中央環境審議会総合環境政策部会  環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会(第2回)議事録

日時

平成15年12月2日(火)10:00~12:00

場所

経済産業省別館8階827号会議室

出席委員

10委員 
山本 良一 
青山 裕史 
天野 明弘 
河野 正男
崎田 裕子
佐野 角夫
瀬田 重敏
永利 新一
益田 清
三橋 規宏 

 

委員長
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
 

議題

(1) 有識者からのヒアリング
[1] 益田清  トヨタ自動車株式会社環境部長
 環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会委員
[2] 筑紫みずえ  株式会社グッドバンカー代表取締役社長
 中央環境審議会総合政策部会臨時委員
[3] 冨江政和  株式会社滋賀銀行総合企画部次長兼ふれあい環境室長
(2) 環境報告書ガイドライン改訂検討会等における検討状況について(報告)
(3) 環境に配慮した事業活動の促進に関する議論のポイントについて

(4)

その他
 

配布資料

資料1    筑紫氏発表資料
資料2    冨江氏発表資料
資料3    環境に配慮した事業活動の促進に関する議論のポイント(前回の主な意見の整理)
参考資料1    ガイドラインと基準の関係
参考資料2    環境報告書ガイドライン2003年度版(案)
参考資料3    環境報告書作成基準(案)及び環境報告書審査基準(案)

議事内容

午前10時00分 開会

 

○佐野環境経済課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会第2回の会合を開催させていただきたいと思います。
 まず事務局より本日の資料のご確認をさせていただきます。

○事務局 おはようございます。議事次第の方をごらんください。下の方に配布資料というものがついてございますので、あわせてごらんください。
 まず、資料1といたしまして、筑紫氏発表資料ということで、パワーポイントのコピーがございまして、日興エコファンドというパンフレットとものと興銀第一ライフアセット・マネジメントのエコファンドというパンフレットをあわせてお配りしております。資料2といたしまして、冨江氏発表資料といたしまして、「クリーンバンクしがぎん しがぎん環境レポート2003」という冊子をお配りしております。資料3といたしまして、「環境に配慮した事業活動の促進に関する議論のポイント(前回の主な意見の整理)」を1枚紙でお付けしてございます。それより下が参考資料となりますが、まず、「参考資料」という字のついたものが1枚ございまして、その下に参考資料1、「ガイドラインと作成基準の関係」、これは1枚ものでございまして、参考資料2、「環境報告書ガイドライン2003年度版(案)」、参考資料3が3部からなっておりまして、まず、参考資料3と書いてございますものが、「環境報告書作成基準(案)及び環境報告書審査基準(案)」ということで概要のような形になります。参考資料3-1が「環境報告書作成基準(案)」となっておりまして、参考資料3-2が「環境報告書審査基準(案)」となっております。
 以上、お配りした資料でございますが、不足、乱丁等ございましたらお申し出ください。

○佐野環境経済課長  前回は大変幅の広いご意見をいただきありがとうございました。前回の議論では、各委員の皆様から自主的、積極的な環境配慮の取り組みの裾野を広げていくという観点から、いろいろな環境配慮の取り組みが社会あるいは市場で高く評価されるための条件整備というようなことについて、いろいろご意見をいただいたように思います。本日も引き続きまして、そういった観点からご議論を重ねていただければと存じます。その意味で先進的な取り組みを進めておられます皆さんのお話もお伺いをするというふうに計画をいたしております。
 それではご進行を山本委員長にお願いしたいと思います。

○山本委員長 皆さん、おはようございます。
 12月とはいえ、大分暖かくて、地球温暖化がさらに進行しているような印象を持つわけでございます。我々は一層、もっと早く環境と経済の統合を進めなければいけないと、かように思っております。
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。まず、第1番目の議題でございますけれども、環境に配慮した事業活動を実際に行い、その取り組みや成果について環境報告書を通じて情報を公表している企業のお立場からのご意見を、まず伺います。その後、公表された情報を活用する評価機関あるいは金融機関のお立場からご意見をいただきたいと思います。質疑応答は発表者の皆様のご意見をいただいた後、一括して最後に行いたいと思います。
 それでは、この小委員会の委員でもあるトヨタ自動車の益田部長から、企業のお立場からご意見をいただきたいと思います。
 では、益田部長、よろしく。

○益田委員 ありがとうございます。トヨタ自動車の益田でございます。第1回目の当委員会、欠席をいたしまして大変失礼をいたしました。
 本日、我が社の環境経営につきましてお話をさせていただく機会をいただきましてまことにありがとうございます。それでは、限られた時間でございます。簡単にパワーポイントを使いまして、ご紹介をさせていただきます。
 これは世界の人口と自動車の保有台数ということで、2000年におきまして、世界の四輪自動車の保有台数は7億 5,000万台でございます。ご存じのとおり、現在の世界人口60億人強ということで、人口当たりにしますと、人口の12%程度が車の所有あるいは保有をいただいているという状況でございます。
 一方、2050年には、世界の人口が89億人になるという予測もございます。そういう状況の中で、現在の12%程度の車保有のまま50年進展をいたしますと、四輪自動車というのは10億台を超える、あるいは現在、先進国を中心にした世界的に見ればOECD諸国での車利用が多いというふうに考えておりますけれども、この利用率がさらに伸びれば、10億台を超える台数予測も現実には起こるという状況の中でございます。
 そういう状況の中で、申すまでもなく、皆様ご存じのとおり、IPCCの温暖化予測ということで、何もしないならば2100年に 970ppm程度の濃度を 550前後の濃度に、ということでの取り組みでございますが、そういった意味では自動車も先ほどの保有の増大ということを考えますと、大きな役割を担う産業であり、消費であるというふうに考えております。
 これは、そういった意味でトヨタ自動車の経営におきまして環境問題への対応は、経営の最重要課題ということで、社長みずからいろいろな機会に表明をしております。高いレベルの環境対応なくして成長なしの信念のもとで、私たちは環境を中長期の成長戦略の根幹に据えて経営を進めるんだというようなことを、昨年の環境報告書でもトップの所信表明をしております。
 下の絵は、トヨタの基本理念をベースにしまして、92年に制定をいたしましたトヨタ地球環境憲章を全世界約 600社の連結子会社も含めまして共有をしております。その地球環境憲章に基づき、各社が中期計画として5年単位の事業計画を策定をして、年度方針に落として展開をしているというようなことを、全世界の約 600社を含めて共同で取り組みをしております。
 これはその中身でございます。実は、「新」と書いておりますのは、92年に第1綱を定めまして2000年に改定をしております。92年に制定したときから考えますと、90年代の前半の議論から、この2000年までの10年の間に、環境問題も大変具体的に課題が大きくクローズアップしてまいりました。そういった意味で、私たちはより具体的に、より高い目標に環境憲章を変えたと考えております。
 1つには、豊かな21世紀社会への貢献ということで、その中で事業活動のすべての領域を通じて、私たちはゼロエミッションに挑戦するのだ、生産工程においても、あるいは自動車という商品そのものにおいても、ゼロエミッションに限りなく挑戦していくんだという標榜しております。
 それから、2つ目には環境と経済の両立を実現する新技術の開発の定着に取り組んだということで、環境技術の開発、そして経済の両立ということを標榜しております。
 それから、環境への取り組みは、これが大原則だと思いますが、未然防止の徹底と自主的な改善計画を策定して、自主的な取り組みを推進する。そして最後には、社会との連携協力ということで、幅広い層との連携協力関係を構築していくんだというような、この4つの視点で環境経営を進めております。
 これは昨年4月に公表いたしました当社の2010年のグローバルビジョンでございます。2010年代の初頭に、地球上の世界はどういう社会が到来しているか、その社会に対して我が社としてどのような経営を進めるか、というようなものをまとめたものでございます。到来する社会を4つの視点でまとめております。
 その1番目に環境問題として再生社会、循環型社会の到来ということで、ある意味、使い古された言葉ではございますが、2010年代の初頭に、さらに循環型社会というものが求められ、その現実が到来するであろう。そういう状況の中で、我が社は地球にフレンドリーな技術で地球再生を転用していくんだ、というような指針を標榜いたしました。到来する社会としては、2、3、4にITS社会、あるいはユビキタスネットワーク社会の到来ですとか、地球規模でのモータリゼーションの伸展とか、成熟した人間社会の到来、こういった状況に対する対応もまとめてございますが、本日は環境問題ということで、1番だけ我が社の対応を書いております。
 それでは、今、ご説明いたしました地球環境憲章に沿って、1、2、3、4、それぞれ簡単に事例をご紹介させていただきます。
 これは、ゼロエミッションへの挑戦ということで、先回の第1回の議論でもご説明があったようでございますが、我が社も、生産、使用、廃棄、開発といったライフサイクルすべてにわたりまして自動車の環境問題という側面から、トータルでのゼロエミッションへの取り組みが重要だということで、取り組みを進めております。
 これは、そのうちの1つとして、全世界の生産工場におきます、実は全世界のトヨタグループといいますか、連結子会社を含めました生産工場は、日本も含めまして 165工場で、年間約 六百数十万台の生産を行っております。一番上が全世界のCO2の排出です。全世界で約 600万トン弱のCO2、廃棄物、水の使用量、この3つの側面で全世界の環境負荷の集計をし、世界的に目標を定めて低減への取り組みを行っているというのが現状でございます。
 これは環境技術の追求ということで、2つ目の項目でございます。新しい技術をどのような形で提供していくかということで、皆様ご存じのとおり、ハイブリッドカー、あるいは燃料電池自動車ということで、いろいろな技術がございます。右から電気自動車の延長線上にFCHVということで、ピーエルセルハイブリッドでございます。燃料電池でございます。それから、ガソリンエンジンの延長線上にTHS、これはトヨタハイブリッドシステムです。ハイブリッドカーの技術でございます。それから、ディーゼルエンジンの延長線上にDPNRあるいはハイブリッドテクノロジーというのもございます。それから、CNGse4bsということで、私どもはいろいろなバリエーションをマーケットに提供し、お客様が用途に合わせた最適な移動乗り物として選択をしていただき、環境負荷の少ないエコカーに進展していくというふうに考えております。
 そういったときに、ハイブリッドテクノロジーというのは、燃料電池でも技術を使っております。当然ガソリンエンジンでプリウスもご好評をいただいております。
 また最近では、ディーゼルエンジンでのハイブリッドカーもマーケットに投入をいたしております。そういう意味で、ハイブリッド技術というのは、これからのキーテクノロジーであるというふうな認識をしております。
 これは、現在のハイブリッドカーの販売の累計と将来の目標に向けた数字でございます。
 これは、燃料電池技術の開発取り組みの状況でございます。トヨタ自動車といたしましては、上にあります、既に環境省でもお使いをいただいておりますFCHV-5の車両に加えまして、下にありますバス、東京都での活用も始まっております。そして左下にありますダイハツのMOVEという軽自動車での燃料電池の場合、そして右下の据え置き型のFCシステム、そういったものも含めまして、FCスタッフの開発を独自技術として研究を進めております。
 これは、自主的な取り組みということで、今、申し上げました燃費、これは2010年の国内の乗用車の燃費基準でございますが、2005年には達成をするということで、前出し取り組みを標榜しております。あるいは、排出ガスにつきましても、2000年の75%減の三星のレベルを2005年にはすべてやろうということで、また新しい排ガスの四つ星制度も出てまいりましたが、そういった取り組みを前出しに向けて取り組む。それから、今申し上げましたクリーンエネルギー車のハイブリッドカー、CNGあるいは燃料電池、こういった車両の開発に取り組んでおります。
 これは社会との連携協力ということで、環境省、経済産業省の主管で現在準備いただいております使用済み自動車のリサイクルの社会制度の取り組みを両省と共同しながら、取り組みをしております。細かいことは割愛させていただきます。
 これは、私、いろいろなところで申し上げておるんですが、循環型社会の構築に向けてということで、この絵は、上に産業、企業、あるいは個人事業主も含めた事業主が、真ん中のマーケット、市場にどのような商品サービスを提供し、その商品サービスの情報をしっかりとマーケットに提供するということが、大変重要だということを常々申し上げております。そして、消費者は企業から、あるいは事業主から出された商品サービスの環境情報をしっかりと判断をいただいて、グリーン購入をしていただき、環境グッド商品、環境グッドサービスをマーケットの中で拡大し、環境未対応といいますか、バッド商品を市場から縮小させる、そういった動きでマーケットから出た資源を、さらに資源循環ということで、産業に戻し、また市場に送るといったことが重要であり、私は市場の中でそれぞれの産業とか企業とか事業主が出す商品が、どのような形で選択をされるか、そういう比較検討と商品選択のための情報が大変重要だというふうに思っております。
 それから、自動車ですとか、家電ですとか、容器とか、そういったリサイクル法が出てまいりましたが、大手産業、企業だけでなく、個人事業主も含めた取り組みが何よりも重要だというふうに思っております。
 これはトヨタ自動車の基本理念で、ちょっと細かくて見にくくて大変恐縮でございます。会社経営の理念的なものとして、国際社会から信頼される企業真理を目指すとかいうようなことを書いておりますが、下に出しました2つの絵は、こういった理念を実現していく我が社の経営理念、これもまた「理念」ですが、経営方針といいますか、全世界で共有して、トヨタウェイといっておりますが、知恵と改善、要は挑戦・改善・現地現物主義、そして人間性尊重、尊敬、チームワーク、そういった理念のもとに経営を行っております。
 最後に2003年、本年1月、日本経団連が発表されました「活力と魅力溢れる日本を目指して」ということで、第1章の4に、個人、企業、行政がともに環境立国戦略を進めようということで、中でも環境を日本企業の強みにする、日本が環境立国となる条件、それから循環型社会構築の要となる技術ということで、技術開発の重要性が書かれております。そういう状況の中で、企業は技術開発と実用化、社会システム、これは先ほど申し上げましたリサイクルシステム等だと思います。環境経営、環境コミュニケーションとしての環境情報を市場にどのように提供するかということだと思います。それから、行政へのお願いといいますか、役割としては、その中で特に、今回のご議論もこのテーマだと思いますが、各国のグリーン購入などの市場づくり支援というものが重要ではなかろうか、というふうに考えております。
 以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、筑紫社長にお願いいたします。

