中央環境審議会総合政策部会環境情報専門委員会(第1回)議事録

日時

平成19年10月12日(金)15:30~17:30

議事内容

午後3時30分 開会

○細野企画調査室長 それでは、ご出席予定の先生、まだお見えになられない方がいらっしゃいますけれども、時間が参りましたので、ただいまから第1回中央環境審議会環境情報専門委員会を開催いたします。
 私は、環境省総合環境政策局環境計画課企画調査室長の細野でございます。しばらくの間、進行を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、議事に入ります前に、お手元に10月5日付で各委員の先生方に対しまして、部会長から部会所属の専門委員に指名をさせていただく旨の発令書などを置かせていただいておりますことをお伝え申し上げます。
 続きまして、早速でございますが、お手元の配付資料の確認をお願いいたします。
 議事次第のところに配付資料一覧というものが配付させていただいておりますが、それと対比していただきながらご確認をいただければと思います。
 まず、資料の1でございますが、この専門委員会の委員の名簿でございます。
 それから、資料の2が、この審議会の運営規則でございます。
 資料の3でございますが、審議会総合政策部会の小委員会と専門委員会の運営方針についてというものでございます。
 それから、資料4が環境情報専門委員会の設置についてでございます。
 次に、資料5でございますが、審議会の総合政策部会小委員会及び専門委員会の設置についてという紙でございます。
 それから、資料の6が、第3次環境基本計画及びIT新改革戦略の抄の部分でございます。
 それから、資料の7、「環境情報・環境統計の整備・提供等のあり方検討報告書」の概要でございます。1枚紙でございます。
 それから、資料の8が重点調査事項に係る点検結果ということでございます。
 それから、資料の9でございますが、環境省総合データベースの概要でございます。
 何枚か続いておりますが、資料の10が、環境情報戦略の検討に当たって、整理すべきポイントというところでございます。
 それから、最後に資料の11、「持続可能な社会づくりに必要な情報」に関する論点整理メモでございます。
 そのほかに、参考資料といたしまして、環境情報・環境統計の整備・提供等のあり方検討報告書の本体をお配りしてございます。
 また、参考資料の2ということで、平成19年版の環境統計集というものを置かせていただいております。
 以上でございますが、もし足りないものがございましたら事務局にお申しつけくださいませ。よろしくお願いいたします。
 それでは、委員会の開始に先立ちまして、私どもの西尾総合環境政策局長よりごあいさつを申し上げます。
○西尾総合環境政策局長 総合環境政策局長の西尾でございます。よろしくお願いいたします。
 本日、第1回の環境情報専門委員会を開催するということになりました。委員の皆様には、大変お忙しい中、この専門委員会の委員をお引き受けいただきまして、まず厚く御礼を申し上げます。本日、お忙しいところご出席いただきまして、また、これに限らずいろいろな面で環境行政、環境政策につきましていろいろご指導いただいておりますことに、まずもって御礼を申し上げさせていただきます。
 この情報専門委員会で、これから情報整備、情報提供の戦略的なあり方をご議論していただくわけでございますけれども、情報整備、情報提供に当たっての戦略性というのは、これは別にこの環境の分野に限らず、あるいは官民問わず、今日どの世界でも極めてエッセンシャルな、基本的な要件だと思います。しかしながら、環境の世界でありますと、私もちょっと記憶を振り返ってみましても、例えばある産業分野のある情報統計、こういうようなものですと範囲も限られているし、人のしたことでありますから、割にキャッチがしやすいというような面があろうかと思いますが、環境の場合、非常にいろいろな範囲の、しかも自然の環境の状態などをどうとらえるか。とらえ方自体についてもいろいろ議論がありますし、あるいは、多くの情報が別の世界の経済や社会のいろいろな指標、統計みたいなものが間接的に反映してくるものがあったり、そういうようなものを一体頭の中でどういうふうに一つの戦略として組み立てられるのか、今まで悩んできた次第でございます。
 そうではございますけれども、昨年4月に閣議決定いただきました第3次環境基本計画におきましても、この情報の重要性につきまして、情報の適切な整備、それから提供のあり方について研究し、戦略を策定するということが盛り込まれるに至ったわけでございます。加えて、昨年1月にはIT戦略本部におきましてIT新改革戦略と、こういうことでございまして、ITという切り口の中での情報の収集、整備、そういうことではITを活用した環境情報の収集、整理、提供のあり方、こういうことになりますが、それについての方針も今年度中に策定するということになったわけでございまして、この2つの戦略的なあり方検討の宿題になってきておるわけでございます。これらの方針、戦略の策定の基礎となる環境情報の長期的かつ総合的な基盤整備の基本方針、こういうことにつきまして、この専門委員会を総合政策部会のもとに設けていただきまして、これからご議論、ご検討、ご指導をいただきたい、こういうふうに考える次第でございます。
 どうか委員の皆様方におかれましては、今後、濃密な議論を重ねていただきまして、今後の我が国におきます持続可能な社会の構築に向けた取り組みを支える最も大切な環境情報戦略ということにつきまして、これを示唆いただけるようなお取りまとめをいただきたいというふうに思っている次第でございます。
 ひとつどうかよろしくお願いを申し上げます。

○細野企画調査室長 それでは、本日の専門委員会は第1回目の会議でもございますので、本専門委員会の委員のご紹介をさせていただきます。
 まず、中央におられますのは、福岡大学法学部教授、浅野直人委員でいらっしゃいます。
 そのお隣、慶應義塾大学商学部教授の和気洋子委員でいらっしゃいます。
 そのお隣は、京都大学大学院経済学研究科教授、植田和弘委員でいらっしゃいますが、ご都合があって遅れていらっしゃるようでございます。
 そのお隣になりますが、株式会社グッドバンカー代表取締役社長、筑紫みずえ委員でいらっしゃいます。
 そのお隣でございますが、統計数理研究所准教授、金藤浩司委員でいらっしゃいます。
 その後のお二方は本日、欠席の予定でございますが、後ほどご紹介させていただきます。
 そのお隣になりますが、立教大学経営学部准教授の高岡美佳委員でいらっしゃいます。
 そのお隣でございますが、ジャパン・フォー・サステイナビリティ共同代表、多田博之委員でいらっしゃいます。
 そのお隣、鳥取大学乾燥地研究センター長・植物生物分野教授、恒川篤史委員でいらっしゃいます。
 そのお隣、慶應義塾大学総合政策学部教授、福井弘道委員でいらっしゃいます。
 そのお隣が、独立行政法人国立環境研究所アジア自然共生研究グループ環境技術評価システム研究室長、藤田壮委員でいらっしゃいます。
 そのお隣、江戸川大学社会学部環境デザイン学科教授、惠小百合委員でいらっしゃいます。
 そのお隣、独立行政法人国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センター長、森口祐一委員でいらっしゃいます。
 なお、以上の方々のほかに、横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授、亀屋隆志委員、また横浜市環境創造局総合企画部温暖化対策課長、関川朋樹委員にもご就任いただいておりますが、本日はご都合によりまして欠席される予定とお聞きしております。
 続きまして、本日出席しております環境省の幹部職員と関係者をご紹介申し上げます。真ん中の方からご紹介させていただきます。
 先ほどごあいさつを申し上げました総合環境政策局長、西尾でございます。
 そのお隣、大臣官房審議官、石野でございます。
 そのお隣、総合環境政策局総務課長、後藤でございます。
 そのお隣、総合政策局環境計画課長、弥元でございます。
 私は、先ほど申し上げましたが、環境計画課企画調査室長の細野でございます。よろしくお願いいたします。
 その隣が、大臣官房総務課環境情報室長、瀧口でございます。
 そのお隣、生物多様性センター情報システム企画官の清水でございます。
 そのお隣、大臣官房環境情報室、満塩CIO補佐官でございます。
 そのお隣、独立行政法人国立環境研究所環境情報センター長、山本でございます。
 以上、ご紹介申し上げましたほかに、本日は、この環境情報戦略関係の調査を請け負っていただいております株式会社プレック研究所と富士通エフ・アイ・ピーからも担当者が出席しております。あわせてご紹介をさせていただきます。
 さて、本専門委員会の委員長でございますが、委員長につきましては、鈴木総合政策部会長のご指名によりまして浅野委員にお願いすることになっております。今後の進行は浅野委員長にお願いをいたします。
 また、プレス、報道の方々に申し上げます。冒頭のカメラ録りはここまでということでお願いいたしております。よろしゅうございましょうか。
 それでは浅野委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○浅野委員長 それでは、浅野でございます。よろしくお願いいたします。
 この環境情報のテーマにつきましては、先ほど西尾局長のごあいさつにありましたように、環境基本計画の中で、その重要性を指摘し、戦略を策定するということを決めたわけでございます。この準備作業として既に検討会が設置されまして、この春に、お手元にありますような環境情報・環境統計の整備・提供のあり方の検討報告書というものを取りまとめております。もっとも、この報告書は、正確に言いますと時間の関係上、最後は事務方の責任で取り纏めた報告書ということになっておりまして、中に検討会委員の名前が出ていますが、検討会は参考意見は述べたが、内容については責任を持たないということになっていますので、そういうことと思って見ていただきたいわけでありますが、最終的な責任を持たないまでも、内容については深く関与していることは事実でございます。  今回の専門委員会は、そのときに検討会委員として一緒に働いていただいた方々にかなりお残りをいただく形で発足させるわけでございますけれども、何しろ今回は総合政策部会のもとの正式の専門委員会でございまして、ここのアウトプットは、多くの御意見をお持ちの委員がたくさんおられる総合政策部会に持っていって、そこでお認めいただかなくてはいけないということで御座います。したがって、前の検討会のように気楽にやるわけにいきませんから、その辺は前の会合以上に私が横暴な議事運営を行うことにせざるを得ません。委員の皆様に、その点はご了解をいただきたいと思います。
 中央環境審議会というところは変わった文化を持っておりまして、座長は全部トップダウンで決まってくるというルールになっていまして、委員の互選ではないんですね。ですから、恨みつらみがあればそれはすべて任命権者に向けていただければと、かように存ずる次第でございます。
 さて、それでは、やや形式的なことでございますけれども、新たに中央環境審議会の専門委員にご就任いただいた委員もいらっしゃいますので、新たな専門委員会の発足にあたってのセレモニーがございます。この専門委員会の運営についての約束事をとりあえず事務方からご説明を申し上げて、ご異議なきものとお認めいただかなくてはなりません。
 では、細野室長、どうぞ。

