中央環境審議会 総合政策部会(第77回)議事録

日時

平成26年10月10日(金)10:02~11:38

場所

大手町サンスカイルーム24階E室

議事次第

  1. 1.開会
  2. 2.第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について
    •   ・環境保健部会における点検結果の報告
    •   ・地球環境部会における点検結果の報告
    •   ・総合政策部会における点検結果(「持続可能な社会を実現するための地域づくり
    •   ・人づくり・基盤整備の推進」、「放射性物質による環境汚染からの回復等」関係)
    •   ・その他(各府省等における環境配慮の方針に係る取組状況等)
  3. 3.閉会

配付資料一覧

【資料】

  •  資料 第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について(素案)

【参考資料】

  •  参考資料1 中央環境審議会総合政策部会名簿
  •  参考資料2 第四次環境基本計画の点検の進め方について
  •  参考資料3 第四次環境基本計画の第2回点検(平成26年)の進め方について
  •  参考資料4 第四次環境基本計画第2回点検重点検討項目
  •  参考資料5 第四次環境基本計画と重点検討項目との関係(事象横断的な重点3分野)
  •  参考資料6 今後の総合政策部会の開催予定等について


議事録

午前10時02分 開会

○小堀環境計画課計画官 それでは定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会第77回総合政策部会を開催いたします。

 議事に入ります前に、お手元の配付資料の御確認をお願いいたします。足りない資料がございましたら、事務局までお申しつけいただければと存じます。よろしくお願いいたします。

 本日は、委員総数28人のところ、ただいま過半数の委員に御出席いただいてございます。定足数の要件を満たして、部会として成立していることを御報告申し上げます。

 なお本日、急遽、衆議院の環境委員会を行うこととなったため、総政局長の小林は1時間ほど遅れて出席する見込みでございます。

 それでは、今後の進行は武内部会長にお願いいたします。

○武内部会長 皆さんおはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は「第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について」を議題とし、前回に引き続き、他部会からの点検結果の御報告及び総合政策部会で議論を行った分野の点検等について御審議をいただきます。

 今回、全ての重点点検分野の点検結果等が出そろいましたので、点検報告書の素案として資料を1冊にまとめてございます。今回はこの中から、前回に御審議していただいていない部分を中心に御審議をいただきたいと思います。

 前回の本部会において申し上げましたとおり、点検報告書につきましては、環境基本計画において国民各界各層の意見も聞きながら点検を実施するということになっておりますので、昨年同様、パブリックコメントを実施することにさせていただきたいと思っております。

 例年同様に、次回の11月26日第78回総合政策部会において閣議報告の対象となる点検報告書の取りまとめを行うためには、本日、パブリックコメントに付す点検報告書の案を取りまとめるということが必要でございます。この点を十分御考慮いただきまして、委員の皆様におかれましては円滑な審議に御協力をいただきますようお願い申し上げます。

 なお、大変恐縮ではございますが、私、本日所用のため、11時過ぎを目処に退席をさせていただき、以降については大塚部会長代理に議事の進行をお任せしたいと思っております。

 それではまず、「包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組」の点検結果について、環境保健部会の中杉部会長から御報告をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○中杉委員 それでは、環境基本計画の重点分野の一つでございます「包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組」についての点検報告をさせていただきます。

 この点検につきましては、環境保健部会が主に担当させていただいたのですが、関連する部会が、大気環境部会、水環境部会、土壌環境部会、循環型社会部会とございましたので、環境保健部会で基本的な点検、御議論をいただいた後、ほかの部会でも、部会が開催されている場合は部会の開催の場で御説明をする、あるいは、残念ながら開催がなかった場合にはメール等で委員の方から御意見をいただくという形式をとらせていただきました。それらを踏まえて、全体として環境保健部会で取りまとめたものが、今回報告させていただくものでございます。

 まず、本分野における点検の構成は、「科学的なリスク評価の推進等」と、「ライフサイクル全体のリスクの削減」という2つの柱で構成してございます。

 環境基本計画本文の中には、本分野につきまして、もともと5つの重点的取組事項がございます。1つ目が科学的なリスク評価の推進、2つ目がライフサイクル全体のリスク削減、3番目が未解明の問題への対応、4番目が安全・安心の一層の推進、5番目が国際協力・国際協調の推進ということでございます。

 ただ今挙げました5つの項目のうち、3番目の未解明の問題の対応は、1番目の科学的なリスク評価の推進と関連がございますので、これらをあわせて「科学的なリスク評価の推進等」として1つの柱といたしました。

 ライフサイクル全体のリスクの削減については、そのまま1つの柱とし、この2つの柱を重点検討項目として点検を行っております。

 続きまして、1つ目の重点検討項目である「科学的なリスク評価の推進等」の中身でございますけれども、こちらは環境基本計画での記載を概ね3項目にまとめて整理をしております。

 a)、b)、c)と掲げてございまして、a)がリスク評価の推進、目標値等の設定、b)がリスク評価の効率等に向けた新たな手法の検討、c)が予防的取組方法を踏まえた未解明の問題への対応でございます。この3つについて検討を進めてまいりました。

 それから、2番目の重点検討項目である「ライフサイクル全体のリスクの削減」については、4項目に分けて整理をさせていただいています。

 1つ目が化学物質の製造・輸入・使用段階での規制の適切な実施や、事業者の取組の推進、2つ目が化学物質の環境への排出・廃棄・リサイクル段階での対策の実施、3つ目は過去に製造された有害化学物質や汚染土壌・底質等の負の遺産への対応、4つ目が事故等により化学物質が環境へ排出された場合の措置でございます。

 これらの項目に係る政府の取組について、各省に点検を行った結果を集約したものが、重点検討項目①につきましてページ131から152、重点検討項目②につきましては153から170にございます。

 本日は時間の都合上、ここに記載されたの「現状」や「取組状況」のまとめについては必要に応じて御覧いただくということで説明を省略をさせていただいて、173ページの「今後の課題」について御説明を申し上げたいと思います。

 まず冒頭の部分で「化学物質分野における」と始まっている部分でございますが、こちらについては、保健部会においても、現行の法体系のもとで国際的な化学物質管理の共通目標であるWSSD2020年目標を達成するために着実に取り組むことが重要であるという基本的な指摘をいただきましたので、ライフサイクル全体でしっかりリスク削減をしていくといった記述をしてございます。その上で、個別の分野における今後の課題について示してございます。

 1つ目の丸が、包括的な内容を含むものでございますけれども、化学物質によるリスク対策を関係主体の緊密な連携のもとで、有機的に連携させつつ効果的、包括的に推進していくことが重要であるという趣旨のことを述べております。

 細かくは、幾つかの要素が含まれておりまして、一つは現在さまざまな化学物質についての環境モニタリングが行われておりますが、これがそれぞれ個別に行われていまして、必ずしも整理がされていないということがございます。そういうことから、省庁横断的にそれを整理して共有化していくことが必要だろうということで、「各種モニタリング等の効率的な利用を図ることが必要である」と記述してございます。

 また、ライフサイクル全体のリスク削減ということでは、これまで、廃棄物と、そうでないものの間に少し差が生じているといいますか、うまく連携がとれていないということがございました。特に廃棄物になってからの化学物質という観点では、必ずしも十分ではないということでございましたので、「使用から廃棄に至る継ぎ目のない化学物質の管理」が必要であるということを示してございます。

 そうしたライフサイクル全体のリスク管理ということでございますけれども、これについては、環境保健部会等で議論されております水銀に関する水俣条約への対応というのが複数の部会にまたがってライフサイクル全体を見ている問題です。これはここで指摘をしていることのよい例であるということで、ここに記載をさせていただいています。

 次に2つ目の丸でございますけれども、これは化学物質審査規制法に関する記述でございます。冒頭述べましたように、現在の枠組みとしては「一般化学物質等のスクリーニング評価、優先評価化学物質のリスク評価」について着実に実施していくこと。これはWSSD2020年目標がまさにこれに絡むわけでございますけれども、これを確実に実施していくことが必要だろうと。そしてその進捗状況においては、合同会議等において進行管理を適切に行うことが必要であるということを記載してございます。

 また、同法の適切な運用に当たっては、環境保健部会の指摘を受けて、特に生態影響試験のための試験生物、これは具体的には鳥でございまして、供給に少し齟齬が出てきているということがございます。これが十分に供給されませんと適切な評価ができないということで、「供給体制の一層の整備・充実が必要」であると特に書き込んでございます。

 3つ目の○も、同じく、化学物質審査規制法に関するものでございます。平成21年の法改正の附則で、施行後5年経過した場合の見直し例があるということから、もうその時期に来てございますので、法施行の状況を踏まえつつ、同法の規定について検討していくことが必要と記載してございます。

