中央環境審議会循環型社会部会(第30回)議事録

日時

令和元年9月12日(木) 10:00~12:00

場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンターホール13A(東京都港区赤坂2丁目14-27 国際新赤坂ビル東館13F)

議題

 (1)中央環境審議会による第五次環境基本計画の点検の進め方について
 (2)第四次循環型社会形成推進基本計画の点検における重点点検分野について
   「万全な災害廃棄物処理体制の構築」
 (3)その他(報告事項)
   ・浄化槽法の一部を改正する法律について
   ・廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令について
   ・令和2年度環境省重点施策

議事録

午前10時00分 開会

○循環型社会推進室長補佐 それでは定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会部会を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、ご多忙にもかかわらず、ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 ここで、新たにご所属いただくことになりました臨時委員をご紹介させていただきます。9月10日付でご就任いただきました、全国町村会経済農林委員会委員、岩手県軽米町長様でいらっしゃいます、山本賢一委員でございます。

○山本委員 はい、どうも山本です。よろしくお願いします。

○循環型社会推進室長補佐 なお、本日は委員総数25名のところ、17名の委員の方にご出席をいただいており、部会として成立しておりますことをあらかじめご報告いたします。

 また、今回の部会には議題(2)の関係で、岡山県環境文化部循環型社会推進課一般廃棄物班総括主幹の原田友昭様、

○原田氏 原田です。よろしくお願いいたします。

○循環型社会推進室長補佐 それから、国立研究開発法人国立環境研究所資源循環廃棄物研究センター研究員の多島良様にお越しいただいております。

○多島氏 多島と申します。よろしくお願いいたします。

○循環型社会推進室長補佐 どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、山本局長より冒頭ご挨拶を申し上げます。

○環境再生・資源循環局長 おはようございます。委員の皆様方にはご多用の中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 今年も災害が続いておりまして、先月の豪雨災害、あるいは週初めにありました台風15号の来襲ということでお亡くなりになられた方にはお悔やみを申し上げますとともに、被災された方にお見舞いを申し上げたいと思います。

 環境省といたしましても、本日お越しいただいている国立環境研究所を含めて、D.Waste-Netの専門家の方々にご協力をいただいて、あるいは環境省の職員、本省、地方事務所を合わせて現地に派遣いたしまして、被災状況の調査、あるいは初動の仮置き場の確保などの助言などもさせていただきながらサポートをさせていただいております。環境省としても、引き続き、全力で取り組んでまいりたいと考えています。ちょうどタイムリーに、本日は循環基本計画の点検ということでありますが、本日は、特にその中でも万全な災害廃棄物処理体制の構築というところが、循環基本計画の中でも柱の一つとなっておりますが、こちらをテーマにご審議いただくということになっております。一連の今年の災害も含めて、その状況を踏まえながら活発なご意見をいただければと思っておりますが、その関係で、先ほどご紹介のありました国立環境研究所、岡山県、それぞれからお越しいただいておりますので、自治体における取組、あるいはD.Waste-Netの中での取組といった観点も含めてご審議を賜れればというふうに思っております。

 それから、その他の話題といたしまして、浄化槽法改正がさきの国会でなされましたので、そういった事柄も含めてご報告させていただきたいと思います。

 あと、ご案内のとおり、昨日、新大臣として小泉進次郎大臣がご着任されました。非常に若くて発信力のある大臣ということでありますので、環境行政、1段も2段も頑張って進めてまいりたいというふうに思っておりますので、そういった観点からも委員の皆様方から忌憚のないご意見を賜れればと思っております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

○循環型社会推進室長補佐 冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 次に、お手元の配付資料の確認でございます。お手元のタブレットをご覧いただければと思います。資料一覧にございますように、資料につきましては資料1から2-4までございます。もしタブレットに不具合のある方がおられましたら、紙媒体も何部か用意しておりますので、事務局の者にお申しつけください。それから、議場配付資料は災害の現状についてということで、タブレットのほうにも入れさせていただいているところでございます。

 それでは、以降の進行につきましては酒井部会長にお願いしたいと思います。酒井部会長、よろしくお願いいたします。

○酒井部会長 おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日用意いただいている一つ目の議題といたしまして、中央環境審議会による第五次環境基本計画の進め方、点検の進め方について入らせていただきたいと思います。

 まず資料1、事務局のほうから説明をよろしくお願いいたします。

○循環型社会推進室長補佐 環境省の循環型社会推進室の今井でございます。資料1のほうをご説明させていただきます。

 前回の部会でも総合政策部会の状況についてご説明したところでございましたが、環境全体の計画でございます環境基本計画の点検の進め方につきまして、総合政策部会でご議論いただいておりまして、先日、7月8日の総合政策部会において案が示されまして、その原案のとおり了承されたということでございますので、セットされた点検の進め方の状況についてご説明するものでございます。

 先に申し上げておきますが、基本的には各部会の点検に基づきまして、総合政策部会も、そのインプットを受けて、総合政策部会で環境基本計画の点検を行うということでございますので、循環型社会部会では、個別計画としての循環計画の点検をしっかりやっていただき、そのエッセンスを総合政策部会にもインプットしてご議論いただくという段取りとなっております。

 資料1の1ページ目でございます。

 点検の目的、体制、スケジュールというところがございますが、少し飛ばしまして、点検の体制というところでございます。今申し上げたとおり、各部会での点検としては、各部会が対象とする範囲の施策について点検を行い、その結果を総合政策部会に報告する、なお、個別計画に基づく点検結果を可能な限り活用するということでございます。

 それから、点検のスケジュールというところの四角がございますけれども、これも前回ご説明したものと同じでございますが、2年目というのが今年でございまして、各部会による各分野の点検を行い、3年目がそれを受けて各部会から報告を受けまして、総合政策部会が夏ごろ以降に全体的な点検を行う。4年目、5年目にも同じことを繰り返しまして、それ以降に全体の計画の改定に入っていくという形でございます。

 おめくりいただきまして、次のページでございます。

 循環計画におきましても重点点検分野ということで、本日、災害廃棄物対策を取り上げさせていただきますけれども、総合政策部会でも重点的な分野を設定するということでございます。重点がついていなくて点検分野という名前でございますが、これがその年の、その回で点検する分野ということでございます。

 今年度、来年度の点検を行う分野として、2ページ、3ページ目の表で示されている分野が環境基本計画の中で点検分野として取り上げる部分ということでございますが、循環計画との関係におきましては、2ページ目の下のほうの3ポツの(1)地域のエネルギー・バイオマス資源の最大限の活用というところで、循環型社会部会がバイオマス資源関係ということで入っているということでございます。

 この部分、環境基本計画の記載といたしましては、バイオマスを始めとする地域資源の活用ということでございますので、この部分に関して、今年度の点検結果を総合政策部会のほうに来年インプットしていくということでございます。

 3ページ目でございますが、おめくりいただきまして、もう一つありますのが、第2部第3章、重点戦略を支える環境政策のほうでございまして、こちらの「循環型社会の形成」というのが循環型社会部会の担当となっています。この部分に関しましては、基本的には循環計画に基づき各種施策を展開するという記載の部分でございますので、循環計画全体論をここの部分に基づいて、ご報告するということになろうかと思っているところでございます。

 3ページ目の一番下ですが、第2回の点検分野、再来年以降のことでございますが、これにつきましては、第1回の点検分野で選定しなかった項目及び取り上げた項目のうち進捗状況をさらに確認する必要がある項目を点検する形で書かれているところでございます。

 おめくりいただきまして、4ページ目の3ポツで点検の進め方という部分がございます。そこの中で、二つ目の丸でございますが、幾つかの視点が示されているところでございます。点検の際、各部会は重点戦略全体を俯瞰しながらということで、一つ目のポツは、施策の過不足がないかということでございます。二つ目のポツにつきましては、例えば循環であれば循環分野の環境保全上の効果に加えまして、他の環境保全上の効果、当然ながら脱炭素ですとか、自然共生、こういったものに関して効果が発揮できるような施策になっているかということ。それから3番目のポツですが、経済社会面での効果があるかということでございます。4ポツ目、関係府省等、ほかの施策との有機的な連携。5ポツ目が、地域循環共生圏の創造への貢献。それから、最後が地域社会システム等のあらゆる観点からのイノベーションの可能性。こういった観点からも必要に応じて確認、検討を行うということでございます。

 その次のところ、指標の活用につきましては、基本的には循環計画に関しては循環計画の中で指標を定めておりますので、これに基づいて見ていくということが必要と思っているところでございます。

 ちょっと、少し飛ばさせていただいて、最後、6ページ目でございますが、参考ということで、総合政策部会における全体取りまとめのイメージということが書いているところでございます。来年の総合政策部会における取りまとめのイメージでございますが、①ということで、各部会からの報告、部会長等からの報告が望ましいという形で書いていただいております。

 ②各府省・各主体からのヒアリング、これも総合政策部会において、各部会からの報告を踏まえて、あちらはあちらでヒアリングをするということでございます。全体を俯瞰しまして、計画の点検をするということが書いてあるところでございます。

 以下、総合政策部会における指標の議論の状況等がついているところでございますので、割愛させていただいて、説明は以上とさせていただきます。

○酒井部会長 どうもありがとうございます。

 それでは、ただいまの説明につきまして、ご質問、あるいはご意見ございましたら、お願いをしたいと思います。いかがでしょうか。

 これからの話ですので、多くの質問はないと思いますが、第1回点検が19年度、20年度というふうに書き込まれておりますけれども、この2年間の中でのタイムテーブルとかは示されているのでしょうか。

○循環型社会推進室長補佐 総合政策部会から詳細にこれが出ているというものはありませんけれども、先ほどの1ページ目の点検のスケジュールのところにございますように、今年度、各分野における点検ということでありますが、一応期限というか、期限という言い方をすると少し違いますけれども、3年目の年度前半までのところで各部会からの報告を受けるということでございますので、基本的には、今年度中を目処で、ある程度、各部会の点検をまとめまして、来年度の前半に、先ほど部会長等からということがありましたけれども、点検の結果について、総合政策部会のほうに報告しまして、夏以降、総合政策部会があちらのほうで点検をして、取りまとめに入る。そういう形のスケジュールで認識しているところでございます。

○酒井部会長 わかりました。ということは、第1回点検、できるだけ2019年度でしっかりと検討しておくという、そういうことになるわけですね。

○崎田委員 じゃあ、すみません、一つだけ。

○酒井部会長 どうぞ、お願いします。崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。

 これを拝見して、しっかりと計画をしておられるので、このようにやっていくことが大事だと思うんですが、一つ。今回、地域循環共生圏という広い視点で社会の成長を推進していくという、こういう点が重要になるわけですけれども、それぞれの、同じ環境省の中での分野だけではなく、各府省庁が連携し総合として、どれだけ社会の発展を応援できるかというところが、今問われているわけです。私たちもできるだけ、こういう一つ一つの項目を分けつつ、縦の視点だけではない、ちゃんと横に広がる視点で地域の発展を見詰めていきたい。そこを確認させていただきたいということで、一言発言させていただきました。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 引き続いて、ご意見をお聞きしたいと思います。細田委員、お願いいたします。

○細田委員 質問ですけど、4ページの点検の際の幾つ目の丸かな、3ポツの二つ目の丸で、重点戦略全体を俯瞰しながらというところで、最後のポツで、その前までのポツは、割と個別で、そうかなとわかるんですけど、経済社会システム、ライフスタイル、技術といったあらゆる観点からのイノベーションというのは、めちゃめちゃラフな書き方で、あらゆる分野のイノベーションと言われても、何というか、そこに何かあるのか、要するに何をここで言いたいのかがよくわからない。あらゆると言われても困っちゃいますよね。何を想定されているのか、もう少し背後にあるものを説明していただけないでしょうかというのが質問。

○酒井部会長 意見を全部聞いてみます。

 右田委員、お願いします。

○右田委員 

 地域のエネルギー・バイオマス資源の最大限の活用について申しあげます。経済界といたしましても、再生可能エネルギーの主力電源化は、環境政策とエネルギー政策の双方の観点から極めて重要な課題だと考えております。その中で、地産地消型のバイオマスにもポテンシャルがあると考えており、地域バイオマス資源の活用に向けて向け、着実な環境整備を進めていただきたいと思います。

