中央環境審議会 環境保健部会 化学物質環境対策小委員会(第2回)、  産業構造審議会 化学・バイオ部会 化学物質政策基本問題小委員会  化学物質管理制度検討ワーキンググループ(第1回) 合同会合(第1回) 議事録

日時

平成19年2月9日(金)10:00~12:00

場所

環境省第1会議室

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    1. (1)化学物質排出把握管理促進法の見直しについて
      • ・法施行の状況とその評価
      • ・検討課題の整理
    2. (2)その他
  3. 閉会

配布資料

資料1 中央環境審議会環境保健部会化学物質環境対策小委員会委員名簿
資料2 産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質政策基本問題小委員会化学物質管理制度検討ワーキンググループ委員名簿
資料3 産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質政策基本問題小委員会化学物質管理制度検討ワーキンググループの設置について
資料4 合同会合の検討課題及び検討スケジュール(案)
資料5 第1回中央環境審議会環境保健部会化学物質環境対策小委員会議事録(案)(委員限り)
資料6 「今後の化学物質環境対策の在り方について」(諮問)に係る論点~中央環境審議会環境保健部会化学物質環境対策小委員会における意見の整理~
資料7 産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質政策基本問題小委員会中間とりまとめ
資料8 化学物質排出把握管理促進法の概要及び運用状況について
資料9 化学物質排出把握管理促進法の状況及び今後の課題について(化学物質排出把握管理促進法に関する懇談会報告書)
資料10 海外におけるPRTR制度の概要
参考資料1 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 関係法令集(委員限り)
参考資料2 PRTRデータを読み解くための市民ガイドブック~平成16年度集計結果から~

議事

午前10時00分 開会

○青木環境安全課長 時間が参ってございます。若干遅れている方もおられますけれども、開始させていただきたいと思います。
 私は、環境省環境安全課長の青木でございます。よろしくお願い申し上げます。
 本日は、中央環境審議会環境保健部会化学物質環境対策小委員会と産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質政策基本問題小委員会化学物質管理制度検討ワーキンググループの合同会合として開催させていただくものでございます。
 合同の審議に先立ちまして、本日は産構審のワーキンググループとしましては第1回目の会合となることから、経済産業省製造産業局の照井次長よりご挨拶を申し上げまして、次に、ワーキンググループの設置の趣旨につきまして、経産省の事務局の方からご説明させていただきます。

○照井製造産業局次長 ただいまご紹介にあずかりました経済産業省製造産業局次長の照井でございます。
 本日は、中環審の化学物質環境対策小委員会、産構審の化学物質管理制度検討ワーキンググループ、ちょっと長い名前でございますけれども、第1回の合同会合ということでお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 日ごろから化学物質管理につきまして、それぞれのお立場で皆様方のご貢献を賜っておりますことに対しまして、厚く御礼申し上げたいと思います。
 のっけから個人的な話をさせていただきますけれども、今回のこの合同会合の目的は、平成11年に成立いたしました化学物質排出把握管理促進法、いわゆる化管法の施行後7年のレビューということでございますけれども、平成11年にこの法律が成立いたしましたとき、どのような形で物質を選定し、さらに排出量等を把握していくかということで、当時、担当課長としてまさに、カウンターパートの環境省はそのとき上田課長、今は部長でございますが、一緒にこの制度の具体的な形を作成したということで、それからもう8年がたったのだと非常に感慨深いものがございます。
 その後、PRTRの制度、MSDSの制度が施行されまして7年を経過したわけでございます。さらに、平成15年には化学物質審査規制法の改正がございました。さらに、国際的にはGHSあるいはヨーロッパにおけるさまざまな化学物質の管理規制法等の導入等がなされてきているわけでございます。
 このような中で、経済産業省といたしましては、昨年5月に産構審の中に化学物質政策基本問題小委員会を設置いたしまして、今後の化学物質政策のあるべき姿について議論をしていただきまして、昨年12月に中間取りまとめを行ったところでございます。中西先生にそのときの座長をお願いしておりました。
 今回につきましては、化学物質排出把握管理促進法の見直しをまず最初に議論いたしますけれども、その後、化学物質審査規制法等についても具体的な制度の見直し等、ご議論いただくことになっております。委員の皆様方にはぜひとも奇譚のないご意見を賜りまして、よりよい制度の構築のためにご支援をいただければ幸いと存じます。
 よろしくお願いいたします。

○斉藤化学物質リスク評価室長 産業構造審議会の本ワーキンググループの設置につきまして、第1回ですので、簡単にご説明させていただきます。
 委員名簿をめくっていただきまして、資料3をごらんください。
 この資料は、昨年12月に開催されました第9回化学物質政策基本問題小委員会の場において配布された資料でございます。この場におきましてワーキンググループの設置が諮られまして、ご了解をいただいております。背景等につきましては、今、あいさつにもありましたし、この後も説明がありますので省略させていただきますが、2.にございますPRTR、MSDS、自主管理等に関する課題について、このワーキンググループで審議していただくこととなっております。
 検討スケジュールは、後ほど説明があるとおり、夏ごろを目途としております。中環審との合同審議で進めていくこととなっております。
 また、産構審の規程によりまして、中西委員を本ワーキンググループの座長に指名しております。
 以上、このワーキンググループの設置についてのご説明とさせていただきます。
 引き続きまして、中西座長から一言ご挨拶をお願いいたします。

○中西座長 おはようございます。
 先ほど照井次長もおっしゃいましたが、私も昨日、ここに参加するということで、PRTRと自分はどんな関係があったかなと年表をつくってみました。平成11年6月10日に第145回の参議院の国土環境委員会で参考人として意見を述べさせていただいたことを思い出しまして、PRTRの制度がここまでよく育ってきたなと、つくづく感慨深く思いました。このPRTRの制度及びその他のことを今後さらに大きく成長させるために、この委員会で力を尽くすことができれば非常に嬉しく思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○青木環境安全課長 ありがとうございました。
 続きまして、環境省、上田環境保健部長よりご挨拶を申し上げます。

○上田環境保健部長 環境省の環境保健部長の上田でございます。
 皆様方には、本日はご多用のところ朝早くからご参集いただきまして、まことにありがとうございます。
 先ほど経済産業省の照井次長からもお話ございましたが、環境省側のこれまでの経緯について若干ご紹介させていただきますと、中央環境審議会の環境保健部会化学物質環境対策小委員会として、昨年12月26日に第1回の会合が開催されているわけでございますが、その会合におきまして、今後、当面は化学物質排出把握管理促進法の見直しについて集中的にご審議いただくことになったところでございます。
 今回、環境省側としては、小委員会として第2回目になるわけでございますけれども、本日の小委員会からは、産業構造審議会化学物質管理制度検討ワーキンググループと合同で開催するということで、非常に手狭な所で委員の先生方にも窮屈な思いをさせておりますけれども、この化学物質政策に関係する経済産業省と私ども環境省、この両省の審議会において合同で議論していただけるということは、非常に意義のあることだと考えております。
 本日はその第1回の合同会合としまして、まずは化学物質排出把握管理促進法の施行状況とその評価、検討課題の整理についてご審議いただけるものと考えております。
 今日は傍聴の方も多数お見えでして、この問題についての関心も非常に高いと思っておりますので、何とぞ実りのあるご審議をいただきますようお願いいたしまして、日ごろの御礼にかえさせていただきたいと思います。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

○青木環境安全課長 それでは、これから合同会合の審議に入っていきたいと思います。
 本会合は、2つの委員会またワーキンググループの合同開催となってございます。事務局及び議事進行につきましては持ち回りとさせていただきたいと思っておりまして、本日は環境省が事務局、中環審の化学物質環境対策小委員会が議事進行をさせていただくことになってございます。
 それでは、これからの議事進行につきましては、小委員会の佐藤委員長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

○佐藤委員長 おはようございます。東北大学医学系研究科の佐藤でございます。
 ただいまご紹介がありましたように、中環審側の化学物質環境対策小委員会の委員長を任ぜられておりますので、今日の議事進行をさせていただきたいと思います。
 隣にいらっしゃる中西先生と、これから議事進行していくんだろうと思いますけれども、できるだけ皆様方のご意見を活発に出していただけるように進めていきたいと思います。
 環境省側の委員会は、第1回目をフリートーキングのような形でやらせていただきましたけれども、今日はますます委員の先生方が増えて、先ほど部長のご挨拶にもありましたようにちょっと狭い感じはするんですけれども、その分、熱心なご議論をいただければと思います。
 それでは、事務局から出席者の状況報告及び資料の確認をお願いいたします。

○青木環境安全課長 出席委員及び事務局側の出席者の紹介につきましては、できるだけ審議時間を長くとるために省略させていただきたいと思います。
 なお、お手元に1枚紙で座席表を用意させていただいておりますので、そちらをごらんいただきたいと考えております。
 また、小委員会、ワーキンググループとも定足数は満たしておりますので、ご報告させていただきます。
 続いて、資料の確認でございます。
 資料集の一番上、議事次第の下の部分に配布資料一覧がございますので、こちらで見比べながらごらんいただければと思います。
 資料1、2は、それぞれの委員名簿でございます。資料3は、ワーキンググループの設置についてということで、先ほどご紹介があったものでございます。資料4は、検討課題と検討スケジュール、資料5は、前回、12月に行いました中環審の小委員会の議事録でございます。資料6は、前回の小委員会の意見を整理したものでございます。資料7は産構審の小委員会の中間取りまとめ、資料8は化管法の概要と運用状況について、資料9は、昨年、環境省の方で実施いたしました化管法の懇談会の報告書でございまして、報告書の上に1枚紙でまとめの紙をつけてございます。資料10は、海外におけるPRTR制度の概要でございます。そのほか参考資料1、2とつけてございます。
 なお、資料5と参考資料1につきましては、委員限りの配布とさせていただいてございます。
 また、資料5の議事録につきましては、前回出席された委員の方々には事前にお送りして所要の修正を行っていただいているところでございますけれども、なお修正点がございましたら、1週間後の2月16日までにご確認をお願いいたしまして、そのご確認が終わりました段階で環境省のホームページに掲載させていただきたいと考えております。

