中央環境審議会循環型社会部会 家電リサイクル制度評価検討小委員会、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会 電気・電子機器リサイクルWG 合同会合(第38回)議事録

日時

令和3年4月19日(月)1400分から1630分まで

場所

Web会議

議題

(1) 家電リサイクル法に基づくリサイクルの実施状況等について(報告事項)

(2) 審議の進め方について

(3) その他

出席者

田崎智宏座長、細田衛士座長、石川雅紀委員、伊藤章委員、梅田靖委員、浦誠治委員、大石美奈子委員、
大熊洋二委員、大塚直委員、小原英夫委員、河口真理子委員、川村仁志委員、河野博子委員、小迫敏宏委員、
崎田裕子委員、高橋修委員、滝沢朝行委員、西尾チヅル委員、萩原なつ子委員、平岡利枝委員、三嶋恒夫委員、峯田季志委員、宮野譲委員、村上進亮委員、山本雅資委員、吉岡均委員

○環境省・小早川補佐  ただいまから「第38回産業構造審議会産業技術環境分科会 廃棄物・リサイクル小委員会 電気・電子機器リサイクルワーキンググループ 中央環境審議会循環型社会部会 家電リサイクル制度評価検討小委員会合同会合」を開催いたします。私は事務局を務めます環境省環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室の小早川でございます。よろしくお願いいたします。

 本会合の事務局及び議事進行は、経済産業省と環境省で持ち回り開催とさせていただいております。今回は環境省が事務局を務めさせていただきます。

 まず本日の合同会合は、中央環境審議会は17名のうち16名が御出席いただいております。産業構造審議会は21名のうち20名に御出席いただいております。両審議会とも定足数である過半数に達していることを御報告いたします。

 また、産業構造審議会の三嶋委員におかれましては、所用により本日16時頃の御退席予定と伺っております。

 続きまして、前回の会合から座長の交代がありましたので御紹介いたします。中央環境審議会側の座長をお務めいただいていた細田衛士様は、中央環境審議会の任期の定めによりまして退任され、田崎智宏様に中央環境審議会の小委員会の座長に御就任いただきました。細田衛士様には、引き続き中央環境審議会循環型社会部会家電リサイクル制度評価検討小委員会の専門委員として参画いただくとともに、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルワーキンググループの座長をお務めいただいております。

 続きまして、本日御出席いただいております委員の御紹介をさせていただきます。オンラインでの開催のため、お名前だけの御紹介とさせていただきます。まず、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルワーキンググループより御紹介いたします。

 一般財団法人家電製品協会専務理事の伊藤章様。伊藤様には中央環境審議会循環型社会部会家電リサイクル制度評価検討小委員会の委員もお願いしております。

 続きまして、東京大学大学院工学系研究科人工物工学研究センター教授の梅田靖様。

 全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会中央執行委員産業政策部長の浦誠治様。

 公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会代表理事・副会長環境委員長の大石美奈子様。

 公益社団法人全国都市清掃会議専務理事の大熊洋二様。大熊様には中央環境審議会循環型社会部会家電リサイクル制度評価検討小委員会の委員もお願いしております。

 一般社団法人電子情報技術産業協会テレビリサイクル委員会委員長の小原英夫様。小原様には中央環境審議会循環型社会部会家電リサイクル制度評価検討小委員会の委員もお願いしております。

 立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授・株式会社大和総研アドバイザーの河口真理子様。

 株式会社ビックカメラ代表取締役副社長執行役員の川村仁志様。川村様には中央環境審議会循環型社会部会家電リサイクル制度評価検討小委員会の委員もお願いしております。

 ジャーナリスト・公益財団法人地球環境戦略研究機関シニアフェロー・大正大学 客員教授の河野博子様。

 ジャーナリスト・環境カウンセラーの崎田裕子様。崎田様には同じく中央環境審議会の小委員会の委員もお願いしております。

 本日御欠席の連絡をいただいております株式会社杉山・栗原環境事務所取締役・岐阜女子大学特任教授の杉山涼子様。

 大手家電流通協会環境リサイクル委員長の高橋修様。高橋様には同様に中央環境審議会の小委員会の委員もお願いしております。

 筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授の西尾チヅル様。

 立教大学社会学部教授の萩原なつ子様。

 一般社団法人日本冷凍空調工業会家電リサイクル対応プロジェクト委員長の平岡利枝様。

 株式会社ヤマダホールディングス代表取締役社長の三嶋恒夫様。

 全国電機商業組合連合会会長の峯田季志様。峯田様には中央環境審議会の小委員会の委員もお願いしております。

 一般社団法人日本電機工業会家電リサイクル委員会委員長の宮野譲様。宮野様には中央環境審議会の小委員会の委員もお願いしております。

 東京大学大学院工学系研究科准教授の村上進亮様。なお、村上様にも同様、中央環境審議会の小委員会の委員もお願いしております。

 東海大学政治経済学部経済学科教授の山本雅資様。

 続きまして、中央環境審議会循環型社会部会家電リサイクル制度評価検討小委員会の委員の御紹介をさせていただきます。

 神戸大学大学院経済学研究科教授の石川雅紀様。

 早稲田大学大学院法務研究科教授の大塚直様。

 本日欠席の御連絡をいただいておりますが、全国市長会環境対策特別委員会副委員長の桂川孝裕様。

 日本労働組合総連合会特別専門員(全日本自治団体労働組合中央執行委員・現業局長)の小迫敏宏様。

 全国知事会の滝沢朝行様。

 株式会社市川環境エンジニアリング常務取締役の吉岡均様。

 以上が委員の紹介となります。

 続きまして、経済産業省商務情報政策局情報産業課長の西川から御挨拶を申し上げます。

○経済産業省・西川課長  経済産業省情報産業課長の西川でございます。先生方、お忙しい中お集まりいただいて本当にありがとうございます。私のほうから簡単に挨拶といいますか、問題意識を含めて共有させていただきたいと思います。

 家電リサイクル法は御案内のとおり、平成13年の施行からちょうど20年経ったわけですけれども、引取台数も年間1,500万台まで増加し、再商品化率も高い水準を維持してきており、着実に成果を上げているのかなというふうに考えてございます。これも関係者の皆様の御尽力のおかげと思います。感謝申し上げます。

 今回3回目の評価見直しのキックオフ会合ということであります。前回は平成26年でございますけれども、過去の報告書に基づいて平成30年度に56%という回収率目標を達成しようということでやってきたわけですが、現在これが64%ぐらいまで行っているわけです。これまでの取組の評価と今後の改善の方向について、ぜひ皆様の御意見をいただければと思っております。

 議論の環境も数年前と大きく変わっていると考えています。この数年で日本や世界においてIoT家電が普及したこと。また、この1~2年でコロナの中で家電のインターネット販売の増加が見られること。市場にも変化が見受けられると思っています。また、循環型経済、サーキュラー・エコノミーへの転換の取組や、昨年秋に総理が表明いただいた2050年カーボンニュートラル、こういった地球環境を含むサステナビリティの実現に向けた政府・企業・消費者、それぞれのコミットメントが重要とされる社会になっていると考えています。

 こういう中で家電リサイクルのあり方ということについても、まさにしっかり見直しをしていかないといけないということでございます。委員の皆様からの忌憚のない御意見を賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。

○環境省・小早川補佐  続きまして、環境省環境再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課長の名倉から御挨拶申し上げます。

○環境省・名倉課長  環境省の名倉でございます。委員の皆様には、本日お忙しいところ御参加いただきましてありがとうございます。

 家電リサイクル法が平成13年に本格施行されてからこれまでの間に、家電リサイクル制度は国民生活に浸透しまして、廃家電4品目の引取台数は、平成28年6月に累計2億台を突破いたしまして、再商品化率は法定の基準をクリアする水準で推移しております。

 平成28年3月には家電リサイクル制度の施行状況の評価検討に関する報告書において、回収率目標を設定したことを踏まえ、各主体の取組目標をまとめたアクションプランを設定し、回収率は6割強、不法投棄台数は法施行後のピーク時の約17万台から約5万台に減少、小売業者の引取義務外品の回収制度の構築強化を進め、人口ベースで9割をカバーするなど、皆様の御協力によりまして着実な成果を挙げております。

 平成30年の廃棄物処理法の改正によりまして、これまで有価で取り扱われるため、廃棄物処理法の適用が難しかったいわゆる雑品スクラップにつきまして、その保管や処分を行う者に届出や処理基準の遵守を義務付けることで、規制の網をかけることができました。

 今回は、家電リサイクル制度の3回目の評価、見直しのキックオフ会合となります。コロナ後における持続可能でレジリエントな経済社会の再設計が不可欠となっておりまして、また昨年には菅総理から2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指すとの所信表明もございました。さらに先月にはプラスチックに係る資源循環の促進等に係る法律案が閣議決定されたところでございます。

 今回の会合ではそのような状況の変化も踏まえ、家電リサイクル制度をさらに発展させていくために、ぜひとも忌憚のない御意見を賜りたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

○環境省・小早川補佐  続きまして配付資料につきましては、事前に御案内させていただきました環境省、経済産業省のホームページに掲載させていただいておりますので、回線の関係上Web会議の画面上での共有はいたしませんが、委員の皆様にはそちらから御確認いただければ幸いです。

 資料は資料1~5となっており、ほか参考資料1~5を作成してございます。本会合の資料につきましては、原則全て公開とさせていただきます。また、会合終了後に発言者名を示した議事録を作成し、委員の皆様に御確認いただきまして御了解をいただいた上で公開いたします。

 また、本日はWeb会議での審議会ということで基本的には発言をされる場合を除き、マイクはミュート、オフにしていただければと思います。御発言の際には挙手ボタンを御使用いただくとともに発言の際にはビデオをオンにして御発言いただければと思います。

 なお、本審議会は、オンラインによるライブ配信をさせていただいております。

 議事に入ります前に1点資料の修正をお願いいたします。委員名簿の御所属の修正でございます。田崎座長の御所属に修正がありますので訂正させていただきます。国立研究開発法人国立環境研究所資源循環領域、資源循環型社会システム研究室長との御所属でございますので、ここで訂正させていただきます。よろしくお願いいたします。

 それでは、これ以降の議事進行を田崎座長にお願いしたいと思います。田崎座長、どうぞよろしくお願いいたします。

○田崎座長  皆さん、こんにちは。座長を務めさせていただきます、国立環境研究所の田崎です。どうぞよろしくお願いいたします。

 これまで全てのリサイクル法の研究に関わってきましたが、中でも家電リサイクル法は、施行以来ずっとウォッチしてきた思い入れのある法律であります。皆様の意見を傾聴し、産業構造審議会の細田先生と取りまとめに尽力していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは本日の会合ですけれども、平成26年に家電リサイクル制度の施行状況の評価検討に関する報告書を取りまとめてから、既にお話がありましたように、いろいろな市場の変化、環境の変化などがあります。今回より再度検討を行うということですので、事務局から状況報告を行いまして、皆様から意見をいただきたいというものです。両審議会の皆様には忌憚のない御意見をいただきたく、よろしくお願いいたします。

 本日は4時半終了予定ですけれども、オンラインで開催しておりますのでいろいろな意見につきましては、チャット欄などを使って御意見をいただければと思っています。ただし、チャット欄につきましてはお名前を書いていただかないと後で記録が取りにくいので、その点は御注意いただければと思います。

 また、普段であれば名刺交換というのができましたが、Web会議形式ではできない状況であります。名刺交換をして個別に議論していただくというのもリサイクル制度を考える上でも重要なことと認識しております。事務局に言っていただければ、委員の方同士で連絡先を交換するということはしたいと思っております。その点について支障がある方は御意見をいただければと思っております。そのような形式でよろしいでしょうか。

 よろしければそのようにしたいと思います。

 それでは本日の議事に入りたいと思います。お手元の議事次第にありますとおり、本日は3点の審議を行います。まず1番目の家電リサイクル法に基づくリサイクルの実施状況等について、こちらについて事務局から説明をお願いいたします。

○経済産業省・廣田補佐  経済産業省・廣田でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。資料は非常に大部ですので、かいつまんで御説明してまいりたいと思います。

 まず資料2を御覧いただければと思います。1ページ目、家電リサイクル法のポイントということでございまして、これは皆さん御承知かと思いますけれども、使用済みの家電4品目につきましては、排出者からの依頼に基づき小売業者が引き取り、それがさらに製造業者の指定する場所に運ばれて、製造業者によって再商品化されるという仕組みになっております。

 家電リサイクル法の歩みについて簡単に御説明いたしますと、平成13年4月に家電リサイクル法を本格施行いたしまして、その後平成20年に1回目の見直しの報告書の取りまとめを行いました。その後、平成26年10月に2回目の見直しに関する報告書を取りまとめまして、平成27年3月に回収率目標を設定し、その後平成28年3月に回収率目標を達成するためのアクションプランを策定するということで関係者の御協力をいただきながら進めてまいりました。

