平成22年度第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会  化学物質審議会第98回審査部会  第103回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会 【第一部】 議事録

1.日時

平成22年9月17日(金)13:00~13:50

2.場所

中央合同庁舎第5号館 17階 専用第18、19、20会議室

3.出席(五十音順、敬称略)

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会

江馬 眞(座長)清水 英佑高木 篤也
田中 博之西川 秋佳西原 力
能美 健彦平塚 明前川 昭彦
吉岡 義正  

化学物質審議会審査部会委員

内田 直行北野 大(部会長)竹下 達也
竹内 和彦西原 力林 真
前川 昭彦米澤 義堯 

中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員

青木 康展菅野 純日下 幸則
白石 寛明鈴木 規之田中 嘉成
中杉 修身(委員長)吉岡 義正和田 勝

事務局

厚生労働省長谷部化学物質安全対策室長
経済産業省河本化学物質管理課長、實国化学物質安全室長
環境省和田化学物質審査室長 他

4.議題

  1. 1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカンに関する有害性調査項目等について
  2. その他

5.議事

○厚生労働省 若干まだお見えになっていらっしゃらない先生もおられますが、時間がまいりましたので、ただいまから「平成22年度 第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会」「化学物質審議会第98回審査部会」、及び「第103回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会」の合同会議を開催いたしたいと思います。
 本日は、いずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしており、それぞれの審議会は成立していることを御報告いたします。
 審議に先立ちまして、夏季の軽装のお願いについて申し上げます。地球温暖化防止、省エネルギーに資するため、政府全体として夏季の軽装に取り組んでいるところでございます。これを踏まえまして、事務局は軽装にて対応させていただいております。委員の方々におかれましても御理解、御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
 続きまして、お手元にお配りした資料の確認を行いたいと思います。配付資料といたしましては、資料1が「1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカンに関する有害性調査項目等について」、資料2が「1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカンに関する有害性調査項目等について(案)」という、こちらの2つの資料がございます。
 その先の資料が参考資料1から始まりまして、参考資料15までございます。
 御確認いただきまして、過不足等ございましたら、事務局までお知らせいただければと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、これより御審議賜ればと存じます。本日の審議に当たりましては、薬事・食品衛生審議会化学物質調査会の江馬先生に、本合同審議会の座長として議事進行をお願いしたいと考えております。

○江馬座長 初めに、本日の会議の第一部の公開の是非についてお諮りいたします。各審議会の公開につきましては、それぞれ規程のあるところでありますが、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼす恐れがある場合、または、特定の者に不当な益あるいは不利益をもたらす恐れがある場合等、非公開とすべき場合には該当しないと考えますので、原則公開としたいと思います。ただし、営業秘密等に該当する場合は、秘匿することを認めることとしたいと思います。よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○江馬座長 ありがとうございます。それでは、本日の第一部は公開とします。議事録につきましては、後日ホームページ等で公開されますので、あらかじめ御承知おきをお願いいたします。
 それでは「1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカンに関する有害性調査項目等について」の説明を、事務局よりお願いします。

