中央環境審議会総合環境政策部会 第1回 環境と経済の好循環専門委員会 議事録

議事内容

午後 1時59分 開会

○谷環境計画課長 恐れ入ります。議事に入ります前にお手元の配付資料のご確認をお願いいたします。
 お手元の資料でございますが、1つめくっていただきますと、配付資料一覧とございます。クリップを外していただけますでしょうか。ご確認くださいませ。
 まず、資料1でございますが、環境と経済の好循環専門委員会委員名簿でございます。1枚めくっていただきまして、資料2でございますが、中央環境審議会議事運営規則でございます。次に資料3でございますが、中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の運営方針について、でございます。次、資料4、中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の設置について、でございます。資料5は、環境と経済の好循環を目指したビジョンについて(諮問)文でございます。資料6、環境と経済の好循環を目指したビジョンについて(説明資料)でございます。資料7、委員等からの発表、討議テーマ(案)でございます。資料8、環境と経済の好循環を目指して、でございます。資料9は参考資料でございます。
 以上でございますが、足りないものはございませんでしょうか。
 では、定刻になりましたので、ただいまから第1回環境と経済の好循環専門委員会を開催したいと思います。
 委員会の開始に先立ちまして、松本総合環境政策局長よりごあいさつを申し上げます。

○松本総合環境政策局長 総合環境政策局長の松本でございます。よろしくお願いしたいと思います。
 第1回の環境と経済の好循環専門委員会の開催に当たりまして、簡単にごあいさつを申し上げたいと思います。
 委員の皆様におかれましては、日ごろから環境行政の推進につきまして、何かとご指導を賜りまして厚く御礼を申し上げたいと思います。また、このたびは、大変にそれぞれ委員の先生方お忙しい中にもかかわらず、この専門委員会の委員にご就任をいただきまして、重ねて御礼を申し上げたいと思います。
 ご承知のとおり、環境と経済の関係、そのあり方につきましては、今の時代、環境をよくすることが経済を発展させ、そして経済が活性化することによって環境もよくなっていく、こういうような環境を築いていくことが重要ではないかと、こういうことでありまして、このような考え方のもとで、昨年12月からでございますけれども、環境大臣主催によります環境と経済活動に関する懇談会が開催をされまして、本年6月に「環境と経済の好循環を目指して」という報告書が取りまとめられたところでございます。資料については、今、お配りをしてある中にこの報告書はございます。
 この報告書の中で、環境と経済の好循環を生み出すためには、国民、企業、行政、これが一体となりまして、共通の方向を目指して取り組んでいくための、わかりやすい将来像を示す必要があるということが提言されているわけであります。この将来像を検討するため、中央環境審議会総合政策部会をもとに、本専門委員会を設置をしていただいたわけであります。今後、委員の皆様方におかれましては、ご議論を重ねていただきまして、どうかわかりやすい将来像というものを提示するために、貴重なご意見を賜りたいと思っております。どうぞよろしくお願いしたいと思います。

○谷環境計画課長 それでは、本日の専門委員会は第1回目の会議でございますので、本日ご出席の委員のご紹介をさせていただきます。
 まず、財団法人環境情報普及センター顧問、安原正委員でいらっしゃいます。

○安原委員 安原でございます。どうぞよろしく。

○谷環境計画課長 そのお隣、福岡大学法学部教授、浅野直人委員でいらっしゃいます。

○浅野委員 浅野でございます。よろしくお願いいたします。

○谷環境計画課長 そのお隣、JFEホールディングス株式会社環境ソリューションセンター企画部長、小倉康嗣委員でいらっしゃいます。

○小倉委員 小倉でございます。よろしくお願いします。

○谷環境計画課長 そのお隣、作家の神津カンナ委員でいらっしゃいます。

○神津委員 神津でございます。よろしくお願いいたします。

○谷環境計画課長 そのお隣、NPO法人持続可能な社会をつくる元気ネット理事長、NPO法人新宿環境活動ネット代表理事、ジャーナリスト・環境カウンセラーの崎田裕子委員でいらっしゃいます。

○崎田委員 崎田でございます。よろしくお願いいたします。

○谷環境計画課長 そのお隣のトヨタ自動車の笹之内部長は、お仕事で少し遅れてご出席いただくこととなっております。
 角を回りまして、株式会社損害保険ジャパン社会・環境室長の関正雄委員でいらっしゃいます。

○関委員 関でございます。よろしくお願いいたします。

○谷環境計画課長 そのお隣、松下電器産業株式会社環境本部長、園田信雄委員でいらっしゃいます。

○園田委員 園田でございます。よろしくお願いいたします。

○谷環境計画課長 そのお隣、シャープ株式会社相談役、辻晴雄委員でいらっしゃいます。

○辻委員 辻でございます。よろしく。

○谷環境計画課長 そのお隣、株式会社ファーストエスコ代表取締役社長、筒見憲三委員でいらっしゃいます。

○筒見委員 筒見でございます。よろしくお願いいたします。

○谷環境計画課長 そのお隣、株式会社主婦の友社「ゆうゆう」編集長、山本加津子委員でいらっしゃいます。

○山本委員 山本でございます。よろしくお願いいたします。

○谷環境計画課長 そのお隣、慶應義塾大学商学部教授、和気洋子委員でいらっしゃいます。

○和気委員 和気でございます。よろしくお願いいたします。

○谷環境計画課長 そのお隣、東京大学生産技術研究所教授、安井至委員でいらっしゃいます。

○安井委員 安井でございます。よろしくお願いいたします。

○谷環境計画課長 続きまして、本日、出席しております環境省の幹部職員をご紹介申し上げます。先ほどごあいさつを申し上げました環境省総合環境政策局長、松本でございます。

○松本総合環境政策局長 松本でございます。

○谷環境計画課長 その隣、大臣官房審議官、小林でございます。

○小林大臣官房審議官 小林でございます。

○谷環境計画課長 その隣、総合環境政策局総務課長、山崎でございます。

○山崎総務課長 山崎でございます。

○谷環境計画課長 私は総合環境政策局環境計画課長の谷でございます。
 この隣、総合環境政策局環境計画課計画官、苦瀬でございます。

○苦瀬計画官 苦瀬でございます。

○谷環境計画課長 本専門委員会の委員長につきましては、森嶌総合政策部会長のご指名により安原委員にお願いすることになっております。今後の進行は安原委員長にお願いをいたします。
 また、冒頭のカメラ撮りはここまでということでお願いをいたします。
 それでは、安原委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○安原委員長 森嶌部会長のご指名がございまして、委員長を務めさせていただきます安原でございます。
 私、1987年、昭和62年から4年間ほど、旧環境庁で勤務した経験がございます。4年後の1991年に退任しております。もう退任してから随分たつわけでございますが、その間、民間に勤務いたしておりました。
 環境問題につきましては、先ほどご紹介いただきました財団法人環境情報普及センターの顧問という肩書きで、例えば中央環境審議会等の審議に参加させていただいております。先般の環境と経済活動に関する懇談会にも参加させていただきました。そういう履歴でございます。
 皆様のご協力、ご支援を得まして、何とかこの委員会の取りまとめの責を果たしてまいりたいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 私が、万一出席できない場合に備えまして、念のために委員長代理を指名させていただきたいと考えております。委員長代理につきましては、お隣にお座りの浅野委員にお願いをしたいと考えております。この件につきましては、あらかじめ浅野委員のご内諾をいただいておりますが、ご了承いただけますでしょうか。
     (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○安原委員長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 本日は第1回目ということで、まずは本専門委員会の運営についてお諮りしたいと思います。その後、環境と経済の好循環を目指したビジョンに関する諮問と、今後の検討の進め方につきまして、事務局より説明を受けまして議論を行っていきたいと考えております。その際、開催通知の方でお知らせいたしましたように、皆様の方から、それぞれ簡単に自己紹介と意見発表を行っていただければと考えております。
 本日の会合は、おおむね4時までを予定しておりますので、よろしくご協力願いたいと思います。
 それでは、第1番目の議事でございます環境と経済の好循環専門委員会の運営につきまして、事務局より説明をお願いいたします。

○谷環境計画課長 それでは、資料2、3、4に基づきましてご説明を申し上げます。
 まず、資料2をごらんください。こちらが中央環境審議会議事運営規則でございます。この議事運営規則の第4条に基づきまして、審議会に部会が置かれておりますが、この中の最初の総合政策部会に本委員会を設置いただいたわけでございます。
 1つめくっていただきまして、第9条をごらんいただきたいと思います。こちら第9条が、専門委員会の設置について、でございます。部会は必要に応じ、その定めるところにより専門の事項を調査をするため専門委員会を置くことができる。専門委員会に委員長を置き、部会長の指名によりこれを定める。これに基づきました委員会が、本日お集りいただきました委員会でございます。
 なお、参考といたしまして、もう1つめくっていただきますと、4ページに中央環境審議会の関係法令がございます。最初にございます環境基本法、こちらに中央環境審議会についての規定がございまして、これに基づいて中央環境審議会が置かれたわけでございます。
 続きまして、資料3をごらんください。こちらの資料3が、中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の運営方針について、でございます。こちら会議の公開及び出席者とございまして、(1)をごらんいただきますと、[1]とございます。「小委員会及び専門委員会は公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または特定の者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合には非公開とし、それ以外の場合には公開するものとする」とございます。「前回の公開または非公開の取扱は、当該小委員長または専門委員長が決めるものとする」とございます。事務局といたしましては、こちらの専門委員会、特段、非公開にする理由はないように考えてございます。
 (2)代理出席でございますが、代理出席は認められておりません。ご欠席の場合は事務局から資料を送付させていただく、ということになってございます。
 2.会議録でございますが、会議録を、発言内容を正確に記載する形でつくることとなってございます。ただ、[2]でございますが、「会議録の調整に当たっては当該会議に出席した委員等の了承を得るものとする」となってございまして、ご了承いただいて会議録を作成することとなっております。会議録は委員等に配付するとともに公開をいたします。公開は環境省ホームページの掲載などによって行うこととなってございます。
 引き続きまして、資料4をごらんくださいませ。中央環境審議会総合政策部会の小委員会及び専門委員会の設置について、でございます。こちらは総合政策部会の決定でございまして、一番最近の改正が平成15年9月24日の改正、こちらでこの専門委員会の設置が決定されました。具体的には裏をめくっていただけますでしょうか。こちらの裏の一番下、5.とございまして、こちらに環境と経済の好循環専門委員会とございます。こちらで環境と経済の好循環専門委員会を置く、となってございまして、(2)環境と経済の好循環専門委員会は、環境と経済の好循環を目指したビジョンに関する調査を行う、となってございます。これに基づきまして委員、臨時委員、専門委員会が部会長から指名されたわけでございます。
 以上でございます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの説明につきまして、ご質問とかご意見がございましたらお願いしたいと思います。どんなことでも結構でございますが。特にないようでございます。
 それでは、本専門委員会は、特段非公開とする理由はございませんので、公開といたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、次に環境と経済の好循環を目指したビジョンに関する諮問と今後の検討の進め方について、に移りたいと思います。諮問の内容、それから背景等につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。

○谷環境計画課長 ありがとうございます。
 説明の前に、ちょっと先生をご紹介をさせていただきます。すみません。事務方の不行き届きでございまして、ただいま、もう1人委員がお見えになりましたので、ご紹介をさせていただきます。
 財団法人地球環境戦略研究機関関西研究センター所長、天野明弘委員でいらっしゃいます。よろしくお願いいたします。