 3ページ目、回収率目標達成アクションプランに基づく取組をこちらにまとめてございます。今申し上げましたとおり、平成28年3月に策定した回収率目標のアクションプランに基づき、取組の類型として排出者による適正排出の促進ということで啓発、また経済的負担の軽減、排出ルート・回収体制等の整備強化を進めてまいりました。また、違法業者、違法行為の対策推進等ということで、環境省によるスクラップヤードの業者等の指導の徹底、水際対策、不法投棄対策などを行ってきたところです。また、事務局のほうでは流通フローの把握制度ということで、販売された家電がその後、どういったルートをたどって排出までたどり着くのかというフロー推計を毎年作成してきたところでございます。

 次の4ページですが、回収率目標達成アクションプランに基づく取組以外の取組もこれまでやってきたところでございます。幾つか御紹介しますと、廃棄物処分許可業者による処理状況の透明性向上ということで、フロン類の回収状況等を含む産業廃棄物処分許可業者・一般廃棄物処分許可業者の適正処理状況の調査があります。

 また、「再商品化ガイドライン」を策定して、ガイドラインに沿った再商品化等業務を実施したこと。有害物質管理の取組、また、購入時負担方式の検討との関係で諸外国の事例の情報収集等といったこともこれまで行ってきております。

 5ページ目以降は、昨今の家電4品目の国内の市場動向を御紹介いたします。こちらは、家電製品協会の家電産業ハンドブックから引用し、家電4品目の国内出荷の状況を御紹介しております。御覧いただいたとおりですけれども、国内出荷は昨今非常に底堅いというような状況が見て取れるかというふうに思います。

 また、6ページ目に近年の家電4品目の機能の動向ということで、リサイクルとの関係も含め御紹介させていただきます。薄型テレビにつきましては、昨今有機ELテレビが登場しておりまして、これまでは液晶テレビが家電リサイクル法の対象として挙げられておりますが、有機ELはまだ対象に追加しておりませんので、現場での取扱い等を今後考えていかなければいけないところであります。

 また、ルームエアコンはエネルギー効率改善ということが非常に進んでおりまして、大型化や人感センサー等、空調効率改善のための機能というものがいろいろとつくようになっております。

 7ページ目、冷蔵庫・冷凍庫については、主流が400リットルのものから500~600リットルということでこちらも大型化の動向が見て取れます。また、断熱材につきましても発泡ウレタン材から真空断熱材が採用されたり、傷つきにくいガラスドアの採用が増加したりと、一部で家電リサイクルにも影響が及ぶと思われる動きが現れています。

 洗濯機・衣類乾燥機につきましても、ドラム式洗濯機が縦型洗濯機にかわって人気を増しておりまして、複雑な機構をもつドラム式洗濯機の割合が多くなりつつあります。

 冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機またテレビ、エアコンも共通する機能としてIoTやAI機能を追加しまして、より便利なものということで市場に受け入れられているということでございます。

 一方、家電リサイクルに生じえる影響ということで、製品の大型化や重量の増加等については解体ラインの適応や、新たな解体方法の開発が考えられます。また樹脂使用量がそれまでの金属に代わって増加しているということもあり、高度選別の推進などをしていかなればならないのではないかというふうに考えております。

 8ページ目、参考までに環境省実証事業等における家電リサイクル関係の取組事例一覧を作成しております。こちらは御参考までに御覧いただければと思います。

 次のページ以降は、いつも御説明している家電リサイクル制度の実績ということで御紹介させていただきます。

 10ページ目、製造業者等による引取台数の推移でございますが、近年は非常に伸びているということが見て取れるかと思います。前回の見直しのとき、平成26年度は1,086万台でしたけれども、平成30年度には1,356万台、令和元年度は1,477万台ということになっておりまして、4品目合計で前年度比8.9%、品目別で一番多く増えているのがテレビで14.8%ということでございますが、いずれの品目も高い伸びを示しております。

 11ページ目、製造業者等による再商品化率の推移ということです。製造業者に再商品化基準の達成が義務付けられておりまして、例えばエアコンでいうと92%、重量比ですのでエアコンを回収してくるとそのうちの9割以上の重量がリサイクルされて新たな素材に生まれ変わり、売却されているということでございます。

 次は12ページでございますが、フロン回収量の推移ということで御紹介いたします。こちらは全体の回収量の増加に伴いまして、フロン回収量も増えており、製造業者等によるフロン回収が順調に行われているということでございます。

 14ページ以降は、製造業者等の再商品化等費用の内訳ということでこちらは製造業者等に対して再商品化料金については、法律上、額の設定について規制があることから、その規制についてモニタリングしているものでございます。左側から御覧いただきますと、①再商品化等料金収入ということで、こちらが再商品化料金、リサイクル料金の収入です。

 ②再商品化等費用は再商品化に係る費用でございますが、①番と②番を比べたときに、①のほうが大きくならないようにということが法律上の原則として定められております。原則、製造業者名は匿名化しておりますけれども、法律の規定に則り各社ともリサイクル料金とコストの収支が赤字となっています。

 17ページ目は参考までに製造業者等について定義を御説明しております。令和元年度、指定法人に委託していない製造業者等の引取台数ということで1,300万台でございますが、こちらは一定以下の生産台数の製造業者等については、指定法人に委託することができるということを定められていることから、こういったようなものをモニタリングしているものでございます。

 19ページ以降、特定家庭用機器廃棄物の引取り及び引渡しの状況ということで、こちらは小売業者21社に対して報告徴収を行い、適正な引取り及び引渡しが行われているかを確認しているものでございます。小売業者21社というのは、基本的に引渡しの量が大きい21社を選んでおりますが、この間、報告徴収の対象になっているような業者では、コンプライアンスの取組が進みまして、排出者からの適正な引取り及び製造業者への適正な引渡しというものが、しっかり行われているということが確認できております。

 特にエアコンなどはこれまでもこの審議会で議題になっておりますとおり、資源価値が高く、ヤード業者によって不正な引渡しが行われているというパターンも一般には見られておりますけれども、本資料では見られておりません。

 飛ばしまして22ページ、リユース・リサイクル仕分け基準の作成状況を御覧いただければと思います。こちらも報告徴収で21社に対して報告をお願いしているものでございます。リユースにつきましては、リサイクルよりも望ましいというものではございますけれども、しっかりリユースとリサイクルを仕分けなければ、廃棄物とそうでないものとの混同が行われて不正な状況が生まれやすいという問題がございます。環境省のでは仕分け基準作成のためのガイドラインに関する報告書というものを作っておりまして、これを参照してリユース基準を作っていただいています。21社のうち、「作成あり」ということで御回答いただいたのが9社で、「作成予定なし」12社ということですが、「作成予定なし」の12社は現在リユース品を取り扱っていないということですので、全体としてリユースが問題なく行われる体制ができているということであります。

 経済産業省からの御説明は以上で、以降、説明を環境省に交代いたします。

○環境省・小早川補佐  続きまして4.回収率の状況につきまして御報告させていただきます。24ページ目を御覧ください。回収率の定義といたしましては、出荷台数を分母に取り、適正に回収リサイクルされた台数を分子として算出しているところでございます。

 25ページ目を御覧ください。前回の見直しを踏まえ、回収率目標といたしましては56%を基本方針の中でも目標として掲げており、取り組んできたところでございます。経年変化を見ますと、回収率については増加傾向が見られると考えているところでございます。

 26ページ目を御覧ください。参考までに欧州主要国における電気電子機器の回収率ということでお調べしたものを掲載させていただいているところでございます。

 続きまして27ページを御覧ください。回収率に関しましては関連するその他モニタリング指標というものを設けて動向をモニタリングしてきたところでございます。27ページ目につきましては、先ほど御紹介した出荷台数ベースでの回収率というところで、こちらを見るとエアコンの回収率が低いというところが見て取れるかと思います。

 28ページ目を御覧ください。御紹介いたしました回収率の経年変化でございます。いずれの製品につきましても回収率は増加傾向にあるというところでございますが、エアコンの回収率は他の3品目に比べて低いというところが、こちらのグラフでも見て取れるかと思います。

 29ページ目を御覧ください。エアコンの回収率が低い理由につきまして事務局で分析した結果でございます。エアコンの回収率の低さとしては大きく3点ほど考えております。

 ①エアコンは資源価値が高いという理由があるのではないかということ。

 ②排出時の構造の違いというところでほかの3品目と違い、エアコンには取外し工事が必要であるということからも、通常の排出者が使用者となっていないケースも存在するというところで、排出構造の違いというところがエアコンの回収率の低さにつながっているのではないかと考えているところです。

 ③新規購入の多さというところで、エアコンの普及率は引き続き増加傾向にあるというところを踏まえますと、出荷台数を分母に取っているため、低めの回収率になってしまうということが、このモニタリング指標の構造、性格上あるかというところがございます。

 続きまして30ページ目を御覧ください。モニタリング指標の2つ目でございます。先ほどの出荷台数ベースではなく、排出台数ベースでの回収率でございます。こちらも4品目を見ると、エアコンの回収率というところは他の3品目に比べて低いというところはあるかと考えております。

 続きまして31ページ目を御覧ください。3つ目のモニタリング指標でございます。

 ③不法投棄台数と国内外スクラップ台数のところで、こちらの特徴としては不法投棄台数についてはエアコンが少なく、テレビが多いという状況が見て取れます。また、国内外スクラップ台数に関して、エアコンが多くなっているという特徴が見て取れるかと思っております。

 ④国内リユース台数といたしましては、テレビのリユースというところが一番他品目に比べると多くなっているというところが特徴として見えると思っております。

 続きまして32ページ目を御覧ください。こちらは重量ベースによる回収量を整理したものでございます。ブラウン管テレビ以外につきましては、回収台数の増加に合わせて回収量としても増加傾向にあるのではないかと見ているところでございます。

 続きまして、5. 使用済み家電のフロー推計のところで、こちらは参考でお付けしてございますが、例年全体の家電4品目合計のフロー推計というところに加え、品目ごとのフロー推計というものをお付けしているところでございます。

 ページを飛ばさせていただきまして40ページ目を御覧ください。不法投棄等の状況について御説明申し上げます。

 41ページ目を御覧ください。廃家電4品目の不法投棄台数といたしましては、グラフを御覧いただけると分かりますとおり、減少傾向にあると見ておりますが、下げ止まっているという状況というふうにグラフから見て取れるところでございます。

 続きまして42ページ目を御覧ください。家電4品目ごとの不法投棄台数といたしましては、特徴的なのがエアコンは不法投棄台数としてはかなり少なく、ブラウン管テレビが最も多くなっているという特徴が見て取れるかと思います。

 43ページ目を御覧ください。不法投棄される場所としては右の表でおまとめしていますとおり、ごみ収集場所への不法投棄が特徴として多くなっているとアンケート結果では見て取れるところでございます。

 続きまして44ページ目を御覧ください。未回収の不法投棄の状況としましては、回収が物理的に難しいであるとか、私有地に立ち入ることができないといったところが未回収のままになっている理由として多くなっているという結果が、アンケートから得られているところでございます。

 45ページを御覧ください。市区町村の不法投棄未然防止対策の状況でございます。対策といたしましては、巡回やパトロール、ポスター・チラシ等による普及啓発というところがメジャーな対策として挙げられているところでございます。

 資料2につきましては以上となります。

 一旦ここで資料2の御説明を止めさせていただきます。

○田崎座長  リサイクル法の実施状況についての説明をありがとうございました。質疑応答は議題の説明が全て終わった後で十分な時間を取りたいと思っておりますけれども、資料2について特に発言したい方がおられましたら、今御意見をいただこうと思いますが、どなたかおありでしょうか。

 山本委員から発言をお願いいたします。

○山本委員  ありがとうございます。不法投棄が私としては一番重視しているところです。今回もブラウン管テレビが非常に多いということで、例えば今コロナで断捨離がはやるなど、いろいろ目についてしまう退蔵品というのが多いかと思いますので、ここでひとつキャンペーンみたいなものを打って、もうブラウン管は生産していないし使用もできない状況だと思いますので、コロナ対策、経済対策という意味が含められるのか分かりませんけれども、ここで一掃するようなキャンペーンみたいなものをやるのも1つの手なのではないかと思いました。以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。御提案をいただいたということで、特にまだ事務局からの返答はなくてよろしいですね。

 では、また今の点も含めて後々議論をしていきたいと思いますけれども、続きまして、資料3-1~資料4まで、こちらも事務局から説明をしていただきます。どうぞお願いいたします。

○経済産業省・廣田補佐  資料3以降はこれまでのアクションプラン等に基づく取組の御紹介をしてまいりたいと思います。資料3-1は排出者(消費者等)に対する周知・広報活動等についてです。

