渉が行われて、そういった結果もございますけれども、非常に削減目標というのが国によって大きく違っていて、その中でも日本というのは大変難しい、難易度の高いものになっていると。一方、このEUについては、旧途上国の参加等もございまして、全体としての調整ができるとか、こういったことでかなり余裕が出てきていると。我々日本の認識としましては、やはりこの日本は十分に今まで省エネを進めてきた国であると思います。そういう意味で、そういったことの中で、なおかつ日本がまた一番そういう厳しい状態に入ってくるというような問題があると。したがって、こういったことを考えてみますと、やはりすべての国が参加する共通のルールになっていないとか、あるいはそういった国による不公平感がかなり強いとか、一方において温暖化交渉が、これは書くかどうかは別にしましても非常に国益論争という形で露骨に出てきていると、こういったことがございます。
 さらに、こういった状況の中で、なかなか難しいと思われているその目標設定、目標をそれよりさらにそれをベースにして進めていくということは、やはり50年、 100年を見た日本のはるかな先の世代に対して経済活動というものの縛りというか、非常に大きな制約を残すということになるだろうと。それは、世界的な基準から見て本当に衡平感のあるものであるのかどうかということが考えられると。そういったことを我々が性急に決めていって本当にいいんだろうかという感じがいたします。
 COP6のときだと思いますけれども、日本はその目標を達成できるという試算が出されたと記憶しておりますが、今あのとおり行くと思っている人はなかなかいないだろうと。かつそのときの試算というのは、今後の対策がこれまでよりさらにコストがウナギ登りに上っていくということを明確に示したと思っております。原発の話もございました。
 そういったことから考えて、これらを解決していくためには、この文章にもありましたけれども、今まで以上に高度な技術開発が行われなければならない、しかも技術開発だけではなくて、それに伴って設備投資も行わなければならない、そういうことができて初めてこういったことが実現していくわけでございますけれども、一方においてこの技術開発という問題については、実際に担当した立場から考えましても非常に難しいという、決して容易なことではない、要するに先が約束されていないということです。今までうまくやってきたからこれからもうまくいくだろうというのは余りにも無責任でございまして、技術開発の難度というのは今までよりもはるかに高くなっていると考えるべきであると。過去をうまく乗り切ってきた人こそが、これから先もいつもうまくいくとは限らないということを最もよく知る人たちはではないかというふうに思います。
 そういったことから、我々はまず最初に、そういった京都議定書が持つその問題点というものを一度ここで振り返ってみる必要があるのではないかということを感じまして、この5ページのところのこの達成に向かって努力をしていくことであるということよりも、より国内的な議論をここでもう一度振り返って議論すべきであるというふうに考えるべきではないかという気がいたします。
 それから、先ほどちょっとCOP6のときの議論に触れましたけれども、やはりあのときにできる、できるだろうということで行われた試算というものの原点にもう一度我々としては戻ってみて、そして、本当に長期的に運転できるんだろうかということを考えてみる必要があるだろうと。
 この今回の資料の中で、ちょっとどこだかわかりませんでしたが、前回の10月31日の議論の中に、どこかでIPCCの報告として、まず温度の幅が前よりも広がっているということがございますし、またそのほかに、今とにかくここで仮に、かなり急速なこの形であるレベルに安定化したとしても、実際に気候変動というものに効果があらわれるのはそれからまたさらに 100年とかそういったレベルの時間がたってからであるということがどこかに書いてあったと思うんですけれども、そうなると、この今のこの仕組みたけでいろいろやっても、実際には炭酸ガスは減っても地球環境の変化というものは治まらないということも一方では言っているわけです。じゃあそのときにどうするんだという考え方も一方においては議論しなきゃいけないことなんだろうというふうに思われます。
 ほかの国からも京都議定書を見直そうという意見も出ていると聞いておりますので、やはりこの枠組み条約に立ち戻って、そしてこのすべての国が参加できるような共通のルール、あるいはその次の世代に対して我々がこれから残していくもの、そういうもの、それはいい世界ということと同時に負担を残すわけですから、それがどんなものかということもより明確にすべきだろうというふうに思います。
 以上でございます。

○浅野部会長 飯田委員どうぞ。

○飯田(哲)委員 今の瀬田委員の意見には基本的に反対なんですけれども、この文章の中で具体的に申し上げると、(3)の地球規模の参加ですね、ここがやっぱり一番気になるんですが、はっきりしておかないといけないのは、米国がこの京都議定書から離脱したのは一方的な離脱であって、京都議定書に限らずそのCTBTその他、今のブッシュ政権のかなり特有な非常にセルフュッシュな振る舞いであって、やはりこの3項で上げている米国等と途上国が参加する枠組みを構築する、これを基本的な考え方に上げることが、つまりそれが確保されないと次のステップについても日本は入っていきませんよという、そういう条件にならないのかどうかという方が逆に気になります。
 つまり、むしろ日本としては欧州とある程度、あるいはほとんどの国の途上国とある程度手を取りながら国際社会をリードしていくような形をとるとすれば、まずそのコミット、次のさらなる削減をコミットして、さらに米国など、その他の国々のオーストラリアとか参加を促すというその順位づけをやはり明確にしないと、この3番のところは非常にちょっとそういう意味でこの今後の交渉姿勢において問題を残すと。
 結局、前回なぜできなかったのかという問題にもう一つの点は絡みますけれども、それはやはりこの例えば、結局この文章全体を通じて、とりわけ(7)のところですけれども、これは環境省というやっぱり日本の省庁の縦割りが出ていることが避けられないんですけれども、やはりエネルギー政策の転換が起きなかったということが最大の原因です。従来型のエネルギー政策をやったままとりわけ車の方は、車は伸び放題ですし、日本の場合は、例えば省エネ基準を満足している既存の住宅というのはいまだにまだ3割ぐらいしかないんですね。そういったことすらまともに行われていないエネルギー政策で、既存の例えば電力自由化の中でも一方的に石炭火力とか増えてきているとか、そういう政策面の転換ということがやはり、これは省庁の枠組みを越えてきちんと入ってこないと結局失敗の二の舞になるというふうに思います。
 NGOのシナリオも含めてエネルギー政策の転換を含めれば、経済に悪影響を与えずに達成できるというシナリオは当時出てきたわけで、できなかったのはシナリオの問題ではなくてエネルギー政策の転換ができなかったという問題ですので、やはり今回はそちらの方にきちんと言及をするという点が良いのではないかと。
 3点目は、特にこの文章に直接関わらないんですけれども、今回のこの国内に向けては、ある意味ここは文章の言葉尻の話になってしまうんですけれども、この参考資料の1-2にありますように、つまりここでいわばこの経済界の方々と環境NGOとその他の有識者の方々のイデオロギー論争をしてもなかなか詰まっていかないわけで、やはりその次期枠組みをどういうふうにしていくかというきちんとしたバッググラウンドのペーパーなり、リサーチとかきちんと詰めていかないことにはやはり次のステップは進まないと思いますので、やはり今回はこのやっつけでとりあえずこの総論的な方向をどうまとめたにしても、基本的には経済、社会、その他、もっと統合的なアプローチで第2約束期間に向けた日本としての削減戦略をどうあるべきかというそのきちんとしたリサーチをしていかないことには、この論争というのはいつまでたっても不毛なものになるというふうに思います。

○浅野部会長 浦野委員。

○浦野委員 いろんな視点からのご意見がありますけれども、まず全体的な感想を言いますと、先ほどの小林委員からのお話で文章を、私全体としてはよくできている方だと思うんですが、文章の構成、全体の構成が非常に背景あるいは現状はこうなっているということと、それからこういうことが必要である、重要であるというものと、それからこうすべきであるというようなことが非常に混在しているんですね。それが最初に背景的なもの、あるいは現状がきちっと整理されて、その先にこうあるべぎだというふうにまとめられているんであれば非常に読みやすいんですが、それが非常に混在しておりまして、割と地球規模の参加というあたりは――その前の方の1とか2とかいうのは割と必要であるとか重要であるとか、あるべきであるという、割とそういう形であるべき姿が書いて、日本としてどうするかも書いてある。しかし、最後の方の先ほど問題になった環境と経済の好循環を目指した変革というようなものは、枠の中は必要であるなんですけれども、その下に書いてあることがほとんどこういう認識であるとか、観点であるとか、こういうものであるとか客観的な一般論が書いてある、そういう物の考え方が示されたら、それを踏まえて日本がどうするんだ、あるいは国際的にどうすべきことだということをやはり書かなければいけないのではないかというのが全体的な書き方の姿勢の点で意見を言わせていただくと。
 それからもう1点、少し細かいことですが、技術移転の問題は前回大分日本がリーダーシップを取ったり、特に途上国に対して支援をするということが言われた際に、技術移転というときに従来型の経済援助とか技術を持っていくということではなくて、特に人材養成とか社会教育という部分に日本がもっと、特にアジア地区に対して貢献すべきであると。この地球環境問題全般を、気候変動だけではなくて全般にも関わることですが、是非その辺はどこかに明記をしていただきたいと。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。大塚委員。

○大塚委員 先ほどの瀬田委員と飯田哲也委員のご意見があったところに割って入るような形になりますが、ちょっと少し戻りますが、まず前回三橋委員がおっしゃったように、この今のこの会議というのは、テーマは今後の国際交渉に対する我が国の姿勢をどうするかというテーマですので、既に京都議定書については批准を済ませておりますので、京都議定書自体の問題ではなくて、今後の国際交渉についてがテーマであるということを確認しておきたいと思います。
 瀬田委員がおっしゃるように、すべての国の参加する共通ルールになっていないというのは確かに私も問題だともちろん思っておりまして、一部の国だけでやっているということが決していいとは思いませんが、まさにすべての国が参加する共通ルールを考えるのがこの会議ではないかというふうに思います。私自身は各国が、締約国が主体になるという現在の京都議定書の考え方、極めて枠組み的なところ自体は否定できないというふうに思っておりまして、これはもちろん技術レベルで国際的に統一化していくという方向は非常に望ましいことだと思いますが、それを否定するわけでは全然ないんですけれども、しかし国際条約とか議定書の締約国というのはまさに締結主体であるわけですから、締結主体に義務づけをかけない限り実行的な対策というのはとれないだろうということも同時に事実であろうと思います。
 その上で共通のルールというのを考えていく必要があると思いますが、私自身は汚染者負担原則というPPPというのが根底で一番重要なルールになるというふうに思っていまして、これはもちろん直ちに途上国に適用されるかどうかというのは応能負担の観点から難しいと思いますけれども、少なくとも途上国の一部の国に対しては当然主張していくべきことだというふうに考えております。現実には、CO2等の温室効果ガスの累積的な量というのが問題になると思っています。
どういう基準を用いるかについては今日もお配りいただいている資料の1-2とかでもいろいろな考え方が出てきているわけですけれども、そういう共通のルールを考えていくというのがこの場であると思います。私自身の考え方としては、その中で、これはCOP3の前にブラジルが提案したところでもありますが、原因者負担原則というのが極めて重要な原則だというふうに考えております。例えばこのように、アメリカとか途上国も反対できないような大義を打ち出すというのが、今我が国が一番求められているところではないかというふうに考えております。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。それでは、福川委員。

