中央環境審議会総合環境政策部会 環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会(第1回)議事録

日時

平成15年11月7日(金)10:00~12:00

場所

三田共用会議所3階第三特別会議室

出席委員

13委員 
山本 良一 
青山 裕史 
天野 明弘 
大塚  直 
河野 正男 
崎田 裕子 
佐野 角夫
瀬田 重敏 
福川 伸次
三橋 規宏 
安井  至 
安原  正 
山口 公生

 

委員長
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員  

議題

  1. (1) 環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会の運営について
  2. (2) 環境に配慮した事業活動の現状と課題について
  3. (3) 小委員会の今後の検討スケジュール等について
  4. (4) その他

配布資料

資料1    中央環境審議会総合政策部会環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会委員名簿
資料2    中央環境審議会議事運営規則
資料3    中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の運営方針について
資料4    中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の設置について
資料5    環境に配慮した事業活動に係る現状と課題
資料6    社会や市場からの要請の高まり
    参考資料1 (社会や市場からの要請の高まり)
資料7    事業活動における環境配慮の取組の進展
    参考資料2 (事業活動における環境配慮の取組の進展)
資料8    今後の主な検討課題
資料9    環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会のスケジュール(案)

議事内容

午前10時00分 開会

○佐野環境経済課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会第1回の会合を開催したいと思います。
 会議に先立ちまして、松本総合環境政策局長よりごあいさつを申し上げます。

○松本総合環境政策局長 おはようございます。総合環境政策局長の松本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 中央環境審議会総合政策部会環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会、この小委員会の開催にあたりまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 まず、委員の皆様方におかれましては、日ごろから環境行政の推進に多大なご協力をいただいていることに関しまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。また、それぞれの委員の皆様方、大変ご多忙の中、この小委員会へのご参画をご承諾いただきまして、まことにありがとうございます。
 ご承知のとおり、今日の環境問題を突き詰めてまいりますと、私ども国民一般の日常生活、あるいは通常の事業活動から生じている環境負荷、これがあまりに大きくなってきている。それが原因で問題が生じているということに行き着くのではないかと考えられます。したがいまして、その解決のためには、私たちのライフスタイルとか、事業活動のあり方を根本から見直しをいたしまして、社会のあり方そのものを持続可能なものへと変革をしていかなければならないのではないかというふうに考えております。
 このような中で、先般の内閣改造におきまして、その際に小泉総理から、小池環境大臣に対して、環境保護と経済成長を両立させるという基本方針に沿って積極的に取り組むようにとの指示があったということでございます。環境への負荷の少ない、持続可能な社会を目指していくためには、小泉総理の指示のとおり、環境保護と経済成長との両立、具体的には環境保護と経済成長を可能な限り高い水準で同時達成をしていくことが大前提になって、その考え方の中には事業者の自主的かつ積極的な環境配慮への取り組みも含まれているのではないかというふうに考えております。
 また、今年の6月にとりまとめられました、環境と経済活動に関する懇談会、これは環境大臣の諮問機関でございましたが、この報告書におきましても、環境と経済の好循環に向けて、企業や消費者などの各主体による環境行動の促進などについてのご提言をいただいているところでございます。事業者自らによる環境行動を促進するための施策の重要性についても、いろいろとご指摘をいただいております。
 また、これまで環境省では、事業者の自主的な環境への取り組みを促進していくために、例えば環境報告ガイドライン、あるいは環境会計ガイドライン、事業者の環境パフォーマンス指標ガイドライン、さらには、中小企業が自主的に取り組むことができる、簡易な環境マネジメントシステムであるとともに、環境パフォーマンス評価や環境報告を含む、環境活動評価プログラムとして策定をいたしましたエコアクション21など、各種のガイドラインなどを策定してまいったわけであります。これらのガイドラインは、大変多くの事業者におきまして、基本的な指針として利用されておりまして、一定の役割を果たすことができていると、私ども認識をいたしております。
 実際に近年、環境への取り組みを重要な課題としてとらえまして、環境マネジメントシステムの構築とか、環境報告書の公表、あるいは環境会計の実施などを通じまして、事業活動に積極的に環境配慮を組み込む事業者が増えつつある実態にございます。我が国では、ISO14001の認証取得件数というのは世界一でございます。また、環境報告書、環境会計といった取り組みでも、既に数百社に上る企業が取り組みを進めているわけであります。また、中小企業向けのエコアクション21につきましても、既に数百社の参加が得られております。
 こうした背景には、一方では、先ほど申し上げました各種ガイドラインなどの策定など、政府が事業者の環境配慮への取り組みを支援する施策を展開してきた。その結果として、事業者の取り組みが進展してきているということもあろうかと思いますし、また、他方では、社会や市場から事業者の環境配慮への要請が高まってきているということに対応する形で、事業者の取り組みが進展しているということも考えられると思います。
 しかしながら、現在の取り組み状況といいますのは、我が国の企業、事業者の全体から見ますと、まだ少数にとどまっているというのが実態であろうかと思います。一部の意識の高い企業の取り組みが中心となっているということではないかと思います。
 また、こうした積極的な環境配慮への取り組みがきちんとした形で社会や市場から評価を必ずしもされていないのではないかというのが現状だと思います。このため、今回の小委員会では、こうした一部の意識の高い企業だけではなく、幅広い事業者におきまして環境に配慮した事業活動を一層促進していくために、どのような方策が考えられるのか、こういうことにつきまして、是非活発なご議論をいただきまして、報告をとりまとめていただければ大変ありがたいと思っているわけでございます。
 委員の皆様方におかれましては、この小委員会の趣旨をよろしくご理解いただきまして、ご協力をくださいますようにお願い申し上げたいと思います。
 どうぞよろしくお願いしたいと思います。

○佐野環境経済課長 それでは、続きまして、事務局より本日の資料のご確認をさせていただきます。

○事務局 お手元の資料をごらんください。まず、本日の議事次第が1枚ものでございまして、その下半分に配布資料ということで、資料の一式が書いてございますので、そちらとあわせてごらんいただければと思います。
 まず資料1といたしまして、環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会委員名簿。次に、横になりますが、ホチキスでとめたものでございまして、資料2、中央環境審議会議事運営規則。続きまして資料3、中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の運営方針について。続きまして資料4、中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の設置について。続きまして、また横の表になりますが、資料5といたしまして、絵が書いてあるものでございますが、環境に配慮した事業活動に係る現状と課題(全体概要)というものがございます。資料6も横のものでございまして、ホチキスどめのものでございますが、資料6、社会や市場からの要請の高まりというものがございます。その下に、資料7にいく前に、参考資料1が、ホチキス止めの横のものがついてございまして、参考資料1、社会や市場からの要請の高まり。資料6に関する資料の束でございます。続きまして資料7、事業活動における環境配慮の取組の進展というものがございまして、その下に参考資料2といたしまして、こちらも資料7の説明のための参考資料でございますが、参考資料2、事業活動における環境配慮の取組の進展というものがございます。続きまして資料8ですが、これは1枚ものの横でございますが、今後の主な検討課題。最後になりますが、資料9、縦のものになりまして、今後のスケジュールでございます。環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会スケジュール(案)について。こういうもので、以上でございますが、ご不足または乱丁等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

○佐野環境経済課長 それでは、本日は第1回目の会合でございますので、森嶌部会長のほうより、委員には、本小委員会の所属委員にご指名をさせていただきました委員のご紹介をさせていただきたいと思います。資料1が名簿となっておりまして、お手元に座席表も用意してございますので、ぜひご参照ください。
 左手のほうから五十音順におかけいただいておりまして、最初は、滋賀県におかれまして、エコスタンド等々の活動を積極的に行っておられます青山委員でございます。
 財団法人地球環境戦略研究機関関西研究センター所長の天野委員でございます。
 早稲田大学法学部の大塚委員でございます。
 中央大学経済学部の河野委員でございます。
 ジャーナリストで、環境カウンセラーもしておられます崎田委員でございます。
 ソニーの顧問でいらっしゃいます佐野委員でございます。
 山本委員長は飛ばしまして、日本経団連の環境安全委員会委員、旭化成特別顧問の瀬田委員でございます。
 日本商工会議所より、永利委員にお願いをしておりますが、本日ご欠席でございます。
 電通顧問の福川委員でございます。
 それから、トヨタ自動車より、益田委員にお願いをしておりますが、本日ご欠席でございます。
 千葉商科大学の三橋委員でございます。
 東京大学生産技術研究所、安井委員でございます。
 財団法人環境情報普及センター顧問、安原委員でございます。
 日本政策投資銀行副総裁、山口委員でございます。
 また、後ほどご説明申し上げますが、小委員会の委員長は部会長のご指名によるということになっておりまして、今回委員長をお願いいたしました、東京大学国際・産学共同研究センターの山本委員でございます。
 ということで、それでは山本委員長、よろしくお願い申し上げます。

○山本委員長 皆様、おはようございます。部会長の指名でございますので、座長を務めさせていただきます。
 先ほど松本局長からごあいさつがございました。総理から環境大臣に対して、環境保護と経済成長の両立という基本方針に沿って、この環境に配慮した事業活動を一層促進するために議論をしなさいと。これがこの小委員会の課題であるというお話があったかと思います。
 時間が限られておりますので、早速議事に入りたいと存じます。
 ただ、私が万一出席できない場合もあるかと思いますので、念のために委員長の代理を指名させていただきたいと考えております。委員長代理につきましては、河野委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 本日は初回ということでございますので、本小委員会の運営につきまして審議を行いたいと思います。その後、環境に配慮した事業活動の現状と課題につきまして、事務局より説明を受け、議論を行っていきたいと考えております。本日の会合は12時までの予定でございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、第1番目の議題であります。小委員会の運営につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。

