中央環境審議会環境保健部会  化学物質評価専門委員会(第3回)議事録

日時

平成14年5月22日(水)10:00~12:07

場所

経済産業省別館第1111号会議室

出席委員 (敬称略)

(委員長) 鈴木 継美
(臨時委員) 池田 正之  櫻井 治彦
中杉 修身  森田昌 敏
(専門委員) 大前 和幸  岡田 光正
香山 不二雄  篠原 亮太
関沢  純  武田 明治
遠山 千春  松下 秀鶴
安野正 之  (五十音順)
(事務局) 安達環境安全課長、  早水化学物質審査室長 他
 
 

議題

  1. (1)化学物質環境汚染実態調査(黒本調査)の見直しについて
  2. (2)その他

議事

【事務局】 時間がまいりましたので、中央環境審議会環境保健部会の第3回化学物質評価専門委員会を開催させていただきます。
 環境保健部長と企画課長は急な所用のため欠席させていただきます。
 欠席されている委員は、内山委員、若林委員、井上委員でございます。
 資料の確認をお願いします。
 資料1として、クリップ止めの「化学物質環境汚染実態調査(黒本調査)見直し検討会報告書」。資料2「中央環境審議会『環境研究・環境技術開発の推進方策について』(第一次答申)の概要」。資料3は1枚紙の「化学物質環境汚染実態調査(黒本調査)の見直しの概要(案)」でございます。資料4はクリップ止めの「化学物質環境汚染実態調査
(黒本)の見直しについて(案)」でございます。参考資料として「今後の化学物質環境汚染実態(黒本)調査に関する検討会等(案)(概念図)」の1枚紙でございます。
 本日の会議は公開としております。
 また、本日配布されている資料につきましても公開としております。
 それでは、鈴木委員長に議事進行をお願いたします。

【鈴木委員長】 おはようございます。今日の議事は、いわゆる黒本調査の見直しについて」というのが主議題でございますが、「その他」が若干あるかもしれません。「化学物質環境汚染実態調査(黒本調査)」というのは、長いので一々言うのは面倒でございますので、以降「黒本調査」と申し上げさせていただきます。
 それでは、まず議題の1の「黒本調査の見直しについて」、経緯の説明を事務局からお願いします。

【事務局】 これまでの経緯について簡単にご説明させていただきます。
 まず、委員長よりご紹介いただきました「黒本」でございますが、各委員の先生方には事前に13年度版を送付させていただいておりますが、ご参考に何冊かお手元の近くに置かせていただいておりますので、覧いただければと思います。13年度版は、少し宣伝になりますが、CD-ROMが後ろに付いておりまして、例年より少し薄いものとなっておりますので、電子化の第一歩か半歩なのかと少し喜んでいるところでございます。
 では、経緯についてご説明させていただきます。
 資料1の後ろに付いております参考資料をご覧いただければと思います。参考資料1を2枚めくっていただきますと、参考資料2の「化学物質環境汚染実態調査の概要」というものがございます。この資料自体は、本年1月に開催されました第2回の本委員会でもご
説明したものと基本的に同じものでございますので、簡単にご説明させていただきます。
 本調査は、昭和48年の化学物質審査規制法制定時の国会附帯決議を契機に開始され、主として環境汚染実態調査結果を通じて、一般環境中に存在すると考えられる化学物質の環境安全性を評価することにより、化学物質による環境汚染の未然防止に資するという目的の下、大きく3つの調査、すなわち化学物質環境安全性総点検調査、指定化学物質等検討調査及び非意図的生成化学物質汚染実態追跡調査の3つより構成され、実施してまいりました。
 まず、化学物質環境安全性総点検調査でございますが、本調査は、数万といわれる既存の化学物質を効率的、体系的に調査し、環境における安全性を評価するため、昭和54年度から63年度までの10年間に第1次化学物質環境安全性総点検調査、その後、第2次総点検調査を実施してまいりました。
 本調査のシステムにつきましては、次ページに図が描いてありますが、第1ステップとして、環境中に残留している可能性が高いと予想される物質の選定を行い、第2ステップで、これらの物質について環境調査を行い、残留性の調査をし、第3ステップとして、これから要注意化学物質を選び出し、生物モニタリングや水・底質モニタリングを併せて実施するというシステムで実施してまいりました。
 続きまして、指定化学物質等検討調査でございますが、化審法の指定化学物質等について、環境中の残留状況を把握することを目的として、昭和63年度から開始したものでございます。
 非意図的生成化学物質汚染実態追跡調査につきましては、ダイオキシンのように非意図的に生成される化学物質について、環境中における残留性を調査し、環境汚染を未然に防止するための対策の立案に資することを目的として、昭和60年度から開始したものでございます。
 以上、3つの大きな調査の下に進めてまいりまして、次のページにまいりますが、これまでにおける成果としましては、まず、調査における検出状況として、昭和49年度から平成12年度まで合計794物質を調査し、333物質を一般環境中から検出したという実績があります。
 また、調査の結果としましては、次ページに主に調査の結果が活用されたものがまとめてありますが、昭和61年5月の化審法の改正や有機スズ化合物等が同法の第1種特定化
学物質等に指定されるなど、これまでにいろいろ成果があがってきたところでございます。
 このように本調査は、長期にわたり環境中の化学物質の調査を実施してきたところですが、一方、近年においては、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」、いわゆるPRTR法といわれるものでございますが、その施行や、POPs条約の採択、さらに内分泌攪乱化学物質の問題など、化学物質の環境汚染に関する対策の進展や状況の変化が急速に進んでいるところでございます。
 こうした化学物質と環境の問題に係る状況の変化と今日的な政策課題に対応するため、本調査は、これまでの成果や実施体制を踏まえつつ新たな視点に立って再構築を図る必要があるという目的の下に、資料1の11ページをご覧ください。本日も委員としてご出席いただいております池田委員に座長をお願いし、中杉委員、また、新潟薬科大学教授の及川委員、東大名誉教授の清水委員、兵庫県立公害研究所の中野委員、大阪市立環境科学研究所の福島委員を黒本調査見直し検討会の委員として、昨年11月より、以下のような4回にわたり、本調査の見直しにつき検討してまいりました。その検討結果につきましては、本年3月末に報告書としてまとめていただいております。それが本日の資料1でございます。
 簡単でございますが、以上で終わらせていただきます。

【鈴木委員長】 これまでの経緯について何かご質問がございますか。
 よろしゅうございますか。
 それでは先に進みます。化学物質環境汚染実態調査見直し検討会の報告書が資料1ですが、これについて事務局から少し丁寧に報告してください。

