地球環境部会(第151回) 議事録

開催日時

 令和5年6月26日(月)15時00分~17時12分

開催場所

 環境省第一会議室
(WEB会議とのハイブリッド形式による開催)

議題

(1)国内外の最近の動向について(報告)

(2)その他

議事録

午後 3時00分 開会

総務課長
それでは、定刻となりましたので、ただいまから第151回中央環境審議会地球環境部会を開催いたします。
事務局を務める地球環境局総務課長の小笠原です。よろしくお願いいたします。
本日の部会は、久しぶりに、対面とWEBとのハイブリッド開催として、YouTubeの環境省動画チャンネルで同時配信をしております。
本日は、委員総数26名中、24名の委員のご参加予定で、現段階で21名の方に参加いただいており、定足数の要件を満たし、部会として成立していることをご報告いたします。
本年2月には、地球環境部会の委員の交代がありました。参考資料1の名簿の順に、新任の委員をご紹介いたします。
早稲田大学の有村委員です。
それから、日本経済団体連合会、日本製鉄株式会社の船越委員。
それから、日本商工会議所、東京ガス株式会社の小屋委員。
群馬大学の西薗委員。
国立環境研究所の肱岡委員。
それから、元JAXA宇宙飛行士、アースショット賞評議員の山崎委員です。
ご紹介は以上でございます。
以降の議事進行は大塚部会長にお願いいたします。

大塚部会長
本日はお忙しいところ、どうもありがとうございます。
早速、議事に入りたいと思います。本日はまず、議題1「国内外の最近の動向について」につきまして、事務局からご報告をいただき、その後で質疑応答を行いたいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。

国際連携課長
まず、IPCC第6次評価報告書、3月に公表されましたが、その概要について説明させていただきます。
2ページをご覧ください。はじめに、現状と傾向です。人間活動が温暖化を引き起こしてきたことには疑う余地がないと、今回初めて断定いたしました。また、世界平均気温の上昇は既に1.1℃に達したこと、それから、大気、海洋等に広範かつ急速な変化が起こっていること、各国の2030年目標を足し上げても、21世紀の間に1.5℃を超える可能性が高いということが述べられております。¬
3ページ目をご覧ください。次に、長期的・短期的応答についてです。モデル分析では、2040年までに1.5℃に到達してしまうこと、温暖化目標が達成できるかは主にネット・ゼロを達成する時期までの累積排出量とこの10年の排出削減の水準によって決まること、この10年間に行う選択や実施する対策は現在から数千年先まで影響すること、適応及び緩和の資金は共に何倍にも増加させる必要があることが述べられています。
4ページ目をご覧ください。緩和の経路のグラフです。急速かつ大幅な排出削減が必要であるということが予測されておりまして、世界の排出量は遅くとも2025年までにピークを迎え、CO2ネット・ゼロは、1.5℃に抑える場合は2050年はじめ、2℃に抑える場合は2070年はじめに達成される必要があること。
それから、下記の表にありますように、1.5℃目標の達成には、2035年には中央値で60%、世界全体のGHG削減が必要とされております。
5ページ目をご覧ください。効果的かつ低コストの緩和と適応のオプションは既に利用可能ということで、コストがCO21t当たり20ドル以下の太陽光、風力、エネルギー効率改善、あるいはメタンの削減というものが排出削減に大きく貢献するとされています。
この報告書のポイントを要約しますと、1.5℃目標の達成は非常に厳しいが、この10年間に大幅に削減するオプションというものは存在して、それを実現できれば目標達成は可能だという内容だと言えます。
以上でIPCCの説明を終わります。
申し遅れましたが、国際連携課長の川又でございます。よろしくお願いいたします。

脱炭素社会移行推進室長
続きまして、脱炭素社会移行推進室長の伊藤でございます。
私から、6ページ目の目次で言いますと、2.2021年度の我が国の温室効果ガス排出・吸収量の結果、それから、3.温対計画のフォローアップをまとめてご説明申し上げたいと思います。
まず、排出・吸収量、7ページ目に参ります。直近2021年度、1年間の我が国の温室効果ガスのインベントリと呼んでいますけれども、その確報値を国連の事務局にも提出しています。コロナからの経済回復などもございまして、前年の2020年度からは若干2%の増加となっております。2013年度比では20.3%減ということと、それから、4年ぶりに吸収量自体は増加というところが結果になってございます。
8ページ目に参りますが、箱の中で、いわゆる所感というか、取りまとめを行っておりますけれども、まず、2030年度目標、あるいはカーボンニュートラル実現に向けての取組については一定の進捗が見られるということですが、コロナからの回復などでエネルギー消費なども増加していますので、しっかりと今後も対策を進めていくということが必要でございます。
ちょっと時間の関係上、ガス別ですとか部門別は飛ばさせていただきまして、13ページ目に参りたいと思います。
特記事項としまして、今回のいわゆるインベントリの報告の中で、我が国として初めて、ブルーカーボンの文脈でマングローブ林の吸収量を計上しています。図にありますとおり、ほかにも海草ですとか海藻、いわゆる干潟などもございます。やはり、このブルーカーボンは、海洋生態系を活用したCO2の吸収・固定がございますが、ネイチャーポジティブであるとかサーキュラーエコノミーの統合的推進の中で、環境省もしっかり力を入れて取り組んでいくということを考えてございますので、インベントリの計上も、マングローブから先も、できるところから計上していきたいというところでございます。
おめくりいただきまして、14ページ目から、2050年カーボンニュートラルに向けたG7の各国の進捗状況というものを少し整理してございます。
15ページ、日本から順番に並べておりますが、少し見える化したかったのは、直近2021年度まで各国がどのように排出を下げてきているかというお話と、2030年以降も、しっかりと取組を進める中で、計画や目標づくりというものもございますので、その概観をお示ししております。ちょっと時間の関係上、ご説明は難しいですが、先ほど川又からありましたIPCCのAR6でいうところの2035、2040、あるいは2050というところの1.5℃目標のシナリオの中を、帯のような形で各国に落とし込んで示しているというところでございます。
申し上げたいのは、まずG7各国、日本だけではありませんけれども、2030年に向かってもしっかり下げていく必要があるということで、必ずしも全て、みんな順調に下がっているわけではないというところと、やはり目標づくりの話もありますけれども、2030から2050に向けて、AR6なども参考にしながら、どう計画目標をつくっていくかというところが、日本だけではなく世界全体で大事になってくるというようなところで、今回はその概略でございますけれども、科学的知見も踏まえながら、我が国としても、しっかり計画、目標を立てていきたいというふうに考えてございます。
駆け足で恐縮ですけれども、次に、温対計画のフォローアップに参ります。
24ページ目をお開きいただきますと幸いです。ちょうど今週末、総理ヘッドの温対本部の開催ということが予定されていますけれども、今回、毎年やらせていただいている温対計画のフォローアップですけれども、24ページ目の上から二つ目、三つ目にありますが、今回初めて、経産省の産構審下のワーキングと、本部会下のフォローアップ専門委、下田先生に委員長をやっていただいていますけど、そこと合同で、農水、国交など、関係省庁も入れて、政府全体のフォローアップを温対本部の前にやらせていただいているという状況でございます。
やはり、GXの表記などもありますけれども、政府全体の進捗管理、あるいは取組というところがますます大事になってくるということで、引き続き、フォローアップも含めてしっかりやりたいと思っております。
それから24ページ、各論でございますが、24ページ一番下、温対計画の、じゃあ状況はどうだったかということですが、現行の計画の中での115件のうち、約8割が目標と同等、または見込み以上の進捗が見られるという評価をいただいております。
他方で、いわゆる機器の省エネ性能の向上ですとか、エネルギー管理、あるいはフロン類の回収促進など、約2割が目標を下回ると考えられるという評価になってございます。これは、順調に進捗しているものも含めてですけれども、しっかりと今後も取組を進めていく必要があるということで、環境省としても、しっかり対策というものを進めてまいりたいと思ってございます。
以上でございます。

地球温暖化対策課長
引き続き、2021年度の政府実行計画フォローアップについて、ご説明させていただきます。資料の37ページまで飛んでいただけますか。
37ページ、一番下にありますとおり、政府実行計画の推進、点検におきましては、政府実行計画におきまして、中央環境審議会の意見を聞いて、地球温暖化対策推進本部幹事会において行うこととされています。この決定に沿いまして、この度、関係府省庁が2021年度のそれぞれの取組の進捗状況を点検したものを、環境省において取りまとめを行いました。その後、中央環境審議会地球環境部会低炭素社会実行計画フォローアップ専門委員会を3月16日に開催し、この専門委員会の意見と併せて6月13日の地球温暖化対策推進本部幹事会にご報告し、ご了承いただいたというものでございます。
38ページが、改定後の政府実行計画の概要、39、40ページが、2021年度の政府全体の実施状況を指標ごとに目標値と対比して示したものでございますが、時間の都合上、説明は割愛させていただきまして、41ページをご覧いただければと思います。
41ページでございますが、政府全体の温室効果ガス排出量でございますが、昨年度から9.6ポイント減少し、2021年度までに、2013年度比で28%減少しております。2030年度50%削減という目標に対しまして、比較的順調に推移しているものと考えているところでございます。
42ページをご覧いただければと思います。点検結果を取りまとめたものでございます。まず、温室効果ガスの排出量削減の取組自体は全般的に進んできているところと思いますが、その他の取組として、電動車の導入、LED照明の導入につきましては、前年度より改善しているものの、2030年度100%という導入目標に対して一層の取組が必要と思われます。
また、再生可能エネルギー電力の調達、太陽光発電の導入、新築建築物のZEB化につきましては、政府実行計画の改定に伴いまして新たに目標が設定されており、引き続き状況を把握しながら取組を促進してまいります。
特に、太陽光発電につきましては、今後、太陽光発電の整備計画を各府省庁で策定して、導入を進めてまいりたいというふうに思っております。
43ページをご覧いただければと思います。43ページは、3月16日に開催しました中央環境審議会の低炭素社会実行計画フォローアップ専門委員会の意見となります。主な意見としましては、取組に対しまして、電気自動車の活用、既存建築物における取組の推進、新技術の率先導入などや優良事例を横展開できる体制構築に関する意見がございました。
また、その他の意見としまして、国・地方公共団体、独立行政法人等で対策に共通性があるものは、組織的な縦割りを排して情報共有する仕組みを考えるべきといったご意見があったところでございます。
44ページをご覧いただければと思います。こうした点検結果を踏まえまして、44ページに今後の対応を示しております。重点的に取り組む必要があるとされた事項を着実に進めるほか、優良事例の横展開、対策に共通性があるものの情報共有を行いつつ、各府省庁の取組を検討する場としまして、全ての関係府省庁が参加する課長級の連絡会議を新たに設置したいというふうに考えているところでございます。
私からは以上でございます。

国際連携課長
続きまして、G7関連の概要を説明させていただきます。
46ページをご覧ください。G7気候・エネルギー・環境大臣会合につきましては、4月15、16日に札幌市で開催されました。大臣会合では、36ページ、92パラにわたるコミュニケが採択されました。
内容につきましては、このスライドから51ページまで記載がありますが、時間の関係で、後ほどサミットの概要を使ってご説明いたします。
52ページをお願いします。大臣会合では、コミュニケのほかに七つの附属文書、四つの関連イニシアティブについても合意をされています。上段の四つについては、後ほど、サミット概要の際にご説明いたします。
53ページをご覧ください。G7広島サミットの概要ですけれども、下記にあるように様々な課題がある中で、気候、環境、エネルギー、この部分で首脳コミュニケのおおよそ4分の1を占めておりまして、重要な課題に首脳レベルでもなっていることが言えると思います。
54ページをご覧ください。首脳コミュニケの概要ですけれども、G7札幌大臣会合のコミュニケに盛り込んだ主要な要素が首脳コミュニケにも盛り込まれてございます。
気候関連につきましては、1.5℃目標と整合していない国への野心強化、2025年までのピークアウトのコミットを要請、それからグローバル・ストックテイクなどがありますが、我が国主導のイニシアティブにも言及ということで、質の高い炭素市場の原則ということが支持されております。これは、自主的な炭素市場におけるクレジットの質を担保するために、供給側、需要側及び炭素市場ごとに質を高めるために求められる事項をまとめた規範という内容になります。
それから、G7気候災害対策支援インベントリにつきましては、ロス&ダメージについて、特に脆弱な国による支援に対するアクセス改善のため、G7が既に提供している気候災害に対する支援をまとめた一覧になっております。
それから、環境関連ですが、経済・社会システムをネット・ゼロ、循環型で、ネイチャーポジティブな経済へ転換することにコミットということ、2040年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにする野心を、首脳レベルで共有したということ、「循環経済及び資源効率性の原則(CEREP)」が首脳レベルでも支持されました。このCEREPというものは、民間企業による循環経済に関するイニシアティブの立ち上げや行動強化を奨励し、政府金融セクターとの対話や自主的行動を促進する行動指針という内容になっております。
それから、「G7ネイチャーポジティブ経済アライアンス」にも言及とありますが、このアライアンスとは、ネイチャーポジティブ経済への移行の支援、促進に向けたアクションを議論、特定するための知識の共有や情報ネットワークの構築の場ということでございます。
それから、エネルギー関連につきましては、排出削減対策が講じられていない化石燃料のフェーズアウトの加速、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電所の新設の終了に取り組むこと、2035年までの電力部門の完全または大宗の脱炭素化、2030年までの洋上風力の150GW増加、あるいは1TWの太陽光発電の達成というものが盛り込まれております。
55ページがサミットで行った展示について、56ページがG7における「サステナブルファッション」の発信についてのスライドになっております。
以上でG7関係の説明を終わります。

