中央環境審議会総合政策部会  環境研究・技術開発推進戦略専門委員会(第1回)  会議録

日時

平成17年12月1日(木)13:00~14:58

場所

経済産業省別館10階 1014号会議室

議題

  1. (1)検討の背景及び経緯について
  2. (2)環境研究・技術開発推進戦略の論点について
  3. (3)その他

配付資料

資料1 環境研究・技術開発推進戦略専門委員会委員名簿
資料2 検討の背景及び経緯
資料3 環境研究・技術開発推進戦略の論点
資料4 検討スケジュール(案)
参考資料1 環境研究・環境技術開発の推進戦略について(諮問)
参考資料2 環境研究・環境技術開発の推進方策について(中央環境審議会答申(平成14年4月))
参考資料3 平成16年度環境研究・技術開発推進戦略調査検討会報告書
~環境研究・技術開発推進戦略の中間とりまとめ~
参考資料4 第3期科学技術基本計画の検討状況(第49回総合科学技術会議資料)
参考資料5 中央環境審議会議事運営規則等

出席者

委員 :

安井至委員、指宿堯嗣委員、鈴木基之委員、中杉修身委員
藤田正憲委員、三村信男委員、山口耕二委員

参考人:

東京大学 後藤則行教授

環境省:

総合環境政策局 宇仁菅環境研究技術室長 中根環境研究評価調整官

議事

【宇仁菅環境研究技術室長】 時間となりましたので、ただいまから中央環境審議会総合政策部会環境技術研究・技術開発推進戦略専門委員会を開催いたします。
 本日はご出席をいただきまして、どうもありがとうございます。11月10日に設置されて以降、今回が最初の会合でございますので、皆さん、もうご存じの方ばかりだと思いますが、最初に委員の方々をご紹介させていただきます。
 社団法人産業環境管理協会の指宿委員でございます。
 それから、国連大学の鈴木委員でございます。
 上智大学の中杉委員でございます。
 国連大学の安井委員でございます。
 本日、高知工業高等専門学校の藤田委員も、間もなくお見えになる予定でございます。
 それから、茨城大学の三村委員でございます。
 それから、日本電気株式会社、本日付で株式会社シンシアに移られたということですが、山口委員でございます。
 それから、本日、参考人ということで、東京大学の後藤先生にも参加いただいております。
 本日は、大塚委員、岡田委員、西岡委員、森本委員からはご欠席との連絡を頂いております。
 次に、専門委員会の委員長ですが、中央環境審議会議事運営規則の規定では、「部会長の指名によりこれを定める」とされております。この規定に基づきまして、本委員会の委員でもありますが、総合政策部会の鈴木基之部会長より安井至委員を委員長に指名していただいております。
 それから、議事に入ります前に、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。
 まず、1枚目、議事次第が書かれた1枚の紙でございます。資料1が専門委員会の委員の名簿でございます。資料2が1枚ですが、検討の背景及び経緯と書かれたペーパーがございます。資料3-1が、横長になっておりますが、論点[1]と書かれております。資料3-2が論点[2]でございます。資料4が検討スケジュールについてでございます。
 参考資料としまして、1番目が環境研究・環境技術開発の推進戦略についての諮問の文書でございます。参考2は、平成14年4月に出されておりますが、環境研究・環境技術開発の推進方策についての答申でございます。参考資料3でございますが、この専門委員会でもベースとして参考にしていただきたいと思いますが、平成16年度に私どもの委託調査で作成をしました検討会の報告書でございます。参考資料4でございますが、これは下に「総合科学技術会議基本政策専門調査会長」と書いてございますが、科学技術基本計画に関係する資料でございまして、現在、こういった資料で検討中というものでございます。それから、参考資料5、中央環境審議会の議事運営規則をご参考としてお付けしております。
 本日は、それ以外に別な資料を委員の机上にのみ配付をしております。これは本日これから説明いたしますが、資料作成に当たりまして事務局で行いましたアンケート調査の結果を集約したものでございます。
 今、藤田委員がお見えになりました。どうぞよろしくお願いします。

【宇仁菅環境研究技術室長】 アンケート調査結果は調査対象者の個人的な意見も書かれておりますので、委員長とご相談をしまして非公開の資料とさせていただいております。取り扱いにつきましてはご留意いただきますようお願いします。
 それでは、以後の進行は、安井委員長にお願いをいたします。

【安井委員長】 座長を務めさせていただきます、安井でございます。
 今、これから本日の議事の1番で、背景及び経緯につきまして詳しいご説明がございますが、今ご紹介いただきました参考資料等の、特に参考資料3に関しましては、昨年、何回かの会合をやらせていただきまして、いささか急ぎ過ぎの気がございましたが中間的に取りまとめさせていただいており、本年度それをさらに取りまとめるということで、昨年に引き続きまして私が指名されたと理解しております。
 そのほかに、参考資料1のように環境大臣からの諮問等も出ているということでございますので、まずその検討の背景及び経緯、総合科学技術会議等との関連等につきまして事務局からご説明いただいて、それを共通認識といたしまして議論を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

【宇仁菅環境研究技術室長】 それでは、資料2を使いまして説明をさせていただきます。今回の検討の背景及び経緯でございます。
 1番目が科学技術基本計画との関係でございます。「環境」というのは、この基本計画の中で「重点的に取り組むべき4分野の1つ」と位置付けられておりまして、平成13年度以降、同計画のもとで各省連携により研究技術開発が推進されてきたわけでございます。現行の科学技術基本計画が今年度で終了するということで、第3期ということになりますが、現在、18年度以降の新たな基本計画が策定中でございます。今年度中には、計画本体と分野別推進戦略を合わせた正式な形で決定される予定と聞いております。
 その科学技術基本計画でございますけれども、資料2の真ん中あたりですが、「重要な研究開発課題の選定」という基準が示されております。重点化をしていこうということで[1]から[4]の項目を設けまして、これらに該当する研究課題が重要であるということになるわけでございます。
 その下の「『戦略重点科学技術』の選定」でございますが、これは重点分野に該当すれば、すべて重点的にやっていくということではなく、予算的にも人の面でも制約がありますので、限られた資源の中で戦略的に重点投資をするという考え方になっております。それに該当するものが「戦略重点科学技術」と位置付けられておりまして、その考え方が[1]から[3]です。すなわち、社会・国民のニーズに対して解決策を明確に示す必要があるもの、あるいは、国際競争に勝ち抜く上で集中投資が不可欠であるといったことが考え方の基準として示されております。
 合わせまして、一番下に書いてありますように、個別政策目標の達成に向けて研究開発として目指す科学技術面での成果を明確化する必要があるということも記載されております。
 裏に行っていただきまして、環境基本計画との関係でございますが、環境基本法に基づく環境基本計画につきましても、今の計画は13年3月に決定されたものでございますが、現在見直し作業が進められております。その中でも、当然、科学技術関連の記載部分が出てくるわけでございますが、横断的な戦略プログラム、技術開発の推進と長期的な視野に立った手法、情報等の基盤の整備といった形で検討が進められております。ただし、環境基本計画本文は分量の制約があるということで、具体的な研究技術開発の戦略を詳しく書くことはなかなか難しい状況でございます。
 以上、こういった基本計画が、このような形で進められておりますので、そういったところに環境分野の研究技術開発の重要事項を反映させていきたいと考えておりまして、そういった事情がありまして、この委員会での検討を非常に急いでいただきたいという状況でございます。
 3番にまいりまして環境省における検討状況でございますが、先ほどからも話をしておりますが、16年度から検討会を開催しまして、これまで有識者としてご意見をいただきながら調査を進めてきたところでございます。その成果は、17年3月に検討会報告書、中間取りまとめということで取りまとめております。参考資料にもお付けしているものでございます。
 さらにそれ以降ですが、17年度におきましても、環境分野の一線で活躍されている多数の研究者の方々に対しまして、研究課題の重要性ですとか投資の必要性の根拠等につきまして、アンケート調査を行っております。その結果も取りまとめつつあるということでございます。
 それと、最後になりますが、平成17年10月18日に環境大臣から中央環境審議会会長に対しまして、「環境研究及び環境技術開発を重点的に推進するための戦略は、いかにあるべきか。」につきまして諮問を行ったところでございます。
 以上でございます。

【安井委員長】 ありがとうございました。
 今ご説明いただきましたような背景及び経緯がございまして、それでこの専門委員会として何らかのアウトプットを出していかなければならないわけでございますが、本来ですと、今日の議事のその他、3番目の議事で説明はされますが、その資料にもございますように、かなり急いだスケジュールになっているということを、再度、ここでまずご確認申し上げたいと思います。詳しくは後でご説明があると思いますが、資料4をご覧いただきますと、本日行いまして、その後メール等との意見調整が行われて、21日にはもう既に委員会報告書の案の審議が行われることになっておりますし、その後、二、三週間のパブコメをやりまして、1月の下旬には報告書ができてしまうというものすごいスピードでございますので、それを十分ご留意いただいた上で本日の議論を進めてまいりたいと思います。
 それでは、まず、今の経緯・背景等に関しまして、ご質問等ございましたらよろしくお願いしたいと思います。アウトプットとしてはこの報告書が非常に短期間にできるという、ここに概ね限られるわけでございます。何かありますでしょうか。同時に三つの背景がございますので、いろいろな形に対応できるような形で、事務局が多分工夫をしてくれるものと思われますので、我々としてはそこに乗ってくるコンテンツ、中身を議論させていただくということでよろしいかと思います。
 よろしゅうございましょうか。

