中央環境審議会 環境保健部会  石綿健康被害救済小委員会(第5回)議事録


議事録

午後1時01分 開会

○柳田補佐 それでは、若干おくれている先生もいらっしゃいますが、定刻になりましたので、ただいまから第5回中央環境審議会環境保健部会石綿健康被害救済小委員会を開催いたします。
 本日は、小委員会委員9名のうち、現時点で7名のご出席をいただいておりますので、定足数を満たしております。
 まず、本日の資料の確認をしたいと思います。資料1といたしまして、中央環境審議会の環境保健部会石綿健康被害救済小委員会の委員名簿でございます。資料2といたしまして、石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方について(案)でございます。それと、参考資料といたしまして、参考資料集をつけております。主として、びまん性胸膜肥厚に関する参考資料をつけております。
 それでは、ここからの議事進行は浅野委員長にお願いしたいと思います。それでは、浅野委員長、よろしくお願いいたします。
 なお、カメラ撮りについては、ここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○浅野委員長 それでは、本日は、できましたらパブリックコメントにする案をまとめるという段階にまで審議を進めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
 石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方について、前回に引き続いて議論をさせていただきます。
 昨年の11月27日に第1回を開きましたが、これまで4回にわたって、指定疾病追加に関する検討を行ってまいりました。前回、2月24日の会議におきましては、答申の取りまとめのために、アスベスト肺の救済のあり方について、また、アスベスト肺の判定のあり方について、その他疾病をどうするかということに関しては、びまん性胸膜肥厚を初めとするその他疾病の取り扱いについてのご議論をいただいたところでございます。
 この議論を踏まえまして、答申の素案について、前回も少したたき台のようなものをお示しいたしましたが、さらに前回のご議論を受けた形で、追記・修正を行ったものが、本日、資料の2ということになっております。この素案について、きょうご検討をいただき、ご了承いただけるようでありましたら、速やかにパブリックコメントの手続に入りたいと思います。
 なお、パブリックコメントの後に、さらにパブリックコメントを受けて修正をするということがございますので、本日の案が最終案ではないということは、あらかじめご理解をいただきたいと思います。私はパブリックコメントを形式的にやるということは余り好きではありません。パブリックコメントで委員会が見落としていた点についてご意見が出されるならば、それを踏まえて修正することは幾らもありますし、本日以降に、先生方からさらにお気づきの点がございましたら、それらについてはパブリックコメント後の修正ということで、修正する余地がございますので、その点もお含みおきいただきたいと存じます。
 それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○泉室長 それでは、お手元の資料2に基づきまして、答申素案についてご説明したいと思います。座って失礼いたします。
 資料2、石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方について(案)でございます。
 1.はじめに。ここは検討の経緯を書いているところでございますが、主なところを読ませていただきます。石綿による健康被害の迅速な救済を図るための「石綿による健康被害の救済に関する法律」は、平成18年3月に施行され、これに基づき、石綿による健康被害を受けた方及びその遺族に対し、各種救済給付が行われているところである。また、平成20年には、議員立法による法改正により、医療費等の支給対象期間の拡大等の措置がなされたところである。
 現在、法の救済給付の対象となる指定疾病は、中皮腫及び肺がんの2つであるが、平成18年3月の中央環境審議会答申「石綿による健康被害の救済における指定疾病に係る医学的判定に関する考え方について」において、石綿肺をはじめとする他の非腫瘍性石綿関連疾患については、「様々な原因で発症するものであり、客観的な職業ばく露歴がなければ他の原因によるものと区別して診断することが難しいこと、職業性疾病として知られてきたものであり、一般環境経由による発症例の報告はこれまでにないことなどから、今後、さらに知見を収集し、その取扱いについて検討していくことが適当」と指摘されているほか、法制定時の衆・参環境委員会の附帯決議においても、「指定疾病については、中皮腫及び肺がん以外の疾病についても被害実態の把握に努め、必要に応じて対象に加えること」とされているところである。
 また、法の附則においては、施行後5年以内に、施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な見直しを行うこととされているところである。
 これらを踏まえ、平成21年10月26日付けで環境大臣から中央環境審議会に対し、「石綿健康被害救済制度の在り方について」具体的には、一つは、石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方について、及び2として、今後の石綿健康被害救済制度の在り方についての諮問が行われ、同年10月28日に開催された同審議会環境保健部会において、本諮問事項についての調査審議を行うため、同部会に石綿健康被害救済小委員会が設置されることとなった。
 小委員会においては、まず、諮問事項の「1.石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方」について、平成21年11月27日より、これは最終的に数字を入れますが、計○回開催して審議を行った。また、審議に当たっては、患者団体や医学の専門家からのヒアリングを行い、これらを踏まえて検討を行った。
 この諮問事項「1.」について、検討を行った結果をここに報告する。
 次のページの2でございます。救済給付の対象となる指定疾病の追加について。
 環境省においてはこれまで、石綿肺等に係る医学的知見の収集を行うとともに、専門家による検討を行ってきた。本小委員会においては、これらの結果を基礎として制度上の取扱いについて検討を行った。
 (1)石綿肺について。[1]救済給付の対象となる病態について。
 現行制度においては、重篤な被害を救済することを念頭に、被認定者への給付は、「医療費及び療養手当」のみとなっており、疾病の重症度に応じた給付体系とはなっていない。
 これを踏まえると、石綿肺には無症候のものから著しい呼吸機能障害をきたすものまで様々な病態が存在するが、このうち著しい呼吸機能障害をきたしている場合は、現在の指定疾病(中皮腫及び肺がん)と同様に重篤な病態であり、現行法の趣旨にかんがみ、救済の対象とすることが適当であると考える。
 なお、救済給付の対象となる指定疾病の範囲に関しては、「法律の文言上は重篤な疾病に限定していないと考えられるので、重篤な病態にとらわれるべきではないのではないか」、「労災制度では、石綿肺を含むじん肺について、一定の合併症が認められれば(著しい呼吸機能障害がなくとも)業務上の疾病として取り扱っているため、これと同様の取扱いをすべき」といった意見があった。
 これらの意見は、法制度の枠組みの見直しに関わるものであることから、「今後の石綿健康被害救済制度の在り方」を議論する中で引き続き検討を行い、追って答申することとする。
 [2]医療費支給の範囲に関する考え方について。著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺に付随する疾病であって、日常生活に相当の制限が加わり、常に医師の管理による治療が必要であるような疾病については、当該指定疾病と一体のものとして取扱われるべきであると考える。なお、付随する疾病の例としては、石綿による肺がん、中皮腫、細菌感染症、肺性心、石綿肺の治療に伴う副作用や後遺症等が想定される。
 次の(2)は、前回のご議論を踏まえて、新しく書いているところでございます。
 (2)びまん性胸膜肥厚について。
 [1]救済給付の対象となる病態について。
 石綿を取り扱う作業に3年以上従事し、石綿を吸入することにより発症したびまん性胸膜肥厚については、著しい呼吸機能障害をきたしている場合には、現在の指定疾病と同様に重篤な病態であることから、現行法の趣旨に鑑み、救済の対象とすることが適当であると考える。
 [2]医療費支給の範囲に関する考え方について。
 さきに示した石綿肺の場合の考え方と同様に扱うことが適当であるとしております。
 次の3が、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺にかかったことを判定するための考え方についてでございます。
 (1)総論(判定に必要な情報について)
 石綿肺であるか否かとその重症度の評価は、大量の石綿へのばく露、適切な条件の下で撮影された胸部CT写真を含む画像所見、呼吸機能検査所見といった情報をもとに総合的に行うことが必要である。さらに、石綿と石綿以外の原因によるびまん性間質性肺炎・肺線維症などとの鑑別を適切に行うためには、病状の経過、既往歴、喫煙歴といった情報も必要となる。
 (2)石綿肺にかかったことを判定するための考え方について。
 [1]石綿へのばく露の確認。
 石綿肺の判定に当たっては、大量の石綿へのばく露を確認するため、石綿肺を発症し得る作業への過去の従事状況等について確認を行うことが必要である。
 ア、石綿肺を発症し得る作業への従事状況については、従事していた事業場の名称や所在地、石綿にばく露した当時の状況(作業の内容、時期、期間、場所等)を本人や遺族等から聴取するとともに、その内容を可能な限り各種の資料によって確認することが必要である。
 なお、石綿肺を発症し得る作業としては、以下の例が挙げられるが、これ以外にも、平成18年2月9日付厚生労働省労働基準局長通知「石綿による疾病の認定基準について」に列挙された「石綿ばく露作業」等を参考として幅広く確認することが望ましい。
 そして例として、そこの点線で囲んである5つの作業を例として挙げております。