【事務局】 資料1の「化学物質環境汚染実態調査見直し検討会報告書」についてご説明させていただきます。時間の関係もありますので、少し割愛しながらご説明させていただきます。
 まず、見直しの背景でございますが、これにつきましては、ただいま申し上げました経緯がその背景となっておりますので、省略させていただきます。
 次にII. 本調査に関連する事項として、化学物質審査規制法、化学物質排出把握管理促進法、POPs条約、化学物質の環境リスク評価、内分泌攪乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)問題、環境省各部局で実施している環境中の化学物質調査、これらの項目が挙げられております。これらの内容につきましては、先ほどご説明に使わせていただきました参考資料1に簡単にまとめさせていただいております。
 続きましてIII.本調査の現状、問題点及び課題でございます。1.現状につきましては、先ほどのご説明が本調査の状況ということで、本調査の概要につきましては、先ほどの参考資料2の説明と同様でございます。
 2ページ目にいかせていただきます。
 (2)本調査の特徴として5つの点を挙げております。まず、他の調査に先駆けた環境中の化学物質のパイオニア的調査、分析法開発からモニタリングマニュアルの作成、分析、データの解析・評価までの一貫した調査体系、プライオリティリスト方式による対象物質の選定、フォローアップとしての重要化学物質の長期のモニタリング調査、都道府県や自治体等の調査機関を活用した全国的かつ多施設での調査、これらが本調査の特徴として挙げられております。
 続きまして、本調査の問題点と課題に移らせていただきます。
 まず(1) 全体について。[1]成果の活用でございますが、本調査の全体の目的は、さきにご説明しましたように、主として環境汚染実態調査結果を通じて、環境汚染の未然防止に資することとされておりますし、各調査におきましても、個々に汚染実態の濃度のレベル把握という目的があるところでございますが、これらの化学物質を巡る状況の急激な変化に対応するために、実際に調査結果がどのように化学物質対策に活用されていくのかが必ずしも明確になっておらず、調査や評価の結果が十分に活用されていない場合がある。施策に活用する場合や一般の国民が利用する場合等、結果の活用方法等の目的を明らかにした上で、それぞれの目的に応じた調査を実施して、結果をまとめていく必要がある。
 また、積極的に海外への情報発信をしていくべきであるという指摘が成果の活用でございます。
 続きまして、[2]調査対象物質の選定でございます。本調査は、プライオリティリスト方式によって実施されてまいりました。現在では、プライオリティリスト由来の化学物質に加えて、PRTR対象物質、POPs等を調査対象に含めているというように、時代変化に応じた物質選定が要求されているというのが現状です。
 また、実際の調査の中でいろいろ問題があった物質なのに未確認であったような物質等も調査の対象物質とするなど柔軟性のある対応が望まれるとの指摘でございます。
 なお、これまでモデル等を用いた挙動予測が十分でなかったので、モデル等に限界がありつつも、モデル等を用いた挙動予測についても、今後積極的に取り組んでいく必要があるとされております。
 続きまして、調査体制でございます。調査体制としては、これまで全国の自治体、都道府県、政令指定都市の調査機関に協力をお願いしてきたところでございますが、すべての自治体調査機関に一様に協力を求めることが次第に困難となっているという指摘でございます。
 続きまして、調査手法でございますが、環境省内では、各関係部局が環境中の化学物質についていろいろ調査をしているところでございます。本調査もそれらの1つでございますが、無用な重複等を防ぐために、対象物質や媒体、分析方法等について、十分な調整を図る必要があると指摘されました。
 また、他省庁も同様な調査をしているところがございますので、他省庁とも十分な調整を図る必要があるという指摘でございます。
 検体採取としては、検体採取が、空間・時間的代表性を十分に考慮していないのではないか。また、全国の一般環境における代表値を求めるためには、現在の検体数では十分ではないのではないかと指摘されております。
 分析法開発につきましては、体系的に分析法をまとめて分析法の整理・見直しを定期的に行う必要がある。また、昨今では時間的に分析法開発が困難になってきていることにも対応しなければならない。さらに、新たな技術を活用したLC/MS等の新しい分析法の開発にも積極的に取り組んでいく必要があるとされております。
 続きまして、精度管理・検出感度でございますが、本調査の主体である自治体調査機関等を活用して多くの施設がそれぞれ少数の検体を分析している。次のページにいかせていただきます。どうしても多施設となりますので、レベルに差があったりして信頼性の確保が困難となっている。また、施設ごとの検出限界値に違いがあるため、データの解析・評価に困難を生じていると指摘されております。
 さらに、精度管理、装置検出限界値等の視点からだけでなく、有害性データを考慮した上で、目標の検出感度を定めることも必要であるという指摘でございます。
 データの評価につきましても、空間的、時間的及び数量的な把握を行うためには、モデルの活用や、それを補完していく意味で推計学的な考察が必要ではないか。
 また、本調査は一部評価を簡易的に行っているところですが、評価が十分に反映されていないのではないか。
 さらに、生態系の健全性評価を実施するような調査も実施していくべきではないかという指摘でございます。
 続きまして、本調査を構成する各調査についての問題点と課題でございます。まず、化学物質環境調査でございますが、この調査は、一般環境中に残留する化学物質の早期発見やその濃度レベルの把握等を目的としておりまして、最終的に出た結果を簡易的なリスク評価をしているところですが、簡易的なリスク評価のみでは、評価が明確に行えない場合があるという指摘でございます。
 指定化学物質等検討調査は、化審法の指定化学物質を対象に調査を行っているところでございますが、物質が必ずしも増えていないために、それらの物質の変化が少なく、必ずしも毎年実施する必要がないのではないか。また、実際に検体をいろいろ採ってきているけれども、対象としている化学物質が少ないので、検体の有効活用が必要ではないかということで、対象物質を増やす必要があるという指摘でございます。
 次に、水・底質、生物モニタリング調査、非意図的生成化学物質汚染実態追跡調査でございますが、本調査につきましては、背景にもございますPOPs条約に基づくPOPsモニタリングが平成14年度から開始されることとなっているので、それらについての調整を図る必要があるという指摘がされております。
 ここまでが問題点と課題でございます。
 5ページに移らせていただきます。これらに基づきまして、IV. 本調査の改善点と目的ということで、これらをもとにして必要な改善点としては、まず(1) 目的として、本調査の化学物質対策上の位置付け及び対象化学物質の調査目的の明確化があります。
 (2) 調査体制として、調査目的を踏まえた上で、分析法開発、分析及び検体採取等の業務内容を実施する機関の技術や受入能力に応じて分担して実施。
 (3) 調査手法につきましては、PRTRデータを用いた効率的な調査の実施。化学物質を分類し特徴に応じた対象物質の選定や分析法の開発。比較可能なデータを取得するための精度管理の充実、分析機関の集約化。LC/MS等の他の環境調査に先駆けた新規分析技術の開発。モデルを活用した環境実態調査手法の向上。
 (4) 評価、公表としましては、推計学的手法を用いた調査結果の解析。化学物質対策の国際化を視野に入れた情報発信。これらが位置づけとして挙げられております。
 続きまして、調査目的についてでございますが、2.今後の目的としましては、調査の骨子として、化学物質と環境の関連について、化学物質の安全性を確保するための施策に資するために、本調査の目的は以下の3点を骨子とするということで、新規の汚染の発見(早期の発見)、施策・対策の実施や評価に必要なデータの提供(効果や推移の把握)、リスク評価に必要なデータの提供(暴露レベルの把握)の3つが挙げられております。
 化学物質対策における本調査の位置付けにつきましては、資料1に付いております図1をご覧ください。本調査の化学物質対策上の位置付けとして、今後考えられる本調査の役割を緑色で示したものでございます。上の方から簡単にご説明させていただきますと、数万といわれる化学物質について、化学物質の情報、生産量、用途、有害性情報等の収集によりまず整理がされ、その中で、本調査としては、化学物質汚染実態の初期把握、また、それらの物質が化審法やPRTR法へと移っていくというところから、まず化審法ですが、化審法の中で物質の指定がされた場合に、指定化学物質の監視、さらに、その指定化学物質が第2種特定化学物質や第1種特定化学物質になった場合等の経年監視をしっかりやっていく。右側にいきまして、PRTR法の中に化学物質が規制されていった場合には、物質の選定、排出量の把握をした上で、最終的にリスク評価へと流れていくわけですが、リスク評価をしていく上での暴露量等の実態把握をするところで本調査の役割があるということで、さらにPRTR法の流れの中で最終的にリスク評価されたものについては、環境省内の他部局や他省庁での施策へとつないでいくことが示されております。こういった中で本調査の位置付けがあるというのが図1でございます。
 本文の5ページ目に戻らせていただきます。法律や条約への対応としまして、化審法の指定化学物質から第2種特定化学物質への規制強化を検討すべき物質の選定に必要なデータの取得や化審法の第1種及び第2種特定化学物質の把握のための環境実態調査。あとは、PRTR法の指定化学物質への追加を検討するためのデータの取得。POPs条約に求められるPOPs条約対象物質の環境汚染実態調査が必要とされました。
 6ページにまいります。環境リスク評価への対応としましては、PRTR法第1種指定化学物質等の環境リスク評価に必要な暴露レベルを把握するための暴露量調査や、内分泌
攪乱作用が疑われる化学物質のリスク評価に必要な暴露レベル把握のための暴露量調査。
 その他調査が必要なものとしては、非意図的に生成される物質や、社会的要因から調査が必要とされる物質及び過去に確認できなかった物質等についても調査が必要である。
 以上を踏まえまして、本調査の目的としましては、少し長いのですが読み上げさせていただきますと、「一般環境中の化学物質による汚染実態を調査することにより、化学物質審査規制法と化学物質排出把握管理促進法に基づく対策及びPOPs監視に必要なデータの取得、環境リスク評価実施のための暴露データの取得並びにその他必要な化学物質の汚染実態把握をするとともに、調査に必要な技術開発を行い、化学物質による環境汚染の早期発見及び対策の立案・評価等に活用することをもって、環境保全上の支障の未然防止に資すること。」という調査目的が提示されました。
 続きましてV.今後の本調査の内容につきましてご説明させていただきます。
 今後の本調査の内容としまして、まず図2をご覧いただければと思います。今後は大きく3つの調査体系にまとめていく。すなわち右側のカラムでございますが、初期環境調査、暴露量調査、モニタリング、この3つの調査にまとめていくということで、簡単にご説明しますと、初期環境調査というのは、化審法の指定化学物質の候補やPRTR対象物質の候補、非意図的に生成される物質や社会的要因から調査が必要とされる物質についての環境残留状況を把握する調査でございます。また、必要に応じて分析法の開発や結果の評価を行います。
 暴露量調査は、環境リスク評価に必要なヒト及び生物の化学物質の暴露量を調査する。具体的には、例えば、ヒトに対しては食事試料や室内空気等、生態系に対しては、水生生物に対しては水を媒体として、有害な化学物質の残留性を有害性データから要求される検出濃度で測定する調査でございます。
 POPs等モニタリングにつきましては、POPs条約や化審法の第1種、第2種特定化学物質を対象としてモニタリングを実施するということでございます。
 これらの3つの調査をするために、7ページに、今後の事業の進め方といたしましては、
(1) 調査対象物質及び媒体の選定として、これまでのプライオリティリスト方式を基本とする対象物質の選定方法から、各担当部署からの要望を中心とする方式に移行する。すなわち、図2をご覧いただければと思います。図2の左側に要請と書いておりますが、例えば化審法の担当部署やリスク評価を実施しているところの担当部署、環境調査やPRTRの担当部署や学識経験者等から、こういった化学物質の調査が必要だという要請があった場合に、有害性の知見、PRTRデータ及び環境残留性予測、分析実現性、社会・行政的必要性の観点から物質を選定し、それぞれの調査事業へとつないでいくということで、そういった調査対象物質及び媒体の選定が必要ではないか。
 また、この中にはモデルを活用して媒体を選定したり、複数の媒体を対象するなど、そういった考慮も必要であると指摘されました。
 なお、物質の選定に当たっては、無用な重複がないように環境省内の他部局と調整を行うということでございます。
 分析法開発についても、これまで開発された技術をまとめ直して、データベースを構築する。データベースに該当があれば、そういった情報を含めて分析法を開発していく。また、分析法の開発期間が長くなっているということにも対応していくべきであるということでございます。
 続きまして、検体採取・分析等でございますが、検体採取につきましては、検体採取を実際にやっていくためには、特殊な場所や関係者等の調整が必要であるということから、今後も自治体による検体採取を基本とし、検体採取においても、マニュアル等を整備して、その普遍性や精度管理を向上させるとともに、採取地点は時間的・空間的な代表性に留意して選定する。
 また、分析においては、対象物質に求められる検出感度で測定可能な調査施設において実施するとともに、精度管理に十分に留意するということが挙げられております。
 モニタリングにつきましては、データの信頼性を確保した上で相当数の検体を高感度に分析することが必要となっていることに加えて、海外との比較可能なデータとなるように配慮するため、こちらについても精度管理や分析技術のレベルの面からデータの信頼性確保が必要ということが挙げられております。
 また、8ページにいかせていただきますが、高濃度で検出されてもよく分からないような物質があった場合等は、そういった情報を可能な限り集めて、今後の調査に役立てるということが挙げられております。
 データの集計・解析につきましては、分析結果等のデータを電子化して、情報交換を容易にして効率化を図ることと、推計学的な解析と、信頼性がどのぐらいあるかということを推計学的な解析から示していくということが挙げられております。
 3.調査体制でございますが、これにつきましては表をご覧いただければと思います。化学物質環境汚染実態調査における今後の調査体制の概念として書かせていただきましたが、ご説明しました3つの調査について、検体の採取・調製、分析、分析法開発の3つの段階に分けて示めされております。
 まず最初の検体の採取・調製は、加わっていただいている自治体において実施する。分析については、初期環境調査は可能な限り多くの自治体で実施する。暴露量調査やPOPsモニタリングのような一定のシステム的にできる調査については、民間調査機関等を活用して分析を進めていく。分析法開発については、対応可能な自治体において進めていくという調査体制が挙げられております。
 続きまして、その他として、1.自治体調査機関の役割を挙げております。自治体調査機関は、これまで本調査に大変協力していただいておりまして、今後も協力を求めていくところでございますが、自治体という各地域ということを考慮して、同地域の情報を積極的に収集する。特に、平成14年度からはPRTR制度が施行し、その結果があがって公表とかされてきますから、そういったことも含めて環境中の実態把握の重要性に十分留意していくということからも、分析法の技術や検体採取の技術の向上が求められているということが挙げられております。
 最後になお書きでございますが、自治体を地域的に分けて、その中で中核的な自治体が集中して分析を実施するような自治体同士の協力というのも考えられるのではないかとされました。
 続きまして9ページにいかせていただきます。公表・情報発信、国際的対応についてでございますが、本調査に関連するものとして、「化学物質要覧作成調査」というものを実施してまいりました。これは調査した物質に対しての必要な情報をまとめて情報提供してきたものでございますが、こういった関係の情報を積極的に提供していくことが重要であるということが挙げられております。
 さらに、開発した分析法については、国際・国内的に標準的な手法となるように関係機関に積極的に働きかける。資料の英語版等を含めて、国際的な情報発信をしていく。また、国際的な貢献もしていく。公表に際しては、分かりやすく、使いやすいデータを一般のみならず専門家にも情報提供していくということが挙げられております。
 次に検体保存事業について。本調査では、検体保存事業を実施しておりますが、検体保存事業というのは、長期の傾向を調べるため、過去を検証することができるために、そういったことで大変有用性の高いものであるということから、こういった調査を今後とも継続していく。特にPOPs条約に対応していくためには、アジア諸国や日本と地理的に関連の強いところの検体保存を推進していくことが必要であるとされました。
 最後に「終わりに」としまして、本調査の実施に当たっては、今まで自治体に対する技術向上への支援等を行ってきたことや、パイオニア的な調査及び長期のモニタリング等を行ってきたという本調査の特徴を今後とも継続させることが重要である。2.として、本調査の特徴である分析法の開発については、これまで以上にそれを推進していく。例えば、ELISA法やバイオマーカー、LC/MS等、そういった分析法の開発にも努めていく。
 また、調査においては分析技術の高度化が進んでいることで、本調査に貢献してきた高度な技術を持った専門家等の環境調査に係る知識・技術の蓄積・継承、ヒューマンリソースにも十分配慮していく必要がある。最後に、人に直接的に係る調査として、食事及び室内空気を媒体として実施してきたところでございますが、生態系の頂点に立つヒト生体試料についても今後検討していく必要があるのではないかということが挙げられております。
 以上、簡単でございますが、ご説明を終了いたします。