 環境基本計画の中には木質バイオマス資源を自立分散型のエネルギーとして活用することが盛り込まれていますが、現状のバイオマス利用はFIT制度にかなりの程度依存しており、大きな国民負担によって支えられています。再エネの主力電源化の前提として、再エネの自立化が喫緊の課題となるなか、国民負担によって割高な燃料費を下支えする現状の構造では、バイオマスを持続可能なエネルギー源と評価することは、必ずしも適切ではないと考えております。バイオマスの自立化に向けて、エネルギー政策はもちろん、林業政策の観点も踏まえた検討が必要ではないかと考えます。

 計画の評価点検に当たっては、現行制度の課題などにも留意して、持続可能な地域社会を構築するための政策立案につなげていただきたいと思います。

 以上でございます。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 山田委員、お願いいたします。

○山田委員 ありがとうございます。

 私は個別の問題というよりも全体のイメージということで、一言ご意見を申し上げます。

 環境基本計画の点検評価を進める上で、循環型社会形成推進基本計画を初め、環境省が策定するほかの計画等と関連づけながら、効果的に実施していくことが大変重要であると考えています。その意味で、今回の第五次計画の点検の進め方は、一言で言いますと、前回の点検よりも改善されていると評価しています。特に気候変動対策と資源の循環対策、それから生物の多様性の保全等は、密接に関係することもあり、環境と経済の両立を実現しながら、ライフサイクルを通じた環境負荷の低減を目指していただきたいと思います。

 以上でございます。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。

 大塚委員からも挙がっていますので、お聞きしましょう。

○大塚委員 総合政策部会のほうで関わらせていただきましたので、一言だけ申し上げさせていただきますが、今回の点検はもともと第五次環境基本計画の基本的な発想からの点検ということになっていまして、地域循環共生圏というのは、非常に重視されていますし、あと先ほど来、ご議論がある環境・経済・社会の単なる統合だけではなくて、むしろ環境政策によって、経済・社会を同時的によくしていくとか、あるいは現在ある課題をよく解決していくという、そういう発想での点検ということになっているので、イノベーションのところも、ちょっとそういうところがあると思いますけども、そういう見方をしていくことが大事じゃないかというのが基本的な発想なので、全てがそれで切れるかどうかとか、全ての面をそれで処理できるかどうか、必ずしもはっきりしないところもあるとは思いますけども、そういう目で見ていった場合に、今までの環境政策をどういうふうに捉えることができるかというところが、多分、非常に重要な観点なんだろうと思います。そういう観点での点検を求められているということだと思いますので、それを粛々と進めていっていただければ、第五次環境基本計画との関係でも非常に重要な点ではないかということを考えております。

 以上です。

○酒井部会長 それでは意見をいただきましたので、事務局のほうからご回答をいただけるところはお願いいたします。

○循環型社会推進室長補佐 ありがとうございます。

 まず、若干順不同いたしますが、崎田先生、それから山田委員、それから、あと大塚先生からも、一部いただいたお話に近いところがございますけれども、まさに環境基本計画のほうでも位置づけられている地域循環共生圏なり環境・経済・社会の統合的な向上なり、こういったものの考え方というのは、当然、環境をよくすることで、社会もよくしていくとか、近接、広がる分野についての関連性を考えながらやっていくということでございますので、こういった視点、重要な視点を踏まえて点検を進めていくということと思っているところでございます。

 それから、右田委員からいただきましたバイオマスのご指摘につきましては、そういったことも踏まえて、当然ながら我々としても考えていかなきゃいけない。循環の分野なので、温暖化のことは考えなくていいということは全くございませんし、全体を見ながら、視野に入れながら点検を進めていくということかと思っておりますので、ご指摘としていただければと思っております。

 最後、細田委員からいただきましたイノベーションの視点ですが、私の理解ではということになってしまいますが、イノベーションといった場合に、どうしても技術に寄った形で発想されることが多いので、システムみたいなもののイノベーション、ソフト的なと言ったら、ちょっと、若干また違うかもしれませんが、そういうことも踏まえたイノベーション、さまざまな形でのイノベーション、社会イノベーションみたいなものを含めてという意味で、ここは書いていると受け止めておりますので、社会システムみたいなものを含めたイノベーションというふうに認識しております。

 以上でございます。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 細田委員、今の説明であれば、理解は確かにできるんですが、そうはなかなか読みにくいですね。

○細田委員 そうですね。もしそうだとしたら、それは非常に重要なポイントを占めていて、要素技術をいかに我々が新機軸でつなぎ合わせるかというシステム的な問題なので、まさに、それだったら、今のでフィットしていると思いますが、ちょっとこの書き方だと何を考えているのかと思ったので、でもわかりました、ありがとうございます。

○酒井部会長 ありがとうございます。見事なご回答だったと思います。

 では、この環境基本計画の点検との関係、この辺りでよろしいでしょうか。それでは、この議題はこの辺りにさせていただきまして、ただいまいただいたご意見は今後の本部会での検討の中で留意をさせていただく、こういうことで進めさせていただきたいというふうに思います。

 それでは次に、第四次循環型社会形成推進基本計画の点検における重点点検分野に入りたいと思います。本日は重点点検分野といたしまして、万全な災害廃棄物処理体制の構築について、ご議論をいただくこととしております。まず順序といたしまして、まず事務局のほうから、この分野に関する国の取組及び指標の進捗について、説明をいただきます。その説明後、10分程度、皆様からのご意見、質疑の時間にさせていただければと考えております。

 その後、関係主体からのヒアリングといたしまして、先ほどご紹介のございました岡山県の原田様から、特に昨年7月の豪雨災害の災害廃棄物処理の状況、それを踏まえた課題、あるいは県の取組、この辺りをお話しいただきます。また、国立環境研究所の多島様からはD.Waste-Netにおける活動、具体的な取組、これをお話しいただきます。それぞれ15分程度でお願いをいたします。

 説明後、ヒアリング内容のご質問、全体を通しての質問、ご意見ということで、15分程度を考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは早速、事務局からの資料の説明ということで、資料2関係をよろしくお願いいたします。

○廃棄物適正処理推進課長 それでは、資料2-1に従いまして、災害廃棄物対策の全体像、それから補足的に、2-1の補足という、本日配付の資料に基づきまして、本年度に入ってからの災害の状況。それから、資料2-2のほうで点検の状況について、ご報告させていただきます。

 まず、2-1でございますけれども、環境省における災害廃棄物対策に係る取組ということでございますけれども。

 めくっていただきまして、2ページ目のところでございますけれども。

 災害廃棄物対策の推進、全国レベル、地域ブロックレベル、自治体レベルというふうに分かれて実施しておりますけれども、全国レベルでは災害廃棄物処理のノウハウの蓄積・検証ですとか、ブロックを超えた連携の推進、D.Waste-Netによる支援体制の構築などを行っております。地域ブロックレベルの取組としては、大規模災害の際の災害廃棄物対策行動計画の策定ですとか、セミナー、人材交流等の人材育成などを行っているという状況でございまして、自治体レベルの取組としては、災害廃棄物処理計画、事業継続計画等の策定ですとか、人材育成、災害協定の締結等を行っているという状況でございます。

 めくっていただきまして、3ページ目でございますけれども。

 自治体における災害廃棄物処理計画の策定の必要性ということでございますけれども、まず全体としましては、環境省において災害廃棄物対策指針というのを策定しておるところでございます。これに従って災害廃棄物処理計画をつくっていただくということですけれども、各種災害を踏まえますと、事前の備えを進めておくことの重要性が明らかになっておるところでございますけれども、真ん中のところをご覧いただきますと、実際には災害廃棄物処理計画の策定が進んでいない。また、策定していても実効性の高い計画となっていないケースもあるということでございまして、まず各自治体において、災害廃棄物処理計画を策定するといったような事前の備えを進める必要があるということでございます。

 自治体のほうでの状態につきまして、調査を行っておりまして、調査の概要につきまして、3ページ目に載っておりますけれども、調査対象、回収率等を載せております。

 その結果でございますけれども、4ページ目のところですけれども。

 策定状況、グラフにしておりますけれども、平成25年度末から29年度末までの状況を書いておりますけれども、青で書いているのが都道府県、赤で書いているのが市区町村ということですけれども、29年度末、一番右側の段階でも、都道府県で85%、市区町村になりますと27%というような状況になっておるということでございます。

 めくっていただきまして、5ページ目でございますけれども。

 策定状況を人口規模別に見たものですけれども、やはり小さい自治体になりますと策定率が下がっている、あまり高くない、より高くないという状況でございます。人口カバー率も29年度末では46%ということになっております。

 次のページでございますけれども、こういう状況を見まして、策定率の向上に向けた取組でございますけれども、目的・目標のところにございますけれども、災害廃棄物処理計画を策定していないということで、初動対応の遅れが指摘されておるところでございます。課題ということですけれども、自治体において、マンパワーも限られているとか、知見がない、危機感がない等々あるということでございます。取組といたしましては、都道府県のリーダーシップのもとで中小規模の自治体を対象とした計画策定の促進事業を進めるとか、あと、防災・減災、国土強靭化のための緊急対策といったようなことで、モデル事業といったようなものを進めていくとか、標準的なワークシートをつくって、研修形式で計画をつくってもらうといったような手法について、検討しておるところでございます。

 次のページで人材育成に向けた取組になりますけれども、人材育成についても連携体制の構築とか、職員の研修訓練など、備えを進めておくことが重要でございまして、さまざま、自治体レベル、地域ブロックレベル、全国レベルで取組を平時から進めておくことが重要ということでございますけれども、真ん中のところの課題、書いてございますけれども、ここでも、実施するためのノウハウがないとか、職員や時間を確保できないとか、専門家を確保できない等の課題を抱えているというような状況でございます。したがいまして、今後の取組ということでは、D.Waste-Netを活用して、技術的な知見を提供するとか、図上演習のモデル事業をやるとか、こういう情報共有、人材交流の場の設置、啓発セミナー等の実施をするとか、人材バンクを構築して、人材をリストアップしていくといったような取組を行っていくことが必要になっております。

 次のページは事例でございますけれども、例えば災害廃棄物についての地域住民への周知の事例では、大分県の臼杵市では、例えばごみ出し用の収集カレンダーに、災害廃棄物に関する記述を載せていると、仮置き場とか、災害時のごみの分類等についても載せているというようなこともやっております。

 地域ブロック協議会につきましては、9ページのところでございますけれども、色分けしたようなブロックにおいて、それぞれ計画等を策定しているということでございまして。

 めくっていただきました、10ページのところに、それぞれのブロックでの計画の状況、策定年月とか特徴について、記載しております。概ね平成29年から30年ぐらいの段階で策定自体はされているというようなところでございます。

 めくっていただきまして、11ページのところでございますけれども、D.Waste-Netの仕組みということで載せておりますけれども、環境省が事務局となりまして、初動・応急対応の支援、復旧・復興対応の支援というのをやっているというようなことでございまして。

 めくっていただきまして、12ページのところに、それぞれのメンバーも記載しておりまして、活動実績等を右側に書いております。

 めくっていただきました、次の13ページのところでございますけれども、昨年度の、30年の7月豪雨のときの災害廃棄物の状況でございますけれども、例えば路上に蓄積されている状況、住宅の前に集積されている状況、仮置き場にも混合状態で出されているというような状況があったということでございます。

 また、近年の災害廃棄物の発生量につきましては、次のページ、14ページでございますけれども、大きなものについて載せておりますけれども、例えば東日本大震災のときは3,000万トン超のものが出てきた。阪神淡路で1,500万トン、熊本地震で300万トン、7月豪雨で、今のところでは190万トンぐらい出ていたというようなことが、こういうのを見ていただきますとわかるかと思います。

 また、7月豪雨のときの取組でございますけれども、次のページ、15ページ目でございますけれども、例えば人材の支援、仮置き場に対する支援、収集運搬、処理に対する支援、財政の支援等を行っております。

