中央環境審議会総合政策部会  環境研究技術専門委員会(第4回)会議録

日時

平成13年11月27日(火)午後2時01分~午後4時20分

場所

経済産業省別館9階 944号会議室

出席者

鈴木  継美  委員長
和気  洋子  委員
筑紫  みずえ  臨時委員
村上  忠行  臨時委員
秋元  肇  専門委員
岩槻  邦男  専門委員
小林  康彦  専門委員
田中  正之  専門委員
松本  忠夫  専門委員
森本  幸裕  専門委員
吉川  賢  専門委員
     
     
 三浦  慎悟  臨時委員
 安井  至  臨時委員
 井口  泰泉  専門委員
 岡田  光正  専門委員
 大聖  泰弘  専門委員
 西岡  秀三  専門委員
 水戸部  啓一  専門委員
 安岡  善文  専門委員
 鷲谷  いづみ  専門委員
 
中川 総合環境政策局長
青山 総合環境政策局総務課長
木村 地球管理局研究調査室長
 
 山田 大臣官房審議官
 松井 総合環境政策局環境研究技術室長
 安藤 環境管理局環境管理技術室長

議題

  1. (1)中間報告後の動きについて
    1.  [1] 総合科学技術会議の取組
    2.  [2] 環境研究技術に係る環境省の平成14年度予算概算要求の状況
  2. (2)今後の審議の進め方等について
  3. (3)分野横断的・総合的な取組が必要な課題について
  4. (4)その他

配付資料

資料1  中央環境審議会総合政策部会環境研究技術専門委員会委員名簿
資料2  中間報告以後の総合科学技術会議における取組
資料3  環境省の科学技術関係予算主要事項
資料4  今後の審議の進め方等について(案)
資料5  分野横断的・総合的に推進すべき課題の記述の方向(案)
参考資料1  環境研究・環境技術開発の重点的・戦略的推進方策に関する中間報告
参考資料2  環境研究技術専門委員会中間報告の概要
参考資料3  平成14年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針(抄)
参考資料4  分野別推進戦略(抄)

議事

【松井環境研究技術室長】 それでは、定刻を少し過ぎました。本専門委員会の定足数は19でございまして、現在18名ということでございます。したがいまして、今のところまだ懇談会という形にはなりますが、時間が参りましたので、委員会を開催させていただきたいと思います。
 会議に先立ちまして、中川総合環境政策局長よりごあいさつ申し上げます。

【中川総合環境政策局長】 本日はご多忙の中、本専門委員会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 6月22日に公表させていただいた専門委員会中間報告の取りまとめに当たりまして、委員の先生方には大変精力的なご審議をいただきましたことに対しまして、改めて御礼を申し上げます。
 この中間報告につきましては、総合科学技術会議有識者議員によるヒアリングなどを通じまして、総合科学技術会議に提示させていただきまして、9月の総合科学技術会議で取りまとめられました分野別推進戦略の環境分野の記述の中に反映させることができました。その一方、中間報告の検討をいただいた時点では、その後に予定されておりました総合科学技術会議における分野別推進戦略の取りまとめをにらみ、本専門委員会で答申に向けた検討を行うこととしておりましたが、分野別推進戦略は既に9月に当面の取りまとめが行われました。このため、本日は本委員会における今後の検討内容・スケジュールにつきまして、後ほど新たな提案をさせていただき、ご意見を賜りたいと思っております。
 それから、平成14年度の概算要求につきましては、既にご承知のとおり、特別枠と一般枠を設けまして、特別枠につきましては要求増を認めるというもので、科学技術の振興は、環境や都市再生などとともに特別枠の項目とされました。一方で、科学技術の振興も含む既定経費でございます一般枠を1割減額要求することとされました。この結果、9月末に財務省に提出いたしました概算要求におきましては、環境省の要求総額は2,786億円でございまして、対前年度比0.6%増でございます。それに対しまして、うち科学技術関係経費は310億円ということで、対前年度比5.4%増というふうになっております。しかしながら、重点分野の研究開発を進めていくために特に必要な競争的資金の要求額が前年度と同程度となるなど、必ずしも満足の行くものではございません。このような状況ではございますが、現下の予算をめぐる厳しい情勢の中、平成14年度予算案の編成に向けて引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
 これから年末、年度末へと向かい、先生方もますますご多忙のことと存じますけれども、専門委員会報告及びこれを受けた答申の取りまとめのために、引き続きご協力をお願いいたしましてごあいさつとさせていただきます。

【松井環境研究技術室長】 ただいま筑紫委員もお見えになりましたので、定足数に達しました。懇談会から第4回の専門委員会に切りかえさせていただきます。
 議事に入ります前に、お手元の配付資料のご確認をお願いしたいと思います。
 まず、議事次第を含め1冊にとじ込んであるものと、それ以外に中間報告の印刷物、資料番号を打ってございませんが、これが参考資料の1でございます。それ以外、この議事次第を1枚めくっていただきますと、配付資料一覧がございますが、資料1から5、参考資料2から4が1冊になっております。
 あと、委員の先生のお手元にのみ、第2回及び第3回の議事録の案を配付させていただいております。既に1回、先生方には目を通していただきまして、頂戴した意見については反映をさせていただいておりますが、最終の確認をお願いしたいと思います。さらにお気づきの点があれば、大変恐縮でございますが12月5日までにご連絡をいただきたいと存じます。その後、公表の手続を行うことといたします。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 今後の進行は鈴木委員長にお願いいたします。

