中央環境審議会環境保健部会(第46回)議事録

午後3時01分開会

○田中環境保健企画管理課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第46回中央環境審議会環境保健部会を開催いたします。

 環境保健企画管理課長の田中でございます。議事の開始まで進行を務めさせていただきます。

 委員の皆様におかれましては、ご多忙のところご出席をいただき、誠にありがとうございます。

 本日も、新型コロナウイルス感染防止のため、WEB会議での開催とさせていただいております。会議中、音声が聞きにくい不具合等がございましたら、事務局までお電話、または、WEB会議のチャット機能でお知らせください。機器の不具合等によりご発言できなかった場合には、お電話にてご意見をいただき、後日議事録に掲載させていただきます。

 本日の会議は公開であり、環境省環境保健企画管理課公式動画チャンネルでライブ配信を行っております。

 通信環境の負荷低減のため、カメラ機能はオフにしていただきますようお願いいたします。

 発言したい意思のある委員は、お名前の横にある挙手アイコンをクリックして、青色に変えていただくか、チャット機能で発言したい旨をお知らせください。部会長から指名を受けた後、マイクのミュートを解除して、赤色に変えた状態でご発言いただきますようお願いいたします。ご発言後は、再びミュートにしていただくとともに、挙手アイコンも忘れずにクリックし、黒になるよう、操作をお願いいたします。

 環境保健部会委員及び臨時委員28名のうち、本日は26名にご出席いただいております。定足数に達しておりますので、本部会は成立いたしておりますことをご報告申し上げます。

 審議に先立ちまして、委員の改選等につきまして、ご報告いたします。

 まず、2月12日に開催されました中央環境審議会において、当環境保健部会の部会長に大塚直委員が指名されております。

 次に、環境保健部会の審議等に多大なるご貢献をいただきました5名の委員の退任をご報告いたします。2月7日付で、岡田光正委員、小山次朗委員、田辺信介委員、新田裕史委員が、5月24日付で、末次稔委員がそれぞれ退任されています。

 次に、6名の新任委員のご紹介をいたします。3月1日付で石塚真由美委員、山本裕史委員、3月15日付で奥真美委員、3月31日付で上田佳代委員、4月22日付で奈良由美子委員、5月24日付で川瀬正嗣委員がそれぞれ新たに任命されております。

 次に、事務局に人事異動がございましたので、ご紹介いたします。

 大臣官房政策立案総括審議官の角倉でございます。

○角倉政策立案総括審議官 ただいまご紹介にあずかりました角倉でございます。7月1日に審議官に着任いたしました。30年前に環境庁に入庁したときに、最初に配属された部署が環境保健部でございました。そうした観点もございますので、ぜひ、委員の皆様方のご指導を仰ぎながら、誠心誠意、務めてまいりたいと考えておりますので、どうかご指導いただけますよう、よろしくお願いいたします。

○田中環境保健企画管理課長 特殊疾病対策室長の海老名でございます。

○海老名特殊疾病対策室長 7月1日付で拝命いたしました海老名でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○田中環境保健企画管理課長 化学物質審査室長の久保でございます。

○久保化学物質審査室長 久保でございます。よろしくお願いいたします。

 私は、平成24、25年の頃に、環境リスク評価室で補佐をやっておりまして、久々の保健部登板となっております。これからよろしくお願いいたします。

○田中環境保健企画管理課長 大臣官房水銀対策推進室の吉崎でございます。

吉崎水銀対策推進室長 4月1日付で着任いたしました、吉崎です。よろしくお願いいたします。

○田中環境保健企画管理課長 続きまして、資料の確認をいたします。

 資料は、事前にメールでお送りしております。

 議事次第のほか、資料1から資料3-5までございます。本日は、事務局が画面上に資料を掲載して進行させていただきます。傍聴されている方につきましては、環境省ホームページの環境保健部会のページにアップロードしておりますので、そちらをご覧いただきますようお願いいたします。

○田中環境保健企画管理課長 ここで、事務局を代表いたしまして、環境保健部長の田原からご挨拶を申し上げます。

○浅野委員 田中さんの声が切れ切れになっているんです。

○中島総括補佐 今、私の声はいかがですか。

○浅野委員 それは通っています。大丈夫です。

○中島総括補佐 ありがとうございます。

○田原環境保健部長 環境保健部長の田原でございます。

 事務局の不手際、申し訳ございません。

 委員の皆様におかれましては、大変多忙のところご出席をいただきまして、ありがとうございます。

 大塚部会長には、引き続きのご指導をいただくことになりました。よろしくお願いいたします。また、新たに環境保健部会に所属されることとなりました6名の委員を含めまして、委員の皆様におかれましては、ご指導を賜りますように、よろしくお願いを申し上げます。

 さて、本日の議題でございますけれども、第五次環境基本計画の第2回点検報告書について、ご審議をいただきます。そのほか、環境保健行政の最近の動きにつきまして、5件ほど報告をさせていただきます。

 審議事項の第五次環境基本計画の第2回の点検の対象となる分野でございますけれども、熱中症への対策、公害健康被害補償制度などの環境保健対策、そして、福島第一原発事故の放射線に係る住民の健康管理・健康不安対策でございます。

 本日は、前回のご議論を踏まえまして、これらの対象施策につきまして、平成30年以降の施策の進捗状況や今後の方向性、論点・課題等を取りまとめた報告書案につきまして、ご審議をお願いいたします。

 まとまった報告書は、今後、各部会からの報告と合わせまして、総合政策部会で取りまとめ、次期第六次の環境基本計画の策定へとつながる段取りとなっております。次の5年の計画も念頭に置いていただきながら、本日は、忌憚のないご意見と、活発なご議論をいただければと考えております。

 本審議会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、WEB会議形式で開催をしております。先ほど声が聞こえにくくなったというようなご指摘もありましたけれども、できるだけ円滑な運営に努めてまいりたいと思っております。何か不都合な点がありましたら、チャット、あるいは、携帯電話などでご指摘をいただければと思っております。

 円滑な運営に努めてまいりたいと考えておりますので、ご協力をお願いいたしまして、冒頭のご挨拶といたします。本日、よろしくお願いいたします。

○田中環境保健企画管理課長 それでは、ここから大塚部会長に議事進行をお願いいたします。

 大塚部会長、どうぞよろしくお願いいたします。

○大塚部会長 最初に何か挨拶をすることになっておりまして、ちょっとだけさせていただきます。

 部会長に就任させていただきました大塚でございます。

 保健部会の部会長を務めさせていただくこと、身の引き締まる思いでございます。

 世界におきましては、化学物質に関する動きも激しくなっておりまして、例えば、2020年の12月には、EU委員会が欧州グリーンディールの指針の一つを具体化するための持続可能な化学物質戦略を発表したところでございます。専門家をはじめとする先生方にご参加いただきまして、積み残された課題、さらに新たな課題に取り組んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 では、早速、議事に入りたいと思います。

 まず、議題1につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○田中環境保健企画管理課長 資料2-1をご覧いただければと思います。

 第五次環境基本計画(第2回点検)報告書(案)についてでございます。

 2018年4月に閣議決定されました環境基本計画につきましては、2年目に当たります2019年度と20年度に化学物質対策について進捗状況の点検をご議論いただき、総合政策部会に大塚部会長から報告いただきました。

 1ページのだいだい色のところでございますが、4年目に当たります本年度におきましては、第1回の点検で設定しなかった項目について、進捗状況の確認を、点検をお願いいたしたいと考えております。

 2ページ目でございますが、薄いグリーンのあります(1)の水・大気・土壌環境保全のうち、熱中症関係、(3)の環境保健対策、6の(1)東日本大震災からの復興・創生のうち、健康管理関係につきまして、今年度、ご議論いただければと考えております。

 3ページ、点検の視点につきましては、重点戦略全体を俯瞰しながら、他の環境保全上の効果が発揮できるような施策になっているのか。経済・社会面での効果、他の施策とどのように有機的に連携しているか。地域循環共生圏の創生にどう貢献できているか。あらゆる観点からのイノベーションの可能性、環境保全と新型コロナウイルス感染症への対応、2050年カーボンニュートラル、グリーン社会の実現に向けて、どのような取組があり得るかといった視点から、点検をお願いできればと考えております。

○太田環境安全課長 環境安全課長の太田でございます。

 それでは、私のほうから、資料2-1の4ページから、熱中症関係について、ご説明したいと思います。

 まず、熱中症に関する計画での記載でございますが、上のほうにございますとおり、暑熱の観点から記載されております。

 次に、施策の進捗状況・評価について、ご説明したいと思います。

 ⅰ)の平成30年度以降の進捗状況でございますが、東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、平成30年3月に策定した「夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン」を2回改訂し、組織委員会等に提供しております。それから、令和元年度から2年度に実施した熱中症予防対策ガイダンス策定に係る実証事業の成果と地域における熱中症予防対策の優れた取組事例を「熱中症予防対策ガイダンス」として取りまとめ、今年の4月に公表しました。

 また、令和2年夏に、暑さ指数に基づく熱中症警戒アラートを関東甲信地方で先行的に実施し、その検証結果等を踏まえて、今年の4月から全国で運用を開始しました。アラートの概要につきましては、本資料の14から15ページに掲載しております。

 また、今年の3月に、熱中症関係省庁連絡会議を廃止し、新たに環境大臣を議長、関係府省庁の担当部局長を構成員とした「熱中症対策推進会議」を開催し、「熱中症対策行動計画」を策定いたしました。本計画の概要は、13ページに掲載しております。

 本計画を踏まえて、これまで毎年7月に実施してきた熱中症予防強化月間を本年度から「熱中症予防強化キャンペーン」として、毎年、4月から9月の期間、関係府省庁の連携を強化し、時期に応じた適切な呼びかけを行うこととしております。

 次に、ⅱ)定量的な進捗状況について、ご説明します。

 計画において、熱中症関連の指標は設定されておりませんが、環境省が運営しています熱中症予防情報サイトの閲覧数につきましては、平成30年度以降は増加傾向となっております。

 5ページをご覧ください。

 ⅲ)総括的な進捗状況・評価について、ご説明いたします。

 関係府省庁と他の施策との有機的な連携につきましては、スライドにございますとおり、気象庁と連携した「熱中症警戒アラート」、文科省と連携した「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」の作成、周知など、関係府省庁と連携した様々な取組を実施しております。

 また、新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、厚労省と連携し、新しい生活様式での熱中症予防について、普及啓発リーフレットを改訂し、ホームページや事務連絡で周知いたしました。また、今年6月には、コロナワクチン集団接種会場における熱中症対策について、事務連絡を発出しました。

