中央環境審議会総合政策部会(第67回)議事録

開催日時

平成24年2月21日(火)14:02~15:46

開催場所

ホテルフロラシオン青山 3階・孔雀の間

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    (一)第三次環境基本計画の見直しについて
    ・第四次環境基本計画(案)について
    (二)その他
  3. 閉会

配付資料一覧

【資料】

資料 第四次環境基本計画(案)

【参考資料】

参考資料 中央環境審議会総合政策部会名簿

議事録

午後2時02分 開会

○矢田環境計画課計画官 ただいまから第67回中央環境審議会総合政策部会を開会いたします。
 あとお一方お見えになると定足数に達するということでございますので、いつものように資料確認等させていただきながら、定足数に達したところでご報告させていただきたいと思います。
 初めに、資料確認でございます。
 お手元の議事次第に配付資料を記載しておりますが、本日は、第四次環境基本計画(案)をお配りさせていただいております。後ろに別紙という形で訂正の紙が1枚ついておりますので、そちらもご確認ください。
 それから、参考資料といたしまして名簿を配付させていただいております。
 もし足りない資料等がございましたら、事務局までお申しつけいただきたく存じます。
 ご発言の際には、お近くにあるマイクのスイッチを入れてご発言をお願いいたします。ハウリングを防止する観点から、ご発言が終わりましたらスイッチを切っていただきますよう、ご協力をお願いいたします。
 それでは、後ほど定足数に達したところでご報告させていただきますので、以後の進行につきましては鈴木部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。
 いよいよ第四次環境基本計画(案)が最終段階に入ってまいりまして、今日ここでいろいろご議論いただき、それをまとめた形で最終案、これがパブコメにかかることになります。そういうことで、本日ご議論いただきますことは、ある意味では大変重要なところでございますが、多様な委員の方がいらっしゃることでもありますので、すべての方々にとって100%満足がいくという形にはならないかもしれません。それは基本計画の性格上、お許しいただければと思います。
 この基本計画ができ上がり、また、今、総合資源エネルギー調査会のほうで検討しておられるエネルギー基本計画が多分、夏にはまとまってくるでしょう。その2つをあわせて内閣府のエネルギー環境会議で革新的なエネルギー環境戦略が考えられることになるというのがスケジュールとなっております。したがいまして、ここではあくまでも環境の側から、あるいは震災の影響等をしっかりと考慮して、中央環境審議会として、環境省としてどういうことを考えるべきか、このあと5年間、6年間どういうことに取り組んでいくかといったことをここに示しておくことが重要であります。
 いろいろとご配慮いただくところがあろうかと思いますが、それは先ほど申し上げましたように、これが定まった段階で、上のところで十分にすり合わせていただけるものと思っております。
 委員の方がちょうど過半数に達しましたので、定足数を満たすこととなりました。
 それでは、早速資料の説明をお願いいたします。

○矢田環境計画課計画官 お手元の資料に基づいてご説明させていただきます。
 今回の資料は、1月25日に開催いたしました前回の総合政策部会でいただいたご意見、その後文章でいただいたご意見、あるいはその後の各省協議の結果を踏まえて変更を加えたものでございます。
 本日は、前回の部会からの変更点を見え消しでお示ししております。若干途中経過が入ってしまっている部分もございますけれども、基本的に、この見え消し後の修正が現時点で各省との調整がとれた第四次環境基本計画案となっておりますので、その点、ご了解いただければと思います。
 今「各省から了解がとれている」と申し上げましたが、1点だけ「P」がございます。その点につきましては後ほどご説明させていただきます。
 初めに、1月25日の後、1週間という短い時間の中でご意見をいただきまして誠にありがとうございました。それを踏まえて修正させていただきましたので、前回からの主な変更点を簡単にご説明させていただきます。
 まず、全体の構成の関係でございます。
 冒頭、第1部の前に「はじめに」を追加させていただいております。
 2つ目に、東日本大震災関係の記述を第2部の第2章に「東日本大震災からの復旧・復興に際して環境の面から配慮すべき事項」として、また、第2部の第3章に「放射性物質による環境汚染からの回復等」として、それぞれ前回のご議論を踏まえて、1つの章として独立させたところでございます。
 続きまして、内容の関係でございます。
 まず3ページ、「はじめに」でございます。
 第2パラグラフでございますが、前回、森嶌委員等からご指摘をいただきました第三次計画から達成できた点、課題として残っている点といったところを、前回計画以降の点検結果等をもとに加えております。
 また、個別分野に係る点につきましては、各重点分野の中でも適宜記載を追加しているところでございます。
 第3パラグラフ以降では、東日本大震災とそれに伴う原子力発電所事故による環境、社会経済への影響について、第四次環境基本計画を策定するに当たって一番議論になった点でございますので、若干後ろと重複する部分もございますけれども、「はじめに」でもしっかり記述させていただきました。
 4ページ、第4パラグラフでございます。前回、環境政策の役割が非常に大きくなっているというご意見がございましたので、その点を記述するとともに、計画策定後の情勢の変化や他の計画の策定があった場合のリスク管理について記述を追加いたしております。前回は第3部に書いておりましたが、「はじめに」にも若干記述したところでございます。
 なお、前回までの総合政策部会におきまして、特に環境エネルギー政策の見直しとの関連で、そういう新たなものが加わった段階でこの計画はどうなるのか「リスク管理」という言葉で幾つかご議論があったと承知しております。これは後ほど地球温暖化のところをご覧いただければと思いますが、基本的には、エネルギー政策の見直しがあったとしても修正の必要がないように、その後も通用する文章として記述しております。
 今回、特に「事情変更があった場合に弾力的に対応できるようにする」といった記述を置いております。まさに第三次計画を策定した以降、原発事故という大きな事故が起こったわけですけれども、そうした計画策定時には想定していなかった事態が起こって、例えば原子力発電所への依存を低下させていくといった方針の変更があった場合に、閣議決定等を全部見直さなくても方針変更に基づいて弾力的に対応することができるようにしておくという趣旨から書いているものでございまして、基本的には、環境エネルギー政策が見直されても現時点の文章できちっと対応できるような形で書いていることを初めに申し上げておきます。
 続きまして、5ページからの総論のところでございます。
 6ページの一番下、「物質循環・廃棄物に関する状況」につきましては、崎田委員から他の分野と比べて記述量が少ないのではないかというご指摘がございましたので、記述を追加しているところでございます。
 10ページの一番下、「E.東日本大震災による被災地における環境問題」では、11ページにかけて、かなり文章を追加しているところでございます。
 24ページから27ページの第3章「環境政策の原則・手法」でございます。
 この点につきましては前回、森嶌先生を初め何人かの先生から、少し説明的なのではないか、教科書的ではないかというご指摘がございましたので、そうしたことがないように、大塚先生、浅野先生のご提案もいただきながら加筆・修正を行ったところでございます。
 続きまして、28ページからの重点分野の関係でございます。
 経済社会・社会のグリーン化とグリーンイノベーションの関係で、30ページの真ん中あたりでございます。第3次計画から達成できた点、課題として残っている点について、地方公共団体のグリーン購入への取組といったところがまだ足りないということで、追記しているところでございます。
 続きまして、2つ目の重点分野「国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進」の関係でございます。
 47ページをご覧ください。
 ここに「グリーン経済」の定義を説明するような文章があったわけですが、「グリーン経済」の定義が必ずしも政府内で確立しているわけではないということもございますので、ここではあえて記述しないことにいたしました。なお、29ページのグリーンイノベーションのところにも似たような記述があったわけでございますが、これも同様に削除しているところでございます。
 それから、前回は47ページの真ん中あたりで2カ所、50ページの真ん中あたりで1カ所ペンディングになっていましたけれども、これにつきましては各省調整の結果、文章が固まりました。
 53ページ、国際的な枠組みについての記述でございますけれども、時点修正といいますか、最新の情報を盛り込んでおります。
 続きまして、3番目の重点分野「持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進」でございます。
 57ページの下から5~6行目あたりと61ページの環境教育の部分は、佐々木委員のコメントを踏まえまして加筆しております。
 なお、「重点的取組事項」のタイトル、あるいは「重点的取組事項」の(2)(3)を2つに分割するなど、若干構成を変更しているところでございます。
 続きまして、4番目の重点分野、地球温暖化の関係でございます。
 69ページ、71~78ページまで全体としてペンディングが多く残されておりましたけれども、各省調整を行いまして、文章を固めているところでございます。
 なお、71ページの一番上の行に1カ所だけペンディングが残ってございます。「長期的な目標として2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指す」という部分でございます。下に「注」で書いてありますけれども、この「2050年80%」というのは「エネルギー・環境戦略に関する選択肢の提示に向けて~」ということでエネルギー・環境会議で決まっておりますので、私どもとしては記載すべきということで調整を行っておりますけれども、エネルギー政策を白紙で見直すという観点から、長期目標についても今回は記述すべきではないという意見が政府内にございまして、これについては今なお調整中でございます。
 今日は担当の地球局も来ておりますので、この点につきましては、必要があれば適宜ご議論いただければと思います。
 その後の文章はペンディングになっておりましたけれども、ここは文章として固まっております。
 また、真ん中あたりをご覧ください。先ほども申し上げましたとおり、今、エネルギー政策の見直しをしておりますけれども、その見直しの結果に基づいて対策を進めるという記述になっておりますので、基本的には、エネルギー政策を見直しても環境基本計画の修正は必要ない文章になっているということでございます。
 73ページをご覧ください。
 前回、森林吸収源の財源確保についてご指摘がございましたので、記述を加えているところでございます。
 続きまして、5番目の重点分野、生物多様性の関係でございます。
 83ページをご覧ください。
 前回、山本先生から生物多様性オフセットについてご指摘がございました。この点について記述を追加しているところでございます。
 続きまして、6番目の「物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組」でございます。
 前回、善養寺委員からご指摘をいただいた電子マニフェストの関係について、修正・加筆しているところでございます。
 なお、水環境、大気環境、化学物質関係につきましては、大きな修正はありませんので、説明を省略させていただきます。
 125ページ、第2章「東日本大震災からの復旧・復興に際して環境の面から配慮すべき事項」でございます。
 126ページの2.の(2)は、タイトルを見直しております。前回は「環境保全の確保と両立した環境影響評価手続の迅速化等」となっておりまして、「等」の中身が不明ではないかというご意見をちょうだいしましたけれども、この「等」につきましては手続の迅速化以外に適用除外もあるということで、最後に「等」はつけたままで、その点がわかりやすくなるように、「環境影響評価における手続の迅速化等」と修正を加えております。
 128ページでございます。前回はなかった「(5)復旧・復興に対する環境研究・技術開発からの貢献」を新たに追加しております。
 続きまして129ページ、放射性物質の関係でございます。
 前回は、基本方針をそのまま引用する形で載せておりましたけれども、基本方針は参考資料に移すことにいたしまして、かわりに、1月25日以降に発表された除染ロードマップや中間貯蔵施設等も含めて記述を追加しているところでございます。
 129ページの最後から、健康管理対策、野生動植物への影響の把握の関係は、ご覧いただければと思いますが、記述を充実させているところでございます。
 130ページの3.は、新しく書き加えたところでございます。
 今回、原子力規制庁の設置等にかかります、原子力の安全の確保に関する組織及び制度を改革するための環境省設置法等の一部を改正する法律案が1月31日に閣議決定されて、そのまま国会に提出されているところでございます。その法律案の中に、環境基本法の放射性物質の関係で「原子力基本法その他、関係法律で定めるところによる」という条文を削除するという改正が盛り込まれております。このことを踏まえまして、今後、環境政策として放射性物質の関係に取り組んでいくためにいろいろ検討していくことがあるだろうということで、その関係を記述しているところでございます。
 132ページ以降は、第4章「環境保全施策の体系」でございます。
 前回は、縦割り6分野以外の横割のところは時間がちょっと足りなかったということで、「P」という形でお示ししておりましたけれども、今回、全体を整理して記述させていただきました。
 また、前回は表の形でお示ししたところでございますけれども、何人かの委員から表形式ではなく従来どおり文章型の記述のほうがよいのではないかというご意見をちょうだいいたしましたので、その形で整理させていただきました。
 なお、ここでは放射性物質の関係、東日本大震災の関係も再掲という形で、前と重複するので詳細は記述しておりませんが、それぞれ関連する中で整理しております。
 以上、簡単ではございますけれども、前回からの変更点を中心にご説明させていただきました。

