中央環境審議会環境保健部会  化学物質評価専門委員会(第2回)議事録

日時

平成14年1月28日(月)13:00~14:30

場所

経済産業省別館第1028号会議室

出席委員 (敬称略)

(委員長) 鈴木 継美
(臨時委員) 池田 正之  内山 巌雄
中杉 修身  森田 昌敏
若林 明子
(専門委員) 大前 和幸  岡田 光正
香山 不二雄  関澤 純
武田 明治  松下 秀鶴
安野 正之  (五十音順)
(事務局) 岩尾環境保健部長
安達環境安全課長
早水化学物質審査室長 他
 小沢企画課長
 鈴木環境リスク評価室長
 

議題

  1. (1)化学物質の環境リスク評価について
  2. (2)平成12年度化学物質環境汚染実態調査結果について
  3. (3)その他

議事

【事務局】 時間になりましたので、中央環境審議会環境保健部会の第2回化学物質評価専門委員会を開催させていただきます。
 本日は、13名の委員の先生方がご出席の予定でございまして、大前委員は多少遅れて到着されるということでございます。
 初めに、本日は第2回委員会でございますが、12月に開かれました第1回委員会にご欠席され、本日ご出席いただきました委員のご紹介をさせていただきます。
 五十音順でございますが、広島大学工学部の岡田委員でございます。
 自治医科大学の香山委員でございます。
 国立環境研究所の森田委員でございます。
 なお、本日は櫻井委員、井上委員、篠原委員、遠山委員の4人の先生方はご都合によりご欠席でございます。
 続きまして、お手元にお配りしました資料の確認をさせていただきます。
 お手元の袋の中に資料が一式入っていたかと存じますが、冒頭、本日の議事次第、「化学物質評価専門委員会(第2回)」というものがございます。その下に、資料番号は打ってございませんが、当専門委員会の委員名簿がございます。資料1-1は「化学物質の環境リスク初期評価(平成9~12年度、パイロット事業)の概要」でございます。資料1-2は「化学物質の環境リスク初期評価ガイドライン(案)」でございます。資料1-3は、大部なものですから袋には入っておりませんが、別綴じにしております 450ページにわたる厚い資料でございまして、「化学物質の環境リスク初期評価(平成9~12年度)結果(案)」でございます。続きまして、A3の紙が2枚ほど2つ折りにしてございますが、こちらは健康リスク初期評価結果及び生態リスク初期評価結果のそれぞれ一覧になっております。資料2-1は「平成12年度化学物質環境汚染実態調査結果(まとめ)」でございます。資料2-2は「平成12年度化学物質環境汚染実態調査結果(平成12年度化学物質環境調査結果の概要)(案)」でございます。資料2-3は「平成12年度化学物質環境汚染実態調査結果(平成12年度化学物質経年モニタリング調査結果の概要)(案)」でございます。その他に参考資料として、参考資料1が「用語集等」、参考資料2が「『化学物質環境汚染実態調査』(黒本調査)の見直しについて」というものでございます。
 お手元の資料で何か不足等がございますでしょうか。
 なお、資料番号を付けておりませんが、委員の先生方のお手元には第1回の専門委員会の議事録(案)をお配りしてございます。
 続きまして、本日の会議の公開・非公開についてでございますが、本日の会議は、公開により中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合には当たらないと考えられ、また、特定な者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合にも当たらないと考えられますので、公開ということにしてございます。
 また、本日配布されております資料につきましても、公開しても差し支えないと思われますので、公開とさせていただきたいと考えております。
 なお、第1回の議事録でございますが、前回の委員会にご出席いただきました委員の方々にお送りいたしまして、ご確認をお願いしましたところ、若干修正がございましたので、ここに修正したものをご用意いたしました。再度ご確認いただきまして、もしさらにお気づきの点などがございましたら、申し訳ございませんが、1週間以内に事務局までご連絡いただければと思います。その上で、所要の修正を行いまして、議事録として確定させたいと考えております。
 それでは、これ以降の進行につきましては、鈴木委員長にお願したいと思います。よろしくお願いいたします。

【鈴木委員長】 それでは早速議事に入りたいと思います。今日の議題は3つで、「化学物質の環境リスク評価について」、「平成12年度化学物質環境汚染実態調査結果について」、「その他」となっております。
 まず議題の1「化学物質の環境リスク評価について」で、事務局からお願いします。

【鈴木環境リスク評価室長】 お手元の資料の1-1~1-3でご説明申し上げます。
 資料1-1は全体の概要でございますが、前回からの流れがありますので、資料1-2のガイドラインと資料1-3の結果の、ご意見を踏まえた修正箇所をまず説明してから、全体を含む概要について説明するということで、まず担当の方から資料の1-2、1-3の修正箇所の説明を行います。

【事務局】 まず資料1-2でございますが、「化学物質の環境リスク初期評価ガイドライン(案)」でございます。これは前回、第1回の委員会でご議論いただきまして、所要の修正を行ってご用意させていただいたものでございます。
 1ページ目でございますが、委員の先生方からのご指摘もございまして、「本ガイドラインは、……」という第1行目ですが、「環境リスクの初期評価」の後に「(内分泌かく乱作用についての評価を除く。)」という表現を確認のために表紙に付け加えました。
 また、その下の「2.健康リスク初期評価」の部分につきましては、最後のなお書き以降でございます。「なお、発がん性の定量的な評価は今後の課題としている。」ということを付け加えました。
 続きまして、2ページ以降、暴露評価のガイドラインでございます。委員のご指摘を踏まえまして、所要の加筆修正を行いましたが、重要な点についてご紹介いたします。
まず、修正ということではございませんが、前回の委員会におきまして、評価の最大値及び95%値の考え方に関するご指摘がございました。この点につきましては、7ページの末尾から8ページにかけてでございますが、「各媒体中濃度の設定」について、「安全側に立った評価の観点から高濃度側のデータによる評価を行うため、当面は……最大濃度を評価に用いることとする。ただし、多数の実測データが得られ、その一部に排出源周辺等のデータも含まれると考えられる場合は、これを除外するため実測データの95%値を評価に用いる。」ということで記述してございます。
 続きまして、8ページ真ん中あたりでございますが、「1日暴露量の算出式」というものを提示してございまして、これの根拠をきちんと示すようにというご指摘をいただきましたので、4つの式の下でございますが、「ここで用いている大気の1日呼吸量及び飲料水の1日飲水量は、わが国の各種行政推計において通常用いられている値として採用する。土壌からの1日暴露量は、『土壌中のダイオキシン類に関する検討会第一次報告』に……平均値として設定されたものであり、食事からの1日暴露量 2000g/dayは、食事の際の飲料水等も加えた陰膳調査試料の重量の実績に基づいて暴露評価委員会において設定」したものと記述いたしました。
 続きまして、ガイドラインの関係では、健康リスクの方は後にしまして、生態リスクの方から加筆修正したところを先にご紹介させていただきます。
 まず、ガイドラインの20ページの下の方に「(2)予測無影響濃度(PNEC)の設定」がございます。こちらの方で根拠をOECDのものを示すようにというご指摘がございましたので、「アセスメント係数の設定の考え方」の2行目でございますが、「OECDのSIDS Manual の考え方に基づき設定されたアセスメント係数で除する。」という形で記載させていただきました。
続きまして、21ページの上の方に表1として「予測無影響濃度(PNEC)の推定に使用されるアセスメント係数」の表がございます。前回の委員会でお示しした表は意味がわかりにくいというご指摘をいただきましたので、ここにありますような形で、藻類、甲殻類及び魚類のうち、どのような生物群について信頼性のある急性毒性又は慢性毒性の値が得られたかというケースに応じて、アセスメント係数はこのように10~1000の範囲で設定されるという形の表に書き改めました。
 2の「予測無影響濃度の導出」のところは、上の記述を受けまして、表現をよりわかりやすく書き改めたつもりでございます。

