中央環境審議会 地球環境部会(第105回) 議事録

日時

平成24年4月25日 15:00~18:01

場所

全国都市会館 2階「大ホール」

議事次第

1.開会

2.議題

(1)
国立環境研究所AIMプロジェクトチームの試算結果と総合資源エネルギー調査会基本問題委員会における試算結果の比較について
(2)
経済モデルによる経済影響分析について
(3)
取りまとめに向けた報告書の骨子について
(4)
今後の国際貢献の考え方について
(5)
その他

3.閉会

配布資料

資料1
国立環境研究所AIMプロジェクトチームの試算結果と総合資源エネルギー調査会基本問題委員会における試算結果の比較について
資料2
経済モデルによる経済影響分析について
資料3
2013年以降の対策・施策に関する報告書(骨子・素案)
資料4
今後の国際貢献の考え方について
資料5
今後のスケジュールについて
参考資料1
2010年度の温室効果ガス排出量(確定値)について
参考資料2
エネルギー政策と地球温暖化対策の表裏一体の検討を進めるに当たっての要請
参考資料3
2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会における議論を踏まえたエネルギー消費量等の見通しの仮試算(その3)
参考資料4
第19回総合資源エネルギー調査会基本問題委員会(平成24年4月16日)
参考資料5
エネルギー供給WG補足説明資料
参考資料6
国際貢献について(第104回中央環境審議会地球環境部会配付資料4)
参考資料7
各WGの検討内容について(机上配付のみ)

午後 3時00分 開会

地球温暖化対策課長
それでは、定刻でございますので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会第105回の会合を開始いたします。
本日、委員総数36名中、既に過半数の委員にご出席いただいておりまして、定足数に達しております。また、本日の審議については公開とさせていただいております。では、以降の議事進行について、鈴木部会長にお願いいたします。

鈴木部会長
それでは、第105回になりますが、地球環境部会、議事に入らせていただきます。まず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

地球温暖化対策課長
お手元、議事次第、1枚紙がございますが、いつものように、配付資料が下の方に書いてあると思います。
資料1が、国環研AIMプロジェクトチームの試算結果と総合エネ調の方の比較についてということでございます。それから、資料番号は特になく、A4縦で、第16回2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会における主な議論についてということで、A4縦で数枚のものがついておるかと思いますが、これについては、資料1の附属的な資料でございます。それから資料2、経済モデルによる経済影響分析について、それから資料3が2013年以降の対策・施策に関する報告書(骨子・素案)、それから資料4が今後の国際貢献の考え方について、資料5が今後のスケジュールについて。
それから、以下、参考資料ですが、参考資料1が2010年度の温室効果ガス排出量(確定値)について、それから参考資料2が、当審議会の方からエネルギー調査会にお送りしました意見書でございます。参考資料3が国環研AIMプロジェクトチームの仮試算、ちょっと厚目のものでございます。そして、参考資料4が第19回総合資源エネ調委員会の資料1及び2でございます。左肩の方には参考資料4、それからエネルギー供給ワーキンググループ補足説明資料ということで、参考資料5でございます。それから参考資料6として国際貢献について、それから机上配付のみになっておりますけれども、ちょっと電話帳のような非常に分厚い各ワーキンググループの取りまとめについて、置かせていただいております。
以上、ご確認いただきまして、もし不足のものがございましたらお申し出くださいますようお願いいたします。

鈴木部会長
よろしいでしょうか。それでは、議事に入りたいと思いますが、まず最初に、前回の部会で西岡委員より、小委員会で2020年の原子力発電の割合を早急に示すべきというようなご意見、それから2030年の0%と20%の間があき過ぎているのではないかと、こういうようなご指摘があると、こういうご報告がありました。本部会におきましても、そういうご意見をいただいておりますが、総合資源エネルギー調査会基本問題委員会あてに、こちらの地球環境部会から要請文書をお出しいたしました。これが参考資料の2に上がっているものであります。これに対してどういうお答えをいただけるかは今後の楽しみということになりますが、一応、基本問題委員会の方でご検討いただいて、その結果がこちらに戻されてくることと思っております。
では、議事に入りたいと思いますが、本日は、議事次第をご覧いただきますと、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)と議題が上がっております。1番、2番、これにつきましては3番も関連いたしますが、この地球環境部会として、エネルギー・環境会議に選択肢をお出しする、その報告書ということになります。その辺の中身について、2013年小委員会でも既にいろいろとご議論いただいていることでございますので、その辺をお含みいただいて、それぞれの報告をお聞きいただき、また、ご議論いただければと思います。
まず、それでは資料1を事務局から説明していただきまして、その後、質疑応答に入りたいと思います。宜しくお願いします。

低炭素社会推進室長
それでは、資料1でございます。こちらにつきましては、先日、開催をされました2013年対策・施策小委員会で議論が行われたものでございます。国立環境研究所AIMプロジェクトチームにおきまして試算を行った結果、そして、総合資源エネルギー調査会基本問題委員会において同じような試算が行われておりますので、どこが同じで、どこが違うのかという比較をするために作成した資料でございます。
おめくりいただきまして、1ページ目には、2030年の温室効果ガスの排出量につきまして、基準年からの削減率が幾らなのかという試算結果を取りまとめたものでございます。こちらにつきましては、経済成長につきましては慎重シナリオを使っての値というものをお示ししております。上の部分の網かけにつきましては、国立環境研究所のプロジェクトチームの試算というものでございます。下の部分につきましては、総合エネ調で試算がされたものというものになっております。真ん中の行のところに総発電電力量に占める原子力発電の割合ということで、こちらは総合資源エネルギー調査会の方で示された4ケース、35%、25%、20%、0%という4ケースについて、それぞれの審議会において試算がなされたものでございます。
まず上の部分でございますが、国環研プロジェクトチームの部分につきましては、省エネ、再エネ、化石燃料のクリーン化などにつきまして、施策の強度に応じて、低位、中位、高位と3ケース、さらに内訳をして計算をしたものになっております。それぞれの表の中に黒三角で書いてあるものにつきましては、温室効果ガスの排出量について、基準年からどれぐらい削減できるのかという率が記載されてございます。
また、下の総合資源エネルギー調査会につきましては、エネルギーミックスについて議論をしているということですので、参考と書いてある行のところに書いてある黒三角の数字は、エネルギー起源のCO2の試算値が書いてございます。このままでは中環審の値とは比較できないということでございますので、中環審の方の事務局で計算いたしました、その他ガスの部分を足し合わせたものをその下に括弧書きで書いてあるという構成になっておりますので、括弧の中に記載されたものと上のものの比較が可能になるというものでございます。
それぞれかなり幅を持っておりますけれども、国環研の試算でいきますと、原発35%、省エネ高位ケースにおきましては40%というものから、原発0%、再エネ・省エネ低位ケースで10%の削減という幅を持った値になってございます。また、それぞれの部分につきましては、再生可能エネルギーがどれぐらい電力量に占めるかということについても試算提示をしておりまして、中環審の方でいきますと、高位、中位、低位と書いたその横に縦に書いてございますけれども、再エネが電力に占める比率が、こちらはエネルギー供給ワーキンググループで議論いただいたものをさらに試算したものというものですが、低位においては22%から31%、34%という再エネの比率になってございます。さらに化石燃料の内訳といたしまして、LNGと石炭の比率が1:1から2:1までのバリエーションがあるというのが示されております。
それと比較という形で、総合エネ調の方でも再生可能エネルギーの電力に占める割合というのを、こちらは委員の意見として示されておりますけれども、25%から30%、35%というものの比率になっておりますし、また、LNGと石炭の比率、こちらにつきましては、コストを主なパラメーターといたしまして、需給モデルを回した結果といたしまして、ガスと石炭の比率が1:3.2から1:1.15までの幅になっているというものでございます。
なお、注意書きに米印1として書いてございますが、これらの化石燃料の比率につきましては、コジェネレーションシステム、また、自家発の部分が含まれていない値になっておりますので、小委員会におきましても合算したものを、コジェネ・自家発を合算したものを示して、議論をしたいというご指摘もございますので、事務局で、今、用意をしているところでございます。また、これらの削減率を議論するに当たりまして、コストであるとか、実現可能性など、議論するための素材を提示してほしいということも小委員会でご議論がございましたので、これまで小委員会、また、ワーキンググループなどで提示をさせていただいております資料をさらに抜粋いたしまして、議論がしやすいようなものを準備して、次回、資料としてご提示したいというふうにも考えております。
続く2ページ目でございますが、同様に2030年でございますけども、一次エネルギー供給量として試算したものというものでございます。表の構成としては、先ほど1ページ目と同じでございまして、上は中環審、下が総合エネ調ということになっております。
まず、総合エネ調の欄を見ていただきますと、2030年の慎重シナリオ、一次エネルギー供給量といたしまして4億7,600万kl原油換算前後ということで、どのケースに応じても、ほぼ一次エネルギーの供給量は同じという計算になっております。すなわち、省エネの対策係数としては、ほぼ一本のケースを考えているというものでございます。
一方、上の部分でございますが、中環審で議論いただいております部分につきましては、総合エネ調とほぼ同じ値であります4億7600万キロリットルというものから、表の右上に一番少ないケースが載っておりますが、4億3400万キロリットルということで、ほぼ1割分ぐらい、さらに深掘りをするケースまでの設定がなされておるということで、この省エネの深掘り分があるか、ないかというところが、異なる部分というふうになっております。さらに、国環研の試算のところで、原発0%と20%以上の部分を比較してご覧いただきますと、そこに大きな差が生じているというものがございます。こちらにつきましては、原発0%のケースでありますと、その火力で賄う部分が多くなるということでございまして、それを賄うために火力発電所の新増設が行われるというモデル上の挙動をするということでございまして、その新増設がなされる結果といたしまして、発電効率が向上し、一次エネルギーの供給量が少なくて済むということの表れとして、ここに一つ差があるというものでございます。
以上が一次エネルギー供給でございますが、そのほか、両審議会の数字として、今のところ、違いがはっきりしておりますのが、ページは飛びますが、6ページ目でございます。こちらにつきましては、2030年断面の再生可能エネルギーの設備容量を書いたものでございます。表の構成としましては、上に中環審の試算、下に総合エネ調の試算ということでございます。
まず、全体の統括といたしまして、再生可能エネルギー電力の比率は、ほぼ同じような値になっておりまして、25%前後、30%前後、そして35%前後ということで、その比率は一定、同じような結果になっておりますが、細かくエネルギー種ごとに見てまいりますと、違いがある部分がございます。一つは太陽光の部分でございまして、高位のところを見ていただきますと、中環審でご議論いただいている部分については約1億キロワットアワーというものになっておりますが、一方、総合エネ調の方の35%ケースでいきますと、5340万キロワットということで、約半分の値になっているという試算の違いがございます。
一方、その下、風力発電につきましては、中環審でご議論いただいておりますのが高位で3250万キロワット、一方、総合エネ調では6000万キロワットということで、ここは逆に半分になっているというところでございまして、この違いについては、設定の仕方、前提条件などの違いから生じておると思いますので、その違いについて、事務方同士で、今、違いの明確化の作業をさせていただいておりますので、次回、ご報告させていただけると思います。あと、比較の面からいきますと、水力の部分につきましては、総合エネ調の値で揚水発電を含む値となっておりますのが、この値自体では比較ができないという形になっておりますので、ここも比較可能な形にしていきたいというふうに考えてございます。
さらに、7ページ目に行っていただきまして、今、ご覧いただきました太陽光、風力の違いのさらに内訳をご説明いたします。高位のところをまずご覧いただきますと、一番上の数字が太陽光でございますが、その後ろに括弧書きで二つ数字が書いてございますが、括弧内の左の数字が住宅、太陽光、右側が非住宅・メガソーラーの値になっております。こちらにつきましては、1億キロワットのうち、2800万キロワットが住宅、そして7300万キロワットぐらいがメガソーラーなどというのが中環審で議論いただいておるものですが、左下の総合エネ調の35%ケースでいきますと、その内訳は、住宅部分が4000万キロワット、メガソーラーなどが1300万キロワットということで、住宅、メガソーラーなど、どちらに比重を置いて考えているのかというところの違いが生じております。また、同様に、風力につきましては、その内訳が陸上と洋上に括弧書きで書き分けておりますが、洋上の値をそれぞれ見ていただきますと、800から900キロワットぐらいということで、ここについてはほぼ一緒ということでございますが、陸上風力を見込んでいる部分が大きいか小さいかというところで、大きな差が出ているというものでございます。
ということでございまして、かなり前提条件等も事務方でそろえて作業をしてまいりましたので、値がそろっている部分も多いところはありますけれども、今、ご紹介させていただいたような部分につきましては差があるということでございますので、それが生じている考え方の違いなどを整理させていただいて、ご議論をいただければと思っておりますし、また、先ほど申し上げましたように、コスト等につきましても、これまでご提示させていただいたものをさらに議論がしやすいように整理をさせていただいて、資料として提出させていただければと思っております。資料1は以上でございます。

鈴木部会長
それでは、ただいま資料1についてご説明いただきましたが、これまでの説明に関しまして、ご質問あるいはご意見ございましたらお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。

冨田委員
資料1の付属は説明されないんですか。

低炭素社会推進室長
すみません。資料番号はついておりませんけれども、小委員会で出された議論について、資料ごとに取りまとめたものというものでございます。
大きなところは、先ほどの資料1の説明の部分で言及をさせていただいておりますけれども、1ページ目、上から行きますと、資料1に関しましては、選択肢の原案を評価する際の評価軸を議論する、そのためのさまざまなデータが必要であるというご指摘もいただいております。
あとは、今後、その議論をするに当たりましては、数字が設定された根拠などをあわせて提示をして、それを見ながらの議論が必要であるというようなこと。
あとは、先ほどご紹介もさせていただきましたが、火力における、その燃料種ごとの比率の考え方が違うということですので、どういう考え方によって、こういった値の設定になっているのかということを明確にすべきというお話もございました。
また、資料1に先立ちまして、部会長からもお話をいただいておりますが、地球部会におきましても、40年廃炉規定に整合する形での選択肢が必要ではないかという意見がございまして、そういったものにつきましては、総合エネ調の方に申し入れ書をし、先方でも議論が始まっているということだと思っております。
あと、総合エネ調のその申し入れにつきまして、いつぐらいに回答が得られるのかというご質問もございましたけれども、まず2020年の原子力のシナリオにつきましては、今、この瞬間におきましては、2030年の議論がまださしかけの状態だということでございまして、その目処が見えた後、2020年について議論し、提示されるというのが、総合エネ調の方で議論がなされておりました。
あと、各審議会にエネルギー・環境会議から指示があって、今、ご検討いただいておりますけれども、地球部会におきましては、温暖化対策の削減というものを主な観点として進めておりますし、総合エネ調におきましては、3EプラスSという観点からの議論がなされていると。その違いは認識すべきなどの意見もございました。
あと、両者の試算の定量的な違いにつきましては、先ほどございましたが、0%のところの差につきましては、火力の新増設があることによって生じたものというもの。
あと、1ページ目、一番下でありますが、揚水の話は、今、整理につきましては、両審議会の整理が若干異なっているところがございますので、これは比較可能な形にし、ご提示をさせていただければというふうに思っております。
あと、観点の違いというところで議論をしていくべきということでありますので、例えばコスト、セキュリティーも含めての議論ということですので、小委員会での検討も、3Eの観点から検討してほしいというお話もございました。
あと、選択肢の原案を議論いただくに当たりまして、今、かなり試算したものにつきましては数が多くなっているということですので、これを絞り込みの議論をするかどうかということもございますし、また、総合エネ調との整合ということもご指摘をいただいております。
あと、表の中でもございましたけれども、両審議会におきまして考え方が同じ部分、また、異なる部分がございます。こちらにつきましては整理をし、異なる部分につきましては、どういった考え方に根差して値自体が違ってくるのかということを調べまして、ご提示をさせていただければというふうに思っております。
後ほど出てまいります資料2でご説明いたしますけれども、経済モデルとの試算との違いというご質問もございました。資料1でご提示をさせていただいたものにつきましては、いわゆる技術モデルというものに該当するもので分析を行っております。一方、資料2でご説明いたします経済モデルにつきましては、一般均衡モデルでの試算というものでございますので、例えばそこで考慮できる対策技術の細かさなどが違うということがありますので、技術モデル、経済モデルの違いにはご留意いただきたいというご意見もございました。
あと、3ページ目のところでは、資料2でも出てまいりますけども、今後、経済モデルで、経済への影響などについて計算をするということでございますので、現在、示されているシナリオでは作業量が非常に多くなるということですので、なるべくその方向性、具体的な量で検討すべきものに絞って、発注がなされるべきというご意見もなされたというものでございます。主な意見としては、以上でございます。

