平成19年度第8回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会科学物質調査会 化学物質審議会第70回審査部会 第74回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会合同審議会議事録【第一部】

1.日時

平成19年12月21日(金) 13:00~14:00

2.場所

中央合同庁舎第5号館 低層棟2階 講堂

3.出席(五十音順、敬称略)

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会委員

化学物質審議会審査部会委員

中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員

事務局

4.議題

  1. 1.前回審議結果の確認
  2. 2.既存化学物質の審議等について
    1. (1)分解性・蓄積性について
    2. (2)人健康影響・生態影響について
  3. 3.その他

5.議事

○MHLW事務局 時間がまいりましたので、ただいまから「平成19年度第8回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 化学物質審議会第70回審査部会 第74回中央環境審議会環境保全部会化学物質審査小委員会合同審議会」を開催したいと思います。
 本日はいずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしており、それぞれの審議会は成立していることを御報告いたします。
 また、各審議会から本日の会合への具体的伝達手続はそれぞれの省により異なりますが、化審法第41条に基づく新規化学物質の判定に関する諮問が大臣よりなされている審議会もございますので、よろしくお願いいたします。
 なお、本審議会は既存化学物質の審議と新規化学物質の審議を第1部と第2部に分けて実施し、本日は13時~15時30分までを第1部として既存化学物質の審議を公開で行います。終了後、休憩を挟みまして、第2部として通常の新規化学物質等の審議を行いますので、よろしくお願いいたします。
 審議に入ります前に、お手元にお配りした資料の確認を行いたいと思います。
 まず一番上に議事次第。
 資料1-1として、平成19年10月既存化学物質点検結果資料。
 資料1-2として、前回既存化学物質審査シート(人健康影響・生態影響)。
 資料1-3として、前回の公開審議会の議事録になっています。
 資料2-1として、平成19年12月の既存化学物質点検結果資料。
 資料2-2として、既存化学物質審査シート。
 資料2-3として、既存化学物質の人健康影響に関する情報。こちらは頭紙のページのところに誤りがございまして、表紙だけ差し替えが挟んであります。
 資料2-4として、既存化学物質の生態影響に関する情報。
 参考1として、委員名簿。
 参考2-1として、既存化学物質への該当性の判定等に係る試験方法及び判定基準。
 参考2-2として、水溶性ポリマーの生態毒性について。
 参考3として、特定化学物質及び監視化学物質の要件及び評価のための試験項目について。
 参考4として、既存化学物質審査物質(人健康影響・生態影響)に係る分解性・蓄積性データ。
 最後に、前回審議会指摘事項回答となっております。
 不足等はございませんでしょうか。
 それでは、本日の全体の議事進行につきましては、薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会座長の江馬先生にお願いしたいと思います。

○江馬座長 初めに、本日の会議の公開の是非についてお諮りします。各審議会の公開につきましては、それぞれ規定のあるところですが、本日の会議のうち、第1部は公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または特定な者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合等、非公開とすべき場合には該当しないと考えますので公開したいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○江馬座長 ありがとうございます。
 それでは、本日の第1部は公開といたします。公開の会議の議事録は後日ホームページ等で公開されますので、あらかじめ御了承をお願いします。
 まず議題1の「前回の審議結果の確認」について、事務局から説明をお願いします。

○MHLW事務局 前回の審議結果につきましては、委員の方々の御指摘を踏まえ、資料1-1~1-3のとおり、審査シート、議事録等をとりまとめさせていただいております。御意見等がございましたら、本日の会議終了までにお申し出いただければと思います。
 御意見等がございませんでしたら、内部の手続が終了次第、各省のホームページ上で公開させていただきます。よろしくお願いいたします。