【鈴木委員長】 それでは、議事に入ります。
 第1の議題は専門委員会中間報告後の動きについてということで、事務局、どうぞ。

【松井環境研究技術室長】 それでは3ページをお開きいただきたいと思います。中間報告以後の、主として総合科学技術会議における取り組みについてご報告させていただきます。
 まず、1の平成14年度の資源配分の方針の策定でございますが、7月に開催されました総合科学技術会議の本会議におきまして、「平成14年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針」が決定されております。この方針では、科学技術基本計画を踏まえ、重点分野としては環境分野などを指定するとともに、重点分野において優先的に研究開発資源を配分すべきことを定めております。
 19ページをお開きください。参考資料3は、資源配分の方針の抄録でございます。
 1として、「平成14年度に向けた基本的考え方」でございますが、これの二つ目のパラグラフ、「そのため」の後でございます。「平成14年度においては、産業競争力の強化と経済の活性化、健康で質の高い生活、地球環境の保全と循環型社会の実現等の政策的要請を勘案して、科学技術の戦略的重点化と科学技術システム改革を行う。一方、我が国の財政状況に鑑み、科学技術の効果的な推進が不可欠であり、戦略的重点化とあいまって、効率化を図り、必要な整理、合理化、削減を行う」となっております。
 2が「科学技術の戦略的重点化とシステム改革」でございまして、(1)の「科学技術の戦略的重点化」では、「科学技術基本計画に示されているように、特に重点を置くべき分野は、国家的・社会的ニーズが高い、[1]ライフサイエンス、[2]情報通信、[3]環境、[4]ナノテクノロジー・材料の4分野とする。これらの4分野とそれ以外の分野とのメリハリとともに、各分野内で重点的に推進すべき事項を明確化する」とされています。次のパラグラフでございますが、「同時に、研究者の自由な発想に基づき、幅広く、新たな知に挑戦し未来を切り拓く、国際水準の質の高い基礎研究を一層重視するとともに、萌芽的な分野融合領域に対して先見性・機動性を持った対応を行う」。この部分は、今回の資源配分の方針が政策に直結した目的研究、しかも4分野のみに特化し過ぎとの批判もございまして、その点を考慮して記述されたと聞いております。
 次に、「重点的に推進すべき事項の絞込みに当たっては、上記の基本的考え方に加えて、以下の視点を重視する。国の政策として実施することの必要性、適時性。政策の明確な実現目標の設定。研究成果の社会・産業への迅速な還元。明確な戦略のもとでの効果的・効率的な推進。特に府省にまたがる事項が増えていることに鑑み、効果的・効率的な推進のため府省を横断した取組みの統合。」
 「また、これらの事項の遂行に当たっては、以下の点が重要である。」としまして、「新たな領域等に対応する人材の育成と確保。計測・分析・評価技術、研究用材料(生物遺伝資源等)、データベース等の知的基盤の整備。知的財産権の取得・活用方策、積極的な国際標準への対応の明確化。」を重要な点として挙げています。
 その次でございますが、「今後5年間を見通した各分野の推進戦略に関する調査・検討を踏まえて、平成14年度は、重点を置くべき4分野における以下の事項に対して、特に重点を置いて、優先的に研究開発資源を配分することとする」となっております。
 [1]はライフサイエンス、[2]は情報通信でございますが、省略させていただきます。
 [3]の環境の記述でございますが、「環境問題が広域化・複雑化する中で、総合的な研究への展開が遅れており、また、社会科学的知見も踏まえた予見的・予防的研究が重要となっている。このため、持続的発展を可能とする社会の構築を目指して、緊急性・重要性、国民生活の質的向上や産業活性化への影響力等を考慮し、以下の事項に特に重点化し、個別研究開発を全体として整合的に集成、再構築したシナリオ主導型のイニシャティブの下に推進する」となっております。
 次のページでございますが、ア)、イ)、ウ)の三つの課題が掲げられてございます。
 ア)としまして、「地球温暖化研究。地球温暖化に関する観測と予測、気温・海面の上昇及び水循環変動の自然や経済・社会への影響の評価、及び影響を回避あるいは最小化するための技術・手法の開発。」
 イ)としまして、「ごみゼロ型・資源循環型技術研究。資源消費とごみ発生が少なく、しかも環境負荷を最小化するような物質循環・低環境負荷型の技術とシステムの開発。」
 ウ)としまして、「自然共生型流域圏・都市再生技術研究。自然共生型の都市の形成を目指した、都市の環境状況や流域圏における生態系の観測・診断・評価技術及び流域圏管理モデルの開発。」
 以下、「[4]ナノテクノロジー」、ここまでが重点4分野でございまして、[5]から[8]がその他の4分野ということで、これらのものが掲げられております。
 その後でございますが、「上記の平成14年度に重点的に推進すべき事項については、政策的目標、各省及び各機関の役割と分担、研究開発上の目標と手法、成果の社会への還元等の計画と実行の状況を、総合科学技術会議が把握し総合的に調整することによって、各機関間の連携、不必要な重複を排除し、効果的・効率的な研究開発の推進を図る。」となっております。
 「(2)科学技術システムの改革等」といたしまして、「世界最高水準の優れた研究成果を生み出し活用できる、研究開発環境を構築するため、研究現場での競争原理の発揮、公正かつ透明性の高い評価の徹底、人材の流動性向上等、科学技術システムの改革を行う。」
 [1]は、「競争的研究環境の形成に資する競争的資金の改革と拡充」でございます。
 次のページに移らさせていただきまして、[2]といたしまして、「大学等の施設の整備」。それから25ページでございますが、[3]といたしまして、「産学官の連携の推進」。26ページになりますが、[4]といたしまして、「地域科学技術の振興」。このようなものが掲げられております。
 そして、「3.整理、合理化、削減の考え方」といたしまして、「効果的・効率的で質の高い科学技術振興を実現するとともに、国民的視点に立った成果重視の行政への転換を図ることが求められている情勢を考慮すると、科学技術の一層の振興に当たっては、重要な施策を重点的に実施していくとともに、必要な整理、合理化、削減を図る」。そのような記述がなされているところでございます。
 27ページになりまして、「4.重点化及び整理、合理化、削減の進め方」でございます。
 あと、「5.国民の理解と学習の振興」ということで、28ページになりますが、「科学技術政策の推進が、産業競争力の強化と経済の活性化、健康で質の高い国民生活、地球環境の保全と循環型社会の実現、新たな発展の源泉となる知識の創出等を如何に実現していくのか、また、我が国の世界の中での地位や役割の向上、国の安全の維持に如何につながっていくのか等について、分かりやすく説明し、対話を通じて国民の理解を得るように努めることが重要である」。このような指摘は本専門委員会でも受けておりまして、中間報告の中に同様の記述が既になされているところでございます。
 それではまた3ページにお戻りいただきたいと思いますが、2といたしまして、「分野別の推進戦略の策定」でございます。
 9月21日に開催されました総合科学技術会議本会議におきまして、環境など重点分野について、今後5年間にわたる当該分野の現状、重点領域、当該領域における研究開発の目標及び推進方策を明確化した「分野別推進戦略」が決定されたところでございます。環境分野の推進戦略では、資源配分の方針に記述された3課題、先ほど見ていただきました地球温暖化研究、ゴミゼロ型・資源循環型技術研究、自然共生型流域圏・都市再生技術研究に加え、化学物質リスク総合管理技術研究、地球規模水循環変動研究、環境分野の知的研究基盤、先導的研究の推進を重点課題として定めたところでございます。
 29ページをお開きいただきたいと思います。少し中身をご紹介させていただきます。
 29ページは表紙でございまして、30ページに「取りまとめに当たって」とあります。
 1のところは、この分野別推進戦略の位置づけといたしまして、科学技術基本計画に基づいてつくったものであるということをここに書いてございます。
 2といたしまして、「分野別推進戦略の作成」。総合科学技術会議では、「ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料、エネルギー、製造技術、社会基盤、フロンティアの8分野について分野別推進戦略を作成することとした。」となっております。そのパラグラフの一番下でございますが、「分野別推進戦略の内容は、今後5年間にわたる当該分野の現状、重点領域、当該領域における研究開発の目標及び推進方策を明確化したものである。」と。
 3といたしまして、「今後の進め方」でございますが、「総合科学技術会議は、今後この分野別推進戦略等を踏まえて、次年度において特に重点的に推進すべき事項等を明らかにし、次年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針を作成する。さらに、この方針を反映した予算編成が行われるよう、必要に応じて予算編成過程で財政当局との連携を図る。
 科学技術の進歩が激しく、社会も急速に変動する現在において、各分野の最新の動向を把握するとともに、急速に生じてきた科学技術に対するニーズへ対応する等のため、今後、毎年、柔軟かつ機動的に分野別推進戦略の見直しを行うこととする。」と記述がなされており、毎年見直しを行うこととされております。
 次に31ページは環境分野でございますが、32ページをお開きください。1として「環境分野の現状」でございます。
 (1)が「環境分野における研究の状況」でございますが、3行目から、「環境分野の研究開発には、個別のプロセス研究から、現象解明、影響評価、対策技術の開発と社会への適用性についての評価に至るまでを総体的・俯瞰的にとらえる総合的な研究への展開が求められている。同時に社会・人文科学と自然科学の融合、予見的・予防的な研究を可能とするシナリオ主導型の研究の構築が課題となっている」と記述されています。
 「(2)環境分野における研究開発で改善を要する問題点」でございますが、環境分野における研究開発で改善を要する問題点として5点ほど掲げられておりまして、[1]として、「各省において縦割り的に個別研究が実施される傾向が強く、政府としての取り組みが不明瞭。重点課題については、省際的に組織された統合的研究体制で実施するイニシャティブを創設し、推進していくことが必要。」
 [2]でございますが、「長期継続的環境観測等基盤的研究の推進や知的研究基盤の整備が不十分。研究資源の計画的・継続的投資を行うことが必要である。」
 「[3]環境政策学、環境経済学、環境倫理学等の社会科学・人文科学系の環境研究が不十分。社会科学・人文科学系研究を強化し、さらに自然科学系研究との連携を強化することが必要。」
 [4]でございますが、「時々の環境問題に対応した必要な人材のタイムリーな供給が不足。大学院等における専門的環境教育を強化するとともに、人材の流動化を促進することが必要。」
 [5]といたしまして、「国際的な取り組みに対する我が国の対応が不十分。国際社会において研究のリーダーシップを取れるような人材を養成することが必要」、となっております。
 2が「重点領域」でございますが、「(1)重点化の考え方には、「領域や課題の重点化においては、国際貢献の視点を踏まえつつ下記の点が考慮されるべきである。」と。この3点は、「[1]緊急性・重大性の高い環境問題の解決に寄与するもの。[2]持続的発展を可能とする社会の構築に資するもの。[3]国民生活の質的向上や産業経済の活性化に強いインパクトを持つもの。」でございます。その後には、「これらの視点から、第二期科学技術基本計画にも盛り込まれている「地球環境問題解決のための研究」、「化学物質の総合管理のための研究」、「循環型社会構築のための研究」に加えて、「自然共生型社会構築のための研究」を新たに含めることとし、これら四つを重点化の柱とした。」、となっております。
 33ページでございます。(2)でございますが、4行目の「したがって」からでございます。「環境分野における重点課題については、各省により取り組まれている個別研究を整合的に集成・再構築し、政府全体として同じ政策目標とその解決に至る道筋を設定したシナリオ主導型の『イニシャティブ』で推進すべきである」。
 「(3)重点課題には、上記の重点化の考え方に沿って、以下の5課題が重点課題として選定された。」と記述されております。
 [1]としまして、「地球温暖化研究」でございます。アの目的でございますが、「地球温暖化に関する観測と予測、気温・海面上昇等の環境変動の自然や経済・社会への影響の評価、及び悪影響を回避あるいは最小化するための技術・手法の開発を行う。」となっております。
 そのページの一番下のウの「推進体制及び推進すべき研究」でございますが、「本イニシャティブに(i)温暖化総合モニタリングプログラム、(ii)温暖化将来予測・気候変化研究プログラム、(iii)温暖化影響・リスク評価研究プログラム、(iv)温室効果ガス固定化・隔離技術開発プログラム、(v)エネルギー等人為起源温室効果ガス排出抑制技術開発プログラム、(vi)温暖化抑制政策研究プログラムを設定し、各プログラムに各省の個別プロジェクトを統合し、産学官連携で推進する。」となっております。
 [2]の「ゴミゼロ型・資源循環型技術研究」。アの目的でございますが、「資源消費とゴミ発生が少なく、しかも環境負荷を最小化するような物質循環・低環境負荷型の技術とシステムの開発を行う。」そのページの下、ウの推進体制及び推進すべき研究といたしまして、「本イニシャティブに、(i)循環型社会創造支援システム開発プログラム、(ii)リサイクル技術・システムプログラム、(iii)循環型設計・生産プログラム、(iv)適正処理処分技術・システムプログラムを設定し、各プログラムに各省の個別プロジェクトを統合し、産学官連携で推進する。」となっております。
 [3]の「自然共生型流域圏・都市再生技術研究」でございますが、目的は、「自然共生型都市の形成を目指した、都市の環境状況や流域圏における生態系等の観測・診断・評価技術及び流域圏管理モデルの開発を行うとともに、都市・流域圏の再生・修復を図るための技術・手法の開発を行う。」となっております。
 同じくこのページの一番下の、ウの推進体制及び推進すべき研究でございますが、「本イニシャティブに、(i)都市・流域圏環境モニタリングプログラム、(ii)都市・流域圏管理モデル開発プログラム、(iii)自然共生化技術開発プログラム、(iv)自然共生型社会創造シナリオ作成・実践プログラムの4プログラムを設定する」となってございます。
 [4]の「化学物質リスク総合管理技術研究」でございますが、アの目的は、「化学物質のリスクの総合的な評価及び管理のための手法並びに化学物質のリスク削減・極小化技術の開発を行う。」
 ウの推進体制及び推進すべき研究でございますが、「本イニシャティブに、(i)リスク評価プログラム、(ii)リスク削減技術開発プログラム、(iii)リスク管理手法構築プログラム、(iv)知的基盤構築プログラムの4プログラムを設定し、各プログラムに各省の個別プロジェクトを統合し、産学官連携で推進する。」となっております。
 37ページ、[5]の「地球規模水循環変動研究」。これにつきましては、本専門委員会の中間報告では特に検討を行っていなかったものでございまして、途中から加わってきたものでございます。
 目的でございますが、「地球規模での水資源需給・水循環変動とその影響を自然及び社会の視点から予測し、国際的規模における最適な水管理手法の開発を行う。」となっております。
 ウの推進体制及び推進すべき研究といたしまして、「(i)全球水循環観測プログラム、(ii)水循環変動モデル開発プログラム、(iii)人間社会への影響評価プログラム、(iv)対策シナリオ・技術開発の総合的評価プログラムで構成し、各プログラムに各省の個別プロジェクトを統合し、産学官連携で推進する。」となっております。
 その下のところでございますが、「上記の研究課題に加えて、環境研究の推進には以下の2課題が重要である。」としています。
 [6]の「環境分野の知的研究基盤」としまして、「環境研究を円滑に推進し、環境技術の適正な振興・普及を図るためには、標準物質、環境試資料、環境生物資源、環境モニタリング、環境関係の統計データ・データベース、環境技術評価手法、環境研究・環境技術情報システム等、環境科学技術の知的基盤・研究情報基盤の体系的整備が重要である。」
 [7]の「先導的研究の推進」でございますが、「社会的に顕在化する前に環境問題の本質を発見探索的に認識し、通常援用されない学問分野の方法をも含めて自由な視点に立ち、新たな研究方法を開発する。これによって、環境問題の本質的理解あるいは解決を達成し、独創性を発揮することを重視した先導的研究が重要である。」となっております。
 3が「重点課題における研究開発の達成目標」でございますが、「地球温暖化研究」のところですが、まず、全体目標が記述された後に[2]としまして、先ほど紹介させていただきました個別プログラムの目標が書かれております。
 以下、省略させていただきまして、41ページをお開きいただきたいと思います。
 41ページの(6)には「環境分野の知的研究基盤」ということで、「環境研究の知的基盤の充実・高度化を図り、幅広い利用が可能なレベルに整備する。」、(7)「先導的研究の推進」には、「環境問題解決のために革新的な知見の開発及び新たな研究パラダイムの構築を目指す。」と記述されております。
 4として、「研究開発の基本的事項」でございますが、「(1)研究開発の質の向上を図るための重要事項」。[1]が「イニシャティブの推進・評価体制」ということで、「総合科学技術会議が強いリーダーシップを発揮して、各レベルで責任と権限を明確にした仕組みの構築を図るとともに、適切な評価と評価結果を資源配分等に反映できるような評価システムの確立を図るべきである。」としております。
 [2]が「国際協力」でございますが、「環境科学技術研究については、国際協力のもとで推進することが不可欠である。」としております。
 [3]の「研究開発の普及」でございます。「重点課題は環境問題の解決に貢献するという明確な目的に向かって実施され、研究成果を環境政策に積極的に反映していくことが肝要であり、このためのシステムを整備していく必要がある。また、一般国民には、安心できる未来を見えるように、そしてその未来に向けて国民が行動できるように、研究開発の必要性を国民が理解し、その連携が得られるようにする必要がある。」
 「[4]産学官の役割分担、連携」。「環境分野の科学技術は、社会ニーズに対応して各分野の科学的知見や技術を総合化していくところに特徴があるため、一主体が全体に取り組むことは極めて非効率でかつ有効な成果が得られにくい。市場原理になじまない課題、研究投資の高リスク・高負担を伴う課題、基礎的・基盤的課題等は公的研究機関及び学術研究機関が、実用化あるいは実用化を見据えた応用研究等は民間が主体となるべきである。このような考えを基本としつつ、適切な産学官の役割分担と密接な連携のもとで、研究開発や普及を推進すべきである。」と記述されております。
 [5]といたしまして、「地方公共団体やNGO等による地域的取組との連携」。「環境問題は、地域の自然環境や社会経済の状況に応じて発生している。したがって、各地域の環境問題に対応した研究や技術開発を行っている地方公共団体・大学等の研究機関や意欲的に取り組んでいる民間企業やNGOなどとの連携を強化し、地域の特色に根差した研究開発や全国に先駆けた研究開発を行うことが有効である。」
 「(2)研究開発に必要となる資源に関する留意事項」。[1]は、「競争資金の充実・拡充」でございます。
 [2]といたしまして、「人材の確保・育成」。2行目でございますが、「独立行政法人・大学や地方公共団体の環境関連研究機関、民間研究機関などを中核とする国内的・国際的な研究ネットワークを強化し、流動性のある研究制度やフェローシップ制度や外国人研究者の受け入れ体制の充実などが必要である。このほか、博物館やNGOなど高い潜在能力を持った機関の有効活用とそのための支援や、近年新設・再編された環境研究を中心に掲げた大学、大学院等に対する支援、連携及びこれらから供給される人材の積極的活用を図ることが重要である」。
 「[3]他分野との連携。」では、「他の分野での新しい手法・技術のシーズの動向を見据え、環境分野への積極的な活用を図ることにより、環境研究の新たなパラダイムを作り上げることが必要である」とされ、[4]としては、「環境研究に固有で重要な大型施設・設備の整備」について記述されております。
 以上、ごく簡単にご紹介させていただきましたが、冒頭の局長のごあいさつにもありましたように、本専門委員会の中間報告に取りまとめられた内容がかなりの部分、この環境分野の推進戦略の中に取り入れていただくことができたと考えております。
 それでは、再びもとに戻っていただきたいと思います。3ページをお開きいただきます。 3といたしまして、「科学技術関係予算の編成及び主要施策推進体制の整備に向けた対応」。冒頭、局長からのあいさつにもございましたが、平成14年度の概算要求におきましては、経済財政諮問会議が示しました、いわゆる骨太の方針を踏まえ、歳出の思い切った縮減と重点的な配分を実現することとされております。この重点的な配分のため、各省は8月末の時点では、一般政策経費については前年度予算額の1割削減した額のみを財務省に要求しましたが、これとは別に、環境、科学技術等の重点7分野に該当する施策に係る経費については、「構造改革特別要求」として要望を行っております。これにつきましては、各省が8月末時点で構造改革特別要求の予定施策を内閣官房に提出いたしまして、これを受けて、内閣に置かれております諸会議等、科学技術の振興に係る施策については総合科学技術会議でございますが、ここが中心になりまして、各省庁の要求について調整を行い、各省はその結果を踏まえて、9月末に最終的な概算要求を行ったものでございます。
 総合科学技術会議では、さらに構造改革特別要求も含む14年度の科学技術関係施策全体について、「資源配分の方針」や「分野別推進戦略」に沿って整理、精査を行い、積極的に推進すべき施策、連携して実施すべき施策の進め方等を取りまとめ、11月28日に、総合科学技術会議において審議した上で内閣総理大臣及び関係大臣に対して意見を述べることとなっております。
 また、総合科学技術会議では、予算編成後における主要施策の推進体制を整備するための調整等も引き続き進めることとしております。この環境分野につきましては、現在、内閣府から聞いている限りにおきましては、各省の個別研究を省の枠を越えて政府全体として統合化する重点化の方針が予算要求で実現されている。今後実行に当たっても各省連携体制を継続することが重要である、と。このような指摘がなされると聞いております。
 次に4でございますが、「評価の大綱的指針の策定に向けた取組」。国の経費によって実施されている研究開発の評価につきましては、平成9年に策定されました「国の研究開発全般に共通する評価の実施方法のあり方についての大綱的指針」、これに基づきまして各省がそれぞれ指針等をつくりまして実施しているところでございますが、制定後既に3年を経過していることから、内閣総理大臣から総合科学技術会議に対しまして、本年の3月に改定についての諮問がございました。その後、専門調査会において検討が行われておりまして、大綱的指針案が取りまとめられ、パブリックコメントなども既に行われております。これにつきましても、11月28日の総合科学技術会議本会議において答申される予定となっておりまして、その内容は、評価の基本的な考え方、評価実施上の共通原則、評価の実施、こういった3章構成になっているところでございます。
 5といたしまして、「産学官連携への取組」ということで、我が国の産業技術力の強化に当たっては、大学等の公的研究機関における研究の成果が産業界で活用され、革新的な財・サービスが次々生まれる技術革新システムの構築に向けた産学官の連携が必要となる、そのような指摘が多くされているところでございます。このため、総合科学技術会議におきましては、科学技術システム改革専門調査会のもとに産学官連携プロジェクトを設置し、検討を進めた結果、11月19日に中間取りまとめが出ております。また、去る11月19日には、産学官連携の当事者である企業・大学・研究機関等のトップが一堂に会した、いわゆる「第1回産学官連携サミット」、本会議には中川局長も出席しておりますが、開催されたところでございます。
 6として「その他」でございますが、競争的資金、研究者流動性向上などということで、総合科学技術会議科学技術システム改革専門調査会におきまして、競争的資金の改革とか研究者の流動性の向上についての検討が進められているところです。
 以上、6月12日の専門委員会を受けまして、22日に中間報告が取りまとめられたところでございますが、それ以後の総合科学技術会議の取組、また、環境省を中心とした総合科学技術会議への対応でありますとか、予算の要求の経過などを説明させていただきました。
 その予算の概要につきましては、次の資料3「環境省の科学技術関係予算主要事項」でございます。
 四角で囲ったところでございますが、平成14年度環境省科学技術関係予算概算要求額の総額は310億円でございます。前年度が294億円ということで、対前年比が5.4%の増となっております。そのうちの科学技術振興費は210億円で、対前年(206億円)比1.9 %の増になっています。この科学技術振興費でございますが、これは国の予算のうち、大学における研究費でありますとか、国立試験研究機関等に必要な経費などで科学技術の振興に寄与する経費でございます。科学技術振興費以外のものが100億円あるわけでございますが、これはその他の研究関係費ということで、他の目的を持つ経費ではありますが、科学技術の振興にも寄与する経費や、環境省などの調査費といったようなものの中で、研究的な色彩が強いものがその中に含まれております。環境省の13年度の要求の概要はこのようになっております。冒頭、局長からもありましたように環境省全体では2,786億円ということで、対前年度比0.6%の増でございます。
 主な事項といたしましては、科学技術・公害防止等の調査研究の推進ということで、194億円が205億円になっております。ただ、競争的な資金については、環境省には3本の競争的資金、地球環境研究総合推進費、環境技術開発等推進費、廃棄物処理等科学研究費補助金がありますが、これらの合計額は前年度と同額となっておりますが、実際は、廃棄物処理等科学研究費補助金の中の3億の増は、環境事業団で行っていたものが本省が直接行うことになったためで、実質的には競争的経費については増えてございません。逆に5%の減額というような形になってございます。
 それから、地球環境保全等試験研究費。ここは1億円の増で、これはいわゆる一括計上予算でございますけれども、地球環境保全に係るもの、これは13年度からスタートした部分でございますが、それが1億増で要求しているところでございます。
 公害防止等の調査研究の推進のための経費でございますが、41億円で若干の減。その他の研究関係費は、88億円が100億円と、ここの部分が膨らんでいるところでございます。
 2といたしまして、環境省所管の科学技術関係機関の予算ということで、独立行政法人になりました国立環境研究所、これは運営費交付金等でございますが、前年度の96億円が98億円、また、環境省の付属機関として残っております国立水俣病総合研究センターにつきましては、6億円が7億円となっております。
 以上、14年度の要求の状況はこのような形になっております。
 私からの説明は以上でございます。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 どうぞ、何かご質問、ご意見がありましたら、ご遠慮なく。早目にご退席の委員の方もいらっしゃるようですから、なるべく言い残しのないように。どうぞ。

