中央環境審議会 環境保健部会化学物質環境対策小委員会(第4回)  産業構造審議会 化学・バイオ部会 化学物質政策基本問題小委員会  化学物質管理制度検討ワーキンググループ(第3回)合同会合(第3回) 議事録


日時

平成19年4月18日 10:01~12:15

場所

三田共用会議所 3F大会議室

議事録

午前10時01分 開会

○森下化学物質審査室長 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第3回化管法見直し合同会合を開催させていただきます。
  本日は環境省が事務局の取りまとめを、中央環境審議会環境保健部会化学物質環境対策小委員会の佐藤小委員長が議事進行をさせていただきます。
  まず、委員の異動に伴う交代がありましたのでご紹介をさせていただきます。中央環境審議会化学物質環境対策小委員会、産業構造審議会化学物質管理制度検討ワーキンググループを兼任されておりました宮坂委員がご退任されまして、かわりに北村委員が新任をされておられています。次に事務局に異動がございましたのでご紹介をさせていただきます。環境安全課長の青木が異動となりまして、新たに木村が着任をいたしております。

○木村環境安全課長 この4月1日付で環境省の環境安全課長を拝命しました木村でございます。どうぞひとつよろしくお願い申し上げます。

○森下化学物質審査室長 委員の出欠状況については時間の都合上、省略をさせていただきます。お手元に座席表を用意させていただきましたので、そちらをご覧いただくようお願いいたします。
  次に、本日の合同会合の成立についてですが、両委員会ともそれぞれ定足数を満たしておりますので、本会合は成立いたしております。
  それでは、議事進行を佐藤小委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○佐藤座長 おはようございます。年度初めのお忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。きょうは議事次第にもありますように盛りだくさんなので、早速始めさせていただきたいと思います。
  それでは、まず本日の資料確認を事務局からお願いいたします。

○森下化学物質審査室長 本日の資料ですけれども、お配りをいたしております議事次第の1枚紙の下のところに、配布資料一覧として掲げさせていただいております。本日は資料1から資料12ということでございます。時間の関係で個別に読み上げることは省略をさせていただきたいと思っておりますが、どうぞご確認をお願いいたします。もし資料に不備等がございましたら、事務局にお申しつけいただければというふうに考えております。
  それから、資料3についてでございます。前回議事録(案)、こちらの方は委員限りでありまして、傍聴者の方々には配布いたしておりません。その点、ご留意をお願いいたします。議事録(案)につきましては委員の方々に事前にご確認をいただいているところですけれども、なお修正などがありましたら1週間後の4月25日を目途にご連絡をお願いいたします。委員全員にご確認をいただきましたら、環境省及び経済産業省のホームページにて掲載をさせていただく予定です。
  以上です。

○佐藤座長 資料の方はよろしゅうございますか。
  それでは、きょうの議事の進め方について一言申し上げます。
  まず、前回会合における意見の整理及びその指摘事項への回答について、事務局より説明していただきます。その後、議事次第にあります議題に移りたいと思います。届出事項について、未届出事業者への指導対策について、対象物質と対象事業者の要件について、それから排出量把握手法と届出外排出量の推計手法について、それぞれご議論いただく予定でございます。
  なお、第1回合同会合で篠原委員からお申し出がございましたし、また、ほかの委員からも業界における実際の化学物質管理の取り組み状況をお聞かせ願いたいとの要望もありました。そこで、本日は社団法人日本化学工業協会の篠原委員から化学業界における自主管理の取り組み状況について、議題に入る前にご報告をいただきたいと思います。
  それでは、まず初めに第2回合同会合における意見の整理について、事務局から説明をお願いいたします。

○斉藤化学物質リスク評価室長 それでは、資料4をごらんください。これは、これまでの会合におけます意見を整理したものでございます。1回目のものと2回目のものを両方書いてございますが、2回目の議論となりました意見のところにつきましては下線を引いていますので、そこにつきまして簡単にご説明をしたいと思います。
  まず、ローマ数字のIでございます。全般の話といたしましては我が国では事故時対応等については他の法律でも規定しているようだが、アメリカなどでは法律目的は異なるが、事故時対応をTRIという制度の中で見ているというご意見がございました。また、同じくTRIに関しまして、化管法も同じような知る権利ということを定義づけるべきではないかというご意見がございました。また、自主管理促進のためには柔軟な対応が可能な制度とすべきというご意見もいただいております。以上が全般にかかわるところでございます。
  大きな2番目といたしまして前回の大きな議題でございました、まず、PRTRのデータ活用策という下の方でございます。ご議論といたしまして、やはり一般市民が活用するにはまだまだデータの公表内容が不十分というご意見がございました。また、2つの役所がリスク評価を別々にしていることについて、統合するべきではないかというご意見もありました。また、一番下でございますが、必ずしも目的等によっては合同でやるということではなく、他の項目も含めて、今後検討する必要があるんではないかというご意見もございました。
  続きまして、めくっていただきまして、同じくPRTRデータにつきましてはやはり市民との結びつきが見えにくい、情報提供のあり方の検討をすべき、あるいはアクセス数というものをどう考えるか、あるいはリスク評価というものが非常に難しいということで、その辺をどのようにわかりやすく説明していくかということが課題であろうというご意見をいただいてございます。
  それから、3番目としまして、PRTRデータのデータの提供方法についてでございます。提供につきましては媒体別など、いろんな方法で提供していく必要があろうと、いろんな分析をして提供していく必要があろう。また、開示請求件数が年々減少しているという点が問題ではないかと、また、住民の安心感が持てるような情報提供が必要であるというご意見、あるいは利便性も検索システム等がついて向上はしているものの、まだまだ国の公表システムに関して、一般市民の関心を高めていく努力が必要ではないかというご意見、あるいは現在の開示請求制度では、もう既に一律公表とほとんど変わらない状況になりつつあるという印象があるが、一律公表によってさらにデータ活用の機会がふえるであろうというご意見、国が公表することによって、NGO等において今現在行っている仕事をほかの部分に回すことができるというようなご意見がございまして、最終的には座長の整理といたしまして、個別事業所データを一律公表する方針について、ほぼ了解が得られたというふうに考えてございます。
  それから、地方公共団体の役割ということでございますが、未届け事業者、本日の議題でもございますが、この辺については自治体がそこを追求していくというのはなかなか難しいところがあるのでないかというご意見、他法でいろいろ立入権限とか有している場合もございますので、それと合わせていく必要があろうというお話、それから、一方、自治体としてはもっと積極的に届出等に関して取り組んでいただきたいというご意見もございました。座長の整理といたしましては、前回におきましては一部、自治体の役割の拡大を提案されるご意見もありましたが、全体的には余り大きなご意見はなかったものということで整理がされております。
  届出事項につきましては本日、また議論が行われる予定になっておりますが、前回も少し出ておりまして、届出事項につきましては使用量あるいは取扱量といったものを考える必要があるのではないかというご意見がございました。また、一方、取扱量というのは非常複雑な点もあるので扱いは慎重にすべき、定義も非常に難しいのではないかというご意見もございました。
  また、7番目でございます。これも本日の議題にもなっておりますが、対象物質あるいは対象事業者の要件ということでは1点ございました。これまではなかなかPRTRの運用上、排出がない物質についてもすぐに外すということではなく、一つ一つチェックした上で検討する必要があろうというご意見がございました。
  続きまして、めくっていただきまして4ページでございます。推計の部分でございます。これも本日の議題になっておりますが、いろいろ推計量が変わっているところもございます。その辺に理由についてどうなのかと。これはまた本日の資料の中でご説明をしたいと思います。
  また、4回目以降の議題とも関連してくるところでございますが、大きな3番目といたしまして自主管理のあり方ということがございます。
  2)の自主管理のあり方ということでございます。やっぱり、国、自治体等の強制ではなく、事業者が自主的に取り組んでいくことが非常に重要であろうというご意見、あるいは物質代替の重要性、リスクコミュニケーションとの関係でいきますと、行政が成功事例を提示するなど、さまざまな工夫が必要ではないかというご意見がございました。
  また、6番といたしましては、リスコミのところにつきましても、リスク評価を実施した上でリスコミを行うことが重要ではないかというご意見もございました。
  最後のページでございます5ページでございます。MSDSに関連した情報伝達の件でございます。情報伝達というものをREACHなどの国際的な状況を踏まえつつも、情報伝達をどういうふうに行うべきかという議論も重要であろうと。これはまた第5回目のあたりでやる予定となってございます。
  最後、また審議の進め方等の議論といたしましても、やはり法令間の情報の共有化が重要であるということで、そういうことも検討してほしいというご意見がございました。
  以上、簡単でございますが、前回の主な意見についてご説明をさせていただきました。

○佐藤座長 どうもありがとうございました。このご意見の書きぶりなど何かありましたら、後日、事務局までお知らせいただければと思います。現時点で、もしどうしてもご質問とかご意見とかということがございましたら、若干伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
  それでは、次に進みたいと思います。次は前回合同会合における指摘事項というか、宿題みたいなものが出されたかと思いますけれども、それについて回答を事務局の方からお願いいたします。

○木村環境安全課長 それでは、これにつきましては資料5をごらんいただきたいと思います。
  この資料につきましては、前回の合同会合におきまして平成17年度のPRTRデータにつきまして、環境データとの相関が浮かぶ資料が必要とのご指摘を受けての提出資料でございます。そこにグラフ等がございますけれども、1ページから3ページにかけまして記載させていただいております種々のグラフにつきましては、PRTR対象物質のうちでも大気モニタリングのある有害大気汚染物質について、平成13年度から17年度までの5カ年間に欠測なく得られた物質の全国平均濃度データと大気への届出排出量、そして届出外排出量の合計についてのPRTRデータを化学物質ごとに比較したものでございます。このグラフで届出排出量を棒グラフで、そしてまた届出外排出量の方につきましては点線で、それぞれ示しているところでございます。
  それぞれの詳細については申し上げませんけれども、ごらんのように例えば図1の左上のアクリロニトリル、それから次の2ページ目の左上の塩化ビニルなど、届出排出量の低減と環境濃度の減少に相関関係が見られると考えられますものもある一方で、届出外排出量の推計方法などによりまして、現時点では相関関係が明らかでない化学物質もございまして、これらにつきましては、さらに推移を見守っていく必要があるでないかと考えているところでございます。
  資料5の説明につきましては以上でございます。

○佐藤座長 どうもありがとうございました。前回、質問が出ていたことにお答えいただいたわけでございますけれども、このことについて何か質問等がございましたら伺いたいと思います。どうぞ。

○関澤委員代理 関澤委員の代理で出ています吉田といいます。
  前回、同じような質問をさせていただいて、今回、2点ほど質問と意見と述べさせていただきます。1つは推計の議論になるかもしれませんけれども、先ほど課長の方からもご説明がありましたが、推計値で例えばニッケル化合物とかクロムとか、平成16年度で結構変動しているものがあると思います。1ページ目のクロム、右下と、それから3ページ目の右上のニッケル化合物、この変動は相当極端と思えますが、この辺については推計の議論となると思いますけれども、検証していただきたいということが1点と、もう1点は、有害大気ということで前回のご報告にありましたが、届出の半分が大気からの排出というご説明があったかと思います。総じてやはり全体に届出の排出量が減少している中で、一部、2物質ぐらいちょっと増えているかなというのもあります、砒素とアセトアルデヒドです。大勢としてはやはりこの制度がうまく機能して、大気の環境が悪くはなっていないという状況にあるんじゃないかというふうに思いますので、そういうことをコメントさせていただきたいと思っています。

○中西WG長 私の方からも1つコメントをさせていただければ。

○佐藤座長 では、どうぞ。

○中西WG長 私どもの研究センターではこのPRTRのデータを全国の濃度推計をしておりまして、現実に合うかどうかということをずっとチェックしておりますが、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドにつきましては自動車から出たものがメーンですけれども、そういうようなものが全体の大気中の濃度の1割ぐらいしか説明できませんで基本的に二次生成です。ほかのものからできるということで、したがって、アセトアルデヒドの排出量とアセトアルデヒドの濃度を比べるということには、ほとんど意味がないという状況です。

○佐藤座長 ありがとうございました。確かに大気汚染物質はそういうことがあるのだろうと思います。ほかに。では、今の吉田さんからのことについてご質問でお答えいただけますか。

○木村環境安全課長 このデータが年度によって大きく異なっている、特にクロムなども平成16年度に上がっているとか、アクリロニトリルにつきましても平成17年度に大きくあったものが減っているとか、いろいろあるわけでございまして、実は詳しく申し上げませんが、届出外の排出量の推計合計の中に、一部、その中身についてやり方等を変更しているような部分もございまして、そういう観点で一概に正確に相関関係があるなしを見るのはなかなか難しいのではないかと思っておりますが、大きな傾向をこういう形で見ていくということで、今回、資料をお出しさせていただいているところでございます。