 次に、4ページでございます。
 イ、石綿肺を発症し得る作業への従事状況が明らかでない場合は、大量の石綿へのばく露を客観的に示す資料等をもとに、総合的に評価することが適当である。
 なお、肺内の石綿小体計測結果や石綿線維計測結果が提出された場合の評価については、石綿肺を発症し得る肺内の石綿小体や石綿線維の量は肺がんの発症リスクを2倍以上に高める石綿ばく露量よりも多いとする報告もあるが、当面の間は救済の観点から、救済制度における石綿による肺がんの判定基準を参考とすることが適当であると考える。
 次に、[2]画像所見の確認でございます。
 石綿肺の判定に当たっては、胸部単純エックス線写真により、じん肺法に定める第1型以上と同様の肺線維化所見が認められることが必要である。(ただし、大陰影のみが認められる場合を除く。)この際、胸部の所見を的確に把握するためには、胸部CT写真、特にHRCT写真が有用である。
 また、画像所見の確認に当たっては、以下の点に留意することが必要である。
 重喫煙者や吸気不良の胸部単純エックス線写真では、石綿肺と類似の軽い不整形陰影像を呈することがあり、注意が必要である。早期の石綿肺については、重力効果による線維化類似所見を回避するため、腹臥位による撮影が推奨される。
 一時点のみの画像所見で所見の確認を判断することができない場合は、病状を見極めつつ、半年又は一年など一定の期間を置いて再度撮影し、所見の変化を確認することが望ましい。また、過去に撮影した写真により、遡って所見の変化を確認できるのであればこれを活用してもよい。
 次の(3)は、前回ご議論いただいた基準案を文章化したところでございます。
 石綿肺の呼吸機能障害は、基本的にびまん性の間質の線維化に伴う拘束性障害であることから、パーセント肺活量が大きく低下している場合に著しい呼吸機能障害があるものと判定することが適当である。なお、肺活量の正常予測値は、2001年に日本呼吸器学会が提案したものを用いることが適当であると考える。
 また、パーセント肺活量が一定程度低下している場合には、閉塞性換気障害や低酸素血症の状態を考慮して判定することが必要である。
 なお、これらに係る判定基準をわずかに満たさない場合であっても、その他の呼吸機能検査の結果(運動負荷時の呼吸困難を評価する指標等)が提出された場合には、救済の観点から、これらの結果を加えて総合的に判定を行うことが望ましい。
 具体的な判定基準については、次のように考える。といたしまして、5ページの上に点線で囲んでいるところが具体的な基準でございます。
 [1]パーセント肺活量が60%未満であること。又は、[2]パーセント肺活量が60%以上80%未満であって、一つには、1秒率が70%未満であり、かつ、%1秒量が50%未満であること。又は、動脈血酸素分圧が60Torr以下であること、又は、肺胞気動脈血酸素分圧較差の著しい開大が見られること。こちらに前回ご意見のあったAaDO2の基準を入れております。
 注として、その他の呼吸機能検査結果が提出された場合には参考とするとしております。
 なお、AaDO2の基準については、ここに触れておりませんけれども、じん肺法の基準を参考にして評価したいと考えております。
 点線の下にまいります。また、著しい呼吸機能障害の有無を判定するに当たっては、以下の点に留意することが必要である。
 一般に、呼吸機能検査(スパイロメトリーによる検査、フローボリューム曲線の検査)は、検者が適切に指示を行い、被検者の十分な理解と協力を得なければならない。検査結果の妥当性と再現性を確保するためには、日本呼吸器学会のガイドラインに従い、検査は最低3回実施し、このうち最も良好な結果を採用することが必要である。さらに、判定の際は、呼吸機能検査や血液ガス測定の結果が記録されたグラフ、検査報告書等の提出を求めて、これを確認することが必要である。
 石綿肺に他の疾病が合併することにより呼吸機能が修飾されている可能性があるが、この場合であっても、医療機関において得られた呼吸機能検査結果から著しい呼吸機能障害があると認められた場合は救済の対象とする。ただし、気胸など急性の疾病が合併している場合は、状態が落ち着いた後に行われた呼吸機能検査結果を評価することとする。
 なお、呼吸機能の検査方法及び評価方法については、臨床現場に混乱をもたらすおそれがあることから、じん肺法におけるじん肺健康診断の方法と同様にすべきとの意見があった。
 これについては、じん肺法における方法は、じん肺全体を対象とするものであるのに対し、石綿健康被害救済制度においては「石綿肺」を対象に判定方法を検討するものであること、肺活量基準値の予測値については、じん肺健康診断の基準制定時には日本独自のものが存在していなかったが、現時点においては、日本呼吸器学会が2001年に提唱した予測式を採用する方が、日本人のデータを基にしていること等の背景により、医学的な評価が適切になされると考えられること、日本呼吸器学会が提唱した予測式は、現在、臨床現場において実際に使用されていること、などの理由により、新しい知見に基づく上記の方法がより適切であると考えたものである。なお、意見の趣旨を踏まえ、救済制度の新たな判定方法については、医療機関及び医療関係者等への周知徹底を十分に図ることが必要である。このように前回のご指摘とそれに対する考え方をここに入れております。
 次に、(4)といたしまして、施行前死亡者及び未申請死亡者について、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺にかかったことを判定するための考え方について。ここは、十分に書き込んでいなかった点を追加しております。
 施行前死亡者については、資料の保管状況等の事情により、3(2)及び(3)の資料の入手が必ずしも容易ではないことから、石綿肺であったことが記載された死亡届記載事項証明書、医療機関に残存している資料や診療録の記載等を基に総合的に判定することが適当である。未申請死亡者については、(3)の資料の入手が困難な場合には、医療機関に残存している資料や診療録等を利用することが適当であると考える、としております。
 次の4は前回の審議内容を踏まえ、新規に起こした項目です。著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚にかかったことを判定するための考え方について。
 (1)総論(判定に必要な情報について)
 びまん性胸膜肥厚であるか否かとその重症度の評価は、石綿へのばく露、適切な条件の下で撮影された胸部CT写真を含む画像所見、呼吸機能検査所見といった情報をもとに総合的に行うことが必要である。さらに、石綿へのばく露に起因するびまん性胸膜肥厚と、結核性胸膜炎の後遺症、薬剤起因性胸膜疾患、膠原病などの石綿へのばく露とは無関係なものとの鑑別を適切に行うためには、病状の経過、既往歴、喫煙歴といった情報も必要となる。
 (2)びまん性胸膜肥厚にかかったことを判定するための考え方について。
 [1]石綿へのばく露の確認。
 びまん性胸膜肥厚は、石綿へのばく露とは無関係なものもあることから、判定に当たっては、石綿へのばく露状況の確認を行うことが重要である。具体的には、3(2)[1]アの「石綿ばく露作業」への従事期間が3年以上あることが必要である。また、石綿ばく露作業への従事状況の確認方法については、3(2)[1]アで示した石綿肺の場合の考え方と同様に扱うことが適当である。
 [2]画像所見の確認。
 びまん性胸膜肥厚の判定に当たっては、胸部単純エックス線写真により、肥厚の厚さについては、最も厚いところが5mm以上あり、広がりについては、片側にのみ肥厚がある場合は側胸壁の1/2以上、両側に肥厚がある場合は、側胸壁の1/4以上あることが確認できることが必要である。この基準は、労災の基準と同じ数字でございます。この際、胸部の所見を的確に把握するためには、胸部CT写真、特にHRCT写真が有用である。また、過去に撮影した写真を用いるなど、所見の変化を確認することが望ましい。
 (3)著しい呼吸機能障害の有無を判定するための考え方について。
 びまん性胸膜肥厚による呼吸機能障害は拘束性障害であることから、3(3)で示した石綿肺の場合の考え方と同様に扱うこととする。
 (4)施行前死亡者及び未申請死亡者について、著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚にかかったことを判定するための考え方について。
 施行前死亡者については、資料の保管状況等の事情により、4(2)及び(3)の資料の入手が必ずしも容易ではないことから、石綿によるびまん性胸膜肥厚であったことが記載された死亡届記載事項証明書、医療機関に残存している資料や診療録の記載等を基に総合的に判定することが適当である。未申請死亡者については、(3)の資料の入手が困難な場合には、医療機関に残存している資料や診療録等を利用することが適当であると考えるとしております。
 (5)として、その他。
 びまん性胸膜肥厚については、中皮腫、肺がん及び石綿肺に比べ、既知の疫学的・臨床的知見が少ないため、今後さらに、臨床経過や鑑別診断について知見の収集に努めるべきである。前回ご議論がございましたびまん性胸膜肥厚について、まだ資料が十分ではないのではないかというご指摘について、今後さらに知見の収集をするということをここに書き込んでおります。
 次に、5.その他。これは認定の有効期間のことでございます。2の石綿肺及びびまん性胸膜肥厚の認定の有効期間は、中皮腫及び肺がんと同様に、基準日から申請のあった日の前日までの期間に5年を加えた期間とすることが適当であるとしております。
 6.おわりに。
 本報告は、平成21年10月26日付けで環境大臣から諮問された、「石綿健康被害救済制度の在り方について」のうち、「1.石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方について」の考え方を取りまとめたものである。
 今後、引き続いて「2.今後の石綿健康被害救済制度の在り方について」の検討を行う際には、今回検討を行わなかった課題も含め、制度の全般的な議論を行うこととするとしております。
 答申素案は以上でございます。
 本日、参考資料として、前回、びまん性胸膜肥厚についての資料をできれば次回ご用意しますと申し上げたことに対応して、労災での認定状況、びまん性胸膜肥厚に関する各種報告書等をつけておりますので、必要に応じてご参照いただければと思います。
 以上でございます。

