中央環境審議会総合環境政策部会 第3回環境保全活動活性化専門委員会議事録
日時
平成14年6月21日(金)10:01~11:52
場所
経済産業省別館10館1014会議室
出席委員
11委員 廣野 良吉 飯田 浩史 岡島 成行 小澤 紀美子 清水 英男 世古 一穂 藤井 絢子 桝井 成夫 村上 忠行 村杉 幸子 横山 裕道 |
委員長 委員 委員 委員 委員 委員 委員 委員 委員 委員 委員 |
議題
(1) | 主要な論点への対応について |
(2) |
その他 |
配布資料
資料1 | 環境保全活動の活性化方策のあり方について(主要な論点への対応) |
参考資料1 | 第2回環境保全活動活性化専門委員会議事要旨 | |
参考資料2 | パートナーシップによる環境保全活動の事例一覧 | |
参考資料3 | NPOとのパートナーシップに関する海外の制度について | |
参考資料4 | NGOの収入構造の調査例 |
議事内容
午前10時01分開会
○浅野室長 それでは、皆さんおはようございます。ちょっとまだお見えになっていない先生もございますけれども、定刻を過ぎましたので、ただいまから第3回環境保全活動活性化専門委員会を開催させていただきたいと思います。
まず初めに資料の確認でございますけれども、皆さんのお手元に、議事次第と、それから資料1といたしまして、「主要な論点への対応」というもので、本日議論いただきます資料をお配りしてございます。それ以外の参考資料でございますけれども、参考資料1ということで、前回の第2回目の委員会の議事要旨でございまして、簡単に議事の内容をまとめたものでございますけれども、これをお配りしてございます。
また、それ以外に、第2回目の委員会でもお配りしましたけれども、参考資料2以下につきましては、前回と同じものですけれども、参考までにお配りしてございます。冊子の地方ヒアリングの資料につきましても、議論の参考にもなるということでお配りしてございますけれども、これらにつきましては、前回にもお配りしておりますので、もちろんお持ち帰りいただいても結構ですけれども、資源節約ということもございますので、置いておいていただけましたら、また次回にも使わせていただくようにしたいと思います。
よろしゅうございますでしょうか。それでは、よろしくお願いいたします。
それから、議事に先立ちまして1点報告がございますけれども、前回の委員会で副大臣も出席いたしまして、その中で文部科学省との連携を強化せよというお話もございましたけれども、実は今週の19日水曜日、一昨日でございますけれども、環境教育・環境学習推進に関する協議会、文部科学省・環境省両省の副大臣、政務官、また関係の局長をメンバーにする協議会の第1回目が開催されまして、1時間ほどでございましたけれども、意見の交換を行ったということでございます。第1回目の委員会ということで、個別の議論云々というよりも、まず顔合わせと、それから今後両省が連携を深めていく上でどのようなことが考えられるかという形で自由な意見交換を行ったということでございまして、今後についても開催していこうということが合意されたということでございますので、ご報告させていただきたいと思います。
それでは、議事の2の方にまいりまして、進行につきましては廣野委員長にお願いしたいと思いますので、廣野委員長、よろしくお願いいたします。
○廣野委員長 おはようございます。本日は、「主要な論点への対応」について審議したいと思います。当初、前回の審議を受けて「中間報告の素案」というのをまとめていただく予定でしたけれども、前回はご存じのようになかなか時間も十分とれませんでしたし、その後の意見も特になかったということで、今回、ぜひ時間を使ってできるだけここを集中的にやりたいと考えております。一応時間は12時までということになっておりますから、約1時間55分ありますので、この間に主要な論点について、意思とありますけれども、その意思をきょうはできるだけ徹底して議論したいと。そういう意味では、当然その前に若干事務局の方から、主要な論点への対応ということでまとめていただきましたので、それについてごく簡潔に説明していただいて、できるだけ私たち委員の間での議論を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、事務局、よろしくお願いします。
○上杉調整官 それでは、資料1に沿いましてご説明したいと思います。
前回の資料2から変更した部分につきましては、アンダーラインを引いてございます。6ページの具体的施策の考え方の前のところは基本的にいじっておりませんので、6ページ以降についてご説明したいと思います。
まず、全体的な構成の一部変更がございます。11ページをちょっと見ていただければと思いますが、(3)自主的な環境保全活動を支える資金・情報の提供等という形で、少し集約してございます。前回、地球環境基金、それから情報提供、制度的な整備ということで大きく項目を分けてございましたが、この全体を「自主的な環境保全活動を支える資金・情報の提供等」ということで、いわば自主的活動を支える面での必要な部分について集約した形で整理し直してございます。
それでは6ページに戻っていただきまして、(1)地域における環境保全活動の促進方策とございます。これにつきましては、国の本来ある役割というのは、むしろ基盤整備を行って、いろいろな活動は自主的に民間等の方でやっていくということを国が支えていってはどうかという前回の議論を踏まえまして、そういう趣旨に沿って、そこに整理してございます。
まず、[1]自主的な環境保全活動に関する計画ということでございます。これにつきましては、計画というものの考え方について整理していることになってございます。各地域における主体的な環境保全活動は、あくまでも各主体の発意に基づく自主的なものであるということではありますが、その活動がより大きな効果を上げていくためにも、そのほかのいろいろな関係する主体の協力や参加を得ていくということが非常に望ましい形でございます。そのためにも、計画づくりということが考えられるわけです。
その計画策定に当たっては、1つは市町村といった行政単位を基礎として、その中での全体的な環境保全活動を取りまとめていくというやり方が考えられますし、2つ目としましては、行政区画ということに特にこだわらずに、河川の流域などの一つの地域的なまとまりを対象として、具体的な環境問題に対応するために関係主体が集まって、環境保全活動の実行計画をつくっていくという方式が考えられるということでございます。
この際、このような計画は、地域において自主的、主体的に策定し、実施していくべきものであるということではありますけれども、環境政策の非常に重要な分野、例えば温暖化対策、あるいは循環型社会の形成といったことについては、特に全国のモデル的な事例になるようなものについては、国としてもそこに対して支援を行っていくということが考えられるのでないかということでございます。
[2]としまして、自主的な環境保全活動の中核となる組織体でございます。[1]の計画づくりということをする際には、各地域の主体が参加して策定していくということになるわけでございますが、その場合、必然的に各主体が集まったいわば組織協議体のようなものが生まれることとなります。こういった組織を計画策定の際の一時的な組織というものではなくて、その計画に位置づけられた全体的な環境保全活動の実施をコーディネートし支援する組織体とすることによりまして、環境保全活動全体がより円滑かつ効果的に実施できるようになるのでないかということでございます。この組織体が機能するためには、コーディネートするような人材配置が重要であるということでございます。
次に、8ページの方につきましては、[3]自主的環境保全活動の拠点でございます。さまざまな主体が環境保全活動を実施する上で、あるいは活動基盤が弱い主体のための活動の拠点ということで、情報交換・交流するような拠点というものが必要ではないかということでございますが、その際、地域ブロックごとに環境省の方で設置しております地方環境対策調査官事務所という組織がございますので、これを各地域ブロックの中核的な拠点として活性化に活用することが考えられるのではないかということです。
9ページに移りまして、(2)自主的な環境保全活動を担う人材の育成・確保でございます。
[1]多様な人材の育成・確保でございます。さまざまな環境保全活動を担う人材という点につきましては、具体的に考えますと、環境保全活動を主唱・牽引するリーダー、あるいは現場で実際の活動を行う人材、環境保全活動について助言・指導を行える人材、各種の環境保全活動をコーディネートする人材といった幅広い人材が必要であります。
現在、そういう人材に関する施策の中心になるものとしましては、環境省の方では環境カウンセラー制度を設けてございますけれども、この環境カウンセラー制度というのは、環境保全活動について助言・指導を行える人材を公証し登録する制度ということができるかと思います。また、地方自治体においても、環境アドバイザー等の同様の施策を行っているところが多々見られるというところでございます。
しかし、この人数で見ますと、まだ環境カウンセラーは全国で 3,000人程度ということで、広がりという意味ではまだ十分な規模には達していないのではないかということでございまして、こういう環境カウンセラー制度をもとにしまして、多様な人材を育成し確保する政策を検討する必要があるのではないかということでございます。
その際には、いろいろな人材をどのように研修していったらいいのかという制度についても具体的に検討する必要があるのではないかということでございまして、例えば一つの目安としては全国で10万人規模といった人材の育成が考えられるのではないかということでございます。
それから、こうした人材をある程度の人数を確保していくという中でも、特に指導的立場に立つような非常に専門性を有し、さまざまな活動を行える人材が環境保全活動に職業として携わることができるようにすることが必要ではないか。その際、例えば平成13年度の補正予算の中で緊急地域雇用創出交付金制度というのがございますけれども、この中で、例えば森林整備やごみマップ作成のような環境保全活動にかかわるようなものが位置づけられておりまして、そういった行政が行う環境保全事業に経験豊富な人材を雇用するような方法で、まず人材が職業に携われる形にしていくということが考えられるのではないかということでございます。
続きまして10ページ、[2]NPO活動を支える人材の育成・確保でございます。NPO活動を支える人材につきましては、環境保全に関する専門的知識ですとか、あるいは組織をマネジメントする、コーディネートする能力、あるいは会計能力、情報収集・発信、コミュニケーション、資金獲得、マーケティング等、さまざまな能力が求められるのございますが、そういった能力が段階的に身につくように、さまざまな研修メニューが用意されることが必要ではないかということであります。
その際、現在、地球環境基金の中に振興事業の一環としまして、地球市民大学校によるNPOの人材育成事業というのが実施されております。こういった事業を拡充することによって、こういうNPOを支える人材の育成・確保施策の推進ということが考えられるのではないかということでございます。
また、企業や行政の中にも、こういうNPO活動を支えられるような人材が非常に多く存在しております。そういう意味で、NPOが行う環境保全活動のために、企業、行政の人材の活用を図るといったことも有効と考えられます。
さらに、企業や地方公共団体、国の職員をNPOの方に一定期間派遣するということで、NPO活動に対する理解の増進がなされるのではないかということでございます。
続きまして11ページ、(3)自主的な環境保全活動を支える資金・情報の提供等ということでございます。
[1]の地球環境基金事業。地球環境基金事業は、13年度までに延べ 788件、約61億円の助成ということで、民間団体の環境保全活動を支援する上で大きな成果を上げてきたということが言えるわけでございます。これについては、前回もご説明いたしましたように、昨年12月の「特殊法人等整理合理化計画」の中でその見直しをすることが求められていますけれども、その際の考え方としまして幾つかの方針が出ているわけでございます。