(了承)

【安井委員長】 それでは次に進めさせていただきまして、次は議題の(2)でございますが、環境研究・技術開発推進戦略の論点についてということでございますが、この論点に関しましては、お手元に資料3-1それから3-2と、二つの資料を用意しております。それでは、最初に資料3-1に基づきまして議論してまいりたいと思いますが、これのご説明を事務局からお願いいたしたいと思います。

【宇仁菅環境研究技術室長】 資料3-1でございます。論点[1]となっておりまして、各領域における重要研究課題及び重点投資課題についての素案でございます。これは、先ほどから申しております検討会の中でも検討をしていただいておりまして、それがベースになっております。この専門委員会の多くの委員の方にも検討会に入っていただいておりますが、そこで出た意見、先ほど紹介しましたアンケート調査の回答による意見、省内各関係部局による意見等々を考慮して、本日のこの3-1という資料をお作りしております。
 めくっていただきまして、最初が「脱温暖化社会の構築」という領域名になっております。全体は、重点領域は四つございまして、その一つ目が脱温暖化社会の構築でございます。ほかの重点領域は、「循環型社会の構築」、「自然共生型社会の構築」、「安全・安心で質の高い社会の構築」という領域名を作りまして、その中でそれぞれ政策目標あるいは研究開発の成果、課題・目標を整理しております。
 まず、1枚目の「脱温暖化社会の構築」でございますが、左の欄が過去5年間で進められてきた課題でございます。温暖化モニタリング技術の開発、温暖化機構の解明、高精度な予測モデルの開発等々、幾つかの課題が並んでおります。現在というのが上の方にありまして、そこから右の部分が今後5年間、あるいは、もっと長期にわたって取り組むべき課題が並んでおります。最終的には、一番右に書いてあります超革新的脱温暖化技術の開発、地球規模の普及、脱温暖化社会完全移行のための社会変革が目標として掲げられるわけでございます。具体的な課題名でございますが、太い枠で囲ってあるものが幾つかありますけども、これらが重点投資課題になるわけでございます。これらは事務局側でできるだけ課題のレベル、大きさを揃えるように努力をしたつもりですが、なかなか難しい面もありまして、いろいろとアドバイスをいただければと思います。できるだけ揃えるということから、例というのが所々に入っておりまして、特定の課題につきましては、例で示しております。
 例えば、総合的な温室効果ガスモニタリングの体制の確立というのは、今後の重点投資課題であると考えているわけですが、例としては衛星による温室効果ガスの観測、空白地帯の充足が挙げられるということでございます。
 重点投資だけを見ていきますと、アジア太平洋地域の気候変動影響モニタリング・評価ネットワークの確立、気候モデル、気候変動影響予測の高精度化と適応策の検討、気候変動リスクの管理手法と政策評価モデルの研究、技術の開発の関係では、再生可能エネルギーの課題、水素・燃料電池など新しい社会システムの技術開発・導入を挙げております。
 ここで事務局内部でも議論になりましたのはモニタリングをどう扱うかで、一番上のモニタリング対策の確立は重点投資課題でございますが、重点投資課題は今後重点的に投資をしていかないといけないということでございますので、継続してやることは当然どの課題も重要ですが、特にこういった課題については投資を増やしていくという想定で書いております。モニタリングは長期・継続的に実施すべきであると考えておりますが、他の面と違いまして、温室効果ガスは特に重要であると考えまして、太枠という扱いにしております。こういった課題の書き方、あるいは重点投資にするかどうかといったこともいろいろとご意見を頂ければと考えております。
 その下のページにまいりまして、「循環型社会の構築」の領域でございますが、ここにつきましても同じような形で整理をしております。重点投資としてはアジア地域における廃棄物適正処理・3Rの推進、循環型社会への変革を進めるための政策の研究、リサイクル技術やシステムの高度化・実用化、有害性の観点を含めた再生品、再生利用品の規格化・基準化を重点投資として整理をしております。
 それから、次のページにまいりますが、「自然共生型社会の構築」という領域でございます。
 ここにつきましては、過去5年間のところを見ていただきますと、酸性雨等越境大気汚染の実態等の解明、生態系の課題がございます。一番下には、自然共生化技術の開発、都市・流域圏の情報基盤整備ということで、大気の関係、水の関係、生態系保全の関係が含まれております。
 今後の課題は、それぞれについて、アジア地域の大気環境管理の改善あるいは生態系観測ネットワークの構築、生態系多様性データベースの統合化技術の開発、生物多様性・生態系等の変動モデルの構築、自然共生化技術の統合化・システム化といった課題が挙がっております。
 私どもとしてやや気になりますのは、真ん中の生態系、生物多様性の関連の課題が少しバランス的にどうかというところでございまして、その辺についてご意見をいただければと思っております。
 最後のページですが、「安心・安全で質の高い社会の構築」という領域でございます。これは環境リスクの評価・管理が含まれる領域でございます。
 ここにつきましては、SPM・VOCあるいはダイオキシン類の関係、POPsのモニタリング、環境計測技術、内分泌かく乱物質、自動車排ガス、化学物質がキーワードとしては挙げられますが、そういった課題に対しまして、今後5年間の課題を並べております。太枠で囲っております重点投資につきましては、簡易迅速な化学物質安全性評価手法の開発、評価手法が未確立な健康影響等の評価手法、水域・陸域生態系のリスク評価手法、最後、一番下の課題ですけれども、リスクコミュニケーション手法の普及、リスクに対する合意形成の社会システム研究が重点投資課題であるということで、私ども事務局の案として作成をいたしました。
 以上でございます。

【安井委員長】 ありがとうございました。
 実は、先ほど紹介しました参考資料3の中に入っておりますものとは大幅に変わっておりまして、これを作るに当たっては、センターテーブルには机上配付されておりますが、ある種のアンケート調査に基づいて予備的な検討をさせていただいて、今、現状はこうなっているということでございます。どうやってご議論いただくのがいいか難しいところですが、順次、最初の温暖化から、政策目標がこんなところでいいか、重点投資課題としてこんな感じでよろしいのか、これからもう少しブレークダウンして本当に玉といいますか鉄砲玉のようなものをもう少しイメージしていただきながら、それがこの重点投資課題あるいは重要研究課題にフィットしていくかどうかという観点でご検討いただくのがよろしいかと思います。
 どなたでも、また、後藤先生は「参考人」となっておりますが、ご発言いただければと思います。
 どうぞ。

【後藤参考人】 それでは、最初のこの図ですが、太いのが重点で、薄いのが少し評価が下がると見てよろしいですか。

【宇仁菅環境研究技術室長】 必ずしもそういうことではありません。全部、ここに挙がっているものは重要研究課題であって、これまでやっているものは続けますし、やっていないものはやっていかないといけないと考えております。ただし、これは科学技術基本計画全体の方針がそうですが、特に少ない予算を重点的に振り向けることが必要な課題を幾つか選定して、そこに投資をしていくことを考えております。

【後藤参考人】 今の点も含めて、温暖化に関してはこの5年間は京都議定書関係でこれを達成する、20年、30年後は、より社会経済的な構造あるいは変革も含めたいろいろな対応、50年後が国際的な協調も含めた、文字どおりの温暖化対策という文脈で私自身は解釈しますが、やはりそれぞれの研究計画もこの5年間の重点的なもの、20年あるいは長期とめりはりがあると、もう少し理解しやすいという気がします。

【安井委員長】 少し補足させていただいてよろしいでしょうか。先ほど資料2のご説明をいただきましたが、科学技術基本計画絡みで言いますと、向こう5年間に重点投資をする、この5年間にもし投資をしないと、後でリカバーが難しい、したがって、矢印そのものは20年後までスコープがありますけれども、この5年間にとにかくある程度突っ込んでおかないと後でリカバーできないものというイメージで、この重点投資課題というのはなっているということです。
 どうぞ。

【三村委員】 最初に二つほど質問させていただいて、それからコメントしたいと思います。
 一つは、「投資」と書いてありますが、この報告書がいろんなところに対して使われるということで、余り特定しにくいのかもしれませんが、誰が投資をすると考えたらいいのかということです。要するに、環境省としてこういうところに投資したいと思っている課題を挙げればいいのか、もう少し幅広く、日本全体でこういうことをやった方がいいという立場なのかというのが一つです。
 もう一つの質問は、この表で過去5年間と書いてある左の黄色い背景がついているものは、少し大くくりの分野になっていて、今後5年間以降、矢印の中に入っているのは、それよりもう少しブレークダウンした研究課題になっています。左にある過去5年間と書いてあるところの分野というのは、今までやってきた分野のことを言っているのか、それとも、今後もこの分野に沿って考える、ほぼ大体そういう方向でやりましょうということを示しているのか、この図の読み方を教えていただけますか。

