中央環境審議会総合政策部会  環境研究・技術開発推進戦略専門委員会(第6回)  会議録

日時

平成20年7月31日(木)13:00~14:55

場所

航空会館 201会議室

議題

(1)
環境研究・環境技術開発の推進戦略の実施方針のフォローアップについて
(2)
その他

配付資料

資料1 環境研究・環境技術開発の推進戦略の実施方針の平成19年度実施状況等の簡易フォローアップについて
資料2 環境研究・環境技術開発の推進戦略の実施方針の平成19年度実施状況等について簡易フォローアップ結果(案)
資料3 重要課題毎の補助資料(マップ素案)
資料4 平成21年度における競争的研究資金の基本方針(案)
参考資料1 環境研究・技術開発推進戦略専門委員会委員名簿
参考資料2 環境関連の最近のトピックス
参考資料3 実施方針の横断的方策 実施状況
参考資料4 環境研究・技術開発推進戦略専門委員会(第5回)議事録
参考資料5 環境研究・環境技術開発の推進戦略の実施方針の平成18年度実施状況等について 
簡易フォローアップ結果
参考資料6 環境研究・環境技術開発の推進戦略の実施方針(平成19年3月30日)
参考資料7 環境研究・環境技術開発の推進戦略について(答申)
参考資料8 平成21年度の科学技術に関する予算等の全体の姿と資源配分の方針(総合科学技術会議)
参考資料9 関係府省の科学技術関係施策についての総括的見解(環境省部分)
(平成20年度概算要求における科学技術関係施策の優先度判定等について)
(科学技術政策担当大臣、総合科学技術会議有職者議員)

出席者

委員 :

安井 至委員、鈴木基之委員、大塚 直委員、中杉修身委員、指宿堯嗣委員、岡田光正委員、西岡秀三委員、藤田正憲委員、三村信男委員、森本幸裕委員、山口耕二委員

環境省:

総合環境政策局
小林光総合環境政策局長、小林正明大臣官房審議官、梶原成元総務課長、
立川裕隆環境研究技術室長、山根正慎環境研究技術室室長補佐
環境保健部
木村博承環境安全課長

議事

【立川室長】
 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会総合政策部会環境技術研究・技術開発推進戦略専門委員会を開催したいと思います。
 初めに、総合環境政策局長の小林から、ごあいさつ申し上げます。

【小林局長】
 7月22日付で着任をいたしました総合環境政策局長の小林でございます。本日は特にお暑い中ご参集を賜りまして、ありがとうございます。今日は第6回目の中環審の環境研究・技術開発推進戦略専門委員会ということでございまして、昨年に引き続いて環境分野に関する国内外の状況、そして研究・技術開発の取り組み状況を俯瞰的に調査し、それを踏まえまして、今後その強化すべき事項といったものについてご指導を賜るというような趣旨で開催をさせていただいております。
 ご案内のとおり今月頭にはG8の洞爺湖サミットが行われたということで、ここでは大変画期的な合意がなされたと思っておりますけれども、この地球環境問題への取り組みということになりますと、科学的な調査研究、そして技術の開発といったことが政策の裏打ち、政策を進めていく上での大きな力になるということでございます。  
 温室効果ガスを半減する社会というような、すごくダイナミックな方針が出ておりますが、いよいよ、この研究・技術開発について重要性を増しているというふうに思います。本日は、これを進めるための必要な政策について、いろいろご指導賜れれば本当にありがたいと思っております。大変短い時間と思いますけれども、忌憚のないご意見、今回も、そして引き続きお聞かせを賜りたいと考えております。
 甚だ措辞でございますけれども、異動もありましたので、あいさつをさせていただきました。よろしくお願いいたします。

【立川室長】 
 それでは、議事に入ります前に、お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。

〔資料確認〕

 以後の進行につきましては、安井委員長によろしくお願いしたいと思います。どうかお願いいたします。

【安井委員長】
 それでは、もはや恒例かと思いますけれども、平成18年に取りまとめられました、いわゆる推進戦略の簡易フォローアップ、本年度が2回目ということになります。フォローアップはご存じのとおりでございますが、世の中の情勢はどんどん変わってしまうものでございまして、その当時の戦略というものは、それ以前の情勢に対してつくられたものでございますので、やはりちゃんとした対応をとっていこうかと思います。
 また、本来は予測されていたことではございますが、参考資料8に平成21年度の科学技術の予算等に関する云々ということで総合科学技術会議が述べておりますが、第4次の科学技術基本計画を来年あたりからやらなきゃいけないということも、どうも確実になって参りましたので、そういったことに対する対応も考えていただく状況かと思っております。
 あと私事でございますが、国連大学を12月末で退職をいたしまして、今、(独)科学技術振興機構に籍を置いております。しかし、お金を出すのがこんなに苦しいこととは知りませんで、やはり正しく適正な執行をして参りたいなと思っておる次第です。
 早速でございますが、議題1に入らせていただきたいと思います。経過も含むのかもしれませんが、事務局側からのご説明をいただきたいと思います。

【山根補佐】

〔資料1の説明〕

【立川室長】
 1点だけ補足させていただきたいと思います。資料1の説明は今のとおりでございますけれども、1ページから2ページにかけて全体のスケジュールの表がございます。この推進戦略自身でありますけれども、平成18年3月に策定していただいて、平成18・19・20・21・22年という5カ年計画で動かしていただいているところであります。これは第3期科学技術基本計画と、私どもの環境基本計画と同じスケジューリングといった形で動かしておりますが、先ほどの安井委員長のお話のとおり、次期の第4期の科学技術基本計画の策定を踏まえますと、今のスケジュールであると平成22年度末に新たな推進方策の検討・策定となり、第4期科学技術基本計画等との整合性がとれないおそれがあります。 
 そこで、スケジュールを1年前倒しさせていただいて、来年度の末には次の新しい推進方策の検討・策定を行い、それで第4期の科学技術基本計画へのインプットを図り、さらに、不整合があれば、こちらの推進戦略を修正させていただくという形でやらせていただけたらどうかと思っております。
 この場で指摘を受けて重要課題といった形でピックアップしていただいたものと、総合科学技術会議が指摘される重要課題、これを整合させて、国の予算全体を整合させないと、なかなかうまく予算を伸ばせないということもあるものですから、1年前倒しさせていただいたらどうかと思っておりまして、ご意見賜ればと思っております。