 より具体的には、人材関係、現地支援体制、次のページ、16ページ目でございますけれども、それぞれの地域の事務所を中心に、リエゾンを派遣したり、現地支援チームが常駐したりして対応していたということでございます。

 次のページ、D.Waste-Netの活動実績について記載してございますけれども、それぞれの段階で技術的な支援、窓口の設置、収集運搬、広域処理、施設の復旧、悪臭とか害虫対策の実施についてもD.Waste-Netの協力で行っておるところでございます。

 次のページ、18ページ目でございますけれども、今後取り組むべき事項と取組状況ということですけれども、例えば大量の災害廃棄物の路上の蓄積とか、集積所の閉塞につきまして、例えばですけれども、がれき・土砂一括撤去スキームということで、国交省を含め関係省庁とも調整をして新たなスキームをつくっているとか、あと防衛省とか自衛隊、国交省との連携を標準化するといったようなことをやっております。

 あと、下のほうでは社会福祉協議会、ボランティア団体との連携といったようなことも、現在進めておるところでございます。

 具体的な内容、一括スキームについては、19ページでございまして、ボランティア関係については、20ページでございますけれども、それぞれの団体と平時から連携をして、発災時にも連携していくといったようなことを進めておるところでございます。

 また、次のページ、21ページでございますけれども、施設の整備を緊急対策として進めておりますし、体制の整備、左下のほうでございますけれども、進めておるというような状況でございます。

 次に、資料2-1の補足という資料に基づきまして、最近というか、本年度の災害の状況について、ご報告させていただきます。

 資料2-1の1ページ目のところで、今年、本年度に入ってからの主なものを載せておりますけれども、本年度、6月には山形、新潟の辺りで、山形県沖を震源とする地震があったということでございまして、特に瓦等が落ちてきたというようなことが多く発生しておりまして、適宜、仮置き場を建設して搬出をやっておるというような状況でございます。

 また、6月には九州南部での大雨というのがございまして、鹿児島とか宮崎とか熊本で大雨が降って浸水被害等が発生しておりますけれども、一応、この際は通常の処理体制で対応しておるということでございます。

 また、8月末には九州北部のほうで前線による大雨が降りまして、内水氾濫が起こって、例えば大町町とかでは鉄工所から油が流出したというようなこともございまして、次の紙で、より詳しくさせていただきますけれども、仮置き場に搬入といったようなことを行っておるところでございます。

 また、その後、9月には岡山県新見市で浸水被害が発生しておりまして、これも仮置き場を設置して、搬出を実施しておるところでございます。

 あと、あわせて、その次の日ぐらいには三重県の辺りで大雨があって、浸水被害等が発生しておりますけれども、通常の処理体制で対応しておるところでございます。

 一番下が先般の台風15号の関係でございますけれども、停電等で処理施設が今もとまっているところが多数生じておりまして、ところによっては仮置き場を設置しておるところでございますけれども、今でも、まだちょっと状況がよくわかっていないようなところというのもございますので、情報収集、支援も合わせて行っているところでございます。

 次のページは、九州の佐賀県での対応の状況について、記載しておりますけれども、人的のところでは、原田前環境大臣が9月4日、5日には被災地を視察しております。その前の発災直後から環境省職員、D.Waste-Netの専門家を派遣しておるところでございます。

 また、この際は、特に油が出たということでございまして、二つ目のところでございますけれども、大町町の鉄工所から流出した油の回収ということで、回収のためのバキューム車の派遣とか、あと油がついた住家等の清掃のために吸着剤シートを用いたボランティアによる清掃作業を支援したりとか、あと吸着マットで、保管していたところで油漏れ等があったので、搬出、清掃等を行ったりということもしておりますし。

 3ポツのところでは、健康影響が懸念されておりますので、情報提供等を実施したりとか、国立環境研究所の専門家のご協力を得まして、相談体制ですとか、現地への派遣というのも行っておるところでございます。

 4ポツでございますけれども、災害廃棄物の支援を実施しておりまして、例えば補助金関係の説明会もやっておりますし、今後、補助金による支援を行っていくというようなことでございます。

 次のページには、概要的な幾つかのところでの写真等を載せております。

 すみません、ちょっと時間をオーバーしておりますけれども、続きまして、資料2-2でございますけれども、点検の状況でございます。

 点検の案として書かせていただいておりまして、1ページ目では背景と基本的方向性ということで、先ほど、ご紹介しました自治体、地方公共団体レベル、地域レベル、全国レベルでの取組を書いているというようなことを説明しております。

 めくっていただきました2ページ目のところに、指標として設けられている指標の策定状況について、記載しております。

 実際の中身については3ページ目以降でございますけれども、目指すべき方向として、上向きの矢印がございますけれども、それぞれ短期的な動向ということで、状況について記載しております。まず方向性と、あと、ちょっと状況を表すために色で、青のほうがより順調、赤のほうは少し進捗の状況が悪いということを指しております。例えば、災害廃棄物処理計画の策定率につきましては、都道府県は100%の目標に比べて85%ということで順調に推移をしているということでございますけれども、市町村のものについては現在27%ということでございますので、増加傾向であるが低い水準というようなことで、目標との解離は大きいので、さらなる取組が必要というふうにしております。そういった形で、災害時稼働可能な施設、老朽化対策率、仮置き場の整備率を記載しておりますし、次のページのところには、教育とか、訓練の実施率ということで、それぞれ都道府県、市町村の取組、有害廃棄物対策の検討実施率についても記載しておるところでございます。

 以降につきましては、それぞれの指標の具体的なデータですとか、それぞれアンケート等をとった際の結果について、載せておるところでございます。

 長くなりまして、申し訳ございません。説明は以上でございます。

○酒井部会長 それでは質問、ご意見をお受けしたいと思います。ご意見、質問がおありの方、札を立てていただけませんか。

 まず、一通り、お聞きさせていただきたいと思います。

 大石委員、お願いいたします。

○大石委員 ありがとうございます。幾つか質問させてください。

 まず大規模災害とか、激甚災害とか言われますけれども、補助金が出る、出ないという判断といいますか、それはどこが決めて、どういう規模であれば出る、出ないということになるのかというのを一つ教えていただきたいです。

 それから、あと今、市町村の準備がなかなか進んでいないという話ですけれども、想像すると、やはり人口減ですとか、高齢化の進んでいる市町村は遅れているのではないかなと思うんですけど、逆にそういうところは早く準備しておく必要があると思っていて、そこら辺、進んでいない市区町村の特徴ですとか、そういうのまでわかっていれば教えていただきたいと思います。

 それから、あと災害の中で、ちょっと気になったのが、最近は起こっていないですが、塩害といいますか、高潮とか、台風で結構、塩害が起きたときに、これは建物だけではなくて農作物などの害も出ると思いますが、そういうものも今回の災害の対象になるのかどうかということも教えてください。

 以上です。

○酒井部会長 大熊委員、お願いします。

○大熊委員 ありがとうございます。

 私のほうからは処理計画、災害廃棄物の処理計画の策定状況についてなんですけども、やはり市町村が27%ということで、なかなか進んでいないということです。その実態は今、大石委員も言われたと思いますけれども、なかなか小さな自治体ですと、廃棄物関係の担当者自体が兼務をしていたり、もちろん人事異動もあるので、なかなか進まないというのが実態だと思います。ただ実際に発災すると、結局、そういうところが一番本当は支援しなきゃいけないところなんですけれども、実際の被害状況も、人がいないために把握もできないというような、今までの災害を見てみると、そういう状況だと思いますので、あれもこれも一遍にやることはできないと思いますが、まずは廃棄物処理計画、災害廃棄物の処理計画、これをとりあえずつくっておかないと、人が変わったら、もう誰も手がつけられないというのはだめだと思います。

 ぜひ、小さなところの市町村の重点を置いて、なかなか環境省さんが全国の市町村の小さいところというわけにはいかないので、実際的には都道府県の担当部署の方が指導していただくなりということで、今もやっておられると思いますが、ぜひ支援に力を入れていっていただければと思います。それができれば、実際に起きたとき、人が変わっても、とりあえず、それを参考にどうすればいいんだということがわかりますので、ぜひ小規模の自治体への災害廃棄物処理計画の支援ということに力を入れていただければと思っております。

 以上でございます。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 大迫委員、お願いします。

○大迫委員 ありがとうございます。

 コメントになりますが、循環基本計画の進捗という面から見ると、幾つかの指標について、遅れているといいますか、進んでいないという状況も課題としては見受けられますが、全体としては、非常に精力的に進めておられるのではないかというふうに思います。何より東日本大震災以降、この災害廃棄物対策が環境政策あるいは循環型社会、廃棄物処理政策において、主流化してきたということは大変評価できるのではないかというふうに思っています。

 それで、ちょっとコメントは、今回8月末の九州北部の大雨被害の中で、油の汚染という複合的な問題が起きたということは、すごく特徴的だったかなというふうに思います。私ども、国立環境研究所も廃棄物関係だけじゃなく、化学物質のほうの方々とも連携しながらやってきて、内部的には、中でのいろいろな意思疎通に課題が残ったところはありました。

 環境省内も、今後、災害というのは多様な様相を見せていく可能性がありますので、水・大気のほうとか、あるいは環境保健のほうとかぜひ横の連携の体制をさらに考慮した形で検討していただく。また、自治体レベルにおいても、そういう横の連携が意識された対応が必要になってくるので、災害廃棄物対策のほうからも、自治体にいろいろと技術的支援をしていく中で、そういったところも意識していただくといいのではないかというふうに思います。

 以上です。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 小野田委員、お願いします。

○小野田委員 どうもご説明ありがとうございました。2点コメントです。

 1点目は質問で、もし今日、答えられなかったらいいのですが、一つは、やはり前提としては、大規模な地震とか津波というイメージだけではなく、頻度が非常に増えているということは、もう誰の目にも明らかだと思います。結局、先ほどあった計画と、例えば直近で起きたような自治体、計画の効果があったか否かという点を検証してほしいと思います。例えば、直近被災した自治体が計画があったのか、なかったのか、あるいはあったとすれば、それが機能していたのかどうかという観点で整理していただくといいのかなというのが1点目です。

 あと2点目は、これは当然、意識されていることだと思いますが、頻度が高くなってきているので、もう少し平常時から意識させるような方法論というのも、より明確にしていったほうがいいと思っています。例えば、いわゆる2019年3月29日の広域化に関する通知で、ごみ処理の広域化の議論だと、なかなか連携が進まないという話がよくあるのですが、一方で災害という切り口だと横のつながりがつくりやすいというようなところがあると思います。こうした点を連携させながらアプローチしていくような方法論が重要ではないかなと思った次第です。2点目はコメントでございます。

 以上です。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 崎田委員、お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。いろいろなご意見がもう既に出ておりますけれども、私も、やはり気候変動が進み、自然災害がこれから増えてくるという時代の中で、計画をまずしっかりつくっていただくというのが大事だというふうに思っております。

 なお、今回の環境省の自治体の調査に対して、回答率100%だったというのは、大変すばらしいことだと思いますが、計画の作成率が都道府県が85%、市区町村が27%、やはりここをもっと上げていくというのが大事だと思いますが、このデータが30年3月の状況で答えるようにということですので、現実には2017年度の状況だと思うので、その後の1年半ぐらいの間にかなり増えているのではないかとも思います。その辺を踏まえて、現状を把握し、今やはり一番課題として残っているのは、なぜできていないのかとか、その辺を少し、明確に課題を絞って対応していただければ、ありがたいというふうに思います。

 次に、それを、やはり私たち市民が通常から、この地域はどういう計画を持っているのかという内容を知っておくことが大事だと思いますので、資料の中に大分県臼杵市のデータが出ていましたけれども、やはり、こういうふうにちゃんと情報を普段から出していくということを、今、災害対応計画の中で、住民にどういうふうに伝えるように指示しておられるのか、その辺を教えていただければありがたいなというふうに思いました。