○天野委員 天野でございます。飛行機がおくれまして、ちょっと遅くなりました。よろしく。

○谷環境計画課長 それでは、引き続きまして資料の説明に移らせていただきます。
 資料5をごらんください。こちらは環境と経済の好循環を目指したビジョンについての諮問文でございます。大臣から、この9月19日付で中央環境審議会会長の森嶌会長に宛てた諮問文でございます。「中長期的な視点に立った環境と経済の好循環を目指したビジョンについて、貴審議会の意見を求める」という諮問文でございます。
 諮問理由でございますが、「今日の環境上の制約や経済の状況を踏まえると、今後は、環境と経済の間に、先ほどごあいさつで申し上げました、環境をよくすることが経済を発展させ、経済が活性化することによって、環境もよくなっていくような関係を築いていくことが重要である。このような環境と経済の好循環を生み出し、環境と経済が一体となって向上する社会を実現するためには、国民、企業、行政が一体となって共通の方向を目指して取り組んでいくためのわかりやすい将来像(ビジョン)を示す必要がある。
 このため、中長期的な視点に立った環境と経済の好循環を目指したビジョンについて、貴審議会の意見を求める」とございます。
 続きまして、資料6をごらんいただきたいと思います。環境と経済の好循環を目指したビジョンについて(説明資料)でございます。まず、ビジョンの位置づけでございますが、先ほど松本局長からごあいさつ申し上げましたように、昨年12月から環境と経済活動に関する懇談会が開催されまして、今年6月に懇談報告「環境と経済の好循環を目指して」が取りまとめられました。こちらの資料は後で資料8についてございます。
 この報告の中で、環境をよくすることが経済を発展させ、経済が活性化することによって環境もよくなっていくような関係を築くことが重要、ということ。そのためにわかりやすい将来像を示す必要があることが提言されました。このビジョンをちょうだいいたしましたら、普及啓発活動を行いまして、その中で得られた各界からの意見も踏まえつつ、新しい環境基本計画の策定に臨みたいと考えております。
 この環境基本計画、お手元に、これは後ほど回収をさせていただきますけれども、こういう本が置いてあるかと思います。ご存じの方も多いかと思いますが、こちらは環境基本法に基づきまして、政府全体の環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱として定められたものでございまして、今、第2次計画、平成12年12月に閣議決定された計画がお手元にあるものでございますけれども、大体5年間というふうに書いてございますので、新環境基本計画の策定は平成17年ごろに予定されているわけでございます。この中に、ちょうだいいたしましたら、そのビジョンを反映させていきたいと考えておりす。また、国内政策に限らず、世界の環境政策へ反映させることを目指していくものでございます。
 裏をめくっていただけますでしょうか。今後の検討スケジュールでございます。上の、左の総合政策部会で、9月24日に専門委員会の設置を決定したところでございまして、専門委員会、本日、第1回の会合でお集まりいただきました。今後、11月、12月、1月と委員の皆様などからのご発表、ご討議をいただきまして、2月に第5回で委員会報告骨子案のご審議をいただき、3月、第6回で委員会報告案のご審議、そして4月に報告をご決定いただくスケジュールをお願いしたいと思います。その後、総合政策部会では委員会報告を受けての審議を行っていただきますと同時に、一番右側、その他にございますパブリック・コメントを行いまして、6月ごろ答申の運びとなればと考えております。したがいまして、こちら専門委員会の先生方には、本日から4月ごろまでご審議をお願いしたいと思います。
 その下、ビジョンのイメージでございます。まず(1)環境と経済の好循環に関する基本的な考え方をお書きいただきまして、その後に、環境と経済の好循環が達成された社会の将来像をご議論いただければと思っております。現時点のアイデアとして出しましたもの、例えば、そういう地域社会と住民生活の姿を幾つかの例で示すことはできないか。その後、これらの例から日本全体のイメージを描くことについてご検討いただけないかと思います。
 (3)環境と経済の好循環を達成するための具体的な数値目標とその基本的考え方。こちらは、ちょうだいしました6月の報告の中で、資源生産性、環境効率性、環境産業がつくり出す市場規模、環境産業による雇用人数、国民のエコライフ実践度等などというふうに書いてございます。そして、今後の取り組み、こういったビジョンをおつくりいただければと思います。
 続きまして、資料7でございます。こちらは、今後、お願いした委員の先生方などからのご発表、ご審議のテーマの案でございます。まず、次回11月20日でございますが、「くらしを彩る環境のわざ」というテーマをつけてみました。環境に優しい暮らしを実現するための技術にはどのようなものがあるか、環境に優しい技術の開発普及を促進するためにはどうしたらよいか。例えば、日本の消費者は大きな役割を果たせるのではないか。世界的に見て教育、所得水準の高い日本の消費者の動きは、今後、豊かさを増すアジアの大都市の消費者などにも影響を与え、これによって環境に優しい技術が世界に広まり、地球環境の改善に貢献するのではないか。こういったテーマでご議論をちょうだいしたいと思います。
 次、12月19日の予定のテーマでございます。自然がはぐくむころとちから。まず、自然と親しむことは人の心身の健康に好影響を与えるのではないか。例えば自然が若者の心を育み、熟年の心をいやすことに対し、人工物に囲まれた現代人は高い価値を見出すのではないか。このような価値を提供する仕事として、エコツーリズムなどが考えられないか。これが盛んになると、自然の豊かな町や村が活性化するとともに、自然をいとおしむ心が広がっていくのではないか。また、自然エネルギーの活用も、温室効果ガスの排出を減らしつつ雇用をふやすのではないか。また、自然に感謝する心にもつながるとともに、世界にも貢献できるのではないか。これを促すためには、どうしたらよいか。
 次の1月のテーマでございますが、「"もったいない"が生み出す資源」と書いてみました。都市等の廃棄物を活用することにより、天然資源の少ない日本に、例えば「都市鉱山」――これについてはいろいろご意見があるかもしれませんが――とも呼ぶべき資源を生み出すことはできないか。廃棄物を資源に変えるビジネス、廃棄物を生じさせないビジネスの発展により、例えば、素材型産業などの、ものづくりで発展してきたまちが再び活力を取り戻すことができるのではないか。一層のリサイクルの推進、ごみの減量のためには、どうしたらよいか。自治体・NPO・住民は何ができるか。
 とりあえず事務局がつくってみまして、わかりやすく書いてみたテーマが、こちらでございまして、裏をめくっていただけますでしょうか。既に勝手ながら何人かの委員の先生などにお話をいただけないかとお願いを申し上げました。例えば、こういった先生方にお一方、例えば15分から20分ずつお話をいただいた後、フリーディスカッションという形はいかがかと思います。例えばでございますが、最初の、「くらしを彩る環境のわざ」では、松下の園田委員。内容は勝手ながら冷蔵庫とか電灯とか、松下が一番省エネかと思いました。次に消費者の観点から辰巳委員、きょうはご欠席ですが。そしてファーストエスコの筒見委員からはエネルギーマネジメントのお話などを伺えないかと思います。トヨタ自動車の笹之内委員は、この日、IPCCの関係の会議で呼ばれる可能性があるということですので、その場合はトヨタの別の方をどなたか、ということでお願いを申し上げました。
 第3回委員会でございますが、シャープの辻委員から、自然と産業、とりあえずシャープといえば太陽光発電の世界一、そして液晶テレビ、これを書いてみましたが、ご自由にご発言をいただけませんでしょうか。また、山本委員からは中高年のライフスタイルなどについて、養老委員からは、人と自然の関係についてお話し願えないかと、お願いをしております。
 このほか、エコツーリズム関係の団体とか自治体の、例えば、首長さんとかお願いをできないかと思っております。本日、委員の先生方のご議論を踏まえて、ご依頼に動きたいと思っております。
 第4回委員会、1月でございますが、JFEの小倉委員から環境負荷の低い生産とかリサイクルなどについて、お話しを願えたらと思います。また、崎田委員からはNPOの活動についてお話をいただけないかと思います。また、自治体の取り組みにつきましては、本日ご欠席でございますけれども、大牟田市長さんが全国市長会廃物対策特別委員会の委員長でもいらっしゃいますので、こちらともご相談をして、適切な自治体にお願いしたいと思っております。また、化学産業関係者と書きました。こちらはこの委員会を設置するということを議論をいただきました総合政策部会にお入りの旭化成の瀬田委員から、積極的にご協力願えるということで、どのような方がいらっしゃるかというのを教えていただいておりました。今朝、そちらからのご紹介もありまして、日本化学工業協会の方から、帝人の副社長でいらっしゃいます長島様から、帝人はペットボトルのリサイクルでつくった繊維とか、いろいろ出していらっしゃいますので、恐らくこういった関係のお話が伺えるということを伺いました。もし、本日、委員の皆様のご了承が得られましたら、そういうことでお願いを申し上げたいと思っております。
 なお、事務局は本日も資料9という形で、幾つかのデータをお出しいたしましたけれども、今後もそれぞれの会ごとに、必要な資料をおつくりして簡単にお出ししたいと思っております。本日おつくりした資料には、例えばエコツーリズム関係は入っておりませんけれども、今後、先生方のご指摘も踏まえまして、必要な資料をつくってまいりたいと思っております。
 資料8でございますが、これが6月にいただきましたご報告でございます。1つめくっていただきますと懇談会の名簿が載っております。本日もお出でいただいております、天野所長を初めとして、そうそうたるメンバーにご議論をいただきまして、この一回一回、必ず大臣も出席した委員会でございました。大変ありがたいと思っております。
 3ページをちょっとごらんいただきますと、こちらの3ページの上の方に、先ほど来、何度も申し上げましたフレーズが入っております。3行目の後ろの方からでございますが、「環境と経済の間に、環境をよくすることが経済を発展させ、経済が活性化することによって、環境もよくなっていくような関係を築いていくことが重要である」と書いてございます。そのほか、この前後に、これからの時代の基本哲学ということで、環境と経済の好循環についての考え方が書いてございます。
 この後、技術革新の話ですとか、市場ができる話ですとか、地域から生み出す環境と経済の好循環ですとか、さまざまなことが書いてございまして、16ページをちょっとあけていただけますでしょうか。16ページをごらんいただきますと、こちらに4.とございまして、国家総合戦略の策定に関する提言の中に、中長期的な戦略の必要性がございます。「環境と経済の統合した社会を一人ひとりの努力のみで実現していくことは困難であり、国民、企業、行政が一体となって共通の方向を目指して取り組んでいくことが重要である。中小企業も含めた業際間、各主体間の連携が進められ、各主体の環境行動を点の展開から面の展開へと広げていくためには、中長期的視点に立った国家としての明確でわかりやすい将来像(ビジョン)とその実現のための工程表が明らかにされている必要がある」とございます。
 この下の環境と経済の統合に向けた総合戦略の策定の2段落目をちょっとごらんいいただきますと、「具体的な策定の方向として、まずは、環境と経済の統合に関し、何らかの数値的目標を含む大局的、中長期的な視点に立ったビジョンを環境省において速やかに作り、これを今後の環境基本計画の見直しに向けた検討に反映させていくということが考えられる」とございます。こういうわかりやすい将来像を本日からご審議いただきたいと考えてございます。
 最後に参考の9でございますが、こちらは内容のご説明は申し上げません。もしも、ご質問がございましたらば、事務局までお寄せいただければ、可能な限りご回答申し上げたいと思っております。私どもが環境と経済に関係すると思われる基礎的な指標を幾つかとってきたものでございます。
 この中で、ちょっとわかりにくいかと思われる言葉が1つございますので、ご説明をさせていただきます。ほとんどは先生方おわかりと思いますが、28ページに、OECDの資料で環境と経済の分離度を示すデカップリング指標というのをつけました。こちらは環境と経済の好循環とか、統合とかいっておりますと、むしろ逆ではないかとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。28ページでございます。これはOECDで行われた議論で、環境と経済の間に、例えば"あちら立てればこちら立たず"という関係があるという誤解が以前にありました。それはそうではないんだという意味で「デカップリング」という言葉を使って指標をつくっているものでございます。
 以上でございます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 ただいま、諮問の内容とその背景等につきまして、事務局からご説明をいただきました。ただいまの事務局の説明に対しまして、何かご質問等がございましたら、どうぞお願いいたします。よろしゅうございますか。
 それでは、ご質問もないようでございますので、これから皆さんの意見交換に移りたいと思います。冒頭申しましたように、各委員から自己紹介を簡単にやっていただきまして、その後、ただいまの事務局の説明に対するものも含めまして、現時点における皆様のお考えを聞かせていただければと思います。時間の制約がございますので、申しわけございませんが、時間は1人5分程度ということでお願いできればと思います。それで、どうすればいいかなと思ったんですが、私の方でお願いをいたしましたので、お願いをしたものから、皮切りに、ごく簡単に申し述べたいと思います。
 今、谷課長から、ここの専門委員会で討議する討議テーマ、それから、それに見合った数値目標とか、あるいは今後の取り組みについて検討していきたいという趣旨がございました。したがいまして、皆様の討議テーマで、これは漏れているではないかとか、こういう取り上げ方をしたらどうかとか、いろいろなご意見がおありとだと思いますので、お願いしたいと思います。数値目標あるいは今後の取り組みにつきましても、ご意見があれば意見表明していただければと思います。そういうのをきちっと整理しまして、もう一度討議テーマをきちっとかためて、ただ、委員会の予定は大体3回ぐらいで、それを説明をしていただくのをこなしたいということでございますので、時間の制約もございますので、新たに追加するようなテーマが、もし出てきましても、事務局の方で、できるだけ関係の情報を集め、整理していただいて、事務局から説明を聞かせていただいて処理していくというような工夫もしながら、できる限りのうまい方法を考えながら進めていきたいと思います。いずれにしましても、そういうように、これからお諮りしながら進めていくつもりでございますので、よろしくお願いいたします。
 それで、私の個人的な意見、というほどではございませんが、申し述べたいと思いますが、テーマが環境と経済の好循環ということでございますから、それを実現していこうとすると、いろいろな方策がもちろん考えられるわけですが、やはり一番、私なんかの感じでは重要な柱はエネルギー対策そのものではないかなという感じがしております。経済を発展させていこうとすると、どうしてもそれに必要なエネルギーの確保が前提になるわけでございます。現時点では大部分が化石燃料に依存している。しかし、その化石燃料自体、有限でございますし、それを使用することによって大気汚染の負荷がかかり、あるいは地球温暖化の原因につながっているということがございますので、できるだけ化石燃料をトータルとして抑える、そして貴重な資源として、むしろ活用していくということが必要ではないかと思います。
 化石燃料の中でも比較的負荷の少ない天然ガスをできるだけ使うとか、あるいは負荷が非常に大きいといわれる石炭についてクリーン化、あるいはガス化等の対策を、技術開発を進めていく、それを活用していくということが必要じゃないかと思います。
 一方で、しかし、何とか新しい、これまで余り使われていないけれども、非常に環境負荷の少ないエネルギーを開発して利用していくという方向に持っていくのが、極めて重要だと思います。エネルギー転換部門などを考えましたときに、自然エネルギーとか、あるいは定義によって再生可能エネルギーといったり、トータルとして新エネルギーということで包括しているのかもしれませんが、新エネルギーによる発電を、できるだけウエートをふやしていくということが、エネルギー転換分野における1つの新しいアプローチではないかなと思っております。
 そして、最近では技術開発が進み、水素エネルギーを使って燃料電池を活用するという期待が非常に膨らんできておりますが、部門別に見まして一番負荷が大きいといわれる運輸部門でも、燃料電池車の開発、あるいはハイブリッド車の開発等々、超低公害の車が開発されてきておりますので、これをできるだけ大量に普及させていく、それもできるだけ速やかに普及させていくということが、非常に有効な手法になるのではないかなと。
 それから、住宅、ビル等の民生部門で見ましても、今、申しました燃料電池を活用して発電と給湯を同時にコージェネレーションという形でやっていく。定置型、分散型の装置でございますが、そういうものをできるだけ早く普及していくということが、非常に重要ではないかなと思います。
 ですから、そういったことが、この討議テーマとして具体的に取り上げていくことができれば、非常にいいのではないかなという感じがいたしております。
 では、それを具体的に実現するために、どういう取り組みをしたらいいのか、それもいろいろな取り組みがあると思いますが、私は、重要なのは技術開発をどんどん進めて、そして実用化段階に到達したような技術を、できるだけ早期に普及させていくということではないかなと思います。ところが、新しくいい技術が開発されてもコストが高いために、既存技術になかなか打ち勝てないというようなことで、非常にもたつきが生ずるわけでございますが、これを何か乗り越えて、非常にスピーディーに大量普及につながっていく仕組みづくりというのが非常に重要ではないかと思います。日本では、どうもこの仕組みづくりが必ずしも十分に行われていない面があるのではないかと思います。
 その例としてなんですけれども、電力会社による新エネルギー発電の促進という意味では、最近、政府の方でRPS法というのを制定されて、現時点では新エネルギーによる発電ウエートというのは 0.3%ぐらいを、2010年に1.35%に上げていこうということで方策をとるということになっておりますが、これ自体、そんなに高い比率ではないわけですけれども、必ずしもその達成は容易ではない。だけど、ヨーロッパでは5%とか10%とか、もっと高い率を設定して努力しているわけです。そういう高い目標を掲げてやる場合に、どういう方策をとれば、そういうことが可能になるのか、いろいろな知恵はあると思いますので、議論をしていただき、新しい知恵が出てくるようにしていただければと期待するわけでございます。
 それから、低公害車につきましても、日本では政府が低公害車を普及させるということで、できるだけ利用するということで努力されておりますが、例えば、地方公共団体ですと、もっと数が多い、台数も多いわけですけれども、なかなか予算とかいろいろな制約があって普及が進まないというところにとどまっているわけですが、これでもメーカーサイドのインセンティブ、それからユーザーサイドのインセンティブ、それをうまく組み合わせて、何か仕組みをつくって、もっと大量に早期に普及するようなことが考えられないかなというように思っております。
 それにつけても、1つの例はカリフォルニア規制というのがあって、連邦法にプラスしてカリフォルニアでは、大気汚染が非常にひどいものですから規制を強化しているんですね。その中の1つに、2003年からゼロエミッションカー、廃ガスゼロの車を10%販売する義務をかける。だから、1万台売った場合には 1,000台、ゼロエミッションカーを売らなければいかんというような仕組みができ上がっておりまして、そういうのがきっかけとなって、それぞれ自動車メーカーがハイブリッド車だとか、あるいは燃料電池車の開発努力をしている、その1つのきっかけになっているんじゃないかなと考えます。これは、また後ほど笹之内さんからも伺わせていただければと思います。そういった事例があるわけですね。だから、日本でも何かそういう工夫ができないかという感じがいたしております。
 それから、燃料電池の話が大分出ましたが、これからは、一番期待される新エネルギーでございますから、これが早期に利用されるようにするために、そういう利用技術、自動車だとか、ビル、住宅用の定置分散型の発電装置、燃料電池を開発するのはもとよりでございますけれども、それに対してスムーズに燃料供給されるような体制をとることが、どうしても必要な条件になる。水素について、生産あるいは容器の開発、輸送、流通販売体制の整備、あるいは安全対策、そういったこともあわせて検討して、トータルとして水素エネルギー社会が到来するように持っていく必要があるのではないかなという気がしております。
 今申しましたような例に即していえば、具体的な数値目標というのは割と立てやすいのではないか。そういう新技術の普及率というものを目標に立てて、それにみんなで努力していくというようなことが1つ考えられるのではないかなと思います。
 ちょっと勝手なことを述べさせていただきましたが、1つの素材にしていただければと思います。ありがとうございました。
 それでは、順次、お願いしたいと思いますが、安井委員が、ちょっと所用がおありで、早目に退席したいということでございますので、まず最初に安井委員にお願いしまして、その後、天野委員から時計と逆回りに回っていただければと思います。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