○佐野環境経済課長 本日初回ということで、この小委員会の運営につきまして、若干のご説明とご相談をさせていただきたいと存じます。資料の2、3、4、この3つが小委員会の運営に関します、いわゆるルールに関するものでございます。
 本小委員会の設置につきましては、去る9月24日に開催されました中央環境審議会の総合政策部会で設置の承認がなされております。資料4でございますが、総合政策部会におきます各種の小委員会、専門委員会等の設置の根拠がここへ置かれておりまして、この2というところで、環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会というものの設置を決定してございます。
 それで、この小委員会の運営の仕方なのでございますが、中央環境審議会に属するものでございますので、基本的なルールにつきましてはこの資料2にございます中央環境審議会の議事運営規則、それから実はこの上位規定であります環境基本法及び中央環境審議会令の規定に沿って行われるということになるわけでございまして、まずその基本的なルールのところは、この規則の第8条というところにございます。小委員会に属すべき委員、臨時委員、専門委員というのは、部会長にご指名をいただく。それから、委員長につきましては、部会長のご指名により定める。それから、第4項に、小委員会の決議は、部会の定めるところにより、部会長の同意を得て部会の決議をすることができるという規定が置かれておりますが、現在のところ、総合政策部会におきましてこの部会の定め、つまり小委員会の決議をそのまま部会の決議とするという定めを、この小委員会についてはしてございません。したがいまして、中央環境審議会としての意思決定をするという際には、改めて親と申しますか、総合政策部会本体でご議決をいただくという形になるわけでございます。
 それで、1点お諮りを申し上げたいと存じますのは、この小委員会の公開の扱いでございまして、資料3、この総合政策部会に属します小委員会及び専門委員会の運営方針に部会申し合わせによりますルールがございます。ここの第1番に、会議の公開についてということがございますが、小委員会、専門委員会は、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または、特定の者に不当な利益または不利益をもたらすおそれがある場合には非公開とし、それ以外の場合には公開するものとする。公開・非公開の扱いは、小委員長あるいは専門委員長が定めるものとするというふうになっております。中央環境審議会の中には、典型的には、何か例えば個別の企業の事業内容の詳細についてお話を伺う機会があるものであるとか、あるいは典型的には自然保護の分野で、貴重な野生生物の生息地を明らかにして議論をするというようなものとか、そういったものは非公開の扱いをしているものがあるわけでございますが、この小委員会につきましては、そのような特段の事情もないものでございますから、公開の扱いにさせていただいてはどうかと思いますが、よろしくご検討をお願い申し上げます。

○山本委員長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの説明につきまして、何かご意見あるいはご質問等ございましたらお願いいたします。よろしゅうございますか。
 それでは、小委員会は特段非公開とする理由はありませんので、公開とさせていただきます。
 それでは、第2番目の議事であります。環境に配慮した事業活動の現状と課題について、事務局よりご説明をお願いいたします。

