食品リサイクル専門委員会(第9回)、食料・農業・農村政策審議会食品産業部会(第11回)食品リサイクル小委員会、第9回 合同会合

日時

平成26年3月31日(月) 16:30~18:30

場所

合同庁舎4号館 12階共用会議室1219-1221号室

議事次第

議題

  1. 1.個別の論点討議
    • ・食品廃棄物等の再生利用・熱回収
    • ・食品リサイクル制度に関する主体間の連携・普及啓発
  2. 2.その他

配布資料

資料
論点整理を踏まえた個別論点の検討状況について
参考資料1-1
平成24年度食品廃棄物等の年間発生量及び食品循環資源の再生利用等実施率(概要)
参考資料1-2
食品リサイクル法の施行状況
(平成25年6月14日第6回合同会合資料2の平成24年度統計データ差替版)
参考資料2
食品リサイクル法に基づく食品廃棄物等の熱回収条件のあり方の検討結果
参考資料3
バイオマスの利活用に関する政策評価(総務省報道発表資料(抜粋))
参考資料4
固定価格買取制度導入後の再生可能エネルギー発電設備の導入状況
参考資料5
食品廃棄物等の発生抑制の目標値等を改正する告示案等についての意見・情報募集の結果について

議事録

午前10時00分 開会

○農林水産省長野室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「第11回食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会及び第9回中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会第9回合同会合」を開催いたします。

 農林水産省食品産業環境対策室長の長野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 委員の皆様方には、大変年度末のぎりぎりのお忙しい中、それもこんな時間にお集まりいただきましてまことにありがとうございます。

 本日の委員の皆様の出席状況でございますが、両審議会の委員数は合わせて25名となっており、20名の委員の御出席をいただく予定でございます。若干2名ほど遅れておりますが、後ほどお越しになると伺っております。

 食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会につきましては、委員数14名のうち12名の方に御出席いただいております。

 欠席は塚本委員と石島委員でございまして、石島委員は急遽インフルエンザで御欠席ということでございまして、お手元に最後に意見書という形で塚本委員と石島委員は御意見をいただいておりますので、後ほどご覧いただければと思います。

 続きまして、中環審につきまして環境省からお願いいたします。

○環境省庄子室長 中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会につきましては、委員数16名のうち13名に御出席いただく予定としてございます。

○農林水産省長野室長 ありがとうございました。

 それでは、済みません。冒頭のカメラ撮りはこちらまでとさせていただきますので、報道各社の皆様方におかれましては御理解のほどよろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

○農林水産省長野室長 今回の座長につきましては、食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会の座長の牛久保先生にお願いいたします。

 それでは、以降の議事進行を牛久保座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○牛久保座長 皆さんこんにちは。それでは、配付資料がございますので、事務局から資料の確認と取り扱いについて御説明をお願いしたいと思います。

○農林水産省長野室長 では、お手元の資料の御確認を願います。

 まず議事次第、そして本会合の委員名簿2枚ですね。

 資料といたしまして、「論点整理を踏まえた個別論点の検討状況について」をお配りしてございます。

 また、参考資料といたしまして、参考1-1と1-2につきましては、平成24年度の再生利用と実施率、これは本日公表いたした資料でございますので、最新のデータを置かせていただいております。

 また、参考資料2ということでございまして、先ほどの資料の補足といたしまして「食品リサイクル法に基づく食品廃棄物等の熱回収条件のあり方の検討結果」でございます。

 また、参考資料3と4につきましては、前回のこの合同会合で先生方から宿題のあった点につきまして2つございます。

 参考資料3が、「バイオマスの利活用に関する政策評価」、総務省の発表資料の抜粋でございます。

 また、参考資料4でございますが、「固定価格買取制度導入後の再生可能エネルギー発電設備の導入状況」をお手元にお配りさせていただいております。

 また、参考資料5といたしまして、食品廃棄物等の発生抑制の目標値等を改正する告示案等についての意見・情報募集の結果について」ということで、先般の発生抑制の努力目標値に関するパブコメの結果を本日公表しております。

 また、お手元に塚本委員の意見書と、石島委員の意見書と、また発生抑制の形になりますが、ろすのんのチラシができましたのでお手元にお配りさせていただいております。

 このほか、お手元に前回までの資料をつづったファイルを置かせていただいております。これまでは、前回の議事録を参考資料としてお配りさせていただいておりましたけれども、今回この第9回のファイルの中に既につづっておりますので、前回の議論はこちらを御参照いただければと思います。

 なお、本日の資料につきましては原則全て公開とさせていただきます。

 また、合同会合終了後には、発言者のお名前を示した議事録を作成いたしまして、各先生方に配付、御確認いただきました上で、委員御了解のもと公開させていただきたいと存じます。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。

 さて、今回は前回の第8回合同会合が2月に実施されておりますけれども、前回に引き続き論点整理の個別論点について議論を行ってまいりたいと思います。

 今回は、お手元にございますように「食品廃棄物の再生利用・熱回収」と「食品リサイクル制度に関する主体間の連携・普及啓発」の検討を行いたいと思います。

 それでは、事務局より御説明をお願いいたします。

○農林水産省長野室長 それでは、お手元の資料に基づきまして御説明をさせていただきます。また、例によって早口で失礼をいたしますが、よろしくお願いします。

 まず、1ページでございます。「再生利用等実施率(目標値)」ということで、資料を整理いたしております。それぞれ食品リサイクル法に基づきまして、再生利用等実施率の業種別の目標値というものが基本方針で定められておりまして、24年度までの目標値になっておりましたが、25年度以降、新しく基本方針が定められるまでは現行の目標値が維持をされているところでございます。

 それにつきまして、それぞれの事業者には基準実施率ということで左側にございますように個々の再生利用等実施率の区分に応じまして2%ずつとか1%ずつというような形で、それぞれの増加ポイントという基準実施率で、個々の事業者はこれに基づいて再生利用等に取り組んでいただくということにされております。

 次期の再生利用等の実施率の業種別目標値の設定に当たって、右側に現行の「目標達成状況」というものを整理させていただいておりまして、平成24年度の最新のデータを加えております。見てまいりますと、これまで達成をいたしておりました食品製造業に加えまして、食品小売業におきましても目標値の45%を達成しているということでございまして、皆様の御努力の賜物かと思っております。

 一方、卸売業と外食産業というのはまだ目標値に達成していないという状況で、このままですと目標値の達成は困難な状況ということがございます。ですので、このような状況を踏まえまして、各事業者の目標値である基準実施率のあり方、または基準実施率の基準年、今は平成19年度を基準年にしておりますけれども、そういうあり方を含めて今後検討したいと考えております。

 続きまして、2ページでございます。「定期報告制度」ということで、現在100トン以上の食品廃棄物等を発生させる事業者の皆様には、発生量であったり、再生利用の実施量等を報告いただいているところでございます。これにつきましては左側にございますように、私どものほうで調査点検ということをさせていただいておりまして、事業者様がこれに不十分な取り組みである場合、その後、法律に基づく報告徴求であったり、指導・助言、勧告・命令といったところの指導措置に入っていく。そのもととなるものが、定期報告制度でございます。

 ただ、これにつきまして、報告を行う事業者様からの事務負担軽減という御意見もございましたために、右側にございますけれども、報告内容の合理化を検討したいと考えております。削除を検討する項目といたしまして、食品の発生量、廃棄物の発生量、また再生利用の実施量の把握に必要な項目であったり、調査点検の対象者の選定に必要な項目等に該当しないものにつきまして、例えば2に示してございますけれども、過去のデータを個別の事業者さんに書いていただくということは必要ないのではないか。

 また、特定飼肥料等の製造量、これはリサイクラーがどれくらい製造しているかということになりますので、食品関連事業者のほうに書いていただくというのはなかなか難しいということもございます。

 また、それぞれ判断の基準となるべき事項の遵守状況というところも適、不適ということを記載しておりましたけれども、それについても今後事業者に対する指導等のあり方を検討する中で、この項目について定期報告のほうから合理化するということを検討してはどうかと考えております。

 また、3ページにまいります。一方、この定期報告の中で今回の食品リサイクル法の検証の中でも多く言われておりますのが、地域の実情に応じて食品リサイクルを進めていくことが大事だというお話がございました。そして、地域の実情を踏まえまして事業者の再生利用を進めていくために、現在全国一本で実施状況の報告をいただいているところでございますが、これに追加をいたしまして都道府県別の発生量と再生利用量につきましてデータの報告を求めることによりまして、都道府県別の食品循環資源の再生利用等の実施状況、都道府県ごとの状況を整理公表することを今後検討してはどうかと考えております。

 また、これにより、都道府県別のデータというものを地方自治体に提供いたしまして、国と地方自治体の連携を強化することで地域の再生利用状況を自治体にも把握いただき、地域における発生抑制、再生利用の取り組みの推進ということに役立てられないかと考えております。

 続きまして、4ページでございます。「再生利用手法」ということでございまして、これにつきましては循環型社会形成推進基本法に定める循環利用や処分の基本原則、または地域の特性や地域循環圏の発想の観点を踏まえつつ、再生利用手法の優先順位を改めて明確化する必要があるというふうに記載しております。

 この優先順位につきましては、環境保全を前提といたしまして、第1に「モノからモノへ」の再生利用、また飼料自給率、食料自給率の向上の観点も踏まえまして飼料化を最優先、これは現行と同様でございます。

 次に、肥料化及びメタン化で、メタン化のうち消化液を肥料利用する場合ということで、肥料として使える場合に限る。これにつきまして、第2番目の順位として推進したい。そして、その上で飼料化・肥料化が難しいものということにつきましては、メタン化等のエネルギーとしての利用を推進するという形でのカスケード利用を考えてはどうか。また、これまで再生利用が進んでいない川下の部分の再生利用をより進めていくために、エネルギー自立型の地域づくりということも推進いたしまして、分散型エネルギーと消化液の活用による農業の同時推進というリサイクルループの支援を行ってまいりたい。

 また、自治体における高効率エネルギー利用を行うメタン化施設等の導入についても支援を行っていきたいと考えております。これについては、別の項で改めて御説明いたします。

 続きまして、5ページにまいります。「再生利用手法」のうち、それ以外に既に食品リサイクル法の中では認められて、まだ食品リサイクル法上の再生利用手法として位置づけられないものでも現場では実施されている手法がございます。

 例えば、きのこ菌床化であったり、ペットフード化というものはきちんときのこ菌床として栄養は無駄なく使われたり、ペットフードということで再生利用されているということで、優れた再生利用の手法として評価することができるのではないかと考えております。

 一方、セメント化というものがございます。こちらは、焼却処理をした後にその残さを活用するということがほとんどであると伺っておりまして、これを食リ法上の再生利用手法とすることは不適切ではないかと考えております。

 また、きのこ菌床につきましても、非常にきのこという限定的な場面ということでございまして、引き続きどう位置づけていくかというところは対応を検討したいと考えております。

 ペットフード化につきましても、畜産の飼料と同等に評価をし得る手法とは考えておりますが、現在ペットフード安全法に基づいて非常に厳格な基準が定められておりますので、これをクリアでき得るのかということであったり、その上での食品廃棄物等からのペットフードの需要の動向等も判断いたしまして、適切ということであれば、食品リサイクル法上の再生利用手法として位置づけることを検討してはどうかということでございます。