鈴木部会長
今、こちらの部会として検討すべきことは、2013の小委員会の方ではいろいろとご議論をいただき、まだこれから事務的に詰めるべきこと、あるいは基本問題委員会の方とすり合わせをしなくてはいけないこと、いろいろございますが、一応、今では5月末ですね、最終的に。5月の末にその報告書をエネルギー・環境会議に上げていくと。それに向けての全体としてのその調整を整えていくと、図っていくと、これがこの部会の役割ということであります。そういう視点から、もう既に小委員会の方でご議論いただいていることと、あるいは重なることもあろうかとは思いますが、委員の先生方からご意見あるいはご質問をお受けしたいと思います。よろしいでしょうか。
じゃあ、浅野委員の方から。

浅野委員
小委員会に出ておりませんので、もう既に議論されていたら申し訳ありません。ただいまの事務局のご説明を伺って、資源エネルギー調査会の基本問題委員会の試算と、それから、こちらの方で出ている試算がどうして違うのかという理由はよくわかったわけです。今後、これをすり合わせて一本化するということを無理にやってみても、結局のところ、何かよくわからんことになってしまうのではないかという印象を持ちました。たとえば、石炭の比率をどうするかとかいうようなことについて、CO2の排出量削減を考えれば石炭の比率が少ない方がいいに決まっているわけですから、こういう想定をするのは極めて合理的ですし、他方、価格を考えたら石炭の比率を増やしたほうがいいということになるわけですから、そこは幾ら議論しても、どうせ哲学の違いなので一致できるものでもない、両方について、どういう前提でこういう数字になっているかをはっきり示す方が、よっぽど議論がしやすいのではないかなと思われます。もちろん、最終的に選び取る政策があまり複雑で、いろいろな前提があれやこれやとあり過ぎるというのは困ったことではあるわけですけれども、無理に一本化してしまうことによって、大事なことが全部消えてしまうというのは賢くないと思います。
風力発電については、アセス導入の検討に際していろいろと勉強させていただいた経験から言いますと、どうもやはり当方で考えている数字の方が、直観的には、何となく合理性があるような気がします。というのは、単に風が吹いていれば風力発電ができるというものでもないわけで、さまざまな要素があって、それが実現できるかどうかということがあるわけですから、ただ単に数字を積み上げていけるというようなことではない。もちろん、どういう根拠でこういう数字になったのか、それなりの裏づけのデータはおありでしょうから、それを見せていただければ、また評価が違うのでしょうけども、これまでAIMの方でやっておられる作業をベースにワーキングの丹念な仕事があって、それがベースになっていますから、ある程度、例えば風力発電量などについても理解できる面があるわけです。だから、私は、事務局のさっきのご説明では、聞き間違えかもしれませんが、今後さらにすり合わせて、数字を一本化するつもり、という説明だったような気がするので、もしそれならば、無理にそんなことをしなくていいのではないか。むしろ根拠を明確に示して、どこが考え方が違うかということをはっきりした方がいいと思います。これは、かつて、目達計画に先立つ大綱をつくったときも、明らかに産構審と中環審は哲学が違いますから、違うことをはっきりさせることによって、むしろちゃんとした議論ができたと思っています。

井上委員
私も、その点についての意見ですが、今、中環審から出てきている再エネ導入量は、風力と地熱を辛目に見て、逆に総合エネ調の方は太陽光を辛目に見ていると、これは先ほど、浅野先生からもご意見があったように、恐らく実務に近いものほど、その限界とか、実現性の難しさがわかっているから、そういった結果になっているのではないかと、そういう前提ではないかと思います。ですが、この前提を、十分、総合エネ調とこの中環審とで議論した上で、私は、できればその前提を実現性の面から合わせるべきだと思っています。
それから、石炭火力とLNGの比率についても同様で、総合エネ調の方は供給安定性とコスト面から、石炭火力がかなり中環審より多い。だから、そういった面も含めて、原子力のエネルギーセキュリティー上の位置づけも含めて、双方で前提の議論をする必要が十分あると、できれば前提を合わせるべきだと思います。その結果、再エネのこの高位のケースというのは、総合エネ調も、中環審も、非常に過大なので、高位ケースというのは本当に実現性があるのかということを十分議論したいと思います。
もう一つ、お願いですが、エネルギーのいろいろな、今までグレーだった部分である火力の内訳も出てきました。全体のエネルギーのバランスの整合がとれているのかというのが非常に心配で、実はこの参考資料3の26ページに、一次エネルギーからエネルギー転換部分を通して最終エネルギー消費に行く、エネルギー全体のフローが表されています。これを高、中、低位のケースで書いてみたら、それぞれ、例えば太陽光であれば、家庭につけたら、この家庭の消費部分で効いてくる。あるいは、それが電源としてメガソーラーなら供給部門で効いてくる。いろいろなケースがあって、すべてのケースで整合がとれているのか。対策をいろいろ考えたところに、どこのエネルギー量が減って、どこに対策が効いてきているのかがよくわかると思いますので、そのエネルギーフローを一度描く努力をしてみてくれませんでしょうか。その2点でございます。

大塚委員
浅野委員と結果的に同じ意見なんですけども、すり合わせは、ある程度せざるを得ないと思いますが、その2013年の小委員会でもちょっと申し上げさせていただいたように、基本問題委員会の方では、原子力の方に議論が集中していますので、再生可能エネルギーに関しては、2013年の小委員会でエネルギー供給ワーキンググループでもそれなりの議論をしていますので、すり合わせをするときにはちょっと気をつけて、考え方を示しながら、慎重に検討していただきたいというお願いをしておきたいと思います。以上です。

高村委員
今の浅野委員、それから大塚委員の意見に基本的に同じであります。それから、小委員会のところで発言させていただきましたので、その点は重ねて述べませんで、1点だけ、ご質問とお願いでございます。
双方の想定というのを比較する上で、明らかにしていただく努力というのは非常にありがたいと思っておりまして、あわせて、そういう意味では、是非この点をお願いしたいというのは、総合エネ調の方の省エネケースが、先ほどのご説明にもありましたように、一つではないかというふうに推定をされていたと思います。確かに、総合エネ調のところを見ますと、原子力比率に関わらず、いわゆる低位ケースと大体同じぐらいの第一次エネルギー供給量になっているかと思うのですが、この省エネ施策の想定というものを是非明らかにしていただくことが必要ではないかと思います。
といいますのは、どういうふうに比較をするかという観点から、やはりその点は非常に重要だというふうに思いますので、内容がもし今、おわかりになればでありますけれども、そうでなければ、是非その点については情報提供をしていただきたいと思います。以上です。

冨田委員
私も小委員会の委員として出席していますし、それから、この部会でも発言していることですけども、この議論の進め方について、選択肢をつくる上で、原子力の比率をパラメーターにとって、省エネ・再エネの対策・施策の強度をどうするかという議論をしているわけですけども、原発の比率と、それから省エネ・再エネの施策の強度、これはリンクさせるべきなのかどうかというところに、私はそもそも議論の進め方に、違和感を少し感じています。
例えば、再生可能エネルギーに関して言えば、普及促進することに関して異論のある人は、ほとんどいらっしゃらないと思うんですね。ただ、物理的な制約であるとか、あるいはコストだとか、いろいろな面で限界があると。その限界をどこに感じるか、限界と感じるかというところに差があると。したがって、原発の比率いかんに関わらず、ほとんどの省エネ・再エネの施策については、これまでやるべきだというのは、原発の比率と関係なく、決める議論ができるのではないかと思います。唯一、原発比率に関わるのは、原発があって、再生可能エネルギーをできるだけ広めるという分野があって、それから、コジェネ、自家発というところがあって、残る火力については、全体のエネルギー需要の中の残りということになるので、LNG、それから石炭、石油の比率をどうするかと、そういう議論は残ると思いますが、それ以外のところは十分、原発比率とは関わらず議論が進められるのではないかと思います。
それで、そのために必要なデータなり、情報をできるだけ早く出してくださいということを申し上げてきたつもりですけれども、なかなか出てこないと。特に出てこないのはコストのところです。どれくらいのコストをかけて、どのくらいの効果があるのかということを見ないと、その議論がなかなかできないのではないだろうかと、私は考えております。
そういう中で、今後、恐らく行われると思われるのは、経済モデルのところにどういうケースを当てはめるかということで、原発比率に応じて、施策の強度をこのケースについては低位でやると、このケースについては中位でやると、このケースについては高位でやると、こういう大ざっぱな議論がされてしまうことに違和感を感じております。是非、どういうやり方で今後やっていくのかについて、お教えいただければと思います。

原澤委員
基本的には、浅野先生、大塚先生と同じ意見ですけども、資料1の7ページを見させていただいて、太陽光と風力で、逆転しているという話がありました。今後、事務局の方で詰めていかれると思うんですけども、例えば太陽光も風力も最大限入れたらというようなことを考えると、再エネの電力比率35%というように、枠にはめるのがよいかどうか、と思ったりしたんですが、その辺も含めて議論がされるのか、あるいは35%という上限をあらかじめ決めた上で、中味のすり合わせをするのか、その点を確認させていただきたいと思います。

三橋委員
資料1の1ページをご覧ください。いわゆる原子力発電の割合、35%、25%、20%、0%という4つの数字がひとり歩きして、これ以外の選択肢がないような印象を国民に与える心配が非常に大きいと思います。私の個人的な意見を言えば、35%とか25%は計算の対象から外して、代わりに10%を計算の対象に加えるべきではないかと思います。
私が恐れるのは、中環審の地球環境部会の意見4つの数字を認めたという印象を国民に与えかねないということです。そもそも、原子力発電の35%から0%というのは、そこに出席した基本問題委員会の委員が個人的な見解として挙げた数字で論理的な根拠というのは全くないわけです。そのような4つの数字を前提にしてAIMモデルなどで計算すると、その結果がひとり歩きして、国民に大きな誤解を与えかねません。
細野環境大臣から地球部会に要請された最大の課題は、13年以降の温暖化対策であり、原発依存度を引き下げる中で、どのように課題を実現させるかであります。35%なら今よりも原発数を増やす必要があり、25%は、現状維持を前提にしなければなりません。大臣の要請から大きく外れている35%、25%は、前提の数字として外すべきです。原発のウエートを低めていくという議論の中で、0%、10%、15%などの課題に沿った割合を計算の対象にすべきだと思います。

鈴木部会長
ありがとうございました。最後の点は、先ほど申し上げましたように、参考資料の2にありますように、基本問題委員会の三村委員長あてに、こちらの方から、その選択肢につきましての再検討というのでしょうか、お願いをしてあります。向こうからそれが、10%等あるいは40年廃炉というこの原則にのっとった数字等が出てこない場合には、中環審としてアディショナルに、これに10%あるいは15%というようなものをつけ加えるという、そういうことはあり得るのじゃないかと思うんですが、そうすると、またAIMを回すのが大変になるかもしれませんが、まあ、簡単でしょう。それは、実際にはインプットを一つだけ、パラメーターを変えて、待っていればいいわけですから、その辺をお願いしてはどうかと。
それから、やはり基本問題委員会とこちらの方とのすり合わせの問題ですが、エネ調の方とのすり合わせの問題としては、まず、完全にすり合わせるのは、これは望ましいけれども、残念ながら難しい場合に、やはりその違いをいかに明確にはっきりとわかりやすく示すか、これが必要だろうと思います。ただ、そうはいっても、それぞれの、特に私たちの場合ですと、中環審のその想定したものが、果たして整合性、その中で整合性があるのかどうかということは、きっちりとやはり検討しておく必要があるんだろうと思います。それもまた難しいことかもしれませんが、システムとして可能性がどうなのか。コストの問題まで踏み込めるかどうかはわかりませんが、できればそういう情報も含めて、省エネ・再エネは、一体どこまで、どういうふうに可能であると、環境省としては、こちら側としては、どういうふうに想定しているんだということが一般の方々にわかるように示す必要があるかと思います。

低炭素社会推進室長
幾つかいただきましたが、まずもって、私からのご説明で言葉足らずの部分がございました。なるべく一本化したいというふうに、非常に短絡して申し上げましたけれども、当然のことながら、その違いがどういう考え方、哲学の違いから生じてきているのかということをまず明らかにした上で、その考え方が同じであれば、そろっていく可能性はありますけども、考え方が違うと、何かの面、エネルギーの面で観点が違うというのであれば、当然のことながら、そろっていかない部分もございますので、そういったまず考え方の違いをお互いに明確にしていくという作業を行いたいということの趣旨でございました。また、全体のエネルギーのバランスについて見ていくために、フローを作成してほしいというお話がございました。どこまで可能かというのは検討してみたいと思いますけれども、検討に資するもの、どのようなものが提示できるか、検討していきたいというふうに思っております。
あと、省エネルギーのケースについてでございますけれども、その内訳については、電力の部分については、かなり総合エネ調の方でも議論が進んでおりますが、一次エネルギー全体という形での審議というのは、これまで、まだ十分にデータが審議会でも示されているという状況ではございません。明日、総合エネ調がまたございますので、そこでの資料なども見ながら内訳を比べてみまして、先ほど申し上げましたような、その思想の違い、考え方の違いなどの部分を明らかにしていきたいというふうに考えてございます。
また、議論を進めていくという面でいきますと、ご指摘のとおり、原発の比率のケース分けと、再エネ、省エネのケース分けの比率が必ずしもリンクしていないで、議論ができるのではないかということで、ご指摘のところはそのとおりだと思っております。一部リンクする部分もあろうかと思いますけども、これまでも再エネ、省エネ、化石燃料のクリーン化などの部分につきましては、ワーキンググループの検討状況も含めて報告させていただきつつ、小委員会でも議論いただいてきた部分でございます。そういった面で、全体としては非常に大部になって、見にくい状況でございますので、議論いただくためにそこから抜粋するなどして、議論のための情報をご提示させていただきたいと思います。
なお、コスト等につきましては、本日もお配りしております、参考資料の3の投資回収年数などとも関連しますけども、追加投資額などをお示ししておりますけれども、例えば投資回収年数の設定の仕方が分野ごとに違うのではないか、また、分野ごとの区分というのをもう少し詳細に見たいというご指摘も、小委員会、部会ではいただいておりますので、そういったものを、今、次回に向けて準備をさせていただきたいというふうに思っております。
あと、再エネの内訳につきまして、議論を進めたいというふうに思っておりますが、特に中環審でご議論いただいておりますAIMプロジェクトチームの高位35%というのは、35%ありきで、最初にアッパー・リミットが決まっているという性格で出てきたものではございませんで、比率モデルの計算の結果として出てきたものでございます。ですので、必ずしもそのアッパー・リミットがあってのお話というものではございませんで、技術的な対応可能性などを見ながらの技術モデルでの検討結果というものでございます。
あと、ページ1の原発の比率設定につきまして、四つに固定化されるように見えるというご指摘でございます。ご指摘のとおり、これにつきましては、総合資源エネルギー調査会の現時点での示されているものを入れておりますので、位置づけについて、きちんとわかるように表記をしていきたいというふうに思いますし、また、前回の総合資源エネルギー調査会でも、今現在、議論しているのは、選択肢原案をつくるためのたたき台を議論しているのであるということで、これに必ずしも固定化されるという話ではないという旨のご発言もございましたので、今後の議論を見てのお話でありますので、固定化されているというものではないということでございます。以上でございます。

