中央環境審議会総合政策部会環境研究技術専門委員会  循環・廃棄物分科会(第1回)議事概要

日時

平成13年5月18日 10:00~12:00

場所

合同庁舎5号館22階 環境省第1会議室

出席者

〈委員側〉 小林主査、花嶋副主査、中島委員、藤田委員、水戸部委員
〈環境省側〉 山田大臣官房審議官、飯島廃棄物対策課長、松井環境研究技術室長、他

議事

(1) 分科会の運営について

 事務局より資料2(中央環境審議会総合政策部会環境研究技術専門委員会の各分科会の運営方針について)を説明した。

(2) 第1回専門委員会の指摘事項及びこれを踏まえた追加的なもコメントについて

 事務局より資料3(第1回専門委員会の主な指摘事項)を説明した。

(中島委員)

  • ・ 総合科学技術会議には4つの主要テーマの他にも4つの分野がある。その一つが製造技術。リデュースは製造技術に関係する。

(松井室長)

  • ・ 他の分科会においてもメッセージを発する必要ありとのコメントもあった。製造技術もエネルギー等と同様に対応していきたい。

(花嶋副主査)

  • ・ 具体的な環境技術開発の提案をする。
    1. [1] 土壌汚染問題は研究が進められているが、物質ごとの限界を示さずに対策している。限界を与えることが重要。
    2. [2] 海面埋立処分は、内部は嫌気的になる。汲み上げて水処理するのがよいか、外に出ないようにして長期的に遮断しながら上の土地を利用していく方法がよいのか。この場合閉じこめた廃棄物の安定化の促進の技術開発が望まれる。また、万が一漏洩した場合、物質毎の生物濃縮メカニズムを解明する技術開発が必要。
    3. [3] 埋立地の表面被覆は、水処理量の減少に効果があるが、カバーや遮断による安定化の遅れなど問題点が不明であり、この点の技術開発が望まれる。
    4. [4] 3ng/gというダイオキシンの規制値へのバックアップが行われていない。
    5. [5] 焼却灰主体の埋立地の雨による溶出が考えられるが、どの程度の期間内で基準以下に安定化するかの研究が必要。また、土壌微生物の応用技術が期待されるが、この分野の人材育成と合体しながら技術開発を願いたい。
    6. [6] ダイオキシンの簡易測定技術の開発・測定。
    7. [7] ごみを洗うというウォッシュアウトの技術開発。
    8. [8] 処分場からの硫化水素発生メカニズムの解明。
    9. [9] 地域に適合した技術の外部評価システムの開発が望まれる。例えば、ガス化溶融炉は大都市で使う前提で開発されたが、中小都市で処分場がないからとの理由で使用されている。これを指導するところがないのが大きな問題。
    10. [10] リサイクルについては、品質基準を決めず、流通メカニズムができていないため普及が滞りがち。
    11. [11] 廃棄物処理業者を統合・規模拡大し、技術・人・資金面を潤沢にする仕組みづくり。
    12. [12] 自治体が行っている自区内処理が広域化を妨げ、処理費の高騰を招いている。
    13. [13] 2005年くらいから本格化する建築物解体のための企業の体制整備、リサイクル施設、処分場建設の促進。
    14. [14] 住民不安払拭のための不適正処分場のリニューアル。
    15. [15] 再生利用品中の重金属の変化や挙動に関する研究を進める、再廃棄の際の基準を設定すること。
    16. [16] 下水道の博物館のような住民が見てわかる施設の建設を進め、三多摩で実施している処分場の地中内部を見せる公開により住民理解の促進させる。
    17. [17] 森林を改変した場合の復元限界の研究。三多摩では鳥類や動物、昆虫など増えており、きちっとした生態学的な研究が必要。
    18. [18] 不法投棄の問題対応などのための地中探査手法の確立。
    19. [19] 住民参加をどの時点で行うのが最も効果的なのかの研究。
    20. [20] 水処理後の濃縮塩の集中管理システムの検討。