 4つ目の丸は、新たな評価手法を活用しようということでございますけれども、環境保健部会でさまざまな御指摘をいただきました。特にQSAR、これは化学物質の構造から毒性を予測しようというものでございます。こういうものを今、研究をしているところでございますが、実際に活用できるようにしてほしいといういろいろご要望ございまして、それらを踏まえてやっていくとか、新たな手法、AOPといったものの検討も、取組を積極的に推進することが必要だろうと記載してございます。

 5つ目から8つ目の丸については、未解明の問題についての対応を記載したものでございまして、問題となる内分泌かく乱作用ですとか、いろんな化学物質に複合暴露される影響、ナノマテリアルの問題、それから微量な化学物質についてのさまざまな問題がございます。

 これまで政府の取組を通じて一定の進展は見られますけれども、まだ結論が出ているわけではございません。これらについては欧米でも議論をされていますが、この議論も考慮しつつ、さらなる取組の推進が必要であるという旨を記載しているものでございます。

 最後の丸は、PCBに関するものでございます。PCBの処理については、特措法のもとで処理を進めているところでございますけれども、残念ながら当初想定した処理期限までに終わらないということが明確になりましたので、処理期限の延長を行いました。ただ、処理期限の再度延長ということは許されるものではございませんので、それは必ず守る。

 また、PCBの処理については安全性の確保が非常に重要であるということがございますので、それも踏まえて、また処理期限があるからそこまで待って終わらせるというものではなくて、一日も早く処理を完成させるべきと。これはPCBの処理の検討をする際にいろんなところから御意見をいただいているところでございますので、そういうことを書き込んでございます。

 以上、簡単ではございますけれども、「包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組」についての点検結果を御報告いたしました。皆様の御意見をいただければと思います。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

 それではただいまの中杉部会長からの御説明について、委員の皆様方から御意見、御質問等ございましたらお受けしたいと思います。発言のある方は札を立てていただければと思います。

 崎田委員、お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。私もこの部会に参加しておりますので、全体の流れの議論は承知しております。それで、この課題の書き方なんですけれども、割に総花的な文章でどれもまとめているんですが、もう少しその項目ごとに、最後のところが例えば今後の規制について取り組むとか、規制について検討をするとか、何かそれぞれに段階があると思いますが、その辺をきちんと分けて書くというような明確化はできないのかということをちょっと感じました。

 よろしくお願いいたします。

○武内部会長 ありがとうございました。

 ほかに。山本委員、お願いします。

○山本委員 私からは、工業用ナノ材料。ご存じのように、ナノ材料は次の日本の主要な素材になるかもしれないということで期待が高まっているわけでありますが、一方ヨーロッパでは、大変ナノ材料の潜在的な危険性に対して警戒心が強くて、技術開発があまり進んでいないと。そういう中で、この工業用ナノ材料の毒性評価というか、非常に産業界も含めて関心が高いと思うんですが、174ページのたった3行で書かれているんですが、これでは全く状況がわからないというか。その辺もうちょっと詳しく書いてほしいというのが私の希望であります。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 ほかに。ございませんでしょうか。

 それでは、部会長、それから事務局から、今の2つの点について御回答をお願いしたいと思います。

○中杉委員 崎田委員からの御指摘は承りました。ということで、少し事務局と相談しながら、できる限りという、なかなか書くのは難しいかなと思いますけれども、はっきりしない部分もございますので、それは検討したいというふうに思います。また事務局から少しコメントいただければと思います。

 それから山本先生の御指摘ですが、ナノ材料については多分このぐらいの書き方しか今の段階ではできない、残念ながらというところだと思います。実際には、ナノ材料の場合に一番問題になるのは、人の健康でいうと環境に出てからよりは、使っている段階のほうが物すごく問題が大きいと思うんですね。環境に出たときにナノマテリアルといいますけれども、ナノマテリアル、ナノの細かい状態で存在するのかどうかというのは一つの大きな議論だろうと思います。

 実際に生物を使った生態系、魚の試験なんかをやりましても、試験の液の中でナノの状態で存在しているということはなかなかつかまえられていない。試験のときにいかにナノの状態にするかということを、試験を開始する人たちは一生懸命やっているんですが、逆にいうと環境中で本当にナノの状態で存在しているのかどうかというところも踏まえて、今、知見を集めて議論をしている段階ですので、残念ながらこれぐらいのことで勘弁していただけないかというふうに思いますが。

○森下環境安全課長 事務局のほうから補足させていただきます。

 ナノ材料の点についてでございますけれども、御説明は省略させていただいておりますが、151ページから記載を割と手厚くさせている部分がございます。151ページから152ページにかけまして、ナノマテリアルの有害性調査等への取組状況、それからリスク評価手法の確立と評価、それから環境影響未然防止方策と検討事情、こういった各省庁が連携をして取り組んでいる内容もこの中には記載をさせていただいておりますので、こちらのほうにもぜひお目通しをいただければというふうに思っております。

 それから、前段の崎田委員から御指摘のありました、いわゆる総花的でないかというところでございます。化学物質対策、いろいろ各事象に応じてそれぞれのフェーズということがございまして、例えば173ページ御覧ください。下から3つ目のポツを見ていただきますと、化学物質審査規制法につきましては、関係省庁が緊密に連携をして、必要に応じて今後の同法の規定について検討をしていくということも書き込ませていただいております。それぞれ対策に応じて、フェーズに応じて記載をさせていただいているという内容でございますが、中杉先生とも再度御相談させていただきたいと思っております。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

 ほかによろしゅうございますか。

 それでは次に移らせていただければと思います。

 次は「地球温暖化に関する取組」の点検結果についてでございます。地球環境部会の浅野部会長から御報告をお願いいたします。

○浅野委員 それでは「地球温暖化に関する取組」について御報告申し上げます。

 まず、現行環境基本計画の中で地球温暖化に関する取組について、計画策定当時に目標が必ずしも明確に確定していなかった。つまり25%削減という数字のみが公式には存在しつつも、3.11の後の大きな状況の変化の中で、2013年以降どうするのかということに関しての議論がなお続いているという段階でありました。

 そこで計画は、それらの事実を事実として記載しながら、今後目標が新たに決められるであろう、それに従って施策が展開されるという旨の記載をいたしましたものの、この計画の中ではどのような施策をどのように進めるのかということに関しては十分な記載をすることができなかったという状況にありまして、環境基本計画の5年の間でも中身を変える余地はあるというような議論もあったぐらいでございます。

 その点に関して、現在では昨年決められた2020年度暫定的な目標値としての2005年比3.8%、むろんこれは原発が全く動いていないという状況が仮にそのままであるとするならば17.3%削減をしなければならないという数字になります。少なくとも2005年当時は、原発が動いており、そのことで13.5%の削減効果があったことを前提にしての3.8%削減ということが国連に登録されておりますが、57ページの上の段の注がありますように、これはなお今後エネルギー政策の進展を見ながら手直しをするということが注書きの上での登録がなされているという状況でございます。

 それ上で、昨年の通常国会で温対法が改正されまして、京都議定書目標達成計画にかわる新たに国にいおる地球温暖化対策計画の策定ということが法律で定められましたが、その計画もまだできていないという状況でありまして、この点に関しては地球環境部会でもたびたび、その計画をどういう形であれ何しろ早くつくるべきではないかという発言がありますが、さっぱり動きません。残念ながら現在では中環審の答申、意見具申等にもとづくだけでは計画がつくられる仕組みになっておりません。そこで、この点検もそういう中途半端な状態を前提にして行わざるを得ないということでございました。

 さらに、京都議定書目標達成計画については、目標が達成できたということになっておりまして、その進捗状況についても、当審議会とは別の場所で進捗状況の報告が詳細に行われ、かなり分厚い報告書として既に公表されておりますので、当点検ではその公表されている進捗状況の点検報告書を踏まえながら、審議会の立場でもう一度それを見ながら点検をするということになりました。したがって、点検をやっている部会自体が半分いらいらしながらというんでしょうか、こんなことでいいんだろうかなと思いながら、点検報告をせざるを得ないという状況にございます。

 地球環境部会では、三度ばかり審議を行いまして報告案をまとめました。ただ今御説明いたしました計画策定時の事情を反映した結果、基本計画の記述それ自体が割合、漠とした重点項目の挙げ方をしておりますので、逆にそれが幸いして、今回の点検を行うに当たっては、国内における温室効果ガス削減の取組と国際的な地球温暖化対策への貢献という二項目が重点項目ということになりますので、ほとんど施策の全般にわたって点検が行われたと考えております。