○細野企画調査室長 それでは、資料2から5に基づきまして要点をご説明申し上げたいと思います。  まず、資料集の3枚目になりますが、中央環境審議会の議事運営規則でございます。この議事運営規則の第4条に基づきまして審議会と部会が置かれておりますが、この中の最初の1番に出てまいります総合政策部会に、この本専門委員会を設置していただいております。
 次のページ、裏になりますが、9条をごらんいただきますと、専門委員会の設置についての規定が置かれてございます。部会は、必要に応じて、その定めるところにより、専門の事項を調査するため、専門委員会を置くことができます。専門委員会には委員長を置き、部会長の指名によりこれを定めると、これに基づきまして本日お集まりいただきまして、委員会として発足させていただいたわけでございます。
 続きまして、駆け足で恐縮でございますが、資料3、中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の運営方針についてというところをごらんいただきたいと思います。
 この中で、1番目のところに会議の公開及び出席者とございますが、まず、(1)の会議の公開の[1]をごらんいただきますと、小委員会と専門委員会につきましては、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼす恐れがあるような場合を除きまして公開するものというふうに定められてございます。また、[2]には、公開または非公開の取り扱いは、その小委員会や専門委員会の委員長が決めるものとされてございます。事務局といたしましては、この専門委員会につきましては、特段非公開とする理由はないように考えております。
 また、(2)代理出席でございますが、代理出席は認められておりません。ご欠席の場合は、事務局から資料を送付させていただくということになっております。
 2、会議録についてでございますが、会議録は、発言内容を正確に記載する形でつくることになっております。ただ、[2]でございますが、会議録の調製に当たりましては、その会議に出席した委員のご了承をいただいて会議録を作成することとなっております。会議録は、委員などに配付するとともに公開をさせていただいております。公開の方法につきましては、環境省ホームページに掲載などによって行ってございます。
 続きまして、資料4を飛ばしていただきまして、資料5をごらんいただきたいと思います。
 こちらは小委員会と専門委員会の設置についてというペーパーでございますけれども、具体的には、この中の4、一番下のところに環境情報専門委員会というふうに書かせていただいております。こちらで環境専門委員会を置くことが正式に固まったわけでございまして、その(2)、裏のページになりますけれども、環境情報専門委員会は、環境情報の長期的かつ総合的な基盤整備の基本的な方針、これが環境情報戦略といったものになりますけれども、それに対する基本的な方針についての調査を行っていただくということになってございます。これに基づきまして、委員、臨時委員及び専門委員は部会長から指名するということでございます。

○浅野委員長 ただいま説明がありましたように、中央環境審議会には審議会の運営ルールがございまして、そのルールがそのまま専門委員会にも適用されてますので、こういう形で運営が行われます。
 何かご質問なりご意見なりございますか。よろしゅうございましょうか。
 会議録でありますけれども、ここにありますように、会議録は、発言の内容を精確に記録するということになっております。これをどういう解釈をするかということでございますが、発言のとおりに逐語で議事録をつくるという意味ではなくて、要は、言いたいことがきちんと正確に記録されるということを意味するというのが私の解釈でございます。後日議事録の案が回りましたら、これはちょっと表現が悪かった、これでは正確に自分の言うところを理解するのは難しかろうという場合には、正確に発言の内容がわかるように直すことは構わない。国会の場合には、発言内容を変えるときは、院の同意が要るんですけれども、うちはそういうことはありませんので遠慮なく、正確に発言内容が記録に残るようにご配慮ください。
 それでは、会議の公開についても、特にこの専門委員会は非公開にすべき理由はないと委員長も判断しておりますので、公開ということで進めさせていただきたいと存じます。
 それでは、次に、資料の6以下でございますけれども、先ほど西尾局長のごあいさつにもございましたように、この専門委員会のミッションは何であるかということを最初に確認するために、ここにあります資料6以下の資料について、事務局からの説明をいただきたいと思います。
 まず、この専門委員会でありますが、おおむね1年で答えを出すということがなかなか難しいテーマを取り扱いますので、1年を超えて議論をしなければいけないことになるだろうと考えております。しかしながら、先ほどの局長の話にもありましたように、ITの戦略に基づいての環境情報の戦略を今年度中に決めるということが一応決まっておりますので、その部分については、とりあえず何らかの形で中間的な取りまとめをしなければならないと思っております。しかしながら、環境基本計画のいっております情報についての戦略というのは、もう少し幅広なものを考えることが必要なので、さらに引き続いて検討の上、最終的な答えを出していくという手順になろうかと思っておりますが、いずれにせよ、環境基本計画の内容から始まって、どういうことを我々がやらなければいけないのか、この点について事務局からのご説明をお願いいたします。

○細野企画調査室長 それでは、恐縮でございますが、座ってご説明をさせていただければと思います。  まず、資料6に基づきまして、環境基本計画と、それからIT新改革戦略、この2つに定められております中身につきまして概要をご説明申し上げたいと思います。
 環境基本計画はおおむね6年おきに定められておりますけれども、その第2部、今四半世紀における環境政策の具体的な展開という中で、重点政策分野ごとの環境政策の展開ということが定められております。その中の第9節というところで、長期的な視野を持った科学技術、環境情報、政策手法等の基盤の整備というのがございまして、そのまた第2項というところで環境情報の基盤の整備ということが掲げてございます。
 中身につきましては、(1)計画的な基盤整備の推進ということで、環境情報の長期的かつ総合的な基盤整備の基本的方針となる「環境情報戦略」を策定しますというふうに書かれてございます。この戦略で定めるべき中身につきましても具体的に掲げておりまして、まず[1]といたしまして、持続可能な社会を構築するために必要な環境情報の範囲や優先して収集すべき情報、それから2番目といたしまして、環境情報の収集、整理、保存、行政における利用及び国民への提供のあり方、[3]地方公共団体とその研究機関、または民間団体等との役割分担や相互連携のあり方、4番目といたしまして、諸外国、特に関係が我が国と深い、また環境への負荷の増大が見込まれておりますアジア太平洋地域との連携協力のあり方について定めるというふうに書かれております。また、環境情報の一体的かつ体系的な整備を進めていくために、国民からの意見を集約いたしまして、情報の整備の調整または総括を行う機能の充実・強化を図りますというふうに書かれているわけでございます。また、そうした中で制度的課題を抽出して、必要な検討を開始しますというふうに書いております。
 以上が、第3次環境基本計画において、この環境情報戦略に直接関係して書かれている箇所でございます。
 次に、もう一つ、IT戦略本部で決定されましたIT新改革戦略についてご説明申し上げたいと思います。
 こちらの方は昨年の1月に定められておりますけれども、今後のIT政策の重点目標といたしまして、ITを駆使した環境配慮型社会ということが掲げられております。その目標といたしましては、ITを活用した環境情報の効率的な収集、体系的な整理・分析・蓄積及び多様な提供を行うことによりまして、各主体の環境問題への取り組みをより一層促進するということが掲げてございます。
 実現に向けた方策といたしまして、2007年度、今年度中にITを活用し、利用者の視点に立った、我が国における環境情報の収集や体系的な整理、各主体への環境情報の提供のあり方についての方針を策定するということでございます。
 それで、資料7でございますが、これらの戦略の確定につきまして、ここで掲げました計画での中身を受けまして、平成18年度に行われました環境情報・環境統計の整備・提供等のあり方検討の報告書の概要をまとめさせていただいたものでございます。お手元の参考資料1として全体は配らせていただいておりますが、その中でも要点だけを掲げさせていただいたものでございます。
 先ほどの環境情報戦略を目指した4つの考えの中でも、特に収集、整理、保存、利用及び提供のあり方、役割分担・相互連携のあり方を中心にまとめておりまして、アジアとの協力のような話につきましては、さらに国際的な問題も含めてまとめるということで、基本的にはこの3点に絞って検討して、課題を抽出していただいたというところでございます。
 まず、持続可能な社会構築のために必要な環境情報の範囲・優先して収集すべき情報につきましても、関係者のヒアリングをした結果などを踏まえて、さらに絞っていくということでございます。
 2番目の環境情報の収集、整理、保存、利用及び提供のあり方でございますが、先ほどの考え方としては、環境基本計画の中にも出ております環境情報ユビキタス社会をつくり、環境情報を利用したいと思われる方に対して、いつでもどこでも環境情報が利用できるような社会を構築していきたいということでございます。ただ、さまざまな方々の要望、ニーズがある中で、1つの情報システムで何か対応することは難しいところがございますので、情報の階層といったことも意識した段階的構造のシステムなりを提供していくべきであるという考え方が1つされております。
 そのほか、収集、整理・保存、利用・提供に当たりましても、それぞれの段階ごとの課題を抽出させていただいておりますけれども、収集に当たっては、利用者のニーズに合った情報収集するとか、また、アクセシビリティーの確保を特に重視するといったことも掲げております。整理・保存につきましては、もう整理・保存の段階、利用の段階から情報収集の設計をするといったようなことが抽出されております。また、利用・提供につきましては、さまざまな利用形態がありますので、それらへの対応をできるだけ幅広くやれるようにしていきたいということが出ております。
 環境情報流通を促すIT技術ということ、IT戦略等でもございますが、その中で特に検討すべきこととしては、体系的な整理と保存体制を確保していくというようなこと。また、多様かつ高度な利用を進めていく必要があるだろう、行政利用を進めていく必要があるといったことでございます。
 あと、役割分担・相互連携のあり方につきましても、政府、地方自治体、研究機関・研究者、民間企業、NPO・NGO、それぞれの立場でどのようなことが必要になってくるか、課題をそれぞれ抽出しております。逐一申し上げませんけれども、政府といたしましては、できるだけ総合的な情報システムを構築していく必要があるのではないかといったこと。地方自治体においては地域に密着したデータの整備、提供が必要ではないか。研究機関・研究者に対しても、情報の品質管理と向上が大事ではないか。民間企業におかれましては、CSRなどの観点からの自主的・積極的な情報開示が今後必要になるであろうといったようなこと。NPO・NGOについては、国民の立場に立って環境情報をできるだけわかりやすく解説するというようなことが期待されるのではないか。こういったことがまとめられております。
 我々といたしましては、こうしたさまざまな主体の相互連携、協力によりまして、自発的な環境保全のための行動が起こされていくことをさらに期待するということでございます。
 続きまして、資料の8でございます。
 これも環境基本計画に基づいて、計画に書かれている中身がどのように進捗しているか、そのフォローアップをするためにまとめられた資料でございまして、環境情報の部分につきまして、その部分を抜き出したものでございます。
 今回の計画のフォローに当たりましては、調査内容項目といたしまして、上から4つ目の欄にa)、b)、c)と書かれておるものにつきまして調査を実施、各種関係省から集められた情報を収集、整備して審議会にご報告を申し上げたということでございます。  1つ、まずa)といたしましては、OECDというところで示しております環境指標の3つの分類(環境への負荷、環境の状態、対策)に合った環境情報について、関係の府省でどのように統合する必要があるのか、政府部内での統合的な整理管理体制の状況。また、問題分野ごとに環境への圧力、その背後にある経済活動に関する統計情報や対応に関する統計情報を環境指標と関連させて収集する必要性があるが、現状や将来の方向性はどうであろうか。最後にc)といたしまして、3分類の統計情報──環境への負荷、状態、対策といったことでございますが──を環境問題ごとに集約して、国民にわかりやすい形で公表しているかどうか、現状と課題如何ということでございます。
 環境省と総務省でそれぞれ取りまとめをしたものが以下の資料でございまして、まず、調査内容のa)に当たります環境省の3分類のところにつきましては、お手元にお配りしました環境統計集、一番下にありますが、こういった冊子を中心といたしまして、関係府省の環境情報の保有状況、総数といたしまして300件把握できました。そのうち環境統計集以外のものが22件ほどございましたけれども、これらを調査した結果の詳細を別紙のようにA3の形で、字が小さくて恐縮でございますが、4枚ほどにまとめさせていただいております。これだけ一応環境関係の統計があり、また、OECDの3分類に沿った位置づけもされているということでございます。
 また、環境情報のメタデータ、この各情報についての性質や所在などのデータを集計しているということでございますが、その収集、提供、保存の現状と傾向を調査いたしました結果といたしましては、全体的な傾向として、まず1年周期で定期的に収集されているものが多い。それから、ホームページと印刷物の両方による提供がなされているものが多い。あと、電子媒体と印刷物の両方による保存が保存の形態としても多数を占めたということがわかっております。
 それから、2番目のb)の観点になろうかと思いますけれども、政府部内での統合的な整理管理体制ということでございますが、政府部内で統合的な整理管理体制というのはありませんが、それぞれの府省内で個々の担当部署が情報の収集管理を行っている例が多いということが明らかになっております。また、環境省では、環境白書や環境統計集などにおきまして、環境省と他の政府機関が取りまとめる各種の環境情報を整理し、公表させていただいているということを審議会でもご報告させていただいております。  それから、調査内容項目のb)でございます。問題分野ごとのことでございますが、関係府省にも調査していただきました結果、統計情報を環境指標と関連させて収集している例は少ないんでございますが、収集した統計──資料的には裏のページになりますが、こうした情報を環境指標と関連させて、個々の政策立案などには反映させているということをご報告させていただいております。  また、環境省では、14年度から、お手元にございます環境統計集を出させていただいておりますが、基本的にはOECD、経済協力開発機構において提唱されました「負荷」「状態」「対策」の3分類を踏まえながら、さらに負荷の部分につきましては、その背後にある人間活動を環境への負荷などの駆動力というふうにとらえまして情報を収集いたしております。  将来の方向性についてもご報告させていただいておりますが、環境情報は、環境省のほかにも複数の省庁から提供されております。環境情報を踏まえまして各種情報を結びつけることが、問題の分析などにおいても有効でございます。この点については、今回の調査におきまして関係府省からも、関係府省が収集した情報を環境省において横断的に関連づけることが望ましいとの意見が提出されております。
 これらを踏まえまして、各省庁が有する関係情報を共有化いたしまして、環境指標とその背景となる社会経済に関する情報を連携させて一元的に提供できるよう、情報収集・提供のあり方を検討する必要があると考えております。今後、環境情報戦略を策定していく中で、この検討を行っていきたいと思っているところでございます。
 それから、恐縮でございますが、先ほど問題点のc)でございます。
 まず、現状につきましては、各種の環境に関する統計情報に関しまして、環境省において環境統計集として集約するに当たりまして、先ほどから申し上げております3分野に区分して体系的に整理しております。各府省のホームページなどにおきましても、国民にわかりやすい形での公表をしていただいております。
 また、環境省では、各種の環境に関わる統計情報を課題ごとに体系的に整備するとともに、問題ごとに集約するなど、国民にわかりやすく提供する主なものとして、統計集の発行以外にも、次の2つ、アとイで述べているような取り組みを行っております。アといたしましては、ホームページにおけるデータの公表でございます。また、こうした統計情報も含めた環境に関わる情報源データベースとして環境情報総合データベースというのを運用しております。この中身につきましては、この後、また別の資料でご報告させていただきます。それから、イの環境・循環型社会白書につきましては、統計情報を図表化したり、詳しい分析を加えております。また、その普及のために環境白書、また図で見る環境白書、子供用の環境白書、または白書の英語版などを作成・発行いたしております。  課題といたしましては、提供内容や提供方法などにより工夫を凝らしまして、国民一人一人の方の行動に結びついていくよう、各省連携して情報提供を行っていく必要があるという点。それから、特に環境情報のニーズは、情報を利用される主体によって大きく異なってまいりますので、利用者のニーズに合った情報提供形態を確保する必要があるということ。また、情報の即時性や正確性を確保するほか、情報の受け手の方の参画・協働の推進を促すためにコミュニケーションの確保についても留意していく必要があると、こういったことをご報告させていただいております。
 実際のこの4枚の横長の表につきましては、後ほどご参照いただくことにいたしまして、次に、総務省の方から統計の関係につきましてご報告をいただいたことを紹介いたします。
 問題点につきましては、統計に即してa)、b)、c)の問題点が同じようなことで出ておりますけれども、統計制度を所管する総務省における取り組みにつきましては、18年12月に中央環境審議会総合政策部会において、政府統計の体系的整備についての環境統計にどのように取り組んでおられるか、また、統計情報の二次的利用の観点から、既存の統計調査の情報を活用するに当たっての課題と今後の方向性について回答していただきたいということがございました。
 まず、統計の体系的整備ということにつきましては、今後5年から10年を見込んだ統計行政の進むべき指針として、「統計行政の新たな展開方向」を平成15年6月に関係府省の局長等会議の申し合わせとして取りまとめられております。その中におきまして、社会・経済の動向に応じた統計の整備が求められる分野の一つとして環境統計の整備ということが出されております。これを踏まえまして、各府省におきましても統計の整備などが進められております。18年6月末に取りまとめたフォローアップでは、17年度の取り組みではございますけれども、統計未整備の民生業務部門を含め、業務横断的にエネルギーの消費構造を把握するための統計調査の創設に向けて試験調査が実施されておりますとか、あるいは自動車の輸送統計、裏のページになりますけれども、燃料消費量の精度などの妥当性を検証するため、自動車燃料消費量の把握に係る予備調査も実施されているということをご報告させていただいております。  [2]、今後、19年5月に公布されました新しい統計法になります。これは現行の統計法を全面改訂するものと伺っておりますけれども、公的な統計の整備につきまして、施策の総合的かつ計画的な推進を図るということで、基本計画も閣議決定することとされております。環境統計についても検討対象になり得るものと私どもは考えております。
 統計情報の二次利用というものにつきましても、これまでは総務大臣が承認した場合に限り、本来の統計の目的外の利用を認めているということでございましたが、新たな統計法におきましては、[2]にございますように、統計調査の調査票の二次利用につきましては、学術研究目的などのための利用というニーズにこたえるべく、秘密の保護には配慮いたしますけれども、委託における統計の作成、匿名データの作成及び提供といったものを制度化いたしまして、学術研究などの一定程度の公益性が認められる場合には、こうした制度を利用させることができるようにいたしております。今後、新統計法の全部改正までの間に、これらの制度を適切に運用するための政省令・ガイドラインなどの検討が行われていくということで伺っているところでございます。
 以上で資料の7、8についてのご説明とさせていただきます。現状につきまして概況をご理解いただければ幸いでございます。ありがとうございます。