 1ページ目、各主体が連携した周知広報活動の概要ということで御紹介いたします。こちらは①幅広い関係者の協力に基づく普及啓発ということで、例えば小売業者側から商業組合、政府側から経済産業省、地方環境事務所との意見交換ということで、家電リサイクル法に係る説明や意見交換等を毎年実施してまいりました。実績ということでは、毎年10回以上やっておりまして、令和2年度についても記載してはおりませんけれども、やはり数回行っています。コロナ禍でしたのであまり会合ができなかったという事情がございましたが、今後も進めてまいりたいと思っております。

 また、関係者の協力に基づく広報コンテンツの制作と展開ということで、資料の右側にポスターの例とかWebコンテンツを御紹介しています。家電量販店や地域電気店の店頭、公共施設、大学、会社といった場所にポスターを積極的に掲示していただきました。特にエアコンの買換えが多い夏場を中心に重点広報期間ということで活動しております。またWebコンテンツということで経済産業省での「政府広報オンライン」や「METI Journal」といった経済産業省全体、もしくは政府全体のWeb媒体にも記事を掲載し多重的な広報を実施しております。

 また、②経済産業局、地方環境事務所等による家電リサイクルプラント見学会ということで、消費者への周知を図るために特に児童・生徒、消費者団体や小売業者、一般消費者の方に御参加いただくような、見学会は非常に有効だと感じておりまして、こちらも全国の家電リサイクルプラントを経営している事業者の皆様の御協力をいただきたきながら、毎年実施している状況でございます。

 2ページ目以降は排出者の特性、行動に着目した周知広報活動ということでございます。1つは、リスティング広告ということでございますが、消費者は基本的に家電4品目を捨てる機会はそう多くはありませんので、そういった機会にはインターネットで検索するであろうと想定されるため、リスティング広告を展開しまして、経済産業省のコンテンツに誘導するというようなことを行いました。また不用品回収業者に対するチラシのひな型を環境省において作成したり、引越時に家電を処分しようとする排出者向けのチラシ、また引越業者向けにもチラシやリーフレットを作成配布したり全国7都市における説明会の開催を実施してまいりました。

 次のページ、②解体工事の際に排出される廃家電に関する周知・広報活動ということで、エアコンなどは特に解体工事に伴って排出されるパターンが多いので、そういったようなシーン向けの周知・広報活動、また、家電4品目を使用している事業者に対する周知・広報活動ということで、備付けルームエアコンの排出台数が多いと思われる事業者、こちらは不動産業界に対する業界誌への広告の掲載であるとか、他の産業廃棄物とまとめて排出されないよう事業所に対するチラシを作成して配布し、またガイドブックなども作成してまいりました。

 4ページ目、こちらは先ほど御紹介したリスティング広告の実施の1つの結果のサンプルでございます。グラフを見ていただければと思います。経済産業省でリスティング広告をしている間は、経済産業省の家電リサイクルページの紹介ページへのアクセスが非常に伸びるということが分かっております。一方、これを取り下げるとすぐにページビューが減りますので、リスティング広告は短期的な効果を発揮するものと言えます。

 一方、長期的な周知の実施、継続的な広告ということについては、また別の活動等も含めながらやっていかないといけないのかなと感じているところでございます。資料3-1については以上でございます。

○環境省・小早川補佐  続きまして、資料3-2の御説明に移らせていただきます。小売業者に引取義務が課せられていない廃家電ということでいわゆる義務外品の回収体制の構築状況等に関する調査結果というところでまとめてございます。

 2ページ目を御覧ください。いわゆる義務外品につきましては、まず小売業者には買換え時のもの及び過去に自社が販売したものについて引取義務がございますが、それ以外の廃家電に関しましては、一般廃棄物の処理について統括的な責任を有する市町村が早急に回収体制を構築する必要があるというところで、これまで体制構築を図ってきたところでございます。

 取組の背景といたしましては3ページ目を御覧ください。前回の報告書におきまして消費者の排出利便性が損なわれ、不法投棄や不適正な処理につながるおそれがあることから、早急な回収体制の構築というところが求められてきたところでございます。

 4ページ目を御覧ください。このような背景を受けまして環境省においてアンケート調査により、市区町村の回収体制の構築状況を把握してきたところでございます。

 5ページ目を御覧ください。回収体制の構築に向けた環境省の支援といたしましては、アンケート等で随時状況を把握することや未構築の市町村への個別相談、協力可能な店舗の周知といったようなところで、回収体制の構築の支援を行ってきたところでございます。

 7ページ目までお進みください。現状の状況の御報告となります。構築済みの自治体は1,499自治体というところで、全体の86.1%となっているところです。人口ベースとしてのカバー率としては97.6%の構築ができているところとなってございます。

 8ページ目を御覧ください。こちらは参考でお付けしておりますが、引取義務が課せられていない廃家電の回収体制を構築している市町村の数ということで、都道府県ごとに整理をしたものとなってございます。

 9ページ目を御覧ください。未構築の自治体の状況といたしましては、構築できない理由として業者がいない、個別の電話問合わせに対応して引取先を指示する方法で問題がないといったところ、及び独自の回収方法を取らざるを得ないといった状況というのが、未構築の状況の理由として挙げられているところでございます。

 続きまして10ページ目を御覧ください。構築済みの自治体におかれましては8割の市区町村におきまして毎年見直しが行われているところでございます。

 11ページ目を御覧ください。こちらは参考でお付けしておりますが、義務外品の回収体制の構築といたしましては、例えば市区町村が独自に回収するとか小売店等との協定、また依頼を行った家電小売店が回収する。④家電小売団体等が設置したセンターが回収。⑤協定を締結した一般廃棄物収集運搬許可業者による回収。⑥市区町村から依頼を受けた一般廃棄物許可業者による回収。⑦一般廃棄物収集運搬許可業者団体が設置した受付センターが回収。⑧一般廃棄物収集運搬許可業者が回収といったような例がございまして、このように、市区町村による回収体制の構築というところが取り組まれている状況となってございます。資料3-2につきましては以上となります。

○経済産業省・廣田補佐  続きまして、資料3-3について経済産業省から御説明します。小売業者等への指導等についてということで、毎年実施している家電リサイクル法に基づく立入検査の実施状況について御説明いたします。

 1ページ目、国は毎年度小売業者、これはインターネット販売事業者等の通信販売事業者等も含みますけれども、家電リサイクル法に基づき立入検査を実施して、また実施状況も公表して法の適切な施行に努めているところです。

 28年度のアクションプランの取組目標も踏まえまして、経済産業局及び地方環境事務所の両方において令和元年度は469件の立入検査を実施しました。平成30年度は482件ということでありますけれども、毎年度460件程度立入検査を実施することになってございます。資料中今年度とあるのは令和2年度でございますけれども、新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言下は、検査の実施を控えざるをえなかったということがございますが、宣言解除後は地域の状況を踏まえつつ、感染防止措置を徹底した上で、検査を実施してまいりました。小売事業者により義務履行体制が適切に整備・維持されることが非常に大事だということでございます。

 事業者ベースで、立入検査件数は469件、これに対して指導を行った件数は328件ということになっております。指導の内容ですけれども、引渡し違反みたいなものはあまり多くなくて、例えば家電リサイクル券の取扱いに関するミスであるとか、家電リサイクル券の保存方法、もしくは書き間違いといったような比較的軽微な指導が多いというふうに認識しているところでございます。

 2ページ目、家電リサイクル法に基づく勧告についてということで、立入検査等の結果、重大な家電リサイクル法違反、今申し上げた大規模な引渡し違反等の事案が判明した小売事業者については、家電リサイクル法に基づき勧告等を実施し公表等をしております。

 近年の勧告状況ということでは、平成29年と令和元年度に1件ずつ、平成30年度に4件ということで実施しております。

 次におめくりいただきまして、3ページと4ページ目はインターネット販売事業者、通信販売事業者への対応ということでございます。前回の見直し以降、店頭販売以外の小売事業者、特にインターネット販売業者が、eコマースの発展に伴い増えております。このため、経済産業省、環境省でインターネット販売事業者、通信販売事業者への取組も強化し、平成30年度はさらに踏み込んだ取組を進めたということでございまして、こちらは、前回だったと思いますけれども、合同会合でも御説明しております。

 具体的に申し上げますと、インターネット販売モールサイト上の店舗の義務の履行状況に関する実態調査を、我々が目視で行いまして、必要な店舗に対しては行政指導を実施し、また、インターネット販売事業者等向けの説明会を開催しながら義務履行を確保していくということでございます。

 4ページ目にはモールサイト運営事業者と連携した指導の結果ということで、インターネット販売モールサイトに協力をお願いいたしまして、そこで店舗を展開しているEC事業を行っている事業者に対して指導したということでございます。おおむね全てのモールで250~400店舗くらいが当初抽出されておりまして基本的に行政指導を全て必要なところには行い、収集運搬料金の表示をしていただくとか、もしくは家電4品目事態の取扱いを取りやめるというような店舗もございましたが、結果的には義務履行が行われていない店舗はこの当時はゼロになりました。

 資料3-3については、説明は以上でございます。

○環境省・小早川補佐  続きまして資料3-4の御説明に移らせていただきます。「違法な不用品回収業者・ヤード業者対策について」という資料でございます。違法な回収業者による不適正な処理につきましては、国内のみならず海外に輸出された場合にあっても、輸出先において環境保全上の支障が生じるおそれもあるというところで対策が必要になっているというところでございます。

 2ページ目を御覧ください。市区町村における無許可の廃棄物回収業者・ヤード業者対策というところで、具体的なこのような状態の事業の形態というところを調査した結果でございます。メジャーな形態といたしましては、スピーカー放送等を行いながら家の周りを巡回するであるとか、家のポストにチラシを投函するといったような事業の形態というのが多くなってございます。それぞれ業態を見ましてその経時変化を見ますと、いずれの業態においても近年は減少傾向にあるというところが見て取れるかと思います。

 続きまして、市区町村による対策の手法ということで、このような業者に対して市区町村ではパトロールやホームページ、広報での注意喚起というところを主な対策として取り組んでいるところでございます。

 業態に関しての経年変化として、減少傾向にあるというところを受けまして市区町村による対策としても減少傾向にあるのかなというふうに見て取れるところでございます。

 3ページ目を御覧ください。違法回収業者に関して環境省といたしましては、毎年市区町村向けのセミナー等の開催を通じまして支援を行ってきているところでございます。

 4ページ目以降は関連する法令の御紹介となっておりますので、割愛させていただきます。

 続きまして資料4の御説明に移らせていただきます。資料4は廃棄物処分業者における特定家庭用機器、廃棄物の適正処理の状況についてということで、いわゆる家電リサイクル法に基づく処理ではなく、廃棄物処理法に基づく処理というところの状況の把握を行いまして整理したものの結果の報告でございます。

 1ページ目を御覧ください。廃棄物処分許可業者に関する調査といたしましては、産業廃棄物については都道府県経由、一般廃棄物につきましては市町村に対してアンケートを送付して調査を行ってきたところでございます。

 2ページ目を御覧ください。同様に有害使用済機器に関する調査としては、都道府県経由でアンケート調査を実施しております。

 3ページ以降は産業廃棄物処分許可業者における特定家庭用機器廃棄物の適正処理の状況についてのアンケート結果の取りまとめ結果の報告となります。

 4ページ目を御覧ください。産業廃棄物処分許可業者による処理の状況といたしまして、先ほど御紹介のとおり、都道府県及び政令市127自治体にアンケートを実施してございます。その中から廃家電を取り扱っている可能性があるという情報が得られた処分業者38社に対してアンケートを送付してございます。そのうち回答が得られた処分業者としては19社、さらにその中から処分実績があった処分業者といたしましては4社というアンケート結果が得られているところでございます。

 下の表を御覧いただきますと、取扱い台数といたしましては全体で4,671台であったというところでございます。

 5ページ目以降につきましては、それぞれのアンケートの中で回収の状況であるとか処分方法というところを詳細にアンケートの中で確認しているところでございます。例えば6ページ目を御覧ください。産業廃棄物処分許可業者で扱われて処理されているものにつきまして、例えばエアコンでいけば4社で処分されているというところでございます。それぞれの処理設備、処理方法といたしましては手解体・選別、破砕機、磁力選別、風力、非鉄金属選別と及びフロン回収に関する設備というところで御回答をいただいているという状況でございます。

 7ページ目から9ページ目につきましては、それぞれの処理方法についてのアンケート調査結果となってございますので、御説明を割愛させていただきます。

 続いて10ページ目を御覧ください。こちらは、冷媒フロン類の回収状況といたしましては、冷媒フロンの回収は4社で行われておりまして、全てが自ら回収を行っているというところが今回のアンケートの中では御回答いただいたところとなってございます。

 続きまして11ページ目以降でございます。一般廃棄物処分許可業者における家電品目の適正処理の状況というところでございまして、アンケート結果を12ページで御紹介させていただきます。一般廃棄物になりますので市区町村経由で調査を行ってございます。市区町村への調査から廃家電を取り扱っている可能性があるという情報が得られた処分許可業者は37社ございまして、その中からアンケートの回答を得られた処分業者としては21社でした。さらにそのうち、処分実績があった処分許可業者としては9社となってございました。