【事務局】 続きまして、健康リスク初期評価に関するガイドラインの訂正箇所につきまして説明させていただきます。ページは、戻りますが、資料1-2の12ページ以降になります。
 まず資料の12ページですが、原則として用語の訂正、文章の精緻化を図るような作業を中心に行いました。例えば12ページの中ほどにある「一般毒性」は、発生毒性とか生殖毒性とか、そういったこととしっかり分けるということから、「一般毒性等」ということで、生殖・発生毒性をここに含めたいと考えております。
 同じく14ページですが、本文とこのガイドラインを一致させるために、以前は「発生・生殖毒性試験」という表記も行っておりましたが、こちらは「生殖・発生毒性」という表現に統一させていただいております。
 その他に「無毒性量」とか、その辺のところにつきましても、本文とガイドラインの一致を修正として行っております。
 15ページの「発がん性」のところに関してですが、IARCの分類で1及び2A、2B、3及び4について、今後行う評価について斉一にするために、1及び2Aについては、「発がん性に関する評価を行う必要がある。」、2Bについては、「発がん性に関する評価の実施について検討する必要がある。」、3及び4については、「現時点では発がん性に関する評価を行う必要はない。」というふうに整理させていただいております。
 その他、細かいところ、表現につきましては、今回、参考資料として用語集を付けさせていただいておりますが、そちらの方とあわせてご覧いただければと思います。
 続きまして、本文中ですが、かなり厚いボリュームになっておりますが、資料1-3の「化学物質の環境リスク初期評価(平成9~12年度)結果(案)」になります。
 健康リスク初期評価の中で主立った点を説明させていただきます。文章の訂正は、先ほどもご説明申し上げましたように、用語の修正とか文章の精緻化を中心に行いまして、大きな修正箇所ですと、MOEのところが、適切な表現ということで、担当の先生とも議論させていただきまして、今回につきましては「MOE」という表現を英語のまま使わせていただきたいと思います。
 A3版の結果一覧につきましては、以前は吸入とか経口とか、そうした箇所について、既にデータがあるものについてのみ記入してございましたが、データがないものについてもすべて経口と吸入を分けて記載させていただいております。動物種も同様に記載させていただいております。あと、かなりご指摘が多かったのは、エンドポイントについて、一般的な表現であるよりも更に詳しく、どういった形の影響であるかを具体的に記載すべきであるというご意見がございましたので、こちらは原論文、評価文書に沿うような形で正確な表現に変えております。
 その他、本文の文章中につきましては、概ね委員の先生方からご指摘いただきました点について、文章を訂正しております。
 以上が大きな変更箇所です。