【宇仁菅環境研究技術室長】 まず1点目でございますけれども、誰がということにつきましては、環境省だけでは難しい面がありますので、政府全体としてやっていくべきものと思いますが、環境省が作る報告書ですので、環境省が中心となって進めていくべきものであると考えております。
 2点目については、これまでやってきた分野で、今後もこの分野分けが妥当かどうかというのはまた議論があるかもしれませんが、これまでの分野でもあるし、今後もこういう分野について実行していくというつもりで、その課題を並べております。

【中根調整官】 中間取りまとめに書いてあった過去5年は成果ということで書いてありますが、成果と分野と若干混在しているところがございます。これは、完全に整理し切るのがいいのかどうかということで、少し大きなカテゴリーになっているところについては、成果例ということで具体化して、過去5年からと言っても切れるわけではなくて、こういうものがカテゴリーとして続くということと成果例とを配したということでございます。中間取りまとめには具体的成果と目標の事例という形で書いておりますが、今後については目標の事例よりも課題ということですっきりと整理した方がいいということで、今こうなっております。

【安井委員長】 三村先生、どうぞ続きで。

【三村委員】 わかりました。そういうつもりで、何点か、この表についてコメントさせていただきます。
 まず、私は総合科学技術会議の方でも気候変動のところで同じような作業をしておりますが、総合科学技術会議の方では全体的に、観測するとか現象を解明するというところの比重が非常に大きくなっていまして、その部分はここには入っていないのですが、それは環境省として実際に問題を解決していく立場の方を重視されているということで理解すれば、こういう比重の置き方はあると思います。だから、そのほかの観測といっても、もっと幅広い地球観測、現象解明は総合科学技術会議の方で十分カバーされているという理解でもいいのかもしれません。
 2番目は、気候変動リスクの管理手法と政策評価モデルの研究、これは非常に重要なテーマで、環境省として温暖化問題に取り組む本体の研究が徐々に登場しつつある気がいたしますが、これはよく考えてみたら、政策ツールもそうだし、技術ツールもそうだし、全体として取り組まなければいけないので、この下にあるCDM・技術移転、技術シナリオの作成、省エネ、カスケードを全部包含するようなイメージではないかと思います。そうすると、矢印の長さが合っていないとかいろいろあって、どう書いたらいいかわかりませんが、しかも、過去の成果にあるAIMモデルはこの研究の一つのコアになるものなので、少しその辺を、せっかくいいテーマが出てきているので、それがいろんなものとつながっているということがわかるような形にした方がいいというのが二つ目のコメントです。
 3番目は、細かいことですが、右に書いてある縦の列の二つ目に「超革新的脱温暖化技術の開発」と書いてあり、それにCDMとか技術移転の話、普及拡大が書いてあります。CDMの技術革新とか、例えば家の断熱技術を普及拡大するというのは、必ずしも超革新的とは言えないと思います。だから、技術の点では、超革新というテーマよりも、システム開発とか普及に重点がある分野と、本当に先端的に作らなきければいけない分野と2種類あって、それをわかるように書くのがいいと思いました。
 最後に、一番下に地球温暖化と廃棄物問題の同時解決に資する技術の開発・普及があって、まとめ方として重点4領域にまとめなければいけないというのはよくわかりますが、やはり脱温暖化をいろいろ考えていたら、結局それだけではなくて、どの分野もみんな協力してやらないと効果は出ないというところに非常に重要なシーズ、今後の研究の領域があるので、それをどこにどう書くのかは少し考えた方がいいと思います。

【安井委員長】  どうぞ。

【中根調整官】 先ほどのCSTPの方で観測が大きいということですが、課題数や太さと、予算や重要性については、必ずしも完全に一致しているわけではありません。
 ですから、この温室効果ガスモニタリング体制の確立の中にはたくさんのサブテーマがありますし、この影響モニタリング評価ネットワークの確立というのは、非常に重要なものと考えております。
 それからもう一つ、長さやイメージをどうすると誤解がないかについては、いろいろご指導、ご意見をいただければありがたいと思います。

【三村委員】 「超革新的」と書いてあるから、みんながものすごい先端技術の研究をするというイメージにとられるかもしれませんが、そればかりではないと思っただけです。

【安井委員長】 どうぞ、関連。

【鈴木委員】 この図の描き方というのは、必ずしもCSTP向けに描いているフォーマットではないでしょう。むしろCSTPの欲しいのは、重点投資が何であり、その次に、重点に選ばれなかったものが何であるのか。要するにどういうセレクションがされたのかという、どこに比べてこっちをこの5年間なり、ここしばらくの間重視するのか、それが見えないといけないと思います。だから、確かに重要なテーマがあり、ほかにも関連のテーマがある。やっぱり関連のテーマの中ということで、そこは選ばれなかったというところをちゃんと埋め込んでおかないと、重点投資が何であったのかという、そのスタイル、求められているものが出ていかないのではないか。
 それから、この脱温暖化のところに限って言えば、やはり一番下の廃棄物問題と同時解決は確かに大事ではあるけれども、自然共生型・生態系とも絡んでくるし、環境リスクとも絡んでくるので、これだけここへ一つ入っているというのは、非常に違和感がある。どなたかからのアンケートでこれが出てきたと思いますが、もう少しマイルドな書き方をされておかれるのがいい。
 それから、「超革新的」というと、革新的を超えているというのは保守的という感じを受けますが、これは一体何のことを言っているのかよく分かりません。この図全体としては、環境省の現時点での重点的な方策を示すけれども、科学技術基本計画に生かされるのはこの中のごく一部分、真ん中を切り取った部分を提出していくということでしょうか。

【宇仁菅環境研究技術室長】 そうです。

【安井委員長】 それでは順番に。

【指宿委員】 改めてこうやって並んで、一等左側に黄色いのが書いてあって、真ん中に今後5年間が書いてあると、えらく左側が目立つ。先ほどの議論にもありましたが、過去5年間のところも、左側に分類があって、やはりモニタリングとかそういう大枠の整理をしておいて過去5年間を書いていただくとバランスがいいと受け取ったのが一つです。
 それから、先ほど、環境省を中心に出すという話ですが、温暖化の話になるとどうしてもエネルギーの話が中心というか、裏腹でかなり表に出てきます。そういう意味で、省エネとか再生可能エネルギーは、この5年間頑張らなければいけない技術であるけれども、片一方は四角になっていて、片一方は重要研究課題になっていると。予算的な重みは別にないということですが、逆に言うともう少し大くくりしてもいいと思います。再生可能エネルギー、省エネと二つに分けるくくりではなくて、もう少し大きいくくりにして、その中に、例えばCDMに役立つ技術があるかとか、この辺をもう少しまとめられる感じがしたので、述べさせていただきました。

【安井委員長】 一通りご意見をいただきたいと思います。

【藤田委員】 全体を見ての意見でもいいですか。それとも、脱温暖化だけで言うのですか。

【安井委員長】 全体でも結構です。

【藤田委員】 私はどちらかといえば、専門で循環型の方をずっと見ていて、先ほど鈴木先生からもご指摘があったように、例えば廃棄物問題が上にぽんと来ていますが、実際に循環型社会からいけば、実は脱温暖化もすべて入ってくるという気がしております。むしろ、もう少し具体性を持たせた方が今後の5年間の部分ではいいのではないか。というのは、例えば最終処分場逼迫と不適正処分、処理解消のための技術開発と漠然とは書かれておりますが、例えばこれをもう少しはっきりと、例えば最終処分場に関して国がしっかりとした指導の基準を持つとか、それを開発するとか、要するに国がある程度の支援をすれば、例えば自治体あるいは民間の企業がうまく転がっていく、そういう形で今後の5年間を書いていかないと、恐らくそのままずっと、5年というのは短い期間ですから延びてしまい、また次の課題になってくる。それは、例えば、上の脱温暖化社会なんかでも、水素・IT云々というのは、逆に言うと、これは何度も出てきてしまう。それを、言葉としてはシステムとかあるいはそれのための政策と書いておりますが、ずっとそれを抱えたままでそのテーマが出てくるので、それは少し投資戦略からいくと余り有利ではないのではないか。国の役割をもう少しはっきりさせれば、意外とうまく動く、こういう循環型社会も動いていくという気はしております。

