中央環境審議会地球環境部会(第2回)議事録

1.日時

平成13年7月9日(月) 14:00~16:00

2.場所

東條インペリアルパレス 吹上の間

3.出席者 

(部会長)浅野 直人
(委員)清水 誠  寺門 良二
青木 保之  浅岡 美恵
飯田 哲也  飯田 浩史
太田 勝敏  猿田 勝美
塩田 澄夫  須藤 隆一
瀬田 重敏  高橋 一生
西岡 秀三  松川 隆志
松野 太郎  宮本 一
村上 忠行  甕 滋
安原 正  横山 裕道

4.議事次第

  1. 目標達成シナリオ小委員会の中間取りまとめについて
  2. 国内制度小委員会の中間取りまとめについて
  3. フロン小委員会の設置について
  4. その他

5.配布資料

資料1-1目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ
資料1-2目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ(詳細版)
資料1-3目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ参考資料
資料2国内制度小委員会中間とりまとめ
資料3-1今後のフロン類等対策の在り方について(諮問)
資料3-2中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会の設置について
参考資料1気候変動問題をめぐる最近の状況
参考資料2国際交渉の最近の状況について

6.議事

午後2時01分開会

○浅野部会長 それでは、定刻を少し過ぎておりますので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会の第2回会合を開催いたします。
 審議に先立ちまして、環境省地球環境局の幹部に人事異動がございましたので、事務局からご紹介をお願いいたします。

○寺田地球環境局総務課長 環境庁幹部の人事異動のご紹介をさせていただきます。
 この7月1日をもちまして、環境省に新たに地球環境問題など国際的に取り組む事項について所掌するということで、新しく次官級の審議官といたしまして地球環境審議官と申すものが設けられております。初代の地球環境審議官には、従前地球環境局長としてお世話になりました浜中が就任しております。
 なお、本日、まさしくEUの代表団が外交交渉で来日しておりまして、浜中はそちらの方を対応しておりますので、本日は若干出席は難しいかもしれませんけれども、よろしくお願いいたします。
 なお、後任の地球環境局長には官房長から炭谷が就任しております。よろしくお願いいたします。

○浅野部会長 それでは、本日の資料の確認をお願いいたしますが、多分言いわけがあると思いますけれども、最初から不足がありますが、その事情も含めて事務局からご説明いただきます。

○事務局 配付資料のご説明をさせていただきます。
 今冒頭にも部会長様からお話がありましたとおり、資料2については現在ちょっとおくれておりますので、届き次第皆様にお配りしますので、申しわけありません。
 それでは、資料の方を確認させていただきます。
 まず、資料1-1、目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ。続きまして、資料1-2、目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ(詳細版)。続きまして、資料1-3、目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ、参考資料。
 続きまして、この資料2の方が今ございません。国内制度小委員会中間取りまとめ。これは後ほどお配りさせていただきます。
 続きまして、資料3-1、今後のフロン類等対策の在り方について(諮問)。続きまし
て、資料3-2、中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会の設置について。
 続きまして、参考資料1、気候変動問題をめぐる最近の状況。続きまして、最後になります。参考資料2、国際交渉の最近の状況について。
 以上が配付資料となっております。資料2を除きましてございませんものはありませんか。

○浅野部会長 それでは、もし資料2以外で不足がございましたら事務局までお申し出をいただきたいと思います。
 本日は、地球温暖化問題に関しまして、本部会のもとに本年2月に設置されました国内制度小委員会及び目標達成シナリオ小委員会の中間取りまとめについてのご報告を受けるとともに、フロン小委員会の設置についてご検討いただきたいと考えております。
 時間は2時間でございまして、16時までの審議を予定しております。
 なお、本日、この会場を16時までしか借りていないということでありますので延長は甚だ難しい状況にあるという、最初から事務局から言い渡されておりますので、よろしくお願いいたします。
 それではまず初めに順序として、議事次第にはその他となっておりますが、最近の国際交渉の状況につきまして、小島審議官からご報告をいただきます。

○小島大臣官房審議官 参考資料1と参考資料2がお手元に配られているかと思いますが、これに従いまして簡単にご説明をさせていただきます。
 まず、参考資料1でございますが、パワーポイント風になっておりますけれども、これまでの経過を簡単に振り返ってみたいと思います。
 参考資料1の1枚目でございますけれども、1997年12月にCOP3で京都議定書を採択をいたしました。その後もブエノスアイレス等COP4、COP5、6と来ているわけですが、まだ京都議定書を採択可能なものにする具体的なルールの詳細が決められておりません。今月の後半にボンでCOP6再開会合が開催をされております。
 この国際交渉の困難をもたらしております一つの要素が、2ページの米国が京都議定書を不支持、支持しないということを表明したことでございます。理由は、途上国に対する義務づけがない、米国の経済に悪影響を及ぼすということでございますが、これまでの米国内での政策見直しはエネルギー政策を最優先課題に位置づけておりまして、5月17日に発表がありましたブッシュ大統領の国家エネルギー政策を見てみますと、2010年にはたしか30%ぐらいだったと思いますけれども、温室効果ガスが増大する計画になっております。その国家エネルギー政策は一方でありますけれども、他方では気候変動政策についてアメリカなりの案を検討中ということでございます。しかし、その案はボンでの再開会合に
は間に合わないということが、さきの非公式会合で明らかになっているところでございます。
 3ページでございますけれども、アメリカの参加の重要性と議定書の発効についての状況が書いてございます。アメリカは全世界の二酸化炭素排出量の4分の1、先進国でいいますと約4割を占める世界最大の温室効果ガスの排出国であります。このアメリカの参加というのは極めて重要であります。他方、京都での会議、COP3で定められました京都議定書の発効要件というのは、参考に書いてありますが、55カ国以上の国、それと55%以上の先進国ということであります。表をごらんいただきますとわかりますが、EUと旧東欧、それからロシア、日本という国を合わせますと58%、アメリカが36.1%、オーストラリアはなかなか難しいというようなことも言われておりますが、ロシアと日本が大きな排出国でありますからここがキャスティングボートを握る、こういうグラフになっております。我が国よりアメリカへ働きかけを粘り強く行っている状況であります。アメリカはまだ検討中という立場から、動いていない状況であります。
 5ページにEUの動きがございます。EUの動きも極めて活発でございまして、ブッシュ大統領の声明の後、アメリカ、カナダ、ロシア、イラン、中国、日本を訪問をした。イランはG77の議長国、中国は途上国で最大の排出国という位置づけであろうというふうに思います。6月14日にEUとアメリカのサミットが行われましたが、その場では合意できないということで合意をしたということでありました。
 我が国の方針は、6ページになりますが、京都議定書の2002年までの発効を目指す方針は変わりがないこと、それから、我が国及び関係国が合意可能な、実施可能なルールづくりのための国際交渉に全力を尽くすということ、締結に必要な国内制度の構築に全力で取り組む、米国の参加が重要であって粘り強く引き続き働きかけを行うということでございます。
 参考資料の2でございますが、ごく最近の動きにつきましてお配りを申し上げております。
 まず、非公式会合がハーグで6月26、27、28日と3日間開催をされました。この非公式会合は、プロンク議長が再開会合を開くに当たってアドバイスを求め意見交換を行うと、こういう性格の会議でございました。
 我が国のスタンスは2の「我が国の発言」というところで明らかにしております。日本は2002年までの京都議定書の発効を目指して、京都議定書を関係国が締結することが可能となるよう来月のCOP6開催会合の成功に向けて全力を尽くすことに変わりはない。米国に対して京都議定書の発効に向けた交渉に建設的に参加するよう強く求める。
 (2)で途上国に対しては、共通だが差異のある責任に基づいてまず先進国が削減努力を行う。
 それから次のページでございますけれども、(3)でCOP6再開会合を成功させるためには、すべての国が柔軟かつ創造的になることが必要だ。
 (4)では、日本の国内体制ということで京都議定書の目標を達成するための国内制度に総力で取り組んでいること。
 (5)、(6)、(7)が開発途上国問題であります。京都議定書の国際交渉におけるもう一つの大きな問題は、先進国と途上国との間の合意をどう取りつけるかということでありまして、アメリカ問題にまさるとも劣らない重要な課題になっております。このことについては、途上国においてもそれぞれの能力において取り組むことが重要。それから、途上国が既に実施している温暖化対策、これを高く評価して自発的な温暖化対策をぜひアピールしていただきたい。それから、途上国に対する協力は今後も積極的に継続する。
 これが非公式会合で述べました我が国の立場でございます。
 続きまして、3ページ目、日米首脳会談であります。
 いろいろな報道がなされておりますが、気候変動につきましては2に書いてあります共同声明が一つの合意点であります。両首脳は、気候変動によってもたらされる課題の深刻さについて共通の認識を表明した。総理からは、京都議定書の重要性を指摘した。大統領は京都での日本のリーダーシップを念頭に共通の基盤及び気候変動に対する共通の行動をとるための分野を探究するためのハイレベル会合を開始する。これは今月の13日になっていると思いますが、川口大臣がアメリカに行きまして第1回目のハイレベル協議を行うということになっております。細かなところは調整中かとは思いますけれども、ボンの会合の前にアメリカへ行くことにしております。あきらめずに粘り強く働きかけるということでございます。
 総理はその後、英国とフランスを回っております。英国におきましては、6ページ目でございますけれども、3.国際的な課題の(1)京都議定書というところでございますが、総理からはアメリカでの話をした上で、パラの2つ目でありますが、それに対しブレア首相からは日英ともに京都議定書を強く支持している。ただし、アメリカと一緒に作業することも重要だ。米国も京都議定書の目的は共有しているから、総理が言われたような日米欧が協力できるような方向での努力を支持したいと、努力をしようと、こういうことでございます。
 フランスにおきましては、ジョスパン首相とシラク大統領とお会いいたしました。同じお話をいたしました。7ページでございますが、4行目でありますが、ジョスパン首相からは、先方より京都議定書のコミットメントを放棄することになってはいけないとしつつ、我が国の努力に理解を示されたということでございます。詳細は、8ページの後段(2)の少し間があいているところにございます。
 続いて、シラク大統領とお会いいただきました。9ページでございますが、(3)シラク大統領からは、日本の立場としては理解するという旨お話がありました。さらに、小泉総理からは、最後まで米国が参加するような努力を続けていきたいというふうに述べております。
 先ほど寺田の方から申し上げましたけれども、ボンの会合を前に今日はEUの方とも話をしております。そのほかアメリカ、イギリス、さらにボン会議の最初の3日間はハーグに引き続いての非公式ハイレベル会合ということになっております。会議の成功のためにいろいろな動きがまだまだ続いているという状況でございます。
 以上、最近の状況でございます。

