中央環境審議会 環境保健部会化学物質環境対策小委員会(第7回)  産業構造審議会 化学・バイオ部会 化学物質政策基本問題小委員会  化学物質管理制度検討ワーキンググループ(第6回)合同会合(第6回) 議事録


日時

平成19年6月29日 14:00~16:00

場所

経済産業省944号会議室

議事録

○獅山課長(経済産業省) 定刻になりましたので、ただいまから第6回の化管法見直し合同会合を開催させていただきます。
 本日は経済産業省が事務局でとりまとめを行います。産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質政策基本問題小委員会の化学物質管理制度検討ワーキンググループの中西座長が議事進行をさせていただきます。
 委員の出欠状況につきましては、時間の都合上、省略させていただきます。お手元に座席表を配付させていただいておりますので、そちらをごらんいただけるよう、お願い申し上げます。
 次に、本日の合同会合の成立についてでありますが、両委員会ともそれぞれ定足数を満たしておりますので、本会は成立しております。
 それでは、議事進行を中西座長にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。

○中西座長 非常に蒸し暑くて、気持が悪かったと思うのですが、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 それでは始めさせていただきたいと思います。
 本日の資料確認を事務局の方からお願いいたします。

○獅山課長 お手元にクリップどめの資料が配付してあると思います。配付資料は1番から6番であります。議事次第があって、その次に委員名簿が資料1と資料2、資料3でございますが、前回議事録の案でございます。委員限りで、傍聴者には配付しておりません。ご留意願います。議事録案は、委員の方には事前に確認していただいているところですが、なお、修正等がありましたら、1週間後の7月6日金曜日までに連絡をお願いいたします。委員全員にご確認いただきましたら、経済産業省関係省のホームページに掲載させていただきます。以下、資料4、5、6とあると思います。不足等がございましたら、事務局までお申し出ください。

○中西座長 それでは、本日の議題を確認いたします。最初の紙には (1)中間取りまとめ(案)について、 (2)その他となっていますが、この中間取りまとめ(案)についての中の1つとして、まず最初に前回の会合における意見の整理及び追加意見について、事務局より紹介をしていただきまして、その後、中間取りまとめ(案)、それからその他ということにしていきたいと思います。
 まず初めに、第5回の合同会合における意見の整理について、事務局から説明をお願いいたします。

○木村課長(環境省) それでは、資料4をお開きいただきたいと思います。これまでの合同会合における意見の整理でございます。前回の合同会合におきましては、リスクコミュニケーション並びに人材育成に関する課題と今後の方向性について、そしてまたMSDS制度の課題と今後の方向性について、最後に中間とりまとめ骨子(案)について、それぞれご審議をいただいたかと思います。そして多くの委員の皆様方からご意見を賜ったところでございまして、委員の皆様方のそれらのご意見の中で、これまでの意見とは違うものにつきまして、そこにお示ししていますように、下線を引いた形で追加させていただいているところでございます。
 まず1ページ目のIの化管法の全般についてのところでございますけれども、ここにつきましては、「EUにおいても、環境情報の提供及び国民の参加という観点が強くなっている」旨、また「化管法の見直しの背景として、国際的な整合に触れるべき」とのご意見を追加させていただいたところでございます。
 そして3ぺージに飛びまして、PRTR制度の課題と今後の方向性の中の4)の地方自治体の役割のところでございますけれども、ここにおきましては、「化管法の枠外であっても、事故時の対応について、自治体のもっているデータの共有化についての検討が必要」とのご意見。また、その下の5)の届出事項に関しましては、「下水道の排出先を届出させることにより、下水道処理施設側ではどんなものが入ってくるかがわかり、将来的にはこれを踏まえた排出量の把握も可能となる」とのご意見。次の4ページにまいりまして、「PRTR情報をリスクコミュニケーションに使う上で、取扱量のようなものもトータルとしてないと地域住民の理解が促進されない。リスクコミュニケーションを進める上でも取扱量データは必要」といったご意見。またその反対に、「リスクコミュニケーションにおいて取扱量データが必要となる場合もあるが、それは事業者が自主的に対応する話であって、全国一律に取扱量を届出させる必要はない」といったご意見、それぞれ、ここに追加させていただいているところでございます。
 そして5ページにまいりまして、これらの意見を踏まえた全体の整理として、座長から、「取扱量については難しい点もあるが、自治体で必要に応じて報告を求めており、現段階では化管法に取扱量の届出は入れないという整理としたい」というご発言も、ここに記載させていただいたところでございます。
 次に6ページにまいりまして、対象業種に関してでございます。そのページの一番下の行のところにもございますように、「建設業は住民に近い場所で化学物質を使用していることから対象とすべき」というご意見も追加させていただいております。
 そして、このような意見を踏まえた全体の整理として、次の7ページになりますけれども、座長の整理として、「現段階では直ちに対象業種の追加を実施することは困難であり、引き続き検討に必要なデータ収集等を行っていくという整理としたい」という発言も記述させていただいているところでございます。
 また対象事業者の要件のところでございますけれども、ここにつきましては、「作業の手間のみで対象事業者の要件を検討すべきではない」とのご意見がありましたので、これについて記載させていただいております。また、これらの意見も踏まえた全体のご意見に対する座長の整理といたしまして、「現行の従業員21人という要件は外さない」というご発言もここに追加させていただいております。
 それでは8ページにまいりたいと思います。排出量把握手法についてでございますけれども、ここでは「改めて事業者の算出実態について調査を行い、実態を分析すべき」とのご意見もございましたので、ここに追加させていただいております。
 次にIIIの化学物質の自主管理に関する課題と今後の方向性についての全般的な事項についてでございますけれども、これにつきましては9ページの頭のところに記載させていただいておりますように、「中小事業者への配慮・支援が必要。化学物質のサプライチェーンには中小事業者も関係しており、中小事業者における取り組みは重要」とのご発言。また2)の自主的な化学物質の管理のあり方のところにつきましては、「自主管理ではPDCAが適切に回る必要がある」といった自主的な取り組みについてのご意見。10ページにまいりまして、「化管法に基づく自主管理は、事業所における暴露への寄与は地域により異なること、幾つかの地方自治体では既に条例が制定されていること、目標値の提出等を義務づける場合は、直接規制的手法として大気汚染防止法等に位置づけるべきであること、から、現状の位置づけを維持するべき」といったご意見ですとか、さらには「自主管理が機能するためには、国民が情報を得て、国民が監視し、そして事業所にインセンティブを与えるという条件がそろう必要がある。現状では、インセンティブが十分でない」といったご意見等、さまざま、ここに追加させていただいたところでございます。
 また次の4)のより安全な物質への代替の件に関しましては、「物質代替の際は衛生面の安全という指標だけではなく、環境配慮型化学(グリーン・サステイナブル・ケミストリー)の視点やライフ・サイクル・アセスメントの立場からの評価等も考慮すべき。また、その結果を社会に知らせることが必要であり、そのような仕組みを検討すべき」であるといったご意見も追加させていただいております。
 それから11ページにまいりまして、6)のリスクコミュニケーションと人材に関するご意見でございますが、ここにつきましては、多くの、そしてさまざまなご意見を賜ったところでございます。
 「アンケート結果によると、リスクコミュニケーションを実施する予定はないと回答した事業者が50%と非常に多く、企業による住民への対応が不十分。特に中小企業では、リスクコミュニケーションは普及しておらず、業種によっても温度差がある」といったご意見ですとか、あるいは「リスクコミュニケーションが従業員の意識向上に役立ったとの声があるが、これはむしろ従業員の安全教育が不足していることを示している」といったような、業種による取り組み状況に関するご意見。また「より一般の人が参加しやすい仕組みが望まれる。市民の意識のレベルを底上げするような、環境教育的な取り組みが必要」といった意見や、「化学物質アドバイザーなどの制度に関する周知が不十分」であるといった意見など、リスクコミュニケーション普及のための制度づくりに関するようなご意見。さらには「事業者と住民、行政と市民等、だれとだれのコミュニケーションなのか、明確に区別して議論する必要がある」といったご意見や、「現状のコミュニケーションは一方的なものが多いが、双方向的なコミュニケーションも重要」といったコミュニケーションの存在のあり方に関するご意見など、非常にさまざまなご意見がありましたので、それらを幅広めに、11ページから次の12ページの頭に記載させていただいております。
 そして12ページのIVのMSDS制度の課題と今後の方向性についてでございます。まず1)の全般的事項といたしましては、「MSDSの目的は『化学物質の性状等の適切な情報伝達』と『化学製品の取り扱い情報の提供』の2つあることに留意する必要がある」といったご意見や、「MSDS記載事項を詳細に規定するのではなく、ガイドライン的なものとすべき」といったご意見。また「労働安全衛生法等、他法令との整合を図るべき」というご意見ですとか、「MSDS制度の見直しにおいては、中小企業者においても実行可能な仕組みとすべき」といったご意見がございましたので、これらについて、記載させていただくところでございます。
 そして2)の情報伝達のあり方につきましても、「労働者保護の観点からも、MSDS記載の充実が必要」といったご意見。また「化管法の枠組みとは異なるが、ラベル等に危険有害性情報を付記すべき」とのご意見などを、ここに記載をさせていただいております。
 3)の国際調和の推進に関するご意見につきましても、多くの意見がございました。全般的にはGHSへの対応をする必要があるというご意見でございましたけれども、まず「GHSの観点から、MSDSの交付対象を 435物質に限っている規定を外すべき」とか、あるいは「化管法で対象物質を指定していることの意義に留意すべき」であって、「例えば第二種指定化学物質は第一種と同様の有害性をもち、第一種から代替することが望ましくない物質を示すという意義もある」といったようなご意見。また「MSDSのGHS対応については、便宜的な対応だけでは無理が生じる。我が国でもGHS対応を考えるのであれば、MSDSの考え方も変える必要がある」といったご意見ですとか、「MSDSのGHS分類への対応については、混乱が生じないよう、その基本的な考え方をまず議論すべきである」、また「EUでは高懸念物質についてはEU自らが分類を示しており、すべての物質について事業者自らが分類を行うべきかという点については、いろいろなオプションがある。こうした方式も含めて検討が必要」といったご意見など、その実施に向けての検討に当たっては、さらに内容を多角的に詰めて、検討することが望ましい旨のご発言であったかと思います。
 資料4についての説明は以上でございます。

