中央環境審議会総合環境政策部会 環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会(第3回)議事録

日時

平成15年12月24日(水)14:00~16:00

場所

環境省第1会議室

出席委員

12委員
山本 良一 
青山 裕史 
天野 明弘 
河野 正男
崎田 裕子
佐野 角夫
瀬田 重敏
福川 伸次
益田 清
三橋 規宏
安井 至
安原 正  

 

委員長
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議題

  1. (1) 環境に配慮した事業活動の促進方策について
  2. (2) その他

配布資料

資料1    環境に配慮した事業活動の促進方策の在り方について(骨子案)

議事内容

午後 2時00分 開会

 

○佐野環境経済課長 定刻でございます。福川委員からは、少し遅れておいでになられるというご連絡をいただいておりますので、ただいまから環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会の第3回の会合を開催させていただきたいと存じます。
 まず事務局より本日の資料のご確認を申し上げます。

○事務局 お手元の資料をご確認ください。議事次第の下の方に配布資料がございまして、そこに資料1というのがございますが、それがA4の縦のホッチキス留めのものでございまして、資料1、環境に配慮した事業活動の促進方策の在り方についての骨子案というものをお配りしております。その下に第2回の小委員会の議事録案をお配りしておりますので、ご確認ください。
 それから、今ほどお手元に追加の資料ということでA4の1枚ものをお配りしております。「4.今後の対応の方向」に関する論点(案)についての事務局のメモというものをお出ししております。本日の資料は以上でございますが、不足、乱丁等ございましたらお申しつけください。よろしいでしょうか。

○佐野環境経済課長 ご案内及び配布資料のところに、それから事前にお送りさしあげたものには入ってございませんが、委員長とご相談させていただきまして、本日ご議論いただくものの論点に非常に関係するものとして、パブリックコメントにかけさせていただいておりました、環境報告書の作成基準、審査基準のパブリックコメントで今回のご議論にも非常に関連するご意見をいただいておりますので、本日のご議論のご参考のために整理したものを配布させていただきました。
 それでは、前回は大変幅広い観点からご議論いただきましてありがとうございました。前回の議論では、各委員の皆様方から環境報告書の在り方をはじめとします自主的、積極的な環境配慮の取組を促進するための方策、これは事例をお伺いするということも含めて数多くお話いただいたところでございますが、本日はそろそろ議論の集約に向けまして、環境に配慮した事業活動の促進方策について、これまでの議論を肉付けをしましたような骨子案という格好でご提示をさせていただきましたので、これをたたき台にご議論いただければ幸いでございます。
 それでは、以後の進行を山本委員長にお願いしたいと存じます。

○山本委員長 それでは、早速議事に入りたいと思います。
今日はディスカッションに十分時間がとってあるようでございますので、80分ほど時間がとられているようでございますので、まず事務局の方で用意していただきました促進方策の在り方についての骨子案をご紹介いただいた後で議論に移りたいと思います。
 それでは事務局よりお願いいたします。
 

○佐野環境経済課長 それでは資料1と振ってあるものでございます。これは第1回のご議論でいただきましたご意見、それから前回第1回のご議論を類型といいますか、課題ごとに整理をいたしたものをご用意をさせていただきましたが、あれをもとに行われましたご議論を踏まえて、それぞれの要素につきまして肉付けをしたようなもののつもりでございます。
 今回は第3回でございます。そろそろご議論の集約というふうに向けまして、こういったものをたたき台にしてご議論いただければ幸いでございます。
 構成でございますが、1枚目、1ページ目のところに検討の背景、2、3ページで現状、4、5ページで今後の課題、それから6、7及び8ページで今後の対応の方向というふうに整理をさせていただきます。順次かいつまんでご説明をいたします。
 検討の背景及び現状につきましては、主に私どもが最初のころに問題意識及び資料という格好でご説明をさせていただいたものを踏まえたものでございますが、今日事業活動、私どもの日常生活も含め、また事業活動、特に通常の事業活動から生じている環境負荷が、やはりいろんな環境の負荷受容能力からというものから見て大きくなっているということに問題が生じているということでございます。そのためには持続可能な社会経済システムを構築すること。具体的には環境を良くすることが経済を発展させ、経済が活性化することによって環境がよくなっていくような、環境と経済の好循環ということを築くことが重要であり、またこの点については小泉総理大臣からもご指示をいただいているところでございます。
 一方、こういったことのためには事業者の自主的、積極的な環境配慮の取組がきわめて重要である。特に経済活動及び事業者の活動がグローバル化していくということ。それから、一方では事業者というのは新たな技術開発、特に製品あるいは流通というような部分によって消費、あるいは廃棄の段階におきます環境負荷の軽減にも寄与し得るという性格がございます。
 こうした中で、事業活動における環境配慮の取組を進める上で有効な手法として、環境マネジメントシステム、製品の環境配慮、環境会計等々に取り組んでいただく企業が増加をしているというようなことがあろうかと存じます。
 それを踏まえまして、まずでは環境に配慮した事業活動の現状というところで押さえておいた方がいいことはどういうことかということでございますけれども、やはり今日の環境問題ということに対しましての、1つは社会や市場からの要請の高まりということで、事業者の自主的積極的な環境配慮の取組の重要性ということがいろいろなところでいわれている。
 それから、その中身として、企業が評価される視点というものが経済のみならず環境、あるいは社会性というような総合的な取組を求める方向へいろいろ変化が起こっていること。それから、資本、消費者、サプライチェーンというそれぞれの市場において、環境配慮の取組に対する要求が高まるということが進行しておるということ。
 これを受けた格好で、欧米ではCSRという観点から企業を評価する動きが拡大していること。あるいは、そのための調査、評価機関というようなものが存在しており、我が国でも徐々に拡大されているということでございます。
 それを応える格好での事業者の取組の進展という格好で、事業者の認識ももちろん進展をしておりますし、特に具体的な取組という観点から見ますと、ISO14001の認証事業所というのは、これは世界で最大の水準にあるというようなこと。あるいは環境会計、環境報告書等々、ライフサイクルアセスメントというようなものも増加してきている。ただ、ISO14001というのは企業内部の環境マネジメントシステムの規格でございますので、パフォーマンスそのものを評価をするというものではない。それから、外部に対する情報開示というものを要素に持っているものではないということを指摘してはどうかと思います。
 一方、これに対して環境配慮の取組方針、取組状況を公表する環境報告書につきましてはだんだん増加しておりまして、前年度で約650社。それから、何らかの第三者審査を受けている事業者の数が約130社。このように環境報告書は、市場、消費者、投資家と企業を結ぶ重要なツールになっているということがいえようかと存じます。
 欧米諸国を見ますと、これらを通じました環境配慮の取組が進展しております一方、さらに進めるためのEUのEMAS制度、あるいは国におきましては環境報告書の策定、あるいは刊行を義務づけるというような動きがあらわれております。あるいはISO、民間団体等によりまして環境マネジメントシステム、環境会計、環境報告書などの普及促進に向けたさまざまな議論が進行しているということがいえようかと存じます。
 4、5ページにまいりまして、今後の課題というものをどうとらえるかというところからむしろ本題に入ってまいるわけでございますが、まず(1)の自主的積極的な環境配慮の取組の一層の推進と裾野の拡大という観点から見ますと、これまで我が国としても各種のガイドラインを発効するというようなことによりまして、環境配慮の基礎となる環境マネジメントシステム、環境会計といいますか、あるいは環境報告書に取り組む事業者さんの支援を進めてきたところでございます。ただ、これらの取組というのは、まだ一部の意識の高い事業者の取組というところでとどまっているという状態がございまして、今後さらに幅広い事業者を対象として取組を広げていただくためには、これまでの施策の延長だけでは必ずしも十分ではないのであろうか。
 今後さらにこのような配慮の取組の裾野を広げていくということを考えたときに、事業者さんの自主的、積極的な取組が社会や市場の中で明らかにされて適切に評価されるということがまずもって重要ではありますが、現状においてはこれらの取組がその市場での高い評価につながらないと。そのため、どうもこういったことのインセンティブが市場からは十分ではない。一方、市場の側においてはその事業者の環境の取組についての情報が不足するために適切な評価が、当然評価を受けての意思決定の反映が難しいという、いわばニワトリと卵とどちらも育っていないという状況にあろうかと存じます。
 こういった状況を断ち切るためには、市場、社会と事業者とのコミュニケーションのツールであります環境報告書について普及促進、信頼性の向上を図ることが重要なのではないか。このため、これまでもガイドライン、あるいは表彰というようなことに促進を図ってきておりますが、さらなる普及促進のための一層の取組が必要なのではないか。
 一方、これを受け止める社会や市場の側においては、これらを積極的に評価をするという素地がまだ十分ではないのではないのかと。特に金融市場、資本市場といわれるようなところのグリーン化ということが十分ではないのではないか。
 それから、こういったことを考えますときに、中小企業にとりましてはISO14001をはじめとします環境会計、環境報告書など専門分化した個別の環境配慮のツールの活用というのは人的、あるいは費用負担という面で非常に負担が大きくて必ずしも容易ではないのではないかと。それから、それだけの負担を求めながら必ずしも社会市場における評価に結びつくという仕組み、例えば上場もしておられないというようなところであれば余りないのではないだろうかということ。
 それからもう1つ、環境に配慮した事業活動を進めていく上で、既存の制度がむしろ制約要因となっているという場合がないかどうか。これも検討すべきではないかというご指摘をいただいておったと存じます。
 さらに、国際的な動きという観点から見ますと、諸外国の取組にも向けた場合に、欧米における、特に欧州であろうかと思いますが、取組が実践的、戦略的な、体系的に整理した形で進展をしていると。それから、それに対する我が国への対応、これはご指摘をいただきました例えばEUのRoHS規制の対応ということに見られるように、比較的受け身であった。それから、イニシアティブも不足していたために不利益を被る例もあったというふうに理解しております。今後はこうした不利益を避けるためにも、国際社会に対する日本からの発信の在り方を考えていくことが必要ではないかというふうに案をつくってございます。
 その際には、日本において発展してきた様々な取組が世界市場においても正当に評価されるような取組が必要ではないかと。例えば環境報告書について見ましても、国際的な民間団体のガイドラインでありますGRIにつきましては、環境配慮についての要求事項というのは、比較的要求事項は余り大きな内容、比重を占めておりませんが、日本の環境報告書ガイドラインは、これは環境面の記載を非常に充実をさせておりまして、こうした我が国の先進的取組というものは、積極的に打ち出していくことが可能なのではないかというふうにさせていただいております。
 6、7、8ページがご提言に当たりますような今後の対応の方向でございます。(1)はまず基本的な考え方。これは現状認識からまいりますいわばある種おさらいのようなことになろうかと存じますが、今日の環境問題に的確に対処し、環境への負荷の少ない持続可能な社会経済システムを構築していくためには、経済活動の大きな部分を占める事業者の役割がきわめて重要でございます。
 このような今日の環境問題への対応というのを考えますと、事業活動における環境配慮の取組というのは、自らの活動の対応を最もよく知り得る立場にある事業者自身が自主的、積極的に最も効率的、効果的な方法で行っていただくということが基本になるのではないかと考えます。
 行政は、こうした観点に立って民間の活力を積極的に活用し、企業の創意工夫による自主的積極的な取組を最大限促進するような枠組みの整備を進めるべきではないかと考えております。
 これに対しまして、今までの環境行政は、規制的手法による対応が中心でありまして、こうした自主的積極的な取組を促進するという枠組みという制度は余り検討されてこなかったのではないかと存じます。しかしながら、今日の環境問題に適切に対処していくためには、こういった時代の要請に即した新たな施策が必要なのではないかと。そういった環境行政の発想につきまして、ある種時代を画するような新たな知恵が求められているというふうにもいえるのではないだろうかと。また、その際には縦割り行政の弊害などをなくして、関係府省が一体となって取り組むような配慮というものも必要ではないかというふうに案をつくらせていただいております。
 右側にまいりまして(2)の条件整備ということでございますが、まずこれまでご説明させていただきましたようなところを踏まえますと、事業者の自主的積極的な環境配慮の取組を一部の意識の高い事業者以外に広げていくためには、こういった取組が、資本市場、あるいは消費者市場、サプライチェーン市場、労働といった中で適切に評価されるような条件整備を図ることが重要ではないだろうか。こうした観点から、環境配慮の取組状況を開示します重要な手法でありますところの環境報告書につきまして、信頼性・比較容易性の向上を図る一方で、裾野の拡大を推進するため、こういったための新たな何か制度的な枠組みが必要ではないだろうか。
 一方、これを受け止めます社会や市場の側においては、こういったものを高く評価する素地がまだ十分整っていない。したがいまして、取引先、投資家、消費者等々の利害関係者がこれらの事業者の自主的積極的な環境配慮の取組を高く評価して、その評価に応じた行動をとることが促進されるよう、要はここへ挙げました市場のグリーン化ということであろうと存じますが、これを推し進める取組が必要ではないであろうか。
 また、今日の環境問題の解決のためには、中小企業の自主的積極的な環境配慮の取組を広げていくことも重要でありまして、このため中小企業が取り組みやすい簡易な環境配慮のツールの整備、あるいはその普及促進も必要ではないだろうか。
 例えば、環境マネジメントシステムの面、パフォーマンス評価の面、あるいは環境報告を1つに統合したものでありますエコアクション21といったようなものの普及促進、あるいは地方公共団体、民間団体が中小企業向けの独自の取組、同じようなものをつくってございますので、こういったものの連携強化が必要ではないだろうか。
 ここでまた、環境に配慮した事業活動の促進の妨げとなっている既存の各種制度がないかどうかについても、適宜見直しを行っていくための方策が必要ではないか。
 残念ながら、今、洗い出して結論を得るというところまでは至っておらないわけでございますが、こういったものも必要であろうかと存じます。
 最後のページになりますが、環境配慮の国際的な取組ということを考えますと、やはり我が国は世界に冠たる環境立国を構築するということを目指しているわけでございますので、単なる欧米の追随ではなくて、他国に先んじて総合的、戦略的に取組を進め各国の取組を先導していくということが重要ではないかと。
 例えば環境に配慮した事業活動の促進という面では、国際的な整合性の確保に留意することが重要であります。環境会計、環境報告書など様々な分野で取組の標準化の試みか行われていますが、こういったグローバルな仕組みを構築していくために積極的な役割を果たしていくべきではないか。
 また、我が国ではISO14001あるいは、環境会計、環境報告書などのツールにつきまして、様々な先進的な取組が進展をいたしております。したがいまして、グローバルスタンダードの構築に当たっては、欧州等の取組に単に追随するのではなく、このような我が国での先進的な環境配慮への取組が国際的にも正当に評価されるように積極的に発言していくべきではなかろうかといったことをまとめさせていただいております。
 以上、これはあくまでもこれまでの議論のご指摘のようなものを踏まえました格好で、私どもなりにこういったことではないだろうかという格好でまとめさせていただいたものでございますので、本日はこれをいわばたたき台ということでご議論を深めていただければ幸いでございます。
 