○浅野部会長 どうもありがとうございました。
 大変事態が流動的な状況で、ただいま本日今もこの時間も話し合いが行われているという状況でありますので、なかなか細かい点についてのご説明を求めても関係者がおられないということもあるわけなんですが、ただいまの事務局、小島審議官からのご説明につきましてご質問、ご意見がございましたら、最初にどなたがご質問を、ご意見をお持ちか確認をしたいので、恐れ入ります、ちょっとお手をお上げいただけますでしょうか。
 それでは、飯田さん、浅岡さん、そして横山さんの順番でお願いします。質問を全部お受けして、それから小島審議官にお答えいただきます。

○飯田(哲)委員 私の方としては、では1点だけ伺います。
 6月29日の非公式閣僚会合に関して、新聞報道としては日本やオーストラリアなどから、これは共同通信ですけれども、調停案は包括合意の土台にはならないという批判が続出というふうになっているわけですけれども、そういう報道とここの我が国の発言、各国が合意できるような、特に(3)にあるようにすべての国が柔軟かつ創造的になることが必要であると言いつつ、日本の対処方針というのは具体的に実際どうで、本当に合意を目指
す姿勢だったのかというところをもう少し具体的にお伺いをしたいというふうに思います。

○浅野部会長 浅岡さん、どうぞ。

○浅岡委員 今日の焦点は米国との関係、米国の批准を待つのか、日本が先行批准をするのかということだと思います。アメリカとのコーポレーションなしには日本は何も進めないという首相の発言というのは、前回はそんなことはなかったんじゃないかということでしたが、これはアメリカから公式に伝えられていることです。今後も、日本はこれからどう対応していくのかを示さないままいつまで続けようと政府内で考えているのか。
 また、一昨日の報道によれば、小泉首相は政府内の意思がまだ定まらないのでもう少し待ってほしいとドイツのシュレーダー首相に答えたということも報道されておりますけれども、政府内の意思が固まらないということは一体何を意味しているのかお教えいただきたいと思います。

○浅野部会長 それでは横山委員、お願いします。

○横山委員 2点お願いします。EUが約束期間の2年おくれとかというような発言をしているみたいですけれども、その点については何か日本政府には公式に伝えられたんでしょうか。それが1点です。
 それから2点目は、アメリカの離脱の問題で、途上国が参加しないということを大きな理由に挙げているわけですけれども、アメリカのその表明の後、途上国側のそれに対する公式の反応というのはあったんでしょうか。例えば日本に対して中国とかインドが、アメリカの離脱について我々はこう考えているとか、そういうようなことを言ってきたことはあったんでしょうか、その2点お願いします。

○浅野部会長 よろしゅうございますか。ほかに何かもうご質問はございませんか。
 それではどうぞ、高橋委員。

○高橋委員 確認のためなんですが、いにしえの話で済みません。今回の話を進めるについて、やはりアメリカの大統領選挙のプロセス、そのわけのわからない決着ついた直後のあたりのときに今の政権が発足するに際して、今のような状況というのは当然視野に入った状況だったかと思うんですが、その間に日本政府は何らか働きかけをしたかどうか。一番最初、今回のブッシュ政権に対して、この問題に対して働きかけをしたのはいつだったのか、それをお聞かせいただければと思います。

○浅野部会長 それでは、まとめてお答えいただきます。

○小島大臣官房審議官 第1点でありますけれども、プロンク案についてはこれを交渉の土台にするということと、その参考にするという意見がありました。同時に、交渉テキストというのはプロンクのペーパーとは全く別のものでございますので、本質的には交渉テキストというものをまとめ上げるということが本筋だと思います。その際の政治的なイシューを解決するためにプロンクペーパーというものがあるというふうに理解をしております。非公式会合では、土台にすべきだということと、参照にすべきだという意見があって一致を見なかったということであります。
 それからアメリカとの関係でありますけれども、日本の発言自身は京都議定書を重視している、日本とアメリカとの立場は違うということを認識した上で、アメリカの説得を続けるということであります。正確に言えば、現時点においてアメリカを置いてけぼりにしていくということはまだ早い、まだ時間がある、粘り強く説得をするということで、現時点では米国を引き入れるという努力を続けるというのが正確な発言だというふうに考えています。いつまで続けるのかというのは時間的な概念というよりも、いろいろな京都議定書のまとまる見通し、あるいはアメリカの案が出てくる見通し、その内容がどういうものになるかというような事柄が大きいかと思いますが、時間という要素も大きな要素だというふうには思っております。
 それから、政府内の意見がまとまらないので待ってほしいということを小泉さんとドイツの首相だと思いますが、お話になったということですけれども、その情報については確認をしておりません。
 それから、プロンク議長が2年遅らせてもいいというような新聞報道がありましたが、これは議長がオランダの議会でのいろいろな証言の中での発言ということでありまして、そういう提案を積極的にプロンクさんが考えているということではなくて、その証言の中でそういうこともそれは可能な範囲内といういろいろな選択肢の中の範囲内という程度のことだというふうに伺っております。途上国の反応はアメリカの離脱は問題だという反応が大使館の方からは聞いておりますけれども、ニューヨークのころからもそうでありますが、途上国自身はいろいろなことをして温暖化対策ということをやっているということを最近は言うようになってまいりました。そのことを川口大臣も非公式会合でもっと声を上げていただきたいということを述べたわけであります。
 それから、最後の高橋委員のことでありますが、多分EUとドイツの首相がアメリカを訪問するということから逆算してブッシュ政権がお話しになったのだと思いますけれども、それ以前にどのような交渉があったかつぶさには承知しておりません。

○浅野部会長 それでは、以上で最近の状況についてのご説明とそれについての質問は終えたいと思います。
 それでは審議に入りたいと思いますが、目標達成シナリオ小委員会及び国内制度小委員会の中間取りまとめについて、各小委員長からご説明をいただきます。
 それでは、よろしくお願いいたします。
 まず、西岡小委員長、お願いいたします。