○中西座長 ありがとうございました。
 ただいまの報告について何かご意見ありますか。もし、細かい字句などのことでしたら、後でメモか何かで事務局に出していただくということで、大きな流れのところでご意見がありますか。
 ――なければ済みません、先に進ませていただきたいと思います。
 では次に、追加意見を3人の方からいただいております。この内容について、事務局から紹介をお願いいたします。

○斉藤室長(経済産業省) それでは資料5をごらんください。めくっていただきまして、まず北村委員のご意見でございます。2ページでございます。1番目といたしまして、現行のMSDS制度に関する問題として、MSDSの基本は労働安全であるということで、そういう観点からすると、現場の取扱者にとって最も重要な内容といたしましては、取り扱い方法等記載した項目等々であるということを述べられております。
 真ん中以降でございますが、MSDSは大きく2種類存在し、1つは試薬に代表される、物質の内容を示すことを重点に置くMSDSと、調剤を代表といたします、量が多い化学製品ということで、取り扱いに関する注意書きが重要だという大きな2つの種類があるということが述べられております。また、これまでの法律などでは、どちらかというと、物質の性状や法規制に関する情報の記載を求めることが主体ということですが、やはり労働安全等を考えますと、取り扱い情報の注意事項等が重要であるということが書かれておりまして、すべての情報をたくさん書き過ぎると、その辺がよくわからなくなるということで、次のページになりますが、MSDSにすべてということではなく、目的に応じていろいろな書き方を考えるべきだというご意見でございます。
 それから2番目のGHS対応につきましては、GHSそのものの考え方につきましては、産業界も歓迎するということでございますが、課題が幾つかあるということで、事業者及び行政、いずれも十分な準備が必要だということでございます。1番目といたしまして、現行法律による分類基準との関係ということで、各法律、MSDSの関連法律において、不整合を残したままではいろいろな混乱を生じるということで、化管法に限らず、他の法律でもGHSに則して運用されることが望ましいと。またGHSの適用は、十分に準備を整えた後に一度に導入する方が手間がかからずいいのではないかということでございます。
 2番目といたしまして、情報の入手と評価に関する問題点に関してです。有害性情報の評価ということでは、特に調剤製品の場合は多種類の物質が配合されていますので、なかなか情報がないと分類ができないという結果になりかねないということで、そういうことができるだけないように、有害性情報についても、国の方でも情報の収集等支援をしていただきたいというお話でございます。またもちろん、分類そのものは事業者が行うわけですが、その分類作業もかなりの知識等が必要ということですので、次の4ページになりますが、そのための人材育成等、あるいは国民の理解というものを深めるということが必要だと述べられております。
 最後、3番目といたしまして、GHS制度とMSDSということで、GHSの概念として最も重要なことは化学製品のあり姿としての危険有害性の分類ということで、そのあり姿を伝えることが重要で、混合品であれば混合品としての安全性というものを、有害性をどう伝えるかということだということで、それを考え方の基本とすべきというご意見でございます。
 続きまして、めくっていただきまして5ページ、中杉委員からのご意見でございます。
 まずリスコミに関してのご意見でございまして、リスコミに関連する課題をすべて化管法が解決することはできないだろうということで、化管法の中で、リスコミの中のどの部分を対象にするかといったことを明確にしていく必要があろうというご意見。
 それから[2]といたしまして、リスコミと関連いたしまして、やはり人材育成が大きな課題になるということで、特にファシリテーター等の育成という中で、中立的な機関を設けることも1つの方法というご意見でございます。中立機関が何らかの形で費用負担を含めて人材派遣の業を行うということかと思います。また、専門家の方におかれましては、関連する法制度がどのような議論の末に構築されたかとか、リスク管理にはいろいろあいまいな点もあるということも十分理解していただく必要があろうというご意見でございます。
 [3]といたしまして、MSDSに関することでございます。対象物質のリスト化を見直すという方向の流れになったということですが、EUなどでも懸念が非常に高い物質につきましては、政府もかなり関与する形でGHS分類を実施しているという点もあり、リストが果たしている役割についても検討が必要だろうということでございます。もちろん物質を広げるということに関しては異論はないのですが、リスト化等々の位置づけをどう考えるかということもさらに時間をかけて検討する必要があるというご意見でございます。
 めくっていただきまして6ページでございます。中地委員からのご意見でございます。
 まず1番といたしまして、法の目的を国民の知る権利に基づくものとすることということで、全体の総意には至らなかった点はありますが、少数意見として、この点を記載して、今後、継続して検討していくべきというご意見でございます。
 また2番といたしまして、届出項目に取扱量を追加すること。この点につきましても、今後も継続して制度に組み入れるよう検討することを記載すべきというご意見でございます。
 3番目といたしまして、届出項目に貯蔵量、あるいは保管量を追加するということで、この点につきましても、今後も継続して検討すべきである、記載すべきであるというご意見でございます。
 4番といたしまして、届出外排出量の推計結果の見直しを実施することということで、一定期間ごとに届出外排出量の推計を過去にさかのぼって実施すべきというご意見でございます。これは国の推計の部分でございます。
 5番といたしまして、経由事務自治体の枠組みを拡大するということで、現在、経由事務は都道府県に義務づけられているだけのところを、ページをめくっていただきまして、立ち入り調査権限を付与している他法令と横並びに政令市や中核市に経由事務を義務づけるべきというご意見でございます。
 6番目といたしまして、事業者の自主的取り組みのためにリスコミの実施を促進することということで、集計結果を公表するということだけではなくて、利害関係者が参加して、排出削減の効果を検討する報告会を開催し、事業規模別、あるいは業種ごとにそういうものを開催し、化学物質管理の進捗の議論の場を確保すべきというご意見でございます。
 以上、3名の委員の方の追加意見についてご説明させていただきました。

○中西座長 これはこれでよろしいですね。
 では、その次の議題に入りたいと思います。きょうのメインの議題であります、中間取りまとめ(案)に移りたいと思います。
 ことしの2月から始まりました、この合同会合ですけれども、今回が6回目で、ここで議論を終わりにして、中間取りまとめというものを、できれば今日中にまとめて終わりにしたいと考えているところです。中間取りまとめ(案)につきましては、リスクコミュニケーションなど前回議論した論点以外については既に一部、骨子案について前回議論しているわけですが、さらに前回のリスクコミュニケーション、人材育成、MSDS制度に関する議論を、骨子(案)を踏まえて事務局がさらに書き直して用意したものです。ぜひ活発なご議論をお願いしたいと思います。
 それでは資料6について、事務局の方から説明をお願いいたします。