【山口委員】 個別の技術テーマについては、先生方が検討されておりますので特にコメントはありませんが、全体のまとめ方について三つほど気のついた点があります。
 一つは、科学技術基本計画との関係をどの程度持たすのか。基本的には持たすべきだと思います。第2期の計画、来年3月の第3期の計画に整合した形で、環境省の技術戦略を述べられると非常にわかりいいし、総合科学技術会議でも通りやすいと思います。そうすると、総合科学技術会議では、この資料2のポツの二つ目に、三つの戦略重点科学技術があります。一つは安全・安心。もう一つは、国際競争に勝ち抜くための技術開発。それから三つ目は、国の総合的な安全保障並びに国民経済上の効果を最大限にする。この三つのキーワードとの関わりをまとめられた方が、総合科学技術会議にも受けるし、非常にわかりやすいというのが1番目。
 二つ目は、技術開発のスパンですが、特に脱温暖化社会を見ると、今後5年間の話と、20年、30年後の話と、50年将来というのは、基本的にテーマが違うわけです。もしもここで50年を見るとするならば、水素社会、核燃料サイクルも入らなくてはいけない。したがって、今回は脱温暖化社会の構築のところで入れる限りは、これはもう5年間である。これで20年、30年、さらには50年将来となると、ちょっと内容的にマッチングしない。したがって、この技術開発のスパンをどうするかというのはやはり整理しておかないと、誤解を招くのではないか。一般的に、温暖化で言うと、省エネ、再生可能エネルギー、原子力をどうしようかというのが国の政策の大きな流れでございますから、そこら辺の開発スパンを5年で切るのか、20年、30年まで延長するのかはちょっとご検討賜ればと思っております。
 三つ目は、これは国の政策・戦略ではなくて、環境省の戦略とするならば、めりはりがあって、環境省としてはこれを重点戦略にするというのがわかるといい。私が個人的に思いますのは、やはり環境省というのは、役所の性格からして、モニタリングとか評価が強みではないか。特に国環研はそこら辺が強いわけでございまして、例えば水素エネルギーとか燃料電池というのは、むしろ別の省庁の方が、力があるし、お金も持っています。ですから、ぜひとも環境省の技術戦略とされるならば、めりはりをつけた重点テーマ、先ほど三村先生もおっしゃった、適応政策評価モデルとか、この辺はやはり環境省の大きなめりはりのつく部分であるという気がいたしました。

【安井委員長】 ありがとうございました。
 いろいろご意見を伺って、非常に有効かと思います。確かに、この絵に本来入らないような、マルチレイヤーといいますか多層に書かなければいけないものを一気に書くとこんな格好になってしまうのですが、そこはもう少し整理を考えたいと思います。
 それでは、ここのページ全般について。どうぞ。

【鈴木委員】 今、山口委員がおっしゃったことは非常に大事なことで、特に最後の環境省の特徴を出すようなものをここに挙げるのか、あるいは、本来、環境分野としてこれが必要だというような形でまとめて挙げていくのか。つまり、水素あるいは再生可能エネルギー、これは、農水省あるいは経産省に分担を決めて手を離してしまうと、本来、環境の分野からやるべきテーマでないところへお金がどんどん流れていくのではないか。それをこっち側に向けていく、環境の側に引っ張っていくという、ある意味では政策的な狙いをきちんと埋め込んでおかないといけないので、環境省としては、ここは向こうの分野かもしれないけれどもこういうことをきちんとやるべきだということを書いておかれた方がいいと思います。まさに、NEDOでは、バイオマスを急に始めましたけれども、単体技術しか開発をしていません。そこへものすごいお金が流れていて、その半分でも環境省の意図どおりに使うことができれば、日本の社会は随分変わっていくかもしれない。そういうことは、はっきりと戦った方がいいと思います。

【安井委員長】 そうですね。おっしゃるとおりでございますが、全日本的な視野からやはり書きつつ、この環境省内としてのアプローチとか、その辺もとなるとどうやって描くか、難しいところです。一枚の絵として描いてしまうとなかなか難しい気がします。

【中根調整官】 政策研究と、そのあとの技術開発の構造的なものを作ったらいいのではないかというコメントになりますでしょうか。

【鈴木委員】 技術開発が環境省の中での技術開発だけではなくて、国としての環境分野の技術開発は如何にあるべきかを訴えなければならないのではないでしょうか。

【安井委員長】 余り複雑になりましてもまた絵が見えませんから、そのあたりのバランスをとりながら、多分同じ太さの矢印が、同じ太さではないのでありますが、同じようにずっと一定の太さの矢印をこういった形で描くのかそうではないのかも本当は考えなくてはいけないのですが、それをやり出すと切りがなくなります。

【三村委員】 今の議論を伺っていて、この絵に描きにくい分野が二つあり、一つはそれぞれの研究の位置付けが日本の国全体の中でどう位置付けられていて、その中で環境省がどういうポジションをとっているのかというのをこの絵に描き込もうと思うと、とてもうまく描けないという話。もう一つは、このテーマをさらにブレークダウンして、非常に具体的なところまで描いた方がはっきりわかるというのはもちろんそうですが、それを描き始めるとものすごくたくさんになってしまう。ここは、これぐらいのテーマというか課題を並べるぐらいにして、実際、中の文章のところで位置付けの部分と課題例というのをしっかり示すということで、この図に余りたくさん期待し過ぎないというのがいいと思いました

【安井委員長】 恐らく事務局とこれからの二十何日間の検討課題になると思います。
 どうぞ。

【藤田委員】 私はちょっと違う意見で。
 例えば、環境省自身も幾つかのいわゆる研究に対する支援、補助金というものを持っているわけです。例えばそれを、5年間の間ではこういう部分に投資をしますという宣言もありという意味での発言、さっきの発言もそうですが。書き方をどうしたらいいかはなかなかコメントできませんけれども、環境省としてはそういう意思をやっぱり表示しておくべきであると思っております。

【安井委員長】 ありがとうございました。
 どうぞ。

【山口委員】 そういう意味では、この分類を見ると、研究課題と投資課題の二つあります。そうすると、場合によっては、もしもペーパーを増やしていいのであれば、重要研究課題のペーパーと、それと重点投資の課題。それで、重点投資は環境省の予算の中でおやりになる。重要研究課題はほかの省庁のものも含めて書くというまとめ方もある気がします。

【安井委員長】 いろいろとアドバイスをいただきました。あと、もう一つは、50年将来というのがここの脱温暖化社会のところにだけはあるのですが、これをどうするか。ほかは大体、循環型社会ですと5年のちょっと先ぐらいで切れている。その辺をどうするかといった話もございます。また、脱温暖化社会に関しては、超長期展望プロジェクトをまた来年やろうという話がありますので、そのあたりとの整合性もどうやって持っていくのか。そのためにやはりここに何か書いておいた方がいいような気がしますが、超長期展望で、もしありましたら。

【中杉委員】 ちょっと別な視点で、ここの中に入っていない視点です。
 温暖化の話と、循環型社会とか、後ろのリスクの話になると、住民をどう参加させるかという話が非常に重要になってきて、そこに絡んだ話で、特にリスクの方はリスクコミュニケーションの話が入っています。温暖化も、当然のことながら、社会全体が参加していかなければいけない。そういうものをどうしていくか、どう参加させていくかに関して、政策評価モデルというのは、もっと大きなレベルでの評価、本当の政策評価で、住民をいかに巻き込んで参加させるかというのも確かに政策の一つには違いありませんが、そういう観点の、社会的な、社会科学的な研究が、この脱温暖化社会のところには希薄だという感じがしました。
 それからもう一つ、ここで気になるのは、重点投資課題がずっと先まで書いてあって、5年間の重点投資だとは、なかなか、このままだと読みにくい。誤解を受けて、このまま20年、30年後まで重点投資すると読めてしまうところも何か工夫をしなければいけない。

【安井委員長】 今、主として最初の2枚についてコメントいただいておりますが、3枚目、4枚目につきましてもぜひ、ご覧いただいた上で。

【中杉委員】 循環型社会のところで、一つあるのが、政策的な話と研究の話とがごっちゃになっていると思うのは、有害性の観点を含めた再生品、再生利用品の規格化・基準化とあるが、規格とか基準を作るのは、これは研究ではなくてその研究の成果を受けたものであろう。そういう意味で言うと、再生品とか再生利用することによる影響、環境影響か、人の健康による影響なのか、そういうものを評価する方法論を考えることであろうと思います。具体的な中身を言うと、建設材料というと建設材料で使ったときに有害物質が溶け出さないか、有害物質の溶出試験法がどうというのは議論があって、そこは確立しようという話で、基準を作るというのは、行政の仕事であって、その評価を確立するというところであれば、まだいいのですが、そこに違和感が少しあるということが一つ。
 それから、これも重点の話で、5年間と言われるとまだそうでもないと思うのですが、最終処分場の適切な跡地管理活用は非常に重要な話になってきます。これが残ってしまうので、どう管理していくか。人間社会が作った有害物質、砒素をどこへ持っていくか。砒素はリサイクルしようと思ってもどうしてもできない。それをどこにどう後で管理するのかというところの考え方、戦略を考えていくと、埋立処分地は、終わると跡地利用という考え方にどうしても行きがちですが、実は有害物質の墓場として保管をしていかなければならない。そういう観点の研究は、これから重要になっていきます。今まではそういうことを全然考えないで、たくさんそういうことをやってきて、それをどうするのかは政策的には少し始まっていますけれども、どうやるかという技術的に、研究でやることはまだまだ十分できていないと思いますので、これがすぐに、5年間の重点として必要なのかということはありますが、かなり重要な課題であると認識しておりますということだけ申し上げておきます。