○環境省 それでは、事務局より説明をさせていただきます。資料1をごらんいただければと思います。資料1の方は、事務局の方で考え方をまとめたペーパーでございます。
 2ページ目をごらんください。まず、背景なんですけれども、今年の9月3日に開催されました薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会、化学物質審議会安全対策部会、中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会の方で、まずはHBCDの対策について御審議が行われております。今日御出席の先生方でも、江馬座長や審査部会の部会長の北野先生もそうですし、あるいは、環境省の審査小委員会の方は重なっておりますので、もう既に先生方は御存じのところが多いかとは思うんですけれども、そのときの審議の資料等、資料の抜粋とか結論について、簡単に御説明をさせていただければと思います。
 出席された先生方には、私の説明が間違っているということがございましたら、そこは間違っていると御指摘いただければと思いますので、よろしくお願いします。
 そうしましたら、まず、HBCDとはそもそも何かということで、参考資料2をごらんいただきたいんですけれども、一番上に構造式の方を描いております。構造はこのように、主な異性体としてα体、β体、γ体というのがございまして、臭素が6つ付いたシクロドデカンということになっております。
 分解性・蓄積性につきましては、難分解、高蓄積性ということになっておりまして、製造・輸入量は平成18年度に3,937tというのが最高でして、その後減少傾向にありまして、直近の昨年度につきましては2,613tということになってございます。
 ページをめくっていただきまして、用途なんですけれども、HBCDは発泡ポリスチレン製の住宅建材、土木建材といった樹脂用難燃剤とか、ポリエステル製の繊維カーテンなどの繊維用難燃剤として使われております。
 5ポツの異性体構成比ですが、これは後ほど詳しく説明しますので、割愛させていただきます。
 3ページ目をごらんください。化審法上の分類は、先生方が御存じのとおり、第一種監視化学物質、それから第三種監視化学物質ということになっております。
 海外の動向なんですけれども、こちらも北野先生はよく御存じだと思うんですけれども、POPs条約の方で議論が進んでおりまして、今年の10月に開催されますPOPRCの第6回会合におきまして、リスクプロファイル案について審議が行われる予定となっております。
 また、欧州、米国の方でも、規制対象ではないんですけれども、規制に向けた動きというのがあるようでございます。
 以上がHBCDの説明なんですけれども、このHBCDにつきまして、第一種監視化学物質であるHBCDについて、有害性調査指示を行うかどうかというのを9月3日に御審議をいただきまして、その根拠となった資料があります。特にハザード面のところだけを抜き出した資料をつくっておりまして、参考資料の6をごらんください。
 参考資料6の方で、鳥類の繁殖毒性試験の結果の概要をまとめております。こちらについては、まず、1ページ目の方で、既に第一種特定化学物質になっているディルドリン、TBTO、DDT、HBCDの鳥類繁殖毒性試験の結果を載せております。試験法としましては、この表の中で6週というのと20週というのを書いているんですけれども、こちらの20週間の方が化審法の試験法通知で定められたものになっておりまして、こちらが有害性調査の内容となる試験でございます。6週間の方は、有害性調査指示をすることが必要かどうかを判断するために、第一種特定化学物質相当の毒性の疑いがあるかどうかというのを見るために、予備的な試験として考えているものでございます。
 この3つの第一種特定化学物質について、6週と20週の試験をした結果、NOECもLOECも大体同じような値になっておりまして、6週と20週というのはそれなりに相関関係があるのかなと考えております。
 2ページ目をごらんください。HBCDについて、予備的な試験であります6週間の試験をやった結果がこちらに載っておりまして、NOECの方が5ppmとなっております。こちらはLOECの方で、若鳥の育成率、卵からかえったひなが14日目で生存しているかどうかというのを見る指標なんですけれども、若鳥の育成率といったところに有意な差が、この15ppmというところで出まして、その下の5ppmというところをNOECとして結論づけております。
 この5ppmという数字が、先ほどの1ページ目の第一種特定化学物質のところと比べますと、ディルドリンよりはNOECが大きい値になっているんですけれども、TBTOとは同じぐらいの値になっておりまして、DDTよりも小さい値になっているということがございまして、特にDDTにつきましては、鳥類の繁殖に対する毒性等が知られておりますので、こういった既存の第一種特定化学物質と比べますと、HBCDのNOECというのはそこそこの数字なのかなということを考えておりまして、第一種特定化学物質相当の毒性があると疑われるのではないかと考えております。
