中央環境審議会 総合政策部会(第93回)議事録

第93回 中央環境審議会 総合政策部会

平成30年1月19日(金)10:00~11:50

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール14A

議事次第

1.開会

2.議事

(1)第四次環境基本計画の見直しについて

  • 第五次環境基本計画(素案)について

(2)その他

3.閉会

配付資料一覧

【資料】

 資料1     第五次環境基本計画(素案)

【参考資料】

 参考資料1   中央環境審議会総合政策部会名簿

 参考資料2   第四次環境基本計画の見直しスケジュール(案)

 参考資料3   中央環境審議会第92回総合政策部会議事録

 参考資料4   第5回中央環境審議会総合政策部会と各種団体との意見交換会議事録

 参考資料5-1 第五次環境基本計画の方向性について(案)(第92回総合政策部会資料)

 参考資料5-2 第五次環境基本計画の構成について(事務局素案)(第92回総合政策部会資料)

 参考資料6-1 持続可能な開発目標(SDGs)実施指針

 参考資料6-2 持続可能な開発目標(SDGs)を達成するための具体的施策(SDGs実施指針付表)

 参考資料6-3 SDGsアクションプラン2018

 参考資料7   重点戦略とSDGsとの関係について(修正案)

 参考資料8   環境・経済・社会の状況

午前10時00分 開会

○山田計画官 まだ全部の委員がそろっておりませんが、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会第93回総合政策部会を開会いたします。

 議事に入ります前に、資料のご確認をお願いいたします。

 資料1につきましては、机上に配付してございます。その他、議事次第、参考資料1から8につきましては、環境負荷削減の観点から審議会等のペーパーレス化の取組を推進するため、委員のお手元にございますタブレット端末の中に格納いたしました。資料の不足やタブレット端末の不具合のある方がおられましたら、事務局の者にお申しつけください。

 傍聴される方につきましては、本日、配付いたしました資料1を除き、その他の資料は環境省ホームページの報道発表資料のところにアップロードしておりますので、ペーパーレス化に何とぞご理解、ご協力をいただきますようお願いいたします。

 今般、臨時委員の異動がございましたので、ご紹介させていただきます。

 1月5日付で根本恵司臨時委員がご退任され、石田栄治臨時委員にご就任いただきました。

 本日は、委員総数28名のところ過半数の委員にご出席いただいており、定足数の要件を満たし部会として成立していることをご報告いたします。

 また、本日、ご欠席の佐久間委員の説明員として、一般社団法人日本経済団体連合会環境エネルギー本部主幹 谷川喜祥様にご出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

 カメラ撮影につきましては、ここまででお願いいたします。

 それでは、今後の進行は、武内部会長にお願いいたします。

○武内部会長 皆さん、おはようございます。

 それでは、早速ですが審議に入らせていただきたいと思います。

 昨年の12月11日に開催された前回の総合政策部会におきましては、中間取りまとめに対する意見募集及び各種団体との意見交換会などの結果報告、並びに第五次環境基本計画の方向性、それから構成について、委員の皆様からさまざまなご意見を頂戴いたしたところでございます。

 本日は、これまでの本部会での議論を踏まえまして、事務局が第五次の環境基本計画の素案を作成いたしました。この素案のほうはタブレットではなくて印刷されたものになっておりますので、気をつけていただきたいと思います。

 昨年2月以降、中間取りまとめを経て皆様にさまざまな議論をいただき、また、いろんなセクターの方々にヒアリングをさせていただいてきましたけれども、ようやく本文を委員の皆様に議論していただける段階となりましたので、今日は、これを踏まえてご議論いただきたいと思います。

 それでは、第五次環境基本計画の素案について、事務局から資料1の説明をお願いいたします。

○山田計画官 それでは、資料1の説明をさせていただきます。

 部会長ご指示のもと、事務局で素案を作成したものでございます。資料1、「第五次環境基本計画(素案・調整中)」でございます。この資料は、まだ関係者と調整中の部分がございます、という点をあらかじめご了承いただければと思います。

 また、部数でいうとかなり大部にわたるものでございます。前回の総合政策部会で使用した概要の資料が参考資料の中にも入ってございますので、そういったものも適宜ご参考いただければなと思います。

 それでは、早速説明させていただければと思います。

 ページをおめくりいただきまして、まず1ページです。

 「はじめに」は、今後の中央環境審議会での審議を踏まえ記述していきたいと思っております。

 第1部ですが、これは目次からご覧いただきますとおり、第3部までございまして、その後、環境保全施策の体系ということになっております。

 第1部は、環境・経済・社会の状況と環境政策の展開の方向ということでございます。

 第1章、環境・経済・社会の現状と課題認識ということで、中間取りまとめの段階では世界の状況からスタートしてございましたが、より皆様にわかりやすくということで、我が国の状況から説明させていただいています。

 本格的な少子高齢化・人口減少社会という中で地域コミュニティの弱体化があり、地域の環境保全の取組にも深刻な影響を与えているという状況があるかと思っております。

 また、東日本大震災の関係ですが、大規模集中型のエネルギーシステムによる電力の供給体制の柔軟性の欠如が浮き彫りになり、これを補完する分散型のエネルギーシステムの有効性が認識されたとございます。

 その下のほうです。我が国の人口動態とは対照的に、アフリカ、アジア諸国を中心に世界の人口は増大しているという指摘をさせていただいています。

 それから、技術革新ということでAIやIoTの進展ですとか、インバウンドの増大などの動向も踏まえる必要があるということで記載させていただいています。

 それからあと、世界の状況です。SDGsですとかパリ協定について記載させていただいております。

 2ページにいきまして、SDGsにつきましては、地球そのものの課題及び地球環境と密接に関わる課題に係るゴールが数多く含まれているという指摘をさせていただいております。

 それから、気候変動につきまして、IPCCの第5次評価報告書のことですとか、パリ協定に関する記述がございます。吸収源を踏まえた人為的な累積排出量に一定の上限があるとの考え方は「カーボンバジェット」と呼ばれているという記述もさせていただいております。

 それから、我が国の状況ですが、地球温暖化対策計画に関する記述がございます。直近3年間の温室効果ガス排出量は減少しているものの、新増設が計画されている多数の石炭火力発電所ですとか代替フロンの話、目標達成に向けて取り組むべき課題は山積していると記載させていただいております。また、炭素生産性及びエネルギー生産性につきましては、現在は世界のトップレベルとは言えない状況となっているという指摘もさせていただいています。

 2016年のG7伊勢志摩サミットの首脳宣言について、長期戦略の話、また国内政策及びカーボンプライシングなどの手段を含めた排出削減活動へのインセンティブの提供の重要な役割を認識という記述をさせていただいています。

 3ページに移りまして、各国の自動車政策やエネルギー政策に見られるように、既に多くの先進国が脱炭素に舵を切り、途上国の中には一足飛びに脱炭素に向かっている国もあると。また民間の取組も進んでおりまして、多数の民間企業が独自の中長期の削減目標を設定し対策に着手しているということでございます。

 金融の分野では、ESG投資の拡大など機関投資家が企業の環境面への配慮を投資の判断材料の一つとして捉える動きが拡大している。このように世界の気候変動への対応の潮流はもはや後戻りすることのないものとなっており、気候変動自体のリスクに加え、気候変動への対応の有無もまたビジネス上のリスクとなっている。加えて、今後、産業構造の変化に伴う労働力の公正な移動ですとか適切な仕事と質の高い雇用の創出も大きな課題となっているという指摘もさせていただいています。

 その下には、生物多様性に関する論点ですとか、あとは資源循環に関する論点を記載させていただいております。

 4ページに移りまして、大気、水、土壌の環境汚染も決して過去の問題ではないということで、こちらに関する記述をさせていただいています。

 その下ですが、中間取りまとめにも書かせていただきましたが、人間活動による地球システムへの影響を客観的に評価する方法の一つとして、地球の限界(プラネタリー・バウンダリー)という注目すべき考え方があるという紹介をさせていただいております。

 その下ですが、我が国は「課題先進国」という見方もできるが、そこで思考を止めて悲観論に陥ったり、現状維持に甘んじたりするべきではない、見方を変えればチャンスと捉えることもできるという指摘をさせていただいております。

 6ページに移ります。第1部の第2章になりますが、持続可能な社会に向けた今後の環境政策の展開の基本的な考え方ということで、1.目指すべき持続可能な社会の姿ということです。環境保全を犠牲にした経済・社会の発展も、経済・社会を犠牲にした環境保全ももはや成立し得ず、これらをWin-Winの関係で発展させていくことを模索していく必要がある。SDGsやパリ協定の発効、ESG投資の拡大といった国際社会の動向を踏まえれば、今こそが時代の転換点であり、現状維持バイアスに陥ることなく、現代の文明のあり方を問い直すパラダイムシフトを実現させるべき時と考えられるとしております。

 その下に持続可能な社会に関する記述ですとか、あとは、7ページのほうに移りまして、循環共生型社会ですとか環境・生命文明社会に関する記述もさせていただいておりまして、我が国こそが先んじて「課題解決先進国」になるという未来志向の捉え方により、山積する課題の解決に取り組んでいくということにしております。

 同じく7ページです。今後の環境政策が果たすべき役割ということで、経済社会システム、ライフスタイル、技術のイノベーションの創出と経済・社会的課題の同時解決ということを記載させていただいています。

 イノベーションの創出についてですが、率先して努力した人が報われるインセンティブの付与、環境保全への需要の創出、新たな雇用の創出と公正な移動、汚染者負担の原則も考慮し汚染者に負担を課すことによる外部性の内部化、計画段階からの環境配慮の組込み、環境教育や持続可能な開発のための教育(ESD)を通じた環境意識の醸成、多様な主体のパートナーシップを促進するための施策等、持続可能な社会の構築を支える仕組みづくりに取り組む必要があるとしてございます。

 その下、環境保全上の効果を最大限に発揮できるようにすることに加え、諸課題の関係性を踏まえて経済・社会的課題を解決していく、これを「同時解決」としてございます。

 イノベーションの創出と経済・社会的課題の同時解決を実現することにより、環境政策が将来に渡って質の高い生活をもたらす「新たな成長」を牽引していくというふうに記載させていただいております。