【安井委員長】 
 ありがとうございました。山根補佐に概略、そして立川室長に今のご提案をいただきましたが、どちらでも結構でございますが、いかがでございましょうか。何かご意見等ございますか。

【中杉委員】
 室長から言われた話ですけれども、総合科学技術会議の方でも評価のやり方について新しく指針を取りまとめようとしております。その中でも終了してからの評価ではなくて、終了する前に評価をせよということが盛り込まれようとしていますので、それに整合した形で、議論を進めていけばよろしいのではないかと思います。

【安井委員長】
 ありがとうございました。他に何かございますでしょうか。
 それでは、ご反対ないようでございますので、今のご提案の方向で行かせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 ということで、次に、重要課題の実施状況のフォローアップにつきまして、事務局からご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【山根補佐】

〔資料2の「1.環境に係る国内外の状況について」及び「2.重点的に推進すべき領域ごとの重要課題の実施状況について」の説明〕

【安井委員長】 
 ありがとうございました。ご質問いただく前に、この評価案につきましてご担当いただきました委員の方々、脱温暖化は西岡・三村両委員、循環型は藤田・山口両委員、自然共生は岡田・森本両委員、そして安全・安心は中杉・指宿両委員でございますが、一言コメントをお願いいたします。コメントに関しましては、例えばこんなのは優れているとか、こんなことをやるべきだというふうなことで、コメントいただければ幸いですが、よろしくお願いします。

【西岡委員】
 社会的な状況の変化ということで、非常に大きく書いた方がいいかなと思われるのは、温暖化の技術というのは世界のビジネスにおいて非常に重要になってきたということが、割と環境省の方では余り書いていないですよね。こう見ていると、枠組みができたとか、そんなことしか書いてないけども、どうもビジネスの分野で国際競争が極めて激しくなっているということについても、環境省としても十分に認識していることを入れておいた方が良いのではないかなというのが一つですね。
 それから二つ目ですが、総合科学技術会議の方でも環境エネルギー技術革新計画を策定いたしまして、その中でも議論になったのは、個別の技術に非常に期待をかけていたけれども、それだけではとても目標をクリアできそうになくて、やはり社会改革等を入れていこう、そういう状況の変化についても書き込んでおいた方が良いのではないかということです。その点から見ますと、推進戦略の中身自身は非常にソフト的な話も含めて、よくフォローができていると申しますか、ちゃんと項目として挙がっているなということを感じました。
 最後の経済的社会システム研究というのは、これまでの単発的な取引や税というものを一つ一つ議論して、片づけていくという形ではなくて、ポリシーミックスのような形でまとめて議論していくということも、拾い上げられているかなと思います。
 結論といたしましては、全体として非常に良い項目は挙がっているけれども、観点とについては少し書き込んだ方が良いかなというのが私のコメントです。

【安井委員長】
 ありがとうございました。
 となりますと、構築領域の後に何か総論みたいなのを1行、2行まとめて追加するということで対処になりますかね。続きまして三村委員お願いします。

【三村委員】
 全体的な印象は、西岡先生と同じなのですが、特にこの領域は洞爺湖サミットもあって、研究よりも国際的な交渉の動きの方がずっと早く進んでいるので、そういう交渉あるいは社会が求めるような課題に対して、研究の側がどのように答えを出すかというのが非常に大切なのではないかと思っています。
 それで三つ申し上げたいのですが、一つは緩和策ですが、先日、低炭素社会づくりの戦略研究で12の方法というのを提案されたのですけど、本当に2050年までに、
 50%削減するためにはどういうセットの技術が必要で、どういう社会のシステムになっていて、我々はどういう暮らしをしているのか、そういう実効性があり、色々な人たちが実感を持てて、社会を促すと言いますか、手ざわり感のある結果を出せる研究を進めていくということが必要だと思います。
 それから、2番目に影響とか適応の面なのですが、総合影響予測プロジェクトの成果を発表させていただいたら、多くのマスコミの方が来ていただいて、発表した方がびっくりしているのですが、実際に温暖化社会への適応が必要ということは、他の府省も非常に強く認識をしております。そうなると影響予測のレベルをもう一段上げなくてはならない。つまり、具体的にどこで何がいつごろ起こるかということが分かるような情報まで出せるようにしないと、地域ごとの対策というのは打てないのではないかと感じます。
 3番目はアジア太平洋地域あるいは途上国に対する援助の問題なのですが、他の項目には色々と書いてありますが、脱温暖化社会の構成領域では、特に途上国に対してどういうことをやるのかが明示的には書いていないので、そういう点が非常に重要だと思います。途上国自身が自分たちの国への影響を予測して、緩和策・適応策を含めた対策を自分たちで考える、そういう能力を形成していく上で我々がどのような仕事が一緒にできるかということをどこかにまとめて書いた方が良いと思います。

【安井委員長】
 ありがとうございました。やはり全体に何かまとめる文章を少し加えるという形でしょうかね。

【西岡委員】
 今の三村委員のご意見はお話されたとおりでして、温暖化への適応策のためには非常に詳細なデータが必要になってきております。現在、私も一部関係しておりますが、文科省の革新プログラムの方で、スーパーコンピューターにより非常に詳細なモデルを作って、特に災害関係にどう適応するかということを進めております。
 そういう意味でも、各府省横断的にやる方向も非常に重要ではないかと思います。特に適応策は、国交省がメインですけど、そのほか農水産業の関係や産業関係もあると思いますので、そのような府省間の観点も必要ではないでしょうか。

