中央環境審議会環境保健部会  化学物質評価専門委員会(第5回)議事録

日時

平成15年1月21日(火)14:00~16:10

場所

環境省第一会議室(合同庁舎5号館22階)

出席委員 (敬称略)

(委員長) 鈴木 継美
(臨時委員) 池田 正之  内山 巌雄
中杉 修身  若林 明子
(専門委員) 大前 和幸  岡田 光正
香山 不二雄  篠原 亮太
関沢  純  武田 明治
松下 秀鶴  安野 正之
      (五十音順)
(事務局) 南川環境保健部長  安達環境安全課長
  鈴木環境リスク評価室長  早水化学物質審査室長 他
 
 

議題

  1. (1) 平成13年度化学物質環境汚染実態調査結果について
  2. (2) 化学物質の環境リスク初期評価等(第2次とりまとめ)の結果について
  3. (3) その他

議事

【事務局】 時間がまいりましたので、中央環境審議会環境保健部会の第5回化学物質評価専門委員会を開会いたします。
 まだお見えになっていない先生もいらっしゃいますが、櫻井先生、森田先生、井上先生、遠山先生は欠席とのご連絡がありました。
 資料の確認をお願いします。
 資料1として化学物質評価専門委員会委員名簿、資料2-1「平成13年度化学物質環境汚染実態調査結果(まとめ)」、資料2-2、同じく調査結果のその1、資料2-3、調査結果のその2、資料3「第4回専門委員会検討資料」、資料4-1「化学物質の環境リスク初期評価等(第2次とりまとめ)の結果の概要(案)」、資料4-2「環境リスク初期評価結果(案)」、資料4-3「生態リスク初期評価結果(追加実施分)(案)」、分厚い資料でございます。資料4-4「発がん性の評価結果(案)」。参考資料1として「平成14年度化学物質環境汚染実態調査の状況について」、参考資料2「化学物質の環境リスク初期評価ガイドライン」でございます。
 続きまして、本日の会議の公開・非公開についてでございますが、本日の会議は、公開により中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合に当たらず、また、特定な者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合にも当たらないと考えられますため、委員長決定により公開としております。
 それでは、これ以降は鈴木委員長に議事進行をお願いいたします。

【鈴木委員長】 それでは議事に入ります。まず議題1「平成13年度化学物質環境汚染実態調査結果について」、大部の資料なものですから2回に分けて説明することになりますが、最初に資料2-1と2-2を使って事務局から説明してください。

【事務局】 平成13年度化学物質環境汚染実態調査(黒本調査)の結果についてご説明いたします。
 黒本調査につきましては、ご存じのとおり、『化学物質と環境』として最終的に出版物となっております。机の上に『平成13年度版化学物質と環境』--平成12年度の調査結果でございますが--を置いておりますので、ご参考としてください。
 今、座長からもございましたが、資料の量が多うございますので、2回に分けて説明させていただきます。全体として関連の資料は、資料2-1「平成13年度化学物質環境汚染実態調査結果(まとめ)」、資料2-2、同じく調査結果のその1、資料2-3がその2でございます。参考資料1が本調査に係る資料で、以上4つの資料でご説明させていただきます。
 まず資料2-1でございますが、4ページ目までが調査結果全体のまとめとなっております。また、それ以降が「『化学物質と環境』(概要版)(案)」ということで、本調査がまとまる前に概要版として出すものでございまして、これは50ページぐらいのまとめでございます。
 資料2-2及び2-3が実際の調査結果のとりまとめでございます。資料2-2は、調査結果(その1)として、平成13年度化学物質環境安全性総点検調査の一部である化学物質環境調査結果についてまとめたものでございます。資料2-3は、その2として、他のモニタリング関連の調査をまとめた平成13年度経年モニタリング調査結果となっております。本委員会にあがってくるまでに2つの検討会を経てあがってきていますので、その2つということで、資料2-2と2-3という形で綴じさせていただいております。
 それでは、資料2-1と資料2-2と参考資料1を使いましてご説明させていただきます。
 まず資料2-1のまとめの1ページ目をご覧いただければと思います。平成13年度化学物質環境汚染実態調査(まとめ)でございます。
 本調査の経緯につきましては、「化学物質環境汚染実態調査」(いわゆる黒本調査)は、昭和48年の「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」の制定時に、既存化学物質について一般環境中の残留状況の把握を目的として開始したものでございまして、昭和54年度から63年度まで第1次総点検、平成元年度から10ケ年計画で第2次総点検ということで行ってきております。また、その他関連調査として生物モニタリング、底質モニタリングや非意図的生成化学物質汚染実態追跡調査などを実施しているところでございます。なお、平成14年度、今年度からは新たな体系にて調査が開始されているところ
でございます。参考資料1に体系がございますが、後で追ってご説明させていただきます。
 調査の進め方でございますが、平成13年度の本調査の全体構成は下に示したとおりでございます。3つの段階で調査が行われました。第1段階は、環境中に残留している可能性が高いと予想される化学物質の選定を行い、第2段階で、実際の環境調査で残留性を把握し、第3段階では、残留性の高い物質の中から、特に注意を要する物質について継続的な監視・評価を行っているところでございます。
 なお、調査名がいくつか出ておりますが、四角の枠で囲ってある図の部分が「化学物質環境安全性総点検調査」と呼んでいるもので、調査の体系を示しております。その中に環境調査というのが水系、大気系とございまして、モニタリング調査というのが生物と水系の水質・底質が行われているところでございます。図の一番下の3つについては、その他の関連調査でございます。
 では、実際の調査結果に移らせていただきます。2ページ目、平成13年度調査結果。
 1.平成13年度化学物質環境安全性総点検調査の結果。
 化学物質による環境汚染の未然防止と汚染の早期発見及び適切な化学物質環境安全対策の立案に資するため、化学物質の環境残留性等の安全性について総点検を行うものでございます。
 まず(1)の環境調査からご説明いたしますが、この資料の5ページ目以降の「化学物質と環境」(概要版)を主に用いてご説明させていただきます。本ページの3ページ目をご覧ください。化学物質環境調査結果の概要でございますが、本調査は、一般環境中に残留する化学物質の早期発見及びその濃度レベルの把握を目的として、調査対象物質及び調査地点としては、以下に示す水系・大気系の一般環境において、平成13年度は合計25物質(群)(うち新規3物質)について環境残留性の調査を実施いたしました。
 具体的な調査対象物質について簡単にご説明させていただきます。その資料の48ページ、49ページをご覧いただければと思います。参考資料1として、今回の調査対象物質についてまとめた表が付いております。また、少し詳細でございますが、資料2-2の2ページ以降をご覧いただければ、その物質の化学構造がわかるようになっておりますので、ご参照いただければと思います。
 今回の調査物質でございますが、水系からニトロベンゼン、これは染料・香料等の中間物質でございます。生産量は書かれているとおりでございますが、多量に生産されており
まして、規制としては、PRTR関係(化管法)と化審法等の法律の規制がございます。
 また、p-クロロニトロベンゼン、これもアゾ染料等の用途でございますが、平成12年度で15,000トンの生産と推定されておりますが、PRTR、化審法等の規制対象となっております。
 クロロタロニルは殺菌剤でございます。こちらの方はPRTR、化審法、食品関係の法律の対象となっております。
 次にピリダフェンチオンでございますが、これは新規に調査いたしました物質でございます。殺虫剤、国内では水稲用に使用されていますが、PRTRや農薬取締法等に定められております。
 続きましてブタクロール、これも農業用除草剤でございます。農薬、食品の対象でございます。
 次にエチレンオキシド、有機合成原料として多量に使われるものでございますが、多量に生産されておりまして、PRTR等の法律の対象となっております。
 次に2,6-ジ-t-ブチルフェノール、酸化防止剤等として使われていますが、こちらの方は消防法等の規制の対象となっております。
 続きまして2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、食品添加物等で使われておりますが、食品や薬事等の規制の対象となっております。
 次に2,4,6-トリ-t-ブチルフェノールでございますが、ゴム・プラスチック製品の老化防止剤として使われてきたものでございますが、化審法の第1種特定化学物質となっております。
 続きまして2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、これも用途は同様に老化防止剤となっております。
 続きましてポリ塩化ナフタレンでございます。PCBの代用品として使われてきたとこ
ろでございますが、こちらの方も現在では化審法の第1種特定化学物質となっております。
 次に塩素化パラフィン類、これは抜けておりますが、長鎖の塩素化パラフィン類でございます。資料2-2の5ページをご覧いただければと思います。塩素化パラフィン類については、炭素の長さで短鎖、中鎖、長鎖というふうに大きく分類されておりまして、今回調査対象といたしましたのは18以上、実際には22以上のものを調査対象といたしましたが、長鎖の塩素化パラフィン類でございます。船舶の塗料や可塑剤等に使われているものでございます。海洋関係の法律で規制されているものでございます。
 続きまして大気系でございますが、次の49ページをご覧いただければと思います。
 1,1,1-トリクロロエタン、これは試薬、合成原料でございます。PRTR、水質等の対象でございます。
 1,1,2-トリクロロエタンでございますが、これも油脂ワックス等に使われておりまして、同様な規制となっております。
 塩化エチル、これは四エチル鉛の原料等で使われておりますが、PRTR、化審法等で規制されているものでございます。
 塩化メチル、医薬品、農薬等としても使われているものでございますが、PRTR、化審法等で規制されております。
 テレフタル酸ジメチル、これは繊維原料として使われていますが、PRTRの対象でございます。
 テレフタル酸ジエチル、こちらは新規に調査いたしました物質です。用途、生産量については、調べた範囲では不明となっております。
 次にアクリル酸メチル、アクリル繊維等の原料でございますが、PRTR等の対象でございます。
 アクリル酸エチル、こちらも合成原料等で使われているもので、PRTR等の対象でございます。
 アセトニトリル、サルファ剤等の原料として使われていますが、PRTR等の法律の対象となっております。
 次にフタル酸ジイソノニルでございます。シートや電線等に使われているものでございますが、消防法の対象となっております。
 フタル酸ジイソデシル、こちらも同様に電線用等の用途でございます。
 フタル酸ジイソトリデシル、塩ビの可塑剤として使われております。これは新規に調査いたしました。
 最後がポリ臭素化ジフェニルエーテル類でございますが、こちらの方は臭素数の1~7の範囲で今回調査しております。難燃剤等として使われているものでございます。
 以上が今回の調査対象物質の用途や概要でございます。
 3ページに戻らせていただきます。これらの対象物質を、水系環境中に残留していると予測される12物質(群)について、媒体(水質・底質・魚類)を選び、全国57地点で調査を実施いたしました。次の4ページに示されている地点でございます。
 大気系につきましては、13物質(群)について、全国22地点で調査を実施いたしました。5ページに示されている調査地点でございます。
 調査結果につきましては、水系では、水質から5物質(群)、底質から7物質(群)が検出され、魚類は不検出でございました。結果の方は6~7ページにまとめられております。大気については11物質(群)が検出されたところでございます。
 これまでの調査結果を累計いたしますと、797物質(群)について調査が行われ、そのうち338物質(群)が一般環境から検出されたこととなります。
 続きまして、本調査におきましては各物質の評価を行っておりますので、そちらの方をご説明させていただきます。
 評価の方は、さきに示しました検出の結果、検出の頻度、検出の濃度、過去の調査結果、物質の化学的特性、有害性等の関連情報を参考として、環境リスク評価を行う候補とする、モニタリング調査の候補とする、現時点において環境調査が必要ないと考えられる等の評価を行っているところでございます。
 参考に用いた情報につきまして簡単にご説明させていただきます。資料2-2の83ページをご覧ください。
 参考情報としては、名称、化学的性状、製法、生産量および用途等、代謝、毒性および事例等、次のページにいかせていただきますが、分解・濃縮性関係、生態影響関係、分析方法関係、規制・基準関係を参考にしております。
 なお、3.の代謝、毒性等について使いました資料としましては、LD50がNational
Institute for Occupational Safety and Health
Registry of Toxic Effects of Chemical Substances、日本産業衛生学会発行の許容濃度の表、米国のACGIH、ドイツのMAKやInternational Agency for Research on Cancer(IARC) の情報、さらにEPA
が出しておりますIRISやRBCという安全性に関わる情報等も参考としております。
 生態関係については、AQUIREやECDINのデータベースから収集して参考としております。
 これらの調査結果と参考情報から評価した結果が、資料2-1のまとめの概要資料の8ページに書かれております。代表的なものだけいくつか読ませていただきます。
 9ページの(ケ)2,4,6-トリ-t-ブチルフェノール。2,4,6-トリ-t-ブチルフェノールは、水質から検出されず、1地点の底質から検出されているのみである。しかし、本物質は生分解性が低く生物濃縮性も高いこと、化審法の一特に指定されていることから、モニタリング調査の候補物質とする必要があるという評価でございます。
 また、ポリ塩化ナフタレンにつきましても、同様に化審法の一特であることから、モニタリング調査の候補物質とする必要がある。
 続きまして(シ)長鎖塩素化パラフィン類。長鎖塩素化パラフィン類は、底質から検出頻度が高く、有害性等の関連情報から、環境リスク評価を行う化学物質の候補とする必要がある。
 以上が水系でございます。
 大気系としましては、1,1,2-トリクロロエタンは、検出頻度は低いが、有害性等の関連情報から見て、環境リスク評価を行う化学物質の候補とする必要がある。
 塩化エチルは、検出頻度が高く、有害性等の関連情報から見て、環境リスク評価を行う化学物質の候補とする必要がある。
 塩化メチルについても同様でございます。
 また、次の10ページの(ク)アクリル酸エチルでございますが、こちらも検出頻度は低いが、有害性等の関連情報から、環境リスク評価を行う化学物質の候補とする必要があるとされたところでございます。
 以上の結果をまとめさせていただきますと、資料2-1の最初のまとめの2ページをご覧いただければと思います。
 (1) 環境調査。水系・大気系の一般環境において、平成13年度は合計25物質(群)(うち新規3物質)について環境残留性の調査を実施したところ、結果は以下の表に示すとおりでございます。なお、同年度を含むこれまでの調査の累計では、797物質(群)について調査が行われ、そのうち338物質(群)が検出されたこととなる。
 [1]水系調査としては、水環境中に残留していると予測される12物質(群)について、それぞれ残留が予測される媒体を選び、全国57地点で調査を実施した。
 その結果、7物質(群)が検出され、このうち長鎖塩素化パラフィン類については、環境リスク評価を行う化学物質の候補とする必要があるとされた。また、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノール及びポリ塩化ナフタレンについては、本調査におけるモニタリング調査の候補物質とされた。
大気系調査につきましては、大気系環境中に残留していると予測される13物質(群)(表2参照)について、全国22地点で調査を実施したところ、その結果、12物質(群)が検出された。1,1,2-トリクロロエタン、塩化エチル、塩化メチル及び--「アクリル酸メチル」と書いてありますが、「アクリル酸エチル」の間違いでございます。アクリル酸エチルは、環境リスク評価を行う化学物質の候補とする必要があるとされた。
 資料2-1、2-2まで以上でございます。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 資料があっちにいったり、こっちにいったりするから、フォローするのが大変だったのではないかと思いますが、ここまでのところでご質問なりご意見ございませんか。