 8ページですが、今後の環境政策の展開の基本的考え方ということで、環境・経済・社会の統合的向上に向けた取組の具体化。環境政策の原則・理念を前提とした国際・国内情勢等への的確な対応、それから、SDGsの考え方の活用ということを記載させてもらっています。国際・国内情勢等への的確な対応につきましては、多くの先進国が脱炭素に舵を切り、途上国の中には一足飛びに脱炭素に向かう国もある中、我が国が遅れを取りつつあること、国際的な存在感が薄れていることに対する懸念や、適切な対処をしなかった場合に、国内企業の信頼性や競争力にも影響を及ぼし、世界のバリューチェーンから外されるリスクがあることも指摘されている。逆に、我が国の優れた環境技術の強みを活かすことによって、世界のバリューチェーンにおける地位を高めるチャンスも存在するとさせていただいております。

 SDGsにつきましては、ゴール間の関連性につきまして、環境が全ての根底にあり、その基盤上に持続可能な経済活動や社会活動が依存しているということも示されており、地球の限界(プラネタリー・バウンダリー)の考えとも合致するものであるとしてございます。それ以外の性質といたしまして、全員参加型であることですとかバックキャスティングの考え方を採用しているという特徴も持っておりまして、こういった特徴を持つSDGsの考え方を活用し、環境・経済・社会の統合的向上の具体化を進めることが重要であるとしてございます。

 10ページから13ページにわたりましては、第3章ということで環境政策の原則・手法ということです。こちらは、第四次環境基本計画の記載を別に記載させていただきました。

 14ページにいきます。第2部、環境政策の具体的な展開ですが、SDGs、パリ協定を踏まえますと、本計画においては、2030年、2050年に目指すべき姿を見据えつつ、今後5年程度に実施すべき施策を対象とし、第四次環境基本計画の点検結果も踏まえ、第2部に記載されている各施策を実施するとしてございます。

 第1章、重点戦略設定の考え方ということで、六つの重点戦略を設定し、これらは重なり合う部分でシナジー効果を出していくと書かせてもらっています。

 15ページでございますが、各主体の役割を記載させていただくとともに、パートナーシップの充実・強化というのを17ページに記載してございます。

 17ページの下ですが、持続可能な地域づくり、地域循環共生圏の創造ということで、19ページにありますが、地域循環圏の創造は、農山漁村のためにあるのではなく、都市にとっても、農山漁村からの農林水産品を自然の恵み等によって自らが支えられているという気付きを与え、「見える化」し、自然保全活動への参加や環境保全型農業より生産された農産物の購入等の農山漁村を支える具体的な行動を促すことにもつながる。すなわち、「地域循環共生圏」は、農山漁村も都市も活かす、我が国の地域の活力を最大限に発揮する考え方でもあるとしてございます。

 20ページからが重点戦略ごとの環境政策の展開ということで、前回、12月11日の総合政策部会でも示させていただきました骨子に沿いまして、経済、国土、地域、暮らし、技術、それから国際といったようなことについて記載させていただいております。分量が多いので、詳しくは省略させていただきます。

 それから、51ページですが、第3章、重点戦略を支える環境政策の展開ということで、気候変動対策、循環型社会の形成、生物多様性の確保・自然共生、さらには環境リスクの管理、それから各施策の基盤となる施策ということで記載させてもらっております。

 60ページには、東日本大震災からの復興・創生及び今後の大規模災害発災時の対応ということで記載させてもらっています。

 62ページからは第3部、計画の効果的実施ということで、PDCAのDとCとAを意識いたしまして記載させていただきました。

 65ページからは環境保全施策の体系ということで、総合的な計画ということで全体的に施策を体系的に書かせていただいたということでございます。

 駆け足で恐縮でございます。

 以上でございます。

○武内部会長 今、少し概略という形になってしまいましたけれども、時間の関係もありまして、この素案について説明をいただきました。前回の基本計画に比べますと、今回の素案は非常にコンパクトな形にまとまっているということが見て確認いただけるかと思います。

 これをもとにして、今日、皆様からご意見をいただきまして、さらに論点を整理し、次回の部会で引き続き議論をするという形にしていきたいと思います。

 それでは、今日はかなりたくさんの委員の方にご参加いただいております。大変ありがたいことですが、他方、時間の関係もありますので、それぞれの方のご発言については、恐縮ですが5分以内ということで、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、ご意見のある方におかれましては、私に見えるように札を立てていただきたいと思います。

 恐縮ですが、先ほど林委員から中座の申し出がございましたので、まず、林委員のほうからご意見をいただければと思います。

○林委員 恐縮です。まず、2章のところの6ページですが、中段のところでブルントラント委員会の概念を受けてというのがありますけれども、地球憲章、アース・チャーターというのは書いておかなくていいのかなと思いました。これが1点です。

 それから、10ページのところで、最初のところに「環境効率性」というのがありますが、これは非常に重要ですけれども、後ろの章で、豊かな生活とか、クオリティ・オブ・ライフのことが出てくるのですが、何かしらここで書くのがいいのか、少し改めるのがいいのかわかりませんが、効率という概念から、さらに進んだ充足性というような概念のものを、環境充足性という言葉がわかりやすいかどうかはわからないのですけども、やはり環境だけを言っているのではないということを基本のところに書いておくべきではないかと思いました。

 あとは、後ろのほうの章なので、先ほどの説明にはなかったのですけれども、29ページのところが、私が非常に近い関係があるところですので、コメントしますと「持続可能で魅力あるまちづくり・地域づくり」というのがありますが、ここで、一つ書いておくといいなと思ったのは、AIとかIoTとかのICTを応用したトリップのサポートといいますか、とりわけ公共交通ですが、買い物、通院、観光、それぞれもっとうまく便利にしないと、どうしても自動車のほうへ偏ってしまうというようなこともありますし、あるいは、自動車をうまく活用するというようなことも含めて、IoTを活用したトリップのサポートというのが1項目入ってもいいのではないかと思いました。その中の記述については、また、もし必要だったら私も協力したいと思っております。

 それから最後ですが、これは66ページのところになるのかもしれないのですが、「国際的な地球環境対策への貢献」というのがありますが、国際機関との連携というのが今のところ見当たらないので、国連の例えばDESAですね、SDGsの元締めのところとの協力とか、あるいは世銀の関連したところがありますので、そういうところとどうやって連携するかというのが必要ではないかと思いました。

 以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それでは、こちらの大塚委員から、順に皆様からのご意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○大塚委員 時間がないようですので、手短に。全般的なことを3点と、やや細かい点を3点申し上げさせていただきたいと思います。

 基本的に、大変よいものになってきていると感じていまして、基本的な方向性については賛同しておりますが、その上でという発言でございます。

 一つは、全体との関係の話ですけども、最後の「環境保全施策の体系」というのは、重要だと思いますけども、これがどこに属しているかがあまりはっきりしなくなっているので、例えば第2部の最後に持ってくるという手もあると思うのですけども、第四次環境基本計画においては、環境保全施策の体系は第2部の最後にあったのですが、何か独立してしまっているような感じになって、位置づけがあまりはっきりしないので、全く位置づけだけの話ですけども、そこはご検討いただければありがたいと思います。第2部の最後かなと思います。それが1点です。

 それから、二つ目ですけども、これは実質的な話ですけども、「重点戦略を支える環境施策の展開」という第3章のところを入れていただいて、とてもよかったと思いますが、そこで指標が結構出てきているのですけども、指標をただ挙げるだけではなくて、できれば定量的目標も、一部でもいいのですので挙げていただくと後で点検のときに役に立つと思いますし、後ろのほうの環境保全施策の体系とはちょっと差別化を図るという必要もあるかと思いますが、そういう観点からも、一部でも定量的目標を出していただけるとありがたいということを二つ目に申し上げておきたいと思います。

 それから、三つ目でございますけれども、第1部の3章の環境政策の原則・手法のところは、基本的に第四次基本計画を引き継いでいるものでございまして、ここについては、基本的に何か5年たつと原則指標が変わるとかというものでもございませんので、よほど何か新しい変更でもあれば、修正は、追加とかはあり得るかと思いますけども、基本的には、第四次環境基本計画のままということで、現在そうなっていると思いますけども、それでよろしいかと思っております。

 それから、第四点ということになりますが、2ページ辺りに書いてある「カーボンバジェット」の話は非常に重要だと思いまして、気候変動との関係では、この点が最近、非常に重要になっているということでございまして、ぜひ、書き込んでおいていただく必要があると思いまして、これで結構だということでございます。

 それから、2ページのところに、伊勢志摩サミットとの関係で、カーボンプライシングの記述がございます。カーボンプライシングの記述については、ここと後ろにも、50ページ辺りにもありましたが、事実を書いているだけなので、少し物足りない感じもしますが、そうは言っても、書いておいていただくことには非常に重要性があると思っております。伊勢志摩サミット(G7)では、首脳宣言で打ち出されたということも結構重要だと思いますので、この点は、これで大変結構だと思っています。

 それから、52ページのところで、石炭火力のところの記述がございます。これは8行目、9行目辺りのところで、火力発電からの排出を大幅に低減させるということが出てきていますが、これが非常に重要だと思っています。残念ながら、石炭火力を高効率化しても、CO2はやはりかなり出ますので、例えば天然ガスとか、あるいは再生可能エネルギーとかに移っていくことが重要でございますので、効率化だけではなくて、大幅に低減させるということが非常に重要ではないかということで、この記述が大事だということを申し上げておきたいと思います。

 それから、細かい点の三つ目ですけども、第2部第2章の「重点戦略ごとの環境政策の展開」というのは、これは六つの柱で、非常に重要だと思っています。これは先ほどちょっとご説明もありましたけど、前のときの骨子に全て載っていたものですので、これは今後も維持をしていただけるとよろしいのではないかということを申し上げておきたいと思います。

 とりあえず以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それでは、崎田委員、お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。

 私も、全体的には、各政策分野、そして環境経済・社会の統合的な取組の中で取り組み、それを地域とか、地域循環共生圏という具体化の中で示していくというこの全体の基本計画の方向性というのは、大変しっかりまとまっていると感じております。そういう全体の中で、少し個別項目に関して発言させていただきたいところが三、四点あります。手短にお話をしたいと思います。