○筑紫社長 山本先生、10分ぐらいというお話でしたが。

○山本委員長 どうぞ、若干延びても。

○筑紫社長 10分ぐらいのつもりでお話させていただきます。
 本日は、お話をさせていただく機会を与えていただきまして、どうもありがとうございました。
 私ども、こちらに、今、お配りいたしました日興エコファンド、興銀第一ライフさんのエコファンドのパンフレットがございますが、これは1998年8月4日、日興エコファンド、いわゆるSRI、ソーシャル・レスポンシブル・インベストメントというコンセプトを持った金融商品が、日本の歴史上、初めて日本の金融マーケットに出たとき、私どもと日興コーディアルグループさんの共同で開発いたしました。その後、興銀第一ライフさんの方のエコファンドも開発をいたしまして、私どもの会社は、エコファンドというのは企業の環境対応度を評価して投資をする。これまでの投資におきましては、単にこの企業がこれから成長するだろう、成長すれば株価が上がって、株を買っておけば儲かるだろうから投資をするというような商品だったわけなんですけれども、このSRIの商品というのは、ただそれだけではない。儲かりさえすればいいのではない。それは会社が儲かって株価が上がって、自分が儲かりさえすれば、それでいいんだと、そうではなくて、実は株式投資をして株主になるということは、会社の経営そのものを応援するということなんだから、自分の哲学に沿って、例えばあるべき世の中の姿とか、その中で企業活動を通して、どう社会に貢献していくかということをチェックして、その企業の、そういう生き方に対して共感を持って投資をしていくんだ、というような投資家さんを対象にした商品なんですけれども、それで、最初の商品としまして、環境問題に対するいろいろな危機感というものがあります中で、特に企業の環境対応度ということを評価して投資をしようと。
 企業の環境対応度を評価するのは、だれが評価をするのだ、どういうふうに評価をするのだということで、私ども、株式会社グッドバンカーというのは、98年7月14日につくりましたけれども、では、私どもがそれを担っていこうということでつくられた会社でございます。法律的には投資顧問会社でございますが、やっていることはSRIですとか、エコファンドの調査でございます。
 こちらのパンフレットにありますように、エコファンドの仕組みというのは、まず、日興証券さんなり、興銀第一ライフさんなり、運用会社さんが3年以上の東証の一部に上場している企業、それから店頭公開企業の中から、まず、財務的な観点から成長性というものが評価できるというような企業を選んでいただきまして、それに対して私どもが環境対応度の面から評価をしていきます。そういう財務的なスクリーニングをかけたものと、それからそれに対して環境の観点からもスクリーニングをかけて、財務的にも、それから環境の観点からも評価できる企業に投資をするということで、エコノミカルスクリーニングと、エコロジカルスクリーニングということで、両方のエコということを評価しようということで、エコファンドという名前をつけました。基本的な考え方につきましては、2ページに書いてございます。
 あまり時間がないということ、また、それから、既にSRIとか、エコファンド等につきまして、この審議会の中でも、既にいろいろな形でご検討されて、ご研究もされているということを前提にいたしまして、簡単にお話をさせていただきます。
 エコファンドの効用ということについては、2ページの上の方で、私どもが最初からエコファンドの効用として期待したことは、そのことによって環境配慮型の社会への方向づけることができる。会社が環境配慮型になれば、社会が環境配慮型になるのではないか。
 それから、もう一つは、こういった金融行動に哲学といいますか、自分自身の価値観をつけることによって、実は社会変革の可能性がある、そういう可能性があることによって、さらに今まで投資をしなかったような人たちが投資をするようになる。
 そして、例えばエコファンドによって環境配慮型の社会になったときに、実はそのことが国際競争力につながる。こういう形で環境配慮型の社会になるために、環境配慮型の商品を買って応援をしようというふうな投資家さんが、日本では始まったばかりですけれども、世界中では非常に大きなマーケットになっていて、SRIのマーケットだけで、実は全世界では3兆ドルくらいあるというふうに言われております。
 それで、実際には、どういうふうにするかということにつきましては、後ほどお話をいたしますが、このエコファンド、98年にできまして、そのときには、プロの方からは全く評価をされなかったといいますか、私自身がこれをやろう、SRIとエコファンドと思ってから10年たちましたけれども、いろいろなところでお話をしてきたんですけれども、こんなものは売れるはずがないとかいうお話だったんですが、実際に日興さんの方で何とかやってみようということで、98年8月4日にやりましたときに、ほとんど宣伝とかもしておりませんが、2週間、実質的に10日間で 230売れました。これはプロが予想していた4倍以上だったこと、そしてその後、いろいろなマスコミの方に書いていただいたということで、4カ月で日興エコファンドが 1,000億円になりました。これは、SRIの世界では非常に歴史的にも考えられないことで、SKLDのファンドが同じ額になるために10年かかっています。それから、英国のファンドがやっぱり同じぐらいかかっている。
 それから、顧客、だれがファンドを買ったかというときに、99%が個人だった。女性と若い人が多くて、日興証券さんにお口座を持っていない方が多かった。つまり、初めて証券会社に行くとか、初めて株式投資をなさる方が多かった。それで、購入の平均額が 300万円だったということで、エコファンドとか、SRIの顧客特性というのは、個人で、女性とか若者、富裕そうな方、知的な方が多いと言われておりまして、これは米国、欧州、日本に共通している。
 どうして知的な方とわかるかというと、例えばどんな方が買っているかということで、アンケートをとったりすると、女性とか、若い人で、女性ですと専門職を持っているとか、趣味がどうであるとか、どんな新聞を読んでいるかとか、特に英国あたりでは階級社会ということもありまして、厳然と、どんな新聞を読んでいるかということで、どういうクラスの人かがわかるわけなんですが、基本的に個人、女性、若者、それから比較的富裕で、知的な方が多いというのは共通しております。
 それで、このエコファンドの効果なんですが、私どもは金融市場における効果というものを予想したのが、儲かりさえすればいいんだとか、何か儲けようと思って投資をするという、必ずしもそういう人ばかりではないわけです。ですから、今までどんなに儲かるかもしれないと思っても、証券会社へ行って、人相の悪いおじさんが、たばこをスパスパ吸いながらとぐろを巻いている、あそこに行きたくないとかいう、そのために株式投資なんかしたくないという方がたくさんいるわけなんです。実際に株式投資を女性がしようとしたときに、私どもが98年に、自分たちの勉強のために、ある証券会社に行ったときに、「ご主人の許可は持っているか」とか、「女には株は売らない」というところも、実際問題としてありました。そういうようなことで、女性はそういう意味では無視されていた。それから、女性も必ずしも行きたくはなかったというようなマーケットなんですが、こういうエコファンドとかSRIのようなものが出てくると、どの国もそうなんですけれども、結局は今まで投資をしていなかった個人が投資をする。新しい商品ですから、新しい顧客が出てくるということで、そういう意味では、日本の個人金融資産が 1,378兆円のうち、まだ株式投資の割合が 5.9兆円ということで、そこに新しいこのような商品が出て、新しい個人の方が入ってきて、そうすれば、個人資産が流入するということで、株式市場の活性化につながった。
 それから、エコファンドとかSRIの投資家さんというのは、基本的に、もともとがそんなに短期的な利益を求めている人たちではなく、お金も余裕のあるところから出しているということで、短期的に目先の利益のために、毎日株価を見ているというような人たちではありません。こういう人たちが持って、あとは忘れてしまったりとかいうようなことも、私自身は、もちろん自分がエコファンドを、いいと思ったものですから買いましたが、今、幾らぐらいか知りませんし、あまり関心がありません。そういった方が多くて、結局、長期的に自分がいいと思って、環境からも、財務的な観点からもいいと思う会社なんだから、では、長期的に持っていれば成長していくでしょうということで、長期保有の方が多いです。
 そうしますと、結局、市場の安定化率が、ブラックマンデー時にダウが24%落ちたときに、SRIの投資家さんというのは、ほとんど動かない。そして、8%の下落にとどまり、なおかつ、むしろ、こういうときにいてくれるというような人だということがわかりまして、SRIの投資家というのが、実は金融市場を安定させるのではないかと言われております。