【鈴木委員長】 どうもありがとうございました。
 この段階で、去年の11月からご苦労なさった見直し検討会のメンバーである座長の池田委員、中杉委員にコメントをいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【池田委員】 今、事務局から非常にうまくまとめてお話しくださいましたので、特別付け加えることはございませんが、11ページに検討委員の名簿がございます。この中で、兵庫県の中野委員、大阪市の福島委員のお2人に、この全体の構想をまとめるに当たっては、自治体の調査機関の考え方、能力その他の要因が非常に大事だということで、ご参加いただいています。実はこのお2人の研究機関自体は残念ながらすべてが5つ星ではありませんので、その意味では、事務局にお願いして、自治体調査機関の意識あるいは能力というと言葉が荒っぽいかもしれませんが、そうしたものに関しての調査表を使った調査をやって、自治体調査機関の実情をよく把握し、正確に取り込んでいくことに努力したつもりでございます。以上でございます。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 中杉委員、お願いします。

【中杉委員】 座長の池田先生の下で取りまとめをしたわけですが、私の個人的な感覚で申しますと、これまで黒本調査に私もいろいろ関わってきたのですが、その中で、消化不良で不十分なところがありまして、それをいかに改良するかという面が1つのポイントとしてあります。そういう意味でいくと、全体の体系をどう組むかという話と、結果の有効利用はどう図れるかというところが1つ重要なポイントだろうということで、そこら辺のところを少し交通整理をして、実は今まで評価したままに、何年か後に調査をしなさいといって、積み重ねている物質がものすごく数になっていまして、そのような実際にうまく動いていない部分をどうするかという問題が1つ。
 それから、この調査は、環境の問題を図ることのほかに、今、池田先生が言われたように、地方の研究所のレベルをいかに保つかということに非常に役に立っているということがございますので、そこのところを今後どういうふうにやっていくか。そこら辺のところが、先ほど池田先生が言われたように、地方の事情で少し変わっていくのをどう変えていくかという話がもう1つ。
 もう1つは、海外への情報発信というのはどうしても必要だろう。海外だけではないのですが、そういうところについて少し新たなところを入れようということで、とりあえずこんな形にしたわけです。実際には、もう1つのこととしては、全体の化学物質リスク管理に関する状況変化というのは、当然その外側にあるわけですが、そんな観点で取りまとめをさせていただきました。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 ご質問、ご意見がございましたらどうぞ。これまでの黒本調査の概念をすっかりはみ出した形で新しい展開を図ったわけですから、そういう意味では、ここはどうなのかという細かい疑問点もおありになるかもしれませんし、あるいは全体の考え方はこれで大丈夫かということもあるかもしれません。遠慮なくどうぞ。

【森田委員】 全体のスキームを少し見させていただいて、残念だと思うところが少しあります。それは、黒本調査が20年余りの歴史の中で、化審法という枠を持ちながら、しかし、ある種の先見性というか、パイオニア精神を持ってずっと展開されてきたのだろうと思うんです。そういう意味では、いろいろな意味で化学物質対策のある種のリーディングを果たしてきた役割が非常に強くて、黒本調査というと、そういう価値が国際的な意味においても評価されていたのだろうと思うのですが、これを読ませていただくと、今回の変更の方法で、ただの化学物質のお守りの方向にモニタリングみたいなものが移行していくのかなというイメージがありまして、このままいくと、もちろん黒本調査はしばらくは続けられると思うのですが、かなり守りに入っていますので、タケノコ生活に入るのではないかと危惧しています。今まで、ある種の突出したような化学物質の検出といった役割の部分で、そこで積み残しというか、中杉さんが消化不良とおっしゃったのもそういうことかもしれませんが、リスク評価とか、少し足りなかった部分がありますが、それはそれとして、とにかくいろいろな汚染物質を見つけて、日本の化学物質問題を引っ張り、かつ、結果として各対策部局にそれを投げかけて、そして、大気保全にしても、水質保全にしても、それを追いかけるような形でいろいろなモニタリングを現在執行されているわけです。そういう意味では、そういったパイオニア的な役割の部分が相当薄められたか、小さくなってしまうということについて若干心配しているというのが全体的な印象です。

【鈴木委員長】 それは非常に大きな問題です。

【中杉委員】 今回の中で、極端にいえば、今まではパイオニア的なところだけしかやっていなかったという感じなのかもしれませんが、それ以外の部分も当然やらなければいけない部分があって、今までパイオニア的なことをやってきたけど、投資したわりにはその中で得られるもの、それはパイオニア的だから当たり前だといえば、そのとおりなのかもしれませんが、そういうものがコストパフォーマンスが非常に悪かったのではないか。実際に本当に黒本調査の結果が他部局で利用されているかというと、そうではないのは、例えば要調査項目とか有害大気汚染物質の調査とか、それぞれの部局で同じようなことを始めているわけですね。そういうふうな事情も少し考えてみる必要があるだろう。だから、前から黒本調査の評価をさせていただきながら、毎回、事務局に、必ずそれは原局の方に情報として伝えなさいと言い続けてきましたけれども、なかなかそれがうまく動いていない。ですから、本当にパイオニア的な機能を果たしていたという部分は、もちろん成果としてあがっているものもありますけれども、コストパフォーマンスは本当に今のまま続けていいのだろうかというのが1つあります。そういう意味で、もう1つ別な要請が当然あるので、それについても対応していくという意味で、今度のところでそれが全くなくなってしまうわけではないし、もう1つは、今までの長い蓄積がありますので、その蓄積の部分については継続していかなければ意味がない部分は当然あります。そこら辺のバランスも盛り込んでしまったので、そういう意味では、確かに減ってきたというご批判はあるか
と思いますけれども、致し方ないのかなという形でこういう整理をさせていただきました。