 まず1番は、13ページですけれども、環境政策の原則・手法ということで色々書いてあります。こういうふうにまとめていただくのは大変大事だと思っております。ただし、13ページの個別の手法の次に、「環境基本法は、このほかにも、環境教育・学習等による理解増進など多くを掲げている」というふうに書いてありますが、そのほかに入れてしまうには、やはり普及啓発とか環境学習というのは、大事な自治体などが取り組む第一の手法だというふうに思っておりますが、これが基盤になるところだと思いますので、後ろの段落に入れ込まずに、その前の手法の一つに独立させて、普及啓発、学習的手法とか、やはり一つ入れておくのが全体を明確にすることにつながるのではないかという印象がありました。

 その次が、パートナーシップのところですけれども、全ての主体の参加と連携・協働、そしてパートナーシップで取り組むというのが環境政策の重要なところですので、今回、パートナーシップというこの言葉を強調してまとめていただいているのは、ありがたいと思っております。ただし、読んでいくと、いわゆる、その基本になる参加という言葉が何かほとんど出てこなくて、時々出てくるという状況を感じます。

 それで、やはり今、新しい方向性に持っていくということで、パートナーシップという言葉を強調することには賛成いたしますが、例えば17ページのパートナーシップの充実・強化というような、こういう小見出しのところに、各主体の参加によるパートナーシップの充実・強化とか、やはりある程度「参加」という言葉を入れてはいかがかというふうに思います。やはり、循環・共生・参加・国際的取組という、一番最初の環境基本計画のキーワードをきちんと引き継いでいくというふうになっていると感じております。

 その次が、化学物質のところですけれども。一番最初に予防的手法というようなことで、きちんと入れ込んでいただいて、ありがたいというふうに思っております。

 そして、実は、プラスで情報提供させていただきたいのですが、今、環境省が、環境保健部が事務局になって、政府・各省と市民団体、事業者、産業界、専門家が一緒になって、化学物質と環境に関する政策対話という事業を長年続けていますが、数日前に、最近の話し合いの取組をまとめた、方向性をみんなで合意しました。「化学物質と環境リスクに関する理解力の向上とその取組に向けて」ということで、各主体の連携・協働で、できるだけリスクコミュニケーション、あるいはリスクに対する感性を高めていくような取組をしていくことが、かなり明確に文言になっております。

 ぜひ、そのような内容も、後ろの92ページの辺りに、基本的な情報の中に少し採用していただくなり、最後に化学物質のことが書いてあるところですが、本当はその前のところにどんどん入れ込んでいただくのもありがたいですが、最低限、そういうところに押さえていただければありがたいというふうに思っております。

 最後の点ですけれども、今、東京2020のオリンピック・パラリンピックに際しての持続可能性の運営、計画づくりというのに参加をしております。それで、前回、この会議のときにも、調達などが非常に新しい視点で今、話し合っているのを入れていただきたいということでお話ししたところ、38ページのところに、かなり調達のことを明確に書いていただいています。これ自身は大変ありがたいと思っております。

 それで、その後、今、運営計画の第2版というのが6月に発表されることを目指して、今、五つの分野を明確に話し合っております。脱炭素に向かう、ゼロ・ウェイストに向かう、自然共生都市、そして人権・労働に配慮、参加・協働、この5分野ですね、今話したのは、まだ最終決定ではなく、今、素案として出ているものですけれども、こういう中で話し合いを進めております。

 かなり人権・労働などは、今までの日本の活動の中では少ない分野ではないかなというふうに思っております。IOCとか国連とか、そういう流れと連携しながら今つくっているところですが、ぜひその辺を、例えば19ページ辺りの前のほうの、どういうふうに実現させていくかという、そういうような方向性の中に、その全体像を入れていただくとか、そういうのはいかがかと思います。これは、オリンピック・パラリンピックは一時的なものですが、それが終わってから、東京都がしっかり引き継いでレガシーとして取り組んでいく、あるいは東京都だけではなく、日本全体や世界に発信するという、そういうようなことを目指してやっておりますので、ぜひ、方向性として入れていただいたほうが、前に進む意欲というのが明確に出るのではないかなと感じました。よろしくお願いします。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それでは、谷川説明員、お願いいたします。

○谷川説明員 具体的な施策について、体系的・網羅的に記述いただき、ありがとうございます。

 本日、何点か申し上げたいと思いますが、時間も限られておりますので、後日、意見を提出させていただきたいと思います。

 まず、第1部、第1章、4ページの1行目でございます。「循環型社会の形成に向けた進展の停滞」という記載がございます。循環型社会形成に長く取り組んできた経済界といたしましては、リサイクルやリデュース、最終処分量の減少というものは、そろそろ限界に来ていると認識しております。ここでは、停滞という言葉ではなく、「限界が近づきつつある」という記述のほうがしっくりくると思いますので、ご検討をいただきたいと思います。

 他方、不法投棄や不適正処理の撲滅といったものは犯罪行為でございますので、限界と位置づけることは適切ではないということを申し添えます。

 続いて、第2章の3でございます。8ページから9ページにかけまして、SDGsに関する考え方の記述がございます。これまで繰り返し申し上げてまいりましたが、持続可能な開発のための2030アジェンダに記載をされた内容に基づいて記述をいただきたいと思いますし、今回、参考資料6-1としてお配りをいただいております、持続可能な開発目標実施指針と整合性をとった記述をいただきたいと思っています。

 具体的には、35行目から37行目にかけまして、「環境が全ての根底にあり、その基盤上に持続可能な経済活動や社会活動が依存している」と記述されていますが、これにつきましては、2030アジェンダには記載がないと理解をしております。

 このSDGsのゴールとターゲットの間の関連性につきましては、アジェンダの前文にございます、「SDGsの目標とターゲットは統合された不可分なものであり、持続可能な開発の3側面を調和させるものである」と差しかえていただいてはどうかと思います。

 また、実施指針におきましても、「環境・経済・社会の統合的な向上に言及した環境基本計画や地球温暖化対策計画が2030アジェンダに沿った取組」と記述をされているところです。

 続く、「プラネタリー・バウンダリーの考えと合致する」という記述につきましても、SDGsとは関係ない記述でございますし、SDGsの考え方の活用に記載するにふさわしくはないと思ってございます。先ほど申し上げました修正を施していただければ、ここは必要のない記述であると思いますので、削除をいただければと思います。

 9ページに、「SDGsは「バックキャスティング」の考え方を採用している」と、アジェンダの記載にない説明は避けていただきたいと思っております。ここでは、「あるべき理想の姿を目標に掲げて取り組み」ということを説明されたいと思っておりますので、この「バックキャスティング」という言葉がなくても意味は通じると考えております。むしろ、この記述があることで、特定の数値目標からバックキャストをし、硬直的な進捗管理を行うように誤解を生む表現であると思っております。

 続いて、第2部の第2章、持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築について何点か申し上げたいと思います。

 20ページの6行目に「資源生産性や炭素生産性の向上を目指す」との記述がございます。この指標につきましては、産業・エネルギー構造をはじめ、国情の影響を受けるものでございます。こうした国情を考慮することなく、単純に数字の多寡を評価するということが適当ではないと思っています。

 また、例えば炭素生産性につきましても、CO2が増加しても炭素生産性が向上することがあれば、それは、問題ないのかとも疑問として思うところです。目指すべきとしているものは炭素生産性や資源生産性の向上ではなく、グリーンな経済システムの構築のはずですので、「資源生産性や炭素生産性の向上」という文言は削除いただければと思っています。

 関連して、第1部第1章にも炭素生産性に関する記述がございますが、同様の趣旨で国際比較をすることは不適切と考えますので削除をいただければと思います。

 21ページの(1)のタイトルにつきましては、本文の内容やそのすぐ下にある小見出しを踏まえますと、「企業戦略における環境ビジネスの拡大・環境配慮の主流化」という形で修文をいただいてはどうかと思います。

 22ページ目の1行目におきまして、「従来の大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした製造業のビジネスモデルを転換」という記述につきましては、これまでの経済界の努力を尊重いただきまして削除をいただきたいと思います。経済界としては、これまで循環型社会形成に向けて取組をしっかりと推進をしてきていると理解しております。

 20ページの16行目から17行目にかけましても、「国内資源の最大限の活用によって国際収支が改善、産業競争力が強化される」ということが記述されておりますが、このロジックにつきましては、やや単純化されていると思いますので、見直しをお願いしたいと思います。

 関連して、22ページの(2)のタイトルにつきましても、「省エネルギーの推進と国内資源の活用」といった他のタイトルと同様に取組ベースの表現にしていただいてはどうかと思います。

 24ページの「再生可能エネルギーの最大限の導入」につきましては、エネルギー政策との整合をとりまして、24ページの2行目の文末に「長期エネルギー需給見通して示された22~24%の拡大を図る」と加筆をいただければと思います。

 また、「国民負担の抑制を両立させながら」という記述を入れていただいた点は評価しているところでございます。他の再エネの最大限の導入の記述にも加筆をいただければと思います。

 25ページ、「循環資源の利活用、都市鉱山」の文中に、「資源生産性の高い産業を推進する」とございますが、これについて具体的にどのような産業を想定されているのかご教示をいただきたいと思います。一部、特定の産業を排除するのではないかといったような懸念もありますので、必要に応じて削除をお願いしたいと考えます。

 40ページにおきまして、「健全で豊かな水環境の維持・回復」という項目の中に、「水質対策を中心とする規制的な手法は施策の基盤として維持しつつ」という記載がございます。既存の施策制度についても効果的な制度のあり方について検討し、適切に見直しを図っていく視点も重要と考えております。ここにつきましては、「必要に応じて適切に見直しを図りつつ」と修文をいただきたいと思います。

 また、その後に続く、「生物の生息・生育環境の評価や改善を目指す施策」につきましては、「水域や地域の特性、事業の主体的な選択等に応じて検討する」と修文をいただいてはどうかと思います。

 最後、第3章、4の環境リスクの管理、53ページの③PM2.5・光化学オキシダント対策の推進の箇所に「経済的及び技術的考慮を払いつつ」と記載をいただいています。これは重要な視点と考えていますが、③に限るものではございませんので、環境リスクの管理の全体にかかるよう記載箇所を見直しいただきたいと思います。

 最後に、カーボンプライシングにつきましては、記載ぶりといたしまして、具体的な取組として地球温暖化対策計画に沿った記述となっていると思っていますので、記述についてはこれで十分であると考えております。