○佐藤委員長 それでは、早速議題に入りたいと思います。
 本日の議事(1)化学物質排出把握管理促進法の見直しについてです。
 これは資料がたくさんございますけれども、続けて事務局の方から説明をお願いします。

○神谷環境安全課課長補佐 まず、資料4「合同会合の検討課題及び検討スケジュール(案)」のご説明をさせていただきます。
 本合同会合の検討内容としましては、化管法に関しまして、法律施行後7年を経過した場合の法律の施行状況についての検討、それから、その結果に基づいた必要な措置という規定がございます。この「施行後7年」が平成19年3月に当たりますが、これに応じた検討と措置に関する審議を行っていただくということでございます。
 今後の進め方でございますけれども、法律の構成要素、大きく3つございまして、PRTR制度、MSDS制度、事業者による自主的な管理の改善等の要素ごとに、逐次施行状況の評価、それから課題の整理、措置の検討を行っていただきたいと思っておりまして、平成19年の夏ごろを目途に合同会合の中間まとめを行う予定でございます。
 審議に当たりましては、事務局や各委員を通じた意見の集約、あるいは中間とりまとめのパブリック・コメント等を通じて幅広い関係者の意見を聴取して、議論に反映いただきたいと思っております。
 各回の検討事項は、以下に列挙させていただいております。
 この合同会合の中間とりまとめ以降の進め方については、今後の審議を踏まえて決定することとしております。
 1回目は、法律の見直しに関してということで、全般的な状況のご説明を中心にしたいと思っております。
 2回目は来月に予定しておりますけれども、平成17年度PRTRデータの概要について、それから、まずPRTR制度の課題と今後の方向性についてということで、データの活用、提供方法、地方公共団体の役割についてご議論いただきたいと思います。
 3回目の会合におきましては、引き続きPRTR制度についてということで、届出事項、それから未届出事業者への指導対策、さらに対象物質と事業者の要件、それから排出量の把握あるいは排出量の推計についての検討を行っていただく予定です。
 4回目の合同会合においては、化学物質の自主管理のあり方に関する今後の課題と方向性ということで、自主管理のあり方について、事業者によるリスクの把握、より安全な物質への代替、あるいは自主管理に関する地方公共団体の役割について、それからリスクコミュニケーション、人材育成に関することとしております。
 5回目の会合におきましては、MSDS制度の課題と今後の方向性についてということで、情報伝達、国際調和の推進を予定しておりまして、以上を踏まえて中間とりまとめの骨子案の審議に入っていただきます。
 そして、6回目で中間とりまとめを行っていただき、必要に応じて7回目を開催するということで考えております。
 本日一番ご審議いただきたい資料でございますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、資料6でございます。
 これは中環審への諮問が昨年11月に行われておりまして、座長からもございましたように、第1回目の審議が昨年12月に行われております。そこでの意見の整理を行ったものでございます。
 昨年4月に決定された第3次環境基本計画の中で、化学物質の環境リスクの低減に向けた今後の取り組みの方針が定められておりまして、重点的な取り組み事項として化学的な環境リスク評価の推進、効果的・効率的なリスク管理の推進、リスクコミュニケーションの推進、国際的な協力のもとでの国際的責務の履行と積極的対応といった政策の柱が立っております。これをさらに展開するためにどういった取り組みが必要か、その具体論についての自由な議論を行っていただいた結果でございます。
 これ以下におきまして、環境基本計画の項目に対応してどのようなご議論があったかを、まず最初に全体に共通する事項としてまとめております。ご指摘があった事項としましては、3ページ以降に○を掲げて列挙させていただいております。
 4ページからは重点的取り組み事項ということで、今、申し上げました環境基本計画の4つの政策の柱に関する事項を中心に、それぞれに対応したご意見を、○を付けて列挙させていただいています。

