中央環境審議会循環型社会部会 家電リサイクル制度評価検討小委員会、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会 電気・電子機器リサイクルWG 合同会合(第29回)

日時

平成26年4月10日(木)15:00~17:00

場所

経済産業省 本館地下2階 講堂

議題

  1.  1.事務局への質問に対する回答
  2.  2.リサイクル費用の回収方式について
  3.  3.その他

出席者

浅野循環型社会部会長、細田座長、島田説明員(石井委員代理)、石川委員、岩田委員、上野委員、
梅村委員、大塚委員、岡嶋委員、河口委員、川村委員、北原委員、桑野委員、河野委員、酒井委員、
崎田委員、佐々木委員、田崎委員、辰巳委員、豊原委員、中島委員、西尾委員、野村委員、萩原委員、
牧野委員、矢木委員、牧野説明員(安木委員代理)

議事内容

○江澤環境リサイクル室長  定刻になりましたので、ただいまから第29回産業構造審議会電気・電子機器リサイクルワーキンググループ、中央環境審議会循環型社会部会家電リサイクル制度評価検討小委員会合同会合を開会いたします。

 私は、事務局を務めます経済産業省環境リサイクル室の江澤でございます。よろしくお願いいたします。

 本会合の事務局及び議事進行は、経済産業省と環境省で持ち回りとさせていただいております。今回は経済産業省が事務局を務めさせていただきます。

 まず、両審議会合わせて28名の委員のうち、産業構造審議会は20名のうち18名、中央環境審議会については19名のうち15名の委員にご出席いただいており、両審議会とも定足数である過半数に達していることをご報告いたします。

 本会合につきましては、やむを得ずご欠席される場合には、代理の方に説明員としてご出席いただけることとしております。本日は、石井委員の代理として島田様、安木委員の代理として牧野様にご出席いただいております。また、前回に引き続き、中央環境審議会循環型社会部会の浅野部会長にもご出席いただいております。

 続きまして、資料の確認をさせていただきます。資料は1から3-2を、参考資料は1から5をお配りしております。資料の不足等があれば、お申しつけください。

 本会合の資料につきましては、原則として全て公開とさせていただきます。会合終了後に発言者の名前を示した議事録を作成し、委員の皆様にご確認をいただきまして、ご了解をいただいた上で公開いたします。

 プレスの撮影はここまでとさせていただきますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 それでは、これ以降の議事進行を細田座長にお願いしたいと思います。

 細田座長、よろしくお願いいたします。

○細田座長  よろしくお願いいたします。

 それでは早速、議事に入りたいと存じます。お手元の議事次第にありますとおり、本日は、(1)事務局への質問に対する回答、(2)リサイクル費用の回収方式について、討議を行います。

 それでは、まず、これまでの審議における事務局への質問に対して、事務局からのご説明をよろしくお願い申し上げます。

○庄子リサイクル推進室長  それでは、資料2をご覧ください。前回会合で委員から指摘のあった事項への回答について、まず環境省からご説明をさせていただきます。

 おめくりいただきまして、①でございますが、ご指摘事項としまして、いわゆる義務外品の回収量、リサイクル状況について把握していれば教えてほしいというお尋ねがございました。

 義務外品の回収量でございますが、小売店等が独自に回収しているものも含まれるため、全量を把握することは難しいのではないかと考えてございます。その中で市区町村が行政回収した台数、それから指定引取場所に引き渡した台数について平成24年度のデータとしてアンケート調査を行ってございまして、そちらについて下の表の中でご紹介しているところでございます。テレビについては、ブラウン管と液晶・プラズマと分けてございますが、4品目ごとに行政回収、それから指定引取場所への引き渡し台数はご覧のとおりの数字でございます。

 続きまして、②不法投棄台数につきまして前回の会合でご報告申し上げましたが、その不法投棄台数の数字だけではなくて、廃家電の排出台数との比較をして分析すべきではないかというご指摘がございました。こちらは、後ほど平成24年度の使用済み家電のフロー推計でご紹介したいと思いますが、平成24年度の排出台数の推計値が出ましたので、それとの比較でこの割合を出してみたのが右の数字でございます。

 平成23年度におきましては、不法投棄台数が16万台余りでございました。こちらは排出台数との比較で見ますと、0.5%でございます。平成24年度におきましては、不法投棄台数は11万6500台でございますが、排出台数が1700万台と減少したため、割合としては逆に0.7%と、0.2ポイント上昇している形になってございます。

 続きまして、③廃家電を破砕して海外に持ち出す場合の取り締まりはどうするのかといったお尋ねでございました。いわゆるヤードでの確認、それから税関の検査等におきまして雑品スクラップの中に破砕された廃家電の混入が認められた場合には、しっかりと廃家電を取り除いて適正処理するよう、環境省でも指導を行っているところでございます。

 続きまして、④でございますが、前回の合同審議会におきまして、廃棄物処分許可業者の処理状況ということでご報告いたしましたが、その中でリサイクル率、こちらは平均値をお示ししたところでございますけれども、そのリサイクル率について、平均値だけではなく、最大値あるいは最小値などを示してもらいたいというお尋ねがございました。

 改めて整理しましたのが右の表でございます。最大値としましては、品目ごとにご覧のとおりでございます。最小値については2つ書いてございますが、括弧内の数値については、不法投棄された廃家電のみ処分している事業者がおりましたので、そのリサイクル率を分けてお示ししております。平均値については、この不法投棄物の分も含めて計算しているところでございます。

 続きまして、⑤の不適正処理のルートが全体のフローの中のどこに位置づけられているのか示してほしい。それから、フロンの回収はどうなっているのかを教えてほしいというお尋ねがございました。

 参考資料として、参考資料1をご覧いただければと思います。使用済み家電のフロー推計、平成24年度の推計値でございまして、このたび新しく、最新のデータとしまして平成24年度の使用済み家電のフロー推計の資料をご用意いたしました。この中では、まず左の方をご覧いただければと思いますが、家庭・事業所からの排出台数として、4品目合計で1702万台となってございます。

 その排出された家電が、右の方にずっと目を移していただいて、右の一番上でございますが、製造業者等による再商品化ということで、家電リサイクル法に基づくルートでの再商品化でございますが、こちらが1134万台でございます。それから、その下、これは前回ご報告いたしました廃棄物処分許可業者等による再商品化で19万台。その下に、リユース向け販売で410万台の推計がございます。

 そうした中で、また左の下の方に目を移していただきまして、小売業者による引き取りなどのほかに、不用品回収業者による引き取りがございまして、その中でリユース向け販売に引き渡されているものがある一方で、スクラップ業者、あるいはヤード業者による引き取りという台数が132万台ほどございまして、この中で海外にスクラップとして輸出されているものもございます。

 参考資料1としましては、2ページ以降で品目ごとにエアコン、ブラウン管式テレビなど、同じような形のフロー推計の図をご用意しているところでございます。

 もう一つは参考資料2でございますが、こちらはフロンのフローについて、今ご紹介した使用済み家電のフロー推計の数字をもとに推計をしたものでございます。参考資料2の表面は、まずエアコンでございますが、ご覧いただき方としましては、左の方に初期フロン類含有量(製造時)がございます。ここに注釈を付けてございますが、製品出荷後の経過年別の廃棄分布を用いまして、廃棄台数を推定いたしまして、製造年次別のフロン類等の含有量を乗じて算出したものでございます。そうした中で使用時の排出というのがございますが、こちらも機器稼動時の平均排出係数という数字を用いまして、実際に家庭・事業所から排出された段階におけるフロン類の含有量を推計したところでございます。

 エアコンがどのようなフローで引き渡されているかという先ほどのフロー推計の数値をもとに、フロンが含まれている量を割り振った形にしたのがこちらのフロー推計図でございます。そうした意味で基本的には推計値となっておりますが、右上の製造業者等による回収につきましては、実績値としてご覧いただければと思います。

 裏面が、使用済み冷蔵庫・冷凍庫のフロン類のフロー推計でございまして、冷蔵庫・冷凍庫につきましては数値を2つ掲げてございます。黒色の数字は冷媒フロン、赤色の数字は断熱材のフロンでございまして、数値の算定方法は先ほどのエアコンと同じような形になってございます。

 資料2にお戻りいただきまして、続きまして⑥でございますが、適正なリユースについての優良事業者制度の先進的な事例があれば示してほしいといったお尋ねがございました。こちらにつきましては、神奈川県におきまして、今年度から要綱を定めましてリユース事業者の認定制度が実施されているとお聞きしてございます。今後、実施状況についてお聞きしてまいりたいと考えてございます。

 続きまして、⑦でございます。前回、リサイクル費用の回収方式のメリット・デメリットの資料についてご議論いただいた中で、欧州のWEEE指令、それから中国の制度というのが類似の制度としてご紹介しましたが、その仕組みについて教えていただきたいといったお尋ねがございました。

 それを受けまして、このたび参考資料3-1、3-2の資料をご用意しております。参考資料3-1をお開きいただきますと一覧表がございますが、お尋ねがありました欧州のWEEE指令に基づくドイツの国内法、それから韓国、中国と、もう一つカナダの州法、ブリテッシュコロンビア州の制度について整理したところでございます。

 ご説明につきましては、参考資料3-2でざっとご紹介申し上げたいと思います。参考資料3-2では、今の4つの制度についてそれぞれ1枚ごとにスキーム、対象、概要について整理してございます。

 まず2ページ目、ドイツの欧州WEEE指令に基づく国内法、廃電気・電子機器法でございます。対象となっている品目は、右上にございますカテゴリーとして1から10ということで、さまざまな電気・電子機器が対象になっております。

 下の費用回収方式等についてご紹介いたしますが、ドイツの欧州WEEE指令に基づく国内法を含めまして、ほかの制度も前払い方式、その中でも当期充当方式となっておりますが、ドイツの費用回収方式については、消費者の排出時の負担はなく、生産者が製品の販売量に応じて費用を支出し、この費用が回収処理費用に充当されているということでございます。

 製品購入時のリサイクル料金の表示といった観点につきましては、リサイクル料金が明示された形にはなっていないということでございます。

 項目としまして回収目標、回収率がどういうものかということでございますが、ドイツの2010年の回収量は1人当たり8.8kgとなっております。欧州WEEE指令の改正前の目標が適用されて、それを上回った形になっているということでございます。今後、欧州のWEEE指令も改正されまして、回収目標、回収率の立て方が変わるといったことでございまして、細かい字で書いてございますが、例えば2015年12月までは、1人当たり年間4kg、または過去3年の平均の回収量の多い方ということでありますし、2016年から2018年までは、過去3年間に上市された電気・電子機器の1年間あたりの平均総重量に占める回収済みの廃電子・電気機器の総重量の割合ということになっておりますし、平成19年以降は2つ回収率の目標がございまして、一つは年間65%と書いてございますが、過去3年間に上市された電気・電子機器の平均重量に占める回収済みの廃電気・電子機器の総重量の割合、あるいは年間85%ということで、加盟国において発生した廃電気・電子機器の量に占める回収済みの廃電子・電気機器の総重量の割合といった形になってございます。

 続きまして、リユースの還付という点では、特に規定がないということでございました。

 既販品への対応でございますが、既販品であっても、生産者が支払う費用でリサイクル費用が賄われているということでございます。

 それから、メーカー、生産者が倒産した場合の対応でございますが、ドイツの国内法の中では、生産者が倒産した場合であっても製品の処理義務が遂行されるように、EARというリサイクルを管理している団体がございますが、その登録時に、銀行等による証明を受けていただくことになっている、生産者は、保証金等を所轄官庁へ支払う義務を負っているということでございました。

 収集運搬費用の取り扱いでございますが、回収拠点までの収集運搬費用は消費者が負担する。引き渡し料は無料でありますが、自治体が各消費者の居住地域まで回収していく場合は消費者が負担するということでございます。それから、回収拠点から処理拠点までの収集運搬費用は生産者が負担する。あるいは、自治体や小売業者が独自に処理を行う場合もあるということでございますが、そういった場合には自治体・小売業者が負担するということでございました。

 続きまして、韓国の制度でございます。韓国の制度におきましては、対象品目、家電でいいますと10品目となってございます。

 下の表をご覧いただければと思いますが、費用の回収方式に関しては、個々の生産者あるいは生産者の団体が回収・リサイクル費用を負担する。自治体が独自に回収・リサイクルを実施する場合は、自治体の独自予算で処理するということでございます。

 リサイクル料金表示の有無については、明示されていないということでございます。

 回収目標等につきましては、2011年時点で1人当たり2.5kgであったものを、EUの水準まで段階的に引き上げていくという計画でございます。

 それから、既販品への対応ということに関しても、既販品であっても生産者が支払う費用でリサイクル費用が賄われている。

 倒産の対応は規定なしということでございますが、これは実際の内容としては、対象製品であれば、倒産したメーカーが製造した製品であっても回収されるということでございます。

 収集運搬費用の取り扱いとしましては、消費者が新たな電気・電子機器を買いかえる際には、生産者・小売業者が無償で廃電気・電子機器を引き取り、その後の収集運搬費用は生産者が負担する。消費者が自治体に引き渡す場合には、消費者が手数料を支払う場合もあるということでございます。その場合には、手数料は自治体から委託リサイクル業者までの運搬費、独自処分費用に充当されることになっているということでございます。

 おめくりいただきまして、3ページ目は中国の制度でございます。中国の制度におきましては、対象品目はテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、パソコンとなっております。

 下の表でございますが、費用回収方式としては、消費者の排出時の負担はなく、生産者が製品の販売量に応じて費用を支出する。それから、販売量に応じて支出された費用がその年の回収処理費用に充当されるということでございます。特徴的な点としては、中央政府が補助金としてこの費用を管理し、処理業者に補助金を支給するという仕組みになってございます。

