中央環境審議会総合政策部会 環境保全活動活性化専門委員会(第3回)議事要旨

日時

平成14年6月21日(金)10:00~12:00

場所

経済産業省別館1014会議室

出席委員

廣野良吉(委員長)、飯田浩史、岡島成行、小澤紀美子、清水英男、 世古一穂、藤井絢子、村上忠行、
村杉幸子、横山裕道

議題

  1. [1] 主要な論点への対応について
  2. [2] その他

議事

文部科学省との協議会について

  (事務局) 6月19日に文部科学省との間で開催した「第1回環境教育・環境学習推進に関する協議会」について報告。
 

  (1) 地域における環境保全活動の促進方策

  • 「地域」の単位として、NPOの活動は市町村、県、県を超えるものなどがあるので、市町村に限定せず、広域的に考える必要がある。
  • 環境問題の種類によって、地域をフレキシブルにとらえる必要がある。
  • 環境保全活動は、地域の他に企業でも行うべきであり、網の目でやっているイメージで書くのがよい。
  • 全国組織と地域とタテヨコの活動を書くべき。
  • 協議会のリーダーシップは誰がとるのか。当面は行政がリーダーとなると思う。
  • 行政主導ではなく、NPOとのパートナーシップを重視すべき。
  • 調査官事務所の利用は可能なのか。会議室の貸し借り程度か。拠点の運営なら、パートナーシップで行うことが必要。
  • [1]と[2]はNPOを重点的に考えたものであり、[3]と[4]は国が行うこと。
  • 私の記憶では、ヒアリングでも委員会でも調査官事務所の話は出ていない。NPOは、国が前面に出てくることを警戒する。
  • 公民館や神社の社務所でやっているような小さな活動を最初に出してほしい。
  • 場の提供と運営とは別問題であり、場については使えるところは積極的に活用し、運営については、行政とNPOとが連携して行うべき。
     

  (2) 自主的な環境保全活動を担う人材の育成・確保

  • 人材育成はNPOがやることであり、行政はそれを「支援」すべき。また、育成と確保は別問題である。国は人材育成の基盤整備と確保の支援を行えばよい。
  • NPOは「支えられる側」というイメージがあるが、「支える」NPOもある。国がすべてのNPOを支える必要はなく、「支える」NPOの活用、支援が重要。
  • 環境カウンセラーの記述だけでなく、NPOによる人材育成も並列的に書くべき。
  • 環境カウンセラー制度はできたが、運用が不十分。基金の地球大学校の人材育成事業など、国はバックアップに徹するべき。
  • 国の役割は、法律・ルール作りとその実行、財政支援などである。国主導の時代は終わり、市民が実施主体となる。環境教育は学校以外でもたくさん行われている。
  • 13年度の緊急雇用対策は、地域ではマイナスで、例示としてはふさわしくない。
  • 緊急雇用は6ヶ月しかないので確かにマイナスだった。
    企業や行政職員をNPOに派遣することは、賛否両論がある。
  • 行政職員等の参加及び派遣は必要である。
  • 「セクター間の移動」という言葉を入れてほしい。
  • 緊急雇用がマイナスというのは、どんな点か。
  • 6ヶ月だけで、その後が続かない。
  • 提案した立場から言うと、あれはあくまで緊急のものであり、補正予算では恒常的なものは組めないので仕方ない。
  • まだ過渡期であり、現状では何でもNPOが行うというのは不安である。
  • (1)と(2)はNPOが主体、(3)(4)(5)は国が主体と考える。この委員会自体が民間活動を支えるというテーマだから、NPOのことを書くのは当然である。
     

  (3) 自主的な環境保全活動を支える資金・情報の提供等

  • 資金について地球環境基金以外の助成金等についても記述すべき。
  • 基金の運用面での見直し、例えば人件費や運営費にも使えるようにするなど、も入れるべき。
  • 税制については、はっきり税制措置の緩和が必要と書くべきである。
  • アメリカの開発補助金など、新しい制度の創設を考えるべき。
  • 基金の運営方法の見直しを入れる。
  • [3]情報の提供について、海外にあるような環境教育の新聞への支援や、NPO連携の支援なども入れる。また、「若い人が環境保全の職業につくこと」についての情報も入れてほしい。
     

  (4) 全国的な環境保全活動の活性化

  • 国がコーディネーターではなく、パートナーシップでやるべき。国も参加者の立場。
  • コーディネートとは何をするのか。「全国協議会に国も参画する」でよいのではないか。
  • 協議会そのものがコーディネートすべき。
     

  (5) 環境教育・環境学習の推進

  • NPOが人材育成するメリット、例えば補助金などがある仕掛けや、教育を受けた先生にもメリットを与えるような制度が必要。
  • 環境教育・環境学習はもっと大きなテーマであり、記述が少ない。国が本格的に環境教育に取り組むことを表明すべき。環境教育推進「室」があるが、「局」であってもいい。
  • 学習講座などは、環境教育の理解を深める上で有効。環境行政と教育行政との連携が必要。
  • 文部科学省との協議会が始まったそうだが、今までなぜダメだったかを入れるべき。
  • 両省の局長連名で通達を出すと自治体も動くようになる。
  • 教委のお墨付きがあれば、学校の先生もNPOへ行きやすくなる。
  • 環境教育専門の教育指導主事も必要ではないか。
  • 知識注入型ではない、生きた力をつける学習が必要。
  • G8で小泉首相が表明した2,500億円の途上国への教育支援についても、学校の先生が途上国で教育支援するだけでなく、NPOが、地球環境基金の助成を受けて教育支援することも検討すべき。
     

  その他

  • 各目次項目間のリンケージを大切にしながら、レポートを作りたい。
    時代が変わり、NPOとの対等な関係など、NPOの位置付けについてしっかり書きたい。
  • 国とNPOとの間に不信感がある限り、当委員会の報告書がどのようなものでも、実際の効果は低い。両者の話し合いが必要。
  • NPOの位置付けについては、中間報告後、じっくりと議論する必要あり。ただ、環境省は、比較的市民に近いポジションにあることは間違いない。
  • 主要な論点の対応の前半部分の「課題」と後半部分の「具体的施策の考え方」とで整合性が取れていないので修正すべき。
  • 見取り図の構成も「現状の認識」→「具体的課題」ではなく、「現状の認識」→「市民セクターの位置付けが必要といった全般的な課題」→「具体的課題」とブレークダウンする形に修正すべき。
  • 国を前面に出すべきではない。国は金を出しても口を出さない方がよい。
  • 国は金は出して口も出す、ただし、口の出し方を変える。
  • 中間報告の位置付けは、最終的なものに近いものにはできないのでは?
  • ここで「結論」を出すのではなく、行政とNPOが対話を繰り返してビジョンを出していくという「仕組み」を作るべき。
  • これまでの議論をまとめたものということにしたい。

(了)