○鈴木部会長 別紙の説明はよろしいですか。

○矢田環境計画課計画官 別紙のほうは中身に関わる大きな修正ではございませんので、特段説明は。

○鈴木部会長 前回以降、大変多くの意見をいただきまして、それについて、短い時間ではありましたが、各省協議も含め調整を図っていただきました。
 それでは、以上説明いただきました基本計画(案)につきまして、委員の方々からご意見をいただきたいと思います。
 例によりまして、ご意見をお持ちの方は名札を立てていただけますでしょうか。短い時間で大部の資料をお読みいただいたということで、大変だったかと思いますが。
 それでは、大塚委員のほうからまいります。

○大塚委員 全体としてよくまとまっていると思います。事務局と、まとめられた先生に敬意を表したいと思いますけれども、1点だけ。
 1点だけ「P」となっていた温暖化の2050年80%削減の目標について、一言申し上げておきたいと思います。
 この2050年80%削減というのは、2050年までに2℃上昇に抑えるという科学的知見に基づくものでございますし、先進国として80%削減することはラクイラのサミット等でも日米で合意しているところですので、そんなに簡単に外せるものではないと考えています。
 さらに、先進国と新興国の間の公平の問題もあるわけですけれども、それが今回、日本が京都議定書に、目標を設定することをやめてしまった理由になったわけですが、そちらはともかくとして、2050年に何が公平化と考えたときに、人口1人当たりの排出量を目標とすることに恐らくあまり異論はないのではないかと思います。
 人口1人当たりの目標と考えたときに、私自身も前に試算したことがございますけれども、日本は排出量を大体1990年の6分の1ぐらいにしなくてはいけません。80%削減というのはその点からも非常に説得力のある目標であると思っていますし、他国との公平性との関係からも説得力のある目標だと考えています。
 これは決してCO2排出量の多い業種に「日本から出ていってください」と言っているわけでは全然なくて、技術開発によって、例えばCCSとか水素還元の製鉄とか、そういう技術開発によってぜひCO2を削減する方向に向かっていただきたいという趣旨であることを申し上げておきたいと思います。
 そういう観点から、80%削減という2050年の目標については堅持すべきであると考えております。

○崎田委員 本日がパブコメの前の最終日ということで、私はかなりいろいろ申し上げて、ぜひこれでパブコメをお願いしたいと思っておりますが、簡単に3点ほど。
 まず、「はじめに」にかなり明確に今回の趣旨を入れていただきまして、私は、やはりこういうことで社会への発信力が強まると思っております。
 次の循環型社会のところは、量のことを私が申し上げたような感じなのですけれども、量が少ないということはそれだけ書き込みが浅いということですので、かなり徹底していただいてありがたく思っております。
 なお、エネルギーに関して、先ほど将来像がどのようになってもというお話がありましたけれども、現政権は、もう明確に原子力依存度を下げるとお話されているわけです。ただ、依存度を下げるというのが、今まで原子力が約25~26%だったものを2030年に53%にするということの依存度をどのぐらい下げるかという話ですから、0~53までかなり大きな幅があるということでは話をしているわけです。そういう意味では、とりあえず温暖化対策とかCO2削減対策の重要性は変わりませんので、環境政策のほうはそれを堂々と言って、目標値なども掲げていくことが大事ではないかと思っております。
 最後に、放射性物質に関してかなり明確に入れ込んでありますが、私は今後、やはり環境全体の状況、環境修復あるいは環境影響評価とか、いろいろな関わりで大きな、基本法とか何かそのようなものが必要な状況になってくるのではないかと思っておりますが、現段階ではこれが分野的には大変明確に書かれておりますので、こういう感じで出していただければありがたいと思っております。
 どうぞよろしくお願いいたします。