○山本委員長 ありがとうございました。
 私も実は先週北京とソウルへ行ってまいりまして、幾つかこれに関する情報をいただきましたのでご紹介したいんですが、1つは、私が驚いたのはイギリスとかフランスでは、CSR担当の国務大臣が既にいると。これは大変私にはショックで、だけれどももう数年前からそういう担当大臣がいると。もちろん兼任だそうでございますけれども、ヨーロッパがいかにCSR、こういう方面に関心を持っているかということだと思います。
 それから、韓国でございますけれども、韓国は先々週エコプロダクツ展示会を、これを東京ビッグサイトでやりまして、幸い11万4,000人、3日間でこの5年間で最高の来場者がございまして、小中高校生も4,000人を超えて来場された。出展企業も410団体を超えたということで大変よかったわけでございますが、実は、韓国がかなり大きなブースを出されておりまして、先週韓国へ行きましたら、韓国は来年に日本を見習ってグリーン購入法を導入すると。これはほぼ決まっているということで、国会を通ることはまず間違いはないと。こういうお話でございまして、それから2年前にサムソンエコファンドというものを開始されたそうでございますけれども、これも2年で日本円に直して200億円を超える投資がなされていると。これからどんどん発展するでしょう。こういうお話がございました。
 したがって、今、課長の方からご説明を取りまとめていただきましたこの骨子は骨子で、大変どういうふうに促進方策を考えていくかというときのたたき台というか、全体のガイドラインとしては、こういうことを配慮しながら考えていけばいいということでは大変いいと思うんですが、そろそろこの小委員会でも具体的に我々がどういうイミディエット・アクションをとるべきか。これを議論する必要があると思っております。
 そこで、まずただいま課長からご紹介のありましたこの骨子につきましての先生方のご意見を伺ってと同時に、今後小委員会で盛り込むべき具体的な案、これをどういう方向で考えていくべきか。これについてもきょう建設的なご意見をお願いしたいと思います。  それで事務局の方から、今後我々がどうすべきかということについての、何か1枚紙が配られておりますので、これもせっかくですからご紹介された後、時間のある限り議論をしたいと思いますので、これをご紹介ください。
 

○佐野環境経済課長 急遽委員長とご相談しまして追加させていただきましたメモは、実はこれは私が先日前回の小委員会でご報告をいたしました環境報告書のガイドライン、それから及び環境報告書の作成基準、審査基準のパブリックコメントを行いましたところ、寄せられましたご意見の中で、今回のこの小委員会におきます議論につきましても関連があるのではないかと思われる部分を抜粋したものでございます。
 どういったものをいただいておりますかと言うと、環境配慮の取組の促進についての考え方みたいなことであれば、仮に法律上の規制をするのであれば自主活動をなるべくモーティベートしていくような形のものであるべきではないか。それから、行政指導で第三者審査をやるのでは行政コストの肥大化につながるのではないか。一部の監査法人等が潤うということも望ましくないのではないか。それから、特に中小企業について、その活力をそがないように特別な配慮が要るのではないかというようなご指摘がございました。
 それから、自主的積極的な環境配慮の取組を広げていくための条件整備というような局面といいますか、切り口の部分に関していただいたご指摘の中では、作成基準など報告書の備えるべき内容を規定する場合には、産業界の自主性が生かせる形とすべきではないか。それから、新制度でなくても、環境報告書に記載すべき事項というのは、ISOに規定されるようにISOに働きかければいいのではないか。あるいは、監査法人による審査というのは最終的な数値を検証すると。これは大変企業負担が大きいのだけれども、そうではなくて技術的なアドバイスや妥当性の監査というものがいるのではないか。それから、第三者による審査を受けるということは、産業界の自主性に任せるべきではないのか。それから、環境に配慮した事業活動というのは業界ごとにそれぞれ特性を有しますけれども、法的ルールを設けると特性を無視した画一的な扱いになるのではないか。
 それから、3番目に、国際的な取組の推進というような観点から見ますと、ISOが世界一普及しているのは企業の自主的な試行の結果であって、ISOに欠点があるというのであればISO規格にこの環境報告書の公表を盛り込むことによって、それを高度に改善していくということがいいのではないかと。あるいは、持続可能性報告書などへ進展させるというのも自主的取組であることが望ましいのではないかというようなご指摘をいただいたところでございます。これは前回ご報告をさせていただいたものにつきまして、パブリックコメントでいただいたご意見という格好で、こちらにご報告をさせていただく次第でございます。
 

