中央環境審議会 環境保健部会  石綿健康被害救済小委員会(第6回)議事録


議事録

午後4時00分 開会

○柳田補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第6回中央環境審議会環境保健部会石綿健康被害救済小委員会を開催いたします。
 本日は、小委員会の委員11名のうち、8名のご出席をいただいておりますので、定足数を満たしております。なお、本日、清水委員が出席予定ですけれども、遅れるとの連絡をいただいております。
 本日は、議題(1)といたしまして「石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方について」、議題(2)といたしまして「今後の石綿健康被害救済制度の在り方について」を予定しておりますが、議題(2)からは、新たな委員といたしまして、兵庫県の健康福祉部の太田医監、また、日本経済団体連合会の椋田常務理事に本小委員会の委員としてのご参画をいただくということで、委員長の同意を得ております。
 紹介させていただきます。椋田常務理事でございます。
 なお、兵庫県、太田医監は本日、ご欠席との連絡をいただいております。
 それでは、次に本日の資料の確認をしたいと思います。資料1といたしまして、中央環境審議会環境保健部会石綿健康被害救済小委員会の名簿でございます。資料2といたしまして、石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方について(案)でございます。資料3といたしまして、パブリックコメントの意見の概要と対応方針について(案)でございます。資料4といたしまして、石綿健康被害救済制度の見直しに係る検討スケジュール(案)でございます。資料5といたしまして、石綿健康被害救済制度に関する資料集ということで、委員の方々には、この青いファイルで資料集というのをお配りさせていただいております。あとは、参考資料1といたしまして、石綿健康被害救済制度の在り方についての諮問と付議でございます。最後、参考資料の2といたしまして、中央環境審議会環境保健部会の小委員会、専門委員会の設置についてでございます。
 不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
 それでは、ここからの議事進行は浅野委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 なお、カメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○浅野委員長 それでは、本日もちょっと遅い時間からでございますが、小委員会にお集まりいただきまして、ありがとうございました。熱心にこれまでご議論をいただいたきましたが、まずは、指定疾病の取り扱いについて、緊急に政令改正で対応できることについては対応しようということで、これまで議論を進めてまいりました。前回の3月5日の第5回の小委員会でパブリックコメントに付する案についてお諮りして、ご議論いただき、その結果に基づいてパブリックコメントをいたしました。これにつきましては後で説明がございますけれども、13件のご意見をいただきました。本日は、それらのお寄せいただいたご意見についての考え方を検討した上で、最終的に中間答申という形にはなろうかと思いますが、諮問事項の1についての、すなわちアスベストの被害救済制度における指定疾病の考え方、これを従来よりも広げるということに関して、政令対応ができることについてはどうすればいいかということでの答申をまとめたいと考えております。
 それから、さらに、たびたびお約束をしておりますけれども、抜本的な制度そのものの見直しをしなければならない時期に来ておりますので、その点につきましては大臣からの諮問事項の二つ目、「今後の石綿健康被害救済制度の在り方について」ということで引き続き議論をすることになっておりますので、新たな委員にもご参加いただきまして、本日からこの点についても議論を始めていきたいと思っております。
 きょうは、第2のテーマにつきましては、今後の議論のスケジュールのようなものをあらあらでしょうか、事務局から示していただきまして、それに基づいてフリーディスカッションということで議論をいただくということにしたいと思います。
 それでは、まず、第1の点でございますが、パブリックコメントで寄せられましたご意見、合計13件のご意見をいただいておりますけれども、この意見と、その意見に対する考え方ということで整理をいたしましたので、これについての説明をお願いいたします。