○浅野委員長 それでは、ただいま資料の6、7、8に基づいてのご説明をいただきました。ここまでのご説明について、中央環境審議会の委員の方はご存じの方が多いわけですが、ご質問がありましたらご質問をお受けしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 特にございませんか。それでは、この後、さらに論点について事務方から説明をしていただいて、今日は皆さんの自由なご意見を伺いたいと思っておりまして、この段階では枠組み的なことについてのご質問を中心にしていただいた方がありがたいのですが、あえて別に発言を規制する気はないのですけれども、後でご自由な考え方については述べる時間を、お1人必ず一言はしゃべっていただくという予定にしております。
 なお、こういう議論をやるときに必ず出てくるのが、環境情報とは何か、環境情報の定義はどうであってということになるのですが、それは前の検討会のときにしないという結論を出しております。これは、始めたらそれだけで委員会が終わらない位に大変なことです。そもそも環境基本法には環境の定義がございません。強いて言うなら、環境基本計画の中に環境の幅についてはたくさん書いてあります。歴史もあれば安らぎもあれば、安心・安全とかいろいろなことが書いてありますから、要は環境基本計画に書いてあることが環境であって、それ以上の議論することはあるまいと言うことにして、検討会ではこの議論を一切いたしませんでした。今回の専門委員会も、基本的には環境基本法及び環境基本計画の枠組みがありますから、それからはみ出すことはしないけれども、そこに書いてあることは何でも入るという理解でやればいいんだと単純に考えておりますので、その点はそのように、まずはご理解をいただければ幸いです。
 よろしいでしょうか。では、議論を進めていくうちに何をやるんだというのが分かってくると思いますので、今の段階では、今の説明を聞いたということにいたします。
 ただし、資料8にあります重点調査事項に関する点検結果という、このペーパーについては、ほとんど時間がなくて、中央環境審議会の総合政策部会でもまともに議論できておりません。それから、総務省から出てきたペーパーについては、統計法の改正に関して若干の質問があったぐらいで、それぞれの議論は余りやっていないわけです。ですから、これ自体は部会でオーソライズされている文章とは言い切れないと思っています。ここに書いてあることについては、この専門委員会でさらに批判的に、こういうふうにした方がいいとか、ああした方がいいというような議論をする余地はあると考えていますので、これが大前提であるというわけではないということもご理解をいただければと思います。
 それから、環境情報がこのような形で存在しますという表がここには出ておりますし、それから、さらにホームページに載っているのがこんなにありますという資料もついているわけですが、これがここでの環境情報の範囲の外枠であるとするものでもありません。たまたま便宜的に拾ったらこんなものがありましたよというだけでして、これで十分にすべてを網羅しているとは全く考えられません。またまだ不十分だと考えております。
 よろしゅうございましょうか。
 それでは、後の方の議論で十分に自由なディスカッションをしたいと思いますので、続いて、資料の10と11、環境情報戦略の検討に当たって整理すべきポイント、それから論点ペーパーがございますから、これについて事務局からのご説明を伺いたいと思います。