【池田委員】 防衛戦線、共同戦線を張っているような格好でみっともないのですが、図2に「要請」という部分があります。これをご覧いただくと、かなり問題点がはっきりするのではないかと思います。具体的には、かつては化審法の国会附帯決議に基づいて、これ一本で転がってきたわけで、その具体的なこなしとして、プライオリティリスト方式で物を選んでいたと思うのです。その意味では、全世界的に化審法が突出していた時代がありました。その後、ご存じのように、POPs条約もできましたし、あるいは国内的にはPRTRも動き出しました。そうしますと、そっちからのインプットというのが当然あり得るわけです。つまり、化審法の国会附帯決議に基づいてだけやっているという状況ではなくなったわけですね。それをいかに取り込んでいくかです。当然、予算上は限られた部分がありますが、その中でどう取り込んでいくかというのが、この要請が多岐にわたるようになったこととの対応での議論になったと思います。従来の方式に近い形のものはFのところにありまして、プライオリティリストを無視するわけでもありませんし、突発的にというと言葉が悪いかもしれませんが、社会的な要請という格好で出てくるものも非常に大きなエントリーになると思います。ですから、この箱の大きさはいろいろそれぞれに書いてありますが、この箱の大きさに比例してという意味ではなくて、エントリーが多岐にわたるようになりましたというあたりをご覧いただきたいと思う次第です。以上です。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 私はこれを見ていて、文章の側では、未確認の、全然ねらってもいなかったような高濃度のものが引っかかってしまったら、それはちゃんと分析しなきゃいけない、こういうことが書いてあって、繰り返しその重要性は私自身も指摘したことがあるわけで、大変結構だと思ったのですが、さて、それをこの図2の中に入れるとすると、今の問題は、どこに入って、どこからどう流れていくのかというのが分からない。ですから、テキストの中でいわれている事柄が、図を見たときに、それはここにあるなと分かるようにしなければいけないのではないかと思ったのですが。

【中杉委員】 今、委員長からご指摘のあった点は、文章の中に書いてある、何かが見つかったという話ですね。これは、そういうものまでなかなか今のところすぐに取り組めないので、改正としては入れていませんが、1つのアイディアとしては、ガスクロでのガスマスのチャートでも、測っていれば、他のピークが見えるわけですね。必ずどこで測っても出てくるというピークを見つけていく。それが何であるかというのを押さえていく。今の黒本の考え方というのは、物質を決めて、それがあるかどうかを調べていこうというスタイルなんですが、そうでない考え方も必要ではないか。ただ、それについては、まだどういうふうにやれるかやれないかということが少しはっきりしていませんので、一応そういうことも考えていかなければいけないということで、文章の中に書いています。ただ、今のところ、それが具体的に盛り込むという計画まで持ち込めていないので、図2の中には入っていないと私は解釈しております。

【鈴木委員長】 森田委員が提起した問題を具体的な話として扱うとすれば、今のは1つの具体的な例だと思います。

【関沢委員】 20年間の貴重な蓄積ということについては、私も国際的な場で、日本が非常によくやってきたということは聞くことがあります。ただし、森田さんも言われたように、今までの調査はどちらかというと、押しなべて全国的に同じような項目をやるという傾向が強かったと思うのですが、これからもし見直すとすれば、目的意識をはっきりさせてやることがかなり大切ではないかと思います。そのためにどういうポイントがあるだろうかということを申し上げさせていただきます。
 1つは、ご紹介の中にもありましたPRTR調査との連携ということですが、どこから、どのようなものが、どの程度排出されるかということは、ある程度データが得られますが、それと環境調査との関係をどうつけていくのかというのは、緊急のテーマだと思います。これは押しなべてやる必要はなくて、かなりはっきり排出が多いところや特定のものに限って、それと推計学的な手法を組み合わせて、こういうときにはこのぐらいの汚染が広がっていく、また、残留していく可能性があるということが調べられたら、それは1つ1つのデータを予測に使えると思います。そういったことがまずあるのではないかと思います。
 もう1つは、私も協力させていただいておりますが、野生生物及びヒトの健康影響に関するスクリーニング、リスク評価というのをリスク評価室でやっておられますが、ターゲットとの関連をはっきりさせた調査をやった方がよいのではないかと思います。それは、いくつかの物質について、これはヒトの健康に何らかの影響がありそうだ、これは野生生物に今までの知見からリスクがありそうだというものを仕分けて、野生生物に影響がありそうなものについては、影響が起こりそうな地点あるいは物質を特定して集中的に調査する。ヒトの健康に影響がありそうなものについては、飲料水源とか、大気の場合はずっとつながりはつけやすいでしょうが、それを集中的に調査しまして、施策にどういうふうに結びつけていくかということができるのではないかと思います。ですから、押しなべてやるよりも、問題がありそうなもの、問題がありそうなところについて、リスク評価とをきっちりリンクしてやっていくことが必要だと思います。
 3番目に、アジアとのネットワークというお話があったのですが、具体的にどのようなことをお考えになっているか、お聞きしたいと思いました。今後、発展途上国あるいは中国でますますいろいろ新しい環境問題が進んでくると思いますが、技術移転との関係で、どこに、どんなことをこれから一緒に協力して調査していく必要があるか、そういったことを含めて、また、分析法についてこちらで支援できるものはしていくということをもっ
て、一緒にやっていくということは、具体的なプランを作られる必要があると思います。
 4番目に、ヒトの生体試料のモニタリングというのは非常に大事な考え方で、貴重なご提案だと思います。この点につきましては、厚生労働省でも、例えば皮膚科の病院や家庭用品などではモニタリングの調査地点を設けて調査したりしていますが、まだ小規模です。実際に生体試料を集めてモニタリングをやるというのは、私の知る範囲では、そんなに進んでいなかったのではないかと思います。ですから、厚生労働省でいろいろな疾病との関係で問題を抱えているところとうまく連携しておやりになれば、非常に効果が上がるのではないかと思います。つきましては、私が今、国際協力をしておりますIPCSというところでも、今までリスク評価を中心にやってきましたが、リスク評価とヒューマンデータコレクションをこれからリンクしていきたいということを提案しておりまして、ヒューマンデータは今、環境については中毒情報とか事故の情報が多いのですが、それを組織的に系統的に収集していくための方法を開発したいと考えております。そういったことで、国際的なヒューマンデータコレクションというスキームとも関係して環境省が何かお
やりになれば、非常に貴重なデータが積み重なっていくのではないかと思っております。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。

【櫻井委員】 この案を拝見して考えることは、既に多くの委員がご指摘になったので、あえて付け加えるほどの意見ではございませんが、基本的には、効率を重視する点でこの考え方に現時点で賛成でございます。
 ただ、このように変えることによって失うものもあるということで、最初に森田委員がご指摘になったような、システマティックに積み重ねてきたことを方向転換するわけですので、その際、失うものはどの程度かということを考えたのですが、例えば参考資料2の表1に検出状況の表がございます。調査物質の総数が794、検出物質数が333で、検出割合は41.9。これは全体の平均ですが、長い間やってきているうちにだんだん検出率が下がってきているのかどうかとか、検出率が下がっているからといって、意味がないとはいえませんが、もしこれが非常に低いとすれば、やや効率が悪い。もちろん、検出されないという事実を見出すことは重要ですが、そういう問題がある。
 もう1つは、検出された濃度が、リスクという点から考えて、どの程度の意味を持っているのかというような評価はされないまま、新しい方向へ移行するわけですので、そこは少し引っかかる点ではございます。ただ、PRTRが動き始めて、いろいろな地域でどういった化学物質がどの程度排出されるか、非常に貴重なデータが出てくるわけですので、その辺を中心として、全国的のみならず、地域限定的にでも、汚染の実態調査をするということは極めて効率が高いと思いますので、限られた予算の中でこのようにシフトすることも納得いきます。
 ただ、継続的に検討すべき課題は、先ほども既にご議論に出ましたが、何だかよく分からないけれども、物質は把握できないけれども、ピークとしてかなり検出されるというような問題が今までもあったわけです。物質から入るのではなくて、サーベイランスと申しますか、何万というようなものでも星座の数よりは少ないと思いますので、分析の素人として、こういうことは可能かどうか分かりませんが、一定の方法で条件を定めると、ピークが何百と出てくる。それをすべてマップを作ってフォローする。そうすると、減るものもあれば、増えるものもあるし、ピークは何かと同定しなくても、このピークは増えてくるというようなことから、汚染の全体像を把握するという方法を何とか開発していただけないか。多分そういうことはお考えになっているだろうと思うのですが。例えば方法別あるいは条件別に各地方の検査機関に分担していただいて、全体を足すと総合的なマップが出来上がって、それをきちっとフォローすることができれば、さぞすばらしいのではないか。これは素人の意見ですが、感想を申し上げました。以上です。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。