 この9社での年間取扱台数といたしましては41,772台ということがアンケート調査により分かったところでございます。

 13ページ目につきましては、それぞれの事業者さんから平均的なリサイクル率と素材、部品として回収する処分事業者数というところを整理したところでございます。

 14ページ目を御覧ください。14ページ目につきましてはそれぞれの品目ごとにどのような処理フローで処理されているのかというところを整理したところでございます。例えばエアコンで見ますと、9社がエアコンの処分を扱っておりまして、それぞれ手解体、破砕、磁力選別、風力、非鉄選別、フロン回収等は全ての事業者でやられているというところが、アンケート調査の結果の中で回答を得られたというところです。

 15ページ目から17ページ目につきましては、それぞれの詳細な処理方法ということになりますので、中身の御説明は割愛させていただきまして、18ページ目を御覧ください。

 このように今回につきましては一般廃棄物としては、9社で処理が行われていたという結果となってございまして、そのうち冷媒フロンの回収状況といたしましては、9社全てにおいて回収されているというところが報告されていました。

 続きまして19ページ目以降が、有害使用済機器を処分する事業者に関しての廃家電の適正処理の状況についてアンケート調査を取りまとめたものとなってございます。

 20ページ目を御覧ください。こちらも都道府県及び政令市経由でアンケートを実施してございます。アンケートを実施した処分業者としては27社ございまして、上記のうち回答が得られたものとしては13社、さらにその中から処分実績があったのは3社というところでございました。年間の取扱台数としては、この3社で378台の取扱いがあったというところでございます。

 21ページ目につきましては平均的なリサイクル率と素材や部品として回収している事業者数の紹介というところで取りまとめさせていただいています。

 22ページ目を御覧ください。こちらは3社のうちエアコンは1社、冷蔵庫・冷凍庫は1社、洗濯機・衣類乾燥機というところは1社が取扱いをされたということで御報告をいただいているところでございます。例えばエアコンでいいますと手解体・選別のみをこの1社が行われたというところで、冷蔵庫・冷凍庫でいえば手解体、破砕、磁力、風力、非鉄選別、フロン回収等を行われているというところでございました。注書きに書かせていただいておりますが、エアコン・冷蔵庫を処分している事業者2社につきましては、フロンを抜いた後の使用済廃家電のみを受け入れているという回答があったところでございます。

 23ページ目から25ページ目につきましては、詳細な処理方法というところでまとめているところでございます。説明を割愛させていただきまして、26ページ目を御覧ください。

 冷媒フロン類、断熱フロン類の回収状況といたしましては、冷媒フロンの回収といたしましては回収状況、3社のうち、当該品目の取扱いはなしというところで回答を得られています。資料4につきましては、御説明は以上となります。

○田崎座長  御説明ありがとうございます。以上が議題1の資料となります。議題2の資料5はあと2ページですが、先にこれを説明させていただいてから、皆様から御意見を頂戴したいと思います。

 では議題2が審議の進め方についてということで、資料5の説明をいただきます。事務局からお願いいたします。

○経済産業省・廣田補佐  資料5を御覧ください。

 今回の一連の評価見直しの合同会議における、家電リサイクル制度の課題の議論のポイントということで、事務局からたたき台ということでこの資料を基に、今後の進め方について御意見をいただくという形にさせていただきたいと考えております。

 1ページ目、ここまで評価、モニタリング等をしてきましたけれども、その中で見られた課題又は家電4品目に関する市場の変化等も踏まえましてこのポイント案を抽出しております。

 1つ目、家電4品目の市場の変化への対応ということでございます。最初に御紹介いたしましたけれども、有機ELディスプレイ方式の薄型テレビが普及し始めているということで、対象品目に追加していくことが必要ではないかということ。

 2つ目、市場ニーズに合わせて家電4品目が機能追加とか外観・重量というものが大きく変化しているということでありまして、今後再商品化率等も影響する可能性があるということで一層モニタリングが必要ではないかということと、一方、コストを抑制していかないとなかなか排出者からの理解は得られないということで、コストを抑制しながら高度なリサイクルを維持するための方策について御意見をいただければと考えております。

 また、プラスチック・リサイクルが非常に重要な課題と一般的な認識になりつつありますけれども、こういったものにも配慮が必要ではないかということでございます。

 大きな2つ目の議論は、回収スキームに関する課題ということで、対象の家電4品目のうち、エアコンの回収率が非常に低いということは先ほどモニタリングの中でも御紹介したとおりでございます。これまでも議論してきたところではありますけれども、今後一層の対策が必要ではないかということが言えようかと思います。また、排出フロー推計において十分に捕捉できていない可能性があるのではないかということで、技術的にどう手法を改善していけばよいかという点もございます。

 また、エアコンのフロン回収による温室効果ガスの排出削減にも資するということも踏まえつつ、販売・排出ルートの把握、適正排出の普及啓発などにより、回収率の向上に努めるべきではないかということがございます。こちらは記載してはございませんけれども、前回の報告書において回収率を目標として設定いたしまして、それに向けて関係者が取り組んできたということに関する評価、御意見もこの審議会の中でいただいて、今後どうしていくかということも検討していただければというふうに思っております。

 2番目、回収スキームの利用を一層促進するために、利便性を向上させていかないといけないということであります。1つはこれまでも事務局と家電製品協会、家電リサイクル券センター(RKC)で検討を進めてまいりましたが、家電リサイクル券の一層の改善を図るということ。また、デジタル化への対応ということで省令を改正して家電リサイクル券の保存や取扱いに関してデジタル化を最大限図っていくことでより家電リサイクル法を利用しやすいものにしていくということが必要ではないかと考えています。

 3つ目、排出する事業者、消費者への広報のあり方ということです。こちらも先ほど御紹介しましたとおり、これまでも広報をやってきておりますけれども、排出者に対する周知がいまひとつ浸透しきっていないのではないかということも一部では言われておりまして、現在のインターネット広告のやり方等、排出者のニーズに応えるものになっているのかどうか検証していくことが必要ではないかというふうに感じております。

 大きな3つ目の議論、その他ということで、こちらは料金の支払いのあり方について今一度検討するということを御提案しております。1つ目の家電4品目の市場の変化への対応ということと2つ目の回収スキームに関する課題ということは、これまでの制度を前提にしつつ、これをいかに維持発展していくかという考えで挙げているものですけれども、3つ目その他のところは抜本的な改善が必要かどうかということに関するアジェンダです。家電リサイクルにつきましては大型の家電を対象としているということで、小売業者が買換え時に排出者宅から回収するという基本的な回収スキームのニーズは非常に高く、古いものと新しいものを交換して回収しなければ日本の住宅事情には対応し切れないというからも消費者、排出者からの現在の家電リサイクルの回収ニーズというのは重要であると認識しています。この回収スキームというものをしっかりと維持しながら、制度創設以来の論点である料金支払いのあり方をどうしていくかということであります。

 料金支払いにつきましては、前回の見直しの際も幾つかの制度のパターン、考えられうるパターンというものを示しながら検討を加えていただいたところでございますけれども、その後本格的な議論というのはあまり進んでおらず、今回御紹介したモニタリングの状況なども見ながら今後、議論していくということにされたと認識しております。この合同会合の中でモニタリング指標であるとか、今後の回収スキームのあり方なども加味しながら本格的な制度の変更が必要なのかどうか、検討を加えていただきたいと考えております。

 2ページ目でございます。今御説明したポイント案を踏まえまして、今後の審議予定を御提案しております。1回目、今日の審議において制度の実績の振り返り、これは先ほど事務局から御説明いたしました。また、評価見直しの進め方ということで、資料5の1ページ目について御説明しましたので、この後、御議論をいただければと思っております。

 また、制度の課題について今後明らかにしていくために、製造業者等や小売業者、また、今後調整してまいりますけれども、自治体側や消費者側の御意見を聞くためのヒアリングの機会を設けさせていただきまして、しっかり課題を洗い出してまいりたいと思っております。

 また、4回目を想定しておりますけれども、論点整理と個別論点ということで、今日の評価見直しの進め方で御提案いただいたようなアジェンダ、さらにヒアリングであぶり出されてきた論点について、整理と個別の論点について深掘りを行うという会合を4回目に設けたいというふうに考えております。

 これ以降、論点の多さや深さによって審議のスケジュールは見直していきたいと考えておりますけれども、最終的には報告書案についてということで、報告書案の取りまとめの作業を行いまして、その後パブリックコメントで国内からの意見を踏まえながら、最終的には報告書を決定することとし、制度見直しの一連の作業を終了させるということにしたいと考えております。今後の審議予定ということで、こちらについても、御意見を賜れれば幸いです。経済産業省からの説明は以上です。

○田崎座長  それでは説明のありました内容について質疑応答に移りたいと思います。御質問のある方は、Web会議システムの挙手ボタンを押していただいて、私のほうで指名させていただきますので、マイクのミュートを解除し、ビデオをオンにして発言いただければと思います。

 今から大体70分程度の時間がありますけれども、細かい質問等につきましてはチャット欄がありますので、そういったところで御発言いただくということも御検討いただきまして、いろいろな御意見を賜ればと思います。

 それでは、質問を受けたいと思います。私の画面の上の方で手を挙げている方から指名させていただきます。まず大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員  資料の5との関係で若干申し上げさせていただきたいのですけれども、最初に有機ELディスプレイ方式の薄型テレビが普及し始めているということで対象品目に追加するというのは、ぜひ進めていただければと思います。

 2つ目ですけれども、コストを抑えつつ高度なリサイクルを維持するためにどういう方策が考えられるかということですが、これはまさにサーキュラー・エコノミーの発想でもあるのですけれども、リサイクルしやすい製品をお作りいただいた場合はリサイクル料金を下げていくという形でこれを実施して、競争をしていただくということが考えられると思います。これとの関係で、先ほど資料2の中で、個々の製品に関してのリサイクル料金がリサイクルの実際にかかった費用との紐付けがなされていないと今のような競争は起きませんので、ぜひその点についても検討していただきたい。今回そういう個々の製品に関してのリサイクル料金について調査をしていただきたい。一律になっていることが結構多いと思うので、その点に関して御考慮いただけると、この点のコストを安くしながら高度なリサイクルを維持するという方向に向かえるのではないかということを申し上げておきたいと思います。

 それから、フロン回収に関して熱心にやっていただいて大変ありがたいと思っています。ちょっとこれは確認で恐縮ですけれども、家電4品目のうち、家電リサイクルのルートに乗らなかったものに関しては、フロン排出抑制法の特定製品2条5項に該当しませんので、フロン類の不法放出をしてしまってもフロン排出抑制法の86条の適用がないという問題がかねて指摘されていたと思いますが、この点は解消される見込みなのかということを教えていただければと思います。資料5に関しては以上でございます。

 ほかの点に関して簡単に4点だけ申し上げておきますが、まず回収率に関しては上がってきて大変良かったと思っていまして、高く評価したいと思います。関係者の方に敬意を表したいと思いますが、どうして上がったのかということの理由があまり明確ではないので、今後また上げていくためには、その理由がはっきりしたほうがいいかと思いますので、そこを分析されているのであれば教えていただければと思います。

 2つ目、義務外品に関しての回収体制に関してガイドラインができて、市区町村がその構築をどんどん進めていっていただいているというのも大変良いことだと思いますが、インターネットの小売業者さんが家電リサイクル法に対応していないということが結構出てきているという問題がございまして、義務外品に関しては、インターネット販売が増えると義務外品も増えていくという関係にございますので、ぜひこれは100%に向けてさらに推進していっていただきたいと思います。

 3つ目、不用品回収業者さんが減少し始めているということは大変良いことだと思います。これは廃掃法の問題でもありますが、2017年の廃掃法改正の効果がどうだったのかというのは、もう少し明確にしていただいきたいということがあります。ヤードの発火件数とかお持ちなのではないかと思いますが、例えばそういうのも提示いただけるとありがたいということがございます。

 産廃とか一廃として扱っていただいているというところの資料4です。アンケートに答えていらっしゃる方はちゃんとやっていらっしゃる方だと思います。答えていらっしゃらない方をどうするかがまさに問題なので、もちろんこれに限ったことではないですが、今後例えば立入検査をされるとか、立入検査の要件を満たすかどうかという問題があると思いますので、何か対応なさるおつもりなのかということもお伺いしておきたいと思います。

 もう1個だけ。インターネット業者さんに関しては、モールの中にたくさんのインターネット業者さんが入っていらっしゃる場合について、先ほど結構違反の数が多くて指導したらみんな対応してくれたということは良いのですが、ひょっとしたらイタチごっこみたいなことになるのであれば、行政指導だけに頼っていっていいのかという問題が少し出てくるかもしれません。