 6ページから9ページに連携して作成したリーフレット、ポスター等の一部を掲載させていただいております。

 次に、10ページをご覧ください。

 総括的な進捗状況・評価の続きでございます。

 地域循環共生圏の創造への貢献につきましては、令和元年度から2年度に実施した熱中症予防対策ガイダンス策定に係る実証事業、今年度から実施している地方公共団体における効果的な熱中症予防対策の推進に係るモデル事業の成果をガイダンス、ガイドラインとして取りまとめ、提供することにより、地方公共団体の取組を支援することとしております。

 また、イノベーションの可能性につきましては、暑さへの「気づき」を呼びかける、熱中症警戒アラートによる国民の熱中症予防行動の定着、また、エアコンをはじめとする熱中症に関連した様々な商品やサービスの開発が考えられます。

 次に、11ページをご覧ください。

 今後の政策の方向性についてですが、熱中症による死亡者が、昨年、東京都23区では9割、全国では8割が高齢者であることに鑑み、高齢者対策を強化するとともに、公助、共助を進めるため、地域における熱中症対策の連携強化を一層推進することを考えております。

 また、次期計画に向けた論点・課題についてですが、高齢者に対する適切な対策の実施、各地方公共団体における人材の育成、地域における熱中症対策推進のための連携体制の構築、管理者がいる場における各現場に応じた熱中症対策の徹底などが挙げられます。

 説明は以上でございます。

○田中環境保健企画管理課長 続きまして、17ページをご覧いただければと存じます。

 公害健康被害補償でございます。

 まず、大気汚染系の疾病でございます。公害健康被害補償法に基づきまして、現在、3万人の認定患者に対する補償給付や公害保健福祉事業を安定的に行うことが計画に規定されております。約380億円のこれらの給付でございますが、汚染者負担の原則に基づきまして、(1)の一つ目の丸でございます汚染負荷量賦課金、これが約8割でございますが、全国の約8,100のばい煙発生施設等の設置者から徴収をいたしております。各年度の徴収率・収納率は99.9%以上に達しております。また、徴収手続の電子化につきましても、電子申告率は、金額で90%以上となっております。また、補償給付等の残りの2割につきましては、自動車重量税からの財源の確保を行っております。

 18ページでございます。公害患者への補償給付とともに、公害保健福祉事業も展開いたしております。令和2年度は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けまして、三つ目の黒ポツにございますが、呼吸筋ストレッチ体操の動画、これは理学療法士によるストレッチの動画でございますが、1万以上の再生、あるいは、インフルエンザ接種を奨励するリーフレット等を作成し、取組を進めているところでございます。

 21ページに飛びますが、総括的な進捗の評価でございます。二つ目の白丸にございますように、新型コロナウイルス感染による納付義務者や認定患者への影響を考慮した対応として、汚染負荷量賦課金の申告納付の特設サイトを開設し、分かりやすい仕組みの手続の広報に努めております。

 また、二つ目のポツでございますが、認定患者の3年に一度の認定の更新に当たりまして、これまで自治体等の用意した検査場での診断を行っていただきましたが、コロナ禍でございますので、医師の診断書等に基づく審査等も行うよう、手を講じております。

 その次のポツでございますが、喫煙が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化する、認定患者が重症化するリスクが高いことから、禁煙指導の一層の充実等も自治体に依頼しております。

 今後の施策の方向性でございますが、徴収・収納を適切に実施し、あるいは、新型コロナウイルス禍においても、認定患者が必要な療養を受けられるよう対応を行ってまいります。

 23ページでございますが、公害健康被害の予防事業でございます。23ページの左側の表の真ん中のところに、呼吸ケア・リハビリテーションスタッフ養成研修、こちらも2年度は203人に、あるいは、その二つ下、ぜん息患者教育スタッフ養成研修、こちらも例年の倍の103人に行い、95%以上の満足度をいただいております。右のところの、右上の表の下でございますが、保育所等におけるアレルギー疾患に対する普及啓発講習もオンラインで行うことによって、7,180人に対して、繰り返し聞いていただくような取組となっております。

 24ページでございます。真ん中のところでございますが、通院できない状況であっても、ぜん息やCOPDの患者の身体活動量を維持していくため、理学療法士による呼吸法や運動療法の動画を作成し、YouTubeでアップすることにより、特設サイトについては、10万回のアクセス、COPDのチェックシートについては、3万人以上の入力ユーザーが利用いただいております。今後も、ぜん息患者等のニーズに的確に対応する事業を継続してまいりたいと考えております。

○黒羽保険業務室長 保険業務室長の黒羽と申します。

 環境保健サーベイランス調査について、ご説明いたします。

 29ページをご覧ください。

 施策の進捗状況・評価の平成30年度以降の進捗について、3点記載してございます。

 一つ目、調査は、平成8年から開始しまして、平成30年度以降も毎年検討会で評価を行い、公表しているところでございます。

 二つ目、NO2などの従来の大気汚染物質に加え、新たに光化学オキシダント及びPM2.5の背景濃度と健康影響についても、公表を開始してございます。

 三つ目ですが、幹線道路沿いの健康影響を評価したそらプロジェクトの科学的知見と結果を調査に取り入れる検討を行っております。

 定量的な進捗の評価ですが、調査対象者数は、それぞれ8万人以上、同意率も80%以上であり、十分な数を確保してございます。

 30ページ目は、大気汚染物質と解析項目を示してございます。

 31ページ目、総括的な進捗評価ですが、本調査は、地域人口集団の健康状態と大気汚染の関係を調査し、関係が認められる場合には、必要な措置を講ずることですが、これまでの調査結果により、大気汚染とぜん息が常に有意な正の関連性を示すような一定の傾向として捉えられる状況にないこと。統合解析において、大気汚染物質濃度が高くなるほど、ぜん息有症者が高くなる結果は得られていないこと。追跡調査についても同様であることから、これまで措置が必要とされるものはございませんでした。

 また、二つ目ですが、追加された二つの大気汚染物質は、データの集積が今後も必要でございます。

 三つ目ですが、新型コロナウイルスの影響がないか、評価を行う予定としてございます。

 今後の施策の方向性ですが、継続的監視により、健康被害の予防に努めていくことが重要でございますので、今後も継続して、効率化や充実を図ることをしてございます。

 最後の論点・課題でございますが、そらプロジェクトの科学的知見を取り入れ、局地的大気汚染を考慮した調査を実施することとしています。

 本項目の説明は以上でございます。

○海老名特殊疾病対策室長 改めまして、7月1日付で特殊疾病対策室長を拝命いたしました海老名でございます。

 水俣病対策の推進について、ご説明をさせていただきます。

 34ページ目をご覧ください。

 まず、環境基本計画における記載につきましては、資料に記載のとおりでございます。

 これを踏まえまして、施策の進捗状況・評価について、ご説明をさせていただきます。

 ⅰ)の平成30年以降の進捗状況でございますが、まず、水俣病犠牲者慰霊式につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年度と令和3年度の式典が中止となっています。

 次に、認定審査の関係です。国の臨時水俣病認定審査会につきましては、年に一度の頻度で開催するとともに、各県・市においても、年に数回の頻度で県認定審査会が開催され、精力的に審査を進めていただいております。また、水俣病被害者に係る医療費の支給や水俣病発生地域における振興・活性化事業の推進にも取り組んでまいりました。

 次に、35ページのⅱ)の定量的な進捗状況・評価でございます。

 まず、先ほどご紹介いたしました認定審査会の開催を通じまして、平成30年4月以降、新たに3名の方が公健法に基づく水俣病と認定され、令和3年6月現在、2,999名が認定を受けています。また、三つ目のポツでございますが、平成30年4月時点で処分をお待ちだった方が2,042名いらっしゃいましたが、令和3年6月現在で、1,559名まで減少いたしました。

 そのほか、水俣病資料館における入館者数や「水俣病資料館語り部の会」による講話回数などにつきましては、資料に記載のとおりでございます。

 次に、36ページ目、ⅲ)の総括的な進捗の評価をご覧ください。

 まず1点目でございますが、これまでのご説明でもご紹介しましたとおり、公健法に基づく処分の積み重ねや水俣病被害者に対する医療費の確実な支給に努めてまいりました。

 また、2点目といたしまして、生態系に配慮した渚造成整備事業の推進などを通じて、「環境」を梃子にして、足腰の強い経済と心豊かな地域社会をつくる事業を推進してまいりました。

 そして、3点目でございますが、新型コロナウイルス感染症のまん延下においても、リモートでの講話会の開催やDVDの配布等を通じて、水俣病問題に関する環境学習等の事業を推進してまいりました。

 次に、今後の施策の方向性についてでございますが、まず1点目は、公健法に基づく処分をお待ちの方が依然として1,559名いらっしゃいます。こうした方々に、可能な限り、早期に処分結果をお届けすることが必要であると考えています。

 2点目でございますが、環境省といたしまして、引き続き資料に記載のあるような様々な事業の推進を通じまして、地域における医療福祉、再生・融和、振興・活性化に貢献してまいりたいと考えております。

 最後、3点目でございますが、水俣病に関する調査研究についてでございます。このことにも、しっかりと取り組んでまいりまして、国内外の公害の再発防止や被害地域の福祉への貢献を図ってまいりたいと考えております。

 最後に、次期計画に向けた論点・課題についてでございますが、まず、1点目につきましては、公健法に基づく早期の処分に向けて、必要な体制の維持・強化が必要と考えております。

 次に、2点目でございますが、水俣病発生地域において行う様々な事業につきまして、効果的、効率的に推進していくことが必要であると考えております。

 最後、3点目でございますが、調査、研究関係につきましても、メチル水銀による影響を客観的に明らかにするための検査手法の開発を含めまして、総合的なメチル水銀研究の推進が必要であると考えております。

 以上でございます。

○吉住石綿健康被害対策室長 石綿健康被害対策室長の吉住でございます。

 それでは、41ページ目をご覧ください。

 ここに記載してありますこの計画につきまして、平成30年度以降の進捗状況について、ご説明をいたします。

 平成30年度以降も、引き続き、認定申請に係る医学的判定を順次実施いたしましたが、令和元年度から始まりました新型コロナウイルス禍の影響により、首都圏外に勤務されている委員の東京への参集が困難となったため、令和2年の2月から6月まで、計12回の審議会を延期いたしました。