○斉藤化学物質リスク評価室長 資料7について、ご説明させていただきます。
 こちらは、昨年5月から12月にかけて産業構造審議会の化学物質政策基本問題小委員会でご議論いただいた結果をまとめたものでございます。
 この小委員会におきましては、化管法に限らず化学物質管理政策全般に関する基本的な方向について検討していただきました。今後の化管法の検討にも資すると思いますので、簡単にご説明させていただきます。
 1.を飛ばしまして、2.背景でございます。
 化学物質管理政策全体を見ますと、やはりハザードに基づく評価からリスクに基づく管理という方向に移っているのではないか。それに伴いまして、生産段階だけではなく使用段階、すなわちサプライチェーンの川下も含めた全体のばく露も含めた検討が必要だろうという背景がございます。
 また、ナノ粒子等新しい物質も出てきておりますし、国際的にもGHSやREACH等、新しい動きが見られます。このような中で、大きな転換期を迎えているのではないかという背景がございます。
 3.検討における共通の視点です。
 当然ながら一番大事なのは安全・安心の担保でございますが、それとともに、産業の成長等、必要以上にとめることはできないということで、そのイノベーションとどうバランスをとっていくか。あるいは国際対応、基盤整備、リスクコミュニケーションといったことが共通の視点となっております。
 4.今後の方向性は、全体論としてまとめられたものでございます。
 2020年に、長期的な課題で世界的な安全・安心を確保していこうという目標が定められております。それを最終的な目標とはいたしますが、ここ数年、化管法、化審法の見直しも含めた当面の課題もクリアしていく必要があるということでございます。
 また、その中においては、今、申しましたハザードベースだけではなくリスクベースの管理の一層の推進、規制と自主管理をどうミックスさせていくか、上市後の管理のあり方、また、ハザードということではその安全性情報をさらに充実していく必要があるだろう、それをどのように充実させていくかとか、あるいは国際的な調和の戦略的な実施等、掲げられております。
 個別具体的なもう少し詳しい論点は、2枚目をごらんください。
 まず、安全性情報の収集・把握につきましては、今後、質的にも量的にも拡大していくことが必要だろう。その際には、やはり国際的なスタンダードというものを意識して、それに合致させていくことが重要である。ただ、安全性情報につきましては、取得に非常に費用がかかることもございますので、そうした点を踏まえた、上市量に応じた段階的な収集等、そういうスキームを考える必要があろうということが記載されてございます。
 (3)データベースでございます。
 収集された安全性情報というものは、当然ながら極めて公共性が高いものでございますから、広く公表していく、データベースを構築していく、これはやはり国が中心になってやっていく必要があろうということでございます。
 ただ、その際、ここに図がございますとおり、その安全性データは取得に非常に費用がかかるという点もございますので、一番基本となる一次データ等につきましては、やはり一定程度、そのデータをとった方の財産権にも配慮していく必要があろう。ただし、安全性に関する重要なデータ等、それをまとめたものにつきましては、積極的に公表していく必要があろうという位置づけでまとめられております。
 (4)安全性情報の伝達につきましては、サプライチェーン全体に広がっていくということになりますと、当然ながら川上から川中、川下へと情報伝達していくことが非常に重要になってきます。ただ、その際、適切な安全管理を目的とする、まさに化管法でも定めておりますMSDSに係る部分と、RoHS規制等からつながってまいります製品に含まれる含有量を把握していくという部分と情報には大きく2通りありまして、それを分け考えていくことが重要だろうと整理させていただいております。
 また、その際にはGHSとの整合、あるいはGHSを検討する際には、化管法も含めて、物質をポジティブにリストアップしていく方式が果たしてよいのかどうかも含めた考え方の整理も必要ということが記載されてございます。
 その他GHSの導入につきましては、まだ国際的にも緒についたばかりですので、ある程度のタイムスケジュールを持ちながら純物質から混合物、あるいは最終的には消費者製品へのラベリング等も含めた検討をしていく必要があろうということでまとめられております。
 3枚目でございます。情報伝達の続きといたしまして、川上、川中、川下における情報の共有が非常に重要であろうということで、リスク管理の手法等を川上から川下の方へ伝えていくといったことをどのように進めればいいのかといったことも検討されております。
 (5)リスク評価・リスク管理体制につきましては、そういうデータが出てまいりましたら当然ながらリスク評価をしていく必要があろうということで、特にその役割分担といたしまして、全国や地域レベルのリスク評価は、国、地方公共団体を含めた行政が行っていくべきである。ただ、個別事業所や製品等につきましては、やはり事業者にある程度リスク評価していただく必要があるのではないかというふうにまとめられております。
 その際、国におきましては、事業者等のリスク評価がうまく進むように支援していくことの重要性がまとめられております。
 (6)国際動向や国際協力への的確な対応におきましては、やはり貿易量が非常に多い東アジア地域を中心に、まだ多くの国ではきちっとした化学物質管理政策が運用されていないところもございますので、我が国がイニシアチブをとって、官だけでなく産も含めた、そういう対応が重要になっていくのではないかということがまとめられております。
 (7)リスクコミュニケーション及び人材育成については、リスクコミュニケーションの位置づけは、目的や思惑の違いによって成否が左右されることから、そういう点をきちっと整理して、目的をはっきりさせた上でリスコミを行うことが重要であろう。また、中・長期的には人材の育成が重要ということで、教育のあり方、あるいは毒性の専門家やリスク評価の専門家をいかに育成し、また、そういう方々の働く場や活躍するようなポストをどうつくっていくかといったところも含めた中・長期的な検討も必要であろうということで、全体的に取りまとめられております。
 中間とりまとめにつきましては、年末から1月末にかけてパブリック・コメントを行いまして、その結果が出揃っております。現状まだとりまとめ中でございまして、2枚めくっていただきますと1枚紙でパブリック・コメント「意見募集の状況について」という資料がございます。
 ここにございますとおり、意見の提出が21件、のべ意見数として196件いただいております。現在、いただいた意見の概要を整理しておりまして、ここに簡単に整理したものを書いてございますが、近々これらのご意見に対する考え方をまとめて経済産業省のホームページに掲載していきたいと思っております。
 続きまして、資料8をごらんください。
 今日は第1回目でございますので、この合同会合において検討していただきます化学物質排出把握管理促進法─化管法の概要について、ご説明させていただきたいと思います。
 目的といたしましては、PRTR制度─排出量等の把握に関する措置と情報の提供に関する措置─MSDS制度を講じることによって、事業者による自主管理の改善を促進して、環境の保全上の支障を未然に防止するという目的となっております。
 この大きな柱の1つといたしまして、PRTR制度がございます。概要といたしましては、有害なおそれのある化学物質を暴露の状況も踏まえて指定いたしまして、その化学物質につきまして、排出量及び廃棄物等に含まれて外に出ていく移動量を事業者に把握していただき、都道府県経由で事業所管大臣に提出していただくものでございます。
 国におきましてはそのデータを集計いたしまして、集計データを毎年公表させていただいております。また、請求がございました場合には、個別事業所のデータについても開示することとなっております。
 (2)対象化学物質でございますが、人や生態系への有害性ということで、特に環境中経由の毒性ということですので、主に慢性毒性物質を指定してございます。現在354物質が対象となっております。そのうち発がん性があると思われる12物質につきましては、特に厳し目ということで、「特定」という名前をつけて指定しております。
 これらの物質が1%、特定の場合は0.1%以上含まれる混合物につきましても、対象となります。ただし、ばく露する可能性がないもの、製品に練り込まれたようなものにつきましては対象外ということで、排出の届出は必要ございません。
 2ページ、(3)対象事業者でございますが、PRTRの届出をしていただきます対象の事業者といたしましては、まず、業種の指定がございます。23業種を指定しております。大きなものとしては、まず製造業がございますが、その他サービス業─これは細かく分かれていますので、それを幾つか指定しておりまして、現状23業種を指定してございます。その中で、常時使用する従業員が21人以上の事業者を対象としております。これは、非常に小規模な企業におかれましては、やはり費用対効果といいますか、ここまでやっていただくのはなかなか難しいということで、小規模事業者への配慮として行われてございます。
 また、そういう条件の中でさらにそういう物質を1トン以上使っている事業者、非常に量の少ない方は排出量も当然少なくなりますので、そういう個々の物質について1トン以上、あるいは特定一種につきましては0.5トン以上使用される事業者につきましては、排出量の届出、移動量の届出をしていただいております。
 3.といたしまして、大きな2つ目の柱でございますMSDS制度でございます。
 MSDS制度につきましては、対象物質のところを見ていただきますと、これはまさに情報を伝達する手段でございます。先ほど申しました354のPRTR対象物質とともに、有害性はほぼ同等であるが全国的にばく露量が小さいということでPRTR等の対象となっていない81物質につきましても対象となり、合計435物質が対象となっております。
 この物質につきましては、ほぼ同じ考え方で指定されております。
 3ページでございます。
 対象事業者につきましては、こちらは特段の要件はございませんで、そういう物質を取り扱う事業者は、すべてMSDSをつけて次の事業者に渡していただくということでございます。
 4.といたしまして、大きな柱の3番目でございます自主的な化学物質管理の促進ということで、事業者の責務が設けられてございます。要するに、自主管理をしていただくということでございます。
 (2)にございますとおり、国におきましては、その自主管理をしていただく規定となります指針を法律に基づいて定めております。これを告示で公表させていただいております。指針には、ここに書いてあるようなことを定めてございます。
 施行状況でございますが、平成11年に公布されて平成12年から施行されております。これまで4回のPRTRデータの集計結果を公表させていただいておりまして、4ページにございますように、平成16年度分まで公表させていただいております。
 平成17年度の分が多分、間もなく、今月下旬に公表の予定となっておりまして、次回のこの場におきまして、分析等も含めてもっと詳しくご説明させていただきたいと思います。
 6.その他でございますが、この法律の施行につきましては、平成15年度に総務省の行政評価管理で取り上げられた経緯がございまして、平成17年5月に勧告がなされております。
 勧告の内容といたしましては、特にPRTRについて未届出の事業者が見受けられるのではないかとか、あるいはMSDSの提供がちゃんと行われているのかとか、自主管理がどうなっているのかといった点が幾つか勧告の対象となっております。それにつきましては環境省、私ども、あるいは他の関係省庁ともきちっと対応いたしました結果を昨年2月に報告しております。
 具体的な報告内容あるいは実施内容につきましては、次回以降、それぞれのテーマのときにご説明させていただきたいと思います。
 5ページ以降はやや古いデータになりますが、平成16年度のPRTRデータについて簡単にご説明させていただきたいと思います。
 図1にございますとおり、全体で50万トンの排出・移動量がございます。排出と移動がほぼ半々でございまして、排出の場合は、やはり大気への排出が大層を占めております。
 次に、下の図はちょっと見づらくて恐縮でございますが、これは排出の届出がどういう位置を占めているかというところでございます。ちょっと見えづらく、黒く濃くなっているところが届出がなされている部分でございます。先ほど申しましたとおり、すべての業種ではなくて一部非対象の業種がございます。対象業種23業種から出されております、これは排出でございますが、27万トン。これは約43%と書いてございます。全体の排出量の43%を占めると私どもは見ております。事業所といたしましては、4万事業所程度からいただいております。
 その他のものといたしましては、これは全体像ということで、届出対象外が真ん中にございますが、これは先ほど言いました小規模企業とか、あるいは取扱量が小さいがために対象となっていないものにつきまして、約1割ぐらいあるのではないか。あるいは非対象業種、これは主に建設業あるいは農業なのですが、建設業の場合、なかなか現場が決まっていないこともありまして、非常に難しいということでございます。これにつきましては、塗料等の都道府県別の出荷量等から推計させていただいております。これが約17%。それから、家庭からの排出が約10%。それから、下にございますように自動車の排ガス等、移動体からの排出が約20%を占めると我々、見通してございます。
 6ページ、届出状況でございますが、これは下から平成13年度、14年度と来ておりまして、事業所数を見ていただきますと平成14年度から15年度にかけてやや増えてございますが、これは、それまで5トンだった取扱量が1トンに引き下げられました。施行後、数年間はちょっと緩目にやっていたのが1トンに引き下げられたということもございまして、事業所数が増えております。
 下はそれをグラフにしたものでございまして、折れ線グラフが届出事業所数で、平成15年度以降、増えております。届出総排出量につきましては色の濃い方の棒グラフでございますが、全体的にはやや減少方向が見えるかなと思っております。
 7ページでございます。
 それでは、どういうものが排出されているかということでございますが、ここにございますのが上位の10物質でございます。やはりトルエン、キシレンが非常に多くて、その他、金属系のもの、有機物質等々が上位を占めております。この10物質で85%を占めてしまうということで、やはりトルエン、キシレンといったものの量がかなり多いということでございます。
 図5は、業種別のものでございます。これは排出量と移動量をあわせたものでございますが、あわせますと化学工業が一番多く、次に輸送用機械器具製造業、鉄鋼業等々、製造業が続いていく形になってございます。
 8ページは、今、ご説明した化管法の概要を図に示したものでございますが、これはもうご説明いたしましたので、省略させていただきます。ご参考にしていただければと思います。