気候変動国際交渉室長
気候変動国際交渉室長の青竹でございます。
私からは、57ページのCOP28の概要について、ご説明をさせていただきます。
今年は、11月30日~12月12日に開催される予定になっておりまして、アラブ首長国連邦、UAEのドバイで行われます。ジャーベル産業・先端技術大臣が議事を務められるという予定でございます。
主なテーマですけれども、グローバル・ストックテイク、こちらがパリ協定採択後、初めて行われるということになりまして、パリ協定の目標達成に向けた世界全体の気候変動対策の進捗評価が行われます。
成果物については、2025年までに各国が通報する次期NDCの策定に向けた検討材料となるものでございます。
そのほか、緩和、適用、ロス&ダメージ、気候資金についても議論が行われる見込みとなってございます。
以上です。

国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官
続きまして、58ページ、パリ協定6条の推進ということで、JCMも含めてご報告をさせていただきます。私、国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官の水谷と申します。
まず、59ページをご覧いただければと思います。パリ協定6条の推進ということで、COP26、2021年に6条のルールというものが策定されまして、6条の交渉をずっと牽引してきた日本といたしまして、6条の実施というところでも、引き続き国際的なリーダーシップを取っていきたいというふうに考えております。
こうした中で、60ページでございますが、COP27、昨年の11月でございますけれども、6条を実施するといっても、なかなか体制が整備されていなかったり、あるいは、その6条ルールというものがなかなか複雑で理解が不足していたりということが分かっておりましたので、パリ協定6条実施パートナーシップというものを、昨年の11月、日本が中心になって立ち上げております。
立ち上げ当時は、63の国・地域・機関が参加しておりましたけれども、現在1.5倍以上になりまして、100以上の国・機関が参加しているという状況でございまして、こちらはさらに拡大していくということを考えております。
他方で、パートナーシップに参加いただいている国それぞれによって状況が異なりますし、それぞれ支援ニーズが異なりますので、そういったものに個別に応えるために、もう少し組織的な対応が必要だろうということで、今年4月のG7札幌会合の際に、パリ協定6条実施パートナーシップセンターというものを立ち上げるということを表明いたしました。
そちらについては、事務局を地球環境戦略研究機関、IGESに務めていただくということでお願いをしてございます。
今後、世界銀行ですとか気候変動枠組条約といった、それぞれ6条ですとカーボンマーケットについて知見がある、あるいはネットワークを持っている機関と連携をしながら共同実施体制というものを構築していきたいというふうに考えております。
続きまして、61ページをご覧いただければと思います。JCM、二国間クレジット制度でございます。2030年までの累積で、国内外で約1億tということで、国際的な削減というものを目指しております。スライド65に今後の累積の削減量の推移のほうを示しておりますけれども、現在までで2030年度までに想定される累積の削減量というものは約2,300万tということで、1億tの目標に向けては順調に推移しているというふうに我々は見ております。
今後も、関係各省庁、特に海外のプロジェクトを所管している省庁などとも連携しながら、また、民間JCMの組成ガイドラインというものを今年の3月に策定しておりますけれども、そういったものの普及を図ることで、民間資金の活用を図りながら、1億t目標の達成に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。
他方で、61ページの2ポツ目のところにありますけれども、各国でJCMを実施してクレジットを獲得する上では、パリ協定の6条ルールに沿ったルールやガイドラインというものを二国間の間で着実に整備していくことが必要になります。
先週、チュニジアと合同委員会というものを開催いたしまして、チュニジアとのルールには合意したところでございますが、今後、順次、他国とのルールを整備していくということを考えております。
また、JCMのパートナー国を30か国へと拡大することも目指しております。そういう意味ではパートナー国との調整業務が増えてまいりますので、そういったことは今後の課題かなというふうに認識しておりますが、いずれにせよ、他国としっかりと二国間のルールをつくってJCMをしっかり回していきたいというふうに考えております。
私からは以上です。

気候変動観測研究戦略室長
では、67ページからご説明させていただきます。観測室長の岡野と申します。
GOSAT、これは温室効果ガスの観測技術衛星になりますが、2009年にGOSATの1号機、2018年に2号機を打ち上げまして、それ以来、14年間の継続観測をしております。
2024年度の打ち上げを目指しまして、3号機に当たるGOSAT-GW、これを文部科学省とともに開発、製造をしているところでございます。
これまでの成果としましては、下半分にありますように、IPCC AR6 WG1でも24本の論文が引用される、また、世界で初めてメタンの全大気の濃度の動向を示すと、また(6)にありますように、IPCCのインベントリのガイドラインの中でもグッドプラクティスとして掲載されているというものになります。
次のページをお願いします。まず、目的の一つ目として、地球全体の大気の濃度の把握ということで、CO2とメタンについて、こういった観測をしておりまして、下に行くほど濃くなっているというのが見てとれるというところでございます。
次のページをお願いします。並行しまして、各国レベルでの排出量の、これが、実際の観測値とインベントリによる報告値が合っているかどうかという検証をしておりまして、2ポツにありますように、モンゴルを対象に、世界で初めてになりますが、排出量の推計技術というのを開発しておりまして、それがBUR2で公表される予定となっております。
こういった技術を中央アジア5か国に展開しておりまして、ウズベキスタン、カザフスタンと今、進めているところでございます。
次のページをお願いします。第3の目的として、さらに細かく大規模排出源のモニタリングということで、こちら、GOSATとGOSAT-2の画像になりますが、こちらはまだ、見てのとおり解像度が十分ではございませんので、GOSAT-GW、3号機におきましては、精密観測モードというものを用意しまして、さらに高度化を図るということを目指しております。
次のページをお願いします。GOSATの1号機2号機と、3号機、GWの差ですが、一言で言いますと、点観測から面観測になるということ、さらに、面観測のうちで集中観測モードというのを設けまして、さらにフォーカスして観測というのも可能になっております。
次のページをお願いします。6月13日に閣議決定と、あと宇宙開発戦略本部決定されましたが、こういった計画にのっとって取組を進めてまいります。
以上です。

総務課長
続きまして、74ページでございます。GX関係の状況でございます。地球環境局総務課長の小笠原でございます。
政府のGX実行会議の検討状況については前回ご報告をさせていただいたとおりでございますが、その内容について、2月10日にGXの基本方針ということで決定をしております。
それから、75ページでございますが、そのうちの成長志向型カーボンプライシング構想については、GX推進法ということで、その大枠の法律が5月12日に成立をしております。なので、この附則、5というものが書いてありますけれども、詳細の制度設計については、この法律の施行後2年以内に、必要な法制上の措置を行うということも書かれております。
76ページは、GX基本方針のうちの、エネルギー関係の法律改正の概要でございます。これについても5月に成立をしております。
以下、GXの個別の取組について、ご説明いたします。

地球温暖化対策事業室長
地球温暖化対策事業室長の松﨑です。よろしくお願いします。
77ページをご覧ください。住宅の脱炭素化に向けた取組です。左側の新築につきましては、2030年、ZEH水準の省エネ性能確保、これを計画に定めておりまして、戸建て、集合住宅のZEH化支援を現在実施しております。
一方、既存のほう、右側のほうですが、2050年までのストック平均ZEH水準の確保、これは目標ですが、現在、現行の承認基準を満たすものは1割強という状況でございます。このため、前回もご報告いたしましたが、取組を加速させるべく、3省連携の住宅省エネキャンペーンの一環で、経済産業省と併せて1,000億、この補正予算を活用し、先進的窓リノベ事業を鋭意実施しております。
次の78ページをお願いします。こちらは建築物の取組です。新築につきましては、ZEB化の支援、レジリエンス強化型ZEB化の支援、これを着実に実施してございます。
一方、既築に関しましては、ZEB化の支援なども行っておりますが、住宅以上に改修が進んでいない状況です。先週金曜に環境省で開催いたしました行政事業レビュー、この公開プロセスにおきましても、膨大なストックが存在する既築建築物への集中的な支援が必要というご指摘もいただいております。このご指摘も踏まえまして、効果的な支援を検討、実施してまいります。
79ページをお願いします。2030年目標の達成には、自家消費型太陽光発電の導入促進が重要です。防災性向上、電力系統への負荷低減にもなります。環境省では、PPAなど初期費用ゼロ型の太陽光発電の導入支援、これを実施してきております。今後は中小規模の導入促進にも重点を置きながら、引き続き支援を実施してまいります。
80ページをお願いします。環境省では、先ほどのような設備導入支援とともに、目標の達成に向けまして、需要側設備のさらなる脱炭素化をもたらす先導技術の早期社会実装のための技術開発実証も実施しております。ここで幾つかご紹介いたします。
このページは、AIスマート空調でございます。駅地下や空港のビルなどで開発実証を行いまして、大幅なCO2削減が確認できました。今後、百貨店なども含めた様々な集客施設への導入進展が見込まれます。
81ページをお願いします。こちらは次世代パワー半導体の窒化ガリウムです。窒化ガリウムは、従来の半導体に比べましてエネルギー損失が少なく、LEDを皮切りに、EV、その他、幅広い分野の需要機器に適用できるもので、大幅なCO2削減が見込まれる、日本初のトップの技術でございます。
環境省では、この早期社会実装に向けまして、レーザー加工機を今年度までに開発し、商品化を促進するなど、様々な開発実証を順次実施しております。
82ページをお願いします。こちらは建材一体型の太陽光発電です。既存の建築物のZEB化実証事業の一環で開発を実施しておりますが、この建材一体型は、国内で一部商品化されているものの、コスト高、また認知度が低いなどにより、導入事例がまだ少ない状況です。ただ、壁や窓というのは太陽光発電の導入ポテンシャルに期待できますことから、多様なニーズに対応すべく社会実装を進めてまいります。
以上です。

脱炭素ライフスタイル推進室長
続きまして、脱炭素ライフスタイル推進室長の井上のほうから、暮らしの脱炭素の関係の国民運動に関しまして、適宜ご説明させていただきます。
昨年10月に新しい国民運動を立ち上げまして、これまで約700の官民連携協議会の企業・自治体・団体と一緒に、200を超えるような取組、製品・サービスというのを提案してまいりました。
さらに、30を超えるような官民連携のプロジェクトというのを新しく組成して、取組を進めているところでございます。
次のページに行っていただきまして、その上で今後の対応でございますけれども、特に来年度の予算のところは、従来型の普及啓発というところから、やはり実装、Implementationのところに軸足を置いた予算というものを大幅に拡充していきたいというふうに考えております。
次のページをお願いいたします。さらに、国民運動、名前がちょっと長くて分かりにくいというご指摘をいただきまして、愛称の公募を先週までやっておりました。一番下でございます。先週の末段階で、8,200件のご応募をいただきましたので、7月13日に、著名人の方にもお集まりいただいた選定会議というものを開いて、そこで名前をばしっと決めていきたいと思っております。
最後、次の資料をお願いいたします。今後のタイムラインをこういった形でお示ししてございますけれども、特に、成長戦略の閣議決定の中に盛り込まれました暮らし10年ロードマップというもの、この分野で、2030年、暮らしをどういった形でバージョンアップしていくのかというところを、分野別に年度内につくっていきたいと思っています。
以上でございます。