 最後に1点、鉄工所から油が出たという件で、大迫委員からもご意見が出ておりましたが、私も、やはり、ここは大変気になっております。なお、化学物質を利用する工場なども各地に多くあると思います。この夏前にPRTR制度の見直しの委員会に参加させていただいたんですが、そのときのまとめに、大規模な自然災害などが起こる危険性も高まっている状況の中で、PRTRの届け出の数値を自治体にきちんと伝えておくことが今後の災害対応に大事なのではないかという、そういう1項目をきちんと入れてあるはずですので、そういうデータをうまく生かしながら、自分たちの地域にどういう化学物質があるのかということを、こういう災害廃棄物処理計画の中で把握していっていただけるような流れができたらいいのではないかなというふうに思っております。よろしくお願いします。

○酒井部会長 篠木委員、引き続き、お願いします。

○篠木委員 ありがとうございます。2点ございまして、既に、1点目は、ほかの委員の皆様がご指摘されているように、中小の市町村の支援について、具体的に考えていく必要があるのではないかということです。計画の策定もなかなかできないということもございますし、最後にご説明いただきました資料2-2でも、自ら対応できない場合に支援を要請できる信頼関係を醸成していく必要があるということも記載されていましたけれども、結局、そういう自ら対応できないところというのは小さい自治体だということは、もう既に明らかになっています。したがって、その後、実際に具体的にどうしていくかということを、今後考えていかなくてはいけないのではないかと思います。

 2点目ですが、これは今回の計画にはダイレクトに関係しないことなのかもしませんが、災害が与えた、社会全体のその後の影響というのも、余裕があれば検討していく必要があるのではないかと感じております。

 これは具体的に仙台市の話なのですが、仙台市は災害後ごみが急激に増えたそうです。四、五年ぐらいずっと増え続けて、ようやく最近減り始めた。しかし、いまだに、震災より前まで、ごみの減量が進んでいない。一旦何か災害があって、災害ごみをどんどん出していいよとなると、今度は市民の気持ちが大きく変わる。それを元に戻すのが非常に大変だという話を市の担当者がしていました。環境省では、毎年、種々のデータを集めていらっしゃると思いますので、そういった災害があった後、社会全体がどうなっていくのかということもあわせて考えながら、計画を考えていく必要があるのではないかと思います。

 以上です。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 白石委員、お願いします。

○白石委員 ありがとうございます。全体としては非常によくやられていると思いますが、2点だけ質問です。

 一つは、通常の処理と災害の対策と二つに分かれていくとご説明がありましたけども、それに関連して、今の千葉の問題ですけれども、今まだ情報がよくわかっていないということですが、情報の収集と、皆様がつくっている計画との関連性はどのようなことになっているのか。これが一つ目のご質問です。

 もう一つは、進捗状況の指標のところで、Fで、災害時に係る有害廃棄物対策検討実施率が赤い矢印になっていますけど、これは、ご説明はなかったですけども、油の問題とも関連していますが、実際にどのような対策を今実施されているのか、そんなことをちょっと知りたいということでございます。

○酒井部会長 高橋委員、どうぞ。

○髙橋(勝)委員 皆さん、言っているところですが、災害廃棄物処理計画の策定率が非常に低いということは問題なのかなと。市町村の27%というのは、本当に、ちょっとショックな数字でありまして、何とかしなきゃいけないのかなと思いますけど、一方で都道府県が100になっていないのも、やはり大きな問題なのかなと思います。これは、やみくもにつくれ、つくれといっても、なかなか難しい部分があると思いますが、アンケートで100%回答があるということですけども、できれば、なぜ策定できないのかという理由なども分析をしながら、策定できるような方向に誘導していっていただければありがたいなと思っています。

 この手の計画というのは想定を緩くしちゃうと計画としての体をなさないし、また想定を厳しくし過ぎちゃうと、今度、計画が立てられないというようなことがあるんだろうなと思います。そういった意味では、どの程度の計画内容を要求しているのかという辺りも、ぜひ、ご指導いただければありがたいのかなと。仮置き場を設定したり、あるいは可燃ごみについては、焼却するということがあったとしても、例えば想定を厳しくしちゃうと、全部、仮置き場として想定していたところが被災して置けないとか、あるいは焼却工場が全部被災して、それが燃やせないとかというところまで含めて、全部を厳しく想定しちゃうと、計画がなかなか難しいのかなということなので、恐らく行政として計画を立てろというと、かなり緻密に万全を期してというようなことを多分、各役所では考えちゃうのかなと思うので、この際、計画なのか、あるいはそういったことが起こった場合の全体的な方針みたいなものでも、緩いものでも、もちろん、ないよりはいいということがありますので、ぜひその辺、全体的にご指導をいただければありがたいなと思います。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 中島委員、どうぞ。

○中島委員 ありがとうございます。ご説明ありがとうございました。

 昨今、温暖化の大きな起因と思われる自然災害が起きてきており、それがますます増えてきていると思いますので、今回の全国、地域ブロック、自治体といった、それぞれのレベルが相互に連携して重層的に災害廃棄物対策を進めていくことには賛同します。

 また、強固な災害廃棄物処理体制については、レジリエンスの強化や、地域循環共生圏の推進にも資するものであり、是非、最終的にそこまで進めていただきたいと思います。

 13ページに、特に廃棄物が混合されてしまった写真等がありますが、絶対に次は起こさないということで取り組んでいかなくてはいけないと思っております。その上で、三点意見させていただきます。

一点目は先ほどから意見が出ていますが、中小規模の自治体での策定が進んでいないということに関して、計画にも書かれている通り、処理計画のひな形となる標準シートを作成共有するということは非常に良いことだと思いますので、この取組にぜひ期待したいということであります。

 二点目ですが、現時点ではまず計画の、特に中小市町村の計画策定の割合を増やしていくことに注力していくと思うのですが、先ほども言いました災害時のレジリエンスの対応、全体的なレジリエンス対応、地域循環共生圏等にも配慮した計画へと、ぜひ発展させていただきたいと思います。

 例えば今、千葉でまだ続いています停電の件についても、やはり電気は焼却炉を動かすという意味でも大事ですし、もちろん全体の住民のインフラとしても、非常に大事なものなので、例えばコージェネ等の分散型エネルギーを活用して、エネルギーの需給を標準化することで、災害時だけではなくて、平時においても廃棄物処理が円滑かつ効率的に行えるようなことを考えていただきたいと思います。

 そういう意味では、武蔵野市さんの事例等、参考となる好事例もありますので、これらの事例も引き続き紹介しながら行っていただきたいと思います。

 三点目ですが、イノベーションの観点からの話として、重層的に推進していく上で、災害のシミュレーションや人材育成研修のプログラムを実践的にしていくという観点から、まだまだIoTとかAIとか、民間企業が持っている技術、イノベーションなども含めて、使えるものはたくさんあると思いますので、これらを効果的に使って検討いただきたいと思います。

 以上です。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 三浦委員、お願いいたします。

○三浦委員 皆様から、指摘が出ていますように、災害廃棄物処理計画の策定率が低いことは問題であると思います。災害が起きたときには、初期の段階で、多様な関係者による連携とか共働が非常に重要であり、その際の地域の司令塔が存在することが重要と考えます。その意味では、処理計画の策定率100%を早期実現する事を目指すべきだと思います。資料には、2025年度目標で都道府県が100%、市町村が60%となっていますけれども、早急に100%を目指すべきと考えます。そのためには、標準ワークシートを活用することなどが有効であると思います。地域性はあるものの、基本は同じだと思いますので、ひな形等があれば、取組みが進みやすいと思います。早期に100%を実現するよう、ぜひお願いしたいと思います。

 また、D.Waste-Netの活用にも賛成です。熊本地震のときに、私どもセメント業界は、そのときに発生した災害廃棄物を受け入れて、セメント製造の原料にしたり、エネルギー利用をし、復旧・復興のセメントを供給させていただきました。そのときに、D.Waste-Netが非常に機能したということを実感しています。

 災害発生時には、予期せぬことが起きますので、地域をよく知る自治体関係者には、そうした経験を活かして、さらに対策をブラッシュアップしていただきたいと思います。

 政府におかれましては、災害廃棄物の迅速な処理を進める観点から、廃棄物の広域処理を円滑に可能にする制度の運用や複数自治体との連携について推進していただきたいと思います。

 以上です。

○酒井部会長 見山委員、どうぞ。

○見山委員 ありがとうございます。

 先ほど来、計画策定の自治体数というところのKPIなど出されていますが、実は重要なポイントは人口カバー率のほうかなと、思っています。と申しますのは、大規模災害が起きたときに人口に比例して廃棄物は増えるということを考えると、人口カバー率は今46%ですが、これを上げていく施策を考えていくということが重要ではないかと思います。小規模自治体のみならず、50万以上とか10万人以上の自治体で、まだまだ策定できていないところがありますが、こういった規模の自治体が災害時に単独で全ての対応ができるとはとても考えられないので、当然のことながら広域連携とか、そういったことも考えざるを得ません。そういう時(災害時)に備えて、人も含めた広域連携、要するに平時の連携ですね、計画策定から一緒に小規模自治体とつくっていくとか、何かそのような仕組みをつくれるんじゃないかなというふうに思いましたので、人口カバー率というところにフォーカスして、旗振りをしていただくというのも必要ではないかと感じた次第です。

 以上です。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 ちょっと後からで申し訳なかったんですが、崎田委員がおっしゃった点は、私もとても関心があるところですが、今回の油に関しては、まずPRTRで対応できたものかどうかというのは、ちょっと一応お伺いしておきたいのと。

 それから資料2-2の12ページで、有害廃棄物対策の検討実施率というのが出ていますが、ここには一応入ることになるんでしょうか。たしか、PRTRのほうは化学物質管理指針で対応することに、一応させていただいたんですけれども、災害についてですが、それでも、まだ不十分な点があるのかもしれませんので、ちょっとお伺いしたいところでございます。

 以上でございます。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 ほぼ全員の委員から非常に多くの指摘をいただきましたので、事務局は大変かと思いますけれども、回答範囲、可能なところをよろしくお願いします。

○廃棄物適正処理推進課長 では、ちょっとまとめてお答えさせていただきます。

 まず油の関係は、今回、PRTRの対象外ということでございます。また有害廃棄物、この評価指標に入っているかどうかというのも、何が有害廃棄物に入っているかということは、特に定義せずに市町村に聞いているということでございます。

○大塚委員 ちょっといいですか。

 油の中に入っている成分が、何か有害なものがあると思いますけど、それでもやっぱり入らないということですよね。

○廃棄物適正処理推進課長 すみません。恐らく入っていないということでございますけれども、ちょっと、もし違っていたら、また議事録のほうで訂正させていただきます。

 あと、処理計画についてのご質問を多数いただきまして、ありがとうございます。確かに、まずデータの状況が29年度末ということですので、その後の策定状況等はまだ反映されていないということですので、何らかの形でできるだけ最新のものを反映していくというような作業は必要であろうかと思っております。

 また、どの程度の計画内容にすべきなのかということもございますけれども、恐らく、最終形はどんな災害が起こっても滞りなく災害廃棄物の対策が進められるというようなことで、例えばどこにどういう、どの規模の仮置き場を置いて、どういう形で分別して出してもらうと。その搬出、輸送についてもどういう方々を想定して、業者さんなり、運ぶ方々を想定して、固有名詞まで書いて、滞りなく進むようにすると。場合によってはもう既に、先に協定を結んでおくとか、そういうことが求められるかというふうに思っております。

 一方で、当然ながら、そこまで行くというのは難しいということでございますので、まずは、それなりに実効性のあるものをつくっていただくというのが必要であろうかと思っておりますけれども、さらに、もう少しラインを落とすと、まずはつくってもらうというようなことを求めていかないといけないというふうに思っております。

 このために、資料2-2、2-1のほうで書いてございますけれども、6ページ目のところですとか、7ページ目のところに書いておりますような、特に中小規模のところの状況が悪いということでございますので、中小規模のところを、都道府県それから国も含めて、サポートしていくような体制をつくりつつ、モデル事業等も通じて、策定作業を進めているというようなところでございます。

 また、施設につきましても、施設整備も非常に重要でございますので、今は災害に強い施設づくりというようなことで、私どもは交付金を出して、施設整備の支援をしておりますけれども、そういうことも使いつつ、より災害時に動き続けられる、また避難所にもなるというような施設整備も進めていきたいというふうに考えております。