12ページの方に移っていただきまして、まず1つ目が、発展途上国の持続可能な開発に対する支援という点でございまして、これはヨハネスブルグサミットの準備会合等での議論の中でもさまざまな意見が出てございますけれども、その中でも国際的にNGO/NPOの役割というのがますます高まっており、その活動に対する助成の拡充が求められているという状況にございます。
こういう状況を踏まえまして、地球環境基金の政策目標をどうつくっていくのかということが重要な点でございます。これは、新たに地球環境基金を運営していく主体となる独立行政法人の運営の中でそういう政策目標を明らかにしていくことが重要でございます。また、助成の対象とする分野につきましても、環境基本計画やヨハネスブルグサミットでの合意を踏まえた重点的なものにしていく。それから、(1)(2)に述べましたような自主的な環境保全活動の計画に位置づけられた事業に対して、重点的に支援を行うということが考えられます。
発展途上国の持続可能な開発に対する民間団体の支援活動につきましては、アセアン地域を中心とするアジア太平洋地域における活動地域を重点化していく。あるいは、ヨハネスブルグサミットで主要な議題として取り上げられる予定の環境教育や生物多様性、水環境等の分野に重点化していくということが考えられます。
12ページの下、[2]税制措置のところにつきましては、変更は特にございません。
[3]情報の提供等というところでございます。
各主体が協働して環境保全活動を実施するというためにも、活動の基礎となる情報の共有というのが非常に重要でございます。
環境省におきましても、平成8年に地球環境パートナーシッププラザを設けまして、民間団体や事業者の環境保全活動に関する情報の収集提供といったものを行ってきておりまして、民間団体や事業者と環境省の接点として一定の効果を果たしてきたところでございます。また、地方公共団体あるいは地方においても、NPOと協働で運営する情報提供施設というものがさまざま設けられるようになってきております。さらに、本年8月に開催される予定のヨハネスブルグサミットが一つの契機となりまして、海外の情報発信あるいは情報交流というものが一層求められる状況にございます。
こういう状況の中で、地球環境パートナーシップブラザの情報提供・情報交流の機能の拡充強化、あるいは地方における情報提供施設等との連携、さらに環境省の地方環境対策調査官事務所の活用といったことについて検討を進めていく必要性があるのではないかということでございます。
14ページ、(4)全国的な環境保全活動の活性化でございます。これは、前回までになかった項目でございます。前回の当委員会の指摘の中でも、ご議論の中でも、企業等のいろいろな団体についても、位置づけをしっかりしていくべきではないかというお話がございました。そういうことを踏まえて、新たな項を起こしたところでございます。
個別地域ごとのそれぞれの地域における活動の活性化という点だけではございませんで、全国的に環境保全活動が活性化している状況ということを考えてまいりますと、企業ですとか、あるいは労働組合、生活協同組合等、非常に大きな組織を持っている団体がございますけれども、社会貢献活動としての環境保全活動に積極的に取り組もうとする意欲のある団体というのが非常に多うございます。こういう団体の参加を得まして、例えば環境保全活動推進全国連絡協議会のような組織体を設けまして、相互に連携協力を図りながら、各団体が具体的な環境保全活動を実施していくという形が考えられるところでございます。こういった協議会を組織していくということからしますと、参加団体の自主性・主体性を尊重しながら、国がコーディネーターとして積極的な役割を果たしていくということが考えられます。
(5)環境教育・環境学習の推進でございます。前回も環境教育・環境学習につきましてはさまざまなご議論をいただいたところでございますが、特に今回の環境保全活動の活性化方策のあり方についての中で環境教育・環境学習というものの位置づけを少し明確にするということでございまして、環境保全活動をより活性化していくためには、国民・事業者に対する環境教育・環境学習を推進することが重要であるということをここでは特に述べてございます。
以上が主な修正点でございます。
○廣野委員長 どうもありがとうございました。
今のご説明にありましたとおり、若干皆さん方のご審議に基づいて前回とは違った内容になっていますけれども、これから一つずつ各項目別にやっていきたいということで、全部で5点ありますので、そのおのおのについてやっていくので、約10分ぐらいしか時間がないんです。ですから、できるだけ皆さん方にご協力していただいて、議論していただきたいなと思います。
まず第1に、具体的施策の考え方の(1)地域における環境保全活動ということでございます。これについてやっていただきますけれども、こういう議論をしていく中で、大抵また元に戻って、ちょっと待てよと、いろいろ議論した結果、案外構成そのものも変えた方がいいのではないかということもあるかもしれません。そのときにはそういう議論をまたぜひしたいと思いますので、最後約20分ぐらいそういう時間をとりたいと思いますので、そういうことでよろしくお願いいたします。
ということで、まず第1の点ですけれども、6ページのところから始めたいと思います。この点について、皆さん方、積極的にどうぞご意見をよろしくお願いします。今回で大体まとめる方向を決めておかないと、来週まとまったものが出てきませんので、そんなわけでできるだけ積極的にポジティブにご発言をよろしくお願いします。どうぞ、どなたでも結構です。この(1)のところ、いかがですか。6ページから7ページに書いてありますが、特に問題ありませんか。はい、どうぞ。
○村上委員 一つ質問なんですが、「二つのアプローチ」という地域の敷居の話なんですが、市町村といった行政単位は、市町村が頭にあるんですか、それとも県とか広域行政とか、それを全部含む行政単位という考え方なんでしょうか。
○浅野室長 お答えいたします。環境保全活動自体がこの場合には、私どもでいろいろ議論はいたしたんですけれども、そんなに大きな地域の広がりで、例えば県を越えるとか、市町村のかなり集まったものといったことは少し考えにくいのではないかということで、やはり一つの市町村、またあとは、小さな町村等によりましてはそれが集まってということも考えられるかと思いますけれども、基本的には市町村がこの計画をつくる場合の一つの集まりとして考えられるのではないかということで、県というよりは市町村が、[1]に書いてございますけれども、こういった集まりといいましょうか、環境保全の問題を解決していくための対象としての地域としては考えられるのではないかということでございます。また、その問題によりまして、流域全体で考える必要があるということであれば、市町村を越える地域で連合して計画をつくることが考えられる。大きく分けてその二つのタイプがあるのではないかということで、ここでまとめさせていただきました。
○村上委員 ではNPOの実態でいきますと、市町村単位で活動しているところが結構多いです。ただ、県単位のところもありますし、県を越える部分もある。環境問題の方から考えると、例えば廃棄物という問題でいくと、これは県を越える問題もいろいろあるわけです。それから、さまざまな県を越える環境問題があるわけです。だから、主たるものは市町村になるかもしれないけれども、今後の環境のいろいろな問題を考えると、ちょっと広域的にやれる仕組みを考えておかないと、対応できない問題がいろいろ出てくるのではないのか。例えば杉並病みたいなものが広がってきた場合とか、そういうことはどういうことになるかわからないんです。だから、今後のことを考えるとすれば、いろいろな行政単位ということは、考え方はいろいろとあろうかと思いますけれども、市町村と限定しない方がいいんじゃないかなと私は思うんですけれども。
○藤井委員 今の質問に関連して、よろしいですか。
○廣野委員長 はい、どうぞ。
○藤井委員 この頭のところが「地域における活動保全活動の促進方策」ということで、その地域という概念をどう置くかということもあります。それで、その後もずっと地域という言葉が出てくるんですが、今の村上委員のおっしゃる市町村と限定せずに地域という言葉を、使われ方の実態も、いつも地域というのはどの範囲ですかというのは、その場で必ず出るんですね。ならば全部それにしてしまったらどうかなという思いがあります。その地域が非常に小さなコミュニティであったり、村単位であったり、もっと大きな単位であったり、その都度フレキシブルに動くことが理解できるように。
○廣野委員長 ほかに何かありましたら、この問題で特に。今、お二人の意見を聞いていますと、できるだけ地域というときに我々がもう少しフレキシブルにものを考えるということが必要ではないかというご意見ではないかと思います。
それから、ちょっと具体的な例を申しますが、私はたまたま武蔵野なものですから、私たちは三多摩でこういう計画をつくっているんです。三多摩というと、武蔵野市だけではなくて、調布とか、あの近所が全部入って、府中なども全部入って、それから立川とか八王子とか全部入ってしまうんです。そういう格好で三多摩でやっているものですから、これなどは明らかに特定の市、特定の町を越えたもので、そういうものは必要なんです。そういう意味では、できるだけフレキシブルに考えるんです。問題によってフレキシブルに考えるということではないでしょうか。はい、どうぞ。
○小澤委員 どういう言葉が適切なのかわからないんですが、14ページに今度は「全国的な環境保全活動の活性化」となっている。そうすると、この地域と限定してしまうと、私は企業でもやるべきだと思っていますので、こういう協議会はいいと思うんです。そして、その企業の中の従業員がものすごい数いるわけですから、もちろんその方たちは地域に根づいていると思うんです。その流動的な網の目的なものがイメージできる書き方がいいかなという思いにもちょっと至っているんですが。
○廣野委員長 この点は前回世古さんの方からも議論が出ましたけれども、企業で働いている方とか、あるいは国家公務員とか地方公務員、それぞれみんな市民ですので、そういう市民としての行動があるはずであって、そういう意味では今おっしゃるようなことは大変重要なところですね。
○村上委員 ただ、今のお話ですと、企業でも、我々労働組合でも、組織は全国単位ですけれども、いろいろな活動は地域と組んでやるざるを得ないわけです。だから、組織は全体だけれども、それは地域と全国と両方縦横の組織運営になるし、活動も環境問題としては縦横の環境活動を我々はねらっていますから、縦横が必要だと思うんです。縦は全国単位だけれども、実際にやるところは地域で参加しなければ何の意味もないわけです。
○廣野委員長 といったことを入れて、これは若干書き直しをしていただきたい。どうぞ。
○清水委員 この市町村といった行政単位に私は基本的に賛成なんですが、6ページの(1)を読んでもよくわからないんです。私はその実態がよくわからないからなんですが、例えば、リーダーシップを当面どこがとるのかということです。この[1]なども、地域を単位にして結構なんですが、当面行政がリーダーシップをとってこういう計画を策定していく、という提言があった方がいいのではないかという気がするんです。これらを実際に広げていくとか、広がりのある活動とするためには、いろいろな主体の協力を得る。その場合に、だれがリーダーシップをとって計画を策定するのかというのがわかりにくい。集まって適当にやればそういうのが出てくるのかどうかわからないんですけれども。むしろ、その地方公共団体が当面リーダーシップをとりながらとか、何かそういうのを入れた方がいいんじゃないかという気がいたします。
○廣野委員長 ありがとうございました。
○岡島委員 それには私は反対です。それは、それをやったら何にもならないという感じがします。ついでだからちょっと言いますけれども……。
○清水委員 では、わかりました。大体イメージとして、それでよければ。
○岡島委員 そうですか。では、またほかの場所で。
○廣野委員長 では、今のはかなり逆の意見だということで、皆さん方も合意しているようですから、ではそういうことで。