 リサイクル料金の表示については、明示されておりませんが、生産者が支出する1台当たりの金額は明示されているということでございます。

 そのほか、既販品への対応等については、ドイツ、韓国の制度と同様の内容ではないかという推測をしているところでございます。

 4ページ目、カナダのブリテッシュコロンビア州の制度でございますが、こちらは対象機器として、右上の表にある製品が対象になっているということでございます。

 簡単にご紹介いたしますが、カナダの州法の制度の中では、リサイクル料金の表示の有無というのが、先ほどご紹介した3つの制度とは異なっておりまして、リサイクル料金が明示されて、製品価格に上乗せ、あるいは別途徴収されているケースがあるということでございます。ほかの州ではリサイクル料金の外部化が禁じられているケースもあるということが違いかなということでございます。

 以上、簡単でございますが、各国の制度についてご紹介させていただきました。環境省からは以上でございます。

○江澤環境リサイクル室長  続きまして、経産省から、⑧番目としてパソコンのリサイクルの制度の仕組みを教えていただきたいということで、参考資料の4に整理してございます。参考資料4をご覧ください。資源有効利用促進法という法律に基づきまして、パソコンのリサイクル制度をやっております。裏表2枚の紙です。

 まず、概要として対象製品、パーソナルコンピュータのパソコンとディスプレイが対象になっているものでございます。

 対象の事業者は、パソコンの製造事業者、輸入販売事業者でございまして、その年度におけるパソコンの生産輸入台数が1万台以上である事業者が主な対象となっております。

 その事業者の責務なんですけれども、自主回収、再資源化の実施ということで、無償回収を平成15年10月以降に販売された家庭系のパソコンについては、そのような形にしております。これは「資源有効利用促進法」及びその関連省令に基づいて対応していただいています。

 概要ですけれども、平成15年10月以降に販売されたパソコンに「PCリサイクルマーク」を添付しまして、回収は、郵便局のゆうパックを使っております。収集運搬費用及びリサイクル費用については、メーカーごとに個別に管理しています。リサイクル費用は、制度創設当時に、審議会の報告において、原則として、リサイクル費用をあらかじめ製品価格に含めて確保することが望ましいとされておりまして、基本的にこのような対応をしていただいています。

 無償回収ということで、15年10月以降のパソコンの販売分についてはそのようにしているのですが、以下のパソコンについては、廃棄時に消費者が費用負担することになっていまして、事業系のパソコン、それから平成15年9月以前に販売された家庭系のパソコンについては無償回収の対象外である。それから、自作のパソコン、製造事業者が倒産した場合には無償回収の対象外となりまして、費用の負担は、大体パソコン本体であると3000円から4000円、メーカーごとに多少違いがございます。液晶表示装置及びブラウン管については3000円とか4000円、4000円もしくは5000円といった価格帯で対応いただいております。

 再資源化の目標については、記述のとおりでございます。

 裏側をご覧ください。家庭系パソコンの回収スキームです。こちらでスキームを簡単にご説明したいと思います。左上で、まず家庭から、メーカー製のパソコンをパソコンのメーカーに電話等で申し込みをしていただきます。そして、エコゆうパック伝票及び箱を管理センターのほうから送りまして、家庭のほうで廃パソコンを詰めていただいた上で郵便局に持ち込む、もしくは集荷をしていただいて、ゆうパックを使って再資源化プラントに廃パソコンが運ばれるということでございます。

 右が、回収台数の推移でございます。現状、大体40万台程度の回収パソコンの推移となっております。

 リサイクル費用の管理方式について簡単にまとめたものが一番下でございます。幾つかのパターンになっておりまして、平成15年9月以前に販売された家庭用のパソコンについては、廃棄時に消費者から費用回収させていただく。これは後払いの方式でやっているということです。

 それから、15年10月以降に販売された家庭用のパソコンについては、メーカーによって多少違いがあるのですが、パソコンの売り上げから、引当金等をメーカーのほうで確保してやっている。この場合には個社で管理する、将来に備えてためておくということで、将来充当方式に近いような形なのかなと思います。もう一つのパターンは、ある年に発生した費用をその年に費用処理をしているということで、メーカーのほうで特にパソコンの料金をパソコンのリサイクルのための費用を引当金として置いてない場合には、当期当期で回すような制度となっております。

 3番目として、自作のパソコンというのはやりようがなくて、それから事業者が倒産してしまった場合はリサイクルする主体がいなくなりまして、この場合にはパソコン3R推進協会が、廃棄時に消費者から費用を回収する後払い方式にて対応しております。

 それから、平成25年4月以降については、小型家電リサイクル法に基づくリサイクルも始まっていますので、大体この四通りのパターンでリサイクルがされている状況でございます。

 以上でございます。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 ただいま説明のありました内容について、ご質問等のある方はよろしくお願い申し上げます。ご発言の際には、ネームプレートを立てて、発言のご意思を示していただけると幸いです。順次指名させていただきます。

 それでは、島田説明員、どうぞ。

○島田説明員(石井委員代理)  ありがとうございます。前回そして今回も、このご説明、ご議論を伺っていますと、「廃棄物処理業者」というような言葉が用いられての議論、ご意見、ご説明があったところで、いま一度申し上げたいと思います。

 私ども業許可をもっている産業廃棄物処理業者は、いつも自治体様の指導、立ち入りなどを受けたりしながら事業に勤しんでおるところであります。家電を扱わなければならないというときに関しましても、廃掃法に基づいてマニフェストを切って、きっちりと適正な処理を行っておる主体でございます。ですから、許可をもたない一部の不用品回収業者ですとかほかの主体を、「廃棄物処理業者」あるいは「産廃業者」という形で同じ言葉でくくってしまわず、それらを峻別、特化してしっかり取り締まることが必要だと私どもは認識しております。

 ここでもう一度申し上げますが、委員の先生方に関しましても、それらをしっかり峻別してご議論いただければということをいま一度申し上げます。ありがとうございます。

 以上です。

○細田座長  一通りご意見、ご質問承ってから、事務局に答えられるものは答えたいと思います。

 梅村委員、どうぞ。

○梅村委員  ありがとうございます。先ほどフロン回収はどうなっているかについての回答といたしまして、エアコンや冷蔵庫のフロン回収のフロー図が参考資料2に提示されましたが、これについて意見を述べさせていただきます。

 私どもメーカーは、フロンに関しては回収、適正処理及び法定報告が義務づけられております。これに対し家電リサイクルルート以外では、適正処理はおろか正確な把握すらできておらず、大変大きな問題だと考えます。

 参考資料2を見ていただきますと、まず第一の問題としてエアコンを例にとりますと、排出2546トンに対して、ここに書かれております行き先の総計が約2000トンございまして、570トンが行方不明となっております。第二に、リユース向けのフロン420トンは、最終的にどこに行くのかというのがブラックボックスになっております。合わせて約1000トンが把握できておりません。この1000トンが一体どのように処理されているのか、きっちりとした調査、実態の把握が不可欠です。そして不適正な処理があれば、きっちりと取り締まりいただくことをお願いいたします。それができないのであれば、確実に管理できる家電リサイクルルートへ、もっと物が集まるようにしていただきたいと思います。

 地球温暖化対策は我が国にとって非常に重要な課題でありまして、そのような中でエアコンだけでも約1000トンのフロンが漏洩しているかもしれないという状況を環境省様はどのように考えておられるのか、ぜひともお伺いしたいと思います。

 以上でございます。

○細田座長  大塚委員、どうぞ。

○大塚委員  私もフロンのところで質問、コメントさせていただきたかったんですが、今もお話がありましたように製造業者さんのところでフロンを回収していただくのは非常に重要だと思っておりますけれども、参考資料2の使用済みの冷蔵庫・冷凍庫のほうなんですが、右上のところに製造業者等による回収というのがございまして、これは黒字は冷媒フロンで赤字は断熱材フロンになっているんですけれども、左から2つ目の家庭・事業所から出る排出時点におけるフロン類含有量の黒字と赤字の比率と、それから製造業者等による回収の黒字と赤字の比率を見ていただくとわかるのですが、断熱材フロンが冷媒フロンに比べて、製造業者さんにおける回収量が少ないのです。これは断熱材フロンの回収が必ずしも十分にうまくいっていないのではないかと思われるわけですが、この点については国のほうでどういうふうにお考えになっているかということ、あるいは、これに対する対策を何かお考えかどうかということをお伺いしたいと思います。

 以上です。

○細田座長  崎田委員、どうぞ。

○崎田委員  質問のときに私が直接質問したことではないのですけれども、今のご説明を伺いながら気になったことが、①の義務外品のところと、⑤の不適正処理がどこに位置づけられているのかというものの両方を総合すると、どう考えればいいのかということについて質問させていただきたいのですが、参考資料1の使用済み家電のフロー推計という全体像を見ていきますと、真ん中辺にスクラップ業者及びヤード業者による引き取りというのがあって、右のほうに行くと海外スクラップが130万台とありますが、線の流れからいって、これが全部不適正というわけではないと思うのです。

 なお、上の海外のリユースや何かも、リユースのうちの一部に不適正があるかもしれない。その不適正の規模感をどのくらいに考えたらいいのかというのをもう少しお話しいただければありがたい。そう考えると、①の質問のところの義務外品で把握できているものを合計すると10万台弱ぐらいなのです。そうすると、そこが乖離が大きいのかなというのが少し気になったので、その辺のことをもう少し理解できるとありがたいなと思いました。よろしくお願いいたします。

○細田座長  佐々木委員、どうぞ。

○佐々木委員  パソコンのリサイクルに関しまして、これを業界が自主的にやっているということは非常に評価していいと思っておるんですが、家庭系パソコンの回収台数の推移というのは40万台であるということ、これをどういうふうに評価されておられるのか。それから、さらに資料の中に小型家電リサイクル法によるリサイクルが追加されたということで、その辺のパソコンのリサイクルの行き先をどういうふうに把握されているのか。それで今後業界としては、自主的にやっておられることをどういうふうに考えておられるのか、その辺をお聞かせいただければと思います。

○細田座長  辰巳委員、どうぞ。

○辰巳委員  ありがとうございます。一つは私も義務外品の件で、この前、市区町村の回収体制が十分ではないのではないかというイメージでお話をしたのですが、今回の資料2の①のところでの行政回収台数が5万台ぐらいですよね。それで私はこのフローで出てくる16万との違いは何だろうかというのが疑問です。

 それからもう一つは、海外における家電リサイクル制度の一覧表をおつくりいただくのに、お調べいただき、ありがとうございました。ただ、理解するのが非常に難しいなと思いました。幾つか質問があります。もしわかればその点に関して、次を考えるためにも必要だと思いますので、教えていただきたいと思いました。

 まず、リサイクル料金というものがみんな明示されていない。カナダだけが何か少しあって書かれているのですが、これは結局内部化されていて、各メーカーさんがその分をどこか別途引当金みたいな形をつくっているのかどうかということ。消費者は、全くリサイクル料金というのは意識しないで、リサイクルがなされるというふうに考えていいのかどうかということです。

 それから、回収率を目標値に置いているような書き方だと思うのですけれども、リサイクル率みたいな感じではどのように捉えておられるのか、あるいはリサイクル率のデータみたいなものがもしあるならば教えていただきたい。それは前回もお聞きしたのですけれども、お金を支払う時の前払いか後払いかによって、リサイクルの仕方が変わってくるのではないですかという点。そのあたりリサイクルの質とも関係すると思うのですが、少なくともリサイクル率みたいな数値があるのかどうかということです。

 それから、いずれもだと思うのですけれども、経営をちゃんとしていくための、それぞれ名前がいろいろありますね。例えば、お金の管理機構の話です。「EAR」と書いてありますけれども、そういうものの設立のための費用や運営の費用というのはどのようになっているのかということもお伺いしたい。結局内部化されているために、消費者負担になっているのでしょうけれども、そのあたりがわかるのかどうかという点です。

 以上とりあえず質問でございます。

○細田座長  豊原委員、どうぞ。

○豊原委員  ありがとうございます。今の辰巳委員と同じ部分なのですが、参考資料3-1あるいは3-2で海外のリサイクル制度を解説いただきまして、理解できた部分もあるのですが、質問として、回収率が一体どれぐらいなのかというのを、日本の家電リサイクルとの比較において明らかにできないものかと思います。

 先ほど参考資料1でお出しいただいたものでいきますと、排出量に対して6割強は回収できているということだと思いますけれども、ドイツの8.8kgというのは一体どれほどに相当するのか。参考資料3-2で類推しますと、2016年1月以降45%、19年以降65%ということは、恐らく今はこれより少ないのかなと推測して、正しいのかということでございます。加えまして、韓国はさらに1人当たり2.5kgということは、ドイツの半分以下ということでよろしいのか。それから中国については、数字もないのですけれども、一体どれぐらいなのかをぜひお聞かせいただきたいと思います。

○細田座長  西尾委員、どうぞ。

○西尾委員  ありがとうございます。私も海外における家電リサイクル制度について質問させてください。既に辰巳委員や豊原委員から出ているものと重複するところがありますけれども、3点ございます。なぜ海外における家電リサイクル制度について質問させていただきたいかと申しますと、メーカーさんにとってみたらグローバル展開する上で、各国のリサイクル対応は不可欠です。日本と海外のリサイクル政策の考え方や制度が異なると、その対応は大変です。できれば同じ対応で済む方がいろいろな観点からしても良いかと思います。そのようなことも含めてお伺いしたいと思います。

 1点目は、ドイツ、韓国、中国において消費者負担がないとあり、また、生産者が販売量に応じて負担とありますが、これは結果的には販売価格に内部化されていることでしょうか。それとも資源価値があるので売却益によってうまく回っているということでしょうか。後者の場合には当然資源価値が時代とともに変わるので、このようなシステムは脆弱ではないかと危惧いたします。もしその辺についておわかりになるようであれば教えていただきたいというのが1点目です。

 それから2点目は、一つの制度でさまざまな財のリサイクルを実施する点についてです。これは消費者にとってみては非常にわかりやすく、その点ではよいと思います。しかし、既に辰巳委員や豊原委員からもご指摘がありましたように、資源価値が違う財を一律に扱って質の高いリサイクルが実施できるのでしょうか。海外のこれらの制度では、リサイクルの質や資源効率はどのように考えられているのでしょうか。

