中央環境審議会総合環境政策部会 第5回 環境と経済の好循環専門委員会 議事録

議事内容

平成16年2月12日 午前10時00分 開会

○谷環境計画課長 それでは議事に入ります前に、お手元の配付資料のご確認をお願いいたします。
 まず資料1が委員の名簿でございます。なお、本日ご出席予定でした安井先生、山本先生が急の御用でご欠席ということで承っております。
 資料2が、環境と経済の好循環を目指した将来ビジョンの位置付けでございます。
 資料3が、このビジョンの骨子の案でございます。
 資料4は、他のビジョンの例でございます。
 資料5が関係資料でございます。
 資料6でございますが、2025年の将来像における具体的な個人や家庭の姿の例の案でございます。
 資料7が、この委員会の今後の予定案でございます。
 参考資料といたしまして、先日、中央環境審議会の方から意見具申をちょうだいいたしました「環境に配慮した事業活動の促進方策の在り方について」が参考資料で配付されております。また、委員の先生方には、第1回から第3回の委員会の議事要旨と第4回の委員会の議事要旨がございます。こちら、もしご意見がございましたら、事務局までお寄せくださいませ。足りないものはございませんでしょうか。
 本日、マイクがお二方に1つずつ置いてございますので、後ほどご発言の際は、こちらのマイクをお使いくださいませ。
 なお、本日、局長は途中退席をさせていただきます。あらかじめお断りをいたします。
 それでは、議事の進行を安原委員長にお願いいたします。

○安原委員長 安原でございます。おはようございます。
 きょうも大変お忙しいところ、委員の皆様ご出席をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、早速議事に入ってまいりたいと思います。本日は、ご案内申し上げておりますとおり、委員会報告骨子案の審議をいただく予定になっております。進め方といたしましては、事務局の方で骨子案を作成してもらいましたので、その説明をしていただきます。その後、骨子案につきまして、委員の皆様から忌憚のないご意見をいただきたいと考えております。終了時刻は12時を予定しておりますので、よろしくご協力をお願いいたします。
 それではよろしゅうございますか。カメラ撮りはこれまでということでお願いいたします。
 それでは、早速でございますが、ビジョンの骨子案につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○谷環境計画課長 まず、資料2のビジョンの位置付けから、ざっと資料7までご説明をさせていただきます。
 資料2でございますが、皆さんご存じのとおり、環境基本法を踏まえまして第1次環境基本計画が策定され、平成12年に第2次環境基本計画が策定され、そして昨年、15年6月に「環境と経済の好循環を目指して」という報告書で基本的な考え方が示されて、これらを踏まえて、ビジョンを現在ご検討いただいているわけでございます。平成16年4月を目途に、こちらの専門委員会から国民、企業、行政に対してわかりやすい将来像をご提示いただきまして、その後、中央環境審議会の総合政策部会でのご審議を経て答申をちょうだいいたします。
 これらを踏まえて、平成17年ごろを目途に第3次環境基本計画が策定され、閣議決定を行う見込みでございますが、これに基本的な考え方は基本理念へ盛り込むとともに、具体的な施策を工程表としてこちらに盛り込んでいくと、こういう位置付けでご審議をいただいているわけでございます。
 資料3が骨子案でございます。全体4つのパーツがございます。
 まず「はじめに」ということで、こちらかぎ括弧に入っておりますのは、昨年6月の懇談会の報告でございます。経緯といたしましては、昨年6月の懇談会のご報告から、「環境を良くすることが経済を発展させ、経済が活性化することによって環境も良くなっていく関係を築いていくことが重要である」という基本的な考え方をいただいております。
 そして、ビジョンを策定する必要があるということですが、こちらでは、「国民、企業、行政が一体となって実現していくため、明確でわかりやすい将来像(ビジョン)を提示する」ということになったということを「はじめに」としております。
 次に、2.日本全体が目指す方向と課題でございます。こちらは、これまで委員の先生方からご発表いただいた内容を順に書いてございます。
 まず、くらしを彩る環境のわざということで、日本の環境技術が、日本のみならず世界の環境保全に貢献する。環境ビジネスの発展が新しい雇用を創出するということで、例えば冷蔵庫、液晶テレビ、ハイブリット車などに加えて、こちらは委員長のご指摘で、建物の断熱、水素エネルギー社会の実現、大型トラック貨物輸送から鉄道、海運へモーダルシフトが進展という項目が加わっております。また、環境にやさしい製品を支える素材、そして世界最先端の環境技術を生み出す環境にやさしい日本の消費者などを例として挙げてまいります。
 指標といたしましては、まず京都議定書の目標をGDPとの比でとりまして環境効率性ということで、2010年の目標を掲げるということと、新しい数値といたしましては、環境配慮型製品を積極的に購入する人の割合ということで、2025年を目指した数値はいかがかと考えております。後ほど、こちらの数値につきましては、これまでもやってまいりましたアンケート調査の結果でございます。これの延長として考えられないかということで、後で資料の方でご説明をさせていただきます。
 課題といたしましては、環境配慮型製品・サービスの需要喚起、企業・消費者・地域間での情報交流などが挙げられます。
 (2)「もったいない」が生み出す資源。こちらは、「ごみ」を役に立つ資源に変えることにより、世界一の資源生産性を実現する。企業、NPO、地方公共団体等によるパートナーシップ社会がリサイクル社会を支えるということで、例といたしましては、使用済みペットボトルの再生、次のページにまいりまして、使用済みプラスチックの高炉還元剤としての利用、廃タイヤなどのエコセメント事業、再生製品を進んで購入する消費者を挙げています。
 指標といたしましては、1つは、これまで出されております循環型社会形成推進基本計画の目標、これを確実に達成するということ。これは後ほどまたご説明いたします。環境保全活動に参加する人の割合ということを、新たな目標として2025年で掲げられないかと書いてございます。
 課題といたしましては、リサイクル商品の需要喚起、活力あるパートナーシップ社会の確立がございます。
 3番目、自然がはぐくむ心と力。こちらはエコツーリズムの話、そして太陽光、風力など自然エネルギーの話。例といたしましても、エコツーリズムによる環境教育効果、そして自然エネルギーの例を挙げております。
 指標といたしましては、ちょっとこちらは難しくて、案を2つほどこちらで挙げさせていただきました。1つは、年に10日以上を自然の中で過ごす人の割合というのはいかがか。あるいは、余暇に自然とふれあう人という聞き方をするか。これもアンケートで聞いているのもございますんですが、目標として2025年ということです。
 課題も、エコツーリズム、自然エネルギーということです。
 この3つを通じて総合的な指標といたしまして、幅広い意味での環境関連産業の市場規模・雇用人数を2025年で上げていくということはいかがかということです。
 3番目、環境と経済の好循環が実現した社会の将来像ということで、2025年の小さな町村から大きなところへ順番に具体的なイメージを書けないかという案でございます。
 1が、自然の恵みが人を呼ぶ里。エコツアーなどのガイド、宿泊、そして地域の町の名前が環境ブランドになって地元の農産品その他がよく売れるというような、そして住民が自然エネルギーの活用や自然環境保護に取り組んでいる、こういう将来像を提示しております。
 (2)が、ものづくりのわざが循環をつくる街。例えば、これまで出てまいりました川崎の例ですとか、徳山の例ですとかございましたが、環境配慮型製品の製造やリサイクル事業により地域での雇用が生まれ、住民は環境に配慮した製品を積極的に購入したり、ゴミの資源化に熱心に取り組んでいるというものです。
 (3)が、大都会東京とか大阪とかのイメージです。環境の心で生まれ変わる都会。環境関連の新しい技術や流通・サービス、環境に配慮した金融などにより地域が活性化している。住民は地域のリサイクル活動や環境教育に参加し、長期休暇を自然と触れあって過ごしているイメージです。
 (4)が、環境が豊かさを招く世界と日本。日本で生み出された技術やライフスタイルが世界へも影響を及ぼす。そして、日本のみならず、世界の環境保全と豊かな暮らしにつながっている。例えば、太陽光発電が途上国を含め世界的に普及していくというイメージです。これをいろいろな世代の例も含めて書けないか。後で資料6でまたご説明をさせていただきます。
 4.最後は、これを今後の環境基本計画に盛り込んでいくべきだということでございます。
 資料4、他のビジョンの例を若干入れております。これはちょっと目次だけごらんいただきたいと思います。
 1ページの目次で、これまでもお配りいたしました新・生物多様性国家戦略、循環型社会のイメージ、これはお配りしたものです。
 3番目で環境保全長期計画(抜粋)がございます。これは環境庁ができて初めてつくりました昭和52年の計画でございまして、そこでは、2000年の日本がどうなっているか、イメージを冒頭にしているところがございましたので挙げております。
 4番目は、前回、浅野先生からちょうだいいたしました福岡県の環境総合基本計画で、具体的な個人とか家族の姿が出ているものでございます。
 5番目は、これは内閣府の方でできました未来生活懇談会の報告書の中から、環境関連のところを抜粋してございますけれども、これも非常に具体的な生活のイメージを、こちらは2030年ですけれども、掲げております。
 6番目に、こちらは通商産業政策ビジョンの70年代ビジョン、ちょうど環境庁ができました昭和46年に発表されたものなんですが、高度成長の日本の誇りとともに、最後にやはり基礎的な欲望が充足された結果、単なる物ではなくて、より美しい物、さらにきれいな水、澄んだ空気などを求めていく国民のニーズにこたえていくべきということが、昭和46年にうたわれております。
 資料5の関係資料でございますが、こちらは指標に関連するものをちょっと入れてございます。
 3ページをお開きいただきますと、この資料5の3ページは、「環境にやさしいライフスタイル実態調査」ということで、私どもがやっている調査でございます。「物を買うときは、環境への影響を考えてから選択している」という、それを「いつも行っている」、「だいたい行っている」、この2つを合わせますと、そこそこ増えてきているような状況が見てとれるわけですが、こういう人がもっと増えていくというような数値目標はいかがかということでございます。
 あと幾つか関連する質問項目がございますが、次に7ページを開けていただきますと、7ページは同じ実態調査なんですが、余暇に自然とふれあう人の割合。「余暇には、自然とふれあうように心かげている」という人の割合がこちらにございます。これはだんだん減ってきているという状況でございますけれども、これを増やしていくというふうな目標はないか。あるいは次の8ページでございますが、これは自然とのふれあいをどの程度行ったかという、年に何日ぐらいというような調査もこちらでございます。これで増えていくということもあるかもしれないと思っております。
 9ページ以降は、CO2とか環境効率性の話を幾つか載せております。家庭のところでいくと、やはりCO2が増えているという状況でございます。
 18ページをお開きいただきますと、18ページからが循環型社会形成推進基本計画で掲げた数値目標でございます。これには3つの目標がございまして、まず(1)が、18ページにございますのが資源生産性の向上でございます。これは、天然資源の単位投入量ごとのGDPを増やしていくという目標でございます。
 次の19ページが循環利用率でございまして、こちらは、天然資源等の投入量に循環利用を足したものを分母にいたしまして、その中で循環利用量がどのくらいの割合を示しているか。これを循環利用率を上げていこうという目標でございます。
 20ページ、3番目の目標が最終処分量を減らすという目標、この3つの目標が、循環型社会形成推進基本計画で掲げられた目標でございまして、ビジョンでも、この目標の達成を再度掲げることはいかがかと考えております。
 21ページは、環境ビジネスでございます。現在、OECDの分類に基づいた環境ビジネスの市場規模・雇用規模の推計というのがございますけれども、こちらでは、例えば、より環境にいい冷蔵庫の生産というようなものは含まれてございません。また、エコツーリズムも概念として掲げてはございますが、具体的な数値としては入っておりません。
 どちらかというと、土壌汚染の除去ですとか、そういったものが多くなっておりますけれども、より広い意味で環境の関連の市場雇用というのを考えるというのも1つのビジョンなのではないかとご提案させていただいております。
 あとは、東アジアの人口とか展望、そして委員長のご指摘で、これまで余り触れられておりませんでしたモーダルシフト、水素エネルギーの資料が最後にございます。
 資料6をごらんくださいませ。先ほどの骨子案にございました年代ごとの例を出すのはいかがかということの例でございます。世代の具体的な例が出ることによって、このビジョンをごらんの国民の皆様が、自分の将来と重ね合わせて、環境で開かれる未来について、より熱心に関心を持ってごらんいただけないかと考えた例でございます。
 まず、自然の恵みが人を呼ぶ里では、第一次石油危機のときに生まれた団塊ジュニアと言われる世代、今31歳の方が52歳になっておられます。エコツアーのガイドと環境保全型の農業でこういったところで暮らしていらっしゃる例。「我が家を、太陽光発電や高断熱のエコハウスに改築しました。快適で光熱費いらずで老後も安心と、妻にも感謝されています。もちろん家電は省エネ型、車は低公害車です」というような例です。
 ものづくりのわざが循環つくる街では、今の14歳、バブル経済絶頂期に生まれた今の中学生が35歳です。環境保全型商品製造のエンジニアをやっている人が登場できないか。「人気の環境にやさしい製品の開発で忙しく働いているので、夫や子供と島で過ごす夏休みが楽しみです。今も、島の有機野菜をおかずに出すと、食卓の会話がはずみます」という例です。
 3番目、環境の心で生まれ変わる都会。こちらでは団塊の世代、今の56歳が77歳になっています。NPOでリサイクルや川の浄化などの活動をしていて、「トンボ等の虫取りに、マンション住まいの孫がやってきます。エコファンドで老後の運用をやっています」という例です。
 4番目、環境が豊かさを招く世界と日本。ここでは今年生まれが21歳になっていて、海外ボランティアで途上国に住んでいる。大学3年生をちょっと1年スキップしてということでしょうか。「環境で豊かになることを目指すこの国のあちこちで、日本の技術が生きています。そんな国に暮らして、日本を誇りに思うようになりました」という例を挙げております。ご意見ちょうだいできればと思います。
 資料7、これまでのものと、今後の予定でございますけれども、本日骨子案をご審議いただきまして、次回3月18日の10時から、委員会の報告案のご審議をいただきます。できましたら、もしここで若干の手直し程度でよろしければ、パブリックコメントにかけることでいかがかと思っております。そして、そのパブリックコメントも踏まえまして、委員の先生方のご審議の結果あるいは書面でのコメントもいただいた上で、第7回、4月16日に委員会報告のご決定をいただけないかという案でございます。
 以上でございます。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、今説明いただきました骨子案を中心にご意見をいただきたいと思います。議論の進め方でございますが、大まかに、まず第1点はその全体の構成についてどうかということ。それから第2点が、目指す方向と課題という整理の部分ですね、それについてのご意見。それから3番目が、2025年の将来像のこの3つに分けてご発言をいただければと考えております。いろいろ重なり合うご意見が出ても、それはそれで結構でございますが、おおよそそんな感じで進めてはどうかと思っております。
 それでは、まず最初に、全体の構成につきましてご意見がございましたら、どなたからでも結構でございます。よろしくお願いします。
 天野委員。