 一方で、令和2年4月からWEB会議システムを用いた遠隔による審議会の開催を開始いたしまして、また、審議会委員の増員もいたしまして、令和3年3月から現在に至るまで、審議会開催回数を恒常的に増加いたしまして、審議会延期による未審議案件への対応を行っているところでございます。

 さらに、新型コロナウイルス影響下におきましても、円滑な審議会運営を図るために、オンラインによる医学的判定等を可能にする医学的判定情報管理システムを現在構築中でございます。また、2016年12月に取りまとめた救済小委員会の報告書に基づきまして、必要な医学的知見の収集、非認定者の介護実態等に関する調査の取りまとめ、既存検診の機会を活用した石綿読影精度に係る調査等を実施いたしまして、令和2年度には、収集された医学的知見等に基づいて、医学的判定に関する留意事項等の改定を行いました。

 続きまして、42ページ目をご覧ください。

 定量的な進捗の評価として、救済給付に係る認定状況をお示ししております。直近5年間では、年5%程度ずつ申請数が増加しておりまして、これに伴い、認定数も増加傾向にあるところでございます。

 一方で、新型コロナウイルスの影響により、先ほどご説明いたしましたが、令和2年の2月から6月に審議会を延期したことから、令和元年度、そして、令和2年度の認定数が減少しているところでございます。

 続きまして、43ページ目をご覧ください。

 先ほどご説明させていただきました審議会の月ごとの開催状況については、この表のとおりでございますので、ご覧いただければと思います。

 続きまして、44ページ目でございます。

 今後の施策の方向性につきましては、まず1点目として、被害者の迅速な救済に努める。

 2点目といたしまして、医学的知見等の収集を継続するとともに、石綿関連疾患の発見に資する調査、既存のがん登録制度との連携等を推進する。

 3点目といたしまして、オンラインによる医学的判定を可能とするシステムを構築、運用し、迅速な救済に資するということを行っていく方向でございます。

 また、次期計画に向けた論点・課題といたしましては、迅速な救済に必要な体制の維持・強化及びシステム開発と運用、また、制度の運用に資する医学的知見等の収集等に加えまして、令和3年6月9日に議員立法で成立いたしました特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律に基づく新しい給付金制度について、これは、厚生労働省所管のものでございますが、所管である厚生労働省とも連携しながら、救済制度の認定者等で新しい制度の対象になる可能性のある方々に対し、適切な周知を行ってまいりたいと考えているところでございます。

 なお、この法律の概要につきましては、47ページに参考資料としておつけをしております。

 説明は以上でございます。

○笹渕放射線健康管理担当参事官室室長補佐 放射線健康管理担当参事官室、笹渕でございます。

 私からはリスクコミュニケーション等を通じた放射線に係る住民の健康管理、健康不安対策につきまして、ご報告させていただきます。

 それでは、48ページ目をご覧ください。

 まずは、進捗につきましてですが、事故初期における被ばく線量の把握・評価に関しましては、19歳以下の避難地区住民の甲状腺被ばく線量を評価いたしました。その結果、原発事故の影響で、甲状腺がんが増加する可能性は極めて低いと思われるとの結論を得ております。福島県及びその近隣県における疾病罹患動向の把握に関しましては、がんや循環器疾患罹患率などの動向を福島県内外で比較し、結果を情報発信しております。

 続いて、49ページ目をご覧ください。

 福島県県民健康調査に関しましては、財政的、技術的、人材育成支援を行っております。その中でも、「甲状腺検査」につきましては、高度な検査者を長期にわたり確保するために、県内の医師及び技師を対象として研修を行うとともに、県外でも検査していただけるよう、医療機関の支援を行っております。また、リスクコミュニケーションにつきましては、いわき市に相談員支援センターを設置しており、相談員のための手引きを作成して、後方から支援しております。また、福島県内での研修会や車座集会を実施しまして、これまで手薄であった福島県外に向けても、研修会やセミナー等を通じて、健康不安対策を実施しております。

 続いて、50ページ目をご覧ください。

 定量的な進捗の評価としましては、令和2年度の研修会、住民セミナー、車座集会は、コロナ禍で減少しているものの、合計で93回実施しております。また、放射線の健康影響に関する研究から得られた知見を情報発信する広報雑誌の発行も行っております。

 続いて、51ページ目をご覧ください。

 総括的な進捗の評価としましては、先ほど申し上げましたとおり、リスクコミュニケーションにより、健康不安対策を実施ししている一方で、これらの活動の枠組みに参加していない住民がいることも承知しております。令和2年度以降、住民インタビューを実施しており、今後、その結果を用いて、リスコミを強化していく必要があることを認識しております。

 最後ですが、52ページ目をご覧ください。

 今後の施策の方向性や論点・課題につきましては、甲状腺検査につきましては、検査を希望する方が受診でき、希望しない方が受診しないことを自然と選択できるようにすることが重要であり、検査の利便性と任意性の両方を確保できるよう取り組んでまいります。また、現在の福島県においては、風評払拭が重要である認識しており、福島県外におけるリスコミを強化するとともに、調査研究で得られた知見や国際機関の報告書の内容を基に、正確な情報発信を行う予定でございます。また、基礎資料の多言語翻訳やターゲットを絞った情報発信を行うことで、情報を必要とする人に正確に伝わるように取り組んでまいりたいと思います。

 以上でございます。

○大塚部会長 どうもありがとうございました。

 コロナ禍の中で、大変な状況になっているところが多いと思いますけども、そんな中で、大変ご努力いただいているものと思います。

 では、ご質問、ご意見ございます方は、チャット機能及び挙手アイコンにおいて、お知らせいただければと思います。こちらから順次お名前をお呼びいたしますので、お名前を呼ばれましたら、ミュートを解除して、ご発言ください。

 では、浅野委員、お願いします。

○浅野委員 浅野です。

 私は、環境保健企画施策について、申し上げたいと思います。

 音声、入っていますね。

○大塚部会長 はい、入っています。ありがとうございます。

○浅野委員 取りまとめの仕方として、ここの報告書に書かれたような書き方になることは、状況から見ても、致し方ないことかなと思われます。ですから、どこを直せというわけでもないのですが、コメント的なことを少し申し上げたいと思います。

 まず、公害健康被害補償制度です。これにつきましては、もう今では、被認定患者さんの数があまり多く残されているわけでもないということもありますので、今さらということにはなるのですが、しかし、もともと制度ができましたときとは、かなり状況が変わってきているということがいえると思われます。例えば、被認定患者の方々が全体的には高齢化しておられます。しかし、制度をつくったときには、そういうことを想定していなかったということが言えます。このような救済制度が長く続くと、その後の変化によって、制度の発足時と違う状況を生み出してしまっている。そのために、制度を必要なときには手直しをしなきゃいけなかったいう経験をさせられているということを感じます。特に高齢者層への補償給付額算定の在り方や、被認定患者さんがお亡くなりになった場合の認定疾病との関連性(起因死亡性)の判断の問題であるとか、あるいは、汚染原因者の費用負担の在り方についても、現在の大気汚染の状況を考えた場合には本来どうあるべきであったのかというようなこと点については、制度発足時あるいは制度改定時とでもかなり状況の違いがあるということは、申し上げておきたいと思います。

 それから、水俣病についてでございますが、これについては、報告書の中に、「被害に対する補償や救済を着実に推進した」と書かれていることは、これまでの経過などから見ると、ひょっとすると、異論が出てくる可能性があるような書き方であるような気もするのですが、少なくとも、第五次環境基本計画に書かれていることをどこまでやったかという点をここでは評価していると考える限りにおいては、確かに着実に進んできたということになるのかもしれません。

 それはともかく、37ページの図はなかなかよくできている図であるように思えまして、公健法による第一種地域での救済と違いまして、水俣病は、状況が変わったことにあわせて、その都度に、いろんな意味の手直しが行われてきている。そして救済対象が広がるということも、それなりに行われてきているわけです。しかし、そのために、かえって救済の仕組み全体を制度として見た場合に、なかなか理解しにくいような事態が起こってしまっていることは、否定し難いことだと思います。

 ですから、着実にというふうに言われても、この四、五年の動きだけについていえば、着実に進展と、そういうことが言えるかもしれませんが、過去からの全体の流れを知る者の目から見れば、なかなかそうも言えないという感想が出てくることはやむを得ないことかもしれません。

 今回の報告の中で、特に、国立水俣病総合研究センターの取組についても記載いただいたのは、大変ありがたいことだと思います。国水研の取組については、水俣病の病態に係る研究が確実に進んでおりまして、客観的に病態を把握するための手がかりをつかむことができつつあるような気もいたしますし、何よりも大事なことは、地域の方々、あるいは、水俣病の患者さんの方々のご理解も得ながら、治療効果への希望も見いだしつつ病態の研究が進められるようになってきているということは非常に大きいと思います。

 また、国立の研究機関の多くが独立行政法人化している中で、国水研は、国立の直営の研究所であるという状態を維持されているわけですが、そのおかげで、地道なモニタリングの継続などをはじめとして一つのテーマを継続研究しつづけることができていて、その積み重ねが大変大きいということを指摘できると思われます。むろん国水研も年次計画の中で、次々に新たなテーマに取り組んでおられ競争的資金をも取り入れて研究の幅を広げてきていることはいうまでのないことですが、独立行政法人化された国立研究機関とは異なる面があることは評価できるように思われます

 国水研の研究は随分進展してきておりまして、地域振興のための取組というようなことにまで、最近は研究の範囲が広がってきているようです。水俣地域の地域発展のための取り組みとして、水俣環境アカデミアの設立・運営には環境省もかなり協力しておられることが39ページにも記載されておりますが、国水研の研究との連携にもとで、水俣環境アカデミアの活動もかなり活発になってきております。このように、地域全体の底上げをするための取組を水俣病対策の中に位置づけるということもかなり進んできているということは評価できることではないかと思います。

 石綿に関しては、状況の変化に応じて、いろいろやらなきゃいけないというので、実際、範囲を広めるための工夫もしてまいりましたが、そのために制度的な枠組みが本当に一貫したものでいけるかどうかという問題を起こしてくる可能性があると思いますので、今後とも、慎重に見ていかなければならないのではないかと思います。

 

○大塚部会長 大変貴重なご意見ありがとうございます。

 では、崎田委員、お願いします。

○崎田委員 崎田です。ありがとうございます。

 私も、意見というよりは、内容に関して、コメントを3点ほど申し上げたいというふうに思います。

 まず、熱中症なんですけれども、やはりここ3年間、毎年、1,000人以上の方が亡くなっているというのは、こういう社会問題としてかなり影響が大きいというふうに思っておりますので、しっかり取り組んでいただくというのが大事だというふうに思っています。