【安井委員長】 ありがとうございました。
 鈴木先生、3枚目のチャートについて何かございませんか。自然共生型社会。

【鈴木委員】 この、脱温暖化、循環型社会、自然共生型、安全・安心というと、四つの領域のうちの一つとしてこの自然共生型というのが位置付けられるということなのか、あるいは、ほかを全く無視して自然共生型の社会の構築を考えてテーブルが作り得るのかということで随分見方が違う気がして、さっきから拝見していました。例えば、水循環は、一番下に都市・流域圏、水循環に関するリスクは安全・安心の方に入っている。
 「自然共生型社会」という言葉が非常に耳触りがよくて、今までも、循環、共生、参加、国際協力がキーワードに使われてきた、自然共生が最終的な継続できる循環型であり、温暖化も解決したその後の人間活動の最終的な姿として自然共生型社会をきちんと念頭に置くということが本当はもう一つあると、これは実に骨太の自然共生型社会の構築というプログラムになり得る。今は何となく、生態系をここに入れ、アジア地域の大気環境も入れ、水循環も入れて、それを全部ごっちゃにし、自然共生型社会ですとなっているので、しょうがないという気はします。
 生態系にまたプロパーに関心を持っている人は、ここではおさまりが悪いという感じを持たれるかもしれないし、非常に悩ましい。だから、環境省として、最終的な、次の世代、次の次の世代へ引き継げる姿として自然共生型社会をきちんと定義付ける。そのために、自然生態系に関わる、生物多様性に関わる、いろんな野生生物等に関わる人たちはそこに向かって、今までのようにただただモニタリングを続けるとか、そういうことに重点を置いて、それはもちろん必要ですが、そういうものの上に一体何を考えていくのかというものが本当は欲しい。
 この図の描き方も、さっき申し上げましたが、過去5年があって今後5年があって、20年から30年将来、これは20年から30年の将来を見据えて今後5年間で何をするかという意味なのかと思っていましたが、どうもそうでもない。20年続く研究だったら、やっぱり重点投資なんかできない。よほど長期的かつ大規模なプロジェクトで、国家の総合的な安全保障の観点も含めて、国民経済上の効果を最大化するために集中投資をするということで、地球観測みたいに、長期間の本当に継続したモニタリングをしなければいけないというのは、別枠で必要になってくるのでしょうが、その辺の切り分けを少ししておいた方がいい。生物多様性はデータベースという話になって、国際的なCBDの枠組み、国際的なデータベース統合化をしていくと、5年というのはほんのショートタームでこれを継続していかなければいけないでしょうし、なかなか悩ましい。だから、さっき申し上げたように基本計画に反映させるのか、これは環境基本計画もそうですし、科学技術基本計画もそうですが、基本計画に反映させるとすれば、この5年間で何を、幾つかあるテーマの中からこれとこれとこれを選びますというそういう姿、その選ぶ基準は、先ほど山口委員もおっしゃった、CSTPによって示されている三つの基準のどこに適合するという、それを示しながらなおかつこちら側として必要だというものをこの5年間のテーマとして挙げていくということ。その下にダミーが2段階ぐらい並ぶということでしょうか。そういう姿をどう作るかということではないでしょうか。

【藤田委員】 自然共生型のところで、前回の検討会、16年度の中間報告でも書かれていたと思いますが、特に自然共生型社会を構築する上で抜けている視点として、人材育成をどこかでは書いておいてほしい。それはどういうことかというと、例えば都市のすぐ近くにある自然として里山とかそういうのを考えると、実はもうほとんどが放置されていて、特に関西圏ですと、竹がどんどん侵食している。これは、環境省あるいは周辺の方々もそれを認識して取組を始めているわけですけれども、現実にはそれを技術としてやるのか、人を組み込んだ形として持っていくのかというところは、まだ解決すべき問題として残っている。だから、単にNPOとかボランティアだけでやれるものでもないし、どこかではやはり、国が重点的な投資をして支援をしていくことも必要であると思います。そういう意味での今後の5年ということでいけば、少し、人に対する視点もあってもいいという気はします。

【鈴木委員】 しかし、それは重点投資という性格のものではない。人づくりとか、NPOへの支援とか、国際協力とか、そういうのはこういうところに挙がっているものではなくて、横串ですよね。

【藤田委員】 難しいです。

【安井委員長】 横串の議論は、実を言いますと次の論点[2]の方でやっていただこうと思っておりまして、ここはあくまでも重要研究課題。先ほどの中杉先生のお話にございましたように、研究でなく、規制をどうやるかという話に関しても、避けようということだと思います。

【三村委員】 先ほどの鈴木先生がおっしゃったことについて、2点、考えを述べさせて下さい。
 一つは、この20年後とか50年後というのをどう考えるかということですが、これは今後5年間程度の重点投資を考えるということですから、やはりあくまで20年先、30年先をターゲットに考えたときに、今後5年間、どういうところをちゃんと投資しておかなければいけないかという立場で考えるのが、筋が通るという気がします。
 例えば、気候モデルは、30年後まではもう大体わかっているというので、やはり50年後、100年後にもっと精度を上げるために今一生懸命研究しなければいけないという話ですから、そういう点では、視野がどこまでも伸びている問題に対して今後5年間という考え方だと思います。
 それからもう一つ、先ほど自然共生型のところで、自然共生型社会をデザインするような研究という大きな方向性が必要ということだったのですが、温暖化のところで全く同じことを考えていまして、上から四つ目にある、「気候変動リスクの管理手法と政策評価モデルの研究」とここではなっているのですが、総合科学技術会議の方では、気候変動リスクの管理手法と脱温暖化社会のデザインという研究を提案しました。そうすると、評価モデルの研究は結構テクニカルであるけれども、デザインの研究というといろんなことがどんどん入ってきて、実際に誰がどう研究するのかがかえってわからなくなるという面はあるのですが、パースペクティブとしては非常に広がる。それと同じことで、自然共生型についても、自然共生型社会のデザインに関する研究が入り得るのかどうか。仮に、論理的にそれが非常にいい構造になると考えても、実際にやる手法や研究者がいなければできないわけですが、そういうことを考えると、少し大きなストラクチャーが徐々にできてくると思います。

【安井委員長】 ありがとうございました。
 最後の安心・安全のところで少し中杉先生のご意見を伺って、それで次の議題に行かないと時間が足りない状況でございますので、お願いいたします。

【中杉委員】 まず、過去5年間というところで、化学物質の安全性データの蓄積・DB化。これは済んだように書いてありますが、実は、今、環境基本計画の見直しの今後5年間の目玉になっている話なので、こっちへ入ってくる政策です。そのため、例えば、「簡易迅速な化学物質安全性評価手法」は、これだけでは何だかわからないですけれども、化学物質の安全性データを蓄積・DB化、それを促進するためにこんなスクリーニングの手法が必要だという話の整理であると思っています。今後5年間のところも、非常に似たようなものがたくさんあって、ほかものに比べて異常に、中身がわかりにくい。それから、2番目と3番目、暴露シナリオに応じた暴露量推計手法の整備というのと広域・高精度の暴露モデルの開発というのは、どこが違うのかがよく見えてこない。
 それと、細かいところでいくと、POPs処理技術で、BAT/BEPの考え方を踏まえたということですが、POPsは、今、ストックパイルだとかPCB廃棄物の処理も、前処理からPCB廃棄物の処理に実際にかかっていて、今後5年以上かかって技術開発とはどういうことかという感じがする。確かにBATとかBEPというのは必要だけれども、それを開発したからにはもう終わっているのではないか。POPsがいろいろあるので、さらにということがあるかと思いますが、今さらという感じがあります。
 それから、もう一つ、リスクコミュニケーション手法は、書くとこうなるのかもしれませんが、実際には、リスクコミュニケーションする前に、リスクをどうやって評価するか、社会が、個人が受け入れるか、そんな形の、本当に哲学のような研究が、どうしてもなければいけない。これはほかにも共通するのかもしれません。そういうところがなくてリスクコミュニケーションをやっても、何もいかないという感じを私は持っています。
 そういう意味で、もう少し全体に中身を整理して、わかりやすくした方がいい。それから、長さも、環境試料の長期保存というのは長い仕事ではある、重要である。だからずっと延びているというのも、仕事としてずっと延びて、継続的にやらなければいけないということをこうあらわしてしまうと、少し違う感じがするので、そこら辺のあらわし方、表現の仕方も、ルールを決めて、考えていった方がいいという感じがいたします。
 それからもう一つ、一番上の、緊急対応の必要な安全安心確保技術ということで、ずっと伸びているのは、アスベスト、硫酸ピッチは、5年間以上かかっていたらどうにもならない話なので、次々とこういう緊急対応が必要なものが出てくるだろうという意味合いで書かれているのであれば、いいです。そこら辺のところもちょっと注意をした方がいいと思います。

【安井委員長】 ありがとうございました。
 今ご指摘の一つ、例えば環境試料の長期保存のような、研究要素というよりも基盤的な行為というのをどう書くかというのも、非常に難しいところです。構成まで色が残るかどうか。

【山口委員】 16年度の中間とりまとめを見ながら話をしているのですが、去年の16年度に作ったものとの継続性のある部分と、新たに取り組んだ部分があると思う。そこら辺がないと、毎年毎年新しいことを、5年計画を作っているようにみえるので、16年度に作った戦略との継続的な部分と、新たに今年度設けた部分がわかるような形の表にされた方がいい。