【篠原委員】 私は昭和50年か51年から黒本調査の仕事にずっと関わってきまして、今日この報告書を読ませていただいて、森田委員が言われたように、ちょっと愕然としたところがございます。7ページにございます「各担当部署からの要望を中心に選定する方式に移行する」というところは、これを読んだときに、私は不満に思いました。つまり、分析には膨大なエネルギーと時間が必要なことはご存じだと思います。各自治体がこれを担ってやってきたのは、新しいものを見つけて開拓していくという自負心が原動力になってきたのは間違いないと思います。それがこういうルーチン化というか、単なる要請によってやっていくという形は、これをうまくしない限りは、そういう意欲をそいでしまうということを大変危惧しております。
 それから、未知物質の件について随分話が出ておりますが、これも昭和60年前後に3年ぐらい環境庁の委託で私のところで随分やりました。大きな森から鳥を一羽叩き出すということで未知物質をやったのですが、例えば100フラクションぐらい分画を分けてガスマスで追跡するということをやったのですが、結局出てくるのは、ガスマスの限界、分析機器の検出器としての限界というのがかなり大きなウエートを占めておりまして、出てくるものは常に一定だということを踏まえて、プライオリティリストからターゲットを決めて、それを目指して低濃度のものを検索していくという形に方式が決まっていったというふうに認識しております。
 そういう物質を1つ1つ追っていく中で、1つの例ですが、ジオキサンという化合物があります。これは北九州で分析法を開発したときに、こんなものは大体環境中にあるわけがないというか、そう問題ないだろうということだったのですが、分析するうちに、蒸留水からも出てくる。何からでも出てくる。ブランクから出てくるので、これは何だ、何だということで、結局これが問題の物質ということになって、これがリスト入りに挙げられたわけです。それも1つの分析法を開発するという過程で、環境中に広く残留していることも分かってきた。そういうことを踏まえますと、プライオリティリストから探っていくという方式を踏襲していってほしいと私は思います。
 確かに新しい、POPsも含めて、エンドクリンの問題とか、いろいろな問題が出てきて、この方式を変えていくというか、考え方を考えていくことはやぶさかでございませんが、その中に、プライオリティリストの中を見直すとかというような方策もありますし、これを完全にころっと変えるのではなくて、それに付加していくというニュアンスでやっていくと、POPs問題、EDs問題、PRTR問題を付加していくという考えであれば、特に問題はないと思います。プライオリティリストはまだ残っています。池田先生がプライオリティリストを作られていると思いますが、あと数百残っているものをとにかく全部スクリーニングを終わらせていただきたい。
 ついでに、最後に10ページのところで私の方から2つコメントがあります。1つは、LC/MSの話が出ています。こういった新技術を今後、「活用するよう努める必要がある」と書かれていますが、LC/MSを含めて、こういう分析機器は高価でございますので、それをどういうふうに進めていくのかというのを環境省としても事前に十分ご検討いただきたい。財政的な裏打ちがなければ、なかなかこのような仕事はできないということをご承知いただきたいと思います。
 それから、3番目の専門家等の知識・技術の継承、これは本当に大事なことでして、今、全国にある自治体の研究者の高齢化が進んでおります。まさに団塊の時代の人がいまだに老眼鏡をかけながらガスマスを測定しているという時代になっております。なかなか厳しい時代で、次に育つ人がいない。これを具体的にどういうふうにして継承していくのかというところを明確にしないと、これを出すだけでは、環境省としての責任は問えないのではないかと私は思います。

【鈴木委員長】 黒本調査に対する各委員の愛情の発露の問題でありまして、いかにみんな一生懸命になって苦労してやってきたかというのがよく伝わる議論をしていると思います。課長、何かありますか。

【安達環境安全課長】 今日専門委員会をやる前に担当の者からは、多分、先生方からいろいろと言われるから覚悟しておいてくださいと言われておりましたが、まさに委員長が言われたように、これまで黒本調査を支えてくださった先生方の大変貴重なご意見だと思っております。
 いくつかの点につきまして、答えられる範囲でご説明させていただきたいと思います。
 まず、多くの先生から、いわゆる先見性の部分あるいはプライオリティリストの残りも含めて、そういった各部署から出てこないというか、それを超えた部分についてきちんとこの方式で対応できるのかという点についてですが、ご指摘のように、若干比重は下がっているというのは事実かと思います。ただ、中杉先生のお話にもございましたように、入り口を閉じてしまったわけではないということで、ちょっと先走った議論になりますが、先ほどの図2につきまして、今回、報告書を受けまして、私どもとしての考え方を作った、資料4の最後の方にほぼ同じ図2がございます。この図2のFを見ていただきますと、実は検討会報告書の方では「第3次プライオリティリスト・社会的要求」、私どもの方は「学識経験者の意見・社会的要求」ということで微妙に変えてございます。ここで学識経験者の意見と申しますのは、先ほどのプライオリティリストを含むのは当然でございますし、いわゆる不明物質とか、そういった意味での専門家の方々のご意見をきちっと採り入れた初期環境調査を行っていくという意味でございます。ただ、これまでの先見性の部分がA、B、C、E、Fの中のone of them になってしまったという点は、ご指摘のとおりかと思います。
 それから、自治体との関係につきましては、篠原先生からもご指摘いただきましたし、また、実際に検討会でもこの部分については熱心にご議論いただいたということで、なかなか難しい点もございます。私どももご指示を受けまして、自治体等にいわゆる調査あるいは今回の検討会報告(案)に対するご意見等を2度あるいは一部の方を含めますと3度以上にわたっていろいろとご意見を伺って、それを踏まえて、検討会でご審議をいただきました。一長一短あるのはそのとおりかと思いますが、PRTRで個々の自治体地域ごとのデータが出てくるというのは、大変大きな問題でございまして、それに対する自治体の対応というのも今後かなりの負担になってくる。その中で、自治体自身が今のキャパシティの中でどのように対応していただけるかということを考えますと、新規のものについては引き続きあるいはこれまで以上に対応をお願いしたい。ただ、毎年毎年行うようなものについては、若干の負担の軽減を図っていくのが最も現実的かなということで、このような考え方になっております。
 アジア・太平洋地域とのネットワークについてどのように考えているのかということでございますが、これは基本的に予算を伴うものなので、今の段階では、むしろ今回ご意見をいただいて、それをもとに必要な予算の確保に努めていくことになるかと思いますが、私どもとしては、まず1つは、セミナー等を開催しまして、専門家の方々のネットワークづくりを行うことは不可欠であろうと考えております。また、モニタリングに関しましては、今後、分析技術の向上とかいろいろあるかと思いますが、とりあえずまずはPOPsモニタリングというものが始まり、その条約の中で、先進国から途上国に対する技術的な支援等も定められておりますし、まずPOPsに焦点を当てて、具体的な、例えば分析技術の移転もそうですし、場合によっては実際のモニタリングについてお互いに協力してやる。あるいは検体などの保存についても、日本がリーダーシップをとってやれるような仕組みができればいいなと考えておりますが、いずれにしても予算を伴うものでございますので、今後の課題かと考えております。
 それから、他部局との連携につきましては、これまでこのような会合を開きますと必ず言われていました。必ず努力しますと答えてきたかと思うのですが、その点につきましては、今回、この検討会報告、後でご説明します私どもとしての見直しの考え方、いずれにしても関係部局にもご相談して作っております。今後ともより一層努力したいと考えております。

【早水化学物質審査室長】 化学物質審査室長でございますが、私も環境庁に入ったときに最初に保健調査室に入りまして、まさしく篠原委員にいろいろご指導いただきながら黒本調査をやっていた頃がありました。その後、いろいろなところを経まして、今、環境安全課長が説明しました、「他の部局の要請」に関係する化審法の部分とPRTRの部分も担当してまいりました。そういう観点から申し上げますと、先見性をもって最初に問題物質を拾い出すというのは、昔は黒本しかなかったわけですが、その後、例えば化審法でも今、指定化学物質という要注意物質に当たるものが600ぐらいリストアップされておりますし、PRTRの中でも対象物質は354あります。これらについて全部環境調査をしているかというと、そうではないわけですから、こういった要注意物質あるいは排出量があると思われる物質について、初めて環境調査、モニタリングをしなければいけないということについては、パイオニア的な部分という性格がある意味で残っていると思います。ですから、プライオリティリストが前は1つしかなかったのが、2つ、3つ出てきたというふうに考えていただければいいのではないかと思います。そういった意味で、モニタリングの意味合いは今まで以上に大事になっていて、なおかつ、未知の、環境にあるかどうか分からないものを見つけ出すという部分は残っている。そういうものがあれば、まさしくリスク評価をしなければいけないので、モニタリングの結果を踏まえてリスク評価をするという形になると思います。そういった意味で、リストが複数になったと考えればいいかなと私自身は考えております。

【鈴木委員長】 実は今日、資料2で「環境研究・環境技術開発の推進方策について」
(第一次答申)の話をしてもらおうと予定しているわけです。それは環境省総体の技術の開発の方向付けが新しい展開を迎えているわけで、局面が今変わりつつあるところで、どっちを向いて何をやるのだという話が諮問されて、中環審の答申に今出てきているわけです。その中に実はこの黒本調査の見直しの問題もあるわけでして、他部局との調整の問題というよりは、むしろ環境省としてどうこういう問題を考えているのか、その向きを話してもらいたいと思います。これは担当の環境研究技術室から説明してください。