【鈴木環境リスク評価室長】 もう一回繰り返しますと、暴露評価についてガイドラインの修正、それから生態リスク評価についてのガイドラインの修正。暴露と生態については、本体中は、細かいご指摘をいただいて修正したところはありますが、前回特にご議論になり、今日もご議論になるというふうなことは余りないと思いましたので、説明を省略しております。健康リスクについては、ガイドラインと資料1-3の本体の修正箇所の説明ということでございます。
 以上を受けまして、本日新たに作りました資料1-1をご説明させていただきます。基本的には本体の方は、後日さらに校正を重ねて印刷・製本して世の中に出していきたいと思いますが、本日終わりましたら、直ちに広く公表したいということで、概要を作りまし て、これを各方面に配布するなり発表していきたいというような性格のものでございます。
 資料1-1のタイトルは「化学物質の環境リスク初期評価(平成9~12年度、パイロット事業)の概要」でございます。
 この中の1.の「趣旨・目的」から2ページの3.の「本事業における環境リスク初期評価の実施の枠組」は、前回、第1回の委員会で、リスク初期評価の位置づけなりをきちんと整理する資料を基本的にはそのまま用いておりまして、それを分量の関係から若干簡潔にした、あるいはこうした表現の方がわかりやすいのではないかということで若干の修正を加えたものでございまして、前回ご出席されて前回のものを読まれていれば、内容的にはほとんど変わりませんので、1.~3.の説明は省略させていただきます。
 ただ、若干お断りしておきたいのは、1.の「趣旨・目的」の中の最初のところで、「世界で約10万種、我が国で約5万種」というのが、特に「5万種」というのは、数年前からずっとこの表現だということですが、これにかわる数字の根拠といいますか、第2回までの期間では調べきれなかったのと、アジェンダ21でこの表現をそのまま使われているということで、より適当な表現はまた今後検討させていただくことにして、もしよろしければ、今回の概要ではこの表現でやらせていただきたいとお願いいたします。
 2ページにいきまして、3.までは飛ばして、4.の「本事業の成果及び今後の対応」からご説明させていただきます。
 まず(1)の「39物質についての初期評価の判定」でございまして、「本事業の直接的な成果として、対象39物質の環境リスク初期評価の実施により、詳細な評価を行う候補物質、関連情報の収集が必要な物質等の判定・抽出を行った。」ということでございます。
3ページ目の表でまとめておりますが、便宜上、A、B、C、Dに分けておりまして、それぞれ健康リスク、生態リスクということで、8つの枠があるわけですが、本体の方で「詳細な評価を行う候補」ということで、世間にわかりやすく理解していただくために、「相対的にリスクが高い可能性があり、」という表現を使っております。Aは、「相対的にリスクが高い可能性があり、『詳細な評価を行う候補』」。これは一覧表の方では■になっているものでございまして、健康リスクでは、アセトアルデヒドはじめ4物質、生態リスクでは、ディルドリンはじめ3物質ということで、7物質ですが、2物質ダブっておりますので、結果的にAのランクは2つを合わせますと5物質になります。Bは、資料1-3では「関連情報の収集が必要」と判定したものですが、わかりやすくするために、「リスクはAより低いと考えられるが、」という表現にしております。「リスクはAより低いと考えられるが、『関連情報の収集が必要』」ということで、健康リスクは8物質、生態リスクは6物質となっております。Cは、本体の資料1-3では「更なる作業を必要としない」ということですが、これもわかりやすくするために、「相対的にリスクは低いと考えられ『更なる作業を必要としない』」という表現でまとめました。これは健康リスクの方で18物質、生態リスクの方で15物質になっております。今回の作業では、Dは「リスクの判定ができない」という評価になったわけですが、「得られた情報では『リスクの判定ができない』」という物質が、健康リスクで9物質、生態リスクで15物質となっております。
 2ですが、「この結果を踏まえ、『詳細な評価を行う候補』とされた物質については、環境省として次の対応を図る。」。1までが検討委員会で評価していただいたわけですが、2は、今後それを受けて環境省として行政対応をどう図っていくかということを、判定しっ放しではなくて、きちんと対応しますよということを解説する部分でございます。
 4つに分かれておりますが、どういう観点から分けているかというのを最初に申し上げますと、i)が、健康リスクで今後、我々自ら詳細リスク評価を行うもの。ii) が、他省庁他部局で取組がなされているので、当面その推移を見守るもの。iii)は、生態リスクになりまして、生態リスクのうち、我々自身が詳細なリスク評価を手がけていくもの。iv)は、他部局でやっているか、あるいはこの場合はちょっと特殊で、既に製造・使用禁止ですので、あとはフォローアップをしていくもの。というふうな分け方をしております。
具体的に説明しますと、i)は、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)の健康リスク。これについては、判定の結果、食物からの経口暴露による健康リスクが相対的に高い可能性があるということになったわけですが、現在、塩化ビニル製手袋の食品への使用自粛等の対策がとられつつある。一時期、コンビニ等の弁当等の加工の際に手袋を使う、その材質がフタル酸であったということで、そこから漏れ出して食品中に移行するということでしたが、厚生労働省の方でも使用を自粛する通知を出したり、業界の方でもかなり迅速に対応したということで、これはまだ我々として全面的に確認したわけではございませんが、その後の濃度が相当減っているという情報もございます。そういう状況ではありますが、全般的にまだ環境由来の暴露についてその後のきちんとした評価が行われておりませんので、そういった不明な点が多いことから更に調査を行い、詳細なリスク評価を行うというものでございます。
 ii)のグループがアセトアルデヒド、p-ジクロロベンゼン及びホルムアルデヒドでございます。こられは室内空気の吸入暴露による健康リスクが相対的に高い可能性があるという判定になったわけですが、既に同じ地点から室内濃度指針値の設定、これは厚生労働省で手がけておりますが、これを含め、リスクの低減対策が具体的に進められつつあるということを行政として把握しております。そういったことから、我々で詳細リスク評価を行っても二重の作業になりますので、当面はこれらの対策の効果等について情報収集を行いながら、その後の対応をまた考えていきたいと思っております。
 iii)フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)及びホルムアルデヒドの生態リスクの方でございますが、これらの物質はPRTR制度の対象物質として環境排出量の把握等が行われるほか、水生生物の保全に係る水質目標の検討等が行われているという情報を把握しております。そういったことではございますけれども、これらが具体的にどういう例えば基準なり何かが作られて、あるいは削減対策がなされるか、こういったことについてまだ確定はしておりませんので、これらによる知見の集積を図りつつ、我々としては詳細なリスク評価を行う必要があると考えております。
 iv)ですが、ディルドリンの生態リスクにつきましては、既に化学物質審査規制法により製造・使用が禁止されております。そういったことでは、そういった面からの低減対策はありません。それから、今回の生態リスクの判定は環境中の残留によるものと考えられますので、それから更に基準作りなり低減対策にもっていくわけでございますが、詳細評価をしたところで、やることが環境モニタリング等に絞られると思いますので、これについては、そういったモニタリングを行う中で状況を把握していく。その状況いかんによってはまた何らかの対応が必要になってくるかもしれませんけれども、初期評価から詳細評価という作業の移行は今のところ考えていないということでございます。
 以上が行政の対応の今後の方針でございます。
 次に、最後のページの(2)でございます。いまのは、結果がこうですと、結果を受けて行政はこういうふうに対応しますということですが、今後、まだたくさんの対象の化学物質がありますので、それについてどうするかという面からの記述でございます。(2)の「環境リスク初期評価の方法論の確立」ということでございまして、1にありますように、この4年間のパイロット事業としての取組を通じまして、作業手順を示した各ガイドラインをとりまとめ、環境リスク初期評価の基本的な方法論を確立することができた。
 2にいきまして、今後、これを踏まえ、内外の知見から人の健康又は生態系に対する有害性が高いと考えられる物質、PRTRデータ等から環境排出量又は暴露量が多いと考えられる物質を選定しつつ、環境リスク初期評価を計画的に実施していくということを述べております。
 併せて、今回のガイドラインに関しましても、次の事項についての調査検討を進めるということで、前回も、従来からの流れでこういった課題があるというご指摘はいただきましたが、作業としてこれまでやってこなかったけれども、今後取り組んでいくという観点から3つ記述させていただいております。
 暴露評価に関しましては、PRTRの制度ができますので、このデータが今度手に入ります。そういったデータを用いた暴露モデル--理論的にシミュレーションして、例えば地域ごとの暴露量を推計していくというようなコンピュータプログラムを今開発しておりますが、その開発を進めることと、それをどう活用していくか、その手順を標準化していくというような作業が必要です。
 健康リスク評価については、IARCの分類等を参考に、今後の取組について議論はしましたけれども、では、定量的な評価をどういう手順でするかということはまだ全く手を着けておりませんので、そういったことについて進めていくということでございます。
 生態リスク評価については、この4年間は水生生物に限った評価でございますが、他の生物についてどういうふうな影響評価を行っていくかということについての方法論を確立していきたいと考えております。
 資料1-1~1-3につきまして、本日ご了承いただくようにご審議を賜りまして、もしご了承いただけましたら、若干の修正点は後日修正した上で報告書としてとりまとめるとして、当面この形で公表してよろしいということであれば、早速、国民の皆さまに広めていきたいと考えておりますので、よろしくご審議お願いします。
 以上でございます。