 それから、企業に対しての効果なんですけれども、これは私ども、最初にエコファンドの環境対応で、企業の環境対応度をどう評価しますかというときに、とっていればいいというものではないですけれども、ISO14001の認証ということは評価の対象にはなりますと。とっていればいいということではありませんが、ということを申し上げていたんですが、これはやはりエコファンドが発売時に 1,552件だったのが、6カ月後に、他のいろいろなファンドも採用してきて 2,000億円になってきたときに、メディアとか非常に取り上げていただき、その後ISO14001の認証取得が劇的にふえていったことは、多少、我々の活動といいますか、エコファンドの効果ではないかと。
 それから、環境報告書も、基本的に、最初、私どもが評価をいたしますときには、環境報告書とか、そういう企業の公開されている情報に頼りますので、環境報告書なども見やすくといいましたが、それも、今、非常に作成公表がふえているということも、エコファンドの効果だったのではないか。
 それから、何よりもエコファンドの効果というのが、実は、企業の国際競争力につながったということを、私は実感として思っております。といいますのは、実はエコファンドとかSRIというのは、欧米では90年代の初めからあったものですから、日本でもそういう形で日本の企業を評価して、組み入れたいというような需要があったにもかかわらず、日本企業はほとんど環境報告書も出していないとか、あるいはこういったアンケートに対しても全く答えてくれないというようなことが、98年に私どもが出す以前に、海外からそういう話があったり、あるいは私どもが調査をするようになったら、ぜひ調査をしてほしいというようなお問い合わせがありましたので、結局、エコファンドが生まれて、かつ、大きなマーケットが短期間でできたときに、どんなところが入っているのか、なぜ、この企業が入っているのかということについてお問い合わせが非常にたくさんありました。ですから、このときにエコファンドに入っていたもので、海外のエコファンドとかSRIのファンドに入ったものも、結構あったのではないかと思います。
 そして、グローバルな評価ということで、実は、この6カ月で 2,000億円ということになったときに、UNEPの方から私の方に、専門家会議に対して出てほしいということで招待状が来まして、2000年1月ですけれども、パリで、環境に優しい投資、実は環境問題ということの解決のために、金融の側のお金がどういうふうに流れるかによって、環境問題ということが違ってくるのではないかということで、UNEP自身がグリーンニング・メインストリーム・ファイナンスということを2000年の時点でうたっていました。そして、投資、融資という金融機能を使って、そこで環境配慮型に、企業とか経済社会のことを持っていくことができれば、そのことは非常に有効ではないかということがありましたので、UNEPの方で日本に着目して、私がこのときに、お話をしましたときに、実は、このときのアクションプランに採択されまして、日本のこのようなエコファンドの成功例というのを、もっとアピールしようではないかと。
 それから、そのときに、ワイツゼッカー博士のヴッパタール研究所の方にも伺ったんですけれども、そこでも研究所でプレゼンテーションの機会を与えていただきまして、日本のこのような取り組みと、それから、そういうものに対してマーケットが一挙にできたことを、非常にすばらしいことだと。それから、グリーン・ミレニアム・オブ・ジャパンということを言っていただきまして、この 1,000年期は、日本が環境問題を引っ張っていくのではないかというふうに言っていただいたということは、グローバルな評価をいただいたといっていいのではないかと思います。
 それから、英国の「環境キング」というような雑誌とか、海外の銀行、そういったところが日本企業の環境対応度、そして日本のマーケットについて、いろいろなところで関心をいただいた。そしてそれは、グローバルに日本企業のプレゼンスが高まったと考えて、それそのものが競争力ではないかというふうに、私は思っております。
 それから、企業から見たエコファンドについては、実は、いろいろな大学の学生さんの修士論文とか、そういうものにエコファンドを取り上げていただいた中では、東京大学の大学院の吉沢さんの修士論文の中で、企業の方でもこのような形で環境対応度ということをチェックされることによって、実は自分たち自身のIRですとか、自分たち自身の環境経営というものの動向を探り、それから、自分たち自身にとってもこういうことはいいことだというふうに言っていただいています。
 それから、今後の課題なんですけれども、課題については、実は最初のときには、それこそ環境報告書を出しているところも少ない、ISO14001をとっているところも少ない、それから、もともと環境報告書を出していないところには、セクターごとにアンケートをお送りするんですが、アンケートに答えてくださるところが少ないという状況の中では、比較的簡単に差別化ができたわけなんですけれども、今、企業の環境対応度というのが進んで参りましたので、ISO14001をとっていても、どこまでとっていくのかとか、国内ではどうなのかとか、海外の子会社ではどうなのかということで、より細かく、精緻化した評価をしなければいけないので、私ども自身の評価能力ということが問われるということです。
 それから、できるだけ、そういう意味では環境経営指標というものを、例えばセクターごとに環境競争力に結びつくような、環境問題に取り組むことが、企業の競争力にもつながるような部分というものはここだから、ここの部分というものを指標化して、これをチェックして、しかし、それが業界平均でどこまでいって、上と下になっているかというような形で、何かもう少し簡便で、なおかつ効果的な経営指標の開発ができないかということで、例えば経団連さんの自主目標に対してどうか、というようなことをやりたい。それから、企業の情報開示、それからもう一つは、個人の投資家さんで出てきたマーケット、海外のように年金基金などが入ることによって一挙にマーケットが拡大する、そしてそのことがより企業さんに対して環境対応をすることによって、実は金融的なメリットがあるというような形になるということ、それから、今は投資信託という形だけですので、実は上場されている企業、それから、店頭公開のものしか、まだ私どものエコファンドの場合は入っておりません。これがもっとベンチャー企業単位ですとか、あるいは環境経営をしている会社の社債に投資をするとか、国債に投資をするとか、コボンドファンドなど、そのような商品の多様化が必要だと思います。
 それから、今後の展望につきましては、今後SRI市場というのは、さらなる拡大が見込まれるということです。
 海外のSRIについての歴史的背景については、これはこちらでも既にお調べになっていらっしゃいますので略します。
 企業評価の観点、それから評価のプロセス、調査のプロセス、私どものリサーチの特徴ということ、10ページ、11ページにございますけれども、あくまで企業が環境対応に取り組むことが、企業の競争力につながるという観点で評価をしております。
 それから、リサーチの特徴といたしましては、結局、いろいろな意味でのグローバルなアライアンスということで、情報提供をお互いに受けながら、今、日本企業、グローバルに展開しているわけですし、日本で行っていることが、すぐに海外でどのように受け取られるかというような形で、これは毎日のように海外の、私どもで提携しているところとか、協力関係にあるところとEメールのやりとりで、業界情報の交換というようなこともやっております。
 それから、調査のプロセスの中で選んだ後も、こういう形で選ぶんですということは、11ページの上を見ていただければわかっていただけると思うんですが、一回エコファンドの中に組み入れられた企業につきまして、環境関連あるいはいろいろなニュースとか、そういったものすべて毎日チェックをしております。そして途中でいろいろな事件が起こったりとか、あるいは新しい技術とか、それが新しい企業の競争力につながるようなトピックスがあったら、その都度、ファンドマネジャーの方にお知らせをしております。
 それから、エコファンドの中で、私どもとしましては、このファンドという商品を通しまして、ファンドを買ってくださった方、あるいはファンドを売ってくださっている方に対して、結局、金融商品でありながら、環境に対する意識というものを高めていただくということで、口はばったいんですけれども、一種の教育効果というようなこともねらっておりまして、毎月配られる「エコレポート」ということで、海外の環境関連のトピックスをつけております。
 もう時間がないと思いますので、これで終わらせていただきますが、今後、エコファンドのマーケットが拡大していくということの1つの根拠に、労働組合さんとか、宗教団体とか、経済何とかとか、多様な投資家さんが入ってくるという中で、96年にアメリカの連合に当たるところを調査しましたときに、既にキャピタルストラテジーということで、労働組合の資金を使って金融市場の中で株式投資をしているということをいっておりました。
 ちょっと関連ですが、どんな人がリサーチといいますか、アナリストなんだろうとご関心かあると思いますので、後ほど返してはいただきますが、私どものアナリストの簡単なプロフィルをおつけしております。
 以上でございます。どうもありがとうございました。