○福川委員 私も、実はこの環境対策は非常に重要だと思っておりまして、やっぱり最適な仕組みをつくるべきだということでいろいろ考えておりますものですから、そういう前提でちょっと意見を申し述べたいと思います。
 1つは、この取りまとめでございますけれども、かなり前回も議論が対立をした部分があります。一番大きな対立の部分というのは地球規模の参加のところと、それからこれまでの国際合意の上に立脚した交渉という形で、そうやって出ることがいいか悪いかということであるように思います。
 いろいろこの意見が出て作文を直されたと事務局はおっしゃるわけですが、実は私はやっぱりこれだけ重要な問題というのは、むしろ事務局としては両論をここで出して、そして部会長の指導のもとでどういう結論に書くかということをすべきであって、一方的に事務局が作文を直してしまうというのは、私は極めて適切でないように思います。一般のその表現で済むところはさっき部会長もおっしゃったように、部会長がずっとご審議いただいてやっていただいて私はそれでいいと思うんですけれども、この重要な問題は、私はやっぱり両論をきちんと出して、そしてここで皆さんの意見を聞いてどっちの表現がいいかというような形の進め方をすべきで、一方的にその表現をこうしましたという説明というのは私は余り適切でないというふうに思いますし、事務当局として誠意がないのではないかという気がいたします。
 特に私がなぜそんなことを申し上げるかと言えば、私はこの前柔軟性ということを申し上げまして、外交交渉であるから柔軟性をということを申し上げましたが、柔軟という言葉が一つも入っていない。会議の終わりごろに事務局の方は、福川委員という名前もリファーしていただいて、そしてこの柔軟性というのが一つの解決の方法かもしれないという、こういうご発言もいただいていますが、そのような取り扱いに今なっていないという気がいたしますので、これをどのように取りまとめていくか、私は部会長を大変尊敬しておりますのでうまくまとめていただければと思っておりますけれども、私はちょっとその取り進め方について不満を感じておりますので、まずそれを一つ申し上げておきたいと思います。
 2つ目は、これは1つのメッセージになるわけでございますから、どういうメッセージを今出すかということが今一番大事なことであって、これは私も途中の過程で事務当局の方に申し上げましたけれども、メッセージを出してしまってこれなら乗らないと、こう言われてしまうか、そういう柔軟性があるなら乗ろうということになって話に乗ってきて、そして実際これを京都議定書なる形で議論に乗っていくのか、あるいはもっと技術革新のベースに乗っていくのかと、こういう議論が出てくるというふうに思うので、このメッセージのこの取り扱いということですので、ここはこれしかないんだという形で言う出し方がいいのか悪いのかということで、これは一種の外交交渉でありますから、まさにその外交交渉を出すのに手の内全部出して交渉するというのがいいのか、もうちょっと柔軟なものを持っていって考えていくべきではないかという気がするので、外交交渉としてこれでパブリックコメントにかけてCPO9で配ってしまって、もうこれ以上は何も動かんという、こういう形で進めるのが交渉としていいかどうかということだと思うんです。もちろん米国だとか発展途上国全部が参加するというのは大綱にも書いてあることでありますから、そうするとそういうことが政府内全体で合意ができているのかどうかという点も問題になるはずでありますから、そういうやり方がいいのかどうかということでございます。
 私はどちらかと言えば、メッセージということから言えば、その内容まで詳しく書いてしまうんではなくて、やっぱり乗りやすい、合意ができやすいところにとどめておいて、そしてその交渉の中に入っていって、そしてそれまでの過程、さっき飯田委員もおっしゃったようにもっといろいろと国内での議論を詰めて、産業界とNGOとあるいは環境省と、その他関係政府内で議論をした形で持っていくということの方がいいのではないだろうかという気がするわけであります。
 その大きな考え方として、京都議定書そのものでいくのか、もう少し別の仕組みがあるかどうかということなんですが、これは私もやっぱり環境対策は非常に重要だと思うので、一番オプティカルな、最適なものをみんなで知恵を出して見つけ出そうと、こういうことを私は基本に思っておるもんですから、もちろんその場合に京都議定書をベースにすることも排除するつもりは毛頭ありませんけれども、やっぱりどういう形がいいかということをもっと考えるべきだと思うし、今一体ここで考えられている仕組みというのが、この作文というのが果たして本当に最適な方法なのかどうかと、やっぱりこのアメリカの中でも今キャップ・アンド・トレードでやるということでしたら、これはキャップ・アンド・トレードでやろうということで、京都議定書のような形のものを賛成したというふうに見ていいかどうかいろいろ議論がありますが、アメリカの中にはガーバメントリーチでできることの国際合意であるかないかという点が議論になっているとすると、そうするとここも議論として出てくるだろうと思うんです。
 やっぱり、できるだけこのコンセンサスをつくるということが大事ですし、これは国際社会でも国内社会でもコンセンサスをつくることが大事ですし、やっぱりこの一般のNGOも、あるいは産業界も参加しやすい、参加できる形でないとこれなかなかワークしないということで、産業界がそっぽ向いてしまったんじゃこれは進まないことにもなりますから、私はこだわるようですが、その柔軟性ということを持った交渉態度で進めるべきではないかというふうに思うわけでございます。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。西岡委員、どうぞ。

○西岡委員 全体のトーンは私こういうところかなと思っておりますが、先ほどの基本的なメッセージという話がありまして、私の方もサイエンスの点からちょっと申し上げておきたいと思います。
 IPCCに限らず全体にメッセージといたしましては、かなり早目に手を打たないと危ないんじゃないかなという話であります。まず1つ科学的な不確実性という問題があって、これが解決しない限りは先へはなかなか進めないなということをよく言われるわけでございます。先ほども温度の幅といったコメントがございましたが、これはご承知のとおり科学としての幅はある程度おさまってきているわけですけれども、人間社会がどう取り組むかというシナリオがあって、それと科学的な不確実性とをかけた形で温度の幅が示されているわけであります。このあたりの説明が十分なされないもんですから幅が広がったということをよく言われますが、そこで言われているメッセージは、まさに人間社会がどういう形で社会を構築していくかということによって大きな幅がありますよということをいったのが1つ、あるいはそれに加えて科学的な幅もたくさんあるよということです。
 それから、不確実性がどんどんどんどん狭まっていく、要するに確実なものになっていくかということに対する疑問も多くございます。私も長い間この分野での研究をやっていますけれども、それこそ20年前は一次元のモデルで地球全体を計算していた。高さだけしかわからなかった。ところが、コンピューターが発達して二次元をはかる、それから研究がいろいろ進展しまして三次元になってきて、それもだんだん細かくなってきて、海と大気のモデルが結合し、かつそこの中に植物等々のフィードバックも入れるようになってきたということで、それに対応するデータもたくさん必要になってきたわけですけれども、科学の方につきましてはそういう意味での進展は十分あると思っております。やればやるほど科学というのはわからないことがたくさん出てきますので、それはそれでまた科学者として非常におもしろいんですけれども、それこそそれを理由に手を打つのを遅らすというものでは私はないと思っております。
 それから、その遅れる問題ですけれども、考えていただければわかると思うんですけれども、海には大きな容量があるし、それから植物が温暖化で枯れていく時間も大分かかる、それからCO2に上がっていくまで時間がかかるということで、段々遅れが集積しまして問題が大きくなるんじゃないかという予測も我々はしているわけでございまして、そういう面から早目に予測して目的を早く設定してどんどん事を進めてもらいたいと思っております。
 3点になりますけれども、その点から見ますと既に京都というものが1つ走っている。そのことの善し悪しについて私は十分評価する必要があるとは思っておりますが、それじゃあ97年のあの時を今の時点だとして、じゃあ次にどういうステップでやっていくかという話になりますと、当然あそこで言われたように、多く排出している国が何とか先に頑張りなさいよというようなことになる。これは普通の話だと私思うんですね。また同じことを2回も3回も繰り返すということになる。これで1992年にリオ宣言から10年経っているわけですし、また同じことを始めるということはまた10年かかるんです。私どものサイエンスの方の予測からいいますと、かなり10年、20年、30年、大体そういったオーダーで何かが起こる可能性があるなというふうに考えておるもんですから、できましたらこれまでの十分やってきたことをよく踏まえて、その上に新しい形のものをつくっていくという広がりを持った検討をしていただきたいという具合に考えております。
 以上です。