フロン対策室長
それでは、ここからの事項につきまして、フロン対策室長の豊住よりご説明を申し上げます。
89ページをご覧ください。フロン対策につきましては、上流から下流にわたる、ライフサイクルにわたる対策を実施しているところでございます。モントリオール議定書キガリ改正に基づく消費量の削減とともに、機器管理者に求められる簡易点検の常時監視システムの導入、都道府県に対する法の施行能力向上支援、ビル用マルチエアコンからのフロン類の取り残し対策をまとめた充填回収業者向けのガイドブックの本年3月の公表等、フロン排出抑制の取組を進めているところでございます。
次のページをお願いいたします。フロン対策の上流対策に資するものといたしまして、環境省では、冷凍冷蔵機器の脱炭素化及び脱フロン化のために、コールドチェーンを支える事業者に対しまして、省エネ型で地球温暖化係数の低い自然冷媒を用いた冷凍冷蔵機器の導入支援を行っているところでございます。今年度、中小企業への支援の重点化等をするような形でリニューアルして実施しております。
次のページ、91ページをお願いいたします。今後に向けてということでございますけれども、昨年6月、中央環境審議会と産業構造審議会それぞれのフロン類等対策小委員会及びWGの合同会議において取りまとめいただきました報告書のご提言を踏まえまして、環境省では、冷媒の再生に係る調査を開始してございます。ノンフロン・低GWP化までの橋渡しとしての役割に留意をしながら、冷媒回収率の向上と、それから代替フロンの排出抑制に資する適正な再生制度の運用について検討を行ってまいります。
また、今後より効果的な対策を講じるべく、代替フロンの製造から、これを使用する機器の廃棄まで、冷媒のことにつきまして、現在のインベントリとの整合について検証しながら精緻化を図ってまいります。
次、92ページをお願いいたします。フロン類の国際的な取組につきましては、先ほどG7のご紹介もございましたけれども、我が国が提唱しておりますフロンのライフサイクル管理促進の重要性についても打ち出されたところでございまして、環境省といたしましては、2019年に立ち上げましたイニシアティブ、フロン・イニシアティブを通じた途上国支援、それからフロンJCMを活用しました回収・破壊スキームの導入支援等を実施しているところでございます。
フロン対策につきましては以上でございます。

気候変動適応室長
続きまして、気候変動適応につきまして、私、気候変動適応室長の塚田からご説明いたします。
94ページでございます。こちら、前回1月26日の部会で、環境保健部の安全課長のほうから熱中症対策推進のための法制度ということでご報告しておりますが、その後、国会の審議を経て成立しておりますので、簡単にご紹介させていただきます。
右側に図がございますが、国の対策として熱中症対策実行計画を定め、これは閣議決定計画として格上げをしてございます。また、熱中症警戒アラート、現在運用しておりますが、これについては法律上に位置づけるとともに、一段上の熱中症特別警戒情報というものも創設をしてございます。
また、地域の対策として、市町村長が指定暑熱避難施設、クーリングシェルターを指定する、あるいは熱中症対策普及団体として指定する、そういったことが盛り込まれております。法律の施行期日は、熱中症対策実行計画については6月1日で既に施行されておりまして、残りについては公布の日から1年以内で、政令で定める日となっております。
次のページをお願いします。こちらが政府の熱中症対策実行計画、5月30日に閣議決定されたものでございます。目標として、中期的な目標(2030年)として、この熱中症による死亡者が、現状から半減することを目指すということでございます。
具体的な対策として、普及啓発、情報提供、熱中症弱者対策、管理者がいる場向け対策、地方公共団体及び地域の対策、産業界との連携、調査研究の推進、そのほかピンクで極端な高温発生への備えだとか、熱中症特別警戒情報の発表・周知と迅速な対応の実施、こういったものが盛り込まれているところでございます。
次のページをお願いします。気候変動適応計画、一昨年10月に全部変更してございますが、今回の法改正を踏まえて熱中症対策実行計画に基本的事項を追加するということで、このページの一番下に記載しているような一部変更を行ってございます。
私からの説明は以上でございます。

大塚部会長
それでは、ご質問、ご意見等をいただきたいと思います。ご質問、ご意見などがございます方は、会場参加の委員はネームプレートを立ててください。また、WEB参加の委員は挙手ボタンをクリックしてください。
誠に恐れ入りますけれども、時間の都合上、各委員ともご発言は3分以内でお願いいたします。
また、運営の都合上、まず、会場参加の委員からご発言をいただきます。その後で、WEB参加の委員を順次指名しますので、それまでお待ちいただくようにお願いいたします。
オンラインで参加の有村委員と田中里沙委員だけは途中で退室されますので、例外的に、最初に指名をさせていただきます。
では、有村委員。

有村委員
ありがとうございます。今回、今フランスにいるので、フランスから参加させていただいております。
いろいろご説明ありがとうございました。私は、これまでカーボンプライシングの委員を務めておりまして、2月に中央環境審議会の委員になりまして、その関係でこちらに参加しております。
そのカーボンプライシングの視点から、何点かお話ししたいと思います。そう言いながら、まず1点目は、日本の削減が順調に進展しているというようなことをご紹介いただきました。これに関しては、実はあんまり国際的にそこまで知られていないのではないのかなというような印象を持っておりますので、もう少しアピールしてもいいのではないかなと思いました。よく、いろいろ日本の対策は遅れているというような報道なんかも聞いたりしますので。
2点目は、ちょっと、ブルーカーボンと、それから43ページの各省庁間の横展開ということに関してです。今日、JCMの話とか、あるいは環境省も取り組んでいるJクレジットに並んで、今度はブルーカーボンが出てきて、このブルーカーボンからのクレジットというのも出てくると思うんですね。そういったものを、各省庁間を超えて一つのクレジットとして取引できるような仕組みというのが必要ではないかなと思っております。
43ページの資料のところで、いろんな省庁間の横串みたいなものが必要だというお話がありましたが、ここでもまさにそういったことが必要だなというふうに思いました。
それから、60ページのところで、JCMに関して6条実施のパートナーシップの設立をするというようなお話がありまして、これは非常にすばらしいことだなと思いましたので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思いました。
これは、日本のこれまでのJCMの蓄積があって、その上で新たな発展を、国際的な貢献ができるというようなところだと思いますので、ぜひアピールして進めていただきたいというふうに思ったところです。
それから、GX関連についてご説明がありました。これは何ページでしたか、後ろのほうで、GXの法案が通っていろいろ動きが始まるというところでした。これに関しては、私もこれまで何年間か、カーボンプライシングの小委員会で、今日ご参加のいろんな委員と一緒に議論してまいりましたので、ぜひ、CP小委員会でのいろんな議論が、今後、炭素賦課金の制度設計において反映されるような形でいろいろ進んでいったらいいなというふうに思っております。
それから最後、国民運動に関してご紹介をいただきました。これ、脱炭素というのは国民全体で取り組んでいくということなので、こういった動きが非常に重要だなと思っております。
その中で、ぜひ、国民は、環境はただではないんだと、やはりカーボンプライシングに関しても一定の負担をしていかなければならないんだと、そういった形で、価格に上乗せされていくような社会の中で脱炭素が進んでいくというようなことを理解していただくというようなことも必要ではないかなと思いました。
3分ということですので、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

大塚部会長
どうもご協力いただきましてありがとうございました。
では、対面のほうの委員に移りますが、下田委員、お願いします。

下田委員
ありがとうございます。私は今、温暖化対策計画のフォローアップの小委員会をやらせていただいているんですけれども、8ページにあるようなグラフで議論をしてまいりまして、これから9年間、今から見ると7年間しかないわけですけど、2030年にどうやって着地させるか、これはちゃんと無事に達成できるかということを議論してまいりました。今日、初めて、この16ページ以降の諸外国と同じように書いていただいたものを見て、やはり少し驚きを持って拝見させていただいているところでございます。
いかに野心的な目標を掲げても、やっぱりそれは達成できなければ意味がないわけでございまして、やはり、これを達成させるというところをもう少し注目する必要があると。日本はNDCの中に、部門別ですか、産業とか運輸とか、それごとの目標を書いていて、また、それを達成するために、どういった対策をどれだけ普及させてということを、こと細やかに書いて、積み上げで示しているというのは、これ、どうも日本だけのようなものでございまして、しかも、それを進捗管理ということで、その一つ一つの対策がどれぐらい進んでいるかということを毎年評価しているということがございます。
PDCAで言えば、PDCのところが非常に丁寧にやっているわけでございまして、ということは、やはり2030年に向けて、やっぱりアクションをもう一回考える必要があるんじゃないかと。これは、この間の小委員会でも意見をいただきましたけれども、進んでいないところを立て直すだけではなくて、進んでいるところをもっと進めるとか、これまでなかった対策を加えるとか、そういうことをやって、ぜひ目標の達成に向けて丁寧にそこをやっていただきたいと思います。
このマネジメントのやり方を、しっかりやって達成できるということも、これも世界に対する大きな貢献だと思っておりますので、このやり方とか、それから、海外との比較、先ほどのグラフも含めて、やはり世界にしっかりとアピールしていただきたいと思います。
海外で遅れているというところで、ちょっと諸外国でどんな進捗管理をしているのかとか、特に、割とうまいこといっていそうなイギリスは、気候変動委員会というのを持っていて、毎年やはり勧告をする仕組みというのができていますので、何かそういうのがやはりうまく働いているのかなとも思いますので、そういう諸外国との比較も含めて、これから考えていただければというふうに考えてございます。
以上です。

大塚部会長
ありがとうございました。私も委員をさせていただいていますけど、フォローアップを引き続き進めていただくというお話、ありがとうございます。
では、井田委員、お願いします。

井田委員
ありがとうございます。幾つかあるんですが、今の15ページのグラフです。これ、やっぱり見ると、46%と50%って随分受け止め方が違うなというふうに私は感じておりまして、46%というのが常識のようになっていまして、曲がりなりにも50%の高みを目指すといったら、やっぱりこれからそれをきちんとやっていく、それでこそ、グローバル・ストックテイクとかCOP28とかがあるので、50%と言ったんだということを忘れないようにしなければならないというのが一つ申し上げたいことであります。
あと、データの見せ方についてなんですが、こうやると、日本のエネルギー転換が進んでいないというのがハイライトになってしまうので見えてこないと。日本のエネルギー転換、進んでいないですよね。それで、汚い電気と言うと怒られるんですけれども、日本の電気はほかに比べて決してきれいではないという、G7の中で唯一、kWh400gを超えているというものの、エネルギー転換が進んでいないんだということは、きちんと、もっと社会の中で認識されるべきであるし、その対策を今後、30年、35年になると、10年あるか分からないですけれども、次期NDCの中で進めていかなければならないことだというふうに思います。
環境省側に伺いたいこととしては、今後、エネ基の見直しとか温対法の見直しとかがある中で、エネルギー転換という、日本は海外と比べて、極めて遅れてしまったエネルギー転換というのをどう進めていくかというふうに考えているのか、あるいは地方だけやっていればいいと私は思わないんですけども、ナショナルなポリシーの中で、遅れているエネルギー転換を進めていくというのは、どんな方策を考えていらっしゃるのかというのを伺いたいと思います。
期待をされているようなので、フロンのことを申し上げたいんですけれども、やっぱりひどいですよね、このデータを見ると。これだけ、とてつもなく増えている。すごい勢いで増えていますよね。何度も申し上げているけども、これ、フロン回収の出口だけでやれると思ったのは、日本の環境政策の最大の誤りだと私、何度も言っていますけども、だんだん時間がなくなってきましたよね。それでも、お話を伺っていると、今までのビジネスアズユージュアルというか、今までと同じようなことしかやりませんというふうにしか聞こえないんですけども、やっぱり上流対策も含めて、下流も含めてなんですけど、一番いけないことは、フロン、HFC問題はこれだけ重要だというメッセージが社会に全然出ていないんですよ。それをやらなければならない。それをやるんだったら、やっぱり税であるとか、課徴金であるとか、フロンメーカー、機器メーカーにEPRを徹底するとか、もっと上流対策をきちんとやるんだというようなメッセージを出して、今までどおりじゃなくて、もう完全に根本的な見直しをする必要があると思うんですけれども、これも何度もお話を伺っているんですけども、フロン室というか環境省にとって、これが、環境省がこれを思っているのか、考えているのかというのを改めて伺いたいと思います。
すみません、8秒ほど超えましたが。