○山本委員長 ありがとうございました。
 それでは、最後になりましたけれども、冨江次長、お願いしたいと思います。

○冨江次長 だいぶ時間も押しているようなので、簡単にしたいと思います。
 私どもは、金融機関、銀行ということで、メーカーさんと比べますと、環境保全への取り組みが遅れて弱いということで、そういった中ではそれなりにやっているのではないかということでご理解いただきたいんですけれども、きょう、お手元の方には、私どもが今年で3年目になります「環境レポート」をおつけさせていただきました。それに沿って、私どもの日ごろの取り組み、今後の課題、あるいは要望というようなものについて発表させていただきたいと思います。
 まず最初に、私どもが平成12年にISO14001を認証取得いたしましたんですが、その認証取得をするための活動をスタートするにつきまして、当行が環境問題に取り組む基本的な考え方、コンセプトというものを、まずはっきりしておこうということで、その考え方を図にしたものが、おつけしていますレポートの2ページでございますけれども、環境影響を縦軸にとりまして、ゼロを真ん中のラインに置きまして、プラス・マイナスという形で示させていただいているんですけれども、要するに、私どもが日常業務をこなしていく中で、当然電力だ、紙だということで大量に使うわけなんですけれども、そういった自分たちが直接的に消費する資源等の量、環境負荷を極力削減していこうという取り組み、これがマイナスからゼロのラインの私どもエコオフィスづくり――と申し上げているんですけれども――という形での取り組み。
 一方、ゼロラインからプラスのところが、私どもの本来業務でございます融資、預金あるいは投資といったような形で、私どもが事業として直接やるのではない、お客様が取り組まれることを間接的に金融面で支援、間接金融で支援する。それによって、環境へのプラス影響を高めていこうという取り組み、この2つをISOの14001の中で環境目的、環境目標等に取り込んで展開していこうというふうに、最初整理をいたしました。
 その具体的な、マイナスからゼロラインのエコオフィスづくりの活動と実績というものにつきましては、レポートの3ページで、紙の使用量だ、リサイクルだ、あるいは電力の使用量削減だといったことで、経年実績を記載をさせてもらっております。
 それと、もう一方の本来業務を通しての環境問題への取り組みということで、これはレポートにつきましては5ページから記載をさせていただいているんですが、まず、事業性の融資の商品としまして、しがぎんエコクリーン資金というものを平成10年4月から取り扱いを始めております。現在、みずすましプラン等5つのプランをラインナップしております。
 取り組み当初の平成10年度は5億 500万円の実績だったんですけれども、平成14年度は倍増の10億 6,000万円、平成15年度に入りまして10月末現在でございますけれども、38件で8億 1,500万円ということで、年々、実行金額、つまりご利用いただく先様なり、あるいは金額が順調に増加しております。これは、当然私どもの取り組みということもありますけれども、お客様、事業主の環境意識の高まりというものが反映されているのであろうというふうに考えております。
 一方、個人ローン、消費者向けの商品としましては、環境対応住宅とか、環境対応の商品のご購入にご利用いただけるエコ住宅ローンとか、エコプランというものをご用意をしております。これらは、いずれも通常の融資金利よりも優遇して提供させていただいておりまして、それが環境保全への取り組みをされるインセンティブ、動機づけになればという思いで、金利面での優遇措置をとっております。
 金利を優遇するということになりますと、よくマスコミなんかからも、それでは滋賀銀行にとって収益のマイナスじゃないかという話が、よくあるんです。確かに、短期的に、あるいはスポット的にとらえれば、その面だけ見れば、金利収入の減少ということですから、マイナスということではあるんですけれども、例えば今日お配りしたレポートではなく、去年出しましたレポートの中で、エコグリーン資金をご利用いただく先に、バイオエナジーさんという会社があるんですけれども、業種はペットボトルの破砕処理をされている。その設備を導入いただいたんですけれども、そのときにご利用いただいた資金が、先ほどの話で行政等からの受注が順調でして、新たに設備の増設という事態になって、引き続き私どもの資金のご利用、あるいは関連会社でリース会社があるんですけれども、リースのご利用とかといったような部分につながってくる。それのみでなくて、業況の順調な推移とともに、新たに従業員さんの雇用、しかも、お話を聞きますと、身体障害者を雇用されて、それで社業を図っておられるということで、そういう雇用機会の拡大とか、私どもにとってみれば、その従業員さんとのお取引ということも含めまして、長期的あるいは総合的に考えたときには、私どもにとっても有益な環境ビジネスとして成り立っているというような状況でございます。
 融資につきましては、以上のような取り組み展開をいたしております。当然、融資の原資になります多くのご預金をいただく方との環境改善の結びつきということで、今年私どもが創立70周年を迎えましたことを記念して、「しがぎんエコプラス定期」というものの取り扱いを開始いたしました。環境レポートで申しますと、8ページなんですけれども、これはどんな取り組みかといいますと、ダイレクトチャネル、例えばATMなんかが代表的な例ですが、こちらで定期預金の取り組みをお客様がされる。これは金額に関係なく、1契約につき7円という金額を環境活動をやっておられるNPO団体に、その活動助成資金として寄附していくという取り組みです。7円と申しますのは、店頭等でおところ、お名前、あるいはご印鑑を押していただいて、定期預金の申し込みをしていただく従来のチャネルですと、定期預金の申込書というのが当然必要になってくる。それが当行の場合、3枚複写で、その原価が1枚7円ということなので、その7円を使わなくても済むようなチャネルでもって定期預金の取り組みをしていただいた。その件数掛ける7円ということで、寄附金を積み上げていっているということでございます。
 あるいはエコファンドではないんですけれども、リスク限定型の投資ファンドということで、このような取り組みを展開する中で、その収益金の一部を、同じくNPOの活動資金として助成をさせていただいております。
 エコファンドも当然取り扱いをさせていただいていまして、それにつきましては、今、筑紫社長の方から、その効用等についてお話がありましたので、私の方からは割愛させていただきたいと思います。
 一方、関連会社に「しがぎん経済文化センター」という会社があるんですけれども、こちらの方では、環境ISOの認証取得のためのコンサルティングとか、あるいは内部監査員の養成講座、いずれも有償対応なんですけれども、こういったフィービジネスを含めた事業展開と、それから、あわせて月刊誌で「かけはし」というのを毎月1万 3,000部、発行しておりますけれども、その中に環境情報を記載させていただいて、これは一種、啓蒙啓発的な意味合いでございますけれども、そういった取り組みもやっております。
 これらのことをISO14001の求めます環境目的、目標の中に組み込んで展開をしておるということでございます。
 私どもの環境活動について、ざっと述べさせていただきました。あと、行員がボランティア的に活動している部分とか、レポートの方をごらんいただいて、ご理解をいただければということでございます。
 以上のほかに、今日、せっかくこの席で時間をちょうだいしましたので、私の方から今後の課題として思っておりますようなことについて、触れさせていただきたいと思います。これは紙面にしておりませんけれども、まずは、本業であります融資案件審査への環境評価をどう反映していくか、その評価項目あるいは基準、あわせてインセンティブ、そういったものをどう組み合わせた基準というものをつくっていけるのかということです。従来、取引先のネガティブチェックとしては、例えば土壌汚染の有無とかいったもののチェックはしておるわけなんですけれども、1つにはスピードの点、あるいは費用の点といった部分で、どうしてもネガティブな対応だけでは、こちらにとっても、お客様にとってもマイナスイメージが拭えなくなる。
 それだけじゃなしに、ポジティブな評価とインセンティブというものが必要であろうというふうに考えます。今現在、日本政策投資銀行さんと環境省さんが連携をされて、そういった評価項目についての策定作業を進めておられるということです、私も大いに注視をいたしておるんですけれども、加えていえば、当然大いに参考にさせていただきたいと思うんですが、そこに当然滋賀県なら滋賀県というローカルルールというか、ローカル評価項目というものが必要であろうということを思っております。
 例えば、琵琶湖を抱えている滋賀県にあって、事業あるいは環境設備が琵琶湖の水質浄化に与える影響はどうなんだ、関係ない部分もあろうかと思いますけれども、そういう視点というのも、ローカルルールとして必要なのではないかというようなことを、これから考えていきたいというふうに思います。
 インセンティブにつきましては、金利優遇というのは1つの部分ではありますけれども、それ以外に、例えば担保面、保全面での優遇措置がとれないかとか、といったことも検討材料になっていくのかなというふうに思っています。
 そういう意味でいいますと、例えばNPOへの融資制度というのも、1つのこれからの融資商品としてのラインナップが必要じゃないかと、私なりには考えております。NPOというのは、先ほど、私どもが70周年絡みで寄附をさせていただいたという絡みの中で、NPOの活動というものに幾つか触れる機会があったわけなんですが、現在、その多くが環境関係、福祉関係の活動です。NPOですから、そういうところに結集されている方の熱意がものすごく伝わって来る。ところが、マネジメントとか、資金調達といった面で、まだ暗い面がある。だからこそ、寄附とか助成に頼るという体質からの脱却がなかなか難しいというふうになるんですけれども、そういった面をクリアしていくための知恵と資金というものが提供できるような活動、そういうものに私の方も参画していくようなことも、ぜひ必要であろうと考えております。
 最後に要望なんですけれども、この後、今日の小委員会の議題の中にあるようなんでございますけれども、環境報告書、今日お配りしました私どものものは「環境報告書」と書くのがおこがましいので「レポート」としております。「報告書」というと、随分それだけでも大層な意味になりますので、少し軽い意味で「レポート」としているんですけれども、この内容の充実を図っていきたいということが1つあります。当然、その中には、環境会計的な要素も入れていただかなければならないであろうというふうに考えています。
 ただ、一方で、例えばアナリストとか、一部専門家の方の評価に耐え得るような、ページ数だけで見ても重厚なものが必要なのか、あるいは私どものレポートとしてふさわしいのかというようなことを考えますと、私自身は、あるいは当行は決してそうは思っていなくて、きょう、お配りした、この程度が私どもの圧倒的なお取引先であります一般の預金者、あるいは中小企業者、個人事業主、そういった方に親しく読んでいただける、ごく簡単に読んでいただける、そういう構成でいいんじゃないかというふうに思っております。
 これから環境報告書のガイドラインも、さらに磨きをかけられていくのでしょうし、さまざまなガイドライン、あるいは今検討されておられるようですけれども、環境経営促進法の中で環境報告書の審査を据え込んだというようなことが、一部報じられておりますけれども、そういったときに、業種特性といいますか、例えば私どもですと、環境負荷というのはほとんどない業種なんですね。そこに、例えば環境会計的な要素が本当に必要なのかとかいった部分を含めまして、その業種に合った評価基準なり、審査基準なり、ガイドラインなりというものをきめ細かに示していただけると、私どもとしては、そのガイドラインの基準というものをうまく活用できるのかなと。そうでないと、私ども、今、示させていただいていますのは、全く手前みその部分になりますので、できれば、1つのスタンダードがあって、そういう形にのっとって、共通のルールでもって、お互い切磋琢磨、同業者なら同業者の中で切磋琢磨していきたいという部分もございますので、そういった面でのきめ細かな配慮なりを検討していただければという思いでおります。
 以上、私の方から当行の取り組みと課題、あるいは要望といったことについて発表させていただきました。ありがとうございました。

○山本委員長 ありがとうございました。
 詳細なご説明をいただいたわけでございますが、ぜひとも質問したいという委員の方がいらっしゃいましたら、1つ、2つ、時間が押しておりますので、短めな質問を、では、佐野委員。