ほかに何かご意見は。どうぞ。
○世古委員 最後の自主的な環境保全活動の拠点のところで、また、地方環境対策調査官事務所を利用することも考えられると書いてありますが、この利用は可能なんですか。(「会議室とかがあるようです」と呼ぶ者あり)会議室を使うという意味ですか。それで、後の市民活動サポートセンターを積極的に活用していく中に入れて、もっと大切なことは、拠点の運営に関しては、県や市町村と連携しながら、民間のインターメディアリーとかNPOが中核になって、パートナーシップ型で行うということを一緒に書く必要があるんじゃないですか。これだと事務所が使えるというだけであれば、例えば環境情報センターが地域の事務所を使うということもある。その運営については、各地域や市町村ごとに状況が違うでしょうから、それぞれ行政やNPOとのパートナーシップ型で運営することが拠点の運営についても必要だということを書いたらどうでしょうか。
○廣野委員長 これは、先日岡島さんが一生懸命言っていたことなんですね。
○岡島委員 これは、私も世古さんとちょっと似たような感じがしたんです。ちょっとついでだから、2の方もそうなんですけれども、1と2はどちらかというとNPOの方に重点を移したやり方にして、3、4、5あたりを国がちょっと重点を置くというスタンスの方がいいと私は思うんです。だから、この「中核的拠点として」というのではなくて、例えば「など」か何かを入れた方がいいと思うんです。環境省のこの施設は使えたら使ったらいいと思うんですけれども、これだけやると、やっぱり国がやってやるぞというイメージが出てしまうから、そうではなくて、「など」公的な場所も使うとか、それを書くのはいいと思うんです。せっかくあるのだから、環境省がやるものだから、やっていいと思うんですけれども、これだけ読むと、恐らく事務所が中核になって全部やってやるぞというイメージが出てしまうから、それはちょっと……。それから、「公民館や地域」、この辺も全体的にもうちょっとNPOの自主性を出すような記述に少し気を配った方がいいんじゃないかなと。
○廣野委員長 ありがとうございます。
○横山(裕)委員 私も、さっきこれの説明を聞いていて、さりげなく調査官事務所を中核的拠点にすると。これは8ページに書いてあるし、13ページにも出てきますね。それで思ったのは、多分私の記憶違いでてなければ、この話はヒアリングでもここの委員会でも全然出ていないんです。それがぱっと出てきたということで、私は個人的にはいいことだと思うんですけれども、ただ、岡島さんもおっしゃられたように、世古さんもおっしゃられたように、NGO・NPOの方々は国が前面に出てくることに対して多分不信感を持つのではないかなと。そういうときに、満を持した形でここに出てきてどういうことかなということは思ったんですが、利用できるなら利用した方がいいし、それはやるべきだと思います。地球環境パートナーシップブラザなどはうまくいっているという話はよく聞くんですけれども、事務所に併設してやったとき、ちょっとNGO・NPOの方がひっかかりを覚えるような気もするんですけれども、その辺のところを書けば、この前の議論でも、拠点が少ないと。いろいろなところを利用しようとしても、お金を取られて、なかなか経済的に困るんだといったことが出ていましたので、これは本当にやれるならいいことではないかと思います。
○廣野委員長 ありがとうございました。
はい、どうぞ。
○村杉委員 今のことに関連してですが、活動そのものの規模がいろいろあると思うんです。だから、大きな規模の組織で活動する場合はここに書かれたものもいいでしょうけれども、もっともっと地域レベルの小さな活動については、もっと地元で拠点をつくるといったこと、そこを中心に私たちも考えなくてはいけない。そこで、例示として、公民館のようなものを一番最初に出す。例えば、もっと小さいものだったら、神社の社務所だっていいわけです。何でも既存の建物の何とかセンターといった、いろいろ地域にあるようなものがあると思います。地域レベルの小さな活動で我々のイメージできるものをなるべく最初に出しながら、この中にも、例えば中間の大きさでは博物館のようなもの、ビジターセンターのようなものも例示として出してはいかがかなと思うんです。そういう幾つかの例示の最後に、例えば一番最後の情報として、地方の調査官事務所もあるというのは、あってもいいかなと思います。
○藤井委員 その2行上に「公民館や地域に整備されつつある」というのが頭にあるんですね。だから、村杉さんがおっしゃった2行上の「中核組織」、この文言の中に……。だから、ここのところをもうちょっと身近なところを、地域に根差した、公民館とか。
○廣野委員長 いずれにしろ、文章そのものは今ここでまとめる必要はないから、考え方だけをお聞きするということで、よろしくお願いします。細かな文章のことをやっている時間はありませんので、そういう考え方をぜひ入れていただきたいということですね。お願いいたします。
どうぞ。
○世古委員 大事なことは、場の提供の問題と運営の拠点になることとは別の問題なんです。だから、場の提供はいろいろなところがあるというのはいいですが、それにつけ加えて、さっき言っているように、運営についてはNOGやNPOや国、行政との連携ということを両方書かないと、拠点の整備の支援という形だと思うんです。それは次以下も同じなんですけれども。
○廣野委員長 では、そういうことをぜひここに反映させていただきたいということで、大体同じようなことだと思いますが、本当に今おっしゃったように、いろいろな格好で各地方自治体の中で、例えばコミュニティセンターとか、いろいろなものがあったりしますので、そういうものが本当に地域の住民にとっては、自分たち中心にそこはやっていますから、そこで10人集まり、50人集まり、だから必ずしも大きなものだけが必要だということではありませんので、それはおっしゃるとおりで、場の問題、もう一つは運営の問題ですね。NPOとぜひ一緒にやっていただきたい。
では、一応そういうことで、大きな(1)はそういう格好でやりたいと思います。もし何か1のところでまだほかにどうしてもというのがありましたら、どうぞ。
では、なければ、その次の(2)、ページから言うと9ページになりますが、自主的な環境保全活動を担う人材の育成・確保、これが9ページの[1]から始まりまして11ページまでありますので、どうぞこの点につきまして積極的な……。どうぞ。
○世古委員 これは、先ほど岡島さんがおっしゃっていましたけれども、私もこれは、人材の育成というのはNPO側がやることであって、行政が本来やることではないと思っているんです。それを支援すること、多様な人材の支援と確保をやるというのは別の問題です。人材の育成を支援するということと、確保するということ、これは分けた方がいいと思って、多様な人材の育成の支援と確保。すべて自分たちで全部つくろうとするから、いつもうまくいかないんじゃないかと思うんです。私たちNPOも人材を養成していますけれども、そういうところと連携をするとか、いろいろなサポートセンターもやっていますし、例えば藤井さんのところでも環境の人材をやっていますから、そういうところと連携する。環境カウンセラーの方々もいろいろ実績は上げられていると思いますが、いろいろなところでヒアリングをすると、お墨付きを得ていると思っていらっしゃる方が多くて、そうではないんじゃないかと思うんです。まさに自主的な活動をできる人が育つ基盤をつくるのが国の役割であって、実際にそれを育成する側に回るというのとはまた全然違うと思うんです。ずっとそういう議論をしてきたと思いますので、多様な人材の育成ができる基盤整備と、その確保についての支援という形に変えるべきだと思います。それは、[1]、[2]ともにそうだと思います。
○廣野委員長 ありがとうございました。
どうぞ、村杉さん。
○村杉委員 同様なスタンスの意見ですが、[1]、[2]ともに、国がやるということについてはここにかなり強く出ているんですけれども、やはり今までの流れから、例えば人材養成の能力や実績のあるNGOもあるわけです。そういうNGOまたはNPOの活用、それをまた支援するという、そのワンステップがちょっと足りないかなという気がしております。
それから、例えば[2]でNPOの活動を支える人材の育成、この内容が、NPOは支えられる側という気持ちが入っているんです。確かにそういうNPOは多いですけれども、NPOだって、ほかのNPOを支える力のある団体もあるわけです。つまり、一言でNPOと言っても能力にいろいろなものがあるので、そこのところをちょっと配慮して文章を書いていただけるとよいと思う次第です。
○廣野委員長 ありがとうございました。
どうぞ。
○村上委員 [1]の書き方で、環境保全活動にはいろいろなリーダーが要る、人材が要ると書いているんだけれども、5行目以下の環境カウンセラーのことばかりずっと書いている。(笑)ここは、環境カウンセラーを私は否定しませんよ。しかし、それこそ環境カウンセラーがNPOの環境活動を全部支えるのかというと、そういう構図ではないと僕は思っていますから、ここはボリュームなどもちゃんと考えておかないと、いよいよ官製の環境活動になるんですかという話になっていきますから、環境活動を支えるという報告書と全然違う方向になりますから、この書き方、ボリュームも中身ももう少し考えてください。
○廣野委員長 ありがとうございます。先ほどと同じような意見だと思います。
はい、どうぞ。
○岡島委員 私も今の意見と同じで、カウンセラーはつくったはいいけど、ほうりっ放しにしているみたいな感じで、だからみんな怒っていたわけで、そこだけを書いておけばいいというか、カウンセラーをちゃんと充実させるということを書いておけばそれでいいわけであって、そのほかにも多様な人材といのは、さっき皆さんがおっしゃったように、そのほかにいろいろなNPO・NGOもやっているし、それも若干並列的に書くようにした方がいい。
それから、[2]のNPO活動で、今、村杉さんがおっしゃったけれども、NPO活動を支えるというのは、それで活動するという意味だから、僕もこれでいいんじゃないかとは思うんですけれども、例えば地球環境基金の大学校があるとか、公的なものがあるというんですけれども、地球環境基金のああいうものだけで、あれもいいことですけれども、官製のにおいがする、いろいろなものが。だから、そうではなくて、もう少し、先ほどもちょっと言ったように、[1]と[2]に関しては、国は例えばバックアップするような体制をとるという形に徹して、民間の、例えば村杉さんの日本自然保護協会だって解説員制度を持っているし、いろいろな教育機関を持っているわけです。そういう団体はいっぱいあるわけですから、そういうものを活用するようなニュアンスを少し出す。繰り返すようですけれども、[1]と[2]のところで、例えば今、世古さんがおっしゃったように、[2]は、[2]の一番頭のところに「自主的な環境保全活動を担う人材の育成・確保への支援」とか、何かそのようにちょっと入れておけばいいかもしれないので、トーンとしてはそういうトーンにした方が、僕はいいと思うんです。[3]、[4]、[5]あたりは、国がかなり前面に出てきたもいいと思うんですけれども、[1]と[2]あたりは、既にあるNPOの潜在力を生かすというスタンスに立って書いた方がいいです。細かいところはあれですけれども、どこか重要なところに少しずつその文言を入れておけば済むのではないかと思うんです。要は、書く側の意識として、そういうスタンスで、[1]も[2]も国がやるとなると、これは余り意味がなくなってしまうのではないかという感じがします。