大塚部会長
ありがとうございました。
では、沖委員、どうぞお願いします。

沖委員
ありがとうございます。何点か申し上げます。
まず、2050年カーボンゼロに向けてだんだん減らすというところのグラフに、直線に引いてありますが、これは皆様方ご承知おきのとおり、本来は、ゼロから遠いときは直線でもいいんですけれども、ゼロに近づいていくと、やっぱりexponentialでやらないと、だんだん難しくなるわけですね、削減が。それで、直線で結んでいくと、今は、実はかなりうまくいっているように見えちゃうんですけれども、やっぱり後になったときに物すごく苦しいので、こういう見せ方はちょっと、本当は避けて、2050まで引くときには避けたほうがいいかなと思います。
それから、政府の排出削減につきまして、普通の企業や家計がなかなか取り組めないのは、やはり経済的に負担になるのではないかというのがあると思うんですが、政府の取組というのが、初期投資をすればエネルギー費用の削減などに実はプラスであるかどうかというのをお示ししていただけると、やはりESCOで儲かるんだから、政府がやったら、儲かるんだったらうちもやろうというふうになるのではないかと思いますので、その辺の財政的見通しを教えていただければと思います。
それから、スライド85の国民運動、レバレッジというのがあったと思うんですが、それに限らず、先ほど有村先生がおっしゃった、結局、炭素化がこのようなものというのと、そういう本当にお金になる話と、それから、そういう環境にいいことを自分はしている、いい生き方をしているというのを全部足し合わせて、やっぱりみんな行動選考を行うんだと思いますので、啓蒙の意識のところと、やはり経済的なところで、炭素化学の話がG7のところでは何か所か出てくるんですが、そのほかのところに出てきていないというのは、やはり寂しい気がするというか、環境経済の先生方がずっとおっしゃっているのであれば、やはり具体的な動きがあったほうが、意識の啓発だけではうまくいかないところがあるというふうになると思います。企業の方と、いろいろそういう話をするんですが、企業はいつでも、より排出量の少ない製品、物やサービスを提供できるんだけれども、1円でも高いとなかなか買わないという状況に対して、やはり炭素の価格化というのは、外部経済を内部化して、非常に効果があるのではないかと思います。
以上です。

大塚部会長
ありがとうございます。では、西薗委員、お願いします。

西薗委員
はい。フロン対策のほうの委員長に今回なりまして、この部会に参加させていただいております。西薗と申します。
先ほどフロンのほうのご意見もいただきましたけれども、なかなかフロン対策、難しいところがありまして、実行計画の中でも、なかなか回収率のほうも達成できないということなんですけれども、やはり、先ほどもご意見いただきましたが、フロンそのものが今までは、バージンのものが、規制が緩い時代には、結局、回収するよりも、回収して再生するよりも、どんどん新しいものを使ったほうが経済的に循環するというようなことが、やはり、ちょっと前までの状況だったというふうに思います。
ただ、今回ご紹介いただきましたモントリオール議定書のキガリ改正で生産規制が入りますので、ここにどうきちんと対応していくかというところが今現在の大きな問題で、その中で、91ページの資料ですか、再生ということを特に今回、法律で打ち出していると書きましたけれども、実際には、現在の回収率が上がらない理由も、先ほど言ったように経済的な課題もありますけれども、回収ということで経済的な価値が出てくれば、回収率としても上がることが期待されますので、この制度をきちんとつくれるかどうかというところが一つ、これからのポイントかなというふうに考えております。
ただ、その場合に、これは少し細かい技術的なことになりますが、フロンというのは、フロンと一つの言葉で言っても、種類がいろいろ機械ごとにございまして、市場に流通しているものだけでも現在3種類程度あるんですけれども、それを少しでも混ぜてしまうと再生ができなくなってしまうんですね。ですから現在、破壊を前提とした回収を今までやってきたところを、業界自体も、再生を考えた制度をつくるということになりますと、例えば設備的なことを考えても投資が必要になると思いますので、この辺り、どういうような、先ほどの課徴金のようなものも必要かもしれませんけれども、補助制度のようなものも考える必要があるのかなと、この辺りをこれからの課題というふうに考えております。
以上です。

大塚部会長
では、勢一委員、お願いします。

勢一委員
ご説明ありがとうございます。勢一です。
かなり幅広い施策を丁寧に取りまとめてご紹介くださいましてありがとうございました。やはり、この分野、国際的な動向も含めて、すごく動いているなというのを改めて実感いたしました。
3点ほど、コメントと質問をさせていただければと思います。
まず1点目、ブルーカーボンの新規計上というのは非常に大きな動きだと思っております。先ほどご意見がありまして、クレジットというお話がありましたけれども、やはり今後、市場経済システムに接続していくということによって、この動きがもっと変わってくる、加速するのではないかという期待があります。
ところで、生物多様性貢献の分野としても、ここの生態系注意報で30by30をどうするか、そのときにOECMをうまく使っていけるか、そのようなところとのWin-Win、ネイチャーポジティブとのWin-Winを考えることができないかという問題意識は持っております。
そういう意味では、OECMの制度的位置づけが大事ですし、その制度的に位置づけることによって、企業等が取り組めるインセンティブを得るというようなことができれば理想的かなと感じております。この二つのインセンティブの付与が可能なような仕組みというのは、何らかお考えがありますでしょうかというのが、これについての質問です。
2点目ですけれども、太陽光発電について、44ページのところの今後の対応でご紹介があったんですけれども、各府省庁において自らの実行計画に基づいて、太陽光発電の整備計画を策定して取組を進めていくと。再エネの推進という意味では非常に重要な取組だと思うのですが、温対法の地方公共団体実行計画で設定する促進区域との関係というのはどのようになるのでしょうかというところを、勉強不足で恐縮ですけれども、教えていただければと思います。
地域においては、条例等による太陽光の規制の動きというのは、なお続いているところですし、その中で、地域が汗をかいて促進区域を設定するというところで、他省の施策との関係がどうなるかというところ、状況によっては懸念があるのかなと感じたところでございます。
3点目、最後ですけれども、やはり、この分野は省庁間の連携が非常に重要というのもありますし、省内の関連政策、施策の連携及び合理化というのも大事かなと感じておりました。
先ほど、国の気候変動適応計画の一部変更のご説明をいただきました。これは、国の計画を変更されますと、都道府県・市町村も地域の計画を持っておりますので、策定義務ではございませんが、そちらにも跳ねてくるという部分はあろうかと思います。
今回は熱中症だけなので、物すごく大きな変更ではないかもしれませんが、ただ、環境省のほうとしては、適応計画について温対法の地方公共団体の実行計画との一体策定を推奨していただいていると記憶しております。たしか昨年度末に通知が出ていたと思うのですが、そうした点を考えますと、今後、適応計画、気候変動の世界で非常に重要な役割を担うと思うのですが、国土空間の利用管理というような文脈で捉えますと、再エネの導入とか自然保護との関係をどのようにタップしていくか、この辺りが、国の計画レベルの連携、整合性というのも重要かなと思っていますので、計画間連携についてご検討をいただけるとありがたいと思います。
以上です。

大塚部会長
ありがとうございました。
では、山崎委員、お願いします。

山崎委員
山崎です。新しく委員に就任させていただきました。よろしくお願いいたします。
まず、これだけ多岐にわたりまして包括的にまとめてくださいましてありがとうございます。関係府省庁間の連絡網、連絡会議が新しく開設されるということで、その連絡会議にも期待をしたいと思っております。
コメントとしては、2点です。1点目が、ページで言いますと5ページですとか78ページ以降などに、いろいろな達成目標を実現するための方策、特に、技術に関する部分も書いてくださっています。多岐にわたりますので、こうした技術が、その中でも目利きをしていくことが大事になると思います。この技術が実現していくとどれぐらいインパクトがあるかというような、そうした目利きの部分が大切になるかと思っています。これは、環境省さん及びほかの省庁さんでも恐らくされているかと思いますので、ぜひ連絡会議などを通じて技術の横通しというものも今後図っていっていただきたいと。
さらには、JCMのお話もありましたけれども、こうして日本で培った技術が二国間を通じて海外にも貢献できるような、そうしたスキームをぜひ加速させていただけるといいなと思っております。
2点目がGOSATですけれども、ご説明もありましたとおり、こうしてインベントリとの比較を行いながら、メッシュを細かくして、国単位ではなく、さらに細かな都市単位という形で排出量を測定していくという試み、とても大切だと思っております。
特に、モンゴルやほかの海外とも通じて、その計測が、きちんとインベントリと比較をしていくということが大事だと思っています。
今後、そうしたデータが、IPCCなどにおきましてきちんといわゆる認証データとして使われていくためには、どうした部分をより強化していかないといけないのか、その道筋で、今足りていないところがあれば、ぜひ教えていただきたいと思います。
以上です。よろしくお願いいたします。

大塚部会長
ありがとうございます。
では、田中加奈子委員、お願いします。

田中(加)委員
ありがとうございます。大変幅広く進めていただいて、本当に感謝を申し上げます。ありがとうございます。
ちょっと自分のあれで申しますと、技術やイノベーションについて、いつも興味があるのですが、そこの観点からお話ししたいんですけれども、最も本当に重要であると思っていますものの、目に見えないイノベーション頼みで進めているわけではなくて、安心して、本当に今回、聞いていました。もちろん、革新的エッセンスにつながるような基礎研究や応用研究というのは手を抜かずにやらなければいけないこととはいえ、ここでは、IPCCでも既に、先ほどご紹介いただきましたように、コストが安い技術でも十分やっていけるというようなこともありましたし、むしろR&Dが既に進んだ技術をイメージして、ちょっとお話ししたいと思います。
温暖化問題、減らすと言っていた頃と違って、脱炭素でもあるということから、本当に脱炭素を目指すのであれば、やっぱり実は、問題はすっきりしているんだろうと思っています。後続のといったら失礼なんですけど、TNFDですとか、ネイチャーポジティブ、そういったことに比べて、本当に問題は、実はすっきりしているのではないかなと。ただ、その解決のためのアクション、実施者によって難しさが多様化していて、いろいろ大変なんだと。そういうふうに、ちょっと戻って考えると、全体で言うと、再エネのリソースも、需給の時間と地域バランスをさておけば、さておいてはいけないんですけど、さておけば何とかできるというものであるとはいえ、やっぱりそのバランスをしっかりやるために電池や水素も登場してというような流れがありますし、元に戻れば、結局やっぱり、今回ご発表にもあって大変ありがたかったし、いかに再エネリソースを増やせるかということに、一つ原点回帰があるのかなと思っています。
既に汎用技術となっているような太陽光発電というのは、あとは普及を進めるだけと言ったら失礼なんですけど、本当に鍵なわけで、太陽光発電についても、今回のお話にもありましたように、真摯に取り組んでいただいているということは、本当に心からお願いしたいところです。熱利用から電化が可能なプロセスというのは、電化にできるものの、結局その電力が、脱炭素化が進んでいなければ意味がないわけで、医療の取組の立場から申し上げると、非化石証書など含めて、いかに安心して脱炭素電力を手に入れられる世の中になっているかということが、本当に経営に重要なファクターになり得ますし、それはつまり一つ、個々のところの経営がうまくいくかどうかって、結局は経済全体、つまり日本そのものの持続可能性にもつながることだと思っています。
企業目線ということを、ほかにもちょっと考えてみますと、減らすといっていたときは、効率化だけでやっていける部分も結構あるところも多かったと思うんですよね。でも今は、いつかはゼロにしなければいけない、そのために様々な経路が存在しているわけです。そうはいっても、これで行けというような、そういう理念を知らせましょうというような動きももちろんありますが、ただ、いろいろな経路があると。しかし、本当にゼロにするには、もちろん早いほうがいいですよ。IPCCのメッセージにもあります。早い取りかかりによって、チャンスも広がるし、それが一つ伝えることができるのがカーボンプライシングであって、まずは現状の流れで、今GXでやっていただいているのでよいのですけれども、これらが本当に実効性があって、信頼できるペースで進むことがどうかということが本当に重要だと思っています。
あとは、産構審の場でも言ったんですけど、Non-CO2とカーボンプライシングというのも、その文脈でクロスしてくださらないと、ちょっと進みにくい部分も出てくるのかなと思いますので、ぜひちょっと検討していただきたい。
本当に、先ほど申し上げたような、ESGの意義を突き詰めることで、企業とか経済全体が発展するということにつながる政策が本当に重要だと思っていて、カーボンニュートラルな社会にチャンスもあるんだと、つながってほしいわけなんですよね。企業の努力が、企業そのものの削減とか、その部門の削減とかに着目されがちなんですけれども、そうではなくて、企業が脱炭素に貢献する技術とかサービスというのを世の中に提供するということに、政策の立場から価値を出してあげなきゃいけないんじゃないかと思っています。例えば、自主的な経団連の取組では、評価項目として、そういった他部門貢献とか、そういったところが増えてきました。また、あるいは今、今回のカーボンプライシングというのは、まさに周りめぐって、そういったところに効いてくるわけなんですけれども、それだけではなくて検討してほしいと思っています。
例えば、欧州とかでは、そういった脱炭素に貢献できるような企業だよねといったところを域内で大事にしようというようなフレームワークもあるわけです。やっぱり日本の脱炭素技術、企業がいっぱい持っているような特許が生かし切れていなかったりというようなことがあるわけですが、2050年の、全世界の脱炭素の技術が全て汎用化されるような、それまでに、いかに世界的に先んじて動けるかといったところに、企業というか経済をつなげていっていただけるようなところが必要なのかな。政策としては、政策枠組とか、対象の部分で効率を高めるために取りこぼしが起きないように、ぜひお願いしたいと思います。
最後に、ちょっと過去何回か申し上げているので手短に申し上げますが、産業構造、本当にこうやって大転換、大幅転換しなければいけない。それにより、主要構造の変化も非常に想定される。そういった脱炭素社会への移行に伴っての人材育成、人材教育、リスキリング、リカレント教育ということについての対策も、引き続き、ぜひ、重要だと思いますので、お願いしたいと強調したいと思います。
脱炭素社会、産業経済構造大転換によって、本当に動いていくと思うんですけれども、そのために人が、それぞれの人が、社会が変わってもいいぞと思わないと変われないので、こういった観点は忘れずに取り組んでいただければと思います。
長くなりました。以上です。