 以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それでは、白石委員、お願いします。

○白石委員 ありがとうございます。個別の点を何点か申し上げたいと思います。

 まず、7ページ目で、これは読みにくかったので修文をお願いしたいと思うのですけども、7ページ目の2段落目に、「企業が経営資源をイノベーション創出に向けられるよう」の後に、先ほど説明があった、率先して新たな雇用の創出と公正な移行云々の項目があるのですけども、ここの「企業が経営資源をイノベーション創出に向けられるよう」がどこまでかかるのかが非常にわかりにくく、全体の文章が曖昧になっているふうに感じますので、この辺、見直していただけたらなと思いました。

 それから、その前の前文ですけども、「経済成長や社会基盤の質の向上等を主たる目的とした取組が環境への負荷の増大につながらないような」という、何かもう少し積極的な表現がないのかなと感じを受けまして、全体のこの基本計画のトーンからすると、こういった取組が環境負荷を低減する方向に、低減するような形でイノベーションしていこうということだと思いますので、もう少し積極的な書きぶりがあるのかなと思いました。

 それから、41ページ、42ページの、「安全・安心な暮らしの基盤となる良好な生活環境の保全」というところですが、生活環境の保全というと、まず水の環境、大気の環境、土壌の環境等があると思うのですけども、ここに重要な視点であると思う大気の環境のことについて何も書かれていないということで、水と同様に健全な大気環境の保全と、ここで言う41ページの快適な環境の創出の中で、良好なかおり環境の創出とか、光害対策、光の対策の星空観察と書いてありますけども、こういうのも根本となるところの健全な大気の、要は、かおりは多分、大気だと無臭が望ましいと思うのですけども、そういった健全な環境の維持ということについても記載していただくか、あるいは新たな項目を立てていただくということが必要なのかなと感じました。

 それから、同じような大気関係ですけども、大気関係の記述が割と少ないと感じまして、89ページですが、これは個別の施策になるかと思うのですけども、「多様な有害物質による健康影響の防止」というところで、アスベスト対策と水銀大気排出対策という2点だけ取り上げられているのですけども、有害大気汚染物質等の、要は有害汚染物質の一番排出される媒体は大気ですので、そういったところの対策についても③として項目を立てていただきたいなと思いました。

 以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございました。

 豊岡委員、お願いいたします。

○豊岡委員 ありがとうございます。現状認識という点とか考え方は非常に共感できるものであると思いますが、取組についての8ページ、環境・経済・社会の統合的向上に向けた取組の具体化のときに、ここにちょっと問題があるかと思っております。というのが、この問題意識として、5行目の「分野別(縦割り)の重点分野を設定するという考え方とは異なり、特定の施策が複数の異なる課題をも統合的に解決するような、相互に連関し合う横断的かつ重点的な枠組を戦略的に設定することが必要」とあります。

 これはもう新しい概念と思いますし、非常に重要である、この肝になってくるのではないかと思っておりますけれども、現状が非常に取組においても、分野的に横断的であり、そして分断されているということで、教育においても環境教育と経済教育が一緒になっていないために、環境には詳しいけれども、それを事業化するときにファイナンシャルインテリジェンスが非常に低くて実現ができないというような問題であるとか、自治体にファイナンシャルインテリジェンスのわかる職員がいないために、事業が継続的にできないであるとか、団体も非常に環境意識は高いけれども事業が進められないであるとか、企業はやはり利益優先になってしまって、第一義的に利益を考えてしまうというような分断的な問題が出てきています。

 これを課題解決するということであれば、統合的に考えられる人材を各分野において広めていただかないと広がっていかないと考えます。

 そして、それが手法の中に入れていただきたいのですが、いろんな手法、それぞれ書いていただいております。この考え方なしに、この手法をとってもブレークスルーは起こらないと思います。

 経済的に、もし経済的手法においてインセンティブを与えても、やはりインセンティブ、利益優先で地域優先になっていなかったり、そういう統合的な、社会的な視点が抜けてしまったり、補助金を出しても、それが持続的に回らなかったりというような実情がございます。

 事業的手法で国とか地方公共団体が事業を進めることによって、とありますけれども、なかなか地方公共団体が事業を進めることのスキルが蓄積されていない。今まで地方公共団体は、そういうふうに事業するようにできていなかったというような側面もございますので、そこのスキルを上げていっていただくというようなマインドを少し変えていただかなければ、これは幾らパートナーシップを強化しても、幾らいろんな環境の視点を話し合っても、ブレークスルーや新たな展開というものは、パラダイムシフトの展開というものは起こらないと思っています。

 特に環境分野においては、ファイナンシャルインテリジェンスというところの視点が非常に低いというところの経済的側面を強化、新しいグリーン経済というものをつくっていけないということを考えると、この人材教育、非常にマインドのところを国と地方公共団体は、特に強化していただきたい。もしくは、強化するような何か手法をとっていただきたいというようなことを加味していただければと思います。

 それなしに一生懸命、おのおのの取組とかパートナーシップを幾ら強化しても、なかなかそういうグリーン経済を地方においてつくっていくということになっていかないと思いますので、ご一考いただければと思います。

 それともう一点、先ほど来ありましたSDGsのアジェンダにないもの、記述は避けるべきというような考え方がございますけれども、私はそうは思いませんで、我が国独自の取組をこれからつくっていかなければならない。そして、課題解決をしていかなければならないという現状においては、SDGsにとどまらず、もっと広い範囲で問題を捉えるべきというふうに思います。

 そして、再エネについても、「22%~24%」と記述すべきとありますけれども、炭素の排出の原因の80%以上がエネルギー由来ですので、これを最大限にしなければ脱炭素ということはあり得ないと思っておりますので、これはこのまま記載いただきたいと思います。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 安井委員、お願いいたします。

○安井委員 ありがとうございます。2カ所ございまして、1カ所目が8ページ目、9ページ目でございます。

 8ページ目は(2)でございますが、そこは地球環境部会でも色々と議論をさせていただいておりますけれども、そこに「我が国が遅れを取りつつあること」といった記述が真ん中、21行目にございますが、地球環境部会辺りの議論ですと、もっと深刻なのではないか。要するに、スタートを切れている企業の数はまだ100社ぐらいしかなくて、残りの企業はまだスタートすらしていないのではないかと、競争になってないというぐらいの認識でございますので、ぜひ、それをご考慮いただければと思う次第でございます。

 それから、次は(3)の持続可能、SDGsでございますけれども。ここは画期的なことに「SDGsは、17のゴール」と、それからもう一つ、「169の目標」とぜひ書いていただきたい。要するに、詳しい説明はいたしませんけれども、日本語だとゴールと目標の使い方が全く違うのだということをせめて公式文書でしっかりと書いていただきたいと思う、そういう思いがしております。 ゴールというのは、はっきり言えば、遠い最終到達地点みたいなものなので、そういうところを少し使い分けるという習慣をまず最初に、ここで示していただけると大変ありがたいと思います。

 その続きのところでございますけれども、さっきの「バックキャスティング」、私もそのバックキャスティングという言葉は非常に重要な言葉だと思っております。なぜならば、現時点は、本当にもう大きな変化をしなければいけないということでございます。もう唯一残された方法がバックキャスティングである。要するに、バックキャスティングができるという企業には投資をしていいけど、そうでない企業には投資するべきでないと、私自身そう思っておりますので、そういったものを、やはりここに記述するのが非常に意味があるのではないかというような気がいたします。

 もう一カ所目が22ページ目でございまして、先ほどのご指摘のとおりで、エネルギーの問題というのは非常に重要で、幾つもそういったことが22ページの(2)辺りに書かれております。しかしながら、一番重要なことが、実を言うとまだ抜けておりまして、それは一体何かといいますと、そもそもこういうことをやっていくと、国内の再生可能エネルギー等を使うことになって、そのエネルギー自給率が上がるのですね。そもそもそのエネルギー自給率というのは、多分、日本にとって上げることは悲願であるはずなので、大体どのぐらいのエネルギー自給率が達成できるか、そういった夢と現実をしっかり国民レベルで議論をしたい。そういうことがないと、私は50%と言っているのですけどね、50%のエネルギー自給率を達成するかどうか、それは書くことはないのですけど、そういった国民的議論をやはりやるというのが非常に重要ではないかと思う次第でございます。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 山極委員、お願いします。

○山極委員 パートナーシップというのは、今度の基本計画でも非常に大きな要素だと思います。ただ、このパートナーシップが国内と国際に分かれているのですね。国際というのがいかにもおざなりな感じがします。

 15ページから国内の「パートナーシップの充実・強化」というのが書かれていて、これは文句のつけようがなく、いいのですけれど、実は、環境・経済・社会を一体的にという話で、経済はもう、グローバルになってるのですよ。ですから、要するに国と国とのレベルでルールづくりをするというだけにとどまらず、いろんなレベルでパートナーシップを確立していかなくてはいけない。これはルールづくりに限らず、企業努力だとか、そういうものも必要になってくるのですね。エコロジカル・フットプリントという計算方法もあって、日本は相当大きなフットプリントを持っているわけですね。しかも、国際貿易によってそれをどんどん広げているという実態があるし、それから、もちろん海の汚染の問題があるし、それから、渡り鳥だとか、国を越えて動物が移動するという話もあって、さまざまなレベルで、さまざまな主体が、国を越えてパートナーシップを結ぶというのが目指されるべきですよ。

 ですから、この基本計画の中でパートナーシップを、国内だけではなくていろんなレベルで国際的にも広げていく、これが重要な観点だと思います。それを、実はずっと後ろのほう、47ページにかなり具体的に書いてありますけれども、これは理想であって、あまり具体性がない。

 それから、97ページにも少しだけ、「国レベルではなくて市民レベルでのパートナーシップを確立することが必要だ」、「協働体制を組むことが必要だ」と書いてあるのだけど、具体性が全然ないわけですよね。例えば、国内の問題にとどめるだけではなくて、15ページからのところに、「国際的なパートナーシップもこういうレベルで行うべきであって」というようなことを入れ込んでいったらいいのではないかという気がするのです。国内と国際とはっきり分けても、実際やることはもう既に、ABS条約にしてもそうだし、カルタヘナにしてもそうだし、もう既に個人や企業レベルでやることが、国際的にいろんな影響をもたらすことは明々白々ですね。だからぜひ、それをグローバルなレベルで展開していただきたいというのが私の意見です。よろしくお願いします。