○天野委員 先ほどの日程のお話を伺っておりますと、中身のある意見を言えるのは今回だけみたいな感じがしますので、少しこの全体のつくり方で1つ言いたいことを言わせていただきます。
 今までにも、もっと触れておくべきだったと思いますけれども、目指す方向とか、それから将来像とか、こういう議論を深めるには、私の言い方では少し欠けている面があるんじゃないかと思いました。それは、人と物の移動といいますか、それがどういう形でここに盛り込まれているのかが余りよく見えないわけです。
 地球温暖化だけの話をとりましても、民生・運輸というのは非常に大きなところでして、ここがどういうふうになっていくかということは環境省としても取り上げるべき大きな問題じゃないかなというふうに思うんですが、その中で、特に例えば都市とか、田園とか、自然と人々の生活とのかかわりという話をするときに、そういう物と人の移動を全く抜きにして、あるところはあるところで、人々が生活しているようなイメージではとても対応できないというふうに思います。
 私、少し前に読んだんですけれども、ヨーロッパの都市ですね。いろいろな都市と、それから交通といいますか、特に自動車の利用の仕方を調べた調査報告書がありまして、例えばバッドプラクティスの都市と、それからベストプラクティスの都市というので例を挙げて、例えばそのバッドプラクティスで挙がっているのはダブリンと、それからアテネ、それからベストプラクティスで挙がっているのはイタリアのボローニャと、それからヘルシンキですね。ほかにたくさん例があるんですけれども、そういう特徴的な差がどこから出てくるかというと、いろいろ要因があるんですけれども、一番大きな点は、都市が都市域内全体についての交通に関して、いわば環境交通政策というようなものをしっかりやっているか、やっていないかというところで非常に大きな差が出てくるということが、一応大きな結論としてありまして、私、環境交通政策というふうな考え方があるというのでおもしろいなと思ったわけですが。
 そういう側面が、やはりこの全体の中でどこかに入ってくるのではないか、あるいはここで取り上げられておりますいろいろな問題、そういうものでつながってくるんじゃないかという気がいたしまして、これからそういうものを入れるというのは大変かもしれませんけれども、どこかで簡単でも結構ですから、そういう視点というのを盛り込んでいただけないかなというふうに思うわけです。これは、2番と3番とどこで話をすればいいのかなと思いながら、一番最初に全体のお話ということでご指示がありましたので、ちょっとそういうことを述べさせていただきました。
 以上です。

○安原委員長 ありがとうございました。確かに重要な視点につきましてご指摘をいただきましてありがとうございました。
 この骨子案におきましても、そういうものをできるだけ入れ込んでおくべきではないかということで、事務局と相談しましたときに、運輸の関係、交通の関係をどこか具体的に出せないかということで、若干2の(1)の例のところにつけ加えてもらって、資料も若干添付していただいたということでございます。
 乗用車につきましては、ここに例として、低公害車の代表例としてハイブリット車というのが出ていますし、それからトラック輸送につきましてはモーダルシフトの進展を入れておるわけでございますが、それだけでは非常に不十分ではございますが、若干頭を出しているということでございます。これを検討事項として、どういうぐあいに実際にこの方向、課題を示していったらいいか。十分ご議論を賜れればと思います。
 崎田委員。

○崎田委員 今、交通政策というお話がありまして、私も実はその部分をきちんと入れ込んでいただいた方がいいということを感じております。
 それで、どういうふうにというときに、私が思っているのは、環境と経済の好循環のビジョンということで考えたときに、まず大事なのは、まず個人が暮らし、ライフスタイルの中できちんと実践していく。そしてその後、そういうことを地域社会の中で実践する。それが広がって社会全体にいくという、そういう暮らしとか、そういうイメージがきちんとわいてくるような形で、この報告書をまとめていくということが大事だと思うんですが、そういうときに、そこをつなぐのが交通というような形で考えていけば、人の暮らしをつなぐ、あるいは町をつなぐ、そして全国にこういう動きを展開するというときに、1つの新しい人の動きというイメージがちゃんとつながっていくのではないかなというふうに私は感じております。
 そういうことで、交通政策、本当は重要ですが、最後にそれをつなぐというような意味で、例えば大きい3番の4番にそれを入れて、5番に世界とのつながりという感じでいくとか、なんかそういうのはいかがかなというイメージで私は思っております。
 あともう一つ、この「はじめに」というところの全体像のところなんですけれども、今お話ししたように、私は国民、企業、行政が一体となってこういう社会を実現していくということは大変重要なので、ここにも書いてありますが、そしてそれをみんなが信頼を持って、こういう社会をつくり上げていくという、そういうことがきちんとこの「はじめに」のところで描くようにしていただければうれしいなと思ってまいりました。
 あと、具体的なことでちょっと幾つかあるんですが、また後にお話をいたします。ちょっと循環型社会に関して、もう少し意見を言わせてください、後ほど。

○安原委員長 ほかにどなたか。関さん、それから小倉さん。

○関委員 全体の中あるいはこの目指す方向と課題の中で触れた方がいいのかもしれませんけれども、感じたことを申し上げさせていただきたいと思います。
 企業の環境取り組みの自主的な取り組みの重要性と、それを促進する仕組みという観点なんですけれども、昨年暮れに、CSRの対話ミッションということで、私アメリカとヨーロッパにちょっと行ってきまして、そこでCSRヨーロッパという団体を訪問して話を聞いたときに、日本企業のCSRになかんずく、環境取り組みの先進性ということを非常に評価していまして、アメリカの企業は言うに及ばず、ヨーロッパの企業よりもよっぽど進んでいると。
 その進んでいる部分というのは、いわゆる環境の法規制に対応すると、あるいは環境に関する社会貢献として何かやるというのではなくて、まさにそのビジネスの中に取り込んで、企業価値を向上させるために戦略的に取り組んでいると。その取り組みの姿勢というのが一番すばらしいんじゃないかというような話がありまして、まさにそれが重要だなという感じがしています。
 したがって、何か規制をかけるとか、あるいは第三者が認証するとか、審査するとかというんじゃなくて、まさにベストプラクティスをどんどん生み出していくような、それを広めていくような、そういった自主的な取り組みを促進する仕組みというのが非常に重要じゃないかなというふうに思います。
 その1つとして、環境省の経済活動に関する懇談会の中でもありましたけれども、金融市場のグリーン化ですよね。これが大きな役割を持つんじゃないかなと。その視点がどこかに入るのかもしれませんけれども、ぜひ含めるべきではないかなという気がしました。
 SRIの話も前に申し上げましたけれども、いわゆる企業評価の価値観ですよね。これがSRIというのは、まさに多様性を持っていると。その投資哲学に対して支持されるファンドが残っていくと、そこに市場原理が働くという意味で優れているんじゃないかなということと、それから投資家と環境問題に積極的に取り組む企業との間のコミュニケーションですね。これを活発にするという機能も持っていると思うんですね。
 したがって、SRIに関する日・米・欧、イギリスですか。3カ国の意識調査のレポートが環境省から出ていたと思うんですけれども、あれを見ても、日本の投資家、個人投資家は、いわゆる企業の社会的責任に関して投資の際に考慮すべきだと考える人の割合というのは、実は9割にも達していて、この割合自体はアメリカあるいはイギリスとほぼ同じ水準にあると。しかし、現時点では、SRIファンドの規模の違いというのは明らかであると。そういう意味では、ここをもっと潜在的に、そういった投資家の意識があるということで、力を入れて好循環の仕組みをつくっていくということができるのではないかなというふうに思いました。