【中杉委員】 もう1つケアレスミスが、最後のところで大気系調査の検出物質が「12」となっていますが、「11」ですので、直していただければと思います。
 それと、今回、塩素化パラフィンについては、長鎖について調査をしたのですが、実際には、長鎖についての毒性の結果と短鎖についての毒性の結果が後ろの方に載っていて、それをあわせて見ていただくとわかるのですが、生態毒性について長鎖と短鎖でものすごく強さが違って、短鎖の方が毒性が高いという結果が今のところ出ているので、今後、短鎖についての調査が必要ではないかという判断をしております。コメントとして申し上げておきます。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 ほかにございませんか。

【関澤委員】 調査結果によって、「環境リスク評価を行う化学物質の候補とする」というのと「モニタリング調査の候補物質とする」ということだったのですが、これまで何度かご説明があったと思いますが、そのクライテリアをもう一度ご紹介いただければと思います。

【事務局】 評価の表現について説明させていただきますと、大きく分けまして、検出感度の向上に努め、初期環境調査の候補物質とする、新たな環境調査が必要であるという情報と、有害性等の関連情報の収集に努める、特に問題は示唆されず、当面環境調査の必要はない、当面環境調査の必要はないが、生産量、使用量及び排出量の推移に注意する、あと、モニタリング調査の候補物質とする、環境リスク評価を行う化学物質の候補とする、これらの表現で整理させていただいております。

【鈴木委員長】 質問は、クライテリアを聞いているので、答えになっていないのではありませんか。

【事務局】失礼いたしました。評価の分類としては、対象物質が検出されたか検出されないかで分けまして、検出されていない場合は、検出された値と有害性情報等の数字を比較いたします。十分な検出感度がなければ、検出感度の向上に努める、十分な検出感度があり、かつ、特に問題がなければ、問題ないということになります。検出感度以前に有害性情報がなければ、有害性情報等の関連情報の収集が必要というように大きく分けております。また、検出された物質につきましては、有害性情報等から、影響を生じるおそれが少ないのか、懸念されるのか、情報が足りないのかと大きく分けまして、その中で、検出頻度が高いのか低いのかということを考えていきまして、さらに濃度推移等を参考といたしまして、先ほどのような分類で、例えば検出されて、その濃度で影響を生じるおそれが懸念され、かつ、検出頻度が高く濃度推移も増加しているようなものにつきましては、「環境リスク評価を行う化学物質の候補とする必要がある」及び「モニタリング調査の候補物質とする」という表現が両方入ったような形になるような構成となっております。

【鈴木委員長】 中杉さん、ちょっと足してください。

【中杉委員】 後でお話しする初期リスク評価ほど明確にいくらときれいな形では決めていません。ただ、生態毒性の結果と健康リスク--健康リスクはRBCとIRISをたまたま採用していますけれども、それらで見て、それらの基準と検出の最高値あるいは検出できていないものについては検出下限になりますが、それを比較して、それらの値が10倍ぐらい、そこは少し曖昧なんですが、あれで見て引っかかるか引っかからないかということで判断させていただいているということであります。

【鈴木委員長】 関澤さん、よろしいですか。
 ほかにございませんか。

【大前委員】 先ほど長鎖塩素化パラフィン類は比較的毒性が少なくて、短鎖になると毒性が比較的高くなるというお話だったのですが。

【中杉委員】 それは生態の方について。

【大前委員】 環境中では長鎖が短鎖に変わるのですか。

【中杉委員】 そこまではまだ十分はっきりしていないと思います。

【鈴木委員長】 データがありますか。

【中杉委員】 まだそこまでしっかりしたデータはないのではないかと思います。EUのレポートがありますが、まだ読みこなしていないので申し訳ありません。

【鈴木委員長】 どなたか助け船は出ませんか。

【早水化学物質審査室長】 塩素化パラフィンの関係はまだ国内でも十分な把握ができておりません。ですから、助け船にはならないのですが、分解性、蓄積性の点検もまだではないかと思います。世界的には短鎖塩素化パラフィンの方がリスク評価などをやられておりますが、長鎖についてのリスク評価をやられた事例は少ないものですから、そのあたりはもう少し調べてみないとよくわからないということでございます。

【鈴木委員長】 という現状だそうです。
 ほかにございませんか。

【岡田委員】 私も塩素化パラフィンがどうも気になるのです。まだクライテリアはよくわからないのですが、例えば生態影響を見ると、資料2-2の40ページですが、24時間のLC50で300mg/L以上とかなり高いですよね。検出されたのがすべてngレベルですから、相当安全係数を掛けて議論しているのかなと思うのですが、わからないから入れたのかなというふうに理解してよろしいのですか。