○浅野委員長 どうもありがとうございました。それでは、今日はどこからでもというような議論のやり方をするとまとめづらいと思いますので、最初に、1ページと2ページ、3ページの4行目までの、「はじめに」という部分と、それから救済給付の対象となる指定疾病の追加について、この部分について、まずはご意見をいただければと思います。
 お気づきのとおりでございますが、前回、種々議論がありましたびまん性胸膜肥厚につきましては、事務局でご検討をいただきまして、これも指定疾病の中に取り入れるという方向で報告がまとめられております。
 それでは、どなたからでも結構でございます。1と2についてご意見があればお出しください。いかがでございましょうか。

○古谷委員 前回、結論が出なかったびまん性胸膜肥厚について、入れるという提案になっていることに賛成です。前回の議論が、労災認定基準上、石綿ばく露作業に3年間従事プラス医学的所見というのは、極めてすっきりしているというか、明確になっているということも入れようという議論の根拠になっていたことを承知の上で、ひとつこれはお諮りするんですけれども、石綿肺を入れるに当たって、環境ばく露からも生じる可能性をあらかじめ排除することはしないようにしましょうということが、検討会の本意であったというふうに理解しています。
 びまん性胸膜肥厚についても、事例がどういう形になるか、もちろんいろいろ危惧もあるかもしれませんが、どうなんでしょうかということなんです。あらかじめ完全に排除をしてしまう。書きぶりでいいますと、2ページの一番下の2行目、「石綿を取り扱う作業に3年以上従事し、かつ」という書き方になるというのと、6ページ、4の(2)の[1]が、「従事期間が3年以上あることが必要である」と言い切って、それ以外の可能性を排除する書き方になっています。
 実際には、すべての事例が判定委員会にかけられて、十分審査されているということを承知の上で、書きぶりとしては、余地を残しておいた方がいいというのが私の意見で、具体的には、2ページの一番下の2行目のところは、「従事する等して」とか、というような形がいかがだろうかというご提案です。

○浅野委員長 趣旨としては、等を入れようが入れまいが、余り変わりがないという理解はしているわけですが、ただ、「作業に従事し」という言葉を全く労災のように、雇用関係にあってというような意味でないことは、はっきりしているわけです。ですから、要はどういう形であれ、その作業に従事した。それによってばく露をしたことが明白であるということをとりあえず要件にしようということにはしているわけですが、「等」を入れた場合にはすこし微妙ですね。