横山委員
三橋委員から問題提起のあった原子力の35%、25%をむしろ除いたらどうかということは、私もずっと言い続けて、前回の小委員会でもそういう趣旨の発言をしました。それに対して、藤野委員にも10%をやれるんでしょうということを言いましたら、藤野委員は、正式な要請があればやりますという答えなんですよ。是非、それを部会長の権限で、10%の数字を示していただけないでしょうか。
私も、この正式な中環審の報告書の中に35%、25%があるというのは、非常にまずい話だと思います。先ほど、部会長、多分だめでしょうねとおっしゃいましたけれども、中環審の部会長として、この35%、25%が入るのをやむを得ないという考えを、是非やめていただきたいと思います。かなり深刻な問題だと私は理解していますので、中環審として、やっぱりこれでいいのかという議論をもう少しして、事務局がAIMグループに対して、10%をやってほしいということを言わないのがなぜなのか、その辺もここではっきりさせていただきたいというふうに思います。以上です。

進藤委員
委員長、質問があります。
我々は今まで、エネルギーミックスをここで議論した記憶も何もありませんし、10%がないからといって、それはおかしいというのはおかしいと思います。しかも、25%、35%を外すべきだというようなことを、ほかの審議会できちんと議論しているのに、我々が、今ここで、我々の意見に合わないから外して、別のものを入れるというのですが、この委員会はそういうことを最初から議論しようとした委員会ではなかったんじゃないですか。
表裏一体ということをずっと我々は言われてきて、エネルギーミックスはエネルギー基本問題委員会で、今、議論していると言われて来ました。そのエネルギーミックスが出てきて、それと表裏一体で我々はCO2の削減について対応するからということで、準備作業をしてきたわけです。したがって、「10%~15%というのを検討してみてくれ、出してみてくれ。」と参考資料2ですか、文書で出したのは、これはこれでいいと思いますが、「25%、35%は、当方の意に沿わないから外せ。」というのは、審議会の役割分担を超えることではないかと思います。
それで、事務局の皆さんに質問ですが、もしこの両委員会の意見が違った場合には、どこで決めることになるんでしょうか。これは「エネルギー・環境会議」で決めることになるんでしょう。総理のもとで決めるわけでしょう。だから、それは、そういう問題だということであげていけばいいではないですか。25%、35%を外せという議論は、僕はないと思います。この中央環境審議会が、全部決めるという話ではないはずだと僕は思っています。これは仕事の仕方論で、個々人の価値観とは全く別の問題です。

鈴木部会長
その辺はよくわかっているつもりです。そういうことで、この参考資料の2という文書をあちらの方にお出ししてあります。ですから、私たちが、35%、25%を云々ということではなくて、向こうからおろすということであれば、それはそれで、私は結構だと思うんですが、もし、あるいは、10%、15%というものが出てこなかったときに、我々として、その10%、15%の場合にはどうなるかという計算をしておくことは、これは私たちのできることであろうと思っております。そういうことで、藤野さんが計算できるということであれば大変心強いので、私としては是非お願いしたいと。

井上委員
進藤委員の意見と全く同様です。中環審として、特別に10%、15%を示すというのは、非常に大きなメッセージであり、ここは、総合エネ調に合わせるべき。

鈴木部会長
それは、私は、例えば前回のこの部会の後のメディアのいろいろな記事なんかには、中環審として、この0%、20%、25%、35%に対する計算を、これを示したと。中環審がこれを示したというような報道が実際にはなされてしまっているんですね。ですから、あくまでもこの数字は、その総合エネ調の方から、あるいは基本問題委員会の方から出てきた数字であるということは明確にしておく必要があると。それは、そこでそれを私たちが否定するつもりはありません。しかしながら、私たちとしては、アディショナルにそれにつけ加えて計算をしておくことは一向に、それは越権でも何でもないと、私は思いますが。

井上委員
その計算をするということ自体の判断は、やはり総合エネ調と十分調整を図るべきだと思うのですが。

鈴木部会長
いや、しかし、計算をするのはこちら側で計算をしているわけですから、それは別に10%、15%であろうと、5%、7%であろうと、計算するのは一向に構わないでしょう。それを、しかし、だからといって、その結果を、エネ調に何か承認していただくというような性格のものではなくて、私たちが一方的にそれは計算をしておくということは、何ら差し支えないと思っております。
ただ、先ほど進藤委員からもありましたように、ここで計算していって、選択肢がそれぞれのところから上がっていくわけですが、最終的な判断はエネルギー・環境会議でしっかりと判断をしていただく、これがやはり仕組みのあり方で、ここで計算したからといって、それがもう、すべてオールマイティで何かを決めていくということではない。これはもうもちろん、これまでの仕組みのとおり、三つの原子力委員会の方からも上がっていき、基本問題委員会からも上がっていき、中環審からも上がっていく。それに基づいて、エネルギー・環境会議の方でご判断いただくと。そうして、国民に対して選択肢が示されていくと、こういう構図になっていると私は理解しております。

井上委員
最終的にエネルギー・環境会議に中環審として案を上げるときにまた議論させていただきたい。

進藤委員
もう一回確認させてください。この審議会は、エネルギー・環境会議から細野大臣を通じて、エネルギーミックスの策定を議論せよ、との指示を得たのかどうか。私はそうではないと思うのですが。それが一つです。
それから、今、委員長がおっしゃった「世の中、どう変わるかわからないから自分たちの情報として、自主的にまず計算はしておこう。」というのだったら、それはやればいい話だと思います。「その場合はどうだ」ということを情報として持っておくのはいいと思いますが、中環審の方から、「我々が議論して出たエネルギーミックスはこれだ。原発は10%が妥当と思います。」と、言うべきなのか、言っていいのか、あるいは、そういう諮問を受けたのか。ここは事務局にお伺いしたいと思います。

低炭素社会推進室長
今のご質問でございますけれども、エネルギー・環境会議から中央環境審議会に提示すべしというふうに求められておりますのは、温暖化対策の選択肢の原案を示せということが言われております。その際に、脱原発依存というシナリオをもとにまず考えろということ。さらに、中身のツールといたしましては、省エネルギーから始まりまして、再生可能エネルギー、そして、化石燃料のクリーン化、分散型のエネルギーと、こういったものは温暖化対策として重要なツールですので、それについてよく議論をして、複数の選択肢の原案を示してくださいというふうには言われております。
ですので、エネルギーミックスそのものについて議論をするというよりは、温暖化対策としての省エネ・再エネというのは、議論は当然ここの場でも行っていただきますけれども、脱原発依存のシナリオにつきましては、それを別途、原子力委員会、また、総合エネ調の方で議論されていますので、そのシナリオを踏まえて議論をしてほしいと、温暖化対策の議論をしてほしいというのが提示されたものというふうになっております。

鈴木部会長
このAIMという大変有力な武器があるということもありますし、私としては、実は今日、ここに示されておりますのは慎重シナリオに関する計算ですが、このほかに、成長シナリオというのがあるわけですね。それから、やはりもう一つ、現実シナリオというものについて計算して、これは確かに懐にしまっておくことから始めていいかと思いますが、それは、本来、将来がどういう形で、どういう姿があり得るかというようなことも含めた上で、是非その計算モデルに活躍していただく一つの場ではないかなと。
ただ、これはもちろん、具体的にそういう必要が認められるかどうかということは、その計算結果を表にどういう形で表していくかというようなことに関しては、これはその基本問題委員会であり、そのほかの政治的な判断であり、いろいろなことがベースになければいけないことだろうと思います。これは、ちょっと私、余分なことを申し上げたかもしれませんが、せっかくですので、そういうことも考慮する必要があるのかなというようなことも思っております。
幾つかあれば。

冨田委員
エネ調側の方の議論と合わせるべきところと、それから差がついてしかるべきところがあると思います。私は、この原発の比率のところは、エネ調側と表裏一体で合わせておくべきところだろうと思います。それよりも、是非この中環審小委員会で議論すべきことは、省エネ・再エネのところの施策の強度について、ここについて、もっと深掘りした議論をすべきだろうと。時間があるのだったら、そっちの方をやりましょうよということを申し上げたいと思います。以上です。

鈴木部会長
よろしいでしょうか。

浅岡委員
ありがとうございます。遅れて来まして、申し訳ありません。先ほどからの議論ですけれども、やはり今、原子力については、原子力規制庁に関する法案が出ておりまして、この法案に基づくもので、予見されるところでベースシナリオといいますか、リファレンスシナリオといいますか、そういうことをやっていこうということで、基本問題でも議論になって、それを全く否定されたわけではないのでしょうけど、今のところ、試算するということが、勘定には入っていないのが前回の話だと思います。計算しませんということでありますから、こちらとしては、中央環境審議会として温暖化対策を考える上で最もベースと、まずはベースラインとなるべきものについて、よくわかっているということは出発だと思いますし、することが大して困難なことでもないということであれば、なおさらでありますので、是非とも、それはやっておいて、やらないという選択をするということは、考える材料を自ら捨てるという、そういうことにはすべきではないと思います。
その、するタイミングなんですけれども、様子を見ておりましてといいましても、今、こうした具体的に省エネをどこまで、どの対策強度をとっていくべきかとか、再エネもどういう施策を入れるべきかというところと、ある部分、関連をするところでもありますから、その判断ができるときでなければならないと思いますので、もう直ちに今からご準備していただくということを踏み込んでいただかないと、追ってやりましょうと言っているうちに、何か終わってしまいましたというふうになっては残念なことだと思いますので、是非とも急いでやっていただくようにしたいと。
それから、もう一点、ちょっと遅れたものですから、先ほどのすり合わせという観点は、やはりここは温暖化対策をどう進めるのかという観点から、中環審として、こういう材料に基づき、こういう検討をし、こういう結論が出ていますということをしっかり提示していただくと。それに資するものを準備していくという観点がいいと思います。また、それが必要なことだと思いますので、お願いいたします。

永里委員
この中央環境審議会で、原発の割合を35%にするとか、25%にするとか、35%とか25%はよくない、10%とか15%を入れろとかいうのを議論することは、別に構わないと思います。というのは、この中央環境審議会、いろいろなご意見がございますので、それはやっていいと思うのですが、そもそもからいきますと、エネルギーと環境というのは表裏一体だということを最初からおっしゃっているし、そういうふうに流れてきています。そして、この審議会はどういう役割かと、はっきりしておりますので、ここは良識ある事務局にお任せすればいいと、私はそう思っております。以上です。

横山委員
すみません、もう一言だけ。この原子力の選択肢について、総合資源エネルギー調査会に任せるべきだという意見が複数の委員からありましたけれども、一言、私の考え方を言ってみたいと思います。
25%、35%、全部、どっちもおかしいと思いますが、特に35%というのは、原発の設備容量で5000万キロワットを想定しているわけですね。今、福島の1~4号機が廃炉ということで、50基で4600万キロワット、それをもう大幅に超えているわけです。それが35%の実態です。今、政府が、大飯3・4号機を再稼働させようとしても、世論の反対もあって、なかなかできない状況ですね。それと、この放射能の影響で避難している人がまだまだ、いっぱいいるというような状況の中で、やっぱり中環審あるいは環境省が、35%、原発が今以上に2030年は稼働していますよというようなものを示す意味というのを、もうちょっと重大に考えるべきだというふうに思います。
前にもちょっと言いましたけれども、環境省に原子力規制庁を置こうという動きの中で、いや、環境省は今以上に原発を推進しようとしているんだというふうに見られていいのかと、ちょっと変な言い方ですけれども、そういうことも言っておきたいと思います。35%を残せという人は、一体あの事故をどう反省なさっているのか、その辺も言わずに、35%を残すべきだというのは、私はどうしても納得いきません。以上です。

新美委員
実態の議論の前に、私は、考えなければいけないのは、部会長は、この要請をしているという手続の問題を非常に重視する必要があるというふうに思うんです。一応、問題意識を持って問い合わせているわけですので、返事をまず待つべきだと思うんです。その返事を待った上で、やっぱり選択肢はあり得ませんよと言われたら、もう我々、ちょっと物の言いようがないし、それはあり得ますよということだったら、それで出してもらうということでしかないのじゃないかと。それは先ほど来出ている、組織の問題ということになるのだと思うんです。ですから、まず私は、この部会長の要請文が出たという事実をまず重視しなければいけないというふうに思います。

鈴木部会長
ありがとうございました。
これは果てしなくということになりますが、簡潔に、それではお願いできますでしょうか。

浅岡委員
どのようなお返事があるかは、それは最終にならないとわかりませんけれども、現在のところ、そんな間に合う時間にやってくれそうにないことは明らかだと思います。それは、前回の基本問題委員会の委員長のお話は、そういう意思表示であったと思います。それをじっと待つということは、結局、やらないということを言っているに等しいことだと思います。それでは、この委員会の責任を果たせないと思いますし、この点について、事務局がどなたかとそんな約束でもしているとおっしゃるのであれば、そんな事務局に私は事務を任せるわけにはいかないと、そう思います。そんなことはないと思いますけれども。

鈴木部会長
大体これくらいで、よろしいでしょうか。それでは、議題1に関しましては、今後の、ある意味では基本問題委員会からの対応もお待ちしながら、こちらとしては、内部的な準備を少しさせていただくというようなことになろうかと思います。
議題2に入りたいと思いますが、資料の2、これにつきまして、事務局から説明をお願いいたします。

