第2回厚生科学審議会化学物質制度改正検討部会  化学物質審査規制制度の見直しに関する専門委員会、  第9回産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質管理企画小委員会及び  第2回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査規制制度小委員会合同会合 議事録

日時

平成14年11月7日(木)15:00~18:00

場所

東条インペリアルパレス(東條會舘)4階 吹上の間

出席者(敬称略)

厚生科学審議会化学物質制度改正検討部会化学物質審査規制制度の見直しに関する専門委員会委員

 安藤 正典   石井 庸一
 江馬  眞   小倉 正敏
 小野  宏   神山美智子
 首藤 紘一(委員長)   竹居 照芳
 西原  力   林   眞
 吉岡 義正   渡部  烈

産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質管理企画小委員会委員

 池田 正之(小委員長)   浅野 直人
 伊東 信行   岩永 伸市
 大島 康行   岡  敏弘
 河内  哲   菅  裕保(代理:原氏)
 木下 陽三(代理:松岡氏)   櫻井 治彦
 寺尾 允男   中西 準子
 西原  力   兵頭美代子
 前川 美之   宮本 純之

中央環境審議会環境保健部会化学物質審査規制制度小委員会委員

 鈴木 継美(委員長)   浅野 直人
 清水  誠   藤井 絢子
 井口 泰泉   池田 正之
 中杉 修身   満岡 三佶
 若林 明子   岩熊 敏夫
 大塚  直   須藤 隆一
 田辺 信介   村岡 浩爾
 吉岡 義正   鷲谷いづみ
 (五十音順)  

事務局

 厚生労働省   鶴田大臣官房審議官
    松田化学物質安全対策室長
  
 経済産業省   仁坂製造産業局次長
    野中化学物質安全室長
  
 環境省   石野企画課長
    早水化学物質審査室長 他

議題

  1. (1)環境中の生物への影響に着目した化学物質の審査及び規制の在り方について
  2. (2)その他

議事

【早水化学物質審査室長】 まだ若干お見えになっていない先生もいらっしゃいますが、時間になりましたので、第2回厚生科学審議会化学物質制度改正検討部会化学物質審査規制制度の見直しに関する専門委員会、第9回産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質管理企画小委員会及び第2回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査規制制度小委員会の合同会合を開催いたします。
 第1回でございますので、まず、委員の方々を御紹介させていただきます。お手元の資料の資料1に名簿をお付けしておりますので、それを御覧ください。
 今日は全部通したアイウエオ順でお座りいただいておりますが、最初でございますので、形式上、各委員会ごとに御紹介させていただきます。
                 (委員紹介)
 鈴木委員長は、本日、叙勲の伝達式で、先ほど皇居を出られたという連絡がありましたので、後ほど到着されると思います。それまでの間、清水委員が委員長の代理を務められます。
 本日は、いずれの委員会もそれぞれ定足数を満たしておりますので、成立いたしております。
 続きまして、事務局を御紹介させていただきます。
                 (事務局紹介)
 次に、本日の議題を確認させていただきます。議事次第にありますように、議題1は「環境中の生物への影響に着目した化学物質の審査及び規制の在り方について」、議題2は「その他」としております。
 引き続きまして、お手元にお配りした資料を確認させていただきます。
                 (配布資料の確認)
 また、今日、産業構造審議会の委員と中央環境審議会の委員には前回の議事録案をお配りしております。
 産業構造審議会の委員の方は、一度確認済みのものでございますので、もう一度御確認いただきまして、何かございましたら、明日までに事務局にお申し出いただきたいと思います。
 中央環境審議会の委員の方は、本日初めてお配りしておりますので、御意見があれば、1週間程度以内に事務局にお寄せいただければと思います。
 厚生科学審議会の委員の方には追って事務局から送付されますので、御確認をお願いしたいと思います。
 資料に不備な点がございましたら、お申し出ください。
 今日は、3審議会の合同会合でございますので、座長は、各委員会の委員長による共同座長という形をとりますが、議事進行役につきましては、この合同会合は今回だけではございませんで、何回か開催される予定となっておりますので、各会合ごとに3名の委員長の持ち回りでお願いしたいと思っております。
 今回の議事進行は、中央環境審議会の鈴木委員長にお願いしたいと思っておりますが、鈴木委員長は、先ほど申し上げましたように、間もなく到着されると思いますので、それ
までの間、清水委員長代理に進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【清水委員長代理】 合同会合の第1回は中央環境審議会の担当ということで、鈴木先生がお見えになるまで私が進行役を務めさせていただきます。共同座長でございますので、お2人の他の審議会の委員長と御相談しながら進めていきたいと思います。
 40人ぐらいというかなり大きな会合でございますので、どうぞ進行に皆様の御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、本題に入ります前に、会議の公開についてでございますが、厚生科学審議会、産業構造審議会及び中央環境審議会のルールに従いまして、会議の傍聴を認めることにいたしまして、資料も公開といたします。
 また、議事要旨を速やかに公表するとともに、議事録は委員各位に御確認いただいた上で公開することといたします。
 それでは、議題1「環境中の生物への影響に着目した化学物質の審査及び規制の在り方について」に入りたいと思います。
 まずは、本日の議論の基礎になる技術的事項や事例について、資料2から資料4までを事務局から説明していただきます。よろしくお願いします。

【事務局】 資料2から資料4まで御説明させていただきます。
 まず資料2「化学物質による環境中の生物への影響」という資料でございます。
 1番目が「影響事例」ということで、環境中の生物に影響を及ぼしているという事例でございます。
 1つ目が残留性有機汚染物質(POPs)というものでございます。POPsにつきましては、POPs条約が採択されまして、これの締結を我が国は果たしたわけですが、その条約の交渉会議に提出された、POPsの評価レポートの中で、生態毒性を示唆する実験の他、実際の生物への影響事例として、ヘプタクロルによるカナダガン等の複数の野生鳥類の数の減少、鳥類の生殖障害、DDTによるカモメの性転換、アルドリンによる鳥類の死亡といった事例が報告されております。
 次にトリブチルスズ化合物でございます。船底塗料や漁網防汚剤として用いられているものでございますが、世界各地で巻き貝の生殖障害や数の減少、ヒラメの免疫機能の低下、牡蠣等の奇形といった事例が報告されております。
 次のページでございます。環境中の生物への影響について評価や検討を行った事例でございます。
 1つ目が化学物質排出把握管理促進法という法律で、PRTR及びMSDSという制度でございます。その対象物質の選定の要件の中に「動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれがあるもの」とされておりまして、具体的には、水生生物を用いた急性毒性又は慢性毒性試験の結果で、一定程度の生態毒性のあるものが選定されております。PRTRの対象の354物質のうち、生態毒性があるものが118物質ございまして、そのうち56物質は生態毒性のみを有害性の根拠として選定されているものでございます。
 参考1として表がありますが、時間がありませんので割愛させていただきます。
 次に環境省のリスク初期評価です。環境省の方で環境リスク初期評価パイロット事業を39物質について行いまして、生態リスクに関して3物質、ディルドリン、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)、ホルムアルデヒドの予測環境中濃度が予測無影響濃度を上回っており、リスクが高い可能性があるということで、より詳細な評価を行う候補物質とされております。また、そのほか6物質についても予測環境中濃度が予測無影響濃度に近いといった評価がなされております。
 3番目が「水生生物保全水質検討会」でございまして、「水生生物保全に係る水質目標」の考え方について報告されております。この中で、対象物質として、環境中濃度が既存の文献の急性毒性値を上回っている物質及び環境リスク初期評価でリスクが高い可能性があるということで詳細な評価を行う候補とされた物質について検討いたしまして、9物質について水質目標値が提案されております。
 4番目が既存化学物質の安全性評価シートでございます。経済産業省で、既存の化学物質について人の健康や環境への影響に関する文献情報を収集し、評価して、シートとしてまとめているものでございます。各種の文献データから生物への影響に関する毒性試験データ等をとってまいりまして、256物質について生態影響のデータを含めたシートが作成されております。
 ここまでの評価につきましては、既存の情報、データベース等をいろいろ使っております。参考資料1に「生態毒性データの集積状況」ということで、米国、欧州あるいは環境省の取組についてまとめた資料がございます。御説明はいたしませんが、こういうことがあるということで、お時間のあるときに御覧いただきたいと思います。
 資料2に戻ります。5番目が、新規化学物質のうち「生態影響に関し環境への影響に留意する物質」というもので、化学物質審査規制法に基づく新規化学物質の審査において、環境省で、生態影響、これは化学物質審査規制法の視野には入っていませんが、そういった観点で環境影響について留意すべき物質を「フォロー物質」として記録に残しております。この取組は平成9年度以降やっておりまして、約1,300物質審査したうち魚の急性毒性試験等があった約650物質のうち、「生態影響に関し環境への影響に留意する物質」として110物質をフォロー物質として記録に残しております。この110物質のうち20物質は化学物質審査規制法の「指定化学物質」、要するに人の健康を損なうおそれの疑いがあるとは判断されていないものでございます。人の健康に対する有害性は強くないが環境中の生物に対する有害性が疑われるという物質でございます。
 3番目は「外国の事例」ということで、海外で環境保全の観点から規制対象とされているものとして2つ挙げております。
 1つ目が短鎖塩素化パラフィンという物質でございます。EUの方でこの物質についてのリスク評価を行っておりまして、特に環境に対するリスクとして、金属加工のときに使う潤滑油の製造・使用及びレザー、皮革の加工工程からの排出源とそれによる水生生物への重大なリスクが示唆される、あるいは陸生生物あるいは食物連鎖による高次捕食生物へのリスクが示唆されるということで、この短鎖塩素化パラフィンという物質について、金属加工及び皮革の加脂加工における用途向け上市を禁止するという理事会指令が採択されているところでございます。
 次にノニルフェノールでございます。EUでリスク評価をしまして、水生生物あるいは陸上生物にリスクを及ぼすと判定されております。こちらにつきましても、金属加工、織物及び皮革の加脂加工における用途向け上市を禁止するという理事会指令が提案されているところでございます。
 以上が環境中の生物への影響の事例でございます。
 次に資料3に移らせていただきます。「化学物質の生態毒性試験方法」というもので、生物への影響がどの程度あるかという試験方法について、OECDでテストガイドラインということで、各国共通に使用できるものを示しております。このテストガイドラインは、OECDで生態系の機能に着目して生物群を選定しまして、その生物群に対する試験ということでとりまとめたものでございます。また、テストガイドラインの中で供試生物種というものを示しておりまして、その生物種を用いて試験を行うことが推奨されているところでございます。
 生態毒性に関するテストガイドラインは、現在17種類、ここに一覧が出ておりますが、これが承認されているところでございます。また、8種類のドラフトということで、新しい生物や既存のものの見直しが進められております。
 次のページにいくつかの試験方法について概要をまとめております。
 藻類の生長阻害試験は、化学物質を溶かした水の中の藻類の影響を見るということで、これは藻類の生長について72時間の間に影響を把握する試験でございます。
 ミジンコの急性遊泳阻害試験は、48時間の暴露でミジンコの遊泳、行動とか生死等への影響を見る試験でございます。
 3番目のミジンコ繁殖試験は、21日間の暴露でミジンコの繁殖を見る試験でございます。
 4番目の魚類の急性毒性試験は、96時間の暴露で魚の死亡について影響を見る試験でございます。
 5番目の魚類の初期生活段階毒性試験は、慢性的な影響ということで、数週間の試験になると思いますが、その中で受精卵から稚魚へ成長するまでの影響を見る試験でございます。
 6番目はユスリカの毒性試験、底生生物であるユスリカの幼虫を対象として試験を行うものでございます。こちらもユスリカの羽化とか成長と死亡についての影響を見る試験でございます。
 7番目は鳥類の繁殖試験でございます。これは化学物質を20週間以上投与して親鳥及び雛鳥への影響を把握する試験でございます。
 急性毒性、慢性毒性あるいは生物種といった話をいたしましたが、その関係につきまして、参考資料2では「生態毒性の急性毒性値と慢性毒性値の比較」ということで、これは甲殻類と魚類と藻類について、急性毒性試験結果、慢性毒性試験結果を見て、その関係についてまとめたものでございます。時間がありませんので特に御説明はいたしません。
 参考資料3は、試験の生物種によってどのように生態毒性値が変わってくるかということを比較したものでございます。藻類と甲殻類と魚類の3種類の試験結果の間にどのような違いがあるかを比較したものでございます。
 資料3に戻らせていただきます。3ページの3番、GLPでございます。Good Laboratory Practice:優良試験所基準ということで、試験施設の構造や設備等のハード面と組織、運営管理、信頼性保証体制等のソフト面の両面から、試験施設が遵守すべき基準を定めたものでございます。その試験施設の基準への適合状況を当局(国あるいはそういった機関)が確認いたしまして、その試験機関による試験の成績の信頼性の確保を図る制度でございます。
 こちらもOECDでGLPの原則が策定されておりまして、各国でこれを使用すべきことが勧告されております。各国ではこのGLPの原則にのっとってGLPの基準を作成あるいは査察などを進めているところでございます。
 我が国では、化審法におきましても、GLP制度を現在運用しているところでございます。
 次に資料4でございます。「化学物質による環境中の生物への影響に関する評価方法」ということで、海外の事例をいくつか紹介しております。
 最初が米国でございます。米国では、有害物質規制法(TSCA)という法律に基づきまして、新規化学物質の評価を行いまして、必要な規制を行っているところでございます。TSCAでは、届出時には試験の実施は求められておりませんで、持っている情報のみを出すということになっております。例えば生態毒性値について提出されない場合は、米国の環境保護庁(EPA)で定量的構造活性相関(QSAR)を用いてその物質の生態毒性値を予測して評価を行っております。
 QSARや試験データによりまして、藻類、ミジンコ類、魚類の中で最も感受性の高い種に対して影響を及ぼす可能性のある濃度を求めまして、真ん中にある表のアセスメント係数で割りまして、CC(Concern Concentration:影響の懸念がある濃度) を算出しております。また、暴露濃度につきましては、最悪のケースを想定した水中の流れによる希釈によるモデルといった比較的単純なモデルにより予測環境濃度を算出しております。この予測環境濃度とCCとの比較をして、予測環境濃度がCCを超える場合には、リスクがある可能性があるということで、試験の追加あるいは暴露に関する情報の追加を求めて、さらに詳細なリスク評価を行っているところでございます。
 定量的構造活性相関(QSAR)につきましては、参考資料4に概要をまとめておりますので、これも時間のあるときに御覧いただければと思います。
 TSCAでは、リスク評価の結果、必要な規制を行う。届出者との間では追加情報の提出や規制の遵守、届出の取下げ等について話し合いを行って決めるという同意命令や重要新規利用規則(SNUR)で、これは届出者以外全てのその化学物質を取り扱う者が対象ですが、届出以外の用途での使用の際には届出が必要であるとか、事業所ごとの取扱量制限、排水基準の設定などの措置が課せられるというふうになっております。
 次のページにフローチャートがありますが、今の説明を非常に細かく表したものでございます。
 3ページ目の上のところになります。米国におきまして、PBT(難分解・高濃縮・毒性)化学物質について、POPs状の物質ということになると思いますが、難分解性・高蓄積性の物質につきましては、人の健康影響に関する試験と生態毒性試験として一般的には哺乳類及び鳥類等の慢性毒性試験の結果から分類されて、そのカテゴリーに入ってくる。結果が出るまで製造が禁止ですし、そうなった場合にも、リスクがないことが確認されるまで製造が禁止されるという厳しい規制がかかるというふうになっております。
 次にEUの場合でございます。EUでは、新規化学物質について予定上市量が年間1トン以上の場合、ベースセットとして魚類、ミジンコ、藻類の急性毒性試験の試験結果の添付が求められております。また、年間1トンという量が増えていくに従ってさらに詳細な生態毒性試験の実施が要求されております。
 EUでは、届出された生態毒性試験の結果をもとに、まず、有害性のレベルが分類・表示の段階に至ったかどうかを判断しまして、表示が必要といった場合にはリスク評価が実施されるというふうになっております。
 生態リスクの評価方法は、予測環境濃度と予測無影響濃度との比較によって行います。保全すべき対象として水生生態系、陸生生態系、高次捕食者、排水処理施設中の微生物、大気環境の5媒体が挙げられております。
 まず暴露評価ですが、化学物質の「排出シナリオ」を仮定して排出量を推計する。モデル計算と実測値の両方を利用するというふうになっております。地方レベルの予測濃度と広域レベルの予測濃度を求めて、それを足し合わせてその場所の濃度を算出するというふうになっております。暴露の方はこういったデータを用いることになっております。
 生態リスク評価では、毒性評価の方は保全すべき対象として5つあると申し上げましたが、データが最も多くあるということで、水生生物への影響の評価のみが詳細に行われることが多いということでございます。
 水生生物のデータにつきましては、4ページの上の方になりますが、最も高い感受性を示した生物種の毒性の試験結果から、ここにあります表のアセスメント係数で除することによって予測無影響濃度を算出しております。
 こうやって出した予測無影響濃度と最初の暴露評価で出した予測環境濃度との比較によりリスク評価を行います。予測環境濃度と予測無影響濃度との比較により、予測環境濃度の方が高い場合には、さらに追加の情報や追加の試験を求めたり、さらに詳細なリスク評価をどんどん繰り返していって、最終的にリスク削減措置が必要か、あるいはリスク削減措置が必要でないかといった判断をしていくということになります。これにつきましては、5ページのフローチャートのようになっております。
 リスクが高い場合にはリスク削減措置を行うということになっております。
 6ページに移ります。PBT化学物質につきましては、現在、EUではその内容について検討中でございます。ただ、「化学物質対策白書」の中で、POPsについては認可(やむをえない場合に特定の用途のみ暫定的に認める)の対象とすることが検討されております。
 3番目のGESAMPは、船舶による有害物質輸送に伴う海洋汚染防止という観点から、国際海事機関が設立した科学者による助言組織でございます。こちらの方でいろいろな化学物質の生態毒性についてランク付けを行っております。
 生態毒性に関しましては、生物の蓄積性、生分解性、水生生物に対する毒性等、水生生物は急性毒性と慢性毒性、それぞれの観点からそれぞれの程度によって分類しております。分類については、ここに挙げられている表のとおりでございます。
 これらの評価結果につきましては、マルポール条約に基づく規制に反映されているということでございます。
 次に8ページ、4番目のGHSでございます。分類と表示について国際的に調和を図るというラベリングシステムでございます。OECD等におきまして分類・表示システムの
検討が行われておりまして、来年の7月に国連勧告が行われる見込みとなっております。
 化学物質の有害性、何種類かについてこういう分類と表示について提案されているわけでございますが、水生環境につきましては、ここにありますように、急性毒性と慢性毒性という2つの観点から区分が示されております。
 まず図4.1の急性毒性ですが、ここにありますように、有害性のカテゴリーを3段階に分類するということで、クライテリアとしては、真ん中にありますような急性毒性試験、魚、甲殻類、藻類、それぞれの急性毒性の結果から3段階に分けている。それぞれの分類ごとに一番右の項目にありますような表示をするといったことが提案されているところでございます。
 9ページは慢性毒性でございます。こちらの方は4段階の分類が提案されております。クライテリアは、魚類、甲殻類、藻類、これは急性毒性の試験結果ですが、急性試験の方がデータが多いということで、これをクライテリアに用いているということでございますが、これをもとに慢性毒性も分類しているということで、急性毒性値に加えて、低分解性あるいはlog Kowということで蓄積性も観点に含めてクライテリアの分類分けをしており
ます。それぞれのクライテリアごとに一番右の表示がされるというふうにされております。
 これも2008年までに完全実施を目指しているという内容になっております。
 以上で説明を終わらせていただきます。