○安原委員長 ありがとうございました。今のご指摘も非常に重要だと思います。
 きょう、参考資料に経済活動のレポートが付されておりますが、ここで、この専門委員会でもいろいろ議論していただいた企業と消費者の間をつなぐ環境情報がうまく流れて、それに消費者が反応してもらう、市場が反応してもらうということが非常に重要だというご議論ございまして、それが具体的には環境報告書の充実ということで、この別の委員会で議論されまして、それが提言されております。できるだけ環境情報を企業からどんどん出してもらう。その出したものが、非常に内容が信頼性のあるものにしていく。それに応じて、消費者を初めとする市場で、それに反応した対応を示してもらうと、そういうことを全体としてプッシュしていこうという仕組みの提言でございます。
 ここでも、ちょっと頭出しとしまして、2の(1)の課題のところの企業・消費者・地域間の情報交流、これがそのつもりで、そこを肉づけするつもりでここを頭出ししております。
 それからあと、金融がそういう具合に、非常に全体を促進する効果が強いというのはおっしゃるとおりでございますので、この金融の方でそういうことをどんどん配慮した企業にきちっと考慮して、融資とか資金供給なんかをやっていただくように期待するということでございまして、この3ページの(3)の1行目の最後のところに「環境に配慮した金融業等により地域が活性化している」という、ここでも、そのことを意識して頭出しをしていただいております。
 それでは、小倉委員、どうぞ。

○小倉委員 このまとめは、例えば2番は、要は環境にいいことをやっていっていますねと、要するに絶対的に環境にいいことをやりましょうと。そうすると、結果として3に将来像ができますということで、いきなりやれば、この将来像に結びつくというふうにちょっと見えるんですが。
 実は、その間に、好循環ということの委員会なので、要するに循環ということを考える必要があるのではないかと。それはどういうことかと言いますと、例えばCO2の非常にいい商品をつくったとします。その商品がいいゆえに、2台も3台も買ったとしますね。そうすると、結果的にトータルでCO2は増えていっちゃうわけです。それは、ある意味でそれは悪い例で、悪循環ということになっちゃうんですが、逆のケースも当然ありますし、それから例えばサプライチェーンマネージメントをつくったときに、物流は増えてCO2は増えるけれども、製造側でCO2が減るから、トータルでは減るかもしれないし。そういった、いわゆる循環というものを考えたときに、CO2でもリサイクルでも同じなんですが、好循環というのはどうあるべきなのかという視点を考える必要があるのではないかなと。
 1つは、そういった意味では、結局我々が生活する上では、当然便利さを追求するわけで、便利さを追求すれば追求するほど、逆に環境に負荷を与えるケースが非常にあると。絶対値の環境にいいことをやったとしても、結果として便利さを追求すると、トータルで上がってしまうと。こういう問題もあるということからすると、やはり絶対的にいいことをやることを、どう好循環にするという議論があって、それで初めてこの将来像が出てくるのではないかなということで、その途中の好循環に関する視点というのが要るのではないかなということでございます。
 以上です。

○安原委員長 ありがとうございました。新しい視点を指摘していただきまして、ありがとうございました。
 単位当たりとしてよくなっても、量が増えることによってトータルとしては悪化するケースがあるのは、そのとおりだと思います。それにどういう考えの整理をするか、これからの議論だと思います。
 一方で、そういういい技術が開発されて、これをどんどん使ってもらえばいいということがわかっていても、その既存の技術にかかっているコストの方が安くて、なかなか初期需要が増えないためにコストが下がらない。したがって普及しない、いいものが使われないという面もございます。これをどういうぐあいに、普及自体もどうしたら促進できるかという逆の点も論点としてあろうかと思います。そこら辺はこれから議論をしていただきたいと思います。
 それでは、辻委員どうぞ。

○辻委員 先ほどおっしゃいましたように、1番から2番に入るところで、明確でわかりやすい将来ビジョンを提示すると書いてあるんですけれども、ここはやはり一工夫要るんじゃないのかなと思います。
 先生方の皆さんもよくご存じのとおり、アメリカで情報スーパーハイウェイ構想というのが92年に発表されました。国民から見ると大変わかりやすく、それでIT革命が急速に進んだというのは覚えておられるだろうと思うんですけれども、国民がやはりわかったと、よし、そのために頑張ろうと、そういうふうに立ち上がれるような、そういう魅力的な未来図が1つここの中で要るのではないのかと思います。
 したがって、そういう点から考えると、これは皆さんの方でお考えいただきたいことなんですけれども、我が国は環境と経済をスパイラルに循環させる。どんな国を目指すのかという、そういう表現が、このスーパーハイウェイじゃありませんけれども、はっきりここで1つ言っておく必要があるのではないのかと思います。
 これは1つ、私の考えなんですけれども、4回の委員会をずっと見ていって、やはり美しく、そして健やかで、そしてかつ豊かな環境先進国にしようと。環境立国と言いますと環境だけになりますので、やはり環境先進国づくりをしようと、こういうイメージが何となくわかるような、そういうグランドデザインが1つ要るのではないのかなと思うのでありますが。
 そういう環境づくりをしていくための、「美しく」ということは、例えばこれは先生方いろいろおっしゃっていました自然の美しさもさることながら、そういうものとともに、私たちが言っておりました省資源でありますとか、省エネでありますとか、いろいろな省無駄、無理、あるいは技術と経済の進化、そういうものを含めて広くとらえて美しくというふうに言ってはどうなんだろうかなと。
 我が国も、工業化のときは猛烈にこれをやりましたね。しかし、猛烈にやったときに、一部の先生方からビューティフルにやれというようなことも言われたと思うんですけれども、今はそういうところに来ているのではないのかなと。そういう面では、その美しくという意味は、そういうことを踏まえたものになるのではないかなと。
 例えば、2つ目に「健やか」ということを言いましたけれども、これは自然の中で健康的な生活をするという自然の恵み、そういうものとあわせて、やはり医療福祉の向上、これが1つあるんだろうと。日本はご承知のとおり、世界一の長寿国でありますけれども、その長寿国は今後ともやはり続けていかなければならないし、そのために健やかさへの総合的な取り組みを強化していくという、のんびりぼーっとしているんじゃなくて、強化していくという意味も含めて、長続きさせていきたいなという、そういう国でありたいなと。
 「豊かな環境先進国」というふうに申し上げましたけれども、これは経済の豊かさですから、心の豊かさも新しい豊かさも両方踏まえてやらなければならないのでございますけれども、そういう意味で、何かこう美しく健やかで豊かな環境先進国づくりを目指していきたいんだという意味が、この真ん中の課題に入る前にあって、その結果、2番のところの課題に入っていくということがあってはいいのかなというふうに思うんですけれども、ご検討いただければ幸いです。

○安原委員長 ありがとうございます。これもまた非常に重要なご指摘でございます。よく検討させていただきます。
 深尾委員、それから筒見委員。

○深尾委員 今までに委員の皆さんがおっしゃったことと関連する部分もかなりあるんですが。
 まず、環境と経済といったときに、やはり重要なのは、その日本の経済というのが今どういう状況で、例えば2025年でも結構なんですが、2050年でも結構ですけれども、その段階に日本の経済を何が支えているのかという視点がないと、やはり空論に近いものになるような気がするんですね。
 ざっとお送りいただいた資料を昨日も見させていただいたんですが、ポイント、ポイントを抜き出していて全体感がないと。つまり日本の経済を世界の中でどう位置付けて、世界との連携をどうしていくのかと。一部出てきているのは、環境で得たものを世界に貢献していくということが出ているわけですけれども、そうではなくて、日本の経済というのをどう支えていくのか、この世界との連携の中でですね。そういったものに対する視点が欠けているような気がしています。
 これは、技術開発の部分でも同じなんですけれども、じゃ日本は世界に比べてどこが優れているのかと。そういう視点に基づいて、どういう技術開発を進めていくのかといったところが加味されていかないと、ビジョンとならないのではないかというか、解決策が見出せないのではないかという気がしました。
 それと、天野先生のお話にかなり近いと思うんですが、最終的にいろいろな暮らしぶりというのが指摘されているんですけれども、じゃそれを受け入れるキャパシティーといいますか、何がどう受け入れるのかといったことを考えると、非常に特殊な人たちの事例を挙げられているような気がしてしまうんですね。
 これは、辻委員がおっしゃったのと似ているんですが、全体として、日本の美しさとか健やかさをどういうふうに構築していくのかと。そのために、恐らくこれを本当に実現しようとすると、都市再生とか都市の再構築みたいなことを相当やらないといけないと思うんですが、そういった意味での触れ方というのが、全体を読ませていただいても、参考資料を見ても余り触れられていないと。この辺を、環境省の委員会ですから、余り経済とか都市の再構築ということを言いづらいのかもしれませんけれども、抜きにして議論をすると、一部の好事家のための暮らしを提供しているというようなことになりかねないのではないかなということが懸念されまして、そういった視点をぜひ入れていただきたいなと思います。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして筒見さん。