○西岡小委員長 目標達成シナリオ小委員会の報告をいたします。
 私が3分お話ししまして、事務局の方から15分の詳細な説明があるかと思います。
 目標達成シナリオ小委員会のマンデートは、2010年に果たして技術的に目標、すなわち6%削減のどこまで達成できるだろうかということについて検討しろということでございました。
 私ども2つのやり方でやりました。1つは、各個別の技術の積み上げでいくか、もう一つはモデルを用いたものですが、主に傾注した点は、最初の技術の積み上げでございます。技術の積み上げと申しますのは、一つ一つの技術をどれだけのコストでできるか、あるいはそれがどのくらいの削減のポテンシャルを持っているかということを安い技術からどんどん積み上げていって適切な費用でどこまでそれがカバーできるかということを検討するものであります。
 結論といたしまして、この手法によりまして1990年のレベルを 100%といたしますと、火力の原単位を使うか、全電力の平均原単位を使うかで変わってまいりますけれども、マイナス2%からマイナス5%、あるいはマイナス4%からマイナス7%まで削減が可能であるという結論を出しました。この結果は、まず最初に1990年からこのままBusiness as Usualでいきますとずっと伸びていきますけれども、既に大綱の方で計画されたものにつきましては差し引く。そうしますと2010年時点では目標値から8%、 108のところにいきます。ですから、目標を6%まで下げるには8プラス6だから14%下げなければいけない。その計画ケース 108からどれだけ下げられるかということを計算したものでございます。
 計算の結果につきましては後ほどページを追って説明があるかと思いますが、例えば14ページを見ていただきたい。絵がありまして、この絵は上の方から安い技術がずっと書いてあります。下の方にいくほど高い技術になっています。そしてこの四角がどれだけのポテンシャルを持っているかということでございますので、この四角の面積をどんどん足していきますとかなり削減ができる。それに用いました技術の一覧表は、例えば15ページにあるということがございます。
 18ページをごらんになっていただきますが、そのように小さい技術からどんどん積み上げていきます。横軸に削減量がとってあり、ちょうど0%とありますのが1990年のレベルでございます。それから縦軸には追加削減費用がとってございます。一番左の方から実線でいきますと安い技術からどんどん入れていきますね。そして大体プラス4%ぐらいのところで、今まではむしろ安い、コストがマイナスでできた。ある意味では省エネ等々のことを考えますと、安くできたわけですけれども、そこから先はコストがかかってまいりまして、何かの補助的手段が要るんですが、そのようにしてどんどん繰り入れていきますと、急にカーブが上がってくるころは大体マイナス2%ぐらいですけれども、比較的安くできる。さらにもう一つ頑張ってコストの高いところまで入れていきますと、私が今申し上げたような削減ができるというぐあいに考えられます。それが1点でございます。
 それから第2が、モデルでもって計算する。これは数量モデルで計算したんですけれども、数量モデルの場合の目標といいますのは、2%減らすにはどれくらいコストがかかるだろうかという設定でもって計算いたしました。その結果につきましては、22ページにございます。一言で申しまして、2%までに抑えるためにはコストとして炭素1トン当たり 1.3ないし 3.5万円ぐらいかかる。あるいはやりよう、すなわち上がった収入を技術開発補助に回すといったことをしますと 3,000円ぐらいで済むかもしれませんが、そのような費用で2%削減が可能である。これは6つのモデルを別々に走らせまして、違うモデルですけれども、確認したわけであります。
 さて、その2つの積み上げ計算とモデルというものの比較をするということになりますが、ちょっとこれは比較の対象が大体のターゲットは同じなんですけれども、比較の前提とか対象がいささか違いますので一概に評価はできないかと思いますが、おおむねのところは一致しているんではないかというのが結論でございます。
 さらに、積み上げ計算におきましては値段が全体のコストが幾らになるかといった点につきましては、過大になる要素もあれば、多目に見積もり過ぎだという要素もあれば、ひょっとすると少な目に見積もり過ぎという要素もございますので、そのあたりの考察につきましては最後の方にしてあるということでございます。
 再度結論を申しますと、個別の技術の積み上げでいきますと1990年レベルからマイナス2%あるいはマイナス7%ぐらいの幅で削減が見込めるというのがシナリオ小委員会の結論でございます。
 以上です。

○浅野部会長 それでは、続いて調整官から。

○石飛地球温暖化対策課調整官 それでは、今委員長から最も重要な点についてご紹介がありましたので、今の点も含めて資料のご説明をいたしたいと思います。
 まず、資料1-1から1-3までが中間取りまとめになりますが、1-1は最も重要な点をまとめた概要版に相当するものであります。それから、1-2は要因の分析、さらに削減ポテンシャルの考え方、その他これまでの小委員会に配付された資料をまとめたものでございます。それから、資料1-3は、この小委員会の検討過程で用意いたしました個々の対策技術ごとのシートでございます。それぞれ削減のポテンシャル、コスト、さらには制度的・社会的な課題等を対策技術ごとにまとめたものでございます。この三部作がこの小委員会の中間取りまとめになります。
 これから資料1-1に沿って簡単にご紹介をいたします。
 1ページは「はじめに」でございますので飛ばさせていただきます。
 2ページに「2010年のわが国の温室効果ガス排出削減見通し」ということで固定ケース、これは現状の対策でとどまって、この後は対策の進展が全くないとした場合のいわゆる成り行きのケース、それから現状で決定された確実性の高い対策、施策をやった場合のケースが計画ケースということで設定をいたしました。
 さらに、計画ケースから削減のポテンシャル、また追加的な削減量を小委員会でご検討いただいたものでございます。
 3ページは、各ケースの基準となるシナリオ、基本的な社会経済活動のシナリオでございます。
 続きまして、4ページに計画ケースの予測結果が示されております。図2というのがございますが、図の右上に計画ケース2、計画ケース1の指数が( 108)( 105)とございます。計画ケースの1と2の違いは、前提としております今後の原子力発電所の新設の基数が必ずしも確定しているものではございませんので、ケース1では13基、ケース2では7基を前提にしたその違いでございます。その結果、計画ケース1、2で 105または 108ということで90年の基準年に比べて5ないし8%増というところにとどまっているわけです。
 続いて、この計画ケースをもとにして削減ポテンシャルを精査していただいたわけですが、その際の考え方として5ページの下から4行目のところに説明がありますように、特に省エネ等によりまして発電電力量が削減される場合にどの種類の発電所からの電力量が削減されるかということによりまして、CO2 の排出削減量が大きく異なってきます。
 そこで、この小委員会では次の6ページの一番上にありますように、2つのケースを想定いたしました。①は全電源平均対応ということで、ある一定の発電電力量が削減される場合には現状程度の電源構成を前提にして火力、原子力、水力、こういったすべての電力量が同じ割合で削減されると想定した場合です。②は火力平均ということで、火力には石炭、石油、天然ガスがあるわけですが、これらが現状程度の電源構成があるとして、それが同じ割合で将来も削減されるというケースであります。このうちどちらが絶対的に正しいか正しくないかということは必ずしも一方的に決められるわけではありませんので、今後はこの2つの検討結果を併記する形で紹介をしております。
 6ページの下の方からは、火力平均排出係数を用いて算定した場合の結果が紹介されております。
 8ページをごらんいただきたいと思います。その検討結果でございますが、左の方は地球温暖化対策推進大綱の策定時に見積もられました部門別、物質別の削減割合、そして排出量でございます。それと比較する形で今回の小委員会の検討結果を右半分に載せております。結論だけを申し上げますと、この火力平均を使った場合には削減割合は一番右下にありますように、合計でマイナス4からマイナス7の削減ポテンシャルがあるということがわかったわけでございます。
 続いて、9ページからは全電源平均排出係数を用いて算定した場合の紹介でありますが、これも同じく10ページの表の10に今と同じような形式の表を用意しております。こちらで見ますと結論は右下の方で、削減割合はマイナス2からマイナス5ということになったわけでございます。これが先ほど小委員長のご紹介にありました今後の削減ポテンシャルという点から見ると、これぐらいの削減の可能性があるということがわかったわけであります。
 以上が技術的な面を中心にしてきた検討結果でございまして、当然経済性、それから社会的・制度的な制約要因がこれらの対策技術にあるわけでありますので、次に経済性の評価をやってみたのが11ページからでございます。この経済性評価の1番目には「対策技術の評価に基づく経済性評価」とありますが、ここでは 100以上にわたる各種の対策技術をリストアップいたしまして、それぞれでどのぐらいの削減量が見込まれるか、さらにそれぞれの削減を達成するためにはどのぐらいのコストがかかるかということを個々に検討していったわけでございます。その検討の方式が11ページに四角で囲んだところに式がございますが、こういう式に当てはめて既存の技術を想定して、それを新たな、より温室効果ガスの排出量の少ないような対策技術に置きかえた場合に、追加的な削減費用がどのぐらいかかるかということを、炭素換算1トン当たりでどのぐらいかを算出する式でございます。すべての対策技術について、この式に当てはめた計算をやったわけでございます。
 その結果が、12ページ、13ページに載っています。これは火力平均排出係数を用いた場合でございます。一番左の欄に価格分類ということで、炭素トン当たり0円以下。これは対策をすればするほど将来の燃料使用料が浮いてきますので、その分得をするという対策技術でありまして、そういった価格分類別に安いものから高いものまで順に並べております。また、この表の一番右側の欄には不確実性の評価というのがございますが、これは対策そのものの不確実性ではございませんで、コストの評価をする際にさまざまな前提条件を置く必要があるわけですけれども、そのための情報が必ずしも十分でないものがありますので、そういう不確実性としてどういうものがあるかを掲載しております。
 価格低下と申しますのは、現状は非常に高いものもありますが、技術がさらに進展し、また量産体制で価格が大きく低下することが期待できるものもあるわけですけれども、現状では価格低下までは評価の対象にはできなかったものであります。
 別目的といいますのは、温暖化対策にも資するわけでありますが、主として他の目的で行っている対策、事業、そういったものの性格の強いものについては◎、○、そして△というランクづけをしているものでございます。
 それから確実性の評価というのは、コスト計算の前提条件の置き方が非常に難しくて、そのコストの価格そのものに不確実性がどのぐらい含まれているかということで、確実性の高いものからA、B、Cというランクづけをしたものです。
 さらに、表の中ほどには削減費用、削減量をそれぞれの対策技術ごとに並べたものでございます。
 1点、小委員会で議論になりました点が、13ページの中ほどにございますが、原子力発電利用率の向上でございます。これは削減費用マイナスになっておりますし、追加的削減量としても比較的大きな量が見込まれるものでございます。その下の注書にございますように、計画ケースでは84%程度見込んで計算をしておりますが、さらにさまざまな技術的な取り組みをやった場合には90%ぐらいまでが想定できる。その場合に、今申し上げました 2,540万トン程度のCO2 の削減という計算結果になるわけであります。ただし、これは今後説明する経済性評価の中には削減ポテンシャル、つまり84.2%から90%に上げるものについては含めておりません。さらに、それに加えまして「一方」というところでございますが、この84%の計画ケースの利用率の見込みそのものも非常に安全性の面からは問題があるというようなご指摘が小委員会の中でも議論がございまして、80%まででとどめるべきだ。削減ポテンシャルとしては最大限でも85だという意見があったわけでございますので、それは小委員会の中で統一された見解ということにはなっておりませんので、意見として紹介をさせていただいております。
 それから、14ページには先ほど小委員長からご紹介がありました価格分類別の対策の削減量を面積で表したものでございます。
 次に、15ページからは全電源平均の排出係数でございます。表13と表14で、様式としては先ほどと全く同じものでございます。
 17ページの図4も全電源の平均排出係数を使った同じ図でございます。
 そして18ページにこれまでの個々の対策技術、追加的削減費用の安いものから順に並べていったものです。図5は炭素1トン当たりの削減費用でございます。この中には全電源平均を点線で、火力平均は実線で表示しております。
 それから、図6には縦軸に総削減費用ということで、先ほどの単位当たりの削減費用を累積したものを表しています。この図を見ますと、全電源平均の場合には最初マイナスのコストのものが大きくきいてきておりまして、プラス・マイナス0%をやや超えてマイナスに移ったところで総削減費用がゼロなり、それからずっと上がってきています。同じく火力平均では 2.7%ぐらいの削減のところからプラスに転じ、それからごらんのような傾向になっております。ちなみに、縦軸は1年当たりの1兆円という単位でございますので、仮に火力平均を見ますとマイナス4%ぐらいのところで1兆円となっております。
 続きまして、19ページには追加的費用別の削減量ということで、先ほどの計画ケース2のケース、 108%まで現状の施策で削減できるとして、さらにそれから目標達成に向けてどういう削減が見込めるかというのを価格分類別に紹介したものでございます。
 図7の上の本文で書いておりますとおり、マイナスの費用だけで 3.7%ありますのでプラス 4.3%、1万円までの対策でプラス 2.3%、10万円までの対策を入れるとマイナス 2.4%、さらに10万円以上の高いコストのものまで入れるとマイナス 4.6%までいくと、こういうことが今回の検討結果わかったわけでございます。今申し上げましたのは火力平均の排出係数でございますが、全電源の排出係数を用いた場合もあわせて19ページの下の4行と、それから20ページの図8に同じような分析結果を載せております。
 続きまして、20ページからは2つ目の経済性評価で数量モデルによる評価の結果を紹介しております。
 22ページは、先ほど委員長からご紹介のあったとおりでございまして、仮に90年比で二酸化炭素の排出量をマイナス2%程度まで削減するというケースを基準的なケースとして想定しまして、そのためにこの場合は経済的措置として炭素税を導入することを組み込んでモデル計算をしたわけでございます。その結果、マイナス2%の削減までいくためには炭素税として、表16にありますように1万 3,000円程度から3万 5,000円程度という額が必要になってくるということがわりました。あわせてGDPの損失も計算をしておりまして、これも表16にございますように一番小さいもので0.06%、大きいもので0.72%という計算結果になったわけでございます。
さらに、23ページの③には、今回の数量モデルに加えまして、今後の新しい技術開発がさらに望まれるようなもの、それからライフスタイル、商業システムの変化がもたらされることも考慮できるシナリオを描いてみた場合には、具体的にこれはWWFシナリオという手法でやったものでありますが、90年比で二酸化炭素の排出量は2010年にはマイナス10%ぐらいまでいくというポテンシャルの存在が計算結果わかったということを紹介しております。
 さらに、(3)の経済性評価の結果の2つ目の○ですが、これも先ほど小委員長からご紹介がありましたように炭素トン当たり 3,000円という低額の炭素税をかけた場合でも、その税収を補助金として最適に還流することができれば3万円の炭素税をかけた場合と同程度のインセンティブ効果を発揮するということも、今回の計算結果わかったわけでございます。
 さらに、24ページに参りまして、2つ目の○のところで、これも先ほどご紹介のあった点でございますが、積み上げ方式による経済性評価と今回の数量モデルによる計算結果、これは数字の結果が出てくるわけですが、それぞれ前提条件、そもそもの目的としていること、さらに経済性の評価の過程が異なりますので、これをもって数字が大きい、小さいという比較をするのは困難であるということをまとめとして書かせていただいております。
 それから、24ページからがこの小委員会の全体のまとめになりますが、今まで紹介していない点について申し上げますと、24ページは今回の積み上げ方式の計算結果では費用対効果の非常にすぐれたものもまだまだあり得るということで幾つかの技術を紹介しておりまして、こういったものを優先的に推進する必要があるだろう。そのためにも制度的・社会的な課題を優先して検討すべきであるということを述べております。
 それから、25ページには今回の経済性評価の過程では、さまざまな困難が伴ったわけでございまして、この費用の算定にはどうしても不確実性が伴います。ものによっては過大に評価してしまった嫌いのあるもの、逆に過小評価してしまったもの含まれているということをここに紹介しております。現時点ではこれらのことを十分に解決することができなかったもので、今回の経済性評価の限界がここにあるということでございます。
 それから、25ページの後半からは先ほど申し上げましたモデルによる分析結果が紹介されておりまして、25から26ページにかけて今回の検討結果、さらに国民各界各層の意見を聞いてシナリオをもっと改善をしていく必要がある。さらに、2010年が今回のターゲットでありましたが、それ以降の中長期的なシナリオ作成も必要であるということを付言させていただいております。
 最後に、今回のCOP6再開会合に向けての中間的取りまとめということになったわけでありますが、今後の国際交渉の結果も踏まえまして、さらに今後シナリオの検討を深めていきますし、また政府でもそういうものを踏まえて国内制度の構築に向けて取り組むことを期待する。そういうことを最後に提言のような形でまとめさせていただいたものでございます。
 以上、ちょっと長くなりましたが、シナリオ小委員会の中間取りまとめのご紹介をさせていただきました。