○安井委員 ちょっと早く出なければいけないものですから失礼いたします。
 まず、自己紹介ということでございますが、私自身は工学屋でございまして、工学部の化学、その後、材料屋になりまして、ひょんなことから環境屋になりました。
 環境では、ライフサイクルアセスメントなんということに取りかかりまして、環境を総合的に評価するなんていうことが可能かという課題をやっておりますうちに、いろいろなことにはまり込んでしまったという状況でございます。
 みずから、エコ製品を買い込むのを、最近、趣味としておりまして、自宅の屋上にはシャープ製の太陽電池、既に車も旧プリウスを新プリウスに買いかえまして、パソコンもパナソニックの一番エネルギー効率のいいやつを使っていたりして、ここにおいでの各社のお世話になっております。
 さて、あと、みずからの環境感はどうもほかの方と変わっているみたいなんですが、それがどのぐらい変わっているかということを実証するために、ホームページを自分で運営しておりますが、最近、アクセスが 210万を超しまして、世の中には結構変人も多いのかなと思っている次第でございます。
 さて、きょうの本題をあと4分ぐらいでいきますが、きょうのご議論でございますが、環境と経済の好循環というものを実現できるというのが、現状でわかっているのは、先ほどご紹介もありましたように、SOxのような例なんですね。したがって、私は環境負荷を幾つかに分けて、ものを議論すべきであろうと考えております。まず、環境負荷の分け方ですが、その1番目として排気・排水にかかわる環境負荷。これは、SOxが代表例でございますから、これは大体いけるに決まっていると思います。ですから、もう議論は要らないのかもしれない。
 2番目が温暖化ガスと資源の大量使用という環境負荷でございまして、これに関しましては、いま、安原委員長がおっしゃいましたので、話はおおむねそんな方向で、ちょっと燃料電池に関しましては、若干違った意見があるのでありますが、これは社会的な仕組みとか何らかのインセンティブが必要かなと思っております。
 しかし、とにかくやらなければいけないことは、先日、世界経済フォーラムが発表しております世界の各国の競争力調査で、上位10位に入っているのは、米国と台湾を除く上位のほかの国は、全部そういった方面で好循環を目指していて、既に実施中であるということだと思います。ですから、日本がその次あたりを目指さなければしようがないんじゃないかという気がしております。
 3番目の、これはどうかなと思う環境負荷が、実をいいますと、製品中の有害物質というものの考え方です。これに関しましては、例えば欧州におきまして、最近のRoHS規制(Restriction of Hazardous Substances)ですが、そのような規制で重金属4種類と、臭素系の難燃剤2種類のような規制がかかっておりますが、こういったものが本当に経済と環境を両立させるものかどうかというのは、かなり危ないとにらんでいます。
 といいますのは、やはり人間社会、それから地球という、そういうものの成り立ちから見ますと、どうも世の中には、若干、毒でも使った方が総合的効率が高いというものが多分あって、そういうものをいかに社会システムとして、害の方を殺して益の方だけ出すか、という別の考え方を、多分しなければいけないんじゃないかというような気が、もともと材料屋なものですから、しております。
 そういう考え方を欧州で推奨していますのはスウェーデンのような国でありますが、スウェーデンは、ご存じのとおり2020年までノン・ソックス・ソサエティをつくるというようなことをターゲットにしていっているわけでありますが、こういう社会的あるいは一般市民の考え方というものを、どういうふうに取り込んでいくかという非常に難しいところかなと思っています。
 日本の特殊事情は、諸外国はそうでもないんですが、例えば非塩ビ化なんていうのは、多分そんな例ではないかと思っておりまして、塩ビというものを排除するというのは、部分的には確かにあっていいんですけれども、ある用途に関しては、恐らくこの材料、22世紀まで持ち込んだ方が環境負荷が低いのではないかとすら思っているわけです。その辺、証明しろと言われてもなかなか難しいのでありますが、そのように、いろいろなものを分析的に、詳細に、なおかつ総合的に解析し、議論していくことが必要ではないかと思います。いわゆる世の中の世評といいますか、移ろいやすい世評として何が環境に優しいとか、その辺をうまく直しつつやっていかないと、例えば今後の 100年を見通した長期シナリオをつくっていくということは不可能じゃないかなというような感想を持っております。
 以上でございます。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、天野委員、どうぞ。