 続きまして6番目、6ページにまいります。「熱回収」の扱いでございます。熱回収につきまして、現状の実態を踏まえつつ、この熱回収の条件のあり方を検討するというふうにされております。これにつきまして、検討を行ったところでございます。現在の熱回収の条件につきましては、平成19年の際の食農審と中環審の答申に、食品循環資源の再生利用等の基本方針の改定についてというところで示された、熱回収の条件設定に当たって検証された技術的情報をもとに今の条件が設定されておりますので、この5年前の状況が最新の動向を調査した上で現行の条件を妥当とするかどうかを確認しました。

 7ページになりますが、食品廃棄物につきましては他の廃棄物と比較しまして含水率が高いという性質がございまして、食品廃棄物だけではなく、ほかの廃棄物と一緒に一体として熱回収が図られているというのが実態でございます。

 参考資料の2にありますように詳細な検討を行って、こちらから詳しくは説明いたしませんけれども、現在の最新の動向を踏まえて検証をしていただきまして、現在の再生利用施設における食品循環資源の受け入れ状況でございましたり、再生利用等熱回収のエネルギー効率の比較というところを見てみましたところ、19年のときの検討と比較いたしまして有意な差は見られなかったということでございます。このため、熱回収の条件につきまして、現在で変更することは妥当ではないと考えているところでございます。

 一方、熱回収の中でも塩分や油分の多い食品循環資源など、熱回収の条件に合致するものもございます。これにつきまして、食品関連事業者の方でなかなか十分に検討されていない場合もあるということでございますので、こういうことについての最新の動向を踏まえた食品関連事業者に対する適切な情報提供というものを図ってまいりたいと考えております。

 続きまして、8ページになります。「登録再生利用事業者制度」ということでございまして、これは優秀なリサイクラーを養成するということで、申請に基づきまして主務大臣が登録を行っているところでございまして、2月末現在におきまして179件まで増加をして裾野が広がっているところでございます。

 一方で、左下にございますように不適切な事例、重大な生活環境保全上の支障を生じさせているもの等の不適正な事例が発生していることが明らかになっているということでございます。ですので、例えば再生利用した堆肥であったり飼料といったようなものの製造や利用の実績でございましたり、またこれをどのようにつくっているかという情報公開といったものについて、登録に際しての要件としてそれを強化できないかということを検討するとともに、この登録再生利用事業者につきまして報告徴収といったような指導措置をより積極的に実施をして、必要な場合には立ち入り検査をやったり、登録の取り消し等の措置も活用して、より一層適正な再生利用事業の的確な実施というものを確保してまいりたいと考えております。

 また、地域循環圏を構築するという観点からも、国や地方自治体を含めて、地域における有力な登録再生利用事業者の育成をより一層促していきたいと考えておりますし、食品関連事業者とも積極的に情報交換を促進するというような形で、地域におけるリサイクルを担う皆さんのさらなる優良化の促進を図っていければと考えております。

 この右下にマッチングサイトというものがございますが、こちらは農林水産省の補助事業で、平成24年度に飼料化について事業者さんのリストを含めたマッチングサイトをつくっておりますが、今年度の事業で拡充をいたしまして、26年度からは肥料化とかメタン化というものについても事業者さんを乗せていくということで、こういうような措置も使いながら、地域でのいいマッチングが進むようにしていきたいと考えております。

 続きまして、9ページでございます。食品リサイクルループということでございますが、これにつきましては食品関連事業者、またリサイクラーの皆さん、そして農林漁業者の三者が連携をして顔の見える関係ということで、そういう計画について大臣が認定を行うものでございまして26年、本年の2月末現在で49件ということで順調に増加をしているところでございます。

 この食品リサイクルループというのは、食品リサイクルの理想的な形ということでさらなる推進を図っていきたいと考えておりまして、現在、地方環境事務所さんのほうでこのリサイクルループをつくるためのマッチング等のサポートをする事業というものが左下にございますが、やっておられるということで、このような私どもの地方の事務所等を通じて、また自治体も巻き込んだ形での多様な地域におけるリサイクルループの形成促進を図っていきたいと考えております。

 続きまして、10ページは「再生利用施設」ということでございまして、食品循環資源の再生利用を推進していくためには、地域の実情や再生利用需給の状況に応じまして、地域に再生利用施設がないといけないということでございまして、それに対する支援や既存の施設の有効活用方策を検討していくことが必要となっております。

 このため、環境省のほうの地方自治体向けの循環型社会形成推進交付金というものにおきまして来年度、平成26年度より従来の高効率のごみ発電よりもさらに先進的なエネルギー利用を行うメタン化施設等について、通常の交付対象ですと3分の1のところを交付率2分の1にかさ上げの措置を行うということで、地方自治体における再生利用等の取り組みを加速化させるということでございます。

 また、民間の施設に対する支援につきましても、次にございますエネルギー特会での予算でございましたり、私どものバイオマス産業都市の関連の予算につきまして、民間事業者に対する支援を引き続き行ってまいりたいと思っております。

 10ページの下のところが、循環型社会形成推進交付金ということで572億ほど計上されております。

 また、11ページがエネルギー特会を使いました地域でバイオガスを使ったシステム、これは地域の中で残さも含めて循環利用していくというような形、これもモデル的に幾つか地域でやっていくということで来年度予算がございます。

 また、12ページになりますけれども、「バイオマス産業都市について」ということで、まさに先週の3月28日にこの右側の第二次選定地域の8地域、ブルーの部分を公表させていただいておりまして、このほとんどが食品廃棄物を含めた形でのバイオマス産業都市ということでございますので、ここに認定された地域につきまして、私ども農水省のハード予算、ソフト予算を優先的に交付していくという形で応援をしていきたいと考えております。

 続いて、13ページにまいります。「先進的な取組の促進」ということでございまして、これまでも各種の取り組みがございますが、既にございますFR認証、フードリサイクル認証でございましたり、またはエコフィード認証というものにつきまして、引き続き普及啓発を実施してまいりたいと考えておりますし、こういうものに先進的に取り組んでいただく優良な事業者さんに関しまして、表彰制度などを活用して評価をし、この一層の取り組みの加速化を図っていきたいと考えております。

 また、去年の4月からJ‐クレジット制度というものが日本で一体的に行われておりますけれども、食品廃棄物由来のバイオガスによって化石燃料、電気等の代替した場合には、こういうクレジットによってCO2削減分をクレジット化できるという制度がございますが、まだ登録実績がないということでございますので、こちらについても制度の普及に努め、さらにエネルギー利用による温室効果ガスの削減の取り組みというのも、新しい環境価値をつけることで推進していけないかと考えております。

 14ページは、現在食品リサイクルを含めまして3R、また循環型社会形成といったもの、または食品産業もったいない大賞は今年度から始まったものでございますけれども、こういうものに対して各種の表彰制度がございます。ぜひ食品の事業者様にはこういうものがあるということで、これを目指して応募いただきたいと考えております。

 続きまして、15ページになります。「技術的支援」ということでございまして、エコフィードというものも最新の技術としてさらに推進をしていくために、リキッドフィーディングといった液状の飼料について、畜産農家で必要となる機械の導入や、そういう技術の確立普及の支援を実施しているところでございます。

 また、食品のリサイクルからできました肥料の品質とさらに高付加価値化ということで、肥料製造に係る指標の構築というものを来年度予算で措置をしております。そういった基準を普及啓発していくことで、より使いやすい食品リサイクル由来堆肥というものを推進していきたいと考えておりますし、また堆肥等の利用、飼料利用に当たりましては、やはり農業者が使わなければその出口がなかなかということでございますので、現在農業者のマニュアルとして、農水省のほうで農業技術指針というものを毎年出しておりまして、これに例えばメタン化の消化液の肥料利用といったものについても改めて技術が確立されたということで、低コストの肥料ということも含めて、こういうものに記載をしていって農業者への普及を促進していきたいと考えております。

 続きまして16ページでございますが、「地方自治体の役割」ということで、地域循環圏ということで地方自治体の主体的な役割が期待をされております。また、食品事業者の皆さんからも自治体の関与ということが要望されているところでございまして、その地域の中でのいろいろな再生利用事業者の把握・育成であったり、主体間連携による計画的食品リサイクルの推進を図ることが有効であると考えております。

 前述いたしましたとおり、定期報告の様式を変更いたしまして、都道府県ごとの再生利用の実施状況を把握して、これを地方自治体と共有することにおきまして国、または我々の地方の出先も含めまして地方自治体との連携をさらに強化いたしまして、食品リサイクル法に基づく事業者の取り組みを一層促進するための方策を検討していきたいと考えております。

 また、市町村におきましては、環境保全を前提といたしまして、食品リサイクル法の再生利用が円滑に行われるように、一般廃棄物処理計画というものにも適切に位置づけていくことが重要と考えておりまして、それについて国といたしましても必要に応じて技術的な助言を行っていくということを検討していくとされております。

 また、先ほどの繰り返しになりますけれども、自治体におけるメタン化等のエネルギー利用を推進するということで、環境省の交付金におきまして交付率のかさ上げ措置ということを予定しておりますし、市町村においても廃棄物処理にかかるコストの透明化を一層促進することにしております。

 続きまして、17ページにまいります。「消費者の役割」ということでございまして、食品循環資源の再生利用の意義に関しましても、消費者の理解を深めながらこれを応援していただくことが大事だと考えておりまして、ループの取り組みにより生産された食品の積極的な購入でございましたり、リサイクル肥料の利用といったような形で、消費者にもリサイクルの推進に積極的な役割を果たしていっていただきたいと考えております。

 このため、食品関連事業者さんは既にこの右側はスーパーの店頭ですね。ユニーさんでの店頭の啓発がございますし、右側は中部の地方環境事務所等でこういう「めぐりふーど」というような新しいシンボルマークをつくって、食品リサイクルを親しみやすくやるということを進めているところでございまして、いろいろな主体と連携をいたしまして普及啓発を図り、そして消費者の理解を深めていきたいと考えております。

 18ページになりますが、廃棄物処理法に関する事項といたしまして、既に廃棄物処理法の運用に関しましては各管内の自治体の廃棄物行政担当部局に対しまして、リサイクル法を含めて各種リサイクル制度の説明会、意見交換会を定期的に実施しているところでございますし、また機会を捉えましてこの食品リサイクル法につきましても再生利用へのより一層の積極的対応を促してまいりたいと考えております。

 その中で、市町村の区域を越えたリサイクルループといったものの収集・運搬と再生利用というものが環境保全を前提といたしまして円滑に行われるように、改めて周知をしていくということです。

 また、一般廃棄物処理計画の中でもこの右の下にございますが、ごみ処理基本計画の策定の指針という環境省の通知の中で、食品リサイクルにつきましても適切に位置づけたり、再生利用とかが円滑に行われるように配慮するというようなことがございます。そのことを改めて周知をして、例えば食品リサイクルループの事業の中でこの計画の範囲内においてきちんと再生利用製品の確実な利用が確保されるということでございますので、こういうリサイクルを行う者による廃棄物の受け入れが積極的に後押しされるようなことを促すことを検討できないかと考えてございます。