○浅野部会長 ありがとうございました。それでは引き続いて、国内制度小委員会の中間取りまとめについて、安原小委員長、お願いいたします。

○安原小委員長 それでは、私の方から国内制度小委員会の中間まとめの報告をさせていただきます。
 後で事務局の方から補足的に説明をお願いいたします。
 まず、1ページを開いていただきますと委員名簿がございます。
 委員各位が大変熱心に討議をしていただきました。異なる意見もあったわけでございますが、その点はそれぞれの箇所に異なる意見も付しております。それから、全面的に事務局のサポートをいただきました。委員、それから事務局に対して、この席をかりまして厚く御礼を申し上げます。
 最初の「はじめに」というところから2ページのところがございますが、国内制度小委員会で審議をした事項でございます。1つはそこにございますように政策パッケージ、それから京都メカニズムの活用のあり方、3番目が基盤メカニズムの具体化ということでございます。
 今、シナリオ小委員会の方から中間的な取りまとめの報告がございましたが、この国内制度小委員会の方ではシナリオ小委員会のデータ、意見等々の知見をできるだけ活用させていただき、連携をとったつもりでございます。シナリオ小委員会に対してもお礼を申し上げたいと思います。
 小委員会の取りまとめの中身でございますが、最初のページに目次がございますので、目次をごらんいただきたいと思います。第1章が基本的認識、これはこれまでの基本認識等を整理しておりますのでこれはもうご案内のところでございますので省略をいたします。それから、第2章で現行施策の評価と課題という整理をいたしております。それから、第3章で第2章の結果、追加的な対策が必要という結論が導き出されておりますので、それを踏まえまして今後の地球温暖化対策のあり方を検討しておるということでございます。したがって、第3章が国内制度小委員会としては議論の中心の内容でございます。
 まず、第2章のところを開いていただきたいと思いますが、10ページでございます。
 最初に大綱の取り組みがございまして、その後、部門別に大綱に基づく現行の対策の分析をしております。これはシナリオ小委員会の計画ケースをもとにしまして、そして大綱との対比をしているわけでございます。そうしますと、先ほどもありましたように全体としては計画ケースでいくと2010年に8%増になってしまう。大綱では6%削減のうち国内対策がマイナス 0.5%というのが目標でございます。8%増加するものをさらに大綱の目標を達成するためには、 0.5%まで排出を削減していく必要があるということでございます。
以下同じように見ていただきたいと思いますが、次のページがエネルギー起源の排出の見通し、これが10.9%計画ケースでございますが、これをゼロに持っていく必要があるということでございます。
それからエネルギー転換部門、これは電力配分後とあと両方のケースが示されておりますが、配分後で14.4%に増えてしまう、それを5%増にとどめる必要がある。配分前が10%増になってしまうものをマイナス 1.2%まで下げなければいけない。以下ずっと産業部門がマイナス 4.2をマイナス 7.0まで圧縮する必要がある。配分後ケースでございます。配分前はその次のページでございます。
それから、民生部門も27.4%に計画ケースで増えてしまう。これを0%まで削減する必要がある。
 それから、運輸部門も非常に増えまして24.6%増までいく。これを17%増の範囲におさめる必要がある。
以下、非エネルギー起源・CO2 ・メタン・一酸化二窒素につきまして、これは過剰達成が見込まれておるわけでございます。
 それから、次のHFC等3ガスの排出削減策、これも過剰達成が見込まれておるということでございます。
 以上が部門別の計画ケースと大綱の対比で、それぞれの部門、ほとんどの部門でかなり思い切った追加対策が必要であるということが示されております。そこで、シナリオ小委員会の方で示していただいた削減ポテンシャル、これを持ってきまして同じ表でございますが、対比を示しております。これは省略いたします。これで削減ポテンシャルがここにございますようにケースによりましてマイナス4ないしマイナス7%、マイナス2ないしマイナス5%ございますので大綱の目標はマイナス 0.5でございますから、十分ポテンシャルとしてはあると、削減の可能性は十分あるというのがこれで導かれる結論でございます。
 以下、同じように費用別にその追加対策を並べまして、安い方からとっていった場合に
どこまでとればこの大綱の目標を達成できるかということを示しておるわけでございます。
 以上の結果、今後追加対策を含めてどのような対策を展開していくべきかということで、まず全体像を示しております。これは37ページでございます。そこにございますように、計画的推進がまず必要であるということで、国の計画、それから地方公共団体の計画を策定する。もちろん事業者の計画的な取り組みも現にやっていただいておりますし、今後もやっていただく必要があるということでございます。そこで、その上で自主管理のための制度ということで事業者、家庭部門で排出量を把握しそれを届け出、公表する必要があるということを考えております。それからもう一つは、家庭でどのぐらいの排出をしているかなかなか見当がつきませんので、電気、ガス、水道の利用に伴う排出量の通知制度というものを考えたらどうかというようなことを提案しております。
 それから、その次にいろいろな部門、横断的な排出削減のための制度ということで、今経団連を中心に自主行動計画の制度がとられておりますが、これをさらに充実、強化してはどうかということで、協定の仕組みとかあるいは実行計画制度というような案を示しております。その目標を達成するために国内排出量取引を活用するということとしてはどうか。それによって対策効果の確実な達成が期待できるわけでございます。それとあわせまして、温室効果ガス税、あるいは課徴金の経済的措置、先ほどシナリオ小委員会の方で分析されたわけでございますが、そういうものを活用していく。こういうものを3つ組み合わせてポリシーミックスに形成していくということとしてはどうかということで示しております。
 それを踏まえまして、各部門の排出削減のいろいろな制度も提示しております。エネルギー転換部門における電力等の排出原単位の改善方法とか、それから交通体系のグリーン化、ライフスタイルの脱温暖化の手法、その他非エネルギー起源、メタン、一酸化二窒素、HFC等の規制的な手法、それから都市・地域基盤整備の手法も示しております。
 一方、京都メカニズムは国際的な制度でございますが、これを動かしていくための国内制度の整備が必要であるということで、どういう制度を考えたらいいかを示しております。それとあわせてシンクへの対応が必要であるということを述べております。中身につきましては、事務局から説明をしていただくことにしたいと思います。
 それが主な内容でございまして、あとずっとごらんいただきますと、京都メカニズムの活用のための制度ということで、55ページまで飛んでいただきたいと思いますが、以下レジストリー、国際制度と国内排出量取引との連携ということが必要だということ、それから共同実施をやる場合の事業審査、あるいはCDMの事業審査の仕組みが必要だということを示しております。それから、フォローアップ体制、それからフォローアップすることによりまして、必要な場合に対策の見直しをしていく必要があるということとしまして、61ページの図がございますが、いわゆるPDCAのサイクルを回していく必要があるということを示しております。
 最後に、当面の6%削減の達成のための対策を考える場合に、もっと長期の対策の方向性というものを脱温暖化社会の形成という観点から考えて、そういうことを踏まえた当面の対策の検討が必要だという趣旨を述べているわけでございます。
 最後に、これはあくまで中間まとめでございますので、今後さらに具体的な国内制度の制度化に向けての検討をやっていく必要がある。政府の方におかれましても、国内制度の構築に向けて全力で取り組んでいただきたいという期待を表明しております。
 以上でございます。

