中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環小委員会(第5回)議事録

1.日時

令和2年9月1日(火)10:00~11:00

2.議事次第

(1) 今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性について

(2) その他

3.配布資料

資料0 議事次第

資料1 今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性(案)

参考資料 プラスチックを取り巻く国内外の状況 <参考資料集>

4.議事録

〇平尾室長 それでは定刻になりましたので、ただいまより、「中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環小委員会、産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会プラスチック資源循環戦略ワーキンググループ 合同会議」を開会いたします。

委員の皆様におかれましては、ご多忙なところご出席を賜り、誠にありがとうございます。

事務局を務めます環境省環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室の平尾と申します。

ご挨拶遅れましたが、7月31日付で冨安の後任として着任しております。どうぞよろしくお願いいたします。

はじめに、本日の合同会議につきまして、中央環境審議会の委員数8名のうち8名ご出席いただいております。また、産業構造審議会の委員数8名のうち8名ご出席いただいております。いずれも定数である過半数に達しており、両会議とも成立しておりますことをご報告いたします。

プラスチック資源循環戦略策定省庁より、消費者庁、農林水産省にもオブザーバーとしてご出席いただいております。

なお、この会議はオンライン会議で開催しております。事前に傍聴希望をいただいた方に同時配信により公開をしております。

また、円滑な議論のために、委員はじめ参加される皆様には可能な限りカメラをオンにしていただくようお願いをしておりますが、通信環境・システムの都合上オフにしている場合がございます。予めご了承ください。

資料につきましては、議事次第、資料1「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性(案)」、参考資料1の合計3種類を用意してございますので、参照いただければと思います。

それでは、ここから議事の進行を酒井委員長にお願いいたします。

〇酒井委員長 承りました。本日は第4回合同会議においてご議論いただきました、今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性(案)について、頂戴した意見を踏まえた修正案を示していただいています。事務局より、修正いただいた部分を中心に冒頭10分程度でご説明いただき、その後、追加のご意見をお聞きする流れにしたいと思います。それでは、平尾室長よろしくお願いいたします。

〇平尾室長 それでは、説明をさせていただきます。資料1「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性(案)」をご覧いただければと思います。初めに、「I. 考え方」の冒頭『「プラスチック資源循環戦略」では』というパラグラフでございます。前回の議論における佐藤委員からのご意見を踏まえ、修正を加えてございます。『「プラスチック資源循環戦略」では』ということで、「その展開を通じて、国内でプラスチックを巡る資源・環境両面の課題を解決する」ということと、「日本モデルとして我が国の技術・イノベーション、環境インフラを世界全体に広げる」ということと、SGDs(持続可能な開発のための2030 アジェンダ)への言及も加えておりまして、「SDGs(持続可能な開発のための2030 アジェンダ)でも求められている地球規模の資源・廃棄物制約」、さらに、海洋プラスチックごみ問題への言及というご意見もございましたので、海洋プラスチックごみ問題も加えております。さらには、「気候変動問題等の同時解決に貢献する」ということと、「資源循環関連産業の発展を通じた経済成長・雇用創出など、新たな成長の源泉としていくこととしている」としており、ここは、「プラスチック資源循環戦略」の内容を改めて記載させていただき、議論の出発点を明確にしてございます。

次のパラグラフをご覧ください。2行目でございますが、「再生可能性の観点から再生素材」と修正してございます。これは、前回の議論の中で、酒井委員長より「循環基本法の理念ははっきり書いてあるということだが、再生可能性についても言及すべき」とご指摘ございましたので、この点を加えております。

また、同1ページ目の最後の「同時に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により」というパラグラフをご覧ください。ここも記述を加えてございます。「エッセンシャルユースの増加などプラスチックの排出実態の変化等も生じている」ということを加えた上で、「このような状況を踏まえれば、回避可能なプラスチックのリデュースの徹底をはじめとする“3R+Renewable”の基本原則に沿った対応がこれまでにも増して重要となる。」と第4回合同会議でご意見として挙げていただいたところを修正してございます。

めくっていただいて、2ページ目の1番上の「こうした考え方を踏まえ」というところで、柱書で「循環経済への移行に向けた再設計(Redesign)を進め」とした上で、①で「資源・廃棄物制約」の後に、『「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現に向けても取り組む必要がある』と書いてございます。これは、前回の議論の中で、海洋プラスチック問題について記述すべきというご意見があったことを受け「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」についても追記すべきと考え、加えました。また、政策文書も踏まえた書きぶりを柱書に記載してございます。

下に行っていただき、「II. 主な施策の方向性」の「1.リデュースの徹底」の2つ目のパラグラフでございますが、修正漏れであった「使い捨て」を「ワンウェイ」と表記を修正してございます。