○天野委員 現在、地球環境戦略研究機関の関西研究センターにおりまして、ここでは企業と環境というテーマでやっております。私は従来は環境経済学というのが専門だったんですけれども、最近はこういうセンターにおります関係上、経営に関する勉強も少し始めております。そういうことで、この好循環というのは、そういった企業、産業と環境というのが好循環になるということで、センターでのいろいろな仕事を生かすことができればと思っております。よろしくお願いいたします。
 この委員会で、ぜひご議論いただきたいテーマとして3つぐらい考えておりますが、1つは、これは環境省が最近発表されました一般市民を対象にした世論調査がありまして、市民の関心は非常に強いのだけれども、環境全般について生活から環境へ、また環境から生活への影響であるとか、あるいは開発事業の環境に与える影響であるとか、企業の環境負荷であるとか、こういう点に関して非常に関心が高いんですけれども、一般の市民は、そういう情報をほとんど受けていないという不満足感が非常に高い。
 こういうギャップがあるわけですが、企業の方は社会的責任という取り組みを自発的に進めておりまして、世界的にいろいろなガイドラインができております。日本の企業もそういった国際的なガイドラインに参加をするということが進んでおります。
 ですから、そういう方向でベクトルは一致しているようなんですけれども、しかし、まだ両方の間に大きなギャップが残っていて、企業の発信している情報が一般の人には伝わらないし、一般の人の関心を持っているような情報を企業の方は開示していない。こういう状況が続いておりますので、私はこの2つのギャップを近づけることによって、こういった好循環をもたらすような、一番重要な基盤ができるのではないか。そういう意味では、環境に関するさまざまな情報を、どういうふうにすれば企業、産業、あるいは経済界と一般市民が共有することができるようになるか、こういうことが非常に重要であろうというふうに思います。
 環境政策の行方を左右するのは、もちろん工学的な技術とか、科学的な究明というのは非常に重要ですけれども、そういう知識あるいは知見をベースにして、最終的には一般の人たちが判断を下せるような、そういうふうな考え方が必要なのではないかというふうに考えております。
 それから、2つ目は、安原委員長も強調されましたように、技術革新というのは非常に重要でありまして、特に今までは環境にかかわるような技術革新が中心的な役割を果たしていたとは、とても言えないと思いますけれども、エネルギーではもちろんそういった技術革新を、今後どうやったら促進できるかということ、それから、エネルギーと同時に、先ほど安井先生もおっしゃいましたが、化学物質外の物質に関する問題、それから、プリウスの話も出ましたけれども、運輸技術を、これはもちろん物を運ぶ、物を動かすという技術も重要ですけれども、それをいかに環境負荷を下げてやるかという技術も必要ですが、同時に、社会的なシステムをつくるという、いろいろな技術の間の社会的な選択ができるような基盤づくりをするということも大変重要だと思いますので、むしろ運輸システムそのものを変えるような革新という言い方をした方がいいのかもしれません。そういう技術革新が重要だということは申すまでもありません。
 私は技術の専門家ではありませんが、革新という点では、もう一つ、最近は社会的な組織とか制度、あるいはもう少し突っ込んでいえば政策の革新、イノベーションということが大変強調されておりまして、特に企業の関係で申しますと、サービサイジングというようなことがよく言われるわけです。私は前の懇談会に参加しておりまして、サービサイジングというのは、もともと物をつくっている会社が物をベースにしたサービスの販売に転換するものだと理解しておりましたら、佐川急便さんの話を聞きましてショックを受けました。サービスを扱っている人がサービサイジングの考え方を適用してイノベーションを起こしている。ちょっと驚きまして、そういう意味ではサービサイジングというのは、一般的にいろいろな活動に応用が効く、好循環をつくり出すイノベーションの1つの手法ではないかというふうに思いました。
 そのほかにも、先ほどお話が出ましたライフサイクルの話、ライフサイクルコスト、あるいはデザインフォーエンバイロメントとか、環境管理会計とか、いろいろな手法が次々と出てきておりますが、それが必ずしも普及していないという組織的な革新、社会的な、制度的な革新というものについても、大きな注意を払う必要があるんじゃないか。これが2つ目の点であります。
 3つ目は、ちょっと視点が変わりますが、エネルギー、温暖化、廃棄物、リサイクル、化学物質、こういう点は大変重要なんですけれども、最近、国連が中心になりまして、ミレニアム・エコシステム・アセスメントというのを4年がかりで始めておりまして、日本からもたくさんの人が参加しておりますが、ここは環境のエコシステムとの関連という点で取り上げております。我々も環境問題とか、自然とか、身近な自然とかいいますけれども、エコシステムがどういうふうになるのか、あるいは我々がエコシステムに対してどういう長期的な影響を与えているかということは、必ずしも裏にある形で議論が進んでいるというふうには思えませんので、何か数値目標をつくるというふうなときに、このエコシステムに関する指標、これはMAの中に、いろいろな指標の検討が進むというふうに書いてありますので、そういうものを参考にしながら、システムに関しては、ここではどういう指標で、どういう目標で、どう立てるのかというのを、ぜひ1項目として入れていただけたらというふうに思っております。
 ミレニアム・エコシステム・アセスメントが完結するのは4年先なので、それを待っていることはできませんけれども、我々は我々の方で独自の何かをつくればいいのかなというふうに思っております。
 以上でございます。

○安原委員 ありがとうございました。
 和気委員、どうぞ。

○和気委員 慶應大学の和気と申します。今現在は中央環境審議会のメンバーをさせていただいておりますと同時に、経産省のエネルギー基本計画の策定の委員をさせていただいたり、あるいは原子力部会や新エネ部会などの専門委員をさせていただいております。必ずしもその動向が私の中ではベストな方向に動いているかどうかは、いささか疑わしいところもあるんですが、方向としては、いい方向に動いているだろうというふうに、エネルギー政策は位置づけております。
 私自身のバックグラウンドは国際経済学が専門でございまして、そこから貿易問題やら、直接投資と環境の問題などに関心が膨らんできて、今に至っているというところでございます。私は安井先生とは若干行動が違って、旧プリウスに乗り続けておりまして、買いかえ需要に貢献しない分だけ、経済にはよくないんですけれども、乗り続けるというところに、あるいは環境に対していい面もあるかなと思いつつ、そんなことを趣味において車に乗せていただいております。
 きょうは、後ほどちょっと問題提起させていただこうと思っておりました。ただ、安原先生初めほかの2人の先生と同じような部分もありますが、私の言い方で4つほど提言させていただきたいと思います。
 まず1つは、環境と経済という2つの軸で議論するときに、圧倒的に環境の方が不確実性要素やリスクが高いというふうに思います。経済については、かなりの程度、人間の経済活動を含めた、かなり予見可能な、予測可能な部分でございますが、環境については大変不確定要素もございます。先生、おっしゃられたように、いろいろな素材についても非常に不確実性要素が高い。
 したがって、常にそういう新しい環境問題、あるいは新しい知見が生まれたときに、どう社会がそれを情報として経済活動につなげていくかという、その仕組みがないと、せっかく学術的、あるいは専門家が環境についてさまざまな分析をしても、それが時間がかかってしまうというのではまずいわけで、新しい環境に関する知見が出てきたら、それをどう社会や経済に組み込んでいくかという、そういう柔軟なシステムを、一方で持っていなければいけない。この意味では、政策の役割は物すごく大きいだろうというふうに思います。
 ただ、これと関係するんですが、2つ目は、新しい技術や改良型技術が一方で出てまいります。それを社会がどうアクセプトするかという、社会のアクセプタンスの仕組みを、当然考えていかなければならないと思います。技術は技術屋さんが考えますが、社会がその技術をどう使うかは、かなり社会の仕組みの中で決まってまいりますので、その部分をしっかり社会科学的な方法論も含めて、知見を積み重ねていくという必要が物すごく重要だと思っております。ですから、技術メニューは、一方で専門技術の中で提供しておりますけれども、それをどう社会がアクセプトするかの、このつながりが重要かなというふうに思います。
 私が直接かかわっている専門としては、明確にこれに対する答えではありませんけれども、よく、環境ビジネス、環境技術という場合に、環境のアウトプット側を非常に注視します。どんな公害防止技術や産業が生まれたかと。そういうアウトプットもとても重要なんですが、それをどの産業が、どのセクターがそれを利用したかという、インプットとして環境技術が使われているかという、インプットとアウトプットの産業構造の産業の厚みというか、そういう分析にもとても重要だと思いますので、これは産業連檐分析といわれているんですけれども、その辺をもっと充実させていかなくてはいけないかな、というふうに思っております。
 それから、3つ目は、よく企業の行動、企業経営に関連するお話でございまして、天野先生もおっしゃいましたけれども、経営の問題はとても重要でございますが、よく学会などもそうなんですが、環境のスコア、環境に非常にコンシャスな企業を環境スコアの高い企業といいます。それと、その企業の業績を単純回帰してみますと、企業の業績が高いところが環境スコアが高い、こういう結果がよく出てまいります。そうすると、では、環境スコアが高いと企業業績につながるのかと、逆の相関があるのかという、つまり企業業績が高いから、収益が高いからから、環境コンシャスな企業なのか、それとも環境コンシャス程度が高いから、企業の収益にそれがつながっているのかという、この辺がまだブラックボックスでございますので、この辺の議論を、もう少しきちんと詰めていった方がいいというふうに思います。
 私は、この懇談会で議論できるかどうかわかりませんが、お一方、金融の方を、よくファイナンスの、環境エコファンドも含めてですけれども、その部分で金融の方にお話しいただくということもよろしいかなというふうに思っております。
 それから、最後の4つ目の問題提起は、今、私自身もかかわっておりますけれども、マーケットが国際化していくという中に、質の高い国際市場を形成できるかというときに、例えば日本と他のアジアの国々が経済連携をしていく、国際FTを結ぶ、それによってアジアの関連する国の間の環境がどうなるかということは、すごく重要でございます。したがって、市場拡大とともに環境保全が、ともにできるような、そういう経済連携の仕方もあるかなというふうに思います。その辺で、何も越境型の環境負荷ではなくて、個別のローカルな環境問題においても、やはり国際的な視野が必要かなというふうに思っております。以上です。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 では、続きまして、山本さん、どうぞ。