○浅野部会長 林委員から先にお願いします。

○林委員 前回もいろいろ出された、場合によっては方向性が異なる意見を事務局さんが非常に努力してまとめられたということについては大変評価したいと思います。こういう問題については当然意見の違いというのはあるわけで、そういう意味でまとめた努力というのは大変あると思います。
 京都議定書の評価については、この間私も若干詳しく言い過ぎたというか、私個人の考え方としては大変問題のある議定書だと思っていますけれども、議定書、日本としてはそれを批准したわけですから、これが発効すればその義務を守るのは当然ですし、その前提での話ですけれども、今議論しているのは京都議定書の後の時代のことで、その最大の目的というのがどの場面においてCO2の排出量を減らすにはどうしたらいいかと、これが我々の議論の視点であるといったところです。そういう点からすれば、やはりどなたかがさっき言っておられたようにすべての国、すべてといってもLDCすべてという意味ではないと思いますけれども、少なくとも意味あるすべての国が入る交渉と、入るような新しい合意をつくるということで、そういう観点から言えば、やはり重要なのはアメリカと、それから中国、インドを含む開発途上国ではないかと思います。
 先ほどどなたかがEUと組んでLDCもあれすればアメリカも入らざるを得ないというような趣旨、そんな単純な議論ではなかったと思いますが、そういうふうにも聞こえるようなのもありましたけれども、これは全く逆でありまして、まずアメリカが入れるような枠組みというのはどういうものかということをきっちり詰めなきゃいけないと思うんです。これは、アメリカが入らなきゃけしからんと言っていたんじゃまた京都議定書の二の舞になっちゃうんで、やっぱりアメリカが入れるようなものは何かと、それから当然のことながら、そのLDCも入ってもらわなきゃいけないと、逆にアメリカはLDCが入らないから入らないという説明をしているんで入ってこない、他方LDCから見れば、アメリカが入らないうちは入るわけがないんですね。これは大変難しいことだと思うんですね。
 そういう意味において、私は次の交渉においては相当大胆な発想の転換というものが求められる場合があると。京都議定書にこだわっていれば、またまたそのだんだんその細い道に入っていって、最後に日本が批准するか批准しないかなんて議論になってしまうおそれがあるんで、その辺は注意した方がいいと思います。
 大胆な発想というのは何かというのは、これは素人の私にはわかりませんが、まだ時間があるんで、皆さん知恵のある方ばっかりなんですからどんなものがいいのか大いに議論するのがこういう場であって、交渉のオプションを縮めるような形のことでペーパーをまとめるのが私はどうかと思います。それを踏まえた上、私もしこうしたらどうかいというのが有益であれば、こんなことでペーパーをまとめるという案はありますけれども、それからまた、先ほど福川委員がおっしゃったような両論併記というのもありますけれども、ちょっと私はまず最初に浮かぶべきだったかと思うんですが、これは何のペーパー、何のためのペーパーでどういうふうに使うのかと、これは私も途中から入ってきたものですから私の責任もあるんですが、その辺がはっきりしないで何か議論されている面があるんじゃないかという気がいたします。
 以上です。

○浅野部会長 今の林委員のご発言に関連することですが、このペーパーは何のためにつくるんだということについて共通理解がないとこの後の議論を進める上で確かに困るわけですね。それを、当然みんなわかって議論をしているつもりでいたわけですが。まず、とりあえず交渉をどう進めるのかということについての細かいことに関しては交渉の過程の中で当然変わってくることですから、この段階で細かい点までは論じることができないだろうという大前提で議論をしているということです。飯田委員からは泥縄だと言われてしまいましたが、確かに取組がやや遅かったのでそう言われてもしょうがないのかもしれませんけれども、泥縄よりはもう少しはましな議論をしているつもりでいるわけであります。
 その上で、今後の考え方について最終的な中央環境審議会としての答申なり意見なりというものは、この段階ではとても形にできない、さらに中間取りまとめといってもここで最終的な中間取りまとめをまとめることもまずできないので、この中間取りまとめの素案について今日ご議論をいただいて取りまとめたものをパブリックコメントにかけ、さらにお寄せ頂いたご意見も聞いた上で再度中間的とりまとめを考えようと手順を我々は考えております。
 それからもう一つ、この部会でこれから先やらなければならないことはまだ次々にあります。2004年には大綱そのものの進捗状況を点検した上でその見直しをするということになっていますけれども、その作業を1月以降、早急に進める必要がございます。今検討しているのは、2012年以降をどう取り組むのかということについての環境政策を預かる中央環境審議会の立場でどう考えるかということに関してある種の取りまとめをしておくということです。
 もちろん国の外交交渉の方針を決定するのは政府でありまして、中央環境審議会が大変高く評価されていることは光栄に思うわけで、ここで何か述べれば、それがそのまま政府の最終的な外交の方針になるというぐらいに権威があると思う方がいらっしゃるということは非常に光栄に思いますが、実際はそうもまいりませんで、政府の中にはそれぞれの立場がございますし様々な意見もあるわけです。ただ、確かに福川委員がおっしゃるように、中央環境審議会は産業界も入っている、NGO・NPOも入っている、様々な立場の方が入って議論でき、共通の土俵としてかなり少ない場だろうと思うわけですね。ですから、ここからの発言なり取りまとめ意見というものが非常に重きを置かれるということは否定できないでしょう。しかし、産業政策の観点からのご議論というのも当然あっていいわけで、それについては産業政策を所管するところの審議会があり、その観点からのご意見を出していただくと、これは当然あり得るだろうと思います。そこで出てきたご意見と中央環境審議会で出た意見が完全に一致すればこれは幸せなことで、それが直ちに政府の方針になるんでしょうけど、そうならないこともあるだろうと思います。産業の立場からは産業側の言い分があるでしょうし、それから環境保護を主張する立場からはその立場をかなり強く出した主張が出てくるということがありますから、一致することは必須の事柄ではあるまいと思っています。
 いずれにせよ、しかし先程の福川委員のご発言は重要なことだと思います。ここで出された意見のあるものが全く無視されてしまうような部会のとりまとめをするということはすべきではないだろうと考えておりまして、そういう前提でこれも議論してきたつもりでいるわけです。

○清水地球温暖化対策課長 私の方からもう一回趣旨をお話ししたいと思います。
 前回余り明確に言っていなくて今回お話ししたんですが、特に3ページのところの一番下のところが今回の趣旨でございます。今後国際交渉を行うわけでありますけれども、これは遅くとも2005年に京都議定書の3条9項というような条項がありますので、この条項に基づくと議論が始まるということがあり得るわけであります。
 ただ、議論の進め方、今後予想しますと、例えば京都議定書のときは1995年のCOP1におきまして、2年後に当たりますCOP3までの間に交渉しましょうという大きな枠を決めて、その交渉の枠組みの中で議論をしたわけであります。今後どういう形で交渉が行われるか、予断をしては余りよくない面もあるんですが、今後どんな形で交渉を行うにしろ、まず交渉の枠組みをどうするかという議論が一番大きな課題になっているというふうに認識しております。
 例えば、何年までにどういうような範囲でどういう交渉をするかという、そこがまずあると、そういう交渉の枠組みが決まった後に、じゃあその各国別の目標値をどうするかとか、どういうメカニズムでするかとか、そういう形の交渉になるんではないかということが予想されるわけであります。交渉ですから、福川委員なり林委員のおっしゃるように、なるべく広いオプションを持って交渉したいということがあります。ただ、その枠組みをつくるに当たっての交渉がまず来るというふうに思っておりますので、そこにおいて適用可能な基本的な考え方、枠組みというものをまずこの場で議論していただきたいと。
 そういう枠組みが決まった後は、各国ごとにどういう基準で目標をつくるんだとか、いろんな議論がきっと出てくると思うんです。総量でいくのかGDP当たりでいくのか、1人当たりでいくのか、各国の差異化の議論、いろんな議論がきっと出ると思っています。それはまさに交渉事項ですので、その交渉に応じて議論していただければいいと思いますし、それをまたその時々に応じて審議会のご意見を伺うということがあると思っています。ただ、その前段階として基本的な枠ということを考えたときにどういう形で交渉するかと、その枠組み自体の交渉をどうするべきかという、そういう前段階の議論でございますので今回こういう形でお願いしているということです。
 今回ここに示された考え方というのは、例えば、条約ということを念頭に置きながら条約に立ち返りながら議論を進めていくか、それから範囲として地球規模の参加を求めると、その範囲も非常に広い範囲に参加を求めた中で先進国間、それから途上国間も含めた差異化を持って交渉していくと。それから、その交渉に当たっては、ある程度これまでの合意を踏まえるけれども、さらに今言ったような2つの考え方、条約の究極目的なり、あるいは先ほど言いました非常に重要な観点であります地球的規模の参加というような形から交渉をどういう形で進めるかという、そこが重要であるという、非常に大きな枠組みのところでご議論をいただいております。
 皆様方、実際に京都議定書があるもんですから、そういうところで数量目標をどうするのかということが念頭にちらつきながらのご意見になっているかもしれませんが、むしろその交渉に入る前段の枠組みのところの議論として基本的な考え方をお示しいただければなというふうに思っております。
 先ほど産構審の中のご意見がありましたけれども、産構審の方の議論は、むしろもう少し中に突っ込んで、その交渉の枠というよりも枠のさらに進んだ後の議論などに対する幾つかの提案を含んでいるというふうに思っておりますので、必ずしも対立するものではなくて、むしろ大きな枠組みをどうするかという、大きなところの観点をまずこの審議会に示していただき、それでもってまず国内、それから国際的にも試してみようというか、そんな考え方で審議をお願いしているということでありますのでよろしくお願いします。