【事務局】 それでは、資料2に基づきましてご説明させていただきます。
 これは中央環境審議会の中でも総合政策部会、それから総合政策部会の下に設置されました環境研究技術専門委員会というところで約1年間にわたって検討してきた成果でございます。昨年の4月に諮問いたしまして、今年の4月23日に第一次答申「環境研究・環境技術開発の推進方策について」という形で出させていただいております。これにつきましては、環境研究技術専門委員会におきまして、当化学物質評価専門委員会の委員長でもあります鈴木委員に委員長を務めていただきまして、大変なご努力をいただいてまとめていただいたものでございます。
 そもそもこの第一次答申を作成した経緯でございますが、昨年の3月に第二次の科学技術基本計画が閣議決定されておりまして、その中で、重点の4分野を選んでおります。ライフサイエンス、情報通信、ナノテクノロジー・材料、もう1つ環境というものがあがっております。これらの重点分野につきましては、昨年の1月に内閣府の方に設置された総合科学技術会議で重点分野の推進戦略を策定するということになりました。このような環境研究・環境技術開発を取り巻く状況の変化がだいぶありましたものですから、中央環境審議会の方で、環境政策あるいは環境分野の研究を担う立場から、どういうふうに環境分野の研究技術開発を進めていけばいいのかということで検討してきたということでございます。
 資料2の概要版に基づきまして説明させていただきます。
 全体は3章からなっております。第1章は「環境研究・環境技術開発の目的、役割及び方向性」ということでございます。
 まず基本的な目的でございますが、これは当たり前のことではあるのですが、環境問題の解決、持続可能な社会の構築への貢献というものを目指すということでございます。
 2番目は、こういった基本的目的に向かいまして、それでは、どういった研究開発を進めていけばいいのか、具体的な課題をどうやって選んでいくのかということでございますが、具体的なニーズ、これは環境問題の解決のために環境研究・環境技術開発が解決すべき問題点、こういうものを「問い」の形で整理しまして、この「問い」に答えるための研究開発課題を選定していくことが有効であるということでございます。
 3番目として、果たすべき役割でございますが、基本的な目的を達成していくため、あるいはそれと同時に達成すべき役割としてどういうものがあるかということで、環境政策への貢献、国民への情報提供、各主体の環境保全に係る取組の支援、国際貢献、環境産業の発展・雇用の創出、科学技術の発展への貢献、こういったものを挙げております。
 4番目、方向性としてどういう方向に向かうかということでございますが、1番目は、国民のニーズの反映・成果の分かりやすい普及に努める必要があるということ。それから重点化・戦略化、これは当然、研究技術開発に割ける人的・予算的な資源には制約がございますので、重点化・戦略化を進める必要があるということでございます。それから、体系的・総合的視点ということでございますが、これにつきましては、環境分野のいろいろな環境問題が相互に関連している、また、解決のためには、自然科学的知見、人文社会科学的知見も総合的にやっていく必要があるということで、このあたりは委員の先生方から、体系的・総合的に進める必要があるという意見をかなりいただいております。4番目は、ナノテクノロジーとかIT等の最新技術を環境分野にも積極的に活用していきましょうということでございます。5番目は、将来の環境問題に備える研究、あるいは長期的な研究への配慮、これは時間軸として長期的な研究もやっていかなければいけないということでございます。6番目に、総合科学技術会議との連携ということを挙げております。
 続きまして第2章のところでございますが、具体的な体制整備としてはどのようにやっていくかということでございます。まず1番目として、人材の育成・組織の整備。環境研究、環境技術開発を担う人材の育成が重要であるという指摘を委員会で多くの先生からいただいております。具体的には、最近、大学においても環境分野の学部や学科などがたくさんできておりますし、研究の体制も徐々に整いつつあると考えておりますけれども、なお一層の研究教育の質の向上に対しての支援が必要ではないかということでございます。それから、フェローシップ制度等の充実によって人材の育成を図っていくということでございます。それから、国際的な環境研究ネットワークの強化、外国研究員の受入体制の充実といった研究開発の実施部門の充実、研究開発の企画・管理部門、これはどちらかというと行政的な部局あるいは研究所の企画・管理部門ですが、こういったものの強化も必要だということでございます。
 2番目に、研究資金の拡充と適切な配分でございますが、先ほどの第二次科学技術基本計画でも競争的資金、いわゆる提案候補型で、ピア・レビューを行った上で採択すべき競争的資金でございますが、こういった競争的資金の倍増を図っていくことが科学技術基本計画で示されておりますので、環境分野においてもこういった競争的資金の倍増をはじめとする研究資金の拡充が必要であるということでございます。また、環境問題の解決に真に貢献する研究開発課題に対して資源配分を行っていく。これは単に額が増えるだけではなくて、その目的、環境問題の解決に真に貢献する課題に配分していくということでございます。
 それから、各主体間の連携・交流の促進として、産学官連携の促進のための研究資金の拡充などが必要であるということ。
 それから、地域の研究開発の推進として、地方公共団体の環境部局を調整役とした研究共同体の組織化、こういったことを図りながら、地域の研究開発を進めていこうということでございます。
 それから、環境研究・環境技術開発の基盤の整備でございますが、これは基盤となるような情報を整備・提供するシステム。かなりいろいろなところで情報は集められているけれども、必ずしも利用しやすい状況にはなっていないのではないかという指摘がございました。また、環境試料や絶滅危惧生物の遺伝資源のタイムカプセルとしての保存などが重要であるということで、こちらにつきましては、国立環境研究所の方で環境試料のタイムカプセル化事業を今後進めていくことになっております。昨年の第二次補正予算でそのための研究施設の建設費、平成14年度の予算の中でも収集・保存していくための事業費を獲得しておりまして、これから具体的に詰めようとしているところでございます。
 6番目に研究開発の評価でございますが、昨年の11月に国の研究開発評価に関する大綱的指針というものが総合科学技術会議の議論を踏まえて決定されております。研究開発の評価をかなりしっかりやる必要があると言われておりますので、これに基づいて適切に評価していくということでございます。
 それから、環境技術の評価でございますが、これは適切な環境技術の普及を進めるために開発された環境技術の有効性、副次的影響等に関して環境技術評価の実施体制をしっかりする必要があるということでございます。
 次のページでございますが、成果の普及、環境政策への反映ということで、メディアとの連携、インターネットの活用により成果を普及すること。特に国民に対して分かりやすく成果を普及していく必要があるということを指摘されております。また、環境政策への反映ということで、研究者と政策担当者の連携体制を確立していく必要があるということでございます。
 第3章は「重点化プログラム」でございますが、こちらは具体的な研究開発課題について、特に重要な分野として6つの分野を定めまして、これに対して一連の研究開発課題をまとめた「重点化プログラム」を作っております。
 「重点化プログラム」を作るに当たりましては、先ほど第1章の2のところで、「ニーズ」を「問い」として整理するということを書いておりますが、それに従いまして、まず「問い」を作りまして、それに答えるために必要な一連の研究開発課題をまとめるというスタイルでまとめております。
 化学物質関連でいいますと、化学物質環境リスク評価・管理プログラム、20世紀における環境上の負の遺産解消プログラムというものを作っております。
 本体の30ページ、31ページのカラー刷りのものを見ていただきたいのですが、30ページの化学物質環境リスク評価・管理プログラム、これは絵としてまとめてございます。まず真ん中のところにある楕円形のところでございますが、ここに「人や生態系にとって許容し得ない影響を及ぼさないためには、化学物質とどのようにつきあっていけばよいか?」、これを根本的な問いとして、これを究極の目標として掲げております。この根本的な問いに答えるためにどうすればいいのかということになりますと、さらにより細かい問いがいろいろ疑問点としてあがってくるわけでございます。例えば、化学物質はどのように、どれだけ使用・排出されているか、私たちはどのような化学物質に暴露されているのか、私たちのまわりにある化学物質は安全か、どのような社会的な化学物質管理システムが必要か、どのような化学物質管理技術が必要か、必要な基盤・システム、こういった濃い緑色の四角で囲われているところ、このようなハショウするような問いが出てきます。これらに答えられる課題としてどういうものをやらなければいけないのかということで、その下の薄い緑の四角で囲われているような課題があるということでございます。このようなスタイルでまとめさせていただいております。
 非常に簡単ではございますが、全体を説明させていただきました。

【鈴木委員長】 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明に対してご質問なりコメントなりおありでしょうか。

【池田委員】 特に第2章の部分で少し申し上げたいことがございます。これは環境研究に限りませんけれども、サイエンスの分野では、資金がなければどうしようもないというのは大前提、すべてのことがそうかもしれません。環境関係で研究資金の拡充が行われ、適切な配分についての配慮が行われて、非常にうれしいことだと思います。ぜひともご努力賜りたいと思います。
 このことに関連して若干申し上げたいことがございます。第2章の2.の2行目のところに「環境問題の解決に真に貢献する研究開発課題に対して資金配分を行うことが必要」、これはまさにそのとおりだと思います。いろいろな場で環境問題関係の研究プロジェクトに対する評価をさせていただく機会がありますが、このプロセスでピア・レビューの段階で、その研究課題が何を目的としているのか。それが本当に解決に結びつく形なのか、悪いですが、便乗型のプロジェクトなのか、これはかなり厳しくエバリュエートしなければいけないだろう。そして、そのプロジェクトに対して、どれだけの期間のうちに、どのような問いに対しての回答ができるのか。その評価をかっちりやりませんと、資金がせっかく潤ってきても、その成果は必ずしも十分でない。そうすると、ある意味では、社会的な評価を受けにくくなってしまうと思うんです。この部分でのクリティカル・レビュー、
クリティカル・エバリュエーションというのは非常に大事だということを申し上げたい。

【鈴木委員長】 総合科学技術会議に物申さなければいけない部分ですね。
 ほかにございますか。

【遠山委員】 前の議題と関係するところでよろしいでしょうか。
 第一次報告の7ページの「対象地域についての配慮」のところに、「環境研究・環境技術開発の課題は、対象とする地域についての強い配慮がなされなくてはならない」ということと、その下の方に「環境問題に対する脆弱性が強い地域に対する配慮も必要である」と書いてありますが、そのとおりだと思います。先ほど関沢委員がご指摘になったこととも関係するのですが、資料1の7ページの(3)で「採取地点は時間的・空間的な代表性に留意した」云々とありますが、こちらの方の場合、見直しの案にも書いてありますように、調査目的、調査の結果がどのように活用されるかということに応じて調査しなければいけないということなんです。そうしますと、採取地点が時間的・空間的に代表性をもつというのはどういうことかということになるのですが、1つは、リファレンスとして、まず地域汚染がないだろうと思われるところを選ぶ。それはそれで1つあると思うのですが、もう1つは、サンプルを選ぶ場所に関して満遍なく網羅的に把握していく。それはそれで全く意味がないわけではないのですが、明らかにある程度人為的な汚染が想定されるような場所に関しては、そういったところを中心にむしろ地域を設定するという観点を入れてもいいのではないか。もう少し言いますと、人と野生生物などに何らかの影響が起こり得るようなことを想定して採取地点の場所を選ぶ。それ自体が時間的・空間的な代表性をもつようにするというような形にすることが適当ではないかというのが私の意見です。