 今、この資料を拝見すると、今年度、令和3年度に各省庁が連携して、様々な取組を広げているというのが分かりましたので、ぜひ、どういう施策が効果が出てくるのかとか、やはりそういうようなことを明確に調べていただいて、PDCAを回していただき、今後に生かしていただくという、その辺をしっかり取り組んでいただきたいなというふうに思っています。

 今年度は、熱中症対策の地域でのモデル事業を8地域でやるんですかね。こういうような結果をしっかりとできるだけ早く共有していただけるような形で、全国でこの死者が減るという、こういうような流れになっていただきたいなというふうに思っています。

 特に、もうすぐオリンピック・パラリンピックで、この状態で観客の方がいらっしゃるかどうかはあれなんですけれども、様々な対策を政府各省で打ってくださっているはずですので、どういう対策が効果があったということ、あるいは、あんまりなかったとか、その辺、かなり明確にしていただくことが、これから大事なんではないかというふうに思っておりますので、期待をしております。

 次に、2点目といたしまして、健康被害に関して、公害健康被害、いろいろ企業が資金を出してくださっている中で、個人の補償だけではない様々な自治体とか、普及啓発のプロジェクトをしていただいているということで、情報が出ておりますけれども、これはしっかりと進めていただくのが大事だと思いますし、最近は、お子さんたちは、ぜん息というよりも、いわゆるアレルギー体質というような形での疾患が結構増えている。だからこそ、エコチル調査などもやっているわけですけれども、少しそういう原因を広げる形、あるいは、今後のエコチルを考えた上での、新しいこういう子ども向けの健康対策とか、少し大きな視点で考えていくのも必要なんではないかというふうに思います。

 最後、1点なんですが、福島の放射線に関するリスクコミュニケーションなんですけれども、大変難しい課題を丁寧に取り組んでいただいているというふうに感じております。それで、今、放射線の相談員リスクコミュニケーションの支援センターは、相談員に向けた支援ですので、こういう組織があるということをあまり表に出さずにやっておられますが、私は、何年かこうやってやっている実績がしっかりとできてきているわけですので、こういうセンターがあるということも、かなり明確に前に情報として出していただくことが、社会の安心感につながるんではないかなというふうに思っております。

 なお、一つ質問なんですけれども、今、復興庁のほうで、10年たったということもあって、国際教育研究拠点の整備ということの検討がかなり本格的に進んできておりますが、その中の第5分野という中に、原子力災害に関するデータや知見の集積、発信という項目があって、情報発信やリスクコミュニケーションに関する社会科学研究というような項目が入っています。既にやってこられた知見をこういうところで共有しながら、世界に発信する、そういうようなことも大事だと思いますので、この辺、どういうふうに、今、政府全体の中で取り組んでおられるのか、伺えればありがたいなというふうに思います。

 よろしくお願いいたします。

○大塚部会長 どうもありがとうございました。

 では、奥委員、お願いします。

○奥委員 よろしいですか。

 すみません。私からは、水俣病対策の推進のところで、先ほど、ちょっと言及があったところではありますけれども、こちらの計画の記載、34ページのスライドに計画の記載としては、「特措法等を踏まえ、すべて被害者の方々や地域の方々が安心して暮らしていけるよう」云々というふうにありまして、定量的な推進の評価ということで、35ページのほうに、3名が新たに公健法に基づいて認定がされたと。これまでの実績も書いてございます。

 そして、さらに、36ページのところで、今後の計画推進に向けての進捗の評価として、処分の積み重ねをしていくということと医療費の確実な支給というふうにございますけれども、確かに申請をされている方に対して、できるだけ早く結果を出すということは十分あるかと思いますけれども、ただ、これまでの平成30年度以来の過去の実績を見ましても、確かに3件は認定はされていますけれども、全体で申請のあった1,114件分の3件しか認定がされていないと。結局、1,111件については、棄却という処分結果になっているわけで、単に処分を早期に全てこなせばいいと、積み重ねればいいというだけではなくて、最終的に、棄却をされてしまった方々については、やはり健康不安を感じていたり、それなりの症状を感じているからこそ、申請をされているわけであって、そうした方々をいかに不安の解消につなげていくのか、どういったサポートをしていくのかというところも、非常に重要なのだろうと思っています。

 そういう意味で、この36ページの今後の施策の方向性の②のところに、この処分をしたというだけでなく、棄却された方について、いかに健康増進や不安解消といったところにつなげていくのか、そこのところのつながりをしっかりと手当てしていくということが重要ではないかというふうに思っております。

 以上です。

 聞こえましたでしょうか。何か途切れ途切れになっていたような気がします

○大塚部会長 はい。大体、大丈夫だったと思います。ありがとうございました。

 じゃあ、以上で、途中ですけども、事務局から3名まとめてご回答いただければと思いますけど、よろしいでしょうか。

 適宜、まとめてということなので、いいですよね、切ったほうが。

○田中環境保健企画管理課長 企画課長の田中でございます。

 浅野先生や崎田先生から、あるいは、奥先生から公害患者の救済について、ご指摘をいただきました。ありがとうございます。

 人の命と健康を守るという環境省の原点の仕事でございますので、一つ一つできることを着実に進めてまいりたいというふうに考えております。

 アレルギーの件につきましては、環境再生保全機構のほうで、食物アレルギーに配慮した離乳食の進め方の動画教材を新たに提供するなど、コロナ禍においても、一つ一つ有効な予防事業を進めていきたいというふうに考えております。

 また、国立水俣病総合研究センターにおいても、研究の成果を分かりやすく発信していくなど、着実に公害対策、あるいは、被害者対策を推進してまいりたいというふうに考えております。

○太田環境安全課長 環境安全課の太田でございます。

 崎田先生から熱中症に対して、貴重なコメントをいただき、ありがとうございました。

 熱中症対策につきましては、今年度、関係府省庁とかなり連携を強化した各種取組を進めているところでございますが、秋には、こうした取組について、アンケート、ヒアリングなどを通しまして、しっかり検証し、翌年度以降の対策に結びつけていきたいというふうに考えております。

 また、モデル事業につきましても、できるだけ早く、そうした成果等については、共有するよう努めてまいりたいと思いますので、引き続きのご支援、よろしくお願いいたします。

○中島総括補佐 すみません。ちょっと声が聞きづらいという。

 すみません、今、声は聞こえますでしょうか。石塚先生、聞こえますか。

○石塚委員 はい。今、聞こえるようになりました。

○中島総括補佐 聞こえるようになりました。どこから聞こえにくかったでしょうか。熱中症関係。

○石塚委員 ちょうど今まさに説明されていた内容がちょっと聞き取りにくくございました。

○中島総括補佐 じゃあ、ちょっと熱中症、もう一度、説明を。

○石塚委員 その前は大丈夫です。

○中島総括補佐 分かりました。

○太田環境安全課長 申し訳ございません。

 それでは、熱中症関係について、お答えさせていただきたいと思います。

 崎田先生から貴重なコメントをいただき、誠にありがとうございます。

 熱中症関係につきましては、今年度、関係府省庁との連携した取組を各種進めているところでございますが、秋には、この夏の結果を踏まえまして、取組状況をアンケート、ヒアリングを通して検証して、来年以降の取組につなげていきたいというふうに考えておるところでございます。

 また、モデル事業につきましては、今年度、8地域で行っておりますけれども、この結果につきましても、できるだけ早く共有できるように努めてまいりたいと思いますので、引き続きのご支援、よろしくお願いいたします。

 以上です。

○田中環境保健企画管理課長 崎田先生から福島のデータについての国際研究の世界への発信について、ご指摘をいただきました。

 私ども、この10年間得られた知見につきましては、科学的知見を基礎資料として、分かりやすい形で整理して、国内外に発信してきたところでございますが、特に、今後ともターゲットを絞って、分かりやすい発信に努めてまいりたいと思います。

 先ほどご指摘のありました国際発信拠点との連携につきましては、後ほど整理して、委員の皆様にはお知らせさせていただければというふうに考えております。

○海老名特殊疾病対策室長 今、浅野委員、それから、奥委員から水俣病に関するコメント、ご質問等をいただきました。

 まず、共通するところかとは思いますけれども、水俣病につきましては、非常に歴史の長い取組でございますので、この計画期間中のところということに関しては、ご指摘のあったとおり、数値に基づいた評価をさせていただいているところでございますが、これまでの取組を踏まえながら、全体としての施策の取組は、今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。

 それから、浅野委員の国水研の取組に関しましては、お褒めをいただいたところでございますけれども、引き続き、地域と連携をしながらの取組をしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。

 奥委員から3名の認定のところにつきまして、ご意見を頂戴いたしました。いわゆる公健法に基づく処分につきましては、審査会の丁寧な審査を早く行っていくということで、その結果を早くお伝えするということを第一といいますか、重要なポイントというふうに考えておりますけれども、一方で、棄却されたとしても、地域にお住まいの方々の健康の増進、不安の解消ということは、非常に重要なテーマだというふうに認識をしておりますので、引き続きこのような取組についても、全体の施策とのうまく融合性といいますか、有機的な取組になるようにしっかりと努めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○浅野委員 全然聞き取れないんですが。

○中島総括補佐 すみません。今、私の声は聞こえますでしょうか。

 すみません。中島です。今、聞こえますでしょうか。

○浅野委員 その声は聞こえています。

○中島総括補佐 ありがとうございます。

 工藤さん、今聞こえる。

工藤化学物質審査室室長補佐 はい、聞こえています。田中課長の声はよく聞こえますので、中島補佐の声はちょっと遠くで聞こえる感じで、そのほかの方の声はかなり聞きづらいというのが現状です。

○中島総括補佐 今、大丈夫ですか。今、私の声は大丈夫ですか。

工藤化学物質審査室室長補佐 多少遠いですが、聞き取ることは可能ですか。

○田中環境保健企画管理課長 田中ですが、この声は大丈夫ですか。

工藤化学物質審査室室長補佐 田中課長の声は物すごくよく聞こえます。

○中島総括補佐 工藤さん、どこから聞こえなかったかな。

工藤化学物質審査室室長補佐 基本的に、田中課長以外のお答えはかなり聞きづらいという。太田課長はぎりぎり聞こえました。

○中島総括補佐 分かりました。特対室から行きます。

○海老名特殊疾病対策室長 特殊疾病対策室長でございます。

 水俣病に関しましては、浅野委員、奥委員からご意見、またご質問をいただいておりますので、お答えをさせていただきます。

 まず、水俣病につきましては、非常に歴史の長い取組でございますので、この計画期間中の取組というものについては、こちらに記載のとおりの進捗ということでございますけれども、これまでの取組、長い歴史の中の取組ということについて、よく認識をしながら、今後ともその流れの中でしっかり取組は進めてまいりたいというふうに考えております。