低炭素社会推進室長
資料の2でございます。こちらにつきましては、経済モデルによる経済影響分析についてということで、議論のための素材を準備するため、作業に入らせていただきたいということのご議論でございます。1枚おめくりいただきまして、これまでも温暖化対策を検討するに当たりましては、経済影響分析を各方面で使ってきているというものでございまして、世界的にもIPCCの類似の評価報告書にも示されておりますし、各国で政策を決定するに当たりましても、参照されてきたというものでございます。また、我が国におきましても、平成20年から21年にかけまして議論がございました中期目標検討委員会からスタートいたしまして、地球温暖化閣僚委員会タスクフォースなど、さまざまな場面で活用されてきたというものでございます。
2ページ目でございます。これら分析に当たっての方針ということでございます。一つ目の丸でございますけれども、エネルギー・環境会議の基本方針の中におきましては、選択肢の原案を示す際に、国民生活であるとか、経済への効果・影響などについても分析を行って、その中身を提示するようにということが記載されておりますので、最終的に原案を提示する際に必要となってくるものであるというふうに考えております。
二つ目の丸でありますが、この分析を行うに当たりまして、応用一般均衡モデルを使って行うということになろうかと思いますが、これまで、地球温暖化対策のこれら分析を行った実績を有しているというものにつきましては、こちらに1から4で記載されたものが活用されてきたというものでございまして、こちら、4研究機関・研究者にお願いをしていきたいというふうに考えております。なお、これらのモデル、研究者のこの作業につきましては、無償でのご協力ということになっております。あと、括弧内になお書きで書いてございますが、経済産業省におきまして、エネルギーミックスを考えるに当たりましても、同様の分析が必要になってくるということでございますので、比較可能の観点からも、同様の4研究機関に試算を依頼する予定になっておるというものでございます。さらに、米印で書いてございますけれども、この4機関とは別に、日本経済研究センターにおきましては、前提条件などはそろえての参画ということにはなりますけれども、公表のタイミングなどについては、独自の動きをしたいということがございますので、独立しての試算ということでお示しをいただくということがございます。
三つ目の丸でございますが、これら各モデルにインプットするデータの前提条件につきましては、そろえていくという作業を行っておりまして、比較可能性を出すようにしております。最後の丸でございますが、これらの試算結果についての活用の方法でございますけれども、選択肢の原案を議論するための材料であるということでありますけれども、そのほかにもさまざま材料はございますので、それらの一つとして活用いただくということではございます。また、これらの活用いただける対象といたしましては、今後、エネルギー・環境会議の選択肢提示の後に、国民的議論にも供しますし、また、最終的には、政策立案者でありますエネルギー・環境会議のメンバーが判断をしていくという際の判断材料の一つになってこようかというふうに思っております。
3ページ目でございますが、試算に当たってのインプット、アウトプットのデータイメージを記載してございます。主なインプットデータといたしましては、化石燃料の価格、また、各電源を建設するに当たっての建設単価など、コスト周りの部分。さらに、今、ご議論いただいております計算に当たってのケースごとの条件といたしまして、どのような電源構成になるのかというものをインプットするということで、原発、火力、再生可能エネルギーの内訳というものをインプットしていきたいというふうに思っております。なお、中環審からお願いをするに当たりましては、この火力の部分は、火力全体の割合ということで、その内訳の構成というのは、アウトプットとして出てくるという仕組みになっているというものでございます。そのほか、CO2の排出量を技術モデルの方で計算しておりますので、その値になるようにということをインプットしていくというものでございます。これらインプットに対応して、アウトプットが出てまいりますが、GDPがどのように変化するのか、また、各産業セクターごとに生産量がどれぐらい、生産額がどのように変化するのかということ。あと、家計支出、民間投資、限界削減費用なども出てまいりますし、先ほど申し上げましたように、火力発電量のその内訳、ガス、石炭などの内訳がアウトプットとして出てくるというのがイメージになってまいります。
4ページ目には、経済モデルの有用性ということで、どのようなことがわかり得るのかということですが、一つ目の丸でございますけれども、例えば生産要素と生産物の関係、貯蓄と投資の関係などを定量的に描くことができるという方程式の集まりというものでございますので、二つ目の丸にありますように、経済主体が経済合理的な活動をした場合、利益が最大になるように行動した場合にどのような配分になるのかということが計算結果に出てくるというものでございます。三つ目にありますけれども、BAUをまず計算をして、そこから、どのような政策を打った場合に、どのような影響・効果が現れるのかということを表すことができるということで、政策によって経済全体に与える影響がアウトプットとして出てくるというものでございます。それらにつきましては、各部門ごとのプラスマイナスなどの中身も出てくるというものでございます。
あと、基本的には四つのモデルを使いながらの作業というものでございますけれども、5ページ目に複数のモデルの主な相違点ということで、まとめております。それぞれ生い立ちなどが違いますので、細かなところも含めて違うところはございますが、大きな枠組みとしては二つあるというふうに思っております。一つは、動学化の方法ということで、どのように均衡していくのかということの考え方、タイムスパンの見方が違うというものでございます。1といたしまして、逐次動学型というもの、2、異時点間動学最適化型というものに大別されるというものでございます。こちらにつきましては、逐次型というのは、毎期、毎期、例えば毎年、毎年、最大の利益になるように一度均衡すると。それが繰り返されるということでございますけれども、2の異時点間動学最適化ものというのは、例えば10年間なら10年間、計算する場合には、その全期間を通じて最も利益が大きくなるように計算がなされるという、この違いが大きく出ておるということですので、資源配分の調整がこの二つの間のモデルの中では、計算上、違うというものになります。もう一つは、税収の還元方法でございますが、経済モデルの中におきましては、さまざまな政策をとるということは、基本的には炭素価格を上下させるということで表しております。これらは便宜的にこういう手法をとるわけですが、そこで集まる税収につきましては、どこかに還元させてあげるということですが、その還元先として、例えば家計に戻すもの、省エネ投資に充当させるもの、国債に償還させるということで、モデルによってはその償還先が違うことによって、結果が異なってくるということがありますので、こういった違いにつきましては、一番最後のページにそれぞれのモデルの留意点を、特色を書いておりますので、それらを見ながらの比較検討ということになろうかと思います。
6ページ目でございますが、それら作業を行いまして、結果が出てくるというものでございますけれども、それらを見ていく、また、検討をしていくに当たっての留意点についての記載でございます。こちらについては、第90回の地球環境部会におきまして議論いただいて、示していただいたものでございます。一つ目のぽつでございますけれども、先ほど申し上げましたように、前提条件次第で分析結果が大きく変わり得るということでございますので、結果の数値そのものについて、過大な評価をするというものではないという留意点。また、どのような施策・対策が効果的なのかどうかということを考えるに当たりましては、感度分析を行って、その政策の有無を把握していくということも重要な作業になってくるということ。あと、分析結果の数値がひとり歩きする傾向にあるということでございますので、先ほどご説明を申し上げましたようなモデルの構造、前提条件の違いというものを十分に理解した上で、提示をしていくということが重要だというものでございます。ですので、どのような前提条件で行ったのかというデータも、当然開示していく必要があるというものでございますし、また、一つの解にとらわれるのではなく、定性的、また、幅を持った形でとらえていく必要があるということでございます。
以上が経済モデルについてでございますが、これらの作業を行いまして、選択肢原案をご議論いただくための素材を準備させていただきたいというところでございます。
あと、資料番号を振っていない、小委員会での主な議論というつづりに、もう一度、お目通しいただきたいと思いますけれども、3ページ目からが経済モデルについてのさまざまな議論でございます。3ページ目、下からは、経済モデルでどのようなことが分析可能なのかというご質問、ご意見でございます。
下から二つ目の丸でございますが、これらモデルについては、海外との関係が組み込まれているかどうかということでございますが、こちらにつきましては、基本的には、一つの国、日本の中のモデルということでございますので、直接的にモデルの中で、海外との関係というのがモデルに組み込まれているというものではないということでございます。丸の2のライトモデルは、世界モデルの中の日本ではありますが、基本的には一国モデルというものでございます。
二つ目としましては、こういった経済モデルにつきましては、得意なところと、そうでないものがあるということを認識すべきだということがございます。ですので、単に出てきた値だけではなくて、それをいかに解釈するかというところの重要性をご指摘いただいた部分があります。
おめくりいただきまして、4ページ目でございますが、上から一つ目でありますが、中長期ロードマップの際にも、こういった分析、議論をしたということですが、なかなか解釈が難しかったということで、どう解釈するか、わかりやすく解説をする必要があるということ。
あと、インプットとして電源構成があるけども、アウトプットで火力の発電の内訳も出てくると。この両者の関係ということですが、先ほどご説明しましたように、インプットとしては火力全体の割合と。アウトプットとしてはその内訳で、石炭、ガスなどの内訳が出てくるという関係にございます。
あと、経済モデルの結果だけを見て選択肢は選べないということで、どういう政策を入れるかが議論であるということは、そのとおりでございまして、一判断材料の材料というものでございます。
あと、有識者による議論の場が必要だということで、モデルの研究者などからもお話しいただく機会を設けたいというふうに思っております。
あと、経済モデルの中で定量できない対策・施策もあるが、それをどう扱うかということでありますが、後ほど、資料3でもご説明を申し上げますけども、全体報告書を作成する中でも、定量化できないものについても、当然言及をしていくべきだというふうに思っておりますが、それはモデルの中には組み込めないということだと思っております。
あと、経産省の方でも同じように計算をするということだけれども、どういう関係なのかということでございますけども、前提条件の設定の仕方に違いが一部あるということで、経産省の方につきましては、火力の内訳についても、審議会で議論された比率でも固定した上での計算ということで、若干その計算の自由度が違うというところでございます。
あと、モデル分析は何のために行うのかということでございますが、まずもって、ここの本部会、小委員会でご議論いただくための素材というものでございますし、最終的には国民に提示し、政策決定者にもご覧いただくというための素材としてあるというもの。
続く、ブラックボックスになるようなことにはならないようにということで、前提条件などをきちんと示していくということでございます。
あと、下から二つ目の部分でございますが、CO2だけではなくて、SO2、NOxへの対応ということも重要ということでございますが、本経済モデルにつきましては、SO2、NOxについての分析をする形になっておりませんので、このモデルの中では対応ができていないというものでございます。
あと、4ページ目、下からでございますが、インプットとアウトプットのデータ、考え方については、無機質に見えるというご指摘がございます。モデルについては、どのような選択肢をご議論いただいて、それについての計算をするかということですので、どのような政策にするかというのは、モデル計算の前段というところでの議論かというふうに思っております。
あと、社会的なイノベーションを含めたものになるのかどうかということですが、例えば計算結果といたしまして、産業構成ごとにプラス、マイナスの結果が出てくるということがございますが、それらを見ながら、どういう姿になるのかというご議論をいただけることにはなりますが、社会の姿そのものがこのモデルから出てくるわけではないというところは、留意が必要になってこようかと思っております。主な意見としては、以上の部分でございます。

鈴木部会長
ご説明いただきました資料2につきまして、ご意見、ご質問がございましたらお願いいたします。では、こちらから、三橋委員の方からまいりましょうか。

三橋委員
資料2の3ページ、いわゆる経済モデルの限界については、これまでも再三指摘をしてきたので、そのことについては、今日は指摘しません。これは2030年までの分析ですね。そうしますと、化石燃料の価格、2030年の化石燃料の価格がどうなるか、これはもうとても予測できないと思うんですよね。石炭、石油、ガス。したがって、これはもう論理を書く以外に手はないと思うんですよ。いいかげんに幾ら幾らと言うのじゃなくて、こういうような考え方でいけば、2020年、2030年の石炭の価格はどうなるとか、石油の価格はどうなるとか、あるいは天然ガスの価格はどうなるとか、そういうちょっと理屈をはっきり示した上で書いてほしいと思うんですよね。
全く外れる可能性の方が大きいと思います。その場合にも、だから、二つぐらいのケースをちょっと考えて、分析してもらったほうがいいと思うんですね。たった一つじゃなくてね。恐らく2030年のこのモデルでは、化石燃料価格がもう決定的な影響を与えると思いますよ。だから、それは単にこのくらいにしておこうということじゃなくて、相当詰めてほしいんですよね、理屈をね。そういう形で、是非つくってほしいということと、2020年ならともかく、2030年ですから、ほとんどその結果というものは外れると思いますけど、それだけに、論理というものをしっかりと指摘するような、そういうようなアウトプットの出し方、インプットの打ち込みの仕方を考えてくださいということです。以上です。

高村委員
先ほどの白熱した議論に関わる点でございますけども、ただ、部会長が既にもう引き取られた内容に沿ったものですが、特に経済モデルとの関係でいきますと、私たちがその選択肢を絞っていくときに、そのコストというのがどれだけ追加的にかかるかというものの、いわゆるベースラインというものを示していただく必要があるように思っております。通常、私、もちろん専門ではございませんけれども、見る限りは、やはりその現行対策ケースというものを設定して、そこからどれだけのやはり追加的なコストがかかるのかといったような比較によって、その政策のオプションというものが提示されるケースは間々あると思っております。その意味で、私、小委員会のときにも、別の議題のところで申し上げたのですけれども、その原子力比率のどれがいい、悪いということの議論は仮に置くとしても、少なくとも、やはり現行、今の政府のもとで合意をされた政策のもとで行われた政策において、その政策内において、どういうシナリオになるのかということに基づいた、やはり経済影響の試算が必要ではないかというふうに思っております。エネルギーミックスに関しては、基本問題委員会の事項だと私も重々思っております。その趣旨で申し入れを中環審でしたというふうに理解をしておりますけれども、やはり今申し上げた趣旨で、経済モデルに間に合うように、そのシナリオケースの提示を、是非していただきたいということは強く要望したいと思いますし、先ほど部会長がおっしゃいましたように、いずれにしても、中環審でそのオプションを精査する際には、そのベースラインというものを一定の情報としては持つ必要があるということを、事務局の方にはその旨、お願いをしたいというふうに思います。以上です。
小林委員
今、ご説明いただいていて、一つだけ気になりますのは、このモデルの中で一番の問題点は何かというと、このシミュレーションをする上において一番重要なのは、温室効果ガス、CO2の削減、排出量の制限の中でどう考えるかという議論だと思うんですよね。ですから、そういう意味からいきますと、この地球環境部会で議論するのは、やっぱり温室効果ガスの排出量を基準年から幾ら削減するか、例えば2030年で20%削減するという大前提をどこかに置かないと、国民が判断するための比較論にはならないと思うんです。そういう意味で、例えば2030年、25%削減ということに固定して、それをベースにして、このAIMモデルを動かし、また、経済分析をやらないと、国民がそれに対しての判断ができないのではないかなと。
その中で、変動するケースは何かというと、原子力発電の割合、それから再エネ電力の比率、それから化石燃料のLNGと石炭の比率、ここが、この三つが一番大きなファクターであると思うんですよね。これがどう動いたことによって国民の負担がどう変わるか、それを明示しなければ、私は国民は判断できないと思うんですね。私たち自身も判断できないと思うんです。私は、エネ調とは別に、この地球環境部会で議論しなければならないことは、この温室効果ガス排出量を幾らに固定するか、それをベースにして、経済負担がどうあるか、国民にどれぐらいの経済負担が出てくるのかということをきちっと説明しなければ、中環審としての役割はできないのではないかなというふうに考えるわけです。
そういう意味で、ちょっともとの話に戻ってしまって、申し訳ないのですが、何か一つ固定をして比較論をしないと、いわゆるベースを決めないで、幾ら変動ケースをいっぱいつくって議論をしても、国民は判断できないのではないかなと。そういう意味で、やはり中環審としては、温室効果ガス排出量の削減率、これを固定して計算していただきたいというふうに思います。以上です。

及川委員
まず、形式的な問題で恐縮なんですが、資料2の1ページ目の1行目ですね。IPCCという言葉が出てきまして、これは"Intergovernmental Panel on Climate Change"の頭文字なんですね。ですから、気候変動に関する政府間パネルであって、その前に国連というのがついているのですが、これは不要だと思います。IPCCというのは、我々の論議の上で非常に重要なものですから、この辺はきちっと訳していただきたいということがございます。
それから、もう一つは、こういう経済モデルで、先ほどの小林委員の意見とも関連するのですけれども、地球温暖化がどういうふうに進行するのか、その温暖化は、単に温度が上がるだけではなくて、グローバルに雨の降り方も変わるとか、そのために農作物の収量なんかも変わるわけですよね。それで、日本は非常に食料自給率が低いわけですよ。だから、そういったことで、非常に大きな経済的な影響を受ける可能性が大きいと思うんですけれども、その辺をどういうふうに考慮されているのか、その辺をお尋ねいたします。

浦野委員
モデル計算というのは、是非やるべきことではありますけれども、先ほどからお話があるように、不確定要素が非常に多くて、結果だけがひとり歩きするおそれもあるわけです。特に6ページの結果の提示に当たっての留意点というところの3番目のところで、幅を持った形で結果をとらまえ、定性的というのは、あまりにも表現があいまいです。幅を持ってというのは非常に重要だと思っています。
一応CO2は25%削減あるいは20%にするかもしれませんが、20%から30%に固定をするとして、やっぱり重要なのは、先ほどからの一次エネルギーの比率をどうするのかということと、特に電力料金をどの程度に考えるのか。これは当然ながら、化石燃料の価格もありますし、日本の場合は、例えば再エネの買取価格をどういうふうに設定するかということにも依存するわけで、それを具体的に出せるのか。アウトプットに電力料金というような形のものが出てくるのかどうかですね。これは割とわかりやすい指標ですし、その結果として、家計消費だとか、生産の方にも影響するわけなので、はっきり示して、しかも、それを幅で示していただきたいなと思っております。
それから、エネルギー構成については、先ほど来、議論があるので、蒸し返す気はないのですけども、後ろの7ページ、8ページ目に書いてあるように、原発への依存度低減のシナリオということが前提になっているわけですよね。CO2を減らすのが第1目的ですけど、全体として原発依存度を低減するという前提でのシナリオなので、増えるような前提はおかしいし、私は、シナリオとして、20%と0%の間が当然あるべきだと思いますので、追加的意見で申し上げておきます。以上です。

浅岡委員
この経済分析について、モデルによる経済影響分析の中身が全く理解できていないので、教えていただきたいのですけども、この3ページのインプット、アウトプットの関係で、インプット、例えば今の電源構成の議論なども、2030年の数字しか議論をしていないはずなんですけれども、この2030年のアウトプットを出すときに、その間のプロセスのことというのは、どういう前提で計算をするという趣旨なんでしょうか。スナップショットの数字の議論しかしていないというのが基本問題委員会の問題でもあると、そこでの議論でも随時出されていたと思います。一定の何か、別の前提がここに入るのかどうかということです。
それから、もう一つ、その電源構成と火力の関係ですけれども、CO2の排出量についてもですけど、ここのアウトプットで、火力発電量の化石燃料ごとの内訳が出てくると。ここの小委員会での議論の4ページの下の方で、下から三つ目の丸で、火力発電の内訳がアウトプットとして出てくるけども、どういう設備でどれだけ発電するかという議論と、何か関係なく出てくるようだと、というものらしいと、こういう議論になると、これを見ますと思います。ということは、インプットというのは、一体何をインプットするという議論なのかと。これまで小委員会で議論されてきたことというのは、こういう試算にどこでどのように反映しているということなのか、教えていただけますでしょうか。