 最後で19ページになりますけれども、「食品リサイクル制度に関する主体間の連携・普及啓発」ということで、前回の食品の発生抑制のところでもございましたが、リサイクルにつきましても相互に連携・協力して取り組むことが大事だということでございまして、我が国全体でこの取り組みへの機運を高めていくことが重要だと考えております。

 繰り返し言っておりますけれども、自治体と国との間の情報共有、連携強化ということ、また地域で活動する消費者団体の皆様とも協力をしながら食品リサイクル法の普及啓発や分別の必要性ということに関する理解醸成をさらに進めていきたいと考えておりますし、それぞれ各主体で、食育でございましたり環境教育、または自給率向上の取り組みというようなさまざまな関連する取り組みがあるかと思いますので、そういうものとも連携いたしまして実施していくということで、相乗効果を生みながら効率的に主体間の連携、普及啓発というものを図っていければと考えております。

 以上、大変駆け足しで恐縮でございますが、一通りの資料の説明でございます。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。

 論点整理を踏まえた個別論点の検討内容とその状況についてということで、今回食品廃棄物等の再生利用、熱回収、それから食品リサイクル制度に関する主体間の連携、普及啓発について御説明をいただきました。

 各委員には御意見、または御質問を承りたいと思いますので、もし御質問、御意見のある方は名札をお立ていただいてお願いできればと思っております。

 多岐にわたりまして御説明いただきましたけれども、個々個別でなくて一括して御質問または御意見を伺いたいと思いますので、ページ、または項目を御指定していただきながら御質問いただければ内容を間違いなくお答えいただけると思いますので、御協力のほどよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、順番がわかりませんので、こちらからまいります。

 では、石川委員よろしくお願いします。

○石川委員 まず、1ページの「再生利用等実施率」に関して質問とコメントです。これは、出していただいたのは業種別のものですから、これ自身は管理目標という認識でありまして、そういう意味では長野室長から説明があったとおり、製造業と小売業は達成、卸売業と外食産業が未達ということなので、この対策をどうすればよいか。そのためには、なぜこうなっているのかというのが大事だろうと思います。

 業種としてはこういう話なんですが、法律的に見るとオブリゲーションというのは個別の企業ごとにかかっているはずです。個別企業の現状実績によって異なりますが、毎年向上させるべき率が決まっています。業界として何とかするという部分もあるかもしれませんが、基本的にはこれは個別企業の問題のはずです。そうなったときに、外食産業24%に対して目標40%で大分低そうですけれども、達成しているところもある一方で、法律上の義務を達成できていない企業も多いのではないかとも思います。そうすると、この目標値はこれでいいのかとか、それからどうすれば上げていけるかを考える上では、個別企業で例えばどういうばらつきになっているのか。平均で24%だというのはわかったんですけれども、すごく高い達成率を達成しているところはあるんだろうかとか、そういうことを知らないと、これを上げていく方策をこれ以上考えられないんじゃないかという気もちょっとするので、そこら辺を教えていただければと思います。

 それからもう一つは、自治体との連携というのがたしか16ページにあって、都道府県に実績をフィードバックするということが提案されています。私は、食品リサイクル法は各種リサイクル法の中でおそらく一番自治体の認知が低いというんでしょうか、関心の低いリサイクル法だと思っています。このこと自体は自治体から見たときに持ち込まれる事業系の生ごみ、カロリーが低くて余り燃やすのがありがたくないものだと思うのですが、それが減るという意味では自治体にとってメリットのある話のはずなのに、なぜ認知が低いんだろうと思うわけです。その意味で、情報をフィードバックしてさらに連携を深めていくという御提案は大変結構だと思います。

 結構だと思うんですけれども、ごみ処理を実態的に行っているのは市町村であって、都道府県ではないんですね。これは恐らく事務的な負担があるので、いきなり市町村といって千何百というのは大変だというのはよくわかるんですけれども、もし可能であればいきなり市町村ということでなくてもいいんですが、政令指定都市とか、中核都市とか、大きいところだけでも何か整理をしてフィードバックしてあげれば、大分効果もあるのではないか。

 せっかくおやりになるのですから、つまり都道府県に関しても我が県はこのくらいであるということがわかっても、多分自治体の担当者から見たときに、自分の市の実績でない限り余り関係ないというふうにスルーされそうな気がするというのが私の感触でありまして、せめて政令指定都市とか、中核都市とか、できるところだけでも個別にフィードバックしてあげると、横並びにして低いところはきっと翌年、相当頑張るのではないかと思います。以上です。

○牛久保座長 では、よろしくお願いします。

○農林水産省長野室長 まず実施率の状況で、個別の企業のばらつきがあるというのは先生おっしゃるとおりでございまして、先生方のお手元の参考資料の1-1というものが本日公表いたしました24年度の再生利用等の実施率でございます。

 2枚ほどめくっていただきますと、内訳というのがございます。4業種よりもさらに細かくした内訳を載せているところではございますけれども、これを見ますと、外食産業全体の平均としては24となっておりますが、そんなに差はないのですが、飲食業だけですと24ということですけれども、例えばホテル等の宿泊業が若干低くなっていたり、結婚式場は今回非常にごみがふえてはいるところでございますが、リサイクル率はある程度いっているというような形で、おっしゃるとおりばらつきがございますので、もうちょっと丁寧に私どもも見ながら今後の方策も考えていきたいと思います。

 また、むしろ今回外食産業を含めまして飲食業とか結婚式場、宿泊業につきましては発生抑制の目標値も、きょう設定の告示が出ておりまして明日から施行されるということでございますので、そういうものの状況も見ながら考えてまいりたいと思っております。

 また、自治体への情報のフィードバックということにつきましては、まさにおっしゃるとおりで、確かに市町村でないとなかなか意味がないというような御指摘もございまして、どの程度事業者さんの負担、これは多分県単位で出すこともかなりの負担があるかと考えておりますので、そのあたりをよく考えながら検討したいと思います。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。

 それでは、鬼沢委員よろしくお願いします。

○鬼沢委員 9ページにありますリサイクルループの認定制度のところで「地方環境事務所における取組」というところがあるのですが、これはすごくいいことだと思ってお聞きしておりました。

 ただ、全国にある地方環境事務所でもきっとすごくばらつきがあるんじゃないかと思うんです。先ほど事例がありましたように、中部ではかなり進んでいたりということがあるので、できたら一律にというよりは、今年度は重点的にここの地域とか、その地域にあるいろいろな情報をわかっていると思いますので、重点的に進めていくということをすると、より具体的に進んでいくんじゃないかと思いますが、そのような計画がおありなのかどうか、お聞きしたいと思います。

○牛久保座長 環境省、お願いします。

○環境省庄子室長 御質問ありがとうございます。

 このリサイクルループに関するサポート事業でございますが、まず中部地方環境事務所において全国に先駆けてこういう取り組みを進めたという事例でございます。これを十分参考にしながら、来年度は本省が旗を振る形で各地の地方環境事務所と連携を図って、こういった事業の展開が図れるかと考えてございまして、確かに全国に地方環境事務所は7か所ございますが、その7か所全てで同じような厚みでやっていこうと思いますと、結局広く薄く効果のないものになってしまいかねませんので、今の御意見を十分参考にさせていただいて、メリハリをつけて重点的に取り組んでいくことも考えていきたいと思います。

○牛久保座長 それでは次に酒井委員、どうぞよろしくお願いします。

○酒井委員 4ページの再生利用方法との関係で、支持の意見を申し上げます。

 1つは、前回、廃棄物系バイオマスの開発用ロードマップということで、特に一般廃棄物の中のバイオマスということでのロードマップ、環境省のほうのお仕事のお手伝いをしていたわけですけれども、その中の資料がバイオガス化、あるいは燃料利用が中心的過ぎるという御意見を頂戴したというふうに前回の専門委員会の後にお聞きしました。

 残念ながら出席できておりませんので、その場でお話できなかったのですが、基本的には市町村収集後のバイオマス対応を考えた枠組みでのロードマップということでありましたので、基本的な発生抑制が不要にみえるとか、あるいは飼料、肥料化利用の非優先イメージが表に見えてしまったということで、作業をお手伝いした者としてはお詫び申し上げないといけないと思っております。

 決してそのような意図は全くございません。収集前の抑制、それからガス化利用の前のリサイクルということに関して、これは極めて重要であるということは当然のことであろうと思っております。現在の混合収集のごみ処理に対して、今後の違う変法も用意しておいたらいかがかということを環境省とともに考えているという意味でございます。

 そういった意味でいけば、4ページに今回再生利用方法で○の2つ目として書いていただいた優先順位、第1から第3ということで①から③を書いていただいておりますけれども、この優先順位に関しては全く異存はございませんし、今後の方向として非常に適切なものではないかと思います。

 この「環境保全を前提として」という言葉の意味の中に、安全な利用を前提にということの意味が含まれているということはもちろん前提条件でございますけれども、その中でこの再生利用方法の優先順位は適切なものであろうと思っております。以上です。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。

 それでは、崎田委員どうぞよろしくお願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。今、再生利用の手法に関する4ページの酒井委員の御発言がありましたが、この2番目の優先順位を徹底していくことが大事だと思っております。

 なお、自治体がこれから地域循環圏をつくっていくときに、どういうふうにバイオマスの循環を考えてつくっていくかというのは大変重要ですので、今回定期報告制度の中にそれぞれの、都道府県別のデータまで入れるということは、事業者さんにとっては大変な作業かもしれないのですが、やはり日本全体がこれからバイオマスをきちんと利用していく上で非常に重要なデータになると思いますので、私はぜひこういう動きを入れていただければありがたいと思っています。

 なお、先ほど都道府県だけではなく実際には市町村データも重要というお話でしたが、実は私もそこは同様に思っておりまして今、地方自治体の市町村のところで事業系の一般廃棄物として出てくるものと、家庭系の一般廃棄物で出てくるもの、そこの生ごみの3Rの徹底が大変重要な課題になってきておりますので、自治体もそこにきちんと関心を持っていくことが実はすごく大事なところだと思っております。

 ですから、16ページのところに連携でいろいろ取り組んでいこうという図があって、ここは都道府県ごとに利用状況を共有して国と地方自治体が連携というふうに書いてありますけれども、この地方自治体自身は市町村とも連携するということをやはり徹底していくことが大事なんじゃないかと思っております。

 その際に、16ページのところに「地方自治体の役割」と書いてありますが、今後、地方自治体の皆さんがこの食品リサイクル制度を活用しながらきちんと地域循環圏をつくっていくためにどういうふうに活用したらいいのかということを、私も自治体の方がこの制度を活用して地域をつくっていくためのガイドラインというのか、どういうふうに判断をし、地域の事業者さんと住民とか、いろいろな地域をどうコーディネートしていったらいいのかという全体に関しての役割をきちんと伝えていくということが大事なのではないかと思っております。

 ですから、ガイドラインプラス伝えるような人材育成というか、あるいは先ほど出ていたそれぞれの地方環境事務所とか、そういうところも必要だと思うのですが、やはりそういうようなところを少しきちんとしておくことが大事なのではないかという感じがいたしました。

