第2回厚生科学審議会化学物質制度改正検討部会化学物質審査規制制度の見直しに関する専門委員会、第2回産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質管理企画小委員会、第9回中央環境審議会環境保健部会化学物質環境対策小委員会合同会合(第2回化審法見直し合同委員会)議事録

1.日時

平成20年8月28日(木)9:30~12:00

2.場所

三田共用会議所 講堂(東京都港区三田2-1-8)

3.出席委員(五十音順)

赤松委員、浅田委員、有田委員、板倉委員、井上委員、内山委員、大塚委員、織委員、加藤委員、神山委員、亀屋委員、河内委員、菅野委員、北野委員、北村委員、小出委員、豊田氏(後藤委員代理)、佐藤委員、実平委員、城内委員、白石委員、城山委員、関澤委員、辰巳委員、徳永委員、中杉委員、中地委員、中西委員、新美委員、西原委員、林委員、増沢委員、御園生委員、宮田委員、森田委員、吉岡委員、若林委員

4.議題

  • 化審法見直し合同WGにおける検討について
  • 化学物質管理の在り方について
  • その他

5.配付資料

資料1
委員名簿
資料2
化審法見直し合同WGにおける検討経緯
資料3
化審法見直し取りまとめ骨子(案)
参考資料1
第1回化審法見直し合同委員会議事録[委員のみ配布]
参考資料2
第1回化審法見直し合同委員会における指摘事項
参考資料3
化学物質管理に係る国内外の動向

6.議事録

○山本室長(厚労省) それでは、時間になりましたので、ただいまから第2回化審法見直しの合同委員会を開催いたします。
 この合同委員会につきましては、各3省の審議会の委員長の方に持ち回りで進行をお願いしております。今回は、厚生労働審議会の井上委員長に議事進行をお願いすることにしております。事務局は厚生労働省が担当するということになっております。
 まだ、席にお着きでない先生もいらっしゃいますけれども、本日は委員総数の過半数が出席する見込みになっておりますので、正確な数がわかり次第、後ほど定足数に達しているかどうかの御報告をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、資料の確認をいたします。

(配付資料確認)

 議事に入ります前に、事務局で先月一部異動がございましたので御紹介いたします。
まず、経済産業省製造産業局の後藤次長。
環境省は、環境省総合環境政策局環境保健部の原部長。よろしくお願いいたします。
それでは、以降の議事進行は井上委員長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○井上委員長 皆さん、おはようございます。化審法見直しの当合同委員会は、4回のワーキンググループ会議を経て、この当合同委員会に戻ってまいりました。この会議は、第2回を迎えることとなりました。4回のワーキンググループで検討された内容は、後ほど改めて御紹介いただくことになると思いますが、本日はそれらを4点の御提案内容に沿って整理して、ほぼこの会議で、総合的な骨子をつくるという方向が本日の会議に与えられた任務となっております。短時間でありますけれども、密度の濃い御討論が必要になろうかと思いますので、どうぞ皆様方の御協力をよろしくお願いいたしたいと思います。
 初めに、恒例により本会議の公開の是非についてお諮りいたします。各審議会の公開につきましては、それぞれ規程のあるところでございますが、本日の会議につきましては、公開することにより公正かつ忠実な審議に著しい支障を及ぼすおそれのある場合、または、特定のものに不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合等、非公開とすべき場合に該当しないと考えられますので、公開といたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○井上委員長 では、そうさせていただきます。
 それでは、本日の会議は公開といたしますが、なお、公開の会議の議事録は後日ホームページ等で公開されますので、あらかじめ御承知置きいただきたいと思います。
 また、もしカメラ撮影が行われていれば、ここまでとするということになっております。
 それでは、第1の議題の化審法見直し合同ワーキンググループにおけるこれまでの検討について、本日議論していただく検討課題の多くをできるだけ皆様に活発に議論をしていただきたいと考えておりますので、事務局からの説明については簡潔にお願いするということで、第1の議題の「化審法見直し合同ワーキンググループにおける検討について」の説明に入らせていただきます。
 共同委員長である中西先生、佐藤先生と私の指示のもとで事務局に作成していただいたワーキンググループ検討状況に関する資料について、事務局から御説明をいただきます。よろしくお願いします。

○木野補佐(環境省) それでは、お手元の資料2をご覧ください。第1回合同委員会の開催後に化審法見直し合同ワーキンググループでは、2~7月にかけて4回の会合を開催いたしまして、制度の施行状況、課題、対策オプション等について整理を行ってまいりました。化審法見直し合同ワーキンググループでは、何らかの結論を導くというものではございませんが、先ほど委員長からの御指示という御紹介もありましたとおり、ワーキンググループにおいて論点ごとにどのような検討がなされたのかということを本委員会に報告するために、議論の概要を取りまとめたのが本資料になります。
 なお、個別の御指摘内容につきましては、本資料の8ページ以降に別添としてつけておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 では、まず、第1回ワーキンググループでは、ライフサイクルにおける使用実態を考慮した化学物質管理というテーマで、WSSD2020年目標を踏まえたリスクベースでの化学物質の管理、そのためのサプライチェーンを通じた情報伝達の在り方という観点から検討が行われました。
 (1)化学物質のリスクに応じた管理体系、安全性情報の伝達という論点につきまして御議論いただきまして、それに関しましては、サプライチェーンにおける化学物質管理促進のため、MSDSを活用した情報伝達が重要であること、MSDSの課題として内容の充実、使い方、理解度の改善などが求められるとの認識をいただきました。
 (2)高ハザード化学物質の厳格な規制という点につきましては、一特などの高ハザード化学物質について引き続き厳格な管理を行うべきという御認識の一方で、POPs条約で生産・使用が許容されております、いわゆるエッセンシャルユースにつきましては、今後国内で認めることが適当であり、そのためには厳格なリスク管理措置、セーフティネットが必要との御認識をいただいたところです。
 (3)リスクの観点から懸念の高い化学物質の適切な管理という点につきましては、現行の二特制度を有効に活用し、管理を進めていくことが重要。また、サプライチェーン全体でリスク管理を行う体制が求められるとの御指摘をいただいております。
 続きまして、第2回合同ワーキンググループですが、リスク評価の必要性と効率的実施方法というテーマで、化審法におけるリスク評価、そのために必要となるデータの種類、それらの収集方法という観点から、国際整合性や企業秘密性との関係も含め、御検討いただいております。
 (1)化審法におけるリスク評価の目的とその実施についての考え方というテーマに関しましては、ばく露関連情報を収集し、その内容を踏まえてハザード情報を収集することが適切との御認識をいただいた一方、リスク評価の結果が化審法上どのような判断に用いられるのか明確にした上で仕組みを考えていく必要があるとの御指摘もいただいております。
 (2)リスク評価のためのばく露関連情報の収集という点につきまして、製造・輸入量、用途情報につきましては、一定の要件を満たす物質について事業者に届出を義務付けることを検討すべきとの意見を多くいただきまして、加えて、用途等の情報は企業秘密に配慮しつつ評価段階に応じて考えるべき、あるいは評価精度を高めるためにはPRTRに基づく排出データ、環境中の実測データなどがあると望ましい。また、リスク評価の対象物質の同定のためには、CAS番号による取扱いが重要などとの御指摘をいただいております。
 (3)上市後の化学物質についてのハザード情報の収集という点につきまして、ばく露の大きさに応じてハザードデータの収集項目を充実させる必要があるという御議論をいただきながら、具体的な項目については、SIDSの必須項目を収集することを基本にすることが適切であるとの御意見の一方で、詳細リスク評価に当たっては長期毒性等も必要になるとの御指摘もありました。また、QSARの利用、GHS分類結果の活用という点につきましても御指摘いただいております。
 (4)化審法におけるリスク評価の進め方に関しましては、事業者による情報提供のもとで国がリスク評価の役割を担うべき。そのリスク評価に当たっては、優先順位をつけて行いつつ、効率的に進める必要があるとの御認識をいただいております。
 (5)国が収集した情報に関する企業秘密の取扱いでございますが、これにつきましては情報公開法における考え方を基本とすべきではあるが、個別企業の生産量等の扱いについては、独禁法との関係にも留意する必要があるとの御指摘をいただいております。
 また一方で、企業から提出されるハザードデータにつきましては、財産権の保護にも留意しつつ、一定の内容については公開を望むとの意見もいただいているところです。
 第3回の合同ワーキンググループに移ります。ここでは、新規化学物質審査制度等のハザード評価方法の在り方というテーマで、新規化学物質審査制度にはどのような問題点、改善策があるかという観点について御検討いただいております。
 (1)新規化学物質事前審査制度の在り方という点に関しましては、化学物質の管理は事前審査と事後管理の両方を組み合わせて行うことが適切。これまでの新規化学物質に対する事前審査制度は有効に機能してきている。事前審査制度を維持しつつ、従来のハザード評価に加え、一定のリスク評価を組み込んでいくことに賛成との御認識をいただいております。
 (2)少量新規確認制度、低生産量への特例、中間物等の確認制度の在り方について御議論いただきまして、特に少量新規確認制度につきまして御議論いただきました。これにつきましては、技術革新の観点から効率的に利用されているとの指摘に加えまして、これまでの申出実績、これは参考資料につけておりますが、例えば8割以上の物質は一事業者から提出されているなどのデータをお示ししながら、国際性なども踏まえれば一事業者当たりの数量を基準として管理することでもよいのではないかとの御意見をいただいております。ただし、制度の趣旨から逸脱する懸念がある場合には、確認を行わないなどの対策も必要との御指摘をいただいております。
 (3)各国で届出対象外とされている有害性懸念の低いポリマー審査制度の在り方という観点につきまして御議論いただきました。これにつきましては、一定の概念の中で手続の合理化を図ることは妥当との御意見をいただきつつ、その定義についてはしっかり確認を行うことが必要であるとの御指摘をいただいております。
 (4)新規化学物質のハザード評価結果の開示という点につきましては、新規化学物質の名称の開示方法につきましては、競争上の地位等の観点から一部分の構造を隠した、いわゆる総称名による開示は有効であるとの御意見の一方で、一定期間名称を非公開とすることで十分ではないかなどの意見も同時にいただいているところです。
 (5)審査におけるQSAR・カテゴリーアプローチの活用という点に関しましては、新規化学物質の試験結果を代替するための主要な手法とすることについては時期尚早であるが、今後活用していくべき重要な手法であるという御認識をいただいた一方で、他手法と組み合わせれば実試験によるデータを補完することは可能であり、既存化学物質のスクリーニングなどから活用しつつ、精度を高めていくべきとの御指摘をいただいております。
 (6)環境中への残留可能性という観点から、現在化審法の審査・規制の対象となっていない良分解物質の扱いについて御議論いただきまして、これに対しましては化審法の対象とすべきとの御意見の一方で、他法令による規制の有効性にかんがみ、化審法ですべての化学物質の管理を扱う必要はないとの両論の意見をいただいております。
 上市後の化学物質の管理、規制措置を講じる必要性を含め、検討する必要があるとの御指摘をいただいているところです。
 (7)ナノマテリアルの取扱いに関しまして御議論いただきまして、ナノマテリアルの今後の活用に関する社会的期待に関する御意見の一方で、現状の認識としましては有害性の発現に関するメカニズムの研究、試験方法の開発等が実施されている段階であり、それらを踏まえた上で、化審法などによる具体的な試験、管理の在り方を検討できるようになることが望ましく、そのためにできるだけ早い時期にこれらの結果が整理できるよう、研究・検討を行うことが重要との御認識をいただいております。
 続きまして、第4回合同ワーキンググループです。ここでは過去3回のワーキンググループの議論を反映させながら、今後の化学物質管理の在り方というテーマで国際的な取り組みとも調和しつつ、既存化学物質を含む市場に流通する化学物質を適切に管理するための政策の在り方、情報収集も含めた国によるリスク評価・管理措置を効率的かつ着実に実施していくための化審法が担う役割と方策という観点から御議論いただいております。
 また、今回の資料3の別添として、改正後の手続のフローのイメージ図をつけておりますが、これについても第4回のワーキンググループで御議論いただいております。
 (1)今後の化学物質管理について、WSSD2020年目標を基本とするということについて賛成意見をいただいております。
 (2)段階的なリスク評価体系の構築に関しまして、環境へのばく露、ハザードに関する既知見等による評価により、リスクが十分に低いと判断できず、更なる評価が必要な物質を仮称になりますが「優先評価化学物質」として指定した上で、段階的リスク評価を進めていくというスキームを御検討いただき、おおむね妥当との意見をいただいております。その上で、事業者によるリスク管理の状況を反映させる柔軟な仕組みにすべきなど、留意すべき御指摘も幾つかいただいているところでございます。
 (3)段階的リスク評価体系における事業者からの情報収集の在り方という点に関しましては、規制よりも企業との協力のもとに情報収集する仕組みが適当であるが、最終的な法的な強制力による担保を検討すべきとの御議論をいただいております。加えて、川上事業者から用途情報を収集する上での留意点あるいは有害性情報の報告義務については、既存の知識も含めて拡張することも必要との御指摘もいただいております。
 (4)化学物質のリスク低減措置という点に関しましては、最終的にリスクが高いと評価された物質については二特制度等を用いて適切に管理すべきである。また、高ハザード物質につきましてはエッセンシャルユースに留意しつつ、第一種特定化学物質として引き続き厳格に規制すべきとの認識をいただいているところです。
 (5)ですが、リスクに関する情報の公開と継続的な評価・管理の実施という点につきまして御議論いただきました。これについては、国は収集されたハザード情報等について利用しやすい形で公開を進めるべきとの御指摘、あるいは化学物質の情報伝達につきましてはMSDSの活用により適用可能であるが、国際的な整合をとった上での質のレベルアップが求められるとの認識をいただいております。
 一方で、成形品における情報伝達につきましては、業界の自主的な仕組みによる対応が進展しているとの報告がございました。
 あと、GHS表示に関する仕組み、消費者が扱う製品に含まれる化学物質に関する表示という点につきましても御指摘をいただいております。
 なお、ワーキンググループの議論の中で委員からは今御紹介したような観点以外からの御指摘もいただいておりまして、最後に3点追加的に紹介させていただきます。
 1点目は、低懸念とするポリマーの定義、ばく露評価の具体的な手法など、技術的な議論につきましては、別途の場を設けて検討する必要があるのではないか。
 2点目としては、見直しの方向として国際的な整合を図ることが重要ということが確認されております。
 3点目ですが、化学物質の管理の在り方につきまして化審法の見直しにとどまらず、基本法のような総合的管理の枠組みが必要であるのではないかとの御意見もありました。これにつきましては、化学物質のベネフィットを考慮する必要があることから、個別法による管理が必要であること、また、基本法制定のような方向性はあるものの、他法令との関係で不十分な点、不整合がある点などを検討を十分行った上で、検討すべき将来的な課題であるなどの御議論いただいているところです。
 なお、第4回ワーキンググループを開催する前に、NGOなど市民団体の方からの意見を伺うシンポジウムを開催させていただいております。その概要につきましては、ワーキンググループなどを通じて委員などにも御紹介させていただいているところですが、このシンポジウムでも今のような同趣旨の御意見等をいただいていることも紹介させていただきます。
 事務局からは以上です。