○神谷環境安全課課長補佐 続きまして、資料9「化学物質排出把握管理促進法に関する懇談会報告書について」でございます。
 これは、環境省が昨年、設置しました検討会の報告書でございます。
 この検討会は、本審議に先立って化管法の施行状況についての検討、それから、特に課題の抽出を目的として設置した会議でございまして、大塚委員に座長を務めていただいております。その検討会の報告が昨年9月にまとめられておりますので、その概要をご紹介させていただきます。
 まず、実施状況についてでございますけれども、事業者による自主的な排出抑制の取り組み等を通じて、届出排出量が4年間で14%減少している。また、環境政策における基礎データとして、あるいは事業者による自主的な化学物質管理の促進、国民の理解の促進等、データの多面的な利用が進展しつつあるというのが概況でございます。
 一方で課題が幾つかございまして、今後の対応についても議論されております。
 最初は、PRTR制度に関する課題でございまして、制度の実効性を確保して、自主管理を促進するという観点からの課題でございます。
 1つ目は、有害性データとか環境モニタリングデータなどと組み合わせたPRTRデータの一層の活用。
 2番目は、個別の事業者の届出データについて、現在は開示請求に基づいて開示ということでございますが、国による公表を含めたより容易に入手可能な制度の検討。
 3番目として、廃棄物の処理方法等の届出事項の拡充でございます。特に製造使用量及び貯蔵量等のいわゆる取扱量につきまして、届出事項とすべきという意見と、その効果等についてさらに議論すべきという意見の両方がございました。
 それから、対象事業者の要件の見直し。
 さらに、GHS等を踏まえた物質の見直し。
 排出・移動量の把握手法の改善等によるデータ精度の向上。
 それから、未届出事業者への指導強化等を含む地方公共団体の役割が論点になるということでございます。
 続きまして、MSDS制度に関する課題でございます。
 MSDSのGHSへの適合をさらに推進すること。
 MSDSに載っております化学物質の有害性情報の国民への伝達ということも課題として挙げられましたが、これに関しては化審法においても関連する制度がございますので、一体的な検討が必要であるとされております。
 3番目に、自主的な化学物質管理に関する課題でございます。
 化学物質管理計画について、国、自治体、地域住民等の支援のもとで事業者に実施していただくという点については、国や自治体への届出を義務づけるべきという意見と、それは自主性を損なうという意見と両論ございました。
 それから、より安全な物質への代替あるいは地域におけるリスク評価、事故・災害に伴う排出への対策等も含めた自主管理に関する指針を策定すべきという意見をいただいております。
 次に、資料10「海外におけるPRTR制度の概要」でございますが、PRTRの、特にOECD各国における導入状況等について簡単にまとめさせていただいております。
 PRTR制度は、1986年に米国で始まった有害化学物質排出目録─TRI制度として始まっております。その後、地球サミットでの議論などを経まして、1996年にOECDにおいて理事会から各国に関して3年後までのPRTR制度の導入の勧告がございまして、それを契機に各国・地域において一気に制度の導入が進んだということでございます。
 現在の状況でございますけれども、OECD事務局の調べによりますと、加盟30カ国のうち16カ国においてPRTR制度が実施されているということでございます。
 2ページ、米国におけるTRI制度の概要でございます。
 これに関しましては、世界で初めて導入されたPRTR制度でございますけれども、対象物質は666物質、対象事業者については業種あるいは人数等の要件が定められております。
 1つ特徴的なものとしてデータの活用状況がございますが、政府、民間を含めてかなり幅広い活用が行われております。
 具体的なものとしては3ページ以降にございますが、初めの33/50プログラムと全国環境パフォーマンス・トラックについては、米国環境保護庁と事業者との共同作業として、自主的取り組みによって1番目のものについては化学物質排出量の削減を図った事例、2番目のものについては、環境パフォーマンスに関する目標設定と、その結果の報告等への取り組みの事例でございます。
 3番目のスコアカードと4番目の北米環境協力委員会による活用につきましては、TRIのデータについて、化学物質の有害性情報と組み合わせた情報提供を行うこと、あるいは化学物質に関しての相対的な人への健康リスクを示す指標をつくり、そのデータのWeb上での公表と利用の促進などを行っている事例でございます。
 なお、最近の動向としまして、この制度の中で行われている簡易な報告様式の適用対象を増やすという規則の改正が話題になっているところでございます。
 5ページ以降は、EUの制度の概要でございます。
 EUにつきましては、2000年に欧州環境汚染物質排出登録制度決定がございまして、これに基づいてPRTRの制度が動き出しているところでございます。
 対象物質は50と少なくなっております。
 データの活用状況でございますけれども、米国に比べて特徴的なところは少ないんですけれども、個別のデータの開示について特徴がございます。それについては資料の6ページ、7ページをごらんいただきたいんですが、このように、地図上に個別の排出源のデータがございまして、各地点の個別データを地図から検索する形によって表示するシステムが整備、運用されております。
 5ページに戻っていただきまして、欧州PRTR制度への展開でございます。
 今あるPRTRにつきまして、新たに規則を定めてその制度を強化しております。対象物質を拡大したり、3年ごとの報告を毎年に変えるという内容の、欧州PRTR規則が2006年に採択されております。この新制度につきましては、2007年より毎年報告が始まることになっております。
 8ページ以降は、ただいま概略申し上げました日本、米国、EUの制度の比較表を載せてございますので、ご参考にしていただければと存じます。

○佐藤委員長 ただいま資料5を除く資料4から10まで、続けてご説明いただきました。
 多くの先生方は、それぞれの議論にご参加なさっているかと思うんですけれども、もしここの今の説明について直接かかわるご質問がありましたら受けたいと思います。いかがでしょうか。
 1つ私から伺ってもよろしいですか。
 資料10の5ページ、EUにおけるPRTR制度の概要の(3)ですが、この対象事業者の定義について、私にはこういう言い方だとよくわからないので、もうちょっと説明していただけますか。

○神谷環境安全課課長補佐 9ページに日・米・EUの対象業種の比較表がございますので、そちらを見ていただいた方がわかりやすいかもしれません。
 日本とアメリカは、各業種ごとの指定が行われております。EUについては、事業活動の内容をもって対象業者を規定しているということで、なかなか1対1の対応がつきにくいわけでございますけれども、部門として、表に掲げられておりますようなエネルギー、金属製造・加工、鉱業、化学工業・化学製造設備、廃棄物管理といった事業活動が対象となっているということでございます。

○佐藤委員長 ほかにご質問等ございませんでしょうか。
 それでは、これから60分程度になろうと思いますが、今の事務局の説明を踏まえて、化学物質排出把握管理促進法の見直しについて委員の皆様からご意見をお願いしたいと思います。
 今日は何か決めるとか、「こういう方向でまとめなければいけない」とは言われておりませんので、ご自由にご意見を述べていただいて結構だろうと思います。
 どなたからでもお願いいたします。

○中杉委員 資料4に今後の検討スケジュールが書かれていますけれども、ここで検討する中身は大体わかりました。でも、その深さはどのぐらいやるんだろうか。この回数から見ると、個別具体的な中身について、方法論の細かいところの議論はしない、問題点の抽出と、大枠の方向性を示す程度までだと解釈してよろしいでしょうか。
 多分、今後、議論していくときに、議論のレベルが違うと錯綜すると思うので、最初に確認しておきたいと思います。

○斉藤化学物質リスク評価室長 確かに、1回2時間程度の会合ですので、うんと細かいところまでご議論いただくと、残念ながら時間はないかもしれないと思っております。ただ、大きな方向性さえきちっと議論していただいて固めさせていただければ、その他につきましては関係者の方々とご相談しながら、よりよい方向で定めていけると思いますので、やはりある程度の大きな方向をぜひここで議論していただいて、方向性を定めていただきたいと思っております。

○佐藤委員長 今、資料4についてご確認が出ましたので、このスケジュールについて、何かご質問、ご意見があれば伺いたいと思います。

○中地委員 私ども有害化学物質削減ネットワーク─Tウォッチと言っておりますが─は、届出データを公表するような、検索のできるWebサイトを実施しておるんですけれども、PRTRの制度そのものがまだまだ一般の国民の方に理解されていない、あるいは周知されていない面があると思いますので、その辺、国民にどのように周知していくのかといったことも検討課題に入るのではないかと思っております。

○佐藤委員長 今の中地委員からのご意見は、国民に広く理解していただけるような方策についても、この課題の中に入れるべきであろうということだったと思いますけれども。

○森下化学物質審査室長 ご指摘いただいた点、非常に重要な点だと思っております。PRTRデータを今後どう活用していくかということの前提になるお話だろうとも思いますので、そういった観点で、例えば第2回で議論の議題として掲げられておりますけれども、そういったスコープも含めて議論していただければと考えます。

○佐藤委員長 活用策の中に一応入っているということのようですけれども、よろしいですか。
 そうしますと、実質的な議論は次回にしていただくということになろうかと思います。
 資料4のスケジュール案あるいは課題について、ほかに何かご意見ございますでしょうか。

○織委員 私も中地委員と同じように、PRTRの一番の問題は、やはり国民の方の理解がいま一つ足りないところだと思いますので、そういったところ。それから、この2回、3回を見ていくと、割と技術的といいますか、法律の中身にかなり入っていった議論になっているんですけれども、例えば私、個人的に思っているところは、住民の方は、化学物質の一般的な排出量データについてはまだまだ関心ありませんけれども、事故のデータですとか、事故が起きたときに自分たちがどう対応すればいいのかということについては非常に関心が高いので、事故時の対応につながるようなデータをPRTRデータの中に入れ込みながら、事故時の住民参加をどういうふうにしていくのかといったような使い方の方向性についても、今後、議論していく必要があるのではないかと考えております。
 あるいは、非常に大きな流れになってくるんですけれども、データを全体的に使うときに、非点源といったものを、どちらかというと、こちら議論の集約は点源データの方に偏っているようですけれども、非点源データをどうやって充実させて全体としてのリスク管理につなげていくか、そういった大きな議論をする場面はどこら辺になるのかというところをご検討いただければと思います。