【秋元委員】 質問を。今のご説明の分野別の中に出てまいりましたイニシャティブというのは、「省際的に組織された統合的研究体制で実施するイニシャティブを創設し」というような文言が出てまいりますけれども、イニシャティブというのは具体的にいうとどういうことでしょうか。従来のプロジェクトとかプログラムというのとはまた違う何か新しい枠組みなのでしょうか。

【松井環境研究技術室長】 基本的には同じではないかと思っておりまして、当初は総合科学技術会議事務局の取りまとめたペーパーでは「プログラム」となっていたんですが、ある段階から、その総合科学技術会議の、さらに環境プロジェクトという実際のワーキンググループが設定されておりまして、そこでの検討の際に、従来はプログラムとしていたものをイニシャティブに名称を変えるというようなことで、イニシャティブに直ったというふうに私は理解しております。基本的には、あるまとまりを持った課題群なんだろうと思いますが、一つの目的を持って取りまとめたものということで、特に大きな意図があってということではないと思います。

【鈴木委員長】 ほかに……、どうぞ。ほかにございませんか。
 この話、丁寧にやっていくとその次の話にすぐつながってしまうわけですが、一番最後の分野別推進戦略の資料、今日お出しいただいたのではなしに、事前に送っていただいたのを眺めていて感じたことなんですが、環境省から出したやつというのは、実に全体が黒っぽいんですよね。何ていうのかな、黒っぽいというのは、余白がないという意味で黒っぽいのかもしれませんけれども、書かんでもいいことまで書いてあるという感じで、少し丁寧に何でもかんでも条件が示してあって、そんなことわかっているから一々言うなよと、こう言われそうな感じがするなあと、そんな感じがしていたんですけれども、いかがでしたか。これは個人的感想だから、返事がなくてもいいです。
 ほかにございませんか。

【岩槻委員】 総合はご説明いただいたとおりで大体理解できるんですけれども、具体的に14年度の予算といいますと、予算は確定はしていないんですけれども、準備が進んでいないと14年度中に研究の推進というのはできないと思うんですけれども、具体的には何かもう進められているんですか。

【松井環境研究技術室長】 木村室長がお見えになっていますが、木村室長のところでは、地球環境保全等試験研究費は14年度もう既に募集を開始しているかと思います。また、環境技術開発等推進費、廃棄物処理等科学研究費補助金も競争的経費でございますが、私どもはまだ着手はしておりません。なお、13年度はかなり遅くなって進めたというようなこともありますので、そういうことがないように余裕を持って進めたいと思いますが、ただ、最終的な予算自体、12月末に予算案が編成されますので、それを受けてというようなことで対応していきたいと考えております。

【鈴木委員長】 ほかにございませんか。

【安岡委員】 環境分野で五つの具体的なプログラムというのでしょうか、課題が設定されたのですが、平成14年度からこれを実行するに当たって、環境省の方としては、例えば科学技術・公害防止等の調査研究費、その他の研究費で、具体的にそこに割り振るような平成14年度の案というのは、これからつくられるんでしょうか。

【松井環境研究技術室長】 予算によってかなり性質が違うかと思います。木村室長のところの地球環境研究総合推進費につきましては、地球温暖化ということでかなり手当てがされているかと思います。また、廃棄物リサイクル対策部の廃棄物に係る競争的経費の補助金、これもかなりのものがそれによって対応されると思います。実は、私どもに環境技術開発等推進費という競争的経費がございまして、当初は、これをかなり膨らませて、今回の環境分野の重点の一つとなりました、イニシャティブの一つとなりました自然共生型流域圏・都市再生技術研究、これを増額されれば、それをもとにしてやろうと考えておりましたが、現状ではそうなっておりませんので、その部分については既定経費をある程度切るというようなことを、削減するようなことをもって対応せざるを得ないかなと思っております。そのようなことで、当初予定した対応は完全にはできませんが、やはりこれに向けた対応というものはとっていきたいと、そのように考えております。

【安岡委員】 具体的には、これが[1]だとか、これが[3]だとか、これが[5]というテーマとして取り上げたものというのをどこかで明記されるのでしょうか。

【松井環境研究技術室長】 現段階ではそれはやっておりませんが、多分今後は、予算が固まり、具体的な執行段階になると、当然のこととして総合科学技術会議の方からどの予算がどれに当たるんだということで資料の作成要求が来ると思います。それに対応するような形で整理されていくものと思います。また、一括計上予算等につきましては、これはもう既に目既定でございますので、14年度においては十分な対応はできませんが、15年度に向けての募集などにおいて、ここに掲げられたものを取り組むようなことで進めていきたいと考えております。

【安岡委員】 どうもありがとうございました。

【鈴木委員長】 ほかにございませんか。
 よろしゅうございましょうか。事務局、よろしいですか。
 それでは、この議題はここで一たん打ちどめにして、先に進んで、またもとに戻ってくるかもしれませんが、今後の審議の進め方ということで話をしてください。