 もう一度資料1の方に戻っていただきたいんですけれども、このような毒性試験の結果が環境省の予備的な試験の方で出ましたので、こちらを基に9月3日のときに御審議をいただいておりまして、この資料1の2ページ目にその結論をまとめているんですけれども、先ほど申し上げましたとおり、5ppmという数字が過去の一特と比べると、鳥類に対する長期毒性について一特相当と疑うに足りる理由があると認められると、結論をいただいております。
 それから、有害性調査指示を出すためには、もう一つの要件の、環境汚染が生じる恐れがあると見込まれるかどうかといったところがあるんですけれども、こちらについても、先ほど製造・輸入量が3,000tとか2,000tとかという御説明をしましたけれども、環境中への放出の可能性がある用途で、相当量の製造・輸入数量があって、高蓄積性であることから、一特相当であれば環境汚染が生じる恐れがあると見込まれるという結論をいただいております。
 また、更に複数の地点において環境中の、特に高次の生物に残留している実態が確認されておりますとか、簡易なリスク評価をやったところ、懸念があるとの結果が得られているといったところがございまして、以上のことからHBCDについて、有害性調査を指示することが適当であるという結論を、3日にいただいております。
 以上が背景でございまして、次のページから本日御審議をいただく事項でございます、有害性調査の項目や方法等についての資料で、内容をまとめております。
 まず、2ポツ目の有害性調査の項目なんですが、これも皆さん御存じかと思うんですけれども、有害性の調査の項目等を定める省令というのがございまして、そこで第一種監視化学物質の有害性調査としてましては、高次捕食動物の有害性調査が2つございまして、1つは哺乳類、ラットの生殖能及び後世代に及ぼす影響についての調査なんですけれども、こちらについては既に厚労省さんの方で実施をされておりまして、平成20年12月19日に本審の場で報告をされております。
 一方で、20週の鳥類繁殖毒性試験、鳥類の繁殖に及ぼす影響についての調査については、これまで行われていないということがございますので、今回有害性調査指示を出す項目としては、鳥類の繁殖に及ぼす影響についての調査とすることが適当であると、事務局では考えております。
 3ポツ目は具体的な方法について書いておりまして、(1)として、被験物質についてどのようなものを使うかということをまとめております。
 こちらについては、先ほど申し上げましたとおりα体、β体、γ体という3つの異性体があるんですけれども、こちらにつきまして、水溶解度とか生物濃縮性とかは異なるといった知見がございます。この辺りについて参考資料11にまとめておりますので、参考資料11をごらんください。
 参考資料11なんですけれども、HBCDの異性体による違いというのをまとめております。まず、構造式なんですけれども、これは先ほどお示ししたとおりでございます。
 2つ目に水溶解性というのが異なっておりまして、α体が最も水に溶けやすく、γ体が最も水に溶けにくいという性状を持っております。
 蓄積性については、これも試験法通知に定めた濃縮度試験で結果が出ておりまして、ピーク1、ピーク2、ピーク3ということで結果を出しているんですけれども、それぞれピーク1はα体と推定されるんですけれども、このような第2濃度区で3,390~1万6,100とかいった数字が出ております。
 ピーク2はβ体なんですけれども、こちらはα体よりは少し濃縮性が低いという結果になっておりまして、ピーク3のγ体は、それよりもまた更に低いという状況が見受けられるかと思っておりまして、α体が最も濃縮度が高いという形になっております。
 次のページ、4ポツで熱による変化というのも起きることが知られておりまして、どのような異性体構成比のものであっても、190℃ぐらいの熱だと聞いておりますが、そのくらいの熱をかけますと、α体が78%、β体が13%、γ体が9%になるということが報告されております。
 このような性状が原因になっていると思われるんですけれども、難燃剤であるHBCD中とか、製品中あるいは環境中の異性体構成比というのは違いが出てきております。こちらについては、3ページ目からのグラフの方をごらんください。
 3ページ目の一番上のグラフについては、α体の構成比でございます。こちらについては、原料としての難燃剤の構成比は10~20%の間ぐらいであるんですけれども、押出製法という、熱を加えてつくる樹脂の中では、先ほど申し上げたとおりα体が増えるような傾向がありまして、α体が高くなっております。それ以外の製品については、それほど原料と変わらないような状況になるのかなと考えております。
 環境中の方なんですけれども、水質に出たときはα体が低いんですが、鳥類についてはα体が非常に高くなっております。それから、鳥類のえさになるような生物中については、ばらつきが非常に大きくて何とも言えないようなデータになっておるんですけれども、ばらつきが大きいというのと、これはデータ数が非常に少なくて、サンプルが4つとか2つとかそういった中でのグラフですので、現在得られているデータではこういうことになっております。β体の方につきましては、原料あるいは製品、環境中も含めて割合が非常に少ないという形になっております。