○進藤委員 ペーパーでは幾つか出させていただきまして、入っていること、入っていないこといろいろありますけれども、まず1点目は、71ページの2行目の長期目標の80%削減というところであります。
 この80%・2050年ということについて、2020年ほど国民的な議論はまだなされていないということなので、ここであえて目標だと掲げるのは早いのではないかという意見を申し述べたのですが、それに対する回答は「『長期目標について定めるべきではない』という国民的な議論もないので、原案どおりさせていただきます」というものでありました。私の感覚から言うとかなり乱暴な答えでありまして、そういう国民的な議論がないのでこう書くというのであれば、どう書いてもいいことになるわけです。
 そもそもエネルギー・環境会議で決められていると言いますけれども、これは中央環境審議会から原案が出て、それが当該会議で決められたことになっているわけですが、この中央環境審議会で今こうやって議論されているわけですので、何となくおかしな状況になっております。
 そもそも2050年に80%減らす、世界全体で50%減らすという話は、震災前、原子力発電がこれから国内外でどんどん拡大するという前提での議論である上に、本当に80%減らすとなると、何回か申し上げましたけれども、それこそ出てきたCO2からあまりエネルギーを使わないでメタノールをつくって有効活用するとか、宇宙に巨大な太陽光発電パネルを上げてそれをレーザーで地上に送電してくるとか、そういう技術革新がないと大変難しいと思います。そのイメージすら我々は今、持っていないわけでありまして、その中でこのような目標を掲げるのは本当にどうなのかと思います。
 実現するかどうかわからないけれども理想の状態として掲げよう、あるいは到達できるかどうかわからないけれども「坂の上の雲」としてそこを目指していこうという性格ならわからないでもありませんが、「2050年までに目指す」と言い切ることは、今でも私は違和感を持っております。ですからここは、「ラクイラ・サミットでこういう議論があった」等と経緯をそのまま書くことだけではいけないのかとまだ思っております。
 2番目は、その数行下に「同時に、地球温暖化対策の国内対策は、我が国のエネルギー構造や産業構造、国民生活の現状や長期的な将来のあるべき姿等を踏まえて」云々と書いてございます。どうしても我々事業をやっている者として、ものづくりをやっている者としては、ここには「国があるべき産業構造を決めて、それに従ってもらう」というニュアンスがあってすんなり受け入れることができません。昔ならいざしらず、今、この自由貿易、グローバル経済の中で一国の産業構造を決めるのは、私はマーケット、市場だと思います。
 私事で申し訳ありませんが、40年前、日本の鉄鋼業は一次から二次、二次から三次に行く、ペティの法則に従って「日本の鉄鋼業はもうだめだ」と言われましたけれども、世界最高の技術で40年後、まだ残っているわけです。それはなぜかというと、鉄鋼業で生計を立てようという人がいて、技術を開発して、大変な合理化をして、マーケットに許容されてきているからであります。
 予想ならわかります。産業構造の変化を予想してみようということならわかるので、この「あるべき」という言葉をとっていただけないでしょうか。「長期的な将来の姿等を踏まえて」と言えばいろいろな見方、いろいろな姿の立て方が出てくるわけですから。
 3番目はその下の段落で、「他方、現在、東日本大震災」云々と書いてあります。その2行目の「それと表裏一体で」という言葉、これは大事なキーワードでありますが、これがどこにかかるかよくわからない。「新たな地球温暖化対策・施策の検討を進め」に表裏一体がかかって、その次の行の「地球温暖化対策の計画を策定」は独立であるという読み方もできるし、「地球温暖化対策の計画を策定」に「表裏一体」がかかるとも読める。これは非常にわかりにくいので、「新たな地球温暖化対策・施策の検討を進め」を外して、「表裏一体で中期的な目標達成のための対策・施策」云々で「地球温暖化対策の計画を策定し」と直していただきたいというのが私の意見であります。
 最後に、今、自主行動計画のような産業界の取り組みが大変成果を上げているので、こういうものも対策の柱に、例えば「事業者」の項目の中に入れるとか、あるいは「排出権取引」の後に入れるとか、そういうことを入れていただきたいとお願いしていたのですが、それは採用されるに至りませんでした。いろいろなまとめ方の中でそういう議論があったとは思いますけれども、CO2を減らすことについて産業界に何かをやるべきだとか、あるいは相当減らすことをやれということであれば、この自主行動的な取り組みが大きな柱になるわけで、可能ならばそこをもう一回考え直して、入れていただければと思います。

○太田委員 都市とか交通という面でものを見ていたのですが、気がついたことがございますので。
 細かいことですが、109ページの下のほう、「(2)環境的に持続可能な都市・交通システム」ということで交通関係、都市を含めて記述していただいてよかったと思いますが、その1行目の「コンパクトな街づくり」という言葉です。キーワードとしては非常にいいのですが、実は「まち」という言葉を漢字で書くのと平仮名で書くのと多少意味が違いまして、私の感じでは、「まち」と平仮名で書くとソフトを含めた、いろいろな参加型を含めた幅広いまちづくり、「街」と書くと、どうしてもハードな街づくりということになります。こちらの趣旨はハードだけでなくソフトということでしょうから、その辺をもう一度検討していただきたいというのが1点です。
 そして、そこに「コンパクト」とありますのは、まさにこれで歩いて暮らせるまちづくりとか、そういうことも非常に重要なのですが、実は「徒歩」という言葉がすっかりどこにもないような感じがして、110ページの「(5)生活様式や経済活動の見直し」で公共交通機関や自転車の安全な利用を言っておりますが、やはりベースは徒歩でありまして、やはりきちんとした歩行環境をつくることは健康を含めてこれから非常に重要だと思いますので、そういう意識で「徒歩」という言葉をどこかに入れていただければと思います。

○櫻井委員 パブコメ前の最終ということですので、こういう形でおまとめいただいたことについて、まずは感謝申し上げたいと思います。  環境基本計画には、例えば第三次の環境基本計画は、環境、経済、社会の統合的発展というように、ある意味これからの時代をどういう考え方でリードしていくかといった打ち出したい理念があったと思います。第一次環境基本計画は当然そうですが。今回、第四次になって、もちろん150ページにわたる計画にはいろいろなことが書いてありますし、読み手によってこの部分が重要だとか、ここは新しいということは多々あろうかと思いますが、現時点で第四次計画策定に当たっておられる事務局のほうで「今後の環境政策をリードする理念はこれだ」というものが明確になっていましたら、ぜひお答えいただきたいと思います。パブコメを経て今後検討ということであれば、次回に向けてご回答いただけたらという要望でもあります。
 もう一点、ペンディングになっている部分があるということなので私も一言申し上げたいと思います。2050年までに80%削減についての記述の是非については、少なくともこの総合政策部会ではそれを中心的に議論しているわけではございませんので、それを本気で議論するのはむしろ地球環境部会のほうの任務であろうかと思いますが、71ページの下に注記がありますように、その地球環境部会でエネルギー・環境会議に出された取りまとめの中では、80%の排出削減を目指すということを記述しているわけです。ですから、中環審として暮れにそういう見解を表明しておいて2月になったら引っ込めるというのもいかがなものか。それだけではなくて、大塚先生がおっしゃったように国際的な合意、あるいはそれに対して日本がどういうスタンスをとるかは、今後当然議論はあり得ることだろうと思いますし、議論はしかるべきところですべきだろうと思いますが、基本計画の議論をしている総合政策部会で方針転換を決めるのはなかなか難しいのではないかと思います。

○佐々木委員 調整を図っていただいていることは大変感謝申し上げます。また、自宅で印刷しますと、どこが直ったのかが赤字できちっと出てきますので、そのあたりも大変読みやすく進めさせていただきましたこと、感謝申し上げたいと思います。
 1点目は、150ページに学校教育における取組。ぜひここにも文言を1つ、ESDを入れていただければありがたいと思っております。
 2点目は、一般的な論文では、「はじめに」という文面があれば必ず「おわりに」とありますので、終わりがない非常に難しい中身であるということなのか、よくわかりませんけれども、「はじめに」があれば呼応して必ず「おわりに」があるべきだろうなと思います。