【松井環境研究技術室長】 それでは、7ページの資料4でございます。今後の審議の進め方。
 まず、冒頭に日程が入ってしまっておりますが、本日、今後の進め方についてご了承いただければということでございますが、中間報告及び今後の進め方案の報告を議事として、第2回の総合政策部会が12月6日の10時から開催されることになっております。ただ、この部会におきましては、環境基本計画の実施状況の点検などが主な議題となっておりまして、中間報告及び今後の進め方の報告につきましては、時間が30分程度ということで割り振られているところでございます。この点につきまして、鈴木委員長と事務局の方から概要を報告させていただきたいと考えております。それが12月6日の第2回の総合政策部会でございます。
 (2)でございますが、第5回の専門委員会、12月21日ということで既に予定を入れさせていただいております。10時から、場所は同じところでございますが、専門委員会の報告案のご審議をお願いしたいと考えております。この第5回には、私どもの方で中間報告を手直ししたものを提示させていただきまして、それについて委員の先生方からご意見を賜りたいと考えております。
 (3)のところでございますが、第6回の専門委員会は、第5回専門委員会でいただいた意見に基づきまして、専門委員会報告案を修正いたしまして、それの最終的な取りまとめということにさせていただきたいと考えております。ただ、これは予定でございまして、先生方の日程その他によりましては、ずれること、また、特に大きな変更点がないというようなことでありますれば、場合によっては専門委員会を再度開かないということもあり得るかと思います。専門委員会の報告案がまとまったところでパブリックコメントをかけたいと思っております。1月下旬から2月まで、20日間ないしは1カ月間でございますが、専門委員会報告案についてはパブリックコメントを行います。これを受けて、必要に応じ修正をしたいと思います。修正案につきましては、できれば各委員に文書で照会することで対応したいと考えておりますが、かなり大きな修正等が必要となり、委員会を開くことが必要な場合には、また再度開催させていただくことがあろうかと思います。パブコメを受けて専門委員会報告が固まったところで、(5)でございますが、第3回の総合政策部会、本年3月を予定しておりますが、そこでご審議いただきまして取りまとめを行いたいと考えております。日程についてはそのような段取りでいかがかと思っております。
 それでは、専門委員会報告、それが答申案になるわけでございますが、その構成をどうするかということでございます。
 まず[1]といたしまして、中間報告の第1章、これは環境研究・環境技術開発の性格でありますとか方向性についてまとめた部分でございます。そして、第2章は、環境研究、環境技術開発に係る体制整備でございますが、これについて、総合政策部会のご意見を踏まえ修正するというようなこととか、また分野別推進戦略も出ておりますので、この記述を受けて、さらに書き加えるべきようなところもあるかと思います。また、私どもといたしましても、例えば専門委員会では先生からご指摘されておりながら十分に書き込めていないところもあります。例えば他の分野、ナノテクノロジーでありますとか製造技術といったようなところの他の分野との連携でありますとか、その辺のところがまだ十分に書けていないということもございますので、必要な加筆を行いたいと思います。そして、基本的には中間報告の1章、2章ですが、それを手直しした上で答申案、専門委員会報告の1章、2章にしたいと。それが[1]でございます。
 それから[2]でございますが、分野別の重点課題、当初、環境管理、大気や水でありますとか、化学物質でありますとか、自然環境、そういった分野ごとに重点課題をまとめるということで、5月の分科会ではそのような作業もしたわけでございます。しかし、その一方で、総合科学技術会議における分野別推進戦略の作成が9月で終了してしまっております。当初、我々が受けていた説明では、予算に間に合うように中間的なものを出して、その後、12月に最終的なものを出すと、そのように事務局からは聞いていたのですが、9月の段階で出た分野別推進戦略が、先ほど見ていただきましたように、当面5年間のものということで既にまとまってしまいましたので、中間報告の第3章、ここでは、重点化プログラムということで、分野別推進戦略に反映させることを念頭に置いて、地球温暖化、ゴミゼロ循環、そして自然共生型流域圏、化学物質も含めて4点でございますか、それについてご検討いただいたわけでございますが、これについて、この推進戦略を踏まえて再度検討する、検討内容を深めるということも考えられますが、中間報告を推進戦略に反映するという当初の目的を果たしてきた経緯もございますので、これについては特に再度の検討は行わず、答申の参考にそのまま掲載したらいかがかと、そのように考えております。それが[2]でございます。
 それから[3]といたしまして、第1回専門委員会で何名かの先生から、分科会でぼきぼきに検討するということではなしに、分野横断的、総合的な視点からの検討が必要であると、そのようなご意見、ご指摘をいただいております。このため、本専門委員会におきましてその検討を行いまして、それを第3章として分野横断的・総合的に推進すべき課題として記述すると、そういうことでいかがかということで提案させていただいております。
 8ページになりますが、今ご説明申し上げたものを目次立てをいたしますと、中間報告が答申案としてこのように変わると、こういう形でどうかというものでございます。
 3でございますが、答申後の検討ということでございます。環境研究・環境技術開発の推進方策について、これは4月に諮問を受けたわけでございますが、ここでは一応アンダーラインつきではございますが、今回の、3月におまとめいただくものについては、場合によっては一次答申的なものとしておまとめいただくと、そのようなことでいかがかと考えておりまして、引き続き検討を行っていきたいと考えております。
 その理由といたしましては、先ほど見ていただきましたように、推進戦略につきましては、今後、毎年、柔軟かつ機動的に見直しを行うこととされています。それが第1点でございます。それから第2点で、15年度の「予算、人材等の資源配分の方針」、これに貢献していく必要があろうかと思います。例えば化学物質につきましては、14年度の予算、人材等の資源配分の方針の中では取り上げられておりません。そういったものが取り上げられることになるわけでございます。既に中間報告の中では検討されているわけでございますが、さらなる検討も場合によっては必要かと考えております。
 そして[3]でございますが、これもこれまでご説明申し上げてまいりましたが、平成11年7月に中環審で答申をいただきまして、それを受けて環境庁長官決定した環境研究技術基本計画、これは5年間の計画でありまして、平成16年7月をもって、一応計画期間が終了いたします。この第一次の基本計画をつくる際に、ほぼ1年かけて、実はその前に検討会というようなものも、中環審とは別に検討会も設けて検討し、最終的に11年7月に中環審の答申をいただいて環境庁長官決定したという経緯がございます。そういうことを考えますと、やはり時間をかけて環境研究技術基本計画の見直しを行うとすれば、時間をかけてやる必要があると。したがいまして、この[1][2][3]を踏まえてやるわけですが、特にこの環境研究技術基本計画の改定につきましては、そのための全体戦略というものを腰を据えて検討する必要があるのではないかと、本専門委員会でもそのようなご意見を頂戴したかと思いますが、少しじっくりと腰を据えて検討したいと思っております。その場合には、必要に応じてそのための戦略検討分科会と、この専門委員会は37名構成ということで、かなり人数が多い形になっておりまして、なかなか先生方にお集まりいただくのも難しい状況になっております。そういうことも考慮させていただきますと、必要に応じてということでございますが、戦略検討分科会ということで、今後の進め方についての戦略を少しじっくりと議論をして、その上で専門委員会にお諮りするというような、そのような方向を考えたらどうかと考えているところでございます。
 いずれにしても、引き続き検討が必要ということで、そういうこともありまして、3月に、今回の中間報告を受けて取りまとめるものについては第一次的な答申として出したいと、そのように考えておるところでございますが、ただ、長期間引きずるというのがいかがなものかということがあれば、第一次ということではなしに、4月の諮問を受けた答申というようなことでおまとめをいただくと、そのようなこともあり得るかと思います。そういう意味で、第一次のところにつきましてはアンダーラインつきでお示しさせていただいております。
 このような形で、当初、中間報告の中では、委員の先生方からのご指摘もございまして、環境分野の推進戦略の中に取り込まれる、例えば地球につきましては、地球温暖化だけが重要な課題ではない、ほかにもあると、そのようなご指摘もいただいておりまして、「秋に向けた検討を行う」と、そのように中間報告の中にもはっきりと書いてあるわけでございますが、推進戦略が既に9月の段階でまとまったというようなことを中心に、ここに掲げたような事情を勘案いたしますと、引き続いて宿題を先送りするということになってしまうわけでございますが、腰を据えて、その辺のことも含めて検討を進めていったらいかがかと、そのような提案でございます。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 戦略検討分科会という、仮称になりますか、そういうものをつくっていこうという方向の提案です。どうぞ、ご意見、ご質問。

【小林委員】 2の答申案の、構成の[2]のところでございますが、現在の第3章をそのまま参考に落とした形で入れるということなんですが、9月の総合科学技術会議でまとめた分野別推進戦略の中で、地球規模水循環変動が、柱として出てきております。私は非常に適切な指摘ではないかというふうに思っております。そういたしますと、当委員会におきましても、この総合科学技術会議の中身をレビューをしながら、追加をするところは追加をし、あるいはほかの部分も、ほかの部分は微調整で済むだろうと思いますけれども、全体にレビューをした上で収録するというのが妥当でないかと。この6月時点のものをそのまま入れるという点では、少し検討が粗いという印象をどうしても与えるのではないかと、こういう心配をしております。
 以上です。

【鈴木委員長】 そのままということではないと思いますが、事務局、何か、今のご意見に対して。

【松井環境研究技術室長】 今、小林委員からご指摘の点につきましては、先ほど言いましたように3の検討の中で対応していきたいと、事務局としては考えているところでございます。時間的な問題等もございまして、正直申し上げて、12月の段階、12月中に、今、小林委員がご指摘いただいたことを含めて、特に水循環部分を新たにつくるというような、作業的に若干無理があるかなと考えておりまして、その辺からしますと先送りということになりますが、その部分も含めて次の検討ということで、じっくりやるということでいかがかと思っておりますが。

【鈴木委員長】 小林委員、いかがですか。

【小林委員】 すみません。総合科学技術会議の9月の報告というのは、これは平成14年度の予算の執行に反映するものでしょうか、それよりも先でしょうか。

【松井環境研究技術室長】 予算に反映するものは、最初に説明した、3ページの資料2をちょっとお開きいただきたいと思いますが、14年度の資源配分の方針、これが平成14年度の予算に最も強くかかわったものとして出されたものでございます。分野別推進戦略につきましては、これは先ほど申しましたが、今後5年間のものとして出されたものでございまして、これを受けて、15年度の予算、人材等の資源配分の方針が、また4月ごろ作成する作業にかかわることになろうかと思います。

【鈴木委員長】 よろしいですか。というような段取りになっているようですけれども、ほかにございませんか。
 この「第1次」答申というところにアンダーラインが引いてあるんですけれども、第何次答申までつくるつもりでおられるのですか。

【松井環境研究技術室長】 基本的には、環境研究技術基本計画の改定がなされれば、それでとりあえずは打ち切りになると思います。もちろん第二次については5年間ぐらいの計画になりますので、またローリングしていかなければいけないということと、総合科学技術会議における検討、環境分野が重点であることは当面続くと思いますので、それに向けた検討というのはやはり続けていかなければいけないかと思いますが、とりあえず環境研究技術基本計画の次のものができたところで、一応ピリオドは打たれるのではないかと思いますが。

【鈴木委員長】 ほかにございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、事務局の考え方で話を順番に進めていくということにしますが、次の議題は、分野横断的・総合的に推進すべき課題という問題を取り上げたいと思いますので、よろしく。

【松井環境研究技術室長】 本日、できれば先生方からいろいろなご意見を頂戴いたしまして、それを踏まえて、この部分、新たな第3章ということでまとめたいと考えております。その議論のためのメモということでお出ししたものが資料5でございます。
 分野横断的・総合的に推進すべき課題がある、そのような検討が重要であると先ほど申しましたように、第1回の専門委員会、それから第2回以降におきましても、多くの委員の方々からご指摘を頂戴しているところでございます。その際の課題、そのような分野横断的・総合的に推進すべき課題のくくりでございますが、とりあえず私どもで思い浮かびましたものを書き留めたのが(1)から(6)でございます。
 (1)が、「監視・観測・測定」。(2)が「環境情報及び情報化社会と環境」ということで、情報をキーワードとして、やや無理があるかと思いますが、一つにまとめたものでございます。(3)が「環境影響評価」。(4)が「相互に密接な関係のある問題事象への取組」。このところの指摘が第1回専門委員会では特に多くいただいたかと思います。(5)として、「環境技術の総合的評価」。これは既に中間報告の中の第2章の3に、環境技術の評価等が書かれておりますので、それとの書きぶりといいますか、仕分け等も考える必要があるかと思いますが、一応環境技術の総合的評価についても、分野横断的・総合的な視点からの取り組みを必要とするということで一つの分野とさせていただいております。(6)としまして、「特に学際的な取り組みを必要とする課題」。ここのところでは学際的とありますけれども、社会科学を中心にという、そのような形になっておりまして、学際的な取り組みということで一つのくくりとしています。
 以上、六つの項目を立てておりますが、このような立て方でよいのか、または別のものがあるのではないかとも考えております。また、並べ方もこれでよいのかという点がございまして、その辺のご意見を賜ればと思っております。仮に、この(1)から(6)に基づいて、それでは主な課題、どんな課題があるかということで、これも事務局サイドで考えて書いたものでございまして、至らない点がたくさんあろうかと思います。これにつきましてもいろいろなご指導をいただければありがたいと思っております。
 まず第一の監視・観測・測定の部分でございますが、一つ目のところは、既存の監視・観測・測定方法の評価等。これは既存の方法の問題点についての点検と、そのようなことについての調査・研究というのがあるのではないかと。その際の視点といたしましては、データの利用状況でありますとか、信頼性、下限値、費用、データが得られるまでの時間でありますとか、有害物質をその測定などに使うか使わないかというようなことでありますとか、最終的に、その測定の結果発生する廃棄物の管理と、そのような視点からの検討があるのではないかということで掲げさせていただきました。
 それから二つ目でございますが、環境の状況の総合的な把握。これは幾つか切り口がありまして、多種類の化学物質の同時分析法の確立でありますとか、大気汚染でありますとか水質汚濁の総合的な評価方法。これも従来からいろいろと検討が行われているようでございまして、なかなかこれといったようなものは出てきていない状況ではありますが、こういったものもさらにやっていく必要があるということで挙げております。
 そして、バイオアッセイ等による環境汚染の総合的指標の開発。これも同じようなものでございますが、環境汚染の総合的な指標として、バイオアッセイといったような新たな技術をうまく活用して、そのような指標、方法を確立すべきというものでございます。
 3番目の新たな測定方法等の確立。これは測定方法が未確立な化学物質の測定方法がまだたくさんあるようでございます。そういった化学物質の測定方法の開発でありますとか、自主管理などに活用できる簡易測定技術、現場で瞬時に測定できるようなもの、そのような方向性も既に研究が進んでおるようでございまして、工場などの自主管理でありますとか、市民などが使うといったような簡易測定技術の開発、そのようなものがあると考えております。
 また、重複にはなるかもしれませんが、バイオテクノロジー、IT、ナノテクノロジー等を活用した監視・観測・測定方法の開発、これも特記させていただいたものでございます。
 それから市民参加のモニタリング手法でありますとか、また、大きなテーマとして衛星等を活用したリモートセンシング手法の高度化。このようなものが監視・観測・測定の分野ではあるのではないかということで掲げさせていただいております。
 (2)が「環境情報及び情報化社会と環境」。実はこれが研究の課題になるのかやや疑問のところもあるわけでございますが、一つ目としまして、多様なニーズに対応する効果的な環境情報システムの整備ということで、これは情報の整備については体制のところで書かれているわけでございますが、環境情報に関する多様なニーズをどのようにうまく把握するのかといったようなこと、それからニーズに的確にこたえるネットワークシステムの構築、技術開発・システム開発でございますが、そういったような課題があるということでございます。
 10ページに入りますが、環境情報の活用による教育・環境学習の充実。環境教育・環境学習が非常に重要であるということを本委員会におきましても、何名かの先生からご指摘をいただいております。そのようなこともありまして、ここに入れさせてもらった訳でございますが、環境情報の環境教育、環境学習への効果的な活用方策に関する研究。環境情報を生み出す過程への参画を通じた環境教育・環境学習の推進に関する研究と、そのようなものを記述させていただいております。
 次のものは、ちょっと様子、様相が異なるわけでございますけれども、情報化社会の進展と環境負荷でございます。これは、ITの進歩によりまして、物流とか人流が大きく変わる可能性がある。そういった物流・人流の抑制による環境負荷の低減効果の予測・評価の研究でありますとか、逆に、IT機器、電子機器の使用に伴う環境負荷、これは電気の使用の増加といったようなこと、また、廃棄される機器の増加など、いろいろあるわけでございますが、環境負荷の増大効果の予測・評価、このような観点からの検討があるのではないかということでございます。
 (3)の「環境影響評価」。ここはやや細かくなっておりますが、予測手法の高度化ということで、累積的、複合的予測評価手法、高精度の大気汚染濃度予測拡散モデルの開発、沿道騒音の局地的予測評価手法、固体放射音に関する予測評価手法、生物の活動にかかわる変動等を考慮した水質予測手法、土壌及び地下水系への汚染物質の拡散など、水循環の視点に立った予測手法、土壌・地盤の機能を考慮した予測評価手法、生態系に関する定量的評価手法、風力発電の景観等への影響の予測・評価手法、自然との触れ合い活動に関する予測・評価手法と、そのようなものがテーマとしてあるということで掲げさせていただきました。
 二つ目が総合的評価手法の確立ということで、これは技術の総合的な評価にもかかわるものであるかとも思いますが、環境要素間のトレードオフに係る評価手法、交通公害対策効果の総合的評価手法。次に環境影響評価におけるコミュニケーションツールの開発、普及、事業実施に伴う環境保全対策に関する技術の向上ということで、干潟等の環境再生技術、希少種の移植、生息地の創造等に関する技術を掲げております。
 (4)といたしまして、「相互に密接な関係のある問題事象への取組」。大気汚染と気候変動の相互作用の解明、予測・評価。内容としましては、大気中のSOX、粒子状汚染物質、オゾン等と気候変動との相互作用の解明としましては、気候変動と生態系の相互作用の解明。気候変動と生態系の相互作用の解明として統合モデルの開発等。このほかにも特記すべきものがあるのではないかと考えておりますが、とりあえず思いついたといいますか掲げさせていただいたのは、この2点でございます。
 (5)「環境技術の評価、技術体系の転換」につきましては、先ほど申しましたように、第2章の3において既に環境技術の評価等が書かれておりますので、そことの切り分けを考慮する必要があるかと思いますが、環境技術の総合的評価手法については、やはり研究のテーマにもなり得るのではないか。例えば、費用効果分析、物質フロー分析、LCA、リスク評価等に基づく総合的評価手法。それから、もう既に当専門委員会でもご検討いただいたわけでございますが、廃棄物リサイクル技術につきましては「循環度」という指標を構築するというようなこともあるということでございます。
 それから、エンドオブパイプ対策技術の転換ということで、クリーナープロダクション、ゼロエミッション、そのようなものが言われておりますが、そういった技術等の適用可能性の評価でありますとか、汚泥等の副産物の発生評価といったような事項、それらを掲げてございます。
 (6)といたしまして、「特に学際的な取組を必要とする課題」。ここもいろいろなものがあるのではないかと思いますが、新しい価値観・ライフスタイルの展開ということで、新しい価値観とかライフスタイルとはどういうものなのか、それについての研究が重要ではないかということで挙げさせていただきました。
 また、環境教育により、そのような新しい価値観・ライフスタイルの普及を図るためにはどのようにしたらいいのかといったようなこと、それから環境の価値の計測と社会的合意形成に関する研究でありますとか、ライフスタイルの変更による環境改善効果に関する研究。多分前段の新しい価値観・ライフスタイルの創出の前の検討課題というようなことでここに挙げさせていただいたものでございます。
 それから、環境(関連)の将来予測シナリオ・モデル等の構築とそれに基づく政策研究。政策研究が非常に重要であると、そのようなご指摘を多くいただいているところでございまして、環境と社会経済の将来予測シナリオ・モデルの構築でありますとか、将来予測シナリオ・モデルに基づく政策の分析・評価、政策合意形成ツールの構築。経済を持続可能なものとするための研究開発ということで、環境勘定の開発、経済的措置のあり方、導入の効果及び影響に関する研究。それから、環境指標等の開発ということで、自然環境など数値化が困難な環境の状況についての指標の開発、多様な化学物質等の複数の環境負荷を統合する指標の開発、総合的環境指標の開発。このほかにもいろいろあるのではないかと思いますが、とりあえず事務局として思いついたものを、考えついたものをここに挙げております。これにつきましてはいろいろなご意見があろうかと思いますので、できるだけ幅広くご意見を頂戴し、また、ここの部分は、先ほど申しましたように、1章、2章とも非常にかかわりがあるかと思います。したがいまして、1章、2章に戻ることでも構わないと思いますので、多くのご意見をいただくことができればありがたいと思っております。
 以上でございます。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 今日、最も主要な部分で、少し時間をとって、できる限りたくさんの委員の方からご意見を伺いたいと、そう考えています。そもそも、このような標題で(1)から(6)まで分けていること自身がそれでよろしいかというところから話に入ると、事務局が考えたことが全部やり直しということになりかねないのでありますが、それでも構いませんので、どうぞご遠慮なく。これはどの委員の方もきっとご意見がおありになるのだろうと思います。
 西岡委員。

