第4回 環境基本計画点検小委員会議事録

日時

平成19年8月24日(金)

場所

環境省 総合環境政策局 環境計画課

出席委員

鈴木基之委員長、浅野直人委員、猪野博行委員、大塚直委員、山本良一委員、和気洋子委員、田中充委員、長辻象平委員

(総合政策部会からの出席委員)
佐和隆光委員、鷲谷いづみ委員、青木保之委員、石坂匡身委員、太田勝敏委員、川上隆郎委員、河野正男委員、木下寛之委員、塩田澄夫委員、善養寺幸子委員、筑紫みずえ委員、鳥井弘之委員、永里善彦委員、中野璋代委員、速水亨委員、福川伸次委員

議事内容

午後2時01分 開会

○弥元環境計画課長 まだお見えでない委員もいらっしゃいますけれども、時間も参りましたので、始めさせていただきたいと思います。
 議事に入ります前に、お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。
 配付資料といたしまして、資料1「市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり」の関係省から出していただいた資料、資料2は、[1]と[2]がございますけれども「国際的枠組みやルール形成等の国際的取組の推進」についての資料。それから、参考資料が3種類ございますが、「第三次環境基本計画の点検の進め方について」「平成19年点検 重点調査事項」参考資料3といたしまして委員名簿でございます。
 足りない資料などございましたらお申しつけいただければと存じますが、よろしゅうございますでしょうか。
 それから、マイクをご使用いただきます際には、スタンドにありますスイッチを押していただきますと赤いランプがつきますので、それからご発言をいただければと思います。同時に5本までしか使用できませんので、ご発言が終わりましたら随時スイッチを切っていただければと思います。
 それでは鈴木委員長、よろしくお願いいたします。

○鈴木委員長 ただいまから第4回環境基本計画点検小委員会を始めさせていただきたいと思います。
 これまでに続きまして、本日は2つの点検分野、重点点検分野名といたしましては「市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり」そして「国際的枠組みやルール形成等の国際的取組の推進」それぞれについて重点調査事項が2つ、あらかじめ挙げられているわけでございまして、総計4件の点検結果のご報告をいただくことになっております。
 本日をもってそれぞれの点検を一通り終了し、この後は全体の取りまとめに入っていくことになります。
 それでは、早速議題に入らせていただきます。
 本日は、最初に重点点検分野「市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり」の中の重点調査事項「地方公共団体のグリーン購入実施状況について」、これにつきましては環境省がヒアリング対象の府省となっております。
 環境省からご説明をお願いいたします。

○笠井環境経済課長 まず、資料1[1]が「地方公共団体のグリーン購入実施状況」についてでございます。
 これに加えて、今、どのような理由で地方自治体のグリーン購入が進んでいないかといったことや、実施状況がどれくらいかといった資料を1枚配らせていただきました。阻害要因といたしましては、「グリーン購入関連製品は価格が高いのではないか」というのが市区部では48%、町村部では42.2%。それと「人的余裕がない」「担当者の負担増になる」といったことが町村部では23.2%と意外と多くなっておりまして、自治体の規模別の調達方針の策定状況を見てみますと、都道府県、政令市は完全に実施しているのに比べて、市区、町村等にいくに従って実施しているところが少なくなってきております。
 [2]施策の実施状況、どういう対応をしてきたかということでございますが、昨年度、小規模地方公共団体のためのグリーン購入取組ガイドラインをつくりまして、それに沿って簡単に、どんな状態にありますか、どんな具合に取り組んでいけばいいんですかといったチェックリストをつくって、今、この説明を進めております。
 組織的に取り組むだけの余裕がない自治体につきましては、このようなことで、ガイドラインに沿って取り組みを進めていただいて、また問題点を抽出した上で対応できるように、どういうことをやっていったらいいか詰めているところでございます。
 資料1[1]の一番下には、「調達」が地方自治の最たるものであり云々ということも書いてございますが、地方の財政課長の集まりの場で説明するといったことも行いながら、総務省等とも連携しながら取組を進めていきたいと考えております。

○鈴木委員長 ただいまのグリーン購入実施状況につきまして、委員の方々からご質問あるいはご意見を伺いたいと思います。
 ご質問等おありの方は名札を立てていただくようお願いいたします。

○筑紫委員 1つは、地方公務員共済組合連合会という公的な年金がありまして、その年金が地方公共団体の債権を購入しているはずですが、それをお調べになったでしょうかということ。
 それから、もし地方公務員共済組合連合会が必ず地方債を購入しているのであれば、購入の条件にグリーン購入を義務づけるということをやれば効果的だと思うんですが、そういうことを検討されたでしょうかという質問です。

○笠井環境経済課長 そのようなことは、やっておりません。

○西尾総合環境政策局長 補足させていただきますが、きっと今のご指摘は、地方にグリーン購入が進展していくために、そういう方法が非常にいいのではないかというご意見だと思います。
 すみません、正直言って、そういうところまで手が届いていませんでした。
 実は私どもはグリーン購入法で、国の方はそれなりに成果が上がってきたということで、今までそういう品目を増やしたりとか、国の方の手入れを一生懸命やっていましたが、地方に展開するというところについて、都道府県とか指定都市レベルはちゃんといっているわけですけれども、市町村レベルがなかなか進まない。実は今まで担当課ではそれを自力で何とかしようとしていて、自力で何とかするためには地方でやりやすくするためのいろいろなガイドラインをやったり、どういうことをしたら入れますよということをつくった。
 次にしようとしていたことは、そういうことを大いにPRして、自力でPRしてそれぞれ理解してやってもらおうということでした。ただ、多分これは環境省の細腕だけで、自力でやろうというのではなくて、もちろん総務省もございますし、いろいろな関係機関もありますので、そういうところでしっかりやっていただくような、いろいろな目で実態的にやっていく必要があるのではないかと思いました。
 それで私のやったことは、まず総務省に行って、おっしゃるように総務省のいろいろなツール、あるいは地方制度の中で「こういうことをしっかりやるべし」と言ってもらった方がいいのではないのかということがございました。第1弾は、とりあえず全般に、自治財政局でおやりになっている地方団体を集める会議で言ってくださいという話をしました。それから、もうすぐある財政課長レベルの会議のときには、これを地方でやってほしいんだということを説明していただく時間をつくってくださるというところまでやりました。
 その次に、今、地共済のお話をいただきました。それだけに限らず、地方の財政とかいろいろな仕組みの中で地方公共団体、動いておるわけでございますので、そこにいろいろビルトインしていったら動くかもしれないということがございます。次はそのステップを勉強しなければいけないなと思っておりましたところですが、今、先生からお話ありましたところは、まだ気がついておらず手が届いておりませんでした。有力な手段かもしれませんし、また、他にもそういう切り口で幾つかあるのかもしれないと思っていますので、そこはもうちょっと研究させてください。
 要するに、地方のいろいろな制度のところにもっと、自分の細腕の努力だけではなくて、総務省の持っている手法を活用したらどうかということにやっと今ごろ気がついて、取りかかっているところだと思います。

○速水委員 これがされない阻害要因の中で、調達コストの増大というのが出てきます。これはある意味、一番のネックになっているのかなと思うのですが、ただ、もともとここのポイントは、環境の価値が評価される仕組みだということからいえば、その評価される部分というのは、ある部分、物によっては価格が増していく、必然的に増さざるを得ないところがあり得る話だろうと思うんですね。
 その辺をグリーン調達として地方自治体にどのような説明の仕方をされているのかなと思うのですけれども、ここを読ませていただくと、実施の概要のところで、例えば、実施することによりコスト削減になる物品等についてガイドラインをつくっていると書いていらっしゃるのですけれども、本来、評価されるというのは、高くなるところがあってもいいのだろうと思います。その辺の説明をどういうふうにされているのか。

○鈴木委員長 一通りご質問をいただきまして、後でまとめてお願いします。

○石坂委員 今のご指摘にも関連するのですけれども、c)グリーン購入法を改正して、地方公共団体にグリーン購入を義務づけた時の問題点と解決策というテーマに対して、この下に書いてある答えは余りにもおざなりで、これでは点検したと言えないと思います。
 普通、環境問題は地方が先行して条例等を制定して、それを国が後で吸収して法律化していく、いわば地方の方が進んでいるという場合が多いわけですね。この問題に対しては、この調査のレベルを見る限り地方の方がおくれている、国の方が進んでいるわけですね。一般の環境問題とは逆の状態になっていると思います。
 これは財政問題とか、いろいろな問題も絡むのでしょうけれども、今、速水委員がおっしゃったように、多少金がかかったってやるべきことなのですね。したがって、そういう流れをつくっていくということをやりませんと、地方自治が金科玉条というようなことを言っていたのでは、問題は解決しないと思います。そこをよく踏まえて、これから進めていただきたいと思います。

○佐和委員 まず、重点点検分野名に「市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり」と書かれておりますが、地方公共団体とか政府が旗を振ってそういう仕組みづくりをするのは、私から見れば、ちょっとおかしな話だという感じがするのですね。
 やや唐突な言い方になりますけれども、消費社会が成熟化してくるというのはどういうことかというと、例えば、同じような値段の同じような製品がABCの3社から発売されている。ある消費者がA社の製品を買った。「あなたはなぜA社の製品を買ったんですか」と言ったときに、製品そのものの環境に対するよさのみならず、その会社がそれをつくるプロセスにおいて環境にどれだけ配慮しているか、そういう会社の環境配慮が、実は消費者が商品を購入するときのポイントの1つになっているというような調査結果が「日経ビジネス」などに出ているのですね。
 というのはどういうことかというと、ここでおっしゃっている環境の価値を品質の一部にカウントするようになる。だから、値段も一緒だしその他の機能についても同じなのだけれども、私はA社の製品を買いました、なぜなら環境の価値という、そういう品質においてA社の製品が最もすぐれているからだというふうに、消費者のそういう購入態度みたいなものが変わりつつあるわけですから、それを後押しするようなことが必要ではないかと思います。