【鈴木委員長】 どうも失礼しました。清水先生、代理をお務めいただいてありがとうございました。
 首藤委員長と池田委員長の助けで今日の会議を進行させたいと思います。鈴木でございます。
 最初に、今の説明に特に聞いておきたいことがおありの方がございましたら伺います。ただし、議論は後ほどのところでもう少しゆっくり丁寧にやっていただこうと思っておりますので、議論ではなくて質問ということで何かございましたら、お伺いしたいと思います。
 背景説明ということでのこれまでのところについて特に御質問がなければ、先に進みたいと思います。
 今日の一番主な議題でございますが、環境中の生物への影響に着目した化学物質の審査・規制の考え方について議論したいと思います。資料5が事務局が用意したたたき台でございます。それでは事務局からどうぞ。

【早水化学物質審査室長】 では私の方から説明させていただきます。資料5と途中で1枚紙の絵を御覧いただきながら御説明することになると思います。
 資料5でございますが、「環境中の生物への影響に着目した化学物質の審査・規制の考え方について」ということで、議論のたたき台として事務局の方で背景なり審査・規制の考え方についてこんな形で考えたらいいのではないかという御提案のような形で用意させていただいておりますので、これをもとにしていろいろ御意見をいただければと考えております。
 まず、1ページは「基本認識」でございます。既に資料2~4で御説明いたしましたが、化学物質の中には、人の健康への影響だけではなく、環境中の生物への影響を示すものがありますということで、これらの化学物質が生態系に何らかの影響を及ぼす可能性は否定し得ない。その程度はなかなか言いにくいですが、何らかの影響を及ぼすのではないかということであります。ただ、その一方で、生物や生態系は非常に多様性がありますので、何を守るべきかとか、どこまで守るかというところについて議論がありますので、今、生態系への影響そのものを評価する手法はできていないのではないかという認識がまずあります。
 一方、人の健康と環境-外国では「environment」という言葉をよく使いますが、「生物及びその生息環境を含む」というふうに解釈されますので、human healthとenvironmentを守るということで、化学物質管理に関する政策協調や協力あるいは国際条約などが採択されておりまして、外国における制度あるいは国際条約におきまして、健康の保護だけではなく環境の保全の観点が含まれております。
 翻って我が国では、環境基本法、環境基本計画におきましては、生態系の保全は環境保全施策の重要な目標の一つでございまして、自然環境の方だけではなくて化学物質対策につきましても、生態系に対する化学物質の影響の適切な評価と管理を視野に入れることが必要とされまして、基本的方向でも示されております。これらを踏まえまして、これまでの国の取組としては、生物への影響に関する試験を実施するなど行っておりますし、また、若干視点が違いますが、環境基本法の「生活環境の保全」という観点がございまして、下に脚注を付けておりますが、「人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。」という、この後半の部分ですが、そこで生物への影響を見るということになっておりまして、そういった観点から、例えば農薬につきましては、「水産動植物の保全のため」ということで評価方法の見直しを進められておりますし、また、水生生物保全に関する水質目標あるいは環境基準の設定につきまして、有用動植物や餌生物等を対象に今検討されております。このように環境中の生物への影響に着目した取組が進められております。
 そこで、化学物質管理ということでございますが、平成11年に制定された化学物質排出把握管理促進法の中でPRTRあるいはMSDSの制度を導入いたしましたが、この際の対象化学物質としては、人の健康を損なうおそれだけではなくて、動植物の生息・生育に支障を及ぼすおそれのあるものを選んでおります。これは先ほど資料2で御説明したとおりでございます。しかしながら、今回の審議の中心であります化学物質審査規制法でございますが、これは昭和48年に制定されたときに「人の健康を損なうおそれがある化学物質」による環境の汚染防止を目的として作られたということで、新規化学物質の審査、規制などにおきまして、生態系への影響に関する法的措置がないという状況になっております。こういったことを踏まえまして、今年1月のOECDによる我が国の環境保全成果レビューの中で、化学物質管理において生態系保全を含むように規制の範囲をさらに拡大することが勧告されたところでございます。このあたりについては、各審議会の前回の会議のときに御説明させていただいているかと思います。
 そこで、この章の結論でございますが、「こうした状況を踏まえると、政府部内における他の環境保全のための化学物質対策に係る取組も考慮に入れ、生態系への影響との因果関係に関する科学的不確実性に留意しつつ、各種の制度において整合性のとれた考え方のもとで、化学物質の審査及び製造等の規制においても、化学物質の環境中の生物への影響に着目した何らかの対応が必要ではないか。」ということを結論として提案させていただいております。
 なお、ここで「規制」という言葉を用いておりますが、これは化学物質審査規制法で「規制」と書いておりますように、広く法的措置という意味で使っております。「規制」というのは厳しいものだけと思われる方もいらっしゃいますが、以下、このペーパーでは、広い意味の規制ということで、よくイメージされる直接規制、例えば定量的な管理目標値を作って制限する、禁止をするといったものだけではなく、製造量等の届出、指針を策定して遵守してもらうとか、表示するとか、そういったものについても法的措置ということであれば、「規制」という表現を使わせていただいております。化学物質審査規制法の概念の中にあるという意味でございます。
 以上の基本認識をもとに、審査・規制の基本的考え方と枠組についてどう考えたらいいかということについて順次整理しております。
 まず、審査の基本的考え方、「生態毒性」という言葉を使っておりますが、これは生物への影響について試験で調べるものということで、ハザードについての日本語として「生態毒性」、英語だと「ecotoxicity」ということになりますが、その審査の考え方を述べております。
 ここで「生態系」という言葉をよく使いますが、これは多様な生物と、それらの生息・生育の基盤となる大気、水、土などの自然的構成要素の総体として成り立っているもので、その間に物質循環やエネルギーのやり取りなどもあるという非常に複雑なものということでございます。
 こういったものへの影響というのは、そういった生態系の機能と構造を損なうということでございますが、非常に複雑だということで、要素もいろいろあるし、地域によっても違うだろうし、時間的にも変わってくるということなので、ある要因で生態系に何か影響するということは、その因果関係などもよくわからない部分もありますし、具体的に生態系の変遷を見ていくというのはなかなか難しいということであります。ですから、ある要因、この場合は化学物質ですが、ある化学物質が生態系全体にどう影響したかということを客観的に評価・把握するというのは今まだ難しいだろうということでございます。
 しかし、そうは言いましても、生態系というのは生物で成り立っておりますので、生態系を構成する生物に着目しますと、生態毒性試験、例えばある生物種を使って試験をすると、強い毒性を示すものが出てきます。そういったもので、ある生物の個体群としての影響がもし出てくると、その生物種が、例えば絶滅に向かっていくとか、そういったことになりますので、こういった場合は生態系の機能と構造に何らかの影響を及ぼす可能性を否定し得ないと考えられます。ですから、個々の1匹1匹というよりは個体群レベルでの、例えば致死(生きる、死ぬということ)、成長あるいは繁殖に影響する、これらを「生態毒性」という言葉で一括りにしておりますが、そういったものを評価すれば、生態系に何らかの影響を及ぼす可能性が示唆される化学物質を特定できるのではないかと考えられるということです。この考え方を基本にして生態毒性試験法がOECDでも作られ、また、各国でも使われているということであります。
 これらの認識を踏まえますと、(1)の結論としては、個別の化学物質が生態系に及ぼす影響を客観的・定量的に評価するのは難しいけれども、生態毒性試験によって、何らかの影響があるという化学物質を特定できるのではないか。このため、例えば化学物質審査規制法において考える場合には、新規の化学物質について、あるいは既存のものもあると思いますが、生態毒性試験結果を用いて、環境中の生物への影響について一定の評価を行うことが適当ではないかという御提案でございます。
 それから、評価の方法ですが、これもいろいろな方法がありますけれども、欧米等で審査の初期段階でのやり方、先ほど御紹介しました方法や化学物質排出把握管理促進法のPRTR等の対象物質を選ぶときの考え方を踏まえまして、また、試験が実施できる、容易にできるということや国際整合性の観点に留意して設定すべきではないかということでございます。これは原則でございまして、具体的にどうかということですが、生態系の機能において重要な食物連鎖等の関係に着目しますと、今使われておりますのが生産者、一次消費者、二次消費者という機能で区分して、それぞれに対応する生物種をモデルとして使うということで、実際には試験の実施が容易ということも考慮しますと、藻類、ミジンコ類、魚類、この3種類の急性毒性試験の結果を用いて評価することが適当ではないかということでございます。
 先ほど時間の関係で説明を省略いたしましたが、参考資料3にこの3種の試験の相互関係が書かれております。後で中のグラフなどを見ていただくとわかりますけれども、魚類、ミジンコ類、藻類の相互間では感受性はある程度ばらつくということですが、例えばOECDのテストガイドラインで選ばれている魚の中では概ね一定の値が得られる。標準的な方法で試験をすれば、その中ではそんなに違いは出てこない。これは一般的なもので、あくまで物質によって違うケースもありますけれども、そういったことが考えられるということでございます。
 (2)は、生態毒性がある化学物質に対する規制の基本的考え方とその枠組でございます。生態毒性試験において一定の毒性を示す化学物質のうち、特に難分解性の性状を有するものについては、環境中に出てしまうと長期間残留するということなので、これは回復困難、不可逆な影響を及ぼすということで、環境中の生物に影響するということが考えられます。ですから、こういったものについては、人の健康の保護に係る措置と同じように、科学的知見に基づきまして、その性状や環境中における残留状況に応じて必要な措置を講ずることが適当ではないかと考えられます。
 また、具体的な措置の方法ですが、これはどういう評価ができるかということで考えていきましょうということで、例えば先ほど申しました直接規制的な厳しい措置、製造・輸入量の制限や使用の制限等、環境への放出量を制限するといったものにつきましては、定量的評価に基づくリスク管理が必要ではないかということで、合理的に目標値等が設定されるもので決めていくべきである。ただ、直接手法ではなくて、なるべく減らしてください、あるいは適正管理をしてくださいというようなものである場合には、定量的な目標値等は必ずしも要らないと考えられます。
 こういったことを考えますと、もちろん背景には、生態系への化学物質の影響の適切な評価と管理という環境基本計画に基づいた施策ということであり、そういったものを視野に入れて化学物質対策を推進いたしますけれども、一方で生態系と個々の生物との関係など、先ほど申し上げましたような不確実性なども考えまして、生態系ぴったりという施策に結びつかない点もありますけれども、そういったものを視野に入れて、以下の2つの措置をするのが適当ではないかということで提案させていただいております。
 1つは、適正管理を促す措置ということで、生態毒性を有する化学物質であっても、先ほど申し上げましたように、生態系への影響との因果関係における不確実性は否定できないということなので、定量的に評価することは難しいということです。そういった意味で直接規制をして生態系保全のために数量制限をするということは合理的ではないのではないかということですが、環境放出を抑制することは必要であろうということでありますので、適正管理という観点から、例えば生態毒性等に関して、こういったものは生態毒性があるというような情報について、次の事業者に渡すというような措置を導入してはどうかということでございます。こういうことによって環境汚染の防止のための適正管理を促すということでございます。
 もう1つは、定量的な管理のための直接規制ということですが、実際に動植物に対して被害を生ずるようなものもあります。保護の対象を非常に広くしてしまうと評価が難しい点もありますが、一定の範囲に限定していけば、動植物に対して被害を生ずるものについては定量的な評価ができるのではないかと考えたわけでございます。その場合には目標が設定できるということで、被害の未然防止の観点から、場合によっては直接規制を導入することができるのではないかということでございます。