○末吉委員 1点目はお願いですが、37ページの(2)、環境金融の拡大の下から2行目に「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則等」とありますけれども、「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則」というのは一般的な表現ではなくて、特定の原則を意味すると思いますので、せめて括弧をつけるとか、あるいは「既に多くの日本の金融機関が署名を始めている「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則」」こういった記述に変えられないでしょうか。
 実はこれは座長を務めさせていただいた私の怠慢だったのでありますけれども、中央環境審議会のご諮問を受けて2年ほど議論して、その結果生まれたのが、この金融行動原則であります。昨年11月15日から署名が始まりまして、先週時点でなんと158金融機関が既に署名しています。例えば大手金融機関、これは銀行も証券も損保もほとんど署名いただいておりますし、あるいは全国で64行ある第一地銀のうち57とか58が署名を済ませています。ですから、金融機関が日常ビジネスを行うテリトリーとしては、日本列島を完全にカバーしました。これは中央環境審議会で大変いい諮問をしていただいた結果だと思いますので、ぜひそういった形でこの中に入れていただけるとよろしいのではないかと思っております。
 2点目は、2050年に80%削減の世界目標であります。
 私の理解では、あえて言うまでもなく、これは誰かが勝手につくった話ではなくて、IPCC等の科学的知見に基づいて国際世論がつくり上げた目標ですよね。そのことは、別な言葉で申し上げれば、今年「リオ+20」と言っておりますけれども、リオ以来の過去20年の国際社会の取組の中で生まれたもの。つまり、20年の歴史を背負った目標だと私は理解しております。しかも、そのことを支えているのは、非常に残念ながら年々悪化が続く気候変動の被害なのだと思うのですね。
 そういったことを考えますと、できる、できないの話以前に、やらなければいけない、そういう目標を持って世界がともに歩むことが非常に重要だと思います。どういう将来を持つべきかということはいろいろあるのでしょうけれども、例えば、今年の「リオ+20」のペーパーの題は「The Future We Want」ですよね。「what future will be in 2050」ではないのですよ。我々が手に入れるべき将来、未来は何なのかを議論しているわけです。そういった視点で、こういった長期目標のあり方を考える必要があるのではないでしょうか。
 まさに手前のことでものを見る、そういう見方では、こういったことはやってはいけないと思っております。
 現にイギリスは、ご存じのとおり、2050年に80%削減を国の目標として、もう法律をつくっていますよね。しかも、イギリスを含むヨーロッパは2050年には再生可能エネルギー100%だと言っているわけですよ。こういったことが現実にもう始まっています。日本はそういった国とこれから競争していかなければいけません。とすれば、せめて世界が共有している2050年80%、特に先進国80%というのは、日本は当然堅持すべきだと思います。
 さらに、例えばこういう数字をお聞きになって、どう思われますか。あるところが出している数字ですけれども、クリーンエネルギーの分野に投入されたニューマネーという統計が2004年からずっと出ておりますけれども、去年1年間だけでも2,600億ドル入っているそうです。大変な金額です。2004年からの統計を全部出すと1兆ドルを超えるのだそうです。こういったお金が既に動き始めているのがグリーン経済の現実なわけです。
 風力の発電能力が既に原発を上回ったのだと、今朝の朝日新聞にも出ておりましたよね。その中で、日本と世界の格差は年々拡大するばかりであります。もっと申し上げれば、日本が取り残されてしまっているのが現状です。ただ、一方で私が非常に感心しているのは、日本の自動車業界ですよね。厳しくなる燃費規制に向けて、温暖化対策も含めて取り組んでいらっしゃるので、なんとガソリンやディーゼルの内燃機関ですらリッター30キロを達成し始めた。このようなことを考えますと、やはり我々は、あるべき目標を持つことによって多くの可能性を引き出していく、そういったことが非常に重要になってくると思います。
 これはIPCCの前の議長が日本の新聞のインタビューで言っていることですが、2℃が現実に無理だとして、その目標を3℃とか4℃に引き上げることで、実は4℃とか5℃とか6℃という結論になってしまうのだと。だから、2℃が無理でも2℃という目標を掲げることが、実は温度上昇を極力抑えていくことになるのだ、こう言っているわけです。これは我々の日常生活においても現実にそうですし、やはりあるべき目標を持った人のほうが時間の経過の中では先へ行くということを意味すると思います。
 それから、これは私の見方ですけれども、マーケット自体が競争原理を変え始めた。だから日本の自動車業界はこういう対応をしているわけですよね。企業自身も消費者も、そこにお金を投入する投資家も、あるいは社会一般も、新たな競争原理、視点を持ち込み始めた。ここで「環境効率」という言葉を使ってありますけれども、そういう時代が本当に始まったわけです。とすれば、私は日本の産業界や経済、あるいは社会が世界との競争に勝ち残っていくには、ぜひ世界との共有の目標は堅持すべきだと思っております。
 これは最後になりますけれども、数年前にヨーロッパに参りまして、フランスのEDF─電力公社ですね─を訪ねた折に、こういう会話がありました。彼らが言うには、私企業としては当時のETSに反対ですと。でも、もしフランスの社会やEUの社会がETSが必要だと言うのであれば、私企業といえども社会のその判断に従うべきだと思う。企業市民の一員としては社会の判断には従うのだ、そういった発言をしているわけですね。
 ですから私は、企業も立派な社会の一員でありますから、社会全体が長年の議論の末に培ってきたものは、やはり一つ一つ崩していくのではなくて、大事にしていくということでありますし、そういった方向性をしっかり担保するのが実は政治や政策、あるいは政府の責任だと思っております。そういう意味でも、この環境基本計画は非常に重要な役割を果たすことになるだろうと思っております。

○永里委員 今の末吉委員の意見とほとんど同じなのですが、結論が違います。考え方は、私も同じように考えている部分があるのですが、どこが違うかというと、もうイデオロギーが違うのかなという感じでして、結局こちらは規制を嫌い、計画経済を嫌い、市場経済が好きなものと思ってください。
 そういう立場でいくと、末吉委員の理想の姿というのは私も全く同じですよ。それで、そういうものは市場が決めるとか企業が決めるのです。要するに、政府に「あっちへ行け」と言われてやるのではなくて、先を走るのが企業なのです。要するに、世界がどう動いているかを先どりして、他社には教えなくても自分たちはそれをやるということでやるので、政府が産業構造のあるべき姿など決めていきますと、絶対重たい政府になるわけです。
 ヨーロッパ、アメリカにおいてよく言われていますが、「環境は票になる」政治家は、環境を票にしたいためにみんな心地よいことを言うのですが、結果として非常に重たい政府になるわけです。重たい政府というのは、何のことはない計画経済の政府なのですけれども、環境経済学者とかここにいらっしゃる方々には、自分たちが重たい政府を求めているのだということは認識してほしいと思います。
 今、日本はデフレ経済であって、成長が期待されている。そういうときに、政府としてある種の指針を出すのは結構だと思いますが、決めていくようなことは市場に任せたほうがいいと私は思っています。その意味では、エネルギー・環境会議決定にこう書いてあったからこれでいいのだというのは、私は地球環境部会にも出ておりますし、こちらにも出ておりますから、地球環境部会でもこのことは多々発言しているのですが、エネルギー・環境会議でそういう文書が残ったとか、中に入ったということはまさしく、これは戦時統制下か戦後に官僚が統制経済をやって電力等のエネルギーを分配しましたね。あの味が忘れられないのではないかと。
 経済産業省と環境省、あるいは資源エネルギー庁というのは、本来、縦割りでどうも仲がよくないらしいのですが、この点に関しては手を握ったとしか思えない。要するに、計画経済をやることこそが目的であるというふうに産業界からは見えるということ。
 末吉委員のおっしゃっている理念的なことは私もそう思うのですが、アプローチが違うのかなと思います。
 それから、やはり産業界の自主的な取組というのは残しておいてほしいと思います。これもずっと言っているのですが、何か消えているようですので、その辺もつけ加えておきます。

○長辻委員 細かいことで申し訳ありませんが、読んでいて気になりましたので、確認させていただきます。
 130ページの放射線の話ですが、結論から言いますと、上から3行目の一番最後「放射線の人体への影響等」これは要らないのではないかと思います。この文章を読むと非常にわかりにくいのです。というのは、2行目から読んでいくと「放射線について正しい知識を持ってもらうよう低線量被ばくによる人体への健康影響その他放射線の人体への影響等の放射線に関する国民の理解を深める……」ということで、意味が通りません。
 ですから、先ほど申し上げた「放射線の人体への影響等」をとってしまって「低線量被ばくによる人体への健康影響、その他放射線に関する国民の理解を得るための広報活動、教育活動その他の必要な処置を講ずる」とすれば流れがよくなると思います。これは消し忘れかもしれませんが。  あと消し忘れかもしれないと思ったのが、(2)の1行目に「放射性物質による生態系への影響を把握するため、」だけが残っていますが、これは明らかに消し忘れですね。

○浅野委員 すみません、消し忘れです。

○長辻委員 細かいことですが、気になりましたので申し上げておきました。

○萩原委員 NPO、NGOの使い方、地域住民というところ、ここは全体として整理していただきたいと思うのですが、いろいろな主体の協力というところで、NPOだけが書かれていたりNGO、NPOと書かれていたり、バラバラになっていますので、これはぜひ統一していただきたいと思います。
 地域住民のところもそうで、あるところには「地域住民(団塊の世代、若者を含む)」と書いてあったり、何もなかったり、そういうところがありますので、ちょっと細かいのですが、ぜひ全体で統一を図っていただきたいと思います。
 それから、NPOのほうにばかり頭がいっていたのですが、実は今回「女性」という言葉が消えてしまったのですね。第三次計画では、20ページの「施策プロセスへの広範な主体の促進」のところに女性の参加・参画というのが入っておりました。リオ+20の中ではアジェンダ21の第24章に女性の役割というのが入っているために、国内文書の中にも女性と環境に関する記述が入る予定です。17日に内閣府のフォーラムでもその点が協議されておりますので、何らかの形で入れておいていただきたいと思います。
 場所については今すぐどことは言いませんけれども、ぜひお願いしたいと思います。