 浅野委員から、国水研の取組につきまして、コメントをいただいておりますけれども、地域と連携した取組が進んでいるというお話をいただきました。こういった取組、大変重要だというふうに認識をしておりますので、引き続き、地域と連携した取組が円滑に進むよう、取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 奥委員から、認定の関係につきまして、ご意見といいますか、コメントを頂戴いたしました。

 3名認定をしているということでございますが、これらにつきましては、いわゆる公健法に基づいて、丁寧な審査をした上で、処分を早急に行っていくということを進めているわけでございますけれども、一方で、棄却された方々を含めました地域住民の方々の健康の増進、不安、健康不安の解消ということについては、今後の施策の方向性でも、記載のとおり重要なテーマだというふうに認識をしておりますので、引き続き、水俣病対策の推進の中でしっかりと取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

 私からは以上でございます。

○大塚部会長 ありがとうございました。

 そうしましたら、今非常に聞こえにくかったところもあるかと思いますけど、追加のご意見がございましたら、どうぞ、また挙手をお願いします。

 では医師会の、今村委員か、松本委員か、どちらかで委員の先生、お願いします。すみません。

○今村委員 聞こえますでしょうか。

○大塚部会長 はい、聞こえます。ありがとうございます。

○今村委員 今村ですが、ありがとうございます。

 私からは1点、お願いというか、意見を申し上げたいと思います。

 もう既に熱中症についてご意見をいただいているところですけれども、12ページ参考資料のところにございますように、恐らく、平成20年頃に熱中症マニュアルをおつくりになって、様々に熱中症対策を行ってこられたのですけれども、皮肉なことに、左上にあります救急搬送も増えている。また高齢者の死亡も最近劇的に増えていて、人口の高齢化率、間違いなく1年ずつ皆さん高齢化していっているということとやっぱり地球温暖化に伴う気温の上昇というものが大きく影響しているのだと思います。

 カナダでも、今回は異常な気温で相当多数な方が亡くなっていますが、気温自体を下げるという取組は我々にはできませんので、また異常な気温になっても耐えられるような仕組みをつくっていかなければといけないと思っています。日本国内でもパンデミックがいずれ来る来ると言われていて、やはり来てみると、大変大きな影響ということですから、これについて環境省が対策しておられるのはよく分かるんですけれども、相当にスピード感を持ってやっていかないと突然の対応ができなくなるんじゃないかとちょっと危惧しているところです。

 特に、高齢者は今独居であるとか、老老でお住まいの方たちが非常に多いわけです。環境省がいろいろ情報発信をされているというのは、よく耳にしますが、そういう高齢者の現場に、環境省がつくられた情報が、きちんと浸透するかどうかというのは、非常に大きな課題ですそれぞれの自治体で地域における取組の好事例ということを集めてというようなお話もございますけれども、これは外部からの積極的な介入がない限り、高齢者の方たちがエアコンを適切に使えるという状況には、なかなかならないんだろうと思っております。ぜひとも、スピード感を持って、相当急いで取組を進めていただければという意見です。よろしくお願いいたします。

○大塚部会長 はい、ありがとうございます。

 では、春田委員、お願いします。春田委員、聞こえますか。

○春田委員 聞こえますでしょうか。大丈夫でしょうか。

○大塚部会長 はい、聞こえます。よろしくお願いします。

○春田委員 私のほうから簡単に3点、申し上げたいというふうに思います。

 一つは、熱中症の件でございますけれども、この件については、もう先ほど来皆さんおっしゃったとおり、死亡者が年間でも1,000人を超えるというふうなことで、大きな社会的な課題だというふうには認識しております。その中、政府としても、環境省としても、様々な取組をしていることにまず敬意を表したいというふうに思います。

 その上で、今話があったとおり、やっぱり環境省と地域との連携、特に地方公共団体との連携で、そこで地方公共団体から地域の連携という、こういった連携の流れをうまくつくっていくことが重要かなというふうに思っているところであります。

 とりわけ、熱中症、特に独居老人、高齢者の方が非常に亡くなるケースが多いということでありますけれども、地域での見守り活動、先ほどエアコンの話もありましたけど、エアコンの点検とか、きちっと作動するのかとか、そういうことも含めて、地域の見守り活動、とりわけそういったことをしている社会福祉協議会等と連携強化だとか、こういったことも含めて、やっぱり地域に根づいた取組を熱中症対策としてもやっていくことが重要かなというふうに思いますので、その点も含めて、取組のほうを進めていただければありがたいかなというふうに思っているところでございます。

 とりわけ、プラスして、様々な熱中症対策の好事例であるだとか、好事例の共有、それから取組に関しての対策の検証だとか、そういったことも含めて、総合的に熱中症対策を強化していっていただければと思います。

 それから、あと本年度から開始されました熱中症警戒アラート、これについても広く認識を皆さんに持ってもらう必要があるなということと、それから、今コロナ禍の中で、当然マスクを皆さん、しているというふうに思ってございますけれども、本当に苦しいときとか、この熱中症警戒アラートが発出された、こういった場合には、空調の設計ブリはもちろんですけども、ソーシャルディスタンスを保ちながら、マスクを一時的に外すのもいいだろう、無理しないように呼びかけというのが非常に重要かというふうに思いますので、引き続き、リーフレット等を含めて取組のほうをお願いしたいというふうに思います。

 あわせて、我々働く者でございますので、特に労働現場においても、労働者にそういった場合に無理をさせない取組の必要、こういったことも重要だと思いますので、厚生労働省との連携で、高齢福祉に対するペースも併せて展開いただければなということでございます。

 それから、二つ目は、震災、大規模災害発生のリスクコミュニケーションについてということで、とりわけ、先ほど話がありました、風評被害の解消ということで、これは皆さんのご意見しているとおり、やっぱり安全性の確保、それから風評被害、これは引き続き取組のほうをお願いしたいというふうに思っております。

 今、よく報道されております大きな課題であります原発処理水の海洋放出、これについても安全性の確保や風評回避という意味で、非常に情報発信をお願いしたいというふうに思いますし、このことがやはり地域の生活、それから、こういうふうに大きな影響を及ぼすということもありますので、ぜひとも、よろしくお願いしたいと思います。

 それから、あと大規模災害発生時の対応、それから、このリスクコミュニケーションという点で、前回も申し上げたかもしれませんが、地域企業のBCPとの連携というところも、そういった観点も非常に重要かというふうに思いますので、これが事業の中でどういうふうに取り入れられているのかということも少し連携の内容を含めて、点検するということも検討いただければなというふうに思ってございます。

 それから、最後になりますけれども、公害被害の補償と法律の課題ということや、それから、石綿被害の救済策の方向性等に、いろいろICTのさらなる活用という形が挙げられております。やはりオンラインによる医学的判定を可能とすると。こういったことを取り入れながら、本当に救済されるべき方がきちんと救済されるように、そういった効率化、迅速化、認定における効率化、迅速化を含めて進む取組を進めていただければというふうに思ってございます。

 以上でございます。

○大塚部会長 ありがとうございました。

 では、赤渕委員、お願いします。

○赤渕委員 赤渕でございます。聞こえておりますでしょうか。

○大塚部会長 はい、聞こえています。

 どうぞ。よろしくお願いします。

○中島総括補佐 聞こえています。どうぞ。

○赤渕委員 ありがとうございます。

 質問というか、コメントを申し上げたいと思います。資料の35ページの水俣病対策の推進に関する施策の進捗状況・評価というところでございます。

まず、第1点目の公健法に基づく認定について、3名の方を公健法に基づく水俣病と認定したとございました。これにつきましては、認定された方の数と合わせて、認定が棄却された方の人数も書き記すべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうかということでございます。棄却というのも申請及び処分が行われたという意味では、等しく進捗に当たるのではないかというふうに考える次第でございます。

 二つ目が、2点目及び3点目のポツに関することでございます。

 未処分者数の推移が減少したということでございますが、その理由が何かということでございます。

 一方で、そうした未処分者数の減少が審査及び処分が進んだことによるものである、すなわち、まさに定量的に進捗が図られたといったことのほかに、他方で、申請者が死亡したことによる減少というのは含まれないのかということを疑問に思っております。もし、後者についてそうした減少が理由として含まれるのであれば、それについてもどこかで明記されるべきであると考えますが、いかがでしょうか。それが記載されないといたしますと、単純な死亡者、申請者の死亡による未処分者の減少を定量的な進捗と表現することには、個人的には強い違和感がございます。

 以上でございます。

○大塚部会長 はい、ありがとうございました。

 細かい点まで見ていただいて、ありがとうございます。

 では、奈良委員、お願いします。

○奈良委員 聞こえますでしょうか。

○大塚部会長 はい、聞こえます。

○奈良委員 よろしくお願いします。

 私からは、震災後の3・11後のリスクコミュニケーションについてコメントです。

 この点については、国が推進して、ずっと3・11後からリスクコミュニケーション事業を継続的に行っていること、特に、環境省さんが放射線リスクコミュニケーション相談員支援センターを立ち上げられて、本当にコツコツと継続的に活動されていることは、大変見るべき点だというふうに私は思います。

 ホームページも大変充実をしていて、セグメント別と、あとレベル別のガイドブックとか、リーフレットも大変豊富で、本当にすばらしい取組だと常々思っています。

 ですから、これは崎田委員もおっしゃったことの繰り返しになるのですが、ぜひ、さらに周知をされることが望ましいというふうに思っています。そうすることによって、国の政策への信頼につながりますので、これは、ぜひお願いしたいと思います。

 ただ、その際に、52ページのスライドの一番下に、ちょっと私があっと思ったワーディングがありまして、「放射線の遺伝性影響にかかる福島県外の認識等の情報のゆがみを補正する」というところです。こういった福島県外の認識等も、元をたどればやはり不安があるわけで、ですから、福島県内の方々の不安に寄り添われたように、福島県外の認識についても、はなから間違っている、だから教えてあげよう、そうしたら直るというような欠如モデルでこのように書いてしまわないほうがよいのかなというふうに思いました。

 「補正する」という言葉よりも、例えば対応するぐらいにとどめたほうがよいのでは、国民の不安にちゃんと向き合うんだという姿勢が表れるといいのではというふうに思いましたということです。