 このことは実は3点目と関係するのですが、日本の場合は家電リサイクル法、容器包装リサイクル法、自動車リサイクル法、今日ご紹介いただいたパソコンのリサイクル等など、財の特性等に応じて個別の制度を設けています。これはそもそも政府のリサイクル戦略というか、リサイクル政策についての考え方が、諸外国のそれと違うことによるのではないかと思います。これはこの委員会の範囲を超えてしまうかもしれませんけれども、日本国はどのように考えているのでしょうか、国の方針や戦略について可能な範囲で教えていただきたいと思います。

 以上です。

○細田座長  野村委員、どうぞ。

○野村委員  ありがとうございます。海外でのリサイクルの概要についてお話をしてみたいと思います。参考資料3-1、3-2の海外での事例につきまして、弊社は欧州、中国、北米でも生産・販売をしておりまして、当事者の立場から各国での事情と意見をお話しさせていただきたいと思います。

 まず、欧州のWEEEについての質問ですけれども、参考資料3-2の1ページ目の左上にあるスキームを見ますと、ドイツでは自治体が回収拠点を用意しているのだと思うのですけれども、自治体の負担という意味では、日本の制度と比較して欧州のほうが負担が大きいという理解でよいのかということで、事務局にお尋ねしたいと思います。

 次に実情についてですけれども、欧州については、誰かが廃棄した家電のリサイクル費用のために約100品目から広く薄く料金をとる制度でありまして、厳密には前払いではないと思います。回収率は、高い国でも販売台数に比較して40%程度であります。今回の資料で取り上げておりますドイツでの事例を一言で言いますと、安かろう悪かろうの状況にあると思います。日本の家電リサイクルと同等の適正処理や高品位の資源回収を実行しているリサイクラーには物が回ってこずに、廃業の危機に陥っております。要はまじめにやるとだめだということであります。

 また、EUの他の国、例えば欧州で最初に取り組んだオランダでは、基金のお金がたまり過ぎまして、2013年から費用を徴収していない状況になっておりまして、将来コストの見積もりや管理が困難な事例であると思います。

 また、中国では、対象の5品目(日本の4品目プラス、パソコン)のうち、処理が大変なブラウン管テレビしか戻ってこない状況であります。ブラウン管テレビのウエイトが94%で、他の品目はほとんど戻ってきていません。また、今回の資料の3ページの下から2番目に倒産対応として書かれておりますように、倒産企業や費用を負担していないフリーライダー企業の処理費用を基金で賄うという不公平なシステムになっております。当社は杭州でリサイクルを始めましたが、ブラウン管テレビのウエイトは同じように95%で、ほとんどブラウン管テレビしか戻ってこないという状況にございます。

 このように欧州や中国では、それぞれの現場で日本では考えられないような大きな課題に直面しておりまして、実態から見て日本の制度と比べると、優れているとは全く思えないというのが実情でございます。

 最後の(4)のカナダ(ブリテッシュコロンビア州)の事例についてですが、4ページの上から2番目の項目に、リサイクル料金表示の有無のところで、他州ではリサイクル料金の明示を禁止しているケースがあると書かれておりますが、これはケベック州のことでしょうか。ケベック州では、小さな文字であれば販売時に表示してもよいとされていまして、禁止はされていませんので、お調べいただいた上で、この文章は削除いただきたいと思います。現在カナダでは、9つの州においてリサイクル料金は外部表示されていると思います。カナダ政府は日本と同様に、電気製品を買って、使用した人が料金を負担するという受益者負担を支持し、その料金には透明性のある外部表示化が国民の支持を得たと聞いております。

 以上でございます。

○細田座長  それでは、牧野説明員。

○牧野説明員(安木委員代理)  ありがとうございます。参考資料1について数点コメントさせていただきます。

 最初、プロローグですけれども、皆さんご記憶だと思いますが、エコポイント、アナログ停波の影響で平成21年度から23年度の3年間、テレビの排出量は激増したというのはご記憶だと思います。その反動で24年と25年はテレビの引取量というのは、そのピークの前の時代、割となだらかだった時代の約半分のレベルに落ち込んでおります。ということをまず申し上げまして、そういう状態になりますと、実は私どもこういう排出推計というのは、統計的な方法で過去の出荷台数と排出年数、排出機器の経過年数等を使って推計するんですが、統計的にそういう処理をするのは非常に難しい状態が発生しているのではないかと考えております。

 そういうことを含めまして、1点目のご質問でございますが、このフロー推計、特にテレビのフロー推計でございますが、いかなる方法によって行われたのでございましょうか。また、その方法は統計的に正しいものであると検証されておるのでしょうかということでございます。

 2点目でございます。この表の中に、リユース向け販売というのがございますが、この海外リユースというのは、海外に消えちゃいますのでいいのですが、それ以外は国内のリユースでございます。これは毎年廃棄物となって出てまいりますので、過去の国内リユースはブラックホールではないと思います。すなわち過去の国内リユースは、この中に廃棄物として出てくるはずであります。それはどこへも出てこないというのは理解できない。それがここへ出てこない理由を承知いたしたいということでございます。

 3点目は質問と意見でございます。これからは仮説でお話をしますが、先ほどの国内リユースに回ったものが同数だけ帰ってきたと仮定しますと、下にある数字も合わせますと約400万台が家電リサイクル法の外で処理されている。先ほど島田さんが、ちゃんとやっているといわれましたが、実は何一つ情報が公開されない状態のもとで処理されている。前回の審議会で10数万台についてご報告がありました。私は約400万台が正しいといっていませんよ。ただ単にオーダーエスティメイトとして非常に大きなものがあるものをちゃんと明らかにしないと、家電リサイクルはどうあるべきかという議論はできないのではないか、そう思っております。

 以上でございます。

○細田座長  まだご質問を承りますが、実はかなり予定の時間を経過しております。次は費用回収方式の議論に入りますので、もっと時間をとると思います。3時から5時ということになっておりますけれども、ここは経済産業省の会場で終わりがないんですが、ただし、この椅子が必ずしも座り心地のいいものではないということと、結構これから冷えてくるのではないかと思います。議論はきっちりさせていただきますが、なるべくできるならば手短に議論をさせていただければと思います。

 それでは、河口委員よろしくお願いします。

○河口委員  ありがとうございます。先ほどから海外の事例のお話があって、さらに追加で委員の方からもご説明があったところなのですが、結論として、これからの次の議論に対して、海外の事例でどこが参考にしたいのかとか、こういうところはぜひ参考にしたいとか、入れたいとかというものがあれば、またはこういうことをやると海外でこんな間違いがあるからこれは参考にしてはいけないとか、どのあたりをポイントに見ればいいのかなというのがわからないので、そこについてご説明いただくと次の議論がしやすいかと思います。

○細田座長  北原委員、どうぞ。

○北原委員  ありがとうございます。先ほど梅村委員のほうからエアコンのフロン回収の話が出ておりました。私はこれを見ておって、フロンの回収は実際のリサイクルにどの程度の責務があるかわかりませんが、現場で申し上げますと、特に引っ越し業者の引き取りというのは、非常に時間を気にして粗末な取り扱いが行われているように思います。要するにフロン回収というのは現場で大変な時間がかかるわけであります。ポンプダウンをしたり、またはエアコンを動かして配管中のフロンを圧縮して詰め直したりすることがあるわけですけれども、大変短い時間の中でやる下請業者というのは非常にいいかげんであります。パイプを切っちゃえば誰もそこにいる人が危害を加えられる問題ではない。

 そういうところから見ていますと、この表を見ても、140トンからの引っ越し業者の引き取りが75トンという数字で、一部製造業者による回収のほうへ入って行くでしょうけれども、しかし非常に回収が悪い現実を見ますと、フロン回収というのは非常に問題があるだろうと思います。現場を何かの規制をしなければ、まじめにやっている者と、大気中へパイプ切って流してしまう者との大きな違いが出てきます。

 そのことで一つだけ提言を申し上げておきますけれども、最近、ネット業界でエアコンの販売をしております。実は先日うちに来たお客さんの中にあったんですが、とりつけてくれということで内容をお聞きしましたら、古いのはパイプを切って取り外したけれども、自分でつけるには何かガスの充填が難しそうなので、失敗したら困るからやってくれとこういう話が来たわけであります。これはまさしく僕はお断りをしたのですが、その古いエアコンはパイプを切ってしまえば全部フロンは自然に流してしまって、この回収ということの義務づけがどこまでできるか。今後のこういった設置にかかわるものを、ネットで売る場合の責任をどこまで持たせるか、そういうことをしっかりとやってもらわないと、フロン回収という問題で梅村委員が力強く申されておりましたので、これは地球の環境問題として大きな問題でありますので、提言だけ申し上げておきます。

 以上です。

○細田座長  それでは事務局のほうで答えられる、コメントの部分もありましたけど、質問も何点かございましたので、よろしくお願いします。

○庄子リサイクル推進室長  まず環境省から、ご質問としていただいたもので、本日お答えできる部分についてお答え申し上げたいと思います。

 まず、梅村委員からフロンのフロー推計についてお尋ね、ご意見をいただきました。ご指摘ございましたように製造業者等による再商品化において、フロンの回収、破壊をしっかりやっていただいているのはおっしゃるとおりかと考えてございます。他方で、例えばスクラップ業者、ヤード業者での取り扱いについて、十分に把握できていないのが実情ではないかと認識しております。そうした中で梅村委員からご意見ございましたように、家電リサイクルルートに物がもっと集まるような方策、ひいてはフロンの回収・破壊がしっかりなされるような方向性が一つ重要ではないかと思っておりますので、そういった方策等についてこの審議会でもご議論いただければと考えております。

 続きまして、大塚委員から、冷蔵庫・冷凍庫の断熱材のフロン処理に関するお尋ねがございました。断熱材フロンに関しては、メーカーにおける回収・破壊の方法には大きく分けて二つあるかと承知してございまして、一つは吸着剤を用いて回収して破壊するやり方でございます。それから、断熱材フロン、ウレタンなどに含まれてございますが、ウレタンごと焼却して破壊するやり方があるということでございます。後者については数量的な把握が難しいということでございまして、ここに挙げておる数値としましては、活性炭などで吸着して処理するものを挙げている形になっておりますので、例えば冷媒フロンとの比較でいうと、数字としては小さい形になっているということでご理解いただければと思っております。

 それから、崎田委員から、不適正処理の規模感、どういうふうに見ているのかというお尋ねがありました。今回平成24年度のフロー推計ということでお示ししまして、こちらは毎年度毎年度できる範囲で精度を上げていっているところでございます。24年度のフロー推計の数値も前年度のものと比べると、また新たな手法を導入しまして、より精緻化を図っているわけでございますが、そうした中でまだまだ見えていないところがあろうかと思っておりますので、その不適正処理の実態については引き続き把握してまいりたいと考えてございます。

 辰巳委員から義務外品16万台というお話もございましたが、4品目で地方公共団体による引き取りの16.8万台、この数字は家庭・事業所からの排出の5.1万台と、上の方に不法投棄として11.7万台ございます。この合計の数字ということでございます。義務外品につきましては、ほかに小売業者による引き取りもございます。それから、廃棄物収集運搬業者が引き取ってメーカーに引き渡されるということでございまして、このフロー推計の図でいいますと、一番上の矢印、60万台となっておりますが、ここにも含まれますし、それから小売業者が引き取ったものの中にも含まれているということでございます。

 それから、海外制度でリサイクル料金がどうなっているかということでございますが、欧州の中でもドイツではリサイクル料金は明示されていないということでございますが、こちらは国によって扱いが違っているところもございまして、明示されている国もあるようでございます。

 ドイツにおいては、これをメーカーが負担しているのかどうなのかというのは外部からは明確でないところがございまして、実際にリサイクルのためにこれだけ費用がかかったという統計は、ドイツのEARという機構で数値は公表してございますが、それぞれメーカーがリサイクル業者に個別に委託している格好になっておりまして、その処理料金がどのように家電の販売価格に組み込まれているかというのは、はっきりしないところでございます。

 それから、リサイクル率についてのお尋ねでございました。ドイツにおいても、リサイクル率、リカバリー率ということでそれぞれ製品のカテゴリーごとに数値があるようでございます。例えば大型家電で一つご紹介いたしますと、リサイクルの目標率で75%、2008年の数字でございますが、達成されたリサイクル率は85%となってございます。次回の資料で整理してお示ししたいと考えてございます。

 それから、EARの設立費用なり運営費用というお尋ねでございますが、きょうの時点では手元に情報がございませんで、次回報告できるようであればご報告申し上げたいと考えております。

 豊原委員から回収率についてのお尋ねがございました。他国の制度においては対象品目が日本とは異なってございますので、単純な比較は難しいところもあろうかと思っております。特に量については横比較は難しいところはございますが、回収率で見たときに、どういう形になるのかは少し試算してもいいのかなと考えております。

 西尾委員から、先ほどの辰巳委員のお尋ねと同じような観点かと思いますが、リサイクル料金が内部化されているのか、あるいは資源的な価値があってお金が回っているのかというお尋ね、それから再資源化率のお尋ねがございました。先ほどご紹介したとおりでございますが、今後、再資源化率について整理してみたいと考えてございます。

 それから、リサイクル戦略がどう違うのかというのは簡単に申し上げにくいところでございますが、欧州の場合、回収率目標がございます。容器包装の分野でも、同じようにどれだけ回収していこうかという目標があるように承知してございます。他方、日本においては家電、あるいは容器包装も同様でございますが、ごみとなったものをいかに処理するかというところから発想がいっているところの違いがあったりするのかなという感想もございます。

