中央環境審議会総合政策部会(第61回)議事録

開催日時

平成23年7月12日(火)14:00~17:04

開催場所

ホテルフロラシオン青山 3階・孔雀

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    1. (一)第三次環境基本計画の見直しについて
      • 第四次環境基本計画策定に向けた考え方について
      • 総合的環境指標の発展的見直しに向けた方針について
    2. (二)その他
  3. 閉会

配付資料一覧

【資料】

資料1 第四次環境基本計画策定に向けた考え方(計画策定に向けた中間とりまとめ)(素案)
資料2 総合的環境指標の発展的見直しに向けた方針について
資料3 環境影響評価法の一部を改正する法律の施行に向けた取組について
資料4-1 風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会報告書の概要
資料4-2 風力発電施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会報告書

【参考資料】

参考資料1 中央環境審議会総合政策部会名簿
参考資料2 第四次環境基本計画策定に向けた論点(第60回総合政策部会資料)

議事録

午後2時00分 開会

○矢田環境計画課計画官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第61回の中央環境審議会総合政策部会を開会させていただきます。
 議事に入ります前に、お手元のほうの配付資料のご確認をお願いいたします。クリップどめの資料の表紙下半分に配付資料一覧と書いてございますけれども、資料を5点、参考資料を2点配付させていただいております。資料1といたしまして、第四次環境基本計画策定に向けた考え方、中間とりまとめの素案でございます。それから資料2といたしまして、総合的環境指標の発展的見直しに向けた方針について。それから資料3が、環境影響評価法の一部を改正する法律の施行に向けた取組について。それから資料4-1、風力発電設備施設に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会報告書の概要と、4-2がその報告書本体でございます。それから参考資料といたしまして、参考資料1が当部会の名簿、参考資料2が、本日の資料1を作成する際のベースとなったものであり、前回論点という形でお示ししたものを参考までに配付させていただいております。
 もし、足りないものがございましたら、事務局までお申しつけいただきたいと思います。
 それから、本日マイクをお使いいただきます際には、マイクのスイッチを入れて、ご発言をお願いしたいと思います。幾つかマイクのスイッチがついておらず、常時オンになっているマイクもいくつか混じっているようでございますけれども、ハウリング防止の観点からスイッチのついているものはスイッチをオフの状態にしてございますので、スイッチがついているマイクの場合にはマイクを入れてご発言をお願いしたいというふうに思います。また、ご発言が終わりましたらスイッチが切れるものについてはスイッチを切っていただくようにご協力をお願い申し上げます。
 また、マイクの本数が若干足りないと思いますので、その際には職員がマイクを持ってお近くのほうに行くようにいたしますので、ご協力をお願い申し上げます。
 もう既に本日は全員44名中過半数の委員にご出席をいただいておりまして、定足数の要件を満たしておりますので、部会として成立していることをご報告申し上げます。
 それでは、今後の進行につきましては部会長にお願いいたします。

○鈴木部会長 大変暑い中をお集まりいただきまして、今日は5時までの予定でございます。この第四次の環境基本計画に関しましては、3月7日に第三次環境基本計画の見直しの諮問を受け、その後社会経済及び環境問題の状況、環境政策の各分野の現状あるいは課題等につきましてご議論いただきましたほか、各委員の方々からのご意見も伺い、あるいは文書を通じてお出しいただき、第三次環境基本計画の見直しの方向性についてこれまで審議を進めてまいりました。
 前回の総合政策部会におきましては、それまでの議論を踏まえまして、第四次環境基本計画策定に向けた論点、これにつきましてご議論をいただいたところでございます。本日の部会につきましては、この議事次第にございますように、前回までの議論を踏まえた第四次環境基本計画策定に向けた考え方、これについて審議をお願いしたいと思っております。大体4時半までを予定しております。その後総合的環境指標の発展的見直しに向けた方針について、これにつきましてご検討いただいた内容のご報告をいただくと、こういう予定にいたしております。
 十分な審議時間を確保したとは申しましても、それぞれの方が思いのたけを述べられますとなかなかうまく進行いたしませんので、なるべく簡潔に要領よくご発言をいただくようお願いしたいと思います。それを通じまして、特に各委員の先生方の間でのご議論を活発にできればと、こんなふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に入りたいと思いますが。第四次環境基本計画策定に向けた考え方について、これは基本計画の総論の部分に位置づけられるものでございます。秋以降、各論の具体的検討を進めていく上でのある意味ではベースライン、出発点になる、こういうものでございます。次回の部会におきまして中間とりまとめを予定しておりますが、本日はその前段として準備させていただきました素案の審議をお願いしたいと思います。
 それでは、事務局のほうからこの資料1につきまして、説明をお願いいたします。