○浅野部会長 どうもありがとうございました。それでは、ただいま小委員長からかなり詳細にご説明がありましたので、事務局からの説明は本当に補足にとどめてください。

○竹内課長 詳細なご説明がございましたので、事務局からの補足説明は省略いたします。

○浅野部会長 議事進行にご協力をいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、ただいま国内制度小委員会の報告については初めて読むという方がいらっしゃると少々まずいなという気もするわけでありますが、ただいま両小委員会から出されましたのは中間取りまとめということでございまして、これは最終の報告書ではございません。必ずしもこれまでにも十分に論議が尽くされてこの報告書ができているというわけではございませんし、小委員会で最後の会合にもさらにまた修正すべき点がいろいろと指摘されまして、本日はその点を踏まえた中間取りまとめになっておりますけれども、小委員会のメンバーの皆様方にもなおご意見がおありかと思います。しかしながら、本日いただきました意見をさらにこれをパブリックコメントにかけるということになっていると聞いておりますが、そういったようなものも含めて今後の検討に反映させるという趣旨でございますので、その点をお含みをいただきましてご発言をいただきたいと思います。
 なお、ちょっと部会長として余りにも横暴なやり方とお叱りを受ける可能性があるわけですが、小委員会にご出席の委員の先生方には、既に中間取りまとめに至るまでのプロセスをご存じでありますので、きょう初めてこの部会でこの取りまとめをご覧頂いた小委員会に所属をしていらっしゃらない委員の方からのご質問、ご意見がありましたら、できればその方々のご発言を優先してお受けするということにしたいと思います。それで随時ご発言あるいはご質問をいただきたいと思います。
 それから、シナリオ小委員会のみにご出席の委員の方々につきまして、私はシナリオ小委員会に出ておりませんのでどういう進め方であったかよくわからないんですが、制度小委員会では毎回シナリオ小委員会が開かれた後、その報告を受けながら制度委員会を開いておりますので、シナリオ小委員会の議論の経過もかなり我々は知らされております。その点が、シナリオ小委員会の方は制度小委員会でこういう議論をしているという詳細なご紹介があったんでしょうか。

○西岡小委員長 はい、やっております。

○浅野部会長 当初、第1回の部会のときにお願いいたしましたように、両小委員会の情報交換を密にするということは進められているようでありますので、いずれの小委員会にもご所属でない委員の方からもし先にご質問がございましたら、これは全く基礎的な事柄についてのご質問でもお受けすることになると思いますので、よろしくお願いいたします。
 いかがでございましょうか。特にご質問ございませんでしょうか。どうぞ、瀬田委員。

○瀬田委員 最初の目標達成シナリオ小委員会の例えば14ページでございますが、この中で火力発電のところが燃料転換ということでこの数字が出ておりますけれども、割合これがちょっと小さいように若干思うんでございます。それは燃料転換というよりも、これは昨年、ある電力会社の方からご講演で聞いたことでございますけれども、アメリカではこの10年ぐらいの間に火力発電の発電効率というものを非常に改善するということのための研究に非常に大きなお金を使ってきて、ある程度のもう実績が上がったきたと。これが全体のエネルギーの問題解決の一つの方向になっているというふうなお話を聞いたことがございます。そういう意味で、火力発電の発電効率というものはこの中に入ってこないのかどうか。そういうものをやりますと、非常にコストがかかってむしろ下の方の数字になっ
て効果は余りないということなのか、そこのところをちょっとお聞きしたいなと思います。

○浅野部会長 西岡委員長、お願いいたします。

○西岡小委員長 詳細なところについては後ほど事務局の方で補っていただきたいと思いますけれども、まず第1点は、我々はここで2010年までに到達できるというもの、それから既に計画ケースに含まれているものについては計画の方にまず入れております。それが1つです。
 それから2つ目が、燃料転換についてはそこまでに達成できるもの、あるいは費用の算定が非常に難しいところがございまして、それについてはこの絵にはたしか載っていない別途費用が算定できないという項目が後ろの方にございますけれども、そういうところに入っております。ですから、今まで大体見込めるものについてはここの中に私ども入れております。

○浅野部会長 どうぞ、事務局。

○地球温暖化対策課調整官 事務局から補足説明をさせていただきます。
 まず、発電効率の向上につきましては今委員長がおっしゃったとおりに、ポテンシャルではなくて計画ケースの中で既に各電気事業者が取り組んでおられることがさらに進むであろうということを期待して、それによる削減量は見込んでおります。
 それから2点目の燃料転換につきましては、コストの評価が難しいというお話が今ございましたとおり、ここで見込んでおりますのは設備の改変を伴わなくて運用の中でうまくそれを転換する、割合をなるべく火力から天然ガスへのシフトをさせていくというような融通がきかせるものまでカウントしております。それ以上のものになりますと、今度は天然ガスの長期契約の問題、それからさらにはパイプラインを引くときのコストをどう評価するかとかいう中長期的な課題はここではまだ計算するには至っていないので限定的に取り上げたというものでございます。
 以上です。

○浅野部会長 よろしゅうございましょうか。制約要因が結構あるので、その中で控え目の見込みということでございますが。
 ほかに小委員会にご所属でない委員で……どうぞ、高橋委員。

○高橋委員 恐らくいろいろな作業の前提、余りにも明確なのでご説明にもなかったのかもしれませんが、シナリオ作成の場合のこれからの10年ほどの日本の経済成長の様子、これはどういう想定をされたのか。それに関しても幾つかのシナリオをつくって作業をされたのかどうか、それをまずお聞かせいただけたらと思います。
 それからもう一つは、今やはり政策全体で大きな課題になっていると思いますが、民営化の方向にいろいろな分野で取り組んでいる。その方向、これがどういう形で進展するか
どうかでこのシナリオが変わるのかどうか、その点もお聞かせいただけたらと思います。