○METI事務局 続きまして、経済産業省事務局から10月の公開審議会において御質問をいただきました事項について、回答させていただきたいと思います。
 お手元の資料の一番最後に1枚紙が添付されているかと思います。そちらの資料で説明させていただきます。
 前回、既存化学物質の3省合同審議会におきまして、今日お配りしております資料1-1の最後の物質の点検結果について、委員から、対水溶解度が335μg/Lに対してLC50が1.57mg/Lとなっておりました。飽和溶液を使う方法では助剤を使用しないと整合が取れないのではないかという御意見を北野先生からいただいたところでございます。
 また、助剤を使ったのであれば、その助剤による毒性の影響はないのかというような御懸念だったかと思います。ラボに確認をいたしましたところ、以下のような回答でございました。
 濃縮度試験におけるLC50の試験では、助剤を使用してございます。そのため対水溶解度より高い値となっております。今回使用した助剤はHCO40を被験物質に対して40倍量使用し、ジメチルホルムアミドに溶解して9.09g/Lの原液を調整しております。被験物質のLC50値は1.57mg/Lであり、この濃度での各助剤の濃度はHCO40でおよそ70mg/L、ジメチルホルムアミドでおよそ172mg/Lとなります。
 HCO40のLC50値は70,400mg/L、ジメチルホルムアミドのLC50値は11,200mg/Lであるため、被験物質中の助剤濃度は各LC50値より100分の1以下でありますので、助剤による毒性はないものと考えられますという回答でございます。
 本件につきまして、今日御欠席であります北野委員に事前にお知らせしたところ、御了解いただきました。
 以上、簡単でございますけれども、報告させていただきました。

○西原部会長 それでは、既存物質の審議に入らせてもらいます。
 まず分解性と蓄積性ですが、事務局から説明をお願いいたします。

○METI事務局 資料2-1に基づきまして、説明させていただきます。
 今回3物質でして、それぞれ判定案が異なりますので、1物質ずつ説明をして、その後に御審議いただきたいと思います。
 それでは、1物質目、K番号1793でございます。分解度試験の結果、BODの平均は57%とわずかに60%よりも下ですが、3つの試験容器のうち2つで60%を超えております。また、試験が終了する28日までの間、BOD直線は上昇傾向にありました。逆転法による分解度試験を実施しましたところ、BODの平均値が81%となっております。
 いずれの試験におきましても、HPLCクロマト上に変化物が検出されておりませんので、以上のことから、良分解性と思われます。
 以上、御審議をお願いいたします。

○西原部会長 ただいまのこの物質に関しては良分解ということですが、御意見等はございませんでしょうか。欠席の委員からのコメントもないですね。逆転法ですけれども、よろしいですか。
 それでは、良分解ということで、次の物質をお願いします。

○METI事務局 続きまして、K番号1794番の物質でございます。本物質につきまして、分解度試験の結果、被験物質はほぼ定量的に残留しておりますが、一部構造変化したことにより微量ですが3つの変化物が生成しております。
 資料の3ページの右下の備考欄に記載してありますように、一番下のアニリンを除く3つの成分が検出されました。難分解性と思われます。後続試験としましては、被験物質による濃縮試験を実施したいと考えております。
 以上、よろしくお願いいたします。

○西原部会長 まず分解性についてですが、難分解ということでよろしいでしょうか。
 では、分解性に関しては難分解性。
 後続試験ですが、被験物質によって濃縮度試験を行うということですが、よろしいでしょうか。分解産物が出ていますが、いずれもKowが小さいということもあるし、水には溶けやすいです。よろしいでしょうか。

○内田委員 この物質の濃縮性は、親でだけではなくて、ヒドロキシジフェニルアミンのベンゼン骨格を持った方のものも追跡しないと心配ではないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○METI事務局 3ページの資料を見ていただけますでしょうか。ヒドロキシジフェニルアミン及びN-フェニル-p-ベンゾキノンイミンにつきましては、蓄積性の試験を実施しておりまして、既に高濃縮性でないというデータが得られております。

○内田委員 わかりました。見落としていました。

○西原部会長 よろしいでしょうか。後続試験に関しては親物質でやると。分解産物に関しては、もう既に高濃縮でないという結果が出ているということです。
 それでは、その次の物質をお願いします。

○METI事務局 最後の物質になります。K番号1759番の物質でございます。本物質の分解性につきましては、平成17年11月18日の3省合同審議会におきまして、難分解性であるとの判断をいただいております。今回、被験物質による濃縮度試験を実施しました結果、定常状態における濃縮倍率が第1濃度区で350倍、第2濃度区で330倍であったことから、高濃縮性ではないとしております。
 以上、よろしくお願いいたします。

○西原部会長 それでは、3番目の物質、高濃縮性ではないということですが、結果としてよろしいでしょうか。
 それでは、事務局案どおりにさせていただきます。

○江馬座長 次に、議題2の「(2)人健康影響・生態影響について」、事務局から説明をお願いします。

○MHLW事務局 それでは、お手元にございます資料2-2に基づいて、御説明申し上げます。審査シートの1ページ、化学物質名は2-エチルヘキシル=ビニル=エーテルでございます。
 それでは、資料2ページの人健康影響の判定根拠のところをごらんください。Ames試験及び染色体異常試験は陰性であるが、NOEL8であることから、第二種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○江馬座長 まずAmes、染色体異常について、コメントをお願いします。