【中杉委員】 私が生態リスクの話しかしなかったので誤解を招いたかと思いますけれども、健康リスクとあわせて評価をして、そういう判断をしたのだというふうに記憶しています。

【岡田委員】 IARCのこれですか。

【事務局】 39ページの下から2つ目でございます。

【岡田委員】 わかりました。

【鈴木委員長】 よろしいですか。
 何となくもう少しクリアカットに説明できないものかというような部分が、実はエキスパート・ジャッジメントにかかっている部分があるわけですから、そこら辺のところは、エキスパート・ジャッジメントがどう働いているのかということはきっちり書いておかないといけないのではないかと思いました。
 それでは、引き続いて残りの部分、資料2-1と2-3、お願いします。

【事務局】 資料2-1と2-3を用いまして、残りご説明させていただきます。
 まず、資料2-1の概要の11ページをご覧ください。平成13年度底質モニタリング調査の結果でございます。総点検調査の第3弾となる底質・生物モニタリングの底質の方でございますが、環境調査の結果等により底質中に残留していることが確認されている化学物質について、その残留状況の長期的推移を把握することを目的としております。
 まず調査対象物質でございますが、化審法一特等を中心に約20物質を示しております。対象物質については、13ページの表5をご覧いただければと思います。また、12ページの図4が調査地点でございます。20地点を対象としております。
 調査結果についてご説明させていただきます。調査結果につきましては、検出状況は、信濃川下流、五反田川五反田橋、中城湾の3地点を除く17地点でそれぞれ2~20物質が検出され、大和川河口においては20物質すべてが検出されました。大和川河口以外で高かったところとしましては、隅田川河口、大阪港、洞海湾でございます。また、調査対象物質毎の最高値が高かったのは、隅田川河口、大阪港、洞海湾、大和川河口でございまして、閉鎖性の内湾部の汚染レベルが高いことが示唆されたところでございます。
 個別の結果について資料2-3を簡単にご説明させていただきます。資料2-3の5ページ以降をご覧いただければと思います。結果というか評価でございますが、(2)の後、[1]ヘキサクロロベンゼン(HCB)でございますが、ヘキサクロロベンゼンはPOPs条約に掲げられている物質であり、本調査におけるモニタリング調査において継続するということで、既に調査の方は継続着手しております。
 以下、ディルドリン、DDT類、次のページにいきまして、クロルデン類につきましては、すべてPOPs条約の対象物質でございまして、モニタリングの継続を指摘されておりまして、モニタリングについては既に継続着手しております。
 また、7ページのヘキサクロロシクロヘキサン(HCH)類でございますが、HCH類はPOPs条約の候補物質となる可能性があることから、本調査におけるモニタリングにおいて継続するということで、平成14年度調査で既に着手しております。
 その他、ジクロロベンゼン類、次のページにいきまして、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、今回の環境調査でも実施いたしましたが、ターフェニル類、リン酸トリブチルでございますが、これらについては、濃度がある程度変化が見られないことから、調査期間を長くして、調査を継続する必要があるという指摘がございます。
最後の10番、ベンゾ[a]ピレン、PHの一種でございますが、こちらの方はPOPs条約の候補物質となる可能性があることから、平成14年度は本調査における暴露量調査として実施しているところでございます。
 底質モニタリングについては以上でございます。
 引き続きまして生物モニタリングの方でございますが、またもとの資料に戻りまして、資料2-1の概要という資料の14ページの2-3、平成13年度生物モニタリング調査結果でございます。生物について環境中での挙動や汚染レベルの推移の把握を目的として実施しているものでございます。
 調査対象物質につきましては、こちらも化審法一特の18物質、これは有機スズ類も含みますが、こちらの方を対象として実施しております。
 対象生物及び対象地点でございますが、次ページ以降に日本地図が出ておりまして、対象生物や地点を描いておりますが、魚類7種、貝類2種、鳥類2種について調査を実施いたしました。
 結果につきましては、次ページ以降に出ておりますが、簡単にご説明させていただきますと、14ページですが、PCB類は魚類、貝類及び鳥類すべてから検出されました。PCBについても先ほどと同様に本調査のモニタリング調査で継続で、以下同じことを書いておりますが、底質と同じような評価が書かれております。
 続きまして15ページ、ヘキサクロロベンゼンは魚類、鳥類から検出されております。
 16ページ、デリン類(ディルドリン)については、魚類、貝類、鳥類から検出されております。
 DDT類についても同様でございまして、魚類、貝類、鳥類から検出されております。
 クロルデン類について、19ページですが、trans-クロルデンは魚類及び貝類から検出されております。
 あと代表的なものとして、21ページ、HCH類でございますが、α型は魚類から、β型は魚類、貝類、鳥類から検出されております。
 以上、生物モニタリングでございます。
 ここまでを総括させていただきます。また戻って恐縮ですが、資料2-1の頭からページをめくっていただきまして3ページをご覧いただければと思います。(2) 底質モニタリング(底質の経年監視)。環境中に残留する物質の底質中の濃度を経年監視する調査であり、平成13年度は化審法第一種特定化学物質を中心に、p,p'-DDT等20物質について全国20地点で調査を実施しました。
 結果につきましては、底質からはすべてが検出され、これらのうち、POPs条約に掲げられた物質等は今後とも監視を継続するとされました。
 また、(3)生物モニタリング(指標生物の経年監視)でございますが、生物を対象に環境中に残留する物質の濃度を経年監視する調査でございまして、一特を中心に18物質について行いまして、全国21地点の魚類7種、貝類2種、鳥類2種を調査対象とし、魚類からはPCB、p,p'-DDE等18物質すべて、貝類からはtrans-クロルデン、p,p'-DDE等15物質、鳥類からはβ-HCA、p,p'-DDE等12物質が検出されました。これらの物質についてもPOPs条約に掲げられた物質等は今後とも監視を継続するとされました。
 底質モニタリング、生物モニタリングについては以上でございます。
 引き続きまして、指定化学物質等検討調査の結果でございます。また資料2-1の概要という資料の25ページをご覧いただければと思います。平成13年度指定化学物質等検討調査結果の概要ということで、調査の方は、指定化学物質及び第二種特定化学物質について昭和63年度から開始したものでございます。
対象の化学物質は、下の表に書かれておりますが、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、これは二特でございますが、あとクロロホルム、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジクロロプロパン、1,4-ジオキサン、トリブチルスズ(TBT)、トリフェニルスズ(TPT)ということで、こちらの方はまた別途後ろの調査でもまとめておりますが、これらの物質を対象に、媒体としましては、大気、室内空気、クロロホルムは食事も、水質、底質等で実施しております。
 調査対象地点は、33ページ、34ページの図に出ております地点で調査を実施しております。
 調査結果は、36ページ及び37ページに出ております。36ページ、水質・底質で1,4-ジオキサンの結果、大気で残りの化学物質の結果が、また、37ページに結果が出ております。なお、37ページの方は暴露量ということで換算値として出しております。
 引き続きまして同じく資料2-1の38ページでございますが、有機スズ化合物に関する調査結果についてご説明いたします。
 有機スズについては、船底塗料や漁網などに使われていることから、環境汚染が明らかになり、昭和60年度から開始しているものでございます。実際には、先ほどからご説明しております生物モニタリングや指定化学物質等検討調査結果を抽出してまとめているものでございます。
 対象化学物質は、有機スズ化合物のうち、トリブチルスズ化合物、トリフェニルスズ化合物でございます。
 対象生物及び調査地点につきましては、先ほどと同様で魚類7種、貝類2種、鳥類2種の11種でございます。
 39ページにいかせていただきますが、調査媒体及び調査地点は、40ページですが、全国35地点で調査を実施いたしました。
 調査結果は、42ページの表10に書かせていただいております。これらの結果、概ね毎年横ばいという評価がなされております。
 最後に43ページを開いていただければと思います。平成13年度非意図的生成化学物質汚染実態追跡調査結果でございます。化学物質の合成過程、燃焼過程などで非意図的に生成される化学物質による環境汚染が問題になったことから、昭和60年度から開始したものでございまして、昨年度までは臭素化ダイオキシン類も実施していましたが、臭素化ダイオキシン類は環境省内の他の調査の方に移行いたしまして、本調査ではPCB類について、PCBの総量、各塩素数毎の値やコプラナPCBについて、水質、底質、生物(魚類)、大気の4媒体において調査を実施しております。
 調査対象物質については、43ページの表に書かれているとおりでございます。塩素数毎、異性体毎に細かく分けて詳細な調査を実施したものでございます。
 44ページ、調査地点でございますが、45ページ、46ページに書かれているのが水系、大気系の調査地点でございます。
 これらの調査地点で実施しました結果が表11として47ページに出ております。
 調査結果の評価としては、すべての地点から出たということと、今後もさらにモニタリングを継続してその消長を追跡する必要があるということと、PCBはPOPsですので、本調査におけるでモニタリング調査でまた継続していくこととなっております。
 以上、残りの調査を簡単にまとめますと、また資料2-1の最初の3ページ及び4ページでございますが、平成13年度指定化学物質等検討調査につきましては、指定化学物質又は二特について調査を実施するものでございますが、クロロホルム等9物質について、全国の水質・底質35地点、大気31地点で調査を行ったところ、9物質すべてが検出されました。
 暴露経路調査としましては、室内空気について、全国7地区各3世帯でクロロホルム等6物質の調査を行ったところ、全6物質が6地区で検出され、食事については全国7地区
各3世帯でクロロホルムについて調査を行ったところ、7地区すべてで検出されました。
 これらの考察でございますが、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジクロロプロパン及び1,4-ジオキサンは、環境中に広範囲に残留している。これらの物質については、経年変化があまり見られないことから調査間隔を長くして、調査を継続する必要があるとされました。
 続きまして4ページ、有機スズ化合物についてでございますが、トリブチルスズ化合物、トリフェニルスズ化合物について、生物(魚類、貝類、鳥類)、水質及び底質を対象として調査を実施し、調査結果としては、両物質とも概ね横ばいであるという結論でございます。
 考察としましては、両物質については、我が国での生産、開放系用途の使用はほとんどないことから、汚染状況は更に改善されていくものと期待されるが、未規制国等の存在に伴う汚染も考えられることから、引き続き環境汚染状況を監視していく必要があるとされました。また、内分泌かく乱作用も含め毒性関連知見の収集に努めることも必要であるとされました。
 4.非意図的生成化学物質汚染実態追跡調査でございますが、先ほども申し上げましたとおり、PCBについて広範囲に調査を行ったものでございますが、こちらにつきましても、PCBについては、全地球的な汚染監視の観点からも、モニタリングを継続しその消長を追跡する必要がある。また、PCBの環境中の組成等を調査することにより、非意図的生成割合、環境中挙動などの汚染機構の解明に努める必要があるとされました。
 以上でございます。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。それでは、ご質問、ご意見がありましたらお願いします。