○福井委員 意見を何点か申し上げたのですが、取り入れていただいて、ありがとうございます。
 2点あります。ひとつは前の稿で「ここはいいことが書いてあるな」と思っていた部分で今回、削除されたところがありまして、特に他の委員に異論がなければ復活していただければと思います。
 50ページの真ん中あたりの「だけではなく、」から始まる、この1行は削除すべきだと思いますが、その後の「ITを活用した」以下は、残していただけたらと思います。その冒頭に「例えば、ITを活用した」といったことでいかがかと思います。
 2点目は、委員お2人からお話がありました自主行動的な取組の点でありますけれども、やはり日本のCO2削減の取組の中で一つの重要な部分であると思いますので、私もどこかで記述されてしかるべきではないかと考えております。

○藤井委員 71ページの80%について、二分する激論がありました。私は、ちょうど前回の1月25日にドイツの小さな地域を歩いていたのですが、それはエネルギー自給の地域でした。3.11以降、どういうエネルギーのイメージを持つか、本当にできるのか歩きながら確かめてきました。
 どこに行っても出てくる言葉が共通で、「アラブの世話にならない。ロシアの世話にならない。私たちは地域の資源を生かしてエネルギーをつくる」こんなふうに言い切れたらいいなと思いながら見てきましたが、制度設計があればこういう形も可能なのだなとつくづく思いました。
 そんなことから、高い目標に見えますが、この2050年の80%という旗は下ろさないでいただきたいというのが私の意見です。
 もう一つは、東日本大震災については前回・1月25日もそれ以前も、どこの場所に入れ込むか、どう書き込むかということで随分たくさんの激論がありました。そういう中で、「はじめに」で随分きっちりと書き込んでいただいたことは大変すばらしいと思います。
 もう一歩進んで、前回・1月25日の議事録を拝見しますと、崎田委員から東日本大震災に関してはまとめて序章のような形で前に持ってきたらどうかという意見もありました。先ほど崎田委員から「はじめに」に書き込んであるのでということで、もうこの流れでいいとご了承なさっているのかなと思いつつ、読んでいくと2章、3章とも随分と言葉の重なりが出てきますので、環境省のプレゼンスをもう一歩高めるために思い切って2章、3章をぐんと前に持ってこられないか。ダメと言わないで、やってください。地域の中で環境省のプレゼンス、これで高まります。本当に。こういう認識でこのように動いているのだということをもうちょっと工夫できないかなというのが私の意見です。
 もう浅野委員からだめだと言われていますが、ぜひ。

○浅野委員 まず、太田委員のご指摘の点です。
 「まち」を平仮名で書くのと漢字で書くのでは違うというのはそのとおりだろうと思いますが、ただ、ことさらこの字になっているのは、最近特に街区単位という発想が割合強くて、ベタッとまち全体をコンパクトということではなくて、もっと新しい方向でという議論が盛んに出ていますので、それを少し意識しています。ですからわざとこの字にしておりまして、いわゆるタウンではなくて、街区というニュアンスをあらわしたかった、ということでございます。
 ただ、ソフト面が落ちていると言われるなら「ソフト面を含めた」と言われて、この言葉はできれば残していきたい気がするのですが、いかがでしょうか。
 それから、櫻井委員からのご指摘は実は痛い点で、私も最後になってハッと気づいて「あれ? どこだろう」と思ったのですが、苦し紛れのお答えをいたしますと、17ページをお開きください。第三次計画もいろいろな場所にいろいろ書いておりまして、どこかにまとめて箱書きみたいに、こればポイントであるといった書き方をしていたわけではありませんので、その意味では今回の書き方でもお許しいただけるのかなという気もするのですが、17ページに、目指すべき姿ということでいろいろ書いているわけです。結局、最終的には、PR版をつくるときにどの部分をどのようにまとめて打ち出すかという話になるので、そのような場合には、この17ページの一番最後の部分、ここがある意味では総括的な考え方を示していると考えていいのではないかと思っております。
 第一次計画以来これまで循環、共生、参加、そして国際的取組という長期的目標掲げてやきたわけです。第二次の計画まではその言葉をそのまま残し、第三次計画では考え方は変わらないとしつつも、第二次計画よりは少し表現を広げ、長期的目標についてかなり書き込みました。その結果、現在では、例えば低炭素社会、循環型社会、自然共生社会という言葉が定着するに至り、それぞれについて基本法ができる、あるいは国会で審議中という状況になってきていますので、この環境基本計画が18年前に策定した段階に考えた長期的目標は、かなり定着してきているのではないか。そうすると、ここで改めて同じことを繰り返す必要はなくなったのではないか。
 ただし、第三次計画で挙げ、先ほど櫻井委員がおっしゃった、環境と経済と社会の統合的向上という考え方を引き続き堅持し、それが持続可能な社会の基本であるということは強調しているつもりでございまして、それは長期的目標として今まで掲げていた4つが現在ではここに表現されているような形で発展していると理解してはどうかと考えます。
 しかしながら、「参加」という言葉が前回までの記述にはどうも見えにくいので、今回はここにわざわざ線引きで「各主体の参加のもとに」と入れまして、解説本を書くとすれば、今の流れがこんなふうになってきたのだという書き方をし、また広報するときはこのあたりをおもてに出せばいいのではないかとは考えています。しかし、もう少し考えさせてください。
 次に自主的な取組については政策手法の中にもかなりきちっと書きまして、これまで経団連がやってこられた自主的取組が、ここで言う自主的取組手法としてのモデルとして位置づけるということを明確にいたしました。つまり、一般的には自主的取組というのはそれぞれが勝手にやることだから信頼性が薄いと思われがちですが、そうではなくて、ちゃんと社会でシステム化し、ある意味ではみんながそれを認知して社会制度として動いていくようなものでない限り、自主的取組といっても意味がないわけです。しかし社会システム化した自主的取組手法というものが、現実に日本ではこれまで実現していますし、さらにこれが発展していく可能性があることは認識した上で、前のほうの政策実現手法の部分にはそれを入れているわけです。  ところで、温暖化対策に関しては、次の2013年以降、引き続き自主的取組が行われるのだということがはっきり関係者から宣明されているならば喜んでここに書いてよいわけですが、現段階でそんな風に書いていいのかという迷いもあって、74ページの(3)事業者の一番上の「・」の部分の記述が、つまりは自主的取組と言われているもののある一面をとらえて記しているという心づもりでいたわけですが、2013年以降も新たな目標実現にむけてさらに自主的取組の手法を入れろというご意向が明確にあるようでしたら、さらにご相談いたしまして加筆することができるのではないかと考えます。
 2050年の目標に関しては、本日いろいろご議論がありました。
 ただ、先ほどお聞きしていますと、進藤委員もこれを目指す目標として考えることについては、何の異論もないとおっしゃっています。そういう意味では、目標という言葉のとらえ方が皆さん微妙に違っているのかという気がしておりまして、私も、少々乱暴な言い方ではありますけれども、ここに「80%」と書くといかにも定量的にガチッとやられるような気がしますが、「8割削減」と言ったら途端に響きが違ってきて、要するに、2050年に先進国は8割削減しなければいけない、みんなそれを目指してやるのだ、では、具体的にそれをどうスケジュール化してどうプログラムにしてという議論をやっていくならあまり抵抗がないのではないかという気もいたします。よくあることでありますけれども、こういう計画では、両論併記とは言いませんけれども、読み方によっていろいろ読めるといったことがあってもいいような気もいたします。
 差し当たり、この部分は今のところ各省の調整もついていないので、これまでにはあまり例がなったことではありますけれどもペンディングのままでパブコメをやることになってしまいますから、さらに最終段階まででどうするかということは、今日の多くの委員のご議論もありましたし、まだ時間もあることですから議論ができるのではないかと思います。

○鈴木部会長 それでは、反論、ご議論があれば。

○太田委員 今、浅野委員からコメントをいただきましたが、「まちづくり」という言葉ですね。「街区」となると、「コンパクトな街区」とはあまり使わないと思うのですね。むしろ街区が固まった市街地として、全体をスプロール的な形から車に依存しないで済むような小さなまちにしたいという全体の話をしているのだと思いますので、そういう意味では平仮名で書いたほうがいいのではないか。
 もう一つ、「町づくり」とするのは確かに避けておりますので、その点は評価しますけれども、「街づくり」とするのはまだ、何といいますか、私のニュアンスとしてはちょっと違うなということでありますので……