 野村委員から、ドイツの制度の中で自治体の負担が大きいと考えていいかどうかというお尋ねでございます。自治体の回収拠点でございますが、回収拠点においてカテゴリーごとにコンテナを設置しているようでございます。このコンテナは生産者で用意するということでございまして、自治体の役割としては、回収拠点の管理をするということで承知してございます。他方、日本においても自治体の取り組みとしては、例えば義務外品の回収体制をつくるということがございますので、一概にどちらがどうというのも難しいと思っております。なお、不法投棄の処理の負担については、ドイツについても情報として持ち合わせいないところでございますので、その比較はしにくいかと考えております。

 それから、牧野委員からのお尋ねについては、担当からご説明申し上げたいと思います。

○眼目補佐  私のほうから説明させていただきます。ブラウン管テレビのフロー推計をご覧いただきつつ聞いていただければと思います。

 参考資料1を1枚めくりまして、ブラウン管テレビのフロー推計でございます。こちらはあくまでも推計というふうにタイトルに書いてございますので、推計ということで、必ずしも統計ではないということをご容赦いただければと思っております。ただ、この中でも数字をしっかりいただいているところと、数字をアンケート調査したり、それに基づいて矢印を振り分けている作業をしております。例えばしっかりとした数字としては、右上にございますけれども、製造業者等による再商品化ということで、こちらについてはメーカー様から数字をいただいておりますので、247万台という数字については平成24年度の確定値だというふうに理解しております。

 それから、その下の廃棄物処理許可業者様における再商品化でございますが、こちらについては家電4品目を処理されておられる許可業者様にアンケートをとらせていただいておりますので、それに基づく数字でございます。

 それから、下のほうに行きまして不法投棄の台数、地方公共団体における引き取り、それから、右下の地方公共団体による一般廃棄物としての処理でございますが、こちらは自治体にアンケート調査をとって、ほぼ全ての自治体様からお答えをいただいているということでございますので、こちらの数字も統計的にはほぼ正確なものだと理解しておるところでございます。

 その他につきましては、さまざまな統計とか、例えば海外のリユースであれば貿易統計も参考にしております。あとはリユースショップさん、引っ越し業者さん、小売業者さん、建設解体業者さん等につきましては、アンケート調査をとりまして、またアンケートの回答率という問題もございますが、そこから推計いたしまして、方程式をつくって数字を確定させているものでございます。ちなみに家庭・事業所からの排出の381万台でございますが、こちらも実は統計というわけではなくて、製造事業者等による再商品化などを踏まえまして、これぐらいのボリューム感で出ているのではないかという推計でございます。

 それから、リユース向け販売ということで、ブラウン管テレビについては126万台のリユース向け販売がございますけれども、こちらについては24年度の断面ということでございますので、このリユースで販売されたものについては、恐らく翌年、またさらに経年した後には家庭・事業所からの排出となって戻ってくるものだと思っております。ですので、家庭・事業所からの排出の381万台の中には、新品を買って排出に至ったものと中古品として買って排出に至ったものがここに両方とも含まれておりますので、必ずしもリユース向け販売に行ったからといって、それがブラックボックスになってしまったわけではないと思っております。ただし海外のリユースに行ってしまった場合には、ほぼ日本に戻ってくる可能性はございませんので、この海外リユースについては、現地での廃棄物の処理体制が課題になってくると思っております。

 以上でございます。

○庄子リサイクル推進室長  河口委員から、海外制度について参考になる点とそうでない点についてはどう考えているのかというお尋ねもございました。ここの全体のスキームに関しては、先ほど野村委員からリサイクルの質がどうなのかというご意見もございましたので、一概にどの点がどう参考になるとは言いがたい点もあろうかと思っております。そうした中で例えば、先ほど来話題にございますが、回収目標と回収率という指標については日本の家電法にはないものでございますので、そういったものが一つ参考になっていくのかなと思っております。

 環境省からは以上でございます。

○江澤環境リサイクル室長  経産省から何点かお答えします。

 まず、佐々木委員から、パソコン40万台回収ということの評価でございます。自主的にやっていただくというか、この資源有効利用促進法の省令に基づいて、各パソコンメーカー等に取り組んでいただいております。40万台の回収ということなんですけれども、大体回収率でいうと10%程度でございます。中古品がパソコンで売られたりとか、これ以外のルートでも処理されている分があるかと思うのですが、やはり高くはないな、非常に低い、回収が必ずしもうまくいっていない状況かと思います。

 いろいろ仕組み上、リサイクル以外のところに手間がかかるとか、消費者にとってもわかりにくいという点もあると思います。こういった点はこの場での議論ではないのですけれども、今後ともどのようにするか考えていきたいと考えております。業界がやっていることがこういう状況でございまして、小型家電リサイクル法ができまして、小型家電リサイクル法でもパソコン対象だということなので、小型家電リサイクルの進展、どのように事業者が取り組まれるか、それから自治体も小型家電を活用してどのように取り組まれるかということも考えながら、これについてはどうするかを議論していきたい、考えていきたいと考えております。

 それから、一部環境省からお答えいただいたんですけれども、回収率、回収量で例えばドイツであるとATMが入るとか、自販機が入るという形でかなり幅広い品目が対象になっておりまして、必ずしも簡単な比較はできないわけです。韓国であれば車が入っているようですし、これを単純な比較というわけにはいかないのですが、日本の場合は家電4品で、昨年度2012年度の実績で国民1人当たり3.7kgの回収という結果になっております。

 あとリサイクル率についてご発言がありましたけれども、日本の場合は4品でそれぞれ違っておりますが、日本の実績について見ますと、8割から9割程度のリサイクル率に達している。民間の取り組みでここまで行っているということかと思います。

 それから、欧州で大分幅広い品目を対象にしていて、日本は個別個別で違うようですがということで西尾委員からご指摘をいただきました。本件について海外とどう違うのかということですけれども、家電は家電、パソコンはパソコン、自動車は自動車、やはり性質が異なりまして、財の性質そのもの。財の性質だけではなくて販売の形態であるとか、車検制度のような管理制度があるか、中古市場がどうなのか、既販品がどれだけあって対応が可能なのか。容器であれば、容器はそんな別に長くもっているようなものではなくて、生産即廃棄というところがありますので、そのような性質に着目して一番適切な制度をそれぞれに応じつくったがために、かえってその点は非常にわかりにくい部分はあるかと思うのですけれども、個別個別に適切な対応をしていったらどうかというのがこれまでのリサイクルの考え方だと理解しております。

 それから最後に、北原委員から、ネット事業者の対応について提言をいただきました。非常に重要な課題だと思っておりまして、我々としても何らかのことを考えて今後とも取り組んでいきたいと考えております。

 以上です。

○細田座長  どうもありがとうございました。

 まだまだご質問はあろうかと思いますが、時間もありませんので、次に入らせていただきます。

 環境省、次は海外のリサイクル率、リカバリー率とおっしゃいましたけど、その定義のほうも皆さんにわかりやすいように。つまり日本は再商品化率ですよね。微妙な違いがございますので、その点もよろしくお願いします。

 それでは、リサイクル費用の回収方式についての議題に移りたいと思います。前回の合同会合におきまして、各費用回収方式におけるメリット・デメリット及び論点、課題を整理した資料をご説明させていただきました。本日は、前回いただいたご指摘等を反映した資料をお配りしております。この資料及び前回も配付した詳細な資料に基づき、費用回収方式に関する討議をお願いしたいと存じます。

 それでは、資料3-1、3-2について事務局より説明をよろしくお願いします。

○江澤環境リサイクル室長  経済産業省から説明させていただきます。

 まず、3-1をご覧ください。こちらは前回説明した資料でございまして、前回の議論を踏まえて多少修正しております。修正点のみ簡単に申し上げまして、詳細な説明は3-2のほうでさせていただきたいと思っております。

 3-1をまずご覧ください。変更部分についてのみ青字にしております。まず、メリット・デメリットの現行方式のところでございます。前回の議論で、製造業者が倒産・撤退した場合の対応が可能ということは、メリットが右側の前払い方式、販売時の支払い方式に書かれていたんですけれども、これは現行でも対応可能なのでメリットではないのではないかということで、こちらは現行方式にもメリットの丸印を書いたということでございます。

 それから、将来充当、当期充当の下にある青い部分でございます。製品購入時にリサイクル料金が確定しているので、「リサイクル料金による製品選択ができる」ということを、今回青字の部分を追加しています。これは製品購入時にリサイクル料金が確定しているというのは、メリットではないのではないかというご指摘がありましたので、確定していることによってリサイクル料金による製品選択が購入時にできるということで追記しております。

 それを踏まえまして、その逆は現行方式のデメリットという形で追記しておりまして、大体真ん中ぐらいの左側をご覧ください。×として、製品購入時にリサイクル料金が確定していないので、「リサイクル料金による製品選択ができない」という形で追記しております。

 それから、論点・課題のところで、上から申し上げたいと思います。消費者による支払い拒否があった場合には、売らなければよいのではないかというご指摘をいただきまして、これについては、「拒否があった場合について、消費者・小売業者に支払いを義務づけることが考えられるか」ということで、これが論点・課題であるということで追記しております。

 それから、次の4番目のところは販売時負担方式で、これは誤字でございまして、修正しております。

 それから、5番目のネット事業者を含む小売業者の全てから確実にリサイクル料金を回収するシステムの構築をどのように行うのかということですが、こちらも製造業者、メーカーから取ればよいではないか、間接的に取ればよいではないかというご指摘がございましたので、これを踏まえまして、「または、製造業者等からリサイクル料金を回収するシステムを構築するのか」ということで、追記させていただいております。

 それから、この欄の一番下のほうですけれども、「現行制度からの移行に伴って発生する追加コストについてどのように考えるか」ということを追記しております。移行コストについても考えるべきではないかというご指摘をいただいたので、このように追記しております。

 それから、「マークをつけるなどの対策」というのを言葉として追加しております。これは排出時に料金支払い済みの製品をどう識別するのかということを論点として挙げたんですが、マークをつければいいのではないかというご指摘をいただいたので、このような修正としております。

 それから、移行コストの一つとして、自動車リサイクルにおける初期費用を参考として書かせていただいたのが一番下でございまして、「自動車リサイクル制度を創設時における初期コスト」、これは初期のシステムコストでございますけれども、構築に142億円かかったということを移行コストの一つとして追記させていただいております。

 資料3-1の説明は以上でございまして、資料3-2をご覧ください。

 めくっていただきまして、1ページです。家電リサイクル法における費用回収方式についてということで、家電リサイクル法におけるリサイクル費用の回収方式については、まず排出時に使用者が負担する方式、現行の排出時負担方式、いわゆる「後払い」とするか、購入時に消費者が負担する方式、購入時負担方式、いわゆる「前払い」とするかといった観点から、法制定時、それから前回5年前の見直し時において議論され、その結果、現行の排出時負担方式が採用されています。

 今回の見直しにおいても、「購入時負担方式」いわゆる「前払い」方式に変更すべきとの意見、それから、現行の「排出時負担方式」を維持すべきとの意見、両方が委員から出されておりまして、昨年10月21日の25回会合において、「考え得るさまざまな方式のメリット・デメリットや課題を改めて比較検討」し、議論を行うということとしておりまして、前回もご紹介させていただきましたけれども、今回の議論に至っているわけでございます。

 購入時負担方式として考えられる方式は一体どのようなものがあるのか、さまざまな方法があるため、今後の議論に当たっては、大きく以下の観点から分類して議論を行うということでございまして、1番としてAの将来充当方式か、Bの当期充当方式か、2番として資金を個社管理とするのか、それとも資金管理法人方式とするのかということでございます。

 まず、(1)のAの将来充当方式。こちらは将来のリサイクル料金のために先に料金をいただくということでございまして、製品購入時に消費者から回収したリサイクル料金を、当該製品、その製品そのものが将来排出される際のリサイクル費用に充てる方式でございまして、購入者、これがイコール将来の排出者になります。中古品を渡さない限りは同じ人が使い続けるので、購入した方が将来の排出者なわけですが、その当該製品のリサイクル費用を負担するという方式です。

 それに対しまして、Bの当期充当方式は、製品購入時に消費者から回収したリサイクル料金を、同時期に排出される廃家電のリサイクル費用に充てる方式でございます。これは購入者と排出は異なっておりまして、その年のリサイクル費用を負担するという方式です。いってみますと、その年に発生したリサイクル費用を購入者に分担していただくという方式でございます。

 (2)そのお金を個社管理とするのか、それとも資金管理法人を置いて全国的に管理するのかということでございます。リサイクル料金の精算・管理を個社でやるのか、日本全体でやるのかということでございます。

 1番目として、個社管理方式。これは製品購入時に消費者が購入したリサイクル料金を製造業者ごとに管理して、その当該製造業者等が製造等した製品をリサイクル費用に充てる方式でございます。個社個社で精算、管理するということでございます。

 資金管理法人方式は、全国でこれをやることでございまして、製品購入時に消費者から回収したリサイクル料金、資金管理を第三者機関に委託する。資金管理法人のようなものに委託しまして、各製品の製造業者の処理実績に応じてリサイクル料金を充てる方式。一度この資金管理法人に預けておいて払い出すというような方式、こちらを資金管理法人方式というふうにいって全国管理ということでございます。

 このAとB、それから①と②の組み合わせによって4つの方式が考えられまして、この4方式について議論等行っていただくということでお願いしている次第でございます。

 めくっていただきまして、2ページ、まず現行方式、排出時の負担方式というのはどのようなものか。これは大変復習的で申しわけないのですが、ご説明させていただきます。

 現行制度の概要は、排出者、これは消費者であるわけですけれども、廃家電を排出する際に、リサイクル料金及び収集運搬料金を小売業者等に支払い、小売業者等は、当該廃家電を指定引取場所、これはメーカーが用意するものですけれども、収集・運搬し、リサイクル料金は家電リサイクル券センターに支払うという形をとっております。家電リサイクル券センター(RKC)は、製造業者等のリサイクルの実績に応じて、リサイクル料金を製造業者等に支払う方式でございます。Aメーカーのものがリサイクルに来たら、そのメーカーに充てる費用は消費者からいただき、その消費者から直接メーカーに渡すのではなく、家電リサイクル券センターに一度お金が行って、Aメーカーにお金が回るという仕組みでございます。