 この際には、どういう範囲か、どういう水準かということを考えなくてはいけないのですが、この資料の最初でも御紹介しましたが、例えば農薬あるいは水質目標などで既に取組が始められておりますように、生活環境に係る一定範囲の生物に対する被害の防止という観点であれば、直接規制を念頭において既に環境中での許容レベルについての定量的な評価がなされつつあります。また、生活環境ということであれば、既に環境基本法なり何なりで、人間の生活に関係が深くその被害を認知しやすいということでいろいろな規制が行われております。こういったことを考えまして、「生活環境」の範囲内に保護対象や保護水準を設定していけば、その評価指標とすることができるのではないかということでございます。環境基本法にいう「生活環境」というのは、1ページにお示ししましたように、「人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む」という考え方でございますので、そういった生物が含まれてくるということでございます。
 そういったことを考えますと、生態毒性があるということが明らかになった化学物質のうち、生活環境に係る動植物への被害を生ずるおそれがあるものについては、その被害の発生の未然防止のために、定量的な目標値等に基づく直接規制を導入するという考え方ではどうかということで、2つの措置を提案させていただいております。
 これは物性によって変えておりますが、1つは、一般的に難分解で生態毒性を有する化学物質ということでございます。これにつきましては、有害性があって、なおかつ、相当広範囲な地域の環境に相当程度存在しているか、又は近くそのレベルに至るであろうと思われる場合は、これはある意味でリスクがあり、あるいはありそうだということでございますが、そうすれば被害を生ずるおそれがあるということで、そのリスクを下げるという観点で、有害性があるとわかった時点で監視するとともに、必要であれば直接的な規制措置をとるということでございます。
 そういったことで、段階としては3つありますが、1つは、難分解で生態毒性を有する化学物質について監視するということで、例えば製造・輸入実績数量や用途の把握等を行う。あるいは場合によっては環境モニタリング等もあるかもしれませんが、そういったことで環境汚染の状況を推定して監視することが必要ではないかというのが第1点でございます。
 第2点は、こういった物質につきましては、もしそれが本当に有害性があって被害を生ずるおそれがあると判断される事態に至ったときには、ある意味で今の人の健康に係る、化審法上の第二種特定化学物質と同じような形になりますが、単に実績の届出だけではなくて予定数量を届け出てもらいまして、必要があれば、製造・輸入予定数量の制限を最終
的に行うこともあり得るだろう。そういうことも必要ではないかということでございます。
 また、もちろんこのような制限は今の第二種特定化学物質については最後の手段ということで、実際には人の健康の保護の方でも発動された事例はございませんが、そういったことが必要ないように、その前に排出量の抑制ということで、例えば個別の化学物質ごとの取扱いの指針を示して事業者にきちっと管理してもらう。あるいは表示を義務づけるといった、第二種特定化学物質と同じような措置を講ずることが適当ではないかということでございます。
 この場合の動植物に被害を生ずるおそれということの判断でございますが、これはhazardとexposure、有害性と暴露の両方を見なければいけないのですが、有害性につきましては、環境中で残留して低レベルで長期的な暴露によって影響するということを判断するために、人の生活に密接な関係のある動植物のうち、暴露を受けやすく、実際に被害を受ける可能性があるものについて、ここでは慢性毒性試験を実施することにより有害性を確定してはどうかということでございます。
 この点について、参考資料2に「生態毒性の急性毒性値と慢性毒性値の比較」というのがありまして、この資料を御覧いただければ、短期毒性と長期毒性の間に相関があるということで、短期毒性から長期毒性は推定はできますけれども、最後に規制するということであれば、慢性毒性をきちっと確定するという作業が必要だということで、ここでは慢性毒性試験を課すということを考えております。
 また、暴露の方は、モニタリング調査やモデル予測に基づき予測される環境濃度を使う。外国の場合はモデル予測を中心にやられておりますけれども、日本の場合、今までの経験からいくと、モニタリングが中心になると思いますが、そういったもので得られる環境濃度を用いて判断することが適当ではないかと考えます。有害性のレベルと環境濃度の比較をして環境濃度の方が上回るという状況になれば、すなわち影響する濃度を超えて環境に存在する、あるいは存在しそうだということであれば、規制していくという考え方ではないかということでございます。いわゆるリスク管理という考え方ではないかと思っております。それが第1のグループでございます。
 第2のグループは、難分解であり、かつ、生体内に蓄積しやすいものでございます。食物連鎖を考慮しますと、特に高次捕食動物が、環境中に直接暴露されるというよりも間接的な暴露により食物摂取を通じて高い暴露を受けるということが考えられます。そうしますと、暴露量も高いし、だんだん体内に取り込んでいくということで蓄積してしまいますので、これはちょっと問題が出てくるということです。高次捕食動物というのは鳥類や哺乳類が考えられますが、こういったものは人の生活に密接な関係のあるものが含まれていることから、難分解性・高蓄積性を有するものにつきましては、もしそれが高次捕食動物に対して有害性を持つものであれば、普通に製造・使用されてしまうと、深刻であり、又は不可逆な被害をもたらすということでありますので、環境への放出をできるだけ防ぐ、なるべくゼロにするというような考え方が必要ではないかと思います。
 ということで、[2]の結論としては、このため、難分解性・高蓄積性であって高次捕食動物に対する有害性を有する化学物質については、ある意味で今の第一種特定化学物質と同じような考え方になるかと思いますが、可能な限り環境中へ放出されることがないように
厳しく管理されるような制限措置を講じることが必要ではないかということでございます。
 また、有害性の判定指標、これはもちろん難分解性・高蓄積性の判断があった後でございますが、そういったものについては、被害を受ける高次捕食動物に関して試験をするということですが、技術的対応可能性も踏まえて生物種や試験法を選ばなくてはいけない。先ほどの上の方の慢性毒性試験も同じでございまして、技術的対応可能性も非常に重要な要素でございますが、そういったことを踏まえていくと、例えば、哺乳類、鳥類の繁殖や発生等に関する慢性毒性試験の結果を用いることが適当ではないかということでございます。
 以上の考え方を図により整理しております。まず別にお配りしております1枚紙の方で御説明いたしますと、これは非常にラフな絵でございますが、全体としては、まず、生態系への何らかの影響の可能性が示唆される、一般的な動植物への有害性を藻類、ミジンコ、魚類の生態毒性試験の活用によって審査段階で特定しまして、こういったものについて適正管理を促す措置を適用するということでございます。その中で、生活環境に係る動植物への被害を生ずるおそれのある物質については、定量的な管理のための直接規制を適用していくということでありまして、これは被害の可能性あるものについて慢性毒性試験を活用して特定する、あるいは暴露状況を把握するという形になろうかと思います。さらに、そういったものの中で、高蓄積性であって高次捕食動物に対する有害性があるものについては、より厳しい制限措置をとる。考え方でいうと、こんな感じになるのかなというのがこの絵でございます。
 それを具体的なフローで示したのが資料5の7ページのフローでございます。これは今まで御説明したものを絵にするとこうなるということで、これは事務局からの御提案でございますので、御意見をいただきたいと思います。上の方から、新規化学物質を事前届出しますと、試験結果とか既に得られている知見により審査・判定を行います。ここで省略しておりますが、通常、蓄積性が低いものが非常に多いので、蓄積性が低いものについては、有害性がなければ、もちろん規制対象になりませんが、有害性があれば、右側に行きまして、生態毒性を有することが明らかになったものについて、これは難分解という前提ですが、製造・輸入の届出なり情報提供をしてもらいますということでございます。これは現在の化審法でいうと「指定化学物質」にあたるようなところになるのではないかと考えております。それについて製造・輸入量の届出なり監視をした上で、生活環境に係る動植物への被害の可能性をここでもう一回認定しまして、可能性があると考えられれば、追加試験で慢性毒性試験をしてもらう。それでそれについて有害性とリスクの評価をするということで、最終的に生活環境に係る動植物への被害を生ずる可能性が認められたもの、これは難分解性であって慢性毒性がある、あるいはリスク評価によって被害の可能性があるものについては、製造・輸入量の予定・実績届出、指針遵守、表示・情報提供ということで、これは現在の人の健康の保護に関する第二種特定化学物質と同じようなグループではないかと考えられます。ここに入りまして、もし本当に量を制限しないといけないということになれば、最終的に製造・輸入量の制限が課せられるということでございます。
 先ほど飛ばしました上の方の真ん中でございますが、蓄積性が高いと判断されたものについては、高次捕食動物への慢性毒性を見まして、そういったものに対しても影響があるということであれば、被害を生ずるおそれが非常に高いということで、製造・輸入、使用の厳しい制限が必要ではないか。ここは現在の化審法上の第一種特定化学物質と同じようなグループになるのではないかと考えられます。これは新規化学物質を念頭においたフローとして書いております。
 5ページに戻っていただきまして、当然、既存化学物質についても、同じような性質のものがあれば、同じように、既存の知見や点検結果を活用して判定して、必要があれば規制対象にしていくという考え方ではないかということでございます。
 以上、基本的に環境中の生物への影響に着目した化学物質の審査・規制の考え方というのは、こんな形ではどうかというのを事務局なりに3省で考えたものを今日御提案させていただきましたので、御意見をいただければと思います。
 なお、関連事項といたしまして、前回、中央環境審議会でも御指摘が若干あった点について付け加えております。2点でございます。
 1つは、試験実施体制の整備ということでございます。現在、環境省などで生態毒性試験を実施しておりますけれども、まだ実施可能な機関が少ないなど、実際に民間の企業にやってもらうということについては、今後、体制の整備をもう少ししていく必要があるだろうということであります。
 次のページでございますが、生態毒性試験の実施が円滑に進むように、試験機関の能力向上に向けた支援、試験生物の供給体制の整備等によりまして、生態毒性試験を実施可能な試験機関を拡充するということで、円滑な審査・規制の実施に必要な体制の構築に取り組むべきではないかということでございます。
 もう1つは、生態毒性について、マウス、ラットとか人の健康に関する毒性のデータに比べると圧倒的に数が少ない。今日、参考資料1でアメリカなどでデータベースに蓄積されているというふうにお示ししておりますが、生物種によって多いもの、少ないものがございまして、世界でもよく使われている藻類、ミジンコ類、魚類の3種類の急性毒性のデータは非常に多いのですが、他の生物のデータはまだ必ずしもそろっていないということもございますので、今後、化学物質の生態系や生物の生息・生育への影響に関して、もっと調査研究を進ませるということで、例えば、もっと生態毒性試験を実施するとか、調査研究体制を整備する、あるいはデータベースを整備するといったことも必要ではないかと思います。また、実環境でどういうことが起きているかということをもう少し解析する必要もあるのではないかということで、実環境における化学物質と生物の生息・生育状況との因果関係の把握もやっていくべきではないかということでございます。
 以上、資料5を御説明いたしましたので、いろいろ御意見をいただければと思います。

【鈴木委員長】 事務局が用意しました資料の中で、太字で書いてある部分について特に議論していただきたいと願っているようですが、もちろん、事務局の意向は意向として、それ以外の問題についてお考えがある場合にそれを御発言いただくことも自由でございます。
 今日御出席でない方から既に文書で意見をいただいております。それを先にやるからといって、誘導的な意図を持っているわけではございませんので、私もまだ中を見ていない程度でございますから、事務局からそれを紹介してください。