○佐藤委員長 伺っておきます。

○古賀委員 冒頭のご説明の中に、たしかこういった制度の自主的なというところでアジアの話も出てきたと思います。私は電気、電子という業界を代表するような形で今、参加させていただいているんですけれども、やはり今のスケジュールを見まして、自主的な管理という範疇にとどまって議論すると、非常に狭くなってしまう。やはりこういった自主的な取り組みの制度を国際的にどうやってハーモナイズしていったらいいかという議論の中から、我が国の、いわゆる法律ですね、本件にかかわる制度、こういったことをぜひとも管理していただきたい。
 特に、私、産構審の方にも参加させていただいておりますが、いわゆるアジアの取り扱いというのは、やはり全体に通ずる話であるということで、具体的には中国……、そういったアジア地域ですかね、そういったところで、実際問題どうやってPRTRを今後、国際的な流通の中で正しい方向というか、そういった意味で、事業者がしっかりできるというふうなことをぜひとも議論していただきたい。
 ですから、4回目会合ですか、その中に、国際的な観点をぜひとも折り込んでいただきたいと思います。

○佐藤委員 化管法の現在の施行状況についての評価ですけれども、私としては、この法律ができることによって企業行動がどのくらい変わったのか、それから、自治体がこの情報を得ることによってどのぐらい変わったのかを本当は知りたいと思っております。
 感覚としましては、PRTRデータはかなり各社の環境報告書、CSR報告書に出ておりまして、それにどういうふうに取り組んで、どういうふうに削減してきたということはある程度わかるんですけれども、MSDSの方は、企業がこの制度をどのように活用しているのか、活用しやすいと思っているのか、それがどういう効果につながっているのかということが非常に見えにくいと思っております。私の感覚では、余り活用されていないというんですかね、そのような印象を受けております。
 それから、自治体についても、非点源データ等を集計する上で、これを次の行動にどのように結びつけているのか、または結びつけることができるような制度なのかということ自体もこの中では検討項目に入っておりませんので、そういう点も考えた上で、つまり、今の制度が使いやすいのか、有効に機能しているのか、どこを直せばもっと有効になるのか、最初に実際に使われている方々から意見を出していただいて、検討した方がいいのではないかと思っております。

○辰巳委員 辰巳と申します。よろしくお願いします。
 私も、恐らく市民の立場ということでここに入らせていただいておりますもので、今まで既に出てきております市民との連携というか、情報交流が必要だということでお話ししたいと思うんですけれども、先ほど佐藤委員からあった環境報告書の方にはかなり出てきているというお話、私自身はその逆を思っておりますので、ちょっとご意見申し上げようと思います。
 最近の環境報告書は、かなりの企業が「環境」という名前をとってしまって「CSR報告書」という形になりまして、環境報告書の内容が、私が見る限りでは、環境の部分が物すごく減ってきております。そして「詳しいことはホームページへ」という話に大抵つながっているので、ホームページに行けばデータがあるんだとは思いますけれども、今度はそのホームページの検索の仕方がとても難しいとか、欲しい情報になかなかうまくぶつからないということがあります。
 だから今、私もきちんと追いかけてはいないんですけれども、環境省の方で環境報告書のガイドラインの見直しなどもなされていると思いますので、そういう他のところで行われている話し合いとうまく交流できるといいなと思っておりまして、そこにきちんとこういう情報も反映してもらえるような、こちらで思っていることを反映してもらえるような交流をしていただければいいな、あるいはそこでの進行状況をこちらの話し合いのときにちょっと教えてくださるようなことがあるといいなと思っておりました。
 もう一つは、今回も「商品のライフサイクル全体を考えて」というお話がありましたけれども、最近も新聞ですごく話題になっております、例えば電気工業品もそうですけれども、川下で海外に対してどんな悪いことをしているかといったことが非常に気になっております。これもやはり家電リサイクル法とかいろいろ法律との関係がありまして、廃掃業者等も絡んでくるかと思うんですね。川上できちんと押さえてしまえば下までわかるのか、私はよくわかっていないんですけれども、商品の中に含まれている化学物質に関しての情報がきちんと現地に伝わる、そのようなことがうまくわかるといいなと思っております。それはとりもなおさず使って廃棄する私たちに対しての安全・安心につながるような気がしますし、やはり生活者としては、自分が使ったものがどこかで悪いことをしているのがわかるのは嫌なものでございますので、そのようなことを考えております。

○中杉委員 意見ではなくて、お願いしておきたいんですが、今、いろいろな委員の方のご意見を伺っていると、化管法の中で管理できるものと、それ以外の法律の中でやらなければいけない部分と、いろいろな議論が出てくると思うんですね。
 環境省の前回の委員会のときも私、化学物質全体の管理の体系を考えてから議論しなければいけないのではないかと申し上げたんですが、とてもそんな時間はないだろうと思います。そういう意味では、化管法の議論に終始せざるを得ないんだろうと思いますが、それでも、それぞれ化管法の問題を議論する─先ほど織委員が言われた事故時の問題とか、後で問題になるMSDSの、どこまで情報を流すのかといった問題も含めて、では、他の法律でどこがカバーできているのか、関連する部分について事務局の方できっちり情報を提供していただくことが必要ではないか。そうしないと、余計なところに議論が進んでしまうおそれがあると思いますので、そこのところを次回以降、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

○佐藤委員長 それは事務局に私からもお願いしたいと思います。どういう議論になるかわかりませんけれども、幅広に準備しておいていただければと思います。

○辻委員 私は電機工業会を代表して来ていますけれども、最近、製造拠点がグローバル的に海外にどんどん進出している。先ほど古賀委員からもお話がありましたけれども、やはりPRTR、国内で一応集計したとしても、その有害物質が移転とともにそのままそっくり海外へ移っていくということで、やはりトータル的に見ていかないと、そういう状況の把握に漏れが出てくるのではないか。
 それから、今、1トン以上、12物質については500キロ以上と指定されていますけれども、もっと少ないところで、かなり多くの企業がいろいろ出しているというところもありますし、そのあたりの仕切りをどういうふうに判断していくか。それは細かい内容で、当然審議される内容になっていると思いますけれども、そこもひとつよろしくお願いしたいと思います。

○新美委員 私の意見は、多分、第4回で取り上げられることになるだろうと思いますが、その前提として、「自主的管理」という言葉の理解がそれぞれのステークホルダーで異なって錯綜するということが、これまでたびたびありましたので、その辺をきちんと整理しながら、ぜひ議論を進めていっていただきたいと思います。
 極端には、レッセフェールのように自由放任が自主管理ということもあれば、学問の自由を尊ぶ大学も今では評価機構による第三者評価ということで、自主管理といえども第三者の評価に堪えなければいけないということがありますので、「自主管理」と言うときには、どこまでレッセフェールなのか、どこまで第三者の目にさらすのか、あるいはどこまで第三者の介入を認めるのか、そういった点を整理しながら議論を進めていっていただきたいと思います。

○高野委員 自工会として意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず初めにMSDSの制度でございますけれども、こちらにつきましては、先ほどの報告書にもございましたように、まず現行のルールを徹底していただきたいというのがございます。
 平成15年の総務省の行政評価、監査で適切に運用されていない例があるということでございましたが、自工会会員の各社においてもMSDSの記載情報からでは、化合物において金属元素に換算できない例等もございます。あるいは含有率の幅が非常に大きくて排出削減の努力が見えにくくなっているということもございますので、まず現行のルールの徹底をしていただきたいと思います。
 もう一つ、MSDSにつきましては、提供対象物質の拡大を検討していただけないかということでございます。
 これも先ほどございましたGHS等に対して適切に対応していくためには、現行のMSDSの提供義務物質だけでは十分でないと思っておりますので、化学物質の安全管理を徹底するために、ぜひとも対象物質を拡大、検討していただけないかということでございます。
 もう一点、PRTRについてでございます。
 こちらにつきましては、代替化の推進という観点から申し上げますと、有害性の低い物質を対象にしないでいただけないかということでございます。私ども自工会の会員各社、塗装工程で使っております溶剤のトルエンとかキシレンを、より有害性の少ない物質に代替してきております。酢酸エチルとか酢酸ブチルなどといったものに代替しております。一部の自治体では条例等の対象になっておりますけれども、まずは従来よりも有害性の低い物質への代替化を推進していくことが非常に大切なことだと思っておりますので、ぜひこの辺を考慮していただきたいと思います。
 それから、報告の中でリスクコミュニケーションについてもございましたけれども、やはり地域住民の方々の関心事項というものも考慮していただけないかということでございます。我々会員各社もそれぞれリスクコミュニケーションを実施しておりますが、その際、地域住民の方の最大の関心事項は、先ほどもご意見ございましたように事故が発生したときの問題になると思います。急性毒性物質が問題になると思いますので、リスクコミュニケーションを円滑に実施して地域の皆さん方と良好な関係を維持するためにも、ぜひ急性毒性物質についても対象物質に入れることを検討していただけないかということでございます。

○佐藤委員長 幅広にご要望を伺いました。この何回かの会合で全部カバーできるかちょっとわかりませんけれども、貴重なご指摘ありがとうございました。

○関澤委員 先ほど新美委員から「自主的管理」という用語の問題が出ましたが、ご説明の中に目新しい言葉がありまして、これは常識かもしれませんが、私はよくわからないので教えて下さい。
 例えば、資料7の1ページに「調剤」という言葉が出ておるわけでございますが、こういったものは非常に難しい。要するに、受け取り方に非常に差異が出る可能性があるのではないかという感じがしますので、必要に応じて解説を加えていただけるとありがたいと思います。
 例えば、鉄鋼業でございますが、この「鉄」というのは大体どういうことになるかと考えると、「鉄は成型品なのか調剤なのか、ちょっとわかりにくいような感じがしましたので、これに限らずでございますが、新しい言葉にはできるだけ解説を加えていただきたいという要望を申し上げます。