 なお、19ページのところに主体間の連携ということがあります。こういうことが食品ロス削減も踏まえて大事だと思いますので、こういう情報を発信することが大事だと思いますが、自治体と、学校教育機関と、もう一つは地域の消費者団体、環境活動団体、あるいは自治体の環境学習センターとか、そういうところが連携し合って地域の普及啓発にともに取り組むというようなこともきちんと位置づけることが大事なのではないかと思っています。よろしくお願いします。

○牛久保座長 ありがとうございます。

 それでは、佐々木委員どうぞよろしくお願いします。

○佐々木委員 3点ございます。

 1点目は、いわゆるメタン発酵バイオマスに絡んで4ページに手法が書いてあります。消化液のことについて「消化液を肥料利用する場合に限る」と書いてありますが、7ページにメタン化の施設についてまだ実績がないというような記載、それから13ページにやはり消化液のことが書いてあるのですが、バイオマス事業をやっている関係者、自治体の方からは消化液について明確な利用先というか、自分たちがつくったものだから自分たちで考えろでは、恐らく農業関係者の方もわけのわからないものは使えないというようなことで、かなりここに相当コストがかかっていると聞いております。

 そこで、例えば消化液を肥料利用する場合に限るメタン発酵といった場合、そういったものをやはり国が少し後押ししていただかないと、なかなか踏み切るのが大変かなということが1点目でございます。

 2点目は、8ページに「登録再生利用事業者制度」というものがあります。これは、再生利用者のうち優良な事業者によって登録を行うということで極端な事例、不適正事例が書いてあるだろうと思うのですが、要するに再生事業者のうち優良事業者さんについて登録を行った業者さんがこういうことをやったという非常に残念なことではありますし、登録制度というのが本当に機能しているのか。きちんと実績だとか、そういったものも加味しながらやらないと、せっかく登録事業者でいいことをやっている人たちも同じように、あれは登録だけで実際にこんな事例があるんだよと言われたら、こういった制度はもうもたなくなると思うんです。そういった意味で、ぜひ登録再生利用事業者制度というものを、よりステータスのあるものにしていただきたいと思います。

 それから、16ページに自治体の役割等々がございますが、ちょっと観点を変えまして、役割を果たすためにも自治体への情報提供というものが非常に大事であります。それで、先ほど言っている都道府県単位を自治体単位というのは、可能な限りお願いできればとも思いますが、なかなか難しい面もあろうかと思うのですが、例えば全国の自治体の取り組みというんでしょうか。こういう自治体、人口が幾らで、こういうロケーションにある自治体ではこういうことをやっているというようなこと、あるいは民間事業者さんはこういうことをやっている。

 そうすると、自分のところの近くであれば当然興味を持つわけですし、恐らく自治体の情報源というのはメーカーさんの情報なんですね。売り込みというか、結局A市でこういうことをやった。それで、ずっと営業に行って、おたくもどうですか、これはいいですよと言って、検討が余りされないうちにワンユニットで施設をつくってしまうとか、そういったことも多々見られますので、ぜひ民間事業者さんの処理方法ですね。

 それから、肥料もトン当たりの肥料というのは恐らく契約で言えない部分があるかもわかりませんが、そういった情報、自治体の取り組みと民間事業者さんの取り組みを情報提供していただければ、いろいろな検討材料にはなるのかなと思いますのでよろしくお願いします。

○牛久保座長 御発言は御意見として承っておくということでよろしいでしょうか。

 どうもありがとうございます。それでは、杉田委員どうぞよろしくお願いします。

○杉田委員 どうも今日はありがとうございます。

 私のほうは資料の7ページの「熱回収の条件のあり方等についての考え方」のところですが、ここの3番目の○に書いてくださっていますように、熱回収を行う食品循環資源の例として、塩分・油分の多いものの他に、梱包された食品廃棄物もできれば入れていただいたほうが良いと思っております。梱包された食品廃棄物は、袋を破袋して中身を出さないと、再生しにくいものが多いので、梱包された食品廃棄物も熱回収の例として入れていただければと思います。

○牛久保座長 梱包というのは、具体的にはどういうものですか。

○杉田委員 済みません。包装です。チューブに入っているとか、具体的にいえばマヨネーズだとか、チョコレートでもチューブに入っているものだとか、ビニール袋で包装されている食品廃棄物のことです。梱包と言ったらいいのか、包装されているものと言うのか、ビニール袋に入った食品廃棄物は再生利用しにくいので、熱回収の例として入れていただければと思っております。

 また、○の3つ目のところで、最新の動向を踏まえて食品関連事業者に適切に情報を提供すると書いてありますが、ここは一番大切なところだと思いますので、こういうものを積極的に提供していただいて、周知を徹底していただければと思っております。

 また、食品リサイクル法の熱回収の条件が非常に複雑で、私たちにもちょっとわかりにくい点がありますし、また廃掃法の熱回収の条件と整合していないので、食品関連事業者には非常にわかりにくいのではないかと思いますので、その辺ももう少しわかりやすいようにしていただき、または食品リサイクル法に基づく熱回収、または廃掃法でいう熱回収に関しても整合性を図っていただければと思っております。

 また、16ページにあります「地方自治体の役割」のところのリサイクルのイメージについて、国、または市町村、都道府県からこういうリサイクルをしたほうがいいのではないかという話はあるのですが、肥飼料等の再生利用者の意見を把握しにくい。再生利用者の意見をもっと私たち再生業者に投げていただければ、もっと実態に即した再生利用施設が整備されてくると思います。

 弊社では食品循環資源から堆肥をつくっていますが、利用していただく農家の方々にとって必要なものになっているかが重要です。そこで農家の方々からの意見を再生利用業者のほうへ挙げていただければ、よりよい関係が築けると思っております。結果的に、消費者にも作物として供給されて、つながっていくものですので、その辺を私たちのほうに挙げていただければと思っています。

 あとは、先ほど先生方からお話がありましたが、地方自治体ができることと、民間が行った方が良いこともあります。そこで、地方自治体が民間施設をもっと見ていただき、自らで行うことが難しいものは民間施設をもっと活用していただけないかと思っております。また、私どもの民間の処理施設には、地方自治体の方々が見に来るようになってきております。地域によっては、熱回収や、堆肥化施設などの民間活用の議論も行われていると思いますが、自区内外の民間施設を見ていただいて、自治体でやるより民間でやったほうがいいというものに関しては、民間施設の支援をしていただくような仕組みをつくっていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○牛久保座長 恐れ入りますけれども、梱包資材の件で理解がなかなか行き届かないところがありますので、もうちょっと具体的に言っていただければと思いますが、その包装資材が熱回収の際に例えば分別がされていないので、それが非常に支障を来すとか、そういう意味ですか。

○杉田委員 そういう意味ではなくて、包装された食品循環資源はリサイクルに回りにくいものの一つです。包装材と中身を分けるのに手間とコストがかかるので、そういうことが難しい事業者には熱回収の方に回せるような形をとっていただければ良いと思っております。

○牛久保座長 熱回収は梱包資材も受けられるということであるので、熱回収がそういうものを受け入れますよというような記述がさらにあったほうがよろしいということですか。

○杉田委員 はい。

○牛久保委員 これは御意見として承っておきます。わかりました。

 では、環境省からお願いします。

○環境省庄子室長 今いただいた御意見の中で、食品関連事業者の情報提供ということで熱回収を行っている事業者、あるいはその施設がどういったあたりに立地をしてくるかという情報を、必ずしも食品関連事業者も持ち合わせていないのではないかという点もあろうかと思ってございますので、そういった情報提供については今後の課題として考えてまいりたいと思っております。

 それから、食品リサイクル法の熱回収の条件と、廃棄物処理法における熱回収施設設置者認定制度における条件の違いがわかりにくいのではないかということでございますが、廃棄物処理法の熱回収の認定制度は、前回の食リ法の見直しの後に創設された制度だということもありまして、その双方の関係について、我々としてもわかりやすいような情報提供がなかなか行き届いていない部分があろうかと思ってございます。

 それぞれ条件の違いというのは、やはり食リ法の熱回収についてはメタン化と同程度のエネルギー効率が必要だということで、高い条件設定になっているということでありますが、その違いがどういったものかということについて、きちんとわかりやすい情報発信はしてまいりたいと考えてございます。

○牛久保座長 どうもありがとうございます。よろしいでしょうか。

 それでは、杉山委員どうぞよろしくお願いします。

○杉山委員 ありがとうございます。19ページの最後の主体間の連携・普及啓発のところに関係することになると思います。

 普及啓発の対象としまして、小規模の事業者に対してのPR、啓発、食品リサイクル法というものの認知を上げていただきたいと思います。特に、先ほどから外食産業の達成率が低いということがありましたが、これは定期報告されている規模の大きい事業者さんでこの程度といいますか、24%ということで、町の食堂とかラーメン屋さんのような本当に個人でやっていらっしゃるような飲食店が、一体食品リサイクル法というものをどの程度認識していらっしゃるかというと、相当低いのではないかという気がします。

 その規模は大きくても小さくても、やはり食品リサイクル法の趣旨として向かうところは同じところだと思いますので、特に外食産業など小規模なところにも働きかけが必要ではないかと思います。

 自治体との連携というところでいいますと、やはり市町村との連携なしにはそういう事業者の方とのPRということもなかなか難しいと思いますので、ぜひその自治体との連携、あるいは普及啓発の対象としての小規模事業者というものも加えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。

 それでは、八村委員よろしくお願いします。

○八村委員 論点整理を踏まえたということで、より具体的な資料になってきたので大変よかったと思います。

 質問ですが、11ページです。「背景・目的」の下のほうのポツですが、「地下水汚染の原因となる消化液等の残さの適正利用」ということで、消化液等が地下水汚染の原因になっているというような表現になっているんですが、これはそういう意味合いで書かれたのか。それとも、右のほうにあるように、家畜ふん尿等を利用することによって地下水汚染の原因を排除するバイオガス事業が普及することによって地下水汚染の原因を排除していくという意味合いなのか。どちらの意味合いで書かれたのか、教えていただきたいと思います。

○農林水産省長野室長 後者でございまして、今回新規で追加された部分がこの部分になっておりますので、この地下水の汚染地域と言われる既に窒素分が多いような地域におきまして、それをさらに軽減するような形でこのバイオガス事業をどのように導入できるかという実証の事業を今回追加したということでございます。

○八村委員 そうだとすると、ちょっとこの文章の左側の表現が誤解を招くんじゃないかと思いますので、修正していただけたらと思います。

 それから、15ページです。こちらは意見のほうなんですけれども、消化液の肥料利用について農業者がマニュアルとしている農業技術指針に記載するということで、より具体的になって非常によかったなと思います。

 実際、液肥利用が随分長く実施されているようなところも出てきていまして、そこで行われている普及のための工夫ですとか、液肥利用を洗練化して農作物にきちんと効果があるように利用しているというような事例が出てきていますので、ぜひともそういう事例を調査していただいて、よい事例を自治体の方々に紹介していただけるような取り組みも合わせて行っていただけたらと思います。

 また、農業者のメリットをより明確に示してあげて、農業者の方々が液肥利用をぜひやってみたい。そのためにメタン発酵施設を導入してもらいたいと考えてもらえるようなことも、ぜひ御検討いただけたらと思います。以上です。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。