○山本委員 主婦の友社で「ゆうゆう」という50代の雑誌をやっております山本と申します。
 先生方のご立派な議論がずうっと続く中で、私、最初に専門委員などに私などは、ということをちょっと申し上げたんですが、決して謙遜で言ったわけではなくて、皆さん、ここにいらっしゃる方の大部分の方が、日ごろ"環境"というワードをお仕事の何らかのベースにしていらっしゃる方がほとんどだと思うんですけれども、私は一方で、全く縁がないというとちょっとおかしいですね、生活の一部分ですから、関連があるといえば関連があるんですけれども、50代女性の読者層を頭に描きながら、毎日の生活、暮らし方、生き方をどうやって生き生きとやっていくかというようなことを、毎日の仕事にしております。一方では主婦であり、母親であり、妻でありというような生活者の面と両方を持っております。
 先生方のお話を伺いながら、本当にお役に立つのかなと思いながら、この場に臨んだわけですけれども、私が申し上げるもなく、先生方が本当にいろいろとこれまでおっしゃっていただいたので、まさにその辺のところで何かお役に立てればいいのかなというふうに思っているんですけれども、一般の私どもの読者というのは、まさに本当に平均的な等身大の雑誌を目指しておりますので、平均的な読者なんですけれども、その生活者というのは、建前ではなかなか行動をしていきません。生活をしていきません。やっぱり本音のところで、自分の中でエモーショナルな部分で比較的生活というのは成り立っていくものだ、というふうに考えております。
 その中で、例えば雑誌づくりもそうなんですけれども、私どもの雑誌は 680円で毎月売っているわけなんですが、これをご立派な議論だけを載せていたのでは、皆さん 680円出して情報を買うということをやってくださいません。やっぱり何らかの、この雑誌を開くことで楽しくなるとか、心がいやされるとか、豊かになるとか、中にはちらっと新しい情報を得て、ちょっとお利口になったかなというような感情とか、さまざまな思いを持って 680円の情報を買ってくださるというのが雑誌の世界でございます。
 私は環境について全く詳しくもありませんし、それから私自身も生活者として環境優等生かといわれると、プリウスにも乗っておりませんし、全く平均的な、かといってきちっと分別のごみは言われたとおりに出す、というふうな平均的な生活者ではないかと思っていますけれども、その生活者の視点から、逆にやっぱり情報というものを、いかにうまく生活者に届くようにしていくかというようなところを考えていかないと、環境と経済との好循環は生まれない。先ほどいろんな先生方がすばらしい技術がいろいろと開発されても、それを生活者の中で実戦していく、チョイスしていくということは、もう一つかなり大きな距離があるというふうに実感しております。
 やはり情報をうまく伝えること、ということが1つと、それから経済活動も余りマイナスばかりでは、幾ら環境、環境といっても、なかなかそこへ取り組めないように、メリットがあって初めて経済活動も成り立つのと同じように、生活者にとっても、ああ、こうすればメリットがあるのね、プラスになるのね、というふうな、先ほど「インセンティブを与えられるようなシステム」とおっしゃられましたので、まさにその辺だろうというふうに思うんですけれども、生活者の視点から、そういったような面から、何か参画ができればというふうに考えております。
 以上でございます。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、筒見さん、よろしくお願いします。

○筒見委員 ファーストエスコの筒見と申します。よろしくお願いします。
 多分、まだほとんどの方がこの社名をご存じないと思います。ファーストエスコというのは何をやっている会社かと申しますと、エスコという事業を専業でやっている会社としては、日本で最初だと自負しておりますが、そういう意味でファーストエスコということです。7年前に立ち上げまして、環境ベンチャー企業だというふうに思っております。
 それで、エスコ事業に関しましては、来週簡単にご説明する時間があるようでありますので、それについては来週に譲りますが、エスコというのはESCOの略でエスコであります。エナージー・サービス・カンパニーというように申しまして、まさにエネルギーのサービスをやっていく会社というものであります。省エネとか、エネルギーの効率化をするということを飯の種にするという会社です。
 私がこの委員会の専門委員に選ばれて、そこでいろいろこれから意見を言わせていただく1つの基本的な考え方を、きょうは申し上げておきたいなと思っております。環境と経済の好循環ということなので、これは非常に大きなテーマだと思うんですが、私どもの会社も「環境と経済の両立する社会づくりへ貢献する」というのが企業理念になっておりますが、まさに企業理念そのものであるわけですが、要は、私は産業人、ビジネスマンの立場としては、こういう好循環を生み出すことそのものを飯の種にしていく。それそのものを生活の糧にしていくという、そういう仕事なりビジネスをつくっていきたい、そういう会社に将来育っていきたいというのが、私の基本的なコンセプトでございます。
 それを「環境産業」と呼ぶべきか、もっと広くいえば「静脈産業」という言い方をしておりますが、まさに社会における物づくりをしていく、いわゆる動脈系の産業というのは非常に立派な会社が、日本の場合、たくさんあるわけですけれども、逆にいうと、エネルギーを減らしたり、あるいは出てしまった廃棄物をうまく処理したり、それをまたもとに戻したり、そういうことをする、物をつくらない静脈系の部分を担う産業、会社、ビジネスというものを、ぜひ立ち上げていきたい、みずから先頭立ってやりたいという私の思いが1つです。
 それから、2つ目は、先ほど委員長からも「社会の仕組み」というお話が出ましたけれども、まさにこのエスコ事業というのは、私がなぜやろうと思ったかというものの1つなんですが、「所有する」ということから「利用する」ということに考え方を変える、ということが基本にございます。ちょっと具体的に言いますと、要は、個人ベースでいっても、物を購入しますと、もちろん所有権は自分のものになるんですが、自分で要らなくなれば、それは廃棄するしかないという状況なんです。
 実はエスコというのは、省エネに資するための設備を、エスコがみずから投資をする。みずからお客さんの場所に持ち込んでいって、お客さんには、その効用である省エネだけをお与えする、それでサービス料をいただく、それがエスコ事業でありまして、お客さんとしては、物が欲しいのではなくて省エネが欲しいのであれば、そちらだけをサービスしていく。ですから、利用だけしていただくという、所有することから利用することへ、という一種のパラダイム転換を秘めたビジネスであります。
 ですから、そうなると、例えば非常に入りにくいコスト高の高製品なんかも、今のような考え方でいけば、お客さんがみずから投資しないということになると、投資回収の概念からも、ある意味、回避できるのではないかとか、あるいはお客さんが要らなくなれば、別のお客さんで必要な方もいらっしゃれば、そういうところへうまく転用していくこともできますので、そういう意味で、リサイクルの促進にもつながるということで、何から何まで物は所有しないというようなパラダイム転換が、今後、環境と経済の好循環をつくっていく上では必要ではないかなというふうに思っております。
 そんなような環境ビジネスの育成の視点、それから、そういった所有から利用へのパラダイム展開という視点で、今後、意見を言わせていただければというふうに思っております。
 以上でございます。

○安原委員長 筒見委員、どうもありがとうございました。
 それでは、辻委員、お願いいたします。

○辻委員 シャープの辻でございます。
 3点ほど申し上げたいと思うんでございますけれども、まず、この国家戦略をどういうふうに国民に訴えるかということが1つの課題ではないかと思いますが、国民に訴えるには、具体的な数値目標が、僕は一番わかりやすいだろうと。国民がそういう目標に対して結集できるような、そういう数値目標を示すことが、革新的な技術開発であるとか、あるいは雇用創出する、ひいては国の国際競争力をつけことにもなるのではないかなというふうに思っております。
 そういう面で、参考になるかどうかわかりませんけれども、来月から地上テレビ放送のデジタル化が始まりまして、本格的にインフラが変わるわけでございますけれども、この事業分野で、今後10年間で約40兆円、あるいは関連産業への普及効果を含めると 212兆円というふうに発表されておるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、数値目標というのは、例えば国民にわかりやすいですし、結集できるのではないかなと。もちろん、私も資料を見させていただきまして、環境効率性、あるいは資源生産性の目標数値も決めておられます。環境ビジネスは、2010年ぐらいをねらって、47兆円ですか、決めておられるようですけれども、僕はもう少し、そのベースはでかいだろうなという感じがしますので、この辺の見直しが1つ必要かなというふうに思います。
 それから、もう一つ、2番目は、国家の総合戦略ということになってきますと、総論だけに終わらないようにしなければならないという点では、切り口としては、先ほど来、諸先生がおっしゃいましたような技術革新だと思います。したがって、戦略的に環境の関連技術革新をどういうふうな仕組みをつくるか。例えばいろいろなセクターがございますので、横断的にプロジェクトをつくって新たな環境関連技術の開発につなげていく、というのもいいのではないか。最近は一企業におきましても、1つの事業体ではなかなか新しいものを生み出すことができません。したがって、企業の中でも横串を差しまして、新しい技術の開発なり、新しい商品をつくっているんですけれども、そういう面で新たな技術革新が必要ではないかと思いますが、その技術革新をつくり上げていくための新しい仕組みがあってもいいのかな。それはプロジェクトという新しいやり方はいかがなものかなというふうに思っております。
 それから、3つ目は、実は、私、今から四、五年前に、環境総合政策部会に2年ほど委員として出たことがあるんです。社長をしていましたときに、持ち回りがございまして、メーカーの持ち回りで出たことがありましたんですが、そのときの環境省のイメージと、今回、いろいろ話を承りました現在の意識革新と申しますか、あるいは国家戦略というんですか、大変変わったなと思いました。「環境をよくすることが経済を発展させる、経済が活性化することが環境をよくする」。僕は大変すばらしいことではないかなと思います。これでこそ、日本の競争力を強くする、あるいはまたアジアに対して訴えていけるのではないかな、物をつくっている立場でございますので、余計そう感じるわけなんです。
 ただ、それを進めていかれる上においては、ぜひ、関係省庁と密に連絡をおとりになりながら進めていくのが、成功させる近道ではないのかなというふうに思っております。
 以上、3点でございます。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、園田委員、どうぞ。