○鈴木委員長 では、まとめてお答えをお願いします。

○笠井環境経済課長 まず1点目、高くなるものも確かにあるのですが、現在、政府の購入、GDP比だと支出ベースで1割ぐらいになると思いますが、その購買効果によって価格がかなり下がってきている。大手企業も含めてやっていただけているので、下がってきている品目が多くなってきておりまして、そういうものを、まずちゃんとやっていただきたい。
 当然、地方公共団体の方に積極的に参加していただければ、もっと大きなマーケットになりますから、確実に定着していきますので、その中に入っていただかない限り、多分そのよさは理解していただけませんので、そういうことをちゃんと経験していただいて、参加意識を持ってやっていただくために何をしていくべきかを最初に考えさせていただいております。
 品目を調べていくとかなりの品目で、5年ぐらい継続的に続けているものは等価なコストになってきておりますので、そういうことをきちんと説明して、地方公共団体の人に伝えるような形のガイドラインを制定しております。
 それから、今まで国の調達をベースにやってきておりますので、地方公共団体でたくさん買うものと若干ずれているものもございますので、比較的地方でよく使っていただくインパクトの大きいもので、品目を絞って、具体的に費用などが等価でありますよというのを見せながら、まずちゃんと理解していただいて、スタートしていただくべきではないかということで、先ほど局長からも説明がありましたように、自分たちの取り組みとしてとりあえずガイドラインをまとめて、現在、周知を図っているところであります。
 それから、品質の一部にというお話がありました。
 品質の一部であったり環境性能を積極的に評価していくべきであろうということは当然かと思いますが、このグリーン購入法は、残念ながら、今の標準的な会計処理である一般競争入札を前提に制度設計されておりますので、ある一定の環境性能を持っている製品を、あとは価額評価で決めていくという手法でやっておりますが、本年5月に制定されました環境配慮契約法では、積極的に環境性能を評価して、その評価も含めて契約相手方を評価していく仕組みとなっておりますので、今後、そういう法律をうまく活用して、全部の品目ができるかどうかは技術的な問題もありますので、悩ましい問題があると思いますが、そういう考え方を定着させていくことは、とても重要なのではないかと認識してございます。

○環境経済課 部分的に資料をお配りしたので誤解を生じさせたのかもしれませんが、このガイドラインの中には、まず、今、お話ししたように、製品によって価格が本当に高いのか高くないのかといったことも見た上で、まずは「環境物品は高い」という先入観を捨てて取り組むべきではないかといったところから説き起こしておりますので、また後で必要があればお配りしたいと思います。

○浅野委員 私は、今後、展開していく上で石坂委員がご指摘になった点が大事なポイントではないかと思います。
 今、笠井環境経済課長のお話の中でも、「一般競争入札という原則の中で」という縛りがかかってしまっているわけですが、そこも何とかしていかないとどうにもならないということがありそうな気がするので、それは今、言われた新法なども含めて、今後さらに考えなければいけないポイントではないかと考えます。
 実態を言うと、今日、配られた追加資料に「調達方針の策定状況」というグラフがあります。調達方針を決めている自治体はグリーン購入を実施していると考えることができるのでしょうが、政令市は100%近い。それから市区では半分ぐらいで、町村が著しく低いという状況ですけれども、この分布を見ると、他の方法で調査された結果と比べても、かんばしくないのではないかという感じがします。しかし、傾向としてはよく似ている感じがいたします。つまり、自治体の実態から言うと、ある事柄にどこまで集中的に取り組んでいるかと聞かれれば、やはり町村ぐらいまで来ると、どうしてもこのぐらいの率になってしまうし、こんなところまで一網打尽、全部一律にお上の命令で、それこそさっき佐和委員が言われたように旗振って「やれ」と言ってやれるような話かというと、必ずしもそうはいかないのではないか。むしろ、企業が取り組んでくれているかどうかという話と同じ領域で考える必要があるのではないかという気もするわけです。
 ですから、グリーン購入ネットワークのようなところがうまく機能している地域では、企業だけではなくて自治体もネットワークの中に入ってもらってグリーン購入につとめていただくといったように、しばしば言われてきたように、事業者としての自治体というとらえ方をしなければだめなのではないでしょうか。つまり、公権力を行使している組織としての町村ではなくて、一事業者と考えて、つまりはそういう形で、利用者に対する啓発ということでとらえていかなければしようがないのだろうと思います。しかし、そういう考え方で進めていき、もっと工夫をすることによって実施率を上げることができる、という気がします。
 それから、表を見ていて、今後の方向として考えていかなければいけないと思われる点は、公共工事だとか役務だとかいう領域でのグリーン調達の実施率が低いことです。特に役務、サービス提供の分野では、グリーン調達的な発想はなかなかうまくいっていない。グリーン購入が物を買うという領域だけに特化しているわけですね。グリーン購入というものが、何か物を買うときに環境にやさしい製品を選ぶことだというとらえ方をされてしまうのですけれども、そうではなくてサービス調達などの際にも、まさに先ほど佐和委員が言われたように、その企業の持っている環境志向といったことか考慮できるかどうかが重要だという気がするわけです。
 そういう意味では、自治体の中では、例えば中小企業にはISOのような資格は余りにも重過ぎるので、もっと自治体でコンパクトな、ローカルISOのような仕組みをつくっておいて、その認証を持っているところに入札資格を与えるというようなやり方をとっているところもあるわけです。しかし、こんなことも、一方では「一般競争入札が大原則だ」という天下の大号令の前で潰されていくおそれもあるわけですから、潰されないように、やはりサービス、役務を提供する場合でも、その企業が環境配慮型の企業であるかどうかを要件にできるように、そこは公的にもしっかり支えることができる手だてを講じておく必要があるだろうと思います。
 その意味では、今度できました議員立法の法律は、大変注目できる法律ですから、そのしっかりした運用を見ながら、どこかの段階では閣法ですか、政府提案の法律としてさらに整えられることにより、この問題では今までのさまざまな財政上の縛りが突破できるようにする、そういうところもねらって議論していく、それがこの中環審の点検としての大事な仕事ではないかと思います。

○鈴木委員長 ありがとうございました。
 地方公共団体のグリーン購入実施状況ということで、経済主体としての地方自治体というようなところに絞って考えても、いろいろな階層的な構造があるようでもありますし、ガイドラインなどが一体どこまで、例えば町村レベルが使いやすいものになっていて、そこにどういう環境効率などの具体的な情報が織り込まれているのかといったことで、今後こういうものを推進していく上で、ガイドラインなども含めていろいろと手広く見直していただくことになるのかなという気がいたします。
 そういう意味では、地方公共団体のこのような点検をするときに、関係府省の中に総務省も入れていただくことが必要になってくるのでしょうね。

○浅野委員 それは、こっちが申し入れなかったからでしたね。

○鈴木委員長 そうなんですよね。こちらがちょっと忘れてしまった面があるのかもしれませんが。
 そういうことで、先ほど局長がおっしゃいましたように、ぜひオール府省で進めていくことが必要なのかなという気がいたしました。

○筑紫委員 今、総務省もとおっしゃったのですけれども、ぜひ厚生労働省も加えていただきたい。企業年金の管轄をしていらっしゃいますので。よろしくお願いします。

○鈴木委員長 これはちょっと点検項目が、今回これを取り上げましたが、また2年後に地方公共団体のあたりは何らかの、別の形でもいいのですが点検をする必要がある。それに向けていろいろな体制を整えていく、そういうことになっていくのかなと思います。
 よろしいでしょうか。

○笠井環境経済課長 補足いたしますが、浅野先生からご指摘がありました環境の価値を契約の際に配慮しようという環境配慮契約法につきましては、5月末に成立いたしまして、8月13日から山本良一先生に座長になっていただいて、施行に向けた基本方針、これは閣議決定いたしますけれども、それをつくるための検討を進めております。11月末から12月ぐらいに決めて、地方にも使ってもらうように説明会などもしっかり行って、平成20年度の冒頭から施行できるようにしたいと思っております。
 グリーン購入法の方も、物品の見直しもありますし、地方自治体の実施状況などもまずガイドラインでいろいろやる、そして総務省とも組んで話をしてみて、どうかというようなところの進捗状況を見ながら、必要な手は打っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○鈴木委員長 山本先生、何か決意表明など。

○山本委員 今日は私は、どちらかというと先生方のご意見を承る立場でございますので。
 ただ、先ほどの、高い値段でもいいものは買ってはどうかというお話ですが、台湾では10%条項というのを入れておりますので、標準品に比べて10%ぐらい値段が高くても購入する権限を与える。ニューヨーク州は15%ルールというのを入れております。ですから、世界には、高くてもいいものは買ってよろしいというところもあるんですが、財政状況その他ございまして、日本の法律にはそういうことが盛り込まれていないということだと思います。
 ただ、反省点は、「全国的に調達が可能なもの」という縛りがありまして、必ずしもトップランナーのすばらしい製品が購入できない状況がございますので、この辺は何らか、縛りを緩めていくことを考えなければいけないと感じております。