○古谷委員 具体的な効果としては、恐らく、石綿ばく露作業に3年間従事したのと相当か、それ以上のばく露が何らかの形で確認されたということの処理になると思うんですが、そういう趣旨ということです。

○浅野委員長 ちょっとここら辺が微妙なところで、とりあえず、いわゆる「一人親方」的な方が全く対象から落ちてしまうということは、いかに考えても合理的ではないということから、この話が出ていますので、一般環境経由について、もちろん排除するものではないとはいうものの、前回の議論の流れから言うと、「等」を入れて、その「等」が何かという議論については、ちょっと詰めた議論ができていないという気がいたします。ですから、いずれ4月以降の議論の中で、もうちょっときちんと議論ができるのではないかということと、それから、この中には別の観点から、胸膜肥厚に関してきちんとした臨床経過や鑑別診断についての知見の収集ということが示されていますから、その文脈の中で、一般環境経由についての事例があるかどうかということについては少し考えるという含みで、とりあえずここら辺のところにしておいていただいた方が、委員会としてはまとまりがいいという気がするのですが、どうでしょうか。

○古谷委員 議事録に残すということも含めてなんですが、実際的には、政令にびまん性胸膜肥厚が入って、有効期間が定められて、また別途、判定の基準が示されるという形になり、具体的事例については判定委員会で判定されることになります。今言ったようなものが出たときに、法令の仕組みとして排除しているものではないというふうには理解できるのかなと。

○浅野委員長 それはできると思います。もともと制度的に、労災とは違うという前提があります。

○古谷委員 調べていただくとしたら、事例が出てきたときの対応になると思いますけれども、多分、そういう理解でよろしいのかなというふうには思っています。

○浅野委員長 制度的には、労災のようなものとはまるきり違うという前提で制度ができていることから言うと、古谷委員の今の発言は議事録にとどめますし、それから当面、これで動き出したときに、どのぐらいの方が対象になるか、今のところは必ずしも十分に予測できないのですが、出てきた1件1件の症例について言えば、ここはやっぱり弾力的に見ていくということになるんでしょうが、とりあえず、審議会答申としてはこの書きぶりでいきたいと考えます。しかし、制度の趣旨から言って、労災と違うのだということは明らかであるということは確認されているということでよろしいですか。

○内山委員 今のことで、石綿肺にも係ると思うのですが、石綿肺の場合には、この一般環境ばく露というのは、4ページの3の(2)のイのところで、これが石綿肺を発症し得る作業への従事状況が明らかでない場合というのが、一般環境ととってもいいということですね。ところが、先ほど古谷委員からご指摘の、びまん性胸膜肥厚ではアに準ずるということで、イは入っていないわけですよね。そこで、イは排除するのかという疑問が、一般環境は排除するのかという疑問が出てきてしまうのだと思います。ここは6ページの(2)[1]、従事状況の確認方法については、3(2)の[1]アで示した石綿へのばく露の考え方同様、その次に、ア、イというふうに入れてしまっても、先ほど委員長のおっしゃった趣旨とは反しないと思うんですが。これは、わざわざアで切った理由というのはあるのですか。

○浅野委員長 それはちょっと難しいと思います。というのは、石綿肺と胸膜肥厚というのは、やっぱり病態が違いますので、例えばこの中で、アスベスト小体の議論をやったでしょう。それが、こっちの追加文にはうまく効いてこないだろうと思います。ですから、やっぱりそこに無理がある。とりあえず、前回は全く入れないという趣旨でのかなり強い意見があったのですが、それでは「一人親方」のような方々を救済するという観点から、全く排除というのは筋が通らないではないかという、実は私と古谷委員との2人が発言したので、最終的にはこれが入ったという経過があります。
 とりあえずこのぐらいのところで勘弁してもらわないと、次のところまでいくと、じゃあ、どういうふうな判定基準なのかというところで行き詰まってしまうおそれもあります。ですから、明確に議論できる部分だけで止めていただきたいということになるので、そのようなことについては運用の問題ということに、とりあえずさせていただく。さらにもっと突き詰めた議論は、先の4月以降にきちんとやるということにさせていただきたいと存じます。
 ほかはございませんか。岸本委員、どうぞ。

○岸本委員 今の委員長のご発言は、前回の私の発言を考慮していただいたんだろうというふうに思います。
 びまん性胸膜肥厚というのは、石綿ばく露以外の疾患で多々起こってくる病気でございまして、今、環境経由の石綿ばく露のびまん性胸膜肥厚等については、医学的に全くわかっていないということがございます。ぜひ、広くびまん性胸膜肥厚を集めて、石綿ばく露によるものとよらないものの鑑別診断として何があるのか。それから、石綿ばく露によるびまん性胸膜肥厚に関しては、我々も意識的に見るんですが、そうでない、例えば心不全とか、例えば肝硬変なんかでも、びまん性胸膜肥厚が出た症例、私は数例持っていますけれども、そのあたりの医学的なエビデンスをもう少し蓄積していくということが必要だと思います。これは日本だけじゃなくて、海外でもまだ症例が十分にございませんので、石綿肺とは状況が違うというふうに思います。ある意味では、びまん性胸膜肥厚症例の肺組織の中の石綿小体数がどうだとか、そういう調査もやれます。石綿肺は高濃度の石綿ばく露で起こってくるということがわかっていますが、びまん性胸膜肥厚については、どの程度のばく露で起こってくるんだろうかということも、全く医学的にわかっていませんので、こういうことも並行して調査研究をするということでどうかというふうに思います。

○浅野委員長 ほかにご意見がございますか。それでは、三浦委員、どうぞ。

○三浦委員 一番最初に、びまん性胸膜肥厚を労災で検討したときの症例を、岸本委員も一緒だったんですけれども、私が検討しましたので。3年というのは、そのときに十何例検討したんですけれども、そのときに複数例が3年以上の比較的短い期間のばく露で生じていたと。ただし、その複数例は、いずれも高濃度ばく露であって、通常の仕事とはかなり違う濃度でばく露していたことだけは確かですので、ただ単に一般的に3年ばく露したからというのとは、ちょっとニュアンスが違います。やはり高濃度ばく露であれば、3年間ばく露しただけでも、びまん性胸膜肥厚が後に生じてくる可能性があると、そういう意味合いの3年間という規定です。

○泉室長 今おっしゃった資料は、参考資料の13ページからのところにあります。

○浅野委員長 ありがとうございます。
 それでは、次に移ってよろしいでしょうか。今村委員、どうぞ。

○今村委員 非常につまらない、文章の文言のことなんですけど、2ページの医療費支給の範囲に関する考え方の5行があるところで、「なお、付随する疾病の」という、この「付随する疾病」というのは、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺に伴うという、そういう読みかえでよろしいわけですよね。

