中央環境審議会総合政策部会  環境研究・技術開発推進戦略専門委員会(第8回)  会議録

日時

平成21年12月25日(金)13:00~14:58

場所

経済産業省別館 1042号会議室

議題

  1. (1)環境研究・環境技術開発の推進戦略の改定について

配付資料

出席者

委員:
安井至委員長、鈴木基之委員、岡田光正委員、中杉修身委員、西岡秀三委員、山口耕二委員
環境省:
総合環境政策局 白石局長、三好大臣官審議官、川上総務課長、秦環境研究技術室長、東調整係長、坂井主査、環境保健部 早水環境安全課長

議事

【秦室長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会総合政策部会環境研究・技術開発推進戦略専門委員会を開催いたします。
 本日は、大塚委員、指宿委員、藤田委員、三村委員、森本委員からご欠席の旨、お伺いをいたしております。
 それでは、まず初めに総合環境政策局長の白石から、ご挨拶を申し上げます。

【白石局長】 白石でございます。年末のお忙しいところご参集いただきまして本当にありがとうございます。本日は、今から3年前、平成18年3月にご答申いただきました環境研究・環境技術開発の推進戦略につきまして新たな戦略の審議を開始いただくという趣旨で開催をお願いいたしました。
 3年前以降、ご案内のように地球温暖化問題、国内外の取り組みが活発化するなど、決して一国だけではいろいろな研究、技術開発が済まないような情勢になっておりますし、また鳩山政権のもとでは25%削減という野心的な目標を掲げて、あらゆる政策手段を動員して取り組みを進めるということになっております。
 また、こういう研究環境を取り巻く状況というのは、一つの温暖化問題にとどまりませず、資源の循環の話であるとか、あるいは生物多様性の話であるとか、環境問題全般にわたって国境を越えた話、あるいは従来よりさらにいろいろな認識、研究を深めていかなければならないという分野につきましては、理科系・文化系という分け方をあえてするならば、理科系に限らず、それをどうやってシステムとして応用していくかという、いわば文化系的なことも含めて、いろいろ頑張っていかなければならないということになってきているという認識があります。
 その一方で、ご案内のように、事業仕分けの中では、何で一番を目指さなければいけないのか等、様々な認識もまた取りざたされる中で、環境関係の技術、あるいは研究というものも、きちんと旗を立てて、ある意味で大風呂敷を広げて、「こういうためにいるのだ」ということを打ち出さないと、守ってばかりではどんどん削られていくばかりではないかという危機意識も私どもは持っているところでございます。
 時あたかも、総合科学技術会議におきましても、現在の第三期の科学技術基本計画の対象期間が来年度までということになります。したがって、年明けになりますと新たな計画の策定に向けた議論が本格化するというふうに考えておりまして、そういった中にも、環境関係の研究あるいは技術開発の問題意識というのを逆にこちらから積極的に提言していくというふうなことも必要なのではないかと思います。
 その意味では、一つ環境という分野にとどまらず広い観点から先生方のご意見を賜りまして、世の中に訴える戦略というものをつくっていただければと考えておりますので、どうぞご遠慮なく、我々に対しまして強いご意見を賜ればというふうに考えておる次第でございます。
 煽ってばかりで恐縮でございますが、そのような問題認識でやらせていただこうと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

【秦室長】 それでは、議事に入ります前に、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。(資料確認)
 それでは、以後の進行につきまして、安井委員長の方にお願いを申し上げます。

【安井委員長】 皆様、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。お忙しい先生方で、こんな時期しか開けませんで、その上、しかも半分強しかいないという状況でございます。委員の先生方には、平成18年のときに大変お世話になった先生方ばかりでございますので、何となく昔に戻ったような気がいたしますが、状況はかなり流動的であることは白石局長がおっしゃったとおりでございます。
 温暖化対策を初めとする環境エネルギー技術というのは、今、社会ニーズが非常に高いので、尻馬に乗るというわけではございませんが、本当に必要な研究を見極めていこうということになるかと思っております。
 それでは、早速議事に入りたいと思いますが、今日の議事は、お手元にございますように一つだけでございます。進め方といたしましては、配付資料1、2、3、4という形で進めてまいりますが、1は周辺状況でございますので、これはさっと終わりまして、資料2が方向性ということで、ご自由な議論を含めて、全体時間の半分くらいをここで割きたいと思っています。資料3が重点課題のイメージでございまして、大体全体の時間の4分の1くらいがここにかかるのかなというような感じもいたしております。資料4はスケジュールでございますので、これはまたスッと終わると思うのですが、そのような形で、資料を一つずつ審議してまいりたいと思います。
 それでは、事務局から、まず資料1のご説明をいただきたいと思います。

【坂井主査】 (資料1を説明)

【安井委員長】 ありがとうございました。何かご質問等はございますでしょうか。
 最後のスケジュールとも絡むものですから、今、来年の5月くらいにということでご説明があったわけでございますが、実を言うと、そのあたりがよくわからないのです。ですから、かなり柔軟にやっていかなければいけないし、かつ、遅れてしまってはいけないということかと思います。基本計画の第4期はきちんとできると思いますけれども、その辺のスケジュールがまだ余りよくわかっていないような気がいたしますので、そのあたりを含めて鈴木先生、何かご存じですか。

【鈴木委員】 推進戦略の改定は大体4年ごとという感じなのですか。何とリンクしているのでしたっけ。

【秦室長】 基本的におおむね5年ごということでやってまいったのですが、このところの環境に関する動きというのは非常に大きいものがございますので、そろそろ見直しの時期ではないかということで、1年前倒しでやらせていただきたいと思います。

【安井委員長】 それもさることながら、第3期基本計画が終わってしまうので、それともタイミングをある程度合わせないといけないということがあるだろうと思うのです。

【白石局長】 1年早めた背景としては、今、委員長おっしゃられたようなことを私どもは考えました。

【鈴木委員】 そうすると、要するに今度の推進戦略は6年間くらいは使えるものにするということですか。また前倒しをして3年間にするのですか。

【秦室長】 基本的には5年ということで考えております。

【鈴木委員】 環境基本計画は6年ですよね。だから、5年というのは科学技術基本計画の方を考えているのですか。

【安井委員長】 そうです。科学技術基本計画の方と合わせる。

【鈴木委員】 科学技術基本計画というのは余り役に立たないでしょう。

【安井委員長】 過去の歴史から言えばそうなのですけど、まさに、しかし、どういう方向になるかはよくわからない。ひょっとすると国家戦略の一部として位置づけられて、それこそゴリゴリ行く可能性もなきにしもあらずで、そうなると、かなりの影響ですよね。ですから周辺状況が定かでないところで、何となくという方向性でもって船出を始めるしかないというような。

【鈴木委員】 私が伺ったのは、オーディエンスというか、だれに読んでもらうのかという、そこをある程度明確にしておいた方がいいと思うのです。

【安井委員長】 オーディエンスは、恐らく、いろんな意味があるかと思いますけれども、一つは恐らく総合科学技術会議、もしくはそれのグレードアップバージョンの、次のどういう組織になるかわかりませんけれども、そういうところに向けての提案と、あとは研究コミュニティになるのかな。そんなことかと思います。オーディエンスはいろいろ意識をしていかなければいけないと思います。
 ほかに何かございますか。
 ですから、具体的にいけばいくほど、なかなか難しくなっていくかもしれないので、とにかく柔軟にいけるような方向性でというような気がしています。
 よろしければ、それでは資料2のご説明をいただきたいと思いますけれども、またよろしくお願いします。

【坂井主査】(資料2を説明)

【安井委員長】 ありがとうございました。今ご説明いただきました資料2につきまして、本日のこれが一番重要議題かなと思っておりますが、こういった方向性1から4までございますが、何か足りないとか、あるいはもう少し表現を強化するとか、むしろ雑談的でもよろしいのでございますけれども、何かご指摘をご自由にいただければと思います。

【岡田委員】 質問ですけれども、資料2で1から最後の4までありますが、この内容は、一番最初の1ページに書いてある現戦略のフォローアップ、その他もろもろを全部合わせたものというふうになっているのですか。その辺の関連を教えていただけますか。