大塚部会長
では、高村委員、お願いします。

高村委員
ありがとうございます。最初に川又さんのほうからG7の成果文書のご紹介がありましたけれども、もちろん重要な、いろいろな合意があるんですが、特に広島の合意文書について、かなりの部分を気候変動、エネルギーに割いていて、その中のいろいろな、合意できたところ、できなかったところ、あると思いますけれども、やっぱり1.5℃目標と整合的な政策というメッセージが非常に強く出ていると思います。
これは先ほど、井田委員ですとか、あるいはパスウェイの書き方については沖先生がおっしゃいましたけれども、1.5℃の、50年ゼロだけじゃない、1.5℃の場に至る、幅のあるパスウェイだと思いますけど、それとの整合性がある対策の進捗になっているかということを、やっぱり評価をしなければいけないのではないかというふうに思います。
その意味で、今回のフォローアップについて、随分、環境省さん、経産省さん合同で立ち上げていただいて、あるいは他省庁を呼ばれたり、そういった、先ほど関係府省庁の参加する連絡会議ができるというのは大変歓迎なんですけれども、そのときに全体の進捗を、1.5℃の目標達成のパスウェイをしっかり念頭に置いて評価をするという作業をしっかりしていただきたいというのが一つです。
それから、二つ目は、フォローアップとさらにその先という点でお願いをしたいと思っていることなんですけれども、このタイミング、とても重要だと思っていまして、30年まであと6、7年で、2025年にはNDCを出し直すタイミング、その前の段階で、エネルギー基本計画、温対計画の検討もするんだと思います。そういう意味で、今、先ほどフォローアップが重要と申し上げたのは、その短期の政策課題との関係でも非常に重要で、ぜひ、今も多分、内部ではやっていらっしゃるんだと思うんですけれども、打っている施策が、たくさん本当に施策を打っていただいているんだけど、施策の効果が出ているのかどうか、あるいは先ほどどなたかおっしゃったんですけど、出ているとしたら、さらに伸び代はどこにあるのか。あるいは、同時に、課題があると、本当は伸びなきゃいけないんだけど伸びていないところがどこなのか。フォローアップだけではなくて、重点課題と、その重点課題について、関係省庁で連携して政策を検討いただけないかというお願いです。
典型的なのは、もう既に今日も議論になっている、再生可能エネルギーが一つです。これは、再生可能エネルギー技術、伸びてはいますけれども、20年度から21年度で、伸び率は電源構成の0.4%です。明らかに、30年の電源構成との関係でいくと、どう伸ばすかという課題が明確なところだと思います。フロンについては、先ほどあったとおりですので申し上げませんけれども、今申し上げた住宅も、住宅建築物もそうだと思うんですが、フォローアップのさらにその先に、関係省庁間の政策の検討をお願いできないかという点が二つ目です。
最後、3点目ですけれども、今日、政府実行計画の状況についてお示しいただいて、若干ちょっとショックを受けたのは、LEDの導入率、それから、政府・自治体の電力調達が低いのは知っていたんですけれども、やっぱりなかなか伸びていない。これは2021年度実態なので、ひょっとしたら、さらに伸びる余地はあるかと思いますけれども、政府実行計画で、やはり国民に対して、社会に対して、カーボンニュートラルをどう実現するかと旗を振っている政府自身が、どういうふうな形で対策を進めているかという意味では、非常にシンボリックな意味があると思っていまして、ここについて、30年目標を設定していただいているので、30年目標との関係で、どういうふうに達成する見通しであり、どういうふうに追加的な対策を取られるのかということを、少し、幾つか書いてあったと思うんですけれども、これをどの議論の場で、どういうふうにされるのかというのを教えていただければと思います。
以上です。

大塚部会長
ここで一旦切って、事務局のほうからご回答をお願いしたいと思います。高村委員の最後のポイントは非常に重要だと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

総務課長
総務課長、ありがとうございます。地球局総務課長の小笠原です。
貴重なご意見をたくさんいただきましたので、それを踏まえて我々もやっていきたいと思っております。
その中で、ちょっと全部はお答えできないんですけども、幾つか私のほうからお答えするものと、それから担当課室もおりますので、幾つか答えてもらうかと思います。
有村委員から、日本の削減をもっとアピールしたらという、そういうところはしっかりやっていきたいと思います。
それから、GXについて、CP小委での議論が制度設計に反映されるようということなんですけど、CP小委でこれまで議論してきていただいて、その中で重要なポイントは、特に予見可能性を高めるであるとか、それから、最初は低く入れて、徐々に上げていくとか、そういった点については、CP小委で検討したものというのが、政府のGXの中にそのエッセンスは入っているものだというように我々は考えております。その上で、さらにGXを政府としてどう進めていくかということについては、経産省さんとよく協力していきたいというふうに考えております。
それから、井田委員のほうからエネルギーの転換というのを、電力については、再エネと、要は脱炭素電源を増やしていくということ、それから、熱の部分については、水素をどう活用していくか、それにCCUSをどう絡めていくかというのが基本かと思いますが、エネ庁さん、経産省さんと連携しながら、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
それから、沖委員のほうから、直線で引くと、今、要は、最初はやりやすいところから行くので、正確な実態の反映になっていないんじゃないかと、そのご指摘、そのとおりの面があるかと思います。この図自体は、便宜的に直線を引いているものでございますので、先に行くほど難しい面が出てくるというのは、おっしゃるとおりなんじゃないかと思います。
それから、炭素価格について重要じゃないかという、啓蒙だけじゃなくてという、炭素価格の点についてはGXの中でしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。
それから、田中委員のほうからも、CPの実効性があるかが重要というご意見をいただいております。
あと、Non-CO2については、後で担当室から補足をしてもらおうと思います。
それから、田中委員から、リカレント教育の重要性ということ、政府でも公正な移行の一環として、連合さんもすごく高い意識を持たれていますけれども、公正な移行も踏まえたリカレント教育の重要性というのは、厚労省との連携も含めて重要だというように考えております。
幾つか個別にいただいたもので、まず脱炭素室関係で、ブルーカーボンであるとか諸外国の進捗管理であるとか、脱炭素室、伊藤室長、お願いします。

脱炭素社会移行推進室長
脱炭素室、伊藤でございます。
まず、諸外国関連へのアピールの話、小笠原からありましたけれども、やはり目標だけではなくて、下田先生のほうからもありましたけれども、計画づくりですとかPDCAという部分も含めて、しっかりと実現可能な目標を立てて、それを実現していくということを、やっぱり世界に何らかアピールしていくのも大事かなというふうに考えております。ただ、50%の高みを忘れることなかれという井田先生のご指摘はごもっともだと思うので、そこも含めて考えてまいりたいと思います。
それから、ブルーカーボンのクレジットに、特に有村先生からお話がありました。国交省の港湾局が中心に進めているJブルークレジット自体もいろいろ多様化を検討していますし、我々も、そのインベントリですとかJクレの検討もあると思っております。そこは、実はその内々の関係省庁連絡会議というのを、関係省庁の会議ですけれども、そこの場でこういったクレジットづくりを、いろいろ検討を進めるということにしていますので、ぜひそこも、クレジットの多様化なども考えてまいりたいと、連携して考えてまいりたいと思っています。
それから、勢一先生からありましたOECMの制度的位置づけの検討の中で、やはりブルーカーボンにインセンティブの付与ということで、これはかなり大事なテーマでございまして、ちょっとこの瞬間、確論を持っていないんですけれども、大阪の阪南でやっているようなOECMの実証事例も、これはかなりブルーカーボンに特化した、藻場造成と環境教育という形も考えながらやっていますので、ちょっと我々、自然局とよく連携をして、そこもいろいろ考えてまいりたいと思っております。
最後に、高村先生からありました1.5℃目標に向けたパスの進捗確認であるとか、あるいは関係省庁による重点課題のポイントですとか、なかなか重たい宿題ではございますけれども、我々、下田先生にやっていただいているフォローアップ専門委も非常にいろいろなご議論をいただいていますので、その場も、いろいろな意見をいただきながら、進めてまいりたいと思っております。
以上です。

総務課長
それから、フロンについてもご意見を多数いただきましたので。

フロン対策室長
フロン対策室長の豊住でございます。ご意見いただきまして、ありがとうございます。
井田委員、それから西薗委員から、そして高村委員からもご意見をいただきました。
私どもとしましては、フロン対策について、下流対策、回収対策のみで解決できるというふうには考えておりません。やはり、上流対策も極めて重要でございまして、これにつきましては、経済産業省におきまして、オゾン層保護法、それからフロン排出抑制法に基づく施策を講じながら、国際約束であるキガリ改正の削減を十分下回る削減を実現をされているところでございまして、本日の資料のほうでもご紹介をしているところでございます。
上流対策の中で、やはり技術的な制約というのはまだあり、どうしてもHFCを使用せざるを得ないといったところがある中で、やはり中流対策というのは重要であります。既に世の中に、数千万台といわれる機器の中にある冷媒の対策は極めて重要であるというふうに考えておりますので、私どもとしましては、上流、中流、下流、いずれも重要な対策であるというふうに考えているところでございます。
なお、中流対策は平成25年の改正の中で盛り込まれたものでございますが、地球温暖化対策計画のフォローアップ専門委員会でもご説明申し上げているとおり、この中流対策の効果といったところが、インベントリの中にまだ反映できていないという状況でございます。こちらにつきましては、ご担当いただいております経済産業省さんのほうで検討を進めていただいておりまして、環境省としましても、しっかり連携しながら、施策の効果をしっかりと反映していけるようにしてまいりたいと考えているところでございます。
また、下流の対策でございますが、本日ご紹介をさせていただきましたとおり、社会のニーズを踏まえますと、回収、そして再生といったような流れが今後増えていくと。実際、再生量も増加の傾向を示してございます。
こういったことを踏まえて、現行の制度をしっかり運用し、その中で再生が進むということが、また、排出削減としっかりつながっていくような制度の在り方、こういったことをしっかり考えていく必要があると考えているところでございます。
フロン室からは以上でございます。

総務課長
山崎委員からいただいたGOSATのデータの関係です。

気候変動観測研究戦略室長
各国からの報告量と、観測量を一致させるため、そういったデータがIPCCできちんと使われるように、どういったことが必要かというご質問でした。
2点必要でして、一つ目は解像度をちゃんと増やしていくと。こちらは、地上解析部門も含めて、予算をしっかり確保していきたいと思います。
もう一点は、人為起源のものをしっかりと切り分けるということですね、自然由来と。それについては、地上観測での校正が必要になってまして、各国と連携して地上設備を置かせていただいたりとか、あと報告についても、人為のものがどこからどれだけ出てくるかという、より透明性を持った報告をきちんとしていただく必要がありますので、そういったことを政府としても働きかけていきたいと思っています。
以上です。