○林委員 Amesと染色体異常試験ともに陰性として結構かと思います。コメントはありません。

○江馬座長 よろしいでしょうか。反復投与試験について、コメントをお願いします。

○菅野委員 予備試験で1,000及び500mg/kg/dayでの死亡があったということで、比較的低い125をトップとする試験がなされておりまして、NOELは8という結論ですが、推定根拠は肝臓の所見が主でございます。それと腎臓に変化が及んでいるということ、回復性がよくないということ。結論としてこの8mg/kg/dayで結構かと思います。

○江馬座長 ありがとうございます。そのほかはよろしいでしょうか。
 この物質につきましては、Ames試験及び染色体異常試験は陰性であるが、NOELは8mg/kg/dayであることから、第二種監視化学物質相当で、事務局案どおりとさせていただきます。
 次の物質について、説明をお願いします。

○MHLW事務局 御説明いたします。審査シートの3ページになります。名称は2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノールでございます。
 結果の方ですが、Ames試験は陰性、染色体異常試験は軽微な陽性、28日間反復投与試験につきましてはNOEL15とさせていただいております。
 人健康影響判定根拠ですが、Ames試験は陰性、染色体異常試験は軽微な陽性であるが、NOEL15であることから第二種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議をお願いいたします。

○江馬座長 ありがとうございます。
 まずAmes、染色体異常について、コメントがございましたらお願いします。

○林委員 Ames試験はこれでいいと思います。染色体異常の方ですが、これも異常も非常にわずかな増加でして、事務局案どおり軽微な陽性ということでいいと思います。

○江馬座長 そのほか染色体異常試験、Ames試験のコメントはよろしいでしょうか。
 次に反復投与試験について、コメントをお願いします。

○前川委員 まず試験を行う前に14日間の予備試験を行いまして、1,000、500、250、125の4用量で予備試験を行いました。その結果、最高用量で非常にたくさんの動物が死亡しているということと、それ以外に250以上で肝臓の重量増加、あるいは腎臓の重量増加というようなことで、肝臓への影響が示唆されております。
 そういうことで、本試験は最高用量を250として、以下60、15の3用量で行いました。その結果、先ほど御説明がありましたように、特に肝臓への影響が重量の増加、肝臓の小葉中心性の肝細胞肥大、いろいろと血液生化学的にも脂質代謝に影響を及ぼすようなパラメーターに動きが出ております。
 それ以外に甲状腺の方にも濾胞上皮細胞の肥大という変化が雄の60以上、雌では250で見られております。ただ、この甲状腺の変化は、恐らく甲状腺に対する直接的な影響ではなくて、肝臓に対する影響の結果としてのセカンダリーな変化というように思われます。
 以上のようなことから、NOELは15ということではあり、第二種監視化学物質相当と思われます。

○江馬座長 ありがとうございます。そのほかに反復投与試験についてのコメントはよろしいでしょうか。
 よろしいようでしたら、本物質につきましては事務局案どおり、第二種監視化学物質相当とさせていただきます。
 次の物質について、事務局から説明をお願いいたします。

○MHLW事務局 審査シートの5ページ、化学物質名は2-ナフチルイソブチルエーテルでございます。
 Ames試験については陰性、染色体異常試験は陰性、28日間反復投与毒性試験につきましては、肝臓の相対重量の増加、結腸の組織学的所見を推定根拠といたしまして、NOELを20と設定させていただいております。
 6ページに変わりまして、判定根拠といたしましては、Ames試験及び染色体異常試験は陰性であるが、NOEL20であることから第二種監視化学物質相当とさせていただいております。
 御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○江馬座長 まずAmes試験、染色体異常につきまして、コメントをお願いします。

○林委員 このものも、ともに陰性として問題ないと思います。

○江馬座長 そのほかはよろしいでしょうか。反復投与試験について、コメントをお願いします。

○高木委員 このものの予備試験として、1,000、300、100、30mg/kgで14日間の試験が行われております。その結果、1,000の用量で死亡例が見られております。この本試験では最高量を500として公比5として試験を実施しております。死亡は雌の500mg/kgで2例見られております。
 NOELの推定根拠といたしましては、そこにありますように消化管への影響、結腸の粘膜上皮細胞の核分裂像増加が100mg以上の雄と500mgの雌で見られています。そのほかといたしましては、前胃では扁平上皮過形成、盲腸では上皮の好塩基性変化等が見られています。
 その他といたしましては、前立腺の腺房萎縮が見られており、また副腎にも変性、壊死等が見られております。血液学的には赤血球の減少が雌の500で見られており、恐らく溶血によるものと思われます。
 以上の結果、NOEL20mg/kg/dayということで結構かと思います。