○瀧口環境情報室長 それでは、ご説明させていただきます。環境情報室長の瀧口と申します。  資料10は、この専門委員会でどのような点についてご議論いただければありがたいかということを、こちらの方でまとめさせていただいたペーパーになります。
 今の浅野委員長のご指摘のように、環境情報はいろいろな側面がございます。実は環境基本計画は第3次まで来ているわけですけれども、環境情報の記述というのは深まっているようで深まってきていないということもございます。そういうこともあって、一度しっかり掘り下げて議論していただければなと思って、このような論点ペーパーといいますか、議題の設定といいますか、お願いしたい点を整理させていただきました。
 資料11の方は、そのうち第1回、きょうもしご意見をいただければありがたいというようなということで、論点ペーパーということで、議論の参考になればということでつくらせていただいたというペーパーでございます。
 私自身、今、環境情報室ということで、環境省の情報のハードの部分の基盤を担当しておりまして、LANですとかホームページですとかを担当しております。同時に、戦略広報ということで広報を出す側の方の担当もしております。前職は民間活動支援室ということで、NGOのサポート業務をしておりました。その中で、いろいろな意味で情報にかかわってきたわけですけれども、やはりいろいろな意味でそれほどうまくはいっていないなということを感じております。例えば、全く更新がされないようなホームページがあったりですとか、非常に押しつけがましいといいますか、出す側の論理だけでつくられている教育プログラムですとか、あと、ニーズを把握していないで始めてしまって頓挫したプロジェクト、あと、データが出されているだけで、出す側が満足しているだけのサイトですとかというのもよくございます。また、政策形成におきましても、温暖化のようにデータに基づいてというところは、しっかりデータを集めてというところもあれば、こう言っては何ですけれども、時の社会的な圧力で「えい、や」とやってしまうような政策もあったということで、情報と政策形成をどう考えなければいけないかということも、やはりいろいろなところで感じたりしてきております。そういったこともあって、ちょっとこの環境の情報のいろいろなあり方についてご議論いただく機会というのをやはり設けたいと思っておりまして、今回、その1回ではないかというふうに考えております。
 今、浅野委員長の説明であったように、環境情報というものにつきましては、この1にありますようにざっくりと、持続可能な社会構築のために必要なものが環境情報というぐらいの考え方でいきたいなと思っております。これは、実は1つ意図がございますのは、環境情報というもの自体、それ自体に意味があるというわけではなくて、何かのアクションなり、持続可能な社会をつくっていくために必要な情報という位置づけで環境情報を考えていきたいと思っております。そういう意味では、この1番、最初の論点として出させていただいております、持続可能な社会づくりに必要な情報は何かというところの問いかけでございますけれども、これは、実際にいろいろな活動なり環境問題の取り組みをされる上で、どんな情報が今必要とされていて、欠けているのは何だろうかということを、まずはちょっと整理をしたいというところが第1番目でございます。
 ここに2つほど書かせていただいておりますけれども、この整理では、環境の状況だけではなくて負荷、利用施設の汚染の物質の量ですとか排出量ですとかといったもののデータですとか、対策という、アクションの方ですね。法整備の状況ですとか環境関係の投資の量ですとか、そういったもののデータ。それから、これらを左右する活動、ドライビングフォースと言っておりますけれども、これらの左右する、要すれば経済のGDPの動きだとか雇用の動きだとか、あと人口動態だとかという、それ自体は環境ではないんだけれども、その環境に大きなかかわりを持つような情報、これがいろいろ必要だというのが指摘されているわけですけれども、それがどのように集められて利用されているか。どんなところが欠けているだろうかというのをまずは整理したいというのが第1点でございます。
 それから、ポイントとしては、先ほど申し上げましたけれども、実際その情報を使ってアクション、行動している人たちのニーズから見て、じゃ、必要性とか優先度が高い情報は何だろうか。これは国の審議会でございますので、国としてどういうような構造をとらないといけないかという観点がございますので、では、その中で国が整備すべきような情報、また整備に関わるような、関与すべきというような情報は何かということを確認していきたいというのが、最初のご議論いただきたい論点の1つです。
 2番目、3番目、ございますけれども、これは、環境情報というものを考えた際に、これがどう集められて国民なり行政なりに提供されていくかという縦の流れと、それを実際行っていく上でいろいろな主体がそれにかかわられているわけですが、それがどう横の連携をとっていったらいいかという、縦と横の流れを議論できればということでございます。先ほどの環境基本計画でも、このあたりとほとんど同じ論点構成になっているわけですけれども、事務局といたしましては、環境情報の収集から集めたものを整理、それからそれを保存していくこと、それから行政ですとか国民へ情報の提供をしていく際、どうやって行うべきか、その一つの流れとしてとらえていかないとうまくいかないだろうということを感じております。先ほどの更新されないホームページですとかといったところは、恐らくどこかでとまっているということでございましょうから、そこをやはり含めて、情報の一連の流れとしてとらえることができればいいのではないか。それをするための、例えばアクションですとかコーディネートですとか、まずそこから、そういったものを可能とする一連の中の仕組みが何か要るだろうと思っております。それをどういう形で構築できるだろうかということが2番目の大きな整理すべきポイントかと思っております。
 ちょっとこれを具体的にブレークダウンいたしますと、情報を必要とする視点に、収集の局面ですが、ニーズがまずわからなければいけないだろうということ。それから、集めるといってもコストがかかります。手間もかかります。それはどういう形で効率的に集めてこれるだろうか。それから、整理保存する仕組みというのももう考えなければいけない時期に来ております。環境問題について取り組みが始まって、もう30年以上たっておりまして、かなりの情報の蓄積がされております。ですが、残念ながらそれを整理したりとか保存したりという視点での活動が、まだまだなかなか見られないというのが現実でございます。そういったものをどうあるべきかというのを考えなければいけない。それから、情報といったものを国とか自治体の政策に生かす場合、効果といいますか、それを生かす仕組みのあり方ですね。単に集めればいいだけではなくて、それをどう政策に生かすかというところをどうつくっていけるだろうか。それから、環境問題に取り組むのは国や自治体だけではございません。企業ですとか市民の取り組みがあるわけですが、そういったところに役立つような情報の提供のあり方といったものも考えなくちゃいけないだろうと思っております。そして、ITという話が出ましたけれども、こうした流れをつくっていく上で、恐らくITの技術というのをうまく活用していくということが大切だろうと思っております。よくありますように、技術が先にあって、それに合わせてニーズとかをつくっていこうというのもありがちですけれども、ここの場では、皆さん、まずはニーズですとか、本来欲しいような情報が流れていったものに対して、今あるような技術、それから、もうすぐ実用できるだろうというような技術で、どういう形で使っていったらいいだろうかという議論ができればということでございます。
 3番目でございますけれども、これは横の連携の話になります。後ほどちょっとご紹介いたしますけれども、いろいろな形で、いろいろな役所ですとか自治体が、情報提供サイトですとか収集のプロジェクトとかを持っております。ですが、必ずしもその間の連携ができているわけではございません。ある意味効率的じゃないということもありますし、また、本来、うまく重ね合わせることによって、より大きな意味になって出てくるものが、今、うまくそれを使い切れていないということがございますので、そこをどうつくっていけるだろうかということで、3番目の論点は挙げさせていただいております。横の連携をどう確保して情報の価値を高めるかというのが問題意識でございます。
 とはいえ、3つほどポイントを書かせていただきましたけれども、どんな局面でも横の連携が要るわけではないということで、どういう局面であれば、その横の連携がうまく機能するだろうか。ちょっと考えますと、例えばデータの比較が必要な場合というのがあるだろう。例えば各国ですとかの違いとか経年変化を見る場合、それから主体ですとか分野別で比較する場合等々、データ比較がうまくできるような形で横の連携など考えられないか。また、これは案外なかなかうまくつながっていないですけれども、政府と研究機関との情報面での連携といったものをどうつくるべきだろうかということ。それがうまく継続的、持続的に回っていくような仕組みがまた要るだろうと思っております。それはどういう形でその仕組みができるだろうかというのが論点です。それから、行政間だけであればまだいいんですけれども、例えば民間の間ですとか研究所の間ですとかといったように、横の連携を支援しようとする場合に、政策的にどういったことが考えられるだろうかということも論点として上がってくるかなと思っております。ちょっとこれだけ書き落としておりますけれども、こうした横の連携につきましても、IT技術というものも何か活用する場、局面があるかもしれないということは考えております。
 裏にいっていただきまして、今はどちらかというと国内の話ではございましたけれども、海外との連携協力というものも、このようにインターネット社会でございますし、環境というのは国境を越えるということもございますので、どう連携協力していくかということが非常に大切になってきております。実際、例えば国連のさまざまな機関、UNEPですとか地域経済委員会ですとかといったものの活動ですとか、あと、例えばODA的なものとか、国際研究プロジェクトのようなものの中での情報交流ですとか、あと民間の中でも情報交流、きょうはJFSにもご参加いただいておりますけれども、そういった活動というのが出てきております。そういったものはどういったものがあるだろうか。そして、これがどういう形で活用されているかというものをまずマッピングをしてみて、それぞれどう課題があって、うまくそれを進めていくためにはどういう枠組みがあるだろうか。そこまで行ければいいんですけれども、そこまではまだ行けないかもしれませんけれども、そういったものも問題意識を持ちながら議論していただければというふうに思っております。
 最後に、ざっと検討スケジュールをつけさせていただいております。本日、10月12日は第1回ということでございますので、最初の論点であります情報づくり、持続可能社会づくりに必要な情報は何かという大きなところをご議論いただければなというふうに思っております。
 第2回につきましては、先ほど縦ということを申し上げましたけれども、情報の縦といいますか、収集から利用までの流れ、それから横の連携といったものでどういう課題があり、どういう仕組みが考えられるだろうかをご議論いただければと思っております。  3回目で国境を越える環境問題について、どういう活用をされているかというのは事務局の方でちょっと整理させていただいて、またそれを踏まえてご議論いただければというように考えておりますけれども、そこをご議論いただき、論点整理ですとか、そういうふうな方向といったものを何らかの形でまとめることができればと思っております。
 申しわけありませんけれども、その後しばらくヒアリングというところです。ただ、これは1回から3回までで出てきたような問題点とか各論点の中で、もう少しここを具体的にこの人たちに話を聞いた方がいいんじゃないかというのが出てくると思います。そういったものをちょっとやらせていただいて、また来年の夏以降、数回で、今度は最終的な環境情報戦略案の策定というところに持っていきたいと思っております。
 先ほどの基本計画の話で申し上げましたけれども、大きな流れといたしましては、基本計画の流れと大きく変わっておりません。多分この次にやらなければいけないのは、じゃ、具体的なアクション、どんな行動をすればいいだろうかということを戦略の中に盛り込んでいくことができればと思っておりまして、ITなどの議論ですとかといったところも基本には要るんですけれども、できる限り、そういったアクションを盛り込むような形で最後まとめることができればというふうに思っております。
 以上が、とりあえず第3回までの流れについてのポイントで、我々が期待していることを説明させていただきました。
 次に資料11でございますが、きょうの議論のためということで、論点ペーパーとして用意させていただいたものでございます。参考になればということで簡単にご説明させていただければと思っております。
 恐らく視点として3つぐらいあるかなというふうに考えておりまして、1つは、持続可能な社会づくりに必要な情報は何かということですので、まず、だれがどのようなアクションのために情報を必要としているのかというのを少し整理しておくことが必要ではないかというふうに考えております。ここで政府ですとか企業、研究者、教育者、NPO、生活者・子供と書いてありますけれども、こういった主体ごとにどういう行動なりアクションのために情報を必要としているかということで、政府であれば政策をつくったり事業を実施したり、その評価のための情報というのが大切であろうと。企業でいいますと企業行動、投資ですとか製品開発をするための意思決定をしなければいけません。そのときのバックデータといいますか、環境にかかわるような情報提供が大切であろうと思いますし、また、今の局面では、会社は環境整備に取り組まなければいけなくなっておりますので、その能力の向上、社員の能力を向上するための情報というのも不可欠になっているのではないか。研究者につきましては、当然現状ですとか過去の取り組みですとかといったような研究のベースになるような情報が必要になってくるというふうに思いますし、あと、教育者につきましても、教材とか教育方法、マニュアルですとかプログラムをつくるためのベースとなるような情報ですとか、あと、どんな類似の取り組み例があるだろうかということも集めたいと思っているかと思っております。また、NPOにつきましても、政策提言型のNPOにつきましては、そういった提案のバックデータとなるような情報が必要となるでしょうし、また、類似の取り組み事例といったものについて知ることができれば、それは活動にとって重要であるというようなこともあるでしょうから、そういった情報が要るのではないか。あと、生活者・子供というのは、教育を受ける側というようなことになろうかと思いますけれども、気づきとか学びとか、あと生活や取り組みの改善のための、より具体的な生活とか暮らしの中でのアクションに応じたような情報といったものが必要なんだろう。多分こういうところがニーズではないかなというところを考えております。これがすべてだろうか、それから、これは違うじゃないかということもご指摘いただければと思っております。
 それから、とにかく現在どういう情報が収集、整理、提供されているかということでございます。ここに提供の主体として政府、企業とNPO、研究者、それぞれ書かせていただいております。政府につきまして、政府の提供している情報につきましては、先ほどの中央環境審議会でご報告させていただきましたA3横長の詳細なデータがあるわけですけれども、これについては生データのレベルになります。こういったものを各省が集めて公表はしているということでございますが、これ自身は必ずしも使いやすい情報であるわけではございません。
 資料9にちょっと戻っていただいて、資料9を見ていただければと思うんですけれども、環境省では環境総合データベースということで、環境省のホームページ上で、基本的には環境省がかかわるような情報提供のデータベースにつきまして、一応情報源情報という形で整理をして、これはその画面ですけれども、整理された整理シートに飛んで、そこに書いてありますそれぞれのサイトへ飛んでいけるという、そういうようなつくりのデータベースをつくっております。これは、ごらんいただければわかりますけれども、かなり幅広い情報を集めて出しておりますし、その後に主立ったといいますか、幾つかピックアップして、それぞれの情報を出しているデータベース、サイトのトップページの画面をつけておりますけれども、例えば環境GISですとか温暖化の関係、それから廃棄物技術情報ですとか、あとはNGO関係でありますけれども、NGOの書籍のデータベースなんかもつけておりますけれども、こういう形で必要な情報は提供されております。これが現在の状況かと思っております。また、企業は環境報告書の方でも紹介しておりますし、NGOにつきましても、なかなか出す場というのが難しいんですけれども、こういう形で情報の提供の活動をされております。また、研究者も、研究成果報告ですとか論文といった形での提供という形で出されております。このあたりを、1の情報を必要としているニーズとどう結びつけることができるかというのが課題なんだろうとは思っております。このあたりは、こんな情報が実際に提供されているとか、提供の仕方ではこういう課題があるというご指摘をいただいていくといいかなと思っております。
 3番目といたしまして、今申し上げたように、どうつなげていくんだろうかというところについての整理でございます。これは今日ご議論いただければいいということでございますので、ちょっと参考にということでございますけれども、ニーズから見てどうだろうかということ。だれのためのどのような情報が今欠けていて、それがあると進むんだろうかというのが1つあるかなと思いますし、優先分野はあるだろうかということでございます。それも、なかなか優先順位をつけにくいんですけれども、温暖化ですとか循環型社会ですとか多様性、あと生命・健康の安全確保といった分野での情報というのは、やはり要るのだろう。
 それから、先ほどのOECDの整理でございますけれども、状況ですとか負荷とか対策とか、それを左右する活動といった情報の類型があるわけでございますけれども、それぞれの中で、この類型は特に何か遅れていて、その原因がこういうことだということがあれば、ご指摘いただければと思います。
 また、この後、次回の議論にかかわってくるわけですけれども、こういった情報の収集とか整理、提供といったものは何によって動いていくだろうかというところがやはり考えないといけないかと思っております。つくったままで動かないホームページというのもそうなんですけれども、もう少し継続して持続的に情報がアップデートされて、それがちゃんと使われていくということをできないことには、多分うまい情報の流れもつくれないわけですから、じゃ、それを動かしていくのは何なのか。例えば公益。もう情報提供は公益なんだというものであれば、それは例えば予算的な形で政府なり自治体の予算でやらなければいけない。または公益法人といいますか、公益の民間団体がやっていくという形もあるかもしれませんし、また利益追求の部分もあるかもしれない。対価というもので回っていくというのもあるかもしれない。でも、多分すべてがすべてこうというわけではなく、情報の提供の仕方、収集の仕方とかによって変わってくると思いますけれども、それも少し議論があるかなと思っております。
 あと、それとも裏腹ですけれども、じゃ、どういう主体が取り組む必要があるだろうか。公益主体、これは国とか、そういった政府とか、あとは民間公益団体ですとかということなのか。それとも利益追求。典型的には企業ですけれども、こういった団体があるのか。また、協力とか連携といった形でうまく進むものがあるだろうか。こういった視点というのも今回から、また次回以降の議論につながっていくのかなと思って、ご議論をしていただけると幸いかと存じます。
 以上でございます。