○斉藤室長 資料6についてご説明いたします。資料6につきまして、委員の方には事前に配付させていただいておりますので、説明は簡単にさせていただきます。
 まず1ページでございます。
 「はじめに」というところで、これは背景等について記載しております。
 「はじめに」の最後の方でございますが、ことしの2月から6回にわたり、合同で審議会を開催して、今回中間とりまとめを行ったという位置づけとなっております。
 次にIIといたしまして、「化管法の概要とその役割」ということでございます。この辺は、前回、骨子のご説明をしたところとそんなに大きく変わっておりませんで、若干、文章の肉づけ等をさせていただいております。
 1ページの部分は省略いたしまして、めくっていただいて2ページでございます。上から3つ目のパラグラフをご説明いたしますと、化管法といいますのは、PRTRデータを集計・公表・開示等を通じまして、さまざまな方が情報を共有し、理解を深めることにより、自主管理を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止するという、これは他の環境関連の法律が、例えば直接的な管理を求める規制であるのと比べて大きく異なっているということを記載させていただいております。
 また、その下のパラグラフでございますが、物質の指定に当たっては、有害性と暴露と両方を考慮して設定していること、環境中に継続的に存することにより、人の健康を損なうおそれということで、基本的には慢性毒性的なものを対象としているということでございます。そのパラグラフの下の3行でございますが、なお、急性毒性等につきましては、事故等の大量排出の際には問題となる場合があり得ますが、そのことをもってのみでは物質選定は現状、していないということでございます。
 最後のパラグラフでございますが、第一種、第二種という2種類の指定物質がございまして、二種は一種に比べて暴露性が低い、量が少ないということで分けられているということでございます。有害性につきましては、差はないということでございます。
 めくっていただきまして3ページでございます。上から2つ目のパラグラフになりますが、化管法と申しますのは、事業者の創意工夫が生かされやすく、迅速な対応が可能となるという点で、予防的な側面から対策を講じる意味からも有効な手段となっていると考えております。
 次に2といたしまして、PRTR制度について、少し説明をしております。2つ目のパラグラフにございますとおり、過去5年間、届出、公表が行われておりまして、そういう意味では着実に定着してきているというように考えております。PRTRの届出に関する排出量につきましても、この5年間、減少傾向にございまして、一定の効果があったと考えております。また、下の方にもありますとおり、PRTR制度は多面的な意義があると考えておりまして、まず国の取り組みといたしましては、環境モニタリングの効果的実施とか、化学物質の環境リスク評価等、さまざまな活用がされております。
 めくっていただきまして4ページでございます。その他の事業者の取り組みへの支援等、さまざまなことを行っております。その他、[2]といたしまして、地方公共団体の取り組み、[3]として事業者、[4]としてNGO・市民団体ということで、さまざまな方によって、このPRTRデータを活用した取り組みが行われております。
 続きまして3といたしまして、事業者による自主管理というのを記載させていただいております。化管法では、国がとられる化学物質管理指針に基づきまして、事業者の方にさまざまな自主管理をお願いしているところでございます。
 めくっていただきまして5ページでございます。4番のMSDS制度でございます。MSDS制度につきましては、大きく2つの目的がございます。1つはPRTR制度に基づく届出に必要な情報というものを上流から下流に流していただく。もう1つは自主管理の改善に必要な情報を提供していただくという、この2つの役割を、この法律においては担っております。また化管法のMSDSはほぼ定着してきていると考えておりますが、その他、ここにございます労働安全衛生法、毒劇法においてもMSDS制度が規定されているということを記載させていただいております。
 ここまでは総論的な形で書かせていただいておりますが、この次のIIIからが各論ということで、今回、審議したことを中心に記載させていただいております。
 まず「PRTR制度に関する課題と方向性」ということで、施行後7年の経験等を踏まえた仕組みの見直しということで、まず1つ目として、対象となる指定化学物質についてでございます。
 めくっていただきまして6ページをごらんください。2つ目のパラグラフでございます。3行目あたりから、化学物質の製造、輸入または使用の動向や一般環境中での検出状況、または新たな有害性情報の蓄積等勘案して、ここのご審議では現行の指定化学物質の選定基準を踏まえた上で、指定物質の見直しを行うべきだということをご審議いただいたと考えております。またその際には、これまでの5年間のPRTRの実績とか、あるいは環境リスク評価等の結果も踏まえることが必要ということでございます。
 次のパラグラフでございます。もう少し将来的な話となりますが、GHSとの整合化による指定というものを目指していくべきだということ。その中でも特に特定第一種指定化学物質につきましては、現在、発がん性のみの観点で指定してございますが、国際的な動向を踏まえまして、ここにございます新たなエンドポイントの追加というものを検討するというご意見となっております。また、必要に応じて指定化学物質の見直しをさらに今後も行っていくということを記載させていただいております。
 続きまして、 (2)といたしまして対象事業者の要件でございます。前回、骨子の段階では両論併記の形で当初、書かせていただいておりましたが、前回の審議において、ほぼ方向性がまとまったかと考えておりますので、その方向性に沿った形で今回は記載させていただいております。
 まず対象業種でございます。現状、23業種が指定されているわけですが、一番下のパラグラフでございます。法律策定段階当時の、今もそうですが、考え方といたしまして、やはり定点における排出量の把握自体が困難である場合や、業の特性として、事業者の取扱量が少ない場合などは、対象業種としては指定しないという考え方がとられております。めくっていただきまして、その部分につきましては国が推計を行うということになってきております。
 今回、ご審議いただいた中で、その次のパラグラフでございますが、対象業種になっていないものの中で、建設業と農業につきましては、かなり排出が多いということで、指定すべきではないかというご意見もございました。ただ、建設業につきましては、施工現場が比較的短期間で移動したり、施工期間が長期にわたる場合でも、実際に化学物質を使用する期間は限られているといったことから、定点から定常的に排出量を把握するということは非常に難しいということを踏まえまして、建設業につきましては、対象業種に指定することについてはまだ少し検討が足りないと。今後一層の検討と調査等を行う必要があるということで、全体のまとまった考え方を書かせていただいています。
 また農業につきましては、非常に小規模の事業者であることが多いこと、あるいは農薬取締法等の規制が別途あることから、義務づける必要性は低いというような形で記載させていただいております。ただ、これらの業種の方につきましても、推計結果の公表等を通じて、業界としての取り組みを含めて自主管理の一層の推進を促すことが重要であろうということで記載しております。
 医療業につきましては、これも若干ご議論がございましたが、やはり化学物質の使用実態の調査を含めて、今後さらに検討する必要があるということで記載させていただいております。
 続きまして、従業員数要件と取扱量要件でございます。これにつきましても、前回は両論併記でございましたが、今回は両論でない形で記載させていただいております。法律策定時におきましては、やはり事業者の負担を勘案して、排出の可能性が低い事業者や届出義務がやや過重になるおそれがある事業者を除くことから、こういう要件が定められているということとなっております。
 一番下のパラグラフでございますが、一部、小規模事業者のデータをとっている地方公共団体のデータをみますと、小規模事業者の中にも比較的排出量の多い事業者があるということになっておりますが、排出全体の中で1割程度だろうということと、そもそも我が国の届出の事業所数は約4万 1,000で、世界的にも一番多いということ、さらにこの21人未満という要件をとりますと、潜在的な可能性のある、対象となる事業所が約 100万ぐらいあるということ等を踏まえますと、事業者、あるいは行政のコスト増というものを負担する意義はやや小さいのではないかというご意見だったと思います。
 また、取扱量の1トンという点につきましては、おおむね妥当であるというご意見だったということで記載させていただいております。
 それからもう1点、両論併記であったのが、届出事項の中の取扱量等でございます。2つ目のパラグラフでございます。取扱量につきましては、一部の自治体で義務づけている例がございまして、それによって自主管理の取り組み状況の評価や、PRTRデータ及び届出を行った事業者が要件を満たしているかどうかのチェック等にも活用できるということで、含めるべきとのご意見がございました。一方、それに対しまして、やはり事業者ごとの取り扱い状況の多様性を考えますと、排出量、取扱量の比較では事業者の自主管理の改善状況を一律に評価することは必ずしも適当ではないという意見もございました。また、これまで5回ほどやってきたということもあれば、十分事業者の方でも届出の体制はできているだろうということで、そういう点を踏まえますと、届出義務を課すまでの必要性は低いという意見が幾つかあったということでございます。
 こうした議論を踏まえますと、下から2つ目でございますが、まずはやはり、現在、得られている排出量等のPRTRデータを十分に活用すべきであり、取扱量を追加して、さらに情報の収集にさまざまなコストをかける意義は、現時点では小さいということでまとめさせていただいております。
 また「さらに」ということで、もう1点、やや別の観点ですが、事故時、災害時の観点から、貯蔵量についても含めるべきという意見がございました。これにつきましても、他の関係法令などもありますし、化管法においては現状、目的外ということもございますので、貯蔵量につきましても、届出事項に追加する必要はないという形でまとめさせていただいております。
 [2]でございます。廃棄物の処理方法と放流先の下水道終末処理施設名の記載、これにつきましては、現在、記載事項になっておりませんが、記載するということで、この審議会でのご了解を得られたと思いますので、そのような形で記載事項に加えるべきという形でまとめさせていただいております。
 続きまして (4)の普及・啓発のあり方につきましては、これまでやってきたさまざまな届出、例えばPRとか、あるいは未届事業者の対応というものを引き続きやっていくとともに、特に悪質な未届事業者に対しては厳正に対処すべきというご意見があったということで記載させていただいております。
 (5)の届出排出量の把握手法及び届出外の推計の部分でございます。これも一番下のパラグラフにありますとおり、特に排出係数につきましては適切なものが利用されているかどうか、技術の進展等ございますので、常に検討していく必要があるということで、また国と業界団体のマニュアルでの情報共有も重要だろうと記載させていただいております。
 めくっていただきまして、10ページでございます。業界団体等におきましても独自のマニュアルをつくられておりますが、これらについても複数の係数を設定するなど、さまざまな見直しが必要であると。また、1つ飛ばしまして、推計の部分でございますが、引き続き精度の向上に努めていくということと、また今回、届出対象となります廃棄物のところにつきましても、さらに推計を行っていく必要性、あるいは低含有量物質を含む排煙についても、新たな排出推計について検討していくべきということで記載させていただいております。
 2といたしまして、PRTRデータの多面的利用の促進として、まず (1)の提供方法の見直しに関する部分でございます。これにつきましては、1つパラグラフを飛ばしまして、下のパラグラフをみていただきますと、現在の開示請求方式を改めて、国による公表方式とすべきということでございます。またその際には、国民にできるだけわかりやすい形でデータを提供する観点から、地図上へのプロット等、工夫を行うべきという形でまとめさせていただいています。
 次に (2)として、国と地方公共団体の独自制度との連携ということでございます。めくっていただきまして、11ページでございます。地方自治体は届出データのチェック、未届事業者の確認と、さまざまなことをやっていただいており、一部、政令指定都市等へ事務を移管しているところもございます。また、国の制度とは別に、事故、災害時の対応を含めたさまざまな取り組みをしている、あるいは情報提供を義務づけている事例などもございます。
 また3つ目のパラグラフですが、PRTRデータを一層活用していくことが必要ということで、地方における集計などもまだ行っていないところは、さらに行っていただくことの必要性、あるいは地方公共団体同士の情報交換なども重要ということで書かせていただいております。
 その次のパラグラフですが、国と、地方公共団体の独自制度の連携の重要性、あるいは上乗せで地方公共団体においてデータの提供を求める場合には、事業者に対する負担というものも踏まえることが必要ということで書かせていただいております。
 (3)といたしまして、事業者におけるPRTRの利用推進です。一番下でございますが、事業者におきましては、排出量の把握等を通じまして、自主管理等々、引き続き努めていくことが必要ということでございます。
 めくっていただきまして、12ページでございます。環境リスク評価などを行い、リスコミなども行っていくということが今後の方向性として記載させていただいております。
 (4)といたしまして、PRTRデータを活用したリスコミの強化ということで、リスコミは他の章にも出てくる場所がございまして、ここでは主に国とか自治体の位置づけについて記載させていただいております。2つ目パラグラフにございますように、国におきましては円卓会議等を開催したりしておりますし、地方公共団体においても取り組みが行われていると。また国は化学物質アドバイザーの育成・派遣事業も行っていると。ただ、まだまだ実施地域が一部に限定されている点、あるいは参加されている方もやや限定的であるということ、あるいは双方向という点ではまだ十分でない点があるということなどの課題もあるということで、さらに進めていく必要があるとして、環境教育や、あるいはさまざまなモデル事業、わかりやすい伝え方等について検討していく必要があると記載させていただいております。
 続きましてIVといたしまして、自主管理ということでございます。めくっていただきまして、13ページでございます。まず自主管理の位置づけということで、ここにございますように、先ほどもちょっと述べましたけれども、化管法スキームというものが非常に有効であるということを、ここで少し書かせていただいております。
 また2の事業者による環境リスクの把握ということでは、特に第2パラグラフになりますが、一部先進的な事業者では、事業所周辺の環境リスクを行っていると。今後は、一律に同様の排出抑制に取り組むという形ではなくて、より多くの事業者の方が環境リスク評価を行って、リスクの大きいものから順番に管理を強化するという合理的な管理が望まれるということでございます。
 めくっていただきまして、14ページでございます。そのために、国といたしましても、これまでもガイダンスやモデルの提供を行ってきていますが、それらの普及とかモデルの使い勝手の向上、さらには人材育成等が重要であると。また中小企業におきましては、なかなかすぐにはできないということもございますので、例えばサプライチェーン上の企業間での連携によって、そういうところを助けていくとか、あるいは国においても簡易なリスク評価手法を開発していく、あるいは外部の専門機関を育成していくといったことの必要性が述べられております。
 3といたしまして、効果的な自主管理ということで幾つかの点をここに書いております。1つは情報共有ということで、やはり類似の工程を有する業界内においては情報の共有というものが非常に重要だろうということで、国でも工程ごとのマニュアルをつくっておりますが、そういう管理的な部分についての情報共有の重要性を述べております。また地方公共団体においても、指導、助言の中で、そういう先進的な事例の紹介が望まれるということでございます。
 代替のあり方といたしましては、自主管理の有効な手段の1つではありますが、一歩間違えると逆効果になるということなので、十分な検討が必要ということで記載させていただいております。
 めくっていただきまして、15ページでございます。国においては事例収集に努めるとともに、代替が進んで、今までPRTR対象でなかった物質が対象となる要件を満たす場合には、当然ながら対象として指定していく必要があるということで記載しております。
 次に、高懸念物質への取り組みということで、特定第一種につきましては有害性の懸念がやや高いということから、他の物質以上の管理の強化が必要ということでございます。
 4の、状況をフォローアップする仕組みといたしまして、第2パラグラフですが、1つは開示の方式が変わった場合には、それによって自主管理へのインセンティブが高まることが期待されますけれども、次のパラグラフにありますように、例えば業種ごとの自主管理の取り組みの状況に関する発表の場をつくるなど、もう少しフォローアップする仕組みを充実させていく必要があろうということで記載させていただいております。また個別企業ベースにおきましても、国や地方公共団体において、積極的に行っている事業者の方を紹介する等のことも必要だろうということで記載させていただいております。
 5といたしまして、リスコミの推進でございます。めくっていだいて16ページでございます。各地でリスコミが行われておりまして、例えば化学業界におきましてはレスポンシブルケア等、熱心に取り組まれておりますが、さらなる推進が求められるということでございます。住民の関心は化管法が対象とする分野だけではないということでございますので、その辺も十分踏まえた上で、アンケートを実施したりして、関心事項を十分に説明していただくということも重要だろうと。また行政がさまざまな実施例を紹介とか、相談に対応することも必要だろうということで記載させていただいております。
 6の人材育成につきましては、下のパラグラフにありますとおり、特に、まずは環境リスク評価というものをお願いしていく上で、人材がまだまだ不足しているということで、例えばアンケート結果等でも出ているということですので、事業者、行政、NGO等においてもそういう人材が必要だろうということで環境リスク評価ができる人材育成のための研修用教材の整備など、さまざまな取り組みが必要だと。また別の観点に立ちまして、リスコミにおけるファシリテーターの養成、あるいは化学物質アドバイザーについてもさらなる技能向上等が必要ということで記載させていただいております。
 Vといたしまして、MSDS制度でございます。17ページをごらんください。まず現行の制度の方向ということで、第2パラグラフにありますとおり、ある程度、定着しているとは考えられますが、まだまだ記載が不十分とか、受け手側においても十分に活用されていないとの指摘がございます。このため、国はMSDS目安箱などもつくって対応を行ってきていると。下から2つ目でございますが、やはりMSDSは事業者間の取り組みということで、出す側、受け手側においても十分な対応をしていただくことがまずは基本ということで記載させていただいております。また一番下におきましては、国においては、目安箱の相談受付や、さらなる普及・啓発、あるいはMSDSの活用の先進的な事例の紹介等に努めるべきということで記載させていただきます。
 18ページでございます。MSDSを受け取る側におきましては、やはりしっかり受けとめるように、上流側の企業に対して、不備なども含めて十分に適切な提供を求めることが望まれるという形で記載させていただいております。
 2番目といたしまして、GHSとの整合ということで、第2パラグラフにありますとおり、MSDSの様式につきましては、JISで既に定められております。今後、JISに基づく様式を普及していくことが必要ということでございます。また一番下のパラグラフにございますとおり、GHSの基本的な考え方というものが、すべての化学品を対象にそれを分類して、その結果、有害性があるとの基準に合致するものについて、すべて情報提供すべきという考え方を踏まえれば、現在の指定化学物質に限定されるという考え方にとらわれず、それ以外の物質についても分類を行い、MSDSを交付していく仕組みを目指すべきと。ただし、その際には、現状、第一種、第二種という形で指定されている仕組みの効果とか、あるいは国と事業者の役割分担等のあり方も十分踏まえた上で、19ページでございます。十分な議論をさらに行う必要があるということでございます。なお、MSDS制度を変更する場合には、中小企業を含め、事業者が十分対応できるための期間が必要だということと、基盤整備を含めた、行政による支援等も検討していく必要があるということでございます。
 最後、「おわりに」でございます。今回の審議は化管法導入以来、初めての包括的なレビューを行わせていただきまして、その結果、化管法の仕組みというものが相当程度定着しているということで、今後、引き続き同法による施策を進めていくべきというご意見だったというように、我々、記載させていただいております。
 ただし、その中でもさまざまな課題が出てきておりまして、ここにございますように、指定物質の見直し、PRTRデータのさらなる活用、フォローアップ、リスコミ人材育成、開示方式の変更、廃棄物等における記載、あるいはMSDS制度におけるGHS整合、さまざま、制度に関するご議論をいただいたということでございます。環境リスク評価は、今後、国、自治体、事業者、さらにはNGOの方も含めて行っていただくべきものということで考えております。
 最後にございますように、本会合は今回、化管法に絞って審議を行わせていただきましたが、もう1つ、化審法という化学物質管理に関する法律がございまして、その見直しの時期も近づいているということで、今後はさらに化審法を中心に審議を行い、必要に応じて両方の一体的な改正を目指していくべきという形でまとめさせていただいております。
 長くなりましたが、以上でございます。