○佐藤委員長 定義が曖昧になると、せっかく議論したことが無駄になってしまいますので、議論の中で適宜、気をつけていきたいと思います。

○保坂委員 東京都環境局から参りました保坂でございます。よろしくお願いいたします。
 各論としては、データの活用が2回目で対象物質に関しては3回目ということでありますけれども、1つ、法の枠組みということで大きく議論していただけたらと思っていることがございます。
 都道府県は、この法の届出の経由事務をやっているだけではなくて、大防法だとか水濁法などの規制事務も所管しているわけでございますけれども、データの活用という面から見まして、どうもそれぞれの法令のリンクが非常に薄い法律だと思っております。
 ご承知のように、大防法の方は、VOCということで包括的に有機物をとらえる概念が入ってまいりました。しかし、今まさに環境省さんなどで議論しているところですけれども、VOCの排出インベントリのことでPRTRデータを活用しようとしたときに、どうしても対象になっていない物質について拡大推計をしなければいけないとか、あるいは届出外のところは拡大推計しなければいけない、そういうかなり大胆な仮定を設けてのことを、川下側からのやり方ではやらざるを得ないので、今はどうしても、製品に含まれる化学物質、VOCというものをとらえて、川上側からのインベントリのとらえ方をせざるを得ない状況にあるわけでございます。
 また、水濁法とも絡んで下水道法の分野で考えてみますと、そこでは流域総合計画が策定されるわけですけれども、まさに上流側からの推計ということで、人口に原単位をかけて推計するということがまだやられているかと思います。こういったものに排出側のデータが活用できるようにするためには、もちろん、特定化学物質ということで個々の物質に着目するのは重要なことなんですけれども、例えば有機物ということで包括的に、大気だったらVOC、水質だったらTOCといった形で包括的にとらえられるような概念も考えていくべきではないかと思っているものですから、その辺も議論できるようなことがあれば、すごくいいなと思います。

○中地委員 法制度の見直しということで言いますと、前回の委員会でも少しお話ししたし、先ほども、国民に対してなかなか広報されていないというか、PRTRの制度そのものが普及していないのではないかというお話しをしたんですが、例えば資料10で、アメリカの場合にはTRIの制度そのものが住民の知る権利法ということで、一つの情報効果の制度として確立されているわけですが、化管法はどちらかというとそうではなくて、事業者の自主的な取り組みによって化学物質の排出量等を把握して、一定、国は集計して公表するわけですけれども、制度としては、いわゆる情報公開的な、国民の知る権利といったものをきちんと定義していないので、その辺、法制度の目的そのものを変えるようなことも検討していただきたいと思います。

○北野委員 私はこの法律、特にPRTRのデータをいかに活用するかということですが、この法律ができる時から気にしていたのは、データの質といいましょうか、精度といいましょうか、そこを非常に気にしていたんですね。そして過去5年間、行政はデータを受け取ってきたと思いますし、事業者の方々は大部分が推測されて、一部は分析されてデータを出したと思います。この場で無理であれば下の分科会でもいいんですが、何かそういう行政側とデータを出す事業者側との共通の、経験を共有するようなことを考えられないかなと。そういうことをすることによってデータの質をより高めていく、それが一般の方にも「このデータは確かなんだよ」と。
 例えば環境濃度を推測するにしても、やはり排出量がベースになるわけですから、そこのところが怪しいとその後の結果がまた怪しくなってくるということがありますので、何とかお互いの情報、経験を共有し合うような形にして、PRTRデータの精度をより上げていくというようなことを何らかの場でできればなと思っております。

○林委員 私は、安全性というか、特に遺伝毒性、変異原生の方をいろいろ研究したり担当したりしているのですけれども、今の北野委員のご発言とちょっと絡むところもありますので。
 第3回の対象物質のところでまた議論されるのではないかと思いますけれども、今、おっしゃったようなデータの質も非常に重要なことですし、あと、その対象物質を選定するときに、毒性、安全性の強さの概念というのは今までほとんど入っていなかったようですが、その強さのようなもの、産構審の小委員会でもありましたように、要するに、ハザードだけではなくてリスクといったようなことを考えるときには、どうしても強さの概念を入れないといけないと思うので、その辺のところを将来的な展望として考える必要があるのかなと思います。

○吉岡委員 先ほど「自主性」という言葉の定義が問題になりましたけれども、その自主性の広がり方と柔軟性というものについて意見を申し述べたいと思います。
 柔軟性というのは、例えば、法律ですから「どこどこの業種、こういった条件を揃えた企業はこれこれしなさい」ということを言うのが当たり前ですけれども、そうでない企業において、自主的にこういうことをぜひ知ってもらいたい、ついては国の制度の中で公表する場所があるならばさせていただきたいという考え方を持つ企業がないとも限りません。そうした柔軟性に対応できるような制度であったならばよいなと思います。
 2点目は、広がりという意味ですけれども、企業あるいは業種というのは指定されていますけれども、それは、指定されていないところでは全く使わないというわけでもない。推定では何%、何%使っているということは上がってきている。そういう指定されていないところでも同じようなことができないものだろうか。つまり、法律の枠から外れるかもしれませんけれども、もともと自主性というのは、あるところがモデルとしてやった場合、それがだんだん広がっていくというような期待を持っているだろうと思われます。
 そういう意味で、1つは自主性の尊重ということで、広がりと深みをもう少し持たせたらどうかなという提案でございます。

○佐藤委員長 ありがとうございました。
 スケジュールと議論の課題をめぐって、いろいろご意見、ご要望をいただきましたけれども、このあたりで事務局からも話を聞いてみたいと思います。

○斉藤化学物質リスク評価室長 それでは、経済産業省側から何点か、この場でお答えできる範囲でお答えしたいと思います。
 まず、古賀委員からアジアを含めた国際的な取り組みが重要というお話がございました。
 まさにそのとおりだと思います。ただ、この法律はあくまでも日本国内の法律ですので、この法律そのものの議論という意味からはちょっと外れるかと思いますが、その枠を超えて、時間をとれる範囲では、そういうことも議論のターゲットとしてはあり得ると考えております。
 それから、佐藤委員、辰巳委員等から、この法律ができて一体企業行動がどう変化してきているのかと。もちろんPRTRデータの変遷もその1つかと思うんですが、それ以外にも、一部アンケート等をとってきてもおりますので、そういう結果等につきましては次回以降、我々のわかる範囲でデータを提供していきたいと思っております。
 また、特にMSDSにつきましては、ご指摘のとおり、これはBtoBの世界で回っているものですので、正直、我々がなかなか把握し切れないところがあるんですが、これにつきましてもアンケート等を行っておりますので、また状況をご説明したいと思っております。
 また、実際に使っている方のご意見が重要だろうということもあります。それにつきましては私ども国というよりも、実際にそういうことをしていただいています業界の方等からも、いずれかの場でそういうご発表をしていただくといったことも考えていきたいと思っております。
 続きまして、中杉委員から、化管法の範囲を超えた部分が結構あるのではないかということは、まさにそのとおりだと思っておりまして、例えば、廃掃法といったところを含めた廃棄物の部分をどうするかということにつきましては、化管法でどこまでやれるのか、廃掃法の方とのコラボレーションみたいなこともあると思いますので、そういうところにつきましては、機会がありましたら、事務局として廃掃法の状況なども一部提示していきたいと思います。
 また、例えば急性毒性について幾つか意見がございましたが、これにつきましても、例えば毒劇法という法律があって、既に470物質が指定されていますので、一体こういうものとどうしていくのか、あるいは同じような意味では、爆発性、引火性となれば消防法もございますので、こういう法律すべて、何もかも全部化管法でやるのはちょっと難しいところもあると思いますので、その辺をどう整理すべきか、そういう法律についてのデータも、いずれご提示させていただきたいと思います。
 また、「自主的管理」の定義が非常に重要だということで、新美委員始め何人かの委員がおっしゃいましたが、まさにそのとおりだと思いますので、その辺につきましては整理した上で、一体事業者の自主管理というものをどこまで求めるべきかというご議論にご活用いただければと思います。
 また、高野委員からございました現行ルールの徹底につきましては、当然、現行法の評価ということで、とても重要なことですので、またいろいろ資料を提示させていただきたいと思います。
 また、関澤委員から「調剤」という言葉の意味ということがございました。確かにちょっとわかりづらい言葉かと思いますが、多分「純品」と「成型品」の間の言葉、混合物等々、液体に限らないと考えておりまして、例えば鉄の分野で言えば、成型品というのは、事業者の段階でそれ以上加工されない最終製品や加工によって対象化学物質が環境中に排出される可能性が低いものだと考えております。例えば化管法ではコイルとか棒といったものは、熱を加え一部溶融して加工する製品など対象化学物質が環境中に排出される可能性のあるものは対象となりますが、それ以外のものは対象とならない、一応そういう位置づけになっていると考えております。
 それから、中地委員から知る権利法というお話がございましたけれども、これは非常に大きな議論でして、アメリカは確かにそういう運用をされているんですが、EUは必ずしもそうなっていない。アメリカ以外の国は必ずしもそうなっていないのではないかと我々、思っていますので、その辺はまた包括的に議論させていただければと思います。
 また、保坂委員から包括的概念ということでありましたけれども、例えばVOCというのは、多分そのまま法律で指定はできないし、あえて物質名をきちっと書かないと法律にならないというところもございます。その辺、テクニカルな話もありますが、その辺はまたご議論いただければと思います。
 また、北野委員からございましたデータの共有化とか制度といった問題。これにつきましては議題として掲げてございますので、その段階で、これまでやってきたこと等をご提示した上で、またご議論いただきたいと思います。
 最後に、吉岡委員からございました公表したい企業をもっと積極的に拾っていくというようなお話、まさに重要なことだと思います。そういう自主管理というものをもうちょっと、第三者に公表していくとか、積極的にPRしていくという方向性についてもぜひご議論していただきたいと思います。
 また、指定しない業種等があるというのはまさに事実なんですが、そこにつきましても自主管理という意味では、一応この法律では外しておりません。PRTRを届出という意味では外れている事業者がいるのは事実ですが、自主管理という意味では、これはすべての事業者に係る概念だと思っておりますので、先進的な企業から、そういう取り組んでいただいていることをいかに広げていくかというご議論ではないかと考えております。