○浅野委員長 それでは、今、今後のスケジュールの説明を含めたご説明をいただきました。資料の10は事務方の考えている全体のアウトプットの期待像のようなものが出ている。そして、資料の11では、きょうは特にこのあたりをやってほしいと、こんなようなことですが、これは別にこのとおりにやるということでもないわけで、議論してみれば出入りがあるということは当然あろうと思います。
 それから、資料の11についても、きょうこれをやってくれといったって、これは1時間ですからどこまでできるかよくわからないんですが、よく大学で、学生に最も意地の悪い試験問題は、自分で問題をつくれというものでしょうね。問題をつくるのはとても難しいことですから、事務方は随分苦労しただろうと思うので、余りいじめないでほしいのですが、ともかく、資料10、11を含めて、皆さんにご議論をいただこうと思います。
 なお、きょうご欠席の亀屋委員、関川委員からもご意見をあらかじめ伺っておりますので、時間があれば後で事務方から、このお2人の委員のご意見もご紹介することにしたいと思います。
 それで、まず順にご発言をいただくようお願いをしたいと思います。今日は、初めて顔を合わせるという人もいると思いますので、簡単な自己紹介もお含めください。
 それでは、森口委員から、順番にお願いいたします。

○森口委員 何となく最初に当てられるのではないかなという予感がしておりまして、国立環境研究所の森口でございます。現在、循環型社会・廃棄物研究センターというところにおりまして、環境省でいいますと26階の廃棄物・リサイクル関係の仕事に主にかかわっておりますけれども、比較的それは最近のことでございまして、むしろ環境情報という分野に長くかかわらせていただいております。若いころに環境庁の方で行政官の仕事も経験させていただきまして、当時環境情報に関する仕事をしておりましたし、その後も経済協力開発機構の事務局で環境情報の仕事をしたり、以降、OECDにおける環境情報、環境統計整備の作業部会にずっと出ております。現在そこの議長を務めておるというようなこともございまして、各国の環境情報、特に環境統計の整備、あるいは利用ということに深くかかわってまいりました。
 そういう観点で、今回、まず、この環境情報専門委員会というのが中環審の中で位置づけられたということは、私にとっては感無量でございます。従前より環境省の方に、環境庁時代から、ぜひ環境情報に関する横断的取り組みを強化していただきたいということを何度も何度も申し上げてきたつもりなんですけれども、なかなか取り合っていただけなかったようなところもございまして、それはともすれば、ひょっとすると情報がなくても環境行政というのは動くのかなというような皮肉も申し上げたことがございます。  決してそういうことではなくて、やはり過去の環境行政、あるいは公害行政というのは、それぞれの部局、あるいは課の中でそれぞれの法律を所管され、そういったものをやっていかれる中で、ある種閉じた形で、情報がとられて使われてきたのではないかな。そういうことに対して、やはり現在非常に環境問題は広がっている。環境情報の定義はしないというふうにおっしゃいました。あるいは、ここで持続可能な社会という、もっと定義しづらいことが書かれておりまして、恐らくこんなことの定義もできないんだと思うんですけれども、恐らく環境ということと持続可能な社会というのは決して同義ではなくて、やはり持続可能社会というのはもう少し広がりを持っているというふうに私は認識しております。そういった意味で、やはり環境行政を進めるに当たっても、あるいは環境情報というものを取り扱うに当たっても、より横断的な視点というのが重要になっているのではないか。そういうことから、今回こういうものが設けられたのではないかなというふうに私は理解をしております。
 余り長くならない範囲で、2点ばかり最初に発言させていただきたいんですけれども、1点は、きょうは具体的な環境統計集の項目リストなんかも出ておりますけれども、いわゆるこういう統計の項目としての環境情報といいますか、どっちかというと数値情報中心かと思いますけれども、そういったものが過不足なくとられているのか。特に一次情報としての統計情報がちゃんととられているのかどうか、こういったところが非常に重要なところであろうと思います。大きな官庁で統計情報部をお持ちの官庁はたくさんある中で、環境省にはそういうものがないということですとか、あるいは、諸外国におきましては、環境統計も、いわゆる中央統計局方式で非常に大きな統計の省なり局がありまして、そういったところが集めておられるところがあるのに対して、日本はそれぞれの省がそういった情報を集めておられる。そういった中で、後発である環境という分野の役所として、一次情報の収集体制ということがやはり必ずしも十分でなかった部分というのはあるかもしれないなと思っております。特にそういった観点で言えば、西尾局長の最初のごあいさつにもありましたように、従来の人の活動ではなくて、その外のといいますか、自然を相手にする部分というのは、環境庁時代にはやはり多かったんだと思うんですね。しかし、それに対して、持続可能な社会ということになると、人の活動、あるいはそれと、その外の環境との接点のところが非常に重要になってきて、必ずしも環境省プロパーの情報ではないかもしれないけれども、環境保全、あるいは持続可能な社会づくりのために重要な情報ということが非常に多いんだろう。
 そこに必要になってくる環境情報というのは、環境省みずからが集めることができるのか。あるいは、場合によっては他省に集めていただくべきもの、そういったものも含まれてくるんじゃないかなと思っております。そういった観点で、最初にご説明いただいた総務省の平成15年の報告がございまして、これにも私はかかわらせていただきましたけれども、場合によっては環境省の温暖化対策のために必要な情報を、例えば経産省とか国交省の統計の中に組み込んでいただく。そういったことについても発言をしてきたつもりであります。ただ、恐らくここはそこまで広げると非常に広がってしまうので、もう一度やはり環境省プロパーとしてとるべき一次情報というところについても、やはり改めて議論しなければいけないのかなというふうに感じております。
 もう一点は、もう少し使う側というか、今のはどちらかというと、やはり環境行政そのもののために必要な情報ということになるかと思いますけれども、もう一つは、だれが何のために使う情報かということもあるかと思うんですけれども、やはり従来以上に幅広い相手といいますか、幅広い利用したいところを想定していかなければいけない。特に一般国民を想定したような情報提供ということが必要になってくるのではないかなと思います。
 そういった意味では、必ずしもそういう一つ一つの、我々はこういうデータをとりましたので、これは公開しますということではなくて、やはりユーザーフレンドリーなといいますか、知りたい側の興味に合わせたような情報提供というのは、これはやはりぜひ必要だろうと。それは多分、ただ単に関心ということではなくて、特に温暖化対策にしろ、例えばリサイクルみたいな分野にしろ、国民にかなり協力を求めている分野というのがあるわけでありまして、そういったところについては、やはりなぜそういうことをしていただかなければいけないのかと、そういったことに関しても十分にわかるような情報を提供していかなければいけないんだろうな。それは恐らく、ただ単にこういう数字がこうなっていますということではなくて、ある種の文脈といいますか、コンテクストといいますか、そういう解説つきの情報を提供していかなければいけないんじゃないかなと思っておりまして、そういったことをどういうふうに今ここで議論していったらいいのかなということを、ちょっと先ほど来考えておりました。
 と申しますのは、今回冒頭に、この審議会の情報も公開しましてということがございましたけれども、今現在、例えば審議会の議事録を読むだけでも相当におもしろい情報がたくさん出てまいりますし、ましてやそこで配られた情報といいますか、資料を読むと、これはもう本当に宝の山といいますか、非常に多くの情報がある。しかし、それを隅々まで読みこなすということはとてもできないわけでありまして、一方で、十分にそういったところで情報は公開しているんだけれども、国民の側から見ると全体像がどうなっているのか全くわからないというような状況が起きてしまっているのではないか。これはある意味では、ITの話もありましたけれども、インターネットなりホームページというツールが非常に一般的に普及して、全部公開していますよという気になっているんですが、実は情報の洪水の中でなかなか欲しい情報が行き渡りにくい、そういう状況があるんではないかなと思っております。当然興味は人によって違いますので、そこの中から万人に受け入れられる情報をつくっていくというのは非常に難しいところではないかなと思うんですけれども、やはりその情報の公開の仕方、あるいは、例えば環境省のホームページのつくり方一つも、もう少しうまくやっていくことによって、今ある情報だけでも随分理解が深まるのではないかなというふうに思います。
 2巡目が回ってくるかどうかわかりませんので、ちょっと長くなりますが、最後に1点だけ申し上げておきます。
 最近ちょっと、私自身も個人的に若干巻き込まれているんですが、どうもやはり政府の情報に対する不信感というのが非常に高まっているような気がいたします。だから、それを前提にしつつ、政府からの情報公開はどういうふうにしていくのかと。つまり、政府の情報は正しいと思って受け取ってもらえるということを必ずしも前提にしないような情報提供の仕方ということも、やはり考えていっていただかなければいけないかなと思います。
 非常に長くなりまして申しわけございません。昨日、発言時間が3分とか2分とか、浅野先生からご指定いただける部会に出ておりましたけれども、ちょっときょうは最初に指名されたこともございまして長々としゃべりまして、申しわけございません。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 それでは、惠委員、どうぞ。