 それでは、百瀬委員よろしくお願いします。

○百瀬委員 とてもよくまとまって、私どもにもわかりやすい資料になっています。幾つか質問と意見です。

 まず、16ページにあります「地方自治体の役割」のところです。ここで先ほど御説明のあった○の3つ目で、「一般廃棄物処理計画において適切に位置付けることが重要」と書いてありますが、これにつきまして小売と外食産業は事業系一般廃棄物として食品残さを出すことになりますから、事業系一般廃棄物の食品リサイクルを推進するためには、この一般廃棄物処理計画の中に食品リサイクルがどれぐらいできるのかということを明記することを義務づけてほしいと思います。

 ですから、統計的資料ではなくて、各市町村の一般廃棄物処理計画の中にいかなる方法でどれぐらいリサイクルできるのかというのをきちんと書くようにしてほしいと思います。そのことによって、事業系一般廃棄物の食品リサイクルを市町村が自らがやるか、もしくは民間がやるか、もしくは民間がほかの市町村に持ち出すことについて責任を持って対処するのかを一般廃棄物処理計画に入れなければならなくなり、食品リサイクルを推進することに市町村が関わってきます。ですから、これは統計的資料ではなくて、計画の中に入れるべきだということをきちんと入れてほしいと思います。

 戻りますが、1ページです。小売業がかろうじて目標の45%に達成しているとありますが、参考資料1-1の3ページを見ますと小売業の中でも専門小売業、例えば食肉と鮮魚のほうは45%以上達成していますが、それ以外の野菜・果実ですとか、それから菓子・パン、その他というところは未達です。これが事業者の30%ぐらいになっていますが、多分、小規模事業者で自らが出した食品再生資源をどうやって施設に持って行くのかという方法が無いのだと思います。これも統計資料に入れ、なおかつ義務づけているのであれば、何らかの形で食品廃棄物を収集しリサイクルできるように進めるべきだと考えます。

 それを民間がやるか、もしくは市町村がやるかはそれぞれの地方の事情によるものだと思いますが、食品関連事業者がリサイクルをやりたいと思ってもどうやって実施すべきかというところが大きな課題だと思います。

 外食事業者も同じだと思います。未実施小規模事業者が、どうやってリサイクルを実施できるかというところがどこにも書いてありませんので、これはぜひとも何らかのシステムを構築するというのを次の課題にしていただければ、実施したい事業者はちゃんと実績をつくっていけると思います。

 それから、4ページにありますように、食品リサイクルループの中にメタンガス化と堆肥化が一緒に認定されましたという、これは弊社の例ですが、ずっとこういうカスケード利用はリサイクルループに認定できないと言われていたものが、ようやく認定されました。

 ただし、廃液を必ず利用するものについて認めるということは大変いいことだと思います。そして、このメタンガス発酵施設がどうもたくさんできそうだということが12ページに書いてあります。それも、ほとんどカスケード利用です。

 そこで、メタン発酵廃液を一部再利用するのではなく、全ての廃液をどう処理するのか、どう利用するのかというのをきちんと明確にしたものだけに予算が使えるよう、もしくは認定できるようにしていただきたい。そうでないと、再利用できない分は希釈して流しましたということでは、環境負荷が増大してしまいます。

 それは、食品廃棄物を排出する側として心配なのです。私たちは、産廃でも一廃でも最終処分について責任を持てと言われています。それで、排出した廃棄物の行方を追跡するわけです。そのときに安心して「廃液は全部堆肥で使われていますよ」ということが企業として、消費者に間違いなく言えるということが私ども排出者の責任なのです。

 それから、8ページ、9ページにありますが、食品リサイクルの再生品である飼料、肥料の品質等、利用状況を公表するべきだと思います。特に、有価で取引できているのかと。要するに、無料でどこかに渡すのではなく、きちんと有価で、堆肥や飼料が取引され、使われているという実態を国はきちんと把握してほしいと思います。

 特に登録事業者や再生利用事業計画はきちんと報告していますが、そのどちらでもないところでも、食品リサイクルとして飼料や堆肥を再生利用しています。そういうところも全部含めて、どのような使用実績があるのかという確認は必要だと考えます。

 特に、国内循環であるということをきちんと把握してほしいと思います。このリサイクル法の目的の中に、堆肥も飼料も国内の再生産を高めるためということが入っていると思いますが、よもや海外に持っていってバーゼル条約違反みたいなことがないだろうなということを、排出者としてはとても心配なので、そのあたりのことについても国はきちんと確認してほしいと思います。

 これは、食品廃棄物排出者としての小売業としての意見と、それから質問です。よろしくお願いします。

○環境省庄子室長 1点目にございました、市町村が策定するごみ処理基本計画の中に目標値の設定などを義務づけてはどうかという御意見でございますが、市町村、市町村、それぞれの地域内において小売業者さん、あるいは外食産業さんの状況も異なるかもしれませんし、それからそれぞれ発生する食品廃棄物の量の把握が難しい場合もあろうかと思っております。

 そういったことで、一律的に目標値の義務づけというのはなかなか難しいかと思ってございますが、実際にごみ処理基本計画を策定している事例の中でそういった目標づくりをして、食品廃棄物の再生利用の取り組みを進めている事例がございましたら、そういったものを市町村のほうに紹介して、参考にしてもらうような取り組みを検討したいと考えてございます。

○牛久保座長 お答えになっているでしょうか。

○百瀬委員 要するに、市町村の一般廃棄物処理計画への食品リサイクル実績記載を義務とすることはできないということですね。

○牛久保座長 今、質問項目というより御意見という形のほうが多かったように思いますけれども、どこかについてお答えが必要ですか。

○百瀬委員 では、義務としていただくともっとリサイクルが進むのではないかということとの意見にしてください。

○牛久保座長 ありがとうございます。それでよろしいでしょうか。

 では、山田委員どうぞお願いします。

○山田委員 これは質問ですけれども、先回、先々回の会合などで、いわゆるメタン発酵による利用手法については川島先生のほうから、メタン化による地域分散型エネルギーというのは本当に効果があるのかということがあったと思います。

 それからまた、堀尾先生のほうからきょう資料として参考資料3にバイオマスの利活用に関する政策評価というのが出されたんですけれども、これによるとバイオマスの事業が全滅みたいな話なんですね。

 そういう中で、4ページの再生利用手法の中で気になることをちょっと質問するんですけれども、2番の「環境保全を前提として、第一に「モノからモノへ」の再生利用である①飼料化を最優先し、次に②肥料化及びメタン化を推進すべき。その上で、飼料化・肥料化が困難なものについて」と書いてあるんですね。そこでは、②に肥料化とメタン化が同一レベルになっているんですけれども、その下の戦略後の個別重点戦略では、「飼料・肥料への再生利用が困難なものについては、関係府省・自治体・事業者が連携し、…メタン発酵によるバイオガス化と消化液の肥料利用…を強力に推進する。」

 私の理解では個別重点戦略のような理解だったんですけれども、この上のところでは②の中に全く並行して表現してあるということについて、本当にそういう論議だったのかなと思うんです。それで、この飼料化・肥料化が困難なものについてはメタン化等のエネルギーというふうに③になっているんですけれども、個別重点戦略を見るとそこら辺がよくわからないので困るということです。そこら辺をちょっと説明していただきたい。

 次に、地域循環圏構築とエネルギー自立型の地域づくりを推進する観点から「メタン化による地域分散型エネルギーの創出」と、物すごく格好いい話なんですけれども、本当に地域分散型エネルギーというのは今のエネルギーの原発問題も含めて、いわゆる原発が再浮上している中でいろいろな問題が出てきているんですけれども、そこまで言えるのか。それは川島先生の意見などを聞いて痛感していることですけれども、そこら辺について前からの川島先生とか堀尾先生の質問に対してきちんと答えていないんじゃないか。それを答えた上でこういうことを言っていただくならばいいんだけれども、私としては何となく、はてなという気がするので質問です。

 もう一つは、ここに食品リサイクルループという言葉があります。今まで食品リサイクルループというのは進んできたんですけれども、ここにおける食品リサイクルループというと全てリサイクラーによるメタン発酵というものが載っているんですね。それで、例に出てくる図が全部メタン発酵ばかりなんです。

 例えば、14ページを見てください。「食品リサイクルループの推進」ですが、このメタン発酵の施設がど真ん中にきたもので、前の食品リサイクルループはそういうことじゃなくて、全然話が違ってしまっている。いつの間にかすりかえられた。

 その次15ページもそうですね。なぜ一番右だけが食品リサイクルループになって、食品リサイクル肥料の生産技術、食品リサイクルの肥料化もエコフィードも皆リサイクルループをやっているわけです。そこのところを押さえた上でこの3番目が出てくるならばいいけれども、これを見るとリサイクルループというのは誤解を生じるということを私は言っているのです。

 こんな言い方はおかしいですけれども、最近『原発ホワイトアウト』という小説を読みまして、その中に細部に神が宿ると書いてあるんですね。いつの間にか細部で話が変なところにいってしまうみたいなことでは困るし、私などは素人だからわからないけれども、川島先生とか堀尾先生の質問にきちんと答えた上でこういう資料をつくっていただきたい。よろしくお願いします。

○農林水産省長野室長 バイオマスにつきまして、確かに当時の政策評価につきましてはこのとおりでございますが、現在は既にバイオマス食品廃棄物を含めましてメタン発酵して、そして事業性が出ている事例というのも、前回までのヒアリングの中で八村委員からも御発言いただいたりしておりまして、既にこの当時から比べると技術水準でありますとか、それをめぐる環境というのも進んできておりまして、投資回収の年次というのもだんだんと短くなってきているということでございまして、その関係につきましては効果があると判断をしておりますし、それを踏まえてこれを推進していきたいと考えております。

 優先順位の件につきましては多分、私の理解では山田委員が言っていることと私どもが書いていることは変わらないんじゃないかと考えておりますが、まさにメタン化を進めるに当たっては消化液を肥料利用するということに限って、肥料化と同じ程度で進めていくということでございますので。

○山田委員 私たちが何を危惧するかというと、いつも言っているんですけれども、飼料化と肥料化を既にやっている業者の方々が非常に努力して食品リサイクルループをつくってきたんですね。この人たちがないがしろにされないようにしてほしいと言っているんですね。

 それが物事の書き方ひとつで、例えばメタン化でここに書いてあるリサイクルループをやると大型化、規模を大きくしないと採算に合わないというふうに言われているんですね。そうすると、今までやられていた人たちが本当に泣きを見ないかという心配があるので、そういうことをくどくど言うんです。

 私は、メタン化そのものを全て否定するわけじゃなくて、畜産ふん尿というのは膨大な量があるんですね。それで畜産ふん尿対策としてこのメタンガスをやって、そして液肥もそこの中で消費していくというシステムが非常にいいことだと思うんですけれども、それを先ほどから出ている小規模の食品リサイクルをやるとか、そういう問題に本当にメタン化というのはいいのかどうかというところを考えてほしいと言っているんです。