○森下化学物質審査室長 補足だけさせていただきます。
 今日いただいたご意見につきましては、今後の議論の際に考慮させていただきながら、議論を進めさせていただきたいと思っています。
 本日、資料9としてお配りしています「化学物質排出把握管理促進法の施行の状況及び今後の課題について」白表紙でお配りしておりますけれども、その中にも今日ご指摘がありました、例えば自治体でどういう活用をしているのか、ちょっとおめくりいただきますと、黄色い紙が資料編の目次になっておりまして、例えばそこに参考資料4として、自治体でどういう取り組みが今、進んでいるのか、それから事業者でどういった活動をされているのか、NGOでこの環境情報をどうお使いになっているのか、そういったアンケート等も進めております。また、こういった情報も強化をしつつございますので、そういった状況も含めて、今後、情報提供させていただきながら議論させていただきたいと考えております。

○佐藤委員長 本当は一問一答というか、できるだけ細かく切れば良かったんですけれども、委員の皆様方からできるだけ意見をいただこうと思って続けてご意見いただいたので、お答えするのはなかなか大変だったかと思います。
 このスケジュール案について、今、お話があった点あるいは補足があった点も含めて、あるいは資料の別な部分についてご意見等あれば、もう少し時間がありますので、伺いたいと思います。

○森田委員 PRTRに限らないのかもしれませんが、一般的に、化学物質の規制に関するような、あるいは管理に関するような法律ができた瞬間から、そのリストから逃れる方向に物質が移動するということがしばしば起こっておりまして、その逃れた先が安全かどうかはだれも保証していない、現実に、リスクを低減させる意味の有効性を疑わせるようなことになってしまいかねないということが絶えずあります。
 その背景になっていますのは、林先生がご指摘されましたけれども、毒性の強さ、あるいは毒性学の十分な知識なしにこの種のものが決定されていくと、辛いところがあります。しかし、一方で、その毒性学的な情報を手に入れるにはすごくお金がかかるために、現実になかなか手に入らない。その中で、PRTR法を含めてその有効性を裏打ちするようなものがもう少し要るということを念頭に置いていただきつつ、もう一つ、PRTRの外側に逃げていってしまった物質がどのようになっているか、それについても若干の把握をしておいていただきたいという感じなんですね。
 つまり400幾つか、そのぐらいの数なんですが、実際にマーケットには数十万種の化学物質が出ておりまして、「チャンスがあればこのリストから外してほしい」といったことは、多分いろいろなことがあります。絶えずそういうことが起こっておりますので。
 PRTRのリストから外れればいいという話でもありませんし、また、具体のリスクが小さくなるということをきちんと評価するシステムをどこかに持っていないとうまくいかないかなと。
 これは全体的な話ですけれども。

○佐藤委員長 難しい課題かなと思いますけれども、大事なことだろうと思います。

○大塚委員 今、森田先生がおっしゃったこととも関係するんですけれども、環境省の懇談会でも問題になっていたことで、毒性とか安全性の強さの概念を入れるのは非常に重要ですし、リスク評価をしていくことは非常に重要だと思いますけれども、他方で、この化管法の最初に入ったときの動機とか考え方としては、むしろリスクが余りはっきりしないものを対象にするということだったと思うんですね。因果関係がはっきりするものについては大気汚染防止法とか水質汚濁防止法の方で対応しているはずなので、そうでないものについて開示の請求ができるようなものを入れるというのがもともとの考え方だったので、リスク評価がなされて明らかになってくれば、その後どうするかは考えていかなければいけないと思います。
 むしろ必ずしもリスクが高くないことがはっきりすればどうするかとか、リスクが高いことがはっきりすれば他の環境法、大気汚染防止法等に入れていくことは考えられるわけですけれども、その点は避けられない大きな問題ではないかと思います。
 もう一つの問題は、先ほど北野先生がおっしゃったことですけれども、データの精度、質はこの法律では根幹にかかわることで、総務省の審査、評価の方にも出てきてしまっていることですので、これは何とかしなくてはいけない点ではないかと思います。
 これは先ほど新美委員が指摘された自主管理とは何かということとも関係してきてしまうんですけれども、現在、過料の制度があることはあるんですけれども、実際に適用されたことはないこともあって、その辺に話がいくのは自主管理という点からは多分、余り望ましくないだろうと思いまして、何かの方法でデータの精度を高めることにかなり努力しないと、その上にいろいろ政策を打っていっても一番基礎のところがはっきりしないと、何をやっているかよくわからないことになってしまう可能性があるという問題があると思います。

○有田委員 私は両方の委員会に出ていて、先ほど織委員からも出されたようなことを申し上げたんですが、そのときの回答も「PRTR法の枠の外で……」それはわかっているけれども、市民が関心を持つためにはどうしたらいいかといったこともあったと思うんです。ですから、今後の検討をするに当たっては、例えば両方の委員会での大幅な意見の違い等を抽出していただいて議論していかないと、また同じことの繰り返し、同じようにやってしまうような感じがしまして、私は時間が─ここで初めて参加された方もいらっしゃると思いますので、こういうことを言うのは申しわけないんですけれども、違った意見が出るのはいいんですが、ちょっと資料の突き合わせと整理をしていただきたいなと思いました。

○佐藤委員長 確かに、限られた時間でございますので、そういう整理をしていただければ大変ありがたいと思います。

○辰巳委員 資料8の5ページの総排出量を見ていてすごく気になるのは、もちろん対象外ではあるんですけれども、家庭から出る比率が10%あると。これは製造の工程の中で把握されているから、こういう数値が出てくるんでしょうけれども、使う側にとっては、全然わかっていなくて出していることになっているわけですよね。これは製品に対しての化学物質の情報が、ほとんど製品情報の中に入ってきていないことも大きな問題かなと思っておりまして、環境ラベルという表現をすればいいのか、製品表示という話をすればいいのかわからないんですけれども、その中で、排出─やはり排気ですね。排気のところできちんと排気するとか、そのような表示等ともきちんとつながるようにこの中でできないのかなと私自身は、今、有田委員がおっしゃったことを受けながらなんですけれども、過去に何度も話されてきているとは思いますけれども、やはり気になっております。

○有田委員 誤解されるといけませんので。
 「それはこの法律対象外ですので議論になりません」とおっしゃるのなら整理してくださいと申し上げたかったので、辰巳委員のようなご意見は当然だと思いますし、今後の見直しのときには、改善するためにはどうしたらいいかとか、市民の関心はどういうところにいくのかということも含めて、法律とは関係ないということをわかった上で意見を申し上げることがあるかもしれないということだけです。

○佐藤委員 PRTR法のデータが、排出量のデータが健康リスクに一体どういう影響を与えているのかということがわかりにくいんですけれども、例えば、先ほどの家庭での排出は、確実に室内空気を汚染していると思うんですね。そういう情報がないと、なかなか自主的取り組みが進まない。ですから、労働衛生での健康リスクがこの法律の発表からどの程度削減されているのかとか、あるいは健康リスクを削減するという効果にどの程度役立つのかも含めて、あとは生態系ですね、そういうものの、この法律が情報の提供だけではなくて、情報を提供することによって環境負荷あるいはリスクの低減に本当に役立っているという実感できるような啓蒙の仕方が必要ではないかと思います。

○増沢委員 また別の話になって申しわけないんですけれども、私、日本のPRTRの一つの特徴は、点源と非点源を一緒に考えるところにあるかと思っていまして、その一方で、点源のデータと非点源のデータについては若干性格が異なるところもあると思っております。
 点源のデータに関しましては、基本的には社会の中でお互いに見られることによって自主管理を進めていくということが一つの大きなねらいとしてあると思いますので、そのための一つの要件としては、まず「アクセスのしやすさを上げることが必要と考えます。そのことが、未届出の問題ですとか、あるいは市民の関心が一般に低いといった面においても1つ有効ではないかという気がしております。
 逆に非点源のデータに関しましては、では、この非点源データを見て個々人あるいは1つの企業がどう動くかということを考えると、若干難しいものがあるかと思います。そうしますと、行政なり産業界なり、あるいはNGO団体なりで使っていくということも考えられると思いますので、そうした一つの性格なり利用法の違いというものを考えまして、制度の問題あるいは今後の改善の方向について考えていったらよいのではないかと考えております。

