中央環境審議会総合政策部会(第59回)議事録

開催日時

平成23年5月11日(水)14:00~17:11

開催場所

三田共用会議所 4階・第4特別会議室

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    1. (一)第三次環境基本計画の見直しについて
      • 環境施策の状況等
      • 委員からの意見表明
    2. (二)その他
  3. 閉会

配付資料一覧

【資料】

資料1 廃棄物・リサイクル対策部説明資料
資料2 地球環境局説明資料
資料3 自然環境局説明資料
資料4 各委員からの文書によるご意見について

【参考資料】

参考資料1 中央環境審議会総合政策部会名簿
参考資料2 第三次環境基本計画の見直しスケジュール(案)
参考資料3 第三次環境基本計画の点検における提言について

議事録

午後2時00分 開会

○矢田環境計画課計画官 予定しております開始時間は若干過ぎておりますけれども、まだ出席を予定されていらっしゃる方がおそろいではございませんので、先に資料確認をさせていただきたいと思います。
 お手元のほうに第59回の中環審総合政策部会の議事次第がございまして、その下半分に配付資料一覧がございますけれども、資料のクリップを外していただきますと、まず資料といたしまして、資料番号1から4まで、資料1が廃棄物・リサイクル対策部説明資料、資料2、地球環境局説明資料、資料3、自然環境局説明資料、それから資料4が各委員から文書により提出いただいたご意見となっております。
 その後ろに参考資料がございまして、参考資料1が名簿、参考資料2がスケジュール(案)、参考資料3が、昨年まで4回にわたって点検を当部会で行っていただきましたけれども、その後半2年間で行いました重点分野の提言部分の抜粋でございます。本日のご審議の参考にしていただければと思います。
 もし足りない資料がございましたら、事務局までお申しつけいただきたいと思います。
 それから、これも毎回申し上げていることでございますけれども、マイクを使いましてご発言いただくわけでございますけれども、スタンドにありますスイッチを押してご発言をお願いしたいと思います。なお、同時に4本までしか使用できませんので、ご発言が終わりましたら随時スイッチを切っていただくようにお願い申し上げます。ご協力をお願いいたします。
 それから、昨日急遽メールでご連絡を差し上げましたけれども、今年は節電ということもございますので、5月1日からクールビズを開始しております。本日この会場も空調が入っておりませんので、若干蒸し暑くなっております。適宜上着等を脱いでお願いできればと思います。
 まだ定足数に達しておりませんが、まもなく見える予定であろうと思いますので、後ほど確認がとれたところで会議が成立したということをご報告させていただきたいと思います。
 それでは、先に議事を進行させていただきたいと思いますので、ここからは鈴木部会長によろしくお願いいたします。

○鈴木部会長 それでは、早速、議事に入らせていただきたいと思いますが、先日、4月20日に、この第三次環境基本計画の見直しの諮問を受けまして、議論を開始いたしました。先日と、それから今日、この2回の部会におきまして、全体の進行状況の報告をいただき、そして委員の方々から可能な限り多くのご意見をいただきたい、そういうことで進めております。前回は、総合環境政策局、環境保健部及び水・大気環境局の3分野における環境施策の現状や課題について審議をさせていただきました。本日は続編ということになりますが、先ほど資料の紹介がありましたように、廃棄物・リサイクル対策部、地球環境局及び自然環境局の3分野を取り上げさせていただきます。
 本日は一応17時までということになっておりますが、なるべく多くの方からご意見をいただこうと思っておりますので、少し終わりの時間が延びるかもしれませんが、ご容赦いただければと思っております。
 まず前半60分を使いましてこの3分野の環境施策の状況や課題を審議させていただきます。後半では、前回の部会に引き続きまして、意見表明のご希望のあった委員の方として、本日5名の委員・臨時委員の方々、崎田委員、市村臨時委員、筑紫臨時委員、永里臨時委員、森嶌臨時委員、これらの方々からご意見をいただいた上で、最後に自由討議といたしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 なお、ただいまの時点で定足数に達したということでございますので、この総政部会が成立したことをご報告いたします。
 それでは、早速、3分野につきまして環境政策の状況や課題に関する審議に入らせていただきます。まず、廃棄物・リサイクル対策部からお願いしたいと思います。

○坂川廃棄物・リサイクル対策部企画課長 廃棄物・リサイクル対策部企画課長の坂川でございます。資料1をご説明させていただきたいと思います。
 まず最初に表紙をめくっていただきまして、廃棄物・リサイクルの現状でございます。我が国の物質フローの図が最初に載っておりますけれども、ここでは平成12年度と20年度を比較できるように図で表しております。左側から入ってまいります天然資源などの投入量が、平成20年度には12年度に比べて減少している。また、右側には、さまざまな輸出、蓄積純増量、エネルギー消費などが書かれておりますけれども、廃棄物の発生量も若干減少し、最終処分量が半減以下になっている。また、下のほうにぐるっと回ります循環利用量ですが、この部分が少し増加している傾向にあります。
 その次のページからは物質フロー指標、目標が設定されておりますので、それに向かって現在どういう状況にあるのかということをグラフで表しております。まず資源生産性というものがありますが、これは目標値が42万円/tとなっておりますけれども、分母が資源の投入量、分子がGDPということになっておりまして、少ない資源投入量で大きな経済活動を生み出していくという指標でございますけれども、目標に向かって近づいているということがおわかりいただけるかと思います。その右側が循環利用率、もう一度使っている資源の割合ということでありまして、これは目標値にほぼ達しているような状況でございます。また、廃棄物の最終処分量についても、目標値に近いところまで既に来ている。このような状況でありまして、いずれも目標値に近づきつつあるということが言えるかと思います。
 その下からは廃棄物の排出量の推移でありまして、一般廃棄物に関しましては、近年減少傾向にあります。全国の排出量、それから折れ線グラフのほうは1人1日当たりですが、いずれをとっても近年少しずつ減少しているという傾向です。一方、その下の産業廃棄物に関しましては、排出量はほぼ横ばいという状況です。
 その次のページは最終処分場の逼迫の状況であります。これに関しましては、最終処分場の容量自体は必ずしも増えていない、むしろ減少しているのですが、年間の最終処分量がどんどん減少している、1年間で最終処分する量が減っているということに伴いまして、あと何年もつかという残余年数というところで見ますと、増加傾向にあるということでございます。
 そして、その下が不法投棄の件数でございます。折れ線グラフが年間の発覚した不法投棄の件数ということでございまして、最も多いときは、平成10年度から13年度のころは年間1,000件を超える不法投棄がありましたけれども、その後どんどん減少傾向にありまして、平成21年度は279件というところまで減少しております。また、不法投棄の量についても減少傾向にあるということで、さまざまな対策の効果が表れてきていると考えております。
 その次、2番でありますが、施策等の取組状況と今後の課題であります。まず法制度に関しまして、その下のところにありますけれども、環境基本法、それから循環型社会形成推進基本法、このような基本法があります。その下に廃棄物処理法、それから資源有効利用促進法という廃棄物の適正処理、再生利用の推進を目的とする法律が2つあります。さらには、個別リサイクル法とも呼んでおりますけれども、容器包装、家電、食品、建設、自動車、それぞれごとにリサイクルの法律制度をつくってきているという体系になっております。
 その次のページでは個別リサイクル法についての説明が書かれている表があるわけでありますが、ちょっと時間の関係もありますので、ここは省略させていただきます。いずれにいたしましても、個別リサイクル法によってそれぞれの分野ごとにリサイクルを進めているというのが現状でございます。
 その下が一般廃棄物に係る取組であります。一般廃棄物の処理は市町村の責務ということになっておりますので、各市町村が廃棄物処理施設を整備し処理を進めています。その施設整備には多大な費用が必要でありますので、環境省では財政支援を行っておりまして、循環型社会形成推進交付金という予算があるわけでございます。交付率は原則3分の1となっておりまして、予算額は平成23年度予算、この「案」というのを消していただければと思います。ちょっと修正し忘れておりましたが、平成23年度予算は466億円ということになっております。その下が災害廃棄物の対策でございまして、災害により被害を受けた廃棄物処理施設の原形復旧に要する費用、それから市町村が実施した災害廃棄物の収集・運搬及び処分に要した費用に対しまして、国庫補助を実施してきております。従来、補助率は2分の1でございました。しかし、今回起きました東日本大震災に関しましては、膨大な量の災害廃棄物が発生している。また、市町村の費用負担も多大なものになるということでございまして、この補助率についてはかさ上げを行っております。市町村の税収入額、それから実際にかかる費用などによって補助率が異なるのでありますが、最大10分の9まで国庫補助の対象にすると。また残りの部分についても、地方債でとりあえずは対応していただくのですが、その元利償還金についても地方交付税で手当てするといったことで現在決まっているところでございます。
 それから、その次のページであります。産業廃棄物に係る取組に関しましては、従来から産業廃棄物は不適正処理が非常に多いということで、その対策を講じてきたわけです。特に廃棄物処理法を何度も改正いたしまして、排出事業者責任の強化でありますとか、罰則の強化などなど、さまざまな施策を講じてきております。昨年も5月に廃棄物処理法を改正いたしました。下のほうにありますけれども、まず適正処理の確保対策の強化、廃棄物処理施設の維持管理対策の強化、また廃棄物処理業の優良化の推進、右側のほうにまいりますと、排出抑制の徹底、適正な循環的利用の確保、焼却時の熱利用の促進などを柱とするものでございました。この法律に関しましては今年の4月1日から施行されているところでございまして、現在、この新しい制度にのっとって廃棄物処理政策を進めています。
 その次のページは、不法投棄に係る取組です。先ほどご説明いたしましたように、新たに発生します不法投棄は減少してきているのでありますが、かつて過去に不法投棄が起きてしまったところについて、そういったものを残存事案と呼んでいるのですけれども、その残存事案について、生活環境保全上支障がないように、支障の除去などを行っていく必要があるわけでございます。これに関しましては、都道府県等が支障の除去等の作業を行うわけですけれども、国、それから産業界がその費用を支援するという仕組みがありますので、これからもこういった制度を活用しながら支障の除去を進めてまいりたいと考えております。
 また、その下でありますが、小型家電リサイクルに係る取組でございます。家電製品に関しましてはリサイクル法が既にできておりますけれども、現在の家電リサイクル法は大型の家電製品のみを対象にしております。テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機といったものを対象にしておりますが、より小型のものについては現在制度がないということ、それから小型のものに関しましても有用な金属が大量に含まれている、レアメタルなどを含んでいるものもあるということで、そのリサイクルにつきましてもこれからさらに進めていかなければいけないということで、新たな制度をどのようにしていけばいいのか検討を進めております。今年2月に中央環境審議会に諮問をさせていただきまして、現在小委員会を設置して検討を進めております。
 その次のページでありますが、ライフスタイルの変革というものも循環型社会を構築する上で大変大事なことでありますので、環境省では3R推進月間を設定いたしまして全国大会を開催するなどしております。また、マイボトル・マイカップキャンペーンなど、そういったことにより取組を進めているところでございます。
 それから、次からは国際的な取組になるわけでありますけれども、アジアにおいては人口増加、それから経済成長によりまして、これから廃棄物の発生量がどんどん増えていく。また、その中には有害なものでありますとか、処理が難しい廃棄物の量も増えていくであろうということが予想されます。そこで、これらに関しまして、我が国としても貢献していかなければいけない、適正処理が進むようにということでございます。
 次のページにはアジア3R推進フォーラムというページがあるわけでございますけれども、アジアにおきまして、それぞれ各国で3Rを進めていく、また国際的な3Rも進めていくということで、推進フォーラムを2009年に東京で設立したということでございまして、2010年にはマレーシアでも開催されております。今年はシンガポールで第3回目のフォーラムを開催する予定でございます。
 その下の図は日系静脈産業メジャーの育成・海外展開促進事業というものでございまして、アジアにおける環境負荷の低減、それから我が国経済の活性化といった効果をねらいまして、我が国で廃棄物の処理を行っております静脈産業に関しまして、海外展開を支援していくといったことを考えているわけでございます。今年度23年度の予算が6億円、昨年度の補正予算が3億円となっております。我が国の廃棄物処理・リサイクルシステムをパッケージとして海外展開をしていくということでございます。例えば、[1]のところにありますように、フィージビリティ調査を行っていく。これに関しましては、現在公募中でございまして、こういった調査をきっかけにして海外展開を図っていこうというものです。また、右側には、そういった産業の育成ということをねらいまして、まずは国内でもってビジネスモデルの確立を支援していく。レアメタルのリサイクルに関しましてもこの中に含まれているところでございます。
 それから、その次のページでありますが、国際的な取組の中では、不適正な輸出入の防止を図る必要があります。有害な廃棄物が外国に出ていって、そこで環境汚染を引き起こしてはいけないということでございます。国際的な枠組みとしてバーゼル条約もありますので、その条約に基づいた取組といったものも行っております。関係省庁、例えば税関などとも連携いたしまして、輸出入の取り締まりと、そういった対策の強化も行っているところでございます。
 また、その下でございますが、第2次循環基本計画の進捗状況に関しまして毎年点検を行っております。その第3回点検報告の概要がここに書かれています。物質フロー指標に関しましては、先ほどご説明いたしましたように、目標に向けて進捗しているということでございます。しかし、土石系資源投入量を除いた資源生産性や化石性資源に関する資源生産性については改善が見られないといった課題があります。また、取組指標に関しましても、目標を達成した指標もあります。しかし、まだライフスタイルの変革に向けた具体的な3R行動については不十分な取組もある。さらに指標の改善の要因でございますけれども、3Rの取組の浸透や国民の意識の向上があったということであります。一方、平成20年に世界金融危機がありましたので、その影響を受けている可能性もあります。今後の経済動向の変動に伴ってこういった指標がどのように動いていくのかといったことについても留意が必要だと思っております。また、循環資源の利用先が限定的であるといった留意点、引き続き取組を進める必要があるといった報告もいただいております。
 最後がこの点検報告の中でまとめられました課題であります。最初の○が、土石系以外の資源生産性の向上など、質の面にも着目していかなければいけない。さらには、循環型社会を構築していく上で、低炭素社会、自然共生社会との統合的な取組が必要である。また、長期的な視野に立って政策の方向性を検討していかなければいけないといったこと。さらには、発生抑制、再使用や循環資源を活用した製品の利用促進に係る施策も大事である。また、地域循環圏の構築に向けての戦略的な方針。さらには、先ほど申し上げました国際的な取組をさらに進める必要がある。このような課題がまとめられているところでございます。
 以上、駆け足になりましたが、ご説明を終わらせていただきます。

