第11回中央環境審議会環境保健部会議事録

日時

平成16年8月9日(月)13:00~15:00

場所

環境省第1会議室

議題

  1. (1)化学物質環境実態調査【黒本調査】と各種化学物質対策の連携強化について
  2. (2)改正化学物質審査規制法の施行状況及び既存化学物質の安全性点検の推進に
  3. (3)最近の環境保健行政に関する諸事案について
    1. [1]「環境ホルモン戦略計画SPEED'98」の改訂状況等について
    2. [2]「平成14年度PRTRデータの概要等について」の公表等について
    3. [3]化学物質の環境リスク初期評価等(第3次とりまとめ)の結果について
    4. [4]国内における毒ガス問題への対応について
    5. [5]その他

配布資料

  中央環境審議会環境保健部会委員名簿
 資料1-1 化学物質環境実態調査【黒本調査】と各種化学物質対策の連携強化について
 資料1-2 平成15年度版「化学物質と環境」(通称 黒本)の公表について
 資料2-1 改正化学物質審査規制法の施行状況及び既存化学物質の安全性点検について
 資料2-2 改正化審法の概要
 資料3-1 「環境ホルモン戦略計画SPEED'98」の改訂状況等について
 資料3-2 環境ホルモン戦略計画SPEED'98取組の成果(パンフレット)
 資料4-1 平成14度版PRTRデータの概要等について-化学物質の排出量・移動量の集計結果の概要等-
 資料4-2 「PRTRデータを読み解くための市民ガイドブック~平成14年度集計結果から~」の作成・公表について
 資料4-3 「いわゆるPRTR法対象物質に対応する化学物質分析法一覧」の作成について
 資料5 化学物質の環境リスク初期評価等(第3次とりまとめ)の結果について
 資料6 環境省における毒ガス問題への最近の取組状況について
 参考資料 別添参照

午後 1時00分開会

○企画部長 それでは、予定時刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会環境保健部会を開催させていただきます。
 委員の皆様には、ご多忙の中、またお暑い中をお集まりいただきましてありがとうございます。本日は、17名の委員の先生方からご出席の連絡をいただいておりまして、ただいま15名、定足数に達しておりますので、ご報告いたします。
 それでは、まず、議事に先立ちまして、滝澤環境保健部長よりごあいさつを申し上げます。

○環境保健部長 今年度に入りまして初めての環境保健部会を開催させていただきます。お暑い中、また世の中は夏休みモードに入っている、こういう時期にもかかわりませず、お集まりいただきましてまことにありがとうございます。また、平素から、環境保健行政、いろいろご専門の立場からご指導いただいておりますことを改めて御礼申し上げる次第でございます。
 前回は2月の開催であったかと思いますが、公健補償関係の答申をいただいたわけでございます。ちょうど半年を経過しております。きょうは、議題に幾つか上げさせていただいておりますが、化学物質対策につきましてさまざまな調査、制度があるわけでございますが、それぞれの相互の連携強化というようなことにつきまして、私どもなりに現時点でのコンセプトをまとめてみました。そういったことをご提示させていただきながら、先生方の忌憚のないご助言、ご指導をいただきたいと思っているわけでございます。
 また、昨年、化審法を改正させていただきまして、この4月から生態影響についての事項が加わった形で改正法が実施に移されているわけでございます。まだ、4、5、6、7と4カ月でございますが、その辺の化学物質の審査の状況等につきましてもご報告させていただきながら、幾つか課題というような形でも問題を提示させていただいております。この点につきましても、ぜひともご意見をちょうだいしたいと考えているわけでございます。また、このほか、この半年間にいろいろと定期的な公表ものもございました。また、いろいろ世間にご心配をおかけしております旧軍毒ガス問題についての最近の状況等々、種々の報告事項もさせていただくことにしております。
 2時間の審議時間でございますが、何とぞよろしくご審議をちょうだいしたいと、このように考えておりますので、お願い申し上げます。
 本日はどうもありがとうございます。

○企画課長 それでは、議事に入ります前に、前回の2月の部会以降、委員の異動がございましたので、ご紹介させていただきたいと思います。
 羽生田俊委員が退任されまして、後任として藤村伸委員に参加いただいております。
 それから、満岡三佶委員が退任されまして、後任として篠原善之委員にご参加いただいております。
 お2方とも本日ご出席いただいておりますので、藤村委員から一言お願いいたします。

○藤村委員 日本医師会の藤村でございます。4月から常任理事として日本医師会に入りまして、環境保健を担当させていただいております。この部会は初めてなものですから、今後いろいろ勉強させていただきながらやっていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○篠原委員 日本化学工業協会の篠原でございます。満岡委員のかわりにことしの6月末から委員になっております。よろしくお願いいたします。

○企画課長 また、事務局にも、この間人事異動がございましたので、新しく着任しましたメンバーをご紹介させていただきたいと思います。
 環境安全課長の上家でございます。
 続きまして、特殊疾病対策室長の青木でございます。
 続きまして、保健業務室長の俵木でございます。
 最後になりましたが、私、企画課長の柴垣と申します。よろしくお願いします。
 続きまして、お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。
 お手元にお配りしております議事次第の裏面に資料一覧を掲載させていただいておりますので、もし資料のご不足などがありましたら、事務局の方にお申しつけください。
 それでは、これ以降の議事進行を鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 皆さん、お暑いところをご苦労さまでございます。
 それでは、早速議事に入りたいと思いますが、最初に、本会議は非公開とする必要がありませんと、そう考えておりますので、公開といたします。
 本日の議題は、お手元の議事次第のとおりとなっておりますが、各項目ごとに事務局から説明してもらいまして、その後に各委員からご意見、ご質問をいただくという形で進めさせていただきたいと思います。どうぞ活発なご議論、ご討論をお願いいたします。
 それでは、まず最初に、いわゆる黒本調査、化学物質環境実態調査と各種化学物質対策の連携強化につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○環境安全課長 それでは、安全課の方からご説明させていただきます。
 資料1-1と1-2をあわせてご説明させていただきたいと思います。
 まず、資料1-1、1ページをごらんください。
 化学物質対策の基礎的な対応ということでは、まず基本的に、化学物質の有害性を評価し、暴露量を評価することによって「環境リスク」、つまり化学物質による人の健康や生態系に与える影響を生じさせるおそれ、これを算出いたしまして、この環境リスクを削減させていくというのが基本的な枠組みになるわけでございますが、この中で、化学物質環境実態調査、私ども、黒本調査と呼んでおります、黒い表紙になっておりますために黒本調査と呼んでいるわけですが、この黒本調査と申しますのは、このような化学物質対策の一連の流れの中で、暴露評価の前提となりますデータとして、さまざまな媒体で、幅広い観点から、公表させていただいているものでございます。黒本調査につきましては、昭和49年からの歴史を持つものではありますが、平成14年度に、この枠組みについて、中央環境審議会環境保健部会の化学物質評価専門委員会でご審議をいただきまして、調査対象物質の選定方法を毎年選定をし直すという方式に改訂をして、ことしで3年目になっております。つまり、今日の黒本調査は、その時期時期に応じて継続性、必要性を勘案しながら、毎年公開の物質選定委員会のもとで対象物質を選定するというやり方になっているわけでございます。
 しかしながら、現状の黒本調査では、本年4月から改正化学物質審査、いわゆる化審法が施行されましたし、さらに平成19年にはPRTR法も見直しが予定されているというような中で、行政需要に十分対応できていない嫌いがございます。例えば、化審法の中で十分な審査をするためのもとになりますデータ、そのための暴露データとしての黒本による調査が、十分な物質数が確保できないというようなことが現状として明らかになってきているわけでございます。化審法、あるいはPRTR法の見直し、さらには基本的な化学物質対策の中での需要に十分こたえていくためには、この黒本調査を十分に拡充していく必要があるというふうに私どもは考えているわけでございます。
 さらに、内分泌攪乱化学物質対策の中でも、この黒本調査とは若干切り離された形で、環境実態調査に類するものを今まで一部やってきている面もございますけれども、そういう調査データも化審法、あるいはPRTR法等にも使える暴露データでもあるわけです。それから、もう一つの観点から申しますと、この黒本調査は、基本的には地方環境研究所のご協力を得て、つまり地方自治体のご協力を得て、地方自治体での測定等を総合的にこちらで集大成するというような形になっておりまして、この地方環境研究所の化学物質測定能力の強化というのも求められているという背景がございます。
 このようなことから、黒本調査につきまして、これまで平成14年以来3年間、新たな体系で進めてまいりましたが、これをさらに強化できるような体制にしていきたいというふうに考えているわけでございます。
 次のページをごらんください。
 別添1の、2ページ左側に、平成14年度以来、現在行っております枠組みを示しておりますが、一番上にこの場であります中央環境審議会、その中に化学物質評価専門委員会というものをお願いしておりますけれども、一番下、スタートのラインが化学物質環境汚染実態調査物質選定検討会とあります。この物質選定検討会で選定されたものを、さまざまな分析法の手法を開発し、環境実態調査を行い、結果を取りまとめて報告するという枠組みになっておりますが、この規模が十分に基本的な行政需要に対応できていない、一方で、内分泌攪乱化学物質、あるいはPOPs等については別立ての調査があるというのが現行の体制でございます。
 これを、その隣、右側のものをごらんいただきたいのですが、内分泌攪乱化学物質についても、こちらの中環審にご報告させていただく。そして、POPsについてもモニタリングの結果を報告させていただくと、このような形にしていきたいというのが1点でございます。
 さらに、もう少し詳しく申し上げますと、1ページ飛びまして4ページをごらんいただきたいんですが、この点々で囲みました真ん中のものが黒本調査でございますけれども、黒本調査のデータ、この暴露評価のデータを化審法、化管法、PRTR制度、それから環境リスク初期評価に、さらに内分泌攪乱作用等を解明推進事業等にも、そしてPOPs条約への対応としても、さまざまな観点で、使えるような形に整備をさらに進めたいというのが現在の案でございます。このような形で進めていきたいということにつきまして、先生方からご意見をいただければということで、現行、そして今後の案をお示ししたわけでございます。
 続けて申し上げますと、この黒本調査そのものにつきまして、今年度、平成15年度版につきましては、ことし5月19日に「黒本調査、平成15年度版」として公表しておりますことを、もう一つの点としてご報告させていただきます。
 資料1につきましては以上でございます。

○鈴木部会長 資料1-2の話はいいんですか。

○環境安全課長 資料1-2は、先ほどの黒本調査、新たに今年度につきましては5月19日に公表させていただいたというご報告だけでございます。

○鈴木部会長 どうぞ。ご質問、ご討論ありましたら。
 眞柄委員。

○眞柄委員 暴露量調査についてお伺いしたいんですが、昨今、OECDなどを含めて暴露量調査の水準が随分上がってきているように思います。そういう観点で、今ここでは臍帯血などが入っておりますが、暴露量調査を、食品、水、空気、最近では皮膚吸収も考慮されているようですが、暴露量調査の内容を、今後はどの程度グレードアップされるお考えがあるかどうか、お聞かせいただけませんか。