○矢田環境計画課計画官 それでは、お手元の資料1につきましてご説明をさせていただきます。
 先ほど資料確認の際に申し上げましたとおり、前回お配りした中間取りまとめの論点を参考資料2としてお配りしております。これが9ページのものでございましたのでこれを肉付け等いたしまして、本日の資料1は23ページの中間とりまとめの素案という形になってございます。主な変更点と言いますか肉付けした点、修正した点を中心にご説明をさせていただければというふうに思います。
 まず、1ページをご覧いただきますと、はじめにということで、この環境基本計画見直しの契機といいますかそういうことを記載している訳でございます。主な修正点といたしましては、前回ご欠席でございましたけれども、武内先生からのご指摘を踏まえまして、4つ目の○のところでございますけれども修正を加えております。東日本大震災の教訓の1つとして、自然の持つ圧倒的な力、例えば堤防をやすやすと超える津波の力というものもございましたけれども、そうした自然の持つ圧倒的な力と、それに対して原発の事故やライフラインの損傷のように、人間の持っている力あるいは人工のシステムの限界といったものを改めて認識するようになったということがあろうかと思います。そのような視点から、人間と自然との関わりというものを改めて再認識する必要があるのではないかというようなご指摘をいただいたところでございますので、記載を追加させていただいているところでございます。
 続きまして、2ページをお開きいただければというふうに思います。最初に、世界の環境に関する状況の記述でございます。まず、地球温暖化に関する状況といたしましては、1つ目の○のところで事実関係を大きく追加をしております。世界平均地上気温が100年間で0.74℃上昇しておりまして、海面水位も17cm上昇していると。それから50年間の気温上昇の速度が過去100年間のほぼ2倍に増加しているというようなこと。そうした20世紀半ば以降に観測された気温上昇のほとんどが温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性が非常に高いというようなことがIPCCの報告書に記載されておりまして、こうした関係の記述を追加しております。
 続きまして真ん中辺り、循環廃棄物対策に関する状況といたしましては、1つ目の○のところで2050年の世界全体の廃棄物発生量が2000年の2倍以上になる見通しであること。それから、3つ目の○のところが全体として新しく追加されております。例えばEUにおきまして2008年に鉱物資源戦略が作成をされ、原材料の確保、リサイクル等による原材料消費の削減に取り組んでいるといったようなことなど、国際社会全体で資源制約への対応が重視されるようになってきているというような状況を紹介をしております。
 2ページの下のほうから、大気環境、水環境、化学物質対策の関係でございます。一番下の○のところ、OECDの環境アウトルック2030の記述をご紹介しておりまして、これまで以上の対策を行わない場合に、大気汚染による健康被害というものが世界的に増加をするといったような記述を追加しております。
 3ページに移りまして、水の関係でございますけれども、基礎的な衛生施設を継続して利用できない人口が25億人、あるいは人間の健康に影響を与える主要な汚染として微生物によるもの、富栄養化のほか、ヒ素、フッ化物による地下水の汚染などが起こっているという状況を紹介しております。
 また3つ目の○で、WHOのGlobal health risksの記述を紹介しております。途上国におきましては子どもの死亡の4件に1件が水質汚濁や大気汚染、鉛への曝露といった環境要因によるという指摘がありますので、この点も紹介をさせていただいております。
 続きまして、自然環境・生物多様性の関係でございますけれども、前回鷲谷先生からご指摘をいただいた点でございます。1つ目の○の後半の部分ですけれども、生態系の状態がある限界値を超えた場合に、生物多様性に多大な損失が生じ、それに伴い生態系サービスが低下する危険性が高いという記述を追加いたしております。
 その次の○におきましては、森林の純減少面積についても記載を追加させていただいております。
 最後の○でございますが、全体をまとめる記述を新たに追加しております。世界全体が今後さらに厳しい環境上の制約に突き当たる可能性が高まっており、地球温暖化、多様性への対応といった地球環境問題への対応が地球益の面からも重要であると同時に、各国の利害にさまざまに関わるということが顕在化をしてきておりまして、地球利益の確保と各国の国益の確保との関係がより重要になってきているという記述でございます。
 ページをめくっていただきまして、4ページからが我が国の状況でございます。まず、4ページの上のほう、地球温暖化の関係でございます。2つ目の○のところで、我が国の平均気温の上昇につきまして、100年当たり1.2℃、特に都市部においてはヒートアイランド現象の影響もあいまって、東京で約3℃、札幌、名古屋、大阪、福岡等では約2℃以上の上昇が見られること、また、100ミリ以上の大雨、猛暑日の増加、農業や人間生活への影響というようなことも予想されるような状況になっているという記述を追加いたしております。
 次に、物質循環、廃棄物の関係では、1つ目の○の後半で、処分場の状況を簡単にご紹介をしております。残余年数は、一般廃棄物については18.7年ということで比較的長い訳でございますけれども、依然として処分場を有していない市町村が多いというような状況が見られ、産業廃棄物については、平均では10.6年となっている訳ですけれども、首都圏においては4.7年と不足しておりますし、新規建設も難しい状況が続いているということを記載しております。
 また、その次の○では、我が国のリサイクルの特徴として、カスケードリサイクル、品質の低下を伴うリサイクルが主となっておりまして、水平リサイクルの取組が不十分となっている状況を記載しております。
 また、諸外国との関係でいいますと、使用済製品等の循環資源について、国内で再利用されないまま輸出されて、リサイクルに関して海外への依存率が高まるというようなことが懸念される訳でございます。その場合には国内でのリサイクルが空洞化して、資源相場動向等の外的要因によって国内の廃棄物の処理が滞ったり、あるいはリサイクルシステムの安定的な維持に支障を来たしたりすることが懸念される。また、国境を越えて製品とか廃棄物の移動が行われるようになってきておりまして、有害物質を含みます製品、電気電子機器廃棄物等が国境間の移動の後、不適切に処理をされて環境汚染が引き起こされるおそれがあるという指摘も追加して記述いたしております。
 5ページからが大気環境、水環境、土壌環境でございます。大気環境の関係では、1つ目の○、大都市圏において二酸化窒素の環境基準が達成されていない地点が残っていることを記載しております。
 それから、次の○の水環境におきましては、湖沼、内湾、内海等の閉鎖水域での達成率が低く、また水量、水生生物、水辺地等の問題を含めた健全な水循環の確保が十分とは言えない状況といった形で記述を補完いたしております。
 上から4つ目の○でございますけれども、特に前回までは言及しておりませんでしたけれども、騒音、振動、悪臭といったものについても、現在も苦情件数としては非常に大きな割合を占めているという記述を追加いたしております。
 それから、5ページの下からが自然環境・生物多様性の関係でございます。我が国の自然資源の関係では、森林が林産物の供給のみならず、温暖化防止、多様性の保全への寄与といった機能を有していることを記述しております。また、世界有数の領海及び排他的水域を持っているという点につきまして、数字の補足を行っております。
 ページをめくっていただきまして、6ページでございます。最初の○におきまして、これも前回ご指摘をいただいた点ですけれども、開発・改変に伴う生息地の喪失と分断といった生態系への影響に加えまして、外来種の影響が顕著であること、また、温暖化の生物への影響が脆弱な生態系で懸念されているような状況にあるということを追加して記述いたしております。
 それから、震災の関係の環境問題のところは災害廃棄物の発生量について修正を加えているところでございます。
 続きまして、6ページの下のところから、環境問題に関係する社会経済の状況でございます。具体的な修正としては7ページ目の1つ目の○でございますけれども、1日1.25ドル以下で生活する貧困層の割合ということで、東アジア太平洋諸国においては大きく減少したけれども、サハラ以南アフリカ等においては減少していないということでございます。この点について、記述をわかりやすくする観点から補足を行ったところでございます。
 また、2つめの○のエネルギー需要の記述の最後の二、三行ですけれども、天然資源について新たな場所で採掘がなされたり、低品位な資源への代替がなされることによって、環境負荷が増大することも懸念されるという記述を追加いたしております。
 続いて、環境と経済の関係でございますけれども、グリーンニューディールやグリーン成長という概念について説明を追加しております。、従来、環境保全は制約要因であると考えられてきたけれども、2008年の金融危機に始まった不況を契機として、経済性長につなげようというグリーンニューディール、グリーン成長という概念が広まってきたということでございます。
 7ページの下から2つ目の「例えば」で始まる記述でございますが、環境問題への取組が非常に国家間に複雑な利害関係をもたらしているということについて、例示といたしまして、生物多様性条約の交渉過程において、遺伝資源の利用国と提供国との間で意見の対立があったり、あるいは気候変動分野における次期国際枠組みについての議論にもみられるわけでございますが、これらを例示として追加しております。
 続きまして、8ページをご覧いただきますと、価値観の多様化についての記述でございます。さまざまなGDPに変わる豊かさの指標というものが議論されるようになってきているということで、価値観の多様化という形で記述していた訳ですけれども、佐和先生から、GDPの指標としての位置づけが相対化してきているのだというご指摘がございましたので、そのように修正いたしております。
 それから、8ページの(2)からが我が国の状況ということでございます。3つ目の○ですけれども、エネルギー自給率等について紹介した後で、我が国としては、エネルギー、資源、食料等の多くを諸外国に依存していて、持続可能性というものを考える上では国際的な視点を持つことが重要になっているという記述を追加しております。
 9ページに前回林先生等のご指摘を踏まえまして新たに土地利用の状況という1項目を加えております。自動車の利用の拡大や地価水準の差といったものを背景として、住宅や集客施設等の都市機能が郊外に拡散して、農地等の無秩序な開発やCOの排出といった環境負荷が生じており、また、農山村において過疎化が一層進展することによって、既存の人工林や農地等の管理が不十分になるというような指摘がされているというような記述を追加しております。
 以上現状の分析でございますが、これらの状況を踏まえまして、9ページの下からが3、取り組むべき課題ということで整理しております。取り組むべき課題と言うタイトルのすぐ下に5行程新たに記述を追加しております。取り組むべき課題として取り上げる際の考え方ということでございます。特に、なお書きのところにご留意いただきたいと思いますが、これらの課題は総論的課題をまとめたものであり、個別分野における課題は重点分野の項目において整理をするということにしております。現状の中には、各論としての課題につながる現状も多く指摘されておりますが、この中から環境基本計画の総論を整理するに当たって考えられる課題を主として抽出しているということでございます。
 ページをめくっていただきまして、10ページでございますけれども、2つ目の○のところに・が幾つか並んでおります。ここは、国際的な枠組みの構築や、国家間の環境協力を行うに当たって、その複雑な利害関係を踏まえつつも、戦略的に取り組む必要がありますが、その際に意識すべき視点を列記しているということでございます。
 2つ目の・でございますが、我が国の優れた技術を生かすことが地球全体の持続可能性の確保に有効であって、そうした枠組みやルールを国際的なルールに取り入れることが世界全体の利益への大きな貢献になるのだという点。
 3つ目の・は、環境というものが国際的な経済の競争原理の中でその軸の1つとなりつつあることから、経済との関わりを意識して環境政策を構築する必要があるのだという点。
 4つ目の・は、我が国の環境技術を途上国に移転するということは、移転する国や世界全体の持続可能性の確保にとって重要であるのみならず、我が国の経済発展にとっても有益であることを踏まえて、技術の移転というものを積極的に進めるべきだという点。
 5つ目の・は、環境汚染に直面した地域への支援や被害の未然防止について、我が国として重要性を認識し、主導すべきであるという点。
 6つ目の・は、グリーン成長への関心が高まる中で、新興国がグリーン成長を実現するということが世界の持続可能性にとっても重要だということを踏まえて我が国としても対応すべきだという点。
 最後7つ目の・は、エネルギー、鉱物、生物資源等の確保、あるいはその持続的な利用というものが世界あるいは我が国にとって重要な問題になってきており、また、それらと環境問題が密接不可分の関わりを持っているということを踏まえて、取り組む必要があるという点。国際的な取組の中で戦略的に取り組む際に意識すべき点として整理したものでございます。
 次に、11ページでございますけれども、先ほど我が国の社会経済の状況についての説明の際に土地利用の状況に関する記述を追加したということを申し上げましたけれども、課題におきましても記述を追加させていただきました。10ページから11ページにかけての○は、主として生態系サービスなど自然系のストックに関する記述でございますけれども、11ページの最初の○では、人工的なストックの記述となっております。都市基盤等の人工的に整備されてきたストックについても、環境負荷の少ないまちづくりや、低炭素で自立・分散型のエネルギーシステムの構築等によって、ストックとしての機能を向上させていく必要があるという内容でございます。
 また、同じ○の中に自然により形成されてきたストック、人工的に整備されてきたストック、いずれについても適切に管理をしていくための仕組みをつくっていく必要があり、それは震災からの復興を進めるに当たっても重要であるという記述を追加いたしております。
 それから、一番下の○でございますけれども、我が国の財政状況についての指摘があるにも関わらず、課題としては記述されていないというご指摘がございましたので、費用対効果の面あるいは社会的費用の低減という点に留意をして、効率的に施策を講じていくということが必要であることを記載しております。
 11ページの最後でございますが、原子力発電所事故により一般環境中に放出された放射性物質についての対応という点でございますが、前回の部会におきまして、この問題が環境基本計画の守備範囲なのかという議論があり、環境基本計画に含まれうるということでございました。また、同時に、放射性物質への対応については、環境基本計画の見直しとは異なる場所、異なるスケジュールで議論・検討されていることもあるので、その点を踏まえて進めていく必要があるという話もございましたので、ここでは、この基本計画策定までの間に対応又は検討されたものについて、その状況等を踏まえて計画の中に取り込んでいくこととしております。
 ページをめくっていただきまして、12ページからが漢数字の二、環境政策の展開の方向でございます。
 12ページの1が今後目指すべき持続可能な社会を考える上で留意すべき点でございます。前回から主な変更点をまた申し上げますと、4つ目の○のところで、第三次環境基本計画策定以降、取組が着実に進みつつある一方で、地球規模の環境問題が深刻化しているという記述を追加しております。
 それから、その3つ下、下から2つ目の○でございます。持続可能な社会を考える際に、時間軸からとらえる必要があるのではないかというご意見をいただきました。1987年のブラントラント委員会の報告書においては、持続可能な社会について、将来の世代の欲求を満たしつつ、現代の世代の欲求も満足させるという考え方が述べられておりますが、これは将来世代と現在世代との公平性を確保するということだと考えられますので、その点を旨として取組を進めることが重要であるという記述を追加いたしております。
 続きまして、13ページでございます。1つ目の○、GDP等の経済指標の関係でございますけれども、新たに記述を追加しております。GDP等の経済指標については、先ほど申しましたように、非常に相対的なものになりつつあるというような指摘を現状のところでいたしましたので、ここでも同様の趣旨を記述することにいたしました。
 その後、13ページの後半からが今後の環境政策の展開に当たり重視すべき方向ということでございます。大きく(1)から(4)までの4点を指摘しておりまして、この点自体は変わっておりませんけれども、それぞれについて内容を記載し、しっかり説明をするという形で記載いたしております。
 まず1つ目、政策領域の統合による持続可能な社会の構築ということでございます。この内容といたしまして、4つの内容をふくんでいるわけでございますが、そのうち1つ目の○が環境と経済の密接不可分の関わりを踏まえた取組の推進でございます。
 まず、1つ目の・のところで申し上げますと、13ページの下から14ページに変わる辺りですけれども、環境保全のあり方が、環境の汚染、悪化やそれに被害を防止することで人の健康、生活を守るということが中心的な目的だった訳でございますけれども、これに加えまして、環境負荷の増大による温暖化の進行、多様性の減少、廃棄物の増大、資源の枯渇等への対応の遅れによって経済活動への支障が出ることを避けて、経済活動自体を持続可能なものにしていくためにも環境負荷の低減に取り組むことの重要性が増しているという指摘であります。
 それから、2つ目の・に関しましては、3行目辺りからですけれども、国際的な経済競争の観点からも、経済活動の持続発展のためには環境対応を的確かつ積極的に進めることが必須になってきているという指摘であります。
 それから、3つ目の・といたしましては、2行目辺りからですけれども、先進的、積極的に環境保全技術や環境保全に役立つ製品等を開発し、普及させていくことが我が国経済の成長要因になることに加えて、世界全体の環境と経済の持続性をも向上させるものであって、それが環境と経済の好循環を生み出す成長要因としてなり得るのだという指摘であります。
 それから、4つ目の・が3つの指摘全体をまとめたものでありまして、2行目辺りからですけれども、経済活動における環境保全を織り込んだ取組が環境保全のみならず、経済活動自体のためにも重要であることが明確化、現実化してきているということであり、そのためには、一番下のところですけれども、経済活動のあらゆる場面において環境への配慮を織り込む取組を一層進めていくことが重要だということでございます。
 それから、最後の・でありますけれども、この部会においてもご指摘がございましたけれども、環境金融の関係でございます。あらゆる経済活動がその金銭を媒介として行われるということを踏まえて、環境金融によって環境への配慮に適切な誘因を与えると、これによってお金の流れを持続可能な社会に寄与するものにしていくということがその環境配慮を根付かせるためにも重要だということで記述をいたしております。
 14ページからが、(1)の中の2つ目のテーマ、○でありますが、グリーンイノベーションを通じた持続可能な社会づくりでございます。1つ目の・でございますが、OECDにおけるグリーン成長に向けた取組などに見られますように、環境制約が一層厳しくなるということが予想されるような状況におきましては、環境配慮型の経済活動を進めて経済成長をしていくということが必要であろうというふうに考えられます。このために環境保全のための適切な法制度の整備ですとか、あるいは環境によい製品の需要と供給を喚起する施策を実施するということと同時に、環境分野の技術革新による経済発展を目指すグリーンイノベーションを進める。環境保全型技術や製品の一層の開発や普及を進めるような取組、あるいは環境産業の育成を図るような取組ということが重要になっているということでございます。
 15ページのほうに移っていただきまして、2つ目の・でございますが、こうした話を日本に置き変えてみますと、日本の技術、製品、制度、自主的取組に関する知見というものを広めていく中で、日本の環境と経済の持続的な向上のみならず、世界全体の環境と経済の向上に貢献していくということが重要だというふうに記載をいたしております。
 それから、(1)の3つ目のテーマ、○でありますが、長期的な視点を踏まえた環境研究・技術開発の充実・活用という点でございます。1つ目の・といたしまして、グリーンイノベーションの基盤となるような環境研究・技術というものについては、持続可能な社会を念頭に置いた上で、その成果をいかに社会に組み込むかという視点も重要だということ。
 それから2つ目の・といたしまして、環境研究・技術開発を推進していくという上では、個別の研究・開発はもちろんなのですけれども、社会経済システム全体の最適化を図るために、分野間の連携であるとか、あるいは産学官・関係府省間・国と地方との間の連携、あるいはアジア諸国との間の連携をはじめとするような国際的な枠組みづくり、こうしたことなどなどが重要だということでございます。
 また、3つ目の・としまして、その多様な政策手法の中から最適な手法を選択するという上では、技術開発だけではなくて、環境と経済との関係でありますとか、あるいは低炭素社会への移行シナリオといったような社会科学的な分野についても研究を充実させて、知見を蓄積していくということが重要だということを記載しております。
 (1)の4つ目のテーマ、○でございますけれども、分野相互間の連携を視野に入れた取組の推進でございます。1つ目の・としまして、持続可能な社会を構築する上では、それぞれの分野の相互関係を踏まえた分野間の連携ということが重要だということでございます。既に循環型社会の基本計画でありますとか、生物多様性の国家戦略におきましてはこういう視点が盛り込まれている訳でございますけれども、複数の分野で検討することによって相乗的な効果が期待できたり、あるいは複数の分野で対応しなければ解決しないといったような課題について連携を図っていくということが重要だということでございます。
 また、2つ目の・としまして、環境負荷を軽減するためにとられた施策が、別の環境負荷を発生させるというようなこともございますので、当該施策が環境に与える影響を総合的に評価、考慮することが重要だということを記載しております。
 15ページの下からが大きな2つ目のテーマということで、(2)といたしまして、国際情勢に的確に対応した戦略をもった取組の強化というタイトルでございます。そのうちの1つ目のテーマ、○が、国益と地球環境全体の利益の双方の観点からの戦略的な取組でございます。もうここまで何回も出てきておりますけれども、環境問題が世界経済の発展でありますとか資源エネルギーの問題と密接に関わるものとなりまして、政治・外交上の大きな課題となっているということがございます。また、地球温暖化や生物多様性の保全をはじめとする国際的な取組の場面で、各国間に複雑な利害関係が見られている状況でございます。
 こうした1つ目の・の状況を踏まえまして、2つ目の・のところで、国際社会において環境保全の取組を進めていく上では、公平かつ実効的な国際的な枠組みを構築するということが重要であり、その中で我が国がルールづくりにおいて主導的な役割を果たすことが重要だということを指摘いたしております。
 また、3つ目の・として、長期的な視野に立って、我が国の国益と地球環境全体の利益の双方の観点から、戦略的に取り組むことが重要であるということでございます。
 2つ目のテーマ、○が、互恵的な国際環境協力の推進ということでございます。1つ目の・といたしまして、我が国の生活の質を維持する上で、資源・エネルギー、生態系サービスの確保、地球環境の持続可能な利用といった視点が不可欠であることから地球駅の追求が我が国の安全保障にもつながるという点に留意すべきと指摘しております。その上で、これは非実態の国益ということではございますけれども、国際社会において名誉ある地位を獲得することが我が国の安全保障上の立場を向上させる鍵ともなり得るので、こうした点を踏まえて国際環境協力を進めていくことが必要だという指摘をしております。
 2つ目の・はこれまでの経緯に関する記載でございますけれども、我が国のこれまでの国際環境協力は先進国として知見や技術の移転を主眼とするという形でやってきた訳でございますけれども、それをこういう方向で見直すべきだというのが3つ目の・のところに書いてございます。新興国がグリーン成長を達成するということが地球環境を守る上では不可欠であり、そのための協力は、相手国だけではなくて、我が国の環境安全保障を確保するためにも急務ということでございます。グリーン成長というものは、我が国を含めて各国が試行錯誤しながら取り組んでいる課題でございまして、我が国の知見や技術を途上国において導入する場合には、従来の援助国と被援助国との関係というだけではなくて、先進国と新興国が共同事業を通じてともに新たな成長の道筋を模索するという互恵関係を構築するということが大事なのではないかということでございます。その際には、我が国が環境保全に関して蓄積していた経験でありますとか法制度といったものを我が国は持っておりますので、そうした点で我が国の果たす役割というのが大きいということを指摘するとともに、逆に、海外での経験というものを我が国の環境施策に活かすということも重要だという指摘をしております。
 17ページからが3つ目の大きなテーマでありまして、(3)持続可能な社会の基盤となる国土の維持・形成でございます。まず1つ目の○が、ストックとしての国土の価値の増大に向けた取組でございます。1つ目の・はどちらかというと自然のストックのことを記載しております。我が国には森林、河川、海洋といった多様な自然が存在をいたしまして、確かに人々の脅威となるようなこともある一方で、多様性の保全でありますとか水資源の供給、COの吸収、あるいは災害時の被害の軽減といったさまざまな恩恵を得ることができるという面もございます。こうした生態系サービスを生み出す基盤となる自然環境を維持・回復をして、ストックとしての価値を増大させていく、あるいは持続可能な形でストックから生み出されるフローを利用していくということが必要であり、そのためには、自然環境の価値というものを適切に評価していくことも重要であるという記載をしております。
 2つ目の・は二次的自然についての記載でございます。3行目辺りから、二次的自然地域は、例えば地球温暖化対策の1つとしてのバイオマス資源の活用による再生エネルギーの供給の面では、農業や林業が非常に重要な機能を担っているといった指摘をした上で、こうした二次的自然地域については、人口減少、高齢化といったような状況も踏まえまして、多様な主体の参加による管理のあり方というようなことも重要になっているという指摘をいたしております。
 3番目の・が、都市基盤等のストックに関する記述でございまして、それが2つ目の○のほうにもつながっていくという形になっております。都市基盤等のさまざまな社会資本についても、そのストックとしての価値を増大させるために適切な維持管理・更新を進めていくことが重要という指摘でございます。
 続きまして、2つ目のテーマ、○が、環境保全上の観点からの国土利用メカニズムの構築でございます。我が国においては人口減少が既に始まっておりますので、環境負荷の低減が求められるという状況とあわせまして、集約型都市構造、いわゆるコンパクトシティの考え方のように、その都市の既存ストックを最大限活用して都市機能の集約化を進め、都市における経済社会活動によって生じる環境負荷を小さくするということが重要という指摘でございます。その際に、都市と農村との関係、特に広域的な土地利用のあり方についても検討していく必要があるということを併せて記載をしております。
 また、自然との関わりの中で、どのようなまちづくりや土地利用をすべきかと考える場合、今回の震災でも明らかになった訳ですけれども、自然災害による被害はすべて防止することはできないという側面がある一方で、自然が被害を軽減する機能も有しているということを視野に入れる必要があるということでございます。
 それから、3つ目の・で震災からの復興の関係でございますけれども、防災上の観点に加えて、自立・分散型エネルギーシステムの構築でありますとか、地域の特性を活かした環境負荷の少ないまちづくりというようなものを通じて、他にモデルになるような復興というものを考えていく必要があるのではないかという指摘をいたしております。
 それから、ページをめくっていただきまして、18ページでございます。3つ目のテーマ、○として、良好な環境の保全に向けた取組でございます。前回の骨子案から追加したテーマでございます。内容といたしましては、ストックとしての国土の価値の1つとして、良好な環境の保全ということが重要だということでございます。有害物質による環境汚染等から人の健康や生活、生態系を守るということの重要性が認識されており、現在及び将来の世代が健全で豊かな環境の恩恵を受けられるような国土の価値を高めていくことが必要であるとの指摘をいたしております。
 4番目の大きなテーマといたしまして、(4)地域をはじめ様々な場における多様な主体による行動と協働の推進でございます。1つ目のテーマ、○が、環境教育や意識啓発による一人一人の行動への環境配慮の織り込みであります。一人一人の活動に起因する環境負荷というものが全体に大きな影響を及ぼしており、国民の主体的な行動を推進することが不可欠であることから、行政・企業・NPO・市民、それぞれの主体が問題の本質や取組の方法を自ら考え、ある解決する能力を身につけ、そうした環境問題に取り組む人材を育てるような環境教育、意識啓発が重要だという指摘であります。
 そして、そうした取組を後押しするためには経済的インセンティブを付与するような施策が有効だという指摘、またそのための情報公開、情報提供といったような取組が重要だということを2つ目、3つ目の・のところに記載いたしております。
 また、2つ目のテーマ、○として、環境問題の解決に向けた多様な主体間の連携を掲げておりますが、さまざまな主体の中に専門的知識・技能を持つ人がいらっしゃいますので、そういうさまざまな主体が個々に行動するだけではなくて、こうした方々の連携・協働によって問題の解決に取り組むというようなことが重要だということを指摘しております。
 次に19ページでございますけれども、前回の論点におきましては、環境政策を実施末上での理念・原則・手法について盛り込む必要があるのではないか、とだけ記載をしていた訳でございますけれども、ここでは、まず(1)のところに環境政策における理念・原則といたしまして、「汚染者負担の原則」・「環境効率性」、「予防的な取組方法」、「環境リスク」、「拡大生産者責任」と5つ掲げております。これは現行の第三次計画においても同様の理念・考え方が掲げられている訳でございますけれども、引き続き重視していく必要があるということでございます。
 また、(2)で最適な手法の選択でありますが、政策の優先順位、費用対効果、社会的費用の低減にも留意しながら、政策手法、例えば直接的手法であったり、枠組規制的手法であったり、経済的手法であったりというようなここに記載しているようなさまざまな手法の中から最適な手法の組合せを選択するという考え方が重要だということでございます。
 以上を踏まえまして、ページをめくっていただいた次の20ページからが、漢数字の三ということで、第四次環境基本計画の構成ということでございます。前回の論点のときには、現行計画における重点分野ということで、縦割りの6分野と横割りの4分野について簡単に記載をしてあっただけでございましたけれども、ここにつきましても前回の議論を踏まえて整理させていただきました。
 まず、20ページの上半分に重点分野の考え方について記載しております。1つ目の○は、重要度の高い問題に優先的に取り組むという観点から、第三次計画と同様、重点分野を設定する、という方針を記述しております。また、2つ目の○におきましては、重点分野の記述に当たり、基本的には、二で述べた環境政策の展開の方向に加えて以下の点を踏まえて作成することとしております。具体的には、これまでの取組状況と課題、中長期的な目標、施策の基本的方向、取組推進に向けた指標及び具体的な目標を示すこと、また、指標・目標については、この後ご報告させていただきますけれども、その指標・目標の持つ意味を明らかにするといったことを記述しております。
 2つ目の・におきましては、施策の基本的な方向について、国・地方公共団体等々の主体ごとに取組が求められる、取組むことが望まれる行動を明確化して、そのために政府が講ずる政策を明らかにするように努めること、あるいは他分野と統合的に進めるようなものについてはその関係を明らかにするように努めることとしております。
 (2)からが前回も議論していただいた6分野のことでございます。最初の○のところにも書いてございますように、各分野相互の関連性を意識して、記載順を見直しております。まず1つ目が、地球温暖化に関する取組でございまして、最初の現状分析のところにも記載しておりましたけれども、地球温暖化対策につきましては、低炭素社会の構築をするために国内で各種対策を実行していくことが重要でございますし、また適応策についても重要だということで引き続き重点分野として位置づけるということでございます。
 それから、2つ目が生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組ということでございまして、これも記載していることは現状分析の繰り返しのようなところがございますけれども、引き続き重点分野として位置づけるということでございます。
 3番目が、物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組、4番目が水環境の保全に関する取組、5番目が大気保全・環境保全に関する取組、6番目が化学物質対策の確立と推進というような形で整理をさせていただいております。いずれも記載していることは、現状分析等で記載したことの繰り返しのような形ではありますが、いずれも重点分野として設定すべきとかんがえているところでございます。なお、重点分野の記載順ですけれども、地球温暖化と生物多様性との関係についてはすでに指摘されていることでありますし、物質循環を自然環境との関係の中で考える必要があるのではないかという指摘や、あるいは水環境も物質循環と密接に関わるという指摘もあるということで、こうした点を考慮して、1番から6番まで順番を整理させていただきました。
 ページをめくっていただきまして、22ページから横割りの分野を整理させていただきました。前回の論点におきましては、第三次計画における横割り4分野をご紹介させていただいて、4次計画のあり方についてご議論いただいた訳でございますけれども、その際、漢数字の二、環境政策の展開の方向で述べたところと整合性をとったほうがいいのではないかというご意見をちょうだいいたしましたので、今回の資料では、7から9までの3分野という形で整理したところでございます。
 まず、7番目が経済社会のグリーン化とグリーンイノベーションの推進でございます。ここに記載すべき項目といたしましては、あらゆる活動において環境配慮を織り込むための取組として、例えば政策・施策決定、事業活動、消費行動、税制、金融、製品・サービスのグリーン化といったことがあげられるかと思います。また、目指すべき持続可能な社会を念頭においた環境研究・技術開発の推進ということで、グリーンイノベーションの基盤となるような環境研究・技術開発の推進であるとか、環境経済の政策研究の推進というようなことが含まれるかと思います。これらはいずれも、13ページから14ページくらいにかけて記述しております(1)のところに対応するようなものを盛り込んでいるという趣旨でございます。
 次に、8番目が国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進ということでございます。ここでは国益と地球益の双方の観点からの戦略的な取組ということで、国際的な取組に関するルールづくりにおいて我が国が主導的な役割を果すべきことをもりこんではどうか。それから、互恵的な国際環境協力の推進ということで、新興国とともにグリーン成長を達成するための取組と行ったことを盛り込んではどうかと考えております。これは15ページから16ページにかけての(2)のところに該当するようなものを重点分野として位置づけたらどうかということでございます。
 それから、9番目が持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進ということでございます。ここでは地域の持つ資源や特徴を活かした地域づくりということで、例えばストックとしての国土の保全と管理を通じた地域環境の維持、あるいは集約型都市構造の実現といったようなものが中身としては入るかと思います。また、環境教育等を通じた環境保全のための人づくり、環境教育・環境学習の推進でありますとか、民間環境保全活動の支援といったようなものが入ろうかと思います。それから、環境保全のための基盤整備の推進というところで言いますと、次のページにわたりますけれども、上位の計画や政策の検討段階を対象とした戦略的環境アセスメントに関する検討でありますとか、環境影響評価制度の充実、あるいは統計情報の整備といったようなものが入ろうかと思います。これらは17ページからの(3)と、18ページからの(4)に相当するようなものを重点分野として位置付けたらどうかということでございます。
 それから最後、23ページに環境保全施策の体系及び計画の効果的実施についてという項目を記載してございます。これは現行の第三次計画もそうなのですけれども、この重点分野10分野の後に環境施策の大綱を体系的に整理するということと、それから効果的実施のための方策ということで、例えばどういうふうに点検をしていくのかというようなことを記載しておりますので、それについても引き続き重点分野の後に整理するということで3行書き加えさせていただいております。
 以上、変更点を中心にご説明するということでございましたけれども、だいぶ時間がかかってしまいました。私からの説明は以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの第四次環境基本計画策定に向けた考え方、この説明につきまして、委員の皆様から、1時間45分くらいございますので、ご意見をいただければと思います。
 大変多岐にわたっておりますので、本来であれば前半・後半くらいに分けたほうがいいかとも思いますが、お互い関連しあっておりますので、順不同でそれぞれご意見をいただき、そして後ほど事務局の方から、あるいは委員の方々の間で意見交流をお願いできればと思います。ご意見おありの方は席札を立てていただけますでしょうか。
 それくらいでよろしいですか。