○鈴木部会長 では続きまして、地球環境局のほうからお願いいたします。

○鎌形地球環境局総務課長 地球環境局鎌形でございます。どうぞよろしくお願いいたします。お手元の資料2でございます。
 地球環境局は、大きく地球温暖化対策と地球環境に関する国際協力と、大きな2本の柱でございます。
 まず1ページ目から、地球温暖化対策でございます。円グラフにございますように、中国が排出量のトップになっているということで、途上国を巻き込んだ対応を国際的な協調のもとに進めていく、これが大きな課題でございます。
 (2)でございますが、国際的枠組みの下での取組ということでございます。
 2ページ目へまいりまして、現行はいわゆる京都議定書に基づいて先進国が削減量を約束して取組を進めているわけでございますけれども、2012年までということでございます。ご承知のとおり、2013年以降の枠組みはどうするかということの国際交渉が今進んでいるというところでございます。今2011年ということでございますので、2013年までは非常に短いということでございます。
 私どものスタンスでございますけれども、端的に申しますと、2ページ目の一番下にございます、すべての主要国が参加する真に公平かつ実効的な一つの法的拘束力のある国際枠組みの早期構築が最終目標ということでございます。一部の国だけが努力するというのではなくて、途上国も含め、すべての国が参加したしっかりした仕組みをつくるということが我々にとっての課題で、これまでの交渉でもそれで臨んできたということでございます。今年5月には南アフリカ・ダーバンで締約国会議、いわゆるCOPが開催されるわけでございますけれども、従前から京都議定書の第二約束期間をどうするかということが途上国、先進国の間で対立を含みながら大きな課題になってございます。私ども日本の立場としては、一部の国のみが参加する義務を持つような枠組みには私どもは参加しないという立場を貫いているということでございますが、先ほど申しましたように2013年まであとわずかということでございますので、この年末にも非常に厳しい交渉が予想されるということでございます。
 そういう中で私どもとしては、温暖化対策を日本はしっかりやるんだというメッセージを示していくということが必要なので、国内における対応もしっかり取り組まなければならない。後ほどご説明しますけれども、地球温暖化対策の基本法制といったものもしっかりと取り組んだ上で国際交渉に臨む必要があるという状況でございます。
 3ページ目には状況が示してございますが、飛ばしてまいりまして、4ページ目、5ページ目の辺りをちょっとご覧いただきたいのですけれども、国際的に削減量を下げていくためには、先進国の取組がまず率先して大事でございますけれども、途上国における削減というものを先進国がサポートしながら進めていかなければならないということでございます。そういう枠組みとしては、京都メカニズムというのが現在ございます。ただ、このスキームにつきましては、なかなか使い勝手が悪いとか、手続が煩雑だとか、そのような課題が指摘されてございます。5ページ目に二国間クレジットといったポンチ絵も掲げてございますけれども、もう少し柔軟な仕組みで先進国が途上国の削減行動をサポートしていくような枠組みができないかということを一つの国際的な相場にしていこうというのが一つの我々の課題でございまして、今、制度としてあるわけではございませんけれども、環境省としてもフィージビリティスタディに取り組んで、具体的な案件というものを積み上げていくという取組をしているところでございます。
 それから、6ページ目以降は国内対策でございます。京都議定書に関しましては、京都議定書目標達成計画ということで進めてございます。近年、景気の後退もございまして、約束期間は2008年~2012年でございますが、2008年、2009年までのデータがもう出てございますけれども、いずれも京都議定書の目標水準と比較すれば達成水準にあるということでございます。ただ、景気の動向もございますし、それから震災を受けた状況の変化もございますので、手を緩めずに取り組んでいく必要があるというのが京都議定書に対する課題ということでございます。
 それで、7ページ目以降でございますが、7ページ目には地球温暖化対策基本法案の概要を示してございます。2013年以降の我が国国内の取組という意味で言えば、政府としての計画は今持っていないという状況でございます。ある意味では2013年以降の我が国の国内対策の取組というのは羅針盤がない状況ということでございます。そういったところでしっかりとした政府としての国を挙げての計画をつくって計画的に取り組んでいくという仕組みが必要なわけです。そういう意味で地球温暖化対策基本法案というのは、ここにございますように、中長期目標を掲げると同時に、一番大事なのが基本計画という部分でございますけれども、地球温暖化対策の総合的かつ計画的な推進を図るための計画をつくるという仕組み、それに基づいてさまざまな施策を推進していく、これが大きな枠組みでございます。実はこの法案は、昨年提出して以来、1回の廃案を挟んでまだ継続審議中でございますけれども、自民党、公明党も同様な基本法案を出しています。中身はそれぞれ異なるところもございますが、基本的に政府としての計画をつくって総合的に施策を推進していくという構造は同じでございます。そういう意味で、こういった基本的な枠組みをつくって、2013年以降の地球温暖化国内対策の羅針盤をつくっていくということが、今の大きな課題ということでございます。
 ちょっと時間も限られてございますので、飛ばしてまいりますけれども、8ページ目に「地球温暖化対策の主要3施策について」という閣僚委員会の合意事項を載せてございます。地球温暖化対策のための税、再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度、国内排出量取引制度、さまざま議論のある課題でございます。産業界からさまざまな懸念も示されてございます。その中でこの3施策についてどうやって取り組んでいくかという方針を昨年末、閣僚委員会で定めたというところでございます。税につきましては、この23年度から地球温暖化対策のための税を導入する。それから、再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度については、24年度からの実施を目指して法案を出す。国内排出量取引制度につきましては、もろもろの状況を見極め、慎重に検討を行う。このような状況になっているということでございます。
 それから、地球温暖化対策につきましては、基本計画という形で羅針盤を示していく必要があるわけですが、その準備作業として、どういうことをすればどれだけ削減できるかということを中長期ロードマップということで、審議会でもご議論いただいて、昨年末には中間整理を出しているところでございます。これも、もろもろの状況の変化も見極めながら、さらに精査していく必要があるというところでございます。
 これが全体の流れでございますけれども、個別施策を9ページ以下に掲げてございます。法律に基づく温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度でありますとか、排出抑制等指針の取組、それから国民運動の展開というのがございます。国民一人一人の取組が大事でございまして、行動につなげるような啓発活動を行っていくということが重要でございます。今年度につきましては、節電という大きな社会的課題にも対応するということで、かなり節電にシフトしたキャンペーンをしていこうといった流れでございます。その他、「見える化」ということで、ご家庭の排出量の状況が見えるような「見える化」ツールをつくるとか、あるいはサプライチェーン全体でのいわゆるライフサイクルを通じた排出量を把握する取組とか、11ページにまいりましてカーボン・オフセットの取組も進めているということでございます。カーボン・オフセットに関しましては、いわゆるJ-VERということで、クレジットを認証するような仕組みも設けてやっているということでございます。こういった仕組みを活用してそれぞれの取組がうまく評価される、こういった仕組みをつくっていくことが大事だということでございます。
 それから、12ページ、13ページにつきましては、エネルギー対策特別会計を利用しましてさまざまな事業を展開しているということでございます。ここにございますように、競争的資金を用いて技術開発をするとか、あるいはバイオ燃料、E3の促進を図るとか、次のページへまいりまして、洋上風力、温泉エネルギーなどの課題に取り組んでいるということでございますが、特に今の重要課題としては、再生エネルギーというものをどうやって伸ばしていくかということが大きな課題かと思います。これも震災を受けての状況で、分散・自立型の再生エネルギーというものを東北地方を中心に、もちろん関東、それから全国で広げていくために、私たちとして何で貢献できるか、これが大きな課題ということでございます。
 それから13ページ目から14ページ目、フロン対策でございます。フロンはオゾン層の対策としても重要でございますけれども、温暖化係数の高い温室効果ガスということでございまして、この削減が課題ということでございます。
 14ページ目には、排出抑制対策として、これまでフロン回収・破壊法で取り組んできたということが書かれてございますけれども、これはいわゆる機器の廃棄時の回収・破壊を進めるということを中心としたものでございまして、近年の調査で、使用中の冷蔵庫・冷凍機器などからの漏えいが非常に大きいということがわかってきました。そういう意味で、使用時の対応も含めた対策が必要ということで、14ページの下のほう、今後のフロン類等対策の検討とございますが、地球環境部会のもとにフロン類等対策小委員会を設けていただきまして、今後の排出抑制のあり方、特に使用時のものを中心に議論しているというところでございます。先般、中間整理もいただきましたが、さらに議論を進めていくということでございます。
 その他、14ページの下に気候変動への適応策ということで、自治体に対してある種マニュアルのようなものを示すとか、あるいは15ページ目には、地球温暖化防止の基盤となる施策ということで、技術開発、それから観測・調査ということでございます。調査につきましては、近年は衛星を活用したセンサーによるデータの構築を図っているということがございます。
 以上が温暖化対策でございます。
 次に、15ページ以下は国際協力の推進ということでございますが、まず一つ大きなテーマとして今後出てくるのは、16ページ目にございますけれども、国連持続可能な開発会議(リオ+20)という会議が来年開かれます。今回はグリーン経済、それからいわゆるガバナンスということが課題になってございますが、これに対して国内の多くのステークホルダーの意見を集約して発信していくということが課題でございます。
 16ページ、17ページの辺りは、アジアを中心とした国際協力ということで、例えば水環境とか、コベネフィットとか、あるいは低炭素社会の研究ネットワークとか、3R推進フォーラムとか、そういう協力の仕組みを全省を挙げて取り組んでおり、私どもが取りまとめ役をさせていただいているということでございます。
 その他、国際的な枠組みとしては、17ページ、(5)の研究ネットワーク、それから(6)の適応ネットワークなどのネットワーク活動を進めているということでございます。
 時間でございますので、簡単でございますが、以上で説明を終わらせていただきます。

○鈴木部会長 ありがとうございました。
 では、自然環境局、お願いいたします。

○塚本自然環境局自然環境計画課長 自然環境局の塚本でございます。お手元の資料3をご覧いただきたいと思います。
 1枚めくっていただきますと、生物多様性に関する施策というタイトルで出ていますけれども、生物多様性の保全のための取組につきましては、今の現行の環境基本計画の重点分野の政策プログラムにも位置づけられておりまして、我々は一生懸命取り組んでいるところでございます。生物多様性の施策そのもの、枠組みは、中ほどにあります生物多様性基本法、平成20年6月に施行されましたけれども、この中に位置づけられております生物多様性国家戦略の中にるる書き込んでいるところでございます。国家戦略、昨年の3月には「生物多様性国家戦略2010」が策定されまして、実際にそれにのっとって施策を進めているところでございます。
 1枚めくっていただきますと、その「2010」の概要が記載されております。下のほうをご覧いただきたいんですが、4つの基本戦略。1つは社会への浸透、2つ目は人と自然の関係の再構築、3つ目は森・里・川・海のつながりの確保、4つ目は地球規模の視野を持った行動と、この4つの目標を掲げておりますが、この4つはお手元の資料のうちの参考資料3の中の13ページから16ページのところに書いてあるのですけれども、点検で本部会からご提言をいただいております事項とまさしく一致しているものでございます。本日は、この4つの区分に分けまして、少し現在の施策の展開についてご説明したいと思います。
 まず1つ目ですけれども、3ページ目をご覧ください。生物多様性を社会に浸透させる取組ということでは、これはいろいろな主体の参加をいただいて生物多様性を浸透させることが大事だと考えております。実は、21年度に内閣府が行った世論調査で、ご存じの方もいらっしゃると思うんですけれども、生物多様性のことを知っていますかと聞いたら、6割の方が全然ご存じなくて、ちょっとびっくりしてしまったと。COP10が始まる直前の世論調査だったものですから、どうしましょうということもありまして一生懸命取り組んだのですけれども、それが果たしてうまくいっているかどうか、これから検証がされていくんだと思います。いろいろな施策がそこに書いてありますけれども、民間のガイドラインをつくったり、あるいは「国連生物多様性の10年」というものを一生懸命デモンストレーションしたりして取り組んでおります。また、市町村のご協力もいただきながら何とか進んでいるところではございます。
 4ページ目をご覧いただきたいんですが、浸透する仕組みの中で大事なのは、伝統的なんですけれども、自然とのふれあいを推進するということを通じて生物多様性を浸透させていこうと考えております。
 施策の2つ目の柱で、人と自然の関係を再構築する取組、これにつきましては里地里山の活用ということで、(1)の3つ目の○になりますけれども、里地里山保全活用行動計画をつくりまして、これに基づいて推進していこうというところでございます。
 また、2番目にありますが、生物多様性保全活動促進法を昨年制定いたしまして、これを使いながら里地里山の保全を図っていこうと。中身につきましては、5ページ目をご覧いただきたいんですけれども、そこに入っております地方自治体を中心にいろいろな取組を奨励していこうと、民間の取組を奨励していこうというのがこの法律の仕組みのポイントでございます。
 6ページ目をご覧いただきたいんですけれども、生物多様性の保護と管理につきましては、1つは、少なくなっているものを大事にしていこうということで、レッドリストの改定を今進めております。トキも繁殖させて、今年もなかなかうまくいかなくて、卵は出たのですけれども、孵化には至らなかった。これも来年に向けてまた一生懸命取り組んでいかなくてはいけないかなと思っております。
 7ページ目をご覧いただきたいんですが、今度はちょっと悪いものです。イノシシとかクマとか、農林水産の被害が出ているものについては、適正に狩猟して管理していこうということも大切ですし、ウに書いてありますけれども、外来種、外から入ってきたものが悪さをしているというものがありますので、これについてもしっかり対応していかなくてはいけない。エ、これは遺伝子組換え生物等の使用による影響への評価なんですが、これはトピックとしては、昨年カルタヘナ議定書の第5回締約国会議で、責任と救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書が発足いたしまして、これも国際的な議論は決着がついたと、今後これに基づいて国内対策をいかに進めていくかということが一つの課題になってくるんだと思います。8ページ目をご覧いただきたいんですけれども、今申し上げたのがその○のカルタヘナ議定書のことでございます。
 4番目、森・里・川・海のつながりを確保する取組ということで、これは3つ目の柱ですけれども、まずネットワークを形成していこう、それから自然再生事業をしっかり進めていこうと。従来から取り扱っているのですけれども、地域の皆様のご協力をいただきながら自然を再生するという努力を進めているところでございます。
 もう一つは、9ページ目なんですけれども、海洋保全、海洋生物多様性の保全をしっかりやりましょうということがありまして、これにつきましては、サンゴ礁生態系保全行動計画ですとか、海洋生物多様性保全戦略を今年の3月に関係省庁で協議いたしまして方向づけをしたところでございます。
 9ページ目にあります自然公園等の諸制度は、伝統的な地域を定めた自然保護の仕組みですけれども、これにつきましても一生懸命取り組んでおりまして、10ページ目をご覧いただきたいんですけれども、国立公園全体につきましては、総点検という事業を行いまして、国立公園にふさわしいところが漏れていないか、あるいはどういう方向で指定していったらいかに自然が守れるかという観点で見直しを行いまして、現在それに基づいて新規の指定あるいは大幅な拡張に取り組んでいるところでございます。
 少し飛ばしまして、12ページ目をご覧いただきたいんですけれども、最後の4つ目の柱、地球規模の視野を持って行動する取組につきましては、ご承知のとおり、昨年名古屋で生物多様性のCOP10の会議が開催されました。最初はちょっと危ぶんでいたんですけれども、第1目標あるいはABSの議定書の同意など、大事なものが合意されまして大変よかったと思っております。このほか、里山イニシアティブあるいはIPBES、生物多様性のIPCCのようなものですけれども、こういう提案をいたしまして、それも承認されました。これにつきましては、お手元に多分パンフレットがあると思うんですけれども、「COP10の成果と愛知目標」というものをお手元にお届けしておりますので、後でご覧いただければ大変ありがたいと思います。
 国際的な取組は、このほかにですけれども、14ページ目、南極の保護あるいは森林減少・砂漠化対応あるいはサンゴ礁の保全など、もう一つは、15ページになりますが、世界自然遺産の新規登録ということで、これもニュースになっていましたけれども、小笠原がようやく暫定リストから正式のリストに載せるべきであるというIUCNからの勧告をいただきまして、6月下旬の世界遺産委員会でそれを決議していただくために今努力しているところでございます。
 最後になりますけれども、6といたしまして、その柱には載っていませんけれども、その他の取組として自然環境局は、国民公園の維持管理、(2)はいわゆるペットに関してですけれども、ペットの養成、16ページ目から17ページ目をご覧いただきたいんですが、温泉の保護などにつきましても我々は取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。ありがとうございました。

○鈴木部会長 ちょっと予定の時間をオーバーしておりますが、ただいまの3分野、これは環境立国戦略におきましても持続可能な社会の3つの重要な要素ということで、この温暖化、それから循環型社会、そして自然共生社会、このようなところが取り上げられているところでございます。ただいまの説明に関しまして、委員の皆様方からご自由にご意見を伺えればと思いますので、ご意見のある方は名札を例によりまして立てていただきたいと思います。
 7名の方でよろしいですか。8名ですか。では、藤井委員からまいりましょうか。

○藤井委員 よろしくお願いいたします。今3つの部局からご説明いただきましたが、この3月7日、4月20日の欠席いたしました議事録を拝見している中で、3月11日をかなり意識していろいろなことを変えていこうという流れがあったように思います。今日の報告の中でも、できれば今までの流れの中の整理と、それから3月11日以降こういうことが新たに動いているということがもう少し見えるといいなと思いました。例えば、廃棄物・リサイクルのところで、10ページに災害による廃棄物のいろいろな話が出ていますが、今までの流れとはかなり違う形が出てくると思うんです。私が知っている限りでは、前の副大臣の田島さんがPTの座長になって、瓦れき、そして漂流の化学物質などをきちんとNGOと一緒に議論する場ができたと聞いているんですが、そういうことを少し取り出してそれぞれが少しお書きいただけるとわかりやすかったというのが印象です。
 以上です。

○鈴木部会長 永里委員。

○永里委員 資料1について質問いたします。中国は、資源戦略の一環として、中国の遼寧省の鴨緑江下流の港町近辺(東港)に巨大な廃棄物・リサイクルセンターを建設しました。これは、日本と韓国からのごみ資源を視野に入れております。この日本からのごみ資源というのは、日本国内にとどめて日本で再利用すべきだと思いますが、何か対策を考えていらっしゃいますでしょうか。こういう質問です。

○鈴木部会長 では、冨田委員。

○冨田委員 ありがとうございます。まず廃棄物・リサイクルのほう、それから自然環境局のほうですけれども、廃棄物・リサイクルのほうには、スライドの最後のほうにもありましたように、資源循環社会形成に関する基本計画がございますね。それから、生物多様性のほうには国家戦略、これは多分基本計画と同じような趣旨のものだろうと思いますが、この総合政策部会の今回のメーンテーマである環境基本計画の見直しと、それぞれのパートの基本計画あるいは国家戦略、これらとの関係についてはどのように整理されることを考えられているのか、お聞かせいただければと思います。
 それから、地球環境局のほうですけれども、この大震災を受けて、エネルギー基本計画の見直しあるいは温暖化対策の見直しについて、すなわち政策的な見直しが不可避であろうと考えるわけですけれども、今後の議論の進め方、もしスケジュール的なものも含めてお聞かせいただけるものがありましたら、お教えいただければと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 善養寺委員。