○廣野委員長 国がやる役割とは何かということをよくいつも我々は経済産業省の中で非常に議論するんですけれども、基本的には、国というのはそういう法律をつくったり、ルールをつくったり、そのルールはもちろん国民全員参加のものというので国会とかそういうのがあるわけですけれども、そういうルールをつくったり、それから今度はそのルールを実行する行政、これは国がやらなくてはいけないので、それから同時にそういうものを財政的なものでちゃんと支援をしていかなくてはいけないということで、今一番言われているのは、新しい21世紀のこれからの世界のあり方というのを考えると、我が国はそのうちの一部ですけれども、そういう格好でできるだけ、昔のような中央集権国家体制のような中で国が指導的にやってきた時代は終わったということで、そういうことをはっきりと最初にどこかに書いておく必要がありますね。終わって、やはりこれから新しい時代というのは、いろいろな皆さん方、市民社会におけるいろいろなステークホルダーが一緒になってこれからやっていくのだという、いろいろな政策の立案なり、あるいは実施なり、あるいはそれの監視なり、あるいはまた評価なり、あらゆる側面で市民がそこへ出ていくという、その市民をある程度代表していくのがNGOだということです。そういうことで、我々はそういう位置づけというのがこれから重要かなと思いますので、そんなところをどこかに最初にポンと出しておいて、そういうことで、その流れの中で、国がやることはそういう基盤整備なんだという、ルールづくりも基盤整備の一環ですけれども、基盤整備に徹底するということじゃないかと思います。それが一つ。
それから、もう一つちょっと私は気になる点がありまして、それは何かというと、実は学校教育というのは、例えば文部科学省が一応学校教育にしてもいろいろなルールづくりその他をやっているわけですが、環境の問題になってくると、これは後から環境教育をやりますから、そのときに議論してもいいんですが、この人材の育成という場合に、環境の関係の人材の育成をやるところは必ずしも学校だけではないんです。学校以外のところでものすごく環境人材の育成というのが現に行われているし、そういうものを広くとらえて、環境省として、特に我々のこのような専門委員会としての議論としては、そういうものを支援していくという姿勢をはっきり出していくことが必要ですね。学校教育そのものは、もちろんほかの省庁が担当です。しかし、それに対しても、その中でも例えば環境教育の重要性とかいろいろ言いますけれども、後から出てきますが、学校教育以外のいろいろな場において人材育成が行われておりますので、そういうものを徹底的に支援していくんだという書き方というのは、今皆さん方から出ていたように、このトーンを基本的にそういう方向に考えていくべきはないか。そのときに、環境カウンセラーについて若干いろいろなコメントはありましたけれども、環境カウンセラーをやめろとはだれも言いませんし、環境カウンセラーはある意味ではせっかくつくったものですから、それを充実していくことも重要ですので、環境カウンセラーの充実というのは考えなくてはいけないと思います。そういうものは、しかし、それが主になってしまってはいけない、そういう皆さん方の考え方ではないかと思います。
ではそういうことで……、はい、どうぞ。
○藤井委員 済みません、もう一つ。今の最後の[1]の一番下のところ、「人材を継続的に確保していくためには」の「例えば」のところに平成13年の補正予算の緊急雇用のが出ているんですが、本当にこれが継続的に人材育成に確保できたんでしょうか。私たちは、地域の中で逆にマイナスファクターの方が強かったんです。ですから、これがすばらしいバックアップ体制だと思われると非常に困って、これ以外にたくさんあるのならいいんですが、「例えば」の例示としては余りふさわしくないと思うんですが。
○廣野委員長 何かご意見は。はい、どうぞ。
○世古委員 私もそう思います。緊急雇用対策で6カ月間持ってこられて、結局はその後に引き続く何の体制もなかったんです。もう少し基本的な基金を活用するとか、そういう方向の方がずっといいと思います。
それから、もう一つ私が気になっているのは、企業や地方公共団体、国の職員をNPOに一定期間派遣することはいいことだと書いてあるんですけれども、派遣される方にとっては非常に迷惑なこともすごいたくさんあるんです。受け入れる体制というのは非常に大変で、そうではなくて、国や地方団体の人も一市民としてNPOに参加するということであって、NPOの活動を理解するために職員を派遣というのは、それはちょっと次の次の手ぐらいのことだろうと思うんです。
○岡島委員 参加したり、派遣したりということでいいんじゃないですか。派遣はやっぱり、人材は欲しいですよ。給料を 1,000万円取って活躍している人……。
○世古委員 ただ、「NPO活動に対する理解の増進に有効」というよりも、それはパートナーシップとしてやることであって、理解の増進にやるなら、それぞれ個人が基本的に考えればいいことであって、「国の職員をNPOに一定期間派遣すること」に……。
○岡島委員 では、そこをちょっと直せばいいんじゃないかな。両方あった方がいいんじゃないかと。市民として参加することも必要だし、ただ出向というか、ただで来てくれるというのは、こんないいことはないんですよ。(笑)
○世古委員 でも、それが国の職員の本当の使命なのかというのは、私は疑問だと思います。
○岡島委員 そうしたら同じことじゃない。NGOの使命だって、それが使命なのかということで、いろいろなケースがあるんじゃないですか。自治体から行ってもいいし、それは国の職員にとってもプラスになるし、お互いにプラスになるということはいいことではないかとは思うんです。マイナス要素もあるかもしれないけれども。(笑)
○廣野委員長 いろいろ意見はあると思います。今現に行われている制度で、それが同時に小泉内閣の中で、小泉さん自身も一生懸命言っていますけれども、できるだけ国家公務員もたまには外へ出よ、そろそろ変えてこい、外の風を吸ってこい、そうすればもっともっとやるんじゃないかということを彼は言っていますけれども、そういうことでいろいろな交流があっていいわけです。
○岡島委員 交流という観点で考えたらいいと思うんです、お金じゃなくて。
○廣野委員長 どうぞ、山田さんの方から。
○山田審議官 かえってこれがマイナスだと言ったのは、その引き継ぎ体制がないというだけのことですか。それとも、それ以外にどんなマイナスが……。
○藤井委員 基本的には、6カ月という限定でそこで動いた人たちは、その後そこの地域の当該活動の中で継続的に参加する手だてを持ちませんでしたね。
○村上委員 これは私が一生懸命つくった制度ですから、私から答えますと、これはあくまでも緊急雇用対策なんです。これを補正予算でやる分には、恒常的なものはやれないんです。我々は本当は恒常的なものをやりたかったけれども、恒常的につながるものは補正で組めないんです。だから、これが恒常的につながるものは本予算でやらなければならない。だから、いいことは、これを生かして、これはいいことだからと本予算をつくってくれれば一番いいんです。我々はそれをねらった。そういう意味なら私は賛成します。
○青山課長 これは11年の補正で 2,000億円ついて、翌年にはまた緊急で 3,000億円かついて、最初は6カ月でぴしっと切ったわけです。去年のは少し横を緩めて……。
○村上委員 だから、これはうまくやれば3年つなげるんです。6カ月でいいけど3年つなげるんですが、ただ我々は、必要なものは緊急でやって、それでいいものはあるわけです。例えば森林などというのは、最初は自民党は全然相手にしなかった。ところが、公共投資がなくなって地域が疲弊した。地域雇用のための森林という我々のアイデアに飛びついてきたんですが、それはそれでどうというのでも私はいいと思っているんだけれども、それを続けなければいかんわけです。だから、それを続けるために、補正は緊急ですから、これを必要なものは恒常予算にしていく。これがあれば、私はいいんだと思う。
○廣野委員長 青山さん、ご説明か何かありますか。
○青山課長 例示としては、正直言いまして、余り適切ではないんじゃないかという気がしますが。
○藤井委員 緊急の雇用と継続性とは、ここの例示としてはやっぱりおかしいですね。
○廣野委員長 どうぞ。
○世古委員 先ほどのところの修正案で、人材のところですが、交流というより、セクター間の移動が必要だということを私は思っていて、いろいろな国の人もNPOセクターに来るし、NPOセクターの人がまた行政セクターに行く。セクター間の移動を促進するためにこういう手もあっていいし、それを1行入れていただいた上で、交流しながらお互いに理解を深めるんだということがいいと思います。
○廣野委員長 ということで……。では、清水さん、どうぞ。
○清水委員 スタンスにつきましては委員長のおっしゃるとおりだと思うんですが、例えばこの「中間まとめ」、これは何年ぐらいまでもつということを想定しているんですか。実施するのは15年度から実施しますね。来年度からこれに基づいて行われるわけですね。恐らく、こういう提言は、最高にもっても5年ぐらいで、次にまた新しいのに変わっていく。そういう意味では、住民主体という考えは、理想ですが、現在は、その過渡期の段階として、現状をとらえていかなくてはならないと思います。したがいまして、協働というのはすごくいいわけですけれども、協働の中には主体というのがどこかにあるはずです。現実的な問題として、例えば、私は市町村レベルで考えているものですから、NPOの環境保全活動で万能だとは思えないんです。まだまだ不十分なところがあって、そういう実態みたいなものを頭に入れながら進めていかないと、先進的な取り組みばかりをみつめ、何でもNPOで安心だという感覚になると、ちょっと不安です。そういう意味で、地方自治体などがしっかりしていかないと、これはうまくいかないという認識を常に持っているんです。そういう意味で見ると、何となくそれではない感じの方向に動いていくような気がして、不安でならないんです。要するに、今は、過渡期という、移行する段階です。ですから、イコールパートナーシップは当然なんですけれども、どこかに骨みたいな主体がないと、非常に不安だという気がしているんです。それは大丈夫でしょうか。
○廣野委員長 どうぞ。
○岡島委員 不安というか、主体というのは、これは環境NGOというか、環境保全活動の支援のための基本的なテーマなんです。だから、例えば地方自治体があって、知事さんがいて、いろいろなことをやっています。その中のNGOを何とか活性化しようというための案ですから、そういうことを書かれているわけで、それで県知事の権限まで侵すとか、そういうことではないわけです。
それから、おっしゃるとおりに、地方ではまだまだ財政的にもいろいろ脆弱で大変なNGOがたくさんいらっしゃって、ある意味では自治体などと対決したりしてやっているNGOもたくさんいるので、地方の現場では、なかなかNGOと言ってもくせのある人がいたり、いろいろなことがあって、なかなかそう簡単にはここに書いてあるようなことはいかないというのは、お気持ちはわかるんですけれども、このテーマ自体全体がそれを何とか支えようということなので、その辺のところはちょっと前向きで、それで私が言ったのは、[1]と[2]は、ですから、なるべくNGO側主体に任せて、例えば、変な言い方ですけれども、パートナーシッププラザというのがあったり、中核的に事務所がある。そんなのも、極論を言えばですよ、例えばNGOに任せてしまえばいいじゃないか。そして、お金の監査といろいろなものの監査をきちんと国が見て、悪いことをしないかきちんと見る。そのぐらいの度量があってこれからの世の中にちょうどいいのではないかなと僕らは思うんですけれども、例えばそういう方向で少し[1]、[2]などは、今のはちょっと極論かもしれませんけれども、そういう方向で考えたぐらいのがいいんじゃないかという意見で、[1]と[2]はNPO側ということで、国や自治体の方は恐らく[3]、[4]、[5]の方でもまだかなり大きな役割があるんじゃないかと思うんで、そういう流れの上で[1]と[2]を少しNPO側に主体を移してなどということがいいのではないだろうかというのが私などの意見なんです。
○廣野委員長 実はこの委員会自身が民間の活性化を支援するためのものをつくろうということですから、そういうことで、よろしくその点はお願いします。
ほかに何かありますか。もしなければ、その次の(3)、11ページへいきたいのですが、よろしいでしょうか。では、11ページ、自主的な環境保全活動を支える資金・情報の提供、ここへ入りたいと思います。どうぞ。何でも結構です。はい、どうぞ。