○佐野委員 まず、グッドバンカーの社長さんの説明でお伺いしたいんですが、ご案内のとおり、日本は環境エコファンド、SRIの残高が 700億円ぐらいで非常に少ないですね。この原因は何だとお考えでしょうか。
 私は1つには証券界の問題が非常にあると思うんです。特に最近の証券アナリストの企業を評価する評価する軸が短期志向、四半期志向に偏ってきているということを各社から聞いておりますし、それから、証券会社のアナリストを評価する評価軸も、短期のパフォーマンスに非常に偏ってきているという状況を聞いております。こういう証券界の、一部かもしれませんが、経営方針が、こういうエコファンド、SRIへの投資の増大を阻害しているという感じがしておりますので、そういう点についてのお考えを聞きたいと思っております。

○筑紫社長 確かにおっしゃいましたように、エコファンドでも、実は証券会社さんというのは売ったり買ったりすれば、そこで手数料が入って、それで証券会社さんの収益になるものですから、結局、例えばこれは長期的なものなので、もっと長い目で見てくださいというようなことを、証券会社のトップが言ったとしても、現場の外務員の方とかお売りになる方のサイドでは、必ずしもそういうことではなくて、こっちを売らせて、別の新しいものを買わせたら、それでまた手数料になるというようなことが証券界の収益体質ですよね。これはSRIとか、ファンドというようなものを長期的にマーケットとして安定的にものにしていくのには、確かに問題だと思います。
 ただ、私自身は、エコファンドについては、もう少し機関投資家さんが入ってくださればいいのではないかなと思います。おっしゃるとおりだと思います。

○山本委員長 そのほか、よろしゅうございますか。
 それでは、時間が押しておりますので、第2の議題に進ませていただきます。
 事務局の方から環境報告書ガイドライン改訂検討委員会等における検討状況について、ご説明をお願いいたします。

○佐野環境経済課長 資料は左肩に「参考資料」と書いてございますところからでございます。これは、この小委員会の動きと議事と直接は関係をしないのですが、テーマにおいて非常に密接に関連をいたしておりますので、ご報告をして、あるいはご指導を承りたいと存じます。
 事業者に環境に配慮した事業活動を進めていただくに当たって、先ほどもお話にありました非常に大きな要素に、環境報告書というのがあるわけでございまして、今まで環境省では環境報告書のガイドラインを2000年度版という格好で刊行いたしまして普及をしてまいりました。これにつきましては、環境省のガイドラインは、大体定期的にモデルチェンジ・ブラッシュアップをするということで進めておりまして、これにつきましても3年たったということで、2003年度版という改訂作業を、検討会を設けまして進めております。
 この改訂案が大体取りまとめられまして、実は本日よりパブリックコメントにかかっております。これの主な要素は、昨年、1つは環境パフォーマンス評価の方で、マテリアルバランスと環境効率性、要は資源の投入、環境への排出、それから事業の成果というものに分けて整理して、その比率なりをとるという格好で分析ができるようにするというものを出しましたので、それを取り込んだということを主たる要素にしました。ガイドラインの方も、今度それを受けて改訂をするという格好で進めておるものでございます。
 一方、環境報告書の普及促進を図るために、これも昨年来、ずっと議論をしておりまして、昨年の検討会では、平成14年度の環境報告の促進方策に関する検討会、ここで環境報告書の第三者レビューの仕組みがあった方がいいのではないか、というご提言をいただいております。では、具体的に第三者レビューの仕組みというのをどういうふうにしたらいいかというようなことは、むしろこの委員会でご検討、ご議論をいただくことであろうと存じますが、一方で、まず第三者レビューといったって、どういうふうにやるのだという枠組みがないと、議論の対象にもなるまいということで、ルールといいますか基準といいますか、そういったものについては、ある種、専門技術的なことになりますので、別途の専門家からなります委員会で検討していただいているところでございます。
 その要素といたしまして、1つは環境報告書を第三者レビューということを前提といたしましたときに、レビューの対象となる環境報告書が余りばらばらですと、レビューのしようがございませんので、どういったものであるのが望ましいかという、環境報告書の作成の基準、それから、レビューをするといっても、これもやり方がばらばらで、かつ出てくる報告がばらばらですと、何をやっているのかわからなくなりますので、審査の基準は、審査の手続あるいは審査のやり方のルールといったようなことであろうかと存じますが、こういったものは、まず、ご専門家に議論をしていただいてつくっていただこうということで、これらの案をまとめております。これの方も、まず案をつくりまして、これも本日よりパブリックコメントに付しております。
 それで、実はこの両者の関係でございますが、こういったものを全部平行的に動かしたものでございますから、環境省はとんでもない基準をつくるらしいとかいううわさも流れてしまって、ちょっと困ったなと思っておるんですが、特に環境報告書の中身につきまして、ガイドラインと環境報告書作成基準が、どういう考え方のものかというのを、参考資料1と書いてございます表に整理をいたしております。
 環境報告書のガイドラインとは何かというと、別にこれまでの姿勢を変えたわけでもなくて、従来からの環境報告書というものを進めていただくに当たって、環境報告書はこんなものですよ、こんなことを書いていただくといいんですよという、いわば望ましい記載項目を例示したものでございます。したがいまして、大きく25の要素を書いてございますが、環境報告書というものを書かれるときに、こんなものを拾われたらいかがですか、あるいはこんなものから拾ってはいかがですかと、それぞれについて、こんなことを開示していただくといいと思いますよ、というような性質のものでございまして、実際に、どれを取り上げて書いていただくかということは、基本的に事業者の創意工夫によりまして、それぞれの業種業態の特殊性を加味して、任意に決定をしていただければいいという性質のものでございます。
 一方、環境報告書の作成基準といいますのは、環境報告書をある程度の比較容易性、ある程度の信頼性というものを高めるために、先ほどの第三者レビューにおきまして、共通の指針というふうになるものでございます。したがいまして、結果的に、それは環境報告書が、ある種、最低限満たすべき基本的な枠組み、別にこれによらない環境報告書を書いていただいて全く構わないんですが、第三者レビューに参加していただくためには、このくらいのものは拾っていただけないかという性質のものでございます。
 これは、だいぶ縦の寸法が短くなっておりまして、要素も大きく8項目であります。例えば対象期間や対象組織はどこまでかというのは、どうでなくてはいけないかということは決めないけれども、どの範囲をとったかということははっきり書いてください。それから事業の概要であるとか、事業活動における環境配慮の方針というのは、それはあるでしょうと。環境配慮の組み込みに関する計画というようなものも書いてください。それから環境マネジメントの体制はどうなっているかも書いてください。これも、どうなっているか書いてくださいということであって、中身をどうしてくださいということではありません。
 1つの要素としては、環境に関する規制の順守状況。何か環境規制において問題が発生したという事実があるかどうか、これはないなら、「ない」と書いてくだされば結構。事業活動に伴う環境負荷及びその提言に向けた取り組み。これについては基本的には環境報告書のガイドラインの方にありますようなエネルギーであるとか、水であるとか、温室効果ガスであるとか、化学物質であるとかから選んでいただくんですが、それも具体的に、では、どれを拾うか、どの範囲でとるか、どういう集計方法をとるかというのは、これは事業者が実情に応じて選んでいただいて、ただ、どういう考え方で、どこまでとったかということは書いていただたきたいというように整理をいたしたものでございます。
 したがいまして、この両者というのは性格というか機能を異にするにものでありまして、この両方をそれぞれの適切な場面で参照していただくことによって、検討状況を、環境報告書の普及を進めていきたいというものでございます。
 参考資料2というのは、本日よりパブリックコメントにかかっております環境報告書ガイドライン2003年度版の案でございます。
 それから、参考資料3が、先ほどの環境報告書作成基準と環境報告書審査基準でございますが、ただ参考資料3とだけ書いてあるものは、その両者の表紙に当たるものでございまして、今、私がご説明をさせていただいたようなことが書いてございます。
 参考資料3-1が環境報告書の作成基準案、それから参考資料3-2が環境報告書の審査基準案。審査基準というのはどういうものかというと、一般基準で目的はこうであるとか、公正不偏にやらないといけないとか、関係者には守秘義務があるとか、それから実施基準という審査のやり方の基準、それから報告、審査結果の書き方の基準、これも審査結果を書くときに審査機関によって、例えば「おおむね妥当である」と書いたり、「明らかな間違いはなかった」と書いたり、ばらばらですと、一体どれが一番いいのだかわからなくなってしまいますので、一定のルールをつくるというような、ルールの案を示しましたものでございます。
 かつ、それらを踏まえまして、これは、ある種、マニュアルでございますので、マニュアルを使って第三者レビューの具体的な仕組みをどうしたらいいのか、というようなことは、またこちらの委員会でご指導いただければと思っております。
 以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局からのご説明に対してコメント等がございましたらどうぞ。天野委員。

○天野委員 環境報告書ガイドラインについて、質問と意見と両方ありますが、これは以前のガイドラインに比べますと、非常に詳細になっておりますし、国際的な動向も組み入れられていると思うんですが、ご承知のとおり、国際的な規格というのが現在進行しておりまして、そちらの方では、こういうガイドラインに沿って報告書を作成する際に、例えばパフォーマンスをどういうふうに測るかというふうな点についての詳細なプロトコルみたいなものも、一緒に開発をしていると私は理解しておりますが、そのあたりと、ここにありますガイドラインの内容と比べて見ますと、随分あいまいな点が多いんじゃないか。例えば、水ひとつとりましても、そういう点がきちんとされていないんじゃないかという気がいたしまして、こういうガイドラインというのは、ある意味で内外で平行して進んでいるものですから、例えばGRIのような強力なガイドラインがありますので、そういうものとの関係で、ここでは一応参考にされていると書いてはあるんですけれども、先ほども申しましたプロトコルのような点では、必ずしもしっくりしていない。ここらあたりはどういうふうにお考えなのか。国際規格ができたら、それをもとに国内規格をつくるというふうな、通常の規格と違った扱いになるのか。その辺が、よくわかりませんので、それを1つお伺いしたい。できれば、特別な国内事情がなければ、このシステムというようなものをおつくりいただくのがいいんじゃないかと、私は考えているんです。
 それからもう1点は、ガイドライン作成のプロセスなんですが、国際規格の場合には、随分オープンといいますか、長いプロセスを通って最終案が確定するようなやり方をしているわけです。しかもその途中で実際にガイドラインに沿った使い方をしてみる。実際に事業者がそれを使ってみてコメントを出す、というプロセスも入っているんです。しかし、環境省の場合には、もちろんパブリックコメントをかけますけれども、必ずしも使ってみてどうというところまでは入っていないんじゃないかという気がいたしまして、そのあたりのつくり方についても、国際的な規格の進め方と少し違うんじゃないか。そのあたりをお考えいただきたい。2つです。