○江馬座長 ありがとうございます。そのほか反復投与毒性につきまして、コメントがございましたらお願いします。

○前川委員 今、御説明がありましたように、メインの変化は消化管でして、これは恐らく刺激性によるものでしょうけれども、それだけではなくて、いろいろな臓器にいろいろな変化が出ている。特に回復性も悪いということを考えますと、NOEL20ということでぎりぎりに近いような量ではありますけれども、毒性の内容を考えれば第二種監視化学物質相当でよろしいかと思います。

○江馬座長 第二種監視化学物質相当で結構だということにつきまして、コメントはよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 本物質につきましても、人健康影響は第二種監視化学物質相当とさせていただきます。
 次の物質について、事務局から説明をお願いします。

○MOE事務局 審査シートの7ページ、1,8-ジアミノナフタリンでございます。
 藻類生長阻害試験でございますが、光による分解が見られておりまして、24時間後の親物質の残留率が設定値の0.8~22%となっておりますので、事務局から参考として24時間の毒性値を記載させていただいております。
 ミジンコ及び魚類につきましては、遮光条件で試験が実施されております。魚類試験の毒性値が図示法により算出されておりますが、プロビット法が推奨される旨を試験機関に伝達したいと考えております。
 生態影響判定根拠でございますが、藻類生長阻害試験において72時間ErC50が0.48mg/L、72時間のNOECrが0.1mg/L、ミジンコ急性遊泳阻害試験において48時間EC50が0.17mg/L及び魚類急性毒性試験において96時間LC50が5.6mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○江馬座長 生態影響につきまして、コメントがございましたら、お願いします。

○吉岡委員 先ほど事務局から御説明がありましたように、この物質は光によって分解を引き起こします。ミジンコと魚類につきましては遮光条件で行われておりますが、藻類についてのみは遮光条件が適用できませんので、普通の試験に基づいて行っております。その結果、長期になりますとほとんど分解してしまって検出できないというような結果に陥っております。
 参考といたしまして、審査シートのポツのところに書いてございますように、0~24時間の間のEC50あるいはNOECの値が記載されております。恐らく物質の毒性としてはこちらの方のレベルが正しいのかなという感覚を持っております。なお、試験濃度の光分解におきまして、濃度とその分解性のところのデータが少しずれておりますけれども、この原因は定かではございません。
 以上でございます。

○江馬座長 ありがとうございます。そのほかはよろしいでしょうか。

○西原部会長 光で酸化されて、そこから分解していくと思いますけれども、分解度試験のときに、その分解産物の同定はやっていなかったのですか。私はある程度で分解が止まるような気がするんです。完全に分解するのではなくて、まず第一段階。

○米澤委員 もとのデータは覚えていないのですが、構造からしますと汚泥に吸着をした成分がそのまま回収されているという可能性はあったと思います。たしか液中に完全に分解していますと酸化が結構進むと思いますが、河川汚泥に吸着してしまいますと、内部に抱きこまれて分解しなくなるケースがあります。そのケースであったかもしれません。これはまた推測でわかりませんが。

○西原部会長 分解性試験のボトルの中でというよりも、むしろ水系でしょうね。そういう情報があれば、ひょっとしたら濃度が低いというのは、今は測っているのはこの物質の濃度ですね。分解産物の方の毒性は考えられないのかなという気がしました。

○MOE事務局 補足させていただきますが、24時間以降は毒性がほとんど見られておりませんで、分解物による影響はないのではないかという考察がございます。

○江馬座長 そのほかはよろしいでしょうか。

○吉岡委員 確か魚類急性毒性試験の報告書の中だったと思いますけれども、100%死亡が8.5mg/Lであると判断したというふうに書かれております。これは「である」と書くべきもので「判断した」と書くべきものではないだろうとは思います。
 以上です。

○江馬座長 そのほかはよろしいでしょうか。生態影響判定は第三種監視化学物質相当でよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○江馬座長 どうもありがとうございます。本物質の生態影響につきましては、第三種監視化学物質相当させていただきます。