○鈴木委員長 それでは、2番目の点検結果についてのご説明をいただくことにいたします。
 「SRI等の環境投資の拡大について」。

○笠井環境経済課長 「SRI等の環境投資の拡大について」ということで、まず、我が国におけるSRI等の環境投資が欧米に比較して極端に少ないのはなぜか、公的年金基金などの機関投資家の状況を含め、どのように分析されているかということで、我々が把握しておりますデータで見ますと、日米英3カ国を比較しますと、ここにありますような結果になっております。
 結局のところ、SRI、投資信託でも日本は少ないのですが、まず、その他のSRI投資についての該当のデータがないということもございますので、そこはまず平成19年度において日米欧の比較が可能となるように、日本における投資家の状況調査を行おうということにしております。
 2ページ、定性的な分析になりますが、[1]のii)にありますように、環境と金融に関する懇談会で議論いたしまして、報告書を出しております。その中で、なぜできないかという話があったわけですが、iii)にありますように、個人投資家のファンドについての情報不足と、機関投資家の「社会的責任投資が受託者責任の観点から問題がないと確信できない」という懸念が存在していることが理由であると思われると分析しております。
 定量的な面につきましては、データがないということでございます。
 (2)でアメリカとイギリスの状況を見てみますと、アメリカにおいては、確定拠出年金においてはSRI金融商品が普及している。ただし、確定給付年金の方では、受託者責任の観点から、運用はどうも進展していないようである。
 それ以外にもコミュニティ融資が発達していまして、そのコミュニティ融資の中でこのような投資を行うようなことを、例えば地域債投資法などにより義務づけをしている。イギリスにおいても、年金法の改正により、投資先企業が社会・環境・倫理的な評価を行っているかどうかを投資の際の意思決定に考慮すべき項目とされておりまして、年金だけではなくコミュニティへの投資、慈善団体、社会的企業についても地域振興税額控除ですとか、チャリティ団体に対するアカウンティングのルールによって、投資先企業の社会・環境・倫理的な評価を行っているか否かをオープンにせよといったことがやられておるようであります。
 「SRI等の環境投資の拡大のための関連施策名およびその概要」と「関連施策の進捗状況と課題」でございます。
 最初に、環境情報の提供の促進による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律─環境配慮促進法─環境報告書をつくってほしいという法律ですけれども、この環境配慮促進法に基づいて、適切な情報提供をすることにより、環境情報を勘案して投資を行うように努めていきたい。
 i)ii)は(1)でまとめたことと同じですので省略いたしますが、4ページの上のところで、今後、欧米と比較するために、日本における公的年金基金などの機関投資家の投資動向に関する調査を実施する必要があると考えております。
 なお、環境配慮促進法につきましては、平成20年度が見直しの年となっております。
 次に、金融のグリーン化の促進です。
 平成19年度においては環境金融普及促進事業を行っております。投資家に対する情報を整理し、シンポジウムを開催することを考えております。
 その他、関連する施策としましては、環境配慮型経営促進事業、環境ファンド等への出融資、地球温暖化防止・地域再生推進融資促進事業、環境配慮型経営促進事業に係る利子補給事業、これは、5年間でCO2排出量を5%削減する事業に対しては利子補給を行うというものです。それから、コミュニティ・ファンド等を活用した環境保全活動促進事業といったことを行っております。
 d)責任投資原則(PRI)に従ってSRI等の環境投資を行うための機関投資家や一般国民への企業の取り組み情報の提供のあり方についてどのように考えているかということですが、これにつきましても、平成19年6月に環境報告書ガイドライン2007年版を公表しております。この中では、金融のグリーン化の項目を新たな項目として追加いたしました。今後は、このような項目を入れた環境報告書の普及を図るために、説明会、シンポジウムを開催していきたいと考えております。

○鈴木委員長 次に経産省からの点検結果がありますが、特にこれはよろしいですね。
 では、委員の方々からご質問あるいはご意見をお願いしたいと思います。

○福川委員 まず、環境省からご説明ございましたが、金融庁あたりはこれについてどう関与しているか、お伺いしたいと思います。
 2つ目に、資料1[2]の3ページですが、各国では税制上の優遇措置を講じて、これを促進しようということになっているとあります。これについては、やはり税の公平性ということから相当難しい議論があると思いますが、欧米ではこういう分野について、税制上の優遇措置を講ずる理論的な根拠、税法上の根拠はどうなっていたかをお尋ねしたいと思います。
 3点目は、資料1[2]の4ページで、環境金融普及促進事業に2,500万円を使っていらっしゃいます。これでシンポジウムをしたり情報整理をしたりしますが、この成果、効果はどのくらいあったか、それから来年度の予算要求をしていらっしゃるということですが、これの具体的な内容はどうなっているかということであります。
 最後に、資料1[2]の6ページ、経済産業省のところですけれども、この調査項目のa)のところに(2004年度 経済産業省調べ)と書いてあって、2004年度というのはかなり古いんですけれども、それ以後、何もやっていないのかどうかお尋ねしたいと思います。

○永里委員 なぜ日本が少なくて海外のSRI投信が多いかについては、より精査が必要でしょうけれども、日本発の投信といいますか、少ないことははっきりしていますし、その点で、海外でつくられたSRI関連の投信を、代理店を通じて日本のお客が買っているという事実は厳然として存在するわけです。
 ここで、日本発の投信の掘り起こしが非常に重要ではなかろうかと思います。先ほど筑紫委員もおっしゃっていましたように、公的年金とか私的年金が注ぎ込まれれば、企業にとっても動機付けになります。そこでは当然、格付機関の役割とかアナリストの役割も非常に重要になりますけれども、公的年金が注ぎ込まれれば対象とされた企業のブランド価値も高まるので、企業もまたその面の、中長期的研究開発投資に注力できますし、それによってまた企業価値が高まるという好循環も生まれます。
 先ほどのお話では、セミナーや説明会もなさったようで、そういうことは重要なんですけれども、具体的な国のアクションが非常に効果的だろうと思います。企業の社会的責任を踏まえた環境投資に関して、中長期投資を促進させるための、企業にインセンティブを与えるような制度をもっとつくるべきではなかろうかと思います。
 繰り返しますが、イギリスのように公的年金等がこの分野に振り向けられると、企業のブランド価値が高まりますので、ますますそちらの方向の投資が進むのではないかと思います。

○筑紫委員 こちらの情報なんですけれども、我が国におけるSRI投資の情報については、その他のSRI投資、日本において当該のデータがないということですけれども、例えば「年金情報」という雑誌があるんですけれども、そこに何カ月か前に企業年金のSRI投資が500億円を突破したらしいという記事が出たりとか、信託銀行が企業年金に運用しているわけですけれども、そういったものを細かく聞いていくとか、もうちょっときめ細かにやればとれる情報がありますので、ぜひそれは工夫してもらいたいと思います。
 それから、ここにヨーロッパが出ていないんですけれども、これも、SRIをやっているヨーロッパの運用機関と、それから調査会社のようなところの団体がありまして、ユーロシフというんですけれども、そこが今年6月か7月に、1兆ユーロを超えたと発表しております。
 どうしてこんなに少ないのかは、もう明らかに、公的年金が全然動かないから。そして結局、環境と金融の好循環ということを、他の国では、もちろん民間市場に任せることも大事なんですけれども、基本的には政策金融のように考えているわけで、それは最初に民間でスタートしたんですけれども、これは使えると、規制とかそんなものに頼らずできるんだったらこんな簡単なことはない、税金を上げなくてもお金が調達できて、政策として政府が目指そうとしているものが具現化できるんだということでさっさと使ってしまって、お互いにPPPという形でやっているから大きな額になったんですね。その辺、今後、特に海外の国がどういうふうにSRIを取り込んでいったかいろいろ調査に行かれると思うのですけれども、そういったところで、ぜひいろいろな情報を集めていただきたいと思います。

○河野委員 1つは、今、出ていた年金のことですが、資料1[2]の環境省の報告と、それから経産省の報告の両方とも年金のことが取り上げられていて、我が国の場合には年金基金が動かないのでSRIの投資が少ないということでありますが、先ほど厚生労働省も関係府省の中に入れたらどうかということが言われていましたが、SRIにとって年金の問題は重要な課題ということで、ぜひ厚生労働省を入れてもらいたいと思います。
 もう一点は、資料1の5ページです。市場で企業や製品を評価してもらうためには、環境報告書等を使って情報提供する。情報提供のためには、環境報告書の普及を図ることは大事だと思うんですが、他方、評価する側ですね、こちらはどう考えているのでしょうか。企業も入ると思いますが、情報をもらって意思決定をして、製品や企業を評価する、製品を買うとかSRIに投資するとかいう話になるんだろうと思いますが、こちらへの働きかけは考えているんでしょうか。
 例えば、5ページの終わりの書き方ですと、どうも環境報告書をつくる方に「つくってくださいよ」というだけに読み取れますが、やはり環境コミュニケーションの視点からは情報の受け手の方にも注意を向ける必要があるんだろうと思います。そちらの方はどういうふうにお考えか。

○大塚委員 公的年金の方が日本で余りSRIが進んでいないのは大きな問題ですけれども、個人投資家向けの投資信託の方が主だと思いますが、あるいは会社のということだと思いますが、資料1[2]の2ページの真ん中あたりに出ているように、先ほども笠井環境経済課長がお話しになった、社会的責任投資が受託者責任の観点から問題がないと確信できない懸念というのは、法的にはかなり重要な問題だと思いますが、この点についてはどういうふうにブレークスルーされるおつもりなのか、あるいはこれには特に触れないで別のことを考えていったらいいのかということについて、何かお考えがあったら教えていただければと思います。