【安井委員長】
 ありがとうございました。それでは藤田委員、お願いします。

【藤田委員】
 循環型社会の構築領域は全体としてはしっかりと進んでいるという印象を受けました。ただ、各項目の中で少し進み方にでこぼこがある感じがします。例えば、3R技術のアジア地域における適正管理であれば、技術あるいはそのフローまではきちんと解明されつつあるのですが、残念ながら、適正管理に関する政策提言というところにまでは至っていないということで、いわゆる社会科学系の方々のお力を、どんどん投入していただければと考えております。
 それから、資源循環いわゆるリサイクル技術については、着実に進展しているということですが、④にあります規格化・基準化のための研究の部分がまだ十分に進んでいないと言えます。従って、この辺をしっかり進めることが、逆に言うと再利用品が流通する、あるいは普及する一つのカギになるのではと考えております。そこは一応記述しております。
 それから、例えば⑧の3Rを一体化させた設計・生産技術の開発・普及ですが、恐らくこの部分につきましては、むしろ企業を中心に努力されて、自社の中で技術を蓄積されていると思うのですが、残念ながら、この資金配分の調査では研究課題としてなかなか見えてこなかったので、例として一つ挙げているぐらいです。
 それと、バイオマスの利用などはもう完全に温暖化の中に組み込まれる部分だとは思うのですが、もし資源循環という分野から見れば、例えばマテリアルをどう収集するのか、それからリサイクルした時の規格化とか、販路の問題とか、多様な問題があります。もう一つ大事な視点は、それをどの範囲の地域で完結させていくか、あるいは循環させていくのか、この辺はまだ十分な形で研究としてなされていない印象です。

【安井委員長】 
 ありがとうございました。それでは山口委員、お願いします。

【山口委員】 
 全体の評価につきましては、藤田先生の内容と同じ考えでございます。ただ、この資源循環という視点で考えた時に、フォローアップの結果というのは、来年度以降の活動につなげるようなコメントも書く必要があると思います。
 そうすると、最初の「1.環境に係る国内外の状況」の社会の動きとのマッチングの面から、行われている研究活動がこの方向で良いのかどうか、そういうコメントを出す必要があるのではないかと思います。
 例えば資源で申しますと、特に産業界の人間としては、これだけ資源が高くなると、もう従来の資源の使い方とは全然違うものになります。例えば銅は4倍、5倍、鉄のスクラップでさえ、昔の銅に匹敵する価格になっているわけです。特にレアメタルを中心とした資源の急激な高騰、これには二つの大きな理由があって、一つは途上国が資源を使いまくっていて、資源を取り合っているというもの。さらには、中国とかインドとか、そういうBRICsの急激な経済発展、並びにその下にある国々の社会生活レベルの向上で、やはり資源を使うような社会ができ上がりつつあります。
 そういう意味では、LCAの考え方も軌道修正する必要があるかもしれません。例えば、もっと資源採取の部分にウエートを置いたLCAの評価など、この資源高騰を踏まえたコメントを追加する必要があるのではないかと感じた次第でございます。

【安井委員長】
 ありがとうございました。重要なご指摘をいただいたと思います。2-2の後ろあたりに総論を短く書くのかなという、気がしますね。
 資源問題は単に資源の問題だけではなくて、資源ナショナリズムの問題も難しいのですが、ありがとうございました。それでは岡田委員、お願いします。

【岡田委員】
 自然共生型社会の構築領域です。全体としては、この分野、既存の科学技術の枠組みにかなり近いものもありますから、それなりに網羅的にされていると思います。ただ、申し上げましたように、既存の科学技術の枠組みの中の部分は皆さんが一生懸命やっているということですが、それが枠から少し外れた分野になりますと、不十分な部分が目立ちます。
 例えば健全な水循環とか、それから流域圏みたいな話の分野におきましては、地下水の管理のところが不十分であります。地下水の研究層というのは、ほかの分野に比べれば当然少ないわけですね。そこが残ってしまっていると、流域圏全体の話に当然つながらないと、こういうことになります。
 そのような、個別技術はあっても全体としての不整合な部分が他の分野にも散見されます。よって、一つずつのコメントをざっと見ていただきますと、例えば統合化・システム化が不足しているとか、社会シナリオの評価が十分に行われていないという個別技術の開発で色々やっているのですが、その先、政策としてどういうふうに役に立つのかというようなところにつながる分野がまだまだ不足しているという印象を受けました。

【安井委員長】
 ありがとうございました。続きまして森本委員、お願いします。

【森本委員】
 今、全く言おうと思っていたことをおっしゃっていただいたので、繰り返しになることは避けようかと思うのですが、脱温暖化社会あるいは循環型社会という分野が、大変重要な課題であるというのが一般的に認識され、研究の方もすごくそれらの分野に転換してきている印象があります。そういう時に、この自然共生型社会というのは、どうも置いてきぼりを食いやすい感じがしていまして、自然共生がどこか行っているのではという感じがあります。実は、温暖化の最大の被害者はひょっとしたら生物多様性などの自然共生型の分野なのかなというような話もあります。  
 俯瞰図に書いてみると分かりにくいですが、統合的・総合的な取組が求められる話に行きやすいという面がすごくあるので、この点を少し明記していただければと思います。
 あと、温暖化社会の賢い適応の延長線上に、社会シナリオとか統合化・システム化とか出てくるのかもしれないですが、自然共生の分野でこれが明記されていないのはちょっとまずいのですが、現在も余り意識して取り組まれていないと思います。生態系等の変動予測までは行くのだけれども、温暖化への適応をどうするのかという、その方面の研究が実は無いので、どこか明記してあれば良いのかなというのが印象です。

【安井委員長】
 やはり何か書かないといけないのかもしれませんね。総論といいますか、2-3の下に何かやっぱりちょっと文章を入れた方が。

【岡田委員】
 ただ、元の戦略というか文書に余り明確に入っていないので、私も森本先生のおっしゃるとおりの印象は受けたのですが、どのように書くべきか分からなかったというと、逃げみたいですけれども、適切に直していくべきですよね。