○泉室長 それでは、事務局からご説明させていただきます。座ったままで失礼いたします。
 資料2の方がパブリックコメントに付しました答申の案でございます。パブリックコメントに寄せられた13件の意見をこの答申案の章立てに沿ってまとめ、さらに、それに対する考え方の案を加えたものが資料の3でございます。資料2と3をあわせてごらんいただきたいと思います。
 それでは、資料3に沿いまして、意見と、それに対する考え方の案というところをご説明してまいります。まず、この答申案の1のはじめにというところは特にございませんが、2の救済給付の対象となる指定疾病の追加についてというところに一つご意見が来ております。著しい呼吸機能障害をきたしている「石綿肺」と「びまん性胸膜肥厚」を指定疾病に追加するのは適当である。医学的知見の収集に基づき、現在の指定疾病と同程度に重篤と認められる疾病を追加することは、現行制度の趣旨に沿うものである、というご意見をいただいております。これは答申案に沿ったご意見ということでございますので、特に考え方というところは示しておりません。
 次に、(1)石綿肺について、[1]救済給付の対象となる病態につきましては幾つかご意見をいただいておりまして、一つは、石綿肺患者について、著しい呼吸機能障害を有する者だけを救済するのではなく、労災制度と同様に、一定の合併症が認められれば救済する方向で改正すべき。また、石綿肺の合併症は、厚生労働省のじん肺管理区分制度を使えば不正受給ではないし、石綿肺の大多数を救済するには合併症を指定疾病にするほかない。また、次の枠でございますが、(案)に提示された石綿肺患者大量切り捨てにつながる方針の根拠となった「重篤な疾病」の文言が救済法上の「特殊性」の概念に厳密に該当するのか再度、検討してください。立法趣旨は、労災がきかない石綿肺被害者のすき間のない救済であり、重篤(著しい肺機能障害)のみという、差別の思想ではない。指定疾病を労災と同様にという「強い意見」こそ、被害者、国民の声であると、こういったご意見をいただいております。これについての考え方は右側でございますが、現行の石綿健康被害救済制度では、被認定者への給付は「医療費及び療養手当」の一体系のみとなっており、疾病の重症度に応じた給付体系とはなっていません。この点を踏まえると、現行法の枠組みを前提とする限りにおいては、指定疾病である中皮腫及び肺がんと同様に重篤な病態を救済の対象とすることとせざるを得ず、公平の観点からもこのように判断をせざるを得ないものと考えます。すなわち、合併症があるか否かに関わらず、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺を救済の対象とすることが適当であると考えます。なお、重症度に応じた救済の在り方等の議論については、法律の枠組みに関わるものであることから、今後、「今後の石綿健康被害救済制度の在り方」を審議する中で引き続き議論を行いたいと考えます。
 次に、[2]の医療費支給の範囲に関する考え方について、1点、ご意見をいただいております。付随する疾病として、「細菌感染症」「肺性心」「治療に伴う副作用や後遺症」を例示したことは、積極的に評価する。但し、肺がん及び中皮腫は既に指定疾患とされていることから、あえて記載する必要は無いものと考える。この後段の部分につきましては、右側に考え方を示しておりますが、中皮腫や肺がんは指定疾病ですが、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺に付随する場合には、改めて指定疾病の認定を受けなくても医療費の支給範囲に含まれるということを明確化する趣旨で記載したものです、としております。
 次の2ページに参ります。(2)のびまん性胸膜肥厚について、1点、ご意見いただいております。「3年以上従事して」とは、労働者を想定してのことと思われるが、環境省で労災を扱おうとするのであるのか、はっきりさせてください。時効救済は、労基署で申請を受けており、当然に労災認定基準が考えられる。このご意見は、労災で見るべきものを救済法で見るというふうな懸念をされているものと考えられますので、右のように、石綿健康被害救済制度は、労災等の対象とはならない方を対象とする制度です。当制度において石綿ばく露作業の従事歴があり、救済の対象となり得る方としては、主に労災の対象とはならない一人親方や事業主などの方々が想定されます、としております。
 次に、答申案でまいりますと、3ページの3、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺にかかったことを判定するための考え方についての(2)の[1]石綿へのばく露の確認というところについてです。まず、救済制度であることから、ばく露歴の検討に当たっては、平成18年2月9日付厚生労働省労働基準局長通知「石綿による疾病の認定基準について」に列挙された「石綿ばく露作業」より幅広く考えるべきである。ばく露要因について限定列挙すべきではない。ばく露歴等が十分でないことを理由に被災者が「石綿ばく露の疑いがあるまま残される」ことのないよう「隙間のない救済」をすべきである。これにつきましては右側にございますとおり、「石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方について」(案)では、ばく露の確認について、「平成18年2月9日付厚生労働省労働基準局長通知「石綿による疾病の認定基準について」に列挙された「石綿ばく露作業」等を参考として幅広く確認することが望ましい。」と記載しているところであり、幅広く確認することが必要であると考えています。
 次の項目ですが、イの石綿肺を発症し得る作業への従事状況が明らかとならない申請者に関して、「大量の石綿ばく露」の記載は削除すべき。環境ばく露による石綿肺発症のエビデンスが確立していないというのであれば、あらゆる可能性を想定した判定の在り方を示すことが重要というものです。これに関しましては、石綿肺を他のびまん性間質性肺炎・肺線維症と区別して診断を行うためには、大量の石綿へのばく露を確認することが必要と考えます。
 3点目は、「[1]石綿へのばく露の確認 ア」を削除する。ただし、石綿ばく露作業従事期間が事業主期間だけである場合の参考としては残してもいいのかもしれない。労働者期間のばく露だけで認定基準を満たせば労災として取り扱うべきである。このご意見も、労災で見るべきものを救済法で見るのではないかというご懸念かと思います。それについての答えは右側にございますが、石綿健康被害救済制度は、労災等の対象とならない方を対象とする制度です。当制度において石綿ばく露作業の従事歴があり、救済の対象となり得る方としては、主に労災の対象とはならない一人親方や事業主などの方々が想定されます、としております。
 次に、3ページをお願いいたします。[2]の画像所見の確認ということで、答申案では4ページに該当するところでございます。ここについては1点、ご意見をいただいておりまして、石綿肺の判定には胸部CT写真に肺線維化所見が認められることを必須とすること。胸部単純エックス線写真所見がじん肺法が定める第1型以上であってもCTで線維化所見が認められなければ石綿肺と判定できないことを明記するべき。胸部疾患の画像診断にCTを利用することは現在の臨床現場では一般化しているところであり、診断の精度を高めるために、CTの利用を必須とすべきである。特に、じん肺法が定める第1型は有所見と無所見の境界領域にあり、胸部単純エックス線写真所見とCT所見が異なることが生じやすいため、CTの利用は不可欠であるというご意見です。これにつきましては右側ですけれども、「じん肺法に定める第1型」とは、エックス線写真の像によるものとして定義されていることから、画像所見については胸部単純エックス線写真により確認を行うことを基本としますが、ご意見のとおり、胸部の所見を的確に把握するためには、胸部CT写真(特にHRCT写真)が有用ですので、判定に当たってはこれをなるべく活用することが重要であると考えます。
 次に、(3)著しい呼吸機能障害の有無を判定するための考え方についてです。一つ目は、著しい呼吸機能障害の判定では、患者の自覚症状を重視すべきである。一部の検査結果のみで、重症度を判定することは患者の障害の程度を性格に反映しない可能性が大きい。従来用いられてきたHugh-Jonesによる呼吸困難分類を用いて自覚症状を評価すべきである。これにつきましては、「その他の呼吸機能検査結果」の中には、運動負荷時の呼吸困難を評価する指標や自覚的呼吸困難を評価する指標などが含まれると考えます、としております。
 次の事項ですけれども、じん肺における健康管理区分の判定は現在、Baldwinの予測式に基づいて行われており、じん肺法による石綿肺の労災認定はこのBaldwinの予測式に基づいて行われている現実がある。同じ石綿肺患者に同時期に二つの肺機能障害の基準が併存することは医療現場に混乱をもたらす可能性が大きい。判定に当たっては、じん肺診査ハンドブックのフローチャートを準用すべき。厚生労働省労働基準局のじん肺管理区分制度ないしそれに準じた管理区分通知制度を活用することが、行政の効率上も合理的であり、また、医学上も二重基準を持ち込まずに済み、患者・医療現場にとっても親切かつ合理的であるというご意見です。これにつきましては右側のとおりですが、呼吸機能の検査方法及び評価方法については、新しい知見に基づく石綿肺に係る適切な方法を検討したものです。なお、じん肺法に基づくじん肺健康診断の在り方については、当小委員会における検討を受けて、厚生労働省においても、最新の医学的知見を基に、必要な見直しの検討を開始したところと聞いています。今後とも、知見や情報の交換を行うなど両省で協力して進めていくことが重要であると考えます。
 三つ目のご意見は、(案)の基準はじん肺法と異なる基準であり、ほとんど重症の呼吸不全の状態であり在宅酸素療法の適応になるような人を対象としていることになるが、石綿肺の患者の中には、ここまで症状が至らないが、咳や痰などの気管支炎病変あるいは拘束性障害を来して呼吸困難感を訴える人が多数いる。この呼吸機能障害基準だと重症以下中等症あるいは軽症の人は救済されないことになることから、今回の石綿肺の認定基準の再検討を望みたい。すなわちじん肺法と別のダブルスタンダードをつくるべきではないと考える。これにつきましては、先ほど読み上げました2の(1)の[1]と同じ考え方としたいと思います。
 続きまして、4ページをお願いいたします。4の著しい呼吸障害を伴うびまん性胸膜肥厚にかかったことを判定するための考え方についてですが、ここについてのご意見は、「石綿へのばく露の確認、画像所見の確認」を削除する。ただし、石綿ばく露作業従事期間が事業主期間である場合の参考としては残してもいいのかもしれない。びまん性胸膜肥厚についての記述は、労災認定基準そのものであり、労働者期間だけで認定基準を満たせば労災となるので、石綿健康被害救済制度への記載は必要ないということですが、これにつきましては、石綿健康被害救済制度は、労災等の対象とならない方を対象とする制度です。当制度において石綿ばく露作業の従事歴があり、救済と対象となり得る方としては、主に労災の対象とはならない一人親方や事業主の方々が想定されます、としております。
 [1]の石綿へのばく露の確認というところですが、びまん性胸膜肥厚の認定基準に、環境ばく露の被害者の存在を想定した条項を追加すべき。また、びまん性胸膜肥厚の判定に当たっては「石綿ばく露作業への従事期間が3年以上」という基準を緩和する必要があるというご意見をいただいております。これにつきましては右側のところですが、びまん性胸膜肥厚は、主として労働ばく露に起因するものとして知られています。びまん性胸膜肥厚については、結核性胸膜炎の後遺症、薬剤起因性胸膜疾患、膠原病などの石綿へのばく露とは無関係なものとの鑑別が非常に困難であり、鑑別診断に係る知見も少ないことから、当面は、労災制度と同様に、石綿ばく露作業への従事期間が3年以上あることが必要であるとしたものです。びまん性胸膜肥厚については、今後さらに、知見の収集に努めることが必要であると考えます、としております。
 この後は、6のおわりにのところについてご意見をいただいております。答申案の7ページの最後のところでございます。石綿肺・びまん性胸膜肥厚以外の指定疾病についてということですけれども、良性石綿胸水につきまして、良性石綿胸水は、臨床経過が必ずしも良性であるとは言えないと指摘されており、石綿肺とびまん性胸膜肥厚を対象とするのであれば、良性石綿胸水がなぜ今回対象とならなかったのか、被災者やその家族の納得が得られる説明を記載する必要がある。石綿ばく露者に石綿胸水が合併することはよく知られている。また、今回指定疾病に追加される予定の「びまん性胸膜肥厚」は石綿胸水の結果発症するものである。とすれば、その原因である石綿胸水も指定疾患とすべきである。石綿胸水は自然消退するものも多いが、中には膿胸状となり著しい呼吸困難を生じるものもある。労災同様、指定疾病に追加すべきである。これにつきましては、良性石綿胸水については、未だその病態や他の胸水貯留疾患との鑑別方法、予後などについて明らかでない点が多いため、今回、中皮腫や肺がんと同様に重篤なものとして救済法の救済給付の対象とは考えないことといたしました。しかし、良性石綿胸水の患者の方々の救済や健康管理の在り方については、今後、「今後の石綿健康被害救済制度の在り方について」を審議する中で、引き続き議論していきたいと思います、としております。
 次に、胸膜プラークにつきましてですけれども、胸膜肥厚斑(胸膜プラーク)に対する考え方が明記されていない。胸膜プラークは、疾病名でなく医学的所見としての線維化病変であるものの、日本には石綿以外に胸膜プラークが生じる物質が存在しないと言われている。胸膜プラークは、今後、石綿指定疾病につながる危険性があり、通院・定期診断などにかかる給付を含めた健康管理を行う制度を創設すべきである。仮に健康管理制度が現行法上で不可能であるとすれば、その財源の確保も含め、法改正を行う必要があるというご意見です。これにつきまして右側の方ですが、健康管理の在り方等については、今後、「今後の石綿健康被害救済制度の在り方」を審議する中で引き続き議論を行いたいと思います、としております。
 次に、肺がんについてですが、肺がんの認定基準にも、労災と同様に「石綿ばく露作業従事時間10年以上+胸膜プラーク所見等」を加え、ばく露情報を積極的に活用すべき。現在、石綿救済法では、石綿肺所見はあること及び胸膜プラークが確認できることを認定基準としており、労災の石綿所見があること、もしくは胸膜プラークが確認されたものと比べ著しい差がある。とりわけ労働者と同じ作業を行い、同じアスベストばく露を受けた自営業者の救済が極めて限定的になっている。労災と同様の認定基準に変更すべきである。肺がんにせよ、中皮腫にせよ、石綿ばく露情報を参考にして救済すべきことが公害健康被害補償不服審査会によって裁決されている、というご意見でございます。これにつきましては、石綿健康被害救済制度において、環境大臣が肺がんに関する医学的判定を行うに当たっては、認定の申請をした者の多くが石綿へのばく露歴やばく露量が明らかでない者であることにかんがみ、幅広い救済を行うという観点から、ばく露歴の証明は求めずに、肺がんの発症リスクを2倍以上に高める量の石綿のばく露があったとみなされる場合であることを医学的所見によって確認しているところです。肺がんに関する医学的判定における石綿へのばく露歴の取り扱いについては、これまでの審議の中では論議ができておりませんので、今後の石綿健康被害救済制度の見直しの論議の中で検討を進めたいと考えます、としております。
 次に、最後、6ページでございます。その他疾病ということで、労災でも認定対象疾病になっていませんが、世界的に石綿との関連が指摘されている喉頭がん、卵巣がんなどを早急に厚労省と協議し、労災と同時に救済法の指定疾病にも追加してください、というご意見です。これについてですが、石綿による健康被害については、厚生労働省と情報交換等を行いつつ、知見の収集に努めることが必要であると考えます、としております。
 その他、パブリックコメントの対象外ですが、アスベスト問題等に関係して、次のご意見・ご要望がありましたということで、石綿健康被害者を含む呼吸器疾患等登録制度の創設について、また、石綿健康被害救済小委員会の委員・審議の在り方についてということで、そこに列挙したようなご意見をいただいております。
 パブリックコメントに寄せられた意見と、その対応方針(案)につきましては、以上でございます。

○浅野委員長 以上のようなパブリックコメントでお寄せいただいたご意見を取りまとめた資料と、それに対する考え方の案についての資料について、事務局から説明をいただきました。考え方案は、委員会が完全にこの考え方で一致しているということでもないのですが、少なくとも、答申案をまとめる段階で多数の意見であったということをもとに、考え方を示しているということでございます。
 それでは、この考え方の案について少しご意見をいただきたいと思いますので、ご意見がおありの方はどうぞ挙手をお願いいたします。

○古谷委員 今の委員長の発言にもあったように、私自身はこの間、小委員会の中で発言してきましたように、幾つかの意見については、私自身はむしろパブリックコメントの案に賛成だということで、その経過については委員長、整理されましたのですが、一応確認だけさせていただきますと、1点目は、救済の対象となる病態について、著しい呼吸機能障害を伴うと条件づけすることについては私自身は必ずしも賛成ではなくて、むしろ提案しましたのは、療養を必要とするというようなレベルにすべきだということを申し上げたところです。
 2点目は、同様の観点から、石綿肺の合併症についても指定疾病に追加することが望ましいと、私自身は考えます。
 3点目としては、石綿へのばく露の確認ということで、「大量の石綿へのばく露」という言い方は必ずしもふさわしくない。むしろ、「じん肺を発症させるに足るほどのばく露」という言い方の方がよりふさわしいというのが私自身の意見です。
 さらに、指定疾病の追加自身について、良性石綿胸水及びアスベストばく露に起因することの明らかなその他の疾病というような規定も設けることの方が救済法の趣旨にふさわしいということも申し上げました。あわせて、前回での小委員会ですけれども、今回、石綿肺及びびまん性胸膜肥厚が指定疾病に追加されて、その判定に当たって、アスベストへのばく露状況を確認するということが盛り込まれましたので、そのことを肺がんの判定にも反映させて、アスベストによる肺がんの救済を進めるべきであろうということも申し上げました。ここら辺のところは、むしろパブリックコメント意見に私自身は賛成だということです。
 ほかにもいくつかありますが、1点だけ、3ページのところで(3)の著しい呼吸機能障害の有無を判定するための考え方の中で、最初の意見として自覚症状の評価もきちんと判定の中に組み入れてほしいという意見が出ていて、そういえば私自身もこのことは触れていなかったなと思うんですけれども、これについてはここでも議論されていなかったので、もし、先生方でご意見があればお聞きしたいと思いますが、ぜひ自覚症状についても、その判定の仕組みの中ではしっかりと含めていただけたらというふうに考えています。