 あと、あわせて、先ほどの有害廃棄物のところもございますけれども、どういうものが出てき得るのかということも想定した計画づくりというのも進めていかないといけないですし、規模の大きな災害になりますと、一つの自治体ではおさまり切らないということになりますので、ブロックの協議会を今進めているところでございますけれども、場合によっては、近隣の市町村との協定も含めて、ブロック協議会でもどういう処理体制にする、していくのかどうか。また、さらに大きな規模になりますと、ブロック間の調整をどうしていくのかということについても、私ども、国のほうも中に立って進めていかないといけないというふうに考えております。

 それから、それから冒頭に補助金の話とかがございましたけれども、災害廃棄物処理の補助金につきましては、例えば激甚災害ですと補助率は変わらないんですけれども裏負担のところが変わってくるというようなこともございますけれども、大体、雨量が幾らぐらい以上とか、風が、例えば暴風の場合ですとどれぐらい以上とか、というようなことは決まっておりまして、かなり広いところまで対象になるような形でございます。

 あと、高潮とか塩害のお話もございましたけれども、農作物等、基本的に生活環境に支障のあるようなもの、要は一般廃棄物、ごみ処理の延長線上で市町村がやることが適当だというようなものを私どもは補助金の対象にしておるということで、事業系のものについては、中小企業等の廃棄物を除いて、基本的にはそれぞれ事業者の方でご対応いただくというような運用をしております。

○災害廃棄物対策室参事官補佐 多少補足をさせていただきます。

 ほかにご指摘いただいた点としまして、広域連携の必要性を多くの委員からご指摘いただきました。広域連携につきましては、まさに協議会の中で行動計画というものを策定して、各ブロックでの市町村をまたいだ連携のあり方について、事前に計画をつくり、実際、今回の災害、九州北部の災害や今回の台風15号でも、それを発動して支援に入るということをやっております。

 また、処理計画につきましても各自治体単位ではなく事務組合という、まさにごみの広域化を進める組合単位で、複数市町村をまたいで計画をつくるというような活動をやっているところでございます。

 また、要因分析という話が髙橋委員からございましたが、資料2の7ページのところでも、なぜ計画が策定できていないのかといったような要因は答えていただいておりまして、そういった要因に照らし合わせて、まさに我々として何を支援していかないといけないかということで、対策を打っているところでございます。

 まさに標準フォーマットという形で、なるべく手間を減らしつつ、基本的な事項はカバーできるようなものというのを、今、案はもう既につくっておりまして、今年度、ブラッシュアップした上で自治体に配付したいということを考えてございます。

 また、PRTR関係でございます。大迫委員、崎田委員、大塚委員からも化学物質の部局との連携ということもご指摘いただきまして、まさにPRTR法の検討の中で化学物質管理指針が今後見直されていくと伺っておりますので、担当部局と連携しながら、いかに災害時の情報を有効に拾って集約していくかということの議論を進めていきたいと思ってございます。

 以上になります。

○廃棄物適正処理推進課長 すみません。あと、実際の計画の効果の検証等でございますけれども、今まさに起こっているものについては、まだ少しできておりませんので、今後また、私も災害廃棄物の検討会とかを運営しておりますので、そういう中でそういう効果の検証も行っていきたいというふうに考えております。

○酒井部会長 一つ、適正課との関係では、篠木委員から話があったごみが増えたのではないかという意識の問題ですね。そこに対しては、どう考えているというのは、環境省にとって、非常に大事な質問だと思いますが、どうでしょう。

○廃棄物適正処理推進課長 すみません。そこのところの検証までは少しできておりませんが、例えば災害時にも、例えばいわゆる便乗ごみとかというようなものは起こり得ますので、それぞれの対応としては、例えば仮置き場での管理をやるとか、場合によっては仮置き場の位置をあまり広く知らしめないとか、そういうことも含めてやっておりますけれども。ただ、災害時の緊急性との兼ね合いもございますので、災害時には、それなりの管理をして、その後について、ちょっと増えるのかどうかということも含めますと、あまり分析ができておりませんので、その辺り、また分析等も進めていきたいというふうに思っております。

○酒井部会長 よろしいでしょうか。

 ほかの委員、今の事務局からのご見解でよろしいでしょうか。

 非常に多くのご指摘でしたので、また、十分に理解していきたいと思いますが、お聞きしてまして、2点だけ、私のほうからお願いを含めて申し上げておきます。

 髙橋委員のほうからの計画策定率の話ですが、調査時点の修正といいますか、恐らくは、今、都道府県、もう100%になっていることが期待できる時期ではないかと思います。47ですので、そこの確認はできるはずですので、ちょっと事前に今日の資料、相談いただきながら、その中で指摘できなかったのは申し訳ないのですが、そういう事情把握に関しては、今後できることは、もうちょっとやっていきましょうということでお願いをしたいと思います。

 それから、もう一点は、ここの点検評価に対しての非常に重要な点が指標です。今の段階は計画策定、ここが極めて重要なところですので、ここに重点を置いていただければいいのですが、あと、複数の指標を持っていただいていることとの関係で、有害廃棄物対策検討の実施、これは委員からご指摘がございましたが、この中身をまたしっかりと考えていっていただくということだと思います。もう一つ、災害時の再稼働可能な施設の割合ということで、50%目標に対して36%。この指標の達成の中身の確認ということが重要なフェーズに次に入っていくと思います。再稼働可能、ここの意味に踏み込むようなことも、そろそろ考えていく時期にあろうかと思いますので、そういった点を含めて、この点検の指標の中身ということも、ぜひ、次のステップでご相談をさせていただければというふうに思います。

 それでは、今、環境省からの説明に関しての質疑、この辺りにさせていただきまして、今日、岡山県と国立環境研究所のほうから来ていただいております。それぞれの説明をいただいて、そして質疑ということでいきたいと思います。まず、岡山県の原田様からご説明をお願いいたします。

○原田氏 すみません。改めまして、岡山県環境文化部循環型社会推進課一般廃棄物の原田と申します。今日はよろしくお願いいたします。

 それでは、資料2-3のほうに基づきまして、ご説明させていただきます。

 万全な廃棄物処理体制の構築ということで、平成30年7月豪雨災害を踏まえての状況等を踏まえながら、今後、県として、どのようにしていくかということを、ちょっと簡単にご説明をさせていただきたいと思います。

 それでは、本日の内容ですけれども、先ほど申し上げたとおりでございます。3ページ目ということで、まず、平成30年7月豪雨災害の概要を簡単にご説明させていただきたいと思います。

 4ページ目をお願いいたします。まず、今回、7月豪雨の発生したときの気象の概況ということで、ご存じかと思うんですけれども、まず、7月5日から7日ということで、この前に、台風7号の通過というのがございまして、その影響もありまして、張り出した太平洋高気圧に沿って、いわゆる湿った空気が流れ込み続けまして、西日本を中心といたしまして、いわゆる線状降水帯が次々に発生したという状況がございます。右の図にありますように、岡山県では7月5日から7日にかけまして、累計雨量で400ミリを超えるなど、多くの観測地点で時間雨量の最大値を記録したというような状況でございまして、本県は比較的災害が少ないというような認識を持っておったんですけれども、そういった本県でも初めてとなります大雨特別警報が発令されているところでございます。

 次のページ、5ページをお願いいたします。次に、被害の状況ということで、県全体の被害の状況ですけれども、左側の岡山県の地図でグレーで表示してあるところが人的被害があったもの、または半壊以上の住家被害があったものを塗っておりますけれども、こういう形で県全体に被害が発生しているんですけれども、特に県の西部、西部が岡山県は3本の川がございまして、西部のほうに高梁川という大きな川が流れているんですけども、その流域で大きな被害が出ているというような状況でございます。

 右側の今年の7月5日現在の被害の状況ですけれども、まず、人的被害といたしましては、死者の方が、災害関連死の方を含めまして79名等々、人的被害は259人というような被害を受けられております。

 一方、住宅、家屋の被害ですけれども、全壊が4,830棟、半壊が3,300棟余りということで、全半壊で8,100棟を超えるような、本県において、平成に入ってから最大の被害を受けたというような状況でございます。

 次のページ、6ページをお願いいたします。ご承知のとおり、今回の豪雨災害で最大の被害を受けました倉敷市真備町の被害状況のほうをご説明させていただきます。

 左側の地図の青い部分が、今回、浸水被害を受けたと推定されている部分でございます。真備町の市街地の大部分がこのように浸水しておりまして、今回は、この地図の真ん中を流れる小田川という川があるんですけれども、その小田川の本川と、それから、その支川で、6カ所で堤防が決壊いたしまして、その結果、青い部分の浸水面積1,200ヘクタールと、それから、深いところで浸水の深さは約5メートルということで、ほぼ2階の軒の下ぐらいまで浸水したということで、その結果、全壊と判定された家の数は4,600棟以上というような、非常に大きな被害を受けているところでございます。このように、真ん中の写真がございますけれども、茶色く濁った水で町内全域がつかったというような、そういう状況でございます。

 次のページをお願いいたします。7ページでございます。こちらも引き続いて、真備町の被災の状況の写真ということでご紹介させていただくんですけれども、特に左下の写真ですけれども、この真備、旧真備町という町だったんですけれども、現在は倉敷市真備支所というところですが、その支所の1階も完全に水没したということで、本来であると、災害対応の地区本部の役割を担うような機能を持っていたんですけれども、そういったものもストップいたしまして、前線基地が失われてしまったというような状況でございます。この真備支所は、結局、復旧まで9カ月を要したという状況でございます。

 それから、右下の写真ですけれども、発災から1週間ということで、道路の左脇に多数の片づけごみが道路上に大量に排出されたという状況がございました。

 次のページ、8ページをお願いいたします。こちらは、そのほかの県内の被害状況ということで、特徴的なものをピックアップさせていただいたんですけれども、今回、当時の報道も真備町が非常に大きくクローズアップされていたんですけれども、県内各所で被害を受けておりまして、中でも岡山市の東区では、同じように河川が決壊いたしまして、こちらは750ヘクタールの面積が浸水しておりまして、2,200棟以上が浸水したという状況がございます。それから県内各所で左下の写真にありますように土砂崩れ等も多数発生しております。

 それから、ちょっと右上の写真ですけれども、ドラム缶が写っていると思うんですけれども、こちらは大きな河川の脇に流出したと思われるドラム缶なんですけれども、このように事業所からのものと思われるごみも多数ありまして、こういったものの一部は海まで行って、漁業者等への影響も深刻なものが出たというふうに聞いております。

 それから、今回、佐賀だと油の流出とかもあったんですけど、副次的なものとして。今回の7月豪雨では、真備町に隣接する総社市というところでアルミの精錬を行っていた工場に、これに浸水いたして爆発したということで、その周辺の家屋には、浸水被害に加えまして、屋根等への被害というのも発生したところでございます。

 次のページ、9ページをお願いいたします。一般廃棄物処理施設の被害状況でございます。今回の豪雨災害では、県内の市町村・一部事務組合の一廃の処理施設のうち6施設が被災をしております。特に、先ほど申し上げた被害が大きかった高梁川沿いに一部事務組合がございまして、そこに焼却施設、それからし尿処理施設、粗大ごみ処理施設がセットでクリーンセンターを形成しているところがあったんですけれども、そこが水没いたしまして、結果、完全復旧までに約半年かかったという状況がございます。その間は市町村との協定等に基づきまして、他の自治体で通常のごみ等の処理を行ったという状況がございます。

 次に災害廃棄物処理の状況ということでご説明をさせていただきます。

 11ページをお願いいたします。まず、片づけごみの排出状況というところでございます。一般に水害では、水が引くと同時に家の片づけが始まって、片づけごみが一気に排出されると言われております。左上の写真にありますとおり、甚大な被害を受けた倉敷市真備町内では、十分な仮置き場が確保できなくて、それから、倉敷市のほうは、当初、片づけごみを家の前に置くということを認めたということもございまして、そういった家の前とか、置けなくなった片づけごみは、ほどなく行き場を失いまして、こういった、これは左上の写真が国道なんですけども、国道の脇に、もともと拡幅用の予定地、空き地がございましたが、そこにどんどん出されるという状況になりました。そういったものが空き地の中におさまっていればいいんですけども、どんどん道路のほうにせり出して、緊急車両の通行も妨げられるという状況がございまして、この解消が発災後当時、非常に緊急の課題ということで記憶してございます。