○善養寺委員 ありがとうございます。廃棄物・リサイクルのところで気になったんですが、フィージビリティ調査でモデル的な総合的な取組などを企画提案してもらってやると言っていましたけれど、いろいろな廃棄物業者さんに話を伺う、提案いただく前に、まだ不法投棄が行われている、なぜそういう不法投棄が行われるのかという実態というか、心理的な側面をきちんと調査されているのか。日本の場合は、一定業者さんと長年つき合って何かをやっていくということがほとんどなくて、毎年競争入札的にされることが多いですね、公のごみ処理だったりすると、特に。そうすると、なかなか設備投資なども大きくはできない。きちんとした設備投資をして循環型のシステムをつくろうとしても、仕事が一定以上長期的に確保されるかという点に問題があるので、大きな投資は怖くてできない現状があり、小さくしか対応ができないところがあります。スウェーデンなどでは、公社が大きく取り組んで、すべての廃棄物に関して一括処理をするようなところがあったりします。そういうところでは、市民への教育などもNPOと一緒に組んでやっていますが、日本ですと、そのNPOすらころころ取りかえてしまうので、なかなか継続的な、積み上げて建設的なことができませんが、そこでは、何十年も同じところが一定以上のクオリティーを出せば一緒にやっていくということができています。単純にいいビジネスモデルの公募をかけるだけではなく、今背景にある問題を一緒に考えていかないと実現は無理だと思います。特に化学物質の処理などもスウェーデンでやっていましたが、個人が山に捨ててしまうようなものも、一定の場所にちゃんと持ってくれば、無償で引き取ります。その考え方は、わずかのお金をケチる、お金のない人たちが不法投棄のほうに走るのなら、小さな企業が化学物質のバッテリーなどを処理するためにタダだからと、そこへ持ってきてしまったとしても、それを処理するコストよりもその後の不法投棄の廃棄物を処理するコストのほうが高くつくではないかという合理的な考えのもとにいろいろな施策をとっております。そういうことを参考にする中で、今日本の中にある背景の問題をきちんと調査しているのかどうか。それに対して今ある法律が問題になるのだとすれば、それについてどのように取り組んでいくかということも提案してもらわないと、フィージビリティ調査をしたところで、絵にかいたもちにしかならないのではないかと思います。

○鈴木部会長 では、末吉委員。

○末吉委員 ありがとうございます。私は、ほぼすべての環境問題は、ビジネスとの関係、企業のあり方との関係を切り離しては考えられないと思っておりまして、その視点から3つの局へのお尋ねなんですけれども、まず最初の廃棄物・リサイクルのところですけれども、リサイクルビジネスの振興といった言及はあるのですけれども、今あるこのいろいろな定め、規律、法律等が日本の産業界全体の長期にわたっての国際的競争力にどういったインパクトを与えようとしているのか、あるいはどういった視点からこういうリサイクルの規制ができているのか、それを少し承りたいと思います。
 それから、地球環境局のご説明についてですけれども、私は非常に長期の方針が日本の企業、産業にとっては重要だと思っております。今ほどもお話がありましたけれども、企業の視点から見れば、大型であればあるほど、長期の方針がはっきりしていないと、投資ができないはずであります。とすれば、目先のさまざまなイベント、出来事でその長期の方針がぶれるような状況では、どんな企業でも一体どこに投資すればいいのかの判断がつかないはずです。とすれば、やはり長期のぶれない大方針をどうやって確立していくのかです。これは政治の担保が非常に重要だと思いますけれども、その際にぜひ世界の流れ、長期の流れを読み誤らないようにして、長期にぶれない方針をどう立てていくのかです。私は、日本の企業が世界的なさまざまなルールの中で投資、情報開示、会計原則、税、消費者の視点、さまざまな視点で今外堀がどんどん埋められようとしていると思っておりますので、ぜひ長期の大方針の確立ということをお願いしたいと思います。
 それから、最後の自然環境局のお話ですけれども、例えばCOP10のお話にしても、どちらかというと生き物の話でされていますけれども、これはかなりビジネスの問題ですよね。企業にとっては、これから生物多様性に関わる外部コストがどうなっていくのか。ですから、もう少し自然環境局のご説明の中に、日本の企業が国内にとどまらず、海外における経済活動におけるこの分野へのコストなどをどう考えていくのか、そういった視点での日本の方針がないと、私はかえって日本の企業は非常に困る状況になるのではないかと思っております。
 以上です。

○鈴木部会長 では、櫻井委員。

○櫻井委員 ありがとうございます。震災の後の動きとして、再生可能エネルギーに対する注目度が高まるというか、今後その供給を増やしていこうという議論になりつつあるんだろうと思います。自然環境局にお尋ねしますが、風力発電の立地についての自然公園行政との関係とか、あるいはバードストライクの問題とか、あるいは地熱発電について温泉との関係とか、環境省としては再生可能エネルギーを推進するという立場であっても自然環境局はやや悩ましい部分もあるのではないかという気がします。自然公園について風力発電立地が基準化されているということ、あるいはさまざまな対策を講じられていることは承知の上で、今の時点でさらにこの再生可能エネルギーの供給を拡大するということについて、新たな取組というか、動きというか、お考えがあるならお聞かせいただきたいと思います。

○鈴木部会長 佐和委員。

○佐和委員 まず廃棄物・リサイクル対策部に関して、これはたった一つの質問だけなのですが、3ページ目の物質フロー指標のところで資源生産性がその目標値に向かって順調に向上していることがグラフにより示されていますが、要因分析、つまり資源生産性がこれだけ向上しているのだが、例えば産業構造の変化に起因する向上、資源そのものの内容の変化に起因する向上などに、きめ細かな要因分析ぜひやっていただきたい。 地球環境局のリポートについてですが、2点ございます。1つは、4ページに「京都メカニズムの活用云々」というセクションがございますが、近年、中国やインドなどの新興国で排出量が急増している点を踏まえ、新興国にも、次の議定書では何らかの義務を負ってほしいというのが日本政府の意見ですが、参加のインセンティブをこしらえる必要があります。仮にインドや中国が場義務を負わなかった場合、先進国から中国やインドへの投資による温室効果ガス排出削減はクリーン開発メカニズム(CDM)になります。クリーン開発メカニズムは、ご説明にもあったとおり、認証条件が非常に厳しい。時間的にも手続的にも手間暇を要します。しかし、仮に何らかの義務を負って参加すれば、中国やインドへの投資は共同実施になります。共同実施は二国間の話し合いで折り合えばそれで済みます。したがって、「参加」することにより、先進国からの投資を呼び込み易くなるというのは、中国やインドにとって十分な参加のインセンティブになるを与えるのではないでしょうか。こうした点についてどのようにお考えなのかをうかがいたい。
 もう一つの点です。東日本大震災に関連して、東京電力のホームページなどを見ますと、今現在、4,000キロワットが供給力の上限であると想定されていますが、昨年の実績だと、5月の上旬でも、日によっては需要が4,000キロワットを超過する、あるいはぎりぎり一杯までの高さになる。ところが、今年の実績を見ますと、負荷率は大体70~80%というところでとどまっています。つまり、節電によってピークロードを20%程度縮減できるようです。今回浜岡原発がとまったため、関西電力から中部電力への支援ということで、関西以西の地域でもかなりの節電を行わざるを得ないため、電力消費量は恐らく20ないし25%程度の削減が可能だと思います。実際、資料のなかの中長期ロードマップには、原子力の「原」の字は一つも出てこないわけです。ですから、節電により京都議定書の目標は達成可能だし、また、鳩山イニシアティブの目標も節電をさらに推し進めることにより十分達成可能だと私自身は考えています。その辺についてのコメントをいただきたい。
 以上です。

○鈴木部会長 大塚委員。

○大塚委員 時間もありませんので、ごく簡単に2つお伺いしたいと思いますが、1つは、地球環境局についてでございます。今、佐和委員からも多少お話がございましたけれども、原子力との関係で、今後中長期ロードマップをどうしていくかということは、先ほど少しお話もありましたけれども、再生可能エネルギーをもっと増やすということも含めて、多少の修正をしていかないといけないのではないかと。私自身は原子力に対しては基本的にニュートラルですけれども、ただ今回のようなことがあったときに、新設・増設がすぐにできるとはなかなか思えないところもあるものですから、そういう意味では中長期ロードマップ自体を若干変更する必要があるのではないかと思いますけれども、それについてのご見解をちょっとお伺いしたいというのが1点でございます。
 それからもう1点でございますけれども、自然環境局に関して、8ページのところですが、名古屋・クアラルンプール補足議定書とカルタヘナ法との関係の問題というのが、この補足議定書をもし批准いたしますと出てくると思います。先ほどその話もちょっとだけ出ましたけれども、カルタヘナ法のほうが先にできていますので、そこは虚心坦懐にこの補足議定書との関係をご検討いただきたいと思いますが、私の見るところだと、修復措置というのはちょっとカルタヘナ法には入っていないのではないかと思いますので、その点も含めて、カルタヘナ法の維持でいいのか、あるいはその修正が必要なのかといったことについてもし今ご見解を伺えれば大変ありがたいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 それでは、今いただきましたご質問に関しまして、それぞれのところからお答えいただければと思います。

○坂川廃棄物・リサイクル対策部企画課長 それでは、最初に廃棄物・リサイクル関係のことについてお答えいたします。
 まず最初に、3月11日の地震の関係でございますが、本日は十分ご説明できなくて申し訳ありませんでした。今回の地震では災害廃棄物が非常に大量に発生している。推計で2,490万トンという数字も出しておりますけれども、阪神・淡路大震災のときが1,400万トンぐらいですから、それをはるかに上回る大変量の多い災害廃棄物が発生しております。これについて、現在、地方公共団体で処理を進めておりますけれども、国としても全面的にバックアップしていくということで、財政支援とか技術的支援を行っていると同時に、被災地以外の全国の地方公共団体にもご協力をお願いしなければいけないということで、自治体に処理を一部引き受けてもらうようなこともお願いしている。そのような形で全国的な支援体制というものを現在つくろうということで努力しているところでございます。
 その次に、日本国内でリサイクルを行っていくべきであるというご意見もございました。日本国内で循環していけるように、リサイクル産業の育成といったものをまた行っていかなければいけないと思っておりますが、一方で輸出について一定の制限をかけるというのはなかなか難しい場合もあろうかと思っております。現在は、バーゼル条約に基づく有害な廃棄物、それからそれ以外でも廃棄物処理法に基づく廃棄物、つまり有価物ではないところの無価物、こういったものについては法律上一定の輸出の規制がございまして、それにのっとってさまざまな措置を講じているわけであります。しかし、有害でもなく、なおかつ有価物でもあるということになってしまいますと、それは普通の原材料と何が違うのかといった議論にもなりまして、なかなか難しい面もあるのではないかと思っておりますが、引き続きそういったことをまた検討していきたいと思っております。
 それと、不法投棄がなぜ行われるのかというところなんですけれども、これに関してはかねてよりさまざまな議論が行われてきておりまして、また私どももいろいろな方からお話を聞いているわけでありますが、本日の資料1でありますと11ページに産業廃棄物の構造的な問題があるというところが書かれております。11ページの左側の図でありますが、そもそも廃棄物は不要なものでありますので、どうしても安かろう悪かろうの処理になる。つまり、コストを負担しようという動機づけがまずないというところから、さまざまな不法投棄など不適正処理が行われるのだろうということを考えております。恐らくそれが一番大きな原因だろうと思っております。そこで、今までの施策の中では、排出事業者がきちんと最後まで責任を持つということが大事ではないかということでございまして、排出事業者の責任を強化してきている。さらには、処理業者に関しましても、許可制度というものがありますので、そういった中で不適格者を除外していく、悪質な者を除外していくといったことを行ってきているわけでございます。そのほか、都道府県による監視の強化でありますとか、排出事業者、処理業者それぞれに対する意識の向上対策といったものを行ってきておりまして、その結果によって不法投棄の件数というものもかなり減少してきている、一定の効果があったのではないだろうかと考えております。
 それから、先ほどちょっとご説明いたしましたフィージビリティ調査は、今後海外に展開していくときに、海外における日本の企業が進出する際のフィージビリティ調査をやろうとしているわけでありますが、海外においても恐らく同じような問題は起こり得るだろうと考えておりますので、単に企業が海外に出ていくだけではなくて、相手国における法律制度などについてもできるだけ整備していただく必要があると思いますので、そういった意味での国際協力というものもこれから進めていきたいと思っております。
 それから、さまざまな廃棄物処理法などの規制による影響というものをどう考えるかということなのですが、かつて10年ぐらい前は不法投棄がものすごく多かったという時代がありましたので、その反省に立って規制を強化してきたということでございます。ですから、今はそういったことが必要な時期なのだろうと考えておりますが、これもかなり効果が出てきておりますので、また状況が改善すれば、その規制の見直しといったものも進めてまいりたいと考えております。
 それから、資源生産性についてのご質問もありまして、本日の資料ですと20ページにちょっと書いてありますが、土石系の資源に関してはかなり改善されてきているのですが、それを除きますと、資源生産性についてはあまり改善が見られないといった解析を行っております。土石系と申しますのは、土木工事などで使う砂利または石灰石のようなものでありまして、そういったものに関しては効果があるという解析を行っておりますが、それ以外にも、この改善が原単位によるものなのか、社会構造、産業構造の変化によるものなのかとか、そういう解析も別途行っておりますので、今後そのような解析の結果などもわかりやすくご説明してまいりたいと考えております。
 以上です。

○森嶌委員 すみません。今おっしゃった2,490万トンの廃棄物というのは、瓦れきや、例えば船が流れたものなども入っていますか。

○坂川廃棄物・リサイクル対策部企画課長 今申し上げました2,490万トンというのは、とりあえず試算でございまして、主に津波が達したところにあった家屋を中心として、それがどのぐらい壊れたかということで推計しております。自動車とか船舶も災害廃棄物として市町村が処理しようとすれば、国庫補助の対象にはしていこうということで、制度の対象にはしています。