○山本委員長 ありがとうございました。それでは早速どうぞご自由にご発言いただけたらと思います。
 河野委員。
 

○河野委員 このただいまご説明いただきました骨子案ですが、今まで議論されたことがよくまとめられていると思います。しかし、いろいろな問題が同レベルで並べられてあって、この小委員会で何を中心的に取り組むべきかということが必ずしも明確になっていないのではないかというふうに思います。
 1、2は現状をまとめたものであります。3.の今後の課題というところでありますが、基本的には事業者の環境保全活動を広げていく、拡大していくということを指摘してます。その拡大の在り方についてどうするかということですが、それが4ページで環境報告書を通じて企業が社会的に評価される、適切に評価されるということが重要だとされています。従来からも環境報告書ガイドラインの作成や表彰制度によって環境報告書の裾野の拡大、ひいては環境保全活動への取組をする企業の増大ということが図かられているのですが、さらなる普及促進が必要だと思います。この線に沿って議論が進められるべきではないか。
 あとの金融市場のグリーン化とか、中小企業への対応というのは、環境報告書の作成・公表のさらなる普及の促進策というメインの流れの中で補足的に取り上げて進めるというようなことではいかがかと思います。その流れの中で国際的対応もどうあるべきかというような形で骨子がつくられていったらわかりやすいのではないかというふうに思います。
 

○佐野委員 このメモで、私もいろいろ最初のときに主張したわけですけれども、ちょっと意味合いが違うのではないかということもありますので申し上げます。
 5ページの国際的な動きへの対応について、このファーストパラグラフの下の方に、国際社会に対する日本からの発信の在り方を考えていく必要があると書いてある。これでは違うんですね。ヨーロッパのような特に有害物質規制等国民生活に危害を直接関わるものについては、日本も率先して導入して、日本でもこういう規制があるということを世界に発信すべきだということを言っているわけで、これはちょっと意味が違うのではなかろうかと思います。事業活動の環境配慮促進方策ということでは、ここはぜひ盛り込んでほしいと思っております。
 それから7ページの一番下にある、環境に配慮した事業活動の促進の妨げとなっている既存の各種制度の記述ですけれども、適宜見直しを行っていく方策を検討していくべきとありますけれども、もっと強く、妨げがないかどうかについても適宜見直しをしていくことが必要だ、というようなトーンにしてほしいと思いますね。
 全体としては、最初山本委員長が言いましたけれども、具体的に何をいつまでにどうするかという点がないものですから、これを読んだ限りでは、特に私ども事業会社としては将来的にどういうベネフィットを受けられるか等、直接的なそういう点について、このメモからは感じ取れないということがありますので、やはり具体的に何をいつまでにということがきっちり出す方向がいいのではなかろうかに感じております。
 

○山本委員長 ありがとうございました。
 では、瀬田委員。
 

○瀬田委員 この最初の検討の1番、2番はいいだろうということなんですが、私はこの1番、2番も非常に大切なことだと思いますので、これについてもやはりいくつかの点で指摘をさせていただきたいと思います。
 まず一番最初の検討の背景のところの第1パラグラフで、環境の負荷が大きくなってきているということのいろんな理由の1つにこの日常生活とか事業活動のことが書いてありますが、人口の拡大とかあるいは情報の拡大とか、そういうものもこの中の大きな要因として入っているということですから、その辺の認識をこの中に入れていただく必要があるのではないか。
 第2パラグラフとして環境と経済の好循環、これを築いていくことが重要と書いてございますけれども、まさにこれが基本精神ということになるのではないかと思います。そういう表現にしたらどうでしょうか。
 その次のページの環境に配慮した事業活動の現状ということですけれども、まず最初のパラグラフで企業の自主性ということについていろいろ考えて書いてあると思うんですが、少なくとも企業は、今まで非常に努力をしてきているというふうに思います。これまでのトヨタさんのお話、あるいはソニーさんのお話をお聞きしてもそういうことを感じますので、「今までやってきていることをさらに拡大していく」というトーンになるといいなと思います。
 それから、その下の方に、「事業者の取組の進展」というところ、これは今申し上げたことと同じことになるかもしれませんが、事業者の環境に対する考え方は、今までは社会貢献の1つであったというのは、ちょっと余りにも表現として寂しいのではないか。そういうものではなかったのではないか。むしろ、我々は生産における基本精神として環境配慮というものを今までも持ってきたのではないか。ただ、その環境というものの概念が、従来のものとは、だんだんと新しい知識によって変わってきたということではないかと思います。
 それから、その次ですけれども、3ページの上から2つ目のところですが、「ISOはかくかくしかじかだけれども、こういう点が限界がある」という言い方になっておりますけれども、これは、「ただし、ISO14001は」の間に、「現在のところ」というふうに入れていただきたいと思います。「現在のところISOは」とするのは、これはしかも14001というものに限定しての話ですが、ISOではその次のパラグラフにも書いてございますように、いろんなトライアルをしてきていると思います。したがいまして、この環境ISOの中の1つとしてこのISO14001が位置づけられる。そういうふうに書いていただけないかというふうに思います。
 本題に入りますけれども、その次の3番目。今後の課題の問題でございますが、まず(1)の第1パラグラフで、これまでの施策の延長線上の取組では不十分と書いてありますが、むしろ、なぜ普及がいまいちなのかということの解析が1つ必要なのではないかと思います。簡単な例で申し上げますと、例えば環境報告書の第三者監査を考えてみます。我々実際に認証をとろうとしますと、1つの会社が環境報告書を監査してもらうためには、7、8人から10人ぐらいの人が監査法人から来てくれまして、全工場の中から1つか2つの工場をピックアップして、そこに約1週間近くかけて、入り込んで実際にいろんな監査をする。それから、実際の事業の責任者等にもインタビューをする。あるいは担当役員にもインタビューするというようなことをしておりますので、こういう実際のいろんなことをやるためにはどうしても金がかかります。したがいまして、それで数百万円という金がかかっているわけです。しかも単年度分を監査するのにそれぐらいかかるわけです。  例えばそういう金が、これは一部上場の企業でさえ費用対効果から見て足踏みをするような金額になっているために、普及が遅れているということもあるのではないか。したがってなぜそのように普及が進まないかという解析が、まず第一に重要なのではないかと思います。
 それから、その次の5ページの第2パラグラフにつきましては、これは佐野委員がおっしゃいましたけれども、私も同じようなことを感じますので、後のときにまとめて申し上げます。
 (2)のところで、ここの戦略的体系的にということで、この言葉は大変いいんですけれども、戦略的にというのは具体的に言うとどういうことなんでしょうか。何らかの戦略的目標をつくってやろうということなのか、あるいは国益というふうに言いかえてもいいのか。ちょっとその表現が、戦略的という言葉はよくきれいに聞こえるんですが、何をイメージしたらいいのかという感じがいたします。
 その次のページ、4番目でございますが、このあたりでかなり企業の自主的、積極的在り方というものを非常に強く出していただいていますので、これは大変いいと思うんですけれども、6ページの最後のところに縦割り行政の弊害をなくしということがございます。これはどういう場合にも出てくることなんですけれども、どうすれば本当になくなるのかということが、要するにこれは単なる合言葉なのか、あるいは何らかの具体的な考え方というものが考えられるのかどうか。これは、とにかくなかなか我々民間ではわかりませんので、そういったところがわかるような道筋、どうすればなくなっていくかということの道筋が必要とされるのではないでしょうか。
 それからもう1つ、ここは適当かどうかわかりませんが、入れていただきたいことの1つに、いろんな書類を出すことになります。そうしますと、株式や基準が全部違う。あるいは場合によっては実験もやり変えなければいけない。同じ項目についていろんな実験条件を変えて2度、3度とやらなければいけない。そういう作業の多重基準とか煩雑化とか、そういうものが、これは先ほどの縦割り行政の問題とある程度絡むのかもしれませんけれども、非常に企業の活動を阻害しているという感じがいたします。こういったこともぜひその中に具体的な話として入れていただけたらどうかと思います。
 それから、7ページ、まさに一番最後のところでございますけれども、私は佐野委員が一番最初の第1回のときにおっしゃったことで非常に同感、共感をしたわけでありますが、環境に配慮した事業活動の促進の妨げになっている既存の各種制度、これがないかどうかということではなくて、それはあるよというお話だったと思っておりますし、これは非常に大きな重要な項目だと思います。したがいまして、むしろこれは極端なことを言えば、新しい制度をつくると同じぐらいの労力、あるいはエネルギーが、この今あるものの整理というものに必要だと思います。新しい家をつくるためには更地にするということが一番いいでしょうから、そういうことのために大きな努力が必要だということであると思います。したがいましてこの項目はぜひ大項目に挙げていただけないだろうか。これは(1)(2)ときていますから、むしろその中の第3項目とか、そういったような大きな項目として挙げていただくということが必要なのではないか。
 もう1つ、たくさん申し上げて申しわけないんですけれども、最後に申し上げたいのは、企業がこれからも非常に厳しいリストラ、あるいは強い景気浮揚期待の中で、非常に多くの環境対応策を今までもとってきておりますし、これからも求められることになります。したがって、そのために必要な余力というものをとにかく残して、そして本来必要なものに集中して力を投入していくということがこれからも必要でございますから、ぜひいろんな項目の全体像のロードマップがほしいということを第1回のときに申し上げました。全体像としてどういう形にいつごろまでに何をしていくのか。それぞれいろんなことが個別に出てきますけれども、それぞれの項目に対して優先順位をどうやってつけていくのか。そういうことをこの全体を通して見られるような形にするということにしますと、よりわかりやすくなるのではないかと思います。
 以上でございます。
 

○山本委員長 大量にご指摘いただいたので、1つ1つ議論するというわけにまいらないと思うんですが、重要な点は、私が思ったのは、7ページの妨げとなっている既存の各種制度がないかどうかについてのサーベイは、これは実例を例えば民間企業の方から挙げていただくとか、そういうものがないと調べようがないですよね。現にある事業を起こそうとしていろんな法律の壁にぶつかっている。これはですから、事務局の方でサーベイするというわけにいかないと思いますので、ぜひ、瀬田委員か佐野委員かに具体例をお願いしたいと思います。
 