○浅野部会長 では議論を続けさせていただきます。三橋委員。

○三橋委員 今議論をいろいろ伺っていて、例えば瀬田委員の問題提起というのはまたこういう問題を蒸し返されるのかというような感じを率直に私持ちますね。この京都議定書の中身については、かなりいろいろこれまでも議論されてきているわけですよね。それともう一つ、飯田委員が、経済界とNGOが対立とすると言うけどそんなことなくて、経済界、個別の企業について言えば、京都議定書を前提としてやりましょうというような企業の経営者もかなり多いんですよね。だから、そういう対立構図でとらえてほしくないんですね。もちろん瀬田委員のようなご意見もありますよ、しかしそうじゃない意見もかなりあるわけですよ。そういう点で言えば、経済界はこうでNGOはこうだということじゃなくて、経済界の人たちでも京都議定書を前提としたやっぱり方向でやっていきましょうというような意見もかなりあるわけです。そういうような点で、瀬田委員のご意見が経済界を代表するすべての意見じゃないんだということを私はちょっと強調させていただきたいと思うんですけどね。
 それで、私が言いたかったのはそういうことよりも、第一次約束期間を経た後、日本としてはこの温暖化問題というものに対してどういう姿勢で取り組んでいくかということをやはり議論しなくちゃいけないのに、やはりアメリカがこういうような姿勢をとっているからとか、ソ連がこういう姿勢をとっているからというようなことがまず先に議論されるのがおかしいんじゃないかということを言いたいわけですね。
 やはり、日本としてこの温暖化防止のためにどういう姿勢で臨むんだと。例えば、地球益、温暖化による様々な破壊を乗り越えていくためには国益、あるいはその企業益を越えるもっと上段な位置づけとして地球益というようなものがあって、それを目指して日本はこういうことをやっていくんですよと、その上でアメリカとか、あるいはヨーロッパとかソ連とか途上国とか、そういうような国の人たちと日本の基本的な姿勢はこうなんですよというようなことを言いながら合意点を見つけ出していくということが最も必要だと思うんですよね。そういう議論がなくて、テクニカルな問題で損した得したみたいな形の議論だけでこの問題に対してアプローチする気はないんだというふうに私は思いますね。それは貿易とか通貨とかそういう交渉とは違うんですよね、この地球温暖化問題というのは、もっと我々人類が生存する地球そのものが今のままでいくとおかしくなってしまうんだという中でどうしたらいいのかということなんで、これまでの交渉とは違ったアプローチというようなものをやっぱり日本は目指すべきなんだろうと思うんですね。そういう基本姿勢というものをまず定めた上でいろいろな国とできる合意、妥協というものを見つけ出していくというような議論がほとんどないのは非常に私は不満ですね。そういう議論をしてほしいということです。

○浅野部会長 ありがとうございました。それでは、お手の挙がった順番でお願いしたいので、鈴木委員。

○鈴木委員 今、三橋委員からおっしゃられたことを若干フォローするような形になるかもしれませんが、やはりその気候変動問題というのはこれから将来の問題なわけですが、その将来の問題で一番大きいのは、今64億とされる地球上の人口が2050年には89億から93億ぐらいなるという推定がされています。これだけ人間活動が拡大していく世界の将来像を一体どう描くのか、そういう全体像の一環としてとらえなくてはいけない。その人口増というのはほとんどが途上国において起こるわけで、この「基本的な考え方」というようなものが日本政府が、あるいは日本が世界に送るメッセージだとすれば、一体我が国がその途上国に対してどういう立場をとっていくのか、どういうリーダーシップをとっていくのか、これをやはり明確に示していただきたい、示されてしかるべきかと思うんです。
 この文章の中にも途上国というのがいろいろなところに出てきますが、途上国も関わるべきだというような話、先進国とともにとか、そういうような話がいろいろあるんですが、一体日本がそれでは途上国に対して何をするのか、先ほども浦野委員、それから西岡委員などから社会システムの問題などいろいろな話が出てきましたが、私も全くそのとおりだと思います。途上国に対して日本が具体的にできることについてここには一言も触れられていませんが、ODAを通じて何をするのか、環境ODAというのは何となくその金科玉条になっていたんですが、実質的にはやはりその途上国をサステイナブルな状態に持っていくにはどういう仕組みがあり得るのか、そこをやはり環境省としてはイニシアチブをとって考えていったらいかがかと思うんです。
 そこは人材育成であり、やはり社会システムをきちんと開発していく、社会システムという言葉もこの文章では一番最後に、環境と経済の好循環を目指した変革のところに、技術開発に対してのインセンティブを与えるための社会システムと、こういうレベルしか取り上げられていないんですね。本当にライフスタイル、生き方、一体将来の国のあり方はどういうふうにあるべきかと、そういう社会システムをきちんと提示するような、そういうものを日本がある意味ではビジョンを示していく。勿論他の国のビジョンを勝手に書くわけにはいきませんが、ある意味ではお手本のようなものを日本が作っていく。実は日本の将来ビジョンというのは、私は途上国ではあんまり直接的なお手本にならないんじゃないかと最近思ってはいるのですけれども、やはり途上国としてこういうふうなものをそれぞれの国が考えていくという、そういうお手伝いをいかにするかが重要です。これは環境問題だけではもちろんないんですが、先ほど申し上げたそのサステイナビリティという面では一番大きな問題だと思います。この辺のところに関して日本政府が応援をしていく、こういう文章にODAがなどということをもちろん書くことはできないと思いますけれども、そういう姿勢を示していくということが私は重要ではないかと思います。もちろんその京都議定書とかそのレジームの問題は、それはそれでまた別のところで議論されてしかるべきだと思いますが、少なくとも、国際的な対応の基本的な考え方というときにはもう少し国として格調高いところがあってもいいのではないかと、そんなふうに感じています。

○浅野部会長 ありがとうございました。それでは、浅岡委員、そして桝井委員、山口委員、安原委員の順番でお願いします。

○浅岡委員 この議論は、前回もそうですけれども、京都議定書の採択からこれまでに至ることに対する意見の部分と、今後どうするのかという部分と、時間的に2つのものが混在して意見が出されているのですけれども、これまでの京都議定書の議論、採択、その後の経過については、今日林委員からも言われましたように、日本も参加し、採択に賛成し、批准のプロセスを終え、国際社会にそういう対応を示してきたものです。今さらそのプロセスが間違っていたということはあり得ないことでありますし、林委員もそのようにおっしゃられたんだと思います。先般、前回の会議での林委員の発言に驚きましたけれども、本日はそうではないと思います。
 しかし、今日また瀬田委員からでは長々と意見がありましたので、誤解がある部分についてまず申し上げたいと思います。もうそんな議論はやめにしようと小林委員もおっしゃられましたことです。
 1つは、先進国の削減を義務づけている点で、すべての国が参加をしていないのでは間違いだと言われますけれども、議定書は先進国だけのための議定書ではありません。もちろん途上国も批准をしているわけです。途上国を含めてすべての国を対象にしたものであり、現に途上国も批准をしています。途上国もかかわってこの議定書の全体の構造を推進するというもので、途上国を外したものではありません。
 数値目標については、ベルリンマンデートで、第一約束期間においては先進国がまず法的拘束力のある数値目標を持つことになったものです。このことはCOP2でも確認されたわけです。
 地球規模で排出量を減らしていかなければ大気中の濃度の安定化を達成することはできないと、だから地球規模での排出の削減が必要だということは争いがないわけですし、ますますその必要性は強まっているわけです。どこがどのように負担をするのかということについて、条約では共通だが差異ある責任という衡平性の観点から先進国がまず行うということとなったわけです。この議論には衡平性という観点は抜きがたいものであって、日本の提案は、もし日本が途上国であったとしても受け入れられるものであることが必要です。京都議定書交渉で中国やインドや、ましてLDCの国々が削減目標を持たない議定書はおかしいということは、日本が例えば1950年代にこういう議論に遭遇したとしたときに受け入れられるはずはないことは言うまでもないことです。今でも1人当たりで日本の10分の1、 100分の1というようなオーダーの排出量の国があり、歴史的な排出量の大きな蓄積の問題が、それを引き継ぎつつこの交渉を今後もやっていかなければならないわけです。今たまたま、日本の経済状況はこうだから途上国が参加しないのはおかしいというような発言が、日本の経済界から国際社会に向けて出されると、日本の経済界に対する信頼を失うと思います。自分たちのことしか考えない国には、途上国は警戒をするだけだと思います。
 そういう意味で、先進国が削減義務を法的拘束力のある形で負うとの約束をしたことはしかるべき経過であり、その数値目標の割り振りについては、長い長い議論の末に日本も十二分に発言をして合意をした経過でありますから、それを我が国自身が否定をするような発言が少しでも外に出るということは国として信頼を失うだけだと思うんです。
 アメリカが参加しない形で第一約束期間を迎えるという流れにありますけれども、それは京都議定書を採択したときからある意味折り込み済みであったわけですが、外務省としては十分ご存じだと思いますけれども、発効要件を先進国の排出量の何%にするのかということについて随分議論があり、4分の3という意見もあったり60%という意見もあったりした中で55%という数字で採択をされました。これはアメリカが抜けても発効させるという国際社会の意思であったわけです。それを基に今動いていることです。早くこの仕組みを動かしていく、排出量を減らしていく、しっかり減らしていくための仕組みをつくることが産業界や技術の開発を促すためのシグナルとしても重要だということをみんなが理解をしたわけです。日本の経済界にとってもそのことが必要だということでありまして、日本の取組を進めていくためにも、日本の経済の将来の発展にも必要だと、そうした合意の上にこれはつくられたものであります。
 批准に至る経過の中で抵抗がいろいろありましたけれども、日本の経済界も将来の技術開発に役立つ投資もなされるようになり、新たな技術開発も急速に進み、京都会議の議論の最中でプリウスが開発されたように大きな飛躍がなされてきたと、そういうシグナル効果を今も持っていると思います。その積極的効果をさらに高めていくことが日本の経済に、将来的に子供たちのために必要だと私は思っています。経済界の方もそう考える方が随分ふえてきていて、毎日の広告を見ていただいたらわかると思います。先ほど三橋委員が言われましたように、瀬田委員が言われたことが経済界のすべての代表ということではないし、そうであれば日本の経済の将来は暗いと私は思うわけです。
 もう一つの点は、目標達成ができるのか、できないのかということについてです。努力をしなければできないでしょう。やる気になるスキームをつくらなくてできるはずがありません。そうした仕組みをどうしてつくるかという努力をしていくことが必要なのであり、そのために今のスキームをさらに発展させることは考えたらよろしいと思いますけれども、今のスキームを元から崩してしまうような話をするのは理解ができません。高度の技術開発が必要だということを言われましたけれども、そうした技術開発を進めるためにもそうしたシグナル効果は大変大きなものであるとともに、温暖化に対する技術的な対応というのは、おっしゃるように今ない技術を新たに飛躍的に開発するというようなこともあり得るでしょうけれども、それしかないわけではないわけです。技術は様々な場面で様々にあるわけで、今ある技術で対応できる部分があり、もう少しで現実的になる部分もありいろいろなわけです。10年、20年かけてできるようなものしか役に立たないという議論は、経済的な効果の意味からいってもマイナスだろうと思います。
 それからもう一つ、日本は省エネ努力が大変進んでいて、日本が特に不公平な約束を強いられているから、京都議定書とは違う削減しなくてよい方向にしたいという話がありましたが、先般私どもがまとめました資料を配付していただきました。今日お持ちでない方も多いと思いますけれども、京都議定書から大きな削減をというところの9ページに、日本が省エネ世界一という中身は一体何なのだということを図で示しています。
 日本の排出量のGDP比は為替レートによってその違いは大きく、経済界がお使いになるものと違っていますが、内訳で各国を比較いたしますと、製造部門、運輸部門と民生部門、これは業務も含みますけれども、各排出に分けてご覧いただきますと、日本の製造部門の排出は特に効率がいいわけではありません。なぜ全体がよくなるかといいますと、運輸部門と民生部門の排出がほかの先進国に比べて圧倒的に少ないからです。運輸部門では、自動車がこんなに増えて、益々自動車を売ろう、道路もつくろうという政策でありますけれども、そういう中でもまだ日本は非常に少ないわけです。
 なぜ少ないかというと、国民の多くの人が満員電車に揺られて1時間通勤するということに耐えているからです。それであれば、もう少し公共交通機関を充実させるような政策をとるべきで、それをしないで運輸部門での努力が足りない、国民的な議論が足りないと言われるのは、国としての政策放棄だと思います。民生部門も、他の先進国の半分ぐらいしかないわけです。どうしてかと言えば、家が小さく、まだまだつましく暮らしているのが日本の現状です。しかし、我々はもっと豊かになりたいと、国民が贅沢をしたいと言っているのではありません。