○鈴木部会長 一回り……。

○冨田委員 いや、今のお答えの中で私の質問へのお答えがちょっと抜けていたので、循環基本計画との関係で伺いました。

○鈴木部会長 そうですね。その点はこちら側からお答えいただいたほうがいいのではないかと思います。

○鎌形地球環境局総務課長 では、地球環境局に関連する部分についてお答え申し上げます。
 まず藤井委員から、3月11日以降の取組が見えるようなご説明になっていないというご指摘、それから冨田委員のほうから、震災を受けてエネルギー基本計画とか温暖化対策についての見直しが必要だと思うけれども、今後の議論をどうするのかということ、大塚委員のほうから、原子力との関係で、これも震災との関連ですが、中長期ロードマップをどうしていくのか、こういったご質問がございました。すべて関連することだと思いますので、その部分はまとめてちょっとお答えしていきたいと思います。
 まず震災の影響は、前回もご質問いただきましたけれども、原子力が動いていない部分がある、あるいは今後動く見込みというのはどうなのかということに関して、まだ状況がよくわからないという状況があります。それから、震災の影響を受けて経済活動がどうなっていくのかということ、さらに、先ほど佐和委員のお話にもございましたけれども、節電ということへの取組が進んでいて、今度は逆に排出量を下げていくという方向のベクトルもある。また、再生エネルギーということに関しても相当進めなければいけないといった議論があるわけで、それがどう進むかと、ものすごく不確定要素が多い中にあります。その中で温暖化対策というものをどう進めていくかということは、先ほど私も申し上げましたけれども、2013年以降の政府としての計画が今ない状況ということで、もう2013年は間近ということでございますので、しっかりしたものをつくっていかなければならないという要請はあるわけでございますけれども、今のところ、そういった不確定要素が非常によく見極められない状況というのが正直なところであります。原発のことに関しましても、まだ事故の収束ということが第一の課題かと思います。そういったものをまず収束させて、その上でどうしていくかという検討になっていくのかなと思いまして、そういうものも見極めなければいけないという状況にあります。ただ、例えば昨日総理はエネルギー基本計画の見直しについて言及されたということを聞いております。直接、どういうスケジュールで何をやるという話が私どものほうにおりてきているわけではございませんが、私も報道ベースで聞いているだけでございますけれども、そのようなところもよく見ていかなければならないのかなと思います。
 今、なかなか決められないといった要素ばかり申し上げたのですけれども、一方で国際交渉はどんどん進んでいくという状況にございます。先ほどこれも私が申し上げたのですけれども、年末のダーバンでは相当な厳しい交渉になろうかと思います。もうちょっとかみ砕いて言いますと、2012年には京都議定書の目標の約束期間が切れるということになります。そういうことで、2013年以降、切れ目なく約束期間をつないでいくという立場からすると、これは要するに京都議定書の第二約束期間をすぐつくれという立場からすると、ある意味で2011年、今年の末の会議というのはラストチャンスということになるので、それは相当強く求めがあると思います。といいながら、逆に我々としては、すべての主要国が入ったような枠組みが必要という立場がありますので、そこはかなりハードな交渉をしなければいけないということなんですが、そのためにも我々として国内の政策をどうしていくのかということをバックで持っていって交渉しないと交渉に迫力がないという一面もあります。
 すみません、いろいろな、ああいう一面もこういう一面もということばかり言っているという、悩みをお話ししているだけなんですけれども、そういう状況にありまして、結論からいくと、直ちにどういうスケジュールで何をしていくということがなかなか申し上げられる状況にないというのが今の状況であります。ただ、先ほども申しましたように、そういった基本的な計画をつくって総合的に温暖化対策を進めていくということの必要性は疑いがないわけでございますので、先ほどの基本法制のようなものをしっかりつくって、その中で方向を決めていくという作業を急ぐということしかちょっと今は申し上げにくいということでございます。
 それから、善養寺委員のほうから、長期の方針が重要である、企業が投資をしていく上でも長期のぶれない方針というのを早期に立てるべきだというお話がございました。まさにそのとおりだと思います。そういう意味で、また繰り返しになりますが、温暖化の枠組みというものを定めていくという基本的な法制をしっかりつくった上で取り組んでいくことは重要だと思います。一応長期という意味では、2050年に80%削減していくという方針は政府としてしっかり持っているということでございますので、そこに向けてのパスをどう描いていくか、それを企業の投資の参考になるようにつくっていくということが重要かと思います。
 それから、佐和委員から、中・印などの新興国の取組として、何らかの義務を負うような形になれば共同実施という形になる、そういう中で参加のインセンティブがあるような二国間での取組をやるべきではないか、先進国の投資を呼び込むようなインセンティブを設けていくべきではないかといったご指摘がございました。これにつきましては、まず中・印がいわゆる義務を負うという形の交渉結果になっていくかというところが一つの大きな課題であります。現在も、まずは先進国が京都議定書の枠組みの中で義務を負って、それがまず先だといった議論が延々と続いているわけでございますけれども、ある意味で何らかの形で法的枠組みをつくって、中・印にも入っていただくということがまず第一の課題であります。仮にそれをクリアしたとして、二国間というか、参加のインセンティブがあるような共同実施の枠組みというご指摘でございますが、これもいろいろなルールがございます。先進国日本がサポートして削減した場合に、その削減分をどれだけどっちの削減分として見込むかとか、そのようなルールづくりというのは、まだそこまで具体的には入っていないという段階だと思います。ということで、ご指摘のように、参加のインセンティブがあるということは非常に大事なことだと思いますので、今後の交渉の中でそういうことは考えていきたいと思います。さらに、先ほど二国間クレジットということに関してのフィージビリティスタディなどを始めていると申し上げました。そういうフィージビリティスタディの中で、ある意味、相場というのはどんなものかというのを見極めていくということが重要かと思います。
 それからもう1点、この震災後の節電の動きで、かなり節電が進んでいって、これでさまざまな目標は達成可能ではないかという佐和委員のご指摘でございます。確かに、官民あわせたさまざまな努力で節電も進み、ちょっと私は今具体的な数字は持ち合わせていませんけれども、相当な節電が実行されているというのは事実でございます。また、夏もさまざまな取組を、一つはキャンペーンも行いますし、事業者団体にもそれぞれの取組をしていただくということでございます。経団連においても、各業界ごとに節電の計画を取りまとめておられると聞いております。ということでございますけれども、今やられている節電というのは、ある意味で長続きするものなのかどうか、ここが一つの課題だと思っています。ある意味で我慢するとか、そのような節電というのであれば、2年後、3年後あるいは10年後、続いていくということになりませんので、私どもとしては、その節電の取組というのを恒久的なものとしてできるように、例えば機器をちゃんと取りかえていくとか、あるいは再生エネルギーをちゃんと導入するとか、そういうハードの面も含めた節電というものに取り組んでいくということがなければ、10年後、20年後の目標達成につながらないと思いますので、今の節電のモメンタムを長続きするような仕組みというか取組にしていくと、これが今後の課題かと考えてございます。
 以上です。

○塚本自然環境局自然環境計画課長 では、自然環境局関係のお答えをいたします。
 まず大塚委員からご指摘のありました補足議定書なんですけれども、実は、現在の法律を維持するのか、改正するのか、あるいは新たな仕組みをつくらなくてはいけないのかも含めて、関係省庁で現在検討しているところでございます。これが現状でございます。
 それから、櫻井委員から、風力発電と地熱発電の取組について何か変更があるかということでしたけれども、自然環境との関係で言いますと、どうしても多様な自然がありますので、個別の自然で具体的にどういう行為をやるかというのが一つの判断基準になりますから、一般論では言いにくいところがあって、かなり苦しいところであります。ただ、技術的な指針などというのは、それぞれ風力発電について、あるいは地熱発電について、バードストライク面あるいは自然公園の面あるいは温泉の面というところから技術的な指針は出しておりますけれども、これに基づいて基本的には個別の判断をしていきたいと思っておりますし、技術指針を広く皆さんにお示ししてご理解を求めるような努力をしているところだということでございます。
 それから、末吉委員からのご指摘は、私もまさしくそのとおりだと思います。これからビジネスのことに生物多様性をどうやって組み込んでいくかというのは非常に大変なことだと思いますし、我々はちょっとずつガイドラインをつくったりして努力はしているんですけれども、まだまだ足りないと思っております。これは今後の課題だと思いますので、次の戦略をつくるときにどれだけ書き込めるか、皆様のお知恵をかりながら、なるべくいいものをつくっていきたいと考えております。
 それから、冨田委員からは国家戦略との関係。後で総政局のほうからお答えがあるかもしれませんけれども、我々の認識は、昨年のCOP10で愛知目標もできました。これを踏まえて新たな国家戦略をつくらなければいけないと思っております。一つの目標は、インドで次の締約国会議がありますので、それまでに何とか形ができればいいなというのが事務的な考え方でありまして、それに向けて検討を進めていきたいと思っております。その中でいろいろ検討していきますし、もちろん検討する際には、こちらの環境基本計画の見直しのほうが多分先行すると思いますので、こちらと十分調整を図りながらやっていきたい。どっちが上とか下とかということではないんだと思うんですけれども、うまく調和をとりながら物事を決めていくんだと思っております。
 それから、藤井委員から3月11日の震災以降何かあったのかというお話なんですけれども、2つの面があると思います。1つは、当面の対応ということで、自然環境局の関係ですと、ペットが大変だったですね。ペットは2つありまして、避難するときに一緒に連れていった人たちが避難所でどういう生活をしていくかということ、それからペットを連れていけなかった人たち、残ってしまったペットをどうやってレスキューするかというのがあって、特に原発の周辺のペットの救済が大変で、ようやくその取組を始めたんですけれども、いろいろなペットの関係は自治事務ということがありまして、国がなかなか手を出しにくいところもあるんです。指針をお示しして、こういう指針でペットの救済をしてください、あるいはペットと一緒にこのように避難してくださいということは申し上げられるんですけれども、実際、業務というのですか、そういうのをやるのは都道府県のご協力を得ないとなかなかできないものですから、その辺を連携をとりながら、あるいはペットの団体とか業界の団体と協力をとりながらやっておりますし、これからもやっていくということだと思います。
 それから、少し将来の話になりますけれども、地域を復興していくときに、たまたま今回被災されたところには自然公園がありますので、自然公園をうまく使って地域振興、端的に言えば観光です。観光を進める上で、国立公園をどうやって利用していただけるかというのが大事なことだと思いますので、そういう復興に際して国立公園がお役に立てることがあればどんなことだろうか、あるいはそういうのを中心に復興計画を立てることが大事なのではないかといったことを、関係省庁とも連絡をとりながら、提言するべきことは提言して、協力するところは協力しながらやっているという現状でございます。
 以上でございます。

○鈴木部会長 それでは、総政局のほうから。

○矢田環境計画課計画官 冨田委員から環境基本法に基づく環境基本計画と、循環あるいは生物多様性といった個別分野の基本計画との関係についてご質問がございましたので、簡単にお答えしたいと思います。
 環境基本計画は、環境基本法に基づきまして、我が国の環境分野全体の総合的な大綱を示す計画ということになっております。そういう意味では、生物多様性だったり、循環だったり、あるいは地球温暖化の基本法ができますと、温暖化についても基本計画をつくるということになっているわけですが、そういう個別分野を含む環境分野全体を見た形での基本計画をつくらなければいけないという形になっております。この両者の関係については、私どもも環境基本計画の第4次計画を策定していくに当たっての基本的な課題としての認識いたしておりまして、3月7日の資料1-2として私どもから提出させていただいた資料の中にも書いてあるのですけれども、複数の基本計画が作成されるようになっている中で、環境基本計画と個別分野の計画との関係を少し整理しながら今回作成していくということが課題なのではないかということで、当部会にも問題提起をさせていただいているところでございます。なお、私どもの認識ということで申し上げますと、環境基本計画は、政府全体の環境分野の計画ということになりますので、政府の環境政策全体としての方針でありますとか、あるいは地球温暖化と生物多様性の関係のような個別分野相互の関係だとか、そのようなところに目配りをしながらつくっていく必要があるのではないかということを認識しておりまして、そういったことを少し3月7日の資料の中でも書かせていただいているということでございます。
 また、実際の作成スケジュールの話で申し上げますと、実はこの環境基本計画の見直しは、すでにこの部会におきましてご審議いただいているわけでございますけれども、先ほどの話にもありましたように、生物多様性の国家戦略でありますとか、循環基本計画の見直しに少し先行して環境基本計画の見直しの作業を進めている形になりますので、全体的な大きな計画である環境基本計画が少し先行して、大きな方向性とか、そのようなものを決めていけたらいいのではないか、それに基づいて各分野ごとの具体的な政策とか、もう少し細かな方向性というものを各計画のほうでつくっていただく。こういう関係になるのではないかなと考えているところでございます。いずれにしても、今後この部会におきまして、いろいろとご指導いただければありがたいと思っております。

○鈴木部会長 問題は、その基本法なるものがいくつか作られてきて、基本法ができると基本計画を作成して進むという仕組みですので、また今度、温暖化対策に関する基本法ができると、その基本計画が動き出す。そういうことになります。それぞれについてはそれぞれの局でいろいろとお考えいただくわけですが、やはり先ほども、例えば東日本震災に関しては、各局単独で何ができるというものでもない。非常に総合的な対応が必要になります。自然エネルギー、再生可能エネルギーということになると、これは自然局でもそういう意識に沿って自然をどのように持続可能な利用をしていくかということが問われていくことになると思います。そういう面で非常に錯綜はしているんですが、この環境基本法に基づく環境基本計画は、ほかの基本計画のある種、上部構造となっている。したがって、そこのところで基本的なまさに基本計画を立て、そしてそれをそれぞれの要素の中での基本計画の中に、あるいは戦略の中に生かしていただく。このような仕組みだろうと思います。それをまた点検していくということになると、またそれぞれの基本計画でばらばらに屋上屋みたいな点検をしていくということになるのは非常に無駄な労力を使うことにもなるかもしれませんので、その辺をどうこれから進めていくかというのは、多分今回の基本計画を考えるときに一つ十分に議論を尽くしておかなければいけないことではないかと私自身は思っております。
 それでは、3部門の説明いただいた点に関しましては、以上のようなところでよろしいでしょうか。では。

○木下委員 資料2の地球環境局の7ページの地球温暖化対策基本法案なんですが、現在国会で上程中だと思うんですが、現在の審議状況について教えてください。

○鎌形地球環境局総務課長 この法案は、まず第1回目には昨年の3月に出して、昨年の通常国会が終わった時点で廃案になっています。それで、昨年の10月に再度同様の同じ法案を提出してございますけれども、前回の臨時国会に出しました。その臨時国会では審議には至らず、継続審議という形になっています。この通常国会も、実は継続審議ということになっておりますけれども、具体的な法案審議にはまだ入っていないといった状況でございます。とりあえず、動きとしてはそういうことでございます。

○鈴木部会長 あともう一つ、東日本震災の扱いをどう考えるかということで、今度の基本計画は来年の4月から6年間の目標をある意味では設定していくということになりますが、多分その6年間というのは、この東日本震災の復旧であり、あるいは新生、復興といったものに非常に大きな意味を持つだろうということもございますので、その震災を、それぞれのところの影響を、あるいはそれに対する対応というものをそれぞれのところにブレークダウンして入れていくのか、あるいはそれを一括して特出しして考えていくのかということもかなり重要な点かと思いますが、そういうところになりますと、環境基本計画が他省庁のいろいろな活動に関わってくることになりますから、それをどのように了解を得ながらつくり上げていくのかというところも重要かと思います。この辺はぜひまたご議論いただければと思っております。
 それでは後半の部分に入らせていただきたいと思います。
 第三次基本計画の見直しの方向性につきまして事前にご意見の表明の希望をお出しいただきました委員、前回もう既にご意見をいただいている7名の委員の方がいらっしゃいますが、今回は5名の委員からご意見を伺いたいと存じます。順番としては、崎田委員、市村委員、筑紫委員、永里委員、森嶌委員、この順でお願いいたします。そのご意見をいただきましてから、後ほどまとめて質疑あるいはご意見を委員の方々からいただくということにさせていただきたいと思います。
 それでは、崎田委員。