○中西座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ご質問・ご意見をいただきたいと思います。この中間取りまとめについて、ローマ数字に従って分けながら議論していただきたいと思います。
 まず最初にIとIIについての議論をしたいと思います。このIIは、今後の課題について記載している章ではなく、従前の化管法の概要とその役割について記載されている章だと理解しております。どうぞ、何かご意見がありましたら、お願いいたします。

○増沢委員 表現の問題かもしれませんので、特にこだわるものでもないのですけれども、IIのタイトルにつきまして、若干、内容と合っていない部分があるような気がしております。といいますのも、内容を拝見いたしますと、これは法の趣旨、目的、概要等に加えまして、実施状況ですとか、あるいは成果といったことが書かれているように思います。現在、役割という言葉を充てているわけなのですけれども、これは立法趣旨をいっているのか、あるいは現実に果たしている役割という意味なのか、若干あいまいなところがあります。また1の「法の役割」というところで役割という言葉も出てきていますので、例えば概要と実施状況ですとか、そういった表現の方が内容とぴったりくるのかなという気がいたしました。表現ですので特にこだわるものではないので、事務局の方にお任せいたしますけれども、1つの意見としてお聞きいただければと思います。

○中西座長 どうもありがとうございます。それは後で事務局に検討していただくということでお任せしたいと思います。ほかにご意見ございますでしょうか。
 それでは、ちょっと急ぎがちで大変申しわけないですが、次に入りたいと思います。IIIの議論です。
 「PRTR制度に関する課題と方向性」について、この章ではリスクコミュニケーションに関しては前回の合同会合での審議だったので、骨子(案)では内容を提示することができませんでしたが、今回、このところも含めてまとめておりますので、そこで議論をしていただきたいと思います。では、よろしくお願いいたします。

○保坂委員 東京都の保坂でございます。建設業の取り扱いなのですが、修正を求めるまでではないのですけれども、今後の検討の中でご注意いただきたいことをこの際、お話ししたいと思います。
 建設業につきましては、届出対象とすることの社会的意義は非常に大きいと考えますけれども、ここにありますように、現段階では一層の検討が必要であるというように私も思います。これまでの議論の中で、建設業で対象となる第一種指定化学物質というのは、建築時におけます塗装などでのVOCであったと思いますが、もう1つ、大きな検討事項として考慮しなければならないのは、建設廃材に含まれる石綿の取り扱いだと思います。厳密に廃材中に含まれる石綿のネットの移動量を算出しようとしますと、やはり石綿が使われている大部分は成形板ということになりますので、場合によっては多くの成形板の石綿含有率の測定を義務づけることにもなる可能性がございますので、この点も検討の大きな要素の1つに含めていただきたいと考えております。

○中西座長 ありがとうございました。今の保坂さんのご意見は、どちらかというと、余り安易に入れないでほしい、対象にしないでほしいという方の趣旨ですか。

○保坂委員 やはり建設業という社会的な責任のある業種ということの意味では、ほかの業種と一緒に届出対象にするということは、これは非常に意義は大きいと思うのですけれども、こういう検討の中で、届出外排出量として推計することでその目的は達するということであれば、あえて対象にするということはしないことがいいのではないかと。やはりもっともっと議論が必要だと思っております。

○中杉委員 私、そのつもりではなかったのですが、保坂委員からご意見があったので、そのことに関して私の意見を最初に申し上げます。非飛散性のアスベストの話なのですけれども、これは実際にはある時期の間でというか、定常的に出てくるといえばしばらくの間、定常的に出てくるのかもしれませんが、廃棄物処理の管理の中でやられる話かなと思いますので、PRTR法の中に入れるのはなじむかどうかというのは、ちょっと議論が必要だろうと思います。
 あとは、III全体で、分けてなかったと思いますので、11ページの (3)のすぐ上のところです。これは私がそんなことを気にする必要はないのかもしれませんけれども、ここで事業者の負担についても十分に留意することが望まれると書いてあって、十分というのは少し強過ぎないかなというのが、ちょっと懸念でございます。これはどうしても削れという話でもないのですが、ここはその前の段階で、いろいろ地方自治体が独自にやられることは、それは結構ですねといっているわけです。そこでもちろん、負担についても留意するということは必要であろうと。ですけれども、これも「十分」ということまで書き込んでしまうと、今、現行にやられているものまで妨げるようなことが起きないかという懸念がございます。ということが1点でございます。
 それから12ページの下から2段落目、これは文章が少しおかしいのではないかと思っていることでございますけれども、一番最初の行の後半です。
 「一部の事業者や地域を中心に実施されており、市民の参加も限定的であること」というのは文章のつながりとして少しおかしいように思います。
 「一部の事業者や地域を中心に実施されるにとどまり、市民の参加も」というようにした方がよろしいのではないかと。文章の中身、書き方は事務局にお任せしますけれども、そうしないとつながりがないかなと思います。
 それからもう1つ、その下の段落でございますけれども、3行目、「国は、子どもや化学物質になじみが薄い市民などを含む」と書いてございます。モデル事業に取り組むと。国が取り組むのも当然でございますけれども、これは実際には地方自治体が取り組むということで、東京都の方で、私も一緒にやらせていただいていますけれども、そういう取り組みを始めていますので、これは「地方自治体は」というのも入れていただいた方がよろしいのではないかと思いました。
 以上でございます。