○武内部会長 ありがとうございます。

 浅野委員、お願いします。

○浅野委員 大塚委員のご発言がありましたが、若干、私は意見を異にいたします。体系の最後の部分を2部の終わりに入れると、その前にある重点戦略を支える基盤的施策の記述とで重複感を与えてしまうという気がいたします。これはやっぱり、事務局案苦心の結果こうなったと思うので、これはこれでいいのではないかなという気がします。

 それから、定量的な目標については、前から言われていますけども、下手な目標を決めることはかえってよくないので、もし入れるなら相当慎重であることが必要だろうと思います。

 体系、手法のところは、これは大塚委員がおっしゃるとおりで、ずっと第三次計画ぐらいから言い続けていることですから、あまり毎回毎回変えるというのは好ましくない。

 それから、政策実現手法というのは、どういう文脈でこれを言っているのかということが、きちっと理解されていないような気もいたします。担う人を育てるというようなことは、別のところにしっかり書き込まれている上、ここで言う政策実現手法というのは、それらとはちょっと別のニュアンスだということをご理解いただく必要があると思います。

 この政策実現手法との関係で、あと3点ほどちょっと修正が必要かなと思うことを申し上げたいのですが、11ページのところの書き出しの部分、最後の部分ですが、各主体の適切な意思決定を促す政策手法というのが、実は六つですね。その次の最後のものは今回加筆したもので、それらとは違うものですから、そこにちょっと言い訳がましい表現になっていますけども、できることなら、今回は「ある政策目的の確実な実現を促す政策手法」といっ表現に直しておいたほうがいいと思います。

 それからもう一点。これは極めて細かいことであるわけですが、「地域循環共生圏」についての整理は非常によくできたと思います。これで、かなり今まで言われていたことがはっきりしてきたので、これはこれでいいと思いますが、18ページの33行目のところの、「地域資源の活用は肝だ」、これもそのとおりです。ただし、例えば「市民環境力」といった言い方で、相当前の環境基本計画でも言い続けてきたことですけども、地域資源活用のため大事なことは、何が地域資源であるかを再発見することから始めなければいけないということです。そのプロセスを飛ばして何かあるかのごとく言ってもしようがないので、これは「市民環境力」というキーワードを打ち出してきた当時から継続して協調されてきたことですから、「地域資源を再発見するとともにそれを活用する」という表現にしておいたほうが、政策の連続性が出てくると思います。

 それから、最後もう一点は、58ページの環境影響評価ですけども。この4行目、5行目に「累積的・複合的影響の低減に資するように、総合的に推進する」と書かれているので、これは、現在の環境影響評価制度の抱えている最大の課題を的確に表していると思いますけども、実はこの点は、推進しようにも制度的に限界に来ていて、どうにもならない面があるのです。ですから、むしろここはできることなら、「制度のあり方の見直しも含めて考える」という一言を入れていただきたいと思います。

 それとの関係では、各論で出てくる環境影響評価のところも同じようなことがあるのですけど、そこは欲張りませんけども、累積的影響というのは、複数の事業がある環境にどういう影響を及ぼすかを考えるということです。

 今のアセスメント制度は、1事業単位にアセスをやるようになっていますから、隣でやる事業の影響についてはなかなか的確に検討することができないという問題があるわけです。だから、ここをしっかりやるためには、実は今の事業アセスの枠組みには限界があるのですね。

 現在、風力発電などについて環境省が準備をしているのは、あるブロックを全部総括的に捉えて、ここにどのぐらいの施設を入れる余地があるのか、環境面から考えて、地割りを決めてしまえということを検討しているのですけども、こういうことがもしできるなら、多分、今の制度の配慮書手続きを省略できる可能性も出てきますし、累積影響の評価も容易になる可能性がでてきます。ということは、つまり今のアセス法の制度の構造を変えなければいけないようなことに必ずつながってくると思うのですが、そのことに、もうそろそろ取り組むべき時期に来ていると思いますから、この58ページのところには、ぜひ「制度の見直し」ということを入れていただきたいというお願いを申し上げました。

○武内部会長 ありがとうございました。

 石田委員、お願いします。

○石田委員 本日は、3点発言させていただきます。

 まず、10ページの「予防的な取組方法の考え方」ついて申し上げます。

 予防的取組について検討する場合にも、やはり経済性の視点は非常に重要だと考えております。つきましては、31行目に「費用対効果の高い」といった言葉を加筆して、経済性の視点を盛り込んでいただきたいと思います。

 次に、22ページでございます。「我が国の優れたグリーン製品・サービス・環境インフラの輸出の促進」について、コメントいたします。

 こちらの文章、我が国技術の拡大を図るチャンスだとしておりますが、その促進はインフラ輸出のみ記述されております。

 例えば、環境物品協定の早期妥結を加筆するなど、タイトルと整合した文章をご検討いただければと思います。

 3番目でございます。47ページ、「国際的なルール作りへの積極的な関与」でございます。

 この記述は大変重要であり、評価したいと考えております。

 しかしながら、かねてから申し上げているように、実効性と国際的な公平性を確保する視点、こちらが欠かせないと思います。15行目にある「客観的データや科学的根拠に立脚した議論」、こちらに加えて、「実効性とイコールフィッティングなど、国際的な公平性を確保する視点」、こちらの重要性を明記していただきたいと思います。

 以上、3点について発言いたしました。ありがとうございます。

○武内部会長 ありがとうございました。

 井田委員、お願いします。

○井田委員 ありがとうございます。

 いつも言いたいことを言って批判ばかりですので、今日は評価していいかなと思った点からお話ししようかと思います。

 最も重要なことは、我々、文明の転換点に立っていて、パラダイムシフトに直面しているのだということが示されたというのは、いいことではないかと思います。

 具体的に言うと、まず、3ページの12行目辺りですか、非常に大きなリスクになっていると。気候変動のリスクだけではなくて、それに伴う大きなリスクを抱えているのだということが表明されたことというのが非常にいいことかなと思います。

 あと、4ページにいきますと、いろいろ議論のあったところですけども、プラネタリー・バウンダリーであるとか、地球の限界というのがきちんとここに示されているというのは非常にいいことであると思いますし、6ページの12行目辺りですね、パラダイムシフトのことに触れられている、現代文明の転換点にあるということが書いてあるというのは、非常にいいことかなと思います。

 また、その8ページの(2)でも似たようなところですけども、我々、非常に大きなリスクに直面しているのだというようなところ、危機感というのが徐々に見えてきたかなというのは、評価すべき点かなというふうに思います。

 その下の(3)のSDGsのところですが、これはもし私が記者で、この環境基本計画が、こういうのがまとまりましたと書くのであれば、ここをポイントにするだろうなと思うぐらい重要なポイントでありまして、SDGsの考え方の活用というのは非常に重要なことが書かれていると思います。

 この中で、私、たしか一番最初にロックストロームのウエディングケーキの話に触れて、この点を指摘したと思うのですけども、ここに書いてあるとおり、環境が全ての基本にあって、その上にさまざまなものが並んでいるのだというような考え方というのは、これはもう、世界の人々、SDGsの統合性というのを考えたときに、世界の多くの研究者の基本になっているというふうに思います。それをウエディングケーキというか、三角形、ピラミッドでいうかというのはともかくとして、重要なので、これがここに書いてあるというのは非常に重要なことかなというふうに思います。

 少し議論があったのですけど、2030年アジェンダに書いてあることをそのままここに書くのだったら、我々ここで何の議論をしている意味というのはないわけで、豊岡先生がおっしゃるように、我々なりにSDGsというのをどう捉えるかというのを、ここにきちんと書くべきであるというふうに思います。

 環境を犠牲にしてきて、経済を重視して、環境を犠牲にしてきて大量生産・大量消費をしてきたから、こんなことになったのだということではないかという認識を明確にするという点でも、「環境が全ての根底にあり、その基盤上に経済活動や社会生活が依存している」ということも示されているというこの一文は、私は非常に重要なことだと思うし、いいことかなというふうに思います。

 と、少し持ち上げておいた上で足りないことというのを申し上げると、やっぱりまだ、この前も申し上げましたが、まだ危機感というのが不十分かなというふうに思うのですね。これをぱっと見て、1行目に「複合的な危機や課題に直面している」と書いてあるのだけども、これを読んだだけで、どれだけの危機感というのが、これを読んだ人に伝わってくるかというと、まだ不十分だというふうに私は思います。

 ここは、この「はじめに」というところで明確に示されるのかなと思っておりまして、その辺のことを伺いたいというふうに思います。

 あと、個別のことですが、私が気候変動問題を長くやっているもので、気になる51ページのところにいきますと、頭のところでもそうですけども、大塚先生はカーボンプライシングへの言及があるだけでも重要だというようなことをおっしゃっています。それは今の政治状況というのを反映して、そうかなと思うのですけども、やはり何度も申し上げているように、SDGs後、パリ協定後、初めてつくられる環境基本計画ですから、もっとカーボンプライシングというものに踏み込んだ表現というのがあるべきではないかというふうに思います。

 その次、52ページの頭のところ辺りですけども、これは国の目標として0.37kg-CO2をというのを書くと、こういうことかなと思うのですけども、多分この基本計画というのは50年を見据えたものだったら、もっと石炭火力をどうするのだと、石炭火力をやめるというようなことに、もう少し踏み込んだ表現というのがあってもいいかと思います。

 それからもう一つ、この前、私、地球環境部会の委員もやっておりまして、臨時委員もやらせていただいて、この前、フロンのことでかなり厳しいことを申し上げたのですけども、頭のところに代替フロンをどうするかと書いてあるのですけども、この気候変動対策のところに代替フロンをどうするかというのが全然書いていない。回収30数%ですね。70%の達成なんて、もう夢の夢です。今までの地球環境部会では、これは日本環境政策上の大きな誤りだと申し上げたのですけども、ここに代替フロンをどうするのかを書くべきかと思います。

 前後して恐縮ですけど、6ページのところで、私が気になるのは、「現状維持バイアスに陥ることなく」という表現でありまして、これはちょっとあまりにもわからないような、わからないのがいいのかなと思うのですけども、「これまでどおりのことをやっていては駄目」というふうに、もっと明確に書いたほうがいいかなと思います。