○浅野部会長代理 お早めにお立ていただければと思いますが。どんどん増えてきますので。

○鈴木部会長 10名くらいということで、これで止めていただけると大変ありがたいのですが、そうもいかないのでは。では、こちらからまいりましょうか。小澤委員から。

○小澤委員 恐れ入ります。3点お願いしたいと思います。1つはブラントラントさんの翻訳がありますけれども、そこで多分原本はニーズとなっていたと思うのですね。それを欲求と書いてしまうとウォントの世界になってしまうので、そこを必要性とかニーズとか。多分初期のころ、これが翻訳されたころは欲求と書かれていたと思いますが、そこの修正をお願いできたらというふうに思っております。ちょっと何ページだったかが。

○矢田環境計画課計画官 12ページですね。

○小澤委員 恐れ入ります。そうですね、12ページのところの持続可能な社会の定義をここで引用している訳ですけれども、そこのところだけお願いしたいと思います。
 それから次に2つ目として、17ページに持続可能な社会の基盤となる国土・自然の維持・形成ですが、今回の東日本の震災でも明らかですが、やはり一極集中型の問題が日本の持続可能性を阻害しているところが大きく出てきておりますので、少し国土の均衡発展でしょうか、東京集中ということがエネルギー需要においても様々な問題を引き起こしますので、そういった視点を少し入れて書いていただければというふうに思います。国土のグランドデザインのほうでは開発を保全という形で、これは環境省の管轄ではありませんけれども、書かれている訳ですが、もう少しコンパクトシティはいい訳ですね、それぞれの地域で。しかし、国土全体でもやはり均衡ある発展をそれぞれの地域でしていくということが、ここに書かれてある農山漁村も含めた広域的なというところにつながる文脈が1つ必要ではないかと思います。そうすると、自立・分散型エネルギーシステムの構築にもつながっていくのではないかと思います。
 それからもう1つが、18ページのところ、環境教育、意識開発については書いていただいてありがとうございます。しかし、この2つ目の○のところで、多様な主体間の連携とありますが、何となくこの書きぶりだと専門家というと自然科学系だけに陥りそうなので、1つは社会科学あるいは人文科学的な環境倫理的な側面、特に日本の風土性を大事にしたそういった視点からの連携、そしていわゆる大学の教員とかNPOだけではなく、その地域で生産活動というのでしょうか、農業、漁業、そういった方たちとの連携も持続可能な地域づくりというところに貢献していくという文脈があれば、どうしても環境教育だけ言ってしまいますと、座学で勉強している、そして自分たちの食べるものもきちんと自分たちで地産地消的な視点というものも入るというところがちょっと弱くなるので、18ページの2つ目の○のところにそういった視点を入れていただければありがたいし。今私が仲間とやっているのは、分離融合型で環境に対応していくという視点が何とか入れ込めないかということで検討しておりますので、ぜひそういった社会科学、人文科学も含めて多元的な見方で対応していくということを入れていただければありがたいと思います。
 以上です。よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。今の小澤先生のご意見と似ているところは簡単にいたしますが。私も今回資源エネルギー、食を連携させて、地域の個性を活かした自立・分散型のさまざまな自給率の高い地域をつくっていくということをベースに置いていくというのは大変重要なところだと思っております。今回もそういう視点はかなり個別に入っていますけれども、その辺をやはり強調していくことが今回大変重要なところだと感じています。
 なお、その次の循環型社会の視点なのですけれども、ほかに基本計画を考える検討会がありますので、何となくここでいつもあまり細かいことを発言していなかったのですけれども、現在の書きぶりを拝見しますと、非常にシンプルに書いてあって、例えば発生抑制、リデュース・リユースを進めることは大事だけれども、リサイクルが、というふうに割に非常に簡単に書いてあるので、もう少しこちらで書くときもやはり資源の有効活用と再利用と全体のバランスを産業界プラス生活、ライフスタイルできちんと押さえるというそういう全体のバランスが大変重要であると、課題になっているということをこちらのほうにも明記しておくということが大変重要なのではないかというふうに思います。
 なお、原子力と放射線の影響に関して、これができる間に政府の検討を考えて入れ込むというふうに書いてありますけれども、ぜひ今廃棄物だけではなくて土壌汚染や汚泥とか多様なものに出てきておりますので、環境回復と、その回復していることを世界にモニタリングを発信していくという辺りを強調して書いていただければありがたいというふうに思っております。
 最後に1点なのですけれども、今後の基本計画の書く順序なのですが、最後の22ページのところをちょっと見ていただきたいのですけれども。(3)で事象横断的な分野に係る取組ということで、[7]の経済・社会のグリーン化とグリーンイノベーションの推進、[8]の国際的な推進、[9]の持続可能な地域づくり・人づくり、基盤整備というふうに、基本的な分野の次に事象横断的な分野がきておりますけれども。今こういう実際に環境改善をしていく上でこういう現実の取組をどうしていくかということが大変社会では重要になっていて、それの半面、広報とか啓発とか実際の政策形成の辺りがどんどん費用が削られていくという状況ですので、この(3)の事象横断的な分野を全体の重要課題の前半にもってくるぐらいの形で文章をまとめていただくことが、今後この分野の重要性というのを強調することにつながるのではないかというふうに提案させていただきます。よろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 中杉委員。

○中杉委員 2点ございます。1点目は、19ページのところの理念のところで少しよくわからないのは、環境リスクというのはこれは理念なのか原則なのか。環境リスクという言葉がいいのか、リスクという概念自体がここで言いたいのかというのがちょっとわからないものですから。環境リスクというのは何を言いたいのだろうかというのがはっきりしません。もう少し整理をしていただければ。
 それから、21ページのほうですけれども、前回私が申し上げたのに少し絡むのですけれども。[4]番、[5]番、[6]番の並びの中で、[6]番のところだけ国民の健康と環境を守ることを基本とするというふうに書いてございます。前回の議論の中では[4]番、[5]番、[6]番は安全・安心というところで考えていたというふうに思いますので、[4]番と[5]番も国民の健康と環境を守ることを基本とするではないのかな。なぜ化学物質のところだけそれが入っているのかということと。
 細かいことを言いますと、化学物質対策のところだけ、対策と書いてあるからかもしれませんが、確立と推進というふうに書いてあって、ほかのところは全部取組である。ここら辺の整理がどうなっているのかなと。ちょっとこういう分け方をするのはある意味では仕方がないのだろうと思いますけれども、少し前回の議論の流れからいくと、なぜ[6]番だけこういうふうな題をつけてあるのかなというのはわかりませんので、少し教えていただければと思います。