○佐野環境経済課長 それでは、今回ご審議をお願いするにあたりましての問題意識と申しますか、環境に配慮した事業活動を進めていただくにあたっての現状と課題というようなものにつきまして、私どもなりに把握あるいは勉強させていただきましたものをご説明させていただきたいと思います。
 資料5に、まず問題意識と申しますか、問題の構造といいますか、論点を整理したものが資料5でございまして、大きく分けまして、まず環境に配慮した事業活動につきまして、社会や市場からの要請がいろいろ高まっているのではないか。一方で、事業者におかれましても、いろいろな取り組みが進展しておられ、かつそのためのいろいろな道具立ての発展が見られるということであろうかと思います。そういったものを受けまして、今後の検討課題というものがあろうかと存じます。
 それで、ここに書いてございますように、資料6のほうが、社会や市場からの要請の高まりというものに関する私どもの現状認識をまとめたものでございまして、参考資料1というのが、そのバックデータにあたりますデータを綴じたものでございます。
 一方、資料7のほうが、事業者の取組の進展という、各種の道具立てにつきましての認識、問題意識をまとめましたものでございまして、参考資料2というものが、これが同じくバックデータをまとめたものでございます。
 それを受けましたような格好で、資料8で、私どもの問題認識、こういったことに課題があるのではなかろうかと思いますものを整理させていただいております。
 それでは、順次まず資料5に沿いまして、どういった要素があろうかというところからお話をさせていただきたいと存じます。
 環境に配慮した事業活動に関しまして、社会あるいは市場からいろいろな要請が高まっているのではないだろうか。社会からの要請、単に今日の環境問題に照らしてみれば、いわゆる規制遵守というようなものにとどまることのない自主的な取り組み、あるいは環境だけでない総合的な取り組みというようなものが要請があるのではなかろうか。
 それから、市場からの要請。市場と申しましても、資本市場、あるいは消費者市場、それからサプライチェーン。こういったものそれぞれから環境面の要請が高まっているのではなかろうか。
 これを受けました格好で、そういった要請がありますと、今度は事業者の環境配慮の取り組みに関して評価をするというような動きもできてきているのではなかろうかと。
 一方では事業者さんの取り組みの進展として、ここは各種の道具立てとして、自主的な環境マネジメントシステムであるとか、それから自らの環境への取り組みの状況を評価する手法といたしましての環境会計であるとかパフォーマンス評価手法であるとかライフサイクル・アセスメントであるとか、こういったものの発展が見られております。あと、環境報告書による環境コミュニケーション、あるいは環境ラベルというものによる製品情報の提供と、こういったものも大いに進展しているところでございます。あるいは、中小企業にとりましてどうかというようなこともございます。
 こういったものの相互の関係を踏まえましたところで、私どもとして検討課題と考えておりますのは、1つはこのような自主的・積極的な環境配慮の取り組みの一層の推進、裾野の拡大を図っていくにはどうしたらよいであろうかということ。それから、こういったものを考えますにあたって、今日ではグローバル・スタンダード、国際的な調整・協調というものが不可欠となっております。こういった課題にどういうふうに対応していくのかということがあろうかと存じます。
 それでは、資料6にございます、社会や市場からの要請という部分から、順次私どもの問題認識を説明させていただきたいと存じます。
 資料6と参考資料1を横に並べてごらんいただきたいと存じますが、資料6の第1ページでございます。社会からの要請の変化。今日の環境問題は、これは改めて申し上げるまでもないことであろうかと思います。これを事業活動という面から分析してみますと、当然ながら事業活動に起因する環境負荷というものが非常に大きい。特にグローバル化の進展の中で、企業の活動領域が大変に広がり、企業と社会が相互に与える影響というものも格段に増大しているということがいえるのではないかと思います。一方、事業者は、環境保全のための新たな技術の開発、あるいは環境に配慮した製品の設計、あるいは流通段階の工夫というようなものを通じまして、単に生産のみならず、消費・廃棄といった段階における環境負荷の低減についても寄与することができるという立場であるわけでございます。
 こういったものを考えあわせますと、単に事業者に対しましては、直接かかっております規制の遵守というようなものにはとどまることなく、今日の環境問題の態様を考えますと、自らの企業戦略の中核に環境配慮を位置づける。そのことによって、自らの創意工夫によって環境負荷の削減に取り組む重要性というものが非常に高まっている。このような取り組みがないと、今日の環境問題への対応というのはおぼつかないのではないかというような状況になっているのではないかと考えております。
 こういった状況を踏まえまして、国民の間にも環境保全に関する意識の高まりというのが見えておりまして、例えば内閣府の行っております国民生活モニター調査というようなものを見ますと、企業の社会的な役割、あるいは、今後企業が社会的評価を得ていくために力を入れていくべきものは何かというような質問をいたしますと、環境保護というのが重要であるというようなご回答の比率が高まってきているというようなものが見えております。
 2ページ目にまいりまして、これは、環境というところに限らず、環境面を含めました総合的な取り組みというものの要請が高まっているのではないかという認識の議論でございます。これも、改めて申し上げるまでもなく、今日持続可能な開発というものの概念が深まっているわけでございますが、持続可能な開発というのをかみ砕きますと何かといいますと、将来の世代の要求を満たしつつ、現在の世代の要求も満足させるような開発でなくてはいけない。ここに現在生きている人間が幸せになるために、将来の世代の幸せを犠牲にしてはいけないと、そういういわば世代間の公平といったようなものを視野に入れた概念であるわけでございます。それを特に、基本的には環境につきまして論じたものでございますが、近年では単に環境のみならず、社会的側面にも範囲が拡大してまいります。それから、社会的側面の中でも、例えば途上国の貧困の問題あるいは人種問題をどう考えるか、あるいは先進諸国の中におきましても社会の公正あるいは弱者への配慮といいますような、これを生活の質と呼ぶべきかどうかわかりませんが、このような、あるいは今日生きております人々の間の公平といったようなものへの要請も広がってまいっているのではないかというふうに考えます。
 こういったものを受けまして、企業の持続可能性につきましても、単に経営的に、経営が持続可能であると、経営が行き詰まらないということにとどまらず、環境あるいは社会的側面に関しても持続的なものでなくてはならないという、通称CSRと呼んでございますが、Corporate Social Responsibility という考え方が出てまいっております。このように、企業への評価の視点というのは、このような総合的な評価にだんだん変化をしてまいっているというふうに認識しております。
 しかしながら、欧米におきましてもなお社会的側面、経済的側面といいますと、非常に多様な価値観、あるいは哲学というべきようなもので色濃く反映するようなものでございまして、例えば欧米で提唱されておりますようなCSRの企業評価基準については、例えば我が国の価値観あるいは我が国の社会の状況のようなものから見てなじまないのではないかと思うような項目も数多く存在する。あるいはそういったもののものさしをあてられる企業の中には違和感を感じるものもあるというような指摘もなされているところでございます。
 これらにつきましても、例えばISOにおきまして、これらに関する規格化の是非について検討している。あるいは、EUにおきまして総合的な戦略が発表された。日本におきましては、経済同友会におかれまして、幅広い企業の社会的責任という観点からの企業評価基準というようなものの提唱がされているというような状況がございます。
 少し参考資料のほうへまいりまして、こういった分野でどういったものが発表されておりますかというものを概観しております。資料10ページのところに、今まで私が申し上げましたような各種のレポート、道具立てというもの並べておりまして、そこの後ろ、11ページ以降にそれらの概観がつけてございます。
 ISOにおきましては、企業の社会的責任に関する規格化につきまして、ISOで検討することの是非ということも含めまして検討がなされておりまして、本年6月に開催されましたバリ島の総会での決議におきまして、引き続き技術管理評議会・専門家グループというところで検討を引き続き行うというような結論が出たようでございます。
 それから、12ページにまいりますと、EUにおきましては、現在公開素案というのをグリーンペーパーと称するそうでございますが、企業の社会的責任における欧州枠組みの促進という文書が出ておりまして、主な内容として、ここに書いてございますようなステークホルダーへの対応が必要である、あるいはCSRの原則とはどういうことか、推進戦略をどうするかというようなものが述べられております。
 それから、14ページ、15ページにまいりますと、経済同友会におかれまして公表されました企業評価基準というようなもの。これの要素が例えば15ページの右側にあるような、これは単に指標というものにとどまらず、環境あるいは人間という呼び方をなされておられますが、こういった部分。それから社会というような分野もいろいろな要素があるのではないかというようなご指摘をなされておられます。
 本体、資料6のほうへまいりまして、それではこのような要請は、まず次に市場からの要請というものがいろいろあるのではないかという部分でございます。参考資料のほうは17ページ以降に挙がってございます。
 このように企業の社会的責任、CSRに関します社会的な要求が発展いたしますと、投資の局面におきましても、まず3ページは資本市場という意味で、投資の側面におきまして、SRI、Socially Responsible Investment、社会的責任に着目した投資というものが急速に成長してまいります。
 もともと欧米においては、参考資料の17ページにありますように、おそらくキリスト教的な価値観というものが背景にあるのではないかと存じますが、もともとは例えば宗教団体等が中心になりまして、たばこであるとかアルコールであるとかギャンブルであるとか、そういったものの関連する活動をやっている者には、例えば当然キリスト教会等々の関与する投資先の対象にはしないというような考え方があったようでございますが、これが1960年代から80年代になってまいりますと、ベトナム戦争をどう考えるか、あるいはアパルトヘイトをどう考えるかというような要素が出てまいります。それから、1980年代後半に入りますと、環境や消費者保護という分野にも関心が広まりまして、バルディーズ原則、これは有名なエクソンのアラスカで原油汚染を起こしましたタンカーの名前がバルディーズ号だったわけでございますが、こういった原則からの要求が出てまいります。
 そういったことによりまして、企業の社会的責任という面から企業を評価して選定をしたファンド、これがいろんな要素、価値観、手法というようなものを生みながら急速に発展してまいっております。
 資料6の3ページの左側の囲みの欧米諸国のほうはどうなっているかと申しますと、米国におきましては、このSRIによります運用資産が、金融総資産の中の12%を突破しています。それから、英国等々におきまして、いろんな法制度が整備をされています。非常に象徴的な例でございますが、英国では企業年金制度、これを改正いたしまして、いわゆる我が国における年金基金にあたるようなものにつきまして、その運用にあたって、環境面や社会面をどう考慮していくかということに関する情報開示を義務づけるという制度を設けております。これは単に情報開示の要求だけですが、この結果、年金基金の運用残高の約8割において、そのSRI的手法が導入されるということに至っているようでございます。
 一方、右側でございますが、我が国におきましても、エコファンドと我が国では呼ばれているようでございますが、積極的な環境配慮に取り組んでいる企業を対象とするファンド、投資信託商品というものができてまいっております。1999年ごろからできてまいっておりまして、直近時点での純資産額は約700億円。まだ微々たるものでございます。ちなみに、最盛期には2,000億円ほどあったそうでございますが、口数は減っていないんですが、中に入っている株が縮んでしまいまして、現在700億円ほどということのようでございます。
 参考資料のほうにバックデータ的なものがついてございます。19ページが、ただいま申し上げましたような実態の数字でございまして、我が国のエコファンドと呼ばれるものの中には、19ページの右側にあるような各種のファンドが入ってございます。
 それから、20ページ以降にまいりますと、諸外国でどうなっているか。米国でございますが、米国の社会的責任投資、どういうふうに反映されるかというと、1つはスクリーニングという局面、つまり社会的観点から見て、要するにファンドに組み込む対象を選定するにあたりまして、1つはネガティブスクリーニング、つまり好ましくないというような対象を回避する。それからあるいは逆にポジティブスクリーニング、社会環境面のパフォーマンスに優れる企業を取り込むという。それから次の局面として株主行動。要は、株式を保有しているファンドであるとか年金基金のようなところが株主として行動する。それからコミュニティー投資。特定の例えば資本が不足しているような、端的に言えばきっと遅れているということになるんでしょうが、そういう特定地域の企業やプロジェクトに積極的に投資しようと、こういうようないろんな局面が3つの局面に分かれるようでございまして、特に環境というのはスクリーニング型の投資行動の評価の項目として50%以上で採用されているということのようでございます。
 21ページにまいりますと、欧州内でのSRI型の投資信託ファンドがどのくらいあるのかというようなものがあります。
 それから、22ページには、先ほど申しました英国の年金制度におきます制度でございますが、具体的には英国年金法第35条というところで、委託スキームの受託者は、スキームの目的のための投資意思決定に適用される基本原則文を書面として準備し、維持し、随時改訂するということで、この施行規則では、その方針を明示すべきということで、投資の銘柄選択、保有、換金において社会、環境、倫理的な配慮が行われている場合には、その配慮の程度を開示せよという制度になっているようでございます。
 本体資料のほうの4ページ、次は消費者市場という面から見たらどうなるかということでございますが、ちなみにバックデータのほうは29ページからでございます。消費者市場におきましても、従来消費者が製品に要求するものというのは価格と品質であったわけでございますが、それに加えまして環境が出てきております。環境の要素としても、提供される製品、サービスにどれだけ環境配慮がなされているかという局面と、それから提供されます企業自体の環境配慮がどれだけ取り組まれているかと、こういったものを商品・サービスを選択する要素として取り込むという動きが出てまいっております。
 これの代表的なものが、行政機関におきますグリーン購入制度であるわけでございまして、グリーン購入法では、国の行政機関、それから独立行政法人等にグリーン購入の実施を義務づけております。それから、地方公共団体においては努力するということになっておりますが、現在のところ都道府県、政令市レベルまではすべての団体がグリーン購入を実施しております。また、多くの機関におきまして、製品のみならず、事業者自身の環境配慮への取り組みを考慮するという動きも出てまいっております。
 グリーン購入制度の実態につきまして、参考資料のほうでご説明を申し上げます。グリーン購入制度は、30ページでございますが、左上のところに基本方針というものがございます。これが実は、要はどういったものをグリーン購入の対象にするかという基準でございまして、例えば文房具であれば、再生プラスチックを使っているか。これは官給品のマーカーですが、これは実は中のインクが詰め替えできるようになっておりまして、こういったものが対象になるというものを決めております。国の各機関は、それに沿いましての調達方針を作成し、調達を実施するということになっております。
 代表的なものについてどうなっているかということでございますが、例えばコピー用紙であるとか、文房具類であるとか、それからOA機器、パソコン、これは主に省エネ基準を満たす、省エネのトップランナー製品であるというようなものが条件になっておりますが、こういったものにつきましては、おおむね現在では98%とか、そのくらいが対象の物品で調達をされているという状況がございます。
 これはもともと政府機関だけがグリーン商品を購入していればよいというものではございませんで、要するに政府機関が率先して購入することによって、そういった商品を発展させるというのが主眼であるわけでございます。
 33ページでございますが、右側はいろんなところで使われる統計でございますが、まず政府支出。国・地方を合わせました、いわゆる政府の支出というのが、我が国の総支出の約4分の1を占めているわけでございますので、要は4分の1を占める大口購入者が率先して購入することによって市場を切り開こうというわけでございます。
 どのくらい効果があったかでございますが、例えばコピー用紙のようなものを見ますと、この左側でございますが、グリーン購入制度発足前は、だいたい対象商品の市場におけるシェアが数%だったと思いますが、コピー用紙ですと10%強であったかと思いますが、このくらいであったものが、平成13年度で20%ほどまで拡大しております。これは政府が買った分が増えたというだけではなくて、これが牽引役となって、要するに市場に出回っているコピー用紙の全体が、コピー用紙ですと再生紙であるとかいうような条件があるわけでございますが、そういったものの市場全体のシェアが拡大したということが起こっているということがいえるかと思います。
 本体資料のほうへ戻りまして、では一般消費者はどういうふうになっているかということでございますが、私どもが世論調査のようなものをいたしますと、物を購入するときは環境への影響を考えて選択をしているという消費者、この割合は着実に増加をしているといえます。それから各種の市場調査的な調査をやりますと、企業の利用と企業の環境面での評価との相関性がだんだん増加してきているという統計が出てまいっております。
 バックデータのほうですと35ページでございますが、消費者がどういうふうに認識しておられるかというようなアンケート結果が出てまいります。いろんな主体がやられておりますが、一定割合は必ず環境に優しい商品、環境面というものの評価が出てまいっております。
 それから、次の右側の四角の企業によるグリーン購入の取り組みというところとあわせてご説明をしたいと存じますが、一方企業としてグリーン購入に取り組む事業者の割合。特に企業というのは、文房具を買うのが仕事ではないわけでございまして、本来の業務に使用する資材等の購入について、これはだんだんサプライチェーンの問題になってくるかと存じますが、こういったものに関してグリーン調達を心掛けているというものの割合も非常に増加しております。
 これもいろんな調査結果が資料編のほうに出てまいりまして、1つ特徴的なところを申しますと、41ページに、企業の環境面での評価、それが例えば企業の認知度であるとか、利用したいという意向の度合いであるとか、そういったものとどういうふうに相関しているかというもののデータが出ております。それから、利用意向度、いったいでは企業は何をもとに、どの企業を利用するかというものに対して、どれと一番相関が高いかというような切り口で見ますと、いろんな解釈が成り立つのではないかと思います。
 資料6の本体に戻りまして、市場からの要請というものの3番目としてサプライチェーンという要素がございます。これは企業間の取引先に関する環境配慮の要求というものでございますが、背景、左上の囲みでございますけれども、CSRの理念が発展してくる。それから特に欧州市場等において、製品に対する環境規制の強化がなされるということになりますと、部品あるいは材料をつまり外部調達をしたようなこういったものに環境配慮が不十分なものが含まれていた場合に、社会からの批判というのが、最終製造の製造メーカーにも及んでくるという時代が起こっております。特に、サプライチェーンは今日グローバル規模で拡大しておりますので、グローバル展開する企業にかかわらず、取引先の環境配慮というのは、世界各国の企業で切実な課題として浮上しているということがわかると思います。