 以上です。

○大塚部会長 ありがとうございます。

 これも細かいところまでちゃんと見ていただいて、ありがとうございます。

 では、ご意見、ご質問はここまででよろしいでしょうか。

 では、事務局から回答をお願いします。

○太田環境安全課長 環境安全課の太田でございます。

 熱中症に関しまして、今村委員、春田委員から貴重なご意見を頂戴し、誠にありがとうございます。

 私どもも熱中症につきましては、もはや自助だけでは対応できない状況になっており、共助、公助を進めていく必要、スピード感をもって進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。

 今年度は、主に普及啓発を中心に関係府省庁と連携し、様々な施策を取り組ませていただいておるところでございますが、今後は、普及啓発はもとより、11ページに書いてございますような高齢者対策の強化、地域における連携強化など、それ以外の取組についても政府部内、自治体、それから民間ともよく連携を取りながら進めていきたいというふうに考えております。

 そして、好事例の横展開をしっかり図ることができるように、それから、様々な取組が本当に浸透するように全力を尽くして取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 以上です。

○海老名特殊疾病対策室長 特殊疾病対策室長でございます。

 赤渕委員から、水俣病に関してご質問をいただきました。

 まず、1点目の棄却した方の人数につきましては、おおよそ約1,100名の方が棄却をされているという状況でございます。これを書くべきかどうかということにつきましては、ちょっと検討させていただきたいと思っております。

 それから、死亡のために取下げといった方がいるのかということでございますけれども、すみません、現在ちょっと手元の資料では確認はできませんので、県・市のほうにも確認をいたしたいというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、この全体の記載について違和感があるというご意見もいただいたところでございますけれども、丁寧な審査を迅速に行っていくというところで、もう少しより適切な指標があるかどうかも含めて、ご意見の趣旨も踏まえて、記載ぶりについては、さらに検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○笹渕放射線健康管理担当参事官室室長補佐 放射線健康管理担当参事官室の笹渕でございます。先生方のご意見ありがとうございました。

 私どもとしましても、福島県においては、風評払拭が重要であると認識しております。ですので、今後、県内の風評払拭に加えまして、今後は県内に向けて今までやっていることも含めまして、情報発信の強化、特にターゲットを絞ってやっていきたいと考えております。また、海外に対しましても、基礎資料の多言語翻訳等も考えております

 また、奈良委員から、52ページの記載についてご指摘いただきました。そこの書きぶりに関しても、今後、適切に検討してまいりたいと考えております。

 以上です。

○大塚部会長 ありがとうございました。

 では、ただいまご説明である内容につきまして、修正のご意見もございましたが、本日の議論を踏まえた点検結果の修正の扱いにつきましては、部会長預かりということで、事務局と検討した上で確定して、必要に応じて事前修正などした上で、環境保健部会の報告書として中央環境審議会総合政策部会に報告することとしたいと思いますが、ご異議はございますでしょうか。

(異議なし)

○大塚部会長 ありがとうございます。

 では、そのようにさせていただきます。どうもありがとうございます。

 では、続きまして、議題の2の報告事項に移りたいと思います。

 報告事項は、5項目ありますが、事務局からまとめて説明をお願いいたします。

○久保化学物質審査室長 それでは、化学物質審査室の久保から、資料3-1についてご説明いたします。

 私からは、化審法施行令の一部改正についてということで、資料の1ページ目の「○」の改正内容ということから入っていきますが、(1)にありますとおり、ジコホルという物質、それから「PFOA又はその塩」という物質について、第一種特定化学物質に追加指定したことをご報告いたします。

 上へ戻りまして、タイトルの下の四角囲みになりますが、これらの一特指定につきましては、本年4月21日に公布をしまして、半年の周知期間を置いて10月からの施行というふうにしております。

 また、改正内容の(2)、(3)に戻りますが、特に「PFOA又はその塩」について、これが使用されているという場合に、輸入ができない製品として13種類の製品を定めました。

 また、消火器等々という話になりますが、今後も当分の間、市中にあって、それが使用されてPFOAが環境中に出てくる可能性があるということで、消火器というものがありまして、そういったものについて取扱いに係る技術上の技術を定めたところでございます。

 最後に、今後のスケジュールになります。

 実は、本件、もともとは「PFOA又はその塩」に加えて、PFOA関連物質ということで、分解してPFOAになるような物質も含めて、全部まとめて一特指定しようといったことで答申をいただいておったものでございます。

 しかしながら、令和元年11月にパブコメを募集しましたところ、こういった物質につきまして、ほかにもエッセンシャルユースがあるよというようなことなどのご意見が出てきたものですから、今回、PFOA関連物質については、引き続き所要の検討を行ってご審議いただこうということにしまして、今回は「PFOAとその塩」だけを先行して指定するということにいたしました。

 残ったPFOA関連物質についてですが、本年9月以降に一特指定していくようなスケジュールで、引き続き審議を進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

○太田環境安全課長 環境安全課長の太田でございます。

 続きまして、令和元年度PRTRデータの概要等から3件につきまして、ご報告させていただきたいと思います。

 まず、資料3-2に基づきまして、令和元年度PRTRデータの概要、化学物質の排出移動量の集計結果について報告したいと思います。

 1ページ目でございます。PRTR制度は、化学物質排出把握管理促進法、略して化管法に基づき、対象事業者が事業活動に伴う化学物質の排出量等を届出する制度でございます。

 次のページでございます。令和2年度に届出された令和元年度の排出量・移動量のデータの集計結果を今年3月に公表しましたので、その概要についてご説明したいと思います。

 令和元年度の総届出排出量及び移動量としましては、届出排出量は全体の36%、届出移動量は64%となっており、移動量が多くなっております。昨年度と比較しまして、届出事業所数は431減少しており、排出量としましては、昨年度と比べて合計7%の減、移動量としましては0.7%の減、トータルとしましては、昨年度と比べて2.6%の減となっておりました。

 次のページ、お願いします。こちらは届出外排出量でございます。これは国のほうで推計しておりますけれども、前年度に比べまして6.8%の減少となっております。内訳はグラフのとおりでございます。

 次のページ、ご覧いただきたいと思います。

 これは平成20年11月の施行令の改正によりまして、追加された対象物質186物質の状況についてでございます。

 前年度の比較でございますけれども、届出排出量は6.2%の減、移動量は4.3%の増、合計では3.3%の減となっております。

 次のページをご覧いただきたいと思います。

 これは制度開始から令和元年度の届出排出量・移動量の経年変化を示したグラフでございます。制度開始以降、継続して届出対象物質として指定されている276物質については、前年度と比べて、排出量については5.7%の減、移動量については0.6%の減でございます。

 総届出排出量・移動量につきましては、前年度と比べて2.5%の減となっておりますが、引き続き全体の傾向といたしましては、排出量は減少傾向、移動量は横ばいの傾向となっております。

 続きまして、次のページをご覧いただきたいと思いますけれども、令和2年8月の答申に基づく化管法の対象化学物質の見直し状況についてご報告させていただきたいと思います。

 前回も報告させていただきましたが、令和2年度12月4日~今年の1月4日にかけまして、改正政令案に対するパブリックコメントを行ってまいりましたが、約3,000件のご意見を頂戴し、現在令和5年4月1日施行を目指しまして、これらの意見の精査を引き続き行っているところでございます。

 続きまして、資料3-3に基づきまして、前回、赤渕委員からもご質問がございました、「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応」による取組の状況について報告させていただきたいと思います。

 1ページ目をご覧いただきたいと思います。

 環境省では、平成10年より、化学物質の内分泌かく乱作用への対応を続けてきておりまして、現在、平成28年6月に策定しました、EXTEND 2016に基づき、化学物質の内分泌かく乱作用に伴う環境リスクを適切に評価し、必要に応じ、管理していくことを目標として生態影響に関する検討を行ってきたところでございます。

 次のページでございますが、試験・評価の手順と進捗でございます。

 二段階の試験・評価の枠組みを構築しておりまして、試験法を順次開発・整備して、段階的に試験を進めております。令和元年度までに検討対象物質として198物質を選定し、順次試験を実施してきております。

 次のページをお願いいたします。近年の試験・評価の実施状況について報告させていただきます。

 検討対象物質は、環境中で検出された物質等から、毎年10物質程度選定しており、試験としては、初めにメダカ等の受容体を用いた第一段階試験管内試験を実施しております。

 次のページをお願いします。試験管内試験で作用が認められた物質等につきましては、次に、第一段階生物試験を行っております。魚類短期繁殖試験は年に2物質程度行っております。その結果を基に、第二段階生物試験を行う物質を選定し、令和元年度から2年度にかけましては、2物質を対象とし、メダカ拡張一世代繁殖試験を実施しており、本年度も同様に実施する予定でございます。

 次のページをお願いいたします。試験法の開発と検証の状況でございます。

 魚類とミジンコの試験法について、日本がリードする形でOECDのプロジェクトとして開発をしており、年度内の取りまとめを予定しているところでございます。

 次のページ、お願いいたします。二国間協力として、この分野につきましては、英国と米国との間で実施しているところでございます。

 次のページをお願いいたします。リスク評価と今後の課題でございますが、EXTEND 2016で採用している二段階生物試験により生物に及ぼす悪影響を判定することができるので、このような知見を活用して、環境リスク評価を実施することとしております。なお、EXTEND 2016を策定して5年が経過しましたので、本年度はこの進捗と成果のレビューを行う予定でございます。

 最後に、資料3-4に基づきまして、化学物質関係の主な国際会議のスケジュールについて報告いたします。

 新型コロナの影響で、引き続き、化学物質関係の国際会議もスライドのとおり延期されたり、WEB開催に変更されたりしております。今後の開催スケジュールも流動的な部分がありますが、しっかりと対応していきたく考えております。

 報告は以上でございます。

○田中環境リスク評価室長 続きまして、環境リスク評価室、田中から、資料3-5を説明いたします。

 1枚目をご覧ください。

 エコチル調査は、子どもの健康に影響を与える環境要因を明らかにするため、10万人の親子を対象とした大規模かつ長期のコホート調査として、2010年度から開始し、参加者の血液や尿、母乳、乳歯などの生態試料を採取保存・分析するとともに、質問票による追跡調査を行っており、開始から10年を経過した現在も約95%の方に継続して参加いただいております。

 2021年度現在参加されている子どもたちが全員小学生になり、2019年度より「学童期検査」を開始するとともに、正しく化学物質のリスクを避け、リスクと上手に向き合う社会を目指すため、「地域の子育て世代との対話事業」を実施しております。