(3) 重点戦略プロジェクトのあり方について

 事務局より資料4(中間報告の目次及びその検討・記述方法(案))及び資料7(循環型社会の構築)を説明した。

(小林主査)

  小林主査が持参した「検討テーマに関するメモ」を出席者に配付して説明を行った。

  • ・ 循環型社会の理念・目標設定が混迷している。
  • ・ 個別の技術開発というよりも社会経済システムの構築が骨格となる。
  • ・ 物質単位でそのフローと循環がどのようになっているかの把握が必要。
  • ・ 資料7の「不適正処理対策」には、適正処理ルートの確保の視点も必要。

(水戸部委員)

  • ・ 循環型社会のシステムとは何なのか、誰もよくわからない。拡大再生産の社会の枠内に法律を作っているように見える。この部分の整理が必要。
  • ・ 汚染をどう減らすか。そのためにはどのようなシナリオが描けるのか。ここを明らかにしないと次の技術の方向性が定まらない。

(中島委員)

  • ・ 短期的なテーマだけでなく長期的視点が必要。
  • ・ 設計や生産の現場では、国際的に部品を集めて作るため、データーベースが少なく環境配慮の設計ができない。生産工場の設計生産分野に関しても環境省で関わっていかないとまずいのではないか。
  • ・ 製品の長寿命化が大事だが、工学の枠内だけでは解決できず、いかにして所有感を大事にさせるかの住民理解が必要。他の省庁では扱いにくい問題である。

(水戸部委員)

  • ・ 自動車の処理は、ヨーロッパは分解・選別、アメリカは、粉砕してマテリアルだが、我が国はどちらのシナリオを描いていくのか議論されていない。どういう方法を描いていくかで将来の課題が見えてくる。

(藤田委員)

  • ・ ライフサイクルを延ばしていくことは、企業が経済的に成り立つのか。

(水戸部委員)

  • ・ 値段が上がり、需要が抑制される。これを技術開発がどこまでカバーするかである。

(藤田委員)

  • ・ 例えば、ソーラシステムの普及は補助金で産業化し、流れが動いていると感じている。これは本質的でない。

(水戸部委員)

  • ・ 静脈産業を動かすシステムが循環のためには必要。

(山田審議官)

  • ・ 「環の国」づくりの議論で、製品の長寿命化や、財の所有から利用への方向転換なども議論されている。

(水戸部委員)

  • ・ 長寿命化は一律には議論できない。自動車の長寿命化は省エネには良くないこともあり、総合評価が必要。

(小林主査)

  • ・ 国際的視点で、諸外国とのリサイクルネットをどうするかは全く手が着いていない。

(花嶋委員)

  • ・ 輸入は超過し、リサイクルの量は変わらない。これをどうするかが循環の課題。

(藤田委員)

  • ・ 有機性廃棄物のコンポスト化は、物質収支から言えば成り立たないが、矛盾を感じつつやっている。
  • ・ 現実には最終処分場は作らざるを得ず、技術的にどう管理するかである。

(花嶋副主査)

  • ・ 若い人の教育が大切。教育によって自然に循環型の流れに移行するのではないか。

(飯島廃棄物対策課長)

  • ・ 中環審の循環型社会計画部会での議論で道筋が出ることを期待している。
  • ・ 技術開発のニーズに応えるシステム作りが重要。公募型の補助への応募が多く、これからは、予算を増やとともに、技術開発情報のデータベース化などの仕組みづくりを行いたい。

(4) 関係分野における推進課題及び体制整備のあり方について

 事務局より資料5(重点戦略プロジェクトのあり方について)及び資料6(循環・廃棄物分科会の関係分野等における推進課題及び体制整備のあり方について(検討用メモ))を説明した。

(藤田委員)

  • ・ 埋立処分場の問題は、土壌浄化の関わりとよく似ている。アメリカ、カナダは積極的に浄化しなくてもよいが、土地利用の形態や生態系への影響の把握を見ている。
  • ・ 千葉県のTCE地下水汚染に係わったが、民家の下の地下水が汚染されているような場合は放置できない。
  • ・ 長いスパンでどうなるのかなどリスク評価の技術を確立し、こうした仕分けを国が作っていくのが大事。