 こういったごみにつきましては、自衛隊とか県の産廃協会、それから、いろんな支援自治体の支援によりまして、結果、8月末ぐらいまでに大体解消されたという状況がございます。

 それから、右上の写真にもありますけれども、倉敷市以外の被害が大きかった岡山市でも、こういった公園に、いわゆる勝手仮置き場のような状態で、混合状態で片づけごみが出されたという状況がございました。

 ただ、右下のように、被害の小さかったところでは、こういった空き地に比較的分別された状態で排出されて、その後の片づけというのも、特に混乱なくできたというような状況もございます。

 次のページをお願いいたします。12ページです。住家の被害状況ということで、先ほど、全体の中で説明しているので重複になるんですけれども、このたびの災害では、全壊4,800棟余りと半壊3,300棟ということで、通常の災害では、この全壊のみが、撤去のみが補助金の対象というふうになっているんですけれども、今回、被害の大きさに鑑み、国のほうで、熊本地震と同様に全壊家屋に追加いたしまして、半壊家屋の解体費用につきましても災害補助金の補助対象としていただいたという状況でございます。

 次のページをお願いいたします。13ページですけれども、先ほどの片づけごみと家屋解体により生じた解体廃棄物などを合わせまして、今回は推計ですけれども、約44万トンの災害廃棄物が既に発生しているというふうに推計しております。これは、平成29年の県内の全市町村のごみの総排出量の約6割に相当する量ということで、莫大な量が一度に排出されたというような状況でございます。特に被害の大きかった倉敷市と総社市では、年間の総排出量を大きく超える災害廃棄物が発生しておりまして、それを踏まえまして、県では両市から地方自治法に基づきまして、事務を受託して処理を進めているという状況でございます。

 14ページをお願いいたします。仮置き場の設置状況ですけれども、このたびの災害では、県内で発災後、延べ57カ所の仮置き場が市町村等によりまして設置されております。現在のところ、これが5カ所まで減っているという状況で、現在5カ所で災害廃棄物の受け入れを行っているという状況でございます。

 写真の左側、吉備路クリーンセンター仮置き場、7月15日とあるんですけれども、これが発災後、約1週間の仮置き場の状況で、このクリーンセンターに避難所も併設されておりまして、県の職員も応援に行っていただいておりまして、写真は定期的に送ってもらうようにしていたんですけれども、刻一刻と、朝の状況と昼の状況で全然違うというような状況で、この先、どこまで増えるんだろうというような、そういう不安に襲われたようなことも覚えております。

 15ページをお願いいたします。今回、大きな被害を受けましたので、被災した市町村のほかに県のほうに対しても県内外の自治体、それから国、民間団体から多数の支援をいただいているところです。

 県に対しましては、環境省さんのほかの東日本大震災を経験された宮城県や熊本地震を経験された熊本県さんから、実際に、その処理に携わった職員の派遣を受けまして、処理体制や公費解体、事務委託に関する助言と、それとともに貴重な資料もいただいて、支援をいただいたという状況でございます。

 それから、甚大な被害を受けました倉敷市に対しましては、環境省の支援チームとD.Waste-Net等につきまして、処理体制や仮置き場の運営、公費解体等処理全般について、助言をいただきましたほか、県と同様に熊本地震や九州北部豪雨の被災地から職員の派遣を受けて、助言を受けているという状況でございます。

 あと、それから自衛隊等からは写真にありますような災害廃棄物の撤去等を支援いただいたという状況でございます。特に自衛隊には倉敷市真備の路上の廃棄物の撤去を図っていただきまして、一時、1,200人、重機20台の体制で当たっていただきまして、それが功を奏して、相当、日に日に災害廃棄物が減っていったという状況がございます。

 それから、県内も協定等に基づきまして、県の産廃協会であったり、それから、し尿の団体ですけれども、岡山県環境整備事業協同組合がし尿の収集運搬等を支援いただいているという状況でございます。

 次のページをお願いいたします。先ほど申し上げたんですけれども、倉敷市、総社市からは、県が事務を受けて、現在、処理を進めているところでございます。処理を受けている災害廃棄物の量は、倉敷市が31万トン、それから総社市が6,000トンということで、合計して32万トン弱の処理を、今、受けているところでございます。

 次のページをお願いいたします。県が受託している処理業務の概要ですけれども、まず、左の緑の部分ですけれども、倉敷市のみになるんですけれども、倉敷市が行っている公費解体の家屋解体廃棄物を受け入れる一次仮置き場、通称フラワーフィールドと言っているんですけれども、それの管理運営を行っております。

 それから、右の青いほう、二次仮置き場の管理運営ということで、倉敷市と総社市の一次仮置き場から中間処理が必要な、いわゆる混合廃棄物等の災害廃棄物の処理と、それから、先ほど言ったフラワーフィールドの解体残さ等の受け入れを行っているところでございます。

 次のページをお願いいたします。先ほど青で説明したところの二次仮置き場での処理の概要というところですけれども、主に片づけごみ主体の混合廃棄物の処理ラインと、それから土砂まじり瓦れきや解体残さ等を処理するラインで構成されております。

 この処理につきましては、先ほどのフラワーフィールドの一次仮置き場の管理運営と合わせまして、プロポーザル方式によりまして、仮設の中間処理施設の整備を含めて一括して県内の産廃業者、それから熊本地震の経験業者、それから東日本大震災の経験業者14社から成るジョイントベンチャーに委託をして実施をしております。

 これらの施設、右側の写真にありますような施設につきましては、JVの提案に基づきまして、熊本地震で熊本県が使用した処理施設を活用しているというところでございます。

 処理のスケジュールですけれども、県の災害廃棄物処理実行計画に基づきまして、発災後2年間での処理完了を目標としているというところでございます。

 次のページ、20ページをお願いいたします。災害廃棄物処理の進捗状況ということですけれども、7月末時点で災害廃棄物は64.2%が処理を完了しておりまして、公費解体は58%が既に解体済みという状況になっております。

 最後に今回の7月豪雨を踏まえた課題と、それから県の対応の方針というところを説明させていただきたいと思います。22ページということですけれども、平常時の備えというのが、一つポイントとしてあるかなと思います。

 今回、具体的な課題といたしましては、市町村災害廃棄物処理計画や、その中に含まれると思うんですけれども、仮置き場候補地の事前選定があまりできていなかったということ、それから、二つ目に、県も市も災害廃棄物処理の実務経験が不足していたということ、それから、今回、浸水被害ということで、浸水被害に係る災害廃棄物の発生量の推計方法というのが、実際に災害対応を行った課題でした。

 これらにつきましては、研修や説明会等で市町村へ策定や選定の働きかけを行うとともに仮置き場候補地といたしましては、利用可能県有地のリストアップ等を進めていきたいと思っております。それから、図上訓練の実施や、災害廃棄物の経験者のリストアップ、マニュアル類の整備等を進めていきたいと思っております。

 それから、23ページですけれども、初動期対応も非常に重要ということで、今回、大量の混合廃棄物が発生したということは、その課題としては仮置き場の早期設置と、それから、住民への適切な広報に課題があったと考えております。

 それから、国庫補助金を、いずれいただくようになりますので、初動期からそういったものを意識した事務執行が大事だというふうに考えております。これにつきましては、風水害等、地震はちょっとしようがないですけれども、発生が見込まれるようなのについては、事前準備をするとか、それから初動期、最低限これをするというような事務の明確化、それから研修等、国庫補助金事務の周知が必要と考えております。

 最後になりますけれども、的確な支援ということで考えております。今回、課題といたしましては、初動期の混乱している際に、県と市町村間の意思疎通が十分ではなかったことが挙げられます。

 それから、受援体制の整備ということで、今回、県も大きな支援をいただいているんですけれども、何をお願いするかというのを明確になっておらず、結局、いただいた支援を十分生かせていないというようなところもございました。

 それから、広域的な処理を行う場合の受入先の確保ということで、そういったもののリストアップ等を進めていかないといけないということで、実際に災害が起きましたら、県と意思疎通を図るということで、リエゾン等を派遣するとか、それから、受援業務をリストアップするとか、それから、県内外の災害廃棄物処理施設のリストアップ整理等を進めていかないといけないかなというふうに考えております。

 すみません、時間をちょっとオーバーしてしまったんですけれども、私のほうからの説明は以上となります。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。

 では、引き続いて国立環境研究所の多島様からお願いします。申し訳ないのですが、時間が相当押しておりますので、要点を押さえて、ご説明いただければと思います。

○多島氏 それでは、国立環境研究所の多島から、D.Waste-Netの一員としての研究所の活動状況について、簡単にご報告をいたします。

 まず、国立環境研究所についてですけれども、ご存じのとおり、環境省が所管する環境系の研究所でございまして、研究分野ごとに真ん中の部分にあります研究実施部門という形で、8つのセンターが組織されておりまして、人員体制としては、契約系の職員を含めて研究者としては360人程度という体制でおります。論文等をつくるというのが、研究の主なミッションになってくるわけでございますけれども、それ以外の形で、より直接的に社会と共同したり、あるいは貢献する部門として、左下にあります研究事業連携部門というものがございます。本日、ご紹介いたしますのは、この中で、赤字でハイライトしてあります災害環境マネジメント戦略推進オフィス、通称、我々は災害オフィスと呼んでおりますけれども、こちらでございます。

 なお、その二つ上に書いてあります衛生観測センターというところは、「衛生」という字が、私のほうでは、これ、違和感なく書いてしまったんですが、サニテーションではなくて、本当はサテライト、「衛星」だということで、おわびして、訂正させていただきます。

 ページをおめくりください。3ページ目に、国立環境研究所において、D.Waste-Net活動を担っている災害オフィスの体制についてお示ししてあります。大きくは廃棄物系の活動と環境リスク系の活動がございまして、それぞれで平時・災害時の支援ですとか、調査活動を行っておりまして、例えば、真ん中の赤い枠で囲ってある部分でアスベスト対策など、両方にまたがるところについては、情報と連携しながら進めております。

 D.Waste-Netについては、この中の廃棄物系のメンバーが活動を担っていまして、体制としては、兼務者と、あと客員研究員という形で、常勤の者は必ずしも多くないのですが、10名弱という体制で関連する団体と連携しながら活動を進めております。

 具体的な活動の内容として、まず、4ページ、5ページでご紹介しますのが、災害が起きた後の現地支援でございます。環境省からの要請を受けまして、このオフィス内の体制が整えられて、必要に応じて専門家を現地に派遣する、あるいは、つくば本部で派遣された職員のバックアップをするような体制をとるという形になっております。

 平成27年9月にD.Waste-Net発足して以来の支援実績としては、ここに書いてあるとおりでございまして、例えば一番最初の常総市を中心とした関東・東北豪雨災害におきましては、右の図にありますとおり、国立環境研究所のほうで実際に出た混合廃棄物、これが中身がどうなっているのか、量がどれぐらいあるのかというところの把握、相当苦労されていたということもありまして、組成分析を実施して、その中身、あるいは見かけ比重について、情報提供して支援させていただきました。

 こういった形で、さまざまな災害廃棄物処理の各事例をスムーズに運ぶように、いろいろな支援をさせていただくということと、それ自体が我々の調査、研究活動の基盤になっている側面もございますし、また、支援のノウハウというのも、こういった活動を通して、随時蓄積をしてまいりました。

 次のスライドに具体的な事例として西日本豪雨における被災地支援について、簡単にまとめております。主に岡山県になりますけども、岡山県、特に倉敷市、こちらに職員を1名、1カ月程度、常駐派遣をしております。それ以外で広島県、そして愛媛県で特にひどかった宇和島市等、こちらに客員研究員を中心として専門家を数日、あるいは断続的に1カ月程度派遣をしておりました。