 4ページ目にγ体の構成比を載せております。こちらについては、α体とその逆になっている形かと思っておりまして、難燃剤中のγ体は7~9割ぐらいあるんですが、押出製法で熱をかけると、それが1割くらいに減ってしまうということです。
 環境中では、鳥は非常に低いんですけれども、鳥の餌になるようなところでは、かなりばらつきが多いという形になってございます。
 済みません。もう一度資料1に戻っていただきたいんですけれども、3ポツの(1)ですが、このような傾向があるということを少し文章でまとめておりまして、野生生物に取り込まれているHBCDの異性体構成比は、α体の比率は高いという場合が多いということは知られているんですけれども、鳥の餌になるような生物では、先ほど申し上げましたとおり、非常に多様な異性体構成比が確認されているのかなと考えております。
 このようなことがございますので、有害性調査指示に当たって、野生生物に取り込まれているHBCDを代表するような異性体構成比というのを想定するのは少し難しいのかなと考えております。
 化審法のこれまでの運用も、基本的にそうだったんですけれども、有害性調査指示を受けた事業者が製造または輸入するHBCDを代表する異性体構成比となるように、専門家の意見を聞きながら、被験物質を準備してはどうかというふうに、事務局では考えております。
 続きまして、(2)の調査の方法なんですが、こちらにつきましては当然のことながら試験法通知によって実施することが適当だと考えております。ただし、試験法通知では、飼料中の濃度設定につきましては、鳥類摂餌毒性試験といいまして、鳥に5日間餌を与えるという急性毒性を調べる試験なんですけれども、そちらをやった上で濃度設定をするということになっているんですが、こちらについては環境省が既に、異性体の構成比がHBCDの原料となるものとは少し異なるものを使ってはいるんですが、上限濃度の5,000ppmでも毒性兆候は認められないという結果が得られておりまして、HBCDについては鳥類の急性毒性みたいなものがほとんど見られないということがございますので、改めて事業者さんが鳥類摂餌毒性試験をやっても、余りいい結果が得られないというか、毒性が出ないのではないかと思われますので、改めてやる必要はないのではないかと考えておりまして、環境省の方で実施した鳥類摂餌毒性試験ですとか、6週間の鳥類繁殖毒性試験の結果を見ながら、専門家の意見を聞きながら適切に設定することが適当ではないかと考えております。
 このほか、これも当然なんですけれども、化審法の試験成績の取扱いの通知ですとか、試験施設の基準ですとか、そういったところについては、きちんと従って行っていただくということが必要なのかなと考えております。
 最後に、調査の報告期限なんですが、こちらについては参考資料15をごらんください。最後の参考資料になります。1枚の紙で、有害性調査指示から報告までの想定されるスケジュールを書いております。
 まず、有害性調査指示の項目とか、試験法通知が今回決まればの話ですけれども、決まれば9月中には有害性調査指示の発出をしたいと考えております。その後、行政の処分に対して事業者は異議申立てをすることができますので、その期限が60日以内ということがありますので、この期限は少しとった方がいいのかなということを考えておりまして、その後、事業者間でいろいろ調整をしたりとか、契約の手続をしたりというのに1か月ぐらいはかかるのかなと考えておりまして、そうしますと、実際に試験に取りかかれるのは1月に入ってからなのかなということがあります。
 1月からいきなり餌を投与できるかというと、そうではございませんで、きちんと生殖能を持った親鳥を準備しなければいけませんので、その準備をする期間が大体4か月ちょっとかかるということがございまして、そこから投与を始めて、若鳥の育成まで見ていくと、11月上旬ぐらいまでかかってしまうと。そこから報告書をつくったり、信頼性の確認をとったりすると、再来年の1月ごろまでかかってしまうのではないかなと。スムーズにいって、ここまでかかってしまうということがございますので、そこから少し余裕を2か月ぐらい、これは別途、事業者が有害性情報を入手したときには60日以内に報告をしなければならないという義務がかかっておりますので、その60日以内という期間内であれば、少し余裕を見てもいいのではないかということを考えておりまして、そうしますと平成24年の3月末になってしまうと。全体を見ますと、大体18か月かかるということがございますので、報告書の提出期限としては、有害性の調査指示を出してから18か月以内ということにしたいと思っております。
 資料1にもう一度戻っていただきたいんですけれども、この報告期限なんですが、18か月というのを申し上げたんですけれども、そうは言っても、例えば親鳥が全部死んでしまったとか、そういった不測の事態が起こる場合もありますし、そのほか、いろいろ正当な理由があるような場合については、必要に応じて延長を認めるということも考えておかないと、1年半に及ぶ期間がございますので何が起こるかわかりませんので、正当な理由がある場合には、必要に応じて延長してもよいということにしたいと事務局では考えております。
 資料1の説明は、以上でございます。