○崎田委員 ありがとうございます。それでは意見を言わせていただきたいと思うんですが、今、鈴木部会長から、対策を、震災のことを特出しするのか、あわせるのかというお話がありました。私は、これからお話しさせていただく内容は、震災の前からそういう方向性を考えていた内容ですけれども、その内容というのは震災対応とかなりリンクするところがあると考えておりますので、できればあわせながら見直しに取り組んでいき、特出しをしないとなかなか強調できない部分は強調するといった視点も重要なのではないかと思っております。
 それで、最初のこの資料の2ページに、私の意見ということでA41枚にまず書いてあります。ここにある項目を目次と考えて見ていただければ、この後のご説明がわかりやすいと思います。どういうことかといいますと、これから環境のことを考えると、地域の課題をきちんと解決して、地域に根差した脱温暖化環境共生社会をつくるための日本の総合戦略をつくっていくといった視点を大事にしながら、今まであまりエネルギーのところは深掘りしなかったというか、環境政策では役割分担をしていなかったところも入れながら、資源循環型社会づくりとエネルギーと食を総合化して、環境まちづくり、都市づくりを考えていくことが重要と考えます。そのときに、新しい技術のグリーン化だけではなく、この■の3項目ですけれども、市民社会との参画とか連携・協働、多様な主体との連携、そういうところを重要視していくということ。そして■の4項目にありますように、それをやるときに、環境と経済、経済的インセンティブをきちんとつけていくということを重視していく。そのようなことを考えながら、5項目にあるように、社会システムとして定着させていく。それは低炭素社会も循環型社会も、そういう政策を強調して入れていきたい。最後に、放射線影響の廃棄物に対して、環境省がきちんと持続的に関りを持っていくとことを今回強調して入れたほうがいいのではないかと思っております。
 そこで、次ページをあけていただきたいんですが、今のようなお話で少し強調したいポイントを具体的にパワーポイントにしてまいりました。これはざっと簡単にお話をさせていただきたいと思うんですが、最初の上のページの右側、これが2ページ目ですが、今のお話のように、地域に根差して総合化するといっても、低炭素社会、循環型社会、生物多様性という視点もありますが、それだけではなく、技術的な革新と社会への定着、そしてシステムとして定着させるという視点があります。そのためにはこの辺の連携・協働をかなり強調しながら考えていくというのが大変重要だと思っております。
 その下は、この写真自体は実は水俣の写真を使っています。それぞれの地域に根差した自然共生、食、エネルギーということを考えながら地域を元気にしていくという視点が重要なのではないかと思っております。
 パワーポイントの4ページ目、このようなことを考えて、これから資源・エネルギー・食を総合化した環境まちづくり、環境都市づくりということを、チャレンジ25から-80%ということを明確に意識しながら考えていくというところが大変重要だと思っております。
 次のパワーポイントなんですが、4ページ目の最初の左上です。地域のことを考えたときに、自然エネルギーの太陽光・風力・小水力・地熱・波力とか、こういうところだけではなく、資源・エネルギー・食がきちんと循環する地域にしていくという視点を強調することが今大事だと思っております。そこに書いてありますように、例えば循環型社会で言えば、リデュース・リユースの視点を徹底した上で、資源にリサイクルをする。その資源にリサイクルした後のエネルギーとしての活用と、あるいはバイオマス資源、下水道とか畜ふんとか木質とか生ごみを全部含めたバイオガスの活用とか、そういうことも考えながら、そして飼料・肥料を考えた環境農業との連携、このような社会像をきちんと踏まえた上で、これからの日本のエネルギー政策をどうしたいかというところをきちんと提案していくというのが大事なのではないかと思っております。
 今、パワーポイントの6ページ目に、そういう意味で地域の未利用資源を徹底活用し、どのくらい私たちが再生可能エネルギーを今後つくっていけるかという数字をきちんと出した上で、原子力政策と、あと火力発電、天然ガス火力と、環境対応した石炭火力、そういうことと考えていくというのが大事だと思います。ここに書いてあるパワーポイント自体は、今、左側が現在のエネルギーの分布状態が丸で描いてありますが、原子力と石炭火力と天然ガス火力が4分の1ずつ、そして9%ぐらいが水力を交えた再生可能エネルギーです。右のほうの円グラフでは、2030年には再生可能エネルギーと原子力を倍にするといったことが計画されていますが、やはり原子力が今の状態では社会的にももう少しきちんと考えなければいけないという状況の中で、地域に根差した再生可能エネルギーをどれだけきちんと地域側がつくっていって自立するのかというあたりを先に定量化していって地域側から発信するというのが大事なのではないかと考えています。
 その次のパワーポイントの7ページですけれども、このように持続可能な地域社会を実現することを考えれば、それぞれの地域に合った将来ビジョンを地域が作成し共有する。そのときに資源・エネルギー・食・住・交通・自然を総合化して考えて、そこに金融や経済を考えて、多様な主体の連携を考える。それを、その効果を常に見える化・定量化しながら地域社会で回していって、下段に書いてありますが、そういう変革を生み出すようなパートナーシップをきちんとつくった地域をつくっていくという将来像を描いていくのが大事なのではないかと思っています。
 その際、その次の8ページにありますように、それをハードとソフトの連携の、ソフトをコーディネートするようなきちんとした人材育成というのが、これからの政策の中でも大事だと思っております。そのときに気をつける大事な視点ということで、2050年の地域づくりの中で盛り込みたい視点をここに3点書きました。それを、大学や行政機関と地域のNGOなどを含めた地域の人材をつないで、きちんと学び合っていってコーディネートできる人材をつくる。このような新しい仕掛けが必要なのではないかと思っております。
 次のページをあけていただいて、資料は5ページ、パワーポイントでいうと9枚目です。ここに今の変革をコーディネートできるような人材育成ということをちょっと強調して書いてみましたけれども、ここにあるように、地域環境力、連携・協働をコーディネートできる人材をまずつくるという視点、[2]が、そういう方達が地域の中でいろいろな地域に根差して分野をつないでコーディネートする力をつけていくということ、[3]は、再生可能エネルギーなども含めた環境まちづくりの総合的な技術とつなぐコーディネート力をつけること、このような視点を入れていくというのが大事だと思っています。
 それをやっていくためには、次のページの[1]のところは、やはり地域の環境学習のセンターとか、環境NGOとか、そういうところときちんと連携した地域環境力づくりというのが大事だと思っています。今、環境学習センターなどは地域の自治体の管轄で、環境省は情報だけ流してくださったりしていますが、もう少しきちんと連携していくということも大事ではないかと思っています。次の[2]、これは人材育成のときにライフスタイルのソフトをどう実践するかという指導力を持った人材をきちんと育成していくということが重要だと思っていますし、[3]、それを地域のエネルギーづくりに総合化するときの技術とつながるということが大事だと思っています。
 最後のページ、6ページの資料PPは13枚目ですが、このような新しい動きのときに経済的インセンティブをきちんとつけていくというのが大事で、今、法案が提出されて、再生可能エネルギー全量固定価格買取制度と温暖化対策税とがきちんと前向きに検討されるようになると思いますが、それを上と下に書きましたが、それと共に全体をうまく回していく国内排出量取引制度。今、産業界の方などが、ちょっと厳し過ぎるというご意見で、ここだけちょっと足踏みしておりますが、そういう制度と連携しながら、ある程度のボトムアップ型の目標を定め企業間、企業と地域、自治体間とか、途上国も含めたような取引制度ができるようにしていくというのが大事だと思っております。
 その次のページ、これは循環型社会に特化した項目を書きましたが、先ほどの発表などとかぶりますので差し控えますが、このところの最後に放射性廃棄物のことを書いておきました。やはり今、福島の対応などで放射線の影響のある瓦れきなどを今後処理しなければいけない、土壌を処理しなければいけません。福島県や各省庁の連携したいろいろな輪ができると思いますが、それを総合化して推進していくというのが環境省の大事なところの役割ではないかと思っております。
 その下の2ページは震災対応のところなんですが、今、震災対応で、今のようにこの瓦れきの処理ということの中で、福島環境回復まちづくりプランといった視点で、地域がきちんと発展できるように環境省がコーディネートしていただけるといいなと思っております。
 最後の16ページになりましたけれども、今、被災地自治体のそれぞれの地域が自分たちの地域性を生かすような政策をつくれるような道筋をつくっていくという地域発の視点づくりというのが一つ大変大事だと思うことと、もう一つは都市型の被災地、いわゆるエネルギーをたくさん使うところで大幅節電が大事なわけですけれども、先ほど長続きしなければいけないという環境省の話がありましたけれども、みんなが今かなり大幅にやろうとしていますので、そういうノウハウがかなり蓄積されますので、そういうもののいい事例をきちんと定着させていく、そのための大事なきっかけだと考えていただくのが大変重要だと思っております。
 ありがとうございます。

○鈴木部会長 では、市村委員。

○市村委員 ありがとうございます。市村です。それでは、資料4の8ページ目をご覧いただけますでしょうか。私のコメントは1枚に簡単にまとめさせていただきました。
 環境問題を企業とともに対応していくときに何が重要かということですが、ここで一番重要となってくるのは多分環境と経済の両立あるいは統合ということだと思います。ということで、従前から第三次の基本計画にも、ここの「・」2つに書いてありますように、今後の環境的側面・経済的側面・社会的側面の統合的な向上と、環境と経済の好循環、あるいは市場において環境の価値が積極的に評価される仕組みづくり、こういうことが重点的項目として取り上げられてきたわけです。
 ところで、では日本の企業を見てみると、もちろん環境問題には非常に積極的に対応している企業も多いんですけれども、例えば金融分野においては、個人向けのエコファンドとかSRIファンドとかというものが主で、例えば主たる機関投資家である公的年金などについては対応がなかなかされていないし、金融市場全体としての対応はなかなかとられていない。また、企業一般を見てみて、取締役会とか経営企画部門を中心に、この環境問題を企業の戦略あるいは経営目標として設定して活動している企業も当然多くなってきてはいるのですが、一方で多くの企業は環境部門にほうり投げて、環境対策はそちらでやっているという状況で、大きな意味での企業のミッションの中になかなか入れ込まれていない。
 では国際的に見るとどうかというと、年金基金等の機関投資家による資金運用や、企業の経営と情報開示そのものに環境の視点を入れてきているという動きが見られる。また、このような投資家の動きに対して、企業報告の中でも環境あるいはサステナビリティーという視点を組み込む統合報告というのが広がっている。こういうことで、地球環境の重要性は高まってきたし、エネルギー・鉱物・水・食料等の資源制約あるいは新興国を中心とした経済拡大を考えれば、日本においても、環境と経済をあわせて、より統合的な対策を進める必要があるだろう。
 こういう状況を踏まえて、次の基本計画においては、日本の企業経営や金融市場において、環境が主要課題として、つまり環境と経済が統合的に取り扱われているような施策を含めていくことが提案される必要があります。
 具体的に次の3つを考えてみたんですけれども、一番最初の「・」は、持続可能な経営・金融市場と環境保全の両立に当たって、どのような政策オプション、ボリシー・ミックスが必要であり、効果的かということです。つまり、経済と環境を両立させるために、企業活動が短期的な利益の追求だけではなく、長期的な持続可能性あるいは企業価値の向上に向かってもらうために、環境も十分に考慮に入れた企業活動をとってもらうために、どのような政策が必要で、どのようなポリシーミックスを整えれば効率的あるいは効果的になるかという視点を取り入れているべきではないだろうかということです。次の「・」なんですけれども、これは投資家サイドの観点を考えてみました。例えば、公的年金を中心とした機関投資家による資金運用や株主行動において、環境の視点をどのように反映するかということであります。国連では、責任投資原則というのがありまして、機関投資家が投資判断を行うに当たってESGの情報を取り込む、つまり、環境・社会・ガバナンスの情報を検討した上で投資判断を行うという原則がございまして、これに従って行動している機関投資家も多くいる。この辺を日本で果たして入れていくのか、あるいはどの程度波及させていくのか、実践させていくのか。この辺も重要でしょう。次の「・」では、我が国の企業の企業報告に環境の視点をどのように反映させるか。ここでは統合的な報告の必要性と書いてありますが、例えば英国ではアニュアル・レポートに環境問題を報告することが法制化されている。あるいはアメリカでは気候変動の報告がアニュアル・レポートに求められている。さらには最近では統合報告という考え方が出てきて、環境を含めた非財務情報と財務情報をあわせて、企業の一つのストラテジーに基づいてパフォーマンスなり将来計画なりサステナビリティーを報告すべきではないかといった議論が広がってきています。こういうのを果たして日本で取り入れていくべきなのかどうか。
 こういうことを全部含めて環境と経済を両立させ統合させていく側面を計画に何とか織り込めれば、企業とともに環境問題に対応していくことが非常に効率的・効果的にできるのではないかと考えております。
 以上です。

○鈴木部会長 では、筑紫委員。

○筑紫委員 どうもありがとうございます。今の市村委員のお話の次ぐらいに、この順番というのはとてもいいと思うんですけれども、私のほうは、10年間こちらにいさせていただきまして、環境と経済の好循環と、必ず環境問題に取り組むことが競争力につながるんだということを評価する投資家もいるんですということで言ってきましたけれども、全然変わりませんでした。だから、この10年間は私は全然貢献できなかったのではないかと思います。そういう意味では、次の環境基本計画で私はぜひ、環境と経済の好循環とか、抽象的なお話はもういいですということで、どう具体的に、明らかにこれは公的な意思といいますか、個人の方の意識といったものを当てにするとか、それでいて個人の方が株式投資をすることがどんどんやりにくくやっている。金融機関も、株式投資をさせないほうがずっと楽ちんです。なぜかというと、金融商品取引法というのができて、それは金融商品取引禁止法といいますか、金融商品を売らないほうが楽な法律です。それは現場でそうなっているということは、法律をつくったときに財務省の方とか金融庁の方は全然わからなかったと思います。わからないけれども、現実にはそうなっている。どんどん金融を通してグリーンにといったことがやりにくくなっている。それで、企業が一生懸命頑張ったり、あるいは機関投資家さんも投資したくても株式には投資しにくくなるような会計の方法になっていっている。長期的に見ない、法律が1年で見ないといけないようになっているということで、どんどん世界の大勢に逆行していたのがこの10年でした。私は、この10年に何も変えることができなかったということで、本当にここにいて意味がなかったんだなと思っておりますので、次の環境基本計画のときにはもういませんということで、最後に言わせていただきたいのは、とにかく具体的にロードマップといいますか、このようにしてやっていきましょうということを具体的にやる。それから、実はそういう意味で、もうそれしかないんですけれども、できないのだったらなぜできないかといったこともきちんと書いていく。
 それから、ここに私の持ってきた資料でも、日本で環境と金融の好循環がうまくいかないのは、ひたすら公的年金が、しかも世界最大の公的年金であるGPIFがやらないからです。やらない理由は全部聞き飽きました。それでパフォーマンスがいいという証拠があるのかとか、パフォーマンスがいいという証拠はないけれども、悪いという証拠もないから、そういうときにはむしろ社会的な側面は明らかに前進するのだから、こうしたほうがいいのではないかということについても、あるいは、むしろこういうパフォーマンスにはいい方向にいくのではないかという意見とか、学術的なものも出ていますといっても、出たといったら、今度はそれは一つだろうということで、やる気はありませんということがこの10年間でわかりました。
 そのことについて、さすがに、例えばOECDが去年の12月にGPIFのガバナンス、ESG、いわゆるEnvironmental Social Governanceということで、そういったものをちゃんと入れた運用をしたらどうですかということも出しまして、OECDの日本がそれを日本語に直しました。それでもそれを報じたメディアはほとんどなくて、それからメディアの方たちに、こういうのが出ていますよねとお話をしても、知らなかったとか、それからぜひ下さいと言われて出しましたけれども、あまり書いてくれなくて、それからささやく人がありまして、「いやいや、OECDのあれは、筑紫さん、実は政治家の何とかさんと組んだ何とかさんがGPIFの理事長になりたくて持っていったんですよ。だから、あの話にはあまり突っ込まないほうがいいですよ」と言われまして、そういうこともあろうかと。しかし、言っていることは正しいと私は思います。世界における日本の公的年金のこの存在感がありながらESGを全然やらないということ、それを世界に対してどうやって説明するんですかと。
 それから、いわゆるSRIの残高の国際比較ですが、およそ800兆円に対して日本が7,000億円と、これをどう説明するんですかということ。説明できないです。説明できないですが、最近、私はまだ読んでいないんですけれども、ちょっと話題になっているのが、International Herald Tribuneが日本の原発に絡んで、日本とはどういう国なんだといったときに、日本というのはカルチャーとして談合の国なんだと、なれ合いの国なんだと言っています。それなら説明がつくというか、どんなに正しいことであっても変えたくない。変えるときには必ずルーザーとウイナーがいたりとか、今までこの仕事をやっていたけれども、ではこれは今対応できないから別の人がやるとか、そういう変化が起こるわけです。その変化をたった一つの変化もやりたくない。みんなで仲よくしたいと、変わらなければそれができるということで、私は厚生労働省にも行きましたけれども、厚生労働省のGPIFを担当しているような部署に、一人だけではなくていろいろな方のところに行きました。「それは政治のイニシアティブなんですよ。私たちは何もすることができません」とおっしゃったので、政治家のところにも行きました。政治家の方も、「役所の方にいろいろ聞くんだけれども、なかなかできそうにないんだ」ということです。
 ただ、先ほどちょっとお聞きしていたら、何か国家戦略をつくらなくてはというお話がちょっとありましたので、ではやはりお役所の方が国家戦略をつくっているんだなと思いましたので、ぜひこういう国家戦略をつくってほしい。今度の基本計画の中で国家戦略というものをつくって、ESGというもの、Environmental Social Governance、環境や社会問題、それからガバナンス統治というものを企業の投資の中に組み込まなければ、企業にとっては何のメリットもありませんし、やはりお金というものをどう動かすかということが経済社会の基本だと私は思います。そういう意味で、ぜひ次の基本計画の中では、もっと具体的に、それからロードマップ的に、実際にこういうことをするといったことを書いていただきたいし、それをそうしないのであれば、そうしない理由といいますか、それをちゃんと書き込んで、こちらのほうでは答申として出すわけなんですけれども、もちろん、だからそんなものは入れる必要はないんだ、そんなものには何らモデルとしての意味がないんだということであれば、それはそれでいいと思いますし、私はこの10年間、これを絶対入れなければ、日本のサステナビリティーがないし、日本のサステナビリティーがないことは世界のサステナビリティーがないことなんだということを信じてやってきましたし、その信じたことに対しては責任をとりたいと思っておりますので、次のときにこれが入らないということであれば、私はここにいる意味はなかったし、何も貢献できなかった、貢献できない人間がここにいたということは税金の無駄遣いでしたということを申し上げたいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 では、永里委員。

