中央環境審議会総合政策部会環境研究技術専門委員会 地球環境分科会(第1回)議事概要

日時

平成13年5月18日 14:00~17:00

場所

合同庁舎5号館22階環境省第1会議室

出席者

〈委員側〉 西岡主査、安岡副主査、秋元委員、浅野委員、村上委員、平田委員
〈環境省側〉 山田審議官、松井環境研究技術室長、木村地球環境局研究調査室長、他

環境省挨拶

山田審議官から挨拶を行った。

議事

(1) 分科会の運営について

 事務局より資料2(中央環境審議会総合政策部会環境研究技術専門委員会の各分科会の運営方針について)を説明した。

(2) 第1回専門委員会の指摘事項及びこれを踏まえた追加的なコメントについて

 事務局より資料3(第1回専門委員会における主な指摘事項)を説明した。

(西岡主査)

  • ・ ここの議論は6月に予定している中間報告などに反映されるのか。

(松井環境研究技術室長)

  • ・ 反映される。

(村上委員)

  • ・ 小項目の各論もどうするのかハッキリしないと絵空事になる。
  • ・ モニタリングを強化すべき。データが古いと政策に活かすことができない。環境関係の統計の結果の公表が遅い。
  • ・ 地球環境保全は、大気・水・土壌とも密接だ。廃棄物や自然との共生も地球環境保全と密接であり、地球環境保全というと全て含まれるのではないか。

(松井環境研究技術室長)

  • ・ 各論は後で協議したい。モニタリング結果などの環境情報の提供の重要性は他分科会でも指摘されている。

(木村地球局環境局研究調査室長)

  • ・ それぞれの項目に関連があるので、何らかの整理が必要。

(安岡副主査)

  • ・ 環境問題は広いので軸は幾つでもある。分科会の議論を専門委員会でまとめて分科会に再度下ろすことも必要。

(松井環境研究技術室長)

  • ・ 第1回の専門委員会でも同様の意見が出ている。

(浅野委員)

  • ・ どこで仕切るかが問題。
  • ・ 今回の環境省の提案は面白い。環境研究は、政策課題を明確にし、問題解決に向かって行くべき。
  • ・ 地球環境をどこまで含めるかを明らかにすると課題を整理しやすくなる。
  • ・ 問題の繋がりが分かるようにして、アウトプットが分かるようにすればよい。

(西岡主査)

  • ・ 時間も限られているので、少し細かいものを検討してから、広い話をしたい。

(3) 重点戦略プロジェクトのあり方について

事務局より資料5(循点戦略プロジェクト等のあり方について(検討メモ))及び資料6(地球環境分科会の関係分野等における推進課題及び体制整備のあり方について(検討メモ))を説明した。

(平田委員)

  • ・ 資料中の「エネルギーの循環」との表現は誤っている。

(西岡主査)

  • ・ これまでの環境研究は個別的に行われてきたが、審議会などでは概念的な議論がされてきた。この繋ぎをどうするかである。
  • ・ 政策的な問いかけに対しては、「このやり方でよいのか」「個々の疑問を解決するにはどうするのか」が重要である。

(4) 関係分野における推進課題及び体制整備のあり方について

 事務局より、Questionに答える形で資料を作成したとの説明を行った上で、資料7(地球温暖化防止プログラム(試案)(図))、資料8(地球温暖化防止プログラム(試案))及び資料9(地球温暖化防止プログラムのイメージ案)を説明した。

(浅野委員)

  • ・ 統合プログラムの例の4つの分類の立て方は、循環廃棄物対策を一つの分野として捉えすぎることから、問題がある。
  • ・ 資料7、8は地球温暖化防止研究プログラムである。
  • ・ 人間社会研究を別枠で扱うのではなく、適応緩和策の研究と一体に取り組む姿勢が重要。適応緩和と重なり合うように絵を描くべきである。
  • ・ 研究成果と政策立案がどのように繋がるのか、この部分が抜けている。政策決定のための研究が重要である。
  • ・ 温暖化防止研究にあたっては、影響の指標化をどのようにするか、住民や産業界などのニーズをハッキリさせることが重要。