○佐野委員 私のは一部出しております。
 

○山本委員長 そうですか。業界の方から具体的に出していただくとよろしいかと思います。ここは大きな項目にするかどうかは、これは中環審の中にもほかの委員会もございますので、その職務分掌の問題もございますので、これは事務局で整理をしていただきたいと思います。
 それから、先ほど環境報告書、こういうものがなぜ伸びないかと、解析が不十分ではでいかと、こういうご指摘があったかと思うんですが、その1つの問題はお金ではないかと。私は全くそうは思わないわけでありまして、一部、二部上場企業2,700社ぐらいある中で、まだ650社しか環境報告書を出されていないと。一部、二部に上場するくらいの企業は十分金銭的な余裕もあるし、あるいは先ほどお話がありましたように社会貢献の1つばかりではなくて、高い志のもとに企業経営をやられているわけでありますから、これはやはり私は義務化されていない。あるいは、イギリスみたいに保険業界からそういう情報を開示せよというプレッシャーが日本の場合ない。これが非常に大きな問題になっているわけであります。
 ですからISO14001は普及した。しかし、そこには要求事項として環境報告書を出せということが書いていない。それから、日本の法律のもとでは、まだまだ義務化がされていない。それから、保険業界とかそういう法律で情報の開示を要求されていないということで、そういう意味で私は金銭的な問題より、ここで分析されているように、十分なインセンティブがないために取組が遅れているのではないか。これは先ほど河野委員の方からご指摘があったところだと思うんですが。
 この小委員会は非常に漠然とした広範な問題を議論してきたわけでございまして、促進方策の在り方をやってまいったわけでありますが、これはやはり羅列するばかりではなくて、イミディエット・アクションとしてどういうことをやるか。どういう展望のもとにどういうことをやるか。これは瀬田委員がおっしゃるとおりですね。ある程度きちっとした将来の見通しを含めてやはり議論をしておいて、最終報告書には何らかの形で書き込んだ方がいいのではないかと、私は個人的にそう思っているわけでございます。
 天野委員。
 

○天野委員 個々の項目のコメントというより、少し大きい問題になるかもしれませんが、大きな視点で少し意見を申したいと思います。
 環境配慮とか、その他のいろんな社会的な側面について、企業をどういうふうに評価するか。こういう仕方というのが国際的にいろいろ検討されているというのはそのとおりでありまして、ここでは環境配慮の側面というのは大変強調されていますけれども、同時に社会的な側面もあわせて評価をしなければいけないということなのですが、従来企業評価というのは主として、財務的な観点から行われている。これについては非常に制度がきちっと整っていて、その制度も、現在もまだ変わりつつあるというふうな形で発展を続けている状況だと思うんですね。
 それに比べると、こういった社会的側面、環境社会の側面を含めた評価の仕方というのはまだ始まっていないというか、やっと姿が見え始めたというような、そんな段階だと思いますので、すぐこの面から環境報告書、あるいは持続可能性報告書のガイドラインをつくれば、それでそれに基づいて社会的評価が定まるということはなかなか期待できないというふうに思いますが。
 ただ、そちらの方向に持っていくにはどうすればいいかということは、国際的に真剣に皆さん考えておられると思うんですね。そういう意味では財務報告書の持っている特徴をこういった環境社会報告書に持たせるにはどうすればいいかという点を考えるときに、非常に難しい問題は、やはり対象になるステークホルダーが非常に多様だということだと思うんですね。株主とか投資家だけではなくて、もちろん政府もありますけれども、顧客、消費者、サプライチェーン、従業員、NGOと非常にたくさんのステークホルダーを含んで、そういう人たちに評価を受けると。その評価を受けた形が、いいことをした企業を報いるような形で変えてくる。これは変わり方が資本市場だけではでなくて、サービス市場を通して変えてくるものもあるでしょうし、労働市場を通して変えてくるものもあるでしょうと。そういうシステムをつくのはなかなか一朝一夕にはできませんので、しかし諸外国ではそういう方向へ民間の団体も政府も力を注いでいるわけですから、そういう意味ではこの委員会でそのための施策として何が考えられるかということを議論すべきだと私は思います。
 そのときに、1つ私が意見を申しますのは、ここでは国際的な流れとちょっと逆行してといいますか、環境配慮の側面だけが非常に強調されていて、あわせて社会的な側面を視野に入れて評価をするというふうにしておかないと、例えばここでそういう評価を受けてもパスをしても、国際的な持続可能性の評価では落ちてしまうというふうなことになると困るわけですので、私はやはり現在の財務報告書だけでは不十分であるから、それを何で補うかという点で、環境と社会の両方が出てきて、それをバランスよく評価をするという国際的な流れというのはやはり尊重して、それに適合した形でここの施策の方向も決めていただくのがいいのではないかというふうに思います。
 これは非常に大きな私の懸念といいますか、特に2ページでは、環境に配慮した事業活動の現状の(2)のところですけれども、企業の社会的責任というのはもっと広いものだと。そういうふうな議論が、あるいは要求が進んできているんだということをせっかくおっしゃっておられるわけですから、その後のこれからの取組も、これにちゃんと適合したような形でお考えいただくのがいいのではないか。
 そうなりますと、これは社会的側面ですので、環境の話だけではありません。当然、環境省以外の省庁との関連というのは入ってくるわけで、その辺で先ほどの縦割りの弊害というのをただお題目のように言うのではなくて、社会的側面も含めた報告書、持続可能性報告書というものをつくるとすれば、具体的にどういうところと一緒に対応しなければいけないかということが見えてくると思いますので、そういうことも考えに入れて議論していただければいいのではないかというふうに思います。
 

○山本委員長 では、まず三橋委員、それから益田委員。
 

○三橋委員 順序がいろいろになってしまうんだけれども、まず7ページの一番最後の部分ですね。既存の各種制度の問題ですけれども、これに少し加えて言っておきたいことがあるのは、例えば菜の花プロジェクトを推進しますというようなときに、何が問題になるかというと、休耕田の使い方なんかが問題になってくるわけですね。これは農水省もやはり問題。あと、例えば軽油に対抗するためには植物性のバイオディーゼルに課税をしなければ市場性があるよというような場合に、その辺を法律的にどういう具合にクリアするのか。バイオディーゼルを軽油並みに扱えば競争力ができなくなるよというような問題があるわけですね。
 それとか、新エネルギー法ですか、あれが今できたためにかえって風力発電等々の設立が停滞していますというようなことになる。なぜかというと、やはり電力会社が非常に安いコストで風力発電の電力を買いますよなんていうことになると、もうとてもやっていけないとか、そういう正しいと思ってスタートした法律とか制度が運用の段階で足かせになるとか、そういうようなことというのはかなりあるわけですよね。そういうような問題というのも1つかなり重要な問題ではないかなというような感じがします。
 それから企業が自主的に取り組むということは、私はもちろん大前提だと思うんですけれども、企業の自主的な取組のこれまでを振り返ってみると、必ずしも全ての企業がいいパフォーマンスを示したわけではなくて、むしろ示している企業というのは少ないというふうに私なんかは考えています。
 したがって、やはり基準みたいなものが例えば1から10まであって、最低この基準については、企業は自主的行動をする場合にクリアしてくださいとか、そういう形でのやはり1つの基準づくりというのは私は必要なのではないかなという感じをしています。
 その基準に従って監査をする会社をもうけさせるということではないやり方というのはいろいろあると思うんです。そういうような形で、やはり企業として守らなくてはいけないような大きな基準みたいものはぜひつくって、それは飛び越えてくださいと。しかもその基準というのは私は厳しい方がいいと思っているんです。
 というのは、私も30数年経済記者をやってきて思うのは、企業はやはり新しい規制とか何かは嫌がるんです。嫌がるけれども、それをクリアした企業というのは必ず世界市場で成功しているんです。だからむしろ苦労してもらって基準をクリアしてもらうと。きょうの問題を明日にいろいろなパワーで延ばすよりも、受け入れた方がはるかにいいのではないかなのというのが、私の過去の経験なんですけれどもね。
 それともう1つ、この環境に配慮した事業について、1つは企業の自主的な活動を尊重するということ。それから、そういう方向を行政がバックアップするような制度的な対応。それともう1つ強調しておきたいのは、消費者の役割というのがあると思うんですね。それで、例えばグリーンピースと松下電器が組んでノンフロンの冷蔵庫をつくったというようなケースを見てみますと、メーカーがつくった製品を消費者が選ぶのではなくて、こういうものは環境に配慮した製品なんだから、メーカーにつくってもらいましょうと。それでメーカーがそろばんが合わないというのだったら、一定の量を消費者が購入するという約束をして、メーカーに環境配慮の製品をつくらせると。そういうふうな動きも一部出てきているわけですよね。そういうことだと、メーカーがつくった製品の中から選ぶのではなくて、企業にこういうものをつくってほしいと。それでそれについては消費者として購入まで約束しましょうというような形で、企業に環境配慮製品をつくらせるというような形で、これから恐らく消費者の果たすべき役割というのは増してくるのではないかと思うんです。そういうような点もこの環境を配慮した事業活動ということを考える場合には十分考慮していくべきではないかなというようなことを、とりあえず申し上げておきたいと思います。
 