○塩田委員 今、最後の方におっしゃったことにも関連するのですけれども、こういう情報を企業に提供してもらう、理解しやすいような形で提供してもらうことは、まず大事だと思います。
 その次に、その提供された情報をだれがどういうふうに評価するのかというところが、やはり環境投資とかSRI投資の振興のためにとかいうときに、だれがどういう評価をして順位づけをしているのに投資をする人、特に一般投資家は関心を持つのではないかと思うんですが、「これがSRI投資である」と言えばそれでいいというものではないと思いますので、だれがどういうふうにそれを判断するかについて、制度的なものは、先ほどからのお話では、格付け会社であるとか投信をつくる企業であるとか、そういうふうに考えればいいんでしょうか。それだけだと今度は企業が、格付け会社の場合は違うんでしょうけれども、企業が自分の商品を売りやすいようにそれを活用するといった面を、一般投資家はそのまま受け入れなければならないのかどうか、その辺はどういうふうに考えればいいのか。
 マイナス分野の評価はしやすいと思うんですね。悪いことをしているとか、何かトラブルがあったとか、そういうのはそれでいいと思うんですけれども、前向きの方の評価は、その評価されることの程度とか内容がどういう順番に並べられるんだろうと思うんですが、その辺はどう考えたらいいか、教えていただければと思います。

○笠井環境経済課長 いろいろ情報提供、また今後の調査等の参考になるようなご指摘もいただきまして、ありがとうございました。
 順番にいきますと、金融庁がどう関与しているかということですけれども、日常的な話し合い以外に、環境と金融に関する懇談会にはオブザーバーとして参加していただいております。
 各国での税制上の優遇措置のバックボーンになるような思想につきましては、これからよく勉強させていただきたいと思っております。
 経産省の2004年度以降というのは、とりあえず最新のデータがこれだったということです。 筑紫委員からご指摘があったお話は、そのような情報を十分持っておりませんので、ヨーロッパも入れて調べたいと思っておりますので、またアドバイスいただければと思っております。
 評価する側への働きかけは、まさに投資家の方がどうかということになると思いますので、そんなことも含めて、機関投資家の動向調査でまずいろいろ調べてみたいとは思っております。
 公的年金の方でSRIが進んでいないのではないかということで、これは環境と金融に関する懇談会で今、いろいろヒアリングしたときに、受託者責任があってというお話がありまして、それをどういうぐあいにブレークスルーしていくか、まさに受託者責任の考え方をどうやって見直していくのか、この懇談会の報告書の中でも取り上げられておりまして、非常に重要な課題だと思っております。
 だれがどのように判断するかというところは、まさに企業の評価ということになれば格付け会社等になると思いますが、その評価のために、しっかりとした環境情報が提供されているかどうかというところを現在、見ている段階であります。まずはきちんとした、必要かつ十分な環境情報、それもうそがあったりすると問題ですし、そこら辺をどうするかというところを進めていきながら、いわゆる市場にそういう環境情報を正確に提供していって、その次に、それがどのように評価されるかというところに入っていきたいと思っております。

○環境経済課 続きまして、予算のお話でございます。
 環境金融普及促進事業の成果でございますが、これは平成19年度から実施しているものでございます。先ほど笠井から説明いたしましたように、調査を行うということで、SRI関係の調査も含めております。今、準備している段階でございますけれども、そのほかには、この中には環境報告書等に記載された情報のうち、どのような情報が投資判断に資するのか、これに関する調査、それからまた、先ほど企業の評価ということがありましたけれども、企業が評価を受けるに当たって、かなり負担があるとお話を聞いております。そういうことも考えまして、企業が環境情報を提供する際、どのような負担感があるか、このような調査も含めて行いたいと思っております。
 それから、環境と金融に関する懇談会の中で、開示の問題として有価証券報告書の記載に関することがございましたけれども、これについても、有価証券報告書に記載されている環境情報にはどのようなものがあるかを実際に調査して、行いたいとは考えております。
 そのほかには、シンポジウムとか意見交換会といったものについての諸経費と、あと、国民に対する環境を含めた金融教育も踏まえて、これは平成19年度、20年度、21年度に向けてですけれども、ガイドラインのようなもの、例えば「環境報告書の読み方」とか、そういうものをつくって公表できたらということで、今、予算要求を行っているところでございます。

○筑紫委員 今の環境省からの回答について、私から補足的に、私の知っていることをお話しさせていただいてよろしいでしょうか。
 私は、環境と金融に関する懇談会には呼ばれておりませんので、こちらの方で受託者責任についてどういう議論になったか詳しくは存じませんが、年金の運用における受託者責任の問題については、ほぼ受託者責任に反しないということで、結論はとっくの昔に出ております。一番最初は97年に、SRIの運用会社のカルバートがアメリカ労働省に対して、年金の運用におけるSRIのスクリーニングが受託者責任に反するかどうかレターを出しました。カルバートレターと呼ばれております。それについて労働省の方から出てきたのは「このようなSRIのスクリーニングをかけて環境配慮型かどうかをチェックして投資することが明らかにパフォーンスにネガティブだという証拠がない限り、普通の投資信託と同じです」ですから、このような投資をすることが運用におけるネガティブなものだという証拠がない限り、同じように扱っていいと言うことができまして、今やほとんどの巨大年金、公的な年金基金が、SRIというものが受託者責任に反するとは言っておりません。
 日本でも信託銀行さんの方で、日本の学者にも「受託者責任に反しない」という意見もありまして、その意見に沿って、ある信託銀行はこういうものは受託者責任に反しない、だから企業年金にSRIをプロモーションしていくのだということでやっております。
 それから、PRIというのは、世界じゅうの巨大な年金基金がこのESG─エンバイロメンタル、ソーシャル、ガバナンスというSRI的な部分を評価して投資することをエンカレッジするといいますか、国連としてそういうことを決議しているわけですが、もしそういったことが受託者責任に反するのであれば、このような巨大な年金で何百兆円ものお金がESGを加味して投資をするよということを国際的に言うわけはありません。
 それでもなお日本でこれを言い続ける人たちがいるのはなぜか。それは、私に言わせると、まだその人たちのビジネスになっていないからです。他のところが先行しているところに対して、それをエンカレッジするような流れになることをやめさせるために、そのようなことを言っているのだと私は見ております。
 ですから、こういったことに対していろいろな情報が環境省に入るときに、だれがそれを言っているのかということをちゃんと評価してほしい。受託者責任に反するという議論はあるけれども、受託者責任に反しないということでエンカレッジというか、既にビジネスをやっているところもあるわけですから、その両方を見ていただきたいということです。
 それから、前向きの評価を企業が受けたときに、パブリシティとか宣伝に使うのではないかといったお話が塩田委員からありましたが、私どもがSRIを97年から準備を含めて企業評価をしてきたこの10年間の実績では、むしろ企業はパブリシティといいますか、いい評価を得たということで、何かあったときに「いい評価を受けていたのにこんなことをして恥ずかしい」とか、「いい評価を受けていたんだからちゃんとやらねばいけない」ということで、むしろ悪いところが宣伝に使うというよりも、いいところがリスクマネジメントにしてしまうといいますか、「こういう評価をもらっているんだから頑張らなくては」とか「こんな評価をもらったのにこんなことが起こったのはなぜか」というのが、私どもが10年間の経験から見ている企業の態度です。

○塩田委員 筑紫委員から、私の疑問に対してお答えいただきまして、ありがとうございました。
 私の疑問の半分はそれでわかったんですけれども、要するに「これはSRI投資だ」とか「環境投資である」と言いさえすれば、それがそういうものになるというのも変なのではないかというのが私の疑問です。ですから、その部分は、例えば地球温暖化対策だとすると「年間1,000トンのCO2を減らす」と言えばそういうものに値するのか、それがもっと多くなければいけないのかとか、少しでもそれをやると言えばそれで環境投資になるのか、SRI投資になるのかという、その辺の量的なものはどうなっているのか、その辺もよくわからないので教えていただけたらと思います。

○筑紫委員 その辺のところは、結局、相対評価になるわけですね。そのセクターの中で、例えば少しやるところと全然やらないところと、もっとやるところと、では平均ではどうなのか、一番いいところとどれぐらい距離があるのか、そういった評価ができますので、たとえほんの少し、1万トン減らしましたと言えばそれでいいのかというのは、それでよくなります。それはつまり評価の問題ですね。それで「1万トン減らしたからOKだよ」というのではなくて、では、その競争相手はどれぐらい減らしているのかとか、いつから減らしているのか、平均はどうなのかということができますので、たとえ1万トンでもやって「SRIです」と言うことには、ないよりは意味があるというのが私どもの経験です。

○大塚委員 筑紫委員にお答えいただきまして、ありがとうございます。
 先ほど筑紫委員がおっしゃったように、パフォーマンス、ネガティブな証拠がない限りということで、カルバートレターということですが、それに類するものを、例えば環境省と金融庁と合わさってガイドラインのようなものをおつくりになるとか、そういうご予定はありませんか。もしこの辺に確信が持てないとすれば、それはわざとそういうふうに問題だと言っている人もいるのかもしれないけれども、本当に確信持てない人もあるいはいるかもしれないので、行政庁からそういうガイドラインを出すのも有効な手法かなと思いますけれども、いかがでしょうか。

○笠井環境経済課長 いろいろなご指摘ありがとうございました。
 ちょっと誤解を生じさせたようですが、環境と金融の懇談会をやったときに、ここにありますように、受託者責任の観点から確信できないと言われた方はありました。ただ、反するのではないかという結論になっているわけではなくて、報告においては「環境、社会、ガバナンスに取り組むことが企業の競争力強化につながるという考え方を普及・促進させることが重要である。その際、機関投資家の積極的な対応を促進する上で、運用会社においては社会的責任投資の運用で、引き続き収益性の確保にも努力することが必要であろう。なお、個々の企業年金においては、受託者責任の考え方の整理、見直しを進め、その年金の運用方針の中に社会的責任投資の視点を盛り込んでいくことが望ましい」と述べております。
 これを具体的にどうやるかという対応の中には、大塚委員のご指摘のようなこともあるかと思いますので、引き続き検討させていただきたいと思います。