○環境安全課長 説明がちょっと飛んでしまって恐縮ですが、別添2と書いております3ページをごらんください。
 現行の調査では、初期環境調査の部分、そして暴露量調査の部分、モニタリング調査の部分と、実は3つのパーツに分かれておりましたが、そのうちの現行の初期環境調査という部分には、初期調査に類する部分と、さらに詳細調査に至る部分と、十分に分化していない部分がございました。それで、今後につきましては初期環境調査の部分と、化審法、あるいはPRTRについての指定化学物質の見直しを具体的に行えるような詳細環境調査の部分とに、いわば分析のレベルを分けて行いたいというのが1点でございます。
 それから、今、眞柄先生がおっしゃいました暴露量調査につきましては、これまで内分泌攪乱化学物質対策の中で行っておりました、食事ですとか、一部生体試料の部分も、この黒本調査という枠組みの中で行うことによって、より広く活用できるようにしていきたいというふうに考えているわけでございます。具体的には、初期リスク評価のための暴露量調査、そして内分泌攪乱作用等に資する視点、野生生物における暴露、さまざまな化学物質の蓄積についても一部調べておりますが、こういう部分もこの枠組みの中で、さらには人の生体試料についても、まとめて暴露量調査という枠組みで行いたいということでございます。ただ、人の健康影響という点に特化した形ということでは、何分環境省としての環境実態調査でございますので、食事調査までは現行のものの中から直ちに行おうという形で、実際に既に行っておりますし、今後も行っていきたいと考えておりますが、経皮吸収等の視点となりますと、かなり人に特化した部分になりますので、その部分までは現在のところは対象とは考えていないということです。

○鈴木部会長 眞柄委員のご質問は、量反応関係の量にかかわった部分をどう評価できるかと。それがこれまでの暴露に関する調査でうまくいきますかねという意味を言外に含めているわけでありますが、それに対してのお答えとしては、事務局サイドのお答えは、これまでの流れをおっしゃったにすぎなかったのではないかという気がしますが、眞柄さん、いいですか。

○眞柄委員 今、委員長がおっしゃっていただきましたから、自分なりに考えているところを補足しますと、食品安全委員会ができて、TDIはあちらの方で決めるわけですね。環境の基準を決めるときには、我々の側で暴露量データを持っていないと、それぞれのメディアの環境基準もある種の規制基準も決められない。そういう観点からすると、もう少し暴露量調査を丁寧にやっていただくような方向性を見せていただきたいということでございます。

○環境安全課長 ご指摘は十分承りました。まずは、規模を十分に整え、体系を整えた上で、さらにその次でないと、いきなり来年度すぐさま対応できるかということになりますと、そこはちょっと苦しいところがございますが、あくまでも環境の視点からの暴露をちゃんととらえたいということがこちらとしても目指すところでございます。ただ、直ちにという対応はなかなか難しいということで、課題として承りたいと思います。

○鈴木部会長 人の健康の問題を特別扱いしないで、エクスターナルドーズとインターナルドーズの問題を、人以外の生物に関しても考えなければいけないというふうになるんだろうと思いますが、その辺、どなたかご意見はないですか。いいですか。
 井口委員、何か意見は……。

○井口委員 どうしたらいいかというところが一番問題だと思うんですけれども、PCB関連の野生動物調査では、割合暴露量だけは出てくるんですよね。ですから、えさからどれぐらい寄与しているかというようなことも、対象となるえさの方もはかって合わせるというようなことも、多分委員会の中で考えて積み上げていけばいいかと思いますけれども。

○鈴木部会長 どうもありがとうございました。
 ほかにございませんか。どうぞ。

○浅野委員 大変結構な方向が出てきたと思うんですね。前から、この化学物質の黒本調査は非常に寂しいと言い続けてきて、大分充実されてきたのはいいことだと思います。
 2つ、前から言い続けてきたことは、予算がとにかく少ない。もっと予算をふやさなきゃいけない。これは強調してきたところでありますから、来年どのぐらい予算を要求されるか知りませんが、ここは部会としては一生懸命頑張って、厳しい財政事情の中でも、こういう面についての予算を今後は重点的に投入する必要があるということを意見として申し上げたい。幾ら予算を要求するか、数字をここで述べよまでは言う気はありませんけれども、ぜひ画期的に数字がふえることを期待したい。
 それから、こういうことをやるときに、もう一ついろいろなところで問題になるのは人の問題ですよね。結局人が足りない。だから、今度は逆にお金がふえると、お金がこなせなくなってしまって、特定のところの研究所や何かに物すごい負担がかかって、眞柄先生のところで討ち死にをする人が出たりすると困るものですから、人の問題についてはどう考えていられるのか。今回は、地方の環境研究所を強化するという線が出てきたのは非常にいいことだと思うんですけれども、この辺のところはもう少し、具体的にはどんな形で強化を考えておられるのかですね。
 それから、別の化審法のときにもさんざん議論があったんですが、今後の専門家養成について、環境省としてもどこまで本気で取り組むのかということについて、もし何か今の段階でお考えがあればお聞かせください。

○環境安全課長 まず、地方の強化という観点では、現行でも地方に分析をお願いするだけではなくて、そもそもの分析法の開発の部分までも地方環境研究所にお願いをし、それで分析法が開発できたところで、さらに箇所数をふやして地方環境研究所にデータを出していただくというふうな形になっているわけですが、この分析法の開発の部分をさらに進めやすくするような環境を整えたいというようなことをまず考えているわけでございます。具体的に言いますと、LC-MS等による詳細な分析ができるようなところをもっとふやしていくための方策を考えてはどうかというようなことを今考えているわけでございます。これによりまして、従来の分析法ではとらえられなかった部分の分析ができるようになる。それだけではなくて、そういうチャンス、そういう仕事があるのだということを地方環境研究所が認識するというよりは、地方自治体にもわかってもらえるような方向を出していければということを今目指しているわけでございます。
 一方、専門家の養成というのはなかなか難しい部分でございますが、これも十分なデータを整え、テーマがあるところに専門家の検討会を重ねていくということから、当面はやっていきたいというふうに考えております。

○鈴木部会長 ほかによろしゅうございますか。
 どうぞ、中杉委員。

○中杉委員 私は、環境リスク管理など、幾つかの委員会をお手伝いしているんですが、3つの委員会の関連で、この方向は非常に重要だろうと思っていますので申し上げさせていただきます。
 まず、化学物質審査室は、今、大分化審法の改正、見直しをやっておりまして、これは事業者の方の負担を減らすという観点で、できるだけ試験の数を減らそうということでやっています。これは、これまでの経験から踏まえて、多分大丈夫だろうということでやっているんですけれども、化学物質の問題というのは、これまで我々の知らないところで起こったり、知らないことが起こって問題が出るということがありますね。それを担保する、簡略化した部分を担保することが必要であろうと。そういう点で言うと、環境濃度をしっかり把握しておくということが必要である。そういう面で、黒本の調査というのは非常に重要だろうということが一つです。
 それから2つ目は、直接ですけれども、物質の選定のお手伝いをしているんですが、毎回多くの物質が出てくるんですけれども、その中のごく一部しか採用できないということ。それから、採用の観点も、私もかかわっていながら適切にできていないんですけれども、もう少し整理をする必要があるだろうということが一つ。
 それから、3つ目は暴露評価の話で、これは眞柄先生が言われたような詳細な評価という場面ではなく、初期リスクの評価ですけれども、初期リスクの評価の段階でも、データがないことによって評価できないというのが物すごく多くあります。これは人の健康だけじゃなくて、生態の方もそういう状況ですので、そういう面の充実も必要だろうと。そういう意味で、この黒本調査を充実していくということは非常に重要だろうと思います。
 ただ、全体としては流れを体系化しないと、調査だけ充実しても、それを有効に利用できないと、なかなか意味があるものにならないという意味では、しっかりした体系を組んでいただいて、流れをしっかりつくり直していただく必要があるかというふうに思います。

○藤井委員 1ページ目の、先ほどの地方環境研究所の件ですが、琵琶湖周辺の地下水の飲料水の汚染とか、それと産廃による汚染とか、そういう問題が多発している中で、私たちが時期に合って、そして私たちが納得できるようなデータを地方環境研究所からいただいたためしがないんです。こういう中で、地方環境研究所の強化というときに、自治体の予算措置を含めてきっちりやれということなのか。そうではなくて、機能だけそうあるべしというふうになったときに本当にできるのだろうか。地方環境研究所の位置づけが相当高いとすれば、そこについての予算措置、先ほど人の問題とかいろいろ出てきましたが、その相互について少しお聞かせいただきたいと思います。

○環境安全課長 一義的には、やはり地方環境研究所は自治体のものなわけで、その中で、環境省がお願いしている部分についてはいろいろな手だてを、今までも、十分ではないかもしれませんが予算措置もしてきております。予算措置もできるだけ強化していきたいわけですけれども、それと同時に、位置づけについて、やはり環境省としてのアピールをしていくということも私たちの役割にあるのではないかというふうに考えております。ですから、従来の予算措置をさらに強化できればいいんですが、これはそういう方向を目指したいということまでしか申し上げられませんが、それと同時に、位置づけについて地方自治体にこちらがアピールするということもやっていきたいという、両方を考えております。
 ただ、人をつけるという点までは、それは自治体のそれぞれのお考えによるものですので、なかなか運営そのものに踏み込んで、国として何かをしてあげられるという部分は限定的であるということはやむを得ないと思っております。