【安井委員長】 去年作りましたのは、まだ未完成品です。ですから、中間取りまとめとして作ったものでございまして、たたき台的なものでございます。

【山口委員】 そうですか。

【安井委員長】 はい。

【指宿委員】 安全・安心でPOPs処理はもう少し大きくとらないといけないという感覚で、あとは中杉さんの意見と同じように、少し線が細いのがいっぱい立っているので、まとめればいいと思いました。

【安井委員長】 これから、委員の先生方のご意見をどうやって集約していくか、これまたテクニカルに難しいところだと思いますが、いずれにしても21日までに少し、また努力をしなくてはいけないということでございますので、いずれにしても何らかの形で反映をさせていただきたいと思います。
 したがいまして、論点[2]に移らせていただきますが、こちらはむしろ横串的なお話が書かれておりまして、その研究動向というよりも、より一般的な話でございます。こちらのご説明をお願いいたします。

【宇仁菅環境研究技術室長】 いろいろ貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。こちらの方で整理して何らかの対応をしたいと思いますけれども、ただ、全部のご意見を反映させるのはなかなか難しい面もありますので、その辺はご容赦をいただければと思います。
 論点[2]の方にまいります。資料3-2でございますが、先ほど少し話もありましたように、横串的、個別の課題ではなくて、共通的な課題、基盤になる課題を挙げております。強化すべき方策ということで挙げております。
 順番に説明させていただきますと、まず1番目が「国際的取組の戦略的展開」でございまして、これはこの研究開発分野だけではなく、いろんな分野、環境分野の中でのいろんなところでこういった国際的な取組の重要性が言われていますけれども、研究技術開発の分野でも、特にアジア等を中心とした途上国に対する国際的な取組が重要であるということで挙げております。あるいは、アジア全体の持続可能な社会を構築するということも目標になると思います。
 あとは、河川の流域管理の問題、越境大気汚染の問題、多様性の保全も共同研究が重要であるということでございます。
 3点目は、アジアを特に対象とした技術の開発、普及も重要であるということであります。
 2点目、「競争的研究資金の拡充」であります。これは、3番目に「特に」と書いてありますけれども、環境省の制度に幾つか競争的資金がありますけれども、資金配分の外部機関化につきまして、研究の系統的な評価と進行管理により研究の質を一層向上するということからこの体制を検討すべき、ということでございます。この2番目の項目につきましては、全体的な流れ、総合科学技術会議においても競争的資金の拡充とともに、資金配分の外部機関化、FA化、ファンディング・エージェンシー化というのが指摘されておりますので、そういったことも考えての案でございます。
 3点目は、「地域における研究・技術開発の推進」というタイトルでございます。特に環境分野は、科学技術基本計画で挙げられておりますほかの重点分野と違いまして、地方の研究所、自治体における研究所を想定しておりますけれども、ここの活用というのが一つの重要事項であると考えております。したがいまして、公的な研究資源である地環研の活用が重要であるということであります、あるいは、大学、産業界、企業との産官学連携も当然重要になってくるということでございます。
 4点目が、「研究開発評価の拡充強化」でございますが、これも科学技術基本計画などで全般的にこういった評価の拡充強化の重要性が指摘されておりますので、環境分野においても当然こういった面の強化が必要であると考えております。
 5番の「総合的、統合的な研究の推進」でありますが、先ほどの重要課題のところでの議論にもありましたように、複数の分野にまたがるような課題、あるいは相互に影響するような課題というのが増えておりますので、こういった研究テーマについては、相互影響も含めて総合的に判断することが重要であるということであります。もう一つは、先ほども指摘があったと思いますが、経済、社会全体とも深く関わってくるということ、特に、いろんな新しい技術を普及して定着していくためには、どうやってそういう社会システムを作っていくかということも重要なことだと思いますので、人文・社会科学の観点を含めた研究と書いておりますけれども、そういったことを推進することが重要であるということでございます。
 6番目は、「先端科学技術の積極的活用」でございますが、バイオテクノロジー、IT、ナノテク等の先端的な科学技術を環境分野においても積極的に推進していくことが重要であるということであります。「ただし」と書いておりますけれども、ナノテクの健康影響等の懸念も指摘をされておりますので、そういった面にも配慮することが必要であるということでございます。
 7番目の「成果の普及促進/普及啓発」でございますが、一つ目は、有用な環境技術についての環境保全性能を実証するということが重要であるといったこと。2点目としまして、一般国民の皆さんへのわかりやすい普及啓発が必要であるということ。3点目は、社会還元も必要であるということでございます。
 8の「知的基盤の整備、環境情報の整備・発信」でございますけれども、環境試料の長期的な保存が重要である、あるいは、情報とかデータの整備が重要であるといったこと。あるいは、論文・特許、標準化といったことも含めた知的財産の充実が重要であるということが内容でございます。
 9番が「研究開発成果の環境政策への反映」でございますが、これは当然のことでありますけども、今後、環境政策への積極的な貢献、成果を反映させていくことがますます重要になると考えておりまして、そういったことで政策的な研究が重要であるということで書いております。
 10番として、「その他検討すべき方策」。ここは内容を書いておりませんが、これ以外にもいろんな方策を検討すべきであると考えております。
 ここに挙げております項目は、昨年度の報告書にも強化すべき方策が書いてありまして、そこから引用したものがほとんどですが、ここについてもできるだけめりはり、全部を同じように強く推し進めるということもなかなか難しいと思いますので、特に力を入れて強化すべきであるということをピックアップできればと思っております。
 本日は、これは骨子となっておりますが、最終的には、当然、文章にした形で取りまとめるということにしております。
 以上ですが、特にこれは重要だといったことを含めて、いろいろとご意見をいただければと思いますので、よろしくお願いします。

【安井委員長】 それでは、よろしくお願いしたいと思いますが、二つございまして、まず一つは、先ほどの、例えば人材が余り入っていないとか、それをどこに入れるべきかということ。それからあと、このめりはりをつけるとき、どういう形でめりはりをつけるのかという、そのあたりで、よろしくひとつお願いしたいと思います。
 藤田先生、どこかに人材を。

【藤田委員】 人材は少し考えさせてください。地域の問題の辺に入ってくるか、あるいは、普及のところに入ってくるのではないかと考えております。
 1点、国際的取組の戦略的展開で、地球環境センターのいろんな評価、技術の話があったときに、エコタウン事業を海外でPRするシンポジウムを開いているということを言っておりまして、これはすばらしいことであると思いました。というのは、我が国が、もちろん環境省が中心になってエコタウンをずっと幾つも認定して作っていった。その中で、今、非常に新しい環境技術がたくさん生まれてきているわけです。それを、財団ベースですけれども、民間ベース、市場ベースでPRをして、結果としてはそれが特に東アジア等の国に技術移転などで貢献できるということであれば、非常に大きな意味を持っている、そういう意味から、1の(1)と(2)も非常に大事ですが、私はやはり、単にODAとかそういうものではなく、自立した形で環境技術が外へ出ていくということが望ましいと思って、この3番は非常にいい文章、フレーズだと感心しました。

【安井委員長】 山口委員、どうぞ。

【山口委員】 この九つのテーマ、方策は、基本的に私はこれで、非常に網羅的で、かつ、いいのではと思っております。
 ただ、特に、私も、重点的、もう少し踏み込んでもらいたいというのは1番と3番でございまして、国際的取組は、特に温暖化対策、資源循環を考えた場合には、この国際的な取組は非常に大事。特に、アジア地域よりも東アジア、中国を中心としたこの国際的取組のリーダーシップを発揮することは、我が国として極めて大事である。そのリーダーシップの発揮の仕方としては、先ほど藤田先生もおっしゃっておりましたけれども、一つは技術移転であり、一つは人材の交流。これが私は極めて重要な問題だと思います。したがって、特に私は、1(1)、ここに技術移転、人材交流を含めたリーダーシップを発揮する、もし書けるならば、私は、アジア地域よりも東アジアをお願いしたいというのが1番目。
 2番目は、3番の「地域のおける研究・技術開発の推進」。これも国内対策としては非常に大事でございまして、かつ、地方事務所をうまく活用して研究成果を地域でフィージビリティー・スタディーをする。こうなると、国際問題と国内問題の両輪で非常にいいという気がいたしました。

【安井委員長】 ありがとうございました。
 鈴木先生、どうぞ。

【鈴木委員】 この論点[2]でここへまとめたものをどこに生かそうとしているのか。

【安井委員長】 私が申し上げる立場ではないかもしれませんが、大臣からの諮問に対する答申の中にも生かしていくということだと思います。戦略は、こっちにも書かれております。

【鈴木委員】 戦略はいかにあるべきかということが報告書の中身だと思うのですが、論点[2]の方は、「戦略推進に当たり強化すべき方策について」。だから、戦略は戦略として答申を出して、それを受けて、後で環境省としてそれを強化するためにはこういうことが必要だという使い方をされるのですか。