○山本委員長 NPOの積極的役割というのがどこにも入っていないと。こういうことですね。
 益田委員。
 

○益田委員 2、3、コメントさせていただきますと、1つは前段部分で状況認識としていろいろ書かれておりまして、特に2ページ目の2つ目あたりでは、(2)の2ブロック目あたりでは、我が国のISOの取得が世界でも類を見ない登録と取得件数になっているとか、環境報告書も公表を取り組む企業も拡大してきて現在650。これが多い少ないという議論はきっとあるんでしょうけれども、グリーン市場も世界的に見て進んでいるというふうに規定をされておりまして、そういう状況の中で何が今日本において事業活動の公表という意味で課題があるのか、問題があるのか。その問題をどういう形で解決をするのかという意味での問題の所在がやや希薄な感じがいたしますので、ぜひこのまとめの論点の中では、その問題を明確にするというようなことも含めて記載をしていただければどうかと思います。
 それから、5ページの(2)の1ブロック目に、EUに対して受け身であったという記載があるんですが、この表現は本当にそうなのかと疑問に思います。。このEUの規制というのは、EU委員会の中で決まって世界的にこれが発信されてということだと思いますし、それからもう1つどこかにEMASがどうのこうのという記載もあったんですが、では米国はこのEMASに対してどういうスタンスをとっているのかとかいうような意味での、こういった記載がやや抽象的で飛躍してはいないでしょうかという気がいたします。
 したがいまして、これは世界の環境の各種の基準であったり規制が日米欧の中においてどういう比較をして何が欠落しているのか。その中で国際基準としてどういう整合をとって日本として何をしていくのかという議論をぜひしていただかないと、企業にとってはダブルスタンダードであり、3つのスタンダードで世界を対応しなければいけないというような問題が起こってまいります。いい例がこのEUの化学物質規制ではないかなという気がいたします。
 それから2点目は、前回もいろいろ申し上げたわけですけれども、民間の自主的自律的な取組を、民間活力をぜひ尊重して国の関与なり、法的な関与というのはできるだけ最小限にしていただきたいというようなことを発言をしてきたわけですけれども、この6ページの(2)の最初のブロックでは、(2)の自主的積極的な取組というブロックでは、最終行に、制度的枠組みが必要ではないかというようなことで、環境報告書に対する第三者認証ですとか、あるいは環境報告書の記載内容そのものの法的な措置を担保するようなことを意味されているとするならば、こういうものについての反対意見があったという前提で、このまとめをぜひお書きをいただきたいと思います。自主性にゆだねるべき。あるいは国の関与は最小限にすべきであるというような前提を記載するとか、そういったことをぜひお願いをしたいと思います。
 それから3点目は、最後の方に国際的な役割を果たすという意味で、国際的に発信をしていくべきではないかというようなことが書かれているんですが、これは冒頭申し上げましたように日本がまた独自の制度設計をして、それで世界をリードするということではなくて、世界の基準の中で日本がどういう基準調和をしながら、ルールを設けていくのかと、そういった議論をぜひお願いをしたいと、記載をしていただきたいと思います。
 以上でございます。
 

○山本委員長 ありがとうございました。
 安原委員。
 

○安原委員 私、前回休みましたので、ポイントが外れていないかどうか心配でございますが、全体としては、これまでの議論をうまくまとめていただいているのではないかと思います。1番、2番のところは背景、現状でございますから特にないんですが、1点だけ、1ページの下のところにずっと具体的な措置の例示が並んでおりますが、この種のことは環境基本計画の中で手続的手法ということで、これまではあまり述べられていなかったと思うんですが、新しい環境基本計画では重要な戦略的な取組ということで、この手続的手法ということで、環境報告書等の活用ということが重点施策として挙げられておりますので、環境基本計画をリファーするということがどうかなと思います。
 環境基本計画については、関係省庁をはじめ皆さん同意してそれを進めていこうというスタンスになっていますので、入れてはどうかなという感じがいたします。
 それから、あと具体的なところは3、4ということでございますので、特に7ページのところでございますけれども、一番上のパラグラフの制度的枠組みが必要であるという最後の行のところ、これがこの報告書のポイントではないかと思うんですが、これを何か遠慮されて制度的枠組みということで、あまりどういうことをイメージするのかがはっきりいたしませんので、議論になっております第三者の審査等の具体的な事例を何々等というようなことで明示してもいいのではないかと思うんですが、ご議論賜われればと思います。
 その目的がいろいろあると思うんですが、裾野を広げる、あるいは環境報告書の中身の正確性を高めるとかいうこともありましょうし、そして全体としては信頼性を高めると。それから、それが本当の意味で裾野が広がる効果を持つためにはどういうインセンティブを織り込むのかといったような点、第三者の審査が非常に有効な措置であるということの説明をもっとわかりやすく、どういうことを目的として、したがってこの第三者の審査という仕組みをとることが非常に合目的的なんだというのがわかりやすいような説明の工夫があってもいいのではないかなという感じがいたしております。
 特にインセンティブということになりますと、次のパラグラフのところに取引先、投資家、消費者等ということで挙げておりますが、私は先ほどどなたか補完的ではないかとおっしゃいましたが、特に投資家との関連で単に投資信託、エコファンドだけではなくて、金融機関自体のビヘービアが非常に重要ではないかという感じがいたしております。金融機関はいわば資源、あるいは金融資産の配分をやっている機能があるわけでございますから、それは結局は融資をどこに出すかという審査をし、それを選別をしているわけですね。ですから、金融機関がそういうものをできるだけ求めると。そういうことで評価されるということになれば、それは企業の対応もずっと変わってくると思うんですね。
 したがって、金融機関のそういう役割をもっと明確に出さなければいけないと思うんですが、一方で実態はどうかというと、今の金融機関はそういう意識が非常に薄いように思います。特に遅れているという、金融分野におけるグリーン化は遅れているというのはそのとおりだと思うんですね。ですから、相当金融機関自体の意識を変えてもらわなければいけない。そのためのいろんな方策はあり得ると思うんですね。
 一例が第1回目のときに議論になりましたように、UNEPが金融機関と話し合ってまとめた金融宣言というのがございますが、そこに抽象的ですけれども、自分たちの金融機関はこういうことをやりますということを明確に示しておりますが、全ての金融機関がそれに加入するぐらいの実態を持たなければいけないのではないかなという具合に思います。そういうスタンスを経営者が持って、そして金融機関が本来の融資審査の段階でこういう報告書を重要な判断材料に使っていくということになれば、おのずから随分変わってくるのではないかなという感じがいたします。
 それからもう1つ消費者の立場で、やはりこれからグリーン購入をもっと拡充していく必要があると。国、あるいは地方の一部はやりつつあるわけでございますけれども、まだ地方では一部にとどまっている。したがって地方自治体の数が非常に多くて購入量も非常に大きいわけですから、地方公共団体へのグリーン購入の拡大を働きかけて、その地方公共団体、あるいは国がグリーン購入のいろいろ考える上で、こういう環境報告書の活用を考えていくというようなことになれば、おのずから非常にインセンティブが働いてくると思います。
 それから、7ページの一番下のところ、先ほどから議論が出ておりますが、既存の各種制度についてはこれだけだと本当によくわかりませんので、どういう制度があるのか、できるだけわかる範囲内で取り組まなければいけない制度については具体的にメンションしていってはどうかと思います。
 以上です。
 

○山本委員長 ありがとうございました。先ほどUNEPFI、ファイナンシャルイニシアティブ、あれは10月の会議で東京宣言が出されていますよね。その東京宣言の中身、あれを日本の金融機関がこぞって支持していただければ相当進むと、こういうことなんですが。
 安井委員、そして崎田委員。
 

○安井委員 この会議に余り出ていなくて大変申しわけないんですけれども、全体的な論調なんですけれど、特に2ページあたりにそれがあるように思うんですけど、先ほど天野先生がおっしゃったような感じでCSRに対して国際的にはそういうことになっているけれどもというような論調なんですが、ちょっとそれでは少しいささか弱いのではないかというような気がいたします。確かに企業の社会的責任というものが経済性のみならず環境社会性を含む。それは当然のことなんですが、もう少し大きな枠組みから眺めますと、例えばWSSDにお話しするときなんかで主張されているように企業活動、特に先進国における非持続可能な製造と消費のパターンから離脱せよとか、あるいは資源エネルギー量の消費と、それから経済活動の規模のデカップリングをやれとか、そういうさらに大きな枠組みというのが主張されていて、日本でも今年の3月に、要するにWSSDの実施計画への世界最初の対応文書として、循環型社会形成推進基本計画というものをつくっているわけですよね。
 ですから、そのあたりを基本に書いて、CSRのこの動きというのは、暫定的にこれは私は行われているにすぎないという理解が正しいと思っているんですよ。ですから、企業というのは最終的には要するに地球環境の中に全て適合型の格好になっていかざるを得ないというのは明らかですから、その辺からやはりスタートし、それへの向けた第一弾の動きとしてCSRというものがあるんだという理解にすべきだと思いますね。そう書かないとやはり環境省がこれをやる意味というのは、何かあまりCSRを基本にしてしまうとないのではないかという気がいたしますね。それが1つです。
 それから、あと、今、安原委員がおっしゃったことで、大体尽きてしまっていたりしているんですけれども、実際今回環境報告書というものを今の650件からやはり格段にふやす。製造業はかなりいろいろと皆さんおやりになって、場合によってはやりすぎではないかというぐらいやっておられるように私は気がしているんですけれども、特に金融、特に証券関係の環境報告書というのは私はあるかどうかよくわからないんですけれども、探してもちゃんと見つからないので多分ないのではないですかね。そういうような状況であって、商社ぐらいはあるんですけれども、銀行も十分ではないように思いますし、そのあたりがやはり環境報告書をつくるというのが、多分自分でつくってみないとよその企業の環境報告書なんて読む気がしないのではないかというのが非常に私は気がするので、やはりその辺、ここにも指摘がございますが、もう少し4ページの下にそういった指摘がございますけれども、ここへの対応策が必ずしも今後の対応の方向性で十分に書かれていないところが問題で、やはり7ページの多分上から2番目あたりはそれに対応するのかな。あるいは一番上なのかわかりませんけど、この辺の記述をやはり格段に強くして、製造業以外の環境報告書の取組をとにかく加速させるということを、もう少ししっかり書いていただきたいと思う次第です。
 以上です。
 