(花嶋副主査)

  • ・ 乾電池の水銀問題の経験から、長期的な研究体制ができるシステム作りをお願いしたい。

(中島委員)

  • ・ 国民意識の変化は今後どうなるのか、確実な予測はできないが、学生を見ていて感じるところあり。10年程度で大幅に変わるのではないか。
  • ・ 東大の教養学部では1年半後に学生が学科を選ぶが、環境分野が高い支持を得ている。意識調査でも、環境やエネルギー分野に高い優先順位がつけられており、傾向としては元気づけられる。

(小林主査)

  • ・ 環境という名前の付いた学科は多いが、循環や廃棄物を体系だって扱っている学科は見受けられない。実務レベルの人を教育する機関もない。人の養成はこれからの宿題として残っている。

(中島委員)

  • ・ 環境問題は、東大では、特定の学科ではなく、工学部全体で見るとの将来ビジョンを計画している。

(花嶋副主査)

  • ・ 環境研修センターはその役割を担っている。実務レベルで40~50万人の関係者になれば、循環型社会の形成が動き始めるのではないか。
  • ・ 地方にそうしたセンターをきちっと置いてもらい、先導者を作ることが大事。

(中島委員)

  • ・ 環境プロパーではない技術者が高い関心を持つことも大事。技術士法の改正でも検討している。

(藤田委員)

  • ・ 焼却炉の解体、アスベスト対策などが問題であるが、場当たり的でなくやっていかなければいけない。経済社会が循環型に行くために必要な体制整備の一つにも繋がる。
  • ・ 埋立処分場の内部の反応機構の解明や、安全を誰が判断するのかも考えなければならない。

(飯島廃棄物対策課長)

  • ・ 閉鎖基準が判断の基準になるが、基準を厳しくすればするほど閉鎖は難しくなる。

(藤田委員)

  • ・ わからないから基準が厳しくなってしまう。数字で押さえることが必要。
  • ・ バイオサイエンス等の技術を使えば、意外と上手に閉鎖できるのではないか。
  • ・ 上部(跡地)に何を作るかで当然違ってくるのに、一律に基準を作るから難しくなる。
  • ・ 下水道は、下水道博物館を建設し、見せることによって理解を深めて行った。

(小林主査)

  • ・ 研究的には、これまで技術をどう評価し先に進むかである。

(花嶋副主査)

  • ・ これまでは技術評価しにくかったが、これからは埋める前に分別されるなど様々な技術が出てくると思われることから、技術の進歩はさらに期待できる。

(小林主査)

  • questionがあればメモで送ってもらい、次回の議論に入りたい。

(藤田委員)

  • ・ 国際循環ということを考えた場合、廃棄物になると国外に出ていけない。絶対か。

(飯島廃棄物対策課長)

  • ・ バーゼル法、廃棄物処理法、国内処理の原則などがある。
  • ・ 有価物としてリユース目的で輸出することは考えられる。

(水戸部委員)

  • ・ 途上国だとインフラがなく、リサイクルを途上国で進めようとすると難しい。逆に、日本だといろいろな体制がありできる。

(小林主査)

  • ・ 途上国の有害廃棄物を日本で引き取って処理するくらいの度量をもつべきと考えている。

(花嶋副主査)

  • ・ 一番困っているのは、地方自治体の制度のあり方である。自治体職員が3年位でどんどん変わる。提案してやろうとすると担当者が変わってしまう。もう少し長期的にものを見る役所のシステムをつくっていただけないか。

(小林主査)

  • ・ このようなシステムは、行政の内部、又は隣接したところにそういう機能を持たせるかである。

(花嶋副主査)

  • ・ 形にはこだわらない。そうしたことを推進できる組織を望む。

(5) その他

 事務局より、次回は23日に開催すること、追加の意見は22日までに提出願いたい旨依頼した。

以上

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