○佐藤座長 よろしいですか。推計はなかなか難しいところがあるのだろうと思いますけれども、ほかに何かご質問等はございますか。先ほどの中西先生からのご指摘もありましたけれども、大気汚染物質はいろいろ難しい点があるかと思いますけれども、全体としては減少傾向にあるのが見えたんではないかなというふうに思います。それでは、次に進んでよろしゅうございますか。それでは、次に篠原委員から化学工業協会における自主管理の取り組み状況について、ご報告をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

○篠原委員 日本化学工業協会の篠原でございます。お時間をいただきましてありがとうございます。座ったままで説明させていただきます。

○佐藤座長 どうぞ。

○篠原委員 画面にございますように、化学工業会でどういう自主管理をしてきたかということと、今後、どういう課題があるかということでお話を申し上げたいと思います。資料の枚数もちょっと多うございますけれども、ポイントだけ話をします。
  前回お話しがありましたように化学工業の排出量、2001年から2005年までの間、順調に削減してきたということでございます。これは既に報告されております。
  それから、これは横軸が事業者の従業員の規模でございまして、21人未満から1,001人以上の事業所について縦軸が削減率でございますから、棒グラフが高い方がたくさん削減したということでございます。青、緑、赤の表示は、2002年から2004年までの年次ごとの削減率の推移でございまして、これを見ていただきますと、従業員の規模とは関係なく化学工業では全般的に削減をしておりますので、ほぼ平準化した形で、どこが悪くてどこがいいということではなくて、平準的に削減されているということでございます。
  これはやや複雑な図面でございますけれども、いろいろ実態を解析して、どこから出ているかを測定したり、それを解析し、それをどうやって削減するかという計画をたて、その効果を確認し、また、次のアクションにつなげるという、このようなサイクルを回しながら削減してきたわけです。ここのポイントは四角の括弧の中でございまして、製造のプロセスの中で、いわゆる排出量をどうやって抑制していくかということと、それから、物質をより安全なものに変えていけないかというような視点で取り組みを行っております。
  それから、一旦、排出したものをどうやって回収するかということ、一方回収し切れなかったものは除去する、要するに燃やしたりしてなくしてしまう、安全なものにしてしまうという、このような取り組みを行っております。
  これも表のグラフの下の2つのグラフを見ていただきますと、プロセスの中の改善では排出量を抑えるという系を密閉化したり、運転条件を変えたりしていくことによって、約72%の割合でこれを抑制し、残りの28%は物質を変えております。それから、工程外の改善は61%は回収することによって外へ出さないようにする。一方、出たもの39%はそれを触媒酸化をしたり、燃やしたりして、炭酸ガスと水に変えていくということで減らしております。
  次に、非常に熱心に取り組んでおりますのはリスクコミュニケーションでございます。これは1996年から地域の拠点をつくって取組んでおります。ここにあります青印は地域対話の拠点、日本化学工業協会はこういう拠点をつくりながら定期的にやっております。ここでは複数の事業所を集めて住民の方々と対話をしており、現在15拠点があります。一方、市民対話と致しましては消費者の対話や学生とのの対話を赤印の東京と大阪の地区で行っております。
  地域対話について、もう少し触れますと、事業者側の説明は、専門的な話が多いものですから、なかなか住民の方々に理解してもらえないこともあります。従いまして、ファシリテーターといういわゆる専門的な話を分りやすく皆さんに分るような形で、一種の翻訳する先生に同席していただいております。
  次に取り組みの中で、比較的効果が上がっていると思いますのは、地域地域によって住民の方々が何が心配かというのは違うようですので、事前に皆さん方にアンケートをとりまして、最も関心が高いものをテーマとして選択し、その中で例えば臭気、音、或いは取り扱っている物質ですとか、そのような住民の皆さんの興味のあるところを中心に、かなりきちっとしたデータをお出しし説明しています。場合によっては終了後、その対話はどうだったかというアンケートをとったりいたしております。ただ、前回も私は申しましたけれども、リスクコミュニケーションというのは難しいところがございまして、地域によってばらつきがあると思っております。今後、住民との相互信頼を深めるために、更に強力に進めていきたいと考えております。
  以上についてまとめますと、大企業から中小企業までPRTRの排出量の削減をかなり減らしてきたということと、色々な手法を使って削減を自主的に改善してきたこと。製造には多種多様なプロセスがございますが、そういうものを水平展開しながら、各企業に情報を与えながら水平展開してきたこと。そして、リスクコミュニケーションを積極的に推進していることでございます。
  今後は、リスク評価というものが大きな課題になってまいりますが、それに基づく排出量の削減をしたい。また、もう一つ大きな柱はリスクコミュニケーションをもっともっと充実したいということでございます。
  それから、ちょっと触れさせていただきたいのは、今までの議論の中で排出量だけじゃなくて取扱量も出したらどうか。それによって分母に取扱量、分子に排出量を出すと原単位がわかる。原単位がわかれば企業の自主的な努力の評価ができるのではないかというご意見がありました。しかしながら、これは非常に難しいと思います。具体的には、図で説明致します。
  これは化学工業で原料からプラスチックをつくる工程でございまして、Aという対象物質を連続的に入れ、その設備でプラスチックができるわけですけれども、工程内で少し対象物質が排出することを描いたものです。この場合、仮に入れる量を半分に減らしても、排出量は7割ぐらいにしか減らないケースがあります。つまり、分母の物質が使用量が半分になっても排出量が3割しか減らないことになりますが、そうしますと原単位は悪くなってしまいます。排出量を減らすと原単位が悪化する例であります。
  これはバッチといいまして、主として釜の中で反応させてプラスチックを製造する工程です。1個1個処理していくんですけれども、この左の3本のラインは1日に3回製造、右の3本は2日に3回製造することを示しております。対象物質の排出量は右の方が半分になるわけですが、使用量も半分になりますから原単位は変わりません。1日当たりの排出量が半分になっても、原単位は不変というような例であります。
  これは塗装工程の例で、塗料を溶剤で薄めるわけですが塗装後乾燥するときに溶剤を回収します。その段階で一部大気に排出される量があります。ここで仮に塗料の使用量を改善により半分にすると、薄める溶剤量も半分になり、且つ大気への排出量も半分になりますが、こういうケースでは一生懸命削減努力をしても、原単位は変わらないという例であります。
  これは金属の洗浄処理を示しております。洗浄液はタンク入れ、洗浄後この液を回収します。このときにやはり対象物質が一部大気に出ていきますが、これを洗浄強化して洗浄液をたくさん使っても排出量はそんなに変わりません。従って、この場合分母が大きくなりますから原単位はよくなります。何の努力もしないのに原単位が良くなるという例です。要するに努力しても原単位が悪くなる、或いは逆に努力しなくても良くなるという、このようなことから、原単位で判断することは極めて危険であるということであります。むしろ絶対量としての排出量がどれだけ変わっていったかということの方が、非常にシンプルでわかりやすいということになります。
  もう一つは、事故等で地域住民への不安があるのではないかということから、貯蔵量の届出、急性毒性の追加等の話がございます。これは十分に議論しなければいけない問題ですけれども、先ほどご説明いたしましたように地域住民に安心していただくためには、地域によって住民の関心事が違ってまいりますので各地域に対応した、きちっとした情報をお出しするというのが最善であると思います。全国一律のことをやっても地域によってかなり違うことから私どもは地域の実情に応じたリスクコミュニケーションを非常に重視しているわけでございます。
  それから、これも以前にご説明がありましたが、事故時の対応といたしましては、毒劇法とか消防法で貯蔵量をきちっと届出しておりますし、立ち入りの検査も受けております。法律に基づいてしっかり対応しているということでございます。
  最後にお願いでございます。化学業界のレスポンシブル・ケア活動として、取組んでいる地域対話については少し不十分な面がございますけれども、こういう地域対話が円滑に行えるような仕組みを、ぜひ一緒に考えていただきたいというのが私どものお願いであります。
  ほかに資料を添付しておりますがこれらはご参考までに後でご覧いただきたいと思います。
  以上でございます。

○佐藤座長 どうもありがとうございました。短い時間しか差し上げられなくてすみませんでした。それでは、ただいまのご説明についてご意見もあったようですけれども、いろいろご質問とかあれば伺いたいと思います。どうぞ。

○新美委員 リスクコミュニケーションで随分努力されていることを非常に興味深く伺いました。そこで、1つは住民のアンケートに応じてどういう情報を提供するかということも考えるということでしたが、そのアンケートの回答というのはかなり浮動的なもの、つまり、地域住民の意識ないし要求というのは時と場合によって、あるいはメディアの報道の仕方によって変わってきますので、どのようにしたら、それを的確に把握できるのか、そのあたりのご苦労を教えていただきたいんですが。

○篠原委員 これは非常に難しい問題ですが、できるだけたくさんの人にアンケートを出して、今、何が最も心配かということで取組んでおりますが、確かに時と場合によって変わります。これは回数を重ねるごとによって少しずつ皆さんの心配事といいますか、そういうものがだんだんわかってきますので、それを中心にできるだけ正しいデータをお出しするという努力をしております。

○佐藤座長 よろしいですか。では、中地委員。

○中地委員 中地ですけれども、取扱量を報告しても意味がないみたいなことでお話しされたんですが、私がかかわる懇談会等でもお話をしたのは、例えば企業の排出量が年々増加しているような場合があっても、企業の規模が拡大した、あるいは取扱量がふえたのかどうかというふうなことを一つの参考として見れば、その企業がどれだけ努力されているのかというふうなことがわかるんではないかということでお話をしているわけで、単に原単位でふえている減っているというようなことを評価するというふうな意味で意見を述べているわけではないので、今後、どういうふうな届出情報を追加するのかというふうなとこら辺の議論で、また意見を言いたいと思いますけれども、やっぱりきちんと未届けの事業者が多いというふうなことの対策をするには、やっぱり取扱量をちゃんと報告をして、それについてきちんと報告しているかどうかというふうなことを、やっぱりきちっとするというふうなことも必要だと思いますので、単に原単位で比較をするためにというふうなことではないというふうに思っていることを、ちょっとご理解いただきたいなというふうに思いますが。

○佐藤座長 これは中身の議論になるので、後で別にやった方がいいと思うんですけれども、お互いにそういう主張があったということで。では、小出委員、どうぞ。

○小出委員 住民とのリスクコミュニケーションのところで活躍されているというこの翻訳者、ファシリテーターという方は、どういうバックグラウンドの方がどんなふうにやられているのかをちょっとご紹介いただけますか。

○篠原委員 できるだけ環境安全でありますとか、このような方面にかなり詳しい方で、例えばリスク評価はどう考えたらよいか住民の方々はなかなかわかりにくい。そのようなことをきちっと説明できる人にお願いしております。固有名詞を挙げるとちょっと申しわけないのですが、ここにおられる織先生にもお願いして各所で、住民の方々にお話しをしていただいております。

○佐藤座長 お名前が出たところで何かご指摘がありますか。

○織委員 いろんなやり方をしているんですけれども、ファシリテーターで私どもがやっておりますのは、要は住民の方の意見をなるべく引き出すという役割に徹しておりまして、あとは地域によってはインタープリターという環境カウンセラーなどのバックグラウンドを持っていらっしゃる方に、例えば今の原単位というのはどういう意味だとか、あるいはPPMとはどういうことだとか、PRTRの全国データはこうだけれども、この地域、例えば小田原市で換算してみるとどういうことだというような形で、まず、住民の翻訳をインタープリターの方にお願いして、私どもファシリテーターの方に専念させていただくというような形でやっているというケースもあります。ケース・バイ・ケースで全然使わないで、工場の方が長々とお話しなさって、しんとしてしまうこともないわけではないんですけれども。

○佐藤座長 やはり、なかなかリスクコミュニケーションというのは難しいことだろうと思いますけれども、そういう方向でご努力があるというのは非常にうれしく伺いました。ほかに何かご質問ありますか。

○有田委員 今の織さんが説明されたので少し安心したんですが、ファシリテーターがすべて説明するのかなというふうにして思いましたので、それを確認できたからよろしいんですが、1998年から消費者対話をされているということで、多分、1回目から私は参加して、ここ2年ぐらいは開催されていなかったような気がするんですね。その中でリスクコミュニケーションという、そもそもを理解し合うような学習会のような形を行ってきたと思うんですけれども、最近のリスクコミュニケーションという形は変遷があって、今の状態としてはどのように理解されているのか。リスクコミュニケーションのあり方、今、ちょっとここでいろいろリスクコミュニケーションも理解が幅広くて、ちょっと違うところもあると思います。ちょっと説明をしていただきたい。