○浅野委員長 とりあえず、パブコメに対する考え方として示すことの内容に関して、ただいま古谷委員から、自分自身は小委員会の中でもこれとは異なる意見を述べてきたということでございました。これは十分わかっておりますので最初に私が申し上げたわけでして、パブコメに対する回答のところまで少数意見を並べていくのはちょっとどうかなということもあったものですから、このようにさせていただきました。
 今、最後の点で、Hugh-Jonesの呼吸困難分類も用いるべきだろうということに関しては、明示では答申の中には入れていなかったものですが、ただし、これはここに書いてある内容が、「その他の呼吸機能検査結果」という表現の中に含まれていると考えますという答えになっているわけですが、この点に関して、他の医学系の専門の先生方からご意見があればお聞きしたいと思います。もし何かございましたら、ご発言いただけますでしょうか。該当する箇所は、5ページです。

○泉室長 答申案、5ページになります。

○浅野委員長 5ページの中に、著しい呼吸機能の有無を判定するための考え方ということで出されているものの中にある部分ということでございます。三浦委員、どうぞ。

○三浦委員 自覚症状はいろいろなことで、呼吸困難というのはいろいろな原因で起きてきますので、それだけで客観的に評価することができないというのが私たち臨床医の当然の考え方です。ですから、裏づけをとって初めて呼吸困難の程度を判断すると。現在のじん肺法の中でも呼吸困難の程度が3以上であって、なおかつVドット25が低いというのが唯一残された自覚症状を基準にした判定基準なんですけれども、やはり自覚症状というのは本当にいろいろな、目の前に息が苦しいという患者さんが大勢おいでになりますので一つ一つ判断していかないと、それだけでは判断できないというのが臨床の現場の、要するにそれだけで認定をするということにはならないと。ただ、自覚症状というのは非常に大事ですので、それはもちろん考慮して、その自覚症状に見合った、その裏づけをできるだけとるようにというのが私たち臨床医としてやる姿ですね。

○浅野委員長 ほかにございますでしょうか。

○古谷委員 びまん性胸膜肥厚の判定に当たって、ばく露について職業ばく露3年という基準が報告書の中で示されています。石綿肺の方の議論では、職業ばく露だけではなくて、環境ばく露などによっても石綿肺が生じ得る可能性をあらかじめ排除しないようにしましょうと。それは、やはり石綿を起こすようなばく露が認められる場合には、救済の対象にするということを小委員会の議論の中でも確認されていると思います。それと比較して、びまん性胸膜肥厚についてはその件を必ずしも詰めていません。文章の書き方もどちらかというと限定するような形になっていますけれども、今回の諮問の結果、政令がかわりますと、びまん性胸膜肥厚が指定疾病に追加されます。その後の、一定の判定の考え方も示された上で、実際には判定部会での判断を経た後、環境大臣が医学的判定を下すというプロセスの中では、もちろんびまん性胸膜肥厚についても、職業ばく露3年と同等以上の、ばく露が何らかの形で確認されるような場合について、救済することを排除するものではないというふうに私自身は理解しています。この点は改めて確認する必要がありますか。

○浅野委員長 どうしましょうか。議論の過程は、今、言われたようなことを当然に考えていたわけですが、今までのところは、主として一人親方タイプの方について緊急に救済しなくてはいけないので、その目的のためには、ばく露作業従事ということを目安にすればあまりこまごまとした議論をしなくても済むので、そのように書きましょうという趣旨で書かれているということです。今のご意見は判定部会の運用の問題ということになってくると考えますので、ご発言があったということが記録に残り、今後の運用の中で反映されるであろうということを確認しておきたいと思います。
 なお、次の制度そのものの見直しという議論をしていく際に、ここで答申を出したことが大前提として完全に固定されてしまい、これが次の段階で法改正を含めた手直しの手足を縛ってしまうのでは困るだろうと考えます。これまでのところはとにかく緊急に政令改正でできることをやりましょうと言っているわけですから、次の議論の段階では、重症度の点から見たら、それほどでもないというような症例を救済対象とするとか、あるいは健康管理の対象とするべきだという議論をすることはあり得るわけで、今回の答申案が前提となって、次はこの枠組みには該当しない方が、改正後の法律でも救済対象にはなりませんというようなことは考えておりません。その点は今後の議論での前提にはならないということは確認しておきたいと思うのですが、その点は皆さん、ご異議ございませんか。それでよろしゅうございましょうか。

○古谷委員 私ばかり話してすみませんが、もう一点だけ、むしろこれは回答にというよりも、この後の議論とつなげる私の意見なんですけれども、呼吸機能障害の評価方法について、環境省の救済法と厚生労働省のじん肺法なり労災補償の体系がダブルスタンダードになってしまうことは、現場が一番被害をこうむるということを何度も申し上げてきたわけです。この考え方の記載にあるように厚生労働省の方で、じん肺法の関係でじん肺検診の見直しの検討会が立ち上がりました。先日、20日に第1回の会合があって、実は私、参考人として呼ばれて行ってきまして、そこでも申し上げたんですけれども、現象としてダブルスタンダードがなくなる方向に進んでほしいということもあるわけですけれども、結果的にそろえればいいということではないと思うのです。例えば今度の厚生労働省の方の検討会は、環境省の方が決まって、政令が7月1日ごろにもう施行されてしまうから、それにあわせて何とか非常にきついタイトなスケジュールの中でやれる見直しをというような話をして、緊急の、緊急のという議論が非常に多くて、これはやはりこの小委員会の次の議論の中で、私自身としては問題意識があるんですけれども、そういうところの共通した基盤なり、整合性の確保みたいなところというのを何らかの制度的担保あるいは仕組みとして確立するということを、この後の検討会の議論の中でも取り上げていただけたらというふうに考えているという意見です。

○浅野委員長 わかりました。その点は後の方の議論に関係することだと思いますし、ちょっと別の場面では省庁間の連携が、逆に変な形の連携となってしまって混乱を起こしているという例を私自身も、実際、自分自身体験していますので、言われることはよくわかります。何となく省庁間で、あそこの省がやっているからうちもそれに合わさなくてはいけないから、いまさら原則論での議論も困りますというような、そういうやり方はよくないと言われる点は理解できます。根本的な議論はちゃんとやるべきでしょう。前回までの会議で他省のご検討をうながすためにこうすべきとか、そういう印象を与えるような発言をしたやもしれず、また反省をしているのですが、私は新しいことが好きだからとなどと発言してしまったのですが、少なくともじん肺法で言っているじん肺と、ここで考えているアスベスト肺が完全に同じものを対象にしているわけではないことを考える必要がある。この委員会はアスベスト肺を考えているから、こういう方法をとりたいと考えるのだというようにきちんと言っておかなきゃいけなかったのに、何か労災のやり方が間違っているとうけとられかねない発言をしたとすればそれはまずかったと思いますので、この際、少し補足をしておかないといけないと思います。その上で、古谷委員が言われる点にも十分留意しながら今後の議論を進めていきたいと思います。
 ほかの先生方で何かお気づきの点がございますでしょうか。よろしゅうございましょうか。
 それでは、次は資料2の小委員会の取りまとめについてのご議論をいただきたいと思います。それでは、まず事務局から、資料2についての説明を改めてお願いいたします。

○泉室長 資料2につきましては、今、パブリックコメント(案)とともに見ていただきましたので、パブコメ結果や本日のご議論を踏まえてこれを修正するところがあるかどうかというところですが、今のご議論ですと、修正するとすれば、4ページの著しい呼吸機能障害の有無を判定するための考え方というところ、(3)で、それの下から3行目のところですが、その他の呼吸機能検査の結果のところに括弧して「運動負荷時の呼吸困難を評価する指標等」とございますが、ここに先ほどご議論のあった自覚的な呼吸困難に関する指標というものを、この「運動負荷時の呼吸困難を評価する指標等」と並べて、例示として挙げるということが考えられますので、その点、ご確認いただければと思います。

○浅野委員長 4ページの下から3行目に、現在、「等」という表現になっているところに、自覚的な呼吸困難を評価する指標を明示で入れるということが、ただいまのパブコメをめぐる議論の中から、特に古谷委員が指摘されたということもあるのですが、どうかということでありました。この修正については古谷委員、いかがですか。