3ページ目に行っていただいて、「2.効果的・効率的で持続可能なリサイクル」の中の「(2)プラスチック資源の回収・リサイクルの拡大と高度化」でございますが、2ポツ目の「また、各主体の連携協働と全体最適化を通じて、費用最小化と資源有効利用率の最大化を社会全体で実現する、持続的な回収・リサイクルシステム構築を進めることとしている」の後に、「これらを通じて、リサイクルの質と量を向上させることが重要である。」と書き加えてございます。前回、森口委員から、リサイクルの質を高めるにあたり、事業者の自主回収も意義があるというご意見がございまして、全体的な中身としてリサイクルの量だけでなく質の向上もここで明記しております。

ページが飛び恐縮ですが、5ページ目の「3.再生素材やバイオプラスチックなど代替素材の利用促進」をご覧ください。「(1)再生素材の利用促進」の2ポツ目のパラグラフの中央で、「再生素材の供給・利用を拡大するべく」と、供給面の拡大についても追加してございます。これは、長谷川委員のご指摘もございまして、再生素材がしっかりと供給されることが重要だというところを観点として追記させていただいております。

続いて、「4.分野横断的な促進策」で修正が多くなっておりますが「(1)消費者の理解・協力の促進」の中で、「リデュース・リユース、分別リサイクル、代替素材利用の一層の促進に当たっては、消費者の理解・協力が不可欠であり」という文言の後に、「我が国のプラスチック資源循環の現状や各主体の取組状況等のファクトを消費者はもとより国際社会に対して幅広く発信する」ということと、「リサイクルの見える化等の普及啓発・広報や環境教育をNGO等とも連携しつつ世代を問わず進める」ということを書かせていただいております。これは崎田委員よりNGO団体のご指摘をご紹介いただきまして、リサイクルが何になっているのかということを分かりやすく書こうということと、NGO等との連携というところも記載しております。それから、青野委員より「次世代の教育」についてご指摘いただいた点を、「世代を問わず」という表現で書き加えております。

第4回合同会議でいただいたご指摘の中で、修正として反映していないご意見もございます。

本日はこの後、基本的方向性(案)についてご議論いただき、おまとめいただきたいと考えておりますが、この後も議論は続くものと考えております。個別具体的な、肉付け的な施策については現段階では入れ込んでおりませんが、次回以降の議論においてしっかりと検討していきたいと考えております。事務局からの説明は以上でございます。

〇酒井委員 平尾室長、ありがとうございます。それでは、只今ご説明いただきました「今後のプラスチック資源循環施策の基本的方向性(案)」の修正案につきまして、委員の皆様からご意見を頂戴したいと思います。ご発言の希望のある方は、Webex会議システムの挙手機能で発言の意思表示を行っていただけますでしょうか。チャットを使っての意思表示でも結構でございます。ご発言につきましては、私の方から指名させていただき、指名後ミュートを解除してご発言いただければと思います。それでは、ご発言の希望がある方は手を挙げていただければ幸いです。それでは、順番にご指名をしてまいります。3~4名単位で区切りながらと考えておりますので、よろしくお願いいたします。それでは、まず、大阪市の青野委員お願いいたします。

〇青野委員 大阪市の青野でございます。前回、私が申し上げた意見を無事に修正・追加していただいたと思っております。感謝申し上げます。内容的に非常によくまとまったものになったと思っております。とりわけ、教育のところで「次世代」と表現させていただきましたが、すべての世代に関わるということで「世代問わず」という表現でまとめていただき非常にありがたいと思っております。海洋プラスチックごみ問題についても触れていただき、御礼を申し上げたいと思い発言させていただきました。以上でございます。

〇酒井委員 青野委員ありがとうございました。それでは、続きまして、森口委員お願いいたします。

〇森口委員 はい、ありがとうございます。ご説明の中でも、前回の私の発言にも言及いただく形で取り入れていただき、ありがとうございます。特に、3ページで修正いただいたところですが、リサイクルにおいて闇雲に量を集めるということではなく、質の重要性を記載していただきました。家庭系・事業系の両方に関わることですので、記載する場所としてもここで適切であると思います。