○鈴木部会長 山本委員。

○山本委員 ありがとうございます。4点について意見を述べさせていただきます。第1点は、この地球温暖化に対する状況の認識というか、ページで言うと2ページでありますけれども。これは2007年のIPCCの第4次レポートに書いてあるようなことがここに書かれている訳ですが。現在は私こんなものではなくて、大変深刻な状況になっている。これはもう誰が見ても明らかだと私は思う訳であります。
 例えば先週のアメリカのアリゾナ州のフェニックスを襲った幅50kmの巨大ダストボールとか、あるいは5月の最初のころアメリカのジョプリンがマルチプルトルネードに襲われたとか、もう昨年はロシアの1000年に一度の熱波、アメリカのテネシー州の1000年に一度の大洪水、あるいは今年1月の、これはオーストラリアのクイーンズランド州のフランス・ドイツを合わせたぐらいの面積の大洪水とか、もう枚挙にいとまがない訳でありまして。アメリカの例のフィーマンもレポートを出しておりまして、アメリカ自体も大変な今さまざまな異常気象に襲われている訳でありまして。この背後に地球温暖化があることはもう疑いを入れない。これは幾つかの論文がもう出ておりますが、そういう状況だと思うのですね。
 それで、原子力安全行政はなぜ大失敗を犯したか。これはまさにシビアアクシデントを全く想定せずに対策をとらなかった。実は環境行政もまさにこのシビアアクシデントに相当するようなノンリニアイベントですね、すなわち非線形で温暖化が進行した場合、大変な事態になる。2030年ぐらいには2℃を突破されてしまう、2060年にはこれはもう4℃突破だということが言われている訳でありまして。もう2℃、いかに抑制することが極めて厳しい状況に我々は今置かれている訳でありますが。欧米はもう2060年、4℃世界にどう備えるべきかという議論を真剣にやっている訳であります。
 そういうことで、この2ページの地球温暖化に関する状況のまとめは、これはもう全くこんなものではないと、これはまさに原子力安全行政が破綻したように、こんな認識でいれば環境行政も破綻することはもう目に見えている。ぜひここは厳しくお書きいただきたい。
 2点目は、グリーン成長のところでございます。これも何となくこれを読むと日本の環境技術、エコ製品がまだ圧倒的な優位性を持っているかのような印象を持つ訳でありますが、事実はもうグリーン投資はもうアジアに日本は抜かれているのではないかと、まさにアジアのダイナミズムで今このグリーン成長が起きている訳でございます。
 例えば韓国は既に低炭素グリーン成長法を可決成立させ、ソウルに昨年はグローバルグリーン成長研究所を設立して、全力を挙げてグリーン成長の道を歩んでいる。中国も同じであります。さらにマレーシアはグリーンテクノロジー、水、エネルギーに関する特別の省をつくりまして大臣を置き、昨年10月大規模な展示会をやった訳でありますが、今年も実はマレーシアの国内で民間ファンドでこのグリーンテクノロジーを普及させるという、これは6月30日にクアラルンプルでそういう会議がございまして、なんと10年~15年で日本円で7,000億円の民間資金を投入してこのグリーンテクノロジーを普及させると、こういうようなことが起きている訳でございまして。これはほんの1例にすぎません。日本はこういうアジアのグリーン成長のダイナミズムに今取り残されつつあるという厳しい認識をここに書くべきであると私は思います。
 それから、19ページでありますが、先ほど中杉委員のほうからもご指摘がありましたけれども、私はやはりライフサイクルシンキングとかライフサイクル思考とか、あるいはこれは環境税がなぜ入らないのか、タックスシフトをぜひ入れるべきであるというふうに思います。
 それから4点目でございます。これが最後でございますが。22ページのグリーンイノベーション、これは大変結構なことでございますけれども、これも何かこの文章を読むと、[8]に国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進と書かれてはいますが、私は日本は今非常に孤立化している、内向きになりつつあると。ここで思い切ったグローバル戦略をとらないと、日本の環境産業というか環境技術はもう大変な劣勢に追い込まれてしまう。
 例えばアジア生産性機構という、これは国際機関、その本部が日本にありまして、これは日本政府がほとんど支援している国際機関でございますが。7年前からこれはEPIFという国際エコプロダクツ展示会をこのAPO、日本が支援している国際機関でございますが、これが日本政府の予算削減で外務省が予算を切ったために、来年3月に予定されているマレーシアで行う予定のエコプロダクツの展示会がキャンセルになってしまったということで。大変私は衝撃を受けている訳でありまして。日本がこのアジア太平洋のグリーン産業をリードするというときに何をやっているのかと。経団連も実は6月に北京でエコプロダクツの展示会を開催した訳でございますが、残念ながらかなり大きな展示会にはならなかったということで、来年も続けられるかどうかはなはだ心もとない訳でございます。
 それで、昨年10月のマレーシアのエコプロダクツ展、私も参加しましたが、非常に衝撃を受けたのは、当たり前と言えば当たり前なのですが、全部英語でやっている訳ですね。展示の説明も展示も国際会議はもちろんですが、全部英語でやっているために、ヨーロッパから、それからアジア、それからアメリカからの出展者が多かったと。私が12年間経済産業省支援の日本のエコプロダクツ展示会の実行委員長をしている訳でございますが、残念ながら我がほうの国内のエコプロダクツ展は極めてドメスティックで日本語でやっている訳でありまして、なかなか海外の参加者が増えない。
 ですから、私が一番おそれるのは、来年のリオプラス20、これのテーマがグリーンエコノミーで、OECDはグリーン成長を言い、アジア太平洋の各国が今グリーン成長のダイナミズムで動き出しているときに、日本は日本語の壁を乗り越えられずに、このままいるとジリ貧に追い込まれてしまうというところを強く私は懸念しておりまして。ぜひ思いきったグローバル戦略をとるべきである。
 環境省はぜひこのアジアに対してグリーンビジネスのプラットフォームを日本からどんどん仕掛けていくというような施策をとるべきである、そのように考える訳でございます。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 鷲谷委員。

○鷲谷委員 ありがとうございます。原子力発電所の事故については、イントロダクションで触れられていて、あと6ページのところに若干記述があるのですけれども、さまざまな環境の問題がもたらされていて、国際社会が注目していて、その影響のタイムスケールを考えますと、かなり長期にわたることが考えられますので、もう少し充実させたほうがいいのではないかという印象を持っています。
 特に6ページのところでは、環境中に放出された放射性物質に関して、ただ多くの住民が避難する状況となっているということが書いてありますが、長期的な人の健康被害が懸念することもありますし、それだけではなくて生物多様性や生態系に及ぼす影響についても、チェルノブイリの膨大な研究成果が国際誌にもたくさん出ていて、いろいろな影響もわかっていますので、そういうことを参考に、少なくとも指標生物を決めてモニタリングを始めることの必要性は書いたほうがいいのではないかと思います。生物多様性、生態系への影響というのは、指標生物、野生の生物の生理とか繁殖とか生存とか、そういうことが集合してのもう少し大きな系への影響を把握することになる訳ですけれども、生理的な影響等は人の健康について総合的に見ていくための手がかりも与えると思います。といいますのは、チェルノブイリなどを見てみますと、汚染の激しかった地域というのはその後経済的な発展も損なわれるために、健康の問題というのは放射線量等だけではなくて、経済的な影響も受けて、複合的な健康の悪化ということになってしまうので、放射能の影響を取り出して把握することは難しいのですけれども、野生の生物ですと放射能の影響だけを適切なモニタリングの計画に基づいて検討することが可能です。
 例えばフランスのピエールマリキュリー大学のメラー博士というのは大変勢力的に25年間、鳥類が中心ですけれども、影響を把握して、国際誌に幾つも論文を書いているのですけれども。例えばツバメを対象とした研究では、汚染地域と対象地の比較とか、それから放射線量に対してどういうふうな反応するかというようなことで把握して、さまざまな指標から見て免疫機能が低下したり、繁殖能力がかなり落ちてしまったり、それからツバメ以外の鳥類も含めて、個体群の縮小というのが認められるとか。一方で人間活動が、人の居住とか活発な人間活動がなくなりますので、そこは一見野生生物の楽園のように鳥の種類が増えたりするのですけれども、それは人間活動がないことによって外部から個体が供給されてくることによるもので、そこでは生存とか繁殖が損なわれているものですから、個体群のシンク、お台所にあるシンクと同じ語源ですけれども、生み出さずに引き寄せてそこで減らしてしまうような場になるというようなことがわかっていますし。ほかにもきちっと調査研究すればいろいろな生物に影響を与えることがわかっていて、植物では花粉の異常とそれからゲノムの大きさとの関係が見出されたりしているのですね。
 それで、世界も3・11福島にすごく注目していて、ニュースなどでもいろいろな側面の報道もしているところですけれども、こんなに科学が発展していて、しかも環境に関する関心も発展途上国などに比べたら高いはずであるのに、そういう影響を科学的にモニタリングしたり評価するというようなことに関して、まだどこもきちっとした方針をつくっていないというのは少し外の世界から見れば不思議なことに思われるのではないかと思います。
 全く生物多様性や生態系の影響に関わることとか、それはまさに環境サイドでやるしかないことですので、ここに書き込まれるべきではないかと思うのですが、それに関する記述が今全くないのは、これでいいのかなというふうに思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 末吉委員。

○末吉委員 ありがとうございます。改めて言うまでもないのですけれども、この環境という、あるいは生物多様性も含めた現象は自然現象ですよね。ところがその自然現象がもう社会現象になり始めた。つまり、政治から産業政策、経済や我々個人の生き方まで非常にインパクトを与え始めたと。これはもう皆さんお感じになっていることだと思いますけれども。先ほどの山本先生のお話などを伺っていると、これから5年、6年、つまり第四次基本計画がカバーする時期は、私はもっとこの自然現象が激しくなるのだろうと思います。とすれば、社会現象にもっと強烈なインパクトを与えていく。地球社会はそれに当然ながら反応していくのだろうと思います。ですから、非常に大きな変化が起きるときだというふうに私は思っております。
 そういった危機感とか大きな変化があるという問題意識で読ませていただくと、こういった計画の表現の通例なのかもしれませんけれども、非常に穏やかなジェネラルな言い方なのですよね。これであれば、大きな危機感とか大きな変化が読めないのではないかという気がしてならないのです。読む人によっては非常に古い考え方で読んでも、そうだ、俺の思ったとおりだというふうにも読めるだろうと思います。それでは私はこれからの5年、6年をカバーする意味がないと。
 私自身はもともと環境問題は企業を含む経済活動が引き起こしたと思っております。もっと正確に言えば、経済やビジネスが悪いのではなくて、経済の成長のあり方が間違っていたのだと。ビジネスのお金の儲けのあり方が間違っていたのだ、だからこういう問題が起きたのだと。とすれば、これらの問題を解決していくには、経済の成長のあり方、企業にとってみれば金儲けのあり方を変えてもらわないとだめなのだというのが私は非常に基本認識にあるべきだと思っております。
 そういうことで申し上げれば、例えば出だしのところの今起きているさまざまな環境問題は、これ日本語の特徴かもしれませんけれども、主語がないですよね。今悪くなっている状況を淡々と言っているのですよ。でも、普通の人から見たら、何でそんな問題が起きたのだと、誰がこういう問題を引き起こしたのだと、そういったことがわからないと、これからその問題の解決しようというところの対象が見えてこない訳です。ですから、私はやはりもっと主語を明確にした表現にしていただきたいというのが1つであります。
 それから、例えば地球益と国益という2つの概念、対立概念のように書いてありますけれども、この書き方も、例えば従来であればどちらかというと国益優先できたと、でもこれからはむしろ地球益を優先することが結果として国益をより守ることになるのだ、例えばそういうような新しい考え方をみんなが受け入れるとすれば、そういったことでやっていきたいのだというようなことを言うべきではないでしょうか。単に国益と地球益をバランスよく見ていきますというような話ではなくて、むしろ今までの価値観を逆転させることが実は結果として国益を守ることになるのだと、そういうところに我々日本の知恵を出していこうではないか、そういうようなことをうたうべきではないかと思います。
 あるいは、14ページに例えば経済活動にとって支障になると書いてあります。支障なのですかね。私はこの地球環境が壊れていけば、あるいは生物多様性が壊れていけば、そもそもビジネスは成り立たないという話ですよね。支障どころではないのだと思うのですよ。ビジネスが成り立たない。とすれば、ビジネスは自分たちのイターナルなビジネス活動を進めていく上では、生物多様性を含む地球環境を健全に守ることこそ実はビジネスにとって本当の目的になるのだと、そういったような発想もちゃんと読み取れるようにすべきではないでしょうか。
 あるいは競争原理の話が出てきますけれども、これどういう具合に競争原理が変わるという認識なのでしょうか。私なんかに言わせれば、単純に今まで量をたくさん、しかも安く出せば売れるというビジネスルールではもうなくなってくるのですよね。いかほどに環境や社会的責任を果しているのか、そういった企業から生まれる製品やサービスであるから競争力が増すのだと。いや、むしろそういった企業の商品やサービスがより競争力を増すような新しい規制をつくったりルールをつくっていこうと、そういう流れが始まっている訳でありますから、競争原理がどう変わるのかというのをもっと見せていただかないと。
 あるいは公平と衡平、2つの公平が書いてありますけれども、これは2つ並べてあるけれども、これは真っ向から対立しますよね、私の理解では。フェアでバランスをとる公平と、エクイッタブルな衡平とは相容れないところがいっぱいある訳ですよ。ですから今まではハムの公平中心にきたのが、エクイッタブルな衡平のほうにもっと重きを置かないと世界がもたないのだという、いや、日本がもたないのだと、そういうようなことも入れ込んでいくことによって私はこの計画を読む人が、あるいはそれのインプリメンテーションする人が大きな変化が生まれているのだというようなことを感じ取っていくのではないかと思います。
 その競争で言えば、これも先ほど山本先生が十分おっしゃいましたけれども、例えば中国は今始まった12次5カ年計画で環境分野に3兆元入れるという話ですよね。36兆円とか7兆円ですよ、5年間で。これが世界の競争の現実です。ですから、もう中国の緑色市場、グリーンマーケットはあと一、二年で40兆円から、最低でも40兆円、うまくいけば80兆円ぐらいの市場規模になると。40兆円といったら大体日本の自動車メーカーの総売上にほぼ匹敵しますよ。こんなのが中国の国内に緑色市場として生まれる、そういうのがもう目と鼻の先ですよ。こういったような経済や産業や国の競争の状況を考えると、私はもっと深刻に大きな変化をもたらすような呼びかけをしていく、そういった計画の中身であってほしいと強く願っております。
 それから、どこに書いてあるのか、私見落としているかもしれませんけれども、私の見るところで今世界で起きているのは、企業行動を変えさせるための社会の監視システムが今深く静かに非常に進んでいます。その典型例が情報開示なのですよ。世界はいろいろなところで企業の情報開示を求め始めております。もうPS、バランスシート、PLだけではもう全然役に立たないのですよ。新しい環境や社会的責任への取組方を情報を出させて、それを投資家や消費者や規制当局や社会全体が見て、どこがいい企業なのか、悪い企業なのかの判断が始まっている。こういった中においてやはりこの環境計画の中にも、日本は変化が起きるための社会としての監視システムをどういうことで持つのかなんていうことも私は非常に重要なような気がいたします。
 以上です。ありがとうございました。

○鈴木部会長 では、長辻委員。

○長辻委員 1点だけです。前回本来なら申し上げておけばよかったのですが、忘れておりました。それは、4ページの我が国の状況のところで追加させていただければと思うのですけれども。この気温、それからあと降水量等についての自然現象についての記述がありますけれども。1995年の阪神大震災以来、日本の地震活動が明らかに活発な活動期に入っています。今回の東日本大震災の例を見てもわかるように、大規模な地震が起きれば、それによって引き起こされる環境への影響、それから国民生活への影響、これは多大なものがあります。もうこれはよく言われていることなのですけれども、日本のこれまでの経済成長というのは戦後の地震活動の静穏期、これに成し遂げられたものであると言われていたのですが、不幸なことにサイクルが回ってきまして、これから活動期に入っていると。そのことをやはり1つの前提条件になりますので、できれば入れておいたほうがいいのではないかと思いました。
 以上です。

○鈴木部会長 では、林委員。

○林委員 2点言います。1つは、9ページの土地利用の状況の冒頭で、自動車の利用の拡大やということが書いてありますが。「無秩序な開発」と書かれていますが、これはもう記述が情緒的で、何が問題かわからないのではないかと思われ、このパラグラフは消した方がよい。
 これだけではなくて、自動車単体の排出率はハイブリッドとか電気自動車とかさまざまな技術開発競争が起こったことによって、下がってきている。しかしながら、鉄道とか、特に地方都市のバスなどの公共交通機関の利用が下がり、自動車へモーダルシフトしていく現象が依然として続いている訳です。それによってさらにスプロールも止まらない。人口は減っているのだけれども、スプロールが止まらないということが続いて、モーダルシフトによる一人当たりの単位移動距離当たりのCOの排出、スプロールによる移動距離の増加とが依然として続いている。こういうことをきちっと書いたほうがいいのではないかと思います。
 それから、もう1点ですが、17ページの前半のストックとしての国土の価値の増加に向けた取組というのがありますが、それの最後の3つ目の小さい・のところに関連してですけれども。都市基盤などのさまざまな社会資本についてもストックとしての価値を高めると、適切に維持管理・更新を進めていくことが重要であると書いてあるのですが、それだけではなくて、計画段階でこの鉄道や道路などが将来どういう環境負荷があるかというアセスメントをきちっと入れながらつくっていかなくてはいけないのですが、そういうことはなされていませんよね。それをぜひ書いていただきたい。その上で維持管理という話でいいと思います。
 加えて、これは公的な社会資本のことを書いていますが、私が何回かここで申し上げたのは、むしろ民有宅地側がそれぞれの個人の土地にバラバラに立てられていくというこの仕掛けによって、例えば住宅ですと30年に1回建て替わってしまっているということで、多大なコンクリート、鉄が使われて、それが瓦れきになっていく。これは津波が起こらなくても、そういうことになっている訳ですね。そのメカニズムを根本的に改めるということが必要であるとここに書いていただく必要があるのではないかと思います。
 以上でございます。