○古賀委員 11ページのPRTRデータの多面的利用促進の (2)の項です。これの最後のパラグラフ、 (3)の上なのですが、ここに地方公共団体と国とのありようが書いてあるのです。ここは、最後に書かれていますように、目的、必要性を明らかにするとともに事業者の負担とありますけれども、実際には国と地方公共団体の役割が負担だけであらわされていまして、まだ不十分だと思います。といいますのは、私ども、ODS、パーフルオロカーボンとかで、実際に半導体で経験したのですけれども、地方公共団体の方からは、事業者に、これの工場での使用料を報告しろということがありました。こういうことが国全体で考えると、我々半導体事業が、例えば韓国とか他国に比べて、どういった製造能力をもっているかということが容易に知られてしまうということで、最終的には、そういうものについては国が大きく包んでいただいて、地方公共団体は、このことについて企業秘密だとか、いわゆる企業競争力にかかわることは、やはり国と連携をとっていただくというようなことがないと、企業の国際競争力に影響を及ぼしかねないことも――往々にして地方公共団体を通して情報が出てしまうということがあるので、ここでいう、いわゆる事業者の負担という中に企業秘密というようなことも配慮していただくような連携を、国と地方公共団体でとっていただきたいと。そういうことが国際競争力につながるということを、あえて申し上げたいと思います。

○中地委員 10ページの2つ目のパラグラフです。本日提出した追加意見にもあるのですけれども、PRTRの届出外排出量の推計については、国の方で、有識者から構成される検討会を設置し、推計手法の開発と継続的な見直しを行ってきているという、これからのことについては言及されているのですが、今まで、過去に5回発表があったものについて、推計が正しかったかどうかというようなことの見直しを、ぜひとも一度やった方が、特に取扱量が年間5トンから1トンの要件の変更に伴って20万トンの届出外排出量が減っているわけですから、その辺のことについて、一度、正しかったのかどうかということは検討する必要があるというので、過去の見直しについて言及していただきたいと思います。

○佐藤委員 対象業種についてなのですが、市民の間では空中散布、防虫防除というのですか、に対する不安が非常に高いというように理解しております。こういう事業は請負という形でサービス業で行われている量が多いと思うのですけれども、発注者の側をとるのか、あるいは受注者の側をとるかという問題はあると思いますが、ぜひ届出をしていただきたいと思っております。

○大塚委員 今からでは難しいとは思いながら、一応、申し上げておきますが、11ページの第2パラグラフというか、「地方公共団体においては」というところで、PRTRデータの評価の話だけが出てくるのです。11ページの1行目にある届出データのチェックという点では、前回もちょっと申し上げましたけれども、必ずしも地方公共団体で十分に行える体制がとられていないところが多いようですので、届出データのチェックに関して、自治体が確実に行えるように、国としても何らかの支援をしていただきたいと思います。意見としては申し上げておきたいと思います。

○中西座長 ありがとうございました。
 それでは、今、ご意見のあったもので考えますと、中杉委員から、十分留意をの「十分」を除くというのと、あと同じ場所で古賀委員から、もっと十分注意してくれと、そういうご意見なので、ここはどうでしょう、もう変えないでいくということでよろしいでしょうか。これはもう一回、事務局の方には検討していただきますが、一応、そういうまとめ方をさせていただきたいと思います。
 あと、限定的ではない、文章がおかしいといった点については、事務局に直していただくということですね。
 それから12ページの「国は」というのは、これは入れる方向で考えていただけるということです。
 その次に、中地委員の過去の見直しということですね。これは後で返事をしてください。それから空中散布ですね。この2つ、お願いします。

○斉藤室長 中地委員の件でございますが、これは同じご質問を過去の審議会の場でもいただいた記憶がございまして、その際、お答えさせていただいたことの繰り返しになってしまうのですけれども、そういうご要望があるのはわかるのですが、我々としては、過去にさかのぼって見直すという労力よりも、今後の推計といいますか、基本的には、さらによくしていくという方向に、限られた我々の資源を使って、重点的にやっていきたいと思っております。
 佐藤委員からの農薬の空中散布的なお話がございましたが、農薬等につきましては推計でやっていっておりますので、推計の中で、どういう使用方法かまでは我々、全体的にわからないところがありますけれども、どの地域でどの程度使われているかというのは都道府県別には全部押さえていますので、そういう推計の中でそういうものも含まれているととっていただければと思います。
 以上でございます。

○中西座長 大塚委員の、これはもともと遠慮がちにご意見ということだったので、ご意見を伺ったということで済みませんが……答える必要はありますか。では済みません。

○森下室長(環境省) 地方公共団体が行う届出データのチェックがきちんとできるようにということで何らかの支援をということでございますが、国からもいろいろな、例えばエラーの事例だとか、どういうところをチェックすると、こういうミスがなくなるのだとか、あるいはそもそもミスをなくすために自治体の中でも情報共有を進めているのだとか、いろいろなサジェスチョンもあろうかと思います。そういうことも含めて、今後、より正確なチェックができるように努力をしたいと考えております。

○斉藤室長 1点付け加えますと、全体的なとりまとめを製品評価技術基盤機構、NITEというところでやっていただいておりまして、そこの担当者と自治体の担当者の間では常にやりとりしていただいていまして、データのチェック等は行っておりますので、国と自治体は組んでやっているということを1つお伝えしたいと思います。

○中西座長 それでは次に進んでよろしいですか。
 では、次のブロックに移りたいと思います。IVです。
 「化学物質の自主管理に関する課題と方向性」ということです。この章では、リスクコミュニケーション及び人材育成に関して、前回、議論をしていただきまして、そのことが加わっております。これも含めて案が提示されておりますので、審議をお願いいたします。

○中杉委員 細かいところだろうと思いますけれども、15ページの一番最初のパラグラフです。3行目に「新たな物質がPRTR物質としての基準を満たすこととなった場合には」という、これは多分、基準というのは選定基準だろうと思います。基準といってしまうと、何か別な基準があって、それを合格した場合というようにとられかねないので、ここは正確に選定基準と書いていただいた方がよろしいのかなと思います。
 それからそのページの下から、リスクコミュニケーションの前の段落でございますが、この文章、ちょっとわからないのです。
 「また、このような事業者による情報提供に加えて、例えば……把握できるようにすることや、国や地方公共団体においては」と書いてあるのですが、前の部分が、だれがどうというのがはっきりしない。これは「国や地方公共団体においては」というのが「例えば」の前に来るのではないかと、私は考えたのですけれども、ここは文章的にも少しおかしいのではないかということが2つ目でございます。
 それから、3つ目は16ページの人材育成のところです。これは私の理解が正しくなければ申しわけないのですけれども、ファシリテーターという言葉はどこまでが入っているかということで、ファシリテーターというのは、私の理解ではリスクコミュニケーションの場を設定する人というように理解をしておりまして、科学的な知見をわかりやすく説明するという意味でいくと、また別の役割といいますか、コミュニケーターとか、そのような言い方をするのではないかと思います。そこら辺のところは、多分、ファシリテーターの中に含めて書かれているのではないかと理解をしますけれども、しかし、そこは確かめていただいて、正確に記載をしていただければと思います。

○辰己委員 ちょっと的外れかもしれないのですけれども、最初の13ページの自主管理の位置づけのところに、自主管理ということの重要性というのがまずは書かれていると思うのです。それが、今、この法律そのものは国内しかみていないと思うのですけれども、やはり自主管理をすることで、恐らく日本ではなくて、海外で仕事をしている企業はもっと外に目が広がるのではないかというような、何か発展的なことがあるといいなと思って、そういう意味で、自主管理というのはすごく大事なのだと。現状の国内だけではなくてというような位置づけはできないでしょうかということをいいたかったのです。

○亀屋委員 15ページの上の方の (3)のところです。高懸念物質への重点取り組みということで、これが効果的な自主管理の推進の1つのメニューとして挙げていただいているのですけれども、確かにGHSとの整合等々というのもこれからあるかと思いますので、いいのですが、ただ、特定第一種の取り組みだけが高懸念物質とか重点取り組みという形になるのもちょっとどうかなと。例えば、PRTRデータを既に使って、自治体であるとか、あるいは国でも大防法の関連の優先取り組み等々で、いろいろ重点取り組みといったようなことをやられ始めているのだろうと思いますので、そういったところの整合性も図っていただきながら、自主管理の効果的な推進をやっていただきたいと思うのと、その前の章でも、事業者の方に環境リスク評価をぜひしていただくということが書かれておりますので、そことの整合という意味でも、この特定第一種だけが重点取り組みとならないように位置づけていただければと思います。
 以上です。

○内山委員 15ページの一番上の代替品のところなのですが、これは新たな物質を加えるだけでなく、第二種が第一種に格上げといっていいのかわかりませんが、届出の中に入る可能性の出てくるものも監視していただきたいということで、新たな物質がということだけではなくて、そこもわかるように書き加えていただければと思います。

○中地委員 16ページの人材の育成のところの一番最後、「さらに化学物質アドバイザーについても、ファシリテーションや環境リスク評価にかかる技能の向上と人材の確保が必要である」というように書いてあるのですけれども、化学物質アドバイザー自体は、パイロット事業として環境省で行われているのですが、1回40人、任命されてから、それについて人をふやすとか、ふやさないとか、そのようなことについての検討というのはされていないので、ここにぽんと人材の確保が必要であるという形で、制度として必要であるというようにいえるのかどうかというようなことは余り議論されていないので、その辺はもう少し練る必要があるのかなと思います。

○中西座長 ありがとうございました。
 それではここで事務局の方からお答えをいただきたいと思います。まず環境省から。

○木村課長 私ども、16ページの人材の育成の化学物質アドバイザーについて、中杉委員や中地委員からご質問がありましたので、この点について、お答えさせていただきたいと思います。
 まず化学物質アドバイザーというのはトランスレーター的な役割がもともとあって、それにさらに新しくファシリテーターのような機能をもたせたらどうかというのが、この文言の意図するところでございまして、中地委員からは突然、このようなことはというお話でしたが、むしろこのような機能をもたせることによって、今後、私どもとしてもこういう人をふやし、強化していくという方向になっていけばと思っているところでございます。

○森下室長 亀屋委員から、大気汚染防止法の優先物質に対する取り組みとか、その他のものとの整合性というご指摘をいただきました。ご指摘いただいた (3)の高懸念物質の重点取り組みのところは、これはハザードの面で、懸念があるものについて特に強化をすることが必要だという旨のことを書いている部分でございまして、そういったリスクが重要な物質についての取り組みは、自主管理の冒頭でも書いてございますけれども、13ページに、事業者ごとにそれぞれリスクを把握して、その結果に基づいて管理を実施していくと、そういう方向性で対応すべきと考えているところでございます。