 重点項目①の「国内における温室効果ガス削減の取組」でございますが、国内での取組については、先ほど申しましたが、京都議定書第一約束期間については、1990年比6%削減という目標の約束の確実な達成に向かっての取組を行うということが計画に明記されておりまして、これについては達成ができたということでございます。

 そして2013年度以降についても、とりあえず暫定的な登録ということで、先ほど申し上げましたような目標の登録が行われた旨記載しております。

 この項目に関しては、「エネルギー起源CO排出削減対策」、「エネルギー起源CO以外の温室効果ガスの排出削減対策」、さらに「森林吸収源」の3点について取り上げておりまして、58ページ以下にエネルギー起源COの排出削減対策について記してあります。

 残念ながらエネルギー起源COにつきましては、原子力発電所の停止に伴う火力発電量の増加ということで、排出量が増加傾向にございます。しかし例えば、地方公共団体実行計画に基づく温暖化対策の推進や、トップランナー方式による機械器具の省エネ戦略向上、住宅の省エネ性能の向上といったようなことが次々に進められて、さらに自動車の単体対策がかなり進んでおりますので、こういった面での成果というものについてはここに記されているとおりでございます。

 それから68ページを御覧いただきますと、「エネルギー起源CO以外の温室効果ガス排出削減対策」ということで記しておりますが、ここでは前年に比較して1.6%増という結果になっておりますが、取組としては、例えば廃棄物の排出抑制とか、メタンの排出抑制対策としての有機性廃棄物の直接埋め立て量の削減といったような取組が行われてきたということが示されております。

 それから代替フロン等4ガスにつきましては、法改正が行われまして、こちらのほうは従来のように回収と破壊ということだけではなくて、フロンの製造から使用、廃棄に至る全ライフサイクルプロセスを押さえて必要な施策を講じることとなりました。特に従来のフロン回収破壊法が対象としていた大型冷凍機器のみならず、他の分野にも有効に寄与できるように、フロン類の製造段階での工夫、あるいはフェーズダウンというんでしょうか、できるだけもっと温室効果の係数が低いフロン類への切りかえ、あるいは低フロン、ノンフロンに切りかえるといったようなことを積極的にガスのメーカーや、機器のメーカーにも義務づけるというような施策が行われることになりましたので、かなり今後は成果が上がるであろうということが期待できております。

 それから71ページを御覧いただきますと、森林の吸収源対策について記しておりますが、こちらのほうでもこれまでに行われた施策についての記述がなされております。ちなみに森林吸収源が大変大きな効果を上げたことが、京都議定書の目標達成の第一約束期間の約束達成に大きく貢献しているということは特筆すべきことだと考えております。

 次に重点項目の②でございますが、国際的な取組でございます。これにつきましては、73ページ以下に記しておりますので御覧いただきたのですが、現在、国連気候変動枠組条約のもとで、2020年以降の新たな枠組みについて、来年のCOP21で採択すべく国際交渉が行われております。また、国連の気候変動交渉以外の場所でも、多国間の枠組みを活用した温暖化対策などが実施されており、さらにまた二国間クレジット制度についての二国間協力も進んでいるということでございます。

 この点に関しては、「国際連携の推進」と「二国間協力の推進」の2点を取り上げておりますが、これまでの国際会議でのさまざまな取組を取りまとめており、また多国間資金メカニズムの拠出、アジア太平洋地域におけるネットワーク活動支援、こういったようなことが書かれておりまして、さらに二国間協力につきましても、75ページ以下で途上国への低炭素技術の普及促進の実施といったようなことを通じての我が国の貢献といったようなことが書かれております。

 以上を踏まえまして、78ページに「今後の課題」を記しておりますが、まず自立・分散型エネルギー社会を構築して、地産地消による地方の創成、災害に強いまちづくりの実現という視点を持って、再生可能エネルギー等の導入を進めていくことを上げております。

 また、省エネ性能の高い設備等の導入、住宅・建築物の省エネ性能の向上、この辺りは大変今後も期待できる分野でありますが、この辺りのところの取組が重要であることを記しております。

 さらに、国や地方公共団体への取組の加速化、我が国の国際貢献、国内対策に関しての国内外への情報発信、こういったようなことの重要性を触れております。

 なお下から2番目の丸でございますが、気候変動への適応について計画の中にも記しておりますが、まだ政府としての施策として着手されてからは日が浅いということがございますので、点検項目としては取り上げておりませんけれども、今後の課題としての重要性があるということに鑑み、この点についても特に記述をしたところでございます。

 さらに、企業活動に環境配慮を取り組むという経済主体を金融面でも評価・支援するといったようなことの重要性が部会で強く指摘されましたので、この点も特記しております。

 以上が地球環境部会における点検結果でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの浅野部会長からの御説明に関して、委員の皆さんから御意見、御質問をお受けしたいと思います。発言のある方は札を立てていただきますようお願い申し上げます。いかがでしょうか。

 佐久間委員でしょうか。

○佐久間委員 ありがとうございます。まずはこの地球環境部会におけるさまざまな意見、議論について配慮いただきましてありがとうございます。特に低炭素社会実行計画の課題の中にも触れられているという点、これは極めて重要だと思いますが、改めて感謝申し上げたいと思います。

 これから私が申し上げることは、直接この本日の報告案と関係ないんですけれども、重要だということでお聞き願いたいと思います。9月23日に開催された国連事務総長主催の気候サミットにおいて、皆様御案内のとおり、安倍総理が約束草案をできるだけ早期に提出することを目指すという表明をされましたた。

 恐らくこれを受けているのではないかと思われますけれども、報道によりますと、中環審の地球環境部会と、産構審の小委員会のもとに合同の組織を設け、専門的な議論を進めるという可能性もあるやの話もございます。その進め方について、どういう形で進んでいくのか、差支えない範囲で教えていただければと思います。

 次は、まさに意見ですけれども、もしそういう組織ができるとすれば、そういう下部組織での検討内容というのは適宜、親委員会である地球環境部会でも当然審議されるべきだと考えております。またその進め方については、まさに低炭素化に取り組むメーンプレーヤーである産業界を初めとする関係する分野の意見が反映されるという体制であるべきだと思います。この点は当然、トランスペアレンシーと並んでプロポーショナリティというのは重要だという、極めて当たり前の原則に基づくと思っております。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 中杉委員、お願いいたします。

○中杉委員 内容ではなくて細かいところ、先ほど私が御報告させていただいた化学物質分野と同じことの記載があるんですが、記載内容が異なっているのがちょっと気になりました。

 70ページのところの代替フロン等4ガスの排出抑制というのと、160ページのところで、これは化学物質分野のほうですけど、代替フロン等3ガスの総合的排出抑制対策ということが記載されています。中身は同じだけど表現ぶりは少し異なっているということで、最初は、統一をして再掲という形がいいのではないかということを言ったんですが、大体、表題からして3と4という数字が違うとかいうこともありますので、これは事務局のほうで調整をとっていただければというふうに思います。

○武内部会長 ありがとうございました。

崎田委員、お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。この丸の2番目なんですけれども、今後の課題として省エネ性能の高い機器や住宅、そしてそれを面的に広げることが重要と書いてあります。今後、本当に大量にCO削減などの効果を出さなければいけないときに大変重要な視点だと思いますが、この重要だという認識は既に現在あるところだと思いますので、その次の展開ということで、面的にエネルギーの利用を促進するための技術や専門性と、市民・地域、あるいは自治体との連携を確保していくことが重要とか、何か次の段階のところをしっかり書き込んでおいていただくことが大事なのではないかと感じました。

 よろしくお願いいたします。

○武内部会長 ありがとうございました。

 長谷川委員、お願いいたします。

○長谷川委員 ありがとうございます。先ほどの佐久間委員の御発言に賛同いたしまして申し上げます。私も地球環境部会のほうのメンバーでもございますので、この場で発言すべき点ではないかとは思いますけれども、やはり産業界にとりましても、国民全体にとりましても、約束草案のことは極めて重要でございまして、しっかりとした手続を踏んでいただく必要があるかと思っております。

 従来、中環審の地球環境部会の下に下部組織を設ける際には、議事運営規則というのがありますようで、部会決定がなされておりまして、今回もそのような形式を踏襲していかれるのかなというようなことを御質問させていただきたいと思いますし、そうであるべきなのではないかと思います。

 それから、約束草案の策定に当たりましては、エネルギーミックスを確定させた上で、これを踏まえて検討していただきたいというのはずっと産業界から申しておることなんですけれども、やはり国際交渉の場とか、この間の地球サミットのことなんかも見ておりますと、約束草案を一旦提出すれば安易な修正というのは国際社会では受け入れられないという覚悟で、慎重な議論をぜひ進めていただきたいと考えております。