1点、前回明確に申し上げきれなかった、あるいは、それ以前の会議で再三申し上げていたことですが、修正いただき改めて気づいた点が、5ページの「4.分野横断的な促進策」のところでございます。「我が国のプラスチック資源循環の現状や各主体の取組状況等のファクト」と書かれており、「消費者はもとより国際社会に対して幅広く発信する」ということは書かれているため、読みとれると言えば読みとれますが、消費者に向けてより分かりやすく見せていくということと、いわゆる一般家庭から出てくるプラスチックごみ以外も重要であるということを併せて記載いただいたものの、従来の容リ法では、家庭の消費者の重要性が強調されており、その重要性には疑いの余地はありませんが、ファクトをしっかりと知らせていく相手としては、消費者だけではないという気がいたします。そのため、ここに書いてあることで必要十分かどうか、特に対外的な発信という点で、日本はリサイクル分野に尽力しているものの、英語での発信が十分ではないということも含めて、なかなか知られていないということもあります。そうしたことも踏まえ、ここでは、いささかついでに書かれた印象を受けるため、場合によっては、「(4)政府の率先的・基盤的な取組」のあたりで、プラスチックの生産消費、再生利用、処理処分の実態把握が十分でないということを含めて記載していただくというのもあり得ると考えております。

今の段階で申し上げることではないのかもしれませんが、各論に入っていく前提としてファクトを押さえることは重要であり、参考資料に付けていただいているマテリアルフローについても、まだまだ詳細に見ていく余地があると考えております。場合によっては、そのあたりを政府の取組として位置付けていただくのもあり得ると考えました。以上でございます。

〇酒井委員長 森口委員どうもありがとうございました。それでは、坂田委員お願いいたします。

〇坂田委員 はい、日本化学工業協会坂田でございます。まず、大変分かりやすく基本的方向性(案)をまとめられて、よかったと思います。今回、「2.効果的・効率的で持続可能なリサイクル」において、「リサイクルの質と量を向上させることが重要である」ということが修正として入り、併せて、持続的な回収リサイクルシステム構築を進めることが明記されておりまして、資源循環促進の実現につながるものと考えております。

また、家庭から排出されたプラスチック製容器包装・製品が、プラスチック資源と分かりやすく明記されたことで、これまで以上に、環境・経済・社会の三方に関わる主体それぞれが、各施策の目的を理解し、これまで以上に取組を進めていくことができるのではないかと考えます。最後に、リサイクルの技術開発と社会実装に向けたインフラ整備、再生素材の利用促進、そして、その需要の拡大にまで言及されたことで、持続的なリサイクルの拡大に弾みがつくと考えております。以上でございます。

〇酒井委員長 ありがとうございます。それでは、大塚委員お願いいたします

〇大塚委員 どうもありがとうございます。5ページの「(1)再生素材の利用促進」で再生素材の供給まで記載いただき、大変良いと思っております。この点は現在、非常に関心が持たれているため進んでいくと考えておりますが、それが持続していくことが重要であり、さらに、支援がいつまでも続くかどうかははっきりしないことから、自立したサプライチェーンを構築していくことが重要だと考えております。その観点で、「再生素材の供給」が加わったことは大変良かったと考えております。

ただ、1点確認しておきたいのですが、1ページの1ポツ目の3行目のところで、「日本モデル」という表現があり、これは「プラスチック資源循環戦略」にも記載のある言葉ではありますが、特に「今後のプラスチック循環施策の基本的方向性(案)」との関係で、具体的に何をお考えになっているのか、環境省に教えていただければと思います。以上です。

〇酒井委員 それでは、ここで4名の方からご意見を伺いました。この段階で、質問的事項等を含めて、事務局からお答えいただければと思いますが、いかがでしょうか。

〇平尾室長 はい、最初に大塚委員からご質問がありました「日本モデル」でございますが、「プラスチック資源循環戦略」の言葉を用いているというのはその通りでございまして、「プラスチック資源循環戦略」の中で、ライフサイクル全体を捉えるということと、様々な人々が協力してきたということを明確にうたっております。こうした点がユニークなのではないかということで、「プラスチック資源循環戦略」の中で「日本モデル」という表現をしてきたと認識しております。これだけ市民の協力を得られているということは、なかなかないのではないかということがございまして、これをさらに新たな段階につなげていくところまで、プラスチック資源循環戦略の中でも書かれておりますので、そういった点を改めて引用させていただいたということでございます。

併せまして、森口委員からファクトの関係でご指摘いただきました「消費者はもとより国際社会に対して」という表現の中で、現状把握を別途に進めていくべきではないかというご意見はその通りでございまして、「4.分野横断的な促進策」の「(1)消費者の理解・協力の促進」で記載しておりますが、幅広く発信するためにしっかり現状を整理することは、むしろ当然のことであると考えておりますので、想いを盛り込んだ上での表現としております。

「(2)プラスチック資源の回収・リサイクルの拡大と高度化」といったところで、技術的なサプライチェーンというお話もありましたし、リサイクルの質と量を高めるというお話も坂田委員からご指摘がございました。そういった観点も含めて、全体として進めていくことを考えております。青野委員からもご指摘いただきまして、引き続き担っていきたいと思います。