○斉藤室長 辰己委員から海外での自主取り組みの重要性も記載すべきではないかというご意見をいただきました。その考え方はもちろん重要ですし、特に日系の企業というところは当然重要な議論だと思うのですが、ただ、この審議会でのターゲットはやはり国内法の議論でございますので、このような議論はまた、経済産業省でも昨年やったばかりでございますが、ほかにもあると思いますので、他での議題にさせていただければと思います。

○中西座長 それでは、中杉委員から出ていた選定基準のところはもう自明ということで、それから内山委員のも、これも文章を注意深く書くということで了解させていただきます。多分、事務局の方で考えていただけると思います。亀屋委員の高懸念物質の重点取り組みというところは、私の個人的な意見もあるのですが、何かちょっと唐突で、何でここに急に高懸念物質という言葉の定義もないままに入っているのというような印象はもっていますので、これもまた含めて事務局の方で工夫していただいて、あと、発がん性物質だけでなくというようなことも先にありましたよね。ですから、それも高懸念物質に入ってくるのかというようなこともありますので、ここはちょっと整理していただくと。

○木村課長 高懸念物質のところはもう少し整理させていただきたいと思います。

○中杉委員 確認ですけれども、私が申し上げた選定基準のところは整理をしていただいたのですが、その下の部分で、国や地方公共団体においてはという、主語がよくわからないところは、これは文章を修文をしていただければと思います。

○佐藤委員 16ページのリスクコミュニケーションのところの最後の段落で、「また、行政が……有効である」という文章なのですけれども、これは行政という言葉がわかりにくいと思います。地方自治体と国との役割もよくわからないので、本来であれば、私は地方自治体がリスクコミュニケーションの主体となるべき場合もあると思います。ただ、紹介するというだけではなくて、地方自治体が主体になる場合、国がこれを援助する、自治体のリスクコミュニケーションのあり方についてガイドライン等をつくるなどの援助をするということも必要だと思いますので、もうちょっと幅を広げていただきたいと思います。

○木村課長 わかりました。

○中西座長 よろしいですか。どうもありがとうございます。
 それでは次に進みたいと思います。Vです。
 「MSDS制度に関する課題と方向性」ということで、これも前回、大分議論していただいて、新しく内容として加わっているところですので、ぜひご審議をお願いしたいと想います。よろしくお願いします。

○北村委員 読んで、わかりにくい文があったのでご説明いただきたいのですが、18ページの最後の方です。最後から2行目、「対象化学物質を指定している仕組みの効果や」という、この「効果」というのはどういうことを意味しているのか、ちょっとわからないので、ご説明いただきたいのです。

○丸本委員代理(安藤代理) 私も18ページの終わりの部分ですが、「指定化学物質に限定されることなく、それ以外の化学物質についても、それを取り扱う事業者が自らGHS分類を行い、その結果に応じてMSDSを交付する仕組みを目指すべきである」と書かれてあります。私は、この表現は理想であると思います。ただ、現行の対象物質を指定したMSDS制度でも、17ページの前半に書かれてありますように、一部の事業者において、情報伝達がうまくいっていないということですから、このMSDS制度を変更した場合、現行の制度よりももっと情報伝達がうまくいかなくなるのではないかと懸念されます。
 19ページの初めの部分で、「MSDS制度を変更する場合には」どうのこうのと書かれてありますが、ここの最後の部分で、「支援する基盤整備の在り方についても検討することが必要である」と書かれてあります。ここをもっと強い口調で、中小企業が実現可能な基盤整備をしていくべきであるというような強い意思表示をしていただきたいということでございます。

○古賀委員 北村委員の意見のところに重なるのですけれども、18ページの最後の2行のパラグラフです。
 「仕組みの効果やGHS」云々はいいのですけれども、その役割分担です。私は、いわゆるリスクデータの分析も踏まえて、といいますのは、往々にして実際のリスクが顕在しているかどうかということを見過ごして、この一種、二種というような形の物質指定をやるべきではないと。あくまでも実態のリスクがどのように危険性を、顕在しているのかどうか、安全であれば、それは一種という領域には入るべきではないし、そこら辺の分析といいますか、そういった結果も十分にみた上で、ここのあり方というのを検討するような方向がぜひとも望ましいと思います。

○中西座長 ありがとうございました。
 私も質問があるので、それを入れてお答えをいただきたいと思うのですが、18ページの一番最後のパラグラフのところで、質問というよりも、ちょっとわかりにくいなと思うのは、「すべての化学品について危険有害性を分類し、その分類結果を情報提供するというGHSの基本的な考え方を踏まえれば、有害性の懸念される化学物質については」と。
 「すべて」と「有害性の懸念される化学物質」というのが、なかなかうまく、頭の中で整理できない。これはすべての化学物質を対象にするけれども、結局、有害性のあるものを選んでGHSのデータをつけていくということだと思うのですが、この言葉がなかなかうまく理解できないので、ここのところの書き方は、もうちょっと工夫できないのかというのは私も思っておりましたので、あわせてご回答をお願いします。

○中杉委員 古賀委員から今、リスクが顕在化しているかどうかというご発言があったのですが、PRTRという制度の役割として、顕在化していない段階で対応していこうという予防的な意味合いがありますから、リスクが顕在化――リスクというのをどうみるかですけれども、顕在化していなければやらないのだというのか、そこのリスクをどう考えるかは難しいので、そこは非常に微妙なところがありますので、十分注意して考える必要があるだろうということだけ申し上げておきたいと思います。

○中西座長 古賀委員も、そういう意味ではないと思うのです。明らかに人間がばたばた死ぬからどうかとか、そういうことをいっているのではないと思いますけれども。

○城内委員 私も実は18ページの最後のパラグラフなのです。これは北村委員からのペーパーでもありましたが、つまり化学品のあり姿でハザードを情報伝達すべきだというお話がありました。それからその2つ上のパラグラフでMSDSの、JISも制定したわけですけれども、この中でもあり姿といいますか、混合物だったら混合物で評価して、それを記述するということになっていると思います。18ページの最後のパラグラフで、「また、すべての化学品について」云々と書いた後、「有害性の懸念される化学物質については」ということで法制度のことが書いてあるのですが、その2行下に、「こうした観点から、指定化学物質に限定されることなく、それ以外の化学物質についても」と書いてあります。そうすると、GHSでいう化学品とか化学物質というのは定義が全く異なりますので、それをこの法制度でいう化学物質で、それ以外の化学物質といっているのか、これは意図的にそうなったのか、そうではなくて、いわゆる化学品ということで書かれているのであれば、それ以外の化学物質及び混合物にしないと、この文章が出た後、何にMSDSをつけるかということで非常に大きな開きがあると思いますので、ぜひ正確に記述をお願いしたいと想います。

○大塚委員 さっき 安藤代理がいわれたことと似ているのですけれども、この18ページの下から4行目、「それ以外の化学物質についても、事業者がみずからGHS分類を行い」というところが、非常に化学物質が多いので、こうしていくしかないとは思いますが、他方で非常にばらばらになっていて、収拾がつかなくなったり、成果担保できなくなったりする可能性があると思いますので、先ほど中杉委員のペーパーにもありましたけれども、ぜひこの点については十分な検討をしていただきたいと思います。別に修文ということではないですが、意見として申し上げます。

○中西座長 わかりました。とりあえずここのところで事務局の方から回答をお願いいたします。

○斉藤室長 まず北村委員のご質問ですが、18ページの下の方にありました「効果」という言葉の意味で、第一種、第二種の指定していることの仕組みの効果ということです。これはまずこの上の方に書いてございますとおり、指定化学物質に限定することなく、すべてという言い方がちょっと難しいのですが、化学物質をもっと広げて分類をしていただくということになりますと、第一種、第二種という形で国が指定していることの意味合いというのが議論になろうかと思っております。第一種というのはPRTRの届出を義務づけている物質ですので、これは基本的にはなくなることはないと思うのですが、第二種というのは非常に微妙な位置づけになっておりまして、必要でない可能性もあると思います。ただ、その場合、亀屋委員からも以前、ご発言があったとおり、第二種というものは第一種と同じく、PRTRの候補物質ということで、やや有害性も強いということでの位置づけ等、意味はあるというご議論もありました。今後の検討においては、そこら辺も十分踏まえる必要があるという意味合いで書かせていただいたものでございます。
 それから、 安藤代理のおっしゃったことにつきましては、書きぶり等について検討させていただきたいと思います。
 あと中西座長からもありました、その書きぶり、すべての化学品という言葉が、場合によっては読み間違える可能性があるということについては、座長とも少し検討させていただきたいと思います。また、城内委員からありました、あり姿ということを踏まえるならば、混合物的なところがわかるようにすべきという点につきましても、これはもちろん純物質、混合物、そういうものをどの段階でどれぐらいやれるかというのは、今後、さらに検討していく必要があると思いますが、基本はおっしゃるとおり、あり姿だと思いますので、それがよくわかるかどうか、必要があれば見直したいと思います。
 以上でございます。

○中西座長 環境省の方から何かありますか。特にありませんか。
 そうしますと、ただいま、この18ページの最後が、ある種、突然出てきている部分もあるので、非常にわかりにくいところなので、注意して書いていただくと。
 それで、先ほど安藤代理から、中小企業が本当にできるのかという部分を十分書いてほしいというご意見がありました。それから第二種を外すことが本当にかえって効果があるのか。むしろ第一種、第二種と残しておいて、残りについて、GHS的に自らやるというようにしたらいいのかとか、幾つかの疑問もあるというか、提案もあると思うので、その点も含めて、書き方を十分考えていただいて、この委員会の中では、どれがいいという議論はあまりしなかったと思うということも含めて、まとめていただきたいと思います。
 それから、先ほどの大塚委員のご質問には答えたのでしょうか。かえって、ばらばらになるのではないかということですが、これは第二種を外すということがルーズになるのではないかということとはまた別ですね。

○大塚委員 そうですね、それ以外の化学物質についてということです。

○斉藤室長 ここはおっしゃるとおり、非常に難しい問題なのですが、そこは正直申しまして、今後、さらに化審法を含めた議論をしていく中で、事業者の方々が分類した結果というものを行政側が、それについてどう関与していくかというのは、今後の議論の議題ではないかと思っております。

○中西座長 それでは、皆さんからたくさん、厳しいご意見をいただきましたが、それを含めて、趣旨が反対とか、そういうことはなかったと思いますので、事務局の方ではもう少し工夫した書き方にしていただくということで……。