○古谷委員 私はそういう訂正に賛成です。

○浅野委員長 全体としては、先ほどの三浦先生のご意見は、自覚症状だけですべてを判断することはできないという臨床現場のお話であったわけで、ここでは自覚症状だけでやれというご意見が出たというわけでもないので、自覚症状は極力尊重してほしいというパブコメのご意見が出たと理解できますから、そういう意味で言えば、ここに忘れないようにちゃんと自覚的な呼吸困難を評価する指標を入れておくということはあってもいいと思います。私の経験でも、公健法の認定でもHugh-Jonesの数字がかなり出てまいりますから、それは十分に参考にしながらやっていますので、それと指数が合っていれば、ほとんどもう疑いなくそうだなというような議論をやっておりますから、これは構わないのではないかと思います。今、事務局が言いましたように、4ページの下から3行目のところに自覚的な呼吸困難を評価する指標と二つを並べて、あとは「等」でくくると、こういう形でここは修正をするということにしたいと思います。
 ほかはいかがでございましょうか。もし、ほかにご意見ございませんようでしたら、この形で石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方についての、この資料2の案をとりまして、当委員会としての中間の報告ということにしたいと思います。
 今後の手続に関してでございますけれども、最初の第1回目のときに申し上げましたが、中央環境審議会の部会が決定をいたしましたことについては、これを部会長が会長の同意を得て審議会の答申とすることができるということになっておりますけれども、さらにそれに加えて、部会に置かれた小委員会の決定について部会長が同意をなさった場合には、部会の決定とすることもできるということになっております。本小委員会に関しては、この小委員会の決定が部会長の同意があれば保健部会の決議とできるということになっておりますので、この小委員会終了後に佐藤環境保健部会長にご報告申し上げまして、佐藤部会長のご同意を得た上で、この報告を当小委員会ではなく、保健部会の決定ということにしていただきまして、部会長から中央環境審議会の鈴木会長にご報告する。鈴木会長からご同意を得た上で、この内容を中央環境審議会答申ということで鈴木会長から小沢大臣あての報告をしていただくと、こういう手順になると思います。
 なお、この報告を公表するに際しては、パブリックコメントに関する考え方も公表することになりますので、この点については、先ほど古谷委員からいろいろとご意見ございまして、その点について何らかの形で、これは全員の一致した意見によるものではないということがわかるような工夫ができるのであれば、それは私の方で工夫をしてみたいと思いますので、それも含めて、この点はご一任をいただけますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、ありがとうございました。では、これを報告ということにさせていただきたいと思います。
 それでは、今後の政令改正のスケジュールについて、事務局から説明をお願いいたします。

○泉室長 今、浅野先生からお話がございましたとおり、これをもとに最終的に答申という形で環境大臣あてにいただきます。その後、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺及びびまん性胸膜肥厚を指定疾病に追加する政令を準備をいたしまして、閣議決定を経て5月中には公布したいと思っております。その後、7月には施行できるように、周知、諸規定の整備、こういったことを進めてまいりたいと考えております。

○浅野委員長 ありがとうございました。それでは、第1の議題については、とりあえずこれで終わりということにさせていただきたいと思います。先ほど申しましたように、繰り返しになりますが、今後の2の議題の検討の中では、この枠組みで判断できないようなものについても新たな見方で救済対象にし、何らかの救済措置を講じるということがあり得るということを前提にした上で、とりあえず政令改正でできる対応として、このような形の救済の拡大を緊急にやっていただくということにしたいと思います。
 それでは、引き続きまして、今後の石綿健康被害救済制度の在り方について、これについての審議に入りたいと思います。きょうは、新たなテーマについての第1回目の議論ということでございますので、これについて事務局から、スケジュールがどのようになるのかということと、それから、現在の石綿健康被害救済制度の施行状況についてご説明をいただき、後は自由に意見交換をしていきたいと思います。通例、通常国会で法律改正を伴うような案件についてはほぼ年内に、遅くとも1月ぐらいまでには審議会としての答申をまとめてしまいませんと、その後の立法作業がまにあいませんので、延々と2月、3月まで小委員会での論議を続けるということは、さらにまた抜本的な改正がおくれるということになりますから、そのことを踏まえながら慎重に、しかし、やはり急いで議論していかなくてはいけないと考えております。これらを踏まえて事務局に今後の進め方についての説明をお願いいたします。

○泉室長 それでは、まず、お手元の資料4といたしまして、検討スケジュール、簡単な紙でございますが、用意しております。当初、この小委員会を始めたときに諮問事項を二つお願いしておりまして、その第1の指定疾病に関する考え方については、先ほど答申としておまとめいただいたところでございます。そして、ここから第2フェーズになるわけでございますが、今後の石綿健康被害救済制度の在り方についての検討をこの表のとおり22年度4月28日、本日から始めていただきまして、今、委員長からお話がございましたように、大体、年内には答申案のパブリックコメントができる形までまとめるということを目標にいたしまして、月1回程度の、あるいはもう少し頻度が高くなるかもしれませんが、その程度の詰めたご検討をお願いできればと考えております。このご検討の結果、法自体を見直すべきということになれば、その作業にその後かかっていくと、こういうことを考えております。
 それでは、次に資料5として冊子あるいは青いファイルでお手元に用意しておりますが、救済制度についての施行状況の概要ということで、既にご承知のことも多いかと思いますが、ざっとご説明させていただきたいと思います。まず、1ページでございますが、制度設立の経緯といたしまして、この石綿救済制度は平成17年6月の、いわゆる「クボタショック」と言われますクボタの尼崎旧神崎工場周辺の住民の方が中皮腫に罹患しているという発表があって以来、石綿による健康被害についての関心が非常に高まったということから「アスベスト問題に関する関係省庁会議」が置かれまして、その年の12月の終わりには、この関係閣僚会合によって「アスベスト問題に係る総合対策」が取りまとめられたと。そして、次の年に「石綿による健康被害の救済に関する法律」が成立いたしまして、18年3月27日から施行されたと、こういう経緯を持つものでございます。
 次に、2ページでございますが、この法律の概要といたしまして、目的にございますように、石綿による健康被害の特殊性にかんがみ、石綿による健康被害を受けた者及びその遺族に対し、医療費等を支給するための措置を講ずることにより、石綿による健康被害の迅速な救済を図るということを目的としておりまして、支給制度の概要としては、指定疾病が現在のところ、[1]中皮腫、[2]気管支又は肺の悪性新生物ということで、今回、答申で二つ追加することを決めていただいたわけでございます。
 給付内容といたしましては、被認定者、存命中の方につきましては医療費の自己負担分、それから、療養手当として月10万3,870円、お亡くなりになった場合には、葬祭料として19万9,000円の支給がございます。そして、施行前に死亡した方、また、未申請のまま死亡された方について遺族に対する給付として、特別遺族弔慰金と特別葬祭料というものがございます。また、その他、救済給付調整金とございますが、存命中に認定を受けて亡くなった方で、亡くなるまでに受けた給付、医療費と療養手当の総額がこの弔慰金の280万円に満たない方については、その差額が支給されると、こういうものでございます。
 認定の仕組みでございますが、被害者またはご遺族から環境再生保全機構の方に申請がございます。認定に当たりまして、医学的な判定が必要な方につきましては、環境大臣に判定の申出がございまして、環境大臣は中央環境審議会、具体的には石綿健康被害の判定部会の方に意見を聞きまして、そちらの医学的判定に基づいて認定がなされると、こういう仕組みになってございます。
 また、救済給付の費用につきましては、環境再生保全機構の中に「石綿健康被害救済基金」を設置しております。この基金は法律に基づきまして、一つは政府、そして地方公共団体が予算の範囲内において拠出すると。それから、労災保険適用事業主等から、毎年度、「一般拠出金」を徴収いたします。また、石綿の使用量、指定疾病の発生状況等を勘案して政令で定める一定の要件に該当する事業主から、毎年度、「特別拠出金」を徴収するという形で、石綿の健康被害に関して、石綿が社会全般に広く使われていたということから、事業主・国・地方公共団体、広く負担するという制度になっております。
 また、このほか、この法律の中に厚生労働省所管分といたしまして、労災補償を受けずに死亡した労働者の遺族に対する特別遺族給付金の制度というのが組み込まれているところでございます。
 次に、これまでの受付や認定等の状況につきまして、3ページの表にまとめております。1が申請、それから請求受付件数ということでございます。2が認定あるいは不認定の件数でございますが、これまでに、そこにございますように療養者、施行前死亡者、未申請死亡者、合わせて、そこにございますような数の方、約6,000人の方々の認定がなされているところでございます。
 次の5ページからは制度発足時に中環審でいただきました答申で、これは当時、指定疾病の考え方をまとめたものでございます。
 それから、少し飛びまして、15ページに、石綿関連疾患あるいはその周辺の関連疾患の死亡数の年次推移、これは人口動態統計の数字でございますが、それを引用しております。中皮腫につきましては、平成7年に500人であったものが、平成20年には1,170人が亡くなるという形で増加をしてきております。それから、次の段が石綿及びその他の無機質線維によるじん肺(症)ということで、石綿肺等により亡くなった方が平成20年で73人ということになっております。その次の段のJ60、J62からJ65というのは、下の(注)にございますように、石綿肺以外のじん肺をまとめた数字でございまして、これは平成20年で916人という数字になっております。また、その下の気管、気管支及び肺の悪性新生物、これは石綿が原因であるないにかかわらず、肺がんは全部ここで集計しているものでございますが、平成20年に約6万7,000人の方が亡くなっているということでございます。また、最後にその他の間質性肺疾患、石綿肺との鑑別が問題になる疾患としては1万2,000人程度の方が亡くなっていると、こういう状況にございます。
 それから、次の16ページでございますが、石綿救済法、18年3月に施行してから20年6月に議員立法による法改正をしております。これは法制定当時に想定していなかったような課題について、緊急的に対応するためということでなされた改正でございまして、このときには医療費・療養手当の支給対象期間について、申請日からではなくて療養開始日からというふうにさかのぼること。また、制度発足後に未申請のまま亡くなった方について、当初の法律では対象になっていなかったのですが、そういう方たちが申請ができるようにして、特別遺族弔慰金の対象としたということ。それから、制度発足前の死亡者の特別遺族弔慰金の請求期限を、法施行日から6年間に延長した、その他、厚生労働省所管分の改正などがございました。
 次に、17ページは、現在、救済そのものではなくて、その周辺の事業として行っております調査・研究事業でございまして、21年度の研究、それから22年に予定しております研究について、テーマをご紹介しているもので、被認定者に関する医学的所見に係る解析調査として、このような研究を実施いただいております。また、2の指定疾病見直しのための石綿関連疾患に関する事例等調査と申しますのは、この救済小委員会でもご紹介いたしました石綿肺の症例収集の事業でございました。また、文献調査、海外動向調査などを行ってまいりました。
 それから、平成22年度につきましても同様の研究を実施する予定としております。この中で19ページの(6)というのがございますが、これは先ほどの答申の中で、びまん性胸膜肥厚については、さらに知見の収集が必要というふうなご意見をいただいたことも受けまして、症例調査をするような予定としております。
 それから、次に20ページでございますが、これも研究・調査の一つでございますが、石綿の健康リスク調査として、石綿取扱施設の周辺の住民の方で、一般環境を経由したばく露の健康被害の可能性があった地域においての健康調査というのを行っておりまして、平成18年度から21年度まで、少しずつ地域を加えて、7地域で実施してきたところでございます。また、22年度からはこの調査をさらに拡充して、いわゆる一般住民でばく露のあった可能性のある方について、どのような健康管理を行うことが適当なのかということに関するエビデンスを得るための調査として、22年度から拡充して継続実施する予定としております。
 以後のページにつきましては、関連する法規あるいは厚生労働省の制度に関する情報などを添付しております。
 以上、簡単でございますが、施行状況の概要でございます。