 モールサイトのほうでインターネット販売業者に関して何らかの監督をしていただくような仕組みを入れていくということもお考えになってはいかがかと思いますけれども、これは資料5のほうに関係してしまいますが、もし御検討をいただく必要があれば検討していただければありがたいと思います。長くなりましたが、以上です。ありがとうございました。

○田崎座長  何人かの意見を伺ってから、まとめて応答させていただこうと思います。

 続きまして、高橋委員お願いいたします。

○高橋委員  ありがとうございます。大手家電流通協会の高橋です。今回、合同会合開催に当たって大手家電流通協会として要望書を提出させていただきました。参考資料4になります。時間もございませんので中身はお読みいただくとして、要望の趣旨としましてはリサイクル費用の回収方式について再度御議論をいただきたいということでございます。前回の検討で費用回収方式については結論に至らず引き続き検討を行うべきであるということで、これは参考資料1の前回評価検討に関する報告書の25、26ページで報告されているところではありますが、今回は当然に検討されるものということで思っておりましたけれども、念のために要望させていただいたというところでございます。

 今回審議の進め方の中に議論のポイントとして盛り込んでいただきましたことに関しては、感謝申し上げたいと思っております。

 1つ誤解のないように申し上げておきたいと思いますが、私どもは決して現行制度に否定的なわけではございません。前回の議論を踏まえて回収率目標達成に向けて、手前みそではございますけれども、私ども家電量販業界としましてもアクションプランについては、真摯に取り組んできてまいったつもりでございます。メーカーさんはもちろん地域店の皆さんとも一緒になってポスター作りとか店頭やインターネット上での周知広報活動でありますとか、義務外品への協力体制の構築とか、さまざま取り組んできたことについてはぜひ御評価いただきたいと思っているところでございます。

 この現行制度での回収率向上の取組については、今後も引き続き努力してまいる所存だということをまず申し上げた上で、リサイクル券の改良、デジタル化、スキームの効率化というようなことについては、今後も積極的に関わってまいりたいと私どもは考えているところでございます。

 一方、費用回収の問題というのは非常に大きな話でございますので、何かこの場といいますか、多人数の平場でやるには少し議論の深度に限界があるのではないかというふうに思っているところでございます。このため、現行制度の課題というのとは別次元で御議論願いたいと思っているところです。要するに今回は費用回収の問題については、また持ち越しにならないように一定の合意といいますか、結論を導き出していただきたいと思っているところでございます。以上でございます。よろしくお願いいたします。

○田崎座長  続きまして、石川委員お願いいたします。

○石川委員  御説明いただきまして回収率が上がっているのはすばらしいことだと思います。大塚委員がおっしゃったとおり、なぜ上がったのかということに関して明確なことは分からないかもしれませんが、私が見ている限りだと、まず動脈側で個別のルートだとかそこに存在する問題点を絞って対策をしたことと、それから包括的にヤード事業者のところで流入してくるのを絞ったというのが総合的に効いたのではないかと思います。

 そういう観点からいって問題点は何かと考えると、まずはエアコンではないかと思います。エアコンに関しては御説明いただいたとおり、構造が違っていて簡単にいうと工務店という排出者でもないし販売者でもないようなアクターがいて、この人たちが非常に重要な役割を担ってしまっているということがあります。この点について1つ教えていただきたいのは、工務店が解体のときとか取替えとかいろいろあると思いますが、そのときに家電リサイクル法で望ましいと思われないルートに流さなかった場合、いろんなケースがあると思いますが、法律的にどういう問題があるのかちょっと教えていただきたい。法律的に問題がないのにもかかわらず、家電リサイクル法の望ましいほうに向かわないのだとすれば、何か対策が要るのだろうと思います。

 同じことが通販のモール事業者にも言えるわけです。モールに出している事業者に対するサンプリングで行政指導によってほとんど適正な方向に行ったというのは結構ですが、これはサンプリングですから、抽出率がどのくらいだったのかということと、もし仮にもう一度同じことをやったときにどの程度の率で改善されているのだろうかというのが問題になるのではないかと思います。これは大塚委員から御指摘があったことと同じです。

 もう1点、不法投棄のところですけれども、中身を見ると、実はごみステーションに出されているものが、分からない部分を別にすると大半です。こういうのは果たして不法投棄という言葉で表現され、イメージされるものと合っているのかちょっと疑問です。ビジネスとして法に触れることをやっているのは何となく不法投棄という感じがするのですが、どうもごみステーションに捨てるというのは、排出者が個人として直接やっているような気がする。とすると、このルートに対する対策は別のことを考える必要があるだろうと思います。

 それに関連することとしては、いわゆる義務外品に対する体制構築ですが、これは体制構築の率としては進んできていますので、次のステージとしてその体制がどの程度有効なものであるか。その質を問題にするべきではないかと思います。

 最後に消費者の点ですけれども、既に超高齢化社会になっているわけですけれども、高齢化していくと人生のあるステージ、最後の10年とか何年間かは施設で過ごすという可能性が非常に高くなります。ですから、平均余命よりももっと早い段階で現在住んでいる持ち家なんかの場合に住んでいる家電製品が全て使われない。これは使われないからといって買い換えられるものではなく、放置されたままになるものが非常に多くなるのではないか。これは、買換えを前提としたシステムだとそのままでは対応ができない。そのためにどうすべきかということを今考えるべきではないかと思います。

 議論のポイント案の中でいうと、理想的にいうと、買換えではない排出があったときにそれを回収するようなことが自然なビジネスとして成立していくような社会であれば一番いいだろうと思いますけれども、そういうことを平場から考えていくことが必要ではないかと思います。以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。もうお一方、御意見を伺ってから応答したいと思います。崎田委員、お願いいたします。

○崎田委員  崎田です。ありがとうございます。私の意見を申し上げたいと思うのですが、私は資料5の制度の課題の議論のポイントというのを少し参考にさせていただきたいと思っています。前回の見直しにも参加いたしましたが、その後、アクションプランに対応して違法な事業者への立入りとか指導勧告をかなり熱心にやっていただきましたし、各業界の取組も進んだということで、家電の回収率が高くなっているなど成果が大変出ていると思っています。ただし、いろいろな新しい状況が出ているというのが今回のこの議論のポイント部分だと思うのですが、1番目に市場の変化への対応というように書いてありますが、私の印象からいうと、社会の変化による市場の変化、そういうところなのではないかと感じております。

 具体的に申し上げますと幾つかあるのですが、1つ目はまずやはりインターネット販売、通販とかそういう新しい形態のものが増えてきているということです。かなり対応はしていただいているのですけれども、その対応がきちんと継続しているかどうかとか気になります。今回インターネットで家電リサイクルを検索すると、いい価格で引き取りますとか、そういう広告がパッと出てきます。ですからリスティング広告をしている時期はその効果があったのだろうと思いますが、デジタル化の定着の中で本当にきちんと回っているのかというその辺の把握というのが、大事なのではないかなと思っています。

 2番目ですが、再商品化率も大変上がっていますが、サーキュラー・エコノミーの大きな流れの中で、きちんと再生資源がもう一度家電製品に戻って使われているのかどうか、その辺もクローズドループになっているのかは押さえていかなければならないところなのではないかと思っています。そうすれば、課題に出ていますプラスチックとか希少金属の話とか、あるいはリユースに関しても製品リユースだけではない、リユース部品はどのくらい使っているのかとか、新たな指標のあり方というのもあるのではないかと感じます。

 今回の資料2の中で個別の企業によるリサイクル料金の一覧表を出していただいていますけれども、リサイクル料金が会社によって随分幅があります。高いところと安いところ。その差が今までより大きいのではないかという感じがしています。各社がうまくいっていてそうなってあるのであれば、その状況をみなで共有するということも大事ですし、その辺の差がなぜ生まれているのかの検証もやっていただければありがたいと思っています。

 次に回収のところですけれども、今回全体の回収率は大変上がっているのですが、エアコンの回収率が依然として低い。これは今いろいろな御報告があったような理由があるわけですけれども、しっかりとエアコンの回収率だけでももう少しきちんと目標を設定するとか。モニタリング指標を導入していったらどうかとか。あるいはフロン回収が温暖化対策として大変重要なところなので、こういうことも関連付けながら、もう少しエアコンの回収をしっかり取組んでいったら良いのではないかと思っています。

 その際先ほどからいろいろ御意見が出ていますが、高齢の方が家をどのように片付けるかとか社会環境の変化というのがありますので、そういう現状もしっかりと見ながら考えていくことが大事なのではないかと思っています。

 そういうことを踏まえて消費者啓発というところでありますけれども、今何を消費者に伝えたらいいのかということをもう一度皆できちんと抽出して、家電リサイクル全体の仕組みを伝えることや、義務外品を処分したいときはどうするのがいいのかとか、伝える内容を明確にしながら、消費者の啓発というのを考えていくことが大事なのではないかと思っています。

 次回以降ヒアリングがありますが、消費者の目線からのヒアリング対象として、私が昨年まで理事長を務めていたNPO事務局で、消費者側から見た家電や各種リサイクルに対するアンケートなどを多々実施したりしていますので、こういう団体にもヒアリングをしていただければありがたいなと感じています。

 なお資料5の最後にありますけれども、リサイクル料金支払いのあり方について継続審議となっていますので、全体の状況を把握してからしっかりと皆さんと意見交換をしていければうれしいと思っています。よろしくお願いします。

○田崎座長  それでは今までの質問等につきまして、両省から御回答をいただければと思います。それから高橋委員から、参考資料4についてコメントがありましたけれども、参考資料5として杉山委員からも意見がありますので合わせて紹介いただければと思います。経産省側からお願いいたします。

○経済産業省・廣田補佐 参考資料5、産構審の杉山委員からの意見を御紹介させていただきます。読み上げます。

<対象品目について>

・有機ELディスプレイ方式のテレビについても法の対象に含めるべきと考えます。今後も新しい方式が開発されるかもしれませんので、方式ごとに対象に含む、含まない、を検討するより、テレビという製品単位で対象にした方がよいと考えます。

・在宅勤務が広がり、家庭でのOA機器が従来に比べ増えているのではないでしょうか。たとえば、A3も打ち出せるようなプリンタ(重量30kg程度)が自治体では収集してもらえ なかったというようなケースも耳にしておりますので、一般家庭から排出されるOA機器の回収・リサイクルについても検討してはいかがでしょうか。

<回収スキームについて>

・回収してもらうための手続のしやすさを重視して、インターネットでも簡単に申し込みできるようにすべきと考えます。

<料金支払制度について>

・支払い方法について、個人的には前払い制度が望ましいと考えます。しかし、前回の見直し時の議論の繰り返しは、時間的制約のある中で避けるべきであり、料金支払制度を論点とする場合にはその点に留意が必要だと考えます。ということでございます。以上、読み上げさせていただきました。

 続きまして経済産業省から幾つかいただいたコメントに対し回答いたします。まず、インターネットモールサイトにおけるEC事業者に関するコメントを何人かの委員からいただきました。大塚委員のイタチごっこなのではないかというご指摘について、おっしゃる点はあろうかと思います。これはEC事業者に関わらずオーバーカウンターの店舗についても同じでして、新しく立ち上がった事業者にはまだ家電リサイクル法について義務を果たさなければならないという御認識をお持ちでないという小売事業者もまれに見受けられるので基本的には同じかなと思います。EC事業者の方が、起業しやすいというところでのスピード面は違いがあるのかもしれません。いずれにせよ、立入検査も含めまして今後の継続的な対応を図ってまいりたいと思っております。

 ただ、基本、店舗を持ちませんので我々がモールサイトを閲覧して検索したりしながらやっていく必要があるということです。平成30年度の作業のときも我々職員で家電4品目を取り扱っている業者を手作業で調べたという事情がございました。ですので、よりやりやすいやり方みたいなことは今後も考えていかないといけないということは課題としてございます。

 もう1つ、石川委員からEC事業者の抽出率はどのくらいだったのかというご質問をいただきましたが、前回指導の際は、基本的に発見された全てのEC事業者に関して確認し、必要な場合は指導を行いましたので、目視できた限りではございますけれども基本的には100%指導しております。

 崎田委員から市場の変化というのは社会の変化を表しているものではないかということもございました。デジタル化への対応ということでリスティング広告みたいなものをさらにやっていかなければいけないということと、そこにおいては消費者啓発ということで何を伝えるべきか、まず明確にすべきであるということを御提案いただいております。

 御指摘のとおりでございまして、リスティング広告というのは基本的には不用品回収業者、適法に回収していない方がネット広告を出しているものに対するカウンターという性格を持っていると思います。さらに一歩踏み込んだ広告ということでどういったことができるか、まさに検討していただきたいというふうに考えているところでございます。

 また、崎田委員からはリサイクル料金についてコメントをいただいております。リサイクル料金は者によって幅があるということで検証できるかということでございますけれども、リサイクル料金は競争法の関係から原則として製造業者が個々に決めるということにされておりまして、それに対する自主性を損なうことはできませんが、実際に適切に定められているのかは確認をさせていただきまして、どこまで検証できるかということを考えてまいりたいと思います。