 それの対応といたしまして、まずは原材料等を購入する物そのものの環境配慮というものの考慮というのは今日もう不可欠になっているわけでございますが、さらに信用と安心ということを考えますと、企業そのものの取り組み、ISO14001というようなきちんとした管理体制ができているかというようなものを考慮するという様相が高まってきているのではないかと考えます。
 左下にまいりまして、私どもの調査によりますと。約6割の企業で、原材料等々の選定調達にあたりまして、グリーン調達を考えている。それから、取引先の選定において、例えばISO14001の取得、あるいは環境報告書の策定・公表等々、こういったものを求めている企業が1割に上りつつある。それから、特段の基準ではないけれども考慮するという企業を足しますれば、6割ほどになってくる。
 一方、サプライチェーンというのは非常に絡み合っております。原材料、部品メーカーにすれば、特定のメーカーだけに納めているというよりは、複数のメーカーに納めるということが多いわけでございますので、特に化学物質等々に関しまして、その調達のガイドラインをなるべく共通化しようと。さらには、これの国際標準化ができないかというような動きが起こっていると伺っております。
 参考資料のほうですと、実は非常に象徴的な課題が、44ページに、これはソニーの例ですが、実はこれはソニーにおかれましては、この課題をホームページでも完全に開示しておられます。開示をされておられますことに深く敬意を表するものでございますが、したがいまして、これはホームページから借りてきたものでございますが、有名なプレーステーションというゲーム機の周辺機器にカドミウムが混入していたという問題が生じたことがあるということを開示をされておられますけれども、こういったような問題が生じております。
 こういったものに対処されますために、例えば46ページにまいりますと、ソニーにおかれましては、環境品質保証体制、グリーンパートナーと呼んでおられるそうでございますが、こういった調達の体系あるいは基準というようなものを定めておられます。
 これは多くの企業に広まっておられまして、48ページには松下の、これもみんな公開されているものをお借りしてきたものでございますが、松下もこの購入先の選定基準を定めています。
 それから、49ページにまいりますと、アサヒビールにおかれまして、調達基準の中に社会的責任に関する要素、こういったものを取り入れるという例が見られるようになってきております。
 それから、51ページにまいりますと、これらをまた共通化しようということで、グリーン調達調査共通化協議会というものを組織されまして、非常に広範な上流の部品ないし素材について、共通的な基準を設けようという動きがなされております。
 こういった流れを受けまして、本体資料の6ページでございますが、今まで述べてまいりましたような要請の高まりを受けますと、ではこういったような要請に照らして、それぞれの企業はどうなのであろうかという、企業をそういう目で評価をするということの需要が増してくるというわけでございまして、特に欧米諸国におかれましては、いろんなCSRという観点から企業を評価する動き、民間の評価機関のようなものが数多く存在し、機関投資家が投資対象を判断する、あるいは、消費者が商品選択をするという際に、広く利用されているという動きが起こってまいっております。
 また、我が国におきましては、その嚆矢というべきものかもしれませんが、ここへ挙げておりますようなアンケート調査等々による評価がされるというようなことが起こってまいっているというような認識をいたしております。
 以上が、社会や市場からどういったような要請が起こっているかという局面でございます。
 次に、資料7と参考資料2。こちらにつきましては、ではこういったものを受ける格好で、事業者の取り組みがどういうふうに進展しているか、あるいは取り組みのための道具立てがどういったふうに進展しているかということを説明させていただきます。
 資料7の1ページ目でございますが、今まで述べてまいりましたような社会や市場からの要求が高まりますと、従前は環境配慮というのは一種の社会貢献であるというような概念があったかと存じますが、それはだんだん企業の業績を左右する重要な要素である、さらには企業戦略の中核的要素であるというような認識にだんだん深化をしてまいっております。
 それから、ではそういった環境配慮を進める上での道具立てというような形で、環境マネジメントシステムであるとか、それから環境への取り組み評価のための評価手法であるとか、取り組みについて開示をする手法であるとか、こういったものの進展が見られるようになってきております。これを順々に私どもの理解しておりますところをご説明させていただきたいと存じます。
 資料7の2ページでございますが、まず自主的な環境マネジメントシステム。ISO14001に代表されるものでございますけれども、これがなぜ重要かと申しますと、自主的・積極的に自らの活動を振り返られまして、環境負荷の削減を検討するというためのツールでございまして、ISO14001ですと、PDCA、Plan、Do、Check、Actというプロセスを繰り返しなさいというところに特徴があるわけでございます。
 これはもう皆さんがよくご存じのように、我が国のISO14001審査登録件数、直近データで約1万2,000件。これは同時期の世界中で5万3,000件でございますので、世界の約2割、4分の1弱を我が国企業が占めておりまして、当然ながら世界で一番でございます。当初、電気機械、一般機械、化学という、工業の分類で言えばこういったところ、おそらく世界市場で売り込むという企業が中心となってあったろうと思いますが、こういったものが当初高い動きを見せておりましたが、最近では、国内企業、特に市民、消費者というものの高い評価を得る必要があるサービス業であるとか、実は廃棄物関係の事業であるとか、そういった事業者が増えてまいる。あるいは、取引先の要請によって、材料、部品というようなメーカーも増えておられるという状況がございます。
 それから、欧州、オールEUで約2万件。米国は3,000件というくらいの状況のようでございます。
 一方、欧州EUには、通称EMASと呼ばれております独自の環境マネジメントシステム規格を持っておりまして、これはそのレビュー、右下にございますように、ISO14001と違いまして、環境声明書を公表せよという要請が入っておりまして、情報公開という要素が含まれている。それから、ISO14001は、これもご存じのとおり、マネジメントシステム、体制の基準でございますが、EMASについては、パフォーマンスを評価して公表するという、パフォーマンス部分についても着目しています。
 次に、資料の3ページへまいりまして、パフォーマンス指標の活用。企業の環境への取り組みの状況を自ら把握・評価をする、そのための道具立てといったものにどんなものがあるかということで、環境会計、あるいはパフォーマンス指標、あるいはLCA、ライフサイクル・アセスメントというような道具立てが整備されてきているわけでございます。
 一番左側の環境会計でございますが、これはバックデータのほうの15ページぐらいのところからご参照いただけると幸いでございます。
 環境会計と申しますのは、企業の事業活動における環境保全のための費用と効果を、定量的に可能な限り体系的に分析し、測定・伝達する。これはどういう意味があるかと申しますと、大きく2つ分かれまして、1つは、企業の経営管理のため、環境保全対策のコストであるとか効果であるとか、その分析を行いまして、適切な経営判断の一助にするという、経営管理のツールとしての機能。これを内部機能ととりあえず呼んでおりますが、これに対して、環境保全への取り組みを定量的に測定して結果を開示するという、社会とのコミュニケーションのツール、外部機能ととりあえず呼ばせていただいておりますが、こういう大きな2つの機能があろうかと存じます。
 こういったものにつきまして、国際的にどんなふうになっておりますかと申しますと、資料17ページのほうに書いてございますが、ここで特徴的なのは、国連の持続可能開発、こういった組織があるようでございますが、ここで環境会計の手法の研究プロジェクトが持たれておりまして、レポートが発行されている。それから、環境管理会計ネットワーク、環境会計に取り組む各国の連携の組織ができておりまして、ここでまた調査研究等をやっている。それから、国際会計士連盟、IFACというのだそうでございますが、こういったところが研究報告を出しています。それからそれぞれの国、アメリカのEPAであるとかドイツの環境保護庁であるとかが、プロジェクトを持っています。
 次のページにいきますと、我が国においては、環境省は環境会計のガイドライン2002年版ということで出しております。それから、経済産業省、あるいは業界ごとに、その業界の特性に対応しましたガイドラインのようなものも発行しておられまして、環境会計に取り組まれている企業もだんだん増加をしている。
 20ページに利用方法、機能について伺いました結果が出ておりますが、やはり費用対効果の分析、自主的な取り組みの支出管理、あるいはコスト削減といったような、内部管理のほうにまずは利用するということが多いようでございます。
 それから、環境パフォーマンス指標につきまして、これもやはり環境への取り組みの成果を把握・評価するためのものさしと呼ぶべきものであろうかと思いますが、これは、参考資料のほうの22ページ、それから23ページに、国際・国内という比較をしておりますが、実はISO14031というものが、関連のISOがございまして、ここでは基本的な考え方、取り上げるべき要素を附属書Aというのに載せておりまして、こういったものから選択をしなさい、それからその選択の考え方、手順といったようなものを示しております。
 環境省のつくりましたガイドライン2002年度版、これが下の23ページのほうでございますが、これはISO14031の上げられております考え方も背景に踏まえつつ、あるいは我が国の環境問題の対応あるいは法令の要請等々も配慮して、コア指標、サブ指標という形に整理をして、マテリアルバランスを把握するということについて、編成したような基準がございます。
 3番目の道具、ツールとして、ライフサイクル・アセスメント、LCAというものがございますが、要は製品の原料採取から廃棄までというすべてのプロセスを通じた環境負荷を把握評価をしようと。これによりまして、より環境負荷の少ない商品の製品の設計というものの重要な道具になるわけでございます。
 この手法につきましては、ISO14040から43というところで規格化が進んでおられます。
 具体的にどういうことをしているかということで、資料のほうでいきますと、24ページに基本的な考え方が書いておりまして、25ページは、日本電気NECにおかれます分析活用の結果でございます。これによりまして、環境負荷、特にCO2排出量の少ない製品というものを開発するには、どこを重点的に攻めればいいかといったものの把握がなされている。
 それから、26ページはトヨタにおかれます分析の例でございますが、例えばこれはプリウスというのはやはりライフサイクルで見ますと、走行2万キロぐらいからCO2負荷量が従来のものより減らせるというような結果を得られたようでございます。
 それから、資料4ページ、5ページは、環境報告書についてでございます。参考資料ですと28ページからになりますが、環境報告書というのは、事業者が環境配慮の取り組み方針、取り組み状況についてとりまとめて一般に公表するという年次報告書でございます。だいたい経営責任者の緒言、それから環境保全に対する方針目標計画、環境負荷の低減に向けた取り組みの状況、それから環境パフォーマンスの状況等々を載せておられるものが多いようでございます。
 では、これはどういう意義を持っているかといいますと、1つは事業者から、いわば事業者が社会に対して開いた窓、環境コミュニケーションのツールであります。外部の利害関係者、ステークホルダーという言い方がなされるようでございますが、株主であるとか金融機関であるとか投資家であるとか取引先消費者であるとかといった方々がその事業者の環境問題についてどのように考え、対応しているかを知ることができる。あるいは逆に、事業者さんは外部のステークホルダーが何を求めているかというのを感じる。
 それから、1つは社会的な責任、説明責任を果たすツールであります。
 それから、こういったものを通じて環境配慮の取り組みの促進をするきっかけになる。当然、こういったものを刊行しようと思いますと、まず環境配慮なり取り組みの状況というものをまず把握しないと書けないわけですので、そういったところから目標設定、行動計画等の設定をするきっかけになる。
 それから、持続可能な社会を構築するための重要なツールである。こういったものによって、積極的に環境配慮に取り組む企業が、社会や市場の中で高く評価される。そういうことを通じて、いわば市場原理の中で環境配慮の取り組みが進むための重要な役割を持っているものではないかというふうに考えております。
 これの状況がどうなっているかということでございますが、我が国におきまして、これも環境省がアンケートさせていただきましたところによりますと、環境報告書を策定・公表されておられるのが、14年度のデータで約650社という結果が出ております。来年はつくりますというところが250社ほどございまして、今年は、やっぱりやめましたというところがなければ900社というふうになると期待をしております。私どもとしては、環境報告書のガイドラインというものを出しておりまして、これの改訂を現在進めております。
 それから、信頼性・比較可能性という切り口から見ますと、何らかの第三者レビューというというものを受けた会社さんというのは650社のうち131というご回答をいただいておりまして、ちょうど2割ということであろうかと思います。
 それから、先ほどご説明をいたしましたCSRという要素への取り組みの仕方については、持続可能性報告書という名前にされる、あるいは環境・社会報告書という名前にされるというような格好で、こういった要素に取り組まれておられる企業が増加しておられる。
 これは、詳しい説明は割愛しますが、参考資料のほうで見ますと31ページにございまして、社会経済的側面の記載というのは、全体で何らかの言及があるもので3割というふうになっております。
 諸外国におきましてどういった仕組みができているかということでございますが、これも参考資料ですと37ページぐらいになりますが、ヨーロッパの多くの国におきまして、会社法、つまり会計関係の法律の中で、経済面、環境面、社会面の取り組みを報告書に記載して開示するという制度ができつつあります。参考資料のほうで申しますと、デンマークは環境保護法の中で、許認可を受ける約1,200の事業所、我が国でいえば一定規模以上の工場、事業所ということなのでしょうが、こういったものに環境報告書の作成・公表を義務づけています。オランダも、環境負荷の大きい特定の施設について、同じような報告書の作成・公表を義務づけています。
 それから、ノルウェーあるいはスウェーデン、こういう国ですと、我が国でいう会計法と呼ぶべきような制度の中で環境情報の開示を義務づけています。それから、フランスでは、これも新経済規制法と訳すべきようなものなのでございますが、上場企業につきましては年次財務報告書に情報開示を義務づけているといった制度ができております。
 それから、第三者レビューという局面でございますが、今把握しておりますのが、だいたい約2割の事業者が第三者レビューを受けています。それから、オランダあるいはデンマークには、実は策定・開示すべき環境報告書につきまして、第三者レビューという規定が置かれているのですが、実はここはまだ施行待ちという状況のようでございます。これはまず作成を義務づけているということを前提としまして、さらにそれに第三者レビューを義務づけるという局面であろうかと思います。
 それから、少国際的にはGRIというような、民間団体でございますが、こういったところでガイドラインがつくられている。
 それから、ISOにおきましても環境報告書を含めた環境コミュニケーションにつきまして規格化の検討がなされているというようなことがございます。
 あと、この環境ラベルが製品情報提供の面での道具であるわけでございます。これにつきましては、これもISOでよく整理をされております。第三者機関が定めた基準を満たしているかどうか、第三者機関の認定を受けるというタイプ。これは我が国のエコマークのようなもの。それから、製品の供給者が独自に設定した基準を満たしていると宣言をするもの。これは多くの企業が、特に電気機器関係でやられております。それから、タイプIIIと称しまして、LCAをもとに、製品の環境情報、環境負荷に関する情報を定量的に表示をするというラベル。これは現在エコリーフというものがつくられておりますが、こういったものがそれぞれ発展をしてきております。
 一方、中小企業につきましてでございますが、これは今日申し上げましたように、サプライチェーン等々を通じまして、中小企業にも環境保全への取り組みの要請というのが高まってくるわけでございますけれども、一方、ISO14001というようなものが、なかなか人材あるいは費用の面から負担が大きいということで、環境省におきましては、エコアクション21という簡易な環境活動の評価プログラムをつくって普及を図っております。これは、なるべく簡易に環境マネジメントの体制をつくり、環境パフォーマンスの評価を行い、環境情報の開示をするというふうな仕組みでございます。
 1つ特徴的なのは、地方公共団体あるいは民間企業等においても、類似の環境マネジメントの仕組みを、独自に設けるという例が出てまいりまして、そうなりますと、一方では、中小企業が逆にいろんなところに取引をしようとすると、いろんなルールでやらないといけないというふうになりかねない状況が起こっておりまして、負担をかけないようにエコアクション21の地方公共団体あるいは民間団体との取り組みとの連携が必要となってまいっております。
 以上を踏まえますと、資料8でございますが、ではこういったものを進めてまいるために、どういった課題があるのかということでございますが、1つは、環境配慮の手法というものを、1つは内部管理の手法というふうに見ましたときに、ISO14001の取得というのは大変広がっているわけでございますが、それの取得の意識にギャップがあるのではないか。ISO14001をとらないと取引がうまくいかないからというような理由から形式的なパスポートというような認識があるのではないか。それから、やはり中小企業の取り組みというのはまだ一部にとどまっています。
 それから、外部との環境コミュニケーションというふうな切り口で見ますと、ISO14001は大変進んでおりますが、これはマネジメントシステムの認証でございますので、どれだけ実際のパフォーマンスが上がっているのかということは、ISO14001をとっているということだけでは判断ができません。それから、環境報告書につきましては、まだまだ上場企業に絞りましてもさほど割合の高いものではありません。それから記載内容、記載方法が多種多様となっています。一方で、必ずしも適切な状況提供がなされていないのではないか。それから、第三者レビューという試みが始まっておりますが、その手法について標準的な手法というものがまだないのではないか。それから、ラベリングにつきましても、標準がわかりにくいのではないかというようないろいろな課題がございます。
 こういったものを考えますと、問題認識というところでございますが、環境への負荷の少ない持続可能な社会を構築していくためには、より幅広い事業者が事業活動の全体にわたって、自主的かつ積極的に環境配慮の取り組みを進めていくことが重要であるけれども、取り組みがまだ一部の意識の高い企業以外になかなか広がっていないのではないか。
 したがいまして、これらのツールの活用を一層促進する。それから、自主的な環境配慮の取り組みが、社会や市場の中で適正に評価されることによって、一部の意識の高い企業以外の自主的な取り組みが一層広がる。そういった条件整備が必要ではないかというふうに考えております。
 後ろ側でございますが、こういうグローバル・スタンダード化というものを抜きにして考えられなくなっております。ISOを中心とします国際的な議論、米国の動き、欧州の動き等々今まで述べてまいったわけでございますが、こういったことを考え合わせますと、まず我が国として、環境に配慮した事業活動の促進という取り組みについて、各国、各地域ごとに個別に対応する、あるいは個別のルールに対応するというだけではなくて、国際的整合性の確保について我が国として積極的な役割を果たすべきではないか。それから、そのようなグローバル・スタンダードの構築にあたって、欧州等の取り組みに単に追随するのではなくて、我が国での先進的な環境配慮への取り組みが国際的に正当に評価されるという、そうでないとどうも我が国の企業等々にとって使い勝手が悪いというものになってきかねないわけでございますので、我が国の先進的な取り組みが国際的にも正当に評価されると、こういったことが必要ではないか。こういったことを常に考えていく必要があるのではないかという認識を持っております。
 駆け足になりまして、失礼をいたしました。