 それ、また似たようなところが書いてあるのが、この8ページの、「パラダイムシフトが地球規模で発生することが想定される」と書いてあるのですけども、私の認識では、もうこれは既に起こっていることなので、「地球規模で発生している」という現実に即したものにすべきかと思います。

 安井先生がご指摘のように、遅れは深刻だというようなことが書いてあるのですけども、まだまだこれでは不十分であると思っておりまして、この辺ももう少し厳しい書き方をしたほうがいいのではないかと思います。

 ちょっと長くなってしまいましたが、経団連の方より2分ほど短かったようなので、勘弁していただきたいなと思います。

○武内部会長 ありがとうございます。

 岸上委員、お願いいたします。

○岸上委員 ありがとうございます。私、会計士でございまして、実は昨日、仕事をしていて、これを見始めたのが夜の12時ごろということで、完全にあまり見切れていない状態で、少し的外れなことがあるかもしれませんが、あらかじめお詫び申し上げます。

 まず、最初にですが、情報開示の重要性ということを基本的なコメントとしてさせていただきまして、そこを実は検索して、幾つか盛り込まれていたことについて御礼申し上げます。

 ただ、少しそこの部分が若干わかりにくくなってしまっているかなということを懸念しておりまして、例えばですけれども、16ページの「パートナーシップの充実・強化」の中の事業者のくだりがございます。

 ここで、「バリューチェーン全体を見渡した取組を自主的、積極的に進めることが期待される」ですとか、「期待される」という言葉で文章が終わっているのですけれども、取組をやっている会社さんは相当やっていらっしゃって、それを開示して、PDCAに乗せて努力していらっしゃるというのが、ここ数年の展開かなと思っておりますので、少しその辺も配慮したご認識をいただければなと思います。

 気づいていないところは気づいていないということで、そこを広げる必要があるといった状況なのかなと認識を持ってございます。

 あと、情報開示に関してですけれども、実は2月28日と3月1日の午前中に、国際コーポレート・ガバナンス・ネットワークという組織と、IIRC統合報告の国際的な組織が共同で、東京でカンファレンスを実施いたします。日本語でのリリースが遅れてしまっていて申し訳ないのですけれども、しかも300ポンドかかるということで、皆様にはご負担で申し訳ないのですが、海外投資家が日本企業の報告をどのように見ているのかという面では、参考になろうかなと思いますので、ご興味のある方々にはお声がけをお願いできればと考えております。

 それから、SDGsに関する、環境が全て中心になっているということについて、皆様、いろいろご発言いただきまして、これは非常に重要なことなのかなと考えます。

 しかしながら、今の記述ですと、環境省が全てそれをやるのかというような、少し印象を持たざるを得なくて、やはり全ての基礎にはなっているけれども、やはり重点的なところはこれとこれ、というような記載でないと、例えば参考資料の6-2にありますように、各省庁でいろいろな取組を行っていく分担表との整合性とか、そういう部分が少し見えにくくなるのかなというふうに感じております。

 ですので、そういうことを工夫していただいて、そうすると少し、全部やります、頑張りますと、何かあまりどこをやるのか、やらないのか、わからなくなってしまうのかなというような印象を持ちましたので、ちょっとその辺工夫をお願いできればと思っております。

 すみません。読み足りなくて。以上になります。よろしくお願いいたします。

○武内部会長 ありがとうございました。

 木下委員、お願いいたします。

○木下委員 ありがとうございます。2点申し上げたいと思います。

 一つは、今回の素案の中で、第五次基本計画の中の重点戦略設定の考え方の中に「地域循環共生圏の創造」ということを取り上げていただいたことについて、評価をしたいと思います。ぜひ、このような考え方の具体化をしていくことが、非常に重要だと考えております。

 もう一点は、新しい森林税の創設について触れられておりません。平成36年度からということで言及されていないかもしれませんけれども、それまでの間は譲与税特会との関連でさまざまな事業が実施されると聞いております。ぜひ第五次基本計画の中で、そのような取組についても記述されるよう、お願いしたいと思います。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございます。

 小林委員、お願いいたします。

○小林委員 ありがとうございます。まずは本文素案の作成、大変お疲れさまでした。全体の流れとしまして、「環境と経済と社会のバランス」を考慮いただいた内容になっているという印象でございます。また、広い範囲の項目についてカバーされているという印象もあります。

 他方、一般の方々にわかりづらい専門用語、例えば「社会」という言葉をとってみても、6ページ、7ページに「持続可能な社会」や「循環共生型社会」など幾つか出てきています。また、新たにつくられたであろう用語が幾つか見受けられます。これも、例えば32ページの「SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業」等々です。用語の整理を再度お願いしたいのと、一般の人にもわかるような説明を、ぜひともお願いしたいと思います。

 次に細かい部分で何点か、コメントさせていただきます。

 まず1点目でございます。21ページの29行目以降に「経済・社会のグリーン化を牽引する人材、すなわち、環境人材を企業内外で育成するための取組を促進する」という内容を盛り込んでいただいたことに深く感謝を申し上げます。ありがとうございました。

 2点目でございます。22ページの25行目以降でございます。「徹底した省エネルギーの推進」部分です。特に31行目以降に「中小企業等の省エネルギー取組をきめ細かに支援していく」とありますが、具体的には省エネルギーに取り組む中小企業の「掘り起こし」から、生産ラインの運用改善、また設備投資への取組等まで、幅広く具体的にご支援をお願いできればと思います。

 3点目でございます。40ページの17行目以降にある「国産材の消費行動の適正化の推進」部分でございます。ここでは「CLTや耐火部材」の活用が「都市部等」という表現があります。地産地消の観点も踏まえれば、この「等」の中には地方の小都市部も含まれているという認識でよろしいのか質問させていただきます。国産材は公共建築物だけでなく、可能な限り「地域の中核施設」などにも活用されるよう、その仕組みづくり等についても、ぜひともご支援いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 4点目でございます。30ページの中段の「レジリエンスの向上」部分についてでございます。その中の25行目以降に「分散型エネルギーとして再生可能エネルギーを最大限導入することで、災害が生じた際も」という記載がございますが、災害発生時は必ずしも再生可能エネルギーが運転可能な条件にあるとは限りません。平時にさえも、再生可能エネルギーの不安定性や不確実性が一部課題になっているという事実もあることから、「再生可能エネルギーと蓄電池やコージェネ等との高効率で運用最適なシステムを構築することで」などの表現に書き換えていただければと思います。それによって国土強靱化と低炭素化の整合性がとれると考えております。

 5点目でございます。第3章の52ページ、2行目以降のエネルギー政策に言及している部分でございます。その内容については、エネルギー政策の基本概念であります「S+3E」の考えにのっとった記載にするべきだと思っております。既にご案内のことだと思いますけれども、ほぼ同じスケジュールで、エネルギー基本計画の見直し議論が経済産業省の審議会で行われています。これも何度か意見させていただきましたが、引き続き経済産業省との連携により、エネルギー基本計画との整合性を図るようにお願いいたします。

 最後でございます。21ページの21行目の「企業版2℃目標(SBT)」という部分でございます。まず、この「企業版2℃目標」という用語自体、私は初めて聞いた言葉でありまして、「SBT」は聞いたことがございますけれども、日本語表記は初めて聞いた言葉でございます。新しく造られた用語でしょうか、質問でございます。このSBTの取組に反対しているわけではございませんが、現在のSBTとして認定される条件及び取り組まれている企業を見てみると、必ずしもどの業態でも目標設定できるわけではないという認識です。また、企業規模で言うと中小企業にとっては、まだまだ取り組むべき俎上にはないと思っております。よって、この「企業版2℃目標」部分については丁寧な議論の上で表記していただきたく、ぜひともお願いしたいと思います。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 末吉委員、お願いします。

○末吉委員 ありがとうございます。まず最初に、大変な作業に感謝申し上げます。

 その上で幾つか申し上げたいのですけれども、今回の計画が向こう、例えば5年間にわたるとすれば、これは誰しもが想像されると思うのですが、これからの5年間は大きな転換期である。そういう認識に立てば、今回の計画はこれまでと相当異なって、先取り精神が非常に重要になってくる。あえて言えば、過去の延長線上のような計画では全く意味をなさないと思っております。

 ですから、今回の計画は、日本を目指すべき脱炭素社会、あるいは脱炭素経済に導いていく中身、私の言葉で言えば、そういう覚悟をちゃんと書くような計画になってほしいと思っております。

 そういったことで、3点申し上げます。

 まず一つは、環境と経済と社会の関係です。同時解決とかWin-Winとか、きれいに書いてあるのですけれども、これは相当先の話だと思います。その前に、恐らく相当のフリクションが起きる、この三つの関係でですね。あえて申し上げれば、環境がこれまでの経済と、これまでの社会のあり方を大きく変えていく。言葉で言えば破壊だと思います。はやりの英語の言葉で言えば、ディスラプション、創造的破壊。こういったことが避けられないと思います。

 ですから、そういったことをちゃんと受け入れて、創造的破壊の後にWin-Winの関係を築くのだ、そう言ったようなことを私はもっと明記すべきだと思います。そのためには、環境と社会と経済がそれぞれのサイロから出て、本当に融合して総合的な政策が日本の中に生み出される、そういったことを目指すべきだと思います。

 それから、2番目はカーボンプライシングですけれども、私の理解では、カーボンプライシングには二つのカーボンプライシングがあると思っております。狭義のカーボンプライシングは、いわゆるキャップ&トレードで使われるカーボンプライシングですけれども、私が金融から見ている世界の動きを見ますと、広義の意味でのカーボンプライシングが今色んなところで進んでおります。

 つまり、カーボンのリスクとオポチュニティを貨幣価値で表現して、貨幣価値として管理、コントロールしていこうということであります。このことは、企業にとってみれば、先ほど岸上委員がおっしゃったとおり、情報開示の中身が貨幣価値と、つまり財務データとして気候変動リスクなどを表現して、それで金融機関とか社会と交流して、いろんなことをやっていく、そういう話が始まったと思います。

 私の言葉で言えば、世界が恐らく新しいプライスメカニズムをつくり始めているのだと、カーボンプライシングを取り込んでですね。そういった流れに日本だけがノーを言えるわけがないですよね。日本がノーを言った途端、日本だけが蚊帳の外に置かれる。でも、日本の企業や産業は海外マーケットで本当にビジネスをしているわけですから、海外が取り組む新しい企業の価値を表現する、リスクを表現する、こういった流れに入れない、入らない、そんなことはあり得ないと思います。