大塚委員
さっき、高村委員が言われたことには私も賛成で、追加コストについては、ちょっと大変だと思うんですけれども、是非出していただければと思います。
オプションがたくさんあり過ぎて、この経済モデルで検討するのは結構大変だと思いまして、小林委員も言われたように、本当は数字を決められるといいのですけれども、恐らく数字を決めること自体が、また今すぐ決まるような状況ではなくて、経済モデルの結果を見ながら数字を決めるということを多分、事務局はお考えだと思うので、ちょっと本当は、鶏が先か卵が先かみたいな議論があって、大変だと思っているんですけども、恐らくそういう、両にらみで検討していくしかないのかなという感じはしています。
一方で、委員の先生方に、事務局から何か私の方にも来ましたけど、アンケートが来ているのですけども、恐らくそのアンケートを見ながら、前回のときに配られたと思いますけども、その成長シナリオと慎重シナリオで、高位、中位、低位で、原子力がどうなるかによって、私は10%というのも入れた方がいいと、個人的にはむしろ思っていますけども、全部で3掛ける4とか、あるいは3掛ける5という、15通りぐらいの数字が、シナリオが出てくるんだと思うんですけども、その中で、どれを特にやるかということを考えないといけないかなと思っています。
その先は私の個人的な意見なので、アンケートの結果を見ながら考えていくということだけ申し上げておけばいいかとは思いますけども、2030年でどのぐらいのCO2とか温室効果ガスの削減をしていくかというのが、その15通りとかを見ていると、大体おのずと出てくるのじゃないかという気も個人的にはしています。ちょっとその先は私の個人的な意見ですので、今はちょっと申し上げるのは控えたいと思いますけども、そういう作業をこれからやっていく必要があるのではないかということを、ちょっと申し上げておきたいと思います。

低炭素社会推進室長
インプットデータとして、エネルギー価格というものは重要な値でございまして、今現在、作業として考えておりますのが、エネルギー・環境会議のもとに設置をされましたコスト等検証委員会で、例えばIEAなどの見通しを使いながら、今後、どうなるのかというものが議論されておりますので、それを基本として使いつつ、それにずれた場合、変化した場合の影響というのはどれぐらいなのかということは、感度分析などというのが考えられます。あとは作業の多寡に応じて、どこら辺までできるかどうかということでございますので、モデルの分析者と相談しながら、見ていきたいというふうに思っております。またその旨はきちんと、そういう燃料価格の設定はこのような手順にしたという理屈は、きちんと明確にしていきたいというふうに思っております。
あと、CO2の制約につきましては、特に資料1でもご説明を申し上げておりますけれども、2030年慎重シナリオのものを、資料1の1ページ目に記載させていただいておりますけども、こういった原発の比率、また、省エネ・再エネの対策ケースに応じて、今、この瞬間では12通りあるわけでございますけども、この中の温室効果ガス削減割合というものをインプットデータとして計算をしていきたいというふうに思っています。ただ、先ほど申し上げましたように、非常に数が多うございますので、この中からどのように絞り込むのかということは、作業上の制約もございます。今、どこの対策ケースを見るべきなのかというものを、小委員会、また、部会の委員の方々にアンケートという形で伺っているというもので、そこから絞り込んでいきたいというふうに思っていますので、中環審でのモデル分析というのは、CO2が固定化されているという際の経済影響を見ていくという作業になっていくというものでございます。
あと、温暖化が進んで生じるさまざまな影響によって、経済への影響、多分マイナスの影響が大きいとは思いますけども、そういったものをどこまで今回の作業に見込んで、加味しているのかということでございますが、温暖化が進行することによって、どのような影響が、金額的な面も含めてあるのかというのは、気候モデルを使っての検討ということになろうかと思いますので、今回、ご議論いただいている中でいきますと、分野としては、適応のことを検討するに当たっての素材だと思っております。一方、今日、ご議論いただいております、この経済モデルでの分析に当たりましては、これら気候変動による影響というものは加味しない、削減の政策の影響だけを見ているということでございますので、この中では入っていないということでございます。
あと、アウトプットデータとして、非常にわかりやすく重要だというご指摘がありまして、例えば電力料金というものがございますけれども、現在のところ、このモデルのアウトプットとしては、電力料金というのは含めて出てくるというもので、お示しできるものだというふうに考えてございます。
そのほか、幅を持っての表現ということでございますので、誤解、ひとり歩きがないようにするということで、表現ぶりにつきましては、適宜適切に行っていきたいというふうに考えています。
また、電源構成については、どのように設定をしているのかということでございますけれども、基本的な部分につきましては、AIMの試算におきまして出ております電源構成をインプットとして行うというものでございますけれども、先ほど申し上げましたように、火力の内訳につきましては、この計算として、アウトプットとして出てくるというしつらえになってございます。以上でございます。

浅岡委員
そうしますと、原子力発電について見れば、2030年まで、どういう経路をたどるのかというのは、それぞれのモデルで、それぞれ適当に考えてやっていらっしゃると、こういうことになるのでしょうか。

低炭素社会推進室長
今のところ、2020年断面でのケース設定というのが出ておりませんので、基本的には単純に設定をして、計算をいただくということになろうかと思います。

浅岡委員
単純というのは、どういう意味なんですか。

低炭素社会推進室長
例えば2030年の値が断面で決まっておりますので、そこへ直線的に外生するといいましょうか、内生するといいましょうか。

鈴木部会長
この動学型モデルというのは、そこの経路を最適化しながら進んでいくということではないのですね。

低炭素社会推進室長
インプットとして入れるという話であると、それはある設定をインプットするわけですが、計算として出てくるというのは、その動態的なモデルとして、結果として出てくるというものですが、今回、電源構成につきましては、火力の内訳以外はインプットとして入れておりますので、答えとして出てくるというものではございません。

浅岡委員
じゃあ、ちょっと確認ですけれども、原発も、火力の経過も、それぞれのモデルをつくられる方が、それぞれお考えになって入れていると、入れた結果が出てくると。共通ではないということなんですね。

低炭素社会推進室長
そうですね。共通的なものは、2020年などの断面が出てきておりませんので、示しておりません。

浅岡委員
要するに、それぞれが、その経路は自由に設定されて、ある結果がそれぞれ、そのパターンとして出てくると、こういうモデルだということですね。

低炭素社会推進室長
計算結果としてはそうなると思います。

鈴木部会長
経済モデルについては、また2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会で、多分もう少し詳しくご検討いただくと思いますので、是非浅岡委員も、そちらのほうにお出になっていただくといいのかなと思いますが、何かやっぱり、計算結果等々につきましても、是非わかりやすく示していただくようにお願いできればと思います。
よろしいでしょうか。大塚委員、どうぞ。

大塚委員
火力の発電量の内訳がアウトプットで出てくるというのは、ちょっと必ずしも理解できていないので、教えていただきたいのですが、例えば石炭とLNGの関係という、さっきから議論しているような問題について、いろいろなご意見があることは重々承知しているんですけども、それは、まさにCO2の排出量と関係してくることでもあるので、ある意味、私はインプットかなという感じもするんですけど、そこは議論が分かれるからアウトプットに回したという、そういう理解なんですか。結局、アウトプットに回したということは、最適性でやるということは、これはコストとの関係で決まってくるという整理になりそうなんですけど、そういうことを経済モデルでするという、そういう理解でよろしいのでしょうか。

低炭素社会推進室長
何らかの値について固定をし、つまり、インプットという形で与えるということで、そういったものを設定した場合に、どう挙動するのかというのがアウトプットとして出てくるわけでございます。今回のインプットにつきましては、かなりの部分について、例えばコスト等検証委員会であるとか、あとはCO2についても、排出量については技術モデルで計算をした結果と合うように、逆にインプットとして固定をしているということで、かなりの部分が固定化されての計算になっております。そうしますと、アウトプットとして動き得る余地というのが極めて少ない、項目としては少なくなってまいりますので、今回の値としては、その火力の相対量については、インプットでは出しますけども、その挙動としてはどうなるのかという結果をまず見てみましょうということでございます。

大塚委員
そうすると、そのLNGと石炭の比率というのは、例えばエネルギー供給ワーキンググループでも多分議論があったし、基本問題委員会とこちらと、例えば意見が対立していますけど、そこはインプットには入らないわけね。

低炭素社会推進室長
ですので、そういった面でいきますと、今、ご指摘いただいたさまざまな側面で議論いただいておりますので、それとの違いを比較していただきながら、それがエネルギー、例えば各セクターにどのような影響があるのかというところを見ていただいて、議論をいただきたいということでございます。

浅岡委員
それであれば、せっかく大塚先生たちが議論されたものをインプットして、どういう結果が出るのかということも試算していただかないと、せっかくやった意味が何もないと思います。わざわざ自ら、議論を進めていくための客観的な、科学的なデータを得ることができるのに、しないということがないように、それをあわせてやっていただきますようにお願いします。

鈴木部会長
ありがとうございました。大体あれでしょうか。及川委員の適応のコストは、ここでは考えないと。まさに、別のところで、温度上昇によってどれくらいの経済被害が表れるかというのは別個計算して。

低炭素社会推進室長
適応のところの議論といいましょうか、素材になろうかと思います。

鈴木部会長
しかしながら、やはり経済評価ということになると、いずれは避けられないことになってくると思います。では、まだございますので、次の資料に移らせていただきます。資料3、2013年以降の対策・施策に関する報告書の構成案ですね。お願いします。

低炭素社会推進室長
資料3でございます。こちらにつきましては、最終的に中央環境審議会からエネルギー・環境会議に温暖化対策の複数の選択肢の原案を提示していただく際に、報告書という形で取りまとめをするということを考え、本日は、骨子・素案をご提示をさせていただいたというものでございます。ですので、表題も含めまして適切なものになっていくという、第一段階目だというふうにご理解いただければと思います。
まず、資料の構成といたしましては、項目としては1から10までになっておりますけれども、そのうち、5、6につきましては、国内排出削減の部分というものでございますので、こちらにつきましては、小委員会の方でご議論をいただいておりまして、そちらで報告書の中身をつくった上で、本部会にご報告をし、さらに議論いただくという部分でございます。そのほかの部分につきましては、部会において直接議論いただくということかと思っております。
1から始まりまして、この検討が始まった経緯、プロセスを記載するということと、2におきましては、最新の科学を気候変動に関する科学的知見がどうなのかということの記載、さらに、国際交渉がどのように行われているのかということを3で書き、我が国で温室効果ガスの排出量がどうなっているのかということについて、4で書いていくということで、主に背景につきましては、4までで書いていくということでございます。国内の排出につきましては5で、マクロフレームワーキンググループ、技術ワーキンググループなどの報告なども使いながら、長期目標を視野に置いた持続可能な低炭素社会の将来図についてまとめ、これは長期的なお話というものでございます。また、中期的な対策ということで、6に国内の排出削減対策の複数の選択肢の原案というところで、メーンはここになってこようかというふうに考えております。
内訳といたしましては、まず(1)といたしまして、複数の選択肢の原案設定の考え方ということで、いろいろなケースについて、検討をしてきたということについて記述をしていくということになろうかと思います。あと(2)といたしまして、その選択肢を考えるに当たりまして、部門ごとにさまざまな議論が行われてきたわけでございますので、どのような検討、また、中身になっていたのかということを、産業、運輸、業務、家庭分野、エネルギー分野など、それぞれについて書いていくというものであります。また、モデルの中では、必ずしも定量化できないという対策についても、当然この中で記載がなされていくことになろうかと思います。
おめくりいただきまして、2ページ目でございますが、分野ごとの記載というのが4でエネルギー転換分野、農林水産分野、あとは非エネルギー起源の温室効果ガスについて、メタン、一酸化二窒素、フロンというものを5で記載するというものであります。さらに、6といたしまして、地域づくりであるとか、あと、いかに温暖化対策を国民の方々にとっていただくのかということで、コミュニケーションの重要性というのも議論いただいておりますので、分野横断的な取組ということで記載をしていきたいというふうに考えておりますし、また、この中では、環境教育などの重要性もうたわれておりましたので、そういった基盤などのお話も記載し得るというふうに考えております。こういった議論を続けてきて、(3)に最終的な複数の選択肢の原案というものを記載をしていくということだと思っております。ですので、(3)は、それまでに議論を経て、絞り込まれた最終的な選択肢原案の姿を(3)で書くというイメージでございます。また、それらの原案ごとに、(4)、(5)といたしまして、経済分析の結果、また、複数の選択肢ごとの評価について記載していくという次第を提示しております。
そのほか、7といたしまして国内での吸収源対策、8といたしまして、この後、ご議論いただきます国際貢献、そして、9といたしまして適応策について、思想を立てての記述ということだと思っております。最後に、2013年以降の計画として、現在あります京都議定書目標達成計画に続く計画を策定していくに当たっての考え方をまとめてはどうかというものでございまして、以上が、報告書の骨子としてご提案させていただいたというものでございます。以上でございます。

鈴木部会長
こちらの方はよろしいですか。

低炭素社会推進室長
すみません。もう一度、小委員会で出た主な議論というものでご紹介をいたします。6ページ目でございます。小委員会では資料4となっておりましたが、骨子での議論というものでございます。
一つ目の丸といたしましては、地域づくりなど、長期的には効果があるというものでありますけども、それが定量的、必ずしも定量化できるものばかりではないということで、そういったものについては記載ができるようにしてほしいということで、今回は分野横断的なものということで、枠をつくったものでございます。
あと、第5章のところで長期的なもの、第6章で中期的な記述というものですが、この間をどうつないでいくのかというのが、中長期ロードマップのときには錯綜して、わかりにくかったというご指摘がございましたので、議論の際には、そこの留意しながら記述をしてまいりたいというふうに思っております。
あと、6章の中では、複数の選択肢の原案を考え、また、絞り込んでいったプロセス、さらにその成果というものを(1)から順に書いていくようになっておりますが、(1)としては、さまざまなケースが出て、最終的には(3)のように絞り込まれたということを提示していくということの項目立てになっております。
あと、6の(1)のところで、原案作成の考え方のところでは、前回、ちょっと記載にケース分けで数字を入れてしまっていた部分がありますので、予断を与えるおそれがあるということで、ここは修正をしております。
あと、コスト等、まだ分野ごとに議論していない部分があるということのご指摘がございますので、次回以降、そういったこれまでご提示させていただいたものを取りまとめをして、議論いただければと思っております。
あと、部門ごとの選択肢の検討をするのかどうかということでありますが、最終的に選択肢の原案を取りまとめるに当たって、分野ごとにどのような議論が行われたのかということを記載していくという頭の考え方。また、コミュニケーション・マーケティングワーキンググループの成果を記載する部分が前回になかったということでありますが、今回は記載する部分を明記しております。
あと、施策、政策の議論が重要だということでございまして、こちらについても、次回以降、ワーキンググループ、また、小委員会などで議論いただいたものを、さらに議論しやすいように取りまとめをして、議論に資するものをお示しさせていただければと思っております。以上でございます。

鈴木部会長
これは、本気でこれだけのものをまとめますと、少なくともこのワーキンググループの報告書以上のページ数になりそうですが、どれくらいの大きさを考えて。

低炭素社会推進室長
ですので、今、ご指摘いただきましたように、まず、エネルギー・環境会議からは温暖化対策の選択肢の原案を、複数のものを提示しなさいということがありますので、それがまず一番最初にわかりやすいようにということで、別立てでそれだけで、そのページだけでわかりやすいようにという工夫が必要なのかなと思っておりまして、それにつきましては、項目立ての修正をしていきたいというふうに思っています。また、全体分量が非常に大きくなりますと読みにくくなりますので、簡潔なものと、あと資料編という、その項目を分けるというのも、アイデアとして考えていきたいというふうに思っております。