〇横手課長 酒井委員長、経済産業省資源循環経済課長横手でございます。よろしいでしょうか。

〇酒井委員長 はい、どうぞ。

〇横手課長 ありがとうございます。委員の皆様ご意見ありがとうございます。総じて申し上げれば、先ほど平尾室長よりお答えいただいた通りですが、1点、森口委員からマテリアルフローの点についてご指摘がございました。この点は、おっしゃる通りで、マテリアルフローを精緻化してファクトを追いたいというのはその通りだと思っております。他方で、プラスチックはあらゆる製品に使われている素材でもありますので、精緻なマテリアルフローがどこまでできるのかということは、正直、限界もあろうと考えております。国際発信の話がございましたが、マテリアルフローだけを見ると、日本ほど精緻なマテリアルフローを作っている国は存じ上げません。ヨーロッパと比べましても、細かく製品等までブレイクダウンしたマテリアルフローを作っているという意味で、かなり日本は進んでいる方ではないかと考えております。そのような前提で、どこまでやれるのかということは継続して考えていきたいと思っております。いずれにしても、これから具体的な施策を考えていく上で、現状のマテリアルフローを意識しながら対策を検討していくべきというのはおっしゃる通りだと思ってございますので、しっかりとやっていきたいと思ってございます。以上です。

〇酒井委員長 横手課長ありがとうございました。それでは、引き続き、追加でご意見をいただければと思います。大熊委員お願いいたします。

〇大熊委員 ありがとうございます。この基本的方向性(案)につきましては、総論的なもので、中身は非常によく検討されてございますので、これについては確定していただければいいと思います。その上で、先ほど平尾室長からもお話がありました、更なる肉付け、具体的な内容について、更なる議論を深めていただければと思います。

もう1つは、今まさに政権が変わろうとしているわけですが、基本的方向性(案)や「プラスチック循環戦略」については、政権に関わらない普遍的なものと位置づける必要があると思っておりますので、第1回合同会議でもお話ししました通り、法律等で担保し、国を挙げて推進していただければと思います。以上でございます。

〇酒井委員長 大熊委員どうもありがとうございました。それでは、続きまして湊元委員お願いいたします。

〇湊元委員 今回提示された基本的方向性(案)については、基本的に異論はございません。第4回合同会議において、私から、容器包装と製品を一括回収することで、容器包装のリサイクル率や再商品化製品の品質に悪影響の生じない内容にすべきと申し上げましたが、この点につきましても、3ページ中段にある「リサイクルの質と量を向上させることが重要」と追記していただいております。評価したいと思います。

1点だけ希望を申し上げます。全体として、中小企業への言及が見られないため、例えば、1ページ目の「I. 考え方」の部分で、コロナ禍の経済成長を進めていく中で、「プラスチック資源循環戦略」への取組を中小企業の新技術や新製品の開発、更にはビジネスチャンスに拡大させていくことが重要であるという視点やフレーズがあってもいいのではないかと思います。以上です。

〇酒井委員長 ありがとうございます。では、柳田委員どうぞ。

〇柳田委員 はい、ありがとうございます。網羅的に上手くまとめていただきました。また、冒頭でSDGsについて、それから、ESG金融のところで企業価値の話を入れていただきありがとうございました。特に、SDGsについては、新型コロナウイルス感染拡大の影響は、こちらでも議論が多く出ていたと思っております。そうした中で、コロナ禍での清潔・衛生の維持であるとか、あるいは、Withコロナの新しいライフスタイルやビジネスモデルの変化にあたって、SDGsの「12 つくる責任 つかう責任」、「14 海の豊かさを守ろう」だけでなく、「3 すべての人に健康と福祉を」、「6 安全な水とトイレを世界中に」等、広範囲の目標に関与しており、かつ、有効に作用し得るだろうという意見が見て取れます。また、困難な状況の中にあっても、やり切らなければならないということの重要性が、ここに明記されていると思っております。以上でございます。

〇酒井委員長 柳田委員どうもありがとうございました。それでは、佐藤委員どうぞ。

〇佐藤委員 佐藤でございます。基本的方向性(案)としては網羅的な内容であると思います。これをどのように具体化していくかという具体性の案ですが、例えば、「2.効果的・効率的で持続可能なリサイクル」の「(2)プラスチック資源の回収・リサイクルの拡大と高度化」については、まず、家庭については各家庭の努力と市町村の努力が一体化するということだと思いますが、最近、集合住宅や老人施設等、ある程度居住者が固まっていて、統一した行動をとりやすい形があると思いますので、市町村の分別回収の中では、協力する集合住宅、共同住宅、団地、自治会等を核にして、より良い分別を進めていくというのがあり得るのではないかと思っております。また、事業者から排出されるプラスチックについても、先ほど中小企業の参画というお話がありましたが、例えば、地域の商店街、大型商業施設、フランチャイズチェーン、テナントビル等、まとまった事業者が協調して資源循環に協力できるという、一種の塊がありますので、こうした塊を利用することで、より効率的な回収ができると考えております。そういう視点で指摘を記載していただければありがたいと思います。