総務課長
それから、温対課関係で、ご質問を幾つかいただいていたと思います。

地球温暖化対策課長
地球温暖化対策課長の井上でございます。
沖先生だったと思いますが、政府実行計画の関係で、政府の取組、民間にとっても初期投資というのがなかなかかさんで投資が進まないという中で、政府実行計画を行う上での財政的な見通しみたいなものがあるかというお話だったと思いますが、正直、まだ見通しみたいなものは具体的にはない状況です。ただ、低炭素社会実行計画のフォローアップ専門委員会の場でも、実際、国も一緒の状況で、やはり予算が、限りがあるもので、何でもかんでもどんどん投資できるものではないので、同じようにやはり、例えばESCOとかをやっている施設とかが結構ありまして、例えばそういったものを各省庁で横展開するなり、あと、ホームページに載せて民間の方にもアピールするとか、今後、多分PPAみたいな話もあると思いますので、今、初期投資というところは共通の課題でございますので、そういったことの負担のかからないようなやり方、そういったものについても考えていかなければならないということで、議論がございました。
あともう一つは、政府実行計画において重要なのは、やはり、新しい技術を政府がまさに率先的に導入するという部分も、お金がないと言いながら、一方で大事でございますので、今後、先ほどありましたけども、例えば建材一体型の太陽光発電、ペロブスカイト含め、そういった新しい技術についても政府が積極的に導入できるように、これも、関係省庁連絡会議などを通じて、いろいろと相談していきたいと思っております。
あと、勢一先生のほうから、政府実行計画の話で、今後、各府省庁で太陽光発電の整備計画みたいなものを策定するというお話をさせていただいた際に、温対法の促進区域との関係というお話だったと思います。あくまでも、ここは、国が行う事務事業としての太陽光発電ということで、設置可能な政府保有の建築物、敷地も含みますが、50%以上に太陽光発電を設置するというのが政府実行計画の目標となっておりまして、これに対応する形で、どれだけ精緻なものをつくるか今後考えますが、来年度を目処に、各省庁で太陽光発電の整備計画、施設ごとの整備計画等がつくれないかということで、検討してまいりたいと思いますし、あと、地方公共団体につきましても、政府実行計画に準じた形で、各地方公共団体で事務事業としてやっていただく部分がありますので、そういった部分は率先的に行っていただきたいと思っております。
一方で、促進区域を含めた関係でいきますと、最近、再エネ施設というのは地域トラブル等もありまして、一部のものでは迷惑施設化というところもあります。これは環境省、経産省含め各省庁のほうで、今、共通で言っているのは、地域と共生した、地域に貢献する再生可能エネルギーということをうたっております。その中で、やはり地球温暖化対策推進計画促進区域というものは非常に重要なキーになると思っております。
ここではございませんが、今まさに、こういった地方公共団体実行計画、あと促進区域、太陽光発電を含めた再エネをさらに増やすべく、今、検討会ということで立ち上げ議論をしております。引き続き、そういったことを通じまして、さらにこの促進区域が広がるように、あと、政府、地方公共団体自らのこういった取組を進めますように、やっていきたいと思っております。
あと、高村先生のほうからLEDの導入というお話がありました。正直言うと、具体的にこれをどう進めていくかというプランは、これからまさに関係省庁の連絡会議を通じてやっていこうかと思っております。聞くところによると、普通の照明と比べて、コストは大分、差はなくなってきているんですけども、やはり限られた予算の中で優先順位とか、そういったような話があると聞いております。
いずれにしましても、今後、課長クラスの関係省庁連絡会議をつくりますので、そういった中で、各府省で実施計画もつくられておりますけども、より詳細な形で、どういう形で、特に、LEDにつきましては、100%に持っていくかということについては詰めていきたいというふうに思っております。
あと、最後でございますが、高村先生のほうから、関係府省庁の連携ということで、特に再エネのお話がありました。ご案内のとおり、今年の4月4日に、官邸のほうで再生可能エネルギー水素等関係閣僚会議というものがございまして、そこで、再生可能エネルギー導入拡大に向けた関係府省庁の連携アクションプランということで、各府省庁連携でどういった取組を今後やっていくということで盛り込まれているものがございます。そういったものを活用して、今後とも連携を強めてまいりたいと思いますし、先生もメンバーだったと思いますが、事業規律という観点で、5省庁、6省庁が連携して、過去にも再エネをどうやって増やしていくかということを検討しているように、再エネの連携というのはますます進んでいると思いますし、今後とも進めてまいらなければならないと思いますので、ご指摘を踏まえ、しっかりやっていきたいと思っております。
以上でございます。

総務課長
では、委員長にお戻しします。

大塚部会長
では、オンラインの先生方のほうに移りたいと思います。
では、江守委員、お願いします。

江守委員
ありがとうございます。僕からは、1.5℃の整合性という話、既に出ておりますけれども、その話をまずしたいと思います。
たしか、以前この部会で伺ったときに、日本のネット・ゼロ、2050年目標は1.5℃と整合しているというのが、今、日本政府の認識であるというふうに伺ったと思うんですけれども、僕自身は整合しているとは言えないというふうに認識をしています。
特に、今回IPCCの統合報告書が出まして、それを受けて国連のグテーレス事務総長が、先進国は2040年にできるだけ近くネット・ゼロを目指してほしいと。新興国は2050年にできるだけ近くということをおっしゃったわけですよね。
これは、発展途上国が2050年よりも遅れてネット・ゼロということを考えると、世界全体で2050年にネット・ゼロになるためには、先進国ではそれより早くというのは論理的な帰結であるというふうに思っています。
ですので僕は、1.5℃に整合しているとは言えないと認識しているんですけれども、これは、じゃあ、だからといって、もっと早く目標を立てるのは難しいとか、あるいは、ほかの国だって成功していないじゃないか、そんなこと言ったらとか、そういうのは全然別の話であります。論理的に考えたときに、1.5℃に整合しているとは言えないというのが僕の認識ですけれども、環境省の認識を改めて伺いたいというふうに思います。
それから、別のことを申し上げたいと思いますけれども、前回の会議を欠席しましたので書面で提出したんですけれども、GXに関することです。今回もGXの話のご説明がありましたので、若干繰り返しになって恐縮ですけれども、申し上げたいと思います。
一つは、GXの賦課金の導入が2028年からと、排出量の有料化、有償化が2033年からというスケジュールが非常に遅いのではないかと。これは、国会の議論でもそういう議論があったのではないかと思いますけれども、これが、ロジックとしては、エネルギーに関する国民負担が増えないように、FITの賦課金とか石油石炭税とかが下がっていくのに合わせたタイミングで上げていくということで、一見もっともらしいんですけれども、分配ということを考えていただくと、本当に困るのは低所得者だと思いますので、そちらの配慮というのをしていただければ、総額で、増えてはいけないということは必ずしもないのではないかなということを思っております。
それから、もう一つは、GXの基本方針等について、国民的な議論が全然なかったと。これは特に、原発の推進に関しては非常に世間でも問題視されていますけれども、僕自身は原発に関してだけこのことを申し上げるわけではありませんけれども、一般論として、このことはもっと国民的な議論をやらなければいけなかったのではないかと、今からでも遅くはないと思っています。
以上です。ありがとうございます。

大塚部会長
ありがとうございます。
では、小西委員、お願いします。

小西委員
ありがとうございます。若干重なるんですけれども、本当はこれだけ、民間JCMとか6条パートナーシップとか、この適用の拡充とか、GOSATとか、いろいろ質問させていただきたいことはあるんですが、時間の関係で今日は、今重要だと思う2点に絞らせていただきたいと思います。
まず、最初が15ページで、先ほどから井田委員、高村委員、そして江守委員もおっしゃっているんですけれども、これ、2030年に46%、小さく50%と書かれていますけれども、ぜひ、この赤いところに大きく、同じように50%の高みを目指して入れていただきたいなということと、それから、今回のIPCCの新報告書でも出されたみたいに、2035年の世界全体の目標値として、60%削減というのが出ております。日本もこれ、エネ基の見直しが来年の10月ですか、そうすると、それが2040年になるのか2035年になるのかは別にして、2035年のNDCというものは、日本も、もうこれ、9か月から12か月前に出すということになると、早ければ来年のCOP29では提出することになります。ですので、その検討の場というのは、少なくとも年明け早々からはスタートして、十分検討していく必要があるんじゃないかと思っております。それについて、今この2035年のNDC、どのように検討が計画されているかということをお聞きさせていただければと思っております。
そして、2点目が、今、江守委員もおっしゃっていたんですけれども、74ページのGXリーグです。やはり、この賦課金も、これ、今の定義で計算していくと、恐らくトン当たり1,000円になるかならないかといった、非常に低い金額になることが予測されるかなと思っております。そうすると、本来は、2030年に必要な削減量からいって、これぐらいの炭素プライスが必要、続いて、2035年の削減量からいってといったような、そういった観点も本当に必要だと思っております。これから関連法案なども、これからさらに提出されていくということなんですけれども、これに、やはり今どのように環境省が関わっていけるのか。先ほど有村委員もおっしゃったように、小委での議論が生かされるけれどもというところでいくと、今後、環境省側からはあまり直接的に関与できないように聞こえてしまったんですが、やっぱり今こそ本当に、Nature-based Solutionsの観点も含めて、環境省からの科学的に正しいことは正しいという声も非常に重要だと思っております。
これからやっぱり炭素国境調整措置とかも入ってきますので、日本の炭素プライスというものが国際的に見える化されることが非常に重要になってまいりますので、そういった炭素国境調整措置とか、そういったことに非常に詳しい方も検討委員に入っているべきだと思っておりますので、今後このGXリーグ、本当は、この関連法案というのは、温暖化対策の基本法として、その中の一環としていくことが一番理想的だとは思っているんですが、今後どのように、このGXの議論に環境省さんが絡んでいかれるのか、そのことについてもお聞きさせていただければと思います。
以上です。

大塚部会長
ありがとうございます。
では、小屋委員、お願いします。


小屋委員
東京ガスの小屋でございます。ご説明ありがとうございました。
今回のご報告をお聞きしまして、国内外の現状について理解が深まるとともに、改めて、この日本における2050年CO2ゼロという高い目標を達成するためには、やはり産業界一体となって取組を加速させていく必要があるということを改めて認識しております。その点で、中小企業の状況を1点お伝えして、ご意見申し上げたいと思います。
中小企業における温室効果ガスの排出、これは日本全体の一、二割弱を占めると想定されています。よって、カーボンニュートラルの実現には、この中小企業の排出削減も重要でありますし、十分貢献できるものと思っております。
しかし、なかなか現状は、物価、それから原料価格の高騰と人手不足、それから足元に喫緊の経営課題が山積する中で、なかなかアクションが取れない中小企業が少なくありません。日商が昨年8月に全国に調査した結果におきましては、排出削減に向けて、特に取組を行っていないと答えたのが約半数、また、取り組み始めなければならないと考えているが、何から始めたらいいか分からない、これが2割強という結果でございました。こうした状況の中で、中小企業の取組を後押しするためにも、既に様々な施策を講じていただいておりますが、さらに、今までの好事例の紹介など、フィードバックいただきたいというふうに思っております。引き続き、強力な支援をお願いしたいと思います。
以上でございます。

大塚部会長
ありがとうございます。好事例の紹介、本当に重要だと思います。
では、亀山委員、お願いします。

亀山委員
丁寧なご説明ありがとうございます。1点だけ発言させていただきます。
今日の資料の84ページから86ページに相当する国民運動関連への発言になります。特に、85枚目のスライドを前提にお話ししたいと思います。
今日の資料の冒頭にもありましたように、IPCC等でもやっぱり気候変動の現状が本当に待ったなしの状況にあるということが、科学的には共通理解となっているわけですけども、残念ながら今日の資料の84、85、86の3枚のスライドを拝見して、そういった気候変動の危機感というものが、このスライドからはほとんど感じられないということをどういうふうに考えたらいいのかなというところで悩みました。
環境省様も非常にご苦労されていて、恐らくですが、従来の普及啓発型、地球温暖化は大切な問題です、だからやりましょうというやり方では、あまり効果が上がらなかったということで、右のほうに転換するというようなお考えなんだろうというふうに思います。しかし、やはり過去と今とは、気候変動に対する、特に民間企業様の理解度って非常に変わってきておりまして、むしろ企業のほうが積極的に動く時代になってきているように感じられます。つまり、右の図の中で、企業さんが動いていったときに、やはり消費者である国民側がきちんとニーズを示せるような国民になっていなきゃいけないということなんだと感じます。
そのためにも、消費者の方には、賢い消費者になるためにも、選択肢を提示するのみならず、やはり従来の普及啓発型に近いかもしれませんけども、やっぱり、何でこういう消費パターンに変わっていく必要があるのかということを、皆様きちんとご理解いただけるような国民運動にしていただきたいというふうに思っております。
世の中には、若い人を中心に、やっぱり環境に何かいいことをしたい、だけど何をしていいかが分からないと思っていらっしゃる方もたくさんいらして、そういう方々の、環境にいいことをしたいというお気持ちをきちんとくみ取るようなタイプの情報発信の仕方をしていただけるとありがたいと思っております。
以上です。よろしくお願いいたします。