 また、京都議定書の目標達成計画におきましては、産業部門の温室効果ガスの排出量は、目標目安に対しまして過達いたしましたけれども、家庭部門は目標目安に対して大幅に未達となっていたかと思います。

 産業部門ではもう既に2030に向けました対策として、京都議定書約束期間と同様に、主体的な取組策定の方針が打ち出されておりますけれども、家庭部門のところではまだ有効な対策の提案が出されていないように見受けられますので、このような点を踏まえていただければ、家庭部門での有効な削減策につきまして、有識者が知恵を出し合って議論を行うということが最優先課題として捉えられればよろしいのではないかと思います。そういう意味では今後、約束草案議論の中では、これまでの経験を踏まえまして、真に有効な国民運動などの家庭部門での対策を真っ先に取り上げて、時間をかけて議論をしていただきたいと思います。

 以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございました。

山本委員、お願いします。

○山本委員 まとめ方は大変これで結構ではないかと。特にまとめ方について意見があるわけではないんですが。ただ非常に気になるのは、今、目の前で大火事が起きているのに、その火事を本気で消火する気があるのかと。そういう迫力というか、気迫というか、そういう危機感がほとんど感じられないような。例えば78ページの今後の課題を見ていても。

 今、台風19号が日本に接近中で、今朝のNHKのテレビを見ていても猛烈な台風、猛烈な台風と言っているだけで、スーパー台風と言わないわけですよ。今日はNHKもやっとスーパー台風とアメリカで言っている。アメリカのニュースでスーパー台風と言っていると。国民を愚弄しているんじゃないかと、私は。台風19号はご存じのように一日で65ヘクトパスカル気圧が低下したというわけで、まさに今、急速強化が起きているわけですよね。今、920ヘクトパスカルまで勢力が若干弱まりましたけれども。

 既にデング熱のほうも、これだけの蔓延も含めて、我々はこの温暖化の適応の問題を真剣に考えなければいけないし、また長期的には、急激に、今、我々は脱炭素化を迫られているわけですね。

 どういうつもりでこの基本計画の点検を行っているのか。国民からすると、目の前で大火事が燃えているのに一体何をしているんだと。この点検は。IPCCの第5次報告書ばかり金科玉条のように考えている節があるんですが、その後もたくさんの研究成果が発表されているわけで。

 私は、環境政策評価委員会のほうでは幾つか申し上げているんですが、例えばヨーロッパの人工衛星の観測によって、年間、北極、南極で5,000億トンの氷が、今、失われていると。3分の2はグリーンランドで、3分の1は西南極大陸である。しかも西南極大陸の氷床の、特にパインアイランド氷河の崩壊は既にとめることができない段階に達しているというふうに言われていますね。

 さらに北極圏における北極海氷の総体積が年々減少しているわけでありますが、この数年で総体積が半分にまで減って、単純にこれ二次関数で外挿すると、2016年の夏にも北極海氷は1カ月ぐらい消失する可能性がある。この数年メタンガスの噴出が大変増加していて、危機感を持っているわけでありまして、東シベリア沿岸のメタンの放出だけで6,000兆円の経済的損失があるかもしれない。これはエコノミックタイムボムといわれて、それで今さまざまな、例えばケンブリッジ大学からは北極海氷融解に伴うメタンガス放出に対する危機の宣言文が出ているとか。たくさんの論文がありますけれども、そういう国際的な状況が反映されていない。

 今年から来年にかけて、まさに2020年以降の温暖化防止枠組条約をどうするか。中国とアメリカが提携してリーダーシップとろうとしているわけでありますが、原発が再稼動できないから目標設定の議論が進まないなんてとんでもない話で、原発を動かさなくても25%削減を2020年まで実行するぐらいの計画を、ぜひ私は地球環境部会で御審議いただきたいし、今、長谷川委員が指摘されましたけれども、問題はこの産業界ではなくて国民生活のほうにあるわけで、そちらのほうを徹底的に、低炭素社会に向けた強力な包括的な施策をどうするかを考えなければいけないところへ私は来ていると思うんです。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

大塚委員、お願いいたします。

○大塚委員 1点、78ページの今後の課題の一番上の丸に関して、つけ加える必要がないかという意見を申し上げさせていただきたいと思います。

 ごく最近のことですので今回の点検に間に合っていないということではないかと思うんですけれども、つい最近、3つの電力会社が、太陽光発電中心だと思いますが、接続拒否ということをして、それはもちろんいろんな理由があることで、誰かだけに責任を帰するようなことはなかなか難しいと思いますが、再生可能エネルギーのFITの制度がうまく動かなくなっているところがあると思います。

 再生可能エネルギーの導入に関して、FITは重要な役割を果たしており、接続できないということになるといろんな問題が発生しますので、これに関して何らかの言及ができないかと考えています。こういうことがないように検討するようなことを一言入れられるかということがあると思いますので、扱いについて御議論いただけますでしょうか。少なくとも議論だけはしておかないといけないのかなというふうに思いましたので発言させていただきました。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それでは、浅野部会長と事務局のほうから回答をお願いいたします。

じゃ、どうぞ、三浦委員。その後御回答お願いします。

○三浦委員 78ページの下から2番目ですが、気候変動の適応によって我が国への影響、諸外国の状況を踏まえ、国民への情報提供に努めると書いてありますけれども、私は国民も現象として相当に気候変動が起こっているということは、デング熱にしましても、大型の台風が連続することにしましても、充分に認識できていると思います。

 その上で国民にどういう情報を提供すべきなのかということを、もう少し掘り下げて議論する必要があるということと、平成27年を目処に政府全体で適応計画の策定を進めるというようなことが記載されていますけれども、これがこの総合政策部会で意見を言うことができるのか、あるいはこの策定に関与することができるのか質問させていただきます。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それじゃよろしくお願いいたします。

○浅野委員 まず、崎田委員からの御指摘の点については検討させていただきみます。

 それから中杉委員の御指摘は事務局と打ち合わせをして調整をいたします。4と3は国際的な取組の変更を反映するかしないかの話であるわけですが、記載を統一する必要があることはおっしゃるとおりだと思います。

 それから大塚委員の御指摘については、確かにこの今後の課題の中に御指摘の点を入れるということが必要であると強くおっしゃるのであれば考える必要があるかもしれません。特に再生可能エネルギーについて、御指摘のように系統の強化という課題についてはかなり関心が薄い。だから、ただ引き取りを拒否するということだけがいかにもけしからんかのように言われるのですが、電力会社にしてみれば、系統が全然今のままでは引き取りようがないという事実を誰もまともに取り上げないで、あたかもFITという政策の邪魔をしているみたいな言い方しかマスコミ等では報道されていない。このことは問題だと私も認識しておりますので、それも踏まえてどこかの場所に御指摘の点が生かせるような工夫をしたいと思います。

 それから、適応に関しては事務局からまた回答いただきますが、現在、地球環境部会のもとに気候変動影響評価等小委員会がありまして、そこでかなり専門的・技術的な見地から、適応について熱心に討議をしてくださっています。その成果が12月ぐらいにはまとまってくるということを実は意識しながらこの文章ができていまして、今でも適応に関する情報というのはいろんな形で発信はしているのですが、ただ単に影響がどうなっているかということだけではなくて、どういうことが適応として考えなければならないのかといったような点についての情報発信も行われているんですが、十分でないということはおっしゃるとおりだと思います。

 ですから、適応計画に関しては小委員会の報告が出ましたところで、地球環境部会でその報告を一度伺って、適応計画は政府がお決めになることですけれども、地球環境部会でも、何らかの形で意見具申のようなものができるならば、それをしなければならないと考えております。

 それから山本委員からの御指摘については、最初に私が「いらいらしながら点検をしました」というふうに申し上げた中に想いをこめて御報告をいたしておりますので、気持ちをおくみ取りをいただければと思います。ただ、危機感がないぞと言われたことは確かにそのとおりで、現行環境基本計画自体が危機感に乏しい計画なものですから、それに引きずられている面がありますので、今後の課題の頭のところに何らかの形で現在の、本当にもう現実化していることを課題として書けるものなら書いてみたいという気もいたします。この辺りは事務局と相談をさせていただきたいと思います。

 新たな目標の検討の方法等については各委員から御意見いろいろいただいておりますので、この点につきましては事務局から回答をお願いいたします。

○武内部会長 どうぞ。

○瀧口低炭素社会推進室長 地球環境局でございます。御質問に対してお答え申し上げますと、佐久間委員と長谷川委員から2020年以降の約束草案に関しまして御質問いただきました。