【鈴木委員長】 この形で公表してよろしいかどうかを議論していただくかなければいけないわけですね。
 それでは、ご意見、ご質問をどうぞ。

【関澤委員】 資料1-1の3ページ目に「『詳細な評価を行う候補』とされた物質については、環境省として次の対応を図る。」というところがございますが、初期評価では内分泌かく乱影響はたしかガイドラインでは除くというふうにおっしゃっておられましたが、詳細評価の中ではそれは入れて考えていくということでしょうね。それが1つ。
 2番目に、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)の健康リスクというのが冒頭に挙げられておりますが、ご存じのように、厚生労働省で既に評価を行っておりまして、ここでは、2行目に「環境由来の暴露について不明な点が多いこと等から更に調査を行い、」ということが書いてありますが、例えば、このものはプラスチックの中に可塑剤として使われておりますので、どの程度かは私は今わかりませんけれども、医療用具等からの暴露なども考えられます。そういうものは環境省の中で暴露量も考えていかれるのか、それとも、これからも医療用具に関しては厚生労働省に任せるとお考えなのか、その点を伺います。

【鈴木環境リスク評価室長】 1点目の内分泌かく乱作用については、詳細評価においても、リスク評価室としては行わない予定になっております。あくまでも一般毒性、生殖毒性、発生毒性についての詳細評価を進める。内分泌かく乱物質については、環境安全課の方でSPEED '98の対象物質で取り組んでおりますので、むしろそちらの作業との連携をとりながら、片や、疑われている物質で一般毒性がわかったのにかく乱作用の方がわからないとか、かく乱作用について決着がついたのに一般毒性がわからない、そういった齟齬が生じないような調整はいたしますけれども、この流れでいくものについては、内分泌かく乱物質を除いたまま作業はしていくということを考えております。
 それから、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)については、医療現場そのものの汚染実態については、厚生労働省でどう考えるか。これもまた連携をとりますけれども、環境省としては、そういったものが更に環境中にどういうふうに出ていくのか、それを通じて一般国民の一般環境としてどんな暴露のメカニズムといいますか、実態になるか、その辺をフォローしますので、もちろんデータは情報収集しますけれども、直接その現場に関して調査に乗り出すとか、そういうことはしない予定でございます。

【関澤委員】 今、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)の暴露評価について触れさせていただきましたのは、明日、厚生労働省の内分泌かく乱化学物質の研究班会議がありまして、そこでご報告させていただく予定ですが、例えばビスフェノールなどについても、一番直接的でかつ大量の暴露ルートの1つとして血液透析の場合がございます。それは血液の中に直接入っていくわけですが、暴露量としても他のルートに比べれば無視できないわけですが、私の方でリスク評価を行った結果、問題にならないだろうという結果になったので報告させていただくわけです。そういったことから、環境中から間接的に暴露されるものに比べると、医療用具というのは、暴露の寄与としては大きいものに、限られた人ではありますが、血液透析の場合は40数万人の方が暴露されるということになります。そういったこともあるということで、環境省と厚生労働省でどういうふうに仕分けて考えていくのかというのを確かめておいた方がいいかと思いました。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 ほかにありませんか。

【池田委員】 前回も議論になった部分かもしれませんけれども、総論風に考えて、健康影響を考えるときに、幸いリストの中にはIARCの分類で1になった物質はないのですが、2Aのレベルのものはいくつか入っていますね。このものについて発がん性を除外して評価してこうなりましたというので切っていって本当にいいのだろうかと、その部分でたじろぎがあります。2Aにしろ、特に1だと、何らかの理論、例えばバーチャルセーフドーズを考えるかとか、あるいは場合によってはプロモーターだったらスレッショールドコンセプトを何とか持ち込むとかすることが出来るだろうと思います。この形で公表していくと、文章の中には書いてはあるのですが、環境省としては、あたかも発がん性も含めてこのように判断したかのごとくに誤解される可能性があるのではないか。文章の中にはヘッジは付けてありますけれども、そのヘッジは十分に機能しないのではないか。どうすればいいかと言われると、2Aにしろ何らかの論理構築をやって評価し、それに従ってというのが正攻法だと考えます。これは簡単な道ではないとは思うのですが、しかし、それをバイパスする形で結論だけ出してしまう部分に少したじろぎがあるのですが、いかがでしょう。

【事務局】 実際には健康リスク評価の検討委員会の中で、IARCの分類などを参考に、今後の対応をどうすべきかということはご議論いただいております。ただ、この結果をまとめる中で、結局、議論はしても、まだ我々の手法が確立していないために判定は行っていないわけです。そうすると、ではどうするという、「詳細な評価を行う候補」であるというような結論に至らないわけで、それを持ち出すと相当混乱してしまうだろうということで、今回、4年分の成果のとりまとめにあたっては、一般毒性、生殖毒性等に限り、内分泌かく乱物質も除いて判定して、それを世の中に出していくということにいたしました。発がん性の定量的評価はやっていないというのは、繰り返しといいますか、かなり慎重に説明しながら世の中に出していかなければいけないと思いますが、その対応については、内部的にはより定量的な評価をやるということで、既に平成13年度、本年度の検討会でも検討を始めておりますので、そういった中で取り組むということを情報として加えれば、それは今回は除いたんだな、そして対応するんだなということが少しはご理解いただけるかと思いますので、そこの公表の仕方は工夫させていただきたいと思います。

【鈴木委員長】 結論が出ない、専門家のメンバーの間でいくつかの議論があるというふうな問題に対応して、それをこれからどう進めていくのかということを公表すべきだと私は思っています。それに、いろいろな人の意見を聞いて更に議論していくという方向をとるべきだと思っているわけです。今回のこの文書からいえば、資料1-1の概要の今後の対応に関わった部分の中で、今後の対応をどう進めていくかという進め方の問題で、例えば発がん性に関しては、このように考えて、こういう議論があって、こんなふうに展開していきたいと思っていますというふうに言うべきだろうと思いますし、内分泌かく乱作用に関していえば、一番最初に除いてしまったわけで、除くだけが生きている格好で、あと、どこがどうやってやるのだろうということになってしまいますから、それも、実はこういう構造で我々はこの問題を扱うのですという、委員会内部での議論をもう少し表に出して、それについて更に議論を求めるという方向を考えていってもいいのではないか、結論が出なかった問題に関しての扱い方の問題だと私は思っているのですが、どなたかご意見ありますか。よろしいですか。
 ほかにございませんか。