○江馬座長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの資料1につきまして御意見、御質問等ございましたらお願いします。

○吉岡委員 3ページの3ポツの(1)、最後の段落のところに、代表する異性体構成比となるようにという注釈がございます。一体どれくらいの割合でα、β、γが入ってくると予想されているんでしょうか。

○環境省 これは製造・輸入するHBCDですので、参考資料2をごらんいただきたいんですけれども、こちらに難燃剤中の異性体構成比を載せておりまして、HBCDそのものを製造・輸入するところは、2ページの5ポツになるんですけれども、この表の一番上のHBCD(難燃剤)と書かれているところが、製造・輸入されているHBCDの大体の範囲かと思っておりまして、α体が5~15%、β体が20%より下、γ体が70~90%といった範囲になるのではないかと考えております。

○江馬座長 吉岡委員、どうぞ。

○吉岡委員 そうしますと、その下に、熱をかけるとα体が60~70に変化するというのがございます。更に、上の用途別の出荷量の表においては、樹脂用難燃剤の方がはるかに多いという統計データも出てきております。そうしますと、環境中に出てくるものが本当に製造・輸入のα、β、γの比率であるかどうかということが、ちょっと心配になります。
 たまたま環境省が行われた6週間の試験におきましては、α体というものが二十何パーセントという比率でやっていると書いてございましたが、余りパーセンテージが違うようであるならば、6週間の予備試験で行ったぐらいの割合の比率の20週試験をやってもいいのではないかと考えております。
 これは質問ではございません。そういうことも考えて対応されたらいかがかと思ってはおります。

○江馬座長 ありがとうございます。

○環境省 まず、環境中に放出されるものが大体どのくらいの構成比かということなんですけれども、確かに用途別の出荷割合としては、樹脂用の難燃剤が多くなってございますが、実際に排出される割合というか排出係数につきましては、これは9月3日の審議会の場で、簡単な形ではありますが簡易的なリスク評価をやっておりまして、NITEさんの方のリスク評価では、繊維用の方が排出係数としては高いという結果もございまして、一概に環境中に出るものが、用途量が多いからといって、樹脂中の中でも押出製法と言われているものだけでございますので、こちらのものが多くなるとも言い切れないと考えております。もし経産省さんの方で補足があればいただきたいんですけれども。
 環境省の方でやった6週間の試験の方は、御指摘のとおりαが27%、βが30%、γが43%というものを、これも正直余り、その当時は異性体の構成比について考えておりませんでしたので、購入した試薬がたまたまこの構成比だったということでございまして、予備試験でこれをやったというのはたまたまでございまして、これが環境中に放出されるものを代表するとも言い切れないですし、製品中のものを代表するとも言い切れないのかなと考えております。

○江馬座長 吉岡先生の方から、今度の試験で、前回実施した試験で用いたものと同じような比率のものを使ってもいいのではないかという御意見だったと思います。ドーズ設定もこれから決めますので、その際にα、β、γの含有率はどのぐらいのものを使うかということも、併せて検討したらいかがでしょうか。