鈴木部会長
それでは、この報告書の構成につきまして、ご質問あるいはご意見はございますでしょうか。
では、こちらから、浅野委員からまいりましょうか。

浅野委員
これまでの議論の流れを追っかけていくと、こういう整理にならざるを得ないなというふうには思うし、今さらこれをひっくり返すというのも、とても難しかろうというふうに思います。しかし、今日の議論を聞いていても、たびたび、その同じことが、蒸し返し、蒸し返し議論になってしまいますので、やはりこういう部会というものは、議論の積み上げはきちっとやっていかなければいけませんから、また後になってがらがらというような話にはならないようにしておかなければいけないと、そんなようなことを思うわけです。
特に、何回か前の部会で、目標を決めるだけじゃなくて、対策の複数案を示せということなんだということを森嶌委員が発言されましたが、私も、もともとそういうことだろうというふうに思っていました。しかし、やはりこの絞り込み方、つまり、6の(1)が、言ってみればポイントになってしまって、これと、その(3)がつながっていくというふうにしか読めないわけですね。そうしますと、やはり今まで、もう既に示されたものを見てもわかるわけですけども、結局のところ、これではっきりしてくるのは、これこれをやっていくと、どういうふうな、目標というのでしょうか、どのぐらい削減できるのだろうということは、これではっきり違いが出てくるわけですから、結局、それとつなげる形で、複数の選択肢を示すということに、とりあえずならざるを得ない。それ以上のぜいたくなことは言ってはおれないので、短期間でこれだけのことがやれただけでも立派なものだと、私は思ってはいますけども、ただしかし、個々の項目ごとにあんなに議論があるようなところを見ますと、ちょっと心配だなという気がしています。これは単なる危惧の念を示すだけです。
それから、最終的に、(1)の考え方に基づいて、実に多くのケースが出てきてしまいますが、それが最後の(3)の方にそっくり移ってしまったのでは、何のことかわからないわけですから、ここは当然絞り込みをきちっとしていかなければいけないだろうと思います。それはかなりの覚悟を決めて、割り切って絞らないとだめだと考えますので、この辺のところは事務局でしっかり、原案をつくられ、小委員会のご議論というものも、相当きちっとやっておかないといけないと思います。とにかく、できるだけ小委員会で議論がまたもとに戻らないように、常に、もうこれは確認できたということは確認したということで、先へ進む。それから、その参考資料として、これをついでに示しておいたほうがいいというようなものは、それはそういうものだということで、きちっと割り切って整理をして議論していかないといけないと思われます。本体の話と参考資料の話がごちゃごちゃになって議論されると、いつまでたっても同じ議論の繰り返しになってしまうと思います。
ちょっと不満ではあるのですが、このような骨子で報告案をつくらざるを得ないという、現実は現実として認めざるを得ないと思いますから、それにしても、最終的にわかりやすく表面に出すと言われている6の(3)の中身について、単に目標を示すというような、そういう寂しいものでないようにするという必要があるので、(2)があるというのはよくわかりますから、是非工夫をお願いしたいと思います。

井上委員
先ほど来から、経済モデルの限界という懸念が示されていますが、やはりそこは十分注意すべきであって、経済モデルで分析したケースの結果どれを選ぶ、という単純な報告書のまとめでは決してない。経済モデルには限界があるということを、十分この報告書の中に含めていただきたい。
もう一つは、その対策にはどういったCO2の削減効果があって、それにかかるコストがどうだというのをこの報告書の中で十分、分析・評価しなければならない。そのような中で、以前にも申し上げたと思うが、この5年間、京都議定書の目標達成計画ということで、これにつぎ込まれた予算が毎年約1兆円、この施策にかけたコストに対する効果がどうだったのかという評価もきっちりやらなければいけないし、先ほど高村先生からあったように、ベースラインからどれだけ対策をやったら下がるのか。今、各委員宛のアンケートとして、どこを議論すべきかというのが来ていますけども、そのベースラインの中に、例えば今回の固定買取なり、温暖化対策税が入っているのか。入っている前提が固定ケースなのか、そこからの削減効果を我々は評価しているのか、この辺も明らかにした上で、政策、コスト、対策効果、これらを議論できるような報告書にすべきです。以上です。

浦野委員
中身の議論は、まだこれから詰めていくと思いますが、この目次なんですけども、小委員会の方でも意見が出たようですが、5の「長期的目標を視野に置いた」というのは、2050年をイメージしているんだと思うんですね。だとすると、6番目は、「中期的な目標を視野に置いた」というのを書いておかないといけない。じゃあ、中期的というのは、2020年か、30年か、その後ろの方の(3)には2020年及び2030年と年号が入っているんですけども、6のメーンのタイトルの方には入っていないので、この辺ははっきりさせる必要があると思います。
全体の構成としては、(1)から(3)、(4)と行って、最終的には(5)に行くわけですけれども、浅野先生からも意見がありましたが、(3)では2020年と30年と書いてあって、資料1は2030年しかなかったわけです。そのとき、複数のシナリオといっても、先ほどの組み合わせで、15も20シナリオがあるようでは分からなくなってしまうので、ある程度絞り込む必要がある。じゃあ、複数というのは、2個以上が複数なんですけども、幾つくらいにするのか。
それから、もしそこで、選択肢の原案がある程度絞られた形、2個である必要はなくて、もう少し多くていいと思うんですが、それが絞られたとしたら、それを受けて(4)がないと、全体のストーリーができないわけですよね。(4)は、例えば15ぐらいやって、(3)は絞り込まれているというと、ストーリーが流れないわけですから、この辺をどう考えているのか。しかも、この(4)が2020年と30年の両方か、30年をイメージしてやるのかということもはっきりする必要がある。両方やるなら、20年、30年というふうに分けて書かなければいけない。また、(3)も、「2030年の」と書いてあるんですが、これは日本語としては「2030年までの」、選択肢だとしたら「までの」ですよね。2030年にどうなるかは結果であって、選択肢の原案というのは「までの」なのじゃないか思います。「までの」と「視野に置いた」という日本語とも意味がよく整理できていないような気がする。目次の構成というのは非常に大事なので、しっかり用語を考えてつくっていただきたい。
内容的には、現時点ではこれしかないと思っていますので、しっかり論理体系ができて、なるほどストーリーが流れるように、是非つくっていただきたいと思います。

及川委員
この国際貢献のところで、お尋ねするのがふさわしいかどうか、ちゅうちょしたのですけれども、京都議定書の第一約束期間で、日本が森林吸収に非常に大きなウエイトを置いたわけですね。そして、これから先も、森林吸収というのが大きな削減分として取り扱われるだろうというふうに思っております。そして、前にワーキンググループの会議のときに、EUの取組、今後の取組というお話をいただいたんですけれども、そこには全く吸収源の問題が出てこなかったんですね。ですから、EUあるいはそのほかの国々で、こういう吸収源の問題を、今後、どういうふうに取り扱おうとされているのか、その辺を教えていただきたいと思います。

大塚委員
基本的にこの構成で賛成ですけども、6の(3)のところで、その選択肢の原案を出すときに、先ほど来出ている、追加コストの話とかをできるだけ出していただけるとありがたいということかと思います。政策について、それぞれどういうことをしなくてはいけないかということを事細かに、今回、書くのはちょっと時間的に無理だと思いますけども、もちろんある程度出せれば、その方がいいには決まっているんですけども、そこまではちょっと時間的に無理かなとは思っていますが、もちろんある程度、検討はした方がいいと思いました。追加的コストというのは、現在、法律ができてしまっているものは前提にした上で、新しくその対策をとるときのコストということに恐らくなると、私自身は思っています。
それから、6の(3)と(4)の関係は、浦野先生がおっしゃったように、(3)で絞り込んだものの経済影響、効果分析だと思うので、今、たくさんやっていただくと、後でそのうちのどれかを選ぶような感じになるかもしれないので、ちょっと作業をされる方には申し訳ないのですけども、そういうことかなというふうに思っておりました。以上です。

亀山委員
1点、短い要望でございます。この骨子の構成自体は、これで問題ないと思っておりますが、その中で、2番と3番の部分は、是非、全体の中で枕言葉のようにおざなりに書くのではなくて、きちんと書き込んでいただきたいと、そう切望いたします。この一連のプロセスの中で、温暖化そのものについて議論しているのはこの中環審だけで、そもそも私たちは、何で二酸化炭素を減らすべきだと思っているのかというのは、この2章と3章の書き方次第だと思いますので、宜しくお願いいたします。

小林委員
恐れ入ります。大きく二つございます。一つは、先ほどからのご指摘にありますように、この報告書というのは、2050年に向かっての報告書なのか、2030年に向かっての報告書なのか。両方だろうと思うんですが、ワーキンググループはすべて2050年を目指した技術議論がなされているわけですが、あとのモデル計算は2030年ということになるわけですね。その辺、中できちっと切り分けて、大塚委員が言われましたように書かないと、混同してしまうと思うんです。前回も、たしかこの辺、混同した書き方をしていて、どれがどっちなのかがわからなかったと思うんですが、この辺、2050年に向けての施策、それから2030年ではどうなのかというのを、おのおのについて、きちっと切り分けて説明をしていただきたい。特に最後の10の提言に当たっては、2030年に向かっての提言なのか、2050年に向かっての提言なのか、これはきちっと整理をしてお書きいただきたい。是非お願いをしたいと思います。それが一つです。
それから、もう一点は、浅野委員からもご指摘がありましたが、対策についてどうするか。例えば民生に対して、国民に対して、また産業に対して、こういう期待は持ちますよと、こういう期待をしていますよということで終わってしまっては、意味がないと思うんです。その辺に対して、実際にその期待をするための誘導策としては、どういう誘導策を考えていくのか。例えば税制なのか、それとも、助成なのかというようなことがあると思うんです。もし、先ほど大塚委員が言われましたように、その辺まで間に合わないというのであれば、その期待に対して何をするかについては、今後の課題だということで整理をしていただかないと、単に「期待します」で報告書が終わってしまったのでは、誰に対して何をするんですかというのが全くわからないということになりますので、是非その辺だけは宜しくお願いしたいと思います。

進藤委員
この目次だけで、議論させてもらいますと、6、が国内排出削減対策、7、が国内の吸収源対策、そして8、が国際貢献となっているわけです。この国際貢献というのがどういう位置づけになるのかという議論があると思います。京都議定書の第一約束期間で言うと、日本は6%削減が目標で、その内訳は0.6%が実排出で減らす、3.8%が森林吸収、そして1.6%がCDM等でやるということです。今回も全体の目標である6%に相当するものが国際交渉の中で多分決まってくるんだと思います。その中で、国内で削減するのが幾らで、吸収源で対応するのが3.5%マックスで、残るところは国際貢献でやるという構造になると思います。
この「国際貢献」という言葉ですが、「貢献」というと、何かODAみたいな感じで、「助けてあげる」というだけの話で、それで減ったものが、本当に日本のCO2削減としてカウントされるのかどうか疑問であります。どうも日本分としてカウントされるというニュアンスが必ずしも出てこないわけです。「単なる貢献でカウントされないという性格なのかどうか」という問題、「貢献なのか、削減なのか」という問題。それから、「これを行うのは国・政府なのか、それとも、個別の企業も、自分たちの目標を達成する際、海外で減らすということで主体となりうるのか。」という問題です。
これは、国内の目標と、この国際貢献というものの目標との構造関係になるんですが、そういう問題意識を私は持っておりまして、これからもまだ議論すると思いますが、是非、こういう問題意識があるということをご理解いただきたいということであります。

冨田委員
短く1点だけ。今回、エネルギーと環境政策の見直しをしているわけですが、その背景にあったのは、東日本大震災、それと原発の事故を受けて、白紙からの見直しということをやっているわけです。多分そこの経緯については、1.に書かれると思いますけれども、6.以降の選択肢のところについても、そういう状況、すなわち、3E+Sを踏まえて検討したということがはっきりわかるように書かれるべきだろうと思いますので、是非宜しくお願いします。

鈴木部会長
大分時間が押し迫ってきましたが、どうしましょうか。事務局の方で。

低炭素社会推進室長
いただいたご意見を踏まえまして、いま一度、整理をしたいと思っております。特にターゲットイヤーなどが明記されていないとか、表現ぶりがあいまいな部分がまだ残っておりますので、整理をして、わかりやすくしていきたいというふうに思っております。また、長期、中期のつなぎの部分、明確にしていくというご指摘も複数いただいておりますので、構成についても考えていきたいというふうに思っております。また、6の(3)、(4)、(5)辺りの前後関係がわかりにくい部分がございますので、いま一度整理をさせていただきたいというふうに思っております。

市場メカニズム室長
国際貢献のところにご質問いただきましたので、後で資料を読んで、またご説明させていただきますが、全体構成という観点で一言だけ、コメントさせていただきます。前回の地球部会でもご質問がございましたけれども、この官、民の取組の関係等の点につきましてですが、現行の京都議定書目標達成計画における京都メカニズムの活用分、いわゆる1.6%、この部分につきましては、政府のクレジット取得制度によるものを計上しておりますように、今回の資料でご議論いただく、その国際貢献分の目標についても、国際貢献分の目標量を確保する主体としては政府、これを想定しております。したがって、この資料において、国際貢献分の目標確保のために、民間事業者の方に追加的に何か負担を求めるというようなことを、今、想定して、資料をつくっているものではございません。むしろ海外で、我が国の官・民をあわせた温暖化対策への貢献の実態を適切に評価するというふうな考え方で、資料を今つくっているところでございます。なお、幾つか、ちょっと議論の混乱もありますが、現行の京都議定書目標達成計画上、事業者の方が確保しておられる京都クレジットというものがございますが、これは自主行動計画等に基づいて、それぞれの事業者の方が、国内での削減目標達成のために確保されているというふうに、主として承知しておりまして、京都メカニズムの活用分として、現行も整理はされていないのではないかというふうに理解をしております。以上でございます。

鈴木部会長
国際貢献については、次の議題でまたご議論いただくことになると思います。2020ですが、これは基本問題委員会の方から2020が出てこなくても、ここで書き込むということですか。

低炭素社会推進室長
今、ここで書いておりますのが最終的な仕上がりの部分でございますので、当然最後は要請を出していただきましたけども、2020年のものを使ってきちんと計算をして、それをご覧いただいての記述でございまして、今、骨子としては、想定されるのはこういうものだという記述でございます。

鈴木部会長
いろいろご注意いただきましたことは、それでは、まだこれから、この本体ができていくと、また果てしない議論が繰り返されるのを恐れますが、これまでの蓄積をうまくまとめていただくということになろうかと思います。
では、ちょっと時間もございますので、次の、先ほどございました国際貢献の方の、議題の4ですね。今後の国際貢献の考え方について、こちらの方に入らせていただきたいと思います。