○井上委員長 ありがとうございます。
 ここで若干の時間をいただいて、この4回にわたるワーキンググループの事実関係の確認に関する点に限った疑義がございましたら承ることになるわけなんですけれども、御質問・御意見ございましたら札を立ててお申し出ください。討議については後から時間をとりますので、4回のワーキンググループの事実関係だけお願いいたします。最も長い時間をかけて行われたことのまとめですので、この点が抜けているという事実関係がありましたら御指摘ください。よろしゅうございますか。

○吉岡委員 1つ質問でございます。6ページに書いてあります(4)の2番目の「・」に「高ハザード物質」という言葉がございます。これはエッセンシャルユースという言葉が書いてあります関係上、いわゆる高蓄積性といったような性格を持っている化合物を指しているのかなと思うんですが、それが「高ハザード」という言葉で表されているかどうかの確認です。つまり、ハザードというのは毒性の意味ですから、直接毒性が高いかということとは違っているような気がいたしますが。
 以上です。

○森田室長(経産省) 委員の御指摘のとおりでございますが、議論をやります際に化学物質の管理の体系として「高ハザード」と「リスクの懸念が高いもの」という便宜的な概念整理をさせていただいております。そういう意味では、御指摘のあった「高ハザード」というのは、ここの議論では「第一種特定化学物質のような物質」であるという整理で議論は進めております。
 以上でございます。

○井上委員長 よろしいですか。用語の問題ですので正確にしておきましょう。
 ほかにございませんか。
 では、次に進ませていただきます。議題2、「化学物質管理の在り方について」に入ります。事務局から資料3に基づきまして、化審法見直し取りまとめ骨子案を作成していただいております。これに沿って御説明をお願いいたします。