【関澤委員】 暴露経路調査は全国7地区各3世帯でされたということですが、この7地区はどのように選ばれ、どのような地区だったかということと、室内空気はクロロホルム等6物質の調査を行っていますが、食事調査ではクロロホルムだけしか調べられなかったのは何か理由があったのでしょうか。

【事務局】 地区でございますが、資料2-3の78ページ及び79ページに挙げられています7地区、札幌、仙台、東京、長野、名古屋、高松、北九州でございます。

【鈴木委員長】 選んだ理由は何かあったのですか。

【事務局】 選んだ理由としましては、地方自治体で調査を実施しているところでございますが、地方自治体の協力が得られたところを対象としております。
 食事のクロロホルムでございますが、従前におきましては、クロロホルム以外もトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素で実施してまいりましたが、ほとんど検出されない、若しくは頻度がほとんど低いということで、継続して出ておりますクロロホルムをそのまま継続しているところでございます。

【関澤委員】 今ご指摘の資料2-3の78ページ、79ページの表を見ますと、暴露経路調査結果の方がそうだとしますと、すべての物質について食事調査をされているように見えるのですが、先ほどご紹介のあった資料2-1の3ページのところでは、食事についてはクロロホルムの調査を行ったと言われて、資料2-1の37ページの表でもクロロホルム以外の食事の欄が空欄になっていますね。ですから、調査していないのかと思いまし
たら、資料2-3の78、79ページでは数字が入っているので、どちらなんでしょうか。

【事務局】 資料2-3の78、79ページにつきましては、過去からの調査結果が出ております。

【鈴木委員長】 13年度のところだけを見ていただくと、ないのがわかると思います。

【関澤委員】 わかりました。

【鈴木委員長】 ほかにございませんか。

【岡田委員】 底質調査等を見せていただきますと、ほとんどのものは横ばいになっているから間隔を長くする。あとはPOPs条約があるから測るというようなことで、それはそれでいいのですが、調査間隔を長くするとしても、いつになったらやめていいと判断するのか。どういう判断基準で、どこまでいったら、いつになったらやめるかという目標というか考え方を教えていただければと思います。

【鈴木委員長】 これは事務局に答えを要求するのは少しかわいそうなような気がする話で、むしろワーキンググループで議論された部分の中にありませんでしたか。お答えがありますか。

【安達環境安全課長】 ご指摘のとおり、いつまで続けるか、逆に言いますと、各年度毎に継続調査が必要かどうかというのは、平成14年度からはこの制度の見直しを行いまして、化学物質環境汚染実態調査物質選定検討会がそれぞれのデータをもとに判定することになっております。したがいまして、専門家の意見を踏まえて、引き続き当該年度も継続するかどうかは、物質選定検討会において判断していくことになるかと思います。
 なお、POPsにつきましては、POPs条約の中で、世界的あるいは国内的なトレンド等も対策の評価のために必要だということになっておりますので、そういった意味からはむしろこれまでよりも感度を上げる等の対応をとりまして、トレンド等も見ていくことになるかと思いますので、スタートしたところでございますが、当面はやっていくことになるのではないかと考えております。

【岡田委員】 むしろ、しかるべき目的があって、きちっとしたPOPs条約に基づいて程度をみていく、そのために頻度を上げると、目的が明快で頻度が上げるのだったら全然構わないと思うんです。ただ、これはわかってやっているのだろうと思うのですが、まとめの文章の最初の4ページを読むと、何となくやるようにとれるものですから、それでちょっとお伺いしたかっただけです。ありがとうございました。

【池田委員】 今、岡田先生のご指摘にありましたように、何となく今までやっているのだからやるというのはよくないという意見が明確にございまして、2つ大きな方向があります。1つは、しかし全く手放しにするのは良くないから、頻度を落とす考えです。頻度を落とす程度は、例えば隔年なのか、3年に1回なのか、これはいろいろ議論が出てくると思います。数年に1回程度まで落とすことができるだろう。それによってエネルギーをセーブして、他のもっと大事なものに使おう。
 もう1つは、POPsのように国際協調の対象になって全地球レベルでの比較が前提になりますので、今ご指摘がありましたように、もっと強化しなければいけないかもしれない。そういう議論でございます。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。この部分でちょっと話が変わるのですが、私が気になるのは、非意図的生成物のところです。実は非意図的生成物なるものは、初めから予想していないわけです。何ができるかわかっていないものがひっかかってくる危険性がある。それは分析のシステムなり方法なりインストルメントなり何なりが変わってくることによって、これまで見えてなかったものがひっかかってくるような出来事が起こり得るわけですが、その部分をどうしたらいいのかということは、今の議論とはまた別の、かなり深刻な議論として考えておかなければいけない部分なんだろうと思うんです。そこら辺のところは、今回PCBを測っていますけれども、それだけで非意図的生成物が全部測れたわけではない。もうわかってしまったものを測るのと、そうでないのとを分けて考えておかなければいけないという気はしています。ただ、この議論は今日やるのには少し重たすぎるので、またワーキンググループの中ででも丁寧に議論しておいていただきたいと思います。
 ほかにありますか。

【中杉委員】 今、委員長のご指摘の点については、池田先生を座長として黒本の見直し調査の検討会をやりまして、そのときにもいろいろな新しい考え方が必要だろうと。物質を同定して物を調べていくのではないやり方が必要ではないか。それで全部が見つけるわけではありませんが、そこら辺の工夫が少し必要だねという話はしてあります。ただ、それは今年度からやっている見直しの中にもまだ盛り込んでいない、次の宿題として残されているものだと考えております。それは委員長の発言に対するコメントであります。
 もう1つは、全体に気になるのは、今回のコメントが、先ほどの岡田先生のご意見にも絡むのですが、今、平成14年度も既に動き始めてしまっている。それとの間でそごはないか。平成13年度から新しいのが始まっているわけですね。13年度の結果が出て、13年度もまた別のが始まっていて、そこに多分POPsの形のところはつながりがすっとできていて、POPsはやっています。でも、他の部分について、例えば長期的に期間をあげてやりましょうと言っても、私が物質選びをやらせていただいたのですが、こちらの方ではそれを受けていない部分があるのではないか。例えば、先ほどの暴露量調査の話などは、これは大気でもやっているし、水でもやっているし、そんなものを今さら測ることはないだろう、だから今回は対象にしませんという形で整理してしまっていますので、そこら辺との区切りがあるとこちらは思っていても、社会的にはつながり等を見てとらえるわけで、当然、そこの間の整合といいますか、表現ぶりの調整をとっておいていただかないと非常に苦しくなるのかなという感じがいたします。

【鈴木委員長】 安全課長、何かありますか。

【安達環境安全課長】 ご指摘のとおり、新しい制度は14年度から始まりました。今回ご審議いただきますものは、13年度に調査したものということで、いわゆる旧制度でやったものであります。ところが、14年度の選定はもう終わっている。13年度の結果が今出てきたという点のご指摘かと思うのですが、これは新制度に移るときの過渡期ということで、今回いただいたご意見は、次回、15年度物質選定の際には物質選定検討会で考慮していただけるのではないかと考えております。ただ、実態上はそれほど離れたものにはなっていないのではないかと考えております。

【中杉委員】 私が一番気にしているのは、指定化学物質等検討調査で、去年のこの評価のときにも申し上げましたけれども、有害大気とか水の方でかなり調査を普遍的にやっていて、それにその10分の1ぐらいの数が加わってどれだけの意味があるのですか、という話をさせていただいた部分なんですね。それはクロロホルム、四塩化炭素とか、そういうものの大気の調査。今回もそれについては、「経年変化があまり見られないことから調査間隔を長くして、調査を継続する必要があるとされた」というふうな表現になっています。それについては、今年度の物質選定のときの議論としては、明確に、これはそういうところにゆだねてやめましょうという判断をしたというふうに私は解釈していますので、それをもう一回これが来年ということになれば、去年も同じことが報告書の中で書かれているわけです。それを踏まえて、それはそうではないという判断をして書いていますので、もう一度同じことをやるというのは、本当によろしいのかどうか。一回そういうふうな判断ということで整理してしまって、もう一回これが出てくるというのは、少しそごが出てくるのではないかということで、少し表現ぶりを工夫していただいた方がよろしいのかなと思ったものですから。

【鈴木委員長】 こういうのは正直に書くしかないんですね。取り繕ってものを書いても……。

【安達環境安全課長】 黒本調査の検討会での検討結果はこうであったと。物質選定検討会の方では、あのときもそれぞれの行政的要求から、できるものよりもかなり多めのものがあったかと思います。従いまして、最終的には物質選定検討会で優先順位を考えていただいて、いくら化審法がこの指定化学物質を急いでやらなければいけないと言われても、優先順位があるかと思いますので、そういったものをトータルに踏まえて、物質選定検討会でまた改めて来年ご審議いただけたらと思っております。