○浅野委員長 ありがとうございました。それでは、今後の制度の見直しということで、どういう点を議論すればいいかということも含めてご議論をいただき、検討すべきテーマを絞っていきたいと思うわけですが、どなたからでも結構でございます。お気づきの点がございましたらご意見をいただけませんでしょうか。
 21ページに現在の関連諸法規というのが出ておりますけれども、これはちょっと環境省の保健部の事務局に質問をしても回答を期待しにくい部分ではあろうかと思うのですが、これを見て、現行のこういう関連諸法規というものが今後の問題の防止のためにほぼ全部、網羅的に仕組みをつくり上げているのだろうかという、かねてから心配でしている部分があります。新聞報道などで住宅やビルの建築廃棄物が捨ててある場所からアスベスト粉じんが出ているという話がたびたび出ています。そうなりますと、本当にどうなんだろうか。すでにアスベストそのものは使用禁止になってはいるのですが、これに暴露された方への被害は40年ぐらいの潜伏期間を置いて生じていくともいわれているわけですから、たとえ製造工場では製造しなくなったということになっても、既に使用されているものが現実に世の中にあって、むき出しになっているような場合には対策が立てられているにしても、隠れたところでアスベストが使われている場合にはそれらは、今後も時間がたてば廃棄されていくわけですから、今後も廃棄されたサイトでの不適正な取り扱いによって長期にわたって被害が生じ続けるおそれがないわけではない。そういういうことを考えますと、当小委員会の役割の枠を超えるのかもしれませんけれども、これは大変気になるところでありまして、どうなのかなと思います。これはやっぱり関係省庁にヒアリングをするというか、いろいろ情報提供を求めるということをすべきではないかという気いたします。例えば既存住宅の性能表示におけるアスベスト含有建材の使用状況表示と書いてありますけれども、これは品確法で決まっているとは言うものの、一体、では、これはどのぐらいカバー率があるのか、私は十分勉強していないんですが、悉皆的にはカバーされないというのが私の理解です。そうなりますと、結構漏れている可能性がある。そして、解体の際にはわからないまま解体してしまうという危険は、まだ十分に防止できていないのではないかという心配もしているのですが、こういうことも、ちゃんと関係府省に、聞いてみたいよう気がいたします。

○古谷委員 その関連で、特に身の回りで既に使われちゃっている既存アスベストをどうしていくのかということについては、最近の動きとして、国土交通省の関係ですけども、昨年、国際海事機関、IMOというところでシップリサイクル条約というのが採択されて、日本はそれを促進したわけですけれども、これは批准国が一定数超えて、発効することになると、発効してから5年以内に、今、使われている既存船舶のどこにどんな有害物が使われているかということの目録をつくらないと、海外での解体に回せないという仕組みができて、その中にアスベストが入っている。
 したがって、条約が発効したら5年以内に、日本で今、使っている船舶のどこにどれだけアスベストがあるかという目録をつくらなきゃいけないという準備が既に始まっているわけですけれども、恐らく発想としては、船舶に限らず、建築物などでもそういう発想をもって網の目をかけていく必要があるだろうというふうに考えていますが、なかなかいろいろな役所にまたがっているものですから、そういうことを統一した動きが見えてこない。
 率直に言って、私自身、この間の対策を見ていますと、クボタショックが起こる前に、厚生労働省がアスベストの禁止を決めました。労働安全衛生法を変えて石綿障害予防規則というのをつくったわけですけれども、普通で考えれば、このときに関連する法律がそれこそ整合性をとっておくべきだったのに、それをやってこない中でクボタショックを迎えて、クボタショックの後の法律改正で、そこを合わせている。本来なら、その前にやっておくべきことがクボタショックの後でやられたと考えています。また、最近、石綿障害予防規則の関係が船舶を対象にしていますけれども、これでほかの役所がそろった動きをやっているかというと、そういう動きにもなっていない。
 そういう意味では、本当に新たに使用することがなくなったからといって、身の回りにあるものの処理を間違えれば、アスベスト被害というのは、いつまでも続くかわからないわけです。恐らく環境保健部の対象ではないという話が出てくるのかもしれませんけれども、環境保健部との絡みでも、環境省には、化学物質の環境リスクの低減に係る戦略プログラムとして、2025年頃における望ましい社会を見据えた戦略目標というのがありますよね。例えば、そういう中で、吹きつけアスベストについては、2030年、2025年ぐらいまでには、日本からなくそうとか、その他のすべてのアスベストを全部処理するには、もっと時間がかかる話だと思うんですけれども、そんなロードマップなりマスタープランを、やっぱり議論すべきだろうと思います。
 これが、この委員会のメニューなのか、あるいは、環境保健部の所管なのかというのは、よくわからないところですけれども、環境省として、また環境省のみならず、枠を超えて、本当は整理していかなきゃいけない話だろうと思います。
 そういう点では、私は、アンブレラ法と言うんですかね、対策の基本となるような総合方針みたいなもの法律をつくって、関連法を律していかないと、すき間もたくさん出てくるし、そもそも長期的、段階的な総合的対策がとれないなということを強く感じています。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 PCBは昭和47年ぐらいに化審法をつくって禁止にしたものの、その処理を本格的に始めたのは平成13年ぐらいからという、全くひどい話です。それと同じことになりかねないなと心配するわけです。
 当委員会は、あくまでも被害救済小委員会ですけれども、被害を生じさせないということについても、ちゃんとやらなきゃいけないと思っていますので、権限の範囲を超えていると言われても、次の段階では、何かこれはきちっと何か書いていかなくてはいけないという気がしています。
 私の前からの関心事で、余計なことを申し上げましたが、さて、今後の我々の議論についてですが、いかがでございましょうか。

○古谷委員 今、石綿健康被害救済基金の説明をしていただいたんですが、ちょっとうろ覚えのところもあるんですけれども、当初、基金の規模を議論するときに、大体どれぐらいの被害、どれくらいの数の中皮腫と石綿肺がんをこの救済法なり基金がカバーすると想定したかということです。私の記憶では、中皮腫については基本的に救済法か労災補償制度ですべてをカバーするということで、多分、半々で見積もって救済法が、50%ぐらいを救済するものだというような目論見をしたんじゃないかというふうに記憶しています。
 肺がんについてははっきりした記憶がないんですが、救済の母体となる母数を中皮腫と同数だったか、あるいは、その当時の労災認定の実績にあわせて6割ぐらいで計算したか、どちらかぐらいで母数を見て、やはり、これについても半々ぐらいで救済法と労災補償でというような議論で立てたんじゃないかと記憶しているんですが、ちょっと、その辺をご説明いただけたら、ありがたいんですが。

○浅野委員長 私は労災の方の賦課金をどのぐらいふやせば必要経費を賄えるという結論しか聞かなかったので、算定の根拠については、現行法制定当時聞いていなかったのですが、これはちゃんとあるのでしょうね。

○泉室長 きょう、十分資料を用意おらず、当時の議論も部分的にしか確認していませんので、改めて、確認の上、次回にでもご説明させていただきたいと思います。

○浅野委員長 当然、労災の全事業者に負担をお願いする以上は、ある程度の想定をした上で率の計算をしているはずですが、全く何もなかったとは思えないわけです。それはきちっと踏まえた上で、さらに、今後は我々の方向としては救済の拡大をしなきゃいけないということを考えているわけですから、その場合の負担がどうなるのか、だれがどれだけ負担するんだということについての見通しも必要でしょう。最後の最後まで細かい数字をはじく責任がこの小委員会にあるとは思いませんけれども、全くこの問題を考えないで議論するわけにはいかないだろうと思いますから、ただいまのご質問については、可能な限り調べていただいて、議論の材料にできるようにしてください。
 それから、現行法制定当時、議論の結果、アスベストをつくった人、売った人だけが責任を負わなければならないという形で、こういう救済制度をつくることは甚だ難しかろうということになったわけです。この制度をつくったときには、民事責任を前提にしての議論は、甚だやりづらいことであるので、これはむしろアスベストというものの危険性があるにもかかわらず、そのことに十分配慮しないで、社会全体がそれは有用なものとして使った。そのことによる社会全体の責任を考えなくてはいけないから、全事業者が負担すべきであるし、国も地方公共団体も負担すべきだ。こういう論理のもとにこの制度がつくられたわけでした。
 ですから、ある意味では、公害被害者救済に関する1969年の旧法の考え方に近いということになるわけですけれども、しかし、その後、これをどうするのかという問題が出てまいりますし、今後、どこまで広げるかということとあわせて、費用負担の問題を、法的な論理としてどうするのかが問題です。同じ論理で、同じように救済範囲を広げていくことができるかどうかということになれば、かなり微妙な問題として出てきそうで、この点はきちんと論議しておかないといけません。これも検討課題として必要な項目だと思います。
 ご指摘、ありがとうございました。
 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 今、座長がおっしゃった点は、これから議論していかなければいけない点だと思いますけれども、もし、公健法のときに、特別措置法から公健法に変わったようなことを、因果関係とかが明確になってきたようなことが仮にあれば、同じような発想はできるかもしれませんが、ちょっと問題状況が同じかどうかわかりませんので、そこも検討しなければいけないと思います。
 具体的に言えば、今、社会全体がという受益者負担的な発想が主ですけれども、それは多分、今度とも残ると思いますが、この事業者の[2]のところの負担は、今、非常に少ないので、そこは原因者負担ということになるんですけれども、原因者負担をもう少しふやした方がいいのではないかという議論は、ちょっと考えないといけないのかなと思っています。
 それは理由は何かというと、要するに、健康に被害があり得るようなものを使ったり、生産したりというところに着目して、費用負担を発生させるようなことを考えないと、今後も同じような、ほかの物質についてですけれども、同じようなことが起きるということが出てくると思いますので、それに対する教訓というのは、今回、社会にはっきり示す必要があるのではないかということはあると思いますので、しかし、その割合がどのぐらいになるかという問題はあると思いますけれども、一つ、その問題は議論した方がいいのかなと思います。
 もう一つ、これはちょっとなかなか申し上げにくいですが、国の方についても、今の裁判の動きによっては、何らかのことをやらなくちゃいけなくなるかもしれませんので、そういう意味では、国の方も何らかの負担をするというのは、引き続き考えていかなければならなくなるのかもしれない。恐らく負担はされていくんだと思いますけれども、その辺は、ちょっと、今後、どうなるのかというあたりの問題があるのではないかと思います。
 それから、ちょっと追加で、さっきの法律のところで、船の話をしていただきましたが、建設リサイクル法も法律自体にはないですけれども、恐らく政省令か何かで、何かは規定しているんじゃないかと思いますので、建設リサイクルの問題も、ちょっとどこかに、ひょっとしたら、これは主なものだからいいんですけれども、念頭には置いた方がいいのかなと思いました。
 以上です。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 今後、どういう救済の広げ方をし、どういう制度設計をするかということと、今の大塚委員の指摘とはかかわりがあると思います。つまり、とりあえず緊急にといった、これまで議論してきたのは、どちらかというと、労災から漏れている一人親方的な方で、任意加入もしておられなかったような方々が全く取り残されているので、ここは何とかしなきゃいけませんとやってきたわけですが、今後の問題は、多分そればっかりじゃないですね。この間、中皮腫で中学校の体操の先生が認定されましたが、それが出てきますから、そのような被害者の方々が増えてきますと、これは決して労働災害という枠だけではない、これを越えて広がっていく可能性が十分ありそうだし、あるいは、今までは工場・事業所の付近にお住まいの方々の健康ということで心配していたんですけれども、新聞の報道の限りですけれども、私が心配しているのは、先ほどもふれましたように建築廃材みたいなものとか、解体をしたものが放置されているところでアスベストが舞い上がっているというようなことがもしあるとすれば、際限なく被害が広がっていく可能性があるわけですから、どこの範囲までを救済するのかということです。
 そうなりますと、例えば、工場・事業所周辺にある程度線引きをして、その範囲の救済にとどめておけば、限りなく原因者負担的な構造に持っていけるし、それから、廃棄物処理施設、建築廃材の捨ててある場所のような問題が、今後顕在化してくるとするならば、それについてはまた全然違う論理を考えなきゃいけなくなってきますから、かなり難しい方程式を解かなくてはいけないということになりそうな気がします。
 これも短い時間で、どこまでできるのかわかりませんけれども、少なくとも法律系の人間としては考えなきゃいけないと思っていますし、ぜひ、椋田委員にも、このあたりのところは議論に加わっていただかないといけないと思います。
 それから、自治体負担の問題も、もう一つあります。これも今度は自治体から加わってくださいますから、そこを通じて自治体側の意向をしっかり聞かなくてはいけないということもございます。
 内山委員、どうぞ。