【坂井主査】 現戦略のフォローアップや、その他環境基本計画の点検などで、重ねて指摘されているようなものが幾つかございますので、そういったものを特に抜き出しております。また、そうではないものでも、例えば、戦略フォローアップで強く指摘されているものはあわせて抜き出すようにしております。

【岡田委員】 ということは、少なくともこの四つのどれかに書かれていることが、ここに整理されていると。漏れることなく挙がっていると考えていいですね。

【坂井主査】 特に強く指摘をしていただいたものについて漏れなく挙げるようにしておりますが、もし漏れと言いますか、こういう点についても踏まえるべきというものがございましたら、ぜひご指摘をいただければと思います。

【岡田委員】 はい。

【山口委員】 今の質問に関係しまして、私からも質問があります。冒頭、今回の新戦略では重点課題を三つやりますと。それから4領域をやられますということが書いてあるので、具体的にこの3と4が、このペーパーでどこになるのか。3課題というのが重点課題三つ程度。「程度」を抜くと、重点課題が三つ、領域が四つ。まず、三つの課題はどれになるのですか。

【秦室長】 資料3の裏面に、後でまたご説明申し上げようと思っておりまして。

【鈴木委員】 今からのこの数を決めてしまうと、何のために集まったのかわからないのではないですか。

【秦室長】 ここに4領域あるかと思いますけれども、それぞれ個別の部分については3課題ということです。さらに、領域が重なっている部分がございますので、その部分について5課題程度ということで考えております。それで、数については、もちろんこれで決まりだということでは決してなくて、それくらいの勢いで絞り込むことを考えたい、前回の51というのはさすがに多かったのではないかなということで、絞り込んでいく方向で考えたいということです。

【山口委員】 ただ、この4領域というのは、全然新鮮味がないわけですよね。従来どおりの4領域になるわけですね。したがって、その中でどれを今回、注力するのかというのが多少あった方がメリハリがきいていいのかなという気がしましたものですから。

【鈴木委員】 最初の議論に戻るようで申し訳ないのですが、この推進戦略がどこまでカバーするのか。要するに、将来5年間で何をやりましょうという話なのか、もう少し、ここに書いてあるように国全体の環境研究戦略みたいなものに、きちんと手をつけようとするのか。ここに他省庁云々などということも書いてあるのですけれども、では例えば、経産省がNEDOに、今度、低炭素技術開発みたいな巨額なお金を使い始めるわけでしょう。ああいうものに、どういうふうに、ここからきっちりと注文をつけるようなことを考えるのか。あるいは長期の見通しについても、これは今までのですよね。それで、超長期ビジョンの検討についてと言っても、だれも読んでいないでしょう。
 それと、2050年で80%以上削減するという、そういう話に向かってというようなことと、2020年に25%というのは大分ストーリーが違うわけですよね。そういう長期的なものを見据えた上で、一体この5年で何をするのかというようなときに、これまでの長期見通しでは私は余り役に立たないのではないかという気もするのです。その辺のところもどういうふうに考えるのか。
 それから、戦略というのはそういうものかもしれないのですが、過去の戦略において問題だったのは重点領域をきちんと挙げたけれども、それぞれの研究の進行は、確かにそれぞれのところで評価を受けて進行のチェックがされているけれども、戦略そのものが本当に正しかったのかどうかというような、そういう評価というのは余りされていないのです。戦略で目指したことがどこまで達成できたというような話は。そういうようなことまで、ここに考えていく必要があるのか。どういうふうにこの戦略を位置づけるのか。
 私としては、こういうような推進戦略をオールジャパンの環境研究、環境技術開発の推進戦略くらいの気持ちできっちりとつくっていくというようなことがあった方がいいと思うけれども。何となく矮小化して、環境省の中でもどうするかという、そういう話で終わってしまうと、さみしいですよね。ここに整理して、いろいろ大事なことをいっぱい書いていただいているけれども、これはこれでもちろん大切ですけれども。

【秦室長】 それで、資料2の冒頭のところに、「新戦略は」というところなのですけれども、基礎的なものから応用的なものまで幅広く俯瞰し、環境政策推進の動力とすることにより云々ということで、環境省がやる研究だけという世界ではなくて、やはりもっと広く環境に資するような研究あるいは成果についてはアンテナを高くして、情報収集等をやりながら環境政策の推進に資するものはどんどん取り込んでいくといったようなスタンスで、先ほど局長からも「大風呂敷」というような挨拶がございましたけれども、そういったイメージでやっていくべきものなのかなというふうに私どもとしては考えております。
 それから、長期ビジョンにつきまして、とりあえず、今日の資料の中に載せたものは、もちろん基本のものではございますけれども、同時並行で、例えば20年に25%削減、ロードマップとか、こういったものも順次検討に入ってまいりますので、そういった成果を見ながら戦略の方も中身を考えていきたいというふうに考えております。

【中杉委員】 今、鈴木先生が言われたところで、私も同じようなイメージを持ったのは、2ページ目の3(1)のところで、これを見ると「環境省として注力すべき課題に重点化しつつ、他の主体とも十分な連携を行う」ということで、あくまでも環境省の殻の中で行って、ほかのところとは連携をするという書き方をしているので、それでいいのですかというのが鈴木先生が言われた話だろうというふうに思うのです。それが一つ。
 それから、もう一つは、1ページの1のところで、「5年後に解決・実現されているべき課題」というと、これをどう読むかなんですけれども、課題が解決できていなければいけないという話になると超長期の研究というのはできないのです。例えば、今やっているエコチル調査というのは十何年かかって結果が出てくるような話で、あれは5年後に何ができているのかという話で、そのときまでにはこういうことをやっているという目標はあるだろうけれども、課題が実現されていると言えるのか。そういう意味で、ほかの自然共生の話もそうでしょうし、生物多様性の問題だって、そういう息の長い研究がありますよね。そういうものは、これをそのまま読んでしまうと曲解をしてしまうということになるかもしれないけれども、そういうものはこの中に外れるというふうに読めてしまう。そこも気になるなと。

【秦室長】 ありがとうございます。3(1)の部分につきましては、資料2の冒頭に書いてある文章のところと若干矛盾するような点もあろうかと思いますので、我々の思いとしては冒頭のところにあるとおりでございます。そこら辺は表現の工夫をしたいと思います。

【白石局長】 むしろ、そういうご意見を聞かせていただいて直していただきたいので、これに沿って議論してこの枠の中で決めてくださいということではございませんので、よろしくお願いいたします。

【秦室長】 それと、1の約5年後にということでございます。確かに、この表現ですと「5年後に完全解決、完全実現している」というふうに読まれるべきものでも確かにございません。ご指摘のエコチル調査等もございますので、そこら辺は、また表現の工夫をさせていただければというふうに思います。

【白石局長】 表現ではなくて、発想・思想を決めていただいてそれを表現するので、表現の方から入らないで結構なのです。従来ですと、「ここがうちの範囲」というふうに箱の中を決めて、箱庭をきれいにするというふうなことに、とかくなりがちでございますけれども、私どもの認識は、その箱の内と外と区別することの意味が余りなくなって、むしろ、区別しない方がいろんな戦略を書きやすい、考えやすいのではないかというふうな気持ちがございますので、あえてそこは取り払っていただいてご議論していただく方がいいかと思います。その上で、役所でございますから、自分の中心領域だとこういうことをまず役割分担としてやっていくということは出てこようかと思います。その中で、例えば、とりあえず5年後にターゲットを持ってするとこういうことになる。ただし、5年後ではとても解決のつかないことはどの領域でもあるから、そういうことは方向だけ決めておけば一々成果を求めなくていいではないかとか、そういうふうな形で皆様のご意見が出てくれば、それでよろしいかと思っております。

【中杉委員】 そういう意味で言えば、1のところは、長期的な課題については20年先のことを書いてもしようがないので、まさにロードマップで、少なくとも5年後くらいにはどこまで行っているのかというのを明確にする必要があるだろう。そういうふうな整理の仕方だろうと思いますし。