【鈴木委員長】 忘れないようにしてください。

【松下委員】 暴露経路調査なんですが、資料2-1の37ページに暴露量換算値という表が出ております。これは資料2-3の77ページと同じものなんですが、これは、例えば大気の濃度に15m3を掛けた数値なのか。要するに一日に大体どれぐらい外にいるからといって計算したものなのか。ただ15m3と書いてあるものですからよくわからないのですが、もし15m3ずつ掛けたのだったら、室内の方が圧倒的に長いわけだし、大気の中に2時間もいないわけですから、滞在時間もよく考えながら書かないと、これをただ足してしまったら、非常にオーバードーズになってしまいますね。それはどうなっているのでしょうか。

【事務局】大気と室内空気で出ている数字を、脚注に書いてあるとおりの15m3を単純に掛けているだけでございまして、単純な掛け算でございます。

【松下委員】 暴露の評価をするときに、室内と外とを足して一日いくら暴露したと計算される人もいるかもしれませんので、そういうふうにはできませんよね。だから、そういうことをちょっと注意を書いておかれた方が親切かもしれませんね。

【鈴木委員長】 注釈を付けることにしましょうか。

【事務局】 脚注のところには単純に1日当たり15m3という数字で計算したことだけが書いてありますが、松下委員のご指摘の部分について脚注に加えさせていただきます。

【鈴木委員長】 まだあるかもしれませんが、まだ違うテーマが残っていますから、次の議題の2、「化学物質の環境リスク初期評価等(第2次とりまとめ)の結果について」に移ることにします。事務局からどうぞ。

【事務局】 議題2のテーマにつきましては、前回、12月9日の第4回専門委員会におきましてご議論いただいたところでございますが、前回、悪天候のために、この委員会の運営も通常とは若干異なる不規則な形であったということもありますし、また、その際にご議論いただきました基本的内容につきましてはご了承いただいているというふうに理解しておりますが、何点か委員からご指摘もいただきましたので、今回、資料3として再提示させていただきました。修正内容を中心に簡単にご紹介いたします。
 目次にありますように、前回の資料3~6を、一部抜粋したものもありますが、基本的に再度掲載した形になっております。
 2ページから始まります前回の資料3の中では、リスク評価の進捗状況と、前回公表後の作業の状況についてご報告したところでございまして、記述について修正すべしというご意見を若干いただきましたので反映させました。7ページから始まります「暴露評価において採用する測定値の考え方について」という箇所、前回の資料4でございますが、こちらの方は基本的に最大値を用いた評価というものを行っておりますので、冒頭にありますように、環境リスク初期評価の一環として行う暴露評価において採用する考え方だということをわかるようにすべきであるというご指摘をいただきましたので、その旨を明記いたしました。
 前回の資料5は、11ページから始まります「生態リスク初期評価における課題について」というところでございます。11ページにございますように、内分泌攪乱作用の確認された物質の評価の考え方についてご審議いただいたところでございますが、変更箇所としましては、その次のページ、「『判定不能』とされる物質の取扱いについて」ということで、12ページの下の方の有害性の評価の部分で、内外のいろいろな知見なり選定基準をもとに、「PNEC値が10~100μg/L程度以下の物質に着目する」という形で記述を若干変更させていただきました。
 続きまして、14ページからの部分は前回の資料6に相当いたしますが、「発がん性評価について」でございます。こちらで、後ほど結果をご紹介いたします発がん性の評価を行う際の手順書について前回ご検討いただきまして、何点かご指摘いただいたものを反映させる、例えば14ページでございますと、2.のところに「発がん性の定量的なリスク評価」となっております。前回、IARCの分類をもとにグループ1及び2Aとか2B、そういったものごとにどういう手順でやるかという書き方にしておりましたが、より評価の内容を踏まえて、定量的なリスク評価とはどう行うものか、19ページの方では、定性的なリスク評価とはどう行うべきかという形で、それぞれ手順としてもう一度精査して書き直しまして、より手順書としての体裁を整えたものでございます。基本的な内容につきましては、前回、何点か委員からご指摘いただきましたものを加筆した以外は基本的にエディトリアルな修正でございます。
 この資料については簡単でございますが以上でございます。

【鈴木委員長】 前回の議論とそれに基づく訂正の確認という意味を持っているわけですが、ここまでのところで何かご質問等がございましょうか。

【関澤委員】 前回にも見てはいたのですが、見落としていたと思われるところが用語説明のところです。今の資料の22ページの下の方に「Proportional Mortality Ratio」というのがありまして、さらに次のページの頭に「Standardized Mortality Ratio」の説明があります。これをもう一度読み直していたのですが、例えば「Standardized Mortality Ratio」の説明が、「対象集団における観察死亡数と、対象集団のカテゴリー別死亡数が標準人口のそれと等しい」という書き方なんですが、対象集団と標準人口の年齢別の死亡が等しいようなものを標準にして比べるのではないかと思われるのですが、この説明が適切なのかなということで、ここでも引用されている『疫学辞典』と『保健統計疫学』というのを見ていたのですが、少し説明が違うような気がいたしました。同じように、22ページの「Proportional Mortality Ratio」についても、「一定の集団において、……標準集団における同じ原因による期待死亡数の割合で除したもの」とあるのですが、私は疫学の専門ではありませんが、『疫学辞典』や『保健統計疫学』という本で見ますと、標準集団における同じ原因による期待死亡数の割合で除したということは特に書いていないように思うのですが、ご専門の立場からもう一度確かめていただければと思います。

【事務局】 先生ご指摘のように、この文章を出すときに『疫学辞典』とか諸々の参考文献を引用させていただきまして、引用する文献によって多少ニュアンスが異なっていたというのは事実としてあると思います。ですから、先生のご意見を踏まえまして、今後より誤解のないような表現に変えていきたいと思います。

【鈴木委員長】 これは、例えば大前さんあたりに知恵をかりた方が早いのではないですか。

【大前委員】 国際疫学会が出している『疫学辞典』に準拠して書いてあろうかと思うのですが。

【鈴木委員長】 そもそもそれに準拠したのではないか。

【事務局】 引用文献については、後ろに掲載させていただいておりますが、これだけのものを見まして、最大公約数的なところで記載させていただいたのですが、この中に、先
生ご指摘の文献を踏まえて、もう一度より正確な表現にさせていただきたいと思います。

【鈴木委員長】 確かにPMRとかSMRの書きぶりはこれでいいかなと気になる部分がないわけではないですね。ぜひきちんと専門の委員にご相談の上、訂正するなり何なりしてください。
 ほかにありませんか。

【池田委員】 細かなことですが、発がん情報に関して、先ほど主な機関云々ということでご紹介のありましたものの中に、ドイツのDeutsche Froschungsgemeinschaft(DFG)の考え方は必ずしも取り込まれていないようです。具体的に問題になるかもしれないのはトリクロロエチレンで、例えばIARCは3と評価していますが、比較的最近にドイツの人たちは、国内での疫学調査をベースにしてヒトに対する発がん性が確認された物質というふうに分類したと思います。同時に、DFGというのは、ACGIHがある種のNGOであるのに対して、学会をベースにしていますけれども、資金的にはマックスプランク研究所のかなり強いサポートを受けてやっているという話を聞きました。確かに出版物のスピードもそっちの方が速そうです。その意味では、従来はACGIH・NIOSH・FDAのベースで考えている部分あるいはIARCをそれに加味してとなるかもしれませんが、DFGも視野に入れた方がいいのではないかという提案です。

【鈴木委員長】 別にどなたもご異存はないのではないかと私は思いますけれども。

【事務局】 では、追加する方向で検討させていただきます。

【鈴木委員長】 事によると、追加ではなくて、変えなければいけなくなるかもしれない。その辺の部分は起こってくるんですよね。

【事務局】 背景的な状況を説明させていただいてよろしいでしょうか。
 健康リスクに関する委員会での検討を踏まえての判断ということで、実際に、先生ご指摘のように、ドイツの評価は最初入ってございまして、それをどうしようかということは議論しております。今回、EUの評価を入れているということで、ある程度カバーできる可能性がそこに残されているということと、昨年、ドイツにおいてリスク評価機関が政府の中で独立して設置された機構の改革ということもございまして、ヨーロッパにおけるリスク評価に関する大きな変革の時期にも当たっていると思いますので、今後、そうしたいろいろな機関が評価文書を出してくることが予想されますけれども、EUにおいてとりまとめられるという方向性も示されておりますので、原則、EUが出される評価文書をフォローしつつ、個別の物質について新しい知見が出された場合は、ドイツにおける文書等も参考にして取り込んでいく、そういう状況でございました。

【鈴木委員長】 それは具体的な手続としては、例えば、どこかの国が新しい提案をしたときに、それを取り上げて評価するわけですが、例えば年に1回くらいの頻度でそういうことをやることになるのですか、それともアット・ディマンドで、何か出てきたら、毎回それを常置委員会みたいなものがこちら側にあって、年中それに対応するような形になるのですか。どう考えているわけですか。

【事務局】 現時点で私のところまで入っている情報によりますと、EUの中でヨーロピアン・コミッションが中心に作業を進めておりまして、その中に独立にサイエンティフィック・コミッティーが目的ごとに設置されております。サイエンティフィック・コミッティーの方は常設の委員会になっておりますので、目的別に評価をして、各国の政府機関、もしくは工業会等からレポートが各委員へ提出され、、アドホックの委員会も適宜作られるということですが、そうした流れの中で、EUがある意味、ヨーロッパにおける情報を糾合しつつあるという状況であると認識しております。

【鈴木委員長】 それはそれでいいのですが、我が国の場合どうするのですか。

【鈴木環境リスク評価室長】 基本的には初期リスク評価の対象物質がまず優先されますので、その中で、今、基本的にはIARCのランキングをもとに必要あるものを選び、さらに選び出してやるということですが、ガイドライン自体にそういう概念は入れていないので、どうするか、これから検討しなければいけないのですが、個別物質で、ある国から情報が来た場合であっても、直ちにというよりは、一番近い次の年度の選定物質の検討の際にそれを考慮するという形になろうかと思います。

【鈴木委員長】 年に1回ですか。

【鈴木環境リスク評価室長】 基本的には、今の作業ではそういうふうになります。

【鈴木委員長】 それで間に合うか、間に合わないかという議論になりますかね。池田さん、どう思われますか。

【池田委員】 今お話のありましたように、EUの人たちはEUとして共通のスタンダードを作ろうという作業を非常に丁寧にやっています。EU内部でいくつかのトレンドがあって、その調整作業中なのだと思います。

【鈴木委員長】 日本の場合には、我々は日本の産業衛生学会の許容濃度委員会が議論の末採用した判断を重要視するという構えでいるわけでしょう?