○村杉委員 質問ですけれども、ここで言う資金というのは、国が出す資金に限定しているということと理解してよろしいですか。こういう項目ですと、例えば地球環境基金以外にも、いろいろな企業がやっている助成金だってあるわけです。そういうことはここでは特に触れずに、国の資金ということでよろしいわけですね。
○廣野委員長 今おっしゃった点は[2]に書いてあります、税制措置のところで。いろいろなほかの団体がやる。それに対して、また税制措置でもっと緩やかにした方がいいということで。
○村杉委員 これは税制措置のことでしょう。そうではなくて……。
○廣野委員長 ほかの助成団体に対するあれですね、税制問題……。
○村杉委員 企業が助成金をいろいろな保全活動に出すわけです。それは、受ける側としては資金ですね。
○岡島委員 村杉さんがおっしゃっているのは、地球環境基金だけではなくて、日本財団とかいろいろな基金もあるので、そういうものを総合的に見た視点で書かなければいけないんじゃないかということじゃないかと思うんですけれども。
○村杉委員 その通りです。これは地球環境基金だけのことについて書いてあるのですが、そのとらえ方は、もうちょっと幅広く書いた方がよいのではないでしょうか。あくまでも、ワン・オブ・ゼムとしてこの地球環境基金を扱わないと、やはりお国のというにおいが強い。
○藤井委員 それを前提としつつ、それはわかっていて、ここは地球環境基金をどうするかということで議論する場ということで、ここだけ取り上げたと理解したんですが。
○廣野委員長 その点はそうではなくて、村杉さんがおっしゃったように、いろいろな資金があるのだから、それを大いに活用することは重要だということは、これは十分認めるということで、それはどこかに一言そういうことを入れておいて、そのうちの一つの重要なものとして、地球環境基金という格好で書くという……。
○村杉委員 情報提供につながりますけれども、これは。
○岡島委員 [1]の前に何かちょっと必要ですね。
○廣野委員長 全体的なものですね。ここにあるのは「自主的な環境保全活動を支える資金・情報の提供」ですので、必ずしも国だけが考える必要はないので、だからそういう意味ではそういうことを入れておいた上で、その上で特に地球環境基金についてはこう考えるということを入れておくと。そういうことですね。
はい、どうぞ。
○岡島委員 地球環境基金に絞ってあれしますと、これは、地球環境基金について書いてあるんですけれども、ヒアリング等でかなり強く言われている人件費だとか、一般事務費だとか、こういったことに対する運用の見直しが全然ないんです。だから、包括的な支援をするとか、何かちょっとその辺のところは、運用そのものについての見直しも少し、1行でも入れておいてもらいたいと思います。ここでは「対象分野等の見直しが求められている」だけだけれども、その上げ方というのか、それのやり方についても少し検討を要するというところがあるんじゃないかと思うんです。その取っかかりはぜひ入っておいてほしいと思います。
○廣野委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。
○村上委員 税制措置のところで、検討してくれではなくて、緩和しろと言うべきだと。いわゆる寄附金の税制優遇措置、何で検討なんていう弱気なことを言わなければいけないんですか。
○廣野委員長 ここですね。「拡充も検討していく必要がある」と。
○村上委員 緩和を検討なんて、緩和をしてくれと。
○廣野委員長 これは一般に政府特有の言い方ですね。こういう委員会の立場ですから、委員会としては当然何らかの意見発表があるわけだから、その意見発表の中で、検討していくのではなくて、拡充するという方向で議論した方が、皆さん方が納得いくでしょう、おっしゃるとおり。
○村上委員 もうどこもかもそういう話になってきて、政府税調だってこういう話になっているでしょう。
○廣野委員長 だから、このためには認定要件の緩和、あるいは税制優遇措置の拡充が必要であると、そういう言い方ですね。これを検討する必要ではなくて、その必要があると。
どうぞ。
○村杉委員 後であるのかもわかりませんが、例えば税制以外に、郵送代の軽減など、NGOにとってはとても大事なことなんですけれども、そういうのはこの中に入れたいと思うんです。いかがなものでしょう、委員の皆さん。
○村上委員 3種扱いですか。
○村杉委員 せめて、そういう税制だけではない、例えば、郵送料の優遇措置。
○廣野委員長 実際にそういういろいろな活動をやってみると、おっしゃるように、郵便料だけで年 100万円から 200万円以上かかるという。
○村杉委員 外国はその辺の優遇措置があるところが多いので、何かそのあたりを入れたい気がするんですけれども、いかがでしょうか。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○世古委員 第3種は変わったんじゃないですか、論議の結果。今変わってきている、そちらを調べて……。
○村杉委員 少し変わったみたいですね。でも、まだまだ高い。
○世古委員 変わってきていて、だんだん崩れてきている。
○廣野委員長 どうぞ。
○小澤委員 [3]の情報提供に関連してなんですが、ここの書き方だと、すべて公的なところが割と情報を提供し、場を提供するという感じなんですが、もっと、諸外国を見ていますと、環境教育に関するブックレットが出ていたりとか、中国でも新聞があったりとか、何かそういったものに対する支援というのでしょうか、あるいはNPOが連携してそういうものを出していくようなものというのが一つあるんじゃないかと。
それから、先ほどの雇用対策のあれがあったんですが、確かにここは今NGO・NPOの活動を活性化するということですが、何となく若い人のイメージが私はちょっと少ないなという。若い人がそういうNGO・NPOで働いて、将来自分は職業として環境保全にかかわる仕事につけるというイメージを持ってもらうためにも、アメリカであればイエローブックがあります。環境保全にかかわる全職業が網羅してあって、ある高校に行きましたら、それがちゃんと相談室においてあるんです。自分は環境保護のことをやりたいといったときに、それを見ると、どういうキャリアを積んでいけばどれぐらいの給料でどういう職業が用意されているかがわかる。そういったものもこの情報提供に入れないと、ただボランティアだけでは若い人を引きつけられないと私は思うんです。さまざまな職業があるはずですから、そこのところはもう少し何か出せればいいかなと思っています。
○廣野委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。
○世古委員 あと、前に調べていただいて、皆さんの資料の中にアメリカのコミュニティ開発包括補助金の資料をつけていただいているんですけれども、自主的な環境保全活動を支える資金提供のところに、[1]、[2]、[3]に全部含まれないんですけれども、例えば新しいこういう制度の創出、アメリカのコミュニティ開発包括補助金は、皆さんのところにつけていただいているのを見ていただければいいと思うんですが、これはアメリカでは最大の補助金なんです。大統領の包括補助金、これはNPO・NGOと企業やいろいろな自治体がパートナーシップを組んで、そこに包括的補助金をおろすという方式なんです。一対一の補助金で何をやれば何を上げますというのではなくて、コミュニティ全体の環境に関する開発に対する補助金なんです。そういった新しい制度の創出を検討したり、つくるといったことも、せっかく調べたわけですから、入れていただくといいかなと思うんですが。
○岡島委員 地球環境基金のところにそういうのが入ってくると、おもしろくなってくると思います。
○世古委員 環境基金と別個で、私は政策としてそういうものをつくったらいいと思うんです。
○廣野委員長 今のご意見は、先ほど村杉さんのおっしゃった、いろいろな助成のやり方があるわけであって、必ずしも地球環境基金だけではないということで、そういういろいろな新しい制度の仕組みを考えることも必要になってくると。
それから、先ほど岡島さんの方からおっしゃった、地球環境基金の対象をどうするか云々でいろいろたくさん書いてありますが、その運営方法についても、先ほどからも、この会合専門委員会が始まってから最初から出ていることであり、かつまたいろいろな地方ヒアリングでいつも出てきたことですが、できるだけ弱いNPOに対しては、本体に対する支援もやはり考えほしい、少なくとも最初の数年間はという議論もありましたので、地球環境基金も今後そういところにも踏み込んでいけるような、そういう運用の仕方というのも、各地方のヒアリングなどに基づいてというと、非常に重要だと。ただし、いつまでもそれをやるんじゃないということで、これはもちろん今まで議論した点ですが、いわゆる自立性、自主性というのを尊重しなくてはいけないと思います。ただし、まだできたばかりのようなものに対してはそういうことが必要だということはありましたので、そんなところも運用方法のところで考えていくということではないかと思います。
ほかに何かありますでしょうか。
もしよろしければ、次の14ページの全国的な環境保全活動の活性化、これはこの前の議論に基づいて新たにつくられたセクションなんですが、この辺についてはいかがでしょうか。はい。
○世古委員 国がコーディネーターとしてというのは、私はそうじゃなくて、環境保全活動の推進全国連絡協議会はそれこそパートナーシップで運営するべきですし、国がコーディネーターではなくて、このコーディネーター機関をきちんとここが持つべきだと思いますので、これであれば外郭団体をつくっているような形で、国もその参加者の一人として、全国的な環境保全活動の活性化に対して、国の立場で参加するという形にした方がいいんじゃないかと思いますが。
○廣野委員長 ほかに何かご意見はありますか、この(4)のところですが。
○村上委員 これは、「国がコーディネーター」と言うからわからなくなるんです。コーディネーターって、国は何をするのと、この協議会の中で。だから、ある意味で全国連絡協議会の面倒をどこかで見なければいけないわけだから、そこへ国なども参画していくような形が僕はいいと思うけれども、コーディネーターと言うと、よくわからないね。だから、こういうものをつくってもいいと僕は思いますけれども、それは、これに国も参画していくぐらいにしておいた方がいいと思う。
○廣野委員長 世古さんと同じようなことですね。ほかに何かありますでしょうか、この点は余り異論はないようですね。要は、環境保全活動推進全国連絡協議会そのものがコーディネートしていくということですね。
ほかに何か。
もしなければ、その次の(5)に入りたいと思います。環境教育・環境学習の推進ということです。どうぞ。では、どの点でも結構です。特に小澤さん、何かありませんか。
○小澤委員 これは、だから学校教育だけではありませんのでと思いながら見ていて、もう少し先ほどの人材育成のところで、NPOが人材育成をやったときに、もっとメリットがあるような仕掛けが必要かなと。アメリカですと、それは教員も含めているんです。NPOにもメリットがあり、受けた教師にもメリットがあるような補助金が、多分先ほどの包括的なそういったもので出てくるわけです。受けた先生は、自分の受けた先生のクラスにメリットがあるわけです。その受けた先生の教室はものすごく教材がいっぱいになるとか、何かそのメリットがあるものが見えないと、なかなか今のところを乗り越えることができないかなと。どうしたらいいのかなと思いながら読んでいました。
○廣野委員長 本当は働くことの喜びそのものがメリットでしょうけれども、何かそれ以上の……。(笑)僕なんかは健康で働くこと自身が喜びなんです。(笑)
ほかにどうでしょうか。岡島さん、何か。