○惠委員 惠小百合です。よろしくお願いいたします。
 私も、細野さんからのご紹介で環境デザイン学科というふうに──実は環境情報学科がスタートしまして、途中で環境デザイン学科に変わりまして、つい最近ライフデザイン学科に変わってしまったんです。そういう意味で、環境情報というだけではなくて、情報からデザインへという動きが必要なのではないかというふうに大学でも見ていたり、その生活情報や環境の様子を自分のライフスタイルや行動にどうやって移すかということに拡大していく時代ではないかというので、私学は生徒さん、学生を集めて、高校の生徒さんが理解するのは大変なので、学科名称でもあらわれているように、環境情報ということがなかなか理解されにくかったという時代を経てのことになっています。
 さて、本日の話題に関しまして、いわゆる環境問題が発生してくる背景ですね。それについて、例えば横断的な情報のとり方の工夫、枠組みというのが要るのではないか。つまり、環境省さんだからこそ組織や仕組みにおける情報ギャップとか、場合によってはつなぎ方やお互いの連携、連続性について、ちょっと裏データベースでもよろしいんですが欲しいなと思うんですね。それは、例えばこれが今だれが悪い、どこの省庁が悪いと言っているんじゃなくて、20年後にどこをならしてつないでいくかという、そういうパイプをどこに構築するかという枠組みを考える上で必要な、いわゆる組織側のデータベースが欲しい。例えば、農水省でやっている資源でやっている作業が、河川局でやっている工事とあわせて見ると、せっかく里山に生き物を帰したいと、川との行き来をして海からの魚に上がってもらいたいと思っていたけれども、佐渡などでは、ちょうどパイプの部分の工事の仕方が悪くてうまくつながらなくて、せっかく里山側では用意している、自然に自力で生きられる生き物の、トキの生息環境を構造的に河川局では今まで知らなかったのでつなげなかったけれども、わかったら「ああ、そうか」ということで連続させられた。そして生き物が行き来できたということの、その結果を私たち国民は欲しいわけですね。ですから、むしろ環境情報の個別の単位の情報プラス、本当にそういう生き物が戻ってきたり、私たちの生活が再生するということのネックになっている部分を明らかにするといいますか、これをデータベース化できるかどうか。非常に何か意地悪な分野なので、そこがもしできれば、これは最高の話だなというふうにベースとして思っています。
 その次にコンテンツの話であって、さらに政策実現シナリオというものをつくっていく。負荷を知り対策を考えて、それを最初に行動につなげていくという政策実現のシナリオを、例えばモデルのように──利用者としては、どのページだったか忘れましたけれども、どこかをポンと動かすといろいろな問題の因果関係が動くのがありますね。あれで、シムシティではないですが、ここの対策をもしこのままルーズにしてしまっておいたら次にどうなるというような、そういうシナリオが読めている部分があるのであれば、モデル構築のためのシミュレーションシステムなどがデータベースを使う人にとって、ちょっと横にプログラムされていると、この問題というのはこれだけの量や質があるけれども、どういう意味なのか、この結果、どういう姿のデータを今読めばよいのかということがわかるんじゃないか。
 もう一つは、そこからの行動シナリオにつながるためには、やはり自分たちが、直接に国民がかかわっている情報だととても実感があってわかりやすいので、横の連携、縦の連携の中に、市民、NPOの方々がデータを整理するということと、あるいは国がきちんと本当に間違いないデータとして公表するというものの、データの間に乖離がありますので、いわゆる精密さとか精度とか、正しくないとか、前提条件が全く違うとか、その間をどうつなぐかというのが最後に必要になってくると思うんです。
 実はGISのデータで水質情報を、国土地理院の電子国土を呼び出して、その上にマップをつくり、そこに水質調査結果を別なフレームで乗せているんですが、電子国土を呼び出すだけで普通の家庭のパソコンだと20分かかったりするので、なかなかちょっと使い勝手がよくなかったり、公開されて試験的に手を挙げてくださいというので乗せさせていただいているんですが、なかなか素人に難しい。やはり国だからお金がふんだんに使えて、大規模な、しかも全国ベースの大きなデータがあるんですけれども、それを私たちが一部使いたいとか、そういう市民側のブレークダウンした情報需要という部分がつかめてくると、もう少し、こういう情報はないですかという問い合わせが市民からもしやすいんではないかと思います。
 もう一点、環境省がなさった新宿御苑の、いわゆる緑のクールアイランドとして熱のにじみ出し効果の部分を、私が勤めております江戸川大学がある千葉県の流山市のおおたかの森からのにじみ出し効果、クールアイランド効果を、つくばエクスプレス開通とともに開かれてしまった裸地を含めて熱環境調査というのを定点観測して、環境省さんと流山市でやっていただいて、私たちが受託して調査を学生と市民とで、自転車で移動観測したり、高校生と一緒に昼夜観測したりしているんですが、そういうデータベースって、どうしても国がこれをやろうとしたら決してとり切れない。いわゆるレベルや質は余り問わないけれども、等温線といいますか、そういう温度の分布が、どのあたりに35度ラインがあるとか、一斉の何かそういうものというのは、モニタリングリテラシーを市民につけるために有効なことではないかなというふうに思っておりますので、ある時期、短期間でいいんですが、5年間はかるトレーニングをしませんかとか、今ある、いわゆる国の持っているきちんとした統計情報ではないけれども、その統計情報を読むセンスを育成する方法が、もしかして確立できたらいいかなと思いました。
 長くなりましてすみません。

○浅野委員長 藤田委員、どうぞ。

○藤田委員 ありがとうございます。藤田でございます。
 私自身は、環境情報ということでありますと、GISを用いました1キロメッシュの統合的な、約5万メッシュから成るようなデータを1都6県を対象にしまして、自然共生型流域圏研究ということで、平成1年から国立環境研のメンバーと一緒に参加したことが1つきっかけでございましたが、ここ数年は川崎市と連携をしながら、特にエコタウン事業の評価ということと、それがどのように次の政策なり事業、あるいはビジネスに展開するかということを廃棄物科研という立場で行ってまいりました。そのような中で、循環企業の技術情報というものもGIS化して、ある種の資源循環の支援マッチングシステムというようなことをつくりまして、実際に企業のご意見をいただきながら、全部で80社ぐらいの企業に試行的に利用いただいているんです。  その中で、やはり実際にやりますと、行政からの情報というものがどの程度まで二次的に公開できるかとか、あるいは、ウェブ上の情報に対するニーズが極めてまちまちであるとか、そのようなニーズを拾いながら新たに利用性を高めるプロトタイプというものを構築しております。そうしますと、まさに冒頭に森口さんがおっしゃったような横断という話になりますが、企業にとっては、まさに分野というのは余り関係ないところでありまして、実際にそういった議論をしますと、廃棄物だけではなくてエネルギー、あるいは水資源のデータベースということも当然ニーズが出てまいります。こちらの方は地球環境推進費の方をいただきまして、実際に具体的な、川崎市のいわゆる自治体の持っている情報をすべてサーバー上に置きかえまして、それをどのような形で企業なり、あるいは行政の方々に──行政の方々は政策シナリオ支援であります。企業の場合は技術評価ということで、そのようなウェブ上で支援的なシステムを構築しているところであります。
 私自身も、この検討会に昨年から参加させていただきまして、検討会の場合はもう少し自由に、グーグルアースがどうだとか、あるいはウィキペディアがどうだとか、そういう議論をして、割合自由な雰囲気の中で、今回は少しいきなり非常に重い中で発言しないといけないというところの差を実感しているところであります。
 まず環境情報の議論の構造でありますが、1つは、冒頭に浅野委員長がおっしゃいましたように、やはり情報自身が既にある程度ウェブ化、デジタル化しておりますので、これをインプルーシブに、包括的に構築していくという、いわゆるそういう包括的な情報プラットホームの構築という視点が1つありながら、同時に、室長がおっしゃいました、ある程度具体的な施策なり国民のニーズにこたえなくちゃいけないという面では、その一つの非常に緩やかに公約数を探して、持続可能な社会構築に資する情報ということであるんだろうと理解しています。そういう2段階構造の議論がここでは行われるんだろうということを想定しているところでありますが、その中で、実は前回の検討会の中で、浅野委員長は冒頭では、環境基本計画の進捗管理をできるような、そういう指標構築というものがやはり情報に求められると、そういうご発言。それが今残っているかどうかというのも後で教えていただければという気がいたします。  2点ほど申し上げますと、1つは、インプレッシブな情報プラットホームの構築ということでは、やはり情報を収集できる、あるいは情報を利用する、情報が集まってくるということと情報を利用してもらうということの、このインセンティブがないと当然成立しないわけでありまして、幾ら公金をかけて物をつくっても仕方がないという議論が、これはこの前の検討会でもありましたが、そういうためには、やはりポータル性というか、ある程度の規模を持つことによって、そこに情報が集中してくるような構造なのか、あるいは技術的にユーザーが情報を補完していくようなことなのか。これはある種のウィキペディアとかeポーリングと言われているような、ウェブ上で情報を集めていくような仕組みになるのかもしれません。ただ、その際には、特に行政側がイニシアチブをとる環境情報としては、その信頼性であるとか速報性であるとか、バイアスに対してある程度客観的に基準を持ちながら、なおかつ自立的な収集と利用の枠組みをつくらないといけないんではないかというような、そういうことを考えておりました。環境省さんに対する期待といたしましては、やはり省の枠を超えて、ほかの省の情報が集まってくるような枠組みをつくっていただくというためにも、今のような利用と収集の自立性と、なおかつそれに対する極めて客観的、ある種科学的な判定ということが要るんではないか。これが1点目であります。
 もう一つは、具体的に持続可能な社会の構築について資するという視点でありますと、やはりそれが、もう一つはIT戦略としてこれからどう生かされていくかということも考えますと、やはり何らかのプロトタイプといいますか、デモンストレーションイメージみたいなものをこの場で議論されるんだろうかというようなことも少し思ったわけであります。そうすると、ユーザーを想定しますと、市民は恐らく行動に対してでありましょうし、企業は事業に対してでありましょうし、行政は政策支援ということで、じゃ、どのような情報が必要かということ。ある種温暖化・循環型社会形成には、そういうテーマをつないで横断的に議論する必要があるとは思うんですが、それを横断的に全部やると、またこれは非常に網羅的になってしまいますから、ある種、一つのご提案なり一つの考え方としては、例えば都市環境というようなことで、ある種のスケールを区切った上で横断的な中での情報の仕組み、デサイソウの利用の仕組みなんていうことを議論いただくなんていうこともあるんではないかということ。これは特にOECDの枠組みを見ますと、都市環境の質ということが、そういった循環型とか温暖化とは別に立てられておりますので、これは国際的なデファクトのスキームに対しても利用性が高くなってくるんだろうと思っております。
 最後に1点、それにつけ加えて申し上げますと、具体的に行政と連携をしながら企業の技術評価なり、あるいは政策支援のデータベースをつくっておりますと、やはり生データでは行政の方が、特に地方自治体の方々の利用は限定的でありまして、それをどのように解釈するのかということが極めて必要であります。そのためには、いわゆるPSRをただ並べておくだけではなくて、例えばSであれば時系列的な変化を見せるなり、あるいはPとS、あるいはSとRなどのいわゆるコーズ、エフェクトの関係をある程度データに、情報に付加しないと情報の利用性が高まらないということは常々思っているところでありまして、それらのところに、いわゆるモデルとか指標という概念が、実は情報の補完的な機能として必要ではないかと思っておる次第であります。
 大体3分半話させていただきましたので、以上にさせていただきます。