○永里委員 ありがとうございます。環境基本計画の見直しに関する私の意見を述べたいと思いますが、その前に、実は以前、この委員会で私は、水資源をどうも外国資本が買いあさっていますという警告を発したんです。隣の富田さんはそのことを覚えていらっしゃいましたけれども、そのときに、踏み込んだ答弁がなかったんです。官僚というのはそういうものかもしれませんけれども、本当は踏み込んだ答弁をしてほしいと思います。
 先ほども、中国が国家戦略として資源を捉えていまして、そしていわゆるごみ資源も世界中から回収しようと、少なくとも韓国と日本からも取り入れようという動きがあるときに、日本国家として、有価物だから、これは法律上違反していないから、ちょっと簡単にはいきませんといったことではなくて、もう少し踏み込んだ答えを私は期待したんです。これからひとつ踏み込んで検討してほしいと思います。資源に関しましては、明らかに中国は、去年も尖閣問題が起こったときにレアアースをとめてきました。これが関係しているか、していないかというのはわかりませんが、要するにそういうことを平気でやってきますし、国家戦略と考えています。だから、ごみ資源も資源なので、日本国内で発生するものは日本国内で回収することをぜひ検討してほしいと思います。
 それでは、環境基本計画の見直しについての私の意見を申し上げます。3月11日の東日本大震災が発生しまして、国として、これは前回もちょっと言ったんですけれども、先送りしたり、目をつぶっていた構造問題に真剣に取り組むことが必要になってきています。今、国のあまたある政策の中で、環境政策やエネルギー政策を見直しして、プライオリティーをつけて、今回の環境基本計画の見直しに反映させなければいけないと思います。その中で気候変動政策についていいますと、これは低炭素社会実現のかぎは技術にあって、すぐれた技術を開発し、それを内外に普及させるのが重要であります。さらに、気候変動政策の前提となるエネルギー政策については、今後エネルギー安定供給や経済性、環境配慮の観点から幅広く議論すべきであります。気候変動政策はそれを踏まえて検討していく必要があります。
 ところで、3月11日の大震災と福島第一原子力発電所の事故により発生した電力不足は、電力という日常欠かせないインフラストラクチャーが我が国においていかに脆弱であるかということを露呈しました。電力会社の地域独占の見直し、発・送電分離、緊急時の東西電力融通インフラの構築。50ヘルツと60ヘルツの問題がありますので、この融通インフラの構築が必要だと思います。原子力エネルギー政策の再考が求められていますが、一方、地球環境問題も軽視できない問題でありまして、さらに化石燃料の枯渇という観点からも、より安全・安心な原子力エネルギーの利用法についても、今後とも継続した検討が必要であり、原発は次の世代のクリーンなエネルギーの経過的な位置づけと考えております。
 今後想定される東海・東南海・南海地震が連動して起これば、東日本大震災を上回る広域的な災害によって、人口密度のさらに高い中部・関西地方においてもエネルギー供給の喪失が懸念されます。したがって、当該地域はもちろん、地震や津波のみならず、自然災害に比較的さらされやすい我が国においては、全国的に災害に強いエネルギーシステム・まちづくりを早急に検討する必要があります。今回、電力の喪失が市民生活に多大な影響を及ぼし、今後数年間、関東・東北地方においては電力供給に不安があります。また、今述べたように、全国規模で災害に強いエネルギーシステムが必要となります。これに対処するために、小規模発電設備、コジェネレーション設備、燃料電池、太陽光発電などの分散電源の導入を積極的に推進する必要があります。これにより、需要者の立場に立った電力の確保、エネルギーセキュリティー向上を図るとともに、長期的にクリーンで強靱なエネルギーシステムの構築が可能となります。
 なお、今私が述べた分散電源につきましては、私も参画しています京都大学のグローバルCOEプログラムのゼロエミッションシナリオ委員会の検討結果を踏まえた上で言っております。したがって、今後の環境政策においては、環境政策と裏腹のエネルギー政策をどうするかということを念頭に検討してほしいと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 では、森嶌委員。

○森嶌委員 私の意見の要旨をまとめたものは、16ページということで一番最後のページに載っております。今日の議題は第三次環境基本計画の見直しについてということになっています。先ほどの各局からのお話は、現状「等」というのがついていますから、将来のことも言ってもいいのでしょうけれども、現状のご説明があったということだと思いますが、それを前提にして、それでは第四次をどうするかというのが今日のこれからの議論だと思います。私の意見は、第四次の策定に向けてどういうことを考えたらいいのかということなのですが、今度の大震災を第四次計画でどう扱うかということが重要です。先ほど第四次のほうの議論と大震災とを別口にするかどうかといったお話がどこかでありましたけれども、それは別口になるはずがないので、東北が日本とは別の国なら別として、日本のこれからは、大震災があったことを前提にして、日本の環境の現状あるいは将来はそれを前提にしてやっていくわけですから、平成25年度以降の環境基本計画は、大震災があって、環境への影響があり、その復興も見込まれ、そしてそれが経済へはね返るという全部の事象、つまり3月11日以前には想定していなかったような事態を前提として考えなければならないという点で、別口に考えようではなくて、これから議論するのは、まさに大震災の事態を前提として、そして今までやってきたことでこれでいいかということを議論しなければならないのです。今まで議論で、少子高齢化で、これまでも経済状態はあまりよくないけれども、環境と経済の両立を言ってきました。しかし、今回は、それに加えて貞観以来の千年に一度という大震災による自然環境と経済への影響を前提にして環境と経済とを両立させる、それができるかどうかわかりませんけれども、そのような環境政策を考えなければならないのです。
 それから、先ほどからいろいろなエネルギーなどのお話が出ておりますけれども、環境基本計画とは何かについて、念のため部会長も含めて、もう一度申し上げておきますが、環境基本法の15条に「環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全に関する基本的な計画を定めなければならない」とあります。これがいいか、悪いかは別として、環境の保全に関する基本的な計画を定める環境基本計画は、「環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱」でありまして、その中にエネルギーが入るか、原子力が入るかはともかくとして、環境基本計画は、「環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱」と「環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項」を定めることになっているのです。この点をきちっと押さえておいて議論をしなければ環境基本計画にはならないということを、もう一回ちゃんと頭に入れておいてください。あまり評論家みたいなことを言っていたのではだめだということです。
 そこで、このような性質の環境基本計画を策定するために、我々がこれから議論する前提として、第一に今まで先進国の中で最も早く少子高齢化しているという事実、第二に、国家赤字財政が先進国最悪の破産状態にあるという事実については、今までも出ていました。しかし、それでも経済成長は年2%と言っていたのですが、実際には0.6%、0.8%ぐらいの状態でいるところへ今度の震災の影響があるわけです。そういうところで環境と経済を両立させるということなのです。少し先へ飛びますけれども、今度の復興の経済的負担に加えて、復興に伴う諸事業から環境をどのように保全していくのか。この間、新聞ですからわかりませんけれども、電力供給を確保するために火力発電の環境アセスを省略するとか出ていましたが、環境は大丈夫か。それから、先ほどもちょっとありましたけれども、2,490万トンの瓦れきを処理するときに、ちゃんとしたごみ処理をやるのかどうか。そういうところでも環境保全との関係で大丈夫なのかと。大震災の影響は1年だけではなくて、これからあと5年かあるいは10年と、第四次の計画期間の全部にかかってくる可能性があるわけですけれども、これとの関係で環境の保全を、今までやってきたのと同じような計画手法でいいのか。震災があるのだが、これは別口でいきましょうというような話ではなくて、きちんとこの次の第四次では押さえておかなければだめだということが、まず第1点であります。
 第2点は、これは鎌形さんに申し上げたいんですけれども、いろいろなことがわからないのは確かですけれども、わかるまで待っていたのでは計画などはできません。戦争が始まったときに、わからないから戦争はできませんではなく、だからといって、必ず勝つぞと言って、何もわからないままにまず真珠湾を攻撃しておいて、あとは野となれ山となれというわけにはいかないのです。こういう場合にはこういう方法でこうする、こういう場合にはこうと、いろいろとシナリオを立て、可能性を検討して、ストラテジーを立てるのが計画ですから、そこは私の信頼する鎌形さん、いろいろありましてというのはよくわかるのですが、ここはやはり思案のしどころで、幾つかのストーリーラインを立てて、それに対するロードマップを来年度以降、5年か6年かわかりませんけれども、お考えにならなければなりません。少なくとも、先ほどご説明になった中で、原子力を14基つくるという前提ですが、つくりたいかどうかは別として、現実はできないことはもう明らかですから、そのようないろいろな想定をして、そしてそれに対して、その場合はこうということを考えておつくりにならざるを得ません。現実の経済と現実の状況の中で、非常に多くの不確実性のもとで計画を立てざるを得ないということであります。政策目標というのは、今までとは変えたもの、変わったものを考えざるを得ない。特に温暖化の場合には、国際的な圧力の中で、国内的な現実の中で、幾つかのストーリーラインをこしらえてつくらざるを得ないということです。
 それから、今度は一般論ですけれども、3です。第一次の計画では、ともかくつくらなければならないのでいろいろなことをうたい上げ、二次ではある程度計画として格好をつけて、浅野さんなどと一緒にやりまして、三次では浅野さんが独裁的にいろいろ割り振って一応格好をつけたのですけれども、第三次にやったのは、何とか定量的な目標をつくろうということでした。あまりうまくいかなかったんですけれども、それらしくつくったのです。うまくできない分野もありましたけれども、一応定量的な目標をつくろう、そしてできるだけロードマップをつくろうではないかということでした。政策手法については、規制的手法とか経済的手法とかなんですけれども、書いてはあるのですが、それらが目標をどう達成できるかというのは、必ずしも、うまく結びついていないのです。そこで、さっき筑紫さんなどがおっしゃったように、経済的な手法はいろいろ書いてあるのですけれども、例えば、さきほどありました排出権取引など、書いてはあるけれども、実際に実現できていないのです。環境税などは、私も制度化に向けて一生懸命やったのですが、結局できなかった。なぜできないのか、いろいろ障害があるのだけれども、計画のなかには、美しく、経済的手法をやればうまくいくみたいなことが書いてあるだけで、結果的には十何年かかっても動いていないんです。今回の三次を終わるまでに、このように並べたポリシーなり、ポリシーミックスが、目標まで掲げながら、なぜうまくいかなかったのか、もしうまくいったものがあるなら、どの手法が効いたのかという分析をちゃんとやらなければならない。
 それから、環境教育なども、崎田さんもそうですし、藤井さんなども一生懸命おやりになったと思うのです。けれども、定量的にはなかなか効果が見えない。そこで今度の事業仕分けでは、一体どれだけ効果がありましたかと言われてボカボカ予算を切られているわけです。環境省は、はい、ごもっともですと予算を切っているわけでしょう。第三次計画をここで見直すつもりなら、次の第四次にちゃんと反映するように目標と手法を点検して、それを第四次に組み込んで合わせてロードマップも含めて作らないと、何のための計画か。単にこういうマトリックスみたいなものをこしらえて、いいでしょうということにしておくと、最後には筑紫さんのように、10年間やって私はということになる。第四次にもなったらもうちょっと、どれぐらい我々が罪深いかということがわかるように、あるいは役所がどれぐらい罪深いかということが点検できるようにしたいと思います。第三次は、それを点検できるようにしようと試みた。少なくとも浅野さんは必死の形相でやったことは確かなんです。後で聞きたいんですが、浅野さんはどれぐらいできたと思いますか。あまりできなかったでしょう、今回第三次で。かなりできたとは思うんだけれども、その割には、例えば目的達成と政策手法との結びつきですが、この手法はこの目標についてこれだけ効果があったという点検はできていないと思います。今度の第四次は、ぜひそれをやって、計画らしい計画をつくり、先ほど市村さんや末吉さんがおっしゃった、市場がどうやったら動くか、それからそれぞれの主体がどうやったら動くかということが、計画の中に仕込まれ、またその効果をチェックできるような、そういう第四次の環境基本計画を作って欲しいと思います。つまり計画自身が一回ごとに成長していくようなものであってほしいし、そういう、計画自身を点検するような見直しであってほしいと思います。
 それから4番目は、これは今まで割合無視されていた生物多様性で、さっき塚本さんが一生懸命言っておられたけれども、いろいろなことからわかってきたのは、生物多様性というのは、単にチョウチョウ・トンボの世界ではなくて、実は温暖化とか、水循環とかいろいろなことに関わってきていて、そういうことに我が国はCOP10でコミットしたということなのです。これはまさに総合的・長期的な環境基本計画をいわば裏から生物多様性という切り口から見てくることになるわけです。今までは生物多様性ということをまったく別口でやっていましたけれども、むしろ総合的・長期的に環境を捉える一つのテーマだと思うんです。ですから新しい切り口として、ほかのテーマもみんな重要ですけれども、塚本さんお一人がやったわけではないけれども、COP10をやった塚本さんと自然環境局で新しい計画をお考えいただいて、ほかの環境テーマとインテグレートする計画をぜひおつくりいただくと、私は、今までなおざりにしてきたところに新しい生命を吹き込んで生物多様性が出てくるのではないかと思って4番目に書きましたので、これもお考えいただきたいと思います。
 以上です。どうも長々とありがとうございました。

○鈴木部会長 それでは、ただいまいろいろご開陳いただきましたご意見に委員の方々からご質問あるいはご意見をいただきたいと思いますが、ちょっと気になったんですが、森嶌先生が別枠で何かを考えるというのはどういうことをおっしゃっているんですか。

○森嶌委員 あれは、最初の議論のときに地震のほうは別枠で一応考えてといったことをどなたかがおっしゃったものですから、そうではなくて、もうこの際一遍に……。

○鈴木部会長 むしろ、地震を特出しするということだと思うんです。

○森嶌委員 特出しではなくて、地震の問題も計画の中で他の問題と一緒に考えないといけない、これだけは別口だなどという問題ではない、ということを申し上げたわけです。

○鈴木部会長 もちろん、それはおっしゃるとおりです。
 それでは、いろいろご意見をいただきたいと思いますが、その前に、前回からの積み残しがございまして、浅野委員からでしたでしょうか、法人化の流れに関して櫻井委員がおっしゃったご発言で、今の法人改定などと絡んでどのようにお考えかというご質問があったと思いますが、これに対するお答えが前回残っておりましたが。

○櫻井委員 前回私が申し上げたのは、行政と個人あるいはビジネスの間の中間的なNPOとか公益法人とか、そういったものの役割をもっと重視すべきではないかということを申し上げました。その際に浅野先生からご質問があったのは、今の公益法人改革との関係でということだろうと思いますが、例えば、現在一般法人にするのか、公益法人にするのかというので各公益法人がいろいろやっていますけれども、例えば業界団体というのは何となく部分利益を代表しているだけだから、これは公益法人ではないという流れになっているように思います。ただ、業界団体が、例えば業界全体の温暖化対策をどうするかといった旗振りをしているという役割は、個々のビジネスと行政側のすき間を埋める非常に重要な役割を果たしていると思いますので、そういった意味では、公益法人改革の中で一般法人と公益法人に分かれるとしても、両方をひっくるめて、同じようにそういった行政と個人あるいはビジネスをつなぐような役割として期待していいのではないかと思います。

○鈴木部会長 よろしいですか。大塚先生もおっしゃりたいことがありながら……。

○大塚委員 森嶌先生からいろいろお聞きいただいた件ですが、後で間接的に伺っていますので、もう結構でございます。ありがとうございます。

○鈴木部会長 それでは、ただいまいろいろご意見をいただきました委員の方々に対してご質問等があろうかと思います。ちょっと、前回と、それから今回であまり議論されませんでしたのが、やはり今回の放射性物質の管理であるとか、あるいは環境中に実際に流出した放射性物質に関しては、今、いろいろモニタリングはされるにしても、その流出したものの処理をどうするか、そのフェイトはどう考えるかといったことは、本来は環境省の非常に大きな役割だろうと思います。しかしながら、今は残念ながら廃棄物に関しても放射性物質に関するものは除くという形でやられていますが、将来的に原子力に関しても、ある程度現存するものを使い続けていくといったことを前提にすると、一つの非常に大きな問題は原子力安全管理の問題、これが原子力発電推進的なスタイルでしか今までやられてこなかった。その安全管理の問題をしっかりと環境省側が視野に入れていくかどうかといったことになると、これは国全体の体制を変えるということになっていくわけですが、そのようなものも今後いろいろな面で見直しがされていくときに議論の中身に入っていくだろうと思うんですが、そこは大臣も覚悟しているとおっしゃったような気もするのですが、こういう基本計画で取り上げるべきかどうかは別として、少し議論が必要なのかなといったことも気になるところとしてはございました。
 いろいろとご質問はあろうかと思いますので、また名札を立てていただいて……。

○浅野委員 先ほど森嶌先生から名指しでご指摘をいただきましたので……。

○鈴木部会長 浅野先生が森嶌先生から追及を受けた点に関して、まずお答えいただくということですか。

○浅野委員 森嶌先生ご指摘のとおり、第三次計画で初めて数字による指標さらには一部については目標を計画に取り入れるということができたわけです。第一次計画以来、定量的な目標を掲げるべきだという議論があったわけですが、なかなかうまくいかなくて、ようやく第三次計画で定量的目標というところまで行き着いたわけでした。しかし、森嶌先生がおっしゃるとおりで、目標と言いつつも、そんなに明確に多くの項目について目標を掲げることはできませんでした。せいぜいと言っては申し訳ないのですけれども、とにかく出来る限り多くの項目について指標をつくって、環境の状況や変化の動向を数字で表せるように努力しようということを最大限やってみたわけです。その上でさらに政策の目標として掲げることができるものはそうしようということになったのですが、あちらこちらとの折衝の中でいろいろありまして、結局、温暖化対策と循環型社会形成の部分だけが目標という言葉になっているわけです。しかし、数字で示せるものは数字で明らかにして見るという考え方それ自体は間違っていないと思いますし、さらに次の計画ではその点についてさらに精度をあげるための見直しをしなければいけないと思います。
 それから、今までの点検の中で網羅的にどのようにこの10年ぐらいの間にどの程度数字が動いてきているのかということについては、これまで、まとめて数字を示していたとは言いがたい状況であったのですが、今その検討を始めていまして、項目によっては20年ぐらい、あるいは15年ぐらいで、どのように動いているか。そうすると、ある項目はかなりよくなっているし、ある項目は横ばいであるといったことが次第に状況が明らかになってきておりますから、これらは次の第四次計画の策定には生かしていけるのではないかと考えております。
 それからもう一つ考えておかなければいけないことは、今までの計画は5年単位で見直し、見直しという進め方でやってきているんですけれども、5年ぐらいで目標を立ててそれで何かできる領域と、それから生物多様性保全の問題のようにとにかく息長く50年、100年ぐらいの時間単位で考えていかなければいけないものもあるわけです。ですから、環境政策の中には、目標といってもいろいろな意味があるのだということをもう少し検討した上で、何も10年、5年といったスパンだけではなくて、生物多様性国家戦略のように100年後の目標を最初から打ち出しているものもあるわけですから、それをきちんとこちらは受け入れながら、それが、例えばこの10年どう動いていったのか、20年はどう動くのかという目で見なければいけない項目もあるだろうと思っています。
 以前に中環審委員でいらっしゃった小野勇一先生が、北九州市で30世紀の森というものを構想されました。これにはさすがにびっくりしました。軍の弾薬庫跡地の自然を活かして森作りを進め、それを30世紀の森と言っておられるんですけれども、生き物の場合にはそのぐらいの視野が必要であるということもあるわけですから、森嶌先生がおっしゃるように、目標というものをきちんと立てていく。それぞれ、どの項目についてはどういう意味の目標があるのか、目標をつくることの意味は何なのかということが場面によって違うと思いますので、それを今度はきちんと分析していくことも必要であり、先生は第三次計画はやっとの思いで格好をつけたと言われましたけれども、もう少し格好よりも先に行けるようにできればと思っております。