○農林水産省長野室長 まさにそこが地域の実情に応じて自治体の関連とともにやっていく部分だと思っておりまして、このメタン化につきましても小型化という技術が大分進んできておりまして、例えば新潟県の村上市などでは5トンレベルの非常に小さいメタン発酵、こちらも5年で投資回収できるというモデルができているということでございまして、地域でどういう需要があって、そしてどういう利用のあて先があるかというところを踏まえて考えて、このメタン化というと先ほど百瀬委員もおっしゃいましたけれども、小規模の分散された方々がどのようにこのリサイクルループに入っていくかというところも踏まえて考えていきたいと思っておりまして、既存の飼料、肥料をやっている方に影響を与えないというのは、そこは同じ思いでございますので、そういうものを含めて自治体と連携をしながら地域のさらなる循環というものを考えていきたいと思っております。

○川島委員 よろしいですか。今のことに関連なので、今のほうが。

○牛久保座長 では、ほかの委員には申しわけありませんけれども、関連質問ですので川島委員よろしくお願いします。

○川島委員 山田委員から発言があったので、私ももう一度、私の考え方自体を全体に申し上げます。

 この資料にありますように、平成24年の食品産業全体で2,000万トンですね。よろしいですね。それで、食品リサイクルでこの2,000万トンから出てくるエネルギー、メタンガスにしても何にしてもいいんですけれども、大体、私はその100分の1、石油換算だと20万トン、うまくいけば40万~50万トン取れるかもしれない。

 これは、先ほどから対策室長が言っているように、技術の改善によって少しずつ伸びていっても、2,000万トンのごみから2,000万トンの石油は絶対にできないわけです。水も含んでいるし、それは回収されている山田委員とかがよく御存じのように、この生ごみが燃えるとは思えないわけで、大体100分の1くらいにロスしてなってしまうと考えるのが普通で、多少その効率が上がっていってもその2~3倍というところだろう。それが、先ほどからおっしゃっている技術改善が進んでいるというところですね。そのぐらいのオーダーだと思ったほうがいいんですね。

 そうすると、現在日本が必要としているエネルギーの大体1,000分の1オーダーがこの食品リサイクルから持っていける最高だと私は思っています。要するに、私たちはこうやって電気をこうこうとつけてすごくエネルギーをたくさん使う生活をしているわけです。つまり、必要なのは1,000円だというときに、どんなに絞っても1円ぐらいしか貸してやれない男の話をしているんです。要するに、こんなところから回収するエネルギーはそのくらい頼りないエネルギーなんですね。

 それから第一に、もう何回も申し上げているんですけれども、私は化学工学というのを出たんですが、日本人はこういう思考法はすごく苦手なんですね。小さいところで少しでももったいないから何とかしようという思考法なんだけれども、最初に大づかみに全体をつかむという思考法は習っていないので苦手だと思うんですが、まずそれを押さえてください。これはどんなにリサイクルしたところで、日本が必要とするエネルギーの1,000分の1ぐらいしか出てこないということです。

 それから、山田委員から発言していただきましたが、私たちは肥料、パーティライザーとして使うものとしては、有機肥料の中でかなりたくさんの余るぐらいの畜産ふん尿を持っているんですね。この畜産ふん尿をリサイクルすると、いろいろな試算がありますが、日本で必要とする肥料そのもの以上のものができてしまう。これは、農水省がよく知っている肥料です。そうすると、畜産ふん尿も処理しなければいけないわけですね。これは官僚組織だから、今回は食品リサイクルだけやっているからそれは知らないというのは変な話で、これは霞ヶ関で話しているわけですから日本全体のことを考えたら畜産ふん尿の処理というのもかなり重要な問題なわけですね。

 そうすると、畜産ふん尿を肥料にするほうがはるかに混雑物が少ないということで、農業者も非常に受け入れやすいんですね。食品リサイクルだと何が入っているかわからないということで、皆さん自分の畑に入れるのを嫌がるわけです。やはりここのことをよく考えないと、この話は浮いてきてしまうんです。わかりますよね。

 要するに、全体のエネルギーの1,000分の1、それから飼料として戻していくというのは私はいいと思うんですけれども、それにしても日本は2,000万トンぐらいの飼料を使っているわけで、水を含んで何が入っているんだかわからない2,000万トンのうちのどれだけ戻せるかといったら、私は数十分の1だと思うんです。

 ですから、もったいないからリサイクルするという方針自体、私は賛成をしているんですが、現在それなりに市場の中でこれはいろいろなことが動いているわけですね。だから、先行事例で頑張っている方々がいらっしゃるということで、それはある意味でそんなにお上から言われなくても自分たちの市場原理の中で動かして、そこそこ利益が出るというところで動いているシステムが現在動いているわけですね。それに対して、私たちは後づけで少し押してあげようということがこれの位置づけなんです。

 ところが、大変よく整理されているんだけれども、だんだん読んでくると、日本の官僚の悪い癖として完璧主義が出てきてしまうんですね。それで、これ全部を網羅していこうというのが非常に強く出てくると、これだけ読んでみると何となくおとぎの国の話になってしまうんですね。

 一番私が質問しようと思ったのは、また出てきてしまったバイオ産業都市ということで、自立とか、大変きれいな文字が並ぶんですよ。でも、これは10年前からやって、さんざん総務省からたたかれたこととまた同じことを、文句も変えていないからちょっと笑ってしまうんです。普通、文句ぐらい変えろよという感じがするんだけれども、日本の官僚組織が『失敗の本質』という私たちの分野の本で、システム論でやるんですが、よく犯しがちな同じ間違いを繰り返す。

 それから、総務省から入ってきた、こういうふうにしなさいという改善のところとの会議の連携が極めて悪い。こちらはこちらで官僚組織として文句を言うんだけれども、受けているほうは聞いたような、聞かないようなふりで、また似たような作戦プランを使うということで、ぜひこの辺についてもう少しコンシステント、全体的なお話を少し伺いたい。

 または、それならば個別じゃなくて委員長から伺ってもいいです。事務局からでもいいですし、委員会でずっと9回やってきて、最初にやったような話をまたやらなければいけないというのは私もちょっとくたびれるので、ぜひこの辺をお願いします。

 全体の像を明らかにしていかないと、きれいなものはできるんだけれども、何となくいつもなかなか収束していかないということです。ぜひ、委員長お願いします。

○牛久保座長 ありがとうございます。この意見は前回もお伺いして、それを反映して今回検討内容をつくられたというふうに理解しております。

 バイオマスの件につきましては、食品廃棄物も当然バイオマスの一環という議論の中で、本質的な議論をしなければならないということは十分理解しておりますけれども、今回はその中での食品リサイクルに特化して食品廃棄物をいかに再生利用すべきかという議論をすべきだと御理解をいただければというふうに私は思っておりますので、御意見として承っておくということでよろしいでしょうか。

 時間の関係もございますので。

○川島委員 時間もありませんし、私も大人なのでそれでいいことにしますが、ぜひ議事録等にはきちんと残しておいてください。

 それから、将来にわたって川島がこういう発言をしたということがさかのぼって、また何年か後にこれが失敗してたくさんの公費を無駄に使ったとかということになったとき、私はその委員の一名だというときに、ちゃんと私の発言を担保するような形にしておいていただきたいと思います。

○牛久保座長 石川委員、委員長として御意見がありましたら。

○石川委員  川島委員から非常に高い見地から御批判をいただきましたので、それについてお答えしておきたいと思います。

 まず、1つの論点はメタン発酵に関して、簡単に言うと日本全体の一次エネルギー需要と比較して量が小さく、こんな効率の悪いものをやるのかという御批判だろうと思います。絶対量が小さいと言うのは、また効率とは別の問題です。この点に関して私の理解としては、ここの食品をリサイクルする、食品の廃棄物をリサイクルすることは幾つか目的がありますが、1つの大きな目的は最終処分量を減らしたい。焼却もできるだけやりたくない。つまり、廃棄物政策の一環だということが一つ明らかにある。

 そのための手段として飼料化、肥料化、それからメタン化などがあるわけで、目的は別にエネルギー政策じゃないんですね。手段の中にたまたまエネルギーというのがあって、それをやっているだけなので、それがエネルギー政策として行われているものと比べて、効率が低いからだめであるということにはならない。

 主たる目的は、埋立処分量を減らしたい。それから、自治体における焼却の負担を減らしたいということですから、まずそこの便益を別に置いておいて、副次的便益の部分だけを取り出して効率がいい悪いを云々するのは論理が間違っているというふうに思います。

 それから、バイオ産業投資に関しては、私は詳細はよくわかりませんが、川島先生の御批判はもっともだろうと思います。

 ただし、これは全体のもっと大きなところで政策的に整合させないといけないという議論になりまして、正しい議論なんですけれども、これは恐らくこの委員会の中では閉じないし、正論ですが、残念ながらここでは結論を得ることは多分できないだろう。

 だから、先延ばしにするとか、右のものを左にパスするだけということになってしまうんですけれども、必要性は私も同意しますが、この委員会でこれ以上議論しても仕方がないのではないかと思います。以上です。

○川島委員 1点だけ、メタン回収がエネルギー政策ではなくてごみ処理政策だというのは私も理解しているつもりです。その委員会なので。

 それで1つ、いつもメタン発酵で、だからこのことは言わなければいけないんですね。熱回収をするほうが楽なのか、メタン回収をして消化液をどうするという話がいつも出てきますね。ここら辺の費用のバランスのようなことがきちんと出てこないと、いつも堂々巡りになっているんです。

 この点と、それから石川委員の発言はよくわかるので、その趣旨もこういう論点を踏まえたものに極めて最初の部分でよくわかるように、私たちが何をやっているんだというのを書いていただかないと、きれいな文章でもわからないと思います。

○牛久保座長 それは、食品リサイクル法の趣旨のところに食品廃棄物について発生抑制と減量により最終処分量の減量と再生利用等の取り組みを促進する。要するに減量化したりしていくという廃棄物対策上の問題の書き込みがありますので、そこは御理解いただければと思います。

○川島委員 わかりました。

○牛久保座長 堀尾委員、関連ですか。では、済みませんが、簡潔にお願いします。

○堀尾委員   川島先生ほど熱弁は振いませんが。まず非常に重要な議論がされているので、やはりどういう議論がされたかということをきちんと皆で共有していく必要があるだろうと思います。

 ただ、その前に私も質問もしたかったのですが、この熱回収の条件のあり方の検討結果というところにいろいろな効率性やら、エクセルギーやら、エネルギーがありますね。

 しかし、今の議論に入ってそれをやる価値があるのかどうか。効率がひとり歩きしていて、あるいはエクセルギーという少しわかりにくいものが入っています。しかもエクセルギーのほうがエネルギーよりも数値が高くなっている。普通、エクセルギーはエネルギーよりも数値が小さいのです。エクセルギ―はアベイラブルエナジーだからその全部は使えないはずなのに、エクセルギーのほうが大きくなっている。なにかのトリックがあると思うのですが、そういうものが十分な説明なしに出され、あたかもエネルギー回収に何か大きな可能性があるような議論になってしまっているんです。エネルギー回収とはいっても、経済性が重要です。それは、あくまでも基本は廃棄物の衛生的処理ですから。

 つまり、エネルギーということを美化するために、何かそれがいい方向なんだというふうにデータが気分的に使われている可能性がある。あるいは、これから使われていく可能性がある。ここにいらっしゃる皆さんよくおわかりだとは思いますが、そうならないようにしておかなければいけない。石川先生は、単にに副作用の議論をやっているのではないか、とおっしゃるのですけれども、意外と副作用じゃなくて錦の御旗になってしまうのではないかという感じがしないでもない。