【早水化学物質審査室長】 それでは、最後に付けた参考資料8を簡単に御説明いたします。基本的には読んでいただくしかございませんので、事務局の方で解説的に説明するのもちょっと変ですが、かいつまんで申し上げます。
 小江委員からは2点ございまして、1点目が生態影響試験の導入ということで、生態影響試験の導入の必要性を認識して、賛成するということですが、具体案について3点の御提案がなされております。
 2番が化審法の機能の向上ということで、化審法全体についての御意見が出ております。これはどちらかというと今回よりも次回の議論についての御意見ではないかと事務局としては考えております。
 中下委員からは、生態系あるいは生物への影響の部分についての御意見でございます。大きく分けて2つございまして、基本的認識については、(1)では、生態系保全の取組に着手することは賛成ということでありましょうか。
 (2)では、ただ、ライフサイクル全体にわたって考える必要があるということで、例
えば環境基本法の改正とか環境基準の設定などにも取り組むべきだということであります。
 (3)は、環境基本法に既に明記されておりますことから、人の健康の保護と生態系の保全とは、同列で守られるべきものではないかということ。
 (4)は、不確実性があることは否定できないが、予防的な方策を実施すべきだということ。
 2番が審査・規制の考え方についてでございます。(1)は、既に国際的に活用されている生態毒性試験ということで、先ほど申しました3つの急性毒性試験をベースとすることは、合理性があると思われるが、その他の生物についても追加的に求められるような制度とする必要がある。
 (2)は、人の健康保護と同列に扱うということで、今の化審法の「指定」・「一特」
・「二特」のような規制を適用するということであれば、賛成ということでございます。
 (3)は、化審法の「指定物質」-指定化学物質のことだと思いますが、これについて、今の制度だけでは不十分であって、もう少し措置が必要ではないかという御意見と、また、「指定」から「二特」-第二種特定化学物質のことだと思いますが、それについてきちっと判定していくということを求められております。
 (4)は、対象として生態系それ自身を保全するということで、「生活環境に係る動植物」に限定すべきではないということですが、現行環境基本法の下での当面の苦肉の策というのであれば、やむを得ない面もあるがということでございますが、広く対象とすべきだという御意見が出されております。
 それから、既存化学物質についても、生態毒性を点検して管理・規制を行うべきは当然ということですが、この点については改めて次回に意見を申し上げたいということでございます。
 さらに、分解性が良い物質についてどうするかということについては、規制の対象とする必要があるということですが、もし化審法の枠組みでの規制が難しいというのであれば、他の方策も検討するという御提案でございます。
 最後に、内分泌攪乱化学物質による影響についても、チェックシステムとして導入すべきだということでございます。
 以上でございます。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。それでは早速御議論いただきたいと思います。最初に「基本認識」という部分から議論を進めたいと思います。どうぞ。

【浅野委員】 1ページの中ほどに書いてある「生活環境の保全の観点から」という部分、大変ややこしい議論を整理するためにこういう考え方を持ち出されて、ここで整理されているわけで、事務局の努力は高く評価したいと思います。「生態系」という言葉自体は必ずしも曖昧な印象を与えてしまう概念ではないと思うのですが、何となく「生態系」と聞いた瞬間から大変だだっ広い面的な広がりを想定してしまって、どこまで話が広がるのかという不安感が先に立ってしまうということからいいますと、ある程度の概念整理が必要で、ここで生態系については、私の理解する限りではよく整理されていると思うのですが、最終的にとりあえず手がかりとして「環境基本法の生活環境の保全」という言葉が出てきている。これもやむを得ないことだろうと思います。
 ただし、この言葉を使うときに2点ほど注意すべき点について御指摘を申し上げたいと思います。この「生活環境」という概念は旧公害対策基本法、現在の環境基本法の「公害」の定義の中に出てくる概念です。公害とは、「人の健康及び生活環境に係る被害が生ずること」と書いてあるわけですね。これは橋本道夫先生がかつて言われたのですが、「生じた」とは書いていない、過去形ではないので、未然防止も当然含めた概念であると、言葉を使われた橋本道夫先生は指摘しておられますけれども、少なくとも「人の健康と生活環境に係る被害が生ずることを公害と呼ぶ」という文脈の中で「生活環境」という言葉が使われているということです。その点をまずきっちり押さえておかなければいけない。化学物質の環境リスクマネジメントは、必ずしも公害という次元におさめて済む話ではないということなんです。だから、ここでいっている「生活環境」というのは、言葉を借用しているということを理解しておかなきゃいけないと思います。
 もう1点は、かつて1967年にできた公害対策基本法は、人の健康に係る被害に関しては無条件に国は対策を講ずるべきであるということを述べた上で、生活環境に関しては「健全な経済の発展との調和を図るべし」という条文になったわけです。しかし1970年改正ではその経済との調和条項を削除したわけです。石原都知事はかつて環境庁長官在任中にこの削除は間違っていたとおっしゃって物議を醸したのですが、人の健康についてはもともと無条件であった。生活環境に関してはそういう条項があったが、にもかかわらず、それも後に70年には削除されたという経過を踏まえて、この概念を我々は共有しておかなきゃいけないと思います。まず、それを申し上げておきたい。
 しかし現実には、生活環境に関して現行の環境基本法に基づく環境基準などを見ていきますと、水の環境に関しても、人の健康については無条件、全国一律同じ基準です。しかし生活環境になりますと、地域によって、用途によって微妙に基準を変えるということを許容しているわけですね。ですから、ある程度のメリハリがそこで出てくるということはやむを得ないということになります。しかし、さっきも言いましたように、もとは生態系保全というところから始まっていて、それが余りにも面的にめちゃくちゃに広がるというイメージを防ぎたいということで、ここで「生活環境の保全」という言葉が使われ、後にいろいろな部分でもそういう言葉が出てきているということは重要なポイントではないかと思います。
 後でまた発言の機会があれば申し上げますが、余り機会がないと思いますので、先に言ってしまいますと、既存化学物質についてもこの枠組で規制対象とすべきでないかというのは、現行化審法がまさに既存物質についても明らかに問題があれば当然対象にするとなっているわけですから、それは何の問題もないわけです。しかし、生活環境に係る、つまり動植物及びその生育環境ということだけを唯一の保護法益として既存のものを取り上げるときには、事と次第によっては、新規のものとは違う、ある段階的な取扱いというか、経過措置的な取扱いをしなきゃいけない場合が出てくるかもしれない。それを意識しておく必要もあるのではないかと思います。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。大事なポイントの指摘ですが、議論の余地をたくさん残した形の指摘でもあります。

【木下委員(代理:松岡氏)】 今おっしゃったことに若干関係があるかと思うのでございますが、「基本認識」のところでございます。私どもは化学物質を取り扱う者でございますが、今回のテーマにつきましては、生態影響試験を導入するということにつきましては、早くからその必要性はあるという認識を持っておりまして、前向きに対応したいと思っているわけでございますが、そういう立場に立った上で申し上げたいと思います。2つの視点を申し上げたい。
 1つは質問のようなことと意見のようなことのミックスでございますが、環境基本法のことを触れていらっしゃいますが、その中で、人の健康に加えて環境中の生物への影響に着目して何らかの対応をする、こういう基本認識については全く賛成でございまして、異論はないのでございます。これは法律の第3条に書いてあることだと認識いたしております。ですが、ちょっと贅沢を言わせていただくかもしれませんが、そういう前提で考える場合に、今回、化審法を改正しようということでございますけれども、環境基本法の目的のところはいわゆる3点セットのような感じで理解いたしておりまして、第3条の理念に加えて第4条の理念をしっかりとらまえることが必要ではないかと強く思っている次第でございます。環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会をつくるという認識でございまして、環境の保全と経済の発展とのバランスをとる、あるいは持続的に発展させる、こういう視点をしっかりとらまえるべきではないかと思っております。今回15年ぶりの改正ということでございますが、かなり間が開いたかなという感じがいたしております。それはともかくといたしまして、今回こういう議論をやる場合にはやはり3条、4条、5条もセットかもしれませんが、そういう観点を常に頭に置くことが必要ではないかと思っております。具体的には、さっき御説明ございました、ハザードではなくてリスクでやるという考え方だと思っております。
 それから、ちょっと細かいかもしれませんが、同じような観点でもう1点申し上げますと、OECDのレビューの勧告のことが触れられております。ここでは確かに生態系保全を含むようにという勧告があるのはそのとおりでございますが、今、最初の点で申し上げたことと併せて考えるのでございますけれども、英語も読んでみましたが、ここで言っていることは、effectiveness and efficiency of chemical management をインプルーブしなさいということが1つと、次いでさらにレギュレーションの範囲を広げて生態影響もやりなさいと、この2つを並列的に勧告しておられるのだと私は思っております。ちょっとくどいかもしれませんけれども、生態系保全のみを強調して勧告しているのではなくて、2つのことをやりなさいという非常に難しいことをおっしゃっているのではないかと私は理解しておりますので、それを申し上げるとともに御意見を承れればと思います。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。ほかにございませんか。

【若林委員】 これを読ませていただいて、非常にわかりにくいなという気がしました。全ての国というわけではないでしょうが、欧米の多くの国では生態系を守るという、どこまでの範囲かはともかくとして、それがあって、それにいかに評価方法を近づけるかというようなプロセスで進んでいくのに対して、これを読んでいますと、なるたけいかにして少ない範囲の生物でもって生態系保全というものを担保していこうかとやっているように思えてしようがない。これは感想です。
 「基本認識」の3行目の「一方、……」というところで「現状においては、化学物質による生態系全体への影響そのものを評価する手法は確立していない。」とありますが、生態系というのは、場所によって違うし、時期によっても違うし、極論しますと、そういうことは基本的には確立するということはあり得ない。その中でいろいろな研究者あるいは国が評価方法をいかに予測とかを入れながら、より正確に評価できるかというものをやりながらやっているということなので、OECDなりEU、USAなりが先ほど説明したような手法をとっているということなんだと思います。そういうことで、私としては、「一方、」以下は削除していただきたいと思っております。当たり前のことを書いているというか、こういう議論をしていけば、将来にわたって確立はしないだろう。しないところからいかに評価していくかということなので、この文章は要らないだろうと思います。
 それから、「生活環境」ということで生物を考えていらっしゃるようですが、例えば環境基準などでは「生活環境」というと、水産とかごく限られておりますけれども、私としては、例えばホタルとかメダカも生活環境ではないか。人に潤いを与えるみたいなものも入るのではないかという視点からなるたけ増やしていただきたいと思います。
 多分、発言する機会はこれしかないと思いますので、1点だけ追加させていただきたいのは、高蓄積性のものに関して高次の生物というふうにここでは言われています。そのときに、例えば哺乳類ということでラット等をもし考えていらっしゃるとしたら、多分、田辺先生からも発言があると思うのですが、例えばイルカとか、水系に出たときの哺乳類についてどうなさるのかということと、魚類を考えていらっしゃるのかどうかということなんですが、それは、例えば鳥類で毒性があるものが魚類に全て毒性があるということになれば、問題はないと思うのですが、その辺について若干検討が必要ではないかということを申し上げておきます。

【鈴木委員長】 今、若林委員が提起された問題をもっと簡単な形で集約して言うと、「人の健康と生態系」という用語で括るのではなくて、「人の健康」、「野生生物」、そして「生態系」というふうに言葉を使わなければいけないのではないかという気が若干した部分があります。これは別に私が結論的にそう言っているのではなくて、今の発言を解釈してみるとそうならないかなという感じがしただけです。

【小倉委員】 生態系の議論が昨年始まりましてから、産業界でも「生態系の保全」というのをどう理解すべきかという議論もいろいろやってまいりました。確かに生態系全体の保全というと、何で評価するのか難しいなという話もございました。今回の事務局からの御提案は、生活環境の保全の観点の切り口からこれを作っておられるというふうに理解しておりますが、その前に多分、例の農薬とか今回の水質目標の検討の過程からこういう話が出てきているのだろうというふうに私どもは理解するのですが、水質なり農薬の方でこういう視点でというふうなことを決められたといいますか、そういうことで進んでいる背景等で専門的な面からお話を伺わせていただければありがたいと思います。

【鈴木委員長】 これは須藤委員にお願いします。

【須藤委員】 今の御指摘の農薬の生態影響、水質の環境基準の点での議論と、なぜ今こういうふうに進んでいるかというところが、化学物質の審査・規制とどちらが先かというのは別として、今日読ませていただくペーパーでは調和がとれていると私は思っております。なので、多分、前段の農薬あるいは水質の環境基準のところの御質問があったのだろうと思います。
 両者共通しておりますが、違うところは、農薬の方は農薬取締法ということで生態影響の基準値ができれば、その農薬がもしいけないということになれば、市場に出ないということになりますから、もしかすると、この化審法よりもさらに厳しいのかもしれないという気がいたしますが、生態影響をここで考慮しているということです。
 環境基準の方は、重要な、今、比較的環境に放出されている物質の中で、生物に影響がある、生態系に影響がある、こういうことなんですが、では、生態系影響は何かというところから入らないと、これはなかなか議論できないのです。そもそも水にしろ陸にしろ、主として水が多いのですが、水系の生態系が健全性でないと。その健全性をどうやって評価するのかということで、その中で、本来でしたら、生態系というある、例えばモデルでもいいし、実験系でもいいのですが、そういうところに、ある化学物質が入って、どういう相互作用なり生物に影響があるかというのを全て調べなければいけないのですが、それは現実的でないので、そこで構成されている生物が3種の生物で、少なくとも一次生産者、一次消費者、二次消費者、これが組み合わさっていればよかろう、こういうことでOECDにも試験法がある。それから、我々がずっとレビューしてみますと、そういうデータはかなり蓄積されているということがあったので、それを3点セットというわけですが、生態系についていろいろお詳しい先生から見れば、この組合せが余りよくないのはわかりますよね。これは植物プランクトン、動物プランクトン、コイですよね。ミジンコが川にいることは余りないですよね。よどんでいるところにいるかもしれませんけれども、いるはずはない。そういう意味で1つの食物連鎖としての生態系をモデルにしているわけではなくて、あくまでも実験生物としてそれを取り上げている。しかし、それは生物に対する影響ではなくて、その3つをみることが最低限の1つのシステムをつくっているのだ、こういうことで取り上げさせていただいたということで、特に生態系の先生から、こんなところではだめじゃないか、本来、生態系全体を評価できる試験法を取り上げて、それで議論すべきだという議論も随分ありました。農薬にしても環境基準にもございましたが、とりあえず今できるところはどこからかというと、理想は掲げながら、現状できるところはこの3点セットだということでございまして、3点セットでありきで始まったわけではございません。ここぐらいはせめてやらなきゃいけなかろうということでございますので、誤解しませんように。うまい回答ではないかもしれません。若林さん、もしありましたらどうぞ後でお願いいたします。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。問題は、理想の旗が揚がっているのかどうかの問題かもしれないですね。