 この点につきましては、菅官房長官も会見で発言されましたが、中環審と産構審の、中環審はこの場合地球環境部会になりますけれども、中環審と産構審の合同会合で、この2020年以降の約束草案について検討していこうということで今、経産省と調整している最中でございます。浅野部会長の御指示も仰ぎながら今、調整しております。

 また長谷川委員の御質問に答えまして、この地球環境部会の下に小委員会を設置するということになりましたら、必要な手続はとらせていただきたいと思っております。

 それから、三浦委員の御質問に関しまして、適応の計画、これは浅野部会長からも御説明ありましたように、地球環境部会の下の小委員会で今、主に検討していただいております。また、ほかの部会に関連してくるかどうかというのは、小委員会の議論、あるいは地球環境部会の議論も見ながら検討していきたいと思っております。

 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。

 それではよろしいでしょうか。

 引き続き取りまとめに関して、ただいまの皆さん方の御意見を踏まえて、さらに調整をお願いできればと思います。

 では、次に移らせていただきます。次は総合政策部会関連の「持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり・基盤整備の推進」と、それからもう1つ「放射性物質による環境汚染からの回復等」についてでございますが、事務局から説明をお願いいたします。

○小堀環境計画課計画官 それでは「持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり・基盤整備の推進」、それから「放射性物質による環境汚染からの回復等」につきまして、一括して御説明を申し上げます。

 まず、「持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり・基盤整備の推進」でございます。こちら資料の39ページからがこの該当部分でございます。

 本分野につきましては、7月28日の第75回の本部会において議論をいただきました。その際に、この資料の中の(1)環境基本計画における施策の基本的方向、(2)現状と取組状況の部分につきましては、報告書案の構成のイメージという形で提出をさせていただいたところでございます。

 同部会におきましては、報告案の構成のイメージに対して、あるいは各府省からそのとき提出いただきました自主点検結果の個票がございまして、それに基づいて御議論いただいたわけでございますけれども、あるいはそれに対するもの、さらには各府省からの説明につきまして、さまざまな形で各委員から御発言をいただいたところでございます。

 これらの御意見等踏まえた形で、第75回の報告案の構成のイメージをもとに修文をさせていただきましたのが、本日の報告書の案のここの部分ということでございます。

 時間の関係もございますので詳細な説明は省略させていただきますが、(1)環境基本計画における施策の基本的方向、それから(2)現状と取組状況、こちらにつきましては、部会における各委員からの御発言、御意見を踏まえた形で修文をさせていただいておりますので、御参照いただければと存じます。

 また、55ページのほうをお開きいただければと存じます。この夏に、近畿、九州、東北の3ブロックにおきまして、地方ブロック別ヒアリングを実施しておりますが、その状況につきましては前回第76回の本部会において御報告させていただきました。

その際に、把握した地方における地域資源の活用や、地域間の交流の事例、こちらは本重点点検分野と関連が深いと考えられますので、昨年の点検報告書の例にならいまして、ここに参考として掲げさせていただいております。

 続きまして56ページのほうを御覧いただければと存じます。こちらが、「持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり・基盤整備の推進」に係る今後の課題として、75回部会において各委員からいただいたさまざまな御意見をまとめさせていただいたものでございます。こちらについて御説明をさせていただきます。

 この点検分野に関わるものとして6点掲げさせていただいてございます。

 まず第1点目でございます。こちら国土管理への参加促進に関する各府省の取組の中に一定の成果を上げているものが見られることは評価できるとした上で、事業者やNPO等の多様な主体の取組がほかにも存在することを踏まえ、これら多様な主体の連携強化を図り、その創意工夫を生かすことができるよう国の取組も進める必要があるのではないかという形でまとめさせていただいてございます。

 続きまして2点目でございます。多様な主体が参画した国土の管理を推進するためには、適切な国土管理に資する自然分野の知識や、継続的な活動に資する組織運営等の経験・ノウハウ等を有す有識者も含めて、多様な主体が参加した組織を地域においてつくることが重要となる場合もあると。こうしたことから、国は円滑な組織づくりや、継続的な組織活動の実施のための支援の充実を図るべきではないかという形でまとめさせていただいてございます。

 続きまして3点目でございます。環境負荷低減に資する集約型都市を推進するに当たっては、都市のスプロール化が発生し、または進展している地域も見られることを踏まえまして、スプロール化を防止する施策についてもあわせて講じていくことが重要ではないかという形でまとめさせていただいてございます。

 4点目でございます。事業者の事業活動は、国土とインフラ、あるいは自然環境の恵み、こういったものの上に成り立っていることに鑑みまして、事業者がこれらの保全をその事業活動の一環として位置づけるような、そうした取組が進められるべきではないかという形でまとめさせていただいてございます。

 続きまして、重点項目②の環境配慮の促進のための環境影響評価制度の充実強化。こちらに係るものとして2点掲げさせていただいてございます。

 5点目でございますが、環境影響評価制度、こちらの運営に当たりましては、事業計画や事業活動における環境保全についての適正な配慮を確保するという目的を踏まえ、国は、環境影響評価に関し収集・蓄積した情報を事業者や地方公共団体等に提出する等によりまして、環境配慮が円滑に進められるようにこれまでどおり情報基盤の整備に取り組むべきではないかという形でまとめさせていただいてございます。

 最後6点目でございます。地方公共団体によりましては、当該地域内において行う事業が少ないなどの理由で環境影響評価に関わる機会が少ない地方公共団体もあることに留意をし、国は、環境影響評価に係る事例を地方公共団体に提供する取組の継続をしていくべきではないかという形でまとめさせていただいてございます。

 続きまして資料175 ページ、飛んで恐縮でございます。175ページをお開きいただければと存じます。

 こちらからが「放射性物質による環境汚染からの回復等」でございます。こちらにつきましても同じく7月28日の第75回の本部会において御議論いただきました。

 その際に、同様に(1)(2)こちらの部分につきまして報告書案の構成のイメージという形で提出をさせていただいたところでございます。その際の御意見を踏まえる形で、報告書案の構成のイメージ、これを修文させていただきましたのが、報告書案のここの部分ということでございます。

 こちらにつきましても詳細な説明は省略させていただきますが、(1)(2)の部分につきましては、各委員からの御意見を踏まえた形で修文させていただいておりますので、御参照いただければと存じます。

 飛んで恐縮でございます。189ページ、こちらのほうをお開きいただければと存じます。資料の189ページのほう、こちらが重点点検分野の「放射性物質による環境汚染からの回復等」に係る今後の課題といたしまして、第75回の本部会において各委員からいただいたさまざまな御意見をまとめさせていただいたものでございます。

 まず1点目でございます。各府省からの情報の発信につきまして、放射性物質による環境汚染からの回復に関して、関係府省はこれまでの取組の内容や進捗状況に係る情報をこれまで以上に連携して、網羅的かつわかりやすい形で国民に対して伝えるよう努めるべきであるという形でまとめさせていただいてございます。

 続きまして2点目でございます。人への放射線の影響に係る健康調査等につきまして、最新の情報を踏まえるなど発信される情報の信頼性を高めるとともに、これらの情報を活用したリスクコミュニケーションを行うことができるよう保健医療福祉関係者等の人材育成を行うことにより、住民からの相談に適切に対応することができるようにして、国民の不安をより少ないものにするよう努めるべきであるという形でまとめさせていただいてございます。

 続きまして3点目でございます。放射線による住民の健康への影響のみならず、屋外活動への制限や自粛による子どもの発育への影響等についても留意しつつ、取組の充実を図っていくことが必要であるという形でまとめさせていただいてございます。

 続きまして4点目でございます。次は野生動植物等の自然生態系への関係でございますが、自然生態系への放射線による影響の把握については取り決めが十分と言えないため、必要な体制整備や予算措置等を行い、国際機関等ともデータ共有等を通じて連携しつつ、基礎的な知見の蓄積を長期的に実施していくべきであるという形でまとめさせていただいてございます。

 最後が5点目でございます。放射性物質汚染対処特措法の原始附則の関係でございます。同法の附則第5条及び第6条の規定に基づき、政府は同法の施行後3年を経過した場合に、同法の施行の状況について検討を加え、及び放射性物質に関する法制度のあり方について抜本的な見直しを含めた検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとされてございます。

 同法附則第5条に基づく検討に当たっては、同法に基づいて行われる除染、汚染廃棄物の処置等の措置が、安全・安心の確保を前提として、国民の十分な理解を得つつ円滑に実施されるものとなるよう努めるべきである、また、同法附則第6条に基づく検討については、放射性物質による環境汚染防止のための政策枠組みを確立する観点から、着実に進められるべきであるという形でまとめさせていただいてございます。