○鈴木部会長 この問題は非常に難しい問題を含んでいるテーマですが、どなたかご意見はありますか。

○吉岡委員 今の問題ですか。じゃ、違います。

○浅野委員 じゃ、ちょっと今の点について。
 ほかの部会でも、須藤委員が、実際自分が責任者の立場に立たれたものですからたびたび発言をしておられるんですけれども、現在、地方も行革の波の中で、環境研究所が次々につぶされつつあるんですね。県が持っている研究所の統合とか独立行政法人化のような動きが非常に強く出ているんですね。統合の動きについては、見方によれば、統合的に研究がちゃんとできるなら悪くないという面もあるんですけれども、下手をすると、その機能が低下するという可能性が出てくる。一番の問題は、地方の環境研究所が単なる分析屋の集団でしかないという程度の認識しか持たれていない。だから、それだったら民間の分析機関でも十分じゃないかという程度の認識しかなかったり、それから、それは単なる研究をやるなら大学でいいじゃないかというふうになってしまっているんですね。根本的な問題は、国環研と共通の根っこがあると思うんですけれども、要するに、行政の組織の中に研究組織を持っていて、研究という観点と行政需要との観点をどううまく統合するかということが十分整理がついていないと思うんです。ですから、国環研にもそういうことをお願いすることがあるんですが、少なくともそれぞれ何かばらばらにやっているとか、トップランナー方式みたいなことを考えて、いいところはうんとお金をつけてやらせるみたいなことを考えていたのでは、ますます地域の環境研究所の格差が出過ぎてしまうんですね。むしろ、だから、連絡協議のようなところについては、環境省が今以上に旅費などもきちんと支給するような形で連絡協議ができるような組織をつくっておく。
 とりわけやはり大事なのは、環境保健の分野が一番重要だと言われているわけですから、せめてその辺の担当者の連絡協議会のようなものが環境省の手によってできるとかいうことがあるだけでも随分違うだろうと思いますし、それから、地方の自治体の財政当局にとっては、やはり国からどれだけきちんとしたお金の面倒を見てもらえているかによって、その業務の価値をはかるという妙な指標があります。いいことではないけれども、その指標が現実にある以上は、その指標が十分に生かせるように、彼らが少なくとも行革の中でしっかり自分たちのポジションが維持できるようにしてあげるためには、格段の配慮が必要だというのが私の意見です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 吉岡委員、どうぞ。別のテーマに移っている発言で……。

○吉岡委員 今回の改正の案とは直接関係がないかもしれませんけれども、多分モニタリング等のことは、これからの物質の数を考えてみても限界が出てくるだろうと思います。私が興味を持っておりますのは、3ページの表の中で(5)番の環境中の濃度レベル推計というところでございます。つまり、どういう物質がどういう理由でそこにどれだけあったんだということを推計することがある程度可能であれば、物質数を絞ることも、あるいは今後どうしたらいいかということを考える上においても非常に重要になるんではないかなというふうに思っております。ここにもちろん書いてございますように、推計ができるように努力していらっしゃるだろうとは思いますけれども、日本は、基礎データをいっぱい出すけれども、それを理論化してモデル化して、世界に「こういうモデルがあるんだよ。使ってちょうだいね」というような話で提示をするという考え方は比較的少ない。事実関係をたくさん出してきても、それはただ単にデータで終わってしまって、それらを統合して解析をちゃんとやっておいて、そして次の行政にそれを利用するという、そういう考え方、そういうステップというものを組織的につくっていったらどうかなというふうに思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 何かナショナルセンターみたいなものを考えているんですか、今の問題は。

○吉岡委員 いや、どこが担当しておるかは存じませんけれども、これ、例えばこの図で見てみますと、内分泌にしてもPOPsにしても、化学物質、これは一般的なものですが、結局はみんな同じことをするんです。違うのは、分析が違ったり、あるいはとる場所が違ったりしているということだけなんですね。あとの部分は全部同じプロセスを見ていくはずなんです。そういう意味では、体系化というのを本当に考えた場合には、これらのものは全部同じに扱っている。ただ部署が違うだけの話だというふうには思います。そういう研究というのが、本当は個別の研究所とかいったところにセンターを置いてやっていかれれば、先ほども申されましたように、行政と研究というふうな見方という一つの解になるんではないかなというふうに思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。

○藤村委員 この部会で行われる検討というのは、環境に悪影響をもたらす物質を科学的に測定する、モニタリングする、そういうことにとどまっているわけですか。例えば化学物質が動植物、あるいは人体にどういう影響を及ぼしているのか。及ぼしているとしたら、その暴露量と健康障害との相関はどうなのか。具体的に、暴露がこのぐらいあるから、どう対応するかという議論が抜け落ちているような感じがするんですけれども。例えば内分泌攪乱化学物質、例えば地域によって関与する物質の暴露量に格差があるとしたらば、地域的に人間、あるいはほかの動物のホルモン動態を検討するというような、そういうアプローチの仕方というのは、本部会では全く関係のないことと考えてよろしいですか。

○鈴木部会長 企画課長、これ、この部会のマンデートといいますか、我々は何をやるために集まっているのかという話を若干ご説明いただいた方がいいような気がするんですけれども。決して単に化学物質だけを考えているわけじゃないわけです。安全課長でも結構でございます。

○環境安全課長 藤村先生がおっしゃったように、まさに単に暴露だけでは先へ進まない、環境のリスクを調べ、それを管理するというところまではいかないわけですが、本日私どもからご報告させていただいている部分は暴露評価の部分であるということでございまして、その次には、もちろん藤村先生がおっしゃった毒性を評価し、あわせてリスクを評価する部分が当然あるわけです。これについては、さらにその先の評価をした末に管理をするという化学物質審査規制法での化学物質の管理、あるいは、その前の段階での初期リスク評価を行う環境リスク初期評価の部分、そういうところへつなぐための基礎データをどうするかというところの部分だけを、きょうお諮りし、ご報告したわけです。その次の部分については、きょうの他の議題、ほかの課室からご報告をさせていただくことになっておりますが、最初の議題の部分は暴露評価の部分と、このような位置づけでございます。

○鈴木部会長 一呼吸待っていただくことにして、先へ進みたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、その次は、改正化学物質審査規制法の施行状況及び既存化学物質の安全性点検の推進についてということで、事務局からお願いします。

○化学物質審査室長 それでは、お手元の資料2-1と2-2に基づきまして、改正化学物質審査規制法の施行状況及び既存化学物質の安全性点検についてご説明を申し上げます。
 資料2-2の改正化審法の概要についてお示ししています。当審議会でもご審議いただいた答申に基づきまして、昨年5月に化審法の改正が行われ、本年4月より、その改正化審法が全面的に施行になっております。改正点としては、先ほど私どもの部長の方からのあいさつにもございましたように、人への影響のみならず、環境中の動植物への影響にも着目した審査規制制度を導入したこと、それから、資料2-2の右上の方、真ん中あたりにごらんいただきますように、新規化学物質の審査の際に取り扱い方法等から見て、環境汚染のおそれがない場合として政令で定める場合として、幾つか定めています。従前の化審法は、化学物質そのものの毒性をまず評価して、その毒性の程度に応じた規制、それから管理をしていくという体系でございましたが、環境中に出る可能性が低いものについては、毒性の審査は行わないといった特例が導入されているわけでございます。
 それでは、資料2-1の方に戻りまして、改正化審法の施行状況についてご説明申し上げます。
 本年4月から施行されて、7月末日までに4カ月、およそ3分の1年経過しました。その間、122物質についての審査が行われました。下の表でご覧いただきますと、延べ審査物質数について、平成15年、平成16年度を比較していただきますと、平成15年度が1年間で延べ307物質、平成16年度が4カ月で122物質ということですから、単純に1年に伸ばして3倍してみますと、大体去年より2割ぐらい多くなっています。今回の改正によって生態毒性、動植物への影響についても見ていきましょうということになりました。通常審査というところを見ていただきますと、昨年145物質、ことしが2物質、こういう状況になっておりまして、生態毒性試験結果に基づく審査が行われたものは通常審査の2物質、そのうち1物質が第三種監視化学物質相当と判定され、残りの1物質は継続審議中でございます。
 続きまして、[2]番目が低生産量の特例に関する新規化学物質の判定でございます。製造量が1トンから10トンのものについては低生産量の特例として、分解性、それから濃縮性の試験結果だけで、人毒性、生態毒性、そういった試験を添付する必要がありません。まず難分解性であるけれども高蓄積性でなく、第二種監視化学物質または第三種監視化学物質に合致するかどうか明らかでないことを確認します。こういった物質が61物質ございまして、この物質につきましては、毎年度申し出によって、製造量が10トン以下であること、それから、既に得られている既知見等から判断して、その新規化学物質による環境の汚染が生じて人の健康に係る被害または生活環境動植物の生息もしくは生育に係る被害が生ずるおそれがあるものではないことということが毎年度毎年度、これは審議会での審査ではなくて、それぞれの行政機関が確認した上で、その限度内において製造がなされることになっております。ごらんいただきますように、従来、通常の審査が行われていたかなりの部分が低生産量の特例審査を利用しているのではないかというのが現状でございます。
 続きまして、1枚めくっていただいて、2ページ目をごらんいただけますでしょうか。
 ここでは、中間物・閉鎖系等に係る特例の適用、前のページでは化学物質審査小委員会で審査していただいているものについてのご報告ですけれども、このページにつきましては、法律上、審議会のご意見を伺わずに行政が判断している部分でございます。その新規化学物質に関して予定されている取り扱いの方法等から見て、その新規化学物質による環境の汚染が生ずるおそれがないものとして定める場合、こういったものについては、提出される資料によりまして、施設の状況、それから設備の状況、製造時における環境汚染防止措置、管理体制等の審査結果についての判定が行われることになっています。これまでに28物質が確認済み、それから、同数程度の申請が上がっております。具体的に申し上げますと、新規化学物質の全量が他の化学物質に変化してしまうという、いわゆる中間物、それから、使用されるところが外部に漏れるようなおそれが全くないような使用がされる閉鎖系の用途、それから輸出専用品といったものでございます。
 3ページの方をごらんいただきますと、こういった、この4カ月の施行状況を踏まえまして、さらに事業として改善すべき点、制度として要検討すべきじゃないだろうかといった点を3つばかり挙げております。
 1番目が生態毒性審査に係る課題及び対応ということでございます。生態毒性スクリーニング試験といたしまして、新規化学物質を溶解した水中での藻類、ミジンコ、魚類への急性毒性試験の結果に基づいて、動植物への影響をまずはスクリーニングすることになっておりますけれども、例えば水に難溶の物質、それから光を通さないような物質、いろいろな試験困難物質が想定され、既に幾つか出ております。こういったものについて、きっちりした試験方法や評価方法を速やかに検討、円滑な審査を行うための体制を整備していきましょうというふうに考えております。具体的に申し上げますと、水に溶けないような物質というのが生体内の脂に溶けやすかったりして、水には溶けないんだけれども毒性が出る可能性があるようなものといったものは、きっちり押さえていく必要があるだろうというようなことでございます。
 2番目が低生産量の特例審査に係る課題でございます。ここでは、第二種監視化学物質、または第三種監視化学物質と判定するに至る十分なデータはないものの、委員の先生方の知見からして、構造等から見て人及び動植物への毒性が懸念が指摘されるような物質というのが出てきております。こういった物質も含めて、特に毒性が強いことが想定される物質については、たとえ生産量が少なくて環境中でなかなか検出しづらくても、かなりリスクの点で留意が必要なことが考えられますので、化学物質の構造や物理化学的性状から毒性を簡易に推計する方法の開発や、リスク評価の高度化の方法といった取り組みを着実に進めてまいりたいと思っております。
 3番目が中間体等に係る届け出の特例の適用に係る課題でございます。資料2の図の方でごらんいただきますと、右上の方に、取り扱いの方法から見て、環境の汚染のおそれがない場合として政令で定める場合、ここで3つの場合を先ほど申し上げましたけれども、事前の確認をした上で製造・輸入が可能になります。もうちょっと下へ行っていただきますと、報告徴収・立ち入り検査、すなわち事前の確認と事後の監視、合わせ技一本で、こういったものについては特例的に認めていきましょうということでございますので、報告徴収・立ち入り検査等の事後監視体制をきっちり充実させようと考えております。
 続きまして、既存化学物質の点検を促進するための方策についてでございます。既存化学物質と申しますと、法律ができるまでに製造されていたものにつきましては、こういった自動的に事業者による毒性の届け出がなされて審査がなされるという形にはなっておりません。そこで、分解性及び蓄積性については経済産業省が、人の健康については厚生労働省が、これまで試験を実施してまいりました。化審法の改正によって、人の健康のみならず、動植物への影響にも着目した審査制度が導入されたことから、これらの物質について動植物への影響の観点から試験を実施する等によって毒性を判定し、その結果に基づいて、新規化学物質と同様に毒性が強いものについてはきっちりした管理をしていくことが必要と考えられております。
 最後のページにまいりますと、それでは、どういった観点から生態毒性に係る既存化学物質の安全性点検を進めていくかということでございます。実際に試験を実施して、その試験結果から判定するという方法もございますが、[1]にありますように、まず既存知見を活用していきましょうと考えております。一つはPRTR法の対象物質選定のために収集・整理したデータや考え方。続きまして、OECD諸国が共同してHPVプログラム、2国以上で1,000トン以上製造されているような化学物質等につきましては、毒性データを協力して集めていきましょうといったようなプログラムに基づいて収集・評価されたようなレポート、それから、過去に環境省が実施した生態毒性試験結果、これらを審議会にお諮りした上で、第三種監視化学物質の指定に最大限利用していこうと考えております。
 2番目といたしまして、人の健康への影響の観点から審査済みの物質への対応。既存化学物質が2万物質あると申しましたけれども、人の健康の観点から数千物質が、昭和48年以降、この3月の間まで審査が行われております。そういった際に、審議会の先生方から、例えば生態毒性データがついていたので、これは生態毒性について留意すべきですねと指摘された物質、それから、濃縮度試験をする際に、濃度を設定するために用量設定試験としてコイの毒性試験をしますが、その結果から生態毒性が高いと思われるようなもの、過去ご審議いただいて、直接審査には使わなかったんだけれども、蓄積してきた生態毒性に係る考え方、データといったものがございますので、そういったものも利用していきたいなと考えております。
 3番目が生態毒性試験の実施ということで、これまで実施された点検により難分解性であることが確認されているもの、生産量が多いもの、黒本調査で環境中で検出されているもの等、特に点検が急がれるものから優先的に生態毒性を実施する。ここまでが本年度やっていこうと考えているものでございます。
 (3)といたしまして、さらに点検を効率化、促進し、官民連携してやっていくためには、もうちょっと一工夫必要であろうといったことから、効率的にやっていくために簡易生態毒性評価手法、推計手法といったものを開発して、官民連携のもとで国際的な動向も踏まえつつ、生態毒性試験と簡易推計手法を組み合わせて、量が少ないものから多いものまで含めて、既存化学物質、既審査化学物質をきっちり審査できるような必要な予算要求をしていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 どうもありがとうございました。
 ご質問ありましたらどうぞ。特にありませんか。
 どうぞ、篠原委員。