 事業スキーム、期待される効果は、記載のとおりです。

 2枚目をご覧ください。

 これまでに順調に化学分析等の実施が進んでおり、令和3年5月末までに176編の全国データを用いた論文が発表され、着実に成果が出ております。

 今回、提示いたしましたデータは、2020年12月以降に発表された中心仮説に関する成果の一部でございます。

 なお、エコチル調査はコホート研究であり、エコチル調査の一つの成果で分かることは、あくまでも相関関係でございまして、因果関係ではありません。因果関係を明らかにするためには、追加調査などにより関連する研究を重ねていく必要があることを申し添えます。

 上段の1は、コアセンターである国環研の成果です。グラフの横軸は、妊娠期間中の体重増加、縦軸は健康影響の起こりやすさのオッズ比を示しております。

 本研究では、妊婦の望ましい体重増加範囲は、健康影響の起こりやすさ、オッズ比の95%信頼区間が1未満になる範囲と設定しております。

 妊娠前にBMIでやせ型であった女性は、厚生労働省が当時示していた妊娠中の望ましい体重増加量である9~12kg、ピンク色の範囲よりも大きい値の体重増加である10~14kg、水色の範囲が許容される可能性が示唆されました。

 また、妊娠前にBMIで肥満型であった女性の妊娠中の望ましい体重増加量は4から8kgである可能性が示唆されました。

 なお、本年3月に、厚生労働省により、妊婦の妊娠中の望ましい体重増加量は改定され、妊娠前にBMIでやせ型であった女性は12から15kgが体重増加量の目安であると、従来よりも大きい値の体重増加が許容されることとなりました。

 さらに、右の表にございますように、妊婦の重金属の血中濃度を測定したところ、重金属ばく露があり、かつ、妊娠前のBMIがやせ型と肥満型の妊婦は、健康影響の起こりやすさ、オッズ比の95%信頼区間が1未満になる範囲が得られない、つまり妊婦中の望ましい体重評価の範囲を決定できないことが明らかになりました。

 下段、左側の2は、富山ユニットセンターの成果です。エコチル調査に登録された8万人の子どもの生後6か月と1歳児の精神神経発達指標を調べたところ、妊婦中にハウスダスト忌避行動を多くすると、子どもの精神神経発達にプラスに影響する可能性が示唆されました。この研究では、ハウスダスト忌避行動の頻度を質問票から調べたのみで、実際のハウスダストの成分や量などは測定しておらず、どのように発達に影響するかは、さらなる研究が必要です。

 下段右側の3は、兵庫ユニットセンターの成果です。エコチル調査に登録された約7万5,000人について、妊娠中の新築改築と生まれた子どもの乳児期の喘鳴発症の関係について解析しました。

 妊娠中に自宅の増改築を行った妊婦から生まれた子どもは、しなかった妊婦から生まれた子どもに比べて、生後1歳までの喘鳴及び反復性喘鳴の発症頻度が高いことが明らかとなりました。

 一方で、妊娠中に自宅を新築した家庭としなかった家庭では、差が見られませんでした。

 なお、本研究の限界としましては、増改築の種類や程度、喘鳴の重症度が明らかでないこと、得られた成果の機序が不明であることなどが挙げられます。

 3枚目をご覧ください。

 エコチル調査は、これまで成長戦略、統合イノベーション戦略など、政府の重要戦略に位置づけられております。先日、閣議決定されました成長戦略フォローアップ2021にもこのような記載がございます。

 今後、これまでのエコチル調査の成果等を整理し、13歳以降の調査の在り方についての基本方針を策定するために検討会を立ち上げる予定で準備を進めております。

 エコチル調査の説明については、以上でございます。

○大塚部会長 ありがとうございました。

 それでは、今のご説明につきまして、ご質問、ご意見がございます方は、チャット機能、または挙手アイコンにてお知らせください。こちらから順次、お名前をお呼びいたしますので、お名前を呼ばれましたらミュートを解除してご発言ください。

 では、崎田委員、お願いします。

○崎田委員 崎田です。ありがとうございます。

 2点ほど発言させていただきたいと思いました。

 最初は、資料3-1のPFOAの話ですね。今回の資料に出ている継続審議の件などは、いろいろなご意見が出たということですので、継続してしっかり審議をしていくことには、賛成をしたいというふうに思います。

 なお、今回、このお話が出るということで、私、環境省が令和元年にPFOSとPFOAの全国の存在状況の把握調査というのをしてくださったのを思い出しまして、そのときのデータを一度きちんと見ようと思って見てみたら、ちょっと驚きました。実は、この50ナノグラムという新しくつくった環境基準を超えている地点が、全国で37地点あるんですが、環境基準の30倍とか、37倍というところが実はあるんですね。ちょっとこの辺のこういう高いところに関してどういう対応をしているのか、あるいは、そういうところを踏まえて、これまでもう既に排出しているものは地下水とか、土壌などにあるものに関して、どういうふうにこれから対応するのか、ちょっとその辺の様子をうかがえればありがたいなというふうに思いました。

 最後に1点、次の点なんですが、エコチル調査です。私はいつも、やはりこれは大変関心を持っております。95%の方がまだ参加をされているというのは、大変全体の仕組みをきちんと運営しているからこそ、参加している方に信用していただいている、信頼していただいているんだというふうに思って評価をしたいというふうに思います。

 今回、2ページ目にも、いろいろな新しい知見が出てきたということで、こういう知見をやはり集積して、今地域の妊婦のお母さんたちとの地域対話とか、そういうような仕組みをつくっておられて、これ自体は私は大賛成なんですが、そういうのを集約して、どういうふうに社会的な経験値として定着させるかという、その辺の戦略をやはり描いていくことが大事なんではないかというふうに思いました。その辺は、きっと今やっておられるんだと思いますが、ぜひ、しっかりとこれだけのものをどういうふうに生かすかというところを考えていただければありがたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

○大塚部会長 ありがとうございます。

 じゃあ、赤渕委員、お願いします。

 赤渕委員、聞こえますか。赤渕委員、お願いします。

○赤渕委員 赤渕でございます。聞こえておりますでしょうか。

○大塚部会長 はい、よろしくお願いします。

○赤渕委員 ありがとうございます。

 幾つかコメントとお尋ねをしたいと思います。

 まず、資料の3-2のPRTRデータに関する内容でございます。

 5ページを拝見いたしますと、経年変化についてグラフでお示しいただいております。このうち、継続物質の移動量については、これはもうPRTRデータが公表されて、このようにご説明いただくと、毎度のことで、各先生方からもご指摘があろうかと思いますけども、やはり移動量が先ほど横ばいというふうにご説明がございましたが、見方によっては、横ばいというよりも、むしろ微増の傾向にあるようにすら見えるわけでございまして、こちらの対策についてどのようにすればよいかというのは、大変悩ましいところかと思います。

 なぜこの移動量がこのような状況が続いているのかについて何か要因分析みたいなのをされておられましたらお教えいただければありがたいと考えております。

 二つ目が、資料3-3の内分泌かく乱に関するEXTENDについてのご説明でございます。

 3点ほどございますが、まず、全体的なことといたしまして、EXTEND 2016による内分泌かく乱作用に関する調査・研究というのも大変重要な環境保健行政上のテーマであると思いますけれども、これが例えばエコチル調査のように何か政府の重要戦略の中に位置づけられたりするようなことはないのかどうかといったことをお尋ねしたいと思います。

 エコチル調査ほどに大規模に行われている調査ではないのかもしれないですけれども、テーマとしては、大変重要な内容かと思われますので、このようなお尋ねをしております。

 次に、7ページ目で、リスク評価と今後の対応という説明書きがございました。1ページが環境リスクを必要に応じて管理するというふうに説明がされておりまして、7ページでは、環境リスク評価の際に、第二段階生物試験の結果も活用するというような説明がございました。そういたしますとこのリスク管理についても、例えば化審法で行っていくようなことをお考えになっているのかどうかについてお尋ねをしたいと思います。

 あと3点目は、単なる意見でございますが、EXTEND自体は大変重要な取組であるというふうに私としては考えておりますので、今後、対応を検討予定というふうにスライド7ページ目では書かれておりますけども、ぜひ、この取組は継続していっていただきたいというふうに考えております。今後の対応の中で継続あるいは発展させて考えていくことをお考えなのかどうかについてお尋ねしたいと思います。

 以上でございます。ありがとうございます。

○大塚部会長 ありがとうございます。

 では、上田委員、お願いします。

○上田委員 京都大学の上田です。

 私は、資料3-5の子どもの健康と環境に関わる全国調査エコチルに関連してのコメントなんですけれども、エコチル調査が多くの科学的なエビデンスを出しているということについて、私もすばらしいというふうには思っております。

 一方で、これから今後、崎田委員からのコメントにもありましたように、こういった知見をどのように国民の皆様に伝えていくかということが重要になってくるかと思います。

 特に、これらの特にこのエコチルで対象としている化学物質というのは、私たちの生活とも密接に関わっておりまして、全てのばく露を全てにゼロにするということは、ほぼ不可能ではないかというふうに考えております。ということは、よりよい生活のために、どのようにリスクを低減するかということが重要じゃないかというふうに考えております。

 特に大気汚染の疫学研究に関わっている私としましては、ゼロにできないリスク、ゼロリスクを目指すということは、非常に難しいと。そういったときにどのようにリスクを比較して、どのように、リスクを低減するためによりよい選択をするかというような、こういうリスクリテラシーを高めるような施策もセットにして進めていただければというふうに考えております。

 以上です。

○大塚部会長 ありがとうございます。

 では、高岡委員、お願いします。

○高岡委員 ありがとうございます。

 私のほうからは、1点質問がございまして、3-1の資料のPFOAの関連物質についてであります。

 POPs条約で既に例外とか、除外規定が挙げられていると思いますけれども、今回、議論になっているのは、それ以外の、いわゆる日本特有の事情とかがあっての関連物質なのか、その辺り、分かっていることがありましたら教えていただきたいと思います。

 以上です。

○大塚部会長 ありがとうございました。

 では、鈴木委員、お願いします。

○鈴木委員 ありがとうございます。

 まず一つは、PFOA関連物質について、進めていただく上での特に意見ではありませんが、こういう関連物質というふうな、やや幅の広いくくりで、物質を議論するということは、今後、多々起こってくるんじゃないかなと思いますので、その際にやっぱり科学的な知見の集積と行政的な考え方を整合させて両方しっかり審議いただければと思っております。