○山本委員長 なるほど。まず、銀行とか証券とか損害保険会社に環境報告書の公表を義務づけるのがいいかもしれませんね、今のご意見だと。
 崎田委員、いかがですか。
 

○崎田委員 全体のお話でよろしいですか。これをやはり拝見しまして、本当に企業の皆さんが本気になって環境配慮をして持続可能な社会をつくるのという状況になってきつつあるというのは大変素晴らしいと思って拝見していました。特に2ページの真ん中の先ほど来のCSRのお話なんですが、すごく身近なところから言うと、ここ1、2年、食の安全のことですとかいろんなことで、やはり企業の皆さんの社会的な視野というのが非常に消費者も関心事になっていますので、こういう企業の皆さんが社会的責任全体をとらえて今の持続可能な社会に向けてどう運営していこうかという、本当に熱心になっている傾向というのはとても素晴らしいと感じています。
 ただしそういう皆さんとお話しすると、やはり頑張っていらっしゃるところはそれがちゃんと消費者に伝わっているかどうかとか、それがちゃんと評価されないと困るんだということを、そういうお話を伺うと必ず皆さんおっしゃいます。そういうときに、やはりではそれを評価する、例えば頑張っていらっしゃるところを消費者が応援するとか金融市場で応援するときに、何をもとに判断をするのかというときのそういうものがきちんと整うという、そういうことはとても重要なことだと思いますので、今回のこの話し合いがきちんとしたそういう具体的なイメージを出していただければ、全国で環境配慮に関心を持っている中小事業者の方や市民が非常に勇気づくというふうに私は感じています。
 ですから例えば6ページの真ん中のあたりの、先ほど来いろいろ皆さんがおっしゃっている行政の役割として関係省庁一緒になって取り組むという、こういう大きなメッセージを発信していただくという、そういうようなことでも、そういう機能からいってもとても重要なんだと私は感じています。
 あと、その次の条件整備の具体的なお話の中で私が感じたのは、やはり例えば企業の皆さんにとってもこういういろいろな取組をしていらっしゃることがどういうふうに市場で評価されるかということが明確になっている方が、私は全国の皆さんに見ていただくときの報告書、あるいは今後の方向性として重要なことなんだと思うんです。そういう意味で、例えば7ページの上の方に書いていただいているところなんかも、取引先、投資家、消費者の利害関係者が評価するという、全部一緒になって書いてありますけれども、こういう部分はいいんですけれども、それ以外に先ほどからお話があるように、例えば金融市場だったらどんなふうにこういうことが評価につながっていくのか、消費市場だったらどうつながっていくのかというような道筋を少し項目を分けて書いていただくと、どんなことが起こっていったらいいのかということがわかりやすいのではないかと思うんですね。
 それで、消費者の視点からいきますと、やはりそういう、実は環境報告書のお話を盛んにしているんですが、多くの消費者はまだまだ環境報告書を見たことがないという人も多いんですね。それで、実は先日ある会合があって、約1時間か2時間ぐらいの間、その環境報告書なんかいろんなところのを見ていただいてお話をする機会があったんですが、最初は知らないとおっしゃっていた方が、それを終わってから、企業の方たちがこんなに取り組んでいらっしゃるなんて知らなかったと。やはりこういうことがよくわかれば、本当にもっと自分たちの行動や何かももう少し、買物をするときの行動がどこを選ぼうかということもはっきりするとか、たった1時間か2時間の会合でも消費者は皆そういうふうにはっきり意見を言ってくださるんですね。
 やはりそういうことで環境報告書、あるいはいろいろなレポートというようなコミュニケーションツールとしても大変重要なところですので、消費者と企業の環境コミュニケーションの重要性と、そのツールとしての例えば環境レポートとか報告書の重要性みたいなこともちゃんと書き込んでいただけるとうれしいなと思っています。  あともう1点、先ほど来NPOの役割というのがありましたけれども、私もいろんなところで取材していて、例えばヨーロッパなどに行きますと、SRI投資をきちんと促進するためのNPOがあって活動していたり、あるいはスウェーデンに行ったときには企業の環境配慮を進めるためのアドバイスを専門にするNPO、アドバイスと言ったら変なんですが、そういう消費者とつないだ活動を中心にするNPOがあるとか、やはりNPOがただ何かを企業にお願いしたり主張するだけではなくて、自分たちがともに活動する、あるいは同じ消費者に広く伝えるということをやらなければいけないんだという動きが大変強くあるんですね。そういうことで、NPOが求められている役割、あるいはそこで消費者が求められていることとともに、何かそういうこともきちんと書き込んでいただけると、これから私たちがつくっていこうとしている社会の展望がもう少し見えてくるのではないかなという感じがいたしました。
 

○山本委員長 まだ発言されていないのは青山委員ですね。
 

○青山委員 私は家業でガソリンスタンドをやっているんですが、ちょっと変わったガソリンスタンドをやっておりまして、ごみの分別回収をしてみたり、廃食リサイクル燃料のバイオディーゼル燃料の製造販売なんていうものをやっているんですが、実は全国に5万2,000カ所もガソリンスタンドがありまして、世の中は脱石油と言われていまして、どんどん新エネルギーにシフトしているんですが、石油に依存している私たちのガソリンスタンドというのは本当にその存在意義がどんどんなくなってきているというのが現状だと思います。
 そういう意味で、この存在意義がなくなろうとしているガソリンスタンドが存在していくためには、やはりエコロジーというものが1つ大きなキーワードになってくると思うんですけれども、そういう活動をどんどん既存のインフラを活用してやっていくということが、実はこの環境に配慮した事業活動というものに直結してくるのではないかなというのを常々思っております。
 そういう意味で、そういうことをどんどん国でやったりとか、関係団体が支援、あるいは仕掛けづくりをどんどんしていただく、その延長線上にISOの取得であったりエコアクション21の取得等を絡めていくという方が、実は回りくどいようなんですが、一番ダイレクトなやり方ではないかなというふうに考えております。
 ですから、そういうことをどんどんしていただければ、私たち中小企業にとっても非常に入りやすいというか、わかりやすい取組になるのではないかなというふうに感じました。
 

○山本委員長 これで大体一巡したわけでございますけれども、非常に多岐にわたる問題点の指摘、あるいはご提言いただきました。
 ここで何かご発言したい先生方いらっしゃいましたら。
 天野先生、どうぞ。
 

○天野委員 先ほど安原委員のご発言で気がついたんですが、製造業のグリーン化と金融市場のグリーン化というのは並べて書いてあるんですが、製品市場のグリーン化と金融市場や資本市場のグリーン化。これはどちらも環境報告書をどんどん出せばいいというような印象に取られそうなんですが、私は全然違うと。  つまり金融市場、資本市場の方は、例えば銀行の建物が出している汚染物質を減らすということではなくて、融資対象ですね。あるいは投資信託組み込み企業の選別。そういうところで環境配慮している企業を選んでいるかということが重要だと思いますので、ですから、もし義務づけるとすれば環境報告書の公表ではなくて、英国なんかがやったように、資金の運用の際に環境とか倫理とかそういう配慮をどの程度したかということを公表させるということだと思います。ですから、ちょっとこのグリーン化を2つ並べるという書き方は少し直した方がいいのではないかという気がいたします。
 それから、もう1つは全般的にいろんな企業、大企業、中小企業含めてですけれども、環境報告書を公表したり、あるいはその審査を受けたりするときに非常にコストがかかるのは確かではありますが、コストがかかってもそのかけたコストに見合うだけの評価を受けることができれば喜んでそのコスト負担をするわけですが、現在はその見返りが全くない状況でコスト負担がふえる形になってしまうと。そこがやはり問題だと思うんですね。
 これは例えばの話ですけれども、GRIが2002年にサスティナビリティリポーティングガイドラインというのを改定いたしまして、その改定の際にそういうインセンティブをつけるような報告書のつくり方のガイドラインを考えたらどうかということで、準拠項目というのをつくっているんですね。このGRIのガイドラインに準拠して報告書をつくりましたということを企業トップが宣言することができる。それを宣言いたしますと、何をしなければいけないかというと、そのガイドラインに挙がっている幾つかの重要な項目は必ず記載をしている。幾つかの重要な原則は必ず守っている。そういうことを書いて自主的に宣言をして公表するというやり方をしますと、少なくともそういう準拠したということが明言できる企業については、比較可能性が非常に整うということになるわけですね。
 そうなりますと、先ほどの金融機関といいますけれども、金融機関に融資先の選別であるとか、あるいは組み込みのときの格付けのようなことを専門にやっているアナリストがそれを評価することができると。ですから、ちょっと回りくどいんですけれども、そういうやり方を取ることによってファイナンシャルアナリストだけではなくて、サスティナビリティアナリストがたくさん養成されて、そういう人たちがマーケットで企業のそういう側面を評価してそれを投資家にアドバイスすると。そういうふうな形を考えていますので、こういうやり方も1つかなというふうに思っております。ところまでいっていないように思うんですけれども、大変参考になるのではないかというふうに思います。
 以上です。
 

○山本委員長 どうぞ。
 

○佐野委員 多分一番最初に環境基準に関して第三者検証をとったと思いますけれども、アニュアルレポート、財務諸表の報告書同様に環境報告書を位置づけるべきだと思いまして、第三者の評価を受けたわけであります。これはコストもかかりますけれども、各子会社、国内、海外、必要な環境負荷の高いところは彼らが独自に監査をしますし、当然本体並びに子会社のマネジメントインタビューもいたしますし、そういうことを通じた環境意識が非常に高まったということを実感として持ちました。
 それと同時に、そういう第三者評価がない場合には、私はアメリカ、ヨーロッパの環境並びにサステナビリティを審査する機関を何回も回りましたけれども、そういう方々の見る目もかなり違っていたという印象を受けまして、第三者評価がない場合にはPR的な色彩が強いということも言ったところがありましたので、社会的にグローバルな評価軸というものが定まるのではないかということを思っておりまして、私自身の経験を通じて申し上げると大変プラスになって、企業経営にも緊張感を持ったということがいえると思います。
 それから、文章の中でEUの受け身だということがありますけど、これは受け身ではないですね。日本には全く規制がないわけですから。私どもは全て自己努力で化学物質の規制に対応を今していまして、受け身どころではなくて、全くない規制に対して、ヨーロッパの基準をベースにして環境経営を促進しているという状況でして、ごく最近では中国がもうリサイクル法を制定するというようなことで、こういう点は本当に早いところやっていただきたい。そうでないと、海外へ行ってなかなか主張ができにくいんですよね。企業としてはやっていても国としての制度がないという場合には、非常にスタンスが弱くなるということも感じております。
 