○内山委員 先ほどからもご議論がありますように、制度設計自体のことを考えるときに、こういうことが理想的であると広げていった場合、あるいは、以前もご議論のあった健康管理制度もここで含めたいということになると、そのときに、今度は費用の問題が当然出てくるので、そうすると、先ほども大塚委員からもご発言がありましたけれども、費用の負担をどうするかとか、あるいは、その額をどうするかというところまで、この委員会で議論をすることができるのかどうか。こういうことをやるべきだと、やるべきだと上がってきても、今の実際集めている資料では、あるいは制度では、当然できないということになってしまうと、またあれなんですが、それを両方考えることができるのかどうか。あるいは、今の制度の中で、こういうように有効に使っていったらどうかというふうにするのかどうか、そこら辺のところを、もう少し、どこまで議論の範囲をやっていいのかということを少し教えていただければ。それによって、また少し違ってくるのではないかと。
 前、費用負担のときに、私が委員長をやっていた分だと思うんですが、あのときには、例えば、今の企業として負担するときの原則として、例えばその会社なり企業が何人以上の中皮腫を出しているというところで、ある程度責任があるだろうということだったんですが、そのときの基準をあれすれば、今はもう5年たっていますから、大分以前の、5年前のときには何人しか出ていなかったけど、今は5年後だから労災として何件出ているというところも出てきていると思うので、そういうところまで、また触るのか。
 ただ、あのときは相当過大に発生数を、全部クロシドライトのということで発生数を予測していますので、その後、クロシドライトが禁止されてから、クリソタイルになってからは、恐らくそれほど、全部がクロシドライトのときほど発生数が出てこないんではないかということだと、多少基金に余裕が出てくる可能性もあるということですね。
 その間、5年間で、あのときに推計したものと、それから、今の伸びがどうなっているか。多分、もう今は1,100ぐらいで、少し横ばいになってきて、あのときはまだまだどんどん伸びるという、多分予測だったと思います、使用量からいくと。だから、そういう5年ぐらいで、少し予測が見直されるものは見直して、将来、どういう基金体制にするか、あるいは、現存のものでも、このぐらいはできるということも、少し考えながら議論させていただければいいと思います。
 それから、項目に関しては、今までの6回の議論で、これは後の制度設計のときに議論しましょうということが何回かありましたので、そこを事務局の方で拾い出していただいて、どういう論点があったか。
 それから、先ほどのパブリックコメントでも、この点に関しては、今後の議論ですというふうにお答えが書いてあるところの論点を少しピックアップしていただけると、その中で、では、どれが一番基本的で、これが優先的にここを詰めないと、そのあとができませんねということが見えてくるのではないかというふうに思います。

○椋田委員 先ほど、原因者負担をふやすといったお話もあったんですが、今回の話で難しいのは、そもそもこの石綿というのは、国が使用を強く推奨していた物質で、特に建築においては、実態的にこれを使わないと、もう家が建てられないよというような状態に近いような形であったというふうに私は理解をしております。
 そういった中で、どういった形で関係者で被害の救済の負担をしていくのかということを、適正かつ公正な制度をどういうふうにつくっていくのかということが、これから重要になってくるんだと思っております。
 それから、ちょっと、私、今回からの参加ですので、今までもしかしたら、もう既に議論があったのかもしれないんですが、ちょっと基本的な事項として、もし本日難しければ次回以降教えていただければと思いますけれども、一つは、今の救済基金がどういった財政状況になっているのかという話、それから、今回、指定疾病拡大に伴って、それがどういった影響が考えられているのか。それから、今、基金をつくる形、あるいは、地方自治体からの負担等もあって、費用負担があるわけですが、この費用負担とか分担が、どういった根拠に基づいて、どういった割合で行われているのか。ぜひ、そういった点について教えていただきたいということと、先ほど、ちょっと別の委員の方からお話がありました、当初の想定と考えておった想定と、相当状況が変わってきた点があれば、その辺についても、明らかにしていただければと思っておりますので、ぜひ、よろしくお願いいたします。

○古谷委員 大塚先生が言われた点について、環境省への質問の投げ放しじゃなくて、こちらでも何か材料がどうやったら考えられるかということを含めての質問なんですが、もちろん企業や国の責任ということでは、裁判例なんかが出てくれば、それは一つの材料ですけれども、今、実際、救済・給付の対象となっている人のうち、原因が特定ないし推定できる人が、どれぐらいいて、どんなふうになっているのかというようなことを、議論できる材料が環境省にあるのか、被害対策室に限らず環境省のどこの部署でも結構なのですが、もし出せる資料があったら、ぜひ出して、議論に提供してほしいと思うんですけれども、そう簡単ではなかろうというふうに思うのと、そのことも含めて、これはむしろ大塚先生、どういう材料づくりなりというようなことでお考えがあったら、お聞きしたいんですが。

○浅野委員長 まず、前半部分については、多分、制度の仕組みとしては、そういう形の解析は非常に難しいでしょうね。

○泉室長 私たちが持っている資料は、認定を受けた方が任意でアンケートに答えてくださって、どういう成育歴、居住歴、職業歴があるかというお答えの中から、この方はどうも職業ばく露らしいと、この方は家庭内ではないか、この方は明確な要因がないなというのを分析した、そのくらいの区別はわかりますが、具体的にどこのというようなことでの原因者という意味であれば、そこまでの情報は私たちは、ちょっと持ちようがないと言いますか、持っていないということになります。

○浅野委員長 私がイメージしているのは、細かい係数までここで責任をもって数字をはじけと言われたって、それはとてもできそうもないと思っているので、あくまでも現行制度はこういう考え方でやっていました。それから、今、椋田委員がおっしゃったように、実際、ではどうだったのかと、ここは事実ですから、きちっと押さえておいて、こうですということをやるわけですが、しかし、だから、この範囲内でまだこれだけ余裕があるから、これだけ広げましょうというような議論は余りやりたくないと思います。もっと、そこはきちっと筋を通してやるべきで、本来あるべき救済はこういう姿であるとするならば、それについて考え方として、どういう費用負担のあり方がいいのかということを、きちっと考えて、それとの関係で、こういう考え方であれば、こういう救済になるだろうというような話になっていくのではないだろうかと考えます。
 しかし、全体としては、確かに国は今、基金の半額超のほか事務費の負担という形になっているわけですけれども、いろいろと状況がありますから、今後国の法的責任がより厳しく認められるというようなことが、もし仮に起これば、さらにそれをふまえた検討という可能性も出てくるわけです。
 ですから、そういう事態をも含めて、どうするのかという議論があり得るだろうと思うわけですが、しかし、ここではあくまでも考えられる考え方を、整理しておく、あるいは考え方をきちんと示していくということが大事であって、それなしに法律改正の議論はできないだろうと思います。
 法律の改正を提案するときに、これでは幾らお金がかかりますから、こうですというようなことまで、ここでちゃんと責任を持って計算しろと言われたら、こういう小委員会はもちませんというのが正直なところです。やってみなきゃわからない面もいっぱいあるしということなのでしょうが、しかし、従来型の費用負担のあり方だけで、今、求められている救済を賄うということは難しかろうということは言えるはずです。
 ですから、しっかりと救済を確保することと同時に、将来五、六十年、ずっと救済制度を維持していかなくてはならないような事態をどう防ぐかということを、ぜひ、一緒に考えなくてはなるまいというふうに考えますから、最初に今後の新たな被害発生の抑止にさらに万全をつくすべき、ということを強く申し上げたわけです。そうしませんと、だれが費用負担をするにしても、大変なことだということになってしまいます。
 場合によっては、これは部会長、もしくは会長に申し上げて、もっと別の審議体がやらなければいけないのなら、委員会がどこかで一緒になって合同部会にしてもらうとか、そんなことを含めて、そこまで話しが広がる可能性も否定できないのかなという気持ちはございます。
 医学系の先生方で、何か今後の議論の中で、今の段階でお気づきの点はございますでしょうか。例えば、良性石綿胸水の問題をどうするかというのは、今、何が問題なのか、ちょっとそのあたりを素人に講義をしていただけると、ありがたいと思うのですが、岸本委員、いかがですか。