【池田委員】 はい。

【鈴木委員長】 それと同じようなことを考えに入れて具体的にどうやっていくかという……。

【鈴木環境リスク評価室長】 どういう情報かにもよるのですが、例えば最近ではアクリルアミドがポテトチップスの生成過程の中で高い濃度で問題になる場合で、要するに有害性のレベルと媒体における濃度といいますか、それが非常に緊急的にリスク管理などを必要とすれば、そのリスク管理の担当部局が直ちに当面の対応をするということに大体なろうかと思います。だから、有害性の情報と暴露評価を非常にラフに見比べて、これは比較的早期に詳細な評価をしなければいけないとなると、リスク管理担当部局が作業する。ですから、我々はどちらかというと、その辺がまだはっきりせずに、少し余裕のあるものについては、順次優先度の高いものから取り入れていくということになろうかと思いますので、結局、ケース・バイ・ケースかなと思っております。

【鈴木委員長】 そうすると、持続的にはリスク評価室が機能して動いているのだから、そこがまずひっかけてくれるだろうということを期待することになりますね。

【鈴木環境リスク評価室長】 順次蓄積される知見のある物質については、そういうルーチンの流れができると思います。ただ、緊急対応的に全く新たな、突発的な情報が入って、しかも極めて限られた媒体である場合には、その媒体を管理する部局がとりあえずの対応をとる。ただ、我々はそれを含めて、他の媒体との総合的な暴露量も勘案して、環境媒体横断的な評価は当然追ってやる必要は生じてくるかと思います。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。リスク管理を考えていく上で、その辺のところが具体的にどう動くのか、あるいは動かすのかというのは、私は本質的に大事な問題だと思っているものですから、少ししつこく事務局にも委員の方にも伺ったわけですが、今日はこの議論はここでやめて先へいきましょう。
 それでは、リスク評価の結果について、事務局どうぞ。

【鈴木環境リスク評価室長】 それでは、基本的には資料4-1をもとに説明させていただきますが、詳しい説明が要る場合は資料4-2、4-3、4-4を引用しながらということになります。
 まず資料4-1の結果の概要の「趣旨・目的」ですが、まだやっと2回目の成果ということもありますし、傍聴の方で初めて聞かれる方もいらっしゃると思いますので、一応丁寧に読ませていただきます。
      (資料4-1の1ページの「1.趣旨・目的」の部分を朗読)
 ここ(第4段落)までがこれまでの経緯をまとめたものでございますが、新たな取組、第2次とりまとめの内容としては、次にあります、「環境省では、昨年1月の公表分に引
き続き優先度が高いと考えられる新たな化学物質を対象として以下の評価を実施した。」。
 3つございまして、健康リスク及び生態リスクにわたる環境リスク初期評価(13物質)、この13物質に関しては、人の健康リスクと生態系のリスク、どちらも評価を行ったというものでございます。
 2つ目が、追加的に実施した生態リスク初期評価(69物質)。前回もご説明しましたが、生態リスク初期評価に当たっての知見が比較的豊富なものでございますので、これを人のリスク評価を待たずに追加的に生態の方だけ行ったというものでございまして、手法は13物質と同じ手法を用いております。
 次が発がん性評価で、定量的リスク評価が6物質と定性的評価が19物質でございます。
 2番目にまいりまして、その結果でございますが、最初が(1) 評価の内容でございまして、多数の化学物質の中から相対的に環境リスクが高そうな物質をスクリーニングするための「初期評価」を、前回は4年かけて39物質でございましたが、今回評価対象とした13物質は、PRTRの対象物質等、化学物質に関するリスク管理の行政施策上環境リスク評価の必要性が高いと考えられるものを中心に選定しております。
 次のページでございますが、今回も、昨年度確立しました「化学物質の環境リスク初期評価ガイドライン」に基づいて、現時点で評価手法の確立した有害性に関する知見により評価を行っております。また、発がん性については評価文書に基づく定性的な判定にとどめておりまして、別途「発がん性評価」の中で検討しております。それは4番目の項目でまとめております。現在有害性評価のための試験法開発等が進められている内分泌攪乱作用は、基本的にはこの初期評価の対象とはしてこなかったわけでございますが、別途、環境安全課で行われております内分泌攪乱化学物質問題検討会により既に内分泌攪乱作用が認められた物質については、その知見も視野に入れて評価を行っております。
 また、今回の評価では、スクリーニングとしての環境リスク初期評価の充実に向けて、既に前回資料で先ほど説明しましたような、暴露評価に用いる測定値の取扱いや判定ができない物質の取扱い等について検討を行い、その成果を個別物質の評価に反映させてまいりました。
 本初期評価はスクリーニングとしての目的で限られた情報に基づきリスクの判定を行い、詳細な評価を行う候補物質を抽出するものでありますので、今回の成果を受け直ちに低減対策等を必要とするものではございません。
 これ以下は、それぞれの担当から一覧表等を用いて説明させていただきます。

【事務局】 では、まず健康リスク初期評価の結果から説明させていただきます。同じ資料4-1の6ページにA3の大きなものがございますので、この一覧表をご覧ください。タイトルが「健康リスク初期評価結果一覧(13物質)」となっているものでございます。こちらの表につきましては、昨年度提出させていただきましたけれども、ちょっと時間があいておりますので、簡単に説明させていただきます。
 CAS番号、物質名が一番左側にあるかと思います。その次に有害性に関する情報ということで、どういった実験でどういったデータが出たかということを暴露経路別、動物種別、NOAELかLOAELの別、エンドポイントを影響評価指標として記載してございます。最終的に無毒性量等ということで、暴露時間、実験モデルを踏まえて補正した値がこちらに出ております。この有害性評価とその隣にあります暴露評価、暴露経路毎に予測最大量を出してございますが、暴露評価と有害性評価の方を合わせまして、健康リスクについてはMargin of Exposureを算出してございます。
 結果ですが、次の評価の欄をご覧ください。ここで×、○、▲、■が掲載してございますが、内容については注3をご覧ください。○は現時点では作業は必要ない、▲は情報収集に努める必要がある、■は詳細な評価を行う候補、×は現時点ではリスクの判定はできないということになっております。簡単に申し上げますと、■を探し出すという作業をやっているようなわけでございまして、今回の評価結果としましては、▲の物質がありましたけれども、■の詳細な評価を行う候補というものはございませんでした。
 物質毎に追加のコメントが若干ございまして、5番と11番に臭素系難燃剤がございますが、こちらはご存じの方も多いと思いますが、EUにおいてリスク評価が進行している物質でございます。
 9番の1,4-ジオキサンを見ていただきたいのですが、この評価結果、▲注5となっております。一番下の注5を見ていただきますと、浄水場の水源井戸からの検出例として820μg/Lの報告があったということで、こうした暴露評価の結果を受けますと、本物質についてはさらに情報を収集していく必要があるだろうと考えられます。
以上が一覧表の説明でございます。

【事務局】 続きまして、同じ環境リスク初期評価の結果、生態リスク評価の結果でございますが、その前に2ページの表に戻っていただきますと、ここに今ご説明いたしました健康リスク初期評価の結果と生態リスク初期評価の結果について、他の評価結果毎にどういう物質が該当するかという形で整理しております。一部資料の数字に誤りがございまして、健康リスクのCの欄、「相対的にリスクは低いと考えられ『更なる作業を必要としない』」という欄は6物質になっておりますが、5物質の誤りでございます。おわびして訂正させていただきます。
 続きまして、この部分の生態リスク評価の結果でございますが、こちらの表にありますように、相対的にリスクが高い可能性があり「詳細な評価を行う候補」とされた物質は、4-t-オクチルフェノール、クロロホルム及びノニルフェノールの3物質ございました。
 以下、それぞれのカテゴリーは、この表にあるとおりでございますが、詳細につきましては、同じ資料の7ページ目でございます。A4横長の資料で「生態リスク初期評価結果
一覧(13物質)」となってございますが、こちらで結果をまとめさせていただきます。
 先ほどの健康リスク初期評価と同じ物質を同じ順に並べておりまして、同様に、まず生態影響に関する有害性評価の結果、右の方に出ております予測無影響濃度、PNECを算出する際に根拠として採用した知見について書きました上で、OECDで用いております方法に準拠してアセスメント係数、ここに与えた数字で割ることにより、予測無影響濃度、PNECを算出しております。一方、予測環境中濃度は、暴露評価の結果、環境中の実測データをもとに、実測データは基本的には最大値を用いて設定したものでございまして、上の段が淡水中の濃度、下の段が海水中の濃度となっております。
 リスクの判定は、PECとPNECを割ることによって判定を行う形になっておりまして、予測無影響濃度よりも予測環境中濃度の方が高いという場合は、ここの評価結果ですと■になりまして、「詳細な評価を行う候補」という形で表記しております。この記号の書き方は先ほどの健康リスク初期評価結果一覧と同じでございます。この結果、4-t-オクチルフェノールについては淡水、クロロホルムについては淡水、海水とも、ノニルフェノールについては淡水のデータをもとに、それぞれ詳細な評価を行う候補と判定されたところでございます。
 評価については以上でございまして、13物質の個別の評価結果につきましては、資料4-2の「環境リスク初期評価結果(案)」の中で評価文としてまとめております。時間の関係もありますので、簡単に構成だけを資料4-2のアクリロニトリルで申しますと、1年前に公表いたしました基本的な構成でございますが、まず1ページ目のところに「物質に関する基本的事項」として、分子式・分子量・構造式、物化性状その他、次のページに製造輸入量及び用途。それを受けて、暴露評価として、環境中濃度のデータに基づき評価を行った結果が3ページから順に書いてございまして、ここで人に対する暴露及び水生生物に対する暴露という観点で暴露の推定を行っております。
健康リスクの初期評価につきましては、この物質の例ですと7ページからになりまして、ここでそれぞれの毒性についての情報を記述した上で、10ページ目で(4) 健康リスクの初期評価結果ということで、先ほど一覧表でご説明いたしました内容を具体的に表で示した上で、下に判定を文章で記述してございます。
 生態リスクの初期評価につきましては、11ページからでございまして、同様に生態毒性の概要として、いろいろな毒性の情報を整理した上で、予測無影響濃度を設定し、12ページで生態リスクの初期評価結果としてまとめたものでございます。それにそれぞれの引用文献を付けたという形で各物質の評価文が構成されております。