【安井委員長】
 あと、自然共生ですと、2010年の名古屋のCOP10に向けて何か一言ぐらい書くべきかなと思うのですがね。それでは次に、中杉委員お願いします。

【中杉委員】
 2-4の安全・安心で質の高い社会の構築領域ですけど、課題として挙げられているものについて、それなりに取り組まれています。例えば高感受性については小児の問題が取り組まれ始めているとか、ナノ粒子についても平成18年度なので取り組みが必要であると書かれているけれども、実際にはもう厚生省、環境省等で検討が始まっており、それなりに進みはしている。
それから、リスクコミュニケーションについても、環境省の方で研究の中でリスクコミュニケーションの課題を取り上げるなど、強化はしているけど、実際にはまだまだ遠いなという感じがしています。一番重要なのは、高感受性の集団の話も含めて、対象としなければいけない人たちがだんだん増えてきて、ごく少数の人たちをどうするかという、リスクコミュニケーションの話なのか、社会合意形成の話なのか、リスクコミュニケーションをさらに超えたような研究が非常に重要になってくるだろうということです。これはコミュニケーションするだけでは片づかない話なので、おそらく⑯になるのでしょうけど、そのような研究、安全と安心のギャップを埋めるような社会合意形成の手法みたいな分野ですね。そこが今後、非常に重要になってくると思うのですが、そこまでは明示的に到底到達できていないと言いますか、取りかかれてもいないという印象です。
 それから、先ほど山口委員がおっしゃった話も絡むのですが、⑮の化石燃料等の不純物として含まれるものは、従来ではそんなものを資源としては使えないという話だったのが、段々と資源として十分使えるような話になってきています。ここではリスク低減の面で書いていますけど、これは先ほどの循環型社会のところに非常に絡んでくる話だろうと思います。

【安井委員長】
 ありがとうございました。指宿委員、お願いいたします。

【指宿委員】
 安心・安全で16項目にわたって項目がチェックされ、ほとんどのものが入っていると思うのですが、中杉委員のご指摘になったグローバルな観点から見た有害な重金属、これについては私自身も総論に少し書いた方が良いのかなと思います。やはり化石燃料が高騰しているというのもあるのですが、資源が枯渇して行く中で、石油などがそのうちに使えなくなり、石炭など、非常に劣質な資源を使っていかざるを得ない状況になった時に、水銀とか有害な重金属などが増えていってしまう。それが、やはり安全・安心な社会形成という分野に非常に負荷を与えてくるという、そういう観点を書き込んでおかないと、何か全体論として不十分かなという印象を持っています。このような点を安全・安心のこの16項目で関連するところにきちんと、少し具体的な物質名等を入れて強調しておくのも策かなと思いました。
  あと、直接関連はないかもしれませんが、国際的な資源循環を進めるというのは一つの大きな方向で良いと思うのですが、資源循環を活発に行うと、やはり環境負荷が増えるという負の側面もあるという点を一つポイントとして示しておいた方が良いかなと感じております。

【安井委員長】
 ありがとうございました。いろいろご説明いただきまして、やはり、それぞれの項目の下に総論みたいなものをまとめた方がいいかなという気もしますね。

【中杉委員】
 それぞれの下に入れるというのも考えですが、全体として複数にまたがるものが出てしまうのですよね。そういうものを考えると、必ずしも個別に書いてしまうと、そういう点が見えてこないのかなと。じゃあ全体でまとめるてしまうと、また見えてこないかもしれない。どうしたら良いか悩みどころですけども、両方にまたがる話を個別に書いてもしようがないという感じがいたします。

【安井委員長】
 その点含めて、工夫しなくてはいけないかもしれませんね。両方項目にまたがる事項は両方に書いていくとか、色々な方法ありますから、何とかなるかと思います。
  それでは、以上でご参画いただきました各委員のご説明いただきましたが、そのほかのご意見・ご質問等いただきたいと。どうぞ。

【中杉委員】
 一つはこれも他のところと絡むので申し上げますが、安全と安心の話を考えた時に、今、最も観点が欠けているのが、どのぐらいのタイムスパン、先までを考えるかという点ですね。そもそも、我々そんなに長いことまで考えていないよとか。そういう意味では、ごみの埋立処分地の跡地だとか、土壌汚染だとかはかなり長期間の視点が必要なんですね。そういう視点で全く考えられていない。
 一つの話で言えば、埋立処分地をつくるときに、どのぐらいまで埋立処分地の構造物の安定を確保するかということは、私も聞いてみたのですが、造っている方はそんな遠くまで考えていないよという回答でした。そのような視点の話が、これから必要になると思います。多分、ただちに見えてくる話ではないので、具体的にどうするという話は難しいのですが、そういうところからの視点で少し物を考えていくことが必要ではないかと最近思い始めています。

【安井委員長】
 長期の持続可能な技術ですね。

【鈴木委員】
 いろいろお話を伺っていて、このフォローアップのミッションがよく見えなくなってきているのですけどね。ここはあくまでも何年か前につくり上げられた推進戦略が、どういう形でその目的を達成しようとしているのかということと、必要があれば当初の目標をどういうふうに修正していかなくてはいけないのかを議論する場所のはずではないでしょうか。
 この段階で新たなテーマを立てるなり、何か新たな修正をそれぞれのところにお願いするなり、そういうことを具体的に出していくことがこのフォローアップかと思っていたのですが、簡易調査だからそこまでやらなくても良いのか、よく分からないのですけどね。
 色々と出ていたお話は、やはり次の第4期科学技術基本計画の時に総合科学技術会議がそんなところまで考えられる訳ではないので、それぞれのコンポーネントとして環境省側からインプットしていくことが重要だと思います。その話と、この簡易フォローアップというのは、若干切り分けておく必要があるのかなという気がするのですが、やはり将来的に第4期科学議術基本計画に盛り込むとしたら、何といっても21世紀環境立国戦略に挙げた持続可能な社会という、今、環境省が中心で動かさなくてはならないところですね。他の府省それぞれで、枕言葉として持続可能と使うけれども、それはあくまでも持続可能な我が省とか、そういう発想でしかないので、やはり持続可能な国をどうするかというのは、環境省がある意味ではイニシアチブをとっていくべきだと思います。
 そういう目で逆に今立っている目標を眺めたときに、今後、次の段階でどういうことを考えていくのか。まさにエネルギー高騰であったり、資源の問題であったり、あるいは食料自給の問題であったり、これから大きな問題が色々出てくるわけですね。そういうところで、環境省がちゃんと各省をまとめて、場合によってはフランスみたいに持続可能省と名前を変えても良いぐらいの話でもありますね。
 そういうことを考えると、今の環境研究・環境技術開発の推進戦略をちょっと超えた話になりますから、やはり省としてきちんと目標を掲げた上で次の段階の推進戦略はどうするか考えて、少なくとも第4期科学技術基本計画にインプットするレベルで、それくらい大きな話を環境省から練り込まないといけないかなという気がします。