【岡田委員】 前回欠席したものですから、ひょっとしたら誤解かもしれませんが、非常に素朴な質問をさせていただきたいと思います。資料1-1の3ページ目にA、B、C、Dのランキングを作った表があるのは結構だと思いますが、最後のDランク、「得られた情報では『リスクの判定ができない』」、これで終わっているんですね。先ほどの話と同じかもしれませんが、これは将来どうなるかがこの文章では全くわからないという気がするのです。公表したときにたぶん誰かが、これはどうするのだろうと思うと思いますので、その辺を教えていただければと思います。

【事務局】 「リスクの判定ができない」というケースでございますが、健康リスク、生態リスクのいずれにつきましても、有害性に関する情報がこの時点までには整理しきれなくてこうなっているものもございますし、暴露評価に必要な情報が得られなかったというケースもございます。また、その両面でというものもございまして、ここにははっきり書いてございませんが、足りなかった情報につきましては、今後、有害性の評価又は暴露評価の作業を行う中で情報収集を行い、場合によっては暴露評価については実測等を行っていくことによりまして、情報を得た上で再度この評価にかけるということを予定しております。

【鈴木委員長】 そういうことがわかるように書けという意味ですね。

【岡田委員】 それはそうだと思うのですが、それがわかるようにしていただきたいという意味です。

【事務局】 資料1-1の最後のところに、わかりにくいのですが、図の一番下の方、 「判定不能」というところから点線で上の方にフィードバック・ループを設けてございます。

【鈴木委員長】 専門家だけがわかって、一般の人がわからないというのは困りますよ、そういう議論です。

【鈴木環境リスク評価室長】 ご指摘のとおりでございますので、この概要の中でそういう不安がなくなるようにもう少し文章を付け加えたいと思います。

【鈴木委員長】 書き込んでください。
 ほかにございませんか。
 それでは、特に議論がないようですから、いまの要望を入れた形で資料1-1~1-3についてご了承いただいたということにしてよろしゅうございましょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、2つ目の議題、「平成12年度化学物質環境汚染実態調査結果について」に移ります。事務局どうぞ。

【事務局】 「議題2 平成12年度化学物質環境汚染実態調査結果について」ご説明させていただきます。資料の方は、資料2-1「平成12年度化学物質環境汚染実態調査結果(まとめ)」、資料2-2「平成12年度化学物質環境汚染実態調査結果(平成12年度化学物質環境調査結果の概要」、資料2-3「平成12年度化学物質環境汚染実態調査結果(化学物質経年モニタリング調査結果の概要)」という3つの資料でございます。
 まず、化学物質環境汚染実態調査について、本委員会でご審議いただくのが初めてでございますので、ご精通の先生方が大変多いと思われますが、経緯や調査の進め方について簡単にご説明させていただきます。資料2-1でございます。
 経緯。「化学物質環境汚染実態調査」。お机の方に何冊か置かせていただきました。これは昨年度、平成12年度版でございますが、印刷版としましては、「化学物質と環境」ということで黒い表紙で一般に普及しておりますので、いわゆる黒本調査と呼ばれております。これは、昭和48年の「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」の制定時に、既存化学物質について一般環境中の残留状況の把握を目的として開始し、昭和54年度から63年度までの10ケ年計画で約2千の化学物質からなる「プライオリティリスト」に基づき、「第1次化学物質環境安全性総点検調査」の実施、平成元年度から10ケ年計画で約千百の化学物質からなる第2次プライオリティリストに基づき、「第2次化学物質環境安全性総点検調査」を実施してきたところでございます。また、その他関連調査として、生物モニタリング、非意図的生成化学物質汚染実態追跡調査、水質、底質モニタリング及び指定化学物質等検討調査が拡充されてきました。
 調査の進め方でございますが、調査の全体概要はそこに示した図のとおりでございます。3ステップを踏んで調査が行われております。第1ステップにおいては、環境中に残留している可能性が高いと予想される化学物質の選定、第2ステップでは、これらの物質について環境調査の実施、残留性の実態調査、第3ステップとして、残留性化学物質の中から、特に注意を要する化学物質を選び、継続的な監視と影響評価のための調査を行っているものでございます。