 以上が冒頭申し上げました2分野に関する説明でございます。よろしくお願いいたします。

○武内部会長 それでは質疑応答に移らせていただきたいと思いますが、当初、私のほうで申し上げたように、私自身所用のためここで退席をさせていただきたいと思います。以降の議事の進行については大塚部会長代理にお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○大塚部会長代理 恐れ入ります。大塚でございます。部会長の職務を代理いたしまして、以後、議事の進行を整理させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 では、ただいま事務局からの御説明がございましたが、これにつきまして委員の皆様から御意見などをお願いいたしたいと思います。御発言のある方は席の札を立てていただきますようお願いいたします。

では、崎田委員、お願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。まず最初の国土管理のほうの地域づくり・人づくりのほうなんですけれども、私こちらの検討に入っておりますので、項目的にはしっかりと入れていただいたと思いますが、今、拝見していて3番目のところ、都市の課題にきちんと対応していくことが大事だというようなことが書いてありますが、ここをもう少し明確に、根本的なところから明確に、つまり中央環境審議会から先日出た低炭素循環型生物多様性の統合的な発展の視点をここに明確に入れたほうがいいのではないかというふうに感じます。

 例えばどういうことかといいますと、都市型とか、里海、里山型など、地域の個性に応じた明確な地域づくりをするとともに、相互の連携によって地域の課題を解決して、低炭素循環型生物多様性を統合的に発展させた地域づくりを目指すとか、明確にそういうふうに入れたほうが、中心市街地のスプロール化の話になっていますが、それも含めて、もう少し大ぐくりに言えるのではないかなという感じがいたします。検討いただければと思います。

 あと、下の2つに環境影響評価のことが書いてあります。2012年にいろいろ見直しがされているわけですけれども、それによって事業段階ではなく、計画段階のアセスの配慮書の手続とか、そういうものも入ってきていますので、そういう新しい動きがどのような進み方になっているか、もう少し進捗をちゃんと点検するような視点を入れていただければありがたいなと思いました。

 最後の放射線のことですけれども、私は非常に、各省庁で取り組んでおられて非常に難しい分野を今回点検でしっかりまとめていただいたという、まずこの努力をしていただいたということに感謝申し上げます。

 一言だけ、1番目に省庁連携というふうに書いてあります。ここが大変重要だと思いますので、環境省が自らまず発信するとともに、省庁連携のこういう全体的な情報をきちんと集約するということを今後も明確に続けていただければありがたいと思います。

 よろしくお願いします。

○大塚部会長代理 ありがとうございます。

 三浦委員、お願いします。

○三浦委員 ありがとうございます。私もまず56ページの3番目と、さらに4番目についてのコメント、さらに放射線について意見申し上げます。

 まず3番目の課題ですけれども、単に環境省の中で議論するだけでは多分これはなかなか施策を講じていくことは難しいのではないかなと思います。国土交通省関連の、例えば土地利用の今後の制限、線引きの見直しの議論、あるいは農林水産省の、農地をいかに都市の中に残していくのかといったことについての情報を環境省で把握をしていただきながら、さまざまな政策がさまざまな省庁の中でうごめいていく中で、それらをつなぎ合わせて、総合的な情報集約の場であるべきじゃないかなと考えております。よってもう1歩踏み込んだ具体的な記載をお願いしたいということ、各省庁との連携もすべきということもつけ加えていただきたいと思っております。

 さらに4番目ですけれども、この3行が非常にポエム的でよくわからない抽象的な記述と見受けます。近畿ブロック視察に行ったとき、サントリーさんの話を聞いて、事業者は思った以上に持続可能な地域づくりのために貢献していることを実感することができました。それはボランタリーな貢献ではなくて、それが企業利益にもつながっているといううまい循環ができています。そうした企業はこの政策に乗っかって、ウィンウィンの形で進んできています。次のステップとして政策としてどのように支援していくことができるかということを考えることが、課題ではないかと思いました。

 次、189ページの3つ目、放射線による住民の健康への影響のみならずというふうにあります。2番目の「子どもの発育の影響に留意しつつ」。「留意」ではなくこれはもう「注視」していかなければいけない重要な事柄ではないかと考えました。

 以上です。

○大塚部会長代理 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。

 岡田委員、お願いします。

○岡田委員 全くどうでもいいようなことで、言うのも恥ずかしいんですが、一応175ページのところなんですが。一番上のほうで、「こうした状況を踏まえて制定された」とありますね。上から4行目というか、柱書きも入れれば6行目ぐらいでしょうか。ここのところは、やはり法律のところはかぎ括弧入れといてもらったほうが読みやすいという気がしますね。基本計画そのものはそうなっていますので。どうでもいい話ですけど、申し訳ない。

○大塚部会長代理 いや、重要です。

○岡田委員 基本計画の127ページと同じような平仄のほうがいいのではないかというだけのことです。

○大塚部会長代理 ありがとうございます。

 ほかにはよろしいでしょうか。

 浅野先生どうぞ。

○浅野委員 三浦委員の御指摘の点です。特に前半のお話ですが、この基本計画の点検報告は閣議に報告されるということで、計画ももともと閣議で決定した政府の方針ということが大前提としてあります。ですから、環境省の計画ではありませんし、環境省が何をやるということを書くわけではないのです。点検そのものも各省からどういうことをやっていますということを伺って、それを踏まえて書いていますので、おっしゃることの趣旨はよくわかります。連携が必要だし、環境省がその中でどういう役割を果たすかということは重要であることはそのとおりです。ですから、その御趣旨を生かすような修文はぜひすべきだろうと思いますが、ただ計画そのものは環境省が主語ではないということを少し踏まえておいたほうが、かえって各省に対しては強くものが言えるということだということです。御理解いただければと思います。

 それから189ページに関しては、もともと小澤先生の御発言を生かしたものであったので、ちょっとその御趣旨を生かすという意味ではもうちょっと表現考えたほうがいいのかもしれませんが、これだけが唐突に出ているのではなくて、いろんな文脈の中のお話であったので、それを御理解いただいた上で、どういう表現にするかはまた事務局に考えてもらえばと思います。

○大塚部会長代理 ありがとうございます。

 では、小澤委員お願いします。

○小澤委員 今の件は、福島等々行っていますと、情報の信頼性に対して疑心暗鬼の方が多くて、お子さんが外で遊んでいない。もう実際に発育上の問題が出てきていますので、実際のその状況を現場に行って、家の中での遊び方のアドバイス、外でと同じような遊び方のアドバイスをしています。環境省としては、149ページに書いてありますようなお子さんへの影響はエコチル調査で調べて、多分、福島県については被験者を増やして対応していると思いますので、継続的にそれは見ていかなくてはいけないと思います。情報の信頼性と、実際に体を動かして本当の意味での子どもの発育をサポートしていくということがここに私は組み込まれていると考えております。

○大塚部会長代理 ありがとうございます。

 では事務局お願いします。

○小堀環境計画課計画官 貴重な御意見どうもありがとうございました。

 まず崎田先生からの御指摘でございます。地域づくりのまず3番目でございます。意見具申の観点をということで御指摘あったかと思います。もともとの位置づけとしては閣議決定された基本計画の点検でございまして、それに対して意見具申はその意味でいうと閣議決定になっていないというところがありまして、やや控え目に書いておりますけれども、先生の御指示を踏まえてどこまで書けるか検討させていただければと考えてございます。

 それから、三浦先生の御意見どうもありがとうございました。私のほうも、すみません時間の関係もございまして、最後は今後の課題の部分だけを切り離した形で御説明してしまったので、前の部分との連動がうまく説明できていなくて、そこら辺誤解を招くような形で申し訳ございませんでした。先生の御指摘、先ほど浅野先生、あるいは小澤先生からも御発言ありましたけれども、そういったことなども踏まえまして検討させていただければと存じます。 

 それから、岡田先生の御指摘どうもありがとうございました。ここの部分は修文することで考えさせていただければというふうに存じます。

○神谷環境影響審査室長 すみません、環境影響評価課でございます。崎田委員からの御指摘で、平成23年の法改正に伴って配慮書手続等入りましたが、その施行を着実に行っているということについてのフォローアップが必要。これは御指摘のとおりでございますので、今後の課題の中に加えたいと思っております。実際に発電事業を中心にたくさんの案件が上がってきておりまして、平成25年から施行が始まっておるところでございますけれども、その辺を今後着実に運用していくということをフォローしていくということを課題に位置づけさせていただきたいと思っております。

○大塚部会長代理 よろしいでしょうか。

では、ありがとうございました。

 では次に、「各府省等における環境配慮の方針に係る取組状況」、「環境情報戦略に基づく施策のフォローアップ調査の結果」につきまして事務局から説明をお願いいたします。

○小堀環境計画課計画官 それでは引き続き恐縮でございます。「各府省等における環境配慮の方針に係る取組状況」、それから「環境情報戦略に基づく施策のフォローアップ調査の結果」につきまして、一括して御説明を申し上げます。