○浅野委員長 いわゆる続発症とほかでは言っているようなものを想定していると思います。

○今村委員 その後に、肺がんのところだけ「石綿による」という枕言葉が入ってしまっているんですが、そもそもこれ、石綿の…。

○浅野委員長 前回の委員会での議論の経過はこういうことでございます。肺がんは、もともと指定疾病であるのだから、肺がんがあればそれでいいじゃないかというご議論があったのですが、この部分は、改めて認定を受けるまでもなくということで、医療費が支給されるという趣旨をあらわしたかった。しかしそこで、肺がんが全く別の原因の肺がんであるような場合に、そこまで医療費支給の範囲を広げることは不可能であろうということでありましたので、そこでご指摘の「枕言葉」が入っているというわけです。

○今村委員 おっしゃる意味はわかるんですけど、その前の前提が、今申し上げたように、「付随する疾病の例として」と書いてあるので、この「付随する疾病」というのは、そもそも石綿肺ということ…。

○浅野委員長 ではなくて、続発症というようなものを考えております。

○今村委員 そうすると、これは中皮腫にはかからないということですか。

○浅野委員長 最初から石綿以外の中皮腫というのは、ほとんどレアだという前提でこれまで議論してきましたので、仮にあるとしても2割ぐらいだろうということでした。肺がんの方は、はるかに他原因の確率が高い、他原因の方が多いだろうということなので特記したと、そういう趣旨でございます。

○今村委員 わかりました。ありがとうございます。

○浅野委員長 それでは、よろしければ、次の判定基準の方に移りたいと思います。ここは、古谷委員から、たびたび厳しいご意見が出ておりますので、多分、今日もまたあるかと思いますが、どうぞ遠慮なくお出しいただければ。

○古谷委員 要は自分のポジションの表現みたいな形になってしまって、それは本当は忸怩たるものがあるんですけれども、何度も繰り返しをしておりますように、一番の最大の懸念は、労災との間に、同じアスベストによる石綿肺ということに対して、ダブルスタンダードが持ち込まれることの臨床現場、患者、家族に対する混乱やデメリット、これはもう本当に今も、今からでもできればやめてほしいというふうに思っています。
 その上で、本来、よりよいあるべきものについては、やはりきちんとした関係者による議論を踏まえて、よりよいものをつくるということはもちろん結構なことなので、例えば今回、この検討会で、どちらかというと提案を裏づけるような実例の解析結果が示されていたと思うんですけれども、83の例というのは、症例自体としてもそんなに多くないということに加えて、できるものなら、その属性、ばく露歴だとかばく露形態だとか、続発症があるのかとかというようなことも含めて提示して、より広い検討に供して、よりよいものをつくっていくという努力が必要だったと考えますし、これ以降についても、そういう努力がなされるべきであるというふうに考えております。

○浅野委員長 お立場はよくわかり、ご意見としてもよくわかる。ただし、ちょっと効果を考えるときつくなりますね、少なくとも、今まで出てきたエビデンスから言うと、この考え方のほうが救済範囲が広くなるだろうという想定があるものですから。しかし、ダブルスタンダードがおかしいというご議論自体は、むしろ労災側に対して投げかける意見としては、大いにあり得るとは思うわけです。ですから、そういうご意見があったことは、ここで明記したということです。これまでのご意見を「なお」というところで反映をさせたつもりでいるのですが、5ページの真ん中から後のところです。
 この表現ぶりでいかがでしょうか。全く無視をしたというつもりはなくて、ご意見があったということはわかりました。ただ、小委員会では、これについては新たな提案の判定基準の方が合理的だろうということが多くの委員の意見でありましたので、それを採用させていただいた。しかし、これについては反対意見もありましたということは記したつもりでおります。もう少し、これは明確に反対意見があったと書くことは考えられます。

○古谷委員 もし、文字ぶりで、言ったとおりに、ということがあれば、今言ったように、もう一つも、より開かれた形での検証とか研究というような趣旨を入れてもらえればありがたいとは思いますが、もしあれだったら、その部分は後ほどメモなりにして、採用されるかどうかは検討していただければと思いますが。

○浅野委員長 こういうふうな直しはあるかなと思っていたのは、厚生労働省と環境省で異なる基準が存在する事態となって、縦割り行政につながるということから、よくないという反対意見があったという書き方もあろうか考えております。これは間接的に言えば、厚生労働省に対してああだこうだと言っているわけではないのですが、ダブルスタンダードが問題だという意見があったことは確かですから。

○古谷委員 その点は、委員長の言っている方が、私の趣旨に近いかなという気がします。

○浅野委員長 それでいいですかね。その辺は検討させてください。
 ほかにご意見がございますか。医学系の先生方から、ここに書かれている内容について、特にご異論ございませんか。

○岸本委員 私は特に。

○三浦委員 5ページのパーセント肺活量が60%以上80%未満であって、i)に、かつ、%1秒量が50%未満であること、ここに該当するのは、ほとんどがCOPD、慢性閉塞性肺疾患で、これは95%以上が、日本では喫煙によるものです。ですから、喫煙者の救済法になってしまう危険性があるなと、私は感じていますけれども、この点はちょっといかがでしょうか、ほかの先生方は。

○岸本委員 じん肺法でも、例えば珪肺症で1秒率が落ちると、F(++)で管理4になるわけなんですが、これは必ずしも珪酸によって起こった肺の病態だけが原因ではなくて、喫煙と珪酸によって障害が起こるということで労災の認定をされているわけです。この法律だけ石綿だけで、たばこの要因は排除しようというのは、ちょっと厳し過ぎると思うので、より多くの方を救ってあげるという意味で、この%1秒量が50%未満、COPDに関与をしているということがあるかも知れませんが、これは私はいいんじゃないかというふうに思います。そんなに厳しくしなくていいんじゃないかなというのが、私の趣旨です。

○坂谷委員 三浦委員と岸本委員からお話しのことは、本当はTLCをトータルのラングキャパシティを入れると正確になるんですけど、その検査は特殊な検査で、やれるところが限られておりますから、一般の医療機関でできるテクニックでもって判断しようということで、三浦先生のおっしゃった可能性はありますけれど、それも入れてしまうと、拾ってしまうことはありますけど、悪いことではないと、こういうふうに考えます。
 それからもう一つ、我々は全国から確実な石綿肺の症例をたくさん集めまして、それを分析した結果でありますが、旧来のじん肺法で救える数よりも、今回の基準で拾い上げる数の方が間違いなく多うございましたので、今回のこの基準がじん肺法を適用するよりも、患者さんたちにとって有利であるというふうに我々は判断をいたしました。
 以上です。