○岸本委員 良性石綿胸水に関しては、労災対象疾病となって、もうかなり時間が経過しているんですけれども、対象疾病となった当初は余り出ていなくて、最近、申請が結構出てきています。診断基準が医学的に確定しておりませんので、これが一番問題になっております。
 何を根拠にするのかというと、職業性の石綿ばく露があったということと、ほかに胸水の原因となる疾病がないと、いわゆるウェイストバスケット的な診断にしかならないということです。石綿ばく露歴があるということが、一番大切です。
 事案として出てくるのは、胸水を調べることなく、良性石綿胸水だというようなケースもあります。胸水を詳細に調べて、その基準というのを一度きちっと決めておく必要が私はあると思います。疾患の診断基準というのが決められないと認定も難しいと思います。日本の基準を改めてつくるという作業をぜひしなきゃいけないと思います。
 1982年のエプラーらの基準というのは、前向きの疫学調査で、とりあえず、石綿ばく露があって、胸水があって、原因となる疾患がなくて、向こう3年間中皮腫が出ないという、これはあくまでも疫学的な漠然とした基準です。それしかないので、医学的なエンティティを決めることができないということが、一番の問題だろうというふうに思います。
 それから、前、議論になったびまん性胸膜肥厚というのもそうでございまして、これを来す疾患というのは、もちろんアスベストばく露もあるんですけれども、ほかの疾患でも多々あります。ただ、日常的に石綿ばく露があるだろうということを予測して診ている医者には、石綿ばく露によって起こったびまん性胸膜肥厚だということはわかるんですけれども、それを漠然と診ておれば、他疾患との鑑別というのが非常に難しいと思います。実際に結核性でも心不全でも肝硬変でも、胸水はたまりますし、リウマチ性胸膜炎ほかの膠原病でもそうです。どの疾患で、どの程度びまん性胸膜肥厚が起こっているのかという調査が全然されていないというのも、医学的には問題です。このあたりを明らかにして、びまん性胸膜肥厚の原因として、石綿ばく露は何%ぐらいあるのかということも、医学的には調べていく必要が、私はあろうかというふうに思います。
 それから、石綿肺というのは、診断が難しいということが、我々も最近症例を集めて見ていてわかります。粉じんの中でもアスベストだけを吸わない労働者の方は非常に多いです。シリカとか、ヒュームとか、いろいろ混合性に粉じんを扱う機会が多いと思います。そういう人で、画像が石綿肺に似ている。なおかつ、胸膜プラークがあるといった場合に、安易にこれは石綿肺だというふうに診断をされた例が少なくないということに、我々も気づきました。
 本当に石綿肺だと医学的に判断できる例というのは、石綿を高濃度、大量ばく露をしている人以外はないということも、明らかになっています。ただ、今まで医学的にきちんとしたスタディもなかったので、石綿を吸って、プラークがあって、線維化がある人を石綿肺というふうに診断してきたというような、そういう過去の反省もあるので、石綿肺症例も事例を集めて、医学的な見地からさらなる検討をしなければならないと思います。
 実際に、環境ばく露、近隣ばく露で石綿肺が出るか出ないかということは、これは非常に大きな問題だと思います。世界的にも環境ばく露が原因であるということが明らかな症例というのは、まだ出ていないというふうに、私は思っております。
 そういう近隣ばく露の事例が日本でたくさん出るということになると、これは医学的な信憑性の問題がありますので、日本の医学者は何やっているんだと、本当にそうかというようなことも将来的に言われることもあるので、医学的に我々は現段階で、きちっと診断をしていくということが必要だろうというふうに思っています。
 私が一番気になるのは、胸膜プラークでございまして、胸膜プラークは確かに疾患じゃない。過去にアスベストばく露をしたということの証明になるということなんですが、こういう方を診ていますと、確かに中皮腫になられる方や肺がんになる方もいらっしゃるわけなので、救済という観点から、健康診断をきちっとやっておあげをする。そうすると、肺がんも早期で見つかるし、中皮腫でもあっても、年2回、健康管理手帳ではやっていますけれども、早期発見につながるんではないかというふうに思います。胸膜プラークを持っていらっしゃって、石綿健康管理手帳の対象にならない方の健康管理というのは、ぜひ、この会で議論をしていっていただきたいなというふうに思っております。
 あくまでも、これは医学的な見地で、今、申し上げたわけであって、救済法とこれをどのように上手に組み合わせるかというのは、先生方にご議論いただきたいなというふうに思っています。

○浅野委員長 よくわかりました。特に前からも言われていたし、前の中環審の報告の中にもあったのですが、健康管理システムを確立せよということがあって、その話との連続性で、この症状に関しては健康管理が必要であるというようなものは明確にしておく必要がある。それから、この症状については、少なくとも医療の給付というような形の、より踏み込んだ救済が必要であるというような、幾つかあるのだろう。救済は、現行法では、一色ですから、それを幾つかのランクに分けるということが、病態、病状、症状というものに応じて考えられなくてはいけないということがあると思います。
 それから、前から古谷委員が言っておられて、我々もペンディングだと言っている課題が、続発症の問題、合併症をどうするか、これは次に解決しますといって約束をしていますので、これをやらなきゃいけませんし、それから、少なくとも、今回、ばく露歴まで見ましょうということになったわけですが、ばく露歴というのは、いろんなレベルのばく露歴がありますから、どういう形で客観性をもってばく露歴を把握するのかということは、ある程度議論して、制度化しておかないと、ばらつきが起こってしまうということがありそうです。だから、その問題も避けて通れないだろうという気がしています。
 そのほかにも、もう既に、ずっと議論の中で、これは今後に必ず検討しますといったことがありますから、事務局で、それらを、次回か次々回ぐらいまでに論点整理をしていただき、次回、また多くの方のご意見を聞くことになりますから、それもふまえて整理をしていただきたいと思います。
 委員からも、これは論点として取り上げるべきだということがあれば、きょうはご欠席の委員もいらっしゃることなので、メモを出していただくということにしてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

○古谷委員 ぜひ、それはさせていただきます。
 それと、過去、事務局にもお話をしているんですけれども、先ほど来の議論と絡んで、それは費用負担とかもさることながら、やはり、最初の出発点で、すき間ない救済という話があって、救済対象となる方々たちが、すき間なくちゃんと救済されているのかということを検証するというところから見直しを始めた方がいいと思うんですけれども、その場合、救済法だけではない、環境省だけではないということになるものですから、できたら事務局でも用意してもらいたいと思っています。私たちもそこは最初から関心があり、例えば、厚生労働省の労災認定件数の死亡年別の補償状況というのは、大分しつこく要請して、ようやくこのごろ公表されるようになっている。環境再生保全機構は、死亡後救済、特別遺族弔慰金等については最初から死亡年別のデータを出してくれているんですけれども、生存中救済、療養手当等を受けた後死亡した人については、いまだに死亡年別のデータが公表されていない。今度公表するときには入れるとか聞いていますけれども、なかなか検証が難しいところはあるんですが、自分たちなりに検証を試みてもいます。そういうものも提起させていただくことが可能でしたら、ぜひ、そういう機会をください。