○篠原委員 最も重要視しているのは、地域の人がその事業所で何をしているのかというのがもともとわからないというのが以前の状況であったと思います。あそこで何かやっているのではないかとか、塀の中で何をしているのだろうかということから変遷しておりますが、どこまで理解していただけるかというのが今、私どもの一番の心配事ですけれども、これはもう回数を重ねるしかないということですね。やり方も少しずつ変えてきております。アンケートも途中から採用したのですが、これはなかなか評判がよくて、後でまたもう一度アンケートをとると、よかったとか、こういうのが全然わからなかったとか、そのような意見もたくさん出てまいりますので、同じ地域でも何回もやっていくうちに、やはり理解が深まってくるのではないかというふうに理解しております。

○佐藤座長 どうもありがとうございました。では、最後の質問ということで、古賀委員。

○古賀委員 余り長くならないように。1つだけちょっとお伺いしたいのは、以前、今日、ご出席の中杉さんともいわゆるこういったリスクコミュニケーションに取り組んだんですけれども、そのときにメディアの方たちとどういった役割分担というか、その役割とか、そこら辺をもしもやられているんでしたら、ぜひともお伺いしたいと思うんですけれども、つまり、いわゆるリスクで自分の方が不安に思うのも、やっぱりメディアが正しくそういうことを理解していただくということがたしか、当時、非常にやっぱり大きな効果があったもんですから、ちょっとそれだけ。

○佐藤座長 では、短くお願いします。

○篠原委員 化学工業協会では特にメディアの人も、これは公開していますから来ていただくのに積極的に呼んでいるということではないと思いますが、今後、やり方も含めて工夫が要るのではないかとは思っております。

○佐藤座長 よろしいですか。それでは、まだあるかもしれませんけれども、時間の関係で次に移らせていただきたいと思います。議題の1の届出事項について、に移りたいと思います。
  まず、資料7について事務局からの説明をお願いいたします。

○木村環境安全課長 それでは、資料7をごらんいただきたいと思います。
  この資料はPRTRの届出事項についてでございます。この事項につきましては、法の目的や趣旨を踏まえました最適な対応を図るために必要なデータはどのようなものが必要なのか、また、その点を踏まえた場合に現行のPRTR制度における届出事項は適切かどうかということが、検討課題として挙げられるんではないかと考えておるところでございます。
  まず、PRTRの届出事項におきます制度的な位置づけについてでございますけれども、ご承知のようにいわゆる化学物質排出把握管理促進法におきましては、第一種指定化学物質など取扱事業者につきましては、法の第5条第1項によりまして排出量及び移動量を把握し、そして、同条の第2項によりまして第一種指定化学物質の排出量及び移動量に関し、主務省令で定める事項を届出ねばならないということになっているところでございます。また、その具体的な届出事項につきましては施行規則の方で掲げておりまして、施行規則第6条により規定され、そこに出てございますように表の1-1に記載されているような事項が対象となっているところでございます。そして、施行規則第5条の第1項によりまして、法の第5条第2項の届出につきましては次の2ページ、そして3ページのような様式によりまして、届出を行うという形になってございます。
  それでは、次に4ページをお開きいただきたいと思いますけれども、4ページの2の取扱量等についてでございます。
  まず、(1)の取扱量等の定義についてでございますが、これにつきましてはいわゆる化管法の第2条第5項の規定を踏まえましたPRTR排出量等を算出マニュアルにおきまして定義されておりまして、製造量と使用量を合計した量を取扱量としているところでございます。
  それでは、次の5ページをごらんいただきたいと思いますが、ここでは地方自治体の独自の取り組みについてご説明申し上げたいと思います。
  まず、[1]のところにもございますように、地方自治体による条例の制定状況についてでございますが、全国の71地方自治体のうち現在11の自治体が条例等によりまして、独自の届出制度を規定しているところでございます。その表の2-1を見ていただければわかるかと思いますけれども、これら自治体の条例の多くは製造量や使用量を含めました取扱量につきましても、届出事項としている状況でございます。
  そして、次の6ページから7ページ、8ページにかけましては、独自の取り組みを行っております主な自治体の状況を掲載させていただいているところでございます。
  まず、6ページの東京都についてでございますが、東京都の環境確保条例におきまして使用量、製造量、そして製品としての出荷量の報告を規定しております。そして、この使用量に対する環境への排出量の比率を排出率として、代表的な業種の排出削減の状況を公表しているという状況でございます。
  次に、7ページでございますけれども、ここでは愛知県についての取り組みを紹介させていただいておりますけれども、愛知県におきましても条例によりまして取扱量の報告を規定をしておりまして、PRTRの排出・移動量とあわせて、業種ごとに取扱量や取り扱いに対する排出量の比などを公表しているという状況でございます。
  また、その次のページの8ページでございますけれども、ここでは横浜市及び川崎市についての取り組みについてご紹介させていただいております。この両市におきましても、事業者から保管量などについて報告・徴収できる規定を定めているところでございます。
  このように各自治体におきまして、それぞれの地域のニーズに対応して届出事項が定められておりまして、データの活用が図られているという状況でございます。
  それでは、9ページをごらんいただきたいと思います。
  次は、廃棄物及び下水道に関する届出事項についてでございます。
  まず、(1)の廃棄物処理施設からの排出についてでございますけれども、廃棄物に含まれて移動します化学物質につきましては、平成9年度から平成12年度までの4カ年間はパイロット事業として埋め立て、焼却、リサイクルなどの処理方法につきましても、報告を求めておったところでございますけれども、現行の届出項目には移動先での処理方法は届出の対象とはされていない状況でございまして、したがって、届出書には記載されていないという形になってございます。
  また、廃棄物処理施設からの排出につきましては、関係法によります測定義務が課されている物質について、届出の対象とされているところでございますけれども、それ以外の物質の排出量につきましては本来、国が推計すべきところではございますが、現在のところ、その推計方法が確立していないということもございまして、行っていないのが現状でございます。
  それでは、次の10ページをお開きいただきたいと思います。
  (2)の下水道終末処理施設からの排出についてでございます。これにつきましては国土交通省の下水道部におきまして、化学物質排出量などに関するガイドライン(案)を作成しているところでございまして、このガイドライン(案)に基づきまして、下水道処理業者は下水道終末処理施設からの排出の把握に努めているところでございます。また、その際、下水道終末処理施設からの排出量の届出につきましては、関連法による測定義務が課されている30物質を対象としているところでございますが、一方、PRTR対象事業者からの届出書には、PRTR対象化学物質を含んだ下水を放流している下水道名は、記載されていないのが現状でございます。
  それでは、11ページをごらんいただきたいと思います。
  11ページは4の諸外国のPRTR制度における届出事項についてでございますけれども、この諸外国のPRTR制度につきましては、詳細につきましては説明を省略させていただきたいと思いますけれども、この11ページから12ページにかけて表の4-1に示しておりますような項目が、各国において届出事項として規定されているところでございます。施設の名称や住所、責任者等、基本的な事項につきましては各国において共通事項もあるわけでございますけれども、総じて区々の届出事項になっているかと思います。ただし、各国におけるこれらの届出事項の違いにつきましては、それぞれの制度の目的の違いもありますことから、一概には単純比較することはできないのではないかというふうに考えているところでございます。
  それでは、次の13ページから15ページでございますけれども、ここにかけましては化管法の抜粋、また、16ページから17ページにかけましては、昨年9月に開催いたしました化管法に関する懇談会の報告書の届出事項に関する記載、それぞれ参考までに載せてございますので、ご参考までにお目通しをいただければと思います。
  資料7についての説明は以上でございます。

○佐藤座長 ありがとうございました。ただいまのご説明いただいたことについてご質問、ご意見があれば。北野先生、どうぞ。

○北野委員 午後から授業があり中座すので中途させていただきます。この後、細かい議論がされると思います。基本的な考え方がまず必要ではないかと思っております。

  そもそも化学物質管理促進法の趣旨、目的は何か。この法律は企業の自主的な努力を期待するものじゃないかと思っています。私は規制ではなく届出の規制はありますけれども、企業の自主的な努力を期待するものが、この法律のそもそもの趣旨だと思っています。また、環境及び人の健康への影響についても、どちらかといえば急性的なものよりも、定常的に長期的に排出されたときに、どう影響が出てくるかという点、この2つが私はこの法律のそもそもの目的であり、趣旨だと思っております。この委員会で、法律の目的まで変えていくのなら話は別ですけれども、現在の化学物質管理促進法の枠の中で届出の情報等について議論する際には、この基本的な考え方について、もう一回確認しておく必要があると思います。
  それから、新たにデータや、情報を要求する場合、当然のことですが、その情報をどう使うのか、特に行政としてどう使っていくのかということ、また、市民としてどう使うかという点、そこはやっぱり考えないといけないと思うんですね。今ご説明がありましたように、いろいろな地方自治体ではこの法律に加えて、条例で種々のデータ、情報を要求しております。確かに要求内容も違います。これは恐らく地方自治体の条例の目的が、この化学物質管理促進法とは多少異なるためと思います。
  くどいようですが、届出データをどう使っていくのかということ。研究者なり学者として情報が欲しいというのは理解できるんですよ。でも、やっぱりお願いする以上、それをきちんと活用するということを前提に考えないといけないだろうと思います。事業者に過分な負担を与えることになりますので。
  さらにもう一つ申し上げますと、私も先日、あるところでリスクコミュニケーションを行ってきました。ある物質について議論したんです。ほとんど水圏に排出される物質があるんですが、水生生物への毒性データがMSDSで全く空欄になっていました。要するに仕組みはできていますが、実際に何の機能もしていないじゃないかと思ったしだいです。MSDSのデータをどこに置いてあるんですかと問い合わせたら、総務部に置いてありますとの答えです。それでは意味がないということで、私はMSDSの中身をもっと充実させていくとか、それから、PRTR届出データの精度をいかに高めていくかという点、こちらの方の議論もぜひやっていくべきじゃないかと思っております。この辺をまずきちんと踏まえた上で各論に移るべきと思っております。
  ありがとうございました。

○佐藤座長 どうもありがとうございました。では、中西先生、どうぞ。

○中西WG長 私もちょっと早目に帰らなければいけないので、いや、北野先生よりはちょっと遅くていいと思っております。
  今、北野先生がもともとどういうふうな使い方をするかということで考えなければいけないということ、そのことから私も意見を申し上げたいと思っておりました。
  それで、もう一つ北野先生の言われたことにさらにつけ加えますと、PRTRの対象物質というのは非常に数が多いので、一つのものに注目してこれだけを減らせばいいとか、そういうものではない。300も400もあるわけですから、その中で企業が最もいいと思う方向で、あるものは減らし、あるものはそのままにしていくという。だから、ベンゼンを減らす企業があってもいいし、ベンゼンを減らさない企業があってもいいという状況があると思うんです。
  それでは、それは何を根拠にするのかといえば、やはりリスクを考えながらやるということだと思うんですね。ですから、リスク評価ということはまだまだ十分されていなくて、私はNGOの人たちもぜひリスク評価をやって、発言をしていただきたいといつも思っているんですが、リスク評価が行われないまま、ただ排出量だけとか、あるいは原単位だけを議論したりとか、そういうのは余り意味がないということをぜひ知っていただきたい。
  それで、そういう意味でいいますと、私は取扱量というのは確かに研究者にとっては、我々のような者にとっては非常に便利ですが、非常に個人情報的な要素もありますので、どうしても必要だと思えるとき以外は、やっぱりそう公開しろと要求できないんじゃないかなというふうに私自身は思っています。
  それから、しかし、リスク評価のためにどうしても必要だなと思うものは、下水道へ持っていかれるところのどこの下水道に入っているのか、廃棄物の処分場のどこに行っているのかというのはどうしても必要な情報なんです。私たちは幾らリスク評価をやっても、下水道のところで消えてしまうという状況を何回も経験していますし、廃棄物についてもその後がどうしてもブラックボックスみたいになってしまうというのがありますので、私自身はこれについては何らかの届出をする、ふやすということについて賛成ですが、取扱量については今は時期尚早というふうに私自身は考えています。
  以上です。

○佐藤座長 ありがとうございました。では、保坂委員、お願いいたします。

○保坂委員 私は中地委員と同じ意見であります。今回、東京都の公表について利用していただきましてありがとうございます。
  先ほど日化協さんがプレゼンされたのは、排出原単位だけで評価することは問題だと言っているに過ぎないというふうに思っております。6ページにありますように、都が条例のデータで示したことを私どもは排出率と言っていますけれども、これの推移というのはそれだけを示しているものではございません。排出量の低下の推移とあわせて見ることが必要なので、このようにセットで示しているものでございます。私どもは水性塗料など原材料の転換で使用量そのものを低減して排出量を低減する場合は、それも一つの排出削減の努力であっても、排出率はほとんど変わらないということを重々承知の上でございます。
  ですので、排出率だけで評価することを問題視することで、使用量の届出事項とするメリットにすべて目をつぶってしまうことはよくないことだと思います。使用量も届出事項にすることによりまして、物質収支をきちんと把握する管理にもつなげていくことができます。それから、あと排出量のチェックをすることが逆にできて、精度の向上にもつながってまいります。そういう意味で、取扱量の届出事項の追加ということをぜひやっていただきたいと思っております。