【神山委員】 先ほどから出ておりますように、一体どこまでが生態系と考えるのかというのは非常に難しいと思います。「基本認識」のところに「環境基本法の生活環境の保全の観点から」とございますが、先日、事務局から昭和48年9月にこの法律ができましたときの衆議院の商工委員会の附帯決議を送っていただきました。それを読みましたら、「人の健康にとどまらず、生活環境に被害を与えるおそれがある化学物質による環境汚染を防止するため、必要な規制等の措置について検討を進めること」というのが昭和48年の附帯決議に入っておりまして、今30年ぐらいたっていて、まだ当面できることが生活環境に影響を与えるということなのか。その間に進めることというのは、つまり何も進んでこなかったということなのかなと。30年間何か進めてきていたら、生活環境の保全よりももっと広がった生態系の保全という視点が前面に出てきてもいいのではないかという感想です。
 1点だけ質問させていただきたいのですが、資料4の8ページ以下にGHSというラベリングシステムの資料が付いておりますけれども、このラベリングシステムをどうするかという話が今回の化審法の改正の問題の中にも入ってくるのでしょうか。

【鈴木委員長】 御質問は議論の本題からちょっとずれますが、簡単に答えてくれますか。

【早水化学物質審査室長】 もちろん表示というやり方も規制のやり方の1つではございますが、事務局の提案には今GHSの話は入れておりません。と申しますのは、GHSというのは、今日は生物影響の部分だけを取り上げて御紹介しておりますが、他の人の健康への影響とか爆発性とか引火性とかいろいろな性質について、また人の毒性も発がん性とか変異原性とか慢性毒性とかいろいろありますが、そういったもの全体についての表示制度になりますので、化審法だけではなくて、他の法律なども関係してまいります。このため、今回この議論の中で取り上げるのはちょっと時期尚早ではないかということで、事務局からは提案させていただいておりません。

【鈴木委員長】 「基本認識」の問題に戻りたいと思います。

【中杉委員】 私は環境省の検討会のとりまとめをさせていただいたという立場上、今回のたたき台の中にそこで申し上げたことがどのぐらい入っているのかなというのをまず見させていただきました。若林先生が言われたように、非常に難解であって、この文章を作られるのに非常に苦労されたのだなというのは理解いたしますけれども、最後の1枚のペーパーを見せていただくと、概ね基本的な考え方のところは入っているのかなと考えております。
 先ほど、ハザードでやるべきではない、リスクでやるのだという話がございましたが、それに関して私は、確かに人の健康ではなく、生物だということはありますけれども、生物に対する暴露される面から見ますと、人の健康の場合は暴露を防ぐという対策ができる。だが、生物に対する暴露というのは防ぐことができないということに留意して議論しなければいけないのだろうということが1つでございます。
 それから、先ほどの報告書に戻りますけれども、報告書の中で指摘させていただいたことが3点ほどこの中に盛り込まれていないので、どういうふうに扱われるのかということをお聞きしたいと思います。
 第1点は、中下委員も御指摘になっています良分解性物質についてどう考えるか。これも生物には直接暴露されるということで特有に問題になってくるだろうという判断で指摘させていただいた問題でございます。
 2つ目が高分子の話なんですが、今、人の健康にという意味では高分子フロースキームということで対象外ということにしてございますけれども、生物の場合には水溶性の高分子の場合に影響するのではないか、それをどう扱うかというのが2つ目でございます。
 それから、これは全体にもう少し係るのですが、単なる製造・使用の禁止あるいは量の制限だけではなくて、いろいろな用途の規制というのも1つの方策としてあるのではないか。この3点が指摘させていただいた部分が抜けているようでございますが、これについてどういうふうに扱われているのかということをお答えいただければと思います。

【鈴木委員長】 申し訳ありませんが、今の段階では議論が少しテクニカルに入りすぎてしまうと思うんです。まだチャンスがあるかもしれませんから、後でもう一ぺん提起していただければと思います。

【吉岡委員】 メインの議論になっております、いわゆる生態系というものと生活環境というものをどう使い分けるかという問題なんですが、基本的に大きな違いはないと私は思います。それはどうしてかといいますと、例えば人が生きていく上において周りの生物は全部必要だし、ある生物が生きていく上において他生物は必要だし、他生物が生きていくためにはまた生物が必要だし、酸素はみんな要るしということでいけば、全部の世界が入ってしまいますね。ということは、密接な関係ということをどの辺で区切るかという問題になってしまう。それが一次の問題であるのか、二次の問題であるのかという部分の区切り方が違うだけの話であって、基本的に生態系というものと人の生活の密接な関係というものはそれほど分離されたものではないというふうに認識しております。ただ、法律が作られた時点において、現在のようなこうした考え方を予測して作ったわけではありませんから、そういう意味では、我々は拡大解釈をしてしまえば、似たようなものだろうというふうに認識することができるのではないかと思います。

【宮本委員】 時間がないので簡単に申し上げたいと思います。2時間で40人だと1人3分ですから、これは殺生だなと思います。余り技術的なことに入るといかんということで、それは後で1分か2分時間をいただくことにします。先ほど来出ておりますが、この基本的な考え方というのは、結論的に申しますと、これしかないと思うんです。つまり、生態系全体を議論して、それにどうするかということを頭の中では考えられますけれども、具体的にこういう問題になったときに、生態系全体をどうするのかということをいくら議論したって、具体的な第一歩は踏み出せないわけですね。だから、特定の化学物質から入っていこう。また、生態系全体ではなくて、クジラもイルカも大事でしょうが、それを言い出したら、北極グマだってあるんです。そういうことを最初から議論したのではしようがないので、私もこの入り口の3点セットというのは、必ずしも百パーセント満足しておりませんけれども、そういう意味では段階的にやっていくというやり方しか、日本がこの点で大変遅れているということは世界的に指摘されるまでもないので、これをできるだけ欧米のレベルにそろえるためには、こういう行き方がとりあえず一番プラクティカルなのではないかと思います。

【鷲谷委員】 生態系を空間的にもある限定をして、それで評価したりしないといけないというのは当然のことだと思うのですが、その限定の仕方が、「生活環境」という言葉ですと、本当に生態系の評価を目指しているのかということで、理屈の上でかなり矛盾があるような印象があるんです。むしろ生態系への評価をするとして、空間的な限定というのはどうしても必要ですが、何が必要かと考えれば、影響を受ける可能性が大きくて、またそういう影響が特に疑われている生態系ということで、それは淡水生態系を中心とする人の生活域の生態系であるということは、かなり広く合意ができることだと思いますので、そういう場を念頭において評価するという説明でしたら、3点セットの合理性もまたそこから強調することもできなくはないと思うんです。理屈の面で生態系の評価といいながら、ちょっと違うことをしてしまうような印象を与えて、枠組に関してはいいと思うのですが、「生活環境」という言葉を使ってしまったために、余り合理的な説明でなくなってしまっているような印象がありますので、生態系をどういうふうに区切らないといけないか。生態系への影響という面から理屈を作って、毒性を検討すべきテストの内容は、とりあえず実行可能性も考えると、これでやるというふうな理屈だといいなと思います。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。これまでの発言のところでこれがベストだという意味でものが言われているのではなしに、これが出発点だという形でものが言われていることが多いように思います。いろいろな用法についてのそれぞれの違いみたいなものもあるわけですが。

【渡部委員】 時間が押しているというお話ですから、私の考えを代弁してくださっているような感じがしたのは、特に文書で御意見を寄せられた方々の意見です。その中で私も同感だと思うのは、このフロースキームの中で、かつて問題になり、恐らく将来とも問題になり続けるだろういわゆる環境ホルモン、内分泌攪乱物質が果たして3点セットでチェックできるはずもないのではないかと思ったりもしているんです。そういったのが将来、ここで本格的に取り組もうというときにこの中に入るような弾力性のある法体系にしてもらいたい。だから、3点プラスアルファセットなどということが可能なようにしてもらいたいというのが1つです。
 それと、先ほど言いたいと思っていたことを吉岡先生がおっしゃったので、重複を避けます。
 最後にコメントですが、念願のPRTR制度ができて、化審法とのギャップがすごく大きかったのですが、これで埋まりそうな気がします。だから、最終的に改正にもっていくときに、PRTRと化審法の補完性に十分に気をつけて法体系を作っていただきたいと思います。
 最後ですが、3点セットであれ、何であれ、今回我々がディスカッションしていることは大変すばらしいと思います。先ほどエコトキシコロジーという分野が我が国は欧米に比べて遅れているとおっしゃいましたけれども、私も同感でございます。エコトキシコロジーという分野がこれによって研究者のポピュレーションも大きくなってくるでしょうし、大変ありがたいことだなと思っております。まずは称賛いたします。

【鈴木委員長】 ありがとうございます。藤井委員の発言と中西委員の発言でこの部分に関する討論を一段落にしようと思います。まず藤井委員からどうぞ。

【藤井委員】 中西委員の専門的なお話の前に、琵琶湖でずっと活動してきているのですが、先ほどの昭和48年の法律の付帯事項にも既に盛られているという規制の問題は、神山委員のお話を伺いながら、ちょうど琵琶湖の開発の歴史とずっと一緒の時期を追っています。地域でいえば、水系生態系だけではなくて、里山も森も確実に生態系が悪くなっているのを動いている人たちがはっきりわかっていながら、しかも、その状況をどうするという状況にありながら、待ったなしの状況にあるのだということが本当に私たちにあるのか。昭和48年からの30年はどうにかもったけれども、今から本当に悠長な議論では間に合わないという中でこの議論はぜひしていきたいと思います。感想です。

【中西委員】 生態リスクというのを一生懸命やっているわけですが、その中で私が一番最初に意外だなと思ったのは、アメリカなどでエコロジーというのは非常に狭い範囲をいっているということです。日本人が生態系というと、全部をいっている。その違いがすごくありまして、米国などでの規制の考え方とかリスクを考えていると、あるところでのある生物集団を守るということが生態系の保護という形になっていまして、それは取扱いができるものは何かということで、特定の生物を拾い上げて、それの個体群であると。だから、ここのところの「科学的不確実性」というのをどちらかというと、向こうはトラクタビリティー、取り扱えるかということで、しかし最後の結論はほぼ同じという感じを私は持っています。それがまず1点。
 もう1つは、化審法というのは入り口規制なので、そこのところであらゆる規制をかけてしまうというのは間違いだと思うんです。出口の規制があって、それと補完するものとして入り口の規制があるというふうに考えます。そういう意味では、私も若林さんが言われたように、「生活環境の保全」というのは何か古びていて、ちょっと物足りないなという感じはしないわけではないのですが、実際には出口の規制で生態系を保全するとか生物を保全するための規制というのがほとんど進んでいない時点で、入口のハザード規制のところにだけ厳しい規制をしていくというのは非常にゆがんでいると私は思っています。ですから、この言葉自体、ことに「不確実性」という言葉は嫌いなんですが、とりあえずこの内容としては満足しています。

【鈴木委員長】 規制の話に移る前に中西さんが入ってしまったので、ちょうどいいから、規制の問題に入りたいと思います。

【早水化学物質審査室長】 いろいろコメントをいただきましたが、事務局から2点だけコメントさせていただきたいと思います。
 まず簡単な方ですが、渡部委員からの御指摘と中下委員の御指摘にありました、内分泌攪乱化学物質についての点でございますが、ここで今回念頭に置いておりますのは、急性毒性試験も慢性毒性試験も、例えばOECDなどで検討されて国際的に認知されている、あるいは科学的に確立したものということでございますので、そういった意味でいいますと、内分泌攪乱作用に関するものを今の時点でこの化審法の試験法に入れるというのは、そういう段階ではないのではないかと考えておりますが、これは決して将来的なものを排除するということではございません。例えば法律にこの3点セットをやると書くとか、そういうことではございません。あくまでも試験法というのは、できれば世界的に使えるようになるとか、そういうことであれば、追加していけるものですので、将来的なものを排除するものではないと考えております。
 もう一点、議論の中でちょっと誤解があるかと思って補足したいのですが、今日の1枚紙で御説明しておりますが、全部生活環境の保全でやるといっているわけではございません。入り口のところのチェック、特に3点セットのチェックというのは、生態系というのを念頭に置いて、生物への影響をなるべく幅広くみるという観点で入り口の審査をして、適正管理までは広い視野でやりたいといっております。その上で、厳しい規制をかけるときに定量的な評価などが要るということで、そのときには概念を少し絞って、生活環境という観点で規制をしてはどうか。これは従来、公害規制法でやっているということもあり、定量的評価も既になされつつあるということで、規制をするということですから、全部生活環境でこの問題を片づけてしまうという意味ではございません。その点だけ誤解があれば、2段階という感じですが、入り口は非常に広くとらえて考えているということは御理解いただきたいと思います。

【鈴木委員長】 それでは、2の「審査及び規制の基本的考え方及び枠組について」、(1)と(2)とありますが、一緒に議論してしまおうと思います。先ほど中杉委員にチャンスがあるかもしれませんと申しましたので、どうぞ御発言ください。

【中杉委員】 二度とチャンスがないと言われた先生のお話を聞いて、フライングであることはわかりながら申し上げました。詳しい話は先ほどしましたので省略しまして、3点だけです。良分解性物質について扱うべきではないか。今の化審法の中では良分解性物質はその段階で排除されているというのが1つでございます。2つ目は、現在、高分子フロースキームで外してしまっているのですが、その中で水溶性の高分子については生物への影響があるのではないか。3つ目は、実行可能性ということを考えると、用途の制限というオプションを入れたら、もう少しうまくいくのではないか。その3点について環境省の検討会の報告書では指摘させていただいたのですが、今回のたたき台の中には明示的に出てきていない。そこら辺のところはどうお考えなのかをお聞かせ願いたいということでございます。