最後に、「(1)再生素材の利用促進」についての意見でございます。供給と利用を拡大するというご指摘はその通りでございます。問題は、利用の拡大の方法であり、例えば、再生素材の利用率の目標値や順守状況を、企業ごとにESGとして発表していくという方法もあると思いますし、業界団体として、ある程度同一素材を使っている飲料業界、自動車業界、家電業界等が利用率の目標値を作り順守状況を発表すると、温暖化対策も含めて、より見える化されるのではないかと思います。以上でございます。

〇酒井委員長 佐藤委員どうもありがとうございました。それでは、4名の委員にご意見いただきましたので、ここで事務局に一度お渡ししたいと思います。

〇平尾室長 事務局から申し上げます。最後の佐藤委員からのご意見から申し上げますと、再生素材の目標値やプラスチック資源の回収について、集合住宅やモールのような商業施設での回収といったお話がありました。非常に勉強になると思っております。基本的方向性(案)はこのレベル感で記載するものと考えておりますが、具体的な施策の議論の中で、具体化について議論していきたいと考えてございます。そういう意味で申しますと、中小企業についての言及もご指摘がございましたが、これも事業者という点での具体化でございます。我々としては、様々な方が果たすべき役割があると考えており、基本的方向性(案)ではこのレベルに留めて、今後の具体化にて進めていきたいと考えてございます。

柳田委員からのご指摘もありました通り、冒頭にSDGsの記載を盛り込みましたが、ただSDGsと記載したかったということではなく、皆が取り組んでいくことが重要であるということを本格的に記載しており、全員が取り組んでいくものという想いを改めて書き表したいという意図がございました。

それから、大熊委員より政権の変化へのご意見がございました。我々は政治文書で決定していくことから、揺らぐものではないと思っております。法律等による担保というお話もございました。今後、議論していく中で様々な対応があると思いますが、政策の手段も排除せず考えていきたいと思っております。

〇酒井委員長 平尾室長ありがとうございました。この4名の発言について、横手課長何かございますでしょうか。

〇横手課長 いえ、平尾室長の方から回答いただいた通りだと思っております。もちろん、中小企業のお話はおっしゃる通りだと思っておりまして、平尾室長が申し上げたように、事業者という表現の中に中小企業も包含すると理解しております。今回、もしくは、今後の更なる具体化の中で、そうしたメッセージがよりしっかりと出ていくようにしたいと考えております。

佐藤委員より、塊を上手く利用するというお話がございましたが、まさにリサイクルの質と量を向上していくという観点で、効率的に、質の良いものを回収していくことにつながっていくと考えております。平尾室長からも回答があったように、進め方の問題であると思いますので、そのあたりをしっかりと意識した仕組みを考えていくとともに、普及啓発を進めていくにあたっても、塊を活用していくという点を意識しながら進めていければと思ってございます。以上です。

〇酒井委員長 どうもありがとうございました。それでは、引き続き手が挙がっておりますので、指名させていただきたいと思います。髙村委員どうぞ。

〇髙村委員 ありがとうございます。まず、基本的方向性(案)については、第4回合同会議でも既に必要な要素は全てそろっていると発言していたと思います。それに加えて、目指すべきビジョンや目標、それから、複数の委員がおっしゃっておりましたが、リデュースの徹底について、書きぶりの明確化、追加をしていただきありがとうございます。

修辞的な問題で恐縮ですが、3点細かなところを申し上げたいと思います。

1点目は、本質的だと思っておりますが、2ページ目に入れていただいた「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」についてです。これは入れていただいて間違いなく良かったと思っておりますが、第4回合同会議の議論の中で、目指すべきビジョンを明確にするということが、社会の取組、企業を含めた民間の取組を進めていく上でも、非常に重要だという議論になったと思います。「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を改めて見ますと、ここで議論してきたプラスチックの重要な役割や、廃棄物管理の重要性、プラスチックゴミの流出を減らすということも含めた包括的なアプローチを通じて、どう対応していくか、ビジョンを上手く書いていただいております。できれば、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」のコアである「海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2050年までにゼロにすることを目指す」を注記等で追記していただけないかと思っております。先ほど申し上げましたように、日本が中心となってまとめた、海洋プラスチック問題についての明確かつ国際的なビジョンを示していると思っておりまして、国際的な協働を進めていく上でも重要だと思っているからです。本文に入れていただいてもいいのですが、本文が長いので注記していただくのはどうかというのが1点目です。