【安井委員長】
 おそらくこのようにフォローアップをすることによって、来年度の予算要求をする関係者が見てくださって、環境分野の方向性を少しでも理解することを期待するものなのでしょうね。もちろん、環境省内は当然なのですが、他の府省にもそういう影響が与えられれば良いのですが。

【大塚委員】
 LCAというのは元々環境負荷についてのライフサイクルアセスメントだと思いますので、資源確保も重要ですが、全部混ぜてしまうと何をやっているのか、よく分からなくなるということも心配していますので、環境負荷についても今までどおり残していただきたいと思います。
 あと、安心と安全のところで複合汚染の検討というのはまだ入っていないような気がしますので、ぜひそういう研究もどこかでやっていただけるとありがたいですね。政策評価委員会でも申し上げていることですけれども、花粉症と化学物質の関係もよく分かっていませんので、これもご検討いただければと思います。
 温暖化との関係では、洋上風力の話が出ていて、別の審議会等で議論になっているのですが、研究が主に民間ベースに移っていますので、国がやるべきことは台風などが多い日本で、洋上風力がどのくらい可能かという検討などかなと思いますがその辺についてご検討いただけるとありがたいと思います。

【安井委員長】
 ありがとうございました。実を言うとLCAの定義はすごく広く、ライフサイクルにおけるインプット・アウトプットを全部やることになっておりますので、インプット側は当然、普通に考えていても入っています。ただ、研究者のマインドとして、どちらかというとアウトプット側、要するに環境負荷側を重点的にやってきている。温暖化影響みたいなものを重点的にやっているという感じだと思っていますので、追加してここを書かなくても大丈夫かなという気はします。その時々の、研究をやる人間のマインドでもって、LCAそのものは広範な定義になるものだと思っております。
 要するに資源の価格みたいなものを含めたようなLCA的発想で、資源の持続性を最適化するとか、製品の最適化に生かしていくとか、多分そんな方向になると思うのですけどね。あと、リサイクル戦略が多分根本から練り直されるとか、そんなことはあると思います。

【中杉委員】
 大塚先生からご指摘があった複合ばく露の影響なのですが、これは若干難しいだろうと考えています。化学物質の数を考えて、その全部の組み合わせを考えるのは、実際に研究をやれば幾らでも出てくるけれども、どのようにコントロールするかというのは実際難しいので、個々にやっている。
 別な意味で言えば、大気からの吸入と経口の影響は、環境安全課の方で研究をやっています。従来は足し算で普通は考えるのですが、足し算だけではないという研究成果も少し出ています。じゃあそれが普遍的なのかというと、そこまでは行っていないのが現状です。

【大塚委員】
 問題のありそうなものからだけでも始めてはどうでしょうか。

【中杉委員】
 一般的なものから、少し始めている段階ですね。そういう意味では非常に数が多いので、どう取り上げて、どう対応するかということをここで書いてやりなさいとしてしまうと、ちょっと大変なので書いていないというのが現状です。

【安井委員長】
 多分、相当難しいですよ。恐らく今まで明らかに環境影響を与えるもので掛け算のエフェクトが出たことはないのではないかな。要するに足し算のエフェクトを超す予測が必要になることが、何かありますかね。例えばアレルギーはちょっと特殊かもしれませんね。

【中杉委員】
 そこら辺は高感受性の集団をどうするかということを考えないと。

【木村課長】
 例えばクロロホルムは単一物質なのですが、その経口と呼気で、それぞれだと影響は無くても、両方だと非常に大きい事が分かっています。

【安井委員長】
 単一物質で複合ばく露ですね。

【木村課長】
 はい。これも広い意味では複合ばく露になります。

【安井委員長】
 環境省は花粉はやるのですか。

【木村課長】
 花粉は大気汚染との関連で、アレルギーを持った花粉症患者がより増発するという話もありまして、そのあたりを調査しております。

【鈴木委員】
 それもあるけれども花粉全体の制御は、まさに自然共生ではないですか。

【指宿委員】
 東京都の研究所へ行ったら、東京都で杉の木を切っているのですよね。その杉の木の有効活用の研究をやっていたのですが、そういう意味では、随分即物的な研究もやっていますね。

【木村課長】
 その点は関係省庁が連絡会議をつくりまして、それぞれのもちはもち屋というところで共同してやらせていただいています。

【安井委員長】
 今、それぞれの領域についてコメントをいただいたところですが、たまたま横断的事項に関わるコメントが多いということでした。これから3の横断的事項について行きたいと思いますす。

【山根補佐】
〔資料2の「3.横断的事項についての実施状況」及び「4.フォローアップの結果」の説明〕

【安井委員長】
 ありがとうございました。先ほどいただきましたコメントをどこにまとめるかという話についても、少しご議論をしていただきたいと思います。

【鈴木委員】
 このフォローアップ結果はどこに使われるのですか。

【立川室長】
 このフォローアップ結果は、例年8月ぐらいに取りまとめさせていただいて、環境省の競争的研究資金のうち、地球推進費と私どもの技術推進費が10月の中旬ぐらいから公募をかける際に、ここに書いてあるような事項を重点的に採択しますよというメッセージを送るという形で今まで活用しております。
 ただ、今のご質問から少しそれるかもしれませんが、推進戦略の実施状況に関するフォローアップの結果だけに依拠するのではなく、今後こうした分野が必要なのだとご指摘いただいたことも、こうしたところに盛り込むとこともやはり必要かという思いもありますし、こうした議論が昨年もあったと聞いておりまして、そのこともあって、実は一年前倒しということを今回打ち出しております。
 今回のフォローアップの結果において、そうした新たにやるべきといったこともご意見賜ればと思います。

【安井委員長】
 先ほどご意見をいただきました各ご担当、いかがでしょうか。
 例えば温暖化適応策を推進せよなどは、一応書いてあることは書いていますよね。そのあたり含めていかがでしょうか。