○浅野部会長 よろしゅうございますか。それでは今の2点です。

○西岡小委員長 第1点のシナリオの前提につきまして、3ページに関連する活動量のシナリオというのがございまして、表2にそれをまとめてあります。国内総生産につきましては年平均経済成長率2%、できたらこれから欲しいと思っておりますが、で前提としております。
 それから2つ目の民営化、すなわち電力の自由化というのが非常にいろいろなところで、一方では効率化をもたらし、一方では安い石炭火力等々入ってくるということもあってCO2 を増やすというような影響もございますが、これについては検討しておりません。

○浅野部会長 事務局いいですか、高橋委員、よろしゅうございましょうか。
 ほかにございますか。須藤委員、どうぞ。

○須藤委員 目標年次、目標の数値、理解をいたしましたが、この10年間に恐らくさまざまな対策というのは段階的に進めるはずだと思いますし、その経過というのは目標値に向かって直線的であるのか、もう急に前年ぐらいでマイナス2からマイナス7ですか、ということでは多分ないんだろうと思うんですが、やはりこういう問題というのは毎年というよりも中間的な検討というのが、例えば5年後とかそういうのが必要なような気もするんですが、そういう検討はされているんでしょうか。

○浅野部会長 この点については、西岡委員長の方からコメントができる部分はコメントしてください。

○西岡小委員長 例えば隔年あるいは5年ごとという形にはしておりません、私の承知している限りでは。
 それから、ここで例えばコストがマイナスの技術でございますね。これについては我々なぜそういうところへ入らないんだろうかという検討をいたしますと、まだ設備の取りかえが済んでいないとか、まだまだ比例だけの分でいくともうかるからずっとそれでいこうというのが残っているんではないかなというぐあいに考えているんですけれども、おっしゃるとおりある程度経年的な検討も今後必要ではないかなと考えております。

○浅野部会長 よろしゅうございますか。このシナリオ小委員会の方はどっちかというと、ある意味では抽象化された検討をしていて、それを受けて安原委員会の方でそれを具体化するためにどうしたらいいかというお話になるんだと思うんですが、安原委員会の方でまだちょっとこの辺はかなり時間が不足で十分な議論をしていないんですが、最後の方、フィードバックのところ、あのあたりのことを少しご説明いただけますか。

○安原小委員長 従来からこれからの対策を考える場合に、現在までにとってきた政策を評価しなければならんじゃないかと。その上でないと判断ができにくいという議論が随分ありました。今回はその点は時間の制約があって十分なことはできていないんですが、シナリオ小委員会の方で計画ケースの検討をしていただいたわけでございまして、その中にかなり入っていると。その計画ケースを踏まえて我々としては新しい方策を考えたということでございます。
 これまで環境基本計画がございまして、環境基本計画の見直しがございましたから、その中にも温暖化対策が入っていますので、その一環としてもそういう検討は不十分ではございますが、やられた経緯がございます。今後におきましても、そういう政策の評価ということは非常に重要なことだということでございまして、絶えず今の対策効果が期待したほど出ているのかどうか、不十分であれば対策をもう早期に強化していかなきゃいかんということでございますので、特にこのきょうの中間取りまとめの中の最後のところ、ちょっと簡単に申しましたPDCAのサイクルを示しておりますけれども、まず計画を立ててそれを実行して、その実行の結果をチェックしまして、そのチェックの状況によっては必要な対策を強化していくと、こういうサイクルをうまく回していくということでそのフォローアップ対策の見直しを従前に増して充実していこうというスタンスでございます。

○浅野部会長 よろしゅうございますか。あわせてこういう技術シナリオのような検討というのも一回やったらもう10年間何もしないというのはおかしい。多分須藤先生のおっしゃるのはそういうことだろうと思うので、これはやはり技術の進歩に合わせて適宜条件を変えて計算をし直すという作業が必要だというご指摘だと私も思いますので、そのことを最終の取りまとめの段階までにそのシステムをつくる必要があるということを入れるべきだろうと思います。ご指摘ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。小委員会に属する方はちょっとしばらくご遠慮いただきたいと発言を封じたようなところがございましたが、もうこれ以上は制約をいたしませんので、残されたあと20分程度は質疑応答ができるかと思いますが。どうぞご意見がございましたらお出しくださいますように。
 飯田委員、どうぞ。

○飯田(哲)委員 シナリオ小委員会で1点、それからあと制度小委員会で3点ばかり、あと全体の方向について1点あります。
 シナリオ小委員会については、私きょうメモを1点出して、最終回でも結局小委員長に一任というふうに扱いを一任したんですが、やはり原発の稼働率について90%あるいは84.2%という数字が最終のところまで残ってしまったというのが非常にじくじたるものがあるんですが、特に84.2%今から触るとすべて全部変わってしまいますのでこれはちょっと大変なことになりますが、私は本来それでもやるべきだとは思いますけれども、90%というのは少なくとも3つの理由で踏み込み過ぎだろうと。
 まず第1に、ドイツとかアメリカ、特に日本のように51基もあって、しかも相当老朽化した炉があるといった状況で、ちょっと添付した資料は説明する時間がないのでやめますけれども、90%というのは相当まず困難ではないかと。その上で、仮にそれが実績として可能であったとしても、それをポテンシャルとしてある意味いわゆる固めた数字として見るということのギャップ、その差というのはやっぱり相当開きがありますので、例えば電力会社ごとにすべて90%保障しなさいとかそういう話になりますから、その間は相当距離を見るべきではないか。3点目に、中央環境審議会としてさらに前回、先々週取りまとめられた総合部会でも85%を言及するにとどまっているにもかかわらず、ここで90%という数字が出ることの重要性といいますか、悪い意味の重要性はちょっと中央環境審議会としては踏み込み過ぎではないかということで、今回84.2%を計画に入れたことに関しては仮に目をつぶったとしても、90%という数字が報告書に残るということに関してはやはり私は到底容認できないというのがまず第1点です。
 それから、制度小委員会に関してはちょっと細かい点ですが、44ページで温室効果ガス税課徴金のところで最後のところに「エネルギー関係の特定財源等の国の歳出云々」とありますが、この「等」のところにはエネルギー関係、あるいはエネルギー関係の中には道路特定財源も含まれているのかどうか。もし含まれていないというか、道路特定財源のあたりも多少踏み込んだ意見。これはたしかシナリオのところでも若干出た意見だったと思いますけれども、これは明記した方がいいんではないかと。
 それから、46ページの一番上のところで買い取り義務、あるいはクオータ制が義務的な制度と書いてあるところが非常に違和感があって、これがパブリックコメントにかかるとすると、こういう制度というのは義務的な制度なんだという非常にネガティブに聞こえるんですね。自然エネルギーの買い取りであったりクオータの制度というのは確かに義務的な側面がありますが、義務というんであれば環境税も義務なので、むしろこれはエネルギー市場が自由化する中でこういうルールが必要だ、かつ極めて90年代効果があったという、ある意味外部費用を内部化する制度の一つなんですね。ここを余り義務的制度と表に出すのはまずネガティブに一般の人に映るという意味で、新たな制度とかちょっと言いかえをここはしていただきたいと思います。もちろん義務的な側面あることは確かですが、これは経済産業省の方新エネ部会でもここまで強くは言っていないと思います。
 それから、47ページのウのところで「ライフスタイルの脱温暖化の手法」という表題があるんですが、これは44ページにさかのぼると・の民生部門における対策だと思うんですね。民生部門における対策イコールライフスタイルというのもちょっと短絡というか、むしろやはり需要側における省エネルギー、エネルギーの効率化ということがもっと前面に出るべきであって、ライフスタイルというのが前面に出るというのは若干施策としては違和感があります。内容は特にいいのかもしれませんが、ライフスタイルが前面に出るというのは読んでいて非常に違和感があります。それから、最後に全体の取りまとめなんですが、経済産業省の総合部会の方で私はあちらのエネルギーシナリオも0%に必ずしもこだわらずに複数の数字を見るべきだという提言をしたんですが、それは中央環境審議会及び経済産業省では産業構造審議会で議論する場であって、あそこではもう地球温暖化防止大綱の0%を前提にやるしかないんだという答えだったわけですが、ここのまさにその問われている中央環境審議会としては今回の検討結果をもって地球温暖化防止大綱を今後どういうふうになさるおつもりか、あるいは今回のこの吸収源京都メカニズムをとりあえず外してもある程度の削減が期待できると、この数字をもって今度のCOP6再開会合においてまさに吸収源のところが日本政府がのめない一つのがんといいますかネックだったわけです。その当たりの対処方針に何らか考慮なさるのか、そのあたりについて最後お伺いしたいと思います。
 以上です。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 それではまず、シナリオ小委員会のこの部分は内部的に既にご議論があったことについてもう一度きょうはご議論があったという理解でよろしいでしょうか。
 西岡委員長、何か。

○西岡小委員長 既にこの件につきましては、飯田委員の方からシナリオ小委員会の方でもご意見が出されました。一方、この数字につきましては、担当なさっている方々のヒアリング等々、それからここに飯田委員もまとめておられますけれども、外国の状況等々を勘案しましてまとめました。
 ただ、この扱いにつきましては、今13ページにありますように、まずこの件につきましては総合エネルギー調査会の方でもまだ検討が済んでいない、あるいは安全性の問題につきましては国民の多くの議論がまだ残っているということでございますので、この算定の中にはまだ入れないということにしております。それからもう一つ、今のようなご意見がございましたのでその意見につきましては十分ここに取り入れるように書き込んだつもりです。