○岡島委員 なかなか難しいんでしょうが、この全体の中に環境教育、環境教育とばかでかい概念がより小さくここに入れられているから、私などは環境教育や環境学習を一番一生懸命やってきた方から見ると、非常にフラストレーションがたまるんです。後ろにヒアリングの結果がこれだけ一番多くても、にもかかわらずこれだけしか書けないというか、バランス上そうなるんですけれども、そういう性格を考えた上でこの程度にここにおさめていくことなのかなという感じもするんですけれども、もっと言えば、環境教育・環境学習はここで入れながら、ほかではどうなのかな。一番最後に文部科学省とか、いろいろ提携するということがあったんですけれども、こういうところに追加かどうかわからないけれども、国としてもかなり本格的に取り組むんだというところを入れておいていただきたいですね。今は、例えば、よそのうちの組織に変なことを言うようですけれども、環境教育室でしょう。室が1個あるんです。本来ならば、私などが思うのは、局があってもいいくらいだと。場合によったら、外に出て外局みたいなのがあって、市民と一緒にがんがんやる部局が国にあってもいいはずだと思うくらいです。だから、それをしろとは言わないけれども、文部科学省でいろいろ提携したりしてやるという中の、その次に向かって何か一言でも二言でも、環境省が挙げていろいろ考えるんだというようなことも少し入らないかなと、希望なんですけれども。
○廣野委員長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○清水委員 ちょっと私は行政っぽくなって申しわけないんですけれども、1995年に15歳以上の方々で学級講座に参加した人、民間も行政も含めて、私の調べた本ですと、約 3,500万人なんです、延べ数ですけれども。そうすると、国民の4人に1人はその学級講座に参加しているんです。こういう場を有効に活用して、例えば、環境に関する学習を1コマでも入れて、住民の方々の環境教育に対する理解を進めていったらいいのではないかという気がするんです。そのためには、趣旨として違うのかもしれませんが、例えば、環境教育・環境学習というのは、国とか地方自治体の総合行政として取り組んでいく必要があると思います。そういう中で、環境保全に関する学習や体験活動の促進を生涯学習推進システムの中に位置づけて、家庭教育や学校教育や社会教育などの分野で実践的な活動が行えるように、行政は啓発したり、あるいは奨励したり、支援したりするという施策を展開する必要があると思います。そして、具体的には、環境行政と教育行政が緊密な連携をしたり、あるいは融合して施策を展開していくことが、地方自治体においては必要なんです。生涯学習推進システムの中には、生涯学習情報提供・学習相談事業というのがあるんです。その中に、例えば、環境ボランティアなどの環境にかかわる指導者をリストアップして、その情報を提供するとか、あるいは、さまざまなNPOとかNGOの環境の関係の団体がありますが、その団体・グループ情報としてそこに載せることができるわけです。それから、その学習機会の提供事業も載せられるわけです。そういう既存の生涯学習推進システムの中で生涯学習情報提供とか学習相談をうまく活用して、環境に関する指導者とか、あるいは団体、それから学級講座とか、そういうものをもっともっと多く住民の方々に知ってもらって参画していくというシステムをつくったらどうかなという気がするんです。
ただ、そうすると、では具体的には、NPOとかNGOが活動していく支援の方策として、「行政はこのようにしたらいいだろう。」という提言となってしまいますので、果たしてこの「中間まとめ」にふさわしいかどうかは、ちょっと難しいなという気がしたんですけれども。
○廣野委員長 例えば行政がそれを支援するのだったら、まさにふさわしいんじゃないですか。非常にふさわしいですね、この会にも。ありがとうございました。
○清水委員 具体的には、たくさんそういうことをやっておりますので。
○横山(裕)委員 岡島さんもちらっとおっしゃられましたけれども、せっかく文科省と環境省の協議会ができて協議を始めたというんですから、そのくだりを入れて、何でこれまでだめだったのかということもできれば書いた上で、(笑)この方向でやっていきたいと。前回、委員長でしたか、文科省には3人ぐらいしか環境教育に関心を持っている人はいないと、そこまで書く必要はないけれども、(笑)いろいろな方から環境教育とか環境学習をこれまでいろいろな議論になっているのに、文科省と環境省とがその面で全然連携していないというのは、びっくりするんです。だから、その辺から、国も本気で始めますというようなことを入れていただきたいと思うんですけれども。
○廣野委員長 ありがとうございました。
○清水委員 そういう方策ですごく簡単なのは、例えば、局長さん同士で連名で通達を出して、地方公共団体に対しては、環境行政の分野と教育行政の分野両方に、このような連携や活用を促進することが望ましいという通知を出すことと思います。このようなことでも、行政は動いて行くのです。ただ、環境基本法の中に盛り込まれているかと思うんですけれども、私などはすごく連携している方だと思っているんです。小中高等学校で環境教育をやっていない学校はほとんどないです。また、華々しくは展開していませんが、社会教育の分野でも、あるいは子供の学習に関しても、文部科学省の方では、指導資料などもつくっているわけです。それから、都道府県でもそういう学校教育に活用する指導資料とか、いろいろなものをつくっているんです。そして進めているんですから、連携していないというのが不思議なぐらいに思っていたわけです。むしろ、いろいろな取り組みの中には、例えば、あのころは環境庁でしたが、文部省は、環境庁と連携して行うということでパークレンジャーなども大々的に宣伝して、都道府県や市町村で実施しなさいというのが助言がなされていたんです。
○岡島委員 今の件なんですけれども、現場で学校の先生とNPOなどがうまくやったりした方がいいと思うんです。そういう意味で、教育委員間に理解がないと絶対だめなんです、学校というところは。というのは、教育委員会もいっぱいあるから、全国の教育委員会は、今おっしゃったように通達などが行けば、そういうものだということで、かなり考え方を変えてくれる可能性は大きいです。ともかくNPO側よりは、僕が今までの長いいろいろな経験から言っても、教育委員会です。教育委員会のお墨付きが一つあれば、高校の先生も中学の先生も校長先生も、行っていいよとなるわけです。休み中というか、仕事中でも、NPO集会に行っていいと言えるようになるわけです。確かに案外、今、清水さんのおっしゃった、そんなことを言うこともないけれども、大きいことではないかと思いますけれども。
○廣野委員長 どうぞ。
○村杉委員 この席の私どもの立場としては言えないことなんですけれども、ぜひ局長さんに聞いていただきたいことがあります。せっかく文部科学省とこれから話し合いが持たれるということですので、ぜひあちらに言っていただきたいことは、教育委員会の中に指導主事という方がいらっしゃって、指導主事は理科とか国語とかという教科によって分かれているんですけれども、ぜひ教育委員会の中の指導主事に環境教育専門の指導主事を置いていただきたいということ、それはずっと前から考えていたんです。イギリスなどは、もう20年も前からカウンティごとに環境教育の指導主事はいたんです。ですから、文部科学省でも、そういう立場の方が1人いらっしゃれば、その指導主事が各学校で先生方を指導するというきちんとした流れができるので、ぜひ局長さんがお考えいただけるのであれば、そういう具体的な提案をしていただきたい。今日の会議とは直接関係ないことですが、よろしく……。
○炭谷局長 お答えしますと、先ほど浅野室長が報告しましたように、19日に文科省と環境省との間で話し合って、私も非常に意外に思ったんですけれども、文科省は大変に積極的でして、(笑)今度の議論に対してぜひ環境省と一緒にやりたいという具体的な提案が次々に出ました。この中で私だけが唯一教育委員会に務めたことのある男だと思うんですが、教育委員会というのは本当にかた苦しいところで、おっしゃるとおりですけれども、確かに指導主事に環境担当の人がいるというのは必要だろうと思いますので、そのアイデアとして提案してみますし、また私はぜひ清水先生にちょっとお伺いしたいんですが、現在、社会教育主事とかいますね。あれの仕事の分野の中に環境というのは入っているんですか。僕はちょっと勉強不足で申しわけないんですが、調べてくればよかったんですけれども、ああいうのに入ったらいいと思うんですけれども。
○清水委員 社会教育主事も指導主事も、環境教育を担当する者はいるんです。ただし、一般的に申しますと、地方公共団体では専任ではないのがほとんどです。例えば、福祉の分野とか、人権の分野とか、環境の分野とか、そういうものをまとめて担当するのです。例えば、現代的な課題ということで、社会教育では、緊急に取り上げなくてはならない、都道府県でいえば政策課題として取り組んでいるものに、環境とか人権とか福祉があるわけです。そういうものについては、優先的に学級・講座を開設したり、指導者育成を行ったりして進めております。ですから、社会教育主事の担当者はいるんですけれども、一般的には専任ではないということです。
○廣野委員長 ちょっと国際的な話になるけれども、ご存じのように、国際的な社会、国連などの場合もそうですが、昔我々は経済中心にやりましたけれども、やがて経済と社会が必要なので、社会開発、社会が入ってきて、それから今度は環境が90年代に入ってきたわけです。だから、そういう格好で、経済、社会、それから環境と。その環境というのは独立した形で入ってきているわけです。国連の組織の中でもUNEPができたり、いろんなことがあったりして、そういう格好で経済中心の国連がやがて社会を入れ、それから環境を入れていっているという国際的な流れがあるわけで、日本の国内の中でもそういう格好で、例えば社会教育主事がいたとしても、それは結構だと。それプラス環境教育主事ということで、そういう世界の流れの中で、日本も先進国の一つですから、そういう格好でやっていくというのも一つの方法かなと思います。このレポートの中に入れるのかどうか、そこらあたりは少し検討が要る。というのは余りにもちょっと環境省のあれですけれども。
○横山(裕)委員 局長に一つだけ伺いたいんですけれども、通達までいくような協議会と考えていいんですか。いろいろ意見が出た、必要なら教育委員会に通達を出すようなことまで提言できる協議会だと考えていいんですか。
○炭谷局長 ここの場がですか。
○横山(裕)委員 いやいや、環境省と文科省がつくった協議会。
○炭谷局長 これは具体的な提案は、これからの話し合いですけれども、単に話し合っているだけではなくて、具体的なアクションなり政策をつくっていく場ですから、もし両省が合意すれば、そういうものも成果として出てくるだろうと思います。具体的に今の案についてどうかというのは、ちょっと私だけでは判断できませんで、申しわけないんですが。(笑)
○廣野委員長 どうぞ。
○小澤委員 この14ページに(5)で環境教育・環境学習の推進と出てくると、何かもう少し文言が欲しいという気持ちになってしまうんです。その準拠すべきものは、やはり環境基本計画のために小委員会をつくって答申を出したわけですから、その中身のところでまず一つは、持続可能性のための環境教育ということを一つうたってほしいということと、それから、進めるときに4つあったはずです。総合的に進めること、それから目的を明確にして体験を重視すること、そして地域に根差してということを言ってほしいということと、それからつなぐというキーワードを使ったと。そういう最低限のことは、この前文に環境教育のことを入れれば、そしてあと参考のところに基本答申の冊子の名称を入れておいていただければ、私はいいんじゃないか。これだけぱっと出てくると、何かまた環境問題を教えてというところで終わってしまいそうなんです。ですから、もう環境教育というのは、環境問題を教えることではない。自分たちでどのように問題解決をしていくかというところに、それからそういう人材を育てるというところをきちんと出してほしいと思います。それが持続可能な社会をつくるための教育というところにきちんとスタンスが置かれていればいいと思うんです。
○廣野委員長 ありがとうございました。そのようにぜひやっていきましょう。
どうぞ。
○飯田委員 小澤さんに全く批判されると思うんですが、ことしの4月から新しい学習……、(「総合的な学習の時間」と呼ぶ者あり)これは私の同僚などから仄聞した話ですが、先生がこの時間に何を教えていいかわからないというんです。結局、それはゆとり教育の方に流れていくんですね。ですから、私はもう全く即物的だけれども、我々がそうしてきたように、試験があったら、絶対みんな子供たちも覚えます。ただし、その答えは1つでないんです、この環境問題というのは。だから、作文のような形で書かせる。例えば、実体験した後でそれを書かせる。これも一つの総合的な学習だと思うんです。だけど、今は入学試験に環境などというのはないですからね。(「いや、入っています」と呼ぶ者あり)そうですか。