 さて、先ほど来、私は現業の方の御発言をお聞きしてから発言させていただきますけれども、いろいろな立場によってそれぞれ御意見は違うのですが、やはり廃掃法と食リ法の関係についての整理が必要です。食料というのは食べるもの、皆が常に毎日やっていることに関係するわけなので、そこの部分の性質をもっと強調されないと、廃掃法とのごちゃ混ぜの議論になってしまう可能性がある。

 例えば「モノからモノへ」の再生利用という言葉がこれまでのリサイクル法の概念をそのまま持ってきてしまっているのだけれども、そういう概念の延長では食リ法の基本精神は維持できないのではないか。常に混乱してしまうのではないか。やはり食リ法においては食べることの重要性、国民一人一人が参加できるリサイクルであること。そして、生産者も近くにいる。だから、リサイクルループという概念が出てきたんだ、というように、きちんと原理原則をはっきりしておくべきだと思います。そうすれば、先ほどの海外へ行っちゃうだとか、いろいろな議論もその基本精神に基づいて守れるのではないか。

 それから、さきほど、室長は、そろそろ安全指定が出せるようになったとおっしゃったのですが、やはり安心できない技術もあるということも押さえておかないといけない。経済性がない技術を採用してひどい目に会うということがこれまであったと私は思います。ですから、やはり国としては安心できないものがあるということを踏まえた警戒警報も発令していただかないといけない。以上、ほとんど質問ではなく意見になってしまいましたが。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。

 それでは、順番を逸脱しまして済みません。まず、五十嵐委員のほうから順番にお願いしたいと思います。

○五十嵐委員 非常に皆さん高い見地のお話で、いきなり低い見地のお話になってしまって恐縮ですけれども、どこのページということではございませんで、3つございますので、簡単にお話をさせていただきます。

 先ほど、町の飲食店の方々に食品リサイクル法の認知度が低いんじゃないかという話があったんですけれども、認知度どころか、食品リサイクル法が存在するということすら知らない方が多くて、先般もある店主の方に、捨てるごみに金なんかかけられるかと言われてしまいました。そういうレベルで、大規模事業者と町場のそういう飲食店の方々と、廃棄物に関する温度差がすごく大きいということを毎日痛切に感じています。これは、やはり本当に食品リサイクルということを考えたときには、個別指導まではいかないですけれども、やはりきめ細やかな動きというものが将来的にもっと必要になってくるかということが1つです。

 2つ目は、いつもリサイクルするときに出口問題、入り口問題とあるんですね。入り口問題については、私どももホテルのレストランの廃棄物を肥料化させていただいたりすると、100トン以上出る事業者はその目標値に達すると、もうそこでその年のリサイクルをストップさせてしまう。だから、例えば4月から始めて8月でその目標値に達成すると、9、10、11、12と、その年の後半戦はやらなくなっちゃうんです。ですから、目標値に達したんだけれどもそれでいいということではなくて、何か事業者にもっと励みになるメリットがあると、せっかくやっているわけですから、もっと引き続きやっていくのではないか。そういう入り口の問題があります。

 出口問題としては、やはりつくった肥料、飼料がどうはけていくかということがすごく大事で、例えば農協さんをどう動かしていくか。農協さんが全国的に動いていただくと、もっともっとスムーズにコストがかからずはけていく。農協さんのお力をもっとお借りしたいということです。

 最後は入札価格の問題なんですけれども、肥料化、飼料化するときに、入札で行政さん、市町村さんがお選びになるときがあるんですが、私どもが入札に呼ばれて応札したときに、幾ら何でもこの値段じゃ肥料はつくれない、飼料はつくれないという価格で落札していく。入札の適正価格というものをもう少し何かの形で御指導いただくとありがたい。非常に信じがたい金額で落札していきます。こういうことが続くと、結局不適正処理につながっていくのではないかと思いますので、ぜひリサイクルの入札価格も今後は見ていっていただければありがたいと思います。以上です。

○牛久保座長 ありがとうございました。

 それでは、犬伏委員よろしくお願いします。

○犬伏委員 だんだん言うことがなくなってくるのですが、川島委員と同じように、私も石川委員も実は化学工学をかじったもので、農学部、経済学部に入る前に化学工学におりましたので、大づかみの議論は非常に重要だということはわかりますので、その上で幾つかお話をしたいと思います。

 まず、リサイクルの中に必ず農業者というのがいるわけですけれども、飼料化に比べて肥料化の達成がおくれているというところは今までお話がありましたように、やはり農業者、あるいは消費者にとってメリットが見えない認証制度、いろいろあると思うんですけれども、そういうものが認知されていないということがひとつ問題だと思います。

 15ページのところに「技術的支援」ということで、エコフィードと食品リサイクルのマークが出ていますけれども、畜産のほうから見たときにエコフィードは非常によく認知されていて、一方で農業者にとってこのリサイクルが十数件しかないということの原因があるのかどうか。

 それから、細かいことですけれども、真ん中のフードリサイクルのところの高付加価値価値の肥料生産という青い矢印のところに書いてあります。このかちんかちんになっているところがやはり一つの硬直の理由じゃないかと思うので、本当に高付加価値が皆に認知されればどんどん利用されていくものじゃないかと思うんですけれども、そこら辺のところが農業者に、あるいはさらに消費者に認められないと、いつまで経っても回らないということじゃないかと思います。

 それで、例えば消費者にとって今はリサイクル食材よりもやはり有機農業というのは絶対皆さん志向があるわけです。ですから、農水省の施策として有機農業推進法を出されているときの、その施策との整合性というものをもう少し前面にうたっていただくことが必要だと思います。食料なり飼料の国内自給率を高めるということは、やはり一つのバックボーンとして重要なところだと思います。

 それからもう一つは、10ページの「再生利用施設」の交付率のグラフのところですけれども、ここに一つ気になる赤い矢印が書いてあります。これが更新需要ということで、今までなかったものがどんどん上がってきているということで、確かにリサイクルループをつくる段階ではバイオリアクターなり、いろいろなリサイクラーや立派な施設ができるんですけれども、これが原子炉の廃炉じゃないですが、やがて寿命を迎える。

 このところを見込んでこの赤い矢印がしてあると思うんですけれども、そういったインフラを再整備していくというところが、この赤い矢印がどういう根拠でここに書かれたのか。それに対してきちんと施策として裏づけていかないと、毎年570億使われているものが、新しいものをどんどんつくっていって最先端を追うことは確かに重要かもしれないですけれども、今までつくられたものをどう管理、維持していくのか。つくり直していくのかというところが重要ではないかと思います。以上、よろしくお願いいたします。

○牛久保座長 御意見として承っておくということでよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。では、片山委員どうぞよろしくお願いします。

○片山委員 それでは、3点ございます。

 まず1点目が、1ページのところで業種別の目標値の達成ということがございます。食品小売業はコンビニエンスストアも入っておりますけれども、一応目標は達成した状況となっております。それから、フランチャイズチェーン協会でございますのでファーストフードチェーンなどもございますけれども、24%という結果となっています。中には高い率でリサイクルが実施されているところもありますが、これは見ていただくとわかるとおりで、毎年、何とか頑張ってここまできたということです。従って、今回見直しをされる中でさらに高い目標が設定されるということになると、その達成はかなり厳しい状況にありますので、ぜひ、そこは慎重に考えていただくようお願いします。

 それで、この後のページでいろいろとリサイクルの方法が出てきますけれども、フランチャイズの場合、それぞれは個人の加盟店で中小でございまして、廃棄物にかかるコストの負担というのも非常に大きいです。ですから、どんどんリサイクルするためにいくらでもコストが負担できるかというと、それもかなり難しいところがございます。頑張って、リサイクルの施設も増えてきて、やっとここまできているということは、ぜひ、御理解いただきたいと思います。

 それから、3ページでございますけれども、定期報告の中で都道府県別の発生量を報告するということになっております。これは、我々からするとかなり作業的には煩雑になるのですが、これは発生量と再生利用量を記載すれば良いということですか。発生抑制量は記載しなくてもいいわけですね。発生抑制量までとなると、かなりハードルは高くなりますけれども、そこはいいということですね。また、都道府県別の実績というのはせっかく出すものですから、そうであれば、ぜひお願いしたいのは、16ページのところで再生利用製品をそれぞれの地域に合わせて、と書いてあります。地方自治体と言いながら一般廃棄物なので対象は市町村になるのですけれども、ぜひ都道府県のかかわり方について記載していただきたいと思います。市町村だけでは、小さいところはなかなかそこでリサイクルを進めるというのは難しいと思いますので、せっかく県別に量を報告するのであれば、都道府県も市町村と連携をして進めていくというような内容で記載していただけると、我々も報告する甲斐があるということでございます。ぜひ、お願いしたいと思います。以上です。

○牛久保座長 どうもありがとうございます。

 それでは、先に日吉委員、済みません。お待たせしました。その後、酒井委員、崎田委員という順番でお願いできればと思います。

○日吉委員 先ほどの1ページですね。食品製造業はお陰様で95%いっているということで、これはこれで順調に進んでいるなと思っているのですが、昨年、食品産業センターのほうから熱回収のことで少し要望がありましたものですから、そのことについてお聞きしたいのが1点と、もう一点は全く個人的な意見です。

 1点が、そもそもその熱回収の75キロという距離を決めたところの基準がよくわからないのでそれを教えていただきたい。

 それから、先ほど御説明がありましたけれども、食品事業者は基本的に食品リサイクルについては、熱回収はもう無理だというふうにかなり断定的に考えているところがあるんですね。ですから、やはりそれについてはそうではないという、いわゆる宣伝というんでしょうか、そういう広報はぜひお願いしたいと思います。

 それから、あとは別件なんですけれども、19ページの主体間連携ですが、環境教育において3Rについてはかなり進んでいるというふうに私は聞いているんですけれども、食品廃棄物に関する環境教育、あるいはそれと反対側の川上の資源の枯渇みたいなことですね。この辺のトータルでのいわゆる教育のマニュアルであるとか、ガイドラインであるとか、そういったものをひとつ考えられたらよろしいかと思います。

 最後は個人的な意見です。以上です

○環境省庄子室長 まず1点目は、熱回収の条件についてのお尋ねでございます。熱回収が再生利用等実施率の算入対象とされたのは、前回の平成19年の法改正で熱回収が追加されたことによるものでございます。そういったことで、熱回収の条件そのものは平成19年11月に環境省と農水省の合同審議会の答申の中で位置づけられたということでございますが、その際の考え方に関しましては参考資料2を御参照いただければと思います。

 参考資料2の1ページ目に、半径75kmという要件についての考え方を紹介してございます。1ページ目に「現行の要件」ということでございますが、「食品循環資源の排出事業場を中心として半径75㎞の円の範囲内に再生利用施設が存在しないこと」ということでございます。それから、②といたしまして、上記①以外の場合において、次のいずれかに該当する場合には熱回収として認められるということになってございます。