○鈴木部会長 速水委員。

○速水委員 ありがとうございます。2点です。1つは、地球温暖化ガスの排出に関しまして、多分原子力の福島の事故でエネルギーの選択というのは大分変わってくるのだろうというふうに思います。今のところ差し当たり原子力の発電量をが原子力以外でカバーしなければいけないという形でLPGとか石炭とか、あるいはもとあった石油火力が動き始めていますが、そういう状況を考えながら温暖化ガスのことがどういう展開になるのかとか、あるいはどういう視点で見ていくのかというのをちゃんと書いていかないとまずいなという気がします。
 また、今後もしもさまざまな自然エネルギー系の再生可能エネルギーの利用が増えてくるとすると、そこも生物多様性との関係みたいな話だって当然出てくるのだろうというふうに思いますので、あと5年間となると動き始める時期なのだろうと思いますので、地球温暖化と生物多様性に関しては新しいエネルギーの選択の状況というふうなものとの関連を書き入れておいたほうがいいのではないかと思っています。
 それからもう1つ、前回も森林の問題を指摘させていただいて、いろいろなところにしっかりと入ってきたのですが、そのときも申し上げたように、木材をはじめとする生物バイオマス系の資源というものは単なるリサイクルに留まらず生態系の大きなリンクの中での循環型資源だと、再生可能資源だというふうな視点が入ってこないと、きちんとした理解が深まらないと思います。
 21ページの物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組でも、資源の問題が書いてあり、そして廃棄物の問題が書いてあると。そういう中で木質あるいは生物バイオマス資源の循環の非常に優秀な資源だというふうなとらえ方で書いていくということが大事だと思っています。東日本の震災でも、木材の廃棄物に関してはなかなか苦しいながらも焼却して熱エネルギーに使うとかそういうことが可能になっておりますので、やはりその意味というのは非常に大きいのではないかというふうに思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 前田委員。

○前田委員 ありがとうございます。すみません、途中の議論に参加していないので、ちょっと変なことを言うのかもしれないのですが。ちょっと全体の感想としては、人間が何かいまひとつ見えてないなという感じを持ちました。
 それで、8ページに我が国の状況のところに、一応人口減少、高齢化のことが書いてあるのですけれども、ここに真ん中上に、生産年齢人口の減少で、経済成長へのマイナスの影響が懸念されていると書いて、これはこのとおりなのですけれども。やはり人が手を入れてきて維持してきたコモンズが維持管理どうするかとか、後で出てきますけれども、あとやはり人工物については減築とか、まさにコンパクトシティみたいな議論があるので、ここはもう少し少子高齢化の影響というかインパクトについてはもう少し広い視野で書いていただいたほうが後につながっていくのかなというふうに思います。
 そういう中で、最後に18ページに地域をはじめ多様な主体による行動と協働とありますけれども、今の震災の関係でもやはりまさに避難している人の受け入れ側の地域とまさに被災地の連携というのが非常に重要になってくると思いますし、正直住民票を2つ持つような仕組みもつくらなければいけないような、個人的にはそういう感じもするのですけれども。そういう意味で18ページはもう少し、例えばコモンズの維持なんかだと地域間の連携とかそういうことも少し書いていただいてもいいのかなというふうに思いました。
 以上でございます。

○鈴木部会長 森嶌委員。

○森嶌委員 私は、前回は休んでおりますので、前回にそういう議論があったのかもしれませんけれども、ここの第1回の議論のときに申し上げましたように、第三次までの基本計画と今回の第四次と基本的に前提が違うのは、やはり大震災があって、かなり大きく社会が変わりつつあることです。大震災がなくても政権交代などによって社会的に大きな変動が起きつつあるというときなのです。これを見ましても、震災のことが書いてない訳ではないのですが、社会経済の基盤が大きく変わろうとしているのにもかかわらず、今まで何人かの委員がおっしゃいましたが、第四次計画はほとんど従来の計画を踏襲しているように感じます。
 それから、さらに先ほど長辻委員がおっしゃいましたけれども、地震学的に、これから東海だけでなく、関西も含めて地震が起きる可能性が指摘されているときに、先ほどの原子力の話もありましたが、自然そのものが災害などによって大きく変わろうという可能性がある。そういうときに、予防原則ひとつ取り上げても、まちづくり、里づくりを含めて、これからの計画は、先ほどコンパクトシティというアイデアがありましたが、実をいうと私はコンパクトシティという言葉でひとまとめにするのは嫌いなのですが、それはともかく、そうした構想について計画の中で災害予防的にどういうふうにまちづくりをしていくか、そのために経済をどうやっていくかというようなことを考えるべきではないかと思います。
 その意味で、私は総論の中でも震災の経験を前提として、今後の社会をどういうふうに向けていくのか。これは低炭素社会だけではなく、自然との共生や、自然災害復旧・復興の中で日本の国土づくりをどうしていくかということも含めて、これからの5年をどうするかということを考えていかなければならないと思います。
 そこで思い出していただきたいのは、この中で何人かおられると思うのですけれども、第三次をつくったのは2005年なのですけれども、そのときは京都議定書が発効するかどうかという前の状況で議論している訳で、あのときと今とではいろいろなことがものすごく違っていました。国際社会だって違いますし、経済も違います。あのときはリーマンショックもありませんでしたから、いろいろなことが違います。それを考えたら第四次をつくるにあたっては、現状を踏まえたうえで、よほど先のことを見通しながら、どう社会経済環境が変わっていくのか、それに対してどういう施策をとっていくのかということを考えていかなければならない訳です。
 その意味で、私は2番目に、「事象」について付言します。20ページに事象面で分けたと書いてあるのですが、この事象は第三次を踏襲しているのです。そこで、生物多様性、それから物質循環のところも、今から6年前、7年前に問題になっていた事象ですが、それだけではなくて、ここに書いてある中身もあまり変わらないですね。例えば先ほどの話もありましたけれども、生物多様性でも先ほど速水さんおっしゃったけれども、あのころの生物多様性と今の生物多様性とでは問題がいろいろ違っています。そうだとすると、単に生物多様性の問題だけではなくて、バイオマスなども含めてこれから5年間、エネルギー問題との関係で生物多様性をどう考えるかとか、温暖化との問題でどう考えるかとかいうことが大事です。水環境についても、これ多分後で書き足されたのだと思いますが、水質面だけではなく、健全な水循環の確保や生物多様性という問題があるだけでなく、その他、山から沿岸まで水循環全体の体系の確保の問題があります。漁業から森林までの全体の中で水や水資源の問題を見る、コンプリヘンシブな水環境という視点がここには出ておらず、依然として水質というようなことになっています。
 それから、3番目の循環型というのも、よくよく見るとごみ処理で、確かにごみ処理は環境省の所管ですけれども、循環型社会というのはごみの処理や処理場を見つけるだけの話ではないのですね。これもこれだけのことしか簡単に書かないでもっと書くべきことがあるのですとおっしゃるのでしょう。しかし、これからの社会の中で何をどういう視点から取り組むのだというビジョンがないと、この領域で今までと同じようなことを、細かいところだけやっても、22ページで横断的なことをやっても、先ほど末吉さんおっしゃったように、環境と経済なんていうのも絵空事になってしまう訳ですね。やはり今どこで何が起きているかということをきっちりと押さえることによって、横断的なことが生きてくるのだろうと思います。
 その意味で、最初の重点分野と横断的分野とが、これ見ますとそれぞれ関係していないことはないけれども、多分別々の担当者がバラバラにお書きになったのではないかと思いますので、ぜひともまず第一に、今回の大震災を踏まえて、震災のところだけではなくて、これからのリスクある社会で、放射能も含めて、これから起きるであろう、さっき山本さんがリニアが切れるとおっしゃった、そういう何が起きるかわからない社会で、環境問題を広くとらえて、何をやっていかなければならないか、それをここ5年間のうちでどう対応するのか、それには横断的な手法としてどういう手法を今から用意して駆使していかなくてはならないのかということをきっちりと頭に入れてやっていかなければいけない。
 その意味では、横断的な、ストックとしての国土の保全と地域づくりというのはむしろ重点領域の中に入れて、そしてその地域づくりをするのに経済的な手法を使うかとか、環境教育を使うかとか、もう少しきちっと手法の問題と、対象の問題と、そして、それぞれの対象に対してどの手法を優先的に使っていくのかということをもっときちんと頭をクリアに整理して、やっていただきたい。私も、できるだけお手伝いをいたしますので。ぜひとも国民の期待に応えて、これから5年間の計画が、先の10年、20年の日本に役に立つようなものにしていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 横山委員。

○横山委員 ありがとうございます。2点要望がございます。第1点は、11ページのところに書かれている最初の○の一方で始まる文章についてです。我が国の持続可能性を高めていく上では、ストックについて、自然資本ストックと人工資本ストックのいずれについても適切に管理していくための仕組みを構築していく必要があると、こう書かれているのです、これは現状と課題だけが書かれています。しかし、ストックを適切に管理するということは持続可能性を高めていく政策としては根本的なところだろうと思います。過去にもそういうような適切に管理していくための仕組みがあったのだろう、今もあるのだろう、そういうようなことについての評価と課題があって、今後具体的にどういうところを改善し、新たな仕組みを構築していく必要があるのかということがもう少し具体的に書いていただくといいのかなと思いました。
 と申しますのは、その持続可能性の定義そのものが自然ストックの変化量×価格+人工ストックの変化量×価格がゼロというような、デイリーのいう概念ではなくて、自然ストックと人工資本ストックの代替可能性を認める通常の定義ですので、そういうような管理を今まで何もしてなかったというようなニュアンスではなくて、今までの取組があった上でプラスアルファというような書きぶりにしていただきたいと思います。
 それから、2点目は、19ページの3の環境政策を実施する上での理念・原則・手法等についてです。この第2章に当たる環境政策の展開と方向ということが3節構成になっていますね。今後の目指すべき持続可能な社会を考える上での留意すべき点というので書かれていて。それから、13ページの2として、これがかなりの中身なのですけれども、今後の重視すべき方向ということでずっと書かれてきて。それで、第3節としてこの環境政策の理念・原則・手法というと、どうもこの19ページの書きぶりが薄いのではないかと。予防的な取組については、森嶌委員の指摘もありましたし、それから中杉委員からも環境リスクの話がありました。環境政策における理念・原則というのはかなり重要で、ここで書かれているそれぞれの原則・理念が相互にどういう関連を持っているのかとか、そういうことについて過去この総合政策部会でどういう議論がなされたのかということについて、触れられていません。手元にある第三次計画のときには、その資料の中に環境政策に関する理念や手法の状況についてということで書かれています。しかし、これはあくまで付録で書かれていて、本文のところにはこの理念・原則・手法についてということの文言が書かれていません。そうすると、初めて計画の中に環境政策を実施する上での理念・原則・手法等についてという文言が本文に載るとするならば、もっともっと丁寧な記述をしていただきたいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 大変いろいろと的確な、と同時に環境基本計画の意味と言いますか、本来どういうものであるべきかというようなところも含めていろいろご議論いただかなくてはいけないところがあろうかと思いますが。そもそも環境基本計画が2050年あるいは2030年、20年先あるいは10年先を見て、この6年ぐらいで何をすべきかということを示すものでしょう。そして、これは閣議決定ということになりますので、日本全体として環境の視点でこういうふうに進んでいこうと、こういうようなものを環境省だけで発信することができれば随分違う書き方ができるのではないか。そういう意味では何となくフラストレーションがたまっているところもありますが、一体そこをどうやってこれから乗り切っていくか、これは白石局長辺りがいつも悩んでおられることではないかと思います。
 しかしながら、やはり今社会全体がある意味では価値観、あるいは自分たちの生き方、これまでの経済的な仕組みであり、あるいは一極集中の形であり、こういうものに対してある意味では根本から疑問を持ってどうあるべきかを考えている非常に大事な時期だと思います。こういうときにやはり国のあり方を考えていく、基本計画ではこれまでもその言葉は使われておりましたが、まさに持続可能な日本をどういうふうにつくっていくのか、あるいは持続可能な世界の中で日本がどういうふうに位置づけられるのか、あるいは持続可能な地域をどういうふうにつくり上げていくのか、こういう話を真っ向から議論していくということになるのではないかと思います。
 そういうことになると、環境省だけでということが出来ず、なかなか悩ましいところがあろうかと思いますが、いい機会でもありますので、少し勇み足をするぐらいの覚悟でやっていくことも必要なのかなと感じます。それができれば、むしろ各省とも議論を戦わせるキッカケにもなるでしょう。
 それと同時に、やはり省内も先ほどの重点分野6つというのはいわば部局対応みたいなもので、あまり迫力がない。それぞれの部局から上がってきたものを並べるということを超えて、本当に国の重点施策として一体ほかのどういう部局と、あるいは他省庁とどう関連しながらこういう戦略をその担当部局が動かしていくのかという覚悟でつくっていくことが必要ではないかと思います。
 そういうことで、ここに素案として上がっておりますのは色々といただいたご意見をもとに変えていくことになりますが、色々と重要なことをご指摘いただいていると思います。自然災害等もともかく増えている、世界的にエクストリーム・イベンツ(異常現象)というものが、すごく増えているのですが、これが温暖化の影響なのかどうかというのはほとんど間違いないだろうとは思えますが断言はできません。例えば震災、地震というようなものも温暖化の影響で増えるのか、そういう辺りはサンプル数が少ないので何とも言えないでしょうが、将来を予測する上ではそういうものにもいわば予防的に対応していくというようなことが必要になってくるかもしれません。そういうようなところは書きぶりは難しいかもしれませんが、少し考えていく必要があろうかと思います。
 それから、重要分野の事象横断のところに関しましても、国際の部分では何かへの対応で何をするという受身で、最適な解を見つけるとかリアクティブな印象を与えます。わが国がアジアの環境保全に対して一体どういう形で協働していくのか、アジア以外に対してもどうするのか。そういう積極的な役割で考えていく必要があろうかと、本当におっしゃるご意見のとおりと私は思っております。
 それから、公平と公正については、最近はポスト京都の議論で、日本は公平性を主張しています。一人当たりのCOの発生量をそろえるということが果して公平なのか公正なのか、その辺の議論はどうなっているのか。公平(衡平)という言葉がここにも4カ所、衡平が2カ所、公平が2カ所でしょうか使われていますけれども、その辺もきっちりと議論しておく必要があるでしょう。
 あと、浅野先生。