 支援の内容は、やはり初動期は、皆さん、被害の状況がとにかくわからないと。被災された自治体の方も自分でなかなか現地を見にいって整理することができない状況がありますので、その辺りを支援して、実際に足を運んで状況を見てくると。それを被災地にインプットさせていただくということ。そして、それ以降、仮置き場が開設されて、どんどんごみが運び込まれていく中で、それが、運営状況が悪化しないように、さまざまな助言をさせていただくということ。そして、さらにその先を見据えて、結局、仮置き場にどんどん物が入ってくるだけでは、行く行くは、仮置き場の状況は混乱してくるということはわかっておりますので、その先、いかに早く搬出していくかということがポイントになってきます。そういう意味で、処理フローの案をつくってお示しするということ、そして、その前提となるような発生量推計をあらあらの数字になりますけれども、お示しするという形で支援をさせていただきました。また、アスベスト調査につきましても、水没した被災建物に対して、実施支援をするということなどを行っております。

 後方支援の内容としましては、これは我々が現地に派遣した我々の職員に対する支援が中心にはなりますけれども、クラウドサーバーとタブレットを用いて迅速な情報共有したり、あるいは、さまざまな被害状況のまとめとか、あるいは現地で出てきた課題について、現場でぱっと答えを提供できないようなことについて、バックアップ体制のほうで調べて情報を返すといった形で支援をとってまいりました。

 おめくりいただきまして、6枚目が平時に行っているD.Waste-Netとしての活動でございます。社会全体の災害廃棄物対応力の向上に向けて、いろいろな活動をしているということで、大きく分けて3つに分類しております。一つが国の検討会等の中で政策貢献をするということ。

 二つ目が自治体に対する直接の支援でございまして、この中で、自治体のほうで企画される研修会における講演・話題提供もございますし、最近では、参加型ということで、単に座って話を聞くだけだと、なかなか災害廃棄物の処理に対するイメージも湧かないし、意欲もなかなか湧いてこないということで、参加型研修を取り入れて取り組まれる自治体が増えてきています。ただ、なかなか研修を設計するノウハウもないという自治体もございますので、そういった団体に対して、実施の数カ月前から何回か打ち合わせをしながら、どういう目的で、どういう手法を使っていくといいか、あるいは、その後、どういう形でフォローアップしていくといいかといったことのアドバイスをさせていただいております。

 3点目の支援ネットワークの形成ということで、特に廃棄物資源循環学会と連携しながら、学術コミュニティとしての学術専門家のネットワーク醸成に向けた、例えば地域ごとの専門家ネットワークをつくるためのセミナーを実施するということですとか、そういったネットワークを平時・災害時に適切に支援できるような情報システムについて、一緒に検討するといったことも進めております。

 こういった活動の基盤となるのが、さまざまな情報・知見になりますので、それを取りまとめて、また発信するような基盤としての情報プラットフォームというものも整備・運営してございます。災害廃棄物情報プラットフォームという名前のウエブサイトでございまして、例えば、右下の絵には日本地図がありますけれども、こういった形で全国の災害廃棄物処理計画を、許可をいただいて掲載させていただいてみたり、あるいは、右上にあるような初任者がぱっと10分、15分ぐらいで見て、大体の災害廃棄物処理の事務について、わかるというような初任者向けの映像コンテンツ等も整備しております。

 おめくりいただきまして、8枚目ですけれども、こういった活動は、やはり冒頭に申し上げた研究事業ということで、ある意味では、一般化した知見を発信するような研究とは若干異なるというふうにも見えるのですが、我々が研究によって一般化したことを、こういった支援現場で実装する中で、水平展開をするということ、また、実際にそれが適切かどうかをある意味では検証するという意味での相乗効果は得られています。

 例えば、左側ですけれども、研修についても、対応型図上演習という方法で、これは防災の分野では、割と取組が進められておりましたけれども、こういった手法を新たに災害廃棄物の分野で適用するに当たって、最初は自治体さんと共同で実施して、いろいろデータをとらせていただいて、効果を検証すると。それを実務的なガイドブックのような形で発行して、それを使っていただいて、ほかの自治体さんでも適用していただいて、そこでの知見をまたフィードバックして、研究のほうでもブラッシュアップを図るといった形のいいサイクルができているというふうに考えております。

 ちょっと右側は割愛させていただきまして、最後、9枚目でございます。そういった形で、ある意味では、我々のほうでもいろいろといい面が見えてきてはいるのですが、課題も大きく分けて、二つだけ指摘させていただければと思います。

 被災地における支援のマネジメントということで、要するに、D.Waste-Netのメンバーが現地に入る中で、ミッションが明確な団体と必ずしもそうでもない団体があるような印象を持っておりまして、例えば、全都清さんのように収集支援がミッションということであれば、非常にやることは明確なのですが、技術的助言となってくると、我々のような団体で、じゃあ実際に作業として、何をしたらいいのかというところで、特に発足当初は手探りでやってきたような面がございました。

 また、環境省の本省の方ですとか、地方環境事務所の方々でも、いろんなノウハウが蓄積されていく中で、そういった方々とのすみ分けがどうなのかというところも少し曖昧になってくるようなところもあったかと存じます。

 また、D.Waste-Net以外の枠組みで、例えば、知事会ですとか、市町村会を通じた支援等も入ってくる場面がある中で、支援自体を被災地の中でマネジメントし切れていないようなところもあるのかなというふうに感じております。

 我々としましては、経験を重ねる中で発生量推計とか、処理フローの原案作成について、支援するというところを、我々自身のスタンスとしては持つようになってきているのですが、また、それも支援を受ける側にどれだけ響いているかというか、どこまで内容が実際の災害対応に反映されているかというところは、まだまだ課題があるかなと感じております。

 2点目の支援のすそ野の拡充ということで、やはり、我々も研究活動がメーンのミッションの一つでありますので、平時の支援とその研究活動の両立、また、平時の支援として、例えば来週講演に行くということを約束している中で、災害が起きて、現地に行ってくださいといったことになると、場合によっては講演に対応できなくなる。それが、体制が万全であれば、それをバックアップするようなメンバーもいて、うまくいくのかもしれませんが、必ずしもそういう体制に我々のほうもできていないというところが、非常に大きな課題であって、若手職員の育成等によって、持続的な体制を構築できれば、もちろんよいのですが、なかなか、そういう人も集まりにくい状況があると。

 そういった意味で、廃棄物資源循環学会との連携というのは、非常に大きいかなと考えておりまして、巨大災害に備えて、地域ごとに核となる専門家がいるような状態にするために、さまざまな取組を進めているという状況でございます。

 私からは以上です。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。要領よく短時間で説明いただいて、ありがとうございました。

 それでは、ただいまのお二方からのご報告に関しまして、ご質問のある方、まず、名札を立てていただけませんでしょうか。お二方、はい。これでいきたいと思います。崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 岡山県のご報告ありがとうございます。多くの方が亡くなられて、まだ対応の真っ最中ということで、今日、お話しいただきまして、本当にありがとうございます。

 1点だけお伺いしたいんですが、状況から言って、災害廃棄物の処理計画を立てておられた自治体、県だというふうに理解をしておりますが、それでよろしいわけですよね。

○原田氏 そうですね、はい。

○崎田委員 実際に市町村は計画をつくっているところとつくっていないところとあったわけです。皆さんがつくっておられた計画をより機能させるために、こんなことをしておけばよかった、あるいは、ほかの自治体にこれだけは伝えたいということを、ぜひ教えていただければ、ありがたいというふうに思います。よろしくお願いします。

○酒井部会長 では、細田委員、引き続いてお願いします。

○細田委員 私が伺いたいのは、災害廃棄物の処理内容で、例えば中間処理、焼却、直接埋め立て、それから再資源化等々のデータを把握されているかどうかということと、もう一つは、処理単価について調べられているか。東日本大震災、阪神・淡路大震災に比べてみると、かなり違っているわけですよね。それで、とても大事なことだと思うので、把握されているかどうか、お願いいたします。

○酒井部会長 ありがとうございます。

 それでは、原田さん、可能な範囲でお願いいたします。

○原田氏 それでは、崎田委員のご質問ですけれども、今回、先ほども申し上げた発災時点では、県も災害廃棄物処理計画を策定はしていたんですけども、県内は27市町村のうち6市町村のみ策定状況ということで、非常に低調な状況でございました。

 それを受けまして、現在、市町村には策定するように働きかけを行っているところなんですけれども、この災害を受けて、多くの市町村が策定をしていこうという意向は示しているところでございます。

 処理計画を策定し、機能させたいということなんですけれども、やはり、市町村、県、それぞれがつくっておりますが、それでも共通の情報伝達方法とか、そういったものは、まだなかったという状況でしたので、その辺は、今後、マニュアル等を整備して、共通のフォーマット等、そういったものを整備して、災害時、最低限の情報共有はスムーズに図れるような、そういったことが必要かなと思っております。

 それから、2点目で、細田委員からのご質問ですけれども、今の処理において、焼却等、埋め立て等、どういった処理方法で処理しているかというのは、把握はしている状況です。

 処理の単価ですが、今回、各被災自治体が環境省の補助金を受けて処理をしており、そのトータルは、今、およそ206億円ぐらいということで考えております。これで災害廃棄物の処理量からざくっと割り戻すと、ざっくり4万円台ということでした。

○細田委員 トン単価で。

○原田氏 はい、ざっくり4万円台ぐらいということで。東日本大震災の処理単価として、聞いていた額と、大体近しいのかなというような、そういう個人的な感想というのは持っております。

 以上でございます。

○酒井部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、本日のヒアリング内容、そして、今のご質問等、今後、事務局で取りまとめる点検報告書に反映をして、改めて、また当部会のほうでご審議いただければと思っております。

 それでは、議題の2に関しては、この辺りにさせていただきたいと思います。

 議題の3、その他に行きたいと思いますが、本日、12時5分までのご案内でしたが、10分ほど、延長することをお許しいただければと思います。

 その他ということで、事務局のほうから報告事項、重要なものが多くございますので、それぞれ報告をよろしくお願いいたします。

○浄化槽推進室長 浄化槽推進室長の松田です。

 参考資料2の先の通常国会で成立をいたしました浄化槽法の一部を改正する法律について、ご説明させていただければと思います。

 まず、1ページ目でございます。法律の概要であります。

 こちらの法律につきましては、浄化槽法は制定時において議員立法で成立した経緯がございまして、今回の改正においても、議員立法で成立としているということでございます。

 法改正の背景としては、浄化槽につきましては、単独処理浄化槽と合併処理浄化槽というのがございまして、今、法律上は合併処理浄化槽が浄化槽と定義されているのですけども、いまだに単独処理浄化槽というのが、世の中に約400万基ほど残っているということでございます。こういった、まだ残っている単独処理浄化槽をいかにして合併処理浄化槽に転換を促していくかということが、ずっと長年の課題であったということでございます。

 あわせて浄化槽については、しっかり維持管理をしていけば、下水道並みの放流水質を保つことができるということであるのですが、そういった維持管理がされているかどうかをチェックする定期検査の受検率、これが法律の義務にもかかわらず、約4割にとどまっていて、浄化槽の管理の強化が必要だと、このような背景がございました。

 それで、まず、第1の特定既存単独処理浄化槽に対する措置ということであるのですけども、都道府県知事が問題のある単独処理浄化槽、そのまま放置すれば、支障が生じるおそれがあるようなもの、こういったものに対して除却に関する指導・助言ができるというような、今までは努力義務であったものについて、新たに命令も視野に置いた権限が付与されることになったということでございます。

 次のページ、2ページを見ていただくと、その背景になった部分として、単独処理浄化槽の転換ということで、2ページ目の左の部分を見ていただければと思うのですけども、もともと水質にも問題があったということであるんですが、老朽化が進行して、破損をしたりするものも、11条検査でも6,000件ほど報告されていると。こういったようなものもあって、今回、法改正をしなければいけないのではないかという議論があったということでございます。