○浅野委員 そうですか、林先生のグループをはじめ最近の環境研究費のテーマでは盛んにこのような観点からの研究がみかけられるものですから……

○太田委員 いろいろな考え方があることはありますけれども、その辺はご検討ください。

○鷲谷委員 1つは、24ページから25ページにわたってのリスク評価と予防的な取組というところで、内容はこれでいいと思うのですけれども、タイトルを「予防的・順応的取組」と、「順応的」という言葉を入れるといいのではないかと思うのですね。科学的に不確実性のある取組については知見の充実に努めて、情報が蓄積すればより確実性のある知見に基づいて意思決定ができて、それにのっとって取組を進めることができるようになりますし、社会的な状況も最近では大変変化が早いので、そのことに応じても方針を変えていかなければならないことがあると思います。それゆえ順応的取組、アダプティブマネジメントは環境に関する取組の中で重要なことが広く理解されていると思うんですけれども、その内容になることは確かに書いてございまして、25ページの「汚染者負担の原則等」のすぐ上の文章、政策判断を行った後においても見直しを継続していくべきであるというのは、まさにそういう順応的な、アダプティブマネジメント的な内容が書いてありますので、タイトルを単に「予防的な取組」ではなく、「順応的」という言葉も入れるといいのではないかというのが1点です。
 もう一点は、水循環、物質循環など生態系機能において最も考慮すべき空間単位である「流域」という言葉が使われていなくて、「生態系ネットワーク」という言葉が出てくるのですけれども、それが何か人間がかなり恣意的に設定できるネットワークのようなイメージを与える書き方になっていることが気になるので……

○浅野委員 何ページですか。

○鷲谷委員 どこにも流域というのはないのですね。

○浅野委員 水の部にはあります。

○鷲谷委員 ありますか、失礼いたしました。
 では、こういうところに少し入れたほうがいいと思いますのは、例えば59ページの「多様な主体による国土の管理と継承の考え方に基づく取組」の「環境負荷を減らすのみならず、生物多様性等も保全されるような」と書いてあるところですが、「……されるよう、生態系の働き、つながりに留意しながら持続可能な国土管理に向けた……」というような言い方にするといいのではないかと思います。

○浅野委員 そこはさんざん議論していますので、ぜひメモをください。

○冨田委員 意見が分かれております71ページの長期目標ですけれども、先ほど櫻井委員がおっしゃったように、ここは2050年を幾らにしようかという議論をする場ではないだろう。一方、地球環境部会でそれをしているかというと、別にしてはいない。ましてや国民1人当たりというのは公平な目標になるのではないかということも議論しているわけではないと思うのですね。
 では、2050年に別の数字があるかというと、それがあるわけでもないということで、71ページのこの2行がなくなると今後の議論に困るかというと、別に困りはしない。それは70ページ、中長期目標の日米共同メッセージのところで、両国このように目指そうよという80%もある。地球環境部会の下の2013年以降の施策を検討する小委員会において、2020年、2030年の選択肢を議論するわけですが、そのときに2050年はどのような姿になっているだろうかもあわせて議論することになっています。
 そのときの目安としては、80%が本当に行くだろうかを議論するわけで、この2行があるかないかによって今後の検討は変わってこないと思います。同じように検討するのだろうと思うのですね。ですから、ないと困るのだ、日本として目標を設定しなかったのかというと、決してそうでもないし、一方、温暖化対策の基本法の中には「2050年に80%」と明記されているわけで、仮に法律が成立するのであれば、その段階において「はじめに」の一番最後に書かれたように、この計画をつくった後、方針が決まったものについてはそれに合わせて計画をつくるということが書かれているので、そのときに対応すればいい話で、この2行をぜひとも入れる必要があるとまで言う必要はないのではないかと私には思えます。

○大塚委員 1つは鷲谷委員がおっしゃった件で、25ページには確かに「予防的順応的取組方法」と書いてありますし、生物多様性との観点ではこの言葉をよく使いますので、ぜひこれを残していければと思っているのですが、24ページの(1)に書いてあるように、環境政策における原則というところですので、予防原則という言葉を本当は使いたいところもあるのですが、従来、政府は「予防的取組方法」という言葉を使ってきましたので、それに準じて、ここでは「予防的取組方法」という言葉を使っておりまして、そういう観点からすると、順応的というのはもちろん大事なのですけれども、ここに入れてしまうと、生物多様性以外の分野との関係で若干微妙な問題があるかなと思っておりまして、24ページは「予防的取組」とありますのは「予防的取組方法」でもいいと思いますが、ここに「順応的」を入れるのは少しどうかなという感じがしました。

○鈴木部会長 ここに既に「予防的順応的」と書いてありますよ。

○大塚委員 だから、25ページの15行目ぐらいには書いてあります。生物多様性との関係で。

○鷲谷委員 すみません、一言だけよろしいですか。
 恐らく、順応的な態度で臨まなければいけないのは生物多様性だけではないのですね。環境に関することは比較的新しい課題でもあるために、科学的な知見がまだ足りないということは生物多様性以外の分野でも散見されると思います。そのときに情報の不確実性と、状況に関しても変動しやすいことを心にとめておいて、もう実際に順応的な取組のようなことが書いてあるので、それを意識するためにも「順応的」という言葉を、生物多様性だけではなく、もうちょっと広げて使っていくことには意味があるのではないかと思っております。

○大塚委員 もう一つ別の点ですけれども、この第四次環境基本計画がどのように受け取られるかは、目玉は何かというところにかなり影響するものですから、先ほど櫻井委員に対して浅野委員がお答えになった点は結構重要ではないかと思っています。
 浅野委員にお答えいただいたようなことなのだと思いますが、まだ少しインパクトが小さいのかなと思っておりまして、それはぜひここで議論していただいたほうがいいかと思っています。パブコメの後でもいいのかもしれませんし、今からこういうことを言うのはどうかという気もするのですけれども、それはちょっと時間をかけて議論させていただいたほうがよろしいのではないかということは申し上げたいと思います。具体的には、やはり第四次基本計画では、東日本大震災との関係を踏まえたようなこともある程度、中に入っているようなキーワードをつくったほうがいいのではないかと個人的には思っております。

○田中委員 1つは、先ほど来ご議論があります70ページ、71ページの目標の関係です。
 ご案内のとおり、原発を停止せざるを得ないという状況もあり、エネルギー問題については中長期的にいろいろ困難な課題があることは認識しております。ただ、温暖化問題の動向を考えると、世界全体で2050年には半減、先進国で8割削減というのは一つの方向だろうと思います。そこで、日本として長期的にはそういう低炭素社会の方向を目指すのだということで、いわば非常に長期の目標だけれども、そこに向かっていく意思を示すということでいけば、私は、71ページの長期的な目標等を掲げることは必要ではないかと思っているところです。
 2点目は、同じく温暖化関係で、76ページの(7)適応策の話であります。
 今後、地域あるいは国全体として温暖化の影響がどうしても生じてくる中で、短期的な適応策の推進と長期的な適応能力の向上はとても重要な課題だろうと思います。ただ、この文面を読ませていただきますと、地域における的確な適応策の検討実施を進めていく、これはこれで非常に重要な課題ですし、温暖化の影響が地域によってさまざまに異なり得るということでいけば、地域ごとに考えていくことは必要だと思いますが、同時に、やはり国全体として適応策についての方向性を出していくことが必要かなと思いますので、文面はお任せいたしますが、そのあたりが読み取れるような方向性を出してはどうだろうかと思います。
 3点目は大気関係で、私が非常に関心を持っておりますのは108ページでございます。
 夏場の大気の熱ストレスというのが昨今、非常に注目されておりまして、2010年の夏は熱中症の搬送事象も大変多かったし、死者も出た。こういう時代が日本社会にも少しずつ広がってくるのだろうと思います。
 そこで、108ページの下のほうでは、ヒートアイランド現象と温暖化という2つの取組の中で、短期的には暑熱環境による人への影響を軽減する適応策も推進する必要がある、こういう方向性を出していることはとてもいいと思います。その上で、例えば113ページにこうした取組推進に向けた指標として「都市域における年間の30℃超高温時間数・熱帯夜日数」とありますが、実は私どもの研究では、例えば青森県で30℃を超える場合と沖縄で超える場合では、熱中症への影響が全然違うのですね。そこで私は、もちろんこれは指標として必要なのですが、むしろ熱中症の搬送者数とかそういう形で、直接人へのストレスを測定できる指標を考えてもよろしいのかなと思います。
 この点はまだ時期尚早ということもあるかもしれませんが、今後、そういう方向性も考えていく必要があるのかなということで、コメントさせていただきます。