○中杉委員 先ほど何人かの先生からデータの精度の話が出ましたけれども、データの精度は、やはりPRTR制度を考えるとどうしてもある程度のところまでしかいかない。これはもう技術的な制約がありますし、コスト負担の問題もあって、精度を上げようとすればそれだけコスト負担をしなければいけないという話になります。そういう意味でいくと、そういうことを踏まえた上でどうやって精度を実際に検証していくか、そういうところに少し工夫をする必要があるのではないか。それについても、このPRTR法の見直しの具体的な条項をどうこうするという話にはならないかもしれませんけれども、そういうところもきっちり案を示していただけないかといったことをお願いしておきます。

○織委員 皆さんの議論を聞いていて、やはりPRTR法に対して過剰な役割期待があるのではないかという気がしてきたところもありまして、できましたら次回の議論の前に、本来的なPRTR法の持っている特性というか、性格、限界みたいなものを当時の法律の趣旨からご説明いただいた方がすっきりするのではないかと思っております。
 先ほど大塚委員からもお話があったように、当初の議論としては、もともとグレーな部分について、情報を提供することによって自主管理やリスク管理の方法が促進されていくだろうということで、このアプローチが採用されてきたと記憶しておりますので、現行の枠組みの中でそれをさらによくしていくためにはどういう課題があるのか。例えばデータの精度といった整理があると思います。もう一方、本来的に持っている特性をさらに広げていって、今後の化学物質管理の適正なやり方にどういうふうなプラスアルファというか、そこを運用面より広げていけばどういう使い方があるのかという議論を少し分けて考えていった方がいいと思います。
 その辺の整理をまず事務局の方でしていただきますと、整理がつくかなと思います。

○亀屋委員 小委員会の方でも少し発言させていただいたように、できるだけリスクベースで把握してリスクベースで低減していくといったようなことは大きな考え方としてあると思いますけれども、何せリスクを把握する方法がなかなかないのかなと。事業者さんからしてみれば、非常にたくさんの化学物質、PRTR以外にも、先ほども出ました大防法を始めいろいろな法律の化学物質を管理していかなければいけないといったときに、別の機会に事業者さんからいろいろヒアリング等させていただいたときも、「どういう化学物質を管理していますか」と聞きますと、「世界中の化学物質の法令等を調べて、どれかに引っかかったらそれはすべて管理の対象だ」というような話をされて、では、具体的にどういうふうな削減、低減といったことになるかというと、それはリスクベースでということになると1つハードルがあるのかなと思います。
 そういったことで、リスクを把握するやり方にはいろいろあるかと思うんですけれども、幾つかそれを例示できるといいのかなと。制度、仕組みとしては、無理といいますか、難しい部分もあるかと思うんですけれども、例えば、この法律の中に指針といったものもありますので、そういったところで幾つか整理をして書き込むとか、そういったご検討もいただければいいのではないかと考えております。

○篠原委員 日本化学工業協会の篠原でございます。
 化学産業はこの議論の中心におりますので、お願いと、少し感想を述べさせていただきます。今回、PRTR法の見直しということで今日のような議論になっておりますが、今、亀屋委員からもありましたように、実は化学物質というのは物すごく沢山あるということと、それが日本のいろいろな法律の枠組みの中に入っているという意味で、本当はPRTR法だけではなくて、化学物質というものをどうとらえるか、そのリスクをどういうふうにするかという大きな枠組みの中でやらないといけないと考えます。
 したがって、先ほど亀屋委員が言われたように、ある化学物質のリスクをどう考えるのかとか、その制度をどうするのかという議論を含めて、化学物質全体の考え方を少し整理する必要があるのではないかと考えています。
 それから、先ほど佐藤委員から、今のPRTR法は事業者あるいは国民にどんな活用をされていて、どういう意味があったのかという一種の総括をしなければいけないというご意見がございました。これは私も賛成でございまして、今の日本化学工業協会はどういう取り組みをしているかとか、この法律についてどう変わったかというのは、いずれどこかの機会でお話しさせていただきたいと思っております。

○佐藤委員長 どうもありがとうございました。
 資料4のスケジュール案及び課題を中心に、いろいろご意見、ご要望をいただいてまいりましたけれども、事務局の方からご発言があるようなので。

○斉藤化学物質リスク評価室長 後半の部分につきまして、この場でお答えできる範囲でお答えさせていただきたいと思います。
 森田委員あるいは他の委員からもございましたとおり、物質の見直しの中には、リストからどういうものを外していくのか、あるいは入れていくのかというところ、この会合では個々の物質の細かいところまでこの審議会では検討しないことになっておりますが、方向性についてはまた私どもの方からもご提示したいと思います。
 もちろん入れるばかりではなくて、やはり卒業していくものもあると思いますので、そういうところをまた考えていきたい。リスク評価の結果等を踏まえた対応が必要かなと思っております。
 また、森田委員がおっしゃるとおり、どうもリストに入ってしまうと、もう使ってはいけないというふうに、やや行き過ぎた議論もある。しっかり管理していただくということではあるんですけれども、それが行き過ぎますと、やはり逆効果もあるかもしれませんので、そういうところのPRの方法も重要かなと思っております。
 また、データの質についてはいろいろご意見ございましたので、これは一朝一夕に進むものではないんですが、我々として今まで行ってきたこと、あるいは今後の進め方については、またご提示したいと思っております。
 また、リスク評価ということで幾つかございました。まさにこれは中西座長にも一生懸命やっていただいておりますリスク評価というものでございます。おっしゃるとおり、生のデータだけでは余りわからないわけで、それをどう評価してリスク評価するかというところが重要だと思います。そういう取り組みにつきましては、次回また資料も出していきたいと思っております。
 また、織委員からございましたとおり、化管法で何もかもというのは確かに厳しいところもございますので、化管法がどういう経緯がつくられて、どういう性格を帯び、どう運用されてきたかというところについては簡単に、わかりやすく整理できればしたいと思っております。
 また、亀屋委員がおっしゃったとおり、やはりリスクベースということは重要な概念だと思いますので、まだ完璧にリスク評価ができる時代にはなっていないかもしれませんけれども、そういうものをどう進めてきているのかという点についても、また資料をご提示の上、ご議論いただきたいと思います。

○佐藤委員長 どうもありがとうございました。
 いろいろ貴重なご意見をいただいて、今後の討議の役に立つのではなかろうかと思います。
 基本的には、資料4でご提示いただいた検討スケジュールに沿って進めさせていただくことになろうかと思います。ただ、いろいろご要望があった点については、今、お話もありましたように、随時つけ加えていただいたり、あるいは調べていただいた結果を出していただくといった格好で具体的な議論をしていくことにさせていただきたいと思います。
 化学物質の対策そのものになってきますと、法体系のお話とか、私などの専門の範囲外のところもあるわけでございますけれども、できるだけ議論の焦点を絞った上で進めていければと思っております。

○小出委員 1点事務局にお願いがあるんですが、この会合の名前が極めて長いんです。いわゆる新聞の読者なり多くの人たち、市民に知ってもらうためには、少なくとも10文字くらいの略称をつけていただきたいんです。せっかく─私が取材していても合同会合というのは余りない機会ですし、しかも化学物質に対して統合的に取り組もうという姿勢が国民にも伝わるわけですので、両省の事務局でご協議いただいて、10文字くらいの短い名前をよろしくお願いいたします。

○佐藤委員長 確かに、私も何か言うときに困ってしまって、なるべく会の名前を言わないようにしておったところですけれども、最後に大事なご指摘をいただいたと思います。小出委員も、もし何かいい案がありましたら。
 本当に10文字ぐらいで書かないと、こんな長いの確かに新聞には書けませんからね。私どもも言うのに困っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 それでは、次にその他ということですけれども、事務局から何かございますでしょうか。

○青木環境安全課長 特に案件として用意しているものはございません。
 次回の合同会合について、日時と場所のご報告だけさせていただきたいと思います。
 次回の日にちにつきましては、あらかじめご報告したかもしれませんけれども、3月13日の月曜日、10時からでございます。本日と同じ環境省の第1会議室で考えてございます。
 その次でございます第3回の合同会合につきましても日程調整を進めさせていただいておりまして、4月18日水曜日、午前10時からを予定させていただきたいと思っております。場所につきましては、これから選定いたしまして、後ほどご連絡させていただきたいと思います。
 また、本日の議事録につきましては、原案を作成いたしまして先生方にお送りいたします。それにつきましてチェックをお願いいたしまして、次回会合で了承を得ました後、ホームページ等に掲載する予定でございますので、よろしくお願い申し上げます。

○佐藤委員長 次回以降の会合については、ただいま青木課長からお話があったとおりでございます。
 次回は無理かもしれませんけれども、次々回ぐらいには、ちょっとこれだけの場所だと狭いような気もするので、場所についてもまたお考えいただければと思います。
 今日は先生方の幅広のご意見を伺おうと思いましたが、議事進行の上で少しスムーズに行かなかった点もあったことをおわび申し上げます。
 それでは、今日の審議を終了いたします。
 どうもありがとうございました。

午前11時53分 閉会

ページ先頭へ