○浅野部会長 混同する方もあるので。

○浅岡委員 そうですね、それは過去の話で、今後どうするかについては、これまで営々と行ってきたこの努力を、積み上げる話でないことは考えられません。アメリカのような態度をとるのであればそれはあるでしょう。日本はアメリカのようにやめると言うのですか。そうじゃないのであれば、町内会の議論だって、これまでやってきたことを明日からやめたなんていうことがあるはずがないわけでありまして、これまでの議論の上に積み重ねることが重要です。それができないから日本の失われた10年というようなことになるわけで、国内でそうして積み上げては潰してきたことを同じように国際社会に持ち出すことは恥ずべきことだと思います。
 途上国との関わり方でも、京都メカニズムの関係では先進国、途上国ともに実務的に排出量を把握しながらやっていくスキームが動き出すわけでありますが、ここでもさらに積み上げていくことが必要です。
 アメリカでのキャップ・アンド・トレードによる排出量取引の動きですが、そもそも京都メカニズムの排出量取引は、キャップ・アンド・トレードの発想なくしては出てこないものです。アメリカの提案によって拘束力のある削減目標の上に取引メカニズムが出てきたわけです。キャップがなければ値段が保てないといいますか、正当な市場価格が形成されないと、アメリカでの経験から一番強くアメリカが言ってきたことでありまして、そうしたスキームの上に、ここまで築いてきたものをさらに磨きあげていく、より充実し、途上国への対応等を膨らませていくことはあり得ると思いますけれども、根本的にそれを横に置いてというようなことが入ってくるような、その余地のあるような表現はあり得ないことだと思います。
 すみません、長くなりました。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 今日配られた参考資料の中に平尾委員、桝本委員からのご意見も出ておりまして、瀬田委員だけが何か1人代表して意見を述べたようにとられるとちょっと困るわけで、同趣旨あるいは少し違った観点から同じようなご意見はお二方からも出ておりますので、そのことはちょっと皆さんご留意いただきたいと存じます。では桝井委員。

○桝井委員 今日の議論の中で、1つのキーワードというと柔軟性という言葉ではなかろうとか思います。この部分についてちょっと考えてみたいんですけれども、私はその柔軟とは何かということが言いたいんですけれども、その前にこの京都議定書、枠組み条約から発して議定書になり今に至るこの時間の経過というもの、さらにそれを日本が、しかもこれを批准したという、これに対して批准した事実、この時間の経過とその行われたこの中身というものを余りにまず横に置いてただ議論すればいいというものではない。外交でどんなことをやるか、どういうふうに臨むかということがあろうというときに、これまでに国として挑んできた姿、批准までしているわけですから、これを一つ置いて、真ん中に置いてそれから進めるしかない、10年といってもこれを、ただそれを言うだけでは融通無碍というか、一体どこにどうやらつくのやらということでは困ると思うわけです。
 その点で福川委員がおっしゃっておりますけれども、いろんな議論があるし、議定書でいくか別の取組があるのか、要するに最適なものを見つけるべきだと。その際、議定書をベースにすることを排除するつもりはない、これはご意見全くそうですけれども、こういう形のものは私はちょっと違うと。この10年間の批准を知ったまでの経過を踏まえた上で最適なものを探る、これならわかる。だから、柔軟という言葉の中にある種の言葉の響きのよさの裏にやはりすっきりしないものを感じます。
 驚いたのは、例えば林委員のお話ですけれども、議定書に問題があるという評価はそれでいいと思うんですが、要するにアメリカとの関係においてアメリカが入れる枠組みをきっちりと詰めるべきだと、それは何かと詰めるべきだと、これが大事だとおっしゃる、そうだろうかと。要するに、ここでもやっぱりある程度柔軟ということで考えてみると、今度は逆の意味でアメリカが今変化している、この1年どうなるかわからない、ブッシュ政権になったとしても今ごろどうなっているんでしょうか。要するに、あの国の中でも異論のある中で、ただ何かと詰めるべきだと、スタティックではなくてもっと情勢すらもっと考えるべきではなろうかと。
 いずれにしましても基本的スタンスは、やはり繰り返しますが、枠組み条約からここまで来たこの時間の中で日本が国内でもいろいろあったけれども、さらに国としても一つのこれをどうするかと、ここを抜きにしていろんな議論はやったらいいと思います。ただ、その中で議論しながらいろんな、柔軟な議論をしていくべきであろうと思います。
 以上です。

○浅野部会長 永田委員、先ほどから手が挙がりまして、失礼しました。どうぞ。

○永田委員 まず、この報告書ですけれども、次期枠組みに関する基本的な考え方ということで見させていただきました。温暖化の国内での考え方とか、あるいはその対応に対する方針だとか、このことに関して広く温暖化問題に関してはいろんなレポートが出てきているわけで、これを全部まとめようという話じゃないんだというふうに思いますので、この次期枠組みに対する考え方の報告書としては、これをベースにパブリックコメントをされるということで、非常によくでき上がっているなというのが私の意見です。
 それから、先ほどのフレキシビリティの話ですけれども、一方で先ほど浅野部会長も言われたように、産業政策的な視点だけじゃないのかと、そういう視点も見ながら経済産業省もレポートをまとめているわけですけれども、これもこれでやっぱり国民に対してこういう考え方もあるんですよということを知らせる、そういう意味ではフレキシビリティの幅というのは日本にもいろいろあるんだろうと、こういうふうに思いますので、それで確保していくということになるでしょう。恐らく国際の場でも産構審のレポートというのは訳されて出てくるという可能性もあるし、国がどう対応するかという議論の中でももちろんそれが一つ意見として取り上げられることになるんだと思います。そういう意味で、ここで一本化した日本の案をまとめているんだという話じゃないということは先ほど言われたとおりだと思います。
 一方で、2つといいますか、我々最近出たレポートの中には1つが中心的に存在していたわけで、これを含めてですね、そうするとこれまでの経緯といいますか、その条約から議定書の流れをずっとたどってきたこれまでの経緯というものを、もちろん両方ともベースにするということには違いないんだけれども、その延長線上で考えるのか、あるいはそこからまた次期枠組みというのを改めて考え直すのかという、そこにもまたいろんな意見があるというのは当然だろうというふうに思いますんで、そういう意味ではこちらはこちらのレポートでこういう格好でまとめて出していただくのがきっと国民的な関心を高めるとか、あるいは議論を強固にするということでは非常に有益だろうというふうに思っております。
 そういう意味で、全体的な話としてよろしいんじゃないかと思いますし、さらに加えてちょっと、先ほどから技術の話がここに出てくるんですけれども、皆さんおっしゃられているように、この技術単独で何とかなるなんてその技術万能みたいな話を、またここでされてもらっても困るんで、そういう意味ではその社会セッションとのバランスというのはここに書かれている、もっと書けという委員もおられましたですけれども、日本から見た感触からすればかなりバランスがとれた書き方になっていて、これでもう一つの考え方だろうというふうに思っております。
 そういう意味で、今日いろいろ皆さんの方からも意見を出させていただいたんですけれども、私は別にこれでよろしいんじゃないかと思います。

○浅野部会長 大聖委員。

○大聖委員 先ほどの鈴木委員、それから浦野委員のご意見をサポートしたいと思います。
 前回私申し上げたことを一部繰り返させていただきますけれども、やはり途上国、とりわけアジア地域に対する日本の貢献というのをもう少し力こぶを入れて強調していただくということが非常に重要だと思います。日本の置かれた地政学的あるいはその周辺の国々との関係からいいましても、日本というのはアジアにおけるポジションというのは非常に特徴的なものがあると思いますので、そういったものを活用していただきたいというふうに思います。
 とりわけ、やはり途上国の中でもアジア諸国が占める割合というのは非常に大きいわけですから、そういったところを強調していただきたいということと、あと人材育成とか、それから社会システムへの貢献ということもありますけれども、やはり我々科学技術にかかわっておりますと、そういったレベルを途上国に対して上げていかないと、我々技術供与ばっかりで本当にいいのかという堂々巡りになると思いますので、やはりそういう途上国が自律的に、技術的に、あるいは社会システムとしてもやっぱり発展をちゃんと遂げていくような道筋を我々が協力していくと、そういうことが絶対に必要なんですね。それが全体の地球規模の環境への貢献ということにつながるというふうに確信しておりますので、是非そういったことを強調していただきたいと思います。
 それからもう1つは、次期枠組みということですけれども、何かもっと長期的といいますか、骨太というんでしょうか、そういう技術戦略が何か底流にあって、その上で何かいろんな議論ができるようなものが必要ではないかなと。そういう10年、20年、30年というスパンだと思いますけれども、1つの戦略上の連続性とか接続性とか、そういったものが何か基本的な考え方の底流にあっていいんではないかなという気がいたしました。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。山口委員。