○北野委員 全体的なことなのですが、化管法というのは、PRTRとMSDSでもって企業の自主管理を促していくという、そういうことを考えますと、IからVIになっているのですが、IVとVを逆にした方が、PRTR、MSDS、そして最後に自主管理と、そういう構成に組み直してはいかがと思うのです。

○中西座長 確かに今までの化管法は、PRTRだけ大事にして、MSDSはどうでもいいみたいなのがあったので、こうなってしまったのではないかという気がするのですけれども、その点は皆さん、いかがですか。なるほどという感じですか。では、これも事務局の方に考えていただくということにしたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、次にVI「おわりに」というところです。急がなければと思っていたら、えらい早く、済みません。

○辰己委員 一番最初の段なのですけれども、「化管法の仕組みは」という3行目です。
 「相当程度定着していると評価され」の間に「関連事業者には」と入れていただきたいなと思ったのです。要するに、国民みんなに定着しているとは、なかなか私、思えませんもので、限定的に定着しているというようにお願いしたいと思います。

○北村委員 これはお願いになると思いますけれども、この会議というのは化管法がメインですから、それでこの文章をまとめられると、そうなると思うのですが、実際に産業界はいろいろな意味で安衛法であるとか消防法、毒劇法等々の法律の中で動いております。対象物質も、ここでは 354と書かれていますけれども、実際には安衛法まで含めますと 700ぐらいまでふえております。ですから、ここだけで完結した話というのではなくて、産業界はいろいろな形で、ここに書かれている内容よりも広い活動をしているのだというニュアンスをどこかに入れていただきたいなという気がします。

○中西座長 それは入りますか。大分難しいご注文のような気もするのですが、では考えていただくということで、ほかにご意見ございますか。

○佐藤委員 やはりこの化管法の課題として、リスクコミュニケーションが本当に機能しているかということの課題は、国民への浸透、それから不安の解消、あるいは自主管理の進捗状況に関する成果等、リスクコミュニケーションの効果をもっと上げる必要があるのではないかということは、総括で入れていただきたいと思います。

○丸山委員代理(安藤代理) リスクコミュニケーションのところでの人材育成の件なのです。16ページのところでは、どこが養成するというところが、国、あるいは会社の中で、自分のところで養成するとか、自治体は、行政はというように書いてあるのですが、私は、このところはぜひ大学ででも、いわゆるマスタークラスのリスク管理の人材を育ててほしいと。それが、どこが要求するかわかりませんが、ぜひここの中で、化管法の中でも養成が必要であるということは書いてあるのですが、残念ながら、リスクコミュニケーションの発信する情報のうち、一番信頼しないというのが行政であり――国民が、どこから出てきたものが一番信頼できるかというと、最初に信頼できるのは世界の機関というので、WHOとか、そういうところが出すのが1番。2番目ぐらいが大学、専門機関。国とか地方公共団体、会社とか、そういうのは信頼できない方に入ってしまうので、そういうところが幾らリスクコミュニケーターなりファシリテーターを養成しても、そういう説明会に行くと、出身はどこですかと聞かれることがあるのです。どこの出身といいますか、バックグラウンドはどういう方でしょうかと聞かれたときに、化学工業会の会社で養成しましたというようなことですと、それが障害になってしまうことがある。それが悪いということではないのですけれども、ぜひこういう大学の、今ですと法科大学院のような、学部ではなくて大学院でリスク管理ができるような、そういう大学院も必要ではないかと。そういうところの出身者が企業に入っていただいて、そこでまたリスク管理をやる。それからリスクコミュニケーター、あるいはファシリテーターとして育っていただくというのが、長い目でみれば、必要な人材育成ではないかと思いますので、この中に書き込めるかどうかわかりませんが、少しそういうところが表現できれば、非常にありがたいと思います。

○森田委員 この化管法の改正に向けて、幾つかの作業をやっていただいて、とりまとめられてきたというのは、多分、ある種の何というか、いろいろな力学の調整局面として、最終ゴールがこうなってきているのだという、そのことについてはそうだろうと思うのです。ただ、ヨーロッパのREACHに示されるように、それから先ほど北村委員がIMOのことをおっしゃいましたけれども、今のところ、世界的にはヨーロッパ、それからIMOもそうです。
 ジェサンプのグループというのは、基本的にはヨーロッパのグループによってコントロールされているのですが、それはもっとダイナミックに化学物質の管理を考えているということが一方でありますので、世界の化学物質管理に対して、極めて敏感に対応するような、そのようなエッセンスというのを、できれば「おわりに」の中に若干埋めておいていただきたいと、そういう感じがいたします。

○辰己委員 人材の育成のところに戻って済みません、先ほどからずっと考えていたのですけれども、私も、やはり中杉先生がおっしゃったように、ファシリテーションというか、ファシリテーターと化学物質アドバイザーの役割というのは違うと思っているのです。先ほど環境省の方から、化学物質アドバイザーにファシリテーターの能力もというお話があったと思うのですけれども、そうすると、このリスクコミュニケーションの進行がごっちゃになってしまうと思うのです。やはり、そこをきちっと理解した上で場をつくり、進め方を考えて、適切な正しい知識をアドバイザーから与えるというような役割をきちっとされるのがいいのではないかと、私は思っているのですけれども、その後、違うお返事があったもので、それ以上、いってはいけないのかなと思いつつ、やはりちょっと気になりまして、私も中杉先生がおっしゃったのとまさに同じことを思っておりますので、ぜひご検討ください。

○有田委員 中地さんとご一緒に化学物質アドバイザー制度にかかわっているものですから、そのかかわっている者からすると、中杉さんや辰己さんがおっしゃった様に、運用されていると理解しています。ですから、その内容はこの文章でも十分読み取れます。ファシリテーターの資質はもっていただきたいけれども、ファシリテーターとアドバイザーが一緒というような形では、アドバイザー制度は動くということになっていないと思います。多分、回答がちょっと違っていたのではないかと。私が回答する立場ではないので黙っていましたが、そういうことで、付け加えさせていただきたいと思います。

○吉岡委員 先ほどの意見の中で、相当程度定着しているというのは行き過ぎである、まだ限定的であるというようなご意見がございましたけれども、私自身は、短期間の間に、これは企業の間には相当程度定着していて、わざわざ限定というような言葉を用いて表現するのは――確かに国民の間では化管法って何だというのはわからないだろうと思うのですけれども、もともと化学物質のコントロールというのは、国民ではなかなか理解できないところもありまして、そういう意味では、余りに限定というような形のことを強調する必要はないのではないかと思っております。
 以上です。

○中西座長 ありがとうございます。
 では、今まで出していただいたご意見に対して、事務局から説明をお願いしたいと思います。私も、このファシリテーターという言葉が、よく、何が何だかわからないので、こういう余り新しい言葉を使うときには何か説明を入れてほしいなという気がしていますので、よろしくお願いします。

○木村課長 それでは私の方から、特に16ページの6の人材の育成のところについて説明させていただきます。まず1点目、人材の養成先が、もっと大学など、そのようなところでもやっていくようなことが文言に入れられないかというお話がございました。確かに法律上は国及び地方公共団体が務める義務規定という形になっているわけですけれども、やはり自主管理をやっていく企業のところばかりでなくて、より多くのところ、なるべくたくさんのところで人材育成というのをなされていく必要があると思いますので、そういう意味づけというのをもう少し書ければというように工夫していきたいと思います。
 それから2点目のファシリテーターのところで複数の方から、意見がございました。昨今、企業の皆様方からも、ファシリテーター機能というものを今後は必要ではないかというご意見を踏まえての書きぶりになっていると考えておりまして、先ほどまさに有田委員から代弁していただきましたけれども、そういう資質をもった方で対応していくという意味での表現になっているわけですが、必ずしも化学物質アドバイザー・イコール・ファシリテーターでなければいけないという意味ではなくて、もちろん分かれた機能ということもありますので、その辺のところが誤解のないように、この辺の書きぶりはより工夫させていただきたいと思います。
 それから19ページの「おわりに」のところの「相当程度定着している」というのは、基本的には定着してきているという認識をもっているわけでございますけれども、リスクコミュニケーションをさらにやっていくということは非常に大事なことですので、この点に関する表現を加えるようなことについても検討させていただきたいと思います。
 以上でございます。

○斉藤室長 まず北村委員から、産業界はいろいろ対応されているというところはそのとおりだと思うのですが、「おわりに」というところに書くのは難しいような気がします。他方でもMSDSが義務づけられているとか、いろいろ書かせていただいていますので、そういうところでお含みいただければと思います。
 あと、今、リスコミの話がありましたけれども、「おわりに」の中でも第2パラグラフに幾つか課題があるという中で、リスコミもまだまだ課題があるということは1行でありますが書かせていただいていますので、文章はまた若干検討いたしますが、何もないということではないということをご認識いただければと思います。
 それから、森田委員から世界の動きにもっと敏感になるべきという点等について記載をということがございました。これはREACH等を踏まえてのお話ですが、これにつきましては、一番最後に化審法というものをちょっと書かせていただいていまして、やはりREACHという概念からして、一番我が国の法律に近いのは化審法だと思います。化管法はちょっと違う法律ですので、今後、そういうものをまたこの続きとして議論していくということは、当然、その議論に際しては世界の動きというのは敏感に考えながらやらざるを得ないと思いますので、その辺は我々もちゃんと踏まえているという意味であるとご認識というか、思っていただければと思います。
 以上でございます。

○中西座長 「おわりに」というところを、なるべく高らかにというか、もうちょっと意気高揚たるものにしたいという感じは私もしておりまして、そういう意味では、佐藤委員がいわれたリスクコミュニケーションなどが、ここのところで、もうちょっと強調されてもいいのかなと。それから中杉委員からきょう、ご意見でいただいているような、化管法だからこそのリスコミみたいなところを書いてもらいたいし、それから化審法というのがなぜここで出てきているのかというのが、もし森田委員のご要望にこたえるような意味がもう1つあるのだとすれば、それも国際的な協調という形だけではおもしろくないので、何かもうちょっと、総合的な化学物質の管理の方法を打ち出すためにとか、そのような大きな目的をここで出してもらうといいのかなと。そうすると非常に調子が高くなっていくという、これも要望で、事務局の方は大変ですけれども、そういうことをあわせてお願いできればなと思います。
 ほかにご意見、ございますか。
 ――それでは、非常にいい時間に終わるような感じで大変うれしく思います。
 それでは皆様からいただきましたご意見をもとに、事務局の方で修正をしていただきまして、佐藤委員長と一緒に、私も含めて、その確認をさせていただいて、最終的なものを私と佐藤委員長に任せていただくということでよろしいでしょうか。
 ――どうもありがとうございます。
 議題2のその他に移りたいと思います。事務局から今後の予定についてご説明をお願いいたします。