【鈴木委員】 そういう意味では、ここは「長期的・戦略的対応」ではなくて、「長期的研究の進行管理」みたいな話で、最初にこれが出てくるからおかしくなってしまうのでしょうね。

【中杉委員】 それから、3(1)の方は、我が国として、あるいは地球全体で何を解明していかなければいけないかという中で、では、日本では何をやるので、その中でこういうことが必要で、その中で環境省としては何をやるのかという、そういうふうな整理があっていかないと、環境省として何をやるといって周りを見ながらでは全体が見えてこないです。

【白石局長】 そういうことでよろしいと思います。

【西岡委員】 題が「改定の方向性」となっています。鈴木先生がおっしゃったように、最初に枠組みみたいなところがずっと書かれていますが、我々は一体技術の方向とその中身をどこまでやるのか、これではわかりにくい。今、ロードマップという話にもなりましたが、環境省の他の部署でやろうとしており、私も担当するような話になっている。いずれにしても、もっともっと具体的にやっていかなければいけない。
 私が一番言いたいのは、今は環境を念頭に置いて大きく社会が変わろうとしているのですが、そのようなことについて一言も書いていない。そこが物足りない。ひょっとしたらこれまでやってきたことをすっかり見直さなければいけない、というような話になりつつあるのに、さみしいなという感じがいたします。今まで環境省が行っていたように地球環境の時代になったのだから、相当のリーダーシップを持って、その変貌を主導してゆく。その中で、うちがやるのはここだというような話になっていくような書き方にしてもらいたい、方法論ばかりかかれてもつまらない。
 それから二つ目。その中身といたしまして、特に技術の面に関しましては、ほかの担当省庁がございまして、そちらの方で個別の技術というのは、かなりいろんなものをあげてきている。それらを全体として持続可能な社会、あるいは脱温暖化も循環型もあると思いますけれども、そういう方向に向けて技術を開発し適用していくということが環境省の大切な仕事になったと。そうすると、もう既に話がございましたけれども、個別の技術の新しい開発というものだけではなくて、既存の技術をどう組み合わせてシステム的に社会の中に入れていくかということが非常に大切になる。これは一部既に書かれている話ではあります。
 それから、これまではどちらかというと、エネルギーの供給側、あるいは技術の供給側が主導して社会を動かしてきたわけですけれども、実際に、何のためにそれがいるのかと考えてみたら、生活者の福利厚生のためにやるわけです。そういう面から、これからは生活者主体の環境であったりする環境になる。そういう面からの取り組み、ボトムアップ的にこの問題を取り上げていく必要もある。

【秦室長】 ありがとうございます。確かに環境変動によって社会が変わるという、そういう視点は非常に根本的で大事だと思います。そういった思想的な部分につきましても、できるだけ触れるようにしていきたいというふうに思います。
 それから、システム化の部分が非常に重要だというご指摘は、まさにそのとおりだと思っております。例えば、25%削減を進めるにしても、社会に実装して爆発的に普及させていかないとどうにも達成できないということですので、そこの部分は非常に力を入れていく必要があるのではないかというふうに思っております。

【山口委員】 私はこう思うのです。この戦略の考え方、骨組みをしっかりとする必要があるかなと。私は、鈴木先生もおっしゃったように、まず最初に環境にかかわる研究開発の大風呂敷、オールジャパンでの考え方をきっちり述べる。というのは、環境にかかわる方針をつくられているのは、まさに環境省さんなのです。ですから、環境という切り口で、研究と開発のオールジャパンでの理念なり、思想なり、戦略をまず大風呂敷で書く。これは、当然、主管の部分が文科省とか経産省とか国交省、農水とあってもいいと思うのです。まず、大風呂敷で骨組みを書く。その視点で1を見ると余りにさみしいなという感じがするのです。まず、大風呂敷で環境にかかわる研究開発についての理念、思想、戦略、場合によっては戦術まで述べてもいいと思っているのです。
 2以降は、その中で環境省としてどういうことをやるのかとした方が読む方も非常にわかりやすいのかなと。というのは、冒頭の基礎的なものから応用的なものまで幅広く戦略を述べる。これは大風呂敷の部分なのです。しかし、環境省さんとしてやることは、基礎部分というのは文科省の方が強いわけです。文科省さんがまさに基礎の部分はおやりになっているわけだから、したがって、環境省さんとしては応用の部分にするのか、基礎の部分で文科省なり、他の省庁がやっていないところを補完するのか、そういう大風呂敷と、その中で環境省としての役割、戦略というのを書かれた方が、予算もつきやすいと思うし、具体的な落とし込みもやりいいのではないかなと思います。
 それから、具体的な中で、3(3)は、実は中杉先生もいつもこれをおっしゃっているのです。地方における環境研究体制というのは、確かに私も文科省のある委員をやっているのですけれども、極めて衰退化してしまっているのです。これは、地方興し、地方の人材を活用するという視点でも、私は非常に大事だと思っているのです。では、文科省ができるかというと、文科省さんは大学横並びがあるので、なかなか地方に入り込みにくい。それから、経産省はまさに産業の構造そのものですから、ほとんどが中央に集中している。そういう意味では、今回のこの戦略の中で、地方の研究体制を地域興し、地域の人材活用、地域の大学を活用するという視点で、強く踏み込んでいただけるといいのかなという気がいたしました。具体的な話で恐縮です。

【秦室長】 ご指摘ありがとうございます。

【中杉委員】 今、山口委員がおっしゃった一番最後のところですけれども、これは、私は地方の環境研究というところで考えているのですけれども、本当になくなっていきつつあるのが現実で、この前も水・大気局で公害防止取り組み促進の検討をやっている中でも、報告書でも書いたのです。でも、今までと同じようなことを書いてもしようがない。本当に、本気になって力を入れないと、どんどんどんどんなくなっていくという状態になるというのです。ここのところは、本当に単にこんな強化を図る程度の表現では、とても追いつかないだろうと。これは、環境省が本当に全体としてどう考えるのか。真剣に考えないと、本当に地方の環境研究所というのは、統合されるか、なくなっていくか、そんな状況にあると思います。今度はもう少ししっかり書き込んでいく必要があるだろうというふうに思います。

【秦室長】 地環研の話につきましても、我々も大変重要な課題だというふうに認識をしておりまして、今年度中に地環研の今後のあり方等についても報告書を取りまとめたいというふうに思っておりますし、また推進戦略の中でも国の研究所と地方レベルの研究。例えば、温暖化の話でいきますと適用策の部分です。例えば、1℃温度が上がったら何々県の植生だとか農業だとかいろいろありますけれども、どんな影響が及ぶのか、どんな対策を打つべきか。恐らく、そういうのは地環研にしかできないことだと思いますので、そういった面も含めまして、ぜひとも地環研の強化につきましては認識を持って取り組んでいきたいというふうに思っております。

【西岡委員】 ずっと国立環境研究所や地方環境研究所と一緒にいろんなセミナーを開いたりしてやってきて、非常にその件については頑張ってきたつもりなのですけれども、今、中杉さんがおっしゃったように、とてももたなくなってきたと思います、優秀な研究所が幾つかございますから、それは別といたしまして。
 大学の方は地方に対するサービスをもっと強めなければいけないという話は5年、10年前から出ていて、そちらを核にするようなことを十分考えていくべき。それでないと形は幾ら保持できても、中身は動かない。地環研の存在を長引かせることよりも、本当に画期的な地域の環境をよくするという立場から、再編成することも提案の中に入れていかないとだめなぐらいだと思います。今までずっといろいろと見てきた中では非常に、そういう面で危機感を持っています。