○鈴木部会長 それでは、どうしましょうか。大塚委員のほうから順番にまいりましょうか。

○大塚委員 2点ほどちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
 1点は、鈴木部会長がおっしゃったように、放射性物質に関して、環境基本計画の中でも、あるいは環境省がということかもしれませんけれども、何らかの形で関わっていく方向の議論ができたらなと思います。特に放射性廃棄物については、今、若干の進展がありそうですが、汚染土壌については、何か表面を除去したものをまた穴をあけてシートをかぶせて入れているとかというとんでもない状況かなと思いますので、ぜひ早急な対応が必要ですし、そういうことを環境基本計画の中でも考えていくべきではないかと思います。
 それから、森嶌先生がおっしゃったご意見は一々全部ごもっともだと思うんですけれども、ここはちょっと議論したほうがいいことなのでちょっとだけ申し上げるだけですが、この少子高齢化の話とか国家財政赤字の話というのは、またこれで大震災があってということで、こういうことを環境基本計画の中にどう反映させていくか、反映させていかなければいけないことは、私もそのとおりだと思っているんですけれども、反映させていくかというところがまだ全貌がちょっと見えないところがあって、私自身も考えていかなければいけないと思っているんですけれども、さらにさっき末吉委員が言われたような大競争時代のようなことに国際的にはなっているということもあって、さっき末吉委員はむしろリサイクル法に関して聞かれたんですけれども、坂川さんは何か廃掃法のほうで答えられたので、ちょっとそこにお答えとの関係でずれがあったかと思いますけれども、もう一つは、多分そういう国際的な大競争時代といったことが多分関係してくると思いますけれども、そういうものを踏まえた上で、どのようにそれを計画の中に反映させていくのかなというのがちょっと私自身疑問で、中途半端なことで申し訳ありませんけれども、思っているところでございます。
 以上でございます。

○森嶌委員 今のご質問に。

○鈴木部会長 はい。

○森嶌委員 今までの計画でも、そんなに詳細には触れられてはいませんけれども、例えば、大体これからエネルギーをどれぐらい使うとか、CO2をどれぐらい排出するとか、廃棄物をどれぐらい出すかというのは、少子高齢化とか、経済不況だとか、地震後の経済構造変化などそういうものと関わってくるわけです。環境基本計画でわざわざ経済分析するわけではありませんから、何もそれを書かなくてもいいのですけれども、計画を立てる前提としての社会について、計画の冒頭で押えておくにあたって、今までのロードマップや中間ロードマップなどでは、社会の趨勢に大きな変動が予想されなかったので少子高齢化などは少し入っているけれどもあまり書く必要がなかった。しかし、今度の大震災で社会は大きく変わる可能性がある。それから、これまでのもので将来の経済の見通しをしているとこでは、経済成長は年2%で計算しているのです。あれをつくった人に聞いたら、「最初から2%で計算してくれというので、一般均衡モデルの経済成長率の2%をほうり込んで将来の社会を予想している」と言う。もしある結論にあわせるために2%を使いたいのだったら、この数値はこういう前提から出ていますということをはっきり出さなければいけないですね。2%の経済成長が無理だとすれば、そうでない数値を入れてやるべきだし、そういうことをここで言っているわけです。
 それからもう一つ、原子力との関係で言えば、環境基本法の13条に、「放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染の防止のための措置については原子力基本法その他の法律」が定めるとあるのです。私は、防止のための措置だから、原子炉の安全規制とか核燃料の規制については、まさに原子力基本法その他の関係法律で定めるところによる、環境基本法はは入ってきてはだめだということです。原子炉の安全規制そのものは、鈴木部会長はご不満のようでしたけれども、これは法律の規定上しようがないかなと思います。しかし、原子力施設から環境に出てきたものについては、これは環境の保全は環境基本法の領域ですから、放射性物質が一旦出て、それで大気が汚染されたり、水質が汚濁したら、防止まではそちらかもしれないけれども、出たらこちらだよと言えるのです。これは法律解釈で、大塚さんならできるでしょう。そう言って、こっちは頑張ればいいのですよ。第13条は「防止」ですから、こういう解釈で。

○鈴木部会長 それはまた、それでは……。私は、安全管理そのものが今の仕組みでは問題になっていると。

○森嶌委員 それをやりたいのはよくわかるけれども、それは東大の生産技研の先生に考えてもらう。

○鈴木部会長 もちろん結構です。わかります。よくわかります。

○森嶌委員 法律家としては、環境基本法でそこまでやるのはなかなか大変だと思いますが、放射性物質が一旦環境に出たら、あとはおれの出番だよというのは、我々ここにいる3人の法律家は言えるから、そこは頑張ってもらっていいのではないかと思います。あとは生産技研でやってください。

○鈴木部会長 では順番に、崎田委員、佐和委員。

○崎田委員 ありがとうございます。先ほど放射線の影響のものに関して少し議論が足りないのではないかというお話かあったので、私も手を挙げました。さっき項目だけ申し上げたんですけれども、やはり今、環境省自体は、廃棄物に関しては担当なんですけれども、そこに放射線が含まれると、法律上なかなか今までは難しかった。でも、今回の震災の処理は環境省がきちんと見てくださっていますし、今後小学校の校庭とか公園の土とか、そういう土壌と、あと影響している瓦れきと、あと農産物で影響しているものと、その辺に関して問題になってくると思います。関連省庁のいろいろな思いを集約して、きちんとそこをコーディネートするのが環境省の役割だと思っていますので、率先していろいろな議論のまとめ役に入っていただければいいのではないかなと期待しています。
 なお、いろいろ今緊急対応の後の環境状況のモニタリングというのがこれから10年ぐらい、いやもっとかもしれないんですが、続いていくと思うんですが、そういうモニタリングをぜひ環境省がきちんとやっていただいて、日本はもちろん、世界に発信すると、そういうところを期待しています。よろしくお願いします。

○鈴木部会長 放射性物質に関しては、海域に流れ出したという問題もあって、水・大気局はその辺をどう考えていくのか。大変かもしれませんが、さらには大量のごみが今ハワイに向かって流れています。あれは廃リ部が考えるべきことなのかどうかわかりませんけれども、流れ着いたごみには環境省はいろいろと苦労されているんだろうと思うのですが、流し出したごみはどうなるんですかね。あれは流しっ放しですか。大量のごみが今、衛星で観察されるように流れ出しているようなこともあるようですね。ちょっと余分な話になりました。
 では、佐和委員。

○佐和委員 これまで、日本でも何度か原発の事故があったのですが、要するに、汚染物質の飛散がすべて敷地内に留まっていました。JCOの事故の際、初めて微量ながら敷地外に出た。今回は放射性物質が大量に敷地外に出たのは環境汚染に他なりません。ですから、事の対処に当たっては、まさしく環境省の出番だと思います。
 以上。

○鈴木部会長 では、中村委員。

○中村委員 第三次の基本計画が、非常に努力の結果、数値も入ってできたということが今日は非常によくわかったんですが、第四次をつくるに当たって、例えば私ども株式会社・企業というのは、中長期計画を立てた場合に、大体今は3年ぐらいで立てるんですけれども、まず目標を立てて、それが達成できたか、できないかを見直すわけです。それで、できたこと、それからできなかったこと、そしてその後継続するべきこと、変革するべきこと、これをきちんと洗い出してやるわけですけれども、今私は、この計画がなぜ達成できないかという一つの理由は、目標はできるのだけれども、それを達成させていく仕組みづくりというところが非常に弱い。例えば会社の場合には、これは会社が参考になるかどうかわからないんですが、達成するときに、どこの部門が主管で、そこと連携する事業部はどこで、そことそことの役割はどういうものがあって、そして、例えば役割と責任の範囲と、それから権限委譲がどこまでそこに与えられているかということを明確にして、その目標を達成できるように、そこまで会社の経営企画室がつくるわけです。ということは、環境省が目標はつくりました。基本計画はつくりました。さあこれを公共団体あるいは事業所あるいは国民、いろいろなところにやりなさいと、自分たちで頭で考えなさいといっても、要するに地方公共団体の中にそれほど頭脳があるわけではないですから、それを達成するべく、その仕組みづくりのところでもう相当な時間がかかるわけです。ですから、もし今後第四次をつくるのであれば、その達成できる仕組みをもう少し丁寧に書き込む必要があるのではないかと感じました。
 それから2つ目ですけれども、今、次世代の日本を背負って立つ若者たちがこの環境のことに対してどれほど関心を持っているか。今この第三次計画を私は読ませていただきましたけれども、文章が非常にわかりにくい。誰に向かってこれを書いているのか。総論のようなことが言葉の端々にちりばめられていまして、何を言いたいのかわからないんです。そしてまた、この基本計画は、各自治体とか国民とか事業者に対してどの程度の強制的な力を持ったものなのか、あるいは全くお願い事としてこれを書いているのか、それもわからない。したがって、ぜひ私は、次回もし第四次ができるのであれば、この文章は、小学校・中学校・高校の環境を教える先生たちがこれを参考にして少し授業に取り入れられるようなわかりやすい文章にしていただけると大変ありがたい。そういうことによって今の小・中・高校生に、このたった一つの地球、これから環境が壊れようとしている、それに対して世界に先立って日本がこれだけ大変なすばらしいことをしようとしている、これをわからしめる必要があるのではないかと感じました。
 以上です。

○鈴木部会長 鷲谷委員。

○鷲谷委員 少し前に話題になっておりました人口の年齢構成の非常に急激な大きな変化と、あと放射性物質・放射能の生物多様性影響について、少し意見を述べさせていただきたいと思うんです。
 年齢構成の大きな変化ですが、非常に急激で、しかももちろん人類史始まって以来の人口のあり方というのを迎えるわけですが、それも日本が一番先頭を走っているわけです。2030年には人口の3分の1が65歳以上になりますが、私どもが子どものころは65歳以上というのは人口の数%にすぎなかったんです。その65歳以上、高齢者という範疇に入る方たちのライフスタイルいかんで、環境へのインパクトも、そのインパクトによって生じる環境の状態も、またその状態を見てのレスポンスというのも大きく変わってくるのではないかと思われます。先ほどCO2の排出量についても話題になりましたが、どのように暮らすか、暖房をガンガンした家にずっと閉じこもって生活するのか、もっと違うライフスタイルを選ぶかで排出量も変わってきますし、十分にある意味では余暇時間を持っている人たち、それからある程度お金も持っている人たちが、例えば自然環境の保全や再生の取組などに、里山のテーマでもいいかもしれませんが、積極的に取り組むとすれば、レスポンスのほうで大きなムーブメントが起きる可能性もあるというように、2030年といえばそれほど先ではないんですけれども、そこに向けて徐々に変化していくわけですが、高齢者のライフスタイルというものを環境の問題を解決するような方向に向けるような情報発信というのはとても重要ではないかと思います。それが1点です。
 それから、放射能の影響ですけれども、人間への影響だと発がん率の増加ということが言われますけれども、それよりもっとベースにあるのは突然変異率の上昇ですので、あらゆる生物において突然変異率が上昇する可能性があります。その際、その生物にとって致死的であったり、何か不都合なことが起こることもありますが、逆に世代時間が短くて非常に大きな個体群を持っているものだと、現状の環境ということは、人が変えた今の環境に早く適応していって蔓延する、はびこる生物というのも、もしかしたら局所的かもしれませんけれども、出てくる可能性もあります。そういう基本的な放射線影響の生物学にのっとったモニタリングというのも、ただ個体数がどうのとか、どのぐらい放射能で汚染されているかということではないモニタリングが行われることも望ましいと思いますが、ただそういうことを専門にされている研究者というのはもしかすると非常にまれで、人の健康影響などは研究者がたくさんいらっしゃるけれども、実際にデータによって検討ができなくて、ごく基本的な理論からある程度予測をするということしかできないかもしれないですが、人の健康だけではなくて、生物界への影響を介した人間社会への影響というのも、今はあまり目が向けられていません。食べる物の汚染がどうなるだろうということにしか目が向けられていませんけれども、そういう間接的な影響もあるのではないかと思います。
 以上です。

○鈴木部会長 では、末吉委員。

○末吉委員 ありがとうございます。先ほど市村委員と筑紫委員から環境と投資・金融に関する大変適切なご発言があって、私も中身的には大賛成です。大変心強く思いました。1、2点、私自身の関わることで少しご参考までに申し上げたいと思います。
 まず、いわゆるESG投資、ESG要因に配慮する投資、これは責任投資とも呼んでいいと思うんですけれども、この流れは非常に強まってきていると思います。お金だけの面で考えるのではなくて、環境や社会的責任、ガバナンスを配慮した投資をする。これは、これまではどちらかというと、そういうことをするほうがいいですよねという話だったんですけれども、今、これはしなければいけないんだと、マストなんだと、しかもそのことをできれば企業に義務化させようといった方向への流れが動いていると思います。ですから、例えばその一つの例で申し上げますと、欧州委員会が間もなくESG情報の開示の透明性をはっきり求めるといった動きが出てくると思います。これなどは、企業経営において、ESG情報、財務情報だけではなくて、もっと広い意味での情報を出すということがこれからの流れになるわけです。それから、先ほどESG投資、責任投資は、フィナンシャルパフォーマンスが出ないのではないかといったお話がありましたけれども、いろいろな研究結果から、最近の流れはそうではないんだと。やはりESG経営をしている企業のほうがアウトパフォームする。そういう流れが、結果が出始めているんだという、これが私は一つの世界の流れだと思います。ですから、これまではESG情報はノンフィナンシャルファクターズと呼んでいたんです、非財務情報だと。企業経営のボトムラインである最終利益に影響を与えない別の要素だと。でも、今はESG情報を得て、それに反応して経営をすることこそ、少し時間はかかるかもしれないけれども、ボトムラインをよくしていくのだと、そのようなフィナンシャルファクターだという受け止め方に私は変わってきていると思います。ですから、ESG経営は、やったほうがいいですよという時代から、やらなければいけない。やることがさまざまなルールで社外に報告を求められる。それを見て投資家や消費者や社会や国がその企業の判断をしていく。そういう流れが始まったと思います。ですから、ESG経営は明らかにCEOの経営能力の一部になったということだと思います。私は、これは非常に大きな変化だと思います。
 それから、先ほどGPIFのお話が出ましたけれども、実は昨年行われましたGPIFの運営の見直しに関する委員会に私はお呼びいただいて、ずっと議論に参加してきました。当然ながら責任投資的運用を図るべきという主張をすごくさせていただいたわけですけれども、そこでの議論の大半はこういうことです。ESG配慮をすることは投資理論上間違いなんだという話なわけです。でも、私は日本におけるPRI国連環境保護計画の責任投資原則の推進の責任者をしております。月曜日にもロンドンで会議をしてまいりまして、先ほど戻ったのでありますけれども、既にPRIに署名している世界の金融機関は900社です。しかもこのうちの3分の1の300社がアセットオーナーという年金基金なんです。お金を運用している人自身がここに署名をしているわけです。しかも海外の場合には多くの公的年金基金がもう既にサインをしているわけです。こういったことを考えますと、投資理論上間違いだということで世界の流れの外にいることが果たして日本という国に許されるのかという話であります。改めて言うまでもなく、経済も、その結果としての金融も、日本は世界にとって大国です。金融大国だと思います。その大国がこのような世界の流れに一緒に入っていないということは、むしろ世界に対する無責任な態度ではないのかといった受け止め方すらできると思います。ですから、先ほどご紹介のありましたOECDのレビューでありますけれども、これは当然ながら英語で出ました。ですから、このレポートが出た途端、世界中に回ったんです。そのレポートを読んだ世界の多くの投資家などが、あるいは年金基金が非常に驚いたという話であります。日本とはまだそんなレベルなのかという話であります。
 ですから、私はぜひ、この世界の流れをちゃんと受け止めて、その方向性をしっかり確認した上でこういう流れの中に入っていかないと、日本というのは先々非常に困った状況に追いやられると。ですから、投資の世界で申し上げれば、最大の問題は日本株式に魅力がないということなんです。長期の投資の魅力がないわけです。それは短期的には復興経済がもらたす特需があるかもしれません。でも、構造的・長期的に日本株式に大きな投資機会を見ている投資家はいるのでしょうか。それは、あえて申し上げれば、経済そのものの活性化がなされていないということでありますし、と同時にESG投資を推進していく社会としてのシステムができていないという、この2点からであります。ですから、ぜひ今回の環境基本計画の策定に当たっては、日本の経済そのものをどうやって国際競争の中で強めていくのか。しかも持続可能なグリーン経済にしていくのか。その視点を大きく持ち込まないと、結局はジャパンナッシングに終わってしまうということではないかと、その点を非常に懸念しております。
 ありがとうございました。