【鈴木委員長】 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか。

【中杉委員】 先ほど関沢委員のご意見もあって、今、遠山委員のご意見もあったので、先ほどの黒本調査というものの性格は、黒本調査の中で何から何までもやるわけではなくて、今回、従来のある予算の中に、多分今度のはPOPs絡みの予算がくっついた形で、ある予算の中でやる話で、この中で化学物質の汚染実態を何から何までを把握してしまうという話になると、これはそれこそ大変になってしまって、先端的な話はできなくなる。そういう意味でいくと、今言われたような個別のところというのは、従来の黒本調査の中では、それは本当いうと原局でやってもらう話だよというふうな整理をしていたと思います。あるいは、例えばダイオキシンとか環境ホルモンみたいに問題があるものについては、それなりにまた別の形での予算をとって詳細な調査をやる。そこら辺の性格を少し分けて私は考えています。私の解釈が間違っているのかもしれませんが、今の黒本調査というのは、そういう性格のもので、そういう意味では、代表的なというのは、地域の代表ではなく、満遍なくという形になってしまっている。そこら辺はそういうふうな性格だというふうに私は解釈しています。もちろん、個別のところをやられるのは非常に重要だけれども、それまでこの枠組みの中に全部盛り込んでしまうというのは、逆にいうと、こういうことを言っては何ですが、環境省としては、何から何までこの枠の中でやりますというと、次に予算がとれなくなってしまうという話になりますので、それは非常に実現が無理だろうと私は思います。

【遠山委員】 私は、例えば特定の排出源のすぐ間近ですべてやれと言っているわけではなくて、黒本調査でいろいろ設定されているのも分かっていますが、明らかに汚染が薄まってしまって、出てしまって、ほとんどN.D.になってしまうようなところをあえて選ばなくても、むしろそこを選ぶのであれば、もう少し汚染源に近いところで選び方があるのではないかという意味で申し上げているわけです。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 今の議論は、本筋の議論からは外れた形になると思います。総体の化学物質対策の枠の中で、モニタリングやサーベイランスと呼ばれていた事業がどのようにして行われ、どう展開すべきかに関する位置付けの中で、個別の調査のテクニカルスキームみたいな部分を
議論する場合には今のお話は重要なんですが、それだけでは多分ないだろうと思います。
 いろいろなご議論がございましたが、ここで、事務局が、これまでの見直し検討会の報告と今日の議論を踏まえた格好で、事務局としてはどうしたいかという意見を既に出して
おります。資料3と資料4ですが、それについて事務局から説明してほしいと思います。

【事務局】 資料3及び資料4についてご説明させていただきます。
 最初にご説明させていただきました資料1「化学物質環境汚染実態調査見直し検討会報告書」を基本としまして、ただいま説明がありました資料2「環境研究・環境技術開発の推進方策について」の趣旨を踏まえながら、資料3及び4でございますが、「化学物質環境汚染実態調査の見直しについて」ということでまとめさせていただきました。
 まず資料3の概要の方からご説明させていただきます。
                (資料3を朗読)
 続きまして資料4についてご説明させていただきます。資料4の主な箇所につきましては、資料1と同様の箇所が多くございますので、特に追加や変更等をした場所を中心的にご説明させていただきます。
 まず1ページ目、IとIIですが、これまで説明させていただいた内容ですので、これについては省略させていただきます。
 続きまして2ページ目、「改善の要点」でございます。こちらの方は、先ほどの資料1のIII. 以降をまとめたものでございます。ただし、表現、順番等は一部変わっております。特に2ページの下の方、「リスクコミュニケーションの推進」というところで新たに項目を立てまして、内容的には述べたことをまとめているのですが、「物質選定に専門家以外の参画を求めるなど、調査運営及び結果のより一層の明確化を図る。」というのを加えさせていただいております。
 続きまして3ページ目ですが、IVの「今後の調査の内容」についても、資料1のIVとV
をまとめた内容とほぼ同様でございます。特に追加した点としましては、「2.調査事業」
の(1) になお書きで、「過去の調査において、高濃度で検出されながら確認できなかった
物質も必要に応じてこの調査の対象とする。」というところをあえて記載しております。
 あと追加した点でいくつか代表的なところをご説明させていただきます。
 4ページ目の上から6行目でございますが、なお書きで、「物質の選定にあたっては、急増している化審法の指定化学物質の取り組みに配慮する」というところを特に記載させていただいております。
 それ以降につきましても基本的に一緒でございますが、5ページ目に(5) として精度管理についての項目を新たに立てさせていただいておりますので、ここについては読み上げさせていただきます。
          (資料4の5ページの(5)の部分を朗読)
 他の点につきましては、主に資料1の内容をまとめたものでございます。
 以上、資料3、4についてご説明させていただきました。

【鈴木委員長】 これまでの議論も踏まえて、これが環境省の考え方として出てくるわけですが、これだけは落としてはいけないとか、これはどうしても書いておけとか、いろいろご意見があると思いますので、それを伺いたいと思います。

【大前委員】 ヒトの生体試料の件ですが、6ページの下から2段目のところに「今後、ヒト生体試料を媒体とした調査の拡充についても検討していく必要がある」と書いてありますが、これは必須事項で、検討するよりも、始めた方がいいのではないかと僕は思うのです。「検討していく必要がある」というのはどういうことなんでしょうか。

【安達環境安全課長】 「終わりに」の部分は、今後の検討課題というような位置付けになっております。ここでは、今すぐやるという意味では書いていないというのは、ご指摘のとおりでございます。ヒト生体試料の重要性については、もちろんご指摘のとおりかと思いますが、実際に、例えば倫理上の問題もございますし、どのようにせっかく集めたデータを使っていくのかとか、そういったことを検討した上でないと直ちには着手できないのではないかと考えております。

【大前委員】 もう1点は保存事業の件ですが、スペシメンバンクのところを読みますと、冷蔵長期保存とございますね。ということは、これは生ものは保存しないという解釈だと思うのです。要するに冷蔵ですと生ものは長期に保存できませんので。この保存事業というのは、例えば魚とかヒトの検体とか、こういうものではないわけですね。例えば底質をとった乾燥した泥とか、そういうものをおっしゃっているのですか。

【安達環境安全課長】 基本的にはそうですが、少し生ものも入っていたのではないかと思います。

【事務局】 「冷蔵」という言葉はちょっと適切でないかもしれません。現在やっておりますのは、特に平成5年度以降は-90℃ですから、「冷凍下」でございます。現在収集しているものは、主に-90℃で底質、生物の試料、食事試料でございます。今、国環研の方に一部、黒本事業とは直接的には関わりないのですが、ヒトに係る試料も一部あるというふうに聞いております。

【森田委員】 まず、国環研に、黒本調査で使いました生物モニタリングの試料、一部底質の試料はお預かりしてあります。それは-20℃で、古いものは1980年ぐらいからずっとたまってきておりますので、ほぼ20年前からのストックが今ある状態です。新しく始まるスペシメンバンクの方では、もう少し低温のサンプル保存も考えていて、いろいろなレベルがありますが、液体窒素で保存するような部分は、例えば遺伝子の保存とか何かは視野に入っていますので、それは液体窒素になる。それから、例えばヒトのサンプル等については、多分-80℃以下のところを選択することなる。いくつかのバリエーションで長期保存の体制を、建物を建てることを含めて、今ご相談しているところです。

【櫻井委員】 1つ分からなくなったのは、急増している指定化学物質への取組は、既存化学物質と新規化学物質の両方を視野に入れているんですね。

【安達環境安全課長】 そうでございます。

【岡田委員】 全体的な記述は結構だと思いますが、いくつか気になることを3つ確認とお願いをさせていただきたいと思います。
 まず、PRTRデータを使って効率的に調査するというのは、もちろん結構なんですが、現在ポイントソースは出る場所が分かります。ただ、ノンポイントの推計は県単位でしかとりあえずやらないと。もちろん都道府県がもっと細かいところをやればいいのですが、それは必ずしも統一されていないと思います。そういう意味で、ノンポイントの貢献が多いような物質について、ある地域もしくはある流域を限ってPRTRデータがそのままストレートに使えるかどうかは、私はノンポイントを担当させていただいていてこういうことを言うと、君の努力が足りないと言われたら、それっきりなんですが、今一生懸命やっているところですが、すぐにはつながらないおそれがあるので、そこを注意していただきたいということが1つ。
 あと、暴露量の調査をするというのは、化学物質の濃度は分かると思うのですが、それが結果として、例えば生態系にどういう影響を及ぼすかということが分からないと、いくら測ってもしょうがないわけですね。ここで生態系の調査はスコープの中に直接は入っていないと思うのですが、それをどうするかということを考えておいていただいた方がいいと思います。例えば、水局では水生生物調査というのをNGO、NPOの協力もお願いしていっぱいやっているわけですね。あのデータが直接使えるかどうかは、安野先生のご専門かもしれませんが、なかなか難しいところがあるかと思いますが、他のところでやっているデータとうまくリンクして暴露調査ときちっと比較できるような形にしていただければと思います。もうできているのであれば、それはそれで結構です。
 それから、これも外の話ですが、自治体にいろいろ調査をお願いするということが書かれております。いろいろな重要な論点だったというふうには理解しております。ただ、今、自治体の研究機関、私が申し上げますと、広島県とばれてしまいますから、とりあえず申し上げますが、広島県では、広島県内の8研究機関を全体をどうやって統一的に効率よく管理・運営するかという見直しの検討会が1カ月前から始まりました。そうすると、環境研究所だけ独自でどうのこうのということは、ひょっとしたらできなくなるかもしれません。そういう中において、環境省がこの初期環境調査なり何とかで測ってくれと言われた場合、なぜ広島県がやらなければいけないのか。広島県の環境の研究者がずうっと化学物質を研究できる保証は多分ありません。我々だけが特殊かもしれませんが、そういう状況において、初期環境調査をお願いするのは結構だと思いますが、なぜある県がやるか、その予算はどうなっているか。GC/MSの費用を出せとか、そこまでは申しませんが、その辺の説得力ある調査依頼を出していただかないと、多分説明できないので、他の部局との競合で不可能になるという危険性をちょっと感じております。以上です。