 ですから、ぜひこのことは、広い意味でのカーボンプライシング、当然そこで要求されるのは、フェアなカーボンプライシングを何によってつくっていくのかとしたら、やはり今、世界がやっているようなキャップ&トレードになってくる、そういう関係ではないかと思います。

 ですから、単純に重要な役割を認識したという話ではなくて、既に日本企業の外堀が新しいカーボンプライシングのシステムで埋められ始めているのだと、そうした危機感を持つべきではないでしょうか。

 3番目は、石炭火力発電です。議論すべき視点はたくさんあると思いますけれども、私からは二、三、申し上げます。

 一つは、マーク・カーニー、イギリスの中銀総裁が言った三つのリスクですよね。物理的リスク、これは自然災害です。それから移行リスク、経済価値が失われて座礁資産化する。それから三つ目が訴訟リスク、これはCO2とか大気汚染です。この三つのリスクが間違いなく顕在する可能性が極めて高いというのが、石炭火力発電所ではないか。

 それから二つ目は、そういったことが世界の中で日本の評判を落としております。そのことが、日本企業が海外でビジネスをしていく上での非常に障害になり始めている。そういったこともしっかり認識すべきだと思います。

 それから、これは海外の人がよく言っていますけれども、何で20世紀の技術に今まで以上に注力するのだと。21世紀が求める技術に日本は集中して世界をリードすべきじゃないか。もう全くそのとおりだと思いますし、それからもう一つ重要なのは、世界と価値観、海外の言葉ではジャスティスですよね、こういったことを共有すべき。そういったことから考えますと、石炭火力のあり方は大きな転換点を迎えている。少なくとも、そういう問題点を認識、提起すべきだと思っております。

 私の話はそれだけであります。どうもありがとうございました。

○武内部会長 ありがとうございました。

 高間委員、お願いいたします。

○高間委員 やはり今回のこの案で一番大事なことは、やっぱり危機感の共有というものをどのようにしていくかということだと思っていて、その点から言うと、幾つか厳しい意見もあったのですけど、結構、頑張っていただいていると認識を持っております。

 ただ、やっぱり今の危機感というのは相当にあって、しかもその中で、特に経済と環境の両立ということを一番、言ってみれば先陣を切るべき我が国の現状というのはどうなのかということで言うと、結構、驚くのですけど、2ページの27行目に「現在は世界のトップレベルとは言えない状況となっている」ということが、何となく結論みたいに出てくるのですけど、そうではなくて、これこそがもともとの出発点で、いわば経済との両立ということを標榜しているところが、まさに生産性に直結するような、そこの面でも遅れをとっているということは、物すごく危機的な状況ではないかという認識から言えば、もう本当に1ページ目のAIとかモノのインターネット化というような世界的な状況の中において、日本はまさにそういうところにあるという意味から言えば、もう少し危機感を強調できるセンテンスの中に入るのではないかと思いました。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 田中里沙委員、お願いします。

○田中(里)委員 田中です。

 今回の第五次環境基本計画を一言で言うと、目玉は何かというのをちょっと考えたところ、やはり、総論的に書かれた丁寧なものなので難しい、一言では言いにくいと思いますけれども、象徴的なことは、やはり環境をベースにした新たな成長を志向していくということになるかと思いますので、これを実現するには課題の認識を共有していくということと、あと価値観の転換をしていくということになるかと思いますので、全ての主体への働きかけに力を入れるというか、そこがやっぱり重要なのかなと感じておりました。

 色々書いてもいただいているのですけど、4ページとか5ページ、4ページの例えば33行目には、思考を止めたりとか、悲観するなと。あと、見方を変えればチャンスだというふうに書かれているのですけれども、これだけですと、やはり物事は動かないので、チャンスと捉えて理想に向かうためにも、普及啓発や、広報による情報共有も含んで、あらゆる主体が当事者意識を持てるような、国民参加を醸成するとか、理解を深めてもらう取組を通して実現していくということが、冒頭のところなのか、5ページのところなのか、あるいは別のところなのか、少しそういう記述があってもいいのかなということを思いました。

 それにつながってくるのが、15ページから始まるパートナーシップのところですけれども、それぞれの主体が何をすべきかということが大変コンパクトに書かれて、大いに参考になるところと思うのですけれども、全てが「期待される」「期待される」「期待される」という文末の締めくくりがありますけれども、これはやっぱり、期待されるためにも、アクションが生まれるような流れをとるためにも、15ページの冒頭のところで、例えば、15ページの20行目ぐらいのそれぞれの役割が明らかにされたところで、「互いの情報共有にまた力を入れることで総合的な発展を目指す」とか、そういうことがあったほうがいいのかなと思いました。

 17ページの28行目から、具体的な施策の一つとしてはあるのですけれども、この重要視している面が冒頭の部分にあったほうがいいのかなということを、少し想像いたしましたので、ご検討いただければと思います。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございます。

 棚橋委員、お願いします。

○棚橋委員 ありがとうございます。環境教育のことで、少しだけお話ししたいと思います。

 13ページ、先ほど崎田委員からご指摘のあったところです。6行目に「このほかにも、環境教育・学習等」と、あまりにも取ってつけたような表現がここにあるのですが、その下に書かれていることとのつながりは、あまりないように思われます。

 以前もお話ししたと思うのですが、環境教育、人材育成ということが、様々な事業を進める上でとても重要なことだと思います。先日の別の会議で他の方から、今の若者の環境離れということをお話しされた方がいらっしゃいました。また、教育現場におりますけれども、子どもたちの学びの中でも、以前のように、例えばオゾンホールのことですとか、環境全体のリスクのこととか、子どもたちの知識がすごく減っています。

 そういった意味では、ここに、「人材育成の手法」というような項目を起こしていただいて、環境教育促進法もありますので、ESDやSDGsのゴール4にESDは書かれていることも含めて示していただきたいと思います。

 それから関連しまして、59ページに、「(3)環境教育・環境学習等の推進」ということが書かれておりますけれども、①②③の中で、①は体験の機会、それから②番は参加を通した学びの推進。確かに環境省の事業としては、こういったことが重要なことは理解していますが、実際のところはESDや環境教育の実践の中では、体験で留まることなく、学びとして育成する能力・態度も踏まえた指導を行っています。ここに是非、「学びの深化と充実」というような項目を起こしていただいて、持続可能な社会をつくっていく価値観を今の若い子どもたちに育てていくと。それからまた、問題解決に向けた能力態度の育成を図っていくということを、示していただけたらと思います。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 三浦委員、お願いいたします。

○三浦委員 ありがとうございます。まずは7ページ目、これは白石委員も指摘されていたのですが、19行目の「このため」と、22行目の「このため」という、その関連性が非常にわかりにくいので整理をしていただきたい。この22行目の「このため」から始まる行が8行にもわたっており、この中に企業のインセンティブ、あるいは教育と、さまざまなものが詰め込まれているので、少し整理をしていただきたい。

 次に15ページ目、「パートナーシップの充実・強化」の中の国ということで、国の役割として、「関係省庁との連携」は非常に重要なのではないかなということで、それを一文加えていただきたい。

 といいますのは、次、23ページ目、4行目から物流分野におけるサプライチェーンの話が出てきますが、これは非常に重要だと思っていまして、昨年の7月に総合物流の政策大綱が閣議決定しているのですが、その項目の中に環境要因が何も入っていない。経産省と環境省が、物流に対する今後のあり方を議論する機会がなかったのかと感じまして、そういう意味では、ほかの省庁との連携は重要であるというふうに考えた次第です。

 同様に、29ページ目の「持続可能で魅力あるまちづくり・地域づくり」というところで、1992年に生産緑地制度が制定されて、30年間は営農が義務であったのですけれども、2022年にこの営農義務が解除されます。そうなると都心部において、かなり空き地だとか放棄地が出てくると危惧されています。

 これについてもいろんな議論がスタートしていますけれども、環境省の意見だとか、今後の方針が、見えてこないので国交省との議論をするなかで環境のあり方について深掘りしていただければと思っております。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 諸富委員、お願いいたします。

○諸富委員 ありがとうございます。全体を通じまして、非常に体系的に整理されて、読みやすい文章になっているかと思います。特に、重点戦略に即して政策が整理されたことで、大変魅力的な中身になっているというふうに思います。

 あと、何人かの委員の皆様がご指摘のように、環境と経済をこれまで対立的に考える傾向がありましたし、まだその考え方は強いのですけれども、その社会とあわせて、環境と経済の統合という視点で全編を貫いて執筆されたという点も高く評価したいと思います。

 環境政策は、その意味では、環境政策自体が経済政策であり、産業政策であるという側面を実際、持っておりますので、そういった視点が今後、非常に環境政策においても重要になっていくということが、ここから浮かび上がってくるというふうに感想を持ちました。

 細かい点としましては、やはり、その2ページの後半の辺りから、その炭素生産性及びエネルギー生産性に関する記述、それからカーボンプライシングに関する記述をしっかり書いていただいたわけでして、この炭素生産性、エネルギー生産性については削除という議論もありましたが、私は、これは削除どころか、これは議論の出発点として、むしろ強調されるべきではないかと思います。

 これは残念ながら、この炭素生産性がほとんど向上していない、この間、過去20年間の間に、ずっと他国に対して、むしろ劣後していっているという現状、これは大変残念ですけれども、その見たくない現実から目を背けるのではなくて、むしろ、それは環境政策の我々の出発点として、やはり、きちっと認識をしていかなければいけないと思います。

 これはエネルギー生産性を向上させるということができていないということは、省エネが進んでいない、思ったほど進んでいない、あるいは、付加価値を増大させることに残念ながら、日本経済あるいは産業が成功していないという結果でもございますし、それは内閣を中心として、どうやって生産性を、日本経済の生産性を引き上げるかという議論を、今やっていることとちょっとパラレルな議論でもございますし、日本政府全体の課題として、これは取り組まれるべき課題ではないかと思います。

 その観点で、カーボンプライシングというものが生産性を引き上げていく上での一つの手法になり得るのではないかという観点から、ここにカーボンプライシングが記述されているのは非常に妥当なものだというふうに思います。