○浅野委員長 よろしゅうございましょうか。

○古谷委員 今、どこまでですか。

○浅野委員長 今、6ページの上から何行目かまでです。

○古谷委員 そうしたら、6ページの最後の(4)について、前回議論になったことを踏まえて、書き直してもらったところで、どちらかというと、特に運用に当たっての注文をつけておきたいというか、今も中皮腫、肺がんについても、こういう事例はあって、とりわけ中皮腫については、診断名が中皮腫であることを確認できれば、それで救おうということで、判定基準で、述べられているいろいろな条件にかかわらず、できるだけ救っていこうということがやられているというふうに思っているんですが、その点で前回の議論、ここに書かれていることが、全部そろわなきゃいかんとかということではなくて、総合的に判断しようという趣旨になったんだろうと思います。そういう意味では、診断書しか残っていない例と、逆に、そちらの診断があやふやなんだけれども、他の資料はいろいろあると。いろいろなケースが考えられると思いますけれども、これはできるだけ実態に即して、救えるものは救済につなげるという形でやっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

○浅野委員長 これは議事録に残しておきます。

○今村委員 岸本先生に教えていただきたいんですけど、画像所見のところで、早期の石綿肺については腹臥位の撮影が推奨されると、こういう書きぶりになっているんですが、早期であっても、いわゆる重症な著しい呼吸機能障害を伴うようなケースというのはあるんですか。

○岸本委員 必ずしもないんですが、先ほどの%1秒量の話はあるんですが、COPDを合併したような石綿肺というのもございます。それと、我々も検討しているんですが、通常はPR1/0よりも3/+の方が肺活量が小さくなって、呼吸機能が悪いんですが、じゃあPR1の比較的早期の人で著しい呼吸機能障害が全くないかというと、全くでもないので、通常は先生がおっしゃられるように、1の方で著しい呼吸機能障害というのは珍しいんですけど、ないことはないということであるので、たとえ軽微な人も見落とさない、すべてチェックしようと、そういうことではございます。

○今村委員 この腹臥位で撮ることによって見つけることができるという、そういう理解でよろしいですか。

○岸本委員 背臥位で撮りますと、重力効果によって、肺の重力によって、すりガラス陰影が出てきて、これがどうなんだろうということで悩まなければなりません。腹臥位で撮影すると、こういう重力効果がでないので、そういう点では腹臥位が望ましいかなと、そういう程度でございます。

○今村委員 そうすると、最初から望ましいという意味で。

○岸本委員 はい、そういうことでございます。ですから、今回対象としているような著しい呼吸機能障害を起こすような方というのは、今村委員がおっしゃられているように、早期の石綿肺の方は非常に少ない。けれども、ゼロではない。PR1/0でも、著しい呼吸機能障害を起こす方はいらっしゃいますので、そういう方も考慮してと、そういう意味でとっていただければと思います。

○今村委員 わかりました。ありがとうございます。

○浅野委員長 よろしゅうございましょうか。私の理解は、要するに、スクリーニングをするときの幾つかのプロセスが書かれているというふうに思っていますので、最終的に著しい呼吸機能障害がないと、とりあえず救済はできませんということになっておりますので、それよりも著しい呼吸機能障害が必要ということになります。このクライテリアに該当しない方をどうするかはまた今後議論しますから、その議論のときには、多分、この画像所見の話がより効いてくると思います。当面は、おっしゃるように、3の要件のところを考えれば、そんなにこれは問題にならないところかもしれませんが、後々の思考のプロセスを簡単にするために、ここでこのようにしておけば、後の判断が楽になるということです。

○三浦委員 この項目は、逆に現在の肺がんの認定のときに、CTを参考にして線維化を認定しているんですけれども、そのときに、通常の仰臥位で撮ったCTだけで、背中側に白い帯が出てくる方が結構多いんですね。それをもって線維化所見だとされてくる症例が結構あるものですから、そのときには、逆にうつ伏せになっていただければ、重力によってつぶれていた肺が膨らみますから、そうすると、それが消えてくれる。逆に、そこに残っていれば、線維化所見と考えましょうと、こういう判定に使いますので、ここで例として示しておいた方が混乱がないだろうということと私は解釈しています。

○浅野委員長 ほかにご意見はございませんか。
 よろしければ、6ページの4ですね。7ページまでのところ、「おわりに」というところまでです。この6ページの3分の2くらいのところから最後まで、何かご意見ございましたら、どうぞお出しください。

○清水委員 細かなところで、ちょっと確認したいんですけど、6ページの4(2)の[1]、2行目から3行目にかけて、3の(2)[1]アとありますけれども、ここでは3年ということをうたっていなくて、むしろ、これは2ページの2の(2)の[1]ではないのでしょうか。ちょっと確認をしたいのですが。

○勝谷係長 石綿ばく露作業とは何かということがアに書いてあるということです。

○清水委員 2(2)の[1]でも、「石綿を取り扱う作業に3年以上従事」と書いてありますね。

○浅野委員長 念入れということもありますし、もともと対象とするのはこういう方ですということを書いていて、これは対象を決める話です。それから、次は判定の話ですが、判定についても念のために、この点についての確認をしなければならないという書きぶりになっているということでございますので、省略しても構わないといえば構わないのでしょうが、しかし、やはり手続めいたことを書いていくときに、飛ばしてしまうと、またそこで話がややこしくなりますから書いたと、こういうふうにご理解いただけませんでしょうか。

○清水委員 わかりました。

○浅野委員長 ただ、この点について運用上の問題があることは、先ほど古谷委員が言われたとおりでありますので、運用の問題が残るということは、議事録に残ります。
 ほかにございますか。

(なし)

○浅野委員長 よろしければ、有効期間について、同じように5年ということを定めておりますが、このあたりは医学系の先生方、よろしゅうございましょうか。これはもう、もともと重篤という前提でやっていますので、そうすると、3年とか2年とかというのは合理的じゃないですね。将来的に、もっと症度の軽い方を救済対象にする場合には、少々の変動がありそうだと。そのときまで5年ということを維持できるかどうかは別問題だと、私は理解していますが、そういう理解でよろしいでしょうか。

○三浦委員 私は逆でして、中皮腫は5年生存なさる方は極めて少ない。中皮腫と診断された時点から、90%以上の方は5年以内にお亡くなりになられる疾患ですね。それに対して、石綿肺で在宅酸素をやっておられる場合、今、通常は5年程度は普通に、不便はあっても生活はできる。そうしますと、同じ5年間を、同じ額をもらえるというのは、かなり中皮腫の患者さんにとってはつらいことじゃないかなと逆に思うんですけれども。

○浅野委員長 ただ、これは金額の話をしているのではなく、手続的にもう一回認定をし直すかどうかという、その期間をどうするかという話です。ですから、先生がおっしゃった問題は現実にあるわけですけれども、そのことを言い出せば、もうこれはちょっと切りがないことなのでここでは要するに、2年ごとに見直すのか、5年ごとに見直すのかということでございます。中皮腫の方は、現実に確定診断がついてしまえば、5年の認定期間ということになっていれば、見直しが実例として出てこないであろうとご指摘は、私にも理解できるのですが、そのこととこれとはちょっと別問題にしておかないと、話が混乱するような気がいたします。