【鈴木委員】 先ほど西岡先生がおっしゃったこととダブるところもあるのですけれども、最初に1のところで、「持続可能な社会とはどういうものかという議論はもうしない。それは、もうどこかに任せよう」ということですが、今、一番大事なのは、2020年頃というポスト京都や2050年に向けて社会の仕組みをどうするのかという、本当に国の根本的な議論をどこかでしなければいけないのです。それは戦略室あたりでしてくれればいいのだけれども、そんな状況ではないでしょう。
 ですから、環境省だけでできるものではないのだけれども、やはり具体的な持続可能な将来の社会像、エネルギー、CO2の排出量を25%まで削減して再生可能エネルギーをどうして、原子力をどう使ったとしたらどういう社会になって、そこで我々はどういうふうに生きていかなければいけないというようなところを、具体的な姿を描いて、そこへ向かう研究をきっちりと始めるということが、私は大事だと思うのです。それは、「25%に対する対策はどこかで考えています」、「80%へのロードマップはどこかで考えています」というのではなくて、ここでオール環境省としても、きっちりと考えてもいいのではないかと思うのです。
 だから、地球環境であれ、廃棄物であれ、環境経済もあるわけでしょう。みんなここでオール環境省として私はそこが一番大事なところではないかと。それに付随して環境経済はどういうふうに考えていくのか。あるいは地球環境の推進費はどう使っていくのかという、そういうグランドデザインをしないといけない。当面の課題は確かに、いっぱいあります。それはそれで安全性の問題などでも当面の課題はいっぱいあるのだけれども、それはそれでやりながら、将来を考える問題としては、そこの、まさに今、社会の転換期にある舵を早くどこがきちんと示していくのか。そういう意味では、この辺の果たすべき役割というのは大きいのではないかと思うのです。「5年間でできることは」というのではなくて、どこかに向けて進んでいく。そのために「5年でここまで達成しましょう」という、そういう長期的戦略的対応というのは、私はまさにそういうことを言っているのだろうと思うのですけれども。その辺をやらなければいけないのではないかと思うのです。

【安井委員長】 おっしゃるとおり、皆様に大体同じようなご意見をいただくのは大体予想どおりで、多分、事務局も予想はしていたけれどもどうしようと思っているのではないかと思うのですけれども。
 実際問題、ここでの次の推進戦略というものは、恐らく、間違いなくオール環境省で書くのです。ところが、なかなかそこは事務局が苦労されているところでもあって、要するに総合環境政策としてこれを取り組むというのは姿勢として重要であると皆さんおっしゃっているのです。ですから、それに関しては、私は放っておいてもそうなるから余り心配していないのですけれども、委員に聞けば、皆さん同じことをおっしゃって、多分そっちに行ってしまいます。それは、余り事務局として制御しないで、それでその勢いをうまく使っていただくことかなというような気がします。何をやっても世の中にはブレーキがかかる部分というのは、ないわけではないという感じでございますが、今お話をいろいろ伺ったところで、方向性はそんな方になるだろうと。放っておいても、制御しようとしてもなるだろう。むしろ、それが望ましい方向なのかなというふうな気がいたします。
 そんなことでございますし、今、私が幾つか申し上げたかったことは、皆さんが大体おっしゃってくださったのですが、次にご説明いただく資料3の裏の絵のように、これは妥協点だったのだろうと思うのでありますが、要するに、個別1、個別2、個別3、個別4というものをつくらざるを得ないということは、ある種の事務局妥協案だったのだろうと思いますが、この辺は、先ほどの山口委員のお話ではありませんけれども、場合によっては「3課題とは何だ」という話、「3課題×4領域とは何だ」という話になるのかなという気もしますので。そこは、また後で整合性をとっていただくのか、とっていただかないのか、お考えいただくことになるのではないかと想像します。
 ということで、こういった方向性だと言いつつも、いろいろと注文いただきましたことは、もっと包括的、総合的、長期的に、ターゲットを一方向へ定めようという話のようでございますし、ほかの省庁と環境省のスタンスというのをもう一遍、議論する方がいいのかなという気もするのですが。
 鈴木先生とずっと環境研究をやってきたときにも、環境研究というのは、基本的に問題解決だろう、大きな社会の道筋を定めて問題を解決することなのだろうなというお話でございます。それにつながるような基礎科学は文科省がやると。それから、そういう方向性である技術が重要だということになったら、最後の商品化みたいなところはNEDOがやるということだろうとは思いますけれども、その問題解決の道筋みたいなものを全体として責任を持って書くのは環境省以外ないというくらいの気迫でいかなければいかんということだろうと思います。というような感想を述べていてもしようがないのですけれども。

【山口委員】 確かに、安井先生がおっしゃるように基礎部分と応用部分の間、今はどちらかというと、基礎と応用の部分が、うまく1本筋が通りにくくなっているのです。そこの接着剤的な役割というのは、確かに環境省さんはニュートラルな省だから、よろしいのかもわからないですね。

【安井委員長】 接着剤というよりも、もっと中串がずっと太い方がいいですよね。

【山口委員】 そうですね。

【安井委員長】 太い串をぐんと通すみたいな感じでいけるのが環境省の役割かなという気がしますけれども、そのくらいのつもりで頑張っていただかないとという気がいたします。

【鈴木委員】 私は問題解決の時代は終わったと思っているのです。

【安井委員長】 そうですが、個別の問題はありますよね。

【鈴木委員】 むしろ、いかにビジョンを設定するかというのが今、問われていて。

【安井委員長】 それが問題解決の手法だと思うのですけれども。

【鈴木委員】 ビジョンがいかにこれからの動きを誘導できるのか、ビジョン先行に変わらないと、起こった問題を解決しましょうなどと言っていたら、いつまでたっても昔の環境省ですよね。

【安井委員長】 それは個別問題と言えばそうですけれども、ここに書かれているように、例えば「持続可能な社会の構築に向けて」という、これも問題、課題ではないですか。ある意味で解決しないといけない課題。

【鈴木委員】 そのビジョンができていないのに問題も発生しようがない。

【安井委員長】 でも明らかに持続不能な社会であることは間違いないではないですか。

【鈴木委員】 問題が山ほどあって、それを一つ一つつぶしていたら、持続可能になるかと言ったら、そうではないでしょう。

【安井委員長】 それはそうだと思うのです。ですから、先生がおっしゃったのは課題解決の方法の一つであることは間違いがないと思うのですけれども。

【白石局長】 私の冒頭の挨拶で申し上げましたように、余り環境省という枠にとらわれるとフルーツフルな答えも出て来ないのだろうなと思っておりまして、そういう意味では、まさに今日ご参集の委員の先生方が異口同音におっしゃっておられるように、もう少し幅広く考えるのが戦略だろうというのはおっしゃるとおりだというふうに思います。
 西岡先生の言葉を借りれば、技術の開発だけではなく、「適用」というおっしゃり方を確かされたと思うのですけれども、そういうシステムとしてどう使うか。それが、問題が発生したから、それを個別に解決していくという発想ではなくて、こういう持続可能な社会をつくっていこうという方向があって、そのためには、どういう手順で物事を解決していくのだろう、あるいは、課題に取り組んでいくのだろうという、前向き思考の形で物事を考えようというのも、そのとおりだと思います。また、冒頭に私が申し上げましたように、そういうものがあってこそ、国全体の科学技術の戦略の中にも物申していくことができるのだろうというふうに思っております。役人なものですから、何となくきれいに整理をする、課題というのはこういうことについては忘れずに議論しましょうというふうなことをすると、何となくこぢんまりと、まとまった形でのたたき台を提示してしまいましたが、まさに、先生方がみな口をそろえておっしゃられるように、戦略的な考え方、骨組みというところから行こうと。もちろん、いい意味で役所がこれから取り組まなければならないことなので、その意味でも、例えばターゲットの通過点としての、例えば5年後なら5年後はこういうふうなことになっていて、将来の戦略なり方向からも離れていないよねとか、いろいろなところで、ピンどめをしなければならない議論というのはあると思いますが、まさに今日から、大体4月、5月くらいをイメージしているのですがその頃までにご議論をいただくのは、本当に骨太な、私の言葉で言えば大風呂敷のことをご議論いただかないと、役に立つものにならないと思っております。また、逆にその中で、では例えば、地環研をどうするのだろうというふうなことを議論するわけでございますけれども、役所としては、何となく47全部助けられる絵が描けないかというふうなことを、ついつい考えてはしまうのですけれども、そうなったときに、では47を例えば全部救えるのか、それとも一定のクライテリアを求めて援助もして、しかし地方の時代でございますので、そのクライテリアについて「うちはもういいや」というふうな県が出てきたときにそれは集約していくのかというようなことなどもご議論いただければというふうに思っております。