大塚部会長
大変重要なご指摘をありがとうございました。
では、船越委員、お願いします。

船越委員
日本製鉄の船越です。どうもご説明ありがとうございます。私、2点だけ発言させてください。
1点目は、何人かの方もおっしゃっていましたけれども、やはりカーボンニュートラルの実現には、カーボンニュートラルという環境価値の実現には非常にコストが伴うと。国民レベルのコストが伴うということについて、やっぱり認識を深めるべきだと思います。
先ほど、これまでの削減は非常に、諸外国と比べても順調に進んでいるという紹介もありました。我々鉄鋼業も、率先して日本国全体の削減の率を上回る削減に取り組んでいるわけですけれども、2050年ネット・ゼロに向けては、これからが本番になってきます。すなわち、鉄の話で恐縮ですけども、新たな水素関係のプロセス等を実装化していくという中で言えば、それの実装に伴う、あるいは水素の値段がどうなるかによりますけども、今までよりもコストがかかるということになってまいります。
したがって、カーボンニュートラルを実現するには非常にコストが、要するに、ただではないという認識は非常に大事なんだろうと。これは何も鉄に限ったことではなくて、電力においても、今の電力、発電コストを見るに、やっぱり自然エネルギーは高いエネルギーになっています。石炭がなぜ使われているのかというのは、これは要するに安いからということに尽きるわけですので、あえて高いものを使っていくということがwell-being、要するに環境価値だということを、これはしっかり、やっぱり国民レベルでのコンセンサスというか、そういうやや耳に痛い話もしっかり伝えていくというようなことが大事なんだろうと思います。
2点目、そういう中で、一つの切り札は、やっぱり原子力だというふうに私は思います。もちろん、安全確保を大前提とした、あるいは地域の理解が大前提としたというのはもちろん当たり前ですけども、安価で安定的なカーボンフリー電力かつ輸入に頼らない自前のエネルギーという意味では、やはりこのグリーンを、あるいはカーボンニュートラルを実現するときのコスト負担を軽減していく。ひいては、それが産業の国際競争力につながるという観点からも、この既設の原子力発電所の円滑な再稼働をはじめとした原子力の最低限の活用は、ぜひ進めていくべきというふうに思ってございます。
以上です。

大塚部会長
ありがとうございます。
では、山戸委員、お願いします。

山戸委員
ありがとうございます。気候変動対策の最新の動向に関しまして、多岐にわたるご説明をいただき、ありがとうございました。
IPCCの報告書に、この10年間の対策が数千年先まで影響を持つとありますように、世界各国が危機感を持って中長期的な観点から気候変動対策を講じる必要があるかと思ってございます。
翻って、日本の状況ですが、資料1の8項にございますように、2030年度46%減、2050年カーボンニュートラルに向け着実に進展しているように見えますが、気を抜くわけにはいきません。政府のフォローアップ調査結果同様、経団連カーボンニュートラル行動計画フォローアップ調査におきましても、コロナ禍からの経済回復により、21年度にはCO2排出量が増加しております。22年度、そしてコロナが5類に移行した2023年度は、経済活動の活発化に伴いCO2排出量の増加が懸念されることから、継続的な削減努力が求められます。経済界としても、引き続き最大限の削減努力を行っていく所存でございます。
経団連は、カーボンニュートラル行動計画の推進に加え、グリーントランスフォーメーション、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブに一体的に取り組む環境統合型経営を推進しています。この考え方は、G7札幌大臣会合で共有されたネット・ゼロ、循環経済、ネイチャーポジティブ経済の統合的な実現と軌を一にするものでございます。資源効率性、循環経済の分野では、CEREPが選択されたことに加え、廃棄物分野の脱炭素化の強化が盛り込まれました。循環経済への移行は新たな重要課題ですが、資源循環と脱炭素化はトレードオフとなる局面も想定されています。施策の検討に際しましては、社会全体での資源効率性と温室効果ガス削減効果のバランスに留意し、最適解を探していく必要があると思っております。
経団連は、引き続きカーボンニュートラル、それから循環経済の実現に主体的に取り組んでまいりますので、皆様方のご支援をお願いしたいと思ってございます。
以上でございます。ありがとうございました。

大塚部会長
どうも力強いお言葉をありがとうございます。
では、吉高委員、お願いします。

吉高委員
どうもありがとうございます。ご説明ありがとうございました。
今回のフォローアップで省庁間の連携ができるということと、あと、先ほど再生可能エネルギーに関しても連携アクションプランができるということをおっしゃっていました。私、いろいろな省庁の委員をさせていただいておりますが、皆さん連携ができる、できるとおっしゃっていて、一体どこでどんな連携ができているか、私自身はよく分からなくなっている状態でございます。一度その連携を整理した形でお示ししていただくと大変ありがたく思っております。
金融庁のサステナブルファイナンス有識者会議でも、今回、金融機関の脱炭素に関する取組の取りまとめもいたしますし、農水省の基本法の見直しの中でも気候変動が入ってまいりました。皆さん連携とおっしゃるんですけれども、例えば、脱炭素先行地域の採択されたところをフォローアップしておりますと、省庁をまたがった様々なハードルを自治体が超えようとされています。環境省の事務局の方に連携してくださいと言われるけれども、どこにどう持っていっていけばいいのかというのが、自治体側も迷うところがあるようです。
例えば今、脱炭素先行地域の事業で遅れがちな原因なのがLEDとそれから太陽光の資材不足、半導体不足などです。今年、補助金が出たとしても、本事業以外の事業にも関係あると思うんですけれども、そんな簡単に、この資材不足というのはすぐには解決できない。調達できなければどんどん工程の進捗が遅れてしまうので、それに対してどのように対応をお考えになっているかということをお聞きしたいと思っております。
それから、JCMに関してですが、JCMの6条のパートナーシップ、大変私も期待しております。様々なところでカーボンクレジットのご相談を受けることが大変増えてきています。例えばこんな問い合わせがありました。環境省のどこかに民間JCMのことを相談に行ったら、それはまだあまり進められないという回答があり、私のほうに来られました。経産省かもしれないと私のほうでご案内したということがありました。民間が途上国でプロジェクトを考え始めているところもあるので、こちらも、できましたら、ある程度ワンストップで対応してもらえる窓口を整理していっていただくことも必要なのかなと思っております。
最後に、GXに関しまして、非常にいろいろなご意見も今ございましたけれども、ファイナンスの部分も言えることがございまして、GX移行債でどのようにしていくかとか、GXについて海外からの視点に対して、我が国のGXの推進が本当に、世界的な足並みとそろっているのかとか、それからファイナンスもきちんとできているのかというのを、モニタリングするような機関があってもいいのかなというふうには思っています。
先ほど、どなたか委員がおっしゃっていましたけども、海外では、英国のように行政から独立したクライメートのコミッティがあったりします。政府全体で進めていくのは本当に大変すばらしいことだと思うんですけど、それを一方第三者的に監査し、対話ができるような機関というのがあるほうがいいのかと思いますが、今後設立する予定があるのか、それとも今、既存のあるところがそういった役目になるのか、そこら辺を、もしよろしければ教えていただきたいと思います。
以上でございます。

大塚部会長
ありがとうございます。以上で、オンラインの委員のご意見が終わられたと思います。
私からも一言だけ、ちょっと申し上げさせていただきたいと思いますが、3点ございまして、井田委員と亀山委員がおっしゃった話とちょっと近いんですけども、ESGと、さらにこれから人権・環境デューデリジェンスなんかも出てくると思いますけども、産業界はここ10年で大きく変わられて、温暖化対策を非常に進める方向に動いていただいていると思いますが、残念ながら国民の意識のほうはあまり変わっていない状況があるので、先ほど来、国民運動に関して割と厳しいご指摘があるのはそういうことなんだろうと思います。これは環境省だけでできることかどうか、ちょっとよく分からないところもあるかなと思いますけれども、国民が温暖化対策とか温暖化問題を自分ごととして考えている人が非常に少ないという問題があると思いますので、それをどう変えていくかということを真剣に考えないと、ここは、知らない間に、行政に対して物すごく期待しちゃっているというか、依存しちゃっているようなところが多分あるので、割と、面倒くさいとか、大変なこととか、とてもそんなことまでやっていられないよというような意識がちょっと国民のほうにもかなり出てきているような気がしていて、そういうことはみんな行政に任せ切りにしようとしているところが出てきているような気はしますので、そこを根本的に変えないと駄目かなと。自分ごとだというふうに認識してもらうように変えないと、そんな簡単なことではないと思うんですけれども、ある種の制度化も必要かなと私は思っていますが、ちょっとそこは、そんなに簡単では多分ないと思います。
後からこう、ESGのようにインパクトがあって産業界が変わられたように、あるときから風向きが変わる可能性はもちろんあると思っていますけれども、むしろ、京都議定書ができたときよりも、今のほうが、国民意識が低いぐらいじゃないかと私は印象的には思っていますけれども、自分ごととして考える必要があるので、そのためのきっかけをつくらないといけないのではないかということを、第1点として申し上げておきたいと思います。
それから、第2点ですけど、高村委員が特におっしゃった話と関係しますし、今、吉高委員がおっしゃったこととも関係しますけど、フォローアップとの関係での、さらにその先に省庁間の連携を進めていくというのは極めて重要だと思っていまして、実は下田先生が委員長を務めておられるフォローアップの委員会で、ある委員の方から、目標に関しては、コストベネフィットとかコストエフェクティブネスについてきっちり検討していないから、それほど重要ではないというようなご指摘があり、私も反論させていただきましたが、そういうことを言っているようではフォローアップはできませんので、もし本当にそういうことであれば、目標を変えるぐらいにしなくちゃいけないということが出てくるので、まさにフォローアップした上で、今後どうしていくかについて、さらに関係省庁で連携して考えていくというのは極めて重要だと思いますし、吉高委員がおっしゃったように、政府のほうで連携されていることに関して、国民のほうには必ずしもよく分からないような状況がありますので、先ほどご指摘いただいた関係省庁の連絡の会議のようなものについても、国民会議とかに関しても含めて、この中環審のほうでもお示しいただけると大変ありがたいというのが第2点でございます。
それから、第3点ですけれども、フロンに関しては、今との関係でもう一つ申し上げておくと、すみません、環境省がそれに関してどのくらいこの関係省庁に対して物が言えるかという問題が実は結構あって、これもなかなか大変だと思っているんですけども、GX推進法との関係では、先ほど吉高委員がおっしゃったように、モニタリングの機関が必要だということだと思いますし、実は、本当は環境省にそれをやっていただきたいところでありますが、どのぐらいやっていただけるか、ちょっと分からない、難しいところもあると思いますけども、私は環境基本計画のところで、省庁に対していろいろ権限を発動して何か指摘したりする場面はあると思いますので、ぜひそれを活用していただけると大変ありがたいと、すみません、高村先生にお願いしているようで申し訳ないんですけども、等々、思っております。
それでは、第3点ですけども、フロンのお話は、まさにさっき豊住さんのほうからお答えいただいたような話で、あと西薗先生からもお話がありましたが、再生に今後重点を置いていくということで、先行していくようなこともお考えだと思います。大変私もそれには賛成ですけども、これは、ちょっとタイミングを考えなくちゃいけないところがあって、今、例えば、冷媒に関して空調とかはCFCを使わざるを得ないということだとすれば、再生は非常に重要になってくると思いますけれども、どこかの段階で低GWPのものに変えていくことがより重要になったときに、タイミングよくその補助をやめるとかというようなことも多分しなくちゃいけなくなると思うので、そのタイミングは結構大事だし、ただあまり急にやると、いろいろ行政に対する信頼みたいな話も出てくると思うので、そこのタイミングは結構重要なポイントだと思いますので、それは今からお気をつけいただけるとありがたいということを申し上げておきたいと思います。
一応、私からは以上でございます。
では、事務局のほうから、ご回答をお願いします。

総務課長
貴重なご意見を多数ありがとうございます。
ここで、途中退室された委員からもご意見をいただいているので、ちょっと読み上げさせていただきます。荻本委員と西尾委員からいただいています。
萩本委員です。できれば発言したかった内容は、いかにして問題・課題を共有できるかということだと考えます。少し前の部会でも発言させていただきましたが、長期かつ広範囲な取組を様々なステークホルダーがそれぞれの役割を果たしていくという、極めて難しい取組が必要なのが地球環境問題の特徴と思います。
多くのメンバーが創造的に議論する場と、多岐にわたる指摘の点を能率よく整理して共有するという、何らか進め方の大きな工夫が必要ではないでしょうか。
日本の再エネ導入は、高過ぎる買取価格、遠隔制御など必要な機能を求めず、また導入エリアを積極的に誘導できなかったことで、大きな金銭的負担、スケジュールの遅れなどに直面しています。地方自治体との取組分野は本部会の範囲外のようですが、それ自体が様々な取組の分断にもつながるような気がします。まだ時間があるかもしれません。取組の工夫をぜひ実現できるよう、事務局でも検討いただければと思います。
以上です。
それから、西尾委員ですが、カーボンニュートラルの実現に向けて、市民やライフスタイル変革も含めて多面的な対策を検討、推進している点は評価いたします。関連するステークホルダー向けに様々な施策が検討され、導入されていますが、ぜひとも、その効果を、コストパフォーマンスの観点と、社会的インパクト(これをどう定義するか、どう計測するかも含めて)の観点から適切に評価し、次の施策につなげてほしいと考えます。
各施策の評価についてどのように検討されているかについて、本日は説明がありませんでした。その実行方法や計画も含めて、次の機会にでもお示しください。どうぞよろしくお願いいたします。
という、両委員からのご意見を紹介させていただきました。
その上で、いただきましたご意見について、まず私のほうからお答えするものとして、江守委員からは、非常に重要なご指摘をいただきました。我が国の目標と1.5℃との関係、グテーレス事務総長が、先進国は2040年カーボンニュートラルを目指すべきではないかということをおっしゃったというのは、そのとおりでございます。
我が国の目標については、様々なご意見があろうかと思います。お示しした資料において1.5℃の経路の中に入っているというのも、これも事実でございますし、いや、もっと強化すべきであると、ただ、46ないし50の高みに向けて努力するというのが我が国の目標でございますが、その点については様々なご意見があることかと思います。
同時に、我々として目標、カーボンニュートラルの対策というのが、本当に現実の世界をどう変えていくかという、今すごく難しい問題に直面して、それぞれのところでそれぞれの方がいろいろな取組を苦しみながら進めておられるわけです。我々としては、現実にどういう対策をどのように前進させていくかということに注力をしつつ、並行して、もちろん目標をどうするかということも検討をしていくわけでございますが、政府としては、今の目標というのは1.5℃と整合しているという前提の下で考えているところでございます。
それから、GX実行会議の議論についても、もっと国民の意見を聞くべきではないか。これについてもいろいろなご意見があることは、たくさんいただいておりますので承知をしております。様々な関係者の中を、十分な調整もできないままやるんじゃないかと、そういうご指摘も多数いただいておりますが、GX実行会議の場で議論しつつ、政府として決定したというふうに考えております。
それから。