○浅野部会長代理 いろいろとご意見をいただきました。まず、この文章は計画そのものではなくて、これから計画を考えていくためのキックオフの文章ということで、とりあえず今日は素案でありますけれども、次回この考え方について多くの方にご覧をいただくことを前提とする文章をつくるという段取りになっておりまして、その今日は準備段階ということになっている訳ですね。
 それで、確かに森嶌先生の言葉は大変痛い面があって、ずっと環境基本計画づくりにつきあってると何となく前の計画を踏襲する癖がついてしまうというふうに指摘されますと、それはそうかもしれないなと思います。気をつけなくてはいかないと思いました。はじめにの部分で大きく問題意識が明確に示されるべきであるということは前回を含めて多くの委員の皆さまから言われていましたので、事務局には精一杯委員のご意見を反映させて書いてもらったつもりなのですが、まだまだ不足であるというご意見が多かったことでありますから、ここはさらに手を入れなければいけないと考えます。
 その上で、ちょっといろいろなご意見について、個々のご意見そのものに反論したり間違っていると言う気はないのですけれども、この箇所の文章について直せと言われますと、その箇所では現在までの状況を書いておいて、そこから次に課題を引っ張り出してきてそしてそれからという順序でこの文書が整理されていますので、例えば状況について書いている部分はあくまでも客観的に状況はこうだということを書こうと考えてつくった文章であるということをまずご理解いただきたいと存じます。
 それから、多少書くときに各局の意見が出てきてそれにもとづいていろいろ文章を直したりというようなことがありますから、事実関係については多少その仕事を担当している部局の主観によるバイアスがかかっているということは否定いたしませんけれども、まずは事実関係を事実関係として押さえた上で、次にそこから課題を引っ張り出していこうと考えて文章ができているわけでございます。
 それから、こういう書き方は、はなはだ芸のない話なのですが、まず環境について書いた上で、次に社会経済の状態について書くとこういう順序としている訳ですから、例えば社会経済の状況を環境の状況の中に含めて書くと混乱が起こってしまうというので多少の書き分けはしているということがございます。その辺りについても少しご理解をいただければなと思います。しかし、それにしてもそれらは最後に取り組むべき課題のところでうまく統合されなければいけない訳でありまして、その取り組むべき課題のところの統合のさせ方がうまくないために、どうも状況のところの書きぶりについてのクレームがついてしまったのではないかという気がいたします。ご発言1つ1つについてはもっともだと思って聞いておりますから、さらに状況と課題というこの順序をこの段階で大幅に修正することはなかなかつらいものがありますので、やはりこういう書き分けをするということについてはご了解いただいた上で、さらに現状の分析を課題にうまくつなぐようにということについては事務局にも頑張っていただこうと思います。
 それから、中杉委員からご指摘がありました環境リスクというところですが、ここが薄いではないかというのはそのとおりなのでして、もともと前から議論してきて第二次計画で書いたことを第三次計画でも踏襲をし、それをまたさらにこの部分は踏襲をしなければいけないというつもりでこの4つの原則を書いた訳ですね。これにさらに新たな原則を加えるべきかどうかということも準備段階でいろいろ議論してみたのですが、どうも国際的に了解されている原則というようなもので新たにここに入れることができるものがあるかどうかよくわからないということになりまして、結局従来どおりのものを並べてみた訳ですが、この理念・原則というものについてどういう考え方なのかということに関しては、これまでの議論の蓄積もありますし、さらにそれをどう展開するかという議論はこの後にさらに細かく議論をやった上で現段階での最も適切な認識・整理の結果をここに入れていくことになるのだということでありますから、今日の段階でこの環境リスクというのが一体何を意味するかということが何も出ていないではないかというご指摘はもっともでありますけれども、もともとのオリジナルの文章では環境リスクの考え方を取り入れなければいけないという言い方をしている訳です、それは中杉先生もご存じのとおりだと思いますが、予防的な取組方法と環境リスクの考え方というものの考え方については2説分かれていまして、ほとんど同じことを言っているのではないかという考え方と、いや、前半のほうはむしろ予防原則なのだから違うのだという意見が分かれていて、それは第二次計画をつくったとき以来の議論がまだ続いているという状況でございます。
 ですが、確かにおっしゃるとおり、後のほうに出てくる個々の重点の課題といったようなものとの結び付き、あるいは先ほど森嶌先生がご指摘になった大きな全体の今度の四次計画の目指すべき方向性ということとかなり深い関わりのある概念としての環境リスクという言葉であるならば、それはそれなりに新しい意味づけを与えておかなければいけないだろうと思うのですね。今あるのはどちらかというと割合に化学物質による環境リスク管理というぐらいのレベルで考えたリスクという概念が使われている訳です。ですが、全体としてこの部会の中で出ているお話というのはそういうものとはちょっと違った意味のリスクという言葉が使われていますから、言葉の使い方の整理がまだ十分できていないことは全くご指摘のとおりでありまして、さらに次回までにできるかどうかわかりませんけれども、整理をする必要があろうかと思います。
 私が何もかも答える立場にあるとはないと思っていますけれども、いずれにせよこれが最終的には表に出ていって、これを広く関係主体の皆さまにご覧いただいてご意見をいただき、皆様方からのご意見も踏まえながら最終的に第4次計画をまとめていくということになりますから、やはりここでまとめて公表するものはどういう計画をつくろうとしているかということに関する当部会の意向を発信するものということになりますから、あまりにもこれでは何もわからんではないかと言われるのも困ると思います。
 原案をつくった側の多少ずるい気持ちを申しますと、少々穴が空いているほうが意見が多く集まるのではないかという気もなくはありません。こういうものはあまりパーフェクトにつくってしまうと、それと全く同じようものが計画になってしまうから、それは少々きついのではないかというような気持ちがなかった訳でもありませんけれども、先ほど部会長もおっしゃいましたように、出されたご意見についてこれからさらに事務局に頑張って直していただくというつもりでおります。
 事務局のほうから、個別にお答えしなければいけないことがありましたらお答えください。

○鈴木部会長 幾つかとご質問的なものもあったように思いますが、よろしいですか。

○矢田環境計画課計画官 すみません、1点だけ私から回答させていただきます。中杉先生だったと思うのですけれども、20ページから21ページまでの重点分野のタイトルにつきまして、[6]だけちょっと詳しめにという形になっていることについてご質問がありました。今回の中間とりまとめにおきましては、重点分野として事象面で分けたものとして6つ、それから横断的な分野として3つ設定をするということを盛り込んではどうかと考えていた訳でございます。これを今回中間まとめの形にするに当たって、現状なり課題のところでいろいろ分析する中から、今度の四次計画においてはこういうことを重視してやっていきたいのだというものが見えてくるものについては、この重点分野のタイトルの中に反映できたらいいのではないか、考えて各部局と相談をしてきたわけであります。また一方で、秋以降の議論によって、重点分野の中でのポイントの置き方が変わるかもしれないので、現時点ではタイトルに自由度を持たせたいという部局もございました。こうしたことから、タイトルに自由度を持っておきたいという判断のあった部局については、現時点では、例えば水環境保全に関する取組、大気環境保全に関する取組、地球温暖化に関する取組という範囲を示すだけのタイトルになっております。一方で現時点で四次計画に向けての課題が明確になっている部局については、[6]のように具体的なタイトルになっているところでございます。
 いずれにしても、今回は中間とりまとめの段階ですので、これで最終的な四次計画の6つの重点分野のタイトルがこのとおりになるということではない訳ではございますけれども、確かに統一性がないと言えば統一性がないという状況でございます。本日のところは、そうした各部局の考え方が反映された状況の中で提案されているものであるということだけご理解いただければと思います。

○森嶌委員 各部局で分かれているのはこれは仕方がないと思うのですね。ただし、これを見せていただくと、タイトルはおっしゃったとおりでいいのですが、どうも各部局でやってますと、多分終わりのほうに近づくと抜け落ちが出てくると思うのですね。総論のところで、例えば、グリーンイノベーションを通じた持続可能な社会づくりをやって、これが重点領域で分かれて、それで各部局がそれぞれ自分たちの領域でやっていると、でき上がったところでは、どこかが抜け落ちているということがあります。これはどこがやるのかは知りませんけれども、最後の調整段階でやっていただくようにしないと。最後に出てきたものを見ると、ある部局は、全体の総論の部分とそれから横断的な部分でうたったところが2つ3つのところで抜け落ちていて、では総論的および横断的なところと重点領域のところの関係はどうなっているのだというようなことにならないように、ぜひ気をつけておやりください。

○浅野部会長代理 森嶌先生のご意見はよくわかりました。2つの考え方がありまして、重点的取組については、従来のようにあまりあらゆることを書きこむような仕方を続けるという考え方と、もっとあっさり重点にしぼって書いて、むしろ第2部のほうの体系のところにそれらの領域の施策がきちっと全部わかるように書くほうがいいのではないかという考え方があるわけですね。つまり、抜け落ちがないようにというご意見でしたが、むしろ重点的取組みとしてはこの5年間これを全力でやるのだということだけを書いておく、例えば水のことを全部重点的取組みに書いてしまったら、第二部は全く同じことを重複して書くことになってしまうのでそれは意味がない、というような考え方もございますので、抜け落ちということにはならないように、全体を通じて計画の中にきちっと入るようにはしますけれども、総論に書いてあることが重点的取組みのところにそっくり反映されるかどうかは項目によりけりではないかという気がいたします。

○鈴木部会長 重点分野の書きぶりについては少し検討させていただいて、事象ごとのものと横断的なものをあるいは逆転させるということも含めて少しこちらで検討させていただければと思います。
 末吉委員、どうぞ。

○末吉委員 ありがとうございます。先ほど私社会の中に監視システムが生まれ始めているということを申し上げましたけれども、これは当然国も世界の目から監視されている訳ですね。私の関心のあります金融の世界から言いますと、例えばこの第四次環境基本計画、こういうのができたときに、読者が誰だろうかと思うのですね。そのときに、例えば外国の投資家が日本が環境をテーマにこれから産業がどう変わるのだろうか、国がどう変わるのだろうか、ありていに言えば、投資に値する国に変わっていくのだろうかといったようなことは、例えばこの環境基本計画が持っている日本の国際競争力を増していくのだという視点からするとすごく大切な視点だと僕は思うのですね。
 とすると、国内の中の議論で納得のいく計画をつくると同時に、それが国際的に見てもまさに中に書いてあるとおり、世界のためにも日本はいいことをしていると、世界のために日本は動いている、しかもそれはビジネスから見ても非常に魅力あるものになるのだと、そういった評価が出るような中身であってもいいのではないか、そういう部分も十分意識しながら基本計画をつくっていくと。
 同じことで申し上げれば、例えば今日本の銀行は預金がうんと集まっているのですけれども、貸出先がないのですよ。日本の銀行レベルで言うと大体五百五、六十兆円預金があるのですけれども、貸出は400兆円切ってるのですよ。150兆円預金過多なのです。これが今日本の現実ですよ。こういう経済って魅力あるのですかね。銀行が預金を集めておいて貸す先がないのですよ。それは新しい分野がない、あるいは貸すクレジットが一定水準に達していない、いろいろな理由があると思うのですけれども。
 例えばこの第四次基本計画を見たときに、日本の金融機関がこれから日本は変わるぞと、大きな投資チャンス、融資チャンスが生まれて日本の経済がより活性化していくのだ、そういうようなものに見える計画になるのかどうかというような視点も私は非常に重要だと思うのですね。
 ですから、僕金の話ばっかりしているようで申し訳ないのですけれども、お金というのはやっていることが社会や時代にフィットしているかどうかの評価の1つでもありますから、やはりお金が魅力あるものに感じる視点もぜひこの最終的な計画のプロセスの中では大切にしていただきたい。ファイナンスの重要性も触れられていますからその点は大丈夫だと思いますけれども、あえて申し上げておきたいと思います。ありがとうございました。

○鈴木部会長 日本の企業もある意味では情報開示が非常に進んでいて、海外の投資家なんかには説明にいっていろいろやっている訳ですね。CSRなんかもありますし。そういう意味でこれも環境基本計画ではなくて、まさにソーシャルレスポンシビリティレポートぐらいにならないといけないかもしれないのですが。そうなるとまたいろいろとほかとの関連が出てくるかもしれません。

○末吉委員 ですから、できれば完成のあかつきに、エグゼクティブサマリーでもいいですから英語版をつくって、海外の人が見れるようなこともしていただきたいのですよね。

○鈴木部会長 今は環境省は文書は大体、英文化されているのでしょう21世紀環境立国戦略なんかは英文化されていましたよね。

○苦瀬環境計画課長 これ三次計画全部はしていなかったと思いますが、そういう時代ですし、少なくとも要約は英文にするということで考えることになると思います。

○鈴木部会長 そのほか。植田委員。

○植田委員 先ほどから出ている議論のことを改めて考えてみますと、この時期に第四次環境基本計画を策定する意味をもう少し明確に打ち出すことが必要かというふうに思います。これもはじめにのところで扱っているということになるのかもしれないのですけれども、書き出し方は環境基本計画は6年ごとなので、今回は、第四次ですということから始まるものですから。今出されましたように、大震災を受けてということなので、計画の途中であっても計画を改定し直さないといけないのだというぐらいの影響を受けたと理解して改めて考え直すということが必要だというようなそういう面がやはりあるのではないかと思います。
 同じような意味で先ほど出たことだと思うのですけれども、私も今回の計画が単に日本の環境基本計画だということだけではなくて、グローバルな貢献だとか、あるいは東アジアの持続可能な発展にいかにこれが寄与するのかというようなことが合わせて込められているというか、日本の取組は同時に東アジアやグローバルな取組と連動するというのでしょうか、そういう心意気を持った計画であるということを持たないといけない。それが単に主観的にそうしようというのではなくて、客観的な情勢がそういうことを求めているという面があると思うのです。
 大震災に関わって、企業行動がやはりリスク分散へ動くというふうにも思いますし、下手をすると産業空洞化と言われている現象にもつながりかねない訳ですけれども、逆に言うとより広域的な、東アジアやグローバルなサプライチェーンがああいうふうに広がっているということが非常にはっきりしましたので、日本だけで閉じて環境をよくできるという訳ではないということもはっきりしたのではないかと思います。もちろん日本が中心的に頑張る訳でしょうけれども、そういうサプライチェーンをトータルに扱うような構想があって初めて日本の環境基本計画も実効可能性が出るというような面を持っているのではないかと思うのです。
 アジアダイナミズムという言い方もありますし、サプライチェーン全体というようなものを扱える、そういう視点を持ってないと実効性が担保されないというふうにも思います。ですので、国際的な分野の書き方もそういうアジアダイナミズムの中で、例えば東アジアで持続可能な発展を実現していくための理念や戦略というようなことが明確に打ち出されて初めて意味を持つのではないかなと思います。個々の内容はきめ細かく触れられている面はあると思うのですけれども、それらが統一してどういう位置づけのもとで何を目指してどういう理念、戦略で取り組むのかということを明確にするように組み直すというかブラッシュアップするという方向で進めればと思いました。
 以上です。

○鈴木部会長 大変的確といいますか重要なところで、計画をこういう形にすると同時に、やはり環境省の意識も変わらなければいけないという、そこはかなり大きいかなと思いますが。
 では、永里委員と善養寺委員。永里委員、どうぞ。

○永里委員 ありがとうございます。企業の立場から国益とか地球益というようなことをちょっと申し上げたいと思いますけれども。例えば、いつもここで言っているのですけれども、世界のCOを減らす、地球益の話なのですね。要するに世界でCOを減らすということが非常に重要であって、そのために日本の技術が使われたとすれば、それはまたその日本の技術を評価してあげて、日本の企業のためになると、その技術をつくったことをカウントしてあげるとか、そういうことが地球益が国益にかなうということになるのだと思うのです。結局今政府もそういうことをやっていますけれども、そういうシステムを日本が提案すべきだろうと思います。
 先進的な企業と言いますか、あるいはほとんどの企業は今グローバルで戦っているのです。ですから、はっきり申し上げますが、国益のことは考えておりません。別の言い方をすると、世界で愛される製品をつくり、あるいは技術をつくり、システムをつくる訳ですから、言うなれば地球益のほうをターゲットにしている訳です。またそうしないと生き残れないのですね。となると、国益は誰が考えるかということになりますので、そこが非常に重要でして。企業は国益のことを考えませんので、日本の企業が日本に残れるような、あるいは外から企業が日本に入ってくるような、そういうような政策を考えなければいけないと思うのです。環境政策もその一環として、その視点で考えるべきだと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 何か具体的にご提案みたいなものはないですか。