【鈴木委員長】 これは事務局が返事をしなきゃならない部分になるかもしれませんが、その前に池田委員長が手を挙げていますので、話を伺いたいと思います。

【池田委員長】 委員長と書かれてしまうと、今日は黙って静かに鈴木委員長を助けるという役目だと思ったのですが、3点セットの議論が出てきましたので、少し申し上げたいことがございます。私自身はエコトキシコロジストではないのですが、先ほど少し御紹介のありました「生態系保全等に係る化学物質審査規制検討会」というのに取り込まれまして、少し議論させていただきました。その中では、いわゆる3点セットなるものの評価、これはヨーロッパ勢にすれば、自己評価、自己批判になりましょうし、我々にとってみれば、彼らの経験の評価ということになろうかと思いますが、どうもそれが十分に行われている兆しはない。だとしたら、自分自身でやってみようと試みてみますと、自分にとって非常に意外だったのは、3つのセットの中でどれかで真っ黒のデータ、つまり非常に厳しい毒性の出てくるものは他のテスト系についても真っ黒になってくるチャンスが非常に高うございます。逆にどれかで真っ白になるものは、他のものをやっても真っ白になっていることが結構あります。つまり、データは、先ほど事務局がお示しになりました全体で見ると、相関がばらばらにあるかに見えますが、真っ黒グループ、真っ白グループまで見ていきますと、結構バイアスがかかっているものなんだというのがわかってきました。
 これは2つ意味がありまして、1つは、3つとも水系をやっている。他の系をやっていない。もう1つは、急性毒性だけを見ている。例えば、どれかで真っ黒になったものを他の2つを追いかけるよりも、例えば慢性毒性のシステムが出てきているわけですから、そちらを取り込む。あるいは真っ白になっているものにわざわざ他の2つを丁寧にやって再確認だけしていくというよりも、もう少しフレキシブルなアプローチをした方がよさそうだと考えています。その意味では、結論から申し上げますと、3点セットを出発点にするのは結構なんですが、それ以外の選択肢はないという形に組んでしまうのはまずかろう。これは技術的な問題になっていこうかと思いますが、その面からの検討はかなり要るだろう。先ほど事務局から、例えば法律なり、それに近いものに3点セットで規定してしまおうというつもりはないです、フレキシビリティを考えていますという話がありましたので、その意味では心強く思いますが。

【鈴木委員長】 事務局、中杉委員の御質問になるべく短く答えてください。

【早水化学物質審査室長】 まず第1点目、良分解性物質でございますが、これは本文にも出てまいりますけれども、化審法が難分解というものを対象にして事前審査、製造・輸入の措置をとるということで、これは難分解のものが環境に出ると不可逆の汚染をもたらすということで、入り口で閉めるという考え方になります。ですから、分解性のいいものは入り口で閉めなくても、中西委員からも御指摘がありましたが、出口側の対処ができるのではないか。例えばPRTRとか有害大気とか、あるいは必要であれば水濁法とか、そういったもので排出側で対処することができるのではないかということで、そちらを基本に考えてはどうかということです。入り口側は難分解という、どうしてもやらなければいけないものに限っているということでございます。
 第2点目、高分子でございますが、これは今でも人の毒性の方でももし化学構造から見て長期毒性が疑われるということであれば、高分子の場合でも試験を指示することがございますので、生態毒性でももしそういうものがあるということであれば、指示が可能であろうと考えております。そのあたりの具体的にどういうグループがということについては、運用する段階で考えていく問題だと考えております。細かいので今回は載せていなかったということです。
 用途規制の問題ですが、今の化審法は量を規制するという概念でございますが、用途規制は外国では一般的に行われておりますけれども、実際に実施する際にその用途だけどうしてだめなのかとか、どの用途を絞るかとか、なかなか難しい点もございます。今、二特の規制の制度の中に取扱いの指針というものがあります。この中で、ある程度用途を念頭に置いた規定ができる。あるいは量を制限するときに開放系の用途を主に絞るとか、そういった対応が今の制度でできますので、当面今の措置でできるのではないかということで、制度改正は今の時点では不要と考え、この中に入れていないということでございます。

【鈴木委員長】 まだ何かあるかもしれませんが、それは置いておくことにして。

【小倉委員】 余り発言の機会もないということでございますので、数点コメントさせていただきたいと思います。まず、今回の化審法の議論で、私ども産業界からはぜひリスクベース、暴露を考えた体系といいますか、取組を取り入れていただきたいということを非常に強く申し上げてまいりました。現在の化審法、例えば今回、生態の話が問題になっております。産業界としては、生態系についても従来から十分いろいろな取組をやってきたつもりでございます。新規物質を開発するときは、それが生態系に出ていく可能性があるという物質の場合には、当然、生態系に関するところのデータもとってきております。化学物質の管理という観点からは、個々の物質について、どういうふうに製造され、どういうふうな売り方をされ、どういうふうな使い方をされるかということから見ていくのが一番いいと思っております。そういう意味では、生態系の規制につきましても、従来からいわゆる枠組規制的な範囲の中で自主的にフレキシビリティをもって取り組んでいくのが一番効果的であるということを申し上げてまいったわけでございますが、今回、製造の規制にまで及ぶ体系の御提案がございます。いろいろな議論の中で、規制がないと企業はなかなかやらないでしょうとか、あるいは逆に自主規制でやれるのであれば、その裏に規制があっても全然問題ないじゃないとか、そういう議論がいろいろなされたわけでございますけれども、産業界としても、生態系にものすごく影響があってどうしようもないというときには、そういうふうな強い規制もあり得べしだというふうな気持ちは持っております。
 ただ、具体的にどういうふうな適用なり運用がなされるかというところが私どもとしては非常に気になるところでございます。例えば、現在の化審法からいいますと、指定化学物質あるいは今回の生態でチェックしていく必要があるというものにつきましては、有害性のみの判断になるわけですね。例えば3点セット、それがどういうふうに暴露されるかとか、どういう用途に使われるかというところがございません。ところが一方で、世の中の商売からいいますと、例えば指定化学物質になりますと、これはブラックリストに載ったということで、実際の商売上はなかなかお買い上げいただけないという事実も出てくるわけでございます。そういう意味からしますと、例えばアメリカとかEUはリスクの観点が最初から入っております。そういう意味で何とかリスクベースの観点を、例えば今回も3点セット、そのときにどういう用途であるか、例えば閉鎖系であるとか、あるいは今回指定というのでしょうか、最初の生態毒性を有することが明らかになった、それから以降の規制に至るところのプロセスをぜひ十分明らかにしていただければ、我々もそれほど心配がなくなるといいますか、かえってもっとうまく取り組めるだろう。例えばGHSというのがございます。これは国際整合性で、産業界としましても2008年、別のところは2006年までと言っております。これについては、国内では化審法のみならず、危険物とか道路運行法とか、そういうところまで含めた分類表示の整合性が求められてまいりますので、そういう意味でも政府にそういうところの整合性をぜひとっていただきたいということは申してきております。そういう意味では生態系についてもぜひGHSのカテゴリー1というのを基準に今後お考えいただきたいと思っております。

【田辺委員】 私は5時過ぎに失礼しないといけませんので、一言コメントをお許しいただければと思います。まず、今回の環境省のこの御提案について私も何の異論もございません。我々は学術的な場でエコトキシコロジーの研究をしているわけですが、これで行政的な後押しをいただける中で我々も研究が展開できる、あるいは国際的な場でもいろいろな主張ができるということで、大変心強く思っております。
 1つだけ、2番の議論に入っていると思いますので、ここに関連したことを少し申し述べさせていただきます。今回の御提案は大変よくできておりまして、私はこれを大変高く評価しております。ただ1つ、陸上とか淡水の生態系のリスクについては非常によく書かれていますが、先ほど若林委員が指摘されましたように、海のリスク評価、特に海の高等動物のリスク評価の視点がかなり薄いのではないかと思いました。御存じのように、海の哺乳動物あるいは海鳥類はPOPs関係の化学物質を非常に高い濃度で蓄積しておりまして、仮にこういう化学物質の毒性に対して敏感だとなったら、地球上で最もリスクの高い動物ということになるかもしれません。そういう意味で、こういう動物を対象にしたリスク評価というのが求められるのではないだろうかと思います。ただ、そうはいっても、こういう水生の高等動物を対象とした試験とか実験動物があるわけではございませんので、ここのところは非常に難しいというのも事実でございます。ただ、いろいろと知恵を絞って何とか突破すべきではないだろうか。ここのところに穴をあけてはいけない。正面から取り組むべきではないだろうかと思っております。1つの手立てとしては、最近出てきているトキシコゲノミクスという方法を用いて何とかアプローチできないだろうか。まだまだ研究としても未完成ですが、行政の側で情報を集めていただいて、ここのところも少し
ずつ勉強していただいて、前に進むようなことを考えたらどうだろうかと思っております。

【宮本委員】 少し細かい話を2つ3つ申し上げたいと思います。その前に、リスクかハザードかという議論が先ほどございました。これは今までの化審法でもそうだと思うのですが、今やハザードで物事を管理するということは全く不可能だと考える方がいいと私は思います。まして細かいいろいろな環境のコンパートメントの中で、いろいろな生物がいて、いろいろな化学物質が流れ込んでくるというのをハザードで一体どうして管理するのか。これは現実的には非常に難しいというか、不可能に近いと思います。そういった意味では、基本的に御紹介いただきました資料のこの考え方は、私は、ハザードではなくてリスクで見るということをやろうではないか、そういう提案だと受け止めておりますので、そういうことであれば結構だと思います。
 技術的なことについて2つ3つですが、いわゆる3点セットが大前提ではないということですので、これは一安心といいますか、現実にその化合物がどういう使われ方をして、どういう環境のコンパートメントの中に入っていくのかということをもう少し簡単に、しかし確実にわかる方法というのはいくつかあるんですよね。だから、そういうものをもう少しうまく使った上で、魚よりもミミズの方が先だなというような議論をもっとしっかりやっていってもいいのではないかと思います。そうした方がいいと思います。最終的には環境全体についてどうこうということになると思いますが、そういったことで余り最初から固定的にお考えになっていないとすれば、それは大変結構なことだと思います。
 その次に申し上げたいことは、これは少し言いにくいのですが、「生分解性」とか「蓄積性」とかいう言葉があるわけですが、みなその言葉によって意味するところが必ずしも同じではないというのは、何もこの件に限ったわけではないのです。早い話が、例えば生分解性というのは非常に大事な1つのポイントになっているのですが、生分解性というのは、要するに環境で化合物がどういうふうに分解していくか、そのスピードがどうなのかということでして、それをアセスするのにいろいろな試験方法があるということだと思うんです。逆ではないと思うんです。ですから、今、例えば化審法で決められている方法でもって生分解性シロだというのはオーケーですが、あれで問題がある化合物が実際に環境の中で本当に問題を起こすのかどうかというようなアセスメントはもっとしっかりやっていく必要があるのではないかと思います。
 それから、これをずっと拝見すると、先ほど、毒性データだけではなくて、適切に環境モニタリングを入れて見ていくのだというふうに御説明があったと思いますが、それは非常に結構だし、大事なことだと思うんです。室内で起こったことをそのまま環境に当てはめるというのがいかに難しいか、現実的には不可能に近いということはよく知られている事実です。そういうわけで環境のモニタリングをちゃんとやっていくということが大事だと思います。その場合に、これまでのような環境のモニタリングではなくて、もう少し総合的に考えて、少なくともケミカル・モニタリングとバイオロジカル・モニタリングがきちっと結びつくような形でモニタリングをやっていくということをもう少し考えていくことが大事ではないかと思いますので、そういった点についてもお考えいただきたいと思います。
 まだございますが、時間がございませんので、以上にいたしたいと思います。

【伊東委員】 私もリスクということを考えてこの会を進めておられるということに非常に感銘を受けております。今までハザードの問題だけでいろいろ考えていた。生涯とることのないような大量の物質を動物に与えて発がん性が出たというようなことで、それは発がん物質であるという判定がしばしばなされておって、それによっていろいろな反応もございました。しかしながら、リスクという立場をここで加えることによって、その問題は大いに変わってくるであろうと思います。ただ、リスクを決定するためには、ハザードのアイデンティフィケーションが非常に重要なんですね。欧米に比べて我が国は劣っているということですけれども、ハザードのアイデンティフィケーションをきっちりやれる施設なり今までの設備が非常に少ない。また、それをやる人材も乏しいということも事実でございますので、これについてこの会でこの資料の中でそれをバックアップしていくということが書かれているのは非常にいいことである。これからもその点を忘れないで考えていただきたいと思いました。

【岡委員】 言葉の定義についてお尋ねしたいのです。「生活環境に係る動植物」というのと「人の生活に密接な関係のある動植物」というのは同じ意味ですね。「生活環境に係る動植物」というのは何かということで、1ページの中ほどの記述から、水産動植物及び有用動植物のことを指すのだろうと思っていましたが、5ページの「高蓄積性を有する化学物質」のところを見ますと、高次捕食動物もまた人の生活に密接な関係のあるものと書いてありますよね。ということは、必ずしも有用動植物とか水産動植物以外のものも含まれる。そうすると、「人の生活に密接な関係のあるもの」あるいは「生活環境に係る動植物」というのは、曖昧さなく定義できるのだろうかという疑問が生じたのです。