 現行制度のメリット・デメリットとして挙げられるのは、以下のとおりでございまして、メリットは、まず既販品、既に家庭にあるエアコン等の家電4品が3億台ございます。排出時に負担いただくので、今家庭にあるものも排出時にいただければいいということなので、既販品からも料金を回収することが可能というのがメリット。

 2番目、長期の料金管理コストや販売・使用される家電の個品管理は不要でございまして、つまりリサイクル料金を支払えば廃家電を引き取るという1対1の関係で、最後に排出時にそれを対応するということで、その面で低コストな運用は可能となっております。

 このために、3番目として、排出者がリサイクル料金の支払いを拒否する場合には廃家電を引き取らないことになるため、料金が回収しやすい面がある。料金が引き取りの対価になっている。1対1の関係があるということで、このようなメリットがございます。

 4番目、排出者と負担者が一致している。まさに排出する人が最後に料金を支払っていただくということなので、排出する人が負担者となっているという点でございます。

 5番目、製造業者が倒産・撤退した場合の対応が可能。これは排出時に消費者が払っていただくので、そのときにメーカーが存在していようが、日本市場から撤退していようが、消費者からいただくので対応が可能ということでございます。

 それから、最後、排出時にお金をいただくことなので、まだ使えるもの、使用年数が長期化によって排出抑制効果があるのではないかということでございまして、排出者が料金を支払うことによる排出抑制効果ということでございます。

 一方で、デメリットでございます。排出時に料金を支払うのを忌避することによる不法投棄、それから違法な廃棄物回収業者への排出の増加要因となっている可能性があるということでございます。

 2番目として、製品購入時に当該製品のリサイクルに支払う料金が確定していない。そのため、リサイクル料金による製品選択ができないということが挙げられます。

 論点・課題としては、不法投棄、それから違法な廃棄物回収業者への対策、それに伴うコストについてどのように考えるのかというところが、この制度最大の論点・課題なのかなということでございます。

 それに対しまして、今後ご議論いただく方式でございます。先ほどの3-1も適宜ご覧いただきながらと思うのですけれども、購入時の支払いの4方式についてご説明したいと思います。まず、将来のリサイクルのためにリサイクル料金を先にいただく将来充当方式で、この資金を個社が管理する管理方式についてA-①ということでございます。

 まず、概要でございます。消費者は製品購入時に、将来、その製品が廃家電となって排出された場合の当該廃家電のリサイクル料金を小売業者に支払う。まず買うときに支払っていただいて、小売業者はそのお金を個社で管理する。製造業者は個社で管理するので、小売業者はメーカーにそのお金を引き渡します。回収したリサイクル料金は各製造業者ごとに、家電4品は大体10年ぐらい使われるわけですけれども、各製造業者ごとに10年ぐらいの長期にわたり管理し、将来その当該製品が廃棄物となって製造業者等に引き渡された際に、リサイクル料金として充当されるということでございます。類似の制度は特にございません。あえて挙げれば、パソコンはこの制度を目指したものでありました。

 それから、メリット・デメリットでございます。メリットとして挙げられるのは、排出時に料金をいただくのではなくて先にいただいているということなので、排出時の料金支払い忌避に起因する不法投棄、違法な廃棄物回収業者への排出の削減効果が見込まれる。回収率の向上が見込まれるということでございます。

 将来のリサイクル費用が予測できるという前提で考えますと、製品販売時に環境配慮設計でリサイクル料金の引き下げ効果が期待されるのではないか。引き下げまでのタイムラグ、今の現行制度でも環境配慮設計で値段は下がるというのですけれども、そこを10年たってからでないとリサイクルされないということであるとタイムラグがあるけれども、この場合はタイムラグが小さいのではないかということでございます。

 それから、メリットの3番目で違法な廃棄物回収業者への排出など、現在は家電リサイクルルートに回ってきていない販売品からも広くリサイクル料金を回収することができる。

 4番目として、排出者と負担者が、将来の排出者ということなので一致している。

 5番目は、製品購入時に当該製品のリサイクルに支払う料金が確定しているので、リサイクル料金で製品選択ができるということでございます。

 逆にデメリットとして挙げたのは、1番目として、3億台既に家庭に普及している既販品がございまして、これについては対応が困難ではないかということでございます。例えば自動車では車検があるので、自動車リサイクル法ができたときに、最初の車検のときに既に売られている既販品、大体自動車だと7000万台から8000万台あるんですけれども、既販品からもリサイクル料金をとることは可能だったのですが、家電についてはそういった制度がないので既販品の対応が困難である。仮に既販品については仕方がないので、現行の排出時負担方式を採用する場合、相当程度長期にわたり二つの制度が並存することになります。また、買いかえの際に消費者は現行制度に基づく、現行制度というか後払いに基づく既販品の分の支払い、それから買う分の家電の2台分のリサイクル料金を同時に負担することになります。二つの制度があるということは、既に持っている家電については廃棄時に、買いかえの場合は2台分の料金をご負担いただく形になってしまいます。

 それから、2番目として資金を個社で管理することになりますので、製造業者が倒産・撤退した場合には、購入時にリサイクル料金を払っていただいても、排出時にはもうそのお金はどこかになくなってしまっていまして、排出時には消費者がリサイクル料金を改めて支払う必要が生じる場合があるということでございます。

 3番目として、将来のリサイクル費用を予測することが困難である。リサイクル費用が予測できればいろいろ効果があるのですが、リサイクル費用の予測が将来の技術だとか、それから5年、10年、15年使われる、どれだけその家電が使われるかわからないので、コストとか資源売却益などの変動で推計が困難ではないかというデメリットでございます。

 それから、個社がリサイクル料金を管理するため、これが課税対象となる可能性があります。その分リサイクル料金が高くなるということです。

 5番目として、排出時には消費者によるリサイクル支払いが生じないために、使用年数の長期化。これは家電を廃棄する際にリサイクルに回す際に支払いが生じないので、使用年数長期化による削減効果が失われる可能性があるということでございます。つまり費用の支払いは購入時で、排出は10年ぐらい後なので、排出抑制効果にならないということかと思います。

 それから、めくっていただきまして、同じ制度の3番の論点・課題についてご説明します。初めに、課題というのは別にできないというわけではなくて、解決すべき課題であったり、論点というのは議論が必要な論点であるということを申し上げたいと思います。

 多くあるのですが、自動車における車検制度のような販売時・使用時の個品管理制度が存在しない中で、排出時に料金支払い済み製品の識別についてマークをつけるなどの対応をどのように行うのか。また、そのコストをどうするのか。少なくとも3億台の既販品については、個品管理が難しいのではないかということでございまして、後からリサイクル料金を売ってしまったものからとるのは難しくて、また既に売られたものを管理するのは難しいということでございます。

 2番目、今はメーカーとその委託先がリサイクルを行っているのですが、製造業者等及びその受託者以外の者がリサイクルを行った場合、費用の支払いをどうするのか。仮に支払う場合には、拡大生産者責任に基づいて、製造業者にリサイクルを義務づけているわけですが、その関係をどうするのかということでございます。つまり、今義務づけている以外の第三者がリサイクルを行う場合の扱いをどうするのかということでございまして、その場合、第三者が行う場合、リサイクルの質をどのように担保するのかということが課題になってきます。

 3番目、消費者による支払い拒否があった場合について、消費者・小売業者に支払いを義務づけることが考えられるか。

 4番目、消費がリユース目的で譲渡した場合の料金の取り扱いをどうするのかということでございます。仮に海外への中古品輸出の場合のみ、これはリユース目的で譲渡したらこの人はリサイクルに物を回さないわけでございまして、海外への中古品輸出の場合だけ還付するのか。ちなみに自動車では、海外輸出の場合には還付しているものと理解しております。還付する場合、製造業者等が管理するリサイクル料金の還付は誰が行い、手続にかかるコスト等は誰が負担するのか。還付しない場合は、現行制度と比較してリユースユーザーにとって負担感が減少する可能性がある。これは中古品の価格には前払いされたリサイクル料金が含まれている形なので、少しお得ということなのですけれども、還付する場合にはそれが失われる可能性があるということでございます。一方で、現状でリユースが可能なものについても、リサイクルにお金がかからないので、リユースに回すインセンティブは減少する可能性があるのではないかということでございます。

 5番目、料金を明示せずに製品価格に含めて内部化する場合、1台当たりのリサイクル料金が不明確となる料金の「見えない化」が発生するとともに、製造業者等及び小売業者が適正なリサイクル費用を転嫁できない可能性があること、費用が転嫁できなければ、リサイクルの質の低下を招くおそれがあることをどう考えるか。

 それから、8万店ある小売事業者、ネット事業者の全てから確実にリサイクル料金を回収するシステムの構築をどう行うのか。また、小売からとるのが難しい場合ですけれども、製造業者から間接的にリサイクル料金を回収するシステムを構築するのか。

 7番目として、海外の販売店から購入した消費者にどう対応するのか。例えば自分が海外で使っていた家電を日本に引っ越しで持ち込むケースでございます。

 8番目、現行制度からの移行に伴って発生する追加コストについてどうするのか。これは全てにおいて共通でございます。システム費から消費者、小売の混乱まで含めて、追加的なコストがかかるわけでございます。

 9番目、リサイクル料金を販売時負担方式とした場合、収集運搬料金の取り扱いをどう考えるのかということであります。これについては後でご説明したいと思います。

 それから、A-②番目、こちらは将来充当方式ですけれども、日本全体で資金管理法人が行う場合がA-②番ということでございます。これについては個社管理と異なる部分だけを将来充当の資金管理を資金管理法人で全国一律でやった場合の部分の違いについてのみご説明します。

 概要ですが、リサイクル料金を小売業者に支払うところまでは同じなのですが、小売業者はそれをメーカーに引き渡すのではなくて、資金管理法人に引き渡すということでございます。資金管理法人は最終的にはリサイクル実績に応じてリサイクル料金を支払う形になります。類似の制度としては、自動車のリサイクル法、車検制度による個品管理、資金管理法人によるリサイクル料金管理を実施しております。自動車は、車検証でリサイクル料金を払ったか否かということを管理しているので、このような形をとることができております。

 メリット・デメリットですけれども、1番については再掲でございます。先ほどと同じでございます。2番、3番をご説明します。

 2番は、製造業者が倒産した際に、これは個社ではなく団体でお金を管理することになるので、個社が、あるメーカーが倒産した場合でも、消費者が追加で料金を負担することがないということが先ほどの制度と比べたらメリットでございます。

 3番目として、自動車の車検制度のような厳格な管理のもとで、資金管理法人にお金を預託する場合に、資金は法人税の課税対象とならないという取り扱いも可能だと考えておりまして、自動車ではおおむねこれができているかと思います。

 4番から7番は、全て先ほどとかぶりますので、省略します。

 次にデメリットでございます。デメリットの1、2、4は先ほどと同じでございまして、3番目の管理する資金の規模が大きく、資金運用や資金管理コストが大きいということでございまして、資金運用、資金管理のために、大体自動車だと1台当たり500円ぐらいかかっていると思います。パンフレットなんかみると、資金管理費用とユーザーの情報管理費用という形で必ずどの自動車のパンフレットにも書かれておりますが、そのようになっております。

 3億台今ご家庭にある家電4品がございますので、1台3000円から4000円のリサイクル料金をお預かりするとなると、3億台ですので大体1兆円規模のお金を消費者から先にいただいて管理するということがございますので、ここに不正が生じないように、漏れが生じないように管理するには、そういった管理コストがかかるということがシステム上問題となってきます。

 めくっていただきまして、6ページ、論点・課題でございます。こちらも3番から9番は全て再掲でございまして、10番については後でご説明します。1番と2番に絞ってご説明します。

 論点・課題の1番目として、自動車における車検制度のような個品管理制度が存在しない中で、排出時の料金支払い済み製品の識別について、マークをつけるなどの対策をどのように行うのか、そのコストをどうするのかということでございます。コストがかかる点については、先ほどの将来充当の個社管理方式と同じなのですが、個社の責任に帰する個社管理よりもフリーライダー対策だとか不正が生じないようにするためには、抜け道をどうやって防ぐかということで厳格な管理が全国レベルで必要になるということでございます。

 2番目として、リサイクル料金の管理コストについてどのように考えるのか。リサイクル料金が高くなる可能性についてどのように考えるのかということでございます。

 めくっていただきまして、7ページ目、今度は大きく将来充当ではなく、当期充当のBの方式のほうをご説明します。当期充当は先ほど申し上げましたけれども、当期に発生したリサイクル費用を同じ時期に販売される家電の販売で賄うということでございます。それについてご説明したいのですが、まず個社管理についてということで、7ページでございます。

 概要、Bの方式について詳しく申し上げます。消費者は製品購入時に、同時期に発生する廃家電のリサイクル費用に充てるためのリサイクル料金を小売に払うところまでは全て一緒でございます。小売業者は製造業者にこれを引き渡します。回収したリサイクル料金は各製造業者ごとに管理しまして、当該製造業者等の製品が廃棄物となって、当該製造業者に引き渡された際のリサイクル費用に充当します。類似の制度はございません。

 メリット・デメリットでございます。1と2は先ほどのAの方式と重複があるのですけれども、こちらについては別の制度で、大きく違うので改めてご説明したいと思います。

 メリットでございます。①、②、③、④、⑤とあります。まず1番目、排出時に料金支払い忌避に起因する不法投棄等は削減の効果があるということでございまして、こちらは同じでございますけれども、そういったメリットはこちらもございます。

 こちらは将来充当とは異なり、将来のために先にいただくということですから、売られてしまったものを後からとることは困難でございまして、こちらは当期当期で精算するので、3億台の既販品に充当するためのリサイクル費用を販売時に負担いただくこと、ほかの販売のその年に売れた家電で負担していただくことによって、当期当期の販売時に徴収することが可能ということでございます。