【安井委員長】 大風呂敷から各論まで、いろいろとやるという。

【白石局長】 いろいろと盛りだくさんで。

【岡田委員】 そうすると、大風呂敷というかオールジャパンを考えていく場合、そのベースとなる資料というのは、今ここにあるだけでいいのか、もう少しあり得るのですか。

【白石局長】 あり得ると思います。

【岡田委員】 そうすると、それをもとにもう一度構築し直すということになりますね。要するに、ゼロから大枠をここで議論をしていたら多分間に合わないと思うし、本当はすべきでしょうけれども、それを探してくる。
 あと一つ、確か間違っていなければ、現戦略のフォローアップ自身が、環境省だけにとどまっていないですよね。ほかの省庁の結果を、ご都合的にというと悪いけれども、合うところだけピックアップしてやっていますよという作業を、確か私はした記憶があります。それ自身がここに書いていなくて、ほかの省庁がやっているようなところがどうなっているかわからなくなっている。非常にわかりにくくする原因だと思うのです。そういう意味では、ぜひほかの省庁も入れていただいた方がいいと思うし、極端に言えば、ほかの省庁の環境研究、もしくは技術開発関連の予算の方針について、環境省がヒアリングするようなことはあり得ないのですか。

【鈴木委員】 推進戦略を例えば閣議決定できるようなものにすれば、それができるわけですよね。

【岡田委員】 それをしないと。例えば、いい例かどうかわかりませんが、有明・八代では、あそこでやっている国土交通省、農水省はみんな何をやっているか、幾らかけてやっているかを全部ヒアリングしているのです。もちろん、あの法律が中途半端になっていますから権力はなくなりましたが、やると。そうすると、各省庁さんはかなり一生懸命準備してきます。それがいいかどうかわかりませんが、たまたま、これを広げるのだったら、そういう可能性もあるかなということで。

【鈴木委員】 それを、今は、総合科学技術会議の環境PTみたいなものが、本来はその役割を持つと。ところが、山口先生もよくご存じのとおり、形式的に何かみんなうまく行っているみたいな話で終わるという。どうしたらいいのですか、これを。

【山口委員】 一つよろしいですか。今のに関係して、大風呂敷を広げるのだけれども、そのもとになる部分というのがナイ……て、一番上位の部分というのが。すると、幾らその政権が変わったとはいえ、ここの資料2の一番冒頭に三つポツがございますね。今年の12月に、鈴木先生はいらっしゃいますけれども、第三次環境基本計画の点検が提言されている。それから、二つ目に、6月に総合科学技術会議で科学技術基本計画のフォローアップが行われている。それで、三つ目に新しい資源配分の方針が出されている。これは政権が変わったからチャラとするのか、それはないと思うのです、基本的には。ですから、この三つのポツのところで、どういうことが謳われている、それを環境研究・環境技術という視点でどういう戦略をオールジャパンでつくるのか、そういうストーリーがあれば、非常にわかりやすいのかなと思うのです。ですから、確かにあくまでここは環境技術の戦略を立てるところでございますので、その上位というのは、この三つのポツになるのではないですか。環境基本計画、それから資源配分。そういう流れがあると非常にわかりやすくなるような気がします。

【秦室長】 これらが、まさに推進戦略の上位になるという理解のもと、参考資料の方にも環境基本計画の点検や資源配分の指針等付けさせていただいておりますけれども、そういったものも踏まえて資料2の方は作成をさせていただいているということではあります。

【山口委員】 それが、そういうふうに流れがわかれば、鈴木先生がおっしゃるように、確かにオールジャパンで考えているなということがわかるのではないですか。

【秦室長】 はい。

【山口委員】 何か断片的になり過ぎてしまって。

【鈴木委員】 もう一つは、この一番最後のところに書かれている、「成果について国民へのわかりやすい指針」とか、「国民の意識を把握し」とか、いつも枕詞ではこういうことが書かれているのだけれども、実質的に何の成果・効果も上がっていないのです。環境省の一番強いところは国民直結なのです。推進戦略も、前回の推進戦略が国民の1%も目を通したとは思われないです。見たって全然おもしろくも何ともない。だから、それを一般国民を巻き込んで推進戦略をつくり、そしてそれの進行管理、進行状況も国民から見えるような、そういう意識もあって、51課題では多すぎるのでもう少し構造化して減らして、わかりやすくしようというのが意図ではないかと思うのだけれども。その辺も含めて、つくる段階から一般国民ともう少し、パブコメを求めるくらいではだめなのでしょうね、例えば研究者総出で、学会ですよ。環境科学会とか、そういうところをもっとどんどん使うとか。それで、一般の人が「なるほど環境省がオールジャパンの環境研究に対して、こういう戦略をつくっているのだな」ということを認識してもらうだけでも、ほかの省庁はそれを意識せざるを得なくなるでしょう。

【秦室長】 ありがとうございます。大変ありがたいご指摘だと思います。
 まさに、4(2)を書いた意図というのは、例の事業仕分けで、国民の皆さんに理解してもらうというのがいかに大切であるかというのを改めて実感したというところから来ておりますので、そういったところの戦略も含めまして、この推進戦略の中には位置づけていけたらいいというふうに思っています。ありがとうございます。

【安井委員長】 大分、議論が進んだように思うのでございますけれども、次の議題は資料3ですが、それも関係が深いので聞いてみようかと思いますが。また、どうも最初から白紙に戻されてしまう可能性もありますので、ぜひご説明をお願いします。

【東係長】(資料3を説明。また、欠席の大塚委員からのコメントを紹介。)

【安井委員長】 ありがとうございました。大塚先生のご意見を含めてご紹介いただきました。何かご意見ございますか。

【中杉委員】 私の絡むところで、「安全・安心」のところを「安全」にした。これは、横断する課題をより明確に示すというが、どこがどう明確になっているのかなというのがよくわからない。「安全と安心」と言ったときに、いわゆる住民と科学技術のギャップというのが環境基本計画の中で出てきている話だけれども、それであれば、そんなに差はないのだろうという認識なのですが、「安心」の中に一つあるのは、不確実性みたいな話が入ってきているのです。不確実性をどうとらえるかというところで、そういうものを十分踏まえた上でという意味で、今はわかっていることはこうだけれども、まだまだ今までの経験でわからないことがたくさんありますという、そういうものをどう取り込むかということで「安心」というのが入っているのだろうと私は解釈しているので。「安全」と言ってしまう、その説明がもう少し必要だと思うのです。これは、よほどうまく説明しないと、これは何なのかということになって、ここの環境研究・技術開発推進戦略の中ではこういうふうに言ったというのが、例えば、第四次環境基本計画のところにはね返ってくる可能性がある。そこら辺のところを十分注意して考えておく必要がある。これは何を意味しているのかということを。

【鈴木委員】 「安全」を「安心」に変えればいいのでしょう。

【中杉委員】 「安全・安心」としておけば、今までので何となくわかっているというような話になるけれども、変えるときには、きちんと丁寧に説明しないと。

【安井委員長】 実を言いますと、「安心」を外そうよと言ったのは、この私なのですけれども、それは結局、ここの研究、もしくは研究は関わるかもしれないけれども技術開発でもって「安心」というのはかなり心理的な要因が強い要素ゆえに、その直接のターゲットとするにはかなり難しい。だから、本来、「安全と信頼」かなという気がするのです。

【中杉委員】 例えば、エコチル調査というのは、本当に安全を確保するための調査かという感じがあって。あれは、ある意味では「安心」をとっているのではないかというとらえ方も。

【鈴木委員】 「安心」と言えば、「安全」も入るのでしょう。

【安井委員長】 「安心」にとって「安全」というのは最大の条件ですよね。

【鈴木委員】 「安心が確保される」でいいのでしょう。

【安井委員長】 いや、それはだけどサイエンスではないでしょう、「安心」は。

【鈴木委員】 サイエンスでしょう。

【安井委員長】 何がサイエンスと言えるかというのは。

【鈴木委員】 この四つをイーブンで書くというのは、私は、どうもイメージがよくないのです。社会というのは[1]、[2]、[3]がある意味で三角形であって、その下にテトラポットなのです。そういう意味で、21世紀戦略のときも「安心・安全」というのはすべてに共通するとした。あるいは、人に近いところだから持続可能な社会以前の問題なのです。