○筒見委員 全体構成のコメントということなんですが、私も今、辻委員のおっしゃったような構成であるべきかなというふうに感じております。
 まず、好循環ビジョンということなので、最初にやはりすばらしいこういうビジョン、こういう社会を何年後かに目指すんですという、やはりそういうのがはっきりあって、それがここでいう3番のところの内容のような、より具体的に示していることでよろしいのかと思います。
 ただ問題は、それを実現するためにはということで、次の課題というのが出てくると思うんですが、これはやはり正直言って、もう少し厳しめにむしろ書くべきではないのかなと。要するに、先がよりいいことがあるがゆえに、現在はやはりみんな努力して厳しくやっていかなきゃいけないということかなと思うんですね。
 例えば、資源効率性を高めるという、これは非常にこう言えば美しい言葉なんですが、これを実際にミクロレベルで達成しようと思うと、かなり経済合理性を追求する場合、例えば地域住民の方が我慢をしなきゃいけない部分が出てくるんですね。例えば、ごみのリサイクル設備にしろ、エコセメント設備にしろ、そういうものをつくるといったときに、やはり今現状のミクロ社会で言えば、まずほとんど大反対が起こります。それでできなくなります。そういうようなことが、要は環境問題の最大の問題を、私はノット・イン・マイ・バックヤードというその言葉に象徴されると思うんですが、やはりそういうところを少しずつお互いに我慢し合っていくという、なんかそういう国民的合意というんですか、を少しずつつくっていかないと、このビジョンは達成できませんという、そういうタッチが必要なんじゃないかなというふうに感じました。
 以上です。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、園田委員。

○園田委員 今までの委員が言われたのと別の観点といいますか、同じようなことを言われているような気はするんですが、辻委員が言われた大きな何か引っ張るビジョン、私も非常に同感でございます。
 あと、もう少し私どもの見方からいきますと、ビジョンの2つ目の国民、企業、行政が一体となってというところが、私は一番大事な役割ではないかなと。それだけに、企業は何するのか、行政は何するのか、また皆さん国民に何をさせるのか、そういう役割分担というのが少し仕掛けの部分で明確にする必要があるんじゃないかなというのが1点目でございます。
 2点目は、深尾さんが言われたのとちょっと言い方は別なんですが、グローバルです、世界への発信ということです。日本が進んでいる、遅れている、いろいろな部分はあると思いますけれども、進んでいる部分は確実に私はあると思っていますので、その部分をぜひ世界に向かって発信できる、後ろの方には少しそういうことが書いてあるんですけれども、もっと国策として逆に海外に訴えかけられるような、そんな見方をぜひ取り入れていかねばならんなというふうに思っています。
 以上でございます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、和気さん、お願いいたします。

○和気委員 もう既に各先生方からのお話の中に入っておりますが、3点ほどコメントさせていただきたいんですが。
 1つは、この「はじめに」と2.の間に何かが欲しいというのが、私もほかの先生方の意見と同感でございまして、特に社会の隅々まで、この環境と経済の好循環というイメージがしみ込むようなシステムをどうやったらつくれるのかということをみんなで考えていこうという、その種の問題提起が多分、1つの文章でいいかどうかは別として、欲しいなというところでございます。
 それから2つ目は、2.の(1)の技術のところなんですが、当然2025年、2030年ぐらいをめどに経済の発展を見ると、どうしても技術振興というのが非常に重要な柱になってまいります。どういう方法で日本の技術進歩が起こっていくかという、これはミクロの次元でいろいろな新しい技術が開発されていくわけです。別に環境技術に限ったことではないわけです。
 そのときに、いろいろな技術進歩が、芽が出たり、育ったり、あるいは花が咲いたりするようになったりするわけですけれども、そこの部分の中に少し環境に悪影響があるようなものもあり得るかもしれない。そういうまず全体の技術進歩に対して、環境という評価軸で1つ制約と言うと、ちょっとこれネガティブになってしまうんですけれども、より環境に負荷を与えない方向で技術進歩が進むような1つ仕掛けをみんなでつくっていこうと。
 そして、それにさらに今度は積極的に環境保全をビジネスとして展開できるような、あるいは国際競争力を持つような環境技術の進歩にどう寄与していくかと。全体としては、この効果はあり得るだろうというような──もちろん新しい技術が生まれれば、古い技術が受け入れていくことになりますから、その新陳代謝の中でネットの雇用効果の問題を考えなきゃなりませんけれども、新しい雇用の創出も期待できるだろうという意味で、この技術進歩の部分を、もう少し経済発展の中での技術進歩と。それが環境ビジネスを支える技術というところで少し分けてみた方がいいんじゃないかなというのが(1)のところです。
 それにかかわるかもしれないんですけれども、委員長がおっしゃられた情報のところなんですが、確かにここで環境情報というのはとても重要な柱になってくると思うんです。新しい技術が進歩する場合に、当然どんなことが起こるか、かなり不確実性があるわけですし、リスクもある。そのリスクコミュニケーションをどういうふうな仕掛けで議論していくかと、社会の隅々の中でリスクに、この種の環境リスクにかかわるコミュニケーションシステムをどうするかということが、情報交流という言葉で示されておりますけれども、ここには行政も含めてネット上でやるとか、そういうシステムもあるのではないかと、これから2020年、30年の視野で見るとというふうに思います。
 それから、2.の(3)のところで、自然がはぐくむ心と力というところで、まさしくこういうふうになればいいなと思いつつも、どうやったら、こういう方向にいくのかというときに、最近よく私たち経済の分野で共同消費の喜びというのを、決して新しい概念じゃないんですけれども、みんなで一緒にいろいろなことを分かち合って、それが1つの消費の喜びだと。
 したがって、そのコミュニティの中で同じものをみんなで共有する、これはサービスでも物でもいいんですけれども、そういう共同消費の喜びというのが一方あると、独占的に自分たちが消費をする喜び、プラスコミュニティでみんなで何かをやると。エコツーリズムもそうです、1人だけではなくて、みんなでやる。そういうような何か新しい消費の喜びを、自然と一体となったコミュニティの中で感じ取るというようなことも、実は消費と経済活動の中にコミュニティの管理も入ってくるのではないかということで(3)、そんなところでもし議論が展開できれば、これはこれで大変いいんじゃないかというふうに思います。
 それから3つ目の点は、2025年の各世代の具体的な個人や家庭の姿ですが、これは天野先生からもご指摘があったように、ちょっとある部分を切り取り過ぎているような気もしないでもなくて、これで皆さんがこのメッセージをどう受けとめるかということについて、ちょっと不安がございますので、この具体的なイメージについてはもうちょっと議論した方がいいんじゃないかなというふうに思いました。
 以上です。

○安原委員長 ありがとうございました。

○辻委員 ちょっと今関連して先生にお聞きしたいんですけれども、このビジョンの打ち出しを機会に、例えば大学で環境経済工学というような、そういう学問領域はできないんでしょうか。というのは、環境先進国で世界を引っ張っていこうというふうなことをするならば、そういう大学の関連の中で、ロースクールで騒いでいますよね、遅ればせながらやろうとしている。しかし、環境の問題については、ロースクールに次いで大事なんだということで、大学でいろいろ立ち上がっていただけると、これはありがたいなと思いますが。
 ただ、私たちは物をつくっていましたでしょう。ところが、リサイクルということが全然わからないんですね。本当に約10年間かかっていろいろなものをつくり上げてきたわけですね。だから、そういう面では、学問的にもやはり1つあっていいんじゃないのかなというふうな感じがするのです。最近できたかもわかりませんけれども、環境学というのは余りないんですよね、大学をずっと調べてみると。もっとそれを発展させて、もっと上の方でロースクールに次ぐような、そういう学問領域も一緒にやるんだということになってきますと、大分変わるんじゃないのかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○浅野委員 環境を専門と標榜する大学の学部や大学院の研究科は大層増えています。実は多数あるんです。問題は中身だと思います。つまり文部科学省は、国際か環境といえば設置を認めるという時期があったようで、もともと環境は何もやっていなかった人までが生き延びるために環境専門と言っているようにも見うけられます。冠だけ環境と名づけるというような形のものがなくもないわけです。しかし、真面目にやっているところは、結構真面目にやっていまして、今、辻委員がおっしゃるような意味では、私の見るところ、工学系の人はすごく社会科学的なサーベイをしなきゃいけないという認識を持っておられる。それから経済系の人たちも、意外と技術に対する知識がないとだめだという認識をしっかり持っておられる。つまり、この2つの領域ではかなり融合の現象が起こっているなと思えます。
 例えば天野先生も入っていて私も入っています環境経済政策学会は、会員のうち半分以上は理系の人です。そういう意味では、今おっしゃるようなことが現実にもう既に動きつつありますが、この動きをどうこれから縦割りでない形で広げていくかということが課題です。別のところで環境研究のためのプロジェクトをいろいろ動かしていますけれども、この点は常に意識をしている点です。

○辻委員 ただ、2025年とか、2010年に目標を決めてやっていこうと思うと、問題は人材なんですが、これがやはり日本は遅れているんですね。だからそういう点で、人材づくりという点で含めて申し上げたんですけれども。