○森田室長(経産省) それでは、御説明申し上げます。お手元の資料3でございます。
 先ほど資料2で第4回目までのワーキンググループでの議論を御紹介申し上げましたけれども、それを踏まえまして骨子としてまとめたものでございます。そういう意味では、基本的には先ほど御提示されました御意見などを十分盛り込んで骨子としてまとめたものでございます。
 構成といたしましてI、II、IIIの3つがございます。Iにつきましては、これまでの検討に至るまでの背景事情の説明という形でまとめてございます。IIにつきましては、そういった背景を踏まえて具体的に化審法をどういう体系に持っていくべきであるかということをまとめたものでございます。IIIにつきましては、そういった新しい体系をつくった上で、具体的に最終目標に向けてどういうアクションを起こしていくべきかという観点でまとめてございます。
 それでは、Iからでございますが、これにつきましては5点ほど書いてございまして、基本的には項目だけの提示ということで御了解いただきたいと思います。
 [1]といたしましては、今回の見直しに至る経緯、元々化審法がどういう趣旨で制定されてきたか、あるいは何回か改正を経ておりますけれども、そういったところでの問題点等を整理したいと思っております。
 [2]といたしまして、WSSDというまさに我々が向かうべき大きな目標設定。それを踏まえました国際的な枠組みの概略を示したいと思っております。
 [3]といたしまして、そういった大きな目標の中で基本的にはリスクベースという考え方が大きく出ているわけでございますが、そういった中で各国、諸外国、ヨーロッパ、アメリカあるいはOECDの動きといったものの中で、どういう取り組みがなされているかということを少し整理したいと思っております。併せまして現行の化審法につきましても、逐次の改正を経てリスクという考え方を取り入れてきているということもここで御紹介したいと思います。
 [4]といたしまして、ここはややテクニカルな話がございますが、新規化学物質事前審査制度という形のまさにハザードを評価する世界、あるいはハザードをどう集めていくかという取り組みなどについて整理をしたいと考えております。
 [5]につきましては、そういったことを踏まえて、では、戦略的にどういう形で取り組んでいくべきか、基本的にはWSSD目標達成に向けたSAICMと呼ばれる大きな戦略といったものとの対応をどうとっていくかということを書き込みたいと思っております。
 IIでございますが、ここからが今回の御審議の中心かと思っております。1は先ほどの目標設定の話でございますので、これは最初に掲げておくと。
 実際は2のところでございまして、ここでポイントとなるところといたしましては、2行目「基本的に全ての上市された化学物質をリスク評価の対象とするものへと転換する」というところに一つのメッセージを出してございます。「このため」以下リスク評価を段階的に実施すること、そのために国として製造・輸入数量及び用途情報を収集する等々が書き込まれてございます。ここは柱書きでございますので、IIの部分をサマライズしたものでございますので、具体的には[1]以下のところで御紹介をしたいと思いますが、その前提といたしまして、一番最後に別添という形で制度イメージ図をお示ししてございます。まず、そちらをご覧いただきたいと思いますが、上下2つの対比でつくってございますが、下の図が現行の化審法でございます。これを改正後という形で、上の図のようなものへと変えていくことが望ましいのではないか、あるいはそうするべきではないかという形でのまとめとなります。
 1ページの[1]でございますが、そのためにまず化学物質の上市後のばく露状況を把握する仕組みを構築するということでございます。ここにつきましては、一定数量以上の化学物質製造・輸入事業者に対して、定期的に数量を国に届けていただくという制度を創設してはどうか。
 2番目としまして、そういった製造数量だけでなく、実際の環境中へのばく露状況を判断するためには、やはり用途情報というものが必要と。この段階では客観性及び国際整合性を有する分類というもので用途情報をいただいてはどうかと。
 補足しまして、そういった分類をする際に、やはり重篤な毒性というものについては何がしかの配慮をすべきであるという観点から、特にCMRと呼ばれるような毒性値について補足的な情報があれば、併せて届出を求めるということにしてございます。ただし、届出は任意という形になると考えております。
 [2]といたしまして、そういった情報を基に絞り込み、段階的評価という形で最初のプロセスをどうすべきかということを少し整理してございます。先ほどの議論の御紹介でもございましたが、まず、届け出られた情報を基にハザードに関する既知見、この段階ではハザードは既知見という形である程度今あるものを活用して絞り込む。絞り込んだ結果、リスクの懸念が低いとは判断できない化学物質を優先評価化学物質として指定して絞り込むということを御提案してございます。そういったプロセスの中で既知見を活用するということが2番目に書いてございます。
 なお、3番目でございますが、そういった新しい制度を創設するに際しては、現行制度との変更点として現在の監視化学物質というものが発展的に解消される、あるいは廃止されるということではないかと書いてございます。
 [3]でございますが、そういった絞り込んだ物質について、次にどういうアクションをとるかということを少し整理してございます。便宜的にリスク評価を最初は一次と呼びますので、ここを仮に二次という言い方をしますと、二次リスク評価以降は一定の法的な関与のもとでハザード情報や用途情報の収集を進めていくこととしてはどうかという御提案でございます。
 その際、ハザード情報は、先ほども御紹介がございましたが、SIDS必須項目を基本として求めていくと。更に、現にそういったデータを保有されている事業者に対しては、そういったものを御提出いただくこととしてはどうかと。そういったリスク評価をやってリスクの懸念が高いと思われるものは、更に詳細なリスク評価に進むと。その場合については、もう少しデータの精度を上げていくという意味では、長期毒性試験のようなデータの収集を求めることとしてはどうかと御提案してございます。
 ここに「現行の『有害性調査指示』」とございますが、これは現行の化審法でも、このように長期毒性のデータの提出を求めるという法律上の措置がございますので、基本的にはそれと同等の措置かと考えております。
 [4]は、議論の中でも明確な結論がやや出しにくかった部分でございます。基本的に化審法は難分解性の性状を有する物質を規制するという考え方で、特に事前審査のフェーズでこの要件を満たすか満たさないかということを重視してきたわけでございますけれども、今後上市後のリスク評価を重視するという体系においては、実際、上市後のリスクを見る中で環境中への残留というものをどういう切り口で考えるべきか、その際に難分解性というものをどう判断すべきかということについて御議論がございました。
 先ほどの全体のスキームから言いますと、基本的にはすべての上市された化学物質についてばく露状況を把握するという前提に立った上で、では、それを規制措置まで講じるかというところについては御議論があったと事務局としては理解してございます。そういったことを含めまして、他法令との関係、その他の規制措置の必要性については引き続き検討・議論が必要であるという形でまとめてございます。
 [5]でございますが、リスク評価をやるためには情報伝達ということが重要であるということは繰り返し指摘がございました。その上で、実際ばく露の状況という意味ではPRTRという制度で集められる排出情報というものが重要であると。それをリスク評価に活用するには、やはり化審法と化管法という両方それぞれ目的があるわけでございますが、そういった対象物質が整合化していくことが望ましいという御議論がございました。そのために、例えば、物質の判断基準などを整合化するということがあり得るのではないかという形でまとめてございます。
 また、次に、リスク評価におけます考慮点としては、上市後の実際のばく露状況を踏まえるべきという御指摘がございました。
 3でございますが、ここは少しテクニカルな議論が多かったところでございます。現在、化審法は事前審査という形でハザードの評価を重視しているわけでございますが、これにつきましては[1]で、事前審査においてもリスク評価という考え方を導入することが妥当ではないかと。さはさりながら、現行の事前審査制度というのは相応の役割を果たしているという御指摘がございました。そういう形で、事前審査でリスク評価をやると、先ほど図でもございましたが、優先評価化学物質というリスク評価をやるべき一次スクリーニングをしたもののカテゴリーに物質が集まっていくということで、ここからは新規も既存も基本的には同じ取扱いになって管理が進んでいくという体系を目指したいと考えております。
 [2]は「名称公示」とだけ書いてございますが、名称公示の意味というのは先ほど来、新規か既存かという議論がございましたけれども、既存というのは世の中に存在が知らしめられている物質であるという意味においては、名称が公示されるということをもって既存という扱いになると。その場合、新規由来の物質についての情報をどこまで開示すべきかという議論がございました。名称ということで構造がわかると。それについては、必ずしも構造が全部わからなくても管理はできる、あるいは開発者の先行利益を守るべきではないかという御議論もございましたので、その辺りの状況をまとめたものでございます。結論といたしましては、引き続き詳細な実態を踏まえた評価・検討が必要なのではないかという形で議論は終わっております。そういう形で報告書もまとめてございます。
 [3]でございますが、QSAR、カテゴリーアプローチと書いてございます。ここは大前提としまして、なぜこういう論点があるかといいますと、やはり動物愛護の観点からできる限り動物試験を減らすという大きな国際的な流れの中で、既知見をいかに活用するかという中で御議論があったということでございます。結論といたしましては、可能な範囲で有効に使えるところは積極的に使っていきたいということでまとめてございます。
 [4]も、やや難しい議論がございました。現在リスクベースという考え方の管理の中におきましては、やはり量が少ないということはリスクが低いという前提で、少量新規制度というものが現在の化審法でも運用されているところでございますが、この運用につきまして、大きな考え方といたしましては現在、総量管理という形で国が一定の全国の数量を管理するという発想があるわけでございますが、ここを事業者ごとの管理を徹底するという意味で、事業者ごとに考え方を移す、併せて確認の基準というものを事業者ごとの単位にしてはどうかという御提案がございました。これに対しましては、実態を踏まえて問題がないという意見がある一方で、やはり何がしかの全体的な管理が必要ではないかということがございましたので、報告書といたしましては3番目の「・」のような形でまとめてございます。基本的に、事業者ごとの管理というのは容認できる一方、何がしかの歯止めのようなもの、あるいは少量新規として確認しないという措置も含めて検討すべきだというふうに御議論があったということでございます。
 [5]といたしましてはポリマーの取扱いでございますが、ポリマーはやはり化審法という観点から言いますと、環境中への放出の可能性は低いということは一つ言えるところでございますが、更に有害性懸念というものを国際的に整合化していく中で、実審査をしなくてもその有害性が低いとわかるものは、確認行為によって基本的には上市を認めるということが妥当ではないかという御議論がございましたので、それをまとめてございます。
 4からは実際の法規制の話でございます。
 [1]でございますが、第一種特定化学物質につきましての規制措置は引き続き厳格に行うと。他方、POPs条約等の国際的な考え方の中でどうしても使わないといけないものについては、化審法の中でも使えるようにすべきではないかという御議論がございました。しかしながら、そういったものを容認するに際しては、当然管理を徹底するという意味では情報伝達をしてサプライチェーンの中でしっかりと見ていただく必要があるという御指摘でございます。
 [2]第一種監視化学物質というのは、第一種特定化学物質になり得る物質として現在も指定されている物質でございますが、そういったものについてはしっかりと情報伝達をして、管理を同様に厳格にやっていくという方向性が示されたところでございます。
 [3]につきましては、言葉として「リスクの懸念が高いと評価された化学物質」という書き方になってございますが、段階的なリスク評価をやって図で言いますと、一番右側に行くような物質につきましては、第二種特定化学物質として管理すると。その際、第二種特定化学物質としての管理の在り方は、現在の方法において補足すべきところがあれば、そこはしっかりとやっていくと。
 2つ目としましては、製品という切り口で言いますと、第二種特定化学物質が使用されている製品が化学物質を環境中に放出するようなものであるならば、そういったものは広く法の管理のもとに置いておく必要があるということを整理してございます。
 次にIIIでございますが、今言ったような体系をつくるという前提におきまして、では、どういうことをこれから講じていくかということを簡単にまとめてございます。
 1つ目の「・」としましては、やはり我々日本といたしましても国際的にも遜色のない化学物質管理を実現したいということを申し上げてございます。そのために運用開始1年後に製造・輸入量の把握を初め、速やかに絞り込み作業を進めていくということを御提案してございます。
 3番目の「・」でございますが、ここはいろいろ書いてございますが、ポイントといたしましてはハザードデータが存在しない物質をどうするかというところの議論が中心でございます。ここは官民の役割分担という議論も一部ございますが、例えば高生産量の化学物質、たくさんつくられているようなものにつきましては現在、Japanチャレンジプログラムという官民連携あるいは事業者の自主的な御努力によってデータを集めていただくという取り組みがございますけれども、そういったものを踏まえつつ、引き続き事業者における御努力を求めると。基本的には事業者の自主的な取り組みを最大限求める中で、仮に中生産量、低生産量と言われる少量の取扱いのものについて、事業者の方に御負担をお願いできないようなものが仮にあったとする場合には、それを放置しないという意味では国も積極的なデータ収集をやるべきではないかということをお示ししてございます。
 そういった評価手法等々につきましては、透明性をもって公開し、それを事業者の方々が見ていただくと。どういう管理になっているかということを自ら取り扱っている物質と照らし合わせて認識していただくことで、より積極的にそういうデータの提供をしていただくような、ある意味インセンティブのようなものが働くように管理の状況をしっかりと開示していくということを考えたいと思っております。
 それから、名称公示の話で先ほどいろいろ議論がありましたが、やはり一次リスク評価の結果として絞り込まれた物質については、詳細なものを公示した方がいいのではないかということを書いてございます。
 そういったことを踏まえまして、2020年までにすべての対応を完了したいと。
 なお書きで下に書いてございます、ナノマテリアルをどう取り扱うかというところでございます。ここはワーキングでも非常に真摯な御議論をいただいたところでございます。それを踏まえますと、現在まとめるとすれば、まずはナノマテリアルというものの科学的な知見を蓄積して、かつ、他国の規制の在り方なども踏まえて、しっかりと対応すると。現在さまざまなプロジェクト等を実施してございますので、そういったものは引き続き着実にやっていくと。できるだけ早く結論を得ていくということを目指したいということを御提案しております。
 [2]でございますが、ハザード情報の提示ということでございますが、世の中に開示していく一方で、所有者の権利というものを十分留意するということを書いてございます。
 [3]でございますが、やはりそういった情報というものは広く世の中に提供すると。そのための基盤となるデータベースの整備あるいは情報伝達の仕組み等々については、これからしっかりとやっていくべきであると。また、消費者への情報伝達がわかりやすい形でなされるように更に努力をすべきだと考えております。
 また、そういった基盤整備というものは、国際的なデータベースと接続できるものとしてハザードデータはやはり日本だけのものでなく、世界で共有していくような思想を持って対応していきたいと考えております。
 最後に、GHSの分類につきましても、こういったことを進める中で、GHSへの対応というものも着実に進めていきたいと考えております。
 以上、はしょりましたけれども、骨子として御紹介申し上げました。

○井上委員長 ありがとうございます。
 それでは、この御説明に基づきまして、過去4回にわたるワーキンググループの議論の先ほどの御説明も念頭に置いて、お気づきの点を骨子案の中に盛り込んでいただいて御議論いただくということで、この骨子案の項目に沿っておおむねI、IIなどフォローして、議論をお進めいただくことになりますけれども、よろしくお願いいたします。
 それから、北野委員におかれましては、途中で御退席の予定になっておりますので、適当な時期にまとめて御発言くださるようにお願いいたします。よろしくお願いします。
 それでは、まずI、検討の背景及び化審法の現段階での施行状況に関する確認と申しますか、先ほど御説明のあった5点について、ここでどうしようとしているのかという方向性等についての確認でございます。ここの点については余り御議論ないかもしれませんが、御発言を求めます。いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 論点はむしろII以降にあろうかと思いますので、このまま進めさせていただきます。2020年に向けたヨハネスブルグサミットでのサステイナビリティを持った化学物質の管理に関する化審法の新体系を目指すわけですけれども、この中の「1.WSSD目標を踏まえた化学物質管理」と、「2.化学物質の上市後の状況を踏まえたリスク評価体系の構築」、この2点について、まとめて御議論いただこうと思います。両方順不同で結構ですので、お気づきの点がありましたら。

○河内委員 経団連として参加しております河内でございます。
 産業界としても今回の改正の方向というのは同意したいと思います。より実効的で適切な化学物質の管理ができるように、我々産業界挙げて積極的に協力していきたいなと考えております。
 その際、産業というのは非常に幅広い産業がありますので、企業によっては能力の差があるということを十分配慮する必要があろうかなということで、支援体制を含めて運用面での配慮を是非お願いしたいなと思います。
 それから、サプライチェーンを通じての情報共有については、既に政府の支援も得ながら産業界として自主的な取り組みを今進めているところで、JAMPとかMSDSplusというものが具体的なことで動いているわけですけれども、これは非常に変化に対する対応というか、柔軟な対応が今後も必要だと。こういうものはどんどん世の中の変化あるいは状況によって改善していく余地が必要だろうということで、是非枠組みとしては自主的な取り組みの中でまず進めていくのが妥当ではないかと考えています。
 もう一つ、これから国際競争という非常に厳しい環境の中に産業界というのはさらされるという中で、競争力の維持・向上という面を是非、制度設計の中に配慮していただきたいなと。勿論その中で、規制と自主という両面からの取り組みというのが、実効性と効率性という面で非常に有効な枠組みになるのではないかと思います。是非よろしくお願いしたいと思います
 以上です。

○井上委員長 どうもありがとうございます。
 御発言の委員の先生方は、ネームプレートを立てていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、北野委員、よろしくお願いします。

○北野委員 4回の合同ワーキンググループの結果を、大変うまく資料2にまとめていただき、私はさすがだなと思っております。その資料2を踏まえて資料3がつくられており、基本的に私は資料3の考え方に賛成です。
 所用で中座させていただきますので先まで行かせていただきますが、1ページの[1]に「一定数量」と「定期的に」という表現があるんですが、具体的にはどうするかという議論があるかと思います。この全体会合で議論するには余りにも詳細な議論になり過ぎるということで、この「一定数量」または「定期的に」というところは、どちらかといえば行政サイドにお任せしていいのではないかと思っております。
 言いたいことだけ申し上げて恐縮ですが、4ページの[5]低懸念のポリマーの話ですけれども、これは前から言っているんですが、確かにハザードのデータは要らないということは私も納得しております。ただ、対象となるポリマーであると、該当するポリマーであるというアイデンティティはきちんと、例えば分子量分布なり、そこはきちんと出していただくということは是非お願いしたいと思っております。
 4の[1]の第一種特定化学物質、これはPOPsとの関係があって、POPsの委員をしている立場からもエッセンシャルユースを今度新しく認めていただくことは大変喜んでおります。ただ、5ページの上から5行目にありますように、厳格な管理をしていただくという、ここは絶対に譲れないところだと思っております。特に環境放出面での厳格な管理というものを是非、これからエッセンシャルユースと認める以上は、そこは要求していきたいと思っております。
 5ページの下から3行目、ハザードデータが存在しない物質について高生産量云々とありますが、表現が「関係事業者による協力を最大限求める」となっているんですが、ここは規制ということにするのか、それとも協力を求めるかという議論があるかと思うんですけれども、規制と自主管理という組み合わせを考えていくと、やはり協力を求めていく、企業に自主的に前向きに協力していただくというシステムがよろしいと思っています。そういう意味では最大限協力を求めると。特に、既存物質で高生産量ですと、恐らく数社がつくっているだろうと。とすれば、費用的にも数社が分担していただければ、そんなに苦にならないんじゃないかと思っていますが、それでももし事業者の協力が得られない場合には、有害性調査の指示というのが法律的にございますので、そこで担保できるんじゃないかと思っております。
 先までいって申し訳ないんですが、以上でございます。ありがとうございました。