【鈴木委員長】 図では「Phase」という言葉が使われていて、説明では「ステップ」とおっしゃっていますが、どう違うのですか。

【事務局】 特に意味をもって使い分けたところではないのですが、この事業は、他の関連している調査もございますが、3年の1周期で行っておりまして、1年目に物質選定を行い、2年目に実際の調査、分析法開発もありますが、調査をして、それで最終的にそれを評価していくという流れを「ステップ」と書かせていただきました。そこで1つ1つのステップを「Phase」と表現してしまいましたが、「ステップ」の方が適当かもしれません。修正させていただきます。
 続きまして次ページのご説明に移らせていただきます。
 平成12年度調査結果のまとめでございます。実際の資料につきましては、資料2-2、2-3に詳細を書かせていただきました。資料2-2、2-3につきましては、調査の分科会が2つ設置されておりますので、その分科会ごとということで資料2-2、2-3とさせていただきました。
 「1.平成12年度化学物質環境安全性総点検調査の結果」。本調査は、化学物質による環境汚染の未然防止と汚染の早期発見及び適切な化学物質環境安全対策の立案に資するため、化学物質の環境残留性等の安全性について総点検を行うものです。
 (1) 環境調査。水系・大気系の一般環境において、平成12年度は合計27物質(うち新規12物質)--資料2-2の2ページ以降に物性等について記載されております--について環境残留性の調査を実施いたしました。結果は後述するとおりでございますが、平成12年度を含むこれまでの調査の累計は、794物質について調査が行われ、そのうち333物質が一般環境から検出されたこととなっております。
 まず水系調査でございます。水系環境中に残留していると予測されるジオクチルスズ化合物等14物質(群)について、それぞれ残留が予想される媒体(水質・底質・魚類)を選び、資料2-2の9ページに日本地図が出ておりますが、そこにお示しした全国56地点で調査を実施いたしました。
 その結果、資料2-2の11ページ以降に示しますように、水質から1物質(ジオクチルスズ化合物)、底質から4物質、12ページでございますが、魚類から2物質が検出されました。このうちジオクチルスズ化合物--塩化ビニール等の安定剤の原料として用いられるものでございます--については、一定期間をおいて環境調査を行うとともに、関連情報の収集に努める必要があるとされました。
 続きまして、大気系調査についてご説明させていただきます。
 大気系環境中に残留していると予測される1,4-ジオキサン等14物質(群)について、全国22地点で調査を実施いたしました。地点については、10ページに示します地点でございます。
 その結果、14物質(群)すべてが検出されました。このうち有機合成反応溶剤等の各種溶媒に広く使用されている1,4-ジオキサンについては、本調査における環境大気中の検出状況、これまでの環境水中の検出状況及びスクリーニング的に実施した文献調査の毒性情報により、発生源周辺を含めた詳細な環境調査を行い、あわせてリスク評価を行う必要があるとされました。
 1,4-ジオキサンにつきましては、38ページにその評価を記載しております。
 引き続きまして、(2) 底質モニタリング(底質の経年監視)についてご説明させていただきます。詳細については、資料2-3に移らせていただきます。
環境中に残留する物質の底質中の濃度を経年監視する調査であり、平成12年度は化審法第一種特定化学物質を中心に、資料2-3の2~3ページにございます p,p'-DDT等20物質について、資料2-3の9ページにお示しする全国17地点で調査を実施いたしました。
 その結果については、13ページにお示ししております。底質からは20物質すべてが検出されました。
 続きまして、(3) 生物モニタリング(指標生物の経年監視)でございます。生物を対象に、環境中に残留する物質の濃度を経年監視する調査であり、平成12年度は化審法第一種特定化学物質を中心に、17ページに示します18物質について、24ページにお示しする全国20地点の魚類8種、貝類2種、鳥類2種について調査を実施いたしました。
 結果の方は31ページ以降にお示ししておりますが、魚類からPCB、p,p'-DDE等18物質すべて、貝類からtrans-クロルデン、p,p'-DDE等11物質、鳥類からはβ-HCH、p,p'-DDE等8物質が検出されました。これらの物質を中心に今後とも監視を継続することとされました。
 続きまして「2.平成12年度指定化学物質等検討調査の結果」でございます。
 化審法の指定化学物質又は第二種特定化学物質について、環境中での残留性及び人への暴露状況を調査するものでございます。
 資料につきましては、資料2-3の53ページ以降となっております。
 まず、環境残留性調査でございますが、53ページ以降でございます。クロロホルム等9物質について、61、62ページにお示しする全国の水質・底質34地点、大気31地点で調査を行ったところ、64ページに結果を示させていただいておりますが、9物質すべてが検出されております。
 なお、TBT、TPTにつきましては、追ってご説明します3.の有機スズ化合物に関する環境調査の結果の方でまとめさせていただいております。
 (2) 暴露経路調査(日常生活で、人がさらされている媒体(室内空気、食事等)別の化学物質量に関する調査)でございます。
 資料の53ページに調査方法等が載っておりますが、室内空気について、全国8地区各3世帯でクロロホルム等6物質の調査を行ったところ、全6物質が8地区すべてで検出され、食事について、全国8地区各3世帯でクロロホルムの調査を行ったところ、69ページに示しておりますように、8地区すべてで検出されました。
 これら環境残留性調査と暴露経路調査の結果からの考察でございますが、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジクロロプロパン及び1,4-ジオキサンは、環境中に広範囲に残留している。これらの物質について、環境汚染の状況を監視するため、今後とも引き続き調査を実施していくことが必要であるとされました。
 続きまして「3.平成12年度有機スズ化合物に関する環境調査の結果」でございます。資料は89ページからでございます。
 環境中に広範囲に残留しているトリブチルスズ化合物及びトリフェニルスズ化合物について、生物(魚類、貝類、鳥類)、水質及び底質を対象として調査を実施するものでございます。
 調査結果につきましては、次ページ以降に出ておりますが、トリブチルスズ化合物の汚染レベルは、近年では水質については改善、生物については横ばいないし改善、底質については概ね横ばいの傾向にある。
 トリフェニルスズ化合物の汚染レベルは、近年では水質については改善、底質については横ばいないし改善、生物については横ばいの傾向にある。
 考察といたしまして、両物質については、現在、我が国での生産、開放系用途の使用はほとんどないことから、汚染状況は更に改善されていくものと期待されるが、未規制国等の存在に伴う汚染も考えられることから、引き続き環境汚染状況を監視していくことが必要がある。また、内分泌かく乱作用を含め毒性関連知見の収集に努めることも必要であるとされました。
 続きまして「4.平成12年度非意図的生成化学物質汚染実態追跡調査の結果」でございます。資料の方は108ページからでございます。
 PCB類及び臭素化ダイオキシン類(ポリ臭化ジベンゾ-p-ジオキシン:5種類、ポリ臭化ジベンゾフラン:4種類)について、環境中(PCB類は水質、底質、生物及び大気、臭素化ダイオキシン類は底質)の存在状況の調査を実施いたしました。
 まずPCB類についてでございますが、PCBは、昭和47年までに製造、輸入及び開放系用途の使用が中止されたが、依然として広範な地点の環境中に存在しており、平成12年度調査結果でも、全地点の全媒体において検出されました。
 PCBについては、全地球的な汚染監視の観点からも、モニタリングを継続しその消長を追跡する必要がある。また、PCBの環境中の組成等を調査することにより、非意図的生成割合、環境中挙動などの汚染機構の解明に努める必要があるとされました。
 (2) 臭素化ダイオキシン類でございます。
 平成12年度調査により臭素化ダイオキシン類が一般環境中の底質からごく微量ながら36地点中5地点で検出されたが、塩素化ダイオキシン類と比較して存在量は少ない。臭素化ダイオキシン類に関する他の関連情報が少ないことから、毒性や暴露実態に関する知見を収集、解析するとともに、測定感度の一層の向上に努めつつ、存在状況の把握を進める必要があるとされました。
 以上、駆け足でございましたが、資料2-1、2-2、2-3につきましてご説明させていただきました。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 ご質問、ご意見がありましたらどうぞ。

【若林委員】 まず1つは、資料2-1の3ページ目、3.の有機スズ化合物のところだけに特別に「考察」ということが設けられているのですが、ほかのところは「結果及び考察」ということでよろしいのですか。
 もう1つは、こういうモニタリングをやったときに、この場合は生態まで考えなくてもまだよろしいとしましても、健康へのリスクみたいなものをある程度考慮されて、例えば生物モニタリングとかされているのではないか、というか、出口としてそういう見方をしていく必要があるだろうなという気がしまして、大気については、1,4-ジオキサンについては、「リスク評価を行う必要がある」と記されていますけれども、生物モニタリングをした化審法の第一種の物質とか、ダイオキシン等については、この結果が、例えばそういうことに関してどうなのかというような記述は必要ないのでしょうか。それが第2点。
 3番目として、クロロホルムが食事経由で入ってきているということなんですが、これは食事といっても飲み物みたいなものなんですか。どうして入るのかという疑問がありましたので、その3点についてお願いします。