○篠原委員 私もきょう初めてでございますので、ちょっとピントが外れているかもしれませんけれども、今のご説明で、今回、ことし4月施行されている化審法の改正の運用状況と、今後の課題をご説明いただきました。最後のところでの新しい取り組みとして、官民の連携でもって既存化学物質の点検を促進するということに関係しまして、化学業界も、従来からHPVと称する高生産量の物質の安全点検をずっと進めてきており、今後もこれを積極的にやっていかなきゃいけないと思っています。特に官民連携という新しい枠組みの中で、私どもも積極的にやっていきたいというふうに考えていますし、国の方も、今まで以上の積極的な取り組みをぜひお願いしたいと思います。新しい連携の体系については、私どもも積極的に受け入れていきたいというふうに考えております。今おっしゃったことへの感想でございます。

○化学物質審査室長 ありがとうございます。産業界の皆さん方といろいろお話を、この3月ぐらいから始めさせていただいて、そういった中でも、官民連携するからには国もしっかり汗を流してくださいよと。汗だけじゃなくて知恵も絞れというようなお話もございましたので、汗としては、国が検査するような予算を増額するというのは、これは必要だろうなと。知恵といたしましては、生態毒性試験を全部やるんじゃなくて、プライオリティーが低いようなものについては簡易毒性試験について簡易な方法で評価できるようにできないだろうかと。当然委員がおっしゃったようなHPVを促進するとともに、量が少ないところから多いところまで含めてきっちりできるようにするために、また協力させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 実際の官民連携が進んでいくと、それなりにデリケートな問題が生じたりするでしょうけれども、それはそれとして、ぜひ官民連携を進めてくださいというのをお願いいたします。

○篠原委員 最後の簡易生態毒性推計手法については、効率的に進めていく、いわゆるスピードを上げるという意味では非常に重要なことだと思います。国だけではなくて産業界の中にも、恐らく知恵が出る人もいるんじゃないかと思いますので、そういう人たちを大いに活用していただきたいと思います。よろしくお願いします。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 それでは、先へ進みたいと思いますが。

○浅野委員 1点、ちょっといいですか。
 中間物・閉鎖系に係る特例の適用のところで、立ち入り調査などについてもさらに強化するということについては、その必要性はあると思います。これはリスクの管理という観点から改正をして、何もかも厳しくやらなくても、ちゃんとやっているところはいいじゃないかというので改正をしたんですが、確かに昨今の企業のビヘービアを見ていますと、やはり信頼性を損なうことがたびたび出てくるものですから、これについては余り細かく、例えば閉鎖系で使われていることについてのちゃんとした担保をどうやって確保するかということは余り考えずに、法改正だけやっちゃったと正直思っているんですね。例えば書類をどの程度きちんと整備させるのかとかいうようなことについても、そんなに法律事項としてはきちんと書き込んでいなかったような気がするので、この辺のところはかなり運用に任される面があると思いますが、やはり国民の信頼を裏切るようなことが一件でも起こると、すべてが崩れてしまうので、この辺は特に重要だと思うんですね。
 特に立ち入り調査をしても、書類等がちゃんと整備されていなかったら何もわからないということが起こるものですから、形式的に立ち入りするだけで、これでいいということにはならないような気がするんです。この辺のところは関係省庁でよく話し合って、業界とも話し合って、例えば書類をどういうものをきちんと管理、整備してもらうのかといったような点についても、これをみてはっと気がついたものですから、ぜひ検討していただきたいと思います。

○鈴木部会長 ありがとうございました。

○藤村委員 こういう化学物質が健康被害を起こすというのは、2つ考えなければいけない。まず、それが蓄積されていく。どこでどうやって蓄積されていくか。動植物に取り込まれて、それがだんだんに濃縮されて、それで最終的に食物連鎖として人体に障害を与えるというようなことも考えなければいけない。つまり急性毒性を調べたり、ただ生態毒性試験をするだけじゃなくて、そういう経過が非常に大切だと思うんです。
 化学物質の発がん性の問題ですが、発がん性については既存知識もいろいろあるわけですから、それとの関連性、こういうようなものも検討しないと、ちょっと片手落ちのような気がするんですが。

○化学物質審査室長 すみません。お手元の資料の2-1をちょっとごらんいただけますでしょうか。今、委員がご指摘いただいたような点に関して、今、添付される試験成績、表のところをまたごらんいただきますと、まず環境中に出て分解するか、しないかといったことについては、分解性試験、新規化学物質を活性汚泥と一緒に数十日間置いておいて、どのぐらい分解するかという試験をします。続いて、生物体内においてどれだけ濃縮されるか。代謝が悪いようなものに関しては毒性が長く強くきく可能性があるということで、濃縮性試験を実施しています。人毒性については、変異原性試験及び28日反復投与試験を実施いたします。難分解で高濃縮なものにつきましては、がん原性試験であるとか催奇形性試験なども実施するような枠組みになっております。おっしゃるように、本当にどういった影響が出るから、どの程度の規制をしなければならないかということは、引き続きまたご指導いただきながら、さらに精緻なものにしていきたいというふうに考えています。

○鈴木部会長 それでは、先に進みたいと思います。

○環境保健部長 部会長、すみません。ちょっとリスク評価室からも追加させます。

○環境リスク評価室長 追加でございますけれども、環境リスク評価室でございます。
 後ほどまた灰色本、グレー本についての今年度の結果をちょっとご説明いたしますが、環境リスク評価室におきましても、化学物質の健康への影響、それから生態への影響が本当に人へどうなのか、あるいはその生態の生物中にどうなのか、それから人につきましても、急性毒性と、それから慢性毒性、それから今、藤村委員がおっしゃいましたように、発がん性につきましてもあわせて評価を行って、その物質がどのぐらい環境中に出てきているのか、その暴露の状況と、それから、その物質そのものがどういう人への健康影響で、どのぐらいの量で影響が起こり得るんだろうかというようなことをあわせましてリスク評価を行っているところでございます。また後ほど、ちょっと詳しくご説明させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○鈴木部会長 よろしいですか。
 それでは、最近の環境保健行政に関する諸事案ですね。最初は「環境ホルモン戦略計画SPEED'98」の改訂状況等につきまして、事務局からどうぞ。