【西岡委員】 ほかの部所とも関係あることだと思うんですが、今、お話をお伺いしたところだけを聞いていますと、やはりまだ非常に個別の技術に特化していて、ちょっと横断的という感じではないなという感じがいたします。なぜかというと、途中で多分、1章、2章、それからここのつなぎのところで、一つ、一体どういう政策があって、その技術開発あるいは研究開発がどう結びついているのだというところがひょっとして抜けているんじゃないかという気がいたしました。
 今、いろいろなところ、世界的にもそうなんですけれども、特に環境の問題については、非常にニーズから発想して考えようという方向に来ているわけですね。もちろんシーズがなければだめなんですけれども。それはいわゆる今度のヨハネスブルクでのいろいろなサスティナブルな話がございますけれども、そういうところから食糧の問題、あるいは水の問題等々、カーボンサイクルの問題、そういった、割とニーズ、本当のベーシック・ヒューマン・ニーズであったり、あるいは政策的なニーズであったり、そういったところからコンポーズというのか、分けていって課題を見つけていこうという方法も一つありますし、それから、その方向については、多分総合科学技術会議の環境プロジェクトの中でも、そういう方向で考えてみようということで論議されたと私は解釈しているんですけれども、そういう面から見ますと、こういう個別の技術はあるんだけど、それが一体どういう疑問を解決しようとしてこういう並びになっているんだろうかというところがちょっと、私は欠けているのではないかと。例えば「環の国」というキャッチフレーズで、こういう世界をつくりたいんだといいますと、私は結構この科学技術、特に技術政策等々でやらなければいけないのは、これは、この省の管轄でないという話になるのかもしれませんけれども、例えば大きく環境産業をどうやって持っていくかと、そのための中核技術はこうじゃないかといったこともここで論議していいのかどうか、そういうことがあると思います。
 それから、今一番、CO2なんかで問題になっているのは、実は交通の話だと思うんですけれども、そういう体系をどう持っていくのか、そのためにはどういうソフトがあって、ハードがあるんだろうというようなこともありますね。それから、循環については割といろいろとやられているということはあるんですが、例えばもっと民生のところで非常に問題になっている消費のパターンを変えていく、そのためには家庭に入る技術をどう変えていく必要があるんだろうかと、技術の選択をどうするんだろうかと、そういったものが出てくると思いますし、さらには、途上国の対策を考えてみると、技術移転の問題とか、一体技術移転は何を一番やるのがいいんだろうかと、そういった多くの政策から来る科学技術に対する要望といったものがかなり出てくるのではないかと思います。ある程度それと見合って、それでは一体、今、何が欠けているんだろうかという形で構成する必要が私はあるのではないかなと思います。ちょっとこれは全体の構成にかかわることで、今、委員長が危惧されたことの一歩なんですけれども、ちょっとこの今、幾つか計測技術これこれという話では、余り横断的・総合的とは言いかねるのではないかなというのが私の意見です。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 どうぞ、安岡委員。

【安岡委員】 2点、コメントさせていただきたいと思います。
 1点目は、今の西岡委員のご意見の裏返しになるかもしれません、課題のくくり、六つ挙げられているものに対するコメントです。(1)から(6)まであるんですけれども、(1)から(3)と(4)から(6)が少し違う性格のものが並んでいて、それはもうそれで構わないんですが、(1)から(3)について、観測があって、情報の抽出があって、評価をしてというところまで、これは私もその順序で、確かに挙がっていておかしくないと。ところが、普通はその後が予測があって、対策があって、政策があってという順で物事が進んでいくんだろうと思うんですけれども、ここは評価までで打ち切ってしまって、その後の、例えば予測研究とか対策研究とか、「政策研究」という言葉はあるかどうかわかりませんけれども、そこまでのコメントが全く消えてしまう。そうすると観測から評価までしかやらないのかなという印象を受けてしまうという危惧があります。予測、対策、政策と、そういう言葉を使うかどうかはちょっと別にしましても、そういうくくりが必要なのではないかなという、これが第一のコメントです。
 それから2番目は、これは先ほどのところでお話ししたらいいのかもしれないんですけれども、この分野横断・総合的という第3章と、それから後ろに回すと言われた重点化プログラムとの関係なんですが、前回の委員会のときに私が、1章、2章と3章のつながりが悪いので、重点化というものを説明するコメントを1章、2章につけた方がいいのではないかということを言わせていただきました。議事録にも載っておりますけれども。そういうふうな視点からしますと、多分その重点化に関してはコメントが入っているんですね。それが今度付録に入ってしまって、なおかつ今度、1章、2章から3章に飛ぶときのつながりというのが、何となくこれでまた見えなくなってくるということがありまして、もしそうならば、1章、2章で重点化・総合化というのが非常に重要だというコメントをやはりどこかにつけるべきであるということと、もう既に重点化ということを入れてあるならば、4章でもいいから重点化というのを入れておいた方がいいのではないか。付録に回すのではなくて、章で挙げた方がいいのではないかなというコメントです。これは先ほどお話しすべきだったかもしれませんけれども。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 ほかにございませんか。どうぞ、安井委員。その次、田中委員。

【安井委員】 少し全体的な話になってしまってまた混乱を招くかもしれないんですけど、いろいろと議論させていただければ、21世紀型の環境問題というのはどういう問題なんだろうなんていうことを考えたときに、20世紀型というのはどちらかといいますと行政とか、あるいは環境技術の専門家が、問題がありますとこんなふうに解決しましょうという形で方針を示して、それに市民が同意すれば実施するという、そういうことでやってきたように思うんですが、これから先、それで行けるのかというのがどうも怪しくなってきているような気がして、しょうがないんですね。そうなってきますと、過去のように、専門家が全体的な方針を決定するというよりも、逆に専門家はむしろ市民社会に対して十分な情報を与えて、市民社会の意図・意思をいかに効率的にくみ上げるかという逆向きの方法論をうまく持たなければいけないと。そういう立場でこれを眺めますと、幾つかキーワードが入っておりまして、例えば(3)には、環境影響評価におけるコミュニケーションツールの開発というような点、そこは確かにそうなんですけど、ちょっとこれだと、少し矮小かなという気もするし。あるいは(6)の方にも、政策合意形成ツールの構築というような格好で入ってはいるんですけれど、もう少しこういった形を、もうちょい大きなストレスをかけていただいたらと思うわけであります。企業なんかですと、最近自主的な取り組みということで、裏に規制的な手法をちらちらさせながら圧力をかけるという方法がとれるんですけれども、市民相手だとちょっとそれもなかなか難しくて。そうなってくると、一体どうなんだと。やはり市民社会が自主的にある種の解決を目指せるような情報提供と、その意思をうまくくみ上げるような、全体的な方針の転換というものが少し見えるような課題を書いていただけたらと思います。
 ちょっと難しいかもしれませんけれども、以上です。

【鈴木委員長】 何かの折には言っているんですけれども、産官学ではなしに、「産官学民」という、市民が入らないと話にならないんじゃないんですかという言い方を、私はこの頃よくするんですが。
 田中委員、どうぞ。

【田中委員】 私のは非常にディテールで申しわけないんですけれども、この3章に入る分野横断的・総合的に推進すべき課題の記述の方向性案の中で、ずっと(1)から(6)まで課題が挙げてあるんですが、この10ページにある(4)ですね、これは非常に違和感がある。ほかのものは、確かに環境省が中心になって進めるべき体制整備とか、そういうことが書いてある。この(4)は、「相互に密接な関係のある問題事象への取組」とあるんですけれども、ここに挙げられているのは、大気汚染と気候変動の相互作用の解明、予測・評価。大気中のSOXとか、粒子状汚染物質、オゾン等と気候変動との相互作用の解明、これはもともと温暖化の、今最も議論されている問題で、しかもこの重点項目の中にも入っているんですよね。影響というのは相互作用と書いてあるだけで、実際は同じことだと。それから、2番目の気候変動と生態系の相互作用の解明、これも入っているわけです。ですから、こういうものはとった方がはるかにいい。もし必要があれば、何か行政的に必要があってこれを書いているのかもしれませんけど、文章的には、前の文章をちょこっとだけ、もし加えたければ加えると、もう十分入っていると僕は思いますけれども。これは要らないんじゃないかと。その方がわかりやすい、全体的に。これは非常に違和感があります、これがここに入ると。

【鈴木委員長】 皆さん、どうもその違和感に賛成する方が多いようですが。
 この辺の問題になると、例えば社会科学領域の人の働き場所が少ないのではないかという、中環審の森嶌会長がそんなことをおっしゃったりするものですからみんな気にしたりするんですけれども。例えば生物多様性の問題で、アトラクティブ・エコシステム・アプローチかな、何かそういうような方向が最近出てきている。その問題は環境ホルモン問題にも実は共通であったり、何にも共通であったりするような、要するに市民を巻き込んだ形でどういう展開のさせ方をしていくのかというふうなあたりのところにむしろあって、物理化学的、生物学的なレベルでのインタラクションがかかるような事象を取り扱うだけではないよというあたりがポイントになっているように、私はこの頃感じているんですが。
 どうぞ、秋元委員。