○中杉委員長 比率に関しては、事業者の方が通常使われているというか、一番多いものでやるという選択をするのは、合理的であろうと思います。その結果どうであるかということで、判断せざるを得ないということです。
 ただ、環境省は6週でやって、20週の試験との対比を見ていくということが、これは審査とは別の形で多分必要になってくると思うので、事業者の方がやられる比率が、環境省が6週でやった比率と大きく異なるのであれば、これは環境省がやることになるんだろうと思いますけれども、同じような比率で20週の試験をやって対比をして見ていくということが必要ではないかと。そういうことも検討してほしいと思います。

○江馬座長 事務局、どうぞ。

○経済産業省 済みません。先ほど環境省さんからありました件につきましては、少し補足させていただきたいと思います。
 まず、難燃剤中のHBCDにつきましては、参考資料2の最後のページを見ていただきますと、構成比としましてはα体、β体、γ体の中で、γ体の比率の方がかなり高くなってきております。ただ、用途別の数量を見ますと、樹脂用の難燃剤としての使用料が8割と、繊維用の使用料が約2割になっておりまして、使用量から見ますと、樹脂用の方に使われているものが多いという結果になっております。
 ただ、排出量の方を見ていただきますと、前回3月の審査部会等の審議会の方で御紹介をさせていただいたんですけれども、環境中に出ているHBCDとしましては、樹脂用よりも繊維用の方の排出量の方が多いという結果が出ておりますので、その結果から見ましても、繊維用として使われている難燃剤の方がγ比率が高いということから見まして、必ずしもα体の比率を重視する必要はないのではないかなと思っております。
 また、難燃剤のHBCD、製造・輸入者の比率ですけれども、そちらにつきましても、現在考えておりますのは、比率につきましては製造・輸入者からサンプル提供をいただいたものをブレンド等することによって、代表的なものをしてはどうかと考えておりますので、そういったやり方をすることによって、今回のサンプルというものは適切なものになっていくのではないかと考えております。

○江馬座長 ありがとうございます。
 そのほか、よろしいでしょうか。ドーズも含めて、使うサンプル、それから、環境省で前回と同じ試験をやるかどうかも含めて、後ほど試験の実施の際に検討するということで、よろしいでしょうか。先生方に相談して決めるということになりますが。
 今、決めなければならない問題ではないですね。

○中杉委員長 この資料1が、記述でいけば専門家の意見を聞きながらやるということですから、江馬先生が整理をしていただいたような形でよろしいと思います。
 実際には、きちんと合理的な説明ができるかどうかということだろうと思います。そこの辺のところは、実際にやる際に、専門家の御意見を聞きながらということです。
 ただ、先ほど私も申し上げたのは、そうは言いながら、その場合に事業者がやられた構成比と、環境省の6週の構成比が極端にずれてしまうと、この6週の試験の結果というのを、一応今回は事前のあれとして使ったということですけれども、それを使えるかどうかということをより確かめるために、環境省の方で、6週でやった構成比と同じような異性体構成比のもので、20週の試験をやるということを考えてほしいということを、先ほど申し上げた次第です。

○環境省 先生、ちょっと確認なんですけれども、事業者にやっていただくものとしては、先ほど経産省さんの方からも御説明があったとおり、事業者さんがおつくりになっている製品、製造・輸入されているHBCDのものを混ぜ合わせるような形のことを考えていらっしゃるということですので、当然、環境省がやったサンプルですとか、環境中のものとかと比べて、それと似たようなものをブレンドするというのは多分難しいと思っていまして、恐らく先ほど申し上げました製品中の範囲内のものになってしまうと思うんですけれども、そちらでやっていただくということでよろしいということで、中杉先生がおっしゃっているのは、事業者がやる試験とは別途、環境省の方で何かやれないかということだと思うんですけれども、そういうことでよろしいですか。

○中杉委員長 そのとおりで、事業者の方がやられるものは、先ほど経産省の方から御説明があったような形で、合理的な説明ができるようなものでやられるといいだろうと思いますけれども、実際には6週と20週のチェックというのを、一応DDTとかそういうものでやっていますけれども、更に6週の試験の結果というのを、20週とどういう関係があるかというのを見るためには、やはり同じようなもので更にやっておいた方がよろしいだろうと。環境省の方で予算を別途用意しなければいけないのかもしれませんけれども、そういう努力をしてほしいと。