○環境安全課長 それでは、資料3-1をごらんください。環境ホルモンに関します対策を総まとめにしました「環境ホルモン戦略計画SPEED'98」と呼んでおりますが、昨年来改訂するための作業をしております。この中間的なご報告をここでさせていただきたいと思います。
 まず、このSPEED'98、98と申しますように、1998年から現在まで行っているものでございますが、これまでの取り組みの状況を踏まえて、さらに国際状況がかなり変化してきておりますので、そういうものも加味した上で、今後どのような対策、どのような計画が必要かということで見直し作業を進めているわけでございます。委員の先生方は、鈴木座長を初め、本日ご出席いただいている先生の中では森田先生、井口先生にもご参加いただいておりますが、このような委員構成で改訂のご議論をしていただいておりまして、これまで既に5回の議論を重ねてきております。その中で、これまで環境省として内分泌攪乱化学物質問題にどのような取り組みをしてきたのかという意味で、取り組みの成果をまとめて、広く国民に知らせるべきであるというご意見をいただき、そして、その国民に知らせるべき内容としてどのようなものが適当かということについては、広く意見を集めるべきだというご意見もいただきましたので、環境ホルモン学会を初め、専門家の先生方にアンケートをとりまして、アンケートの結果も踏まえてわかりやすいパンフレットをつくろうということで、お手元の資料3-2になりますが、このようなパンフレットをワーキンググループの中でつくったところでございます。
 これまでの取り組みについて、研究的な部分、環境中の濃度、あるいは野生生物の状況、そして内分泌攪乱作用を調べるための生態系への影響、人の健康影響という観点での試験法の開発、開発された試験法による具体的な試験の結果等も表のような形にまとめましてお示しし、さらに、このSPEED'98では、単に研究を進めるだけではなくて、国際的な協力も進めるということで、国際シンポジウム等も毎年開いているわけでございますし、それからOECD、あるいはWHO等の国際機関との連携というものも、そういうところへの積極的な参画もしているわけでございますが、そういうような国際的な協力という側面のページ、そういうものをまとめてつくったところでございます。取り組みの成果を一旦このような形でまとめた上で、さらに国際機関、あるいは諸外国の取り組みがどのようになっているかをレビューした上で、今後どのような形にしていくかというのを現在ご議論いただいているところでございまして、3ページになりますが、今後の改訂版に記載する項目についての方針案ができ上がりつつあるところでございます。
 具体的に申し上げますと、これまでのSPEED'98に加えまして、基盤的な研究をさらに進める必要がある、と申しますのは、98年当時、環境ホルモン問題という形でかなり社会的にも注目されましたが、その後の研究によりまして、そのメカニズム、あるいは基礎的な生物学的な知見について、もっともっと研究をしていくべき分野が広いということがわかってきたわけで、そういう意味で基盤的な研究を進める必要があるということ。それから、化学物質対策全般に言えることですが、ハザード、毒性の研究とともに暴露の評価が要るわけですけれども、環境中での検出、あるいは野生生物等での観察といったような暴露、あるいは自然の中での変化をとらえるという観点での体制の整備が必要であるということもご指摘をいただいたところでございます。それから、従来からかなり積極的に、我が国が国際的にもリードしている形で進めております影響評価のための技術開発、これも従来同様、試験法の開発ということから始まりまして、具体的な試験についても、あるいは疫学的手法の確立等についても進めていく必要がある。少し重複しますが、暴露の測定を十分やっていく必要がある。このようなことは、これまでも言ってきたわけですが、これまでのSPEED'98の中で柱として上がっておりませんでしたリスクコミュニケーションを挙げております。つまり環境ホルモン問題は、単にそのような作用が化学物質にあるかどうか、あるとしたらどのような影響があるのかという科学的な側面だけではなくて、一般の国民の方々へのさまざまな不安を与えてきた、理解をしていただく努力を十分にしてきたかという観点で言いますと、情報の提供、あるいはコミュニケーションという観点が今まで余り力を入れられてきていなかったのではないかという反省がございます。そういった意味で、6番目の柱として、リスクコミュニケーションの推進というものを挙げさせていただくということになっております。このような6つの柱でもって、それに対して国際的な連携ですとか国内でのさまざまな連携も含めて配慮しながら進めていくというような柱立てで、さらに詳細な書き込みをこれから進めていこうというふうな段階にワーキンググループの状況は来ております。
 今後につきましては、これは2年間での改訂を目指しておりますもので、今年度中に新しい戦略計画というようなものを取りまとめていきたいということで、今後も4回ないし5回のワーキンググループを開く予定で準備を進めているところでございます。
 SPEED'98の改訂につきましては以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 どうぞ、ご質問なり何なりありましたら。特にございませんか。よろしゅうございますか。
 それでは、時間も押しておりますから先へ進むことにして、この次のテーマはPRTRですね。「平成14年度PRTRデータの概要等について」の公表について、どうぞ、事務局。

○環境安全課長 それでは、資料4-1、そして別添、さらに、とじた一番最後のところに別紙というものがついております、これと、その後の資料4-2、市民ガイドブックをあわせて、PRTRについてまとめてご報告させていただきます。
 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」、化学物質排出把握管理促進法、もっと縮めて化管法というような形で呼んでおりますが、いわゆるPRTR法につきまして、現在、昨年度になりますが、ことしの3月29日の時点で第2回目の平成14年度のPRTRデータについての概況を公表したところでございます。この化管法が公布されましたのは平成11年7月ですけれども、実際に化管法によるPRTRデータの公表が行われましたのは一昨年度、昨年度の、これまでに2カ年公表がなされたところでございます。この3月、平成14年度のデータが出た時点で、2年分公表されたものですから、比較ができるようになってまいりました。
 そこで、別紙という一番最後の束をごらんいただきたいのですが、届出排出量・移動量に関する平成14年度データと13年度データの比較の部分がこの3月に公表されましたときに、新聞等でも注目をされた点でございます。届出のあった事業所数としてはほぼ同数で、大きな変化はございませんでしたが、届出排出量・移動量を比較してみますと、届出排出量につきまして、平成13年度と比べますと全体として7.1%減少したと、このようなデータになってきております。届出移動量の方はほぼ同量と、これは大きな点でございますが、具体的にこのPRTR制度によって排出量が減少したのか、ほかの要因によるのか等までは、なかなかこのデータだけでは一律に判断することができませんので、さらに聞き取り調査等を現在行っているところでございますが、少なくとも2カ年分、順調にPRTRのデータが公表できたということをご報告させていただきます。
 さらに、資料4-2になりますが、このPRTR、もともと制度自体が、これまでの基準を決め規制をするというような管理手法と違いまして、排出量等のデータを公表し、求めに応じて開示することによってリスクコミュニケーションが生まれ、自主的な取り組みが進むことを期待すると、このような枠組みの制度でございますので、PRTRデータそのものを国民の方々に広く理解をしていただく必要があるということで、「PRTRデータを読み解くための市民ガイドブック」というものもつくっております。資料4-2にお示ししておりますが、この市民ガイドブック、こちらですが、これを平成15年に初めて出しましたが、今年、また新たなデータを追加いたしまして、それから、多少読みやすいようにページの色を変えたりとかいうような形で少し改訂をいたしまして、16年版としてこの7月27日に公表をしたところでございます。
 このような形で、PRTRデータそのものに市民の方々にもご関心を持っていただき、それから、事業者の方々にも環境報告書その他に掲載し、さらには市民との対話を進めていただくことによって、この化学物質に対する理解、あるいは自主的取り組みの促進を図りたいという枠組みでございますので、今年度も順調にこのように進んでいるということをご報告させていただきます。なお、この市民ガイドブック、今年度のものは既に1万部配っております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 どうもありがとうございました。
 どうぞ、ご質問がありましたら、あるいはご意見でも。
 どうぞ、森田委員。

○森田委員 順調に立ち上がっているなという感じがいたしますが、この間少し新聞に出ていた、アメリカでEPAがPRTR法違反だというような形で、デュポンがPFOSの排出量をきちんと報告していなかった。200億円のペナルティーを課すといって新聞に出ておったような気がするんですが、この日本のPRTR法というのは、そういう行政処分が可能なようなことになっているんでしょうか。

○環境安全課長 そのような罰則という形にはなっておりません。しかしながら、冒頭で申し上げましたような黒本調査での一般環境での実測値と検証してみるとか、さまざまな裏付けデータを総合的に判断することで、届出の促進等を進めていこうというふうになっております。
 罰則につきましては、以下の各号に該当する者は30万円以下の過料というのがございまして、第5条第2項の規定です。

○事務局 担当からご説明いたしますと、届出事項につきまして、虚偽の届け出をした場合等につきましては20万円以下の過料を課すという罰則事項がございます。

○鈴木部会長 大分違いますね。今の問題はともかくとして、何かほかにございますか。よろしゅうございますか。
 いわば、何しろ自主性を大事にする形で展開しようというんだから、こちら側も辛抱が要るようで、そうせっかちにああだこうだという感じよりは、じっくり腰を据えて眺めるというのが大事なことなんじゃないかなと、そう思っております。
 さて、それでは先へ行きましょう。化学物質の環境リスク初期評価等(第3次とりまとめ)の結果について、事務局から説明してください。