○山口委員 内容的には非常にポイントはよく尽くされているし、事務方のご努力がよくあらわれておると思います。そういった前提、内容については各委員からかなり詳しく出ておりますので、あえて形式論をちょっと申し上げたいと。
 実は、これから国としてのこの問題に対する姿勢を固めていく段階に入るわけですが、それは外交交渉をしながら、政治的な面も含めて国内コンセンサスをつくっていくというプロセスになるわけですね。そうしたときに、この果たしてレポートの本文というのはどこなんだということが私ちょっと疑問がありまして、表題を見ますと基本的な考え方についてと書いてありますので、私はこの文章の中で括弧で囲んである基本的な考え方という部分が本文で、あとは参考のための資料かなと思って読んでおりましたら、どうもご議論聞いているとこのそうでない部分も本文のようにおっしゃっているんで私ちょっと頭が混乱したんですけれども、したがって、外交交渉を控えておりますので、1つの考え方としては本文はあくまで基本的な考え方のところなんだと、その部分をパブリックコメントにかけて、いろんな人たちがいろんな声をこれから参考にさせていただくというようなプロセスかなと思いますが、この辺は部会長等のご判断にお任せいたします。

○浅野部会長 ありがとうございました。安原委員。

○安原委員 私は、結論から申せばこの原案で結構だと思います。
 どうもいろんな議論が出ましたが、このペーパーの趣旨についていろんな理解があったからではないかと思います。先ほど事務局から説明がありましたが、このペーパー自体がその京都議定書の後の、次の約束期間における基本的な枠組みに対する日本の基本的な考え方はどうあるべきかということでまとめようというものでございますから、この原案のような内容で非常に適切ではないかと思います。
 これまでの経緯をちょっと振り返りますと、やっぱり科学的知見、温暖化問題についての科学知見がIPCCでまとめられて、これは人類の生存基盤に関わる大問題だと認識しているわけですね。そのために、支障のないような状態にするためには大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させなきゃいかんと。そのためにはフローベースで今のような排出の状況からいろんな試算がありますけれども、例えば6割前後カットしなきゃいかんという大変な課題であるわけですね。それに取り組もうということで気候変動枠組み条約ができ、もう世界のほとんどの国がそれに入って合意しているわけですね。その上さらに京都議定書というのができて、そしてそれがまさにロシアの批准待ちではありますが発効が早期に期待されているという状況にあると。その先どう進めるかという議論が2005年から始まるがゆえに、それに対して国際協議の日本政府としての考え方について中環審として意見を申し上げるということであるわけで、そうだとすると、今この場で京都議定書についての中身についていろいろ難しい点があるからそれをぶらぶらさせるような議論というのは全くなじまない話だと思うんです。
 京都議定書、あの京都議定書が発効するという前提に立って、それが今まで形成されてきた国際合意でございますから、それに立脚して究極目的にどのようにできるだけ速やかに向かうかという更なる絶えざる前進のための基本的枠組みの改善を進めていく、そのための考え方を整理しようということであるわけだと思います。そういうことからいきまして、繰り返しになりますが原案でお取りまとめがいただければと思います。

○浅野部会長 森嶌会長。

○森嶌会長 私も先ほどから出ておりますので、これはビヨンド京都という議論でありまして、京都議定書はよかったかどうかなんていうことを今ここで議論していること自体が私はどうも、何で批准したんだという感じがいたします。その意味では、私はここでの議論は、基本的にはこの今日のこの書き方でいいんではないかと思うんですが、ただ、今日のご議論を伺っていて、これは国内の国民に対してのアピールをビヨンド京都としての国内的なアピールをするための議論なのか、それとも国際社会に対して日本の基本的な考え方を示すという議論をするための今日の議論なのか、そこのところをもう少しはっきりさせて議論した方がいいのではないかと。そして、仮に国際的な議論をするんだとすれば、私は基本的な考え方としての文章はこれで結構ですけれども、もう少しいろんなデータをつけた方がいいのではないかというふうに思っております。
 私は、少なくとも京都議定書以降、COPもずっと出ておりますし、いろんな92年の会議にも出ておりますけれども、どうも日本はできるから簡単に何でもやるから出ていて、そして途上国にも日本は金があるから途上国を支援しているんだというふうに簡単に受けとめられているところがありますけれども、日本は決してそうではなくて、一生懸命将来の世代のために日本は一定の理念のもとにやっているということは論外に理解されていないというところがあります。もともと国際社会というのは、環境だからみんなが理念的に行動するのでなくて、イラクなどでもおわかりのように、国際社会といってもみんな国益で行動しているわけです。そして、この環境の問題でも京都議定書でもアメリカ軍のブッシュ政権だけが国益に走っているのではなくて、ロシアもうろうろしていますし、中国でも、たまたま京都議定書の対象でないですからいいですけれども、中国でもインドでもどこでもまず国益を考えていますし、ヨーロッパは、EUはちゃんと全体の21世紀を考えているかというと、それぞれが自分の国益を考えた上で環境のことも考えているという意味では、決して国益のことを考えていないわけではない。それでは、国益のことを考えたら環境のことを考えていないのかというとそうではなくて、国益と環境のバランスをとりながら考えているという意味で、先ほどからお話があるように国益を考えれば環境を考えなくてもいいということでは決してない。
 ですから、私は、そういう国際社会の中で21世紀に向けて環境のことを考えるときに、日本は国益と環境、21世紀の環境を考えて、国益をこういうふうにして国益と環境のバランスを考えながら、なお21世紀のためにこれだけのことをやっていくんだということをきちっと打ち出していかなきゃならい。そのためには、こういう基本的な理念を打ち出していくときに技術にしろ、あるいは途上国支援にしろ、データをきちんと出していくべきですし、それから、例えばエネルギーの問題にしても、日本はこういうふうなエネルギーの状態の中で、先ほどその浅岡委員の話にもありましたけれども、日本はこういう状況の中で6%の削減を達成し、そしてさらにビヨンド京都の中ではこういうふうに考えていくんだというデータを示さないと、日本は簡単にできるから、あるいは今までやってきたからやっているんだというふうに思われがちですので、私は是非この文章に付随するものとして日本が今までやってきたこと、それからこれから打ち出していく場合のデータ、予測として、それから先ほど鈴木委員が言われたけれども、アジアに向けての人材育成もアジアに対して技術支援をします、人材育成をしますというだけではなくて、どういうふうなことを考えて、どれだけの支出なりどういうことを考えているのかということを具体的にやっぱりデータを出していく、示すべきだと。一切できないかもしれません。しかし、出しておけばそれだけの責任を日本は負うわけですから、そういうことをやはり示した方がアジアの人たちも日本はこれだけのことを考えているんだと思うでしょうし、ヨーロッパの人たちに対しても説得性はあると思うんですね。
 これだけ書いたら日本はきれいなことを言っていますけれども、ある意味では説得性がないですよ。日本はいいこと言っているけれども、というだけのお話になってしまう。先ほど言いましたように、みんなは国益のことしか考えていないわけですから、日本はこれだけのことを、国益というとちょっとあれですけれども、日本は国民にこれだけの負担をかけてでも長期、21世紀の環境のためにこれだけのことをやろうとしているんだということを引っさげて初めてほかのアメリカに対して、あるいはロシアに対して説得性を持つのではないかということですし、それから、やはりそうしたデータを持っていることが環境省なり、あるいは経産省なりが国際社会で先進国、あるいは途上国に対して説得をするときに説得力を持つのではないかというふうに思いますので、私はこの文章はこれで結構ですが、その文章の背景にあるデータを是非用意をしていただきたいと思いますし、そのデータを用意するのであれば、環境省がその政策を打ち出さなくても、経産省や国土省などが出しているプランを、それを翻訳すれば、今出ているのはこれだけだというようなことで出てくるわけですから、私は是非そういうものを集めて、各省と話をしてその関係のデータを出して、またデータでも各省によって少し基礎が違うかもしれないんですけれども、それは少し環境省の方で整理をして、是非そろえておれのところはこれだけのことをやっているんだと言おうと思ったら実際はやっていないことに気がつくかもしれないので、そのときは各省で、こんなデータは出しようもないから、もう少し頑張ってよというふうに言ってもいいと思いますし、是非それを役所の方で用意をしていただきたいし、もしも役所の方でできなければこの部会でほかの省庁に対して政策をこういうふうに立てろというんじゃなくて、是非表に持っていけるようなデータを各省庁で用意をしてくれということを我々が要望すればいいわけですから、そういうふうにしていただきたいというふうに思います。

○浅野部会長 それでは、瀬田委員、久保田委員、飯田委員、福川委員の順でお願いします。

○瀬田委員 先ほどから集中砲火を浴びましたけれども、今森嶌会長から非常にうまくまとめていただきましたので、私のまさに申し上げたいことを言っていただいたと思っております。
 私は、最初に振り返るということを申し上げましたところ、大変何を言っているんだという話になりましたが、しかし今後新しい次の枠組みを考える上でやはり振り返って物を考えるということは、それは1つの材料になるんではないかと、その上でどうするんだという議論がまたその上にでき上がってくるんじゃないかというふうに思います。そこを1つ申し上げたいんです。
 それから、あと西岡委員から出ましたいろんな技術あるいは予測、そういったものに対すること、これも私もそれなりに理解はしているつもりでございます。やはり私がこういった言い方をしておりますのは、やはり産業という立場に立って、より現実的な立場で物を考えようとしているからでございまして、そういう意味でこの今の現実も踏まえて次の議論というものに入っていくべきではないかと、そういうことで申し上げました。決してその自己的な立場で申し上げたわけではありません。
 それから、先ほどの森嶌会長のお話、あるいはもう一人どなたか言われましたけれども、その具体的な技術開発、技術とライフスタイルという2つのコンビネーションで今後の対応をしていくということでございますけれども、例えばライフスタイルというのはどういう形になっていくのか、あるいは技術開発というのはどういう形になっているのか、それをどういうタイムフレームで考えていったらいいのかという、いわばあるシナリオに対するビジョンがあって、そのビジョンの次のロードマップのようなものをどこかでつくり上げることによってより自分たちの言っていることの現実性がどこまであって、さらにやらなきゃいけないのか、あるいはそれをここは十分だからもっとアジアとかそういう世界的にそれを広げていくということが大事なのか、そういう議論ができるんではないかと思います。
 以上で終わります。