○小澤委員 見てください。もういっぱい問題は出ていますから、大学入試には。それを言い始めれば言いたくなりますし、多分文科省と環境省の協議会で出ていると思います。総合的な学習の時間は、先ほど地域と言いましたけれども、指導要領の中身はないんです。総則のところに、地域あるいは学校の特色を生かしたテーマでということになっているんです。そうすると、地域ということになりますと、そこの地域の川を使って環境問題とか、環境がどういうところに特色があるかとか、そういったところで始めているんです。先生たちができないゆとりというのを、逆の解釈をして子供たちの好き勝手にさせておく、そういう学校もあるかもしれません。しかし、21世紀のこの4月からの学校教育は、いわゆる昔の知識伝達、あるいは子供から言うと知識注入型の蓄積型の教育観ではないということで、探求・創出・表現型の教育観に変えるということを15期の中教審で提案したんです。そこで「生きる力」という抽象的な言葉が出てきて、そのときは横断的、総合的な学習だったんです。それが、教育課程審議会におりて、そこで時間を設けなければ多分やらないだろうということで、総合的な学習の時間になったんです。それは、各教科でみんな縦割りの中でやったって、子供たちは本来統合していかなければ生きた力にはなっていかないわけです。ですから、そこをつけようということで、教科と乖離しない、表裏一体化した総合的な学習の時間と。でも、それは学校あるいは先生たちが考えることなんです。与えられたところでやっている分には今までどおりの教育しかできないというところにものすごい主眼があったわけです。
ですから、私もいろいろな新聞を読み比べています、マスコミがどういう取り上げ方をしているか。毎日さん、サンケイさんとかいろいろと読んでいます。それなりの評価をしています。ですから、新聞記者から電話がかかってくれば、直接会ってお話を聞くようにしています。電話取材は一切お断り、勘違いして。一方で学力低下論がありますが、それを言い出すと切りがないんですけれども、今何が問われているかをものすごい議論したんです。ですから、15期の中教審の答申を読んでいただければ理解されるんじゃないかと。基本的には、受験エリートはつくらないということだけで、それが方針だったと思います。私が文部省を代弁する必要はないんですが、そのとき環境教育の専門委員として入っていましたので、それには賛同してきた、私はそういう立場です。
○廣野委員長 ありがとうございました。
この最後の環境教育・環境学習というところと、実は前のいろいろなところとつながってくるところがたくさんあるんです。そんなわけで、私はあと残された時間をそれに使いたいと思うんですが、それはどういうことかというと、おのおのの個別の中で何を言いたいかということだけではなくて、この全体の総合です。リンケージがいろいろ出てきますので、そういうリンケージを大切にしながらこのレポートをつくっていくと、言ってみれば非常に焦点がはっきりしてきて、お互いにそれぞれの言いたいことが、ほかのところの章とちゃんと連携してきますので、より強化されるんじゃないかということですので、ぜひそういうことを考えていただきたいんです。
それで、その一つの例としてちょっと申し上げたいんですが、先ほどから出ているように、例えば9ページの多様な人材の育成・確保というものを国としてはもちろん支援するんだということでやるんですが、そういう多様な人材の育成・確保というものと、あとの今の環境学習のところも非常につながりが出てきます。また、11ページから12ページに書いてある地球環境基金のことは、環境教育・環境学習とも非常につながってまいります。そういうことで、いろいろなところが必ずそういうつながりがありますので、そういうつながりを十分に入れた格好でこれを書くことが重要かなと、これが第1点。
第2点は、先ほどもちょっと触れましたけれども、こういう私たち新しい専門委員会をつくって、環境保全活動の活性化方策のあり方ということをやるわけですので、時代が変わったのだということをはっきり認識して、NGO・NPOの位置づけが、政府・地方自治体、あるいは民間企業その他、そういうものとある意味で対等な格好での位置づけなんだというものをはっきり出していくこと、決してそれは政府の手足ではないということ、そういうことをきちんと入れていくことが非常に重要だと思います。
3番目には、これは若干今行われている議論につながるわけですが、例えば今回カナダにおけるサミット、G7、G8によって、小泉さんから大きなことが言われるわけですけれども、それはご存じのように 2,500億円をこれから途上国の教育支援に使うということです。 2,500億円をやるということが発表されますけれども、そういう 2,500億円を途上国の教育支援に使うということになってくると、教育支援というのは必ずしも学校教育だけではなくて、例えば地球環境基金のようなところを使って、そういうところで例えば途上国のNGOを支援する。それがまた環境教育や環境学習になるわけです。また、そういうことをやって、日本のいろいろなNPO・NGOの方にもそういうのに参加してもらって、環境教育・環境学習に参加していただくということになるし、それがまた同時に、今度は日本NGO・NPOの人材育成にもなってくる。現場を踏むことによって人間というのは伸びます。仕事があることによって、仕事がチャレンジになって、人間は必ず伸びていきますので、そういう意味からいっても、そういう実体験はものすごく重要ですので、そういうことを考えると、今回発表される 2,500億円の途上国に対する教育支援などというのも、例えば僕などは地球環境基金から 100億円ポンともらうということで、そのぐらいやってもいいじゃないかと。これは僕の個人的意見なんですけれども。そういう格好でこれから膨大な途上国の教育支援に使うわけですから、ぜひその教育支援というのは、いわゆる狭い意味の、例えば学校の先生を途上国に送ってやるというように矮小化するのではなくて、もっとできるだけ広くNPOあるいはNGOというものを大いに含めた格好での環境学習・環境教育、またそれを通じた人材の育成という方向でやるということが重要かなと思いますので、そんなことも何らかの格好でいろいろなところと関係してくるんです。ぜひそういう関係した格好でこの全体を書くということが必要かなと思います。これは私の個人的な意見です。
ほかにどうぞ。
○横山(裕)委員 きょうあるいは前回とか伺っていて、この主な論点への対応とかで出たのは、国が前面に出過ぎているんじゃないかと。もっとNGO・NPOの自主性に任せてほしい。言うならば、お金は出すけれども、口は出さないということを臨んでいるということがわかって、私も基本的にはそうだと思うんです。しかし、一方でやっぱり国とNGO・NPOとの間にまだまだ不信感があって、ですからここで意見を言って、いろいろなことを言っても、果たして環境省の皆さんが、ここの文章にそれらしく書いたとしても、効果が本当に出てくるのかなということが私はちょっと心配なんです。ですから、ここで言ったことに対して、今さらこんなことを言ってもしようがないんですが、環境省さん側の言い分というか、だけどNGO・NPOというのはこれまでこうだったでしょうとか、そういう本音の部分が聞けるとよかったんですが、この委員会はそういうところではないからしようがないんですけれども、全体的に見ると、言いっ放しに終わってしまって、文章はそれなりに直っても、全体的な効果から言うと、だめなんじゃないかなという危惧の念を持つんです。基本的には、私もNGO・NPOが今後の環境教育とか、あるいは環境保全活動をやるには、非常に重要な意味を持つと思って、そういう観点でこの委員会は設けられた思うんですが、国はどうも、環境省も含めて、やっぱりまだまだNPO・NGOに任せてやれないと。我々が前面に出ていかない限りだめなんだと。地方に拠点ができたと。私も環境省に地方に手足がないというのを非常に限界があると思っていたんですが、それが今度できたと。それは、私も名古屋にヒアリングに行って初めてそれを知ったんですけれども、非常にいいことだなと思ったんです。やっぱりそれをNGO・NPOの活動活性化の拠点にしようといったことが出てきているわけで、そういうことから言うと、まだまだ両者の話し合いとか、理解を深め合うということをやっていかないと、本当のNPOとか環境活動の活性化につながっていかないんじゃないかなという気がします。
○廣野委員長 ありがとうございました。
はい、どうぞ。
○岡島委員 そのとおりだと思うんですけども、こちらの方の話で、今の横山さんのを受けてなんですけれども、NPO・NGOの位置、それを今回、国全体の中できちんと明確化の議論をする必要があると思うんです。これは今回の中間ではとても無理だと思いますけれども、そこのところをじっくりやらないと、結局お役人さんも戸惑うわけです、今までのやり方と違うことをしろと言われて。NGOの方も、またちょっと困る部分もある。NGOの方だって頭のかたいのはいっぱいいるわけだから。(笑)それは両方で、ある程度の位置づけがみんなで議論されていないからなんです。例えば、明治以来、 300の藩があって、その後が47の都道府県になったり、それがまた道州制になって、 3,300を3,000 ぐらいにしようとか、時代とともに国民のニーズとか世の中のニーズによって社会の仕組みは変わってきているわけです。それが今まさに公というものの中身と、それから国や地方自治体というところに、一言で言うと国民が結構食えるようになったから、もっといろいろなこともしたいという国民がたくさん出てきて、その力はもっと活用した方がいい。税金の使い方、徴収の仕方、分け方、そういうことも含めて今大きく変わっている時期です。その中の一環として、私はこのNGOや市民団体とか、代議員政治による民主政治の中で直接投票がどうかとか、地方分権とか、そういう動きはすべて同じ一つの流れにあって、日本の社会というものをひとつ考え直さなければいけないだろうとかという時期だと思うんです。それはいろいろなところから出ていると思うんです。このNGO・NPOの社会の中の位置づけというのもそういう流れの中に乗っている部分がかなりあって、そこをできたらここで中間が終わった後も、その位置づけをめぐってしっかりとした議論を半年、1年やって、レポートにまとめて世の中に問うというような作業はあった方がいいと私は思うんです。そこがある程度できてくれば、役所の方だって頭の中は変わり得るでしょう。まだ、だから個人の主観でしか考えていないわけです。その辺のところで、日本の国の中における霞が関の行政の役割と、地方の役割と、市民の役割というのは、ある程度整理する時期だと思うんです。
そういう中で、環境という分野に限定してもいいとは思うんですけれども、そこをもうちょっと、私が見ている限り、国の役所の中では環境省は比較的市民の方に近いスタンスを持っているし、国民的な人気というか信頼度もあるから、そういう役所が一つその先鞭をつけていくというのは、非常に説得力があると思うんです。ですから、ぜひこれは長期的なというか、もうちょっと時間を持って、だからここでは方向性が出ていればいいと思うんです。そういう必要な時代に入ってきているのでというようなところまででいいとは思うんですけれども、そのなぜか、歴史的もいろいろな国際的に見ても、市民団体の意味というのは、この国の社会の中で非常に一つの場所を占めてくる。世古さんはもう一つの公という言い方をされていましたけれども、何かそういうところの位置づけをきちんとする。そういうことが霞が関である程度出てくれば、地方にしみわたるまで3年以上かかると思うけれども、結構時間はかかると思いますけれども、そういう作業をちょっとやってみたいな、やったらいいんじゃないかなという気がするんです。