【宇仁菅環境研究技術室長】 いや、これは答申の一部に入ります。

【鈴木委員】 答申の一部。これが答申の一部に入っていると、それに従って環境省が動くことになるということですか。

【宇仁菅環境研究技術室長】 そうです。

【鈴木委員】 そういう、いわば還流型のペーパーということですか。

【宇仁菅環境研究技術室長】 これもまた、全部が全部、すぐに実行できるわけではないのですが、基本的にはこれに沿って今後施策を進めていくことになります。

【鈴木委員】 要するに、将来だけの話なのですか。つまり、今、いろんなところに問題があると思うのですが、例えば山口委員のおっしゃった地方事務所ということになると、これ、非常に重要なのですが、地方事務所でいろいろ活動していくためには、むしろ、地方における各省連携、土木事務所、工事事務所、いろんなところを使って、地方で動いていく。こういう話を例えばここへ埋め込むと、それは実現する可能性があるのか、それとも、環境省から出ていかないペーパーだったら埋め込んでもしょうがない。その辺はどうですか。人づくりというのも、これも一般的過ぎて、研究だけの問題ではないです。環境分野すべての面で人づくり、要するにキャパシティー・ビルディング、国際においたってそうでしょう。国際的な活動をするための人がいないのですから、そういうところをどう取り込んでいくのか。要するにそれは、ひとえにこの紙がどう使われるかにかかってくると思います。

【宇仁菅環境研究技術室長】 例えば、全く環境省で手がつけられない課題は、ここで言ってもということになりますので、第一に環境省が中心になって実施すべき方策というのを挙げていただくということになります。ただし、環境省だけで全部をやる必要もないと思いますので、先ほどおっしゃっていただきましたような地方事務所の連携、地方の機関の連携というのはあり得ると思いますけれども、その場合でも、他省でやってくださいというのではなく、例えば環境省の事務所が中心になって連携をやっていくといった書き方にしていただきたいと思います。

【鈴木委員】 例えば、国際的な取組のところで、国際的な環境問題で、例えば有害物質、パソコンの越境移動という問題はかなり大きな問題です。
 それと、もう一つは、農業生産物に伴って、例えば下層水の移動というのがある。向こうで、外地で生産される農産物によって、向こうの水を年間500トン以上使っているわけです。それは日本の農業用水の水利権に見合うぐらいの量を消費しているという問題もある。これは水循環に関する非常に大きな環境問題です。農産物あるいは飼料に伴って、窒素が百何十万トンか日本に入ってくる。これが日本の国土を富栄養化していくという非常に大きな国際的な問題があるわけです。そういうものを一体、これから本気で取り組んでいくつもりがあるのかどうか、環境省で手に負えるのか、それは農水省の尻をたたかなくてはいけないという話になるのか。何かいろいろと、「強化すべき方策について」というと、皆さん山ほど言いたいことがあって、どこまで言ったらいいのかといういう話になってしまう。

【宇仁菅環境研究技術室長】 それにつきましては、今後5年間あるいは10年、20年でもいいですが、やはり環境省が中心になって進めるべきだと思うのですが、他省と連携してあるいは共同して実施すべきであるということが入っていてもいいと思います。

【鈴木委員】 何しろ人材が、これだけの限られた人材がものすごいテーマを抱えておられるから。

【宇仁菅環境研究技術室長】 はい。例えば人材育成が重要であることは皆さん賛成していただけると思うのですが、では環境省でどういう施策ができるかということになりますとなかなか難しい点がありまして、そういったことを考えますと、最初に言いましたような、特に重点的に人材育成をやるべきということになりますと、実際にはなかなか難しいと、大変難しい面が出てまいると思います。

【鈴木委員】 例えば財源をどこかに見つけて、例えばファンディングを強化すべきである、ファンディング・エージェンシーを作るのではなくて予算を倍増すべきであるということをここへ書き込むことによって、何か力になさることがあるのですか。

【宇仁菅環境研究技術室長】 。予算という面で言いますと、今よりも格段に増えるというのはなかなか難しいと思いますので、どうしても、我々としては、現在の手持ちのツールなりカードで対応できる範囲のものというのが中心になると思っております。

【安井委員長】 どうぞ。

【中杉委員】 今の鈴木先生の言われたこととちょっと裏腹ですが、2番の競争的研究資金の拡充の(3)の最初のところの、環境省の基本計画だからこう書かれるのかもしれませんが、何で「特に環境省の制度については、」と麗々しく書かなければいけないのか。これはむしろ、逆に言えば、環境省として率先してこういうことをやるという宣言をしているのか。ここら辺の書きぶりは突出している。どういう意味合いで書かれているのか。

【宇仁菅環境研究技術室長】 それにつきましては、ここでは説明不足ですけれども、競争的資金は、総合科学技術会議でもヒアリング等をして、内容について評価をしていただいておりまして、いろんな省庁がいろんな競争的資金を持っているのですけれども、全くFA化をしていない、つまりすべて本省で配分をしているところは、実質的には環境省だけです。

環境省だけが現時点で本省だけが配分等もやっているということがありまして、総合科学技術会議からFA化について検討するよう指摘を受けていることが、背景にあります。

【中杉委員】 それはわかりますが、何でここでこう書かなければいけないのかという点が、違和感があります。
 ただ、それでは、ほかの競争的資金は、みんなが乗っかってやる類のテーマで、経産省は、それをやればお金になって、プラスの方向の研究開発になる。環境の場合には、そこはどうしても、やったらプラスという話では必ずしもない。環境産業で一部そういうのがありますけれども、そういう特殊性もある程度あるということは十分に認識しなければいけないし、そういう意味で、総合科学技術会議でそう言われているからといって、書くのかというのが、ちょっと奇異に感じただけでございます。

【中根調整官】 少し誤解があると思いますのでご説明したいと思いますが、これは外部に移したからといって、制度自身の目的が政策支援の研究費でございますので、政策とのつながりが弱くなってもいいというものでは決してなくて、系統的な評価・進行管理、これを行って、同じ研究者がやったとしても、さらに大きな成果を得られるように、限られた本省の人材の中で、片手間に評価・進行管理はなかなかできないということで、プログラムオフィサーなども配置して、それを非常に系統的にできるようにファンディング・エージェンシーに予算を移すべきという趣旨です。そこは補足させていただきます。

【安井委員長】 どうぞ。

【三村委員】 この素案、論点[2]は、位置付けが即座にはわかりにくいというのは、いろんな要素が入っているからではないかと思います。入っている要素が三つぐらいあって、一つは複合的な研究テーマや、研究アプローチのあり方について書いてあるものと、研究環境や制度の整備について書いてあるものと、研究成果のアウトリーチとか活用の仕方について書いてあるものと、何種類かがある気がします。だから、それぞれ、何のためにそういうことをここで書くのかというグルーピングを少しして整理をしたら、だんだん見えてくるものがあるのではないかという気がします。
 2点目ですが、私は幾つかの国際プログラムの連絡役、国際委員をやっているのですが、例えば地球環境に関して、IGBP、IHDP、それをまとめた地球システム科学パートナーシップというものが走っていたり、あるいは、途上国支援のSTARTというプログラムが走っていたりするのですが、日本の中に、そういうところからいろいろ要請が来ても、それをまとめて対応する場所がない。学術会議の改革に伴ってそういうのができるのかもしれないですけれども。そうすると、いろいろいいアイデアとか要請がどんどん来るのだけれども、誰に持っていってどこでやってもらったらいいのかわからないものだから、向こうもだんだん嫌になってきて、日本に持ってこなくなる、そういうような事態もあるので、国際的取組で技術戦略をどんどん、民間ベース、市場ベースで広めていくことも非常にすばらしいことだと思いますが、国際的にできている枠組みの中から日本の研究者が外れないようにする仕組みをどう作るか。つまり、そういうものとのつなぎ役、ヘッドクオーターをどこでどうするのかをしっかり考えておかないと、国際的な環境研究が大きなプログラムから、日本のプレゼンスが少しずつ消えていくという傾向に今ある気がします。その辺をどこかで必ず見ておく必要があると思います。

【安井委員長】 私も幾つか申し上げたいことがありまして、先ほど中杉先生がおっしゃった話とも絡むのですが、これが研究か、技術開発かと言われるとどうかというところはありますが、例えば消費者のマインドとかリスクのパーセプションというものをどこかに、要するに消費者を研究対象とする研究の重要性がこういうところにもあってもいいというのが一つです。それから、人材の育成、いろいろなところに非常に必要なのでありますが、恐らく環境省というこの枠組みの中で考えていくと、やはり内部でというわけにもいかないので、やはり例えば人材の育成と同時に、うまく人材のネットワークを作って活用していくという、ネットワークをさらにネットワーキングしてうまく活用しようという話で、ネットワーク・オブ・ネットワークスということも言っていますが、人のネットワークをうまく作ってそれを活用しようという戦略の方がいい。そんなこともどこかにお書きいただきたい。それからあと、競争的研究資金のところに戻りますと、競争的研究資金だけが明示的に書かれているのですが、先ほど、研究にはやはり競争的研究資金が似合わない、余り似つかわしくない基盤的な研究資金をいかに確保するかという裏腹な問題を抱えておりますので、やはりそれも明示的に書いた方がいいという気もします。その3点です。
 強いて言えば、その研究開発の評価ですが、評価、評価と言われて、最近評価ばやりですが、そろそろ評価そのものの評価をやらないといけない時期に来ている気がします。その辺をどう書くか。もし書けたら、何かお書きいただけたらという気がします。