○佐野環境経済課長 実際の担当よりご説明しますが、まず、算出方法のようなものにつきましては、私どもとしては、極力、国際的な動向等も見ながら、標準的な方向を示すよう努めつつ、かつ、ガイドラインということでこれしか認めないということもなるべくしないで、ほかの方法もあり得るとして、ただし、いずれにせよ、どういう方法をとったのかは明示してほしい、ということをルールにいたしたいとは思っております。具体的にどういう問題があるか、担当の方よりご説明いたします。
 それから、策定の過程につきましてですが、私どもは今のところ、大体3年ごとぐらいの改訂を考えていますので、それを考えますと大体検討作業に1年かかりますので、むしろ我々の場合は公表したものについて、実際に2年ぐらいお試しをいただいて、そこでご意見等々をいただいて、次の改訂に反映させるという、どうしてもこれは年次の報告書ですので、1回試行をやっていますと丸1年かかりますので、そうであれば、むしろ試行をやって策定プロセスに2年かけるより、公表したもので1年、2年、回してみて、ご意見をいただいて、次の改訂に反映するということもあるのかなと思っているんですけれど。

○事務局 簡単にご説明申し上げますと、環境省の方のガイドラインの体系が環境報告書のガイドラインだけではございませんで、事業者の環境パフォーマンス指標というようなものも一緒にございまして、通常、例えば環境報告書に載せますような環境パフォーマンス指標について、現状でわかる範囲での算定の方法についても、少し、環境報告書ガイドラインよりは詳細に記載している状況にございます。そちらの方は、昨年度改訂しておりますが、できる限り、その時点でもISOの環境パフォーマンス指標等のものは盛り込んでおりますが、GRI等で検討されておりますプロトコルについては、反映できるものについては、もちろん反映していきたいと考えております。今後とも、まだ、環境パフォーマンス指標につきましては、来年度以降、また検討会等を設けまして、さらに検討していく予定です。多少遅れ遅れにはなっておりますが、その時点でできるものを提供しています。

○天野委員 追加ですが、例えば水のことが書いてあるんですけれども、「総物質投入量」というものを計算するところで、「エネルギーと水は除く」と書いてあるんです。ところが、すぐ後ろに「原材料として使うものは入れる」と書いてあるんです。この2つを読みますと、入っているのか入っていないのかわからないわけです。よく中身を理解して、自分で憶測をすれば、原材料として使う化石燃料と水は総物質投入量には入っているというのがわかるんですけれども、最初のところで「それを除く」と書いてありますから、エネルギーを除くというのは核燃料はエネルギーではないといえばそうなりますけれど、水を除くと書けば、原材料である水も全部除かれちゃうわけです。ですから、その辺の表現がコンシステントでないと思いまして、例えばGRIの方ですと、ヤバンスと同じ形で、受け入れた水、ためている水、消費した水、排水、それからメイブドアストというふうに、初めからずっと一貫して書いてあるんですね。ですから、そういうふうな書き方と、ここのような定義の仕方では、理解の仕方が非常に違ってきて、ばらばらな記載が出てくるんじゃないかという点が心配されるわけです。少なくともそのあたりはきちっと、ガイドラインですから間違いのないように、あるいは憶測の必要がないように書いていただけたらというふうに思うわけです。定義ですから、定義がはっきりしてないと。

○瀬田委員 2つの点から意見を申し述べたいと思います。
 11月21日のときに、私から、環境経営というものは基本的には自主と規制のベストミックスでいくべきであり、また、規制というのは自主活動をできるだけ促進していくようなものであるという形にしていただきたいということ。それから、もう一つ、ISOというものに欠点があるということですが、いきなり新しいシステムをつくるということでなく、ISOを変えていくということも考えていただきたいということを申し上げました。
 そこで、まず第一に、環境報告書の件でございますけれども、ISOをぜひ意識していただきたいということであります。日本の会社は、この10年、大企業から中小企業に至るまでISOの導入に非常に大きな経営資源を投入してきました。私も現場に近いところにおりましたので、よくわかっているつもりです。私自身が所属しております製造業、特に化学工業でありますが、これはISOの導入に関して議論になったのは、西欧的な管理手法であるということだけでなく、また国際関係、あるいは輸出入の条件になるということがありましたけれども、もう一つ、製造(ものつくり)も継承者不足に非常に悩んでいたことがありました。
 それから、さらにもう一つ、むしろ後にはもっと大きな推進要因になったと思うのですが、新たな製造技術の文化であるというふうに、我々としては認識をしたわけでございます。そういった認識の下に、各社、これを大きく取り入れてきました。今やISOの取得において日本が非常に進んでいるということはご承知のとおりであります。これは上記のような認識と努力の末であればこそ、今現在のような、世界の2割ぐらいの認証数を誇っているということだと思います。
 前回もISOに欠陥があるということが、前回も指摘されまして、したがって、新しい基準が必要だということになっていると思うのですが、そうではなくて、ISOに欠陥があるのであれば、ISOを改善するということを前提として考えていただけないか。新たな基準をつくるというのは、基準の重複になりますし、時間もかかると思います。新たなデファクトを日本からというお話も、前回ございました。これもわからないことではございませんが、ほかの国が追随しなければデファクトになりませんし、それまでの間は、日本は幾つもの基準に対応していかなければいかない。そういうことがございます。ISOの日本の会社のシェアが非常に大きいということ、企業の努力の結果、せっかくここまで来たのだということを軽視すべきでないと考えます。それからもう一つは、これもこの前、申し上げましたが、次期のISOの会長が日本人であるということもありまして、今後ISOというものを、むしろ日本としてデファクトに変えていくということも可能なのではないか。そういう意味で各企業の、これまでの投資を含めた努力というものを十分認識していただきたいというふうに思います。
 第2点は、第三者認証の問題です。もしこれが行政主導という形でつくられていくのだとすれば、ぜひ慎重にやっていただきたい。基本的にこの第三者認証というのは民間で進めるべきものだと思います。例えば、先ほどの筑紫さんの話にあったことも、明らかに民間で考えた方向で1つの流れができているわけです。化学工業でも、環境報告書に関しまして第三者認証を受けている会社がございます。しかしながら、基本的に監査費用が非常にかかり過ぎる。数百万円かかるということもございまして、いまひとつ広く普及するには至っておりません。化学産業は、ご承知のレスポンシブルケア、製品の全ライフサイクルを通じての環境負荷を極小化するという理念、それから、そのための研究開発を中心に動いておりますけれども、ここでも環境報告書、これはRC(レスポンシブルケア)報告書と我々言っておりますが、ここでも第三者認証の問題が出てまいりました。その結果、通常に監査法人に依頼していては非常に金がかかるということで、今は民間実施活動団体であります日本レスポンシブルケア協議会というのがありまして、ここで監査をしようということで動いております。第三者認証です。
 日本はレスポンシブル協議会による監査の特長は、1つはコストが非常に安い。監査のために費用が、多分監査法人を使う場合の2割ぐらいで済む。それからもう一つは、技術とか製造に非常に詳しい技術者の集団によって、一種のピュアレビューといいますか、そういう機能的な監査が行われるということでありまして、同協会では更にこれを強化しようとしております。これは化学産業の独自の動きかもしれませんが、そういう動きというものも1つのご参考になるのじゃないかと思います。やはり行政主導の第三者検証とか認証というものは、その分、新たな行政コストがかかりますし、その上で、また一部の監査法人の仕事がふえるということもありますけれども、その負担コストは、最終的には全部企業にかかるわけであります。多分、中小企業の方にも相当の負担が増す結果になると思います。この第三者認証というのは民間主導で行うということを、まず考えていただいて、それを補足するということがもし必要であれば、行政が支援するということも考えられるのではないか、そういう姿勢で考えていただきたいということであります。

○山本委員長 ありがとうございました。時間が限られておりますので、ぜひひとつ簡潔にお願いしたいと思います。
 では、河野委員。

○河野委員 先ほどの天野先生のお話で出ました、環境報告書のガイドラインですが、私、ガイドラインの作成や基準の作成にかかわっておりますので、個人的な立場の意見というのはあり得ないのかもしれませんが、ガイドラインは国際規格と違って、あくまでガイドラインです。できるだけ企業の方に、環境報告書を作成する場合に、利用していただければというものです。国際的な動向もあるので、動向とは整合するようにする必要があります。ただ、評価方法とか測定方法まで書き込むことについては、それをするとその方法しかないという話になってしまう恐れもあります。ガイドラインは日本語でいうと「指針」という訳ですが、環境報告書を作成するときにはできるだけ使ってもらいたいと思っています。あくまでガイドラインであって、規格とは一応委員会でも区別をしながら議論しておりましたことを申し添えたかった訳です。

○山本委員長 では、佐野委員と、益田委員、簡潔に。

○佐野委員 16ページに「社会的取組の状況」という項目がありまして、四角で囲った4行目に、「社会的側面の記載項目については、発展途上の段階にあるといえます」という記述がありますけれども、先ほど、トヨタさんの説明があったとおり、私どもの会社もそうですけれども、社会的な側面の取り組みというのは、創立の精神の中に入っている企業が非常に多いんです。ということは、各企業はもう創立以来、社会とのかかわりを非常に重要視しているというのが日本経営だと思うんです。したがいまして、この記載については情報開示の考え方が各社各様でありまして、今まで限られたものであったかもしれませんけれども、経営そのものは極めてクリーンに、透明性を持ってやっていると思います。したがって、「発展途上の段階にある」というような表現は、経営実態と合っていないと思っておりますので、こういう表現は避けていただきたいと思います。

○益田委員 私、2点ございまして、まず1点は、企業の環境報告書をここ数年発行してきた立場から申し上げますと、環境報告書というタイトルを含めて、概念が、ご説明がありましたように、サステイナブルだとか、CSRだとかといった概念の中で、大きく変わってきております。企業によっては「環境」というタイトルを外した「サステイナブル報告書」ですとか、あるいは「CSR報告書」といったようなタイトルにして報告をする企業もふえてきております。当社も本年から、「環境社会報告書」ということでタイトルを変えました。
 そういう意味では、先ほどのエコファンドのSRIではございませんけれども、企業評価というものが、環境だけではないということで、経済性あるいは社会性といった3つの側面で、我々はこの事業報告をしようということで考えております。
 そういった意味で、今回のこの環境報告書のガイドラインの内容を見させていただいておりますと、従来の環境報告書のガイドラインの域を出てないのじゃないかなということを大変危惧します。
 それから、2点目は、私、第1回目に欠席をさせていただきましたので大変申しわけないんですが、このガイドラインと作成基準の概念が、今日お聞きしていても、もう一つよく理解できません。ガイドラインで、なぜいけないのかなというところを多分に感じておりまして、この作成基準というのは一体なんなのかなと。1から25まで左にありましたガイドラインで、こういう指針で各企業がレポートをするということで、さらに企業情報を見やすくするとするならば、産業別にブレークダウンをして、自動車産業なら自動車産業として、どういう基準で会計を集計するとか、イン・アウトを集計するかとか、産業別に入っていかないと、マクロで基準を設けようとしても限界があるのではないかなという気がしまして、できましたらガイドラインの精神に則って企業がレポートを作成する。そのレポートの比較をしやすくするとするならば、産業別に各論に入っていかないと、しょせんは比較できないというふうに感じております。
 以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。
 主な論点は、社会性のところと、もう一つは業種別、それから作成基準とそれから審査基準につきましては、今日からパブリックコメントに付されたというお話がございましたので、ぜひ、パブリックコメントの方にもご意見をお寄せいただきたいと思います。
 それでは、また後で自由な討論の時間を設けたいと思いますので、最後の議論のポイントのところを簡潔に事務局から説明をお願いしたいと思います。