【事務局】 まず1点目についてご説明させていただきます。資料でいうと3.のところでございますが、ご指摘のとおり、結果と考察というふうに分けて、他のところと少し書き方が違うのは、生物モニタリングや指定化学物質等検討調査などからのデータが結果となっておりまして、特にそれらを抽出して解析してこの3.ができております。すなわち、有機スズに関して結果を特出ししているというふうになっております。これにつきましては、この事業自体かなり長く継続されているのですが、特に平成2年度ぐらいにかなり社会的に有機スズが問題になったというところで、それらのデータを集めて、別途、項目を立てて解析しているということが1つ経緯となっているため、このような整理の仕方になっております。
 3点目の方から答えさせていただきます。クロロホルムが食事で調査されているところでございますが、この調査手法は、いわゆる陰膳調査という調査でございまして、食事ごとに分けて何か調査をするということではなくて、ある家庭のある方がお食事をとられると、それと同じだけの量のものを容器に詰めまして、それを合わせたもので測っていくということでございますので、それが飲み物由来なのか、食べ物由来なのかということの詳細については、これだけの結果ではわかりません。

【安達環境安全課長】 2番目のご質問にお答えする前に、この報告書の取扱いについて簡単に説明させていただきたいと思います。
 基本的に、本日ご意見をいただきまして、その後、資料2-1につきましては、必要な修正を行った上で公表したい。その後、更に対象となった化学物質の物性に関する情報あるいは調査しました地点の情報等を加えまして、最終的にはご案内の黒本になって、更に公表するわけでございます。今回ご意見をいただきました資料2-1は黒本による基本的な調査結果をまとめたものでございますが、これを公開する際には、私どもとしての今回の黒本の結果あるいは評価結果を踏まえた取扱いについてもあわせて公表させていただきたいと考えています。
具体的には、例えば資料2-1の1.の(1) 環境調査の2で1,4-ジオキサンがございますが、1,4-ジオキサンにつきましては、最後に「リスク評価を行う必要がある」というふうにまとめております。これにつきましては、私どもとしましては、このリスク評価が必要ということで、そのため、環境保健部でただいま前段で説明のありましたリスク評価を行っておりますので、環境リスク評価室が行っておりますリスク評価によるリスク評価対象物質の候補として優先的に取り扱うというふうなオトシマエをつける予定にしております。
 また、臭素化ダイオキシン類につきましては、資料2-1の最後に「測定感度の一層の向上に努めつつ、存在状況の把握を進める必要がある」というような黒本としての評価結果をいただいておりますので、この黒本調査といたしましては、実態の把握に関する一定の実績を得たことによりまして、今後はダイオキシン類対策特別措置法に基づく臭素系ダイオキシン類調査等により継続していくということを考えております。したがいまして、この黒本の中でやる範囲と、その後のそこでの評価を踏まえてどうするかという話とはちょっと違うということをご理解いただきたいと思います。
 具体的にご質問のございました、化審法対象物質についてのモニタリング結果等をどのように反映していくかということにつきましては、担当室からご説明します。

【早水化学物質審査室長】 私、化学物質審査室長でございますが、化審法と黒本の関係についてご説明いたします。
 基本的に、いま環境安全課長から説明がありましたように、黒本はモニタリングの結果を出すものということで、その結果をどう活用するかということについては、例えば化審法も1つの例でございますが、他に水の部局とか大気の部局とか、そういったところもそれぞれの規制法を持っておりますので、必要があれば、必要なリスク管理にこのデータを活用するということかと思います。
 黒本と化審法の関係でございますが、環境庁の時代は黒本調査しかなかったので、主にこのデータを出すということに重きを置いておったわけですが、昨年から環境省になって化審法の規制部門も担当いたしますので、その連携を図っていく必要があろうと考えております。
 そういった意味で、黒本調査の中に化審法の対象物質としては2種類ありまして、1つは第一種特定化学物質、既に製造・使用が禁止されているもの。それから、指定化学物質なり第二種特定化学物質として、現在使用されているけれども場合によっては規制を強化する必要があるもの。その2つに分かれるかと思います。
前段の「一特」につきましては、基本的に黒本調査において、既に禁止されているものについて、今後、環境中にどういうふうに残っているかというのをどちらかというとフォローしていくということの意味合いで結果をみておりまして、この結果で改めてリスク評価をするということは考えておりません。
 ただ、後者の、特に1,4-ジオキサンとか、そういったものになろうかと思いますが、指定化学物質であったり、あるいは第二種特定化学物質であるものが、更に規制を強化しなければいけないかどうかということについては、これからこのデータを活用していく必要があると考えております。リスク評価の結果を踏まえて、必要があれば対応するという形で、今までより以上にこのデータの活用が大事であると考えております。

【鈴木委員長】 いまの話でよろしいですか。
 問題は、例えば黒本調査でやられている調査が、今年の分は全体像の中のどの部分をカバーしたのか。出てきた結果、環境化学物質対策問題を考えていく上で、どこにどうつながっていくのだろうか、そういう構造がすぐには見えない。それが見えてしまうと、実は早水さんたちが失業するのかもしれませんけれども。環境省内部でも実はそういう問題が起こると思うのですが、せっかく貴重な黒本が出てきて、この黒本で何がわかるか、その辺のストラクチャーが見えないんです。そこら辺にポイントがあるのではないか。

【中杉委員】 いまの早水さんのお答えに絡んで、若林先生の質問に絡んでいるのですが、たぶん一特はもう製造・使用を禁止しているから、それ以上の対応はないというのが基本的な考え方なんだろうと思うのですが、これは環境保健部の対応ではないかもしれないけれども、環境中に残留しているものがどうだというPOPs 的な意味合いでの評価というのは当然あるべきで、それはたぶんこの中ではない。別にやるという話だろう。これは逆にいえば、必要であれば浄化するという話で、初期リスク評価の中にもディルドリンとアルドリンのドリン剤が入っていますが、そういう観点で少し始めているだろうと思います。というのが私の若林先生の質問に対する考え方です。
あと意見を少し申し上げたいと思います。
 1つは、2.の指定化学物質の調査のところで (3)の環境残留性調査の部分ですが、ここに何物質か挙がっていて、「今後とも引き続き調査を実施していくことが必要である」という記述がございます。実はこの中のクロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2-ジクロロエタンというのは、大気のモニタリングを続けているわけですが、大気については、大気局でやっている有害大気汚染物質の中で、もっと大規模で広範な調査が継続的に行われることになっていて、そこに更にこういう調査を追加することの意味合いはどういう意味なのだろうかとちょっと疑問を感じるわけです。全体としては、もっとほかに調査すべき対象があるのではないか。確かにこの中で1,2-ジクロロプロパンと1,4-ジオキサンについては、1,4-ジオキサンは水局の方で調査を始めていますので、そちらに委ねてしまうというのもあるかと思いますが、全体としてそういうふうな整理をしていかないと、いつまでも新しいものにかかれなくて、同じものを続けていくことになると思います。
 もう1つは、1.の(1) の環境調査、これは私も評価に関わらせていただいたのですが、ここの評価のところで気になるのは、水系調査ではジオクチルスズ化合物だけが挙げられていて、大気の方では1,4-ジオキサンだけが例示として挙げられている。その他の物質については全く触れられていないというのはちょっとまずいのではないだろうか。
 例えば、レベルは少し落ちるにしても、何らかの対応が必要だというふうに考えて、この文章の中に入っている、そこがわかるような表現をしておいていただいた方がいいのかと。これだけを見ると、この2つの物質それぞれ注目すればいいのだなという判断をしてしまうのは、誤った判断を誘導することにならないだろうかと思います。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 ほかにございませんか。