○井上委員長 ありがとうございました。
 最後の点などは、また企業のステークホルダーの方々からは、できることとできないこと等について御議論があろうかと思いますので、後ほどの御議論では北野委員のただいまの御発言を念頭に置いていただきたいと思います。
 事務局は、北野委員の発言に対する御質問や確かめておくことはございませんか。よろしいですか。どうもありがとうございます。
 引き続いて森田委員、お願いいたします。

○森田委員 今までいろいろな議論が、しかし、3という形でまとめられてきますと、これがスケルトンとしてのある種の重みを持っているのだろうと思うんですが、同時に大事なものがスケルトンの中で薄められたりしている印象が相当強くありますので、そのことについてまず申し上げたいと思います。
 まず1つ指摘しておきたいのは、リスク評価という言葉が余りにも安易に使われていて、本来リスク評価というのはもっときちんとしたプロセスなんですけれども、ただ得られているハザード情報と、架空の計算で得られるばく露情報をかけ算して、これでリスク評価だというのは、いかにもお粗末なものではないかというのがあります。したがって、リスク評価というのはもう一度丁寧にやるプロセスであり、それはしばしば規制にも使われるという意味を含めて、重々しいというのをもう少し意識していただきたいということが第1点であります。
 それと関連いたしまして、リスク評価の基本になってくるのが2つの情報になるかと思います。1つはハザードに関する情報、もう1つはばく露に関する情報ですが、ハザードに関する情報については、できるだけ企業から提出していただくという方向性がある程度見えているかなという感じがします。しかし、一方で、国民の環境サイドの健康を守るのは国の責務であり、かつ、納税者としてはそういうことにちゃんとお金を使っていただきたいという思いもありますので、ハザード情報についても国が一定程度関与する仕組みをある程度考えておいていただきたいと。
 第2は、ばく露のところなんですが、ばく露は極めてお粗末な書き方がされていて、製造・輸入数量でばく露状況が把握できると思えないんですが、例えば、1ページの下から7行目に「製造・輸入数量及び用途情報等を収集して環境中へのばく露状況を把握し」と書いてありますが、ここではばく露状況についての予備的な推定ができるというだけの話ですので、もっと言葉を厳密に使っていただきたいということがあります。
 したがって、リスク評価体制を構築するというのはとても大事なことなんですが、ここで書かれているのは、極めて初歩的なリスク評価をやろうとしている部分がかなりあらわに見えてしまっているので、もう少しきちんと書く必要があるし、また、やることももうちょっと丁寧にしておく必要がある。
 特に、ばく露評価につきましては、このようなモデル的な架空の計算でできたものと、環境の実態というのがしばしば乖離いたします。真実は実は現場の環境側にあるのであって、環境の監視みたいなものが、そこで得られる数字のみが真実を表しているんだということを含めて、そこの仕組みを評価体制の中にきちんと埋め込んでいただきたいというのが私の論点です。よろしくお願いいたします。

○井上委員長 ありがとうございます。
 化審法のこれまでのフレームワークの流れと本質的な点での御指摘との乖離というか、議論すべき点があろうかと思いますので、御意見がありましたら積極的に御提案ください。

○吉岡委員 2と別添の図の関係で御質問あるいは意見を述べさせていただきたいと思っております。
 まず最初に、段階的評価を導入するという形で御説明があったかと思いますが、図にはハザード情報に関しましては長期とか短期という形の段階的という表記がなされているように思われますが、PECすなわち環境濃度の予測につきましては、どこで段階的に評価するのか、1段階なのかということがよくわかりませんということが1つ。
 更に、この図を見てみますと、新規化学物質も既存化学物質も一次リスク評価、またはリスク評価というところが最初に来ています。ここで用いられるデータというのが製造・輸入数量と用途というような関係のデータでしかない。これで何のリスクを測定する、どのように評価することができるのだろうかということを疑問に感じます。そして、一次リスク評価によって、例えば、どういう物質が優先物質になるのかという予想が非常につきにくいと思います。
 3番目は、ハザード評価というのが下の点線の方に出ております、これは一特に向かっておりますから、恐らく生分解性と高蓄積性の関係のものは別途こちらに置いたのだろうと予想しておりますけれども、例えば現行でいけば、すべての化合物は分解性・蓄積性を通ってからハザード情報、すなわち環境影響といったような毒性というデータの取得にいっているはずです。したがって、本来このハザード評価というのは1本の線のうちのワンステップにあるはずだと私自身は理解しておりますけれども、わざわざ分けている理由というものが何だろうかということが少し気になります。
 一方、これはわざわざ分けたんだという理由もあるかと思います。わざわざ分けたんだという理由は、そもそも蓄積性あるいは生分解性というものと毒性というものは関係のないものだという観点です。すなわち、毒性そのものは生分解性であろうとなかろうと、あるないというような観点から見ることができます関係上、評価そのものも生分解性があるないという評価と、毒性があるないという評価は別途に考えるべきであるという考え方でわざわざ分けて書いてあるものだと。
 (資料3の別添の図には)評価の結果、戻る矢印がございませんので、これから補足の関係になるんですけれども、例えば、下のハザード評価、すなわち生分解性の項目で5,000倍以上のBCFの値があるといったような場合には、一監とか一特といったような指定に現在なっております。恐らくその基準は変わらないだろうと思いますが、では、3,000とか4,000という数字があったときに、それは他に全く反映されなくてもよいのかという問題が必ず残ってまいります。そのときに例えば、BCFを500という値で割ってやって、それが短期毒性と長期毒性の違い、例えば、短期の試験でありますとか体内に蓄積されないがために毒性が発現しない、したがって安全性が高いと判断されてしまう危惧があります。そういう危惧を防止するために、BCFのデータを用いて基準を少し上げるといったことも可能かなと思います。
 そういう意味で、これはわざわざ2つに分けて書いてあるのだという考え方も成り立ちます。それはまた、各ワーキングあるいはまとめられたところで、データをどのように使っていくかということに大きく関連してくるかなと思います。
 あと、QSARの話があちらこちらに出てまいります。このQSARの話は一体、改正後のどこに入ってくるのか……。

○井上委員長 先生、QSARは後にしましょう。どうもありがとうございます。
 この点で、事務局がまとめていこうとしておられる立場から、今の御発言にもし御説明がありましたらお願いします。

○森田室長(経産省) 御指摘いただいたことも含めて、ちゃんとしたリスク評価を考えるべきだと承りたいと思います。

○井上委員長 ありがとうございます。
 それでは、亀屋委員お願いします。

○亀屋委員 IIは新体系ということで、仕組みとか流れというのは非常にわかりやすくまとめられていると思うんですけれども、さて、どこが大変になるかのなという視点で少し考えてみました。2020年の大きな目標に対して法改正を検討しているわけですが、現行法からのなすべき大きな変化というのは、先ほど2でメッセージというように御説明いただいたように、すべての物質が今後の対象になってくるというところだろうと考えております。すなわち、リスク評価される物質が無限とは言いませんけれども、圧倒的に増えてくるというところについて、国がリスク評価をすると。国のリスク評価が終わらなければ目標達成ができないような仕組みになっているということだろうと思います。これが国際整合の中でいいとか悪いということではなくて、日本として国として、この責任といいますか、先頭に立ってやっていただくものを国に託す部分が非常に大きくなるので、そこをいかにスムーズにいくような仕組みを考えていかなければいけないし、取り入れなければいけないのかなと考えております。
 そのリスク評価なんですけれども、やはりデータがないとリスク評価が始まらないと思うんですが、公開されていないかもしれないような一次データ等を使ってリスク評価をやっていかなければ、今ある公開データだけでリスク評価したのではすべての物質について対応ということは非常に難しいのかなと感じておりますので、国がデータ収集できる仕組みというものを、あるいは収集したデータをどのような形で公開するのかといった在り方をもう少し充実させる必要があるのではないかと。国も何も自分たちが肩ひじ張ってリスク評価をやるよと言っているわけではないと思うので、もう少し民間の協力をあおぐシステムというものをこの中にも強化していただくといいのではないかと考えております。
 それから、もう一点、吉岡先生も言われたんですが、リスク評価が3段階であるんですけれども、やはり一次のリスク評価というのが重要になってくるのではないかと。というのはハザードと生産量ということで、ある意味スクリーニング的にリスク評価というのをやるわけですが、既に化管法の方でもこのようなやり方で五百何十物質がスクリーニングされているわけですし、化管法の方はハザードかつ生産量といった形でやっていますけれども、そこも「かつ」ではなくて「or」といいますか、一定以上のハザードのものとか、一定以上の生産量のものはすべてやるとか、そういった形で柔軟に対象を広げるというのか、広い視野で見ていかないと、この一次リスク評価がある意味陳腐なものになってしまう可能性があるのではないかということは感じました。
 以上です。

○井上委員長 ありがとうございます。
 座長からお願いがありまして、リスク評価の実施のところで今も御発言がありましたように、別添資料で事前審査ハザード情報の検討を行う枠組みと、リスク評価をどのような形で事前審査の中に組み込むかということだとか、それから、良分解性の扱いであるとか、法律上の問題としての化管法とPRTRと化審法の法律上の整合化の可能性・方向性といった点についても、この時間内に御発言をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 中地委員どうぞ。

○中地委員 4点あります。1点目は、別添に出ていますイメージ図についてなんですが、前回の4回目のワーキンググループでも質問があったと思うんですが、現行法については二監、三監の物質は詳細リスク評価されているわけですけれども、そこでリスクが終わったからといって二監、三監を外れるということはないので、上の破線は必要ないのではないかと思います。
 それと関連して、新規化学物質のうち事前審査についてハザード評価をされていますけれども、その項目については改正後もほぼ同じ項目で、ハザード情報は入手されるのかどうかというところがよくわからないので、その辺を教えていただきたいというのが1点です。
 2点目は、2020年目標に沿って日本で改正後は現在使われているすべての物質を対象に3次リスク評価までを2020年までに終了するのであれば、もう少し具体的にいついつまでにどういった評価をしていくのかということについて、数値目標的なものを出すべきではないかと思っております。特に、優先評価化学物質の第一次リスク評価をいつまでにやるのか、これを2020年までにやっていたら全然話にならないわけですから、例えば、かなり短期間に一定のスクリーニング的な一次リスク評価を終了しなければいけないということがあると思いますので、その辺をどうお考えなのかというのをお聞きしたいと思います。
 3点目は、そういったロードマップ的な2020年までの日程を考える際に、やはりCMRのような高懸念物質の取扱いを早くするのかどうかということも含めて考えるべきではないかと思っております。
 4点目は、私が言う話ではないのかもしれませんが、国がリスク評価を行うという形で出てきているわけですけれども、現在の厚労省、経産省、環境省の人員体制で一次リスク評価ができるのかどうかということについて聞きたいと。やはり、もう少し体制を強化するといいますか、化学物質管理にかかわる人員を増やさないと、今回提案されているような作業が速やかに行えないのかなと思いますので、その辺についても報告書で化学物質管理に関して国の能力を高めるということを書く必要があるのではないかと思います。
 以上です。