 メーカー、個社に委ねるので、販売時負担方式の中では比較的低コストな仕組みであります。

 4番目として、当期充当、当期当期での精算なので、長期における10年とか個品管理したり、長期における料金管理コストが不要であるところがメリット。

 5番目として、違法な廃棄物回収業者への排出など、現在は家電リサイクルルートに回ってきていない販売品からも、広くリサイクル料金を回収できるというメリットがございます。

 対しまして、デメリットは、排出者と負担者の関係が一致しないということでございます。これは非常に簡単な数文字の言葉で書いてあるのですが、排出者は家電を廃棄する人、負担は家電を購入する人なのです。買いかえならこれは当然一致するわけですが、廃棄するだけの人、または買うだけのケースではこれは一致しないということで、排出者と負担者の関係は一致しないということでございます。

 2番目、新規に我が国において家電の販売を開始した製造業者等は、過去に販売した家電のリサイクル負担がないため、既存の家電の製造業者等との比較で競争上有利になってしまうこということでございます。新規の参入者は、当然前は売っていないわけですから、リサイクルの家電がないので負担がなくて有利ということでございます。

 3番目、我が国の市場における販売を終了した製造業者等の廃家電については、販売される製品がない、売る製品がないため、リサイクル費用がその製品から回収するのが難しいということでございます。例えばテレビから撤退したメーカー、日本市場から撤退したメーカーはリサイクル費用を回収する手段がなくなってくるわけです。ほかのビジネスに回すしかない。例えば個社で申し上げるとあれですけれども、NECやビクターのテレビ、三洋のテレビや冷蔵庫は、誰がどのようにリサイクル料金を負担するのか、誰の売り上げが負担するのかということでございます。例えばそれを引き継いだ事業者なのかといった問題が出てくるかと思います。こちらが難しいデメリットでございます。

 4番目、過去に販売した台数が多く、現在は少ない事業者。これは上と似ているのですが、例えばシェアが低下した製造業者は必ずあるわけでございまして、少ない料金で多くの廃家電を処理する一方で、逆の場合はリサイクル料金が余剰金となる。リサイクル料金を徴収しない可能性があって、その結果、製品ごとのリサイクルのコスト、環境配慮設計とは一切関係なく、リサイクル料金が製造業者等の間で大きく異なる可能性があるため、製品販売の影響が大きいということでございます。これは上の②と③が似ているんですが、例えばかつて家電を100万台売っていて、今は10万台しか売っていない事業者の場合には、10万台の家電で100万台分のリサイクル料金を何とか賄う必要があるという問題でございます。

 5番目、剰余分のリサイクル料金は課税対象となる可能性がある。これは大きな問題ではないのかもしれないけれども、収益が出れば、当然課税だということでございます。

 6番目として、例えば、テレビ等の対象品目が我が国で全て販売中止となった場合。これはなかなか考えにくいのですが、テレビがなくなった場合です。ただ、家庭にはテレビがある場合は、充当すべき料金をどこから回収したらいいのかということで、回収が困難となります。

 7番目、排出時に消費者による支払いが生じないため、使用年数長期化による排出抑制効果が失われる可能性があるということでございます。

 めくっていただきまして、8ページ、論点・課題でございます。1番目、撤退した製造業者の製品について、どのような仕組みで料金を回収するのか。先ほどのNEC、ビクターのようなテレビの話でございます。

 2番目、排出と負担が一致しないので、例えば私は買うだけという人は、そういった消費者が支払いを拒否した場合について、消費者・小売に義務づけることは考えられるか。また、支払いがなくとも、もともと排出と負担が一致していないので、廃家電のリサイクルに料金がかからないので、小売業者、製造業者等のフリーライダー対策をどのように行うのかということでございます。

 少し細かいのですが、3番目は、制度の変更前に新品を購入しておいて、しばらく廃家電のほうは退蔵した上で制度変更後に出せば、実質的に料金を回収できなくなることについてどう考えるのか。

 4番目、リサイクル費用が発生しない先ほどの新規事業者は、もしかしたら全く費用はかからないのだから、リサイクル料金いただかなくても結構ですという対応が行われた場合、どのように考えるかということでございます。

 5番目、製造業者とその受託者以外の者がリサイクルを行った場合、費用を支払うのか。これは先ほどもあった議論でございます。

 6番目、料金を内部化した場合です。これは経済学用語でいうところの内部化とは全然違うのですが、ここでは「内部化」という言い方をしているので、つまり「見える化」をしないで製品の販売価格に含んでしまった形で、欧州のフリーテイクバックのような形で料金の中に含んでしまった場合という意味で「内部化」という言葉を使っておりますが、1台当たりのリサイクル料金が不明確になる。料金の「見えない化」が発生するということでございまして、製造業者及び小売業者が適正なリサイクル費用を転嫁できない可能性がある。転嫁できなければ、リサイクルの質の低下を招くおそれがあることをどう考えるのかということでございます。

 7番目、およそ8万店ある小売、ネット事業者から確実にリサイクル料金を回収するシステムの構築をどのように行うのかということでございます。また、製造業者等からリサイクル料金を間接的に回収するシステムを構築するのかということです。

 8番目、海外の販売店から購入した消費者にどう対応するのか。国境を越えて来るものについて、リサイクル料金どうやってとるのかということが課題でございます。

 9番目、現行制度からの移行に伴って発生する追加コスト。

 10番目、リサイクル料金を販売時負担方式とした場合、収集運搬料金をどう考えるのか。これは後でご説明いたします。

 B-②、最後の4番目でございますが、当期充当方式の資金管理法人、個社管理との異なる点のみご説明します。

 まず、概要ですけれども、小売業者に支払っていただくところまで一緒ですが、小売業者はお金を資金管理法人に引き渡します。製造業者は一定期間中のリサイクル料金を資金管理法人に請求し、資金管理法人はリサイクル実績に応じて料金を支払います。料金は個社の設定の場合と一律で行う場合が考えられます。類似の制度としては、容器包装リサイクル法、欧州、中国等のWEEEがこのような形でございます。ぴったりと一致しないのですけれども、このような形かなと。先ほどの議論を聞いていると必ずしも全体で管理していなくて、個社個社で負担して管理しているかもしれず、ドイツについてはもしかしたら個社で管理しているかもしれないので、B-②というよりもB-①なのかもしれませんけれども、ここでは、まずB-②が基本だというふうに整理しております。

 メリット・デメリットのところですが、メリットの①から⑤は先ほどと全て同じなので割愛します。デメリットとして2番から4番は再掲でございます。

 1番目のところでございます。環境配慮設計による料金低減化が期待しにくいということでございます。消費者は購入時に支払うリサイクル料金が当該製品のリサイクル料金に充てられるわけではない。消費者が支払う料金の総額を同じ時期に発生するリサイクルの総額に充てる。言い方を変えますと、その年に発生したリサイクル費用を全体で割るという方式なので、その場合には発生する費用を均一に負担する形になります。その際、リサイクル料金を一律に設定することになる場合には、1社で個々の製品のリサイクルコストに応じた料金の差別化が困難となる。料金の引き下げインセンティブが低下するのではないか。結果的には環境配慮設計のインセンティブが働きにくくなる。これはどういうことかというと、1社がリサイクルコストを下げても全体のコストが下がるだけなので、個別の会社ではリサイクル料金を引き下げるインセンティブが減るのではないか、働きにくいのではないかということでございます。

 めくっていただきまして、最後のページ10ページでございます。論点・課題です。3番目から9番目は全て再掲でございますので、説明を割愛いたします。

 1番目、消費者が購入した製品と関係なく、国全体で発生するリサイクル料金を販売される家電で負担するという負担力に着目した「税」に近い制度となることをどのように考えるのか。

 2番目として、団体で管理する際に、全国での販売台数と排出台数の正確な予想がなかなか難しいのではないか。今回のように消費税が上がるとか、家電のエコポイントがあるとか、地上デジタル放送が始まるといった対応の場合には、販売台数、排出される台数が非常に変動します。この場合に予測が困難となりまして、回収した料金の総額と費用の総額に乖離が生じた場合にどのように対応するのかということでございます。収支が合わない場合、余剰もしくは不足が生じた場合には、資金の繰り越し、補填をどうするのか。余剰が出た場合には課税対象となる可能性があります。また、消費者に販売される製品の正確な台数把握をどのように行うのか。何台売れたのか、全部取れたのかということでございます。例えば小売から申告するとなると、8万店が正しく対応していただくかということが課題になってくるということでございます。

 それから10番目、最後でございます。リサイクル料金を販売時負担方式とした場合、収集運搬料金についてはどのように考えるのかということでございます。収集運搬料金も購入時負担方式、ここで議論している購入時負担方式とした場合、これも排出と負担者が一致しない。つまりリサイクルの家電を排出する人と家電購入者は必ずしも一致しないわけでございまして、排出される家電の収集運搬方式とかその主体はわからないことになります。特定できない結果、負担を一律の配分とせざるを得なくて、一律の料金・一律の支払いとなるのではないかということでございます。その場合に収集運搬料金の一律の水準をどのようにするのか。それから、収集運搬料金の管理システムとか管理主体をどうするのかということでございます。つまり収集運搬料金を徴収し分配し管理するのは、誰が行うのかということが論点でございます。収集運搬料金のみを仮に購入時支払い方式ではなく、今の排出時負担方式とする場合、不法投棄の削減メリットは収集運搬のみ後払いという形になりますので、削減のメリットが失われることをどのように考えるのかということでございます。

 3-1に全て一覧表で同じ内容を整理しておりますので、そちらもご覧いただきながらご議論いただければと思います。

 以上でございます。

○細田座長  ありがとうございました。

 先ほど申しましたように時間がございません。30分延長させてください。それでも時間は足りないかもしれません。なるべく多くの方々にきょうは意見を聴取したいので、できる限り手短にご発言いただきたいと思います。

 前回の合同会議では、短い時間でしたけど各方式のメリット・デメリット、論点・課題を整理して、それに対してご意見、ご質問を既にいただいております。本日の会合では、各費用回収方式に対する賛否も含めてご意見をいただきたいと存じます。そこで、ご発言の際には、どの方式についての意見であるか明らかにしていただいた上で、ご発言いただくようお願いいたします。

 それでは、先ほどと同じようにご意見を伺いたいので、名札を立ててよろしくお願い申し上げます。

 それでは、石川委員。

○石川委員  私は結論としては、今回の見直しでは現行方式の維持がいいと思います。理由は、もしシステムを変更するとなると、目の前で相当多額なシステムの構築費用がかかる。それから、キャッシュだけではなくて手間は多分大変なものになって、これはメーカーがやるからいいんだという話ではなくて、全て社会的な費用にかかりますから、これは大きい。さらに、変更して得られる便益が費用に比べてあいまいだと思うのです。どんな問題がどのぐらい解決するのかというのがよくわからない。

 それからもう一つは、前払いにするとPPP原則から離れてしまうというのが重大な問題かなと私は思います。ただし、こういうのは現在の条件でありまして、将来、条件が変われば当然ある種の前払いがいいというふうになる可能性はあると思います。

 代替案としては、整理していただいた四つの中では、当期充当の資金管理法人が現実的かなと思います。ただし、現状では私自身は家電リサイクル法の課題というのは、3分の1がまだ戻ってきていない。リユースとかいろいろありますが、その中身がよくわからないわけで、これをいかに制御するかというのが一つの大きな問題。

 それからもう一つは、いかにもっとDfEを効かせていくかというのが将来に向かっての問題で、当期充当の資金管理法人だと、DfEに関してはほとんど諦めざるを得ない。それから、実際に方式の評価として見たときに、どこからどういう理由で見えないフローに入るのかが分からない状況では、前払いにしたらどの程度減るのかという事はわからない。その状況では、大きなコストをかけてシステムを変更するのはちょっと無理だなと思います。ですから、今後はその見えないフローに行く入り口それぞれを調べて、なぜそこにどのぐらい行っているのか、それは支払い方式を変えるとどのぐらい変わるのかというのを明らかにするのが、次の見直しに向かって一番重要なことだと思います。

○細田座長  それでは、岩田委員、どうぞ。

○岩田委員  私は実は田舎から出てまいりました。家電リサイクル法がつくられて一番迷惑を被ったのは町村であります。それはどういうことかというと不法投棄が一気に起こったんです。不法投棄された電化製品でありますけれども、財源の乏しい町村にとっては大変なことでありまして、その始末は全部公費をもって今までやってまいりました。地元の方が不法投棄をしているということであれば、即座にいろいろな監視の体制が入れるのですが、トラックをもって茨城県側から千葉県に入って、そしてその製品はどこかというと都心部の製品を一気に集めた業者の不法投棄でありますから、大型トラック1台分そっくりそのまま畑に置かれているという状況があっても、これを処理する場所はないし、そしてまたこれを片づけようとしても、その費用を出す施策がないということで、全部町村がこれをかぶってまいりました。

 この前払い方式ということは、先ほど話がありましたけれども、現行どおりということでありますが、私は前払い方式が全ていいとは思っておりませんが、その方式がない限りこの関係はずっと続くだろうと思っております。これを解決するのは大変難しいことでありまして、どういう形で不法投棄の部分を処理していくかということの明らかにされていない部分がありますから、このまま続けば地方は疲弊します。そして人の使ったもの、いわゆるゴミであります。これを捨てられて、そして捨てられた場所が畑ということになれば、農家にとっては生産工場でありますから、一つの工場の敷地の中に不法投棄されている。

 もっと極端なことを言えば、夜中に自宅に外からゴミを投げ入れられて、その犯人がわからないということになれば大変なことでありまして、警察の捜査も諦めざるを得ないから、自分で捜すしかない。また監視しなければならないということも起きます。嫌がらせに近いものもあります。そういうことを私はこの席で訴えたいと思っております。