○西原部会長 それでは、続きまして、2-365の物質、イソアミルエーテルの御説明をお願いします。

○MOE事務局 審査シートは9ページでございます。物質名はイソアミルエーテルでございまして、3種の試験とも結果は記載のとおりでございます。特段問題はないと考えております。
 判定根拠でございますが、魚類急性毒性試験において96時間LC50が6.8mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○西原部会長 ただいまの御説明ですが、エーテルですがコメントをお願いします。

○吉岡委員 試験法及び結果といたしましては、特に問題はないと考えております。
 以上です。

○西原部会長 よろしいでしょうか。お願いします。

○若林委員 藻類生長阻害試験の濃度の低下原因は確かに揮散なんでしょうか。例えば魚類の開放系の試験でもそんなに減っていませんね。一応、藻類の密閉系といっても、穴のあるシリコン製の蓋か何かでやっていると思うんですけれども。

○MOE事務局 密閉系と書かせていただいている場合は、シーリングしたもので試験をしております。恐らく振とう培養による影響ではないかと。藻類のみ振とう培養しているというのでということです。

○若林委員 振とうしているから揮散したということですか。今おっしゃったように、密閉はしているんですね。ちょっと解せないなと思ったんです。

○吉岡委員 実際に密閉系でやるように努力はしているとは思います。しかしながら、動かしたりするような場合に完全密閉を保つとかいうようなことは難しいし、解釈としては揮散という形を取りますけれども、現実にはどうなっているかということまではわからないだろうとは思っております。
 以上です。

○西原部会長 若林委員、いいですか。

○若林委員 光の安定性というのはいいというふうに調べられたんですか。

○西原部会長 これは安定だと思います。

○若林委員 わかりました。

○西原部会長 そのほかの委員の先生方、よろしいでしょうか。
 それでは、この物質に関しても一応事務局案ということで、第三種監視化学物質相当ということで評価させてもらいます。
 それでは、次の物質をお願いします。

○MOE事務局 審査シートの11ページ、ベイシックエロー-2でございます。
 結果は審査シート記載のとおりでございます。
 判定根拠でございますが、本物質は芳香族アミンを構造中に有していることから、芳香族アミンを構造中に有し、かつミジンコ急性遊泳阻害試験において48時間EC50が4.6mg/Lであり、藻類生長阻害試験において72時間ErC50が0.34mg/L、72時間NOECrが0.026mg/L及び魚類急性毒性試験において96時間LC50が6.0mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○中杉委員長 本物質に関するコメント等をお願いします。生態影響。

○吉岡委員 藻類生長阻害試験のところで、濃度の低下が起きておりますけれども、先ほども御質問があったように、分解あるいは藻類への吸着が原因だろうということで、実際に例えば藻類がないところに物質を入れてみて、どう変わっていくかという実験もしております。現実がそうであるのかどうかということまではわかりませんが、納得の行くような結論だろうと思っております。それ以外の試験につきましては、特に問題はないと感じております。
 以上です。

○西原部会長 そのほかの先生方からコメントはございませんでしょうか。これは名前から見て、黄色の色素ですね。藻類で光の影響は黄色は余り関係ないんですか。あるいは薄いから問題ないのかな。黄色もしくは黄金色の鱗片状結晶になっています。

○吉岡委員 もし色の影響が問題であるというのならば別の試験を行って、色であるかないかということを確認する必要がございます。そういう意味では、これは第三種監視化学物質に相当するとなっておりますけれども、もしその部分でいけるならば、藻類の部分が除かれるという形になります。ただし、魚類急性毒性は残りますから、三監そのものは残るかと思います。

○MOE事務局 その点につきまして、試験機関に考察を求めておりまして、試験機関の方で被験物質が入ったものと入っていない培地のみのもので光の強度を見ておりまして、特段その差はないというようなデータを得ております。申し訳ございません。

○西原部会長 結構です。そのほかの先生からコメントはございませんでしょうか。
 それでは、本物質に関しても事務局案どおり、第三種監視化学物質相当ということにさせてもらいます。
 それでは、その次の物質をお願いします。

○MOE事務局 審査シートの13ページ、t-ブチル-p-ヒドロキシアニソールでございます。
 結果は記載のとおりでございます。生態影響判定根拠でございますが、魚類急性毒性試験において、96時間LC50が5.8mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○西原部会長 生態影響についてですが、コメントはございませんでしょうか。