【浅野委員】 私が回答する立場にはないかもしれませんが、1ページに書かれているのは、あくまでもその観点からこういうものを今までやってきましたと書いてあるだけです。定義そのものはもともと公害対策基本法以来の法律の定義そのものであって、水産動植物に限るということは決してありません。ただ、水の環境基準のところでたまたまそうなっただけのことであって、それが問題だということはたびたび中央環境審議会で指摘されているわけです。人によってはそれは無茶だと言う人がいますけれども、少なくとも西表のように人口 3,000人でほとんど生き物しかいないような島の生き物は、人の生活に密接な関係がないとは誰も言えないわけで、当然、全部密接な関係があるわけです。それまでいけば、なぜ鳥島はだめかとなるわけですね。恐らく日本国民の目の触れるところの動植物は全部密接な関係があるという解釈は当然あり得る。先ほど吉岡委員が拡大解釈をすればいいとおっしゃいましたが、拡大解釈と言わなくても、もともと公害対策基本法を作ったとき以来、これはそうだと考えられてきたということもできなくはないと思います。ですから、御懸念には及ばないという気がするのです。余り限定しないでという吉岡委員の先ほどの御指摘は一番適切な御指摘で、要はネーミングの問題で、どっちといっているかというだけのことです。しかし、ここで注意しなきゃいけないのは、法制度を組み立てるという観点から、適正管理の程度にするのか、それとも定量的に数字を決めて、ある強制力を加える規制を行うか、それも禁止ということまで含めた強制を加えるかということになりますと、おのずからそこには要件が明確でなければいけない。誰かが違憲訴訟を起こしたときでも決して負けないというだけの確からしさが必要ですから。そうすると、その限りにおいて数値的にものが言える世界は、こういう部分に限定するというわけではないが、こういう部分をとりあえずターゲットにしておけば、恐らく疑義が少ないであろうという意味で事務局が考えられたのがこのポンチ絵だと思うんです。これはどう考えてもこういう考え方でいく以外ないだろうと思いますので、私はこれでいく以外はないと思います。
 ただし、中杉さんからも御意見がありましたし、私も場合によってはそういうこともなきゃいけないと思っておりますことは、従来の化審法の枠組をそのままそっくり横滑りの形で当てはめるという改正法の構造をとるかどうかは立法段階の話ですから、慎重に検討されてもいいのではないかということです。特に申し上げたいのは、新規化学物質に関しても今まで以上にもっと段階を追った柔軟な対応を行うという必要性が多分次に出てくる話題だろうと思われるのですが、今まででも新規物質についてはいきなりフルセットでチェックしろとは言っていないはずです。最初の入り口でこれでやってみて、これが黒なら、次にここにいけ。それが黒ならさらに次にいけというステップを追っていっているはずです。ですから、新規のものに関してはそういう柔軟な対応が今以上に必要であるということは、他の委員からもるる指摘されているとおりだろうと思いますし、池田委員長が、3点セットは全部フルセットでなければいけないとは思わないよとおっしゃったのも、私は専門でないのでよくわかりませんが、なるほどなと思われる面があります。
 それから、どの程度の量が製造されることが想定されるのかとか、どういう用途向きにそれがもともと開発されているのかということと、最初のチェックというのは、必ずしも無関係でないような気がするのですが、最終的にどこでどう使われるかわからないから、入り口のところは徹底的に厳しくやらなければならないという従来の発想は、途中での用途についてのしかるべきコントロールが可能な仕組みを作っていけば、もうちょっと緩やかにできるかもしれないという気がするわけです。特に、先ほどちょっと申しましたが、既存化学物質についても当然ほったらかしにできないわけですから、既存化学物質について知見が増えれば取り上げていかなきゃいけないわけです。新規の場合のように最初から入り口のところで手を挙げて入りますというときには段階的にやれるのですが、今まで作っていたものがある日突然だめと言われたら、大混乱が起こるでしょうから、そういうときには、これからは製造・販売はだめという選択をするのか、用途規制の方で厳しくコントロールするという道を選ぶのかといった、いくつかの選択の余地を用意しておかきなゃいけないのではないかというのが先ほどの私の発言の意図です。用途規制に関しては、運用でも十分できるのだろうと思っていますし、また、直接規制的に用途規制をかけるというのは、化審法の世界では難しいわけですから、他法の世界との連携を図るということも1つでしょうし、化審法の許可条件として、例えば廃掃法でいっているマニフェストみたいなものを厳しく要求するようなテクニックも可能かもしれない。いろいろ考えればできるのではないかという気がします。
 もう1点だけ、宮本委員がおっしゃったことと関係があるのですが、モニタリングは今、黒本でやっているわけですが、PRTRの制度ももう1つあって、いくつも道具立てができていますから、例えばPRTRで推計を上手にやっていくためには、4ページの黒いゴシックで書いてある下から3番目の丸のところ、用途の把握については、今まで以上に精緻な用途の把握の仕組みを導入することもこの分野では必要なのではないか。それがわかれば、PRTRとのセットでうまくいくかもしれない。あるいはPRTRはものによっては今のすそ切りをもうちょっと変えなきゃいけないということが起こるかもしれない。総合的な検討はやっていかなければいけないのではないかと考えます。

【鈴木委員長】 岡委員の質問に関連して提起された問題は、いかなる対策を立てようとするのかによって、用語を厳密に定義しなければならない場合が生じてくる、そういう指摘になるのだろうと思います。それが「生活環境」という用語の今回の使われ方でいいかどうかということを言っているような気もいたします。

【前川委員】 感想と多少の意見を述べさせていただきます。今回事務局から提案された考え方は、これまで各界のいろいろな御意見をお聞きしながら検討されて、なおかつ、1つの目的に対して3省合同で検討された結果が今ここに案として御提案されたということで、これは画期的なことではないかと私は思っています。
 したがいまして、今後、改正法が施行されて、いろいろな試験法とか判断基準などが追加されてくる場合にも、ぜひとも3省でよく御協議された上で御提示していただくとありがたいというのが第1点です。
 第2点目に、既存化学物質をどうするか。これは膨大な数がございます。新たに毒性試験をやっていくということになりますと、この辺につきましては、これまでの3省の御努力に加えて、官民あわせて試験をやっていくようなシステムというのか、プログラムのようなことが必要なのではなかろうかという気がいたします。これはこれからの検討課題だと思っています。
 第3点目に、これは申すまでもないかと思うのですが、基本的にはリスクマネージメントが基本だということでございますから、新規化学物質についても全ての物質について試験を実施するということではなくて、閉鎖系で使用される物質あるいは中間物、低生産量のもの等、リスクの低い物質に対しては、試験免除とか、そういったことは当然あってもよいのではないかと思います。この辺をこれからの検討の中にもぜひ入れていただきたいと思います。

【鈴木委員長】 それはまた形の変わった規制ということになるのかもしれません。

【櫻井委員】 皆さんと同じように、まず初めに感想と申しますか、今日提示された原案は十分よく考えられたたたき台になっていると思います。私としては評価できるし、十分アクセプトできますので、修正があるとしても、マイナーな修正で実行に移していただければよろしいのではないかと思っております。
 ただ、追加として、良分解性のものが触れられていない点だけは一言申し上げたいと思いました。それは、例えば資料2の6ページに化学物質の環境リスク初期評価が行われた参考2という表がございますが、この表の中で、PECとPNECが近いので、情報収集に努める必要がある物質に▲とか、詳細な評価を行う必要がある候補物質に■が付いています。これを見ますと、良分解のものが多いんですね。ただし、非常に製造・輸入量が多いもの。当然といえば当然なんですが、3番目のアニリンなどは10万トン、あるいはキシレンとかトルエンとかフェノールとかホルムアルデヒドとか、こういうやたらに製造・輸入量の多いものでは現実にPECとPNECが近いという状況になっています。一方、新規化学物質が最初から数万トンオーダーにまで急に増えるとは思えませんが、良分解であっても、何らかのレベルから生態系に問題が生ずることはあり得ると思いますので、例えば良分解で全部その後オーケーというのではなくて、生産量が1万トンあるいは数千トンを超えたら、自主的に御報告いただいて、その先の3点セットを調べるとか、そういうようなアプローチがないものかなと思っていたのですが、先ほど事務局から中杉委員の質問への御回答では、従来、濃縮性というところからスタートしているので、入り口規制だから、良分解のものは他の手段でというお考えのようで、どういう方法がいいのか御検討いただけばと思います。あえて化審法の中に組み入れられないものかなと思う次第です。

【鈴木委員長】 良分解性物質で問題が起こる、そのことが気になるとおっしゃる委員の方は既にかなりおられたわけです。

【野中化学物質安全室長】 先ほどの早水室長の話に補足させていただきますと、まさに高生産量のものが環境に出てきているという話はございます。実際にはそういう状況になっておりますので、そういう高生産量のものに対してはいろいろな形で自主的な取組もしくは排出規制等々、例えばここにあがっている▲が出ているようなものについても排出規制とか自主的な取組でむしろ既に手を打たれているというふうに認識しております。典型的な例としてベンゼンがあるのですが、これは有害大気に関する自主的な取組の中で、3年間で40%、さらに今後3年間で40%削るというようなことは、化審法の世界ではない別の世界で取組もなされております。それから、1,000トン以上の化学物質については、官民共同でデータをとっていくというのがOECD諸国の中でやることになっておりますので、化審法でデータを求めなくても、そういう取組の中でデータも入る。また、PRTRの対象になるということになっておりますので、現時点においてあえて化審法でやらなくても対応できているのではないかというのが先ほどの事務局の判断でございます。もちろん将来にわたってどうなるかというのは、そういう対策の状況、環境の状況を見ながら考えていくというのは常に意識したいと思っております。

【西原委員】 皆さんが言われたことと大体ダブっているので、今まで言われてなかったようなことで私自身感じていることなんですが、化審法でハザードベースでやっているのをリスクベースにするということは、環境の暴露濃度、暴露量を把握するということだと思います。そのためには、用途規制とか用途をはっきりするということが必要であるし、
その担保も法律の中でできると前に聞きましたので、そういうふうにぜひともしてほしい。
 私が言いたいのは、実は今、白か黒かだけで、灰色というのはないんですね。灰色というのは何かといいますと、ファーザーテスト、もう1個別の試験をしてくださいというふうなことが要求できるようなシステムにしてほしい。具体的にいいますと、例えば海でしか使わない船底塗料があるならば、これは海の魚なり海の微生物なり海の生物でやらないと意味がない。だから、それをやってもらいたい。あるいは今、良分解の話がありましたけれども、良分解であっても、生産量が何百トン超えたという時点でそれはファーザーテストをすべきだと思います。そういう灰色の箱を作ってほしい。
 もう1つ、情報提供ということがこの中にもかなり書いてありますが、誰がやるのかというのがはっきりわからないところがかなりあります。私は、業界自身がかなりデータを持っているはずで、特に類似化合物に関しては持っているような気がします。そういうデータを提供してもらうというのも灰色物質にも必要ではないかと思います。そういうデータを保護するのをどうするかというのは、また法律的に考えていただきたいと思いますし、私自身よく言っていますが、お金で買い上げるか、著作権とか、そういうふうな権利でもって保護するというシステムかなと思っていますが、情報提供、特に既存化学物質についてはそういうものがかなり必要ではないかと思います。
 もう1つは、そういうデータがどこまで公表されるのかということです。それはQSARに関係してくるものですから、ぜひとも公表できるようなシステムにしてほしいと思います。

【兵頭委員】 専門家でなくて大変に的外れのことを申し上げるかもしれませんが、資料5の中にも「被害を生ずるおそれを判定」ということがございますが、それは判断するから判定になるんですね。ところが、判断の基準というものがないと、何となく私どもは信頼できないという部分があるので、具体的に一般の人にわかるような物差しをぜひお示しいただきたい。これからのことだと思いますが、その点をお願いしたいと思います。
 それから、中下委員や他の皆様がおっしゃられた既存化学物質についてのことですが、私どもも既に世の中に出ているものの中でもこれは大変心配だとかいうものは多々ございます。新規だけでなくて、こういうものを、先生の中には抜本的に全部とおっしゃるけれども、全部みることは大変難しいけれども、中から一番問題があると思うようなものを抜粋して、必ずもう一度やっていただくようなことをぜひお忘れにならないでいただきたいと思います。これが感想とか意見と申すべきことかどうかわかりませんが、そんなふうに感じました。

【鈴木委員長】 テストの中身の問題と判定の問題あるいは透明性の問題は事務局で答えられるのではないですか。

【早水化学物質審査室長】 判断基準につきましては、科学的な知見に基づいて設定するということが必要だと思いますので、特に審査の公平性とか透明性の確保という点でできるだけ明確にしていきたいと思っております。

【鈴木委員長】 できるだけ明確にしていくというよりも、既にこれはこのようにしてこう考えてこう判断してこう決めたのですよと言えるのではないですかというのが私の言いたかったことなんですが、残念ながらそう答えてくれなかった。

【満岡委員】 私ども産業界も今まで随分長くいろいろな検討をしてまいりましたけれども、今回のこのたたき台はよく整理されており、基本的にはこのような考え方になるのではないかと思います。そういう中で今まで意見が出たかもしれませんが、あえて1点だけ述べさせていただきたいことがあります。規制ということに関しましては、最初の方に直接規制と義務的な規制という体系で分けて、いろいろな側面で規制というものを考えていこうということがありましたが、これはこれでよろしいかと思います。そういう中で、直接規制について、ぜひ考えていただきたいのは、定量的評価が可能であるから直ちに直接規制なんだというような規制の発動の仕方にならないようにしていただきたいということです。もちろん法的枠組を、直接規制ができるように整備するということは必要だと思います。自主管理ということに関してどれほど我々が社会の信頼性を得られているかという問題はあるかもしれませんが、しかしながら、化学物質が非常にたくさん使われている中で、法的な規制だけではできない部分もあると思います。したがいまして、自主管理というものをもっと支援するような、育成するような枠組も必要なのではないかと思っており、私どももそういう観点では、従来以上にしっかりやっていかなければいけないのではないかと考えます。実際、有害大気の分野で自主管理的に取り組んでいるところもありますので、直接規制ということを考えるときに、環境汚染の状況がどうなのか、そういう状況を解消するために今までの事業者の自主的取組が十分なのか、あるいは自主的取組で解決しそうなのか、そういうことも考えることが必要と思います。規制措置を発動するとしても、一方でPRTR法とかもございますので、他の法令との実際の運用面での整合性などを考えた上で、直接規制ということを考えていただけたらというのが意見でございます。もちろん法的義務は当然やっていかなければいけませんし、用途等に関しましても、これは閉鎖系であるとか開放系であるとかいろいろございますが、そういった分野についても的確な対応をしていければと思います。

【竹居委員】 私は専門家の皆さんと違って素人なものですからかなり間違ったことを言うかもしれません。そのときはお許し願いたいのですが。この基本的な考え方に私はもちろん賛成します。その上で教えていただきたいのは、「新規化学物質」とか「既存化学物質」という言葉は日本の中だけの話なのか。例えば外国から初めて輸入する。しかし外国では既に使われている。これは既存なのか新規なのかというと、多分、日本の法律の体系では新規だと私は理解するのですが、そうすると、既に外国で3点セットのようなものでやって問題がないとされているような場合に、改めて全部また日本で同じことをやるのか。それをやらないと入れさせないよということになるのかどうか。これはつい最近、香料の話で、外国で使われているけれども日本では申請がなかったから禁止である、こういうふうな理解をするということがありますが、今や国際的にいろいろこういうことをやっているときに、外国のやり方が使えるかどうかの判断はもちろんあるのですが、使えるものはもっと使って、なるべくコストをかけないでやるというのも大事なことだろう。別に手を抜けという意味ではなくて、ダブってやる必要はないのではないか。同じことが言えるのは、過去に出ている既存化学物質について各国がやっているはずなんですが、遅々として進まずと。実にたくさんの化学物質が出ているわけですが、それについてこれまでですら十分に化審法の体系の中でもやっていないと。そういうときに当然、各国で分担してやるという考え方になるわけですね。手を抜くのではなくて、そういうように効率的にやる。ただ縛ればいいんだという発想だけでやると、それはちょっと違うだろうなと。産業も競争しているわけですから、殺してしまってはどうしようもない。だから、基本的にイコールフッティングという考え方と同時に、効率的に運用するという視点がきちんと入っていないとうまくないのではないかというのが私の感想です。