○浅野部会長 久保田委員。

○久保田委員 連合で、労働組合の立場で今日2回目の参加でございますが、初めて発言させていただきますが、この会議に出て、実は非常に前回、今回びっくりました。これだけのギャップで議論がなされているのかというのが、私ちょっとはじめ実感したわけでございまして、やはり本質問題をやっぱりこれからどうするというところで本当に詰めなきゃならないんじゃないかという感じがしています。私、労働組合の立場からすれば、実は生産者なり供給者の職場の組合の立場があると同時に、生活者であり消費者の立場も持っている、そういう集団だというふうに思っています。
 経済界の方々の意見が大半非常に危機感を持って臨んでおられると、そのことで果たしてそれでいいのかなという基本的な認識はありますが、ただちょっとエクスキューズをしますと、私も製造業出身でございますが、やはりかつての状況と違って、中国を始めアジアとのこの競争の中でまさに雇用問題ということがぎりぎりの状況の中で、今後の日本は一体何で食っていくのかと、何で稼ぐというのはそう簡単な問題ではないというところにあることもこれまた事実でございまして、そういう意味では労働組合も悩みつつこういう問題に対応しようとしているのというのが実は率直なところだと思います。
 ただ、先ほどからの議論があり、そういうことについて特にアメリカが加わらないこういう枠組みの中で、一体日本が国際社会に対してどういうスタンスでいくのかというのは本当に大変な岐路に立っているのではないかと。事は環境問題だけではないのかもしれない、本当に戦後50年こういう構造の中でやってきたこの日本という国が、本当に性根を据えて背骨に一本筋がしっかり通って本当に国の生き方、どういう方向でいくのかということについて議論をし、そして結論を出し、それをメッセージとしてやっているのかどうか、お上に任せて総論賛成、各論反対で何とかごまかしてきたというところではもうごまかし切れないというところにあらゆる問題が来ているのではないかという基本的な認識を持っています。
 そういう意味で、結論的に言うと、外交交渉の場は、これはしたたかなそういうところがございますので、雇用の問題も含めてここは別の次元で様々な戦術、戦略を考えていくべきではないかとは思いますが、しかし今日の提案等々については、基本的なスタートラインとしては結構ではないかというふうに思っていますし、労働組合としても今様々なこういう問題に突き当たっているときにやっぱり各論反対という、総論賛成という限りはそのことが一体どういう自分の生活に影響するのか、あるいは自分としては何を乗り越えていかなきゃならないのか、我が身にとってはどうなのかということもちゃんと認識をした上で、しかしそこで選択をしていくと、一人一人がですね、ということが本当に大事じゃないかという問題認識は持っています。
 そういう意味で、今連合が言い始めているのは、ワークシェアリングやそういうことも含めて働き方を変えて、生き方を変えて、もう一回21世紀のそういう日本の社会、あるいは世界の中で本当に尊敬される国として一体何を発信していくのかということを本当に一人一人も考えようじゃないかということを強く言っているつもりです。
 組合の中でも大変な議論がありますし、守旧派も改革派も今まで変えない方がいいというのもいますがどうもそれだけでは済まないんではないかと、そのことを一人一人意見を持ってちゃんと結論を出していこうよと、人のせいにせずに自分で立案して結論を出していく、そういう集団になろうよということを今言っているつもりでございます。そういう意味ではこの15ページですか、多様な主体が参加しつつ国家を中心とした国際合意プロセスということについては、これ国内の合意プロセスをつくるときにも大変重要なことじゃないかと思います。
 あんまり包み隠さずきれいごとで結論を出すよりは、様々な議論があるということを前提にして、そのことをしっかりメッセージとして伝えながらやっぱり国民を信頼して、一人一人がやっぱりそのことについて結論を出していくというような、遠回りなようではありますがそういうプロセスが非常に大事じゃないかというふうに思っていますので、是非やっぱり不可逆的なことはあり得ない、後でしまったと思っても遅いとなれば、自らのライフスタイルを変えていくという覚悟を持ちながら、やっぱり前向きにもう前に倒れる方向でどうすればいいのかということに対して知恵を絞るべきじゃないかというのが連合としての意見でございます。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。飯田委員。

○飯田(哲)委員 手続的というか、進め方の話とコンテンツの話と1点ずつですね。
 福川委員と山口委員のおっしゃったことに基本的には賛成で、それを具体化するという意味で少しつけ加えさせていただくと、基本的にこの四角のところが、まずこの文章がやはり非常にあいまいな文章の性格であったと、林委員が最後にちょっと質問された話ですけれども、そういう意味でいうと外向けのメッセージでもあるし、交渉の手がかりでもあるし、なおかつその様々な論点を議論するペーパーでもあるという3つの性格がまじっているという、やっぱりそこが議論が拡散する最大のポイントなので、やっぱりこの四角のところについては外向けに多少やせ我慢してでも美しく見えるように、その中で問題の残るところについては福川委員がおっしゃったような柔軟性ということで、この辺は逃げていくような形で外向けの論点、メッセージというのはそれはそれできちんとまとめつつ、逆に下の○印についてはあくまでまだ検討のスタートですので、これも福川委員おっしゃったようにきちんと両論を出していって、それも含めてパブリックコメントにかけて、今こういうところが異論があるんだというようなことはきちんと見せていくという方がやはりいいんではないかと。
 特にその中で、ちょっと細かくなりますけれども、その各大きな項目は表題があるんですけれども、下のそれぞれの○が何を言わんとしているのかというところを小題目を入れて、それも前半はその合意されている解説、後半については両論がある部分ということで、サブタイトルとどこに異論があるのかというのをもう少しパブリックコメントが見えるようなエディティングというか、編集を少し事務局に工夫していただくと、その論点ペーパーとしても役立ちますし、あと四角い部分だけをきちんと取り出すと外向けのメッセージになるということで、そこの部分混同、またある程度エディティングの話になりますけれども、すれば非常に明確になっていくんではないかと。
 その上で中身の話で、そういうふうにするとこの大きな項目として抜けているものがないかというふうにやっぱり考えると、先ほどの欧州の文中にもありましたけれども、持続可能な開発・発展というのが、これはそれ自身非常にコントロバーシャルであることは確かなんですけれども、やはりこれは大きな項目として挙げておかないと、その途上国を入れるのは総量を減らすためだというのはちょっと非常に、言い方は悪いんですがやはり下品な議論で、それは途上国も減らすことによって、それは非常に新しいモダンなエネルギーシステムを持って、それはやはり持続可能な開発・発展に資するんだという、むしろ大義名分のもとでの中での途上国という話になってくる論点なので、大きな項目として持続可能な開発・発展、これは前回もちょっとコメントしたんですけれども、これはやはり筆頭に来る項目ではないかというふうに思います。
 以上です。

○浅野部会長 福川委員がさっきお手を挙げであったんですが、青木委員、どうぞ。

○青木委員 特に大きな意見があるわけではないんですけれども、委員として今回の案に対する態度、位置を示しておきたいと思うんですが、私もこの原案、いろいろ多少修文があろうかと思いますけれども、それで基本的には結構だと思います。
 まだ多少時間があるようなんで、私のちょっと別の観点からの話になりますけれども、これからの交渉をする場合に一番基本の話になりますけれども、なぜCO2を削減しなければならないのかというところをしっかりしておかなければいけないのではないかという気がいたします。京都議定書があるからCO2を削減するんだとか、あるいはその太平洋の諸島が海に沈むおそれがあるからCO2を削減しなければいけないのかと、こういうレベルの問題であるのか、あるいは人類として空気なり、環境を汚染する権利があるのかどうかという議論が基本的に、今までに当然なされているんだろうと思いますけれども、そういうところも議論しておかなければいけないのではないかと思います。
 思い出しますのは、昔、マスキー法とかアメリカの水質汚濁防止法、この議論をやりましたときに、やはりもともと自然にある空気質を変えないとか、水質に新たなものを加えないとか、何も取らないとか、どこかのコマーシャルと似ていますけれども、そういうような議論がなされておったわけですけれども、もちろんいろいろ外交交渉あるいはいろんな問題の中で、そんな基本的なところをやる必要はないかと思いますけれども、基本的に人類として地球を、どこまで地球資源を使うことができるのかという基本的なところを押さえていけば、いろいろ各国に対する日本のスタンスというものがはっきりしてくるのではないかというような気がするわけでございます。
 また、そういう基本的なところから考えていきますと、アメリカ、これは交渉は非常に、私も素人でありますけれども、今までの議論を聞いていまして大変だと思いますけれども、やはりアメリカだってCO2が大変だということは当然理解しているわけですから、どこかでは妥協の余地が出てくるだろうと思います。私も生物関係のことに関心がありますので、そういった関係の方とお話しする機会もありますし書物もよく読む機会がありますが、やはり途上国の問題、現在の途上国が私どものレベルの生活をしてくるとすれば、地球が2ついるとか3ついるのかという、そういう議論が当然なされているわけですので、CO2もその資源関係の問題ともちろん一緒でございますから、やはり途上国に対して人口政策、先ほど議論出ていましたが、人口政策、教育問題、水問題、そういった1つの問題の中としてCO2問題をとらえて議論をしていく必要があるのではないかというような感じがしております。現在の感覚だけでございますけれども、一応発言をさせていただきました。