 資料の190ページをお開きいただければと存じます。まず、各府省等における環境配慮の方針に係る取組状況について御説明を申し上げます。

 第四次環境基本計画におきまして、関係府省は環境基本計画を踏まえながら、通常の経済主体としての活動分野と、環境に影響を与える政策分野の両面において、それぞれ定める環境配慮の方針に基づき環境配慮を推進するとともに、環境配慮の実施状況を点検することを求めてございます

 これを受けまして、各府省等における環境配慮の方針の整備運用状況をまとめたものが190ページの(1)各府省等の整備運用状況に掲載しております表でございます。16府省等のうち消費者庁を除く15府省等が環境配慮の方針を策定しているという状況でございます。

 191ページ以下、こちらが環境に関わる政策分野に関わる環境配慮の取組についてでございます。12府省等が行った自主点検の結果を取りまとめてございます。府省等ごとに環境配慮の方針に記載されてございます環境配慮の取組と、これに対応する取組、こちらのほうの例を掲げさせていただきますので御参照いただければと存じます。

 続きまして195ページをお開きいただければと存じます。こちらが通常の活動主体としての環境配慮の方針の取組状況について整理をしたものでございます。政府の実行計画では全ての府省等におきまして電気使用量であったり、あるいは用紙の使用量であったり、上水の使用量を削減する取組を実施することとしてございます。また府省等ごとにグリーン購入法の規定に基づき、適切な実施を推進するための調達方針が策定されてございまして、これに基づいた調達が行われているというような状況でございます。

 続きまして、飛んで恐縮でございますが、資料の205ページをお開きいただければと存じます。環境情報戦略に基づく施策のフォローアップ調査の結果でございます。環境情報戦略につきましては、平成18年4月に閣議決定されました第三次環境基本計画におきまして、これを策定することとされてございました。これに基づきまして総合政策部会とその下に設けられました環境情報専門委員会の御審議を経まして、平成21年3月に環境基本計画推進関係府省会議環境情報戦略連絡会において決定をされたものでございます。同戦略の中で、平成22年度から概ね隔年で「環境省は当面優先して取り組む施策に係るものの進行管理に必要な調査を環境基本計画に基づく施策の分野ごとの点検の一環として実施する」というふうにされてございます。

 これを受けまして平成22年に第1回、平成24年に第2回というふうに点検を行ってきたわけでございますが、今般、3回目のフォローアップ調査を行って、9月11日に開催されました第11回の環境情報専門委員会におきまして個別の施策の進捗状況について御審議をいただいたというものでございます。その結果について御報告をさせていただきます。

 (2)のところは環境情報戦略の概要でございます。ここのところは御案内ですので、説明は省略させていただきます。

 その上で、(3)が施策の進捗状況についてでございます。まずここでは進展が認められた主な施策というのを列挙してございます。例えば1番目、生物多様性情報収集・提供システム、「いきものログ」の公開について。これにつきましては環境省におきまして平成25年度より市民参加型の生物多様性情報収集・提供システム「いきものログ」をインターネット上において公開してございまして、こういった意味で施策の進展が見られたというものでございます。

 あるいは2番目、環境省図書館所蔵の資料の電子化でございますが、環境省図書館において、変色・摩耗している所蔵資料の一部につきまして、CDやDVDなどの形で電子化するとともに、デジタルコレクションとして閲覧に供してございまして、こういった形で施策の進展が認められているところでございます。

 以下、細かな説明は省略しますが、ここに掲げられているとおり、地方公共団体等との連携協力、アンケート等の実施、環境情報の国際的提供の取組、あるいは全地球観測システムGEOSS10年実施計画に基づく地球観測情報の国際的な共有に向けた情報の収集等、あるいは環境省ホームページの一部のコンテンツのCMS化による情報の作成編集過程の効率化、GISデータの活用促進及びGISソフトウェアの環境省職員への端末への導入などの施策で進展が認められるというところでございます。

 これらの点につきまして、戦略の方針に沿って着実に進捗しているとした上で、今後の課題ということで4点まとめさせていただいてございます。

 まず1点目でございます。利用者ニーズの把握と、これに応じた情報提供をするためにさらなる努力をしなさいという中身でございます。

 続きまして2番目でございます。「電子行政オープンデータ戦略」に基づく環境情報の領域における取組の強化ということでございます。

 3点目でございます。環境報告書に関する環境報告ガイドラインの取組などを参考にした公的部門、民間部門の各主体間における環境情報の共有に関する取組の進展ということでございます。

 それから4番目でございます。本情報戦略に基づく施策・取組全体の進捗状況と、この間の環境情報をめぐる状況変化、さらには利用者ニーズ等とともに、これは環境基本計画に基づく戦略でございますので、策定時の議論なども踏まえながら本戦略の見直しの検討を開始してはどうかという中身でございます。

 今後これらの課題につきまして、各関係省庁と共有し連携を深めながら、戦略に基づく施策を引き続き着実に推進していきたいと考えているところでございます。

 私からの説明は以上でございます。

○大塚部会長代理 どうもありがとうございました。

 ただいまの事務局からの説明につきまして、委員の皆様から御意見をお伺いしたいと思います。

 では、浅野委員お願いします。

○浅野委員 195ページの各行政機関の取組についての記載で、今日初めて拝見したような気もするので、実行計画に基づいて次のような取組を実施していると書いてあって、「90%以下にする」、「させない」、こういう書き方をしてあるわけですね。これは実績を書いているのか目標を書いているのかよくわからないのですが。もし目標がこうであるというなら、実績はどうであるということを書かなきゃいけないし、もしこれが実績であるならば、実績であることをわかるような表現にしておかないと。ちょっとこれだと、すると言っているができたかできないか全然書いていないような印象がある。目標なのか実績なのか、まずお答えいただいた上で、必要なら直していただきたいという意見です。

○大塚部会長代理 ありがとうございます。

 まとめて事務局に答えていただこうと思いますけれども、ほかにはいかがでしょうか。

 特にございませんでしょうか。

 では、崎田委員お願いします。

○崎田委員 195ページなんですが、今の御質問の次の、グリーン購入の丸のところなんですが、これに関しても「調達方針に基づいた調達実績についても取りまとめ、公表している」と書いてありますが、これについての、例えば方針とか目標値とか、そういうのはここには記載はしなくていいんでしょうかとか。何かそういう明確なものがあれば、ここにも記載していただければ非常にわかりやすいんではないかと思いました。

 よろしくお願いいたします。

○大塚部会長代理 ありがとうございます。

 195ページの記述が簡略過ぎるということかと思いますけれどもいかがでしょうか。事務局、お願いします

○小堀環境計画課計画官 貴重な御意見どうもありがとうございます。

 まず浅野先生からの御質問でございますけれども、これは目標値でございますので、そこら辺、言葉紛れないような形で、ここのところは修文を考えたいと存じます。また記載文については御相談させていただければと存じます。

○浅野委員 要するに、これしか見ない人のためにもっと親切に書けということです。公表しているのならせめて、例えばといって環境省はホームページのここに載っかっていますとか、そういうふうな書き方をすれば、ああ、なるほどとみんなわかるわけで。これだけだとちょっとあまりにも不親切でしょうということです。

○小堀環境計画課計画官 はい、すみません。崎田先生のほうも、御質問も含めましてここの部分少し具体化できないかということで考えさせていただければと存じます。

○大塚部会長代理 よろしくお願いします。

 では、木下委員どうぞお願いします。

○木下委員 そこで気がついたので、府省等の等というのは、これは政府関係機関のことなんでしょうか。等というのは。

○大塚部会長代理 いかがでしょうか。

○小堀環境計画課計画官 すみません、これ政府関係機関というよりは、中央省庁再編の後、昔、各省各庁といっていたのを府省等というようになっている意味合いからでございまして、基本的には政府の直轄の部分でございます。

○木下委員 独立行政法人なんかもやっていますよね。

○小堀環境計画課計画官 ここで書いているのは独法のことではございませんで、具体的に申し上げますと、190ページのところにありますとおりでございます。例えば公正取引委員会とか、府省では読めないものがございますでこういった記載にしてございます。

○大塚部会長代理 ありがとうございました。

 では195ページの記述に関しては、もう少し丁寧に書いていただくことをお願いしたいと思います。

 それでは次に、前回の第76回の総合施策部会における議論を踏まえた修正部分につきまして、事務局から御報告をお願いいたします。

○小堀環境計画課計画官 引き続き恐縮でございます。変更部分について御報告を申し上げます。

 前回の第76回総政部会におきましては、循環型社会部会からの点検結果の報告、それから自然循環部会における点検結果の報告、それから総政部会における点検部分のうち、経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進、国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進等について御議論いただいてございます。その際の御意見を踏まえた形で修文したものを本日の点検報告書の案とさせていただいてございます。