○永里委員 はっきり言いますと、これ非常に言いにくいのですが、今はそういう視点で政治が動いておりませんので、その辺から考えるべきだろうと思います。要するに法人税、TTP含めて、それから環境政策も国益にかなう地球益で考える環境政策があるのだろうと思います。具体的には、また別途お願いします。

○鈴木部会長 では、善養寺委員。

○善養寺委員 先ほど森嶌先生も何か新しさを感じないというか、この震災後にまた何か同じものを焼き直しているような印象があるという、それは同じふうに感じていたことなのですが。今までと同じような基本計画として書かなければいけない部分もあると思うのですけれども、1つ提案としては、この基本計画、多分次の第四次、五次になるころまで復興が続いているのではないかというふうに思うと、復興の部分に関して、これを十分に活用することができるのだとすれば、付録という形ではないかもしれないのですけれども、この文章を羅列することと、あとは具体的に、多分これは林先生とかのほうが得意なのかもしれないですけれども、都市とか町を全体に再生させるに当たって、いろいろな分野でここに関わる事例というか内容が組み込まれていくのですね。それは土木に関して、建築に関してだけではなくて、そこで行われる社会システムというか、地域活動であったり、生活であったり、そういうものがいろいろな分野で、産業もそうですけれども、行政のあり方とか。そういうここの町という訳ではないですけれども、例えばゼロから町をつくるような今回状況からすれば、町を1個つくる間に何をそこへ落とし込んで、ここのどこに当たるものを考えながらやっていかなければいけないかというような指南書というか参考書というか、そういうものを実際の都市形成の中の留意点というような形で落とし込んだ付属をつけてもいいのかなと。そうすると、今までの部分と違ってくるのかなとも思いますし。
 何度もここでも言っているのですけれども、各省庁、都市をつくるときに環境基本計画とのすり合わせが直接自分にどう関係するのかという意識がないというか甘いというか、なのですね。義務を感じていないというのであれば、もしまちづくりだとか具体的な都市の再生に関して、ここに関してはこの分野のこういうことを考慮しながらやっていかなきゃいけないというと、具体的に自分が何をしなければいけないのか考えてくるのではないのかなと。
 コンパクトシティコンパクトシティと言いますけれども、本当に私有地を考えると、その権利みたいなものをどうやって抑えてみんなで協調してやっていくかという、環境行政ではない分野で大変努力しないと現実できないのですが、そういうことをやっていこうという意識になるためには、環境上のメリットがあるとかそういうものを具体的に示していかないとやる気にはなれないと思うのですね。
 町を全体的に考えれば、具体的に省エネ化が図れるよと、この中ではみんなでやればいいのだと言っても、それが建築をつくるときに関わるのか、地域エネルギーをするときに関わるのかというときに、探し出してものを選ぶ、ここから探し出して自分の仕事に当てはめるということは難しいというか、なかなか人間の行動としてやらないので、できれば今回震災復興に当たって具体的に留意すべき点として何か都市づくりの中で落とし込める、これがここに適合しますよという、いわゆるバックキャスト的な詰め込み方をするというのもありなのではないかなと思いまして、具体的な話としては付属というか付録をつける的な編集で、そのためのこの部会の中の特別部会という形でもあってもいいのかなというふうに思いました。

○鈴木部会長 何かご専門の方々で副読本でもつくっていただければいいということなのでしょうかね。
 では、岩村委員。

○岩村委員 今日ずっと黙っていたのは、大震災と原発の事故で世の中が大きく変わった。皆さんそういうことをおっしゃっていますけれども。その中で一番変わっているはずの日本の成長戦略とかエネルギー政策について何も出てこないのですね、政府の中から。これは聞いても答えがないと思うので質問はしませんけれども。しかし、そこら辺がはっきりしないと環境政策を本当にどうするのかが議論ができないと思います。去年9月に決めた原子力の依存50%以下にするという話ですら変わるのか変わらないのかもわからない。それも閣議で決めないで、単発で行政指導が次々行われる。こんな中でこの議論するのはものすごく難しいと思うのですね。だからこそ皆さん困ってしまっているのだろうと思うので。私はこのことを黙っていようかと思ったのだけれども、みんなの心中を代弁すればそういうことかなと。やはりそこら辺が決まってこないと、環境だけいくら独走しても閣議決定できないと思いますし。環境省の方に言っても無駄ですから言いませんけれども、政府がやはり何か指針を出してこないと、こんな状態をずっと続けていたら環境だっていろいろなこと起こるだろうし、日本の経済自体もどうなるかもわからない、そこが一番ネックになっているのかなという気がします。
 それからもう1つは、これは質問なのですけれども、これはある人から聞いたのですが、日本の森林、3分の2が森林ですけれども、これが今非常に危機になっている。それは別に今まであったマツクイムシの針葉樹ではなくて、広葉樹すら枯れ始めていると。これは本当かどうかも教えてほしいのですが。その最大の原因が、前回の基本計画にも書いてありますけれども、中国から流れてくるSO2ですね、硫酸というか酸性雨で木が枯れているのだということを言う人がいたのですが。そこら辺正しいのか。それから、もしそういう話であれば、黄砂のように国を越えてくる、そういう有害物質の話をもうちょっと表に出した方がよいのではないか。対中国の関係で政策的配慮があるかもしれませんけれども。ちょっと見た限りでは、その部分が論点になかったように感じたのですけれども、国境を超える有害物質の記述が必要ではないかと思います。その前にまず事実かどうかという点を教えてもらえればと思います。
 以上です。

○鳥居生物多様性地球戦略企画室長 よろしいでしょうか、自然環境局でございますけれども、今のマツクイ、それから多分ナラクイムシだと思いますか、ナラ類の広葉樹の被害の話だと思います。ナラ類にも被害が出て枯れ始めているというのは事実としてあるのですけれども、その原因はやはり害虫というか虫だと思います。ただ、それはやはり木が弱っているから発生する、その弱っている原因が手入れ不足によるものなのか、そういった大陸から来る物質によるものなのかという点については、因果関係がまだ十分わかっていないかと思います。
 もし速水委員のほうで何かありましたら、言っていただければと思います。

○速水委員 カシノナガキクイムシというキクイムシの食害なのですけれども、カシノナガキクイムシというのは以前からずっと日本にいたキクイムシでして、背中に小さなえくぼを持っていてそこに菌類を飼っているのですね。カシノキ類を食害するのですけれども。穴を真っ直ぐ芯に向かって掘っていって産卵します。今までは適当な太さで薪炭として切っていた木が、今は薪炭として切られなくなってものすごく太くなってしまった。この穴の中に背中に背負っている小さなバクテリアがくっついてきまして繁殖しまして、生まれた幼虫がそのバクテリアを食べながら育つので、木が太くなると中に行けば行くほど湿度が高くなりますので、バクテリアの繁茂が容易で、幼虫の死亡率が減る訳です。それでものすごい勢いで繁殖していく。だから、同じ木が並んでいても太い木のほうには食害が激しくて枯れてしまうけれども、細い木は案外枯れないという状態で。そういう意味ではやはり手入れ不足であることは間違いない。
 ただし、SO2に関しては、私実は大学の研究室にいたころに、木の成長とSO2の研究をしていたのですけれども、かなり木は敏感にSO2に反応するのですね。以前火力発電所が排煙脱硫やらなかったり、あるいはテイヨウカしてなかった時代にはかなり針葉樹でも枯れた時代がございまして、それが枯れなくてもマツ類はそれがきっかけになってマツクイムシの食害を受けるというふうな引き金にはなりますので、今回のカシナガキクイムシの蔓延というのは、ひょっとしておっしゃられるとおり何らかの形で中国のSO2が引き金になっている可能性はあるにしても、今はっきりわかっている部分では先ほど申し上げたような木がどんどん太ってしまった結果だろうと言われております。

○鈴木部会長 崎田委員。

○崎田委員 すみません。一度目に発言をしてから私この計画を何度も読み直して感じたのですけれども、今一番私たち委員の中で思っているのが、変化させなければいけない時代に変化する時代をつくれる基本計画になっているかどうかというところが一番皆さんにとって、私たちにとって関心事なのだというふうに思っています。
 それで考えると、12ページから19ページを見ていただきたいのですけれども、この最初のほうの現状把握と課題というところが終わって、12から19のところには割に環境政策の展開の方向性ということで、今後大事にしたい方向ということがかなり細かく書かれているというふうに私は感じます。
 それで問題は、この12ページから19ページに出ている将来の方向性を実行するに当たっての基本計画というふうにまとめた20ページ以降の表題が割に今までのとおりであるというところで、本当にこのまとめ方で12から19ページに提案した将来のことが実行できるのかというところが一番関心事なのではないかというふうに私は感じています。
 ですから、今日のいろいろな意見を修文を考えるに当たって、そういうような視点で12から19の部分の今後の展開というふうに書いてある視点を今後実際に実施していくときに、20ページ以降のこの分け方でいいのだろうか。その中にその要素をきちんと入れ込むことで変化する時代をつくっていけるような大きな指針に近づくというようなことが描けるのではないかと私は感じますので、そういうふうに今回出していただいた資料を見ていただければありがたいなというふうに思っています。

○鈴木部会長 ありがとうございました。まさにその重点分野の部分を、各部局のほうでもお考えいただくところで、この前半の展開の方向というような辺りをしっかりと咀嚼していただくというようなことなのでしょうか。あるいは逆にそちらから見て、この前半の部分で書き足りない部分やあるいは少し書きすぎている部分などがありましたらご指摘いただくというようなこともあろうかと思います。
 いずれにしましても、今日いただきましたご意見をこちらのほうでいろいろと修文で済むものは修文、あるいは少し骨格を変えるべきところは骨格を変える、特に後半の重点分野の部分の組み換えなど検討させて頂く、そういうようなことで次回の7月28日の総政部会に修正案を準備をさせていただくということになろうかと思います。
 それでは、大体この件に関しましての予定した時間は以上といたしまして、2つ目の議題といたしまして、総合的環境指標の発展的見直しに向けた方針について、これはこれまでの点検の中でも総合的環境指標というようなものをいろいろとレファレンスとして考えてきた訳ですが、なかなかいろいろな問題があるというようなこともあって、現在検討会で議論頂き、浅野部会長代理が座長を務めておられます。その報告を今日いただくことになっておりますので、資料2につきまして、浅野委員のほうから先ずお願いいたします。

○浅野部会長代理 それでは、細かいことは事務局に報告をお願いいたしますので、ここに書いてあることはどういうことかということをまずご報告申し上げますと。第三次計画で総合的環境指標、これについてはちょっと誤解を与えてはいけないのですが、いろいろな指標を用意していて、それらの指標群全体をさして総合的環境指標、というそういうとらえ方をしていますので、何か1つの単一指標があってという意味ではございません。要するにここにある指標全体が総合的指標群システムというものだというとらえ方をしておりますが、それがどういう役割を果したのかということについてまず総括し、課題を示し、今後の見直しの方向について現段階で考えていることを示しております。
 個々の新しい指標をどうするかというようなことは分野ごとにまたさらに今後細かく検討を進めてまいりますが、重点分野として領域を定める重点分野に関しては従来どおりその領域ごとに指標を定めていく。そのときには継続性ということを重視しながら、なおかつその指標に意味があるかどうか、あるいはあまり突拍子もない指標を考えてもデータが集まらないと指標は動きませんので、そういったようなことを含めながら考えていきたい。
 それから、今回の新しいご提案としては、従来横断的分野と掲げたものについても全部1つずつ指標をはめ込んでおりましたが、かなり無理があったということがありますので、現段階で検討会としては横断的と言われている部分については1つ1つの項目にピチピチと指標をはめ込むようなことは今後改めてみてはどうか、こういうことを提案しております。
 それでは、詳細のご説明は事務局にお願いいたします。

○矢田環境計画課計画官 それでは、私から資料2に基づいて簡単にご説明をさせていただきます。
 今浅野先生からご説明があった総合的環境指標については、各委員のお手元に二人に1冊ぐらいの割合で置いてありますが、第三次環境基本計画の冊子の120ページから122ページまでの3ページにわたって掲載されております。底をごらんいただくとわかりますが、現在の総合的環境指標は三層構造になっております。先ほどから議論をいただいている重点分野ごとに幾つかの指標を設けているというのが一番下の階層のものになっておりまして、さらにその中から代表的なものを選んだものが真ん中の二層目となります。この二層目は122ページの上段に載っております。それから、122ページの下段に環境の状況を端的に表した指標ということで、最上位の層になる指標ですけれども、環境効率性、資源生産性、それからエコロジカルフットプリントの考え方による指標という3つの指標が載っております。これについて、第四次計画の中でどういうふうに見直していくのかということを、現在検討会を設けて検討しているということでございます。
 資料2の7ページ、最後のページをご覧いただきますと、参考といたしまして指標検討会の実施状況を記載しております。浅野先生に座長を引き受けていただいておりまして、それからこの部会で言いますと田中先生が委員として入っておられます。そのほかに、恒川、中口、藤田、森口という4名の方にご参加をいただいておりまして、これまで第1回から第3回まで3回にわたって議論をしてきたということでございます。
 この資料の性格でございますが、秋以降の進め方の方針を指標検討会において整理をいたしましたので、それを本日総合政策部会に中間報告させていただく、そういう位置づけでございます。
 1ページに戻っていただきますと、最初の1-1というところで、総合的環境指標の導入の経緯及び評価というタイトルになっておりますが、今申し上げました第三次計画の120から122ページの指標の話が書いてございます。3つ目の○のをご覧いただければと思いますけれども、指標について、第三次計画のの進捗状況の点検に活用してまいりましたが、各指標の推移をモニターすることにより、環境の状況、取り組みの状況について相当程度定量的な把握を行ってまいりました。また、指標の活用を通じて、計画総体としての傾向を国民にわかりやすく示す点でも、一定の評価はできると評価をいたしております。
 その次の○でございますが、一方で課題も明らかになってきたということでございます。データの信頼性・不規則な変動等の問題によって的確な評価が困難な指標もあること、そもそもその指標自体が重点分野の状況を示すという点で限界がある場合もあったこと、また、政策にフィードバックするという点で指標を十分に活用できなかったこと。以上のような課題を4つ目の○のところで記載をしております。
 こうしたことを踏まえて、指標の見直しを行っていくわけでございますが、1-2のところにこうした課題にも対応しながら、指標の見直しを行っていく旨が記載されてございます。ページをめくっていただいて2ページでございますが、具体的な見直しの方向性について記載しております。まず体系については、現行計画の三層構造というものについては引き続き踏襲をしたいというふうに思っております。ただし、先ほど申し上げましたようなさまざまな課題が生じております事象横断的な分野に関する指標については、環境問題、社会経済との深い関わりも踏まえつつ改善していこうということでございます。
 続きまして2-2のところで個別指標についての見直し方針を記載しております。まず基本的な方向としましては、基本的には継続性ということも重視をいたしまして、総合性・代表性の高い指標の設定を通じて充実化を図るということを基本とする。また、個別指標において時間軸をどう設定するかについては、各分野の特性等に応じて行うというような基本方針を立てております。
 また、構成・分類につきましては、指標について、インプット、アウトプット、アウトカム分類でありますとかPSR分類といった形できちんと分類をした上で、可能な限り分類に基づくバランスのとれた構成にしていきたいと考えております。
 また、2つ目の○でございますが、現在は、正規指標のほかに「目安」、「参考となるデータ」、「試行的な指標」、「補助的な指標」、「参考となる指標」といった形で指標を細かく分類しておりますが、統一性を欠いてわかりづらい状況にありますので、基本的には正規指標と補助指標というふうに2つに分けて整理をしたらどうかということを考えております。
 3ページに移りまして、指標数については同じぐらいを選ぶということを基本としてやったらどうかということが書いてございます。
 また、目標の設定についてでございますが、まず、目標値を具体的に設定することができるものについては目標を設定するという方向で検討してはどうかと考えております。また、目標を設定する際の留意事項、この総合政策部会でもいろいろとご指摘をいただいておりますけれども、基本的には環境基本計画がその全体としての大きな方向性を示すものであって、実行計画としての側面が強い個別分野の計画とは本質的に性格が異なるということを踏まえた上で、その目標が環境政策、環境問題の中でどういう位置づけにあるのか、あるいはその目標値が最終到達点なのか中間到達点なのか、あるいは意欲的な目標なのか最低限達成すべき目標なのか、あるいは短期から中長期までの時間軸の違いがどこにあるのか、それから法的根拠があるものなのか、それともそうでないものなのか、といったその分野や目標の特性に十分留意した上で設定をするべきだと記載しております。
 次に、個別分野の計画との関係でございますが、ご承知のとおり環境分野におきましては、環境基本計画と個別分野の計画というものがございます。これらの関係は、指標・目標についても、整合性を図って設定をしていくということが基本になると思いますけれども、個別分野の計画の中で新たな指標や目標を新たな知見等を踏まえて設定をしていくということは当然あり得るというふうに考えておりまして、そのような場合でも環境基本計画の趣旨に合致している指標というふうに考えられますので、点検の際にはそういう指標も使ったらどうかと考えているわけでございます。
 3ページの1番下、事象横断的な分野の指標については、先ほど浅野先生からも言及がございましたけれども、第3次計画において横断的分野についても指標を設定したわけですが、かなり無理をして設定したという状況がございまして、実際に運用してみますと、計測に大変な追加的労力を要するような指標であったりとか、あるいはそもそも信頼できる数値をなかなか得ることが難しかったり、そもそもそれがその分野の状況を的確に表すような代表性を持った指標なのかというような点で、様々な困難があったことから、今回見直すに当たっては、従来と同じような横断分野ごとに分野別の指標を設定するということはしないという方向で考えております。そのかわりとして、環境問題と関係が深い社会経済に関する指標や、あるいは持続可能な社会への到達度に関連するような幅広い視点からの指標を加えるということも含めて考えてみたらどうかということを提案しております。
 次に、運用における実効性・効率性の確保についてというところでは、先ほど以来たびたび言及しておりますけれども、データにほとんど動きが出てこないような指標でありますとか、あるいは安定的な動きが見られないような指標がございますので、そうした実際の動きというものも留意した上で選定をしてはどうかということでございます。
 こうした基本方針に基づきまして、秋以降の進め方というのが3.のところに書いてある訳でございます。重点分野につきましては、本日6分野+3分野ということでご審議をいただいた訳でございますけれども、そのうちの事象面で分けた6分野に相当する部分の指標の見直しについては、先ほど申し上げた2のところに記載している方針を踏まえて、秋以降重点分野ごとのワーキンググループにおいて実施するという方向で進めていきたいというふうに思っております。
 また、横断的分野につきましては、今申し上げたように横断分野ごとの指標ということは設定しない訳でございますけれども、この指標検討会において夏以降議論を続けていきたいというふうに考えております。
 それから、4ページの下の方から、2階層目、3階層目の見直しの進め方が記載しております。まず環境の各分野を代表的に表すという2階層目の指標の部分でございますけれども、ここにつきましては1階層目の検討状況を踏まえながら指標検討委員会で検討していきたいというふうに思っております。3階層目の指標のうち、エコロジカルフットプリントの考え方による指標につきましては、計測における前提条件とか国際比較といった、指標の特性、あるいは限界というものがこの5年間の中で明らかになってきておりますので、少し内外の社会経済の変化等に対応した新たな指標の模索というものも念頭に置きながら、さらに指標検討委員会で検討していきたいと整理をしているところでございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 なかなか指標というものの意味が、物理的な意味や、あるいは実効性などの面で難しいことがあろうかと思いますが、何か今の検討委員会における中間とりまとめに対しましてご質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
 三浦委員。