○山本委員長 長時間にわたり、大変詳細な説明ありがとうございました。
 私も大変詳しい説明を受けまして、現状が私なりに把握できたと思うのですが、製品市場、資本市場で、要するに産業経済、我々の生活をグリーン化していく。私の認識では、この製品市場における取り組みは、日本は非常に外国と比べても進んでいる。
 一方、資本市場における取り組みが若干後れているのではないかという印象を持ちました。と申しますのも、製品市場におきましては、例えばLCAのプロジェクトが経済産業省が遂行して、世界一のLCAのデータベースを構築して、日本では環境に配慮したものづくりでは、既に世界に冠たる実績がある。既に、例えば材料について申し上げても、286社が1,900種類の環境に配慮した素材を生産している。これは世界に冠たるわけでございます。
 どうしてこういうことが起きたかといいますと、やはり各種リサイクル法が整備された、あるいはグリーン購入法が施行されまして、176品目が既にグリーン調達が実施されている。これはやはり、産業の環境技術革新を促進したことはまず間違いない。しかも、このグリーン購入法は、アジアにおいては、日本と台湾だけが持っているわけでございますけれども、現在韓国が来年にグリーン購入法を施行したい、あるいはフィリピンが大統領令を準備しているということで、今年の12月には、エクプロダクツの展示会で、グリーン購入の国際会議も行われる。あるいは、来年は、仙台においてグリーン購入の国際会議が準備されているわけでございます。
 そういうことで、製品市場のグリーン化を通じて日本製品はエコブランド化して、環境立国日本の国際競争力を高めていくということは、まさに成功しつつあるという印象を受けるわけでございますが、一方、若干環境プラント産業の国際シェアがじりじりと落ちているわけでございまして、アメリカ、ドイツ、日本について、日本は環境プラントの世界シェアは3位なわけですね。ですから、若干国際的な取り組みは必要な部分もある。
 一方、先ほどご紹介ありましたように、資本市場における取り組みは、これは若干問題があるのではないかと。社会的責任投資も、残高は約700億円に過ぎないわけでございまして、米国約270兆円、ヨーロッパ約40兆円に比べても、あまりにもみずぼらしいデータである。あるいは、環境報告書も、これは私も6年間、環境レポート大賞の審査委員長をおおせつかっているわけですが、残念ながら急速に普及するというわけにはいかなかったわけでございまして、たかだか650程度にしか過ぎない。一方、グリーン購入ネットワークというNGOのほうは、これは1996年に設立。出発当初は73団体が、現在では2,800団体まで急成長しているわけでございまして、これは国の各種リサイクル法、グリーン購入法等の法的整備が進んだ影響であると。
 一方、環境報告書のネットワークも、1年遅れでスタートしたわけでございますが、これはほとんど進展せずに、現在200団体程度でとどまっているわけでございます。
 そういうことで、先ほどの課長の説明を私なりに分析いたしますと、どうもこの日本全体を環境立国、環境大国化していくという国家戦略上、この製品市場の取り組みに比べて、資本市場の取り組みがどうも弱いのではないか。そういうふうに私には受け取れたわけでございまして、やはりこの製品市場のグリーン化が進んだ理由は、90年代から進んだ法的整備が非常に大きな影響を持ったわけでございまして、やはり資本市場のグリーン化においても、世界をリードするような法的な取り組みが必要なのではないかというふうに、私は私なりに印象として持ったわけでございます。
 ここまで、私の率直な感想でございまして、それでは、残り時間わずかでございますので、ご質問、コメント等があるかと思いますが、ご意見を交えて、ぜひ全委員の先生方からご意見を賜りたいと存じます。どなたからでも結構でございますので、自由にご発言を。
 佐野委員。
〇佐野委員 私どものプレイステーションのこともご報告がありましたので、その点からちょっと意見を申し上げたいと思います。
 事業者の自主的な取り組みで、環境経営を促進しているというのはまさにそのとおりでありまして、今後ともそういう方向は変わりないんですけれども、私どもの欧州での有害化学物質の取り組み、これは2006年からEUがカドミウムとか鉛とか六価クロム、水銀、難燃剤など6物質の電気・電子機器への使用を禁止することに対する対応です。自動車も影響します。サプライチェーン何千社というところに協力をお願いして、環境監査をはじめ、グリーンパートナーとしての協力をお願いしてきたわけで、中国も数か月以内にヨーロッパと同様な基準を導入すると聞いています。韓国も同様な規制をするというので、日本だけが有害化学物質に対する規制がない国になってしまって、環境立国といったって、私に言わせれば全く後進性が強い国になってしまいます。これはぜひ、国民生活に重大な影響を及ぼすことなので、環境省としてもこういうテーマの中には、国のやるべき課題として入れるべき私は思っております。
 それから、私は家電リサイクル法、それからパソコンのリサイクルについて、業界の代表として審議会等で検討し、リサイクル会社の経営にもかかわっていますけれども、リサイクルにかかわる法規制が極めて複雑で許認可に長期を要するのは、皆さんご案内のとおりです。リサイクル工場を開設するには1年とか1年半とか、事前に許認可の期間が必要になっております。また、リサイクル工場を運営するに際しましては、毎日の労働時間、残業時間、それから在庫品は14日間という規定がありまして、これは生ごみとか何かの一般廃棄物に適用する法律そのものが我々のリサイクル会社にそのまま適用になっております。14日間というのは、夏場はものすごい量を回収しますから、到底達成できないですね。
 それから、開設後、新しい設備を導入する場合にも、許認可が30種類ぐらい必要でして、この認可をとるのに6か月ぐらいかかる。時代遅れの廃掃法に、我々がリサイクルする機器し得る商品が引っかかってしまう。もう何年も私が申し上げておりますが、何ら進展はしていない。
 これは国としての大きなテーマだと思うんですね。要するに、最低限のところに水準を合わせて、昔からの法律をそのまま適用している。我々はこのリサイクル会社を運営するのに四苦八苦しているのが実状です。ぜひお願いしたいということを冒頭に申し上げたいと思います。
 以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。
 あと35分しかございませんので、お1人2分ないし3分ぐらいでご発言をひとつお願いしたいと思います。
 挙手順で、次、三橋委員。