 それで、75kmの理由でございますが、「考え方」とございます。平成19年当時に、登録再生利用事業者における再生利用の実施状況ということで調査しましたところ、食品関連事業者の事業場と登録再生利用事業者の再生利用施設の間の距離が75 km以内である場合が80%、既にその時点であったということでございまして、他方で75 kmを超えた運搬を行うことは過大な経済的負担を課すことになるのではないかという考え方でございました。

 それで、今回改めまして、登録再生利用事業者における食品循環資源の受け入れ状況の調査を実施したところでございまして、そちらを2ページで紹介したところでございます。

 まず、「再生利用施設の立地状況」ということで地図上にプロットしまして、その登録再生利用事業者の事業場を中心とした半径75 kmメートルの円を描いた場合、このようになるというのが下の日本地図でございますが、北海道の一部、あるいは東北地方の日本海側に空白の地域がございますけれども、それ以外の地域においてはおおむね75 km圏内に登録再生利用事業者が存在する形ということでございます。

 それから右でございますが、今回、登録再生利用事業者に対して食品循環資源の受け入れ状況に関する調査を行いましたところ、下に表がございますが、登録再生利用事業者から見て25 kmの範囲内の事業場から受け入れをしている事業者というのが37%いたということでございます。それから、25 km、50 km、75 kmと見ていただきますと、やはり約80%が75 km以内に位置している食品関連事業者から食品循環資源を収集しているという実態が確認されたということでございまして、この実態といたしましては平成19年11月の答申の時点との違いはないのかなと思います。

 その経済状況の変化ということでございますが、実際にそういった飼料化、肥料化、メタン化の取組をしていただいているということで、先ほどの取組の優先順位に照らして考えますと、特に75 kmという要件を変更するのは妥当ではないのではないかという結論でお示ししたところでございます。

 ただ、そういった中で、熱回収の条件がわかりにくいのではないかという御指摘がございました。その点に関しましては、例えば先ほど、塩分濃度が高い場合に熱回収を行うことができるという考え方の整理も必要ではないかと思ってございますし、あるいは熱回収施設を持っている事業者、施設がどういったところに立地しているかといったような条件をきちんと御提供する形として考えたいと思ってございます。以上でございます。

○牛久保座長 よろしいでしょうか。

○日吉委員 御説明はわかりました。

 ただ、例えば熱回収に関してBDFとの比較であるとか、その発電効率については科学的な基準があるのに、距離に関しては8割カバーして75キロという決め方は何となく釈然としないなとちょっと思いますけれども、御説明自体はわかりました。

○牛久保座長 それでは、酒井委員よろしくお願いいたします。

○酒井委員 先ほど、食品リサイクル法の意義という点についての議論がございましたので、1点追加をさせていただきたいと思います。

 基本的には、このリサイクル法の意義の中に食品ロス対策、抑制の観点をやはり今回相当考えるべき時期にきているのではないかということをちょっとつけ加えておきたいと思います。その点は、石川先生もおっしゃった廃棄物政策の一つという文脈で捉え得るところかと思いますが、恐らくこの食品ロスの持っている間接的なエネルギーということを考えると、これは相当量になっていく話だろうというふうに認識しております。

 先ほど1,000分の1という一つの数字の御紹介がございましたが、少なくともパーセントオーダーのエネルギーであったり、あるいは温室効果ガスといったことの効果というのがここで生まれてくるはずでございます。ちょうどそこは世界中がまさに模索を始めているところであるということの中では、日本の諸制度の中でダイレクトに扱えることのできる食品リサイクル法という意味では、ここは食品リサイクル対策という意味では極めて重要な政策の一つであろうと思っております。そういった意味で、ぜひここでの議論を大事にしていただきたいと思います。

  その意味で、前回、対策業種を追加されるといったようなことも含めて決めていただいているということは非常に結構なことだとは思いますが、1つお願いをしたいのは、盛んに食品ロスという言葉がこの紙の中にも出てくるんですけれども、食品ロスとは何だというところで、食品ロスの定義をやはりかちんと今、定めるべき時期にあると思います。これは国際機関もそれぞれ相当検討を始めてきているところですので、そういったものと足並みを合わせながら、一体ジャパンはどうするのかということを少なくとも決めていただきたい。

 目標が日本全体で幾らだということを設定するのが難しければ、せめて定義のところはちゃんと考えて一回、今回出しませんかということだけは御提案しておきたいと思います。以上でございます。

○牛久保座長 それでは、崎田委員どうぞお願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。コメントになるかと思いますが、2つほど短く言います。

 1つ目は、やはり今の食品ロス削減なんですが、私は食品ロス削減はとても大事なことだと思っておりますが、自治体が呼びかけることで消費者とか、小売店とか、外食とか、一緒になってできることがあると思いますので、やはり自治体がどういうふうに呼びかける先進事例があるかということの共有が大事だと思っております。

 ここに配っていただいたチラシにいろいろお問い合わせ先があるんですが、ぜひ環境省のほうも、例えば先進的な自治体がどういうふうに取り組んでいるとか、何かホームページに入れて、そういうところを表記していただくとか、そういうこともしていただければ大変うれしいと思います。

 9都県市も、去年は埼玉県が事務局でこの部分をやって1年終わって、新年度は神奈川県が事務局になるということですが、やはりテーマは変えないほうがいいだろうというふうに今、話が動いていると伺っていますので、この辺は今、自治体も大変関心が深まってきていると思っています。

 なお、もう一つの点ですが、私はきょう参考資料4を出していただくように実は前回お願いをしたものです。なぜこういうものをお願いしたかというと、食品ロス削減という、食材を大事にするということを担保した上で、最終的にきちんとメタン発酵とか、そういうものもきちんと活用してエネルギーを使うということで、全体でバランスよく制度を進めていくことが今とても大事だと思っています。

 それで、これに関しては先ほど原子力政策にまつわっていろいろ御意見があったんですが、私はここ3年間エネルギー基本計画にかかわってきた者として、やはりエネルギー資源の自給率が非常に少ない日本にとって、ある程度原子力の存在を認めなければいけないけれども、できるだけ減らすためにどういうふうにやるか。

 社会全体で取り組むということを踏まえて、再生可能エネルギーの固定価格買取制度などを入れてきたという背景もありますので、やはり一つ一つは小さいかもしれないけれども、こういうものを集めて地域がエネルギーをきちんとつくって活性化していくというのは非常に重要な視点だと思っております。

 ただし、そこが余りにもコスト的にバランスを欠いているとか、そういうことになってしまってはいけないわけですので、やはりきちんとした制度設計が必要だと思っております。

 私は今どのぐらいの数字になっているのかということが気になっていたので、今回メタン発酵ガスは15件が運転開始で、認定を受けているのは39件ということで、大体、今のところ1つの自治体に1つぐらいの感じで計画が進んでいるのかなという規模感が見えてきたんですが、先ほどの資料の12ページのバイオマス産業都市の選定というのが、第1期と第2期と合わせて16地域ですので、ちょうどこういうところが1つの地域で1つぐらいずつ入れているのかなという規模感を今、見ています。

 そういう意味で、日本全体の中で飼料、肥料とか、そういうところをしっかり使った上での全体像というのをつくっていただくのが大事だと思っております。

 なお、このバイオマス産業都市に関してですけれども、以前のバイオマス・ニッポンに対する総務省の評価が大変低かったというのは周知のことで、その上で新たな視点でもっと地域性に対応した技術とか内容を入れていくということで、新たな視点でこういうふうにやっておられると思うので、そういう社会の期待をしっかりと実現して、この制度がいくように進めていただければ大変ありがたいと思っております。よろしくお願いします。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。

 そろそろ時間になっておりますけれども、何か御意見、御質問ございましたら。

 では、手短に恐れ入りますが、よろしくお願いします。

○鹿股委員 熱回収のあり方、条件についていろいろと議論がありましたけれども、今までの流れから見ると、今回、消化液の扱い方によってその位置づけが変わるというのは前進したと思うので、評価したいと思います。

 しかし、この事業を公共じゃなくて民間事業者が担うということになりますと、その消化液を、例えば下水道に流してもいいだとか、そういうことになれば別ですけれども、そう簡単にはいかないんじゃないかと思います。

 もう一つは、塩分・油分の多いものを熱回収の条件にというのは何に対して多いのかということです。一般的に食品残さは動物が要求する栄養成分で見れば、ほとんどの場合、塩分も油分も多いわけです。食品製造副産物で有価で取引されているものは別ですけれども、大体はほとんど当てはまってしまうんじゃないかということです。

 食品残さの中の比較で言うのであれば分かりますが、「家畜の要求量に対して」といったらほとんどが当てはまってしまうんじゃないかということを一言加えさせていただきます。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。

 それでは、最後に鬼沢委員のほうからお願いします。

○鬼沢委員 済みません、最後のページの2つ目の○に「国と地方自治体の間の情報共有」とあるんですが、国の中の省庁間の情報共有も非常に大切だと思います。この中にきっと入っていると思うんですが、実は先週ありました食品ロス削減に向けてのシンポジウムで消費者庁長官が出てこられてお話されていたんですが、ほかの省庁でのプロジェクトの紹介もあったんですが、私たちはそういうことをやはり知らなかったなと私は実際に思ったんです。

 そして、物流の事業者さんが非常に熱心に取り組んでいらして、近い将来こういうことを目指したいということを明確におっしゃったことは非常に心強い発言だと思いましたので、やはり省庁間の連携と、消費者がもっと食品リサイクルを知っていくためには、消費者庁にもっともっと頑張っていただくのがいいかなと思ったので、そのことだけつけ加えます。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。

 それでは、最後に農水省のほうからお願いします。

○農林水産省長野室長 大変御批判のある中ですけれども、最後に一言。

 バイオマス産業都市につきましては、当時バイオマス・ニッポンに私はかかわっておりましたので大変じくじたる思いはございますが、その反省を踏まえ、地域の先導性、実現可能性、波及効果、実施体制、実現性を踏まえて、第三者による厳正な審査をした上で、事業化プロジェクトとして現在第2期の応募で選定をしているところでございまして、まさに地域の中では今、自分のところにどんな資源があって、これをどう活用していくのかを考えて事業化を推進していこうと言っている矢先でございますので、ぜひ温かい目で応援をいただければと思っております。以上です。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。

 それでは、まだ御意見、御質問があろうかと思いますけれども、本日は非常に貴重な御意見ありがとうございました。

 ここで、7月の論点整理に示されました個別の論点については一通り審議を尽くしたと思っております。事務局において、前回の議論も含めまして更に精査していただいて、まとめの方向性に向けていただければと思っております。

 最後に、次回の合同会合について事務局に御説明をお願いいたします。

○農林水産省長野室長 次回は5月ころを考えておりますので、また先生方に日程調整を行った上で改めて日時等を御連絡差し上げたいと思います。

 本日いただいた、塚本委員と石島委員の意見も含めまして、先生方の御議論を含めまして、次回の資料を準備させていただきます。以上でございます。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。

 平成25年度の年度末にふさわしい、非常に白熱した議論をいただきましてまことにありがとうございました。

 本日は本当に御多忙中の年度末のところ御出席賜りましてどうもありがとうございます。本日の会合は、これで終了させていただきます。

 御協力、どうもありがとうございました。

午後 0時00分 閉会