○環境リスク評価室長 環境リスク評価室でございます。
 資料の5をお願いいたします。化学物質の環境リスク初期評価、先ほどの黒本と言われております暴露評価に対しましてグレー本という灰色の表紙で、こういうちょっと厚目でございますけれども、こういう形で第1巻、第2巻とこれまで取りまとめてまいっております。それの第3次の取りまとめがまとまりました。それを7月27日に公表させていただいております。
 この環境リスク初期評価と申しますのは、化学物質の人への健康影響につきまして、急性影響または慢性影響の評価、またあわせまして発がん性の評価も加えて評価を行っております。また、人への健康影響だけではなしに、生態リスク評価という形で、生物環境への影響の評価もあわせて行っております。四角の中に、ちょうど真ん中辺に取りまとめておりますけれども、健康リスク初期評価では発がん性の評価を行った物質を加えて3物質が、さらに詳細な調査を必要とするとした結果が出ております。また、生態リスク初期評価では5物質がそういった詳細な評価を行う候補として挙げられております。この環境リスク初期評価と申しますのは、暴露の状況と、その物質の健康影響、あるいは生態影響をあわせた、そういったスクリーニング的な評価を行っております。今回、このリスク初期評価におきましては、さらに対象物質の拡大ですとか、あるいは評価手法の改善を図るとともに、いわば発がん性の評価を健康リスクの初期評価の一環として試行的に実施するなどしております。
 趣旨・目的のところに、ざっと外郭を書いてございます。これの下から5行目のところですけれども、このため環境省では、平成9年度より化学物質の環境リスク初期評価に着手し、平成14年1月にパイロット事業を行った。これが第1巻なんですけれども、第1巻の取りまとめ、それから、平成15年に第2次の取りまとめを行って、これまでこの2冊を公表しているところでございます。これまで、この健康リスク初期評価と生態リスク初期評価をあわせたものが、環境リスク初期評価と申しておりますけれども、52物質について第1巻、第2巻で取りまとめをしております。また、この52物質のほかに、生態リスク初期評価だけですけれども、69物質がそれに加えて評価を行っております。
 めくっていただきますと、2番としまして環境リスク初期評価の内容ということで書いてございます。基本的には、こういった化学物質がどのぐらい環境中に出てきているのかということと、それから、その化学物質がどのぐらい人への健康影響があり得るのかというもの、あるいは生態、これは実際の試験ではミジンコですとか魚とかを使って検査をしておりますけれども、そういった化学物質の影響量と、それからどのぐらい環境中に出てきているものかということをかけ合わせると申しますか、そういう形で、その物質が我々の脅威になり得ているのかどうかということをスクリーニング的に見ているのが、このリスク判定でございます。
 それぞれ健康リスクと生態リスクという形で評価をしておりまして、健康リスクと生態リスクをあわせたものを環境リスク初期評価と申しております。今回ですけれども、右側の方に目を移していただきますと、3、環境リスク初期評価の結果ということで、先ほど言いました健康リスクと生態リスクをあわせた評価を行ったのが全部で21物質でございます。その結果としましては、健康リスクにつきましてはアクロレインとピリジンという物質が、暴露の状況、それからいろいろな健康影響の状況を勘案しますと相対的にリスクが高い可能性があり、詳細な評価を行う物質ということで、さらに評価を行うようにという結論がつけられました。また、生態リスクにつきましては、アクロレイン、エチレンジアミン四酢酸、ビスフェノールA、それからピリジンの4物質が、やはり生態リスクとして詳細な評価を行うべしという候補として挙げられてございます。
 また左側の2番の環境リスク初期評価の内容の(2)のところを見ていただきたいのですけれども、これらの評価を行う対象物質としましては、「環境リスク初期評価の目的に鑑み、未だリスクの評価及びこれに基づくリスクの管理がなされていない物質の中から」というふうに書いてございます。これはつまり、大気汚染防止法とか水質汚濁防止法とか、そういった形で、既にもう有害であるという、黒い物質だという判定が下って、実際に管理をされているものは除いて、それらのそういった判断がないものについてスクリーニング的に評価を行っているというものでございます。それらの対象物質につきましては、先ほど来ご説明に上がっております化学物質排出把握管理促進法、PRTRの対象物質ですとか、あるいは化学物質審査規制法の物質とか、そういったようなものの中からいろいろ物質を選定して評価を行ってきているところでございます。それで、今回は、先ほど申しましたように環境リスク初期評価として21物質、それから生態リスク初期評価のみ行ったものが32物質でございます。それから、発がんリスクにつきましては、第2次の取りまとめから評価を行ってきているんですけれども、今回、それらにつきまして、前回は定性的な評価しかしておらなかったものについて、定量的な評価を行ったものが4物質ございます。
 それから、(4)の評価の方向ということですけれども、これは、今までに環境リスク初期評価ガイドラインという形で取りまとめていただいたものによりまして評価を行ってきております。そういうような形でございます。
 環境リスク初期評価、健康影響と生態影響につきましては、先ほどご説明しましたように、この右側の3番の(1)のところで示したところでございます。それから、(2)のところには生態リスク初期評価の結果を取りまとめてございます。
 もう1枚めくっていただきますと、結論を表にしてございますけれども、13物質について評価が行われまして、ニトリロ三酢酸がやはり詳細の評価を行う物質候補ということになっています。それから、その次の(3)のところには、定量的な発がんリスクの評価を行った結果、4物質につきまして、1物質、1,2-ジククロエタンについては、やはり詳細な評価を行う候補ということで取りまとめられております。こういった形で詳細な評価を行う候補として取り上げられた物質につきましては、次の今後の対応のところにありますように、これらの結果につきましては、第3巻ということで、できるだけわかりやすく使いやすいように、用語の解説とか等もつけ加えまして、本としてまとめたいというふうに考えております。
 それから、詳細な評価を行う候補としていろいろ幾つかまとめられておりますけれども、これらの評価につきましては、例えば1,2-ジクロロエタンにつきましては、[1]のところに書いておりますように、地下水から検出されている事例というものもございまして、経口暴露についてさらに詳細な評価を行う候補とされております。これは水質汚濁に係る環境基準が既に設定されておりますので、水質汚濁法の方針に基づいて、その措置がとられて常時監視が行われておりますので、今後の検出地域の他の情報に留意して、引き続きその推移を見守るということにしたいということになっております。
 また、アクロレインとピリジンにつきましては、これは食物からの暴露が多いという文献データがございます。こうしたことから、経口暴露について詳細な評価を行う候補とされております。ただ、この物質そのものは生物濃縮性は低く、環境に由来した食物経由で暴露される可能性は低いんだろうというふうに考えられておりますが、ただ、油などが加熱、あるいは古くなって酸化を受ける等によって生成するといった情報もございまして、これら食物からの暴露の可能性に関して、今後さらに情報を収集していこうということになっております。また、生態リスク初期評価からの詳細評価とされました5物質につきましても、今後、生態リスクの詳細な評価を優先的に進めることを検討していきたいということになっております。
 そのほか、さらに今後情報の収集等を行いまして、必要な分析評価を行っていきたいということ、あるいは、これらの集められた情報につきまして、いろいろな物質、さらに化学物質管理のための物質選定ですとか、あるいは化学物質点検、GHSなどの場面に活用されるようになるというふうなことを考えております。また、いろいろな活用を図っていくためにプロファイルですとか、あるいはデータベースの構築等も考えていきたいというふうに考えてございます。そういったことで今後の様子を見たいと思います。

○鈴木部会長 ご質問はありますか。
 中杉委員。

○中杉委員 ちょっと、この初期評価にかかわって、今の室長のご説明で少し間違っているというか、訂正をしておいた方がいいかと思うことがありますので、申し上げておきます。
 大気だとか水で基準をつくったものは評価していないという話でありましたけれども、実際には生態情報も見ていますから、生態リスクについては基準をつくっているものがほとんどないものですから、ほとんど対象になります。そういうものについて、健康も一緒に評価をしているので、先ほどの1,2-ジクロロエタンみたいに既に基準がつくられているものについても評価した、そういう事情になります。

○環境リスク評価室長 ありがとうございます。

○鈴木部会長 ほかによろしいですか。
 どうぞ、佐和委員。

○佐和委員 ちょっと素人としてお伺いしたいんですけれども、例えば、後ろから2ページ目の一番上のA、B、Cという3つのカテゴリーに化学物質が置かれているわけですね。Aについてはリスクが高い。したがって詳細な評価を行う。まず最初にお伺いしたいのは、そういう評価にはどの程度の時間がかかるんでしょうか。あるいは、Bに関して、関連情報の収集が必要という場合は、こういうものはどのぐらいの時間を要するものだというふうにお考えなのかということが質問の一つ。
 それから、こういう化学物質の場合に、少なくともドイツなんかでは、プレコーショナリー・プリンシプルという、予防原則という考え方が徹底していまして、要するに、いわゆる非常にリスクが高い。しかし、それはまだ十分に科学的には、サイエンティフィックには証明できていないと。しかしリスクは高いというときには、もし仮にかわりとなるもの、代替物があるとすれば、既にその段階で使用というか、利用は禁止すると。つまり、かわりのものがあれば、あえてそれを使う必要がなければ、それはもう禁止した方がいいんだという考え方ですね。しかし、かわりとなるものが全くなければどうすればいいかというのはまた別問題ですけれども、恐らく、この化学物質の中には、ここでいうAのところにあるニトリロ三酢酸というのにかわり得るような何か物質は多分あるんだと思うんですね、素人ですけれども。ですから、そういうものが仮にあるとすれば、そっちを使ってくださいと。つまり答えがはっきり出るまでというふうに考えるのが、私は、こういった問題を考えるときには的確だと思うんですが、そういう予防原則的なお立場というものは、日本の政府のこういう化学物質に関する行政の中では、そういう考え方は取り入れない。
 つまり、例えば、アメリカとヨーロッパというのは随分典型的にこのような問題に対する考え方が違って、遺伝子組み換え作物も、要するに、それが人体に対して有害だということがちっとも承認されていないじゃないか、だからいいじゃないのかというのがアメリカですね。あるいは温暖化問題なんかに関しても、要するに、いわゆる温室効果ガスと言われるものが大変深刻な気候変動をもたらすということは科学的に証明されていない。科学的知見が不十分だから、当面は何もしないでいいじゃないかというのがアメリカの立場なわけですね。ところが、遺伝子組み換え作物に関して言えば、ヨーロッパの場合は、そんなものをわざわざつくらなくても、今、食糧は足りているじゃないのと。だから、ひょっとすると危ないようなものは一切市場から排除するという考え方なんですよね。その考え方のどちらをとるかということによって、こういったものに対する答えは随分違ってくると思うんですが、その辺のお考えをお聞きしたい。これが2番目。
 3つ目は、この表に限って10物質というところに名称が出ていないですね。これは面倒くさいから載せていないのか、グレーゾーンのものは何か理由があって載せていないのか、いずれなんですか。

○鈴木部会長 どうぞ。答えられる質問から答えてください。

○環境リスク評価課長 すみません。その最後の質問、10物質というのは、どこのところの10物質でございますでしょうか。

○佐和委員 失礼、ゼロ物質でした。間違えました。すみません。

○鈴木部会長 じゃ、3番目はよろしいですか。

○環境リスク評価室長 十分お答えすることはちょっと難しいかと思うんですが、1番目の詳細な評価を行う、それから、今後関連情報の収集が必要ということで、どのぐらい時間がかかるかということですが、ちょっと、すぐにこれぐらいでということをお答えできないんですけれども、やはりできるだけ早く、また、私どものリスク初期評価として使っております情報源というのは、あくまでも文献情報で、ある意味ではある面限定的な情報収集の部分がございます。そういう意味で、本当に必要な評価を行うための十分な情報がどの時点で得られるのかということに関して、なかなかすぐに、例えば半年以内とか1年以内とかでお答えは出せるというような状況ではないということでございます。ただ、いろいろ、この分野に関して、また本当に必要であれば、さらにその分野での研究をさらにしていただくなり、そういった積極的な情報の収集にも取り組んでいく必要も出てくるかと思いますが、それはその状況に応じてだと思います。ただ、あくまでも私どもの行っているのはスクリーニング的な、そういう文献的な情報を基盤にした評価、一部生態に関しては、我々も情報をとってやっておりますけれども、そういう状況で、限界があるというのが実情でございます。
 それと、プレコーショナリー・プリンシプルの考え方ですけれども、委員ご指摘のとおりいろいろ、特にヨーロッパの方面からそういった考え方、やはり一定のリスクがあるんであれば、十分な確定的なデータがなくても、何らかの安全的な、あるいは代替措置があるんであれば、そういった手を打つべきではないかということ、それは本当に一つの考え方だと思われますし、そういったことに関して、今いろいろ議論が行われているところでございます。しかし、私どもの方で行っているリスク評価に関しては、やはり先ほど申し上げましたように文献的な情報、それからスクリーニング的な情報収集でございます。これに基づいて、さらに詳細な評価が必要だろうということになりますと、例えば大気なり、あるいは水なり、あるいは食物に関しても、そういったさらに詳細な評価に関して、私どもからこういう情報があるよということを提供して、そこでさらにもう一段進んだ形でデータの収集が行われ、管理が必要であれば手を打っていただくというような流れになっていく。そのための、その前の段階のスクリーニング的な評価を私どもの方で行っているというのが現状でございます。