○環境省 済みません。そこの今の御意見につきましては、環境省の方で検討はしたいと思うんですけれども、まずは予算があるのかということと、例えば今年度の契約とかと言っても、もう契約は終わってしまっているということもございますし、室で余っているものがどのくらいあるかというのがあります。そういう予算面の話をまず整理しないといけませんので、そこを整理した上で、あとは事業者の方は18か月以内ということなんですけれども、そういう整理をした上で、環境省の方のものがその期限内に収まるかどうかというのも、またちょっと考えなければいけません。その辺は後で少し検討させてください。

○中杉委員長 環境省の試験の結果と、事業者の方でやられる試験の結果が異なった場合どうするのかということになりますけれども、これは事業者の方がやられた試験の結果で判断せざるを得ないと思います。ですから、環境省の試験の結果というのは、必ずしも審査をするときに間に合う必要がない。18か月ということは必ずしも必要ないと私は考えています。
 ですので、これはどうしてもやりなさいという話ではなくて、そういうことを検討してほしいということを申し上げているんです。

○米澤委員 今、中杉委員長がおっしゃっている試験の追加の話ですけれども、これは化審法上の有害性調査指示の制度と食い違う話になりませんか。仮にそれをやるのであれば、この調査指示自体が要らなくなるということも考えられます。
 そうなりますと、現在、この制度上での行動をどうしようかという議論をしていますので、それと切り離していただいて、別途どこかで可能であって、結果自体が文献等の情報と比べてよほど違っているということがわかってきた時点で、やるかどうか議論をすればいいことだと考えているんですが。

○中杉委員長 済みません。米澤先生が言われるとおりで、この有害性調査指示に直接絡む話ではないんです。それとは別途の形で、そういう調査、チェックを検討してほしいということです。
 この一連の審査の流れの中で、それを踏まえてやれということで、それをどうこうするという話ではないんです。環境省は今後、こういう方法を使ってやっていくときに、それをより確かなものにするために、これとは切り離した形でやってくれということで申し上げているわけで、そういう意味では、場所として適切ではなかったのかもしれませんけれども、そういうことを置いたらいいのではないか。
 実際の審査の流れは、事業者の方に適切なものを選んでやってもらって、その結果で評価・判断をするということです。それだけの話です。
 そのほかに、エキストラと言うと、ちょっとあれですけれども、環境省が今後こういう高次の捕食動物の有害性調査指示の試験をやるという流れをつくっていく上で、チェックをするために、そういうことも努力してほしいということで申し上げたので、米澤先生が言われるように、この実際の一連の流れの中の1つの要素として申し上げているわけではありません。

○北野部会長 よろしいですか。今までの議論を聞いていまして、有害性調査指示という枠の中で、私は事務局の提案しているサンプルがよろしいと思います。
 化審法上の運用を考えると、自然的作用により変化した場合には自然的作用で変化したものが対象となるはずなんですが、今回議論しているのは、あくまで使用時において異性体比が変わってくるという話ですから、ちょっと化審法の趣旨と変わってくるわけですね。
 幸いに、繊維に用いられているものからのリスクが一番高いということで、それがちょうど、うまく難燃剤自体の割合と非常に近いという、これはたまたま結果的にそういうことになっているんですが、そういうことを考えても、私は今回使用するサンプルについては、事務局の提案で結構だと思っています。
 以上です。

○江馬座長 ありがとうございます。
 事務局から提案の事業者の適切なサンプルで行うということですね。環境省の方のお話は、また別途していただくということで、そのほかはよろしいでしょうか。

○吉岡委員 サンプルのつくり方で議論がありましたけれども、1つ申し上げておきたいのは、鳥の長期毒性をやるということは、濃縮の関係で他の生物の体の中に入ったものが、鳥に移っていくということを確かめるためにやっていることなんです。そういう意味からすると、えさ生物の中に含まれているものがどういうものであるのかということも考慮に入れてもおかしくないと思っております。
 以上です。