○吉岡委員 試験法と結果ともに問題ないと考えます。

○西原部会長 そのほかの先生から大丈夫でしょうか。これは藻類なのであれですけれども、多分フェノール基を持っていますから抗菌性は持っていると思います。これは毒性試験をした場合ですね。先ほどもありましたけれども、そのほかの先生方でコメント等はございませんでしょうか。
 それでは、この物質に関しても第三監物質相当と判断させてもらいます。
 その次の物質をお願いします。

○MHLW事務局 審査シートの15ページになります。物質名称は3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンジルアミンでございます。
 人健康影響でございますが、平成14年12月26日に告示済みでございますが、第二種監視化学物質相当となっております。

○MOE事務局 続きまして、生態影響に関して申し上げます。結果は記載のとおりでございますが、こちらも藻類試験において被験物質の濃度の低下が見られておりまして、試験機関は揮散によるのではないかと考察しております。
 生態影響判定根拠でございますが、脂肪族アミンを構造中に有し、かつミジンコ急性遊泳阻害試験において48時間EC50が5.5mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○西原部会長 本物質に関しても環境影響の方でコメントはございませんでしょうか。

○吉岡委員 ミジンコ急性遊泳阻害試験において、その濃度の低下云々というような記載がございますけれども、この設定濃度と実測濃度と幾何平均値を用いておりますけれども、それほど大きな違いがないので、細かいところまで関心を持って調べているんだなというのが印象でございます。特に問題はないと考えております。
 以上です。

○西原部会長 この物質は揮散性がありますか。確かにフッ素は入っていますけれども、あったとしても構造上からは、そんなに大きなものではないという気がします。濃度もこれだったら誤差範囲に近いのではないですか。
 この物質に関して、ほかにコメント等はございませんでしょうか。
 では、この物質に関しては、人健康はもう既に二監相当という審議を得ておりますので、生態影響については今回、第三種監視化学物質相当ということで判断させていただきます。
 次をお願いいたします。

○中杉委員長 次は2,6-ジクロロトルエンです。資料の御説明をお願いします。

○MHLW事務局 審査シートの17ページ、2,6-ジクロロトルエンでございます。
 こちらの物質の人健康影響につきましては、収集された情報からは第二種監視化学物質相当に該当するとは判断されないと、既に審議済みとなっております。

○MOE事務局 続きまして、生態影響に関して申し上げます。審査シートの18~19ページでございます。
 本物質については、試験実施者は濃度の低下がございまして、揮散が原因であると考察をしております。また、藻類生長阻害試験において密閉系の試験であり、72時間平均生長速度の変動係数が35%を超えるため、毒性値は48時間生長速度を用いて算出しております。
 19ページ、生態影響の判定根拠でございますが、藻類生長阻害試験において、48時間ErC50が1.8mg/L、ミジンコ急性遊泳阻害試験において48時間EC50が0.38mg/L及び魚類毒性試験において96時間LC50が2.3mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。
 御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○中杉委員長 人健康についてはもう審議済みでございますので、生態毒性についてのコメントをいただけますでしょうか。

○吉岡委員 事務局から説明がありましたように、揮発性が高いものですから、密閉系の試験が全部で行われております。試験そのものは問題はないと判断をしておりますが、ただ、他の情報、毒性情報のところの値と少しずれが生じる場合がございます。
 その前に他の毒性情報のところで、Daphnia magnaの24時間EC50というのは、48の間違いではないかと思います。後で御確認ください。それから、藻類の72時間EbC50が18、NOECbが10ではないかなと思います。これも後で御確認ください。
 OECDの報告とこちらの今回行われた値というのは、大きく違いますのが藻類生長阻害試験ということになります。これは10倍違ってくる形になります。そういう意味でどちらを取るのかなというふうには思いますが、もともと密閉系で行われるようなものは値がばらつく可能性があるので、最新の情報を取るべきか。または低い情報を取るべきかなと思います。方法等は問題ないと思います。
 以上です。

○中杉委員長 確認をしてください。

○MOE事務局 こちらに記載させていただいている参考情報ですが、これはもともと引用している試験が平成4年環境庁で実施の試験でございまして、こちらの報告書を見たところ、この記載内容のとおりのデータがございました。OECDの方のデータが転記ミスなのかわからないのですが、ミスがありまして、担当部署の方に連絡しておりまして、修正をするように今、検討中でございます。申し訳ございません。