○岸本委員 全国で石綿肺の症例を集めて、石綿肺の肺機能等と予後について今は検討中でございますが、管理4、著しい肺機能障害を合併した石綿肺の人の予後というのは、それほどよくないということも今わかっております。委員長がおっしゃられましたように、2年や3年で再認定というのは、やはり余りにも短過ぎますので、中皮腫や肺がんと同じように、5年のスパンで見ていくということでいいのではないかなというふうに思います。
 それから、余分かもしれませんが、びまん性胸膜肥厚につきましても、全国で症例を集めていくと、環境ばく露のケースが出てくることも十分予測されますので、またそういうときには、そういう症例を追加をするということでもいいのではないかなというふうに思いますので、やはり5年のみを見直しでいいのではないかというふうに思います。
 以上です。

○浅野委員長 ありがとうございます。それでは、ここは5年という事務局案でございますが、その他の欄はこのとおりということでよろしゅうございますね。

(はい)

○浅野委員長 今後さらに引き続いて議論をするということはたびたび申し上げておりますが、そのことを・・・。古谷委員何か。

○古谷委員 実は、これは第1回目のときに私が発言して、ここで提起させていただいた問題なんですが、恐らくここにいらっしゃる医学専門家の方たちを含めて、アスベストによる被害者の数で一番多いのは肺がんだろうということに異論はないだろうというふうに思いますし、中皮腫の件数に対して、恐らくアスベストによる肺がんはその2倍というのが大体コンセンサスだというふうに理解しています。中にはもっと多いと言う方もいらっしゃる。ただし、いろんな問題があって、なかなか補償や救済の場で、そういう実態にまで迫り切れていないわけですけれども、それでも労災認定なんかを見ますと、過去に比べると、中皮腫の症例件数に対する肺がんの認定件数が少しずつ上がっている感じがあります。その労災の状況と比べて、救済法による肺がんの救済というのは、極めて悲惨という気がするんですけれど、非常に低い状態にある。救えていないと。救えていない理由には、いろんな理由が確かにあると思います。単一の理由でこの状態を一気に打破できるとは思っていません。特に臨床現場に対して、やはり肺がんを診断するときに、アスベストばく露の有無を必ず確認するような実態にならないといかんというようなことも含めてあると思うんですけれども、前回指摘した改善できるところと言いますと、これまで中皮腫と肺がんが指定疾病になっていましたけれども、判定の手続の中で、ばく露の有無、ばく露の状況に関する情報が全然使われませんでした。それは、そういうことがわからない方もいらっしゃるだろうということで、そういう情報がなくても判定できるという仕組みをつくろうという中での議論だったわけですけれども、今回、石綿肺が追加指定疾病に追加されることによって、ばく露状況を確認しようという話が出てきました。また、びまん性胸膜肥厚が、特に労災認定基準で3年以上の職業ばく露期間、プラス医学所見という、わかりやすいところも根拠にしながら、指定疾病に追加されたわけなんですけれども、ぜひとも、この検討会としてもう一点、勧告、提言していただきたいのは、労災認定基準では、肺がんの場合に、石綿ばく露作業に10年以上従事し、かつ、胸膜プラーク所見があることということで、アスベストによる肺がんとして労災認定されています。これは石綿肺あるいはびまん性胸膜肥厚についてのここでの議論同様、自営業の職業ばく露の方にはそのまま当てはまり、また特段、異なるとするエビデンスもどこにも存在しておりません。そういう意味では、救済法における石綿肺がんの判定基準の中に、職業ばく露10年以上、プラス胸膜プラークという、労災認定基準と同等の基準を持ち込むことによって、より救済を図るべきであるという提言、これはぜひ入れていただきたいというふうに考えています。

○浅野委員長 この点は今まで全く議論していませんので、とりあえずはご意見として伺っておいて、4月以降の議論の中で、もう少し議論させていただきたいと思いますがいかがでしょうか。全く議論していないので、この段階で今のご発言がありましたから、それをすぐに報告に記すということは、なかなか難しいと思います。

○古谷委員 いかがでしょうか、委員の先生方、そんなに議論になることではないんじゃないかというふうに私は思うんですが。

○浅野委員長 どうでしょうか。

○古谷委員 実際に肺がんの労災認定は、この条項が一番効いています。

○三浦委員 もう全くそのとおりだとは思うんですけれども、現実に認定する側として、医学的判定を下す側として一番苦労したのが、その点なんです。とにかく、ばく露状況がわかればこれでいいのにというのはありまして、そこでもう泣く泣くだめというのをしているのが現実ですので、そこをもう一回、それではあしたから変わりますというだけでは、なかなかうまくいかないので、移行期間を少し設けていただいて、ということは、もうちょっとディスカッションして決めていただくのが、現場としてはいいかなと。まさしく職業的なばく露状況、実際には問わないというのを大前提としてでき上がった仕組みですので、そこに今度は石綿肺とびまん性胸膜肥厚は、ばく露状況が必須条項になりましたので、肺がんについても同じようなことが言えると私は考えます。ただ、今、委員長が言われたように、やっぱりそこの点については、もう少しディスカッションが必要かなと、私自身は考えます。

○浅野委員長 ほかの委員のご意見はございますか。私は、全く無視する気は全くないのですが、この答申の中にいきなりご意見を入れるのは、今日、突然議論が出てきたということがありますし、少し議論の整理をしないといけないと思いますので、そう遠くない時期に、これは必然的に議論の対象になるだろうということは、最初から想定の範囲内にあるわけですが、ちょっと難しいかと思います。

○古谷委員 どうでしょうか、私、これを先延ばしするのは、第1回目の私どもの提出した意見書の中では述べてありますし、発言もしております。石綿肺なりが入ることによって、ばく露状況を既存の指定疾病の判定にも生かしてほしいと。三浦先生がおっしゃるように、これまでは、まさに判定のときにそれがあればということがあったのが、肺がんだけ別扱いする必然性は全くないというふうに、先生がおっしゃるとおりですので、これについては改善できるということで、今、そういう意味では、できるだけ緊急に早く実施してほしい点だと思うんです。

○原部長 それぞれの疾病において、関連すべき相手方といいますか、それが異なってくるのだろうと思います。そういう意味では、今回、石綿肺については、こういうような状況でばく露歴を考えましょうという考え方は一つあっていいと思います。それから、例えば中皮腫については、逆に言うと、ばく露歴を問わないと。極端に言えばそういう形で、ばく露があったことと推定しているわけです。それに対して、肺がんについて、そのばく露についてどう考えるかというのは、それはそれで一つの考え方があっていいんだと思いますが、それを石綿肺と同じ考えでいいというふうには必ずしもならないのではないかと思います。そういう意味で議論を深めていただきたいとは思いますけれども、直ちに同等ということについては、ちょっと私どもとしては困るというふうに考えております。