(木村地球局環境局研究調査室長)

  • ・ 政策立案に直接結びつく研究が重要であることは論を待たないが、気候変化の監視など長期的な自然科学的研究も重要と考えている。

(浅野委員)

  • ・ CO2の研究に重点が置かれすぎており、アジアを視野に入れればメタンなどの研究が重要ではないか。

(秋元委員)

  • ・ 総合科学技術会議の4つの柱の「地球環境研究」は、「地球環境管理総合プログラム」と直してもらいたい。

(松井環境研究技術室長)

  • ・ これは、包括的なものでなく、当面の重点化領域のメッセージである。

(安岡副主査)

  • ・ 総合科学技術会議と環境省の方向性は同じか。
  • ・ 総合科学技術会議の中で環境が行う研究分野は決まっているのか。

(村上委員)

  • ・ ここでの検討は、総合科学技術会議をハッとさせるものではなかったのか。
  • ・ 来年度の予算が組めれば良いとのことでなく、中長期的な方向性の検討をするべきではないのか。

(木村地球局環境局研究調査室長)

  • ・ 環境省としてどういう研究・技術が良いのか総合科学技術会議にインプットし、全体のプログラムがうまく動くための検討をしている。

(村上委員)

  • ・ 技術開発は、必要性がはっきりすれば進む。

(平田委員)

  • ・ 現象解明研究に「都市大気汚染」とあるが、都市という言葉にこだわる必要はないのではないか。

(秋元委員)

  • ・ 中国、インド等の亜大陸規模の問題を考えなければならない。

(安岡副主査)

  • ・ 総合科学技術会議にインプットするとした場合、国民にとって温暖化防止の今後の展開がイメージできるような書き方がよい。

(村上委員)

  • ・ 砂漠化問題への対応も重要なテーマ。

(平田委員)

  • ・ エネルギー消費と密接に関係があることから、水素化社会など燃料転換による新エネルギーについて触れるべき。

(村上委員)

  • ・ 水素化問題は、実用化段階に来た。国の政策次第で温暖化防止対策は大きく変わる。少ない資源を何に特化するかだ。

(平田委員)

  • ・ 水素についても誤解を招くことなく、世間に認知されるよう、教育が重要である。

(秋元委員)

  • ・ 資料8が当分科会のアウトプットの姿か。

(安岡副主査)

  • ・ 資料8は総花的である。重点化というものが見えるように考慮して貰いたい。

(秋元委員)

  • ・ 地球温暖化対策以外にも他の問題が入った方がよい。環境安全保障的なコンセプトも必要。その中で環境省ができるものは何か?である。

(村上委員)

  • ・ 海外技術協力には間違った方向で進んでいるものもあるのではないか。国情に応じて行うことが大事である。

(西岡主査)

  • ・ 大きな目的を達成するためには技術戦略として何が必要なのかである。
  • ・ 資料8に研究すべき事項の事例を追加してはどうか。また、それだけではなく、方向付けるアイデアが必要である。

(木村地球局環境局研究調査室長)

  • ・ 総花的でなく、どこに焦点を当てたかわかる資料としたい。

(安岡副主査)

  • ・ 地球温暖化によって将来どうなってしまうかについての記述もあった方がよいのではないか。

(村上委員)

  • ・ 資料9のような相関を示した図は分かりやすい。これをよりクリアにすればよい。

(安岡副主査)

  • ・ 当面は、地球温暖化防止対策に焦点を当てるものの、今後その他の問題も検討していく必要があると記載しておいたほうが良い。

(秋元委員)

  • ・ 衛星観測の重要性が増してくる。

(安岡副主査)

  • ・ 資料9の図には、モニタリングをキーワードとして入れるべき。モニタリングの結果が次の方向性を生み出すという意味で、モニタリングの役割は重要である。

(西岡主査)

  • ・ 今後は資料8、9をインテグレードする方向であると思う。

(松井室長)

  • ・ 次回分科会は5月28日14時より三田共用会議所にて行う。
  • ・ 各委員の追加の意見は、23日までにメールまたはFAXで回答願いたい。

以上