 それから、もう一つは、このPRTR対象物質について、これもちょっと似たことになりますが、パブコメで非常に多数の意見があったということは、多分様々な立場のご意見があったんだろうと思っております。ですので、それらのすべてには対応はできなかったと思いますが、ただ、やはり非常に物質の範囲あるいは複雑な組成にして扱う場合は、この中には含まれていたように伺っておりますので、そういうものに対してどのように扱うかということは、環境保全の立場からしっかり筋を持って進めていくことが僕は重要だと思いますので、この辺、ぜひ引き続きご検討をお願いします。

 最後に、国際会議の予定ということで伺いました。SAICM等あるいは水俣条約、非常に重要な会議じゃないかと思っております。

 特に、SAICMにつきまして、私は前から非常に注目しているところでありますけども、私のように、学会や研究会を見ているところでも、ポストSAICMをどのような方向性にしていくのか、これは多分、研究者、学者の間でも、やや意見がはっきりしないところがあるような気がしております。誰かがリードしなければ、なかなかしっかりと進まないのかなと僕は個人的には思っているところがありまして、ぜひ、日本、我が国として、このSAICMの議論をリードできるように頑張っていただければというふうに思っております。

 以上です。

○大塚部会長 ありがとうございます。

 では、新美委員、お願いします。

○中島総括補佐 新美先生、お願いします。

○新美委員 新美です。どうもありがとうございます。

 私は、エコチル調査について、若干のコメントプラス質問ということになります。

 エコチル調査のデータ、非常に有益なもので、あちこちで評価されてきていると。非常にすばらしいことだと思いますし、政府も様々なところも評価をされているというのも、これも非常にいいことなんですが、このエコチル調査の表の資料の3-5の3ページのところにありますように、それに関連して申し上げますが、事務局からは、エコチル調査のデータというのは、相関関係を示すものであって、因果関係までも示すものにはなってないということは非常に重要なことだと思って伺っておりました。それを因果関係で、相関関係でなくて、因果関係の問題としてよりブラッシュアップするための作業が、この3ページの4.1の疾病等に関する研究、環境要因と疾病等に関する研究、いわゆる病理学的な研究と、それから総合イノベーションでやれるところの遺伝子研究ですね、遺伝子解析というのが非常に有益なものだと思いますので、これを、ぜひ進めていただきたいということと同時に、この病理研究と遺伝子的な研究というのが別々になっているのが、ちょっと気になって、これ両者の相関性といいますか、関連づけるような計画はあるのかないのかというのが最後の質問ということになります。

 以上でございます。ありがとうございました。

○大塚部会長 ありがとうございました。

 ほかにはよろしいでしょうか。

 そうしましたら、ただいまのご質問、ご意見に対しまして、事務局からご回答をお願いいたします。

○中島総括補佐 化審室、工藤さんお願いします。

工藤化学物質審査室室長補佐 工藤です。聞こえますでしょうか。

○大塚部会長 はい。

工藤化学物質審査室室長補佐 資料3-1、PFOAに関するところについてお答えさせていただきます。

 まず、崎田先生からコメントいただきました調査に関しましては、私どもの水・大気環境局が行っている環境中の調査の結果のことかと承知しております。

 こちらご指摘のとおり、日本中で三十数地点において水の暫定的な目標値を超えるというところが発見されてございます。この汚染の原因がどこにあるかということに関しては、この調査の中では特定をされて、なかなかできるものではないというふうに承知しておりますが、この対応でございますが、まず厚生労働省とも連携しながら、まずは飲用を回避していただいて、飲用に使わないようにしていただくということと、合わせて水・大気環境局のほうから、その対応の自治体における対応の手引きというものを発出して、これに従った対応を求めているというところでございます。

 また、保健部としても、まだ市中にPFOSを含む泡消火薬剤等残留しておりますので、この代替の推奨をしていくというようなことで、関係部局で連携して、この問題に対応していきたいと思ってございます。

 続きまして、高岡先生からいただいたPFOA関連物質のところのご質問ですが、恐らくエッセンシャルユースの解釈に関してだと思いますが、ご指摘のとおり、ストックホルム条約では、エッセンシャルユースはどういう用途であるということが羅列されておりますが、我が国は、エッセンシャルユースは基本的には認めないけれども、ストックホルム条約の出しているオプションの中からこれをやりたいということを国内の意見を聞いて、それについてエッセンシャルユースとして登録するということになっておりますので、ストックホルム条約が示しているエッセンシャルユースの用途以上のものを何か見つかったということではなくて、その中で、あくまでオプションが見つかったということでございます。

 鈴木先生からいただきました関連物質の関係に関しましては、おっしゃるとおりでして、今後、ストックホルム条約で議論される予定のものにも関連物質という概念は引き続き出てくると予想されておりますので、こういったところをしっかり対応していきたいと思ってございます。

 以上です。

○中島総括補佐 ありがとうございます。

 PRTR、川原補佐からお願いします。

○川原環境安全課課長補佐 PRTRを担当しております川原でございます。

 今、赤渕先生からご質問いただきました移動量の辺りですね。これが引き続き横ばいということで、あるいは微増の傾向があるということですけども、この辺り、特段、廃棄物との関係が恐らく多いんじゃないかなというふうに考えてございます。それで、今後ですけども、この廃棄段階のところというのは、化学物質のライフサイクル全体の話としも種々なところが出てきております。それとも関係いたしまして、この辺りの情報収集ということをいかにして情報を集めていくかだとか、こういったところは現在も各省庁と関係機関と調整してもう始めているところでございますので、その結果を、そのやり方を含めて検討した上で、その結果と解析をしてまいりたいと思っております。

 以上です。

○太田環境安全課長 環境安全課長の太田でございます。

 続きまして、赤渕委員からいただきましたEXTEND 2016の関係についてお答えさせていただきたいと思います。

 EXTEND 2016に基づいた取組の結果でございますけれども、平成27年度にメダカ拡張一世代繁殖試験(MEOGRT)を実施したノニルフェノールにつきましては、化審法のもと優先評価化学物質に指定されておりますノニルフェノールエトキシレートのリスク評価が現在進めておりまして、ここで、この試験結果も参照されているといったことでございまして、化審法のほうの枠組みの中でもこの取組結果が活用されつつあるといったようなところでございます。

 今後、EXTEND 2016につきましては、レビューをし、今後の取組について検討することとしておりますけれども、環境省としましては、引き続き、こういった取組を進めていきたいというふうに考えているところでございます。今後の検討の中で、さらにどのように展開していくのかを検討させていただきたいと考えているところでございます。

 それから、鈴木委員からご指摘がございました、PRTRの対象物質の見直しの件でございますけれども、パブコメをたくさんいただきましたので、現在、その内容につきまして一つ一つ適切な対応をすべく検討を進めているところでございます。

 この結果につきましては、なるべく早い段階で取りまとめ、公表させていただきたいというふうに考えているところでございます。

 それから、国際会議の件でございますけれども、ただいまこのコロナ禍の下、各種国際会議については、なかなか開かれない状況でございますけれども、ポストSAICMにつきましては、我々としましても非常に重要な問題だと考えておりますので、積極的に議論に参加し、リードしていけるように取り組んでいきたいと考えているところでございます。

 私のほうからは以上です。

○田中環境リスク評価室長 リスク室の田中です。

 まず、崎田委員からいただきました情報発信についてですけれども、まず、95%の参加者の維持のためにですが、現在、参加者全員小学生に上がりまして、小学校1年生から小学校4年生になりまして、子どもたち自身がエコチル調査に参加する意義を理解できる年齢になっております。

 このように参加者の方にエコチル調査に参加していくことを誇りに思っていただけるように、子どもたち自身への情報発信を講じるといったものをコアセンターやユニットセンター等と連携して取り組んでまいりたいということが1点と、それから、一般の方を含めた情報の発信ですけれども、こちらにつきましては、関係する各省庁、厚労省、文科省、農水省、経産省等との連携ですとか、それから、学術団体参加の領域、小児の領域、それから疫学会、日本化学工業会等との連携を強化するほか、行動変容を促す国民の方へのターゲットを明確にしまして、このターゲットに対する影響力の強いインフルエンサー、例えばお母さんで、かつ、産婦人科医といった専門家の方などのインフルエンサーを開拓して、そのコミュニティーを通じて適切な、例えば妊婦さんが読むような雑誌等を通じて定期的に情報を届けるなど、工夫したいと思っております。

 それでは、上田先生から、ゼロリスクが難しいということを非常にごもっともなご意見でございます。このようにリスクリテラシーを深めるという形も併せて進めていくということですけれども、環境保健部の放射線管理官室の放射線に対する取組を参考にしながら、化学物質に関してもリスクリテラシーを高める施策も併せて取り組んでまいりたいと思います。

 それから、新美先生から、データに関しましてブラッシュアップをお願いしたいということですけれども、現在、エコチル調査、疫学調査でございますが、追加調査という形で、例えばエコチル調査以外の研究費を基に申請を行って、現在は関係者のみですけれども、追加調査というのができることが可能となっており、成果も三十数本、現在出ているところでございます。

 国環研の中に第三者利用が可能となるデータ共有オフィスというようなものを立ち上げておりますので、今後、第三者の方のデータ利用も申請を行えば可能となりますので、このエコチル調査のデータにつきまして、この疫学調査だけでは終わらないように、さらにエビデンスを高めるような取組を進めてまいりたいというふうに思います。

 また、交絡因子として遺伝要因は、当初の研究計画から遺伝子解析を行うということで、交絡因子の遺伝要因を明らかにするということが明確になっておりますので、化学物質の影響に関して遺伝子解析も進めることで、合わせてエビデンスレベルも高めてまいりたいと思います。

 以上です。

○大塚部会長 では、ありがとうございました。

 ほかに特になければ、本日の議事はこれで終わりたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。何かございますでしょうか。

(なし)

○大塚部会長 ありがとうございました。

 では、本日の議事は、以上になります。

 活発なご意見をいただきまして、ありがとうございました。

 それでは、事務局に進行をお返しいたします。

○田中環境保健企画管理課長 本日は、音声が聞きづらい時間帯がございましたが、申し訳ございませんでした。

 本日の議事録は、聞きづらかった説明部分についても盛り込んだ議事録の原案を事務局のほうで作成し、委員の皆様にご確認をいただいた後、環境省WEBサイトに掲載する予定です。

 よろしくお願いいたします。

 次回の日程につきましては、改めて調整させていただきます。

 それでは、以上で、第46回中央環境審議会環境保健部会を終了したいと思います。

 どうもありがとうございました。

午後4時55分閉会