○浅野委員 たしかに、このビジョンの中にぜひそういうようなことを入れるということは大事なことではないかと思いますし、2025年まで現役ではいないんですけれども、大学に身を置く者としては大変ありがたいと思います。
 ところで、今までのお話をいろいろ伺っていて、最初に崎田委員がおっしゃったこと、天野先生がおっしゃったことに関して申しますと、前にいろいろキーワードを入れる箱のようなものをお示ししたことがありますが、これにキーワードを入れて考えるという発想ががとりまとめの根底にあるわけですが、あのときに横断的な視点は当然あっていいだろうと申し上げました。ここでは横断的なものの考え方がいきなり世界・国際という観点の方へいってしまっており、国内での3つのステージを考えた横断的な整理というのがはっきりしていないような気がいたします。
 そこで、天野委員も、崎田委員も交通のところをとおっしゃったんですが、それと同時に、この専門委員会で一貫して指摘されているのは情報の問題だと思います。それが(3)で全部一緒になってしまっているんですが、ここのあたりはもうちょっと工夫をして、全部のステージに横断的に出てくるものという位置付けをすることが十分可能だと思いますから、さらに検討していく必要があると思います。それから辻委員を初め多くの方々からの、1つの短い言葉でわかるようなキャッチフレーズ的なイメージをつくっていくというご提案は、確かに賛否両論、毀誉褒貶、出せば必ず叩かれるということを覚悟の上であれば、やったらいいんだろうと思います。
 辻委員のご提案については、今さら先進国かねというような批判を受けそうな気もしますが、しかし、例えばある自治体では、今さらと言いながら、環境首都を目指すと言って最近になって動き始めていますから、わかりやすいと言えばわかりやすいわけです。これは事務局も、非常に奥深い含蓄のあるご提案であったわけですから、お忘れにならないで、これを検討させて頂くことが必要だろうと思います。また和気委員がおっしゃった技術について2つの側面ということも、確かにこれが欠けていて、やや環境ビジネス、環境技術という面だけに片寄った印象がありますから、全体の中での環境負荷の少ないという認識がなければいけないというご指摘はおっしゃるとおりだろうと思いました。
 さて、最初に事務局からご提案がありましたように、今回専門委員会の取りまとめの報告としては、これですべてのシナリオを書き上げてしまうということは無理ですから、段取りのようなこと、具体的に何をやらなきゃいけないのかということは若干先送りになってしまってもしようがないかなと思います。それは次の環境基本計画、第3次基本計画、もうあと1年半ぐらいで検討を始めなきゃいけないことになりますから、そこの中にしっかり材料を入れ込むことができるようにここで議論していくということになると思います。
 それはそれとしても、確かに具体化・実現の道筋を何も考えないで、夢だけをはなばなしく述べるのが本当にいいのかと、こう言われると、確かにそういう面もないわけではないと思います。反省も込めてですが、循環基本計画をできるだけコンパクトにつくれと言ってつくった結果、どうも道筋がはっきりしないという恨みがあるわけで、今回もそれと同じようになっては困ると思うわけです。しかし、とりあえずはっきりとビジョンを出すということが意外と不得手な「この国」でありますので、通常、この参考資料でいろいろ出ているビジョンは、その後に続く計画や施策とつながらないものが少なくないんですが、今回の報告はちゃんと環境基本計画というビジョンに続くものが存在しているということは確認し、このビジョンの中にすべてを盛り込んでしまおうとすると、余りにもビジョンとしてはわかりにくくなってしまうように思われる。むしろ辻委員がおっしゃったように、コンパクトに短い言葉ではっきりイメージを明確に出すということに力を入れるということが大事なことだろうと思います。
 後の方にある個人や家庭の姿を例にしてイメージを描くというやり方は、確かになかなか難しいと思いますが、参考として、資料4の他のビジョンの例で出ております福岡県の計画です。資料4の11ページ以下でありまして、ここで引用していただいているのは13ページ以下ですが、同じような発想でやってみたわけですが、これは10年後をイメージしての話ですので、余り長期的な見通しとは言えませんし、書いてあることが本当に適切かどうかわからないというような面もあります。ただ、こういう書き方をしてみた気持ちは、中学生ぐらいがおもしろがって読んでくれるようなものはないのかなというのでやってみたということです。これまでの行政計画に対する私たちの感覚からいうと、余りにも突拍子もないことをやっているなとは思いましたが、まあやって見るかということでやったわけです。
 その経験から言いますと、この種のこういう形の試みをするときには、余り今の常識にこだわってしまうとおもしろみがないということは言えると思います。しかし、それにしても読むのは今の人ですから、全く現実的でないこと、こんなものは全くの他人のことだねというようなものでも困ると思います。福岡県の計画は10年後を考えたわけですから何とか書けたんですが、25年先のことを書けと言われると、なかなかきつい面があるとは思いつつも、やはり前段の方で掲げているイメージあるいはある種の道筋として皆さんがお考えになっているようなことを織り込んでいくことによって、何とか25年後の姿にたどり着かなきゃいけないだろうなと思われます。今のところは、事務局ではアイデアをこうと出しただけの段階であり、こういうスタイルでやってみたい、こんな人を出したらどうかというにとどまっています。職業、従事している仕事も何となく理想で書かれている面がありますから、ここは少し議論をいただいたらいいのではないかと思います。
 循環基本計画でも、実は同じような将来イメージみたいなものを言葉で書いたんですけれども、これも正直言うとかなりつらいところがあって、書いてはみたけれども、うーんという部分もないわけではない。
 それから、やはりこと志に反して、結構今の生活に引きづられ過ぎていて、しかもしつこいという印象もあります。短い言葉でイメージを述べておいて、こっち側の方はある程度詳しくいろいろな思いのたけを詳しくのべてて、読み物として読んでもらうというように腹を決めるのか、ここもやはり短い言葉でイメージがつかめるようなものにし、少々飛躍があってもいいと割り切るか。どっちがいいのかは少し迷うところです。総じて言うと、まあこういうものは長くない方が読んでもらえる可能性が高いという気はするんですね。
 福岡県のは、これは抜粋でありまして、もっと長いんですが、それをどう使うかというと、学校の教材ぐらいで使ってもらおう、あるいは公民館なんかでみんなにおもしろがって読んでもらおうというようなイメージで作られています。この部分はそれ自体が計画の本体そのものというよりも、計画の本体はちゃんと別にあるという前提でつくったということを申し上げておきたいと思います。

○安原委員長 ありがとうございました。
 全体の構成につきまして、大変数多くの貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。もうおっしゃる点はみなもっともだと感じておりますので、どういうぐあいに文章化できるか、いろいろ事務局にやっていただきたいと思っておりますが、できるだけ今いただきました意見を織り込んで、また文書の形にして次回ご検討いただきたいと思っておりますが。
 全体のまとめも、今、浅野委員からある程度やっていただいたとおりだと思います。確かに、委員会の時間の制約もありますので、非常に完全な形で全部を漏れなくビジョンを出していくというのはなかなか難しい。ある程度重点的な分野について、きちっとしたビジョンを出していくということにならざるを得ないと思います。
 それと、それを実現するための本当に検討課題とか、そのロードマップとか、そういうのがないと、実際にはそれが担保されないわけでございますけれども、なかなかそれまで入れないと。とにかくこの2025年にこうあってほしいと思うような望ましい姿をきちっとわかりやすく書いてみようということでございますので、そこはある程度先送りにせざるを得ない。
 そこのところは、この資料の2のところで簡単に示しましたように、結局は将来像を提示して、それを具体化する工程表等の具体的な部分につきましては、次の環境基本計画の見直し・策定、これの作業に譲ろうということでございます。そこで十分にきちっと検討し、環境基本計画にそういうものを入れてもらえるような素材を、非常にわかりやすい形で将来像として示そうということでございますので、そういうことで取りまとめをさらに皆さんの意見を踏まえながら進めていきたいと思います。
 もうかなり大きなところのご意見はいただいたわけでございますが、せっかくでございますので、あと日本全体が目指す方向と課題というところの部分につきまして、もう少し各論的なご意見がいただけるようでございましたら、お願いしたいと思います。
 崎田さん、その後天野さん。

○崎田委員 この2番の各論のところなんですけれども、これを文章で書いていくのか、絵で書いていくのかで大分イメージは違ってくる話なんですけれども。実は、これを読ませていただいたときに、どういう具体例を入れていくかというので、随分また印象が違うだろうなというような印象も実はいたしました。
 なぜそう思ったかと言いますと、例えば1番のくらしを彩る環境のわざというのを見ていましたときに、もし今私たちがイメージしている家とかビル、建物ということで、その中にこういう新しいわざを入れていくと考えるのと、例えば自然エネルギーとか風とか、そういうことを最大限に生かした環境共生型の住宅とか、ビルとか、日差しをきちんと方向を考えてビルをつくるとか、そういうことを考えた上での中の機械をイメージするかというので、ちょっとまたその環境効率というか、ライフスタイルとか、ライフスタイルそのものが随分イメージが違ってくるなと思うんです。
 ですから、2025年というのをイメージしたときに、やはりそういうトータルな人と自然の共生する社会をイメージした中でのこのわざというあたりを見据えていった方がいいかなというふうに感じております。
 そのときに、あとその中につなぐときに、課題ということで情報ということがきちんと出ておりますが、先ほど来皆さんのお話にありますように、本当にこういうときに、企業の皆さんの取り組み、あるいは製品情報と消費者とか、そういうものがつながるためにどんな情報整備をしたらいいのか、あるいはいろいろお話があった、これからの雑誌とか、新聞とか、本とか、いろいろなものの出版の傾向などもあるかもしれません。あるいは金融の話などもありましたけれども、そういうしっかりした情報が交流するような、そういう具体的なものをもう少し入れていくとか、なんかそういうようなここでの具体化というのも必要なんだというふうに感じております。
 あと、その次の「もったいない」が生み出す資源のところなんですけれども、ここもやはり今の社会状況を考えてリサイクルとか、そういうことを考えた感じがここに出ていると思うんですが、2025年を考えれば、もう少し資源そのものを大切にするという循環型社会形成推進基本計画そのものの、はっきり言えば、資源そのものから大切にしていく、3Rと適正処理という、そういうようなことで社会を今大きくつくっていこうというようなことで動き始めている、こういうような社会に向かっているんだということをイメージしながら描くということが1つ必要かと思います。
 そういうことで言えば、例えばリデュース・リユース部分の技術とか物とか、そういうところ、あるいはそれに関する商業形態というんですか、レンタルとか修理とか、レンタルリースとか、そういう新しい産業というのも増えてくると思いますし、その辺の描き方を、この「もったいない」というところはかなり気をつけてみんなで描いていった方がよろしいのではないかなという感じがいたしました。
 ですから、それに伴って、次の課題のリサイクル商品の需要喚起とか、そういうところも、例えばリターナブル製品の生活への定着とか、そういうようなことを踏まえた上で使ったもののリサイクルとか、そういうものの話が出てくるんだと思っております。そういうふうに、イメージを2025年という、少し見据えた形の方がいいと思います。
 それで、3番目のエコツーリズムに関しても、大変重要なところなので、こういうことを入れておくのはいいと思うんですが、やはりツアーで行くとか、そういうのだけではなくて、自然とふれあって暮らしていくとか、あるいは地域社会の暮らし方とか伝統文化、そういうものと一緒にふれあって暮らしていく。都市と近隣地域との暮らしがもっともっと交流していくような、そういう社会になっていくと思いますし、そういうような形できちんと描いていく。単にツアーという印象、動くという印象よりは、そこで人がともに暮らしていくという印象があった方がよろしいかと思っております。そういうような形で、少し2025年というのをイメージしながら考えていった方がよろしいかなというふうに提案をさせていただきます。
 それと、先ほど来お話がありました、それをつなぐために人が大事ということで、ここにその部分をどこまで書き込むかはあれですけれども、本当に環境学習、環境活動とか、そういうものがこれから今作戦としては大変重要なところですし、2025年は、私は活動と暮らしというのが余り分かれていない。もう当然のように、暮らしの中で取り入れていくという、なんかそういうような時代になっているんじゃないかなという印象を私は持っております。