2点目は修辞上の問題ですが、今回、趣旨を明瞭にしていただいたことに伴って、直していただいた方が良いのではないかと思うところでございます。1ページ目の「I. 考え方」の2ポツ目で、「回避可能なプラスチックの使用は合理化した上で」ではなく、後の書きぶりから考えれば「リデュースの徹底」ではないかと思います。ここは、平仄を合わせる上では、修正していただくのがよいかと思います。

最後ですが、何人かの委員からもすでにございましたが、基本的方向性(案)についてこうした方向でまとめていただいた上で、次の課題は、この戦略を効果的に実施していくための具体的な措置の検討を厚くしていただくということだと思います。第4回合同会議や先ほど横手課長からもご指摘がありましたが、プラスチックという素材に注目した資源循環戦略で、従来とは違って幅広い製品・容器包装に関わっており、そうした意味では、これまでのアプローチと馴染まない、あるいは、これまでのアプローチを上手くそれに当てはめていかなければならないという点で、非常にハードルが高く、具体化していく上で課題も多くあると思っております。同時に、実効的な施策という意味では、法的基盤をどうするかという点も大きな課題だと思っておりまして、製品の多様性を踏まえつつ、「プラスチック資源循環戦略」をいかに包括的に、一体として実効的にしていくか、具体的な施策の検討をこれから加速していただきたいと要望したいと思います。以上です。

〇酒井委員 髙村委員どうもありがとうございました。では、崎田委員よろしくお願いいたします。

〇崎田委員 崎田です。ありがとうございます。今回、基本的方向性(案)については、網羅的に入れ込んでいただいていますし、消費者自身のライフスタイルの見直しの重要性やNGO等との連携の重要性など、消費者と連携しながら取り組んでいくことをしっかりと書き込んでいただいておりますので、こうした流れで、次の段階の具体策を話し合うというところにぜひ進んでいただきたいと思っております。具体策を話し合う際には、このプラスチック分野の具体策だけでなく、つまり今回の施策は素材転換を促す等、影響力もあると思いますので、根本的なことですが、影響を受ける紙など他の素材に関するリサイクルをどのように定着させていくかなど、この審議の中では難しいかもしれませんが、政策的には資源循環全体をしっかりと見すえて、進めていただければと思います。

また、第4回合同会議でもお話が出ましたが、コロナ禍で宅配やデリバリー等の新しい流れが増えてきました。必要不可欠な新しい分野もありますが、容器包装の素材や新しいライフスタイルをどう創っていくか、皆で知恵を出していかなければならない点がまだまだあると思いますので、そうした点にしっかりと取り組んでいければと思っております。

最後に、今後、自治体の仕組みを大幅に変えていくこともあると思いますし、地域での店頭回収等、事業者・メーカーと連携していくといった、様々な新しい、具体的な仕組みができてくると思います。そうした意味で、地域循環共生圏という政策の大きな流れもありますので、そういった様々な具体化の事例をできるだけ早く見せて、全国に広げていくという、大きな戦略を持っていただければありがたいと思います。よろしくお願いします。

〇酒井委員長 崎田委員ありがとうございました。それでは、長谷川委員お願いいたします。

〇長谷川委員 これまでの議論を踏まえ、また経団連の意見にも配慮をいただきながら取りまとめていただき、委員長や座長、事務局に感謝申し上げます。これで、「プラスチック資源循環戦略」の具体化に向けた施策展開の方向性がよく示されたと理解しております。

また、前回、私から発言させていただいた再生素材の供給体制についても修正していただき、感謝申し上げます。中身の具体的な施策についても、今後ご議論いただければと思っており、第4回合同会議でも申し上げましたが、企業のサプライチェーンはグローバル化している状況にあり、再生材の国際的な流通を促進することが重要だと考えておりますので、ぜひご検討いただけければと思います。

もう1点、1ページ目の1番下のパラグラフにつきまして、事前説明の際に意見を申し上げたことを踏まえ追記いただいていると思いますが、最後から2行目に「また」とあることについて、場合によっては、「変化等も生じている」の後に「また」を入れていただく方が適切かと思いました。その上で、最後の行は「こうした事情も適切に織り込みつつ」と始めるのがいいと思いますが、「こうした」が重複するのであれば、「こうした事情」を「以上の事情」などに変えるのがいいかと思いました。いずれにせよ日本語の問題でありますので、座長及び事務局にお任せしたいと思います。よろしくお願いいたします。

〇酒井委員長 長谷川委員どうもありがとうございました。それでは、最後になりますが、宮澤委員どうぞよろしくお願いします。

〇宮澤委員 はい、ありがとうございます。基本的方向性(案)でお示しいただきました施策の大きな方向性については、異論はございません。その上で、3点簡潔にコメントさせていただきます。