【三村委員】
 一つ意見と一つ質問なのですが、19ページの横断的な事項に総合的・統合的アプローチの確保という話があり、研究として複数の分野に横断するテーマを推進のは非常に結構なことだと思いますし、それを制度としてどういうふうに後押ししていくかという点で、ここに書いてあることは重要だなと思います。というのは、環境技術開発等推進費でコベネフィットの対策に関するような枠を設けたとか、これは明確にメッセージを発しているわけですよね。地球環境研究総合推進費でも賢い適応の枠を設けて、後でいろいろ漏れ伝わってくる情報を聞くと、その「適応」や「賢い」という考え方自体がはっきりしていないとか、そういう事が明らかになったのです。これは、先ほどの自然共生の話でも、温暖化に伴う災害から自然を保護するような方法があるのかとか、もし例があれば、そういうものも入れておくというのは、良いことだと思います。
 それからもう一つ、これは全然違う話なのですが、20ページの国の研究資金制度の活用・強化ということで、最近、政府の電子公募システム、e-Radですかね、それを使って応募してくださいという案内がよく来るのですが、ここに書かれている環境省の制度もほとんどそれに参加されているのでしょうか。

【立川室長】
 今、三村先生からご意見とご質問をいただきました。最初のご質問はこの19ページの『総合的・統合的アプローチの確保』が、制度的にどういう後押しをするのかということですが、一つの方策としては専門の枠を設けることが一つのメッセージになると思っております。こうした取り組みは、地球環境推進費が一番進んでいますが、今度、私どもが所管している環境技術開発等推進費も、総合的・統合的アプローチを推奨するというメッセージを強く込めることもあって、優先採択枠を設ける方向で調整に入っております。他の競争的資金においても、制度的な統合などを検討していかなくてはいけないのですが、こうした実施したいことを強くメッセージとして伝えることが必要かと思っております。
 それから、二つ目のご質問のe-Radの件ですけれども、文部科学省と内閣府が連携して構築し、各省がこのシステムに乗っかるようにという形になっております。実は昨年度から基本的にe-Radにどんどん移行することになっておりまして、環境省の競争的研究資金も全部これに乗りつつあります。ただ、昨年度時点では、まだ各申請者側が対応し切れないというお話もあり、一時的にメールによる申請を受け付けたという状況でございます。

【安井委員長】
 よろしいでしょうか。

【西岡委員】
 先ほど言われたことですけども、推進費の温暖化影響関係の人と文科省の方の革新プログラムの方々が一同に集まって、今、話し合い始めているところなのですよね。府省間でも、まず役所同士が話の場を持って、それから、研究者が研究で得たデータをきちんと使えるようにするグループを立ち上げたという経緯があって、非常に効率的に物事が進んでいるし、環境省としても非常にリードする立場になるのではないかと思います。一応、そういうものも見直しに入れても良いのではないかと思っています。
 それから、先ほど鈴木委員のおっしゃったことですが、低炭素社会等のことを議論しながら、現在出てきている状況は世界的な自然環境資源の問題だと僕は言っているのですが、それが本当に逼迫してきたという感じがしますね。
 すなわち、エネルギー価格が上がった途端に、森林や農地や食料だとか、そういうところにしわ寄せが来るように、あらゆる物に互換性があるものだからそうなるのですよね。では、国でどこがそういうことを問題にするか。もちろん文科省等は関係あるわけですけど、それは広く自然環境資源という言葉で代表されるものかなと思いますので、この調査結果に書くのか、あるいは次の科学技術基本計画にこちらの方から打ち込む必要があるか分かりませんが、非常重要だという気がいたします。

【藤田委員】
 循環型社会について、山口委員の繰り返しになってしまうかしれませんが、ただ一点言えることは、例えばリサイクルに一つフォーカスを当てますと、実は出てくる製品のコストだけでリサイクルできるかどうかがすべて決まってしまうという、非常にお金の話が入ってしまう状況なのですね。ところが、研究はやはり研究として面白いからということでどんどん進んでいくわけですね。そうすると、まさに現実の問題として研究開発と普及というところに、少しギャップが生じている。だけど、これを環境省が普及の方までやるように行動するのは難しいのかもしれません。ここは研究と技術開発の戦略ですからそこまで必要ないかもしれませんが、どうも現実を見ている限りでは、少し普及の部分が途切れてしまっている。それはマップを見ると、意外としっかりと見えてきます。普及のところがだめなのか、政策のところがだめなのか、そういうところを逆にこの調査の中で押してもらえば、うまく循環していくのではないと思います。
 自然環境資源については、わからないではないですが、余り資源、資源と言ってしまうと、循環型社会の中で全てが、例えば廃棄物が全部資源に見えてくるけれども、必ずしもそうでもないだろうという気もします。むしろ中杉委員の考え方のように、資源ではあるけど、それは有害物質ですよとか、廃棄物ですよという様々な物の見方も持っておかなければならないなと思っています。

【中杉委員】
 西岡先生がお話になったのは省庁の良い例でしたが、私は悪い方の例でして、アスベストの処理技術や評価方法について、環境省とNEDOとがそれぞれプロジェクトをやっていて、私は両方とも手伝わされているのですが、その成果を自分のところのやったものだけを出しているのですね。両方でそれぞれ成果が挙がっているので、少しずつレベルが違う成果を全部継続的にやってくれれば良いのですけど、自分のところでやったものだけを売り出している。これはもうユーザーにとっては全然意味がないんすよね。私も何回か両方に申し上げているけど、なかなか融合が取れていない。そういう意味では、少なくとも成果の実用化についての情報発信に関しては、お互いにリンクとってやっていかないといけない。研究をやる方にとっては、それぞれで研究をやりっぱなしで、実際には使うときにはこっちも見て、こっちも見て、使う側が結局どう評価すべきかというのが、また分からないということになりかねないので、まだまだ改善するべきところがあるということを申し上げておきたいと思います。

【安井委員長】
 府省の枠を超えたやつをどこかに書くのかな。この横断的事項というものではあるんですが、府省横断的というのをどこに書くのかな。

【立川室長】
 推進戦略本文、答申の中では戦略の実施体制ということで、強固な府省間連携の実現に努めるのだということは明記されております。ただ、明記されているだけかもしれない部分があり、そういう意味では各論の中で連携をうまくとって、やっているものもあれば、それがうまく見られていないというものもあると思います。例えば競争的研究資金の中でもトップダウン型というのは、役所側からやるべきだといった形で組んでいる部分があって、そうした枠の中には役所もかなり入っていくわけでありますけれども、このような取り組みを通じて、できるだけ省庁間の連携といったことを促進していくことが考えられるのかなと思います。