○佐野環境経済課長 資料3でございます。
 前回、短い時間ではございましたが、各委員から大変建設的なご意見をいただいておりまて、おおむね、このようなご指摘であったかと思っております。それで、大体前回のご指摘で主要な問題点、論点といいますか、そういうものを、おおむねご指摘をいただいたのではないかと思いまして、それを整理をさせていただくと、大体こんなところが論点になるのではなかろうかということで整理をさせていただいたものでございます。
 「

○」で書いてございますのが、各委員からいただきましたご意見の要旨を整理したものでございますが、まず、自主的、積極的な環境配慮の取り組みを一層推進する、あるいは裾野を拡大するということにつきましては、例えば、一部の意識の高い事業者以外に幅広い事業者に取り組みを進めていくためには、今の普及促進策では困難ではないかというご指摘。あるいは、我が国において、製品市場のグリーン化は進んでいるが、金融市場、資本市場のグリーン化が遅れているというような問題があるのではないか。それから、環境に配慮した事業活動を進めていく上で、現行の制度がむしろ制約要因になっているものがあるのではないか。あるいは中小企業にとってはISO14001の負担が非常に大きい一方で、市場における評価に結びついていないのではないかというご指摘。一方、先ほども、ただいまもご意見がございましたが、国際的な動きへの対応という面から見たときに、グローバル・スタンダードづくりの中で、受け身の対応がこれまで主であり、結果として不利益をこうむってきたのではないか。それから、日本企業も、今日は日本の規制というよりEUの規制に対応する形で、環境配慮の取り組みを進めなければいけなくなっているのではないか。そういう意味で、欧米諸国と比べて我が国に制度に後進性の性格が強いのではないかというご指摘になります。
 一方、裏でございますが、促進方策の方向性といったようなことであれば、1つは、行政と民間の役割分担という方から見たときに、行政の関与は最小限にとどめるべきではないか。あるいは自主的、積極的な環境の配慮が最大限進むような枠組みを整理することが重要ではないかというご指摘があったと思います。
 一方、取り組みの推進、裾野の拡大という観点から見たときには、自主的な環境配慮の取り組みが、特に資本市場、消費者市場、あるいはサプライチェーン、労働市場といったところで適切に評価されるような条件整備が必要ではないか。こういった観点からは環境報告書の普及促進あるいは信頼性、比較可能性の向上といったような枠組みが必要ではないかというご指摘がありました。
 あるいは中小企業の環境配慮の取り組みを進めていくためには、エコアクション21の認証など、こういった取り組みが一般入札あるいは取引先との契約というような場面で高く評価されるような条件整備が必要ではないか。さらに、先ほどもありましたが、環境に配慮した事業活動の促進の、むしろ妨げとなっているような既存制度がないかどうか、洗い出しが必要ではないかといったようなご指摘もございました。
 それから、グローバル・スタンダードという観点からは、単なる欧米追随ではなく、他国に先んじて積極的な取り組みを進めるとともに、これを世界に発信し、世界各国の取り組みを先導するといったようなことが必要ではないか。
 こういったことを踏まえまして、この小委員会の結論というものがあるとすれば、促進のためのシナリオ、ビジョン、ロードマップという格好で示すべきではないか。大体それぞれの論点に対して、こういったようなご指摘があったものと存じます。

○山本委員長 ありがとうございました。
 それでは、あと20分程度時間がございますので、ご意見を賜りたいと存じますけれども、まだご発言されていない委員を優先させていただいて、三橋委員、いかがでございましょうか。

○三橋委員 1つ、先ほどの環境報告書の問題と、ISO14001との関係について、ご指摘があったように、かなり重なっている部分があります。その辺、二頭立てで走るのがいいのかどうかということについて、ちょっと疑問を持ったんですけれどもね。
 あと、一般的な取り組みの問題についていえば、前回、私も主張したように、相当現行の制度が制約条件になっている。この洗い直しというのをできるだけ最初の作業としてやってほしいなというような感じを持ちますね。

○永利委員 前回、欠席しておりましたのであれですけれども、1つ、実は、有価証券報告書をつくる企業会計において、一定の上場企業は必ず昔の大蔵省に提出。そのとき、投資家保護のために、有価証券報告書が信頼に足るものかどうかということで公認会計士の監査証明が付されて出されておるものと比較して、先ほどからお話を聞いておりまして、この監査報告書というのが一体だれのために、何のためにあるのかなと、ずっと自主的にというふうに感じるんですけれども、国際的な環境基準に一日も早くなるように、環境省がいろいろ指導するために、どういうところがまだ不備なのかをそれぞれ現況並びに問題点をやりながら、それに基づいてやろうとするのか、何のための目的か、だれのためのものなのか、また、企業の環境に対する取り組み方で取引とかなっていますけれども、結局この目的が一体何なのかなというのが、もう一つはっきり認識できなかったものですから、それがはっきりしてくると、基準の問題とか、内容がどうなければならないのか見えてくるのではないか。あるいはこれについてさらに促進するとすれば、それに合致しないところについて、一定期間においてやらないと、何かできなくなるんですよとか、こうしたことをやられようとしておられるのか。それから、もう一つ、全体の環境をきちっとしていくためには、事業者側のこういった取り組みと同時に、一般消費者等の出す排出物とか何かに対しても、どんなふうに取り組みがなされているのかということも含んで、全体的な点から説明いただければありがたいと思います。

○山本委員長 審査の方ですか、今のご質問は。

○永利委員 1つは、何のための監査なのか、もう少しわかりにくい点があるということが1つと、それから事業者というか、企業サイドとしては、こういう形で一生懸命取り組んでいきますけれども、環境負荷をかけているのは、企業側と、もうひとつは一般消費者というか、生活者の問題との両面があって、CO2の問題とかある中で、そういったもう一つ側の方がどんなふうな取り組みがなされているかということを聞きたかったんですが。

○山本委員長 前回ご説明がありまして、環境経営の取り組み状況、環境報告書、あるいはサステイナビリティレポートという形で社会に公表されている日本企業も、相当努力されているわけですけれども、実はさまざまな事故とか事件が起きているわけですね。ところが一向に、環境報告書にはそういう記述がない。あるいは審査報告、第三者の意見も、そういうことに触れられていないということで、実は現在の環境報告書というのは企業のPR誌の1つじゃないかという批判もあることは事実です。そういうことでは、SRIとかエコファンドに使えない。したがって、信頼性、透明性を高めようということが1つの大きなバックグラウンドであるのではないかと、前回、そういう話もバックグラウンドとしてはあったと思います。
 また事務局に、後でお答えいただきますけれども、青山委員、いかがでございましょうか。それから、崎田委員。

○青山委員 第三者審査というものの必要性が、果たしてあるのかどうかというのは、まだ、現状、私もわからないんですが、私のように環境報告書をつくっていない企業にとっては、このガイドラインとか、作成基準は1つの指標になって、わかりやすくなるのではないかなというふうには感じました。

○崎田委員 風邪で声が出なくなっております。
 実は、前回も申し上げましたけれども、環境に配慮した企業や、その企業がつくった商品を応援するという、そういう視点でいくために、どういうことが今の社会で必要かという、そういうお話をしていると思って参加しております。
 そのときに、今回、具体的に環境投資のお話と、もう一つ商品選択、商品の情報が流通して選択できるという、そういう両方の側面がすごく重要だということが、非常に今回はっきり見えてきたなという感じがいたします。
 そういうときに、多くの投資家や消費者がわかりやすい評価基準として環境報告書とか、あるいはもう一つ、環境報告書またはそれをもとにしたいろいろな企業の環境情報みたいなもの、あるいは商品選択が可能なような、いろいろな業界ごとの情報とか、何かそういうものがきちんと網羅されて、消費者や社会にきちんと信頼されて流通するという、そういう流れも1つ必要かなというふうに感じました。
 でも、今回のいろいろなお話の中で、いろいろな先駆的な取り組みがふえていると感じますので、そういうことがうまくまわるようにいけばいいなと思います。
 あと、環境報告書のお話で、世界との基準というのも大変大切で、それとともに、地域の割に中小の事業者とか、事業化しようとしているNPOなどが、環境配慮に取り組んで、それをアピールできるような報告の仕方というのも必要だと思いますので、そういう広い裾野を広げるという、その辺の側面を考えた上での全体の環境報告書のあり方という、今回、そういう視点だと思っておりますので、そういうことも重要だなと考えております。
 お聞き苦しくてごめんなさい。

○山本委員長 三橋委員、どうぞ。

○三橋委員 まとまっていなかったので。
 環境報告書等の企業の皆さんの発表、大変すばらしいので、なるほどというふうに思って聞いていました。私の言いたいことは、環境に配慮した事業活動の促進に関して、現行の制度に問題があると指摘しているわけです。例えばESCO事業というのがありますよね。一回、ぜひ伺いたいと思うんだけど、ファーストエスコの筒見憲三社長、彼が言うには、例えば電力の自由化とか、自然エネルギーの促進利用とか、そういうような制度や法律の改革が行われたために、省エネビジネスが成立するようになったと指摘しています。そういう事例も知りたい。環境に配慮した、あるいはCO2削減のための事業を成立させるためには、現行の制度に、むしろ問題がいっぱいあるので、ESCO事業のような、そういうような事例を幾つか紹介していただけると、制度や法律がいかに制約条件になっているかというようなことがわかると思うんです。そういうことを、ぜひお願いしたいなと思います。