まず1点目は、1ページの5ポツ目でございます。新型コロナウイルス感染拡大下でのプラスチックのリデュースの徹底についてでございます。一時的にプラスチックの使用が増えることは、やむを得ないことでございますが、第4回合同会議でも申し上げました通り、感染防止に十分配慮しながらも3Rの推進を図るということが重要でございまして、「プラスチックのリデュースの徹底をはじめとする“3R+Renewable”の基本原則に沿った対応がこれまでにも増して重要」という表現は、非常に妥当な表現だろうと考えております。

2点目は、3ページでございます。「(2)プラスチック資源の回収・リサイクルの拡大と高度化」のうち、市町村による分別収集についてであります。リサイクルの質と量の向上という考え方や、そのために自治体が担う役割などの大きな方向性については、異論はございません。第4回合同会議前後の新聞報道等で「プラごみの一括回収へ」、「全国の自治体へ実施要請」等、本パートのみが大きく報道されたため、中間処理業者や自治体から具体的な内容について問い合わせが多数寄せられております。制度設計に向けましては、分かりやすい分別回収のルール化、事業者と自治体の役割分担等、様々な課題を早急に検討していく必要があると認識しております。

最後は、5ページの「4.分野横断的な促進策」の「(1)消費者の理解・協力の促進」についてでございます。日本において、リデュース・リユース、分別リサイクルを推進するということは、折角分別して排出したプラスチックがどのような形でリサイクルされるのか、つまり、再製品化の手法が分かることが重要だと考えております。今回、リサイクルの見える化等と追記していただきました。ありがとうございます。妥当な表現だと考えております。以上、3点について発言させていただきました。ありがとうございました。

〇酒井委員長 はい、どうもありがとうございました。4名の委員からご意見頂戴いたしました。ここについての事務局からのご回答お願いいたします。

〇平尾室長 ご説明申し上げます。具体的なコメントがいくつかありましたが、1ページの2ポツ目の高村委員からご意見いただきました「回避可能なプラスチックの使用は合理化した上で」という表現ですが、プラスチック資源循環戦略の文言を引用しているところでございまして、プラスチック循環戦略そのものの文言の修正が必要になるということで、この点ご承知おきいただければと思います。

また、1ページの最後のパラグラフの「また」の位置を長谷川委員からご指摘いただきました。ご指摘いただいたような考えもあるかと思いますが、現状の位置に「また」を記載し、広げて考えて行くのが適切と考えております。検討の上で記載してございます。

2ページで、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の内容を追記したらどうかという話がございました。重要な背景情報だと思いますので、こちらに追記するというよりも、参考資料に1スライド追加し、参照していく際のレバレッジポイントにしていきたいと思います。

自治体の協力を得て、仕組みの変化に対する受容性を促進していく点についてご指摘いただきまして、その通りだと思います。今後の具体化に向けて、自治体のみならず、現場が動いていく話になりますため、そうしたことを踏まえながら議論を進めていきたいと考えてございます。

〇酒井委員長 横手課長いかがでしょうか。

〇横手課長 ありがとうございます。平尾室長からご回答いただいた通りだと思っておりますが、いただいたご意見を踏まえてしっかりと考えていきたいと思っております。その上で、まさに髙村委員から、プラスチックという素材が幅広いため、多様性を認めながら包括的な対策を考えるべきというご指摘をいただいたと思います。同一の制度となるのかどうかということを含めて、具体化の中で考え検討していきたいと考えておりますが、まさにご指摘のあったような、包括的な仕組みを考えて行きたいと考えてございます。

崎田委員からご指摘がありました、地域の具体例を見せながら、全国に広げていくというのはまさにその通りだと思っております。そうした意味で、この審議会の場でも、第2回、第3回では先進的な取組を行っている事業者・自治体・NGOの方々に、取組の紹介をいただいたと考えております。そうした事例の発掘や、そうした方々と協力を行っていきながら、しっかりと見える形で発信し、広げていきたいと思っております。

また、他の素材のリサイクルという点についてもご指摘いただきました。おっしゃる通りでして、サーキュラーエコノミー、循環経済という観点から、他の素材も含めて検討していく必要性を、経産省としても認識しているところでございます。本年5月には、細田座長にもご協力いただきながら、経産省でも「循環経済ビジョン2020」を作成しております。そうした中で、他の素材も含めて考えていきたいということをお示しさせていただいておりますので、経産省としてしっかりと考えていきたいと思ってございます。以上です。

〇酒井委員長 はい、どうもありがとうございました。先ほど、髙村委員と長谷川委員より微修正というご意見をいただきましたが、私共と細田座長にご一任いただきまして、事務局と基本的方向性をセットしたいと考えております。ご了承いただければと思います。