○浅野委員長 これまでの審議は、病名を追加するということをとりあえず議論することとしており、その点に焦点を絞って議論をしてきていますので、その文脈から言うと、直ちにこの答申の中に入れるということには若干の問題を感じると思います。4月以降の制度全般のあり方についての検討という中に、これをアジェンダとして入れる予定は十分ありますから、入れることになると思いますが、当面、ちょっとこれで、今回の政令改正で取り扱うというアジェンダの中では、今のお話について入れるのは、ちょっと勘弁してもらえないかなというような感じです。恐らく最終的に議論していけば、何らかの方向が出てくるだろうと思うんですけれども、病名追加ということだけがとりあえずは議論になっていたという理解をしております。

○古谷委員 もう一度発言の機会を許していただきたいと思うんですけれども、特に部長の今の話に対しても、要するに、この情報を活用すれば、より救済できるということが明らかな問題について、どういう姿勢をとるかということが問われているんだということです。

○原部長 いやいや、それは違う。

○古谷委員 そうです。それで、もしばく露が違うとかおっしゃるのならば、それは部長の姿勢に非常に問題があると思います。石綿被害の救済を考える部署の責任者としていかがかというふうに思います。
 その上で、今の話については、4月以降、法見直しの中でという話がありましたけれども、法律を改正する必要は全くありません。政令も改正する必要がありません。いわゆる判定の考え方を変えるということですから、これについては議論という話が出ましたけれども、私はできるものなら、法令改正は全く要らないわけですから、一刻も早く救済の方向に向かってほしいというふうに思っています。

○原部長 私が言いましたのは、議論がされていないということが一つですね。それから、救済の方向がおかしいんじゃないかと今おっしゃいましたけれど、それはどこまで救済するかで、要するに救済の範囲を、例えば極端に言えば、肺がんも中皮腫と同じようにすべて肺がんを認めるとすれば、恐らく石綿に起因する方をすべて救うことができるかもわかりません。だけれども、それによってそうじゃない方が相当程度入るわけですね。そこは救済制度として、やはり成り立たないわけで、その程度をどうするかというその見方というのが、それぞれの病気についてあるだろうと、そういうことを申し上げたわけで、救済の幅を狭めようとか、そういうことを言っているわけではないということです。

○古谷委員 部長、今の現状において、アスベストによる肺がんを十分救済法が救済できているとお考えですか。先ほども言いましたように、国際的には中皮腫の2倍だろうというのがコンセンサスです。そしてまた、救済法の予算を組むときのことを思い出していただければいいと思うんですけれども、現行の救済法は、中皮腫の半分を労災と半々で救おうと。中皮腫に対して肺がんは、たしか4割から6割ぐらいの数字を救済することになるということで予算を組んだはずです。それと比べて、今の実態がどうなのか。とりわけ肺がんが救済できていないんだという現状認識と、その改善をしていくためにどうしていくのかということの姿勢を持つか持たないかということは、この問題に対する基本的な問題だと思っています。

○坂谷委員 私は原部長と同じ意見でございます。やっぱり肺がんを全部石綿、粉じん吸入歴が少しでもあった方で、肺がんを全部拾うというのは、ちょっと無謀だと思います。

○古谷委員 そんなことは言っていませんよ。

○坂谷委員 いえ、そういう方向性はということです。

○古谷委員 そういう方向性でもありません。労災認定基準で既に検証され、実績をしている中身を適用していただきたいということを言っているわけです。

○坂谷委員 違う方向からちょっと申し上げます。びまん性胸膜肥厚のことがありましたけれど、その基準で、アは入れましたけど、イは入れませんでしたよね。石綿肺の場合には、アとイと両方入れております。石綿小体の形質がありましたら、この症例の中には、本当の石綿肺と、そうではなくて石綿粉じん吸入があった方に、大部分が特発性、原因不明の肺線維症の加わった人と、両方があるんですけれど、今回はイだということで、石綿粉じん吸入が原因でなかろうかもしれない肺線維症の方も拾うという方向で作業をいたしました。
 ところが、びまん性胸膜肥厚の場合には、原因のわかっている石綿胸膜肥厚以外の胸膜肥厚の方が入ってまいります。一番多いのは、結核性胸膜炎のびまん性の肥厚の方がおられます。その方々で粉じん吸入の歴史がありまして、肺を洗いますと、石綿小体が検出されると。基準以上、検出されると。ところが、原因が明らかに片側性であって、結核性胸膜炎によって起こったものと判断してよいような症例も、イを入れますと、拾い出すことになる可能性が高いわけですね。そういうことを含めて、びまん性胸膜肥厚の方では、我々の経験を踏まえて、イは入れなかったわけですけれど、今の肺がんの方に関しましても、ちょっと私の言い方がおかしかったかもしれませんけれど、同じ基準をじん肺の方から入れるということは、原部長のおっしゃったようなことになろうかと、私は考えております。
 以上です。

○浅野委員長 この点に関しては、今少し議論のやりとりがあったところですが、とりあえず、今日のこの段階で、この中にこれを入れるということに関しては、繰り返しになりますが、委員長としては、文章の準備もできませんので、ご勘弁いただきたいということであります。4月以降、どういう形で、今の古谷委員のご意見を反映させた運用上の改定ができるかということは十分議論ができるだろうと思います。つまり、補助的な材料として使えばいいというのが、三浦委員のお話でありますから、そういう考え方はあるかもしれませんが、どういう形でこれを反映させるかということについて、少し議論をさせていただきたいと思いますので、今日のところは、これでパブコメをするということについてのご了承をいただければと思います。
 先ほど言いましたように、古谷委員のご意見を入れて、私自身がこのように直したらいいというふうに申し上げた点がございますが、その点を含めて、パブコメ案の最終の確定については、委員長に一任をいただけますでしょうか。その上で、4月以降に、パブコメ後に改めて最終の答申案をまとめるということにしたいと思いますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。

(はい)

○浅野委員長 それでは、ご異論はないようでございますので、そのようにさせていただきます。
 それでは、今後の進め方について、事務局から説明をお願いいたします。

○柳田補佐 ありがとうございました。それでは、今後ということでございますけれども、まず、本日のご意見や、また委員長のご指示に従い、事務局におきまして、本日の案の修正作業を行いまして、その後、速やかにパブリックコメントの受付を開始したいと考えております。
 パブリックコメントの受付期間は1カ月間となっておりますので、寄せられた意見につきましては、整理した上で、次回の会議にてご報告いたします。次回は答申の取りまとめのご議論ということをよろしくお願いいたします。さらに、また、次回、諮問事項の二つ目、「今後の石綿健康被害救済制度の在り方について」の議論もあわせて開始していただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次回の日程でございますが、パブリックコメントが1カ月間ということもございますので、4月の下旬ごろを予定しております。詳細が決まりましたら、また追ってご連絡いたします。
 なお、本日の議事録につきましては、原案を作成し、先生方にご確認いただいた後、環境省のホームページに掲載する予定ですので、よろしくお願いいたします。

○浅野委員長 では、本日第5回の小委員会をこれで終了いたします。どうもありがとうございました。

午後2時14分 閉会

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