 この点につきましても、過去10年、日本でも排出量取引をめぐっては10年前に随分議論をしたわけですけれども、日本はそこで導入しなかったのですが、この10年の間に既に導入国は、例えば炭素税に関しましても100ユーロを超える税率水準に引き上げていく、例えばスウェーデンだとかフランスだとかですね。あるいは、新たに中国やカナダのように新規でカーボンプライシングを導入している国が次々と出てきているところで、カーボンプライシングの手法の活用という点でも、日本は劣後しつつあるという点について、これも客観的な事実であり、炭素生産性、エネルギー生産性も、主観的なものであれば削除ということもあり得るにしても、これはあくまでも客観的データに基づく客観的な記述でありますので、これはぜひ、残されるべきだと考えます。

 最後に、51ページ、52ページでしょうかね、石炭についてはっきり書いていただいたのは大変よかったと思います。これについても、カーボンプライシングとも密接に連関する論点ではございますが、環境アセスメントで環境大臣意見書が最近、また中国電力に対しても出されておりますけれども、仮に新しい新設と、仮にそれが必要だとしても、きちっと既存のものとスクラップ・アンド・ビルドさせて、最悪でも総量が増えない、あるいは、むしろ新設するということであれば効率性は高いわけですから、純減のほうに向けて持っていくべきだというようなことをはっきり打ち出すということについて、私も賛成でございます。

 以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございました。

 髙村ゆかり委員、お願いします。

○髙村(ゆ)委員 ありがとうございます。幾つか申し上げたいと思いますけれども、基本的には環境基本計画についての意見聴取を含めて議論してきた内容を踏まえてまとめていただいていると思っております。重点戦略の柱を初めとして、基本的にはこの記載の構造については、これを維持する形で、中身について、より精査していただきたいというふうに思っております。

 何人かの委員からもございましたけれども、前回の環境基本計画からの、やはり大きな変化、変わった点といいましょうか、踏まえなければいけない変化が何かというと、恐らくそれは、グローバルなレベルでの環境・生態系の変化というのが、私たちのやはり生存基盤、経済活動を揺るがす規模にまで大きくなってきているという認識だと思います。それを具体的に表したのが、カーボンの世界ではパリ協定だと思います。今回、8月以降のこの部会の中でも、特にサイエンティストの委員の先生方からご指摘がありましたが、こうした危機感というのをきちんと共有できる環境基本計画でないといけないのではないかというふうに思います。

 その意味で、基本的によくまとめてくださっているというふうに思いますが、特に私は、プラネタリー・バウンダリーの指摘というのは、ぜひ残していただきたいと思っております。パリ協定のところでも記載をされている炭素予算、カーボンバジェットというコンセプトともつながってまいりますけれども、これは科学から打ち出された一つのコンセプト、コンセプションでもあるわけですが、同時に、なぜ残していただきたいかというと、これはSDGsも採択後のいろんな展開を踏まえて、こうしたそのプラネタリー・バウンダリーといった考え方を踏まえて、このSDGsというのは理解をされてきているとい思っております。これは8月の部会でもご紹介したと思いますけれども、SDGsのガイドのホームページには、明らかにこのプラネタリー・バウンダリーという概念を紹介しながら、SDGsの考え方、特に柱のプラネットのところの説明をしておりますし、同時にUNEP、それからGF等々でも、この考え方は言及をされて、紹介をされてきています。

 同時に、この危機感、つまり経済活動のよって立つ基盤としての環境という考え方というのは、むしろ経済界のほうが先駆けて、私は捉えられているというように思っております。これ、2010年のWBCSDのビジョン2050と、これは世界有数の、それこそ日本を代表する企業も参加をしておつくりになったものと理解しておりますが、その中でプラネタリー・バウンダリーという言葉は使われておりませんけれども、環境・生態系のリミットという、それこそ「九つのリミット」という言葉を使っていますが、踏まえた2050年ビジョンというのを使っていらっしゃいます。

 まさに、プラネタリー・バウンダリーの生み出したストックホルム研究所は、この間、世界経済フォーラム、ダボスにも招待をされて、ずっとプレゼンテーションをされていると理解をしていまして、私はこの考え方というのは、ある意味では非常にメッセージ性の高い、現状を示す概念だというふうに思うからです。

 その上で、幾つか細かな点について申し上げたいと思うのですけれども、細かくはないのですけれども。3ページのところでありますけれども、これも何人かの先生からご指摘があったところでもありますが、3ページの企業のSBT等々の言及の辺りでありますが、一つのキーワードとして、やはり企業に対してサプライチェーン全体の環境負荷に対しての情報開示というもの、情報開示あるいは対応というものが求められているということは、指摘をしておく必要があるのではないかというふうに思います。サプライチェーンというキーワードであります。

 それからもう一つは、該当するとしたら現状認識というこの辺りかなと思いますけれども、昨年に入ってから特に顕著ですが、石炭火力発電所に対する国際的な評価・流れというのが、かなり大きく転換をしたというふうに思っておりまして、それについても、これはCOP 23のところでも幾つかコアリションが立ち上がったりというのがございましたけれども、昨年度、やはり期限つきで石炭火力の全廃をうたう国、あるいは、それに賛同する国や州、ビジネスも非常に増えて、目に見える形でビジブルになってきたということは言及をしておいていただいてもよいのではないかというふうに思っております。

 それから、3ページのここのところでもう一つは、これはたしか岸上委員がおっしゃった点でもありますが、少しこの企業、投資家のところについて、企業に対して気候変動リスクへの対応についての情報開示と、それに対する説明責任が問われるようになってきているということを書いていただくのがよいのではないかと思っております。

 それから10ページのところですけれども、先ほど、どなたかから予防的な取組方法のところの「費用対効果の高い」という言及を追加してはどうかというご提案をいただいたかと思いますが、私自身の専門から見ますと、確かに気候変動は枠組条約には費用対効果が高いという言葉は入っているのですが、リオ宣言以降の多数国家の環境協定の中で、費用対効果が高いという言及というのは、あえて使わないできていると思っておりまして、それは、各国が予防的対処をする際に、その対処の中に必要があると考えれば費用対効果の高い措置というのを、費用対効果を考えるということを織り込んだ内容だと思っております。

 そういう意味では、予防的取組方法の一般的な言及のところでは、その言及は必要がないのではないかというふうに思います。

 17ページのところでありますけれども、これはもう崎田委員が適切におっしゃっていただいたのですが、「参加と情報開示」というのがパートナーシップの大前提であるということを明記していただくのがよいのではないかと思います。

 「ニーズに応じた環境情報」と非常に配慮した書き具合をされているのですが、しかしながら、適切な情報開示なしには参加はないと思いますので、ここの、ちょっと「ニーズに応じた」というところは、もう少し工夫した表現をしていただくのがよいのではないかと思っております。

 先ほどの3ページの石炭火力に対する国際的な状況の変化と関わって、52ページのところの言及については、もう既にほかの委員からありましたけれども、この書きぶりで支持をしたいというふうに思っております。

 最後でございますけれども、58ページ、これは浅野委員がご指摘になった環境影響評価の点について、私も支持をいたします。

 もう一つ追加をさせていただくと、これは多分、浅野委員のご指摘に含まれていたご趣旨だと思いますが、環境に関わる政策の環境評価を、やはり考える必要がある段階になってきているのではないかと思います。いろいろな計画、政策というのを国でつくってまいりますけれども、それが持っている環境影響というものを事前にきちんと評価をする仕組みというのを、やはり考えるタイミングになっていると思っていまして、一つの課題として言及いただけないかというふうに思います。

 以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

 皆さん、大変、時間をよく守っていただきましたので、少し余裕を持って皆さんのご意見を伺うことができました。

 少しまだ時間がありますので、幾つか質問がある点について、今の時点で答えられることについて、事務局より回答をお願いします。

○山田計画官 ありがとうございます。非常に多くの建設的なご意見をいただきまして、本当にありがとうございます。ここに書かれている今回の素案については、このまま残してほしいというご意見ですとか、修正すべきであるというご意見ですとか、いろいろなご意見がございましたので、今の時点で、すぐに何かを判断するということではございませんが、いただいたご意見の中で、ちょっと幾つか補足をさせていただきます。

 15ページのところに「パートナーシップの充実・強化」で、地方公共団体とか事業者とか、国以外の主体に対して期待される、期待されるという表現を使われているというところでございますが、これは第四次環境基本計画の書きぶりを参考にさせていただいたものです。これは国の環境基本計画でございますので、国については、「何とかを行う」ですとか「推進する」とか、そういう書きぶりにしています。一方、地方公共団体ですとか、国以外の主体に対しては「何とかが期待される」というような、そういう書きぶりで書き分けているということでございます。ですので、一見すると、ちょっと弱く見えるところがあるのかもしれないですけれども、そういう事情があるという点はご理解いただければと思っております。

 あと、17ページですけれども、「パートナーシップの充実・強化」のところで、山極委員からのご指摘をいただきましたけれども、国内のことばかりで国際のことは書かれていないというご指摘、そのとおりだというふうに思っておりますので、ここはちょっと書きぶりをもう少し工夫させていただくということで、調整したいと思います。

 それ以外にも多々ご意見を頂戴しておりますけれども、各方面と調整が必要な事項がございますので、その調整をさせていただくということにさせていただければと思います。

 私からは、とりあえず以上です。

○武内部会長 また精査をいたしまして、次回にまたご議論いただくようにさせていただきたいと思いますが、今日いろいろご指摘がございましたように、まだ内容的にも、あるいは文章の表現上も不十分な点があるということについては、私もそのとおりだと思いますので、鋭意、次回にはそうしたご意見が反映されたものを出せるという形で、改めてまた皆さん方にご議論をいただきたいと思いますので、今日はこのところで議論を終わらせていただきたいと思います。

 事務局から連絡がありましたら。

○山田計画官 ありがとうございました。

 本日の議事録につきましては、事務局で取りまとめを行い、委員の皆様にご確認いただきました後、ホームページに掲載させていただきたいと思います。

 また、今後の総合政策部会の予定でございますが、正式な日程等が決まりましたら、ご連絡させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 以上です。

○武内部会長 それでは、これにて散会させていただきます。どうもありがとうございました。

午前11時50分 閉会

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