○鈴木委員長 ありがとうございました。
 この点検は、現状をサーベイするというよりは、これを通じて将来どういう方向に持っていくのか、具体的には、先ほどの議論ですと、機関投資家、年金などをどういうふうにここへ持ち込んでいくのか、そのための具体的な計画をぜひ環境省の方で、いろいろな意味でのグッド・イグザンプルもあるようですし、その辺を施策として確立していく、そういうところをねらっていただければということだろうと思います。
 それでは、これに関してはよろしいでしょうか。
 いろいろご議論いただきまして、ありがとうございました。
 続きまして、次の点検分野についてのご報告をお願いします。
 「国際的枠組みやルールの形成等の国際的取組の推進」これは2つの調査事項がありますが、まず最初の「国際的な経済連携・地域統合と環境の融合」に関しましては、ヒアリング府省として環境省、外務省、経済産業省においでいただいております。

○弥元環境計画課長 それでは、私から概要の説明をさせていただきます。
 FTA─自由貿易協定、それからEPA─経済連携協定といったものに対して環境分野への配慮を組み込んでいくことにつきましては、特に東アジア地域ということで、ここでご質問をいただいておるわけでございますけれども、各省連携して取り組みを行っているところでございます。窓口は外務省でございますけれども、関係する省がそれぞれの視点から協定内容の検討を行っておるところでございます。
 その際、環境配慮の内容をどのように盛り込むかについても、それぞれの立場から検討しているところでございます。
 環境省、外務省、経済産業省、農林水産省それぞれから調査結果の回答のペーパーを出していただいておりますけれども、どういうことを盛り込んだという点につきましては、ほぼ同じような記述がなされております。
 平成18年度以降について見てみますと、特に東アジア地域について見てみますと、フィリピン、タイ、ブルネイで二国間協定の署名を行っております。こうした協定におきまして、環境保全に関する規定や環境協力の内容を盛り込むといったことなどによりまして、貿易を初めとする国際経済活動と環境保全との相互支持性を向上させるという取り組みを進めているところでございます。
 まず、フィリピンについてでございますけれども、協力章という章が立っておりまして、その中の10の協力分野のうちの1つにエネルギー及び環境を取り上げてございます。さらに政治宣言におきまして、エネルギー及び環境分野の行動計画として、CDM事業の促進等について協力するといったことのほか、有害固形廃棄物の管理における協力を検討することになっております。
 また、投資に関する章もございまして、そこでは、締約国は環境に関する措置を緩和することによって投資を奨励してはならない旨の規定を盛り込んでおりますし、そのほか物品の章につきましては、輸出入の環境規格適合メカニズムの適用について、フィリピンと日本の間の協力について規定しておるところでございます。
 それから、タイとの間の経済連携協定におきましては、協定に基づく関税撤廃により、日本からタイへの有害廃棄物の輸出が促進されるのではないかという懸念がタイ側の関係者の一部から表明されたことを受けまして、日タイの間のEPAが、いかなる意味においても日本国とタイ王国の間における有害廃棄物の不法取引を助長するものではないといったこと、及び有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約のもとでの権利及び義務などを再確認するといった外務大臣書簡を交換しているところでございます。
 さらに、ブルネイとの経済連携協定におきましては、エネルギーの章におきまして、エネルギー関連活動の有害な環境上の影響を最小化するように努めるといったことや、前文におきましては、経済的開発や環境保護等が持続可能な開発に関する相互に補強し合う構成要素であるといったことを確認するなど、環境への配慮を盛り込んでいるところでございます。
 また、EPAの署名のときに共同声明を出しまして、その中で、気候変動問題の重要性、環境保全とバランスのとれた持続可能な経済開発の重要性を確認するとともに、気候変動問題に対応するための日本の提案であります「美しい星50」についても言及しているところでございます。
 それから、b)東アジア地域の貿易と環境に関する連携枠組の検討状況、もう一段広い視野からどうだという質問でございますけれども、BIT─二国間投資協定の中で、環境規制を緩和することで投資を誘致しない、あるいは貿易を促進しない旨を規定しておるところでございまして、平成19年度、最近の例で言いますと、カンボジアとの間で署名に至っているところでございます。
 c)環境配慮の内在化のための課題と今後の方向。
 経済産業省の回答の中に、いろいろと分析、背景などについても書かれておりますけれども、共通の認識だと思いますが、FTAあるいはEPAにおいて環境に関する規定を盛り込む背景といたしましては、相手国において環境規制が守られなければ自国の産業が競争上不利になる。結果的に、それぞれ自国の産業を競争上有利にしようということで、環境規制の緩和合戦が起こってしまうと困るという懸念に対応するものということで、それぞれ環境あるいは国民の健康を犠牲にして貿易を進めることがないようにしようというように、環境の共通の価値として枠組みに組み込もうということで進めてきているものでございます。
 もう一つ、環境省のペーパーの中にも今後の課題として、どういうふうに進めていくかということが書かれております。
 最後のところですが、環境配慮を内在化させるための課題といたしまして、途上国の環境法制度の遵守を進めていかなければいけないということが挙げられております。途上国におきましては、環境法制度あるいは基準自体は先進国と比較しても遜色のないようなものでありましても、モニタリングの能力でありますとか、あるいはエンフォースメントといいますか、強制力でありますとか、インフラの設備が不足しているために、法制度がなかなか実効ある形で施行されていないといった状況がございます。貿易の自由化により投資が活発化した場合、環境が悪化することのないように、今後、法制度の内容と施行の充実及びインフラ設備の整備などが求められているものと考えておるところでございます。

○鈴木委員長 外務省、経済産業省の方から何か補足していただくことはございますか。
 では、委員の方々からご質問、ご意見をお願いします。

○木下委員 EPAとかFTA、ともすると物品の関税撤廃が焦点になるわけで、先ほどご説明いただいた2ページで大体推測はつくんですけれども、このEPAとかFTAで具体的な成果があればご説明願いたいと思います。このような協定を結んだ段階から具体的にこういうことが実現されたとか、そういうことがあれば教えていただきたいと思います。

○川上委員 既に一定の経済成長を遂げているアジアに対しては、一般論として、今後、環境面での協力が最大のテーマになるということは、だれもが認識していると思いますし、政府もそういう認識で、今回の、例えば安倍首相のインド訪問でも、環境配慮への言及が共同声明等に見られているのはご承知のとおりですし、そういうコンテキストでEPA等において、一般的な経済成長と環境との両立という点での言及がいろいろなされている。これは形式論、一般論としては全く正しい方向だと思います。
 しかし、それでは今後、日本がリーダーシップをとって環境配慮の内在化をどう実現していくのかという点での具体論が、もうちょっと明確になるべきではないか。途上国内での環境制度の改善といったようなことがテーマになるんだろうと思いますけれども、少なくとも私の途上国における経験では、一つの大きなポイントとして、一般論として、環境を司っている途上国側の省庁が非常に弱いということがあって、それを盛り立てるような方向性で、今後、日本政府としていろいろ努力する必要があるのではないかと強く感じるわけです。
 具体的に何をやるのかというと、いろいろなやり方があると思うんですが、日本は過去、膨大なODAを環境面に投入してきた。例えばインドネシア、タイ、中国等に環境センターまでつくって、それをずっと運営する協力も続けているといったこともあるわけですが、環境関連省のレベルを向上させるための努力を中心に置いて、今後とも大いに努力する必要があるのではないか。
 例えば、いろいろなODAの政策対話のコンテキストで、環境面での政策対話をもう少し高度なレベルで行って、それぞれの国の政策にそれが十分反映されるような、つまりODAをてこにして環境面での配慮が十分徹底するような配慮を日本側としても行っていく必要があるのではないか。
 それから、環境にはいろいろな分野があるわけですから、例えば環境省庁に対して多様な専門家を派遣して、機構をバックアップしていくといったようなきめの細かい方針をぜひ打ち立てて、内在化の実を上げていただきたいと感ずるわけです。

○和気委員 全く今のご意見に賛成でして、こういうFTAの中に環境項目を入れることについては、既にヨーロッパ、アメリカを通じて行われておりまして、その方向で日本も海外との協定締結に向けての交渉を戦略的に行う。
 これはこれでいいんですが、実は、ここでは貿易を中心とした議論が展開され、FTAそのものは貿易が対象なんですが、実はその背景に企業の国際化という、アジアのサプライチェーンが形成されていくことになります。そうしますと、FTAを結んで貿易はある程度自由になる中で、今度は企業の環境から見ると、パートナー─相手国が今後、環境規制に対して物すごく厳しくなるのか、このままでいくのかといった制度上のリスクもある。だとすると、むしろFTA、EPAを結ぶ中で、将来このパートナーにおいては環境規制はこの方向で行くんだということがある程度制度的に組み込まれると、長期スパンでいくところの直接投資の環境から見ると、制度リスクは低くて済むということもあり得るわけです。
 そういう意味で、ビジネスセクターにとって環境項目、あるいは環境に関する章を入れたFTAなりEPAを結ぶことで、どの程度将来に向けての制度リスクが下がるのかも含めて、そういうきめの細かい議論が恐らくもっと専門家レベル、1.5階建てぐらいの、全くインターガバメンタルでもないし全く民間ビジネスセクターレベルでもない、もう少し専門家会合をベースとしたフォーラムがいろいろな形で立ち上がっていく。その結果としての協定であってほしいと思いますので、インターガバメンタルでこういう締結交渉が行われている背後にどの程度の積み上げたフォーラムが展開されているのかというところまで、できれば点検していっていただきたいと思います。