【事務局】 では、健康リスクのところで実際に今のような形で評価をするとどのような形になるかというのを簡単に説明させていただきます。
資料4-2の111ページ、1,4-ジオキサンのところをご覧ください。先ほども説明がありましたように、物質に関する基本的な事項が並んでおりまして、暴露評価が次にあります。
 114ページをご覧ください。暴露の評価の中で、下のところに注3というのがありまして、ここで先ほど出ました820μg/Lという数字が出ているかと思いますが、どういったものを対象にしてこの暴露を出しているかというのをこの表を見ていただけるとご理解いただけるかと思います。
この数値を用いまして、最終的に評価を行うとどうなるかというのが、健康リスクについては117ページから書いてございます。一般毒性及び生殖・発生毒性がまずまとめてございまして、その後、発がん性、これは定性的に知見のとりまとめだけになっております。それから(3) 無毒性量等の設定、(4) 健康リスクの初期評価結果という形でまとめてございます。
 119ページのところをご覧ください。ここで「水源井戸からの検出最大濃度を用いると」となっておりますが、次の120ページのところに「MOEは29となる」という記載があるかと思います。ですので、今後、健康リスクについては情報収集が必要であるという判断に立っております。
吸入暴露については、MOEは18,000ですので、リスクが低いと考えられます。
 以上です。

【事務局】 続きまして、生態リスク初期評価の結果、詳細な評価を行う候補とされた物質の例としまして、資料4-2の78ページあたりになりますが、4-t-オクチルフェノールを例として簡単にご紹介いたします。
この例示以前に暴露評価等の情報がございますが、資料4-2の78ページから生態リスクの初期評価の結果が出ておりまして、他の物質と同様に生態毒性について情報を処理した上で、ここでは(2) のところで、78ページの一番下でございますが、「本物質のPNECとしては、甲殻類の急性毒性値をアセスメント係数 100で除した0.48μg/Lを採用する」ということでございます。
この物質は、前回の本委員会でご検討いただきました内分泌攪乱作用が確認された物質でもございますが、その際の議論を受けまして、「なお、」以下でそういった情報の扱いについて記載してございます。本物質については、こういう作用が確認されており、そのような情報で設定されたNOEC値は9.92μg/Lであったということでございます。そういう知見の取扱いにつきましては、ここに書いてありますような提案がございますが、内外で引き続き検討が行われている段階でございますので、その取扱いについては今後の検討及び国際的な動向を踏まえて判断するということで、内分泌攪乱作用についてもこう考慮した上で、ここでは直接は数値そのものは採用せずに、既存の一般的な生態毒性の知見から予測環境中濃度を設定した形になっております。
 その結果、(3) に生態リスクの初期評価結果として書かれておりますように、PECの値とPNECの比をとりますと、淡水域では1.8となっておりまして、この物質については詳細な評価を行う候補と考えられるという判定となった次第でございます。
 他の物質も同様の形で評価文は記載してございます。生態リスク初期評価の一例でございます。
 続きまして、資料4-1の2ページの一番下に戻っていただきますと、3として「追加的に実施した生態リスク初期評価の結果」でございます。冒頭室長より説明いたしましたが、69物質を選定して、追加的に生態リスク初期評価を行ったところでございまして、内容は、今申しました健康影響と生態影響の両面の初期評価を行った際の生態リスク初期評価と同じでございます。
 69物質について評価を行いました結果、十分な情報が得られていない物質もございましたので、36物質について結果が得られまして、その結果、相対的にリスクが高い可能性があり「詳細な評価を行う候補」とされたものが、ここに挙げました19物質でございます。
 その他、このような形になっておりまして、その結果、個別の表は、同じ資料4-1の
8~11ページに同様の表が付いてございますので、詳細な説明は省略させていただきます。

【事務局】 続きまして、同じ資料4-1の3ページをご覧ください。3ページの4のところに「発がん性評価の結果」というものがございます。発がん性の評価につきましては、平成9~12年度に調査を行った中で、さらに今後定量的な評価を行う必要があるということが結論としてあったかと思いますが、その中で、今回は定量的なリスク評価と定性的なリスク評価を併せて行っております。基本的に定量的な評価はIARCの1、2A、定性的な評価は2Bとお考えください。
3ページの下のところに表が出ておりますが、「詳細な評価を行う候補」と考えられた物質は、塩化ビニルモノマーとホルムアルデヒドがございました。詳しくは後ほど説明させていただきます。
 ページをめくっていただきまして、4ページのところに、定性的な評価の結果はどうなったかということでございますが、アクリロニトリル等5物質が今後定量的な評価を行う候補ということで、実質的には今後この5物質については、先ほど出ましたIARCの1、2Aに準じた形で定量的な評価を行っていきたいと考えております。
 結果どういう状況であったかというのを発がん性の評価結果の一覧表で示したいと思います。資料4-1の最後の12ページでございます。これは今までのものと多少異なっておりますのは、暴露評価、予測最大量が左側の方に出ておりまして、評価の手法のところが「閾値あり」「閾値なし」「その他」と分けてございまして、国際的に見た場合にも発がん性の評価については、既に定まっている場合もあれば、物質によっては評価が定まっていず、いろいろな手法による評価が行われているところでございます。閾値ありについては、閾値を設定した後、暴露量との比で評価を行う。閾値なしについては、スロープファクター若しくはユニットリスクを用いて過剰発生率を計算する。その他については、下の注4にございますが、カナダの環境省及び厚生省で発がん性の評価で活用しておりますEPIという概念を使用して評価をしております。
 一番右側の欄の「評価のまとめ」をご覧ください。これが以上を踏まえた全体的なまとめでございまして、4番の塩化ビニルモノマーと6番のホルムアルデヒドのところに■が付いていると思います。ですから、この2つの物質についてはさらに詳細な評価が必要であると今回は考えられました。
 この表の見方ですが、閾値あり、閾値なし、その他、ここではないのですが、最大3つの評価結果がそれぞれ出てきたときにどういった判断をするかといいますと、安全サイドに立ってリスクが高い評価を採用して、▲と■が出た場合には、■を採用するといった立場でございます。

【鈴木環境リスク評価室長】 だいぶ時間が押してまいりましたので、資料4-4に実際の評価結果の記載がありまして、この記載方法を説明すべきなんですが、議論の中で必要に応じてやりたいと思いますので、資料4-1の4ページ、こうして得られた成果を行政的にいかに活用していくかということが大事なわけでございますが、そういう意味での5番の「今後の対応」をご説明したいと思います。
 まず、(1) 評価結果の情報提供ということで、広くこうした成果を知っていただくために、昨年と同様に「化学物質の環境リスク評価 第2巻」として冊子としてとりまとめるとともに、インターネットも活用して、この成果がアクセスできるような環境を整えたいと考えております。
 (2) の「詳細評価等の実施」でございますが、環境リスクの判定の結果、詳細な評価を行う候補とされた物質については、それぞれの媒体のリスク管理を所管しております関係
部局との連携と分担の下で詳細な評価の実施を含めた対応を図るということでございます。
具体的には、[1]にありますように、今し方説明した発がん性の定量的リスク評価の結果、詳細な評価を行う候補とされた2物質、例えばホルムアルデヒドについては、一般環境大気及び室内空気の吸入暴露による発がんリスクが高い可能性がありますが、大気中のホルムアルデヒドについては、全国で濃度測定が実施されるとともに、事業者による自主管理が行われております。また、室内空気については、既に厚生労働省により室内濃度指針値が設定され、建築基準法等による対応が図られている。いずれもリスク管理、リスク低減策はそれなりにありますので、当面、これらの低減対策の効果等についての情報収集を行っていきたいと考えております。
 塩化ビニルモノマーについては、地下水を含む経口暴露による発がんリスクが高いという結果でしたので、地下水になぜ混入するのかという原因を含めて、より詳細な濃度に関
する情報の充実を図りつつ、その結果に応じて必要な対応をとりたいと思っております。
 それから生態リスク初期評価、これは13+69のうち、詳細な評価を行う候補は22になりますが、これについては、生態リスクの詳細な評価を優先的に進めることを検討し、具体的には、水環境分野においては、水生生物の保全のための水質環境基準の設定について、水環境部会に設置された専門委員会において審議を進めているところでございますので、我々の結果も関連していただくよう情報を提供していきたいと考えております。
 (3) の「情報の収集」でございますが、判定の結果、情報が必要とされた物質や、情報が不足して判定ができなかった物質については、関連情報を収集し、補完した上で、判定のやり直しとか必要な対応を図っていきたいと考えております。
 5ページにまいりまして(4) ですが、「環境リスク評価の計画的な実施」ということで、さらにガイドライン等の手法の改善を図りつつ、内外の知見から人の健康又は生態系に対する有害性が高いと考えられる物質やPRTRデータ等から環境排出量又は暴露量が多いと考えられる物質を選定して、計画的に実施していきたいと考えております。
 (5) は、リスク評価自体の課題ということでございますが、[1]にありますように、PRTRデータが公表されますので、それを用いた暴露モデルのシミュレーションプログラム
を開発中でございますので、それを更に進めるとともに、それを暴露評価に使っていく。
 [2]ですが、今、発がん性に関するガイドラインと一般の初期評価のガイドラインが別々に作ってありますが、これを一体的に進められるように検討したいと思っております。
 [3]は、生態リスク評価におきまして、今は水生生物の3点セットで実施しておりますが、当面、底生生物を用いた生態影響試験方法の確立等を受けまして、それをリスク評価に活用していく、それを取り込んだ形でリスク評価を行いたいという検討を進めたいと思っております。
 [4]は、先ほども出ましたが、内分泌攪乱作用を含めた環境リスク評価の実施に必要となる知見の充実を図っていきたいと考えております。
 [5]は、リスク評価自体まだ難しい概念で、成果についてもなかなか理解しにくい、難しいところがありますので、これを理解していただくような普及啓発活動を図りたいと考えております。
 以上でございます。