○中杉委員長 原典の方に当たってということでございます。よろしいでしょうか。
 そのほかにコメントはございますでしょうか。判定としては三監相当でございますけれども、よろしいでしょうか。

○西原部会長 データは別に問題はないんですけれども、これは揮発性はそんなに高くはないと思います。蒸気圧を見ても0.1mg以下で小さいです。密閉系でやっているから、別に問題はないと思います。

○中杉委員長 水に溶けないから、若干そういう意味では揮発しやすくなるということはありますね。よろしいでしょうか。
 それでは、この物質にほかに御意見がないようでしたら、人健康は審議済みでございますので、生態毒性について今回、第三種監視化学物質相当という判定をさせていただきます。
 それでは、続きまして、6-tert-ブチル-2,4-キシレノールについて、資料の御説明をお願いします。

○MHLW事務局 御説明します。審査シートは20ページになります。物質名称は6-tert-ブチル-2,4-キシレノールでございます。人健康影響につきましては既に審議済みでございまして、第二種監視化学物質相当となっております。

○MOE事務局 続きまして、生態影響に関して申し上げます。藻類生長阻害試験において、本試験は密閉系で実施されておりますが、生長速度の日間変動係数が35%未満であったことから、72時間の結果を通常どおり採用しております。その他の結果はごらんのとおりとなっております。
 22ページ、生態影響判定根拠でございますが、魚類急性毒性試験において96時間LC50が2.5mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○中杉委員長 これにつきましても、人健康は審議済みでございますので、生態毒性についてコメントをいただければと思います。

○吉岡委員 これも密閉系で行われてはおりますけれども、データは安定しております。試験方法、結果ともに特に問題はございません。SIARのデータともおおよそ一致しております。
 以上です。

○中杉委員長 ありがとうございました。追加のコメントはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
結果も問題ないということでございますので、この物質についても事務局案どおり、三監相当という判定でよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○中杉委員長 それでは、そのように判定をさせていただきます。
 続きまして、イソチオシアン酸メチルでございます。資料の御説明をお願いします。

○MHLW事務局 審査シート23ページ、化学物質名はイソチオシアン酸メチルでございます。
 こちらの物質の人健康影響につきましては、平成16年7月2日に告示済でございまして、第二種監視化学物質相当とさせていただいております。

○MOE事務局 続きまして、生態影響に関して申し上げます。
 藻類生長阻害試験において、試験実施者は濃度の低下は藻体への移行及び揮散が原因と考察しております。実験は密閉系で行われております。その他の結果はごらんのとおりとなっております。
 審査シート24ページ、生態影響判定根拠でございます。藻類生長阻害試験において48時間ErC50が0.19mg/L、48時間NOECrが0.027mg/L、ミジンコ急性遊泳阻害試験において、48時間EC50が0.12mg/L及び魚類急性毒性試験において96時間LC50が0.12mg/Lであるということから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○中杉委員長 人健康は審議済みでございます。生態影響についてのコメントをいただければと思います。

○吉岡委員 これも藻類につきましては密閉系で行われております。必ずその密閉系で行われますと濃度が低下すると揮散云々という言葉が出てくるので困るんですけれども、別にそれを確認している試験をやっているわけではありませんから、これしか言い訳のしようがないとお考えになった方がいいのかなと思います。試験方法、試験結果ともに特に問題はないと考えます。
 以上です。

○中杉委員長 追加のコメントはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 追加のコメントがないようでしたら、このイソチオシアン酸メチルにつきましても、事務局案どおりの判定とさせていただきますが、よろしいでしょうか。
 それでは、三監相当という判定をさせていただきます。
 続きまして、4-(1-メチルエチニル)フェノールです。資料の御説明をお願いいたします。

○MHLW事務局 審査シート25ページ、化学物質名は4-(1-メチルエチニル)フェノールでございます。
 こちらの物質の人健康影響につきましては、平成16年8月11日に告示済みでございまして、第二種監視化学物質相当となっております。

○MOE事務局 続きまして、生態影響に関して申し上げます。審査シートの26ページでございます。
 ミジンコ繁殖試験を含めた4種の試験が行われております。結果はごらんのとおりとなっております。
 生態影響判定根拠でございますが、魚類急性毒性試験において96時間LC50が9.2mg/Lであることから、第三種監視化学物質相当とさせていただいております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○中杉委員長 これも人健康については審議済みでございますので、生態影響についてのコメントをいただければと思います。