○井上委員長 ありがとうございます。
 4点ですが、事務局は今の段階で御回答はよろしいですか。

○森田室長(経産省) 御指摘のことは十分これから検討しないといけないと思っておりますが、具体的にここでという御回答はなかなか難しいので、そこは十分踏まえてやりたいと思います。

○井上委員長 ありがとうございます。

○神山委員 私も基本的に中地委員の意見に賛成ですけれども、1のWSSD目標を踏まえた化学物質管理という総論の部分に、第1回から出ておりましたように、化学物質のライフサイクル全部を通じて、化審法、化管法でどこまでできるのかという問題が出ていたと思います。全体的な化学物質管理をどうするのかということも議論になっており、グランドデザインをつくるというようなことも言われておりましたので、そういうこともこの報告書の中に盛り込んでいただきたいと思います。それがどういう結論になるかということではなくて、そういう議論があったという事実は是非反映していただきたい。
 それから、先ほどの目標ですけれども、2020年までに、例えば2009年、2012年、2015年というフォローアップが予定されているわけですから、すべてこのときまでにこれをやるというのは難しいかもしれませんが、ある程度そういった期限を切った予定というものも盛り込んでいただいた方がよろしいのではないかと考えております。
 以上です。

○織委員 私も5点ほどあります。今、神山先生がおっしゃったように総合的なグランドデザインを描くということは私も重ねてお願いしたいと思います。特に、ライフサイクルを考えたとき、化学物質が廃棄物になった段階の問題についても、一言でもいいので触れていただきたいということ。
 それから、別添の添付図をながめてみたときに、従来と違って化審法の枠組みの中で、事業者の方の新しい義務付けというか、情報提供の義務がかかっていく、ここの化審法の構成をどうしていくのかということについて、じっくり御検討いただきたいということと、国が義務付けをする一方で、既に今まで民間の方々がいろいろな形で自主的な取り組みを行っている、それを国の規制的な問題と実施をどういうふうに取り組んで、補完してやってリスク評価を進めていくかのという流れが、この図の中にうまく入ってくればいいのかなと思っています。
 もう一点は、情報収集に加えて優先評価化学物質の絞り込みの考え方です。これはどういった考え方に基づいているのかということを報告書でできれば示していただきたいと思います。つまり、ある程度早く進めていくために簡易的なリスク評価手法というものを使ってやっていくのか、あるいはそこはきっちり時間をかけてでもやっていくという考え方なのかどうかということは、報告書の中でこの辺のポイントを是非示していただきたいと思います。
 もう一点は、全体を通じてB to Bのサプライチェーンを通じての情報の流れというもの、あるいはリスク評価の流れというものが見えてくるんですが、市民へのリスク評価あるいは市民への製品含有化学物質のリスクについての情報提供というのは、この化審法の枠組みの中ではどういう位置付けになっているかというのは、この図の中では見にくいので、その辺についても考慮いただければと思います。
 以上です。

○井上委員長 ありがとうございます。
 この段階での名札の立っている委員の先生方までで御発言を一度とめさせていただこうかと思います。
 では、若林委員から。

○若林委員 本当にごく簡単に申し上げますと、この報告書はかなりよく問題点を網羅してできていると思います。ただ、これから技術的な作業なり何なり、これからがこれに基づいての本番だと思うのですけれども、例えば、高濃縮性とか残留性が高いとかそういうものが、多分これだけ議論された中で具体的にどのくらいという御意見がまとまったものじゃなくても出てきていると思うので、別途委員会なり何なりつくって、その辺り検討すると思うんですが、その辺の具体的・技術的な検討内容について資料で残しておいてほしいなというのが一つ。
 もう一つは、リスク管理をこれからやっていくに当たって、より高度なものを入れていこうとしていらっしゃるので、ほかの先生方もおっしゃっていましたが、国がどうやってその体制を整えていくのか、短期毒性から長期毒性といっても、そう簡単に試験方法がないものもあったり、企業が対応できない、あるいは国が対応できないという試験もあったり、それから、QSARもまだ整っていないとか、そういうものをこれから7~8年のうちどういう体制で国は整えていかれるかということをお示し願いたいなと。今でなくて結構なんですけれども。

○中杉委員 別添について確認なんですが、この別添でリスク評価が終わった後出てくるのは優先評価化学物質ということで、優先的に評価をしましょうと理解してよろしいですね。そういう意味でいくと、多分一次リスク評価で低リスクに戻ったものについても、生産量が変化するあるいは毒性の新たな情報が出るということになれば、もう一回一次リスク評価に当然入ってくるということで、とりあえずは2020年までに一次スクリーニングを1回は通過するという整理であると解釈してよろしいですね。優先評価化学物質から外れれば、もう評価をしないということでは決してないという解釈ですよね。

○森田室長(経産省) はい。

○辰巳委員 別添のところでと言った方がいいのでしょうか、お話の中含めてなんですけれども、出てくる基本的なデータというのは事業者の方から出てくるわけですよね。それを国の方でリスク評価するというお話だったんですが、使いたい側の人が出されるデータに対してどういうふうに信頼性の担保をするのかというのが、この絵の中にどう入っているのかというのが疑問です。それがあれば、市民に対してもこういう仕組みの中ですべてが回るので、今現在使われている化学物質は安心できますよというメッセージになるのかなと思ったんですけれども、よろしくお願いします。

○増沢委員 私からも2つほど申し上げたいんですけれども、1つは、今回せっかく用途情報をかなりきっちり収集していくということですので、もし可能であれば環境ばく露に限らず、消費者ばく露等可能な範囲で活用していただければということを少し思っております。
 もう一つですが、段階的リスク評価もしくはスクリーニングをしていくというところなのですが、各段階におきまして判断ができないもの、判断不能なものについてどのような扱いをするのか。恐らく第一次スクリーニングの後については、それは次の段階に進むということが原則になるのかなという気がしておりますが、例えば、第二次リスク評価の後その判断ができない、リスクの程度が判断できないものについてどのような扱いをするのか、そういったことについてはっきりしていただければと思っております。

○関澤委員 待っている間にいろいろ話が出てしまったので同じことになるのですが、やはり自主的な取り組みを活用していくというのは、極めて大事だろうと思います。上市されているすべての化学物質を対象としてリスク評価を段階的に実施する枠組みはそのとおりだと思うのですが、そういったことをすると、対象事業者の範囲が拡大しますし、国全体の負荷が非常に高くなる。この観点からデータ収集、データ提供といったことに事業者の自主性、自主的な取り組みを組み込むという案は、本当に大事だろうと思います。民間の協力を組み込んだシステムは、先ほどもお話が出ましたけれども、これを効率的にどういうふうに生かしていくのか、こういうところに是非工夫をしていただきたいと思います。現行の制度を活用して、製造・輸入量を把握するところから継続的に、予防的に進めていくという意味で今回の案については大変結構ではないかと思います。

○後藤委員代理(豊田氏) 私の方から2点ほど意見を述べさせていただきます。
 1点はリスク評価体系、今回の提示についてですが、まずは、すべての化学物質について一律に規制するのではなく、こういった一次リスク評価等によりまして優先的に本格的リスク評価を進める物質を絞り込んだ後、詳細なリスク評価を行うという全体の仕組みにつきましては、非常に効果的かつ効率的な仕組みであると評価しております。特に、ばく露量に応じましたハザード情報の収集というのは、迅速かつ最大限の効果を生んで、費用対効果の面でも非常にすぐれているのではないかと考えております。
 なお、実施上の細かい点につきましては、産業界の実態を十分に把握の上、国際整合性の観点及び国・産業界の負担を考慮いただきまして、実効性のある枠組みを検討願いたいと思っております。
 化学産業界といたしましても負荷は大変ですけれども、本改正案が目指すべきリスク評価・管理体系として円滑に機能するように積極的に協力していきたいと思っています。
 もう一点、段階的リスク評価体系におきます情報収集の在り方についてでございますが、これにつきましても事業者の自助努力が促されて、自らの努力でデータ等を提出する事業者が報われるような法体系が望ましいのではないかと思います。これにつきましては前回、北野先生からも御発言があったと思いますが、事業者が十分な安全性情報を提供しない場合は、厳しい判断になると思いますけれども、国が安全サイドの(厳しい)判断を行うことで、事業者にはそれら情報のインセンティブが働くようになるのではないかと思っています。そういった意味では、仮に義務化を強化しますと、義務の範囲内での限られた情報しか提出されなくなるおそれがあり、それに比べますと、やはりこのような自主性を醸成する方向の方がいいのではないかと思っております。
 以上です。

○菅野委員 基本的に森田先生の示された危惧の延長線上にあるのですが、イメージ図でリスク評価という文字が4か所出ていまして、一次、二次、三次、その手前が接頭語なしの「リスク評価」ですけれども、これはすべての化合物に一通り目を通そうということでこのようにやっておられるのだと思いますが、内容的にはやはり定義がかなり変わってきている、リスク評価の定義が大幅に変わることが含まれていると思うのです。このままなし崩し的にリスク評価という内容にいろいろな場合のものを含めてしまうことが、他の体系との整合性で問題にならないかという危惧を感じます。見直し化審法のリスク評価と、それ以外のリスク評価の内容が違ってくるということ。私の意見としては、少なくとも一番左にある「リスク評価」は名前を変えるべきではないか。スクリーニング評価とか、何かいい言葉がないか。そのくらい慎重にしないと、国としてリスク評価をやったということを示したいのはよくわかるのですが、内容の乖離が激し過ぎるのではないかと思いますので、そこをうまい切り抜け方を考えていただけたらと思います。
 以上です。

○井上委員長 ありがとうございます。事務局、御指摘の意味はわかりますか。

○森田室長(経産省) はい。

○井上委員長 では、よろしくお願いします。
 それでは、御発言はまだあろうかと思いますが、1と2についての御意見をいただきましたので、引き続き「3.リスクの観点を踏まえた新規化学物質事前審査制度の高度化」の項目について御発言をお願いいたします。いかがですか。

○神山委員 この部分で、先ほど中地委員が質問された現在の新規化学物質事前審査におけるハザード情報というのは、新しい高度化でも変わらないのかどうかという質問に対するお答えがいただきたいということと、今、菅野委員がおっしゃられた、事前審査の段階でリスクの判定を踏まえるということをもうちょっとわかりやすく説明していただけないかなと思います。

○井上委員長 イメージみたいなことですか。

○神山委員 つまり、ここでやるのは今おっしゃられたようなスクリーニングなのではないかという御意見がありましたので、この点についてまとめ方をどうするのか事務局から御意見をいただきたいと思います。

○森田室長(経産省) 何点かございましたので、まとめて。
 まず、現在の御議論というのがやはり現行の化審法は機能してきていると、要するに、化審法の事前審査制度というのは一定の評価を得ているという前提で考えてございます。そういう意味では、現在やっておりますハザード評価としての事前審査というものは原則継続したいと考えております。
 その上で、更にリスクを見るという観点が入ってくる。ここは、リスクという意味では先ほど来いろいろと御議論がございまして、本当にそれがリスク評価と言えるかということについては、またこれから詳細に、言葉の使い方も含めて検討したいと思いますが、ハザードとばく露を両方見るという整理だと御理解いただければと思います。そういう意味では、事前審査制度のときのハザードは実際のデータで見ます。ばく露の方は予定の想定されるもので見ますということを今のところ想定しております。
 以上でございます。