【関澤委員】 いま中杉先生の話でもジオクルチスズの話が出て、若林さんの話でも有機スズの話が出ましたが、コメントになるかと思いますけれども、これまでトリブチルスズとフェニルスズなどは測ってこられたのですが、ジオクチルスズと同じようにジブチルスズは塩ビの可塑剤に使われているのではないかと思います。このことについては、WHOでもいま飲料水のガイドラインを検討しようとしています。アメリカの環境保護庁では、塩ビのパイプにジブチルスズが使われているのではないかということで検討していると思います。
 トリブチルだけを測って、ジブチルをなぜ測らないかということなんですが、毒性からいいますと、トリブチルが後でジブチルに代謝的に変換されたり、環境中でも恐らく分解されてくると思いますが、このものの方がより直接的な毒性物質であるということがいろいろな面から明らかになってきています。その意味で、体の中でよりプロキシミットな毒性物質であるジブチルスズを測る必要があるのではないか、というコメントになります。いままで恐らくトリブチルを測っていればジブチルも測られているのだろうと思うので、そういうデータがあるのかないのか、それについてお尋ねしたいと思います。

【事務局】 まず、いま関澤委員からご指摘ございましたジブチルスズでございますが、ジブチルスズにつきましては、1年前の調査で実施しておりますし、昭和58年、59年、平成10年と調査の方は実施しております。それは調査結果でございます。
 あと、中杉委員からご指摘のありました有害大気の調査と私どもの行っています指定化学物質の調査との関係、整合性についてでございますが、環境省全体で、環境管理局で、大気、水その他土壌等、他の物質もいま測定されておりまして、それらの調査と関連付けたり棲み分けを行っていくということは、全体としては大変重要なことで、今後取り組んでいきたいと考えております。特に有害大気につきましては、私どもの調査は、特に化学物質暴露量調査という観点からそれを補完するという意味もございますので、今後も継続していきたいと考えております。最後に「その他」のところでご説明させていただきますように、本調査につきましては、現在、見直しをご検討いただいているところでもございますので、それらも含めまして、また今後ご議論をさせていただければと思っております。

【鈴木委員長】 実は最後に黒本調査のこれからの在り方というのが事務局側から提案されているんです。

【安達環境安全課長】 大気の調査とダブっているではないかということですが、そういうことがないよう基本的に、同じ省内でやっておりますので、今後、連携をとりつつ進めていきたいと思います。

【鈴木委員長】 連携が自然にとれるような形を考えないといけないので大変なのではないですかね。一生懸命頑張らないと連携がとれないというのでは困るのではないかと、悪口をいえばそういうことになる。
 それでは、この報告は承って了承して、最後に「その他」ですが、事務局どうぞ。

【事務局】 「その他」といたしまして、参考資料2に基づきご説明させていただきます。「『化学物質環境汚染実態調査』(黒本調査)の見直しについて」でございます。
 経緯につきまして、上段は先ほどご説明したとおりのことでございます。
 後段の方、一方、近年においては、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)の施行、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の採択、内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)問題への対応、化学物質の環境汚染に関する対策の進展や状況の変化が現在急速に進んでいるところでございます。
 こうした化学物質と環境問題を巡る状況の変化と今日的な政策課題に対応するため、化学物質環境汚染実態調査については、これまでの成果や実施体制を踏まえつつ新たな視点に立って再構築を図る必要があり、今後の本調査の在り方について検討会を設置して検討を進めているところでございます。
 検討委員につきましては、そこに示させていただいた6人の先生方でございます。
 検討項目につきましては、(1)化学物質と環境に関する状況変化と環境汚染実態調査の課題、(2)新たな課題に対応するための化学物質環境汚染実態調査の役割、在り方、(3)そのための具体的な方策等でございます。
 検討予定につきましては、既に昨年の11月から2回開催しておりまして、平成13年度内に3回程度開催いたしまして、その後、関係する自治体・専門家の意見も聴取した後、報告書を取りまとめこととしております。
 以上でございます。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 ご関係の先生で今ここにご出席の方で何か付け足すことはございませんか。

【池田委員】 たまたま自分の名前が検討委員の中に出ておりますので、少し付け加えさせていただきます。先ほどから沈黙を守っていたのはそのせいではございません。
 先ほど委員長からご指摘のありました黒本調査の全体像がどうなっているかというのは、「経緯」の最初のパラグラフに出てきますように、黒本調査の対象物質はプライオリティリスト方式で決めていくという形で進行しておりました。最近、PRTRで何が出てくるかまだわかりませんけれども、POPsに関しては、既存12POPs、場合によってはファーザーPOPsが出てまいります。内分泌かく乱物質についてもいくつかの議論があることはご存じのとおりです。こういういろいろな、ある意味での需要が新しく生じてきました。それと従来の黒本方式、つまりプライオリティリスト方式で絞り込んできた物質の共存といいますか、整合性をどうやってもたせていくかというのが1つの大きなトピックです。
 もう1つは、分析していく場合に、特に、例えば先ほどの有機スズ化合物の場合に、典型的ですが、どんどん環境中濃度が下がってきますと、今度は検出下限をどうして下げていくかが問題で、測定値が意味をもつような分析方法でなければいけないわけです。その部分でなお改善が必要なのではないか。その2つが今のところ大きなトピックです。

【鈴木委員長】 どうもありがとうございました。
 ほかにございませんか。
 それでは、本日の主要議題はこれで終了しました。
その他に事務局から何かありますか。

【事務局】 本日の会議録につきましては、事務局でまとめさせていただきまして、ご出席いただいた委員のご了解を得た上で、各委員に配布いたしますとともに、公開ということにさせていただきたいと思います。
 また、この会議録及び議事要旨につきましては、公開して、環境省のホームページに載せさせていただきたいと考えております。
 以上でございます。

【鈴木委員長】 どうもありがとうございました。
 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。

--了--

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