【秋元委員】 2点あります。
 一つ、まず簡単な方は、今、田中先生からのご指摘。これは私なんかがしょっちゅう言っていることなので、わざわざ入れていただいたのは私としては感謝すべきなのかもしれないんですが。
 これは確かに気候変動研究なり、温暖化研究の一部ではあるんだけれども、特に環境省の中の地球環境研究総合推進費とか、そういう枠組みの中を見たときには、こういう大気汚染の研究と気候変動の研究、例えば酸性雨の研究というのは歴然と分かれていて、その間を相互につなぐような研究というのは非常に立てにくくなっている。そういうことを乗り越えて、そういうものを一体のものとして研究していくという方向に持っていくための何か仕掛けとしては、どこかに、そういう意味であってもいいというか、だから、そういうものとしてどこかで考えていただければいい。むしろこの中になくても、どこか別に予算の立て方なり、研究費の出し方にそういうことが十分に考慮されるのであれば、むしろここになくてもいいと思います。ただ、今のままだと、確かに何かを旗印にして、こういうことをやっていかないと、非常に研究計画が出しにくくなっています。
 それからもう一つ、もっと、より重要と思うのは、確かに今、分野横断的・総合的に推進すべき課題と言っているんですが、ここにあるのは何か分野別の課題ばかり書いてある。そういうタイトルになっているわけですよね。これはちょっと変だなと思うのは、私は、前のときにもちょっと申し上げたかもしれないけれども、例えばアジアの視点からの環境変動予測と国際対応とか、そういうようなものというのは今後非常に重要になってくる。そのときには、その中に何が含まれるかというと、まさにアジアを視野に入れた監視・観測・測定もありますし、この中の情報の何とかというのも入ってくるし、まさに環境影響評価とか、アジアのいわゆる大気汚染の問題と、それが気候変動にどうフィードバックしてくるか、大気汚染を抑制するということが二酸化炭素の削減にも非常に有効であって、むしろそういう言い方をした方がアジアの場合には有効であるという、そういうものに対して日本がリーダーシップを一つとっていくという、そういう視点というのは非常に重要になってくるんじゃないかなと。

【鈴木委員長】 ある具体的なローカリティーを設定して、そこでの問題はすべて扱うみたいな形で考えた方が総合性が出てくるのではないかと、そういう意味ですか。

【秋元委員】 そういう意味です。だから、今、アジアというのは一つの切り口だと思うんですが、それ以外にも、何かそういうイシューというのがあって、それのためにこういう分野が連携することが必要であるというような、何かそういう立て方があってもいいんじゃないかなと思うんですが。

【鈴木委員長】 どうぞ、遠慮なく。岡田委員、次に岩槻委員。

【岡田委員】 私自身、ちょっと混乱しているんですが、ここで分野横断的・総合的に推進するというのは、今まで挙げた重点項目をさらに推進するために総合的・分野横断的にやるのか、重点項目に漏れたもので分野横断的・総合的にやるのか、どうもこの1個1個の内容を見ると、漏れたものと中に入っているものが混在しているようで、もともとどういう意図だったのかなというふうに思うんですが、その辺はいかがですか。

【松井環境研究技術室長】 漏れたものということではなしに、例えば水とか大気とか、いろいろなところに横ぐし的に刺さるようなものを一つにまとめるという、そういうイメージでございます。ですから、監視・観測なりについては、もちろん大気もあれば土壌もあれば、生物の監視もあるわけですが、それを観測という目で見てまとめるとこうなると。それでつくったものが、監視・観測のところはそういう形になっております。
 それから、環境影響評価につきましてもいろいろなものがあるわけですが、それを環境影響評価というくくりのもとにやっているということでございます。ですから、各個別の課題、重点でやったところに漏れているということではなしに、それぞれのところに入っているわけでございまして、それをあえて拾い出して全体をまとめているという、そういうものでございます。

【鈴木委員長】 どちらかというと、それぞれが縦割りであるぞといって批判されているやつを、そうじゃなしに、全部を通して見ることができるような課題設定というのはないものであろうかと一生懸命苦労されたと、こう考えればいいわけね。

【岡田委員】 そうすると、今の重点項目とは少し性格が違うと考えていいのですか。

【松井環境研究技術室長】 分野別ということからしますと、その分野といいますか、媒体とか、そういうものからすると違ってくるものでございます。

【岡田委員】 そうですか。例えば、地球とか、ずっと今、廃棄物みたいな5項目がありますよね。それの横断的ということよりも少し違うわけですね。

【松井環境研究技術室長】 もちろん、地球の中でも監視・観測は重要なテーマとして挙がっておりますし、廃棄物のところでもその政策研究は当然あるわけでございますが、それを政策研究とか、そういうことでくくり出してきているというものです。

【岡田委員】 そうですか。そうすると、安岡先生がおっしゃられたように(1)、(2)、(3)なんかは割とよくわかるけれども、後ろの方はわかりにくいし、西岡先生がおっしゃったように、何か政策かニーズがあってずーっと出てくるのが僕は一番簡単でわかりやすいなと思ったんですが。どうもその辺が混乱しているような印象をちょっと受けるんですが、これを見ると。

【松井環境研究技術室長】 特に、そういう面からしますと、4以降の部分は、総合化とか総合評価とか、そういうような観点から立てたものでございまして、それとあと、学際的な取り組み、それから、ちょっと弁解させていただきますと、相互に密接な関係のある問題事象への取り組み、これは第1回で秋元先生を初めご指摘をいただいておりますので、そういう面から、全体的に見る必要があると、そのようなご指摘のもとに立てたものでございますが、ただ、田中先生がご指摘されましたように、これを拾ってきたのは既に入っている部分から、まさにこれに合致するものを拾い上げてきて書いたというのが実は実情でございます。

【岩槻委員】 ちょっと包括的な議論になっているのかもしれませんけれども、見せていただいていますと、やはり日本の環境省の現状課題の設定という意識が非常に強く出ていまして、総合科学技術会議でも省庁を超えたというのが非常に強く強調されていますし、特に地球的観点というのが強調されています。アジアのことは先ほど秋元先生がおっしゃいましたが。特に加わりました水環境の問題には、「地球」という言葉がきっちり入っています。そういう視点がもっとはっきり出てきたら、今までのご意見もうんとわかりやすくなってくるのではないかというふうに思います。
 一つの例を申し上げますと、水というのはユネスコも当面の最大課題の一つに挙げている問題がありますけれども、日本のユートピアのない行き方というのは、それはお金は供出しているんですけれども、研究者レベルでは、あまり共同研究が進んでいない。それをやろうと思うと、個別的な競争的資金をとらないといけないし、特に文科省の競争的な経費なんかになりますと、事業的な側面が入ってきますと、どうしても研究費ではコンピレートしないという部分があって、せっかくプロジェクトしようと思っている方も余りできなくて、会議費なんかは、私は文科省から出ているものですから、いろいろな人的コミュニケーションができているにもかかわらず、実際、そのお金は外部からのお金を取ってくるのに協力しているというような格好になっているんです。それで日本の協力が見えてこないという部分があるんですけれども。地球規模で問題を解決するという視点でやはり環境省には使い勝手のよろしい研究の進め方というのも推進していただけると、研究者サイドから参加しやすいのではないかと。
 それからもう一つは、同じことの、同じラインの話になるんですけれども、最後のところで、第6番目のところで、新しい価値観・ライフスタイルの展開というのが載っているんですけれども、実は、私、日本学術会議で価値観の転換と新しいライフスタイル特別委員会の委員長をして、きのう報告をまとめて発表したところなんですけれども、後でまとめたのを見ていただければ結構なんですけれども、この種の問題を議論しようということになりますと、先ほど委員長がちょっとおっしゃっていましたけれども、やはり産官学だけではなくて、民に対してどう対応するか、民の周知をどう集めてくるかということが非常に重要な側面になると思いますし、これからどういうふうに展開されるおつもりなのか、まだこの中だけが見えてこないんですけれども、それは事務局の方にお聞きしたい。

【鈴木委員長】 よろしいですか。その、岩槻委員のきのう発表された……。

【岩槻委員】 きのう、概要を、報告を発表しただけで、余りマスコミの方はすぐにぴんとは対応してくれませんけれども。徐々に広げていきたいと思っていますけれども。

【鈴木委員長】 そうですか。
 ほかにございませんか。どうぞ、森本委員。

【森本委員】 今、民を巻き込むというお話がございましたが、それに関連しまして(6)の、例えば将来予測シナリオ・モデルの構築とそれに基づく政策研究というのは、まさに民を巻き込むためには必須のもので、これを入れていただいたことは大変いいことだと考えております。ただし、これをちゃんとやるためには、正確なモニタリングと予測技術というのが必要です。それに関していいますと、最初の(1)のモニタリングのところに、生き物関係のが入っていないのがちょっと気にかかります。生態系、特に動物関係は大変動きが早くて、最近すごく変動があります。特に里山から見てもすごく変動がございまして、こういったことが全国的にどうなっているのかという、モニタリングというのが本当にちゃんとなされているのかというと、部分的にはあるんだけど、総合的なのはないんじゃないかと思うんですね。そういうことは、生態系を仕事とする者として、もっと総合的なモニタリングに生き物の関係が入った方がいいのではないかという意見を持っています。
 それからもう一つは、環境影響評価なんですけど、意識的に抜かれたのかどうか知りませんけれども、政策との関係で、市民のパブリックコメント等を得ていく仕組みとして、戦略アセスという考え方がございます。これは環境省でもご研究なさっているようなんですけれども、それをどういうぐあいに進めていくかということに関しては、なぜ入らなかったのかなという疑問が一つございます。
 それからもう一つ、いずれにしましてもアセスというのは、何か事業あるいは政策プログラムというのがあって出されるものですけれども、環境の方を考えますと、環境の方からむしろこういう対策、あるいは環境修復等が必要であるという、環境からのニーズというのがひょっとしたらあるんじゃないかと。そういうことを例えば評価するための、いわば環境の中からの目標設定に関する研究というのは恐らく結構学際的な研究として必要なんじゃないかなと。ちょっと漠然としていますが、言葉をかえて言いますと、戦略的なミティゲーション、あるいは戦略的な自然環境保全措置という具合に入れるかもしれませんが、その辺、ちょっと固まっていませんけれども、とにかくコメントです。

【鈴木委員長】 何となくおっしゃりたいことはわかります。和気委員、どうぞ。

【和気委員】 1点は、ちょっと前に申し上げるべきだった点だと思うんですけれども、中間報告の中で成果をどういうふうに反映するか、成果の普及あるいは環境政策への反映というような項目がありますけれども、やはり先ほど西岡先生がおっしゃられたように、この成果をどういう形で民間レベルのビジネス・セクターに普及させるかによって随分技術の普及度も変わってくるので、やはり環境産業のような、その視点も入れていただきたいというふうに思います。
 それから、二つ目の点は、この総合的・学際的なところで、いつも森嶌先生に法律がないといつも言われて、実は責任論とか、非常に政策等の問題をするときに、責任の問題、だれが負担するか、そういう議論が非常に今、デリケートなところでヨーロッパでも議論されていますので、法体系と随分絡んでまいりますので、やはりこの部分もどこかに入れていただくということでよろしくお願いします。
 それから三つ目は、今、委員の先生方からのお話を伺って、通常、総合的分野・学際的というときに、私なんかはマトリックスでいつも考えて、縦軸に例えば技術の評価軸があって、横軸に、西岡先生がおっしゃるようなニーズがあって、それに対応してどこが穴ぼこがあいているかというような議論が、とりあえずやれば比較的二つの軸で見られるというふうに思います。したがって、その重点化プログラムのところをぜひ反映させて、行の方に重点化プログラムの幾つかの項目を分けて、そして列項目にこの事務局サイドでまとめてくださった部分、安岡先生のご意見を反映させながらやると、案外両面からアプローチできるんじゃないかと。むしろ、それで総合的に見れるというふうに、何か今、ふっと思いましたので、ぜひマトリック化していただけないかなというふうに思います。

【鈴木委員長】 2次元でいいんですか。
 どうぞ、鷲谷委員。

【鷲谷委員】 前回の報告書の書きぶりと今回は新たに提案されたことが随分違う印象なんですけれども、とても詳細で具体的なテーマが取り上げられていますが、恐らくは社会的な要請を環境行政の立場から整理するとこんなようになるのかもしれないんですが、ここですべきことは、そういう細部にわたってテーマを挙げるということより、今のご発言とも多少関係があると思うんですけれども、恐らく社会的要請、ニーズと言ってもいいと思いますけれども、それにかかわる研究分野のこれまでの研究の進展や研究の担い手との関係を検討・整理してレビューするようなことが必要なのかなと思うんですね。といいますのは、もう既に研究主体も形成されていて、研究が発展しているような分野でしたら、その現状を評価してこれからの発展をエンカレッジすればいいと思いますし、ニーズは非常に大きいんだけれども残念ながらまだそういう研究分野が余りしっかりと形成されていないようなところでしたら、ニーズと研究の現状の間にかなり乖離があるわけですから、そのギャップというのをしっかり把握した上で、どういうふうにしたら研究の担い手をつくり、社会的にニーズの大きい研究を発展させることができるかというような知恵を書き込むことというか、そんなような、余り具体的、細部にわたる研究テーマよりも、必要性と現状と、どうやって解決するかという、何かこれから戦略の部会みたいなのができるようですけれど、本当に戦略というのにふさわしいようなものをつくっていく方向が必要なのではないかという印象を持ちました。

【鈴木委員長】 いかがですか。リポートが黒いぞと悪口を言っているのは、実はそういうことで、これまでやってきたことをみんな全部丁寧に書いてあって、その上に乗せて何かを書こうとするものだから、びっしり書き込まれたリポートになっちゃって、読む方としては、これはかなわんという感じになりかねないと。そこら辺をもっと整理した形でそれこそ書けないのかというような意味も、実は私の心の中にはあったものですから。
 吉川委員、どうぞ。