○園田委員 松下電器で環境本部を担当しております園田と申します。よろしくお願いいたします。
 私ども環境本部を担当させていただいていますけれども、松下電器の事業ビジョンの課題は2つありまして、1つはもちろんコンピュータAVCネットワークへのユビキタスネットワーク社会の実現への貢献というのが1つでございますけれども、もう一つ、事業ビジョンとして地球環境との共存への貢献というのを、私どもの社長みずから、2つの二大事業ビジョンだということで取り組んでいるところでございます。
 実は、こういう事業ビジョンと同居する形で、松下電器も環境に、今から2年前、環境ビジョンをつくり、そしてそれの行動計画のアクションプラン、「グリーンプラン2010」と、我々、呼んでいるんですけれども、そういうものをつくって進めさせていただいております。
 ただ、つくったときと、今、私どもが少しいろいろな意味で変わってきたなと思いますのは、グリーンプラン、ビジョンとか、大きく2つありまして、環境に優しい工場をきちっとつくろうとしていこうという動きから、実は今は、世の中のお客様にお渡しする製品、我々、グリーンプロダクツと呼んでおりますけれども、そういう製品の環境配慮を高める方向に持っていかなければだめだなというふうに思っております。
 例えば、一例をエネルギーの消費ということで見てみますと、これは非常に仮定が多い概算なんですが、私どもの国内の工場で使っているエネルギーは、日本の0.1%なんですが、私どもの製品がお客様のもとで使われているエネルギーは、ほぼそれの10倍の1%ぐらいになります。それだけに非常に責任が重いなというふうに感じております。
 おわかりのように、こういう1%の方にいろいろ努力していこうとすれば、私ども企業だけでできる時代は既に終わった。今、ここに言われています私どものお客様、国民の皆様や行政の方々と、本当に一体となって、そういう形を進めていくべき時代になったなというのが、まさに私の実感でございます。意識の改革も必要でしょうし、もう一つ、経済的合理性に基づいた今の環境と経済の両立、こういうことが両方相まって実現できる時代になってきたなというのが、私の実感でございまして、もうそれ以外は、各委員の先生方から言われている社会全体のインフラ、こんなものがぜひ必要になってくると思いますし、私どもGPEで冷蔵庫とか、省エネの蛍光灯とか、FC燃料電池等、精いっぱい開発をさせていただきますけれども、そういうものを社会全体として有効に活用していく、そんなことを、ぜひ、この場で議論できたらいいと思いますし、私も何らかのお役に立てたらいいかなと思っております。よろしくお願いします。
 以上でございます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、関委員にお願いいたします。

○関委員 損保ジャパンの関です。現在、社会環境室というところにおりまして、環境問題を中心とした企業の社会的責任全般についての社内の推進窓口ということでやっております。
 私どもの社会環境室は、実は、組織をさかのぼりますと、旧安田火災の時代なんですが、92年に地球環境室という組織ができまして、金融機関としては早くから環境問題に取り組んできたという経緯がございます。金融機関という、なかなか環境負荷がそんなに大きくないんじゃないかと思われがちなんですけれども、紙、エネルギー、電力、大量に消費しておりまして、そういう意味で省資源、省エネから始めたんですね。あるいは社会貢献ということで、社員のボランティア活動ですとか、そういった活動も盛んにやってまいりまして、特に最近、この委員会のテーマにも関係するんですが、いわゆる金融機関の本業として何ができるんだろうか。本来の商品サービス、損害保険会社としての保険商品あるいは金融機関としての金融商品、これで環境という切り口で何ができるのだろうか、ということに特に力を入れているということです。
 きょう、2点ほど申し上げたいんですが、1点目が、先ほど、和気先生もおっしゃっていただいたんですが、金融機関の役割ということでいきますと、環境と経済の好循環を生み出すための社会的、経済的な基盤あるいは条件、ここにおいて金融機関の融資ですとか、保険ですとか、投資ですとかの機能の果たす役割というのは大きいと思うんです。例に挙げていただいたエコファンド、私ども、99年にエコファンドを発売をしまして、これも金融機関として本業で何ができるのだろうかということを、特に諸外国、欧州を中心に先進事例を調べる中で、これだということでたどりついたわけなんですけれども、このエコファンドが、まさに環境問題に熱心に取り組む企業と投資家の間を取り持って、市場のメカニズムで環境取り組みを推進していくという商品だと思うんですが、これを日本においても一定の定着といいますか、2年間たって定着してきていると思うんですけれども、これをさらに拡大をしていく、さらに好循環を生むために拡大をしていくにはどうしたらいいんだろうか、というようなことを考えております。
 その1つが、環境コミュニケーションという意味で、企業の環境取り組みについて条件開示をきちんとして、それに対して一般の投資家の方、あるいは投資家以外の方にもいろいろと意見を求める、こういう双方向のコミュニケーションというのが大事なんだろうなというふうに思っております。
 それから、もう1点は、人間といいますか人づくりの問題なんですけれども、これも私どもの損保ジャパンの環境財団という財団がございまして、この財団が大きなテーマとしているのが、まさに人づくりなんです。環境取り組みを進めていく上で、環境に関する知識というのは非常に重要な話だと思うんですけれども、問題は知識を持った人が主体的に行動するかどうか、その行動のきっかけをいかに生み出すかということを環境財団のテーマにしていまして、そういった意味で、市民のための環境公開講座ですとか、あるいは大学生を対象とした環境NPOでのインターンシッププログラム、こういったものを実施しております。
 先ほど言いました社内の環境取り組みも担当しているものですから、社員への環境教育というのを私どもの本来業務として、全員参加で社員が取り組むための環境教育、これを一生懸命やっているんですけれども、やはり人づくりという面においては、環境教育というのは家庭も学校もやらなければいけない、企業は企業で、企業の中の社員に向けてやらなければいけない。それだけではなくて、企業も世の中に対する環境教育面、人づくりの面での貢献をしなければいけないんじゃないかな。特に、認識だけではなくて行動に移すためのきっかけをつくる、こういったものが非常に大事ではないかなと、こんなふうに考えております。よろしくお願いいたします。

○安原委員長 ありがとうございました。
 どうぞ、笹之内さん。ちょっとご紹介が遅れておりまして申しわけありません。

○笹之内委員 すみません、遅刻しまして。ちょっと始まる時間を勘違いしておりまして。
 トヨタ自動車の笹之内と申します。このたび、環境と経済の好循環というテーマで世の中を動かしていこうということに対して大変感謝しております。
 と申しますのは、我々も常日ごろ、環境対応とお金を儲けるという話がどうつながるかというのが、日常、非常に議論になっていまして、ある面でリスク管理の1つだというふうにしか、今のところ、社内で説明できないわけなんです。これは環境をやっている者にとっては、非常につらいところなんです。外に対しては、私どもの会社は割とカッコいいことを言っていますけれども、社内で議論すると、結構そういうところが起こります。最後、逃げるところはリスク管理である。
 例えば、最近の持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)の議論でも、今や企業の資産価値の7割はブランドである。だから、このブランドをなくすということが痛いから、持続可能な発展の経営方針でやるよ、というんですけれども、本当の工場レベルになると、こういう話というのはなかなか難しいです。そういう中でこういう動きをつくっていただけるというのは、成功すればですけれども、非常にありがたいなと思っています。
 例えば、この問題は大変難しくて、実は、皆さん方のように余り高尚なことは申し上げられませんから、極めてフランクに申し上げると、今、自動車というのは人の幸せに対する貢献もしていますけれども、かなりいろいろな意味でインパクトも大きい。そういうことを真摯に受けとめて、世界の主要メーカーが8社、それに石油メーカーが集まりまして、3年で12億円もかけて、「サステーナブルモビリティって何?」という議論をしているんです。だけど、経済との関係になると、急に皆さん対立的になる。そんな儲からないこと、できないよとか、ハイブリッドなんか儲からないじゃないか、そんなの出すということは株主に対する背信行為じゃないかとか、こういう議論になる。だから、非常に環境対応、リスクマネジメント、ここまではいいんですけれども、経済を好循環させる環境対応というのは非常に難しいものですから、この場でも勉強もさせていただきたいし、ぜひこういうのを世の中の議論にしてほしい。
 そういう中で、具体的に幾つかお願いをしたいんですけれども、これが単に規制とか、政策の展開に終わると、非常に淋しいなという感じがします。ある役割を果たすと思うんですけれど、先ほど、ZEVの話が出ました。ゼロエミッション・ビーイクル、カリフォルニアがやっていますけれども、彼らがすごいのは、かなりフレキシブルに、技術の実情に合わせて、その制度をどんどん変えていくんですよね。ところが、日本の場合はこういうところでいい議論ができて、それに基づいて後で政策ができると、なかなか変えられない。技術の実態と合わなくても変えられない。こういう問題があるから、それだけは、ぜひやめていただきたい。
 それから、データを重視した議論でないと、何かエモーショナルな議論でお経みたいに――お経といったらお経に失礼ですかね――お題目になってしまう。これは避けたいですね。そのとき1つ大事なのは、我々企業がやっているのはQC手法である。なぜを5回ぐらい繰り返して、一番大きな原因は何であるか、そこへ理想説を投入して解決するというのが、一番費用対効果が上がるんじゃないかというふうに思います。
 それから、先ほど和気先生もご指摘されていましたけれども、技術開発の重要性、これは企業にとって大事なものですから、ただ、技術の供給側を抑えるというような変え方より、むしろ技術は我々はオプションを幾つか提示していくんです、マーケットが選んでいくんですよというような考え方にならないと、なかなか継続性にならないというふうに思います。
 それから、あとは自主的に取り組めるところと、取り組めないところをきちっと理解して、取り組めないところへ規制をかけていく。場合によっては自主的に取り組んでいるところへ規制をかけていくという議論がある。これだけは避けないと、本当の意味で好循環にならないのではないかというように思っています。
 以上でございます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、崎田さん。