【山口委員】 私も個別[4]のところは、実はかなり違和感を感じながら聞いていて。「確保」という言葉があるもので、「安全・安心」は別にしまして、「安全が確保される社会」と書かれてしまうと、今はそんなに不安全なのかなと、私などは短絡人間なもので思ってしまう。むしろ、ですから安井先生がおっしゃった「安全と信頼が高まる社会」とかだったら、非常にわかりやすいのかなと。
 すると、そういう視点で緑色のところと黄色を見るとまた違うなと。むしろ、一つは、先ほどの鈴木先生のお話ではございませんけれども、国民目線で考えたときに「安全と信頼」ということを確保しようと思うと、市民とのコミュニケーション、情報の公開、この辺がサイエンスの世界でも大事になってくるのではないかなという気がするのです。ですから[4]のタイトルとここに書かれているのが、「高効率ごみ発電」と言われてしまうと、何の話かなと。

【秦室長】 そこだけ解説をさせてください。ごみ発電をする際に、これは迷惑施設と一般に思われているものですから反対運動が起きる。そういった中で、NOxとかHClとかを基準値の10分の1にしてくれといったような要望が強く出されることがございます。そういった処理をしますと発電効率がどうしても下がってしまうというような問題。

【山口委員】 そういう意味ですか。

【秦室長】 説明不足で誠に申し訳なかったのですけれども、そういった意味で、トレードオフの関係に出てきてしまうものが中にあるものですから、それで提示をさせていただいたのです。

【山口委員】 それは環境基準との関係からすると、環境基準に近い値になっているわけですよね、今は。

【秦室長】 今はそうですね。

【山口委員】 ですから、となると、それを余り言ってしまうと、環境基準のあり方にまで遡及せざるを得なくなってしまうのではないですか。今言われたように、今の焼却施設からそんなに・・・

【安井委員長】 多分、10分の1にしてくれと言われても困るよねという話なのです。

【山口委員】 なるほど。

【中杉委員】 それは、まさにそこの住民と、その施設との地域の個別の契約の話で、環境基準というのはここまで保てばいいよ、それで絶対安全が確保できている、というのは、これは必ずしも言えないわけです。

【安井委員長】 「絶対安全」などは、ないですから。

【中杉委員】 ないです。だから、それはお互いの中で、10分の1までというのも、お互いが合意すればそれはそれで成り立っている。社会一般に、全体に求めるのは環境基準だけという話で、そういう整理なのです。

【岡田委員】 そういうことを議論する場合、例えば、ここだけで議論するのではなくて、よくわかりませんが、参考資料4の第三次環境基本計画の進捗状況云々という、今年の12月の資料の中にも、環境にかかわる戦略重点科学技術と11個書いてあるわけです。これを四つにまとめたのか。エネルギー分野にかかわる戦略重点科学技術と全く違うものがあって、これはどういう関係になっているのですか。要は、ここで個人的に私はこれが重要だというのは、もちろん勝手に申し上げることはできるのですが、別の方がおっしゃると別の意見をおっしゃるし、そうすると、ここがプライオリティを持って決めるという決断だったらそれもいいのですが、常識に考えて中環審、もしくは何かほかのところにオーソリティーがあるとしたら、そことの整合性を考えていかないととても大変で、むしろそちらにセレクションの責任は持たせて、そのセレクションした中をどう進めるかというのを考えるのが、ここの仕事かなと思ったものですから、その辺はどうなっていますか。

【秦室長】 もちろんおっしゃるとおりでございます。たまたまここに書かせていただいたのは、あくまでこれは例示ということで。

【岡田委員】 例示ですか。

【秦室長】 これをこのまま決めるということではございません。

【白石局長】 したがって、今、お話に出たように、[4]の部分というのは、[1]、[2]、[3]と違う、全体にかかわることなのではないかというご指摘で、先生方がそういうことだねということになれば、またこの絵はつくり直して、そういう形で説明をするようにしていきたい。

【中杉委員】 ただ、今は4領域、過去というか、この4領域はそういう整理の仕方ではない。単純に[1]、[2]、[3]があって、[4]があるという認識でもないと思うのです。完璧に上と下の関係でもない。そこをどういうふうに。

【白石局長】 どうやって二次元であらわすかが難しいのですけど。

【中杉委員】 確かに全体で言うと、西岡先生に非常に似たことを言われたのですけれども、地球温暖化のリスクを研究するというのは、なかなか難しいのです。本来であれば全体のリスクをどうするか。資料3の1ページの参考のところにライフスタイルとあるのですけれども、脱温暖化社会のところにあるけれども、本来、脱温暖化社会だけではなくて循環のところにもあるし、自然共生のところにもあるし、それから安全・安心のところにもあって、全部を統合したライフスタイルという研究が本来なければいけない。これこそ一番、全領域横断的な研究かなというふうに思うのです。
 そういうふうなところで見たときに、そういう考え方でいくと、それを受けたものは、さっき議論された下にあるものはそれかもしれない。持続可能型の社会の構造というのはどんなのか、そのときのライフスタイルはどうなのかというのは、確かに横断的な研究としてあるのだけれども、ここで書いてある「安全」というのは、すっぽりそこにおさまるかというと違う部分がある。それをどう整理するか。

【早水課長】 よろしいですか。私、環境安全課で化学物質を担当していますが、その前は大気のところにいましたので、ちょうどこの個別[4]の安全の部分をここ2年ほど担当しております。一時、この三つの輪と安全の輪は別で、全体のベースだという話も出かかったことがあるのですけれども、担当している原課として嫌だったのは、ベースだということにして話が薄まってしまうことでした。全体に温暖化とリサイクルと自然共生の三つが前面に出て、「安全・安心」はある意味で過ぎてしまったというか、当然やっていなければいけない部分であって重点課題ではないみたいな言われ方になるのは嫌だったので、きちんとやっていかなければいけないということで一つの分野として立てていただきたいと、事務局には原課からお願いしておりました。確かに、全体にかかる基本的な部分であるということは、そういう認識かもしれませんけれども、それで薄まるのは嫌だったのでということです。

【鈴木委員】 むしろ、「安全・安心」というのは、欲望の何段階説で言えば一番基本なのです。上向きに「持続可能な社会」があるとしたら、一番下に守るべきものとして「安全・安心」があるのでしょう。だから、それが上の三つと同じレベルに並んでしまったら却って薄まってしまって、その程度でいいのかという、そういう感じになってしまうわけですよね。

【早水課長】 そうですよね。

【中杉委員】 確かに、早水さんが言ったように「安全・安心」のところは、一応は保たれていて、表向きは問題がないようになっている。ただ、そうでありながら、いろいろな問題が少しこのごろ吹き出しているので、大気の方も水の方も、いわゆる公害問題についてどう管理していくかというのが再度問題になり始めている。
 それと、まだ公害問題でも手をつけられていないものが、どんどん世の中変わっていっているからわからない部分があってそれを押さえなければいけないという意味で、そういう見方をすれば、鈴木先生がおっしゃるように、ベースだよと言われたらそのとおりだろうと思いますけれども。

【西岡委員】 国立環境研究所で前の中期計画を考えていたとき、この四つがそれぞれ、センターあるいはグループということで重要な課題としての取り組みをまとめた組織にしました。しかしながら、「環境の安全性」のところはたしかに一つのセンターにしているのですけれども、そこは化学物質対策に目がいきすぎてしまった。その部署は環境のセーフティすべてを評価する非常に重要な頭脳的部分なのですが、具体的に何かやるとなるとあるとしても化学物質になってしまうという。
 しかし、今や生物の絶滅の危惧、あるいは温暖化リスク、資源の不足というような問題とを通じて横断的に環境から来るリスクの評価を確立するというのは非常に重要になっている。今の議論から言いますと、やはり「安全が確保される社会」というのを、もう少し広げた概念で、ベーシックなものとして存在するべきだというぐあいに思っている次第でございます。