○浅野委員長 ありがとうございます。
 前回の検討会のときに言ったことは、もちろんまだ生きてはいるわけですね。指標そのものをブラッシュアップしなければいけないというのはよくわかっていますが、今回の委員会の論議でそこをメインにしてしまうと、どうも話が混乱するので、やや禁欲的にせざるを得ません。しかし、副次的にはそういう論議が出てくることは期待しています。
 福井さん、どうぞ。

○福井委員 私は、もともと地球物理を大学で学んで、それで環境アセスメント、都市計画で、環境というと、非常に多くの情報を統合的に取り扱って、しかも空間という場で物事を考えなくちゃいけないということで、GISと先ほど来話が出ている空間情報科学を使った取り組みを行っています。
 例えば、今、学術会議で地球人間研というワーキングがあるんですが、そこで地球環境情報について、まずどういった現状であって、学術会議として内外にどういうことを提言すればいいかというようなことを今まとめているところなんですが、そういったことがきょう議論されていることと非常に近いなと思いました。
 私自身が常々環境情報で思っていることは、先ほど、環境というのは統合的で、しかも場を中心に考えないといけないということで、時間とか空間を多解像度で取り扱えることが可能なデータベースが一番重要であって、しかも環境行政をやるに際して、それぞれの国交省とかいろいろなところが集めている現下の情報プラス、その環境省が持っている非常にユニークな情報を使わなければいけないということで、そこのあたりを、この環境情報戦略では、他に向かってデータシェアリングをして、広く国民的な視点からどんなデータが要るだろうかということの提言と、環境省自身がオリジナルでやはりつくらなければいけないデータということの2つが明確になっていけばいいかなと思っています。
 それと、2点目は、先ほど話がありましたが、単に情報で見せるだけではなくて、ローデータを見せるだけではなくて、指標に統合したり、さらにはいろいろなウェブサービスを提供するというようなことが重要ではないかと思います。例えば、ある開発行為をやったときに、本当に自分の生活とどういうふうにかかわってくるか、あるいは企業行動とどういうふうにかかわりがあるかということを、先ほどPSRというフレームがありましたが、さらにDPSIRという、もう少し細かなインパクトがどういうふうにもたらされるかという、そういったコーズ、エフェクトとか因果関係が見えるようなシミュレーションサービスを提供しないと、単に生のデータの現状分布だけを見せているだけでは、なかなか人々の意思決定には至らないんじゃないかというふうに思います。
 最後に、私たち、一番環境情報というと、本当に今の環境がどのようになっていて、将来どうなろうとしているかを客観的に知りたいということで、私自身は2つ、そのためのゲートウエーをつくる必要があるんじゃないかということで、1つは、その空間情報のワンストップポータルのような、先ほど話があったようなジオスという、例えば地球環境の情報ですと、さまざまな情報を統合的に使うという話がありますが、そういう情報を集めてくるということをワンストップポータルで、しかも予測サービスを含めてやろうということ。
 もう一つは、DPSIRのフレームで言いますと、そういう環境の状態、あるいは環境の変化を人々がどう受けとめるかということで言いますと、今の社会ですと、やはりメディアがニュースという行動で、あるいは個人がブログで何か発言したりということがあるので、そういうテキストベースの情報を集めていって、そして、それが環境行動としてどういったところにハイライトがされているかとか、ますとしてどのぐらいの大きさなのかということをわかりやすく提示をしながら、単に自然環境的な話ではなくて、人々のアクションをそういうことで結びつけるようなデータベースといったようなものが組めればいいなということで、先ほどの最終的なIT戦略のところで言いますと、前者はゲートウエーの間にユビキタスなセンサーネットワークを分布した。後者の方は、グーグルがやっているような検索のためのオントロジーというのを環境情報に特化して、環境情報をいろいろなところから集約するときに、まずどういうようなセマンティクスのマッピングを背景として持っておくべきかというような、オントロジー構造をつくるというようなことが必要になってくるかなというようなことを今考えております。
 以上です。

○浅野委員長 恒川委員、どうぞ

○恒川委員 私は、環境の分野で言うと、主に自然環境に関わってきております。自然環境の分野では、いわゆる緑の国勢調査、自然環境保全基礎調査という自然環境保全法に基づいた調査があって、比較的そういう意味では恵まれた分野であるかもしれないなと思います。
 この10年、20年をちょっと振り返ってみますと、昔はデータをもらうのも、例えば、県ごとに一枚一枚、当時の環境庁にお願いの文書を出して、それで一件一件許可してもらっていたという経験があります。調査データの利用環境は、今では随分便利になってきて、インターネットですぐにダウンロードできるような状況になっています。そういう意味では、ハードの面も含めて、この10年、20年の間に大きく改善されてきたなと思います。また、先に森口委員からもお話がありましたけれども、環境情報に関する専門委員会ができて、環境情報の重要性というものが認められてきたということでも、過去を振り返ると非常に感無量なものがあります。
 ただその一方で、この10年、20年変わらない部分もある。例えば、野鳥の分布調査では、朝から晩まで望遠鏡を持って、野鳥が現れるのを見ている人がいるわけですね。福井先生のGIS解析なんかは、もう日進月歩でどんどん技術が進歩して非常に楽になっていくわけですけれども、一方で、この10年、20年変わらずに大変な労力を要する部分がある。自然環境の分野では、そういう意味で技術革新が難しい部分もあるなと思いながら聞いていたところです。
 さはさりながら、緑の国勢調査ももう30年ぐらいの蓄積があるわけで、これから将来に向けて考えていくことも大事だと思います。これまでの蓄積、あるいは経験を今一度レビューしてみることが必要でしょう。そういう中で、環境庁、環境省がやってきたことがどういう意味があったのか。あるいは、この自然の部分では農水省さんだとか国交省さんとのかかわりというのが非常に深いわけですけれども、政府全体の中での環境省の役割がどうであったか、あるいはこれからどうするべきなのか。それから、自然環境の分野では、NPOの活動も活発です。日本野鳥の会、自然保護協会のような環境NPOも関連するデータベースをつくっている。そういう中で、環境省の役割がどうであったか、今後はどうするべきかをこの時期に考えることも必要ではないかというふうに思っております。
 それから、今回、環境基本計画の話もありましたけれども、個人的には10年ぐらい前に第2期の環境基本計画の共生の指標の末端の末端で手伝わせていただきました。その後の第3期環境基本計画では、浅野座長のもとで、少し手伝わせていただきました。さっき指標の話もありましたけれども、第4期の環境基本計画の中では環境指標がどのように扱われるのか。これまで第2期も第3期も計画をつくる間際になって慌てて環境指標は、どうしようかという話があるので、もし第4期環境基本計画に環境指標を盛り込むのであれば、できるだけ前広に進めていった方が良いのではないかと思います。

○浅野委員長 では、多田委員、どうぞ。

○多田委員 ジャパン・フォー・サステイナビリティの多田と申します。
 私どもは、主にミッションは2つで、1つは、きょう再三出ている指標も含めて持続可能な日本のビジョンと指標づくりみたいなものをこつこつ市民ベースでやっているということと、もう一つは、日本の環境、あるいは持続可能性の情報をグローバルに配信して、逆に彼らからのフィードバックをまた1つ日本に伝える、双方向のインタラクションで社会変動を起こしたいという、その2つです。
 時間も押しているようなので手短に言いますけれども、まず全体の総論的なことで言うと、やはり持続可能な社会に、ある種社会を動かすというところが、やはり一番根本的なここの大事なミッションだと思うんですね。ですので、単に単一に多くの委員の方が指摘しているように、情報を分類して、どのプレーヤーに何が張りついてというよりは、どうしたらそういう変化が起きるのか。OECDの方で言えば、やはり状況から負荷、対策というふうにあるんですけれども、大事なのはどこに分類されているかではなくて、何がそこで変化点になって変化が誘発されるかという、そこをある種ラベリングしていくことが僕は大事じゃないかと思うんですね。だから、少し変な言い方かもしれませんが、情報を分類するという営みよりは、むしろある種の評価を行うとか、体系化するとか、あるいは場合によってそこまではここではやらないんでしょうけれども、指標化するというような、そういうソーシャルデザインを見据えたような意思や意図が埋め込まれているということが、ある種の戦略性につながるんだろうなというふうに思います。
 それから、これは森口委員もおっしゃいましたけれども、やはり情報の種類みたいなところと、もう一つ次いで情報の質ですね。これは、何を質の物差しにするかというのはいろいろあると思うんですが、1つはやはり信頼性もあるでしょうし、それから、どこかに言葉として出ていましたけれども、アクセシビリティーの問題ですとか、それから情報の鮮度ですよね。ずっと改訂されない情報もあちこちあるみたいな、そういうものだとか、あるいはグローバルに今環境をやっていく中での比較可能性ですとか、理解容易性ですとか、そういうある種の情報のクオリティーの評価軸みたいなものも、こういうものに重ね合わせていく必要があるのかなという気がします。
 それから、各論でちょっと少しだけコメントして終わりますけれども、資料10、11のペーパー、ベースとして非常によくできていると思うんですが、11の方で、だれがという部分でちょっと僕は1つ気になったのは、消費者ですね。これは生活者とか子供というところに大きくは入るんでしょうけれども、やはり市場経済とか消費行動の環境へのインパクトの大きさという意味では、ここにプレーヤーとして消費者が上がっていてもいいんではないか。その裏返しとして、2番の、じゃ、どんな情報が提供されているかというところで、そこと対になると思うんですけれども、企業からの情報提供で、報告書とかこういうものがあるんですけれども、やはり僕は根幹の環境情報というのは、企業が提供する商品だとかサービスに張りついた環境情報、例えば端的に言えばエコラベルとか、こういうものも環境情報としてやはり挙げておかないといけないのかなと。
 それからもう一つは、きょうも何人かいらっしゃるようですけれども、マスコミ、マスメディアみたいな、いわゆる情報の媒体者みたいな方々の役割。一部NGOがそういうところを担うケースもあると思うんですけれども、そういうところもこういうところに入れた方がいいんじゃないかと。
 それから、あとは、だれがという部分で、やはり海外のステークホルダーですよね。ここにどう伝えるかというところでは、これも森口委員がおっしゃいましたけれども、いわゆる例えばよく言われるスウェーデンだとかドイツみたいに環境で評価が高い非英語圏の環境情報のウェブサイト等のベンチマークをしていくとか、これは僕はずっと言い続けているんですけれども、そういうところなんかもパブリックの情報提供の中では1つ目線として持っていただきたいなと思います。
 以上でございます。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 高岡委員、お願いいたします。