○崎田委員 崎田裕子です。よろしくお願いします。
 私、これの前に実施された環境と経済の活動に関する懇談会、そこから参加させていただいておりましたので、その報告書がまとまった後、実際にそれをどう実施するか、やはりそこのところにもきちんとかかわることができまして、私は大変うれしく思います。そういう現実を進めていくというのが、今大変重要だというふうに感じております。
 今回、私の肩書がとてもたくさん書いてあって、皆さん、ちょっと驚かれたんじゃないかと思いますので、ちょっと簡単に自己紹介をしておきますと、私自身、30年ほど前から11年間は雑誌社で女性誌の編集者をしておりましたが、それ以来、ずうっとフリーランス、フリーのジャーナリストになってからも、生活者の視点として仕事をしておりました。やはり90年代になりましてから、環境分野に取り組むことが大変ふえてきまして、最近は環境分野のジャーナリストとして自分もきちんと歩んでおりますが、そういうふうにやってきますと、これはこういう大きな地球環境の動きを理解しながら、個人一人一人あるいは事業者一人一人が本気になって身近なところで改善していくということが、大変強く求められる時代というふうに感じまして、同じく10年ぐらい前から普及啓発とか、地域活動、環境学習の推進みたいなこともかなり熱心に取り組むようになりました。そういう流れの中で、今、環境省に登録した環境カウンセラーという動きもさせていただいております。
 そんなことをやっている中で、実は、結構ごみ分野に強いといふうな評価をいただいている部分があります。なぜかといいますと、実は私、根がまじめなものですから、いろいろ環境のことを人にお話ししていると、自分の家で体験してみないと、というふうなことになりまして、自分の家の環境負荷ということにいろいろ取り組み始めて、一番最後に残ったのがごみだったわけです。自分の家の中でどれだけできるかということをやったときに、実は、リサイクルに始まって、その前にあるリデュース、リユースのところにも気がつきまして、その辺を全体を一生懸命やりましたら、ごみとして出す量が、1年でもとの1割ぐらいになってしまった。やはりこれは社会の大きな仕組みづくりと個人の実践が本当に信頼し合って進むという、そういうふうな状況をつくっていくことが、とても大事なんじゃないかと思いまして、ごみ問題も解決を通して、環境全般のことをみんなに普及啓発していくような、そういうような語り方をしているうちに、「ごみ問題に強い崎田さん」ということになりました。
 それで、もっと多くの人に活動をつなげたいということで、ごみ問題に取り組んで、循環型地域社会をつくっている方の全国ネットワークである「元気なごみ仲間の会」の事務局長をしておりましたが、そこをNPO法人化をして、今度、そこの理事長になっております。もう一つ、住んでいる地域、新宿でも、そういういろいろな市民や企業の新しい気持ちをつないでいくにはどうしたらいいかということを呼びかけたいと思いまして、新宿で環境情報ネットワークを5年前から呼びかけておりますが、今、やはりNPO法人化して、代表になっております。
 そういう活動全般を通して、環境と経済の好循環について、どういうふうなことを今考えているかということを、3つほどポイントを申し上げたいと思います。1つ目は、消費者の視点、2つ目はNPOの視点、3つ目は、そういう活動を地域に広げるという視点でちょっとお話をさせていただきたいと思います。
 全体に言えることは、本当に環境を配慮した企業の情報がきちんと伝わって、環境と経済が好循環を目指していくということ自体、大変すばらしいことだと思いますし、それが大きなビジョンと現実の動きというものにつながっていかなければいけない。そこがすべての基本にあるのではないかなというふうに思うんです。特に消費者の視点から考えますと、最近のいろいろなアンケートや何かを見ますと、環境問題の意識は高くなっている。ただし、その原因はなぜですか、というふうな次の質問が来ると、大抵、私たち国民、あるいは私たち市民の使い捨て型のライフスタイルの定着、あるいはそういうような産業活動の定着というふうに、非常に冷静な答えがほとんど返ってきます。ただ、その後、では、あなたは何をしていますか、というときに、リサイクルをしていますというところは多いんですが、その次に環境を考えたグリーンコンシューマーとしての行動をとっていますか、というあたりがガクンと減って、その間に物すごく差があるんですね。
 そういうような、何かしなければ、自分たちも行動しなければと思っている一般消費者は大変ふえてきている。だけれども、具体的にどうしたらいいかという、そこの明確な情報をつないでいくということがすごく大事だと思います。その情報をつなぐときにも、単に、これはいい商品ですよとか、いい活動ですよというだけではなくて、そういういろいろなものの比較の中で、消費者自身が自分のライフスタイルに合ったものをちゃんと選べて、そういう行動がちゃんと、そういう活動をした企業の評価にもつながっていくんだということが、社会全体できちんと認知されていくような仕組み、社会全体の仕掛けというものが、トータルな仕掛けが必要なんだなというふうに感じております。そういうのをきちんと提案していくのが、今回、ひとつ大変大きなところなのではないかなというふうに思っています。
 もう一つ、NPOの視点から申し上げますと、皆さんはNPOというと、実態のイメージがわからない方もいらっしゃるかもしれないんですけれども、ITの普及で、最近いろいろ新しい申込やなんかの方は、ビジネスマンの方とか、若い世代の方が大変ふえております。そういう意味で、自分のふだんの仕事の中では、どうしても解けないというか疑問に思ったことをいろ語り合える仲間を探してNPOに来ている方とか、環境情報をどう解釈するか知りたくてNPOに入る方とか、そういう方も大変ふえておりまして、そういう意味で、いろいろな意味の存在的な人材というのは非常に広がっているような感じが、私はしております。
 そういう方たちとのお話し合いの中で見ていますと、今の環境政策が、いわゆる環境と経済の好循環を本当に目指してくれているのかという信頼感、あるいは方向性を確認したいという、その辺の意識も大変強く感じております。ですから、そういう意味で、不況の時代ではあるけれども、こういう方向性を持ってほしいという、今回、大きなビジョンをちゃんと提示するということが、非常に多くの地域の事業者や熱心な市民の方を勇気づけるという、そういう側面も持っているというふうに、私は感じています。
 あと、地域に広げるというふうに、先ほど、3番目に申し上げました。実際に、全国のいろいろな地方都市でも熱心な方たちの動きというものは動いているんですが、その方たちが、最近、自分の企業あるいは自分の地域、自分のグループだけではなくて、そこから近隣のほかの事業者の方、ほかの市民の方、行政の方、大学の方、いろいろな方と情報交換し、連携しながら、本当に地域密着型の新しいコミュニティーを形成している、循環型地域社会をつくっているという動きが、どんどんふえてきています。そういうような息吹の中での、ただ、そういうのは一つ一つが大変個性豊かで、一つ一つ余り細部を事例としてというよりは、全体の中で、そういう勢いをどういうふうに定着させていくか、そういうようなことにもうまくつなげていければと思います。そういう地域での活動というのが、経済的にも成り立って、うまくコミュニティービジネスとして継続できるような形になっていくためにどうしたらいいか、皆さんがそういうところを大変強く考えながら活動していらっしゃいますので、そういうことにもつながるような、きちんとしたビジョンなどの提案ができればいいなと思っております。
 ちょっと長くなりました。よろしくお願いいたします。

○安原委員長 崎田さん、ありがとうございました。
 それでは、次に、神津委員、お願いいたします。

○神津委員 どうも、初めまして。私は神津カンナと申しますが、文章を書くことをなりわいとしております。
 大体文章書きなんていうのは、どんなことにでも首を突っ込んで、適当に見てくるというのが商売のようなところもあるんですけれども、私は十数年前に、当時、高原須美子さんが、まだご存命だったんですけれども、高原須美子さんが生活者の視点から地球環境とエネルギーを考えるということでつくった「フォーラム・エネルギーを考える」というグループがありまして、そこに高原さんにたまたま誘われて、その勉強会に入ったことから、なぜか、もう十数年近くエネルギーの問題には首を突っ込んで参りました。
 エネルギーの問題というのは、当然環境でありますとか、ライフスタイルでありますとか、小さくはごみの問題であるとか、いろいろなこにかかわりあっているものですから、非常にいろいろな分野にだんだん、だんだんアンテナが必要になっていきまして、1人で楽しんでいるという感じはあるのですが、その関連で、例えばアマゾンの森林の再生のプロジェクトであるとか、中国の公害事情を見てくるとか、韓国のソウル市で清溪川という川が暗渠になって、高架道路になっていたところを全部ぶっ壊して、また川を再生する、道路を壊して川に戻すという事業であるとか、そういうのも、いろいろなところで見るようになりました。
 その中で、今回、1つだけ例を挙げてみたいなと思うのは、アマゾンに参りましたときに、アマゾンの森林がどんどん伐採されて、どんどん森林面積が少なくなっている。それを何とか再生させようという、国連も主導しているプロジェクトだったんですけれども、それを見に行きましたときに、ちょっとおもしろいことがありました。
 それは何かといいますと、伐採を幾らやめろといっても、森林の木材で生計を立てている人たちにとってみれば、それは生活権を奪うようなことになるわけですし、焼き畑農業をやっている人たちにとってみれば、そのほかのものに転換しろといっても、今さらという感じもあるわけです。ですから、伐採を少なくするためには、新しい林業を根づかせたり、新しい農業を根づかせたりしなければならないわけです。だけれども、今度は、では、新しい農業にしましょう、新しい林業にしましょうといっても、その木材が売れなかったり、その農作物が売れなかったらば、結局もとへ戻ってしまう。それで、何度も何度も失敗を繰り返しているわけですね。だから、きれいごとでいっても、全然先には進まないわけです。
 ところが、そこで世界のいろいろな人たちが集まってきて、いろいろな知恵を出し合っていたときに、1つは果樹園をやろうということになったんですね。果樹園をやろうというのは、アマゾンですから、いろいろなおもしろい果物がたくさんあるので、それはどんどんできるわけです。ところが、その果物を消化していかなければならないわけです。売らなければいけないわけで、果物というのは生物ですから、そんなにたくさんは売れないし、そんなにすぐに市場が開けるというわけでもない。それでどうする。よし、これはシャーベットだろうということで、ジェラート会社をくっつけようということで、今度はそれまでは全くシャーベットをつくるとか、食品流通なんてことにかかわり合うような人たちは1人もいなかったのに、そういう人たちを連れてきて、何とかここにある果物でジェラートがつくれないかと。それで話を進めていって、では、アマゾンでとれた果物でつくったシャーベットを売るという流通のれルートをつくれないかと、商社の人を連れてくるというような形で、これはとってもうまくいったんですね。結局、アマゾンのシャーベットというのは、ブラジルの中でも結構売れるようになりまして、ルートができて、商売として成り立った。
 それから、もう一つは、秘薬、アガリクスとか、プロポリスとかいろいろあります。あれを何とか売れないかというので、あれは、アマゾンの入り口にあるマナウスという町から、もうちょっと離れたところにベレーンという昔の港町があるんですけれども、そこでは、週に1回、物すごく大きな、よくわからない薬草の市が立つんです。物すごい気持ち悪い市なんですけれども、そこでアンケートとかいろいろなのをとって、何が売れるか、何か効くか、何を外国人が買いに来るかというのを一生懸命リサーチする人たちがいて、それによって、では、こういうのをつくろう、ということで秘薬の栽培を始めて、これもうまくいって、ベレーンの市場に卸すことで、商売としてはうまくいった。
 もう一つは、バンホーザというバラ科の仲間の植物だと思うんですけれども、これを栽培する。バンホーザは何でかといったら、シャネルの5番という香水があるんですけれども、シャネルの5番の香水の中に成分といういうのは、もともとバンホーザというバラからとられた香料だったらしいんです。アマゾンから当時はいっぱい送られていた。それが余りにたくさんつくってやったために、バンホーザ自体が、もうつくれなくなってしまって、シャネルはしようがないので、バンホーザによく似た化学香料を開発して、今のシャネルの5番は化学香料を主成分としてつくっているんですね。それをもとへ戻してもらおうということで、今度は、シャネルと交渉できるような人を連れてこようというので、またいろいろな人を画策して人を連れてきて、とうとうシャネルに、もう一回、アマゾンでつくったバンホーザを香料として売り込むということに、ここも成功した。
 別に、こんなところでビジネスモデルの話をしているわけじゃないんですけれども、ひとつ森林再生をしようというプロジェクトの中に、シャネルとルートをつかめる人とか、ジェラートをつくって販売するというアイデアが浮かぶ人とか、ありとあらゆる人の知恵、つまり先ほど来から、よく環境と経済の両立は難しいという概念はそうじゃなくて、両立ができるんだ、好循環の社会というのはつくれるという、確かにつくれるだろうと思うんです。笹之内さんは、大分難しいかもしれないという本音もおっしゃっていましたけれども。でも、そのために物すごく、それがうまくいくためには、大変な知恵と、技術と、資金と、それから政策転換、意識転換というものがかみ合ったら必ずできると思うんです。そこがかみ合わない限りは、どうしても動いては行かないということを、アマゾンに行ったときに、どんなにきれいにいろいろなことを言っても、現実にそれでお金を稼いでこられなければ、そこで幸せになれなければ、森はどんどん消失していくという実態はくいとめられないというのを、この目で見た私としましては、私は専門委員会ではとてもお役に立たないんですが、こういう中にいる限り、いろいろな事例をこちょこちょとご披露しながら、何か目に見える形で、好循環というものの可能性というのを、何か目に見える形で、この専門委員会から出していくことができたらいいなと思っています。目に見える形というのは、何も製品というだけじゃなくて、例えば制度でも、税制でも、あるいはプランでも、地域というそのもの1つでも、あるいはシステムでも、何でもいいんですけれども、最終的には、一般の人間にわかりやすくするためには、何かしらの目に見える形にするところまで持っていくことが任務なのではないかなと思っております。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、次は小倉委員、お願いいたします。