○三橋委員 環境に配慮した事業活動の促進に関する小委員会ということですよね。したがって、私が提案したいのは、環境に配慮した事業活動の促進を妨げている、今の佐野委員の発言も含めて、さまざまな許認可を含めた制度とか、法律上の問題点とか、促進を妨げている補助金とか、そういう現行の問題点というものを1回ぜひ洗い出してほしいと思うんですね。そして、それはおそらく方法としては、各省庁に出してくれと言っても出してくれないと思う。
 そこで、今佐野委員もおっしゃったように、民間の実際に事業をやっていて、環境に配慮した事業活動をやろうと思っている上で、こういう点が実は制度上、法律上、許認可上、あるいは補助金上問題だということを、やっぱり民間の実際にやっている企業なり業者の人たちから出してもらうなりして、それこそ実態をやっぱり出してくれないと、環境に配慮した事業活動を推進するという点、むしろその部分が非常に今大きな障害になっていると思うんですよ。だから、それはどこまでできるかはともかくとして、ぜひ洗い出してほしいなというふうに思います。

○山本委員長 佐野委員、三橋委員のご意見は、促進を妨げるさまざまな規制とか法律をいっぺん洗い出せと、こういうご意見です。
 次、福川委員。

○福川委員 時間もありませんので、簡単に申し上げたいと思います。
 私も縁があって、特にヨーロッパのコーポレート・ガバナンスの改革の一環でCSRをずっと調べております。
 3点ほど申し上げたいと思いますが、1つは、もちろん環境というのはその中で非常に大きな問題なんですが、企業のあり方として、企業の価値がどこにあるかというときに、欧州ではこの環境だけではなくて、企業と社会の共存というそういう価値観が非常に定着している。ですから、例えば人権の問題だとか、あるいは労働者に対する扱いとか、非常に広い意味で、企業のあり方というものを考えている。その上で、この環境の問題が出てきているということだと思うので、この企業のあり方というものを広く考えているというのが今ヨーロッパの感じであります。その辺が、私は日本の場合も、この企業のあり方という根底に立ち返った議論というのが必要だと思います。
 それから2つ目は、今もちょっとお話が出ておりましたが、やっぱりどこまで国がやって、どこまで企業がやるかという問題をきちんと議論しているという感じがします。欧州のUNICEとかあるいは経団連等々も言っていますが、これはできるだけ自主的にやりたいと。法律の介入、行政の介入というのはできるだけ回避して、自分たちがきちんとやっていく、それが社会に受け入れられるようなものをやりたいと、こういうことであります。EU委員会も、その標準はつくるが、個別の介入というのは自分たちはしたくないという意見でありました。ですので、今も歴史のお話がございましたが、これどこまで国がやって、どこを企業がやるかということが大切です。これはどうしても私は市場で定着させるべき問題だと思うので、できるだけ企業の自主性を尊重するという形で、しかしどうしてもできないものは何かということを、あるいは妨げているものは何かというのをきちんと議論をしていく必要があります。
 それから、3つ目の問題は、ここにも資料の中にもありました、国際化、グローバル・スタンダード化ですが、これは実に非常に進んでいるという印象を受けております。OECDでも議論をいたしておりますが、これからEUはたぶんこういう形で、いろんな形で企業行動になんらかの標準を設定してくる。今まででも日本はそういうことで、企業活動が非常に束縛されたことを、何回も経験しているわけなので、そういう動きがありますので、日本としてどう考えるかということをきちんと言うべきだと思います。
 以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。
 それでは、天野委員。