○福川委員 これまでのご発言と絡むところがありますけれども、ここでEPA、FTAをやるということで、これは発足したばかりですから、まだ効果測定は難しいかもしれませんが、ただ、協定の中に文言があるだけでは意味がないので、これを本当に、バイの技術供与とか、その他ODAとか、技術協力などの形でどういうふうにこれを補完するかという実質のところが非常に大事だと思います。この協定の締結はいいんですけれども、この中をどうやって実のあるものにするかということを考えていただきたいということが1つ。
 2つ目には、バイもありますが、APECという機構があって、89年からいろいろ動いてはいるわけですけれども、いろいろやりながら、なかなか難しかったりして試行錯誤を繰り返していますが、このAPECというかなり広い地域をカバーしているものを、FTA、EPAがないところについて、どのように活用することができるかということです。
 3つ目にお尋ねしたいのは、技術移転。今、投資のお話もございましたけれども、投資も含めて、技術移転をどう加速するかということが実は非常に大事なので、EPA、FTAの枠内でどうやって技術移転を加速するか、この辺の方策をお考えであれば伺いたいと思います。

○早水環境協力室長 まず私からお答えできる範囲でお答えして、あと経産省、外務省から補足をいただくという形がよろしいかと思います。
 まず、木下委員からの、具体的な成果についての調査的なものですけれども、これは福川委員からもお話があったかと思いますが、特に環境についていろいろ検討されるFTA、EPAが出てきたのが最近のことでもありますので、目に見える成果はなかなか把握しにくいのかな、ということです。これから私ども、貿易と環境の関係の予算を持っておりますので、具体的な良い方の成果と、あと自由化によって何か悪いことが起きていないかということも含めた調査を、できる限りやっていったらいいのではないかと、内部では一応議論しているところでございますが、今のところ、まだ特段の調査はしておりません。これからの課題と考えております。
 それから、川上委員からご指摘がありました、具体的にこれを政策レベルに上げていったり、あるいは専門家ベースのフォーラム、制度的なバックアップをどんどんしていくという話ですけれども、ご指摘のあったように、例えば中国とかインドネシア等に研修センターをつくりまして、そこに環境省からも職員を派遣しております。要するに、単なる一般的な研修、日本にやってきて職員に研修してもらうだけではなくて、現地に技術者に加えて行政官が行って、制度づくりあるいは制度をどういうふうに運営していくかについて指導しておりまして、単発的ではなくて、継続的な環境面の制度の定着を図っているところでございます。
 それから、もう少し高いレベルでの政策対話ということですけれども、従来、例えば環境省では「エコアジア」というインフォーマルな大臣レベルのミーティングなどをやってきておりますけれども、最近は、例えば日中韓の環境大臣会合でありますとか、あるいは、先日も私自身も行ってまいりましたが、日本とモンゴルの間で、局長レベルですけれども、政策対話をするということで、具体的にどういった問題があって、どういった点を強力にしていくべきかということを環境省同士で議論する場もつくるように努力しております。そういった形で、系統的に行う努力をしております。
 従来、外務省が持たれている合同委員会のようなものもありますけれども、直接の環境省同士の対話にも力を入れていきたいと考えております。
 それから、和気委員のビジネス関係のお話は、よろしければ経済産業省の方でお答えいただければと思います。
 福川委員からのご質問については、最初にお答えしたとおり、まだ効果については具体的に把握しづらいところですが、今後、できる限り把握していきたいということでございます。
 それから、技術移転の加速につきましては、私どももJICA、JBICがやられているもの等を通して技術協力などはしているわけですけれども、まだ系統立ててというところまでできていないのが事実でございますので、そのあたり、今後の課題といたしたいと思っております。
 APECの関係は、できれば外務省からお答えいただければと思います。

○経済産業省 まず、木下委員からご指摘のありました、具体的な成果ですけれども、私どもは投資協定の観点から物を見ておりまして、特に、先ほど最初にご説明がありました環境規制を緩和することによって投資を促進しない、あるいは貿易を促進しないという規律が極めて重要だと思っております。
 ただ、これも先ほど説明がありましたけれども、今、日本が結んでいるEPAで既に発効しているものは、まだシンガポールとメキシコとマレーシアと3つしかなくて、そもそも発効しているEPAの経験自体が少ないという前提条件のもとで、さらに、我々はネガティブな記述をしている。「環境規制をリラックスすることによって投資を促進したりしない」といった、たがをはめる協定を結んでおりまして、今のシンガポール、メキシコ、マレーシアとの関係では、こういった環境規制を緩和するといった事例は認識しておりませんので、基本的には記述は効果を上げているのではないかと思いますが、それは具体的成果としては目に見えにくい、ネガティブな記述であるということかと思います。
 それから、川上委員からご指摘がありましたように、相手国の環境省のプレゼンスをどうやって高めるかというのは極めて重要な問題でして、特に私ども、今、経済連携協定の交渉として、特にインドとベトナムが環境問題を抱えている国として重要だと思いますが、実際、経済連携協定の交渉をしてみますと、相手国内における環境省のプレゼンスが高くなくて、交渉に出てこられないという実情がございます。
 例えば、ベトナムにはミニストリ・オブ・ナチュラル・リソース・アンド・エンバイロメント─MONREというところがあるわけですけれども、このベトナムの環境省は、実は日本とベトナムのEPAにおいて環境記述を盛り込みたいと言っていたんですけれども、交渉全体をベトナム側で取りまとめております商務省─ミニストリー・オブ・コマースがMONREが交渉に入ってくるのをシャットアウトしているような状態でして、当然交渉ポジションを考えてみますと、環境というのはどうしてもベトナムの方が守りに入らないといけないものですから、ベトナムの環境省が幾ら記述を設けたいと思っても、交渉全体を見るとベトナムの商務省がストップしてしまうという状態でして、いかに相手国の環境担当省庁を交渉に担ぎ出してくるかが極めて重要ですけれども、相手国の論理でなかなかうまくいかないのが実情でございます。
 インドとの関係でも、経済連携協定の交渉の中で環境について記述を持ち込みたいと日本の方から強く主張しているわけですけれども、インド側が、環境の交渉についてはマンデート─交渉権限がないとずっと主張していて、なかなか記述が持ち込めないような状態です。EPAの交渉というのは相手があるものでして、こちらで頑張ってもなかなかうまくいかないところがあるんですけれども、一生懸命努力はしているところでございます。
 それから、和気委員と福川委員がご指摘された、中身をどうするか、1.5階の専門家会合などをどうするかというのは、まさに経済連携協定の中に協力についての記述がございまして、今後、二国間の協力の中で、環境についても取り組みをしていくということが枠組みだけ決まっておりますので、それを今後の運用においてどうするかという、これからの取り組みになると思います。
 先ほどもちょっと申しましたけれども、まだ発効している協定も少なくて、これから発効していくEPA協定の中で、今後、具体的にどう取り組むかということが重要だと思っております。そういった環境関連の協力をする中で、相手国における環境関連のビジネスチャンスが生まれてくるのではないかと思っております。
 実際、例えばニュージーランドとタイが経済連携協定の中で環境チャプターを持っているわけですけれども、この協力部分のインブリメンテーション─執行に関しては、ものすごく個別具体的なワークショップを設けて、その中で新たなビジネスチャンスが生まれたという事例も聞いておりますので、ぜひそういう具体的な運用の面を、これから取り組んでいく必要があると思っております。
 もう一つ、福川委員がご指摘されたAPECの話を申し上げますと、特に今、環境でも結構取り組みがございます。
 まず1つは、APECのモデルメジャーというものがございまして、これはEPAの各チャプター、それは投資チャプターとか環境チャプター、競争チャプターなどのそれぞれのモデルを示そう、要項みたいなものをつくろうというところでして、この中でチリが環境チャプターを主導していて、結構まとまったものができつつあります。これが最終的に、今年採択されるかどうかわかりませんが、いずれにしても来年ぐらいには各チャプターの1つとして環境チャプターのモデルがAPECで示されるのではないかと思います。
 もう一つ、APECにおいてはアメリカが、リマニュファクチャード・グッズというのですけれども、再製造品の活用を促すというワークショップを結構やっております。具体的には、例えばキャタピラー社という建築機器をつくっているメーカーがありますが、大型エンジンの中古品を回収してきて、それを分解して、細かいピストンなど磨耗しているものをちょっと直したりして、また組み立てる。これを再製造品と言うわけですけれども、これを新品と同様に扱ってほしいといったワークショップをしています。
 これは、例えばトルコなどでは、中古品に対しては一律高い関税を課していたり、あるいは中古品を輸入禁止していたりとか、そういう事例が途上国には結構ありまして、もともと再製造品というのはリサイクル品なのであって新品と同じなんだから、新品と同じに扱ってくださいといったことをアメリカが特にスポンサーとなって、APECなどでワークショップをしている。そういう具体的な環境の取り組みがAPECでもなされているところでございます。

○外務省 経産省から割合詳しい説明がされましたので、私の方からは簡単に、補足的な説明をさせていただきます。
 EPAというのは経済統合を進めるツールでありますので、基本的に、環境という部分をこのような形で配慮して入れても、一定の限界があると我々としては認識しているところであります。
 例えば、EPAの協力章の中で、ODAにおいて、「環境を優先します」と環境を協力分野として入れておりますけれども、既存のODAの枠組の内で、先方政府がEPAというものに乗せてくる場合には、優先的にこれを考えましょうという性格のものであります。したがって、二国間のバイの関係での協力をどうするかという中で、環境のプロファイルを上げていかないと、やはりEPAの中でもプロファイルが上がっていかないということがあります。特に東アジア諸国との協力の関係では、ASEAN+3首脳会議の中でも話しておりますので、こういった経済連携協定を視野に置きながら、外務省としても、こういったアジアの国々との協力全体の中で、技術移転にしても、ODAを使うに当たっても配慮して、プロファイルを上げてやっていきたいと考えております。
 したがって、先ほど環境省からありましたけれども、いろいろな形の政策対話が有効に機能していくことで、経済連携協定での環境の取り扱いが機能していくのではないかと思っております。