○井上委員長 そういうイメージだということです。
 ほかにございますか。

○吉岡委員 先ほどのQSARの続きでございますけれども、今一次リスク評価と二次リスク評価あるいは優先化学物質の区分というのが少しあいまいになってきておりますが、QSARをもし入れるとするならば、一次リスクのレベルかと思われます。ただ、QSARの方向で2つありまして、書かれておるものは恐らく毒性の強いような物質をピックアップするためのQSARというような意図で書かれているかと思います。逆に、間違えるリスクを低くしようと思いますと、毒性のないものに関するQSARというようなものもあり得るかなとは思います。と同時に、ある程度確認されたQSARをつくるためにはどうしてもデータが必要で、そのQSARがつくられれば当然産業界の方もある程度フリーパスで行くという形になってきますので、そういうメリットがあるということを頭に置いて、可能性としてラインの中にQSARを入れてもよろしいかなとは思います。
 以上です。

○井上委員長 ありがとうございます。
 このほか公示であるとか承りたい点が幾つかありますね。よろしくお願いします。あと、少量新規化学物質の問題がありますね。

○北村委員 最後の[5]、ポリマーの問題についてちょっと御理解いただきたいと思いますのは、現行ポリマーにつきましては通常の審査と、いわゆる高分子フロースキームという簡略化されたスキームを通っての承認ということになっていると思います。今回提案されております低懸念ポリマーというものは、国際整合性を見ながら低懸念については更にもう少し弾力的な運用を図ろうという考え方で、それは非常に合理的ではあると考えておりますけれども、現在進められておりますいわゆる高分子ポリマーフロースキーム、この役割も結構合理的な部分を持っていますので、この低懸念がありながら、なおかつ、ポリマーフロースキームを併用していく、言ってみれば3本立てになるかもしれませんけれども、そういった枠組みも残しておいていただければと考えております。

○井上委員長 ありがとうございます。ほかにはいかがですか。

○中地委員 1点あるんですが、4ページの[4]少量であることによりリスク懸念が低いと考えられる新規化学物質の事前審査のところで、この報告書では年間1社1トンということを一つの目安にしようということで提案されているんですけれども、6ページの最後の方で「なお、ナノマテリアルについては、科学的な知見の蓄積や国際的な動向を踏まえて対応する」と書かれているんですが、恐らくナノ粒子については年間1トン以下で生産されるものが多いとは思うんですけれども、その辺について科学的な安全性について不明確であれば、ナノ粒子についての対応ということも[4]のところで少し書き加えていただきたいなと思います。
 以上です。

○井上委員長 どうもありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。大体よろしゅうございますか。
 それでは、次に移らせていただきます。「4.厳格なリスク管理措置等の対象となる物質の扱い」についてでございます。よろしくお願いします。主として法規制という点になろうかと思いますが、エッセンシャルユースの問題であるとか、一応言及されているところでございます。いかがでしょうか。

○北村委員 今回、化審法が従来のハザードべースからかなりリスクというものに舵を切ったということの反映であると思いますけれども、いわゆる第一種特定化学物質につきましても、エッセンシャルユースという概念が化審法の中に取り入れられていくことは非常に現実的ではないかと考えております。その理由は、第一種特定化学物質というものは基本的には既存の物質からなるものでして、それは別の言い方をしますと、かなり現在市場に流れている可能性のある物質、それが第一種監視化学物質から第一種特定化学物質になるという状況だと思います。したがいまして産業界から見ますと、現に使われているものが製造あるいは使用禁止という措置になりますので、かなり対応に苦慮する面が出てくる可能性が出てまいります。そういう意味で、ある条件をもとにエッセンシャルユースを定め、ある種のアローアンスを与えるということは非常に現実的であると考えております。勿論その背景には、この案の中にありますとおり、厳格なリスク管理というものは当然のことですけれども、それをもってしてもやはり現実的ではないかと考えております。
 その後、現実にそういったエッセンシャルユースになったときに、どのような形でそういった物質を管理するかということになりますが、現在の私どもの産業界としては、やはりリスクベースの管理を徹底してやっていくのが現実的ではないか。具体的に言えば、数量あるいは用途、あるいはそういったアローアンスの期間といったものをリスクベースで考えて運用していただけるのが現実的ではないかと考えてございます。
 国際的な整合性あるいは国際的なPOPs条約の関連というものはありますけれども、それを踏まえつつ日本国内独自としてのアローアンスといったものを考えていく、そういった形で運用していただければと考えております。

○井上委員長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。

○浅田委員 第一種特定物質のエッセンシャルユースの導入に関しては、産業界としては非常にありがたいと思っております。しかしながら、いろいろな騒動もございましたけれども、このエッセンシャルユース、国際的整合性の中でどう考えていくか。この運用に関しては、私たちは産業界としてはエッセンシャルユースになったからといってずっと使い続けるというのではなく、将来の代替を目指してどうするかという条件をかなり厳しくしながら使いたいと思いますので、是非御理解のほどをお願いしたいと思います。

○井上委員長 ありがとうございます。
 これに対する御意見などもあったらどうぞ。

○新美委員 エッセンシャルユースに関してですけれども、ちょっと気になるのは情報伝達のことは書いてあるんですが、情報公開のことが全然触れられていないと。こういった危険の大きいものについては、やはり公開をどこまで確保するかというのは重要だと思いますので、その辺についても書き込んでいただけたらと思います。

○井上委員長 ありがとうございます。
 名称の問題とも合わせて情報公開の問題があろうかと思いますが、事務局何かお考えがあれば。

○森田室長(経産省) 化学物質一般としてハザード情報を国が集めたものについては、積極的に開示するという中で、今言ったような御指摘の中にどれだけ対応できるかというのは十分考えていきたいと思っております。

○井上委員長 ありがとうございます。

○佐藤委員 エッセンシャルユースのことなんですけれども、化審法としてはこれでいいのかもしれませんが、多分、産業界で働く人たちのばく露というものを気にしなければいけないと思うし、労働関係との整合をどうとるのかというのを視野に入れておく必要があるだろうと思います。

○井上委員長 そういう御指摘でございます。よろしくお願いします。
 ほかにはいかがでしょうか。

○北村委員 1点補足させてください。この化審法の第一種特定化学物質は、製造・輸入だけではなしに使用についても厳格な規制がかかってまいります。化学製品というものはつくられてすぐにいろいろな形で使われるわけではなしに、かなり長い期間市場に残るというケースがございます。具体的に言えば、プラスチック製品を練り込んであるものというのは、20年、30年のライフで市場あるいは社会に残っていくということがございます。したがいまして、製造に対する時間的な軸と使用に対する時間の制限軸というものが一致しますと、製造はなくなっても使用はまだ残っている、それを回収するのがどうかという非常に悩ましい問題が出てまいりますので、化学物質の中にはそういった事例もあるということをお考えいただければと思っております。

○森田委員 エッセンシャルユースのところは相当悩ましくて、なかなか次の代替品に移れないときにある期間使いたいということが一方であるんですが、しかし一方で、この形で残ってしまうのは結果的には、社会全体のコストを最初の廃棄の局面で高めてしまう可能性が高いんですね。したがって、これを安易に運用しないようなことはどうしても必要かなという感じがいたします。

○井上委員長 両面からの御意見が出ております。目配りが必要だということになりますかね。

○神山委員 この骨子案は、それぞれの問題点ごとによくまとめていただいていると思うんですけれども、全体的な化審法の体系がどうなるのかというのがよくわかりません。先ほど座長が4は法規制の問題だとおっしゃったんですが、厳格なリスク管理をする3つの法規制ということがここに入っているというのはわかりますし、それから、新しい審査制度の高度化とか新しい管理体系の提示とか、あちこちに散りばめられているものですから、全体として化審法はどうなるのというところを別添の図だけではなくて、もうちょっと法律的な枠組みとして文章化してまとめていただけるとありがたいと思います。

○井上委員長 それは結局、IIの2、3を文章的にまとめた位置付けをはっきりする必要があるという御提案になりますか。では、よろしくお願いします。
 ほかには。

○中地委員 1点。エッセンシャルユースのこともそうなんですが、[2]第一種監視化学物質に関する情報提供の強化とか、[3]にも関連するんですけれども、ここで書かれている情報伝達というのはB to Bといいますか、利用者間で情報を伝達すればよいという形で書かれていて、例えば[2]のように当該物質が環境中に放出されるおそれのあるものに関して云々というところから考えますと、例えば、消費者製品等に含まれるようなことがあれば、やはり消費者に対しても注意を喚起するような情報伝達というのか、新美先生がおっしゃった情報公開と言うのかというのはありますけれども、消費者に対する配慮みたいなことをもう少し書き込んでいただきたいなと思います。

○井上委員長 ありがとうございます。
 ほかにいかがですか。

○後藤委員代理(豊田氏) 資料3の5ページの[3]について、意見を述べたいと思います。
 今回の御提案というのはリスク評価・管理を一層推進していくということがベースにあり、そのもとでリスクの懸念が高いと評価された化学物質については、2行目に記載されています「法に基づきその製造・輸入の制限、取扱いの適正化」云々のリスク低減措置が講じられるものと理解しております。今回は、このようにリスク評価を本格的に行うわけですから、得られた結果のリスク低減措置についても、今までと異なり「リスク」を念頭においた措置を考慮願いたいと存じます。特に、当該措置の中でも、「取扱いの適正化」につきましては、リスクを念頭に置いて措置を講じていただければと思っております。

○宮田委員 全般的なコメントになってしまいますが、先ほど先生もおっしゃっておりましたけれども、やはり化審法自体が今までの議論だと2020年までに何とか全部数値目標を達成することできゅうきゅうとしているんですが、せっかく法体系を見直すんですから、やはりより安全な社会をつくるための基盤として、こういった新しい法体系をつくり直していこうというメッセージをどこかで盛り込むべきだろうと思います。そうなりますと、エッセンシャルユースに関しても、ずっとこれをやむを得ない措置として認めるだけではなくて、先ほど自動車業界の方もおっしゃっていましたが、社会全体の努力としてより安全な方向に代替するという方向を書くべきだろうと考えます。
 それから、最後に申し上げたいことは、公開のことで随分ありました。ですから、そういう意味でやはり消費者とかあるいは労働者とか企業に対する情報の公開をもっとちゃんと書かなければいけなくて、ですから、化合物名をどうするこうするという議論はまず原則公開であって、ただし、企業の競争力などに配慮するという論理構成をしていただきたいと思っています。
 それから、もう一つ重要なのは、すべての物質のリスク評価をするということになりますと、私どもはジャーナリストですから、多くの市民は「そうか、すべての物質はリスクであったのか」ということを思われるんですが、その際公開だけでいいのかという問題があって、やはり教育あるいは啓発という努力をどこかで国も事業者も求めるような案文があればありがたいと思います。

○井上委員長 確かにリスクコミュニケーションというのはこの文章にないですね。事務局いかがですか。

○森田室長(経産省) 骨子ですので、併せて。

○井上委員長 よろしくお願いします。

○板倉委員 今お話いただいたので重なっていると思いますけれども、やはり消費者にとって、特にエッセンシャルユースということで認められた企業の実態が把握できないというのは非常に問題があると思いますし、それから、浅田委員がおっしゃっているように、よりよいものに変えていくという姿勢を示している企業と、そうでなくてある意味では規制緩和の部分に乗っかったままでいる企業とが、消費者から見分けがつかないというような状況は問題があると思いますので、そういう意味で社会全体について配慮していくという企業を選べるような情報公開というのは必要なんじゃないかと思っております。

○菅野委員 エッセンシャルユースの件ですが、慢性毒性とか発がん性というものまで考えなければいけないようなばく露を想定せざるを得ないというお話になっているかと思うので、有害性調査指示のようなものをさらに課するぐらいの体系も必要なのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○井上委員長 条件付けの御提案ですけれども、事務局この段階で何かありますか。

○森田室長(経産省) 第一種特定化学物質になるものは、前提として長期毒性を全部確定させているということになりますので、まずはそのデータがあって初めて第一種になると御理解いただければと思います。