【岡田委員】
 省庁間連携というのは、もう前提としてマップをつくっているわけですよね。我々の作成したマップの中で色分けがされているのは、各府省で判断をして行っている研究の話であると。では、このマップで各府省が行っていることが妥当かどうかは、今のところ言いにくい雰囲気がありまして、そちらの方にも話ができれば全体像が見えてくるというか、実効性が上がるだろうと思います。難しいことは百も承知の上ではありますが、省庁間の連携があること前提でもうマップをつくっているので、そこの話を今さらひっくり返すのはちょっと気になるところがあります。

【安井委員長】
 連携とは言っても、テーマ上の連携ではなく、出てきた成果で連携がありそうだったら、もう少し強化するという話だったと思いますが。

【中杉委員】
 私が申し上げたいのは、研究技術の成果についてですね。これはやはり環境省が取りまとめているのであるから、環境省の方で全部の成果を一つにまとめて出すという、情報発信する努力をしていただければ、問題が解決するのかなと思いますけれども。

【森本委員】
 少し横断的事項に関連した話ですが。今、国連大学が中心になって日本の里山・里海のサブグローバルアセスメントというのが進行しています。2005年までに行われた、いわゆるグローバルなミレニアムアセスメントの続きで、日本を対象に行うということで始まっているのですが、あれは本当に分野横断的という言いますね、人文的なところから全部含めてアセスメントを行うことにしています。いわゆるインパクトアセスではなく、環境の総合的な評価をやって、その結果を組み直して色々なテークホルダーの利用に供しようという枠組みなので、2010年のCOP10というのがすごく目標になっていて、それに向けて進んでいるのですよね。
そういう中で、普通の競争的資金以外に何かこれを反映されるということができるのでしょうか。例えばCOP10等をきっかけに、これから研究進めるということもあると思いますが、里山・里海サブグローバルアセスメントなどは、専用の予算というのが無く進んでいて、参加する人が自前で資金を持って参加するという何か変な枠組みですが。

【鈴木委員】
 国連大学はほとんど持っていなくて、一部持っているように見えているのは、環境省のお金だったと思いますが。

【森本委員】
 ただ、その予算が実はわずかで、全く自前で参加している研究者もいる状況です。
 19の団体が手を挙げたのですが、これを全てサポートするとしたら別の枠組必要で、なかなかこれは大変だなと思っています。統合的・横断的な取り組みの重要性は理解できますが、何か競争的資金で一発ということに余りなじまないことが多いので、その辺どういう取り組みが必要になるのですかね。

【鈴木委員】
 この統合化・総合化のところで、各省の横断的事項、つまり各省連携というのももちろん重要でしょうが、やはり自治体が非常に財政面等で困難な状況にあるなかで、環境省が新しくつくった地方環境事務所をどういうふうに生かしていくのか。例えば流域管理ということになると、複数の自治体間の問題に関わってくるし、施策を考えていく上でどうするのかと思いますね。研究にはなりにくいかもしれないですが、今度の福田ビジョンについても一体どこで決めているのか、そういう国の大きな仕組みも一体どうするのが良いのか。これは研究対象には難しいのかもしれませんが、では一体どこで考えれば良いものなのですかね。
 そういうある意味では少し環境政策の立案の哲学みたいなものをどこかで検討しておく必要もあるという感じがします。対途上国に関しても、アジアに対して日本全体としてのどういう戦略を持っているのか、その中で、温暖化への適応に、資金メカニズムなどで大変なお金が動くときにはどういうプライオリティーをつけて、どう考えていくのか。こういう研究費の上ではこの辺を押さえておくべきという、何かそういう全体像がないというか、よく見えないのが今の状況ですね。そういうところも、やはり持続可能な社会を担っていく環境省であるとすれば、環境省がまずその辺をリードしていくことが必要ではないでしょうか。これは外務省に任せでも、環境に関してはやはり環境省の側からインプットしなくてはならない面というのはかなりあると思います。

【三村委員】
 対外的な適応の話を例にとってみますと、今、鈴木委員がおっしゃったとおりなのですが、対外的な温暖化への適応に対する援助は去年の3月とことしの3月、外務省で有識者会議からの提言という格好で基本的な考え方を出しております。その時の有識者会議に私が座長をさせていただいて、いろいろな専門家の先生方に入ってご検討いただきました。その基本的な考え方は、例えばサミットなどへの、基本ベースになる考え方になっているわけですが、それが日本の研究コミュニティーにはつながっていないですね。  
 他にも国土交通省、農水省、総合科学技術会議、いろいろなところで温暖化への適応をどうするかという個別の議論はあるのですが、それをまとめて、日本の国全体を将来、どの程度の安全度を確保して、どういう国土にするのかという話ができていない。そういう状況ですので、今の取り組みを全部並べてみると、こんなに各府省でやっているのだから、どこかがまとめないといけない。それは、もう鈴木委員のおっしゃるとおりです。

【安井委員長】 
 ちょっとここの問題としては大き過ぎるかもしれませんが、まさにおっしゃるとおりでございます。現状では、恐らく各府省はそれぞれ予算を持って実行しているけど、それをコントロールしていく総合科学技術会議は何も金が無いのですよね。そこにお金を持たせるべきかどうかという議論は、ここの議論をはるかに越すと思います。
 いずれにしても、問題の指摘は何らかの形でしておくべきだと思います。今回のG8を巡って、いろいろ分かったことの一つがそういうことだという気もいたします。
 ということで、いろいろご意見いただきまして、ありがとうございました。ちょっと事務局と相談をさせていただきまして、皆様のご意見を適切な形で反映をさせるにはどういう工夫があり得るかということを検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは次に、競争的研究資金の基本方針についてということで一つの議題が上がっておりますので、ご説明をいただいた上でご議論いただきたいと思います。お願いいたします。

【立川室長】 (資料4 平成21年度における競争的研究資金の基本方針(案)について説明)