 また、1ページ目に戻りまして、第2の公共浄化槽、これは市町村設置型浄化槽というのが、今まで予算制度でもあったのですけども、今回、法律の改正に当たっては、もっとこういう公共で浄化槽の整備を進めて、単独処理浄化槽の転換をもっと進めたほうがいいのではないかということで、第2として入っております。

 また、維持管理に関する部分につきましては、第3と第4と第6の部分にあるのですが、特に肝になる部分が浄化槽台帳の整備ということで、第4ということでございます。これにつきましては、ちょっと3ページ目を見ていただければと思います。

 3ページ目に、浄化槽台帳システムのイメージというものがございます。もともと行政のほうで浄化槽台帳を整備していたところですが、設置の情報だけにとどまっているというものもあったり、紙媒体であったりということもあったり。本当は設置の情報だけじゃなくて、検査の結果や保守点検、清掃の情報も一元化した管理の台帳というのをつくるべきではないかと、こういう部分、今回、今の台帳整備の状況から踏まえて、義務づけをしたほうがいいのではないかという議論の中で、浄化槽台帳の整備について、都道府県知事等につくることを義務づけされたということでございます。

 そのほかあわせて、使用の休止手続を整備したり、浄化槽管理者に対する研修の機会の確保を行うことにしたり、あわせて地域ごとの課題について議論をする協議会の設置を設けたり、あとは受検率が40%ということであるのですけども、都道府県ごとによって非常に検査の受検率が低いところもあるので、そういったところを念頭に環境大臣が助言をするような規定も入ったということでございます。

 それで、今後の取組ということで、4ページ目を見ていただければと思います。省令改正・施行通知に向けた主な検討事項ということで、施行が来年の4月1日までということで、今、急ピッチでこういった内容について詰めていかなきゃいけないのですが、特に議論になっているのが、特定既存単独処理浄化槽に対して、どのようなものを対象にしているのかと。400万基全てを対象にするわけにもいきませんので、その辺について、どこまでのものを対象にしていくのか、また、あわせて法定検査の受検率が低い中で根拠となる情報について、どういったものにしていくかという点について、今、特に議論をして進めているところでございます。

 また、次、5ページ目を見ていただくと、特にポイントになるのは台帳の部分でございます。台帳に記載すべき事項について、どこまでのものを記載すべきか、法定検査の結果のみならず、保守点検と清掃に関する情報をどこまで記載すべき事項かなど、こういった事項について、検討しなければいけないということでございます。

 それで、6ページ目を見ていただきますと、来年の4月1日の施行に向けて、いろいろと、自治体行政にも関わることでございますので、省令の公布をできるだけ急いでほしいという声もありますので、年明けに省令を公布するということで、年内中には省令改正案の取りまとめを行う必要があるので、今、検討会を設置して、今後、関係団体のヒアリングも行いながら、しっかり議論をして、中身を詰めていきたいと思っております。

 参考までに、一番最後の8ページ目に、今回、単独処理浄化槽の転換を進めようということであるのですが、やはり先立つものがないと進まないというところがございまして、従来は浄化槽の交換について補助をしているということであったんですけども、単独処理浄化槽の転換に関しては、どうしても水洗化をしているという部分で、工事が進まないということであったのですが、今年度の予算から、関連する宅内配管工事についても上限30万ということで補助をする仕組みを用意しております。今回、法改正の施行とあわせて予算制度の両輪で単独転換をしっかり進めていきたいと思います。

 以上です。

○廃棄物規制課長 続きまして、廃掃法施行規則の一部を改正する省令について、ご説明申し上げます。

 この省令ですが、簡単に申し上げれば、廃プラの逼迫状況を踏まえて、廃プラの処分を行う優良業者に限って保管量の上限を2倍に引き上げるといった内容です。

 この背景ですが、ご存じのように、中国が一昨年の末に廃プラの輸入規制に踏み切りまして、日本国内だけでも昨年50万トン程度の廃プラを国内で処理しなければならなくなったという状況を踏まえまして、さまざまな調査・検討を行ってまいりました。その中で明らかになったのは、特に首都圏の産業が発達している地域を中心に廃プラの処理が逼迫しているという状況です。

 こういったことを踏まえまして、今年の5月20日に通知を発出いたしました。この5月20日の通知ですが、残念ながら緊急避難措置としての一廃の処理施設の活用ばかりが注目されましたが、実は、我々が一番言いたかったのは、廃掃法の産廃処理の大原則であるところの広域処理、これを目指して、この逼迫の状況を解消したいということでした。

 広域的に処理をする以上、やはり運搬の費用が高くなりますから、これは産廃処理の根本原則であるところの排出事業者責任に基づいて、きちんと費用負担をしてもらうことが必要です。それを目指して、5月20日の通知の全部で9項目のうち第1の項目が広域処理、2番目が排出事業者責任の徹底ということです。

 先ほど申し上げました広域的処理ですが、これは、各自治体さんで廃掃法の規制とは別に独自に県外廃棄物の流入規制などを行っておりますので、これについては、環境省として、初めて廃止、緩和を求め、廃止、緩和ができない場合には手続の合理化、迅速化を求めました。

 こういったことを環境省は求めたわけなんですが、他方で自治体さんも必要があって、流入規制をやっていらっしゃるでしょうから、おいそれと簡単に流入規制を外すわけにはいかないという事情は、こちらもそれなりに理解しているところです。

 であるからこそ、広域処理を実現するに当たって、適切な事業者に物が行かなければいけません。こういったことを考えますと、やはり優良認定業者がきちんと物を集めるような環境整備をしなければいけないということで、優良業者に限って廃プラの保管量の上限を2倍に引き上げるということに踏み切りました。

 もし、これが優良認定業者に限らず、ありとあらゆる業者に緩和を認めてしまいますと、率直に申し上げて、悪質な業者にも物が渡ってしまう可能性があります。その悪質な業者が廃プラをため込んで、そのまま逃げてしまって不法投棄に至るとか、あるいは、そこまで行かなくても不適正処理を行うといったことは、我々も十分に懸念をしております。

 こういったことから、現場で指導・監督を行う自治体さんにも安心していただけるよう、優良認定業者に限って廃プラの保管量の上限を引き上げるということにいたしました。

 また、いわゆる中国ショックと言われる危機を、逆にビジネスチャンスに変えて、適正処理という形で世の中に貢献していく、そういう前向きな企業さんを支援するためのビジネス環境の整備という側面も含めて、優良業者に限って2倍に保管量の上限を引き上げるということにしました。

 また、優良認定業者に限った理由の一つといたしまして、これまで優良認定業者の廃掃法上のメリットというのは、許可の期間を5年から7年に引き上げるという、それだけだったんですが、これまで、いろいろなところで、特に中央環境審議会においても優良認定業者のメリットの拡大ということを提言されておりました。その第1段という位置づけでもあります。

 先ほど申しましたように、優良業者に保管量の上限を2倍にするということで、本来であれば、1日の処理能力の14日分ですが、これを28日分ということにいたしました。

 また、あわせて、優良産業廃棄物処分業者という名称を初めて法令に位置づけまして、法令上、環境省としても優良処分業者を育成していくという方針を明確にしました。こういった内容の省令改正でございます。

 以上です。

○循環型社会推進室長補佐 次に、参考資料4でございますが、令和2年度の環境省重点施策ということでご参考にお手元に配付しているものでございます。必要に応じ、またご参照いただければと思います。

 以上でございます。

○酒井部会長 どうもありがとうございます。

 要点をご紹介いただきました。ご質問のある方はおられますでしょうか。

 細田委員、どうぞ。

○細田委員 質問というか、コメントですが、先ほどの廃プラの優良認定業者の件は非常にすばらしい施策だなと思っております。非常に評価します。

 それで今後、多分、廃プラだけではなくて、途上国をいろいろ回ってみると、やはり規制が強まる可能性が、バーゼルの関係を、実際、中国なんかは、ほかのものにも広がっておりますので、その辺、環境省として、こういうことが将来いろんなところにも波及するということをぜひお考えいただいて、優良業者を支援するという立場で産廃の支援策もされたので、ぜひ、お考えください。コメントです。

○廃棄物規制課長 ありがとうございます。

 まさにその方向で検討を進めていきたいと思います。

○酒井部会長 あと、浄化槽のほうもよくやっておられるというのはよくわかりました。昨年、立てられた廃棄物処理の施設整備計画、それの2020年度目標の話が7ページに書かれていますが、そことの関係は、今回の法改正とではどういう関係になるのか、この辺の目標数字に対しての今回の法改正の見通しというか、その辺はどう見ておられるか、追加で説明いただければと思います。

○浄化槽推進室長 まさに昨年6月に閣議決定をした施設整備計画の中で浄化槽について、浄化槽の普及と単独処理浄化槽の転換というのをもっと進めていこうという姿勢を定量的な数値を掲げて示したということが、その後の予算制度の創設や、国会議員の先生方の法改正への動きというのに、つながっていったのではないかと思います。

 我々、この数値目標の設定については、従来の整備のスピードからいうと、非常に野心的な目標を掲げたわけなんですけども、今回、こういう予算と法改正の成立を受けて、しっかり施行して取り組んでいくことで、何とかこの目標の達成に近づけていくように頑張っていきたいなと思います。

○酒井部会長 この計画の数字が今回の法改正でもって達成される見通しだと、そういう見方でいいわけですね。

○浄化槽推進室長 必ずしも法改正ができたから成立できるというふうに断言できるわけじゃないですけど、そこは我々の取組次第ということであるのですが、しっかり施行に取り組んでいきたいと思います。

○酒井部会長 そういう意味では、いい目標といい施策のバランスということなんだろうと思います。ありがとうございます。

 はい、どうぞ。

○崎田委員 環境省の令和2年度の重点施策のところなんですけれども、今、予算の要求をしているところなんですかね。この案を拝見すると、全体的に非常に増えている中で、復興庁が一括計上している復興特別予算が1.5倍になっています。非常に、ここをしっかりやっていただくのはいいことなんですが、この中で環境省に直接関係する分野で、非常に大きく影響するというか、よりよく使えるところはどういうところを目指しておられるのか、ちょっと教えていただければありがたいと思います。

○環境再生・資源循環局長 すみません。じゃあ、私のほうから、復興関係予算が大幅に伸びているのは、一つは、少し予算の運用上の理由もありまして、来年度で復興・創生期間が終わるということもありまして、そこを区切りにして、これまで、いろんな複数年度にわたる事業を、そこで一旦区切りを入れておりまして、もともと幅のある計画をしていたんですけど、大体上限で順調に推移しているということで、そこをしっかり精算するということで、金額がかかっているのと、あと2021年度に向けて、今、仮置き場にまだまだフレコンが残っているんですけど、それをしっかり片づけるという目標を立てましたので、特に来年度からその翌年度に向けて切れ目なくしっかりやっていくということで、そこも複数年度にわたるものをしっかりと予算計上するということで、全体としては膨らんでおります。

 ほかの除染関係の予算だとか、だんだん終わってきている、収束している部分は減っているんですが、中間貯蔵関係の予算がそういう意味では大幅に、今、年間400万トンの搬入ということでやっておりますので、そこが伸びているというところです。

 引き続き、未来志向とか、そういった部分については、しっかりやっていこうということで、そこは従来と同様に計上しているというようなことでございます。

○崎田委員 ありがとうございます。

○酒井部会長 よろしいでしょうか。ほかにございませんでしょうか。

 それでは、どうもありがとうございました。今日も闊達なご議論をありがとうございました。

 1点、ヒアリング、岡山県の原田さん、それから、国環研の多島さん、先ほどのヒアリングの後、お礼を申し上げるのを忘れておりまして、どうもありがとうございました。

 それでは、議事は以上ですので、事務局のほうから何かございましたらお願いいたします。

○廃棄物適正処理推進課長 すみません。終わりの前に一言。先ほど、佐賀の大町町の油の件で、PRTRとの関係についてのご質疑がございましたけれども、PRTRには関係ない油というふうなことで確認がとれましたのでご報告させていただきます。

○循環型社会推進室長補佐 次回の循環型社会部会につきましては、事務局から改めてご連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 時間超過して、失礼いたしました。

 以上で本日の部会は閉会させていただきたいと思います。ありがとうございました。

午後0時13分 閉会