○江馬座長 ありがとうございます。そのほか、よろしいでしょうか。試験の実施に当たりましては、専門家の先生の御意見を伺いながら進めていただきたいと思います。
 よろしいようでしたら、資料1については終了したいと思います。続きまして、資料2について説明をお願いします。

○環境省 資料2について御説明させていただきます。資料2は、先ほどの資料1の結論の部分をまとめる形で、審議会の決定事項という形の資料の案を事務局の方で用意させていただきました。タイトルの方は「1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカンに関する有害性調査項目等について(案)」となっておりまして、本日この案の方で御了承いただければ(案)を取って、決定事項とさせていただければと思っております。日付と各審議会の部会なり調査会、小委員会の名前を書いております。
 1ポツ目で、HBCDに関する有害性調査の項目は、鳥類の繁殖に及ぼす影響についての調査とすることが適当であるということです。
 2ポツ目のHBCDに関する有害性調査の方法等でございますが、有害性調査指示を受けた事業者が製造または輸入するHBCDを代表する異性体構成比となるよう、専門家の意見を聞きながら被験物質を準備することが適当であるということです。
 こちらにつきましては、いろいろ御意見がございました点につきましては、少し環境省内の方でも検討させていただきたいということと、専門家の意見を聞きながら被験物質を準備するということで、今後進めさせていただければと思っております。
 (2)の調査の方法でございますが、こちらについては、鳥類の繁殖に及ぼす影響についての調査は「新規化学物質等に係る試験の方法について」により実施することが適当である。なお、具体的な被験物質の飼料中濃度については、新たに鳥類摂餌毒性試験を実施する必要はなく、環境省が実施した鳥類摂餌毒性試験及びニホンウズラを用いた繁殖照明条件下6週間投与による鳥類繁殖毒性試験の結果を参考に、専門家の意見を聞きながら、適切に設定することが適当である。このほか「新化学物質の審査等に際して判定の資料とする試験成績の取扱いについて」、及び「新規化学物質等に係る試験を実施する試験施設に関する基準について」に従う必要があるということです。
 (3)として、調査の報告期限ですが、鳥類の繁殖に及ぼす影響についての調査の報告期限は、供試生物の調達、じゅん化、実施期間、報告書作成等を考慮し、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律第5条の4第1項に基づく指示を行った日から18か月後とすることが適当である。ただし、対照区における親鳥の死亡率が高いなど、試験法通知により難い事態に至った場合など正当な理由がある場合には、必要に応じて延長してもよいということで、案をつくっております。
 御審議お願いいたします。

○江馬座長 それでは、本日の議論を踏まえまして「第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会」「化学物質審議会第98回審査部会」「第103回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会」として、資料2のとおり決定したいと思いますが、よろしいでしょうか。御意見ございますか。

○中杉委員長 先ほど異性体の話が出ましたけれども、そのほかにも投与量の話があります。これも専門家の意見をよく聞いていただく必要があるだろうと思います。これは試験のやり直しなんてことになりますと、事業者の方もよけいなお金をかけることになりますし、報告期限も長くなってしまう。オーバーしてしまうということになりますので、そこら辺のところは十分留意してやっていただければと思います。これで結構だと思います。

○江馬座長 そのほか、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。よろしいようでしたら、資料2のとおり決定したいと思いますので、事務局より本物質に関する今後の予定について、説明をお願いします。

○厚生労働省 有害性調査指示に関する今後の手続につきましては、各省それぞれにて手続を行わせていただきます。

○江馬座長 ありがとうございます。
 それでは、本合同審議会の第一部の議論はここまでとしたいと思います。事務局から何かございましたら、お願いします。

○厚生労働省 特段ございませんが、第二部の審議につきましては、これより15分の休憩を挟みまして、14時5分より開始したいと思いますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

○江馬座長 以上をもちまして、合同審議会の第一部を終了したいと思います。第二部につきましては、新規化学物質の審査でありますので、非公開とさせていただきます。傍聴者の方におかれましては、退室をお願いいたします。委員の先生方は14時5分にまたお集まりいただきますよう、お願いします。
 どうもありがとうございました。

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