【安井委員長】
 ご説明いただきました平成21年度における競争的研究資金でございますが、基本方針、何かご意見・ご質問等ございましたら、お願いいたします。

【鈴木委員】 
 先ほどのファンディングエージェンシー(FA)の件は、独法に移管しなくてはいけないというのは、法律的にやらなければいけないということですか。

【立川室長】
 ご質問いただいた部分ですが、研究開発力強化法ではできるという規定ではなくて、可能な限り移管するという規定になっております。

【鈴木委員】
 可能な限り移管する。だから、それを盾にとって環境省としてはもう一つ独法をつくらなくてはいけないとも言えますよね。

【立川室長】
 実はこの間の独法の整理合理化計画の中でも、二つを一つにしろという意見が出たぐらいの状況にあって、環境再生保全機構に持っていけるかというと、なかなか難しいと思います。そのような議論もありまして、三つ目の独法をつくるというのは、さらに難しい話ではないかと思います。

【安井委員長】
 確かに、一つの独法で90億ぐらいのファンディングやるというのはそれほど大きなものにならないし、これはなかなか難しい問題のようです。
 ほかに何かご意見ございますか。

【指宿委員】 
 制度の運用に関する事項ですが、例えば環境省の環境技術開発費を使って何か研究を行って、その結果を使って今度はNEDOの実用化技術研究の予算を取っていった。そういうことが環境省の実施している追跡評価の中で、たしか評価項目に入っていたと思いますが、その評価結果を世の中に広くオープンにしていくことで、各省の競争的資金が有効に機能していることを見せるとか、そういう方法はあると思いますが。

【立川室長】
 私どもの競争的研究資金はどちらかというと出口に近いものですから、指宿委員の指摘されたケースもあると思いますが、文部科学省の研究費を使った研究を環境省で行うというケースもあります。そういうことをもう少し円滑化する仕組みを考えていくことが必要だと思っています。各府省の仕切りの中で次は出せないという部分を、いかに進めていくことがオールジャパンとして良いかということだと思いますので、そういった仕組みは今後考えていきたいと思っております。

【安井委員長】
 ありがとうございました。ほかに何かございますでしょうか。
 マップをきょうは全然見る時間がなくてもったいないのですが、AとBをどういうふうに使い分けたらいいかというところを説明いただけますか。

【山根補佐】
 マップAの方は昨年度に作成していただいたものに、今年度から新たに開始した研究を追加したものです。横軸は研究フェーズになっておりまして、縦軸が各学術領域を示しております。この図を使いますと、各学術領域の中でどういった分野で抜けがあるかというものが一目でわかるようなっております。
 もう一つのマップBは今回新たにつくったものでございます。横軸のまず研究フローのところが全分野横断的に統一しています。マップAの方ですと、それぞれの分野ごとに研究段階が違うということがございましたので、定義を明確に決めて、どの研究開発がどの段階にあるかというのが一目でわかるようにいたしました。もう一つ、縦軸のところに推進戦略のサブテーマを充てておりまして、推進戦略で取り組みが必要と言われている研究が、今どの研究段階にあるのかというものが、一目でわかるようになっております。
 立川の方から申し上げましたとおり、来年度以降、推進戦略、答申等を見直すということであれば、こちらのマップBとマップAの方、両者を元に検討していくという形になるだろうと考えております。

【安井委員長】
 ありがとうございました。やはりかなり眺めていただかないとご質問もないかと思いますが、かなり有用な情報が含まれているような、少なくとも個人的にはそんな気がいたします。いかがでございましょうか。

【三村委員】
 マップですが、これだけのボリュームのものを眺めて、全体像とか全体の大きなストラクチャーを理解しようとするのはなかなか大変だと思います。それで、非常に大きな全体の表のようなものを作っていただいて、個々のテーマだけではなくて、それぞれのカラムの該当するところに何件登録されているかという情報があって、もし可能であれば、その金額は幾らかとか、合計課題数と合計金額みたいなものも一覧表になると、ぱっと最初に見たときに、この分野のこのステージにお金が今投入されているとか、この分野にはほとんど研究がないのだなというのが良く見えてくると思います。それで気がついたところをチェックしていくというような、使い方ができれば良いですね。
その時期は問いませんけれども、詳細バージョンのマップを整理した、もう一つ上の何か一覧表のようなものができれば議論がしやすいと思います。

【立川室長】
 ありがとうございます。事前のご説明を安井委員長に申し上げた時も、このマップについて、具体的にどういった研究なのかというリンクを貼れるような仕組みができると良いという話がありまして、恐らく紙にすると分かりづらいですが、そういうWeb情報を使って上下の階層をつくり、三村委員からご指摘いただいたことを含めていくと、かなり有用性が高くなっていくと思いますので、そうした取り組みについても、今後検討していきたいと思います。

【安井委員長】
 来年の作業にかかるようなことまでご議論いただきまして、ありがとうございました。
 それでは、大体予定の時間が来ておりますので、その他事項、何かございますか。

【立川室長】 
その他としては特にございません。ただ、本日の議論で資料2につきましては、かなり手直しをしなければなりませんので、また安井委員長とも相談させていただきながら、先生方にはメールベースでいろいろ照会させていただきながら取りまとめをやらせていただけたらと思っております。
 本日は貴重なご意見をありがとうございました。ご指導いただきました委員の皆様方には、この場をかりて御礼申し上げます。特にマップの作業、本当にどうもありがとうございました。
 それから、本日いろいろな議論を出させていただきましたが、例えばFA等々についても、いろいろ個別にまた相談に乗っていただきたいと思いますけれども、どうかよろしくお願いいたします。

【小林審議官】
 きょうは大変、大所高所から、また幅広い議論をいただいてありがとうございました。今の研究とか技術開発の部分については、また引き続きご指導いただきながらまとめてまいりたいと思います。本日の主な議論は、政策の統合とか横断的な展開というお話だったと思います。昨年、21世紀環境立国戦略もつくりましたので、一応、見取り図は持っているつもりでありますが、それを実際どういうふうに具体的に落としていくのかということだと思います。一番大きな低炭素社会づくりにつきましては行動計画もできましたし、基本法を出すべきではないかというような具体的な議論も進んでおりますので、なかなかこちらは前途洋々ではありますが、進化の過程にはあると思いますので、ぜひ、きょうご指摘いただいたようなことが実現できるように一歩一歩ステップアップしていきたいと思いますので、引き続きご指導よろしくお願いいたします。

【安井委員長】 
 それでは、以上で閉会とさせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。ご苦労さまでございました。(了)

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