市場メカニズム室長
それでは、事務局から資料の4を説明させていただきたいと思います。資料の4につきましては、今後の国際貢献の考え方についてということで、前回、同じく地球部会で、このテーマでご議論いただきまして、とりわけ一番最後のページのところで、今後の考え方ということで、さまざまなご意見をいただきましたので、そのご指摘を、今回、整理をし、書き方を少し修正したものでございます。一応参考までに、お手元に参考資料の6として、前回の地球部会で配付した資料、国際貢献についてがございます。今回、テーマとしているのは、そのお手元の参考資料の24、25ページのスライド、ここの書きようについて、さまざまご意見いただいたものについて、少し再整理を試みたものでございます。
お手元の資料4の2ページをご覧ください。前回での部会での主な指摘ということで、大きく二つに分けて整理をさせていただきました。1として、国際貢献分の目標について、2として、3ページになりますが、その貢献を実現する手段についてというところでございます。目標については、まず、さまざまな意見がありましたが、少し整理をしますと、目標を掲げることで確実に排出削減につなげることができるといったご指摘、第二約束期間に入らないことが対策を行わない口実となってはならないと。そのためにも、目標を掲げるべきといったご指摘。また、第二約束期間に入るか、入らないかといったものに関わらず、とにかく世界全体から、日本の貢献というのが求められているのは自明ではないかといったようなご指摘もございました。そのほか、少し違う視点ですけども、国外での削減姿勢といったものは国際交渉上も重要であると。数字については、少し低目のものでもいいから、是非置くべきではないかというご指摘でありました。他方、また別の視点ですけれども、すぐれた日本の技術というものを世界への貢献として定量的に評価するというようなボトムアップで積み上げるべきではないかというご指摘とか、目標を掲げることは、2020年以降の議論として考えるべきで、時期尚早であるというご指摘がございました。
次に、3ページのスライドですが、貢献を実現する手段についてということでございます。まず、CDMを活用し続けながら、二国間オフセット・クレジット制度、これを創設するべきといったご指摘や、二国間メカニズムというのは、CDMの課題の一つとして指摘されている途上国の持続可能な開発に貢献することが重要といったご指摘がございました。基本的にここでは、その手段としてCDMと二国間オフセット・クレジット制度を、前回、テーマとして挙げ、ご議論いただきましたが、この二つは両方に係るようなものを少し掲げさせていただきました。その後、少しCDMを中心に述べさせていただいておりますが、単にCDMのクレジットを購入するといったことが地球規模の削減に貢献するのか疑義があるというご指摘とか、その国富の流出につながるのではないかといったご指摘がございました。他方、その国富の流出という指摘については、日本企業のビジネスチャンスとして位置づけるような工夫、そういったものが重要であるというご指摘もございました。二国間メカニズムにつきましては、基本的には積極的に取り組むつもりであるが、是非、民間の意欲を、その活用をしていただくような仕組みにしていただきたいといった点や、また、その二国間メカニズムのつくり方ですけれども、クレジットの購入というような形ではなく、オフセットを追及していくべきというようご指摘もあったかと思います。このほか、日本というのは第二約束期間に入らなかったけれども、あくまでも、その国家としての義務目標があり、その目標を守るという観点でクレジットを購入すべきであるというふうなご指摘があったところでございます。
これらの指摘につきまして、少し整理の考え方を示したのが4ページでございます。まず、国際貢献分の目標について、白丸で書いてありますのは、今言った意見を集約すると、こうなるというところで、目標を掲げることについては、基本的に重要であるという指摘がある一方、その目標といったものを掲げることは、そもそもボトムアップで積み上げるべきであり、時期尚早であるというふうなご指摘もあったかと思います。これらにつきまして、少し矢印で書いてございますが、温暖化対策というものが世界共通の地球規模の課題であると。それは、国内外を問わず、削減するということが重要であることにかんがみれば、我が国というのは、国内のみならず、国外の削減活動に取り組んで、成果を対外的に表明していく必要があるのではないかというところを少しフレーズで述べさせていただいています。この趣旨は、すぐに目標の議論ではなくて、まず、国外でやるということの重要性、また、それを対外的に表明することの重要性、それを最後に、どういう形で表明するのか、数値なのかどうなのかというふうに、少しばらしてみようというところでございます。
二つ目の丸、実現する手段ですが、二国間メカニズムについては、概ね積極的に取り組むべきといったご指摘があったかと思います。ただし、CDMについては、持続可能な開発に貢献していない面があるのではないか。国富の流出につながるというような指摘もあるのではないか、そういったご指摘から、慎重に実施すべきというような意見もあったかと承知しております。このため、整理の方針ですが、二国間メカニズムの早期創設・実施、ここに重点を置きながら、CDMについても、指摘のあった懸念等に応える形で工夫をしながら、活用していくこととしてはどうかというふうに掲げております。
こうした考え方に基づいて、前回の資料の24、25のスライドを書き換えたものが、5ページ、6ページでございます。まず、1の第一約束期間における国際貢献の扱いということで、第一約束期間の貢献がどういうふうな考え方だったかという文章を書いておりますが、これについては、前回の文章とそのまま同じものを載せさせていただいています。ファクトとして整理をしたというところでございます。2が2013年以降の国際貢献の意義というところでございますが、まず、先ほどの整理に基づいて、その重要性について整理をしております。温暖化対策の推進と、途上国の持続可能な開発への貢献というものは、我が国を含めた世界共通の地球規模の課題であり、温室効果ガスの排出削減の効果は国内外に差がないことから、我が国としては、国内における削減活動はもとより、海外での削減活動についても、自らの得意分野を生かしつつ、積極的に貢献し、この成果を対外的に表明していくことが重要であると。なお書きで、ちょっと事実を紹介しておりますが、昨年のダーバンの合意に基づいて、先進国が掲げる中期目標の詳細について、各国が国際的に説明していくこととされておりますが、国内の排出削減部分に加えて、森林吸収源の削減量や国際的な市場メカニズムの活用についても明らかにするということが求められているところでございます。そこで、1枚おめくりいただきまして、6ページですが、このためとしまして、第二約束期間に参加しない我が国が、13年以降も、国内対策、国際貢献、いずれの面でも取組の手を緩めるものでないとするのであれば、国際貢献が我が国の目標に一部を構成する旨を明らかにするとともに、京都議定書第一約束期間における貢献を後退させることなく、強化を図っていくことが必要ではないかというふうに整理をさせていただいております。
次に、貢献を実現する手段でございますが、国際貢献としての削減を実施する手段としては、我が国が提案している二国間メカニズムの早期創設・実施、そのための人材育成支援等に重点を置き、取り組んでいくこととするということで、まず重きを置くのは、この二国間メカニズムの創設と実施、これに重点を置くというふうに、少し書き方を追加しております。その上で、途上国における温室効果ガスの削減や、持続可能な開発に貢献し、今後も量的な拡大が見込まれるCDMについても、我が国として、その改善に貢献するとともに、追加したのは次のフレーズですが、我が国が得意とする高度な低炭素技術の普及などに資するよう、プロジェクトの内容を吟味するなどの工夫を重ねながら、引き続き活用していくこととするというふうに整理をしたところでございます。
最後に、先ほどご質問で、答えていなかったところで、貢献なのか、削減なのかというご質問がございましたが、こちらの文脈を見ていただいたらわかりますように、前回は、その第一約束期間は、1のところにありますように、あくまでその削減の手段として位置づけられたところでありますが、これまでのCDMが果たしてきた、その効果なども考えながら、その貢献の面も考えて、ただし、貢献をしたのであれば、それらについてはしっかりとその成果を表明して、日本はこれだけ貢献したということを対外的にしっかり言っていこうというふうに、両面を持つものとして、2013年以降、整理をさせていただいたところでございます。以上でございます。

鈴木部会長
今後の国際貢献の考え方ということで、ご説明いただきましたが、いかがでしょう。いろいろとご質問があろうかと思いますが。
では、横山委員の方からまいりましょうか。

横山委員
1点だけお尋ねをしたいと思います。この5ページ、第一約束期間の場合は、京都メカニズムについては、国内対策に対して補足的であると。この原則を踏まえつつとなっていたわけです。ところが、じゃあ、補足的というのはどの程度かというのは、具体的な説明がなくて、どんどんこの京都メカニズム活用というようなことが進んでいったような印象を受けています。
2013年以降、どうなるかというと、ここには補足的というのが書かれていないで、「自らの得意分野を生かしつつ、積極的に貢献して、この成果を対外的に表明していく」と。こうなると、もう補足的というようなことは、2013年以降は、それに縛られずに、積極的にやっていくという意味なのか、第一約束期間の補足的というのがまだ2013年以降も十分生きているのか、その辺を少し説明していただければと思います。私は、やっぱり国内対策を基本というのは守っていくべきではないかと思いますので、お願いします。

三橋委員
資料4の一番最後、7ページ辺り、参考なんて書いてありますね、この辺りについて。国際貢献について、具体的な数値目標を掲げることは疑問だという声があったようですけれども、やはり日本はこれだけ温暖化対策に取り組むわけですから、やはり具体的な数値目標というものをはっきり掲げて、それに対してどういう手段をとりながら、その目標を達成していくべきであるかということを、むしろはっきり書くべきだと思います。そうしなければ、こういう13年以降の対策を考える意味がほとんどなくなってしまうと思いますね。そういうことで、私は、数値目標を13年以降も、節々の目標を掲げるべきであるということを提案したいと思います。

新美委員
私は、この二国間対応、メカニズムというのは賛成しているんですけども、そのときに、官民を挙げて取り組んでいくんだということなんですが、対外的に表明するだけでは、なかなか民の方を取り込めないものですから、やはり内部的には、例えば自主行動計画のときの削減と同じように、何とかアロケートするとか、そういうことも考えていいじゃないかというふうに思います。このメカニズムをもう少し細かく考えた方がいいということ。
それから、全体で取り組んでいくということなんですが、今言った観点から、民の得意な分野と官の得意な分野を、やっぱり少し精査していく必要があるだろうというふうに思います。ODAなんかとの組み合わせ、それから民間がこれまで、ある意味でボランタリーに取り組んできている対外的な、さまざまな削減の取組なんかをどう有機的につなげるのかということを、もう少し徹底的に議論していった方がいいだろうというふうに思います。以上でございます。

永里委員
この資料4を読む限りにおいては、参考というところに目標のことが書かれていて、それまでは、そういうことは正確には出ておりませんので、国際貢献のために目標値を掲げるのですかという質問をしたいと思います。というのは、ポスト京都議定書において、産業界は低炭素社会実行計画を進めています。国の政策の中にこの計画が位置づけられることが非常に望ましいと思うのですが、私は、国際貢献とは、日本のすぐれた技術を使い、地球全体でCO2を削減することがいいことだというふうに考えています。それこそが、地球益にもなり、国益とも合致していると考えています。そのほかに、人材育成、気象データ等の収集等でも、日本のすぐれた技術は国際貢献できると考えております。
それで、このCDMに関しましては、この参考の方に書いてあるんですが、参考の8の、単にCDMクレジットを購入することが地球規模の排出削減に貢献するのか疑義があると。地球全体での排出削減に貢献することが重要で、単なるクレジットの購入は国富の流出につながると、こういう考えに私は立つものですから、この辺について、目標として掲げられるのかどうか、そういうことをお聞きしたいと思います。

中上委員
私、大いにここは推し進めるべきだと思っておりまして、何か外でやるから、日本が手を抜くというふうなニュアンスにとられる方がいらっしゃるようですけども、決してそうではないわけでして、私、ベトナムだとか、タイだとか、途上国へ行って話をしてまいりましたけども、圧倒的な需要の伸びなんですね。例えばベトナムですと、年率10数%の割合で電力不足が起きると。対応するのは何かというと、結局は石炭火力を、しかもあまり効率のよくない石炭火力を立てていかないと、大停電が起きるという状況が、ベトナムだけではなくて、周辺の国では、途上国では起きているわけですね。そこに対して、やはり日本が大いに協力すべき余地といいますか、可能性、恐らくアジアであれば、日本がやらなければ、ほかはやらないわけですね。もちろん欧米から来るかもしれませんけども、そういう意味で、ここは、是非強力に推し進めるべきだと思います。だからといって、決して自分の手の内でやることを緩めるということでは、同一ではございませんので、そこの評価をきちっとやると。
一番問題は、やはり新しい技術を入れようとすると、高いわけですね。したがって、安い技術でやるものですから、後手後手に回ってしまうと。その辺の資金援助を含めたメカニズムをどうつくっていくかと。ここでも一度、申し上げたかもしれませんが、二国間をやるということですから、それはそれでいいんでしょうが、アジアバブルのような構想というのは、まさにそれを言ったわけでありまして、我々が貢献したものを第三者に評価してもらって、認められないと日本は金を出しっ放しというような、馬鹿なことだけはやめるべきであると。確実に我々のその貢献が認められるような仕掛けを強力に推し進めていかないと、アブハチ取らずになってしまうという気がしますから、そこだけは十分注意してやっていただきたいと思います。

冨田委員
前回、ご説明をお聞きしたときにはあまり感じなかったのですが、今回、説明を聞いて、また資料が少し変わっていることもあって、ちょっと違和感を覚えたのは、5ページのところに、第一約束期間における国際貢献の扱いということで、CDMのことが書かれておるわけですけれども、CDMを1.6%買ってきたことが、国際貢献で買ってきたのかというところに非常に違和感を感じます。国内対策主体で、それが6%の目標を飲まされるというと、ちょっと違うのかもしれませんけれども、それのバーターとして1.6%があったわけで、これが国際貢献の扱いになってしまうということは、いかがなものかというふうに思います。
今後、日本として、どういう国際的な温室効果ガス削減に向けて、どういう取組をするかというのが非常に大事で、その取組を進める上で、望ましい制度、それが二国間メカニズムということだろうと思うんですね。ですから、制度をつくることが目的ではなくて、我々がやりたいこと、日本としてやりたいこと、期待されること、これをどういうことをやっていくのかというのがまず先にあるのだろうと思います。それをどういうスキームの中でやっていくかということについては、まだまだ議論が煮詰まっておらず、こういう段階において、目標の数字を議論するのは、時期尚早ではないかと考えます。以上です。

高村委員
先ほど中上委員がおっしゃいましたこと、あるいは冨田委員がおっしゃいましたこととかなり重なるんですけれども、まず第1点目は、先ほどご説明があった、これはいわゆる政府として、どういう形で国外で排出削減をすることを示していくかというものであるという前提に立ったときに、少なくとも、この間の議論の中で、国内での排出削減をきちんとやることを前提にであるけれども、国外で排出削減を支援していくということについては、異論がないように思います。
国富の流出論という懸念も、たしか出されておりましたけれども、これは先ほど冨田委員がおっしゃったように、恐らく重要なのは、日本として、途上国に対する資金支援というのはこれまでもやってきたわけですけれども、これはすべて国富の流出というふうに見ているわけではなく、日本として、きちんとその位置づけというのが持てるかどうかということであろうかと思います。その意味で、私自身は、一定の不確定性があるのは間違いないのですが、やはりその最低ラインの、国外での排出削減の目標というものを示していくことの方を支持いたします。というのは、国際的に、やはり国際交渉を迎える中で、どういうふうに日本の削減努力、2020年までの削減努力というのを見せていくかという、交渉戦略上の問題と同時に、例えば二国間のメカニズムに対しての期待というのは、産業界、ビジネスの中からも出てきているわけですが、これは言い換えれば、きちんと海外削減を行うということが、日本がその省エネ・再エネの分野でビジネスを拡大していくときに、政府がそれに対してどれだけ政策的な裏づけと責任を持つかという、国内的な意思表明だというふうに思っております。そういう意味で、私自身は、その数値目標を明確にすることが、不確定性はあるけれども、必要ではないかと思います。
ただ、2点加えますと、その数値目標、今回、国際貢献というタイトルを出していらっしゃるのは、そうかなと思っていますのは、いわゆる数値目標にならない国際的な支援というのを、例えば能力構築などがあると思いますけれども、恐らくそれをここに盛り込まれたいという意図があるのではないかと思いまして、一定のやはり整理は、中では必要なように思います。
2点目というのは、CDMの位置づけについては、いろいろ議論があると思いますけれども、私は、やはりすべての国と二国間のメカニズムをすると、なかなかやっぱり大変であること、それから、実際上、第一約束期間に日本の事業者さんも投資をして、事業を既にされているものがあるということを考えますと、一律に排除をする議論というのは合理的ではないのではないかというふうに思っています。むしろ、ここにありましたように、やはりいいものをきちんと政府が位置づけて、その位置づけをもって、CDMの利用というのを位置づけていくということが重要ではないかと思います。以上です。

住委員
僕は、やっぱりその国際貢献というのは、常にいつも日本は出てくるのですが、何となく、自分の身を外に置いて、できることだけして、できなくなったら逃げるというようなニュアンスが感じられて、僕は非常に、やっぱりそろそろやめたほうがいいと思います。それから、内容が非常に京都議定書にトラップされたような議論になっているような気がするんですが、ちょうど第二約束期間に加盟しなくなったことを踏まえて、僕は、やはりここでは、全地球的に、例えば低炭素社会を実現するためのストラテジーをどうするか。そのときに、明らかに、すべての国が参加できる枠組みづくりというのが多分ここに書かれているわけですから、それを実現するために、どういうことをやっていくかみたいな、そういうトーンでやっぱり書くことが非常に大事で、そうすると、例えばODAも含まれるし、例えばキャパシティ・ビルディングも入るし、いろいろなファクターがすべて、日本のグローバルな戦略の中にあるんだという書き方の方が、もうそろそろいいのではないか。何でも国際貢献、国際貢献というのは、自分のことにさわらないでねと、多分、国際と自分は違うんだということなんですね、国際貢献のベーシックラインは。だから、日本のことはほうっておいてねと、たかられてきたからお金を払いますみたいな部分が、僕はあるような気がするんですが、やはり日本がグローバルなこういう温暖化対策のメーンプレイヤーであるという、やっぱりそういう主張の中で、逆に言えば、アメリカをどう組み込んでいくか、中国をどう組み込んでいくか、そういうことを全部視野に入れた中での国際的なものの取組という位置づけで、書いていったほうがいいと思います。以上です。