○浅野部会長 私の今の小委員長の理解では、この部分が欄外注記のような扱いになっていて、全体として2から5という数字の中にはこれは織り込んでいないということですね。とりあえずはそういうことだという話です。

○飯田(哲)委員 それは十分理解した上で申し上げて……

○浅野部会長 はい、わかりました。結構です。
 それでは安原小委員長、制度小委員会に対するご質問、ご意見。

○安原小委員長 第1点が温室効果ガス税、課徴金のところでございますが、ここでは経済的措置として税制の活用ということでシナリオ小委員会の検討結果を主として2%削減した場合の具体的な試算とかそういうものを紹介しておりまして、具体的な税制の立て方、あるいは既存税制との関係等につきましては44ページの一番最後の方の段落にございますように、既存税制の調整ということで特定財源見直しとの関係等ということで、今後の検討項目をただ整理、列挙したということでございまして、まだ中間報告でございますので、その程度の整理に終わっているということでございます。ここで特定財源との関係でどうこうという判断をしているわけではないということでございます。
 それから、46ページの1行目あたりからでございますが、新エネルギーを思い切って活用していく必要があるということで、現に太陽光等、風力発電等につきまして自主的な買い取り制度があるわけでございますが、まだまだ不十分であると。これをどういうぐあいに拡充していったらいいかということを検討いたしまして、ここに義務的な制度としてということでクオータ制プラスグリーン証書取引などの例を挙げさせていただいていると。ですから、今もそういう自主的な制度はあるわけでございますが、それでは十分でないという認識のもとにそういう、さらに強化するとしたらどういう対策があり得るかという例を挙げさせていただいたということでございます。今後、具体的にどういう制度の立て方をすれば非常に効率的で対策効果を上げられて、しかも広く電力消費者の方にも、電力事業関係者にも納得が得られるのか、今後検討していくべき課題であるというぐあいに思っております。
 それから、次が47ページのライフスタイルの表現が必ずしも適当かどうかというご指摘でございます。広く民生部門の対策としてここでこういう表題のもとで整理をさせていただいたわけでございますが、さらにいろいろな意見を伺いながら、どういうぐあいな表現を使ったら的確か検討させていただきたいと思います。
 以上3点ですね。

○浅野部会長 どうもありがとうございました。一番最後の点につきましては、今直ちに飯田委員がおっしゃったような文脈でどうこうということをこの中間取りまとめを提言的に使って頂けることを期待できるかどうかはわかりません。しかし少なくとも先週の金曜日、7月6日に開かれました関係審議会合同会議の席上では、中央環境審議会の現在の検討の状況のご報告をごく短くいたしました上で、技術的なポテンシャルという観点を一定の制約条件の中ではあるが検討する限り、国内対策でも2から最大7%までの割合で削減の可能性があるという数字が出ていることは報告いたしました。ですから、これは現在の大綱では国内対策では0.5%の削減で、あとはシンクと海外からというこれしかないというシナリオになっていますけれども、しかし技術的には可能性があるということを申し上げました。ただし、詳細な議論になりますと個々のここに取り上げられている、例えばコストが5万円以上かかるというような対策を直ちにそのまま実施できるかという話になるわけでして、どこまでできるかということは問題であるにしても、可能性が全くないわけではないということだけは少なくとも報告してございます。今後このシナリオ小委員会の報告及び制度小委員会の報告を最終的に部会の報告として取りまとめていく段階では、飯田委員がおっしゃるような示唆を示すことができるような取りまとめ方をする可能性はあると考えますので、ご発言は十分にご意見として承っておきたいと思います。
 それから、先ほどの税財源の税のところの「等」、この話については小委員長のお話のとおりでありまして、突き詰めて中をどうするということを議論しているわけではないんですが、ただ一般に環境税だの温室効果ガス税だのというような話を持ち出すと増税ということだけでとられがちなので、そうではない検討の仕方があるはずだということを述べている文脈での表記でありますから、射程距離はおっしゃるようなところで当然入り得るだろうと思います。

○飯田(哲)委員 1点だけ。まず、90%の方の話なんですが、私はこれをつくられた内山委員の方からはアメリカでやっているという根拠以外に関しては何ら説得性のある根拠を聞いておりませんので、もうちょっときちんと、それから技術シートの中でも制度変更も対象に入れて利用率90%想定ということで、これを見てもやはり何ら根拠ある90%という数字はありませんし、アメリカは確かに個別の炉としては90%超えるのありますが、全体平均でもせいぜい85%、Bに至っては30何%という稼働率。Bだけを見るとですね。それをそのまま持ってきていいものかという、ちょっとここのところに関しては場合によってはウチヤマ委員にもうちょっときちんとした技術シートをつくっていただかないと、これを入れるというのは相当、これは影響が大きいことをもうちょっと認識していただきたい。
 それから、さきの46ページの義務的な制度については内容の話をしているんではなくて、義務的な制度という呼び方が国民の間に非常にネガティブに、これから新しい制度が必要なのはもう明らかなので、それを義務的な制度と呼ぶことのネガティブなインパクトを私は申し上げているのであって、これは電力における新しい制度とか、いわゆる経済産業省の新エネ部会にある程度合わせていただいた方がいいんではないかというふうに思っています。

○浅野部会長 わかりました。この点は事務局、どうですか。これは全体としては「義務的な」という「的」と書いたところにニュアンスを持たせているような。3つぐらい並べておいてそれらを総括して義務的という表現にしているというんで、中間取りまとめした側は余り気にしないで通してしまっているんですけれども。

○竹内地球温暖化対策課長 表現の点につきましては、今後パブリックコメントもしていくわけでございますので、そういった中で国民の皆さんがどうやってとらえるかといった点も考慮しながら対処していきたいと思います。

○浅野部会長 ほかにご意見がございましたら。どうぞ、塩田委員。

○塩田委員 シナリオ小委員会の委員長にお伺いしたいことなんですが、シナリオ小委員会の結論を制度小委員会の方で引用した部分が資料2の46ページ、交通体系のグリーン化の手法に関連してございます。表9ですね。この中で旅客貨物の輸送量を減らすという観点からの対策技術として公共交通機関の活用としてバス路線の整備、それから新交通システムの整備と2つございます。それから貨物関係では「貨物の輸送効率の改善(共同輸送)」こう書いてあります。
 私の質問は、このバス路線の整備と新交通システムの整備、ともにシートを見ますと地方都市の関連であると書いてあるわけです。地方都市のことを想定した対策で計算をされている。全体の交通量という観点から言えば、やはり大都市圏の輸送の方のウエートが大きいと私は思っておりますが、そういう輸送量の小さいところのものを対策として拾われて、大都市圏の対策をここに拾っておられない。このような結論を出すに当って充分検討されたのであれば、私はそのことを必ずしも異論はないんですが、ここの資料の整理として、この削減ポテンシャルというのは一つの例なんだということを、パブリックコメントを求めるときにははっきりさせられた方がいいと思うんです。その点、この削減ポテンシャルがほかの部門に関しても、網羅的な考えられるあらゆるものがここに入っていると云うのではなくて、小委員会で検討されたものがこれであるというふうに扱っていかれた方がいいんではないか。それで交通に関してはそれが 1,700万トンという非常に大きな量になっているわけですから、全体のコンテクストとしてはいいんだと思うんですが、私はパブリックコメントを求めるときにこれが削減ポテンシャルの全部だと思われないように注意をすることはどうしても必要なんではないかと思うのです。
もう一つ、共同輸送の方につきましては、これは前に私申し上げたんですが、過剰な評価があるんではないかと思うわけですけれども、そういう点についても留保をされる必要があるんではないかというような気がいたします。この点について今たまたま原子力に関してシートの方をごらんになっていろいろ意見を言われましたけれども、シートの方の一つ一つの項目に関して意見を言い出すと、これは幾らでも意見はあると思うんです。ですから原子炉が重要な問題ですからおっしゃったのはよくわかりますけれども、各シートの内容等についてはこれからの検討の深度を深めるということで、はっきりそういう点についての意思統一をしておく必要があるというふうに思いますので、これらの点についてのおまとめになるお考えをお伺いしたいと思います。

○浅野部会長 ありがとうございました。この点は、前回の制度小委員会の中でも同様のご意見があったところでございます。中間取りまとめの表現ぶりの中でどういう表現になっているのか、何しろきょう会議のときに突然配られたのでよくわからない面もあるんですが、ご指摘になったようなことをもう既に我々は議論済みであるということでありますので、パブリックコメントにかけるときにはその点の誤解がないように十分なコメントをつけていただきたいということをお願いをしておきます。
 それから、特にこのシートについてもこれが網羅的にすべてのものを示しているわけではなくて、ともかく技術的に考えられる、しかも計算可能で極めて可能性が高いものについてということで条件をつけておいていただきたいんですが、今のバス路線については何か特にコメントがありますか。

○西岡小委員長 特にございません。

○浅野部会長 前回、合同会議では何人かの委員から、むしろ将来は地方都市における自動車の方が問題なんだと、そちらの方のマイカーが意外と大きな負荷をかけているというご発言がありまして、都心ばかりではなくて地方都市問題を考えるべきだというご意見がありましたから、あるいはひょっとするとそのベースにそういうシミュレーションデータがあったのかなと思うので、それはまた次回再開後の会議でデータを出していただけるものは出していただくことにしたいと思います。何かほかの調査会では、そういうような点の議論があったそうです。
 それでは、ほかにもご意見があろうかと存じますが、次の議題がございますのでもうお一人方でとめさせていただきます。どうぞ、太田委員。