○菅野委員 それは、すべてに一律にやるものですよね。その後、更にこれは特別に危惧しなければならないというようなものが出てくると思うのですが、それについてはどうでしょうか。個別にですね。

○井上委員長 伺いました。ほかにはいかがでしょうか。
 どうも御議論ありがとうございます。続いて「III.2020年に向けたスケジュールと官民の役割分担など」という項目に入らせていただきます。これについては一括で御議論いただこうと思います。よろしくお願いいたします。

○後藤委員代理(豊田氏) 資料3の5ページの下から4行目からの、ハザードデータが存在しないHPV等に関する文章ですが、先ほど北野先生からも御質問が出た点につきまして、産業界から意見を述べたいと思います。
 ハザードデータがない新たなHPVなどをどうするかという議論だと思いますけれども、まず、その前にJapanチャレンジにつきましては、今回6月にその中間評価が行われましたが、結果としては本プログラムによりまして日本国内での化学物質の安全性情報を取得する取り組みが官民連携によって加速されたという評価を受けていると聞いております。また、そういった意味では、このような自由度を持たせた進め方というのが本プログラムの推進に非常に役立ったとの評価となっています。
 産業界としてはすべての製造・輸入者を対象とするような規制による方法よりも、こういった官民連携という枠組みに自主的な取り組みを組み込んだ手法の方が効率的であると考えております。本Japanチャレンジにつきましては、来年3月で一つの区切りができるわけでございますが、今後につきまして、産業界としては来年度以降も前向きにこれについては取り組みたいと思っております。
 もう一点、情報の基盤整備ということにつきまして意見を述べたいと思います。資料3の6ページの[3]の2つ目の「・」に「基盤整備に当たっては、国際的なデータベース等との相互接続に対する設計も重要である。」と書いてございますが、化学物質の安全性情報に関する情報基盤整備につきましては、例えばREACH-ITに見られるように、現在、国際共有化対応というのが加速度的に進んでいると感じております。我が国も、未整備のまま何も手を打たないでおりますと、将来、新たに出てくる国際的に信頼性の高い当該情報の入手が非常に困難になる等のおそれがあり、情報の共有といった面で孤立してしまうということを懸念しております。そういった意味では、これを回避するために我が国も早急に当該情報の基盤整備に着手する必要があるということを強く感じております。これにつきましては、ただ行政に推進していただくというわけではなくて、化学産業界も積極的に協力していきたいと思っておりますので、ひとつ推進の方をよろしくお願いしたいと思います。

○中西委員 ナノ物質のことについて意見を申し上げたいと思います。
 先ほど中地委員からナノ物質について、少量の例外物質1トンをもうちょっと下げる必要があるのではないかという御提案がありましたが、それを今ナノ材料について入れるということについては相当無理があると思います。例えば、二酸化チタンについてナノで使われるというようなものだけを特別にしていくというのは、相当今の法律の体系を根本的に変えて、物質の形が違うから新規の別のルールを適用するということになるということで、たまたまナノで、ナノだけの材料があるというようなものがあれば別ですが、そうでないものがたくさんありますので、それは別にあると。そういう意味で、今ここにそういうものを入れるというのは非常に無理があると思います。
 では、ナノ材料について何もしないのかというとそうではなくて、鋭意科学的な情報を集めているところですから、そういうものを考えると。では、その間どうするのかということについては、やはり別途、例えば企業の情報提供、本当に商品としてナノ材料が含まれているというものがあるとすれば、そういうような企業からの情報提供を促すとかそういう方法でしばらく補完しながら、科学的なものが見つかった段階でどういうふうに規制をするかということがいいのではないかと思っております。
 以上です。

○井上委員長 ありがとうございます。今の点については事務局よろしいですね。
 あと、11名の方の御発言通知をいただいていますので、一応皆さんの御発言をいただきますけれども、御追加はこの段階でとめさせていただきます。
 新美委員。

○新美委員 2点ございます。1点は先ほど述べたことと関連するんですが、情報提供の在り方と基盤整備の在り方に関連します。ここでは情報提供という言葉が使われていますが、先ほど申し上げましたように、情報公開と両にらみの発想を是非とっていただきたいということです。
 もう一つは、企業秘密あるいは企業の知的財産権の保護は必要であることは間違いなんですが、その保護すべき法益もさまざまな段階があるわけです。そうすると、情報の開示の必要性とその利益の保護されるべき度合いとによって組合せが幾つか出てくるわけです。それをどういうふうにきめ細かく、ないしは、きちんと整理していくかというのは極めて重要なことです。資料2では、情報公開法の考え方をベースにすると書いてありますけれども、これでは全く対応できません。というのは、情報公開法は誰でもその用途を問わずに公開請求ができるということですので、かなり早めの段階で企業の競争上の地位を少しでも犯すおそれがあるというならば、それで公開しなくてもいいという処理をしているわけですので、そのような処理でいいのかという問題があります。その意味では、情報提供、情報公開それぞれ少しきめ細かい判断が必要だろうと思います。
 それに当たって、データベースの構築も変わってくると思います。ここまでは誰でもアクセスできる、ここまでは一定の範囲の者というようなデータベースの構築の仕方にも影響してくると思いますので、その辺りの御配慮があればということで意見を申し上げました。
 もう一点は、前にもかかわると思いますが、リスクというのは不確実性が伴っているわけですので、再評価システムというのがどうしても必要になると思います。ここで第一次リスク評価をした後、定期的に評価するというのですが、そのときのデータが当初のものと変わっているとは思われないので、むしろ再評価をしたときにはモニタリングデータがきちんと入ってくるようなシステムにしないと、不確実性というものはきちんとより正確になっていくとは思われないので、そういうシステムを視点として入れておいていただけたらと思います。

○徳永委員 特に私が話したいのは、先ほど中西委員が言われたように、ナノマテリアルのところです。二酸化チタンや酸化亜鉛というものが実際に既存物質として、一応安全であるということで厚労省などでは医薬部外品として認可されて使われていますけれども、ナノマテリアルというものとして100ナノメートル以下になったものの安全性がなかなか言えずに、どうも別の動きがあるかもしれないということで、もやもやしたような問題があります。
 ナノマテリアルのものとしての安全性に関して、経産省も含めて厚労省もいろいろ研究班を立ち上げ、ナノマテリアルとしての安全性の試験法を検討しています。試験法がまだ確立されていないので安全性の面でどうかと言えない状況にあります。ナノマテリアルのところに書かれましたように、安全性試験を含めていろいろなことをやっていただかないと、世界的なグローバルな動きに遅れてしまいます。そこをよく考えていただきたいと思っております。

○関澤委員 情報の基盤整備についてですが、今回の案では民間が協力して国が主体となってハザード情報など収集する仕組みになっておりますが、一方、ヨーロッパでは情報収集を民間ベースにする方法がとられようとしておりまして、この場合は情報が知的財産となって売買の対象になると思っています。動物実験など最小限にとどめていく必要もありますので、情報が適正に売買されるように、各国間の国際的なデータベースを策定するために、国が積極的に介入していただくということが、我が国にとって極めて大事と思います。勿論、業界団体としても各国の業界団体との間で情報交流といったことについては積極的に進めていくわけですが、やはり国がリーダーシップを発揮していただきたいと思います。

○城内委員 5ページの[1]新制度の構築による化学物質管理体系の提示の最初に「上記のような化審法の制度見直しを行うことにより、我が国全体の化学物質管理水準の向上を通じた国民の安全・安心、環境の保全を実現することが可能となる」と書いていますが、私はとてもこうなるとは思っていませんで、ここの会場にいるどなたも実は信じていないのではないかと思っています。つまり、化審法でできることというのをもっと明確にして、今この場で出された非常に良い意見の中からレポートをつくるというのだったらわかるのですが、この報告書の構成だと従来のように化審法側から見て、これは応えられますよというようになっているわけですね。そういう法体系のもとで今まで何十年も議論されてきて、結局、化学物質に関する非常に基本的なことは抜けてきたというのが現状ではないかと思っております。
 化審法について言えば、例えば、リスク評価ということは非常に前面に出ていますけれども、一番肝心な化学物質を扱う人がどうリスク管理をするかというものを取り入れることができない法律なわけです。先ほどからも御指摘があるように、情報伝達に関してもそういうものを取り入れることができない法律なわけですから、まずそういうものをはっきりさせて、今回の改正はこういうことでここしかできません、例えばWSSDからSAICMに関しての詳細な項目も挙げられているわけですけれども、その中で化審法でできるのはこれだけですというような発想でレポートを書いていただければ、更に本当の意味でのすぐれた化学物質管理に関する提言になるのではないかと思っています。
 ありがとうございます。

○吉岡委員 [1]に関してのことです。まず、第1に現在のスケジュール全体というのは、新規化学物質と既存化学物質を分かれて論議するという体系になっております。30年ほど前に化審法がつくられたときに行われた既存と新規の区分けを、これ以上引きずっていいのかどうかという部分の議論が欲しいなと思います。
 もし仮に、既存と新規を分けることを原則とするとなった場合でも、[1]の2番目の「・」に書いてあります、例えば、実際に調査を行って今どれだけつくっているのか調べるという記述がございますけれども、その調査のときに仮につくっていないものが既存であったとすると、そうしたものは既存のリストから全部省いて、新規に回すといったような負荷の軽減というものを考えてはいかがかなとは思います。
 3点目は今の話と少し違いますが、最後の段落でハザードデータが存在しない場合については、先ほどからお話がありました企業の方々から御協力をいただいてということがございます。私自身はこれは無理だと思います。なぜ無理かと申しますと、2020年までの時間というのはあと何年あるか。新化審法が成立してそれが実効になるのがあと何年後か、残っている時間は何年か、その間に既存を含めて全部をチェックしていくということはボランティア精神に頼っていてはとてもではないけれども不可能だろうと思います。そういう意味では、先ほどからお話がありましたが、きちんとしたスケジュールと法規制というものが必要になってくるのではないかと考えます。
 以上です。

○井上委員長 スケジュールの点についての御意見ですけれども、よろしいですね。

○御園生委員 私は、今回おまとめになった基本的な考え方に賛成です。リスク評価を重視する、あるいは国際整合性、それから、化学物質管理全体における化審法の位置付け等を報告に書いていただけそうなので、その点に関しては全く賛成です。私どもが懸念するのは、これが具体的に詰められて実施するという段階になった場合の実施体制です。我々NITEではこれまでの化審法の施行の支援をしてきて、リスク評価についても努力してきているところで、この見直し後にも貢献すべしと思っておりますが、先ほどのスクリーニングが何段階あるものの目をどのくらい粗くするかとかでも仕事量が随分変わってきますし、また、リスク管理に関しての市民の感受性も時代とともに相当変わりますので、それが厳しくなった場合に仕事量がかなり増えるということもあろうかと思います。実は、我々は製品安全もやっていまして、突然追い風といいますか、向かい風がやってきまして、残業、残業という状態になっております。実施体制について人員の問題であるとか、予算の問題については十分に御配慮いただいておかないと、情勢によってはかなり厳しい課題が増えて忙しくなるということが全体にあるのではないかと思いますので、タイムスケジュールを含め実務的な点を是非御配慮いただきたいと思います。
 以上です。

○増沢委員 私も最後の[1]の3つ目の「・」、特になお書き以下の部分について一言コメントさせていただきたいんですけれども、どの程度のタイムラインで考えているのかという、先ほど来御意見が出ていますが、私はできるだけ早く、既存のデータを前提として一次リスク評価といいますか、スクリーニングにできるだけ早く移行するということかと思っていましたので、この上更にボランタリーに情報を集めている時間というのはどのくらいあるのかというところが少し疑問に思いました。
 仮に、ある程度時間的な余裕があって、こうしたデータ収集をするとした場合に、官民の役割分担として高生産量が事業者、中生産量については国も積極的にとここには書いてあるんですが、この理由といいますか、どういった頭の整理でこのように考えているのかという理由付けをもう少しはっきりさせた方がいいのではないかと思っております。