○村上委員 この前も全体の問題で前の方をやらなかったものですから、これは、後ろの方が直って、前の方との文章のつながりが悪くなっているんです。というのは、環境保全活動を活性化するには課題があって、それを受けて具体的な施策があるわけでしょう。ちょっと見た感じだけですが、例えば教育という問題が入ってきました。これは参加人口のところをちょっと書き直せばいいのかなと思ったりして、5ページの(5)で書き直せばつながってくると。ただ、ここで出てきている問題でまるっきり後ろに出てこないのが(7)海外との関係。これは、やはり課題を載せたら何か書かないと、前後のバランスとか、文章の意味合いとかがとれないんじゃないかなと思いますので、その辺、後ろを直したら前をちょっと合うように直してほしいのと、前にあって大事な問題で、私は海外との関係は書くべきだと思いますから、これはぜひ後ろに書いてほしいなということです。
○廣野委員長 その点を実は私も非常に心配していまして、例えば環境基本法、それから環境基本計画の中で、国際的取り組みというのは必ず一つ入っているんです。それを受けてこれもあるわけですので、そういう国際的な取り組みの一環としてのこういう海外云々という問題は、前の方には入っていましたけれども、後ろの具体的なところには全然入っておりませんので、そういうのも、先ほど私はちょっと触れましたけれども、ああいった問題も含めて、ぜひ新しく一つの項目をつくってやる必要があるなという感じを持っています。
はい、ほかにどうぞ。はい、どうぞ。
○世古委員 それに関しては、大きなロジックの組み立て方と、このレポートの書き方を少し変える必要があると思うんです。このヒアリングの資料を使ったときの見取り図というのがありますね。この見取り図の書き方そのものをちょっと変えないと、そのようにならないと思うんですが。要するに、この見取り図というのは16ページですが、このレポートというのはこの見取り図に沿ってできているので、この構成になっていると思うんです。どこを変えたらいいかというと、最初のところで、現状の認識、現状の問題点があるんですけれども、すぐに課題になっているんです。これは、政策課題にすぐ直結させて、次の予算やそういうものをつくるためになっているので、そうではなくて、今、岡島さんや、この間私も言ったように、市民セクターの位置づけといったものをきちんとそこで必要だという現代的な課題をここに書くべきだと思うんです。その上で次の課題の抽出というのが来ないと、だからそこのところで抜けてしまっているんです。それが必要だろうと。それは、この間岡島さんもおっしゃっていて、私も言った、この委員会の位置づけだけではなくて、市民セクター、NPO・NGOセクターの位置づけや、それから今までの行政とNPOとの関係といったものの整理が必要というのをここに書いて、そこから次にこの具体的な課題というのが出てきて、その課題に先ほどおっしゃった海外のものも入れて、そこが展開されるという形にしないと、短絡しているんです。課題はこれだけでは全くなくて、もっと大きな課題を。これはブレークダウンした課題でしかないんです。
それと一つ私は、横山さんがおっしゃったこととちょっと違うのは、国の役割は、NGO・NPOにはお金を出して口を出すなと思うのはおかしいと思っているんです。お金を出したら、ちゃんと口を出したらいいと思うんです。ただ、口の出し方を変えるべきだと思っているんです。今までのように、要するに中央的な形でガバナンスという形で出さずに、国も一つの役割だろうと。それから、地方と中央という考えをもうそろそろやめた方がいいと思うんです。地域と中央官庁の役割と考えて、お金を出したら口を出すんだけれども、口の出し方を変えるということです。それは責任を持つということだし、私はパートナーシップというのはNPO・NGOだけがやればいいとは全然思っていませんし、それぞれ得意な分野、それぞれの特性に応じてきちんと仕事をするやり方をつくれればいいと思っていますので、そういう意味では、この大きな見取り図の流れの中に、国の役割の変化とか、NGO・NPOの位置づけを書くことは国の役割の変化だと思うんです。そこをきちんと書かないと、前後のロジックが全然合わないというのは当然だと思います。これは、パブリックコメントでもそういったパブリックコメントも出ていたと思うんです。
○廣野委員長 今おっしゃった点は、本来ここに基本的考え方というのが書いてあって、そこに行政と民間活動の役割分担の明確化と書いてあるでしょう。だから、その前に、今おっしゃったように、僕などはもうちょっと大きく考えて、国際社会の変化も入れながら、そういう中で、国というと政府ですが、政府の役割と、いわゆる政府以外のところの役割がどのように変わってきているかということを言う中で、その中の一環としてNGO・NPOをとらえるという、そういうより広い国際的な潮流の中で大きな変化が今、世界のあらゆる先進国と一部の途上国で起きていますので、そういうものをはっきりと認識した上で、では一体どういうところに我が国は問題があったかということをはっきりしておいて、そしてそれが、ここに書いてあるところの次の、行政と民間活動の役割分担の明確化というところにつながっていくということかなと思います。そういう意味では、ぜひそういう前のところをもうちょっと補充していかないといけないかなと。
それから2点目は、先ほどから議論が出ているように、前のところに書いたような基本的考え方にありながら、しかし後ろに書いていないような、特にそういう国際的な取り組みといいますか、海外との関係、これも入れていかなくてはいけないという点。
3番目には、それぞれのいろいろな項目が具体的施策の中でお互いにリンケージがありますので、そういうのでお互いに言ってみればリンケージをちゃんとわかるような格好で書いておく必要があるかと。大学などですと、例えば学生に対していろいろな配布をするときに、この科目を取るときには、ここはつながっていますという格好で、関連科目って書きますね。そういう格好でどこがどうつながっているかということを書いて学生がわかりやすいようにしてありますが、別に我が国民は学生ではありませんけれども、しかし、それでもわかりやすくした方がいいから、そんなこともちょっと必要かなと思います。
4番目には、これはいろいろな言葉の問題もあると思いますけれども、何回も今まで議論してきましたけれども、言葉を書くときに、できるだけ我々がこういうところで議論しているのは何の目的であるかということがはっきりするようなものがいろいろな言葉で入ってくるということが重要ですので、至るところに、いわゆる環境保全活動の活性化方策のあり方ということで、まさにそういう民間のいろいろな活動を支援する、あるいはパートナーシップを組んでやっていくんだというところが常ににじみ出ているような書き方をいろいろなところでしていただくとありがたいかなと。
それからあと細かな点では、先ほど例えば地球環境基金の場合もありましたけれども、そういう運用の仕方についても何らかのコメントをするということで、単に対象分野だけをどうするかということだけではないということが必要だということ、そんなことがきょういろいろ議論になりました。
それで、実はお願いがあるのですが、きょう議論いたしましたのは、実はこの次の我々の専門委員会を来週の金曜日に行いますので、それでまとめていただくためにきょう議論をしたわけですから、それをまとめてもらわなくてはいけないんですが、そのときに、先ほどから出ているように、我々としては、例えば何らかの中間の取りまとめをつくったらそれで終わりでないんです。先ほどから出ているように、もっと長期的ないろいろな問題があって、本当にやらなくてはいけない問題がたくさんあって、そういうこともありますので、中間的な取りまとめをどうとらえるかということだと思います。そのときに、従来のいろいろな審議会のやり方というのは、中間的な取りまとめというのは、かなり最終的なものを一応ここらでやろうということでやっているんですけが、今回の私たちの中間の取りまとめをそういうものと同じものに持っていくのか、それともそうではなくて、あくまでも今まで議論が出てきた段階のものを並べてやっていくのか、そこらについて皆さん方のご意見をお聞きしなくてはいけないなと思います。そんなわけで、事務局の方でこれから来週の金曜日までに、きょうの議論に基づいて何らかの取りまとめをしてもらうものですから、そのときに我々委員会の基本的な考え方として、従来の審議会でやる取りまとめにするのか、あるいはそうではなくて、あくまでも今まで議論したものを取りまとめるという格好にやっておいて、もっと次の段階で議論していきたいのか、そのあたりでちょっと皆さん方のご意見を聞いた上でこの会を終わりにしたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。
○小澤委員 今まで議論のなかった1ページ、2ページ、基本的な考え方のところの(1)に役割分担の明確化とあるわけですが、私、このヒアリングした中での意見が、これはここで答えを出すのではなくて、NPO、行政が対話を繰り返して、共通のビジョンを共有していくという、そのプロセスが大事だと。そこを何かもう少し基本的な考え方の中に書いていただいて、そして、その仕掛けになるのか、出していったらいいんじゃないかなという思いでおります。
○廣野委員長 そうですね。そういう項目を立てて実際にやっていくというわけですね。
○小澤委員 ここでお見合いの場などというのがありますが、やはり私たち、今まで行政と一般市民、それからNPOで対話をするという場は余りないと思うんです。アメリカの制度とかを調べていますと、イギリスもそうですが、パネルをつくって、非常に対話をしていくということを大事にしていると思います。そこを何とかやっていただければ、NPOはNPOでそれぞれの独自性は認めながら、ではNPO同士の連携をとるときの基盤を、お互いに役割を明確化するということ、お互いを理解し、しかしそれは独自性を認めていくというところだと思うんです。今までのは、何かお互いを批判して、なかなか連携がとれないというのが日本の社会の……、本当は力があるのに、協働することによってもっとパワーアップするという、そこを何とかこの中間まとめで出してほしいなと思います。
○廣野委員長 おっしゃるように、今までの議論というのは余りにもゼロサムゲーム的に扱って、そうではなくて、NPO自身がパワーアップすることが実は行政の方のパワーアップにもなるんだと、そういう両方のパワーアップになるんだというとらえ方、ゼロサムゲームではない、プラスサムゲーム的なとらえ方が本当にこれからの社会では重要になってくると本当に認識しておりますので、そのような方向でこのレポートのまとめもやっていくと。そういうことで、では皆さん方の今回のいわゆる中間取りまとめというのは、必ずしも最終的な取りまとめをすべて網羅したものではなくて、あくまでも今まで議論したものをまとめていくという格好でやらせていただくということでよろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○世古委員 全体図がわかるように、この見取り図をもう一回書きかえていただいて、どこは重点的に議論したけれども、どこがまだ残っているのかということがわかる見取り図の書きかえをやるのだったら、私も手伝いますから、全部お任せではなくて、必要なところは私たちも手伝えばいいと思いますので、これを書き直して、全体がわかるようにしていただきたいと思います。
○廣野委員長 この委員会のレポートというのは、委員会のレポートですから、事務局のレポートではありませんから、当然我々がちゃんとやらなくてはいけないんで、事務局はあくまでそれを助けてくれているというだけですから、ぜひそういうことでよろしくお願いいたします。
では、一応こういうことで、次の議題のその他について、事務局の方から何かありましたら、どうかよろしくお願いいたします。
○浅野室長 次回につきましては、また事前にご案内を差し上げますけれども、2週間後の金曜日、同じ10時、午前中ということになっております。場所は、会場の都合がありまして、ここに案内をしておりますけれども、大手町のKKRというところでやらせていただくことにしております。場所が違いますけれども、よろしくお願いいたします。
○廣野委員長 では、どうもありがとうございました。
午前11時52分閉会