【中杉委員】 それは、例えばイメージ図で書かれたところの[1]から[4]の横断的領域というところで、ここにまさにリスク論が入っていて、西岡先生が言われるようにリスク論の話だとか、それと、私が言ったライフスタイルみたいな話が、そこで検討されるのだろう。それはこの[4]の中に全部入れ込んでしまうのかという、そこの議論が一つあると思うのです。そうなると少し違うような感じがいたします。

【鈴木委員】 [4]は別に外したって全領域横断はあっていいわけでしょう。別に[4]の中にそれを押し込めなくても。

【中杉委員】 そうだと思います。

【安井委員長】 そのあたりは、実を言うといろんな見方があって、また原課もいろいろと都合があってのことで。

【鈴木委員】 原課の力関係で決まるものなのですか。

【安井委員長】 鈴木先生がぶっ壊すと言えばぶっ壊せるだろう。最初のオリジナルのアイデアは実を言うと、さっき鈴木先生がおっしゃったのと同じ格好だったのですけれども、いろいろ経緯を経て、今の現状はこうなっています。

【岡田委員】 普通の人の感覚からすれば、「持続可能な社会」というのは、恐らく「安心な社会」だと思うのです。地球温暖化が心配だとか。

【安井委員長】 そうですよね。

【岡田委員】 だから、「安全・安心の社会」が「持続可能な社会」の上にあってもいいのではないかと。そういう感覚の人の方が僕は多いのではないかと思うのです。

【鈴木委員】 「安心」は上にあって、「安全」は下。

【岡田委員】 そうかもしれない。

【鈴木委員】 そういう認識だと思うのです。

【岡田委員】 だから、みんな一生懸命、「省エネしましょう」とか、将来のためにやるのではないかと僕は思うのですけれども。不安を持っているのでしょう。だから、いろいろ省エネ云々というのを、みんな手伝ってくれるのだと思うのだけれども。

【安井委員長】 おっしゃるとおりだと。

【秦室長】 安心の話なのですけれども、もともと「安全・安心」というのは、どちらかというと、環境の世界での概念というより、むしろ人間社会はこうあるべきだという概念だという気がしていて、それを環境に当てはめてきた際に、自然共生の部分と必ずしも相入れない点もあるのではないだろうかと。例えば、我々は安心するために、治水を一生懸命やりますが、その影響で滅んでしまう生物がいるかもしれないといったようなことも考え得るので、そういった意味では、「安心」というのはあくまで人間目線で見たものなのかなと。もちろん、動物に心がないとは言いませんが、仮に心があったとして、動物の心を安心させるというのもひょっとするとあるのかもしれない。そういったものを考えていくと、今回、領域横断的な部分というのを考える際に「安心」というところの整理の仕方は非常に難しいなというのを感じたのも、また事実でございまして、そういった面も含めて、ここは「安全」ということで1本といいますか、「安全」ということで客観的な部分を整理する。「安全」というのは少なくとも人間にとっても生物にとっても恐らく同じ尺度であろうということで、「安全」という言葉のみにしてはどうだろうかという思いも、実は一方であったわけでございます。

【中杉委員】 しょせん人間と生物はイーブンに考えることができないのです。我々は人間なのですから。

【岡田委員】 人間の都合ですよ。何せ「共生」というのは、あくまでも人間様のご都合だと。

【中杉委員】 言わざるをどうしても得ない部分があって、だから、これは「安全」という言葉が何で、「安全・安心」というような言葉が何なのだということをきちんと説明して書かないと、ここで書いたような「包含する課題を明確に示す名称として」といって、ぽんと書いてしまうと、何だという話になってしまう。もう少しそこら辺のところを、もし変えるにしても、きちんとこの「安全」というのが何を意味しているのか。

【岡田委員】 これは第四次の環境基本計画の議論の中にはないのですか、安全とか。

【安井委員長】 これからなのですよね。

【白石局長】 環境基本法があり、それをもとにして環境基本計画があるので、そちらの方が要するにフォーマルなものとしてある。今回やろうとしている戦略は、今もここで議論したのですけれども、その先を行く形で今回つくっていただくのかなと。だから、上にあるのではない。

【岡田委員】 そうですか。

【白石局長】 基本法があり、基本計画があるという体系をもとにして戦略をつくっていただくのだけれども、時期のずれとか、いろんなことがあるので、今回の戦略というのは、次の第四次のことを議論するときにも、こういうふうなことを今、考えましたというものをつくっておいた方がいいのだろうなということです。

【岡田委員】 わかりました。

【鈴木委員】 「持続可能な社会形成推進基本法」とか何かができていって、そのために環境省が、フランスみたいに持続可能性省と変わっていくときに、どういう姿になるかをここに想定しておけばいいんですか。

【白石局長】 最初に大風呂敷と私が申し上げたのは、今あるそういう政策の体系を飛び越えた議論をしていただいても構いませんということなのです。どこかで折り合いをつけなければならないのが役人のさがでございますけれども、議論を最初からこの範囲で設定してやりましょうということではなくということでございます。

【安井委員長】 もう一つの要素は、この「戦略」というのは、誰のための戦略か。最終的には、もちろん国民に云々だけれども、そのプレイヤーは誰かと言われると研究者と技術開発をやる人間、あるいは政策をやる人間ですよね。だから、それにとって「安心」というのは、すごい先のターゲットではあり得るのだけれども、当面は「安全」かなという気もするのですけれども。

【鈴木委員】 これだけ警備が厳しくなっても「安心」の問題。

【白石局長】 もう一度私ども「安全」と「安心」について整理してみなければならないと思うのですけれども、私みたいな文化系の人間にとってみると「安全」というのは、やや科学的な概念で、「安心」というのは社会の心理的なものも含めたイメージはあります。

【早水課長】 あと、「安全・安心」を必要に高邁なというか、広い意味で考えて、リスクとかそういう意味で言うと、先ほど西岡先生がおっしゃったような絶滅の話とか、生物多様性の話とか、あるいは温暖化の話とか結びついたリスクというのは当然あると思うのですけれども、要するに、いわゆるpollution controlあるいは化学物質対策という旧来からやっている、ほかと余り関係がないといいますか、そこの部分の分野というのを一つ必ず確保しないといけないという意味があったものですから。当然、ほかのリスクに伴うリスクというのはあるのだけれども、ベーシックなpollution control部分というのを、ぜひ忘れないようにしないといけないというイメージがあったということだけ申し上げておきたいと思います。

【安井委員長】 それはおっしゃるとおりで、それは先ほど中杉先生がおっしゃったように、今のところこれまで何年間か適当にうまくというか、上手にコントロールされていたことも事実ではあると思うのですけれども、しかし今後問題が全くないというわけではもちろんないし。

【早水課長】 まだ、いろいろ指摘もされていますので。

【安井委員長】 汚染とかいろんなものを含めて。

【中杉委員】 そこをやるのが本当に安全を確保するためなのか、安心を確保するためなのかというのは、よくわからないなというところがあって、それを含めて安全だよという説明をしていかないと、やはりいけないのかなと。もしそういうふうに絞るなら。

【白石局長】 いずれにしろ、今日で結論が出るものではないのですけれども、このあたりは、今後、重点課題をどのようにグルーピングするかということにも深くかかわってくることなので、私どももいろんな資料をまたご提供したりさせていただいて、また引き続きご議論いただければと思います。

【安井委員長】 今日、数の議論というのをするには余りにも未熟なのですけれども、とりあえず、このイメージ図に書かれていること、すなわち個別分野が、今、「安全」の立ち位置は少し不明として、[1]、[2]、[3]、[4]とあって、それぞれ個別のものと、それからほかのものとの包含をする部分と、それから全体という3種類のレイヤーに分けるという考え方そのものはよろしいですか。

【鈴木委員】 結果としてそうなるということでいいでしょう。

【安井委員長】 そういう方向で検討するのが合理的かということも含めて。

【鈴木委員】 前回と変わらなかったということね。

【安井委員長】 そうですね。

【鈴木委員】 絵を描いたりするからおかしくなるという、そういう話ですか。

【安井委員長】 今回は少しどちらかというと補完的、総合的なことでもって物を見ていくと、個別での最適化が必ずしも全体最適にはならないという部分を重点的に取り上げようという感じもあります。