【鈴木委員長】 これは事務局、何か返事がありますか。

【早水化学物質審査室長】 今の御指摘の点ですが、まず新規物質と既存物質の関係ですが、確かに外国の既存とか新規とかとは関係なく、日本で初めてであれば新規という扱いになります。この場合、外国のデータとの関係は、OECDのテストガイドラインに従って、GLPに従ったラボでやられたものであれば、データそのものは受け入れますので、実験の重複はありません。ただ、アメリカでオーケーだから日本で自動的にオーケーという制度ではないということです。そこの評価はやり直しということになります。このあたりも少し重複ではないかという意見があって、OECDで届出自身も一本化できないかということについては今議論されております。
 既存化学物質の点検につきましては、OECDで高生産量の物質について各国分担して進めておりますので、外国でやられた結果をこれから積極的に活用していきたいと思っております。

【須藤委員】 この原案を基本にして進めていただいて私は結構だと思いますが、1つだけ先ほどの良分解のことについてだけコメントさせていただきます。櫻井先生から良分解の問題についてコメントいただいたのですが、私も基本的にはそれで賛成なんですが、先ほど例えばアニリンとかフェノールとかホルムアルデヒドとかいろいろおっしゃっていただいたのですが、実は今度の生態系を考慮した水質目標の中にはそういうような化合物はほとんど入っておりまして、これが基準値になるかどうかはともかくとして、既に検討しておりますので、こういう問題は出口規制できちっといけば、何とかいけるのではないかというのが私のコメントでございます。

【大島委員】 いくつか申し上げたいことがありますけれども、時間がありませんので、1つだけ言わせていただきます。全体としては、当面はこういう進め方でいいのかなという感じがしております。ただ、例えば毒性物質が複数あるときに、場合によっては、その毒性が増強される場合もある。あるいはそれが緩和される場合もあるわけで、それを今後どうしていくかという問題は非常に重要な問題で、先々の問題としてそれは考えていかなければならないだろうという感じを持っております。

【岩永委員】 この委員会のメンバーの構成を拝見しますと、労働組合の代表というのは私一人のようでございまして、化学メーカーの現場で働いている者の代表ということにもなりますので、そういう立場で議論に参加したいと申しますか、お願いになろうかと思うのですが、述べさせていただきたいと思います。私たちは化学物質を毎日直接取り扱っている立場にございます。仮に有害性があるとすれば、最も影響を受けやすい環境にいるのは私たちでありまして、労安法等で守られているということはありますけれども、我々は我が身の安全、健康ということが一番大事に問題にしております。私たちは生産者の一員という立場もございますけれども、同時に、現場で働くということで、健康被害を被るリスクを抱えた立場、同じことでございますが、それと適正な化学物質の管理ということは極めて重要な問題だと思っています。同時に、生活者、消費者という立場でもございます。化学メーカーの労働組合も化学物質による健康被害や環境汚染などには大変強い関心を持っております。何より私たち自身が生み出しているものが社会や環境に悪影響をもたらすようなことがあるとすれば、それは我々自身の仕事に対する誇りという面からも全く本意ではございません。かつて産業優先という形で公害を起こした科学の反省あるいは教訓を踏まえて、社内でも日常的に安全衛生委員会とか、最近ではISO14000、環境マネジメントシステムというようなものを通じて企業内労使で自主的に積極的にこういう問題に取り組んでいるところでございます。
そういう立場から、今回提起されているものは、時代の要請、社会の要請ということも含めて、原案の方向性というのは十分理解できますし、賛成でございます。そういうことで観念的になりますけれども、ただ、システムなり運用面でお願いしたいのは、環境リスクというものを十分考えていかなければならないということでありますけれども、人の生活という、ずばり言いますと、我々の産業なり働いている職場というものにも大きな変化をもたらす問題でございますので、そこに働いている、あるいは生活の糧を得ている人がいるということもぜひ忘れないでいただきたいと思います。いろいろな経過を経て決められるシステムなり運用であろうと思うのですが、結果として世界と比べて非常に突出したといいますか、そういうようなものでは我々としても踏み込んでやっていこうということの納得性というのはなかなかできにくいなという感じがいたしております。基本的には環境というものは非常に大事だということには変わりございません。そういうことで考え方を述べさせていただいて、よろしく御配慮いただきたいと思います。

【岩熊委員】 データの収集、情報の公開と、最後の事務局がお作りになった図に対して2つ違う内容になるのですが、まず情報収集に関しましては、今までも、参考資料5の報告書に対しての意見集約というのがありまして、これを読むと、かなりいろいろなことがいろいろな方から示されていて、今日の御議論もかなりオーバーラップしているかと思います。西原委員と満岡委員のおっしゃられた既存化学物質等についてデータがかなりあるのではないか。ただ、これを出しにくい環境があるというのもお話の中でわかってきました。先にいろいろデータをコストをかけて分析して、結局、後で来る業者がただ乗りをしてしまうということが起きている。とすると、なかなか情報は出にくいと思います。ですから、こういうのをうまくエンカレッジするシステムをつくっていただいて、この枠組の中に既存化学物質についての情報の収集と開示の仕方というようなものも、多分、事務局
では御用意できるのではないかと思いますので、よろしくお考えいただきたいと思います。
 それから、最後に議論のたたき台の1枚紙がありまして、高蓄積性である場合というのが出てまいります。3点セットというのは、必ずしも生態系そのものではないのですが、3段階の生物の中で一番弱い部分を見つけるという役割を持っていると思います。ですから、そういう意味でスクリーニングにかけるには非常に良いメソッドだと思うのですが、生態系そのものではないと思います。ただ、蓄積性になりますと、今度は長寿命とか底質からの関わりということになりまして、これも底生生物を使った試験法を考えるべきだというようなことも参考資料5に対する意見としていくつかの方がおっしゃっていました。これを考えますと、今度は底質の系というのをどうしても考えておかなければいけない。これは特に海の生物に関係してくると思いますので、生物に関する試験法を考慮しておく必要があると思います。これは必ずしも生態系試験でなくていいと思います。どれぐらいの蓄積性があるか、毒性があるかとか、そういうことから入っていけばいいと思いますので、これは既存のデータをかなり活用できるのではないかと思います。
 それから、海の生物に対する蓄積の仕方に関しましては、これまでモニタリングデータはかなりありますので、それを解析してみて、どの経路から入っていくかということをもう一度整理し直すと、かなり底質がきいているのではないかと思われますので、そちらを御考慮いただきたいと思います。

【鈴木委員長】 残り少ない時間、まだ御発言のない方で手の挙がっている方のお話をなるべく伺いたいと思います。

【井口委員】 今の議論には直接関わらないかもしれませんが、この夏に2回ほどアメリカの環境保護庁が主催するエコトキシコロジーに関する会議に出てきました。ここでは急性毒性、慢性毒性、生きる、死ぬ、あるいは生殖する、しないというのが主な議論になっていますけれども、化学物質によってメカニズムがいろいろ違う。それはQSARにも関わると思うのですが、そういうことをきちっと押さえようということがEPAを中心にして、SETACも一緒になってこれから始まります。それがこの9月に決まりましたので、研究面としてはそちらの方が広がっていくかと思います。

【鈴木委員長】 貴重な情報ありがとうございました。

【河内委員】 繰り返しになるのですが、先ほどの情報提供の話は、我々産業界としても、MSDSということで、これはPRTR対象物質以外も含めて今全部提供しているわけですね。その中で生態毒性に関わるところも当然データがあれば記入して出しているということなので、できるだけそういう情報は出していくということは、我々もそういう考えでおります。
 それから、印象といいますか、先ほどからリスク管理というか、ハザードと暴露ということを十分に考えた枠組だということで議論があるのですが、私の理解がちょっと不十分なのかどうか、暴露の状況とか用途とか、そういうことをきちっと評価して考えるのだというところが明確に記述されていないような感じを少し受けるのです。例えば難分解・高蓄積性の有害物質の管理のところで、そういう場合は厳しく管理するということがあるのですが、これは制度の枠組を指しているのか、あるいは運用面を含めての議論なのか。当然、運用面と思うのですが、そうすると、管理の状況によっては、実際に環境に影響を与えないような、そういう可能性がない場合も当然あるわけで、そういう場合はどうするかということの考え方を入れていただきたい。
 それから、今回のこの書き方だけだったら、全体としてはこの内容でいいと思うのですが、産業界として一体どのぐらいこれで事業活動に影響が出てくるのかというのがなかなかわからないんです。1つは、いわゆる一特とか二特並みの規制を、どのような化学物質だったら新たにこういう規制があるのかという具体的な言及がこの中ではないものですから、なかなかイメージがわかない。
 それと、こういうものは国際的にいえば、GHSの分類基準で決められているような、ある意味の判定基準といいますか、そういうことがきちっと決められると思うのですが、一体どういう考え方でそういう判断基準を決めるのか。私はもちろん、先ほどからありますように、化学物質というのは貿易品ですから、行き来しますから、グローバルな中での協調といいますか、そういうことを考えるべきなので、GHSのカテゴリーのような考え方をきちっと入れていくということを明確にしていただきたいと思います。

【鈴木委員長】 最近になってきてインターナショナルと言っているようなものの考え方だけでは済まない局面としてトランスナショナルな問題が起こったときに、トランスナショナルに対応するにはどうしたらいいか、そんな議論も既に起こっていると私は理解しております。今何人かの方もおっしゃいましたが、インターナショナル・ハーモナイゼーションの問題として提起されたものが、グローバライゼーションの問題になるに従って全く違った展開をするようなことが起こったりするわけですから、御指摘の問題は、そこまで事務局は考えた上で提案しなければいけないということだろうと思います。ただ、今日の
議論は実は考え方についての議論でありますから、ちょうどいい話題提供だと思います。

【菅委員(原代理)】 今のに関連するのですが、2ページの最後から2行目のところですが、この段落を読ませていただきますと、私の理解では、これは、「参考にしつつ」ということでその後詳述しているところを見ると、欧米とは違った、日本独特というか、ユニークなものにしていくように読み取れるのですが、それの目的とかメリットはどういうふうにお考えになってこういう文章を記載されたかというのをお聞きしたいと思います。

【鈴木委員長】 御質問が少し漠然としているのですが、事務局答えられますか。

【早水化学物質審査室長】 今の御指摘は全く誤解でして、国際整合性の観点に留意して設定するということで、国際整合をとるという意味でございます。書き方が悪ければ後で修正いたしますが、意図はそういうことでございます。

【菅委員(原代理)】 最後の「参考にしつつ」といって、それからかなり飛んだ言い方にしているように読めるので、これをそのまま読みますと、何となく、欧米と協調してというよりは、ユニークというふうに読めるのですが。

【早水化学物質審査室長】 3ページの一番上の「国際整合性の観点に留意して設定するべきではないか」というところで言っているつもりですが、もし表現が悪ければ後で修正いたします。

【渡部委員】 いくつかあるのですが、1つだけにいたします。池田先生も、今回の新しい法律ではかなりフレキシビリティがあるのだと事務局がおっしゃって、それを聞いて安心したと。同じような発言が何人かの委員から述べられて、私も含めて非常にほっとしているのですが、ただ、この問題は、こうやって意見を言う、そしてそっちの方は聞きっ放しということでおさまらせてもらいたくないんです。私としては、あなた方に印象に残るように、その点については言質をとりましたということで押さえさせていただきたいと思います。

【鈴木委員長】 この後の進め方について最後のところで事務局に説明させますから、そのとき聞いてください。

【若林委員】 1回で済ますと言いながら、3点セットの関係のことなんですが、用途制限がどのぐらい入るのか定かでないのですが、もし水系に入らないということが確実だとすれば、私は他の生物をやるということに賛成ですが、現実を考えますと、3点セットでやるということは合理的かなと思っています。環境省の生態リスク事業で多分約200物質、それとGESAMPで私の経験で1,000近い物質を大体3点セットでやっています。そうしますと、池田先生はああいうふうにおっしゃいましたが、少なくとも私の体験では、3つの生物で感受性が、例えば3桁、4桁違うものの方がむしろコモンであるということ。逆に言いますと、この3つをやっておけば、例えば水系ですと9割なり何なりの生物を守れるということにも役に立ちます。生態リスク事業で200物質近くについてはその他の生物もデータのある限り全部やっています。だけど、3つの生物でほとんどのものが一番感受性の高いものを拾っています。違った場合はほんの数例ということになっています。

【吉岡委員】 5ページの難分解性及び高蓄積性の部分で1つ気になりますのは、リスク評価でやった場合に、高蓄積性であって高次捕食動物に対する有害性を有しないものがあった場合、これをどうするか。つまり、毒性が全くないものは環境中にどれだけ出てもいいのか、あるいはどれだけ蓄積しても問題としないのか、という部分のことについて御考慮いただきたいということです。

【鈴木委員長】 難しいですね。具体的にどうなるかの問題だから。
 私の不手際で時間がとうとう6時になってしまいました。いろいろな議論をいただきました。かなり共通した部分と、方向性として共通しているけれどもディテールが違っている部分もあったりするように思いますが、これをいただいて事務局がどう働くかというのをこれから説明してもらおうと思います。

【早水化学物質審査室長】 事務局の方で、今日御議論いただきましたものを整理いたしまして、資料5を直す形になるのか、どうなるかまた考えますけれども、もう一度整理したものを、可能であれば、次回の会議の前に各委員にお送りして、次回の会合あるいはひょっとしたら次々回になるかもしれませんが確認していただくということでは……。

【鈴木委員長】 可能であればではなくて、ぜひ次回までにやってくださいというのが私のお願いなんですが。

【早水化学物質審査室長】 わかりました。御指示ということであれば、そのようにやらせていただきます。

【鈴木委員長】 そうしないと、吉岡先生のように、俺が言ったことが何も入っていないではないかと怒られるかもしれませんから。きつい作業を強いることになりますが、せっ
かく3省でやっているわけですから、できるだけそういう作業をしてと思っております。
 それでは、次回以降の予定について事務局からお願いします。

【早水化学物質審査室長】 今日はありがとうございました。
 次回は12月5日(木)14時から17時の予定でございます。今回と同じく3委員会の合同会合となります。次回は、審査・規制制度の見直し等について、あるいは今日の積み残しの部分について御審議いただきたいと考えております。会場につきましては、追って御連絡いたします。
 また、併せて次々回でございますが、既に御案内のとおり、12月19日(木)14時から17時の予定でございます。ここで中間とりまとめ案について御審議いただいた上で、パブリックコメント手続という形でできれば進めたいと事務局では考えておりますので、御審議お願いいたしたいと思います。
 それから、もし今後、御欠席等で文書で意見を出したいということであれば、事前に事務局の方にお送りいただければ、今日の参考資料のように配付いたしますので、併せてお願いいたします。

【鈴木委員長】 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。

--了--

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