【鈴木委員長】 中環審の委員会が、こういう考え方をもって進めるという方向が出てきたというのを、予算をとったり組織替えをしたりする、あるいは仕事の業務分担を変えたりする土台に使おうという作戦なのですか。

【安達環境安全課長】 もちろんその点はかなりの部分を占めているのですが、ご指摘いただいた点、まずPRTRの非点源のデータがそのままでは使えない場合があるという、それはご指摘のとおりで、そもそも非点源の調査方法は毎年毎年よくなっていくのだと考えておりますので、今すぐにはそうかもしれませんが、むしろ先生方にご努力いただいて、使えるようなものが将来的に出てくればいいかと思っております。
 それから、暴露評価全体につきましては、リスク評価を担当している部門が本日来ておりますが、そちらの方でいろいろとプランを練って、その中で、この黒本について、一定の部分の暴露についてのデータが必要だ、したがって調査してくれ、というような格好でリクエストがくる。それについてこの黒本の中で対応していくというふうな役割分担になるかと考えております。
 最後の点は、各自治体とも大変厳しい状況にあるということで、今回の検討に当たりましても、それぞれの自治体の意見を伺いながら進めております。この黒本だけではなく、自治体の検査機能を今後とも維持・向上するために、自治体とも密接に連携をとりながら努力していきたいと考えております。

【香山委員】 話題が戻ってすみませんが、ヒトの検体の保存に関していろいろ鍛えられてきましたものですから、意見を申したいのですが。遺体及びヒトからのサンプル、生体試料も含めて、遺体保存法は、検死を行ったところまたは、死因の解明のためか、あるいは公衆衛生の改善のための調査のためにそういう試料を保存していていいということになっているのです。保存していい場所は、病院と医科大学とか、医療関連施設だけでして、国立環境研究所には法的には保存してはいけないということになると思うんです。ですから、そういうことを踏まえて、もしも真剣に人サンプルの保存を考えるのであれば、法律の特例措置を作っていただくとか、あるいはうまく保存ができるようなことを考えていただかないと、絵に描いた餅になると思います。ですから、ぜひそこら辺をよろしくお願いします。

【安達環境安全課長】 ご指摘の点、例えば廃棄されたものの扱いとか、生体試料としてもいろいろなケースがあるので、国環研がどういうものを保存しているのかについては存じ上げません。いずれにしても、先生ご指摘のように問題点は多々ございますので、十分検討した上で取り組むべき問題と考えております。

【遠山委員】 先ほど来、自治体の話が出ていますが、各自治体の研究機関でかなり膨大な数のサンプルを分析なさって、非常に大変な思いをされているのは理解しているのですが、今後こうした調査事業をしたときに、ある一定期間測定して、例えばN.D.であった場合、毎年同じものを測らないといったような形でのリストからの一定の削除をするか、あるいは一時期ペンディングにするとか、そのようなことをどこかに入れておいた方がいいのではないかと思います。あるいは入ったのかもしれませんが、私が見通したかもしれません。それが第1点です。
 第2点は、細かいことですが、図2でA、B、C、E、Fとなっていて、Dがないのですが、これは単なる間違いですか。では、E、FをD、Eとしていただければいいと思います。

【鈴木委員長】 ほかにございませんか。

【池田委員】 自分たちの委員会自体が原稿のベースを作りながら、なお明確でない部分があるのです。「モニタリング」という言葉がかなり意味不明というか、定義を明確にしないままで使われている部分がありますね。そのことと、スペシメンバンクのときの目的と両側に絡んできます。同時に、ちょっと申し上げにくいのですが、他省庁との仕事のシェアリングの話もついてくると思うのです。特にヒトの検体を集め保存する場合の目的は、先ほど倫理上のことが1つありましたけれども、もう1つは、何を目的に保存するかで少し難しい部分が出てくるのではないか。具体的には、ソリューションとしては、環境研で保存されるものの目的は、生態試料、エコに関しては、暴露モニタリングもエフェクト・モニタリングも両方とも明確に環境省の守備範囲ですね。これについては多分ほとんど異論の余地がない。ヒトの試料の場合に少し難しくなるのは、エフェクト・モニタリングを環境省の守備範囲とし得るのかの部分です。これはかなり議論を要する部分で、環境省と厚生労働省の両方から相互乗り入れをやりますよという議論が成立すれば、暴露モニタリングとエフェクト・モニタリングの両方、将来のある時点で過去を振り返ってチェックするための両方の目的に使えると思うのですが、このあたりの議論は終わっているのでしょうか。もし暴露モニタリングだということであれば、これは多分異論がないと思うのですが、エフェクト・モニタリングも守備範囲に入ってくるのだとすると、若干の調整なり議論が必要なのではないかと思います。

【鈴木委員長】 これは私が今答えるわけにいかない話でありまして、今の国環研の中での議論は、森田さん、お願いします。

【森田委員】 国立環境研究所は独立行政法人、独立とは一体何から独立なのかよく分からないところがありますが、私どもの今のポジションはこんな感じです。環境保健というコンセプトのディビジョンというのは、実は環境省にしかない。厚生労働省にあるわけでもない。そういう意味では、人への健康といったもので、環境からくる部分については、研究所としては、それをカバーした領域でものを考えた方がよいだろうと今のところ考えています。もちろん、環境省の環境安全課が守備範囲とされていることを私ども自身は若干踏み出すかもしれないけれども、研究所としては、お許し願うという形で整理しようかと考えているところです。

【鈴木委員長】 ほかにございませんか。

【中杉委員】 先ほど遠山先生が言われた話に対しての答えが抜けていたので。今、既に生物モニタリングなどでそんなことはやっています。ですから、当たり前のこととして織り込み済みで実施されています。間隔を広げるとか削るとかいうことは実際にやっていますので、それはあえて書かなくても、今の中で入っています。
 もう1つは細かい点なんですが、先ほどの先生方のご意見で、資料3の「改善の要点」の「(1) 化学物質対策上の位置付けの明確化」というところの最初のところに「施策に直結した調査対象物質選定と調査の実施」と書いてあるのですが、これしか書いていないので、むしろ「調査の強化」みたいな表現の方が誤解がないかと思います。
 もう1つは、その下の「担当部署のニーズに応じた」という表現が、確かにこれ以上書きようがないのかと思いますが、これは極端にいえば、「国民のニーズに応じた」という話だろうと思うのです。実は、池田先生が座長で、経済産業省の方で化学物質のリスク管理の検討を始めていて、前回の委員会で、モニタリングは各省庁がどう担当しているかということで、指定物質はこのぐらいしか調査されていないというデータが出まして、なんですかとNPOの人から怒られた。今、黒本調査の見直しをやっていますということを申し上げたのですが、これは表現としてはこのとおりしか書けないのかもしれませんが、意味としては、言わずもがなですが、国民のニーズに応じた調査対象物質の選定であるという意味合いだという説明をぜひしていただければと思います。

【篠原委員】 同じく資料3の(2) の中の「分析機関の集約化」というのが非常に違和感を感じます。地方自治体が主にやってきたのを集約化とはなんだということで、「役割分担の明確化」という形の方がいいのではないかと思います。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 参考として付けた資料の説明はされなくてもいいのですか。

【事務局】 最後に、事務局としての提案ですが、本日、環境省案として出させていただきました資料3及び資料4につきましては、各委員からいただきましたご意見を踏まえ、事務局で修正し、委員長のご確認の上で最終的なものとさせていただくということでよろしいでしょうか。

【鈴木委員長】 その場合、委員長は、必要に応じ、委員のどなたかに相談することもあるという条件を付けておいてください。

【事務局】 はい。そのような条件のもとでさせていただきます。
 では、時間がありませんので、参考に付けました資料については、あくまでも参考でございますので、簡単にご説明させていただきます。
 これは概念図でございますが、今後、本調査に関する検討会で検討をどのように進めていくかというのを書かせていただいたものでございます。
 まず、右側に四角が4つありまして、さらに上にありますが、上にあるのが本委員会でございます。下から見ますと、左下は、すべて名称は仮称でございますが、まず、物質選定検討会を環境保健部長諮問で実施いたしまして、物質選定について明確にしていく。その際、分析の関係と関わってきますので、分析法の検討会とも相互調整をしながら、実際に調査を実施し、それらの結果については、経年モニタリング・暴露量調査検討会及び初期環境調査検討会の2つの検討会で検討していただき、最終的に中環審の化学物質評価専門委員会へと上がっていくという流れを書かせていただいております。
 また、左側に、今回の1つのテーマとなっておりますPOPsモニタリングについては、別途、POPs対策検討会、これも環境保健部長の諮問でございますが、こちらの方が制度のもので、その傘下にPOPsモニタリング検討会というのが既に実施されております。これと調整を図りながら、モニタリング事業については進めていくということでございます。
 なお、これら以外の情報やモニタリングのマニュアルの整備、モニタリング手法技術開
発等の調査全体を支援するための調査・検討も行うというのが全体の概念図でございます。
 最後になりましたが、本日の会議の議事録につきましては、事務局でまとめさせていただきまして、出席された委員のご了解を得た上で、各委員に配布させていただきたいと思います。
 また、本会議録及び議事要旨につきましては、公開し、環境省のホームページに載せさせていただきたいと思います。
 事務局からは以上でございます。

【鈴木委員長】 どうもありがとうございました。
 いささか議論が消化不良か中途半端か機能不全か分かりませんが、まだもっと議論したいということがありそうではありますが、今日の会議はこれで終わりにします。ありがとうございました。

--了--

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