○吉岡委員 ミジンコを用いた急性遊泳阻害試験で助剤が、HCO-50が100mg/Lと限界値のレベルまで使われております。多分この試験データは古いデータであって、過去のものでは余りその助剤濃度を気にすることなく実験をしていたということがございますので、やむを得ない事情かなというふうには思います。
 ミジンコ繁殖試験につきましては、多少シンクロが悪いというようなものは認められますけれども、データとしては使えるだろうというふうには考えております。もし備考欄にございます溶解度993.6mg/Lが正しいとするならば、多分HCO-50がこんな濃度まで使うことはなかったのではないかというような気はしておりますけれども、昔のことだからよくわかりません。
 魚類急性毒性試験のLC50値が9.2というところなんですが、たしかこれは未転換だったところを取ってあるような記憶がございます。非常に微妙な境界線ぎりぎりのところで点が取ってありまして、ちょっとずれればアウトあるいはセーフになるかなというような感じを持っております。しかしながら、試験法及び結果というものは採用できるかと判断しています。
 以上です。

○中杉委員長 ありがとうございました。追加のコメントはございますでしょうか。判定につきましては、非常に微妙なところで、10を超えていれば三監相当でないということですけれども、9.2という数字ですが、一応判定の手続に従っていくと9.2で三監相当という判断になりますが、それでよろしいでしょうか。
 特段御意見がないようですので、この物質につきましても第三種監視化学物質相当という判定をさせていただきます。

○前川委員 この検体ではないんですけれども、事務局にお願いしたいんですが、先ほども色の問題が出ました。今回の3物質には特に問題はないんですけれども、今後ある可能性もあるということで、これは新規化学物質の場合、外観で色調とかが審査シートに書いてありますね。それをこちらの既存化学物質の審査シートの方にも書いていただきたい。
 簡単に申し上げますと、今日の新規化学物質の中で、本試験でそのものは刺激性がある物質なんですけれども、貧血傾向が見られた。予備試験のデータで胃腸管内に黒色の内容物がある。ただ、予備試験の方は血液検査はやっていません。そういうような記載があったものですから、私としてはてっきりこれは前胃に潰瘍を起こして、黒色の内容物になったと同時に貧血もそれだろうと思って報告書を見てみますと全然違う。あれと思って見たら、検体が黒色だったわけですね。それでは当たり前の話ですね。ですけれども、それが白色の物質でしたら話が全く違ってきますので、勿論論文をきちんと見ればわかりますけれども、やはり簡単にすぐ判るためにも、審査シートにそれを記載していただきたいということです。
 以上です。

○西原部会長 同じようなことで、私は先ほどの物質の蒸気圧を申し上げたい。いわゆる一般物理化学性状というのが書かれている物質と書いていない物質があります。
 例えば生態影響の方の60ページでは、ベーシックイエローに関しては蒸気圧が書かれています。使った試薬の性状が書かれています。一方、イソチアン酸メチルでは、こういう表がなかったと思います。139ページです。多分これは揮発性だろうかと思って確かめようと思ったら、蒸気圧が書かれていないので、いわゆる一般性状が見られなかったんです。

○MOE事務局 そういった記載があるものとないものの違いは、最近の試験については既存点検をお願いする際にこういうものを付けていただいておりまして、付いていないのは古い試験ということでございます。

○西原部会長 わかりました。もしわかっていれば、ちょっと付けておいていただければ参考になるかと思います。

○MOE事務局 了解いたしました。

○中杉委員長 関連して要望なんですけれども、これは新規物質については届出がありますから、こういう用途に使えますよというのがあるんですが、既存については全くないんです。やはりこれはなかなか難しいと思いますけれども、わかる場合は入れておいていただけないかなと。そうすると試験の結果を見て、より注意した方がいいかどうか、コメントができるように思いますので、可能であれば努力をしていただければと思います。

○江馬座長 事務局で御検討、御配慮をお願いします。

○MHLW事務局 検討させていただきます。

○江馬座長 第1部の最後ですが、事務局から何かありましたら、お願いします。

○MHLW事務局 特段ございません。

○江馬座長 それでは、本日の審議会の第1部はこれで終了します。休憩15分を取ります。どこかに時計がないですか。

○MHLW事務局 今、55分です。

○江馬座長 それでは、2時10分から、第2部の新規化学物質等の審議を開始します。第2部は非公開とさせていただきますので、傍聴者の方におかれましては、御退室いただきますようお願いします。どうもありがとうございました。