○三浦委員 全体的に文章が漠としていてわかりにくいのですけれども、1つお伺いしたいのは、ドメスティックな環境評価だけではなくて、国際的に比較ができるように、例えば諸外国でどういう環境評価を行っているのか項目をレファレンスして、それを比較して、日本でも同じようにデータをとってみて、それを国家間で比較をしてみましょうということを目指すような総合指標になっているのかどうか教えてください。

○浅野部会長代理 直接的に言いますと、ここにちょっと出ていますが、エコロジカルフットプリントという指標は国際比較が単純にできるので採用してみたのですが、指標のつくり方が我が国の状況を的確に把握できているものであるかどうかという点に若干疑問が出たりしておりますので、国際比較できるようなものが必要であるという認識は持ちながら、さらにまた検討したいと思っております。今採用されている指標はエコロジカルフットプリントなのですが、それ以外の例えばCOのGDPとの国際比較みたいなものはやろうと思えばすぐ数字を出すことはできるようなものがある訳です。
 それから、もともと指標の検討で一番ベースにありましたのは、昔OECDで検討されていた環境指標のセットというものでありまして、それがそもそも発想のスタートにありますので、かなりの項目はそれらとの整合性があるというふうにご理解いただければと存じます。

○鈴木部会長 崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。今の指標の検討会の中でお話が出たと思うのですが、特に重点分野の中の事象横断的なものをどういうふうに指標をつくるかというのが本当にいつも大変みんなで頭を悩ませているところだと思うのですが。昨年とその前にやはり浅野先生を座長にして人づくり、地域づくりの評価をするためのいろいろな検討会をさせていただいたときに、少し大ぶりなまとめを、大ぶりというかアンケートをつくったのですが、ああいうところをうまくシンプルにしてこういうところでうまく活用していただけるような形で、具体的な連携、協働とか環境教育進んでいるかという一番測りにくいようなところを、でもきちんと見えるような指標をうまく入れていくというのが今回大変重要だというふうに思っております。一緒に考えていきたいと思いますので、検討もよろしくお願いいたします。

○浅野部会長代理 おっしゃったのは、地域環境力を指標で表してみたいという試みのことをおっしゃっているのですが、どうも全国的な数字を出すことがなかなか難しくて、むしろそれは地域計画をつくるときに活用していただきたいというような試案が今のところ出ていますけれども、なお引き続きそれの汎用性のついての検討は進めたいという気持ちがございますので、ご意見として伺っておきます。

○鈴木部会長 よろしいでしょうか。
 植田委員。

○植田委員 とても大事な問題について、大変な努力をされておられるということも重々承知しておりますし、しかも難しい面がいろいろあるということもよくわかった上で一言だけ。ナチュラルキャピタル(natural capital、自然資本)という用語がある時期から使われています。自然資本からエコシステムサービスが展開されるということですね。先ほど横山委員が環境基本計画のところでストックの評価の問題を提起されました。大事なのは、自然資本の量そのものというよりは量の変化とその評価といいますかそういうことになるかと思うのです。それはこの環境基本計画に書かれていることを裏打ちする指標という方向性を持って議論をしていただければ大変ありがたいと思っております。自然の富が日本においてどのように変化していっているかということです。本当は人口減少の評価という問題にまで広がるのですけれども。

○浅野部会長代理 自然系の指標についてはどうも我々は今まで5年間を意識して議論しすぎていると反省していまして、もうちょっと長い期間でないとデータもとれない、変化も緩やかなものがある、そのことについてちょっと認識が不足していたなという反省をしながら、もうちょっとレンジについてはさまざまな枠を考えていくということを議論していますので、おっしゃることも十分に反映させたいと思います。

○鈴木部会長 やはり総合的な指標というと何か1本の物差しでということになってしまうのかもしれないのですが、エンバイロメンタル・サステイナビリティ・インデックス(環境持続性指標)などは5本の軸ではかっている訳ですし、国際的な比較というのはいろいろなところでもう既にあるのですね。ただ、その国と国という形で、日本とモンゴルを比較してそれではどうなのだというような、その後の展開がなかなか見えないというようなこともあって難しいところがあります。今、植田先生のナチュラルキャピタルとか自然資本みたいなものとか、あるいは世銀のジェヌイン・セービングとか、国連のCSTでもいっぱい関連する項目を挙げて全部各国の統計をとっていろいろやったりしている訳ですね。結局それをどうするのかというようなところがなかなか難しくて。1つは単純化したエコロジカルフットプリントみたいな面積というような感じで議論するか、あるいはジェヌイン・プログレス・インディケータといってGDPの環境版、グリーンGDPみたいなものも徹底して、もう少し精緻に交易に関わらない価値みたいなものもそこへ含めていくとか、いろいろなことがあると思うので。これはここの検討会で議論するというよりは、環境省で研究費をちゃんとつけて、あるべき指標をどこかで研究をするぐらいの覚悟でないと、なかなかうまくいかないのではないかというようなことがちょっと懸念されます。それはまたいずれ先の問題としてお考えいただければ。省内では環境統計などをおやりになっているところもありますので、そちらとも連携する必要もあるでしょう。
 環境統計というものもこういう考え方がちゃんとしていないと、何をもって環境統計としていいのかというのはわからない訳ですよね。ですから、そういうような方向にだんだんと進化していっていただければと思っております。
 それでは、これはご報告を受けたということになりまして。もう1件報告いただくことがある訳ですね。資料3、環境影響評価法の一部を改正する法律の成立について。これは花岡さん。

○花岡環境影響評価課長 環境影響評価課長、花岡です。お時間が切迫しておりますので、手短に資料3、それから資料4-1、4-2を使いまして私の方から説明させていただきます。
 審議会の答申を出していただくときにいろいろご議論をしていただきました、環境影響評価法の一部を改正する法律のその後の状況でございますが、昨年3月19日に閣議決定をいたしましたが、資料3を1枚めくっていただきまして書いてございますように、3国会にわたりまして議論をしていただき、今年の4月にやっと成立、4月27日に公布という過程で今進んでおります。
 その後引き続き今どういう状況になっておりますかにつきまして、1ページ目の[1]、[2]に書いてございます。めくっていただいたところに今後想定されるスケジュールを書いてございますが、この法律、改正法の施行は、法律の追加事項により2つのタイプに分かれます。25年4月、丸2年たってから施行する分が従来の手続の前段階と後ろ段階に新たに新設された手続ですが、1年目に施行される例えば交付金事業を追加するとか、電子化とか、政令で定める市からの意見陳述の関係とか、そういうさまざまなものにつきましては24年4月に一部施行するという形をとっています。このため、今は、23年秋ごろを目途としまして、改正法第1段階の施行に対応するための改正政省令の公布を目指して作業を進めているというのが表紙に書いてある[1]でございます。
 またもう1つが、実はこの制度の仕組みの中には、事業種が13事業種もございますので、私共で事業種の横断的な基本的事項、技術的な事項について定めている告示というものを持っています。これを見直しするということで、6月24日から検討会を開始しておりまして、パブリックコメントを実施の上、来年4月ごろに新しい基本的事項を策定、公表すると。これに基づきまして各省のほうで主務省令をつくっていただいて、先ほどめくったところにございました25年4月に改正法を完全施行するという形でスケジュールが終わるということでございます。
 改正法の趣旨でございますが、これはちょっと色刷りが中にございます。これは審議の際に見ていただきましたが、基本的にその際にお諮りさせていただいた分については今回ほぼ盛り込めたという形になってございます。新たに計画段階、配慮事項について、これは日本型ということであまり上位の政策とか計画とかいうものを対象とするものではなく、海外で言うと事業版のEIAのちょっと前というのがございますが、それとあと報告書、手続等が入っていったものが大きな特徴でございます。
 その後、最後2枚は附帯決議でございます。審議がやはり1年以上かかりましたために、審議ごとにたくさん附帯決議をつけていただいたということでございます。
 もう1つ、資料4-1と4-2というのは、風力発電に関する基本的考え方について、昨年の10月からご議論をしてきていただいて、この報告書ができあがったということでございます。これは中環審の答申の検討の際に追加するべき事業種ということでやはりご検討いただいていたものです。
 概要のほうを見ていただきますと、はじめにということで、低炭素社会への転換に向けた期待ということで、再生可能エネルギーの中で風力発電についてもいろいろと期待はされているのですが、騒音、低周波音に関する苦情でありますとか、バードストライクの問題、さまざまな土地改変問題とか環境影響が指摘されております。それから、従来は補助金に伴いまして自主的なアセスメントがされていたのですが、いろいろと手続にも不十分な点もあるというようなことで、答申でアセスメントの対象に含めるようにということになりました。
 めくっていただいていろいろ図がございますが、自然環境の特徴でございますとか導入状況、あるいは環境影響の状況ですね、景観上の問題でございますとか騒音・低周波音、あるいは実際に風力発電設備が尾根の部分に立っている場合の道路がこのような実態になっているとか、バードストライクの大きな問題も起こっているということですね。
 もう1ページめくっていただきまして、これは自治体と海外の状況です。各地でいろいろな係争事も起こったりしているのですけれども、実際に条例を風力発電についておつくりというのはこれだけの自治体に限られております。一方、諸外国ではもう既にこういう形でアセスメントの対象になっています。
 規模要件、つまり一体幾らからアセスメントの対象とするのかというようなことにつきまして、その下のほうの欄に書いてあります。いろいろご検討がございましたが、従来NEDOマニュアルに基づくアセスで1万からやられていたとか、その規模で苦情が4割近くに増加してくるというような問題、既に法律制定時から対象となっているほかの発電所の場合のカバー率の水準といったものにより委員のほとんどの方は1万から対象とすべきというご意見でございましたが、一方、再生可能エネルギーの導入という視点から、もう少し大きくあるべきだというようなご意見もあって、これらの案についてパブリックコメントにかけたところ、もっと小さいものについての要望が大変多かったということで、5,000kW以上と言う考えについても追加されている状況でございます。
 さまざまな個々の環境影響についての基本的な考え方についてはその後に書いてございます。おわりにを見ていただきまして、こういうアセスを入れたら進まなくなるのではないかというご意見をおっしゃる方もあるのですけれども、逆に今、立地が進んでいない、特に最初の段階で地元とうまくいかなくなって進んでいないものが非常にありますので、かえってこの手続が入るということで健全な立地が進むのではないか、あるいは、発電所をどこにつくるかによって、工業地みたいなところにつくる、あるいは人里離れたところにつくるというような条件の違いによって評価項目の重点化、絞込みもこのような対象地の地域特性からできるのではないかというようなことで、進めることができるのではないか、あるいは、行政機関での努力とかいうようなことで、再生可能エネルギーとして期待されている面で円滑な導入にも資することができるのではないかというような結論が出ています。
 そして、クリーンエネルギーとして地位が回復されていくことを期待していくということで終わっています。
 これにつきましては政令の事項でございますので、先ほどご説明させていただいた1年目の施行に係る政令とだいたい、歩調を一緒にして今調整中という状況でございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 もう実は残り時間はございませんのですが、何か今のご説明につきましての質問等ございましたら、お受けしたいと思いますが。よろしいですか。
 ご協力ありがとうございます。
 そうしますと、以上で議題として準備させていただきましたものはすべて終了とさせていただきます。
 それでは、先ほどの第四次の環境基本計画につきましては、当初の部分の素案につきましての修正を加えたものは次回までに準備をさせていただく、そういうことでよろしくお願い申し上げます。
 では最後に、事務局のほうから連絡事項等がありましたらお願いします。

○矢田環境計画課計画官 次回の日程についてご連絡させていただきます。7月28日の14時から16時ということで、場所は前回までと同様、三田共用会議所になっております。また三田共用会議所に戻りますので、お間違えのないようお願いいたします。詳細につきましては後日改めて文書によってご連絡をさせていただきます。

○鈴木部会長 それでは、これをもちまして第61回総合政策部会を終了させていただきます。
 どうもご協力ありがとうございました。

午後5時04分 閉会

ページ先頭へ