○小倉委員 JFEの小倉です。私の方から、3点ほどお話ししたいと思います。
 1点目は、産業連携ということなんですが、JFEは川鉄と日本鋼管が統合した会社なんですが、過去から製鉄業を営んでおりまして、相当な大気汚染を、どの産業界もそうなんですが、出してきて、結果として物すごい厳しい規制の中で、何とか歩んできて、今がある。今では、世界トップの省エネということで自負をしております。
 今度は、そうした技術を生かそうということで、省エネだとか、リサイクルといったことをやっているわけですが、そういった中では、素材産業というのは、ある意味で得意な分野でございまして、セメントを皮切りにしまして、私ども廃プラスチックを高炉に入れるというのを、鉄鋼で初めてやって、現在、非鉄も含めて、素材が一生懸命やっているわけですけれども、最近はそこだけではだめで、産業間連携の時代ということで、エココンビナートだとか、コンビナートルネッサンスだとか、エココミュニティとか、いろいろな言葉が使われてございますが、石油業界だとか、鉄鋼業界、あるいは非鉄も含めて、その地域での産業間の連携をしていくことによって、もっとエネルギーも資源も循環していくということを考える必要があるというのが1点目でございます。
 2点目は、結構矛盾が環境にはたくさんありまして、これをどう解決していくのかということなんですが、例えば、将来の社会を見ていくと、少子高齢化になるので、そういう意味では、人数も減るし、エネルギーも自然と減っちゃうんじゃないの? という考え方もあるんですが、まず、どういう社会になるのかということを、まず1つは考えなければいけないんですが、日本ではエネルギーが少なくなる。でも、海外では、世界的にはふえていく。そうすると、日本のことだけ考えればいいのか、世界も含めて考えるのか。例えば、天然ガスでも、要は化石エネルギーをとるところから、我々使うところまでのLCAを考えたときに、日本国内で考えるのだったらAの方がいいけれども、トータルのLCAで考えたらBの方がいいと、逆になるケースというのが結構あるんですね。そこを一体どうしていくのか、どっちをとるんですかと。
 それから、もう一つ、例えばCO2でもそうなんですが、CO2を削減するために、ややコストが上がっちゃうよねと。そうすると、コストが上がってもCO2をとるのか、いやいや、それはCO2ではなくてコストをとるのか、一体どっちをとるんですか、といったことをかなり真剣に議論をしないと、これまた、お題目で終わってしまうということもあるのではないかなと。
 その中で、1つの仕組みとしてよく考えられるのは、環境をよくするためのコストなんですね。例えば風力発電にしても、今の電力コストと全く同じか、あるいはそれより安かったら、みんな変わっちゃう。太陽光も同じです。ところが、残念ながらそういうふうにならない。
 これはリサイクルも同じでございまして、技術は一生懸命頑張っているんですが、残念ながらちょっと高いんですよね。例えば埋立コストよりもリサイクルの方がちょっと高い。そうすると、そのコストをだれかが負担をしているわけなんです。要するに、環境をよくするためのコスト負担を一体だれがするのかということも、きちんと考えていかないと、これはエネルギーの循環でもそうですし、資源循環でもそうということで、そういったさまざまな世界と日本の矛盾だとか、コスト増とCO2の削減の矛盾だとか、そういったところをどう解決していくのかというのが必要ではないかというのが2点目です。
 3点目は、生活の仕組みづくり、行動様式を変えなければいけないということなんですが、一例ですけれども、例えばリサイクルをやろうとすると、家庭の中でごみを分別するわけです。そうすると、例えば1週間も、ものによってとりにこなかったりしますから、牛乳パックを臭いまま置いておけますか。やっぱり洗いますよね。洗って置いておくわけですけれども、今、洗わない人はいないと思うんですけれども、ペットボトルは洗っていますかというと、必ずしも洗っていませんよね。そうすると、洗い始めると、消費行動で、それを買うときに、これはやめた方がいいかなとか、消費行動が変わってくるわけです。
 ですから、要するに、生活の行動様式が変わるような方策、これはエネルギーも同じではないか。太陽光をどうやったら買えるのかとか、必ずしもそういうことだけではないと思うんですが、そういった消費行動の仕組みに変えていくようなこと、これを考える必要があるのではないか。これが3点目でございます。
 以上でございます。

○安原委員長 ありがとうございました。
 それでは、最後になりましたが、浅野委員、お願いいたします。

○浅野委員 福岡大学の法学部の浅野でございます。実は、本業は損害賠償法です。民法を研究しているはずですが、最近は、ほとんど民法の論文を書いておらず、自称「雑学の徒」でございます。
 さて、きょうの皆さんのこれまでのお話をお聞きいたしますと、いろいろなご意見が出ているんですけれども、相当共通性があるということがよくわかりました。例えばキーワード風にいいますと、観念的な議論はだめですね。具体的に言わなければ何もわからない。
 それから、我が国の政策に関して、極めて柔軟性に乏しいことが問題だと笹之内委員がおっしゃったんですが、全くこの点は同感でありまして、ともかく柔軟性に欠けるということは大きな問題で、これを何とかしなければいけないだろう。
 それから、もう一つ、3つぐらい重要なキーワードがあったと思うんですが、1つはコミュニケーションというんでしょうか、ネットワークというのでしょうか、そういうキーワードだろう。もう一つは技術ですね。もう一つが社会システムということになると思います。
 大体こういうキーワードが出てきましたので、ちょっとこれだけではまずいかなと思っていたら、最後の方で、崎田委員と神津委員が、きちっとおっしゃってくださったので、事務局もほっとしたと思いますが、もう一つのキーワードは、場とか、地域とか、そういう言葉だろうと思います。最初の方のお話はどっちかというとマクロ経済のような話に何となくなっていて、そのような観点からの議論をしていく限りは、話が抽象的になっていってしまったり、あるいは大きいところでは通用するけれども、小さいところにとっては、うちにはそんな話は関係がないよねというふうになってしまうおそれのある議論になるかなと心配していましたが、最後の方で大体いい線に落ちついてきたので、よかったのではないかと思うわけです。
 「好循環」という言葉が使われるようになったのはいつごろからかということを、少し環境省内で調べてみたのですが、一番最初は「環境と経済の両立」という言葉が使われていました。しかし、どうも、はじめの頃「両立」という言葉が意味していたのは、さっきの「静脈産業」だとか「環境産業」ですけれども、それについても、どっちかというと、リサイクル産業のような分野だけを考えて、それがとにかく伸びていくんだから経済と環境の両立が無理でもない、みたいな話が行われていたような気がします。しかし、これは余りにも淋しい二極対立構造みたいなところがあって、だめなんですが、これとは別な文脈の中で、余り大きく言われてはいなかった面もあるんですが、戦略アセスメントの議論の中で、最終的には政策決定、意思決定の場面で、環境と経済を統合した意思決定が必要だということが、諸外国で指摘されてきておりました。この「環境と経済の統合」という言葉は、「両立」とまたちょっと違うんですね。今回出てきたのは、「好循環」ですが、「両立」と「統合」と「好循環」という3つの言葉は、これまでの過程の中で次第に成長してきた用語ではないかという気がいたします。
 そこで、このあたりのところをしっかり抑えて議論していくというのは、当然のことだろうと思いますが、今の諸先生方のお話は、ほぼその辺の線に沿ったお話ではなかったかと思います。
 場の議論、地域の議論も、もう一つ具体的にテーマを考えていくときには必要ではないかと思うわけです。特に、さっきの神津委員のお話は、日本の話ではなかったわけですが、全くそれと同じようなことは、我が国の地域にもあるわけです。
 先程、始まる前に「環境白書」を改めて読んでみましたら、全部書いてあったのでさすがに「白書」はちゃんと書いてあるわいと思ったんですが、「環境白書」に書かれたことと多少違うことを申し上げるとすれば、「環境白書」は大都市、地方都市、農山村という区分けをしていますが、ちょっと甘過ぎるのではないか。全国を3つぐらいのグループに分けてしまうことはできないのが日本の現状ではないだろうか。崎田委員の現場の新宿のようなところ、これは一体どっちなんだろうなと思いますが、首都圏のような大都市圏という目で見るのか、その中でも、もうちょっと狭いところで見るのか、いろいろ切り口はあるんでしょうが、そういうところと、地方中核都市のようなところ、もうちょっと小さいところと、農山村みたいなところがあります。一方、これまで言われてきた環境と経済の好循環に関連するさまざまなキーワードがあるわけですが、それをたんねんに引っ張り出してみて、地域のどういう場で、どういう言葉が一番適合的なのかという見取り図をつくってみる。そのことと、きょうのご議論とを、うまく組み合わせて、もう一つ大きな外枠に日本の社会、あるいはもっとそれを広げた国際社会という箱をつくって、キーワードをとりあえず入れてみる。そうすると、ここの作業がうまく整理できるのではないかなと思いました。
 私は余り提案らしいてはいたしませんが、法律の専門家というのは、大体最後に出てきて、人が言ったことを何とかまとめて、笹之内委員が嫌いだとおっしゃった法律の規制か何かにつなぐということを、なりわいにしているのですが、少なくとも、この委員会のとりあげる話に関しては余り規制と結びつけるということにはなじまないのはおっしゃるとおりであります。むしろ枠組みをどうするか、フリーライダーがやたらと出てくるのは好ましくないので、フリーライダーだけを抑えるような枠組みをしっかりつくる。それが制度でしょうけれども、今回のテーマは制度から始めるのではなくて、先に社会システムをつくりあげる、そこのところを制度なんて言わなくても、ネットワークができて、コミュニケーションができて、マーケットの方がちゃんと選択できるような道ができてしまえば、放っておいたって制度になってくるわけです。法律が制度ではないので、社会のシステムそのものが制度で、ある意味では、それを追認するのが法律だというふうに考えればいいのだろうと思います。

○安原委員長 どうもありがとうございました。
 皆さん、それぞれの経験を踏まえて多様な意見を出していただきました。しかし、その中にも多くの共通する点があったと思います。率直なご意見をいただきまして、本当にありがとうございました。
 伺っておりまして、この好循環のためのビジョンづくりの専門委員会が期待している方向と、ぴったり波長の合ったようなお話をしていただいたと思います。明確でわかりやすいビジョンというのが、何とかうまくまとめられるのではないかという期待を強めた次第でございます。
 時間の点も、ほぼ4時ということでご協力いただきましてありがとうございました。
 それでは、もう少し時間があれば、お互いの発言に対して意見交換ということもできればよかったんですが、もう時間が参っておりますので、きょうはこのぐらいのところで終わりにさせていただきたいと思います。
 ただ、きょうは本当に短い時間でございましたので、いろいろまた後でお考えいただいて、もっとこれを言いたい、とかいうことがございましたら、遠慮なしに、簡単なメモにでもまとめていただきまして、事務局の方に出していただければと思います。いただいたのは、それなりにこなしていきたいと思っております。
 次回は11月20日、15時からということで、ご連絡申し上げているとおりでございますので、ご出席のほど、よろしくお願いいたします。
 では、事務局からご連絡がございましたら、お願いいたします。

○谷環境計画課長 12月までは決めさせていただきましたが、1月、2月、3月のご予定を委員の先生方の資料の一番最後に日程表がございます。こちらをご記入いただきまして、11日までに事務局にいただけませんでしょうか。なるべく早い時期に決めましてご連絡を差し上げたいと思っております。
 なお、次回は、場所がこちらではございませんで、経済産業省にある共用会議室を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

○安原委員長 それでは、長時間熱心なご議論をいただきましてありがとうございました。
 きょうはこれで委員会を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

午後 4時01分 閉会


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