 ですから、心理的なものもありますけれども、家電製品を買った際にリサイクル料金を払う。必要がなくなった段階で支払うのは、不用になってから支払うほうが心理的に抵抗が出てくるのではないかと思います。一つの大きな要因は、人間のモラルが大きく変化したということであります。日本人の一番の美徳は人に迷惑をかけないということでありますから、その辺は私は前払い方式をぜひとも実現していただきたいと考えております。これは町村会挙げての要望であります。よろしくお願いいたします。

○細田座長  梅村委員。

○梅村委員  費用回収方式につきましては、整理いただきありがとうございます。私は現行方式が優れていると考えております。費用回収方式は国民全体にかかわる家電リサイクル制度の根幹をなすものです。私どもメーカーでは家電リサイクルを進めるため、大変な費用と労力をかけてリサイクルプラントをつくり制度運営をしてまいりました。また、10年以上リサイクルの現場で実務上の細かい問題にも対処してまいりました。先日はプラントもご視察いただき、その実態についてもご説明させていただきました。3点、理由を申し上げます。

 第一に、自動車リサイクル法で採用されております将来充当方式ですが、これは将来発生するリサイクル費用を先に徴収するものであります。厳密な意味での前払いは日本の自動車リサイクル制度のみであり、世界的にも特殊な例だと思います。自動車では車検の際に、販売済みの自動車からの料金を徴収することができました。車検のような制度のない私ども家電では、販売済みの製品については後払い制度を維持せざるを得ません。仮にそのような制度にした場合でも、後払いから前払いへの長期間の移行期において、販売サイドでリサイクル費用を支払い済みか否かを見分けることは実務上不可能であります。大きな混乱を生じるものと考えます。

 また、資料に記載のとおり、移行期には相当長期間にわたって消費者は、買いかえの際に廃家電と購入した家電の2台分の費用を同時に負担するため負担感は非常に大きくなるものと思われます。むしろ不法投棄を誘発するのではないかと考えます。

 第二に、当期充当方式についてです。これはある期に発生するリサイクルの総費用を、同時期に家電を買った人たちに負担してもらうものであります。先ほどご説明いただきましたように、ある種リサイクル税のような仕組みであります。厳密には前払い方式ではございません。約8割のお客様が買い替えですが、それ以外の購入だけされるお客様にもリサイクル料金をご負担いただくことになります。このことにご納得いただけるのか、不公平感を持たれることは大きな課題でありまして、販売サイドでも収拾のつかない混乱が予想されます。

 海外では広く導入されているようですけれども、例えばEUでは、家電だけではなくて家具や玩具、医療機器、ひげそりのようなものまで対象品目となっておりまして、4品目を対象とする日本の家電リサイクル制度とは前提が異なっております。また、現行制度と比較評価するために、必要な不法投棄の比率など定量的なデータはないものと認識しております。これらの事情を踏まえると、この方式が現行方式と比較して定量的、客観的に優れているという評価はできないのではないでしょうか。海外では、後払いではお客様に払っていただけない前提のもとに制度がつくられたものと思われます。日本で後払いが実施できたのは、この難しい課題を関係者が協力して克服できたからであります。現行制度は日本でしかできないような、むしろ世界で最も進んだ制度と考えられます。

 第三に、廃棄物の処理費用は。

○細田座長  ちょっと手短に。

○梅村委員  最後、第三のところだけ申し述べて終わります。廃棄物の処理費用は、排出者が廃棄時に後払いで支払うというほうが一般的であり、あるべき姿だということであります。多くの自治体様では、家具や自転車などの粗大ゴミの有料化、すなわち後払い方式を採用されていると理解しております。現行の方式が優れていると考えております。

 以上です。

○細田座長  済みません、今10数人の方が名札を立てられて、1人3分でも33分かかってしまいます。それで3分以内でなるべくまとめていただければ幸いでございます。済みません、せかして。

 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員  私は将来充当方式の資金管理法人方式が適切だと思っております。最大の理由は二つございまして、5ページのメリットの欄に書いてあることと関係いたしますが、リサイクル料金による製品選択ができるということは、販売市場を使ってメーカーに対してインセンティブを与えることができるということで、それがDfEにつながるというのが最大の長所であると思います。もう一つは、不法投棄とか不適正処理との関係でこの方式が優れているということでございます。

 幾つか問題点をご指摘されていますけれども、一つは6ページの3の①に書いてある、自動車のように車検がないということですが、これはバーコードとかマークを使って対処していく気になればできることだと思っております。ただ、そのコストの問題は気になるところでございます。

 それから、5ページのところに書いてあるデメリットの①ですけれども、それもご指摘いただいておりますが、これは結局消費者にとってみれば、2台目に関しては、排出時に払うものを少し早く払うだけのことでして、販売との関係でメーカーさんにとってはちょっと苦しいというのはよくわかりますが、消費者にとっては別に二重になるということではないので、そこは注意して議論していく必要があるのではないかと思います。

 この将来充当方式というのは、EPRを最もよく実現するものと一応考えられます。ですから、これはPPPとも合致しますので。当期充当方式はそういうことにはならないので、先ほど石川先生がおっしゃったような問題がありますが、将来充当方式はそこはクリアできるということだと思います。

 とはいえ将来充当方式にするのも、いつからするかという問題とか今の景気の状況もありますので、やや柔軟に考えたほうがいいと思っておりますが、一言だけ申し上げますと、この方式のことを今検討することは私は大事だと思っていますけれども、今後、例えば4~5年たってから、この審議会においてちゃんと将来を見据えた議論ができていたかということを多分問われることになると思いますが、先ほどご議論があったネット業者による販売がふえているということと、それから日本のメーカーさんの中で4品目に関してテレビとかで撤退していかれているメーカーがありますので、残念ながらメーカーに関して、私は全然そういうことを望んでいるわけでは全くないんですが、海外のメーカーのものが結構出てきてしまうことに関して、その影響をどう考えるかということは国のほうでもよくお考えいただきたいのです。今までと状況が残念ながら変わってきているので、その点はよく考えておく必要があるのかなと思っております。

 以上です。

○細田座長  河口委員、どうぞ。

○河口委員  ありがとうございます。これが真っさらな状態で新しい方式を入れるということであれば、私も大塚委員と同じように当期充当方式の資金管理方式がいいかなと思うのですけれども、既に10年間現行で走っていることを考えると、そこから発生するコスト。この間、コストを教えてほしいというふうに移行コストということで、今回自動車リサイクル制度で142億というお答えをいただいたんですが、それだけではなくて、定着しているものを変えることによる社会的な混乱を含めたコストをどう考えるのかということをお伺いしたく。そちらのコストを足し合わせると、現行方式のほうが社会的コストを加えてトータルで考えると、ベターではないかと思っております。

 ただし、不法投棄ということに関しては非常に深刻な問題で、これが一つこの制度の見直しの大きな動機になったと理解しております。なので、従来の方式をやるのだけれども、もし移行するのであればかかったはずのコストを、自動車リサイクルでも140億円かかったというお話がありますので、そのつもりになって、つもり預金ではないのですが、移行に伴うお金をかけるつもりで、不法投棄に対してより積極的な新しい対策をセットにするという形で、従来の方式をバージョンアップして継続するのがいいのではないかと思っております。

 以上です。

○細田座長  北原委員、どうぞ。

○北原委員  販売の立場から言いますと、現行方式のやり方には多少疑問をもっておりますけれども、リサイクルの回収であるとか運搬費をいただくということで非常に苦労しておりますけれども、いろいろの検討をしてきた中で、現行法で私は行くことがこの業界としてはいいだろうと思います。ただ、その中で再三申し上げてきましたけれども、不用品回収業者の質の問題を徹底して取り締まってもらうことが第一原則であります。それからいま一つ、先ほど申し上げましたようにネット業者の回収義務のなさの無責任さ、こういうものも今後の課題として取り上げていただくことで、現行法に賛成という立場を表明させていただきます。ありがとうございました。

○細田座長  酒井委員。

○酒井委員  私は質問があります。今回、自動車リサイクルの資金管理法人の初期コスト142億円という紹介がございましたが、それ以外にも、容器包装リサイクル法で資金管理法人方式を取っておられます。そのコストはいかほどか。先ほど質問がございましたが、欧州のWEEEの機構とか法人の調査ができれば、その辺は少なくともご紹介いただきたいと思います。

 2点目の質問は、このデメリットをうまく整理いただいて相当考察ができるようになってきたと思うのですが、デメリットの決定的要因、特に個社管理方式の倒産・撤退というポイント、それから税金との関係です。これからは個社管理はもう無理と考えていいかどうかというところは、委員の中で専門の方がおられたらご意見をお聞きしたいですし、事務局のほうでももう一歩掘り下げていただく必要があるのではないかと思いました。

 その中で現段階での意見、見解でありますが、石川委員とほぼ同じでございまして、現行方式維持をしながら、当期充当の資金管理法人方式あるいは将来充当の資金管理法人方式の研究を続けるというのが現段階のスタンスとしては一番いいのではないかと思います。

 以上です。

○細田座長  崎田委員、どうぞ。

○崎田委員  ありがとうございます。私、今回議論が始まって何が一番今回の見直しで課題として挙げられるのかというふうに考えれば、やはり不適正な処理をどうするか。特に不用品の不適正な処理、あるいは義務外品を消費者がきちんと排出するような理解が不徹底なのではないか。消費者自身がもっと排出しやすいような形にしていくことが大変大きな課題として話し合われたと思います。

 そういうことから考えれば、今回の現行方式の課題、資料3-1の一覧表から見て、論点・課題の現行方式に書いてある、今のままでいいのかというあたり、そこを考えていくということは今後大変重要なことだと思っています。今後どういう方向に向いたらいいのかというふうに考えれば、やはり個社管理方式、お店の倒産リスクはかなり大きいのではないかと考えれば、当期充当の資金管理法人の4番目に書いてある、ほかの国々で取り上げられている方式、こういう方式を日本が検討していくことをかなり真剣に考えていくことが大事ではないかと思っています。

 ただし、私もそれをすぐに変えていくのか、少し長いスパンでやり方を考えていくのか、そういうことをみんなで考えながらロードマップを考えていくという柔軟性はきちんともっていてほうがいいと思っています。そして最終的にしっかりとメーカーが構築してくださったところに、できるだけたくさん国内循環で資源が回っていくことを社会全体でつくっていくことが大事なのではないかと思っています。よろしくお願いします。

○細田座長  ありがとうございました。

 佐々木委員、どうぞ。

○佐々木委員  この4つの方式で、8万を超える小売店、あるいは方式によっては長期間管理しなければいけない。その間に倒産のおそれがある云々というと個社管理はなかなか難しいのではないか。ほかの委員の方もご指摘されていますが、そういった意味で資金管理法人をできるだけコストをかけずにつくって、それで将来、あるいは当期という形で資金管理していくかというのを今後十分議論していただいて。メリット・デメリット幾か書いてあるんですが、結構つぶせるものもあるような感じがしております。そういった議論の中で今回の見直しの結論が出てくるのだろうと思います。十分な議論をしていただければと思います。

○細田座長  田崎委員、どうぞ。

○田崎委員  4点コメントします。1点は議論の仕方についてなのですが、5年少し前の議論でも結局この4つを検討していることになりますが、四つもあると議論がきちんとできないということがあって、もう一つか二つに絞り込んで議論すべきだと考えています。例えば個社管理方式のA-①を実際支持しておられる方はおられるのですか。私は知らないのですけれども、そういうのであればもう議論から外して、焦点を当てて議論すべきだと思っています。

 私は資金管法人方式の二つが比較的有望だと思うのですが、将来充当方式のほうは、将来のリサイクル費用の予測が困難というところがありますので、私としては一つに絞るのであれば、当期充当方式の資金管理法人方式を検討すべきというところです。絞るということに加え、議論するのであればもう一つ具体的にスキームを描いて、一つか二つをきちんと現行方式と比較していただきたい。これが2点目でございます。

 3点目は、現行方式についてのメリット・デメリットの理解を正確にしないといけないと考えております。例えば排出者と負担者が一致とありますけれども、年間10億ないし20億のR&D、開発費用にもリサイクルの料金が使われているという状況で、必ずしも排出者と負担者というのは一致していないところがあります。その辺もきちんと理解した上で比較すべきと考えています。

 最後に4点目ですけれども、本日の参考資料1にありますとおり、このフロー全体をいかに最適化するような費用負担方式がいいかというのを議論すべきだと思っています。これまでの議論は、あくまでも小売業者が回収して、メーカーが再商品化するルートにおける費用負担方式の最適化を考えていて、それ以外の全体を考えたところで現行制度が必ずしも最適な制度になっているかは疑問です。例えば自治体が回収した不法投棄の処理費用、今は自治体さんが払っていますけれども、前払いにすれば、当期充当方式ないしは将来充当方式にすれば、そこの部分の費用はきちんと手当てされていることになりますし、きょうお話のあったスクラップ業者のフロン回収についても、適切な回収をしてきちんと業者に引き渡すようなことをすれば、そこに適正処理の費用を渡すということの議論もできます。フロー全体を最適化する視点での費用負担の議論が必要かと思っています。また、その意味でいうと徴収した費用をどう払い戻すかというところの議論もきちんとしないといけないと考えています。

 以上4点です。

○細田座長  辰巳委員、どうぞ。

○辰巳委員 ありがとうございます。言おうと思っていたことが大体今までの中で出てきておりますけれども、私自身は、現行法がいいんじゃないかなと思っております。もしもそうではない方式を検討するということであるならば、一つ検討していただきたいのは私もB-②です。それで可能かどうかわからないのですが、もしもB-②という形をとったならば、フローの数がどういうふうに変化するのかとか、あるいは特に不法投棄の変化がどういうふうにあり得るのか、そういうことを検討してみないと現行方式よりいいと言えないと思います。