亀山委員
国際貢献というか、国外の排出削減活動を自国の排出削減分としてカウントするという発想の転換というか、発想の出発点というのは、恐らく京都議定書の採択の1997年だったと思います。それ以降、京都議定書そのものがどれぐらい進展したかはさておき、そういったいわゆる柔軟性メカニズムの活用というのは凄く多様化してきて、一部では、失敗しながら学習して、ルールを改正しながら、世界各地でいろいろな制度が今、構築されてきていると思います。
それで、今、ダーバン・プラットフォームが合意されて、その2020年の発効に向けて、新しい国際制度が今から交渉されようとしているんですけれども、恐らく、もしそこで何らかの合意が得られるのであれば、その国際制度の中でも、各国が国内削減だけについて目標設定するといった制度になるよりは、恐らく、そういった柔軟性メカニズムを取り込んだ制度になるだろうと予想されます。日本は、もうかつてから、ずっと主要排出国が参加する国際制度というのを主張し続けてきて、その主張を踏まえても、日本として、やっぱりそういった柔軟性メカニズムが取り込めるような国際制度というものをこれから主張していかなければいけないと考えます。そうであるならば、恐らく日本は、今、もう既に、その二国間メカニズムなど、フィージビリティー的な部分もあるかもしれませんけれども、いろいろなプロジェクトを手がけていて、やっぱりその中で、こういう柔軟性メカニズムだったら本当にいいよというような提言ができるような状態になっていると思うんですよね。なので、むしろ国際貢献は、今後、積極的に進めていくべきだと私は考えます。それで、私、前回のこの審議会に参加できなかったものですから、今回、前回のご意見をまとめていただけたのが非常に役に立ったんですけれども、ご意見の中で、一つ、国際貢献そのものはいいんだけれども、目標を設定する必要はないのではないかという議論があったと理解いたしました。私は、やっぱり目標というのは数字を設定すべきだと思っていまして、その理由は、先ほど高村委員からも出ましたけれども、一つは、国際交渉の観点から、日本がやっているということをきちんとアピールするために必要だと思いますし、また、国内で、今、こういった国内クレジット・オフセットのプロジェクトにいろいろ参加されている民間の方々に支援が回るためにも、やはり目標があるのとないのとでは、目標があった方が、恐らく政府の方々も予算なんかをつけやすいのではないかと、実務的な観点からは思います。ですので、目標は、やっぱり提示したほうがいいのじゃないかと思います。
それから、二つ目に、国富の流出についても、お金が国外に出ていくことが、すべて国富の流出というふうにお考えになっているとは思いません。ですので、この観点も、今のさまざまなプロジェクトを通じて、どのような制度であれば、国富の流出ではなくて、本当に排出削減が実現し、なおかつ、日本の経済にとっても有効な制度になるかということを検討していくべきだと考えます。
また、最後に、国際貢献ですけども、これはいろいろな解釈があるかもしれませんが、少なくともCDMに関しては、議定書の12条に、そのCDMの目的として、排出削減を行うことと、途上国の持続可能な発展に資することという目的が書かれていて、その途上国の持続可能な発展に資するということ自体も、恐らくその国際貢献の一部だと思われますので、私は、その国際貢献なのか、それとも削減なのかという、orの関係ではなくて、排出削減なおかつ国際貢献で、国際貢献なおかつ排出削減と、andの関係であれば一番いいのではないかと考えます。以上です。

大塚委員
前回も申しましたが、基本的にここに書いてあることには賛成でして、その国際貢献分の目標を立てることと、それから、どちらかというと、その二国間クレジットを中心にやっていくという考え方をとっていくべきだと思っています。CDMに関しては、既に幾つか書いてありますが、途上国の持続可能な発展に必ずしも資していないというところがございますけども、特にCO2の排出量が人口1人当たりでかなりのところに達しているところについて、CDMをどんどんやっていくのが本当にいいのかどうかというのは、ちょっと本当は考えた方がいいかなという気はしています。ただ、後発途上国に特にCDMの重点を置くような方向性を是非出すべきだと思っておりまして、CDM改革の一つのポイントだと思いますけども、そういうのも本当は入れていただけると、ありがたいかなと思いました。以上です。

浦野委員
いろいろな方がお話ししたので、簡単に言いますが、目標を掲げることは是非必要だと思います。根拠は、亀山委員がかなりおっしゃいました。今、マイナス面が幾つか主張されておりますが、「時期尚早」というのは、いつも後ろ向きで「何もしてほしくない」ことを、こういう発言で表現される方がいます。むしろ前向きに、どこまで何を入れるか、どう算定するかということをいろいろ考えて、工夫して、国際交渉に使う、あるいは、国内の産業の発展に使うという形で、是非とも前向きな目標は出した方がいい。ただ、目標というときに、6%削減のように、何か一つの目標値だけ出すというのはかなり無理がある。ある幅を示せばよいのではないか、ここまで、あるいは、うまくいけばここまでと、幅のある目標の出し方もあるというふうに思っています。
もう一つ、この8ページ目に、私が絡んでいるHFC削減等のことが、突然出ているわけですけども、ここで、「持続可能な開発に貢献していない」という言葉が出てくるんですね。これは人工的な化学物質の扱いなので、ほかのものと異質だということもあるし、解釈はいろいろあるのですが、「持続可能な開発」というのは何だということも含めて、私には、ここに書いてある意味がわかりませんが、途上国も生活レベルが上がってきて、冷蔵庫とか、エアコンとか、黙っていてもどんどん増えていくわけですね。これをだめだというのもおかしなことで、やっぱりこれを適切に、コントロールする、野放しにHFC等を排出させないというようなことに日本が貢献するのは、決して悪くないと思っています。この辺、どういう意味でこう書かれているのか、質問させていただきます。

井上委員
私、前回申し上げた意見、今回、多くの委員から出された意見、あまり違っているようなことを言っているという印象がないのですが、認識としましては、第一約束期間でやってきたCDMの獲得というのが国際貢献ではないでしょうという認識、これは既に他の委員からもありました。そういったものを、今後、続けるのではないですよねと。これは単なる国富の流出になりますよねと。そうではなく、今後、我々がやるべきものは、日本が得意な省エネ技術等を活かして、二国間クレジット等を国際的に認めていただいて、世界全体の枠組みを、平たく言えば、我々、日本にとって有利な交渉に持ち込めるような、そういった種まきをすべき時期でしょう、ということを申し上げたい。
そういったことを前提にしますと、海外でのCO2の削減分の目標を数値として掲げるのではなくて、例えばプロジェクトの実施件数とか、そういったものを確実に積み上げる目標もあるのではないかということを申し上げたいと思います。この6ページの最後の2行ですけど、プロジェクトの内容を吟味するなどの工夫を重ね、引き続き活用というのは、これは先ほどもお話がありましたけど、政府がそういったプロジェクトを開発してやるということですね、ということを質問させていただきます。

浅野委員
前回は座長で、発言できなかったのですが、大体出てきたご意見をよくまとめていただけたと思っておりました。しかし、今日は、またいろいろ意見が出てきました。住委員から出されたご意見は、多分全体の目次の中で言うと、国際交渉の状況というような部分があって、相場がそこだけで止まらないで、ここにも反映させるべきだろうというご意見だと思いますから、これは十分に組み入れて、もう少し手直しをすればいいだろうと思います。
それから、第一約束期間は一体全体、本当に国際貢献だったのかと。これは実態を言うと、まじめに国際貢献でこれだけ、1.6と言った覚えはなくて、何となく数字合わせの1.6だったことは事実ではあるのだろうけども、しかし、今、この状況において、我々はもう一回、改めて考えてみて、さっき高村さんが言われたように、条約上の位置づけから見ても、あれは、日本はあのときは確かに数字合わせのためにやったことはやったんだけど、全く国際貢献がゼロであるということもないわけで、ある見方をすれば国際貢献だったと言える。だから、今回、第二約束期間以降の我が国の目標を考えるときには、国際貢献という位置づけで、改めてこれを我が国にとって最も有利な方法で活用できるようにしていこうではないか。それは、やっぱり国際的にもこれだけのことをやりますということを言おうという話だろうと思います。
目標の数字を挙げるべきかどうかは、前回は議論が分かれたというふうに思っていまして、この案は、ややそこはぼかしてはあるわけですけども、いずれにせよ、全体、どの目標を選ぶのかということは最終的に決まることであって、今回、我々のレポートを書く段階では、そこは決まらないわけでありますから、この書きぶりは、よくよく見ていただくと、国際貢献が我が国の目標の一部を構成することを明らかにするとともに、第一約束期間における、国際貢献分というのは括弧つきになるわけだけど、後退させることなく、強化を図っていくことが必要であると書くことによって、ある意味では、明確にピン留めをするということになりますから、そこは事務局の苦労の策だと思って、私は感心して読んでいたわけです。要するに、目標を決める、決めないという議論はいろいろありますけども、対外的に日本の目標をこの中で、このくらいは国際貢献で満たしますということを言うことは、別に悪いことではないわけです。ご懸念は、それが直ちに民間部分にまで数字の割り当てがあって、これだけ買ってこいみたいな話になるのは困るということだと思います。それはたびたび言われているとおり、この文脈では、今のところは、これは政府の政策・施策の中での取り扱いという話であったわけです。しかし、一方では、新美委員が指摘された点も、大変大事な点でありまして、それはそれ、これはこれで、やはり民間の努力も大いに活用すべきで、それが民間の側の努力としてちゃんと評価・反映されるというのであれば、それも決して悪くありませんから、それはそれでいいんですけども、とりあえず、今、この文章は、まずは政府のという文脈の中のお話だと、私は理解しております。

浅岡委員
短く申し上げます。井上委員が、第一約束期間は国際貢献ではなかったとみんなが認めたというふうにおっしゃられたのは、誤解だろうということを、念のために申し上げるものです。かねて、いろいろ議論、説明がありましたが、CDMという制度そのものが、こうした国際的な持続可能な発展に資するということがあるがゆえに、そうした制度として設け、また、京都議定書の目標は小さいけれども、それを国内対策でやるべきだけれども、そういう要素があるがゆえに認めていこうと。そう思って、みんなやってきたと思いますので、ここは誤解だろうということを申し上げておきます。

鈴木部会長
国際貢献という言葉といいますか、その貢献の内容がやっぱり非常に重要なところなのですが、第一約束期間のCDMがどうであったかというようなことは、もちろんいろいろな評価があると思いますし、当初、意図したところは、まさに、その途上国の持続可能な開発に資する、そういうことがありながら、こちらも、その見返りをいただこうという、そういうような感じで動いていたのでしょうが、やはりここで報告書に書き込む、国際貢献という言葉がいいのか、あるいは、まさにその国際的な役割あるいは国際戦略、一体、日本は何をしようとするのか。やっぱり世界のその格差の問題であり、途上国の開発の問題であり、貧困の問題であり、そういう問題に日本がどういう形で関わっていって、そして、今、日本のODAがどれくらい、その実効が上がっているのかというようなことも視野に置きながら、そういうものと一体化して、二酸化炭素を世界全体として低減していくことに、それをどうつないでいくのかと。こういうようなことで、本当は日本のグランドデザインといいますか、戦略がなければいけない。環境省のそういう意味での国際戦略というのは、どういうふうにでき上がっていくのか。そういう辺りが、本当はここに書き込まれて、それにのっとって、じゃあ、二国間クレジットというようなものが、世界全体で一般化されるものなのか、クレジットの売買みたいなもの、排出権取引なんかも含めて、どういうような形で、将来的に地球全体としてCO2を削減していく、排出量を削減していくことにつながるのかというような線で、本当は何か提案が出ていくというようなことが望ましいのかなと。そういうことで、京都議定書の第二約束期間から日本は離脱したということだけではなくて、それにかわる、どういう提案をしていくのか。それが、まさにここの国際戦略に書き込まなければいけないことだろうと思います。目標の数字をどう書くかというのは、これは国内の排出量削減の数字がままならぬところで、その目標だけを、数字だけを書くというのも、非常に難しいかもしれませんが、やはり何か決意表明みたいなものはあってもいいのかなというような感じで、伺っていました。そして、もう一つ、国際的なそういう意味での、日本の役割なんかを示すというようなことが、エネルギー・環境会議でどういうふうに扱われるのか、その辺も、一体そこで判断できる、できると言ってはいけない、なされるものなのか、その辺もちょっとよくわかりにくいのですが、少なくとも、ここで、国内の吸収源対策と並んで書いてあるということは、まさに我が国としては、そのCO2の排出枠をどこかから手に入れるために何をするかという、京都議定書の京都メカニズムの延長上の仕組みをここに何か埋め込んでおこうと、こういう発想なんでしょうか。

市場メカニズム室長
細かく一つ一つというのではなくて、何点かコメントさせていただきたいと思います。多くの方からご意見いただきまして、ただいま部会長もご指摘をいただきました。特にその第一約束期間における国際貢献ですが、これはタイトルが少し誤解を、第一約束期間の位置づけでは、国際貢献という言葉を使うのは、確かに適切でなかったかもしれないので、そこは少し考えたいと思いますが、第一約束期間における、この1.6%分の考え方と、2013年以降というのは、その考え方が変わってきている。そこのところを、第一約束期間のところの考え方はこうでしたと書いて、すぐにその2013年以降はこういう視点でというところ、少し言葉が足りないし、議論も足りないのかなと。本日、その点について、多くの方から意見をいただきましたので、その点については、今度、報告書として文章を書くときには、十分吟味をして、むしろそこに力を入れるぐらいのつもりで、書かせていただきたいというふうに思っております。
また、ご質問をいただいたところで、6ページのスライドのところの、引き続き活用していくのは国のことかということでございますが、そのとおりです。先ほども進藤委員からご質問があって、お答えしましたけども、政府としてどうするかということをこの文脈では考えて、ご議論いただいているものでございます。
また、いろいろご意見をいただきましたけれども、前回と比べて、少し論点を整理した成果かもしれませんが、目標についての位置づけの是非といったところには、まだいろいろ大きな議論があったかと思いますが、それ以外のところについては、かなり多くの方の意見も少し収斂してきているのかなと思います。ただ、これを、具体的にどういうふうに文章に書けるかというところは、事務局の方でも考えなければいけませんし、また、そうしたものをこちらの部会でもご議論いただくのかなと思っています。
そのほか、幾つか多くの方からご意見をいただきましたけども、その文章の中に反映をして、次回、ご議論いただければと思っています。以上です。

鈴木部会長
やはりこの二酸化炭素削減といいますか、気候変動の問題に関する、その国際的な我が国の位置づけに関しても、ダーバンなんかの前も、あまりここでは議論されていないんですよね。やはりこれは継続して、多分議論させていただく必要があるのかなという気がいたしますが、今日のところはともかく、この報告書にどう、何を書き込んでいたかというようなことの範囲とさせていただいて、継続的な議論のテーマとして残させていただいたらどうかなと思います。
時間が参ってしまいましたので、最後、もう一つあるんですね。資料の5ですか。では、事務局から。

低炭素社会推進室長
今後のスケジュールでございます。裏面に、次回、5月予定が記載されておりまして、106回の部会におきましては、5月16日というもので、選択肢の原案をご議論いただくための素材をご提供させていただきながら、取りまとめに向けての議論をしていただければというふうに考えております。以上でございます。

鈴木部会長
それでは、事務局にお返しいたします。

地球温暖化対策課長
今日は、大変活発なご議論をありがとうございました。次回日程につきましては、今、説明ありましたように、5月16日を予定いたしております。詳細につきましては、追って事務局から連絡を差し上げます。また、議事録につきましては、いつものように、取りまとめました後に委員の皆様にご確認を行いまして、ホームページに掲載をさせていただく予定でございます。宜しくお願い申し上げます。
なお、繰り返しでございますけど、参考資料7、この電話帳のような分厚いものは、次回も机上配付いたしますので、お持ち帰りにならないように、すみません、お願いいたします。宜しくお願いします。

鈴木部会長
それでは、これをもちまして、第105回の地球環境部会を終了させていただきます。どうもご協力ありがとうございました。

午後 6時01分 閉会

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