【鈴木委員長】 どうもありがとうございました。議長の不手際で時間がだんだんなくなりましたが、何かご質問、ご意見ありませんか。

【関澤委員】 先ほど室長からご指摘のあったアクリルアミド、資料4-4の発がん性の評価の一番最初に出てくる物質でございますが、この評価と並行していろいろ新しい事実が出てきたと思われます。資料4-4の3ページの表2.2 の下に注4として「ポテトチップ中濃度として最大 3.544μg/gの報告がある」という記述がございますが、表2.3 では食物の欄では「環境中から食物への移行は小さいと判断される」とあって、表2.4 では食物の欄は空欄になっています。ところが、実際にはポテトチップなどの加熱反応中にメイラード反応により生成するということがわかってきておりまして、この辺をどう書き加えるか、あるいは最終的にはリスクは低いと判断される物質になっているわけですが、リスク低減策としては環境省の管轄にはならないかもしれませんけれども、どういうふうに書いていかれるべきかというご判断を教えてください。

【事務局】 先生ご指摘のように、このポテトチップのデータというのは、最近公表されまして、最初の段階では資料に入っていなかったのですが、書くような形になりました。かなり議論がありまして、行政組織ということもありますけれども、今回、ユニットリスクなどで出す場合は70年間継続的に摂取した場合のリスクを算出するという仮定から、ポテトチップを毎日大量に食べ続けるということは現実的にはかなり少ないのではないかということと、環境リスク評価ですので、環境リスクの方に重点を置くべきだというふうな議論もございまして、今回は参考としてここにデータを出させていただきました。今後はこういったデータはほかにも出てくるかと思いますので、環境以外の媒体についても視野に入れつつ検討を進めさせていただきたいと思います。

【事務局】 補足でございますが、同じ資料4-4の10ページ目に発がん性の「リスク評価のまとめ」という記載がございます。経口暴露については、先ほど関澤委員のご指摘のような理由で暴露量の評価を行うことができなかったため、リスクの判定はできなかったと書いてございますが、「なお、」以下のところで、「本物質の環境から食物への移行は小さいと考えられるが、炭水化物を多く含む食品を焼く、または揚げることにより……」という記述がございまして、こういう状況について記載するという形で対応させていただいたわけでございます。

【関澤委員】 1点だけですが、先ほどのポテトチップの値の引用が文献6となっていますが、これは--

【事務局】 7です。

【鈴木委員長】 今の話は、さっきの議論の続きみたいな話ですね。
 ほかによろしゅうございますか。

【鈴木環境リスク評価室長】 資料4-1の6ページ、A3の横長の表の健康リスク初期評価の13物質ですが、成果的には■がないわけで、これが何年も続くと、健康リスク初期評価自体の意義が問われるわけです。トピックとしては、先ほど武井の方から紹介したように、ヨーロッパなどで問題になっている5番のオクタブロモジフェニルエーテルとか、11番のデカブロモジフェニルエーテルは、有害性評価はかなり進みつつあるのですが、我が国における暴露評価という知見がまだ十分ではないということで、判定不能になっているわけでございますので、こういったものは、単純に判定不能という意味ではなくて、何らかの形で暴露情報を充実させることによって次にまた判定結果として提示できる可能性がございますので、そういったことで健康リスク初期評価も、本来ですと、■がなければ安全ということで、好ましいことではあるのですが、そういったことで内容を充実させることにより意義を高めていきたいと考えております。

【鈴木委員長】 注釈がいっぱいくっつく格好になって出てくるのではないかと思いますが、私もそれはいいことだと思います。実はこういう問題が残っていて判断できなかったとか、こういう可能性があるのだよというのは、わかっているけれども、ここでうまく扱えていない部分もあるよとか、そういうのが注釈の中にあって、それを見てものを考えることができるというふうなやり方だってあると思うので、その辺はあまり全部が整然と片がついちゃったりしたら、かえっておかしな、それこそ不思議な、上から命令が下ってきて動員がかかったみたいな話になってしまうわけですから、そうでないところがミソなのではないかと思っております。
 ほかにございませんか。

【大前委員】 私自身もこのリスク初期評価の委員で、今気がついて申し訳ないのですが、MOEの表現の仕方、PEC、PNECの比の表現の仕方も、分母、分子が相反しているんですね。したがって、片方は数値が1より大きいとまずい、片方は1より小さいということになっていますので、もし可能でしたら、両方とした方が誤解がないのではないかと思います。

【鈴木委員長】 どなたかご意見がありますか。

【中杉委員】 それは去年、私が発言させていただいて検討いただいたのですが、やはりなかなか直らないということで、このままになったのだというふうに解釈しています。

【内山委員】 それもだいぶ検討したのですが、それぞれ生態リスクはPEC/PNECということで、この分母、分子で決まってしまっています。MOEの方も、これは発がんリスクなり、その他の化学物質の大気中の評価で、公表されてMOEとする限りなかなか直せないということで、どちらかに統一するか、共通の言葉を作ろうかという話までは出たのですが、今回はそこまではいきませんでした。将来、こういう初期リスク評価ということで、この本の中で統一した評価法ができればいいとは思っておりますけれども、この言葉を使う限り、こういう表現方法と世界的になっていますので、この表現のままで引っ繰り返すことは難しい。

【鈴木委員長】 ほかによろしいですか。

【中杉委員】 私もこれに関わらせていただいて感想みたいな話なんですが、今回、最初の方なので、対象物質の情報が比較的そろっているもの、そうでないと評価できない、先ほどのお話のように、×、×、×になってしまうということがあって、比較的情報のそろっている、特に暴露の情報がそろっているものをやっているのですが、実は暴露の情報がそろっているというのは、既に規制されて詳細なリスク評価が終わって動いている物質が多いものですから、そういう意味では、これからは本当の意味での初期リスク評価の方向に移行していくという努力が必要なのか。そうなると、やる方としては、何もなしでできない、できないというのが増えてくるのが非常に怖いのですが、そうでないとこの意味が生きてこない。例えば、幸いにしてそういうものがないのですが、ここでリスクないといって規制しているということが堂々とまかり通ってしまうとまたおかしな話になりますので、それはそれで必要なんですが、初期リスク評価の本来の方向に姿を変えていく必要があるのではないかと感じておりました。

【鈴木委員長】 リスク室が働き始めて、あちこちにいろいろな情報を流して、つついたり刺激したりして、それが省内あるいは他省庁にも自治体にも広がっていくようなアクティビティがポンチ絵みたいになって見えるようなものができるといいのではないですかね。そんな感じがしています。ようやくリスク室の活動が何となく、何か少なくともやっているぞというのが見えてきたわけですから。

【若林委員】 せっかく出てきたので一言だけ。今のことに関連するのですが、「今後の課題」のところに底生生物を用いた影響評価を確立ということが書いてございます。安野先生もできるのかと盛んに先ほどから隣でおっしゃっているのですが、今リスク評価をやっているデータのかなりの部分を欧米のデータに頼っているんですね。だから、環境省さんもぜひ自前のデータを出せるように、試験方法なり技術レベルのアップあるいは実施体制を考えてほしいと思います。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。最後に応援歌が2つ続いたところで今日の議論は終わりにしたいと思いますが、事務局、何かありますか。

【安達環境安全課長】 黒本調査の結果の取扱いについてご説明させていただきます。
 本日いただきましたご意見を踏まえて、必要な修正を行いまして、委員長のご了解を得
た上で、まず資料2-1を中心とした概要版を2月の初めに公表したいと考えております。
 なお、黒本そのものにつきましては、例年どおり5月頃を目途に作成したいと考えておりますが、見直しの中で、より使いやすいように改良するということになっておりますので、そのための時間が若干かかるかもしれませんが、基本的には5月を目途に作成したいと考えております。以上でございます。

【鈴木環境リスク評価室長】 リスク評価室からは、製本するまでにもう一回誤字のチェックなどをさせていただきますが、基本的な判定なりコメントは今日ご了解いただいていることですが、何かお気づきの点がございましたら、事務局にご連絡いただきまして、それの対応は、昨年同様、委員長あずかりということで対応させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それから、資料4-1を基本にして、本日、リスク評価室でマスコミ向けに公表することといたしておりますので、場合によっては明日の新聞等で取り上げられる可能性がございます。

【鈴木委員長】 ほかに事務局からありますか。

【事務局】 本日の会議録につきましては、事務局でまとめまして、出席された委員のご了解を得た上で各委員に配付させていただきます。そして、会議録及び議事要旨につきましては、公開とし、環境省のホームページに載せることとさせていただきます。
 事務局からは以上でございます。

【鈴木委員長】 どうもありがとうございました。それでは終わりにします。ご苦労さまでした。

--了--

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