○佐藤座長 ありがとうございます。では、織委員、どうぞ。

○織委員 私も北野先生、中西先生のように、まずPRTR法をどうやって使っていくのかというか、その理念をきっちり我が国の方でも、しっかりしておかなくてはいけないんではないかと思っています。11ページの届出事項を見ていただくと、諸外国はいろいろなっているんですけれども、それぞれの国のそれぞれの特色があります。
  例えば、英国では施設のウェブなどの情報なども入っています。これは当初、排出量だけで考えていたのが、もっと国民にいろいろ知らしめるべきではないかということで、企業の活動がどうなっているのか、環境報告書とか、あるいは企業が独自に調べている物質の情報なんかでも、このPRTRの制度を使って、そこにアクセスしていくというような形で、アクセスを広めていきたいという考え方が入っていない。
  例えば、アメリカでリサイクルですとか効率というものについて情報を広げていくのは、このPRTR制度の中にあるものを利用しながら、もっとリサイクルを広げていく、こういう情報も知りたいというニーズを入れていくという形で、もとにあったと届出データというよりかもさらに広げていこうという議論が進められて、こういうものを入れていったという背景があって、我が国で一体どこまで広げていくのかというあたりは、しっかり議論していかなくてはいけないんではないかというふうに思っています。
  特に、私は現行の今の届出のところは、実は今のままでもいいんではないかと思っているんですけれども、重要なところはさっき中西先生がおっしゃったように、廃棄物になったところが、今、化学物質の廃棄物のところまでのところが切断されてしまっているんですね。廃掃法の世界で追えない以上、こちらで何らかの形で追わなければ、廃棄物処理場あるいは下水道に行ってしまった後はどうなってもいいのかという、こういうことになってしまうと思うんですね。
  ですから、廃掃法の世界で逆に追っていくシステムをつくらないのであるならば、少なくとも最低限、埋め立てをしているのか、焼却処理されているのか、どうなっているのかというところと、あと下水道でどこでどう流れているのかということぐらいは、今の我が国のPRTRデータの中で移動量を入れている以上は、きっちり入れていただきたいなというのがあって、それからもう1点、取扱量、保管量についてなんですけれども、これもアメリカ等では事故時をどう考えるかということから別制度でこのデータを入れていくという考え方が1つあるかと思います。
  ですから、このPRTRの中に入れていくかどうかは別として、これは非常に議論していかなければならないことだと思っておりますし、先ほど東京都の方がおっしゃったように、有効に参考資料として使えるものであるならば、それはやっていくべきだと思うんですけれども、これを今自治体レベルでむしろ取扱量、保管量というもののデータをとっていただいて、どういうふうに活用していっていただけるのか、あるいは自治体ごとの特色によってどう変わってくるのかということで、むしろ、今は自治体レベルでやっていただくのがいいんではないかというのが私見ですけれども、思っております。

○佐藤座長 ありがとうございました。それでは、辰巳委員の方が先だったですか。それで、恐れ入りますけれども、短目にお願いいたします。

○辰巳委員 取扱量に関しての意見なんですけれども、一応、外に向けて多分企業の方は報告して今はいなくとも、自主管理という意味で、データはきちんとおとりになっているのかなというふうに思いたいんですけれども、そのあたりの確認をきちんとまずしたいということです。だから、必要なところできちんと知りたいと思ったときに知られるような状況にあるのか。特に、私たちは今、この4ページの絵で示してくださっているように、製品中の化学物質というのも非常に関心がありますもので、やっぱり、そういう意味ではもちろん保管も含めてなんですけれども、そちらが出てないとこちらへ来ないと思いますけれども、そこら辺もきちんとわかるような情報も欲しいというふうに思っております。
  もう一つ、すみません、先ほど中西先生がおっしゃったことがちょっと気になっておりまして、やっぱりいろんな排出された化学物質が単独に動くわけではなくて、いろいろと変化しながら変わってきますよね。その変わったものというものに関して、何かやっぱりわからない状態のままというのが私は非常に不安じゃないのかなと思っておりまして、20何年にもなるのかな、複合汚染という単語もあったように、そのあたりにこれがうまくつながるようなことってできないのかなと、その利用の話なんですけれども、すみません、難しいことを申しまして。ただ、そのあたりはとても気になりますということでよろしくお願いします。

○佐藤座長 ありがとうございました。では、辻委員、どうぞ。

○辻委員 電機工業会の辻です。
  我々製造業者としてPRTRの届出を実際にやっていく立場から、ちょっと話をさせていただきたいんですけれども、まず、取扱量については我々は先ほど話がありましたように自主的管理の上ではすべて把握しています。ただ、やはり取扱量を今追加するということについては基本的には今はやりたいくないと。
  といいますのは、これをどういう目的に使っていくのか、あるいはどのような効果を期待しているのかと。先ほどから排出量比、原単位でメーカーの努力が評価できると、こういうことも当然あるんですけれども、要は問題は先ほどから言われているPRTRの基本的な考え方、すなわち環境への影響をリスクを減らすということに尽きるならば、排出量の絶対値をいかに削減するかというところが一番の目的じゃないかと。そういう意味では、現行の届出の事項で十分じゃないかと。また、我々は企業として特に半導体を含めたそういう先端の業種では、非常に企業経営に直結する企業機密的な内容がありますんで、取扱量がわかるとある程度想定ができちゃうということもありますんで、ぜひ、そういうことも考慮して考えなくてはいけないかなと。
  それから、事故時の問題の疑念がいろいろありますけれども、これは取扱量というより、保管量がその問題じゃないかと。そういうことを考えるなら他の法規、例えば消防法とか、そういうところでいろいろ規定ができるんじゃないかと。
  それから、移動量の問題がいろいろ出ていましたけれども、我々も移動先、特に事業所外で移動していったもの、これが当然リサイクルに回る率が結構あるんですね。そういう意味では、移動量からリサイクルも引いていくと、企業の努力を含めて。そういうところも今後検討の課題に挙げていただきたいなと、こういうふうに考えています。
  以上です。

○佐藤座長 ありがとうございます。ちょっと時間の問題があるのですけれども、今までと全く違うご意見の方の意見をお一人、伺いたいと思うのですけれども。酒井委員、どうぞ。

○酒井委員 すみません、全く違うと言われると非常につらいんですけれども、名古屋市の酒井でございますけれども、基本的には今の取扱量、資料にもございますように名古屋市も条例で16年度の取扱量から報告をいただいています。化管法について地方自治体が経由事務だけではなく、名古屋市としてもしっかり把握しておきたい。そのためにはもとになる取扱量があって排出量、移動量がある。そういう流れだろうと私は思っています。
  先ほどもございましたように、取扱量が本当に企業秘密であるなら、当然、開示はしないよということはできるだろうと思っています。それは次の問題だと思っていまして、基本的に排出量等を把握するには、やはり取扱量の把握が必要ではないかなと思っております。
  もう一つ、先ほど篠原委員さんの方から非常にいいお話があって、リスクコミュニケーションを積極的にやっているよという話でございます。お話の中で、取扱量を削減しても原単位では正しく評価できないというお話がございましたけれども、やはりリスクコミュニケーションの中で、そういったことをしっかり説明していくということであれば、十分、これは理解いただけると思うし、逆に言うと、その取扱量を出さない中では、不信感を持たれてしまいます。そういうことから考え合わせるとやはり取扱量も報告事項とすべきと考えています。名古屋市も毎年度まとめて公表もしています。個別企業ごとの公表は今のところしていないですけれども、そういったことは必要ではないかなと思っています。
  以上でございます。

○佐藤座長 それでは、亀屋先生で最後にしたいと思うのですけれども、どうぞ。

○亀屋委員 すみません、目的ということなんですけれども、結果としては先ほどご発言がありましたように、排出量が削減されればいいわけでありますけれども、ただ、それを中身を知りたいとか、より着実に自主管理が進んでいるということを知りたいといった国民的な要望というのは、やっぱりあるのではないかなというふうには感じております。
  そこをだれが検証を行って、さらなるプロモートをしていくのか。そのために届出をして、しかもそれを公表してというようなやり方がいいのかどうかというのも、また議論があると思うんですね。これまでの関係行政からしても、届出報告されたものがすべて公表されるというふうな形ではなくて、地域協定のようなものをつくって、行政と企業の方で対応されてきたという日本の今までのやり方もあろうかと思います。
  それと、中西先生が言われたように、これからのリスク評価とかリスクベースというのは大事になってくると思いますので、ただ、これまでの自主的な取り組みが必ずしもリスクベースで進んでいったともみんな思っていないといいますか、ちょっと疑っている部分もあるんじゃないかなと思うんですね。その辺も含めて、だれかが先ほど言いましたように検証をしていけるといいのではないかなと。そういう意味で、私個人的な意見としては、少なくとも行政の方にはこういった取扱量のようなデータも、きちんと把握しておいていただきたいというふうに感じております。

○佐藤座長 ありがとうございます。
  哲学というかプリンシプルのようなお話が出て、それが自主的な取り組みを促すものであるということは、皆さん、多分一致していると思うのですね。その自主的な取り組みというのは、恐らく地方自治体の取り組みも含んでいるのかなというふうに、今、ご意見を伺って思ったような次第です。そういう形で、どこまでやるのかという細かい議論はまた後の話になるのかもしれませんけれども、基本的にはそういう考え方でいくんだろうなというふうに思います。
  確かに下水道とかあるいは廃棄物に関する話というのは、この制度の中で抜けているわけですけれども、直ちに取り組むのができるのかどうかというのは、ちょっと私は疑問も思ったんですけれども、ただ、ほかの法律とか何か制度もありますので、ただ、問題であるということだけでは事実だろうというふうに感じました。
  大変申しわけないですけれども、時間の関係もありまして、次の未届出事業者への指導対策についてということに移りたいと思います。
  資料8について事務局より説明をお願いいたします。