○鈴木委員長 ありがとうございました。
 いろいろとご意見あるいはご質問があったわけですが、国内の側の環境に関するアジア戦略に関して、外務省、経産省、環境省で本当にそういう意味での体制づくりができているのかというあたりも、ちょっと気になるところなんですね。
 もちろん外との、バイであったりマルチであったり、いろいろな形で動いていくときに、大きな戦略をぜひどこかで考えていただく。環境省の中でも、「国際」というとすぐ地球局にいってしまうのはどうしてなのか、私もよくわからないところもあったり、そういう意味で、全体としての体制づくりも視野に入れていただければと思ったりいたします。

○川上委員 委員長が今、大変いい点をご指摘になりましたので、私もその点をもう一回強調させていただきたい。
 先ほど環境省の説明、それから経産省の説明を伺っても、途上国サイドにおいて縦割りが極めて明確に見られると。例えば環境省がハイレベルで、大臣レベルでやっておられる、それはそれでいいんですが、それは向こう側の環境省とやっておられるわけで、それがさっきの経産省の説明ですと、全体の政策に必ずしも結びついていない。私の経験でも、ほとんど結びついていないのではないか。私は2年ほど前に、ベトナムに環境協力の団長として行きましたけれども、そのときはそのときでしかるべきうまくいったのですが、さっきのお話を聞いていて、さらに愕然とするところがあって、途上国サイドでもそういう問題がある。
 それから今度は日本サイドで、今、委員長が指摘されたようなことが、日本政府全体の協力─私、さっきも言いましたけれども、環境協力というのはこれからアジアにおいて最も重要な協力になるわけですが、そのコンテキストで日本政府サイドの意思決定が十分、例えばODAならODAをてことして日本が物を言えるような体制になっているのかどうかといったことについて十分思いをいたしながら、これから環境政策を進めていただきたいというのが私の意見です。

○早水国際協力室長 ご指摘のとおり、我々も役所でございますので、どうしても省庁ごと、あるいは省の中で局ごとにいろいろ分かれたりすることもありますけれども、なるべく連携をとってやっていきたいということを考えております。
 鈴木委員長からご指摘がありましたけれども、国際問題は全部地球局が引き受けているわけではなくて、例えば生物多様性の話はちゃんと自然局でやっておりますので、我々が窓口でやる場合もありますし、原局の方でやる場合もあります。正直言うと、それはうまくいくケースもうまくいかないケースもありますけれども、これは各省との関係も同じで、連携しながらやっておりますけれども、うまくいっているかと言われると、必ずしもそうではない部分もあります。そのあたり、十分気をつけてやっていきたいと思っております。

○佐和委員 先ほど技術移転の話がございましたけれども、例のクールアース・フィフティの中で、安倍総理は革新的技術開発云々と。それはいいとして、要するに、そこまで明確には書いていませんけれども、特にすぐれた日本の省エネ技術を途上国に移転する。
 私が大ざっぱに計算してみたところ、それが完全になされれば世界全体のCO2の排出量が20%ぐらい削減できるはずなんですね。そのための資金メカニズムを構築すると総理はおっしゃっているんですが、例えば今、COP等で議論されていることで適応基金というのがございますね。カーボンクレジットの3%を税金のような形で取って、それを換金して適応基金にするというようなことが既に言われているわけですが、これはむしろアダプテーションの方の話でありまして、ミティゲーションの方で何かそういう国際的な資金メカニズムをつくるとすれば、どなたにお伺いすればいいのかわかりませんが、今、政府ではどんなことをお考えなのか、差し支えのない範囲で教えていただければと思います。

○早水国際協力室長 すみません、私、直接は担当しておりませんが、それが課題だということを局内で議論しているのは事実でございます。今、具体的には申し上げられませんけれども、「美しい星50」の中にも入っておりますので、非常に重要な課題とは認識しております。
 今日お話しできるのは、それまででございます。すみません。

○鈴木委員長 それでは、この調査事項に関しましては、これで終了させていただきます。
 どうもありがとうございました。
 最後の1件は、同じく「国際的枠組みやルールの形成等の国際的取組の推進」の中の「NGO/NPO等が東アジア地域等の環境管理能力の向上に果たしている役割」。
 これに関しましては、環境省からご説明をいただきます。

○早水国際協力室長 それでは、私からご説明させていただきます。
 資料2[2]の1ページでございますけれども、東アジア地域を中心として活動するNGO/NPO等の活動内容、成果その他につきまして、実は、この環境基本計画の指摘もありまして、昨年度ですが、東アジア地域における日本のNGO/NPOの活動状況についての調査を委託いたしまして、その状況を把握いたしました。その結果をもとにこのペーパーをまとめております。
 調査は、いろいろなデータベースを使って東アジア地域で環境関係で活動している団体を拾いまして、それが全体で154団体ということでございました。これは東南アジアも含めてでございますけれども、154団体にアンケート用紙あるいはメールなどで調査票を送りまして、回収したところ、54団体からペーパーでの回答がございました。さらにこのうち24団体についてはヒアリングも行いまして、まとめております。その要約が、このペーパーでございます。
 順次ご説明いたしますと、まず活動内容でございますけれども、森林保全、砂漠化防止に従事する団体が多いということで、特に北東アジアでは、砂漠が多いということもあって、半数がそれであったということです。そのほか大気、水、土壌、環境教育などありまして、またごみ問題、リサイクル、循環型社会、あるいは新エネの導入などの温暖化防止の活動もありました。
 活動の対象国で見ると、中国が全体の3分の1、その他、そこにあるような国でございます。
 活動の形態は、植林などの実践活動、知識の提供、普及、それから調査研究などということで、事業を通して住民の生活向上につながるような自主的活動を促す手法を採用したり、いろいろな言語を用いた環境情報サイトの提供、あるいは現地での人材育成などによって、地域社会でいろいろないい影響を与えているのではないかと考えられます。成果ということでは、そういうことかと思います。
 調査事項の2番目、政府や国際機関などによる取組との関係。
 これもアンケートの中で聞いておりますけれども、事業遂行に当たって連携している相手としては、主には同じNPOということでありまして、現地における実行業務、ノウハウ、技術面でのアドバイスあるいは資金協力、それから終了後の引き継ぎなど、いろいろなことがありますけれども、援助的なものからパートナー型のものまでケース・バイ・ケースの関係。
 それから、国際機関との連携あるいは現地の環境保護NGOと共同で、国際会議において政策提言を行っているというようなケースも一部には見られております。
 2ページにいきまして、連携に至るまでの経緯ですけれども、いろいろなやり方で自らアクセスしていくということでありますけれども、現地事務所の設置とか、専門家の派遣ができるとか、そういった体力のある団体以外は、現地と十分なコミュニケーションをとることがなかなか難しいと感じているところが多かったようでございます。
 今後の課題について、実際にアンケート、ヒアリングの中でも項目として聞いておりますし、全体の回答を分析した内容も踏まえますと、大きく言うと、課題は資金、人材といった組織基盤の問題と、それから、情報が足りないという問題の指摘が多かったということでございます。
 最初の資金、人材についてですけれども、多くの団体は、JICAあるいは環境省の地球環境基金などの助成金に頼っております。また、一部では、途上国の政府の協力が得られることもあるということでございます。しかし、そこにありますように、この資金というのは長期にわたって継続的に与え続けるということではない、やはり助成金という性質上、経常的に入るわけではないので、結局、安定的な資金がない、あるいは参加する人に対して高報酬を与えられないといったことがあって、そういった意味で、人材の確保が難しいという回答もあったわけでございます。
 2番目の、情報の不足という点につきましては、他の民間団体、行政、専門家等との情報交換を行えるツールが不足しているとか、言語の問題等もあって情報交換の促進がなかなか難しいといった回答がありました。
 そういうことで、今後の方向性として2点まとめておりますけれども、コミュニティレベルでの環境教育など現地での具体的な活動が期待されるNGO/NPOについては、助成制度とか環境保全活動の事例とか当該国の環境情報など、まず情報の提供をきちっとしていくことが大事かなと。同じように、国際会議での論点等、NGO/NPOがなかなか入手できない論点あるいはこれまでの経緯などに関する情報提供をする、それから意見交換など政府機関との交流を促進する、同じ分野のNGO/NPOとのネットワークの構築の働きかけなどを行う。こういった点で私どももまず努力していきたいということで、今のところ来年度予算についても、こういった情報の提供あるいは団体間のコミュニケーション等が円滑にできるようにということで、情報関係の支援をまずしていこうと考えております。
 ただ、一方で、[1]の資金・人材面についてどうなんだということですけれども、今のところはこれまでの資金のやり方、JICAあるいは地球環境基金などでの助成ということで、これ以上の資金は今は考えておりません。あと外務省の方にも資金があるようで、今のところは、現状以上の資金、新しい援助の形態は考えておりませんけれども、何かご意見等ございましたら、お伺いできればと思います。

○鈴木委員長 では、委員の方々からのご質問あるいはご意見をお願いします。

○永里委員 今のご説明で大変苦労がわかったんですが、EUがアフリカの環境管理能力の向上に果たしている役割とか、あるいはアメリカが中南米のNGO/NPO等に対してどういう働きかけとか、そういった調査資料があるかどうか。そうするとそれが参考になるのではないかと思いますので、そういう質問です。