【中杉委員】 全領域横断的というのを、こっちに飛ばそうというところが。

【安井委員長】 ある狭い領域で最適化をしたような考え方と、全領域の最適化は必ずしも一致しないというようなことを。

【鈴木委員】 それは、個別のテーマが先に出てきてしまうと個別最適化になってしまうわけです。全体のグランドデザインをきっちりしてから、個別の研究にブレークダウンしていけば、それは全体最適になるのでしょうけれども。そういう意味での、例えば優先度づけとか、そういうところが非常に甘かったのではないですか、今まで。

【安井委員長】 そうですね。それはそのとおりだと思いますけれども、いろいろな事情からそうならざるを得なかったというのが、過去の歴史かなという感じはしますけれども。

【鈴木委員】 その辺はがらっと変われますか。「安全」に関しては原課の意見を無視して、トップダウンで振ってきたらというとどうします。そこで戦うというのはいいのかもしれない。

【白石局長】 競争的資金その他の予算は個別分野ごとに切らずに、少なくとも環境省の中では4分野をまとめる方向にしようと。それぞれお互いに相互浸透できるようにという発想はあります。

【鈴木委員】 その段階で、トップダウンである意味でのニーズをきっちりとこちら側からどこか中枢的なところできっちりとまとめて示して、それに応じて今後進めるという、そういうことなのでしょうね。

【安井委員長】 そこまで合意できれば、それで非常によいことになるんですけれどね。少なくとも今までの個別分野にばらばらに壁が高く配分されていた研究資源は、少しオーバーラップしてくる。

【鈴木委員】 それで、廃リ部などは大丈夫ですか。

【秦室長】 廃リ部の競争的資金も23年度から統合に向けて動き始めるということでございます。

【鈴木委員】 JSTのお金などもこっちへ持ってきて。

【安井委員長】 私は全然反対しませんけれども、ここはファンディングエージェンシーしかない世界ですから。ファンディングエージェンシーってどうなのでしょうね。
 それはそれとして、そんなような方針ですから、そこに新鮮味が出し得るかなというのがちょっとした思いだったのですけれども、全体最適化みたいなもの、予算の配分、それからいろんなルールを含めて、そんな方向に振れるかなと。ほかの先生方も大体そんな方向なのかもしれないと思ってよろしいですか。

【鈴木委員】 それぞれの個別テーマを議論するのですか、今日は。

【安井委員長】 今日はしません。

【鈴木委員】 それは大変ですね。

【安井委員長】 今日は、議論は今のような話をしていただければ大体終わりです。それで、あとは、これから先それでは検討をどうしようという話に、次の最後の話題になって、ここでまたワーキンググループが分かれてしまうと、また個別ではないかという話になるところかもしれません。それでは、そちらに行きますか。
 それでは、資料4をお願いします。

【東係長】(資料4を説明)

【安井委員長】 ありがとうございました。ご説明いただきましたが、これも結局は、基本的にはこういうことになるとはものの、どっちを先にやるかで結果が違うかもしれないという気はしないでもない。ですから、頭出しということをやっていただかないと確かに横断のワーキンググループは動きにくいのではなりますが、そのときにウエートをどうして、どういう形で、要するに、中を固めた上で余ったものを外に横断型として出してくるのか、そういうマインドでやるのかどうかがカギかなというような気がしますけれども。具体的に、これ以外で運営の方法がもしあればご提案いただきたいと思います。

【秦室長】 今日のご議論の中でも、例えば思想的なものをどうしていくのかといったような、非常に大きなご議論もございましたし、それから、具体的にどういう重点課題があり得るのかということについて、もう一つ議論が必要だと思いますので、できれば、もう一度全体でお集まりいただいて、それで議論する場を設けた上で、その方針に沿って各ワーキングでのご議論を深めていただければというふうに思っておりますが。

【安井委員長】 それは私も基本的に賛成だけれども、ただ、それをやっていると、またこの方々のスケジュールを集めると、またとんでもないことになりはしないかと、いささか心配。ですから、さはされどということで、一遍くらいワーキングをやった後で集まるのも悪くないかもしれないという気もしないでもない。

【鈴木委員】 ワーキンググループにそれぞれ振ってしまって大丈夫ですか。

【安井委員長】 そうですよね。そこが心配なのです。

【鈴木委員】 ワーキンググループのメンバーをがらっと変えていただくとか、そういうこともあれば少し吹っ切れるかもしれないけれども、今までの様子を見ていると、これを循環型ワーキングに振っていったら、また例のごとしでしょう。昔ながらのやり方が出てくるのではないですか。循環型というのは、例えばですよ。だから、どうしたらいいですかね。少し新進気鋭の方々に集まっていただくとか。

【安井委員長】 新進気鋭は、しかし発想がそういうふうに斬新かどうかというのは、なかなか問題ですよね。

【鈴木委員】 今までよりはいいのではないですか。

【安井委員長】 それは保証しかねるような気もするな。それもそうなのですけれども、メンバーは確かに新規を入れる、それは一案だと思いますけれども、例えば、強制的に、横断領域の頭出しと、それから自分のテリトリー内のバランスをある程度考えた上で課題を与えるとか。例えば、頭出し四つ出したら、自分たちのやつを1個出してもよいとか。

【鈴木委員】 私が言いたいのは、持続可能な社会に向けて、どういうふうにそれぞれのワーキンググループが分担するか、みたいな議論がまず必要ですよね。それがないと、それぞれのワーキンググループでお楽しみになるという感じになってしまう。それで、うちはここまでできないよというのをはじき出して、横断領域ワーキンググループか何かに回すという。

【安井委員長】 そういう発想になってしまうと前と変わらない。

【鈴木委員】 それでまともな議論ができるかどうかですよね。一度ともかくラフなスケッチを描いていただいて、ここで一度やる。

【山口委員】 まず、骨組みをつくって、あとは内装をどうするかというのをワーキンググループにお願いするということだと思うのです。したがって、骨組みがしっかりしていないことには内装も、なかなかうまくきっちりおさまらないような気がしますもので。鈴木先生がおっしゃったように。確かにメンバーは集まりにくいかもわからないですけれども、骨組みを。

【安井委員長】 全くなしにやるのか、それとも一端ワーキンググループを開いていただいて、それで、とにかくそれのやり方について、ここでそれをワーキンググループをクリティカルで利用するということもやりようかなというのが先ほどの私の意見なのです。

【山口委員】 そうですね。やり方はいいですね。

【三好審議官】 日程の問題が最大のことなので、もしお許しいただければ、その日程を勘案しながらどちらかを先に開催させていただくということではいかがでしょうか。

【鈴木委員】 早目に調整していただければいいのです。一月前くらいになると調整がつかなくなるとそういう感じでしょう。

【安井委員長】 40日あると調整がつくな。大学の先生はもっと忙しいね。
 それでは、というような意見を踏まえて、具体的な対応に関しては事務局に一任。それで、ただしワーキンググループをずっとやっていって、この全体会議をドンとやるのではなくて、ワーキングを一遍やったところでもう一遍全体会議をやるか、全体会議を先にやってからワーキングをやるか、どちらか。それはスケジューリング次第ということで、お任せでいかがですか。やってみないとわからないですから。

【白石局長】 重い責任を負ってしまいましたが、頑張ってやってみます。本委員会の先生方にこうだというインストラクションを出していただいた方が、ワーキンググループでの独自の動きがなくなる分、結果はいいのかなという感じはいたします。

【安井委員長】 そうですね。というようなことで、大体、本日の議題は終わったような気がいたしますが、何か最後に先生方で一声、二声いただければ。

【秦室長】 ありがとうございました。今日は11名の委員の皆様方のうち6人にお集まりいただいておりますが、せめてその中だけでも、この日ならというのをお伺いできればと思います。(次回の日程を仮調整)

【安井委員長】 それでは、閉会とさせていただきます。ご苦労さまです。

【秦室長】 本日は貴重なご意見をありがとうございました。また、事務局の方で戦略案を作成いたしまして、またお諮りをさせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

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