○鈴木部会長 よろしいですか。

○佐和委員 例えばの具体例ですけれども、ここのページの表の中でAにリストアップされているニトリロ三酢酸というのには、これがなくても、これのかわりとなるような化学物質というのはあるんですか。どういう生産プロセスで、何のために使うのか、私にはさっぱりわかりませんけれども。

○環境リスク評価室長 ちょっとそこは、我々もまだ十分把握はしておりませんが……。

○佐和委員 もしやるとすれば、場合によってはこれを使うと非常に安くつくとか、あるいは、何かをつくるわけで、製品をつくるわけですから、その製品が特にすぐれているとかという、人間であれば「余人をもってかえがたし」という言い方をしますけれども、余物をもってかえがたいようなものであれば、また別の考え方をしなくちゃいけないかもしれませんが、ちょっとこれが費用が安いからこれを使っているんだというんだったら、もっと積極的に予防原則というものを打ち出すべきじゃないかと個人的には思います。

○環境リスク評価室長 確かに委員がおっしゃるように、リスク評価というのはある意味では相対的な評価といいますか、リスクとベネフィットを兼ね合わせて、本当に一番正しい方向、物質選定はどうあるべきかというところまで、広い意味でリスク評価を行うというメニューがあれば、おっしゃるところは非常に当たっているところだろうというふうに思います。ただ、なかなかちょっとそこまでのことを行うまでの状況にまでは、今至っていないというのが状況でございます。

○鈴木部会長 どうぞ、環境保健部長。

○環境保健部長 予防原則という、まさにプリンシプルについて現在総政局で、予防原則に関する検討会という名前でしたかどうでしたか、検討していただいておりまして、その予防的取り組みとか予防原則とか、そういう言葉のニュアンスでもって国会でも、いろいろと議論がされていまして、日本は予防的取り組みだと言ってきているわけですね。そこのそもそもの入り口論を今、総合環境政策局の検討会で、加藤副大臣にも毎回出席していただいて大いに議論していただいている。おっしゃるように、EUとかアメリカとか二極の話もありましたけれども、そういうことも十分勘案しながら、日本としてどういう対応をとっていくべきかという議論に今進行中というふうに聞いております。

○鈴木部会長 森田委員、どうぞ。

○森田委員 ニトリロトリ酢酸をどうするかという議論は若干あるんですが、これも特に日本では、特にそれが多いわけじゃないんですが、アメリカ、ヨーロッパでは界面活性剤を、カルシウムとかマグネシウムとか、硬度があると石けんがきかなくなるので、それはキレートでつかまえてしまうという役割でかなり使っていると。日本は、そこには直接使わないで、しかし、例えば制汗剤のような格好で結構量を使ったりしている側面も多分ある。そういう意味では、特にエコに対して、魚がありますが、とにかく水生生物に対する影響が一番危惧されるような物質であるという状況だろうと思うんです。
 それとは別に、もう一つの私の方の感じている感想について、幾つか追加させていただきたいんですが、化学物質の問題というのは、実はアメリカ、ヨーロッパを含めまして貿易戦争の一つのツールとして使われているような側面があり、したがって、この種のリスクの評価といったものをできるだけ国外、アメリカ、ヨーロッパに強く発信しておかないと、日本だけの何か独自のルールで動いていても、世界が回らなくなるような感じがいたします。したがいまして、せっかくいいものをつくられるのであれば、それは直ちに英語に訳して外のご批判を受けるという、そういう仕組みがどこかに埋め込まれた方がいいかなという感じがします。ただ、これは結構難しい作業でありまして、というのは何が難しいかといいますと、リスク評価といっても、初期リスク評価というのは、かなりあいまいな情報のもとにある種の判断をしていますので、したがって、批判を受けるという構造が当然たくさん出てくると思います。しかし、それも含めて、こういうクライテリアでこういうふうにやった結果、こうなっているんだということをお見せして、特にヨーロッパに発信していくのが重要だなと感じます。

○鈴木部会長 どうぞ、浅野委員。

○浅野委員 今の森田委員のご意見と同じような趣旨なんですが、先ほどの資料の1-1の最後のページのところで、各種の対策の連携というのを見せていただいて、今、ここまで動いているというのがわかったわけですね。問題は、今の環境リスク初期評価というものが、素人には環境リスク評価の本体と極めてまぎらわしくて、混乱が起こってしまう可能性がある。例えば、さっきの物質も見ていますと、PRTR資料を見れば界面活性剤が使われているとか、あるいは繊維に使われているなんて書いてありますからね。それだけひとり歩きしていくと、やはり非常に怖くて、これは直ちに使っちゃいけないなんていう話になってしまうんですけれども、全体として我が国の化学物質管理がどういうような体系になっているかということをもっとはっきりさせておかないから、この議論が出てしまうんだろうと思うんですね。つまり、リスクマネージメントなり予防原則といっても、一つの全体の政策体系というのがちゃんとあって、これぐらいのデータがあればこうなるんだ、このぐらいのデータのところではこうなんだという対応関係があるはずなんですね。だから、予防原則という言葉だけがひとり歩きしちゃ困るということはそのとおりなんですが、その辺の環境をはっきりさせておかないと余計な混乱が起こってしまって、例えばきょう、ここに仮にマスコミの方がおられて、そこだけ聞いて「これは危ない物質だと出ました」ってパッと報道されるとどういうことになるかという心配があるわけです。
 だから、言いたいのは、この1-1の最後のページはまだ不十分で、この上にもう一つ、ちゃんと何か乗っかっていなきゃいけないはずなんですね。その部分をやはり早急に部として検討して、全体の体系図のようなものを、あるべき姿をつくっておかないから、こういうことがいろいろそのたびに議論になってしまう。これでは、初期リスク評価をすると、その後どうなるのか、どこへつながるのかさっぱりわからないですね。そこに問題があるんだろうと。
 そこでお願いですが、2005年には多分環境基本計画の見直しを始めますから、その段階では見取り図でいいから、今言ったような全体としてのマップを、余りよその役所のことを慮らずに、あるべき姿としてきっちりつくって、それを環境基本計画に載せることができるように、今から1年ちょっとありますので準備をしていただきたいということです。

○鈴木部会長 中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 私が先ほど申し上げた全体の体系というのを、浅野先生が言われた話につながるんですけれども、ただ、これは保健部だけの話じゃなくて、多分初期リスク評価の次の段階へ来るのは、もう現局に行く部分がかなり多いんですよね。そこまで含めての議論をしていただく必要があるんだろうということが一つ。
 それから、先ほどの佐和先生のご指摘なんですけれども、初期リスク評価をやらせていただいている立場から言いますと、予防的意義、予防原則の手法、予防的方策の手法、それで何か製造自身をやめましょうという観点での評価はしていません。そういう観点ではしていません。これは当然、社会全体としてはいいかもしれないけれども、つくっている企業は当然あるわけで、それに対してある程度のダメージをかけるわけですね。評価というのはかなり安全サイドになります。これも環境の濃度が一番高いものを持ってきてやるとか、実際には、これはしきい値の10分の1ぐらいまでに近づいていれば、それは詳細な評価にしましょうというような形で、かなり安全な方で見ていますので、この結果を直ちにそれにつなげていただくのは非常に評価している方としても、そこまで責任は持てませんという話になります。ただ、そういうものは、ここに書いてありますように可能性があるので詳細に評価しなきゃいけない。その段階で、次にどうするかというような問題ももちろんありますし、あるいは、社会としての合意として、そこに書いてあるものも同じような扱いをすべきだというのも、一つの考えとしてはあるかと思いますけれども、少なくとも初期評価をさせていただいている立場から言うと、そこまではちょっと考えてやっていないということであります。

○鈴木部会長 眞柄委員。

○眞柄委員 私は、このデータを見せていただいて、一番重要な化学物質はDに分類される物質だろうと思います。つまり、エチレングリコールにしても、ここに出ているものは世の中でいっぱい、たくさん使われていて、それに対してリスク評価ができない。これは一体何事か。むしろこういうものに対してリスク評価をできるように、環境省はされるべきだと思うんです。つまり、Aのものを公表するよりも、Dのこんなに使われているものが、今の科学的な水準でリスク評価ができないんだと。実はこれが積み残しで残っているんだということをもっと強く認識していただきたいと思うんです。化審法でも、既存化学物質でリスク評価がされないものがたくさん使われているわけですね。むしろそういうものの方が、我々の身の周りの生活の中でたくさん使われ、環境に排出されている。そういうものに対して、もっと積極的にリスク評価をする。リスク初期評価をやっても、これはわからなかったということの方を重要に受けとめていただきたいというのが私の意見でございます。

○鈴木部会長 事務局、いいですか。今の問題は非常にクリティカルな問題ですので。非常に大事な問題だと思います。

○環境リスク評価室長 おっしゃるとおりだと思います。我々の方としても、初期リスク評価ができなかったことについて、どういった点がやはり必要なのかということははっきりさせて、そちらの情報収集もしっかりできるようにしていきたいというふうに思っております。

○鈴木部会長 佐和委員が提起されました予防原則、プレコーショナリー・プリンシプルと英語で呼ばれた言葉があるんですが、実はそれの前のプレコーショナリー・アプローチという英語があって、それが使われたわけですね。その言葉をめぐって、既に前回の環境基本計画を書くときに、予防的取り扱いという言葉で統一しようやという形で一応決着がついたわけですが、議論は拡散したまま、まともにやらずに来ちゃったわけですね。余計な解説を私がする立場ではないんですが、エビデンス・ベースド・メディシンという言葉が、このごろごく一般的に使われますけれども、環境領域ではエビデンス・ベースド・プラクティスが問題になります。だから、それは因果関係がきっちりわからないようなものと、わかっているもののバランスの問題として問題提起されてくるわけですね。そこを一般原則としてどう扱うのかというのがこれからの議論だと思います。滝澤部長がどこかの局で議論をしていらっしゃるという話ですから、それを一々我々にも教えていただいて、勉強ができるようにしてほしいと、そう思います。

○藤村委員 健康リスクの評価において、発がん性の評価を試みたというお話がありましたけれども、実際に化学物質による健康被害というのは、いろいろあると思うんです。具体的に、その健康被害の報告、論文等をどういうふうに収集し、どういうふうに分析しているのか、後ほどでいいですからお教えください。例えば、マルチプル・ケミカル・ハイパーセンシティビティー、例えばシックハウス症候群みたいなものではサイコジェニックなファクターが非常にたくさん入り込んでくる。そういうようなものをどう排除して評価するかというようなことが問題になります。
 この環境問題として、化学物質だけではなく、例えば超音波であるとか紫外線であるとか放射線であるとか、あるいは騒音であるとか、そういうようなものが関係してきますね。それはどこでどうやって取り扱うのかということを後でお教えいただきたい。それから、喫煙についてはどういうふうに考えられているかということも、後ほど、個人的にでも結構ですからお教えください。