○天野委員 3つの点について、簡単に申し上げたいと思います。
 まず、事業者と市場での自主的な取り組みを促進するという点は大変重要なんですけれども、まったく事業者のみに任せて、その自主的取り組みが必要な程度まで進むのかという点が、これはOECD等でも問題にされておりますが、かといって直接規制というのはこういうことには向かないということで、さまざまな間接的な規制が考え出されている。先ほどの年金基金の話もそうですし、それからドイツ政府が環境報告書のランキングをつくるというのを政府がやっているんですね、民間ではなくて。そういった手法とか、あるいはその他、先ほどご紹介ありました、ヨーロッパの政府がいろんな間接的な規制をしている。そういう点は、やはり日本でも、環境報告書の普及が頭打ちになってしまわない、あるいはごく小数の企業に限られるようになってしまわないためには、そういうことが必要なのではないかと思います。
 それから、第2点は、先ほどもご指摘もありますけれども、RoHSのような規制はヨーロッパ発なんですね。日本が環境立国といっていますけれども、ヨーロッパも環境立国を目指していて、特にこういう規制をしますと、ヨーロッパに売り込む企業は全部それに従わなければいけないということで、日本の取り組みではなくて、ヨーロッパの取り組みによって、日本の事業者の対応が決まるということが起こっているわけです。これはやっぱりEUのマーケットがどんどん拡大をしていくだろうということがありますし、もしそれに対抗するのであれば、例えば日本のマーケット、あるいはアジアのマーケットで売るためには、非常に厳しい規制を満たさなければできないというようなことをしなければ、なかなか環境立国というのは難しいかなというふうに思います。特に、PRTRなんかの取り組みにも、やはり欧米に比べると日本は大変見劣りがすると私は思います。
 それから、第3点は、皆さんおっしゃいましたけれども、グローバリゼーションにどう対応するか。これは、既にGRIのいろんな取り組みが、かなりの国とか事業者によって受け入れられていて、グローバルな仕組みをつくるときに、だれもがGRIというのに一目を置くということがあるわけです。ですから、日本は日本の優れた点をもし持ち込むのであれば、それに匹敵するような、あるいはGRIをサポートした上で、それをどう変えていくかというふうな取り組みについて、積極的に発言しなければ非常に難しいのかなという、そんな印象を持っております。
 以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。
 では、河野先生。

○河野委員 私は、この数年来、環境報告書とか環境会計の普及促進にかかわってきました。この不況にもかかわらず、企業は自主的に取り組んで、これらの分野での取り組みは増加しておりますが、ここ数年ちょっとペースが落ちてきています。先ほど委員長のほうから指摘がありましたが、思ったほど伸びていないという状況にあると思います。個人的には、国際的先進企業は、これは放っておいても取組を進めるだろうと思っています。その他、国内市場中心の先進企業とか、中堅企業の中で既にやっているところで、先ほど佐野課長の言葉の中で、落ちこぼれといいますか、やめたというところがなければというお話がありましたが、アンケート調査やヒアリング調査などを見ますと、取組をどうしようかというようなところも出ております。そういうことを考えますと、特に環境報告書については、何か手を打つ必要があります。環境ということが非常に重要な問題で、さらに最近は社会問題にも関心が高まっていますが、こういうことが企業の持続可能性にとって非常に大事だということで、それを企業がちゃんとやっているなら、やっていることを環境報告書を通じて公表してほしい。そして、労働市場も含めて、市場は3つあると思っていますが、商品市場、資本市場、労働市場でちゃんと評価してもらう。評価してもらった上で、社会を挙げて、環境保護促進に取り組むということが必要かと思っています。そのためには、この辺でもう1つ国が積極的な施策をやる必要があるのではないか。どこまで国が関与するのか、この辺はまた議論があるかと思いますが、自主的取り組みだけでは必ずしも充分ではないというふうに思っております。
 以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。
 では、発言、挙手順で大塚委員。

○大塚委員 2点ほどございます。今もたくさんの先生にいろいろなご意見をいただいておりまして、私も同感のところが多いですが、1つは、環境報告書についての第三者認証の仕組みというような問題ですけれども、これは現在の環境報告書につきましては、第三者のチェックがなされているものもかなり増えているようですけれども、市場が正当に評価するためには、比較可能性ということが当然必要になるわけでして、そのための基準というのがないと比較できないという問題があるんだろうと思います。
 第三者認証というのは、それを正確に市場で評価するための基礎となると考えられますので、先ほどから規制という話もあるんですけれども、これは規制ではなくて、基準をただつくるというだけでして、第三者認証をして、環境報告書をつくるということは別に義務ということにはならないというふうに考えられますので、ただ基準をつくるんだと。つまり枠組みをつくるということではないかというふうに考えております。
 これは先ほど天野委員がおっしゃったことでもありますけれども、市場の中で環境報告書的なものが広がっていくことによって、環境問題への取組が健全な広がりを見せるということに寄与するのではないかというふうに思っております。
 それから、もう1つの点でございますけれども、ヨーロッパで確かにCSRが非常に大きな広がりを見せているわけですが、同時にEMASの展開というのもあるわけでして、EMASが環境報告書というか、環境声明書というのを出すということを義務づけておりますので、持続可能性という形で、他の社会的な問題一般の中に完全に埋没しているというわけではヨーロッパはないんだろうというふうに思います。現在我が国で社会的な問題というのはもちろんあるわけですけれども、労働者の扱いとか人種差別とかいう問題もあると思いますが、これらは、例えばアメリカなんかに比べるとそれほど大きな問題にはなっていないということがあって、我が国の現在の状況を考えると、やはり環境というのが、たくさんの社会における要素の中で最も重要なものとしてあるのではないかというふうに考えております。
 以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。
 崎田委員。

○崎田委員 消費者、NPOの視点で参加させていただいていると感じていますけれども、やはり例えば環境に配慮した企業がいろいろな活動をしてくださっている。そういう先ほど来、一部の熱心な企業が増えてきたけれども、それをどうやって広げるかというところが問題だというお話がありました。実はそれと同じように、消費者のほうも、そういうことに大変関心があって、自分たちも消費行動までとる、買い物をするときにきちんと環境を考えて買い物をする。そういうグリーンコンシューマーとしての消費行動をきちんととる人と、申しわけないけれども、残念ながらまだまだあまり関心のない人もいるという、そういうときに消費者がどうやって多くの人たちに広げていくかということも問題だと思うんですが、そういう意味で企業の行動と消費者の行動がうまく関連づけていけるような、そういう社会的な仕組みが必要なんだろうというふうに思うんですね。
 そういうときに、実際にもう少し具体的にいうと、例えば、関心を持った消費者が環境に配慮している企業や、その商品をちゃんと購入して応援するという、そういう応援するような行動をとるときに、では具体的にどういう行動をとったらいいかというときの情報と、その具体策をつないでいくような、そういう社会的な仕組みということなんだと思うんですね。身近なところからいけば、何か買い物をするときに、環境ラベルとか、そういうものがちゃんとしているかどうかとか、そういう情報がちゃんと出てくるような、商品の比較ができるようなテスト情報誌がちゃんとあるのかなとか、企業の活動がちゃんと出ているような環境報告書がちゃんと出ているのかな、あるいはそういうことが比較できるような会社ランキングみたいなのがあるのかな、そういうようなことで消費行動とか、これからの投資行動というものにちゃんと移っていけるような、そういう社会になっていくというのがすごく重要なんだと感じています。
 私は、先ほど来化学物質のお話がずいぶん出ているんですが、今年6月に、やはり特にスウェーデンに、化学物質に関して企業と消費者がどういうコミュニケーションをしているのかというのを取材に行ってきたんですけれども、やはり将来を考えて、本気でいろいろな情報を調べて、それをきちんと公表する。自分たちのこのつくっているものにどんなものが入っているのかというのをかなりきちんと公表して、それを消費者は直接受け取る。そこで会社のブランドイメージをちゃんと維持するという、そういう動きがすごくはっきりできているなというのを感じました。
 ですから、そのための市民の意識が高くなるとか、いろんなこともすべて必要なんですけれども、そういう仕掛けをちゃんとつくっていく、そういうところを今回お話の中心のところになるのではないかと私は期待していまして、ついに日本でもこういうことがきちんと仕掛けていけるような会合が起こったという感じがしておりまして、私は今回の話し合いに大変期待しております。
 よろしくお願いいたします。

○山本委員長 それでは、次は、山口委員、瀬田委員、安原委員の順番でお願いいたします。

○山口委員 ありがとうございます。ご説明をしていただきまして、大変ありがとうございました。
 1点だけちょっと気になったのが、欧米と一口で言われますが、アメリカと欧州ではだいぶ違うような印象があるんですね。これは将来国際的な経済戦略の大きな一種ですから、ヨーロッパのやり方とアメリカのやり方、おそらくアメリカは別の形でまた攻めてくると思うんです。それのぶつかり合いをよく見ておかないと、この問題はなかなかハンドリングは難しいなと。欧米といって1つだけに見ますと、ちょっと針路を誤るのではないかという点を指摘したいと思います。
 それから、もう1点は、これはご説明にはないですけれども、私の立場から申し上げますが、委員長が資本市場の件をおっしゃいましたが、実はそれもございますが、もう1つ、金融市場、これが非常に後れていまして、実は先だって国連環境計画、UNEPのFI、つまりファイナンシャル・イニシアティブを国連と私ども政策投資銀行で主催したんですが、実は500~600人集まって、半分ぐらいが外国の人たちなんです。日本は保険会社はよく入っているんですね。それから、証券会社もいくつかは入っていますが、銀行はたった4行なんです。だから、金融を通じて環境問題に働きかけるということになりますと、これはよほど金融機関に環境意識を植え付けておかないといけないと。
 それで、金融機関が不良債権処理等で、環境どころではないというような姿勢をまだとりつづけていること自体が非常に問題だと思うんです。それで、銀行と取引のない企業というのは、それほど、むしろ探すほうが少ないぐらいですから、金融機関がその気になっていろいろ環境を重視していけば、委員長がおっしゃった資本市場とともに、かなり世の中にインパクトを与えられるのではないか。つまり、金融機関を通じた働きかけというのもいろいろ必要なのではないかという気がいたします。