○安原委員長 ありがとうございます。
 天野委員、その後黒須委員お願いします。

○天野委員 この骨子案ができる前に、環境省の方へ少し意見をお送りしたんですけれども、ちゃんと理解をしていただけなくて、余り取り込んでいただいていないんですが。
 それは、特に2の(1)のところで終わりの方に、環境配慮型製品・サービスというのを入れていただきました。これ実は、環境経済の好循環ということで、欧米では非常に広く言われており、実際に実行されております。産業界が取り組んでいるものの1つに、サービサイジングという概念があるわけですね。これは製品のサービス化というふうに言われますけれども、製品をやめてしまって、かわりにサービス産業をつくるというのでは全くなくて、現在ある製品のサービスを提供する仕方をよりよく変えることによって、使う人のメリットが高まって、同時に環境負荷が下がると。まさに経済と環境の好循環というのをやりましょうという取り組みがあるわけですね。
 先ほど小倉委員の方から、サプライチェーンの仕組みを変えることによって、そういう方法があるんだというお話がありましたが、まさにそういうことでして、1つのサプライチェーン全体を輪切りにしますと、こういうことは起こらないんだけれども、全部通して考えることによって、環境負荷が非常に下がると同時に、提供できるサービスや製品を持っている機能というのはもっと高まると。ですから、それがビジネスになるわけですから、新しいビジネスモデルということで、広く使われ始めているということなんです。
 そのことをぜひこの2のところに盛り込んでほしいということで、製品だけを強調するのではなくて、ここでは製品・サービスとなっておりますが、できればサービサイジングという表現を入れていただきたいんですけれども、これは普通の人にはわかりにくい話ですから、製品とサービスの組み合わせ方を変えることで、環境と経済の好循環を起こす取組みはいろいろ例があると。これはもう実例は無数にありますので、具体的にそういう例を挙げていただいて、そういう方向で取り組みを進めるという表現をしていただければというふうに思う。
 よく製品のサービス化と言いますと、製品をやめてしまうのかということで非常に反対が出てくるんですが、実は全く誤解でありまして、製品そのものは残っているわけですね。その製品を、それを使う人に提供するサービスの提供の仕方を変えるだけでして、これはコピー機はまさにそうですね。コピー機というのは買うわけではありません。ただコピーをとるという機能、あるいは会社によってはドキュメントをつくるサービスを提供しているというわけです。機械は会社が持っているわけです。だから、皆さん機械を買うわけではありませんので、そういうふうな形態のサービス化というのがいろいろなところで出てくる。
 それから、ヨーロッパの方では、同じことがもう少し一般的に、製品とサービスの組み合わせを全体的にシステム化するというので、製品サービスシステムという言い方をしております。その中には、このサービサイジングも入っております。それ以外に、先ほどどなたかおっしゃいましたけれども、コミュニティで一緒に持とうという話があるわけですね。これシェアリングというんですが。日本語では私有と共有というのがあるんですけれども、シェアリングに相当するものはないわけですね。共有というのは、共有財、公共財ですから、1人だけひとり占めできないんですが、そのシェアというのは使っている間はひとり占めしているわけですから、私はそれを分有と言っているんですけれども、分けて持つという、そういう分有みたいなものも、この製品サービスシステムの中に入っておりますので、そういう取り組みを、このコミュニティを生み出すことによって、物はちゃんとあって、そのものの提供する機能が、1人ではできないような仕方で利用できるというので、これもビジネスになるわけでして、そういうふうな話をもう少し具体的にこの中に取り込んでいただければと思います。
 これは、今は消費者対象の話ですけれども、企業と企業、サプライチェーンの企業同士の取り引きの中では、特に化学品ですね。特に有害な化学物質とか、廃棄物処理が大変難しい化学物質については、化学薬品のメーカーと、それからその使用者とが一緒になって、廃棄量が減る、それから大気中の放出量が減る、さまざまな環境負荷の削減ができて、しかもその分コストが下がるわけですから、お互いに利益を上げると、こういうビジネスはいっぱいありますので、ぜひそういう取り組みをここで入れていただきたく思います。
 ずっとそういうのが広がっていきますと、例えば最初の部分で、環境と豊かな社会を分かち合う、そういう国づくりをしようというふうな発想も出てくるんじゃないかというふうに思いますので、その辺は、単に製品・サービスというふうに中黒でつなげて、それで終わりというのではなくて、ちゃんと中身を書いていただきたいというふうに思います。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、黒須委員、どうぞ。

○黒須委員 「もったいない」が生み出す資源の項なんですけれども、今ごみ問題を大変重要な課題として取り組んでいる自治体としての主張を申し上げたい。
 これ、やはり大事なことは川上対策だと思うんですね。これを明確に掲げることが必要じゃないかというふうに私感じているんですけれども。すなわち、この発生抑制を促進する社会的仕組みですね。これはごみとならない製品をいかにつくっていくかという、このことが私大事なことだというふうに思っておりまして、廃棄物の発生が少ない商品が市場で流通して、たとえ少しコスト的に高くても、消費者がエコ商品を積極的に選択して大事に長く使っていく社会を実現するという、これが大事なことなんじゃないかというように感じているんですね。
 この発生抑制を促進する社会的仕組みでもっとも重要なことが私2つあると思うんですけれども、1つは、拡大生産者責任の強化ということが1つ。それからもう一つは、エコ商品の需要拡大と、その環境に配慮した事業者が報われる仕組みづくりだろうと思っているんです。
 最初の拡大生産者責任の強化という点では、地方自治体が税金によって分別収集あるいは保管の役割を担っている間は、私は事業者に製品の開発段階で最終的にごみとなるものを削減しようという、そのインセンティブが十分に働かないんじゃないかと、そういう感じがしているんです。拡大生産者責任の考え方に基づいて、現行の容器リサイクル法を抜本的に改正するなどによって、生産者が製品設計において環境に対する配慮を織り込むこと、あるいはまた廃棄された製品の引き取り、リサイクルを実施することで、その廃棄物の発生が少ない商品が市場で流通する、このことが望ましいんじゃないかというふうに感じています。
 それから、もう一つの環境に配慮した事業者が報われる仕組みづくりですけれども、これはエコ商品あるいはリサイクル製品などが市場で有利に流通・販売されるための仕組みづくりが必要だというふうに思います。例えば、エコ商品等の環境ラベルですね。エコマークとかリサイクル製品識別マーク等によって区分けをされて、そして国や地方公共団体がこれらのエコ商品を優先的に購入することが、私は大変重要な意味を持つんじゃないかというふうに思うんです。
 また、環境ラベル商品の的確な選択あるいは購入した商品を長く使う努力など、環境に配慮した消費行動が国民に定着するよう、環境教育、環境学習の充実と積極的な情報発信をしていくべきじゃなかろうか、そんなふうに思います。場合によっては、そのエコ商品に対する優遇策を検討して、これらの開発・販売に努力する事業者が報われる仕組みづくり、これが必要なことじゃないかと、こんなことを実は感じておるわけでございます。
 それから、ちょっとお聞きしたいことといいますか、2の(1)のところの、「世界最先端の環境技術を生み出す環境にやさしい日本の消費者」って、どういう意味なのかなと思って、消費者の行動が環境技術の向上に大きな影響をもたらすという意味なんでしょうね。表現が適切ではないのかなと、そんな感じもしました。
 以上です。

○安原委員長 ありがとうございました。資源対策について、具体的な方策につきましてご提言いただきまして、ありがとうございました。今の表現のところはよろしいですね。

○谷環境計画課長 ちょっと簡単にしようと思って、あちこちで言葉が足りていないところがございます。黒須委員のご指摘も、先ほどの天野先生のご指摘もきちんと書き下ろすときに注意いたしたいと思います。

○浅野委員 先ほども述べたとおりでありますが、2025年というのは本当に正直言ってわかりにくい面もあって、きょうは安井先生ご欠席なんですが、かなり先のことについて、例えば資源制約がどのくらい働いてくるのかというようなことは、安井先生研究しておられるんですね。ちょっと一遍、安井先生のご意見をしっかり事務局出かけてお聞きして、もっと違う視点がひょっとしたらあるかもしれない。要するに3Rと言っていますが、本当にそんなことでは済まないということになっているかもしれないわけですね。
 ですから、その点からいうと、ちょっとやはり循環計画の10年後のお話、それから5年ぐらい先を見通したお話と25年後の話ではごちゃごちゃになっちゃっている面がある。その辺は整理をして、当面すぐできるとか、容器法改正といったら、当面もう既に議論しようという話になっていますから、そういうようなものとか、ちょっと時間軸の上でいろいろな話をもう1回ちゃんときちっと年表的に先の方に並べて書いてみて、これは一体いつごろの話なんだろうということを整理すると、この話がストーリー性もはっきりしてくるし、整理がつくなという気がするんですが、ちょっと何かその辺が時代のというか、時間的な流れがごちゃごちゃになって並んでいるということは言えます。

○安原委員長 どうぞ、辻委員。

○辻委員 今おっしゃったとおり、私も思っていたんですけれども、2025年となりますよね。数値目標というのは、絶対必要だと思うのです。数値目標でユーザーが見えるという格好になってきますから、これはもう絶対必要だと思うのですけれども、真ん中に少し中期的なところもあってもいいのかな思いましたので、それは今、浅野先生のおっしゃるとおり、私も同意したいと思うんですが。
 それからもう一つ、園田委員がちょっとおっしゃっていましたけれども、大事なことをおっしゃっていたように思うんですが、4つの委員会でいろいろ検討された結果、それをこの中に入れるわけですけれども、入れるときに、国として、あるいはまた産業界が、あるいは国民がと、それぞれが具体的に何をどんな方法でいつまでにどうしてやるのかという、そういうものがはっきり明示されてこないと、やはり具体性を帯びないと思うのです。
 もちろん、それは先生のおっしゃるように、20年先はわかりませんけれども、それは途中で変えていけばいいわけなので、その辺はなんかマトリックスに、そのテーマと、だれがいつまでに何をどうしていくかという、その辺の仕組みはきちっとやっておかれると、より具体的になりはしないかなというふうな気がいたしますのですけれども。

○浅野委員 少なくとも、それを表に出すかどうかは別として、作業の段階でちゃんとそれがイメージとして頭の中にないと書けないよというご指摘としては、その方がいいと思いますね。

○辻委員 そうですね。それは、表に出したらまずいんですか。

○浅野委員 いや、まずいとは思いませんが、ただ環境基本計画を考えようという話が次にありますので、どこまでどうするか。だけど、目標として上げる分には、はっきりと目標はこうだと……。

○浅野委員 いや、この後、さらにまた作業が次々に積み上げられていくということはあるわけです。ですから、余り詳細な話は無理かもしれませんが、しかしおっしゃるように、役割分担が大事であるというのはおっしゃるとおりだと思いますし、別のところでも、懇談会とか、いろいろなものが今同時に動いているものですから、話がなかなかややこしい面もありますけれども。

○辻委員 それがぐらぐらしていますと、初めのグランドデザインががたがたっと崩れますよ。

○浅野委員 おっしゃるとおりですね。

○安原委員長 ですから、今の具体的な方策まで含めてとなると、環境基本計画に譲らざるを得ないと思うんですが、目標とか望ましい姿とか指標とか、そういうのは大胆に出していくということはできると思いますので、よくご相談したいと思います。
 和気委員、どうぞ。