 先ほど海外のWEEEのドイツの話とかヨーロッパの話等ご紹介いただいたんですが、私自身は全然中身がわからないので、消費者がどのように捉えているのかも全然わからないのです。家電メーカーさんは、先ほど変なことをおっしゃったんですよね。まじめに取り組んだらいけないとおっしゃったのかな。だめだとおっしゃったのかな。そういうのと同じようになるのであるならば、余りいい方法ではないと思えます。もしもやるならば、よく似た方式としてあげられましたが、日本式のB-②というやり方を考えていかないといけないと思っております。

 でも、なかなか私は難しいと思っておりまして、基本的には現行法でいいのかなと思っておりまして、現行法で論点となっている不法投棄や違法な廃棄物回収業者への対策のことをもっとよく検討していくべきではないかと私も思っております。

とりあえず現状の意見です。

○細田座長  豊原委員、どうぞ。

○豊原委員  ありがとうございます。結論から申し上げますと現行方式がベストだと考えております。まずA-①、②、B-①、②とそれぞれメリット・デメリットご説明いただきましたけれども、前払いか後払いかという方式にかかわらず当初あった話として、粗大ごみの有料化によって、では不法投棄がふえたかというと決してふえない。むしろ途中でもご紹介申し上げましたとおり、行政等による不法業者の摘発、取り締まりが最も効果的であるというのが私の考えでございます。

 資料3-1に書いてあります将来充当、当期充当の丸につきましては、その多くは推定によるものもございますし、幾つかは現状と何ら変わらないシステムであります。それから、コストの面も先ほど来何人の方もおっしゃったとおり、自動車で142億円というのはあくまでイニシャルコストで、これにランニングコストが加わることからしますと、これは一体誰が負担するんだという問題も当然生じます。したがいまして、かけるコスト、それによって得られるメリット等を勘案しますと、コスト倒れになるリスクが極めて大きいと考えておりまして、現行方式がベストと考える次第であります。

○細田座長  中島委員、どうぞ。

○中島委員  ありがとうございます。私も現行制度がいいと思っています。ただし、フローをみると製造業者による再商品化より、下のところ、例えば廃棄物処分業者が行っているものとか、不用品回収業者の問題とか、そういうものの徹底した対応をして、できる限りメーカーのプラントに持って行くようなシステムをつくっていくことで回収率が90とか95ぐらいまで上がるのではないかと思っています。

 解体業者なども指導しないと、それが産廃として流れて、産廃で流れたところで再商品化率を守られていればいいのですが、守られていない業者がいっぱいある、その辺を徹底して指導していってできる限りメーカーのプラントに持って行くようなシステムを再構築していくということで進めていけばいいと思っています。

○細田座長  西尾委員、どうぞ。

○西尾委員  ありがとうございます。丁寧にいろいろな観点からメリット・デメリット、課題等整理していただいたので、ここですぐに結論というよりは、検討すべき方式を2つ程度に絞ってもう少し丁寧に議論すべきではないかと思います。

 5つの方式案の中でも個社管理方式については、皆様から出ているように余りにもリスクが大きいと私も思います。ですから、例えば現行方式、それから資金管理法人方式の中の当期充当、将来充当といった3つぐらいに絞って、もう少し丁寧に議論していただいたほうがいいかと思います。特に、既に田崎委員や石川委員が指摘されているように、見えないフローがどれによるとどのように解決できるのか、また、どのような課題があるのかについて丁寧な議論が必要だと思います。

 その際、今後の市場構造の変化、たとえば、国内の家電メーカーの撤退や海外メーカーの新規参入といった想定される環境の変化も考慮して、それぞれの方式が果たしてうまく機能するのか否かの検討も必要だと思います。また、前半のところで質問させていただいたこととも絡むのですが、日本の家電リサイクル法の精神からすると、非常に質の高いリサイクルを目指してきて、それを使って再商品化しようというところに各メーカーさん等が注力されてきたかと思うのです。どの方式においても、企業等の努力が消費者や社会に伝わり、それが今後も引き継がれるのかどうかも含めて、もう少し多面的に議論する必要があるかと思います。

 以上です。

○細田座長  野村委員、どうぞ。

○野村委員  ますば現行方式がいいと考えております。今課題にありました不法投棄、不法業者による収集というのは犯罪でありますので、そこをしっかり取り締まることによって、現行のところにしっかり流れていくということで、現行のよさをしっかり充実させていくというのが一番いいと考えております。

 以上でございます。

○細田座長  萩原委員、どうぞ。

○萩原委員  私も現行の制度を維持という方向だと思います。しかし将来的には、先ほど田崎委員、西尾委員も申しておりましたように、絞って最善の方向について議論していく必要があるかと思います。かつて私も産業廃棄物の処理業者の優良化事業にかかわったことがあるんですが、常にその点についてはやっていく必要があるのだなということをまた実感しております。

 もう一つは、前半のほうでも議論がありましたけれども、消費者の意識、出す側の意識のところをどうしっかりと啓発していくのか、ここの部分が非常に大きいのではないかと思います。そういったことも含めて、現行制度をよりよいものにしていく方向はいかがでしょうかということです。

 以上です。

○細田座長  牧野委員、どうぞ。

○牧野委員  ありがとうございます。自治体で私たち働く立場ということで、不法投棄を防ぎリサイクル率を向上させるために、リサイクル費用の前払い方式の導入の必要性があるのではないかと考えてきたのですが、この間いろいろな議論がありまして、前払い方式も後払い方式も、それぞれきょう明らかにされたようにデメリットがあると考えています。また、未回収廃家電の不法投棄や海外輸出などの見えないフローの発生する要因が現行の費用回収方式にあるとして、回収方式の改善がこれまでも議論されてきたんだろうと思っています。回収方式を変えることが最も効果的かどうかということは、それぞれ委員さんの意見も分かれていると思っております。

 そこで、リサイクル費用の回収方式の議論については、時間をしっかりかけてでも全ての方が納得できるような、不法投棄や見えないフローの要因の分析と、それに対応できる方針の提示が不可欠ではないかと考えています。それを踏まえまして、これまで実施してきた未回収の廃家電対策の検証、より効果的な施策の実施が必要であると考えております。制度の改善に伴う負担についても、政府、メーカー、小売、消費者、自治体ということで全ての関係者が偏りなく公平に分かち合う制度設計をお願いしたいと思います。

 また、先ほども出ていましたけれども、自治体の負担が非常に大きい不法投棄に対する巡回パトロールなどの監視体制の維持発展についても、廃棄物監視員の配置などを含め財政的な支援もお願いしたいというのを要請しておきたいと思います。

 それからもう一つは、高齢化社会の中で無料回収の需要が非常に高いと想定されている、いわゆる拠点や玄関先まで廃家電を運搬できない高齢者、障害者に対する利便性の向上についても必要な対策を講じていただきたいと考えております。

○細田座長  牧野説明員、お願いします。

○牧野説明員(安木委員代理)  岩田委員のご発言がございましたことについて幾つか申し上げたいと思います。最初に断っておきますが、私は不法投棄は重大な問題だと思っております。決して軽んじているわけではございません。そこはまずお断りをしたいと思います。

 思い起こしていただきたいのでございますが、2001年3月まで、市町村の皆さんは廃家電4品目の過半を処理しておられたのです。それが2001年4月1日から家電リサイクル法が施行になった結果、皆さんはほとんどそれを処理されなくなって、それはメーカーが負担して、その結果市町村にとって財政上は非常に大きな貢献したというのはお忘れいただきたくないと思っております。そこはぜひ覚えておいていただきたいと思います。

 我々メーカー側は、非常にまじめにリサイクルをしているというのは先ほど来繰り返して申し上げておりますが、もう一つ不法投棄につきましては、平成21年度から、ただいま現在26年度の事業協力を開始しております。6年続けてやってきております。その中で私どもは防止事業と引渡事業というのをやっておりまして、防止事業につきましては、第三者委員会の先生方のご指導もありまして、不法投棄問題というのは実は家電だけではないのです。他のいろいろなものが一緒に捨てられておって、他のものが捨てられておると家電も捨てられるし、家電が捨てられるとほかのものも捨てられる。したがって、不法投棄そのものの対策をやりましょう。それについて2分の1の助成金を出しましょう。あるいは、そこで発生した引き渡しについての一定の補助をしましょうという格好で、6年間助成をしてきております。

 例えば今日来ておられる北広島市の近くの札幌市、あるいは東庄町の近くの千葉市は、相当長い間私どもの助成をお受けになっておられます。ぜひそのご経験をお聞き願いたいと思います。公募の前には市長会にも町村会にも、こういう公募をいたしますので、ぜひ全市町村に応募していただけるようにお願いしてくださいというのも毎年やっておりますし、今年もお願いするつもりでございますので、ご協力のほどよろしくお願いしたいと思っております。また、来年もこういう格好で継続して、皆様方とご協力して不法投棄対策をしてまいりたいと思っております。

 以上でございますが、最後に細田先生から立場を言えと言われましたので、立場について若干ご説明説明させていただきたいと思います。

○細田座長  手短にお願いします。

○牧野説明員(安木委員代理)  提示のあった前取り方式は余りにも課題が多くて、得られる利益について言えば確かなものはほとんどない。という状況から見れば、現行方式だと思います。これが一つ。

 手短にと言われたので、言いたいことはほとんどやめましてもう一つだけ。資料3-1に、製造業者等及びその受託者以外の者がリサイクルを行った場合、費用の支払いを行うのか。これは大問題でございます。これは22回の会合において私はるる説明しております。それをやると細田先生に怒られますからやめますが、たった一言だけ、もし軽々にこれを払われるのであればメーカーリサイクルは崩壊いたします。そういう問題でございますので、それを環境省さんは捌けるのかというのは、私ども非常に注目をさせていただきたいと思っております。

 以上でございます。

○細田座長  現行方式ですね。

○牧野説明員(安木委員代理)  もちろん現行方式でございます。

○細田座長  上野委員、どうぞ。

○上野委員  ありがとうございます。自治体の立場から実態を皆さんに知っていただきたいと思っております。私の市は札幌市の隣にありまして人口6万人であります。山林は大体50%でありまして、そこに市の管理する道路が走っているものですから、不法投棄には大変便利なところだと思っております。家電にかかわらずリサイクル制度につきましては、市民の皆さんの理解と協力により向上していくものと考えております。不公平感がありますと、どうしても市民理解は得られないものと考えておりまして、市としてもパトロール、また不法投棄の看板の設置、さらには広報紙等によりましてリサイクル等のPRを行っているところであります。

 不法投棄された家電4品目につきましては、市町村がリサイクルの義務を負うということは知っているところでありますけれども、北広島市におきましても、平成13年から不法投棄の回収等行っておりまして、昨年までにテレビは3200台、冷蔵庫は772台を合わせますと、この間4595台を回収しております。昨年はテレビが204台、冷蔵庫が71台、洗濯機が44台、エアコンは北海道はほとんどありませんので、1台ということでありますので、不法投棄の回収については320台であります。大体300台前後で推移しているところであります。処理費につきましては、パトロール員の非常勤にかかる経費、また廃家電の引き渡しの手数料、廃家電運搬の引き渡し業務の委託等含めますと、当市の予算は年間約700万円でありまして、ことしはトラックを買うものですから、1000万を超える予算になっているところであります。

 不法投棄の処理を市町村が税金で行うということになりますと、多くの市民は手数料を支払って行っておりますので、大変市民に不公平感を生みまして、制度への不平不満の声となって必ず出てくると考えております。市民がリサイクル料金を先に納めた場合については、リサイクルの意識が向上、またリサイクルを推進していくためにも、前払い方式は私は大変有効ではないかと考えております。全国市長会としましても、家電リサイクル制度につきましては、リサイクル費用について製品購入時に支払う前払い方式に改め、また対象品目の拡大について国のほうに提言しているところでありますので、ぜひ前払い方式について議論していただきたいと思っております。よろしくお願いします。ありがとうございました。

○細田座長  ありがとうございました。

 大塚委員。

○大塚委員  欧州のWEEEに関して、当期充当方式の資金管理法人方式に挙げておられるのですが、少なくとも資料3-2の9ページにあるようなリサイクル料金を一律にするということはヨーロッパは全然やっていないので、これを当期充当方式に挙げていいかどうか私は疑問がありますが、その点について次回にでもお話しいただけるとありがたいと思います。

○細田座長  どうぞ。

○辰巳委員  済みません、言い忘れたことがあって。出す側の消費者のお金を払うときの気持ちの問題なのですけれども、自分が使っていた家電製品に対して、例えば3000円払えと言われれば納得できるのですけれども、誰のために払うのかわからないのに3000円という大金を払えるかどうかという気持ちもちょっとあるのではないかと私は思っておりますので、一言つけ加えておきたいと思います。

○細田座長  ありがとうございました。

 皆さんのご協力で3分をかなり守っていただきまして、何とかここまで来ました。それで、本日かなり議論が出ました。私が今ちょっと数えましたら、現行方式のほうがかなり賛成される方が多かったように思いますが、ただ、一方で将来のことも考えた議論が必要である。それに、もう少し絞り込んで丁寧な議論が必要であるとの御指摘もございました。そこで、必ずしも全体のコンセンサスが得られたとはまだ思いがたいところもありますので、ただ同じ議論してもこれまたいかがなものかと思いますので、費用回収方式につきましては少し一つ絞り込みをする。そして論点を少し整理して、酒井先生の質問もありましたし、それに幾つかの質問にも答える形で論点を整理して、骨子の形で少し整理をさせていただいて、議論をしやすくさせていただきたいと思います。それに皆さんにさらに熟成した議論をしていただきたいと思いますので、それでよろしゅうございますでしょうか。

 ありがとうございます。では、そのようにして議論を進めるということで、両省よろしいですね。

 ありがとうございました。

 では、最後に事務局よりよろしくお願いいたします。

○江澤環境リサイクル室長  ありがとうございます。次回の会議ですけれども、5月30日金曜日、16時の開催を予定しております。議題の詳細等については、委員の皆様に改めて事務局よりご連絡させていただきます。

 それでは、これをもちまして、第29回の合同会合を終了いたします。

 本日はありがとうございました。

――了――