○山本委員長 では。

○安原委員 どうもありがとうございます。
 1つ、今後の検討の進め方で、期待を表明しておきたいと思うんですが、ちょうど先日、同じ総合政策部会の下の専門委員会ということで、環境と経済の好循環専門委員会というのが動き出しまして、そこではこれからのビジョンですね。将来の社会的なビジョンをはっきりわかりやすいものをつくるということ。それから、それを達成していくために、目標を明確にする。そのための具体的な取り組みを明らかにするということで作業が進んでおります。
 その取り組みの1つとして、こういう手続的手法を活用して、実際の実現を図っていくということは極めて重要だと思いますので、非常に関係が深い委員会の作業は別に動いておりますので、事務局は総合環境政策局でございますから、連携をとっていただければと、そのことを期待したいと思います。
 それから、ヨーロッパのほうがかなり進んでいるような説明を受けまして、実際にはそのとおりだろうと思います。したがって、ヨーロッパの状況についてよく検討していただいて、それを参考にすべきものは取り上げていくというスタンスが必要かと思います。その場合、福川さんがおっしゃいましたが、確かに企業の行動を促進するということが目的ですから、企業が自主的にやってもらうというのがベースだと思うんですが、その企業の自主的な動きに任せておいてはやはり限界があるという事項はいろいろあると思うんですね。そこをきちっと整理していただいて、それに対して、的確な対応がどういうものをとったらいいのかということで議論を進めていくことが重要ではないかと思います。
 私も今山口委員がメンションをされましたように、あるいは委員長がおっしゃいましたように、資本市場における取り組みが、あるいは金融市場も含めてですが、後れていると思います。ですから、せめても先ほどのメンションがありましたUNEPの金融宣言のようなものに、少なくともすべての金融機関が加入すると。そして具体的に自らどういう対応をとるかということを考えてもらうというのがベースだと思いますね。その上で、法的な整備が必要であればそれを考えていくということで、特に金融資本市場の分野では、両方のアプローチが必要ではないかと思っております。
 とにかく、消費者あるいは投資家等々の信頼ができるような、いろんな情報をどんどん出していただく。それを出す企業をどんどん広げていただく。そのための具体的な手法、方策が明確にされることを期待したいと思います。
 以上です。

○山本委員長 ありがとうございました。
 では、瀬田委員。

○瀬田委員 まず、第1に、佐野委員がおっしゃられましたお話、私は企業の立場から大変よく理解できます。私は、環境問題は、基本的に自主と規制のベストミックスであるであるべきだと思っておりまして、自主活動というものをできるだけ加速し、あるいはモティベートしていくような規制ということにしていただくと大変ありがたいと思います。
 欧州・アメリカに比べて進んでいるところ、後れているところ、いろいろあると思いますが、確かに規制の後れということもさることながら、一方において規制よりも自主で進めるということが進んでいけば、それこそ環境先進国という形になっていくのではないかと思います。抽象的ですが、まず自主ということについての考え方をできるだけ進めていただきたいということが第1点です。
 第2点ですが、環境問題は、将来の問題にも関連して、政治的経済的問題ではありますが、同時に、基本的に技術開発の問題と切り離して考えることはできないと思います。今科学技術基本計画等重要4分野の中に環境がはっきりと指定されております。この「環境に配慮した事業活動の促進」という本小委員会の基本として、科学技術基本計画の実行が、産学官それぞれでどういう形で進んでいるかということのレビューを1度ぜひお願いしたいと思っております。
 それから、最後に、安原委員がおっしゃられましたことを私も申し上げようと思っておりました。私共は、化学工業で将来の技術開発戦略について様々な議論をしてまいったのですが、戦略には、基本的にまずシナリオがあり、意思を加えたビジョンがあり、そして実現への道筋としてのロードマップがあるという形で全体が進んでいくものだと思います。今日、色々な視点から議論が出ていますが、全体像としてのシナリオ、ビジョン、ロードマップというものが書ければ、これは大変よい形で進んでいくのではないかと思います。
 以上でございます。

○山本委員長 ありがとうございました。
 では、最後になりましたけれども、青山委員、お願いいたします。

○青山委員 私は現在エコアクション21のパイロット事業に登録しておりまして、エコアクション21に取り組んでいます。本来ならばISO14001というのを取得する必要性も感じていまして、取るべき方向で進んではいたんですが、やはり中小事業者にとっては、人的あるいは金銭的な面でなかなか思うようにいかないというような現状もあります。また、とったとしても、私の会社そのものがなかなかISO14001のレベルに達しきるかどうかというのも、なかなかそのレベルまで達していないというのも現状です。一番大きなところが、このISO14001をとれば、自社の利益に直結してくるのかというのがなかなか見えないというところが非常にありまして、それがどうも足踏みしているような状態です。
 けれども、このエコアクション21というものの内容を見せてもらって、私も今カウンセリングの方と一緒にやっているんですが、非常にわかりやすくて、本当に取り組みやすいと思っています。これをどんどん中小事業者の方がとっていただくことによって、それで準備をして、ISO14001につなげていってもらえると本当にいいのかなというふうに思います。一般入札とか、取引先との契約というものが、このエコアクション21をとるということによって、どんどん信頼関係が引き続いてくるのであれば、本当にこれはこれで広がっていくのかなと思いますし、私たちは消費者と直接接することができる非常に最先端の事業所の1つですので、もっともっとやっぱり積極的にこういう問題に取り組んでいかなければならないなというふうに思いました。

○山本委員長 ありがとうございました。
 一当たりご意見ちょうだいしたわけでございますが、ここで事務局のほうで何かコメント。佐野課長、いかがでございますか。何かございますか。

○佐野環境経済課長 的確なご指摘をいただきましてありがとうございました。
 私どもも、こういったような事業者の、とにかくまず今日の環境問題というものを考えますと、要するに国が1つ1つの局面でああしなければいけない、こうせよということでとても対処できるものではない。自らの事業活動の形というのは、簡単に言えばご本人が一番よく存じておられるわけでございますので、そういった一番よく存じておられる方が自主的に考えていただかないとどうにもならないというところから出発しているんです。したがいまして、そういったような自主的な取り組みというのは、それもまたやはりこうしなければいけないという形でやっていただくというものではないというのは私たちも十分理解しているつもりでございます。
 ただ、一方でそれは何もしないということを意味するわけではございませんで、ではそういったことがなるべく進むような、別な言い方をすると、そういったことを皆さんがやったほうがいいなと、やるといいことになるなという形の世の中の仕組みというものを何とか整備をするという形で進めていけないかと思っておりますので、そういった問題意識の中でいろいろご指導を賜れれば幸いかと思っております。

○山本委員長 ありがとうございました。
 大変さまざまなご意見が出たわけでございまして、事務局にはたくさんの宿題がおそらく残ったのではないかと思いますが、特に私の記憶に残っているというか、印象に強く残ったのは、促進をするためのいろんな方策を私どもは考えなくてはいけないわけでありますが、実は妨げとなっているものがたくさんあると。これを何とかしなければいけない。ここを1度きちんと整理してほしいと、こういうご要望があったかと思います。
 それから、もう1つは、有害化学物質のような問題があって、これはヨーロッパ、アメリカ、それからアジアと考えると、今後日本の企業が国際展開する場合にも、ここのところをどういうふうに国家戦略を立てるかは、日本の企業の国際競争力に直結する問題でもありますし、一般国民としても、この有害化学物質の問題にどう対応していくか、リスクコミュニケーションするか、これが非常に重要な問題だと思います。
 それから、できれば、最後にはこの小委員会のまとめには、瀬田委員のご指摘のように、ビジョンがあり、シナリオがあり、ロードマップがあるというような、そういうことにまとめられれば、この製品市場、それから金融市場、資本市場、労働市場、そこのグリーン化を他国に先駆けて、日本の圧倒的優位性を発揮できるようなものを打ち出していくと。そうなれば大変よろしいかと思うんですが、そのときに大事なのは、国の役割と民間の役割。特に、民間の企業の自主性を最高度に重んじていくと。そのためにも、国と民間の役割分担をどういうふうにするか、いっぺんきちっと考えなければいけないと、こういういろんな貴重なご指摘をいただいたと思います。
 時間ももう残り少なくなったわけでございますが、最後に一言何かご発言したいという委員の方、いらっしゃいましょうか。よろしゅうございますか。

○瀬田委員 すみません、ちょっと1点。
 先ほどちょっと申し残しました。ISOのことにつきまして、限界があるとかいろんな問題が出ておりますけれども、ご承知のように、ISOの議長に、今度日本人の田中さんがなられました。したがって、日本のそういう問題意識というものは、より的確にISOのほうに伝わっていくと思いますので、ぜひそちらのほうへも話をつないで、そしてそのISOに、日本がどうすれば最も貢献できるかということを議論していきたいと思っております。

○山本委員長 ありがとうございました。
 それでは、最後に事務局のほうから、今後のスケジュールについてご説明ください。

○佐野環境経済課長 今後のスケジュールでございますが、今日の会合を設定させていただくにあたりまして、年明けぐらいに至るまで先生方のご予定をまとめて伺わせていただきました。これによりまして、当日ご都合が悪いというご回答をされた方には大変申しわけないと思っておりますが、最大公約数の日を選びまして、次回を12月2日の午前。それから次々回を12月24日の午後。それから、とりあえず最終回を年明け1月16日の午前中というふうに入れさせていただきました。
 次回は、これから検討を進めるということで、例えばこういったビジネスにかかわっておられますような方からのヒアリングをやりたいと思います。それから、今までの問題意識を踏まえました基本的な考え方や、それから非常に重要な要素であります環境報告書のガイドライン等々の基準の検討会の検討がだいぶ進んでまいりまして、この次回ではある程度のご報告ができると思っておりますので、こういったご報告もさせていただきたいと思っております。
 それから、第3回、第4回は、特にこれという内容を絞りませんで、事業活動の促進につきまして、どういった方向でどういったことからやっていったらよいかという観点から、ご議論をいただいて、第4回、最後の会合までには、1つの結論、方向性というようなものを、まとめられる範囲のものをいただければ幸いかと思っております。

○山本委員長 ありがとうございました。
 今日は、限られた時間でございまして、十分ご発言の時間がなくて、大変申しわけなく思っております。したがいまして、何か今日の段階でご意見がございましたら、後ほど事務局まで文書でご提出いただければ幸いに存じます。
 この他、事務局より何か連絡事項等ございましたら。よろしゅうございますか。

○事務局 結構でございます。

○山本委員長 それでは、以上をもちまして、本日の委員会を終了させていただきます。まことにありがとうございました。

午前11時59分 閉会

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