 時間の関係もございますので、以下、前回部会における御意見を踏まえて修正した箇所のうち、主なものだけでございますけれども、簡単に御報告をさせていただければと存じます。

 資料のまず3ページでございます。経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進、総政部会関係でございます。こちらのほう、まず8ページをお開きいただければと存じます。

 b)のところでございますけれども、ここの「現状」の部分、第1段落につきまして、御意見を踏まえる形で、行動している割合を示す記述と、意識している割合を示す記述、これを入れ替えるような形で、「意識が高い反面、行動に結びついていない」との文意をより明らかにするという形で修正を行うとともに、9ページのほうの図表の、今のものですとⅢ-1-5と、Ⅲ-1-6、これにつきまして入替えを行っております。

 続きまして、飛んで恐縮でございますが、16ページをお開きいただければ存じます。今後の課題の3番目の丸でございますけれども、委員の御指摘を踏まえまして、「経済的インセンティブ」の文言が、ディスインセンティブを含むことが明らかになるような形で修文を行ってございます。

 続きまして4番目の丸でございますけれども、委員の御意見を踏まえまして、「国内への情報発信」に係る文言を追加してございます。

 続きまして17ページ以下、点検報告書のⅢの2、国際情勢に対応した戦略的取組の推進、これも総政部会関係でございますが、こちらについてでございます。

 34ページをお開きいただければと存じます。上段のUNEP資源パネルの支援の関係でございます。こちらパネルの委員構成につきまして事後的に事実誤認が確認されましたので、記述を修正させていただいてございます。

 続きまして79ページ以下のⅢの5、生物多様性の保全及び持続可能な理由に関する取組の関係でございます。生物多様性部会関係でございます。

まず92ページをお開きいただければと存じます。c)のところでございますけれども、おめくりいただいた93ページの図表Ⅲ-5-7、それからⅢ-5-8、こちらにつきまして、その後、新しいものが出たので改めてございまして、これに合わせて現状の記述をこれに基づくものに改めさせていただいてございます。

 それから117ページをお開きいただければと存じます。今後の課題の部分でございますが、下から2番目の丸でございます。これにつきまして委員の御意見を踏まえる形で、現状をより適切に表現できるような内容となるよう記述を修正してございます。

 それから118ページ以下の物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組(循環型社会部会関係)について御説明を申し上げます。

 120ページをお開きいただければと存じます。鉄スクラップの高度利用の推進、環境省の施策でございますが、この関係、第1段落の施策の内容及びこれに対応する現状の最終段落の記述、それから第2段落の今後の施策に関する記述でございますけれども、委員の御意見を踏まえる形で修正を行ってございます。

 それから127ページでございます。b)の3Rに係る国際協力の推進でございますけれども、127ページのところの第1段落につきまして、御意見を踏まえる形で、アジア諸国における支援を重点的に行った旨を明記する形で修文を行ってございます。

 また、先ほどもございましたUNEPの資源パネルの関係で、国際情報に的確に対応した戦略的取組、先ほど確認させていただいた部分のみに当初書いていたところでございますけれども、御意見を踏まえる形で、129ページにも再掲という形で掲げることによりまして、3Rに係る国際協力推進に係る政策であることを明らかにする形の修文を行ってございます。

 私のほうからの御報告は以上でございます。

○大塚部会長代理 ありがとうございました。

 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 鷲谷委員、何か。

○鷲谷委員 すみません、全体の記述について。

○大塚部会長代理 はい、どうぞ、鷲谷委員。

○鷲谷委員 この文章は国民に広く理解していただいて活用していただくべきものではないかと思うんですけれども、そういうふうな目で全体を読ませていただくと、それぞれの分野にやや閉じた内向きの記述になっているという印象があります。それは、テクニカルタームのようなものが説明なしに出てきたり、先ほども何ページかのところで同じような御指摘あったかもしれませんが、読んでもなかなか理解できないところが幾つもあるように思います。

 例をお示ししたほうがいいかもしれません。例えば132ページから135ページに化学物質のスクリーニング評価のことについて記述があるんですけれども、そこで理解しておくべき重要なキーワードとして、「ばく露クラス」1、2、3、4、5と「ばく露クラス外」という言葉があるんですが、本文を見てもこの図のレジェンドを見ても具体的に何なのかが。もちろんそれに関わっている方たちはばく露クラス1と言われたら、それがどんなものがすぐ頭の中に浮かぶのかもしれませんけれども、見てもわからないので、この図から何を理解すべきかが難しい。また、何々等という表現、結構あちこちにあるんですけれども、1つでも2つでも例示があると理解しやすいところもあるのではないかという気がします。

 これが、別の資料を参照しながらようやく1ページが読めるというよりは、独立した読み物として読み手の理解に資するようなものに記述を少しでも改善していけるといいのではないかと思いますが、図表に頼って主張している部分でしたら、引用した図表には簡単なレジェンドしかついていないとしても、注で解説を加えるとか、テキストの中で修飾語とかでもう少しイメージしやすくするとか、そういうことがあると良いと思われます。

 自分の分野は普段からいつも接しているのでそういう部分はありませんが、ちょっと離れた分野だと私が読んでもわかりにくいところがあるので、もう少し国民の目で記述を見直していただくといいかなと。時期の制約があって大変お忙しくて大変なところかもしれませんけれども、誰かが一回全部読んでみて、全部ちゃんと理解できるかどうかをチェックすればいいのではないかと思います。

 以上です。

○大塚部会長代理 ありがとうございます。

 では、浅野委員お願いします。

○浅野委員 もう一度目を通せという御要望ですから、多分一番素人は環境計画課でしょうから、一番素人の計画課が読んで、わからないことはわからないということでしょうね。つまり原課にお願いして書いてもらっているので、みんなそれぞれの専門家が書いていますから、総合政策局の担当者が最も素人だと思います。だからそういう作業をすれば何とか直せるんじゃないかなと思います。

 それから報告の中に出てくる言葉で、同じことを言っていても違う言葉で言っている部分が確かにあります。例えば電気自動車関連の話が2ケ所に出てくるんですけれども、それぞれで略語が違うんですね。こういうのはいかにもみっともないので、ちゃんと直さなきゃいけません。

 まだようやく1冊にまとまったという段階ですので、これを通しのものとしてきちっと次回、パブコメにまずかけなきゃいけませんが、パブコメ後にお出しするときには手直しをする必要があると思いますから、できるだけ頑張って協力はして、私も手直しについて若干の責任はあるのでつき合いますけれども、とりあえずパブコメをかける段階でもまたいろいろ御意見があるでしょうが、今、鷲谷委員がおっしゃったように、あまり難しい言葉を並べるとパブコメの御意見も出なくなるので、そういう配慮もありますから、パブコメ前にできることはやっていただくことが望ましいと思います。

 最終的にはパブコメを受ける形でまたいろんな御指摘を受けて直すということにしたらいいだろうと思います。ここで私から申し上げることでもないのですが、部会長にパブコメにかける案については御一任をいただけないものかと思います。またもう一回会議をやらなくてはいけませんので、委員の皆さま どうぞよろしくお願いいたします。

○大塚部会長代理 ありがとうございます。

 本日の御議論を踏まえまして、点検報告書の素案を修正して後日パブリックコメントを実施したいと思います。本日いただきました御意見を踏まえて修正が必要な部分につきましては、今、浅野先生にもおっしゃっていただきましたけれども、武内部会長に御相談の上、修正いたしまして、パブリックコメントに付する点検報告書の案とさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 では、そのようにさせていただきたいと思います。

 少し早いのですが、予定していた議題が終わりましたので、本日の審議はこれで終了となります。

 最後に、事務局から今後の部会の開催予定について連絡をお願いいたします。

○小堀環境計画課計画官 資料の最後に参考資料6というものがございますので、そちら御覧いただければと存じます。参考資料6でございます。

 今後の部会の開催日程でございます。次回部会でございますけれども、11月26日の水曜日15時から17時ということで予定してございます。場所のほうは三田の共用会議所のほうでございます。中身といたしましては、第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題についてということでございますけれども、具体的には、先ほどからございますパブリックコメントの結果の報告、それから第3回点検の進め方等を予定しているという状況でございます。

 以上でございます。

○大塚部会長代理 では、以上をもちまして本日の総合政策部会を終わります。

本日は誠にありがとうございました。

午前11時38分