大塚部会長
小笠原さん、ちょっと時間が。今日、すみません、委員の先生方も含めて、若干延長してもいいのでしょうか。それとも。

総務課長
少しよろしいですか。コンパクトにまとめますので。

大塚部会長
はい、申し訳ありません。

総務課長
ちょっとだけ、すみません。
それから、賦課金について、必要な削減量との関係を考えるということが必要ではないかという、そういったご意見を環境審議会からいただきました。賦課金についても、どのように進めるかということについては経済産業省さんとよく相談してまいりたいというふうに思います。
それから、亀山委員から、国民運動との関係で、気候変動の危機感が国民に伝わっていないんじゃないかというご指摘をいただきました。この点、環境省として、気候変動、まず、ベースとしての気候変動で何が起こるかということを国民にちゃんと伝え切れているかと、そういう意識は我々も持っておりまして、7月から気候変動適応室に、気候変動科学室という、そういう名前を冠して、気候変動の科学というのを国民に発信をしつつ、国民運動とも連携をしながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。それから、吉高委員から、温暖化ガスのオーディットというか、大塚座長からもいただきました。政府全体として、温対本部というものの中で全体をフォローアップしながらということで、もちろん環境省としても、そういうのをどう進めていくかという、ちゃんとできているのかという叱咤激励をいただきながら、温対法等を現実的に進めていくために取り組んでまいりたいというふうに思います。
あと、個別の、小西委員から2035年のNDCをどうしていくのかという辺りを、脱炭素室関係では、お願いします。

脱炭素社会移行推進室長
脱炭素室の伊藤です。
NDC関連ですけれども、現行NDCが2021年ですので、やはり、お話がありましたけれども、温対計画、それからエネルギー基本計画というものと併せて検討をしていくということになろうかなと思います。3年ごとの見直しのタイミングが2024年に迎えるということなので、現状では確固たるスケジュールとか、どういうふうにやるかというのはこれからですけれども、経産省、エネ庁ともよく連携しながら進めてまいりたいと思っております。

総務課長
それから、吉高委員から、民間JCMの関係で。

国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官
私のほうから回答させていただきます。
民間JCM、今年の3月にガイダンスを取りまとめていただいたところです。それに先立って、提言については、吉高委員にも入っていただいた検討会のほうでまとめていただいたものでございます。どこに持っていっていいかというところで、ワンストップでというお話でございましたけれども、JCM自体、どちらかというとワンストップという、外務省、経産省、それから環境省のトロイカでやっているところがございます。その中でしっかりと情報共有しながら、連携省庁が対応しているというところでございます。おっしゃったような事案内容にということで取り組んでいるところでございますけれども、そこはしっかりと、さらに連携を深めていきたいと思います。
以上でございます。

総務課長
それから、中小企業の取組の好事例のフィードバックというのは、井上課長。

地球温暖化対策課長
地球温暖化対策課の井上でございます。
小屋委員からお話がありましたように、中小企業の地球温暖化対策というのは非常に重要な課題でございます。特に最近では、大企業を中心にサプライチェーン全体での削減ということになりますので、中小企業も否応なしに温暖化対策ということで進めなければならないと思っております。日本商工会議所さんのほうで、知る・測る・減らすということで取組をされておりますが、我々もそれに寄り添いながら、ソフト・ハード両面についてやるとともに、あと中小企業の脱炭素経営などの好事例などもホームページに公開しておるところでございますので、そういったもののさらなる普及、そういったものにも努めてまいりたいと思います。
以上です。

総務課長
また、吉高委員から、PVとかの資材不足についてですけども、関係する情報がありましたら。

地球温暖化対策事業室長
地球温暖化対策事業室です。
我々、いろいろ補助事業をやっていく中で、資材不足であるとか、あとはコロナがあった際、コロナによる影響とか、いろいろな事情がある中で事業を進めてございます。全てを事業期間内に終わらないと駄目だというふうにすると、やはり現実世界ではいろいろな悩みを抱えながら取り組んでいらっしゃると思いますので、その点はよく状況をお聞きしながら、事業が進んでいくようにということで、個別にお話も伺いながら対応していきたいと思います。これからも、補助事業、短期間で終わるものもあれば、1年、複数年かかるものもあります。その点は、よくその事業の特性も踏まえて、できるだけそういう調達が難しいということも踏まえつつ、できるだけ円滑に、ある程度時間を、長過ぎる時間はかけられないですけども、時間をかけた上で皆さんが実施いただけるよう、事業内容、特性を踏まえつつ、支援のほうをしていきたいと思います。
ありがとうございます。

総務課長
最後に、大塚委員からの、フロンの補助金の件について。

フロン対策室長
フロン対策について、大塚先生からご意見をいただきました。今後、やはり社会のニーズということで、再生についてしっかり考えていかなければいけないというところではございますけれども、こちらの資料のほうでもお示しさせていただいたとおり、やはりノンフロン化、そして、それから低GWP化、こういった技術開発の動向、これをしっかりと踏まえた上で、あくまでその橋渡しとしての役割というところに留意をしながら検討をしていく必要があると考えておりますので、今後、フロン類等対策等小委員会のほうでもご意見をいただければと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

総務課長
以上になります。

大塚部会長
ありがとうございました。私の司会の不手際で、もう既に5時を迎えてしまっており誠に申し訳ありませんが、もう一つ議題がございます。恐れ入ります。
ただいまの議題に関して、さらにご質問、ご意見がある場合は、後日メールで事務局にご連絡をいただきますようお願いいたします。
議題(2)その他に入ります。事務局から、小委員会・専門委員会の設置案について説明をお願いいたします。

気候変動適応室長
それでは、資料2を簡潔にご紹介させていただきます。気候変動適応室長の塚田でございます。
現行、地球環境部会の下に気候変動影響評価等小委員会という小委員会がございますが、これを廃止、改組いたしまして、新たに気候変動影響評価・適応小委員会というものを置きたいというふうに考えてございます。
現行の小委員会は、気候変動影響評価、現在では適応法でも5年ごとに環境省が実施することが位置づけられておりまして、その環境の専門的見地からの審議をお願いしてきた経緯がございます。他方、気候変動適応法が2018年にできまして、今年の12月に施行5年を迎えることになります。現在、法律に基づきまして、政府における対応、それから地域における取組支援、国立環境研究所における情報基盤、あるいは地域支援の取組、また国際協力、様々な取組が進められておりまして、今回、法の施行5年を迎えるに当たりまして、法の施行状況などについて確認、助言をいただけるような体制整備が必要となっております。その観点からの改組ということでございまして、ただし、その小委員会のメンバーは、適応・影響評価に関する有識者だけでなく、法律の有識者、地方公共団体、民間企業、国際協力、様々な幅広い関係者による構成としたいと思っておりますし、ジェンダーバランスに配慮するということで、女性4割以上を確保したいというふうに考えているということでございます。このように見直しを行いたいと思っておりまして、ご審議のほどよろしくお願いします。
私からは以上です。

地球温暖化対策課長
続きまして、資料3でございます。
カーボンニュートラル行動計画フォローアップ専門委員会の設置についてというものでございます。趣旨としましては、例えば日本経済学会連合会におきましては、2021年11月に経団連低炭素社会実行計画を経団連カーボンニュートラル行動計画に改めて、各業種においても、新たに2050年カーボンニュートラル実現に向けたビジョン策定が進んでいるところでございます。傘下じゃないほかの団体についても同様に、2050年カーボンニュートラルという前提で取組が進められておるところでございます。
こうした動きに合わせまして、資料3の中の1ポツのところでございますが、これまでございました中環審の低炭素社会実行計画のフォローアップ専門委員会の名称につきまして、カーボンニュートラル行動計画フォローアップ専門委員会ということに変更するというものでございます。
2番目にありますとおり、内容自体はカーボンニュートラル行動計画に参加している各業種についてのフォローアップ、あと、先ほど来ございました政府実行計画の実施状況についてもフォローアップというところで、内容は変わりません。名称の変更ということで、ご審議をお願いしたいと思います。
以上でございます。

大塚部会長
それでは、ただいまのご説明につきまして、ご質問、ご意見がございましたら挙手をお願いします。あるいは、手挙げ機能を使っていただければと思います。
よろしいですか。
特にご質問、ご意見はございませんようですが、ただいま事務局からご説明がございました小委員会・専門委員会の設置につきまして、地球環境部会として決定するということで、よろしいでしょうか。

(「異議なし」との声あり)

大塚部会長
異議はないようですので、そのとおり決定したいと思います。
そのほか、事務局から何かございますでしょうか。

総務課長
ありがとうございました。最後に、本日の議論を踏まえて、地球環境局長の松澤より一言発言させていただきます。

地球環境局長
地球環境局長の松澤でございます。
本日は、お忙しい委員の皆様、少し時間がオーバーしまして申し訳ありませんでした。国民運動の在り方、あるいはいろんな政策のフォローアップの仕方、各省庁ワンストップでの対応、それからGXのモニタリング、そして1.5℃目標との整合性といった幅広いご指摘をいただきました。大変大事なご指摘をいただいたと思います。
私どもも、国際的には、1.5℃目標に整合しているかどうか、これが極めて大事だと思いますので、そこのよりどころというのは、もちろんグテーレスさんの政治的な発言というのも実際これから意味を持ってくると思いますけれども、基本的にはやっぱりIPCCがよりどころだと私どもは思っていますので、それを基本に、GHGネット・ゼロ2050年、これが日本の目標になっています。そして、その中間目標という、こういった目標に加えまして、実際にCO2と、それから非CO2の両方で、非CO2のGHGの両方で、本当に減っているかどうかということが大事なんだと思いますので、それを減らしていくということが、日本にとって重要だと思います。GXは、減らすという部分と成長を両立させようという取組だと思います。そこでカーボンプライシングを使って、先行して取り組んだ人には応援があって得であると、そういうインセンティブを働かせて、後れを取った人は後からプライシングという、こういったデメリットが出てきますと。それをあらかじめ明確に示して、日本の企業の皆さん、それから社会全体の取組を進めていこうという、そういうことだと思います。私ども、これは非常に、もう時間がないので、最終的な、最後に近いチャンスだろうと思いますので、実際に、これがしっかり減るように、GX実行会議を中心とした、ここで当然、進捗評価もしていくことになると思いますので、進捗評価、そして必要があれば政策を見直して強化していくと、こういうことも行われていくと思いますので、それを政府の一員として、経済産業省、財務省、外務省などと、関係省庁とともにしっかり進めていきたいというふうに思っております。
今後も引き続き、中環審のメンバーの皆さんには、辛口なご意見を私どもに賜って、我々も、それを糧にしっかり取り組んでまいりたいと思います。
どうもありがとうございました。

大塚部会長
ありがとうございます。以上で本日の議事は全て終了いたしました。円滑な進行にご協力いただきまして、誠にありがとうございました。私の不手際で少し延長しまして申し訳ありません。
それでは、事務局にお返しいたします。

総務課長
大塚部会長、ありがとうございます。
委員の皆様におかれましては、大変活発なご議論を賜り、厚く御礼申し上げます。
本日の議事録につきましては、事務局で作成の上、委員の皆様に確認いただきました後に、ホームページに掲載をさせていただきます。
次回日程は、決まり次第ご連絡を差し上げます。
それでは、以上で地球環境部会を閉会とさせていただきます。
誠にありがとうございました。
午後 5時12分 閉会