○斉藤化学物質リスク評価室長 資料8をごらんください。未届けの事業者への対応も含めまして、普及啓発ということでご説明させていただきます。
  検討事項というところにございますとおり、5年間の届出が既になされており、制度は一定定着したと考えております。ただ、一方で一部に未届けの事業者が存在すると思われまして、それを含めて、どういう普及啓発を進めていくかということが課題だと考えております。
  まず、1番目といたしまして、これは統計データでございますが、届出事業者数等の推移でございます。何回か申しましたとおり、14年度から15年度にかけまして取扱量の要件が5トンから1トンに引き下げられましたので、そこの段階で一回届出事業者数等がふえております。また、15から16年度は一回減っておりますが、直近の一番新しいデータであります17年度、対象年度でございますが、17年度につきましてはまた増えているという状況でございます。また、下にございますとおり、省力化の観点から私どもは電子届出を奨励してございまして、3分の1を超えてきているということが現状でございます。
  めくっていただきまして2ページでございます。
  普及啓発をどのように行ってきているかということでございますが、これは当然、行政側として重要な業務と考えておりまして、制度発足以来、さまざまな媒体を利用いたしまして広報活動を行ってきております。大きく分けましてはダイレクトメール等を送付する、あるいは各地域において説明会あるいは講習会のようなものを開催させていただくと。それはもちろん事業者の方だけではなくて、場合によっては運用側であります地方自治体の方々なども含めた研修なども実施してきております。12年度以降、2ページ、3ページとございますとおり、数多く重ねてきてございます。
  めくっていただきまして4ページでございます。
  このアンケートは大した資料じゃないんですが、一応、当然ですが、届出をしている方につきましては、それなりに理解をしていただいていると考えております。
  めくっていただきまして5ページでございます。
  一つの大きな議題といたしまして、未届け事業者への対応というのが言われてございます。これは実際に囲いの中にございますとおり、総務省からも過去に指摘を受けております。一部、未届け事業者が存在すると思われることから、さまざまな対応をしてくださいということで、それを受けまして、それだけではないんですが、我々といたしましても力を最近特に入れてきてございます。
  大きく分けまして2点ほど対応をしてきております。
  (1)にございますとおり、一度もまだ出したことがない方の中で、やはり制度の存在を知らない方がまだおられるのではないかということで、特に大規模の企業は大体周知が進んでいると思いますので、中小規模ということで要件を満たします20人以上で50人以下ぐらいの中小企業を中心にさまざまなデータを活用して、その事業所を選び出しまして、ダイレクトメールの送付なども行ってきております。その結果、2万5,000事業者に送付したところ、324事業者から新たな届出もあったということで、この程度新しく出てきております。
  それから、2番目といたしまして、結構、多いのが一度出したきり、その次の年に出してこないという方が結構ございます。それをどうするかということでございます。次のページをめくっていただきまして6ページでございます。実は16年度に約4万を超える事業所から出てきたんですが、そのうち、17年度に未届けだったところが約1割ございました。4,290出てこなかったということで、これは自治体の方にもお願いいたしまして、その理由をすべて調査いたしました。電話での聞き取り調査をさせていただきました。
  その結果、当然ながら要件を満たさなくなったとか、一定の廃業等もあったわけですが、約1,200事業所につきましてはやはり届出忘れということで、これにつきましてはページの下の方にございますが、次年度は必ず出すようにということを自治体の方からお願いしていただいたわけですが、その次の年の結果を見ますと、1,181のうち999は出てきたんですが、相変わらず一部に未届出、2年連続届出がなされない事業所があったということが判明しております。
  それにつきましては表にございますとおり、また、廃業等もございまして、2年連続の未届けは127事業所ということで今把握してございます。届出忘れの理由といたしましては、やはり人がかわってしまうということとか、あるいは用紙が国から送られてくるんでないかと思っていたとか、一度出せばもういいのかと思っていたとか、さまざまな理由が浮かび上がってきております。
  7ページでございます。
  以上を踏まえまして、100をちょっと超える事業者を我々は現在、届出漏れを把握してございますが、それにつきましては、その次の年は必ず出すということでかなり強目に、これは国から直接指導といいますかをさせていただいておりまして、現在、ちょうど今4月から6月末が18年度分の届出の時期にかかってございますので、その推移を今見守っているところでございます。
  以上のように、このような形で1回出しただけで2回目が出てこないところにつきましては、今後、19年度につきましても同じように、ローリングして確認していきたいというふうには考えてございます。
  その他、(3)は当然ながら毎年出してくださいねという連絡をするということ、これは出したことのある事業者だけに出しているんですけれども、特に中小企業の場合は人の出入りが激しくて、4月になると人がかわってしまうということも多うございますので、その辺4月以降、特に重点的に連絡をするという形をとっております。
  また、その他、これは国が中心となって自治体にもお願いして行ったものでございますが、自治体におきましても独自に未届出事業者対策をお願いしておりまして、さまざまな他法令の企業台帳等を活用したチェック等は行っていただいているところございます。
  7ページにそれがございますし、8ページをごらんください。
  このような前年度の届出状況とか他法令の届出台帳あるいは企業要覧等などを活用していただいて、掘り起こしというものをしていただいております。もちろん、これで完全に100%というのはなかなか難しいと思いますが、できる限り未届け事業者が少なくなっていくように、今後ともこのようなやや強目の指導を行っていきたいというふうに、我々としては今考えているところでございます。
  以上、ご説明とさせていただきます。

○佐藤座長 ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明について、ご質問あるいはご意見がありましたら伺いたいと思います。では、大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 未届け事業者については先ほどお話がありましたように、総務省からも言われていることでかなり重要な、実はこの法律のもとのベースの大事な問題だと思いますけれども、既にご努力をいただいていると思いますけれども、現行法は過料の規定がございますので、場合によっては活用するということはお考えいただきたいと思います。というのは、これは自主的取り組みの法律ですけれども、情報収集の目的の法律ですので、情報収集についてはきっちり義務づけをするというのを実施していただかないと、正直者がばかを見ることになりますので、その点については公平の観点からも非常に重要な点だと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

○佐藤座長 では、新美委員、どうぞ。

○新美委員 私も大塚委員と共通の認識なんですが、先ほどの北野委員の意見にもかかわるんですけれども、自主的取り組みを制度として担保するために情報をきちんと届出するということになっているわけで、この情報をきちんと出さないということになると、自主的取り組みの前提が崩れ、取り組みの内容自体に国家が介入していかざるを得ないという構造になっていることを忘れないでいただきたいということです。
  ですから、このPRTRというのを規制として捉えることは適切ではなく、自主的取り組みを担保するための制度であるということを確認しておく必要があろうかと思います。そういう意味で、未届け事業者というのは自主的取り組みという制度の根幹にかかわることでありますので、ぜひとも単なる指導だけではなくて、先ほどありましたように、この過料の規定が現実に動くような体制をとる必要がある、そのように考えております。

○佐藤座長 情報の提供について厳しくというご意見について、有田委員、どうぞ。

○有田委員 未届け事業者に対する過料が、20万というのが余りにも緩いんじゃないかと思うんですね。食品衛生法も以前、罰則金が50万のときは払ってさえしまえば、悪いことをやっても怖くないというようなのがあって、それが随分高くなってかなり改善されました。例えば20万円は、一個人だったら大きなお金かもしれませんけれども、こういう事業を行っている方であれば、努力していろいろ書くより20万を払った方がいいですよね。これは罰則でも何でもないと思います。もっと高くすべきだと思うということが意見です。

○佐藤座長 ありがとうございます。今の過料とか過料の適用についてご意見がありましたけれども、それに関連するご意見があれば。では、中西先生。

○中西WG長 私は皆さんと反対の意見なんですけれども、ルールを守らない人に罰則とか何とかというのはもちろん当然かと思いますが、現実にリスク評価をやったり、濃度測定をやったりしている立場から言いますと、未届けの人がすごく大きな役割をしているということはちょっと考えにくいんですね。ですから、やっぱり、こういうのは私はほどほどの努力で罰すると、違法を許さないという立場からのお考えもあろうかと思いますが、やはり余りコストをかけて、こういう追求をしたって意味がないと。現実にリスクが高いようなものは別の方法で見つけられるので、やっぱり、こういうものはほどほどでいいんじゃないか。私どもは本当にとことんいろんなところの検出というのをやっていますが、そんなに未届けのところで重大なものというのは、そんなに数は出てきていないということです。ただ、もちろん見つかったケースについてはどんどん自治体にも連絡してやっていただいていますが、それほどはないという認識です。

○佐藤座長 余り厳しくなくてもいいじゃないかというご意見だったと思います。今の件に関連してですか。では、手短にお願いいたします。

○関澤委員代理 今の意見に賛成なんですけれども、その前にやはりどういう事業者がどういう事業規模の人が、そういう行為をされているかって、やっぱり十分分析しないといけないと思うんですね。悪意があるのであれば、それを罰する規定を運用すべきですし、そこら辺が吟味されないで議論をするのは不十分だと思いますので、私も中西先生の意見にどちらかというと賛成です。

○佐藤座長 ありがとうございました。先ほど啓発事業をやっているよという話がありましたけれども、その辺で考えるべきことなのかとも思います。あと、別な観点からご意見があれば。
では、今の関連ですか。

○新美委員 関連で。申しわけございません。
  私は実質が大したことないから情報について、そんなコントロールしなくてもいいじゃないかというのは反対です。これはシステムの問題です。自由な活動を認めるために、せめて何をやっているかをはっきりさせてくれということで、情報を提供させるというのが法のシステムなわけでありまして、自主的取り組みを認める以上は、情報についてはきちんとコントロールしますというのがセットになっていなければいけないはずなんです。それを自主的取り組みであり、かつ情報も適当でいいということであれば、行政はなにも関与しません。自由にやってくださいと、レッセフェールになるということなんです。そういう根幹に触れることを適当でいいというふうに言われると、私は法律家としては反対したいと思います。

○中西WG長 ちょっといいですか。すみません。
  それでも、非常にコストがかかっていますね。多分見つかっている事業者って非常に小さいんじゃないかと思うんですけれども、ですから、影響がある程度出ているようなもののケースについて、それをやらなければいけないということはわかるんですけれども、何か道徳教育みたいにとことん追い詰めるというのは、行政の施策として私はどうしても効率的とは思えないんですよ。だから、法律を効率で扱っちゃいけないというような感じに新美先生のお話は受け取れるんですが、あとはやはりある種見つかった場合に、罰則をある程度重くして皆さんに知らしめるとか、そういうのでいいんじゃないかと。法律を100%守らせるために、とことんコストをかける必要はないでしょうというのが私の考えなんです。

○佐藤座長 ちょっとこの議論はこの辺にしておきたいと思いますけれども、確かに法律論としては、できた法律を守らなくていいということはあり得ないということもあろうかと思いますけれども、また、現実は現実ということもあるかと思いますね。自主的取り組みを守るためには、やはりきちんと義務の部分は期していただきたいという話は非常によく了解できるだろうと、これは産業界の方にとっても了解できるだろうと思いますですけれども、コストの問題とか手間の問題とか、20万円の過料を払ってもいいやということでいいのかどうかというのもあろうかと思いますけれども、この議論はちょっとこの辺にしておきたいと思います。別な観点から。では、事務局の方。

○斉藤化学物質リスク評価室長 今、幾つかご質問的なこともございましたので、一応我々が把握している範囲でお答えいたしますと、先ほど言いました2回続けて出してこなかったところというのが百数十ございますが、やはり見ますとかなり小さな事業者でございます。燃料小売業あるいは金属製品製造業等でございまして、その他、もちろんいろんな業種がございます。その辺は一応すべてもちろん押さえておりますし、一応来年度は必ず出しますという話もいただいてはいますので、そこは注視していきたいと思いますし、それでももし守られないということであれば、先ほど過料というお話もありましたが、それを含めた対応というものを我々としても念頭に置いていく必要があるとは考えております。

○佐藤座長 ありがとうございました。労働安全の立場でも中小あるいは零細というのは、いろいろ対象とすること自身が難しいというのがあるんですけれども、似たようなことだなと思います。別な観点から何かご意見があれば。では、織委員、どうぞ。

○織委員 非常に私は諸外国と比べても把握率は結構いいと思っているんですね。それはやはりここに出てきているように、ダイオキシン類特別措置法の台帳などを活用して、かなりきめ細やかな連絡がなされておりますので、これが非常に日本の特徴だと思いますので、こういったこの例えば後の方にも出ているんですけれども、消防法の危険台帳を使っていくと把握できるというようなのを自治体の方が見つけたら、それを共有できるような連絡システムというものがすごく非常に重要になってくると思うんですね。ですから、ほかの法令の台帳を使っていって未届け者を見つけるものが、まだこのダイオキシン類特別措置法や消防法以外にも自治体の方が見つけられたら、ぜひ、それをほかの自治体にも流すような、何かそういうシステムを考えていただければなというふうに思います。

○佐藤座長 ありがとうございます。では、増沢委員。

○増沢委員 未届けの問題についてなんですけれども、私はPRTRは情報を主役にした制度だと思っているんですけれども、したがいまして、執行につきましてもやはり情報を通じてやるということだと思っています。つまり、先般、個別事業所というもののその情報をそのまま出すということでは、大体、合意が得られてきたかと思うんですけれども、そうした結果、いろいろな方々が監視するということになります。つまり同じような事業者が公表されているにもかかわらず、ほかの事業者が載っていないと。ということであれば、それはもしかしたら未届けかもしれないということをだれかが気がつくと。といった形で情報を出していく、個別的なその情報を出すことによって、おのずとその未届け問題についても改善が得られるのではないかと思いますので、それ以上、100%の向上はなかなか情報的な手法という性質からいって、かなり難しいという意見も若干あるかと思いますので、公表によって未届け問題も改善されるというところをちょっと強調しておきたいと思います。

○佐藤座長 ありがとうございました。では、あと辰巳委員と辻委員。今の話に関連することで。

○辻委員 未届けの関係ですよね。

○佐藤座長 はい、そうです。

○辻委員 我々としては先ほどの中西先生の意見にも賛成なんですけれども、各中小企業、これは自助努力をやらざるを得ない環境にあると思うんですよ。これは我々が取引をやっていく中で、結果的にISOの環境の14000、これにのっとって監査もやりますし、そういう中でいずれ彼らは自主的に現にやっていますし、そういう形で我々としてはやはり自主運用の中で地道にやっていくしかないかなと、こういうふうに思っていますんで、そういう意味では余り規制でがんがん縛るんじゃなくて、やはり自然と淘汰されていくというふうに我々は見ています。

○佐藤座長 では、辰巳委員、どうぞ。

○辰巳委員 すみません、たまたま私もそんなふうに思っておりまして、中小企業だけでという話じゃなくて、やはりサプライチェーンというのが日本の中でちゃんと発達してきて、環境のほかの環境情報の把握等の話なんかでも、徐々にそういうのが広がってきているというふうに思っておりましたもので、私もそれをすごく同じような意見なんですけれども、基本的には。
  それで、あとやはり未届け事業者の中には悪意があるという意見もあったんですけれども、そうじゃなくて、本当に悪意がなくて困っている方もいるんじゃないかなとも思っておりまして、そこら辺もサプライでサポートできるか、地方自治体がサポートできるかわからないんですけれども、やっぱりそのあたりもう少し届出できないとこら辺の方に対しての受け入れ窓口みたいなのを取り締まるというよりか、もう少し優しく聞いてあげるというふうな、そんなふうな何か方針があればいいのかなというふうに思ったんですけれども。