○山本委員長 河野委員。
 

○河野委員 最初に骨子のことで発言しましたが、今回は個別の課題です。7ページの最初の(2)の最初の丸ですが、先ほど安原委員の方から制度的枠組みについて、それだけだとわかりにくいということで、例えば環境報告書の審査登録制度等ということを入れてはどうかというお話がありましたが、私も是非そういうふうにしていただければと思います。  それでどこまで書き込むかですが、これまで環境報告書の促進ということは、どちらかというと作成者側の視点に立ってやってきたのではないか。例えばガイドラインをつくるという形で。それに対して、この審査登録制度は、利用者側の視点も入っているということであります。
 結局、環境報告書を適切に評価するためには、まだ消費者等は利用が進んでいないというお話がありましたが、利用が進むにつれて、まず情報の正確性、別の言葉で言えば信頼性が問われます。それから多分比較、時系列並びに企業間比較ということがされなければ、適切に銀行や消費者による評価が行われにくいだろうということがあります。ですから、利用者の視点からの環境報告書促進策ということも入っているというようなことも書いていただければと思います。それで、適切に評価が進めば多分第三者レビューを受ける企業も増加すると思います。それから審査の対象になる項目もグローバルで決まるであろうという佐野委員の話もありましたが、既に多くの企業が実行しているような項目を中心にチェックすれば、コストの方も、既に第三者レビューを実施している企業については、従前の枠内で収まるだろうというふうにも理解しております。漸次適切な評価が行われるようになれば第三者レビューを受ける企業もふえるし、それから今まで環境報告書をつくっていなかった企業もつくるようになる可能性があります。それでこれらの企業がつくるようになれば、多分、ISO14001の認証取得というか環境マネジメントシステムを構築しない限り環境報告書の作成というのは難しいと思いますので、環境保全活動に取り組む企業もふえていくだろうと予想しています。かなり長期的な展望も入っていますが、この第三者レビュー制度というのは長期的に見てかなり社会にメリットをもたらすのではないかというふうに思っています。
 以上です。
 

○山本委員長 安井先生。その後、瀬田委員。
 

○安井委員 今、実を言うと佐野委員からのご指摘のEUの件なんですけれども、私自身は実際化学物質の管理なんかも専門の1つで、端っこかもしれませんが1つであるんですけれども、現実的に考えて今の日本の化学物質の、特に製品中の化学物質のリスクというものに考え方が多分2種類あって、それで1つは、明らかにリスクはあるんですが、1つは明らかにビジネスリスクなんです。もう1つは、要するにヒューマンヘルス、あるいは生態系に対するリスク。それでその製品中のある非常に大きな化学物質が現実に人間のリスク、もしくは生態系へのリスクが非常に大きいのだったら、もう既に規制はあるんです。ところが、要するに日本の企業がそういった海外、EUの規制に対してどういうビジネスリスクをどうやって対処するかというところが対応が足りていないと私は認識していて、現実的に例えばソニーさんがおつくりなるテレビを鉛のはんだにしたところで、恐らく環境上の問題点はほとんど何も改善されない。人体影響もほとんどよくはならないということは明らかなんですね。大体皆さん共通認識としてあるわけです。ですから、その辺をやはり区別してこれは書くべきか書かざるべきかというのは非常に難しい問題だという認識を持っています。この5ページの国際的な動きのEUのRoHSでありますが。
 

○山本委員長 瀬田委員。それから、三橋委員。
 

○瀬田委員 先ほどいろいろ申し上げましたときに、前回お話したことは省いてしまいましたので、若干先ほどからの議論をお聞きしておりまして、つけ加える必要があるだろうと思って発言させていただきます。
 まずこの中でガイドラインが出ておりますけれども、私はこれはガイドラインをきっちりと出していただくということは、非常に大切なことだと思います。これから環境報告書を出していく、あるいは環境経営をしていく上で非常に大切な1つの基準になるだろうと思っております。
 それからもう1つは、先ほど第三者認証で金がかかりすぎるということと、それの見返りとの問題が出ましたけれども、私どもの会社も、我々の業界の中では、化学業界の中では数は余り多くないかもしれませんが、第三者認証をとっている会社でございまして、そこで第三者認証というのは、これは一般の監査法人でございますけれども、どういう形で監査が行われていくのかを私自身がつぶさにヒアリングをし、聞き、あるいは調べた。その上での話であります。
 先ほどの数百万円が安いか高いかという問題でございますけれども、私はこの数百万円はそれだけの価値があったと思います。ただこれは業界によって非常にいろんなニーズが違いますので、そこの業界の事情の中に踏み込んだ監査というものはなかなかできないだろうと思います。したがって理念とか係数であるとか、そういうものの監査にある程度限定せざるを得ないということになるんだろうと思うんですね。
 そこで、化学産業の中では、日本レスポンシブル・ケア協議会というのがございますけれども、その中でこの第三者認証の仕事を始めたわけです。そこではいわゆる理念と係数の他に、それ以外に技術検証というものを行う。そういったことをできるだけ定年退職をした、その業界において経験の豊かな人々、そういった方々を再雇用して、そこで活用して、そういった監査をしてもらうということをやってきたわけでございます。
 この第三者認証のコストについてですが、そういった形で業界でやりますと一般監査法人の場合の大体2割ぐらいで済みます。その2つのこと、つまりコスト的にできるだけ安い形をとり、もう1つはもっと広い意味での、その業界に即した検証というものをやろうということで、今、化学産業においてはそれが行われているわけです。
 多分これはほかの業界でも同じようなことができるのではないかという気がいたしまして、第三者認証というものは、そういう形で考えていくことができるのではないか。それも1つの普及の方法ではないかという意味で申し上げました。
 以上です。
 

○山本委員長 では三橋委員。
 

○三橋委員 環境に配慮した事業活動の場合には、インセンティブというのがやはり非常に必要なんですね。それで私自体も自己批判的なものになってしまうかもわかりませんけれども、やはり日本の特に新聞を例にとると、いろんな業績発表は兜町でするわけですよね。質問ももっぱら業績、次年度の投資見込、そういったものが中心になって聞かれて、まず兜町の記者は環境問題には興味を持っていないから聞かないわけですね。そういう点で、いろいろ環境を配慮したこと、企業として聞いてほしいことが聞かれない現状があるわけです。
 特にヨーロッパなんかのケースなんですけれども、これは必ず記者会見をしたときに環境問題に対してかなりの質問が出るというんですね。これは企業の方がおられるので後で確認してもらってもいいんだけれども、私が知っている何人かの日本の企業で外国に子会社なんか持っているようなところ、そういうところの人たちもまず間違いなくそういうことを言います。
 そういうことで、環境と経済、あるいは企業業績、こういったものが日本の場合には本当に分離してしまっているんですね。それをやはり一体的な形にするようなことができないとなかなかインセンティブにならないと思うんですよね。これはなかなか難しいと思いますけれども、やはり何らかの形で既存の新聞社とかに働きかけて、けれども今の記者クラブ制のもとでは難しいので、ないものねだりになるかもわかりませんけれども、最終的に報告する、発表するメディアの側が遅れてしまっているんですね。環境問題に絞って、例えば環境省のクラブで発表するなんていうような形になってしまうと、あまり大きく記事にならないとか、そういう問題があるわけです。
 だから、環境に配慮した事業の取組に対して、パブリケーションで環境問題も経済と同列で扱ってくれるような、そういう風土をつくり出さないとなかなか難しい面があるんです。そのためにどうしたらいいかというのはなかなか記者クラブ制度みたいなものがあって、そんなものがなければ一気に解決すると思うんですけれども、しかも記者クラブ制度というのは記事を書く側にとっては非常に便利なので、それをなくしてしまえということに対しては抵抗があるんですよね。この記者クラブ制度がなくなれば、恐らく問題意識のある記者は、経済及び環境というものを同列で扱うような、そういう風土ができてくると思うんですけれども、そういう非常に遅れたマスコミの対応というようなものも環境に配慮した事業の取組の足を引っ張っているのではないかなというようなことを、私の反省を込めて申し上げておきたいと思います。
 

○山本委員長 ありがとうございました。
 皆様のご意見を伺って、この事務局で用意していただきました促進方策の在り方の骨子ですね。この骨子の骨格は大体ご異論があまりなかったような気がいたしまして、ただ書きぶりとか、それから実際に何をやるのかと。問題の所在を明確にして一体何をするかということを皆平板に書かれているのではないかと。
 河野委員の方からは、環境報告書を通じて市場で企業の環境配慮活動が評価されるようにするというところを重点的に書いてはどうかと。いろいろなサジェスチョンがございましたけれども、皆様のご同意がいただければ、この資料の1で用意していただいたこの骨子案を、これは少なくともこれはコンセンサスのまずたたき台として、これに具体的に先ほど来大量にコメントはいただいたわけでございますが、それを参照して書き直していただくと。さらに、今日はもうあと20分ほどしか時間がございませんので、ぜひこの促進方策、どういう環境に配慮した事業活動の促進方策があるか。環境報告書あるいはサスナビリティリポートを拡大強化するという方向、その制度をつくっていくという方向と、もう1つは既存の制度で妨げとなっているものを洗い出して、これを調和化するという作業、この辺が主に指摘されたことではないかと思います。
 次の会合までに事務局でこの小委員会の最終報告書の案をつくっていただく必要がございますので、どういうビジョンでどういうイミディエット・アクションを起こすべきか。この辺につきましていかがでございましょうか。何かご意見等ございましたら。
 益田委員。
 