○横山委員 まず、71ページの長期的目標についてですけれども、17ページのところで低炭素社会が重要な理念だということをもし共通認識として持つならば、これはやはり明記しておいた方が望ましいのではないか。これは個人的な意見です。
 そのときに、これは進藤委員のご意見だったと思うのですが、産業構造について計画経済的な観点で目標を「あるべき姿」とすることはいかがかという点ですが、私も、やはり国民一人一人のあるべき姿が違っていて、その政策形成過程でどのような合意ができるのかを考えると、「あるべき姿」の「あるべき」はとった方がいいかなと思います。
 それから、鷲谷委員がおっしゃった順応的取組については、私は、今後、予防的取組以上に順応的取組が人間社会にとって重要になってくるのではないかと思います。政策論的に言うと、確定論的な政策はもう限界に来ているのではないか。だから、不確実性のもとでより有効な政策を、どういう政策決定過程であれ、常に疑いを持ちながら政策を検証していくような意味合いで、私は、やはり予防的取組の中に含まれない「順応的」という言葉を出すべきではないか、そういう意味では鷲谷委員と同じ見解を持っています。
 それは、25ページのなお書きのところ、それから「一定の不確実性がある中で」云々という言葉ですね。前回もお話ししたのですが、コンティンジェントという言葉は分野によっていろいろな意味合いで使われているので、この言葉がいいのかどうかわかりませんが、状況次第で対応が変わってくるという認識が必要で、今回の東日本大震災を初め原発事故もそうした認識の甘さがこうした問題を起こしたのではないか、確定論的な政策対応にとどめておくと非常に危ういと思いますので、私の個人的意見としては、「順応的」という言葉を少し大事にしていただきたいと思っています。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。
 いろいろとご意見をいただきました。今の「順応」というのは、ある意味では当たり前のことなのですよね。最近、生態系の管理の面で「アダプティブ」を「順応」と訳したということで、そういう意味では、これは新たな意味を持つのかどうかよくわかりませんが……

○中杉委員 順応的というのは、少なくとも今までの環境政策の中では、あらゆるところで常に見直し、見直しをしていると思うのですね。それはある意味では当たり前なので、改めて「順応的」と言う必要があるのかどうか、今までの議論としては、予防的取組というのは国際的にもそのような言葉を打ち出されていますし、とりあえずその中で、文章の説明として「順応的なところは必要ですよ」ということを強調されたということでよろしいのではないかとは思いますが。

○鈴木部会長 どこかに「順応」という言葉を含めておくようなことは、もちろんあり得ると思います。

○浅野委員 これは第二次計画あたりから環境政策の基本原則について議論を続けてきていているわけですが、今回、生物多様性基本法の中にたまたま「予防的取組」という言葉が入っているということでいわば例証として、基本法の中の言葉を引っ張っただけなのです。むしろそんなこと引用しなければよかったかと反省するぐらいなのですが、おっしゃる点について、環境政策の原則論という形でどうとり入れたらいいのかは、もう一遍よく考えてみます。
 ご意見があることはわかりますし、少し勉強させていただきますが、経過から言うと、生物多様性基本法にたまたまその言葉が出てきているだけであって、我々は、その中の「予防的」という部分だけを取り込むつもりでここに挙げただけなのです。だから、政策の原則という考え方から言うと若干の違いがありますので、最終版までにはもう一度検討させていただきます。

○鈴木部会長 理念に関してですが、私自身は、やはり2007年に中環審で「21世紀環境立国戦略」つくりました。その中で、低炭素社会、それから循環型社会、そして自然共生社会、この3つの社会がある意味では持続可能な社会の切り口となり、そしてもう一つ、そのベースラインとして安全・安心というものがある。まさにここで、前書きの部分でもそのように触れていただいていると思いますが、これが持続可能な社会、持続可能な我が国をどうつくるのかということであると思います。ただ、それだけではなくて、やはり震災の影響を受けたわが国として、それによって我々の意識がどう変わったかということは、やはりレジリエントな、あるいはロバストと言ってもいいのかもしれませんが、強い社会をつくる、持続可能であって、なおかつレジリエントである社会をこれから目指していくというのが、多分、第四次環境基本計画の目指すべきところではないかと思います。
 これは言われてみれば当たり前のことなので、確かにインパクトはあまり強くないかもしれませんが、基本的に、国全体がようやく持続可能性といったことを考えるようになってきたわけで、環境基本計画では第二次のあたりから、もう「持続可能」という言葉は使われているのですけれども、それほど社会全体に広がっていなかったということがあるかもしれません。改めてここでそういうメッセージを送るということは、1つあり得るかなと思います。
 それから、「2050年に80%」に驚くほどご反対があるのは信じられない感じなのですが、もういろいろありましたように、国際的にも当たり前のことになっている。それは要するにIPCCの、2050年に世界全体として50%排出量を削減していなければいけない、2050年までにさらに人口が、今が70億ですが、90億に増えているわけですから、現状の半分にして、なおかつ90億で割ってみれば1人当たりどれくらいしか出せないということがわかるわけで、その値から、日本の場合には、先ほど大塚委員も計算されたとおっしゃいましたが、6分の1に減らさなくてはいけない、84%にしなければいけない、2桁という数字で言えばこれが本当は正確数字になるわけですね。
 ところが、ここが80%というのは、浅野委員もおっしゃいましたように大まかに8割という、誤差が1割ぐらいあったってもちろん構わない、そういう意味ではないと思いますが、そういう大まかな目標として、やはり2050年にはそれぞれの先進国において、アメリカの場合には90%以上減らさなければいけないことになるのですね。そういう目標を立てていくことが重要と思います。
 我が国は、こういう決定をマーケットに任せろとおっしゃるのですが、マーケットというのは産業界だけではないのですよね。これはやはり国民全体、社会全体が判断していくことであります。また、地球部会で議論していないではないかというお話もありましたが、これはもう2007年の環境立国戦略のところでも、そういう意味では話は済んでいるわけで、今になってそういう形で産業界から強い反対があるといったことを基本計画に書くのはいかがかという感じもいたしますし、40年前から今にかけて、例えば鉄鋼関係の会社でも、いろいろな意味でものすごい技術開発を進めてこられた。これから40年後の、2050年までに多分この80%削減に対応するような技術開発をなさるでしょうから、今の時点でご心配になることもないのではないか、私などはそう思います。
 産業界でも、先ほど自動車産業のお話が出ましたが、電子産業においてもかなり先進的な取組をしておられる企業もあるので、一体産業界の意見は全体としてどのように集約されて、どのように公になってくるのか、その辺のところもよく見極めた上で考えていかなくてはいけない面もあると思います。
 ただ、この基本計画における書きぶりにつきましては、例えば「将来のあるべき姿」といったところであるとか、いろいろと気をつけて書かなくてはいけないところもあろうかと思います。決してこれは計画経済を目指しているわけでもなく、やはり我々としてどういう姿を目指すかという、これはもちろん議論の上で決まっていくわけで、国が決められるものでもない。そのようなことを念頭に置いて、これからいろいろと変化していくことに、まさに順応的に対応できるような基本計画になっていけばいいのではないかと思います。
 いろいろとご注意いただいたこと、「女性」というキーワードが落ちているというのは私もおっしゃられて初めて気がついたのですが、このようなところも、やはりきめ細かく注意していかなくてはいけないところかなと思います。
 ちょっと申し上げ過ぎたところもあると思いますが……

○永里委員 部会長が閉められるとそこで終わってしまうのですけれども……

○鈴木部会長 いえ、まだ時間はありますから。

○永里委員 実は我々が言っているのは、理念を掲げるのはいいのです。統制経済を嫌っているのです。そこのところも、鈴木先生は私の考えで、いわゆる計画経済とか何とかはねらっていませんとおっしゃるのですが、書きっぷりに見え隠れしているのですよ。そういうふうに見えるのです。皆さんは平和的に解釈なさっているかもしれないけれども、これは統制経済的な書き方が至るところに見えるのですよ。それを嫌っているのです。
 だから、80%の温室効果ガスの排出削減を理念的に考えるのはいいのですけれども、それを達成するためにどうしたらいいかというときに、どうも統制経済が見え隠れする、こういうことを言っているわけです。