○高岡委員 立教大学の高岡でございます。よろしくお願いします。
 私は、環境分野の研究者ではなく、流通業や小売業に関する研究をしている者でございます。環境情報に関しては、例えば、昨今、小売の店頭で、環境配慮型製品やフェアトレード製品が棚を割かれて置かれるものの、結局売れなくて姿を消してしまうという事態が起きているので、製品の環境配慮性等に関する情報を店頭で消費者に効果的に見せることによって、もう少し購買率を上げられないか、などということをこの3年間研究してきました。
 本日のお話と資料を拝聴・拝見して、まず第一に気になったのは、環境情報のユビキタス社会という報告書の言葉がございますけれども、ユビキタス技術が、単に、紙ベースの統計がウェブ上で公開されるようになったという程度の意味でしか使われていないという点です。技術をもう少し活用する余地があるように感じます。もう一つは、国民がサスティナブルな生活を送るための情報というのは、もう少し広くとらえるべきだと思いました。以上の2点について事例を踏まえてお話しさせていただきます。
 約1年前に「Odakyu OX」という名前のスーパーマーケット、小田急線沿線に展開しているのですが、そこで日立製作所・小田急電鉄・立教大学が組んでICタグを用いたユビキタス情報提供実験をしたんです。家でテレビや報告書等から様々な情報を得て「ああ、いけない。環境に優しい消費をしなきゃ」と思った人々が、スーパーに買い物に行き売り場に立った瞬間にはその意識が飛んで特売品にしがみつく。既存の調査では、大体日本には、情報を得た際に持った意識と実際の購買行動とが乖離している層が3割程度いるという結果がでています。今回の実験は、その層に属する消費者に対して、店頭で、購買のための意志決定を行う瞬間、例えばお豆腐やハムや卵の売り場でそれを手にとった瞬間に、ICタグ等のユビキタスツールを利用して、環境、安心・安全、健康情報の提供を行いました。この豆腐は遺伝子組み換え大豆を使っているか否かとか、店頭に来るまでにCO2をどれだけ出したかどうかとか、そういう情報を意志決定現場で見せることで、もともと持っていた意識を呼び起こして環境製品の購買につなげられないかと意図で実施しました。それを通じて世の中のサスティナビリティーというのを担保できないかという目的でをやったのですが、ユビキタスに情報を提供すると、その商品というのは購買率は上がるわけです。
 ただ、実験を通じて、日本にはある種の情報がストックされていないんだということに気づきました。食品スーパーの仕入れ担当者は、自分の店舗に並べている一般商品のハムや卵や豆腐が、どの卸を経由して納品されたか程度はわかるものの、日本の流通チャネルは多段階構造で、第3次卸、第2次卸、第1次卸、その先にメーカーがあって、あるいは原材料を輸入する業者、生産する人が存在するため、チャネルを原材料や製品が流れてくる間にCO2をどれぐらい出して運ばれてきたかとか、配送中を含めて完璧な温度管理がなされていたかとか、原材料は安全で環境に配慮して生産されたかとか、店頭商品の安全・安心、環境、健康関係の情報を持っていないんですね。
 イギリスのテスコというスーパーは、新聞報道によると、店頭に並べる相当程度の商品に、CO2表示をつけて消費者に情報提供することを通じてサスティナブル社会をつくるということを宣言しました。日本はとてもじゃないけれど、今の状況でそんなことはできない。こういった類の情報収集・管理は、ナショナルブランドメーカーとの関係維持もあるので、多分、小売企業が単体でやるインセンティブがない。また、お金がかかり過ぎて収集・管理できないと思うんですね。なので、やはりこの類の環境情報は、政府が管理しているデータベースがあって、イオンやイトーヨーカドーや小田急商事が、出荷者や経路等を打ち込むと自動的にCO2が計算されて表示できるようにする必要があるように思います。そういった種類の環境情報の収集と管理のシステムがあれば、もっと簡単に日本の消費者に環境情報というのが──生活者ですか、消費者ですか、どちらの言い方が良いのかわかりませんが、提供できるのではないかと。そういう意味では、先ほど森口委員がおっしゃった一次統計の範囲に関わると思いますが、収集・管理の範囲を少し考え直す必要はありませんでしょうか。今、収集・管理しているものだけが、いわゆる環境情報なのか、を一度検討すべきだと思います。また、ユビキタス技術とうたっているのに──家で、ウェブ上でパソコンで統計を見るというだけでは、実際の消費行動にそんなに結びつかないのではないかと思いますので、その点も再検討の余地があるように感じます。
 もう一点補足するならば、私があげた例に即して申し上げれば、メーカーと卸と小売店が一連の環境情報を共有するための、情報の流れに沿った、産業分類を超えた団体・協議会のようなものがあると行政側が収集・利用する際にも、企業側が情報を利用する際にも都合が良いのではないかと思います。
 以上です。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 実は一番難しいところですね。本当に流通業、小売業というのは。
 金藤委員、どうぞ。

○金藤委員 統計数理研究所の金藤と申します。よろしくお願いいたします。
 私は、統計数理研究所において、データ科学研究系に所属しております。また、研究所内のリスク解析戦略研究センターにも兼任し、そのセンターで環境リスク研究のコーディネーターを務めさせていただいております。そのようなことで今回の会議にお呼びいただいたと考えております。今回の委員会で、横の連帯ということがキーワードになっておりますが、多様な研究分野を横糸として結ぶためのツールが統計科学ではないかと考えております。
 それでは、時間が余りないようですので、1つだけ申し上げたいと思います。本日いただいた資料を拝見いたしますと、「統計情報の収集、整理、保存、行政における利用及び国民への提供のあり方とありますが、これに追加として意識的に明示すべき事項として、環境情報の「収集計画」が必要であると考えます。環境情報の収集においては、環境情報や環境データは単に、計測しやすい場所からとれば良いといったものではなく、得られた情報がそれ以降の解析や利用において十分な意味付けを持つためには、事前に行われる測定方法、測定場所、測定回数等に関連した収集計画が重要になります。事前に行われる適切な測定計画の策定によって初めて、得られた情報やデータが、意味付けを持つと考えられます。最後に整理いたしますと、環境情報の収集計画、収集、整理、保存、その後、例えば解析モデルの構築や解析方法論の開発等があり、その後それらを国民へ提供するという流れが必要ではないかと思っております。
 以上です。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 それでは、筑紫委員。なお、委員が用意されたメモの配布をお願いいたします。

○筑紫委員 私はグッドバンカーの筑紫です。私の方は投資家の立場から申し上げたいと思います。
 先ほど多田さんの方からも、だれが何のための情報を必要としているのかというところに、生活者、子供のところに消費者とあったんですが、私どもはそこのところに投資家ということで、投資行動によって環境配慮型のサスティナブルな社会にしていこうという投資家、この人たちが国債とか地方債、もちろん社債もそうなんですけれども、国際機関債への投資に際して環境配慮、その国の環境政策というものを評価して投資をするという流れが日本ではないんですけれども、ほかの国でかなり進んでおります。
 そちらにお配りしたメモの中で、お時間のあるときに後ほど読んでいただければと思うんですが、チューリッヒ州立銀行というところで、スイスの公的な銀行ですけれども、もう2000年ぐらいからサスティナビリティー格付ということで、その国の国債を購入するときに、その国の環境政策というもの、それから、その国の社会というものを評価して投資をするということをやっておりまして、そうすると、京都議定書にサインをしていないアメリカは最下位ということになりまして投資されないということになっております。ですから、私は、こういう情報を世界じゅうの投資家に──私どもの会社はそれを提供している会社なんですが、日本という国の環境政策というものを投資家に提供できるように、そういう情報を求めています。
 それで、どう提供すべきかというところはとても簡単だと思っておりまして、財務省さんで国債のIRをしておりまして、しょっちゅう海外IRということで海外へもお出かけになっておりまして、日本国債が海外で保有されている率が5.8%ぐらい。これがアメリカとかフランスですと24.5%ということで、日本国債を保有されるということは、自分の投資している国に戦争を仕掛けるとかいうようなことはないんじゃないかと思いますので、安全保障上もおもしろいんではないかということで、ぜひ財務省さんの方に環境省さんの方から、日本の環境政策についての英語の情報というものを提供していただいたらいいんじゃないかと思います。
 以上でございます。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 それでは、和気委員。

○和気委員 中央環境審議会委員の和気と申します。
 環境情報については専門ではなく、この委員会からいろいろ学ぶことを期待いたしたいという立場から、まずは持続可能な社会づくりのための政策方針という観点から、そしてその下位の次元の戦略目標という形に落とし込んだときに考えられる「経済と環境の好循環を形成する」ために、いかに環境情報を使うかという視点から、その成果を期待しております。
 さらに言えば、経済は主に市場経済をベースに動いておりますし、国内市場に限らず、貿易もしかりです。アジアを中心に我が国はFTAを含めて経済連携を深めている中で、消費者の目線、あるいは最終生活者の目線から言うと、いろいろな問題がアジアレベルで、あるいはグローバル化してきております。こうした現状の下、市場の失敗とよく言われるようにマーケットを通じた消費行動による環境に負の影響をいかに少なくするか、あるいはそれが市場メカニズムを通じて可能かというときに、環境情報がその市場取引の中で内部化され、可視化というんでしょうか、見える形で消費者に、あるいは企業に何らかのフィードバックがあるかが重要な論点になると思います。したがって、そのための環境情報インフラをできるだけ安い形で、あるいは使い勝手のいい形で形成できないものかと。期待するわけです。特に世界経済が貿易依存度を高めている中で、貿易を通じた様々な環境リスクを懸念する立場から、上記のような環境に配慮した健全な市場メカニズムが、国境を越えた枠組みで形成されればと期待しています。そのために、専門委員の皆さんは既に貴重な見識と知見をお持ちですので、ぜひ今後いろいろな形で伺っていきたいというふうに思います。

○浅野委員長 ありがとうございました。
 事務局の当初のシナリオによると、もう1巡ということになっていましたけれども、それは無理だと最初から思っていました。それから、きょう欠席の委員からのコメントもご紹介いただくということにしていましたが、多分横を読み上げるとまた10分かかるだろうと想像しますので省略をいたしまして、それは資料としてまた別途配付していただくことにします。  きょうの各委員のご発言は、きょう事務局から出された検討課題についてのお考えも十分含まれていたと思います。しっかり事務局で、きょうの委員の先生方のご発言を整理して体系化することによって、きょうの委員会のテーマに対する答えが出てくるだろうと思います。
 委員の先生方にお願いでございますが、そんなにできのいい問題であったと思えないのですが、この資料11のペーパーについて、さらにお気づきの点がありましたら、御意見をいただきたいと思います。モデルは、ここにある亀屋委員から出されたペーパーです。こういうふうに項目に即してコメントをいただいたペーパーをいただけるととても助かります。ちょっとこれは項目が足りないと言って、亀谷委員がどっさりと赤を入れて送ってくださったのですが、こういうような要領でコメントをいただけると──きょう既にご発言の中でコメントをいただいた方もあるんですが、大変後の整理が楽になると思いますので、ぜひご協力をお願いしたい。
 次回の専門委員会の日程は、既に11月2日ということでご案内していまして、事務方の準備の都合ありますので、メールアドレスはすぐ先生方の方に届くと思います。できれば来週の水曜日までにコメントをお送りいただければ、事務局はきょうのお話の整理をし、かついただいたコメントも参考にしながら、きょうの分についてはこんなふうな整理というふうに取りまとめのときに出せるような材料ができるだろうと思います。ぜひご協力をいただけるようにお願いいたします。
それから、次回は、情報の一連の流れと情報の横の連携ということでご議論をいただきたいと思っております。情報の一連の流れというのは、きょうも既にお話が出ていますように収集段階から始まってということですが、きょうのコメントをいただいた中に、結構いろいろもう来週の話の材料もあると思いますから、来週のこの資料11に相当するペーパーは、きょうのお話を十分に折り込んだ形で準備をしてください。よろしくお願いいたします。
 それではあと、時間の都合もありますので、事務局からお伝えすべき事項を代わって申し上げます。
 きょうの資料は大部になりますので、置いて帰ってくださったら郵送のサービスをいたしますということです。
 それから、審議会の先生方で、あるいは委員の先生方でも、この報告書など、もうあるので2部は要らないという方は申し出てくださいということでございます。
 それでは、あとは事務局、どうぞお願いいたします。

○細野企画調査室長 既に委員長からもお言葉がありましたけれども、準備しておりましたことを言っていただきましたので、私どもは今回の宿題を一生懸命やってまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○浅野委員長 それでは、予定の時間1分前でございます。きょうはこれで終わらせていただきます。
ありがとうございました。

午後5時29分 閉会

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