○益田委員 ありがとうございます。私は前回も申し上げたんですが、日本のマーケットが、あるいは世の中が環境に配慮したグリーン市場であったりグリーンマーケットになっていくということは大変いいことだと思いますし、そういう方向へもっていくべきだと思いますし、企業活動もそういう活動を促進することが消費者から評価をされる。企業が繁栄をするという仕組みが何よりも重要だと思います。そういった意味では、報告書に話が最初からあるんですが、商品の環境性能評価という意味での比較促進で、消費者がこの商品を比較・検討評価していただかないと、本当にはグリーン購入にならないわけで、企業がいくら企業行動としての環境報告レポートをしても、その企業の商品が他社の商品と比べてどういう環境対応をしているのかという比較が消費者に検討できるような、これは従来から環境ラベルみたいな表現でいわれていると思うんですが、そのことが私は大変重要ではないかなと思っております。
 以上です。
 

○山本委員長 確かに国民生活センターでやっているような製品評価、これは大事な問題、これは私も長年これを主張してきたわけでありますけれども、何か簡単に。
 

○崎田委員 実はここでは企業の方のいろいろな企業の全体像をどう評価するかという話で、今の商品のことなど私も余り細かくは発言はしてこなかったんですが、そういう環境配慮した企業自体を評価して金融市場で評価するという部分と、今のお話のように、商品についてきちんと情報を得て消費者がきちんとそれを選択をするという、そういういろいろな具体像をきちんと出していくということはすごく重要だと思うんですね。
 そういうことに関して実は例えば私、今、環境省でほかのやっていらっしゃる委員会、環境と経済の好循環ビジョンという委員会がありまして、やはり今の環境と経済がどう好循環していく社会って現実にどんな社会を皆がイメージしているのかというような、割に具体像について話している委員会があるんですけれども、そういうところの報告書と、できるだけ同じ時期に出るようになんて言ってはいけないんですが、これだけで好循環をつくっていくというのではなくて、やはり総合的にやっているんだという、そういう環境省全体とか政府全体の検討の流れとか、そういうようなのをきちんとこの中にどこかに盛り込むとか、それを政府全体で今本格的に取り組んでいるんだという、そういう総合的な視点がここに見えるような形でまとめていただければありがたいなという感じがいたします。
 

○山本委員長 これは佐野課長、当然そういうことになるわけですね。最終報告書は。
 

○佐野環境経済課長 はい。今、崎田委員からご指摘がありましたような、大きな流れという部分、ご説明というのは、これはここでのインプリケーションをおきますということで出した骨子でございますので、全体をまとめるときはそういったご説明も当然加わると思います。
 

○山本委員長 そのほか。
 天野委員。
 

○天野委員 3つのことを申します。1つは、私もガイドラインというのは大変重要だと思います。現在パブリックコメントにかけて意見を集約してというプロセスが終わりましたけれども、もともとガイドラインを作成する段階で、やはりステークホルダー、たくさんの種類のステークホルダーがありますので、そういう人たちに参加してガイドラインをつくる、あるいは修正するというプロセスを、ぜひ今後はとっていただければというふうに思います。
 それから2番目の点は、ガイドラインはできるだけそれに沿って作成をしていただくのがいいわけですけれども、中にはやり方が余りわからないということで、独自に事業者の方でいろんなコストをかけて研究をしてつくるというところがありますので、できるだけそういうことを減らして共通のやり方というのをわかりやすい形で説明するというためには、幾つかの課題がありますけれども、その課題別に、それからこれは業界とか部門によってかなり性格が違いますので、全部一律にというわけではなくて、部門別にプロトコルをつくるというふうなことが私は必要だし、そういうことをすることによって作成の手間とかコストが下げられるのではないかというふうに思いますので、この前私がそういうことを申し上げたら部門別のガイドラインやプロトコルは今のところつくらないというふうなご回答でしたが、私はそれはやはりきちっとつくることが普及にはいいのではないかというふうに思います。
 3番目の点としましては、やはり国際的な取組というのは進んでいるわけでして、それと独自のものをつくるというのは、あまりこういう問題についてはよくないのではないか。ですから、その国際的な取組の中で使えるものは使う。あるいは日本的にもっと拡張することは拡張するというふうな取組が必要なのではないかと思います。例えばですけれども、ドイツ政府はGRI、これは民間の機関ですがUNEPなんかも入っている国際的な組織ですけれども、そのGRIが困っているような課題の解決のための調査、資金的な援助をして、その解決を援助しているというところもありますので、日本政府もぜひそういう形での支援といいますか、参画の仕方もあるわけですので、それをぜひお考えいただけたらというふうに思います。
 以上です。
 

○山本委員長 はい、ありがとうございました。
 福川委員、後からいらっしゃいましたけれども、環境に配慮した事業活動の促進方策でございますけれども、当面我々が急いでやらなければいけないような問題というのは何でございましょうか。
 

○福川委員 どうも遅れて大変申しわけございません。
 今、天野委員から国際的な取組というお話がありまして、ISOでも今度はトップが日本人にはなったわけですが、CSRについてもISOの国際標準という作業が少しずつ進んでいるんだろうと思うんです。実は、これはほかの分野でもそうなんですが、標準ができてしまうとどうしてもそれに日本は従わざるを得なくなる。しかも日本に不利な形でできてしまうというケースが多々あるわけでして、このISO全般に関していうと、日本の企業の場合はあまりこの標準というものにあまり熱心でなくて、どうしてもできたものを器用にこなしていってしまうということなものですから、私はやはり企業も、それから政府の関係省庁も積極的にこのISOの作業に入っていくべきです。そこは今議長がどなたがやっていらっしゃるかわかりませんが、やはり本当は議長を日本でとるぐらいにして、そして日本の一番貴重な体験、公平なものをこの中につくり込んでいくということが非常に大事で、このペーパーでいえば最後の国際的な取組のところなんですが、これは本当は政府も民間も挙げて努力をするということが必要だろうと思うんです。ISO14001のときでも、日本があれだけ公害問題で進歩していても、基準はイギリスのやり方が入ってしまったということでして、したがって、これからこのCSRの問題を中心に動いていくと思いますので、私はそれは本当に環境省の出張旅費の予算があるのかどうか存じませんが、本当は予算も取って政府も関係省庁も、それから企業もどんどん入って積極的に取り組んでいくというのが大事だと思っています。
 この努力がありませんとどうしてもこの不利な形になっていくというふうに私は思いますので、これをぜひお願いしたいと思います。
 それからOECDでも作業をいたしておりますので、このOECDにももっと積極的に日本の立場をこういうことをすべきだということを主張していくべきだと思いますし、それからEUは今、主としてEU委員会は方向性だけ出して、あとは民間でやれという形になってきておりまして、CSRについてセミナー等々やるという雰囲気になっておりますが、これは経団連が相手をなさるかどうかですが、向こうは民間、業界団体等が中心に動いてきますので、やはりこれに対しても積極的に日本の経済界は働きかけていくということが非常に私は大事なことではでないかというふうに思っております。
 どうしても日本のものをうまく国際的な社会に反映させていきませんと、天野先生がおっしゃったような形で、日本だけ独自なものをつくっても国際社会に通用しないということになりますので、これはひとつぜひお願いをしたいと思います。ISO、OECD、EUとの関係等々、ぜひ強くやっていくべきだと思っております。
 あと国内に関して言えば、そういうものをベースにして、私はできるだけ日本の市場の動かし方というものを、できるだけルールをつくって、そして事後的にチェックするという仕組みが大事なのではないかと思っております。一般的に今まで行政の事前的な調整ということに日本の動きがありましたけれども、やはり民間の活力を発揮しながらよりよいパフォーマンスを出すということにすると、できるだけ基準を明確に、このCSRでも、あるいは環境の問題でもそうですが、それでそれをできるだけ自己審査をし、もし問題がある場合は十分事後的なチェックができる体制が必要で、そのためには情報公開をもっと徹底的にする。それからルールをつくる場合でも、例えば情報公開のところまでルールを明確にして、そして事後的にそういうルールに合ったか合っていないかをマーケットで評価をする。非常に必要な場合は、それは法律というような形のものもあるかもしれませんが、できるだけルールを明確にして情報公開をして市場がそれで判断できるような形にして、企業が、あるいはまた個人、市民が自主自発的にというか、自律的に動かしていくというそういう気運を経済社会の中につくり込むということが大事なのではないかと、そんなふうに思っております。
 

○山本委員長 ありがとうございました。
 大体時間になってきたかと思うんですが、この際ぜひ発言されたいと。よろしゅうございますか。
 それではありがとうございました。たくさんのコメント、貴重なご提案をいただいたと思いますので、この骨子案、この骨格は大体この方向であろうと。あとはどこを強調するか。あるいは文章をどう直すか。さまざまな問題があると思いますが、その辺を事務局の方でこの正月にかけましてご作業いただきまして、来年の1月16日午前に開催されます次回会合でまたご議論をいただきたいと思います。
 何か事務局より連絡事項等ございましたら。
 

○佐野環境経済課長 今、委員長にまとめていただきましたとおり、きょういただきましたご指摘の中には、例えば平板に並べるのではなくて、それぞれの個別の状況を踏まえるようにというのは、まさに今後これに肉をつけていきます作業の中でいたすべきことであるわけでございますので、今ご指導いただきましたような方向で作業をいたしたいと思います。
 またそのときに、ご意見をいただきました先生にこういうことだろうかというご相談をさせていただくこともあろうかと存じますので、よろしくお願いをいたします。
 

○山本委員長 それでは本当に今日はありがとうございました。
 よい新年をお迎えください。
 

午後 3時55分 閉会

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