○鈴木部会長 目標を立てることと、あるべき姿を考える、きっとそこのところのギャップですね。
 その他にもいろいろとご指摘いただいたところがあると思いますが、事務局から何かよろしいですか。文章について。
 これは、いろいろいただいたご意見をこちらで預からせていただいて、最終案をつくっていくことになると思いますが、それでよろしいですか。
 まだ時間がございますので……

○浅野委員 早々に申し上げてしまうのも悪いのですが、パブコメにかけるためにはどうしても時間的に制約があって、一定期間内にパブコメ案をつくらなければいけないわけです。しかしもっとよく議論しないと修文できない部分、例えば先ほどの「順応」をどう入れ込むかといった話は、パブコメ案までには整理を済ませることはちょっと勘弁していただけませんでしょうか。今日「この部分を削れ」と言われた、例えば先ほどの計画経済的に見えるからこれは削れというのは「なるほど」と思いながら聞かせていただいていることでしたので、そういう箇所はご意見をいただいた委員ともご相談しながら削らせていただいて、とにかくパブコメにかける。
 その上で、また多くの方々からたくさんご意見が出てくるでしょうし、パブコメというのは当然それに基づいて原案を直すためにやるわけですから、今日出されたご意見も含め、さらには、この後パブコメ期間があるわけですからその期間に、委員の皆様方からも、委員の立場でも構いませんしパブコメということでも構わないのでご意見をいただいて、それらを総合して最終の案にしていく。最終案にする前には、もちろんご意見をくださった方々と個別にご相談することになると思いますけれども、多分そういう進め方になると思います。  パブコメ案を完璧なものにと言われるとそれはちょっと事務局がかわいそうでございます。今、環境省ではわずか数名でこの仕事をやっておりまして、省の大部分のスタッフが別のタコ部屋にとられてしまって、非常に弱体の人数で、徹夜、徹夜で作業をやっておりますので、その辺の事情もぜひお酌み取りいただければと思います。

○鈴木部会長 パブコメが終わって修正されたものが最終的な形になるわけですので、パブコメの段階でぜひ委員の方々も、あるいは周辺の方々も─ただ、同じ意見を大量にお送りいただくと事務局が混乱いたしますから、少し整理してお出しいただけるとありがたいかなと思います。

○三好審議官 今後の段取りの話でございますが、今のところ、月内にパブコメを始めることを目標にしております。今、浅野先生から厳しいお言葉がございましたけれども、できるだけ今日のご議論は反映させていただいた形にしたいと思っております。もちろん、浅野先生からお話がございましたようにパブコメでどういう意見が出てくるか、その期間もございますし、私どもの案自身「P」になっている部分もあるわけでございますので、それがその期間に解消するか確信はございませんけれども、そういう事態の推移もあり得るところでございますので、そういうことも含めて、パブコメを踏まえた上で最終的な案を作成させていただきたいと考えております。

 

○末吉委員 今回に限らず何回か、規制が入ることが統制経済というような言い方があるのですけれども、これは非常に重要なテーマですから、ぜひ活発に議論すべきだと思います。
 私が非常に重要だと思う点は、規制なき自由経済はないという話なのですよ。今だってたくさんの規制があるではないですか。では、規制があるから日本は統制経済なのですかね。今、海外で始まったルールが一杯日本の企業や社会生活を規制しています。では、我々はそのルールを出したところに「こんな統制的なことをやめろ」と本気で反論していますかね。ですからルールにも、本当の自由経済を守るためにみんなが共通的に持とうという大前提としてのルールとか、その時々におけるいろいろな現象をうまくコントロールするためのルールとか、いろいろあると思うのです。
 しかも、今、私が非常に心配しているのは、国際社会の中で21世紀の新しいルールづくりの競争が始まっているわけですよね。ですから、あるべき論がおかしいということではなくて、結果からいくと、あるべき姿の描き方に失敗すれば我々が負けるのですよ。そのあるべき姿をどう考えるのかという競争が始まっているわけでしょう。そういう中で、我々は21世紀にどういう基本的なルール、規制を持つべきかという議論なのです。規制が全く要らないとか、規制がちょっと入れば自由経済は壊れるとか、そんな簡単な話ではありませんよ、これは。そう思いませんよ。私はそう思います。

○永里委員 私もそう思います。

○末吉委員 だから、これはイデオロギーとか何とかという話ではないのですよ。

○永里委員 いやいや、そういう話なのですよ。
 私もそう思いますよ。だから、公害問題とか何とかは規制をかけなければいけませんよ、その点は。それで、活力を失うような社会を目指すのですかということを言っているわけです。それだけの話なのです。規制は必要ですよ。公害などというものは、絶対必要ですからね。自由主義経済でありながら規制が必要であることは、もうはっきりしております。

○鈴木部会長 経済学の方では、マイケル・ポーターの仮説で、いい規制をかけることが経済を強くするといった面もあるわけですね。

○永里委員 そのとおりです。

○横山委員 ご意見の中に官僚批判のお言葉が出てくると思うのですけれども、私は、それはちょっと間違っているのではないかと思います。
 今、資本主義的、自由経済的とおっしゃっていますけれども、現実には、もう「資本主義か社会主義か」「統制経済か市場経済か」という二者択一的な議論は経済学の世界でもされていないのですね。というのは、どちらの制度もパーフェクトではなくて、それをどうやってうまくミックスして現実の問題を解決していくかという段階に入ってきている。ただ、どちらをベースにして考えるかというと、やはり中国であれ、共産主義と言われていた国々でも市場経済をベースにしてグローバル経済の中でやっているのが現実ですから、そういう点では、イデオロギーという言葉は避けたほうがいいのではないか。
 もう一つ、日本が健全なのは、少なくとも議会制民主主義のもとで社会全体の目標を決めてきているからだということを前提に議論をしていただきたいと思います。だからお役所の皆さんも、それぞれ議会で決まった、あるいは法律で決まった枠組みの中で行動なさっているのではないか。それを私たちはしっかりと尊重していきたい、個人的にはそう思います。

○大塚委員 前提がよくわからなくなっているのですけれども、71ページには「規制」という言葉は出てきませんし、目標を長期的に立てるかどうかということだけを議論しているので、話がこんがらがっているのではないかという気もします。
 末吉委員が言われたこととか横山委員が言われたことには私も賛成ですし、カンクン合意との関係では、現在、既に数字は出しているので、2020年のほうはここでは出てきていませんけれども、何らかの目標を立てなくてはいけないことが前提になっていますので、なぜこんな議論をしなくてはいけないのか本当はよくわかりません。
 温暖化に関しては、今回も、環境基本計画を立てて計画的に環境保全に関する施策を推進するという環境基本法第15条に書いてあることを達成するために、温暖化に関する目標を立てないとまずいだろうという観点からこの議論が出てきていると思いますし、これはなくなっていいものだとは全然思いませんので、いろいろな観点から、ちょっと話を広げておられるような感じがしますけれども、ここにこの数字を書くことについては問題ないのではないかということを申し上げておきたいと思います。

○鈴木部会長 いかがでしょうか。大体おっしゃりたいことはおっしゃっていただきましたでしょうか。
 予定の時間を大分残しておりますが、たまには早く終わらせて頂くこともいいのかもしれません。事務局からは、よろしいですか。
 それでは、可能な限り修文的なところには手を入れるとして、パブコメにかけさせていただいて、次回の総合政策部会に─いつですか。

○矢田環境計画課計画官 今後の予定等についてご説明させていただきたいと思います。
 先ほどからもお話が出ておりますように、第四次環境基本計画案につきましては、本日いただいたご意見をもとにパブリックコメントを実施させていただきたいと思います。本日ご欠席の皆様には、先週金曜日に資料を送付させていただいた際に2月23日、明後日までにメール等でご意見をいただければということでご連絡しておりますので、もし言い忘れたようなことがありましたら、2月23日までにFAXやメールでご提出いただければと思います。
 そこでいただいたご意見につきましては、先ほどもちょっと話が出ておりましたけれども、直せるものは直して、月内を目途にパブリックコメントを開始したいと思います。ただ、幾つか時間がかかるものもあろうかと思いますので、その点につきましては、むしろパブリックコメントの期間中に検討させていただいて、その後の総合政策部会での最終的な案文に反映させていただければと思っております。
 次回の予定でございますが、今のところ、一応4月12日と18日を候補に個別に日程照会させていただいていると思いますけれども、その日程が確定次第ご連絡させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、以上をもちまして本日の総合政策部会を終了させていただきます。
 お忙しいところをどうもありがとうございました。

午後3時46分 閉会

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