 また、品目によって幅があるのは想定された事態です。消費者にどこまで理解されるかという観点も含めて考えていくのかなと感じております。

 もう1つクローズドループということで、再生資源がどこまで使われているかということですけれども、これは2回目以降、製造業者からのヒアリングを想定しておりますので、その中でも御紹介いただきたいと思っておりますが、基本的に家電リサイクル法は、プラスチックも含め、家電4品目に使われている素材については、できるだけ価値のある素材に生まれ変わらせなければいけないと定めています。そのために再商品化率基準を設けておりますので、素材に関わりなくしっかり再生されるということが利点であると考えております。クローズドとまでは言えませんが、リサイクルに回っている割合はかなり多いと思っております。

 ただ、家電4品目、特に白物家電、例えば冷蔵庫は食品に触れるようなものもございますので、なかなか再生プラスチックを使いにくいという事情もあるようです。この辺りも次回以降明らかにしていければと感じております。

次に環境省からコメントをお願いします。

○環境省・小早川補佐  ありがとうございます。環境省リサイクル推進室の小早川です。御指摘いただいた点で幾つか御説明させていただきます。

 まず大塚委員から御指摘がありました、フロン法にも入っていない、家電リサイクル法でも対象品目になっていないものについて対応はどうなっているのかというところでございます。こちらにつきましてはいわゆる家庭用機器ではあるものの、例えばエアコンの天井に埋込式のものとかは、フロン法では家庭用ということで対象にはなっておらず、家電リサイクル法においては、小売業者による引取義務がかかっている関係上、収集・運搬が容易にできないという観点から、家電リサイクル法でも対象になっていないというふうに承知しているところではございます。

 こういったところがほかにどういったものがあるのか、及びシェアであるとかどのくらい課題となっているのかというところの現状把握、できる限り検討してまいりたいと思っているところでございます。

 続きまして何人かの委員から御指摘がありました回収率の向上したことについて一定の評価をいただいたところでございますが、対策との因果関係を分析できないかというところを何人かの委員から御指摘をいただいたところでございます。その中で石川委員のほうから動脈側での対策、静脈側、ヤード業者対策といったところの相乗効果で、今回御報告させていただいたような回収率の向上が見られたのではないかという御指摘もいただいたところでございます。

 主務省といたしましてもそのように考えているところではございますが、より今後どのような分析が可能かというところを検討してまいりたいと思っているところでございます。

 続きまして、義務外品の回収体制の構築については引き続き実施すべきという御指摘をいただきましてありがとうございます。引き続き取り組んでまいりたいと思いますというところとともに、何人かの委員から高齢化等社会状況の変化というところで対応が必要なのではないかという御指摘もいただいたところでございます。

 こういういった小売業者への義務が発生しないものへの対応につきましては、引き続き義務外品の回収体制の構築というところを進めるとともに、社会情勢の変化を踏まえてどのような対応が必要かというところを検討してまいりたいと考えているところでございます。

 続きまして、大塚委員から御指摘のありました有害使用済機器に関する法令改正も踏まえて状況にどのような変化が見られたのかという御指摘につきましては、御提案のあったとおり、発火事例というところは環境省のほうで整理させていただいているものがございます。今お示しすることはできませんが、整理してお示ししたいと思っているところでございます。

 続きまして、こちらも大塚委員から御指摘がありました、いわゆる家電リサイクル法のルートではない廃棄物処理法に基づく処理というところでアンケート調査結果に関して資料4でこういったところの回答を得られているところは適切に対応しているけれども、回答していない者というのは適切に対応していない可能性もあるので、立入検査の対応等を検討できないかという御指摘をいただいたところでございます。

 御指摘を踏まえましてこのようなアンケート調査結果や回答いただけなかった者について、自治体等と連携しながら対応できないかというところで自治体への情報提供等を検討してまいりたいと思っているところでございます。

 石川委員から御指摘のありました、エアコン回収に関して設置業者、工事業者等が適切に対応しないことに関する家電リサイクル法上での問題は何かというところですが、法令上は小売業者に買換え時のものであれば引取義務というところがかかっているところでございます。その義務に加えまして、基本方針のほうでは例えば小売業者が設置工事等を委託する場合も含めて、小売業者として適切な回収の実施に関して指導監督に努めることを基本方針の中でもお示ししているところでございますので、小売業者への引取義務があるものに関しましては、そこに家電リサイクル法上の問題が生じ得る可能性があるというところでございます。

 その他、石川委員以外の委員からも御指摘いただきましたとおり、エアコンの回収率というところは今回論点としてもお示しさせていただいているところでございますが、対策が必要ではないかというところで、その対策としては、我々がこれまで周知活動を行ってきたような小売業者とは別の者及び排出者への周知活動というところが重要になってくるのではないかという御指摘がございました。御指摘も踏まえ排出者への対策というところを、より効果的、効率的な対策を検討していければと思っているところでございます。

 以上となります。

○田崎座長  それではまた次の質問等を受けたいと思います。時間の都合で、閉会後に事務局にメールで意見を提出していただきますと議事録へ加えさせていただきますので、既に出た部分、テクニカルな部分についてはそのような形で意見を出していただきまして、合同会合中は、まだ出ていないところ中心に御意見をいただきたいと思っております。御協力のほどよろしくお願いいたします。

 では、平岡委員にお願いしたいと思います。

○平岡委員  産構審の平岡です。既に御意見は出ていますが、エアコンの回収率の低さというところで、資料2の35ページにございますように、エアコンの排出フローの推計結果を見ますと、家電リサイクル法の指定取引所での引取りが358万台に対して、スクラップ業者等による引取りが312万台とかなりの規模になっております。この辺は、エアコンの回収率向上の焦点になると考えております。

 このルートでどのような処理がされているのかは明確にはなっていませんが、資料3-4の違法回収業者による不適切な処理というところに御報告にもありましたように、確実にリサイクルが実施されている家電リサイクルルートへの排出につなげるためには、周知広報だけでは既に限界があると考えております。さらに新たな実効性のある施策が必要ではないかということ。

 また、事業者から排出されるエアコンについての取組が非常に重要だと考えます。既に経済産業省から各産業界に向けて家電リサイクルルートへの排出推奨の啓蒙を実施していただいておりますけれども、これらに対する取組も引き続きお願いしたいと考えます。以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。では続きまして川村委員、お願いいたします。

○川村委員  まず、EC事業者に対しては、何らかの義務を課すなり、お願いレベルではないさらにひとつ強い指導ができるような法律なり政令なりを検討していただきたいと思います。

 それから先ほど崎田委員の発言の中でリサイクル料金が大分メーカーによって違うという御認識を説明されましたが、我々小売業から見るとリサイクル料金は、例えば国内のメーカーであるとほとんど一律で横並びになっているという印象です。価格が違うというのは、例えば輸入業者や、スタートアップで新しいまだ規模の小さいようなところのリサイクル料金は高いというのがあります。これはなぜかというと、ユーザーが製品を買うときにその商品のリサイクル料金がどれくらいかかるかというところに意識が行かないためです。ですから競争原理は働かないわけです。そこのところを競争原理が働くようなことをすれば、各小さいメーカーもいろいろな努力をして、リサイクル料金が下がる努力をするはずだと思います。そこのところを検討していただければと思います。

○田崎座長  それでは、小迫委員、お願いいたします。

○小迫委員  私から資料5の2.回収スキームの課題について。まず、適正排出の普及啓発についてです。先ほど資料2のほうでも御説明があったとおり、まず不法投棄の回収についてですが、自治体現場では環境省がお示しいただいているとおり、ごみステーションに出される不法投棄が非常に多いという認識でおります。こういった中でステーションに出される不法投棄について一定程度啓発をするわけですが、放置をしておくとまたそこにどんどん不法投棄がたまっていく。その回収に非常に多くの人員や予算が費やされるということもあって、引き続きリサイクル制度全体ではございますが、適切な財政措置、人的措置をよろしくお願いしたいということ。

 さらには不用品の回収業者への対応についてです。ここについてもお示しいただいているとおり、立入検査等が非常にやりにくい、少なくなってきているという認識であります。こうした実態の中には今の違法回収業者の対策として、ビラ・チラシ等は作成をいただいておりますが、実際のところは自治体に丸投げのような状態になってしまっているのではないか。改めて先ほど平岡委員からも御指摘をいただきましたが、啓発ではもう既に限界、抜本的な対策が必要であるというふうに、私たちも認識させていただいております。

 最後に料金回収の部分であります。皆さんから御指摘がありましたので、多くはお話をしませんが、私たち自治体で回収に当たる人間としては、やはり家電リサイクルに関するリサイクル料金、今から廃棄をしようとするものに対して料金を支払うということに対して、一部の住民からはやはり抵抗がある。そのことが結果として不法投棄や不用品回収業者に流れてしまう。こうしたことが発生しているのが現実だと考えております。

 改めて料金回収方法の議論については、これまでの前払い、後払いのメリット、デメリットをそれぞれ示した上で、例えば前払い方式も含めてどのような方式がより継続的、効果的なのかということを検討していただきたいと思っております。以上でございます。

○田崎座長  ありがとうございます。続きまして、西尾委員お願いいたします。

○西尾委員  3点あります。1点目は回収率目標の設定の問題です。この件については、たくさんの委員からいろいろ出ておりますが、そういう意味でこれまでの対策との関連性等々で回収率を上げていくというようなことを考えていくことが非常に重要だと思います。一方で、昨今のような技術の高度化あるいは代替材によってのものづくり、その他の中でそういう変化の中で回収をして再商品化するというところのコストの問題、可能性の問題、あるいはその後の出口の市場の需要性やニーズ等の観点も入れて、回収率の目標設定をどこまで上げていくのかという議論が必要なのではないかというのが1点目です。

 2点目はリスティング広告の効果についてです。リスティング広告というのは処分したい人の検索タイミングに応じて提示できてホームページに誘導してという意味で、非常にターゲティングが明確で効果が高いと。ただ、やめてしまうと落ちてしまう。それをずっとやるにはコストがかかる。そうであれば今後は、例えばエアコンの回収率をアップさせるということにつなげたいのであれば、エアコンの買換えが起こりやすいタイミング、夏の前とか冬の前。あるいは引越シーズンとかいうようなところの消費パターンに応じたリスティング広告の施行計画も考えられるでしょうし、さらに言うと、ホームページに誘導した後、経済産業省等のホームページでの情報提供が消費者にとって分かりやすく本当に知りたい情報が得られているのかというところも含めて、ぜひ検討していただければと思います。

 最後に家電リサイクル法のもともとの目標は資源の有効活用ということでしたが、冒頭の御説明にもありましたが、今はサーキュラー・エコノミーやカーボンニュートラルなど新たな価値も議論されています。本筋からは少し外れるかもしれませんけれども、今回の見直しにおいては、家電リサイクル法がこれらの問題に対してもどう貢献していくのかという視点での議論も今後必要なのではないのかと考えます。以上です。

○田崎座長  続きまして、大熊委員、お願いいたします。

○大熊委員  全国都市清掃会議の大熊でございます。先ほどから、大手家電流通協会の高橋さん、あるいは自治労の小迫委員からもお話がありましたけれども、私どもの全国都市清掃会議でも処分費用の前払い方式につきましては毎年国に対して要望をさせていただいているところでございます。先ほど御報告にありましたが、ピークから3分の1以下になっているといったものの、不法投棄がまだ5万件という多さでございます。

 地域の環境保全を担う自治体といたしましては対応を取っていかないといけない。これにはやはり前払い方式というのが非常に寄与するという認識でおりますので、6年間経過した中で製品管理のIT技術の向上もありますし、一方でSDGs等の浸透ということで市民の環境の意識も高まっているということもあると思いますので、ぜひ前回の課題をどうしたらクリアできるのかといった議論も含めて、検討を深めていただきたいと思います。時間がかかるとは思いますけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。以上でございます。

○田崎座長  それではもう1件いただいて応答に入りたいと思います。

 大石委員、お願いいたします。

○大石委員  皆様から意見も出ていますので重ならないところを何点かお話ししたいと思います。まず対象品目の見直しですけれども今回有機ELテレビの話が出ていて、これはもちろん入れるべきだと思いますが、一方、ディスプレイとテレビというのがあまり区別できないような商品も増えている中でそこら辺の線引きをどうするのかというのも含めて、今回はこの品目の見直しを行わないのかをお聞きしたいと思います。

 今いろいろ皆様から回収費用について前払いか後払いかという話が出ているのですが、そもそも家電リサイクルというのは不法投棄を防ぐために大型の家電に対して回収する費用という話だと思いますが、今は小型家電であっても結構大きなものが出ていること、カーボンニュートラルを目指すときに、今後どんどん電子化が進みいろんな製品に電子基板などが入ってくるようになったときに、今決めてある4品目だけを有料で回収するということが果たして、将来2050年のカーボンニュートラルをやるときに正しい道なのかというのは、ちょっと私は疑問に思っております。