○佐藤座長 では、手短にお願いします。

○有田委員 一言よろしいですか。摘発しろと言っているわけではなくて、自主的な取り組みというのは十分にわかっているということと、それから東京都はPRTR対象の届出対象外のところを非常に細かく拾って指導されているというのは伺っていますので、そういうことが進められればいいなと思っている中で、余りに20万というのが安いので、悪質なところはそれぐらいがあってもいいんじゃないかと。ちょっと言葉が足らなかったかもしれない。
  それから、1つ質問なんですが、MSDSの相談窓口というか目安箱というのがあって、その何か利用状況とか、それが効果を奏しているのかというのをちょっとお伺いしたいなと思います。

○斉藤化学物質リスク評価室長 これは届出というよりもMSDSの話の方です。
  届出につきましては日々、私どもあるいは環境省の方に結構事業者等々から連絡もございまして、その個別対応でしっかり担当ベースでやらせていただいております。もちろん、自治体の方にも同じような連絡はかなり行っているんではないかと思っております。まさに、今、届出の時期にかかっていますので、そこは個別にしっかり対応させていただいております。MSDSの目安箱につきましては、また、そのときにちょっとご説明、資料を出したいと思いますが、これはあくまでも事業者間でのMSDSがきちんと回っていますか、何か問題ありませんかということで、なかなか行政側では把握が難しい部分でもございますので、設けておりますが、それほど数多くの問い合わせが来ているという感じでは正直ございません。

○佐藤座長 ありがとうございました。いろいろな立場からいろいろなご意見があったと思いますけれども、必ずしも全部を厳しくするというふうには私には聞こえなかったんですが、やっぱり悪質なものには厳しく、それから、普及啓発が足りない部分はやっていただく、それと、あと情報公開することによって取り組みを促しているというようなところが、非常に現実的なのかなという感じがいたしましたけれども、それではちょっと時間の関係もございますので、また、次の議題に進ませていただきたいと思います。議題の3番目は、対象物質と対象事業者の要件についてでございます。それでは、資料9について事務局から説明をお願いいたします。

○木村環境安全課長 それでは、資料9をごらんいただきたいと思います。対象物質についてでございます。
  この対象物質につきましては、第1点目として対象物質についてPRTRの届け実績等を踏まえました選定の妥当性をどのように評価するのか。あと第2点目として法制定時の物質選定要件について、その後のPRTR運用実績、また、内外の動向を踏まえまして、どのような方向で再検討するのが望ましいのか。そして、第3点目として対象物質からの除外について、どのような基準で判断すればよいのかといった点が検討課題になるんではないかと考えているところでございます。
  まず、1の法律の規定についてでございますけれども、いわゆる化管法におきましては、対象となる物質は人の健康に害を及ぼすおそれ、または動植物の生息もしくは生育に支障を及ぼすおそれがあるものであって、環境中に存在すると考えられる量の違いによって、第一種指定化学物質と第二種指定化学物質の2つに区分して指定しているところでございます。そして、そのうち特に人の発がん性があるものを特定第一種指定化学物質として規定しておるところでございます。そして、このうちPRTR制度におきまして届出の対象となりますのは、第一種指定化学物質でございまして、また、第一種指定化学物質と第二種指定化学物質を他の事業者へ出荷する場合には、有害性に関する情報や取扱法などを記載しました化学物質安全性シート、いわゆるMSDSを提供することが事業者に義務づけられているところでございます。
  それでは、次の2ページをごらんいただきたいと思います。
  2の現行の選定基準についてでございます。現在、対象とされてございます第一種指定化学物質と第二種指定化学物質を選定するに当たっての基準についてでございますけれども、この基準を考えるに当たりましては、大きく分けまして有害性とばく露性という2つの概念があるわけでございます。
  まず、有害性につきましては、その有害性を判断する項目として人の健康を損なうおそれに関する項目としましては、発がん性、変異原性、経口や吸入による慢性毒性、そして生殖・発生毒性、感作性というような項目。また、魚類などの水生生物に関する生態毒性など動植物の生息や生育に影響を及ぼすおそれに関する項目。さらには、オゾン層の破壊などにより人の健康影響、損なうおそれに関する項目をそれぞれ用いているところでございます。
  また、物質選定に用いた有害性に関する各項目につきましては、有害性ごとの分類を組み合わせた最終的な分類の設定などは行わずに、有害性の項目ごとに一定程度以上の分類のものを対象とすることといたしているところでございます。その具体的な選定基準につきましては、この2ページの終わりから4ページにかけまして記載しておりますので、また、後ほどお目通しをいただければ幸いでございます。
  それでは、5ページまで飛びまして、5ページをごらんいただきたいと思います。
  2のばく露についてでございます。ばく露性を判断する項目といたしましては、一般環境中での検出状況または製造や輸入量を主に用いているところでございまして、その際の具体的な選定基準につきましては、第一種指定化学物質におきましては、過去10年間の化学物質環境汚染実態調査におきますモニタリング結果などによりまして複数の地域から検出された物質や、1年間の製造・輸入量が100トン以上の物質などが、そして、また第二種指定化学物質におきましては、過去10年間の化学物質環境汚染実態調査におきますモニタリング結果などで1地点から検出された物質や、1年間の製造・輸入量が1トン以上の物質が、それぞれ、その対象となることとされているところでございます。
  次の6ページをお開きいただきたいと思います。
  3の対象物質選定に関して新たに考慮すべき事項についてでございます。
  (1)有害性のその下の1)現行対象物質選定基準と化学品の分類及び表示に関する世界調和システム、いわゆるGHSの分類との比較でございますけれども、その中の[2]の変異原性を除いて、両者の対象とする有害性項目並びにクラス分類については、おおむね一致している状況ではないかと考えております。また、現行の特定第一種指定化学物質につきましては発がん性のみで判断してございますけれども、一方、GHSにおきましては、これに加えまして変異原性や生殖毒性を持つ化学物質につきましても、その分類の要件が厳しくなっている状況でございます。
  それでは、次の7ページをごらんいただきたいと思います。
  2のばく露性についてでございますけれども、現行の指定化学物質につきましては製造・輸入量、それから環境での検出状況、そしてまたPRTR届出及び推計量の情報を用いまして、ばく露情報の整理を行った結果をこの7ページから次の8ページにかけまして、表の3-2、3-3、3-4という形でまとめてございます。
  まず、表の3-2を見ていただければと思いますけれども、現行の化管法対象物質の製造・輸入量規模別の物質についてでございますが、その中で網かけの部分が各指定化学物質に係る現行のばく露性判断基準に該当するカテゴリーとなってございますので、そこから大きく外れているわけではありませんけれども、やはり現行とはばらけているというところも出てきているという状況でございます。
  しかし、一方、次の8ページの表の3-3を見ていただければと思いますけれども、推計量を含めて過去5年間に排出や移動がなかった第一種指定化学物質もございまして、また、次の3-4のいわゆるエコ調査におきましても複数箇所から検出されて、幅広い地域に関係を与えている可能性のある化学物質、また、エコ調査によって未検出の物質もそれぞれございまして、これらの面でも見直しが必要ではないのかなというふうに考えているところでございます。
  あと9ページ以降につきましては化管法に関する懇談会の対象物質における提言、それから10ページ、11ページにかけましては化管法における関連規定及び衆参での附帯決議、そして次からまた1ページ、その以降に現行対象物質のばく露情報整理結果というものをつけさせておりますので、ご参考までに見ていただければと思います。
  資料9の説明につきましては以上でございます。

○佐藤座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきましてご質問をどうぞ、あるいはご意見があれば。では、上路委員、どうぞ。

○上路委員 農薬が非常に多く対象物質の中の3分の1ぐらい、3分の1以上入っているのかもしれません。その中で見てみますと失効農薬というものがございます。農薬ってどんどん変わってきますので、失効農薬を一覧から外すのか外さないのか、あるいは農薬そのものが変わってきているんで、また追加すべきものもあるんじゃないかというふうに思いますので、農薬に関してはそういう見直しをする必要があると思います。

○佐藤座長 今はそういうお話だったですけれども、何か事務局の方、いいですか。そういうのはお話を伺っておくだけで。
  では、続いて大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 ちょっと2点ございますけれども、1つは大変よく調べていただいていると思うんですけれども、追加的にお願いしたいのは代替物質への転換が進んでいるという話は今までもできていて、気をつけないと代替物質の有害性が高かったりするということだと、とても困ったことになりますので、どういうふうに転換しているかということを調査していただいて対象物をふやすとか、あるいはもう使わなくなっているものは、ここにも7ページとかに出ていると思いますけれども、対象から外すとか、そういう作業をぜひしていただきたいと思います。少し出ていると思いますけれども、必ずしも十分ではないんではないかと申しわけありませんが、ちょっと思います。
  それから、もう1点ですけれども、6ページに出ているようにGHSと現行基準との関係で、発がん性だけではなくて変異原性とか生殖毒性についても考えていくということが特に必要になっていると思いますので、REACHとかでもこの対応しているわけですが、こちらの方も特定第一種指定化学物質を考えるときに、広げていくということが考えられるのではないかと思いますけれども、これはぜひご議論いただきたい点でございます。
  以上です。

○佐藤座長 ありがとうございました、では、中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 先ほど上路委員からご意見があった農薬が中心なんですけれども、過去に排出量がなかったもの、特に排出がなかったものというこれを対象物質で届けていただくということになると、また、常にゼロを重ねてしまうことが十分考えられる。実際、農薬については届出はほとんどないというのが大部分ですね。ごく一部、少し出ているのはありますけれども、そうは言いながら、もう一つの方では推定排出量というのがものすごく多いわけです。これは届出対象外の農薬としてカウントするときの量、それをどういうふうに考えるかという話が1つあると思います。
  そういう意味では、届出量がないものをさらに対象物に残しておくのか。それの場合に届出量がなくても環境中に出ていくことが明らかにわかっている。その辺の推計はどうするのか。対象から外したら推計はもうやらないということになると、また、これは問題があるのかな。そこら辺が一つの問題として出てくるのかなというふうに思います。

○佐藤座長 なかなかそのリストアップも難しいだろうと思いますけれども、今、大塚委員の方から代替物質へ移ったときの調査とか、どのくらいできているかというお話があったので、ちょっと事務局の方から。

○森下化学物質審査室長 代替物質でございますけれども、これは次回の合同会合で代替についてご議論いただくということで、資料を調整して提出させていただきたいと思います。
  それから、ファクトの把握ということで、どういう物質に代替をしているのかということでございますが、なかなか表に出てくるデータではございませんけれども、できるだけ事務局としても努力をしながら情報収集に努めてまいりたいと思いますが、ちょっと長期的な時間が必要かもしれませんので、その点はご理解をいただきたいというふうに思っております。

○佐藤座長 それでは、今の代替に関してですか。では、ちょっと短目にお願いします。後で議論することでもあります。

○古賀委員 代替に関して、それから、あと先ほどのGHSと関連があるんですけれども、必ずその問題を議論するときに、現行の制度をやっぱり余りやたら国の法律でどんどん追加するというようなことは、慎重にしていただきたいんですよ。といいますのは、先ほど大塚さんの方からREACHという話が出ましたけれども、やっぱり国際整合を考えないリスク管理というのがだんだん通用しなくなっているんですよ、特に私ども産業界にとって。それを産業界で一緒になって今やっているところなんで、それを法律でというところは、ぜひとも慎重にやっていただきたいということです。

○佐藤座長 伺っておきます。では、織委員、どうぞ。すみませんでした。

○織委員 物質選定基準の考え方のところなんですけれども、従来の発がん性のところからGHS分類の考え方を入れていくという方向に、多分、私も国際的な動向からいって、そういう方向に行くのが妥当なんではないかというふうに考えております。ただ、一体、ほかの国がどういうふうに、そこの物質選定の考え方をやはりGHS対応でどうなっているかというのを、今、お話ししていただければもちろんそれでも結構ですし、次回でも結構なので、ちょっとその辺の国際的な整合性をあわせて考えて教えていただきたいと思います。

○森下化学物質審査室長 国際的な今動きがいろいろと出てきております。EUでもあるいはアメリカでもGHS対応ということで、取り組みが進んでいるところだというふうに理解しています。一方で、GHSを適用して、具体的に化学物質をどう分類していくかというところでは、まだまだ時間がかかるというふうな段階であるということも認識をいたしております。そういったことも含めまして、恐らくMSDSを議論していただくような際に、若干の情報をお出しをさせていただくということで対応させていただきたいと考えております。