【吉川委員】 今まで何人かの方がおっしゃったのと同じようなことなんですけれども、今までの重点化プログラムの方が僕は分野横断的で総合的だなという感じが、きょうのこれを見て思うんですね。それで、横に同じものがあるのをまとめるということであるならば、重点化プログラムがあって、その次に分野横断的・総合的にということでのモニタリング等の、今日挙がったような項目が挙がってくるというふうなまとめ方になるのではないかなというふうに思います。むしろどなたかの方でお話しになりましたように、アジアの視点とか地球の視点とかというふうなところを、もう少し大きく環境というものをどう取り組むのかということが明確になるような分け方をしていく必要があるのではないかと思いました。
 以上です。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 ほかにございませんでしょうか。どうぞ。

【大聖委員】 六つのテーマをいろいろ拾い集めてみますと、例えば私の専門にしております交通ですとか、移動の問題というキーワードで拾ってみると、いろいろなところからピックアップできるんですね。この個別のテーマというのは、多分成果が出てくると思うんですけれども、結局そういったものをさらにコンバインしてというんでしょうか、コーディネートして、総合的に政策に反映するとか、環境の改善の方向性を具体的に見出すという方向へ持っていけるようなモデルも必要なのではないかなというふうに思います。例えば、この中ですと、物流ですとか人流の抑制と環境負荷の低減の予測の問題、それから、その前の大気の監視の問題、それからライフスタイルですね、これは人の移動に直接かかわるものですから、こういったものを個別の具体的な成果というのは出てきていいと思うんですけれども、結局それらを組み合わせることでもう少しコンプリヘンシブなといいますかね、環境の政策というのが引き出されるはずですから、そういった総合的というんでしょうかね、そういった、将来、今すぐ、それを全部まとめろと言われても確かに難しいんですけれども、そういった方向に持っていくような取り組みというのはぜひとも必要だと思います。これは少しばらばらといいますか、個別の問題としてはいろいろ重要な問題があるんですけれども、結局それの相互作用というか、それをうまくまとめてやることによって全体として環境はどうなるんだと。その環境といいましても、地域環境、大気環境、地球環境、いろいろありますけれども、そこに二律背反的な要素が必ず個別のテーマの中から浮かび上がってくると思うんですけれども。そういったものもやはり包含したようなモデルというのが必要ではないかなというふうに思いました。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 実は分野横断的・総合的に問題を考えてという話の次に、それを支えるシステムとしてはどんなシステムが要るようなんですかというところまで問題を広げてしまうと、実は環境省のあり方それ自体を論じなければならないみたいな、そういうテーマになりかねないと、私は思っています。もちろん論じてもいいわけでありまして、実際に我々がやらなければならない科学研究の方向性なるものは、これまでの既存の科学研究の方向性だけではないものをいっぱい含んでいるわけですから、そういう意味では仕方がないのかなと。ただし、出席していろいろ考えてご発言いただいている委員のお一人お一人の中にはきっとイメージはあるんでしょうけれども、総体として、まとまり上がってこっちへ向いて、このようにやっていけば何とかなるぞというようなたぐいのものはまだ形成されていないというような感じが私にはしております。

【西岡委員】 ちょっと繰り返しになるかもしれませんが、なぜ総合的にやらなければいけないかということがあると思うんですが、二つあると思うんですね。一つは、政策的な意味での総合化あるいは統合化というのも考えられるだろうということですが。この点についてちょっとお話をしたいんですけれども、予算の話になりますけれども、今回比較的、「環境」という言葉と「科学技術」という言葉が重なっていたけれども、余り予算がふえなかった。なぜだろうなというのが大きな疑問なんですけれども、多分これは、環境の問題というのは環境省だけの所掌でなくなって非常に大きな分野に広がりつつあって、そこがひょっとして環境を改善する本質のところに入りつつあるのではないかなという気がするんですね。ですから、割と目に見える形での環境改善というのはいろいろな省庁のところでやる方向にもなってくるし、それはそれで非常にいい方向になったと思うんですけれども。それであるから余計に、環境の問題というのはどういう方向にあるんだというようなことについての論議、それから、環境の政策についてどうあるべきかという論議をベースにして技術の問題を考えていくという方向を我々は打ち出す必要があるのではないかなというのが一つです。
 それから二つ目が、「総合」という言葉は、我々が環境といったときのベースというのは、先ほどちらっと話がありましたけれども、やはり地域だとかその場所だとか、そこでのまとまりといったことが非常に重要になってきている。これは私もあちこち世界で話を聞いてきますと、最近の科学技術の動向というのがトップダウンではなくて、むしろボトムアップから始まり、我々に言わせればそんなのは当たり前なんですけれども、ところが、今まで割と分析的にやってきた人たちが、それぞれ環境と言っているのがどうもこれはちょっと違った感じ、これでもうあるところまで行ったけれども次の展開は違うんじゃないかという方向にどうも移りつつあるような気がします。例えば今度、ヨハネスブルクで一つぐらいの話があるかと思うんですが、それはサイエンスをサスティナビリティーという言葉でみんな言おうとしている。いわゆる持続可能性を追求するための科学って何だろうかという話。そんな話は、ほとんど場所ベース、アメリカの政府が「スペースベース・サイエンス」という言い方をしているんですが、場所の脆弱さ、弱さ、そういったものは一体何なんだろうかということから始めて、それがどういうインテグレティーを持っていないと弱いんだろうかと、それがバイオダイバーシティーに関連し、そこへたまたま変化のインプットとしての気候変動があると。そういうようなとらえ方で、一つの地域をまとまった総体として見て、その環境的な十全性というんですか、そういうものを調べるというところからもう一遍行こうじゃないかと。だけど、この考え方は、考えてみたら環境アセスメントで本当はやっているんだけれども、余りそういうぐあいに、今や、環境アセスメントはだんだんだんだん技術的になってきて、分析的になっちゃったんですが。そんな方向の意味での総合化というのも大きな軸としてあり得るのではないかなと思います。
 以上です。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 ほかにございませんでしょうか。では小林委員、どうぞ。

【小林委員】 ここの部分は第1章の体系的・総合的視点を受けてのことだと思うんですけれども、ここで、初めの部分、課題のくくりのところで、やはり視点といいますか、見方というのを整理をしておかないと、後の整理が難しいなと。私は課題そのものが複数の分野が参画をしないと取り組めない、解決策が見えないという課題そのものにある部分、それから、今までは水とか大気とかという、メディアモードで観測をしたり、因果関係を調べたりというレベルであったのを、今後さらに発展させるためには、その相互関係を押さえて、総合的にアプローチをする方向に行かなくてはいけないと。発展のための政策。それからあと、地球規模のお話が出ておりますが、地球規模のネットワーク、特に化学物質での地球規模の汚染問題のようなものについてはやはり総合的な取り組みが要るでなかろうかと。そんなような観点で、どういう視点で、今度新しい3章ですか、まとめるかというところから入る必要があるのではなかろうかと。その次は、それによって見たときに、大きな流れでどういう流れで取り組んでいく必要があるかと。その後に、ここに出てきていますように、個別の手段の開発というのが位置づけられていかないと、単一の解決法のようなものまでずらっと並んでいるというのでは、非常に細か過ぎるということの印象を受けているところです。
 以上です。

【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 村上委員、ありがとうございます、無理してご出席をいただいて。話がだんだん終点に近くなっておりまして……。ようございますか。どうぞ、井口委員。

【井口委員】 非常に単純な話をしたいんですが、化学物質対策の議論にいろいろ参加していますと、どうしても出たものをどうするかというような案が中心ですね。幾ら出ているんだと、幾らまでなら出していいんだと。そうじゃなくて、出さないようにするにはどうするのかという視点を環境省は持ってこれからやられるのかどうか。ある程度は出してもいいということでずっと進まれるのかどうかという、何かその辺をきちっとしておかないと、ある程度出しても、ここのレベルまで以下だったらいいんですよというふうな話でずっと行くのかと。科学者からしてみればそれでいいんだと思うんですが、それをもってして環境教育を持ってくると、何でもある程度までは出してもいいということになってしまうというのが一つと。それから、ここの2番のところにある環境情報。環境情報はいろいろ、だれが使うようにするのかということですね。環境教育というのは環境省が本当にやられるのかというところがあって、では、これを文部科学省の学校教育の方に持っていくのであれば、また別な切り口がないと、細かい情報はいっぱいあってもだれも使ってくれないと。会社に持っていくのならそれはいいかもしれませんけれども、実際の環境教育という、子供たちへのものを考えるのだったらまた別な切り口で考えなければいけないのではないかということと、それから、ちょっと違和感が、私、ちょっと理解できないのは、3のところの、細かい話ですけれど、自然との触れ合い活動に関する予測って、これは一体何を指しているのか。自然と触れ合ってはいけないのかとか、これからいっぱい触れ合ってほしいのか、それを予測して何をするのかというのがちょっとわからないんですね。
 もう一つは、環境教育による新しい価値観・ライフスタイルの普及というのは、これはこうしてほしいということがあって教育をするのか、あなたたちが考えろということでやるのかということですね。言葉は出ているんですけれど、一体どうするの、これ、というテーマが結構あって。これを本当に考えてくださる人がいればいいんでしょうけれども、私にはこういうことはわかりませんので、何かレベルの違う、要するに技術でどんどん行けるところと、完璧に社会的に行かなければいけないところと一緒くたになっていて、実際、これが研究と称して走れる話なのかどうなのかというのは、私、ちょっと理解できないところが。

【鈴木委員長】 松井さん、返事をされますか。せっかく局長が見えているから、この話は局長に返事をしていただいた方がいいような部分があるから。

【松井環境研究技術室長】 自然との触れ合いのところは、多分ある開発行為によって自然との触れ合いが制限されるような、それが価値としてはかれないというようなことがあるので、そういった面からの研究が必要であるという指摘だろうと、それで入れたものだと思います。
 あと、個別の、例えば環境教育をどうするか云々は、まさにそれぞれ、これは環境省も総合環境政策をやっておりますが、もちろん文部科学省との関係をどうするかというのは別の観点からで、ここではあくまでそのような研究テーマがあるよということの指摘なんですが、今、委員のおっしゃいましたように、果たして研究テーマというのは本当に成り立つのかと、その辺のところはやはりきちんと精査する必要があると思います。

【山田審議官】 指定職がしゃべれというご指名ですので。
 この(6)の「特に学際的な取組を必要とする課題」とわざわざ書いてありますのは、もうご指摘のように、そういう事情がありまして、社会科学が主に研究ベースでは取り組むような課題を想定して書いてあるわけでございます。したがって、当然のことながら、そのサブスタンスというのは、文部科学省だけではなくて、政府でいえば全省庁、あるいは日本の社会でいえば、先ほどからお話が出ておりますような、産も学も、あるいは市民社会もみんな挙げて取り組むような課題で、むしろそれこそ、官が、何ていいますか、答えを誘導していくようなことではなくて、我々ができるのはむしろそのインフラ整備というような、そういうことではないかと思っているんです。
 ただ、いずれにしましても、これからやっていきます温暖化対策にしましても、ごみゼロ社会対策にしましても、あるいは化学物質と安心と安全をもって共存していく社会の実現とかというのをとっても、1年単位で、あるいは5年単位ではでき上がるような話ではなくて、本当に21世紀、100年を挙げて取り組むような課題ですので、やはりやるべきことは土台づくりですので、限られた資源ではありますけれども、そういう資源配分をインフラ整備に使っていくという、そういうガイドラインづくりをここでご議論いただければと思っておりまして、決して中身のライフスタイルはどういうライフスタイルがいいのかとか、まさに環境教育として中身が何なのかというのは、なかなかこれは限られた時間の中では難しいのかなと、こんなふうに思っております。

【鈴木委員長】 井口委員……。

【井口委員】 一番最初の話はどうなるのかなと。その……。

【鈴木委員長】 レギュラトリーな構造で、ある環境にある値をセットして、それで物をさばいていくやり方というのは、これまでずーっと伝統的にやってきているわけですね。しかし、それだけでは手がつかなくなった部分があって、それが例えばPRTR法みたいな形の展開をしていて、今は全く新しい段階に入りつつあるところだと思うんですよ。だから、これは私が返事するのではなしに、中川局長にお願いしようと思っていたんだけれども。例えば化学物質対策に対しては、かなり多様な取り組み方を我々はしなければいけないのだろうと思います。いろいろな気持ちがあると思うんですけれどもね。
 どうぞ、何か事務局の方から。

【山田審議官】 化学物質につきましては、当然のことながら、ゼロというのはもう決して可能ではない、不可能だと思っております。当然、人造の化学物質だけではなくて、天然の化学物質もありますし、この場というよりも、化学物質の分科会でも、これは原子力安全委員の方が言われておりましたけれども、当然リスク管理というか、有用性を踏まえて人間がどうやってつき合っていくかという、閾値の議論もありますし、それから幅のある議論というか、そういうものにたえていくということではないかと思いますし、それから、もっと言えば、最近よく言われる花粉症なり、いわゆるそういうアレルギーの問題も、これも別の機会に北里大学の養老先生とか、あるいは東京医科歯科大学の藤田先生ですか、非常に安全な環境で過ごすようになると人間が何世代も持っていた免疫というのが大分遊ぶようになると。そうすると、むしろ自分の中で自己免疫が、余裕のためにいろいろな現象を起こしてくるとか。生物としても非常に難しい問題があって、では人間というのは自然の輪の中にいるのか、あるいは外にいるのかというような議論も大変あるようですので、そういう議論もしていただければと。化学物質は絶対ないとか、そういう環境の中で生きていくのは、これはなかなか難しいんじゃないかと、こういうふうに思っております。