それでは、委員からご意見頂戴いたしました。それに対して、環境省、経産省からもお答えいただいております。全体通して、この段階でどうしてもというご意見ございましたら承りたいと思いますが、どなたかおられますでしょうか。

〇酒井委員長 それでは、今回は十分ご意見をいただいたということで、次に進めさせていただきたいと思います。一通りご意見をいただきまして、ここまでの審議をお聞きいただいた細田座長から最後にご意見いただければと思いますが、いかがでしょうか。

〇細田座長 ありがとうございます。皆さんがおっしゃる通り、手際よくまとめていただいた。ただ、もちろん方針という枠組みですので、以前にも申し上げましたが、エッジが効いていない。わざと効かせていないのでしょうが、今後はエッジを効かせた、ある意味、勝負をかけたものを作っていかなければならないと思います。それでも、考えられた文章です。例えば、最近、ヨーロッパではグリーンリカバリーという言葉があります。コロナから回復するために、環境と経済と社会のトリプルWinという考えですが、きちんとそうした考え方が、Redesignや三方よしという言葉で入っています。ヨーロッパは、中身をよく見てみると、内容は薄いため、我々がどのように具体策につなげていくかという点は、各委員からもありましたように、まさに、日本が循環経済の先進性を示すチャンスだと考えております。

その時に、私がこれまで、新聞の評論や学者のコメントを見ていて残念だと思っているのは、非常に観念論になっている点。「脱プラ」等の言葉だけが躍ってしまっている。ご指摘の通り、プラスチックにはエッセンシャルなものもある。ただ、エッセンシャルの定義はすごく難しい。ある人にとっては、ペットボトルの方が軽くて持ち運びやすくて、熱中症の時には良いかもしれない。レジ袋にしても、私の母が通うケアセンターでは、老人の下の処理にレジ袋を集めて使用している。そうすると、ケアセンターにとっては、レジ袋が非常にエッセンシャルとも言える。当然、代わりに、プラスチックパックを買えばいいという意見もあり得るが、言いたいことは何かというと、個別案に落とし込むときは、何をターゲットにするのか、どうその目的をシュートするのかということを、観念論ではなく、きっちり進めていく必要があるということであります。

その時にお願いしたいのは、先週、現場の方にインタビューさせていただき、数週間前にプラスチックのリサイクラーの現場を2か所見させていただいたが、やはり、現場には、様々なアイデアがあるため、ぜひ、そうした現実を直視して見ながら、日本のあるべき資源循環を考えていただきたいと思います。以上でございます。

〇酒井委員長 細田座長ありがとうございました。相当踏み込んだ総括をいただきましたので、それを受けてというわけではございませんが、私からもひと言、発言させていただきたいと思います。今回、基本的方向性(案)の取りまとめに相当時間をかけていただきました。この半年強の新型コロナウイルスの影響というのは、相当大きく、「プラスチック資源循環戦略」とは、極めて関係性が深いため、この点に関するしっかりとした考え方の整理が必要ということで、時間をかけていただいたところがございます。この点は、本日の追記の文章の中でも、文脈に出てきております。また、図らずも、エッセンシャルの定義が簡単ではないと細田座長からご指摘がございましたが、その一方で、やはりエッセンシャルユースとしての、この素材との今後の付き合い方も考えていかねばなりません。そうした中で、新たな技術や、新たな使い方も必要であろうということは、基本的方向性(案)の議論の中で出てきた視点であると思います。海洋プラスチックごみ問題、資源問題、温暖化対策といった側面からも中長期的な取組として変わることはございませんし、また、それを新たな成長の源泉としてしっかりと見据えていくということ、そうした点を、しっかりと基本的方向性(案)の中に盛り込んでいただきました。今後はこの流れに沿い、基本的な方向性(案)を踏まえて、具体的な施策についての議論を進めていきたいと思っております。

それでは、本日の議論はこのあたりとさせていただきたいと思いますが、委員の皆様よろしいでしょうか。

それでは、事務局に進行をお返ししたいと思います。

〇平尾室長 委員の皆様には、大変有意義、かつ、活発なご議論を頂戴いたしましてありがとうございました。いただいたご意見を踏まえた基本的方向性につきましては、完成次第、委員の皆様にお送りさせていただきます。

次回の合同会議は、最後に細田座長や酒井委員長からのお話もありました通り、基本的方向性を踏まえて、具体的な施策の議論をしていくことになろうかと思います。次回の会議の日程については、決まり次第、事務局より改めてご連絡させていただきます。本日の議事録については、委員の皆様にご確認いただいた後、経済産業省及び環境省サイトに掲載する予定でございます。

それでは、以上を持ちまして本合同会議を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。

(了)