○太田委員 2点ですけれども、制度小委員会の方の例えば今の46ページ、47ページの交通関係をちょっと見ていましたら、実はこの手法、随分重複した要素が両方に入ってございますね。その辺の考え方をどうされるかということ。特に「ライフスタイル」という言葉が非常に一般的になりますので、多少説明した上で分けないと不適切ではないか。特にライフスタイルの方で表10の方にある、例えば運輸の関係で一番下から2番目にありますけれども、ITSの活用みたいなものは非常に技術的なものですので、このとらえ方はむしろグリーン化というふうに入れた方がいいとかというようなところがたくさんあると思いますので、その辺はある程度重複を避けた、重複しても私はいいような感じはしているんですけれども、そうすると合計のところの取り扱いとかそういうことがありますので、その辺の方針はしっかり統一していただきたいということ。
 ポテンシャルの議論のときにはかなり定性的なものとか、2010年では定量的にはっきり判断ができないものについてちょっと別に置きましたよね。制度の中にそういったものを含めていただけないかという議論がありました。例えば交通の方でいきますと、むしろ都市のつくり方であるとか再開発、都市のリノベーションということの中でできるだけ公共交通の便利なところで進めていただくとか、逆に新開発を車しか使えないところにどんどんいくような形は避けてほしいというような、そんなことが例えば都市地域基盤整備のための手法となっていますけれども、こういうところにも何か反映していただいて、2010年ということなんですが、少なくともそういう制度ができれば四、五年分の開発はそういう方向へ動くとすれば、この先のもちろん効果は非常に大きいと思いますので、何かその辺の取り扱いを制度編の方で考えていただけないかという2点です。

○浅野部会長 ありがとうございました。ただいまの点については、ぜひそのご意見の方向で考えたいと思っています。非常に難しい点で、正直言って何とか係数化できるものをとりあえず手がかりにという発想でやっておるものですから、どうしてもそれを全部足し算したときに合わないという話が制度小委員会の中でたびたび意見が出てきていまして、実は大変悩ましい点です。しかし、おっしゃる点はそのとおりでありますし、2010年で切ってそれで終わりというわけにいきませんので、それ以降の話を常に視野に入れなければいけないということもたびたび小委員会でご議論があったところでありますから、ご発言の趣旨を生かしたいと思います。
 それからあわせて環境基本計画との関連では、環境への負荷の少ない交通に向けた取組という戦略プログラムと地球温暖化対策とは密接不可分な部分がある。だからそちらの方のプログラムが進むと、それからまたフィードバックの形でこちらにも影響を受ける面があるだろうという議論がありまして、このあたりのところは当部会以外の部会の検討とも関連するということを認識しておりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 それでは、ほかにまだご意見がおありかと思いますが、この後パブリックコメントにかけるということもございますので、ご意見がありましたら文書で事務局の方にお出しをいただいて、それを今後の検討の中では生かしていくということにしたいと存じます。
 それでは、続きまして急いで大変恐縮でございますが、本日はフロン回収破壊法が可決されたことに伴いまして、フロン類対策小委員会の設置ということがもう一つ議題になっております。この点について事務局からご説明をいただきます。
 資料の3-1、3-2になると思います。

○鈴木環境保全対策課長 環境保全対策課長の鈴木でございます。今部会長からお話がありましたように、フロン類等対策小委員会を設置いたしたく、資料3-1、3-2に基づいて簡単にご説明をさせていただきたいと思います。
 この7月6日に諮問第13号という形で、川口環境大臣から森嶌中環審会長に対して「今後のフロン類等対策の在り方について」の諮問が行われております。既に地球環境部会で検討するように森嶌会長から浅野部会長の方に付議されているところでございます。
 諮問内容といたしましては、資料3-1に示されているように環境基本法(平成5年法律第91号)第41条第2項第3号の規定に基づき、今後のフロン等対策のあり方について貴審議会の意見を求めるというものです。
 具体的な内容につきましては、諮問理由の下の2つのパラグラフにざっと書いてございます。1つは、この6月15日に特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律、俗にフロン回収破壊法と言っておりますが、この法律が議員立法で成立いたしました。おおむねの規定につきましては来年の4月から施行といった形になりますが、その施行に向けまして今後指針、政令、省令といったものを整備していく必要がございま
す。そういった政省令等の整備に向けてのご審議を当面いただきたいと考えております。
 また、フロン類にかわる物質の開発の促進等も今後さらに進めていく必要があると思っております。これまでオゾン層保護対策ということでCFC、HCFCの対策といったものを中心に検討してまいりましたけれども、CFC代替あるいは脱フロンという意味では、CFC代替物質であるHFCを含めた形での検討をすることがより適切ではないだろうか、また、それとあわせて類似の温室効果ガスであるところのPFC、SF6といったものもあわせて一体として検討しその削減対策を図っていくということが重要ではないかと考えているところでございます。
 将来的にはそういった人工的なオゾン層破壊物質、温室効果ガスといったものの対策を
一体として検討していくための方策というものをご検討いただきたいと思っております。
 資料3-2に具体的なフロン類等対策小委員会の設置についての案が書いてございます。メンバーといたしましては、東京大学名誉教授の富永健先生に座長になっていただき、そのほか横浜国立大学の浦野紘平教授、早稲田大学の大塚教授、同じく早稲田大学の永田教授、慶應義塾大学の和気教授のほかに、さらに地方公共団体、環境NGO、関係業界といったところからメンバーを選定していただきたいと考えております。このメンバーにつきましては、部会長が指名をするということでございますので、今後さらに部会長とご相談をさせていただけたらと思っております。
 検討事項といたしましては、先ほどご説明をいたしましたように当面はフロン回収破壊法の施行に関することということで、政省令、指針といったもののご検討を、8月を皮切りにして進めていただき、将来的にはより幅広くCFC管理戦略等を踏まえたフロン類等の対策のあり方についてのご検討をいただきたいと考えているところでございます。ご検討のほどよろしくお願いいたします。

○浅野部会長 どうもありがとうございました。ただいま次の議題のフロン対策について、川口大臣から森嶌会長に対して諮問が行われた旨、さらにまた森嶌会長から当部会に付議があった旨、ご報告がございました。
 このフロン法につきましては、議員立法ということで今国会で制定されたものでございますけれども、ポイントは、現在既に製造販売輸入等が規制されておりますフロン類について、しかしながら既に市場にそれが出回っており、これが製品の廃棄等々に伴って環境中に放出される。これを抑えるということが喫緊の課題であるということで、国際的にもこの辺についての国家戦略を定めることが求められておりますけれども、その実効性を確保するために法制度を設けて回収を確実にするということを考えているものでございます。すでに家電リサイクル法がございますので、そこで処理できるものは家電リサイクル法で処理されるそうでありますが、同法で扱われていないものについてこの法律で回収を義務づけ、破壊を義務づけるという内容のものだと聞いております。
 しかしながら、まだその具体的な内容についての指針、政令等、省令等については検討をこれから行い、早急にその施行に向けての準備を急がなければならないという状況にあると聞いております。そこで、この件につきましては当部会で審議をするということにしますと余りにも技術的な要素が多いために、この問題に関しては小委員会を設けてそこで議論をしたいというのが事務局からのご提案でございます。何かご意見、ご質問がございますでしょうか。
 なお事務局は重いのでこれをみんなに持って帰らせるのは気の毒だと思って親切心で今日は法律を配っていないんだろうと理解をしておりますが、後に部会委員には最低限、法律の本体をお配りをいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、特にご意見、ご質問がないようでございますので、事務局の提案どおり、フロン類等対策小委員会を当部会に設置する。そして、今後のフロン類等対策のあり方について議論を進めていただく。地球環境部会長の判断により、その議決及び地球環境部会長の同意をもって当部会の決議とするということにしたいと存じますが、それでよろしゅうございましょうか。
              (「異議なし」の声あり)

○浅野部会長 ありがとうございます。それではフロン類等対策小委員会を設置し、地球環境部会長の判断によりその決議及び部会長の同意をもって当部会の決議とすることといたします。委員等につきましては、定めにより私が指名をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 それでは、本日議すべき事項は以上でございますので、最後に環境省炭谷地球環境局長からごあいさつをいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。

○地球環境局長 冒頭にご紹介いただきましたけれども、7月1日付で地球環境局長に拝命いたしました炭谷でございます。
 本日はお忙しい中、活発なご議論をいただきまして本当にありがとうございます。来週からいよいよCOP6再開会合が行われるわけでございます。皆様方からいただきました意見を十分参考にして、2002年までに京都議定書を発効させるため、我が国を初めとする関係国が京都議定書を締結することが可能となるよう総力を挙げて交渉に臨む所存でございます。
 一方、我が国といたしましては、国内対策を強力に進めていくということは国際交渉の状況いかんにかかわらず緊急の課題でございます。委員の皆様方におかれましては、今後とも地球温暖化対策のあり方につきましてご指導、ご鞭撻をいただきますようよろしくお願いいたします。
 本日はどうもありがとうございました。

○浅野部会長 それでは特にほかにご意見、ご発言がございませんようでしたら、本日はこれで審議を終えたいと思います。どうもご協力ありがとうございました。

午後3時52分閉会
ページ先頭へ