【鈴木委員長】 この話、切りがないので、やめにしましょう。
 三浦委員、どうぞ。

【三浦委員】 私も全体としては皆さんのご意見に賛成ですし、先生、最後におっしゃった点は非常に重要だと思うのです。それで、やはり少し評価の技術だとか予測手法だとか、個々のを見ていくと、非常に個別的・分析的になり過ぎちゃっていて、果たして分野横断的か総合的かということとは相反するんではないかという葛藤があります。私は自然環境の政策にかかわっているんですが、要は環境影響評価は、これは環境影響評価だから基準アセスになっているわけですけれども、やはりちょっと寂しいなと思うのは、事業実施に伴う環境保全対策技術に関する技術向上って、最後の方にありますが、干潟等の環境再生技術だとか、希少種の移植、生息地の創造等に関する技術。これはこれで私は非常に重要だと思うんですが、少なくともこれの前提は生態系をなくすだとか、なくなったときにどうするかという話ですから、少なくとも現状は、日本の自然環境をどう保全するのか、環境省がどういうスタンスをとるのかという、そういうアブゼラシーを前提にしてここのところを展開していただかないと、全部後追いの、後ろ向きになってしまうという方法になっているわけですね。これはやっていたら切りがないし、そういう点では、環境省のもうちょっと前向きなスキームを、先ほど西岡先生も鷲谷先生もご発言なさいましたけれど、今まさに審議官もおっしゃいましたけれども、自然の中にどう戻していくかという、そういうプロセスなりプログラムなりというのを、かなり環境省それ自体が威信をかけて模索すべき、そういう青写真がもう少しあってもいいのではないかという気がします。まさに戦略あるいは政策から位置づけられた分野横断性とは一体何なのかというところを展開していくべき話であって、これはそのまま行きますと、随分細かい話で、それぞれの数値情報とか、非常に細かい技術を次から次へと開発するという形を今後10年ぐらい続けていっていいかどうかというのは、非常に、ちょっと寂しいという気がしました。

【鈴木委員長】 どうぞ。

【青山総務課長】 ですから、まさに戦略アセスという議論はそういう議論でありまして、今、ずーっと勉強会なんかをやっておりますが、一つの流れとしては戦略アセスというのがある。片方では、事業実施という場面でいいますと、今、割と何でもかんでも環境という内容も片一方ではあるんですが、農水も、あるいは河川局なんかの事業もそうなんでありますが、比較的、以前とは打って変わって、逆に前広に、事実上戦略アセスが徐々になされているのではないかなという部分が私どもはあると思っているんです。
 鷲谷先生のご示唆を受けて、いわゆる生態系の保全の中で自然再生型の公共事業というのを、うちの自然局の方で、来年度予算でありますが、5億は自前の予算でやると。15億はいわゆる移しがえ予算の調査費と、調整費ですけれども、という形でやっておるんですが、片方でそういう流れがあります。あとは、いろいろな数値の議論も確かにあるんですが、事実上、そういう形での、今はいろいろな各農水の分野等々を含めて、基本計画等がありまして、それは実施計画に移す段階も含めて、かなり私どもとの協議の段階で入り込んでいるような形になっておるわけであります。この点はちょっと四、五年前とは大分違うのではないかなということでありますが、もちろんそれでいいというわけではありませんので、私どもは戦略アセスをベースにやる、あと片方で、いろいろなそれぞれの個別分野における検討課題において、事実上、事前に、いろいろ物を申していくというような形でやっております。いずれにしても、そういう中身を含めて、こちらの中に少し入れ込みたいなと思っておりますので。

【松井環境研究技術室長】 今、総務課長からお話がありましたが、1点、ちょっと弁解させていただきますと、確かに三浦先生がおっしゃいましたように、生態系の保全なりを環境省としてどう考えるのか、もちろんこれは自然環境局において相当の検討はしていただいております。私ども、ここで上げたのは、環境影響評価というくくりの中で研究課題として何があるということでちょっと拾ってみたときに、やや確かに細かいのが上がってきたわけですが、こういうものがあると、原課の方からもそういう指摘がありましたのでここに上げたということでございまして、全般を、これがまさにそれだけでやっているということでは決してなくて、今日は自然環境局からは来ておりませんが、その自然環境局なり、それからアセスのところでも、先ほど総務課長がおっしゃいましたように全体戦略をどうするかという検討は、それはそれでやっておりますので、その点はご承知をいただきたいと思います。

【鈴木委員長】 まだおっしゃりたいですか。どうぞ、遠慮しないで。せっかく松井さんが言ってくださったから。

【三浦委員】 各論になってしまうので。まさにアセスのところを見ると、私自身はそれぞれ、これはやっていくべき問題だなと非常に思うし、これらの事実は大切だということは十分承知しているつもりでありますけれども、やはりこれらを技術開発していったときに、一体どういう視点からこういう評価技術によって何をしたいのかというのがちょっと見えてこない。ただアセスの、これはワン・オブ・ゼムにしかすぎないものが、予測手法の高度化、それぞれの各論を見ても、そういう印象を強く受けざるを得ない。

【鈴木委員長】 これは、どのお立場から見て、どんな事柄を見て、どうフォローして分析しているかによって話が変わってくるような、そういう側面を持っていますね、今の三浦さんの意見は。大事なポイントだと思いますけれども、今日の話としてはもうそろそろ終点に近いのではないかと思っておりまして。もうよろしゅうございましょう。どうぞ。

【中川総合環境政策局長】 たまたまきょうの午前中に衆議院の国土交通委員会がございまして、私、政府参考人ということで呼ばれまして、沖縄の泡瀬干潟についての質疑がなされていたんですが、一方で、沖縄の地元の意向として、泡瀬干潟の埋め立てですね、それでホテルをつくるとか住宅地をつくるとか、そういった開発についての推進派と反対派と両方いて、地元で意見が割れているという状況があるわけですが、もちろん事業を推進する側でも、環境への影響を最小限に食いとめる、あるいは必要な希少種とか、あるいは部分的な人工的な干潟をつくるとか、そういったようなことを考えておるわけです。それで、泡瀬干潟にいる希少種としては、クビレミドロという丸い藻がありまして、これを埋め立てによってそこが死んでしまうのでそれを移殖するということを考えているわけですが、その技術はまだ十分に成功していないわけですね。それから、海底に生えている藻、これを埋立地の外に移殖するという実験をやっているんですが、これもまだ完成したとは言えない。そういうことがうまく行かないとなかなか事業についての理解が得られないというようなことで、その点についてどうなんだと。それから、干潟を人工的につくっていくというのも非常に実は難しい話なんですね。それについて環境省はどうだと、こう聞かれて、ちょうど質疑があったところなんですが。確かにこれから、埋め立てとか、そういったいろいろなダムとか、そういう公共事業についての必要性についての議論、これももちろん環境省としていろいろな場面で発言していきたいと思っておりますが、その前提としていろいろな技術ですね、ここの細部に書いてあるような、こういうものが確立されていけば、大分その辺の問題は解決できる、そういう面もあるんだろうと思うので、そういう技術の開発なり向上というのは、環境省としても応援していきたいと、こういう気持ちで、今います。

【三浦委員】 いいですか、もう一言。

【鈴木委員長】 どうぞ。

【三浦委員】 私が危惧したのはまさにそのことでありまして、では、技術があれば、その事業はゴーなのかというところでありまして、その一方で、この技術を開発されるということは、そうしたら、日本の自然環境をどうするのかという視点がない限りはOKだという話になってしまうので、今のようなことについては私は非常に危惧したいというふうに、この文脈ではそういう指摘をしたわけです。

【鈴木委員長】 1970年ぐらいのヨーロッパの中で、エンドオブパイプ・テクノロジーで、問題が起こった、一番エンドオブパイプのところでひっぱたいて何とか直しましょうと、こういうふうに、そこにエネルギーがたくさん投入されていた時代が、20年、30年たつ間に、もとの根っこのところから直していかなければどうしようもないではありませんかという話に変わって……、というのは、これはヨーロッパで環境問題をやる一つの、何ていうのかな、みんなのコンセンサスみたいなものになってきていたわけです。だからといっても、エンドオブパイプ・テクノロジーが役に立たないとか、全く要らないとかということではないわけで、状況に応じてそういう技術は使わざるを得ないし、そういうものを開発する中から何か新しいことが出てくることもあるわけですけれども。それだけではいかんぞと、その状況の中では、そもそも発生源対策みたいなものから、そっちに重点を置くべきだろうというような、そんなような考え方になっているのは、実はこれはどなたも異存がない話なんだと思います。それは局長さんも同じことだと私は理解しておりますけれども。そういうふうに……。どうぞ、岩槻委員。いいですよ。

【岩槻委員】 もう閉じようとしておられるところで発言を求めてすみません。
 実は僕、これまでのアイテムに対していろいろ委員サイドからご批判が出たんですけれども、それは常に行政サイドからの提案と研究者サイドからの見方というのの、一概にこういうことはよく起こってくることだと思うんですよね。それで僕自身は、研究をテーマとして出そうとすれば、こういう個別的なテーマにならざるを得ないというのはよくわかるので、それで余りコメントを申し上げなかったんですけれども、例えば皆さんの中にあるストレスというのは、やはり環境省の研究テーマ、しかも横断的な研究テーマは何かということだと思いますけれども、それは日々アージェントな問題に行政として取り組むとすれば、こういう研究テーマというのが非常に至近未来の問題として必要だと思うんですけれども。やはりそこに100年後の日本列島というのをどう持っていこうかとする環境省の姿勢が出てこないから、皆さん、いらいらが出てくるんだと思うんですよね。だから、僕は研究テーマの中の、これをやめてではなくて、同時並行的にですけれども、研究テーマの非常に重要なテーマとしては、100年後の日本列島を環境省はどうつくろうとしているか、これは実は非常にアージェントな問題でもあるんですよね。決して100年後のことを言うのではなくて、今日それを考えないと100年後なんてあり得ないという。そういう問題意識がここに出てきていないというのが委員サイドから見たいらいらじゃないかと僕は思うんですけれども、そういうことをちょっと織り込んでいただければというふうに思います。

【鈴木委員長】 問題をもうちょっとマクロにつかまえた形で、例えばインタラクションの問題なり、総合横断性の問題なりを考えなければいかんだろうと、こういうご指摘になるのかな。それで、そろそろこの議論を終わりにしたいのですが、この先をどうするか、事務局、どうぞ。

【安岡委員】 すみません、今の議論とちょっと別ですけれども……。もう終わりになりますか。

【鈴木委員長】 どうぞ。

【安岡委員】 今の議論を聞いて、1点ちょっと危惧するのは、これは環境研究・環境技術開発をこれからどうやって進めていくかということの答申になるわけですね。それで、この1章、2章、3章を読んだときに、読まれた方が、これが環境省の方針だと、研究開発に対する方針だというのが理解していただかなければいけないのですが、個別の細かいところは別にしましても、例えば1章、2章、3章で分野横断的・総合的というのをやるというときに、環境省はどういう分野を考えていて、それを横断的にどうするんだという議論をちゃんと書いておかないと理解されないだろうと。総合的というときも、個別をどう考えていて、それをどういうふうに総合化するかというのを考えておかなければいけない。重点化プログラムをもし後ろに下げたときには、重点化の個別のテーマはほかの省庁にお任せして環境省はやらないんだというふうな印象を持たれると、僕は非常にまずいと思うんですね。章を外したことによって。そこはしっかり書き込んでいただきたいなと。つまり、この委員会が……。

【鈴木委員長】 まさに今、安岡さんがおっしゃっていることが、今、私が事務局に問いかけた問題点で。この次どうするのというのは。

【安岡委員】 そうですか、ありがとうございます。

【松井環境研究技術室長】 資料の7ページでございますけれども、日程についてご説明申し上げましたが、きょうの議論を踏まえまして、今後の進め方等について中間報告を6日の総合政策部会に報告させていただきます。政策部会の委員の先生からご意見等があればそれを承りまして、その辺も踏まえて、21日に専門委員会報告案として事務局がたたき台をつくって、この場に提出させていただきたいと思います。その際には、本日いただいたご意見を参考にさせていただいて、どうまとめるかは、これから事務局の内部で検討させていただきますが、場合によっては、先ほど申しましたように、1章、2章、きょうご指摘いただいたものの中でも、1章、2章で書き込むような話もあったかと思います。その辺も整理させていただきまして、今、安岡先生のお話があったように全体の流れがどうなっているのかと、そこも見えるような形で、決して重点を環境省がやめたわけではなくて、あくまで今回の総合科学技術会議の推進戦略が9月にまとまったようなことと、時間的な問題その他もありまして、言ってみれば、先送りをしたというような形になっているわけでございますが、その辺もわかるような形で、何らかの記述をして答申案ということで専門委員会の報告案ということでまとめて、また皆様方のご意見を承りたいと、そのように考えているところでございます。

【鈴木委員長】 そのようなスケジュールで予定しておりますけれども、よろしゅうございましょうか。
 事務局、大変でしょうけれども、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、ほかにございますか。

【松井環境研究技術室長】 特にございません。

【鈴木委員長】 それでは、きょうの会議はこれで終了させていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

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