○鳥井委員 この調査は多分、NGO/NPOが何をやっているかバクッと調べればいいというものではなくて、基本計画との絡みで点検しなければいけない話だと思うのですが、そうだとすると、国としてNGO/NPOに対して何を期待するのか、何が国レベルでできなくてNGOだったらできるのかということを明確にした上で、そういう活動が行われているか、行われていないか、行うとすると何が足りないのかを調べる必要があるのではないか。
 そして、国としてぜひそういうNGO/NPOに活動してほしいというなら、援助とか支援というようなけちな仕組みではなくて、国の業務を委託するというような格好でやるという手もあるのではないかという気がするのでありますが、その点ぜひ、なぜ調査しているのかを明確にして議論していただきたいと思います。

○川上委員 私も同じようなことを言いたかったんですけれども、基本的に、まずこれは前提として、環境面でのNGO/NPOが政府と並んでアジア等において今後とも十分活動していって、官民ともに環境協力の実を上げるべきである、上げてほしい、そのためにNGOをできれば育成するといったところを踏まえた問題提起なのだろうと私なりに理解しておりました。
 そのコンテキストで見ますと、まず、ここに調べられていることは、環境面が中心になっているわけですが、環境を含めた経済協力全体で見ますと、NGOの実態は、この程度のことだったら10年前あるいは20年前にもわかっていたことで、同じようなことをここに書いているにすぎないというのは、非常にディスアポインティングではないかと私は思います。
 問題は、そういう財政基盤が弱い、それから助成金にディペンドしていてなかなか存立規模も明確ではないというのが日本の協力に従事しているNGOの実態なわけですけれども、先ほど問題意識のところで述べられましたように、それを政府として抜本的に育てたいというなら、ここに今後の方向性として書いている情報の収集云々では全く足りないと思います。
 もうちょっと基本的に、鳥井委員もおっしゃいましたように抜本的なことをもっと考えるべきであって、例えばNGOの団体を通じて無償資金協力を実施するといったようなことを考える。それには、NGOの体力を強めるために、行政管理経費などもこれからある程度考えていくということで、もう少しNGOをいい意味で活用していくという強い方向性を出さない限り、いつまでたっても何も変わらないのではないかというのが私の感じでございます。
 例えば、それに税制上の優遇措置を加えるとか、いろいろなことが考えられるわけですけれども、そういうことを考えていかないで、ただ情報収集云々というのでは、ほとんど意味がないと私は思います。

○浅野委員 全く同じ意見を述べようと思っておりましたので、重なってしまうのですが、川上委員がご指摘されたことに基づいて、この点検項目をつくるときに、特に外務省に対しては、むしろ現地の公館にまで可能な限り調査の手を伸ばして、現場がどういうことを考えておられるか調べてほしいとお願いしたはずです。ところが、単に外務省の担当課から数字がパッと出てきただけで、こちらの要望には全く答えられていない。悉皆的に全部の公館に回答を寄越せなどと言う気は毛頭なかったけれども、一つでも二つでも現場の生の声が聞こえてくれば参考になるので、それはやってほしいという当小委員会の要望が、この回答では全くかなえられていない。
 残念なことに外務省は帰ってしまったから、今から追いかけてでも何とかお願いしたいと言いたかったのですが。それが1つです。
 もともとの発端は、既に総合政策部会で決めました今後の環境の国際的な取り組みについての政策方針の中で、もう既にほとんどのことを言っているわけです。川上委員にも加わっていただいて一生懸命議論したわけですけれども、特に方向性については、それも踏まえてコンパクトに基本計画で書いただけですから、それがまたそっくりここに写されているのでは、どうにもならない。室長は変わったばかりだから室長の責任を追及する気は毛頭ありませんけれども、これは最終的に部会に上げるときには、これではいかにも様になりませんので、もうちょっと丁寧に書いていただければと思います。
 それからもう一つ、これはどういう形で入れていいか自信がないので、余り無責任なことを言いたくないのですが、この種のNPO/NGOというのは、結構民間からのお金を集めておられるはずなんですね。そういうものが集めやすくなるような仕掛けづくりというのがあるはずだと思います。先ほど川上委員もおっしゃった税制上の優遇というようなことがあるのだろうと思われますので、これも関心時の中に入れてもいいのではないだろうかと考えます。
 私も、あちこちからの寄附の依頼を受けるのですが、こういう海外で活動しているNGO/NPOに対する寄附のうち、個人的に出しているものを思い起こしますと、残念ながら、環境関連は1つしかなくて、あとはほとんど医療関係です。だから環境関係のNGO、そういう意味では、やはり集金力が弱いのかなという気もしています。それはもともとのボディーが弱かったり、歴史が浅かったり、バックアップの支援の組織が弱かったりということが大きいからだろうと思いますけれども、この辺を何とかしていくことも必要ですから、国がお金を出すことに限度があるのはわかり切っていますけれども、「だから、もうできません」ではなくて、むしろ彼らがそれ以外のところからもっと上手にお金を集められるための支援をしてあげる。例えば、出したお金がどう使われるか怪しげでわからないみたいなところには、なかなかお金を出したくないものですから、ちゃんとした認証制度でもあって「これは環境省が認めているNPOですよ」というようなことだってあるのではないか。そういうのはNPOが嫌がるかもしれませんけれども、何か方法がありそうな気がするので、それも含めて今後の検討が必要ではないかと思います。

○早水国際協力室長 私からお答えするというよりも、今日いただいたご意見は、もう「ごもっともです」と申し上げるしかないと思います。
 私ども、この環境基本計画の前にも「今後の国際環境協力のあり方について」ということで中環審から答申をいただいていまして、その中で、多様な主体による環境協力の推進ということで、NGO/NPOと連携してということも入っておりますので、今日ご指摘のご意見を踏まえまして、今後、十分検討したいと思っております。

○鈴木委員長 1つは、日本のNGO/NPOが他の国の非常に巨大なものに比べて圧倒的に脆弱であるということとか、ここでは国際的枠組みの取組の推進ですから、先ほど川上委員からありましたように、国の環境に関するアジア戦略の中で、NGO/NPOに一体何をしょってもらうのかというあたりの概念の整理とか、何かもう少し欲しいですよね。将来一体どうするか、そういうものがないと、具体的にNGO/NPOという形で活動しようと思っている方々も道が閉ざされてしまう。
 そういうこともあって、国内の資金だけではなくて、UNDPとかいろいろなところにお金は、ある意味ではそういうNGO/NPOからの申請を待っているところもありますし、そういうところでも戦えるようなNGO/NPOをどうやって育てていって、それを環境政策の力としてどういうふうに使っていくかという、多分、国際的枠組みを超えたNGO/NPO育成戦略が必要なのかなと。環境パートナーシッププラザとか、いろいろやっておられる、それを将来どうされるのか、この辺は西尾局長の話題なのかもしれませんが、ぜひ環境省としてお考えいただかなければいけないのかなと思います。

○西尾総合環境政策局長 多分、私どもでやっているNGO/NPOの育成全体にかかわることだと思っているんですけれども、特に国際的枠組みの方は、基本的な制度等は外務省なり他のボディーに頼らざるを得ないところがたくさんあって、そういうところに環境省が出ていこうとすると、割に個別のもの、あるいは個別のツールを使って出ていって、そこはそれなりにやってきて、蓄積はしているんでしょうけれども、だからといって、それを束ねて大きな改革というのか、ドラスティックな変革にどうやってつなげるのかというところの絵が、まだうまく描けていないんだと思っております。
 それは実は国内も同じでありまして、幾つか地方の事務所にパートナーシッププラザをつくったり、あるいはそれをまた地方でやっていこうということで、大分そういう足腰のところは広げてきたのですけれども、やればやるほど、ある程度付き合いのある団体が増えるんですけれども、今度その団体をそれぞれ個別にバックアップしろということをやっていますけれども、では、自分の能力とお金の範囲でバックアップできるところだけして、できないところはできないというのでは何も次にいかないわけですね。
 すみません、答えがなくて恐縮なのですけれども、まさしくそこをどういうふうにすると増殖的にやれるのかというのが、これからのというか、ずっと前から「これから」と言っていて申しわけないんですけれども、これからまたきちんと考えていかなければいかんと思っています。
 今日はそのぐらいしか、きちんと整理して言えることはありませんので、よろしくお願いいたします。

○鈴木委員長 先ほど浅野委員からあったことですが、外務省の方の、これはNGOの外務省がやっている草の根だろうと思いますが、東アジア各地それぞれの大使館から上がってくる草の根もあるはずなのですね。そういうところは向こうから上げてこなければいけない。だから、日本NGOだけではなくて向こう側のNGOと日本のNGOが連携したようなものもあるはずですし、JICAも多分、草の根的なお金を持ってやっているはずなので、これは余りおざなりな調査のように見えますから、もうちょっと詳しくと言うと変ですが、外務省としては何を考えているのかぐらいのことも含めて、問い合わせをしていただくと、今後、そういう申請が上がっていったときに通りやすくなる可能性もあるかもしれませんから、その辺をお願いします。それでは、本日予定されておりますのは、ただいままでの点検結果についてのご審議になりますが、特に先生方からよろしいでしょうか。
 それでは、事務局の方から今後の日程等についてお願いいたします。

○弥元環境計画課長 次回の日程でございますけれども、9月13日の木曜日、1時から3時、経済産業省別館の会議室で行うことになります。
 議題といたしましては、この点検小委員会の審議報告及び指標、その他となろうかと思っております。

○鈴木委員長 以上をもちまして本日の点検小委員会を終了させていただきます。
 どうもありがとうございました。

午後4時01分 閉会