○佐藤座長 それでは、亀屋先生、どうぞ。

○亀屋委員 現行の対象物質も物質選定のときに、国内外の信頼できる情報源から国際的な分類の仕方に準拠するような形でクラス分けがきちんとされて、それで選定されていると思うんですね。そういったのを一つのよりどころにして物質代替なんかも考えいただいているんではないかなと思います。
  そういったときに、当初参考にした国内外の情報といいますか、データそのものがかなり10年以上も前のものを使っているものもありますので、これがかなり充実されたりとか、アップデートされているものがございます。中身の収録の物質が追加されているものもありますし、削除されているものもございます。それから、数値自体の変更というのもございますので、やはり、その辺もあわせて見直しをしていただかないと、先ほど海外のというのがありましたけれども、GHSだとかリスク評価をこれからやっていくといったときにも、ちょっとそこで不整合が出てしまうと思いますので、そういったハザードのレベルがどう変わってきたかとか、対象となる物質がどう変わったかというも、あわせて見直しをしていただきたいというふうに思います。
  あと、もう1点なんですが、GHSの話が出てきたんですけれども、確かに分類、ここに出てきた項目のようなものは、どれもやっぱり国際的なものですので、合わせていくという考え方だと思うんですけれども、ただ、そこで今、国の方でGHSの各化学物質を区分したデータというのがNITEの方から公表されています。そこの区分の仕方とPRTRで言っているところのクラスというのは、これまた何か不整合があるんですね。PRTRの選定のときには情報源に優先度をつけたりしてリストアップしてきましたけれども、GHSの場合にはいろんな情報源の中から一番厳しいものを、とりあえずその情報に基づいて区分したというような経緯もございますので、その辺の違いというのもきちっと把握した上で、アップデートの作業を進めていただきたいというふうに考えております。
  以上です。

○佐藤座長 ありがとうございました。それでは、中地委員、どうぞ。

○中地委員 7ページの表の3-2を見ると、どちらかというと対象物質の使用量というふうな観点から、使用量の少ないものがふえていきますよというのが出ているわけなんですが、逆に、先ほどの亀屋先生の意見も一緒で、例えば5ページのばく露性のところで、第一種の指定化学物質で日本で年間100トン以上使っている物質、あるいは第二種の指定化学物質の選定基準の年間に1トン以上使っているような物質の中で、新しいデータを使って2ページから4ページまでに上がっている区分けをして、表の3-2にあるような対象物質というのは、どういう仕上がりを想定しているのかというふうなことをご質問にしたいのですが、いかがなもんでしょうか。

○佐藤座長 これは、では事務局の。

○斉藤化学物質リスク評価室長 それでは、私の方から今おっしゃったとおり、物質を見直しする際には今指定している物質の中から外すことだけを当然考えるんじゃなくて、今、指定されていないもので新しく追加すべきものも十分あり得ると思いますので、そういうものを含めた検討は当然いたすことが必要だと思っております。また、亀屋委員等もございましたとおり、ハザード情報といいますのはアップデートされますので、当然ながら過去のデータをそのままじゃなくて、もう一回再調査といいますか精査する必要はあろうと思っております。

○佐藤座長 ありがとうございました。それでは、城内委員からどうぞ。手短にお願いします。

○城内委員 手短に。PRTRに関しては自主的な管理を目的とするというお話が出ていましたけれども、自主的な管理というのはやっぱり何回も言いますけれども、取り扱っている人が危険有害性を知っているということが基本にあると思うんですが、この法律でも指定されている情報伝達というのはMSDSなわけですね。だけれども、MSDSというのは先ほどからお話がいっぱい出ているように、みんなが見ているものではないんですね。
  ですから、使う人がまず見るというのはラベルなはずなので、例えばMSDSを添付しましょうというところにラベルをつけましょうと言えば、それはかなり情報伝達としては進むと思うんですが、前回にも申し上げましたように、日本でラベルをもって危険有害性を伝えるというのは、99の労働安全衛生法で定められている物質だけなわけですね。そういったことからも、もうちょっと対象物質そのものの議論もそうですけれども、どうやって情報を伝えるか、つまり、簡単に言うとラベルをつけてはどうかというのが私の一つの提案です。
  それから、6ページにGHSの項目と現行対象物質の選定基準が対比されていて、一致していますよということがありますが、これは選定基準としては確かにそうなんですが、情報をどう伝えるかということに関していえば、GHSでいえば、ここに含まれているものでいいということではなくて、すべての化学物質が持っているハザード情報は全部伝えましょうということになりますので、GHSがまだ余り知られていない段階でこういう比較をすると、これでいいのかなって思われるのではないかという懸念が少しありました。
  以上です。

○森下化学物質審査室長 GHSにつきましては、今回は資料の分量が少し少な目に実はなっておりまして、MSDSをご議論いただく際に、きちんとした詳細な説明をさせていただきたい。それから議論もあわせていていただければというふうに考えております。

○佐藤座長 それでは御園生委員、どうぞ。

○御園生委員 ただ今の対象物質の追加・削除、あるいは既に議論であった取扱量とか保管量にも関係するのですが原則的一般的なことで私個人の意見を申し上げ、それから、私が属している機構の役割とも若干関連して確認させていただきたいと思います。
  1つは先ほど話題になりましたように、コストパフォーマンスを十分に考えていただきたいということです。コストについては既に議論があったんですけれども、パフォーマンスについては、一部の発言で目的は排出物質の削減と言われていたんですけれども、そうではなくて、目標は排出物質の削減によるリスクの削減だということを強く考えて議論していただきたいと思います。排出量の削減のみについて非常にテクニカルなものとか、あるいは法的な規制に非常に頼るようになっては、PRTRの本来の趣旨である自主的な取り組みというメリットが生かされなくなるんではないかと危惧します。それに伴って膨大な作業が関連機関を巻き込んで発生するのではないかということを心配します。
  それから、もう1点は自主的取り組みというときには、基本的には事業者側の取り組みなんでしょうけれども、この場合、事業者がリスクの評価をして、それに基づいてリスコミを行って、住民あるいは市民に納得してもらうというプロセスをもう少し強調された方がいいんじゃないか。さらにいえば自主的取り組みというのは、事業者側だけではなくて、事業者側の自主的取り組みをエンカレッジする、あるいはプロモートするような住民側のリスク評価をもっと考慮すべきではないかと思います。その評価をもって住民側が事業者に対して意見を言うということが非常に大事ではないか。そのために役立つPRTRを考えるべきではないかと考えます。
  したがいまして、繰り返しになるんですけれども、取扱量であれ保管量であれ、あるいはその対象物質の対象であれ、それらの物質の削減によってどれだけリスクが減るか、あるいはリスク削減の目標として重要なターゲットになるかということを確認しつつ決めていただきたい。そうしないと届出項目がやみくもにふえて、かつ一律の規制に頼るようになって、自主的な取り組みであるからこそできるリスク削減がしにくくなるんではないかと懸念しています。既にご意見があったことですが、改めて個人的にまた関連する組織の立場から、強調させていただきたいと思います。
  以上でございます。

○佐藤座長 ありがとうございました。いろいろご意見をいただいたと思いますけれども、やはり国際協調を考えた上でいろいろ考えていかなければいけないというご指摘とか、ただ単に使わないものを外していいのか、その危険性のご指摘もあったかと思いますし、それから、化学も産業もどんどん変わっていくわけで、それにどうついていったらいいのかとか、あるいはハザードの情報をどう伝えるのかとか、いろんな課題があったかと思います。そういうことを考えた上で、いろいろ総合的に判断していくだろうなとは思いますけれども、具体的な物質についての選定というのは後の話になるんだろうと思いますけれども、いろいろなご意見をいただいたと思います。
  これと絡んで、資料の10の方の対象業者の要件について、ここまではぜひ今回の議論でやらせていただきたいと思いますので、若干時間が12時を過ぎるかと思いますけれども、そこまでやらせていただきたいというふうに思います。
  それでは、資料の方の説明をお願いいたします。

○木村環境安全課長 それでは、資料の10をごらんいただきたいと思います。PRTR対象事業者の要件についてでございます。
  この検討事項といたしましては、PRTR届出対象事業者における対象業種、従業員の規模要件、そして取扱量などにつきまして、現行制度の妥当性でいいのかどうかといった点を検討することを考えるのかと思います。
  まず、法律の規定でございますけれども、現在の化管法におきましてはPRTR届出対象事業者の要件といたしまして、PRTR対象物質を製造・輸入したり、環境中への排出をしております事業者のうち、対象となる事業者の項の(1)のところにございますけれども、その項の[1]から[3]にかけて記載しておりますように、一定の対象業種、従業員規模要件、そして取扱量要件すべてに合致する事業者に届出の義務を課しているというところでございます。
  具体的にはPRTR対象業種の指定につきましては、2ページに記載されておりますけれども、平成12年の中央環境審議会におきましても、その基本的考え方を諮問させていただいておりまして、対象業種の特定につきましては第一種指定化学物質を環境中に排出すると見込まれる業種のうち、届出による効果と事業者の負担等を勘案した上で指定することや、定点における排出量の把握が困難な場合には、国が推定により排出量を把握することが適当であるということなどを踏まえまして、現在の届出対象業種を決めているところでございますけれども、新たな知見があれば、必要に応じて業種指定を見直すことが適当であるとされているところでございます。
  次に、3ページの対象業種、その中の表の2-1をごらんいただきたいと思います。
  この表は、平成17年度の事業別PRTR排出届出事業量及び推定排出量の合計を多い順に上から並べたものでございます。そして、網かけをしている業種につきましては、現行の化管法の対象業種とはなっていない業種でございます。この非対象業種で比較的排出量が多い業種に、上から建設業などが代表的なものでございますけれども、これらにつきましては事業所外の事業活動に伴う排出が多いものでございますけれども、今後、この種の業種について、どのように考えていくかということが課題の一つになるんではないかと考えております。
  それでは、次の5ページをごらんいただきたいと思います。1つ飛びまして5ページをよろしくお願いします。
  3の従業員規模要件及び取扱量要件についてでございますけれども、東京都の条例によります排出量報告データにつきまして解析をしたものでございますけれども、東京都では従業員規模要件につきましてはすそ切りなしとしているところでございまして、その結果、次の6ページからございますが、図の3-1を見ていただければと思いますけれども、これらの図を見る限り、事業所の従業員数と年間届出排出量の相関というものにつきましては、ほとんどないと考えられるのではないかと思います。
  しかしながら、次の7ページの表の3-2をごらんいただければと思いますけれども、従業員数21人未満の事業所の割合と排出量への寄与率についてでございますけれども、この寄与率につきましては従業員21人未満の寄与率が19%程度となっているところでございまして、負荷負担に対する効果を考慮いたしますと、現行基準でおおむね把握できるんではないかというふうに考えているところでございます。
  一方、その下の表の3-3と次のページの表の3-4をそれぞれ見ていただければと思いますけれども、まず業種別におきましては家具・装備品製造業など、また物質名の方ではスチレンなど、一部特定の業種や化学物質のみが従業員数21人未満の事業所において、寄与率が高いという状況になっているところでございますけれども、これらのことから各地方自治体の特徴を踏まえた自治体の条例などによって、上乗せなどによる自治体の特徴を踏まえた個別の対応というものも、さらに今後、より検討していくことが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
  それでは、次の9ページの表の3-6を見ていただければと思いますけれども、また、東京都におきましては、年間取扱量が100キログラム以上1トン未満の事業所の年間排出量全体の寄与率も見ておりますけれども、この寄与率におきましても7%という結果でございますので、現在の取扱量要件につきましても、特段、変更する必要性はないのではないかというふうに考えているところでございます。
  それから、飛びまして下の表の3-7のところでございますけれども、事業所・企業統計調査によりますPRTR対象23業種の全国の従業員規模別の事業所数を示したものでございますけれども、全国では約112万事業所がございまして、そのうち従業者規模別に見ますと19人以下が約100万事業所という形となってございまして、従業員21人未満の事業者は従業員数21人以上の事業者に比べまして、格段に大きいと推測されるところでございます。しかしながら、次の10ページの表の3-8をごらんいただければと思いますけれども、各国のPRTR制度における対象事業所数の数を比較しますと、我が国の届出事業者数がOECD諸国の中で最も多いという状況になっているところでございます。
  あと11ページ以降からは関連資料を添付させていただきましたので、後刻、ご参考までに見ていただければ幸いでございます。
  資料10の説明については以上でございます。