○井上委員長 どうもありがとうございました。承るだけでよろしいですね。
 では、神山委員。

○神山委員 [2]と[3]の情報提供と基盤整備の問題ですが、化審法に書けるのかどうかという問題は確かにあろうかと思いますが、ここにありますように消費者への情報伝達のためにも閲覧者にとってわかりやすい仕組みが重要であるとなっていても、わざわざデータベースを閲覧する消費者が一体どれほどいるのかということを考えますと、消費者に情報を伝達しようと思ったら、GHSを最終製品までつけるというところまで書き込まないと、勿論データベースが必要だということはわかりますけれども、そこにアクセスしてくださいでは不十分だと思います。書き方の問題としてどういうふうに書くかですが、GHSの分類情報を集約・蓄積するだけではなくて、最終製品にGHS情報をつけられるようにというようなことも是非書き込んでいただきたいと思います。

○白石委員 [3]に関してこれは応援団なんですけれども、今、化学物質の全体をどう管理していくかという、化審法ばかりではなくて、さまざまな法律で管理されているわけですけれども、そのデータというのは当然あるわけで、そういったものを一元的に管理できるような、今はJ-CHECKで3省合同でやっていますが、そういったものをオールジャパンに広げるようなことを考えていただきたいと思います。
 2つ目の「・」で「国際的なデータベース等との相互接続」と書いてあるんですが、実は国内に関しては書かれていないなと思いまして、国内的なそういった体制、データ整備の在り方についてもう少し書き込んでいただきたいなと思います。例えば、EUではデータ絡みは様変わりしていて、European chemical substances information systemとか、WHOでもINCHEMとかOECDはeChemPortalというようなものができ上がっています。日本でそういった情報を整理していかない限り、リスク評価というのは陸の孤島に陥ってしまうと思いますので、公開するレベルまでトータルで考えたデザインをしていただきたいなと思います。

○織委員 情報基盤整備についてなんですけれども、国際的な視点という記載はあるんですが、今まで見直しの議論のところで、日本がアジアにおけるリーダーシップをとっていくということの重要性を議論してきました。こうしたデータベースが整備されていくということは、アジア地域において非常に有効に活用されると思いますので、国際的なデータ整備において国際的に活用されることも考慮しながらつくっていくという視点が入ればいいなと思います。
 もう一点は、やはり市民の情報活用の在り方という議論の、先ほどリスクコミュニケーションが抜けているという議論と絡めて、今、神山先生がおっしゃったのも一つの手だと思うんですが、やはりそれだけではなかなかうまくいかないので、もう少し議論が必要で、今B to Bでどうやってサプライチェーンで情報を回していくかという議論は進んできたけれども、これを更に消費者の方が実際にリスク管理に結びつくような購買活動ですとか選択をしていくときに、この流れてきた情報をどう活用していくのかという視点を入れていただきたいと思います。
 それから、全体にかかってくるんですけれども、化審法の改正とPRTR法による排出量データですとかMSDSというのが、今回化審法が改正になって新しく義務付けられた用途情報ですとかハザード情報とどう結びついて、全体的にリスク評価、リスク低減が行われていくのかということと、一方で労働安全の問題というものが今回どういうふうに絡んでくるかという、化審法だけではなくて、ほかの法体系との絡みが全体的にどうなってくるのかということも一言触れていただいて、法改正の面でいくと化管法と化審法がより連携していくために、ブリッジ規定を置く必要があるかどうかという辺りまで議論を進めていただければと思います。
 以上です。

○井上委員長 ありがとうございます。仕組みの点など、これも承ったということで事務局よろしいですね。
 では、内山委員。

○内山委員 2点あるのですが、1点は、先ほどからスケジュール等でお示しいただいたように非常に大量の化学物質をこれだけの期間にデータを揃えるということで、官民の特に民の役割というのが非常に大きくなると思いますが、先ほどデータの売買ということもありましたけれども、何か規制と同時にインセンティブをつけてやれないかということが一つです。要は、税制優遇とか何らかの融資というもので、少しでも何か民のインセンティブを上げるような方策をとれないかということ。
 もう一つは、今、織委員が言われましたように、それから、森田委員も言われたように、ハザード情報が出てきたときにもう一つのばく露情報というのは化審法では製造・輸入量だけです。しかし実際のリスク評価というのは人にどれだけばく露されているかということがなければいけないので、製造・輸入量と排出量あるいは人のばく露量は全く違うものですので、それを速やかにPRTRに載せてばく露情報をもっとしっかりとる、あるいはモニタリングを行ってリスク評価を行うということが重要です。化学物質管理基本法のような議論も出てきましたけれども、まだそれが無理ということであれば、化審法の役割と化管法、織先生がおっしゃったことですが、化審法に出てきたハザード情報があればPRTRに載せられるわけですから、化管法を何年ごとの見直しと言わずに、順次それに組み入れられているようなシステムが望ましいということをここに書き込んでいただければ非常にありがたいと思います。

○井上委員長 大変具体的な御提言をありがとうございました。

○有田委員 全体的なところは城内先生がおっしゃってくださった中身で、私も法律の見直しという化審法だけの問題ではないと意見を申し上げてきました。ただ、化審法だけの形としては、全体的にはこの方向でいいのかなと思っています。中西先生が企業に情報提供、ナノの部分ですけれども、行政からも安全性の視点を出していくというような形の情報提供の在り方を出すべきだとおっしゃってくださった中で、前回の農薬の問題とナノの問題で私はまだこだわりがあります。農薬の問題で言えば、先ほどJapanプログラムの中で積極的に産業界は協力するという事で、情報提供の事をおっしゃったんですが、個別で言えば農薬の関係は情報がなかなか出てこないというような意識があります。そういうことが化審法に関係ないという部分ではわかっていますし、ナノの問題で言えば化粧品はここに関係しない事も十分承知しています。が、例えば、中西先生がおっしゃったように、消費者が安全性を企業に問い合わせればいいということで、今回ある企業に問い合わせました。でも、回答が全然戻ってきません。そういう状態の中で、消費者も関心を持って見ている分野で安全性情報が入手できない。そういうところも、しっかりやっていただきたいということで一言発言させていただきました。

○井上委員長 ありがとうございます。
 遅くなって済みません、中地委員の御意見を伺いますが、その後若干の時間で全般にわたって言い残されたことがありましたら、どの程度の方の御意見を伺えるかわかりませんけれども、時間をとります。
 中地委員どうぞ。

○中地委員 2点ありまして、1点目はデータの件なんですけれども、5ページの一番最後に「中生産量及び低生産量の化学物質については、国も積極的にデータ収集を行う」ということで、国の方で新たにデータ取りをするような形で書かれているんですが、基本的には例えばJapanチャレンジプログラムでも、すべての物質について評価ができたわけでもありませんし、ある程度は国が行うということについては事業者に対して、調査義務みたいなものをきちんとかけてデータをとるという形で、もう少し中身についても含めてわかるような形で書いていただかないと、このままだと国の方で中生産量と低生産量の化学物質についてはデータをとるんだという話になりますので、その辺の中身についてもう少し付け加えていただきたいと思います。
 2点目は、資料2の7ページの一番最後「その他の議論の概要」ということで「化学物質の管理の在り方について、化審法の見直しにとどまらず、基本法のような総合的管理の枠組みが必要との意見があった」という形で紹介されている部分なんですけれども、今日の報告書はここで終わりになりますので、資料2で書かれた意見の取扱いについて、2020年のスケジュールはその後にやるのかもしれませんけれども、最後にこういう意見があったということを評価していただきたいと思います。

○井上委員長 ありがとうございます。
 それでは、先ほど申しましたように、全般的に付け加えておっしゃりたいこと等がありましたらお願いします。

○森田委員 まず、仕組みの問題とかいろいろな意見が出たんですが、まず、官民の役割分担ということに関しまして、一体民とは何なのかというところが明確になっていなくて、それは化学業界のことを言っておられるのか、それとももっと広い意味なのか、それを含めてもう少し化学物質の管理体系にかかわる民とは何かを全体としてきっちりしておく必要があるかなということがあります。
 もう一つは、化学物質管理の中で、日本が今のところ世界に一番誇れたのは何だったかというと、実は化審法のサイドでやっていた環境省の実態調査である黒本調査、これは世界では唯一日本が誇れるものだったということもあり、こういった財産を活用するというか、あるいはそれを伸ばすという姿勢も入れていただければと思います。

○辰巳委員 話の中にも出ていたかもしれないんですが、事業者の方もこういうところに参加なさったりしている方は、精神的にもいろいろなことを御理解なさっていると思いますけれども、恐らく余りよくわからない状態で、まさに私たち消費者と同じようなレベルの方たちも、ものはつくったり使ったりされていると思うんですね。そういう人にとって、この法律の意味というのは変なものが外に出ていかないようにということだと思いますが、やはりリスク評価をしていった中で、リスクは少しあるけれども使ってもいいというものがあるわけですから、そういう中で全体的に使用の削減の方向にうまく向かうようなことはどこで担保できるのかなと思ったので、意見というか質問というか。

○井上委員長 承っておくということでよろしいですね。
 あとは、西原先生から伺って終了したいと思いますが、よろしいですか。

○西原委員 今までの中で出てきたことで、ちょっと抜けていたんじゃないかと思うので1つ確認だけです。一応、少量新規ということで1トン1社ということがあったんですが、私個人的には、もしそれが10社なり出てきた場合は、やはり何か行政指導といいますか、そういうことを一つ制限を設けておくべきだろうと思います。
 それから、既存物質の見直しというのも、できるだけ早急にやるべきだと。というのは、分解性・蓄積性のQSARの話のときに既存物質の見直しをちょっとしたんですが、化学構造のわからないものがある。そういったものについて残しておく必要はまずないと思うし、もし出てくれば新規にすればいいだけのことだと思います。それを早急にしてほしい。
 最後に、一番これが大事だと思うんですが、いろいろな先生からも意見が出ていましたけれども、情報公開のアメとムチということです。私などはQSARという観点からも、誰に対することになるかということを先ほど官民の話がありましたけれども、情報公開をここまでしたならば、アメがこれだけありますよと。もし、それをしなかったら、これだけムチといいますか、何か規制がかかりますよということをもう少し全体的にはっきりさせておいた方が、企業の方もやりやすいでしょう。自主管理というのが一番大事なんですけれども、それに対しても何かアメ、報奨制度なり何なりということを入れていただければと思います。
 以上です。

○井上委員長 ありがとうございました。
 貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。以上で議題2を終了させていただきます。なお、次回の合同委員会に提示する報告案につきましては、本日いただいた御意見を踏まえて事務局に作成していただくということにいたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○井上委員長 ありがとうございます。
 それでは、その他について事務局からよろしくお願いします。

○山本室長(厚労省) まず、次回の会議ですけれども、第3回の合同委員会につきましては10月23日木曜日、時間は同じ9時半からで、場所も同じ三田共用会議所の講堂で行う予定にしております。
 それから、本日の配付資料につきましては、速やかに各3省のウェブサイトに掲載するとともに、議事録につきましては事務局で原案を作成いたしまして、御出席の委員の御確認をいただいた上で、同様に各省のウェブサイトに掲載する予定でおります。
 最後になりましたけれども、本日、御出席の委員につきましては、先ほど確認をいたしましたところ、各委員会ともに過半数に達しておりますので、成立しておりますことを最後に御報告申し上げます。
 以上でございます。

○井上委員長 それでは、ただいま山本室長から御説明がありました今後の予定でよろしゅうございますか。御追加はございませんか。

(「なし」と声あり)

○井上委員長 ありがとうございます。
 それでは、長らく時間をいただきまして、熱心な御議論・御提言をいただきまして、ありがとうございました。
 以上で、本日の第2回化審法見直し合同委員会を終了させていただきます。