 特に消費者から見ると、家電4品目と小型家電との違いもなかなかまだはっきり分からない中で、もしも全体の制度を見直すのであれば、製品自体の見直しプラス完全にリサイクルを進めるための費用をどうするのかということとセットではないかなと思いました。

 それから、回収についてはやはり高齢化が進んでいて、なかなか消費者が自分で、特に高齢の方は出せない状況がありますので、違法な事業者が減っているとはいえ、そういう方たちが安心して製品を出せるような仕組みが必要だと思います。

 また、エアコンの回収率が低いというのは、頑張ってはいますが問題があると思っています。特にフロンの回収という面でカーボンニュートラルに向けてフロンの回収も確実に進めなければいけない内容だと思っていますので、そういう意味では消費者の側も製品回収時にフロンが入っているものであれば、結構回収に時間がかかってきちんと回収しなければいけないということを消費者も知っておく必要があるのではないかなと思います。その辺りの教育というのも今後必要かなと思っています。

 その他、委員の方々のおっしゃったこともありますけれども、重なりますので以上といたします。

○田崎座長  それでは両省のほうから応答をいただきます。環境省のほうからお願いいたします。

○環境省・小早川補佐  何人かの委員から御指摘のありましたエアコン回収率の向上に向けては普及啓発だけでは難しいのではないかということ。一方で普及啓発も重要だという御指摘をいただきました。どのような対策ができるか、今後検討してまいりたいと考えているところでございます。

 最後、大石委員から御指摘のありました品目追加に関しては、こちらで本日お示ししたのは有機ELというところが市場に出回ってきているという動向を踏まえて品目例として論点の中に入れさせていただいたものですが、どういったものを追加すべきか、今後の議論の中で検討できればと思ってございます。

 続きまして回収スキーム、小迫委員から御指摘のございました不法投棄に関しまして、こちらも引き続きどういった対応ができるかといったところを検討してまいりたいと考えているところでございます。

 何人かの委員から御指摘をいただきました、資源有効活用だけではなく、カーボンニュートラルやサーキュラー・エコノミーといった観点から検討すべきではないかという観点を御指摘いただきました。御指摘のとおり今回エアコンの回収率について一つ着目しているところでございまして、そちらに関しましてはフロン回収という観点からも、温室効果ガスの削減に寄与すると考えているところでございます。

 そういったことも踏まえまして、家電リサイクル法制度のさらなる発展というところでどのようにカーボンニュートラル、サーキュラー・エコノミーに貢献できるかというところを今後の御議論をさせていただければと思っているところでございます。

 料金制度に関しては、全体を通して何人かの委員から御指摘をいただいているところでございます。次回以降ヒアリングの中でもこの論点につきまして、既に資料5で論点として入れさせていただいているところでございますが、御議論をいただきながら深めていければと考えているところでございます。環境省側からは以上となります。

○田崎座長  では経産省からお願いいたします。

○経済産業省・廣田補佐  経済産業省からは大石委員と杉山委員からも御意見をいただいておりました品目の追加ということについて、簡単に御回答したいと思います。

 家電リサイクル法上の対象品目となる要件について定めておりますけれども、この間小型家電リサイクルも新たに施行され、また、資源有効利用促進法に基づく回収も行われております。パソコン用ディスプレイについては、事業者に対する回収の義務について資源有効利用促進法に規定がありますし、また小型家電リサイクル法でも回収できるという制度になっておりまして、排出者向けにわかりやすい周知の在り方について、内容を整理しながら取り組んでいくべきと感じております。

 大きな議論という意味では、現在個別の制度において見直しも図られているところですので、そういったようなものを見ながら進めていけるといいのかなというふうに考えています。いずれにせよ、もし追加すべきという品目がありましたら御指摘いただければありがたいというふうに思います。以上です。

○田崎座長  では続きまして、また委員から意見を頂戴したいと思います。それでは、河野委員、お願いいたします。

○河野委員  ジャーナリストの河野です。去年9月に東洋経済オンラインその他のオンラインニュースに「首都圏で違法金属くずの山が次々現れた事情」という記事を書いたところ、結構反響がありました。これはどういうことかというと、埼玉県で私が取材とした事例で、忽然とヤードが現れてそこに冷蔵庫とか洗濯機なども含む廃家電も含む処理をどんどんして、紫色の処理液が川などに流れたという事例がありました。

 当初、困った住民が県や町に言っても、それは有価物なので対応できないということがあったものの、最後は、家電は扱わないということでそこは今も事業を続けています。2014年頃私が新聞記者だったときにさんざん取材していたようなことがまた現れて、日本鉄リサイクル工業会のほうでもそういう事例を最近会員から随分聞くということもありました。

 これを通じて思ったのは、有害使用済機器の保管処分を業として行う場合、届出制で認めています。これは環境省が主に扱っている制度だと思いますが、その当時取材したところでは届出数が非常に少なかった。この制度自体の見直しを環境省は行うつもりがあるのか、行うべきだと私は考えます。そもそもこの制度を設けたロジックは何なのか。もっというと、産業廃棄物の処理事業者の場合だとリスト化されていて、付近の住民がチェックすればどういう業者か分かりますが、この制度の場合、そういう仕組みもないので全然公表されていません。

 問題になっていた業者というのは届出もしていない業者、つまり届出制度が不完全というか、中途半端なために届出は少ない、潜ってしまう業者が多い。そこでこういう廃液もどんどん流しているみたいなことがある。自治体もそれを有価物だから当然みたいな誤解があったりするという事情が現実にあったわけです。

 ここで私は環境省さんにこの制度自体の見直しとか検討をする気持ちがありますかという質問をさせていただいたわけですが、大塚先生のほうから冒頭、廃掃法改正の効果はどの程度あったのか、それからヤード業者であるとか、今回一廃業者、産廃業者でアンケートに答えていない業者をどう見るかという問題も併せて考える必要があるという御指摘がありましたが、私もまさにそこはそのとおりで、全体のボリュームから見ると数が少ないような事例のように見えますけれども、付近住民としては非常に困る事例です。こういうことがあると困るので、廃掃法改正やバーゼル法改正をやってきたと思うのですが、そういうことを無視する事例が現れてしまう状況をどうやって防げるのか、現行制度の見直しも含めてぜひお願いしたいと思います。以上です。

○田崎座長  続きまして浦委員、お願いします。

○浦委員  連合傘下の電機メーカーの労働組合で作っております電機連合会から参加させていただいております。よろしくお願いいたします。

 まず今回の審議に関して長期的な視野で検討をお願いしたいと思います。ユーザーサイドからすれば、どの段階でどのような形で料金を納めようとも納めた額はしっかりとリサイクルに資するものになるべきと思いますので、その辺りを検討の中で確認ができればと思っております。

 1つはやはり環境の変化ということで最近ネット販売が増えているというお話がたくさんありました。また国内メーカーではない中国とか輸入家電も非常に増えているというふうに理解しています。今こういったものに関しても我々の仕組みの中にしっかり入ってきているとは思いますけれども、今後そういう環境の変化がさらに進んでいくことが予想されますので、しっかりとネット販売、輸入家電について、国産ではない海外のメーカーが作った家電が増えていってもしっかりこの仕組みに乗るようにしていく必要があろうかと思います。

 もう1つはデジタル化でございます。排出者と小売業者、製造業者との間のやりとり、今の複写式の家電リサイクル券が使いづらいといった声も多数聞いております。この辺りのデジタル化を進めていく必要があると思いますし、根本的な対応としてはやはり最終所有者の捕捉を高めていく必要があろうかと思います。新品での購入以外にも2次、3次流通の中古品の流通もございます。こういったことに対応していくためには、やはり所有者の捕捉性を高めることも必要かと思います。そのためにはデジタル化というのが非常に有効な手段ではないかと思っています。いろいろと御議論はあると思いますが、マイナンバー等の活用も1つの手ではないかと思います。カーボンニュートラルを掲げている今だからこそ、静脈の部分にはなかなかコストはかけづらいと思いますが、デジタル化に関するある程度の投資を国としても考えていただければ幸いかと思います。以上です。

○田崎座長  ありがとうございます。続きまして、小原委員お願いいたします。

○小原委員  JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)の立場から意見を述べさせていただきます。資料5の1ポツの1つ目、有機ELディスプレイというところの内容に関して、我々有機ELテレビというのを対象品目に追加するということ自体は適当であろうというふうに考えています。

 ちょっと考えていかなければいけない点としては再商品化率で、法定基準を下回ってしまうということが予想されてしまうわけです。その中で将来の排出動向を見ながら、ここは再商品化というものに積極的に取り組んでいくという形で対応していきたいと考えています。以上になります。

○田崎座長  ありがとうございます。続きまして、伊藤委員お願いします。

○伊藤委員  まず、資料4は非常に誤解を招く不適切な資料ではないでしょうか。産業廃棄物処分業者というのは、全国で約1万3千社あるにもかかわらずアンケートを送付したのはたったの38社。回答したのは19社で、さらにその事業者による4社による4,600台の家電4品目の再商品化率を出して、あたかも産業廃棄物処理許可事業者も家電4品目を適正に処理しているかのような印象を受けます。しかし実態は、資料2によれば、環境省の推定で産業廃棄物の処理台数が7.5万台、スクラップヤード業者に流れているのは514万台です。全く比較する数字にはなっていないです。したがってこれは審議会に提出するデータではないと、過去にも同様の発言をしたにもかかわらず、依然として同様のデータを環境省が出しているのは、何か隠れた意図をお持ちなのでしょうか。

 この事実から言えるのは、産廃に回された4品目は適切には処理されておらず、特に300万台以上といわれているエアコンや冷蔵庫のフロンは大気中に放出され、地球温暖化を促進しているという事実です。環境保護の旗手である環境省においてはもっと真剣にこの事実に目を向けるべきではないでしょうか。私たちはこのような実態を改善するために、賃貸住宅、学校、病院などに設置してあるエアコンが廃棄段階で産廃として処理されている実態と、なぜ産廃で処理されているのかということについて調査し、回収率向上の観点から非常に示唆に富む結果を得ています。

 次回以降、エアコンの回収率向上について議論する機会があれば、ぜひ皆様に御披露したいと願っております。以上です。

○田崎座長  続きまして、峯田委員、お願いいたします。

○峯田委員  全国電商連の峯田でございます。私ども街の電器店の多くは適正に廃家電を引き取り、製造業者の皆さんに引き渡しているわけですが、他方、無料で引き取りますといいながらエアコンを回収する、不用品回収業者やヤード業者が存在すると、私どもとしましては、顧客の皆様への説明が難しくなるのが現状でございます。こういった業者をしっかりと取り締まっていただきたい。

 不法投棄については、地域電機店も店舗の前に廃家電を放置されるなど大変困っている例がございます。積極的な周知や取り締まりを実施して、不法投棄対策を一層進めてほしいと思います。

 またリサイクル料金の前払いなどについては、廃家電の引取りは小売業者の義務であり、これを小売業者による競争の要素にするべきではないという前提で議論をいただきたい。さらに制度変更によってリサイクル料金や収集運搬料金を顧客から払ってもらうことが難しくなることにならないよう、議論していただければと考えます。

 それと地域によってお店からの指定引取場所までの距離が遠く、不便との声がございます。昨今、指定引取場所が減っているのはやむを得ない面もあろうと推察いたしますが、指定引取場所への運搬のために半日~1日を費やすようなことになる場合は、何らかの措置をお考えいただくよう、通常業務への支障を軽減するために実状を御理解いただき、適切な対応をお願いいたします。以上、よろしくお願いいたします。

○田崎座長  ありがとうございます。続きまして挙手をされている方で最後の方になります。お待たせいたしました。三嶋委員です。それからチャット欄では梅田委員、河口委員、村上委員からのコメントが入っております。こちらも御覧いただければと思います。では三嶋委員、お願いいたします。

○三嶋委員 ヤマダホールディングスの三嶋でございます。どうぞよろしくお願いします。先ほどから皆様たくさんの意見を言われておりますので、重なる部分については割愛をさせていただきます。私のほうから1点だけ、ぜひ意見を述べさせていただきたいと思います。先日4月16日、日米首脳会談が行われた中で、気候変動について両国の課題として話し合われたというふうに聞いています。昨日も新聞でそれが取り上げられていたと思います。

 家電リサイクル、各種リサイクル法により我が国の資源環境は他国と比較しても進んでいると感じておりますが、気候変動という視点においては、同時にリユースの促進も非常に重要だと思っております。リサイクルの促進や高度化と並行して、制度としてリユースをどのように促進していくかという視点からも、今回の議論に盛り込んでいただきたい。そのように思います。私の意見としては以上でございます。ありがとうございます。