○佐藤座長 ありがとうございました。ただいまのご説明についてご質問、ご意見があれば伺いたいと思います。ここでは対象業種とか要件等を見直す必要があるのかどうか、もしあるとしたらどういう観点からかというような大きな立場からご意見をいただければというふうに思います。では、保坂委員、どうぞ。

○保坂委員 今回も東京都のデータを非常に活用していただいているので、ちょっと補足的な形でコメントさせていただきたいと思うんですけれども、表の3-5のところがございます、8ページ。この資料の出し方のことから想像しますと、1トン以上というのはそのままにしておいて、もしかすると従業員数の規模要件を撤廃する方向で検討されるのかなというような感じがありまして、その辺でちょっと注意しなければならないことをコメントさせていただきたいんですけれども、このトータルの750事業所のうち、3分の2の492事業所が燃料小売業でございます、つまり、ガソリンスタンドでございます。ランクがございますけれども、100トン以上のところは224とありますけれども、218が燃料小売業ですね。50から100トンのランクでは、157がそれでございます。10から50トンが106です。あと1から10トンのところで11ということで、このランクではそのほかの事業所が非常にいろんな業種であるというような事実がございます。
  燃料小売業は都の場合、ベーパーリターンはもう義務づけをしております。それ以外に自主的な努力で、さらに排出削減を図るということをどれだけの余地が残っているのか、ちょっと疑問に思う業種でございます。そういったことで規模要件を変える場合、やはり業種の見直しということも含めて、検討していただければというふうに思っております。

○佐藤座長 貴重なご意見をありがとうございました。では、大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 1点だけですけれども、3ページで表の2-1でございますが、建設業ですけれども、結構排出量が多いのですけれども、現在、外で建設業をなさるものですから対象になっていないわけですが、量が多いこととそれから大手の建設とかを考えると、多分、どのぐらい排出をしているかということを認識していただいた方が、そのまま削減等の関係で望ましいのではないかと思いますので、技術的にはかなり難しいと思いますけれども、実行可能性を考えながら対象に含めることをぜひご検討いただきたいと思います。
  以上でございます。

○佐藤座長 建設業等も含めた方がいいのではなかろうかと、そういうご意見だと思います。
  ほかには。中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 建設業の話の絡みなんですけれども、このPRTR制度だけではなくて化学物質と言えるかどうかわかりませんけれども、やはり大気に出ているものに対しては、大気の方でも有害大気汚染物質の取り組みをしていると。大気の方で自主管理をしていただいて、削減量を減らすということを言っていたわけですが、そのものについてはもうある程度減ってきた。このあとはPRTRの方でお任せしようということで、一応、大気の方で自主管理の削減というものをもうやめましたということになっている。そういう意味でいけば、そこら辺の情報も少し踏まえて考えていく必要があるだろうと。
  大塚委員が今言われた建設業の話にしても、VOCの規制がもう一つございます。そちらの方の自主管理というもので対応できているんであれば、それである程度減ってくるであろう。それが十分できているかどうかということも含めて、ほかの制度でどう管理されているかというようなことを少し見ながら、決めていく必要があるんだろうというふうに思います。

○佐藤座長 ありがとうございました。それでは、辻委員、お願いします。

○辻委員 東京都のデータを見ても、100キロ以上が企業数約1.5倍ぐらいで7%ぐらいの排出量でございますね、ふえていないということで、我々としてもまた平成15年度に5トンから1トンに変更していますけれども、これも余り排出量に変化がないということを考えると、取扱量の1トン以上というのが非常にいい数字になっているんじゃないかなということで、特に変更する必要はないと考えています。また、従業員の規模については先ほどちょっと話がありましたように、ベストスリーというのがトルエン、キシレン、エチルベンゼン、このあたりでしょうけれども、先ほど言われましたガソリンスタンドとか塗料・印刷関係、このあたりの業種が多いんじゃないかなと。
  ということで、どういうふうにこれからそのあたりを先ほど言われたように、既に自主管理を含めてやられているということを考えたときに、この化管法の基本精神である自主的に管理するということから考えれば、そこは行政の指導なり対応ができる範囲で実施していくということでやっていかれるということで慎重に検討が必要かなと、こういうふうに思っています。
  以上です。

○佐藤座長 ありがとうございました。では、辰巳委員、どうぞ。

○辰巳委員 このPRTR法の目的の中には自主管理をすることによって、やはり自分たちで自分たちのリスクも削減していくという意味もあるかというふうに思っておりまして、対象物質とも関係するのかもしれないんですけれども、2番目の農業関係もすごく大きくて、自分たちが使っている例えば農薬等に関して、どこまで皆さんが知識を持って使っておられるかとか、そこら辺も非常に不安があるし、やっぱり土壌に残るということでもあって、土壌の持続可能、地球の持続可能性とかという視点からすると、やはり対象になる人は当然一生懸命管理しようというふうになるんでしょうけれども、対象でない人がどういうような思いを持っているというか、逆に外からの規制があって初めて、自分で気づくというようなことがあるかというふうに思いますもので、私はやっぱり2番目に大きい農業だとか漁業等に携わる方たちに意識を高めていただいて、自分たちの健康管理にもかかわるというふうな意味からも、何か対象であった方がむしろいいのかなというふうなイメージでいるんですけれども。

○佐藤座長 農業、漁業のようなものも、加えた方がいいというご意見だったと思います。

○高野委員代理 対象業種の件ですけれども、排出量の多い業種については対象業種に指定し、自ら排出量を算出して先ずは排出量のレベルを自覚してもらい、削減努力を促していくことが理想だと思います。算出が非常に困難な業種の場合でも、やはり削減努力していくような仕掛けや仕組みが必要だと思います。

○佐藤座長 ありがとうございます。対象業種についてもう少しご意見があれば。中杉先生。

○中杉委員 先ほどの辰巳委員のご意見に対してなんですけれども、農薬を使うという観点で、するとこれは農薬取締法の方で細かく規定していますから、それを対象業種に入れて、農家の方一人一人にどれだけ出したというのを報告していただくというのも実際無理だろうと思いますので、それは別の法律の中で管理されているというふうに私は解釈しています。

○佐藤座長 加藤先生、どうぞ。

○加藤委員 業種ではないんですけれども、きょうのお話の全体なんですけれども、PRTR法というのが排出量の把握あるいは移動量の把握をする法律ですけれども、やっぱりリスクを削減するということになると、どうしてもハザード情報が欲しくなるんですね。それで、法律ではハザード情報がMSDSの格好になっているわけですけれども、これから先、GHSのような何かラベルとかいうような形でハザードが簡単に分類できて、ハザード情報とかけ合わせたものが見えるような格好になると、やっぱり自主的削減というのもやりやすい。
  例えば、どくろマークのものはこれだけ減りましたとか、コミュニケーションにも役に立つのかなと思います。それから、少量でも、それが非常にハザードが大きければ、やっぱり小規模のところも心配で、それがよそのほかの法律でやられていればオーケーなんですけれども、そういう問題もありますので、やっぱり何かハザード情報を簡単にわかりやすい格好で、精密でなくてもカテゴリーでもいいから出していって、それと組み合わせることによって、それが非常に有効になるんじゃないかと、ずっとさっきから思っていましたのでちょっと発言しました。

○佐藤座長 対象物質の関連ということだと思います。それでは、中地委員、どうぞ。

○中地委員 先ほど大塚先生の方から、建設業も入れるべきじゃないかというふうな意見があったと思うんですけれども、私もそれに賛成です。
  それと、取扱量の云々の話もあるんですけれども、例えば医療業というのがありますけれども、キシレンとか酸化エチレンのようなかなり扱っている物質、対象になっている物質が1つ2つしかないんですけれども、きょうのこの資料の例えば25ページなんかに少し資料として入ってきていますけれども、大学病院の高等教育機関は対象業種なのに、大病院の医療業は入らないというのはちょっと問題ではないかな、企業の私的な努力というようなことを考えるんであれば、一定規模の対象物質を取り扱っているのは、業種に関係なく届出をするべきだみたいな網かけをして、例えば大きな建設現場のような建設業や、あるいは医療業の大病院みたいなところを引っかけていくというようなことも、検討してはいかがかなというふうには思います。

○佐藤座長 ありがとうございました。では、新美委員。

○新美委員 今の中地委員の意見に共通するんですが、対象業種についてあらかじめ決めるというのではなくて、自主的取り組みを前提にするならば、一定の物質を一定量排出しているならば、すべて対象にしていいのではないかという気がいたします。中杉委員のおっしゃったように、他の法制度で捕捉されているものについては、わざわざ取り込む必要はないという点については賛成です。ただ、その前提として他の法制度の中でどれだけ捕捉されているのかということはきちんと精査した上で、そういう議論ができるだろうと思います。
  それから、もう一つは従業員数ですけれども、従業員数の定義がどうなっているかによって随分違ってくると思います。アウトソーシングした場合には、従業員数に入れないということになると、事実上、従業員数による縛りというのは意味がないことになりますので、東京都のように外してしまうというもの一つの案だろうと思います。そのかわり業種なり、物質の排出量というようなことで捕捉していくと、そういう見直しをした方がいいんじゃないかと私は思います。

○佐藤座長 ありがとうございました。いろいろご意見を伺いました。

○有田委員 同じようなことですけれども、よろしいですか。

○佐藤座長 はい。

○有田委員 私も、従業員数の非常勤雇用形態というのがふえてきたりしているので、そこが抜け道になっているのではないかと思っていて、従業員数については外してもいいかなというふうに思っておりました。それと、中地さんと同じようにある一定の規模の病院というんですか、ベッド数か何を基準にするかは検討課題ですけれども、病院も検討するべきではないかと思います。

○佐藤座長 ありがとうございます。

○関澤委員代理 人数の規模を拡大するのは、すごくコストがかかる世界に入ってきますから、やっぱりそこはあるべき判断をしなければいけないと思います。先ほどありましたように企業数が圧倒的に違って、また、自治体ごとによって、できる自治体、できない自治体というか、指導の面でもありますから、やはり私は現行の制度を維持して、残りは推計制度でカバーしていくということだと思うんですね。
  先ほどの20人以下だと前回の資料でいきますと、大体10%ですね、排出量の占めている割合が。要するに事業者で規制で届出を義務づけられているところが大体4割、20人以下のところが10%、それから家庭が10%、それから非対象業種、先ほど建築とかありましたけれども、そこが20%、残りが移動で20%。こういう数値の割合なんですね。だから、公平感から考えると、本当にその10%のところを精度を上げていくのかという議論は、やっぱりちょっと慎重に考えるべきだと思います。

○佐藤座長 ありがとうございました。時間が大分過ぎておりますので、この辺でご議論を終了させていただきたいと思うのですけれども、今の規模要件についていえば、従業員数についてはいろいろ慎重にというか、いろんな条件があるので難しい話になるかと思いますけれども、一応1トンというところはいいではないかというご意見もあったかと思います。ただ、対象業種については本当にいろいろ慎重に考えなければいけないというご意見が大きかったんでは、ふやすべきだというところでは、恐らく一致しているんでしょうけれども、ただ、どうやってふやしていく、どういう考え方でふやしていくのか、あるいはご指摘がありましたように、他の制度でやっているところをまた取り込むのかというようなご意見もあろうかと思います。対象業種についてはかなり慎重な議論が必要であるというふうに伺っておりました。
  12時を10分以上過ぎましたので、あと1つ議題がありますけれども、これは次回というふうに繰り越しというふうにさせていただきたいと思います。私の進行の不手際でなかなかおっしゃりたい意見もおっしゃられなかったということもあろうかと思いますけれども、それは事務局の方へまたお伝えいただければというふうに考えております。今日はそういうわけで、若干議事のとおりにはいかなかったですけれども、これで一応、今日の議論は閉じさせていただきたいと思います。どうもご協力ありがとうございました。あと事務局の方へマイクをお渡しします。

○森下化学物質審査室長 ありがとうございました。
  次回の合同会合についてお知らせいたします。5月11日金曜日10時から経済産業省本館の17階、第1共用会議室にて開催をさせていただきたいと思います。次回以降の開催日については再度また調整をさせていただきたいというふうに考えております。
  本日の議事録につきましては前回同様、原案を作成いたしまして、各委員にご確認をいただいて、次回会合でご了承を得た後にホームページで掲載をする予定ですので、よろしくお願いを申し上げます。
  また、先ほど小委員長からご説明がございましたけれども、本日の審議に関しまして追加意見等、コメント等をお持ちということでございましたら、ぜひ恐縮ですが、時間が余りないんですが、4月23日月曜日までに事務局までご提出をいただければというふうに考えております。
  事務局からは以上でございます。

○佐藤座長 それでは、そういうわけですので、きょうの会合はこれでおしまいにしたいと思います。
  どうもありがとうございました。

午後0時15分 閉会

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