○鈴木部会長 今お答えした方がいいとお考えのことがあったらどうぞ。

○環境安全課長 本態性化学物質過敏状態、あるいは紫外線対策、それから電磁波等につきましては、安全課の方で研究班等をお願いをしているところでございます。ですから、今、藤村先生が言われた部分のうち、幾つかにつきましては環境保健部で担当しております。ただ、環境保健部だけ、あるいは環境省だけで当然対応できるものではありませんので、他省庁とともに関係省庁連絡会議を、化学物質過敏状態についても、それから電磁波についても、それから花粉症等についても持っているというのが現状でございます。
 ただ、たばこにつきましては、単体としてのたばこ、化学物質がたくさん入っているわけですけれども、個別の物質については担当しておりますが、喫煙対策という観点では、一義的には厚生労働省が担当しているということになります。

○鈴木部会長 また後ほど、よろしくどうぞ。
 それでは先へ進みましょう。毒ガスの話についての報告をどうぞ。

○環境リスク評価室長 環境リスク評価室でございます。
 資料の6、1枚紙をお願いいたします。ちょっと時間も押しておりますので、手短にさせていただきます。
 前回、毒ガスの問題が出て、環境省で取り組んでいるというご報告をさせていただきました。その後、現在の状況についてご説明をいたします。
 一番左側に全般と書いてあります。昨年の6月6日、茨城県の神栖町の事案、それから神奈川でも寒川、平塚といったところで、国土交通省の工事現場から毒ガス入りの瓶が出たといったようなことへの対応ということで、閣議了解、茨城県の神栖町における有機ヒ素化合物汚染等への緊急対応策ということで、緊急措置事業、あるいは原因調査事業、また全国調査ということで取り組んでまいりました。その結果を受けまして、12月16日に閣議決定を受けております。閣議決定を受けまして、これはなかなか環境省だけでは難しい問題ですので、関係省庁で連絡会議をつくりまして取り組んでおります。
 下の最近の状況のところにありますように、最近では6月23日に関係省庁連絡会議を開いております。また、総合調査検討会ということで、森田先生初め専門の先生方に入っていただいて、いろいろ検討をいただいて、各事案に対応しております。
 その次のところに、茨城県神栖町という欄がございます。緊急措置事業でございますけれども、これまで申請者が454名ございました。毛髪や爪からジフェニルアルシン酸が検出された方々には、医療手帳を交付して医療費及び手当を支給しております。これまで121名の方が交付対象になっております。また、汚染源調査ですけれども、問題となりました450倍の濃度の有機ヒ素が検出されました、通称A井戸と称しております、健康障害を受けられた方10数名出ましたけれども、そこから90メートルの南東の地点で高濃度のジフェニルアルシン酸が検出された土地が出てまいりました。A井戸の周辺の20メートル、30メートルという深い地下水から、問題の有機ヒ素が検出されておったんですけれども、この90メートルの地点からは、深さ3.5メートルで、かつ人工的に改変がある土壌から、高濃度の1万倍を超えるヒ素が検出されております。こうしたことから、この土地に何らかの原因のかぎがあるだろうということで、現在ここを掘削してみて調査をするということで、作業を進めているところでございます。
 それから、全国調査の結果、A事案ということで、情報の確実性、また場所の特定性から取り組みが必要だろうという箇所が4カ所選定されましたけれども、その結果、その場所につきましての──それは具体的に寒川町、平塚市、それから千葉県の習志野でありますけれども、ここにつきまして、地下水、大気、それから物理探査などの環境調査を実施しております。1月から始まりまして、今、第2期の調査に入っているところでございます。この事案の中では、神奈川県の平塚で、やはり地下水からジフェニルアルシン酸が検出限界ぎりぎりですけれども出ておりますので、現在追加の調査を行っているところです。また、周辺については飲水の中止を呼びかけております。
 それから、一番右の欄ですが、全国調査ということで、A事案4事案に続きまして、まだ情報が不確かということでBC事案というふうに整理したものが37事案ございます。この37事案のうち、ずっと追加の情報収集を行ってきておりますけれども、さらに地下水についてもこれらの事案について調べようということで、37のうち9事案が重点的に地下水を調べようと、これは何カ所か、さらに土地を絞って調べようということです。それから、残りの28事案につきましては、念のための地下水調査を実施しようということで、現在計画に入っているところでございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 どうもご苦労さまです。
 どなたかご質問があればどうぞ。

○藤井委員 この神栖町の毒ガスが出たときに、日本国内の毒ガスのマップを調べるためにアメリカに調査団が行ったと思うんですが、そのアメリカの派遣調査団からの報告の中で、何か見えていることというのは……。

○環境リスク評価室長 アメリカにも昨年夏参りまして、戦後、毒ガスをやはり全国に配備がされていた経過がございます。そのときの様子の情報とか、またGHQが毒ガスを集めまして廃棄処理、特に海洋投棄を中心として投棄したりとか、それから焼いたりというところがございました。そういった情報を全国調査として昨年11月末に取りまとめたところでございます。インターネットでも環境省のホームページから入れますので、見ていただければと思います。

○鈴木部会長 ほかにございますか。よろしいですか。
 ご苦労さまでした。よろしくお願いします。
 それでは、別添の参考資料の紹介を事務局からどうぞ。

○環境安全課長 それでは、参考資料につきましてまとめてご報告させていただきます。
 まず最初は、参考1、POPs条約の発効についてでございます。
 POPs、これは残留性有機汚染物質の略で、Persistent Organic PollutantsでPOPsでございますが、これに関するストックホルム条約、これがことしの5月17日に発効することとなりました。この条約につきましては、発効後2年以内にPOPs対策を行うための国内実施計画を策定することになっておりますので、我が国もこれに沿いまして、2年以内に国内実施計画を策定する予定となっております。POPs条約につきましては、下にずっと経緯等を出しておりますし、その概要については2ページにお示ししているとおりでございますが、毒性があって難分解性で生物蓄積性があって、しかも長距離を移動するという物質でございますので、国際的な視野で対策が要るということで、このような条約ができたということでございます。これはお知らせをそのまま参考資料とさせていただいております。
 次に、「紫外線保健指導マニュアル」でございます。これは、昨年はこのような形で製本をしたわけでございますが、これに新たなデータ等を一部書き加えまして、これはその都度こういうふうな形にすることはなかなかできませんので、ホームページ上に公開をしております。これは、国内の紫外線情報、あるいは紫外線対策についてレビューをした上で、データもつけ加えまして、保健指導を行われる、具体的には地方自治体や保健所で環境問題、あるいは保健活動に取り組んでおられる保健指導者の方々に活用していただこうということで作成しているものでございまして、これを改訂したというご案内をことしの3月31日に行ったというお知らせでございます。
 参考資料の3は、また国際的な問題でございますが、化学物質の分類及び表示に関する世界調和システム、Globally Harmonized SystemということでGHSと呼んでおりますが、世界で同じマークで同じ危険を示そう、表示しようというのが簡単なコンセプトでございまして、これについての国連勧告がなされております。昨年7月の国連勧告を日本語に仮訳作業というものを関係省庁が共同で進めてまいりましたが、これが4月27日に完成したということで、これもお知らせをしたものでございます。これにつきましても、環境省のホームページからダウンロードをすることができます。
 さて、このGHSに関連しまして、もう一つご報告でございます。参考資料4になりますが、化学品の有害性表示等に関するアンケート調査結果を、これも同日、ことし4月27日に公表したところでございます。これはGHS、化学物質の分類及び表示に関する世界調和システムに関連しまして、化学物質の有害性の表示についての意識調査を行ったものでございます。生活商品の危険有害性に関する表示を改善が必要であるとした人が半数を超えまして、その理由としては、何を意味しているのかわからない表示が多いというようなご指摘があったということ。一方で、危険有害性に関する表示がついた場合、より危険有害性が高いというふうに書かれていると、購入量や使用量を減らすと、こういう解答をされた方が7割以上を占めたと、このようなアンケート結果を、4月27日にGHSの仮訳の公表と同日お知らせしたところでございます。
 それから、最後に、PIC条約の受諾について、参考5でございます。
 PIC条約と申しますのは、先進国で使用が禁止または厳しく制限されているような有害な化学物質を開発途上国にむやみに輸出しないための条約ということで、締約国間の輸出に当たって、事前通報をして同意を得る手続が要るようになるという条約でございます。「国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約」というのが正式な名前で、PIC条約というふうにいっておりますが、これについては、ことしの2月に条約が発効いたしまして、我が国は6月15日にこれについて受諾をする旨の閣議決定がなされたということで、ことしの9月13日から条約が効力を発生するというものでございます。この原文につきましては、PIC条約のホームページ、これは外務省のホームページに和訳が出ておりますが、これでお知らせをしているものでございます。
 ちょっと駆け足になりましたが、ご報告事項は以上でございます。

○鈴木部会長 この別紙はいいんですか。

○環境安全課長 別紙は、先ほどのPRTRに関する追加の資料でございました。

○鈴木部会長 それでは、本日予定いたしました議事はこれで終了するわけですが、何かほかに事務局からございますか。

○環境保健部長 ありがとうございました。冒頭の方で浅野先生から予算の話があって、エールをいただきました。我々、来年度予算へ向けて、今月末、環境省として案がまとまるわけですが、化学物質対策、頑張りたいと思っております。
 それから、中段で藤村委員から、きょうはそもそもどんな議論をどういうふうにしたらということも含めてのお話がありまして、お答えが不十分でありましたので、ちょっと補完いたしますが、中央環境審議会のこの環境保健部会、関係法律の見直しをする際でありますとか、あるいは政令を見直しをする際でありますとか、そういう事柄につきましては、諮問、答申というような手続でご意見を正式にはお諮りするというようなことがまず1点ございます。きょうのように、いわば化学物質対策とか、あるいは化審法の改正・施行状況とか、そういう内容のやや報告的なことを申し上げ、あるいはコンセプトを提案させていただき、この審議会、部会でご議論、ご指導いただくというような内容の場合もございます。冒頭あいさつの中で、私がそのようなことを明確に位置づけを申し上げればよかったんですけれども、その後段の方にきょうは当たるわけでございまして、欲を言えば、事前にまた各委員の先生方に、こういう議題でこういうお話をということを回り尽くせればよかったんでございますが、言いわけで恐縮でございますが、そういうことで、きょう、お許しいただきたいと思います。

○鈴木部会長 それでは、皆さん、ご苦労さまでした。どうもありがとうございました。終わりにします。

午後 3時04分閉会

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