○獅山課長 事務局からその他ということでございます。
 化管法見直し合同会合中間とりまとめにつきましては、その内容について、広く一般から意見を募集するという観点から、今後、パブリックコメントを求めることにし、詳細についてはホームページにおいて掲載させていただきたいと存じます。
 そしてなお、パブリックコメントの結果につきましては、パブリックコメントの状況等により、本合同会議を開催してご説明させていただくか、それとも資料の送付によりご確認いただくかのどちらかにさせていただきたいと考えており、パブリックコメント終了後、座長とご相談の上、決定させていただきたいと存じます。
 以上です。

○中西座長 それでは、パブリックコメントの状況について、次回、開催するかどうかにつきましては、事務局とも相談しながら、その対応については私と佐藤委員長に任せていただければと思います。もしも、仮に開催しない場合でも、事前に各委員の皆様方にはパブリックコメントの取り扱いについて、ご相談させていただきたいと考えておりますが、そのような対応でよろしいでしょうか。
 ――そのようにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、今後、ただいま事務局から説明があったような対応で進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 本日の議題は以上ですが、今回で化管法見直し合同会合は最終回となりますので、産構審と中環審の事務局から、それぞれ、ごあいさつをいただきたいと思います。最初に経済産業省・照井製造産業局次長からお願いいたします。

○照井次長(経済産業省) 経済産業省製造産業局次長の照井でございます。本日をもちまして、今回、化管法の見直しの合同委員会の結論を出させていただきまして、ありがとうございました。本年2月以来6回にわたりまして、本当に精力的なご議論をしていただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
 この化管法が制定された8年前、私も化学物質管理課長ということで、今の獅山課長のポジションにおりまして、対象物質とか対象業種、こういうものをどのように指定していくかということで取り組んでまいりましたので、それ以来、この化管法が運用されまして、いろいろな意味で、この制度自体が相当程度定着してきたと、そういうご評価をいただきまして、心からうれしく思っているところであります。
 いずれにしましても、この化管法はPRTR制度とMSDS制度を車の両輪といたしまして、化学物質の自主的な管理を促進するという、極めてユニークな制度であると思います。これまでの7年にわたる運用の結果、いろいろな化学物質の排出量のデータ等が質・量ともにかなり充実してきまして、安全というのは、リスク評価をして、判断すべきであるという理念はあるのですけれども、では実際、具体的にどういう方法論でやったらいいかという点でいえば、データとしては非常に不十分だったわけです。そういう中でこの制度、化管法の運用が始まりまして、本当にリスク評価をする、そういう基本的なデータが集まりつつあるのではないかと思います。
 これまでの間でさまざまなリスク評価の活動も行われてまいりました。まさに、リスクによって安全を判断していくという時代に着々と入ってきたのではないかと思います。今回、第1回目の化管法の包括的なレビューということで、対象物質の見直しやPRTRデータのさらなる有効な活用の仕方、そしてMSDSのあり方等について、さまざまな提言をいただきましたし、さらにPRTRデータの一律公表方式への変更、MSDSの国際的な整合性という観点で、非常に重要なご指摘をいただきました。今後は、これらの中間とりまとめを受けまして、事務局としても、環境省、経済産業省、ともに連携しながら、施策を着実に進めてまいりたいと思っております。
 終わりに当たりまして、今回、このような合同審議会におかれまして、本当に多くの方々から、それぞれの立場からのさまざまなご意見が、両極端の相反するご意見がたくさんあったように思います。そういう意味で、化学物質の管理というのは、このような数多くのステークホルダーに関連した問題であるのだというのを改めて感じた次第であります。
 今回、このような難しい会合の運営を円滑にとりまとめていただきました中西座長、佐藤座長に御礼申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。本当にどうもありがとうございました。

○中西座長 環境省の上田環境保健部長、お願いいたします。

○木村課長 環境省の環境安全課の木村でございます。本来であれば、環境保健部長の上田がこちらにまいりまして、また、その予定にしていたところでございますけれども、先ほど大臣に呼ばれまして、こちらにまいることが急遽、できなくなりました。したがいまして、まことに僭越ではございますけれども、部長にかわりまして、私から最後のごあいさつをさせていただきたいと思います。
 中央環境審議会環境保健部会化学物質対策小委員会の委員の皆様方におかれましては、昨年の12月以来7回にわたりまして、また産業構造審議会の化学・バイオ部会化学物質基本問題小委員会化学物質管理制度ワーキンググループの委員の皆様方におかれましては、本年の2月の合同会合以来6回にわたりまして、それぞれ、活発なご審議を賜りましたこと、心より御礼申し上げさせていただきたいと思います。
 おかげさまで、本日、化管法の課題と今後の方向性につきまして、中間的なとりまとめをいただくことができました。今後、両座長とよくご相談の上、若干の案文の修正を行いまして、パブリックコメントを行った後に、合同会合の中間報告としてとりまとめさせていただきたいと考えているところでございます。
 今回の中間とりまとめを受けた今後の対応といたしましては、重要な点がおよそ3点あるかと感じているところでございます。まず第1は、化管法の実施に関する制度的な対応についてでございます。合同会合におきましては、個別事業所からの届出データの公表や、PRTR対象物質の見直し、届出項目の追加、そして化学物質管理指針の見直しなど、制度的に対応すべき新たな課題をご指摘いただいたところでございます。こうしたご指摘の方向に沿いまして、まずは個別の対象物質の見直しについて、GHSとの整合性に留意し、発がん性や変異原性、そして生殖毒性といった、いわゆるCMRの対象となる物質等への配慮の強化を含めた検討作業というものを行わせていただきたいと考えてございます。
 さらに対象業種につきましても、関係省庁と連携いたしまして、議論の中で出てまいりました建設業や、あるいは医療業における排出量把握の可能性の有無につきましても、早急に検討を行いたいと考えているところでございます。
 こうした検討を踏まえまして、関係政令、省令、告示などの改正作業に取り組みますとともに、個別事業所データの公表につきましては、当面、一般国民に使いやすい形でのデータ公表システムの構築につきましても、今後、検討していきたいと考えているところでございます。
 そして第2点は、現行制度の運用の改善についてでございます。PRTR制度は排出量等の把握などを通じまして、化学物質管理の課題を的確にとらえ、政府や事業者、そして国民が共通の理解のもとに排出抑制などに取り組んでいくことに向けまして、大きな力をもつ制度でございます。こうしたPRTR制度の可能性を最大限に引き出すために、未届けの解消や排出量算定指標の改善などを通じまして、排出量をより正確に把握いたしますとともに、このデータを、事業者における化学物質管理はもとより、国や地方公共団体における政策の立案、国民の理解の増進などへの多面的な活用を強化するといったことが、これからの課題であるとの指摘をいただいているところでございまして、こうしたご指摘を踏まえまして、排出量算定指標の改善や自主管理、そしてつい先ほどにもご議論ございましたリスクコミュニケーションの状況などにつきまして、業界の取り組みをフォローアップするような場を設けていきたいと思っております。また、物質代替のあり方や、CMR物質などの懸念の高い物質の排出抑制のあり方などにつきましても、具体的なシーンの検討を行っていきたいと考えているところでございます。
 また、国が行います届出外排出量の推計につきましては、有害性の高い微量物質の排出量や廃棄物処理施設からの排出量の把握など、現在、対応できていない自由な分野につきましても、推計手法の開発というものについて、さらに進めていきたいと考えているところでございます。
 そして、幅広い国民の皆様方に、化学物質に関する理解をより一層深めていただきますように、化学物質アドバイザーなどを活用しました取り組みについてもさらに推進していきたいと考えているところでございます。
 最後に第3点といたしまして、地方公共団体の役割の重要性についてでございます。化管法の実施におきましても、地方公共団体には、地域における環境リスクの把握や地域の実情を踏まえました事業者の的確な指導、そして幅広い事業者、地域住民を巻き込んだリスクコミュニケーションの実施などにつきまして、大きな役割を負っていただいているところでございます。そして、この法律の枠内にとどまらない、事故や災害における対応等も含めた総合的な化学物質管理におきます国と地方公共団体の連携を強化すべきとのご指摘もいただいているところでございまして、環境省におきましても、今年度から、化学事故時の環境調査や緊急対応、そしてコミュニケーションなどの仕様につきまして、調査を開始することとしているところでございます。こうした事業を通じまして、地方公共団体の積極的な取り組みというものをより一層支援できますように努力していきたいと考えております。
 なお、法改正につきましては、平成21年に見直しの時期を迎えます化学物質審査規制法、いわゆる化審法との一体的な検討が必要とされているところでございますので、この化学物質対策の推進につきましては、安倍総理のご指示のもとに、本年6月にとりまとめられました「21世紀環境立国戦略」におきまして、安全・安心な製品を国内外に供給し、国際競争力も確保するとの観点から、近年の国際潮流を踏まえて、我が国の化学物質管理制度を見直しますとともに、東アジアにおける制度調和に向けた取り組みを推進するとの方向性が示されているところでございます。この基本方針を踏まえまして、化審法、化管法の一体的な見直しにおきましては、海外の仕組みと親和性をもった、より効果的、効率的な化学物質管理をどう設計していくのか。そしてサプライチェーンを通した、化学物質に関する情報共有を、さまざまな利害関係者の間でどのように促進していくのか。またGHSに対応した個別物質の分類をどのような仕組みで行うのか。さらには日中韓を初めとした東アジアを中心に、制度調和のための取り組みをどのように進めていくかなどが重要な検討課題になるかと考えているところでございます。
 いずれにしましても、これまでの精力的なご審議に、委員の方々に対しまして、改めて、心より御礼を申し上げますとともに、その労をとっていただきました両座長に心より御礼申し上げ、今後の検討作業へのさらなるご努力を皆様方にもまたお願い申し上げまして、御礼とかえさせていただきたいと思います。まことにありがとうございました。

○中西座長 ありがとうございました。
 それでは委員の皆様、この化管法について、大変ご熱心な討議を何回もありがとうございました。これをもちまして、化管法見直し合同会合は終了とさせていただきます。

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