○和気委員 今の資源制約のお話にちょっと関係するんですけれども、安井先生がどういうふうにおっしゃるか、ぜひ聞いていただきたいと思うんです。
 同時に、実は資源というのは物理的に、地球上にある物理的資源制約と、それから安全保障を含めたいわゆる経済資源としてのマーケットでどれだけ手だてができるかという資源制約があって、2020年、2030年どんなふうになるか、ちょっと非常に不透明なわけです。そういう意味では、資源制約はあるんだという前提の方が予防的措置としていいと思うんですね。
 それと同時にもう一つ、環境問題に伴う、先ほどから申し上げているんですけれども、リスクというか、非常にとてつもない経営進歩があれば、小さな技術開発がもうみんな飛んでしまうほどのことがあり得る、ないとは限らない。そういう意味では、将来どうなるかわからないけれども、今何かやること、つまり予防的に何かやることはノーリグレットだと。つまり効果のないそのやり方をとりあえず今やっていこうと。そして、それが2020年、2030年につながっていくんじゃないかという意味で、この(2)の資源問題も、やはり大きな資源制約の中で我々経済活動しているんだという、やはりその視点を出した方がよろしいかと私は思います。

○安原委員長 ありがとうございました。
 もう既に3の社会の将来像のところも含めて議論をしていただいていると思うんですが、この範囲を広げてご議論をさらに続けていただけると思います。

○天野委員 3番で、この委員会の冒頭にありましたけれども、初めのところをどういうふうに具体化していくかというところで、情報の位置付けというのが非常に重要であると。それはどうして重要かというと、経済社会システムと、それから消費者というんですか、普通の住民との間のいろいろな情報のやりとりがあって、両者の活動によって社会全体が変わっていくような、そういう仕組みをつくるためには、情報が大量に両者の間に流れる必要があると、こういうことだと思うんですが。
 そういう意味で、私の申し上げたのは非常に単純なことでして、そういう情報を具体的にどういうふうに提供するかということなんですね。先ほどIT社会のお話も出ましたけれども、ユビキタスといいますか、いつでもどこでもだれでも大量の情報を使うとか、あるいは参考にできるというのは、ある程度、例えば米国のTRIのような形で既に実現しているわけです、もうかなり前から。それを環境先進国というのであれば、日本でも同じぐらいのレベルで、もっといいものを出したような情報がいつでもだれでもどこでもと言いましても、これはインターネットを触れる人だけに限られちゃうんですけれども、特にその人たちには見ることができる。その中に、先ほどお話のありました金融関係の人たちが入っているわけですから、そういう仕組みをつくることで、私はかなり具体的に、こういう社会全体の仕組みが急速に変わる力になるんじゃないかというふうに思いますので、これは何年にどういうことをするかというと、これは計画の話になりますけれども、ユビキタスな情報を国として責任を持って提供できるようなシステムを考えるというふうなことは、多分少なくとも言えるんじゃないかというふうに思いますので、それはぜひお願いしたいと思います。

○安原委員長 ありがとうございました。
 小倉委員、どうぞ。

○小倉委員 社会の将来像ということなので、恐らくこの(1)(2)とも、里だったり、街だったり、都会だったりということなんですが、そもそもこの将来像をつくる意味で、産業構造がどう変わるかといった視点が、1項目としては本当はあって、その産業構造が例えばその環境をつくる街をつくっていくと、市民と一緒になってですね、ということなのかなという意味で、先ほど関委員からもありましたように、金融の構造が環境を配慮しながらどう変わっていくかとか、あるいは産業そのものが、製造業自身がそういうリサイクルできるような製品設計をするのかどうかも含めて、日本と海外との間のことも含めて、どう産業構造が変わっていくのかといったところも将来像に入れるといいのではないかなと思います。

○安原委員長 ありがとうございました。
 金融の役割の重要性について何人かの方が触れていただいておりますが、ご承知かと思いますが、参考で加えられております環境に配慮した事業活動の促進方策のあり方についてというのがごく最近中央環境審議会から出まして、これは環境と経済の好循環を構築していく上で、環境情報が非常に重要であると。それを充実していくための仕組みをどうしたらいいかということで、結局、例えば環境報告書をできるだけたくさんの企業にどんどん出していただく、情報をどんどん出していただく。それを消費者が受けとめて対応する。その場合に、中身が信頼性があるものでないといかんと。そのために、自己審査とか第三者審査の仕組みが要るのではないかというようなこと。
 そういうのができますと、その情報を使って市場がいろいろ反応する。それは消費者市場であり、サプライチェーン市場もありますが、金融市場、資本市場も反応するのではないかと。特に、今かなり遅れておるのは金融資本市場の分野でございますので、この金融関係の機関に働きかけて、できるだけそういう家計意識で金融を動かしていってもらいたい。金融がそういう環境配慮を重視した事業活動をやりますと、非常に社会にはインパクトが効いてくるということが期待されるのではないかというようなことで、この仕組みづくりが提言されておるわけでございます。この専門委員会でも、環境情報の問題は非常に重要でございます。特に金融分野で活用されていくということが重要かと思います。
 あと、ご意見ございましたら、どうぞお願いいたします。

○崎田委員 今の情報などのお話は大変重要なんですけれども、今手を挙げたのはちょっと違うことなんですが、よろしいでしょうか。
 先ほど似たような発言したんですが、今2ページの3.あたりを見ながらいたんですけれども、2025年の将来像をできるだけ国民にわかりやすくイメージをするということはとっても大事だと思うんですが、そこでどのくらい先を見るかというのはすごく大事なことで、ちょっと今この文章を拝見していると、やはり今から数年後、そこに向かってどうするかというようなことが割に出ている感じがするんですね。ですから、その後をちゃんと見据えたあたりをきちんと描くという、その辺をちょっとやはりこの3.のあたりも心かげていただきたいなというふうに私はすごく感じます。
 どういうことかといいますと、例えばこの(2)は、先ほど来いろいろお話ありましたけれども、本当に具体的な方策としては、25年どうなるかは別として、資源制約性の中でいろいろ25年間──あと20年間来たときに、ごみの資源化に熱心に取り組んでいるというのは、こういう状態はきっと過ぎて、ライフスタイルの中で定着している時代だと思いますし、(3)の都会も、長期休暇を自然とふれあって過ごしているだけではなくて、都会生活自体が自然と共生するような形にかなりなっているだろうと思います。もちろんヒートアイランド対策とか、そういうことが今大問題でこれからしばらくいきますので、そういう意味で、環境配慮型の都会生活の中のライフスタイルと、もちろん長期休暇を自然とふれあって楽しむとか、その辺のライフスタイルをきちんと描いていかないと、ちょっと25年というあたりの描き方としては弱いような気がいたします。
 ぜひ、その辺をみんなでイメージを膨らませながら、きちんと多くの国民の方に、やはりこういう社会に向かってみんなで今元気に、ともに産業界の方や消費者がみんなで歩んでいきましょうというメッセージがきちんと伝わっていくという、そのことそのものが大事だと思いますので、そういうふうな作業を積み重ねていただければうれしいなと感じております。

○安原委員長 ありがとうございます。
 浅野委員。

○浅野委員 指標として、とにかく何かを挙げなきゃいけない、挙げる方がいいということはそのとおりだと私も思っていまして、この素案でも指標を、大分事務局が苦労して挙げられたと思うんです。
 しかし、やはり基本に戻ると、環境と経済の好循環のイメージは一体何なんだという、そこのところをもう1回よく考えないと、指標が何となく浮いてしまうという危険性があるかもしれない。例えば、環境保全活動に参加する人の割合というのは、どういう意味で好循環につながる話なのかとか、あるいは余暇に自然とふれあう人の割合、これでいいんじゃないかと考えてみたこともあるんですけれども、よく考えてみると、ではそのことと好循環はどうつながるのか。それがはっきりとしないと、この指標は指標のための指標になってしまうおそれがありますから、やはり、どういうことをもって好循環と考えるのかということが、ここから、つまり指標からもメッセージとして伝えていくべきだという気がする。つまり、指標は指標のためにあるんじゃなくて、やはりそれ自体が1つのメッセージであり、政策を誘導するものでなければいけないということでして、ちょっとこの辺はどうしたらいいのかなと思います。
 余暇に自然とふれあうためにお金をどれだけ使うかというようなことを指標にできるかどうか。今より余計お金を使おうと思う人が増えるとか、そんなえげつないことは書けないとすると、どうしたらいいかな。うまく案が出てこない面もあるわけです。崎田さんが言われたことにちょっと啓発されて申し上げたわけですが、この中では何となく都会から──ちょっと養老先生のインパクトが物すごい強いものですから、下放されて
田舎へ出て行って、それで10日間みたいなイメージになってしまっていますけれども、本当にそうでないけないかどうかということですね。
 それから、田舎に行けば、すべてビューティフルかというと、必ずしもそうでもない。かえってひどいということがあるかもしれない。それを考えると、この辺のところの自然がはぐくむ心と力という基本的な命題をどう評価するか、なかなか難しいなと思うんですよね。多分そういうことも、崎田委員は考えておっしゃたんだと思うのですが。

○安原委員長 あと、まだ15分少々残っておりますので、もう議論の枠をはめないで何でも結構です。自由にご発言をいただければと思いますので。
 辻委員、どうぞ。

○辻委員 私、冒頭に情報スーパーハイウェイと申し上げましたでしょう。これは実は、アメリカはそれで復権をして、そしてそれに見習ってよその国はついていったんですね。
 私は、この日本の場合は、ビジネスの面でも中国に行っていろいろやるんですけれども、要するに、中国に倣って、ヨーロッパに倣って、アメリカに倣って日本は今日来たわけですね。物づくりと言ったって、中国のトップに会うと、「いや、物づくりは中国の方があなたの国より進んでいるよ」というようなことも言うんですけれども、私は環境と経済の好循環についてだけは、どんなことがあっても日本に学ぼうと、見習おうと、こういうようなことになれば、またそれが日本は得意だと思うのです。これだけ資源が豊富にあって──資源というか、自然が豊かであって、そして観光に恵まれている国なんですし、すべての面でそういう点では環境先進国になれるはずだと。また島国でございますし、一枚岩になれるのではないのかなと。
 したがって、やはりよその国々から学ぼうと、見習おうというような方向に私たちがもっていかなければいけないのではないのかなと、日本の国として絶好のチャンスではないかなと、そういう気がしています。
 したがって、冒頭にちょっと情報スーパーハイウェイの話をしたんですけれども、アメリカは第1次IT革命では勝ちましたが、ご承知のとおり、今のデジタル家電などの第2次IT革命では日本がひっくり返しています。環境問題はどうしても避けて通れない問題ですから、いいビジョンをひとつみんなでつくっていただければなというふうに、事務局に特にお願いしておきます。