○浅野部会長 福川委員、どうぞ。

○福川委員 今、いろいろご議論が出ました。私は、森嶌会長がおっしゃったように第一約束間のことをどうこうというんじゃなくて、やっぱり第二約束期間をどうするかという、そのときの最適の枠組み、仕組みを考えるという態度で臨むべきだというふうに私も思っておりますので、したがってそれは、私は相当この幅広い検討が必要だというふうに思います。
 その際には、西岡委員もおっしゃったように、この科学的な知見ということも十分あります。これまでIPCCで見れば、その将来の地球の温暖化の予測にしろ、推移にしろ、だんだんだんだん幅が広がっているわけで、本当に不確実性が下がっているのかどうかということについてもいろいろ疑問があるし、また、温暖化防止条約で考えている安定化ということにしたときには相当ディーパーカットをしないといけない。特に先進国の場合には相当しなきゃいけないというような研究もイギリスであったりもします。
 ですから、そういうことも念頭に置かなきゃいけないし、それから森嶌会長もおっしゃったように、じゃあ一体日本は何やっているんだと、日本で得意なものもあったし不得意なものもあると。やっぱりそこはきちんと日本で評価をし直してどういうふうにすればいいか、それから浅岡委員もおっしゃったように、そのライフスタイルというのはどういうことかということもいろいろ出てくるので、やっぱり一つこれから部会長にお願いをしておきたいのは、やっぱりこれからこの交渉をどうするかという前にはそこをきちっと議論をする、その上で交渉に臨んでいただくという基本のビジョンというか、これをきちんとすべきではないかというふうに思っています。
 それから、もちろんこの地球温暖化対策推進大綱ということでは、米国や途上国を含むすべての国の参加ということが一応目標にはなっているわけですから、それを念頭に置いた形でやっぱり検討をすべきだというふうに思います。ひとつ是非、そういう大きい立場でというふうに思います。
 このペーパーに関してですが、先ほど局長はそのパブリックコメントにかけることと、それからCOP9で政策当局者などの意見も聞きたいと、こういうふうにおっしゃられましたが、部会長はパブリックコメントというふうにおっしゃいました。私も、まだかなり時間がある問題でもありますし、やっぱりこの問題は国内で世論を起こすということが非常に必要だし、産業界だって一生懸命やっている産業界もありますし、どういうふうにしたらいいかということでもっと知恵を出そうという動きもきっと出てくるので、そこらをもっと刺激をしていくということが必要だろうと思うんです。
 したがって、ここではやっぱりとりあえずはパブリックコメントにかけると、こういうことだろと思いますけれども、そのいろんな意見がここでも出ているように、やっぱりここの部会の審議の議論というのはできるだけオープンにした方がいいというふうに思いますので、ここで出た意見というのを事務局が切ったりするんじゃなくて、できるだけ出た議論はここに反映をして両論併記でもいいでしょうし、あるいは議論の過程でもいいと思いますし、あるいは森嶌会長のおっしゃった資料という形でもいいと思いますが、できるだけそのパブリックコメントにかける場合に両方を提供して、それで反応を見てということが必要だというふうに思います。
 最後に1つ、まとめの方向ですが、先ほど山口委員、それから飯田委員もおっしゃいましたが、1つはこの箱の中だけまとめて出すということが1つの方法かと思いますが、それができるかどうか、それともう1つは、これは先ほど部会長に言われてちょっと拝見しておりますと、桝本委員は、もし意見が反映できない場合にはこういう意見があることを付記してくれと、こういうふうに書いていらっしゃいます。ですから、私としては、その選択としてはこの箱だけで出すか、あるいはもしこの文章をまた部会長のお手元で整理されるとしたときに、やっぱり付記する意見というものをひとつ桝本委員なり、こういうご意見を出していらっしゃる方と部会長がご相談になられてこの意見を付記してくれ、少数意見を書いてくれとおっしゃる方の取り扱いを部会長に適切にお諮りいただいたらよろしいかと思います。
 以上です。

○森嶌会長 パブリックの意見を求める場合に何を聞かれているかというのがわからないと、そもそもその京都議定書がどうなっているかがわからない状況でビヨンド京都なんて言われて何聞かれているのかわからない、しかもこのかなり抽象的な基本的考え方を聞かれてわからないという、ここで聞いてもこれだけいろんな意見が出てくるわけですから、是非お聞きになるときに聞き方について、今福川委員もおっしゃいましたけれども、うまく聞かないとまた拡散してしまう危険がありますので、是非部会長、よろしくお願いいたします。

○浅野部会長 大塚委員、お願いします。

○大塚委員 私は、このペーパーについてはもうこれで基本的に賛成ですので特に申し上げることはございませんが、2点だけちょっと追加させていただきます。
 1つは、先ほどのご議論において柔軟性ということがかなり出てまいりまして、必ずしも賛成の方だけではなかったふうに思いますが、国際交渉において当然柔軟性は必要ですので私も異存はございませんが、柔軟性を残しつつメッセージを出すということもどなたか、たくさんの委員の方がおっしゃったことですので、特にペーパーの場合は柔軟性のことだけをいっても何も出てまいりませんので、メッセージを出すということも同時に行っていただきたいと思います。
 それから第2点ですけれども、先ほど排出総量でということについて下品だという話も飯田委員からございましたが、持続可能な発展とか共通だが差異のある責任という考え方はもちろん、現在気候変動枠組み条約にはございますので、これはもちろん残しておいていただいていいと思いますし、11ページあたりでもそれは強調されているので既に書かれていることだと思いますが、排出総量という考え方は、基本的に温室効果ガスを出すことが環境負荷を与えているんだということなんですね。これはこれで一つの考え方であって、その持続可能な発展とか共通だが差異ある責任ということだけを言っているといつまで経ってもすべての国の参加という話に必ずしも結びつかない可能性があるというふうに私は思っておりますので、12ページのこの点を是非残していただきたいというふうに思います。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 浅岡委員。

○浅岡委員 議論の体制をしっかりメッセージとしてまとめていただくために私どもも時間を割いてきております。そして、これをパブリックコメントに付すということだけでいいのではないかというのが福川委員のお話でしたけれども、COP9が開かれますし、経済産業省の方の審議会からの報告は既にあちこちに英文で配付されているという状況でもありまして、それが日本の意見であるかのごとく誤解されるとよろしくないと思います。ここでのメッセージをちゃんと国際交渉の場にも出し、議論を伝えられるようにやっていただきたいと思います。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 基本的なところで、最初からこの原案をつくる段階から強く意識していましたのは、京都議定書から議論をスタートさせるというスタイルはよくないだろう、本来枠組み条約があって、そのことをもう一回想起すべきだろうということでございまして、このことは第1回目のときも申し上げました。枠組み条約の中に書かれていることがどういうことであるかということが、ともすれば忘れられてしまうおそれがある、京都議定書は見ますけれども枠組み条約をみんな忘れてしまって、京都議定書はいいか悪いかの議論だけになってしまう、それは非常に問題だろうと思いましたので、枠組み条約からの議論、それからこれまでどういう交渉が行われ、どういう合意が国際的に行われてきたかということもたびたび確認をしておかないと忘れてしまう恐れがありますから、それをこの原案でしっかり書いてもらったというつもりでおります。
 基本的にこの原案をまとめるに際して、前回西岡委員がおっしゃったことは極めて重要だと思っております。つまり、京都議定書がいいか悪いかという議論をするのがこの場の目的ではない。少なくともその上にどういう議論を積み上げていくかが重要で、しかし京都議定書に縛られてしまうとか、京都議定書を単純にそのまま延長すればいいという議論ではないだろうということです。そこのところから大変難しく議論が分かれるところでもあるわけでしょうけれども、今申し上げたような考え方で書いたつもりではあったわけです。しかし、なおそれぞれのお立場で原案を読まれるとそれぞれの読み方があるということはよくわかりました。
 福川委員がおっしゃったように対立点があるといえば確かにいろいろ対立点があるわけですし、他方では今日のご議論をお聞きしておりましても、この原案でよろしいんではないかというご意見はかなり多いわけですから、形式的に言えば多数決をとれば原案のままでいいということになってしまうかもしれません。それはこれまでの当部会、あるいは中央環境審議会の運営の仕方からしてもそういうやり方はなされてこなかったと思います。これが最終案の決定というなら格別、これからご議論を承るためのペーパーをまとめようというものなのですから両論併記になるかどうかはわかりませんけれども、出てきた意見のあるものが全く表に出ないようなやり方で案をとりまとめることはよくないというご議論には大いに理解ができるところです。
 それで、最終的にこれについてパブリックコメントにかけると申しましたが、その場合のパブリックコメントは何も国内だけに限るものでもありませんので、英訳をして外国からの意見を求めるということも、それは大いにあり得るだろうということを念頭に置いてパブリックコメントと申し上げたつもりです。したがってその意味では、浅岡委員が補足をしてくださったこととそう異なった考え方を持っているわけではございません。
 いずれにいたしましても、これが最終的な中間取りまとめでないということだけははっきりさせるということは今日のご議論の経過等を踏まえて必要だろうと思いますし、それから、先ほど福川委員からご指摘がありましたように、平尾委員、桝本委員からは自分の意見を是非ちゃんと入れろということでありました。これは、本文の中に自分の意見をそのままの形で採用してほしいということだとするとこれは困るわけでありますし、例えばこの部分にはこういう修文意見があったことまで詳しく書くのはちょっと事の性質上無理かと思いますが、その背景にあるお考えというものが、今日この場で出てきたいろいろなご議論も含めてあると理解いたします。こういうような立場でのご議論があったということは十分に反映させる必要があるだろうと思いますので、形式等も含めてパブリックコメントに付する案のとりまとめについては部会長にお任せいただければと思います。
 そして、山口委員からも、あるいは飯田委員からも括弧の中の基本的考え方というところを上手にできるだけまとめて、ほかのところで実質的に意見が分かれているところはわかるようにすべきというご指摘も反映させまして、それを基に広くご意見を承り、今後さらに引き続いて議論をするということにしたいと思います。とりあえず取りまとめは本日の段階で部会長にご一任いただくということでよろしゅうございましょうか。
 ありがとうございます。それでは、努力をいたしまして、取りまとめをしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 それでは、本日は予定の時間になりました。次回でございますけれども、12月18日に海洋投入の問題についての部会を開くにしておりますので、是非ご出席くださいますようにお願いいたします。
 それから、本日の議事録につきましては、事務局で取りまとめた上で後日案をご送付いたしますので、どうぞご確認いただきますようにお願いします。
 では、事務局何かございましたら、よろしいですか。
 それでは、本日はこれで散会いたします。どうもありがとうございました。

午後12時29分閉会
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