○浅野委員長 わかりました。
 それでは、井内委員、どうぞ。

○井内委員 先ほど石綿関連疾患の中で岸本先生が良性のところだけピックアップしておっしゃったんで、ちょっと悪性腫瘍のことについて、私が一番かかわっているものですから、ちょっと発言をさせていただきたいと思います。
 先ほどいただいた、まず、悪性腫瘍というと、中皮腫と肺がんということになるんですが、環境省からいただいた資料を見ますと、平成12年に環境省で認められた中皮腫というのは、これは必ずしもその年に発生して、その年に亡くなったという意味ではありませんが、認定をされた方の数が688人で、労災の方では、先ほど古谷さんもおっしゃったけど、数が出てきたというのは、僕も非常にいいことだと思うんですが、559という数が出ているんです。そうすると、これを合わせますと、1,247名の方がこの年に中皮腫という診断を受けて救済をされたということになります。
 当初、我々がクボタショックの問題が起こったときに考えたのは、一体どのぐらい将来的に中皮腫が起こるんだろう。中皮腫が一番わかりやすいので、それが被害者全体の数の把握という面からいっても、非常に参考になると思うんですが、私が知るところでは、1974年に輸入したアスベストの量が最高に達して35万トンなんですね、35万4,000トン。オーストラリアのヘンダーソンが世界各国のデータを集めたときに、その当時、200トンに使用すれば1例の中皮腫が出ると言ったものですから、単純にそれから計算すると1,700人がマキシマムかなと思っていたんです。潜伏期が30年から40年とすると、もう、ことし、36年、1974年から36を足しますと、ことし、ちょうど2010年で、ちょうど潜伏期の真ん中ぐらいでしょうかね。ということは、今この見ている数が、その年に必ずしも起こったとは言えないという前提はあれますけども、1,200から1,300、この辺がマキシマムであろうという推測がある程度成り立つと。いろんな統計データを見ますと、そうじゃないデータもたくさん出てきますが。そうすると、この状況がアスベストの使用量だけから見ていけば、この1,300程度が20年、あるいは30年続くのかなと。先ほどご議論あったように、いつまで救済すればいいのかとか、どのぐらいの費用を見積もればいいのかとかという問題の参考にはなるかなというふうに思っております。
 それが1点なんですが、実は先ほどから労災と、それから、環境省でやっている救済制度の制度上の違いももちろんあるんですが、常に、私言っているんですけど、同じ中皮腫でも診ている人が違うと、診断が違うということがあるんです。つまり、中皮腫なのに、そうじゃないと言われている場合もあるだろうし、逆に肺がんなのに中皮腫だと言われている人もあるだろう。そういうのは、常に医学的には、医学というのは、常に100%ではありませんから、○と×だけでいうと、非常に問題があるというふうにかねがね申し上げてきたので、海外などでは、カテゴリー別にして、確からしさというのを少しグレーディングして、医学的判定と、それから救済というのは、少し別にして、少し問題があっても救済をすべきだというのならば、してほしい。それは僕は特に病理なので、中皮腫であるかないかというのを、毎日、ぎりぎりと診断をつけるように求められるわけです。そういう人間にとっては、大変つらいんですね。この人を救済するかしないかという判断じゃなくて、中皮腫のらしさぐらいしか言えないという立場なのに、それ以上のことを求められるとしたら、恐らく臨床の先生も、放射線診断をされる先生も同じ苦しみを持っているので、そこに入らないかと、そういう制度が入れられないのかと。その基準で同じ労災も同じようにやっていけば、例えば、中皮腫の診断をつけた方が救済されていくというプロセスの中で、これはあくまでも医学的判定のところだけの話を、私、今、しているつもりなんですが、もう少しお互いが納得した形での救済というのが可能なんじゃないかなというふうに常々思っていますので、思っていることを、ちょっときょうは言わせていただこうと。
 それで、古谷さんなんかは前からおっしゃるんだけど、肺がんの数は少ないじゃないかと。今、データを見ますと、同じ平成20年で認められた方が773人と。環境省で270、労災で503です。これで見ると、逆なんですね。だから肺がんはぐっと少なくなっていると。中皮腫の場合は、環境省扱いの方が多いんだけど、労災では半分です。この状態というのが、果たして正しいのかどうかと、いつも我々も聞かれるんです。インターナショナルな場面へ出ていくと、日本はどうして肺がんはこんなに少ないんだと、こう言われるんですが、現実に我々の基準が厳し過ぎるのか、あるいは、もっと違うクライテリアでやるべきなのかというのは、常に判定会でも問題になっていますので、この肺がんの問題については、5年前につくった医学的基準というのを、もう一度相談するというか、もう一度つくり直すという作業も、ことし中にやれと言われても難しいかとは思うんですが、それは始めておくべきではないかなという、かねがね思っています。
 ただ、今、こうしたらいい方法があるよというものを、私は持っているわけではありませんので、今、この判定会で判定をしている方たちの少なくともコンセンサスがとれるような何か新しいクライテリアを探していくということが必要かもしれません。
 中皮腫に関しては、インターナショナルな場面に、私もしばしば参加させていただいているので、基準そのものは、もうほとんど、ほとんどというか、完全に一致しておりますので、診断をつけていくプロセスというのは、ほとんど問題はないと思いますが、肺がんに関しては、そこまで詰めた議論がまだできていない現状ではないかなというふうに思います。
 ただ、外国の人に言えば、日本はそんなに厳しくしなくていいんじゃないかという意見は出るので、その辺が古谷さんがいつもおっしゃるところだと思うんだけど、やっぱり日本人の医者ってまじめなんですね。ちゃんと診断しようと努力をしますので、努力がむしろ被害者の方にとってマイナスになっている部分もあるので、しかし、それは制度、税金も入り、企業の負担もあるわけですから、そこのところのはざまにいつも医学的判定をしている人間は悩んでいるということもご承知置きいただきたいというふうに思っております。
 ちょっと長くなりましたが、以上です。

○浅野委員長 ありがとうございました。十分に参考にさせていただかなきゃいけないご意見だったと思います。
 先ほど、岸本委員がご発言になったアスベスト肺、他の粉じんとの複合性のものがあるのだという現実をお示しになったのですが、この問題などは医学的にはどうかということと、それから、少なくともアスベストがその中にまじっているようなものついて、複合性であるからこれは外すというのは、医学的には潔癖であるにせよ、救済法上、納得を得られるかどうかという議論は出てくるでしょう、その点は岸本委員は、よくおわかりになった上でご発言になっていますので、この辺も、今の井内委員のご発言とあわせて、我々は考えるときに一緒に考えなくてはいけないと思いました。
 清水委員、三浦委員、何かございますでしょうか。よろしゅうございますか、どうぞ。

○三浦委員 現実の中皮腫のグレーディング、これは今、基準の見直しをもう現にやって、間もなく動き出します。要するに、白か黒かだけではなくて、医学的には何段階かに分かれて、それで、この辺で線を引きましょうというような形で認定の方は逆にできるようなシステム。現実にはもうそのシステムで動いていることが、現実には、いわゆるグレーゾーンについては、かなり厳しいディスカッションをした上で、かなり救済されているのは、現在の判定小委員会の方の現状です。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 清水委員、よろしゅうございましょうか。
 今村委員は何かご発言ございますか。

○今村委員 私は法律の専門でもないし、石綿の疾病の専門でもないので、なかなか発言するのは難しいところはあるんですけれども、正直申し上げまして、我々の医師、現場で働いている医師のところに、まずこういった患者さんがそれぞれ自覚症状を持って来られると。そういった意味で、私どもがきちんと早期に発見をして、専門の先生にどういう形でつないでいくかという、こういう救済法の法律とはちょっと違ったところで、非常に重要な課題だというふうに思っておりまして、今後、事務局で論点、整理していただいて、我々の立場で何かまたご意見申し上げられることがあれば、そのときに申し上げたいと思っております。

○浅野委員長 どうもありがとうございました。
 内山委員、さらに何かございますか。よろしゅうございますか。
 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 さっき古谷委員に聞かれたので、多分、議事録に残っちゃうので、何か答えないとまずいかなと思いますので、最初の機会ですし、一応、いろんなことは言っておいた方がいいかなと思いますけども、先ほど私が申し上げた議論は、別に不法行為訴訟の議論ではないので、環境法としての原因者負担の話なので、不法行為訴訟がなされたときに求められるような特定性とか、そういう意味での特定性のあるような因果関係が求められるわけじゃないということになりますので、石綿を生産したり、輸入したりしなければ、こういうことが起きないというふうに、中皮腫に関して8割方の確率で言えるのであれば、それはマスとしての因果関係はあるということになりますので、公健法は因果関係で割り切れないところで、いろいろご議論があって、問題があったと思いますけれども、そっちの方ではなくて、公健法の負担の仕方の方は似たような考え方をとれるのではないかという趣旨で申し上げました。
 現在、事業主に関しては、全事業主というのと、[2]の方は原因者ということだと思いますけども、二つに分かれていて、たしか[2]の方は4社ぐらいしかなかったですけども、そういう意味では全事業主が余りにも多いんですが、例えば、これを2段階を三段階に分けなおすとか、[2]の人は生産者とか輸入者とかということになっていますが、間に使用している方とかを含めて、恐らく全くアスベストとは何の関係もないような事業者もいらっしゃるでしょうから、もうちょっと2段階というのは、細かく分けた方がいいんじゃないかなということはございます。
 ただ、余り事業主の方に費用負担をしてもらおうということばかり考えているわけでは、もちろんございませんので、先ほど、座長もおっしゃったし、私も申し上げたんですけれども、ちょっと申し上げにくかったので、明確には言わなかったですけれども、国の方が何らかの負担を今よりもしなくちゃいけなくなる可能性もあるかと思いますので、それはそれぞれ費用負担をせざるを得ないことになるのではないかと思っております。
 以上です。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 古谷委員、どうぞ。

○古谷委員 きょうどういう議論になるかわからなかった点も含めて、こういうふうに法律を変えてほしいという提案ではなくて、ぜひ、検討の課題として取り上げてほしいというざくっとしたメモを持ってきてはいるんですが、どっちにしろ、きょう、ここで説明するつもりはないんですが、今、ここで配るのがいいのか、あるいは、後に回した方が。

○浅野委員長 では、事務局に出して、次回以降取り上げさせていただきます。

○古谷委員 それはぜひ。
 その上で、最後に1点だけこの機会を借りて言わせてください。救済法が採択された国会の決議でも、特にアジアを念頭に置いた国際協力の話が出ています。実は3月11日にイタリアで、これはWHOの欧州の枠組みですが、五十数カ国の環境大臣や保健大臣が集って、エンバイロメンタルヘルスの、環境保健の会議をやっているんですけれども、そこで採択された宣言の中で、2015年までに各国でアスベスト関連疾患根絶に向けたナショナルプラン、国家計画をつくろうということがうたわれました。これはILOやWHOが今、しきりに促進しているプログラムの一つです。聞いたところでは、7月の14-15日に、韓国の済州島で、アセアンと日本やなんかも入ってですか、環境保健に関する閣僚会合が開かれるという話を耳にしていまして、ぜひ、似たようなイニシアチブを、そこに集まったアジアの各国においても、環境閣僚会合が2015年なりの時期までにアスベスト関連疾患根絶のための国家計画をみんなでつくろうじゃないかと、各国つくろうじゃないかというようなイニシアチブを日本が発揮していただけたらということを、部長がいらっしゃっていますから、特にこの場で要請しておきたいと思います。ぜひ、先生方も賛成していただけたら、部長なり環境省に、ぜひ、そういうことを要請していただければと思います。

○浅野委員長 ありがとうございました。ご提案として承っておきます。
 それでは、大体きょうご発言をいただきました。それから、先ほど、内山委員から、既にこれまでの議論の中で論点については、かなり問題点を出してきているので、一たんこれは事務局で引き取って整理をしてほしいということでございました。整理をしていただいたものをもとに、さらに次回以降の議論の中で論点を詰めていきたいと思います。
 この次は、とりあえず関係者からのヒアリングを行いたいというふうに考えておりまして、この点についても、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、次回の会議の日程についての説明をお願いいたします。

○柳田補佐 次回の小委員会の日程でございますけれども、次回、ヒアリングということで、5月の中下旬ごろを予定しておりますが、また、詳細が決まりましたら、追ってご連絡させていただきます。
 また、これまでと同様、本日の議事録につきましては、原案を作成いたしまして、先生方にご確認いただいた後、環境省のホームページに掲載する予定ですので、よろしくお願いいたします。
 また、本日、配付した資料については、資料5の方は、紙の節約の観点から、持ち帰っていただいても結構ですけれども、その際には、また、次回以降もちょっと持ってきていただきたいのと、また、置いていっていただいても結構でございまして、また、次回に必要な資料等をつけ加えていくという形にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、以上で第6回目の石綿健康被害救済小委員会を終了いたしたいと思います。どうもありがとうございました。

午後5時49分 閉会

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