○安原委員長 深尾委員、どうぞ。

○深尾委員 全体的に拝見して、ビジョンにしては、あらゆる事例がもう現実のものにすごく引っ張られ過ぎていて、それがかえってビジョンらしさをなくしているのではないかと思います。技術の例も、生活社会の例もそうなんですけれども、これはもちろん次へ向かっていくステップとして例示することは非常に大事なんですが、それをさらに昇華させてビジョンとしてふさわしい、ですからこういう方向を目指しますよというところを訴えていった方がいいのではないかと思います。
 それと、崎田さんが先ほどからおっしゃられているエコツーリズムとか自然とかというところなんですけれども、やはりこれも今の状況に引っ張られていて、都市と地方という対比の構造にやはりなってしまっていると思うんですね。本来、我々が環境と経済の好循環といったときには、恐らく身近な自然の回復とか、身近なコミュニティの回復をどうするかということをもっと根本から考えるべきで、それがその分離されたものとしてとらえていると、全体の流れが非常にぎくしゃくするのではないかなと、そういう懸念を持っています。
 以上です。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 筒見委員。

○筒見委員 この委員会の環境と経済の好循環という、これをイメージしてもらえるということでいろいろ3番でもご苦労されて、いろいろ具体的なことを書かれているんですが、これはやはり考えれは考えるほどなかなか難しい概念で、これを具体的に書いた途端に、またそれが何か狭く見えてしまうので、なかなかビジョンになりにくいんですが。
 何かの形で、やはりこの環境と経済の好循環度みたいな、そういうもう本当に指標化するという明確にやった方が逆にわかりやすいんじゃないかなと。それが逆に言うと、日本人はそれが苦手で、もう指標化してしまって、これがとにかく我々の目指している社会の数値的目標ですと言ってしまった方が、逆にほかの国はじゃどうなんだと。アメリカはそれで評価するとどうなんだとか、そういう形で比較も非常にしやすいわけですね。
 ですから、何かそういうようなことを、このビジョンで言えるかどうかはちょっと別としまして、何かないと、考えても書けば書くほど何も書けなくなっていくような、非常に事務局のご苦労はよくわかるんですが、何かそんなことができないのかなと。
 これは、とにかくスタンダード化するということが非常に日本人は不得意なんですね。ISOなんかもそうですし、みんなどこかの国がスタンダードとして決めちゃってこれでいっている。ISO14000と決めたら、一生懸命それを日本の企業はやっているわけですから、その基準を決めているのは向こうなんですね。そういう意味で、日本が決めてしまうと。今、辻委員がおっしゃったように、これだけは日本は絶対ほかにとらせないと、だからこの基準でいくんだということを何か発信するような、そういう意気込みがあってもいいのかなという気がいたしました。

○安原委員長 天野委員。

○天野委員 今のご発言、ちょっと思いつきなんですが、企業経営の方では、環境経営度という概念があって、いろいろな調査の仕方をしてランキングをつけたりしているんですね。これはある意味で、今おっしゃった指標の非常に狭いところですけれども、1つのやり方かなと思います。環境経済指標そのものがいろいろな問題点がありますから、私それ自体がいいというわけではなくて、企業の経営に関しては、経済と環境との好循環度をはかっていくというふうに言えるわけですね。
 同じようなことを、例えば環境生活度とか、あるいは都市の環境度とか、あるいは地域全体、例えば県とか、そういう大きな地域全体の環境度とか、そういうものをどうやってはかるか、環境経営度というのは1つのヒントになると思うんですね。そこで取り上げているような要素を、今言いましたようなある程度広い地域、小さいエリアあるいはコミュニティあるいは個人というふうな、ある程度何かはかっていく。そうすると多分、例えば環境報告書の発行者数とか、あるいはISOの認証取得度なんていうのは、日本は世界の中でずば抜けて大きいわけですね。
 しかし、ほかのところでどうかと言われると、私は実際つくってみないと、そんなに先進国と言えるどうか自信はありませんが、いいところとか、特にコミュニティというのは、日本の場合はなかなかはかりにくい。昔はあったんですけれども、今はどういう形でコミュニティの定義をするのかよくわからない面もありますので、その辺は先生方に教えていただいて、そういう幾つかのレベルの指標をつくることは、私はできるのではないかなというふうに思います。そういうものをつくってみれば、これは世界どこもそういうことをやっている国はありませんので、非常におもしろい試みかなというふうに思います。

○安原委員長 どうぞ、浅野委員。

○浅野委員 天野委員のもとで、環境指標の勉強会をやってきましたが、まだ宿題を仕上げていないという気がします。
 指標群という考え方の方がいいんだろう。つまり単一指標で示すというやり方は、結局賛否両論を巻き起こしてしまうと前から考えています。例えば、資源生産性という概念は循環基本計画にで用いたものですが、これは実は世界で初めてです。むしろ、これを日本発の指標として、国際的なスタンダードに持っていこうという志もあります。ちなみに、この指標では日本は数値的にも世界のトップクラスだということにもなっているわけです。
 ただこの指標は、GDPが前提になっていて、そこが増えるかどうかということは全くほったらかしになっているということが問題だという意見もあります。GDPがふえれば、天然資源の投入量を増やしてもよいというところが批判されているわけです。しかし、循環基本計画は、他の2つの指標とのあわせわざで評価をするものであることは認識される必要があります。いずれにせよ、挙げられている指標というのをもうちょっとブラッシュアップすることによって、その指標群全体を経済の好循環の指標だと宣言してしまえばいいのでしょう。物事は多くの場合、先に言った方が勝ちで、否定する側に反証を挙げる義務を負せることになりますから。
 きょうのお話の中で、よく理解できるご意見が多数ありましたが、短い言葉でイメージをはっきり打ち出せるような、言ってみればキャッフレーズのようなものをはっきり出していくということと、これを好循環化だったらちゃんと言えるような指標群をしっかりとつくっておいて、それでもうそうだと言ってしまうことが大事なポイントかと思います。そのときに、さっき言われたように、諸外国と比較したときにどうかと言えるようなものが中にちりばめられていることも必要かもしれません。余り日本だけの話でも困るかもしれません。
 例えば、資源生産性みたいな指標は、国際比較ができるようになっていますから、何かそういうような使えそうなものを幾つか使うということ、それから好循環ですから、経済がアップしていくというところをどう見るか。これが雇用とか、なんかそんなところでとらえられているんですけれども、果たしてこれでいいかどうか少し、私は法律ですから余り専門でないので、この辺は専門の先生方のご意見を承って、どういうものが全体としてスパイラルなアップになっているんだということをあらわせる形、そこの工夫が必要なのかと思います。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 和気委員。

○和気委員 簡単に、今の指標の話に関連するんですが、環境と経済の好循環という非常にダイナミックな視点で議論していくわけです。そのときに、私たちはすぐに環境クズネッツカーブを耳打ちするわけです。
 環境クズネッツカーブというのは、横軸に1人当たりのGDPとか、つまり経済の規模とか豊かさの指標を横軸に置いて、縦軸にいわば環境負荷のさまざまな化学物質とか、あるいはCO2も含めてそうですが、SOXもそう、NOXもそう、そういうものを縦軸に置いて、それが時系列的にどうなるか。右下がりになってくる中で、これが循環だと、この好循環の局面に入ったんだというような、非常に経験法則から出てきているので、その内生的なメカニズムは難しいんですが、この指標でもし見るとすれば、時系列上で環境クズネッツカーブみたいなものは幾つか見なければ、それはそれでいい。あとは国際比較で、クロスセクションで比較することもできるし。
 ただ、環境クズネッツカーブはなかなか難しいので、こういうところに書けるかどうかわかりませんけれども、1つの考え方としてはそういうイメージがあるんだろうなというふうに思います。

○安原委員長 小倉委員、どうぞ。

○小倉委員 産業界の人は意外と、皆さんにいろいろお話聞くと、環境と経済の好循環というのは、結局本当にできるのかなという思いも実はありまして、それで例えば過去に規制をして、それでそれが適応技術を生んで、それで結局世界に勝っていったねと、これは好循環じゃないかということに、やや前向きというよりは、むしろ本当にできるのかなと、こういう思いが実はあります。
 ところが、本当にさっき辻委員が言われたように、まさしく我々は過去の実績も含めて、これから本当にうまく考えればこれはできるわけで、そこを何とか我々産業界から見ても、我々ももちろんアイデアを出さなきゃいけないんですけれども、なるほどこれが好循環かというような、本当のその1点というようなものが出てくるといいなと。
 細かく言うといろいろあるんですけれども、例えばの例なので本当例えばなんですけれども、今リサイクルやるのでも結構コストが高い。じゃ埋立費が仮に物すごく上がったとするんですね。そうすると、リサイクルがどんどん進むねと。そうすると、消費者が、あるいは排出者が金を出さなきゃいけない、これは負担になるわけですが。
 ところが、全産業で環境のことを産業からすれば、結果、消費者はサラリーマンでもあるわけですから、負担もできるようになると。そうすると、個人からできるねとか、そういうちょっとえらい細かい話ですけれども、そういうものも含めて、本当に好循環というのは、これがそうか、好循環なのかといった何か一手をぜひ出したいなと、こう思います。

○安原委員長 ありがとうございました。
 きょうは大変活発に貴重な意見をたくさんいただきましてありがとうございました。できることなら全部取り込んでいきたいと思いますが、いろいろ制約があると思いますので、事務局の方によく検討していただきまして、次回また議論を深めていただきたいと思います。本当にどうもありがとうございました。
 きょう言っていただいたと思うんですか、後でまたお気づきでこういう意見があるよということでございましたら、どうぞ事務局の方にお寄せいただきたいと思います。文書でもファクスでも何でも結構でございますので、よろしくお願いいたします。
 次回の予定ですが、ご案内申し上げておりますとおり、3月18日木曜日10時から開催の予定をいたしておりますので、ご出席のほどよろしくお願いいたします。次回も、きょうの意見を踏まえて確認をしました報告書案の審議をしていただく予定になっております。
 あと、事務局何かありますか。

○谷環境計画課長 次回第6回の委員会でございますが、ちょっと会場がまだ未定になっております。申し込んでおりますところで、追ってご連絡をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
 先ほど申し上げましたように、4月の委員会を最終回にできるような案を次回ご提示できたらと思っておりますが、大変多岐にわたるご意見をちょうだいいたしまして、一生懸命考えてまいりたいと思います。
 追加説明ですが、環境基本計画は大体5年間の政策を考える。その次期環境基本計画に活きるように、でも、その5年間の政策が5年間でやることだけを考えるのではなくて、20年後のために、今やるべきことも考えようという5年間の政策決定のための、国民の皆様に関心を持って読んでいただけるようなビジョンになりますように、本日のご意見を可能な限り盛り込んだ形の案を次回お示ししたいと思います。ありがとうございました。

○安原委員長 それでは、以上をもちまして本日の委員会を終わりたいと思います。ありがとうございました。

午前11時57分 閉会


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