○鈴木部会長 善養寺委員。

○善養寺委員 先ほど中村さんも言われましたように、具体性に欠けていることがやりにくいのかと。自治体に能力がないだけではなく、変な話ですけど、国がと書いてある官庁も、これを読んで、自分たちが何をしようとは具体的には考えない。それは、環境省はこれについて大変意識は持ちますけれども、そもそも、ほかの省庁は別の目的のために動いていますから、どうしても1項目ごとに興味を持たないし、これを読んでみようともしないのも当たり前だと思います。この文書の書き方ですけど、先ほど筑紫さんも、ある法律が足かせになって環境の投資につながらないという。別の目的のためによかれと思ってやった法律が、環境には悪く出ていることもあるので、具体的にそれを示す必要があるだろうと思う。環境基本計画では、「国は」「国は」と書いてあるんです。「国は」ではなくて、国土交通省は、環境省は、金融庁はと、中村さんが言われたように、各担当セクションが具体的に何をしなければならないのかを示さないといけないのかなと思います。そうすることによって、自分の名前が書かれている、自分の担当課が書かれていることで、自分の問題として受けとめて、そのところのやりようを考えなければいけないという意識になってくる。具体的にこれをこうしなさいと書かれれば、なおのことそれに対して考えなければいけなくなるのではないかと思いますので、本当に会社の形式と同じように、具体の担当者に向けてメッセージが伝わるような文の構成を考えるべきかと思います。

○鈴木部会長 藤井委員。

○藤井委員 3月30日に開かれました土対法の改正省令案の委員会の中で、3月11日を機に放射線についても、ぜひ環境省がイニシアティブをとって動いてほしいということを申し上げたんですが、そこの委員会の中では、放射性物質については文科省の範囲であるし、環境省が主体的に動いているのは離島の調査だけだということで、座長の中杉さんがこれでよろしいでしょうかとおっしゃいましたが、納得はできませんが、現状はわかりましたと申し上げました。その後、20日からチェルノブイリに行っていたのですが、実は土壌の再生のためにあまりにも菜の花が動いているものですから、そんな簡単なことではないだろうと思いつつ、篠原農水副大臣と農水の土壌の関係者、研究家6人と行ってまいりました。そのときに、全く日本と違うのが汚染マップの精度です。ウクライナのように、日本と比べて全く経済的に低いと思われるところが相当綿密な汚染マップを、今日はそのコピーを持ってまいりましたが、つくっている。では日本はどうかというと、文科省の定点観測も大変少なくて、非常にあらあらしかない。福島県は独自にかなりとっていますが、私は、ここでこそ環境省が正確な汚染マップをつくるという、そこのイニシアティブの中で前面にぜひ出ていただきたいと思うんです。先ほどのガレの問題もそうですが、阪神・淡路大震災と全く違うのは放射性物質がそこに入っているということで、ガレを扱うにも、大体これはどのぐらいの汚染物質かということがないと、それすら扱えない。どこにどう処理するかという、都道府県が分担しますといっても、今までのガレと全く違いますから、そのあたりのところで、まずこの全体の汚染マップづくりにこそ環境省が力を発揮していただきたいと思います。放射性物質の問題は、第四次環境基本計画の中には、外に出たものはと先ほど森嶌委員もおっしゃいましたが、土壌汚染にしても、水質にしても、大気にしても、環境省のマターだと思いますので、そこのところをぜひにと思います。もし必要であれば、後でそのアトラスをご覧に入れたいと思います。

○鈴木部会長 三浦委員。

○三浦委員 ありがとうございます。最初に4月20日にいろいろ質問をさせていただいたことの回答と本日の回答があまり違わなかったので、1カ月弱の中では進展していないなという感想を持ちましたが、皆様のご意見を伺っていて、例えば崎田委員にしても、藤井委員にしても、環境省がイニシアティブをとって、あるいは環境省が軸となってという発言が多い中で、制度設計が、環境省が中心になって動くようになっていないのではないかと感じ、再度発言させていただくことといたしました。例えば、鎌形さんがおっしゃるように調査の全容が見えないのであれば、環境省が独自に予算をとって調査に入りますといった話があってもいいのではないかなということ。それと、必要であれば、制度設計を組み込む。例えば、今、国土交通省も、復興チームはもちろん目の前の困難に対して注力しているわけですけれども、一方では都計法の中で、例えば今までの線引き制度はよかったのだろうかとか、土地利用の問題だとかと、もう一回制度の洗い直しをして、それを組み直そうという動きが出てきています。だから、人の調査結果を待っているだけではなくて、省内の中でもっと独自に動き出してもいいのではないかなというのを強く感じました。
 それと、震災とは関係ないのですが、生物多様性における各自治体の動きですけれども、例えば今回世界遺産に指定されるであろう小笠原のある東京が、自分たちの生物多様性戦略をつくっていないのはなぜですか、自治体の関心が薄いなという印象で、横浜市にしても、神奈川県にしても、首都圏では、埼玉・千葉だけです、自治体に対する国からの働きかけが弱いのか、自治体そのものの意識が低いのか、まず自治体におりてこないと生活者のほうに届かないのではないかなと考えたときに、少し戦略を見直したほうがいいのではないかと感じました。
 以上2点です。ありがとうございました。

○鈴木部会長 いろいろご意見をいただきましたが、ちょっと重要なのは、きちんと6年先のということだけではなくて、2050年の80%削減であるとか、基本的な将来ゴールは決まっているわけでありまして、ゴールと、それからその数年後に達成するターゲットというのは、これは質的にかなり違う。国連のミレニアム開発目標でも、ゴールというのは例えば貧困の撲滅であったり、そのようにある意味では抽象的かもしれませんが、ターゲットは2015年に1ドル以下で暮らす地球上の人口を半分にするとか、そういう具体的な数値目標が立っているわけです。ですから、ここで環境基本計画は6年ですけれども、それを超えた将来的なゴールはどこにあるのか。それをブレークダウンして、6年先、あるいは10年でもいいと思いますが、先の数値目標を考える。そこがないと、単に数値目標としてマテリアル・フロー・アナリシスの上で何%にしますと言われても、その%はどういう意味を持っているのかというのがわからないんです。だから、本当に将来的にゼロエミッションに到達するのだったら、それに向けて社会構造をどのように、産業構造もどう変えていくか、生産プロセスでどのような縛りをかけるかということをきちんと具体的に決めていくといったことが必要なんだろうと思います。そういう将来ビジョンがあって、それに従って組み立てられた目標がなければ、数値指標などといっても、これはわかりにくいことは当然なんです。今までの環境基準があって、環境基準の達成率などを指標としていたという時代はもうある意味では過去のものかもしれない。新たにこれから、特に東日本震災を受けて、新しい国づくりといったことを考えていくときに、まさに将来ビジョンをどう設定するかというのは非常に重要だろうと思います。
 そこで、持続可能な国家像を考えるときに、年齢構成も考え、あるいは世界的なグローバル化も視野に入れて、世界基準にちゃんと到達できるような国を考える上で、先ほど末吉委員からもいろいろございましたが、日本の経済の構造をどのようにしていくのか。これは、非常にお話もよくわかるんですが、では具体的にどこにどう働きかけをして、どのようにしていったらいいのか。それが環境省の力の中でどこまでできるのかという問題もあるかもしれませんが、先ほどいろいろお話が出ていましたように、具体的に例えば金融庁を動かすとか、あるいは国土交通省を動かすといったお話もあったときに、確かにこの基本計画というのは閣議決定されていくことになっていくわけですが、そのときに、国土交通省はこう、あるいは他の省はこうと、ちゃんと手を入れて、それをここへ具体的に挙げていくような基本計画(案)を書いた途端に多分閣議決定はできないとか、そんなことはないんでしょうか。そういうことで、実際にこの基本計画を作っていく上では、弱小団体である環境省が大変な苦労をしてつくっていかれるわけで、そこでついフィルターがかかったようなわかりにくいものになってしまうという面もあるのではないかと、人ごとと言っては変ですが、心配しています。
 それと同時に、できた基本計画が、例えば先ほどの子どもたちにも理解できる、一般の人たち、それぞれのターゲットにちゃんと到達できるようなつくり方をしなければいけないというのは、これも非常に重要なところであったと思いますし、基本計画を今後考えていく上で、もっともっといろいろと多分皆様方からご意見があろうかと思いますが、定量管理をしていく上で達成度あるいは指標といったものをどう考えるかというのは、これは浅野先生のこれまでのご経験をぜひまたひとつ生かしていただくということになるかもしれませんが、そのためにも将来ビジョン、これは、この震災を受けて、今まで我々が持っている環境立国戦略にある姿、それからロードマップにある2050年に向けて進んでいく姿みたいなものをどのようにある意味ではアップグレードしていくかといったことになるのかなと、そんな気がして伺っていました。
 環境省の側から、今まで出てきたご意見にいろいろと、お答えになるところがあろうかと思います。どなたから。鎌形さんから……。

○鎌形地球環境局総務課長 いろいろとご指摘いただきました。原発の事故の影響を受けて、エネルギー政策そのものも大きく見直されるという中で、真正面からやれというお話、あるいは人の仕事を待っているなといったこともいただきました。それから、森嶌先生からも、いろいろ不確実な状況はあるのだろうけれども、いろいろなケース、たしか幾つかのストーリーラインということもあったかと思いますけれども、そういうものを想定しながら検討を始めるべきだというお話がございました。
 それぞれ、ごもっともなことだと思います。ただ、私どもも、環境省という枠組みの中で、エネルギー政策と関係するものをどのように検討していくかということとか、あるいは国会に温暖化の基本法案を提出していて、大臣は与野党でよく議論していただいて、そういった中で大きな枠組みを決めていただきたいということを申していることもございますので、申し訳ございません、先日から奥歯に物が挟まったようなことばかり申し上げているんですけれども、いずれにしても、冒頭にもご説明しましたけれども、きちんとした羅針盤をつくっていかなければならないということ自体は、その必要性は変わらないということでございますので、今日いろいろ叱咤激励をいただいたと思いますけれども、その中で、なかなか外から見ていると歯がゆい思いをされることはあるかと思いますけれども、頑張ってやっていきたいと思います。

○鈴木部会長 塚本さんなどはよろしいですか。

○白石総合環境政策局長 では、私のほうでまとめます。お時間もありますので。原子力の部分について、ちょっと今直接の担当の者がまさにそのために駆け回っておりまして、あそこに粕谷と書いてありますが、実は粕谷……。では、あなたが言いますか。では、すみません、お願いします。

○瀧口水・大気環境局調査官 水・大気環境局総務課長の粕谷が急遽来られなくなりまして、調査官の瀧口です。何人かの先生から、放射性物質に関しまして、環境中に出たものは環境問題だから、環境省が主導権を持って対応すべきだというご指摘をいただいております。委員のご発言の中にもありましたように、これまで環境省は離島等で放射性物質のバックグラウンド濃度をはかってきておりましたけれども、今回の震災を経まして現在、公共用水域あるいは地下水質、それから瓦れき等の放射性物質も、この5月から関係省庁と連携して測定するようにしております。委員のご指摘は、もっとそれを超えて環境省が主導権を発揮すべきだというご意見かと受け止めておりますが、今現在まだ福島第一原発の冷却システムが安定化していないものですから、今現在の体制で最大限の対応を政府としてするということにならざるを得ませんけれども、第一原発のほうがある程度収束化して、原子力行政、それから放射性物質の管理等に関して見直しが行われる場合には、環境省の役割・位置づけというものも再度評価・検討されることになると思います。
 以上です。

○白石総合環境政策局長 すみません、もうちょっとわかりやすく申し上げますと、今のままではいけないという指摘を、実は4月20日に総会がありまして、そこには大臣以下政務三役の出席のもと、皆様と同じようなご議論がございました。それをまとめた形で、実は鈴木会長から所感という形で大臣のほうにご指摘をちょうだいしたのが27日でございます。その中でも、離島10カ所のモニタリングの現状というのは全く国民の期待に応えていないと、厳しくご指摘をいただきまして、まさに防止を超えた部分、それこそ想定外の事態が起きているわけでございますから、そこに環境省が乗り出していくということはもう当然のこととして、千数百人、2,000億の役所で何ができるんだというのはあるかもしれませんけれども、ともかく、誰もやらないならば、環境省が出張ってでもまずはかるところから始めなければならないということで、実は水・大気局の者以外にも、私のところの部下も今まさに福島に行って瓦れきの山の線量をはかるというチームの中で働いております。それだけで足りるかどうかということやいろいろなご指摘はごもっともでございますけれども、ともかくやれるところから環境省も、逆に言えば、先ほど森嶌委員のほうからもご指摘がありましたけれども、環境省の設置法の中には、はかることというのは書いてありますので、離島の10カ所で遠慮することなくやっていくという形で今動き始めているということを、彼は担当ではないものですから、ちょっと遠慮がちにご説明をいたしました。
 以上でございます。

○森嶌委員 職員の安全は大丈夫なんでしょうね、被ばくの。

○白石総合環境政策局長 大丈夫です。

○鈴木部会長 大体、予定の時間は少しオーバーしておりますが、何かご発言は、この機会ですので、ございますでしょうか。よろしいですか。
 あとは、エネルギー問題に関して、どこまでここできちんと、例えば大電力会社が9つですか、沖縄を入れて10ですね。それが地域を独占的に押さえているというこの姿そのものが正しいのかどうか。これはもう前からいろいろな議論があったわけですが、さらに、こんな小さな国で50サイクル、60サイクルと2つ両立しているなどというのは信じられないわけです。もう60サイクルで1本化してしまえばいいと、そういうことだってあるかもしれませんし、将来的には直流送電を考えることもあり得るかもしれない。直流にしたほうが分散化、スマートコミュニティーをつくっていく上ではいいかもしれない。いろいろな問題がようやく今回のことを契機にして議論の場に出てきたということもあると思います。そういうところに環境省はどのように関わっていくのかといったことは、鎌形さんはお考えになっているのではないかと思いますので、またいずれ伺えればと思いますし、森嶌先生のほうから出ましたレッドプラスという、途上国における森林のある意味では劣化を防ぐために我々がどうするかという話もありますが、我が国自体の森林そのものをどのように総合的に管理していくのか。これはバイオマスのエネルギーなどということになると、まさにそれが重要になりますし、東日本地域の復興ということになったときに、一体今あそこの豊かな森林をどのように利用し、管理していくのか。自然共生社会といった夢のような言葉だけでいいのかどうか。そういう話になっていくと、これは自然局もまさに生態系の経済的効果といったこともきちんと考えた上で、自然局だけではなくて、林野庁、地球局、それからバイオマスということになれば廃棄物利用もありますので、循環・リサイクル部も入ってくるでしょうし、オール環境省で総合的に、また長期的に考えていかなければいけないことになっていくわけです。まさにそういう意味での一つのいいスタートを切れればという感じがございます。もちろん被災地の方々は大変な思いをしておられるわけで、ここでいい環境基本計画をつくっていくということが、むしろ被災地に対して応える、ある意味では私たちの責任ではないかと思いますので、ぜひ今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 今後の計画を、それでは矢田さんのほうから。

○矢田環境計画課計画官 次回のご予定でございますけれども、一応これまで3回のご審議の中でいただいたご意見等を踏まえまして、少し論点みたいなものを整理してお示しできればと考えております。一応次回としましては、6月15日水曜日2時から5時までということで、場所は同じこの三田共用会議所で予定しております。
 以上でございます。

○鈴木部会長 それでは、以上をもちまして本日の総合政策部会を終了させていただきます。本日は誠にありがとうございました。

午後5時11分 閉会

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