○山本委員長 これは共通認識だと思いますけれども、あるいはレベルにおけるエコイノベーションが重要であると。そのエコイノベーションをどういうふうに誘発させるかが重要だと。エコイノベーションは、政策的にも誘発できるし、ボランタリーなアクションでも誘発できるし、ですから、今のご発言は、国の政策、制度でエコイノベーションを阻害しているような制度、政策があるかもしれない。あるいは、一方、エコイノベーションを促進する制度、政策があるかもしれない。両方、きちんと整理してはどうか、そういうご指摘だと思うんですが、私、前回申し上げましたように、12年前に、素材エコマテリアルというのを提唱したんだけれども、見向きもされなかったんですね。ところが、12年後の今日においては、日本企業 286社が 1,900種類のエコマテリアルを市場に投入しているわけです。その期間、何が起きたかというと、私の努力が実を結んだというよりは、まさに制度、政策が後追いをしたわけです。つまり、リサイクル法が整備され、廃掃法が改正され、それから、グリーン購入法が引き金になって、そういうエコマテリアルの技術革新を誘発してきた。
 したがって、私は、制度、政策のエコイノベーションがあれば、私は今のお話の技術的なエコイノベーション、あるいは経営のエコイノベーションを誘発できる。
 今回の、これはガイドラインか作成基準かわかりませんけれども、環境経営、あるいは環境物品の情報をいかに普及させて、それによって、国民がグリーン投資、あるいはグリーン購入をする。先ほど崎田委員からご指摘がございましたけれども、そのための作業を、今、行われているというふうに私は理解しているわけでございますけれども、あと10分ほどございますが、どうぞ積極的なご発言をいただきたいと思います。
 とにかく、現状は、非常に我々にとっては不十分である。つまり、たかだか 650社くらいしか、まだ環境報告書を公表していない。一方、デンマーク等ではほとんどの大企業は、法律によって環境報告書を公表されているわけで、さらに環境報告書は簡略化されたものではありますけれども、内容の質が担保されているわけです。しかも、ヨーロッパは日本円で2兆円くらいのSRIがマーケットとして成立している。我々はたった 700億にしか過ぎない。全世界では3兆ドル。アメリカでは投資の10%がSRIである。そういうことで、我々がおくれていることは間違いがないわけでありまして、これを何とかしなければいけないということなわけです。
 10分ほどですが、いかがでございますか。益田委員。

○益田委員 今の山本先生のお話で、本当に日本の社会が環境取り組みを含めて、あるいはレポートを含めて、おくれているか否かという状況認識を、どのような形で整理をし、皆様が共有化されているのかというところに、やや私なりには意見があるんですが、日本ほど、環境問題にこれだけレポートをして取り組んでいる国が、欧州にどれぐらいあるのかなと、個人的には思っています。ですから、先生の今のお話とちょっと認識が違って、日本は、やっぱりそうなのかなという、その立脚するところが違えば、方向が大分違うものですから、SRIにしろ、これほど騒いでいるのは日本ぐらいで、各国の人たちから言わすと、どうして日本はそんなに急に社会的責任投資だとか、いろいろなことを言い出すのだ、本当にそこまでやっているのか、というようなコメントがあったりもするんですけれども、日本の環境への取り組みとか、環境レポートが世界に比べて、米国なんか、とても何もしないと思っているんですけれども、米国の社会的責任投資というのは、あればネガティブスクリーニングといいますか、軍需だとか、たばこだとか、そういう産業には投資をしないということだけで、環境評価をしているとは思っていなかったんですが、そういうところでどうかなと、ちょっと個人的には思うんですが。

○山本委員長 前回、詳しい資料が出たんですが、河野委員がいらっしゃいますので、河野委員の方から。

○河野委員 反発するような議論らしいんですが、私もSRIについては、日本は明らかにおくれていたと思うんです。ですから、益田委員の会社とか、ソニーさんとか、一生懸命キャッチアップするために、こういうところで発言されますが、多くの会社は、まだそこまでは個人的には行っていないと思います。そこで、ガイドラインなんかも発展途上というような認識になっているのではないかと、個人的には思っております。
 環境報告書について、どれぐらい日本がおくれているか、進んでいるかという話のことですが、これは、それぞれのデータによって違うところがあります。日本は数がかなりあるのはたしかだと思っています。ここで私が議論していただきたいのは、環境報告書の普及促進はISOと矛盾しない。ISOは取り組みでありますから、取り組みをやっている、それで日本の方は多くのところで、やっているというんですが、やっているなら、ちゃんと、それをやっていることを見せてくれということで、それは環境報告書になる。環境報告書に載れば、そのことによって評価される。先ほどから言っています市場でいろいろ評価されれば、資金調達で有利、商品市場で有利、それから優位な人材が労働市場から獲得されるということになる。そのために、環境報告書は有力な手段で、技術開発とか何かはISOの枠組みの中でやっていただいて、その結果は報告書に載せていただくということだろうと思います。
 それで、報告書を普及することが、日本の企業の環境保全活動をさらに進める。ところが、報告書が今まで促進するのはガイドラインをつくるとか、レポート大賞をやるとかそういうことで作成者側を中心にサポートする。しかし、利用者側も大事ではないかと。利用者は、比較可能性とか、信頼性の担保とかいうことがあって、今度は、利用者側の視点からも、従来の発行者側の視点からの普及促進もやりますが、利用者側からの普及促進のための方策の1つとして、仮称ですが環境報告書審査登録の仕組みを動かしたらどうか。これはあくまで手を挙げた企業ですから、私も、これが仮に民間主導で動いたとして、どれぐらい参加するか気にしているところでありますが、消費者、あるいは銀行とか、そういうとろが利用しやすいような、そういう仕組みも動かして、全体として環境配慮の取り組みを進めるのが必要ではないかと考えています。

○山本委員長 私の記憶では、ISO14001では、あれは環境報告書を義務化していないわけです。一方、ヨーロッパ、特にドイツで進んでいるEMASの方は、これは取得すると環境報告をしなければいけないということで、いわば義務化されているわけです。オランダとかデンマークでは、人口的に言えば日本の10分の1以下の国でありますけれども、例えばデンマークは 2,000社くらい有力企業がございますけれども、法律によって全社、出しているわけです。我が方は、 250万くらい企業があって、せいぜい 900社も出していない。比率からいって、ヨーロッパの環境先進国に比べれば、日本の環境報告をしている企業の数は少ないというのは事実だと思います。

○佐野委員 私も、今の益田さんと同じ意見を、前回、出しましたので、重複は避けますけれども、日本の会計とかディスクロージャーはアメリカ基準で、品質と環境ISO、すべて欧米の基準というのはおかしいと思うんです。それに対しては、企業はそれなりに、一部の企業という言い方もありますけれども、自助努力でやってきているわけです。それは必死の努力でやってきていて、全体がおくれているという言い方は、ちょっと酷ではないかなと。
 そういうおくれは、先生方の責任も、私はあると思うんです。企業にもあるかもしれないけれども、行政当局含めて、日本全体として、どういう方向に行くんだという枠組みの中で、環境が、もし経済と統合するのなら、政府を含めて、役所も一体となった取り組みが必要だと思っておりまして、役所間の縄張り争いも非常に方向性を阻害しているということを、私は痛感しております。

○山本委員長 それはおっしゃるとおり。私も同感です。 天野委員。

○天野委員 ISOとか、これからできるでしょうCSR、どちらもマネジメントシステムですから、パフォーマンスに関しては触れない。しかし、環境報告書の大事な点というのは、パフォーマンスインデックスをいっぱい持っているということで、それがいろいろな形の評価を受けるという点が重要で、私は2つのどちらか一方ということではなく、両方とも必要であろうというふうに思います。それが1点です。
 それから、先ほど委員長がイノベーションのことをおっしゃいまして、環境政策というのは、ある意味でコンプライアンスですが、最近のいろいろな企業の環境報告を見ておりますと、「コンプライアンスはもちろんやる。しかし、ちょっと先で、どういう政策の流れになるかということを当社は見通して、それに合うような対応をとります」ということを書かれている会社が非常に多いんです。ですから、そういう意味では、環境イノベーションというのは、先を見て行うことですが、先を見るとき、必要な情報がどこから出てくるかということが大事だと思います。もちろん民間の技術開発も必要でしょうし、国の方針がどちらを向いているかということがわからないと、先読みができないところがありまして、現状の政策とは別途、5年先に大体どんなものが出てくるかというイメージを、政策当局がちゃんと示す必要があるんです。それがないと、イノベーションというのはなかなか誘発されませんので、その辺が、私は、日本がおくれているとか進んでいるとか言うつもりはないんですけれども、先読みのできる情報をたくさん出している国というのがあるわけです。私はそういうことは、日本でもやっていただきたいというふうに思います。

○山本委員長 ありがとうございました。

○崎田委員 一言。

○山本委員長 どうぞ。

○崎田委員 私は、今、環境と経済を考えたロジックをしっかりつくって、それで持続可能な社会を日本がつくっていくのだという、そういう大きなメッセージが、今、日本に必要だし、そのためにいろいろな委員会が立ち上がっているんだと思って参加させていただいているんです。ですから、そういう意味で、私は政府全体あるいは日本に必要なメッセージというのは、もうわかっている。それをわかりやすく出すためにどうするかとか、具体的にまわすにはどうするかというお話だと思って参加しています。ですから、そういう意味で、私はこのお話自身も規制的な話ではなくて、いかに応援するかという話だと理解していますので、そういう意味で、政府全体の意思として、こういう話し合いを本気でしているのだと、そして、そういうビジョンをちゃんとわかって、地域あるいは一人一人の消費者や事業者も本気になるという、そういう全体の信頼関係を持っていくための作業だと思っています。そういうことが、今、必要だと思っていますので、そういうふうにつながるような情報発信とか、決まっていけばいいなと期待しています。

○山本委員長 ありがとうございました。 時間の配分が、私の不手際で、議論が十分できなかったということはおわびしたいと思いますが、またご意見等がございましたら、ぜひ事務局の方にお寄せいただきたいと思います。次回は12月24日、2時から4時まで開催の予定でございます。本日の議論を踏まえた報告書の骨子案を、次回会合に事務局からご提出いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そのほか、事務局から何かございましたらどうぞ。

○佐野環境経済課長 席上に第1回の議事録を置かせていただいております。これは事前にご相談しまして、委員の皆さんからいただいた修正意見を反映させたつもりでございますので、これと同じものを環境省のホームページに掲載して公開をさせていただきたいと思います。
 それから、本日、グッドバンカーの筑紫社長からご説明いただいた資料のうち、スタッフの概略をご説明された1枚紙は、これはスタッフの個人情報であるということなので、机の上にお残しいただきたいと思います。以上でございます。

○山本委員長 それでは、本日はこれで閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

午後12時00分 閉会

ページ先頭へ