○田崎座長  宮野委員、お願いします。

○宮野委員  JEMA(一般社団法人日本電機工業会)の宮野でございます。家電リサイクル法が始まり既に20年やってまいりましたが、皆様の御尽力によって非常に社会の中のシステムとしては定着してきているというふうに思ってございます。そういった中で我々がいろいろ関わってきた中では、再商品化率が非常に大きな枠となってきておりますし、当初は手で解体といって単一素材のものを選別回収するといったところから比べますと、最近では混合プラスチックから高純度の単一素材まで選別回収できる技術というところまでいろいろ開発してきています。

 ぜひ次回の審議会では我々メーカーのほうからプラントで処理している状況をぜひ御紹介させていただきたいと考えてございます。今後もこのシステムの効率的な運営を考慮した、より高品位なリサイクルを推進して循環社会の実現に貢献してまいりたいと考えてございますので、今後ともよろしくお願いします。以上でございます。

○田崎座長  それでは今いただきました御意見等につきまして応答したいと思います。それではまず環境省からお願いします。

○環境省・小早川補佐  ありがとうございます。まず河野委員から御指摘いただきました有害使用済機器に関して、平成30年に廃棄物処理法の改正をいたしまして、まさに御指摘のとおり有価物であるとして適正に処理されていないケース対して、有害使用済機器の届出でありますとか、処理基準の順守等の法の網をかけたというところでございます。こちらの状況把握については、届出件数400件超えで、処分までしているところはその約1割という状況の把握を行っているところではございますが、状況把握について、引き続き努めてまいるとともにさらなる効果的なヤード業者対策を検討してまいりたいと思ってございます。

 関連して伊藤委員から御指摘のありました、資料4に関しては、御指摘のとおり、こちらはアンケート調査により、回答を得られた者のみの状況の御報告となっているところでございます。アンケートに回答いただけなかった事業者につきまして、以前委員からも御指摘をいただいているところでございますので、自治体等への情報提供も通じながら対策を検討してまいりたいと思っているところでございます。

 全体を通しましてこういったヤード業者対策の重要性というところを御指摘いただいておりますので、効率的、効果的な対策をどのように進めていくことができるのかというところを検討してまいりたいと思ってございます。

 その他、不用品回収業者対策というところも峯田委員から御指摘をいただいているところでございます。こちらも不法投棄対策、業者対策というところを引き続き取り組んでまいりたいと思います。

 最後に三嶋委員のほうからリユースについて御発言がございましたところでございます。第2回審議会のヒアリングでも手を挙げていただいているところかと承知してございます。そういった中で御議論をいただければと思っているところでございます。環境省側からは以上となります。

○田崎座長  ありがとうございます。それでは経産省側から。

○経済産業省・廣田補佐  峯田委員から指定取引場所が昨今減少しているというコメントをいただきました。確かに指定引取場所はここ数年減少傾向にありまして、我々も大臣認定制度の中で確認している限りではございますけれども、例えば指定引取場所を受託している事業者が拠点を統合したりして、それに伴って指定引取場所が減っているというようなことが多いのかなと見ております。また一方、指定引取場所はかなり多数、全国で300カ所ぐらい開設されておりますが、なかなか新しいなり手が見つからないということや、指定引取場所は工業地帯の倉庫を使って運営しているというところも多くございまして、工業地帯ではない、例えば住宅街みたいなところにはなかなか設置できず、御不便をおかけしていることがあるのかなと思います。

 いずれにしましても、できるだけ利便性の高いアクセスを確保しなければいけないということでありますので、状況を見ながらしっかり対応してまいりたいと考えております。

 ほかに、JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)の小原様から再商品化率、有機ELテレビの対象追加に伴って再商品化率をどう考えるかというコメントをいただいておりますけれども、こちらも経済産業省で調査を実施しまして、再商品化率を試算しておりますのでそれを見ながら検討するということになろうかと考えているところです。

 一方、Web会議システムのチャットでコメントいただいている点で、処理コストに関すること、またはリサイクルプラントにおける人手に関して高度化や省人化ということを実施していかなければなかなかうまくいかなくなるのではないのかとご意見いただいております。おっしゃるとおり検討していかなければならない点と考えております。

 一方、法律上、再商品化等料金が法律上コストを上回ってはいけないという仕組みになっていることについては、これは法制度上の整理が必要と認識しております。家電リサイクルを含めリサイクル制度は、基本的にはごみではなくて資源価値のあるものをリサイクルするということになっております。だからこそできるだけリサイクル料金、コストみたいなものを下げつつ資源売却益で事業を成立させようという仕組みになっていると考えております。リサイクルコストは基本的には市場の中で決まるという仕組みですので、まずはその原則について検討すべきかというふうに思っております。私からは以上でございます。

○田崎座長  ありがとうございました。本日は委員の皆様から大変有意義な御意見を多数いただきました。ちょうど終了時刻となりましたので、本日の説明、質疑応答はここまでといたします。
 ここで産業構造審議会の細田座長から御意見をお聞きしたいと思います。

○細田座長  ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。非常にたくさんの意見をいただいてこれからいろいろ議論する糸口が出てきたと思います。

 私のほうからちょっと重なる部分もありますけれども4点述べさせてください。

 販売形態もライフスタイルもいろいろ変化しつつある状況にどうやって対応していくかということをよく考える必要があろうかと思います。ネット販売もそうですし、あるいはデジタル機器との関連でテレビの形態もこれから変わっていくでしょう。生産者も変わってしまうかもしれないわけです。そういう中で家電リサイクルをどうやってタフにしていくか。新型コロナに関連して断捨離の話もありました。ライフスタイルも変わってくるでしょう。そういうところで我々がどのように対応できるかということを長期的に考える必要があると思います。

 2点目ですけれども、サーキュラー・エコノミーの関連で言いますと、DfEの進捗をどう評価するか。これからヒアリングがありますから伺ってみたいのですが、企業、販売店、流通メーカーも含めてなんですけれども、どうやってサーキュラーの方向に持っていくかというのはDfEが非常に絡んでくるので、この辺を評価しなければいけないと思います。

 それから河口委員の御指摘に関して、この法律では、少し矛盾があるのではと思うのですが、赤字を強いられてしまいます。利益を上げてはいけないと、それで真面目に本当にどのくらいまでリサイクルをやろうかというインセンティブは、通常経済では働かないわけです。にもかかわらずサーキュラー・エコノミーにしなさいというのは、本来ちょっと矛盾があります。EUのドキュメントでもサーキュラー・エコノミーにすると経済は良くなります、利益は上がりますと言っているのにこの法律は利益を上げてはいけませんと日本の法律はみんなそうなっているわけです。この辺のことをDfEの評価とともに考えるべきかと。今すぐどうこうということではなくて、それも考慮に入れなければいけないということだと思います。

 3番目はライフスタイルの変化とも絡みますが、CEリテラシーといいますか、単なる広報ではなくて、例えば今我々の周りにも外国人がいっぱいいるわけです。さっきごみステーションの話が出ましたけれども、今日は排出できる日ではありませんと日本語でメッセージを出しても、それを読めない人もいっぱいいるわけです。そうした方々を前提とした場合、それも一つの例にすぎないわけですけれども、CEリテラシーという観点からもう一度これは、見直してみる必要があるのではないかという気がいたします。以上でございます。

○田崎座長  細田座長、どうもありがとうございました。

 私からも補足コメントさせていただくと、基本的に細田座長が言われたことと同じところは大切だと思っております。また、小売店がプライベートブランドの家電を販売してまさしく製造業者の立場になってきている状況もある中、社会的な動向、市場の変化の中で役割分担も改めて考え直す時代が少しずつ来ていると思います。

 両省が今年1月に入って出したサーキュラー・エコノミーのサステナブル・ファイナンス・ガイダンスにおいては、2つの主体の属性ということでアダプターとイネーブラーということが言われています。アダプターは実施する者ということですけれども、イネーブラー、今後の取組を誰がどういう形で実現していくのか。これから関係者ヒアリングが始まりますけれども、ここが足りない、ここができないということだけでなく、どうやったらできるのかといういろいろな御意見も期待しているところです。何とぞよろしくお願いします。

 それでは進行を事務局にお返しいたしますので、今後の予定などを御案内いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○環境省・小早川補佐  田崎座長、ありがとうございました。本日は貴重な御意見を委員の皆様方からいただきありがとうございました。次回は小売業者及び製造業者の立場の方々から関係者ヒアリングを行いたいと考えてございます。関係者の皆様の御協力をお願いしいたします。

 会議に関して日程等の詳細につきましては、委員の皆様に改めて事務局より御連絡させていただきます。

 それでは、本日はこれをもちまして第38回産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルワーキンググループ、中央環境審議会循環型社会部会家電リサイクル制度評価検討小委員会 合同会合を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

(了)

以下、会議中・会議後に委員から頂戴したコメント

〇梅田委員  回収率向上のためには、買い替えを前提としない対策、義務外品を含む対策が必要なのではないでしょうか。

〇村上委員  回収率等の数値をお示し頂いていますが、法制度としての目標の数値に限らず、今後CEの拡大等を考えると色々な断面での数値を家電リサイクルシステムとしても公開できる準備は必要だと思いますので、全体的な透明性の向上のような検討もお願いできれば幸いです。社会の変化、市場の変化、といったポイントに対する発言が既に出ていますが、すぐに対応できるかどうかは別にしても、IoT化、低炭素対応(による家電そのもの変化も、資源循環としてのそれに対する対応という意味においても)、一部家電のサービス化(サブスクリプションなど)・リマニュファクチャリング対応など、今後後手に回らないために、色々なシナリオを念頭に置いた多少長い目で見た将来に対する頭の体操も必要だろうと思います。

〇川村委員  市場の変化について、二次流通、三次流通の事を考えると、今の仕組みでは無理があるように思えます。前払いという表現でなく、製品価格に内包するという表現が良いと思います。

〇梅田委員  プラスチック・リサイクル、サーキュラー・エコノミーの社会の動きの中で、クローズドループリサイクルに近いリサイクルなど、リサイクル工程の高度化が必要になってくると思います。また、リサイクルコストを下げる方向は今後も求められると思います。一方で、家電リサイクル工場に人手が集まりにくくなっているとも聞きます。この辺りの解決に向けて設計等の情報活用、リサイクル工程の高度化に対する推進が必要になってくると思います。

〇大石委員  コロナ禍でネット通販の利用者がさらに増えていると思いますので、再度点検をお願いし、デジタルプラットフォーマー事業者の責務については繰り返し対応していただきたいと思います。さらに、長い目で見て蓄電池や太陽光パネルなどのリサイクルシステムも必要と思いますので、長い目で見て検討が必要と思います。

〇河口委員  サーキュラー・エコノミーとの関連を家電リサイクルの仕組みの中でどのように位置づけるかを議論すべきですし、資料3-1のような広報資料にも位置づけるべきだと思います。また、処理コストが削減されないのは、企業にとってインセンテティブがない(リサイクルで儲けてはいけないのが家電リサイクル)以上、仕方がないと思います。リサイクルからも利益の機会を作るような制度にしないと難しいのではないでしょうか。リサイクル工場に人が集まらないということも考えると、今後はリサイクルコストが上昇することも視野に入れなければならないのではないでしょうか。

〇萩原委員  高齢化とともに貧困家庭、貧困者の増加という社会的状況も今後の論点として考慮していただきたいと思います。例えば家電リサイクル費用の関係から不法投棄せざるを得ないという事情などがあると思います。

〇吉岡委員  

◆エアコンの回収率の低さに関して

リサイクル現場の肌感覚からすると、資料2の29頁にもあるように他の品目に対して有価物量が多く資源価値が高いことから国内でも有価物の回収がコストに見合うことが一番の要因と考えております。

回収率の向上は両省の努力の結果であることは評価しているが、中国の廃棄物輸入規制による影響も少なからずあると判断しております。エアコン以外の品目が海外に流出し難くなったことが回収率の向上に資しており、エアコンの回収率が上がらないことが上記を肯定していると考えます。

◆料金支払いの前払いか後払いかの議論について

家電リサイクル法の施行(料金の後払い)が国民にリサイクルに費用が掛かることを実感させた功績は大きいと考えています。

また、家電リサイクル法の目的の一つでもある家電商品の長寿命化がメーカーの努力もあり進んでいて、国民の多くが主に買い替え時にしか家電リサイクル法を認識することがなく、このことから家電量販店の役割が大きく回収率の向上に寄与していると認識しています。料金が前払いとなるとリサイクル費用への国民の認識が薄らいでいくことが懸念されます。

◆リサイクル費用の各社の違い

リサイクル費用が各社で異なる背景には引取量の差が大きく影響します。取扱量が大きい事業者では設備投資ができるが、取扱量が少ないと設備投資の投資費用回収ができないためです。

◆プラスチック・リサイクルについて

素材としてプラスチックの使用量が増加傾向にある中で再商品化率を維持向上するためには、国内での再生素材(プラスチック)の使用率の向上を、インセンティブと合わせてメーカーに対して求めていく必要があると考えます。

以上