【指宿委員】今のとは直接関係ないかもしれませんが、全体的に1から書いてあるので、何のためにこれをやるのかということが1行でもあると、もう少しわかりやすくなるというのが全体的な印象です。
 例えば、1番のところで、国際的取組の戦略。アジアのために一生懸命やるということではないはずです。それだけではなくて、日本が競争力を持って生き残っていくためにという観点もあるはずなので、そういうところが出る書き方、あるいは項目の追加があるのではないか。化学物質ですと、EUがどんどん勝手に指令を出して、日本もそれに従わないと製品が出せないというのも、大事な国際的な問題であると思いまして、そんなところも少し入れたいという気がしました。
 それから、3番の、地域で地環研と書かれていると、非常に抵抗があって、産総研の技術センターも、環境に絡めて随分一生懸命予算をとったり、研究をしています。ですから、ここは環境に関連する地方研究機関とか、もう少し広くとった方が、人材も揃うし、いろんなニーズも酌み取れると思います。

【安井委員長】 ありがとうございました。
 あと、何かございませんでしょうか。いろいろなことを言い出すと切りがないですが、それとあと、めりはりの問題があって、今みたいなことを全部突っ込んでなおかつめりはりというのは、これまた矛盾しているような気もするし、その辺をどうするかは、またテクニカルに考えさせていただければと。
 どうぞ。

【鈴木委員】 「戦略推進に当たり強化すべき方策」、戦略というのは、環境研究・技術開発推進戦略のことですが、がまとめられている。推進戦略を推進するに当たり、強化すべき方策は、環境省内でどういう目配りをしてどういう、その推進戦略の外縁部分をここにまとめて書いておこうと、こう考えてよろしいですか。だから、あくまでもそれは研究であり、技術開発を推進するためのものであって、政策推進とか、もっと、環境省の本来あるべき姿ということはここでは議論しないと考えていいですか。そうしないと、国際的取組とか、広がりに広がり過ぎてしまって、そういう意味で、先ほどの4ページものを実行するに当たって何が必要かということに絞らないと、漠としている気がします。だから、国際的取組も、さっきの四つのものに、横串で関わっているわけでしょう。そういうものに関わるものをここに明確に書く。それから、研究資金の拡充も、確かに一般的過ぎるので、こういう四つの部門の研究を行うためには、どういう研究支援体制、サポート体制を作るべきかというファンディング・メカニズムを考えた上でそれをサポートするファンディング・エージェンシーが必要になる。どの部分を公募で補い、どの部分を経産省のお金を入れてもらうということを本当は書きたいところです。
 それから、そういう意味で、先ほどの4枚の、重点投資課題となっていましたけれど、重点的な研究課題をここ何年かで推進していくために必要なところに、ちょっとわかりやすくしていただいた方がいいかもしれない。

【安井委員長】 そのとおりだと思います。
 あと、何か。どうぞ。

【後藤参考人】 何となく、ぼんやりとした意見になってしまうかもしれませんが、やはり環境省という省とほかの省との大きな違い、ここに戦略云々と書いてありますが、やはり環境省というのは何かを守る、そういうのが重要な任務で、ポジティブに、今、構造改革云々でやらざるを得ないという風潮もありますけれども、やはり環境省の特色というのは、絶対的にこれは守るとか、国民の安全・暮らしとか、先ほどいろいろキャッチフレーズがありました。それで、やはり昨今の事情を見ていても、国民がかなり関心を持っているのは、こういうビジョンも大切だけど、そういうビジョンがうまくいかなかったときのその対応がどうも欠けているのではないかというのが、恐らく、今もマンションとかそういうので何か関心を持っていると思います。そういうのことを少し考えながら聞いていました。
 私は温暖化関係が専門ですけれども、温暖化もいろいろビジョンが載っています。その中に隠れたように適応策と載っていますから、それがそういうことでしょうけれども、やはり安全を守るということからすれば、もしかしたら、温暖化というのはある程度もう、我々は受け入れなければならないというのは皆知っているわけですから、やはり環境省は国民の安全を守るという適応策というものを、かなり保険的なこういう研究分野も重視しているというのを見せる、何か守るというイメージがこの戦略推進にあってもいいと感じました。

【安井委員長】 ありがとうございました。
 何かございますか。どうぞ。

【藤田委員】 先ほどもEU指令の話が出ましたが、8番の標準化、これを、規格化・標準化、その辺のことは言葉としては別だと思いますが、やはり環境省が特段関われる部分の一つはやはり標準化、あるいは、何らかの形で基準を示して、それを進めていくということをやっていかないと、なかなか地方が動かないという気がします。
 ちょっと話は飛びますけれども、私もかつて大学にいたときは、大学で、何が自分たちにとって売り物なのかというと、いわば○○の客員教授に任命するから努力をしてくださいとか、やっぱり一種の見栄は大学では与えられる。そうすると、環境省で一番、お金を余り出さずにやれることはこの辺のところにあるという気がします。だから、重点化に投資するというのは、確かに技術開発とかその辺で投資はするが、それをもう一度、少しのお金で標準化をすることによって、より普及を図っていくというところの視点は非常に大事であると感じています。特に、廃棄物、埋立処分場はそういう情報が欲しい。あるいは、そういう規格、スタンダードが欲しいという気がしますので、この辺のところは、重点的な形で残していただければと思っております。

【安井委員長】 ありがとうございました。
 それでは、どうぞ。どうぞ、鈴木先生。

【鈴木委員】 ここにどういう形で書かれるのがいいのか、先ほど出ました地域の部分ですが、地域を離れた、国全体としての研究体制の問題も絡むわけですが、三位一体改革が進んでいって、財源が地方に移っていき、なおかつ、いろんな意味での研究補助が中央からはやりにくくなっていくというときに、本当にその地域に根差した環境研究の体制が作り得るのかどうか。それはどこかできちんと見据えて、それを視野に入れて、やはり地方事務所の、環境省の地方事務所の役割分担をかなり強力に育てていくことをしないと、各県のいろんな環境管理の体制が、僕はだんだん劣化していくと思います。そういうものもやはりある程度、先が見えないのでまだわかりにくいですが、少し視野に入れて、体制を考えておくということと、同時に、こういう競争的資金という形でお金が動いていくと、そこで起こってくるのは、研究者が個人の興味で研究申請をしていくということ。必要なのは、環境研究は、先ほど出ていますように、本当にニーズがある、国としてのニーズがあるものをどうトップダウンで、何らかの形でコントロールされた形で進めていくことが必要なので、そういうところに研究者のいろんなところに分散している資源をどう結集するか、それがどこかで考えられなければいけない。そのときに、国立環境研究所は一体どういう役割を果たしていくことになるのか。今までのような形でいいのか、もっと、そういう意味では求心力をそこに持たせるのか。あるいは、ファンディング・エージェンシーにその求心力を持たせるのか。それを国全体として設計しておかないと、競争型であれば何でもいいという分野ではない。さっき、中杉さんがおっしゃったようなことともダブりますけど。

【安井委員長】 ありがとうございました。
 大体、そろそろ時間でございますが、まだいろいろご意見もあろうかと思いますが、それを今後どうするかに関しましても、それを含めましてその他でございますが、今後のスケジュールのご説明を頂きたいと思います。

【宇仁菅環境研究技術室長】 ありがとうございます。資料4でございますが、今後の検討スケジュールでございます。
 最初に安井委員長の方から既に説明があったとおりでございまして、かなり短期間でお願いをしたいということでございます。それで、できるだけ早いタイミングで素案なりたたき台をつくりまして、またメール等でやりとりをさせていただきたいと思います。
 まとめのイメージとしましては、安井先生の方からは先ほどから、まだまとまったものではないということもありましたが、参考資料3に16年度の検討会報告書がありまして、ここに資料3-1にあります絵だけではなくて、いろんな説明もありますし、強化すべき方策も幾つか書いてありますが、これを参考にしながら、今日いろいろご指摘がありましたので、そういったものを入れ込んで、素案を作っていきたいと思います。
 それで、今日ご意見いただいたことは我々で書き取っておりますけども、今日出なかった意見につきましても、今後1週間程度の間を目途に提出していただければ、それを素案の作成に反映させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

【安井委員長】 ということでございますので、一応、1週間目途で、新たな論点等ございましたらお知らせを頂きたい。また、絵に関しましても、やはり絵は結構インパクトが強いので、こういうところに載ってしまうと最終的なものというイメージを与えるので、もう少しいい描き方がある等ございましたら、そのアイデアもぜひ合わせてお願いをしたいと思う次第でございます。
 ということで、大変タイトなスケジュールでございますけれども、ご協力をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、本日はありがとうございました。閉会とさせていただきます。

【宇仁菅環境研究技術室長】 どうもありがとうございました。

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